(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-29
(45)【発行日】2025-10-07
(54)【発明の名称】バッテリユニット、電源システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/34 20060101AFI20250930BHJP
【FI】
H02J7/34 D
H02J7/34 B
(21)【出願番号】P 2024517859
(86)(22)【出願日】2023-02-17
(86)【国際出願番号】 JP2023005733
(87)【国際公開番号】W WO2023210123
(87)【国際公開日】2023-11-02
【審査請求日】2024-10-10
(31)【優先権主張番号】P 2022074633
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100087985
【氏名又は名称】福井 宏司
(72)【発明者】
【氏名】古橋 康太
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-175888(JP,A)
【文献】国際公開第2019/103059(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J3/00-7/12
H02J7/34-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接続端子と、
蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、
前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、
前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧値と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を測定可能、且つ前記端子電圧値と設定された第1閾値とを比較可能に構成された制御回路と、
を含み、
前記第1閾値は、前記第1閾値を含む電圧範囲内に設定された第1値および第2値を含み、
前記制御回路は、
前記電力変換回路から前記第2接続端子へ電流が流れている状態において、前記端子電圧値が所定方向に変動して前記第1値を跨いだ場合、前記端子電圧値が前記所定方向と逆方向に変動して前記第2値を跨ぐまで、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を減少させるように前記電力変換回路を制御
し、
前記電力変換回路から前記第2接続端子へ電流が流れている状態において、単位時間における前記端子電圧値の変動量と設定された第3閾値とを比較し、前記変動量が前記第3閾値以上のときに前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を減少させるように前記電力変換回路を制御する、
バッテリユニット。
【請求項2】
第1接続端子と、
蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、
前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、
前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧値と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を測定可能、且つ前記端子電圧値と設定された第1閾値とを比較可能に構成された制御回路と、
を含み、
前記電力変換回路は、前記蓄電池の電圧を変換可能であり、
前記第1閾値は、前記第1閾値を含む電圧範囲内に設定された第1値および第2値を含み、
前記制御回路は、
前記電力変換回路から前記第2接続端子へ電流が流れている状態において、前記端子電圧値が所定方向に変動して前記第1値を跨いだ場合、前記端子電圧値が前記所定方向と逆方向に変動して前記第2値を跨ぐまで、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を減少させるように前記電力変換回路を制御
し、
前記電力変換回路から前記第2接続端子へ電流が流れている状態において、単位時間における前記端子電圧値の変動量と設定された第3閾値とを比較し、前記変動量が前記第3閾値以上のときに前記蓄電池から前記第1接続端子に向けて電流が流れるように前記電力変換回路を制御する、
バッテリユニット。
【請求項3】
前記端子電圧値が前記所定方向に変動して前記第1値を跨ぐことは、前記端子電圧値が前記第1値を下回ることであり、
前記端子電圧値が前記所定方向と逆方向に変動して前記第2値を跨ぐことは、前記端子電圧値が前記第2値を上回ることである、
請求項1又は2に記載のバッテリユニット。
【請求項4】
前記第1接続端子は、出力電流によって出力電圧が変動する出力特性を有する電源装置と、前記電源装置の出力端子に接続される機器との間に、前記電源装置に対して前記機器と並列に接続されるものである、
請求項1又は2に記載のバッテリユニット。
【請求項5】
前記電源装置は、前記機器に対して複数並列に接続されるものであり、
前記出力特性は、前記出力電流の増加にともない前記出力電圧が減少するドループ特性である、
請求項4に記載のバッテリユニット。
【請求項6】
前記制御回路は、前記端子電圧値が前記所定方向に変動して前記第1値を跨いだとき、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を徐々に減少するように前記電力変換回路を制御する、
請求項1又は2に記載のバッテリユニット。
【請求項7】
前記制御回路は、前記端子電圧値が前記所定方向に変動して前記第1値を跨いだとき、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を零にするように前記電力変換回路を制御する、
請求項1又は2に記載のバッテリユニット。
【請求項8】
前記制御回路は、前記端子電圧値が前記所定方向に変動して前記第1閾値よりも低い第2閾値を跨いだときに、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を零にするように前記電力変換回路を制御する、
請求項1又は2に記載のバッテリユニット。
【請求項9】
前記制御回路は、前記端子電圧値が前記第2閾値を跨いだとき、前記端子電圧値と前記第1閾値との比較、前記端子電圧値と前記第2閾値との比較を無効とする、
請求項8に記載のバッテリユニット。
【請求項10】
前記制御回路は、前記端子電圧値が前記所定方向と逆方向に前記第2値を跨いだとき、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を徐々に増加させるように前記電力変換回路を制御する、
請求項1又は2に記載のバッテリユニット。
【請求項11】
前記電力変換回路は、前記蓄電池の電圧を変換可能であり、
前記制御回路は、前記端子電圧値が前記所定方向に変動して前記第1閾値よりも低い第2閾値を跨いだときに、前記蓄電池から前記第1接続端子に向けて電流が流れるように前記電力変換回路を制御する、
請求項1又は2に記載のバッテリユニット。
【請求項12】
蓄電池と、
第1接続端子と、
前記蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、
前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、
前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧値と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる充電電流を測定可能、且つ前記端子電圧値と設定された第1閾値とを比較可能に構成された制御回路と、
を含み、
前記電力変換回路は、前記蓄電池の電圧を変換可能であり、
前記第1閾値は、前記第1閾値を含む電圧範囲内の第1値および第2値を含み、
前記制御回路は、
前記充電電流が流れている状態において、前記端子電圧値が所定方向に変動して前記第1値を跨いだ場合、前記端子電圧値が前記所定方向と逆方向に変動して前記第2値を跨ぐまで、前記充電電流を減少させるように前記電力変換回路を制御
し、
前記充電電流が流れている状態において、単位時間における前記端子電圧値の変動量と設定された第3閾値とを比較し、前記変動量が前記第3閾値以上のときに前記蓄電池から前記第1接続端子に向けて電流が流れるように前記電力変換回路を制御する、
バッテリユニット。
【請求項13】
機器に対して並列に接続される複数のバッテリユニットを含み、
前記複数のバッテリユニットはそれぞれ、
蓄電池と、
前記機器に接続可能に構成された第1接続端子と、
前記蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、
前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、
前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧値と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる充電電流を測定可能、且つ前記端子電圧値と設定された第1閾値とを比較可能に構成された制御回路と、
前記電力変換回路は、前記蓄電池の電圧を変換可能であり、
を含み、
前記制御回路は、前記第1閾値を記憶する記憶回路を含み、
前記第1閾値は、前記第1閾値を含む電圧範囲内の第1値および第2値を含み、
前記制御回路は、
前記充電電流が流れている状態において、前記端子電圧値が所定方向に変動して前記第1値を跨いだ場合、前記端子電圧値が前記所定方向と逆方向に変動して前記第2値を跨ぐまで、前記充電電流を減少させるように前記電力変換回路を制御
し、
前記充電電流が流れている状態において、単位時間における前記端子電圧値の変動量と設定された第3閾値とを比較し、前記変動量が前記第3閾値以上のときに前記蓄電池から前記第1接続端子に向けて電流が流れるように前記電力変換回路を制御する、
電源システム。
【請求項14】
前記複数のバッテリユニットのうちの少なくとも1つのバッテリユニットにおける前記第1値および前記第2値は、前記複数のバッテリユニットのうちの他のバッテリユニットにおける前記第1値および前記第2値と異なる値に設定されている、
請求項13に記載の電源システム。
【請求項15】
前記複数のバッテリユニットそれぞれの前記第1値および前記第2値は、前記蓄電池の蓄電量に応じて設定される、
請求項13に記載の電源システム。
【請求項16】
前記蓄電量が低い前記バッテリユニットの前記第1値および前記第2値を、前記蓄電量が多い前記バッテリユニットの前記第1値および前記第2値よりも低く設定する、
請求項15に記載の電源システム。
【請求項17】
機器に接続可能に構成された出力端子を有し、入力電力を直流電力に変換して前記出力端子に出力する電源装置と、
前記機器に対して前記電源装置と並列に接続されるバッテリユニットと、
を含み、
前記バッテリユニットは、
蓄電池と、
前記出力端子に接続可能に構成された第1接続端子と、
前記蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、
前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、
前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧値と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる充電電流を測定可能、且つ前記端子電圧値と設定された第1閾値とを比較可能に構成された制御回路と、
を含み、
前記電力変換回路は、前記蓄電池の電圧を変換可能であり、
前記第1閾値は、前記第1閾値を含む電圧範囲内の第1値および第2値を含み、
前記制御回路は、
前記充電電流が流れている状態において、前記端子電圧値が所定方向に変動して前記第1値を跨いだ場合、前記端子電圧値が前記所定方向と逆方向に変動して前記第2値を跨ぐまで、前記充電電流を減少させるように前記電力変換回路を制御
し、
前記充電電流が流れている状態において、単位時間における前記端子電圧値の変動量と設定された第3閾値とを比較し、前記変動量が前記第3閾値以上のときに前記蓄電池から前記第1接続端子に向けて電流が流れるように前記電力変換回路を制御する、
電源システム。
【請求項18】
前記第1接続端子は、前記出力端子に対して前記機器と並列に接続されるものであり、
前記電源装置は、前記機器に対して複数並列に接続されるものであり、出力電流の増加にともない出力電圧が減少するドループ特性を有する、
請求項17に記載の電源システム。
【請求項19】
前記第1値と前記第2値とは同じ値である、
請求項1又は2に記載のバッテリユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリユニット、電源システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電源装置と負荷とが並列接続される電源システムが開示されている。特許文献1の電源システムは、通常モード、バックアップモード、アシストモードのいずれかで動作することにより、複雑な共通制御装置や大規模な相互通信手段を設けずにピーク負荷時のバッテリによる電力分担量を適切に制御可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の電源システムに使用されるバッテリユニットは、電源装置から充電されている状態で負荷が重負荷に変動した場合、重負荷であることを把握できず、充電を継続して電源装置に過電流を生じさせるという問題があった。重負荷であることを通知する信号線などの専用デバイスをバッテリユニットに追加すれば把握することは可能だが、バッテリユニットの構成が複雑になってしまう。そこで本開示は、単純な構成で、バッテリユニットへの充電中に負荷変動が生じた場合であっても、電源装置に過電流を生じさせることを抑制可能なバッテリユニットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様であるバッテリユニットは、第1接続端子と、蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧値と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流の値を測定可能、且つ前記端子電圧値と設定された第1閾値とを比較可能に構成された制御回路と、を含み、前記第1閾値は、前記第1閾値を含む電圧範囲内に設定された第1値および第2値を含み、前記制御回路は、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ電流が流れている状態において、前記端子電圧値が所定方向に変動して前記第1値を跨いだ場合、前記端子電圧値が前記所定方向と反対方向に変動して前記第2値を跨ぐまで、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を減少させるように前記電力変換回路を制御する。
【0006】
本開示の一態様であるバッテリユニットは、蓄電池と、第1接続端子と、前記蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧値と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる充電電流の値を測定可能、且つ前記端子電圧値と設定された第1閾値とを比較可能に構成された制御回路と、を含み、前記第1閾値は、前記第1閾値を含む電圧範囲内に設定された第1値および第2値を含み、前記制御回路は、前記充電電流が流れている状態において、前記端子電圧値が所定方向に変動して前記第1値を跨いだ場合、前記端子電圧値が前記所定方向と反対方向に変動して前記第2値を跨ぐまで、前記充電電流を減少させるように前記電力変換回路を制御する。
【0007】
本開示の一態様である電源システムは、機器に対して並列に接続される複数のバッテリユニットを含み、前記複数のバッテリユニットはそれぞれ、蓄電池と、前記機器に接続可能に構成された第1接続端子と、前記蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧値と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる充電電流を測定可能、且つ前記端子電圧値と設定された第1閾値とを比較可能に構成された制御回路と、を含み、前記第1閾値は、前記第1閾値を含む電圧範囲内に設定された第1値および第2値を含み、前記制御回路は、第1閾値を記憶する記憶回路を含み、前記制御回路は、前記充電電流が流れている状態において、前記端子電圧値が所定方向に変動して前記第1値を跨いだ場合、前記端子電圧値が前記所定方向と反対方向に変動して前記第2値を跨ぐまで、前記充電電流を減少させるように前記電力変換回路を制御する。
【0008】
本開示の一態様である電源システムは、機器に接続可能に構成された出力端子を有し、入力電力を直流電力に変換して前記出力端子に出力する電源装置と、前記機器に対して前記電源装置と並列に接続されるバッテリユニットと、を含み、前記バッテリユニットは、蓄電池と、前記出力端子に接続可能に構成された第1接続端子と、前記蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧値と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる充電電流を測定可能、且つ前記端子電圧値と設定された第1閾値とを比較可能に構成された制御回路と、を含み、前記第1閾値は、前記第1閾値を含む電圧範囲内に設定された第1値および第2値を含み、前記制御回路は、前記充電電流が流れている状態において、前記第1接続端子の前記端子電圧値が所定方向に変動して前記第1値を跨いだ場合、前記端子電圧値が前記所定方向と反対方向に変動して前記第2値を跨ぐまで、前記充電電流を減少させるように前記電力変換回路を制御する。
【発明の効果】
【0009】
負荷変動による過電流を抑制可能としたバッテリユニット、およびそのバッテリユニットを用いた電源システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態の電源システムを示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1の電源システムのバッテリユニットの一構成例を示す回路図である。
【
図3】
図3は、
図2のバッテリユニットの動作を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、
図1の電源システムの動作を示す波形図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態の電源システムの動作を示す波形図である。
【
図6】
図6は、変更例のバッテリユニットを示す回路図である。
【
図7】
図7は、バッテリユニットの動作確認に係る一構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本開示の半導体装置のいくつかの実施形態を説明する。
添付の図面は、本開示の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に対象物を区別するために用いられており、対象物を順位づけするものではない。
【0012】
以下の詳細な記載は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図しない。
【0013】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を説明する。
(電源システム)
図1に示すように、第1実施形態の電源システム11は、3つの電源装置21a,21b,21c、3つのバッテリユニット22a,22b,22cを含む。なお、電源システム11は、1つ、2つ、または4つ以上の電源装置を含んでいてもよい。また、電源システム11は、1つ、2つ、または4つ以上のバッテリユニットを含んでいてもよい。
【0014】
電源装置21a~21cは、交流電源12に接続される。交流電源12は、たとえば商用電力系統、等である。また、電源装置21a~21cは、並列に接続される。各電源装置21a~21cは、機器13に接続される。機器13は、直流電圧が供給されるものである。機器13は、たとえばデータセンタ等のサーバ、ストレージ、等である。
【0015】
電源装置21a,21b,21cは、同一構成である。電源装置21a~21cはそれぞれ、入力端子31、出力端子32を含む。入力端子31は交流電源12に接続可能に構成されている。出力端子32は機器13に接続可能に構成されている。本実施形態では、出力端子32は機器13が接続された電源線14に接続される。電源装置21a~21cは、電源線14により、並列に接続されているといえる。また、電源装置21a~21cは、電源線14により、機器13に並列に接続されているといえる。電源装置21a~23aは、入力電力を直流電力に変換して出力端子32に出力するように構成されている。
【0016】
電源装置21a~21cはそれぞれ、AC-DCコンバータ33、DC-DCコンバータ34、制御回路35を含む。制御回路35は、AC-DCコンバータ33,DC-DCコンバータ34を制御する。AC-DCコンバータ33は、交流電源12の交流電圧を直流電圧に変換する。DC-DCコンバータ34は、AC-DCコンバータ33から出力される直流電圧を、機器13に応じた直流電圧に変換する。
【0017】
各電源装置21a~21cは、出力電流によって出力電圧が変動する出力特性(ドループ特性)を有している。サーバ等の機器13は、情報処理量によって消費電力が変動する。機器13における消費電力は、電源装置21a~21cに対する負荷である。したがって、機器13の動作によって、電源装置21a~21cの負荷は変動する。
【0018】
バッテリユニット22a~22cは、同一構成である。バッテリユニット22a~22cはそれぞれ、第1接続端子41を有している。第1接続端子41は、電源装置21a~23aに対して接続可能に構成されている。本実施形態では、第1接続端子41は、電源線14に接続される。電源線14には、電源装置21a~21cの出力端子32および機器13が接続される。したがって、第1接続端子41は、電源装置21a~21cの出力端子32および機器13に接続されるといえる。また、バッテリユニット22a~22cは、電源装置21a~21cに対して並列に接続されているといえる。電源装置21a~21cは、機器13に接続されている。したがって、バッテリユニット22a~22cは、機器13に並列に接続されているといえる。
【0019】
上述したように、電源線14には、電源装置21a~21c、バッテリユニット22a~22c、機器13が接続される。したがって、電源線14は、電源装置21a~21c、バッテリユニット22a~22c、機器13を接続するバスということができる。そして、電源線14における電圧をバス電圧ということができる。
【0020】
バッテリユニット22a~22cはそれぞれ、蓄電池(バッテリ)42、電力変換回路43、制御回路44を含む。蓄電池42は、充放電可能とされた電池(二次電池)である。蓄電池42は、たとえばリチウムイオン電池である。電力変換回路43は、バッテリユニット22a~22cの第1接続端子41の端子電圧を変換可能に構成されている。また、電力変換回路43は、蓄電池42の電圧を変換可能に構成されている。
【0021】
電力変換回路43は、バッテリユニット22a~22cの第1接続端子41の端子電圧により、蓄電池42を充電する充電電流を生成する。また、電力変換回路43は、蓄電池42の電圧を第1接続端子41の出力電圧に変換する機能を有している。この電力変換回路43は、たとえば双方向DC-DCコンバータにより構成される。制御回路44は、電力変換回路43を制御する。
【0022】
(バッテリユニット)
図2は、バッテリユニット22a(22b,22c)の電気的構成を示す。
バッテリユニット22aは、電力変換回路43、制御回路44、電圧検出回路45,46、電流検出回路47を含む。バッテリユニット22aは、蓄電池42に接続可能に構成された第2接続端子48を有している。第2接続端子48は、たとえば、蓄電池42の端子に接続される端子、ケーブルの端部、等により構成することができる。第2接続端子48は、蓄電池42と電力変換回路43との間に設けられてもよい。
【0023】
電圧検出回路45は、第1接続端子41(41a,41b)の間に接続されている。電圧検出回路45は、第1接続端子41(41a,41b)の端子電圧V41に比例する電圧を検出する。電圧検出回路45は、抵抗R11,R12を含む。抵抗R12,R12は、第1接続端子41a,41bの間に直列に接続されている。電圧検出回路45は、抵抗R11,R12による分圧回路である。電圧検出回路45は、第1接続端子41a,41bの間の端子電圧値V41を抵抗R11,R12で分圧した電圧を出力する。これにより、電圧検出回路45は、第1接続端子41(41a,41b)の端子電圧値V41を検出するといえる。制御回路44は、電圧検出回路45の電圧を入力する。これにより、制御回路44は、端子電圧値V41を測定可能に構成されているといえる。第1接続端子41は、
図1に示す電源線14に接続される。上述したように、電源線14は、バスということができる。そして、第1接続端子41における端子電圧V41は、電源線14のバス電圧と等しい。ここで、「電圧が等しい」とは、複数の電圧値が厳密に等しいことに限定されず、略等しいことを含む。したがって、電圧検出回路45は、バス電圧を検出するということができる。
【0024】
電力変換回路43は、第1接続端子41と第2接続端子48との間に接続されている。電力変換回路43は、インダクタL11、スイッチング素子Q11,Q12を含む。インダクタL11の第1端子は第1接続端子41aに接続されている。インダクタL11の第2端子はスイッチング素子Q11,Q12に接続されている。スイッチング素子Q11,Q12は、たとえばNチャネル型のFETである。スイッチング素子Q12のソースとスイッチング素子Q11のドレインはインダクタL11に接続されている。スイッチング素子Q11のソースは第1接続端子41bに接続されている。スイッチング素子Q11,Q12のゲートは制御回路44に接続されている。スイッチング素子Q12のドレインは電流検出回路47に接続されている。
【0025】
制御回路44は、制御信号を、スイッチング素子Q11,Q12のゲートに出力する。スイッチング素子Q11,Q12はそれぞれ、制御信号に応答してオンオフする。電力変換回路43は、第1接続端子41から蓄電池42に向けて、昇圧型DC-DCコンバータとして動作する。また、電力変換回路43は、蓄電池42から第1接続端子41に向けて、降圧型DC-DCコンバータとして動作する。制御回路44は、制御信号のデューティ比を調整する。このデューティ比によって、スイッチング素子Q11,Q12のオン時間とオフ時間とが調整され、電力変換回路43の出力電圧が調整される。
【0026】
電流検出回路47は、電力変換回路43と第2接続端子48との間に接続されている。電流検出回路47は、蓄電池42に向けて流れる充電電流Ia、蓄電池42から放電される放電電流Ibを検出する。電流検出回路47は、抵抗R21、オペアンプP21を含む。抵抗R21の第1端子はスイッチング素子Q12に接続され、抵抗R21の第2端子は蓄電池42の高電位側端子(プラス端子)に接続されている。蓄電池42の低電位側端子(マイナス端子)は、第1接続端子41に接続されている。オペアンプP21の入力端子は抵抗R21の両端子に接続されている。抵抗R21は、自身に流れる電流によって両端子間に電位差を生じる。オペアンプP21は、抵抗R21に生じる電位差、つまり抵抗R21に流れる電流に比例した電圧を出力する。抵抗R21の両端子に生じる電位差は、抵抗R21に流れる電流の量と、抵抗R21に流れる電流の向きによる。したがって、電流検出回路47は、オペアンプP21の出力電圧により、抵抗R21に流れる充電電流Iaまたは放電電流Ibと、その電流量を検出する。制御回路44は、オペアンプP21の出力電圧を入力する。これにより、制御回路44は、充電電流Iaを測定可能に構成されているといえる。また、制御回路44は、放電電流Ibを測定可能に構成されているといえる。
【0027】
電圧検出回路46は、蓄電池42の両端子の間に接続されている。電圧検出回路46は、蓄電池42の端子間電圧V42に比例する電圧を検出する。電圧検出回路46は、抵抗R31,R32を含む。抵抗R31,R32は、蓄電池42の両端子間に直列に接続されている。電圧検出回路46は、抵抗R31,R32による分圧回路である。電圧検出回路46は、蓄電池42の端子間電圧V42を抵抗R31,R32で分圧した電圧を出力する。これにより、電圧検出回路46は、蓄電池42の端子間電圧V42を検出するといえる。制御回路44は、電圧検出回路46の電圧を入力する。これにより、制御回路44は、蓄電池42の電圧V42を測定可能に構成されているといえる。
【0028】
制御回路44は、記憶回路44a、通信回路44b、タイマ44cを有する。
記憶回路44aは、少なくとも1つの情報を記憶可能に構成されている。記憶回路44aに記憶される情報は、端子電圧値V41に対する第1閾値を含む。
【0029】
第1閾値は、
図1に示す電源装置21a~21cの出力特性により変化する端子電圧値V41の変化または変動に応じて設定される。記憶回路44aの情報は、予め設定されていてもよく、後述する設定端末80により設定されてもよい。また、記憶回路44aの情報は、メモリカード等の可搬型記録媒体を用いて設定してもよい。また、記憶回路44aの一部が可搬型記録媒体により構成されてもよい。
【0030】
通信回路44bは、設定端末80と通信可能に構成されている。通信回路44bと設定端末80との間の通信は、有線通信、無線通信のいずれであってもよい。
設定端末80は、記憶回路44aに情報を設定するために用いられる。設定端末80は、たとえば、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等の携帯情報端末を用いることができる。制御回路44は、通信回路44bにより設定端末80から受け取った情報を記憶回路44aに記憶させる。通信回路44bにより受け取る情報は、上記の第1閾値を含む。第1閾値は、電源装置21a~21cの定格出力電力(定格出力電圧)に応じて設定される。また、第1閾値は、電源装置21a~21cにおいて過電流となるときの出力電圧に応じて設定される。たとえば、第1閾値は、電源装置21a~21cの定格出力電圧と、過電流となるときの出力電圧の間の値(たとえば中間の値)に設定される。
【0031】
通信回路44bは、制御回路44の情報(たとえば、記憶回路44aに記憶した各種の情報)を外部へ送信することに用いられてもよい。たとえば、制御回路44は、設定端末80から要求に応じて、記憶回路44aに記憶された情報を通信回路44bにより送信する。設定端末80は、通信回路44bから送信される情報を受信する。これにより、バッテリユニット22a(22b,22c)の状態は、設定端末80にて確認可能となる。
【0032】
タイマ44cは、たとえば経過時間を得るための計時装置である。制御回路44は、タイマ44cをスタート、ストップする。制御回路44は、タイマ44c(カウント値)により、経過時間等を得る。
【0033】
(バッテリユニットの制御)
(蓄電池からの放電)
制御回路44は、充電電流Iaを流すように電力変換回路43を制御し、蓄電池42を充電する。たとえば、制御回路44は、蓄電池42に対する充電電流Iaと端子電圧値V41とを管理する定電流定電圧(CCCV)充電方式によって、蓄電池42を充電する。また、制御回路44は、蓄電池42の放電電流Ibから、機器13の電圧に応じて第1接続端子41の端子電圧V41を生成するように電力変換回路43を制御する。
【0034】
(蓄電池の充電)
制御回路44は、蓄電池42の蓄電量を得る。蓄電池42の蓄電量は、たとえば蓄電池42の端子間電圧V42で示される。なお、蓄電量は、蓄電池42のSOC(State of Charge)で示されてもよい。制御回路44は、蓄電池42の蓄電量に基づき、蓄電量が所定値以下のときに、所定の充電方式によって蓄電池42を充電する。充電方式は、たとえば、定電流定電圧(CCCV)充電方式である。なお、充電方式として他の方式が用いられてもよい。制御回路44は、所定の定電流(CC)によって所定の蓄電量まで蓄電池42を充電した後、所定の定電圧(CV)によって蓄電池42を充電するように、電力変換回路43を制御する。
【0035】
制御回路44は、定電流制御のCC目標値、定電圧制御のCV目標値を記憶回路44aに記憶している。定電流制御において、制御回路44は、電流検出回路47により検出した充電電流の電流値をCC測定値とし、CC目標値とCC測定値とから充電制御量を算出する。充電制御量の算出は、たとえばP演算、PI演算、PID演算、等の演算方式を用いることができる。制御回路44は、算出した充電制御量にて、電力変換回路43を制御する。これにより、制御回路44は、充電電流IaをCC目標値に一致させるように電力変換回路43を制御する。つまり、制御回路44は、充電電流Iaをフィードバックする制御を行う。
【0036】
また、制御回路44は、定電圧制御のCV目標値、定電圧制御のCV目標値を記憶回路44aに記憶している。定電圧制御において、制御回路44は、電圧検出回路46により検出した蓄電池42の端子間電圧V42をCV測定値とし、CV目標値とCV測定値とから充電制御量を算出する。充電制御量の算出は、たとえばP演算、PI演算、PID演算、等の演算方式を用いることができる。制御回路44は、算出した充電制御量にて、電力変換回路43を制御する。これにより、制御回路44は、端子間電圧V42をCV目標値に一致させるように電力変換回路43を制御する。つまり、制御回路44は、端子間電圧V42をフィードバックする制御を行う。
【0037】
また、制御回路44は、充電電流Iaが流れている状態において、端子電圧V41(バス電圧)に基づいて、蓄電池42に対する充電電流Iaを調整するように電力変換回路43を制御する。
【0038】
制御回路44は、第1接続端子41の端子電圧V41と、記憶回路44aに記憶した第1閾値とを比較する。制御回路44は、端子電圧V41が第1閾値よりも大きいとき、蓄電池42に対して充電電流Iaを供給するように、電力変換回路43を制御する。
【0039】
制御回路44は、充電電流Iaが流れている状態において、端子電圧V41と第1閾値とを比較し、端子電圧V41が第1閾値を跨ぐ時刻T11から、端子電圧V41が再び第1閾値を跨ぐ時刻T16まで、充電電流Iaを減少させるように電力変換回路43を制御する。端子電圧V41が第1閾値を跨ぐことは、端子電圧V41が第1閾値を下回ることである。端子電圧V41が再び第1閾値を跨ぐことは、端子電圧V41が第1閾値を上回ることである。つまり、制御回路44は、充電電流Iaが流れている状態において、端子電圧V41が第1閾値を下回る時刻T11(第1時刻)から、端子電圧V41が第1閾値を上回る時刻T16まで、充電電流Iaを減少させるように電力変換回路43を制御する。
【0040】
制御回路44は、端子電圧V41が第1閾値を跨ぐ(下回る)と、充電電流Iaを徐々に減少させるように、電力変換回路43を制御する。
上記したように、制御回路44は、たとえばCCCV方式により電力変換回路43を制御し、蓄電池42に充電電流Iaを供給する。制御回路44は、端子電圧V41と第1閾値とによりCC目標値を調整する。そして、制御回路44は、調整後のCC目標値とCC測定値とから充電制御量を算出し、その充電制御量にて電力変換回路43を制御する。なお、制御回路44は、端子電圧V41と第1閾値とによりCV目標値を調整するようにしてもよい。
【0041】
図3に示すフローチャートにしたがってCC目標値の調整について説明する。
図3は、制御回路44が実行する処理の一部であり、蓄電池42に対する充電量の調整にかかる処理を示す。制御回路44は、
図3に示す処理を所定の間隔で繰り返し実行する。
【0042】
ステップ51において、制御回路44は、バス電圧として端子電圧V41を検出する。
ステップ52において、制御回路44は、バス電圧(端子電圧V41)と、バス制御閾値(第1閾値)とからエラー量を算出する。たとえば、制御回路44は、端子電圧V41と第1閾値との差分をエラー量として算出する。
【0043】
ステップ53において、制御回路44は、エラー量からCC調整量を算出する。CC調整量の算出は、たとえば、P演算、PI演算、PID演算、等の演算方式を用いることができる。
【0044】
ステップ54において、制御回路44は、算出したCC調整量をCC目標値から減算することによりCC目標値を調整する。
ステップ55において、制御回路44は、調整したCC目標値と、CC測定値である充電電流Iaの電流量から充電制御量を算出する。そして、制御回路44は、充電制御量により電力変換回路43を制御する。
【0045】
ステップ51~55の処理により、制御回路44は、バス電圧である端子電圧V41をバス制御閾値である第1閾値と等しくするように電力変換回路43を制御する。そして、制御回路44は、端子電圧V41(バス電圧)が低下するとき、端子電圧V41と第1閾値との差分(エラー量)によってCC目標値を低下させることで、充電電流Iaを低減させる。
【0046】
バッテリユニット22a~22cは、電力変換回路43にて第1接続端子41の端子電圧V41から充電電流Iaを生成し、その充電電流Iaにより蓄電池42を充電する。充電電流Iaの制御、つまり充電電流Iaの増減は、バッテリユニット22a~22cにおける消費電力の増減となる。このことは、電源装置21a~21cにおける負荷の増減となり、電源装置21a~21cの出力特性によって電源装置21a~21cの出力電圧の変化となって現れる。電源装置21a~21cの出力電圧は、電源装置21a~21cとバッテリユニット22a~22cとを接続する電源線14(バス線)のバス電圧であり、バッテリユニット22a~22cの端子電圧V41でもある。バッテリユニット22a~22cの電圧検出回路45は、端子電圧V41を検出する。つまり、バッテリユニット22a~22cは、端子電圧V41によって充電電流Iaを制御することにより、端子電圧V41を調整しているといえる。また、バッテリユニット22a~22cは、バス電圧(端子電圧V41)のフィードバックにより、バス電圧(端子電圧V41)を制御しているといえる。
【0047】
(作用)
次に、上記の電源システム11の作用を説明する。
バッテリユニット22a~22cはそれぞれ、電力変換回路43により、蓄電池42の電圧を第1接続端子41の出力電圧に変換する。つまり、バッテリユニット22aは、蓄電池42から第1接続端子41に向けて放電する。この蓄電池42からの放電電流Ib、つまりバッテリユニット22a~22cの出力電力は、機器13に供給される。したがって、機器13は、電源装置21a~21cの出力電力と、バッテリユニット22a~22cの出力電力により動作する。機器13の消費電力が電源装置21a~21cの出力電力を上回るとき、バッテリユニット22a~22cから電力を供給することにより、機器13を動作させることができる。また、バッテリユニット22a~22cから電力を供給することにより、電源装置21a~21cにおける過電流を抑制できる。
【0048】
蓄電池42の充電中、つまり蓄電池42に向けて充電電流Iaが流れている状態では、電源装置21a~21cの負荷は、機器13の負荷(消費電力)と、充電中のバッテリユニット22a~22cの負荷(消費電力)とを合わせた量となる。この状態において、機器13の処理量が増加すると、機器13の消費電力が増加する、つまり、電源装置21a~21cに対する負荷が増加する。この負荷の増加により、電源装置21a~21cの出力電流が電源装置21a~21cの定格電流以上の過電流となる。バッテリユニット22a~22cの制御回路44は、充電電流Iaを調整することにより、電源装置21a~21cにおける過電流の発生を抑制する。これについて、以下に詳しく説明する。
【0049】
図4は、第2実施形態の電源システム11において、充電電流Iaが流れているときの制御を示す。
図4において、横軸は時間、縦軸は電圧と負荷の量を示す。また、
図4の上段において、実線は端子電圧V41(バス電圧)を示す。
図4の下段において、実線は機器13による負荷(機器負荷)を示し、一点鎖線は電源装置の負荷を示し、二点鎖線はバッテリユニットにおける充電に係る負荷(充電負荷)を示す。なお、ここでは、説明の便宜上、1つの電源装置21aと1つのバッテリユニット22aについて説明する。
【0050】
図4の時刻T10から機器13の負荷が増加する。この場合、電源装置21aの負荷は増加し、電源装置21aの出力電圧であるバス電圧(端子電圧V41)は、電源装置21aの出力特性に応じて減少する。
【0051】
時刻T11において、バス電圧(端子電圧V41)がバス制御閾値(第1閾値)を跨ぐと、制御回路44は、蓄電池42に供給する充電電流Iaを減少させるように電力変換回路43を制御する。これにより、バッテリユニット22aの充電による負荷は減少する。
【0052】
各バッテリユニット22aの制御回路44は、端子電圧V41(バス電圧)と第1閾値(バス制御閾値)とから算出したエラー量に基づいて、充電電流Iaを生成する電力変換回路43の充電制御量を算出する。そして、制御回路44は、端子電圧V41を第1閾値と等しくするように電力変換回路43を制御する。これにより、電源装置21aの負荷の上昇が抑制される。つまり、電源装置21aにおける過電流が抑制される。
【0053】
図4の時刻T12において、バッテリユニット22aの充電電流Iaが0(零)となると、機器13の負荷の増加に応じて、電源装置21aの負荷も増大する。電源装置21aの出力電圧(バス電圧)は下降する。
【0054】
図4の時刻T13において、機器13の負荷が安定する(機器13の処理量が安定する)と、電源装置21aの負荷も安定する。
図4の時刻T14において、機器13の負荷が減少する(機器13の処理量が減少する)と、電源装置21aの負荷も減少する。そして、電源装置21aの出力電圧(バス電圧)は上昇する。
【0055】
図4の時刻T15において、バッテリユニット22aの制御回路44は、端子電圧V41と第1閾値とから算出したエラー量に基づいて、充電電流Iaを再び流し始める。これにより、電源装置21aの負荷が安定する。
【0056】
図4の時刻T16において、バス電圧(端子電圧V41)がバス制御閾値(第1閾値)を再び跨ぐと、制御回路44は、蓄電池42に供給する充電電流Iaを減少させる制御を停止する。つまり、制御回路44は、端子電圧V41にかかわらず、蓄電池42の蓄電量に応じた充電電流Iaとなるように電力変換回路43を制御する。
【0057】
以上説明した作用は、他の電源装置21b,21cのそれぞれについても同様であり、電源装置21b,21cにおける過電流を抑制できる。また、バッテリユニット22aの動作については、他のバッテリユニット22b,22cのそれぞれが充電状態にある場合についても同様である。また、2つ以上のバッテリユニットが同時に充電状態にある場合についても、同様である。
【0058】
図1に示す第1実施形態の電源システム11は、3つの電源装置21a~21cが機器13に対して並列に接続されている。この電源システム11では、たとえば電源装置21a~21cの特性のばらつきによって、1つの電源装置、例えば電源装置21aに電流が集中して過電流状態となる場合がある。このように過電流状態となる電源装置21aでは、発熱が大きくなるおそれがある。これに対し、電源装置21a~21cに対して並列に接続されたバッテリユニット22a~22cが充電電流Iaを減少することにより、電流が集中する電源装置における過電流を抑制できる。なお、この過電流を抑制する効果は、1つのバッテリユニット22aを備えた電源システムでも同様に得ることができる。つまり、1つ以上のバッテリユニットが備えられていればよい。
【0059】
(動作の確認)
次に、バッテリユニット22a~22cの動作の確認方法を説明する。
図7は、動作確認における接続状態を示す。なお、
図7では、1つのバッテリユニット22aが示されている。
【0060】
バッテリユニット22aの第1接続端子41は、試験用の電源線94により、電源装置21aの出力端子32に接続される。電源線94には、試験負荷91、電圧計92、および電流計93が接続される。試験負荷91は、負荷電流と負荷電圧が可変かつ把握可能に構成されている。電圧計92は、電源線94の電圧値、つまりバッテリユニット22aの第1接続端子41における端子電圧値V41を測定可能に構成されている。電流計93は、電源線94に流れる電流、動作確認ではバッテリユニット22aに向けて流れる電流を測定可能に構成されている。
【0061】
上記の構成において、バッテリユニット22aの蓄電池42を充電する、つまり、電源装置21aからバッテリユニット22aに向けて電流が流れる。このとき、電流計93は、バッテリユニット22aにおける蓄電池42に対する充電電流Ia(
図2参照)に応じて電源線94に流れる電流値を測定する。この状態で、電圧計92の端子電圧値V41と電流計93の電流値とを監視しながら試験負荷91の負荷電流を増加させる。このとき、ある端子電圧値V1において電流計93の電流値が減少すれば、その端子電圧値V1において、蓄電池42に対する充電電流Iaを減少させる制御が行われている、つまりバッテリユニット22aが正常に動作していることを確認できる。一方、試験負荷91の負荷電流を増加させても電流計93の電流値が減少せず、電源装置2aの出力電流が過電流になるようであれば、バッテリユニット22aに異常が生じていることを確認できる。
【0062】
以上では、1つのバッテリユニット22aの動作確認について説明した。これに対して、
図1に示すように3つのバッテリユニット22a~22c、2つまたは4つ以上のバッテリユニットについても同様に動作確認を行うことができる。
【0063】
上記した動作確認は、上記のバッテリユニット22a~22c以外のバッテリユニットに対しても行うことができる。
図7に示すバッテリユニット22aに代えて、他のバッテリユニットを電源線94に接続する。この状態で、電圧計92の電圧値と電流計93の電流値とを監視しながら試験負荷91の負荷電流を増加させる。このとき、ある電圧値において電流計93の電流値が減少すれば、その電圧値において、他のバッテリユニットでは蓄電池に対する充電電流を減少させる制御が行われていると判断できる。つまり他のバッテリユニットは、実施形態のバッテリユニット22aと同様の構成を有していると判断できる。
【0064】
(効果)
以上記述したように、第1実施形態の電源システム11によれば、以下の効果を奏する。
【0065】
(1-1)電源システム11は、電源装置21a~21c、バッテリユニット22a~22cを含む。バッテリユニット22aは、第1接続端子41と、蓄電池42に接続可能に構成された第2接続端子48と、第1接続端子41と第2接続端子48との間に接続される電力変換回路43と、電力変換回路43を制御するとともに、第1接続端子41の端子電圧V41と、電力変換回路43から第2接続端子48へ流れる電流Iaを測定可能に構成された制御回路44と、を含み、制御回路44は、電力変換回路43から第2接続端子48へ電流Iaが流れている状態において、端子電圧V41と第1閾値とを比較し、端子電圧V41が第1閾値を跨いだ場合、端子電圧V41が再び第1閾値を跨ぐまで、電力変換回路43から第2接続端子48へ流れる電流Iaを減少させるように電力変換回路43を制御する。
【0066】
端子電圧V41は、バッテリユニット22a~22cと電源装置21a~21cと機器13とを接続するバス(電源線14)における電圧(バス電圧)であり、電源装置21a~21cの出力電圧である。電源装置21a~21cは、出力電流に応じて出力電圧が変化する出力特性を有している。機器13の動作状態による負荷の増加は、電源装置21a~21cにおける出力電流の増加を招き、電源装置21a~21cにおける過電流となる。バッテリユニット22a~22cにおいて、充電電流Iaを減少させることは、電源装置21a~21cに対して、バッテリユニット22a~22cの負荷を軽減することになる。したがって、バッテリユニット22a~22cの充電電流を減少させることにより、電源装置21a~21cにおける負荷の増加を抑制する。これにより、電源装置21a~21cにおいて、負荷変動による過電流を抑制することができる。
【0067】
(1-2)バッテリユニット22a~22cの制御回路44は、充電電流Iaが流れている状態において、端子電圧V41と第1閾値とを比較し、充電電流Iaを減少させるように電力変換回路43を制御する。端子電圧V41は、電源装置21a~21cの出力電圧である。そして、電源装置21a~21cは、それらの負荷に応じて出力電圧が変化する。したがって、バッテリユニット22a~22cの制御回路44は、端子電圧V41のみにより、電源装置21a~21cの負荷の状態を検出することができる。したがって、バッテリユニット22a~22cは、たとえば要求信号等の通信を行うための配線や回路を必要としない。つまり、バッテリユニット22a~22cは、簡単な構成により、電源装置21a~21cにおける過電流を抑制することができる。
【0068】
(1-3)電源システム11は、並列に接続された電源装置21a~21cを含む。この電源システム11では、たとえば電源装置21a~21cの特性のばらつきによって、1つの電源装置、例えば電源装置21aに電流が集中して過電流状態となる場合がある。このように過電流状態となる電源装置21aでは、発熱が大きくなるおそれがある。これに対し、電源装置21a~21cに対して並列に接続されたバッテリユニット22a~22cが充電電流Iaを減少することにより、電流が集中する電源装置における過電流を抑制できる。
【0069】
(1-4)電源システムは、電源装置21a~21cと、バッテリユニット22a~22cとを含む。電源装置21a~21cは、サーバ等の機器13に電力を供給する。バッテリユニット22a~22cは、蓄電池42の放電により、機器13に電力を供給する。
【0070】
サーバ等の機器13は、処理量によって消費電力(負荷)が変化する。電源装置21a~21cの定格電力(電源容量)は、機器13の最大消費電力(ピーク負荷)より大きく設定する必要がある。このような設定は、電源装置21a~21cの大型化を招く。これに対し、第1実施形態の電源システム11は、電源装置21a~21cとバッテリユニット22a~22cとから機器13に対して電力を供給する。したがって、電源装置21a~21cの大型化を抑制することができる。
【0071】
(第1実施形態の変更例)
なお、第1実施形態では、端子電圧V41が跨いだのち、第1閾値に対して再び跨ぐまで充電電流Iaを減少させると記載したが、これに限定されない。第1閾値として、たとえば第1閾値を含む電圧範囲(たとえば、第1閾値の±30%の範囲)の中の値である第1値および第2値を設定する。端子電圧値V41が所定方向に変動したときに端子電圧値V41を第1値と比較する。そして、端子電圧値V41が所定方向と逆方向に変動したときに端子電圧値V41を第2値と比較する。つまり、制御回路44は、端子電圧値V41が所定方向に変動して第1値を跨いでから、端子電圧値V41が所定方向と逆方向に変動して第2値を跨ぐまで、充電電流Iaを減少させるように電力変換回路43を制御する。端子電圧値V41が所定方向に変動して第1値を跨ぐことは、端子電圧V41が第1値を下回ることである。端子電圧V41が所定方向と逆方向に変動して第2値を跨ぐことは、端子電圧V41が第2閾値を上回ることである。第1値と第2値とは同じ値であってもよく、第1値と第2値とが異なる値であってもよい。第2値は、第1値より低い値であってもよく、第1値より高い値であってもよい。このように第1値および第2値を用いても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。第1値および第2値は、上記のバッテリユニット22a~22cの少なくとも1つに設定されてもよい。つまり、第1閾値によって制御するバッテリユニットと、第1値および第2値によって制御するバッテリユニットとを含む電源システムとしてもよい。
【0072】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態を説明する。
第2実施形態の電源システム11は、第1実施形態の電源システム11に対して、充電電流が流れているときの制御が異なる。このため、第2実施形態の電源システムの構成について、第1実施形態の電源システム11の構成と同じ名称および符号を用いて説明し、構成にかかる図面を省略する。電源システム11の構成については、
図1、
図2を参照して説明する。
【0073】
図5は、第2実施形態の電源システム11において、充電電流Iaが流れているときの制御を示す。
図5において、横軸は時間、縦軸は電圧と負荷の量を示す。また、
図5の上段において、実線は端子電圧V41(バス電圧)を示す。
図5の下段において、実線は機器13による負荷(機器負荷)を示し、一点鎖線は電源装置の負荷を示し、二点鎖線はバッテリユニットにおける充電に係る負荷(充電負荷)を示す。なお、ここでは、説明の便宜上、第1実施形態と同様に、1つの電源装置21aと1つのバッテリユニット22aについて説明する。
【0074】
図2に示す記憶回路44aは、第1閾値に加え、第2閾値を記憶している。第2閾値は、第1閾値よりも低い値に設定されている。たとえば、第2閾値は、第1閾値と、過電流となるときの出力電圧の間の値(たとえば中間の値)に設定される。
【0075】
制御回路44は、第1実施形態と同様に、第1接続端子41の端子電圧V41(バス電圧)と第1閾値とを比較し、端子電圧V41が第1閾値を跨ぐ時刻T21から、充電電流Iaを徐々に減少させるように、電力変換回路43を制御する。また、制御回路44は、端子電圧V41(バス電圧)と第2閾値とを比較する。制御回路44は、端子電圧V41が第2閾値を跨いだ時刻T22において、充電電流Iaを0(零)とするように、電力変換回路43を制御する。ここで、「第2閾値を跨ぐ」ことは、「第1閾値を跨ぐ」ことと同じことを意図している。
【0076】
図2に示すように、電力変換回路43は、スイッチング素子Q11,Q12を含む。そして、制御回路44は、充電制御量にしたがって、スイッチング素子Q11,Q12のオン時間とオフ時間とを調整することにより、充電電流Iaを徐々に減少させる。また、制御回路44は、スイッチング素子Q11,Q12をオフとする制御信号を出力する。これにより、蓄電池42に向けて充電電流Iaが流れなくなる、つまり充電電流Iaが0(零)となる。このように、制御回路44は、充電電流Iaを0とするように電力変換回路43を制御する。
【0077】
図5の時刻T20から機器13の負荷が増加する。
図5に示すように、機器13の負荷の増加が大きい場合、充電電流Iaを徐々に減少させるように電力変換回路43を制御しても、電源装置21aの負荷が安定しない場合がある。このような場合、端子電圧V41(バス電圧)は、時刻T21(第1時刻)のときの値から更に低下する。制御回路44は、この低下する端子電圧V41(バス電圧)が第2閾値を跨いだときに、充電電流Iaを0(零)とするように電力変換回路43を制御する。これにより、制御回路44は、第1閾値のときよりも更に、蓄電池42の充電にかかる負荷を低減する。
【0078】
図5の時刻T22に示すように、充電電流Iaを0(零)とするように電力変換回路43を制御する。このとき、電源装置21aの負荷が急減するため、端子電圧V41(バス電圧)は急激に上昇する。この上昇する端子電圧V41は、第1閾値を上回る。つまり、端子電圧V41が再び第1閾値を跨ぐことになる。この端子電圧V41の変化によって、蓄電池42に対する充電を再開すると、その充電によって電源装置21aの負荷が急増することになる。すると、端子電圧V41が第1閾値,第2閾値を跨ぐことになり、蓄電池42に対する充電電流Iaを制御するため、電源装置21aの負荷が急減する。つまり、電源装置21aの負荷の急減と急増とが繰り返されることになるおそれがある。
【0079】
これに対して、制御回路44は、端子電圧V41(バス電圧)が第2閾値を跨いだ時刻T22から所定の第1期間、端子電圧V41(バス電圧)と第1閾値との比較、端子電圧V41と第2閾値との比較を無効とする。所定の第1期間は、たとえば、機器13の動作による負荷変動を記録した結果に基づいて、一時的な負荷増加が解消するまでの期間に設定される。なお、所定の第1期間は、機器の動作による負荷変動の状態(負荷が増加する(端子電圧V41が減少する)割合、負荷が安定したときの端子電圧V41の値、等)によって変更されてもよい。このように、端子電圧V41と第1閾値,第2閾値との判定比較を無効化することにより、電源装置の負荷の急増と急減とが繰り返されることを抑制できる。
【0080】
図5に示す例では、時刻T22において充電電流Iaを0(零)にした後、機器13の負荷が安定する。これにより、電源装置21aの負荷も安定する。制御回路44は、端子電圧V41の変化により、負荷が安定したことを判断できる。この場合、制御回路44は、
図5の時刻T23からソフトスタート制御を行うようにすることができる。ソフトスタート制御は、充電電流Iaを徐々に増加するように電力変換回路43を制御するものである。このとき、制御回路44は、端子電圧V41を監視しながら、その端子電圧V41が急変しないように電力変換回路43を制御する。そして、制御回路44は、端子電圧V41(バス電圧)を第1閾値(バス制御閾値)と等しくするように、電力変換回路43を制御する(時刻T24以降)。これにより、電源装置21aの負荷を確認しながら、蓄電池42の充電を行うことができる。
【0081】
(効果)
以上記述したように、第2実施形態の電源システム11によれば、以下の効果を奏する。
【0082】
(2-1)第1実施形態の電源システム11と同じ効果を奏する。
(2-2)制御回路44は、この低下する端子電圧V41(バス電圧)が第2閾値を跨いだときに、充電電流Iaを0(零)とするように電力変換回路43を制御する。これにより、制御回路44は、第1閾値のときよりも更に、蓄電池42の充電にかかる負荷を低減する。したがって、電源装置21a~21cにおいて、負荷変動による過電流を抑制することができる。
【0083】
(2-3)制御回路44は、端子電圧V41(バス電圧)が第2閾値を跨いだ時刻T22から所定の第1期間、端子電圧V41(バス電圧)と第1閾値との比較、端子電圧V41と第2閾値との比較を無効とする。所定の第1期間は、たとえば、機器13の動作による負荷変動を記録した結果に基づいて、一時的な負荷増加が解消するまでの期間に設定される。なお、所定の第1期間は、機器の動作による負荷変動の状態(負荷が増加する(端子電圧V41が減少する)割合、負荷が安定したときの端子電圧V41の値、等)によって変更されてもよい。このように、端子電圧V41と第1閾値,第2閾値との判定比較を無効化することにより、電源装置の負荷の急増と急減とが繰り返されることを抑制できる。
【0084】
(2-4)制御回路44は、ソフトスタート制御を行うようにすることができる。ソフトスタート制御は、充電電流Iaを徐々に増加するように電力変換回路43を制御するものである。このとき、制御回路44は、端子電圧V41を監視しながら、その端子電圧V41が急変しないように電力変換回路43を制御する。そして、制御回路44は、端子電圧V41(バス電圧)を第1閾値(バス制御閾値)と等しくするように、電力変換回路43を制御する。これにより、電源装置21a~21cの負荷を確認しながら、蓄電池42の充電を行うことができる。
【0085】
(変更例)
上記実施形態は例えば以下のように変更できる。上記実施形態と以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、互いに組み合せることができる。なお、以下の変更例において、上記実施形態と共通する部分については、上記実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0086】
・上記実施形態のバッテリユニット22a~22cは、それぞれ蓄電池42を含む構成としたが、蓄電池42が接続されるバッテリユニットとして構成されてもよい。
図6は、変更例のバッテリユニット22Xを示す。バッテリユニット22Xは、電力変換回路43、制御回路44、電圧検出回路46,46、電流検出回路47を含む。蓄電池42は、バッテリユニット22Xに接続される。バッテリユニット22Xは、蓄電池42と接続可能に構成された第2接続端子48Xを有している。第2接続端子48Xは、バッテリユニット22Xに設けられる端子、バッテリユニット22Xから引き出されたケーブルの端部、等とすることができる。このように構成されるバッテリユニット22Xにおいても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、
図6に示すバッテリユニット22Xと、
図1に示すバッテリユニット22a~22cの少なくとも1つとが電源線14に接続されて電源システムが構成されてもよい。
【0087】
・上記実施形態に対して、出力電流の増加に対して出力電圧が上昇する出力特性を有する電源装置21a~21cが用いられてもよい。この場合、端子電圧V41が第1閾値を跨ぐことは、端子電圧V41が第1閾値を上回ることが意図される。また、端子電圧V41が再び第1閾値を跨ぐことは、端子電圧V41が第1閾値を下回ることが意図される。つまり、バッテリユニット22a~22cの制御回路44は、充電電流Iaが流れている状態において、端子電圧V41が第1閾値を上回る時刻(第1時刻)から、端子電圧V41が第1閾値を下回る時刻(第2時刻)まで、充電電流Iaを減少させるように電力変換回路を制御する。このような電源装置21a~21cとバッテリユニット22a~22cとを含む電源システム11においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0088】
・上記実施形態に対して、制御回路44は、算出したエラー量により、電力変換回路43を制御する充電制御量を調整するようにしてもよい。
・電力変換回路43と蓄電池42との間にスイッチを設け、スイッチをオフすることにより充電電流Iaを0(零)にするようにしてもよい。
【0089】
・制御回路44において、充電電流Iaを流している状態において端子電圧V41(バス電圧)の低下に応じて充電から放電に切替えるようにしてもよい。たとえば、
図2に示す記憶回路44aに第4閾値を記憶する。制御回路44は、端子電圧V41と第4閾値とを比較し、端子電圧V41が第4閾値を跨いだとき(下回るとき)、蓄電池から第1接続端子41に向けて放電するように電力変換回路43を制御する。これにより、電源装置21a~21cに対して、充電電流Iaにかかる負荷を軽減することができる。また、電源線14(バス線)に向けて放電することにより、電源装置21a~21cの負荷をより軽減することができる。第4閾値は、適宜変更されてもよい。たとえば、第4閾値は、蓄電池42の蓄電量(端子間電圧V42、SOC)により変更されてもよい。
【0090】
・上記各実施形態に対し、さらに、端子電圧V41の単位時間の変動量を求めるようにしてもよい。たとえば、
図2に示す記憶回路44aに第3閾値を記憶する。制御回路44は、端子電圧V41の変動量が第3閾値以上のときに、充電電流Iaを減少させるように電力変換回路43を制御するようにしてもよい。また、制御回路44は、変動量が第3閾値以上のときに、充電電流Iaを0(零)にするように電力変換回路43を制御するようにしてもよい。また、制御回路44は、変動量が第3閾値以上のときに、放電に切替えるように電力変換回路43を制御するようにしてもよい。
【0091】
・上記各実施形態に対し、3つのバッテリユニット22a~22cのうちの少なくとも1つのバッテリユニットにおいて、制御回路44の記憶回路44aに記憶する第1閾値の値を、他のバッテリユニットに設定した第1閾値と異なる値としてもよい。第1閾値として第1値および第2値を設定した場合、1つのバッテリユニットにおける第1値および第2値を、他のバッテリユニットの第1値および第2値と異なる値としてもよい。また、3つのバッテリユニット22a~22cの第1閾値を互いに異なる値に設定してもよい。第1閾値として第1値および第2値を設定した場合、3つのバッテリユニット22a~22cの第1値および第2値を互いに異なる値に設定してもよい。他のバッテリユニットの第1閾値に対して低い第1閾値が設定されたバッテリユニットは、充電電流Iaを減少させることが、他のバッテリユニットよりも遅くなる。つまり、低い第1閾値を設定することにより、充電を維持することができる。
【0092】
第1閾値は、蓄電池42の蓄電量(端子間電圧V42、SOC)に応じて変更されてもよい。たとえば、蓄電池42の蓄電量に比例した値を第1閾値に設定する。この場合、低い第1閾値を設定したバッテリユニットに対して、高い第1閾値を設定したバッテリユニットのほうが、早く充電電流Iaを減少させるように電力変換回路43を制御するようになる。これにより、全てのバッテリユニットの蓄電池42に対して効率よく充電することができる。そして、全てのバッテリユニットの蓄電池42を満充電にするために要する時間を短縮することができる。
【0093】
また、各バッテリユニット22a~22cの第1閾値を異なる値に設定することにより、電源装置21a~21cの負荷を段階的に軽減することができる。たとえば、
図1に示すバッテリユニット22a,22b,22cについて、この順番で第1閾値が低くなるように設定される。この場合、端子電圧V41の低下にともなって、最も高い第1閾値が設定されたバッテリユニット22aから順番に充電電流Iaを減少させる。したがって、端子電圧V41の低下にともなって、充電電流Iaを減少させるバッテリユニットの数が増加する。このように、機器13における負荷の軽重に応じた数のバッテリユニットが充電電流Iaを減少させることにより、効率よく負荷を軽減させることができる。
【0094】
・上記バッテリユニット22a~22c,22Xは、
図1に示した電源装置21a~21c以外の電源装置であって、たとえばドループ特性を有していない電源装置に接続されてもよい。また、ドループ特性を有する電源装置21a~21cとドループ特性を有していない電源装置とにバッテリユニット22a~22c,22Xが接続されてもよい。
【0095】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0096】
(付記)
本開示から把握できる技術的思想を以下に記載する。
[A1]
第1接続端子と、
蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、
前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、
前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を測定可能に構成された制御回路と、
を含み、
前記制御回路は、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ電流が流れている状態において、前記端子電圧と第1閾値とを比較し、前記端子電圧が前記第1閾値を跨いだ場合、前記端子電圧が再び前記第1閾値を跨ぐまで、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を減少させるように前記電力変換回路を制御する、
バッテリユニット。
【0097】
[A2]
前記端子電圧が前記第1閾値を跨ぐことは、前記端子電圧が前記第1閾値を下回ることであり、
前記端子電圧が再び前記第1閾値を跨ぐことは、前記端子電圧が前記第1閾値を上回ることである、
[A1]に記載のバッテリユニット。
【0098】
[A3]
前記第1接続端子は、出力電流によって出力電圧が変動する出力特性を有する電源装置と、前記電源装置の出力端子に接続される機器との間に、前記電源装置に対して前記機器と並列に接続されるものである、
[A1]または[A2]に記載のバッテリユニット。
【0099】
[A4]
前記電源装置は、前記機器に対して複数並列に接続されるものであり、
前記出力特性は、前記出力電流の増加にともない前記出力電圧が減少するドループ特性である、
[A3]に記載のバッテリユニット。
【0100】
[A5]
前記制御回路は、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ電流が流れている状態において、単位時間における前記端子電圧の変動量と第3閾値とを比較し、前記変動量が前記第3閾値以上のときに前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を減少させるように前記電力変換回路を制御する、[A1]から[A4]のいずれか一つに記載のバッテリユニット。
【0101】
[A6]
前記電力変換回路は、前記蓄電池の電圧を変換可能であり、
前記制御回路は、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ電流が流れている状態において、単位時間における前記端子電圧の変動量と第3閾値とを比較し、前記変動量が前記第3閾値以上のときに前記蓄電池から前記第1接続端子に向けて電流が流れるように前記電力変換回路を制御する、[A1]から[A4]のいずれか一つに記載のバッテリユニット。
【0102】
[A7]
前記制御回路は、前記端子電圧が前記第1閾値を跨いだとき、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を徐々に減少するように前記電力変換回路を制御する、[A1]から[A6]のいずれか一つに記載のバッテリユニット。
【0103】
[A8]
前記制御回路は、前記端子電圧が前記第1閾値を跨いだとき、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を零にするように前記電力変換回路を制御する、[A1]から[A7]のいずれか一つに記載のバッテリユニット。
【0104】
[A9]
前記制御回路は、前記端子電圧が前記第1閾値よりも低い第2閾値を跨いだときに、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を零にするように前記電力変換回路を制御する、[A1]から[A8]のいずれか一つに記載のバッテリユニット。
【0105】
[A10]
前記制御回路は、前記端子電圧が前記第2閾値を跨いだとき、前記端子電圧と前記第1閾値との比較、前記端子電圧と前記第2閾値との比較を無効とする、[A9]に記載のバッテリユニット。
【0106】
[A11]
前記制御回路は、前記端子電圧が再び前記第1閾値を跨いだとき、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を徐々に増加させるように前記電力変換回路を制御する、[A1]から[A10]のいずれか一つに記載のバッテリユニット。
【0107】
[A12]
前記電力変換回路は、前記蓄電池の電圧を変換可能であり、
前記制御回路は、前記端子電圧が前記第1閾値よりも低い第2閾値を跨いだときに、前記蓄電池から前記第1接続端子に向けて電流が流れるように前記電力変換回路を制御する、
[A1]から[A8]のいずれか一つに記載のバッテリユニット。
【0108】
[A13]
蓄電池と、
第1接続端子と、
前記蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、
前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、
前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる充電電流を測定可能に構成された制御回路と、
を含み、
前記制御回路は、前記充電電流が流れている状態において、前記端子電圧と第1閾値とを比較し、前記端子電圧が前記第1閾値を跨いだ場合、前記端子電圧が再び前記第1閾値を跨ぐまで、前記充電電流を減少させるように前記電力変換回路を制御する、
バッテリユニット。
【0109】
[A14]
機器に対して並列に接続される複数のバッテリユニットを含み、
前記複数のバッテリユニットはそれぞれ、
蓄電池と、
前記機器に接続可能に構成された第1接続端子と、
前記蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、
前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、
前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる充電電流を測定可能に構成された制御回路と、
を含み、
前記制御回路は、第1閾値を記憶する記憶回路を含み、
前記制御回路は、前記充電電流が流れている状態において、前記端子電圧と前記第1閾値とを比較し、前記端子電圧が前記第1閾値を跨いだ場合、前記端子電圧が再び前記第1閾値を跨ぐまで、前記充電電流を減少させるように前記電力変換回路を制御する、
電源システム。
【0110】
[A15]
前記複数のバッテリユニットのうちの少なくとも1つのバッテリユニットにおける前記第1閾値は、前記複数のバッテリユニットのうちの他のバッテリユニットにおける前記第1閾値と異なる値に設定されている、[A14]に記載の電源システム。
【0111】
[A16]
前記複数のバッテリユニットそれぞれの前記第1閾値は、前記蓄電池の蓄電量に応じて設定される、[A14]に記載の電源システム。
【0112】
[A17]
前記蓄電量が低い前記バッテリユニットの前記第1閾値を、前記蓄電量が多い前記バッテリユニットの前記第1閾値よりも低く設定する、[A16]に記載の電源システム。
【0113】
[A18]
機器に接続可能に構成された出力端子を有し、入力電力を直流電力に変換して前記出力端子に出力する電源装置と、
前記機器に対して前記電源装置と並列に接続されるバッテリユニットと、
を含み、
前記バッテリユニットは、
蓄電池と、
前記出力端子に接続可能に構成された第1接続端子と、
前記蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、
前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、
前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる充電電流を測定可能に構成された制御回路と、
を含み、
前記制御回路は、前記充電電流が流れている状態において、前記端子電圧と第1閾値とを比較し、前記第1接続端子の前記端子電圧が前記第1閾値を跨いだ場合、前記端子電圧が再び前記第1閾値を跨ぐまで、前記充電電流を減少させるように前記電力変換回路を制御する、
電源システム。
【0114】
[A19]
前記第1接続端子は、前記出力端子に対して前記機器と並列に接続されるものであり、
前記電源装置は、前記機器に対して複数並列に接続されるものであり、出力電流の増加にともない出力電圧が減少するドループ特性を有する、
[A18]に記載の電源システム。
【0115】
[B1]
第1接続端子と、
蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、
前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、
前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧値と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を測定可能、且つ前記端子電圧値と設定された第1閾値とを比較可能に構成された制御回路と、
を含み、
前記第1閾値は、前記第1閾値を含む電圧範囲内に設定された第1値および第2値を含み、
前記制御回路は、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ電流が流れている状態において、前記端子電圧値が所定方向に変動して前記第1値を跨いだ場合、前記端子電圧値が前記所定方向と逆方向に変動して前記第2値を跨ぐまで、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を減少させるように前記電力変換回路を制御する、
バッテリユニット。
【0116】
[B2]
前記端子電圧値が前記所定方向に変動して前記第1値を跨ぐことは、前記端子電圧値が前記第1値を下回ることであり、
前記端子電圧値が前記所定方向と逆方向に変動して前記第2値を跨ぐことは、前記端子電圧値が前記第2値を上回ることである、
[B1]に記載のバッテリユニット。
【0117】
[B3]
前記第1接続端子は、出力電流によって出力電圧が変動する出力特性を有する電源装置と、前記電源装置の出力端子に接続される機器との間に、前記電源装置に対して前記機器と並列に接続されるものである、
[B1]または[B2]に記載のバッテリユニット。
【0118】
[B4]
前記電源装置は、前記機器に対して複数並列に接続されるものであり、
前記出力特性は、前記出力電流の増加にともない前記出力電圧が減少するドループ特性である、
[B3]に記載のバッテリユニット。
【0119】
[B5]
前記制御回路は、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ電流が流れている状態において、単位時間における前記端子電圧値の変動量と設定された第3閾値とを比較し、前記変動量が前記第3閾値以上のときに前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を減少させるように前記電力変換回路を制御する、[B1]から[B4]のいずれか一つに記載のバッテリユニット。
【0120】
[B6]
前記電力変換回路は、前記蓄電池の電圧を変換可能であり、
前記制御回路は、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ電流が流れている状態において、単位時間における前記端子電圧値の変動量と設定された第3閾値とを比較し、前記変動量が前記第3閾値以上のときに前記蓄電池から前記第1接続端子に向けて電流が流れるように前記電力変換回路を制御する、[B1]から[B4]のいずれか一つに記載のバッテリユニット。
【0121】
[B7]
前記制御回路は、前記端子電圧値が前記所定方向に変動して前記第1値を跨いだとき、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を徐々に減少するように前記電力変換回路を制御する、[B1]から[B6]のいずれか一つに記載のバッテリユニット。
【0122】
[B8]
前記制御回路は、前記端子電圧値が前記所定方向に変動して前記第1値を跨いだとき、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を零にするように前記電力変換回路を制御する、[B1]から[B7]のいずれか一つに記載のバッテリユニット。
【0123】
[B9]
前記制御回路は、前記端子電圧値が前記所定方向に変動して前記第1閾値よりも低い第2閾値を跨いだときに、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を零にするように前記電力変換回路を制御する、[B1]から[B8]のいずれか一つに記載のバッテリユニット。
【0124】
[B10]
前記制御回路は、前記端子電圧値が前記第2閾値を跨いだとき、前記端子電圧値と前記第1閾値との比較、前記端子電圧と前記第2閾値との比較を無効とする、[B9]に記載のバッテリユニット。
【0125】
[B11]
前記制御回路は、前記端子電圧値が前記所定方向と逆方向に前記第2値を跨いだとき、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる電流を徐々に増加させるように前記電力変換回路を制御する、[B1]から[B10]のいずれか一つに記載のバッテリユニット。
【0126】
[B12]
前記電力変換回路は、前記蓄電池の電圧を変換可能であり、
前記制御回路は、前記端子電圧値が前記所定方向に変動して前記第1閾値よりも低い第2閾値を跨いだときに、前記蓄電池から前記第1接続端子に向けて電流が流れるように前記電力変換回路を制御する、
[B1]から[B8]のいずれか一つに記載のバッテリユニット。
【0127】
[B13]
蓄電池と、
第1接続端子と、
前記蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、
前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、
前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧値と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる充電電流を測定可能、且つ前記端子電圧値と設定された第1閾値とを比較可能に構成された制御回路と、
を含み、
前記第1閾値は、前記第1閾値を含む電圧範囲内の第1値および第2値を含み、
前記制御回路は、前記充電電流が流れている状態において、前記端子電圧値が所定方向に変動して前記第1値を跨いだ場合、前記端子電圧値が前記所定方向と逆方向に変動して前記第2値を跨ぐまで、前記充電電流を減少させるように前記電力変換回路を制御する、
バッテリユニット。
【0128】
[B14]
機器に対して並列に接続される複数のバッテリユニットを含み、
前記複数のバッテリユニットはそれぞれ、
蓄電池と、
前記機器に接続可能に構成された第1接続端子と、
前記蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、
前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、
前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧値と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる充電電流を測定可能、且つ前記端子電圧値と設定された第1閾値とを比較可能に構成された制御回路と、
を含み、
前記制御回路は、前記第1閾値を記憶する記憶回路を含み、
前記第1閾値は、前記第1閾値を含む電圧範囲内の第1値および第2値を含み、
前記制御回路は、前記充電電流が流れている状態において、前記端子電圧値が所定方向に変動して前記第1値を跨いだ場合、前記端子電圧値が前記所定方向と逆方向に変動して前記第2値を跨ぐまで、前記充電電流を減少させるように前記電力変換回路を制御する、
電源システム。
【0129】
[B15]
前記複数のバッテリユニットのうちの少なくとも1つのバッテリユニットにおける前記第1値および前記第2値は、前記複数のバッテリユニットのうちの他のバッテリユニットにおける前記第1値および前記第2値と異なる値に設定されている、[B14]に記載の電源システム。
【0130】
[B16]
前記複数のバッテリユニットそれぞれの前記第1値および前記第2値は、前記蓄電池の蓄電量に応じて設定される、[B14]に記載の電源システム。
【0131】
[B17]
前記蓄電量が低い前記バッテリユニットの前記第1値および前記第2値を、前記蓄電量が多い前記バッテリユニットの前記第1値および前記第2値よりも低く設定する、[B16]に記載の電源システム。
【0132】
[B18]
機器に接続可能に構成された出力端子を有し、入力電力を直流電力に変換して前記出力端子に出力する電源装置と、
前記機器に対して前記電源装置と並列に接続されるバッテリユニットと、
を含み、
前記バッテリユニットは、
蓄電池と、
前記出力端子に接続可能に構成された第1接続端子と、
前記蓄電池に接続可能に構成された第2接続端子と、
前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続される電力変換回路と、
前記電力変換回路を制御するとともに、前記第1接続端子の端子電圧値と、前記電力変換回路から前記第2接続端子へ流れる充電電流を測定可能、且つ前記端子電圧値と設定された第1閾値とを比較可能に構成された制御回路と、
を含み、
前記第1閾値は、前記第1閾値を含む電圧範囲内の第1値および第2値を含み、
前記制御回路は、前記充電電流が流れている状態において、前記端子電圧値が所定方向に変動して前記第1値を跨いだ場合、前記端子電圧値が前記所定方向と逆方向に変動して前記第2値を跨ぐまで、前記充電電流を減少させるように前記電力変換回路を制御する、
電源システム。
【0133】
[B19]
前記第1接続端子は、前記出力端子に対して前記機器と並列に接続されるものであり、
前記電源装置は、前記機器に対して複数並列に接続されるものであり、出力電流の増加にともない出力電圧が減少するドループ特性を有する、
[B18]に記載の電源システム。
【0134】
[B20]
前記第1値と前記第2値とは同じ値である、[B1]から[B13]のいずれか一つに記載のバッテリユニット。
【0135】
[B21]
前記第1値と前記第2値とは同じ値である、[B14]から[B19]のいずれか一つに記載の電源システム。
【0136】
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識し得る。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれるすべての代替、変形、および変更を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0137】
11 電源システム
12 交流電源
13 機器
14 電源線
21a~21c 電源装置
22a~22c,22X バッテリユニット
31 入力端子
32 出力端子
33 AC-DCコンバータ
34 DC-DCコンバータ
35 制御回路
41,41a,41b 第1接続端子
42 蓄電池
43 電力変換回路
44 制御回路
44a 記憶回路
44b 通信回路
44c タイマ
45,46 電圧検出回路
47 電流検出回路
48,48X 第2接続端子
51~55 ステップ
80 設定端末
90 試験負荷
Ia 充電電流
Ib 放電電流
L11 インダクタ
P21 オペアンプ
Q11,Q12 スイッチング素子
R11,R12,R21,R31,R32 抵抗
T10~T16 時刻
T20~T24 時刻
V41 端子電圧
V42 端子間電圧