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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-26
(45)【発行日】2025-10-06
(54)【発明の名称】遺伝子治療構築物及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/85 20060101AFI20250929BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20250929BHJP
   A61K 35/761 20150101ALI20250929BHJP
   A61K 35/763 20150101ALI20250929BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20250929BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20250929BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20250929BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20250929BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20250929BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250929BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20250929BHJP
   C12N 15/55 20060101ALI20250929BHJP
   C12N 15/56 20060101ALI20250929BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20250929BHJP
   C12N 15/86 20060101ALI20250929BHJP
   A61K 38/43 20060101ALN20250929BHJP
   A61K 38/45 20060101ALN20250929BHJP
   A61K 38/46 20060101ALN20250929BHJP
   A61K 38/47 20060101ALN20250929BHJP
   A61K 38/50 20060101ALN20250929BHJP
   A61K 47/62 20170101ALN20250929BHJP
【FI】
C12N15/85 Z ZNA
A61K35/76
A61K35/761
A61K35/763
A61K48/00
A61P3/00
A61P25/28
A61P29/00
A61P37/04
A61P43/00 111
C12N15/12
C12N15/55
C12N15/56
C12N15/62 Z
C12N15/86 Z
A61K38/43
A61K38/45
A61K38/46
A61K38/47
A61K38/50
A61K47/62
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020560355
(86)(22)【出願日】2019-04-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 US2019030076
(87)【国際公開番号】W WO2019213180
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-04-27
【審判番号】
【審判請求日】2024-04-19
(31)【優先権主張番号】62/664,741
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/688,640
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/744,068
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507170099
【氏名又は名称】アミカス セラピューティックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ドー, フン
(72)【発明者】
【氏名】トゥスケ, スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ゴッシャル, ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】リウ, ツェー フェン
【合議体】
【審判長】上條 肇
【審判官】田中 晴絵
【審判官】荒木 英則
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-505539(JP,A)
【文献】特表2016-515510(JP,A)
【文献】特表2007-520200(JP,A)
【文献】特表2014-503198(JP,A)
【文献】Puzzo F. et al.,"Rescue of Pompe disease in mice by AAV-mediated liver delivery of secretable acid α-glucosidase", 20171129, 9 (418), eaam6375
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C07K 1/00-19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/BIOSIS/EMBASE/MEDLINE(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)治療タンパク質、
(b)配列番号31のアミノ酸配列を含むバリアントIGF2(vIGF2)ペプチド、
(c)前記治療タンパク質と前記vIGF2ペプチドとの間のリンカー、及び
(d)結合免疫グロブリンタンパク質(BIP)シグナルペプチド及びGaussiaシグナルペプチドから選択される、シグナルペプチド
を含むポリペプチドをコードする核酸構築物を含む遺伝子治療ベクターであって、
前記治療タンパク質が、α-グルコシダーゼ(GAA)である、遺伝子治療ベクター。
【請求項2】
前記vIGF2ペプチドが、天然のIGF2ペプチドと比較してインスリン受容体及びIGF1Rに対する減少した親和性を有する、請求項1に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項3】
前記vIGF2ペプチドが、細胞への前記治療タンパク質の取り込みを促進することができる、請求項1に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項4】
前記vIGF2ペプチドが、リソソームへの前記治療タンパク質の取り込みを促進することができる、請求項1に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項5】
前記治療タンパク質が、遺伝的障害を有する対象において前記遺伝的障害に関連する不完全なタンパク質または欠損したタンパク質に置き換わることができる、請求項1に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項6】
遺伝的障害が、リソソーム貯蔵障害である、請求項5に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項7】
前記遺伝的障害が、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、シンドラー病II型、アデノシンデアミナーゼ欠損重症複合免疫不全症(ADA-SCID)、慢性肉芽腫症(CGD)、及び神経セロイドリポフスチン症からなる群から選択される、請求項5に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項8】
前記遺伝的障害が、ポンペ病である、請求項5に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項9】
前記遺伝的障害が、CLN1病である、請求項5に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項10】
前記治療タンパク質が、可溶性リソソーム酵素またはその酵素的に活性な断片を含む、請求項1に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項11】
前記核酸構築物が、翻訳開始配列を更に含む、請求項1に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項12】
前記核酸構築物が、シグナルペプチドをコードする核酸配列をさらに含み、前記シグナルペプチドは、シグナルペプチドを有さない前記治療タンパク質と比較して前記治療タンパク質の分泌を増加させることができる、請求項1に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項13】
前記シグナルペプチドが、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチド及びGaussiaシグナルペプチドから選択される、請求項12に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項14】
前記構築物が、配列番号36を含む、請求項1に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項15】
前記ポリペプチドが、配列番号23を含む、請求項1に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項16】
前記構築物が、配列番号38を含む、請求項1に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項17】
前記vIGF2ペプチドは、治療タンパク質のN末端に融合される、請求項1に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項18】
前記vIGF2ペプチドは、治療タンパク質のC末端に融合される、請求項1に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項19】
前記リンカーペプチドが、配列番号18~21、及び配列番号33からなる群から選択される配列を含む、請求項1に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項20】
前記リンカーペプチドが、配列番号18のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の遺伝子治療ベクター。
【請求項21】
前記遺伝子治療ベクターが、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ポックスウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、アデノウイルスベクター、およびヘルペスウイルスベクターからなる群から選択されるウイルスベクターである、請求項1に記載の遺伝子治療ベクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2018年4月30日に出願の米国仮出願番号第62/664,741号;2018年6月22日に出願の米国仮出願番号第62/688,640号;及び2018年10月10日に出願の米国仮出願番号第62/744,068号の利益を主張し、これらの出願の各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
遺伝的障害は、遺伝的変異またはゲノムの遺伝子コード領域で発生する新たな変異により生じる。場合によっては、かかる遺伝的障害は、当該遺伝的障害を有する個体において変異した遺伝子によってコードされるタンパク質の投与によって処置される。しかしながら、タンパク質の投与が、それが必要とされる器官、細胞、または細胞小器官へのタンパク質の到達を必ずしももたらさないため、かかる処置は、課題を抱えている。更にこの処置は、多くの場合、週2回の注入も必要とし、これは、一回の処置で持続する寛解を提供することができる遺伝子治療では必要とされない。従って、遺伝子治療は、遺伝的障害の現在利用可能な処置法と比較して改善した結果を提供する可能性を有する。
【発明の概要】
【0003】
本明細書において、遺伝子治療を使用した遺伝的障害の処置のための組成物及び方法が提供される。また本明細書において、遺伝子治療ベクターによって提供される治療タンパク質のタンパク質発現を改善するための、ならびにその細胞取り込みまたは送達及び細胞内または細胞小器官標的化を増加させるための、遺伝子治療において使用される遺伝子治療ベクター構成要素及び方法も提供される。
【0004】
ある種の態様では、遺伝子治療ベクター、例えば、5’から3’の順で、(a)翻訳開始配列及び(b)治療タンパク質をコードする核酸配列、を含む核酸構築物を含む遺伝子治療ベクターが提供される。幾つかの実施形態では、翻訳開始配列は、コザック配列を含む。幾つかの実施形態では、翻訳開始配列及び治療タンパク質をコードする核酸配列は重複していてもよく、その結果、翻訳開始配列の最後の3ヌクレオチドは治療タンパク質の開始コドンでもある。幾つかの実施形態では、コザック配列は、配列AXATGA(配列番号28)を含み、ここで、X及びXの各々は任意のヌクレオチドである。幾つかの実施形態では、Xは、Aを含む。幾つかの実施形態では、Xは、Gを含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、AAGATGA(配列番号29)と少なくとも85%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、AAGATGA(配列番号29)の配列と、1または2ヌクレオチド異なる。幾つかの実施形態では、コザック配列は、AAGATGA(配列番号29)を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)と少なくとも85%同一な核酸配列を含み、ここで、最後の3ヌクレオチド(ATG)は、治療タンパク質の開始コドンでもある。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)の配列と1または2ヌクレオチド異なる。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)と少なくとも85%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)の配列と1または2ヌクレオチド異なる。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)を含む。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、シグナルペプチドであって、当該シグナルペプチドを有さない治療タンパク質と比較して治療タンパク質の分泌を増加させることができる当該シグナルペプチドをコードする核酸配列を更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチド及びGaussiaシグナルペプチドから選択される。幾つかの実施形態では、BiPシグナルペプチドは、配列番号13~17からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号13~17からなる群から選択される配列と、5アミノ酸以下、4アミノ酸以下、3アミノ酸以下、2アミノ酸以下、または1アミノ酸異なる。幾つかの実施形態では、BiPシグナルペプチドは、配列番号13~17からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、Gaussiaシグナルペプチドは、配列番号32と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号32の配列と、5アミノ酸以下、4アミノ酸以下、3アミノ酸以下、2アミノ酸以下、または1アミノ酸異なる。幾つかの実施形態では、Gaussiaシグナルペプチドは、配列番号32のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、内部リボソーム進入配列(IRES)を更に含む。幾つかの実施形態では、IRESは、コオロギ麻痺ウイルス(CrPV)IRESである。幾つかの実施形態では、IRESは、配列番号12と少なくとも90%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IRESは、配列番号12を含む。
【0005】
更なる態様では、5’から3’の順序で、(a)シグナルペプチドをコードする核酸配列及び(b)治療タンパク質をコードする核酸配列、を含む核酸構築物を含む遺伝子治療ベクターであって、当該シグナルペプチドが、当該シグナルペプチドを有さない当該治療タンパク質と比較して、当該治療タンパク質の分泌を増加させることができる、当該遺伝子治療ベクターが提供される。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチド及びGaussiaシグナルペプチドから選択される。幾つかの実施形態では、BiPシグナルペプチドは、配列番号13~17からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号13~17からなる群から選択される配列と、5アミノ酸以下、4アミノ酸以下、3アミノ酸以下、2アミノ酸以下、または1アミノ酸異なる。幾つかの実施形態では、BiPシグナルペプチドは、配列番号13~17からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、Gaussiaシグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、Gaussiaシグナルペプチドは、配列番号32と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号32の配列と、5アミノ酸以下、4アミノ酸以下、3アミノ酸以下、2アミノ酸以下、または1アミノ酸異なる。幾つかの実施形態では、Gaussiaシグナルペプチドは、配列番号32を含む。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、翻訳開始配列を更に含む。幾つかの実施形態では、翻訳開始配列は、AXATGA(配列番号28)を含むコザック配列を含み、ここで、X及びXの各々は任意のヌクレオチドである。幾つかの実施形態では、Xは、Aを含む。幾つかの実施形態では、Xは、Gを含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、AAGATGA(配列番号29)と少なくとも85%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、AAGATGA(配列番号29)の配列と、1または2ヌクレオチド異なる。幾つかの実施形態では、コザック配列は、AAGATGA(配列番号29)を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)と少なくとも85%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)の配列と1または2ヌクレオチド異なる。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)と少なくとも85%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)の配列と1または2ヌクレオチド異なる。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)を含む。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、内部リボソーム進入配列(IRES)を更に含む。幾つかの実施形態では、IRESは、コオロギ麻痺ウイルス(CrPV)IRES、ピコルナウイルスIRES、アフトウイルスIRES、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスIRES、A型肝炎IRES、C型肝炎IRES、ペスチウイルスIRES、クリパウイルス(Cripavirus)IRES、Rhopalosiphum padiウイルスIRES、及びマレック病ウイルスIRESからなる群から選択されるIRESを含む。幾つかの実施形態では、IRESは、配列番号12と少なくとも90%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IRESは、配列番号12を含む。
【0006】
更なる態様では、5’から3’の順序で、(a)内部リボソーム進入配列(IRES)及び(b)治療タンパク質をコードする核酸配列、を含む核酸構築物を含む遺伝子治療ベクターが提供される。幾つかの実施形態では、IRESは、コオロギ麻痺ウイルス(CrPV)IRES、ピコルナウイルスIRES、アフトウイルスIRES、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスIRES、A型肝炎IRES、C型肝炎IRES、ペスチウイルスIRES、クリパウイルス(Cripavirus)IRES、Rhopalosiphum padiウイルスIRES、及びマレック病ウイルスIRESからなる群から選択されるIRESを含む。幾つかの実施形態では、IRESは、コオロギ麻痺ウイルス(CrPV)IRESである。幾つかの実施形態では、IRESは、配列番号12と少なくとも90%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IRESは、配列番号12を含む。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、翻訳開始配列を更に含む。幾つかの実施形態では、翻訳開始配列は、AXATGA(配列番号28)を含むコザック配列を含み、ここで、X及びXの各々は任意のヌクレオチドである。幾つかの実施形態では、Xは、Aを含む。幾つかの実施形態では、Xは、Gを含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、AAGATGA(配列番号29)と少なくとも90%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、AAGATGA(配列番号29)を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)と少なくとも85%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)の配列と1または2ヌクレオチド異なる。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)と少なくとも85%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)の配列と1または2ヌクレオチド異なる。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)を含む。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、シグナルペプチドであって、当該シグナルペプチドを有さない治療タンパク質と比較して治療タンパク質の分泌を増加させることができる当該シグナルペプチドをコードするシグナル核酸配列を更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチド及びGaussiaシグナルペプチドから選択される。幾つかの実施形態では、BiPシグナルペプチドは、配列番号13~17からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、BiPシグナルペプチドは、配列番号13~17からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、Gaussiaシグナルペプチドは、配列番号32と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、Gaussiaシグナルペプチドは、配列番号32を含む。
【0007】
幾つかの実施形態では、本明細書において提供される核酸構築物のいずれかは、CI-MPRと高親和性で選択的に結合するペプチドをコードする核酸配列を更に含み、ここで、治療タンパク質及びCI-MPRに選択的に結合するペプチドは、融合タンパク質として発現される。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、CI-MPRヌクレオチド配列に選択的に結合するペプチドをコードする核酸と治療タンパク質をコードする核酸配列との間にリンカーペプチドをコードする配列を更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーペプチドの配列は、治療ペプチドの配列もしくはCI-MPRに選択的に結合するペプチドの配列と、またはその両方と重複していてもよい。幾つかの実施形態では、CI-MPRに高親和性で結合するペプチドは、バリアントIGF2ペプチド(vIGF2)である。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、細胞への取り込みを促進する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1~11からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号2~11からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ヌクレオチド配列は、治療タンパク質をコードする核酸配列の5’側に存在する。幾つかの実施形態では、vIGF2ヌクレオチド配列は、治療タンパク質をコードする核酸配列の3’側に存在する。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、vIGF2ヌクレオチド配列と治療タンパク質をコードする核酸配列との間にリンカーペプチドをコードする配列を更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーペプチドは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーペプチドは、配列番号18~21、配列番号33、または配列番号37と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、リンカーペプチドは、配列番号18~21、配列番号33、または配列番号37を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、リソソーム貯蔵障害に関連する。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、リソソーム酵素またはその酵素的に活性な断片である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼまたはその酵素的に活性な断片である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ1及び2(それぞれPPT1及びPPT2)が含まれるパルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ(PPT)である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ1である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、CDKL5欠乏障害、嚢胞性線維症、α及びβサラセミア、鎌形赤血球貧血、マルファン症候群、脆弱X症候群、ハンチントン病、ヘモクロマトーシス、先天性難聴(無症候性)、テイサックス病、家族性高コレステロール血症、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、シュタルガルト病、アッシャー症候群、コロイデレミア、色盲、X連鎖性網膜分離症、血友病、ウィスコット・アルドリッチ症候群、X連鎖性慢性肉芽腫症、芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼ欠損症、劣性栄養障害性表皮水泡症、α1アンチトリプシン欠損症、ハッチンソン・ギルフォード早老症候群(HGPS)、ヌーナン症候群、X連鎖性重症複合免疫不全症(X-SCID)からなる群から選択される遺伝的障害に関連する。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、CDKL5、コネキシン26、ヘキソサミニダーゼA、LDL受容体、ジストロフィン、CFTR、β-グロブリン、HFE、ハンチントン、ABCA4、ミオシンVIIA(MYO7A)、Rabエスコートタンパク質-1(REP1)、環状ヌクレオチド依存性チャネルβ3(CNGB3)、レチノスキシン1(RS1)、ヘモグロビンサブユニットβ(HBB)、第IX因子、WAS、シトクロムB-245β鎖、ドーパ脱炭酸酵素(DDC)、VII型コラーゲンα1鎖(COL7A1)、セルピンファミリーAメンバー1(SERPINA1)、LMNA、PTPN11、SOS1、RAF1、KRAS、及びIL2受容体γ遺伝子からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、遺伝的障害を有する対象において当該遺伝的障害に関連する不完全なタンパク質または欠損したタンパク質の代わりとなることができる。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、リソソーム貯蔵障害である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、及びシンドラー病II型からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、リソソーム貯蔵障害は、アクチベーター欠損症、GM2ガングリオシドーシス;GM2ガングリオシドーシスAB異型;α-マンノシドーシス(2型、中等症型;3型、新生児期、重症型);β-マンノシドーシス;リソソーム酸性リパーゼ欠損症;シスチン症(遅発性の若年または思春期腎障害型;小児腎障害型);シャナリン・ドルフマン症候群;ミオパチーを伴う中性脂質蓄積症;NLSDM;ダノン病;ファブリー病;ファブリー病II型、遅発型;ファーバー病;ファーバー脂肪性肉芽腫症;フコシドーシス;ガラクトシアリドーシス(ノイラミニダーゼ及びβ-ガラクトシダーゼの複合欠損症);ゴーシェ病;II型ゴーシェ病;III型ゴーシェ病;IIIC型ゴーシェ病;ゴーシェ病、非典型、サポシンC欠損による;GM1ガングリオシドーシス(遅発乳児型/若年型GM1ガングリオシドーシス;成人型/慢性GM1ガングリオシドーシス);グロボイド細胞白質ジストロフィー、クラッベ病(遅発乳児型;若年型;成人型);クラッベ病、非典型、サポシンA欠損による;異染性白質ジストロフィー(若年型;成人型);部分的セレブロシドスルファターゼ欠損症;偽性アリルスルファターゼA欠損症;サポシンB欠損による異染性白質ジストロフィー;ムコ多糖症障害:MPS I、ハーラー症候群;MPS I、ハーラー・シャイエ症候群;MPS I、シャイエ症候群;MPS II、ハンター症候群;MPS II、ハンター症候群;サンフィリポ症候群A型/MPS IIIA;サンフィリポ症候群B型/MPS IIIB;サンフィリポ症候群C型/MPS IIIC;サンフィリポ症候群D型/MPS IIID;モルキオ症候群、A型/MPS IVA;モルキオ症候群、B型/MPS IVB;MPS IX/ヒアルロニダーゼ欠損症;MPS VI/マロトー・ラミー症候群;MPS VII/スライ症候群;ムコリピドーシスI型、シアリドーシスII型;I細胞病、ルロイ病(Leroy disease)、ムコリピドーシスII型;偽性ハーラー病ポリジストロフィー/ムコリピドーシスIII型;ムコリピドーシスIIIC型/ML III γ;ムコリピドーシスIV型;多重スルファターゼ欠損症;ニーマン・ピック病(B型;C1型/慢性神経細胞障害型;C2型;D型/Nova Scotian型);神経セロイドリポフスチン症:CLN6病(非典型の遅発乳児型、遅発型異型、早期若年型);Batten-Spielmeyer-Vogt病/若年型NCL/CLN3病;フィンランド異型遅発乳児型CLN5病;ヤンスキー・ビールショースキー病/遅発乳児型CLN2病/TPP1病;クーフス病/成人型NCL/CLN4病(B型);北部癲癇/遅発乳児型異型CLN8病;Santavuori-Haltia病/乳児型CLN1病/PPT病;ポンペ病(グリコーゲン蓄積症II型);遅発性ポンペ病;濃化異骨症;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;シンドラー病(III型/中間型、可変的);神崎疾患;サラ病;乳児型遊離シアル酸蓄積症(ISSD);進行性ミオクローヌス癲癇を伴う脊髄性筋萎縮症(SMAPME);テイサックス病/GM2ガングリオシドーシス;若年性テイサックス病;遅発性テイサックス病;クリスチャンソン症候群;Lowe眼脳腎症候群;シャルコー・マリー・トゥース病4J型、CMT4J;
Yunis-Varon症候群;両側性側頭後頭葉多小脳回(BTOP);X連鎖性高カルシウム尿腎結石症、デント病1型;ならびにデント病2型、アデノシンデアミナーゼ欠損重症複合免疫不全症(ADA-SCID)、及び神経セロイドリポフスチン症からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、ポンペ病である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、神経セロイドリポフスチン症である。幾つかの実施形態では、神経セロイドリポフスチン症は、乳児型NCL(Santavuori-Haltia病)、遅発乳児型NCL(ヤンスキー・ビールショースキー病)、バッテン病、成人型NCL(クーフス病)、フィンランド遅発乳児型NCL、遅発乳児型異型NCL、CLN7、CLN8、トルコ遅発乳児型NCL、NCL9型、及びCLN10からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、遺伝子治療ベクターは、ウイルスベクターである。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ポックスウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、アデノウイルスベクター、またはヘルペスウイルスベクターである。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、AAVベクターである。幾つかの実施形態では、AAVベクターは、末端逆位配列(ITR)を含む。幾つかの実施形態では、AAVベクターは、AAV1ベクター、AAV2ベクター、AAV3ベクター、AAV4ベクター、AAV5ベクター、AAV6ベクター、AAV7ベクター、AAV8ベクター、AAV9ベクター、AAVrhSベクター、AAVrh10ベクター、AAVrh33ベクター、AAVrh34ベクター、AAVrh74ベクター、AAV/Anc80ベクター、AAVPHP.Bベクター、AAVhu68ベクター、及びAAV-DJベクターからなる群から選択される。
【0008】
ある種の態様では、(a)治療タンパク質をコードする核酸配列及び(b)CI-MPRに高親和性で結合するペプチドをコードする核酸配列、を含む遺伝子治療ベクターなどの遺伝子治療ベクターが提供される。幾つかの実施形態では、ペプチドは、バリアントIGF2(vIGF2)ペプチドである。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1と少なくとも90%同一であり、配列番号1の6位、26位、27位、43位、48位、49位、50位、54位、55位、及び65位からなる群から選択される1つ以上の位置での少なくとも1つの置換を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの置換は、配列番号1のE6R、F26S、Y27L、V43L、F48T、R49S、S50I、A54R、L55R、及びK65Rからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の6位、26位、27位、43位、48位、49位、50位、54位、及び55位からなる群から選択される2つ以上の位置での少なくとも2つの置換を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも2つの置換は、配列番号1のE6R、F26S、Y27L、V43L、F48T、R49S、S50I、A54R、及びL55Rからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、N末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~2位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~3位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~4位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~4位のN末端欠失、ならびにE6R、Y27L、及びK65Rの置換を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~4位のN末端欠失及びE6R及びY27Lの置換を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~5位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~6位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~7位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、天然のIGF2ペプチドと比較してインスリン受容体及びIGF1Rに対する減少した親和性を有するか、または親和性を有さない。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、細胞への治療タンパク質の取り込みを促進することができる。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、リソソームへの治療タンパク質の取り込みを促進することができる。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、遺伝的障害を有する対象において当該遺伝的障害に関連する不完全なタンパク質または欠損したタンパク質の代わりとなることができる。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、リソソーム酵素またはその酵素的に活性な断片である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、リソソーム貯蔵障害である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、及びシンドラー病II型からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、リソソーム貯蔵障害は、アクチベーター欠損症、GM2ガングリオシドーシス;GM2ガングリオシドーシスAB異型;α-マンノシドーシス(2型、中等症型;3型、新生児期、重症型);β-マンノシドーシス;リソソーム酸性リパーゼ欠損症;シスチン症(遅発性の若年または思春期腎障害型;小児腎障害型);シャナリン・ドルフマン症候群;ミオパチーを伴う中性脂質蓄積症;NLSDM;ダノン病;ファブリー病;ファブリー病II型、遅発型;ファーバー病;ファーバー脂肪性肉芽腫症;フコシドーシス;ガラクトシアリドーシス(ノイラミニダーゼ及びβ-ガラクトシダーゼの複合欠損症);ゴーシェ病;II型ゴーシェ病;III型ゴーシェ病;IIIC型ゴーシェ病;ゴーシェ病、非典型、サポシンC欠損による;GM1ガングリオシドーシス(遅発乳児型/若年型GM1ガングリオシドーシス;成人型/慢性GM1ガングリオシドーシス);グロボイド細胞白質ジストロフィー、クラッベ病(遅発乳児型;若年型;成人型);クラッベ病、非典型、サポシンA欠損による;異染性白質ジストロフィー(若年型;成人型);部分的セレブロシドスルファターゼ欠損症;偽性アリルスルファターゼA欠損症;サポシンB欠損による異染性白質ジストロフィー;ムコ多糖症障害:MPS I、ハーラー症候群;MPS I、ハーラー・シャイエ症候群;MPS I、シャイエ症候群;MPS II、ハンター症候群;MPS II、ハンター症候群;サンフィリポ症候群A型/MPS IIIA;サンフィリポ症候群B型/MPS IIIB;サンフィリポ症候群C型/MPS IIIC;サンフィリポ症候群D型/MPS IIID;モルキオ症候群、A型/MPS IVA;モルキオ症候群、B型/MPS IVB;MPS IX/ヒアルロニダーゼ欠損症;MPS VI/マロトー・ラミー症候群;MPS VII/スライ症候群;ムコリピドーシスI型、シアリドーシスII型;I細胞病、ルロイ病(Leroy disease)、ムコリピドーシスII型;偽性ハーラー病ポリジストロフィー/ムコリピドーシスIII型;ムコリピドーシスIIIC型/ML III γ;ムコリピドーシスIV型;多重スルファターゼ欠損症;ニーマン・ピック病(B型;C1型/慢性神経細胞障害型;C2型;D型/Nova Scotian型);神経セロイドリポフスチン症:CLN6病(非典型の遅発乳児型、遅発型異型、早期若年型);Batten-Spielmeyer-Vogt病/若年型NCL/CLN3病;フィンランド異型遅発乳児型CLN5病;ヤンスキー・ビールショースキー病/遅発乳児型CLN2病/TPP1病;クーフス病/成人型NCL/CLN4病(B型);北部癲癇/遅発乳児型異型CLN8病;Santavuori-Haltia病/乳児型CLN1病/PPT病;ポンペ病(グリコーゲン蓄積症II型);遅発性ポンペ病;濃化異骨症;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;シンドラー病(III型/中間型、可変的);神崎疾患;サラ病;乳児型遊離シアル酸蓄積症(ISSD);進行性ミオクローヌス癲癇を伴う脊髄性筋萎縮症(SMAPME);テイサックス病/GM2ガングリオシドーシス;若年性テイサックス病;遅発性テイサックス病;クリスチャンソン症候群;Lowe眼脳腎症候群;シャルコー・マリー・トゥース病4J型、CMT4J;Yunis-Varon症候群;両側性側頭後頭葉多小脳回(BTOP);X連鎖性高カルシウム尿腎結石症、デント病1型;ならびにデント病2型、アデノシンデアミナーゼ欠損重症複合免疫不全症(ADA-SCID)、慢性肉芽腫症(CGD)、及び神経セロイドリポフスチン症からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、ポンペ病である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、神経セロイドリポフスチン症である。幾つかの実施形態では、神経セロイドリポフスチン症は、乳児型NCL(Santavuori-Haltia病)、遅発乳児型NCL(ヤンスキー・ビールショースキー病)、バッテン病、成人型NCL(クーフス病)、フィンランド遅発乳児型NCL、遅発乳児型異型NCL、CLN7、CLN8、トルコ遅発乳児型NCL、NCL9型、及びCLN10からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、可溶性リソソーム酵素である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群から選択される酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼは、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ1(PPT1)または2(PPT2)である。幾つかの実施形態では、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼは、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ1である。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、翻訳開始配列を更に含む。幾つかの実施形態では、翻訳開始配列は、コザック配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、配列AXATGA(配列番号28)を含み、ここで、X及びXの各々は任意のヌクレオチドである。幾つかの実施形態では、Xは、Aを含む。
幾つかの実施形態では、Xは、Gを含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、AAGATGA(配列番号29)と少なくとも90%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、AAGATGA(配列番号29)を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)と少なくとも85%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)の配列と1または2ヌクレオチド異なる。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)と少なくとも85%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)の配列と1または2ヌクレオチド異なる。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)を含む。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、シグナルペプチドであって、当該シグナルペプチドを有さない治療タンパク質と比較して治療タンパク質の分泌を増加させることができる当該シグナルペプチドをコードする核酸配列を更に含む。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、シグナルペプチドであって、天然のシグナルペプチドを有する治療タンパク質と比較して治療タンパク質の分泌を増加させることができる当該シグナルペプチドをコードする核酸配列を更に含む。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、非天然シグナルペプチドであって、治療タンパク質の天然のシグナルペプチドと比較して、治療タンパク質の分泌を増加させることができる当該非天然シグナルペプチドをコードする核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチド及びGaussiaシグナルペプチドから選択される。幾つかの実施形態では、BiPシグナルペプチドは、配列番号13~17からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、BiPシグナルペプチドは、配列番号13~17からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、Gaussiaシグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、Gaussiaシグナルペプチドは、配列番号32と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、Gaussiaシグナルペプチドは、配列番号32を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2核酸配列は、治療タンパク質をコードする核酸配列の5’側に存在する。幾つかの実施形態では、vIGF2核酸配列は、治療タンパク質をコードする核酸配列の3’側に存在する。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、vIGF2ヌクレオチド配列と治療タンパク質をコードする核酸配列との間にリンカーペプチドをコードする配列を更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーペプチドは、配列番号18~21または配列番号33を含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療ベクターは、ウイルスベクターである。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、またはヘルペスウイルスベクターである。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、AAVベクターである。幾つかの実施形態では、AAVベクターは、末端逆位配列(ITR)を含む。幾つかの実施形態では、AAVベクターは、AAV1ベクター、AAV2ベクター、AAV3ベクター、AAV4ベクター、AAV5ベクター、AAV6ベクター、AAV7ベクター、AAV8ベクター、AAV9ベクター、AAVrhSベクター、AAVrh10ベクター、AAVrh33ベクター、AAVrh34ベクター、AAVrh74ベクター、AAV/Anc80ベクター、AAVPHP.Bベクター、AAVhu68ベクター、及びAAV-DJベクターからなる群から選択される。
【0009】
(a)治療タンパク質をコードする核酸配列及び(b)当該治療タンパク質のエンドサイトーシスを増加させるペプチドをコードする核酸配列、を含む核酸構築物を含む遺伝子治療ベクター。幾つかの実施形態では、治療タンパク質のエンドサイトーシスを増加させるペプチドは、CI-MPRに結合するペプチドである。幾つかの実施形態では、ペプチドは、バリアントIGF2(vIGF2)ペプチド、HIRMab、もしくはTfRMab、または細胞を標的とするその他のペプチドもしくはタンパク質である。幾つかの実施形態では、ペプチドは、vIGF2である。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1と少なくとも90%同一であり、配列番号1の6位、26位、27位、43位、48位、49位、50位、54位、55位、及び65位からなる群から選択される1つ以上の位置での少なくとも1つの置換を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの置換は、配列番号1のE6R、F26S、Y27L、V43L、F48T、R49S、S50I、A54R、L55R、及びK65Rからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの置換は、配列番号1のE6R、F26S、Y27L、V43L、F48T、R49S、S50I、A54R及びL55Rからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の6位、26位、27位、43位、48位、49位、50位、54位、及び55位からなる群から選択される2つ以上の位置での少なくとも2つの置換を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも2つの置換は、配列番号1のE6R、F26S、Y27L、V43L、F48T、R49S、S50I、A54R、及びL55Rからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、N末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~6位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~2位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~3位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~4位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~4位のN末端欠失、ならびにE6R、Y27L、及びK65Rの置換を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~4位のN末端欠失、ならびにE6R及びY27Lの置換を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~5位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~6位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~7位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、天然のIGF2ペプチドと比較して、カチオン非依存性M6P受容体(CI-MPR)に対する増加した特異性を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、細胞内のリソソームへの治療タンパク質の取り込みを促進することができる。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、遺伝的障害を有する対象において当該遺伝的障害に関連する不完全なタンパク質または欠損したタンパク質の代わりとなることができる。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、リソソーム酵素またはその酵素的に活性な断片である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、リソソーム貯蔵障害である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、及びシンドラー病II型からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、リソソーム貯蔵障害は、アクチベーター欠損症、GM2ガングリオシドーシス;GM2ガングリオシドーシスAB異型;α-マンノシドーシス(2型、中等症型;3型、新生児期、重症型);β-マンノシドーシス;リソソーム酸性リパーゼ欠損症;シスチン症(遅発性の若年または思春期腎障害型;小児腎障害型);シャナリン・ドルフマン症候群;ミオパチーを伴う中性脂質蓄積症;NLSDM;ダノン病;ファブリー病;ファブリー病II型、遅発型;ファーバー病;ファーバー脂肪性肉芽腫症;フコシドーシス;ガラクトシアリドーシス(ノイラミニダーゼ及びβ-ガラクトシダーゼの複合欠損症);ゴーシェ病;II型ゴーシェ病;III型ゴーシェ病;IIIC型ゴーシェ病;ゴーシェ病、非典型、サポシンC欠損による;GM1ガングリオシドーシス(遅発乳児型/若年型GM1ガングリオシドーシス;成人型/慢性GM1ガングリオシドーシス);グロボイド細胞白質ジストロフィー、クラッベ病(遅発乳児型;若年型;成人型);クラッベ病、非典型、サポシンA欠損による;異染性白質ジストロフィー(若年型;成人型);部分的セレブロシドスルファターゼ欠損症;偽性アリルスルファターゼA欠損症;サポシンB欠損による異染性白質ジストロフィー;ムコ多糖症障害:MPS I、ハーラー症候群;MPS I、ハーラー・シャイエ症候群;MPS I、シャイエ症候群;MPS II、ハンター症候群;MPS II、ハンター症候群;サンフィリポ症候群A型/MPS IIIA;サンフィリポ症候群B型/MPS IIIB;サンフィリポ症候群C型/MPS IIIC;サンフィリポ症候群D型/MPS IIID;モルキオ症候群、A型/MPS IVA;モルキオ症候群、B型/MPS IVB;MPS IX/ヒアルロニダーゼ欠損症;MPS VI/マロトー・ラミー症候群;MPS VII/スライ症候群;ムコリピドーシスI型、シアリドーシスII型;I細胞病、ルロイ病(Leroy disease)、ムコリピドーシスII型;偽性ハーラー病ポリジストロフィー/ムコリピドーシスIII型;ムコリピドーシスIIIC型/ML III γ;ムコリピドーシスIV型;多重スルファターゼ欠損症;ニーマン・ピック病(B型;C1型/慢性神経細胞障害型;C2型;D型/Nova Scotian型);神経セロイドリポフスチン症:CLN6病(非典型の遅発乳児型、遅発型異型、早期若年型);Batten-Spielmeyer-Vogt病/若年型NCL/CLN3病;フィンランド異型遅発乳児型CLN5病;ヤンスキー・ビールショースキー病/遅発乳児型CLN2病/TPP1病;クーフス病/成人型NCL/CLN4病(B型);北部癲癇/遅発乳児型異型CLN8病;Santavuori-Haltia病/乳児型CLN1病/PPT病;ポンペ病(グリコーゲン蓄積症II型);遅発性ポンペ病;濃化異骨症;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;シンドラー病(III型/中間型、可変的);神崎疾患;サラ病;乳児型遊離シアル酸蓄積症(ISSD);進行性ミオクローヌス癲癇を伴う脊髄性筋萎縮症(SMAPME);テイサックス病/GM2ガングリオシドーシス;若年性テイサックス病;遅発性テイサックス病;クリスチャンソン症候群;Lowe眼脳腎症候群;シャルコー・マリー・トゥース病4J型、CMT4J;Yunis-Varon症候群;両側性側頭後頭葉多小脳回(BTOP);
X連鎖性高カルシウム尿腎結石症、デント病1型;ならびにデント病2型、アデノシンデアミナーゼ欠損重症複合免疫不全症(ADA-SCID)、慢性肉芽腫症(CGD)、及び神経セロイドリポフスチン症からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、ポンペ病である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、神経セロイドリポフスチン症である。幾つかの実施形態では、神経セロイドリポフスチン症は、乳児型NCL(Santavuori-Haltia病)、遅発乳児型NCL(ヤンスキー・ビールショースキー病)、バッテン病、成人型NCL(クーフス病)、フィンランド遅発乳児型NCL、遅発乳児型異型NCL、CLN7、CLN8、トルコ遅発乳児型NCL、NCL9型、及びCLN10からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、可溶性リソソーム酵素またはその酵素的に活性な断片である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群から選択される酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼは、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ1(PPT1)または2(PPT2)である。幾つかの実施形態では、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼは、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ1である。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、翻訳開始配列を更に含む。幾つかの実施形態では、翻訳開始配列は、コザック配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、配列AXATGA(配列番号28)を含み、ここで、X及びXの各々は任意のヌクレオチドである。幾つかの実施形態では、Xは、Aを含む。幾つかの実施形態では、Xは、Gを含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、AAGATGA(配列番号29)と少なくとも90%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、AAGATGA(配列番号29)を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)と少なくとも85%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)の配列と1または2ヌクレオチド異なる。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)と少なくとも85%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)の配列と1または2ヌクレオチド異なる。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)を含む。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、シグナルペプチドであって、当該シグナルペプチドを有さない治療タンパク質と比較して治療タンパク質の分泌を増加させることができる当該シグナルペプチドをコードするシグナル核酸配列を更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチド及びGaussiaシグナルペプチドから選択される。幾つかの実施形態では、BiPシグナルペプチドは、配列番号13~17からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、BiPシグナルペプチドは、配列番号13~17からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、Gaussiaシグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、Gaussiaシグナルペプチドは、配列番号32と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、Gaussiaシグナルペプチドは、配列番号32を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2核酸配列は、治療タンパク質をコードする核酸配列の5’側に存在する。幾つかの実施形態では、vIGF2核酸配列は、治療タンパク質をコードする核酸配列の3’側に存在する。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、vIGF2ヌクレオチド配列と治療タンパク質をコードする核酸配列との間にリンカーペプチドをコードするリンカー配列を更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーペプチドは、配列番号18~21または配列番号33を含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療ベクターは、ウイルスベクターである。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、またはヘルペスウイルスベクターである。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、AAVベクターである。幾つかの実施形態では、AAVベクターは、末端逆位配列(ITR)を含む。幾つかの実施形態では、AAVベクターは、AAV1ベクター、AAV2ベクター、AAV3ベクター、AAV4ベクター、AAV5ベクター、AAV6ベクター、AAV7ベクター、AAV8ベクター、AAV9ベクター、AAVrhSベクター、AAVrh10ベクター、AAVrh33ベクター、AAVrh34ベクター、AAVrh74ベクター、AAV/Anc80ベクター、AAVPHP.Bベクター、AAVhu68ベクター、及びAAV-DJベクターからなる群から選択される。
【0010】
更なる態様では、(i)治療上有効量の本明細書における遺伝子治療ベクターのいずれか、及び(ii)薬学的に許容される担体または賦形剤、を含む医薬組成物が提供される。幾つかの実施形態では、担体または賦形剤は、非イオン性、低浸透圧の化合物、緩衝液、ポリマー、塩、またはこれらの組み合わせを含む。
【0011】
更なる態様では、本明細書において提供される遺伝子治療ベクターのいずれかまたは本明細書において提供される医薬組成物のいずれかを遺伝的障害を処置する必要がある対象に投与することを含む、遺伝的障害を処置する方法が提供される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、リソソーム貯蔵障害である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、及びシンドラー病II型からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、リソソーム貯蔵障害は、アクチベーター欠損症、GM2ガングリオシドーシス;GM2ガングリオシドーシスAB異型;α-マンノシドーシス(2型、中等症型;3型、新生児期、重症型);β-マンノシドーシス;リソソーム酸性リパーゼ欠損症;シスチン症(遅発性の若年または思春期腎障害型;小児腎障害型);シャナリン・ドルフマン症候群;ミオパチーを伴う中性脂質蓄積症;NLSDM;ダノン病;ファブリー病;ファブリー病II型、遅発型;ファーバー病;ファーバー脂肪性肉芽腫症;フコシドーシス;ガラクトシアリドーシス(ノイラミニダーゼ及びβ-ガラクトシダーゼの複合欠損症);ゴーシェ病;II型ゴーシェ病;III型ゴーシェ病;IIIC型ゴーシェ病;ゴーシェ病、非典型、サポシンC欠損による;GM1ガングリオシドーシス(遅発乳児型/若年型GM1ガングリオシドーシス;成人型/慢性GM1ガングリオシドーシス);グロボイド細胞白質ジストロフィー、クラッベ病(遅発乳児型;若年型;成人型);クラッベ病、非典型、サポシンA欠損による;異染性白質ジストロフィー(若年型;成人型);部分的セレブロシドスルファターゼ欠損症;偽性アリルスルファターゼA欠損症;サポシンB欠損による異染性白質ジストロフィー;ムコ多糖症障害:MPS I、ハーラー症候群;MPS I、ハーラー・シャイエ症候群;MPS I、シャイエ症候群;MPS II、ハンター症候群;MPS II、ハンター症候群;サンフィリポ症候群A型/MPS IIIA;サンフィリポ症候群B型/MPS IIIB;サンフィリポ症候群C型/MPS IIIC;サンフィリポ症候群D型/MPS IIID;モルキオ症候群、A型/MPS IVA;モルキオ症候群、B型/MPS IVB;MPS IX/ヒアルロニダーゼ欠損症;MPS VI/マロトー・ラミー症候群;MPS VII/スライ症候群;ムコリピドーシスI型、シアリドーシスII型;I細胞病、ルロイ病(Leroy disease)、ムコリピドーシスII型;偽性ハーラー病ポリジストロフィー/ムコリピドーシスIII型;ムコリピドーシスIIIC型/ML III γ;ムコリピドーシスIV型;多重スルファターゼ欠損症;ニーマン・ピック病(B型;C1型/慢性神経細胞障害型;C2型;D型/Nova Scotian型);神経セロイドリポフスチン症:CLN6病(非典型の遅発乳児型、遅発型異型、早期若年型);Batten-Spielmeyer-Vogt病/若年型NCL/CLN3病;フィンランド異型遅発乳児型CLN5病;ヤンスキー・ビールショースキー病/遅発乳児型CLN2病/TPP1病;クーフス病/成人型NCL/CLN4病(B型);北部癲癇/遅発乳児型異型CLN8病;Santavuori-Haltia病/乳児型CLN1病/PPT病;ポンペ病(グリコーゲン蓄積症II型);遅発性ポンペ病;濃化異骨症;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;シンドラー病(III型/中間型、可変的);神崎疾患;サラ病;乳児型遊離シアル酸蓄積症(ISSD);進行性ミオクローヌス癲癇を伴う脊髄性筋萎縮症(SMAPME);テイサックス病/GM2ガングリオシドーシス;若年性テイサックス病;遅発性テイサックス病;クリスチャンソン症候群;Lowe眼脳腎症候群;シャルコー・マリー・トゥース病4J型、CMT4J;Yunis-Varon症候群;両側性側頭後頭葉多小脳回(BTOP);X連鎖性高カルシウム尿腎結石症、デント病1型;ならびにデント病2型、アデノシンデアミナーゼ欠損重症複合免疫不全症(ADA-SCID)、慢性肉芽腫症(CGD)、CDKL5欠損症、及び神経セロイドリポフスチン症からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、ポンペ病である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、神経セロイドリポフスチン症である。幾つかの実施形態では、神経セロイドリポフスチン症は、乳児型NCL(Santavuori-Haltia病)、遅発乳児型NCL(ヤンスキー・ビールショースキー病)、バッテン病、成人型NCL(クーフス病)、フィンランド遅発乳児型NCL、遅発乳児型異型NCL、CLN7、CLN8、トルコ遅発乳児型NCL、NCL9型、及びCLN10からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、投与は、クモ膜下腔内に、眼内に、硝子体内に、網膜に、静脈内に、筋肉内に、脳室内に、大脳内に、小脳内に、側脳室内に、実質内に、眼に、皮下に、またはこれらの組み合わせで行われる。幾つかの実施形態では、投与は、クモ膜下腔内に行われる。幾つかの実施形態では、投与は、眼内に、硝子体内に、または網膜に行われる。
【0012】
更なる態様では、遺伝的障害を処置するのに使用するための、本明細書における遺伝子治療ベクターのいずれか及び薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。更なる態様では、遺伝的障害の処置のための薬剤の調製に使用するための、本明細書における遺伝子治療ベクターのいずれか及び薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、リソソーム貯蔵障害である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、及びシンドラー病II型からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、リソソーム貯蔵障害は、アクチベーター欠損症、GM2ガングリオシドーシス;GM2ガングリオシドーシスAB異型;α-マンノシドーシス(2型、中等症型;3型、新生児期、重症型);β-マンノシドーシス;リソソーム酸性リパーゼ欠損症;シスチン症(遅発性の若年または思春期腎障害型;小児腎障害型);シャナリン・ドルフマン症候群;ミオパチーを伴う中性脂質蓄積症;NLSDM;ダノン病;ファブリー病;ファブリー病II型、遅発型;ファーバー病;ファーバー脂肪性肉芽腫症;フコシドーシス;ガラクトシアリドーシス(ノイラミニダーゼ及びβ-ガラクトシダーゼの複合欠損症);ゴーシェ病;II型ゴーシェ病;III型ゴーシェ病;IIIC型ゴーシェ病;ゴーシェ病、非典型、サポシンC欠損による;GM1ガングリオシドーシス(遅発乳児型/若年型GM1ガングリオシドーシス;成人型/慢性GM1ガングリオシドーシス);グロボイド細胞白質ジストロフィー、クラッベ病(遅発乳児型;若年型;成人型);クラッベ病、非典型、サポシンA欠損による;異染性白質ジストロフィー(若年型;成人型);部分的セレブロシドスルファターゼ欠損症;偽性アリルスルファターゼA欠損症;サポシンB欠損による異染性白質ジストロフィー;ムコ多糖症障害:MPS I、ハーラー症候群;MPS I、ハーラー・シャイエ症候群;MPS I、シャイエ症候群;MPS II、ハンター症候群;MPS II、ハンター症候群;サンフィリポ症候群A型/MPS IIIA;サンフィリポ症候群B型/MPS IIIB;サンフィリポ症候群C型/MPS IIIC;サンフィリポ症候群D型/MPS IIID;モルキオ症候群、A型/MPS IVA;モルキオ症候群、B型/MPS IVB;MPS IX/ヒアルロニダーゼ欠損症;MPS VI/マロトー・ラミー症候群;MPS VII/スライ症候群;ムコリピドーシスI型、シアリドーシスII型;I細胞病、ルロイ病(Leroy disease)、ムコリピドーシスII型;偽性ハーラー病ポリジストロフィー/ムコリピドーシスIII型;ムコリピドーシスIIIC型/ML III γ;ムコリピドーシスIV型;多重スルファターゼ欠損症;ニーマン・ピック病(B型;C1型/慢性神経細胞障害型;C2型;D型/Nova Scotian型);神経セロイドリポフスチン症:CLN6病(非典型の遅発乳児型、遅発型異型、早期若年型);Batten-Spielmeyer-Vogt病/若年型NCL/CLN3病;フィンランド異型遅発乳児型CLN5病;ヤンスキー・ビールショースキー病/遅発乳児型CLN2病/TPP1病;クーフス病/成人型NCL/CLN4病(B型);北部癲癇/遅発乳児型異型CLN8病;Santavuori-Haltia病/乳児型CLN1病/PPT病;ポンペ病(グリコーゲン蓄積症II型);遅発性ポンペ病;濃化異骨症;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;シンドラー病(III型/中間型、可変的);神崎疾患;サラ病;乳児型遊離シアル酸蓄積症(ISSD);進行性ミオクローヌス癲癇を伴う脊髄性筋萎縮症(SMAPME);テイサックス病/GM2ガングリオシドーシス;若年性テイサックス病;遅発性テイサックス病;クリスチャンソン症候群;Lowe眼脳腎症候群;シャルコー・マリー・トゥース病4J型、CMT4J;Yunis-Varon症候群;両側性側頭後頭葉多小脳回(BTOP);X連鎖性高カルシウム尿腎結石症、デント病1型;ならびにデント病2型、アデノシンデアミナーゼ欠損重症複合免疫不全症(ADA-SCID)、慢性肉芽腫症(CGD)、CDKL5欠損症、及び神経セロイドリポフスチン症からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、ポンペ病である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、神経セロイドリポフスチン症である。幾つかの実施形態では、神経セロイドリポフスチン症は、乳児型NCL(Santavuori-Haltia病)、遅発乳児型NCL(ヤンスキー・ビールショースキー病)、バッテン病、成人型NCL(クーフス病)、フィンランド遅発乳児型NCL、遅発乳児型異型NCL、CLN7、CLN8、トルコ遅発乳児型NCL、NCL9型、及びCLN10からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、組成物は、クモ膜下腔内、眼内、硝子体内、網膜、静脈内、筋肉内、脳室内、大脳内、小脳内、眼、または皮下投与用に製剤化される。幾つかの実施形態では、組成物は、クモ膜下腔内投与用に製剤化される。幾つかの実施形態では、組成物は、神経変性障害を処置するためのクモ膜下腔内投与用に製剤化される。幾つかの実施形態では、組成物は、眼、硝子体内、または網膜投与用に製剤化される。
【0013】
本明細書において、(a)治療タンパク質;(b)カチオン非依存性マンノース6-リン酸(M6P)受容体(CI-MPR)に高親和性で結合するペプチド;及び(c)当該治療タンパク質とCI-MPRに結合する当該ペプチドとの間のリンカーを含む、ポリペプチドをコードする核酸構築物を含む遺伝子治療ベクターが提供される。幾つかの実施形態では、ペプチドは、バリアントIGF2(vIGF2)ペプチドである。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1と少なくとも90%同一であり、配列番号1の6位、26位、27位、43位、48位、49位、50位、54位、55位、及び65位からなる群から選択される1つ以上の位置での少なくとも1つの置換を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの置換は、配列番号1のE6R、F26S、Y27L、V43L、F48T、R49S、S50I、A54R、L55R、及びK65Rからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の6位、26位、27位、43位、48位、49位、50位、54位、55位、65位からなる群から選択される2つ以上の位置での少なくとも2つの置換を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも2つの置換は、配列番号1のE6R、F26S、Y27L、V43L、F48T、R49S、S50I、A54R、L55R、K65Rからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号1の1~4位のN末端欠失を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、天然のIGF2ペプチドと比較してインスリン受容体及びIGF1Rに対する減少した親和性を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、細胞への治療タンパク質の取り込みを促進することができる。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、リソソームへの治療タンパク質の取り込みを促進することができる。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、遺伝的障害を有する対象において当該遺伝的障害に関連する不完全なタンパク質または欠損したタンパク質の代わりとなることができる。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、リソソーム貯蔵障害である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、シンドラー病II型、アデノシンデアミナーゼ欠損重症複合免疫不全症(ADA-SCID)、慢性肉芽腫症(CGD)、及び神経セロイドリポフスチン症からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、ポンペ病である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、CLN1病である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、可溶性リソソーム酵素またはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、リソソーム酵素またはその酵素的に活性な断片を含み、ここで、リソソーム酵素は、α-ガラクトシダーゼA、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、イズロン酸-2-スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、サイクリン依存性キナーゼ様5、及びα-グルコシダーゼからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼまたはその酵素的に活性な断片である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ-1またはその酵素的に活性な断片である。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、翻訳開始配列を更に含む。幾つかの実施形態では、翻訳開始配列は、コザック配列を含む。幾つかの実施形態では、核酸構築物は、シグナルペプチドであって、当該シグナルペプチドを有さない治療タンパク質と比較して治療タンパク質の分泌を増加させることができる当該シグナルペプチドをコードする核酸配列を更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチド及びGaussiaシグナルペプチドから選択される。幾つかの実施形態では、BiPシグナルペプチドは、配列番号13~17からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、配列番号31の配列を含む。幾つかの実施形態では、構築物は、配列番号36を含む。幾つかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号23を含む。幾つかの実施形態では、構築物は、配列番号38を含む。幾つかの実施形態では、vIGF2は、ポリペプチドのN末端に存在する。幾つかの実施形態では、vIGF2は、ポリペプチドのC末端に存在する。幾つかの実施形態では、リンカーペプチドは、配列番号18~21または配列番号33を含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療ベクターは、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ポックスウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、アデノウイルスベクター、及びヘルペスウイルスベクターからなる群から選択されるウイルスベクターである。
【0014】
ある種の態様では、バリアントIGF2ペプチド及び治療タンパク質を含む融合タンパク質などの融合タンパク質が提供される。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37、本明細書において「2GS」とも称される)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、シグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を含む核酸によってコードされる。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、コザック配列を含む核酸によってコードされる。
【0015】
更なる態様では、シグナルペプチド及び治療タンパク質を含む融合タンパク質であって、当該シグナルペプチドが、翻訳後、細胞からの分泌の際に除去される、当該融合タンパク質が提供される。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、バリアントIGF2ペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を含む核酸によってコードされる。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、コザック配列を含む核酸によってコードされる。
【0016】
更なる態様では、治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸配列であって、当該融合タンパク質が、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を含む核酸によってコードされる、当該核酸配列が提供される。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、シグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、バリアントIGF2ペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、コザック配列を含む核酸によってコードされる。
【0017】
更なる態様では、治療タンパク質を含む融合タンパク質であって、コザック配列を含む核酸によってコードされる当該融合タンパク質が提供される。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、シグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、バリアントIGF2ペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を含む核酸によってコードされる。
【0018】
更なる態様では、バリアントIGF2ペプチド及び治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸などの融合タンパク質をコードする核酸が提供される。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、シグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コザック配列を更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。
【0019】
更なる態様では、シグナルペプチド及び治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸が提供される。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、バリアントIGF2ペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コザック配列を更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。
【0020】
更なる態様では、治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸であって、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む当該核酸が提供される。幾つかの実施形態では、核酸は、コザック配列を更に含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、シグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、バリアントIGF2ペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。
【0021】
更なる態様では、治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸であって、コザック配列を更に含む当該核酸が提供される。幾つかの実施形態では、核酸は、コザック配列を更に含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、シグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、バリアントIGF2ペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。
【0022】
更なる態様では、(a)バリアントIGF2ペプチド及び治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸;ならびに(b)遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤、を含む組成物が提供される。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、シグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コザック配列を更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、リポソーム、ナノ粒子、または細胞貫通ペプチドを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、ウイルスコートタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、ウイルスコートタンパク質は、水疱性口炎ウイルスコートタンパク質、アデノウイルスコートタンパク質、アデノ随伴ウイルスコートタンパク質、マウス白血病ウイルスコートタンパク質、HIVコートタンパク質、及びインフルエンザウイルスコートタンパク質からなる群から選択される。
【0023】
更なる態様では、(a)シグナルペプチド及び治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸;ならびに(b)遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤、を含む組成物が提供される。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、バリアントIGF2ペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コザック配列を更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、リポソーム、ナノ粒子、または細胞貫通ペプチドを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、ウイルスコートタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、ウイルスコートタンパク質は、水疱性口炎ウイルスコートタンパク質、アデノウイルスコートタンパク質、アデノ随伴ウイルスコートタンパク質、マウス白血病ウイルスコートタンパク質、HIVコートタンパク質、及びインフルエンザウイルスコートタンパク質からなる群から選択される。
【0024】
更なる態様では、(a)治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸;及び(b)遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤、を含む組成物であって、当該核酸がコオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む、当該組成物が提供される。幾つかの実施形態では、核酸は、コザック配列を更に含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、シグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、バリアントIGF2ペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、リポソーム、ナノ粒子、または細胞貫通ペプチドを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、ウイルスコートタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、ウイルスコートタンパク質は、水疱性口炎ウイルスコートタンパク質、アデノウイルスコートタンパク質、アデノ随伴ウイルスコートタンパク質、マウス白血病ウイルスコートタンパク質、HIVコートタンパク質、及びインフルエンザウイルスコートタンパク質からなる群から選択される。
【0025】
更なる態様では、(a)治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸;及び(b)遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤、を含む組成物であって、当該核酸がコザック配列を更に含む、当該組成物が提供される。幾つかの実施形態では、核酸は、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、シグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、バリアントIGF2ペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、リポソーム、ナノ粒子、または細胞貫通ペプチドを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、ウイルスコートタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、ウイルスコートタンパク質は、水疱性口炎ウイルスコートタンパク質、アデノウイルスコートタンパク質、アデノ随伴ウイルスコートタンパク質、マウス白血病ウイルスコートタンパク質、HIVコートタンパク質、及びインフルエンザウイルスコートタンパク質からなる群から選択される。
【0026】
更なる態様では、(a)バリアントIGF2ペプチド及び治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸;ならびに(b)遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤、を含む組成物を投与することを含む、個体の遺伝的障害を処置する方法が提供される。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、シグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コザック配列を更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、リポソーム、ナノ粒子、または細胞貫通ペプチドを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、ウイルスコートタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、ウイルスコートタンパク質は、水疱性口炎ウイルスコートタンパク質、アデノウイルスコートタンパク質、アデノ随伴ウイルスコートタンパク質、マウス白血病ウイルスコートタンパク質、HIVコートタンパク質、及びインフルエンザウイルスコートタンパク質からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、リソソーム貯蔵障害である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、シンドラー病II型、アデノシンデアミナーゼ欠損重症複合免疫不全症(ADA-SCID)、及び慢性肉芽腫症(CGD)からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、個体由来の細胞がエクスビボで処理され、エクスビボでの処理後に個体に投与される。
【0027】
更なる態様では、(a)シグナルペプチド及び治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸;ならびに(b)遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤、を含む組成物を投与することを含む、個体の遺伝的障害を処置する方法が提供される。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、バリアントIGF2ペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コザック配列を更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、リポソーム、ナノ粒子、または細胞貫通ペプチドを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、ウイルスコートタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、ウイルスコートタンパク質は、水疱性口炎ウイルスコートタンパク質、アデノウイルスコートタンパク質、アデノ随伴ウイルスコートタンパク質、マウス白血病ウイルスコートタンパク質、HIVコートタンパク質、及びインフルエンザウイルスコートタンパク質からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、リソソーム貯蔵障害である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、シンドラー病II型、アデノシンデアミナーゼ欠損重症複合免疫不全症(ADA-SCID)、及び慢性肉芽腫症(CGD)からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、個体由来の細胞がエクスビボで処理され、エクスビボでの処理後に個体に投与される。
【0028】
更なる態様では、(a)治療タンパク質及び標的化ペプチドを含む融合タンパク質をコードする核酸;ならびに(b)遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤、を含む組成物を投与することを含む、個体の遺伝的障害を処置する方法であって、当該核酸がコオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む当該方法が提供される。幾つかの実施形態では、核酸は、コザック配列を更に含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、シグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、バリアントIGF2ペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、リポソーム、ナノ粒子、または細胞貫通ペプチドを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、ウイルスコートタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、ウイルスコートタンパク質は、水疱性口炎ウイルスコートタンパク質、アデノウイルスコートタンパク質、アデノ随伴ウイルスコートタンパク質、マウス白血病ウイルスコートタンパク質、HIVコートタンパク質、及びインフルエンザウイルスコートタンパク質からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、リソソーム貯蔵障害である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、シンドラー病II型、アデノシンデアミナーゼ欠損重症複合免疫不全症(ADA-SCID)、及び慢性肉芽腫症(CGD)からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、個体由来の細胞がエクスビボで処理され、エクスビボでの処理後に個体に投与される。
【0029】
更なる態様では、(a)治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸;及び(b)遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤、を含む組成物を投与することを含む、個体の遺伝的障害を処置する方法であって、当該核酸がコザック配列を更に含む当該方法が提供される。幾つかの実施形態では、核酸は、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、シグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、バリアントIGF2ペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、リポソーム、ナノ粒子、または細胞貫通ペプチドを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、ウイルスコートタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、ウイルスコートタンパク質は、水疱性口炎ウイルスコートタンパク質、アデノウイルスコートタンパク質、アデノ随伴ウイルスコートタンパク質、マウス白血病ウイルスコートタンパク質、HIVコートタンパク質、及びインフルエンザウイルスコートタンパク質からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、リソソーム貯蔵障害である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、シンドラー病II型、アデノシンデアミナーゼ欠損重症複合免疫不全症(ADA-SCID)、及び慢性肉芽腫症(CGD)からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、個体由来の細胞がエクスビボで処理され、エクスビボでの処理後に個体に投与される。
【0030】
更なる態様では、バリアントIGF2ペプチド及び治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸を含む細胞を投与することを含む、個体の遺伝的障害を処置する方法が提供される。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、シグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コザック配列を更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、リポソーム、ナノ粒子、または細胞貫通ペプチドを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、ウイルスコートタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、ウイルスコートタンパク質は、水疱性口炎ウイルスコートタンパク質、アデノウイルスコートタンパク質、アデノ随伴ウイルスコートタンパク質、マウス白血病ウイルスコートタンパク質、HIVコートタンパク質、及びインフルエンザウイルスコートタンパク質からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、リソソーム貯蔵障害である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、シンドラー病II型、アデノシンデアミナーゼ欠損重症複合免疫不全症(ADA-SCID)、及び慢性肉芽腫症(CGD)からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、細胞は、個体に由来する。
【0031】
更なる態様では、シグナルペプチド及び治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸を含む細胞を投与することを含む、個体の遺伝的障害を処置する方法が提供される。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、バリアントIGF2ペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、コザック配列を更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、リポソーム、ナノ粒子、または細胞貫通ペプチドを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、ウイルスコートタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、ウイルスコートタンパク質は、水疱性口炎ウイルスコートタンパク質、アデノウイルスコートタンパク質、アデノ随伴ウイルスコートタンパク質、マウス白血病ウイルスコートタンパク質、HIVコートタンパク質、及びインフルエンザウイルスコートタンパク質からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、リソソーム貯蔵障害である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、シンドラー病II型、アデノシンデアミナーゼ欠損重症複合免疫不全症(ADA-SCID)、及び慢性肉芽腫症(CGD)からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、細胞は、個体に由来する。
【0032】
更なる態様では、治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸を含む細胞を投与することを含む、個体の遺伝的障害を処置する方法であって、当該核酸がコオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む当該方法が提供される。幾つかの実施形態では、核酸は、コザック配列を更に含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、シグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、バリアントIGF2ペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、リポソーム、ナノ粒子、または細胞貫通ペプチドを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、ウイルスコートタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、ウイルスコートタンパク質は、水疱性口炎ウイルスコートタンパク質、アデノウイルスコートタンパク質、アデノ随伴ウイルスコートタンパク質、マウス白血病ウイルスコートタンパク質、HIVコートタンパク質、及びインフルエンザウイルスコートタンパク質からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、リソソーム貯蔵障害である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、シンドラー病II型、アデノシンデアミナーゼ欠損重症複合免疫不全症(ADA-SCID)、及び慢性肉芽腫症(CGD)からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、細胞は、個体に由来する。
【0033】
更なる態様では、治療タンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸を含む細胞を投与することを含む、個体の遺伝的障害を処置する方法であって、当該核酸がコザック配列を更に含む当該方法が提供される。幾つかの実施形態では、核酸は、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを更に含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。幾つかの実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号18)、GGGGS(配列番号19)、GGGSGGGGS(配列番号20)、GGGGSGGGS(配列番号21)、GGGGSGGGGS(配列番号37)、またはGGSGSGSTS(配列番号33)のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、シグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチドを含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、バリアントIGF2ペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-ガラクトシダーゼ(AまたはB)、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ(AまたはB)、ガラクトシルセラミダーゼ、アリルスルファターゼ(AまたはB)、β-グルコセレブロシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸性リパーゼ、リソソーム酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ、ホルミルグリシン生成酵素、イズロニダーゼ(例えば、α-L)、アセチルCoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼ、グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase)、ヘパランN-スルファターゼ、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ、グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-N-アセチルノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)、ガングリオシドシアリダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、α-グルコシダーゼ、α-D-マンノシダーゼ、β-D-マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-L-フコシダーゼ、バッテニン(battenin)、パルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ、及び他のバッテン病関連タンパク質(例えば、セロイドリポフスチン症神経タンパク質6)、またはそれらの酵素的に活性な断片からなる群のうちの少なくとも1つの酵素を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、α-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、N-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(NAGLU)である。幾つかの実施形態では、核酸は、プロモーターを更に含む。幾つかの実施形態では、核酸は、ウイルスベクター内に含まれる。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはヘルペスウイルスを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤。幾つかの実施形態では、遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤は、ウイルスコートタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、ウイルスコートタンパク質は、水疱性口炎ウイルスコートタンパク質、アデノウイルスコートタンパク質、アデノ随伴ウイルスコートタンパク質、マウス白血病ウイルスコートタンパク質、HIVコートタンパク質、及びインフルエンザウイルスコートタンパク質からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、リソソーム貯蔵障害である。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、シンドラー病II型、アデノシンデアミナーゼ欠損重症複合免疫不全症(ADA-SCID)、及び慢性肉芽腫症(CGD)からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、細胞は、個体に由来する。
【0034】
更に本明細書において、天然のシグナルペプチド、ERタンパク質切断ドメイン、バリアントIGF2ペプチド、及び天然のシグナルペプチドを欠くα-グルコシダーゼを含む融合タンパク質であって、コザック配列を含む核酸によってコードされる当該融合タンパク質が提供される。
【0035】
加えて、本明細書において、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチド、バリアントIGF2ペプチド、及びα-グルコシダーゼを含む融合タンパク質であって、コザック配列を含む核酸によってコードされる当該融合タンパク質が提供される。
【0036】
加えて、本明細書において、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチド、バリアントIGF2ペプチド、及び天然のシグナルペプチドを欠くα-グルコシダーゼを含む融合タンパク質であって、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を含む核酸によってコードされる当該融合タンパク質が提供される。
【0037】
加えて、本明細書において、天然のシグナルペプチド、ERタンパク質切断ドメイン、バリアントIGF2ペプチド、及び天然のシグナルペプチドを欠くα-グルコシダーゼを含む融合タンパク質をコードする核酸が提供される。
【0038】
加えて、本明細書において、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチド、バリアントIGF2ペプチド、及び天然のシグナルペプチドを欠くα-グルコシダーゼを含む融合タンパク質をコードする核酸であって、コザック配列を更に含む当該核酸が提供される。
【0039】
加えて、本明細書において、バリアントIGF2ペプチド及びα-グルコシダーゼを含む融合タンパク質をコードする核酸であって、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む当該核酸が提供される。
【0040】
加えて、本明細書において、(a)天然のシグナルペプチド、ERタンパク質切断ドメイン、バリアントIGF2ペプチド、及び天然のシグナルペプチドを欠くα-グルコシダーゼを含む融合タンパク質をコードする核酸;ならびに(b)遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤、を含む組成物が提供される。
【0041】
加えて、本明細書において、(a)結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチド、バリアントIGF2ペプチド、及び天然のシグナルペプチドを欠くα-グルコシダーゼを含む融合タンパク質をコードする核酸であって、コザック配列を更に含む当該核酸;ならびに(b)遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤、を含む組成物が提供される。
【0042】
加えて、本明細書において、(a)バリアントIGF2ペプチド及びα-グルコシダーゼを含む融合タンパク質をコードする核酸であって、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む当該核酸;ならびに(b)遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤、を含む組成物が提供される。
【0043】
加えて、本明細書において、(a)天然のシグナルペプチド、ERタンパク質切断ドメイン、バリアントIGF2ペプチド、及び天然のシグナルペプチドを欠くα-グルコシダーゼを含む融合タンパク質をコードする核酸;ならびに(b)遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤、を含む組成物を投与することを含む、個体のポンペ病を処置する方法が提供される。
【0044】
加えて、本明細書において、(a)結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチド、バリアントIGF2ペプチド、及び天然のシグナルペプチドを欠くα-グルコシダーゼを含む融合タンパク質をコードする核酸であって、コザック配列を更に含む当該核酸;ならびに(b)遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤、を含む組成物を投与することを含む、個体のポンペ病を処置する方法が提供される。
【0045】
加えて、本明細書において、(a)バリアントIGF2ペプチド及びα-グルコシダーゼを含む融合タンパク質をコードする核酸であって、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む当該核酸;ならびに(b)遺伝子治療に好適な緩衝液または賦形剤、を含む組成物を投与することを含む、個体のポンペ病を処置する方法が提供される。
【0046】
加えて、本明細書において、天然のシグナルペプチド、ERタンパク質切断ドメイン、バリアントIGF2ペプチド、及び天然のシグナルペプチドを欠くα-グルコシダーゼを含む融合タンパク質をコードする核酸を含む細胞を投与することを含む、個体のポンペ病を処置する方法が提供される。
【0047】
加えて、本明細書において、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチド、バリアントIGF2ペプチド、及びα-グルコシダーゼまたはその酵素的に活性な断片を含む融合タンパク質をコードする核酸であって、コザック配列を更に含む当該核酸を含む細胞を投与することを含む、個体のポンペ病を処置する方法が提供される。
【0048】
加えて、本明細書において、バリアントIGF2ペプチド及びα-グルコシダーゼを含む融合タンパク質をコードする核酸であって、コオロギ麻痺ウイルス内部リボソーム進入配列(CrPV IRES)を更に含む当該核酸を含む細胞を投与することを含む、個体のポンペ病を処置する方法が提供される。
【0049】
参照による組み込み
本明細書に記載の全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各個別の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが具体的に、かつ個々に示されているかのような程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
特許出願ファイルは、少なくとも1つのカラーで製作された図面を含む。カラー図面(複数可)を有する本特許出願のコピーは、要請及び必要な手数料の支払いに応じて、特許庁により提供される。本開示の特徴及び効果は、本開示の原理が利用される例示的実施形態を記載している以下の発明を実施するための形態、及び以下の添付の図面を参照することにより理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】M6Pを有する及び有さないアルグルコシダーゼ-αであるrhGAAのGAA活性を示す。図1は、CI-MPRに結合することができる市販のERTの割合を示す。第1のピークは、M6Pを含有する任意のグリカンを欠くrhGAAであり、従って、取り込まれ、リソソームに送達されることが不可能である。第2のピークは、少なくとも1つのリン酸化グリカンを含有する画分であり、細胞に取り込まれ、グリコーゲンの加水分解のためにリソソームに送達される可能性を有する。
図2】IGF2ならびにモノ及びビスリン酸化オリゴ糖に対する異なる結合ドメインを含むCI-MPRの構造を示す。
図3】成熟ヒトIGF2ペプチドの配列及び構造を示す。部位特異的アミノ酸置換は、他の受容体の結合に影響を及ぼすことが提唱されている。
図4】表面プラズモン共鳴によって測定される野生型IGF2(wtIGF2)ペプチドのCI-MPRへの結合を示す。
図5】表面プラズモン共鳴によって測定されるバリアントIGF2(vIGF2)ペプチドのCI-MPRへの結合を示す。
図6】IGF2/CI-MPRへの結合を増加させるためにvIGF2をアルグルコシダーゼαに追加することの利点を示す。
図7】IGF2/CI-MPRへの結合を増加させるためにvIGF2を組換えヒトN-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(rhNAGLU)に追加することの利点を示す。
図8】野生型ヒトIGF2のインスリン受容体への結合を示す。
図9】vIGF2のインスリン受容体への検出可能な結合を示さない。
図10】野生型IGF2のインスリン様増殖因子1受容体への結合を示す。
図11】vIGF2ペプチドのインスリン様増殖因子1受容体への野生型IGF2と比較して減少した結合を示す。
図12】天然のhGAA及び改変されたhGAAをコードする遺伝子治療発現カセットの2つの例を示す。天然のhGAAは、不十分なリン酸化を有し、これにより、不十分なCIMPR結合及び細胞取り込みをもたらす。改変されたhGAAは、改善されたCIMPR結合のために追加されたエレメント(vIGF2)、vIGF2-GAAタンパク質のCIMPRとの立体障害を低減する2GSリンカー、及び分泌を改善するためのBiPシグナルペプチドを有する。
図13】組換えヒトPPT1(PPT1-1)を発現する細胞、vIGF2標的化ドメインを有する組換えヒトPPT1(PPT1-2)を発現する細胞、ならびにvIGF2標的化ドメイン及びBiPシグナル配列を有する組換えヒトPPT1(PPT1-29)を発現する細胞由来のPPT1のウエスタンブロットを示す。
図14】PPT1構築物のCI-MPRへの結合を示す。
図15】改変されたhGAAまたは天然のhGAAを発現するCHO細胞の馴化培地のGAA活性を示す。
図16】GAAノックアウトマウスでの遺伝子治療の4週間のマウス研究の研究デザインを示す。
図17】無処置の野生型(「正常」)マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスの血漿GAA活性を示す。
図18】無処置の野生型(「正常」)マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスにおいて測定されたGAAレベルを示す。
図19】示されるように処置されたマウスから得られた血漿試料由来のrhGAAの細胞表面受容体結合を示す。
図20】無処置の野生型(「正常」)マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスの前脛骨筋のGAA活性及び四頭筋グリコーゲン/組織病理診断スコアを示す。
図21】無処置の野生型マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスの前脛骨筋のグリコーゲン(PAS)染色を示す。
図22】無処置の野生型マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスの前脛骨筋のhGAA免疫組織染色を示す。
図23】無処置の野生型(「正常」)マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスの脳及び脊髄の脳GAA活性、脳グリコーゲン、及び脊髄グリコーゲン/組織病理診断スコアを示す。
図24】無処置の野生型マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスの脳のグリコーゲン(PAS)染色を示す。
図25】無処置の野生型(「正常」)マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスの脳幹及び脈絡叢のhGAA免疫組織染色を示す。
図26】無処置の野生型マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスの脊髄のグリコーゲン(PAS)染色を示す。
図27】無処置の野生型マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスの脊髄のhGAA免疫組織染色を示す。
図28】無処置の野生型(「正常」)マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスの四頭筋のGAA活性及びグリコーゲン/組織病理診断スコア化を示す。
図29】無処置の野生型マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスの四頭筋のグリコーゲン(ルクソール/PAS)染色を示す。
図30】無処置の野生型マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスの四頭筋のhGAA免疫組織染色を示す。
図31】無処置の野生型(「正常」)マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスの三頭筋のGAA活性及び組織病理診断スコア化を示す。
図32】無処置の野生型マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスの三頭筋のグリコーゲン(ルクソール/PAS)染色を示す。
図33】無処置の野生型マウスまたは示されるように遺伝子治療ベクターもしくはビヒクルを投与されたGAAノックアウトマウスの三頭筋のhGAA免疫組織染色を示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
単一遺伝子による遺伝的障害の遺伝子治療は、幾つかは幼い時に現れ得る悲惨な症状を有し、場合により、生涯にわたる能力障害をもたらす疾患または障害の有望な1回限りの処置を提供する。リソソーム貯蔵障害などの遺伝的神経障害は、多くの場合、疾患または障害状態において不完全であるか、または欠損しているタンパク質の活性型である治療タンパク質を患者に投与する酵素補充療法で処置される。しかしながら、現行の治療法には、頻繁な処置、治療タンパク質に対する免疫反応の発生、及び治療タンパク質を患部組織、細胞、または細胞内区画に標的化することの困難さを含む課題がある。遺伝子治療は、処置の回数の減少及び持続性の効能を含む利点を提供する。
【0053】
本明細書において、より多くの治療タンパク質をそれが必要とされる所に提供し、これにより、処置の有効性を改善するなどの改善を遺伝子治療に提供する、遺伝子治療ベクターのための構成要素が提供される。本明細書において、かかる課題は、治療タンパク質の発現及び細胞取り込みまたは送達及び細胞内または細胞小器官標的化を改善することによって対処される。本明細書において提供される具体的なツールまたは構成要素としては、分泌を増加させるためのシグナルペプチド(例えば、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)及びGaussiaシグナルペプチド)及び治療タンパク質のエンドサイトーシスを増加させるペプチド(例えば、細胞取り込み及びリソソーム送達を増加させるための、CI-MPRに高親和性で結合するペプチド)が挙げられるが、これらに限定されない。かかるペプチドは、遺伝子治療ベクターによりコードされる治療タンパク質に融合される。幾つかの実施形態では、ペプチドは、IGF2(インスリン様増殖因子2)ペプチドまたはそのバリアントである。本明細書において提供される遺伝子治療ベクターは、幾つかの実施形態では、遺伝子治療の有効性を最適化するための、CI-MPRに高親和性で結合するペプチドに融合された治療タンパク質をコードする核酸を含むことが意図される。
【0054】
酵素補充遺伝子治療のための遺伝子治療構築物が設計された。コザック配列またはCrPV IRESなどのIRES配列が挙げられるが、これらに限定されない、構築物の5’末端に存在する翻訳開始配列、続いて、GAAシグナルペプチドのうちの1つ以上から選択されるシグナルペプチドをコードする核酸、アンチトリプシンインヒビターをコードする核酸、及びBiP配列をコードする核酸。これらに続いて、vIGF-2、HIRMab、もしくはTfRMab、または他の細胞標的化ペプチドもしくはタンパク質であり得る細胞標的化ドメインをコードする核酸が含まれる。遺伝子治療構築物は、リンカーをコードする核酸及び補正酵素またはその酵素的に活性な断片をコードする核酸を更に含み、ここで、当該リンカーは、細胞標的化ドメインを当該補正酵素またはその酵素的に活性な断片に連結している。好適な補正酵素としては、α-グルコシダーゼ(GAA)、α-ガラクトシダーゼ(GLA)、イズロニダーゼ(IDUA)、イズロン酸-2-スルファターゼ(IDS)、PPT1、またはこれらの酵素的に活性な断片、及び個体において欠損していることが発見された他の酵素が挙げられるが、これに限定されない。
【0055】
治療タンパク質の細胞内標的化
ほとんどのリソソームタンパク質のN結合糖鎖は、マンノース6-リン酸(M6P)と称される特殊な糖鎖構造を含有するように修飾される。M6Pは、膜結合型M6P受容体を介したリソソームタンパク質のリソソームへの輸送を可能にする生物学的シグナルである。リソソーム貯蔵障害の酵素補充療法は、治療タンパク質のリソソームへの取り込み及び送達のためにM6P受容体を利用する。Cerezyme(登録商標)及び組換えヒトGCaseの他のバージョンが含まれる、M6P受容体を利用しないある種の治療薬は、タンパク質のグリカン上の末端マンノースに結合することが可能なマンノース受容体を利用し、リソソームに送達する。ある種の酵素補充治療薬が直面している問題は、酵素治療薬に存在するM6Pの量が少ないことにより、治療効果を達成するためにより高用量を必要とすることである。これにより、注入時間がかなり長くなり、治療薬に対する免疫反応が生じる確率が高くなり、薬物の需要が高くなり、タンパク質の製造の増加が必要となり、これにより、コストの増加をもたらされる。
【0056】
CI-MPRは、血液循環からM6P含有リソソーム酵素を捕捉する。この受容体は、M6P及びインスリン様増殖因子に対する異なる結合ドメイン(ドメイン1~3及び7~9、図2を参照のこと)を有し、従って、IGF2/マンノース6-リン酸受容体またはIGF2/CI-MPRとしても知られている。この受容体は、M6PまたはIGF2またはIGF2バリアントを含有する酵素補充治療薬を標的化するために利用され得る。インスリン様増殖因子を含むこれらのリガンドに対するこの受容体の結合親和性を、表1に提供する。注目すべきことに、IGF2ペプチドは、モノまたはビスリン酸化オリゴ糖より高い、CI-MPRに対する結合親和性を有する。
【0057】
遺伝子治療のための治療融合タンパク質
本明細書において、遺伝子治療ベクターから産生される治療融合タンパク質が提供される。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、融合タンパク質をコードする遺伝子治療ベクターを形質導入された細胞により分泌される。幾つかの実施形態では、形質導入された細胞は、組織または器官(例えば、肝臓)内に存在する。細胞から分泌されると、融合タンパク質は患者の血管系によって輸送され、関心対象の組織に到達する。幾つかの実施形態では、治療融合タンパク質は、改善された分泌を有するように改変される。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、対応する治療タンパク質または治療タンパク質を含むが、シグナルペプチドを欠く融合タンパク質と比較して、分泌レベルを改善するためのシグナルペプチドを含む。
【0058】
幾つかの実施形態では、提供される遺伝子治療ベクターは、治療タンパク質の送達に関する遺伝子治療に伴う問題に対処するように改変される。例えば、一部の例では、例えば、治療タンパク質の必要とされる部位への分配を妨げる物理的及び/または生物学的バリアにより、不十分な量の治療タンパク質が治療タンパク質を必要とする細胞に送達される場合、遺伝子治療は、患者の身体内で十分な量の治療タンパク質を生成するだけで意図した処置を達成しない場合がある。従って、たとえ遺伝子治療が、高濃度の治療タンパク質で血液または組織を飽和点まで氾濫させることができても、遺伝子治療は十分な治療効果がない場合がある。加えて、思わしくないクリアランス経路により、大部分の治療タンパク質が除去され得る。たとえ治療タンパク質が血管系から組織(例えば、筋繊維)内の間隙に輸送されても、適切な治療効果は保証されない。リソソーム貯蔵障害の効果的な処置のためには、意味のある有効性をもたらすために、治療上有効量の治療タンパク質が、細胞のエンドサイトーシス及びリソソーム送達を経なければならない。本開示は、処置のための治療タンパク質の標的細胞へのエンドサイトーシスを可能にし、これにより、効果的な処置をもたらすペプチドを含む融合タンパク質をコードする遺伝子治療ベクターを提供することによって、これらの問題に取り組む。幾つかの実施形態では、エンドサイトーシスを可能にするペプチドは、CI-MPRに結合するペプチドである。幾つかの実施形態では、CI-MPRに結合するペプチドは、vIGF2ペプチドである。
【0059】
本明細書において、処置のための治療タンパク質の標的細胞へのエンドサイトーシスを可能にするペプチドを含む融合タンパク質をコードする遺伝子治療ベクターが提供される。幾つかの実施形態では、遺伝子治療ベクターは、治療タンパク質及びCI-MPRに結合するペプチドを含む融合タンパク質をコードする。かかる融合タンパク質は、遺伝子治療ベクターから発現された際、酵素補充治療薬などの治療タンパク質をそれらが必要とされる細胞に標的化し、かかる細胞への送達またはかかる細胞による細胞取り込みを増加させ、治療タンパク質を細胞内位置(例えば、リソソーム)に標的化する。幾つかの実施形態では、ペプチドはIGF2ペプチドまたはそのバリアントであり、これらは治療タンパク質をリソソームに標的化することができる。幾つかの実施形態では、本明細書における融合タンパク質は、分泌を増加させるシグナルペプチド、例えば、BiPシグナルペプチドまたはGaussiaシグナルペプチドも更に含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、リンカー配列を含む。幾つかの実施形態では、本明細書における融合タンパク質をコードする核酸は、内部リボソーム進入配列を含む。
【0060】
本明細書において、vIGF2ペプチドを含む遺伝子治療用の治療タンパク質が提供される。例示的なタンパク質を以下の表2で提供する。
【0061】
本明細書において提供される融合タンパク質の構成要素を以下に更に記載する。
【0062】
CI-MPRに結合するペプチド(例えば、vIGF2ペプチド)
本明細書において、CI-MPRに結合するペプチドが提供される。かかるペプチド及び治療タンパク質を含む融合タンパク質は、遺伝子治療ベクターから発現された際、治療タンパク質をそれが必要とされる細胞に標的化し、かかる細胞による細胞取り込みを増加させ、治療タンパク質を細胞内位置(例えば、リソソーム)に標的化する。幾つかの実施形態では、ペプチドは、治療ペプチドのN末端に融合される。幾つかの実施形態では、ペプチドは、治療タンパク質のC末端に融合される。幾つかの実施形態では、ペプチドは、vIGF2ペプチドである。一部のvIGF2ペプチドは、CI-MPRに対する高親和性の結合を維持する一方で、それらのIGF1受容体、インスリン受容体、及びIGF結合タンパク質(IGFBP)に対する親和性は、減少しているか、または除去されている。従って、一部のバリアントIGF2ペプチドは、wt IGF2と比較して、実質的により選択的であり、低減された安全性リスクを有する。本明細書におけるvIGF2ペプチドとしては、配列番号31のアミノ酸配列を有するものが挙げられる。バリアントIGF2ペプチドとしては、wt IGF2(配列番号1)と比較して、6位、26位、27位、43位、48位、49位、50位、54位、55位、または65位に異なるアミノ酸を有するものが更に挙げられる。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、E6R、F26S、Y27L、V43L、F48T、R49S、S50I、A54R、L55R、及びK65Rからなる群から選択される1つ以上の置換を有する配列を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、E6Rの置換を有する配列を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、F26Sの置換を有する配列を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、Y27Lの置換を有する配列を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、V43Lの置換を有する配列を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、F48Tの置換を有する配列を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、R49Sの置換を有する配列を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、S50Iの置換を有する配列を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、A54Rの置換を有する配列を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、L55Rの置換を有する配列を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、K65Rの置換を有する配列を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、E6R、F26S、Y27L、V43L、F48T、R49S、S50I、A54R、及びL55Rの置換を有する配列を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、N末端欠失を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、1アミノ酸のN末端欠失を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、2アミノ酸のN末端欠失を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、3アミノ酸のN末端欠失を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、4アミノ酸のN末端欠失を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、4アミノ酸のN末端欠失ならびにE6R、Y27L、及びK65Rの置換を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、4アミノ酸のN末端欠失ならびにE6R及びY27Lの置換を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、5アミノ酸のN末端欠失を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、6アミノ酸のN末端欠失を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、7アミノ酸のN末端欠失を有する。幾つかの実施形態では、vIGF2ペプチドは、7アミノ酸のN末端欠失ならびにY27L及びK65Rの置換を有する。
【0063】
内部リボソーム進入配列
本明細書において、翻訳開始のボトルネックを回避することによって遺伝子発現を増加させるための内部リボソーム進入配列(IRES)を更に含む、障害を治療するのに有用な遺伝子治療構築物が提供される。遺伝子治療のために発現を最適化するのに好適な内部リボソーム進入配列としては、コオロギ麻痺ウイルス(CrPV)IRES、ピコルナウイルスIRES、アフトウイルスIRES、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスIRES、A型肝炎IRES、C型肝炎IRES、ペスチウイルスIRES、クリパウイルス(Cripavirus)IRES、Rhopalosiphum padiウイルスIRES、マレック病ウイルスIRES、及び他の好適なIRES配列が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、遺伝子治療構築物は、CrPV IRESを含む。幾つかの実施形態では、CrPV IRESは、AAAAATGTGATCTTGCTTGTAAATACAATTTTGAGAGGTTAATAAATTACAAGTAGTGCTATTTTTGTATTTAGGTTAGCTATTTAGCTTTACGTTCCAGGATGCCTAGTGGCAGCCCCACAATATCCAGGAAGCCCTCTCTGCGGTTTTTCAGATTAGGTAGTCGAAAAACCTAAGAAATTTACCTGCT(配列番号12)の核酸配列を有する。幾つかの実施形態では、CrPV IRES配列は、配列番号12と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である。
【0064】
シグナルペプチド
幾つかの実施形態では、本明細書において提供される遺伝子治療構築物は、遺伝子治療構築物で形質導入された細胞からの治療タンパク質の分泌を改善するシグナルペプチドを更に含む。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、治療タンパク質のタンパク質プロセシングを改善し、新生ポリペプチド-リボソーム複合体のERへの移動を促進し、適切な翻訳時修飾及び翻訳後修飾を確実にする。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、(i)シグナル翻訳開始配列の上流位置、(ii)翻訳開始配列と治療タンパク質との間、または(iii)治療タンパク質の下流位置に存在する。遺伝子治療構築物に有用なシグナルペプチドとしては、HSP70タンパク質ファミリー(例えば、HSPA5、熱ショックタンパク質ファミリーAメンバー5)の結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)シグナルペプチド、及びGaussiaシグナルペプチド、ならびにこれらのバリアントが挙げられるが、これらに限定されない。これらのシグナルペプチドは、シグナル認識粒子に対する極めて高い親和性を有する。BiP及びGaussiaのアミノ酸配列の例を以下の表5に提供する。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号13~17からなる群から選択される配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を有する。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号13~17からなる群から選択される配列と、5アミノ酸以下、4アミノ酸以下、3アミノ酸以下、2アミノ酸以下、または1アミノ酸異なる。
【0065】
BiPシグナルペプチド-シグナル認識粒子(SRP)相互作用は、ERへの移動を促進する。この相互作用を図20に示す。
【0066】
Gaussiaシグナルペプチドは、Gaussia princepsのルシフェラーゼに由来し、このシグナルペプチドに融合された治療タンパク質のタンパク質合成及び分泌の増加を導く。幾つかの実施形態では、Gaussiaシグナルペプチドは、配列番号32と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を有する。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号32と、5アミノ酸以下、4アミノ酸以下、3アミノ酸以下、2アミノ酸以下、または1アミノ酸異なる。
【0067】
リンカー
幾つかの実施形態では、本明細書において提供される遺伝子治療構築物は、標的化ペプチドと治療タンパク質との間にリンカーを含む。幾つかの実施形態では、かかるリンカーは、正しい間隔を維持し、vIGF2ペプチドと治療タンパク質との間の立体的な衝突を軽減する。幾つかの実施形態では、リンカーは、反復するグリシン残基、反復するグリシン-セリン残基、及びこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、リンカーは、5~20アミノ酸、5~15アミノ酸、5~10アミノ酸、8~12アミノ酸、または約5、6、7、8、9、10、11、12、もしくは13アミノ酸から構成される。本明細書における遺伝子治療構築物に好適なリンカーとしては、以下の表6に提供されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
翻訳開始配列
本明細書において提供される遺伝子治療構築物は、コザック配列などのmRNA翻訳の開始を助ける翻訳開始配列を有する核酸を含む。本明細書において意図されるコザック配列は、(gcc)RccATGG(配列番号27)のコンセンサス配列を有し、ここで、小文字はこの位置で最もよく見られる塩基を意味し、この塩基は一様でなく、大文字はごくまれにしか変化しない高度に保存された塩基を示す。Rは、プリン(アデニンまたはグアニン)がその位置で常に観察されることを示す。括弧(gcc)の配列は意義不明である。幾つかの実施形態では、コザック配列は、配列AXATGA(配列番号28)を含み、ここで、X及びXの各々は任意のヌクレオチドである。幾つかの実施形態では、Xは、Aを含む。幾つかの実施形態では、Xは、Gを含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、AAGATGA(配列番号29)と少なくとも85%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、AAGATGA(配列番号29)の配列と、1または2ヌクレオチド異なる。幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるコザック配列は、AAGATGA(配列番号29)の配列を有する。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)と少なくとも85%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)の配列と1または2ヌクレオチド異なる。幾つかの実施形態では、コザック配列は、GCAAGATG(配列番号44)を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)と少なくとも85%同一な核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)の配列と1または2ヌクレオチド異なる。幾つかの実施形態では、コザック配列は、CACCATG(配列番号47)を含む。
【0069】
治療タンパク質
本明細書において提供される遺伝子治療構築物は、個体におけるタンパク質の非存在または不完全なタンパク質をもたらす遺伝的欠陥に起因する遺伝的障害を処置するための治療タンパク質をコードする核酸を含む。遺伝子治療構築物から発現される治療タンパク質は、存在しないか、または不完全なタンパク質の代わりとなる。従って、治療タンパク質は、個体における処置を必要とする遺伝的欠陥に基づいて選択される。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、構造タンパク質である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、酵素である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、調節タンパク質である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、受容体である。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、ペプチドホルモンである。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、サイトカインまたはケモカインである。
【0070】
幾つかの実施形態では、本明細書における遺伝子治療構築物は、リソソーム貯蔵障害を有する個体において遺伝的欠陥を有する酵素などの酵素をコードする。幾つかの実施形態では、遺伝子治療構築物は、リソソーム酵素、例えば、グリコシダーゼ、プロテアーゼ、またはスルファターゼをコードする。幾つかの実施形態では、本明細書において提供される遺伝子治療構築物によりコードされる酵素としては、α-D-マンノシダーゼ;N-アスパルチル-β-グルコサミニダーゼ;β-ガラクトシダーゼ;セラミダーゼ;フコシダーゼ;ガラクトセレブロシダーゼ;アリルスルファターゼA;N-アセチルグルコサミン-1-ホスホトランスフェラーゼ;イズロン酸スルファターゼ;N-アセチルグルコサミニダーゼ;アセチルCoA:α-グルコサミニドアセチルトランスフェラーゼ;Nーアセチルグルコサミン6-スルファターゼ;β-グルクロニダーゼ;ヒアルロニダーゼ;シアリダーゼ;スルファターゼ;スフィンゴミエリナーゼ;酸性β-マンノシダーゼ;カテプシンK;3-ヘキソサミニダーゼA;β-ヘキソサミニダーゼB;α-N-アセチルガラクトサミニダーゼ;シアリン;ヘキソサミニダーゼA;β-グルコシダーゼ;α-イズロニダーゼ;α-ガラクトシダーゼA;β-グルコセレブロシダーゼ;リソソーム酸性リパーゼ;グリコサミノグリカンα-L-イズロノヒドロラーゼ(iduronohydrolase);イズロン酸-2-スルファターゼ;N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ;グリコサミノグリカンN-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ;α-グルコシダーゼ;ヘパランスルファミダーゼ;NADPHオキシダーゼのgp-91サブユニット;アデノシンデアミナーゼ;サイクリン依存性キナーゼ様5;及びパルミトイル化タンパク質チオエステラーゼ1が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、本明細書において提供される遺伝子治療構築物によりコードされる酵素は、α-グルコシダーゼを含む。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、CDKL5欠乏障害、嚢胞性線維症、α及びβサラセミア、鎌形赤血球貧血、マルファン症候群、脆弱X症候群、ハンチントン病、ヘモクロマトーシス、先天性難聴(無症候性)、テイサックス病、家族性高コレステロール血症、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、シュタルガルト病、アッシャー症候群、コロイデレミア、色盲、X連鎖性網膜分離症、血友病、ウィスコット・アルドリッチ症候群、X連鎖性慢性肉芽腫症、芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼ欠損症、劣性栄養障害性表皮水泡症、α1アンチトリプシン欠損症、ハッチンソン・ギルフォード早老症候群(HGPS)、ヌーナン症候群、X連鎖性重症複合免疫不全症(X-SCID)からなる群から選択される遺伝的障害に関連する。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、CDKL5、コネキシン26、ヘキソサミニダーゼA、LDL受容体、ジストロフィン、CFTR、β-グロブリン、HFE、ハンチントン、ABCA4、ミオシンVIIA(MYO7A)、Rabエスコートタンパク質-1(REP1)、環状ヌクレオチド依存性チャネルβ3(CNGB3)、レチノスキシン1(RS1)、ヘモグロビンサブユニットβ(HBB)、第IX因子、WAS、シトクロムB-245β鎖、ドーパ脱炭酸酵素(DDC)、VII型コラーゲンα1鎖(COL7A1)、セルピンファミリーAメンバー1(SERPINA1)、LMNA、PTPN11、SOS1、RAF1、KRAS、及びIL2受容体γ遺伝子からなる群から選択される。
【0071】
遺伝子治療ベクターの例
【0072】
遺伝子治療ベクター及び組成物
本明細書において、DNAなどの核酸がvIGF2融合物などのシグナルペプチドを任意に有する治療融合タンパク質をコードする遺伝子治療ベクターが提供される。遺伝子治療ベクターは、内部リボソーム進入配列を任意に含む。レンチウイルスなどのレトロウイルスに由来するベクターは、それらが導入遺伝子の長期の安定した組込み及び娘細胞におけるその伝播を可能にするため、長期の遺伝子導入を達成するのに好適なツールである。レンチウイルス及びアデノ随伴ウイルスベクターは、マウス白血病ウイルスなどの腫瘍レトロウイルスに由来するベクターと比較して、それらが肝実質細胞及び神経細胞などの非増殖細胞に形質導入することができるという点で更なる利点を有する。それらは、免疫原性が低いという更なる利点も有する。
【0073】
本明細書における例示的な遺伝子治療ベクターは、治療タンパク質及びvIGF2ペプチドを含む治療融合タンパク質をコードする。例示的な融合タンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸を以下の表7に提供する。
【0074】
幾つかの実施形態では、vIGF2融合物またはシグナルペプチド融合物などの本明細書において提供される所望の治療融合タンパク質をコードし、内部リボソーム進入配列を任意に有する核酸を含むベクターは、アデノ随伴ウイルスベクター(A5/35)である。
【0075】
幾つかの実施形態では、vIGF2融合物などの所望の治療融合タンパク質をコードし、内部リボソーム進入配列を任意に有する核酸は、多数の種類のベクターにクローニングされる。例えば、幾つかの実施形態では、核酸は、プラスミド、ファージミド、ファージ誘導体、動物ウイルス、及びコスミドが含まれるが、これらに限定されないベクターにクローニングされる。特に関心対象となるベクターとしては、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクター、及び配列決定ベクターが挙げられる。
【0076】
更に、幾つかの実施形態では、vIGF2融合物またはシグナルペプチド融合物などの治療融合タンパク質をコードし、内部リボソーム進入配列を任意に有する発現ベクターは、ウイルスベクター形態で細胞に提供される。ウイルスベクター技術は、例えば、Sambrook et al.,2012,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,volumes 1-4,Cold Spring Harbor Press,NY、ならびにウイルス学及び分子生物学の他のマニュアルに記載されている。ベクターとして有用なウイルスとしては、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、及びレンチウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。一般に、好適なベクターは、少なくとも1種の生物において機能する複製開始点、プロモーター配列、便利な制限エンドヌクレアーゼ部位、及び1つ以上の選択マーカーを含有する(例えば、WO01/96584;WO01/29058;及び米国特許第6,326,193号)。
【0077】
また本明細書において、遺伝子導入のための組成物及びシステムも提供される。多数のウイルスベースのシステムが、哺乳動物細胞への遺伝子導入のために開発されてきた。例えば、レトロウイルスは、遺伝子送達システムに便利なプラットフォームを提供する。幾つかの実施形態では、選択された遺伝子は、好適な技術を使用してベクターに挿入され、レトロウイルス粒子にパッケージングされる。次いで、組換えウイルスは、単離され、インビボまたはエクスビボで対象の細胞に送達される。多数のレトロウイルスシステムが遺伝子治療に好適である。幾つかの実施形態では、アデノウイルスベクターが使用される。多数のアデノウイルスベクターが遺伝子治療に好適である。幾つかの実施形態では、アデノ随伴ウイルスベクターが使用される。多数のアデノ随伴ウイルスが遺伝子治療に好適である。一実施形態では、レンチウイルスベクターが使用される。
【0078】
本明細書において提供される遺伝子治療構築物は、ベクター(または遺伝子治療発現ベクター)であって、関心対象の遺伝子がクローニングされているか、または当該ベクターのヌクレオチド配列が関心対象の遺伝子の(構成的または幾つかの方法で調節された)発現を可能にするような様式で関心対象の遺伝子を含む、当該ベクターを含む。本明細書において提供されるベクター構築物は、関心対象の組織に送達することができ、関心対象の選択された組織における関心対象の遺伝子の発現を提供する任意の好適な遺伝子発現ベクターを含む。
【0079】
幾つかの実施形態では、ベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであり、これは、AAVベクターの血液脳関門を通過する能力及び神経組織の形質導入能力のためである。本明細書において提供される方法では、任意の血清型のAAVを使用することが意図される。ある種の実施形態では、使用されるウイルスベクターの血清型は、AAV1ベクター、AAV2ベクター、AAV3ベクター、AAV4ベクター、AAV5ベクター、AAV6ベクター、AAV7ベクター、AAV8ベクター、AAV9ベクター、AAVrhSベクター、AAVrh10ベクター、AAVrh33ベクター、AAVrh34ベクター、AAVrh74ベクター、AAV/Anc80ベクター、AAVPHP.Bベクター、AAVhu68ベクター、AAV-DJベクター、及び遺伝子治療に好適な他のものからなる群から選択される。
【0080】
AAVベクターは、哺乳動物に対して非病原性であるDNAパルボウイルスである。簡潔には、AAVベースのベクターは、ウイルスゲノムの96%を占めるrep及びcapウイルス遺伝子が除去され、ウイルスのDNA複製、パッケージング、及び組込みを開始するために使用される2つの隣接する145bpの末端逆位配列(ITR)が残されている。
【0081】
更なる実施形態は、AAV1ベクター、AAV2ベクター、AAV3ベクター、AAV4ベクター、AAV5ベクター、AAV6ベクター、AAV7ベクター、AAV8ベクター、AAV9ベクター、AAVrhSベクター、AAVrh10ベクター、AAVrh33ベクター、AAVrh34ベクター、AAVrh74ベクター、AAV/Anc80ベクター、AAVPHP.Bベクター、AAV-DJベクター、及び遺伝子治療に好適な他のものを作製するための、他の血清型カプシドの使用を含む。任意に、AAVウイルスカプシドは、AAV2/9、AAV9、AAVrhS、AAVrh10、AAVAnc80、またはAAV PHP.Bである。
【0082】
追加のプロモーターエレメント、例えば、エンハンサーは、転写開始の頻度を調節する。典型的には、これらは開始部位の30~110bp上流の領域に存在するが、多数のプロモーターが、開始部位の下流にも機能的エレメントを含むことが示されている。しばしば、プロモーターエレメント間の間隔には柔軟性があり、その結果、エレメントが互いに対して逆位になったり移動したりしてもプロモーター機能は保持される。チミジンキナーゼ(tk)プロモーターでは、多くの場合、活性の減衰を起こすことなく、プロモーターエレメント間の間隔が50bpまで隔てられる。プロモーターによっては、個々のエレメントが協調的に、または独立して、転写を活性化するように見える。
【0083】
哺乳動物T細胞において、vIGF2融合物またはシグナルペプチド融合物などの、内部リボソーム進入配列を任意に有する治療融合タンパク質、導入遺伝子を発現させることができるプロモーターの例は、EF1aプロモーターである。天然のEF1aプロモーターは、アミノアシルtRNAのリボソームへの酵素による送達を担う伸長因子1複合体のαサブユニットの発現を駆動する。EF1aプロモーターは、哺乳動物発現プラスミドに広く使用され、レンチウイルスベクターにクローニングされた導入遺伝子からの発現を駆動するのに効果的であることを示してきた(例えば、Milone et al.,Mol.Ther.17(8):1453-1464(2009)を参照のこと)。プロモーターの別の例は、サイトメガロウイルス(CMV)最初期プロモーター配列である。このプロモーター配列は、機能的に連結された任意のポリヌクレオチド配列の高レベルの発現を駆動させることができる強力な構成的プロモーター配列である。しかしながら、ニワトリβアクチンプロモーター、P546プロモーター、シミアンウイルス40(SV40)初期プロモーター、マウス乳癌ウイルス(MMTV)、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)末端反復配列(LTR)プロモーター、MoMuLVプロモーター、トリ白血病ウイルスプロモーター、エプスタイン・バーウイルス最初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ならびに限定されるものではないが、アクチンプロモーター、ミオシンプロモーター、伸長因子-1aプロモーター、ヘモグロビンプロモーター、及びクレアチンキナーゼプロモーターなどのヒト遺伝子プロモーターが含まれるがこれらに限定されない、他の構成的プロモーター配列も場合により使用される。更に、遺伝子治療ベクターは、構成的プロモーターの使用に限定されることを意図しない。誘導性プロモーターも本明細書において意図される。誘導性プロモーターの使用は、機能的に連結されているポリヌクレオチド配列の発現を、かかる発現が所望される場合にはオンにすることができ、または発現が所望されない場合には発現をオフにすることができる分子スイッチを提供する。誘導性プロモーターの例としては、メタロチオネインプロモーター、糖質コルチコイドプロモーター、プロゲステロンプロモーター、及びテトラサイクリン誘導プロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
vIGF融合物またはシグナルペプチド融合物などの、内部リボソーム進入配列またはその一部を任意に有する治療融合タンパク質の発現を評価する目的で、細胞に導入される発現ベクターは、多くの場合、ウイルスベクターによってトランスフェクトまたは感染させようとする細胞集団からの発現細胞の同定及び選択を容易にするための選択マーカー遺伝子もしくはレポーター遺伝子またはその両方を含有する。他の態様では、選択マーカーは、多くの場合、別個のDNA断片が保有しており、同時トランスフェクション手順に使用される。選択マーカー遺伝子及びレポーター遺伝子のいずれも、場合により、宿主細胞における発現を可能にするための適切な調節配列と隣接している。有用な選択マーカーとしては、例えば、neoなどの抗生物質耐性遺伝子が挙げられる。
【0085】
細胞に遺伝子を導入し、発現させるための方法及び組成物は、本明細書における方法に好適である。発現ベクターに関連して、ベクターは、宿主細胞、例えば、哺乳動物細胞、細菌細胞、酵母細胞、または昆虫細胞に、当技術分野における任意の方法によって容易に導入される。例えば、発現ベクターは、物理的、化学的、または生物学的手段によって宿主細胞に導入される。
【0086】
宿主細胞にポリヌクレオチドを導入するための物理的方法及び組成物としては、リン酸カルシウム沈殿法、リポフェクション、微粒子銃法、マイクロインジェクション、遺伝子銃法、エレクトロポレーションなどが挙げられる。ベクター及び/または外因性核酸を含む細胞を作製するための方法は、本明細書における方法に好適である(例えば、Sambrook et al.,2012,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,volumes 1-4,Cold Spring Harbor Press,NYを参照のこと)。宿主細胞にポリヌクレオチドを導入するための1つの方法は、リン酸カルシウムトランスフェクションである。
【0087】
ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための化学的手段及び組成物としては、コロイド分散系、例えば、高分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、ならびに水中油型エマルション、ミセル、混合ミセル、核酸-脂質粒子、及びリポソームが含まれる脂質ベースの系が挙げられる。インビトロ及びインビボで送達媒体として使用するための例示的なコロイド系は、リポソーム(例えば、人工膜小胞)である。核酸標的化送達の最先端の他の方法、例えば、標的化ナノ粒子によるポリヌクレオチドの送達または他の好適なサブミクロンサイズの送達系が利用可能である。
【0088】
非ウイルス送達系が利用される場合には、例示的な送達媒体は、リポソームである。宿主細胞への核酸の(インビトロ、エクスビボ、またはインビボ)導入のための脂質製剤の使用が意図される。別の態様では、核酸は脂質と会合している。幾つかの実施形態では、脂質と会合した核酸は、リポソームの水性内部に封入されるか、リポソームの脂質二重層内に分散されるか、リポソーム及びオリゴヌクレオチドの両方と会合している連結分子を介してリポソームに付着されるか、リポソーム内に封じ込められるか、リポソームと複合体化されるか、脂質を含有する溶液中に分散されるか、脂質と混合されるか、脂質と組み合わされるか、懸濁物として脂質に含有されるか、ミセル中に含有されるか、もしくはこれと複合体化されるか、または別様に脂質と会合される。脂質、脂質/DNA、または脂質/発現ベクターが会合した組成物は、溶液中でのいかなる特定の構造にも限定されない。例えば、幾つかの実施形態では、それらは二重層構造中に、ミセルとして、または「崩壊した」構造として存在する。あるいは、それらは単純に溶液中に散在しており、おそらくサイズまたは形状が均一でない凝集物を形成している。脂質とは、幾つかの実施形態では、天然に存在する脂質または合成脂質である脂肪性物質のことである。例えば、脂質としては、細胞質中に天然に存在する脂肪小滴、ならびに長鎖脂肪族炭化水素及びそれらの誘導体を含む化合物のクラス、例えば、脂肪酸、アルコール、アミン、アミノアルコール、及びアルデヒドが挙げられる。
【0089】
使用に好適な脂質は、民間の供給元から入手される。例えば、幾つかの実施形態では、ジミリスチルホスファチジルコリン(「DMPC」)は、Sigma,St.Louis,Mo.から入手され;幾つかの実施形態では、ジアセチルホスファート(「DCP」)は、K & K Laboratories(Plainview,N.Y.)から入手され;幾つかの実施形態では、コレステロール(「Chol」)は、Calbiochem-Behringから入手され;ジミリスチルホスファチジルグリセロール(「DMPG」)及び他の脂質は、多くの場合、Avanti Polar Lipids、Inc.(Birmingham、Ala.)から入手される。クロロホルムまたはクロロホルム/メタノール中の脂質の貯蔵溶液は、多くの場合、約-20℃で保存される。クロロホルムは、メタノールよりも容易に蒸発するため、唯一の溶媒として使用される。「リポソーム」とは、閉じた脂質二重層または凝集物の生成によって形成される、種々の単層及び多重層の脂質媒体を包含する総称である。リポソームは、多くの場合、リン脂質二重層膜及び内部の水性媒質を有する小胞構造を有することを特徴とする。多重膜リポソームは、水性媒質によって隔てられた複数の脂質層を有する。それらはリン脂質を過剰量の水性溶液中に懸濁させると自発的に形成される。脂質成分は自己再配列を起こし、その後に閉鎖構造の形成が起こり、水及び溶解溶質を脂質二重層の間に封じ込める(Ghosh et al.,1991 Glycobiology 5:505-10)。しかし、溶液中で通常の小胞構造とは異なる構造を有する組成物も包含される。例えば、幾つかの実施形態では、脂質はミセル構造をとるか、または単に脂質分子の不均一な凝集物として存在する。また、リポフェクタミン-核酸複合体も意図される。
【0090】
外因性核酸を宿主細胞に導入するために使用される方法、または本明細書において提供される、内部リボソーム進入配列を任意に有するvIGF2融合物もしくはシグナルペプチド融合物などの治療融合タンパク質を細胞に曝露させるために使用される方法に関係なく、種々のアッセイが宿主細胞における組換えDNA配列の存在を確認するために実施されることが意図される。かかるアッセイとしては、例えば、本明細書における方法に好適な「分子生物学的」アッセイ、例えば、サザンブロッティング及びノーザンブロッティング、RT-PCR及びPCR;「生化学的」アッセイ、例えば、免疫学的手段(ELISA及びウェスタンブロット)による、または本発明の範囲内に含まれる作用物質を同定するための本明細書に記載されるアッセイによる、特定のペプチドの存在または非存在の検出が挙げられる。
【0091】
本開示は、vIGF2融合物またはシグナルペプチド融合物などの治療融合タンパク質をコードし、内部リボソーム進入配列を任意に有する核酸分子を含むベクターを更に提供する。一態様では、治療融合タンパク質ベクターは、細胞に直接形質導入されることが可能である。一態様では、ベクターは、クローニングベクターまたは発現ベクター、例えば、1種以上のプラスミド(例えば、発現プラスミド、クローニングベクター、小環状DNA、ミニベクター、二重微小染色体)、レトロウイルスベクター構築物、及びレンチウイルスベクター構築物が含まれるが、これらに限定されないベクターである。一態様では、ベクターは、哺乳動物細胞においてvIGF2-治療融合タンパク質構築物を発現することができる。一態様では、哺乳動物細胞は、ヒト細胞である。
【0092】
使用及び処置する方法
また本明細書において、本明細書において開示される、治療融合タンパク質(例えば、vIGF2融合物またはシグナルペプチド融合物またはシグナルペプチド-vIGF2融合物)をコードし、内部リボソーム進入配列を任意に有する核酸を個体に投与することを含む、遺伝子治療を使用した遺伝的障害を処置する方法も提供される。本明細書における方法を使用した処置に好適な遺伝的障害には、突然変異遺伝子による発現の欠如または機能不全タンパク質の発現を引き起こす、ゲノムにおける1つ以上の変異によって引き起こされた個体の障害が含まれる。
【0093】
また本明細書において、本明細書において開示される、治療融合タンパク質(例えば、vIGF2融合物またはシグナルペプチド融合物またはシグナルペプチド-vIGF2融合物)をコードし、内部リボソーム進入配列を任意に有する核酸を含む遺伝子治療ベクターなどの遺伝子治療ベクター及び薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、遺伝的障害の処置のための薬剤の調製に使用するための医薬組成物が提供される。
【0094】
本明細書における方法による処置に好適な遺伝的障害としては、軟骨発育不全症、α-1アンチトリプシン欠損症、抗リン脂質抗体症候群、常染色体優性多発性嚢胞腎、シャルコー・マリー・トゥース病、結腸癌、ネコ鳴き症候群、クローン病、嚢胞性線維症、ダーカム病、デュアン症候群、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、第V因子ライデン血栓性素因(Factor V Leiden Thrombophilia)、家族性高コレステロール血症、家族性地中海熱、脆弱X症候群、ゴーシェ病、ヘモクロマトーシス、血友病、全前脳症、ハンチントン病、クラインフェルター症候群、マルファン症候群、筋緊張性ジストロフィー、神経線維腫症、ヌーナン症候群、骨形成不全症、パーキンソン病、フェニルケトン尿症、ポーランド症候群、ポルフィリン症、早老症、網膜色素変性症、重症複合免疫不全症(SCID)、鎌状赤血球症、脊髄性筋萎縮症、テイサックス病、サラセミア、トリメチルアミン尿症、ターナー症候群、口蓋心臓顔面症候群、WAGR症候群、またはウィルソン病が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、遺伝的障害は、CDKL5欠損症、嚢胞性線維症、α及びβサラセミア、鎌形赤血球貧血、マルファン症候群、脆弱X症候群、ハンチントン病、ヘモクロマトーシス、先天性難聴(無症候性)、テイサックス病、家族性高コレステロール血症、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、シュタルガルト病、アッシャー症候群、コロイデレミア、色盲、X連鎖性網膜分離症、血友病、ウィスコット・アルドリッチ症候群、X連鎖性慢性肉芽腫症、芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼ欠損症、劣性栄養障害性表皮水泡症、α1アンチトリプシン欠損症、ハッチンソン・ギルフォード早老症候群(HGPS)、ヌーナン症候群、X連鎖性重症複合免疫不全症(X-SCID)からなる群から選択される。
【0095】
幾つかの実施形態では、本明細書において提供される方法を使用した処置に好適な遺伝的障害は、リソソーム貯蔵障害である。幾つかの実施形態では、本明細書において、リソソーム貯蔵障害は、欠損した酵素または不完全な酵素を患者に送達するための遺伝子治療を使用して処置される。幾つかの実施形態では、本明細書における方法は、酵素をそれが必要とされる細胞に送達するために、vIGF2に融合された当該酵素またはシグナルペプチドに融合された当該酵素を患者に送達する。幾つかの実施形態では、リソソーム貯蔵障害は、アスパルチルグルコサミン尿症、バッテン病、シスチン症、ファブリー病、ゴーシェ病I型、ゴーシェ病II型、ゴーシェ病III型、ポンペ病、テイサックス病、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリピドーシスI型、ムコリピドーシスII型、ムコリピドーシスIII型、ムコリピドーシスIV型、ハーラー病、ハンター病、サンフィリポ病A型、サンフィリポ病B型、サンフィリポ病C型、サンフィリポ病D型、モルキオ病A型、モルキオ病B型、マロトー・ラミー病、スライ病、ニーマン・ピック病A型、ニーマン・ピック病B型、ニーマン・ピック病C1型、ニーマン・ピック病C2型、シンドラー病I型、及びシンドラー病II型からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、リソソーム貯蔵障害は、アクチベーター欠損症、GM2ガングリオシドーシス;GM2ガングリオシドーシスAB異型;α-マンノシドーシス(2型、中等症型;3型、新生児期、重症型);β-マンノシドーシス;アスパルチルグルコサミン尿症;リソソーム酸性リパーゼ欠損症;シスチン症(遅発性の若年または思春期腎障害型;小児腎障害型);シャナリン・ドルフマン症候群;ミオパチーを伴う中性脂質蓄積症;NLSDM;ダノン病;ファブリー病;ファブリー病II型、遅発型;ファーバー病;ファーバー脂肪性肉芽腫症;フコシドーシス;ガラクトシアリドーシス(ノイラミニダーゼ及びβ-ガラクトシダーゼの複合欠損症);ゴーシェ病;II型ゴーシェ病;III型ゴーシェ病;IIIC型ゴーシェ病;ゴーシェ病、非典型、サポシンC欠損による;GM1ガングリオシドーシス(遅発乳児型/若年型GM1ガングリオシドーシス;成人型/慢性GM1ガングリオシドーシス);グロボイド細胞白質ジストロフィー、クラッベ病(遅発乳児型;若年型;成人型);クラッベ病、非典型、サポシンA欠損による;異染性白質ジストロフィー(若年型;成人型);部分的セレブロシドスルファターゼ欠損症;偽性アリルスルファターゼA欠損症;サポシンB欠損による異染性白質ジストロフィー;ムコ多糖症障害:MPS I、ハーラー症候群;MPS I、ハーラー・シャイエ症候群;MPS I、シャイエ症候群;MPS II、ハンター症候群;MPS II、ハンター症候群;サンフィリポ症候群A型/MPS IIIA;サンフィリポ症候群B型/MPS IIIB;サンフィリポ症候群C型/MPS IIIC;サンフィリポ症候群D型/MPS IIID;モルキオ症候群、A型/MPS IVA;モルキオ症候群、B型/MPS IVB;MPS IX/ヒアルロニダーゼ欠損症;MPS VI/マロトー・ラミー症候群;MPS VII/スライ症候群;ムコリピドーシスI型、シアリドーシスII型;I細胞病、ルロイ病(Leroy disease)、ムコリピドーシスII型;偽性ハーラー病ポリジストロフィー/ムコリピドーシスIII型;ムコリピドーシスIIIC型/ML III γ;ムコリピドーシスIV型;多重スルファターゼ欠損症;ニーマン・ピック病(B型;C1型/慢性神経細胞障害型;C2型;D型/Nova Scotian型);神経セロイドリポフスチン症:CLN6病(非典型の遅発乳児型、遅発型異型、早期若年型);Batten-Spielmeyer-Vogt病/若年型NCL/CLN3病;フィンランド異型遅発乳児型CLN5病;ヤンスキー・ビールショースキー病/遅発乳児型CLN2病/TPP1病;クーフス病/成人型NCL/CLN4病(B型);北部癲癇/遅発乳児型異型CLN8病;Santavuori-Haltia病/乳児型CLN1病/PPT病;ポンペ病(グリコーゲン蓄積症II型);遅発性ポンペ病;濃化異骨症;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;サンドホフ病/GM2ガングリオシドーシス;シンドラー病(III型/中間型、可変的);神崎疾患;サラ病;乳児型遊離シアル酸蓄積症(ISSD);進行性ミオクローヌス癲癇を伴う脊髄性筋萎縮症(SMAPME);テイサックス病/GM2ガングリオシドーシス;若年性テイサックス病;遅発性テイサックス病;クリスチャンソン症候群;Lowe眼脳腎症候群;シャルコー・マリー・トゥース病4J型、CMT4J;Yunis-Varon症候群;両側性側頭後頭葉多小脳回(BTOP);X連鎖性高カルシウム尿腎結石症、デント病1型;及びデント病2型からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、治療タンパク質は、リソソーム貯蔵障害に関連し、治療タンパク質は、GM2活性化タンパク質;α-マンノシダーゼ;MAN2B1;リソソームβ-マンノシダーゼ;グリコシルアスパラギナーゼ;リソソーム酸性リパーゼ;シスチノシン;CTNS;PNPLA2;リソソーム関連膜タンパク質2;α-ガラクトシダーゼA;GLA;酸性セラミダーゼ;α-L-フコシダーゼ;防御タンパク質/カテプシンA;酸性β-グルコシダーゼ;GBA;PSAP;β-ガラクトシダーゼ-1;GLB1;ガラクトシルセラミドβ-ガラクトシダーゼ;GALC;PSAP;アリルスルファターゼA;ARSA;α-L-イズロニダーゼ;イズロン酸2-スルファターゼ;ヘパランN-スルファターゼ;N-α-アセチルグルコサミニダーゼ;ヘパランアセチルCoA:α-グルコサミニドアセチルトランスフェラーゼ;N-アセチルグルコサミン6-スルファターゼ;ガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ;β-ガラクトシダーゼ;ヒアルロニダーゼ;アリルスルファターゼB;β-グルクロニダーゼ;ノイラミニダーゼ;NEU1;N-アセチルグルコサミン-1-ホスホトランスフェラーゼのγサブユニット;ムコリピン-1;スルファターゼ修飾因子-1;酸性スフィンゴミエリナーゼ;SMPD1;NPC1;及びNPC2からなる群から選択される。
【0096】
幾つかの実施形態では、本明細書における方法による処置は、治療タンパク質をコードする遺伝子を、当該治療タンパク質を必要とする細胞に送達する。幾つかの実施形態では、処置は、個体の全ての体細胞に遺伝子を送達する。幾つかの実施形態では、処置は、標的とされる細胞において欠陥遺伝子の代わりとなる。幾つかの実施形態では、治療タンパク質を発現するようにエクスビボで処理された細胞が、個体に送達される。
【0097】
本明細書において開示される障害の遺伝子治療は、長い時間の注入処置を必要としないため、酵素補充療法を含む従来の処置法より優れた処置結果を提供する。加えてそれは、酵素補充療法を受けている個体が多くの場合経験する治療タンパク質に対する免疫反応を、個体が発症するリスクを低減する。
【0098】
定義
本明細書で使用する場合、「エクスビボ遺伝子治療」とは、患者の細胞が、例えば、治療遺伝子を発現させるために対象の外で遺伝子改変される方法を指す。新たな遺伝子情報を有する細胞は、次いで、それらが由来する対象に戻される。
【0099】
本明細書で使用する場合、「インビボ遺伝子治療」とは、治療遺伝子(複数可)を保有するベクターが対象に直接投与される方法を意味する。
【0100】
本明細書で使用する場合、「融合タンパク質」及び「治療融合タンパク質」は、本明細書において互換的に使用され、治療タンパク質に連結された少なくとも1つの追加のタンパク質、ペプチド、またはポリペプチドを有する当該治療タンパク質を指す。一部の例では、融合タンパク質は、化学リンカーなしに、2つ以上のタンパク質またはその断片のそれぞれのペプチド鎖でのペプチド結合により共有結合で連結された、当該2つ以上のタンパク質またはその断片を含有する単一のタンパク質分子である。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、治療タンパク質、及びシグナルペプチド、融合タンパク質のエンドサイトーシスを増加させるペプチド、またはその両方を含む。幾つかの実施形態では、エンドサイトーシスを増加させるペプチドは、CI-MPRに結合するペプチドである。
【0101】
本明細書で使用する場合、「ベクター」または「遺伝子治療ベクター」は、本明細書において互換的に使用され、細胞に治療遺伝子を送達する遺伝子治療送達媒体または担体を指す。遺伝子治療ベクターは、遺伝子治療に使用するのに好適な任意のベクター、例えば、核酸ポリマー(ポリペプチドまたはそのバリアントをコードする)の患者の標的細胞(例えば、感覚ニューロン)への治療的送達に好適な任意のベクターである。幾つかの実施形態では、遺伝子治療ベクターは、治療タンパク質または治療融合タンパク質をコードする核酸を、当該治療タンパク質または融合物が発現され、分泌される細胞に送達する。ベクターは、任意の種類のものであり得、例えば、ベクターは、プラスミドベクターまたは小環状DNAであり得る。典型的には、ベクターはウイルスベクターである。これらには、アデノウイルスなどの遺伝子が無効化されたウイルス及びリポソームなどの非ウイルスベクターが含まれる。例えば、ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レトロウイルス、レンチウイルス、単純ヘルペスウイルス、またはアデノウイルスに由来し得る。AAV由来のベクター。このベクターは、AAVゲノムまたはその誘導体を含み得る。
【0102】
本明細書で使用する場合、「構築物」は、治療タンパク質または融合タンパク質をコードし、翻訳開始配列またはIRES配列などの追加の配列を任意に含む核酸分子または配列を指す。
【0103】
本明細書で使用する場合、「プラスミド」は、染色体DNAと独立して細胞内で複製する、環状の二本鎖単位のDNAを指す。
【0104】
本明細書で使用する場合、「プロモーター」は、酵素であるRNAポリメラーゼが結合し、DNAのRNAへの転写を開始するDNA上の部位を指す。
【0105】
本明細書で使用する場合、「身体治療」は、細胞における遺伝子発現の操作が、患者にとって補正的であるが、次世代に遺伝しない方法を指す。体細胞には、人体の全ての非生殖細胞が含まれる。
【0106】
本明細書で使用する場合、「体細胞」は、生殖細胞を除く身体の全ての細胞を指す。
【0107】
本明細書で使用する場合、「指向性」は、ウイルスなどのベクターの特定の細胞または組織型に対する選択性を指す。様々な因子が、ベクターの特定の細胞に感染する能力を決定する。例えば、ウイルスは、細胞に入るために特異的な細胞表面受容体に結合しなければならない。典型的に、必要な受容体を細胞が発現しない場合、ウイルスはその細胞に感染することができない。
【0108】
用語「形質導入」は、レシピエント細胞による機能的ポリペプチドの発現をもたらす、本開示の複製欠損性rAAVによる、治療タンパク質をコードする核酸のインビボまたはインビトロのいずれかでの標的細胞への投与/送達を指すために使用される。本開示のrAAVなどの遺伝子治療ベクターによる細胞の形質導入は、rAAVによりコードされるポリペプチドまたはRNAの持続発現をもたらす。従って、本開示は、治療タンパク質をコードするrAAVなどの遺伝子治療ベクターを、クモ膜下腔内、網膜内、眼内、硝子体内、脳室内、実質内、もしくは静脈内経路、またはこれらの任意の組み合わせにより対象に投与/送達する方法を提供する。「クモ膜下腔内」送達は、脳または脊髄のクモ膜下の空間への送達を指す。幾つかの実施形態では、クモ膜下腔内投与は、大槽内投与によるものである。
【0109】
用語「レシピエント」、「個体」、「対象」、「宿主」、及び「患者」は、本明細書において互換的に使用され、幾つかの例では、診断、処置、または治療が望まれる任意の哺乳動物対象、特にヒトを指す。処置のための「哺乳動物」は、哺乳動物と分類される任意の動物を指し、ヒト、飼育動物及び家畜、ならびに実験動物、動物園動物、競技動物、または愛玩動物、例えば、イヌ、ウマ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サルなどが含まれる。幾つかの実施形態では、哺乳動物はヒトである。
【0110】
本明細書で使用する場合、用語「処置」、「処置すること」、「症状を改善すること」などは、幾つかの例では、障害の少なくとも1つの側面または指標を、統計的に有意な様式で、または臨床的に有意な様式で、阻害するか、減弱するか、低減するか、予防するか、または変化させることを含む、治療効果を得ることを目的として、薬剤を投与すること、または手順を実施することを指す。用語「改善する」または「処置する」は、基礎となる状態の治癒を明言または意味しない。本明細書で使用する場合、「処置」または「改善する」(など)は、哺乳動物、特にヒトを処置することを含み得、(a)障害を易発症し得るが、まだそれを有すると診断されていない対象において障害または障害の症状が発生することを予防すること(例えば、一次障害に関連し得るか、またはそれにより引き起こされ得る障害を含む);(b)障害を阻害すること、すなわち、その発症を抑制すること;(c)障害を緩和すること、すなわち、障害の退縮を引き起こすこと;及び(d)障害の少なくとも1つの症状を改善すること、を含み得る。処置することは、寛解;寛解傾向;症状の減弱もしくは障害の状態が患者にとってより許容可能なものになること;変性もしくは衰弱の速度の緩徐化;または変性の最終段階がより消耗性でないものになることなどの任意の客観的または主観的パラメーターが含まれる、障害の処置または改善または予防における成功の任意の兆候を指し得る。症状の処置または改善は、医師による検査の結果が含まれる、1つ以上の客観的または主観的パラメーターに基づく。従って、用語「処置する」には、障害に関連する症状または状態の発症を、予防もしくは遅延させるか、軽減するか、または抑制もしくは阻害するための、本発明の化合物または薬剤の投与が含まれる。用語「治療効果」は、対象における障害、障害の症状、または障害の副次的な影響の減少、除去、または予防を指す。
【0111】
用語「親和性」は、分子とその結合パートナーまたは受容体との間の結合の強さを指す。
【0112】
本明細書で使用する場合、語句「高親和性」は、例えば、CI-MPRに結合するかかるペプチドを含有する治療融合物が、当該ペプチドのない治療タンパク質のCI-MPRに対する親和性より約100~1,000倍または500~1,000倍高いCI-MPRに対する親和性を有することを指す。幾つかの実施形態では、親和性は、当該ペプチドなしと比べて少なくとも100倍、少なくとも500倍、または少なくとも1000倍高い。例えば、治療タンパク質及びCI-MPRが相対的に等しい濃度で混合されている場合、高親和性のペプチドは、得られる複合体の高い濃度へと平衡を移動させるように結合可能なCI-MPRに結合する。
【0113】
本明細書で使用する場合、「分泌」は、細胞からのタンパク質の、例えば、関心対象の組織または治療タンパク質の作用部位に運ばれるための血流への放出を指す。遺伝子治療産物が器官の間隙に分泌される場合、分泌は、隣接する細胞の交差補正を可能にすることができる。
【0114】
本明細書で使用する場合、「送達」は、薬物送達を意味する。幾つかの実施形態では、送達プロセスは、薬物物質(例えば、遺伝子治療ベクターから産生された治療タンパク質または融合タンパク質)を、細胞の外側(例えば、血液、組織、または間隙)から薬物物質の治療活性の標的細胞に輸送すること意味する。
【0115】
本発明で使用する場合、「改変すること」または「タンパク質改変」は、所望の特性または特定の構造を有するタンパク質の合成をもたらすように、タンパク質をコードする適切な核酸配列を提供することによるタンパク質の構造の操作を指す。
【0116】
幾つかの例では、「治療上有効量」は、障害を処置するために対象に投与する場合に、その障害の処置を達成するのに十分である量を意味する。
【0117】
本明細書で使用する場合、「約」数値という用語は、その数値より10%小さい数値からその数値より10%大きい数値にわたる範囲を指し、その数値自体などの範囲内の値を含む。
【0118】
本発明で使用する場合、請求項の1つまたは複数の要素を「含む(comprising)」という用語は、それらの要素を指すが、追加の1つまたは複数の要素を含むことを除外しない。
【実施例
【0119】
以下の実施例は、本発明の種々の実施形態を例示するために提供され、本発明をいかようにも限定することを意図しない。本発明の実施例は、本明細書に記載の方法と共に、本明細書にて好ましい実施形態を表し、例示であり、本発明の範囲の限定を意図しない。特許請求の範囲により定義される本発明の要旨の範囲内に包含される変更及び他の使用を、当業者は思いつくであろう。
【0120】
実施例1:バリアントIGF2ペプチドのCI-MPR受容体への結合
野生型IGF2及びバリアントIGF2(vIGF2)のCI-MPR受容体への結合を測定するために、表面プラズモン共鳴(SPR)実験をBiacoreを使用して実施した。野生型ヒト成熟IGF2ペプチド(wt IGF2)は、配列番号1に記載の配列を有する。vIGF2配列は、それが残基1~4を欠き、以下の変異:E6R、Y27L、及びK65Rを含むという点でwt IGF2と異なる。vIGF2は、以下のアミノ配列を有する:SRTLCGGELVDTLQFVCGDRGFLFSRPASRVSRRSRGIVEECCFRSCDLALLETYCATPARSE(配列番号31)。vIGF2は、配列GGGGSGGGG(配列番号18)を有するN末端リンカーも有する。連結した配列は、GGGGSGGGGSRTLCGGELVDTLQFVCGDRGFLFSRPASRVSRRSRGIVEECCFRSCDLALLETYCATPARSE(配列番号43)である。図4は、予想通り、野生型IGF2ペプチドがCI-MPR受容体に高親和性(0.2nM)で結合することを示す。図5は、バリアントIGF2ペプチド(vIGF2)もCI-MPR受容体に高親和性(0.5nM)で結合することを示す。これらのデータは、vIGF2ペプチドが、治療薬をリソソームに標的化するための意図したCI-MPR受容体に対する高親和性を有することを示す。
【0121】
潜在的副作用を評価するために、SPRを利用して、インスリン受容体へのペプチド結合を測定した。インスリンは、インスリン受容体に高親和性で結合する(約8nM;データ非表示)。野生型IGF2及びvIGF2を試験し、ここで、vIGF2は、配列SRTLCGGELVDTLQFVCGDRGFLFSRPASRVSRRSRGIVEECCFRSCDLALLETYCATPARSE(配列番号31)を有し、配列GGGGSGGGG(配列番号18)を有するN末端リンカーを有した。図8は、野生型IGF2が相対的に高い親和性(約100nM)でインスリン受容体にも結合することを示す。Biomarin/Zystor IGF2-GAA融合タンパク質(BMN-701)由来のIGF2ペプチドも、インスリン受容体に高親和性で結合し、臨床試験において低血糖を引き起こすことが示された。図9は、vIGF2ペプチドのインスリン受容体への測定可能な結合を示さない。これらのデータは、vIGF2ペプチドが、wt IGF2ペプチド融合物と比較して優れた安全性プロファイルを付与することを示す。
【0122】
vIGF2ペプチドのIGF1受容体との相互作用を特徴付けるために、同様のSPR結合解析を利用した。図10は、野生型IGF2ペプチドが、相対的に高い親和性(約100nM)でIGF1受容体に結合することを示す。図11は、vIGF2ペプチドのIGF1受容体への測定可能な結合を示さず、これは、wt IGF2と比較して改善した安全性プロファイルを示す。
【0123】
実施例2:vIGF2は、低親和性リガンドをCI-MPRに対して高親和性のERTに変える
vIGF2ペプチドがCI-MPRに対する親和性を改善することができるかどうか決定するために、N末端リンカー(配列番号18)を有するvIGF2ペプチド(配列番号31)をアルグルコシダーゼ-αに化学的に結合させた(本明細書においてvIGF2-アルグルコシダーゼ-αと称される)。図6に示すように、CI-MPRでコーティングした96ウェルELISAプレートでのCI-MPRプレート結合アッセイを使用して、アルグルコシダーゼ-α及びvIGF2-アルグルコシダーゼ-αの結合親和性を直接比較した。結合した酵素の活性を測定する前に結合していない酵素を洗い流した。異なる濃度の両方の酵素製剤を、遊離WT IGF2ペプチドと共に、またはそれなしで使用した。vIGF2は、CI-MPRに対する親和性を大幅に改善した。更に、vIGF2-アルグルコシダーゼ-αの結合は、遊離WT IGF2によって阻害され、このことは、結合がIGF2依存的であったことを示す(データ非表示)。vIGF2ペプチドの結合は、GAA酵素活性を障害しなかった。
【0124】
vIGF2を組換えヒトN-アセチル-α-D-グルコサミニダーゼ(rhNAGLU)と結合させた。ペプチドが非リガンドをCI-MPRに対する高親和性リガンドに変えることができるかどうか決定するために、M6Pを欠くリソソーム酵素であるRrhNAGLU。この実験では、CI-MPRをコーティングしたプレートを利用するCI-MPRプレート結合アッセイを使用して、rhNAGLU及びvIGF2-rhNAGLUを直接比較した。結合した酵素の活性を測定する前に結合していない酵素を洗い流した。異なる濃度の両方の酵素製剤を、遊離vIGF2ペプチドと共に、またはそれなしで使用した。図7に示すように、vIGF2-rhNAGLUは、vIGF2を欠くrhNAGLUより顕著に高いCI-MPRに対する親和性を有する。更に、vIGF2-rhNAGLUの結合は、遊離vIGF2ペプチドによって阻害され、このことは、受容体結合がIGF2ペプチドに特異的であったことを示した。これらの結果は、vIGF2ペプチドが、リソソームへの薬物の標的化を改善するために利用できることを示す。
【0125】
実施例3:筋芽細胞によるvIGF2-GAA融合タンパク質の取り込み
vIGF2-GAA融合タンパク質(実施例1~2におけるものと同じ配列)を投与し、L6筋芽細胞による酵素の取り込みを測定した。図6は、rhGAA及びM6P-GAAと比較したvIGF2-rhGAAの優れた取り込みを示す。従って、vIGF2は、GAAを細胞に標的化するのに有効である。
【0126】
実施例4:遺伝子治療により送達されるERTのための構築物
2つの異なる構築物を図12に示す。上のパネルにあるのが、コザック配列及び天然のシグナルペプチド(配列番号45)を有する組換えヒトGAAをコードする核酸を含有する、「天然のhGAA」(配列番号45)をコードする構築物である。中間のパネルにあるのが、「改変されたhGAA」(配列番号23)をコードする構築物、コザック-BiP-vIGF2-2GS-GAAである。この構築物は、コザック配列、BiPシグナルペプチドをコードする核酸、配列番号31に記載の配列を有するvIGF2ペプチドをコードする核酸、ならびに未熟なプロセシング及びvIGF2の除去を予防するためにN末端の60アミノ酸が除去された組換えヒトGAA(配列番号46)をコードする核酸がその後に続く、2GSリンカー(配列番号18)をコードする核酸を特徴とする。
【0127】
実施例5:遺伝子治療構築物の増強された分泌
改変されたhGAAは、より多く分泌され、細胞取り込み及びリソソーム標的化に適切な細胞表面受容体と相互作用することができる
以下でより詳細に記載される改変されたhGAAまたは天然のhGAAを発現するCHOを培養し、馴化培地をGAA活性の測定のために採取した。図15は、改変されたhGAA及び天然のhGAAの相対的活性を示し、これは、改変されたhGAAが天然のhGAAと比較して増加した活性を有することを示し、改変されたhGAAのより効率的な分泌を示す。
【0128】
実施例6:馴化培地でのPPT1の解析
PPT1構築物のクローニング
PPT1構築物を、CMVプロモーターを含有するpcDNA3.1発現ベクター(ThermoFisher cat#V79020)にクローニングした。試験した構築物には、PPT1-1(WT-PPT1)(配列番号24);PPT1-2(WT-vIGF2-PPT1)(配列番号25);PPT1-29(BiP2aa-vIGF2-PPT1)(配列番号26)が含まれた。
【0129】
PPT1の分泌及び結合
PPT1構築物がHEK293T細胞で3日間一過性に発現され、PPT1が培地に分泌された。分泌されたPPT1をウェスタンブロッティングにより定量化し、CI-MPRへの結合を確立された方法を使用して分析した。分泌されたPPT1を図13に示す。CI-MPRへの結合を図14に示す。
【0130】
実施例7:ポンペ病の動物モデルでの遺伝子治療ベクターの試験
【0131】
ポンペ病の遺伝子治療:前臨床概念実証研究デザイン
【0132】
前臨床研究を、構築物の最初の比較のために高用量を使用して、GAAノックアウト(GAA KO)マウスで実施した。構築物を図12に示す。マウスにビヒクルまたは2種の構築物(天然のhGAAまたは改変されたhGAA)のうちの1種を投与した。マウスは、5e11gc/マウス(約2.5e13gc/kg)で投与された。GAAノックアウトマウスを生後2ヶ月の時点で使用した。正常(野生型)マウスを対照として使用した。研究デザインの概略を図16に示す。
【0133】
ポンペ病の遺伝子治療:血漿
【0134】
図に示すように、血漿を野生型(正常)マウスまたはビヒクルもしくは遺伝子治療ベクターを投与されたGAA KOマウスから採取し、GAA活性及び細胞表面への結合を測定した。データを図17図27、及び図19に要約する。同程度の高いGAAレベルが、遺伝子治療ベクターを投与されたマウスで観察された(図17図18)。しかしながら、細胞標的化によるより多くの受容体結合が、改変された構築物で観察された(図19)。
【0135】
ポンペ病の遺伝子治療:四頭筋
【0136】
正常(野生型)マウス及び処置されたGAA KOマウスにおけるGAA活性及びグリコーゲン蓄積/細胞質空胞化を評価した(図28)。四頭筋におけるGAA活性は、野生型より約20倍高かった。グリコーゲン(PAS)染色(図29)及び免疫組織染色(図30)も評価した。免疫組織染色は、改変されたhGAAの野生型と比較してより高いリソソーム標的化を示した。PAS染色法によるとグリコーゲンの低減は、改変されたhGAAでより一定していた。
【0137】
ポンペ病の遺伝子治療:三頭筋
【0138】
正常(野生型)マウス及び処置されたGAA KOマウスにおけるGAA活性及びグリコーゲン蓄積/細胞質空胞化を評価した(図31)。GAA活性は、野生型より約10~15倍高かった。免疫組織染色及びグリコーゲン(PAS)染色も評価した(図32及び図33)。免疫組織染色は、改変されたhGAAの野生型GAAと比較してより高いリソソーム標的化を示した。PAS染色法により測定されるように、グリコーゲンの低減は、改変されたhGAAでより一定していた。
【0139】
ポンペ病の遺伝子治療:前脛骨筋(Ta)
【0140】
正常(野生型)マウス及び処置されたGAA KOマウスにおけるGAA活性及びグリコーゲン蓄積/細胞質空胞化を評価した(図20)。TAにおけるGAA活性は、野生型より約15~20倍高かった。免疫組織染色及びグリコーゲン(PAS)も評価した(図21及び図22)。免疫組織染色は、改変されたhGAAの野生型GAAと比較してより高いリソソーム標的化を示した。グリコーゲンレベルは野生型のレベルに近かった。PAS染色法によるとグリコーゲンの低減は、改変されたhGAAでより一定していた。
【0141】
ポンペ病の遺伝子治療:脳及び脊髄
【0142】
正常(野生型)マウス及び処置されたGAA KOマウスにおけるGAA活性、グリコーゲン量、及びグリコーゲン蓄積/細胞質空胞化を評価した(図23)。脳におけるGAA活性は、野生型より約5倍低かった。免疫組織染色及びグリコーゲン(PAS)も評価した(図24図25図26図27)。免疫組織染色は、一部の細胞の直接的形質導入が起こる可能性があることを示した。しかしながら、天然の構築物ではグリコーゲンクリアランスは、ほとんどまたは全く達成されなかった。改変された構築物では、活性が野生型のわずか20%であっても、グリコーゲンレベルは野生型レベルに近かった。脊髄のPAS染色は、天然の構築物によるグリコーゲンクリアランスをほとんどまたは全く示さなかった。改変された構築物では、野生型に近いグリコーゲンレベルが運動ニューロンを含む前角において観察された。免疫組織染色は、脊髄神経細胞における直接的形質導入を実証した。脈絡叢及び神経細胞によって産生される改変されたhGAAは、脊髄における交差補正によりグリコーゲンを低減することができたが、天然のhGAAではグリコーゲンの低減がほとんど観察されなかった。
【0143】
結論
【0144】
全体として、この実施例におけるデータは、改変された遺伝子治療構築物が、脳及び脊髄における効果を含め、従来の処置において使用される野生型GAAと比較して組織への取り込み及びグリコーゲンの低減を劇的に改良することを実証した。
【0145】
実施例8:動物試験プロトコール
AAVhu68ベクターを、Penn Vector Coreにより、記載の通りに作製し、力価測定した(Lock,Alvira et al.2010,“Rapid,simple,and versatile manufacturing of recombinant adeno-associated viral vectors at scale.”Hum Gene Ther 21(10):1259-1271)。
【0146】
C57BL/6/129バックグラウンドのGaaノックアウトポンペ病マウス(Mus musculus)を、Jackson Labsで購入した(stock#004154、6neoマウスとしても公知)。
【0147】
0.1mL中の5×1011GC(約2.5×1013GC/kg)のAAVhu68.CAG.hGAA(天然のhGAA(配列番号45)または改変されたhGAA(配列番号38)を含む)を側尾静脈を介して投与したマウスを、ベクター投与後の7日目及び21日目に血清単離のために採血し、注射の28日後に最終採血(血漿単離のため)し、失血により安楽死させた。直後に組織を脳から始めて採取した。
【0148】
GAA活性
血漿を5.6mMの4-MU-α-グルコピラノシド(pH4.0)と混合し、37℃で3時間インキュベートした。反応を0.4Mの炭酸ナトリウム(pH11.5)で停止させた。相対蛍光単位(RFU)をVictor3蛍光光度計を使用して測定した(励起355nm及び発光460nm)。nmol/mL/hrを単位とする活性を、4-MUの検量線から内挿法により計算した。個々の組織試料における活性は、ホモジネート中の総タンパク質含有量に基づいて更に正規化した。
【0149】
LC/MSによるGAAシグネチャペプチド
血漿を100%のメタノールで沈殿させ、遠心分離した。上澄みを廃棄した。ペレットに、内部標準として安定同位体標識されたhGAAに特有のペプチドを加え、トリプシンで再懸濁し、37℃で1時間インキュベートした。消化を10%のギ酸で停止させた。トリプシンペプチドをC-18逆相クロマトグラフィーにより分離し、ESI質量分析により同定及び定量化した。総GAA血漿濃度をシグネチャペプチド濃度から計算した。
【0150】
細胞表面受容体結合アッセイ
96ウェルプレートを受容体でコーティングし、洗浄し、BSAでブロッキングした。AAVにより処置されたマウスからの28日目の血漿を、連続希釈し、減少する一連の濃度を得、結合させた受容体と共にインキュベートした。インキュベーション後、プレートを洗浄して、任意の結合していないhGAAを除去し、4-MU-α-グルコピラノシドを37℃で1時間添加した。反応を1.0Mのグリシン(pH10.5)で停止させ、RFUをSpectramax蛍光光度計(励起370nm及び発光460nm)により読み取った。各試料のRFUを、4-MUの検量線から内挿法によって活性(nmol/mL/hr)に変換した。非線形回帰をGraphPad Prismを使用して行った。
【0151】
組織学的検査
組織をホルマリン固定し、パラフィン包埋した。筋肉スライドをPASで染色し、CNSスライドをルクソールファストブルー/過ヨウ素酸シッフ(PAS)で染色した。委員会認定の獣医病理学者(JH)が、組織スライドを盲検的に評価した。グリコーゲン蓄積及び細胞質空胞化を有する細胞の全体での百分率の半定量的推定を、調査したスライドガラスに対して行った。0~4のスコアを下表に記載するように付けた。
【0152】
免疫組織染色(IHC)
本発明者らは、抗ヒトGAA抗体(Sigma HPA029126)を使用して免疫染色されたスライドガラスにより、導入遺伝子の発現及び細胞局在を調査した。
【0153】
実施例9:組織学的検査(組織処理)プロトコール及びポンペ病の動物モデルでの結果
【0154】
全ての組織を10%のNBF(中性緩衝ホルマリン)で固定した。アッセイ(PAS及びIHC)は、当分野において定型的に使用されている。
【0155】
四頭筋及び三頭筋のPAS染色(図29及び図32)。組織を10%のNBFで固定し、パラフィン中に包埋した。切片を1%の過ヨウ素酸で後固定し、シッフ試薬で染色した。その後、切片をヘマトキシリンで対比染色した。グリコーゲンは、マゼンタ色の凝集体(リソソームに結合)または分散した淡紅色(細胞質性)に見え、核は青色である。画像に基づき、かつ各々が群の代表であると仮定して、グリコーゲンクリアランスの観点での順位序列は、改変されたhGAA>天然のhGAAである。改変されたhGAA構築物は、残りと比較してより画像全体にわたる染色をもたらし、vIGF2のCI-MPRへの結合により媒介されるGAAタンパク質の改善したエンドサイトーシスを示した。
【0156】
脊髄のPAS染色(図26)。組織を10%のNBFで固定した。1%の過ヨウ素酸での後固定は、パラフィン包埋の前または後に行うことができた。切片をシッフ試薬で染色し、おそらくメチレンブルーで対比染色した。グリコーゲンは、マゼンタ色の凝集体(リソソームに結合)に見え、神経線維は青色に見える。画像は、脊髄の前角及び運動ニューロンにおけるグリコーゲン蓄積に焦点を合わせた。改変されたhGAAは、グリコーゲンの低減において構築物間で最も有効であるように思われた。
【0157】
GAAのIHC(図22図25図27図30、及び図35)。組織を10%のNBFで固定し、パラフィン中に包埋した。切片を抗GAA一次抗体と共にインキュベートし、続いて、一次抗体を認識し、酵素タグであるHRPを保有する二次抗体と共にインキュベートした。その後、酵素反応が実施され、褐色の沈殿生成物が形成された。次いで、切片をヘマトキシリンで対比染色した。構築物は、筋繊維(図31)へのGAAの取り込みを示した。改変されたhGAA>天然のhGAA。BiP-vIGF2構築物は、残りと比較して画像全体にわたってより分散した染色を有した。
【0158】
他のベクターと比較して、改変されたhGAAは、筋繊維内に点紋様の外見を有するより多くのGAA IHCシグナルをもたらし、はるかに効果的なリソソーム標的化を示した(図22)。
【0159】
概して、改変されたhGAAは、種々の組織において組織取り込み、リソソーム標的化、及びグリコーゲンの低減における構築物間での優位性を一貫して実証した。
【0160】
本発明の好ましい実施形態が本明細書において示され、かつ記載されたが、かかる実施形態が例示のみを目的として提供されていることは当業者にとって明らかである。当業者は、本発明を逸脱しない範囲で多数の変形形態、変更、及び置換をすぐに思いつくであろう。本明細書に記載の実施形態の種々の代替形態を使用することができることを理解すべきである。下記の特許請求の範囲は本発明の範囲を規定し、この特許請求の範囲の範囲内の方法及び構成ならびそれらの等価物はそれによって包含されることが意図される。
図1
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