(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-08
(45)【発行日】2025-10-17
(54)【発明の名称】KIF18A阻害剤としてのピリジン誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 401/04 20060101AFI20251009BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20251009BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20251009BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20251009BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20251009BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20251009BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20251009BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20251009BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20251009BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20251009BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20251009BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20251009BHJP
A61P 21/04 20060101ALI20251009BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20251009BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20251009BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20251009BHJP
A61K 31/444 20060101ALI20251009BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20251009BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20251009BHJP
C07D 491/08 20060101ALI20251009BHJP
C07D 498/08 20060101ALI20251009BHJP
A61K 31/537 20060101ALI20251009BHJP
C07D 405/14 20060101ALI20251009BHJP
C07D 417/14 20060101ALI20251009BHJP
A61K 31/541 20060101ALI20251009BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20251009BHJP
C07D 401/10 20060101ALI20251009BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
A61P35/00
A61P17/06
A61P17/00
A61P37/08
A61P37/06
A61P1/00
A61P35/02
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P37/02
A61P21/00
A61P21/04
A61P25/00
A61P1/04
A61P43/00 105
A61K31/444
C07D401/14
A61K31/5377
C07D491/08
C07D498/08
A61K31/537
C07D405/14
C07D417/14
A61K31/541
C07D413/14
C07D401/10
(21)【出願番号】P 2022506134
(86)(22)【出願日】2020-08-03
(86)【国際出願番号】 US2020044799
(87)【国際公開番号】W WO2021026100
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-07-26
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タマヨ,ヌリア・エイ
(72)【発明者】
【氏名】アレン,ジョン・ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】バナジー,アビシェク
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジアン・ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】フローン,マイケル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】カラー,マシュー・リチャード
(72)【発明者】
【氏名】グエン,トーマス・ティー
(72)【発明者】
【氏名】西村 信子
(72)【発明者】
【氏名】シュエ,チウフェン・メイ
【審査官】奥谷 暢子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/016316(WO,A1)
【文献】特開2000-256358(JP,A)
【文献】国際公開第2019/123378(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/133274(WO,A1)
【文献】国際公開第2004/039795(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/084985(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
の化合物、又はその任意の薬学的に許容される塩[式中:
X
1は、-CR
3であり、
X
2は、Nであり、
X
3は、-CR
1であり、
R
1は、基-Z-R
12であり、ここで、Zは、不存在、-C
0~4alk-NR
11-C
0~4alk-、-C
0~4alk-(C=O)-、-C
0~4alk-(C=O)NR
11-、-C-((C=O)-O-R
11)
2-、-C
0~4alk-(C=O)-O-、-C
0~4alk-O-、-C
0~4alk-NR
11(C=O)-、-C
0~4alk-NR
11SO
2-C
0~4alk-、-C
0~4alk-S-、-C
0~4alk-S(=O)-、-C
0~4alk-SO
2-、-NR
11-C
0~4alk-O-、-C
0~4alk-S(=O)(=N
+(CH
3)
2)-、-C=N(OH)-、又は-N=S(=O)<であり、
R
2は、基-Y-R
13であり、ここで、Yは、不存在又は-C
0~4alk-SO
2-C
0~4alk-であり、
R
3は、H、ハロ、C
1~4alk、又はC
1~4ハロalkであり、
R
5は、H、ハロ、C
1~8alk、又はC
1~4ハロalkであり、
R
6は、H、ハロ、CN、C
1~8alk、-O-C
1~8alk、C
0~4alk-(C=O)-NH-C
0~4alk、C
1~4ハロalk、-C
0~4alk-SO
2NH-C
0~4alk、-C
0~4alk-SO
2N(CH
3)-C
0~4alk、又はR
6aであり、
R
7は、H、ハロ、CN、C
1~8alk、C
1~4ハロalk、-O-C
1~8alk、又はR
7aであり、
或いは、R
2及びR
7は、それらの各々に結合している炭素原子と組み合わさって、フェニル環と縮合した飽和、部分飽和、不飽和の5員又は6員単環式環を形成することができ、ここで、前記3員、4員、5員、6員単環式環は、0、1、2又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0又は1個の原子を含み、さらに、前記5員又は6員単環式環が、F、Cl、Br、C
1~6alk、C
1~4ハロalk、-OR
a、-OC
1~4ハロalk、CN、-NR
aR
a、又はオキソから選択される0、1、2又は3つの基で置換され、
R
6a及びR
7aの各々は、独立して、各場合において、0、1、2又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0又は1個の原子を含み、F、Cl、Br、CN、C
1~6alk、C
1~4ハロalk、-OC
1~4ハロalk、-C(=O)R
b、-C
0-6alk-C(=O)NR
aR
a、-C(=NR
a)NR
aR
a、-OC(=O)R
b、-OC(=O)NR
aR
a、-OC
2-6alkNR
aR
a、-OC
2-6alkOR
a、-SR
a、-S(=O)R
b、-S(=O)
2R
b、-S(=O)
2NR
aR
a、-N(R
a)C(=O)R
a、-N(R
a)C(=O)OR
b、-N(R
a)C(=O)NR
aR
a、-N(R
a)C(=NR
a)NR
aR
a、-N(R
a)S(=O)
2R
b、-N(R
a)S(=O)
2NR
aR
a、-NR
aC
1~6alkNR
aR
a、-NR
aC
1~6alkOR
a、-C
0-6alkNR
aR
a、-C
0-6alkOR
a、-C
1~6alkN(R
a)C(=O)R
b、-C
1~6alkOC(=O)R
b、-C
0-6alkC(=O)OR
a、及びオキソから選択される0、1、2又は3つの基で置換された、飽和、部分飽和又は不飽和の3員、4員、5員、6員、若しくは7員単環式環又は6員、7員、8員、9員、10員、11員、若しくは12員二環式環からなる群から選択され、
R
8は、H、ハロ、C
1~4alk、又はC
1~4ハロalkであり、
Lは、-NR
10-(C=O)-であり(ここで、Nは式(I)における左側のフェニル環に結合し、C=Oは式(I)における右側に結合する結合基である)、
R
9は、H、ハロ、C
1~8alk、又はC
1~4ハロalkであり、
R
10は、H又はC
1~4alkであり、
R
Xは、
【化2】
であり、
R
Xa、R
Xb、R
Xc又はR
Xdの各々は、H、ハロ、R
Xm、又はR
Xnであり、
或いは、R
Xa及びR
Xbの対の各々は、独立して、それらの各々に結合している炭素原子と組み合わさって、アゼチジニル環、ピロリジニル環、ピペリジニル環、モルホリニル環、又はアゼパニル環に対してスピロである飽和若しくは部分飽和3員、4員、5員、6員単環式環を形成することができ、ここで、前記3員、4員、5員、6員単環式環は、0個のN、O、及びS原子を含み、さらに、前記3員、4員、5員、6員単環式環が、F、Cl、Br、C
1~6alk、C
1~4ハロalk、-OR
a、-OC
1~4ハロalk、CN、-NR
aR
a、又はオキソから選択される0、1、2又は3つの基で置換され、
さらに或いは、R
Xa及びR
Xbの対の各々は、独立して、組み合わさって二重結合を形成することができ、
R
11は、独立して、H又はC
1~8alkであり、
R
12は、H、ハロ、CN、-OH、R
12a、又はR
12bであり、
R
13は、H、ハロ、CN、R
13a、又はR
13bであり、
R
Xm、及びR
12a、及びR
13aの各々は、独立して、各場合において、0、1、2又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0又は1個の原子を含み、F、Cl、Br、C
1~6alk、C
1~4ハロalk、-OR
a、-OC
1~4ハロalk、CN、-C(=O)R
b、-C(=O)OR
a、-C(=O)NR
aR
a、-C(=NR
a)NR
aR
a、-OC(=O)R
b、-OC(=O)NR
aR
a、-OC
2-6alkNR
aR
a、-OC
2-6alkOR
a、-SR
a、-S(=O)R
b、-S(=O)
2R
b、-S(=O)
2NR
aR
a、-NR
aR
a、-N(R
a)C(=O)R
b、-N(R
a)C(=O)OR
b、-N(R
a)C(=O)NR
aR
a、-N(R
a)C(=NR
a)NR
aR
a、-N(R
a)S(=O)
2R
b、-N(R
a)S(=O)
2NR
aR
a、-NR
aC
2-6alkNR
aR
a、-NR
aC
2-6alkOR
a、-C
1~6alkNR
aR
a、-C
1~6alkOR
a、-C
1~6alkN(R
a)C(=O)R
b、-C
1~6alkOC(=O)R
b、-C
1~6alkC(=O)NR
aR
a、-C
1~6alkC(=O)OR
a、オキソ、又は飽和、部分飽和若しくは不飽和の3員、4員、若しくは5員単環式環から選択される0、1、2、3、又は4つの基で置換された、飽和、部分飽和又は不飽和の3員、4員、5員、6員、若しくは7員単環式環又は6員、7員、8員、9員、10員、11員、若しくは12員二環式環からなる群から選択され、
R
Xn、R
12b、及びR
13bの各々は、独立して、各場合において、F、Cl、Br、-CH
2F、-CHF
2、-CF
3、-C(=O)OR
a、-C
0-6alkOR
a、-OC
1~4ハロalk、CN、NH
2、NH(CH
3)、N(CH
3)
2、-(C=O)NR
a、-NR
a(C=O)C
0~4alk、-S(=O)
2R
a、又は飽和、部分飽和若しくは不飽和の3員、4員、若しくは5員単環式環から選択される0、1、2、3、4又は5つの基で置換されたC
1~6alkからなる群から選択され、
R
aは、独立して、各場合において、H又はR
bであり、
R
bは、独立して、各場合において、C
1~6alk、フェニル、又はベンジルであり、ここで、前記C
1~6alkは、ハロ、-OH、-OC
1~4alk、-NH
2、-NHC
1~4alk、-OC(=O)C
1~4alk、又は-N(C
1~4alk)C
1~4alkから選択される0、1、2、又は3つの置換基で置換され、前記フェニル又はベンジルは、ハロ、C
1~4alk、C
1-3ハロalk、-OH、-OC
1~4alk、-NH
2、-NHC
1~4alk、-OC(=O)C
1~4alk、又は-N(C
1~4alk)C
1~4alkから選択される0、1、2又は3つの置換基で置換されている(ここで、C
0alkは、直接結合を意味する)]。
【請求項2】
R
Xa、R
Xb、R
Xc、及びR
Xdの各々が、
a)H、F、Cl、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、-CH
2F、-CHF
2、-CF
3、又はシクロプロピルから選択されるか、
b)或いは、R
Xa及びR
Xbの対、及びR
Xc及びR
Xdの対の各々が、独立して、それらの各々に結合している炭素原子と組み合わさって、シクロプロピル環、シクロブチル環、又はシクロペンチル環を形成することができ、ここで、各環が、前記ピロリジニル環、ピペリジニル環、又はモルホリニル環に対してスピロであり、前記環の各々が、F、Cl、Br、C
1~6alk、C
1~4ハロalk、又はメトキシから選択される0、1、2又は3つの基で置換されているか、
c)或いは、R
Xa及びR
Xbの対が、組み合わさって>C=CH又は>C=CH-CH
3を形成することができる、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Lが、-NR
10-(C=O)であり、X
1が-CR
4であり、X
2がNであり、X
3が-CR
1であり、式(Ia):
【化3】
を有する(式中、R
4は、H、ハロ、C
1~8alk、又はC
1~4ハロalkである)、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
R
10が、H又はメチルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
R
Xが、
【化4】
から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
R
Xが、
【化5】
である、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Zが、不存在、-NH-、-(C=O)-、-CH(CH
3)-(C=O)NH-、-C-((C=O)-O-(CH
3))
2、-C-((C=O)-O-(CH
3)
3)
2、-CH(CH
3)-(C=O)-O-、-C(CH
3)
2-(C=O)-O-、-(C=O)-O-、-N(CH
3)-、-O-、-NH(C=O)-、-(C=O)NH、-CH
2-(C=O)-O-、-CH
2NCH
3-、-NCH
3-、-CH
2-(C=O)-NH-、-NHSO
2-、-CH
2SO
2-、-NHCH
2-、又は-NHCH
2CH
2-O-である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
R
12が、
a)H、F、Cl、Br、OH、又はCN、
b)F、Cl、Br、-CF
3、-CH
2OH、-OH、-OCH
3、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、-C(=O)NH、-C(=O)NCH
3、-NHC(=O)H、-NHC(=O)CH
3、-NCH
3C(=O)CH
3、-NH
2、-NH(CH
3)、又は-N(CH
3)
2から選択される0、1、2又は3つの基で置換されたC
1~6alk、或いは
c)0、1、2又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0又は1個の原子を含み、F、Cl、Br、CN、メチル、エチル、-CF
3、-CH
2OH、-CH
2CH
2OH、-OH、-OCH
3、-NH
2、-NH(CH
3)、-N(CH
3)
2、-C(=O)NH
2、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、-SO
2CH
3-、又はオキソから選択される0、1、2、3、又は4つの基で置換された、飽和、部分飽和又は不飽和の3員、4員、5員、6員、若しくは7員単環式環又は6員、7員、8員、9員、10員、11員、若しくは12員二環式環
から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
R
12が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、アゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキサゾリジニル、ジオキソラニル、モルホリニル、フェニル、
【化6】
から選択され、ここで、各R
12が、F、Cl、Br、メチル、エチル、CN、-CF
3、-CH
2OH、-CH
2CH
2OH、-OH、-OCH
3、-COOH、-CONH
2、COOCH
3、-CONH(CH
3)、-NH
2、-SO
2CH
3、又はオキソから選択される0、1、2又は3つの基で置換されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
R
1が、基-Z-R
12であり、ここで、Zが、不存在、-NH-、-O-、-NHSO
2-、又は-CH
2SO
2-であり、R
12が、H、ピロリジニル、オキセタニル、シクロプロピル、若しくはシクロブチルであり、又はR
12が、0、1、2若しくは3つのOH、CF
3、若しくは-CH
2OH基で置換されたC
1~6alkである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
Yが、不存在又は-SO
2-である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
R
13が、
a)H、ハロ、又はCN、
b)0、1、2又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0又は1個の原子を含み、F、Cl、Br、メチル、エチル、イソプロピル、CHF
2、CF
3、CH
2OH、-OH、-OCH
3、-NH
2、-NH(CH
3)、オキソ、シクロプロピル又はシクロブチルから選択される0、1、2又は3つの基で置換された、飽和、部分飽和又は不飽和の3員、4員、5員、6員、若しくは7員単環式環又は6員、7員、8員、9員、10員、11員、若しくは12員二環式環から選択されるR
13a、或いは
c)F、Cl、Br、-OH、-CF
3、シクロプロピル、又はシクロブチルから選択される0、1、2、3、4、又は5つの基で置換されたC
1~6alkから選択されるR
13b
から選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
R
13aが、各々が、独立して、F、Cl、メチル、エチル、イソプロピル、CHF
2、CF
3、CH
2CF
3、-OCH
3、-CH
2CH
2OCH
3、又はオキソから選択される0、1、2又は3つの基で置換された、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、フェニル、ピロリジニル、ピラゾリル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、チアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、
【化7】
から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
R
13bが、各々が、独立して、F、CF
3、OH、又はシクロプロピルから選択される0、1、2又は3つの基で置換された、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル、又はネオペンチルから選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
R
2が、基-Y-R
13であり、ここで、Yが、不存在又は-SO
2-であり、R
13が、tert-ブチル、又はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、モルホリニル、若しくはピペリジニルから選択されるR
13aであり、ここで、前記R
13aの各々が、F、Cl、Br、メチル、又はCF
3から選択される0、1、2又は3つの基で置換されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
R
2が、基-Y-R
13であり、ここで、Yが、-SO
2-であり、R
13が、各々が0、1、2又は3つのメチル基で置換された、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、モルホリニル、又はピペリジニルである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
R
3が、H、F又はメチルである、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
R
4が、Hである、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
R
5が、Hである、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
R
6が、H、F、Br、メチル、CN、メトキシ、シクロプロピル、-(C=O)NH
2、-CF
3、フラニル、ピリジニル、モルホリニル、又は-SO
2NHC(CH
3)
3である、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
R
6が、H又はFである、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
R
7が、H、F、Br、Cl、CN、メチル、メトキシ、シクロプロピルであり、又はR
2及びR
7が、それらの各々に結合している炭素原子と組み合わさって、基:
【化8】
を形成することができる、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
R
7が、H、F、又はメチルである、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
R
8が、H、F、又はメチルである、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
R
8がHである、請求項1~24のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
R
9がHである、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
R
10がHである、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
以下:
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
からなる群から選択される、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物、又はその任意の薬学的に許容される塩。
【請求項29】
請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される希釈剤又は担体を含む、医薬組成物。
【請求項30】
KIF18A阻害剤で治療され得る症状を治療するための方法において使用するための、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記症状が、癌、乾癬、アトピー性皮膚炎、自己免疫疾患又は炎症性腸疾患から選択され、前記癌が、黒色腫、前立腺癌、子宮頸癌、乳癌、結腸癌、肉腫又は白血病であり、前記自己免疫疾患が、関節リュウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、強皮症、混合性結合組織病、皮膚筋炎、多発性筋炎、ライター症候群、カナル・スミス(Canale-Smith)症候群としても知られる自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、又は多発性硬化症、重症筋無力症及び脳脊髄炎
からなる群から選択される中枢神経性の自己免疫疾患であり得、前記炎症性腸疾患は、潰瘍性結腸炎又はクローン病であり得る、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
対象における固形腫瘍のサイズを減少させる方法において使用するための、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項33】
対象における細胞増殖障害を治療する方法において使用するための、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項34】
細胞においてKIF18Aを阻害する方法において使用するための、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記症状が、(a)膀胱癌、子宮内膜癌、肺扁平上皮癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌、脳癌、頭頸部癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頸癌、甲状腺癌、前立腺癌及び皮膚癌から選択される固形腫瘍又は血液由来の腫瘍、(b)白血病、急性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫及びバーキットリンパ腫から選択されるリンパ系の造血器腫瘍、(c)急性及び慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群及び前骨髄性白血病から選択される骨髄細胞系列の造血器腫瘍、(d)線維肉腫及び横紋筋肉腫から選択される間葉由来の腫瘍、(e)星細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫及び神経鞘腫から選択される中枢及び末梢神経系の腫瘍、又は(f)黒色腫、精上皮腫、奇形腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、濾胞性甲状腺癌又はカポジ肉腫からなる群から選択される癌である、請求項30に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品の分野に関し、より具体的には、KIF18Aを調節するのに有用な化合物及び組成物、並びに細胞増殖を管理し、癌を治療するための使用及び方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
癌は、人類を苦しめる最も蔓延した疾患の1つであり、全世界における死亡の主な原因である。多種多様な癌の1つ以上に対する効果的な治療又は治癒を発見するための過去20~30年にわたる試みにおいて、多くのグループが多大な時間、労力、及び財源を費やしてきた。しかしながら、現在までに、利用可能な癌の治療及び療法のうちで大きな成功を収めたのはごくわずかのみである。
【0003】
癌は、多くの場合で無秩序な細胞増殖を特徴とする。細胞周期及び中心体周期全体を通して増殖の進行をコントロールする、細胞経路を司る1つ以上の遺伝子の損傷は、細胞増殖の正常な調整を喪失する原因となり得る。これらの無秩序遺伝子は、事象のカスケードに関与する様々な腫瘍抑制因子又は癌遺伝子タンパク質をコードして、抑制の効かない細胞周期進行及び細胞増殖をもたらす場合がある。細胞周期及び有糸分裂調整、並びに正常分裂細胞及び癌細胞の進行に重要な役割を果たす様々なキナーゼ及びキネシンタンパク質が特定されている。
【0004】
キネシンは、細胞分裂、並びに細胞内小胞及び細胞小器官の輸送に重要な役割を果たす分子モーターである。有糸分裂キネシンは、紡錘体集合、染色体分配、中心体分離、及び動態のいくつかの態様で役割を果たす(O.Rath and F.Kozielski,“Nature Review Cancer”12:527-39,2012で考察される)。ヒトキネシンは、いわゆる「モータードメイン」内の配列相同性に基づいて14のサブファミリーに分類され、このドメインのATPアーゼ活性は、微小管(MT)に沿った一方向性運動を駆動する。これらのタンパク質の非モータードメインは、カーゴ結合を司り、「カーゴ」としては、多種多様な膜性細胞小器官、シグナル伝達足場システム(signal transduction scaffolding systems)、及び染色体のうちのいずれか1つが挙げられ得る。キネシンは、ATP加水分解のエネルギーを用いて、極性微小管に沿ってカーゴを移動させる。そのため、キネシンは、「プラス末端」又は「マイナス末端」指向性モーターと呼ばれることが多い。
【0005】
KIF18A遺伝子は、キネシン-8サブファミリーに属し、プラス末端指向性モーターである。KIF18Aは、正しい染色体の位置決め及び紡錘体張力をコントロールする、キネトコア微小管のプラス末端における動態に影響を及すものと考えられる。ヒトKIF18Aの枯渇により、HeLa子宮頸癌細胞において、より長い紡錘体、有糸分裂の中期における染色体オシレーションの増加、及び有糸分裂紡錘体集合チェックポイントの活性化がもたらされる(MI Mayr et al,Current Biology 17,488-98,2007)。KIF18Aは、癌治療のための実行可能な標的であると思われる。KIF18Aは、結腸癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、膀胱癌、頭部癌、頚部癌、子宮頚癌、及び卵巣癌が挙げられるがこれに限定されない様々なタイプの癌において過剰発現する。更に、KIF18Aの遺伝子欠失若しくはノックダウン、又は阻害は、癌細胞株中で有糸分裂紡錘体装置を生じさせる。具体的には、KIF18Aの阻害は、中間期における有糸分裂スリップ後に、有糸分裂細胞停止、アポトーシスを介した有糸分裂中の細胞死を促進し得る既知の脆弱性、有糸分裂カタストロフ、又は多極性により駆動される致命若しくは致死を誘起することが発見されている。したがって、KIF18Aタンパク質の阻害剤を発見することにおける強い関心が存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】O.Rath and F.Kozielski,Nature Review Cancer,12:527-39,2012
【文献】MI Mayr et al,Current Biology 17,488-98,2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのため、KIF18AのATPアーゼ活性の阻害は、新規な抗癌剤を開発するための有望なアプローチである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、癌、炎症、又は毛様体病変(ciliopathologies)を含むKIF18A媒介症状及び/又は疾患を治療するための、単独又は微小管との結合複合体中でKIF18Aタンパク質の調節に有用な新規な部類の化合物である。
【0009】
本発明によって提供される化合物は、MTベースのKIF18A調節活性、及び、特にKIF18A阻害活性を有する。この目的のために、本発明はまた、非限定的に癌が挙げられるKIF18A媒介疾患及び障害の療法的、予防的、急性、又は慢性治療のための医薬組成物又は薬剤の調製及び製造における、これらの化合物、及びその薬学的に許容される塩の使用を提供する。よって、本発明の化合物は、抗癌薬剤の製造において有用である。本発明はまた、式Iの化合物の製造プロセス、及びこうしたプロセスに有用な中間体を提供する。
【0010】
実施形態1において、本発明は、式(I)の化合物:
【化1】
又はその任意の薬学的に許容される塩を提供し、式中:
X
1は、N又は-CR
3であり、
X
2は、N又は-CR
4であり、
X
3は、N又は-CR
1であり、
ここで、X
1、X
2及びX
3の1つのみがNであり、
R
1は、基-Z-R
12であり、ここで、Zが、不存在、-C
0~4alk-NR
11-C
0~4alk-、-C
0~4alk-(C=O)-、-C
0~4alk-(C=O)NR
11-、-C-((C=O)-O-R
11)
2-、-C
0~4alk-(C=O)-O-、-C
0~4alk-O-、-C
0~4alk-NR
11(C=O)-、-C
0~4alk-NR
11SO
2-C
0~4alk-、-C
0~4alk-S-、-C
0~4alk-S(=O)-、-C
0~4alk-SO
2-、-NR
11-C
0~4alk-O-、-C
0~4alk-S(=O)(=N
+(CH
3)
2)-、-C=N(OH)-、又は-N=S(=O)<であり、
R
2は、基-Y-R
13であり、ここで、Yが、不存在、-C
0~4alk-S-C
0~4alk-、-C
0~4alk-S=O-C
0~4alk-、-C
0~4alk-SO
2-C
0~4alk、-SO
2NR
13c-C
0~4alk-、-SO
2N(C
1~4alk)-、-SO
2N(C
1~4alk-O-C
1~4alk)-、-C
0~4alk-S(=O)(=NH)-、-C
0~4alk-(C=O)-、-C
0~4alk-(C=O)-O-、-C
0~4alk-(C=O)NR
13c-、-NR
13c-、-O-C
0~4alk-、-N=S(=O)<、又は-NR
13c-SO
2-C
0~4alk-であり、
R
3は、H、ハロ、C
1~4alk、又はC
1~4ハロalkであり、
R
4は、H、ハロ、C
1~8alk、又はC
1~4ハロalkであり、
R
5は、H、ハロ、C
1~8alk、又はC
1~4ハロalkであり、
R
6は、H、ハロ、CN、C
1~8alk、-O-C
1~8alk、C
0~4alk-(C=O)-NH-C
0~4alk、C
1~4ハロalk、-C
0~4alk-SO
2NH-C
0~4alk、-C
0~4alk-SO
2N(CH
3)-C
0~4alk、又はR
6aであり、
R
7が、H、ハロ、CN、C
1~8alk、C
1~4ハロalk、-O-C
1~8alk、又はR
7aであり、
或いは、R
2及びR
7が、それらの各々に結合している炭素原子と組み合わさって、フェニル環と縮合した飽和、部分飽和、不飽和の5員又は6員単環式環を形成することができ、ここで、前記3員、4員、5員、6員単環式環が、0、1、2又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0又は1個の原子を含み、さらに、前記5員又は6員単環式環が、F、Cl、Br、C
1~6alk、C
1~4ハロalk、-OR
a、-OC
1~4ハロalk、CN、-NR
aR
a、又はオキソから選択される0、1、2又は3つの基で置換され、
R
6a及びR
7aの各々が、独立して、各場合において、0、1、2又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0又は1個の原子を含み、F、Cl、Br、CN、C
1~6alk、C
1~4ハロalk、-OC
1~4ハロalk、-C(=O)R
b、-C
0-6alk-C(=O)NR
aR
a、-C(=NR
a)NR
aR
a、-OC(=O)R
b、-OC(=O)NR
aR
a、-OC
2-6alkNR
aR
a、-OC
2-6alkOR
a、-SR
a、-S(=O)R
b、-S(=O)
2R
b、-S(=O)
2NR
aR
a、-N(R
a)C(=O)R
a、-N(R
a)C(=O)OR
b、-N(R
a)C(=O)NR
aR
a、-N(R
a)C(=NR
a)NR
aR
a、-N(R
a)S(=O)
2R
b、-N(R
a)S(=O)
2NR
aR
a、-NR
aC
1~6alkNR
aR
a、-NR
aC
1~6alkOR
a、-C
0-6alkNR
aR
a、-C
0-6alkOR
a、-C
1~6alkN(R
a)C(=O)R
b、-C
1~6alkOC(=O)R
b、-C
0-6alkC(=O)OR
a、及びオキソから選択される0、1、2又は3つの基で置換された、飽和、部分飽和又は不飽和の3員、4員、5員、6員、若しくは7員単環式環又は6員、7員、8員、9員、10員、11員、若しくは12員二環式環からなる群から選択され、
R
8は、H、ハロ、C
1~4alk、又はC
1~4ハロalkであり、
Lは、-(C=O)-NR
10-又は-NR
10-(C=O)-であり、
R
9は、H、ハロ、C
1~8alk、又はC
1~4ハロalkであり、
R
10は、H又はC
1~4alkであり、
R
Xは、H、
【化2】
から選択され、
R
Xa、R
Xb、R
Xc、R
Xd、R
Xe、R
Xf、R
Xg、R
Xh、R
Xi、R
Xj、R
Xk及びR
Xlの各々は、H、ハロ、R
Xm、又はR
Xnであり、
或いは、R
Xa及びR
Xbの対、R
Xc及びR
Xdの対、R
Xe及びR
Xfの対、R
Xg及びR
Xhの対、R
Xi及びR
Xjの対、並びにR
Xk及びR
Xlの対の各々が、独立して、それらの各々に結合している炭素原子と組み合わさって、アゼチジニル環、ピロリジニル環、ピペリジニル環、モルホリニル環、又はアゼパニル環に対してスピロである飽和又は部分飽和の3員、4員、5員、6員単環式環を形成することができ、ここで、前記3員、4員、5員、6員単環式環が、0個のN、O、及びS原子を含み、さらに、前記3員、4員、5員、6員単環式環が、F、Cl、Br、C
1~6alk、C
1~4ハロalk、-OR
a、-OC
1~4ハロalk、CN、-NR
aR
a、又はオキソから選択される0、1、2又は3つの基で置換され、
さらに或いは、R
Xa及びR
Xbの対、R
Xc及びR
Xdの対、R
Xe及びR
Xの
f対、R
Xg及びR
Xhの対、R
Xi及びR
Xjの対、並びにR
Xk及びR
Xlの対の各々が、独立して、組み合わさって二重結合を形成することができ、
R
Xa、R
Xb、R
Xc、R
Xd、R
Xe、R
Xf、R
Xg、R
Xh、R
Xi、R
Xj、R
Xk及びR
Xlの全てが、Hである場合、基Z-R
12は、-NR
11-R
12であり、基-Y-R
13は、C
0~4alk-S(=O)
2-R
13又は-SO
2NR
13c-C
0~4alk-R
13であり、
Lが-NR
10-(C=O)-であり、X
1がNである場合、又はLが-(C=O)-NR
10-であり、X
2がNである場合、R
Xは、
【化3】
であり、或いは、R
Xa及びR
Xbの各々は、それらの各々に結合している炭素原子と組み合わさって、ピペリジニル環に対してスピロであるシクロプロピル環、シクロブチル環、又はシクロペンチル環を形成することができ、
R
11及びR
13cの各々は、独立して、H又はC
1~8alkであり、
R
12は、H、ハロ、CN、-OH、R
12a、又はR
12bであり、
R
13は、H、ハロ、CN、R
13a、又はR
13bであり、
R
Xm、及びR
12a、及びR
13aの各々は、独立して、各場合において、0、1、2又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0又は1個の原子を含み、F、Cl、Br、C
1~6alk、C
1~4ハロalk、-OR
a、-OC
1~4ハロalk,CN、-C(=O)R
b、-C(=O)OR
a、-C(=O)NR
aR
a、-C(=NR
a)NR
aR
a、-OC(=O)R
b、-OC(=O)NR
aR
a、-OC
2-6alkNR
aR
a、-OC
2-6alkOR
a、-SR
a、-S(=O)R
b、-S(=O)
2R
b、-S(=O)
2NR
aR
a、-NR
aR
a、-N(R
a)C(=O)R
b、-N(R
a)C(=O)OR
b、-N(R
a)C(=O)NR
aR
a、-N(R
a)C(=NR
a)NR
aR
a、-N(R
a)S(=O)
2R
b、-N(R
a)S(=O)
2NR
aR
a、-NR
aC
2-6alkNR
aR
a、-NR
aC
2-6alkOR
a、-C
1~6alkNR
aR
a、-C
1~6alkOR
a、-C
1~6alkN(R
a)C(=O)R
b、-C
1~6alkOC(=O)R
b、-C
1~6alkC(=O)NR
aR
a、-C
1~6alkC(=O)OR
a、オキソ、又は飽和、部分飽和若しくは不飽和の3員、4員、若しくは5員単環式環から選択される0、1、2、3、又は4つの基で置換された、飽和、部分飽和又は不飽和の3員、4員、5員、6員、若しくは7員単環式環又は5員、6員、7員、8員、9員、10員、11員、若しくは12員二環式環からなる群から選択され、
R
Xn、R
12b、及びR
13bの各々が、独立して、各場合において、F、Cl、Br、-CH
2F、-CHF
2、-CF
3、-C(=O)OR
a、-C
0-6alkOR
a、-OC
1~4ハロalk、CN、NH
2、NH(CH
3)、N(CH
3)
2、-(C=O)NR
a、-NR
a(C=O)C
0~4alk、-S(=O)
2R
a、又は飽和、部分飽和若しくは不飽和の3員、4員、若しくは5員単環式環から選択される0、1、2、3、4、又は5つの基で置換されたC
1~6alkからなる群から選択され、
R
aが、独立して、各場合において、H又はR
bであり、
R
bが、独立して、各場合において、C
1~6alk、フェニル、又はベンジルであり、ここで、C
1~6alkが、ハロ、-OH、-OC
1~4alk、-NH
2、-NHC
1~4alk、-OC(=O)C
1~4alk、又は-N(C
1~4alk)C
1~4alkから選択される0、1、2又は3つの置換基で置換され、フェニル又はベンジルが、ハロ、C
1~4alk、C
1-3ハロalk、-OH、-OC
1~4alk、-NH
2、-NHC
1~4alk、-OC(=O)C
1~4alk、又は-N(C
1~4alk)C
1~4alkから選択される0、1、2又は3つの置換基で置換されている。
【0011】
実施形態2では、本発明は、R
Xが、H、
【化4】
から選択され、
ここで、R
Xa、R
Xb、R
Xc及びR
Xdの各々は、H、ハロ、R
Xm又はR
Xnであり、
或いは、R
Xa及びR
Xbの対、並びにR
Xc及びR
Xdの対の各々は、独立して、それらの各々に結合している炭素原子と組み合わさって、ピロリジニル環、ピペリジニル環若しくはモルホリニル環に対してスピロである飽和又は部分飽和の3、4、5、6員単環式環を形成することができ、ここで、前記3、4、5、6員単環式環は、0個のN、O、及びS原子を含み、さらに前記3、4、5、6員単環式環は、F、Cl、Br、C
1~6alk、C
1~4ハロalk、-OR
a、-OC
1~4ハロalk、CN、-NR
aR
a若しくはオキソから選択される0、1、2若しくは3つの基によって置換され、
さらに或いは、R
Xa及びR
Xbの対並びにR
Xc及びR
Xdの対の各々は、組み合わさって二重結合を形成することができる
化合物を提供する。
【0012】
実施形態3では、本発明は、R
Xが
【化5】
である化合物を提供する。
【0013】
実施形態4では、本発明は、R
Xが
【化6】
である化合物を提供する。
【0014】
実施形態5では、本発明は、R
Xが
【化7】
である化合物を提供する。
【0015】
実施形態6では、本発明は、RXa、RXb、RXc及びRXdの各々が、
a)H、F、Cl、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、-CH2F、-CHF2、-CF3又はシクロプロピルから選択されるか、
b)或いは、RXa及びRXbの対並びにRXc及びRXdの対の各々が、独立して、それらの各々に結合している炭素原子と組み合わさって、シクロプロピル環、シクロブチル環又はシクロペンチル環を形成することができ、ここで、各環は、ピロリジニル環、ピペリジニル環若しくはモルホリニル環に対してスピロであり、前記環の各々は、F、Cl、Br、C1~6alk、C1~4ハロalk若しくはメトキシから選択される0、1、2若しくは3つの基によって置換されているか、
c)或いは、RXa及びRXbの対並びにRXc及びRXdの対の各々が、独立して、組み合わさって>C=CH若しくは>C=CH-CH3を形成することができ、
RXe、RXf、RXg、RXh、RXi、RXj、RXk及びRXlの各々が、H、F又はメチルである
化合物を提供する。
【0016】
実施形態7において、本発明は、Lが、-NR10-(C=O)-である化合物を提供する。
【0017】
実施形態8において、本発明は、Lが、-(C=O)-NR10-である化合物を提供する。
【0018】
実施形態9において、本発明は、Lが、-NR
10-(C=O)であり、X
1が-CR
4であり、X
2がNであり、X
3が-CR
1であり、式(Ia):
【化8】
を有する化合物を提供する。
【0019】
下位実施形態9aにおいて、本発明は、式(Ia-1):
【化9】
を有する化合物を提供する。
【0020】
実施形態10において、本発明は、Lが、-(C=O)-NR
10-であり、X
1が-CR
4であり、X
2がNであり、X
3が-CR
1であり、式(Ib):
【化10】
を有する化合物を提供する。
【0021】
下位実施形態10aにおいて、本発明は、式(Ib-1):
【化11】
を有する化合物を提供する。
【0022】
実施形態11において、本発明は、Lが、-NR
10-(C=O)であり、X
1が-Nであり、X
2が-CR
3であり、X
3が-CR
1であり、式(Ic):
【化12】
を有する化合物を提供する。
【0023】
下位実施形態11aにおいて、本発明は、式(Ic-1):
【化13】
を有する化合物を提供する。
【0024】
実施形態12において、本発明は、Lが、-(C=O)-NR
10-であり、X
1が-Nであり、X
2が-CR
3であり、X
3が-CR
1であり、式(Id):
【化14】
を有する化合物を提供する。
【0025】
下位実施形態12aにおいて、本発明は、式(Id-1):
【化15】
を有する化合物を提供する。
【0026】
実施形態13において、本発明は、Lが、-NR
10-(C=O)であり、X
1が-CR
4であり、X
2が-CR
3であり、X
3がNであり、式(Ie):
【化16】
を有する化合物を提供する。
【0027】
実施形態14において、本発明は、Lが、-(C=O)-NR
10-であり、X
1が-CR
4であり、X
2が-CR
3であり、X
3がNであり、式(If):
【化17】
を有する化合物を提供する。
【0028】
実施形態15において、本発明は、R10が、H又はメチルである化合物を提供する。
【0029】
実施形態16において、本発明は、R
Xが、H、
【化18】
から選択される化合物を提供する。
【0030】
実施形態17において、本発明は、R
Xが、
【化19】
である化合物を提供する。
【0031】
下位実施形態17aにおいて、本発明は、R
Xが、
【化20】
である化合物を提供する。
【0032】
実施形態18において、本発明は、Zが、不存在、-NH-、-(C=O)-、-CH(CH3)-(C=O)NH-、-C-((C=O)-O-(CH3))2、-C-((C=O)-O-(CH3)3)2、-CH(CH3)-(C=O)-O-、-C(CH3)2-(C=O)-O-、-(C=O)-O-、-N(CH3)-、-O-、-NH(C=O)-、-(C=O)NH、-CH2-(C=O)-O-、-CH2NCH3-、-NCH3-、-CH2-(C=O)-NH-、-NHSO2-、-CH2SO2-、-NHCH2-、又は-NHCH2CH2-O-である化合物を提供する。
【0033】
下位実施形態18aにおいて、本発明は、Zが、存在しない化合物を提供する。
【0034】
実施形態19において、本発明は、R12が、
a)H、F、Cl、Br、OH、又はCN、
b)F、Cl、Br、-CF3、-CH2OH、-OH、-OCH3、-C(=O)OH、-C(=O)OCH3、-C(=O)NH、-C(=O)NCH3、-NHC(=O)H、-NHC(=O)CH3、-NCH3C(=O)CH3、-NH2、-NH(CH3)、又は-N(CH3)2から選択される0、1、2又は3つの基で置換されたC1~6alk、或いは
c)0、1、2又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0又は1個の原子を含み、F、Cl、Br、CN、メチル、エチル、-CF3、-CH2OH、-CH2CH2OH、-OH、-OCH3、-NH2、-NH(CH3)、-N(CH3)2、-C(=O)NH2、-C(=O)OH、-C(=O)OCH3、-SO2CH3-、又はオキソから選択される0、1、2、3、又は4つの基で置換された、飽和、部分飽和又は不飽和の3員、4員、5員、6員、若しくは7員単環式環又は6員、7員、8員、9員、10員、11員、若しくは12員二環式環
から選択される化合物を提供する。
【0035】
実施形態20において、本発明は、R
12が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、アゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキサゾリジニル、ジオキソラニル、モルホリニル、フェニル、
【化21】
から選択され、ここで、各R
12が、F、Cl、Br、メチル、エチル、CN、-CF
3、-CH
2OH、-CH
2CH
2OH、-OH、-OCH
3、-COOH、-CONH
2、COOCH
3、-CONH(CH
3)、-NH
2、-SO
2CH
3、又はオキソから選択される0、1、2又は3つの基で置換されている化合物を提供する。
【0036】
実施形態21において、本発明は、R1が基-Z-R12であり、ここで、Zが、不存在、-NH-、-O-、-NHSO2-、又は-CH2SO2-であり、R12が、H、ピロリジニル、オキセタニル、シクロプロピル、又はシクロブチルであり、又はR12が、0、1、2又は3つのOH、CF3、又は-CH2OH基で置換されたC1~6alkである化合物を提供する。
【0037】
実施形態22において、本発明は、Yが、不存在、-S-、-SO2-、-SO2CH2-、-SO2CH(CH3)-、-SO2NH-、-SO2NHCH2-、-SO2N(CH2CH3)-、-SO2N(CH3)-、-SO2N(CH2C≡CH)-、SO2N(CH2CH2OCH3)-、-S(=O)(=NH)-、-C=O-、-CH2-(C=O)-、-(C=O)-O-、-CH2(C=O)-O-、-(C=O)NH-、-(C=O)-N(CH3)-、-CH2-(C=O)-NH-、-NH-、-O-、-N=S(=O)<、又は-NHSO2-である化合物を提供する。
【0038】
下位実施形態22aにおいて、本発明は、Yが、存在しない化合物を提供する。
【0039】
実施形態23において、本発明は、R13が、
a)H、ハロ、若しくはCN、
b)0、1、2又は3個のN原子並びにO及びSから選択される0又は1個の原子を含み、F、Cl、Br、メチル、エチル、イソプロピル、CHF2、CF3、CH2OH、-OH、-OCH3、-NH2、-NH(CH3)、オキソ、シクロプロピル又はシクロブチルから選択される0、1、2又は3つの基で置換された、飽和、部分飽和又は不飽和の3員、4員、5員、6員、若しくは7員単環式環又は6員、7員、8員、9員、10員、11員、若しくは12員二環式環から選択されるR13a、或いは
c)F、Cl、Br、-OH、-CF3、シクロプロピル、又はシクロブチルから選択される0、1、2、3、4、又は5つの基で置換されたC1~6alkから選択されるR13b
から選択される化合物を提供する。
【0040】
実施形態24において、本発明は、R
13aが、各々が、独立して、F、Cl、メチル、エチル、イソプロピル、CHF
2、CF
3、CH
2CF
3、-OCH
3、-CH
2CH
2OCH
3、又はオキソから選択される0、1、2又は3つの基で置換された、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、フェニル、ピロリジニル、ピラゾリル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、アゼチジニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、チアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、
【化22】
から選択される化合物を提供する。
【0041】
実施形態25において、本発明は、R13bが、各々が、独立して、F、CF3、OH、又はシクロプロピルから選択される0、1、2又は3つの基で置換された、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル、又はネオペンチルから選択される化合物を提供する。
【0042】
実施形態26において、本発明は、R2が、基-Y-R13であり、ここで、Yが、不存在、-SO2-、又は-SO2NH-であり、R13が、tert-ブチル、又はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、モルホリニル、若しくはピペリジニルから選択されるR13aであり、ここで、前記R13aの各々が、F、Cl、Br、メチル、又はCF3から選択される0、1、2又は3つの基で置換されている化合物を提供する。
【0043】
実施形態27において、本発明は、R2が、基-Y-R13であり、ここで、Yが-SO2-であり、R13が、各々が0、1、2又は3つのメチル基で置換された、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、モルホリニル、又はピペリジニルである化合物を提供する。
【0044】
実施形態28において、本発明は、R3が、H、F又はメチルである化合物を提供する。
【0045】
実施形態29において、本発明は、R4が、H、F、Cl、シクロプロピル、-(C=O)CH3又はCF3である化合物を提供する。
【0046】
実施形態30において、本発明は、R4がHである化合物を提供する。
【0047】
実施形態31において、本発明は、R5がHである化合物を提供する。
【0048】
実施形態32において、本発明は、R6が、H、F、Br、メチル、CN、メトキシ、シクロプロピル、-(C=O)NH2、-CF3、フラニル、ピリジニル、モルホリニル、又は-SO2NHC(CH3)3である化合物を提供する。
【0049】
実施形態33において、本発明は、R6が、H又はFである化合物を提供する。
【0050】
実施形態34において、本発明は、R
7が、H、F、Br、Cl、CN、メチル、メトキシ、シクロプロピルであり、又はR
2及びR
7が、それらの各々に結合している炭素原子と組み合わさって、基:
【化23】
を形成することができる化合物を提供する。
【0051】
実施形態35において、本発明は、R7が、H、F、又はメチルである化合物を提供する。
【0052】
実施形態36において、本発明は、R8が、H、F、又はメチルである化合物を提供する。
【0053】
実施形態37において、本発明は、R8がHである化合物を提供する。
【0054】
実施形態38において、本発明は、R9がHである化合物を提供する。
【0055】
実施形態39において、本発明は、R10がHである化合物を提供する。
【0056】
実施形態40において、本発明は、以下のものから選択される化合物、又はその任意の薬学的に許容される塩を提供する。
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
実施形態41において、本発明は、以下のものから選択される化合物、又はその任意の薬学的に許容される塩を提供する:
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
、又はその任意の薬学的に許容される塩。
【0072】
本発明の別の態様は、単独又は微小管との結合複合体中でKIF18Aタンパク質の調節に有用な新規な部類の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む組成物である。
【0073】
実施形態42では、本発明は、実施形態1~41のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される希釈剤又は担体を含む医薬組成物を提供する。
【0074】
本発明のさらに別の態様は、KIF18A阻害剤で治療され得る症状を治療する方法であって、治療有効量の、単独又は微小管との結合複合体中でKIF18Aタンパク質の調節に有用な新規な部類の化合物又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを含む方法である。
【0075】
実施形態43では、本発明は、KIF18A阻害剤で治療され得る症状を治療する方法であって、治療有効量の実施形態1~41に記載の化合物、又は実施形態42に記載の組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。
【0076】
実施形態44では、本発明は、実施形態43の方法を提供し、上記の症状は、(a)膀胱癌、子宮内膜癌、肺扁平上皮癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌、脳癌、頭頚部癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頚癌、甲状腺癌、前立腺癌、及び皮膚癌から選択される固形腫瘍又は血液由来の腫瘍、(b)白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫、及びバーキットリンパ腫から選択されるリンパ系の造血器腫瘍、(c)急性及び慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、並びに前骨髄球性白血病から選択される骨髄細胞系列の造血器腫瘍、(d)線維肉腫及び横紋筋肉腫から選択される間葉由来の腫瘍、(e)星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、及び神経鞘腫から選択される中枢及び末梢神経系の腫瘍、又は(f)黒色腫、精上皮腫、奇形腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、濾胞性甲状腺癌、又はカポジ肉腫からなる群から選択される癌である。
【0077】
副実施形態44aでは、本発明は、実施形態43の方法を提供し、上記の症状は、黒色腫、前立腺癌、子宮頸癌、乳癌、結腸癌、肉腫、又は白血病からなる群から選択される癌である。Zhang C.et.al.,“Kif18A is involved in human breast carcinogenesis”,Carcinogenesis,2010 Sep;31(9):1676-84.doi:10.1093/carcin/bgq134.Epub 2010 Jul 1を参照されたい。(1)https://www.proteinatlas.org/ENSG00000121621-KIF18A/pathology;(2)Nagahara,M.et.al.,“Kinesin 18A expression:clinical relevance to colorectal cancer progression”,Int.J.Cancer:129,2543-2552(2011)VC 2011 UIC;及び(3)Yu,Y.et.al.,“The Role of Kinesin Family Proteins in Tumorigenesis and Progression - Potential Biomarkers and Molecular Targets for Cancer Therapy”,Cancer 2010;116:5150-60.VC 2010 American Cancer Societyも参照されたい。
【0078】
実施形態45では、本発明は、対象における固形腫瘍のサイズを減少させる方法を提供し、方法は、治療有効量の実施形態1~41に記載の化合物、又は実施形態42に記載の組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0079】
実施形態46では、本発明は、対象における細胞増殖障害を治療する方法を提供し、方法は、治療有効量の実施形態1~41に記載の化合物、又は実施形態42に記載の組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0080】
実施形態47では、本発明は、細胞中でKIF18Aを阻害する方法であって、細胞を、実施形態1~41に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施形態42に記載の組成物と接触させることを含む、方法を提供する。
【0081】
本発明のさらに別の態様は、単独又は微小管との結合複合体中でKIF18Aタンパク質の調節に有用な新規な部類の化合物又はその薬学的に許容される塩を調製する方法である。
【0082】
実施形態48では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を調製する方法を提供する。
【0083】
実施形態49では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を調製する方法において使用される中間体化合物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0084】
発明の詳細な説明
本発明は、1個以上の原子が、同じ原子番号を有するが、天然で優位を占める原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置換された、本発明の全ての薬学的に許容される同位体標識化合物を含む。
【0085】
本発明の化合物への含有に好適な同位体の例としては、2H及び3Hなどの水素、11C、13C及び14Cなどの炭素、38Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123I及び125Iなどのヨウ素、13N及び15Nなどの窒素、15O、17O及び18Oなどの酸素、32Pなどのリン並びに35Sなどの硫黄の同位体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
本発明の特定の同位体標識化合物、例えば、放射性同位体を組み込んだものは、薬剤及び/又は基質組織分布の研究において有用である。放射性同位体のトリチウム、即ち3H、及び炭素14、即ち14Cは、取り込みの容易さ及び検知の容易な手段の観点から、この目的ために特に有用である。
【0087】
重水素、即ち2Hなどのより重い同位体での置換により、代謝安定性が高まることから生じる、例えばインビボ半減期の延長又は必要投与量の減少などの特定の治療上の利点を得ることができるため、一部の状況では好ましい場合がある。
【0088】
11C、18F、15O及び13Nのような陽電子放出同位体との置換は、基質の受容体占有率を調べるための陽電子放出断層撮像法(PET)研究において有用であり得る。
【0089】
本発明の同位体標識化合物は、一般に、当業者に知られた従来技術によって、又は以前に使用された非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して、付帯の実施例及び調製に記載されているものと類似の方法によって調製することができる。
【0090】
本発明による薬学的に許容される溶媒和物としては、結晶化の溶媒が同位体により置換され得るもの、例えば、D2O、d6-アセトン、d6-DMSOが挙げられる。
【0091】
本発明の具体的実施形態としては、下記の実施例に例示される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、複合体、溶媒和物、多形体、立体異性体、代謝産物、プロドラッグ、及びその他の誘導体が挙げられる。
【0092】
特に指示がない限り、以下の定義は本明細書及び請求項中に見出される用語に適用される。
【0093】
「C
α~βalk」は、分岐鎖若しくは直鎖関係、又は3つの任意の組み合わせで最小限のα及び最大限のβ炭素原子を含み、α及びβは整数を表す、アルキル基を意味する。本項に記載されるアルキル基は、1つ又は2つの二重又は三重結合も含み得る。C
0alkの表記は、直接結合を指す。C
1~6アルキルの例としては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:
【化24】
【0094】
単独又は組み合わせでの「ベンゾ基」は、二価のラジカルC4H4=を意味し、そのうち1つの表現は、別の環に隣接して結合すると、例えばテトラヒドロナフチレン、インドールなどのベンゼン様環を形成する-CH=CH-CH=CH-である。
【0095】
用語「オキソ」及び「チオキソ」は、それぞれ基=O(カルボニル中にあるような)及び=S(チオカルボニル中にあるような)を表す。
【0096】
「ハロ」又は「ハロゲン」はF、Cl、Br、及びIから選択されるハロゲン原子を意味する。
【0097】
「Cα~βハロalk」とは、alk鎖に結合した任意の数(少なくとも1つ)の水素原子が、F、Cl、Br、又はIによって置換された上記のalk基を意味する。
【0098】
基N(R
a)R
aなどとしては、2つのR
a基が共に、任意選択的にN、O、又はS原子を含む環を形成する置換基が挙げられ、これとしては、
【化25】
などの基が挙げられる。
【0099】
基N(C
α~βalk)C
α~βalk(式中α及びβは上記で定義される通りである)としては、2つのC
α~βalk基が共に、任意選択的にN、O、又はS原子を含む環を形成する置換基が挙げられ、これとしては、
【化26】
などの基が挙げられる。
【0100】
「二環式環」とは、2つの接合した環を特徴とする基を意味する。二環式環は、炭素環式(全ての環原子が炭素である)であってもよく、複素環式(環原子が、炭素原子に加えて、例えば1、2、又は3個のヘテロ原子、例えばN、O、又はSからなる)であってもよい。2つの環は両方とも、脂肪族(例えばデカリン及びノルボルナン)であってもよく、若しくは芳香族(例えばナフタレン)であってもよく、又は脂肪族と芳香族との組み合わせ(例えばテトラリン)であってもよい。二環式環としては、(a)スピロ環化合物が挙げられ、ここで2つの環は、通常は四級炭素である1つのみの単一の原子、すなわちスピロ原子を共有する。スピロ環化合物の例としては、
【化27】
(b)2つの環が2つの隣接する原子を共有する縮合二環式化合物が挙げられるが、これらに限定されない。換言すると、環は1つの共有結合を共有し、すなわち、橋頭原子は直接接続される(例えばα-ツジェン及びデカリン)。縮合二環式化合物の例としては、
【化28】
;及び
(c)2つの環が3つ以上の原子を共有して少なくとも1つの原子を含む架橋によって2つの橋頭原子を分離させる架橋二環式化合物が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとしても知られるノルボルナンは、それぞれが5つの炭素原子のうち3つを共有するシクロペンタン環の対として考えられ得る。架橋二環式化合物の例としては、
【化29】
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
「炭素環」又は「炭素環式」とは、それ自体で、又はその他の用語との組み合わせで、特に明記しない限り、「Cα~βalk」の環状バージョンを含む環を意味する。炭素環の例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロブチレン、シクロヘキシレンなどが挙げられる。
【0102】
「複素環」又は「複素環式」とは、少なくとも1つの炭素原子、並びにN、O、及びSから選択される少なくとも1つのその他の原子を含む環を意味する。本特許請求の範囲に見出すことのできる複素環の例としては、
【化30】
が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0103】
「薬学的に許容される塩」とは、従来の手段によって調製された塩を意味し、これらは当業者に周知されている。「薬理学的に許容される塩」としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、リンゴ酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、マレイン酸、サリチル酸、安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸などが挙げられるが、これらに限定されない、無機及び有機酸の塩基性塩が挙げられる。本発明の化合物が、カルボキシ基などの酸性官能基を含む場合、カルボキシ基にとって好適な薬学的に許容される陽イオン対は、当業者に周知されており、これとしては、アルカリ、アルカリ土類、アンモニウム、四級アンモニウム陽イオンなどが挙げられる。「薬理学的に許容される塩」の追加的な例は、以下、及びBerge et al.,J.Pharm.Sci.66:1(1977)を参照されたい。
【0104】
「飽和、部分飽和、又は不飽和」は、水素で飽和した置換基、水素で全く飽和されない置換基、及び水素で部分的に飽和した置換基を含む。
【0105】
「離脱基」とは、一般的には、アミン、チオール、又はアルコール求核試薬などの求核試薬によって容易に置換可能な基を指す。こうした離脱基は、当技術分野において周知されている。こうした離脱基の例としては、N-ヒドロキシスクシンイミド、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール、ハロゲン化物、トリフレート、トシレートなどが挙げられるがこれらに限定されない。好ましい離脱基は、必要に応じて本明細書で示される。
【0106】
「保護基」は、一般的には、カルボキシ、アミノ、ヒドロキシ、メルカプトなどといった選択された反応基が、求核反応、求電子反応、酸化反応、還元反応などといった望ましくない反応を受けることを防ぐために用いられる、当該技術分野で周知される基を指す。好ましい保護基は、必要に応じて本明細書で示される。アミノ保護基の例としては、アラルキル、置換アラルキル、シクロアルケニルアルキル及び置換シクロアルケニルアルキル、アリル、置換アリル、アシル、アルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、シリルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アラルキルの例としては、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、アシルアミノ、アシルなどで任意選択的に置換され得るベンジル、オルトメチルベンジル、トリチル及びベンズヒドリル、並びにホスホニウム及びアンモニウム塩などの塩が挙げられるが、これらに限定されない。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、インダニル、アントラセニル、9-(9-フェニルフルオレニル)、フェナントレニル、デュレニルなどが挙げられる。好ましくは6~10個の炭素原子を有するシクロアルケニルアルキル又は置換シクロアルキレニルアルキルラジカルの例としては、シクロヘキセニルメチルなどが挙げられるが、これに限定されない。好適なアシル、アルコキシカルボニル及びアラルコキシカルボニル基としては、ベンジルオキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、イソ-ブトキシカルボニル、ベンゾイル、置換ベンゾイル、ブチリル、アセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタロイルなどが挙げられる。一級アミノ基がアラルキル基及びアラルコキシカルボニル基の両方によって保護され得るなど、同じアミノ基を保護するために保護基の混合物を使用することができる。アミノ保護基は、それらが結合している窒素と共に、例えば1,2-ビス(メチレン)ベンゼン、フタルイミジル、スクシンイミジル、マレイミジルなどの複素環を形成することもでき、これらの複素環基は隣接するアリール及びシクロアルキル環を更に含むことができる。加えて、複素環基は、ニトロフタルイミジルのように、一、二、又は三置換され得る。アミノ基はまた、塩酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの付加塩を形成することにより、酸化などの望ましくない反応から保護され得る。アミノ酸保護基の多くが、カルボキシ、ヒドロキシ、及びメルカプト基の保護にも好適である。例えば、アラルキル基。tert-ブチルなどのアルキル基は、ヒドロキシ及びメルカプト基の保護にも適する。
【0107】
シリル保護基は、1つ以上のアルキル、アリール、及びアラルキル基により任意選択的に置換されたケイ素原子である。好適なシリル保護基としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、1,2-ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、1,2-ビス(ジメチルシリル)エタン及び、及びジフェニルメチルシリルが挙げられるがこれらに限定されない。アミノ基のシリル化により、モノ又はジシリルアミノ基が得られる。アミノアルコール化合物のシリル化により、N,N,O-トリシリル誘導体がもたらされ得る。シリルエーテル官能基からのシリル官能基の除去は、別個の反応工程として、又はアルコール基との反応中にインサイチュで、例えば、金属水酸化物又はフッ化アンモニウム試薬で処理することにより、容易に達成される。好適なシリル化剤は、例えば、塩化トリメチルシリル、塩化tert-ブチル-ジメチルシリル、塩化フェニルジメチルシリル、塩化ジフェニルメチルシリル、又はそれらのイミダゾール若しくはDMFとの組み合わせ生成物である。アミンのシリル化及びシリル保護基の除去方法は、当業者に周知される。また、これらのアミン誘導体を、対応するアミノ酸、アミノ酸アミド、又はアミノ酸エステルから調製する方法は、アミノ酸/アミノ酸エステル、又はアミノアルコール化学を含む有機化学の当業者に周知される。
【0108】
保護基は、分子の残部に影響を与えない条件下で除去される。これらの方法は当該技術分野で周知されており、これとしては、酸加水分解、水素化分解などが挙げられる。好ましい方法は、アルコール、酢酸など、又はこれらの混合物などの好適な溶媒系中でパラジウム炭素を使用する水素化分解によるベンジルオキシカルボニル基の除去などの保護基の除去を伴う。t-ブトキシカルボニル保護基は、ジオキサン又は塩化メチレンなどの適切な溶媒系中でHCl又はトリフルオロ酢酸などの無機又は有機酸を使用して除去され得る。得られたアミノ塩は、容易に中和して遊離アミンを得ることができる。メチル、エチル、ベンジル、tert-ブチル、4-メトキシフェニルメチルなどのカルボキシ保護基は、当業者に周知される加水分解及び水素化分解条件下で除去され得る。
【0109】
本発明の化合物は、以下の例で例示される、環式及び非環式アミジン及びグアニジン基、ヘテロ原子置換ヘテロアリール基(Y’=O、S、NR)などの互変異性型で存在し得る基を含む場合があり:
【化31】
本明細書では1つの形態が命名、記載、表示、及び/又は請求されるが、全ての互変異性型が、こうした命名、記載、表示、及び/又は請求に本質的に含まれるものとすることに留意されたい。
【0110】
本発明の化合物のプロドラッグも、本発明によって検討される。プロドラッグは、プロドラッグを患者に投与した後に、加水分解、代謝などのインビボ生理作用によって化学修飾されて本発明の化合物になる、活性又は非活性化合物である。プロドラッグの製造及び使用に伴う適合性及び技術は当業者に周知される。エステルを伴うプロドラッグに関する概論は、Svensson and Tunek Drug Metabolism Reviews 165(1988)及びBundgaard Design of Prodrugs,Elsevier(1985)を参照されたい。マスクされたカルボキシレート陰イオンの例としては、アルキル(例えば、メチル、エチル)、シクロアルキル(例えば、シクロヘキシル)、アラルキル(例えば、ベンジル、p-メトキシベンジル)、及びアルキルカルボニルオキシアルキル(例えば、ピバロイルオキシメチル)などの種々のエステルが挙げられる。アミンは、インビボでエステラーゼにより開裂され、遊離薬物及びホルムアルデヒドを放出するアリールカルボニルオキシメチル置換誘導体としてマスクされている(Bungaard J.Med.Chem.2503(1989))。また、イミダゾール、イミド、インドールなどの酸性NH基を含む薬剤は、N-アシルオキシメチル基でマスクされている(Bundgaard Design of Prodrugs,Elsevier(1985))。ヒドロキシ基はエステル及びエーテルとしてマスクされている。欧州特許第039,051号明細書(Sloan and Little,4/11/81)は、マンニッヒ塩基ヒドロキサム酸プロドラッグ、それらの調製、及び使用を開示している。
【0111】
本明細書及び特許請求の範囲は、「~及び~から選択される」及び「~又は~である」の表現を用いる、化学種の列挙が含まれる(マーカッシュグループと称される場合もある)。この用語が本願で使用される場合、特に明記しない限り、グループ全体、若しくはその任意の単一構成要素、又はその任意のサブグループを含むことが意図される。この表現の使用は、単に省略表現目的であり、必要に応じて、個別の要素又はサブグループの除外を決して制限するものではない。
【0112】
医薬組成物、投薬、及び投与経路
更に、本明細書では、例えば、希釈剤又は担体などの薬学的に許容される賦形剤と共に、本明細書に開示される化合物を含む医薬組成物も提供する。本発明での使用に好適な化合物及び医薬組成物としては、化合物がその意図された目的を達成するのに有効な量で投与できるものが挙げられる。化合物の投与について、以下でより詳細に説明する。
【0113】
好適な医薬製剤は、投与経路及び所望の投与量に応じて当業者が決定することができる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,1435-712(18th ed.,Mack Publishing Co,Easton,Pennsylvania,1990)を参照されたい。製剤は、投与された薬剤の物理的状態、安定性、インビボ放出速度及びインビボ排出速度に影響を及ぼし得る。投与経路に依存して、好適な用量は、体重、体表面積又は器官サイズに応じて算出され得る。適切な治療用量を決定するために必要である計算の更なる微調整は、特に、本明細書に開示した投与量情報及びアッセイ並びに動物又はヒトの臨床試験で得られた薬物動態データに照らして、必要以上の実験を行わずに当業者によって機械的に行われる。
【0114】
語句「薬学的に許容される」又は「薬理学的に許容される」は、動物又はヒトに投与される場合の有害なアレルギー性の又は他の不利な反応をもたらさない分子実体及び組成物を指す。本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される賦形剤」は、あらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌及び抗真菌剤、等張及び吸収遅延剤などを含む。薬学的に活性な物質に対するこのような賦形剤の使用は、当技術分野で知られている。任意の従来の媒体又は薬剤が治療用組成物と適合しない場合を除いて、治療用組成物中でのその使用が検討される。補助的な活性成分も組成物に組み込むことができる。例示的な実施形態では、製剤は、コーンシロップ固形分、高オレインベニバナ油、ココナッツ油、大豆油、L-ロイシン、第三リン酸カルシウム、L-チロシン、L-プロリン、L-リシンアセテート、DATEM(乳化剤)、L-グルタミン、L-バリン、第二リン酸カリウム、L-イソロイシン、L-アルギニン、L-アラニン、グリシン、L-アスパラギン一水和物、L-セリン、クエン酸カリウム、L-トレオニン、クエン酸ナトリウム、塩化マグネシウム、L-ヒスチジン、L-メチオニン、アスコルビン酸、炭酸カルシウム、L-グルタミン酸、L-シスチン二塩酸塩、L-トリプトファン、L-アスパラギン酸、塩化コリン、タウリン、m-イノシトール、硫酸第一鉄、パルミチン酸アスコルビル、硫酸亜鉛、L-カルニチン、アルファ-トコフェリルアセテート、塩化ナトリウム、ナイアシンアミド、混合トコフェロール、パントテン酸カルシウム、硫酸銅、チアミン塩化物塩酸塩、パルミチン酸ビタミンA、硫酸マンガン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、葉酸、ベータ-カロテン、ヨウ化カリウム、フィロキノン、ビオチン、セレン酸ナトリウム、塩化クロム、モリブデン酸ナトリウム、ビタミンD3及びシアノコバラミンを含み得る。
【0115】
化合物は、薬学的に許容される塩として医薬組成物中に存在することができる。本明細書で使用する「薬学的に許容される塩」としては、例えば、塩基付加塩及び酸付加塩が挙げられる。
【0116】
薬学的に許容される塩基付加塩は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属又は有機アミンなどの金属又はアミンと共に形成され得る。化合物の薬学的に許容される塩は又、薬学的に許容される陽イオンと共に調製され得る。好適な薬学的に許容される陽イオンは、当業者には周知であり、アルカリ、アルカリ土類、アンモニウム及び第四級アンモニウム陽イオンを含む。炭酸塩又は炭酸水素塩も可能である。陽イオンとして使用される金属の例は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、カルシウム又は鉄などである。好適なアミンの例としては、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン及びプロカインが挙げられる。
【0117】
薬学的に許容される酸付加塩としては、無機酸又は有機酸の塩が挙げられる。好適な酸塩の例としては、塩酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、サリチル酸塩、硝酸塩、リン酸塩が挙げられる。他の好適な薬学的に許容される塩は、当業者には周知であり、例えば、ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸若しくはマンデル酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸若しくはリン酸;有機カルボン酸、スルホン酸、スルホ酸若しくはホスホ酸又はN-置換スルファミン酸、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸(TFA)、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、シュウ酸、グルコン酸、グルカル酸、グルクロン酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、2-フェノキシ安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、エンボニン酸、ニコチン酸又はイソニコチン酸との;及び天然のタンパク質の合成に関与する20個のアルファアミノ酸、例えばグルタミン酸若しくはアスパラギン酸などのアミノ酸との、及び又フェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン1,2-ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-メチルベンゼンスルホン酸、ナフタレン2-スルホン酸、ナフタレン1,5-ジスルホン酸、2-若しくは3-ホスホグリセリン酸、グルコース6-リン酸、N-シクロヘキシルスルファミン酸(シクラメートの形成を伴う)との又はアスコルビン酸などの他の酸有機化合物との塩が挙げられる。
【0118】
本明細書で開示した化合物を含む医薬組成物は、従来法において、例えば従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠製造、粉末化、乳化、カプセル化、封入又は凍結乾燥プロセスによって製造することができる。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。
【0119】
経口投与のために、好適な組成物は、本明細書で開示した化合物と、当技術分野で周知の担体等の薬学的に許容される賦形剤とを組み合わせることによって容易に製剤化することができる。そのような賦形剤及び担体は、治療される患者による経口摂取のために、本発明の化合物が錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などとして製剤化されることを可能にする。経口使用のための医薬調製物は、本明細書で開示した化合物を固体賦形剤と共に添加する工程、任意選択により、得られた混合物を粉砕する工程、錠剤又は糖衣錠コアを得るために、必要に応じて好適な補助剤を加えた後、顆粒混合物を処理する工程により得ることができる。好適な賦形剤としては、例えば、充填剤及びセルロース調製物が挙げられる。必要に応じて崩壊剤を加えることができる。薬学的に許容される成分は、様々なタイプの製剤について周知されており、例えば結合剤(例えば、天然又は合成ポリマー)、潤滑剤、界面活性剤、甘味料及び香味剤、コーティング剤、保存剤、染料、増粘剤、アジュバント、抗菌剤、抗酸化剤、並びに様々な製剤タイプのための担体であり得る。
【0120】
治療有効量の本明細書で開示した化合物が経口投与される場合、組成物は、典型的には、固体(例えば、錠剤、カプセル、丸剤、粉末若しくはトローチ)又は液体製剤(例えば、水性懸濁液、溶液、エリキシル若しくはシロップ)の形態にある。
【0121】
錠剤形態で投与される場合、組成物は、ゼラチン若しくはアジュバントなどの機能性固体及び/又は機能性固体担体を更に含むことができる。錠剤、カプセル及び粉末は、約1~約95%の化合物、好ましくは約15~約90%の化合物を含むことができる。
【0122】
液剤又は懸濁剤の形態で投与される場合、水、石油又は動物若しくは植物起源の油などの機能性液体及び/又は機能性液体担体を加えることができる。組成物の液剤形態は、生理食塩水溶液、糖アルコール溶液、デキストロース若しくは他の糖類溶液又はグリコールを更に含むことができる。液剤又は懸濁剤の形態で投与する場合、組成物は、約0.5~約90重量%の本明細書に開示した化合物、好ましくは約1~約50%の本明細書に開示した化合物を含むことができる。考えられる一実施形態では、液体担体は、非水性又は実質的に非水性である。液体形態での投与では、組成物は、投与の直前に溶解又は懸濁する迅速溶解性固体製剤として供給され得る。
【0123】
治療有効量の本明細書で開示した化合物を静脈、皮膚又は皮下注射によって投与する場合、組成物は、パイロジェンフリーの非経口的に許容される水溶液の形態である。pH、等張性、安定性などを十分に考慮した、このような非経口的に許容される溶液の調製は、当技術分野の範囲内である。静脈、皮膚又は皮下注射用の好ましい組成物は、典型的には、本明細書で開示した化合物に加えて等張性ビヒクルを含む。そのような組成物は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合された水中の遊離塩基又は薬理学的に許容される塩の溶液として投与するために調製され得る。グリセロール、液体ポリエチレングリコール及びそれらの混合物中並びに油中で分散液を調製することもできる。保存及び使用の通常の条件下において、これらの調製物は、微生物の増殖を防止するために任意選択により保存剤を含むことができる。
【0124】
注射用組成物は、無菌の注射用の液剤、懸濁剤又は分散剤を即時に調製するための無菌の水溶液、懸濁液又は分散液及び無菌の粉末を含むことができる。全ての実施形態において、この形態は、無菌でなければならず、且つ容易な通針性が存在する程度まで流体でなければならない。それは、製造及び貯蔵条件下で安定でなければならず、任意選択により保存剤を含めることにより、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用に対抗しなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコールなど)、それらの好適な混合物及び植物油を含む溶媒又は分散媒であり得る。考えられる一実施形態では、担体は、非水性又は実質的に非水性である。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用、分散液の実施形態において必要とされる化合物の粒径の維持及び界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物作用の予防は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらすことができる。多くの実施形態では、等張化剤、例えば糖又は塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅延する作用物質、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンの組成物中での使用によってもたらすことができる。
【0125】
無菌の注射剤は、上で列記した種々の必要な他の成分と共に、必要量の活性化合物を適当な溶媒に組み込み、続いてろ過滅菌することによって調製される。一般的に、分散液は、塩基性分散媒体及び上で列挙した成分からの所望の他の成分を含む無菌のビヒクルに、滅菌された様々な活性成分を組み込むことによって調製される。滅菌の注射液を調製するための滅菌の粉末の実施形態では、好ましい調製方法は、活性成分に任意の追加の所望の成分を加えた粉末が、予め滅菌ろ過したその溶液から得られる、真空乾燥技術及び凍結乾燥技術である。
【0126】
徐放性又は持続放出性製剤は、消化管内の体液と接触している活性化合物の制御された放出を行い、且つ血漿中の活性化合物に関して実質的に一定且つ有効なレベルを提供するためにも調製され得る。例えば、放出は、溶解、拡散及びイオン交換の1つ以上によって制御することができる。更に、徐放性アプローチは、胃腸管内の可飽和経路又は制限経路を介した吸収を増強し得る。例えば、化合物は、この目的のために、生分解性ポリマー、水溶性ポリマー又は両方の混合物と、任意選択により好適な界面活性剤とのポリマーマトリックスに包埋され得る。包埋とは、これに関連して、ポリマーのマトリックス中に微粒子を組み込むことを意味することができる。制御放出製剤は、既知の分散又はエマルジョンコーティング技術を介する分散微粒子又は乳化微小液滴のカプセル化によっても得られる。
【0127】
吸入による投与では、本発明の化合物は、好適な噴射剤を使用して、加圧パック又はネブライザーからのエアロゾルスプレー提供の形態で好都合に送達される。加圧エアロゾルの実施形態では、用量単位は、計量された量を送達するためのバルブを提供することによって決定することができる。吸入器又は注入器で使用するための例えばゼラチンのカプセル及びカートリッジは、化合物と、ラクトース又はデンプンなどの好適な粉末基剤との粉末混合物を含むように製剤化することができる。
【0128】
本明細書で開示した化合物は、注射による(例えば、ボーラス注射又は連続注入による)非経口投与のために製剤化することができる。注射用製剤は、保存剤を添加した単位剤形(例えば、アンプル又は多用量容器)で提供することができる。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤又は乳剤などの形態を取ることができ、懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤などの製剤化剤を含むことができる。
【0129】
非経口投与のための医薬製剤には、水溶性形態の化合物の水溶液が含まれる。更に、化合物の懸濁剤は、適切な油性注射懸濁剤として調製することができる。好適な親油性溶媒又はビヒクルとしては、脂肪油又は合成脂肪酸エステルが挙げられる。水性注射懸濁剤は、懸濁剤の粘度を増加させる物質を含むことができる。任意選択的に、懸濁剤は、化合物の溶解度を増加させ、高度に濃縮された溶液の調製を可能にする好適な安定剤又は薬剤も含み得る。代わりに、本発明の組成物は、使用前に好適なビヒクル(例えば、無菌のパイロジェンフリー水)で構成するための粉末形態であり得る。
【0130】
本明細書で開示した化合物は、坐薬又は停留浣腸(例えば、従来の坐薬基剤を含む)などの直腸用組成物中で製剤化することもできる。先述した製剤に加えて、化合物は、デポ剤として製剤化することもできる。このような長時間作用の製剤は、(例えば、皮下又は筋肉内)注入によって、又は筋肉内注射によって投与することができる。従って、例えば、化合物は、好適なポリマー若しくは疎水性材料(例えば、許容される油中の乳剤として)又はイオン交換樹脂で製剤化することができ、或いは難溶性誘導体、例えば難溶性の塩として製剤化することができる。
【0131】
特に、本明細書で開示した化合物は、デンプン若しくはラクトースなどの賦形剤を含む錠剤の形態において、又は単独で若しくは賦形剤との混合物のカプセル若しくはオビュールにおいて、又は香味剤若しくは着色剤を含むエリキシル剤若しくは懸濁液の形態において経口、口腔内又は舌下投与され得る。そのような液体製剤は、懸濁化剤などの薬学的に許容される添加剤を用いて調製することができる。化合物は、非経口的に、例えば静脈内、筋肉内、皮下又は冠動脈内に注射することもできる。非経口投与のために、化合物は、溶液を血液と等張にするために、他の物質、例えば塩又はマンニトール若しくはグルコースなどの糖アルコールを含むことができる無菌水溶液の形態で最もよく使用される。
【0132】
獣医学的使用のために、本明細書で開示した化合物は、通常の獣医学的な実践に従い、適切に許容される製剤として投与される。獣医は、特定の動物に最も適切な投与計画及び投与経路を容易に決定することができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、KIF18A関連障害の治療において、本明細書で開示した化合物を単独で、又はそのような疾患の治療のために従来使用される別の薬剤若しくは介入と組み合わせて使用する、そのような治療に必要な全ての成分は、キットにパッケージ化することができる。具体的には、本発明は、本明細書で開示した化合物、並びに前記薬剤の送達可能な形態を調製するための緩衝液及び他の成分を含む薬剤、並びに/又はそのような薬剤を送達するための器具、並びに/又は本明細書で開示した化合物との併用療法で使用される任意の薬剤、並びに/又は薬剤と共にパッケージ化された疾患の治療のための説明書のパッケージ化されたセットを含む、疾患の治療介入で使用するキットを提供する。説明書は、印刷された紙又はコンピュータ可読の磁気若しくは光学媒体などの任意の有形媒体に固定されるか、又はインターネットを介してアクセス可能なワールドワイドウェブのページなどのリモートコンピュータのデータソースを参照する説明書であり得る。
【0134】
「治療有効量」は、治療される対象の現存する症状を治療するか、進行を防止するか、又は軽減するのに有効な量を意味する。有効量の決定は、特に本明細書で提供する詳細な開示に照らせば、十分に当業者の能力の範囲内である。一般に、「治療有効用量」は、所望の効果をもたらす化合物の量を指す。例えば、好ましい一実施形態では、治療有効量の本明細書で開示した化合物は、対照と比較してKIF18A活性を少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、又は少なくとも90%減少させる。
【0135】
投与される化合物の量は、治療される対象、対象の年齢、健康、性別及び体重、同時治療の種類(存在する場合)、疾患の重症度、所望の効果の性質、治療の様式及び頻度並びに処方する医師の判断に依存し得る。投与の頻度は、動脈の酸素圧力に対する薬力学的効果にも依存し得る。個々の必要性は、変化するが、化合物の有効量の最適範囲の決定は、当技術分野の技術の範囲内である。このような用量は、単一用量で投与され得るか又は複数回用量に分割され得る。
【0136】
本明細書で使用するとき、用語「癌」及び「癌性」は、典型的には無秩序な細胞成長を特徴とする哺乳類の生理条件を指すか又はそれを説明する。癌の例としては、癌腫、リンパ腫、肉腫、芽細胞腫、及び白血病が挙げられるが、これらに限定されない。こうした癌のより具体的な例として、扁平上皮細胞癌、肺癌、膵臓癌、子宮頸癌、膀胱癌、肝細胞腫、乳癌、結腸癌、及び頭頚部癌、卵巣癌、及び子宮内膜癌が挙げられる。本明細書で使用される用語「癌」は、いかなる疾患の一具体的形態にも限定されないが、本発明の方法は、無秩序なレベルのKIF18Aを伴うこと、又は適切な染色体分離及び哺乳動物中での生存に関してKIF18Aに依存することが判明している癌に特に効果的であるものと思われる。
【0137】
本明細書で使用するとき、用語「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」、及び「治療(treatment)」は、治癒的療法、予防的療法、及び防止的療法が挙げられるがこれらに限定されない療法を指す。予防的治療は、一般的に、個体において、障害全体の開始を防止すること、又は障害の臨床的に明白となる前の段階の開始を遅延させること、のいずれかを構成する。
【0138】
本明細書で使用するとき、用語「患者」、「対象」、又は「哺乳動物」は、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、及びネコを含む任意の「患者」、「対象」、又は「哺乳動物」を指す。本発明の一実施形態では、哺乳動物はヒトである。
【0139】
用語「含む」は、示された構成要素を含むが、他の要素を排除しないオープンエンドであることを意味する。
【0140】
用語「式I」は、任意のサブ式を含む。
【0141】
KIF18A阻害剤を使用する方法
本開示は、一般にはMTベースのKIF18A調節活性、具体的には阻害活性を有する化合物を提供する。本発明の一実施形態では、対象においてKIF18Aタンパク質を調節する方法が提供され、方法は、対象に有効投薬量の式Iの化合物を投与することを含む。そのため、本発明の化合物は、無制御な細胞成長、異常な細胞周期調整、中心体異常(構造的及び/又は数的な、フラグメンテーション)を含む細胞増殖障害の治療に使用され得る。余分な中心体(>2)の蓄積を伴うその他の疾患又は障害としては、ヒトパピローマウイルス(HPV)関連新生物形成を含むHPV感染症が挙げられる。化合物はまた、繊毛関連疾患、及び男性用避妊薬として使用され得る半数体生殖細胞集団を切除することにも有用である。
【0142】
加えて、本発明の化合物は、限定はされないが、癌、及びその他のKIF18A媒介疾患又は障害の防止又は治療に有用である。例えば、本発明の化合物は、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(扁平上皮癌及び小細胞肺癌を含む)、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頚癌、甲状腺癌、前立腺癌、及び皮膚癌(扁平上皮癌を含む)が挙げられるがこれらに限定されない癌腫などの様々な固形腫瘍及び血液由来の腫瘍(hematologically derived tumor);リンパ系の造血器腫瘍(白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫、及びバーキットリンパ腫を含む);骨髄細胞系列の造血器腫瘍(急性及び慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、並びに前骨髄球性白血病を含む);間葉由来の腫瘍(線維肉腫及び横紋筋肉腫、並びにその他の肉腫、例えば軟組織及び骨を含む);中枢及び末梢神経系の腫瘍(星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、及び神経鞘腫を含む);並びにその他の腫瘍(黒色腫、精上皮腫、奇形腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、濾胞性甲状腺癌、及びカポジ肉腫を含む)の治療に有用となる。
【0143】
本発明の化合物はまた、固形腫瘍、肉腫(特にユーイング肉腫及び骨肉腫)、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、神経芽細胞腫、白血病及びリンパ腫を含む造血器悪性腫瘍、腫瘍誘発性肋膜又は心膜滲出、並びに悪性腹水などの癌関連適応症の治療にも有用である。
【0144】
血管形成に影響を与えるキネシンを調節する能力に基づき、本発明の化合物は、増殖性疾患の治療及び療法にも有用である。具体的には、これらの化合物は、様々な炎症性リウマチ様疾患、特に運動器官における症状、特に、リウマチ様関節炎、若年性関節炎、若しくは関節症性乾癬を含む慢性多発性関節炎;傍腫瘍性症候群若しくは腫瘍誘発性炎症性疾患、混濁した滲出液、膠原病、例えば全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、皮膚筋炎、全身性硬皮症、若しくは混合膠原病;感染後関節炎(身体の罹患部分において又はその内部で生存する病原体が認められない)、強直性脊椎炎などの血清反応陰性脊椎関節炎;血管炎、サルコイドーシス若しくは関節症;又はこれらの更なる任意の組み合わせなどの、炎症性疾患の治療に用いることができる。
【0145】
本発明の化合物は、関節炎、アテローム性動脈硬化、乾癬、血管腫、心筋血管形成、冠動脈及び脳側副動脈、虚血性四肢血管形成、創傷治癒、消化性潰瘍ヘリコバクター関連疾患、骨折、ねこひっかき熱、ルベオーシス、血管新生緑内障及び糖尿病性網膜症若しくは黄斑変性に関連するものなどの網膜症のような病状に対する活性剤として用いることもできる。加えて、これらの化合物のうちいくつかは、固形腫瘍、悪性腹水、造血器癌及び過剰増殖性障害、例えば甲状腺過形成(特にグレーヴズ病)、並びに嚢胞(例えば卵巣支質の血管過剰増生、多嚢胞性卵巣症候群の特徴(スタイン-レーベンタール症候群))に対する活性剤として使用することができるが、これは、こうした疾患が成長及び/又は転移のために血管細胞の増殖を必要とするためである。
【0146】
ヒトの治療に有用である他に、これらの化合物は、哺乳類、齧歯類などを含むコンパニオンアニマル、エキゾチックアニマル及び家畜の獣医学的治療に有用である。例えば、ウマ、イヌ、及びネコを含む動物を本発明により提供される化合物で治療することが可能である。
【0147】
併用
本発明の化合物は、単独の活性医薬品として服用又は投与することができるが、これらは、1つ以上の本発明の化合物と併用してもよく、又は他の薬剤と組み合わせて用いてもよい。併用剤として投与する場合、治療剤を同時若しくは異なる時点で逐次的に投与される別個の組成物として製剤化してもよく、又は治療剤を単一の組成物として与えてもよい。
【0148】
本発明の化合物及び別の医薬品の使用を定義する上での語句「併用療法(co-therapy)」(又は「併用療法(combination-therapy)」)は、薬剤併用の有益な効果を提供する投与計画における逐次的な各薬剤の投与を包含するものであり、且つこれらの活性薬剤の固定比を有する単一カプセル中又は複数の各薬剤の個別のカプセル中などでの、実質的に同時のこれら薬剤の併用投与を包含するものでもある。
【0149】
具体的には、本発明の化合物の投与は、放射線療法、小分子標的化剤(例えばPARP阻害剤、キナーゼ阻害剤)、治療抗体(例えば裸及び薬剤複合体)、免疫療法抗体(チェックポイント阻害剤、二重特異性T細胞エンゲージャ)、及び抗新生物又は細胞毒性剤などを用いた、癌の防止又は治療分野の当業者に既知の追加の療法と組み合わせてもよい。
【0150】
固定用量として製剤化される場合、こうした併用製品は、許容される投与量範囲内で本発明の化合物を用いる。併用製剤が不適当である場合は、式Iの化合物はまた、既知の抗癌又は細胞毒性剤と共に逐次的に投与されてもよい。本発明は、投与の順序において限定されず、本発明の化合物は、既知の抗癌又は細胞毒性剤の投与前に、投与と同時に、又は投与後に投与され得る。
【0151】
併用薬剤化学療法による新生物形成の治療に選択される、商業用途で、臨床評価で、且つ前臨床開発で利用可能な抗癌剤が多数存在する。こうした薬剤は、抗生物質型剤、アルキル化及びアルキル化様剤、抗有糸分裂剤、標的小分子剤、代謝拮抗剤、ホルモン剤、免疫学的剤、抗血管形成剤、インターフェロン型剤、並びにその他の剤の分類などのいくつかの主要分類に分けられる。
【0152】
本開示は、他の経路若しくは同じ経路の他の成分を調節することが知られている薬剤又は更に標的酵素の重複するセットが本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩と組み合わせて使用される、併用療法の方法も提供する。一態様では、そのような治療としては、相乗的又は相加的な治療効果を提供するために、本開示の1種以上の化合物と、化学療法剤、治療抗体、標的小分子剤、及び放射線治療と、の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0153】
現在、多くの化学療法剤が当技術分野で知られており、本開示の化合物と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、抗有糸分裂剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、挿入抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節剤、抗ホルモン剤、血管形成阻害剤、及び抗アンドロゲン剤からなる群から選択される。非限定的な例は、化学療法剤、細胞毒性剤及び非ペプチド小分子(例えば、Gleevec(登録商標)(イマチニブメシレート)、Kyprolis(登録商標)(カーフィルゾミブ)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、Casodex(ビカルタミド)、Iressa(登録商標)(ゲフィチニブ)及びアドリアマイシン、並びに化学療法剤のホストである。化学療法剤の非限定的な例としては、チオテパ及びシクロスホスファミド(CYTOXAN(商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファンなどのアルキルスルホネート;ベンゾドーパ、カルボクオン、メツレドーパ及びウレドーパなどのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド及びトリメチロロメラミンを含むエチレンイミン及びメチルアメルアミン;クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロルエタミン、酸化メクロルエタミン塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなどのニトロソウレア;アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、Casodex(商標)、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメックス、ジノスタチン、ゾルビシンなどの抗生物質;メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU)などの代謝拮抗薬;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸アナログ;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリンアナログ;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクシウリジンなどのピリミジンアナログ、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎;フロリン酸などの葉酸補充薬;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジクオン;エルフォルニチン;酢酸エリプチニウム;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメト;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK;ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキサン、例えばパクリタキセル及びドセタキセル、Nab-パクリタキセル;レチノイン酸;エスペラマイシン;カペシタビン;並びに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体が挙げられる。
【0154】
また、好適な化学療法細胞コンディショナーとして含まれているのは、腫瘍に対するホルモン作用を調整又は阻害するために作用する、例えば、タモキシフェン、(Nolvadex(商標))、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)-イミダゾール、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY 117018、オナプリストン及びトレミフェン(Fareston)を含む抗エストロゲンなどの抗ホルモン剤;並びにフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ルプロリド及びゴセレリンなどの抗アンドロゲン;クロラムブシル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチンなどのプラチナアナログ;エトポサイド(VP-16);イホスファミド;マイトマイシン C;ミトキサントロン;ビンブラスチン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;トポテカン;カンプトテシン-11(CPT-11);トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)である。
【0155】
必要に応じて、本開示の化合物又は医薬組成物は、Herceptin(登録商標)、Avastin(登録商標)、Erbitux(登録商標)、Rituxan(登録商標)、Taxol(登録商標)、Abraxane、Arimidex(登録商標)、Taxotere(登録商標)、ABVD、AVICINE、アバゴボマブ、アクリジンカルボキサミド、アデカツムマブ、17-N-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン、アルファラジン、アルボシジブ、3-アミノピリジン-2-カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン、アモナフィド、アントラセンジオン、抗CD22免疫毒素、抗新生物薬、抗腫瘍性ハーブ、アパジクオン、アチプリモド、アザチオプリン、ベロテカン、ベンダムスチン、BIBW2992、ビリコダール、ブロスタリシン、ブリオスタチン、ブチオニンスルホキシミン、CBV(化学療法)、カリクリン、細胞サイクル非特異的抗新生物剤、ジクロロ酢酸、ディスコデルモリド、エルサミトルシン、エノシタビン、エポチロン、エリブリン、エベロリムス、エキサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フォロデシン、ホスフェストロール、ICE化学療法レジメン、IT-101、イメクソン、イミキモド、インドロカルバゾール、イロフルベン、ラニキダル、ラロタキセル、レナリドミド、ルカントン、ルートテカン、マフォスファミド、ミトゾロミド、ナフォキシジン、ネダプラチン、オラパリブ、タラゾパリブ、ニラパリブ、オルタタキセル、PAC-1、ポーポー、ピクサントロン、プロテアソーム阻害剤、レベッカマイシン、レシキモド、ルビテカン、SN-38、サリノスポラミドA、サパシタビン、スタンフォードV、スワインソニン、タラポルフィン、タリキダール、テガフル-ウラシル、テモダール、テセタキセル、トリプラチン四硝酸塩、トリス(2-クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラムスチン、バジメザン、ビンフルニン、ZD6126又はゾスキダル、CDK4/6阻害剤(パルボシクリブ、Ibrance;リボシクリブ、Kisqali;アベマシクリブ、Verzenio)などの一般的に処方される抗癌薬と併用することができる。
【0156】
本開示は更に、哺乳動物の異常な細胞成長を阻害するために、又は過剰増殖性障害を治療するために、本明細書で提供する化合物若しくは医薬組成物と放射線療法とを併用する方法に関する。放射線療法を施すための手法は、当技術分野で公知であり、それらの手法は、本明細書に記載の併用療法で使用することができる。この併用療法における本開示の化合物の投与は、本明細書に記載のようにして決定することができる。
【0157】
放射線療法は、外部ビーム療法、内部放射線療法、組織内照射、定位放射線手術、全身放射線療法、放射線療法及び永続的若しくは一時的組織内小線源療法を含む、数種の方法のうちの1つ、又はこれらの方法の組み合わせによって施すことができるが、これらに限定されない。本明細書で使用する用語「小線源療法」は、腫瘍若しくは他の増殖性組織疾患部位の、又はその付近で身体に挿入された、空間的に制限された放射性物質によって送達される放射線療法を指す。この用語は、放射性同位体(例えば、At-211、I-131、I-125、Y-90、Re-186、Re-188、Sm153、Bi-212、P-32及びLuの放射性同位体)への曝露を含むことが意図されているが、これらに限定されない。本開示の細胞コンディショナーとして使用するための好適な放射線源は、固体及び液体の両方を含む。非限定的な例として、放射線源は、固体源としてのI-125、I-131、Yb-169、Ir-192、固体源としてのI-125などの放射性核種又は光子、ベータ粒子、ガンマ線若しくは他の治療線を放出する他の放射性核種であり得る。放射性物質は、放射性核種の任意の溶液、例えばI-125若しくはI-131の溶液から作製される流体であり得るか、又は放射性流体は、Au-198、Y-90などの固体放射性核種の微小粒子を含む好適な流体のスラリーを使用して製造され得る。さらに、放射性核種は、ゲル又は放射性のマイクロスフィアとして具体化することができる。
【0158】
本開示の化合物又は医薬組成物は、抗血管形成剤、シグナル伝達阻害剤、抗増殖剤、解糖阻止剤又はオートファジー阻害剤から選択される1つ以上の物質の一定量と組み合わせて使用することができる。
【0159】
MMP-2(マトリックス-メタロプロテイナーゼ2)阻害剤、MMP-9(マトリックス-メタロプロテイナーゼ9)阻害剤及びCOX-11(シクロオキシゲナーゼ11)阻害剤などの抗血管形成剤は、本明細書に記載の開示化合物及び医薬組成物と共に使用することができる。抗血管形成剤には、例えば、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、ソラフェニブ、スニチニブ、及びベバシズマブが含まれる。有用なCOX-II阻害剤の例として、アレコキシブ、バルデコキシブ、及びロフェコキシブが挙げられる。有用なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の例は、国際公開第96/33172号パンフレット、国際公開第96/27583号パンフレット、欧州特許第0818442号明細書、欧州特許第1004578号明細書、国際公開第98/07697号パンフレット、国際公開第98/03516号パンフレット、国際公開第98/34918号パンフレット、国際公開第98/34915号パンフレット、国際公開第98/33768号パンフレット、国際公開第98/30566号パンフレット、欧州特許第606046号明細書、欧州特許第931788号明細書、国際公開第90/05719号パンフレット、国際公開第99/52910号パンフレット、国際公開第99/52889号パンフレット、国際公開第99/29667号パンフレット、国際公開第1999007675号パンフレット、欧州特許第1786785号明細書、欧州特許第1181017号明細書、米国特許出願公開第20090012085号明細書、米国特許第5863949号明細書、米国特許第5861510号明細書及び欧州特許第0780386号明細書に記載され、これらの全てが参照により全体として本明細書に組み込まれる。好ましいMMP-2及びMMP-9阻害剤は、MMP-1を阻害する活性を殆ど又は全く有していないものである。より好ましくは、他のマトリックスメタロプロテイナーゼ(すなわちMAP-1、MMP-3、MMP-4、MMP-5、MMP-6、MMP-7、MMP-8、MMP-10、MMP-11、MMP-12、及びMMP-13)に対してMMP-2及び/又はAMP-9を選択的に阻害するものである。本開示で有用なMMP阻害剤の一部の特定の例は、AG-3340、RO32-3555及びRS13-0830である。
【0160】
本発明の化合物は、アセマンナン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、ANCER、アンセスチム、ARGLABIN、亜ヒ酸、BAM002(Novelos)、ベキサロテン、ビカルタミド、ブロクスウリジン、カペシタビン、セルモロイキン、セトロレリクス、クラドリビン、クロトリマゾール、シタラビンオクホスファート、DA3030(Dong-A)、ダクリズマブ、デニロイキンジフチトクス、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジラゼップ、ドセタキセル、ドコサノール、ドキセルカルシフェロール、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ブロモクリプチン、カルムスチン、シタラビン、フルオロウラシル、HITジクロフェナク、インターフェロンアルファ、ダウノルビシン、ドキソルビシン、トレチノイン、エデルフォシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エミテフル、エピルビシン、エポエチンベータ、エトポシドリン酸塩、エキセメスタン、エクシスリンド、ファドロゾール、フィルグラスチム、フィナステリド、フルダラビンリン酸塩、フォルメスタン、フォテムスチン、硝酸ガリウム、ゲムシタビン、ゲムツズマブゾガマイシン、ギメラシル/オテラシル/テガフルの組み合わせ、グリコピン、ゴセレリン、ヘプタプラチン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎児アルファフェトプロテイン、イバンドロン酸、イダルビシン、(イミキモド、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ、ナチュラル、インターフェロンアルファ-2、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-N1、インターフェロンアルファ-n3、インターフェロンアルファコン-1、インターフェロンアルファ、ナチュラル、インターフェロンベータ、インターフェロンベータ-1a、インターフェロンベータ-1b、インターフェロンガンマ、天然インターフェロンガンマ-1a、天然インターフェロンガンマ-1b、インターロイキン-1ベータ、イオベングアン、イリノテカン、イルソグラジン、ランレオチド、LC9018(ヤクルト)、レフルノミド、レノグラスチム、レンチナン硫酸塩、レトロゾール、ロイコサイトアルファインターフェロン、リュープロレリン、レバミソール+フルオロウラシル、リアロゾール、ロバプラチン、ロニダミン、ロバスタチン、マソプロコール、メラルソプロール、メトクロプラミド、ミフェプリストン、ミルテフォシン、ミリモスチム、ミスマッチ二本鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトキサントロン、モルグラモスティム、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトグラスティム、ネダプラチン、ニルタミド、ノスカピン、新規赤血球生成促進タンパク質、NSC631570オクトレオチド、オプレルベキン、オサテロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸、ペグアスパラガーゼ、ペグインターフェロンアルファ-2b、ペントサンポリサルフェートナトリウム、ペントスタチン、ピシバニル、ピラルビシン、ウサギ抗胸腺細胞ポリクローナル抗体、ポリエチレングリコールインターフェロンアルファ-2a、ポルフィマーナトリウム、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラスブリエンボディメント、レニウムRe186エチドロネート、RIIレチナミド、リツキシマブ、ロムルチド、サマリウム(153Sm)レキシドロナム、サルグラモスチム、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソネルミン、ストロンチウム-89塩化物、スラミン、タソネルミン、タザロテン、テガフル、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、サリドマイド、チマルファシン、チロトロピンアルファ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ-ヨウ素131、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリメトレキサート、トリプトレリン、腫瘍壊死因子アルファ、ナチュラル、ウベニメックス、膀胱癌ワクチン、丸山ワクチン、黒色腫ライセートワクチン、バルビシン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、VIRULIZIN、ジノスタチンスチマラマー若しくはゾレドロン酸;アバレリクス;AE941(Aeterna)、アンバムスチン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、bcl-2(Genta)、APC8015(Dendreon)、セツキシマブ、デシタビン、デキサミノグルテチミド、ジアジコン、EL532(Elan)、EM800(Endorecherche)、エニルウラシル、エタニダゾール、フェンレチニド、フィルグラスチムSD01(Amgen)、フルベストラント、ガロシタビン、ガストリン17イムノゲン、HLA-B7遺伝子治療(Vical)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ヒスタミン二塩酸塩、イブリツモマブチウキセタン、イロマスタット、IM862(Cytran)、インターロイキン2、イプロキシフェン、LDI200(Milkhaus)、レリジスチム、リンツズマブ、CA125MAb(Biomira)、癌MAb(日本薬品開発株式会社)、HER-2及びFc MAb(Medarex)、イディオタイプ105AD7MAb(CRC Technology)、イディオタイプCEA MAb(Trilex)、LYM-1-ヨウ素131MAb(Techniclone)、多型性上皮ムチンイットリウム90MAb(Antisoma)、マリマスタット、メノガリル、ミツモマブ、モテキサフィンガドリニウム、MX6(Galderma)、ネララビン、ノラトレキセド、P30タンパク質、ペグビソマント、ペメトレキセド、ポルフィロマイシン、プリノマスタット、RL0903(Shire)、ルビテカン、サトラプラチン、フェニル酢酸ナトリウム、スパルホス酸、SRL172(SR Pharma)、SU5416(SUGEN)、TA077(Tanabe)、テトラチオモリブデート、タリブラスチン、トロンボポエチン、スズエチルエチオプルプリン、チラパザミン、癌ワクチン(Biomira)、メラノーマワクチン(New York University)、メラノーマワクチン(Sloan Kettering Institute)、メラノーマ腫瘍崩壊物ワクチン(New York Medical College)、ウイルス性メラノーマ細胞溶菌液ワクチン(Royal Newcastle Hospital)又はバルスポダールなどの他の抗新生物剤との併用療法でも使用され得る。
【0161】
本発明の化合物は、VEGFR阻害剤と共に更に使用され得る。以下の特許及び特許出願に記載の他の化合物は、併用療法において使用することができる:米国特許第6,258,812号明細書、米国特許出願公開第2003/0105091号明細書、国際公開第01/37820号パンフレット、米国特許第6,235,764号明細書、国際公開第01/32651号パンフレット、米国特許第6,630,500号明細書、米国特許第6,515,004号明細書、米国特許第6,713,485号明細書、米国特許第5,521,184号明細書、米国特許第5,770,599号明細書、米国特許第5,747,498号明細書、国際公開第02/68406号パンフレット、国際公開第02/66470号パンフレット、国際公開第02/55501号パンフレット、国際公開第04/05279号パンフレット、国際公開第04/07481号パンフレット、国際公開第04/07458号パンフレット、国際公開第04/09784号パンフレット、国際公開第02/59110号パンフレット、国際公開第99/45009号パンフレット、国際公開第00/59509号パンフレット、国際公開第99/61422号パンフレット、米国特許第5,990,141号明細書、国際公開第00/12089号パンフレット及び国際公開第00/02871号パンフレット。
【0162】
いくつかの実施形態では、併用薬は少なくとも1種の抗血管形成剤と組み合わせた本発明の組成物を含む。薬剤は、インビトロで合成により調製された化学組成物、抗体、抗原結合領域、放射性核種並びにそれらの組み合わせ及び抱合体を含むが、これらに限定されない。薬剤は、アゴニスト、アンタゴニスト、アロステリック調節因子、毒素であり得るか、又はより一般的には、その標的を阻害又は刺激(例えば、受容体若しくは酵素の活性化又は阻害)するように作用し得、それにより細胞死を促進するか又は細胞成長を停止し得る。
【0163】
例示的な抗血管形成剤には、ERBITUX(商標)(IMC-C225)、KDR(キナーゼドメイン受容体)阻害剤(例えば、キナーゼドメイン受容体に特異的に結合する抗体及び抗原結合領域)、AVASTIN(商標)又はVEGF-TRAP(商標)などの抗VEGF剤(例えば、VEGF又は可溶性VEGF受容体若しくはそのリガンド結合領域に特異的に結合する抗体又は抗原結合領域)、及び抗VEGF受容体薬(例えば、それに特異的に結合する、抗体又は抗原結合領域)、Vectibix(パニツムマブ)、IRESSA(商標)(ゲフィチニブ)、TARCEVA(商標)(エルロチニブ)などのEGFR阻害剤(例えば、それに特異的に結合する抗体又は抗原結合領域)、抗Ang1及び抗Ang2剤(例えば、それらに、又はそれらの受容体、例えば、Tie2/Tek)、及び抗Tie2キナーゼ阻害剤(例えば、それに特異的に結合する抗体又は抗原結合領域)が含まれる。本発明の医薬組成物はまた、特異的に結合し、増殖因子の活性を阻害する1種以上の薬剤(例えば、抗体、抗原結合領域又は可溶性受容体)、例えば、受容体「c-met」に特異的に結合する肝細胞増殖因子(HGF、散乱因子としても知られる)のアンタゴニスト及び抗体又は抗原結合領域などを含むことができる。
【0164】
他の抗血管形成剤としては、Campath、IL-8、B-FGF、Tekアンタゴニスト(Cerettiら、米国特許出願公開第2003/0162712号明細書;米国特許第6,413,932号明細書)、抗TWEAK剤(例えば、特異的に結合する抗体又は抗原結合領域、又は可溶性TWEAK受容体アンタゴニスト;Wiley、米国特許第6,727,225号明細書を参照されたい)、インテグリンのそのリガンドへの結合に拮抗するADAMジスインテグリンドメイン(Fanslowら、米国特許出願公開第2002/0042368号明細書)、特異的に結合する抗eph受容体及び/若しくは抗エフリン抗体又は抗原結合領域(米国特許第5,981,245号明細書;米国特許第5,728,813号明細書;米国特許第5,969,110号明細書;米国特許第6,596,852号明細書;米国特許第6,232,447号明細書;米国特許第6,057,124号明細書、及びそれらの特許ファミリーのメンバー)、及び抗PDGF-BBアンタゴニスト(例えば、特異的に結合する抗体又は抗原結合領域)、並びにPDGF-BBリガンドに特異的に結合する抗体又は抗原結合領域、及びPDGFRキナーゼ阻害剤(例えば、それに特異的に結合する抗体又は抗原結合領域)が挙げられる。
【0165】
さらなる抗血管形成/抗腫瘍剤には、以下のものが含まれる:SD-7784(Pfizer,USA);シレンジタイド(Merck KGaA,Germany,EPO 770622);ペガプタニブ八ナトリウム(Gilead Sciences,USA);アルファスタチン(BioActa,UK);M-PGA(Celgene,USA、米国特許第5712291号明細書);イロマスタット(Arriva,USA、米国特許第5892112号明細書);エマキサニブ(Pfizer,USA、米国特許第5792783号明細書);バタラニブ(Novartis,Switzerland);2-メトキシエストラジオール(EntreMed,USA);TLC ELL-12(Elan,Ireland);アネコルタブ酢酸エステル(Alcon,USA);α-D148Mab(Amgen,USA);CEP-7055(Cephalon,USA);抗Vn Mab(Crucell,Netherlands)DAC:抗血管形成剤(ConjuChem,Canada);アンギオシジン(InKine Pharmaceutical,USA);KM-2550(Kyowa Hakko,Japan);SU-0879(Pfizer,USA);CGP-79787(Novartis,Switzerland,欧州特許第970070号明細書);ARGENT technology(Ariad,USA);YIGSR-Stealth(Johnson&Johnson,USA);フィブリノゲンE断片(BioActa,UK);血管形成阻害剤(Trigen,UK);TBC-1635(Encysive Pharmaceuticals,USA);SC-236(Pfizer,USA);ABT-567(Abbott,USA);メタスタチン(EntreMed,USA);血管形成阻害剤(Tripep,Sweden);マスピン(Sosei,Japan);2-メトキシエストラジオール(Oncology Sciences Corporation,USA);ER-68203-00(IVAX,USA);ベネフィン(Lane Labs,USA);Tz-93(Tsumura, Japan);TAN-1120(Takeda, Japan);FR-111142(Fujisawa, Japan第02233610号公報);血小板因子4(RepliGen,USA,欧州特許第407122号明細書);血管内皮増殖因子拮抗薬(Borean,Denmark);ベバシズマブ(pINN)(Genentech,USA);血管形成阻害剤(SUGEN,USA);XL784(Exelixis,USA);XL647(Exelixis,USA);MAb、α5β3インテグリン、第2世代(Applied Molecular Evolution,USA及びMedImmune,USA);遺伝子療法、網膜症(Oxford BioMedica,UK);エンザスタウリン塩酸塩(USAN)、(Lilly,USA);CEP7055(Cephalon,USA及びSanofi-Synthelabo,France);BC1(Genoa Institute of Cancer Research,Italy);血管形成阻害剤(Alchemia,Australia);VEGF拮抗薬(Regeneron,USA);rBPI21及びBPI誘導抗血管形成剤(XOMA,USA);PI88(Progen,Australia);,シレンギチド(pINN)、(Merck KGaA,;Munich Technical University,Scripps Clinic and Research Foundation,USA);セツキシマブ(INN)、(Aventis,France);AVE8062(Ajinomoto, Japan);AS1404(Cancer Research Laboratory,New Zealand);SG292(Telios,USA);エンドスタチン(Boston Childrens Hospital,USA);ATN161(Attenuon,USA);アンギオスタチン(Boston Childrens Hospital,USA);2-メトキシエストラジオール(Boston Childrens Hospital,USA);ZD6474(AstraZeneca,UK);ZD6126(Angiogene Pharmaceuticals,UK);PPI2458(Praecis,USA);AZD9935(AstraZeneca,UK);AZD2171(AstraZeneca,UK);バタラニブ(pINN)(Novartis,Switzerland及びSchering AG,Germany);組織因子経路阻害剤(EntreMed,USA);ペガプタニブ(Pinn)(Gilead Sciences,USA);キサントリゾール(Yonsei University,South Korea);遺伝子ベースのワクチン、VEGF-2(Scripps Clinic and Research Foundation,USA);SPV5.2(Supratek,Canada);SDX103(University of California,San Diego,USA);PX478(ProlX,USA);メタスタチン(EntreMed,USA);トロポニンI(Harvard University,USA);SU6668(SUGEN,USA);OXI4503(OXiGENE,USA);o-グアニジン(Dimensional Pharmaceuticals,USA);モツポラミン(motuporamine)C(British Columbia University,Canada);CDP791(Celltech Group,UK);アチプリモド(pINN)(GlaxoSmithKline,UK);E7820(Eisai, Japan);CYC381(Harvard University,USA);AE941(Aeterna,Canada);ワクチン、血管形成(EntreMed,USA);ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化剤阻害剤(Dendreon,USA);オグルファニド(oglufanide)(pINN)(Melmotte,USA);HIF-1アルファ阻害剤(Xenova,UK);CEP5214(Cephalon,USA);BAY RES2622(Bayer,Germany);アンギオシジン(InKine,USA);A6(Angstrom,USA);KR31372(Korea Research Institute of Chemical Technology,South Korea);GW2286(GlaxoSmithKline,UK);EHT0101(ExonHit、フランス);CP868596(Pfizer,USA);CP564959(OSI,USA);CP547632(Pfizer,USA);786034(GlaxoSmithKline,UK);KRN633(Kirin Brewery, Japan);薬物送達系、眼内、2-メトキシエストラジオール(EntreMed,USA);アンジネックス(Maastricht University,Netherlands及びMinnesota University,USA);ABT510(Abbott,USA);AAL993(Novartis,Switzerland);VEGI(ProteomTech,USA);腫瘍壊死因子-α阻害剤(National Institute on Aging,USA);SU11248(Pfizer,USA及びSUGEN,USA);ABT518(Abbott,USA);YH16(Yantai Rongchang,China);S-3APG(Boston Childrens Hospital,USA及びEntreMed,USA);MAb、KDR(ImClone Systems,USA);MAb、α5β1(Protein Design,USA);KDRキナーゼ阻害剤(Celltech Group,UK及びJohnson&Johnson,USA);GFB116(South Florida University,USA及びYale University,USA);CS706(Sankyo, Japan);コンブレタスタチンA4プロドラッグ(Arizona State University,USA);コンドロイチン分解酵素AC(IBEX,Canada);BAY RES2690(Bayer,Germany);AGM1470(Harvard University,USA、タケダ、日本及びTAP,USA);AG13925(Agouron,USA);テトラチオモリブデン酸塩(University of Michigan,USA);GCS100(Wayne State University,USA)CV247(Ivy Medical,UK);CKD732(Chong Kun Dang,South Korea);MAb、血管内皮増殖因子(Xenova,UK);イルソグラジン(INN)(Nippon Shinyaku, Japan);RG13577(Aventis,France);WX360(Wilex,Germany);スクアラミン(pINN)(Genaera,USA);RPI4610(Sirna,USA);癌療法(Marinova,Australia);ヘパラナーゼ阻害剤(InSight,Israel);KL3106(Kolon,South Korea);ホオノキオール(Emory University,USA);ZK CDK(Schering AG,Germany);ZKアンギオ(ZK Angio)(Schering AG,Germany);ZK229561(Novartis,Switzerland及びSchering AG,Germany);XMP300(XOMA,USA);VGA1102(Taisho, Japan);VEGF受容体調節剤(Pharmacopeia,USA);VE-カドヘリン-2拮抗薬(ImClone Systems,USA);バソスタチン(National Institutes of Health,USA);ワクチン、Flk-1(ImClone Systems,USA);TZ93(Tsumura, Japan);タムスタチン(Beth Israel Hospital,USA);切断可溶性FLT1(血管内皮増殖因子受容体1)(Merck&Co,USA);Tie-2リガンド類(Regeneron,USA);及びトロンボスポンジン1阻害剤(Allegheny Health,Education and Research Foundation,USA)。
【0166】
オートファジー阻害剤としては、クロロキン、3-メチルアデニン、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil(商標))、バフィロマイシンA1、5-アミノ-4イミダゾールカルボキサミドリボシド(AICAR)、オカダ酸、2A型又は1型のタンパク質ホスファターゼを阻害するオートファジー抑制藻類毒素、cAMPのアナログ並びにアデノシン、LY204002、N6-メルカプトプリンリボシド及びビンブラスチンなどのcAMPレベルを上昇させる薬物が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ATG5(オートファジーに関与する)を含むが、これに限定されない、タンパク質の発現を阻害するアンチセンス又はsiRNAも使用され得る。
【0167】
癌の治療に用いることができ、且つ本発明の1つ以上の化合物と併用することのできる追加の薬学的に活性な化合物/薬剤としては、エポエチンα;ダルベポエチンα;パニツムマブ;ペグフィルブラスチム;パリフェルミン;フィルグラスチム;デノスマブ;アンセスチム;AMG102;AMG386;AMG479;AMG655;AMG745;AMG951;及びAMG706、又はそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0168】
ある種の実施形態では、本明細書で提供される組成物は、化学療法剤と併用して投与される。好適な化学療法剤としては、などの天然産物、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン及びビンオレルビン)パクリタキセル、エピジポドフィロトキシン(例えば、エトポシド及びテニポシド)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシン D)、ダウノルビシン、ドキソルビシン及びイダルビシン)、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、マイトマイシン、酵素(例えば、L-アスパラギンを全身的に代謝し、自らのアスパラギンを合成する能力を有さない細胞を取り除くL-アスパラギナーゼ)、抗血小板剤、ナイトロジェンマスタード(例えば、などの抗増殖性/抗有糸分裂性アルキル化剤、メクロレタミン、シクロホスファミド及びアナログ、メルファラン並びにクロラムブシル)エチレンイミン及びメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン及びチオテパ)、CDK阻害剤(例えば、セリシクリブ、UCN-01、P1446A-05、PD-0332991、ジナシクリブ、P27-00、AT-7519、RGB286638及びSCH727965)、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン(BCNU)及びアナログ並びにストレプトゾシン)、トラゼン-ダカルバジニン(DTIC)、葉酸アナログ(例えば、などの抗増殖性/抗有糸分裂性代謝拮抗剤、メトトレキサート)ピリミジンアナログ(例えば、フルオロウラシル、フロクスウリジン及びシタラビン)、プリンアナログ及び関連阻害剤(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン及び2-クロロデオキシアデノシン)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、エキセメスタン及びレトロゾール)及び白金配位錯体(例えば、シスプラチン及びカルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、ミトタン、アミノグルテチミド、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤(例えば、トリコスタチン、酪酸ナトリウム、アピシダン、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(hydroamic acid)、ボリノスタット、LBH 589、ロミデプシン、ACY-1215及びパノビノスタット)、mTor阻害剤(例えば、テムシロリムス、エベロリムス、リダホロリムス及びシロリムス)、KSP(Eg5)阻害剤(例えば、Array 520)、DNA結合剤(例えば、ザリプシス)、PI3Kデルタ阻害剤(例えば、GS-1101及びTGR-1202)、PI3Kデルタ及びガンマ阻害剤(例えば、CAL-130)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、TG02及びソラフェニブ)、ホルモン(例えば、エストロゲン)及び黄体形成(leutinizing)ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト(例えば、ゴセレリン、ロイプロリド及びトリプトレリン)などのホルモンアゴニスト、BAFF中和抗体(例えば、LY2127399)、IKK阻害剤、p38MAPK阻害剤、抗IL-6(例えば、CNTO328)、テロメラーゼ阻害剤(例えば、GRN163L)、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237、AMG 900、AZD-1152)、細胞表面モノクローナル抗体(例えば、抗CD38(HUMAX-CD38)、抗CS1(例えば、エロツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、17AAG及びKOS 953)、P13K/Akt阻害剤(例えば、ペリフォシン)、Akt阻害剤(例えば、GSK-2141795)、PKC阻害剤(例えば、エンザスタウリン)、FTI(例えば、Zarnestra(商標))、抗CD138(例えば、BT062)、Torc1/2特異的キナーゼ阻害剤(例えば、INK128)、キナーゼ阻害剤(例えば、GS-1101)、ER/UPR標的化剤(例えば、MKC-3946)、cFMS阻害剤(例えば、ARRY-382)、JAK1/2阻害剤(例えば、CYT387)、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ、タラゾパリブ、ニラパリブ、ベリパリブ(ABT-888))、BCL-2アンタゴニストが挙げられ得る。他の化学療法剤としては、メクロレタミン、カンプトテシン、イホスファミド、タモキシフェン、ラロキシフェン、ゲムシタビン、ナベルビン、ソラフェニブ、又は上記の任意のアナログ若しくは誘導変異体が挙げられ得る。
【0169】
本発明の化合物は、当業者によく知られている放射線療法、ホルモン療法、手術及び免疫療法と組み合わせても使用され得る。
【0170】
ある種の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、ステロイドと併用して投与される。好適なステロイドは、21-アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニソン、クロベタゾール、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコート、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドナート、エノキソロン、フルアザコート、フルクロロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、酢酸フルペロロン、酢酸フルプレドニデン、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、フォルモコルタル、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ロテプレドノールエタボネート、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、フロ酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25-ジエチルアミノアセテート、リン酸プレドニゾロンナトリウム、プレドニゾン、プレドニバル、プレドニリデン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンベネトニド、トリアムシノロンヘキサセトニド並びにそれらの塩及び/又は誘導体を含み得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本発明の化合物は、悪心を治療する追加の薬学的に活性な薬剤と組み合わせても使用され得る。悪心を治療するために使用され得る薬剤の例としては、次の:ドロナビノール;グラニセトロン;メトクロプラミド;オンダンセトロン;及びプロクロルペラジン;又はそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0171】
本開示の化合物又は医薬組成物はまた、EGFR阻害剤、MEK阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、TOR阻害剤、及び抗免疫療法(PD-1、抗PDL-1、抗CTLA4、抗LAG1、及び抗OX40剤を含むもの)、GITRアゴニスト、CAR-T細胞、及びBiTEから選択される1つ以上の物質の一定量と組み合わせて使用することができる。
【0172】
EGFR阻害剤には、小分子アンタゴニスト、抗体阻害剤、又は特異的アンチセンスヌクレオチド若しくはsiRNAが含まれるが、これらに限定されない。EGFRの有用な抗体阻害剤には、セツキシマブ(Erbitux)、パニツムマブ(Vectibix)、ザルツムマブ、ニモツズマブ、及びマツズマブが含まれる。EGFRの小分子アンタゴニストには、ゲフィチニブ、エルロチニブ(Tarceva)、及び最近ではラパチニブ(TykerB)が含まれる。例えば、Yan L,et.al.,Pharmacogenetics and Pharmacogenomics In Oncology Therapeutic Antibody Development,BioTechniques 2005;39(4):565-8及びPaez J G,et.al.,EGFR Mutations In Lung Cancer Correlation With Clinical Response To Gefitinib Therapy,Science 2004;304(5676):1497-500を参照されたい。
【0173】
小分子EGFR阻害剤の非限定的な例としては、以下の特許公報に記載されているEGFR阻害剤及び前記EGFR阻害剤の薬学的に許容される全ての塩及び溶媒和物のいずれかが挙げられる:1992年12月30日公開の欧州特許出願公開第520722号明細書;1993年10月20日公開の欧州特許出願公開第566226号明細書;1996年10月31日公開の国際公開第96/33980号パンフレット;1998年5月5日発行の米国特許第5,747,498号明細書;1996年10月3日公開の国際公開第96/30347号パンフレット;1997年8月6日公開の欧州特許出願公開第787772号明細書;1997年8月21日公開の国際公開第97/30034号パンフレット;1997年8月21日公開の国際公開第97/30044号パンフレット;1997年10月23日公開の国際公開第97/38994号パンフレット;1997年12月31日公開の国際公開第97/49688号パンフレット;1998年4月22日公開の欧州特許出願公開第837063号明細書;1998年1月22日公開の国際公開第98/02434号パンフレット;1997年10月23日公開の国際公開第97/38983号パンフレット;1995年7月27日公開の国際公開第95/19774号パンフレット;1995年7月27日公開の国際公開第95/19970号パンフレット;1997年4月17日公開の国際公開第97/13771号パンフレット;1998年1月22日公開の国際公開第98/02437号パンフレット;1998年1月22日公開の国際公開第98/02438号パンフレット;1997年9月12日公開の国際公開第97/32881号パンフレット;1998年1月29日公開の独国特許出願公開第19629652号明細書;1998年8月6日公開の国際公開第98/33798号パンフレット;1997年9月12日公開の国際公開第97/32880号パンフレット;1997年9月12日公開の国際公開第97/32880号パンフレット;1995年11月15日公開の欧州特許出願公開第682027号明細書;197年1月23日公開の国際公開第97/02266号パンフレット;1997年7月31日公開の国際公開第97/27199号パンフレット;1998年2月26日公開の国際公開第98/07726号パンフレット;1997年9月25日公開の国際公開第97/34895号パンフレット;1996年10月10日公開の国際公開第96/31510号パンフレット;1998年4月9日公開の国際公開第98/14449号パンフレット;1998年4月9日公開の国際公開第98/14450号パンフレット;1998年4月9日公開の国際公開第98/14451号パンフレット;1995年4月13日公開の国際公開第95/09847号パンフレット;1997年5月29日公開の国際公開第97/19065号パンフレット;1998年4月30日公開の国際公開第98/17662号パンフレット;1998年8月4日発行の米国特許第5,789,427号明細書;1997年7月22日発行の米国特許第5,650,415号明細書;1997年8月12日発行の米国特許第5,656,643号明細書;1999年7月15日公開の国際公開第99/35146号パンフレット;1999年7月15日公開の国際公開第99/35132パンフレット;1999年2月18日公開の国際公開第99/07701パンフレット及び1992年11月26日公開の国際公開第92/20642パンフレット。小分子EGFR阻害剤の追加の非限定的な例としては、Traxler,P.,1998,Exp.Opin.Ther.Patents8(12):1599-1625に記載のEGFR阻害剤のうちのいずれかが挙げられる。
【0174】
抗体ベースのEGFR阻害剤としては、その天然リガンドにより、EGFR活性化を部分的又は完全に遮断することができる任意の抗EGFR抗体又は抗体断片が挙げられる。抗体ベースのEGFR阻害剤の非限定的な例としては、Modjtahedi,H.,et al.,1993,Br.J.Cancer 67:247-253;Teramoto,T.,et al.,1996,Cancer 77:639-645;Goldstein et al.,1995,Clin.Cancer Res.1:1311-1318;Huang,S.M.,et al.,1999,Cancer Res.15:59(8):1935-40;及びYang,X.,et al.,1999,Cancer Res.59:1236-1243に記載されているものが挙げられる。従って、EGFR阻害剤は、モノクローナル抗体Mab E7.6.3(Yang,1999、前掲)、又はMab C225(ATCCアクセッション番号HB-8508)、又はその結合特異性を有する抗体若しくは抗体フラグメントであり得る。
【0175】
MEK阻害剤としては、CI-1040、AZD6244、PD318088、PD98059、PD334581、RDEA119、ARRY-142886、ARRY-438162及びPD-325901が挙げられるが、これらに限定されない。
【0176】
PI3K阻害剤としては、ワートマニン、国際公開第06/044453号パンフレットに記載の17-ヒドロキシワートマニンアナログ、4-[2-(1H-インダゾール-4-イル)-6-[[4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル]メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]モルホリン(GDC0941としても知られ、国際公開第09/036,082号パンフレット及び国際公開第09/055,730号パンフレットに記載される)、2-メチル-2-[4-[3-メチル-2-オキソ-8-(キノリン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル]フェニル]プロピオニトリル(BEZ235又はNVP-BEZ235としても知られ、国際公開第06/122806号パンフレットに記載される)、(S)-1-(4-((2-(2-アミノピリミジン-5-イル)-7-メチル-4-モルホリノチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシプロパン-1-オン(国際公開第2008/070740号パンフレットに記載される)、LY294002(Axon Medchemから入手可能である2-(4-モルホリニル)-8-フェニル-4H-1-ベンゾピラン-4-オン)、PI103ヒドロクロリド(Axon Medchemから入手可能である3-[4-(4-モルホリニルピリド-[3’,2’:4,5]フロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]フェノールヒドロクロリド)、PIK75(Axon Medchemから入手可能であるN’-[(1E)-(6-ブロモイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチレン]-N,2-ジメチル-5-ニトロベンゼンスルホノ-ヒドラジドハイドロクロリド)、PIK90(Axon Medchemから入手可能であるN-(7,8-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-イミダゾ[1,2-c]キナゾリン-5-イル)-ニコチンアミド)、GDC-0941ビスメシレート(Axon Medchemから入手可能である2-(1H-インダゾール-4-イル)-6-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イルメチル)-4-モルホリン-4-イル-チエノ[3,2-d]ピリミジンビスメシレート)、AS-252424(Axon Medchemから入手可能である5-[1-[5-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-フラン-2-イル]-メト-(Z)-イリデン]-チアゾリジン-2,4-ジオン)及びTGX-221(Axon Medchemから入手可能である7-メチル-2-(4-モルホリニル)-9-[1-(フェニルアミノ)エチル]-4H-ピリド-[1,2-a]ピリミジン-4-オン)、XL-765及びXL-147が挙げられるが、これらに限定されない。他のPI3K阻害剤としては、デメトキシビリジン、ペリフォシン、CAL101、PX-866、BEZ235、SF1126、INK1117、IPI-145、BKM120、XL147、XL765、パロミド529、GSK1059615、ZSTK474、PWT33597、IC87114、TG100-115、CAL263、PI-103、GNE-477、CUDC-907、及びAEZS-136が挙げられる。
【0177】
AKT阻害剤としては、Akt-1-1(Akt1を阻害する)(Barnett et al.(2005)Biochem.J.,385(Pt.2)、399-408);Akt-1-1,2(Ak1及び2を阻害する)(Barnett et al.(2005)Biochem.J.385(Pt.2)、399-408);API-59CJ-Ome(例えば、Jin et al.(2004)Br.J.Cancer 91,1808-12);1-H-イミダゾ[4,5-c]ピリジニル化合物(例えば、国際公開第05011700号パンフレット);インドール-3-カルビノール及びその誘導体(例えば、米国特許第6,656,963号明細書;Sarkar and Li(2004)J Nutr.134(12 Suppl),3493S-3498S);ペリフォシン(例えば、Aktの膜局在化を妨げる;Dasmahapatra et al.(2004)Clin.Cancer Res.10(15)、5242-52,2004);ホスファチジルイノシトールエーテル脂質類似体(例えば、Gills and Dennis(2004)Expert.Opin.Investig.Drugs 13,787-97);及びトリシリビン(TCN若しくはAPI-2又はNCI識別子:NSC 154020;Yang et al.(2004)Cancer Res.64:4394-9)が挙げられるが、これに限定されない。
【0178】
TOR阻害剤としては、AP-23573、CCI-779、エベロリムス、RAD-001、ラパマイシン、テムシロリムス、ATP競合型TORC1/TORC2阻害剤(PI-103、PP242、PP30及びトリン1を含む)を含む阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。FKBP12エンハンサーにおける他のTOR阻害剤;以下のものを含むラパマイシン及びその誘導体:CCI-779(テムシロリムス)、RAD001(エベロリムス;国際公開第9409010号パンフレット)及びAP23573;ラパログ、例えば国際公開第98/02441号パンフレット及び国際公開第01/14387号パンフレットで開示されているもの、例えばAP23573、AP23464又はAP23841;40-(2-ヒドロキシエチル)ラパマイシン、40-[3-ヒドロキシ(ヒドロキシメチル)メチルプロパノエート]-ラパマイシン(CC1779とも呼ばれる)、40-エピ-(テトラゾリル)-ラパマイシン(ABT578とも呼ばれる)、32-デオキソラパマイシン、16-ペンチニルオキシ-32(S)-ジヒドロラパニシン(dihydrorapanycin)及び国際公開第05005434号パンフレットで開示されている他の誘導体;米国特許第5,258,389号明細書、国際公開第94/090101号パンフレット、国際公開第92/05179号パンフレット、米国特許第5,118,677号明細書、米国特許第5,118,678号明細書、米国特許第5,100,883号明細書、米国特許第5,151,413号明細書、米国特許第5,120,842号明細書、国際公開第93/111130号パンフレット、国際公開第94/02136号パンフレット、国際公開第94/02485号パンフレット、国際公開第95/14023号パンフレット、国際公開第94/02136号パンフレット、国際公開第95/16691号パンフレット、国際公開第96/41807号パンフレット、国際公開第96/41807号パンフレット及び米国特許第5,256,790号明細書で開示されている誘導体;リン含有ラパマイシン誘導体(例えば、国際公開第05016252号パンフレット);4H-1-ベンゾピラン-4-オン誘導体(例えば、米国仮特許出願第60/528,340号明細書)。
【0179】
免疫療法には、抗PD-1剤、抗PDL-1剤、抗CTLA-4剤、抗LAG1剤、及び抗OX40剤が含まれるが、これらに限定されない。例示的な抗PD-1抗体及びそれらの使用方法は、Goldberg et al.,Blood 110(1):186-192(2007)、Thompson et al.,Clin.Cancer Res.13(6):1757-1761(2007)及びKorman et al.,国際出願第PCT/JP2006/309606号明細書(国際公開第2006/121168A1号パンフレット)に記載されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に明示的に組み込まれる。これらとしては、以下のものが含まれる:Yervoy(商標)(イピリムマブ)又はトレメリムマブ(CTLA-4に)、ガリキシマブ(B7.1に)、BMS-936558(PD-1に)、MK-3475(PD-1に)、AMP224(B7DCに)、BMS-936559(B7-H1に)、MPDL3280A(B7-H1に)、MEDI-570(ICOSに)、AMG557(B7H2に)、MGA271(B7H3に)、IMP321(LAG-3に)、BMS-663513(CD137に)、PF-05082566(CD137に)、CDX-1127(CD27に)、anti-OX40(Providence Health Services)、huMAbOX40L(OX40Lに)、アタシセプト(TACIに)、CP-870893(CD40に)、ルカツムマブ(CD40に)、ダセツズマブ(CD40に)、ムロモナブ-CD3(CD3に)、イピリムマブ(CTLA-4に)。免疫療法はまた、遺伝子操作されたT細胞(例えば、CAR-T細胞)及び二重特異性抗体(例えば、BiTE)を含む。
【0180】
GITRアゴニストとしては、米国特許第6,111,090box.c号明細書、欧州特許第090505B1号明細書、米国特許第8,586,023号明細書、国際公開第2010/003118号パンフレット及び同第2011/090754号パンフレットに記載されたGITR融合タンパク質、又は、例えば、米国特許第7,025,962号明細書、欧州特許第1947183B1号明細書、米国特許第7,812,135号明細書、同第8,388,967号明細書、同第8,591,886号明細書、欧州特許第1866339号明細書、国際公開第2011/028683号パンフレット、国際公開第2013/039954号パンフレット、国際公開第2005/007190号パンフレット、国際公開第2007/133822号パンフレット、国際公開第2005/055808号パンフレット、国際公開第99/40196号パンフレット、国際公開第2001/03720号パンフレット、国際公開第99/20758号パンフレット、国際公開第2006/083289号パンフレット、国際公開第2005/115451号パンフレット、米国特許第7,618,632号明細書、及び国際公開第2011/051726号パンフレットに記載された抗GITR抗体などのGITR融合タンパク質及び抗GITR抗体(例えば、二価の抗GITR抗体)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0181】
本明細書に記載した化合物は、治療される状態に応じて、本明細書で開示した薬剤又は他の好適な薬剤と組み合わせて使用され得る。従って、いくつかの実施形態では、本開示の1種以上の化合物は、上記の他の薬剤と同時投与されることになる。併用療法で使用される場合、本明細書に記載の化合物は、第2の薬剤と同時に又は個別に投与される。この併用投与は、同じ剤形の2種の薬剤の同時投与、個別の剤形の同時投与及び個別の投与を含み得る。即ち、本明細書に記載した化合物及び上記薬剤の何れかを同じ剤形で一緒に製剤化し、同時投与することができる。代わりに、本開示の化合物及び上記の薬剤の何れかを同時に投与することができ、ここで、両方の薬剤は、個別の製剤中に存在している。別の代替では、本開示の化合物に引き続いて、上記の薬剤の何れかを投与し得るか又はそれとは逆の順序で投与し得る。個別の投与プロトコルのいくつかの実施形態では、本開示の化合物及び上記の任意の薬剤は、数分間の間隔、又は数時間の間隔、又は数日の間隔で投与される。
【0182】
本発明の一態様として、個別に投与され得る薬学的に活性な化合物の組み合わせにより、疾患/状態を治療することが検討されているため、本発明は、個別の医薬組成物をキットの形態に組み合わせることに更に関する。本キットは、2種の個別の医薬組成物:本発明の化合物、及び第2の医薬化合物を含む。本キットは、分割されたボトル又は分割された金属箔の袋等、個別の組成物を収容するための容器を含む。容器の別の例としては、注射器、箱及びバッグが挙げられる。いくつかの実施形態では、キットは、個別の成分の使用のための説明書を含む。キット形態は、個別の成分が好ましくは異なる剤形(例えば、経口及び非経口)で投与される場合、異なる投与間隔で投与される場合、又は組み合わせの個々の成分の滴定が処方する医療専門家により所望される場合に特に有利である。
【実施例】
【0183】
実験
略語:本明細書では、下記の略語を使用することができる。
【0184】
【0185】
【0186】
別段の断りがない限り、全ての物質は、市販業者から入手し、更に精製することなく使用した。別段の指示がない限り、全ての部は重量基準であり、温度は摂氏温度単位である。全てのマイクロ波補助反応は、Biotage(商標)からのSmith Synthesizerを(商標)用いて実施した。全ての化合物は、これらの割り当てられた構造に一致するNMRスペクトルを示した。融点はBuchi機器上で判定し、補正しない。質量スペクトルデータは、エレクトロスプレーイオン化技術により測定した。全ての実施例を、高速液体クロマトグラフィーで判定して>90%に精製した。特に明記しない限り、反応は室温で実行した。
【0187】
本発明の化合物の合成では、特定の離脱基の使用が望ましいことがあり得る。「離脱基」(「LG」)という用語は、一般に、求核試薬によって置換可能な基を指す。そのような離脱基は、当技術分野において周知である。離脱基の例としては、ハロゲン化物(例えば、I、Br、F、Cl)、スルホン酸塩(例えば、メシル酸塩、トシル酸塩)、スルフィド(例えば、SCH3)、N-ヒドロキシスクシンイミド、N-ヒドロキシベンゾトリアゾールなどが挙げられるが、これらに限定されない。求核試薬の例としては、アミン、チオール、アルコール、グリニャール試薬、アニオン種(例えば、アルコキシド、アミド、カルバニオン)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0188】
以下に示す実施例では、本発明の具体的な実施形態を説明する。これらの実施例は代表的なものであることを意味し、いかなる方法においても特許請求の範囲を限定することを意図しない。
【0189】
液体に関してパーセント(%)が用いられる場合、これは溶液に対する体積パーセントであることに留意されたい。固体に用いられる場合、これは固体組成物パーセントである。市販業者から入手した材料は、典型的には更に精製することなく使用した。空気又は湿気に敏感な試薬を伴う反応は、典型的には窒素又はアルゴン雰囲気下で実施した。純度は254nm及び215nmにUV検出を備えた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムを用いて測定した(システムA:Agilent Zorbax Eclipse XDB-C8 4.6×150mm、5μm、0.1%のTFAを含むH2O中5~100%のCH3CN、1.5mL/分で15分間;システムB:Zorbax SB-C8、4.6×75mm、0.1%のギ酸を含むH2O中10~90%のCH3CN、1.0mL/分で12分間)(Agilent Technologies,Santa Clara,CA)。シリカゲルクロマトグラフィーは、一般的には、プレパックされたシリカゲルカートリッジ(Biotage,Uppsala,Sweden又はTeledyne-Isco,Lincoln,NE)を用いて実施した。1H NMRは、雰囲気温度で、Bruker AV-400(400MHz)分光計(Bruker Corporation,Madison,WI)又はVarian(Agilent Technologies,Santa Clara,CA)400MHz分光計上で記録した。全ての観察されたプロトンは、指定される適切な溶媒中のテトラメチルシラン(TMS)又は他の内部標準からの百万分率(ppm)低磁場として報告される。データを以下の通り報告する:化学シフト、多重度(s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、br=ブロード、m=多重項)、結合定数、及び陽子の数。低分解能質量スペクトル(MS)データを、254nm及び215nmにUV検出、並びに低共鳴エレクトロスプレーモード(ESI)を備えたAgilent1100Series(Agilent Technologies,Santa Clara,CA)LC/MS上で判定した。
【0190】
一般合成スキーム
別段の断りがない限り、これらの化合物を調製する際に使用される出発物質及び試薬は、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee、Wis.)、Bachem(Torrance、Calif.)、Sigma(St.
Louis、Mo.)などの市販業者から入手可能であるか、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1-17(John Wiley and Sons,1991);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1-5 and Supplementals(Elsevier Science Publishers,1989);Organic Reactions,Volumes 1-40(John Wiley and Sons,1991),March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley and Sons,4th Edition)及びLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)などの参考文献に記載されている手順に従って当業者に知られた方法で調製される。これらのスキームは本発明の化合物を合成することができるいくつかの方法の単なる例示であり、これらのスキームに対し様々な改変を行うことができ、本開示を参照した当業者に示唆されるであろう。出発物質及び中間体、並びに反応の最終生成物は、必要に応じて、ろ過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを含むがこれらに限定されない従来の技術を使用して、単離及び精製することができる。このような材料は、物理定数及びスペクトルデータを含む従来の手段を使用して特徴付けられ得る。
【0191】
反対の指示がない限り、本明細書に記載の反応は、大気圧下、約-78℃~約150℃の温度範囲、より好ましくは約0℃~約125℃の温度範囲、最も好ましくは略室温(又は周囲)温度、例えば約20℃で行われる。
【0192】
この一般合成の項における明確さのために、本発明の概要で定義される式(I)の化合物は、以下のように、環Ar
1及び環Ar
2を含むように概略的に描写され得る:
【化32】
(式中、基Lは、-NR
10-(C=O)-又は-(C=O)-NR
10-であり、X
1はN又は-CR
3であり、X
2はN又は-CR
4であり、X
3は、N又は-CR
1であり、環Ar
1はリンカーの左側に位置し、環Ar
2はリンカーの右側に位置する)。
【0193】
一般的に、式(I)の化合物は、以下の3つの一般的工程を介して合成することができる:
工程1:環Ar1化合物の調製。
工程2:環Ar2化合物の調製。
工程3:環Ar1化合物の環Ar2化合物へのカップリング。
【0194】
下記の一般的スキームA~Dは、溶媒、濃度、試薬、保護基、合成工程の順序、時間、温度などが十分に当業者の技術及び判断力の範囲内で必要に応じて修正できることを容易に理解する、通常の能力を有する合成化学者に指針を提供することが意図されている。
【0195】
一実施形態において、以下のスキームA~Cは、次式(Ia):
【化33】
(式中、好ましくは、R
5がHである)で表される式(I)(式中、Lが、-NR
10-(C=O)であり;X
1が-CR
4であり;X
2がNであり;X
3が-CR
1である)の化合物の一般的な調製を提供する。
【0196】
式(Ia)の化合物の例としては、限定はされないが、
【化34】
(式中、好ましくは、R
5がHである)が挙げられる。
【0197】
別の実施形態において、以下のスキームA~Cは、式(Ic):
【化35】
で表される式(I)(式中、Lが、-NR
10-(C=O)であり;X
1が-Nであり;X
2が-CR
3であり;X
3が-CR
1である)の化合物の一般的な調製を提供する。
【0198】
式(Ic)の化合物の例としては、限定はされないが、
【化36】
げ挙げられる。
【0199】
スキームA:化合物(Ia)又は(Ic)の調製:
スキームAによれば、一実施形態において、本明細書に開示される式(I)の化合物は、以下のように合成され得る:
工程1a:環Ar
1化合物の調製:
【化37】
工程A-1:環Ar
1化合物の調製:
化合物A-1(式中、W
1がHである)は、クロロスルホン酸による処理によって、スルホニルクロリドへと転化され得る。NMP、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどの好適な有機溶媒中で、好適な塩基の存在下で、アミンを含むR
13基とのさらなる反応により、スルホンアミドA-2が得られる。塩基の例としては、限定はされないが、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、又は水素化ナトリウムが挙げられる。R
13アミンの例としては、限定はされないが、tert-ブチルアミン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペリジン、又は4,4-ジフルオロピペリジンが挙げられる。
【0200】
或いは、化合物A-1(式中、W1がFである)は、2工程手順によってスルホニルクロリドへと転化され得、この2工程手順は、ベンジルメルカプタンによる処理、続いて、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントインによる酸化的塩素化である。化合物A-1は、市販されているか、又は当業者によって公知の方法によって合成され得る。
【0201】
化合物A-1の例としては、限定はされないが、1-メチル-3-ニトロベンゼン、1-クロロ-4-ニトロベンゼン、1-メトキシ-4-ニトロベンゼン、1-メトキシ-3-ニトロベンゼン、又は3,5-ジフルオロニトロベンゼンが挙げられる。
【0202】
次に、化合物A-2は、水素ガスの存在下で、Pd/Cなどのパラジウム触媒及び水素源などの好適な還元剤と反応されて、化合物A-3が形成され得る。
【0203】
工程A-1-a:環Ar
1化合物の調製:
【化38】
或いは、化合物A-4は、R
13アミン試薬と反応された後、金属触媒アミノ化が続き得、ここで、好適なパラジウム又は銅触媒及び塩基が、使用されて、工程A-1において定義される化合物A-3が形成される。市販の化合物A-4の例としては、3-ブロモ-2-フルオロベンゼンスルホニルクロリドが挙げられる。
【0204】
工程A-1-b:環Ar
1化合物の調製:
【化39】
さらに或いは、チオール化合物A-5は、チオールアルキル化反応によってR
13試薬と反応された後、酸化反応が続いて、化合物A-3(式中、R
2=SO
2R
13である)が形成され得る。この方法において使用され得るR
13試薬の例としては、限定はされないが、メチレンシクロブタン、2,2,2-トリフルオロエチル4-メチルベンゼンスルホネート、又はシクロペンタ-2-エノンが挙げられる。
【0205】
工程A-1-c:環Ar
1化合物の調製:
【化40】
さらに或いは、化合物A-1(式中、W
1が、ハロ、例えば、フルオロ、クロロ、又はブロモである)は、NMP、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMFなどの好適な有機溶媒中で、好適な塩基の存在下で、好適なR
2試薬と反応された後、水素ガスの存在下で、Pd/Cなどのパラジウム触媒及び水素源などの好適な還元剤と反応されて、化合物A-3が形成され得る。
【0206】
化合物A-1は、市販されているか、又は当業者によって公知の方法によって合成され得る。
【0207】
化合物A-1の例としては、限定はされないが、1-フルオロ-3-ニトロベンゼン、1,3-ジフルオロ-5-ニトロベンゼン、1-フルオロ-3-メチル-5-ニトロベンゼン、又は2-ブロモ-1-フルオロ-4-ニトロベンゼンが挙げられる。
【0208】
R2試薬の例としては、限定はされないが、(1)(R)-2-メチルモルホリン、(2)4,4-ジフルオロピペリジン塩酸塩、(3)3,3-ジフルオロアゼチジン塩酸塩、(4)3,3,3-トリフルオロプロパン-1-オール、(5)2-アミノエタン-1-オール、又は(6)2-アミノ-3-メチルプロパン-1-オールが挙げられる。
【0209】
塩基の例としては、限定はされないが、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、又は水素化ナトリウムが挙げられる。
【0210】
工程A-1-d:環Ar
1化合物の調製:
【化41】
さらに或いは、工程A-1cにおいて定義される化合物A-1は、アミノ化反応において、パラジウム又は銅触媒などの金属触媒の存在下、及び炭酸セシウム、炭酸カリウム又はリン酸カリウムなどの塩基の存在下で、好適なR
2試薬と反応された後、水素ガスの存在下で、Pd/Cなどのパラジウム触媒及び水素源などの好適な還元剤と反応されて、化合物A-3が形成され得る。
【0211】
工程A-2:環Ar
2化合物の調製:
工程A-2では、化合物A-6(式中、W
2及びW
3の各々は、独立して、ハロゲン、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードである)を、R
X試薬、例えば(1)6-アザスピロ[2.5]オクタン塩酸塩、(2)4,4-ジメチルピペリジン塩酸塩、(3)3,4,4-トリメチルピペリジン塩酸塩、(4)4-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン塩酸塩、又は(5)7-アザスピロ[3.5]ノナン塩酸塩と、NMP、アセトニトリル、ジオキサン、DMF、DMSOなどの好適な有機溶媒中で反応させて、化合物A-7を形成することができる。
【化42】
【0212】
工程A-3:環Ar
1化合物の環Ar
2化合物へのカップリング、及びそれに続くR
1の導入:
【化43】
工程A-3では、工程A-2から得られた化合物A-7を、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどといった好適な有機溶媒中で、酸塩化物(COCl)
2又はSOCl
2などの活性化剤と反応させて、酸塩化物誘導体を形成することができ、続いてこれを化合物A-3と反応させて、化合物A-8を形成することができる。
【0213】
或いは、化合物A-3は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどといった好適な有機溶媒中、N、N’-ジイソプロピルカルボジイミド、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N、N、N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、塩化チオニル、カルボニルジイミダゾール、及びポリホスホン酸無水物などのカップリング試薬の存在下で、工程A-2から得られた化合物A-7と直接結合させてもよい。
【0214】
合成化学の当業者は、他のカップリング剤が使用され得ることを容易に理解するであろう。金属触媒及び(1)1-メチルシクロプロパン-1-スルホンアミド、(2)3-メチルオキセタン-3-アミン、(3)tert-ブチル3-メルカプトアゼチジン-1-カルボキシレート、(4)エチル2-スルファモイルプロパノエート、(5)2-ヒドロキシプロパン-1-スルホンアミド、(6)2-ヒドロキシエタン-1-スルホンアミド、(7)ヨード酢酸エチル、(8)2-メルカプトプロパン-1-オール、(9)2-メルカプト-2-メチルプロパン-1-オール、(10)2-アミノエタン-1-オール、又は(11)シクロプロパンチオールなどのR1試薬の存在下で、DMSO、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどの好適な有機溶媒中で、金属触媒スルホアミド化、スルフィン化、又はスルホニル化などの変換反応によるハロゲン基W3のさらなる操作が使用されて、化合物(Ia)又は(Ic)が形成され得る。当業者は、工程A-3に示されるものなどのカップリング反応が、様々な公知の条件下で行われ得ることを容易に理解するであろう。
【0215】
スキームB:化合物(Ia)又は(Ic)の代替的な調製:
工程B-1:環Ar
1化合物の調製:上記のスキームAの工程A-1~A-1-dを参照
工程B-2:環Ar
2化合物の調製:
【化44】
スキームBは、本明細書に開示される式(Ia)又は(Ic)の化合物を形成する代替的方法を提供する。スキームAに記載された工程A-1~A-1dのいずれかの後で、基R
1は、或いは、スキームAにあるように工程B-3ではなく工程B-2で環Ar
2に導入してもよい。工程2bによれば、化合物B-1(式中、W
4及びW
5の各々は、独立してハロゲン、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードである)は、NMP、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどといった好適な有機溶媒中、炭酸カリウムなどの塩基の存在下で、ヨウ化メチルなどの適切なカルボン酸保護基(PG1試薬)と反応させてメチルエステルを形成するか、又はその他の適切な保護基と反応させてベンジルエステルなどのその他のエステルを形成して、化合物B-2を形成することができ、ここでW
4及びW
5の各々は、化合物B-1で定義される通りである。化合物B-2は、カリウムtert-ブトキシドなどの塩基の存在下で、適切な保護アミン(PG
2試薬)、例えば4,4-ジメチルオキサゾリジン-2-オンと反応されて、化合物B-3が形成され得る。これは、NMP、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレン、DMSOなどの好適な有機溶媒中で、(1)6-アザスピロ[2.5]オクタン塩酸塩、(2)4,4-ジメチルピペリジン塩酸塩、(3)3,4,4-トリメチルピペリジン塩酸塩、(4)4-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン塩酸塩、又は(5)7-アザスピロ[3.5]ノナン塩酸塩などのR
X試薬と反応されて、化合物B-4が形成され得、これが、次に、適切なカルボン酸脱保護剤とさらに反応されて、化合物B-5が形成され得る。適切なカルボン酸保護基及び脱保護剤は、例えば、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesisにおいて記載されているように、当業者に公知である。
【0216】
工程B-3:環Ar
2化合物への環Ar
1化合物のカップリング及び保護基の除去
【化45】
工程B-3は、工程A-3において上述されるカップリング反応と同様の条件下で行われ得る。
【0217】
スキームC
工程C-1:環Ar1化合物の調製:上記のスキームAの工程A-1~A-1dを参照。
【0218】
工程C-2:環Ar2化合物の調製:化合物C-1は、市販されているか、又は当業者に公知の方法にしたがって調製され得る。
【0219】
工程C-3:環Ar
2化合物への環Ar
1化合物のカップリング及びR
Xの導入
【化46】
市販の化合物C-1(例えば2-フルオロ-3-ピリジンカルボン酸又は3-フルオロイソニコチン酸)は、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどの好適な有機溶媒中で、酸塩化物(COCl)
2又はSOCl
2などの活性化剤と反応されて、酸塩化物誘導体が形成され得、これが、次に、化合物A-3と反応されて、化合物C-2が形成され得る。
【0220】
或いは、化合物C-1は、N、N’-ジイソプロピルカルボジイミド、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、塩化チオニル、カルボニルジイミダゾール、及びポリホスホン酸無水物などのカップリング試薬の存在下で、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどの好適な有機溶媒中で、工程A-2から得られた化合物A-3と直接カップリングされ得る。化合物C-2は、NMP、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレン、DMSOなどの好適な有機溶媒中で、(1)6-アザスピロ[2.5]オクタン塩酸塩、(2)4,4-ジメチルピペリジン塩酸塩、(3)3,4,4-トリメチルピペリジン塩酸塩、(4)4-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン塩酸塩、又は(5)7-アザスピロ[3.5]ノナン塩酸塩などのRX試薬と反応されて、化合物(Ia)が形成され得る。
【0221】
スキームD
別の実施形態において、次式:
【化47】
(式中、Lが-(C=O)-NH-である)で表される式(I)の化合物であって;本明細書において上で定義される式(Ib)、(Id)、及び(If):
【化48】
の化合物として実現される化合物は、スキームDにしたがって合成され得る。
【0222】
工程D-1:環Ar
1化合物の調製:環Ar
1化合物の一実施形態は、式:
【化49】
で表される化合物D-1を含む。工程D-1では、化合物D-1(式中、W
5は、ハロ、例えばフルオロ又はクロロである)を、好適な塩基の存在下、NMP、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどといった好適な有機溶媒中で、R
2試薬と反応させて、化合物D-2を形成することができる。化合物D-1の例としては、3-フルオロ安息香酸、又は3-フルオロ-3-メチル安息香酸が挙げられるが、これらに限定されない。R2試薬の例としては、(1)(R)-2-メチルモルホリン、(2)4,4-ジフルオロピペリジン塩酸塩、又は(3)3,3-ジフルオロアゼチジン塩酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。塩基の例としては、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0223】
化合物D-1は、市販されているか、又は当業者によって公知の方法及び試薬にしたがって調製され得る。
【0224】
工程D-2:環Ar
2化合物の調製:
【化50】
工程D-2において、化合物D-3(式中、W
6が、ハロ、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードである)は、NMP、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどの好適な有機溶媒中で、(1)6-アザスピロ[2.5]オクタン、(2)4,4-ジメチルピペリジン、(3)3,4,4-トリメチルピペリジン、(4)4-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン、又は(5)7-アザスピロ[3.5]ノナンなどのR
X試薬と反応されて、化合物D-4が形成され得る。化合物D-3の例としては、限定はされないが、2-フルオロピリジン-3-アミン、2-フルオロ-6-メチルピリジン-3-アミン、2-フルオロ-5-メチルピリジン-3-アミン、4-フルオロピリジン-3-アミン、又は6-ブロモ-2-フルオロピリジン-3-アミンが挙げられる。
【0225】
工程D-3:環Ar
2化合物への環Ar
1化合物のカップリング。
【化51】
工程D-3において、化合物D-4(式中、X
1がNであり;X
2が-CR
4であり;X
3が、ハロ、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードであるW
6である)は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどの好適な有機溶媒中で、T
3P又はHATU又はTATUなどの活性化剤の存在下、及びDIPEAの存在下で、化合物D-2と反応されて、化合物(D-5)(式中、X
1がNであり;X
2が-CR
4であり;X
3がW
6である)が形成され得る。
【0226】
次いで、DMSO、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMFなどといった好適な有機溶媒中、金属触媒、及びR1試薬、例えば(1)オキセタン3-アミン、(2)2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、(3)(3-アミノオキセタン-3-イル)メタノール、(4)2-スルファモイルプロパン酸エチル、(5)2-ヒドロキシプロパン-1-スルホンアミド、(6)2-ヒドロキシエタン-1-スルホンアミド、(7)2-メルカプトプロパン-1-オール、(8)2-メルカプト-2-メチルプロパン-1-オール、(9)2-アミノエタン-1-オール、又は(10)シクロプロパンエチオールの存在下で、SNAr、金属触媒スルホアミド化、スルフィン化、又はスルホニル化などの変換反応によって、ハロ基W6をさらに操作して、化合物(Id)を形成することができる(ここで、X1はN、X2はCR4、及びX3はR1である)。
【0227】
【化52】
或いは、化合物D-4(式中、X
1が-CR
3であり;X
2がNであり;X
3が、ハロ、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードであるW
7である)は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどの好適な有機溶媒中で、T
3P又はHATU又はTATUなどの活性化剤の存在下、及びDIPEAの存在下で、化合物D-2と反応されて、化合物(D-5)(式中、X
1が-CR
3であり;X
2がNであり;X
3がW
7である)が形成され得る。
【0228】
次に、金属触媒及び(1)オキセタン3-アミン、(2)2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、(3)(3-アミノオキセタン-3-イル)メタノール、(4)エチル2-スルファモイルプロパノエート、(5)2-ヒドロキシプロパン-1-スルホンアミド、(6)2-ヒドロキシエタン-1-スルホンアミド、(7)2-メルカプトプロパン-1-オール、(8)2-メルカプト-2-メチルプロパン-1-オール、(9)2-アミノエタン-1-オール、又は(10)シクロプロパンチオールなどのR1試薬の存在下で、DMSO、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMFなどの好適な有機溶媒中で、SNAr、金属触媒スルホアミド化、スルフィン化、又はスルホニル化などの変換反応によるハロ基W7のさらなる操作が行われて、化合物(Id)(式中、X1が-CR3であり;X2がNであり;X3がR1である)が形成され得る。
【0229】
【化53】
さらに或いは、化合物D-4(式中、X
1が-CR
3であり;X
2がCR
4であり;X
3がNである)は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどの好適な有機溶媒中で、T
3P又はHATU又はTATUなどの活性化剤の存在下、及びDIPEAの存在下で、化合物D-2と反応されて、化合物(If)(式中、X
1が-CR
3であり;X
2がCR
4であり;X
3がNである)が形成され得る。
【0230】
当業者は、工程D-3に示されるものなどのカップリング反応が、様々な公知の条件下で行われ得ることを容易に理解するであろう。
【0231】
環AR
1中間体の調製
中間体1:3-アミノ-N-(tert-ブチル)-5-メチルベンゼンスルホンアミド。
【化54】
工程1:氷冷1-メチル-3-ニトロベンゼン(2.0g、14.58mmol)に、クロロスルホン酸(14.57mL、219mmol)を、15分間にわたってゆっくりと加えた。得られた混合物を、80℃で3時間加熱した。反応混合物を、砕いた氷でクエンチし、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を、飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、3-メチル-5-ニトロベンゼンスルホニルクロリドを茶色の液体として得た。粗試料を、直ぐに次の工程に送った。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 8.70(t,J=1.9Hz、1H)、8.52-8.39(m,1H)、8.18(t,J=1.7Hz、1H)、及び2.66(s,3H).
【0232】
工程2:DCM(50mL)中の2-メチルプロパン-2-アミン(1.09g、14.94mmol)及びDIPEA(3.56mL、20.37mmol)の氷冷溶液に、ジクロロメタン(50mL)中の3-メチル-5-ニトロベンゼン-1-スルホニルクロリド(粗製)(3.2g、13.58mmol)の溶液をゆっくりと加えた。添加の後、反応混合物を、ゆっくりと周囲温度に温め、そこで2時間撹拌した。次に、水(100mL)を加え、10分間撹拌した。水性層を、ジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗材料を、シリカゲルのプラグに吸収させ、石油エーテル中0%~10%のEtOAcの勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(tert-ブチル)-3-メチル-5-ニトロベンゼンスルホンアミド(1.9g、6.98mmol、51%の収率)を淡黄色の固体として得た。1H NMR(300MHz、クロロホルム-d)δ 8.56(d,J=5.8Hz、1H)、8.27-8.16(m,1H)、8.10-7.99(m,1H)、4.86(s,1H)、2.57(s,3H)、及び1.42-1.12(s,9H).MS(ESI 陰イオン)m/z:271.2(M-1).
【0233】
工程3:MeOH(50mL)中のN-(tert-ブチル)-3-メチル-5-ニトロベンゼンスルホンアミド(1.9g、6.98mmol)及び10%のPd/C(0.6g、0.56mmol)の混合物を、3時間にわたって水素雰囲気(約14.5psi-バルーン圧)下で撹拌し、次に、CELITE(登録商標)パッドに通してろ過した。パッドを、メタノール(150mL)ですすいだ。ろ液を減圧下で濃縮して、白色の残渣を得た。粗材料を、シリカゲルのプラグに吸収させ、石油エーテル中15~20%のEtOAcの勾配で溶離するクロマトグラフィーによって精製して、3-アミノ-N-(tert-ブチル)-5-メチルベンゼンスルホンアミド(1.2g、4.95mmol、71%の収率)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 7.33-7.13(m,1H)、6.83(dq,J=4.7、2.2Hz、1H)、6.76(dd,J=3.8、2.2Hz、1H)、6.52(q,J=3.5、2.6Hz、1H)、5.55-5.29(m,2H)、2.27-2.05(s,3H)、及び1.20-0.98(s,9H).m/z(ESI):243.1(M+1).
【0234】
【0235】
中間体2:3-アミノ-N-(tert-ブチル)-5-フルオロベンゼンスルホンアミド
【化55】
工程1:0℃で3,5-ジフルオロニトロベンゼン(1mL、8.80mmol)、炭酸カリウム(0.59mL、9.68mmol)、及びDMF(10mL)の混合物に、ベンジルメルカプタン(1.1mL、9.24mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、水を加えた(10mL)。得られた混合物を、EtOAc(3×100mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を無水Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、それをさらに精製せずに使用した。
【0236】
工程2:100mLの丸底フラスコに、ベンジル(3-フルオロ-5-ニトロフェニル)スルファン(1.63g、6.19mmol)、アセトニトリル(12mL)、水(0.3mL)、酢酸(0.45mL)を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(1.14mL、8.67mmol)を少しずつ加えた。添加が完了したとき、反応混合物を0℃で20分間撹拌してから、飽和NaHCO3で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出物を水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶液をろ過し、減圧下で濃縮して、粗材料、3-フルオロ-5-ニトロベンゼン-1-スルホニルクロリド(1.48g、6.19mmol、100%の収率)を白色の固体として得て、それをさらに精製せずに使用した。m/z(ESI):240.2(M+1)。
【0237】
工程3:100mLの丸底フラスコに、3-フルオロ-5-ニトロベンゼン-1-スルホニルクロリド(1.66g、6.92mmol)、tert-ブチルアミン(0.51mL、6.92mmol)、DIPEA(1.81mL、10.38mmol)、及びジクロロメタン(10mL)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、飽和NaHCO3で希釈し、ジクロロメタン(6mL)で抽出した。有機抽出物を水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶液をろ過し、減圧下で濃縮して、粗材料を白色油として得た。粗材料を、シリカゲルのプラグに吸収させ、ヘプタン中0%~25%のEtOAcの勾配で溶離するシリカゲルカラムを通したクロマトグラフィーによって精製して、N-(tert-ブチル)-3-フルオロ-5-ニトロベンゼンスルホンアミド(1.02g、3.70mmol、53%の収率)を白色の固体として得た。m/z(ESI):290.2(M+Na)。
【0238】
工程4:25mLのガラスバイアルに、鉄(299mg、5.43mmol)、塩化アンモニウム(48mg、0.905mmol)、N-(tert-ブチル)-3-フルオロ-5-ニトロベンゼンスルホンアミド(500mg、1.81mmol)、及びEtOH(6mL)、続いて0.5mLの水を加えた。反応混合物を80℃で1時間撹拌し、室温に冷却し、CELITE(登録商標)上でろ過し、溶媒を減圧下で除去した。反応混合物を、飽和NH4Cl(10mL)で希釈し、EtOAc(10mL)で抽出した。有機抽出物を、水(10mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶液をろ過し、減圧下で濃縮して、粗材料を白色油として得た。粗材料を、シリカゲルのプラグに吸収させ、ヘプタン中0%~40%のEtOAcの勾配で溶離するRedi-Sepプレパックシリカゲルカラムを通したクロマトグラフィーによって精製して、3-アミノ-N-(tert-ブチル)-5-フルオロベンゼンスルホンアミド(334mg、1.35mmol、75%の収率)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 6.99(t,J=1.76Hz、1H)、6.93(td,J=1.91、8.12Hz、1H)、6.51(td,J=2.35、10.17Hz、1H)、4.52(s,1H)、1.26(s,9H).m/z(ESI):247.1(M+1).
【0239】
中間体3:3-アミノ-N-(tert-ブチル)-2-フルオロベンゼンスルホンアミド。
【化56】
工程1:ジクロロメタン(40mL)中の3-ブロモ-2-フルオロベンゼンスルホニルクロリド(4.0g、14.62mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で、トリエチルアミン(6.12mL、43.9mmol)及びtert-ブチルアミン(2.33mL、21.94mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を、水(30mL)でクエンチし、二相混合物を、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を塩水(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、シリカゲルのプラグに吸収させ、ヘキサン中5%~8%のEtOAcで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、3-ブロモ-N-(tert-ブチル)-2-フルオロベンゼンスルホンアミド(3.5g、77%の収率)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR(400MHz、DMSO-d
6):δ 8.01-7.95(m,2H)、7.85-7.80(m,1H)、7.36-7.31(m,1H)、1.13(s,9H).m/z(ESI):308.1[M-1].
【0240】
工程2:エチレングリコール(5mL)中の3-ブロモ-N-(tert-ブチル)-2-フルオロベンゼンスルホンアミド(3.2g、10.32mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で、N1,N2-ジメチルエタン-1,2-ジアミン(0.091g、1.032mmol)、炭酸カリウム(0.28g、2.06mmol)、酸化銅(I)(0.074g、0.516mmol)及びアンモニア水(7.5mL)を加えた。反応容器を閉じ、100℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を塩水溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル(60~120メッシュ)のプラグに吸収させ、ヘキサン中25%~35%のEtOAcで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって、3-アミノ-N-(tert-ブチル)-2-フルオロベンゼンスルホンアミド(0.90g、3.65mmol、35%の収率)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 7.56(s,1H)、6.98-6.88(m,3H)、5.50(s,2H)、1.12(s,9H).m/z(ESI):247.2[M+1].
【0241】
中間体4:3-((1-メチルシクロブチル)スルホニル)アニリン
【化57】
工程1:ジエチルエーテル(30.0mL)中の3-アミノベンゼンチオール(3.0g、23.96mmol)及びメチレンシクロブタン(2.94g、43.1mmol)の混合物に、濃縮H
2SO
4(3.83mL、71.9mmol)を注意深く加え、室温で45分間撹拌した。反応混合物を、冷飽和NaHCO
3水溶液(200mL)に注ぐことによってクエンチし、EtOAc(3×200mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を冷水(5×50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、シリカゲルのプラグに吸収させ、ヘキサン中1%~15%のEtOAcの勾配で溶離するRedi-Sepプレパックシリカゲルカラムを通したフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、3-((1-メチルシクロブチル)チオ)アニリン(3.2g、69%の収率)を無色油として得た。
1H NMR(400MHz、DMSO-d
6):δ 7.02-6.95(m,1H)、6.63(s,1H)、6.55-6.45(m,2H)、2.27-2.14(m,2H)、2.08-1.84(m,4H)、1.45(m,3H)、NH
2プロトンは視認できなかった。m/z(ESI):194.2[M+1].
【0242】
工程2:テトラヒドロフラン(30mL)中の3-((1-メチルシクロブチル)チオ)アニリン(3.0g、15.52mmol)の溶液に、Boc無水物(7.21mL、31.0mmol)及びトリエチルアミン(3.24mL、23.28mmol)を室温で加え、18時間撹拌した。反応混合物を、水(100mL)でクエンチし、EtOAc(200mL)で抽出した。有機層を水(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル(60~120メッシュ)のプラグに吸収させ、ヘキサン中5%~8%のEtOAcの勾配で溶離するRedi-Sepプレパックシリカゲルカラム(40g)を通したフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(3-((1-メチルシクロブチル)チオ)フェニル)カルバメート(3.2g、70%の収率)を白色の固体として得た。1H NMR(300MHz、クロロホルム-d):δ 7.44-7.33(m,2H)、7.30-7.20(m,1H)、7.10(d,J=7.6Hz、1H)、6.50(s,1H)、2.42-2.26(m,2H)、2.16-1.93(m,4H)、1.57(s,9H)、1.54(s,3H).m/z(ESI):294.2[M+1].
【0243】
工程3:メタノール(40mL)及び水(20mL)中のtert-ブチル(3-((1-メチルシクロブチル)チオ)フェニル)カルバメート(2.0g、6.82mmol)の溶液に、オキソン(9.22g、15.00mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、10%のNaHCO3水溶液(50mL)を用いてpH7に調整し、EtOAc(3×50mL)中で抽出した。組み合わされた有機抽出物を塩水溶液(100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、シリカゲルのプラグに吸収させ、ヘキサン中1%~40%のEtOAcの勾配で溶離するRedi-Sepプレパックシリカゲルカラムを通したフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(3-((1-メチルシクロブチル)スルホニル)フェニル)カルバメート(1.8g、81%の収率)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 9.78(s,1H)、8.05(s,1H)、7.78-7.68(m,1H)、7.53(d,J=8.0Hz、1H)、7.39(d,J=7.8Hz、1H)、2.72-2.64(m,2H)、2.00(dt,J=10.8、7.8Hz、1H)、1.91-1.68(m,3H)、1.49(s,9H)、1.35(s,3H).m/z(ESI):326.1[M+1].
【0244】
工程4:1,4-ジオキサン(20mL)中のtert-ブチル(3-((1-メチルシクロブチル)スルホニル)フェニル)カルバメート(1.8g、5.53mmol)の溶液に、HCl(1,4-ジオキサン中4M、6.91mL、27.7mmol)を0℃で加え、周囲温度で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、10%のNaHCO3水溶液を用いてpH7~8に調整した。反応混合物を、水(50mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を塩水(100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテル(100mL)で研和して、3-((1-メチルシクロブチル)スルホニル)アニリン(1.05g、84%の収率)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 7.34-7.21(m,1H)、7.00(s,1H)、6.93-6.79(m,2H)、5.66(s,2H)、2.73-2.59(m,2H)、2.07-1.93(m,1H)、1.85-1.76(m,3H)、1.35(s,3H).m/z(ESI):226.1[M+1].
【0245】
中間体5:3-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)スルホニル)アニリン。
【化58】
工程1:ジクロロメタン(300mL)中の2,2,2-トリフルオロエタン-1-オール(5.0g、50.0mmol)の溶液に、トリエチルアミン(4.64mL、33.3mmol)及びp-トルエンスルホニルクロリド(6.35g、33.3mmol)を加え、室温で18時間撹拌した。反応混合物を、水(200mL)でクエンチし、ジクロロメタン(2×500mL)中で抽出した。組み合わされた有機抽出物を水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、2,2,2-トリフルオロエチル4-メチルベンゼンスルホネート(5g、59%の収率)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d):δ 8.85(d,J=8.5Hz、2H)、8.43(d,J=8.5Hz、2H)、5.38(q,J=10.2Hz、2H)、3.50(s,3H).m/z(ESI):255.1[M+1].
【0246】
工程2:THF(225mL)中の3-アミノベンゼンチオール(4.43g、35.4mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(1.77g、44.3mmol)を0℃で加え、30分間撹拌した。次に、2,2,2-トリフルオロエチル4-メチルベンゼンスルホネート(9.0g、35.4mmol)を加え、反応混合物を18時間撹拌した。反応混合物を、水(20mL)でクエンチし、EtOAc(2×50mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、ヘキサン中5%~10%のEtOAcの勾配で溶離するRedi-Sepプレパックシリカゲルカラムを通したフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、3-((2,2,2-トリフルオロエチル)チオ)アニリン(5g、68%の収率)を薄茶色の油として得た。1H NMR(300MHz、DMSO-d6):δ 6.99(d,J=7.7Hz、1H)、6.66-6.58(m,2H)、6.47(d,J=8.0Hz、1H)、5.22(s,2H)、3.87(q,J=10.2Hz、2H).m/z(ESI):208.2[M+1].
【0247】
工程3:テトラヒドロフラン(50mL)中の3-((2,2,2-トリフルオロエチル)チオ)アニリン(5.0g、24.13mmol)の溶液に、トリエチルアミン(6.73mL、48.3mmol)及びBoc2O(8.40mL、36.2mmol)を加え、室温で18時間撹拌した。反応混合物を、水(100mL)でクエンチし、EtOAc(200mL)で抽出した。有機層を水(100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗材料を、シリカゲル(60~120メッシュ)のプラグに吸収させ、ヘキサン中5%~8%のEtOAcの勾配で溶離するRedi-Sepプレパックシリカゲルカラムを通したフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(3-((2,2,2-トリフルオロエチル)チオ)フェニル)カルバメート(4.2g、57%の収率)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 9.43(s,1H)、7.62(s,1H)、7.33(d,J=8.4Hz、1H)、7.27-7.21(m,2H)、3.93(q,J=10.0Hz、2H)、1.48(s,9H).m/z(ESI):308.1[M+1].
【0248】
工程4:メタノール(40mL)及び水(20mL)中のtert-ブチル(3-((2,2,2-トリフルオロエチル)チオ)フェニル)カルバメート(4.2g、13.67mmol)の溶液に、オキソン(9.24g、30.1mmol)を加え、室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。反応混合物を、10%のNaHCO3水溶液で中和し、EtOAc(3×200mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を水(2×100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(3-((2,2,2-トリフルオロエチル)スルホニル)フェニル)カルバメート(3.2g、69%の収率)を白色の固体として得た。1H NMR(300MHz、DMSO-d6):δ 9.86(s,1H)、8.22(s,1H)、7.70(d,J=7.2Hz、1H)、7.64-7.56(m,2H)、4.92(q,J=10.0Hz、2H)、1.49(m,9H).m/z(ESI):338.0[M-1].
【0249】
工程5:乾燥テトラヒドロフラン(50mL)中のtert-ブチル(3-((2,2,2-トリフルオロエチル)スルホニル)フェニル)カルバメート(8.5g、25.05mmol)の溶液に、ヨウ化メチル(15.66mL、250mmol)及びHMPA(43.6mL、250mmol)を0℃で加えた。反応混合物を-78℃に冷却し、窒素雰囲気下で、LDA(THF中2Mの溶液、31.3mL、62.6mmol)を加えた。反応混合物を-78℃で30分間撹拌し、室温に温めた。反応混合物を、飽和NH4Cl水溶液(100mL)で希釈し、ジエチルエーテル(3×250mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を塩水(250mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、シリカゲルのプラグに吸収させ、ヘキサン中5%~7%のEtOAcで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(3-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)スルホニル)フェニル)カルバメート(1.9g、21%の収率)を淡黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 9.86(s,1H)、8.15(s,1H)、7.80(d,J=8.7Hz、1H)、7.62-7.58(m,1H)、7.50(d,J=7.9Hz、1H)、1.58-1.43(m,15H).m/z(ESI):366.2[M-1].
【0250】
工程6:1,4-ジオキサン(20mL)中のtert-ブチル(3-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)スルホニル)フェニル)カルバメート(1.8g、4.90mmol)の溶液に、塩酸(1,4-ジオキサン中4Nの溶液、12.3mL、49.0mmol)を0℃で加え、室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、10%のNaHCO3水溶液を用いてpH7~8に調整した。反応混合物を、水(50mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を塩水溶液(100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル(60~120メッシュ)のプラグに吸収させ、ヘキサン中17%~19%のEtOAcで溶離するIsolera-Biotageによって精製して、3-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)スルホニル)アニリン(0.9g、69%の収率)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 7.30(d,J=7.9Hz、1H)、7.08(s,1H)、7.00-6.89(m,2H)、5.75(s,2H)、1.49(s,6H).m/z(ESI):268.1[M+1].
【0251】
中間体6:3-((3,3-ジフルオロシクロペンチル)スルホニル)アニリン。
【化59】
工程1:アセトン(160mL)中の3-アミノベンゼンチオール(10.0g、80mmol)の溶液に、Boc無水物(37.1mL、160mmol)及び10%のNa
2CO
3水溶液(20mL、160mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、水(250mL)でクエンチし、EtOAc(3×250mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を塩水(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗材料を、シリカゲルのプラグに吸収させ、ヘキサン中1%~15%のEtOAcの勾配で溶離するRedi-Sepプレパックシリカゲルカラムを通したフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(3-メルカプトフェニル)カルバメート(11g、61%の収率)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 13.1(s,1H)、7.56(s,1H)、7.42(d,J=7.2Hz、1H)、7.31(dd,J=7.6、7.2Hz、1H)、7.19(d,J=7.6Hz、1H)、6.54(s,1H)、1.52(s,9H).
【0252】
工程2:tert-ブチル(3-メルカプトフェニル)カルバメート(10.0g、44.4mmol)及びシクロペンタ-2-エノン(14.58g、178mmol)の混合物を、120℃で24時間撹拌した。反応混合物を、シリカゲルのプラグに直接吸収させ、ヘキサン中9%~12%のEtOAcで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(3-((3-オキソシクロペンチル)チオ)フェニル)カルバメート(10.0g、73%の収率)を無色の粘性の油として得た。1H NMR(300MHz、クロロホルム-d)δ 7.54(s,1H)、7.28-7.17(m,2H)、7.07(d,J=8.8Hz、1H)、6.55(s,1H)、3.94(t,J=8.0Hz、1H)、2.71-2.58(m,1H)、2.45-2.20(m,4H)、2.12-1.97(m,1H)、1.53(s,9H).m/z(ESI):308.6[M+1].
【0253】
工程3:MeOH(100mL)中のtert-ブチル(3-((3-オキソシクロペンチル)チオ)フェニル)カルバメート(5.0g、16.27mmol)の溶液に、水(50mL)中のオキソン(22g、35.8mmol)の溶液を加え、室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、メタノールを除去し、得られた水溶液を、DCM(3×100mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を塩水(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(3-((3-オキソシクロペンチル)スルホニル)フェニル)カルバメート(4.5g、粗製)を淡黄色の油として得て、それをそのまま次の工程に送った。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 9.84(s,1H)、8.14(s,1H)、7.71(d,J=7.92Hz、1H)、7.60-7.53(m,1H)、7.48(d,J=7.7Hz、1H)、4.08(t,J=7.4Hz、1H)、2.45-2.16(m,6H)、1.50(s,9H).
【0254】
工程4:DCM(20mL)中のtert-ブチル(3-((3-オキソシクロペンチル)スルホニル)フェニル)カルバメート(1.65g、4.86mmol)の溶液に、窒素雰囲気下でDAST(1.606mL、12.15mmol)を-78℃で加え、-78℃で30分間撹拌した。反応混合物をゆっくりと室温に温め、18時間撹拌した。反応混合物を、1NのNaOH水溶液(10mL)でクエンチし、水(25mL)で希釈し、DCM(3×50mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を塩水(80mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗材料を、シリカゲルのプラグに吸収させ、ヘキサン中6%~8%のEtOAcで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(3-((3,3-ジフルオロシクロペンチル)スルホニル)フェニル)カルバメート(0.95g、54%の収率)を無色の粘性の油として得た。1H NMR(300MHz、DMSO-d6):δ 9.84(s,1H)、8.14(s,1H)、7.70(d,J=7.8Hz、1H)、7.61-7.43(m,2H)、4.13-3.98(m,1H)、2.41-1.95(m,6H)、1.49(s,9H).MS(ESI、陰イオン)m/z:360.2[M-1].
【0255】
工程5:1,4-ジオキサン(10mL)中のtert-ブチル(3-((3,3-ジフルオロシクロペンチル)スルホニル)フェニル)カルバメート(1.0g、2.8mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4Mの溶液、10mL、40.0mmol)を0℃で加え、室温で24時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。粗残渣を水(15mL)に溶解させ、10%のNaHCO3水溶液を用いてpH7に調整し、H2O(20mL)で希釈し、EtOAc(3×30mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を塩水溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルのプラグに吸着させ、ヘキサン中20%~25%のEtOAcで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、3-((3,3-ジフルオロシクロペンチル)スルホニル)アニリン(250mg、35%の収率)を粘性油として得た。1H NMR(400MHz、MeOD):δ 7.27(t,J=8.0Hz、1H)、7.15(d,J=2.0Hz、1H)、7.09(dd,J=8.0、2.0Hz、1H)、6.95(dd,J=8.0、2.0Hz、1H)、3.90-3.84(m,1H)、2.51-2.05(m,6H)、NH2プロトンは視認できなかった。MS(ESI、陽イオン)m/z:262.1[M+1].
【0256】
中間体7:(R)-3-フルオロ-5-(2-メチルモルホリノ)アニリン。
【化60】
工程1:1,4-ジオキサン(30.0mL)中1,3-ジフルオロ-5-ニトロベンゼン(3.0g、18.86mmol、Apollo Scientific)、(R)-2-メチルモルホリン(2.289g、22.63mmol、Arbor Chemicals)及びDIPEA(6.59mL、37.7mmol)の混合物を、マイクロ波下、100℃で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、石油エーテル中0%~40%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、(R)-4-(3-フルオロ-5-ニトロフェニル)-2-メチルモルホリン(1.5g、6.24mmol、収率33%)を黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ ppm 7.54(d,J=2.3Hz,1H),7.38(dt,J=8.4,2.1Hz,1H),7.27(dt,J=12.3,2.3Hz,1H),3.92(ddd,J=11.5,3.7,1.4Hz,1H),3.80(dt,J=12.2,2.2Hz,1H),3.68(ddt,J=12.2,3.1,1.6Hz,1H),3.53-3.67(m,2H),2.79(td,J=11.9,3.6Hz,1H),2.41-2.49(m,1H),1.16(d,J=6.2Hz,3H).m/z(ESI):241.1(M+H)
+.
【0257】
工程2:MeOH(10mL)及びTHF(10mL)中(R)-4-(3-フルオロ-5-ニトロフェニル)-2-メチルモルホリン(1.8g、7.49mmol)の溶液に、Pd炭素(0.5g、4.70mmol、Hindustan platinum)を添加し、H2圧(14psi)下で16時間撹拌した。反応混合物をCELITE(登録商標)床を通してろ過し、MeOHで洗浄し、組み合わされた濾液を濃縮して、(R)-3-フルオロ-5-(2-メチルモルホリノ)アニリン(1.1g、5.23mmol、収率70%)をベージュ色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 5.90(d,J=12.5Hz,2H),5.78(d,J=11.0Hz,1H),5.19(d,J=7.9Hz,2H),3.86(dd,J=11.2,3.4Hz,1H),3.57(dtd,J=14.7,11.5,10.0,4.3Hz,2H),3.43(d,J=11.6Hz,1H),3.33(m,1H),2.58(td,J=11.7,3.3Hz,1H),2.27(q,J=10.9,10.3Hz,1H),1.13(dd,J=9.6,5.7Hz,3H).m/z(ESI):211.2(M+H)+.
【0258】
中間体8:(R)-4-フルオロ-3-(2-メチルモルホリノ)アニリン
【化61】
工程1:ジオキサン(15mL)中2-ブロモ-1-フルオロ-4-ニトロベンゼン(3.0g、13.64mmol、Apollo Scientific)、(R)-2-メチルモルホリン(1.94g、19.23mmol、Arbor chemicals)、Pd(OAc)
2(0.36g、1.63mmol)、Cs
2CO
3(8.89g、27.3mmol)及びキサントホス(0.87g、1.50mmol)の混合物を100℃で16時間加熱した。反応混合物をCELITE(登録商標)床を通してろ過し、EtOAcで洗浄した。濾液を水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン中0~20%EtOAcで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(R)-4-(2-フルオロ-5-ニトロフェニル)-2-メチルモルホリン(0.7g、2.91mmol、収率21%)を黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6):δ ppm 7.89(ddd,J=8.9,3.9,2.8Hz,1H),7.79(dd,J=7.6,2.8Hz,1H),7.46(dd,J=12.2,8.9Hz,1H),3.90(ddd,J=11.5,3.2,1.5Hz,1H),3.68-3.77(m,2H),3.27-3.40(m,2H),2.85(td,J=11.6,3.2Hz,1H),2.56(dd,J=11.6,10.0Hz,1H),1.15(d,J=6.3Hz,3H).m/z(ESI):241.1(M+H)
+.
【0259】
工程2:MeOH(10mL)及びTHF(10mL)中(R)-4-(2-フルオロ-5-ニトロフェニル)-2-メチルモルホリン(0.7g、2.91mmol)の溶液に、Pd炭素(0.35g、3.29mmol、Hindustan platinum)を添加し、この反応混合物をH2圧(14psi)下で16時間撹拌した。反応混合物をCELITE(登録商標)床を通してろ過し、MeOHで洗浄し、濾液を濃縮して、(R)-4-フルオロ-3-(2-メチルモルホリノ)アニリンをベージュ色の固体として得、これを精製せずに次の工程に直接使用した。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 6.75(dd,J=12.9,8.5Hz,1H),6.22(dd,J=7.7,2.6Hz,1H),6.10(dt,J=8.6,3.1Hz,1H),4.84(s,2H),3.79-3.87(m,1H),3.58-3.72(m,2H),3.07-3.20(m,2H),2.61(td,J=11.5,3.2Hz,1H),2.32(t,J=10.7Hz,1H),1.10(d,J=6.3Hz,3H).m/z(ESI):211.2(M+H)+.
【0260】
環AR
2中間体の調製:
中間体9:6-フルオロ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチン酸
【化62】
250mLの丸底フラスコに、2,6-ジフルオロニコチン酸(5.0g、31.5mmol)、6-アザスピロ[2.5]オクタン(3.8g、34.6mmol)及び1,4-ジオキサン(60mL)を充填した。DIPEA(6.6mL、37.9mmol)を加え、薄茶色の溶液を室温で18時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をEtOAc(80mL)で希釈し、次に、水(2×10mL)、続いて塩水(10mL)で洗浄した。有機相が、約50mLになるまで減少され、いくらかの固体が沈殿し始めた。懸濁液を、18時間にわたって放置した。固体を収集して、表題化合物(2.35g)を黄色の固体として得た。母液を濃縮し、最小限の量のEtOAcを加えて、全ての残渣を溶解させた。体積が、約20mLになるまで減少され、第2の生成物(crop)を収集して、表題化合物(2.23g)を黄色の固体として得た。この手順を繰り返して、表題化合物の第3の生成物(1.10g)を得た。全ての3つのバッチを組み合わせて、6-フルオロ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチン酸(5.68g、72%の収率)を得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 10.50(s,1H)、8.68(t,J=8.2Hz、1H)、7.00(dd,J=3.1、8.4Hz、1H)、3.19(t,J=5.6Hz、4H)、1.69(br s,4H)、0.47(s,4H).m/z(ESI):251.0(M+H)
+.
【0261】
【0262】
中間体10:6-((メチルスルホニル)メチル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチン酸。
【化63】
工程1:四塩化炭素(50mL)中のメチル2-クロロ-6-メチルニコチネート(5.0g、26.9mmol)の撹拌溶液に、AIBN(0.442g、2.69mmol)及びN-ブロモスクシンイミド(4.79g、26.9mmol)を加え、70℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(50mL)でクエンチし、ジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を塩水(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、メチル6-(ブロモメチル)-2-クロロニコチネート(5g、粗生成物)を淡黄色の油として得た。粗生成物を、精製せずに持ち越した。MS(ESI、陽イオン)m/z:264[M+1]。
【0263】
工程2:DMF(50mL)中のメチル6-(ブロモメチル)-2-クロロニコチネート(5.9g、22.31mmol)の溶液に、メタンスルフィン酸ナトリウム(2.73g、26.8mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を、水(100mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を塩水溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル(60~120メッシュ)のプラグに吸収させ、ヘキサン中1%~50%のEtOAcの勾配で溶離するRedi-Sepプレパックシリカゲルカラム(120g)を通したフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、メチル2-クロロ-6-((メチルスルホニル)メチル)ニコチネート(4.0g、68%の収率)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d):δ 8.25(d,J=7.9Hz、1H)、7.54(d,J=7.9Hz、1H)、4.45(s,2H)、3.99(s,3H)、3.00 s、3H).MS(ESI、陽イオン)m/z:264.1[M+1].
【0264】
工程3:マイクロ波反応容器(20mL)中で、ジメチルスルホキシド(10mL)中のメチル2-クロロ-6-((メチルスルホニル)メチル)ニコチネート(2.0g、7.58mmol)及び6-アザスピロ[2.5]オクタン(1.012g、9.10mmol)の溶液を加え、1時間にわたって140℃で、マイクロ波反応器(Biotage microwave initiator+)中で加熱した。反応混合物を、シリカゲル(60~120メッシュ)のプラグに吸収させ、ヘキサン中1%~40%のEtOAcの勾配で溶離するRedi-Sepプレパックシリカゲルカラム(80g)を通したフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、メチル6-((メチルスルホニル)メチル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチネート(1.4g、45%の収率)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d):δ 7.99(d,J=7.7Hz、1H)、6.83(d,J=7.7Hz、1H)、4.29(s,2H)、3.91(s,3H)、3.57-3.40(m,4H)、3.01(s,3H)、1.52-1.39(m,4H)、0.38(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:339.2[M+1].
【0265】
工程4:エタノール(10mL)及び水(10mL)中のメチル6-((メチルスルホニル)メチル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチネート(1.4g、4.14mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム(0.496g、12.41mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、エタノールを除去した。水性層を、1.5NのHCl溶液を用いてpH約7になるまで中和し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を塩水溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル(60~120メッシュ)のプラグに吸収させ、DCM中1%~6%のMeOHの勾配で溶離するRedi-Sepプレパックシリカゲルカラム(40g)を通したフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、6-((メチルスルホニル)メチル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチン酸(680mg、51%の収率)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 13.29(s,1H)、7.95(d,J=7.6Hz、1H)、6.91(d,J=7.6Hz、1H)、4.53(s,2H)、3.45-3.36(m,4H)、1.48-1.37(m,4H)、0.35(s,4H).MS(ESI、陰イオン)m/z:323.2[M-1].
【0266】
中間体11:6-(4,4-ジメチル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチン酸。
【化64】
工程1:2,6-ジフルオロニコチン酸(10.6g、66.6mmol)及び塩化チオニル(35mL、480mmol)を、窒素下で組み合わせて、2時間にわたって穏やかに加熱還流させた。溶液を、減圧下で濃縮乾固させた。トルエン(100mL)を、粗生成物に加え、それを、もう一度蒸発乾固させた。粗酸塩化物を、窒素下でDCM(50mL)に溶解させ、氷浴中で冷却した。DCM(50mL)中のトリエチルアミン(25mL、180mmol)及びベンジルアルコール(7.25mL、70.1mmol)の混合物を、10分間にわたって滴下して加え、混合物を室温で30分間撹拌した。次に、0.1NのHCl(100mL)を加え、相を混合し、分離した。有機相を取り、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で蒸発乾固させて、ベンジル2,6-ジフルオロニコチネートを得て、それを精製せずに使用した。m/z(ESI):250.0(M+H)
+。
【0267】
工程2:4,4-ジメチルオキサゾリジン-2-オン(0.80g、6.95mmol)を、窒素下でTHF(15mL)に溶解させた。カリウムt-ブトキシド(0.75g、6.68mmol)を加え、懸濁液を室温で5分間撹拌した。N,N-ジメチルアセトアミド(40mL)中のベンジル2,6-ジフルオロニコチネート(1.60g、6.42mmol)の溶液を加え、混合物を室温で10分間撹拌した。水(75mL)、EtOAc(150mL)、及び飽和塩化アンモニウム(25mL)を加え、相を混合し、分離した。有機相を取り、塩水(50mL)で洗浄し、減圧下で蒸発乾固させた。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタンからEtOAcの勾配)による精製により、ベンジル6-(4,4-ジメチル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-フルオロニコチネート(1.82g、5.29mmol、82%の収率)を白色の固体として得た。
【0268】
工程3:ベンジル6-(4,4-ジメチル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-フルオロニコチネート(1.81g、5.23mmol)を、NMP(20mL)に溶解させた。炭酸セシウム(2.00g、6.14mmol)及び6-アザスピロ[2.5]オクタン(0.60g、5.40mmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。水(100mL)及びEtOAc(150mL)を加え、相を混合し、分離した。有機相を取り、塩水で洗浄し、減圧下で蒸発乾固させた。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中0%~40%のEtOAc)を用いた精製により、ベンジル6-(4,4-ジメチル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチネート(1.77g、4.06mmol、78%の収率)を乳白色の油として得た。m/z(ESI):436.1(M+H)+。
【0269】
工程4:ベンジル6-(4,4-ジメチル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチネート(1.77g、4.06mmol)を、EtOAc(30mL)に溶解させ、圧力容器に移した。エタノール(60mL)を加えた後、5%のパラジウム炭素(乾燥重量、50%の水、0.250g、0.117mmol)を加えた。懸濁液を、15分間にわたって40psiの水素下で撹拌した。混合物を、CELITE(登録商標)のパッドに通してろ過し、固体を、EtOAc(50mL)で洗浄した。組み合わされたろ液を減圧下で蒸発乾固させて、6-(4,4-ジメチル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチン酸(1.15g、3.33mmol、82%の収率)を白色の固体として得た。m/z(ESI):346.0(M+H)+。
【0270】
【0271】
中間体12:2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-6-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ニコチン酸
【化65】
工程1:アセトニトリル(50mL)中のメチル2,6-ジクロロニコチネート(5.0g、24.3mmol、Combi-Blocks)、DIPEA(4.7mL、26.7mmol)、及び6-アザスピロ[2.5]オクタン(2.70g、24.27mmol、AstaTech,Inc.)の混合物を、室温で24時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中0%~30%のEtOAc)によって精製して、メチル6-クロロ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチネート(4.34g、15.46mmol、64%の収率)を得た。m/z(ESI):281.0(M+H)
+。
【0272】
工程2:トルエン(30mL)中のメチル6-クロロ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチネート(4.10g、14.60mmol)、トリブチル(1-エトキシビニル)スズ(5.80g、16.06mmol、Aldrich)、及びビス-(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(0.41g、0.58mmol、Aldrich)の混合物を、90℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、HCl(ジオキサン中4M、18.25mL、73.00mmol)で処理し、2時間撹拌した。次に、反応混合物を、CELITE(登録商標)のパッドに通してろ過し、EtOAcで洗浄した。ろ液を、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中0%~30%のEtOAc)によって精製して、メチル6-アセチル-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチネート(2.75g、9.54mmol、65%の収率)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm 8.02(d,J=7.8Hz、1H)、7.28(d,J=7.6Hz、1H)、3.84(s,3H)、3.38-3.51(m,4H)、2.57(s,3H)、1.33-1.53(m,4H)、0.35(s,4H).
【0273】
工程3:テトラヒドロフラン(1mL)中のメチル6-アセチル-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチネート(2.50g、8.67mmol)の撹拌溶液に、(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(1.54mL、10.40mmol、Aldrich)を0℃で加えた。添加の後、混合物を2時間撹拌した。固体をろ過して取り出し、EtOAcで洗浄し、濃縮した。ヘプタン中0%~30%のEtOAcで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、メチル2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-6-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ニコチネート(2.87g、8.01mmol、92%の収率)を得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ ppm 8.05(d,J=7.8Hz、1H)、6.85(d,J=7.8Hz、1H)、6.01(s,1H)、3.91(s,3H)、3.39-3.56(m,4H)、1.69(s,3H)、1.45-1.53(m,4H)、0.38(s,4H).m/z(ESI):359.0(M+H)+.
【0274】
工程4:室温でMeOH(20mL)中のメチル2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-6-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ニコチネート(2.87g、8.01mmol)の撹拌溶液に、NaOH水溶液(8.0mLの5Mの溶液、40.0mmol)を加えた。添加の後、反応混合物を3日間撹拌した。反応混合物を濃縮し、H2Oで希釈し、5NのHCl水溶液で酸性化した(pH約4まで)。沈殿した固体を収集し、H2Oで洗浄し、乾燥させて、2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-6-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ニコチン酸(2.70g、98%の収率)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm 13.23(br s,1H)、7.97(d,J=7.8Hz、1H)、7.15(d,J=7.8Hz、1H)、6.62(s,1H)、3.36-3.43(m,4H)、1.65(s,3H)、1.33-1.44(m,4H)、0.33(s,4H).m/z(ESI):345.0(M+H)+.
【0275】
AR
1及びAR
2中間体のカップリング
中間体13:N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-フルオロ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド。
【化66】
250mLの丸底フラスコに、6-フルオロ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチン酸(2.0g、8.00mmol、中間体9)及びDCM(30mL)を充填した。室温で反応混合物に、二塩化オキサリル(6.00mL、11.99mmol)を加えた後、数滴のDMFを加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をDCM(30mL)に再溶解させ、3-アミノ-N-(tert-ブチル)ベンゼンスルホンアミド(1.80g、7.90mmol)、続いてDIPEA(6.98mL、40.0mmol)で処理した。反応混合物を室温で1時間撹拌してから、それを水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出物を塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。濃縮物を、ヘプタン中5%~50%のEtOAcで溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-フルオロ-2-(スピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(3.02g、82%の収率)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=11.33(s,1H)、8.54(t,J=8.3Hz、1H)、8.27(t,J=1.9Hz、1H)、7.93(dd,J=1.1、8.1Hz、1H)、7.70-7.65(m,1H)、7.55-7.47(m,1H)、6.78(dd,J=3.3、8.4Hz、1H)、4.62(s,1H)、3.32-3.25(m,4H)、1.61-1.56(m,4H)、1.29(s,9H)、0.41(s,4H).m/z(ESI):461.1(M+H)
+.
【0276】
【0277】
中間体14:2-フルオロ-N-(3-(ピペリジン-1-イルスルホニル)フェニル)ニコチンアミド
【化67】
DCM(9mL)中の2-フルオロ-3-ピリジンカルボン酸(1.0g、7.09mmol)の溶液に、二塩化オキサリル(0.80mL、9.01mmol)及び触媒DMFを加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をDCM(10mL)に再溶解させ、3-(ピペリジン-1-スルホニル)-フェニルアミン(0.78mL、4.16mmol)及び次に炭酸水素ナトリウム(0.405mL、10.40mmol)で処理した。反応混合物を室温で16時間撹拌してから、それを水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出物を塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。濃縮物を、ヘキサン中0%~50%のEtOAcで溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、2-フルオロ-N-(3-(ピペリジン-1-イルスルホニル)フェニル)ニコチンアミド(1.16g、77%の収率)を白色の固体として得た。
1H NMR(クロロホルム-d)δ:8.60-8.74(m,2H)、8.36-8.50(m,1H)、8.04(s,1H)、7.95(d,J=7.0Hz、1H)、7.52-7.65(m,2H)、7.41-7.50(m,1H)、3.02-3.10(m,4H)、1.61-1.71(m,4H)、1.40-1.50(m,2H).m/z(ESI):364.1(M+H)
+.
【0278】
【0279】
【0280】
中間体15:3-(2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド)ベンゼンスルホニルクロリド
【化68】
150mLの丸底フラスコに、N-(3-(ベンジルチオ)フェニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(3.01g、7.01mmol、中間体14-14)、ACN(28mL)、H
2O水(0.7mL)及び酢酸(1.4mL)を充填した。反応混合物を0℃に冷却し、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン(1.66g、8.42mmol)を加えた。反応物を0℃で3時間撹拌し、室温に温め、飽和NaHCO
3(約40mL)とEtOAc(40mL)とに分けた。有機層を取り、水で洗浄し、乾燥させた。粗混合物を、Biotage(SNAP50、Ultra、ヘプタン中5%~40%の溶離剤:EtOAc)によって精製して、3-(2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド)ベンゼンスルホニルクロリド(2.01g、71%の収率)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=12.51(br s,1H)、8.66(s,1H)、8.59-8.47(m,2H)、8.00(d,J=8.2Hz、1H)、7.81(d,J=7.8Hz、1H)、7.70-7.61(m,1H)、7.29(s,1H)、3.29(t,J=5.4Hz、4H)、1.66(br s,4H)、0.45(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:406.1[M+1].
[実施例]
【0281】
実施例100:2-(4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)-N-(3-(ピペリジン-1-イルスルホニル)フェニル)ニコチンアミド。
【化69】
ACN(1mL)中の2-フルオロ-N-(3-(ピペリジン-1-イルスルホニル)フェニル)ニコチンアミド(44mg、0.12mmol、中間体14)に溶液に、4,4-ジメチルピペリジン塩酸塩(33mg、0.22mmol)、及びDIPEA(50μL、0.29mmol)を加えた。反応混合物を85℃で4時間撹拌し、室温に冷却させた。反応混合物を、水(5mL)で希釈し、EtOAc(2×5mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を減圧下で濃縮し、シリカゲルのプラグに吸着させ、ヘプタン中0~60%のEtOAcで溶離するシリカゲルカラムを通してクロマトグラフィーにかけて、2-(4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)-N-(3-(ピペリジン-1-イルスルホニル)フェニル)ニコチンアミド(35mg、0.08mmol、33%の収率)を得た。
1H NMR(クロロホルム-d)δ:12.27(br s,1H)、8.42-8.61(m,2H)、8.14(d,J=7.0Hz、1H)、7.91~8.04(m,1H)、7.63(d,J=5.9Hz、1H)、7.48-7.57(m,2H)、3.20(br s,4H)、3.06(br s,4H)、1.65(br s,8H)、1.26(br s,2H)、1.08(br s,6H).m/z(ESI):457.2(M+H)
+.
【0282】
【0283】
【0284】
【0285】
【0286】
実施例101:N-(3-(N-シクロプロピルスルファモイル)フェニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド。
【化70】
ガラスバイアルに、3-(2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド)ベンゼン-1-スルホニルクロリド(0.049g、0.12mmol、中間体15)、シクロプロピルアミン(0.01g、0.19mmol)及びDCM(1mL)を充填した。反応混合物に、DIPEA(0.065mL、0.37mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中10%~70%のEtOAc)によって精製して、N-(3-(N-シクロプロピルスルファモイル)フェニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(43mg、84%の収率)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=12.15(br s,1H)、8.50(d,J=6.3Hz、2H)、8.39(s,1H)、7.94(d,J=8.0Hz、1H)、7.69(d,J=7.8Hz、1H)、7.61-7.53(m,1H)、7.24(t,J=6.0Hz、1H)、5.00(s,1H)、3.28(t,J=5.3Hz、4H)、2.32(d,J=4.1Hz、1H)、1.63(s,4H)、0.75-0.59(m,4H)、0.43(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:427.1[M+1].
【0287】
【0288】
【0289】
実施例102:(R)-N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド
【化71】
ガラスバイアルに、N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-フルオロ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(0.080g、0.17mmol、中間体13)、DMSO(2mL)、(R)-3-ピロリジノール(0.028g、0.33mmol)、及びDIPEA(0.091mL、0.52mmol)を充填した。混合物を110℃で5時間撹拌し、室温に冷却した。反応混合物を、水(15mL)でクエンチし、EtOAc(2×15mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を、塩水(15mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、ヘプタン中30%~100%のEtOAcの勾配でシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、(R)-N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(71mg、77%の収率)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz、DMSO-d
6)δ 11.14(s,1H)、8.32(s,1H)、7.81-7.88(m,2H)、7.46-7.57(m,3H)、6.16(d,J=8.61Hz、1H)、4.97(d,J=3.33Hz、1H)、4.39(br s,1H)、3.45-3.59(m,3H)、3.39(br d,J=8.61Hz、1H)、3.15-3.24(m,4H)、1.97-2.10(m,1H)、1.85-1.95(m,1H)、1.42-1.50(m,4H)、1.12(s,9H)、0.30(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:582.2[M+1].
【0290】
【0291】
【0292】
【0293】
【0294】
【0295】
実施例103:N-(3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル)-6-((2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)アミノ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド
【化72】
ガラスバイアルに、N-(3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル)-6-フルオロ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(95mg、0.21mmol、中間体13-1)、1-アミノ-2-メチル-プロパン-2-オール(0.037mL、0.41mmol)、DIPEA(0.036mL、0.21mmol)、及びDMSO(3mL)を充填した。混合物を85℃で24時間撹拌し、室温に冷却した。反応混合物を、水(15mL)でクエンチし、EtOAc(2×15mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を、塩水(15mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、ヘプタン中0%~100%のEtOAc:EtOH(3:1)の勾配でシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル)-6-((2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)アミノ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(84mg、77%の収率)を得た。
1H NMR(DMSO-d
6)δ:11.25(s,1H)、8.39(s,1H)、7.96(d,J=8.0Hz、1H)、7.75(d,J=8.4Hz、1H)、7.58-7.68(m,1H)、7.53(d,J=7.8Hz、1H)、6.98(br s,1H)、6.31(d,J=8.4Hz、1H)、4.57(s,1H)、3.73(t,J=7.7Hz、1H)、3.32(s,2H)、3.16(d,J=4.7Hz、4H)、1.74-1.98(m,4H)、1.51-1.72(m,4H)、1.46(br s,4H)、1.13(s,6H)、0.31(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:527.2[M+1].
【0296】
【0297】
【0298】
【0299】
【0300】
実施例104:N-(3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル)-6-(オキセタン-3-イルオキシ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド
【化73】
N-(3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル)-6-フルオロ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(100mg、0.22mmol、中間体13-1)、DIPEA(387μL、2.19mmol)、及び3-ヒドロキシオキセタン(64.8μL、0.87mmol)の混合物を、24時間で、100℃で加熱した。H
2Oを加え、固体を収集し、乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0~50%のEtOAc/ヘプタン)によって精製して、N-(3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル)-6-(オキセタン-3-イルオキシ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(33mg、0.065mmol、30%の収率)を得た。
1H NMR(DMSO-d
6)δ:10.65(s,1H)、8.35(br s,1H)、7.99(d,J=7.8Hz、1H)、7.82(d,J=8.0Hz、1H)、7.61-7.68(m,1H)、7.52-7.60(m,1H)、6.37(d,J=8.2Hz、1H)、5.52-5.62(m,1H)、4.90(t,J=6.7Hz、2H)、4.61(t,J=6.3Hz、2H)、3.73(dt,J=15.2、7.6Hz、1H)、3.33(s,4H)、1.85(d,J=5.3Hz、4H)、1.50-1.70(m,4H)、1.36(br s,4H)、0.29(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:512.2[M+1].
【0301】
【0302】
実施例105:N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-((1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド。
【化74】
工程1:100mLの丸底フラスコに、6-(4,4-ジメチル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチン酸(549mg、1.59mmol、中間体11)及びDCM(8mL)を充填した。室温で反応混合物に、二塩化オキサリル(1.43mL、2.86mmol、DCM中2M)を加えた後、数滴のDMFを加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をDCM(10mL)に再溶解させ、3-アミノ-N-(tert-ブチル)ベンゼンスルホンアミド(0.38mL、1.67mmol)、及びDIPEA(1.39mL、7.95mmol)で処理した。反応混合物を室温で18時間撹拌してから、それを水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出物を塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。濃縮物を、ヘプタン中0%~60%のEtOAcで溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-(4,4-ジメチル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(703mg、1.26mmol、80%の収率)を淡黄色の固体として得た。MS(ESI、陽イオン)m/z:556.1[M+1]。
【0303】
工程2:ガラスバイアルに、N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-(4,4-ジメチル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(703mg、1.26mmol)、MeOH(2mL)、及び水酸化ナトリウム(1.26mL、6.33mmol、5N)を充填した。70℃で1時間撹拌し、室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、半飽和NH4Cl(10mL)とEtOAc(10mL)とに分けた。水性相を、EtOAc(2×10mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を水(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。粗材料を、シリカゲルのプラグに吸収させ、ヘプタン中0%~60%のEtOAcの勾配で溶離するRedi-Sepプレパックシリカゲルカラムを通したクロマトグラフィーによって精製して、N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-((1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(485mg、0.92mmol、72%の収率)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm 11.21(s,1H)、8.32(t,J=1.45Hz、1H)、7.84(dt,J=7.88、1.45Hz、1H)、7.71(d,J=8.71Hz、1H)、7.50-7.57(m,2H)、7.49(dt,J=7.88、1.45Hz、1H)、6.60(s,1H)、6.28(d,J=8.50Hz、1H)、4.81(t,J=5.70Hz、1H)、3.59(d,J=5.81Hz、2H)、3.11-3.17(m,4H)、1.44-1.51(m,4H)、1.36(s,6H)、1.12(s,9H)、0.31(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:530.2[M+1].
【0304】
【0305】
【0306】
【0307】
【0308】
【0309】
実施例106:N-(3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル)-6-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)アミノ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド
【化75】
DMSO(1mL)中のN-(3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル)-6-フルオロ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(100mg、0.219mmol、中間体13-1)、DIPEA(141mg、1.09mmol)、及び2-アミノ-1,3-プロパンジオール塩酸塩(56mg、0.44mmol)の混合物を、85℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却させ、H
2Oを加え、沈殿した固体を、ろ過によって収集した。粗固体を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中0~50%のEtOAc:EtOH(3:1))によって精製して、N-(3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル)-6-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)アミノ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(48mg、0.09mmol、41%の収率)を得た。
1H NMR(DMSO-d
6)δ:11.23(s,1H)、8.38(s,1H)、7.92-7.99(m,1H)、7.73(d,J=8.6Hz、1H)、7.59-7.68(m,1H)、7.52(d,J=8.2Hz、1H)、6.78(br s,1H)、6.26(d,J=8.6Hz、1H)、4.63(t,J=5.5Hz、2H)、3.92-4.07(m,1H)、3.66-3.80(m,1H)、3.47-3.63(m,4H)、3.07-3.23(m,4H)、1.77-1.95(m,4H)、1.52-1.69(m,4H)、1.38-1.50(m,4H)、0.31(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:529.1[M+1].
【0310】
【0311】
実施例107-1及び107-2:(R)-N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-6-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ニコチンアミド及び(S)-N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-6-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ニコチンアミド
【化76】
100mLの丸底フラスコに、2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-6-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ニコチン酸(0.87g、2.52mmol、中間体12)及びDCM(8mL)を充填した。室温で反応混合物に、二塩化オキサリル(2.52mL、5.05mmol、DCM中2M)を加えた後、数滴のDMFを加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をDCM(10mL)に再溶解させ、3-アミノ-N-(tert-ブチル)ベンゼンスルホンアミド(0.576g、2.52mmol)、及びDIPEA(2.20mL、12.62mmol)で処理した。反応混合物を室温で18時間撹拌してから、それを水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出物を塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。濃縮物を、ヘプタン中10%~60%のEtOAcで溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、ラセミ体N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-6-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ニコチンアミドを得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 11.19(s,1H)、8.52(d,J=8.02Hz、1H)、8.26(s,1H)、7.94(dd,J=1.17、8.22Hz、1H)、7.68(d,J=7.82Hz、1H)、7.47-7.54(m,1H)、7.37(d,J=8.02Hz、1H)、5.85(s,1H)、4.79(br s,1H)、3.29-3.38(m,4H)、1.76(s,3H)、1.57-1.65(m,4H)、1.28(s,9H)、0.42(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:555.2[M+1].80%の液体CO
2及び20%のMeOHの移動相、並びに75mL/分の流量を用いた、ADHカラム(250×21mm、5mic)を用いた分取SFCによって、この材料を分離して、以下のものを得た。
【0312】
実施例107-1:(R)-N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-6-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ニコチンアミド。第1の溶出ピーク;ee>99.5%。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 11.21(s,1H)、8.53(d,J=8.02Hz、1H)、8.27(t,J=1.66Hz、1H)、7.94(dd,J=1.17、8.22Hz、1H)、7.68(d,J=8.02Hz、1H)、7.48-7.55(m,1H)、7.37(d,J=8.02Hz、1H)、5.85(s,1H)、4.69(s,1H)、3.30-3.38(m,4H)、1.77(s,3H)、1.61(br d,J=5.28Hz、4H)、1.28(s,9H)、0.43(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:555.2[M+1].
【0313】
実施例107-2:(S)-N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)-6-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ニコチンアミド。第2の溶出ピーク;ee>99.5%。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 11.23(s,1H)、8.54(d,J=8.02Hz、1H)、8.28(t,J=1.76Hz、1H)、7.93(dd,J=1.17、8.22Hz、1H)、7.69(d,J=7.82Hz、1H)、7.49-7.56(m,1H)、7.38(d,J=7.83Hz、1H)、5.85(s,1H)、4.61(s,1H)、3.31-3.39(m,4H)、1.77(s,3H)、1.60-1.66(m,4H)、1.29(s,9H)、0.43(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:555.2[M+1].
【0314】
立体化学を任意に割り当てた。
【0315】
【0316】
実施例109-1及び109-2:(S)-N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-(1,2-ジヒドロキシプロパン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド及び(R)-N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-(1,2-ジヒドロキシプロパン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド。
【化77】
工程1:100mLの丸底フラスコに、N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-クロロ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(1.00g、2.09mmol、中間体13-2)、AmPhos(0.151g、0.21mmol)、トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(0.85mL、2.51mmol)及びトルエン(10mL)を充填した。反応混合物を90℃で30分間撹拌した。混合物を室温に冷却し、HCl/ジオキサン(2mL、4M)で処理し、室温で30分間撹拌した。反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)とEtOAc(40mL)とに分けた。水性相を、EtOAc(40mL)で抽出した。組み合わされた有機相を、EtOAc(2×10mL)で溶離するChem Elut抽出カートリッジに通すことによって乾燥させた。有機相を濃縮し、粗生成物を、Biotage(SNAP25、Ultra、ヘプタン中0%~50%の溶離剤:EtOAc)によって精製して、6-アセチル-N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(0.85g、84%の収率)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO-d
6)δ=10.79(s,1H)、8.31(s,1H)、7.95(d,J=7.4Hz、1H)、7.87(d,J=2.9Hz、1H)、7.60-7.52(m,3H)、7.42(d,J=7.4Hz、1H)、3.49-3.40(m,4H)、2.61(s,3H)、1.43-1.35(m,4H)、1.11(s,9H)、0.29(s,4H).
【0317】
工程2:20mLのシンチレーションバイアルに、トリメチルスルホキソニウムヨージド(0.201g、0.914mmol)及びDMSO(1.5mL)を充填した。この混合物に、カリウムtert-ブトキシド(0.093g、0.83mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。次に、1.0mLのDMSO中の6-アセチル-N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(0.399g、0.82mmol)を加え、黄色の溶液を室温で3時間撹拌した。反応混合物を、水(15mL)とEtOAc(10mL)とに分けた。水性相を、EtOAc(2×10mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を、塩水(30mL)で洗浄し、EtOAc(2×5mL)で溶離するChem Elut抽出カートリッジに通すことによって乾燥させた。有機相を濃縮し、粗生成物を持ち越した。MS(ESI、陽イオン)m/z:499.2[M+1]。
【0318】
工程3:150mLの丸底フラスコに、N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-(2-メチルオキシラン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(2.19g、3.95mmol)、ジオキサン(12mL)、及び水(12mL)を充填した。次に、塩酸(2.0mL、8.00mmol)を加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を、水(50mL)で希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。組み合わされた有機相を水で洗浄し、EtOAc(2×10mL)で溶離するChem Elut抽出カートリッジに通すことによって乾燥させた。組み合わされた有機抽出物を濃縮し、Biotage(SNAP100、Ultra、ヘプタン中40%~100%の溶離剤:EtOAc)によって精製して、N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-(1,2-ジヒドロキシプロパン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(1.14g、56%の収率)を得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 11.52(s,1H)、8.50(d,J=8.02Hz、1H)、8.27(t,J=1.66Hz、1H)、7.94(dd,J=1.08、8.12Hz、1H)、7.67(d,J=8.02Hz、1H)、7.49-7.54(m,1H)、7.33(d,J=7.82Hz、1H)、4.68(s,1H)、4.61(s,1H)、3.81-3.90(m,1H)、3.72-3.80(m,1H)、3.26-3.34(m,4H)、2.46(br s,1H)、1.60-1.66(m,4H)、1.53(s,3H)、1.29(s,9H)、0.43(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:517.2[M+1].40%の液体CO2及び60%のMeOHの移動相(20mMのNH3)、並びに50mL/分の流量を用いた、OX-Hカラム(250×21mm、5mic)を用いた分取SFCによって、この材料を分離して、以下のものを得た。
【0319】
実施例109-1:(S)-N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-(1,2-ジヒドロキシプロパン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド。第1の溶出ピーク;ee>99.5%。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=11.49(s,1H)、8.46(d,J=8.0Hz、1H)、8.25(s,1H)、7.95(dd,J=1.1、8.1Hz、1H)、7.67(d,J=7.8Hz、1H)、7.55-7.47(m,1H)、7.33(d,J=8.0Hz、1H)、4.78(s,1H)、3.89-3.83(m,1H)、3.79-3.72(m,1H)、3.29(t,J=5.4Hz、4H)、1.63-1.56(m,4H)、1.53(s,3H)、1.28(s,9H)、0.41(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:517.2[M+1].
【0320】
実施例109-2:(R)-N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-(1,2-ジヒドロキシプロパン-2-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド。第2の溶出ピーク;ee>99.5%。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=11.50(s,1H)、8.46(d,J=7.8Hz、1H)、8.25(s,1H)、7.95(dd,J=1.1、8.1Hz、1H)、7.67(d,J=7.8Hz、1H)、7.54-7.47(m,1H)、7.33(d,J=8.0Hz、1H)、4.81(s,1H)、4.69(dt,J=2.0、4.1Hz、1H)、3.89-3.81(m,1H)、3.79-3.72(m,1H)、3.32-3.24(m,4H)、2.80-2.36(m,1H)、1.62-1.56(m,4H)、1.53(s,3H)、1.28(s,9H)、0.41(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:517.2[M+1].
【0321】
立体化学を任意に割り当てた。
【0322】
実施例110:N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-(メチルスルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド。
【化78】
ガラスバイアルに、6-ブロモ-N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(96mg、0.185mmol、中間体13-3)、メタンスルホンアミド(21mg、0.23mmol)、CuI(14mg、0.07mmol)及びリン酸カリウム(129mg、0.61mmol)を充填した。バイアルを空にし、N
2を補充した。この手順をさらに4回繰り返し、DMF(1mL)を加えた後、(1r,2r)-(-)-N,N’’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.017mL、0.11mmol)を加えた。バイアルを閉じ、反応混合物を100℃で4時間撹拌した。混合物を、EtOAc(4mL)で希釈し、CELITE(登録商標)のパッドに通してろ過した。ろ液を、水(2×5mL)で洗浄し、濃縮した。粗生成物を、Biotage(SNAP10、Ultra、ヘプタン中40%~90%の溶離剤:EtOAc)によって精製して、N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-(メチルスルホンアミド)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(41mg、42%の収率)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ=11.23(s,1H)、8.40(d,J=8.3Hz、1H)、8.27(s,1H)、7.91(br d,J=8.1Hz、1H)、7.66(d,J=7.7Hz、1H)、7.55-7.47(m,1H)、6.86(d,J=8.3Hz、1H)、4.66(s,1H)、3.38(s,3H)、3.32-3.22(m,4H)、1.60(br d,J=4.6Hz、4H)、1.29(s,9H)、0.41(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:536.2[M+1].
【0323】
実施例111:6-((1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)-N-(4-メチル-3-(オキサゾール-2-イル)フェニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド
【化79】
工程1:DMSO(6mL)中のN-(3-ブロモ-4-メチルフェニル)-6-フルオロ-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(0.5g、1.195mmol、中間体13-5)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(0.23mL、2.39mmol)及びDIPEA(0.62mL、3.59mmol)の混合物を、140℃で24時間加熱した。反応混合物を室温に冷却させ、EtOAcと水とに分けた。分離した有機層を、塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0~70%のEtOAc/ヘプタン)によって精製して、N-(3-ブロモ-4-メチルフェニル)-6-((1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(0.26g、0.53mmol、45%の収率)を得た。MS(ESI、陽イオン)m/z:487.1/489.1[M+1]。
【0324】
工程2:圧力バイアルに、N-(3-ブロモ-4-メチルフェニル)-6-((1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(0.050g、0.10mmol)、パラジウムテトラキス(0.024g、0.021mmol)及び2-(トリ-n-ブチルスタンニル)オキサゾール(0.028mL、0.13mmol)を充填した。バイアルを、数分間にわたってN2でパージし、1,4-ジオキサン(1mL)を加えた。バイアルを閉じ、120℃で24時間加熱した。反応混合物を濃縮し、次に、分取HPLCによって精製して、6-((1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)-N-(4-メチル-3-(オキサゾール-2-イル)フェニル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(15mg、0.032mmol、31%の収率)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ ppm 0.42(s,4H)1.45(s,6H)1.65(br s,4H)2.69(s,3H)3.22(t,J=5.38Hz、4H)3.75(s,2H)4.72(br s,1H)5.19(br s,1H)6.27(d,J=8.61Hz、1H)7.27-7.34(m,2H)7.67(dd,J=8.31、2.25Hz、1H)7.74(s,1H)8.24(d,J=8.41Hz、1H)8.44(d,J=2.15Hz、1H)11.76(s,1H).MS(ESI、陽イオン)m/z:476.1[M+1].
【0325】
【0326】
【0327】
実施例112:N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)-5-(フラン-2-イル)フェニル)-6-((1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド
【化80】
工程1:5mLのマイクロ波反応管に、ジオキサン(2mL)中のN-(3-ブロモ-5-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-(4,4-ジメチル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(0.084g、0.13mmol、中間体13-4)、フラン-2-イルボロン酸(0.034g、0.31mmol)、Pd(PPh
3)
4(10mg、8.22μmol)、炭酸ナトリウム(0.20mL、0.40mmol、2M)を加えた。5分間にわたってArを反応混合物に通してバブリングすることによって、混合物を脱気した。管を、30分間にわたって120℃で、以下のマイクロ波照射にかけた。混合物を室温に冷却し、水(5mL)とEtOAc(5mL)とに分けた。水性相を、EtOAc(2×5mL)で抽出した。組み合わされた有機相を、水(15mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(15mL)で洗浄した。有機相を、EtOAc(2×5mL)で溶離するChem Elut抽出カートリッジに通すことによって乾燥させた。有機相を濃縮し、粗生成物を、Biotage、Ultra、ヘプタン中20%~70%の溶離剤:アセトン)によって精製して、N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)-5-(フラン-2-イル)フェニル)-6-(4,4-ジメチル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(34mg、41%の収率)を得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 11.95(s,1H)、8.52(d,J=8.61Hz、1H)、8.40(s,1H)、8.04(s,1H)、7.94(s,1H)、7.90(d,J=8.61Hz、1H)、7.53(d,J=1.37Hz、1H)、6.83(d,J=3.33Hz、1H)、6.54(dd,J=1.76、3.33Hz、1H)、4.54(s,1H)、4.15(s,2H)、3.24(t,J=5.38Hz、4H)、1.79(s,6H)、1.67(br s,4H)、1.31(s,9H)、0.45(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:622.0[M+1].
【0328】
工程2:ガラスバイアルに、N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)-5-(フラン-2-イル)フェニル)-6-(4,4-ジメチル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(34mg、0.054mmol)、MeOH(2mL)、及びNaOH(0.1mL、0.5mmol、5M)を充填した。反応混合物を70℃で1時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、濃縮した。残渣を、半飽和NH4Cl(3mL)とEtOAc(3mL)とに分けた。水性相を、EtOAc(3mL)で抽出した。組み合わされた有機相を濃縮し、粗生成物を、Biotage(SNAP10、Ultra、ヘプタン中30%~100%の溶離剤:EtOAc)によって精製して、N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)-5-(フラン-2-イル)フェニル)-6-((1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド(27mg、84%の収率)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 11.24(s,1H)、8.32(s,1H)、8.08(s,1H)、7.84(d,J=1.17Hz、1H)、7.80(s,1H)、7.70(d,J=8.61Hz、1H)、7.62(s,1H)、6.96(d,J=3.33Hz、1H)、6.66(dd,J=1.76、3.33Hz、1H)、6.61(s,1H)、6.27(d,J=8.61Hz、1H)、4.83(t,J=5.58Hz、1H)、3.59(br d,J=5.48Hz、2H)、3.12-3.19(m,4H)、1.47(br s,4H)、1.36(s,6H)、1.14(s,9H)、0.30(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:596.3[M+1].
【0329】
【0330】
実施例113:N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-6-((メチルスルホニル)メチル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチンアミド
【化81】
DMF(2mL)中の6-((メチルスルホニル)メチル)-2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ニコチン酸(0.1g、0.308mmol、中間体10)の溶液に、HATU(0.176g、0.462mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.135mL、0.771mmol)を0℃で加え、10分間撹拌した。3-アミノ-N-(tert-ブチル)ベンゼンスルホンアミド(0.070g、0.308mmol)を反応混合物に加え、室温で24時間撹拌した。反応混合物を、水(15mL)でクエンチし、EtOAc(2×15mL)で抽出した。有機層を、塩水溶液(15mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、ヘキサン中50%のEtOAcの勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(68mg、28%の収率)を淡黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz、DMSO-d
6):δ 10.76(s,1H)、8.32(s,1H)、7.93-7.81(m,2H)、7.62-7.51(m,3H)、7.02(d,J=7.7Hz、1H)、4.57(s,2H)、3.36(t,J=7.6Hz、4H)、3.13(s,3H)、1.36(t,J=7.6Hz、4H)、1.11(s,9H)、0.28(s,4H).MS(ESI、陽イオン)m/z:535.2[M+1].
【0331】
実施例114:N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)イソニコチンアミド
【化82】
DMSO(1mL)中のN-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-3-フルオロイソニコチンアミド(1.43g、4.07mmol、中間体14~16)の溶液に、6-アザスピロ[2.5]オクタン(0.68g、6.10mmol)、及びCs
2CO
3(4.64g、14.24mmol)を加えた。反応混合物を100℃で18時間撹拌し、室温に冷却させた。反応混合物を、水(5mL)で希釈し、EtOAc(2×5mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を減圧下で濃縮し、シリカゲルのプラグに吸着させ、ヘプタン中0~60%のEtOAcで溶離するシリカゲルカラムを通してクロマトグラフィーにかけて、N-(3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)イソニコチンアミド(0.28g、0.64mmol、16%の収率)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO-d
6)δ:11.14(s,1H)、8.54(s,1H)、8.37(d,J=4.9Hz、1H)、8.32(s,1H)、7.86-7.93(m,1H)、7.55-7.64(m,3H)、7.53(d,J=4.9Hz、1H)、3.08-3.14(m,4H)、1.41(br t、J=4.9Hz、4H)、1.11(s,9H)、0.28(s,4H).m/z(ESI):443.5(M+H)
+.
【0332】
【0333】
実施例115:N-(3-(3,3-ジフルオロピペリジン-1-カルボニル)-4-メチルフェニル)-3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)イソニコチンアミド
【化83】
工程1:ジオキサン-CH
3CN(2:1、5mL)中のメチル5-(3-フルオロイソニコチンアミド)-2-メチルベンゾエート(0.82g、2.84mmol、中間体14-8)の溶液に、6-アザスピロ[2.5]オクタン(0.38g、3.41mmol)、及びDIPEA(0.55g、4.27mmol)を加えた。反応混合物を、1時間にわたって170℃で、マイクロ波下で撹拌した。混合物をシリカゲルのプラグに吸着させ、ヘプタン中25~45%のEtOAcで溶離するシリカゲルカラムを通してクロマトグラフィーにかけて、メチル5-(3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)イソニコチンアミド)-2-メチルベンゾエート(0.80g、2.11mmol、74%の収率)をオフホワイトの固体として得た。m/z(ESI):380.1(M+H)
+。
【0334】
工程2:THF(3mL)、H2O(3mL)、及びMeOH(1mL)中のメチル5-(3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)イソニコチンアミド)-2-メチルベンゾエート(0.80g、2.11mmol)、水酸化リチウム無水物(0.22g、5.27mmol)の混合物を、50℃で3時間加熱した。反応混合物を室温に冷却させ、減圧下で濃縮した。残渣を、1NのHCl(10mL)で処理し、黄色の沈殿物をろ過して取り出し、水で洗浄し、乾燥させた。5-(3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)イソニコチンアミド)-2-メチル安息香酸二塩酸塩(0.72g、1.64mmol、78%の収率)が黄色の固体として得られた。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 10.99(br s,1H)、8.59(s,1H)、8.42(d,J=5.28Hz、1H)、8.27(d,J=2.35Hz、1H)、7.66-7.82(m,2H)、7.28-7.38(m,1H)、3.69-5.21(m,3H)、3.11-3.26(m,4H)、2.5(s,3H)、1.31-1.49(m,4H)、0.32(s,4H).m/z(ESI):366.0(M+H)+.
【0335】
工程3:0.5mLのDMF中の5-(3-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)イソニコチンアミド)-2-メチル安息香酸二塩酸塩(50mg、0.11mmol)、トリエチルアミン(80μL、0.6mmol)及び3,3-ジフルオロピペリジン塩酸塩(27mg、0.17mmol)の混合物を、T3P(EtOAc中50重量%)(0.27mL、0.46mmol)で処理し、混合物を45℃で2時間撹拌した。それをEtOAcで希釈し、1NのNaOH、続いて塩水で洗浄した。有機層を濃縮し、残渣を、逆相HPLC(水中0.1%のTFA中のCH3CN中10~90%[0.1%のTFA])において精製して、表題化合物(45mg、0.06mmol、57%の収率)を黄色のふんわりした粉末として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 10.97(br s,1H)、8.58(s,1H)、8.41(d,J=4.89Hz、1H)、7.53-7.74(m,3H)、7.32(d,J=8.41Hz、1H)、4.25(br s、3H)、3.71(br s,1H)、3.50(br s,1H)、3.22(t,J=4.89Hz、1H)、3.16(t,J=4.99Hz、4H)、2.19(s,3H)、2.03-2.15(m,2H)、1.73(m,1H)、1.62(br s,1H)、1.24-1.42(br s,4H)、0.32(s,4H).m/z(ESI):469.2(M+H)+.
【0336】
【0337】
さらなる実施例
以下の実施例116~128は、市販の出発材料を用いることによって、上記の実施例と同様の手順にしたがって作製され得るか、又は当業者に周知の手順にしたがって作製され得る。
【0338】
【0339】
【0340】
生物学的実施例
下記のアッセイは、本発明の例示的な化合物を試験するのに使用した。下記の手順に従い試験されたこれらの実施例のデータを、下記の表Aに示す。
【0341】
KIF18A酵素アッセイ:微小管刺激ATPアーゼ活性アッセイは、化合物で処理した後のKIF18A酵素活性を測定するために用いる。化合物を、22点の濃度範囲にわたりDMSO(Sigma Inc)中で2倍に連続希釈した。バキュロウイルス系を用いて組換えヒトKIF18A(1-467 Hisタグ付き)タンパク質を発現させ、Amgen Incによる親和性クロマトグラフィーにより精製した。反応中のKIF18Aタンパク質、微小管(MT)、及びATPの濃度を、ADP-Glo(商標)キナーゼ/ATPアーゼアッセイキット(Promega Inc)を用いて、標準化均質酵素アッセイに最適化した。アッセイは、ATPアーゼ反応から形成されたADPを測定する。反応緩衝液を調製する[(15mMのTris、pH7.5(Teknova Inc)、10mMのMgCl2(JT Baker Inc)、0.01%のPluronic F-68(Life Technologies Inc)、1μMのTaxol(Cytoskeleton Inc)、及び30μg/mLのブタ微小管(Cytoskeleton Inc)]。化合物及びKIF18Aタンパク質(30nM)を、調製した反応緩衝液に添加し、室温で15分間インキュベートし、次にATP(Kmで、75μM)を反応混合物に添加し、室温で更に15分間インキュベートする。5μlのADP-Glo(商標)試薬と2.5μlの反応混合物を混合して、室温で40分間インキュベートする。10μlのADP-Glo(商標)検出試薬を添加し、室温で40分間インキュベートする。超ルミネッセンスモジュール(ultra-luminescence module)を備えたEnVisionマイクロプレートリーダー(Perkin Elmer Inc)を用いてルミネッセンスを読み取る。4パラメーターロジスティック回帰適合モデルを備えたGenedata Screener Software(Standard 15.0.1,Genedata Inc)を用いて濃度反応曲線の適合及びIC50の判定を実施した。
【0342】
表Aは、本発明の代表的な化合物として、本出願で例示される化合物及びその優先権書類のデータを以下の通り提供する:化合物名(ACDソフトウエア又はChemDraw(Professional 15.0)により命名)及び生物学的データ(IC50(単位 μM))。Ex.#は実施例番号を指す。
【0343】
【0344】
【0345】
【0346】
【0347】
【0348】
【0349】
【0350】
【0351】
【0352】
上述の発明を、明確さ及び理解を目的とした例示及び実施例によって多少詳細に説明した。当業者であれば、添付の特許請求の範囲の範囲内で変更及び修正が実施可能であることを理解する。したがって、上記の説明は例示を意図しており、限定的なものではないことが理解されよう。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるものではなく、添付の特許請求の範囲を参照して、こうした特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲と共に本発明決定されるべきである。
【0353】
本明細書で引用される全ての特許、特許出願、及び公報は、参照することにより、あたかも各個別の特許、特許出願、又は公報が個別に示されているのと同じ程度で、その全体があらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。