(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-08
(45)【発行日】2025-10-17
(54)【発明の名称】スケーラブルなピクセルサイズの画像センサ
(51)【国際特許分類】
H04N 25/77 20230101AFI20251009BHJP
H04N 25/771 20230101ALI20251009BHJP
H04N 25/778 20230101ALI20251009BHJP
H04N 25/42 20230101ALI20251009BHJP
【FI】
H04N25/77
H04N25/771
H04N25/778
H04N25/42
(21)【出願番号】P 2022526747
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(86)【国際出願番号】 US2020061664
(87)【国際公開番号】W WO2021102366
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2023-05-24
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521013518
【氏名又は名称】ギガジョット テクノロジー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】マ,ジャジュ
(72)【発明者】
【氏名】グイダッシュ,マイケル
【審査官】櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-231046(JP,A)
【文献】特開2015-211257(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0078368(US,A1)
【文献】国際公開第2019/146316(WO,A1)
【文献】特開2018-186398(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0062290(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0225795(US,A1)
【文献】国際公開第2019/009213(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/30-5/33、23/11
23/20-23/30、25/00
25/20-25/61、
25/615-25/79
H10D 44/00-44/45
H10F 39/00-39/18、39/95
H10K 39/30-39/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光検出素子と、
複数の読み出し回路であって、各々が
フローティング拡散ノードと、
前記フローティング拡散ノードと前記光検出素子の一つとの間に結合された第1トランスファゲートと、
前記フローティング拡散ノードに結合されたゲート端子を有する増幅器トランジスタとを備える複数の読み出し回路と、
共有リセットノードと、
前記共有リセットノードとリセット電圧源との間に結合されたリセットトランジスタと、
前記共有リセットノードと前記読み出し回路の各1つの前記フローティング拡散ノードとの間に各々が結合された複数のビニングトランジスタと
、
前記共有リセットノードと前記リセットトランジスタとの間に結合された利得制御トランジスタと、
前記利得制御トランジスタと前記リセットトランジスタとの間に結合された容量性素子と、を備える集積回路ピクセルであって、
前記ビニングトランジスタの選択的活性化は、前記集積回路ピクセルのピクセルサイズを制御する、集積回路ピクセル。
【請求項2】
前記読み出し回路の各々が4つの前記光検出素子の各組に結合するように、前記複数の読み出し回路の各々が、前記読み出し回路の前記フローティング拡散ノードと前記光検出素子のそれぞれ1つとの間に各々結合する3つの追加トランスファゲートを備え、
4つの光検出素子の各組が、前記4つの光検出素子の組内の個々の光検出素子のアスペクト比と名目上一致する集団的なアスペクト比を有する、請求項1に記載の集積回路ピクセル。
【請求項3】
前記複数の読み出し回路は、前記4つの光検出素子の4組にそれぞれ結合された4つの読み出し回路を含み、
前記4つの光検出素子の4組が、前記4つの光検出素子の各組のアスペクト比と名目上一致する集団的なアスペクト比を有する、請求項2に記載の集積回路ピクセル。
【請求項4】
前記リセット電圧源を介して前記共有リセットノードを充電するために、前記リセットトランジスタと前記利得制御トランジスタの両方が、ドレインからソースへの導通状態にされなければならないため、前記利得制御トランジスタが前記共有リセットノードと前記リセットトランジスタとの間に結合されている、請求項
1に記載の集積回路ピクセル。
【請求項5】
請求項
1に記載の集積回路ピクセルを備え、
多相読み出し操作の連続する第1、第2及び第3相の間中、第1、第2及び第3トランスファゲートパルスを前記第1トランスファゲートのゲート端子においてそれぞれアサートし、前記第1、第2及び第3トランスファゲートパルスの各々は前記光検出素子の1つから前記フローティング拡散ノードへの光電荷移動を可能にするものであり、
前記多相読み出し操作の前記第1相の間、前記ビニングトランジスタと前記利得制御トランジスタを非導通状態に維持して、前記第1トランスファゲートパルスによって可能となった前記光電荷移動の第1変換利得を実現し、
前記ビニングトランジスタの少なくとも1つを導通状態に切り替え、前記多相読み出し操作の前記第2相の間、前記利得制御トランジスタを前記非導通状態に維持して、前記第2トランスファゲートパルスによって可能になった前記光電荷移動のための第2変換利得を実現し、前記第2変換利得は前記第1変換利得よりも低いものとし、
前記多相読み出し操作の前記第3相の間前記ビニングトランジスタの少なくとも1つが前記導通状態にある間、前記利得制御トランジスタを前記導通状態に切り替え、前記第3トランスファゲートパルスによって可能になった前記光電荷移動のための第3変換利得を実現し、前記第3変換利得は前記第2変換利得よりも低いものとする、制御信号発生器を更に備える集積回路画像センサ。
【請求項6】
請求項1に記載の集積回路ピクセルを備え、
多相読み出し操作の連続する第1及び第2相の間中、第1及び第2トランスファゲートパルスを前記第1トランスファゲートのゲート端子においてそれぞれアサートし、前記第1及び第2トランスファゲートパルスの各々は前記光検出素子の1つから前記フローティング拡散ノードへの光電荷移動を可能にするものであり、
前記多相読み出し操作の前記第1相の間中、前記ビニングトランジスタを非導通状態に維持して、前記第1トランスファゲートパルスによって可能となった前記光電荷移動の第1変換利得を実現し、
前記多相読み出し操作の前記第2相の間中、前記ビニングトランジスタの少なくとも1つを導通状態に切り替え、前記第2トランスファゲートパルスによって可能になった前記光電荷移動のための第2変換利得を実現し、前記第2変換利得は前記第1変換利得よりも低いものとする、制御信号発生器を更に備える集積回路画像センサ。
【請求項7】
前記制御信号発生器が、前記多相読み出し操作の前記第1及び第2相に先行する各第1及び第2間隔の各々の間に、前記リセットトランジスタ上の制御パルス及び前記ビニングトランジスタの少なくとも1つ上の制御パルスを更にアサートして、前記リセット電圧源を前記読み出し回路の少なくとも1つの前記フローティング拡散ノードに結合する、請求項
6に記載の集積回路画像センサ。
【請求項8】
前記制御信号発生器が制御信号を出力して、露光間隔内の時間差オフセットで前記複数の光検出素子をリセットする、請求項
6に記載の集積回路画像センサ。
【請求項9】
請求項1に記載の集積回路ピクセルを備え、
前記光検出素子のそれぞれのサブセット上に配置され、モザイクカラーパターンに構成されたそれぞれのカラーフィルター要素を有するカラーフィルター配列を更に備える、集積回路画像センサ。
【請求項10】
前記光検出素子の各々の上に配置されたそれぞれのマイクロレンズ素子を有するマイクロレンズ配列を更に備える、請求項
9に記載の集積回路画像センサ。
【請求項11】
前記複数の読み出し回路の各々がそれぞれの出力ラインに結合されている、請求項1に記載の集積回路ピクセル。
【請求項12】
複数の光検出素子、共有リセットノード、複数のフローティング拡散ノード、前記フローティング拡散ノードにそれぞれ結合された複数の読み出し回路、及び前記共有リセットノードと前記フローティング拡散ノードのそれぞれとの間に結合された複数のビニングトランジスタを備える集積回路ピクセル内の操作方法であり、
リセット間隔に渡ってリセットトランジスタを導通状態に切り替え、前記共有リセットノードをリセット電圧源に結合させることと、
前記リセット間隔中に前記ビニングトランジスタを導通状態に切り替え、前記リセット電圧源によって前記フローティング拡散ノードの各々がリセット電位に充電されるように、前記フローティング拡散ノードのそれぞれを前記共有リセットノードに結合することと、
読み出し期間中に、前記ビニングトランジスタと共同して、前記共有リセットノードと前記リセットトランジスタとの間に結合された利得制御トランジスタを切り替え、前記複数の光検出素子からの所定の光電荷移動に複数の異なる変換利得を適用することと、を含む方法であって、
前記ビニングトランジスタの選択的活性化は、前記集積回路ピクセルのピクセルサイズを制御する、方法。
【請求項13】
前記読み出し回路の1つを介して、それぞれの前記フローティング拡散ノードの前記リセット電位に対応する第1の出力信号を生成することを更に含む、請求項1
2に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の出力信号を生成することは、前記ビニングトランジスタを非導通状態に切り替え、前記ビニングトランジスタが前記非導通状態のままである間に前記第1の出力信号を生成することを含む、請求項1
3に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の出力信号を生成することは、前記ビニングトランジスタが前記導通状態にある間に前記第1の出力信号を生成することを含む請求項1
3に記載の方法であって、
前記ビニングトランジスタを非導通状態に切り替え、前記ビニングトランジスタが前記非導通状態である間に第2の出力信号を生成することを更に含む、方法。
【請求項16】
前記第1の出力信号を生成することは、第1のリセット状態サンプリング間隔中に前記第1の出力信号を生成することを含み、
前記第2の出力信号を生成することは、前記第1のリセット状態サンプリング間隔の後に起こる第2のリセット状態サンプリング間隔中に前記第2の出力信号を生成することを含む、請求項1
5に記載の方法であって、
前記リセットトランジスタを、前記第1のリセット状態サンプリング間隔の開始から前記第2のリセット状態サンプリング間隔の終わりまで非導通状態に維持すること、を更に含む方法。
【請求項17】
前記フローティング拡散ノードの各々が、トランスファゲートを介して前記光検出素子のそれぞれのサブセットに結合される、請求項1
2に記載の方法であって、
前記リセット間隔が発生した後、ゼロ以外の所定数の前記トランスファゲートを導通状態に切り替え、前記光検出素子の各サブセット内の対応するゼロ以外の所定数の前記光検出素子から、前記光検出素子のサブセットに結合された前記フローティング拡散ノードへの光電荷移動を可能にすること、を更に含む方法。
【請求項18】
ピクセルサイズ値をプログラムされたレジスタ内に保存することを更に含み、前記ピクセルサイズ値は前記トランスファゲートの前記ゼロ以外の所定数を示す、請求項1
7に記載の方法。
【請求項19】
前記所定数のトランスファゲートを前記導通状態に切り替えて光電荷移動を可能にすることは、電荷移動間隔中に1つ以上の前記トランスファゲートを前記導通状態に切り替えることを含む、請求項1
8に記載の方法であって、
前記電荷移動間隔中に所定数の前記ビニングトランジスタを前記導通状態に選択的に切り替えることを更に含み、前記ビニングトランジスタの前記所定数は、前記ピクセルサイズ値によって示され、ゼロから前記ビニングトランジスタの総数までの範囲である方法。
【請求項20】
前記電荷移動間隔中に前記所定数の前記ビニングトランジスタを前記導通状態に切り替えることは、前記電荷移動間隔中に前記ビニングトランジスタの少なくとも1つを前記導通状態に切り替えることを含み、
前記集積回路ピクセルが
、前記利得制御トランジスタに結合された容量性素子を含む、請求項
19に記載の方法であって、
前記電荷移動間隔に渡って前記利得制御トランジスタを前記導通状態に切り替え、前記共有リセットノードと前記ビニングトランジスタの少なくとも1つとを介して前記容量性素子を前記フローティング拡散ノードの少なくとも1つに結合することによって、前記光電荷移動の変換利得を低減することを更に含む方法。
【請求項21】
請求項12に記載の方法であって、
前記リセット間隔に渡って前記利得制御トランジスタを導通状態に切り替え、前記リセットトランジスタと前記利得制御トランジスタを介して前記リセット電圧源を前記共有リセットノードに結合することを更に含む方法。
【請求項22】
複数の光検出素子、共有リセットノード、リセットトランジスタ、複数のフローティング拡散ノード、前記フローティング拡散ノードにそれぞれ結合された複数の読み出し回路
、前記共有リセットノードと前記フローティング拡散ノードのそれぞれとの間に結合された複数のビニングトランジスタ
、及び前記共有リセットノードと前記リセットトランジスタとの間に結合された利得制御トランジスタを備えるピクセルと、
リセット間隔に渡って前記リセットトランジスタを導通状態に切り替えて、前記共有リセットノードをリセット電圧源に結合し、
前記リセット間隔中、前記ビニングトランジスタを導通状態に切り替えて、前記フローティング拡散ノードの各々が前記リセット電圧源によってリセット電位に充電されるよう、それぞれの前記フローティング拡散ノードを前記共有リセットノードに結合
し、
読み出し期間中に、前記ビニングトランジスタと共同して前記利得制御トランジスタを切り替え、前記複数の光検出素子からの所定の光電荷移動に複数の異なる変換利得を適用する
制御回路と、を備える集積回路画像センサであって、
前記ビニングトランジスタの選択的活性化は、前記ピクセルのピクセルサイズを制御する、集積回路画像センサ。
【請求項23】
前記フローティング拡散ノードの各々が、トランスファゲートを介して前記光検出素子のそれぞれのサブセットに結合され、
前記リセット間隔が発生した後、前記制御回路は、ゼロ以外の所定数の前記トランスファゲートを導通状態に切り替え、前記光検出素子の各サブセット内の対応するゼロ以外の所定数の前記光検出素子から、前記光検出素子の前記サブセットに結合された前記フローティング拡散ノードへの光電荷移動を可能にする、請求項2
2に記載の集積回路画像センサ。
【請求項24】
前記ゼロ以外の所定数を示すピクセルサイズ値を保存するプログラム可能なレジスタを更に備える、請求項2
3に記載の集積回路画像センサ。
【請求項25】
前記所定数のトランスファゲートを前記導通状態に切り替えるための前記制御回路は、
電荷移動間隔中に、前記1つ以上のトランスファゲートを前記導通状態に切り替え、
前記電荷移動間隔中に、所定数の前記ビニングトランジスタを前記導通状態に切り替え、前記ビニングトランジスタの前記所定数は前記ピクセルサイズ値によって示され、ゼロから前記ビニングトランジスタの総数までの範囲である、
回路を備える、請求項2
4に記載の集積回路画像センサ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年11月20日に出願された米国仮出願第62/938,203号に対する優先権を主張し、これを参照することによって本明細書に組み込む。
【技術分野】
【0002】
本明細書において本開示は集積回路画像センサに関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本明細書に開示される様々な実施形態は、添付図面の図において、例としてであって限定するものとしてではなく示されており、同様の参照番号は同様の要素を指す。
【0004】
【
図1】サイズがスケーラブルなピクセルの配列を有する画像センサの実施形態を示す。
【0005】
【
図2】最小ピクセルサイズ及び最大変換利得で露光後相関二重サンプル(CDS)の読み取りを可能にするための、
図1の行コントローラによって生成される制御信号の例示的なシーケンスを示す。
【0006】
【
図3】中間ピクセルサイズ及び最大変換利得で露光後CDSの読み取りを可能にするための、
図1の行コントローラによって生成される制御信号の例示的なシーケンスを示す。
【0007】
【
図4】最大ピクセルサイズ及び最大のx4ピッチの変換利得で、露光後CDSの読み取りを可能にする例示的な制御信号シーケンスを示す。
【0008】
【
図5】x4ピッチ(最大ピクセルサイズ)の読み出し中に選択できる交互の高変換利得と低変換利得を示し、利得関連容量の簡略化回路モデルを示す。
【0009】
【
図6】低光感度(高利得読み出し)及び明光微分(低利得読み出し)の利点を得るために実行された、連続するx4ピッチの高利得及び低利得CDS読み出しを示す。
【0010】
【
図7】x4ピッチの二相(二重利得/二重電荷移動)読み出しについての、例示的な電荷移動図を示す。
【0011】
【
図8】両方の利得構成に関するリセット状態サンプリングが、いずれかの利得構成用信号状態サンプリングの前に実行され、連続する電荷移動操作で光電荷が集団的なソースフォロワ容量に累積的に移動する、x4ピッチ(最大サイズ)ピクセルに関する代替の多重利得読み出しの例示的な電荷移動図を示す。
【0012】
【
図9】x2ピッチ及びx1ピッチ(中間及び最小ピクセルサイズ)の読み出しの間選択できる9つの変換利得の例示的なセットを示す。
【0013】
【
図10】CDS読み出しを二重(2つの異なる)変換利得でもたらす、例示的なx2ピッチ読み出しの制御シーケンスを示す。
【0014】
【
図11】CDS読み出しを高、中間、低変換利得でもたらす、例示的なx2ピッチ読み出しの制御シーケンスを示す。
【0015】
【
図12】x2(中間)ピクセル構成用の代替三重利得読み出しを示し、概して
図8を参照して説明される蓄積電荷移動操作を実施する。
【0016】
【
図13】本明細書で開示されているピクセルサイズがスケーラブルな画像センサの実施形態内におけるダイナミックレンジを増加させるために適用することができる、変調露光読み出しシーケンスを示す。
【0017】
【
図14】
図13に示されている変調露光回数について増加している光量子束密度に対する、正味の出力信号電圧レベルの例示的なグラフを示す。
【0018】
【
図15】個別のサブピクセルの関連において、
図13のスケーリングされた蓄積間隔法を示す。
【0019】
【
図16】
図1のピクセル配列アーキテクチャの抜粋を示し、色に敏感な光学系を実装するピクセル配列に配置することができる、例示的な色フィルター配列(CFA)の構成要素及びミクロレンズ配列の構成ミクロレンズを示す。
【0020】
【
図17】単一4方向共有出力ノード及び2方向共有出力ノード対をそれぞれ有する、
図1のピクセルユニットの代替的な実施形態を示す。
【
図18】単一4方向共有出力ノード及び2方向共有出力ノード対をそれぞれ有する、
図1のピクセルユニットの代替的な実施形態を示す。
【0021】
【0022】
【
図20】追加容量のプログラム的選択を可能にする、2進加重独立型交換ダイナミック変換利得容量を有する代替ピクセルユニットアーキテクチャを示す。
【発明の詳細な説明】
【0023】
本明細書で開示される様々な実施形態において、集積回路ピクセル配列内の光検出素子は、少なくとも3つの均一なアスペクト比のサイズスケーリングされたピクセルフットプリントのいずれかに動的に構成可能である。それら均一なアスペクト比の実施形態及びその他において、ピクセルフットプリントスケーリングは、それぞれの光検出素子に関連付けられたピクセル内移動ゲートの読み出し時間制御と、光検出素子のそれぞれのクラスターのトランスファゲートと共有リセットノードとの間に結合されたビニングトランジスタを通じて実施され、それは各ビニングトランジスタが、共有リセットトランジスタのPVTに影響を受ける(工程、電圧、温度に影響を受ける)ドレイン容量から、それぞれの光検出素子クラスターのフローティング拡散ノードをシールドする(特定のフローティング拡散ノードでの正味容量を減らすので変換利得が増え、小さな信号レベルの読み取りノイズを低減する)配置である。均一なアスペクト比のサイズスケーリングを可能にする実施形態において、光検出素子のビニングトランジスタが相互接続したクラスターは、各個々の光検出素子クラスターと各個々の光検出素子のアスペクト比を一致させる(又は名目上一致させる)集団的アスペクト比を有している。従って、(i)最小有効ピクセルサイズ(ピクセル配列内最大空間分解能)をもたらす個々の光検出素子内に蓄積した光電荷、(ii)より大きな有効ピクセルサイズをもたらす光検出素子のクラスター内に集団的に蓄積した光電荷、及び(iii)更に大きな最大有効ピクセルサイズ(ピクセル配列内最小空間分解能)をもたらす光検出素子の複数ビニングトランジスタに相互接続したクラスター内に集団的に累積した光電荷、だけに応じて、読み出し信号が生じ得る。更に他の実施形態において、高分解能読み出し(すなわち、最大有効ピクセルサイズ以下のいかなる読み出し)の間、ビニングトランジスタは選択的に起動され、それぞれの変換利得で露光毎に複数読み出しを含む可変変換利得を達成する。選択可能変換利得の範囲及び/又は分解能を更に広げるため、1以上の追加容量性素子は、ダイナミック変換利得トランジスタを介して共有リセットノードに(リセットトランジスタと並列又は直列で)結合することができる。いくつかの実施形態において、追加トランジスタ交換容量はプログラム可能にスケーラブルであり、選択可能変換利得の実行時間較正が可能になる。更に他の実施形態において、光電荷充電/ダンピング操作は広げられたダイナミックレンジのために光検出素子のサブセットについて実行される。これら及びその他の特徴や実施形態はより詳細に後述する。
【0024】
図1はサイズがスケーラブルなピクセル101の配列、色フィルター配列103(サイズがスケーラブルなピクセル配列上に重ねられている)、行信号発生器105、及び列読み出し回路107を有する画像センサ100の実施形態を示す。概略
図110及び対応するレイアウト
図112を参照すると、各サイズがスケーラブルな「ピクセルユニット」120は、ピクセルユニットの四分円にそれぞれ配置された光検出素子のクラスター115を4つ含んでいる。特定のクラスター内の4つの光検出素子(SWが光検出素子の光電荷貯蔵ウェルを表し、nは光検出素子指数であり1から16の範囲であるところの「SWn」で表される)は各々、それぞれのトランスファゲート(TGn)を介してクラスター(FD1は左上クラスター、FD2は右上クラスター、FD3は左下クラスター、FD4は右下クラスター)用共有フローティング拡散ノードに結合され、クラスター毎フローティング拡散ノードはそれぞれビニングトランジスタ117を介して共通/共有リセットノード120に結合される。示した実施形態においては、ビニングトランジスタの各々はそれぞれのピクセル列毎ビニング信号(BIN1、BIN2、BIN3、BIN4)により制御されるが、代替の実施形態では単一のビニング信号が4つのビニングトランジスタ全てを制御してもよい。光検出素子の各クラスター及び関連したトランスファゲートのためのフローティング拡散ノードは、リードセレクトトランジスタ123を介してそれぞれのクラスター毎出力ライン(すなわち、OUT1、OUT2、OUT3、OUT4)を駆動するそれぞれの増幅器トランジスタ121に結合される。そのトランスファゲート(TG)及びTGに相互接続したフローティング拡散ノード、読み出し回路(トランジスタ121、123により実装される)、ビニングトランジスタ117、リセットノード120、リセットトランジスタ125(及び任意のダイナミック変換利得容量127及びトランジスタ129)と共に各個々の光検出素子は、網掛け領域130に示されるように、本明細書ではサブピクセルと称し、同じフローティング拡散ノード(FD)と読み出し回路を共有するそのサブピクセルのセットは、本明細書では共有FDサブピクセルクラスター(あるいは略してサブピクセルクラスター)と称する。
【0025】
図1の実施形態において、クラスター毎出力ライン(OUT1~OUT4)はそれぞれの電流源によりバイアスをかけられ、増幅器トランジスタ(「ソースフォロワトランジスタ」)のソース端子における電圧が増幅器トランジスタのゲートでの電圧に追従する、それぞれのソースフォロワ(SF)として4つ増幅器トランジスタ121の各々を動作させる。共通ソース増幅スキームあるいはその他は、代替の実施形態又は(及び/又はプログラム的に選択された)構成(例えば、プログラム的に選択された構成)において実現することができる。同様に、各光検出素子(光電荷貯蔵ウェルとしての動作を考慮して「SW」と称する)は、
図1の実施形態におけるサブ回析限界(SDL)ピン止めフォトダイオード(PPD)、つまり色フィルター配列のオーバーレイ素子により通過した光の波長についてのエアリー円盤より小さいフットプリント(例えばレイアウト面積)を有するピン止めフォトダイオードにより実装される。代替の実施形態において、個々の光検出素子はサイズが回析限界より大きいか名目上等しくてもよい。また、光検出素子が本明細書において提示される様々な実施形態においてピン止めフォトダイオード(ピン止めPD)であると仮定される一方、その他の実行可能な光検出素子が全ての場合において配備されてもよい。
【0026】
図1の概略
図110及びレイアウト
図112を更に参照すると、トランスファゲートとビニングトランジスタは個々の読み出しのためのいずれかの4PDクラスター内のいずれかの単一フォトダイオード(PD)をピクセルユニット内の最小有効ピクセルサイズとして選択することを可能にする、つまり単一フォトダイオードに対応するトランスファゲートにスイッチを入れてクラスターフローティング拡散ノード(FD)への光電荷移動を可能にし、それによりクラスターFD上の電圧に(可能なDCオフセット量で)名目上一致させるクラスター出力ラインで信号を生成する。最小有効ピクセルサイズと名目上同じアスペクト比を有する中間有効ピクセルサイズは、特定のクラスター内の全トランスファゲートに(読み出し間隔内で同時にあるいは交互に)スイッチを入れることにより選択でき、光電荷を4つのクラスター化されたフォトダイオードからその共有フローティング拡散へ移動させ(すなわち、クラスターFD内で同じクラスターフォトダイオードから光電荷を「ビニング」させ)、対応するx4PDピクセル信号を生成する。最小フットプリントピクセルと名目上同じアスペクト比(及びそれゆえ中間ピクセルにも一致するアスペクト比)も有する最大有効ピクセルサイズは、4つの中間ピクセル(すなわち、4つのクラスターの各々)の出力を電荷ビニングすることにより、つまり特定の読み出し間隔の間にピクセルユニット120内で全トランスファゲート(TG1~TG16)にスイッチを入れ、また4つのクラスターフローティング拡散ノード(FD1~FD4)を互いに電気的に結合するために、4つのビニングトランジスタ117にスイッチを入れることにより選択できる。
【0027】
ビニングトランジスタ117(すなわち、それぞれの信号BIN1~BIN4により制御されるトランジスタ、それゆえ本明細書においてその信号名で呼ばれることもある)は、
図1のクラスター毎出力の実施形態における小型及び中型ピクセル読み出しのスイッチを切ったままにしておくので、特定クラスター内の4つの小型ピクセル(すなわち、単一PDピクセル又はサブピクセル)のいずれかを、他の3つのクラスター各々の内部における小型ピクセルのいずれかで同時に読み出し(すなわち、それぞれのクラスター内の4つの小型ピクセルをそれぞれの読み出し回路を介して同時に読み出し)、4つの中型(4―PD)ピクセルを同様にそれぞれの読み出し回路を介して同時に読み出すことができる。一方、同じ電荷ビニングされた電圧を4つの読み出し回路全てに印加するように(つまり、同じ電圧が4つのソースフォロワトランジスタ121全てのゲートに存在する)、最大サイズ(16-PD)ピクセル読み出しのために4つのビニングトランジスタ全てのスイッチを入れ、それゆえ各読み出し回路は、もし作動される場合(すなわち、読み出し回路用にリードセレクトトランジスタにスイッチを入れることにより)、名目上同じ出力電圧をそれぞれの出力ラインOUT1~OUT4で生成させるべきである。いくつの実施形態では、4つ全ての読み出し回路の出力は、最大サイズのピクセル読み出し中に列読み出し回路(107)によってサンプリングすることができ、アルゴリズムの組み合わせ又は個々のピクセル値の選択により(例えば、アナログ領域において、あるいはデジタル領域において回路107で個々の信号をアナログ・デジタル変換後)、4つの名目上同一のピクセル値を生成する。あるいは、ピクセルユニット120の特定の列に結合した4つの出力ラインで生成された信号は、システムの起動中、あるいは特定の行内の各ピクセルユニットについて最低ノイズ出力ラインを決定するためにテストする生産時間中評価でき、ミッションモード操作(すなわち、各ピクセルユニット用出力ラインうちの1つを駆動)中ピクセルユニット用リードセレクトトランジスタを制御するために、及び/又はピクセルユニット毎に4つの出力ラインのうちどれをサンプリングするかを特定するために適用されてもよい(例えば)ビットマップを記憶する。マッピングデータのオーバーヘッドを低減するため、(行毎の独立マップではなく)共有行マップがピクセルユニットの全ての行に適用され、最大サイズのピクセル読み出しに使用する出力ラインの1つを選択することができる。他の実施形態において、デフォルトの読み出し回路(例えば、OUT1を駆動する回路)が、最大サイズのピクセル読みだしの間、選択されてもよく(リードセレクトトランジスタのスイッチを入れる)、他の全ては選択されずに残っている。また、後述するように、特定クラスター内の全部あるいはいずれかのサブセットのフォトダイオードからの光電荷は、ビニングクラスター読み出しでビニングされていないクラスターからの同時独立読み出しにより、1つ、2つあるいは他の全てのクラスター内の全てあるいはいずれかのサブセットのフォトダイオードからの光電荷でビニングされてもよい。より一般的に言えば、2つの独立読み出し信号が以下のビニングトランジスタ構成下で同時に生成され得る。
【表1】
【0028】
最小、中間、最大ピクセルサイズ構成(小型、中型、大型ピクセル又はピクセルサイズとも呼ぶ)の均一なアスペクト比は本明細書において、ピクセルピッチに関して、つまりピクセル配列の行及び/又は列軸に渡るPD正規化寸法に関して言及されることがあり、それゆえ
図1の140で示すように1xピッチ(1PD、最小ピクセルサイズ)、2xピッチ(4PD、中間ピクセルサイズ)、あるいは4xピッチ(16PD、最大ピクセルサイズ)となる。また、レイアウト
図112において個々のフォトダイオードが実質的に正方形のアスペクト比(すなわち、幅が名目上高さに等しいユニティアスペクト比)で描かれているのに対し、フォトダイオードは、中型(2xピッチ)及び大型(4xピッチ)ピクセルで維持される非正方形のアスペクト比(例えば、幅=f*高さであって、*が掛け算を意味し、「f」=16/9、16/10、3/2、4/3等)を有してもよい。更に、個々のフォトダイオード内に蓄積された光電荷は、これまで述べたクラスター毎全PD又はピクセルユニット毎全PDの組み合わせ以外の様々な組み合わせでビニングされてもよく、
図19A~19Gに関してそのオプションが後述されている。
【0029】
更に
図1を参照すると、特定のサブピクセルクラスター内のフローティング拡散リセットは対応するビニングトランジスタを介して、つまりリセットトランジスタ125及び(
図1の実施形態における)ダイナミック変換利得(DCG)トランジスタ129のスイッチが入っている間に、クラスターFDをリセットノード120に結合させるクラスター用ビニングトランジスタのスイッチを入れることで実施される。個々のフォトダイオードも同じであり、つまり対応するトランスファゲートにスイッチを入れることによりFDと一緒にリセットされる。この「間接リセット」操作及びアーキテクチャ、つまり特定のサブピクセルクラスターのフローティング拡散ノード(及び任意で1以上のフォトダイオード)をそのサブピクセルクラスター用ビニングトランジスタを通じてクラスター共有リセット電圧に切り換え可能に結合させることは、フローティング拡散ノードと直接結合しているリセットトランジスタを有する従来の実装に対していくつかの利点を提供する。一つには、ピクセルユニット内のリセットトランジスタオーバーヘッドは、従来の読み出し毎リセットトランジスタアーキテクチャに対して4倍低減される。また、たった1つのトランジスタ(ビニングトランジスタ)のソース/ドレインが(クラスタートランスファゲートをカウントしない)クラスターFDに結合されるため、個々のFDノードの寄生容量が大幅に減少し、信号対雑音比が大幅に向上し、それゆえフローティング拡散ノードへの並列ビニングトランジスタ及びリセットトランジスタ接続を有する従来の電荷ビニングアーキテクチャと比較して低照度性能が著しく向上する。別の言い方をすると、ビニングトランジスタはクラスターFDをリセットトランジスタのPVT感受性寄生容量からシールドする、つまりビニング電流とリセット電流の両方が(それぞれ電荷ビニング操作及びリセット操作の間に)ビニングトランジスタ117を介して特定のクラスターFDに/から伝導される「ビニングシールドリセット」アーキテクチャを実装する。
【0030】
引き続き
図1において、ダイナミック変換利得(DCG)トランジスタ119は、容量性素子127(例えば、バイアス電圧であるCAPBに共通に結合するドレイン端子とソース端子を有する金属酸化物半導体(MOS)トランジスタにより実施され、CAPBは、例えば、専用アースあるいは共用アースあるいはその他のバイアス電位である)と共有リセットノード120との間に結合され、それゆえ1以上のビニングトランジスタと共にスイッチを入れたり切ったりでき、複数の異なる変換利得を特定の光電荷移動及びピクセル読み出しに関して適用できるようにする。より具体的には、クラスタービニングトランジスタのスイッチを切ることにより(例えば、電荷移動用BIN1をFD1にデアサートすることにより)最大変換利得は特定のクラスター内での光電荷移動(及びクラスター読み出し回路を介した次の読み出し)に関して達成され、DCGトランジスタのスイッチを切ったままにしている間に、単独クラスター用ビニングトランジスタのスイッチを入れる(すなわち、他の全てのクラスター用ビニングトランジスタ117のスイッチを切る)ことにより変換利得が徐々に減少し、つまりFD1容量に共有リセットノードの寄生容量を加えてソースフォロワ121のゲートで徐々に増加する容量を確立し(すなわち、C
SFG=C
SP+C
FDで、C
SFGはソースフォロワ121のゲートにおける容量であり、C
SPは共有リセットノードの寄生容量であり、C
FDはフローティング拡散容量である)、更に減少した変換利得がDCGトランジスタのスイッチをBIN1(すなわち、C
SFGに反比例する変換利得であり、C
SFG=C
SP+C
FD+C
CAP、C
CAPは素子127の容量である)で入れることにより確立される。後述するように、追加の3つの異なる変換利得(CG)は、DCGトランジスタのスイッチを入れずに1、2又は3つの他のサブピクセルクラスターについてビニングトランジスタ117のスイッチを入れることにより(同時に、読み出されるサブピクセルを含むクラスターのためにビニングトランジスタのスイッチを入れることにより)実現することができ、別の追加の3つのCGは、DCGトランジスタと一緒に1、2又は3つの他のビニングトランジスタのスイッチを入れることにより実現できる(全部で9つの異なるCG)。従って、均一アスペクト比ピクセルサイズスケーリングに加え、ピクセルユニット120により各ピクセル読み出し(小型、中型、大型)をいずれか1以上の動的に選択した変換利得で実行可能となる。また、後述するように、特定の読み出し信号に寄与する1以上のフォトダイオードの有効露光間隔(光電荷累積間隔)が動的に調整され、ダイナミックレンジ(最大識別可能照度の強度を拡張)を高め、それゆえ更に別の可変性の軸を提供する。この多変量操作性は150においてグラフで示され、実行時可変運転の概念的直交軸に沿ってピクセルサイズスケーリング、可変適用変換利得、可変有効露光間隔を示す。
【0031】
図2は、露光後相関二重サンプリング(CDS)読み出しを最小ピクセルサイズ(x1ピッチ)と最大変換利得(CG)で可能にする、
図1の行コントローラ(行信号発生器)により生成した制御信号の例示的なシーケンスを示している。示した例(及び他の後述する信号タイミング図)において、全体としてピクセルユニットに(「ユニット」信号171)、全体のサブピクセルクラスター(クラスター信号173)に、又は個々のサブピクセル(クラスター1~4用SubPix信号、175
1-175
4)に適用するときに、制御信号は概念的なグループに分けられる。
【0032】
図2の読み出しシーケンスは、ピクセルユニットの行内における各サブピクセル(ピクセルユニットのM列を有するセンサにおける16*Mデジタルピクセル値)に関して、同時のCDS読み出し及び対応デジタルピクセル値の生成を可能にし、ピクセルユニットの各行で繰り返され/反復され、ローリングシャッター読み出しを実現する。行読み出しは、(光電荷がそれぞれのフォトダイオード内で蓄積される間の露光間隔に続いて)181におけるリードセレクト信号(RS)のアサーションにより開始し、クラスター毎ソースフォロワトランジスタのソース端子をそれぞれの出力ラインに結合する(それゆえ
図1の列読み出し回路107内の信号サンプリングを可能にする)。その後まもなく、全サブピクセルクラスター用ビニングトランジスタがDCGトランジスタとリセットトランジスタと共にパルスを発せられ(すなわち、183に示すようにBIN1、BIN2、BIN3、BIN4、RG、DOGのスイッチを入れてその後スイッチを切る)、全フローティング拡散ノード(及び共有リセットノード)をリセットする。リセット状態サンプルは185で捕捉され(クラスター毎フローティング拡散ノードのリセットレベルを読み込み)、続いて187で示すように各サブピクセルクラスター内の選択した(単一)トランスファゲートにパルスを発して(選択したサブピクセルからクラスターFDに光電荷移動を移動させ)、その後信号状態サンプリングが189で行われる。リセット状態サンプルは、ADCが続くアナログ領域あるいはデジタル領域(2つのサンプルが別々にデジタル化された後)において信号状態サンプル(すなわち、
図1の列読み出し回路107内)から差し引かれ、CDS(疑似微分)デジタルピクセル値をもたらす。示した例において、初期のCDS読み出しシーケンス、つまりリセット、リセット状態サンプル、電荷移動及び信号状態サンプルは、同時にサブピクセル1、5、9、13(それぞれのクラスター出力ラインOUT1~OUT4を介するリセット状態及び信号状態サンプリングによるクラスター毎1サブピクセル)で実施され、その後もう3回繰り返されて(サブピクセル2、6、10、14、その後サブピクセル3、7、11、15、そしてサブピクセル4、8、12、16について)、最小ピクセルサイズ(最大分解能)読み出しが完了する。
【0033】
図3は、中間ピクセルサイズ(x2ピッチ)及び最大変換利得において露光後CDS読み出しを可能にする、
図1の行信号発生器により生成した制御信号の例示的なシーケンス(すなわち、ローリングシャッター読み出しをもたらすピクセルユニットの各行についての読み出しシーケンス)を示す。示しているように、191におけるリセット操作(及びリードセレクト信号アサーションの間)及び193におけるリセット状態サンプリングに続いて、(16PDピクセルユニット内のTG全てがパルスを発せられるように)特定のクラスターにおける4つのフォトダイオード全てのトランスファゲートは、195に示すように同時にパルスを発せられクラスター内電荷ビニング読み出しをもたらす。すなわち、特定のクラスターの各フォトダイオード内の蓄積光電荷は、そのクラスター用の共有フローティング拡散ノード(内部クラスター電荷ビニング)に移動し、クラスターソースフォロワトランジスタ及びリードセレクトトランジスタを介して、197における信号状態サンプリング用出力ラインOUT1~OUT4の各々の上で、それぞれのx2ピッチ出力信号を生成する。
図4は、最大ピクセルサイズ(x4ピッチ)及び最大x4ピッチ変換利得における、露光後CDS読み出しを可能にする例示的な制御信号シーケンスを示す。信号シーケンスはx2ピクセルピッチの読み出しのものと類似するが、リセット状態サンプリング、電荷移動及び信号状態サンプリングの操作に渡って4つのBINトランジスタのスイッチを入れた状態で4つのクラスター毎フローティング拡散ノードを互いに切り替え可能に結合させ、それゆえ全PD(
図1の例にある16PD)からの電荷が移動している統一ピクセルユニット全体容量を形成する。4つのクラスター毎ソースフォロワトランジスタのゲートにおける信号レベルが名目上同じであるため、出力ラインの所定の1つ(以上)がx4ピッチリセット状態及び信号状態サンプルを得るためにサンプリングされてもよい。
【0034】
図5は、CG関連容量201の単純化回路モデル、x4ピッチ高さにおける高及び低変換利得のための制御信号状態を示す真理値表203(すなわち、高及び低CGについてそれぞれDCG=0又は1である一方、BIN1~BIN4は大型ピクセルサイズを達成するように両方のCGについてアサートされている)、及びピクセル出力電圧(OUTn上に生じたアナログ読み出し信号)対全光電荷蓄積(ピクセルユニットの全PD内の正味蓄積)の例となるグラフ205を示す、x4ピッチ(最大ピクセルサイズ)読み出しの間に選択できる交互の高及び低変換利得を示す。回路モデル201と真理値表203を参照すると、ダイナミック利得制御トランジスタのスイッチを切るとき(DCG=0)、出力回路ソースフォロワトランジスタ(C
SFG)のゲート端子における正味容量が名目上C
SP+4C
FD(クラスター毎の同じフローティング拡散容量であり、つまり他の実施形態におけるクラスター毎に意図的に変化させてもよい容量と仮定)になるように、(容量C
FD1、C
FD2、C
FD3、C
FD4によりモデル化されている)4つのフローティング拡散ノードは、切り替え可能に(BIN1、BIN2、BIN3、BIN4を介して)並列で互いに、及び共有リセットノード(C
SP)の寄生容量と結合する。DCGトランジスタのスイッチを入れると、C
SFGがC
DCGにより増加して4C
FD+C
SP+C
DCGになる。変換利得が正味容量C
SFGに反比例するので(例えば
図5の表203に示すように)、DCG信号のアサーション停止とアサーションが比較的高い変換利得と比較的低い変換利得をそれぞれもたらし、それゆえプロット205に示す比較的高い出力電圧勾配と低い出力電圧勾配となる。(プロット205内の)網掛け領域207により示す低照度の範囲において、高利得信号は実質的に良好なノイズ特性(より高い変換利得によるより低い入力起因ノイズ)を提供する一方、網掛け領域207を超えるより高い照度強度(高利得出力を飽和させる)はより低い利得出力により差別化できる。
【0035】
図6は、低光感受性(高CG読み出し)及び高照度微分(低CG読み出し)の利益を得て、それゆえ単一変換利得で達成可能なものを超えてダイナミックレンジを拡大するために実行された、連続x4ピッチの高利得及び低利得CDS読み出しを示す。一実施形態において、ソースフォロワトランジスタのゲートにおける電圧レベルがフォトダイオードピニング電圧に達すると出力飽和が発生し、そのためソースフォロワのゲート電位をピニング電圧まで上昇させるものを超えるPD蓄積光電荷は、高CG光電荷移動に続いてフォトダイオードに残る。従って、低利得出力(非常に明るい光)を飽和させる照度レベルがない場合、高利得読み出しで移送される光電荷と低利得読み出しで移送される光電荷は、高CGと低CGの読み出しを(アナログ又はデジタル領域で)合計して、単一利得読み出しで達成可能なものよりも高いダイナミックレンジを有するピクセル出力値を生成できるように、先行する露光間隔中集団PD内で蓄積される全光電荷の補充画分を構成する。このx4ピッチ二重利得/二重電荷移動の操作は、
図7において例示的な電荷移動図に示される。示されるように、光電荷(Q)は明るい光への露光(250)の間、ピクセルユニットのピン止めフォトダイオード(一括してPPDと称する)内に蓄積される。高利得構成(DCG=0)にある間、集団ソースフォロワゲート容量(すなわち、C1
SF=ビニングトランジスタに相互結合されたフローティング拡散ノード及びリセットノード寄生容量)は、253のその後に続くリセット状態サンプルにより251でリセット(V
PIX又はV
DDなどの比較的高い所定の電位にプリチャージ)される。255において、寄与するPPD(例えば
図1のアーキテクチャにおけるPD1~PD16)用トランスファゲートはパルスを発せられてフォトダイオードピニング電圧まで(Qのq1画分で)満たすC1
SFへの電荷移動を可能にし、256に示すようにPPD内の光電荷q2(q2=Q-q1)を残す。257で信号状態サンプル(253でのリセット状態サンプルで、初期CDSサンプリング操作が完了)を得た後、DCGは変換利得を低減するようアサートされ(ソースフォロワ容量をC2F=C1
SF+C
DCGに増加)、261でのC2
SFリセット、263でのリセット状態サンプル、265での残留電荷移動、及び267での最終信号状態サンプルがその後に続く(263でのリセット状態サンプルで最終CDSサンプルが完了する)。一実施形態において、初期と最終のCDSサンプルは別々にデジタル化され、その後デジタル領域に追加されてx4ピッチピクセル用最終ピクセル値をもたらす。あるいは、2つのCDSサンプルをアナログ領域(例えば、サンプル&ホールド回路、自動出力ゼロ化/積分増幅器等内)に追加し、その後最終ピクセル出力値を生み出すためにデジタル化してもよい。
【0036】
低照度光条件において(
図7の270に示される)、初期光電荷移動はPPDを完全に排出することができ、その条件は初期CDSサンプル(デジタル領域への変換の前か後)を電荷移動飽和点(例えばVPIN)に対応する閾値と比べることで決定できる。初期光電荷移動が完全にPPDを排出する場合、最終電荷移動とCDSサンプリングにより生じた結果は、例えば初期CDS値で追加より前の最終CDS結果をゼロ化する(あるいは最終CDS結果を追加するのをやめるか、ちょうど最終CDSサンプリングを実行する)ことにより、アナログ領域かデジタル領域のどちらかで処分する。
【0037】
図8は、両方の利得構成に関するリセット状態サンプリングがどちらかの利得構成用信号状態サンプリングの前に実行され、光電荷が連続する電荷移動操作において累積的に集団ソースフォロワ容量に移動する、x4ピッチ(最大サイズ)ピクセルに関する代替多重利得を示す。更に具体的には、光電荷Qがフォトダイオードの集団セット内(例えば、PPD内)で蓄積されている露光間隔の最後で、ピクセルユニットが最低利得構成(DCG=1)のために構成され、その後リセットされる(DCGが高い間にBIN1~BIN4及びRST信号をパルス化する)。その後、連続するリセット状態サンプルは徐々に増加する変換利得により捕捉され、つまりC2
SF(301、DCG=1の間)、その後C1
SF(303、DCGを0にスイッチした後)でリセット状態サンプルを捕捉し、そして連続する電荷移動/信号状態サンプリング操作が、(309における介在する変換利得の低減で)305と307に示すように徐々に減少する変換利得で実行される。完全PPD排出(すなわち、q1=Q、q2=0)をもたらす低照度条件において、高CG CDS読み出しのみが、ピクセル出力値を生成するためにデジタル化されることができ(すなわち、アナログ領域あるいはデジタル領域のいずれかで305における高CG信号状態サンプルから303における高CGリセット状態サンプルを差し引く)、低CG読み出し(初期リセット状態サンプルと最終信号状態サンプルとで形成されるCDS)は破棄、ゼロ化、さもなければ省略され得る。反対に、より明るい照度条件においては、低CG CDG読み出し(301における低CGリセット状態サンプル及び307における低CG信号状態サンプル)のみが、ピクセル出力値を生成するためにデジタル化することができ、高CG読み出しは省略される。この蓄積電荷移動(又は連続リセット状態サンプリング/信号状態サンプリング)読み出しアプローチにおいて、高利得読み出し及び低利得の両方からの信号出力は、どれを適用し(最終ピクセル出力値として)どれを破棄するかを決めるために評価されてもよい。以下の表は「閾値1」がV
PINよりもやや正の電圧レベルであり、閾値2がV
RSTよりやや正ではない電圧レベルである(
図8の実施形態において、V
RSTがV
PINよりも正であることに留意)一決定ロジック実装を示す。
【表2】
【0038】
更に
図8を参照すると、低CG読み出しと高CG読み出しとの間の閾値に基づく選択に代わり、それらの読み出しを正規化し(例えば、一方の読み出し、あるいは2つの利得の比によりスケーリングしたもう一方の読み出し)、その後高利得のみの読み出しと低利得のみの読み出しと間の移行を円滑にするために組み合わせてもよい。より一般的には、本明細書における全多重利得読み出しにおいて、列読み出し回路(例えば、
図1の素子107)又は他のオンチップもしくはオフチップ回路内のアナログ又はデジタル領域で、異なる利得で得た読み出し信号/値は(例えば、CG比及び/又は実行時間及び/又は生産時間較正中に決定した他の情報を基に)正規化でき、ピクセル出力信号/値の加重組み合わせを可能にする。
【0039】
図9はx2ピッチ及びx1ピッチ(中間及び最小ピクセルサイズ)読み出しの間に選択されてもよい、9つの変換利得の例示的な組を示す。単純化回路モデル331は、異なる変換利得をもたらす様々な組み合わせでグループにまとめることができる容量を示し(単独フォトダイオードに関して示されるが、特定のクラスター内の2、3又は4つのPDからの同時光電荷移動に均等に適用可能)、真理値表333は異なる変換利得をもたらす制御信号状態を示す。表333の一番上と一番下の入力値(それぞれCG
1とCG
9と示す)は最大及び最小変換利得構成に対応し、一方それら極値間の入力値についての変換利得はC
FD(FD容量)、C
SP(リセットノード寄生)及びC
DCG(ダイナミック利得容量)の間の関係により様々な順で分布することができる。一実施形態において、ダイナミック利得容量は、画像センサが起動する間に以下(例えばであり制限なし)を含む、所望の利得分布をもたらす目標値にプログラム的に調整される(例えば、MOSをベースとするコンデンサのソース及びドレイン及び/又は可変数のコンポーネント容量性素子の切り替えられた組み合わせに印加されたバイアス電圧が反復して調整される較正作業を実行する)。
― 335に示すように、CG
1からCG
9への降順の、比較的直線の変換利得ステップをもたらすC
CDG=C
FD
― 設定CG
1とCG
6との間の0.5*C
FD利得ステップを提供するC
CDG=C
FD/2-C
SP
― 設定CG
1、CG
6、CG
7、CG
8、CG
9を経由して、CG
FDから5C
FDへの5つの名目上直線の利得ステップをもたらすC
DCG=C
FD-C
SP
― 又は、CG1~CG5の高利得範囲内の比較的細かい利得ステップ、CG6~CG9の低利得範囲内の比較的細かい利得ステップで、及びそれら2つの範囲間の比較的広い間隙(例えばプログラム可能因子「n」による間隙幅)での隆起した利得分布を可能にするC
DCG=n*C
FD(n>1である)
【0040】
図10は、二重(2つの異なる)変換利得でのCDS読み出しをもたらす、例示的なx2ピッチ読み出し制御シーケンスを示し、4つの2xピッチ(中間サイズ)ピクセルの各々用に1組の二重CDS読み出しがあるので、全部で8つの連続するCDS読み出しとなる。示されるように、C
SFGリセット操作(つまり、対応する出力ライン用のソースフォロワトランジスタのゲート端子において容量(C
SFG)をリセット/プリチャージするために同時にRST、DCG、BIN1~BIN4をパルス化する)により、各利得設定においてCDS読み出しが始まる。C
SFGのリセット後、リセット状態サンプルが捕捉され(351)、その後に光電荷移動(353)、そして信号状態サンプル(355)が続く。高CG読み出し(361、363、365、367)において、DCGとBIN1~BIN4は電荷移動及び信号状態サンプリングの間低下し、
図9の表333に示すように変換利得CG
1をもたらす。それに対し、中間CG読み出し(362、364、366、368)においては、変換利得CG
5(
図9による)をもたらす電荷移動及び信号状態サンプリングの間にBIN1~BIN4がアサートされる中、DCGは低下する。
【0041】
図11は、高、中間、低変換利得でCDS読み出しをもたらす、例示的なx2ピッチ読み出し制御シーケンスを示し、4つの2xピッチ(中間サイズ)ピクセルの各々用に1組の三重CDS読み出しがあるので、全部で12の連続するCDS読み出しとなる。
図10のように、各利得設定におけるCDS読み出しは、C
SFGリセット操作で開始され、順に、リセット状態サンプル、光電荷移動、そして信号状態サンプルが続く。高CG読み出しにおいて、DCGとBIN1~BIN4は電荷移動と信号状態サンプリングの間低下し、変換利得CG
1をもたらす(
図9の表333による)。中間CG読み出し(
図11では「中間CG」と示す)において、BIN1~BIN4が電荷移動及び信号状態サンプリングの間にアサートされて、変換利得CG
5をもたらす中(
図9により)、DCGは低下し、低CG読み出しにおいては、DCGとBIN1~BIN4は電荷移動及び信号状態サンプリングの間に全てアサートされて、変換利得CG
9をもたらす(
図9の表333にも示すように)。ここで留意すべきは、
図10及び11両方における高利得読み出しが個々のサブピクセルクラスターに関して連続的に実行され、BIN1~BIN4が光電荷移動とそれらの読み出しの信号状態サンプリングコンポーネントの間スイッチが切られたままなので、代わりに高利得読み出しが同時に4つのサブピクセルクラスターについて実行され得る(それぞれのクラスター読み出し信号を出力ラインOUT1~OUT4上で駆動する)。
【0042】
図12は、x2(中間)ピクセル構成についての代替三重CG読み出しシーケンスを示し、この場合
図8を参照して大まかに説明された蓄積電荷移動操作を実施する。つまり、4つのx2ピッチピクセルの各々について、リセット状態サンプルが徐々に増加する変換利得構成のために捕捉され(
図9の表333に示すCG
1、CG
5、CG
9)、徐々に減少する変換利得において捕捉された連続する信号状態サンプル(すなわち、対象出力ライン用ソースフォロワトランジスタのゲートにおいて総容量から/への累積的に移動する光電荷)が続く。
図8のx4ピッチ蓄積電荷移動シーケンスに関して説明したように、各変換利得におけるCDS読み出しを、3つのCDS読み出し(高、中間、低CG)のうちどれがピクセル出力値を生成するために適用されるのか決定するために使うことができる。また、特定の電荷移動と対応する信号状態サンプリングとの間の時間間隔は示されているものとは異なっていてもよく、例えば高い変換利得でこれらのイベント間の遅延を長くして、比較的小さい、低照度信号を安定化させることができる。
【0043】
図13は、本明細書で説明されるピクセルサイズがスケーラブルな画像センサの実施形態内で、ダイナミックレンジを増加させるために適用されることができる変調露光読み出しシーケンスを示す。示されている例において、x2ピッチピクセルの構成要素フォトダイオード内における単調な(連続して途切れのない)光電荷の蓄積は、特定の露光間隔内の徐々に後で開始し、これらのフォトダイオードからの出力信号の寄与を効果的にスケーリングし、それ以外の場合はx2ピクセル出力を飽和させる輝度での強度の微分を可能にする。光ウェルSW1~SW4を有するクラスター化フォトダイオード(すなわち、
図1のピクセルユニットの左上クラスター内のフォトダイオードPD1~PD4)を参照すると、光電荷が露光間隔(「exp int」)の間中ずっとSW1(PD1)内で継続的に蓄積され、その間光電荷はそれぞれ25%、50%、75%の露光間隔が発生した後、SW2、SW3、SW4から除去(「ダンプ」)される。つまり、SW2、SW3、SW4内の連続した光電荷は、それぞれ総露光間隔の75%、50%、25%に渡って発生する。従って、対象露光間隔(例えば、30分の1秒、60分の1秒、あるいはこれらの時間のいずれかより実質的に長いか短くてもよい)に渡るPDクラスターに関する定常状態入射照度を仮定すれば、SW2、SW3、SW4内に蓄積した光電荷はSW1内に蓄積した光電荷のそれぞれ75%、50%、25%になる。光電荷の除去操作をもたらすために出された例示的な制御信号は、連続する露光間隔において25%及び75%のフレームポイントについて(それぞれ421と423で)示され、DCG、RST、BIN1~BIN4と一緒にそれぞれのトランスファゲートでパルスを発生させることにより、選択フォトダイオード(電荷除去操作421におけるPD2、PD6、PD10、PD14、及び同操作におけるPD4、PD8、PD12、PD16)をリセットして(切り替え可能にその選択されたフォトダイオードをリセット電位に結合し)、その間他のトランスファゲートの全てはスイッチを切ったままにしておく。
【0044】
図13のアプローチ(スケーリングされた光電荷の蓄積)の顕著な結果は、SW1~SW4が異なる照度強度において(すなわち、
図14に示すような異なる光量子束密度において)、更に具体的には、有効光電荷累積間隔に反比例するそれぞれの照度強度において、完全ウェル飽和状態に達することである。従って、増加する光量子束密度に対する正味出力信号電圧レベル(すなわち、SW1~SW4からのビニング電荷に応じてOUT1に生成された信号)の
図14のプロットからわかるように、ピクセル出力電圧は各PDが飽和する(完全ウェル容量に達する)のでニ―(勾配の減少)を示し、それゆえ照度範囲R1の初期勾配及び照度範囲R2、R3、R4内の3つの徐々に減少する勾配によりそれぞれ特徴づけられる。一実施形態において、4つの出力信号勾配の各々は、ある勾配から次の勾配への移行(ブレイクポイント)に印を付けるピクセル信号レベルと共にシステム較正の間に決定される。この情報はその後ピクセル読み出し中(及び/又は読み出し処理後)に適用され、フォトダイオードの飽和がない場合に発生したであろう信号出力を推定する。一実施形態において、例えば、デジタルピクセル出力が勾配移行点に対応する一組の閾値に対して比較され、4つの出力信号範囲のうちの1つ(4つの照度範囲のうちの1つ)を関与させ、補正値(Δ
extr-対象範囲の勾配と範囲1の勾配との間の違いに基づくもので、範囲R3あるいはR4の信号の場合、全ての先行する勾配からの区分的な寄与)の決定が続き、推定したピクセル出力値をもたらす生のピクセル値に追加される。
【0045】
更に
図13及び14を参照すると、x2ピッチ及びx4ピッチピクセルサイズ構成(すなわち、電荷ビニングされた操作)において、事象シーンコンテンツが電荷ビニングPDグループ(すなわち、x2ピッチ読み出しにおけるクラスター化した2×2PDグループ内、及びx4ピッチ読み出しにおけるピクセルユニットの4×4PD内)の各PDで同じであるとき、露光時間変調読み出しは一般に決定論線形化(すなわち、前述した線形推定を可能にする)をもたらす。光学系の点拡がり関数(PSF)が選択可能ピクセルサイズより小さい(例えば、2×2PDグループ及び/又は4×4PDグループより小さい)場合、このピクセル毎照度均一性は、光学系の錯乱円を動的に拡大して有効ピクセルサイズに一致させることにより達成することができる。従って、いくつかの実施形態では、1以上の光学ローパスフィルター(例えば、光学系の本来の錯乱円よりも大きいスケーリングされたピクセルサイズ毎に1つ)が、機械的又はその他の方法で光路内(例えば、一次レンズの後ろ、ただしマイクロレンズのオーバーレイの前)に係合され、光学系の錯乱円を選択したピクセルサイズの寸法に拡大し、電荷ビニンググループ内の全てのPDが確実に同じシーンコンテンツと光レベルの対象となるようにする。ここで留意すべきは、このピクセルサイズが選択された錯乱円のテーラリングは高ダイナミックレンジとして任意であり、複数の積分時間電荷ビニングにより達成されるより高いフレームレートは、有効ピクセルサイズよりも小さい光学系錯乱円でも、許容可能なイメージングアーチファクトを有することができることである。
【0046】
図15は個々のサブピクセルのコンテキストにおける
図13のスケーリングされた蓄積間隔アプローチを示しており、つまり、継続的な(有効な)電荷蓄積間隔が露光間隔のn分の1毎に、従ってこのn=16PDの例では6.25%毎に徐々に短縮されるように、それぞれのフォトダイオードに対して徐々に遅い間隔で電荷除去操作を実行する。
図13のように、蓄積間隔スケーリング(露光間隔の間中入射光量子束密度が一定に保たれる)は各PDが徐々に遅い時間で完全ウェルに達するようにし、それゆえx4ピッチ読み出し(電荷ビニングされた全16PDからの光電荷)において、固定(確かめられる)照度強度(すなわち、
図14に示すように、しかしながら短縮した勾配毎の間隔で)で16つの徐々に異なる勾配の間で移行する出力信号をもたらす。従って、1つ以上のPDが飽和している任意勾配での生ピクセル値を、PD飽和がなかった場合に生じたであろうピクセル値の正確な推定値に外挿し、画像センサのダイナミックレンジを拡大することができる。
【0047】
図16は
図1のピクセル配列アーキテクチャの抜粋を示し、例示的な色フィルター配列(CFA)の構成要素及びピクセル配列に配置して色感受性光学系を実現することができるマイクロレンズ配列の構成要素マイクロレンズを示している。示された実施形態において、CFAは各CFA素子が特定の4PDクラスターのフォトダイオードに重なるベイヤーパターン(CFA素子の対角線の赤色/青色対と中心点を共有する2つの対角線の緑色CFA素子)、つまり16PDピクセルユニット毎に完全ベイヤーパターンを実装する。他の実施形態において、CFAは個々のフォトダイオードに一致するサイズのフィルター素子(例えば、4PDクラスター毎の完全ベイヤーパターン)、又はピクセルユニットに一致するサイズのフィルター素子(ピクセルユニットの全16PDについての均一色フィルタリング)により実装され、赤・緑・青以外の波長範囲の光(赤外線や他の非可視領域を含む)を通過させ、ベイヤーモザイク以外の色パターンを有することができる。同様に、個々のマイクロレンズは個々のフォトダイオードよりもむしろ4PDクラスター(あるいは16PDピクセルユニット全体)に一致するようなサイズであってよい。また、
図13及び14を参照して説明したように、1以上のローパス光学フィルターは、選択した(有効な)ピクセルサイズ(例えば、491に示すようなx2ピッチピクセルサイズ、及び493に示すようなx4ピッチピクセルサイズ)に従って光学システムの錯乱円を拡大するよう実行時係合されることができ、それゆえ電荷ビニンググループ内の全てのPDが同じシーンコンテンツと光レベルの対象であることを確実にする。
【0048】
図17及び18は
図1のピクセルユニットの代替の実施例を示し、それぞれ、単一4方向共有出力ノード(すなわち、単一出力ライン501に結合するピクセルユニット)及び一対の2方向共有出力ノード(2つの出力ライン521、522に結合するピクセルユニット)をそれぞれ有する。
図17の実施形態において、4つのリードセレクトトランジスタ(123
1~123
4)はそれぞれリードセレクト信号(RS1、RS2、RS3、RS4)を受信して、いずれか1つのクラスター出力回路が特定の時間4方向共有出力ラインの駆動できるようにする。それゆえ、
図2に示すx1ピッチ読み出しシーケンスは読み出し毎の4方向の並列性に欠け、その代わり16PDに関して16の連続するCDS読み出しにより実施される。
図3に示すx2ピッチ読み出しシーケンスについても同様に、4つの並列クラスター読み出しの代わりに、4つの連続するクラスター(x2ピッチ)読み出しである。
図18の二重出力チャンネルの実施形態は、
図1のクラスター毎出力ラインと
図17の4方向共有出力ラインとの中間に当たり、ピクセルユニットの左半分と右半分(2つの出力ラインは、RS1/RS2信号接続の対応する回転でPDクラスターの上下対にそれぞれ代わりに結合されてもよい)内のPDの読み出しの並列処理ができるようにし、従って、x1ピッチ構成で全てのPDをサンプリングするための8つの連続した読み出しと、x2ピッチ構成で全ての4PDクラスターをサンプリングするための2つの連続した読み出しが可能になる。ソースフォロワ増幅スキーム(電流源によりバイアスされる各出力ライン)が
図17と18に示されるが、共通ソース又は他の増幅スキームが代替の実施形態で実施されてもよい。また、異なるBIN信号(BIN1、BIN2、BIN3、BIN4)が4つのビニングトランジスタに印加されるが、共有制御信号は代替の実施形態におけるありとあらゆるサブセットのビニングトランジスタと結合させてもよく、つまり変異型は均等に
図1のアーキテクチャにあてはまる。
【0049】
図19A~19Gは、
図1のピクセルアーキテクチャ内で用いることができる読み出しシーケンスの包括的ではない実施例を示し、特定のシーケンスの各段階の間に読み出される16PDピクセルユニット内の個々のPDには陰影がつけられている。それゆえ、
図19Aは
図2の制御シーケンスによって実施される4段階のx1ピッチ読み出しを示す。
図19Bは、(全4つのPDよりもむしろ)列に並んだ一対のPDが、特定の読み出し段階での各クラスターから読み出される2段階の読み出しシーケンスを示し、連続する段階でそれらのPDの対間で交互に入れ替わる。
図19Cは
図19Bと同様なクラスター毎PD対読み出しを示すが、PD対が行に並ぶよりもむしろ列で並んでいるものを示す。
図19D及び19Eは追加のクラスター毎PD対読み出しシーケンスを示すが、行に並んだクラスター内の並んでいないPD対(
図19D)とクラスター毎に対角線上に対になったPD(
図19E)を有するものである。
図19Fは、クラスター毎に3つのPDが初期段階で読み出され、ピクセルユニットに関して周辺PD読み出しをもたらす、読み出しシーケンスを示す。残りの「内部」PDは第二段階で各クラスターから読み出され、ピクセルユニットコアPD読み出しをもたらす。
図19Gは、
図3及び4にそれぞれ示されるx2ピッチ読み出しシーケンス(単独で、及び同時に全4つの4PDクラスターの読み出し)、及びx4ピッチ読み出しシーケンスに対応する単一段階読み出しを示す。
【0050】
図20は、線形比(すなわち、表600に示すように)又は他の実行可能な比で3つの追加された容量のいずれかをプログラムで選択できるようにする、バイナリ加重の独立して切り替えられた動的変換利得容量C
U及び2C
Uを有する代替ピクセルユニットアーキテクチャを示す。いくつかの実施形態において、例えば、プログラム的選択(例えば、撮像ICのプログラム可能レジスタ内に保存される制御値)が動的利得容量の実行時間較正を可能にし、所望の変換利得分布(例えば、
図5及び9に示すような)及び/又は変換利得最小値あるいは最大値をもたらす。
図20の実施形態において、リセットトランジスタ125はDCGトランジスタの一つを介して間接的によりもむしろ、リセットノード120とリセット電圧源(本例ではV
DD)との間に直接的に結合され、つまり
図1の単一DCGトランジスタの実施形態内でも実装できる配置である。また、2つのバイナリ加重DCG容量が示されているが(すなわち、DCG2によりノード120に切り替え可能に結合された容量は、DCG1によりノード120に切り替え可能に結合された容量の2倍である)、非バイナリ比を有する等しい容量や完全に異なる容量は代替の実施形態で実現でき、2を超える独立して切り替えられた容量を含むこともできる。また、その2つの容量性素子が同じピクセルユニット内に配置されているように示されているが、個々の容量性素子(2つを超えるこのような素子でもよい)がピクセルユニットの隣接する行に物理的に配置でき、それゆえその隣接する行により共有できる(すなわち、ピクセルユニット毎MOS素子カウントを低減する)。
【0051】
本明細書で開示された様々なピクセルユニット回路アーキテクチャとレイアウト、撮像回路アーキテクチャ、色フィルター配列、マイクロレンズ配列、読み出し方法等は、コンピュータ支援設計ツールを使って説明でき、コンピュータ可読媒体に具体化したデータ及び/又は命令として、それらの行動、レジスタ移動、ロジックコンポーネント、トランジスタ、レイアウト配置及び/又はその他の特徴に関し、表現する(表す)ことができる。そのような回路、レイアウト、アーキテクチャの表現が実現できるファイルやその他のオブジェクトのフォーマットは、C、Verilog、VHDLといった行動言語をサポートするフォーマット、RTLのようなレジスタレベルの記述言語をサポートするフォーマット、GDSII、GDSIII、GDSIV、CIF、MEBESといった幾何学記述言語をサポートするフォーマット、その他の適切なフォーマットや言語を含むがこれらに限定されない。そういったフォーマット済みデータ及び/又は命令が具体化できるコンピュータ可読媒体は、種々の形のコンピュータ記憶媒体(例えば、光学、磁気、又は半導体記憶媒体であって、独立してそのように分配されるかオペレーティングシステムに「その場で」保存されるかに関わらない)を含むがこれらに限定されない。
【0052】
コンピュータシステム内で1以上のコンピュータ可読媒体を介して受信した場合、上記した回路やデバイスアーキテクチャのそのようなデータ及び/又は命令に基づく表現は、ネットリスト生成プログラム、場所とルートのプログラムなどを含むがこれらに限定されない1以上の他のコンピュータプログラムの実行を併用してコンピュータシステム内のプロセッシングエンティティ(例えば、1以上のプロセッサ)により処理でき、そのような回路やアーキテクチャの物理的明示の表現や画像が生成される。そのような表現や画像は、例えばデバイス製造工程において回路の様々なコンポーネントを形成するために使われる、1以上のマスクの生成を可能にすることでその後デバイス製造で使用できる。
【0053】
前述の説明や添付している図面において、特定の用語や図面の記号が開示した実施形態の完全な理解をもたらすために説明されている。場合によっては、用語と記号がそれらの実施形態を実践するために必要ではない詳細を暗示することがある。例えば、特定の時間間隔、トランジスタの種類、信号極性、配列寸法、相対制御パルスタイミング、光検出素子の量/種類、光キャリア極性等のいずれかが代替の実施形態におけるそれらと異なる可能性がある。個々の信号線として表現あるいは説明された信号経路は、代わりに多導体信号バスにより実装でき、またその逆もあり、伝達された信号(例えば、差分あるいは疑似差分信号伝達)毎に複数の導体を含んでもよい。「結合した」という用語は、1以上の介在機能部品や構造を介した接続だけでなく、直接接続を表現するために本明細書では使われる。運転パラメータ(有効ピクセルサイズ、適用変換利得、電荷ビニングされた構成、正味動的変換利得容量、出力信号推定あるいは他の処理パラメータ、スケーリングされた蓄積間隔、サブピクセルの読み出しシーケンス、出力信号選択閾値等)又はその他の構成可能なパラメータのプログラミングは、例えば、限定されることなく、ホスト命令に応答して(及びそれゆえデバイスの操作態様を制御し、及び/又はデバイス構成を確立して)、又は1回のプログラミング操作を介して(例えば、デバイス生産中に構成回路内でヒューズを飛ばして)、上記の撮像IC内のレジスタ又は他の記憶回路に制御値を読み込むこと、及び/又はデバイスの1以上の選択されたピン又は他の接触構造を基準電圧線に接続(又はストラッピングともいう)してデバイスの特定のデバイス構成又は操作の態様を確立することによって、達成することができる。「例示的な」及び「実施形態」という用語は、好みや要件ではなく、例を表現するために使用される。また、「~できる」「~してもよい」という用語は言い換え可能に任意の(許容できる)主題を意味するために使われる。いずれかの用語が使われていないことで、特定の特徴や手法が必要となることを意味するとは解釈すべきではない。
【0054】
本開示のより広い主旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に提示される実施形態に対して様々な修正及び変更を行うことができる。例えば、実施形態のいずれかの特徴又は態様は、他の実施形態のいずれかと組み合わせて、又はその対応する特徴又は態様の代わりに適用することができる。従って、明細書及び図面は、限定的意味ではなく例示的意味で考えられるべきである。