(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-11-06
(45)【発行日】2025-11-14
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/241 20180101AFI20251107BHJP
F21S 43/245 20180101ALI20251107BHJP
F21S 43/247 20180101ALI20251107BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20251107BHJP
F21S 43/33 20180101ALI20251107BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20251107BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20251107BHJP
F21V 5/02 20060101ALI20251107BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20251107BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20251107BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20251107BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20251107BHJP
F21W 103/45 20180101ALN20251107BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20251107BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20251107BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20251107BHJP
【FI】
F21S43/241
F21S43/245
F21S43/247
F21S43/14
F21S43/33
F21V8/00 310
F21V8/00 330
F21V8/00 340
F21V5/00 320
F21V5/00 610
F21V5/02 100
F21V5/02 350
F21W103:10
F21W103:00
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:45
F21W103:55
F21Y115:10
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2021169300
(22)【出願日】2021-10-15
【審査請求日】2024-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】黒田 真之佑
(72)【発明者】
【氏名】孔 珍萬
(72)【発明者】
【氏名】田口 俊介
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-205147(JP,A)
【文献】特開2017-021963(JP,A)
【文献】特開2019-050132(JP,A)
【文献】特開2005-158362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/241
F21S 43/245
F21S 43/247
F21S 43/14
F21S 43/33
F21V 8/00
F21V 5/00
F21V 5/02
F21W 103/10
F21W 103/00
F21W 103/20
F21W 103/35
F21W 103/45
F21W 103/55
F21Y 115/10
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光レンズと
、
前記導光レンズの前方に配置された発光レンズとを備え、
前記導光レンズは、一の方向に延在する
板状の第1の導光部と、
前記第1の導光部の前記一の方向に沿った少なくとも一方の端部から前記第1の導光部の正面側に向かって突出された
板状の第2の導光部と、
前記第1の導光部の前記一の方向の一端側に位置して、前記光源から出射された光を前記第1の導光部の内部へと入射する入射部と、
前記第1の導光部と前記第2の導光部との間に位置して、前記第1の導光部の内部で導光される光の一部を前記第2の導光部の内部に向けて導光する連結部とを有し、
前記発光レンズは、前記第1の導光部との間に空間を介して配置されており、
前記第1の導光部は、背面側に位置して、
前記入射部から背面側に入射した光
を正面側に向けて反射する第1の反射部と、
正面側に位置して、前記第1の反射部で反射された光を
前記空間を通して前記発光レンズの背面側に向かって出射する第1の出射部と
を有し、
前記第2の導光部は、前記空間の下側に位置して、
内部を導光してきた光を前記
空間を通って前記発光レンズの背面側の斜め上方に向かって出射する第2の出射
部を有
し、
前記第2の出射部は、前記第2の導光部の内部を導光してきた光を拡散しながら出射する複数の拡散カットを有することを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記発光レンズの正面側に設けられた発光面に対応した開口部を有して、前記発光レンズの正面側を覆うように配置された遮光部材を備え、
前記遮光部材は、前記発光レンズの発光面以外から出射される光を遮光するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記発光レンズは、前記発光面から出射される光の配光を制御する複数の配光カットを有することを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記複数の配光カットは、上下方向及び左右方向に光を拡散させるカットを含むことを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記第1の導光部の背面及び前記第2の導光部の前記第1の導光部が位置する側とは反対側の面と対向して配置されたリフレクタを備え、
前記リフレクタは、前記第1の導光部の背面側及び前記第2の導光部の前記第1の導光部が位置する側とは反対側の面側から外部へと出射された光を反射して、再び前記第1の導光部及び前記第2の導光部の内部へと入射させることを特徴とする請求項
1~4の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項6】
車幅灯を構成することを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載される車両用灯具として、発光ダイオード(LED)などの光源と、インナーレンズなどの導光レンズ(導光体)とを組み合わせたものが知られている(例えば、下記特許文献1を参照。)。
【0003】
このような車両用灯具では、光源から出射された光を導光レンズの一端側から導光レンズの内部へと入射し、導光レンズの内部で反射を繰り返しながら、導光レンズの他端側に向けて光を導光させると共に、導光レンズの背面側に設けられた複数の反射カットにより反射された光を導光レンズの正面側から外部へと出射する。これにより、導光レンズの正面側を車両用灯具の発光部として発光させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した従来の車両用灯具では、導光レンズの正面視からの視野角が大きくなった場合、例えば、導光レンズの正面側を斜め上方から視認した場合、導光レンズを正面視したときよりも視認される発光部の面積が小さくなることによって、発光部が暗くなった状態で視認されることになる。
【0006】
このため、導光レンズの正面視からの視野角が大きくなった場合、導光レンズを正面視したときよりも発光の明暗差が大きく変化してしまい、発光部の見栄えが悪くなることがあった。
【0007】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、正面視からの視野角を大きくした場合でも、発光の見栄えを良くすることを可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 光を出射する光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光レンズと、
前記導光レンズの前方に配置された発光レンズとを備え、
前記導光レンズは、一の方向に延在する板状の第1の導光部と、
前記第1の導光部の前記一の方向に沿った少なくとも一方の端部から前記第1の導光部の正面側に向かって突出された板状の第2の導光部と、
前記第1の導光部の前記一の方向の一端側に位置して、前記光源から出射された光を前記第1の導光部の内部へと入射する入射部と、
前記第1の導光部と前記第2の導光部との間に位置して、前記第1の導光部の内部で導光される光の一部を前記第2の導光部の内部に向けて導光する連結部とを有し、
前記発光レンズは、前記第1の導光部との間に空間を介して配置されており、
前記第1の導光部は、背面側に位置して、前記入射部から背面側に入射した光を正面側に向けて反射する第1の反射部と、
正面側に位置して、前記第1の反射部で反射された光を前記空間を通して前記発光レンズの背面側に向かって出射する第1の出射部とを有し、
前記第2の導光部は、前記空間の下側に位置して、内部を導光してきた光を前記空間を通って前記発光レンズの背面側の斜め上方に向かって出射する第2の出射部を有し、
前記第2の出射部は、前記第2の導光部の内部を導光してきた光を拡散しながら出射する複数の拡散カットを有することを特徴とする車両用灯具。
〔2〕 前記発光レンズの正面側に設けられた発光面に対応した開口部を有して、前記発光レンズの正面側を覆うように配置された遮光部材を備え、
前記遮光部材は、前記発光レンズの発光面以外から出射される光を遮光するように設けられていることを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔3〕 前記発光レンズは、前記発光面から出射される光の配光を制御する複数の配光カットを有することを特徴とする前記〔2〕に記載の車両用灯具。
〔4〕 前記複数の配光カットは、上下方向及び左右方向に光を拡散させるカットを含むことを特徴とする前記〔3〕に記載の車両用灯具。
〔5〕 前記第1の導光部の背面及び前記第2の導光部の前記第1の導光部が位置する側とは反対側の面と対向して配置されたリフレクタを備え、
前記リフレクタは、前記第1の導光部の背面側及び前記第2の導光部の前記第1の導光部が位置する側とは反対側の面側から外部へと出射された光を反射して、再び前記第1の導光部及び前記第2の導光部の内部へと入射させることを特徴とする前記〔1〕~〔4〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔6〕 車幅灯を構成することを特徴とする前記〔1〕~〔5〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、正面視からの視野角を大きくした場合でも、発光の見栄えを良くすることを可能とした車両用灯具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る導光レンズを備えた車両用灯具の構成を示す断面図である。
【
図2】
図1に示す導光レンズを正面側から見た斜視図である。
【
図3】
図1に示す導光レンズを背面側から見た斜視図である。
【
図4】
図2中に示す囲み部分Aを拡大した導光レンズの斜視図である。
【
図5】
図4中に示す線分B-Bによる導光レンズの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0012】
本発明の一実施形態として、例えば
図1~
図5に示す車両用灯具1について説明する。
なお、
図1は、導光レンズ3を備えた車両用灯具1の構成を示す断面図である。
図2は、導光レンズ3を正面側から見た斜視図である。
図3は、導光レンズ3を背面側から見た斜視図である。
図4は、
図2中に示す囲み部分Aを拡大した導光レンズ3の斜視図である。
図5は、
図4中に示す線分B-Bによる導光レンズ3の断面図である。
【0013】
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を車両用灯具1の前後方向(長さ方向)、Y軸方向を車両用灯具1の左右方向(幅方向)、Z軸方向を車両用灯具1の上下方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
【0014】
本実施形態の車両用灯具1は、例えば、車両(図示せず。)の前端側の両コーナー部に搭載される車幅灯(ポジションランプ)に本発明を適用したものである。
【0015】
なお、以下の説明において、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、特に断りのない限り、車両用灯具1を正面(車両前方)から見たときのそれぞれの方向を意味するものとする。
【0016】
本実施形態の車両用灯具1は、
図1に示すように、光源2と、導光レンズ3と、リフレクタ4と、発光レンズ5と、エクステンション6とを備え、これらが灯体(図示せず。)の内側に配置された構造を有している。
【0017】
なお、灯体は、正面が開口したハウジングと、このハウジングの開口を覆う透明なカバーレンズ(アウターレンズ)とにより構成される。また、灯体の形状については、車両のデザイン等に合わせて、適宜変更することが可能である。
【0018】
光源2は、例えば白色光(以下、単に「光」という。)Lを発するLEDからなり、導光レンズ3に向けて光Lを放射状に出射する。
【0019】
導光レンズ3は、
図1~
図5に示すように、光源2から出射された光Lを導光させる導光体からなる。導光レンズ3には、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなど、空気よりも屈折率の高い材質からなる光透過性部材を用いることができる。
【0020】
導光レンズ3は、一の方向(本実施形態では車両用灯具1の幅方向)に延在する板状の第1の導光部7と、第1の導光部7の一の方向に沿った少なくとも一方の端部(本実施形態では下端部)から第1の導光部7の正面側に向かって突出された板状の第2の導光部8と、第1の導光部7の下端部と第2の導光部8の後端部との間を連結する連結部9とを有している。
【0021】
導光レンズ3は、第1の導光部7の一の方向の一端側に位置する入射部10と、第1の導光部7の背面側に位置する第1の反射部11と、第1の導光部7の正面側に位置する第1の出射部12と、連結部9に位置する第2の反射部13と、第2の導光部8の第1の導光部7が位置する面(本実施形態では上面)側に位置する第2の出射部14とを有している。
【0022】
入射部10は、第1の導光部7の一端側から光源2に向かって延長された導光棒7aの先端に平坦(平面)な入射面10aを有している。光源2から出射された光Lは、入射面10a(入射部10)から導光棒7aの内部へと入射し、導光棒7aの内部で反射を繰り返しながら、導光棒7aの他端側に向けて導光される。また、導光棒7aを介して第1の導光部7の一端側から入射した光Lは、第1の導光部7の内部で反射を繰り返しながら、第1の導光部7の他端側に向けて導光されることになる。
【0023】
なお、入射部10は、上述した入射面10aの構成に限らず、光源2から放射状に出射された光Lを平行化又は集光しながら、導光棒7a(第1の導光部7)の内部へと入射する構成としてもよい。
【0024】
例えば、入射部10は、光源2と対向する部分の中央に位置して、光源2から出射された光Lの一部が入射する凸面状の第1の集光入射面と、第1の集光入射面の周囲を囲む位置から光源2側に突出した部分の内周側に位置して、光源2から出射された光Lの一部が入射する略円筒状の第2の集光入射面と、突出した部分の外周側に位置して、第2の集光入射面から入射した光Lを反射する截頭円錐状の集光反射面とを有して、第1の集光入射面から入射した光Lを光軸寄りに集光させ、第2の集光入射面から入射した光Lを集光反射面で反射させることによって光軸寄りに集光させる構成としてもよい。
【0025】
第1の反射部11は、第1の導光部7の背面側に入射した光Lを第1の導光部7の正面側に向けて反射する複数の反射カット11aを有している。複数の反射カット11aは、第1の導光部7の上下方向に亘って切り欠かれた断面略V字状の溝部が、第1の導光部7が延在する方向(一の方向)に周期的に並ぶことによって構成されている。
【0026】
また、第1の反射部11では、第1の導光部7の一端側から他端側に向かって導光される光Lの光路長の違いによって、第1の導光部7の正面側に向けて反射される光Lの光量(明るさ)に差が生じないように、反射カット11aを構成する溝部の深さが第1の導光部7の一端側から他端側に向かって漸次深くなっている。これにより、複数の反射カット11aで反射される光Lを第1の導光部7の一端側と他端側との間で均一化することが可能である。
【0027】
第1の出射部12は、第1の反射部11で反射された光Lを第1の導光部7の外部へと出射する第1の出射面12aを有している。第1の出射面12aは、平面により構成されており、第1の反射部11で反射された光Lを車両用灯具1の前方に向かって出射する。
【0028】
第2の反射部13は、第1の導光部7の内部で導光される光Lの一部(以下、「光L’」とする。)を第2の導光部8の内部に向けて反射する反射面13aを有している。反射面13aは、第2の導光部8の正面側に向かって凹状に湾曲した面により構成されている。これにより、第1の導光部7の内部へと入射した光Lの一部(光L’)は、第1の導光部7の他端側に向けて導光される間に、連結部9の第2の反射部13により反射されて、第2の導光部8の内部へと入射することになる。また、反射面13aにより反射された光L’は、第2の導光部8の内部で反射を繰り返しながら、第2の導光部8の正面側に向けて導光されることになる。
【0029】
なお、第2の反射部13は、上述した反射面13aの構成に限らず、第2の導光部8の正面側に向かって傾斜した反射面を含む構成であってもよい。また、第2の反射部13は、複数の反射面(反射カット)が周期的に並んで設けられた構成であってもよい。
【0030】
第2の出射部14は、第2の導光部8の内部で導光される光L’を第2の導光部8の外部へと出射する第2の出射面14aを有している。また、第2の出射部14は、第2の出射面14aに入射した光L’を拡散しながら出射する複数の拡散カット15を有している。
【0031】
本実施形態では、拡散カット15として、第2の出射面14aから出射される光L’を第2の導光部8が延在する方向(一の方向)に拡散させるフルートカットが設けられている。なお、拡散カット15については、このようなフルートカットが設けられた構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば、第2の出射面14aから出射される光L’を第2の導光部8が延在する方向及びこれと直交する方向に拡散させるローレットカットが設けられた構成としてもよい。
【0032】
リフレクタ4は、
図1に示すように、第1の導光部7の背面及び第2の導光部8の第1の導光部7が位置する側とは反対側の面(本実施形態では下面)と対向して配置されている。
【0033】
リフレクタ4は、例えば白色のガラスエポキシ樹脂などの光拡散性を有する反射部材や、アルミ蒸着膜などの反射膜が設けられた反射部材などからなる。リフレクタ4は、第1の導光部7及び第2の導光部8と対向する面に反射面4a,4bを有して、第1の導光部7の背面側及び第2の導光部8の下面側から外部へと出射された光L,L’を反射面4a,4bにより反射して、再び第1の導光部7及び第2の導光部8の内部へと入射させる。
【0034】
これにより、第1の導光部7及び第2の導光部8(導光レンズ3)の外部に漏れ出した光L,L’は、リフレクタ4により反射され、再び導光レンズ3に入射し、最終的に第1の出射部12及び第2の出射部14から出射されることから、光L,L’の利用効率を高めることが可能である。
【0035】
なお、リフレクタ4は、必ずしも必要な構成ではないため、場合によっては省略することも可能である。
【0036】
発光レンズ5は、導光レンズ3の前方に配置されて、第1の出射部12及び第2の出射部14から出射された光L,L’を背面側から内部へと入射した後、正面側から外部へと出射する。これにより、発光レンズ5の正面側に設けられた発光面5aを発光させることが可能である。
【0037】
また、発光面5aには、この発光面5aから出射される光L,L’の配光を制御する複数の配光カット16が設けられている。本実施形態では、配光カット16として、発光面5aから出射される光L,L’を車両用灯具1の上下方向及び左右方向に拡散させる魚眼カットが設けられている。
【0038】
エクステンション6は、有色(例えば黒色)の遮光部材からなり、発光レンズ5の発光面5aに対応した開口部6aを有して、発光レンズ5の正面側を覆うように配置されている。エクステンション6は、発光レンズ5の発光面5aの周囲を覆うことで、発光面5a以外から出射される光L,L’を遮光する。
【0039】
以上のような構成を有する本実施形態の導光レンズ3を備えた車両用灯具1では、ポジションランプの発光部として、発光レンズ5の発光面5aを白色発光させることが可能である。
【0040】
ところで、本実施形態の車両用灯具1では、上述した導光レンズ3の第1の出射部12から前方に向けて光Lが出射され、第2の出射部14から前方の斜め上方に向けて光L’が出射される。
【0041】
これにより、発光レンズ5の正面視からの視野角が大きくなった場合、例えば、発光レンズ5の発光面5aの正面側を斜め上方から視認した場合、発光レンズ5の発光面5aを正面視したときの発光範囲E1に対して、発光レンズ5の発光面5aの正面側を斜め上方から視認したときの発光範囲E2が小さくなることを抑制している。
【0042】
したがって、本実施形態の導光レンズ3を備えた車両用灯具1では、上方に向けて視野角を大きくした場合において、発光レンズ5の発光面5aが暗く視認されることを防ぐことが可能である。
【0043】
以上のようにして、本実施形態の導光レンズ3を備えた車両用灯具1では、上方に向けて視野角を大きくした場合に、発光レンズ5の発光面5aを視認したときの発光の明暗差が変化することを抑制しながら、この発光面5aの見栄えを良くすることが可能である。
【0044】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記導光レンズ3は、第1の導光部7のうち、光源2と対向する一端側から他端側に向かって延長された導光棒7aと、この導光棒7aの先端に位置する入射面10aとを有した構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではなく、第1の導光部7の一の方向の一端側に位置する入射部10から光源2から出射された光Lを第1の導光部7の内部へと入射する構成であればよい。
【0045】
また、上記導光レンズ3は、第1の導光部7の下端部から第1の導光部7の正面側に向かって第2の導光部8が突出された構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではなく、第1の導光部7の上端部から第1の導光部7の正面側に向かって第2の導光部8が突出された構成や、第1の導光部7の下端部及び上端部から第1の導光部7の正面側に向かって第2の導光部8が突出された構成であってもよい。
【0046】
なお、本発明が適用される車両用灯具については、上述した車幅灯(ポジションランプ)に限定されるものではなく、例えば、方向指示器(ターンランプ)や昼間点灯ランプ(DRL)、尾灯(テールランプ)、ブレーキランプ(ストップランプ)、バックランプなどの発光面を有する車両用灯具に対して、本発明を幅広く適用することが可能である。
【0047】
また、光源については、上述したLED以外にも、例えばレーザーダイオード(LD)などの発光素子を用いることができる。また、光源が発する光Lの色については、上述した白色光に限らず、赤色光や橙色光など、その車両用灯具の用途に応じて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…車両用灯具 2…光源 3…導光レンズ 4…リフレクタ 5…発光レンズ 6…エクステンション 7…第1の導光部 8…第2の導光部 9…連結部 10…入射部 11…第1の反射部 12…第1の出射部 13…第2の反射部 14…第2の出射部 15…拡散カット 16…配光カット