IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社村田製作所の特許一覧

<>
  • 特許-コネクタ 図1
  • 特許-コネクタ 図2
  • 特許-コネクタ 図3
  • 特許-コネクタ 図4
  • 特許-コネクタ 図5
  • 特許-コネクタ 図6
  • 特許-コネクタ 図7
  • 特許-コネクタ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-06
(45)【発行日】2025-10-15
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/73 20110101AFI20251007BHJP
   H01R 13/6471 20110101ALI20251007BHJP
【FI】
H01R12/73
H01R13/6471
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024570120
(86)(22)【出願日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 JP2023045770
(87)【国際公開番号】W WO2024150631
(87)【国際公開日】2024-07-18
【審査請求日】2025-05-14
(31)【優先権主張番号】P 2023003081
(32)【優先日】2023-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大久保 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山木 知尚
(72)【発明者】
【氏名】大岩根 寿倫
(72)【発明者】
【氏名】村上 栄将
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-286031(JP,A)
【文献】特開2003-288966(JP,A)
【文献】特開2007-165003(JP,A)
【文献】国際公開第2021/059970(WO,A1)
【文献】特開平08-315916(JP,A)
【文献】米国特許第04881905(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0079853(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/73
H01R 13/6471
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタは、樹脂本体部材と、1以上の第1外部接続端子と、を備えており、
前記1以上の第1外部接続端子は、第1部分、第2部分及び第3部分を含んでおり、
前記第1部分は、上下軸に沿って延びており、
前記第2部分は、前記第1部分の上端部から後方向に延びており、
前記第3部分は、前記第2部分の後端部から前方向又は前下方向に延びており、
前記第3部分の長さは、前記第1部分の長さより短く、
前記樹脂本体部材が、前記第1部分の少なくとも一部分、前記第2部分の少なくとも一部分及び前記第3部分の少なくとも一部分に接触していることにより、前記1以上の第1外部接続端子は、前記樹脂本体部材により支持されており、
前記第3部分は、前記第2部分の後端部から前方向に延びており、
前記第2部分の下面と前記第3部分の上面との間隔は、前記第2部分の上下軸に沿う方向の厚みより小さく、
前記第3部分の前端は、前記第2部分に接触している、
コネクタ。
【請求項2】
前記1以上の第1外部接続端子の数は、複数であり、
前記コネクタは、1以上の第2外部接続端子を更に備えており、
前記複数の第1外部接続端子は、左から右へと並んでおり、
前記1以上の第2外部接続端子は、前記複数の第1外部接続端子の間に位置している、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記複数の第1外部接続端子の前後の中央は、前記1以上の第2外部接続端子の前後の中央より前に位置している、
請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第1外部接続端子には、高周波信号が伝送され、
前記第2外部接続端子には、グランド電位が接続される、
請求項2又は請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記複数の第1外部接続端子は、左右軸に沿って延びる第1列及び第2列に並んでおり、
前記第2列は、前記第1列より前に位置しており
前記第1列において、前記複数の第1外部接続端子の前後の中央は、前記1以上の第2外部接続端子の前後の中央より前に位置しており、
前記第2列において、前記複数の第1外部接続端子の前後の中央は、前記1以上の第2外部接続端子の前後の中央より後に位置している、
請求項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第3部分の前端又は前下端は、前記樹脂本体部材内に位置している、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコネクタに関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の電気コネクタが知られている。この電気コネクタは、ハウジング及び端子を備えている。ハウジングは、電気絶縁材料により作製されている。端子は、金属帯状片を折り曲げて作成されている。端子は、ハウジングにより保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5458042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の電気コネクタの分野において、端子がハウジングから外れることを抑制したいという要望がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、外部接続端子が樹脂本体部材から外れることを抑制できるコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係るコネクタは、
コネクタは、樹脂本体部材と、1以上の第1外部接続端子と、を備えており、
前記1以上の第1外部接続端子は、第1部分、第2部分及び第3部分を含んでおり、
前記第1部分は、上下軸に沿って延びており、
前記第2部分は、前記第1部分の上端部から後方向に延びており、
前記第3部分は、前記第2部分の後端部から前方向又は前下方向に延びており、
前記第3部分の長さは、前記第1部分の長さより短く、
前記樹脂本体部材が、前記第1部分の少なくとも一部分、前記第2部分の少なくとも一部分及び前記第3部分の少なくとも一部分に接触していることにより、前記1以上の第1外部接続端子は、前記樹脂本体部材により支持されている。
【0007】
以下に、本明細書における部材の位置関係について定義する。第1部材ないし第3部材は、コネクタセットの構成である。本明細書において、前後軸に沿って並ぶ第1部材及び第2部材とは、以下の状態を示す。前後軸に沿って垂直な方向に第1部材及び第2部材を見たときに、第1部材及び第2部材の両方が前後方向を示す任意の直線上に配置されている状態である。本明細書において、下方向に見たときに前後軸に沿って並ぶ第1部材及び第2部材とは、以下の状態を示す。下方向に第1部材及び第2部材を見たときに、第1部材及び第2部材の両方が前後方向を示す任意の直線上に配置されている。この場合、下方向とは異なる左方向から第1部材及び第2部材を見ると、第1部材及び第2部材のいずれか一方が前後方向を示す任意の直線上に配置されていなくてもよい。なお、第1部材と第2部材とが接触していてもよい。第1部材と第2部材とが離れていてもよい。第1部材と第2部材との間に第3部材が存在していてもよい。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。
【0008】
本明細書において、第1部材が第2部材の上に配置されるとは、以下の状態を指す。第1部材の少なくとも一部は、第2部材の真上に位置している。従って、下方向に見て、第1部材は、第2部材と重なっている。この定義は、下方向以外の方向にも適用される。
【0009】
本明細書において、第1部材が第2部材より上に配置されるとは、第1部材の少なくとも一部が第2部材の真上に位置している場合、及び、第1部材が第2部材の真上に位置せずに第1部材が第2部材の斜め上に位置している場合を含む。この場合、下方向に見て、第1部材は、第2部材と重なっていなくてもよい。斜め上とは、例えば、左上、右上である。この定義は、上下方向以外の方向にも適用される。
【0010】
本明細書において、特に断りのない場合には、第1部材の各部について以下のように定義する。第1部材の前部とは、第1部材の前半分を意味する。第1部材の後部とは、第1部材の後半分を意味する。第1部材の左部とは、第1部材の左半分を意味する。第1部材の右部とは、第1部材の右半分を意味する。第1部材の上部とは、第1部材の上半分を意味する。第1部材の下部とは、第1部材の下半分を意味する。第1部材の前端とは、第1部材の前方向の端を意味する。第1部材の後端とは、第1部材の後方向の端を意味する。第1部材の左端とは、第1部材の左方向の端を意味する。第1部材の右端とは、第1部材の右方向の端を意味する。第1部材の上端とは、第1部材の上方向の端を意味する。第1部材の下端とは、第1部材の下方向の端を意味する。第1部材の前端部とは、第1部材の前端及びその近傍を意味する。第1部材の後端部とは、第1部材の後端及びその近傍を意味する。第1部材の左端部とは、第1部材の左端及びその近傍を意味する。第1部材の右端部とは、第1部材の右端及びその近傍を意味する。第1部材の上端部とは、第1部材の上端及びその近傍を意味する。第1部材の下端部とは、第1部材の下端及びその近傍を意味する。
【0011】
本明細書における任意の2つの部材を第1部材及び第2部材と定義した場合、任意の2つの部材の関係は以下のような意味になる。本明細書において、第1部材が第2部材により支持されているとは、第1部材が第2部材に対して移動不可能に第2部材に取り付けられている(すなわち、固定されている)場合、及び、第1部材が第2部材に対して移動可能に第2部材に取り付けられている場合を含む。また、第1部材が第2部材により支持されているとは、第1部材が第2部材に直接に取り付けられている場合、及び、第1部材が第3部材を介して第2部材に取り付けられている場合の両方を含む。
【0012】
本明細書において、第1部材が第2部材に保持されているとは、第1部材が第2部材に対して移動不可能に第2部材に取り付けられている(すなわち、固定されている)場合を含み、第1部材が第2部材に対して移動可能に第2部材に取り付けられている場合を含まない。また、第1部材が第2部材に保持されているとは、第1部材が第2部材に直接に取り付けられている場合、及び、第1部材が第3部材を介して第2部材に取り付けられている場合の両方を含む。
【0013】
本明細書において、「第1部材と第2部材とが電気的に接続される」とは、第1部材と第2部材との間で電気が導通していることを意味する。従って、第1部材と第2部材とが接触していてもよいし、第1部材と第2部材とが接触していなくてもよい。第1部材と第2部材とが接触していない場合には、第1部材と第2部材との間に導電性を有する第3部材が配置されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るコネクタによれば、外部接続端子が樹脂本体部材から外れることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、コネクタセット1の斜視図である。
図2図2は、第1コネクタ10の斜視図である。
図3図3は、信号端子15eの外観斜視図である。
図4図4は、信号端子15eの断面図である。
図5図5は、第2コネクタ110の斜視図である。
図6図6は、第1変形例に係る信号端子15eの外観斜視図である。
図7図7は、第2変形例に係る信号端子15eの外観斜視図である。
図8図8は、第3変形例に係る信号端子15eの外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の一実施形態に係る第1コネクタ10を備えるコネクタセット1について説明する。図1は、コネクタセット1の斜視図である。
【0017】
以下では、図1に示すように、第2コネクタ110から第1コネクタ10へと向かう方向を下方向と定義する。また、第1コネクタ10において信号端子15a~15d(図2参照)がこの順に並ぶ方向を右方向と定義する。左右軸は、上下軸に直交する。また、左右軸及び上下軸に直交する軸を前後軸と定義する。ただし、本明細書における上下軸、左右軸及び前後軸は、説明の便宜上定義した方向であり、コネクタセット1の使用時における上下軸、左右軸及び前後軸と一致していなくてもよい。また、各図面において、上方向と下方向とを入れ替えてもよいし、左方向と右方向とを入れ替えてもよいし、前方向と後方向とを入れ替えてもよい。
【0018】
コネクタセット1は、例えば、2つの回路基板を接続するために用いられる。コネクタセット1は、第1コネクタ10及び第2コネクタ110を備えている。第1コネクタ10と第2コネクタ110とが接続されたときに、第2コネクタ110が第1コネクタ10の上に位置する。
【0019】
[第1コネクタの構造]
次に、第1コネクタ10の構造について説明する。図2は、第1コネクタ10の斜視図である。
【0020】
第1コネクタ10は、図2に示すように、樹脂本体部材12,グランド端子13a~13h、コンタクト端子14及び信号端子15a~15h(外部接続端子)を備えている。
【0021】
樹脂本体部材12は、図2に示すように、突起部12a、枠部12b及び連結部12cを含んでいる。突起部12aは、下方向に見て、左右軸に沿って延びている。より詳細には、突起部12aは、直方体状を有している。突起部12aは、下方向に見て、左右軸に沿って延びる2本の長辺及び前後軸に沿って延びる2本の短辺を有している。
【0022】
枠部12bは、下方向に見て、突起部12aの周囲を囲む環形状を有している。枠部12bは、左右軸に沿って延びる前辺及び後辺並びに前後軸に沿って延びる左辺及び右辺を有している。そして、突起部12aは、下方向に見て、枠部12bに囲まれた領域内に位置している。突起部12aは、枠部12bに接していない。
【0023】
連結部12cは、下方向に見て、突起部12aと枠部12bとの間に位置し、かつ、突起部12aと枠部12bとを連結している。本実施形態では、連結部12cは、突起部12aの下部と枠部12bの下部とを連結している。樹脂本体部材12の材料は、絶縁材料である。樹脂本体部材12の材料は、例えば、樹脂である。
【0024】
グランド端子13a~13h(第2外部接続端子)には、グランド電位に接続される。グランド端子13a~13hは、樹脂本体部材12により支持されている。より詳細には、グランド端子13a~13dの一部分は、枠部12bの後辺に埋め込まれている。これにより、グランド端子13a~13dは、突起部12aの後の領域において左右軸に沿って並ぶように枠部12bにより支持されている。グランド端子13a~13dは、左から右へとこの順に一列に並んでいる。グランド端子13e~13hの一部分は、枠部12bの前辺に埋め込まれている。グランド端子13e~13hは、突起部12aの前の領域において左右軸に沿って並ぶように枠部12bにより支持されている。グランド端子13e~13hは、グランド端子13a~13dより前に位置している。グランド端子13e~13hは、左から右へとこの順に一列に並んでいる。グランド端子13e~13hは、棒状の金属部材に折り曲げ加工が施されることにより作製される。グランド端子13e~13hの材料は、例えば、リン青銅等の銅系材料である。
【0025】
コンタクト端子14は、グランド電位に接続される。コンタクト端子14は、樹脂本体部材12により支持されている。具体的には、コンタクト端子14は、枠部12bの左辺、右辺、前辺及び後辺により支持されている。従って、コンタクト端子14は、下方向に見て、突起部12aの周囲を囲む環形状を有している。コンタクト端子14は、左右軸に沿って延びる前辺及び後辺並びに前後軸に沿って延びる左辺及び右辺を有している。
【0026】
信号端子15a~15h(第1外部接続端子)には、高周波信号が伝送される。信号端子15a~15hは、樹脂本体部材12により支持されている。より詳細には、信号端子15a~15dの一部分は、突起部12aの後部に埋め込まれている。これにより、信号端子15a~15dは、突起部12aの後の領域において左右軸に沿って並ぶように突起部12aにより支持されている。信号端子15a~15dは、左右軸に沿って延びる第1列に並んでいる。これにより、グランド端子13a、信号端子15a、グランド端子13b、信号端子15b、グランド端子13c、信号端子15c、グランド端子13d及び信号端子15dは、左から右へとこの順に並んでいる。すなわち、信号端子15a~15d(第1外部接続端子)及びグランド端子13a~13d(第2外部接続端子)は、左から右へと交互に並んでいる。このように、信号端子15a~15d(第1外部接続端子)は、左から右へと並んでいる。そして、グランド端子13a~13c(第2外部接続端子)は、信号端子15a~15d(第1外部接続端子)の間に位置している。ただし、信号端子15a~15d(第1外部接続端子)の前後の中央は、グランド端子13a~13d(第2外部接続端子)の前後の中央より前に位置している。
【0027】
信号端子15e~15hの一部分は、突起部12aの前部に埋め込まれている。信号端子15e~15hは、突起部12aの前の領域において左右軸に沿って並ぶように突起部12aにより支持されている。信号端子15e~15hは、信号端子15a~15dより前に位置している。信号端子15e~15hは、左右軸に沿って延びる第2列に並んでいる。第2列は、第1列より前に位置している。これにより、信号端子15e、グランド端子13e、信号端子15f、グランド端子13f、信号端子15g、グランド端子13g、信号端子15h及びグランド端子13hは、左から右へとこの順に並んでいる。よって、グランド端子13a~13dの前には、信号端子15e~15hが位置している。信号端子15a~15dの前には、グランド端子13e~13hが位置している。そして、信号端子15e~15h(第1外部接続端子)及びグランド端子13e~13h(第2外部接続端子)は、左から右へと交互に並んでいる。このように、信号端子15e~15h(第1外部接続端子)は、左から右へと並んでいる。そして、グランド端子13f~13h(第2外部接続端子)は、信号端子15e~15h(第1外部接続端子)の間に位置している。ただし、信号端子15e~15h(第1外部接続端子)の前後の中央は、グランド端子13e~13h(第2外部接続端子)の前後の中央より後に位置している。信号端子15a~15hは、棒状の金属部材に折り曲げ加工が施されることにより作製される。信号端子15a~15hの材料は、例えば、リン青銅等の銅系材料である。
【0028】
ここで、信号端子15a~15eの構造について信号端子15eを例に挙げて更に詳しく説明する。図3は、信号端子15eの外観斜視図である。図4は、信号端子15eの断面図である。
【0029】
信号端子15e(第1外部接続端子)は、第1部分P1、第2部分P2、第3部分P3及び第5部分P5を含んでいる。第1部分P1は、上下軸に沿って延びている。第2部分P2は、第1部分P1の上端部から後方向に延びている。第3部分P3は、第2部分P2の後端部から前方向に延びている。そして、第2部分P2の下面と第3部分P3の上面との間隔は、第2部分P2の上下軸に沿う方向の厚みより小さい。第5部分P5は、第1部分P1の下端部から前方向に延びている。第3部分P3の長さは、第1部分P1の長さより短い。より正確には、第3部分P3の上下軸における長さは、第1部分P1の上下軸における長さより短い。
【0030】
樹脂本体部材12が、第1部分P1の少なくとも一部分、第2部分P2の少なくとも一部分及び第3部分P3の少なくとも一部分に接触していることにより、信号端子15e(第1外部接続端子)は、樹脂本体部材12により支持されている。本実施形態では、第1部分P1の前面、左面及び右面、第2部分P2の下面、左面及び右面、並びに、第3部分P3の全体が、樹脂本体部材12に接触している。従って、第3部分P3の前端は、樹脂本体部材12内に位置している。これにより、信号端子15eは、樹脂本体部材12により保持されている。ただし、第1部分P1の後面、第2部分P2の上面及び第5部分P5の全体は、樹脂本体部材12から露出している。
【0031】
以上のような第1コネクタ10では、樹脂本体部材12の下面が第1回路基板と向かい合うように、第1コネクタ10が第1回路基板(図示せず)に実装される。具体的には、グランド端子13a~13hの一部分、コンタクト端子14の一部分及び信号端子15a~15hの一部分は、樹脂本体部材12の底面から露出している。そこで、これらの部分のそれぞれに半田が塗布される。これにより、グランド端子13a~13h、コンタクト端子14及び信号端子15a~15hのそれぞれは、第1回路基板の電極に接続される。
【0032】
[第2コネクタの構造]
次に、第2コネクタ110の構造について説明する。図5は、第2コネクタ110の斜視図である。
【0033】
第2コネクタ110は、図5に示すように、樹脂本体部材112,グランド端子113a~113h、コンタクト端子114l,114r及び信号端子115a~115hを備えている。
【0034】
樹脂本体部材112は、底面部112a及び枠部112bを含んでいる。枠部112bは、上方向に見て、環形状を有している。より詳細には、枠部112bは、上方向に見て、長方形状の外縁及び長方形状の内縁を有している。枠部112bの外縁及び枠部112bの内縁のそれぞれは、上方向に見て、左右軸に沿って延びる2本の長辺及び前後方向に延びる2本の短辺を有している。底面部112aは、図5に示すように、上方向に見て、枠部112bに囲まれた領域の上面を塞いでいる。樹脂本体部材112の材料は、絶縁材料である。樹脂本体部材112の材料は、例えば、樹脂である。
【0035】
グランド端子113a~113hには、高周波信号が入出力する。グランド端子113a~113hは、樹脂本体部材112により支持されている。より詳細には、グランド端子113a~113dの一部分は、枠部112bの後辺に埋め込まれている。グランド端子113a~113dは、左から右へとこの順に一列に並んでいる。グランド端子113e~113hの一部分は、枠部112bの前辺に埋め込まれている。グランド端子113e~113hは、グランド端子113a~113dより前に位置している。グランド端子113e~113hは、左から右へとこの順に一列に並んでいる。グランド端子113a~113hは、棒状の金属部材に折り曲げ加工が施されることにより作製される。グランド端子113a~113hの材料は、例えば、リン青銅等の銅系材料である。
【0036】
コンタクト端子114l,114rは、グランド電位に接続される。コンタクト端子114lは、樹脂本体部材112により支持されている。コンタクト端子114lの一部分は、枠部112bの前辺の左端部、枠部112bの後辺の左端部及び枠部112bの左辺に埋め込まれている。コンタクト端子114lは、金属部材に折り曲げ加工が施されることにより作製される。コンタクト端子114lの材料は、例えば、リン青銅等の銅系材料である。なお、コンタクト端子114rの構造は、コンタクト端子114lの構造と左右対称であるので、説明を省略する。
【0037】
信号端子115a~115hには、高周波信号が入出力する。信号端子115a~115hは、樹脂本体部材112により支持されている。より詳細には、信号端子115a~115dの一部分は、枠部112bの後辺に埋め込まれている。信号端子115a~115dは、左から右へとこの順に一列に並んでいる。これにより、グランド端子113a、信号端子115a、グランド端子113b、信号端子115b、グランド端子113c、信号端子115c、グランド端子113d及び信号端子115dは、左から右へとこの順に並んでいる。
【0038】
信号端子115e~115hの一部分は、枠部112bの前辺に埋め込まれている。信号端子115e~115hは、信号端子115a~115dより前に位置している。信号端子115e~115hは、左から右へとこの順に一列に並んでいる。これにより、信号端子115e、グランド端子113e、信号端子115f、グランド端子113f、信号端子115g、グランド端子113g、信号端子115h及びグランド端子113hは、左から右へとこの順に並んでいる。よって、グランド端子113a~113dの前には、信号端子115e~115hが位置している。信号端子115a~115dの前には、グランド端子113e~113hが位置している。信号端子115a~115hは、棒状の金属部材に折り曲げ加工が施されることにより作製される。信号端子115a~115hの材料は、例えば、リン青銅等の銅系材料である。
【0039】
以上のような第2コネクタ110では、樹脂本体部材112の下面が回路基板と向かい合うように、第2コネクタ110が第2回路基板(図示せず)に実装される。具体的には、グランド端子113a~113hの一部分、コンタクト端子114l,114rの一部分及び信号端子115a~115hの一部分は、樹脂本体部材112の上面から露出している。そこで、これらの部分のそれぞれに半田が塗布される。これにより、グランド端子113a~113h、コンタクト端子114l,114r及び信号端子115a~115hのそれぞれは、第2回路基板の電極に接続される。
【0040】
図1に示すように、第2コネクタ110の枠部112bは、第1コネクタ10の枠部12bに囲まれた領域に挿入される。このとき、第1コネクタ10の突起部12aは、第2コネクタ110の枠部112bに囲まれた領域に挿入される。これにより、グランド端子13a~13hのそれぞれは、グランド端子113a~113hと接触する。また、コンタクト端子14のそれぞれは、コンタクト端子114l,114rと接触する。信号端子15a~15hのそれぞれは、信号端子115a~115hと接触する。
【0041】
[効果]
第1コネクタ10では、樹脂本体部材12が、第1部分P1の少なくとも一部分、第2部分P2の少なくとも一部分及び第3部分P3の少なくとも一部分に接触していることにより、信号端子15e(第1外部接続端子)は、樹脂本体部材12により支持されている。これにより、信号端子15eが力を受けた時に、第3部分P3が樹脂本体部材12に引っ掛かる。その結果、信号端子15eが樹脂本体部材12から外れることが抑制される。
【0042】
第1コネクタ10では、信号端子15a~15hを伝送される高周波信号間のアイソレーションが向上する。信号端子15a,15eを例に挙げて説明する。信号端子15aの前にはグランド端子13eが位置している。信号端子15eの後にはグランド端子13aが位置している。従って、信号端子15aと信号端子15eとは、前後軸に沿って並んでいない。これにより、信号端子15a~15hを伝送される高周波信号間のアイソレーションが向上する。
【0043】
第1コネクタ10では、以下の理由によっても、信号端子15a~15hを伝送される高周波信号間のアイソレーションが向上する。信号端子15a,15eを例に挙げて説明する。信号端子15eでは、第3部分P3は、第2部分P2の後端部から前方向に延びている。これにより、信号端子15aと信号端子15eとが向かい合う面積が小さくなる。よって、信号端子15aと信号端子15eとの間に形成される容量が小さくなる。その結果、信号端子15aと信号端子15eとの電磁気的な結合が抑制され、信号端子15a~15hを伝送される高周波信号間のアイソレーションが向上する。
【0044】
(第1変形例)
以下に、第1変形例に係る信号端子15eについて図面を参照しながら説明する。図6は、第1変形例に係る信号端子15eの外観斜視図である。
【0045】
第1変形例に係る信号端子15eは、第4部分P4を更に含んでいる点において実施形態に係る信号端子15eと相違する。より詳細には、第3部分P3は、第2部分P2の後端部から前方向に延びている。第4部分P4は、第3部分P3の前端部から下方向に延びている。樹脂本体部材12が、第1部分P1の少なくとも一部分、第2部分P2の少なくとも一部分、第3部分P3の少なくとも一部分及び第4部分P4に接触していることにより、信号端子15e(第1外部接続端子)は、樹脂本体部材12により支持されている。第1変形例に係る信号端子15eのその他の構造は、実施形態に係る信号端子15eと同じであるので説明を省略する。
【0046】
(第2変形例)
以下に、第2変形例に係る信号端子15eについて図面を参照しながら説明する。図7は、第2変形例に係る信号端子15eの外観斜視図である。
【0047】
第2変形例に係る信号端子15eは、第3部分P3が第2部分P2の後端部から前下方向に延びている点において実施形態に係る信号端子15eと相違する。従って、第3部分P3の前下端は、樹脂本体部材12内に位置している。第2変形例に係る信号端子15eのその他の構造は、実施形態に係る信号端子15eと同じであるので説明を省略する。
【0048】
(第3変形例)
以下に、第3変形例に係る信号端子15eについて図面を参照しながら説明する。図8は、第23形例に係る信号端子15eの外観斜視図である。
【0049】
第3変形例に係る信号端子15eは、第3部分P3の前端は、第2部分P2に接触している点において実施形態に係る信号端子15eと相違する。第3変形例に係る信号端子15eのその他の構造は、実施形態に係る信号端子15eと同じであるので説明を省略する。これにより、第2部分P2及び第3部分P3にインダクタンスが形成されにくくなる。
【0050】
(その他の実施形態)
本発明に係るコネクタは、第1コネクタ10に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。なお、実施形態及び第1変形例ないし第4変形例に係る信号端子15eの構造を任意に組み合わせてもよい。
【0051】
なお、信号端子(第1外部接続端子)の数は、複数でなくてもよい。信号端子(第1外部接続端子)の数は、1以上であればよい。
【0052】
なお、グランド端子(第2外部接続端子)の数は、複数でなくてもよい。グランド端子(第2外部接続端子)の数は、1以上であればよい。
【0053】
第1外部接続端子は、グランド端子であってもよい。
【0054】
なお、第2部分P2の下面と第3部分P3の上面との間隔は、第2部分P2の上下軸に沿う方向の厚み以上であってもよい。
【0055】
本発明は、以下の構造を備える。
【0056】
(1)
コネクタは、樹脂本体部材と、1以上の第1外部接続端子と、を備えており、
前記1以上の第1外部接続端子は、第1部分、第2部分及び第3部分を含んでおり、
前記第1部分は、上下軸に沿って延びており、
前記第2部分は、前記第1部分の上端部から後方向に延びており、
前記第3部分は、前記第2部分の後端部から前方向又は前下方向に延びており、
前記第3部分の長さは、前記第1部分の長さより短く、
前記樹脂本体部材が、前記第1部分の少なくとも一部分、前記第2部分の少なくとも一部分及び前記第3部分の少なくとも一部分に接触していることにより、前記1以上の第1外部接続端子は、前記樹脂本体部材により支持されている、
コネクタ。
【0057】
(2)
前記第3部分は、前記第2部分の後端部から前方向に延びており、
前記第2部分の下面と前記第3部分の上面との間隔は、前記第2部分の上下軸に沿う方向の厚みより小さい、
(1)に記載のコネクタ。
【0058】
(3)
前記第3部分の前端は、前記第2部分に接触している、
(2)に記載のコネクタ。
【0059】
(4)
前記1以上の第1外部接続端子は、第4部分を更に含んでおり、
前記第3部分は、前記第2部分の後端部から前方向に延びており、
前記第4部分は、前記第3部分の前端部から下方向に延びており、
前記樹脂本体部材が、前記第1部分の少なくとも一部分、前記第2部分の少なくとも一部分、前記第3部分の少なくとも一部分及び前記第4部分に接触していることにより、前記1以上の第1外部接続端子は、前記樹脂本体部材により支持されている、
(1)に記載のコネクタ。
【0060】
(5)
前記1以上の第1外部接続端子の数は、複数であり、
前記コネクタは、1以上の第2外部接続端子を更に備えており、
前記複数の第1外部接続端子は、左から右へと並んでおり、
前記1以上の第2外部接続端子は、前記複数の第1外部接続端子の間に位置している、
(1)ないし(4)のいずれかに記載のコネクタ。
【0061】
(6)
前記複数の第1外部接続端子の前後の中央は、前記1以上の第2外部接続端子の前後の中央より前に位置している、
(5)に記載のコネクタ。
【0062】
(7)
前記第1外部接続端子には、高周波信号が伝送され、
前記第2外部接続端子には、グランド電位が接続される、
(5)又は(6)に記載のコネクタ。
【0063】
(8)
前記複数の第1外部端子は、左右軸に沿って延びる第1列及び第2列に並んでおり、
前記第2列は、前記第1列より前に位置している、
(6)又は(7)に記載のコネクタ。
【0064】
(9)
前記第3部分の前端又は前下端は、前記樹脂本体部材内に位置している、
(1)ないし(8)のいずれかに記載のコネクタ。
【符号の説明】
【0065】
1:コネクタセット
10:第1コネクタ
12:樹脂本体部材
12a:突起部
12b:枠部
12c:連結部
13a~13h:グランド端子
14:コンタクト端子
15a~15h:信号端子
P1:第1部分
P2:第2部分
P3:第3部分
P4:第4部分
P5:第5部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8