IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧

特許7751514車両充電施設推奨装置、及び車両充電施設推奨方法
<>
  • 特許-車両充電施設推奨装置、及び車両充電施設推奨方法 図1
  • 特許-車両充電施設推奨装置、及び車両充電施設推奨方法 図2
  • 特許-車両充電施設推奨装置、及び車両充電施設推奨方法 図3
  • 特許-車両充電施設推奨装置、及び車両充電施設推奨方法 図4
  • 特許-車両充電施設推奨装置、及び車両充電施設推奨方法 図5
  • 特許-車両充電施設推奨装置、及び車両充電施設推奨方法 図6
  • 特許-車両充電施設推奨装置、及び車両充電施設推奨方法 図7
  • 特許-車両充電施設推奨装置、及び車両充電施設推奨方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-30
(45)【発行日】2025-10-08
(54)【発明の名称】車両充電施設推奨装置、及び車両充電施設推奨方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20251001BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20251001BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20251001BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20251001BHJP
【FI】
G01C21/34
B60L15/20 J
B60L50/60
B60L58/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022039389
(22)【出願日】2022-03-14
(65)【公開番号】P2023134054
(43)【公開日】2023-09-27
【審査請求日】2024-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】廣畑 慶
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-115126(JP,A)
【文献】特開2013-064686(JP,A)
【文献】特開2012-093096(JP,A)
【文献】国際公開第2020/183556(WO,A1)
【文献】特開2010-210395(JP,A)
【文献】国際公開第2021/235070(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/34
B60L 15/20
B60L 50/60
B60L 58/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の種別情報と前記施設の位置情報と前記施設の滞在目安時間に関する滞在目安時間情報と当該施設に付随する充電施設に関する充電施設情報とが施設情報として記憶される地図情報記憶部と、
車両側から前記車両の識別情報と前記車両の位置情報と目的地である第1目的地情報と前記車両の利用頻度が高い施設の種別に関する施設利用種別情報と前記車両の充電残容量情報及び電池容量情報とを受信する受信部と、
前記車両側から受信した、前記車両の位置情報、前記第1目的地情報、前記施設利用種別情報、前記充電残容量情報、及び前記電池容量情報に基いて、前記地図情報記憶部に記憶された施設情報を参照することで、前記施設利用種別情報に合致する施設情報の施設であって、当該施設までの走行距離と前記車両の前記充電残容量情報と前記電池容量情報とに基づいて、満充電、又は前記施設までの走行により減少が見込まれる充電残容量を少なくとも所定の充電残容量以上に回復させる必要充電量を推測し、前記施設に付随する充電施設の備える充電器の充電速度と、前記必要充電量と、に基づいて充電時間を推測することで、前記施設の滞在目安時間情報の滞在目安時間と推測した充電時間とが合致する、前記車両側に提示する充電のための立ち寄り施設を検索する検索部と、
検索した前記立ち寄り施設を前記車両側に第2目的地情報として提示する出力部と、を備え、
前記検索部は、さらに予め検索された前記第2目的地情報について、前記充電残容量情報の変化量が所定範囲を超え、増加又は減少したと判断した場合に、前記車両の位置情報と前記充電残容量情報とにより複数の前記施設情報から前記施設利用種別情報に合致する施設を選択し、さらに前記車両前記施設までの走行により必要となる必要充電量を推測し、推測した前記必要充電量と前記滞在目安時間情報と前記充電施設情報とから新たな前記第2目的地情報を設定する
車両充電施設推奨装置。
【請求項2】
前記検索部は、前記新たな第2目的地情報となる前記立ち寄り施設の候補の数が予め検索された前記第2目的地情報となる前記立ち寄り施設の候補の数に比べて減少する場合、前記施設利用種別情報の変更を打診する情報を前記出力部に出力させる、請求項1記載の車両充電施設推奨装置。
【請求項3】
前記検索部は、前記充電残容量情報の変化量が所定範囲を超えて増加した場合には予め設定されていた前記第2目的地情報の位置よりもより第1目的地情報の位置に近い又は前記滞在目安時間がより短い施設を前記新たな第2目的地情報として設定する、請求項1又は2記載の車両充電施設推奨装置。
【請求項4】
前記検索部は、前記充電残容量情報の変化量が所定範囲を超えて減少した場合には予め設定されていた前記第2目的地情報の位置よりもより第1目的地情報の位置から遠い又は前記滞在目安時間がより長い施設を前記新たな第2目的地情報として設定する、請求項1又は2記載の車両充電施設推奨装置。
【請求項5】
前記検索部は、前記充電残容量情報の変化量が所定範囲を超えて増加した場合には前記充電施設情報を備えない施設を前記新たな第2目的地情報として設定する、請求項1又は2記載の車両充電施設推奨装置。
【請求項6】
コンピュータに車両充電施設推奨装置して動作させる車両充電施設推奨方法であって、
施設の種別情報と前記施設の位置情報と前記施設の滞在目安時間に関する滞在目安時間情報と当該施設に付随する充電施設に関する充電施設情報とが施設情報として記憶される地図情報記憶ステップと、
車両側から前記車両の識別情報と前記車両の位置情報と目的地である第1目的地情報と前記車両の利用頻度が高い施設の種別に関する施設利用種別情報と前記車両の充電残容量情報及び電池容量情報とを受信する受信ステップと、
前記車両側から受信した、前記車両の位置情報、前記第1目的地情報、前記施設利用種別情報、前記充電残容量情報、及び前記電池容量情報に基いて、前記地図情報記憶ステップにおいて記憶された施設情報を参照することで、前記施設利用種別情報に合致する施設情報の施設であって、当該施設までの走行距離と前記車両の前記充電残容量情報と前記電池容量情報とに基づいて、満充電、又は前記施設までの走行により減少が見込まれる充電残容量を少なくとも所定の充電残容量以上に回復させる必要充電量を推測し、前記施設に付随する充電施設の備える充電器の充電速度と、前記必要充電量と、に基づいて充電時間を推測することで、前記施設の滞在目安時間情報の滞在目安時間と推測した充電時間とが合致する、前記車両側に提示する充電のための立ち寄り施設を検索する検索ステップと、
検索した前記立ち寄り施設を前記車両側に第2目的地情報として提示する出力ステップと、を備え、
前記検索ステップは、さらに予め検索された前記第2目的地情報について、前記充電残容量情報の変化量が所定範囲を超え、増加又は減少したと判断した場合に、前記車両の位置情報と前記充電残容量情報とにより複数の前記施設情報から前記施設利用種別情報に合致する施設を選択し、さらに前記車両の前記施設までの走行により必要となる必要充電量を推測し、推測した前記必要充電量と前記滞在目安時間情報と前記充電施設情報とから新たな前記第2目的地情報を設定する
車両充電施設推奨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の充電残量に応じて最適な充電施設を推奨する車両充電施設推奨装置、及び車両充電施設推奨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保全や持続可能なエネルギー利用の観点から、電気自動車、特にBEV(Battery Electric Vehicle)への関心が急速に高まっている。BEVを充電するために、充電施設を利用者に提案する技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、現在地から目的地に到達するために充電の必要がある電気自動車を検出して利用可能な充電スタンドへの経路を含む誘導情報を当該電気自動車に送信することにより電力不足で停止するのを抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5790070号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、利用者の目的地までの予定が充電により阻害されてしまう場合がある。
また、目的地に向かう途中のコンビニエンスストア等の施設の充電施設が空いていたので短時間であっても充電したり、渋滞や、休憩中のエアコン等の使用等により充電を余計に使ってしまった場合には、ユーザは、予定していた施設と異なる施設の充電施設で充電するために再度施設を検索する必要があり手間がかかる。
【0005】
そこで本発明は、ユーザが不便を感じることなく、最適な充電施設の選択を可能にする車両充電施設推奨装置、及び車両充電施設推奨方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の車両充電施設推奨装置(例えば、後述の「車両充電施設推奨装置30」)は、施設の種別情報と前記施設の位置情報と前記施設の滞在目安時間に関する滞在目安時間情報と当該施設に付随する充電施設に関する充電施設情報とが施設情報として記憶される地図情報記憶部(例えば、後述の「地図情報記憶部321」)と、車両側から前記車両の識別情報と前記車両の位置情報と目的地である第1目的地情報と前記車両の利用頻度が高い施設の種別に関する施設利用種別情報と前記車両の充電残容量情報とを受信する受信部(例えば、後述の「推奨要求入力部311」)と、前記車両側に提示する充電のための立ち寄り施設を検索する検索部(例えば、後述の「施設検索部312」)と、検索した前記立ち寄り施設を前記車両側に第2目的地情報として提示する出力部(例えば、後述の「出力部313」)と、を備え、前記検索部は、予め検索された前記第2目的地情報について、前記充電残容量情報の変化量が所定範囲を超えたと判断した場合に、前記車両の位置情報と前記充電残容量情報とにより複数の前記施設情報から前記施設利用種別情報に合致する施設を選択し、さらに前記車両の種別情報と前記施設までの走行距離とから必要となる必要充電量を推測し、推測した前記必要充電量と前記滞在目安時間情報と前記充電施設情報とから新たな前記第2目的地情報を設定する。
【0007】
上記(1)によれば、ユーザが不便を感じることなく、最適な充電施設の選択が可能となる。
【0008】
(2) (1)に記載の前記検索部は、前記新たな第2目的地情報となる前記立ち寄り施設の候補の数が減少する場合、前記施設利用種別情報の変更を打診する情報を前記出力部に出力させるようにしてもよい。
【0009】
上記(2)によれば、ユーザが条件を変更することが可能となる。
【0010】
(3) (1)又は(2)に記載の前記検索部は、前記充電残容量情報の変化量が所定範囲を超えて増加した場合には予め設定されていた前記第2目的地情報の位置よりもより第1目的地情報の位置に近い又は前記滞在目安時間がより短い施設を前記新たな第2目的地情報として設定するようにしてもよい。
【0011】
上記(3)によれば、よりユーザが待ち時間を意識することなくEVへの充電が可能な最適な充電施設の選択が可能となる。
【0012】
(4) (1)又は(2)に記載の前記検索部は、前記充電残容量情報の変化量が所定範囲を超えて減少した場合には予め設定されていた前記第2目的地情報の位置よりもより第1目的地情報の位置から遠い又は前記滞在目安時間がより長い施設を前記新たな第2目的地情報として設定するようにしてもよい。
【0013】
上記(4)によれば、よりユーザが待ち時間を意識することなくEVへの充電が可能な最適な充電施設の選択が可能となる。
【0014】
(5) (1)又は(2)に記載の前記検索部は、前記充電残容量情報の変化量が所定範囲を超えて増加した場合には前記充電施設情報を備えない施設を前記新たな第2目的地情報として設定するようにしてもよい。
【0015】
上記(5)によれば、充電施設の条件が無くなり施設利用種別情報のみの条件で施設を再検索できるため候補数が増加する。
【0016】
(6)本発明の車両充電施設推奨方法は、コンピュータに車両充電施設推奨装置して動作させる車両充電施設推奨方法であって、施設の種別情報と前記施設の位置情報と前記施設の滞在目安時間に関する滞在目安時間情報と当該施設に付随する充電施設に関する充電施設情報とが施設情報として記憶される地図情報記憶ステップと、車両側から前記車両の識別情報と前記車両の位置情報と目的地である第1目的地情報と前記車両の利用頻度が高い施設の種別に関する施設利用種別情報と前記車両の充電残容量情報とを受信する受信ステップと、前記車両側に提示する充電のための立ち寄り施設を検索する検索ステップと、検索した前記立ち寄り施設を前記車両側に第2目的地情報として提示する出力ステップと、を備え、前記検索ステップは、予め検索された前記第2目的地情報について、前記充電残容量情報の変化量が所定範囲を超えたと判断した場合に、前記車両の位置情報と前記充電残容量情報とにより複数の前記施設情報から前記施設利用種別情報に合致する施設を選択し、さらに前記車両の種別情報と前記施設までの走行距離とから必要となる必要充電量を推測し、推測した前記必要充電量と前記滞在目安時間情報と前記充電施設情報とから新たな前記第2目的地情報を設定する。
【0017】
上記(6)の方法によれば、(1)の車両充電施設推奨装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザが不便を感じることなく、最適な充電施設の選択が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態である車両充電施設推奨システム全体の基本的構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態における車載ナビゲーション装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図3】本発明の実施形態における施設情報の表示の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態における携帯端末の機能構成を示す機能ブロック図である。
図5】本発明の実施形態における車両充電施設推奨装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図6】本発明の実施形態における施設情報の一例を示す図である。
図7】本発明の実施形態における充電施設情報処理装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図8】本発明の実施形態における車両充電施設推奨装置の基本的動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<車両充電施設推奨システム1の全体構成>
以下、本発明の車両充電施設推奨システムの好ましい一実施形態について、図を参照しながら詳細に説明する。図1に、車両充電施設推奨システム1の全体構成を示す。
【0021】
図1に示すように、車両充電施設推奨システム1は、電気自動車50に搭載された車載ナビゲーション装置10と、電気自動車50のユーザの携帯端末20と、車両充電施設推奨装置30と、車両50と、充電施設情報処理装置40と、を含んで構成される。なお、本実施形態においては、特に断らない限り、バッテリー式電気自動車(BEV)を単に電気自動車、電動車両、又は車両ともいう。これら各装置及び各端末は、通信網60を介して相互に通信可能に接続される。
また、図中では、これら各装置及び各端末にて送受信される情報についても図示しているが、これらの情報はあくまで一例である。本実施形態にて、図示をしている以外の情報が送受信されるようにしてもよい。
【0022】
車載ナビゲーション装置10は、例えば、ユーザによって入力又は選択された施設等の目的地まで経路案内する機能、及び車載ナビゲーション装置10の位置情報(すなわち、車両50の位置情報)を測位する機能を有する。また、車載ナビゲーション装置10は、搭載された車両50の識別情報(例えば、ナンバープレートの番号やVIN(車両識別番号)等)、及び車両50の利用頻度が高い施設の種別に関する施設利用種別情報(例えば、「食事」、「ショッピング」、「映画」、「スポーツ」等)を記憶する機能を有する。また、車載ナビゲーション装置10は、車両50の充電状態を示すSoC(State of Charge)を取得する機能を有する。
車載ナビゲーション装置10は、例えば、ユーザが車両50を運転している間、車両50の識別情報、測位した位置情報、目的地情報(以下、「第1目的地情報」ともいう)、施設利用種別情報、及び車両50の充電残容量情報を含む充電施設推奨要求を、車両充電施設推奨装置30に対して送信する。そして、車載ナビゲーション装置10は、車両50のユーザに対して、車両充電施設推奨システム1を利用して提供される、目的地までの経路(通過ルート)上に存在する立ち寄り施設として推奨された第2目的地情報としての充電施設を有する施設の施設情報を表示する機能を有する。車載ナビゲーション装置10は、推奨された第2目的地情報である施設情報の表示及び現在位置から当該施設までの経路案内等を行うようにしてもよい。
【0023】
携帯端末20は、車両50を利用するユーザの携帯端末である。携帯端末20には、当該ユーザの利用する車両50と連携するためのアプリケーションソフトがインストールされていることが好ましい。携帯端末20は、車載ナビゲーション装置10と同様の機能を備えるようにしてもよい。
携帯端末20は、車両50の識別情報、位置情報、第1目的地情報、施設利用種別情報、及び充電残容量情報を取得することができる。そして、携帯端末20は、車載ナビゲーション装置10と同様に、取得した車両50の識別情報、位置情報、第1目的地情報、施設利用種別情報、及び充電残容量情報を含む充電施設推奨要求を、車両充電施設推奨装置30に対して送信する。
携帯端末20は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、ノートパソコン、その他の携帯可能な電子機器により実現することができる。
ユーザは、車両50に搭載された車載ナビゲーション装置10又はユーザの所持する携帯端末20を介して車両充電施設推奨装置30と通信することができる。本実施形態においては、ユーザは、車両50又は携帯端末20から、車両充電施設推奨装置30とデータの送受信を行うことができる。
このため、車両50又は当該車両50の利用者の携帯端末20は、車両充電施設推奨装置30から見ると、「車両側との通信」と認識することができる。本実施形態においては、特に断らないかぎり、「車両50又は当該車両の利用者の携帯端末20」を「車両側」ともいう。
【0024】
車両充電施設推奨装置30は、本実施形態特有の処理として、車両側から受信する充電施設推奨要求に含まれる車両50の識別情報、位置情報、第1目的地情報、施設利用種別情報、及び充電残容量情報と、充電施設を有する施設(例えば、レストランやカフェ等)に関する施設情報と、に基づいて、ユーザが不便を感じることなく車両50への充電が可能な最適な施設を選択し、ユーザに対して立ち寄り施設を第2目的地情報として推奨する装置である。
なお、車両充電施設推奨装置30は、例えば、汎用のサーバ装置に本実施形態特有のソフトウェアを組み込むことにより実現することができる。ここで、サーバ装置は、1つのコンピュータ又は複数のコンピュータから構成される分散システムでもよい。
【0025】
充電施設情報処理装置40は、例えば充電施設を有する施設毎に設置され、当該充電施設の備える充電設備の利用状況を管理する。ここで、充電器(充電設備)の利用状況としては、例えば、使用中(車両を充電中)、空き、予約の有無等が挙げられる。充電施設情報処理装置40は、定期的に、又は要求があれば、車両充電施設推奨装置30に対して、それぞれの充電施設の備える充電設備の利用状況を報告する。
また、車両側が、車両充電施設推奨装置30から推奨された、立ち寄り施設の充電施設の備える充電設備を充電先として選択した場合、充電施設情報処理装置40は、車両充電施設推奨装置30から、当該充電施設を利用する車両に係る情報を受信する。そうすることで、充電施設情報処理装置40は、充電施設の当該充電設備を予約有状態とする。
また、車両充電施設推奨装置30の推奨による当該施設を利用した車両50が当該充電設備において充電を完了した場合、車両充電施設推奨装置30に対して、車両50が当該充電設備において充電を完了した旨の通知を行う。そうすることで、例えば、車両充電施設推奨装置30は、当該充電施設に対する課金情報を作成することができる。
【0026】
車両50は、前述したように、車載ナビゲーション装置10が搭載され、車両充電施設推奨装置30と通信可能な車両である。
【0027】
通信網60は、インターネットや携帯電話網といったネットワークや、これらを組合せたネットワークにより実現される。
以上、車両充電施設推奨システム1の全体構成について説明した。
次にそれぞれの構成について説明する。
【0028】
<車載ナビゲーション装置10が備える機能ブロック>
車載ナビゲーション装置10が備える機能ブロックについて図2のブロック図を参照して説明をする。
図2に示すように、車載ナビゲーション装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、センサ部14と、表示部15と、入力部16とを含んで構成される。
【0029】
制御部11は、マイクロプロセッサ等の演算処理装置から構成され、車載ナビゲーション装置10を構成する各部の制御を行う。制御部11の詳細については、後述する。
【0030】
記憶部12は、半導体メモリ等で構成されており、ファームウェアやオペレーティングシステムと呼ばれる制御用のプログラム、車両充電施設推奨装置30に対して車両50の識別情報、位置情報、第1目的地情報、施設利用種別情報、及び充電残容量情報を含む充電施設推奨要求を送信し、目的地までの経路(通過ルート)上に存在し立ち寄り施設として推奨された充電施設を有する施設の施設情報を第2目的地情報として車両充電施設推奨装置30から受信し、表示するとともに、表示された施設(充電設備)を選択した場合に、車両充電施設推奨装置30に対して、例えば予約要求を送信する機能を実行するプログラムや、選択した施設に経路案内する機能を実行するプログラム、さらにその他、地図情報等の種々の情報が記憶される。図中には、記憶部12が記憶する情報として、地図情報(ナビ地図)121、識別情報122、位置情報123、施設利用種別情報124、及び充電残容量情報125を図示する。
【0031】
地図情報(ナビ地図)121は、例えばナビゲーションのために用いられ、ノードとリンクで道路を表現した地図である。
識別情報122は、車両50を識別するための情報であり、車両を一意的に識別する識別ID、車両名情報及び/又は車両型式情報を含む。なお、後述するように、車両名情報及び/又は車両型式情報により、当該車両50の電池容量は一意的に対応付けられており、車両充電施設推奨装置30は、充電施設推奨要求に基づいて、当該車両の電池容量を取得することができる。
位置情報123は、センサ部14により測位された車載ナビゲーション装置10の位置情報(すなわち、車両50の位置情報)である。位置情報123には、測位された位置を示す情報のみならず、測位を行った時刻である測位時刻を含むものとする。
施設利用種別情報124は、車両50の利用頻度が高い施設の種別に関する情報であり、例えば、「食事」、ショッピング」、「映画」、「スポーツ」等が記憶される。
充電残容量情報125は、充電残容量として車両50の現在のSoC等が記憶される。
識別情報122、位置情報123、施設利用種別情報124、及び充電残容量情報125は、車両充電施設推奨装置30に送信される情報である。
【0032】
通信部13は、DSP等を有し、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)の規格や、Wi-Fi(登録商標)といった規格に準拠して、通信網60を介して他の装置(例えば、車両充電施設推奨装置30)、及び車両側との間の無線通信や有線通信を実現する。通信部13は、例えば、車両側からの接続要求、車両50の識別情報、位置情報、第1目的地情報、施設利用種別情報、及び充電残容量情報等を含む充電施設推奨要求を車両充電施設推奨装置30に送信するとともに、逆に車両充電施設推奨装置30から提供される充電施設を有する施設の施設情報(第2目的地情報)を受信するために利用される。
ただし、通信部13と他の装置との間で送受信されるデータに特に制限はなく、これらの情報以外の情報が送受信されるようにしてもよい。
【0033】
センサ部14は、例えばGPS(Global Positioning System)センサ、ジャイロセンサ、加速度センサ等により構成される。センサ部14は、位置情報を検出する位置検出手段としての機能を備え、GPSセンサによりGPS衛星信号を受信し、車載ナビゲーション装置10の位置情報(緯度及び経度)を測位する。
【0034】
表示部15は、液晶ディスプレイ、又は有機エレクトロルミネッセンスパネル等の表示デバイスにより構成される。表示部15は、制御部11からの指示を受けて画像を表示する。表示部15が表示する情報としては、車両充電施設推奨装置30から出力される、目的地までの経路(通過ルート)上に存在し立ち寄り施設として推奨された充電施設を有する施設の施設情報(第2目的地情報)、及び各種のユーザインタフェース等が挙げられる。
【0035】
入力部16は、テンキーと呼ばれる物理スイッチや表示部15の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置で構成される。入力部16からの操作入力、例えばユーザによるテンキーの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御部11に出力することで、ユーザによる選択操作等を実現することができる。
【0036】
なお、この他、図示しないが、車載ナビゲーション装置10は、スピーカやマイク等を備えることもできる。そうすることで、情報をスピーカから音声で出力したり、マイクを介して音声入力された運転者による各種の選択、指示を音声認識技術により、制御部11に入力したりすることもできる。
【0037】
次に、制御部11の詳細について説明をする。制御部11はCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びI/O(Input / Output)等を有するマイクロプロセッサにより構成される。CPUは、ROM又は記憶部12から読み出した各プログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、及び記憶部12から情報を読み出し、RAM及び記憶部12に対して情報の書き込みを行い、通信部13、センサ部14、表示部15、及び入力部16と信号の授受を行う。そして、このようにして、ハードウェアとソフトウェア(プログラム)が協働することにより本実施形態における処理は実現される。
【0038】
制御部11は、機能ブロックとして、経路案内部111、SoC取得部112、情報送信部113、施設情報提示部114、及び充電施設予約送信部115を備える。
【0039】
経路案内部111は、ユーザによって入力又は選択された一般施設等の目的地までの経路案内処理を行う部分である。目的地までの経路案内処理は、一般的なカーナビゲーションシステムにおける経路案内処理と同等であり、当業者にとって公知の機能であり、詳細な説明は省略する。
なお、経路案内部111は、車両充電施設推奨装置30から提供される、立ち寄り施設として推奨された施設(第2目的地情報)を目的地として、当該施設までの経路案内も行うことができる。
【0040】
SoC取得部112は、例えば、車両50のECU(Electronic Control Unit)(図示しない)から車両50のSoCを取得し、取得したSoCを充電残容量情報125に記憶する。
【0041】
情報送信部113は、通信部13を利用した無線通信により、車両50の識別情報、位置情報、第1目的地情報、施設利用種別情報、及び充電残容量情報等を含む充電施設推奨要求を、車両充電施設推奨装置30に対して送信する。
【0042】
施設情報提示部114は、目的地までの経路(通過ルート)上に存在する立ち寄り施設として推奨された充電施設を有する施設の施設情報を第2目的地情報として車両充電施設推奨装置30から受信するとともに、例えば表示部15へ出力する等により、ユーザに提供することができる。これにより、ユーザは、例えば、(タッチパネルを備えた)表示部15の当該施設を示す位置を例えばタップすることで、選択可能とすることができる。
具体的には、施設情報提示部114は、車両充電施設推奨装置30から受信した施設情報(第2目的地情報)に基づいて、例えば、図3に示すように、表示部15に、目的地までの経路とともに、地図上に施設情報を付加した施設の位置をアイコン(ピン)で表示することができる。なお、車両50の近傍に複数の充電施設を有する施設が複数ある場合には、表示部15にスクロール可能に複数の施設情報を表示するようにしてもよい。また、施設情報提示部114は、図3に示すように、推奨する度合いに応じて施設の位置を示すアイコン(ピン)の大きさを変えてもよい。
【0043】
充電施設予約送信部115は、車両充電施設推奨装置30から受信した施設情報(第2目的地情報)に基いて、ユーザにより施設が選択された場合、ユーザにより選択された施設の識別情報(施設が複数の充電設備を備える場合、充電設備IDを含む)を車両充電施設推奨装置30に送信することができる。なお、その際、充電時刻、充電時間をユーザから指定された場合、これらの情報についても送信するようにしてもよい。
以上、車載ナビゲーション装置10の構成について説明した。
【0044】
<携帯端末20が備える機能ブロック>
次に、携帯端末20が備える機能ブロックについて図4のブロック図を参照して説明をする。
図4に示すように、携帯端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、センサ部24と、表示部25と、入力部26と、を含んで構成される。
ここで、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、センサ部24と、表示部25と、入力部26とは、上述した車載ナビゲーション装置10が含む同名の機能ブロックと同等の機能を有している。すなわち、上述した車載ナビゲーション装置10の説明における「車載ナビゲーション装置10」の文言を「携帯端末20」を置き換えることにより、携帯端末20の各機能ブロックの説明となるので、重複する再度の説明は省略する。
なお、ユーザが携帯端末20を所持して車両50に乗車し、車両50の起動スイッチをオンにすると、携帯端末20は、車両50と接続(ペアリング)され、少なくとも車両50の識別情報、第1目的地情報、施設利用種別情報、及び充電残容量情報を共有するようにしてもよい。あるいは、車両50がテレマティクス装置を搭載する場合、携帯端末20は、公知の手法(例えば、特許第5174296号等)を用いて、通信網60に接続されたサーバ(図示しない)から少なくとも車両50の識別情報、第1目的地情報、施設利用種別情報、及び充電残容量情報を取得するようにしてもよい。
また、ユーザの携帯端末20は、ユーザの利用する車両50の識別情報と紐づけて、車両充電施設推奨装置30に予め登録されていることが好ましい。具体的には、例えば車両充電施設推奨装置30にログインする場合のログインIDが、車両50の識別情報と対応づけられていることが好ましい。そうすることで、車両充電施設推奨装置30は、ユーザの携帯端末20と、車両50と、をともに「車両側」として認定することができる。
以上、携帯端末20の構成について説明した。
【0045】
<車両充電施設推奨装置30が備える機能ブロック>
次に、車両充電施設推奨装置30が備える機能ブロックについて図5のブロック図を参照して説明をする。
【0046】
図5に示すように、車両充電施設推奨装置30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、表示部34と、入力部35と、を含んで構成される。
【0047】
制御部31は、マイクロプロセッサ等の演算処理装置から構成され、車両充電施設推奨装置30を構成する各部の制御を行う。制御部31の詳細については、後述する。
【0048】
記憶部32は、半導体メモリ等で構成されており、ファームウェアやオペレーティングシステムと呼ばれる制御用のプログラムや、車両充電施設推奨処理を行うためのプログラムといった各プログラム、さらにその他、地図情報等の種々の情報が記憶される。このため、図5に示すように、記憶部32には、地図情報記憶部321、車両情報記憶部322といった、記憶部が確保されている。
なお、これらの記憶部は、記憶部32において、それぞれ個別に確保されてもいいし、また、一体で構成してもよい。
【0049】
地図情報記憶部321には、施設の種別情報と施設の位置情報と施設の滞在目安時間に関する滞在目安時間情報と施設に付随する充電施設に関する充電施設情報とを含む施設情報が記憶される。
図6は、施設情報の一例を示す図である。
図6に示すように、施設情報は、例えば、施設名称及び施設種別(カテゴリー種別)等を含む種別情報と、電話番号、住所、営業時間、及び緯度経度等で特定される位置情報と、当該施設に訪問した人の平均的な滞在時間である滞在目安時間に関する滞在目安時間情報(例えば、ファストフードなら20分、レストランなら50分、道の駅なら30分、博物館なら60分等)と、当該施設に付随する充電施設の有無、充電施設の識別情報(施設ID)、当該充電施設の備える充電器(充電設備)の出力性能(充電速度)等を含む充電施設情報と、当該充電施設の予約状況を示す予約情報と、当該充電施設の混雑度を示す混雑度情報と、を含む。
なお、施設が複数の充電器(充電設備)を備える場合、充電施設情報は、充電器(充電設備)毎に、当該充電器(充電設備)を識別するための識別情報(充電器ID)とその充電器の性能を含むものとする。
また、充電施設情報は、充電器が1台の車両に占有されないようにするために、利用上限時間(例えば、30分等)が設定されている場合、利用上限時間に関する利用上限時間情報が含まれてもよい。
【0050】
ここで、以下、充電施設及び充電器(充電設備)について簡単に説明する。
充電施設については、充電器(充電設備)の設置場所を基準とする分類で、家充電(自宅等の私的な場所における充電)を除いて、外充電が挙げられる。外充電としては、例えば高速道路のSA、PA、道の駅等の長距離移動時の幹線道路沿いの公共施設、電気自動車を販売しているカーディーラー、日常よく訪れる施設であるコンビニエンスストア、スーパーマーケット、ショッピングモール、レストラン等の施設、ホテル等長時間駐車する宿泊施設、また自動車を一時的に駐車する有料駐車場等が挙げられる。
施設IDは施設毎に付与されている固有の識別情報であり、施設IDは、施設種別毎に付与されることが好ましい。ここで、施設種別としては、上述した充電施設の店舗種別が一例として挙げられる。
ここで、充電施設の識別情報(施設ID)として、一般施設としての識別情報を適用してもよい。施設ID毎に当該施設の位置する、例えば緯度経度等で特定される位置情報(地図情報)を有している。
なお、地図情報には、道路及び道路地図等の背景を表示するための表示用地図データ、ノード(例えば道路の交差点、屈曲点、端点等)の位置情報及びその種別情報、各ノード間を結ぶ経路であるリンクの位置情報及びその種別情報、全てのリンクのコスト情報(例えば距離、所要時間等)に関するリンクコストデータ等を含む道路ネットワークデータ等を含むようにしてもよい。
【0051】
充電施設には、ユーザの利用できる充電器(「充電設備」ともいう)が設置されているが、複数の充電器(充電設備)を備えている充電施設もある。さらに、複数の種類(例えば、後述する普通充電器、急速充電器等)の充電器(充電設備)を備えている充電施設もある。このため、充電施設に設置された充電器(充電設備)には、それぞれ固有の識別情報である充電器ID(充電設備ID)を付与することが望ましい。充電器ID(充電設備ID)毎に、当該充電器(充電設備)の出力性能(充電速度)が予め設定されて対応づけられる。次に、施設情報に含まれる充電器の出力性能(充電速度)について具体的に説明する。
【0052】
充電器(充電設備)の出力性能(充電速度)について説明する。充電器(充電設備)は、大きく分けて普通充電と急速充電に区分される。普通充電とは、例えば交流電源(200V/15A又は100V/30A)を用いた出力性能3kWの充電である。なお、3kWの充電器以外に、6kWの高出力をする高出力普通充電器もある。これに対して、急速充電とは、例えば直流電源を用いて例えば20kW以上の出力をする充電であるが、様々な出力性能を有することから、例えば、20kWから30kWの出力性能を有する中速タイプの充電器、30kWから50kWの出力性能を有する急速タイプの充電器、70kWの出力性能を有する超急速タイプの充電器、90kW以上の出力性能を有する超高速タイプの充電器等と区分することもできる。なお、上記区分及びタイプは一例であって、当業者によって、急速充電を段階に分けて区分されている。
充電施設情報として、充電施設に設置される各充電器ID(充電設備ID)に対応して、当該充電設備の出力性能情報(充電速度情報)が設定されている。充電器(充電設備)の出力性能(充電速度)としては、一例として、上記に例示したように、例えば3kWh及び6kWhの普通充電、20kWから30kWの出力性能を有する中速タイプの充電器、40kWから50kWの出力性能を有する急速タイプの充電器、70kWの出力性能を有する超急速タイプの充電器、90kW以上の出力性能を有する超高速タイプの充電器と区分することができる。
充電施設においては、当該充電施設におけるユーザの行動に基づいて、いわゆる経路充電に相当する、コンビニ、道の駅、ホームセンタ等には中速タイプの充電器が、高速道路のSA、PA等の長距離移動時の幹線道路沿いの公共施設には、急速タイプの充電器が設置されているケースが多い。また、いわゆる目的地充電に相当するホテル等の施設では、普通充電器が多く設置される傾向がある。
【0053】
次に、車両情報記憶部322について説明する。
車両情報記憶部322は、車両充電施設推奨装置30に登録されたユーザの車両50の識別情報(車両識別ID)と、識別情報(車両識別ID)に紐づけられた車両名情報及び/又は車両型式情報と、当該車両の備える電池容量情報と、を対応付ける情報が記憶される。
そうすることで、車両側(例えば、車両50又は当該車両50のユーザの携帯端末20)から例えば識別情報(車両識別ID)により車両充電施設推奨装置30にログインされ、車両側(例えば、車両50又は当該車両50のユーザの携帯端末20)から車両50の識別情報等を含む充電施設推奨要求が送信された場合、後述する推奨要求入力部311は、当該車両の識別情報(車両識別ID)に紐づけられた車両名情報及び/又は車両型式情報及び当該車両の備える電池容量情報を取得することができ、車両50の識別情報、位置情報、及び当該車両の電池容量情報を、施設検索部312に提供することができる。
なお、車両情報記憶部322には、電気自動車の識別情報(車両識別ID)と、識別情報(車両識別ID)に紐づけられた車両名情報及び/又は車両型式情報を記憶し、車両名情報及び/又は車両型式情報と電池容量情報と、を対応付けた車両型式情報別電池容量テーブル(図示しない)を記憶部32に記憶することで、後述する推奨要求入力部311は、車両型式情報別電池容量テーブル(図示しない)を参照することで、当該車両の電池容量を取得するようにしてもよい。この場合、車両型式情報別電池容量テーブル(図示しない)を後述する推奨要求入力部311の内部テーブルとしてもよい。
【0054】
通信部33は、DSP等を有し、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)の規格や、Wi-Fi(登録商標)といった規格に準拠して、通信網60を介して他の装置、例えば、車両側との間の無線通信や有線通信及び充電施設情報処理装置40との間の無線通信や有線通信を実現する。
通信部33は、例えば、車両側からの接続要求や、車両50の識別情報等を含む充電施設推奨要求を受信するために、逆に推奨する施設情報(第2目的地情報)を車両側に送信するために利用される。また、通信部33は、例えば、施設が有する充電施設を利用する車両50に係る情報を充電施設情報処理装置40に送信するために、逆に充電施設情報処理装置40から充電設備の利用状況及び充電完了情報を受信するために、利用される。
ただし、通信部33と他の装置との間で送受信されるデータに特に制限はなく、これらの情報以外の情報が送受信されるようにしてもよい。
【0055】
次に、制御部31の詳細について説明をする。制御部31はCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random access memory)、ROM(Read Only Memory)、及びI/O(Input / output)等を有するマイクロプロセッサにより構成される。CPUは、ROM又は記憶部32から読み出した各プログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、及び記憶部32から情報を読み出し、RAM及び記憶部32に対して情報の書き込みを行い、通信部33、表示部34、及び入力部35と信号の授受を行う。そして、このようにして、ハードウェアとソフトウェア(プログラム)が協働することにより本実施形態における処理は実現される。
このように、制御部31は各プログラムを実行することによって、コンピュータである車両充電施設推奨装置30に所定の手段(以下、「車両充電施設推奨制御部」と総称する)として機能させる。
また、制御部31は各プログラムを実行することによって、車両充電施設推奨装置30に、所定のステップ(以下、「車両充電施設推奨ステップ」と総称する)を実行させる。
以下、制御部31の有する機能を車両充電施設推奨制御部の観点から説明する。なお、車両充電施設推奨制御ステップ(方法)の観点に基づく説明は、「部」を「ステップ」に置き換えることで説明できるため、省略する。
【0056】
制御部31は、機能ブロックとして、施設インタフェース部310、推奨要求入力部311と、施設検索部312と、出力部313と、充電施設予約入力部314と、を含む。
【0057】
<施設インタフェース部310>
施設インタフェース部310は、例えば各施設が有する充電施設における充電器(充電設備)を管理する充電施設情報処理装置40から、定期的に各充電施設に備える充電器(充電設備)の利用状況を取得し、記憶部32に記憶する。ここで、充電器(充電設備)の利用状況としては、例えば、当該充電器が使用中(充電中)、空き、予約の有無等が挙げられる。
また、車両側が充電施設を有する施設を充電先として選択した場合、施設インタフェース部310は、当該車両に係る情報を充電施設情報処理装置40に送信するようにしてもよい。そうすることで、充電施設を有する施設は、充電器(充電設備)の利用を計画することができる。
また、車両50が当該施設の充電施設において充電を完了した場合、施設インタフェース部310は、充電施設情報処理装置40から前記車両50が当該施設の充電設備において充電を完了した旨の通知を取得することができる。その場合、施設インタフェース部310は、送客の謝金としての謝金情報を充電施設情報処理装置40に対して通知するようにしてもよい。
【0058】
<推奨要求入力部311>
推奨要求入力部311は、車両側から、通信部33を介して当該車両50の識別情報、位置情報、第1目的地情報、施設利用種別情報、及び充電残容量情報を含む充電施設推奨要求を受信する。ここで、車両50の識別情報は、当該車両の車両名情報及び/又は車両型式情報に紐づけられる。推奨要求入力部311は、車両情報記憶部322を参照することで、当該車両の車両名情報及び/又は車両型式情報に基いて、当該車両の備える電池容量情報を取得することができる。
推奨要求入力部311は、車両側から受信した、車両50の識別情報、位置情報、第1目的地情報、施設利用種別情報、充電残容量情報、及び当該車両の電池容量情報を、施設検索部312に提供するようにしてもよい。
【0059】
<施設検索部312>
施設検索部312は、充電施設推奨要求を送信した車両50毎に、当該車両50の位置情報、第1目的地情報、施設利用種別情報、充電残容量情報、及び電池容量情報に基いて、地図情報記憶部321に記憶された施設情報を参照することで、車両50毎に目的地までの経路上に存在する充電のための立ち寄り施設を検索する。
具体的には、施設検索部312は、例えば、図3に示すように、ユーザが車載ナビゲーション装置10又は携帯端末20を操作して目的地までの経路を検索している場合に、車載ナビゲーション装置10又は携帯端末20から取得した車両50の充電残容量情報(SoC)及び電池容量情報から車両50の電池容量を取得する。施設検索部312は、第1目的地情報に基づいて目的地までの経路上の検索範囲に存在する、例えば車両側から指定された「食事」のキーワードに基づいて充電施設を有する複数の施設(カフェやレストラン等)をPOI(Point of Interest)として検索する。
ここで、検索範囲とは、目的地までの経路に対して所定の距離(例えば、2km等)の幅を持たせた範囲であってもよいし、経路上における行政区分であってもよい。また、車両側から検索範囲を指定できるようにしてもよい。
【0060】
施設検索部312は、検索した施設のうち、施設利用種別情報に合致する施設情報の施設を選択する。施設検索部312は、選択した施設毎に、当該施設までの走行距離と取得した車両50の充電残容量情報(SoC)と電池容量とに基づいて、満充電、又は施設までの走行により減少が見込まれる充電残容量を少なくとも所定の充電残容量(例えば、SoCが80%等)以上に回復させる必要充電量を推測する。そして、施設検索部312は、選択した施設毎に、当該施設の充電施設(充電器)の出力性能(充電速度)と、必要充電量とに基づいて充電時間を推測する。なお、充電施設(充電器)の出力性能(充電速度)は常に100%の性能を発揮することが困難な場合があることから、充電時間は、例えば、充電施設(充電器)の出力性能(充電速度)を所定の補正値(例えば、80%等)で補正して推測されるようにしてもよい。なお、充電時間を補正するようにしてもよい。
そして、施設検索部312は、地図情報記憶部321に記憶される各施設の滞在目安時間情報の滞在目安時間と推測した充電時間とが合致する複数の施設を、第2目的地情報として設定する。
【0061】
ただし、施設検索部312は、設定した上記第2目的地情報について、実際の車両50の目的地までの走行において、例えば第2目的地情報と異なる施設での充電や、渋滞、又は仮眠等の休憩中のエアコン等の使用等により充電残容量情報のSoCと車両50の位置情報の時間的推移から予測されるSoCとの差分(変化量)が所定範囲(例えば、±10%等)を超えたと判断した場合、車両50の位置情報と充電残容量情報とにより施設利用種別情報に合致する複数の施設を再選択するようにしてもよい。なお、所定範囲は、下り坂の走行等で一時的に少しだけ充電量が増える場合を除外するように値が設定されることが好ましい。
この場合、施設検索部312は、再選択された複数の施設のうち滞在目安時間情報と推測される充電時間と充電施設情報とに基づいて、滞在目安時間と充電時間とが合致する施設を新たな第2目的地情報として更新し設定するようにしてもよい。具体的には、施設検索部312は、例えば充電残容量情報のSoCと車両50の位置情報の時間的推移から予測されるSoCとの差分(変化量)が所定範囲を超えて増加した場合、予め設定した第2目的地情報の施設と異なる施設で車両50が充電された等と判断し、予め設定されていた第2目的地情報の位置よりもより目的地(第1目的地情報の位置)に近い又は滞在目安時間がより短い施設を新たな第2目的地情報として更新し設定するようにしてもよい。あるいは、施設検索部312は、例えば充電残容量情報のSoCと車両50の位置情報の時間的推移から予測されるSoCとの差分(変化量)が所定範囲を超えて減少した場合、車両50が渋滞に巻き込まれた、又は休憩中にエアコン等が使用された等と判断し、予め設定されていた第2目的地情報の位置よりもより目的地(第1目的地情報の位置)から遠い、すなわち車両50の現在地に近い又は滞在目安時間がより長い施設を新たな第2目的地情報として更新し設定するようにしてもよい。
施設検索部312は、充電施設推奨要求を受信した車両50毎に検索した施設の第2目的地情報又は新たな第2目的地情報の集合を、車両50毎に記憶部32に一時的に記憶し、後述する出力部313に通知する。
そうすることで、ユーザが不便を感じることなく、最適な充電施設の選択が可能となる。
【0062】
なお、施設検索部312は、新たな第2目的地情報となる立ち寄り施設の候補が無い又は立ち寄り施設の候補の数が減少する場合、施設利用種別情報の変更(例えば、「食事」から「ショッピング」等)の打診を後述する出力部313に出力させるようにしてもよい。
そうすることで、ユーザは条件を変更することができる。
また、施設検索部312は、充電残容量情報のSoCと車両50の位置情報の時間的推移から予測されるSoCとの差分(変化量)が所定範囲を超えて増加した場合には充電施設を備えない施設を新たな第2目的地情報として設定するようにしてもよい。
そうすることで、充電施設の条件が無くなり施設利用種別情報のみの条件で施設を再検索できるため立ち寄り施設の候補数が増加する。
【0063】
また、施設が有する充電施設に利用上限時間(例えば、30分等)が設定されている場合、施設検索部312は、充電施設情報の利用上限時間情報を参照し、滞在目安時間が利用上限時間以下となる施設を立ち寄り施設として選択するようにしてもよい。
また、施設検索部312は、施設情報の混雑度情報に基づいて、混雑していない充電施設の施設を優先的に選択するようにしてもよい。
また、施設検索部312は、滞在目安時間が必要充電量以下となる充電時間、すなわち滞在目安時間が必要充電量の80%等となる充電時間に基づいて施設毎の合致度を求め、求めた合致度に応じて施設を選択するようにしてもよい。
そうすることで、ユーザは充電が完了する前に充電器に接続された車両50のところに行くことができ、充電が完了しても車両50が充電器に接続されたままになることを防ぎ、他の利用者の邪魔になることを回避することができる。
【0064】
<出力部313>
出力部313は、施設検索部312により検索された立ち寄り施設としての充電施設を有する施設の第2目的地情報又は新たな第2目的地情報の集合を車両側に出力し提供する。
具体的には、例えば、出力部313は、図3に示すように、立ち寄り施設として推奨された充電施設を有する施設の位置をアイコン又は表示タイルで出力するとともに、施設情報の内容を出力するようにしてもよい。
なお、充電施設を有する施設を出力できなかった場合、施設の検索範囲を広げるか否かの選択を出力するようにしてもよい。
【0065】
<充電施設予約入力部314>
充電施設予約入力部314は、車両側から、ユーザにより選択された施設情報を入力し、当該車両情報とともに、選択された施設情報を施設インタフェース部310に提供する。なお、ユーザから充電時刻、充電時間が指定されている場合、これらの情報についても施設インタフェース部310に提供する。
以上、車両充電施設推奨装置30の構成について説明した。
【0066】
最後に、充電施設情報処理装置40について説明する。充電施設情報処理装置40は、前述したように、例えば充電施設を有する施設毎に設置され、当該充電施設の備える充電設備の利用状況を管理する。
図7に示すように、充電施設情報処理装置40は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、表示部44と、入力部45と、を含んで構成される。
【0067】
制御部41は、マイクロプロセッサ等の演算処理装置から構成され、充電施設情報処理装置40を構成する各部の制御を行う。制御部41については、後述する。
【0068】
記憶部42は、管理対象となる施設における充電施設の備える各充電器(充電設備)の利用状況(例えば、使用中(車両を充電中)、充電完了、空き、予約の有無等)が、利用者情報及び日時情報と合わせて記憶される。また、充電器(充電設備)の利用状況において、車両充電施設推奨装置30からのユーザが利用者の場合、記憶部42は、車両充電施設推奨装置30からの利用者であることを示す情報が記憶される。また、車両充電施設推奨装置30からのユーザが利用者の場合、記憶部42は、車両充電施設推奨装置30から送付された課金情報(送客の謝金)が記憶される。
【0069】
通信部43は、例えば、充電施設を利用する車両50に係る情報を車両充電施設推奨装置30から受信するために、逆に車両充電施設推奨装置30に対して充電器(充電設備)の利用状況及び充電完了情報を送信するために利用される。
【0070】
制御部41は、機能ブロックとして、充電設備インタフェース部410と、情報処理インタフェース部411と、を含む。
【0071】
充電設備インタフェース部410は、管理対象となる施設における充電施設の備える各充電器(充電設備)から、当該充電器(充電設備)利用状況を定期的に取得し、記憶部42に記憶する。
【0072】
情報処理インタフェース部411は、定期的に、又は要求があれば、車両充電施設推奨装置30に対して、充電器(充電設備)の利用状況を報告する。
また、車両側が、車両充電施設推奨装置30から出力された、施設における充電施設の備える充電設備を充電先として選択した場合、充電設備インタフェース部410は、車両充電施設推奨装置30から、当該充電施設を利用する車両50に係る情報を受信する。そうすることで、情報処理インタフェース部411は、充電施設の当該充電設備を予約有状態とする。また、情報処理インタフェース部411は、送客の謝金としての謝金情報を車両充電施設推奨装置30から受信するようにしてもよい。
逆に、情報処理インタフェース部411は、車両充電施設推奨装置30の推奨による当該充電施設を利用した車両50が当該充電設備において充電を完了した場合、車両充電施設推奨装置30に対して、車両50が当該充電設備において充電を完了した旨の通知を行う。
以上、充電施設情報処理装置40の構成について説明した。
【0073】
以上、本発明の車両充電施設推奨システム1の各機能部の実施形態を、車両側の車載ナビゲーション装置10、携帯端末20、車両充電施設推奨装置30、充電施設情報処理装置40、及び充電施設の構成に基づいて説明した。なお、本発明の車両充電施設推奨装置30の備える各機能部の実施形態は、1台のコンピュータでも、1箇所にある又は数箇所に分散され、通信ネットワークによって相互接続された多数のコンピュータでも分散して実行するように展開できる。また、クラウド上の複数の仮想コンピュータを用いて構成することもできる。
【0074】
<本実施形態の動作>
次に、図8のフローチャートを参照して、本実施形態の車両充電施設推奨装置30の車両充電施設推奨処理時の動作について説明する。ここで、図8は、車両充電施設推奨装置30が車両側から充電施設推奨要求を受信してから、充電施設を有する施設のうち推奨可能な施設の施設情報を第2目的地情報又は新たな第2目的地情報として車両側に提供する場合における車両充電施設推奨処理時の動作を示すフローチャートである。
図8の処理フローにおいて、車両充電施設推奨装置30は、車両50の識別情報(車両識別ID)、及び車両名情報及び/又は車両型式情報、施設情報を登録済みとする。また、図示しないが、車両充電施設推奨装置30は、バックグラウンドで、充電施設情報処理装置40から定期的に充電設備の利用状況を取得しているものとする。
なお、以下の処理フローにおいて、目的地までの経路上の検索範囲において、充電施設を有する施設を検索できなかった場合、検索範囲を広げて、再検索する処理フローとしたが、これに限られない。目的地までの経路上の検索範囲において、充電施設を有する施設を検索できなかった場合、図示しないが、検索処理を中止して車両側に、充電施設を有する施設を発見できなかった旨を通知するようにしてもよい。
【0075】
ステップS10において、車両充電施設推奨装置30(推奨要求入力部311)は、車両側からログインされ、車両50の識別情報、位置情報、第1目的地情報、施設利用種別情報、及び充電残容量情報を含む充電施設推奨要求を受信する。
【0076】
ステップS11において、車両充電施設推奨装置30(推奨要求入力部311)は、車両型式情報別電池容量テーブル(図示しない)を参照することで、充電施設推奨要求を送信した車両50の電池容量を取得する。
【0077】
ステップS12において、車両充電施設推奨装置30(施設検索部312)は、当該車両50の第1目的地情報の目的地までの経路上の検索範囲に存在する充電施設を有する施設をPOIとして検索して、検索した施設のうち施設利用種別情報に合致する施設の施設情報の集合(以下、「第1集合」ともいう)を記憶部32に一時記憶する。
【0078】
ステップS13において、車両充電施設推奨装置30(施設検索部312)は、ステップS12で記憶した第1集合が空集合か否かを判定する。第1集合が空集合の場合、車両充電施設推奨装置30(施設検索部312)は、ステップS19に移る。一方、空集合でない場合、車両充電施設推奨装置30(施設検索部312)は、ステップS14に移る。
【0079】
ステップS14において、車両充電施設推奨装置30(施設検索部312)は、第1集合に含まれる施設毎に、当該施設までの走行距離と取得した充電残容量情報(SoC)と車両50の電池容量とに基づいて、満充電、又は施設までの走行により減少が見込まれる充電残容量を少なくとも所定の充電残容量以上に回復させる必要充電量を推測し、当該施設の充電施設(充電器)の出力性能(充電速度)と、必要充電量とに基づいて充電時間を推測する。
【0080】
ステップS15において、車両充電施設推奨装置30(施設検索部312)は、施設毎の滞在目安時間と、ステップS14で推測した充電時間とが合致する複数の施設を、立ち寄り施設として推奨する第2目的地情報として設定して、第2目的地情報の集合を記憶部32に一時記憶する。
【0081】
ステップS16において、車両充電施設推奨装置30(出力部313)は、ステップS15で設定された立ち寄り施設としての充電施設を有する施設の第2目的地情報の集合をステップS11で充電施設推奨要求を受信した車両50に出力し提供する。
【0082】
ステップS17において、車両充電施設推奨装置30(施設検索部312)は、車両50の位置情報から車両50が第1目的地情報の目的地に到着したか否かを判定する。車両50が目的地に到着した場合、車両充電施設推奨装置30は、車両充電施設推奨処理を終了する。一方、車両50が目的地に到着していない場合、処理はステップS18に移る。
【0083】
ステップS18において、車両充電施設推奨装置30(施設検索部312)は、充電残容量情報のSoCと車両50の位置情報の時間的推移から予測されるSoCとの差分(変化量)が所定範囲を超えたか否かを判定する。充電残容量情報のSoCと車両50の位置情報の時間的推移から予測されるSoCとの差分(変化量)が所定範囲を超えた場合、処理はステップS12に移る。一方、充電残容量情報のSoCと車両50の位置情報の時間的推移から予測されるSoCとの差分(変化量)が所定範囲を超えていない場合、処理はステップS17に移る。
【0084】
ステップS19において、車両充電施設推奨装置30(施設検索部312)は、検索範囲を広げて、ステップS12に移る。
【0085】
こうすることで、車両側は、施設情報提示部114(又は214)により、例えば、図3に示すように、表示部15(又は25)に推奨された施設を表示することができるとともに、選択された施設の充電施設の備える充電設備を例えば予約することができる。
以上のようにして、車両充電施設推奨装置30は、車両側から充電施設推奨要求を受信してから、充電設備を有する施設の施設情報を車両側に提供するとともに、目的地までの走行において、充電残容量情報のSoCと車両50の位置情報の時間的推移から予測されるSoCとの差分(変化量)が所定範囲を超えたとしても充電施設を有する施設の施設情報を再検索することで、ユーザが不便を感じることなく、最適な充電施設の選択が可能となる。
そして、ユーザは、検索された立ち寄り施設に合わせたアクティビティ(例えば、カフェでお茶や、レストランで食事、ショッピングモールでショッピング等)を行っている間に、車両50への充電を行うことで、充電中の待ち時間を感じることなく充電することができる。
【0086】
<ハードウェア及びソフトウェアについて>
上記の車両充電施設推奨システム1に含まれる各機器のそれぞれは、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記の車両充電施設推奨システム1に含まれる各機器のそれぞれが協働することにより行なわれる、充電施設を有する施設推奨の入出力方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、1つ以上のコンピュータが1つ以上のプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0087】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0088】
上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0089】
<変形例1>
上述した実施形態の機能的構成を変形するようにしてもよい。すなわち、図2図3図5、及び図7の機能的構成は例示に過ぎず、本実施形態の機能的構成を限定するものではない。すなわち、本発明の車両充電施設推奨機能に関する一連の処理を全体として実行できる機能が各機器に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図2図3図5、及び図7の例に限定されない。
【0090】
また、これら機能的構成を実現するための装置についても、上述した実施形態での説明は例示に過ぎない。例えば、上述の実施形態では、車両充電施設推奨装置30を1つのサーバ装置等により実現すると説明したが、車両充電施設推奨装置30の各機能を、適宜複数のサーバ装置に分散する、分散処理システムとしてもよい。また、クラウド上で仮想サーバ機能等を利用して、車両充電施設推奨装置30の各機能を実現してもよい。
【0091】
また、車両充電施設推奨装置30が備えるとして説明した表示部34及び入力部35を、車両充電施設推奨装置30の他の部分を実現する装置と別体の装置により実現されてもよい。例えば、制御部31、記憶部32及び通信部33を実現する装置と、表示部34及び入力部35を実現する装置とを別体とし、通信網60を介して両装置が通信を行うような構成としてもよい。
【0092】
<変形例2>
前述したように、車両充電施設推奨装置30の記憶部32に記憶される、充電施設情報については、例えば充電施設に設置される充電施設用端末装置(図示しない)等から当該充電施設の管理者の入力等に応じて適宜作成更新できるように構成することができる。
例えば、図示しない充電施設用端末装置から車両充電施設推奨装置30にログインして、車両充電施設推奨装置30において、ユーザIDが正当なものであることが判定された後、車両充電施設推奨装置30が、充電施設情報の作成更新を行うための編集処理画面を当該充電施設用端末装置(図示しない)に送信することで、図示しない充電施設用端末装置において充電施設情報の編集を可能とさせて、当該充電施設の管理者の入力等に応じて充電施設情報を適宜作成更新することができる。
【0093】
<変形例3>
また例えば、上述の実施形態では、車両充電施設推奨装置30は、車両50の充電残容量情報のSoCと車両50の位置情報の時間的推移から予測されるSoCとの差分(変化量)が所定範囲を超えた場合、車両50の位置情報と充電残容量情報とにより施設利用種別情報に合致する複数の施設を新たに選択し、選択された複数の施設のうち滞在目安時間と充電時間とが合致する施設を、新たな第2目的地情報として設定したが、これに限定されない。例えば、車両充電施設推奨装置30は、充電残容量情報のSoCと車両50の位置情報の時間的推移から予測されるSoCとの差分(変化量)が所定範囲を超えて増加した場合には充電施設を備えない施設を新たな第2目的地情報として設定するようにしてもよい。
そうすることで、充電施設の条件が無くなり施設利用種別情報のみの条件で施設を再検索できるため立ち寄り施設の候補数が増加する。
【0094】
<変形例4>
また例えば、上述の実施形態では、車両充電施設推奨装置30は、車載ナビゲーション装置10又は携帯端末20から車両50の識別情報、位置情報、第1目的地情報、施設利用種別情報、及び充電残容量情報を含む充電施設推奨要求を受信したが、これに限定されない。例えば、車両充電施設推奨装置30は、車載ナビゲーション装置10又は携帯端末20から車両50の識別情報、位置情報、第1目的地情報、施設利用種別情報、及び充電残容量情報とともに、ユーザによって入力された車両50に乗車している乗員の乗員情報(例えば、乗員の性別、乗員の年齢、乗員の趣味趣向等)を含む充電施設推奨要求を受信してもよい。
そうすることで、車両充電施設推奨装置30は、車両50の乗員の趣向に沿った充電施設を有する施設を立ち寄り施設として推奨することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 車両充電施設推奨システム
10 車載ナビゲーション装置
20 携帯端末
11,21 制御部
111,211 経路案内部
112,212 SoC取得部
113,213 情報送信部
114,214 施設情報提示部
115,215 充電施設予約送信部
12,22 記憶部
121,221 地図情報
122,222 識別情報
123,223 位置情報
124,224 施設利用種別情報
125,225 充電残容量情報
13,23 通信部
14,24 センサ部
15,25 表示部
16,26 入力部
30 車両充電施設推奨装置
31 制御部
310 施設インタフェース部
311 推奨要求入力部
312 施設検索部
313 出力部
314 充電施設予約入力部
32 記憶部
321 地図情報記憶部
322 車両情報記憶部
40 充電施設情報処理装置
50 車両(電動車両、電気自動車)
60 通信網(ネットワーク)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8