(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-23
(45)【発行日】2025-10-31
(54)【発明の名称】回転検出器および回転検出方法
(51)【国際特許分類】
G01D 5/244 20060101AFI20251024BHJP
G01D 5/245 20060101ALI20251024BHJP
【FI】
G01D5/244 E
G01D5/245 110L
G01D5/245 B
(21)【出願番号】P 2023523351
(86)(22)【出願日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 JP2022018112
(87)【国際公開番号】W WO2022249795
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2025-02-04
(31)【優先権主張番号】P 2021088894
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100157484
【氏名又は名称】廣田 智之
(72)【発明者】
【氏名】田中 優紀
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-048902(JP,A)
【文献】特開2013-124874(JP,A)
【文献】国際公開第2021/215076(WO,A1)
【文献】米国特許第6084400(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12-5/252
G01B 7/30-7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸とともに回転する磁石と、
前記磁石が前記回転軸とともに回転することによる磁界の変化によって発電する複数の発電素子と、
前記複数の発電素子に対応して設けられる複数の磁気センサと、
前記複数の磁気センサを用いて、前記回転軸の回転位置を判定する情報処理部と、
前記複数の発電素子の各々によって発電された電力を、前記複数の磁気センサのうち当該発電素子に対応する磁気センサにのみ供給する発電電力供給部とを備える、
回転検出器。
【請求項2】
前記情報処理部は、前記複数の発電素子のうち発電した発電素子を示す発電情報と、前記複数の磁気センサのうち当該発電素子に対応する磁気センサの検出結果を示す検出情報とに基づいて、前記回転軸の回転方向における基準位置が前記回転軸の回転方向に並ぶ複数の領域のうちいずれの領域に位置しているかを判定することによって、前記回転軸の回転位置を判定し、
前記複数の領域のうち前記情報処理部によって前記基準位置が位置していると判定された領域を記憶する記憶部をさらに備える、
請求項1に記載の回転検出器。
【請求項3】
前記情報処理部は、前記複数の領域のうち今回前記基準位置が位置していると判定した領域が前回前記基準位置が位置していると判定した領域と隣り合う領域でない場合、エラーが発生したことを前記記憶部に記憶させる、
請求項2に記載の回転検出器。
【請求項4】
前記情報処理部は、前記複数の領域のうち今回前記基準位置が位置していると判定した領域が前回前記基準位置が位置していると判定した領域と隣り合う領域でない場合、前回前記基準位置が位置していると判定した領域から今回前記基準位置が位置していると判定した領域への遷移が発生したことを前記記憶部に記憶させる、
請求項2または3に記載の回転検出器。
【請求項5】
前記複数の発電素子の各々によって発電された電力の極性を判定する極性判定部をさらに備え、
前記情報処理部は、前記発電情報と、前記検出情報と、前記極性判定部によって判定された極性を示す極性情報とに基づいて、前記回転軸の回転方向を判定する、
請求項2から
3のいずれか1項に記載の回転検出器。
【請求項6】
前記情報処理部は、前記複数の領域のうち今回前記基準位置が位置していると判定した領域が前回前記基準位置が位置していると判定した領域と隣り合う領域である場合において、前回前記極性判定部によって判定された極性から今回前記極性判定部によって判定された極性への遷移が正常でない場合、エラーが発生したことを前記記憶部に記憶させる、
請求項5に記載の回転検出器。
【請求項7】
前記情報処理部は、前記複数の領域のうち今回前記基準位置が位置していると判定した領域と、今回前記極性判定部によって判定された極性と、前記複数の領域のうち前回前記基準位置が位置していると判定した領域と、前回前記極性判定部によって判定された極性とに基づいて、前記回転軸の回転数を算出するためのカウント値を更新する、
請求項
5に記載の回転検出器。
【請求項8】
電源からの電力に基づいて動作する発光素子および受光素子を有し、前記回転軸の回転量を検出する光学式センサをさらに備え、
前記光学式センサが前記電源から電力の供給を受けていない無給電状態から前記電源から電力の供給を受けている給電状態になった場合、前記情報処理部は、前記無給電状態のときに前記複数の磁気センサを用いて判定された前記回転軸の回転位置と、前記給電状態になった後に前記光学式センサによって検出された前記回転軸の回転量とに基づいて、前記回転軸の回転位置を判定する、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の回転検出器。
【請求項9】
前記発電電力供給部は、前記複数の発電素子の各々から発電されて前記複数の磁気センサのうち当該発電素子に対応する磁気センサに供給される電力を貯蔵するセンサ電力貯蔵部と、前記複数の発電素子の各々から発電されて前記複数の磁気センサ以外に供給される電力を貯蔵する電力貯蔵部と、前記センサ電力貯蔵部と前記電力貯蔵部とを電気的に切断可能な切断部とを有する、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の回転検出器。
【請求項10】
前記複数の発電素子は、前記回転軸の回転方向において、前記回転軸が時計回りに回転したときに前記複数の発電素子のうち1つの発電素子が発電する第1位置と、前記回転軸が反時計回りに回転したときに当該1つの発電素子が発電する1つ以上の位置のうち前記第1位置に最も近い第2位置との間の角度間隔以上の角度間隔を空けて配置され、
前記複数の磁気センサの各々は、前記回転軸の回転方向において、前記複数の発電素子のうち対応する発電素子と同じ位置、または当該発電素子と180度ずれた位置に配置される、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の回転検出器。
【請求項11】
回転検出器を用いた回転検出方法であって、
前記回転検出器は、回転軸とともに回転する磁石と、前記磁石が前記回転軸とともに回転することによる磁界の変化によって発電する複数の発電素子と、前記複数の発電素子に対応して設けられる複数の磁気センサと、前記複数の発電素子の各々によって発電された電力を、前記複数の磁気センサのうち当該発電素子に対応する磁気センサにのみ供給する発電電力供給部とを備え、
前記複数の発電素子のうち発電した発電素子を示す発電情報と、前記複数の磁気センサのうち当該発電素子に対応する磁気センサの検出結果を示す検出情報とに基づいて、前記回転軸の回転方向における基準位置が前記回転軸の回転方向に並ぶ複数の領域のうちいずれの領域に位置しているかを判定し、
前記複数の領域のうち前記基準位置が位置していると判定された領域を記憶する、
回転検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転検出器および回転検出方法に関し、特に回転体の回転軸の回転を検出する回転検出器および回転検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータの回転軸の回転を検出する回転検出器が知られている。たとえば、特許文献1には、シャフトに設けられた円板形状の磁石と、磁性ワイヤおよびピックアップコイルで構成される3つの発電部とを備え、3つの発電部のそれぞれは、磁石の端面側に構成された仮想的な三角形の複数の辺のそれぞれに配置されている回転検出器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、特許文献1の回転検出器では、発電部によって発電された電力を適切に供給できず、誤検出が発生するという問題がある。
【0005】
本開示は、このような問題を解決するためになされたものであり、誤検出の発生を抑制できる回転検出器および回転検出方法を提供することを目的とする。
【0006】
本開示の一態様に係る回転検出器は、回転軸とともに回転する磁石と、前記磁石が前記回転軸とともに回転することによる磁界の変化によって発電する複数の発電素子と、前記複数の発電素子に対応して設けられる複数の磁気センサとを備える。さらに、前記複数の磁気センサを用いて、前記回転軸の回転位置を判定する情報処理部と、前記複数の発電素子の各々によって発電された電力を、前記複数の磁気センサのうち当該発電素子に対応する磁気センサにのみ供給する発電電力供給部とを備える。
【0007】
本開示の一態様に係る回転検出方法は、回転検出器を用いた回転検出方法である。前記回転検出器は、回転軸とともに回転する磁石と、前記磁石が前記回転軸とともに回転することによる磁界の変化によって発電する複数の発電素子と、前記複数の発電素子に対応して設けられる複数の磁気センサと、前記複数の発電素子の各々によって発電された電力を、前記複数の磁気センサのうち当該発電素子に対応する磁気センサにのみ供給する発電電力供給部とを備える。前記回転検出方法は、前記複数の発電素子のうち発電した発電素子を示す発電情報と、前記複数の磁気センサのうち当該発電素子に対応する磁気センサの検出結果を示す検出情報とに基づいて、前記回転軸の回転方向における基準位置が前記回転軸の回転方向に並ぶ複数の領域のうちいずれの領域に位置しているかを判定し、前記複数の領域のうち前記基準位置が位置していると判定された領域を記憶する。
【0008】
本開示によれば、誤検出の発生を抑制できる回転検出器および回転検出方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態に係る回転検出器を備えるモータを示す図である。
【
図2】
図2は、
図1の回転検出器の基板および回転板を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1の回転検出器の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、回転軸が時計回りに回転した場合における、
図1の回転検出器の判定動作の一例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、回転軸が反時計回りに回転した場合における、
図1の回転検出器の判定動作の一例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、第2の実施の形態に係る回転検出器を示す図である。
【
図7】
図7は、
図6の回転検出器の機能構成の一部を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、
図6の回転検出器の機能構成の他の一部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ならびに、工程および工程の順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、全図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る回転検出器14を備えるモータ1を示す図である。
図2は、
図1の回転検出器14の基板18および回転板16を示す図である。
図2の(a)は、基板18を示し、
図2の(b)は、回転板16を示している。なお、
図1では、ケース12、磁石20、および反射パターン44を断面で示している。また、
図1では、
図2に示す発電素子22および制御回路32の図示を省略している。また、
図2では、
図1に示す光学式センサ30の図示を省略している。
【0013】
図1に示すように、モータ1は、本体4と、回転子6と、固定子8と、回転軸10と、ケース12と、回転検出器14とを備えている。なお、回転軸線方向とは、回転軸10の回転軸線Aが延びている方向である(
図1の矢印Xを参照)。
【0014】
回転子6および固定子8は、本体4に収容されている。回転子6は、固定子8に対して回転する。
【0015】
回転軸10は、回転軸線方向に延び、円柱状等の棒状である。回転軸10の軸心と回転軸線Aとは、一致している。回転軸10は、回転子6に固定されており、回転軸線A回りに回転する。たとえば、回転軸10は、モータ1に電力が供給されると、当該電力に基づいて、回転子6とともに回転軸線Aを回転中心として回転する。回転軸10の回転方向(
図2の矢印Zを参照)は、回転軸線Aを中心とする周方向と一致する。回転軸線方向における回転軸10の一端部には、回転検出器14が設けられている。回転軸線方向における回転軸10の他端部には、回転軸10の回転によって回転駆動される負荷(図示せず)等が取り付けられている。たとえば、回転軸10は、鉄等の磁性体金属によって形成されている。
【0016】
ケース12は、回転軸線方向における回転軸10の一端部、および回転検出器14を覆うように、本体4に取り付けられている。たとえば、ケース12は、鉄等の磁性体金属によって形成されている。
【0017】
回転検出器14は、回転軸10の回転を検出する。たとえば、回転検出器14は、回転軸10の回転位置、回転軸10の回転方向、および回転軸10の回転数等を検出する。たとえば、回転検出器14は、アブソリュートエンコーダである。回転検出器14は、上述したように、回転軸線方向における回転軸10の一端部に設けられている。
図1および
図2に示すように、回転検出器14は、回転板16と、基板18と、磁石20と、複数の発電素子22,24と、複数の磁気センサ26,28と、光学式センサ30と、制御回路32とを有している。
【0018】
回転板16は、回転軸線方向に直交する方向に延びる。具体的には、回転板16は、回転軸線方向に直交する方向に延びる主面を有する円板状であり、回転軸線方向から見たとき円形である。回転板16は、回転軸線方向における回転軸10の一端部に取り付けられている。回転板16の軸心と回転軸線Aとは、一致している。回転板16は、回転軸10とともに回転する。
【0019】
基板18は、回転軸線方向に直交する方向に延びる。具体的には、基板18は、回転軸線方向に直交する方向に延びる主面を有する円板状であり、回転軸線方向から見たとき円形である。基板18は、回転軸線方向において、回転軸10の一端部および回転板16と間隔を空けて配置され、回転板16と対向している。基板18の軸心と回転軸線Aとは、一致している。基板18は、ケース12の内面に固定されており、回転軸10とともに回転しない。
【0020】
磁石20は、回転軸10とともに回転する。具体的には、磁石20は、回転軸10が回転すると、回転軸10および回転板16とともに回転する。磁石20は、円環状であり、回転軸10の回転方向に沿って配置されている。磁石20は、回転軸線方向を厚み方向とする板状である。磁石20は、回転板16の基板18とは反対側の主面に配置されている。磁石20は、N極と、回転軸10の回転方向において当該N極と並んで配置されているS極とを有している。磁石20の一方側の半分がN極に着磁されており、磁石20の他方側の半分がS極に着磁されている。
【0021】
複数の発電素子22,24の各々は、磁石20が回転軸10とともに回転することによる磁界の変化によって発電する。
【0022】
複数の発電素子22,24は、回転軸10の回転方向において、位相差を持って配置されている。具体的には、複数の発電素子22,24は、回転軸10の回転方向において、回転軸10が時計回りに回転したときに複数の発電素子22,24のうち1つの発電素子が発電する第1位置と、回転軸10が反時計回りに回転したときに当該1つの発電素子が発電する1つ以上の位置のうち第1位置に最も近い第2位置との間の角度間隔以上の角度間隔を空けて配置されている。なお、時計回りとは、回転軸線方向において、基板18の回転板16とは反対側から見たときの時計回りを意味し、反時計回りとは、回転軸線方向において、基板18の回転板16とは反対側から見たときの反時計回りを意味する。以下の説明においても同様である。
【0023】
図4は、回転軸10が時計回りに回転した場合における、回転検出器14の判定動作の一例を説明するための図である。たとえば、
図4に示す位置iは、回転軸10が時計回りに回転したときに複数の発電素子22,24のうち1つの発電素子22が発電する第1位置の一例である。また、
図4に示す位置viiiは、回転軸10が反時計回りに回転したときに1つの発電素子22が発電する1つ以上の位置vi,viiiのうち位置iに最も近い第2位置の一例である。回転軸10の回転方向における位置iと位置viiiとの間の角度間隔は30度であり、複数の発電素子22,24は、回転軸10の回転方向において、30度以上の角度間隔を空けて配置されている。この実施の形態では、複数の発電素子22,24は、回転軸10の回転方向において、120度の角度間隔を空けて配置されている。
【0024】
なお、たとえば、回転軸10の回転方向における発電素子22と発電素子24との間の角度間隔は、回転軸線Aを中心とする径方向(
図2の矢印Yを参照)に延びかつ発電素子22の感磁部34の長手方向の中心を通る中心線と、回転軸線Aを中心とする径方向に延びかつ発電素子24の感磁部38の長手方向の中心を通る中心線とがなす角度である。
【0025】
発電素子22は、回転軸10の回転方向の接線方向に延び、基板18の回転軸10とは反対側(回転板16とは反対側)の主面に配置されている。発電素子22は、感磁部34と、感磁部34に巻回されるコイル36とを有している。感磁部34は、回転軸10の回転方向の接線方向に延びる磁性体であり、基板18の回転板16とは反対側に位置している。たとえば、感磁部34は、大バルクハウゼン効果を発現させる磁性体であり、回転軸10の回転方向の接線方向に延びるウィーガントワイヤ(Wiegand wire)である。ウィーガントワイヤは、所定値以上の磁界がウィーガントワイヤの長手方向に沿って印加されると、磁化方向が長手方向の一方に向かうように揃う磁性体である。ウィーガントワイヤの長手方向に沿って流れる磁束の向きが変化すると、ウィーガントワイヤの磁化方向が跳躍的に反転し、ウィーガントワイヤに巻回されているコイルの両端に電圧パルスが誘起される。このようにして、発電素子22は、発電する。
【0026】
発電素子24は、回転軸10の回転方向の接線方向に延び、基板18の回転軸10とは反対側(回転板16とは反対側)の主面に配置されている。発電素子24は、感磁部38と、感磁部38に巻回されるコイル40とを有している。感磁部38は、回転軸10の回転方向の接線方向に延びる磁性体であり、基板18の回転板16とは反対側に位置している。たとえば、感磁部38は、大バルクハウゼン効果を発現させる磁性体であり、回転軸10の回転方向の接線方向に延びるウィーガントワイヤである。発電素子24は、発電素子22と同じようにして、発電する。
【0027】
複数の磁気センサ26,28は、それぞれ複数の発電素子22,24に対応して設けられている。磁気センサ26は、発電素子22に対応して設けられ、発電素子22によって発電された電力に基づいて動作する。磁気センサ28は、発電素子24に対応して設けられ、発電素子24によって発電された電力に基づいて動作する。複数の磁気センサ26,28は、基板18の回転軸10側(回転板16側)の主面に配置されている。
【0028】
複数の磁気センサ26,28は、回転軸10の回転方向において、位相差を持って配置されている。具体的には、複数の磁気センサ26,28の各々は、回転軸10の回転方向において、複数の発電素子22,24のうち対応する発電素子と同じ位置に配置されている。
【0029】
磁気センサ26は、回転軸10の回転方向において発電素子22と同じ位置に配置されている。たとえば、磁気センサ26は、回転軸線Aを中心とする径方向に延びかつ発電素子22の感磁部34の長手方向の中心を通る中心線上に磁気センサ26の中心が位置するように、配置されている。磁気センサ26は、回転軸線Aを中心とする径方向において、発電素子22と並び、発電素子22よりも外方に配置されている。
【0030】
磁気センサ28は、回転軸10の回転方向において発電素子24と同じ位置に配置されている。たとえば、磁気センサ28は、回転軸線Aを中心とする径方向に延びかつ発電素子24の感磁部38の長手方向の中心を通る中心線上に磁気センサ28の中心が位置するように、配置されている。磁気センサ28は、回転軸線Aを中心とする径方向において、発電素子24と並び、発電素子24よりも外方に配置されている。
【0031】
光学式センサ30は、受発光素子42と、反射パターン44とを有し、回転軸10の回転量を検出する光学式のエンコーダである。
【0032】
受発光素子42は、基板18の回転板16側の主面に配置されており、外部の電源150(
図3に示す機能ブロック図参照)からの電力に基づいて動作する。受発光素子42は、回転軸線方向において、反射パターン44と対向しており、反射パターン44に向かって光を発する。また、受発光素子42は、反射パターン44によって反射した光を受光する。反射パターン44によって反射する光は、回転軸10の回転位置に応じて変化する。光学式センサ30は、反射パターン44によって反射される光に基づいて、回転軸10の回転量を検出する。この実施の形態では、受発光素子42が、発光素子および受光素子に相当する。
【0033】
反射パターン44は、回転板16の基板18側の主面に配置されている。反射パターン44は、回転軸10の回転方向に沿って配置され、環状である。たとえば、反射パターン44は、光を反射し易い反射領域と、光を反射し難い非反射領域とを有する。たとえば、反射領域および非反射領域は、回転軸10の回転方向に交互に配置されている。
【0034】
制御回路32は、基板18の回転軸10側(回転板16側)の主面に配置されており、発電素子22等と電気的に接続されている。
【0035】
図3は、
図1の回転検出器14の機能構成を示すブロック図である。
【0036】
図3に示すように、回転検出器14は、発電電力供給部46と、極性判定部47と、磁極判定部51と、信号処理部55と、情報処理部56と、記憶部58と、通信部60とを、さらに備えている。
【0037】
発電電力供給部46は、複数の発電素子22,24の各々によって発電された電力を、複数の磁気センサ26,28のうち当該発電素子に対応する磁気センサにのみ供給する。たとえば、発電電力供給部46は、発電素子22によって発電された電力を複数の磁気センサ26,28のうち磁気センサ26にのみ供給し、発電素子24によって発電された電力を複数の磁気センサ26,28のうち磁気センサ28にのみ供給する。
【0038】
発電電力供給部46は、複数の全波整流部62,64と、センサ電力貯蔵部66と、電力貯蔵部67と、複数のスイッチ72,74,76と、複数の内部電源78,80と、複数の電源監視部82,84,86,88,89と、複数の電圧調整部90,92と、複数の放電部94,96,98と、複数のスイッチ100,102とを有している。
【0039】
全波整流部62は、発電素子22に接続されており、発電素子22で発電された電圧パルスを整流する。全波整流部64は、発電素子24に接続されており、発電素子24で発電された電圧パルスを整流する。
【0040】
センサ電力貯蔵部66は、複数の発電素子22,24の各々から発電されて複数の磁気センサ26,28のうち当該発電素子に対応する磁気センサに供給される電力を貯蔵する。センサ電力貯蔵部66は、発電素子22が発電した場合、発電素子22から発電されて磁気センサ26に供給される電力を貯蔵する。また、センサ電力貯蔵部66は、発電素子24が発電した場合、発電素子24から発電されて磁気センサ28に供給される電力を貯蔵する。
【0041】
電力貯蔵部67は、複数の発電素子22,24の各々から発電されて複数の磁気センサ26,28以外に供給される電力を貯蔵する。電力貯蔵部67は、発電素子22から発電されて磁気センサ26以外に供給される電力を貯蔵する第1貯蔵部68と、発電素子24から発電されて磁気センサ28以外に供給される電力を貯蔵する第2貯蔵部70とを有している。
【0042】
スイッチ72は、センサ電力貯蔵部66と電力貯蔵部67とを電気的に切断可能な切断部の一例である。スイッチ72は、発電素子22および発電素子24の両方が発電していないときには電力を遮断するオフ状態となり、センサ電力貯蔵部66と電力貯蔵部67とを電気的に切断する。スイッチ72は、発電素子22および発電素子24の一方が発電している期間において送電可能なオン状態となる。スイッチ74は、発電素子22が発電していないときには電力を遮断するオフ状態となり、発電素子22が発電している期間において送電可能なオン状態となる。スイッチ76は、発電素子24が発電していないときには電力を遮断するオフ状態となり、発電素子24が発電している期間において送電可能なオン状態となる。
【0043】
内部電源78は、センサ電力貯蔵部66に貯蔵されている電力の供給を受け、当該電力を磁気センサ26または磁気センサ28に供給するための電源である。内部電源80は、電力貯蔵部67に貯蔵されている電力の供給を受け、当該電力を複数の磁気センサ26,28以外たとえば情報処理部56等に供給するための電源である。
【0044】
電源監視部82は、センサ電力貯蔵部66と電圧調整部90との間における電力を監視する。電源監視部84は、電圧調整部90と内部電源78との間における電力を監視する。電源監視部86は、全波整流部62と第1貯蔵部68との間における電力を監視する。電源監視部88は、全波整流部64と第2貯蔵部70との間における電力を監視する。電源監視部89は、電圧調整部92と内部電源80との間における電力を監視する。
【0045】
電圧調整部90は、グランド電位を基準電位とし、センサ電力貯蔵部66のキャパシタの端子間電圧を入力電圧として、一定の電圧を出力する。電圧調整部90の出力電圧は、内部電源78に供給される。電圧調整部92は、グランド電位を基準電位とし、第1貯蔵部68または第2貯蔵部70のキャパシタの端子間電圧を入力電圧として、一定の電圧を出力する。電圧調整部92の出力電圧は、内部電源80に供給される。たとえば、複数の電圧調整部90,92のそれぞれは、LDO(Low Drop Out)レギュレータである。
【0046】
放電部94は、発電素子22および発電素子24が発電していないときにセンサ電力貯蔵部66に貯蔵されている電力を放電する。放電部96は、発電素子22が発電していないときに第1貯蔵部68に貯蔵されている電力を放電する。放電部98は、発電素子24が発電していないときに第2貯蔵部70に貯蔵されている電力を放電する。
【0047】
スイッチ100は、発電素子22が発電していないときには内部電源78からの電力が磁気センサ26に供給されないように遮断するオフ状態となり、発電素子22が発電している期間において内部電源78からの電力を磁気センサ26に送電可能なオン状態となる。スイッチ102は、発電素子24が発電していないときには内部電源78からの電力が磁気センサ28に供給されないように遮断するオフ状態となり、発電素子24が発電している期間において内部電源78からの電力を磁気センサ28に送電可能なオン状態となる。
【0048】
極性判定部47は、複数の発電素子22,24のそれぞれによって発電された電力の極性を判定する。極性判定部47は、発電素子22によって発電された電力の極性を判定する第1判定部48と、発電素子24によって発電された電力の極性を判定する第2判定部50とを有している。
【0049】
磁極判定部51は、複数の磁気センサ26,28のそれぞれによって検出された磁極を判定する。磁極判定部51は、磁気センサ26によって検出された磁極を判定する第1判定部52と、磁気センサ28によって検出された磁極を判定する第2判定部54とを有している。
【0050】
信号処理部55は、外部の電源150からの電力に基づいて駆動し、光学式センサ30の検出結果を情報処理部56に送信する。
【0051】
情報処理部56は、複数の磁気センサ26,28を用いて、回転軸10の回転位置を判定する。情報処理部56による回転軸10の回転位置の判定については、後述する。
【0052】
記憶部58は、回転軸10の回転位置および回転方向等を記憶する。たとえば、記憶部58は、FRAM(登録商標)等の不揮発性メモリによって構成される。
【0053】
通信部60は、情報処理部56と信号処理部55とを有線通信可能または無線通信可能に接続している。
【0054】
図4は、回転軸10が時計回りに回転した場合における、
図1の回転検出器14の判定動作の一例を説明するための図である。
図4の(a)は、基準位置Bが位置iに位置している状態を示し、
図4の(b)は、基準位置Bが位置iiに位置している状態を示し、
図4の(c)は、基準位置Bが位置iiiに位置している状態を示し、
図4の(d)は、基準位置Bが位置ivに位置している状態を示している。
【0055】
図5は、回転軸10が反時計回りに回転した場合における、
図1の回転検出器14の判定動作の一例を説明するための図である。
図5の(a)は、基準位置Bが位置vに位置している状態を示し、
図5の(b)は、基準位置Bが位置viに位置している状態を示し、
図5の(c)は、基準位置Bが位置viiに位置している状態を示し、
図5の(d)は、基準位置Bが位置viiiに位置している状態を示している。
【0056】
基準位置Bは、回転軸10の回転方向における基準位置であり、この実施の形態では、回転軸10の回転方向におけるN極の中心を基準位置としている。
【0057】
まず、
図4を参照して、回転軸10が時計回りに回転する場合について説明する。この場合、基準位置Bが、位置i、位置ii、位置iii、および位置ivに位置したときに、発電素子22および発電素子24の一方が発電する。
【0058】
たとえば、回転軸10が時計回りに回転し、
図4の(a)に示すように、基準位置Bが位置iに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子22の長手方向の磁界の向きが反転し、発電素子22が発電する。一方、基準位置Bが位置iに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子24の長手方向の磁界の向きは反転せず、発電素子24は発電しない。
【0059】
発電素子22が発電することによって、磁気センサ26は、発電素子22からの電力に基づいて動作する。基準位置Bが位置iに位置しているとき、磁気センサ26はS極と対向している。したがって、基準位置Bが位置iに位置しているとき、磁気センサ26は、S極と対向していることを示す信号を出力する。
【0060】
回転軸10がさらに時計回りに回転し、
図4の(b)に示すように、基準位置Bが位置iiに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子24の長手方向の磁界の向きが反転し、発電素子24が発電する。一方、基準位置Bが位置iiに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子22の長手方向の磁界の向きは反転せず、発電素子22は発電しない。
【0061】
発電素子24が発電することによって、磁気センサ28は、発電素子24からの電力に基づいて動作する。基準位置Bが位置iiに位置しているとき、磁気センサ28はS極と対向している。したがって、基準位置Bが位置iiに位置しているとき、磁気センサ28は、S極と対向していることを示す信号を出力する。
【0062】
回転軸10がさらに時計回りに回転し、
図4の(c)に示すように、基準位置Bが位置iiiに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子22の長手方向の磁界の向きが反転し、発電素子22が発電する。一方、基準位置Bが位置iiiに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子24の長手方向の磁界の向きは反転せず、発電素子24は発電しない。
【0063】
発電素子22が発電することによって、磁気センサ26は、発電素子22からの電力に基づいて動作する。基準位置Bが位置iiiに位置しているとき、磁気センサ26はN極と対向している。したがって、基準位置Bが位置iiiに位置しているとき、磁気センサ26は、N極と対向していることを示す信号を出力する。
【0064】
回転軸10がさらに反時計回りに回転し、
図4の(d)に示すように、基準位置Bが位置ivに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子24の長手方向の磁界の向きが反転し、発電素子24が発電する。一方、基準位置Bが位置ivに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子22の長手方向の磁界の向きは反転せず、発電素子22は発電しない。
【0065】
発電素子24が発電することによって、磁気センサ28は、発電素子24からの電力に基づいて動作する。基準位置Bが位置ivに位置しているとき、磁気センサ28はN極と対向している。したがって、基準位置Bが位置ivに位置しているとき、磁気センサ28は、N極と対向していることを示す信号を出力する。
【0066】
次に、
図5を参照して、回転軸10が反時計回りに回転する場合について説明する。この場合、基準位置Bが、位置v、位置vi、位置vii、および位置viiiに位置したときに、発電素子22および発電素子24の一方が発電する。
【0067】
たとえば、回転軸10が反時計回りに回転し、
図5の(a)に示すように、基準位置Bが位置vに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子24の長手方向の磁界の向きが反転し、発電素子24が発電する。一方、基準位置Bが位置vに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子22の長手方向の磁界の向きは反転せず、発電素子22は発電しない。
【0068】
発電素子24が発電することによって、磁気センサ28は、発電素子24からの電力に基づいて動作する。基準位置Bが位置vに位置しているとき、磁気センサ28はN極と対向している。したがって、基準位置Bが位置vに位置しているとき、磁気センサ28は、N極と対向していることを示す信号を出力する。
【0069】
回転軸10がさらに反時計回りに回転し、
図5の(b)に示すように、基準位置Bが位置viに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子22の長手方向の磁界の向きが反転し、発電素子22が発電する。一方、基準位置Bが位置viに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子24の長手方向の磁界の向きは反転せず、発電素子24は発電しない。
【0070】
発電素子22が発電することによって、磁気センサ26は、発電素子22からの電力に基づいて動作する。基準位置Bが位置viに位置しているとき、磁気センサ26はN極と対向している。したがって、基準位置Bが位置viに位置しているとき、磁気センサ26は、N極と対向していることを示す信号を出力する。
【0071】
回転軸10がさらに反時計回りに回転し、
図5の(c)に示すように、基準位置Bが位置viiに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子24の長手方向の磁界の向きが反転し、発電素子24が発電する。一方、基準位置Bが位置viiに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子22の長手方向の磁界の向きは反転せず、発電素子22は発電しない。
【0072】
発電素子24が発電することによって、磁気センサ28は、発電素子24からの電力に基づいて動作する。基準位置Bが位置viiに位置しているとき、磁気センサ28はS極と対向している。したがって、基準位置Bが位置viiに位置しているとき、磁気センサ28は、S極と対向していることを示す信号を出力する。
【0073】
回転軸10がさらに反時計回りに回転し、
図5の(d)に示すように、基準位置Bが位置viiiに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子22の長手方向の磁界の向きが反転し、発電素子22が発電する。一方、基準位置Bが位置viiiに位置した場合、磁石20による磁界によって発電素子24の長手方向の磁界の向きは反転せず、発電素子24は発電しない。
【0074】
発電素子22が発電することによって、磁気センサ26は、発電素子22からの電力に基づいて動作する。基準位置Bが位置viiiに位置しているとき、磁気センサ26はS極と対向している。したがって、基準位置Bが位置viiiに位置しているとき、磁気センサ26は、S極と対向していることを示す信号を出力する。
【0075】
たとえば、情報処理部56は、複数の発電素子22,24のうち発電した発電素子を示す発電情報と、複数の磁気センサ26,28のうち当該発電素子に対応する磁気センサの検出結果を示す検出情報とに基づいて、回転軸10の回転方向における基準位置Bが回転軸10の回転方向に並ぶ複数の領域I~IVのうちいずれの領域に位置しているかを判定することによって、回転軸10の回転位置を判定する。記憶部58は、複数の領域I~IVのうち情報処理部56によって基準位置Bが位置していると判定された領域を記憶する。
【0076】
たとえば、発電情報は、発電素子22が発電した場合には1を示し、発電素子24が発電した場合には0を示す2ビットの情報である。また、たとえば、検出情報は、磁気センサ26がS極を検出した場合および磁気センサ28がS極を検出した場合には1を示し、磁気センサ26がN極を検出した場合および磁気センサ28がN極を検出した場合には0を示す2ビットの情報である。
【0077】
また、たとえば、複数の領域I~IVの各々は、各々が回転軸線Aを中心とする径方向に延びかつ回転軸10の回転方向に等間隔に並ぶ複数の直線のうち隣り合う2つの直線に挟まれる領域である。この実施の形態では、位置iおよび位置viiiを含む領域を領域Iとし、位置iiおよび位置viiを含む領域を領域IIとし、位置iiiおよび位置viを含む領域を領域IIIとし、位置ivおよび位置vを含む領域を領域IVとしている。
【0078】
上述したように、基準位置Bが位置iに位置した場合、発電素子22が発電し、磁気センサ26がS極を検出する。また、基準位置Bが位置viiiに位置した場合、発電素子22が発電し、磁気センサ26がS極を検出する。つまり、これらの場合、(検出情報、発電情報)=(1、1)となる。したがって、情報処理部56は、(検出情報、発電情報)=(1、1)の場合、基準位置Bが位置iまたは位置viiiの近傍に位置しており、基準位置Bが領域Iに位置していると判定する。
【0079】
また、基準位置Bが位置iiに位置した場合、発電素子24が発電し、磁気センサ28がS極を検出する。また、基準位置Bが位置viiに位置した場合、発電素子24が発電し、磁気センサ28がS極を検出する。つまり、これらの場合、(検出情報、発電情報)=(1、0)となる。したがって、情報処理部56は、(検出情報、発電情報)=(1、0)の場合、基準位置Bが位置iiまたは位置viiの近傍に位置しており、基準位置Bが領域IIに位置していると判定する。
【0080】
また、基準位置Bが位置iiiに位置した場合、発電素子22が発電し、磁気センサ26がN極を検出する。また、基準位置Bが位置viに位置した場合、発電素子22が発電し、磁気センサ26がN極を検出する。つまり、これらの場合、(検出情報、発電情報)=(0、1)となる。したがって、情報処理部56は、(検出情報、発電情報)=(0、1)の場合、基準位置Bが位置iiiまたは位置viの近傍に位置しており、基準位置Bが領域IIIに位置していると判定する。
【0081】
また、基準位置Bが位置ivに位置した場合、発電素子24が発電し、磁気センサ28がN極を検出する。また、基準位置Bが位置vに位置した場合、発電素子24が発電し、磁気センサ28がN極を検出する。つまり、これらの場合、(検出情報、発電情報)=(0、0)となる。したがって、情報処理部56は、(検出情報、発電情報)=(0、0)の場合、基準位置Bが位置ivまたは位置vの近傍に位置しており、基準位置Bが領域IVに位置していると判定する。
【0082】
また、情報処理部56は、複数の領域I~IVのうち今回基準位置Bが位置していると判定した領域が前回基準位置Bが位置していると判定した領域と隣り合う領域でない場合、エラーが発生したことを記憶部58に記憶させる。
【0083】
たとえば、情報処理部56は、発電素子22および発電素子24のいずれかが発電する度に回転軸10の回転位置を判定して記憶部58に記憶させ、今回基準位置Bが位置していると判定した領域が領域Iであり、前回基準位置Bが位置していると判定した領域が領域IIIである場合、エラーが発生したことを記憶部58に記憶させる。
【0084】
また、情報処理部56は、複数の領域I~IVのうち今回基準位置Bが位置していると判定した領域が前回基準位置Bが位置していると判定した領域と隣り合う領域でない場合、前回基準位置Bが位置していると判定した領域から今回基準位置Bが位置していると判定した領域への遷移が発生したことを記憶部58に記憶させる。
【0085】
たとえば、情報処理部56は、今回基準位置Bが位置していると判定した領域が領域Iであり、前回基準位置Bが位置していると判定した領域が領域IIIである場合、領域IIIから領域Iへの遷移が発生したことを記憶部58に記憶させる。
【0086】
また、情報処理部56は、発電情報と、検出情報と、極性判定部47によって判定された極性を示す極性情報とに基づいて、回転軸10の回転方向を判定する。
【0087】
たとえば、極性情報は、発電素子22によって発電された電力の極性が負の場合には1を示し、発電素子22によって発電された電力の極性が正の場合には0を示す2ビットの情報である。言い換えると、たとえば、極性情報は、発電素子24によって発電された電力の極性が負の場合には0を示し、発電素子24によって発電された電力の極性が正の場合には1を示す2ビットの情報である。
【0088】
たとえば、基準位置Bが位置iに位置した場合に発電素子22が発電する電力の極性と、基準位置Bが位置viiiに位置した場合に発電素子22が発電する電力の極性とは反転している。たとえば、基準位置Bが位置iに位置した場合に発電素子22が発電する電力の極性を正とし、基準位置Bが位置viiiに位置した場合に発電素子22が発電する電力の極性を負とした場合、情報処理部56は、極性情報が0である場合には回転軸10が時計回りに回転していると判定でき、極性情報が1である場合には回転軸10が反時計回りに回転していると判定できる。
【0089】
また、情報処理部56は、複数の領域I~IVのうち今回基準位置Bが位置していると判定した領域が、前回基準位置Bが位置していると判定した領域と隣り合う領域である場合において、前回極性判定部47によって判定された極性から今回極性判定部47によって判定された極性への遷移が正常でない場合、エラーが発生したことを記憶部58に記憶させる。
【0090】
表1は、
図1の回転検出器14の複数の発電素子22,24の発電位置と回転軸10の回転方向等との関係を示す表である。表1に示すように、たとえば、極性情報は、基準位置Bが位置iに位置した場合には0を示し、基準位置Bが位置iiに位置した場合には0を示し、基準位置Bが位置iiiに位置した場合には1を示し、基準位置Bが位置ivに位置した場合には1を示す。また、たとえば、極性情報は、基準位置Bが位置vに位置した場合には0を示し、基準位置Bが位置viに位置した場合には0を示し、基準位置Bが位置viiに位置した場合には1を示し、基準位置Bが位置viiiに位置した場合には1を示す。
【0091】
【0092】
たとえば、情報処理部56は、今回基準位置Bが位置していると判定した領域が領域Iであり、前回基準位置Bが位置していると判定した領域が領域IIである場合、極性情報が1から1に遷移していれば、回転軸10が反時計回りに回転して基準位置Bが領域IIから領域Iに移動したことがわかり、回転軸10の回転位置の検出が正常であると判定できる。一方、情報処理部56は、今回基準位置Bが位置していると判定した領域が領域Iであり、前回基準位置Bが位置していると判定した領域が領域IIである場合、極性情報が0から0に遷移していれば、回転軸10が時計回りに回転して基準位置Bが領域IIから領域Iに移動したことがわかり、基準位置Bが領域IIIおよび領域IVに位置していたことを判定できておらず、回転軸10の回転位置の検出が異常であると判定できる。したがって、情報処理部56は、今回基準位置Bが位置していると判定した領域が領域Iであり、前回基準位置Bが位置していると判定した領域が領域IIである場合において、極性情報が0から0に遷移していれば、前回極性判定部47によって判定された極性から今回極性判定部47によって判定された極性への遷移が正常でないと判定し、エラーが発生したことを記憶部58に記憶させる。
【0093】
また、情報処理部56は、光学式センサ30が電源150から電力の供給を受けていない無給電状態から電源150から電力の供給を受けている給電状態になった場合、無給電状態のときに複数の磁気センサ26,28を用いて判定された回転軸10の回転位置と、給電状態になった後に光学式センサ30によって検出された回転軸10の回転量とに基づいて、回転軸10の回転位置を判定する。
【0094】
たとえば、情報処理部56は、光学式センサ30が無給電状態から給電状態になる直前に複数の磁気センサ26,28を用いて判定した回転軸10の回転位置に、給電状態になった後に光学式センサ30によって検出された回転軸10の回転量を加えることによって、回転軸10の回転位置を判定する。
【0095】
また、情報処理部56は、複数の領域I~IVのうち今回基準位置Bが位置していると判定した領域と、今回極性判定部47によって判定された極性と、複数の領域I~IVのうち前回基準位置Bが位置していると判定した領域と、前回極性判定部47によって判定された極性とに基づいて、回転軸10の回転数を算出するためのカウント値を更新する。
【0096】
表2は、
図1の回転検出器14のカウント値の更新動作の一例を説明するための表である。
【0097】
【0098】
表2に示すように、たとえば、前回の極性情報が1を示し、前回の検出情報が0を示し、前回の発電情報が0を示し、今回の極性情報が0を示し、今回の検出情報が1を示し、今回の発電情報が1を示す場合、回転軸10が時計回りに回転して、基準位置Bが領域IVから領域Iに移動したことがわかり、情報処理部56は、カウント値を-1する。
【0099】
また、たとえば、前回の極性情報が0を示し、前回の検出情報が0を示し、前回の発電情報が0を示し、今回の極性情報が0を示し、今回の検出情報が1を示し、今回の発電情報が1を示す場合、回転軸10が時計回りに回転して、基準位置Bが領域IVから領域Iに移動したことがわかり、情報処理部56は、カウント値を-1する。
【0100】
また、たとえば、前回の極性情報が1を示し、前回の検出情報が1を示し、前回の発電情報が1を示し、今回の極性情報が0を示し、今回の検出情報が0を示し、今回の発電情報が0を示す場合、回転軸10が反時計回りに回転して、基準位置Bが領域Iから領域IVに移動したことがわかり、情報処理部56は、カウント値を+1する。
【0101】
また、たとえば、前回の極性情報が0を示し、前回の検出情報が1を示し、前回の発電情報が1を示し、今回の極性情報が0を示し、今回の検出情報が0を示し、今回の発電情報が0を示す場合、回転軸10が反時計回りに回転して、基準位置Bが領域Iから領域IVに移動したことがわかり、情報処理部56は、カウント値を+1とする。
【0102】
上述したように、情報処理部56がカウント値を更新することによって、回転軸10の回転数を算出できる。
【0103】
以上、第1の実施の形態に係る回転検出器14について説明した。
【0104】
本実施の形態に係る回転検出器14は、回転軸10とともに回転する磁石20と、磁石20が回転軸10とともに回転することによる磁界の変化によって発電する複数の発電素子22,24と、複数の発電素子22,24に対応して設けられる複数の磁気センサ26,28と、を備える。本実施の形態に係る回転検出器14は、さらに、複数の磁気センサ26,28を用いて、回転軸10の回転位置を判定する情報処理部56と、複数の発電素子22,24の各々によって発電された電力を、複数の磁気センサ26,28のうち当該発電素子に対応する磁気センサにのみ供給する発電電力供給部46とを備える。
【0105】
これによれば、複数の発電素子22,24のによって発電された電力を、複数の磁気センサ26,28のうち当該発電素子に対応する磁気センサにのみ供給できるので、複数の発電素子22,24の各々によって発電された電力の消費を抑制でき、当該電力を用いてより確実に当該発電素子に対応する磁気センサを駆動させることができる。したがって、当該発電素子に対応する磁気センサが駆動しないことによる誤検出の発生を抑制できる。
【0106】
また、本実施の形態に係る回転検出器14において、情報処理部56は、回転軸10の回転位置を判定し、複数の領域I~IVのうち情報処理部56によって基準位置Bが位置していると判定された領域を記憶する記憶部58をさらに備える。回転軸10の判定は、複数の発電素子22,24のうち発電した発電素子を示す発電情報と、複数の磁気センサ26,28のうち当該発電素子に対応する磁気センサの検出結果を示す検出情報とに基づいて、回転軸10の回転方向における基準位置Bが回転軸10の回転方向に並ぶ複数の領域I~IVのうちいずれの領域に位置しているかを判定することによって行われる。
【0107】
これによれば、複数の発電素子22,24のそれぞれによって発電された電力の極性を用いることなく、発電情報と検出情報とを用いて回転軸10の回転位置を判定できるので、複数の発電素子22,24の各々によって発電された電力が小さく当該電力の極性を判定できない場合であっても回転軸10の回転位置を判定でき、誤検出の発生を抑制できる。
【0108】
また、本実施の形態に係る回転検出器14において、情報処理部56は、複数の領域I~IVのうち今回基準位置Bが位置していると判定した領域が前回基準位置Bが位置していると判定した領域と隣り合う領域でない場合、エラーが発生したことを記憶部58に記憶させる。
【0109】
これによれば、複数の磁気センサ26,28が駆動しなかったこと等によって、今回基準位置Bが位置していると判定した領域が、前回基準位置Bが位置していると判定した領域と隣り合う領域でなく、誤検出が発生した場合、誤検出が発生したことを記憶できるので、誤検出の発生を容易に認識できる。
【0110】
また、本実施の形態に係る回転検出器14において、情報処理部56は、複数の領域I~IVのうち今回基準位置Bが位置していると判定した領域が、前回基準位置Bが位置していると判定した領域と隣り合う領域でない場合、前回基準位置Bが位置していると判定した領域から今回基準位置Bが位置していると判定した領域への遷移が発生したことを記憶部58に記憶させる。
【0111】
これによれば、基準位置Bがどの領域からどの領域へ遷移した場合に誤検出が発生したのかを容易に認識できるので、誤検出の原因を容易に特定できる。
【0112】
また、本実施の形態に係る回転検出器14は、複数の発電素子22,24のそれぞれによって発電された電力の極性を判定する極性判定部47をさらに備え、情報処理部56は、発電情報と、検出情報と、極性判定部47によって判定された極性を示す極性情報とに基づいて、回転軸10の回転方向を判定する。
【0113】
これによれば、回転軸10の回転位置に加えて回転軸10の回転方向を判定することによって、誤検出の発生を容易に認識できる。
【0114】
また、本実施の形態に係る回転検出器14において、情報処理部56は、複数の領域I~IVのうち今回基準位置Bが位置していると判定した領域が、前回基準位置Bが位置していると判定した領域と隣り合う領域である場合において、前回極性判定部47によって判定された極性から今回極性判定部47によって判定された極性への遷移が正常でない場合、エラーが発生したことを記憶部58に記憶させる。
【0115】
これによれば、複数の磁気センサ26,28が駆動しなかったこと等によって誤検出が発生した場合、誤検出が発生したことを示すエラー情報を記憶できるので、誤検出の発生を容易に認識できる。
【0116】
また、本実施の形態に係る回転検出器14において、情報処理部56は、複数の領域I~IVのうち今回基準位置Bが位置していると判定した領域と、今回極性判定部47によって判定された極性と、複数の領域I~IVのうち前回基準位置Bが位置していると判定した領域と、前回極性判定部47によって判定された極性とに基づいて、回転軸10の回転数を算出するためのカウント値を更新する。
【0117】
これによれば、回転軸10の回転数を算出するためのカウント値をより正確に更新できるので、誤検出の発生を抑制できる。
【0118】
また、本実施の形態に係る回転検出器14において、電源150からの電力に基づいて動作する受発光素子42を有し、回転軸10の回転量を検出する光学式センサ30をさらに備える。光学式センサ30が電源150から電力の供給を受けていない無給電状態から電源150から電力の供給を受けている給電状態になった場合、情報処理部56は、無給電状態のときに複数の磁気センサ26,28を用いて判定された回転軸10の回転位置と、給電状態になった後に光学式センサ30によって検出された回転軸10の回転量とに基づいて、回転軸10の回転位置を判定する。
【0119】
これによれば、無給電状態のときには、複数の磁気センサ26,28を用いて回転軸10の回転位置を判定できる。また、無給電状態から給電状態になったときには、無給電状態のときに複数の磁気センサ26,28を用いて判定された回転軸10の回転位置に、給電状態になった後に光学式センサ30によって検出された回転軸10の回転量を加えて、回転軸10の回転位置を判定できるので、誤検出の発生をさらに抑制できる。
【0120】
また、本実施の形態に係る回転検出器14において、発電電力供給部46は、センサ電力貯蔵部66と、電力貯蔵部67と、スイッチ72とを有する。センサ電力貯蔵部66は、複数の発電素子22,24の各々から発電されて複数の磁気センサ26,28のうち当該発電素子に対応する磁気センサに供給される電力を貯蔵する。電力貯蔵部67は、複数の発電素子22,24の各々から発電されて複数の磁気センサ26,28以外に供給される電力を貯蔵する。スイッチ72は、センサ電力貯蔵部66と電力貯蔵部67とを電気的に切断可能とする。
【0121】
これによれば、複数の発電素子22,24のそれぞれから発電された電力を複数の磁気センサ26,28のうち対応する磁気センサにより確実に供給できるので、当該磁気センサが駆動しないことによる誤検出の発生をさらに抑制できる。
【0122】
また、本実施の形態に係る回転検出器14において、複数の発電素子22,24は、回転軸10の回転方向において、回転軸10が時計回りに回転したときに複数の発電素子22,24のうち1つの発電素子が発電する第1位置と、回転軸10が反時計回りに回転したときに当該1つの発電素子が発電する1つ以上の位置のうち第1位置に最も近い第2位置との間の角度間隔以上の角度間隔を空けて配置される。複数の磁気センサ26,28の各々は、回転軸10の回転方向において、複数の発電素子22,24のうち対応する発電素子と同じ位置に配置される。
【0123】
これによれば、発電素子22がある位置で発電したときに磁気センサ26が検出する磁極と、発電素子22が他の位置で発電したときに磁気センサ26が検出する磁極とを容易に異ならせることができるので、回転軸10の回転位置を容易に判定でき、誤検出の発生を抑制できる。
【0124】
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態に係る回転検出器14aを示す図である。
【0125】
図6に示すように、回転検出器14aは、発電素子104と磁気センサ106とをさらに備えている点において、回転検出器14と主に異なっている。
【0126】
発電素子104は発電素子22および発電素子24と同様の構成であるので、発電素子104の詳細な説明については省略する。複数の発電素子22,24,104は、回転軸10の回転方向において、等間隔で配置されている。
【0127】
磁気センサ106は磁気センサ26および磁気センサ28と同様の構成であるので、磁気センサ106の詳細な説明については省略する。磁気センサ106は、回転軸10の回転方向において、発電素子104と同じ位置に配置され、回転軸10の径方向において発電素子104と並んで発電素子104よりも外方に配置されている。
【0128】
このように、発電素子104と発電素子104に対応する磁気センサ106とをさらに設けることによって、回転軸10が時計回りに回転する場合に位置iからviにおいて複数の発電素子22,24,104のいずれかを発電させることができ、回転軸10が反時計回りに回転する場合に位置viiからxiiにおいて複数の発電素子22,24,104のいずれかを発電させることができる。これによって、基準位置Bが領域IからVIの6つの領域のうちいずれに位置しているかを判定でき、回転検出器14よりもさらに細かく回転軸10の位置を検出できる。
【0129】
図7は、
図6の回転検出器14aの機能構成の一部を示すブロック図である。
図8は、
図6の回転検出器14aの機能構成の他の一部を示すブロック図である。
【0130】
図7および
図8に示すように、回転検出器14aは、発電電力供給部46とは異なる発電電力供給部46aを備えている点、極性判定部47とは異なる極性判定部47aを備えている点、および磁極判定部51とは異なる磁極判定部51aを備えている点において、回転検出器14と主に異なっている。
【0131】
発電電力供給部46aは、全波整流部112と、第3貯蔵部114と、スイッチ116と、電源監視部118と、放電部120と、スイッチ122とを有している点において、発電電力供給部46と主に異なっている。
【0132】
発電電力供給部46aによって、発電素子104によって発電された電力を複数の磁気センサ26,28,106のうち発電素子104に対応する磁気センサ106にのみ供給できる。
【0133】
極性判定部47aは、発電素子104によって発電された電力の極性を判定する第3判定部108をさらに有している点において、極性判定部47と主に異なっている。第3判定部108によって、発電素子104から発電された電力の極性を判定できる。
【0134】
磁極判定部51aは、磁気センサ106によって検出された磁極を判定する第3判定部110をさらに有している点において、磁極判定部51と主に異なっている。第3判定部110によって、磁気センサ106によって検出された磁極を判定できる。
【0135】
(他の実施の形態等)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態について説明した。しかしながら、本開示による技術は、これらに限定されず、本開示の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態または変形例にも適用可能である。
【0136】
上述した実施の形態では、磁石20が、円環状である場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、磁石は、環状でなくてもよく、円板状または棒状等であってもよい。
【0137】
また、上述した実施の形態では、光学式センサ30が、反射パターン44を有している場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、光学式センサは、光を透過させる透過パターンを有しており、透過パターンを透過した光を受光することによって回転軸の回転位置を検出してもよい。
【0138】
また、上述した実施の形態では、複数の磁気センサ26,28の各々が、回転軸10の回転方向において、複数の発電素子22,24のうち対応する発電素子と同じ位置に配置されている場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、複数の磁気センサの各々は、回転軸の回転方向において、複数の発電素子のうち対応する発電素子と180度ずれた位置に配置されていてもよい。
【0139】
また、上述した実施の形態では、磁気センサ26,28が、回転軸線Aを中心とする径方向において、発電素子22,24と並び、かつ発電素子22,24よりも外方に配置されている場合について説明したが、磁気センサ26,28の配置は必ずしも発電素子22,24の外側にあることが求められるわけではなく、発電素子22,24の内側に配置されていてもよい。ここで、磁気センサ26,28は磁石20の磁極を正確に読み取ることを求められる。したがって、磁気センサ26,28は磁石20の磁束を検知するために、S/N比が大きい位置に配置されることが好ましい。そこで、回転軸線Aに沿って磁気センサ26,28を見たときに、磁気センサ26,28は発電素子22,24と重ならない位置に配置する。これにより、磁気センサ26,28は発電素子22,24の発電による磁束の変化の影響を受けにくい利点がある。磁気センサ26,28を発電素子22,24の外方に配置した場合、中心に穴が開いた基板である場合でも磁気センサ26,28を配置可能なので、容易に回転検出器14の中央部を中空にできる。
【0140】
また、上述した実施の形態では、複数の発電素子22,24が、基板18の回転板16とは反対側の主面に配置されている場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、複数の発電素子は、基板の回転板側の主面に配置されていてもよい。
【0141】
また、上述した実施の形態では、複数の磁気センサ26,28が、基板18の回転板16側の主面に配置されている場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、複数の磁気センサは、基板の回転板とは反対側の主面に配置されていてもよい。
【0142】
また、上述した実施の形態では、磁石20が、回転板16の基板18とは反対側の主面に配置されている場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、磁石は、回転板の基板側の主面に配置されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本開示に係る回転検出器は、負荷を回転駆動させるモータの回転軸等の回転検出に利用可能である。
【符号の説明】
【0144】
14,14a 回転検出器
16 回転板
18 基板
20 磁石
22,24,104 発電素子
26,28,106 磁気センサ
30 光学式センサ
32 制御回路
34,38 感磁部
36,40 コイル
42 受発光素子
44 反射パターン
46,46a 発電電力供給部
47,47a 極性判定部
48,52 第1判定部
50,54 第2判定部
51,51a 磁極判定部
55 信号処理部
56 情報処理部
58 記憶部
60 通信部
62,64,112 全波整流部
66 センサ電力貯蔵部
67 電力貯蔵部
68 第1貯蔵部
70 第2貯蔵部
72,74,76,100,102,116,122 スイッチ
78,80 内部電源
82,84,86,88,89,118 電源監視部
90,92 電圧調整部
94,96,98,120 放電部
108,110 第3判定部
114 第3貯蔵部