(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-24
(45)【発行日】2025-10-02
(54)【発明の名称】車輪、および、水中洗浄装置
(51)【国際特許分類】
B60B 19/00 20060101AFI20250925BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20250925BHJP
B63B 59/10 20060101ALI20250925BHJP
A01K 61/60 20170101ALI20250925BHJP
【FI】
B60B19/00 Z
B08B3/02 F
B63B59/10 A
A01K61/60 324
(21)【出願番号】P 2022022699
(22)【出願日】2022-02-17
【審査請求日】2024-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】涌田 健作
(72)【発明者】
【氏名】三浦 良治
(72)【発明者】
【氏名】平田 大輔
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210566983(CN,U)
【文献】特許第5340626(JP,B2)
【文献】実開昭52-042814(JP,U)
【文献】実開昭52-128528(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第02279880(EP,A2)
【文献】実開平04-074954(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0064592(KR,A)
【文献】特開2000-295938(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105625761(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106836876(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 19/00
B08B 1/32
B08B 3/02
B63B 59/10
A01K 61/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中を走行する走行体に用いられる車輪であって、
軸方向に延びる円筒状の筒状体と、
前記筒状体の軸方向の両端に配置される一対の蓋体と、
前記筒状体の外周面に配置される弾性体と、
前記一対の蓋体の間に配置される
複数のピン部材と、
を備え、
各々の前記ピン部材は、前記一対の蓋体の各内面と前記軸方向に接する部分を有する、車輪。
【請求項2】
前記筒状体は、密閉されている、請求項1に記載の車輪。
【請求項3】
水中を走行する走行体に用いられる車輪であって、
軸方向に延びる円筒状の筒状体と、
前記筒状体の軸方向の両端に配置される一対の蓋体と、
前記筒状体の外周面に配置される弾性体と、
前記一対の蓋体の間に配置されるピン部材と、
を備え、
前記ピン部材は、前記一対の蓋体の各内面と前記軸方向に接する部分を有し、
前記ピン部材は、
前記軸方向に延びるピン本体部と、
前記ピン本体部の軸方向の両端部に設けられる小径部と、
を有し、
前記ピン本体部が、前記一対の蓋体の各内面と接する
、車輪。
【請求項4】
前記弾性体は、帯状の弾性体を環状とした構成であり、
前記筒状体は、前記弾性体を固定する固定部を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の車輪。
【請求項5】
前記弾性体の外周面には、凹凸が設けられ、
前記弾性体は、軸方向一方側と他方側で、互いに構成が異なる第1凹凸領域と第2凹凸領域とを有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の車輪。
【請求項6】
第1凹凸領域が有する第1凸部と、第2凹凸領域が有する第2凸部とは、高さが互いに異なる、請求項5に記載の車輪。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の車輪を有する前記走行体と、
前記走行体の下方に配置され、洗浄対象を洗浄する洗浄ユニットと、
前記走行体の上方に配置され、回転により前記走行体を前記洗浄対象に押し付ける推力を発生するプロペラと、
を備える、水中洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪、および、水中洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、養殖魚網や船体等の洗浄対象物を、高圧水の噴射により洗浄する技術が知られる(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、水中に存在する清掃対象物表面に沿って移動するロボット本体と、該ロボット本体内に設けられ、清掃対象物表面に向かって高圧水を噴射して清掃対象物を清掃する清掃ノズルユニットとを備えた水中清掃ロボットが開示される。ロボット本体は、4個の車輪を備える。ロボット本体は、車輪の駆動により、清掃対象物表面に沿って移動を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水中を走行する走行体に利用される車輪は、水深が深くなると水圧で潰れやすくなる。このために、水中を走行する走行体に利用される車輪には、耐水圧性が求められる。また、水中を走行する走行体を備える水中清掃ロボット等の装置は、水中での利用後に浮いた状態となると、簡単に回収できるために便利である。従来の車輪は重たく、浮きとして利用できないために、サイズの大きなフロート体が必要とされた。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、水中を走行する走行体が備える車輪に適した技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な車輪は、水中を走行する走行体に用いられる車輪であって、軸方向に延びる円筒状の筒状体と、前記筒状体の軸方向の両端に配置される一対の蓋体と、前記筒状体の外周面に配置される弾性体と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
例示的な本発明によれば、水中を走行する走行体の利用に適した車輪を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】水中洗浄装置を
図1と異なる方向から見た概略斜視図
【
図4】水中洗浄装置の一部の構成を抽出して示す概略斜視図
【
図11A】
図10に白抜き矢印で示すα方向から見た弾性体の一部の構成を示す概略側面図
【
図11B】
図10に白抜き矢印で示すβ方向から見た弾性体の一部の構成を示す概略側面図
【
図12】展開された弾性体の長手方向の一端面の構成を示す図
【
図13】弾性体の車輪本体への取り付け状態について説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態においては、本発明の車輪は、水中洗浄装置100が備える走行体1に適用される。ただし、本発明の車輪は、水中洗浄装置100が備える走行体1に限らず、水中を走行する他の走行体にも広く適用可能である。
【0010】
水中洗浄装置100を説明する図面において、3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。以下の説明において、このXYZ座標系における、X方向を前後方向、Y方向を左右方向、Z方向を上下方向とする。なお、+X側が前側、-X側が後側とする。+Y側を右側、-Y側を左側とする。+Z側を上側、-Z側を下側とする。
【0011】
また、走行体1が備える車輪12の説明にあたって、車輪12の回転中心となる軸線J(
図6および
図7参照)が延びる方向を軸方向と称する。本明細書においては、軸方向は、上述の左右方向と平行な方向である。また、軸線Jに直交する方向を径方向、軸線Jを中心とする円弧に沿う方向を周方向と称する。
【0012】
以上における方向は、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係及び方向を限定する意図はない。
【0013】
<1.水中洗浄装置の概要>
図1は、本発明の実施形態に係る水中洗浄装置100の概略斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係る水中洗浄装置100を
図1と異なる方向から見た概略斜視図である。
図1は、水中洗浄装置100を斜め上方から見た図である。
図2は、水中洗浄装置100を斜め下方から見た図である。
図3は、本発明の実施形態に係る水中洗浄装置100の概略側面図である。
図3は、水中洗浄装置100を右方から見た図である。
【0014】
水中洗浄装置100は、水中にて洗浄対象の洗浄を行う。本実施形態では、洗浄対象は養殖魚網である。水中洗浄装置100は、水中に配置される養殖魚網に沿って走行しながら、養殖魚網を洗浄する。ただし、水中洗浄装置100の洗浄対象は、例えば、橋脚、船体、又は、プール等の養殖魚網以外のものであってもよい。
図1から
図3に示すように、水中洗浄装置100は、走行体1と、洗浄ユニット2と、プロペラ3と、を備える。本実施形態の水中洗浄装置100は、環状体4をさらに備える。
【0015】
走行体1は、走行体本体部11と車輪12とを有する。本実施形態において、車輪12の数は4つである。4つの車輪12は、詳細には、左前輪12a、右前輪12b、左後輪12c、および、右後輪12dで構成される。各車輪12は、走行体本体部11内に配置される別々のモータ(不図示)からの回転動力を伝達可能に、走行体本体部11の側部に配置される。換言すると、走行体本体部11内には、左前輪12a用のモータと、右前輪12b用のモータと、左後輪12c用のモータと、右後輪12d用のモータとが収容されている。各車輪12は、各モータの駆動によって別々に回転する。
【0016】
なお、各モータは、詳細には水封式水中モータである。各モータは、不図示のケーブルに含まれる制御コードを介して、陸上または船上に配置される制御ボックス(不図示)に電気的に接続される。水中洗浄装置100が水中に沈んだ状態において、制御ボックスから各モータに向けて制御コードが延び、各モータに適宜給電が行われる。
【0017】
各モータの回転数を同じとして同方向に回転させることにより、走行体1は前後方向に直進する。すなわち、走行体1は前後方向に走行する。走行体1が前進走行するか、後進走行するかは、モータの回転方向によって決まる。また、例えば、走行体1が前進走行している状態で、右側の車輪12b、12d用のモータの回転数を、左側の車輪12a、12c用のモータの回転数よりも大きくすると、走行体1は左に向けて曲がる。逆に、左側の車輪12a、12c用のモータの回転数を、右側の車輪12b、12d用のモータの回転数よりも大きくすると、走行体1は右に向けて曲がる。
【0018】
なお、走行体1が後進走行している状態においても、同様に進行方向を変えることができる。また、左側の車輪12a、12c用のモータと、右側の車輪12b、12d用のモータとを、互いに逆方向に回転させると、走行体1を転回させることもできる。左右の車輪12を互いに逆回転させることによって、その場で旋回させることができる。また、走行体本体部11内に収容されるモータの数は、4つに限らず、例えば2つであってもよい。例えば、左前輪12a用のモータと右前輪12b用のモータとの2つのモータを備える構成としてもよい。この構成の場合、左前輪12aと左後輪12cとをベルト機構またはチェーン機構で連結し、右前輪12bと右後輪12dとを同様にベルト機構またはチェーン機構で連結する構成としてよい。
【0019】
洗浄ユニット2は、走行体1の下方に配置され、洗浄対象を洗浄する。詳細には、洗浄ユニット2は、不図示の高圧水ホースから供給される高圧水を洗浄対象である養殖魚網に向かって噴射し、当該噴射により生じる噴流によって養殖魚網の洗浄を行う。なお、高圧水ホースは、陸上または船上に配置される不図示の高圧ポンプから圧送される高圧水を、洗浄ユニット2に供給するためのホースである。
【0020】
図4は、本発明の実施形態に係る水中洗浄装置100の一部の構成を抽出して示す概略斜視図である。
図4において抽出された要素には、走行体本体部11、洗浄ユニット2、および、プロペラ3が含まれる。
図5は、
図4のV-V位置における概略断面図である。
図1~3に加えて
図4および
図5を参照して、洗浄ユニット2について説明する。
【0021】
洗浄ユニット2は、円盤状の回転体21を有する。回転体21は、上下に延びる回転軸5の下端部に取り付けられ、回転軸5と共に回転する。なお、回転軸5は、走行体本体部11の上面中央部に立設される支持筒13に挿通され、走行体本体部11に回転可能に支持される。詳細には、回転軸5は、走行体本体部11内に配置されるロータリジョイント14によって回転可能に支持されている。ロータリジョイント14は、高圧水ホースから供給される高圧水を、回転軸5に形成される回転軸内高圧水流路51に搬送する。なお、ロータリジョイント14への高圧水の供給は、上述の高圧水ホースと、高圧水ホースに接続される高圧水ホース接続部15と、高圧水ホース接続部15とロータリジョイント14とを接続する配管部16とを利用して行われる。
【0022】
回転体21の内部には、回転軸内高圧水流路51と連通する回転体内高圧水流路211が形成されている。回転体21の外周側の内部には、回転体内高圧水流路211と繋がる洗浄ノズル22(
図2や
図5参照)が配置される。すなわち、ロータリジョイント14に供給された高圧水は、回転軸内高圧水流路51と回転体内高圧水流路211とを介して洗浄ノズル22に送られる。
【0023】
本実施形態では、洗浄ノズル22の数は2つである。ただし、洗浄ノズル22の数は適宜変更されてよい。この変更を行う場合には、回転体21内に形成される回転体内高圧水流路211の構成も適宜変更する必要がある。
図2に示すように、回転体21の下面の外周部には、洗浄ノズル22を露出する回転体開口212が形成される。洗浄ノズル22は、回転体開口212を介して、回転体21の下方に高圧水を噴射する。詳細には、洗浄ノズル22は、所定角度だけ下方に傾斜して配置されており、洗浄時において洗浄ノズル22の高圧水の噴射方向は、養殖魚網の表面に向く。
【0024】
洗浄ノズル22から高圧水が噴射された場合、この高圧水の噴射に伴って発生する噴射反力により、回転体21が回転軸5と共に回転する。すなわち、洗浄ユニット2は、上下方向に延びる回転軸5を中心として回転可能に走行体1に支持され、洗浄対象に対する高圧水の噴射の反力により回転する。洗浄ユニット2は、回転軸5を中心として回転しながら養殖魚網の表面に高圧水を噴射することによって、養殖魚網に付着している海草藻や貝類等を広範囲に亘って除去することができる。
【0025】
プロペラ3は、走行体1の上方に配置される。プロペラ3は、回転軸5に取り付けられる。詳細には、プロペラ3は、回転軸5の上端部に取り付けられ、走行体1の上方に配置される(
図5等参照)。プロペラ3は、回転軸5と共に回転する。洗浄ノズル22から高圧水が噴射され、その噴射の反力によって回転体21と共に回転軸5が回転すると、プロペラ3も回転する。プロペラ3は、回転により走行体1を洗浄対象に押し付ける推力を発生する。
【0026】
すなわち、水中洗浄装置100においては、洗浄ユニット2とプロペラ3とが回転軸5を介して一体となって回転する。洗浄ノズル22から高圧水が噴射された際の噴射の反力によって、洗浄ユニット2と共にプロペラ3が回転し、プロペラ3の回転によって、走行体1を洗浄対象に押し付ける推力が得られる。
【0027】
環状体4は、プロペラ3を囲む。環状体4は、上下方向からの平面視において、中央部に大径の開口41を有する環状である。プロペラ3は、環状体4が有する開口41内に配置される。本実施形態では、開口41は、上下方向からの平面視において円形状である。プロペラ3が取り付けられる回転軸5は、開口41の中心部に位置する。
【0028】
環状体4は、詳細には、走行体本体部11との上下方向間に配置される連結体6によって走行体1と連結される。連結体6は、上下方向に延びる支柱である。本実施形態では、連結体6の数は2つであり、2つの連結体6は、走行体本体部11の前後方向の中央部に配置される。2つの連結体6のうちの一方は、走行体本体部11の左端部に配置され、他方は走行体本体部11の右端部に配置される。連結体6の数は適宜変更されてよい。
【0029】
水中洗浄装置100において、環状体4はフロートとしての機能を有する。すなわち、環状体4はフロート体と言い換えることができる。フロートとして機能する環状体4が設けられることにより、水中洗浄装置100は、水の中に入れられた際に浮く。本実施形態では、水中洗浄装置100は、水の中に入れられた際に、環状体4を上、走行体1を下とする姿勢となり、環状体4の上面が水面と同等の高さ位置になって浮く。水中洗浄装置100が浮いた状態において、プロペラ3は水中に存在する。
【0030】
なお、本実施形態においては、環状体4の前端部と後端部とのそれぞれに、カメラ10を保持するカメラステー101が取り付けられる。カメラ10は、防水機能を有する水中カメラである。カメラ10は、養殖魚網の洗浄状況等の確認を可能とする。カメラ10の撮影情報は、不図示のケーブルに含まれる電気信号線を介して制御ボックスに送信される。これにより、水中の状況を撮影した撮像画像を、陸上または船上に配置されたモニタ装置(不図示) の画面に映して、リアルタイムで確認することができる。なお、カメラ10の数や配置は適宜変更されてよく、場合によっては、カメラ10は設けられなくてもよい。
【0031】
本実施形態においては、好ましい形態として、水中洗浄装置100は、環状体4に固定され、プロペラ3の上方に配置される上部柵7を備える。上部柵7は、環状体4に取り付けられる2つのカメラステー101に取り付けられ、環状体4の開口41上において前後に延びる。上部柵7の形状は、梯子状である。すなわち、上部柵7は、プロペラ3の回転により生じる水流の抵抗となり難い形状とされている。上部柵7が設けられることによって、例えば人体等がプロペラ3に当たることを防止することができる。すなわち、上部柵7が設けられることにより、水中洗浄装置100の安全性を向上することができる。
【0032】
走行体1と環状体4とは上下方向に離れており、走行体1と環状体4との上下方向間には、水の導入路として機能する導入空間200が形成されている。プロペラ3が回転すると、導入空間200からプロペラ3に向けて水が導入され、開口41から水が吹き出す水流が発生する。すなわち、走行体1と環状体4との上下方向間には、回転するプロペラ3が水を導入する導入空間200が設けられる。プロペラ3の回転により生じる水流によって、水中洗浄装置100に推力が発生し、各車輪12が養殖魚網に所定の圧力で当接した状態が維持される。
【0033】
なお、走行体1と環状体4との上下方向間は、導入空間200を適切に確保できることを条件として、なるべく狭くすることが好ましい。これにより、水中洗浄装置100の上下方向の高さを低くすることができる。高さを低くすることにより、例えば潮流の影響によって水中洗浄装置100が転倒する可能性を低減することができる。水中洗浄装置100の下端から環状体4の上端までの長さ(高さ)H1は、車輪12の直径の2倍よりも小さいことが好ましい。高さを低くするために、環状体4の上下方向の高さH2(厚み)は、車輪12の直径より薄いことが好ましい。環状体4の上下方向の高さH2は、車輪12の半径と同等か、それより小さくてもよい。
【0034】
本実施形態では、好ましい形態として、導入空間200には、環状柵8が配置される。環状柵8は、ごみの吸い込み防止柵として機能する。すなわち、環状柵8が設けられることにより、水中のごみが導入空間200を通ってプロペラ3に至ることを抑制することができる。詳細には、環状柵8は、回転軸5を囲むように配置される。環状柵8は、上下方向からの平面視において八角形状である。なお、環状柵の形状は適宜変更されてよい。環状柵8を構成する支柱に、2つの連結体6と、ライト9を支持するライトステー91が含まれる。
【0035】
なお、本実施形態では、ライトステー91は、環状体4の前端部および後端部の下面に取り付けられ、環状体4に固定されている。すなわち、ライトステー91の数は2つであり、水中洗浄装置100が備えるライト9の数は2つである。前方のライト9は、水中洗浄装置100の前方を照らす。後方のライト9は、水中洗浄装置100の後方を照らす。ライト9には、不図示のケーブルに含まれる給電線から電力が供給される。
【0036】
水中洗浄装置100を用いて養殖魚網の洗浄を行う場合には、陸上または船上からクレーンを利用して、水中洗浄装置100が養殖魚網で囲まれた養殖用スペース内(水の中)に入れられる。なお、クレーンの利用時には、2つの連結体6に取り付けられる昇降用取手61が利用される。水の中に入れられた時点で、水中洗浄装置100は浮く。この後、高圧水ホースを介して洗浄ユニット2に高圧水が供給されることにより、洗浄ユニット2と共にプロペラ3が回転する。プロペラ3の回転による推力によって、水中洗浄装置100は養殖魚網に押し付けられる。この状態で、モータを駆動して車輪12を回転させると、水中洗浄装置100は養殖魚網の表面に沿って走行する。当該走行中に洗浄ユニット2が回転しながら洗浄ノズル22から高圧水を噴射するために、養殖魚網を広範囲に洗浄することができる。水中における水中洗浄装置100の走行操作は、制御ボックスと有線又は無線により通信可能なリモコンを用いて、陸上または船上に居る者が行う。
【0037】
<2.車輪の詳細>
水中を走行する走行体1に用いられる車輪12について、さらに詳細に説明する。なお、上述のように走行体1は、詳細には4つの車輪12a~12dを有するが、これら4つの車輪12a~12dの構造は同じである。すなわち、以下に説明する車輪12の構造は、4つの車輪12a~12dに共通する構造である。また、車輪12は、軸線J回りに回転する。
【0038】
図6は、本発明の実施形態に係る車輪12の構成を示す概略斜視図である。
図7は、本発明の実施形態に係る車輪12を
図6と異なる方向から見た概略斜視図である。
図6は、車輪12を軸方向一方側から見た斜視図である。
図7は、車輪12を軸方向他方側から見た斜視図である。なお、本実施形態では、軸方向一方側は走行体本体部11が存在しない側であり、軸方向他方側は走行体本体部11が存在する側である。
【0039】
図6および
図7に示すように、車輪12は、車輪本体121を備える。また、車輪12は、弾性体122を備える。弾性体122は、車輪本体121の外周に配置される。
図8は、本発明の実施形態に係る車輪12が備える車輪本体121の概略分解斜視図である。
図8に示すように、車輪本体121は、筒状体1211と、蓋体1212と、ピン部材1213と、を備える。すなわち、車輪12は、筒状体1211と、蓋体1212と、ピン部材1213と、を備える。なお、弾性体122は、筒状体1211の外周面に配置される。本実施形態においては、弾性体122は、蓋体1212の外周面にも配置される。
【0040】
筒状体1211は、軸方向に延びる円筒状である。詳細には、筒状体1211は、軸線Jを中心として軸方向に延びる円筒状である。筒状体1211は、例えばステンレス等の金属によって構成される。本実施形態においては、筒状体1211は、弾性体122を車輪本体121に固定する弾性体固定具124(
図6等参照)を螺子止めするための螺子止め部1211a(
図8等参照)を、有する。
【0041】
螺子止め部1211aは、筒状体1211の外周面から径方向外方に突出する突出部である。螺子止め部1211aは、詳細には、軸方向に延びる直方体状である。螺子止め部1211aは、径方向外方の端面に複数の螺子穴1211b(後述の
図13も参照)を有する。複数の螺子穴1211bは、軸方向に間隔をあけて並ぶ。なお、本実施形態では、螺子穴1211bの数は5つである。
【0042】
蓋体1212は、筒状体1211の軸方向の一方端に配置される第1蓋体1212aと、他方端に配置される第2蓋体1212bとを含む。すなわち、車輪12は、筒状体1211の軸方向の両端に配置される一対の蓋体1212a、1212bを備える。一対の蓋体1212a、1212bは、いずれも、円盤状である。一対の蓋体1212a、1212bは、それぞれ、円の中心が軸線Jと一致する状態で、筒状体1211に取り付けられる。
【0043】
一対の蓋体1212a、1212bは、筒状体1211と同様に、ステンレス等の金属により構成される。一対の蓋体1212a、1212bと、筒状体1211とは、同じ材質であることが好ましい。一対の蓋体1212a、1212bは、互いに同じサイズである。一対の蓋体1212a、1212bの直径は、筒状体1211の直径(外径)よりも若干大きい。このために、
図9に示すように、一対の蓋体1212a、1212bの外縁は、筒状体1211の外周面に対して径方向に突出する。なお、
図9は、本発明の実施形態に係る車輪12が備える車輪本体121の概略断面図である。
【0044】
車輪本体121が筒状体1211および一対の蓋体1212a、1212bを用いて構成されることにより、車輪12の内部に空洞を形成することができる。そして、筒状体1211および一対の蓋体1212a、1212bを金属製とすることで、車輪12の強度を増して耐水圧性を向上することができる。すなわち、本実施形態の車輪12によれば、車輪を軽量化しつつ、耐水圧性の向上を図ることができる。また、車輪12の軽量化により、車輪12をフロートとして利用することができる。このために、上述の水中洗浄装置100が備える環状体4(フロート体)のサイズを小さくすることができる。環状体4のサイズを小さくするに際して、環状体4の厚みを薄くすることによって、水中洗浄装置100の重心位置を下げて転倒を生じ難くすることができる。
【0045】
ピン部材1213は、一対の蓋体1212a、1212bの間に配置される。なお、一対の蓋体1212a、1212bの間は、詳細には、一対の蓋体1212a、1212bの軸方向間である。ピン部材1213は、筒状体1211内に配置される。ピン部材1213は、筒状体1211内にて一対の蓋体1212a、1212bと軸方向に接触する。すなわち、ピン部材1213は、一対の蓋体1212a、1212bを支持する機能を有する。ピン部材1213は、例えばステンレス等の金属で構成される柱状である。本実施形態において、ピン部材1213は円柱状である。
【0046】
一対の蓋体1212a、1212bが、筒状体1211内に配置されるピン部材1213によって支持されることにより、車輪本体121の耐水圧性をさらに向上することができる。例えば、水中洗浄装置100が水深30m等の深い場所に位置する場合においても、車輪12が水圧によって潰されることなく、走行体1による走行を適切に行うことができる。
【0047】
本実施形態では、ピン部材1213の数は複数であり、詳細には4つである。4つのピン部材1213の形状およびサイズは同じである。複数のピン部材1213は、軸線Jを中心として周方向に等間隔に配置される。なお、ピン部材1213の数および配置は適宜変更されてよい。
【0048】
図8および
図9に示すように、ピン部材1213は、詳細には、ピン本体部1213aと、第1小径部1213bと、第2小径部1213cと、を有する。ピン本体部1213aは、ピン部材1213の大部分を構成する円柱状の部分である。第1小径部1213bは、ピン本体部1213aの軸方向一方側に配置され、ピン本体部1213aよりも直径が小さい円柱状の部分である。第2小径部1213cは、ピン本体部1213aの軸方向他方側に配置され、ピン本体部1213aよりも直径が小さい円柱状の部分である。第1小径部1213bおよび第2小径部1213cが設けられるために、ピン本体部1213aは、軸方向の両端に円環状の端面を有する。第1小径部1213bは、第2小径部1213cよりも軸方向の長さが短い。第2小径部1213cの中央部には、軸方向に延びる螺子穴1213dが設けられる。
【0049】
車輪本体121は、例えば、次のようにして組み立てられる。
【0050】
まず、第1蓋体1212aが、筒状体1211の軸方向一方側の端面と接した状態とされる。そして、筒状体1211と第1蓋体1212aとが、溶接等により固着される。
【0051】
次に、4つのピン部材1213のそれぞれについて、第1小径部1213bが、第1蓋体1212aに設けられる軸方向に貫通する第1小径部用孔HO1に入れられる。この際、ピン本体部1213aの軸方向一方側の上述した円環状の端面と、第1蓋体1212aの内面(軸方向他方側の端面)とが接する。なお、第1蓋体1212aが有する第1小径部用孔HO1の数は4つであり、各第1小径部用孔HO1に1つの第1小径部1213bが入れられる。第1小径部1213bの軸方向の長さは、第1小径部用孔HO1の軸方向の長さと同等である。すなわち、第1小径部1213bは、第1蓋体1212aの軸方向一方側に若干突出するか、突出しない構成となっている。各ピン部材1213は、第1小径部1213bが第1小径部用孔HO1に入れられた状態で、溶接等により第1蓋体1212aに固着される。
【0052】
次に、第2蓋体1212bが、筒状体1211の軸方向他方側の端面と接した状態とされる。この際、4つのピン部材1213のそれぞれについて、第2小径部1213cが第2蓋体1212bに設けられる軸方向に貫通する第2小径部用孔HO2に入れられる。ピン本体部1213aの軸方向他方側の上述した円環状の端面と、第2蓋体1212bの内面(軸方向一方側の端面)とが接する。なお、第2蓋体1212bが有する第2小径部用孔HO2の数は4つであり、各第2小径部用孔HO2に1つの第2小径部1213cが入れられる。第2小径部1213cの軸方向の長さは、第2小径部用孔HO2の軸方向の長さよりも長い。すなわち、第2小径部1213cは、第2蓋体1212bの軸方向他方側に向けて突き出す。第2小径部1213cの突き出した部分は、走行体1の車軸111(
図1、2参照)に対する車輪12の固定に利用される。筒状体1211と第2蓋体1212bとは、溶接等により固着される。また、各ピン部材1213は、第2小径部1213cが第2小径部用孔HO2に入れられた状態で、溶接等により第2蓋体1212bに固着される。これにより、車輪本体121が完成する。
【0053】
以上からわかるように、筒状体1211は、密閉されている。このために、車輪12は、水の中に入れられた場合でも内部に気体が閉じ込められた空間を有し、フロートとしての機能を発揮することができる。なお、本実施形態においては、
図8に示すように、第2蓋体1212bは、組み立て時において、軸方向に貫通する密閉性確認用孔HO3を有する。上記した組み立ての完成後に、例えば、この密閉性確認用孔HO3から気体が注入されて、密閉状態が確保されているか否かが確認される。密閉状態の確保が確認されると、密閉性確認用孔HO3は塞いだ状態とされる。すなわち、車輪12は、詳細には、車輪本体121の密閉性を確認する密閉性確認用孔HO3の痕跡、或いは、密閉性確認用孔HO3を塞ぐ栓126(
図7参照)を有する。
【0054】
本実施形態においては、弾性体122は、帯状であって環状ではない。すなわち、車輪12において、弾性体122は、帯状の弾性体を環状とした構成である。
図10は、車輪12が備える弾性体122の概略展開図である。
図10は、弾性体122が車輪本体121に取り付けられていない場合の状態を示す。なお、
図10においては、弾性体122の、長手方向(
図10において左右方向)の中間部分の記載が省略されている。省略された部分の構成は、長手方向において省略された部分の近傍に記載された部分と同様の構成である。
図11Aは、
図10に白抜き矢印で示すα方向から見た弾性体122の一部の構成を示す概略側面図である。
図11Bは、
図10に白抜き矢印で示すβ方向から見た弾性体122の一部の構成を示す概略側面図である。なお、
図11Aおよび
図11Bは、
図10と同様に、弾性体122が展開された状態を示す図である。
【0055】
図10、
図11A、および、
図11Bに示すように、弾性体122は、展開された状態において、矩形平板状である。弾性体122は、展開された状態において、四隅に長手方向に突出する押さえ代1221を有する。別の言い方をすると、弾性体122は、展開された状態において、長手方向の一方側の端に、短手方向(
図10において上下方向)の両端部に配置される2つの押さえ代1221を有する。また、弾性体122は、展開された状態において、長手方向の他方側の端に、短手方向の両端部に配置される2つの押さえ代1221を有する。
【0056】
また、弾性体122の表面には、長手方向に凹凸が繰り返される凹凸パターン1222が設けられる。詳細には、弾性体122は、展開された状態において、長手方向に延びる境界部BOを基準として、短手方向一方側(
図10において下側)に配置される第1凹凸領域1222aと、短手方向他方側(
図10において上側)に配置される第2凹凸領域1222bとを有する。
【0057】
第1凹凸領域1222aと第2凹凸領域1222bとは、互いに構成が異なる。第1凹凸領域1222aにおいては、ベース部BEの表面から突出し、短手方向に延びる複数の第1凸部P1が、長手方向に一定の間隔で並ぶ。これにより、長手方向に凹凸が繰り返される。第2凹凸領域1222bにおいては、ベース部BEの表面から突出し、短手方向に延びる複数の第2凸部P2が、長手方向に一定の間隔で並ぶ。これにより、長手方向に凹凸が繰り返される。
【0058】
詳細には、第1凹凸領域1222aと第2凹凸領域1222bとでは、短手方向の幅が異なる。より詳細には、第1凹凸領域1222aの方が、第2凹凸領域1222bよりも幅が狭い。別の言い方をすると、第1凸部P1の方が、第2凸部P2よりも短手方向の長さが短い。また、第1凹凸領域1222aが有する第1凸部P1と、第2凹凸領域1222bが有する第2凸部P2とは、高さが異なる。より詳細には、第1凸部P1の方が、第2凸部P2よりも高さが高い。また、第1凹凸領域1222aが有する第1凸部P1と、第2凹凸領域1222bが有する第2凸部P2とは、長手方向の幅が異なる。より詳細には、第1凸部P1の方が、第2凸部P2よりも幅が大きい。また、第1凹凸領域1222aと第2凹凸領域1222bとでは、凹凸が繰り返される間隔が異なる。より詳細には、長手方向に隣り合う第1凸部P1の間隔は、長手方向に隣り合う第2凸部P2の間隔に比べて大きい。
【0059】
図12は、展開された弾性体122の長手方向の一端面の構成を示す図である。
図12に示すように、展開された弾性体122は、短手方向の両端部の裏面に、表面側に向かって凹む溝部1223を有する。2つの溝部1223は、いずれも、弾性体122の長手方向の一端から他端まで延びる。なお、弾性体122の裏面は、凹凸パターン1222が設けられる面の反対側の面である。
【0060】
図13は、弾性体122の車輪本体121への取り付け状態について説明するための図である。弾性体122は、展開された状態における短手方向が軸方向と平行となり、長手方向が車輪本体121の周方向に沿うように配置されて、車輪本体121に巻き付けられる。この際、弾性体122が有する2つの溝部1223の一方に、第1蓋体1212aの外縁が嵌め込まれ、他方に、第2蓋体1212bの外縁が嵌め込まれる。車輪本体121に取り付けられた状態において、弾性体122の裏面は筒状体1211の外周面に接する。すなわち、弾性体122と筒状体1211とは、径方向に接する。
【0061】
弾性体122は、車輪本体121に巻き付けられた状態において、周方向の両端部に設けられる押さえ代1221が弾性体固定具124によって押さえられる。詳細には、弾性体固定具124は、螺子125を通す貫通孔124aが複数設けられた平板部1241と、平板部1241から径方向内方に向けて延びる一対の脚部1242a、1242bと、を有する。平板部1241が螺子止め部1211aの螺子穴1211bが設けられる面に径方向に重ね合わされ、螺子125により螺子止め部1211aに固定される。螺子125の締付により、一対の脚部1242a、1242bの一方が、弾性体122の周方向の一端部に設けられる2つの押さえ代1221を押さつける。また、一対の脚部1242a、1242bの他方が、弾性体122の周方向の他端部に設けられる2つの押さえ代1221を押さえつける。これにより、弾性体122は、車輪本体121に巻き付けられた状態で固定される。
【0062】
なお、弾性体固定具124は、車輪12の直径が最も大きくなる部分と比較して、径方向外方に突出しないように構成されている。
【0063】
以上からわかるように、筒状体1211は、弾性体122を環状に固定する固定部を有する。固定部は、螺子止め部1211aが設けられる部分が該当する。本実施形態のように、弾性体122が車輪本体121に巻き付けられる構成とすることにより、弾性体122の交換を行い易くすることができる。また、弾性体122の種類を交換し易くすることができる。
【0064】
また、車輪12において、弾性体の122の外周面には、凹凸が設けられる。詳細には、弾性体122の外周面には、周方向に凹凸が繰り返される凹凸パターン1222が設けられる。弾性体122は、軸方向一方側と他方側で互いに構成が異なる第1凹凸領域1222aと第2凹凸領域1222bとを有する。別の言い方をすると、弾性体122は、軸方向一方側の端面と他方側の端面との間に、互いに構成が異なる第1凹凸領域1222aと第2凹凸領域1222bとに凹凸パターン1222を分断する境界部BOを有する。弾性体122の外周面に設けられる凹凸パターンは一種類でもよい。ただし、本実施形態のように、凹凸パターン1222の種類を複数とすることで、水中を走行する走行体1の走行目的に合わせた適切な走行性能を確保することができる。
【0065】
本実施形態では、第1凹凸領域1222aが有する第1凸部P1と、第2凹凸領域1222bが有する第2凸部P2とは、互いに高さが異なる。このように凸部の高さに差を設けることで、境界部BOを基準として、軸方向一方側と他方側とで車輪12の直径を変えることができる。このように軸方向に直径が変わる段差を設ける構成とすると、車輪12の接地面積を減らすことができる。本構成では、弾性体122の構成を、境界部BOを境として変えることで接地面積を減らす構成である。このために、車輪12の直径を軸方向において変化させるに際して、車輪本体121のサイズは変更する必要がない。したがって、本実施形態の構成によれば、車輪12のフロートとしての機能を確保しつつ、水中走行時における車輪12の接地圧を高めることができる。なお、接地圧は、第1凹凸領域1222aと第2凹凸領域1222bの軸方向の幅を調整することによって調整可能である。
【0066】
また、本実施形態の車輪12においては、境界部BOを基準として、軸方向一方側が他方側に比べて直径が大きくなる。換言すると、車輪12は、走行体1に近い側に比べて遠い側の直径が大きくなっている。このような構成とすると、走行体1の直進性能の向上が期待できる。
【0067】
また、本実施形態の車輪12においては、境界部BOを基準として、軸方向一方側が他方側に比べて周方向に隣り合う凸部の間隔が大きくなっている。換言すると、車輪12は、走行体1に近い側に比べて遠い側の方が、周方向に隣り合う凸部の間隔が大きくなっている。更に言い換えると、車輪12の直径が大きく接地し易い部分の方が、接地し難い部分に比べて、凸部の間隔が大きくなっている。このような構成とすると、例えば、養殖魚網上を走行する走行体1が養殖魚網に引っ掛かる可能性を低減することができる。
【0068】
<3.留意事項等>
本明細書中に開示される種々の技術的特徴は、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書中に示される複数の実施形態および変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【符号の説明】
【0069】
1・・・走行体
2・・・洗浄ユニット
3・・・プロペラ
12・・・車輪
100・・・水中洗浄装置
122・・・弾性体
1211・・・筒状体
1212・・・蓋体
1212a・・・第1蓋体
1212b・・・第2蓋体
1213・・・ピン部材
1222a・・・第1凹凸領域
1222b・・・第2凹凸領域
J・・・軸線
P1・・・第1凸部
P2・・・第2凸部