(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-20
(45)【発行日】2025-10-28
(54)【発明の名称】熱間鍛造品の製造方法
(51)【国際特許分類】
B21J 13/14 20060101AFI20251021BHJP
B21J 5/02 20060101ALI20251021BHJP
【FI】
B21J13/14 B
B21J5/02 Z
(21)【出願番号】P 2024087731
(22)【出願日】2024-05-30
【審査請求日】2024-10-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】株式会社プロテリアル
(72)【発明者】
【氏名】青山 佳祐
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-260756(JP,A)
【文献】特開2004-114086(JP,A)
【文献】特許第6018251(JP,B1)
【文献】特公平07-012498(JP,B2)
【文献】実公昭62-045791(JP,Y2)
【文献】実公昭53-052136(JP,Y2)
【文献】特公昭57-048293(JP,B2)
【文献】特開平02-030351(JP,A)
【文献】特開昭62-034643(JP,A)
【文献】特開平02-075435(JP,A)
【文献】実開平04-054539(JP,U)
【文献】実開平05-028534(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0100769(US,A1)
【文献】特開2000-254754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 13/14
B21J 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上型が有する凸状の押圧面と、下型が有する凹状の押圧面とが、鍛造素材の押圧方向に対峙して、かつ、前記下型の押圧面の中央位置に、前記押圧方向に可動するノックアウト面を有する熱間鍛造用金型を用いて、前記下型の押圧面に載置した鍛造素材を、前記上型の押圧面で押圧して成形し、椀形状の鍛造品を得る熱間鍛造品の製造方法であって、
前記鍛造素材を前記下型の押圧面に載置するとき、前記ノックアウト面を前記押圧方向に上昇させて、前記下型の押圧面から突出させ、前記押圧面から突出させたノックアウト面に前記鍛造素材を載置し、かつ、前記鍛造素材を前記ノックアウト面に載置したとき、前記ノックアウト面の高さが、前記鍛造素材が前記下型の押圧面に触れない高さであり、
前記鍛造素材を載置したノックアウト面を下降させて、前記下型の押圧面に納めることで、前記下型の押圧面に前記鍛造素材を載置
した後に、前記下型の押圧面に載置した前記鍛造素材を、前記上型の押圧面で押圧して成形することを特徴とする、熱間鍛造品の製造方法。
【請求項2】
前記鍛造素材を載置したノックアウト面を下降させて、前記下型の押圧面に納めたとき、前記ノックアウト面の少なくとも一部が、前記鍛造素材に触れていないことを特徴とする、請求項1に記載の熱間鍛造品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱間鍛造品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、中・大型航空機用の熱間型打鍛造製品の需要が大きく伸びている。これらの鍛造製品のうち、例えば、航空ジェットエンジンのタービンディスクやコーンシャフトは、ニッケル合金やチタン合金製であり、直径1メートルを超える程の大きさにもなる。そして、これらの大型鍛造品を製造するには、熱間型打鍛造中の変形荷重は非常に大きな加圧力を必要とする。
【0003】
このような大型鍛造品として、上記の航空ジェットエンジン用の他にも、発電用ガスタービンディスク等もある。そして、このような大型鍛造品を、変形抵抗が大きい鍛造素材から作製するときに、鍛造素材を成形するための上型および下型の押圧面が、この鍛造素材の押圧方向に対峙した熱間鍛造用金型が用いられる。そして、この熱間鍛造用金型として、例えば、その押圧面の中心に円柱状の金型片が組付けられた分割金型がある(特許文献1)。そして、この円柱状の金型片が、熱間鍛造中は押圧面の一部として機能する一方で、熱間鍛造終了後には鍛造品を金型から取り除くノックアウトピンとして機能するものがある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2013/147154号パンフレット
【文献】特開2015-91597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のコーンシャフト等のように、熱間鍛造品が、いわゆる“椀形状(bowl shape)”であると、これの製造に用いる熱間鍛造用金型も、上記の椀形状に応じた押圧面を有しており、例えば、上型が凸状の押圧面を有していて、下型が凹状の押圧面を有していることになる。そうすると、鍛造素材を下型の押圧面に載置するとき、下型の押圧面が落ち窪んでいることから、この下型の押圧面の“正しい位置”に鍛造素材を納めることが容易でない。そして、鍛造素材を下型の押圧面に載置する途中で、鍛造素材が落下すると、その衝撃で、上記の位置ずれが生じることに加えて、下型の押圧面の中央位置にあるノックアウト面(ノックアウト機構)をも損傷させるかも知れない。
本発明の目的は、押圧面が凹状であり、かつ、その中央位置にノックアウト面を有した下型の押圧面に、鍛造素材を“正しい位置”に載置することができる、熱間鍛造品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、上型が有する凸状の押圧面と、下型が有する凹状の押圧面とが、鍛造素材の押圧方向に対峙して、かつ、この下型の押圧面の中央位置に、上記の押圧方向に可動するノックアウト面を有する熱間鍛造用金型を用いて、下型の押圧面に載置した鍛造素材を、上型の押圧面で押圧して成形し、椀形状の鍛造品を得る熱間鍛造品の製造方法であって、
鍛造素材を下型の押圧面に載置するとき、上記のノックアウト面を押圧方向に上昇させて、下型の押圧面から突出させ、この押圧面から突出させたノックアウト面に鍛造素材を載置し、かつ、この鍛造素材をノックアウト面に載置したとき、上記のノックアウト面の高さが、鍛造素材が下型の押圧面に触れない高さであり、
鍛造素材を載置したノックアウト面を下降させて、下型の押圧面に納めることで、下型の押圧面に上記の鍛造素材を載置する、熱間鍛造品の製造方法である。
【0007】
また、本発明は、上記の熱間鍛造品の製造方法において、鍛造素材を載置したノックアウト面を下降させて、下型の押圧面に納めたとき、上記のノックアウト面の少なくとも一部が、鍛造素材に触れていない、熱間鍛造品の製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、鍛造素材に熱間鍛造を行うとき、下型の押圧面の“正しい位置”に鍛造素材を載置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】従来の熱間鍛造用金型の一例を示す断面模式図である。
【
図2】本発明に係る熱間鍛造用金型の一例を示す断面模式図である。
【
図3】本発明の熱間鍛造品の製造方法について、その一連の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を、その構成要件ごとに、図面を用いて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する形態によって限定されるものではない。
【0011】
(1)本発明は、「上型が有する凸状の押圧面と、下型が有する凹状の押圧面とが、鍛造素材の押圧方向に対峙した熱間鍛造用金型を用いる」ものである。
このような熱間鍛造用金型の一例を
図1に示す。
図1は、押圧面の周囲の形状が円形である熱間鍛造用金型0の、その中心を通る位置での断面模式図である。そして、その上型1が凸状の押圧面1Sを有し、下型2が凹状の押圧面2Sを有していることで、鍛造素材3を、椀形状の鍛造品4に成形できるものである。つまり、本発明に係る上型の「凸状の押圧面」および下型の「凹状の押圧面」とは、そのお互いの形状の関係が、押圧面の周縁部で“立ち上がっている”状態のものを言い、この形状の関係によって、成形された鍛造品の周縁部も立ち上がった椀形状(深皿形状とも言える)となる。そして、このとき、上型および下型の押圧面の周縁部以外の形状は任意である。但し、下型の押圧面においては、その周縁部以外での水平位置が、少なくとも、周縁部の水平位置の最高点(専ら、周縁部の最端の水平位置である)よりも低いことで、本発明の効果を得ることができる。
なお、本発明で言う「熱間鍛造」とは、熱間や恒温での型打鍛造、プレス鍛造及びホットダイ鍛造等も含むものである。
【0012】
(2)本発明は、上記(1)の熱間鍛造用金型が、その「下型の押圧面の中央位置に、押圧方向に可動するノックアウト面を有する」ものである。
まず、ノックアウトは、通常、鍛造素材の成形中(熱間鍛造中)は下型の内部に待機して、成形後(熱間鍛造後)には上型に向かって押圧方向に移動することで、熱間鍛造後の鍛造品を下型から離型させる金型部品である。そして、このノックアウトの先端をノックアウト面と呼び、本発明においては、このノックアウト面が下型の押圧面の一部(つまり、中央位置)を構成している。
このような下型の一例として、その断面模式図を
図2に示す。
図2の下型2では、その中央の位置に略円柱状のノックアウト5が組み込まれていてる。そして、熱間鍛造終了後には、このノックアウト5が上方に移動することで、鍛造品4を下型2から離型させる一方で、熱間鍛造中には、それのノックアウト面5Sが、押圧面(意匠面)2Sの一部として機能する。こうすることで、押圧面2Sの一部でノックアウト面5Sが存在する位置においても、所望する鍛造品の形状を得ることができる。
【0013】
以上をもって、本発明は、上記の(1)および(2)の熱間鍛造用金型を用いて、下型の押圧面に載置した鍛造素材を、上型の押圧面で押圧して成形し、椀形状の鍛造品を得る熱間鍛造品の製造方法である。そして、この下型の押圧面に鍛造素材を載置する過程において、下述の通りである。
【0014】
(3)本発明は、下型の押圧面に鍛造素材を載置するときに、まず、「上記のノックアウト面を押圧方向に上昇させることで、下型の押圧面から突出させて、この押圧面から突出させたノックアウト面に鍛造素材を載置する」ものである。そして、このときの突出させたノックアウト面の高さが、「鍛造素材が下型の押圧面に触れない高さ」である。
従来、鍛造素材を下型の押圧面に載置するときには、熱間鍛造温度に加熱した鍛造素材を、例えば、吊り治具などで掴んで、下型の押圧面の位置にまで“直接”運搬すればよい。しかし、下型の押圧面が凹状で、落ち窪んだ形状であったりすると、運搬中の鍛造素材が下型の押圧面に差し掛かったときに、治具が押圧面の周縁部に干渉して、鍛造素材の下面が下型の押圧面に着地する前に、鍛造素材を治具から離すことになって、鍛造素材が下型の押圧面の正しい位置からずれて載置されるかも知れない。さらに、所望する鍛造品の形状に応じて、鍛造素材も略椀形状であったりすると、治具で掴むことができる鍛造素材の位置も制限されて、治具の掴みが十分でないときに、載置の途中で鍛造素材が落下し、その衝撃で下型が有するノックアウトをも損傷させるかも知れない。
【0015】
そこで、
図3は、本発明の熱間鍛造品の製造方法について、その一連の流れを説明するものである。このとき、
図3では、その熱間鍛造用金型0の断面模式図において、中心線対称の片側のみを示している。まず、
図3(A)において、下型2の押圧面2Sに鍛造素材3を載置する過程で、鍛造素材3を下型2にまで運搬してくるときに、本来であれば、熱間鍛造後の鍛造品を下型から離型させるための金型部品であるノックアウト5を予め上昇させて、下型2の押圧面2Sの中央位置にあるノックアウト面5Sを下型2の押圧面2Sから上方に突出させておく。そして、この押圧面2Sから突出させたノックアウト面5Sに、運搬してきた鍛造素材3を載置する。そして、このとき、ノックアウト面5Sの高さが、鍛造素材3が下型2の押圧面2Sに触れない高さであることで、上記の治具が押圧面の周縁部に干渉する問題や、さらには、鍛造素材が落下する問題を軽減することができる。
【0016】
(4)本発明は、次に、「上記の(3)で鍛造素材を載置したノックアウト面を下降させて、これを下型の押圧面に納めることで、下型の押圧面に鍛造素材を載置する」ものである。
そして、予め上昇させておいたノックアウト面5Sに、運搬してきた鍛造素材3を載置した後に、
図3(B)において、このノックアウト面5Sを、鍛造素材3ごと、下降させ、下型2の押圧面2Sにあった“元の位置”にまで納めることで、下型2の押圧面2Sに鍛造素材3を載置する過程を完了する。こうして、鍛造素材の下面が下型の押圧面に着地する前に、下型の押圧面の方から鍛造素材を迎えにいくことで、下型が有するノックアウトの損傷を抑制しながら、鍛造素材が下型の押圧面の正しい位置に載置することができる。
そして、この後は、常法に従って、
図3(C)および(D)で、下型2の押圧面2Sに載置した鍛造素材3を、上型1の押圧面1Sで押圧して成形し、椀形状の鍛造品4を得て、熱間鍛造終了後には、
図3(E)で、ノックアウト5を上昇させることで、鍛造品4を下型2から離型させればよい。こうすることで、所望の形状を有した鍛造品4を作製できて、さらには、その鍛造品4を円滑に下型2から離型できる。
【0017】
(5)本発明は、好ましくは、上記の(4)で、鍛造素材を載置したノックアウト面を下降させて、下型の押圧面に納めたときに、「ノックアウト面の少なくとも一部が、鍛造素材に触れていない」ものである。
本来、ノックアウトは、熱間鍛造終了後の鍛造品を下型から離型させるために使用される金型部品であるところ、本発明においては、これのノックアウト面が、熱間鍛造中における下型の押圧面の一部としても機能する。そして、これに加えて、本発明に係るノックアウトは、熱間鍛造前に、熱間鍛造温度に加熱された鍛造素材を“単独で”支える、いわゆる、センターピンとしても機能することから、強度の維持が求められるところ、これのノックアウト面は、金型の他の部位と比べて、高温に曝される頻度が高いことから、変形が生じるかも知れない。
【0018】
そこで、本発明では、熱間鍛造温度に加熱された鍛造素材を載置したノックアウト面を下降させて、下型の押圧面に納めたときから、熱間鍛造を開始するまでの間(つまり、
図3(B)の状態)で、ノックアウト面と鍛造素材とが接触している面積を小さくして、ノックアウト面が高温に曝されている頻度を低くすることが好ましい。こうすることで、ノックアウト面への温度負荷を低めて、変形の可能性を低めることができる。また、ノックアウトの熱膨張も抑制できれば、下型との間で適度のクリアランスも維持されて、ノックアウトの上下動を円滑に行うことにも効果的である。
【0019】
本発明が用いる熱間鍛造用金型は、これを構成する部品の一部または全部を、上記のノックアウトも含めて、熱間金型用鋼やニッケル基超耐熱合金で作製とすることができる。そして、このとき、より安価な熱間金型用鋼を用いることが、経済的である。
上記の熱間金型用鋼は、例えば、JIS-G4404で規定されるものがある。その典型的な成分範囲を示すと、質量%で、C:0.25~0.5%、N:0を超えて0.03%以下、Si:0を超えて1.2%以下、Mn:0を超えて0.9%以下、Al:0~0.5%、P:0~0.03%、S:0~0.01%、V:0~2.1%、Cr:0.8~5.5%、Ni:0~4.3%、Cu:0~0.3%、Mo:0~3.0%、W:0~9.5%、Co:0~4.5%を含み、残部はFe及び不純物でなる合金である。
【0020】
そして、上記のニッケル基超耐熱合金は、例えば、Udimet520相当合金(UdimetはSpecial Metals社の登録商標)、Udimet720相当合金、Waspaloy相当合金、Alloy718相当合金等である。特に、ノックアウト本体や、それのノックアウト面は、高温強度を付与できる点で、上記のニッケル基超耐熱合金で作製することが好ましい。
【0021】
本発明の熱間鍛造品の製造方法では、ニッケル合金の中でも、ニッケル基超耐熱合金を鍛造素材とすることができる。例えば、Udimet520相当合金、Udimet720相当合金、Waspaloy相当合金、Alloy718相当合金等、Al、Ti、Nb等の金属間化合物を析出強化可能な合金とすることができる。
【実施例】
【0022】
上型1が有する凸状の押圧面1Sと、下型2が有する凹状の押圧面2Sとが、鍛造素材3の押圧方向に対峙して、かつ、下型2の押圧面2Sの中央位置に、押圧方向に可動するノックアウト面5Sを有する、
図2の断面形状を有する熱間鍛造用金型0を準備した。このとき、上型1および下型2は、JIS-G4404のSKD61で作製した。そして、ノックアウト面5Sは、Alloy718相当合金で作製したノックアウト5本体のノックアウト面に、Udimet520相当合金を肉盛溶接した。
そして、上記の熱間鍛造用金型0を、5万トンプレス機に組み付けた後、
図3(A)~(E)の一連の流れに従って、下型2の押圧面2Sに載置した鍛造素材3(Alloy718相当合金製)を、上型1の押圧面1Sで押圧して成形し、椀形状の鍛造品4を得る熱間鍛造品の製造方法を実施した。
【0023】
まず、ノックアウト5を上昇させて、下型2の押圧面2Sの中央位置にあるノックアウト面5Sを、下型2の押圧面2Sから上方に突出させておいた。そして、この押圧面2Sから突出させておいたノックアウト面5Sに、運搬してきた鍛造素材3を載置した。このとき、ノックアウト面5Sの高さは、ノックアウト面5Sに載置したときの鍛造素材3が、下型2の押圧面2Sに触れないような、十分な高さであったことで、鍛造素材3を掴んでいた治具が、下型2の押圧面2Sの周縁部に干渉することはなく、そして、鍛造素材が落下することもなく、鍛造素材3をノックアウト面5Sに載置することができた。
【0024】
次に、鍛造素材3を載置したノックアウト面5Sを、鍛造素材3ごと下降させて、下型2の押圧面2Sの元の位置にまで納めたところ、鍛造素材3が下型2の押圧面2Sの正しい位置にあることを確認した。また、この状態において、ノックアウト面5Sに、鍛造素材3と触れていない部分があることを確認した。
この下型2の押圧面2Sに正しく載置された鍛造素材3を、上型1の押圧面1Sで押圧して成形し、椀形状の鍛造品4を得て、熱間鍛造を終了した。その後、ノックアウト面5Sを上昇させて、この鍛造品4を下型2から円滑に離型することができた。そして、得られた鍛造品4は所望の形状を有していて、かつ、ノックアウト5にも、ノックアウト面5Sを含めて、変形や損傷は確認されなかった。
【符号の説明】
【0025】
0 熱間鍛造用金型
1 上型
1S 押圧面
2 下型
2S 押圧面
3 鍛造素材
4 鍛造品
5 ノックアウト
5S ノックアウト面
【要約】
【課題】下型の押圧面の正しい位置に鍛造素材を載置することができる、熱間鍛造品の製造方法を提供する。
【解決手段】上型が凸状の押圧面を有し、下型が凹状の押圧面を有し、この下型の押圧面が中央位置にノックアウト面を有する熱間鍛造用金型を用いて、鍛造素材を熱間鍛造する。鍛造素材を下型の押圧面に載置するときは、まず、下型の押圧面から突出させたノックアウト面に鍛造素材を載置してから、このノックアウト面を鍛造素材ごと下降させて、下型の押圧面に納める、熱間鍛造品の製造方法である。
【選択図】
図3