(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-11-17
(45)【発行日】2025-11-26
(54)【発明の名称】車体構造
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20251118BHJP
B62D 25/20 20060101ALI20251118BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B62D25/20 G
(21)【出願番号】P 2021183338
(22)【出願日】2021-11-10
【審査請求日】2024-09-17
(31)【優先権主張番号】P 2021161834
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 洋
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102015213860(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0101490(US,A1)
【文献】特開2019-129042(JP,A)
【文献】特開2021-142831(JP,A)
【文献】特開2020-11616(JP,A)
【文献】特開2017-137004(JP,A)
【文献】国際公開第2020/236913(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04,
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行用モータを備えた電動車に設けられる車体構造において、
車室の下方に配設され、車両前後方向に延びるバッテリフレームと、前記走行用モータに電力を供給するバッテリとを有するバッテリユニットとを備え、
車室の下方には、前記バッテリが収容されるバッテリ収容部と、前記バッテリが収容されないバッテリ非収容部とが車両前後方向に並ぶように設けられ、
前記バッテリフレームは、前記バッテリ収容部に配設される第1フレーム部と、前記バッテリ非収容部に配設される第2フレーム部とを有し、
前記第1フレーム部及び前記第2フレーム部は、車両前後方向に延びる中空状の補強部材としての中央メンバであり、
前記第2フレーム部は、前記第1フレーム部に比べて車幅方向に拡幅している車体構造。
【請求項2】
請求項1に記載された車体構造において、
前記バッテリ収容部は、前記バッテリ非収容部の車両前方に設けられる前側バッテリ収容部と、前記バッテリ非収容部の車両後方に設けられる後側バッテリ収容部とを含み、
前記第1フレーム部は、前記前側バッテリ収容部に配設される前側第1フレーム部と、前記後側バッテリ収容部に配設される後側第1フレーム部とを含んでいる車体構造。
【請求項3】
請求項2に記載の車体構造において、
前記第1フレーム部及び前記第2フレーム部の下方には、車両前後方向に延びる第1ハーネスが配設されている車体構造。
【請求項4】
請求項3に記載の車体構造において、
前記前側バッテリ収容部に収容されたバッテリと、前記後側バッテリ収容部に収容されたバッテリとを接続するバスバー用の第2ハーネスが、前記第2フレーム部の下方において前記第1ハーネスと車幅方向に並ぶように配設されている車体構造。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の車体構造において、
フロアパネルにおける前記バッテリ非収容部に対応する部分には、下方へ窪む窪み部が形成されている車体構造。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の車体構造において、
乗員空間の車幅方向中央部においてフロアパネルから上方に離れて配設され、車両前後方向に延びるセンターフレームと、
上部が前記センターフレームに固定され、下部が前記フロアパネルにおける前記第2フレーム部に対応する部分に固定される連結部材とをさらに備えている車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動車に設けられる車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、電動車には、走行用モータに電力を供給するためのバッテリがフロアパネルの下方に搭載されることがある。特許文献1では、車体の下部にロアフレームが設けられている。ロアフレームは、車体前部において車幅方向に延びるフロントクロスメンバと、フロントクロスメンバの車幅方向中央部から車両後方に延びるセンタメンバと、フロントクロスメンバの車幅方向の両端部から車両後方に延びる左右一対のロッカとを有している。バッテリは、フロントクロスメンバとロッカとセンタメンバとで囲まれた空間内に収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のようにロアフレーム及びバッテリをフロアパネルの下方の全体に亘って配置するようにすると、ロアフレーム及びバッテリが配置されている分、フロアパネルの高さは全体的に高くなり、車室の居住性が悪化する懸念がある。このことに対して、自動車の全高を高くして対応する方法も考えられるが、自動車のデザイン上の問題や、全高が駐車場にも影響を与えることから全高を高くする方法を採用できない場合がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車室内の居住性を高めつつ、車体剛性も向上可能な車体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の第1の側面では、走行用モータを備えた電動車に設けられる車体構造を前提とすることができる。車体構造は、車室の下方に配設され、車両前後方向に延びるバッテリフレームと、前記走行用モータに電力を供給するバッテリとを有するバッテリユニットとを備えている。車室の下方には、前記バッテリが収容されるバッテリ収容部と、前記バッテリが収容されないバッテリ非収容部とが車両前後方向に並ぶように設けられている。前記バッテリフレームは、前記バッテリ収容部に配設される第1フレーム部と、前記バッテリ非収容部に配設される第2フレーム部とを有し、前記第1フレーム部及び前記第2フレーム部は、車両前後方向に延びる中空状の補強部材としての中央メンバであり、前記第2フレーム部は、前記第1フレーム部に比べて車幅方向に拡幅している。
【0007】
この構成によれば、バッテリ非収容部に対応する部分のフロアパネルを低くすることが可能になる。これにより、車室の居住性が向上する。反面、バッテリ非収容部にバッテリが収容されていないということは、その部分の車体剛性が低下してしまう可能性がある。このことに対して、本構成では、車両前後方向に延びるバッテリフレームを車室の下方に配設するだけではなく、バッテリ非収容部に配設される第2フレーム部が、バッテリ収容部に配設される第1フレーム部よりも拡幅していて高い強度を持っているので、バッテリ非収容部の車体剛性も高めることができる。
【0008】
本開示の第2の側面では、前記バッテリ収容部は、前記バッテリ非収容部の車両前方に設けられる前側バッテリ収容部と、前記バッテリ非収容部の車両後方に設けられる後側バッテリ収容部とを含んでいる。前記第1フレーム部は、前記前側バッテリ収容部に配設される前側第1フレーム部と、前記後側バッテリ収容部に配設される後側第1フレーム部とを含んでいる。
【0009】
この構成によれば、前側バッテリ収容部及び後側バッテリ収容部にそれぞれバッテリを収容することでバッテリの搭載量を増やすことができ、この場合に、前側バッテリ収容部と後側バッテリ収容部との間に位置するバッテリ非収容部を利用して居住性を向上できる。
【0010】
本開示の第3の側面では、前記第1フレーム部及び前記第2フレーム部の下方には、車両前後方向に延びる第1ハーネスが配設されている。
【0011】
この構成によれば、第1フレーム部及び第2フレーム部の下方の空間を第1ハーネスの配設空間として利用することができる。
【0012】
本開示の第4の側面では、前記前側バッテリ収容部に収容されたバッテリと、前記後側バッテリ収容部に収容されたバッテリとを接続するバスバー用の第2ハーネスが、前記第2フレーム部の下方において前記第1ハーネスと車幅方向に並ぶように配設されている。
【0013】
この構成によれば、バスバー用の第2ハーネスは、前側のバッテリと後側のバッテリとを接続するものであることから、第2フレーム部の下方を通って前後方向に延びるように配設されることになる。このバスバー用の第2ハーネスと、第1ハーネスとを車幅方向に並べることで、上下方向の寸法を短くして居住性に悪影響を与えないようにしながら、拡幅した第2フレーム部の下方空間を有効に利用して両ハーネスを配設できる。
【0014】
本開示の第5の側面では、フロアパネルにおける前記バッテリ非収容部に対応する部分には、下方へ窪む窪み部が形成されている。
【0015】
この構成によれば、フロアパネルに窪み部を形成することで、その部分の高さが低くなる。これにより、例えば乗員の足下スペースが広くなり、居住性が向上する。
【0016】
本開示の第6の側面では、乗員空間の車幅方向中央部においてフロアパネルから上方に離れて配設され、車両前後方向に延びるセンターフレームと、上部が前記センターフレームに固定され、下部が前記フロアパネルにおける前記第2フレーム部に対応する部分に固定される連結部材とをさらに備えている。
【0017】
この構成によれば、第1フレーム部に比べて強度が高い第2フレーム部にセンターフレームを連結することで、センターフレームを強固に連結できる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、車室の下方にバッテリ収容部とバッテリ非収容部とを設け、バッテリ非収容部に配設される第2フレーム部を、バッテリ収容部に配設される第1フレーム部に比べて車幅方向に拡幅したので、車室内の居住性を高めつつ、車体剛性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る車体構造を備えた自動車の側面図である。
【
図2】自動車を上部構造体と下部構造体とに分割した状態を示す斜視図である。
【
図3】車体構造の一部を上方から見た斜視図である。
【
図6】カバー部材を取り外した状態の下部構造体の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る車体構造Aを備えた自動車1を左から見た側面図である。この実施形態の説明では、車両前後方向を単に「前後方向」といい、車両前側を単に「前側」といい、車両「後側」を単に後というものとする。また、車幅方向は車両の左右方向であり、車両左側を単に「左側」といい、車両右側を単に「右側」というものとする。
【0022】
(自動車の全体構造)
自動車1は、乗用自動車であり、自動車1の前後方向中間部には、乗員が乗車するための乗員空間R1が設けられている。乗員空間R1には、前席を構成するフロントシート(前席用シート)FSと、後席を構成するリヤシート(後席用シート)RSとが設けられている。フロントシートFSは、乗員空間R1の右側(又は左側)に配置される運転席と、乗員空間R1の左側(又は右側)に配置される助手席とを含んでいる。リヤシートRSも乗員空間R1の右側と左側とにそれぞれ配置されている。図示しないが、リヤシートRSの後方に、3列目シートが配置されていてもよい。また、リヤシートRSは必須なものではなく、省略してもよい。
【0023】
乗員空間R1の左側方及び右側方には、それぞれフロントドアFDと、リヤドアRDが配設されている。リヤシートRSが無い自動車1の場合、リヤドアRDは省略可能である。
【0024】
自動車1の乗員空間R1よりも前方には、前側空間R2が設けられている。この前側空間R2には、パワートレインPTが必要に応じて搭載可能になっている。前側空間R2にパワートレインPTが搭載される場合には、前側空間R2を例えばパワートレイン格納室、モータルーム、エンジンルーム等を呼ぶこともできる。前側空間R2の上部には、ボンネットフードBFが設けられている。
【0025】
自動車1の乗員空間R1よりも後方には、荷物等の収容が可能な荷室空間R3が設けられている。荷室空間R3は、トランクリッドTRにより開閉可能になっている。自動車1の乗員空間R1よりも後方かつ荷室空間R3の下方には、後側空間R4が設けられている。この後側空間R4には、自動車1の動力を発生するパワートレインPTが必要に応じて搭載可能になっている。後側空間R4にパワートレインPTが搭載される場合には、後側空間R4を例えばパワートレイン格納室、モータルーム、エンジンルーム等を呼ぶこともできる。
【0026】
前側空間R2と後側空間R4の両方にパワートレインPTを搭載してもよいし、一方にのみパワートレインPTを搭載してもよい。前側空間R2にのみパワートレインPTを搭載する場合には、当該パワートレインPTで前輪FTのみを駆動する前輪駆動車となり、また、後側空間R4にのみパワートレインPTを搭載する場合には、当該パワートレインPTで後輪RTのみを駆動する後輪駆動車となる。さらに、前側空間R2と後側空間R4の両方にパワートレインPTを搭載して前輪FTと後輪RTとを駆動する場合には4輪駆動車となる。
【0027】
パワートレインPTは、駆動輪を駆動するための走行用モータM(
図2に示す)を少なくとも含んでおり、必要に応じて、減速機や変速機等も含んでいる。従って、自動車1は電動車である。走行用モータMは、その回転中心が左右方向に延びるように配設されている。パワートレインPTは、走行用モータMの他にも例えば制御部等を含んでいてもよい。パワートレインPTには、内燃機関が含まれていてもよい。走行用モータMに電力を供給するためのバッテリユニットY(
図1にも示す)は、自動車1の下部に搭載されている。例えば内燃機関が発生する動力を利用してバッテリユニットYの充電を行ってもよいし、内燃機関が発生する動力によって前輪FTと後輪RTとの少なくとも一方を駆動してもよい。
【0028】
自動車1のタイプは、
図1に一例として示すような4ドア車でなくてもよく、例えばリヤドアRDのない自動車であってもよい。また、図示しないが、ハッチバック車のように、後側空間R4をテールゲートで開閉可能にした自動車に本発明を適用することもできる。
【0029】
図2に示すように、自動車1は、下部構造体2と、上部構造体3とを備えており、下部構造体2及び上部構造体3によって車体構造Aが構成されている。
図2では、上部構造体3が本来備えている、ドアFD、RD、ボンネットフードBF、フェンダ、ウインドガラス、ルーフ、センターピラー、リヤピラー、バンパー、前後の灯火装置、インストルメントパネル、前後のシート等が取り外された状態を示している。また、
図2では、下部構造体2が本来備えている、前輪FT、後輪RT、サスペンション装置等が取り外された状態を示している。
【0030】
下部構造体2は、バッテリユニットYを備えている。バッテリユニットYは、前側バッテリFB及び後側バッテリRBと、前側バッテリFB及び後側バッテリRBを囲む枠型フレーム10とを有している。また、下部構造体2は、枠型フレーム10の前部から前方へ向かって延びるフロント支持フレーム20と、枠型フレーム10の後部から後方へ向かって延びるリヤ支持フレーム30とを備えている。
【0031】
図示しないが、一般的な電気自動車の場合、バッテリユニットを車体とは別体としてフロア下に着脱可能にしている場合が多いが、本実施形態では、バッテリFB、RBだけではなく、そのバッテリFB、RBを囲む枠型フレーム10にフロント支持フレーム20及びリヤ支持フレーム30を一体化しておき、フロント支持フレーム20及びリヤ支持フレーム30もバッテリFB、RBと共に、上部構造体3に対して着脱可能になっている。
【0032】
具体的には、本実施形態の自動車1は、バッテリFB、RBを有する下部構造体2と、乗員空間R1や荷室空間R3を形成する上部構造体3とに上下分割可能に構成されている。上下分割可能とは、溶接や接着等を用いることなく、下部構造体2を上部構造体3に対してボルト及びナットやネジ等の締結部材を利用して一体化することである。これにより、自動車1がユーザの手に渡ってから整備や修理を行う際に、必要に応じて下部構造体2を上部構造体3から分離することができるので、メンテナンス性が良好になる。
【0033】
ここで、自動車の車体構造として、ラダーフレームタイプの車体構造が知られている。ラダーフレームタイプの車体構造の場合、ラダーフレームとキャビンとに上下分割可能になっているが、ラダーフレームは前後方向に連続して延びているものであることから、前面衝突時及び後面衝突時に主に衝突荷重を受ける。側面衝突時には、ラダーフレームは補助的に衝突荷重を受けるだけであり、主に衝突荷重を受けるのはキャビンである。このように、ラダーフレームタイプの車体構造では、前面衝突時及び後面衝突時と、側面衝突時とで衝突荷重を受ける部材が分かれているのが通常である。
【0034】
これに対し、本実施形態の自動車1の場合、フロント支持フレーム20及びリヤ支持フレーム30を有する下部構造体2と上部構造体3とが分割可能になっているが、前面衝突時及び後面衝突時と、側面衝突時の両方の場合で、衝突荷重を下部構造体2及び上部構造体3で受けることにより、当該衝突荷重を両構造体2、3に分散して吸収可能している点で、従来のラダーフレームタイプの車体構造とはその技術的思想が大きく相違している。以下、下部構造体2及び上部構造体3の構造について順に説明する。
【0035】
(下部構造体)
まず、下部構造体2について説明する。下部構造体2は、バッテリFB、RB、枠型フレーム10、フロント支持フレーム20及びリヤ支持フレーム30の他にも、パワートレインPT、前輪FT、後輪RT、
図4に仮想線で示す前側サスペンション装置SP1、SP2及び後側サスペンション装置SP3、SP4も備えている。前側サスペンション装置SP1、SP2及び後側サスペンション装置SP3、SP4の形式は特に問わないし、前側サスペンション装置SP1、SP2及び後側サスペンション装置SP3、SP4の形式に応じて車体構造を変更することも可能である。
【0036】
図2に示すように、バッテリユニットYの骨格となる枠型フレーム10は、前側バッテリFB及び後側バッテリRBやハーネス類等を囲んで保護するための部材である。この枠型フレーム10は、後述する乗員空間側フロアパネル41の下方において、乗員空間側フロアパネル41の左端部近傍から右端部近傍に渡るとともに、乗員空間側フロアパネル41の前端部近傍から後端部近傍に渡るように大型に形成されている。このように、枠型フレーム10を乗員空間側フロアパネル41の下方領域の広範囲に設けることで、大容量のバッテリFB、RBを自動車1に搭載することが可能になる。バッテリFB、RBは、例えばリチウムイオン電池や全固体電池等であってもよいし、他の二次電池であってもよい。また、バッテリFB、RBは、いわゆるバッテリセルであってもよいし、複数のバッテリセルを収容したバッテリパックであってもよい。
【0037】
枠型フレーム10は、左側方メンバ11と、右側方メンバ12と、前側メンバ13と、後側メンバ14とを備えている。左側方メンバ11、右側方メンバ12、前側メンバ13及び後側メンバ14は、例えばアルミニウム合金製の押出材等で構成されているが、その他にもアルミニウム合金製板材や鋼板のプレス成形材で構成されていてもよい。以下の説明で「押出材」という場合はアルミニウム合金製の押出材であり、また、「プレス成形材」という場合はアルミニウム合金製板材や鋼板のプレス成形材である。また、各部材は、例えば鋳物、ダイキャスト等で構成されていてもよい。
【0038】
左側方メンバ11、右側方メンバ12、前側メンバ13及び後側メンバ14の各々の長手方向に直交する方向の断面形状は、全て矩形状とされている。また、左側方メンバ11、右側方メンバ12、前側メンバ13及び後側メンバ14は、全て同じ高さに配置されていて、略水平に延びている。また、上部構造体3に下部構造体2を結合する際には、前側メンバ13をダッシュパネル50の下部に締結部材で締結固定し、左側方メンバ11及び右側方メンバ12を左右のサイドシル60にそれぞれ締結部材で締結固定する。また、後側メンバ14は後述する接続パネル43に締結部材で締結固定する。
【0039】
左側方メンバ11は、下部構造体2の左端部に設けられ、前後方向に延びている。右側方メンバ12は、下部構造体2の右端部に設けられ、前後方向に延びている。左側方メンバ11及び右側方メンバ12は、それぞれ、後述する左右のサイドシル60の車幅方向内側に配置される。また、
図5等にも示すように、前側メンバ13は、バッテリユニットYの前部に設けられ、左側方メンバ11の前端部から右側方メンバ12の前端部まで左右方向に延びている。前側メンバ13の左端部と、左側方メンバ11の前端部とが接続され、前側メンバ13の右端部と、右側方メンバ12の前端部とが接続されている。後側メンバ14は、バッテリユニットYの後部に設けられ、左側方メンバ11の後端部から右側方メンバ12の後端部まで左右方向に延びている。後側メンバ14の左端部と、左側方メンバ11の後端部とが接続され、後側メンバ14の右端部と、右側方メンバ12の後端部とが接続されている。
【0040】
枠型フレーム10の下部には、底板となるカバー部材15が取り付けられている。枠型フレーム10はカバー部材15によって下方から閉塞されている。カバー部材15は、略水平に延びており、左側方メンバ11、右側方メンバ12、前側メンバ13及び後側メンバ14の下面に固定されるとともに、後述するようにサイドシル60にも固定されている。尚、枠型フレーム10の上部は、図示しない蓋体で閉塞してもよいし、後述する乗員空間側フロアパネル41で閉塞してもよい。尚、枠型フレーム10内に収容されているバッテリFB、RBの電力は、図示しない走行制御回路を介して走行用モータMに供給されるようになっている。さらに、図示しない充電ソケットを介してバッテリFB、RBの充電が可能になっている。
【0041】
図6に示すように、枠型フレーム10の内部における前側の部分は、前側バッテリFBが収容される前側バッテリ収容部200とされ、枠型フレーム10の内部における後側の部分は、後側バッテリRBが収容される後側バッテリ収容部201とされている。前側バッテリ収容部200と後側バッテリ収容部201との間の部分はバッテリが収容されていない部分であり、このバッテリが収容されない部分はバッテリ非収容部202とされている。つまり、前側バッテリ収容部200、バッテリ非収容部202及び後側バッテリ収容部201が前後方向に並ぶように設けられている。尚、前側バッテリ収容部200と後側バッテリ収容部201とのうち、一方を省略してもよい。
【0042】
図5は、車体構造Aの左右方向中央部の断面を示している。この
図5に示すように、枠型フレーム10の内側には、左右方向に延びる補強部材として、中空状部材からなる第1~第3バッテリ側クロスメンバ10A、10B、10Cが設けられている。第1~第3バッテリ側クロスメンバ10A、10B、10Cの高さは全て同じであり、前側メンバ13や後側メンバ14の高さと同じである。第1~第3バッテリ側クロスメンバ10A、10B、10Cは、押出材で構成されていてもよいし、プレス成形材で構成されていてもよい。この実施形態では、3本のバッテリ側クロスメンバ10A、10B、10Cが設けられているが、枠型フレーム10の前後方向の寸法に応じてバッテリ側クロスメンバ10A、10B、10Cの数を増減することができる。
【0043】
第1~第3バッテリ側クロスメンババッテリ側クロスメンバ10A、10B、10Cは、前後方向に互いに間隔をあけて配置されており、第1バッテリ側クロスメンバ10Aが最も前に、第3バッテリ側クロスメンバ10Cが最も後に位置付けられている。各バッテリ側クロスメンバ10A、10B、10Cの下部は、カバー部材15の上面に固定されている。また、各バッテリ側クロスメンバ10A、10B、10Cの左端部は、左側方メンバ11の内面(右側面)に固定され、各バッテリ側クロスメンバ10A、10B、10Cの右端部は、右側方メンバ12の内面(左側面)に固定されている。つまり、バッテリ側クロスメンバ10A、10B、10Cは、左側方メンバ11と右側方メンバ12とを繋ぐ部材である。
【0044】
枠型フレーム10の内側には、前後方向に延びる中空状の補強部材として、前部中央メンバ16と、第1~第3後部中央メンバ17~19とが設けられている。前部中央メンバ16と、第1~第3後部中央メンバ17~19とは、前後方向に延びるバッテリフレームと呼ぶこともでき、バッテリユニットYは、前部中央メンバ16、第1~第3後部中央メンバ17~19等からなるバッテリフレームを有する構造となっている。バッテリフレームには、左側方メンバ11、右側方メンバ12、前側メンバ13及び後側メンバ14が含まれていてもよい。
【0045】
前部中央メンバ16及び第1~第3後部中央メンバ17~19は、略同じ高さに配置され、枠型フレーム10の左右方向中央に設けられている。前部中央メンバ16及び第1~第3後部中央メンバ17~19の下端部がカバー部材15の上面に取り付けられている。前部中央メンバ16及び第1~第3後部中央メンバ17~19は、前側メンバ13から後側メンバ14まで延びている。
【0046】
前部中央メンバ16は、前側バッテリ収容部200に配設される前側第1フレーム部であり、前側メンバ13と第1バッテリ側クロスメンバ10Aとの間に配置されている。前部中央メンバ16の前端部が前側メンバ13の左右方向中央部に固定され、前部中央メンバ16の後端部が第1バッテリ側クロスメンバ10Aの左右方向中央部に固定されている。したがって、前側メンバ13は、左側方メンバ1及び右側方メンバ12の前端部と前部中央メンバ16の前端部とを繋ぐように延びる部材である。
【0047】
第1後部中央メンバ17は、前部中央メンバ16の後方において前側バッテリ収容部200に配設される前側第1フレーム部であり、第1バッテリ側クロスメンバ10Aと第2バッテリ側クロスメンバ10Bとの間に配置されている。第1後部中央メンバ17の前端部が第1バッテリ側クロスメンバ10Aの左右方向中央部に固定され、第1後部中央メンバ17の後端部が第2バッテリ側クロスメンバ10Bの左右方向中央部に固定されている。
【0048】
第2後部中央メンバ18は、第1後部中央メンバ17の後方においてバッテリ非収容部202に配設される第2フレーム部であり、第2バッテリ側クロスメンバ10Bと第3バッテリ側クロスメンバ10Cとの間に配置されている。第2後部中央メンバ18の前端部が第2バッテリ側クロスメンバ10Bの左右方向中央部に固定され、第2後部中央メンバ18の後端部が第3バッテリ側クロスメンバ10Cの左右方向中央部に固定されている。
【0049】
第3後部中央メンバ19は、第2後部中央メンバ18の後方において後側バッテリ収容部201に配設される後側第1フレーム部であり、第3バッテリ側クロスメンバ10Cと後側メンバ14との間に配置されている。第3後部中央メンバ19の前端部が第3バッテリ側クロスメンバ10Cの左右方向中央部に固定され、第3後部中央メンバ19の後端部が後側メンバ14の左右方向中央部に固定されている。
【0050】
したがって、第1~第3バッテリ側クロスメンバ10A、10B、10Cと、前部中央メンバ16及び第1~第3後部中央メンバ17~19とが、枠型フレーム10の内側において格子状に配設されて互いに連結されることになるので、枠型フレーム10の補強効果、ひいては下部構造体2の補強効果がより一層高まる。
【0051】
平面視で前後方向に延びる仮想直線を想定したとき、前部中央メンバ16及び第1~第3後部中央メンバ17~19は、その仮想直線上に配置されるように各々の左右方向の位置が設定されている。つまり、前部中央メンバ16の後方への仮想延長線上に、第1~第3後部中央メンバ17~19が位置するように設けられている。
【0052】
図7は、
図6のA-A線断面図であり、前側バッテリ収容部200に対応する断面を示している。枠型フレーム10内に設けられている第1後部中央メンバ17の左右両側にそれぞれ前側バッテリFBが収容されている。第1後部中央メンバ17の下方には、前後方向に延びる第1ハーネス204が配設されている。この第1ハーネス204は、枠型フレーム10の前部から後部まで延びており、したがって、前部中央メンバ16、第1~第3後部中央メンバ17~19の下方を通って前後方向に延びるように配設される。この実施形態では、2本の第1ハーネス204が車幅方向に並ぶように配設されているが、これに限らず、1本の第1ハーネス204であってもよいし、3本以上の第1ハーネス204であってもよい。
【0053】
一方、
図8は、
図6のB-B線断面図であり、バッテリ非収容部202に対応する断面を示している。バッテリ非収容部202には、第2後部中央メンバ18が設けられている。第2後部中央メンバ18は、
図7に示す第1後部中央メンバ17に比べて車幅方向に拡幅している。具体的には、第2後部中央メンバ18の車幅方向の寸法は、第1後部中央メンバ17の車幅方向の寸法よりも長く設定されており、第1後部中央メンバ17及び第2後部中央メンバ18を前後方向から見た時、第2後部中央メンバ18の左端部が第1後部中央メンバ17の左端部よりも左に突出するように配置されるとともに、第2後部中央メンバ18の右端部が第1後部中央メンバ17の右端部よりも右に突出するように配置される。これにより、第2後部中央メンバ18の直下方の空間210(
図8に示す)の幅は、第1後部中央メンバ17の直下方の空間220(
図7に示す)の幅よりも広くなる。また、前側バッテリFB及び後側バッテリRBが無い部分は剛性が低下し易い場合があるが、この前側バッテリFB及び後側バッテリRBが無い部分に幅の広い第2後部中央メンバ18を設けているので、剛性の低下を抑制できる。尚、第1後部中央メンバ17及び第2後部中央メンバ18は同じ高さに配置されているので、空間210と空間220の上下方向の寸法は略同じである。
【0054】
第2後部中央メンバ18の下方には、第1ハーネス204とは別にバスバー用の第2ハーネス205も配設されている。バスバー用の第2ハーネス205は、前側バッテリFBと後側バッテリRBとを接続するためのハーネスであり、従って前後方向に延びているが、前側バッテリ収容部200及び後側バッテリ収容部201には無く、バッテリ非収容部202を通っている。第2ハーネス205は第1ハーネス204の左右両側に位置している。したがって、第2後部中央メンバ18の下方の空間210には、第1後部中央メンバ17の下方の空間220に比べて多くのハーネス204、205が配設されることになるが、空間210の幅が相対的に広いので、多くのハーネス204、205を配設しても問題とならない。第1ハーネス204と第2ハーネス205の並びは図示した並びに限られるものではなく、任意に並べることができる。
【0055】
図2に示すように、フロント支持フレーム20は左右一対設けられており、枠型フレーム10の前側メンバ13に接続されている。前側のパワートレインPTは、フロント支持フレーム20に対して図示しないマウント部材を介して取り付けられている。下部構造体2には、パワートレインPTの出力(走行用モータMの回転力)を左右の前輪FTにそれぞれ伝達するドライブシャフトS1が左右に設けられている。
【0056】
リヤ支持フレーム30はフロント支持フレーム20と同様に左右一対設けられており、枠型フレーム10の後側メンバ14に接続されている。後側のパワートレインPTは、リヤ支持フレーム30に対して図示しないマウント部材を介して取り付けられている。下部構造体2には、パワートレインPTの出力(走行用モータMの回転力)を左右の後輪RTにそれぞれ伝達するドライブシャフトS2が左右に設けられている。
【0057】
(上部構造体)
次に、上部構造体3について説明する。上部構造体3は、フロア構成部材40と、ダッシュパネル50と、左右一対のサイドシル60とを備えている。フロア構成部材40は、下部構造体2の枠型フレーム10及びリヤ支持フレーム30の上方に配置される部材である。このフロア構成部材40は、乗員が着座するフロントシートFS及びリヤシートRS(
図1に示す)が設けられた乗員空間R1のフロアを構成する乗員空間側フロアパネル(第1フロアパネル)41と、荷室空間R3のフロアを構成する荷室空間側フロアパネル(第2フロアパネル)42と、乗員空間側フロアパネル41の後部と荷室空間側フロアパネル42の前部とを接続する接続パネル43とを備えている。
【0058】
フロア構成部材40は、例えば鋼板等をプレス成形した部材で構成することができる。乗員空間側フロアパネル41、荷室空間側フロアパネル42及び接続パネル43は、一体成形されていてもよいし、別々に成形した後、接続してもよい。また、本実施形態では、乗員空間側フロアパネル41、荷室空間側フロアパネル42及び接続パネル43と3つの部分に分けて説明しているが、これらパネル41~43を含むフロア構成部材40をフロアパネルと呼んでもよい。また、乗員空間側フロアパネル41のみをフロアパネルと呼んでもよい。
【0059】
乗員空間側フロアパネル41は、乗員空間R1の前部から後部、及び乗員空間R1の左側部から右側部まで延びている。本実施形態に係る乗員空間側フロアパネル41は、トンネル部が無い、フロアトンネルレス構造である。すなわち、従来の自動車のフロアパネルには、上方へ向けて大きく膨出し、かつ、前後方向に延びるトンネル部が設けられているのが一般的である。このトンネル部は、例えば車両前部のエンジンルームに搭載されているエンジンから後方へ向けて延びる排気管を通したり、エンジンの出力を後輪に伝達するプロペラシャフトを通したりするための部分である。排気管やプロペラシャフトの直径は、例えば10cm以上ある場合が多く、しかも、排気管やプロペラシャフトとフロアパネルとの干渉を未然に防止するために、排気管やプロペラシャフトとフロアパネルとの間には、少なくとも数cm以上の隙間を設ける必要がある。さらに、トンネル部の内面にはインシュレータ等が配設されることもある。これらの要因により、トンネル部のフロアパネルからの高さは、例えば15cm以上または20cm以上となる場合があり、シートとの位置関係で言うと、トンネル部の上端がシートレール上のシートクッションの下端やシートクッションの上下方向中央部よりも高くなる。このように上方へ大きく膨出したトンネル部の無い構造がトンネルレス構造である。
【0060】
乗員空間側フロアパネル41は、上述したように当該乗員空間側フロアパネル41の上面からの高さが15cm以上、または20cm以上のトンネル部を備えていないが、例えば当該乗員空間側フロアパネル41の上面からの高さが5cm以下または10cm以下の低い膨出部であれば備えていてもよい。このような高さの低い膨出部の場合は、その内部に排気管やプロペラシャフトを通すことができないので、トンネル部として機能するものではない。よって、乗員空間側フロアパネル41の上面からの高さが5cm以下または10cm以下の低い膨出部を備えていても、トンネルレス構造のフロアパネルである。
【0061】
本実施形態では、パワートレインPTが走行用モータMを含むものであるため、前側空間R2に内燃機関を搭載する必要がなく、よって、排気管を車両後方まで導かなくてもよい。また、後側空間R4にパワートレインPTを搭載すれば、そのパワートレインPTで後輪RTを駆動することもでき、プロペラシャフトを省略できる。よって、乗員空間側フロアパネル41をトンネルレス構造とすることができる。
【0062】
図3にも示すように、乗員空間側フロアパネル41における前後方向中間部には、下方へ向けて膨出するように形成された窪み部41aが形成されている。具体的には、乗員空間側フロアパネル41におけるバッテリ非収容部202に対応する部分には、乗員の足を載置可能な窪み部41aが形成されている。窪み部41aは、リヤシートRSに着座した後席乗員の足を載置可能な底面部41bを有している。底面部41bは略水平に形成されている。窪み部41aの前側部分は、後側へ向かって次第に深くなるように形成されている。窪み部41aは乗員空間側フロアパネル41の左側部から右側部まで連続して形成することができる。底面部41bは、後述するサイドシル60の下部と略同じ高さとされており、これにより、底面部41bの高さを十分に低くすることができる。これにより、下部構造体2のバッテリ非収容部202を利用して乗員の居住空間を拡大できる。
【0063】
窪み部41aと、リヤシートRSのシートクッションとの前後方向の位置関係は、リヤシートRSに着座した後席乗員が足を真下に下ろした時に、足が自然と底面部41bに載置されるように設定されている。窪み部41aの前部の位置は、リヤシートRSに着座した後席乗員が足を斜め前に動かした時に、足が底面部41bに載置されるように設定されている。後席乗員が足を多少前後に動かしても、足を底面部41bに載置できるように、窪み部41aの位置及び前後方向の寸法が設定されている。
【0064】
窪み部41aの左右方向中央部には、前後方向に延びるフロアフレーム41cが設けられている。フロアフレーム41cは、下部構造体2の第2後部中央メンバ18を上方及び両側方から囲むように形成されており、下部構造体2と上部構造体3とを一体化する時に、第2後部中央メンバ18がフロアフレーム41cの下方から当該フロアフレーム41cの内部に収容される。フロアフレーム41cを設けることで、窪み部41aが形成された部分を補強することができる。
【0065】
荷室空間側フロアパネル42は、乗員空間側フロアパネル41よりも上方に位置付けられている。荷室空間側フロアパネル42の下方には、後側空間R4が位置している。つまり、荷室空間R3と後側空間R4とを仕切るように、荷室空間側フロアパネル42が配置されている。荷室空間側フロアパネル42が乗員空間側フロアパネル41よりも上方に配置されているので、接続パネル43は上下方向に延びることになる。接続パネル43は鉛直であってもよいし、上側へ行くほど後に位置するように傾斜していてもよい。
【0066】
図5にも示すように、ダッシュパネル50は、前側空間R2及び乗員空間R1の隔壁となる部材であり、乗員空間側フロアパネル41の前部から上方へ延びるとともに、左右方向にも延びており、乗員空間R1の前部を仕切っている。
【0067】
図4に示すように、左右のサイドシル60は、それぞれ乗員空間側フロアパネル41の左右両端部において前後方向に延びるように配設される。左のサイドシル60の上下方向中間部に乗員空間側フロアパネル41の左端部が接続されている。乗員空間側フロアパネル41の下方にはバッテリFB、RBを含むバッテリユニットYが配設されるので、車両側面視では、サイドシル60の下側部分と、バッテリFB、RBとが重複するように配置される。また、右のサイドシル60も同様に乗員空間側フロアパネル41の右端部と接続されている。
【0068】
図3に示すように、上部構造体3は、左右一対のヒンジピラー70を備えている。右のヒンジピラー70は、右のサイドシル60の前端部から上方に延びている。また、左のヒンジピラー70は、左のサイドシル60の前端部から上方に延びている。左右のヒンジピラー70には、それぞれ左右のフロントドアFD(
図1に示す)が回動可能に取り付けられている。ダッシュパネル50の左縁部は、左のヒンジピラー70の右側面に接続されている。また、ダッシュパネル50の右縁部は、右のヒンジピラー70の左側面に接続されている。尚、図示しないが、センターピラーやリヤピラー等も上部構造体3に設けられている。
【0069】
図2に示すように、上部構造体3におけるダッシュパネル50よりも前方の左側には、左前輪FTのサスペンション装置(フロントサスペンション装置)SP1(
図4に仮想線で示す)を支持する左側の前輪用サスペンション支持部材51Aが設けられている。また、上部構造体3におけるダッシュパネル50よりも前方の右側には、右前輪FTのサスペンション装置(フロントサスペンション装置)SP2(
図4に仮想線で示す)を支持する右側の前輪用サスペンション支持部材51Bが設けられている。サスペンション装置SP1、SP2の形式は特に限定されるものではないが、例えば前輪FTを上下方向に揺動自在に支持するサスペンションアーム、ショックアブソーバ、スプリング等を備えている。前輪用サスペンション支持部材51A、51Bには、サスペンションアームの車体側の端部や、ショックアブソーバの上端部等が取り付けられる。前輪用サスペンション支持部材51A、51Bは、例えばアルミダイキャスト製とすることができるが、これに限られるものではなく、鋼板等を組み合わせて構成されていてもよい。
【0070】
図2等に示すように、ダッシュパネル50よりも前方の左側には、左側の前輪用サスペンション支持部材51Aを固定するための3つの左側固定フレーム52Aが設けられている。3つの左側固定フレーム52Aは上下方向に互いに間隔をあけて配置されており、3つの左側固定フレーム52Aの前部は前輪用サスペンション支持部材51Aに固定されている。一方、最も上、及び上下方向中間に配置されている左側固定フレーム52Aの後部は、左側のヒンジピラー70ないしダッシュパネル50の左側に固定されている。また、最も下に配置されている左側固定フレーム52Aの後部は、左のサイドシル60に固定されている。
【0071】
図3に一部のみ示しているように、ダッシュパネル50よりも前方の右側には、右側の前輪用サスペンション支持部材51Bを固定するための3つの右側固定フレーム52Bが設けられている。3つの右側固定フレーム52Bは上下方向に互いに間隔をあけて配置されており、3つの右側固定フレーム52Bの前部は前輪用サスペンション支持部材51Bに固定されている。一方、最も上、及び上下方向中間に配置されている右側固定フレーム52Bの後部は、右側のヒンジピラー70ないしダッシュパネル50の右側に固定されている。また、最も下に配置されている右側固定フレーム52Bの後部は、右のサイドシル60に固定されている。
【0072】
図2に示すように、左側の前輪用サスペンション支持部材51Aの前部には、前方へ向けて延びる左側クラッシュカン53Aが固定されている。また、右側の前輪用サスペンション支持部材51Bの前部には、前方へ向けて延びる右側クラッシュカン53Bが固定されている。左側クラッシュカン53Aの前部と右側クラッシュカン53Bの前部には、左右方向に延びるバンパーレインフォースメント140が取り付けられている。
【0073】
図4に示すように、上部構造体3は、左側フロントフレーム54A及び右側フロントフレーム54Bを備えている。すなわち、ダッシュパネル50よりも前方には、後述するセンターフレーム80の前部と左側の前輪用サスペンション支持部材51Aとを連結する左側フロントフレーム54Aと、センターフレーム80の前部と右側の前輪用サスペンション支持部材51Bとを連結する右側フロントフレーム54Bとが設けられている。左側フロントフレーム54Aは、前側へ行くほど左側に位置するように傾斜している。右側フロントフレーム54Bは、前側へ行くほど右側に位置するように傾斜している。
【0074】
図3に示すように、乗員空間側フロアパネル41は、前部クロスメンバ44A、中間クロスメンバ44B、窪み部前側クロスメンバ44C及び窪み部後側クロスメンバ44Dを有している。前部クロスメンバ44A、中間クロスメンバ44B、窪み部前側クロスメンバ44C及び窪み部後側クロスメンバ44Dは、左右方向に延びるとともに乗員空間側フロアパネル41の上面に固定されている。従って、前部クロスメンバ44A、中間クロスメンバ44B、窪み部前側クロスメンバ44C及び窪み部後側クロスメンバ44Dは、乗員空間R1において平面視で後述するセンターフレーム80と交差するように配設される。
【0075】
前部クロスメンバ44Aは、乗員空間側フロアパネル41の前部に配設されている。前部クロスメンバ44Aの前部は、ダッシュパネル50の下部とも接合されている。中間クロスメンバ44Bは、前部クロスメンバ44Aの後方、かつ、窪み部41aよりも前方に配設されており、中間クロスメンバ44と乗員空間側フロアパネル41とにより閉断面が構成されている。
【0076】
窪み部前側クロスメンバ44Cは、中間クロスメンバ44Bの後方において窪み部41aの前部に沿って左右方向に延びるように配設されている。窪み部後側クロスメンバ44Dは、窪み部前側クロスメンバ44Cの後方において窪み部41aの後部に沿って左右方向に延びるように配設されている。窪み部前側クロスメンバ44Cと乗員空間側フロアパネル41とにより閉断面が構成され、また、窪み部後側クロスメンバ44Dと乗員空間側フロアパネル41とにより閉断面が構成されている。窪み部前側クロスメンバ44C及び窪み部後側クロスメンバ44Dを設けることで、窪み部41aが形成された部分を補強することができる。窪み部41aの内部に設けられているフロアフレーム41cの前部は、窪み部前側クロスメンバ44Cの左右方向中央部に接続され、また、フロアフレーム41cの後部は、窪み部後側クロスメンバ44Dの左右方向中央部に接続されている。
【0077】
図5等に示すように、上部構造体3は、ダッシュパネル50から接続パネル43まで連続して前後方向に延びるセンターフレーム80を備えている。このセンターフレーム80は左右方向中央部に位置している。すなわち、平面視で、前部中央メンバ16及び第1~第3後部中央メンバ17~19とセンターフレーム80とが互いに重複する位置関係となるように、前部中央メンバ16及び第1~第3後部中央メンバ17~19と、センターフレーム80との配設位置が設定されている。
【0078】
また、センターフレーム80は、乗員空間R1の左右方向中央部において乗員空間側フロアパネル41から上方に離れて配設されている。センターフレーム80の後部は接続パネル43に連結されている。センターフレーム80の左側方には、左側のフロントシートFS及びリヤシートRSが配設され、一方、センターフレーム80の右側方には、右側のフロントシートFS及びリヤシートRSが配設されている。
【0079】
センターフレーム80を乗員空間側フロアパネル41から上方に離して配置していることで、センターフレーム80の下面と、乗員空間側フロアパネル41の上面との間に例えば部品等を配設することができる。また、センターフレーム80の下面と、乗員空間側フロアパネル41の上面との間を、物品収容部として利用することもできる。
図5に示すように、この実施形態に係るセンターフレーム80は、前後方向中間部に上下方向に屈曲する屈曲部80Aを有している。センターフレーム80に屈曲部80Aを設けることで、例えば、後側部分を前側部分よりも低くすることができるので、後席乗員の居住性を向上させることができる。また、センターフレーム80の前側部分を後側部分よりも高くすることができるので、センターフレーム80の前側部分の下方に例えば物品等を配置することが可能になる。屈曲部80Aは、センターフレーム80の前後方向中央部よりも前寄りの部位に形成されている。
【0080】
すなわち、センターフレーム80は、前後方向に延びる前側フレーム部材81と、該前側フレーム部材81の車両後方に配設され、後方へ向けて延びる後側フレーム部材82と、前側フレーム部材81の後部と後側フレーム部材82の前部とを接続する筒状の接続部材83とを有している。前側フレーム部材81及び後側フレーム部材82は、中空状、即ち前後方向に延びる筒状をなしており、例えば押出材で構成することができる。前側フレーム部材81及び後側フレーム部材82を中空状にすることで、軽量かつ高剛性な部材になる。前側フレーム部材81及び後側フレーム部材82の車幅方向に沿った鉛直断面は、矩形状となっており、このため、前側フレーム部材81及び後側フレーム部材82は、左右方向に延びる上壁部及び下壁部と、上下方向に延びる左右両側壁部とを有している。尚、前側フレーム部材81及び後側フレーム部材82の断面形状は矩形状に限られるものではなく、五角形以上の多角形であってもよいし、円形、楕円形であってもよい。
【0081】
後側フレーム部材82の長手方向の寸法は、前側フレーム部材81の長手方向の寸法よりも長く設定されている。したがって、前側フレーム部材81と後側フレーム部材82との接続部分は、乗員空間R1の前後方向中央部よりも前方に位置している。尚、センターフレーム80は、前側フレーム部材81と後側フレーム部材82との2分割構造に限られるものではなく、前部から後部まで1つの部材で構成されていてもよいし、3分割構造であってもよい。
【0082】
前側フレーム部材81は、水平面に対して第1の傾斜角度で傾斜し、直線状に延びている。一方、後側フレーム部材82は、水平面に対して第1の傾斜角度よりも小さな第2の傾斜角度で傾斜し、直線状に延びている。つまり、後側フレーム部材82が前側フレーム部材81とは異なる傾斜角度で傾斜していることにより、前側フレーム部材81と後側フレーム部材82との接続部分で下方向へ向けて屈曲する屈曲部80Aが構成される。この実施形態では、後側フレーム部材82が後側へ向かって下降傾斜するように配置されている。尚、前側フレーム部材81と、後側フレーム部材82とは、同じ傾斜角度であってもよい。この場合、屈曲部80Aが形成されないことになる。
【0083】
また、
図4に示すように、センターフレーム80は、当該センターフレーム80の前部を構成する左側フレーム構成部材84A及び右側フレーム構成部材84Bを有しており、これにより、左右方向に分岐した形状になっている。左側フレーム構成部材84A及び右側フレーム構成部材84Bは、左右方向に互いに間隔をあけて設けられている。左側フレーム構成部材84Aの後部は、前側フレーム部材81の前後方向中間部の左側面に固定されている。左側フレーム構成部材84Aは、前側フレーム部材81への固定部分から前方へ向かって前側へ行くほど左に位置するように平面視で傾斜している。左側フレーム構成部材84Aの前部は、ダッシュパネル50における乗員空間側フロアパネル41から上方に離れた部分に連結されている。左側フレーム構成部材84Aの前部に、左側フロントフレーム54Aの後部が接続されている。
【0084】
また、右側フレーム構成部材84Bの後部は、前側フレーム部材81の前後方向中間部の右側面に固定されている。右側フレーム構成部材84Bは、前側フレーム部材81への固定部分から前方へ向かって前側へ行くほど右に位置するように平面視で傾斜している。右側フレーム構成部材84Bの前部は、ダッシュパネル50における乗員空間側フロアパネル41から上方に離れた部分に連結されている。右側フレーム構成部材84Bの前部に、右側フロントフレーム54B(
図4に示す)の後部が接続されている。
【0085】
上部構造体3は、第1~第3連結部材101~103を備えている。第1~第3連結部材101~103は、乗員空間側フロアパネル41から上方へ延び、上部がセンターフレーム80に固定され、センターフレーム80を乗員空間側フロアパネル41に連結するための部材である。第1連結部材101が乗員空間R1において最も前に配設されており、この第1連結部材101は、ダッシュパネル50から後方に離れている。第1連結部材101の下部は、乗員空間側フロアパネル41におけるダッシュパネル50から後方に離れた部位に固定され、第1連結部材101の上部は、センターフレーム80におけるダッシュパネル50から後方に離れた部位に固定されている。
【0086】
また、
図3等に示すように、第2連結部材102は、第1連結部材101から後方に離れて配設されている。第1連結部材101の下部と第2連結部材102の下部とは、乗員空間側フロアパネル41の前後方向に互いに離れた部位にそれぞれ固定されている。また、第1連結部材101の上部と第2連結部材102の上部とは、センターフレーム80の前後方向に互いに離れた部位にそれぞれ固定されている。
【0087】
図3に示すように、第1連結部材101は、左側部材(左側連結部材)101Aと右側部材(右側連結部材)101Bとを有している。左側部材101A及び右側部材101Bの下部は、前部クロスメンバ44Aに固定されている。左側部材101Aは、前部クロスメンバ44Aから上方へ向けて上側へ行くほど左に位置するように正面視で傾斜して延びている。左側部材101Aの上部は、センターフレーム80の左側フレーム構成部材84Aの前部に固定されている。
【0088】
また、右側部材101Bは、前部クロスメンバ44Aから上方へ向けて上側へ行くほど右に位置するように正面視で傾斜して延びている。右側部材101bの上部は、センターフレーム80の右側フレーム構成部材84Bの前部に固定されている。また、左側フレーム構成部材84Aの前部と、右側フレーム構成部材84Bの前部とは左右方向に離れているので、左側部材101Aと右側部材101Bとは、下部を除いた大部分が左右方向に離れることになり、左側部材101Aと右側部材101Bとの左右方向の間隔は上側へ行くほど広くなっている。
【0089】
第2連結部材102の下部は、中間クロスメンバ44Bに固定されている。第2連結部材102の上部は、センターフレーム80の屈曲部80Aに固定されている。したがって、第2連結部材102は、センターフレーム80の屈曲部80Aから乗員空間側フロアパネル41に向かって延びることになる。
【0090】
第3連結部材103の下部は、窪み部前側クロスメンバ44Cに固定されている。窪み部前側クロスメンバ44Cは、第2後部中央メンバ18の直上方に配設されており、窪み部前側クロスメンバ44Cの左右方向中央部が第2後部中央メンバ18の前部に固定されている。つまり、第3連結部材103の下部は、乗員空間側フロアパネル41における第2後部中央メンバ18に対応する部分に固定されている。一方、第3連結部材103の上部は、センターフレーム80の後側フレーム部材82の下壁部に対して固定されている。
【0091】
(衝突時のロードパス)
次に、自動車1が前面衝突した場合を想定する。自動車1が前面衝突すると衝撃荷重が、バンパーレインフォースメント140から左側クラッシュカン53A及び右側クラッシュカン53Bに入力される。左側クラッシュカン53A及び右側クラッシュカン53Bに入力された衝撃荷重は、左右の前輪用サスペンション支持部材51A、51Bに伝達される。
【0092】
左右の前輪用サスペンション支持部材51A、51Bは、ダッシュパネル50、センターフレーム80、フロント支持フレーム20に連結されているので、左右の前輪用サスペンション支持部材51A、51Bに入力された衝撃荷重は、ダッシュパネル50、センターフレーム80、フロント支持フレーム20に伝達されて吸収される。さらに、左右の前輪用サスペンション支持部材51A、51Bは左右のサイドシル60、60にも連結されているので、左右の前輪用サスペンション支持部材51A、51Bに入力された衝撃荷重は、左右のサイドシル60、60にも伝達されて吸収される。
【0093】
また、左側フロントフレーム54Aによってセンターフレーム80の前部と左側の前輪用サスペンション支持部材51Aとが連結され、右側フロントフレーム54Bによってセンターフレーム80の前部と右側の前輪用サスペンション支持部材51Bとが連結されているので、衝撃荷重はセンターフレーム80にも入力されて吸収される。
【0094】
さらに、フロント支持フレーム20の後部は、バッテリユニットYが有する枠型フレーム10に連結されているので、フロント支持フレーム20に入力された衝撃荷重は、枠型フレーム10にも伝達されて吸収される。このとき、枠型フレーム10は、前後方向に延びる左側方メンバ11及び右側方メンバ12だけでなく、前部中央メンバ16と、第1~第3後部中央メンバ17~19とが前後方向に延びるように設けられているので、これら部材11、12、16~19によっても衝撃荷重を吸収できる。さらに、乗員空間側フロアパネル41における窪み部41aの内部には、フロアフレーム41cが、前部中央メンバ16、第1~第3後部中央メンバ17~19と同様に前後方向に延びるように設けられているので、フロアフレーム41cによっても、衝撃荷重を吸収できる。このように、複数のロードパスを設けているので、衝突時における乗員空間R1の確保が可能になる。
【0095】
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態によれば、乗員空間側フロアパネル41の下方にバッテリ非収容部202があるので、バッテリ非収容部202に対応する部分の乗員空間側フロアパネル41を低くし、後席乗員の足下スペースを拡大できる。これにより、車室の居住性が向上する。
【0096】
バッテリ非収容部202にバッテリが収容されていないということは、その部分の車体剛性が低下してしまう可能性があるが、本実施形態では、前後方向に延びる前部中央メンバ16及び第1~第3後部中央メンバ17~19を乗員空間側フロアパネル41の下方に配設するだけではなく、バッテリ非収容部202に配設される第2後部中央メンバ18が、バッテリ収容部200、201に配設される前部中央メンバ16、第3後部中央メンバ19よりも拡幅していて高い強度を持っているので、バッテリ非収容部202の車体剛性も高めることができる。
【0097】
また、前側バッテリ収容部200及び後側バッテリ収容部201にそれぞれバッテリFB、RBを収容することでバッテリの搭載量を増やすことができ、この場合に、前側バッテリ収容部200と後側バッテリ収容部201との間に位置するバッテリ非収容部202を利用して居住性を向上できる。
【0098】
さらに、拡幅された第2後部中央メンバ18の下方に第1ハーネス204及び第2ハーネス205を車幅方向に並べて配設することで、上下方向の寸法を短くして居住性に悪影響を与えないようにしながら、両ハーネス204、205をまとめて配設できる。
【0099】
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上説明したように、本発明に係る車体構造は、例えば電動車やその他の自動車で利用できる。
【符号の説明】
【0101】
1 自動車
10 枠型フレーム
16 前部中央メンバ(前側第1フレーム部)
17 第1後部中央メンバ(前側第1フレーム部)
18 第2後部中央メンバ(第2フレーム部)
19 第3後部中央メンバ(後側第1フレーム部)
41 乗員空間側フロアパネル
80 センターフレーム
103 第3連結部材
200 前側バッテリ収容部
201 後側バッテリ収容部
202 バッテリ非収容部
204 第1ハーネス
205 第2ハーネス
FB、RB バッテリ
M 走行用モータ