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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-11-17
(45)【発行日】2025-11-26
(54)【発明の名称】車両窓用部品
(51)【国際特許分類】
   B60J 10/76 20160101AFI20251118BHJP
   B60J 1/14 20060101ALI20251118BHJP
【FI】
B60J10/76
B60J1/14 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022565286
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 JP2021042456
(87)【国際公開番号】W WO2022113881
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2024-08-20
(31)【優先権主張番号】P 2020194015
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和浩
(72)【発明者】
【氏名】浦田 量一
(72)【発明者】
【氏名】八田 直憲
(72)【発明者】
【氏名】井上 貴文
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-071752(JP,A)
【文献】特開平09-011754(JP,A)
【文献】特開2005-096668(JP,A)
【文献】特開2003-260937(JP,A)
【文献】特開2016-052826(JP,A)
【文献】特開2000-203272(JP,A)
【文献】特開2019-089363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 10/76
B60J 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定ウインドウガラスと、前記固定ウインドウガラスの外周に取り付けられる樹脂枠体と、前記樹脂枠体の前記固定ウインドウガラスと反対の側に取り付けられる、ガイド部を有するディビジョンバーと、を備え、前記固定ウインドウガラスと、前記樹脂枠体と、前記ディビジョンバーは、一体成形品であるディビジョンバー付き固定ウインドウガラスと、
第1ガラスラン縦辺と、第2ガラスラン縦辺と、前記第1ガラスラン縦辺及び前記第2ガラスラン縦辺と連結し、かつ、正面視で前記樹脂枠体と少なくとも一部が重複する位置まで延設された延長部を有するガラスラン上辺と、を備えるガラスランと、
を備える車両窓用部品であって、
前記延長部は、第1接続部を備え、前記ディビジョンバー付き固定ウインドウガラスは、前記第1接続部と接続される第2接続部を備え、前記第1接続部と前記第2接続部とが接続されており、
前記ガイド部は、前記第1ガラスラン縦辺または前記第2ガラスラン縦辺のいずれか一方が挿入されており、
前記ガイド部は、断面がC字状であり、前記ガイド部の両端は、互いの距離が近づく形状を有しており、
断面視で、前記ガイド部の前記両端の距離は、前記第1ガラスラン縦辺または前記第2ガラスラン縦辺の幅よりも短
前記第1接続部と前記第2接続部とは、一方がクリップであり、他方がクリップ孔であり、
前記クリップの先端は、前記クリップ孔を通過した位置において、前記クリップ孔の径より大きな外径のカシメ部を有する、
車両窓用部品。
【請求項2】
前記延長部は、第3接続部を備え、前記ディビジョンバー付き固定ウインドウガラスは、前記第3接続部と接続される第4接続部を備え、前記第3接続部と前記第4接続部とが接続される、請求項に記載の車両窓用部品。
【請求項3】
前記第3接続部と前記第4接続部とは、一方が両面テープであり、他方が接着台座である、請求項に記載の車両窓用部品。
【請求項4】
前記第3接続部と前記第4接続部とは、一対の面ファスナである、請求項に記載の車両窓用部品。
【請求項5】
前記第3接続部と前記第4接続部とは、一方が接着剤であり、他方が接着台座である、請求項に記載の車両窓用部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両窓用部品に関する。
【背景技術】
【0002】
車両窓用部品として、ガラスランと、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラスとが一体に構成された車両窓用部品が知られている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3992743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示される車両窓用部品は、一体に構成された状態で保管、又は搬送されるので、物流効率が悪くなる問題がある。一方、ガラスランと、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラスとは、別体にできる。この場合、ガラスランと、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラスとが精度よく組み立てられない場合、水密性等の機能を発揮できない問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ガラスランと、別体であるディビジョンバー付き固定ウインドウガラスとを精度よく組み立てることができ、水密性等の機能を発揮できる車両窓用部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様の車両窓用部品は、固定ウインドウガラスと、固定ウインドウガラスの外周に取り付けられる樹脂枠体と、樹脂枠体の固定ウインドウガラスと反対の側に取り付けられる、ガイド部を有するディビジョンバーと、を備え、固定ウインドウガラスと、樹脂枠体と、ディビジョンバーとは、一体成形品であるディビジョンバー付き固定ウインドウガラスと、第1ガラスラン縦辺と、第2ガラスラン縦辺と、第1ガラスラン縦辺及び第2ガラスラン縦辺とを連結するガラスラン上辺と、を備えるガラスランとを、備える車両窓用部品であって、ガラスランは、第1接続部を備え、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラスは、第1接続部と接続される第2接続部を備え、第1接続部と第2接続部とが接続されており、ガイド部は、第1ガラスラン縦辺または第2ガラスラン縦辺のいずれか一方が挿入されており、ガイド部は、断面がC字状であり、ガイド部の両端は、互いの距離が近づく形状を有しており、断面視で、ガイド部の両端の距離は、第1ガラスラン縦辺または第2ガラスラン縦辺の幅よりも短い。
【0007】
第2の態様の車両窓用部品は、固定ウインドウガラスと、固定ウインドウガラスの外周に取り付けられる樹脂枠体と、樹脂枠体の固定ウインドウガラスと反対の側に取り付けられる、ガイド部を有するディビジョンバーと、を備え、固定ウインドウガラスと、樹脂枠体と、ディビジョンバーは、一体成形品であるディビジョンバー付き固定ウインドウガラスと、第1ガラスラン縦辺と、第2ガラスラン縦辺と、第1ガラスラン縦辺及び第2ガラスラン縦辺と連結し、かつ、正面視で樹脂枠体と少なくとも一部が重複する位置まで延設された延長部を有するガラスラン上辺と、を備えるガラスランとを備える車両窓用部品であって、延長部は、第1接続部を備え、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラスは、第1接続部と接続される第2接続部を備え、第1接続部と第2接続部とが接続されており、ガイド部は、第1ガラスラン縦辺または第2ガラスラン縦辺のいずれか一方が挿入されており、ガイド部は、断面がC字状であり、ガイド部の両端は、互いの距離が近づく形状を有しており、断面視で、ガイド部の両端の距離は、第1ガラスラン縦辺または第2ガラスラン縦辺の幅よりも短い。
【発明の効果】
【0008】
これらの態様の車両窓用部品によれば、ガラスランと、別体であるディビジョンバー付き固定ウインドウガラスとを精度よく組み立てることができ、水密性等の機能を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る車両窓用部品が取り付けられた車両の左側面図である。
図2図2は、第1実施形態のディビジョンバー付き固定ウインドウガラスの分解図である。
図3図3は、第1実施形態の車両窓用部品の分解図である。
図4図4は、第1実施形態の車両窓用部品の正面視の図である。
図5図5は、図4のV-V線に沿う断面図である。
図6図6は、図4のVI-VI線に沿う断面図である。
図7図7は、図4のVII-VII線に沿う断面図である。
図8図8A及びBは、第2実施形態の車両窓用部品の構造を説明するための図であって、図8Aは、車両窓用部品の分解図であり、図8Bは、車両窓用部品の正面図である。
図9図9図8のIX-IX線に沿う断面図である。
図10図10A及びBは、第3実施形態の車両窓用部品の構造を説明するための図であって、図10Aは、車両窓用部品の分解図であり、図10Bは、車両窓用部品の正面図である。
図11図11A及びBは、図10BのXIA-XIA線に沿う断面図及びXIB-XIB線に沿う断面図である。
図12図12A及びBは、第4実施形態の車両窓用部品の構造を説明するための図であって、図12Aは、車両窓用部品の分解図であり、図12Bは、車両窓用部品の正面図である。
図13図13A及びBは、第5実施形態の車両窓用部品の構造を説明するための図であって、図13Aは、車両窓用部品の分解図であり、図13Bは、第5実施形態の車両窓用部品の正面視の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面に従って本発明に係る車両窓用部品の実施形態の幾つかについて説明する。
【0011】
なお、本明細書において、方向、位置を表わす「上(U)」、「下(D)」、「内(In)」、「外(Out)」、「前(F)」、「後(R)」、「左(L)」は、車両窓用部品を車両に取り付けた際の「上(U)」、「下(D)」、「内(In)」、「外(Out)」、「前(F)」、「後(R)」、「左(L)」を意味する。
【0012】
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両窓用部品10が取り付けられた車両100の左側面図である。車両窓用部品10は、一例としてリアサイドドア102の窓開口部104に取り付けられる。車両窓用部品10は、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20と、ガラスラン50と、を備える。ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20は、固定ウインドウガラス22と、固定ウインドウガラス22の外周に取り付けられる樹脂枠体24と、樹脂枠体24に取り付けられるディビジョンバー26と、を備える。
【0013】
ディビジョンバー26は、上下方向に延びる長尺の形状を有する。窓開口部104は、ディビジョンバー26により、前側開口と後側開口とに区分される。図1の車両窓用部品10では、窓開口部104の後側開口に、樹脂枠体24を備える固定ウインドウガラス22が配置される。すなわち、ディビジョンバー26が、樹脂枠体24の固定ウインドウガラス22と反対の側に取り付けられる。
【0014】
図1の車両窓用部品10では、ガラスラン50(破線で示す)は、窓開口部104の前側開口に配置される。ガラスラン50は、後述するように、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20に装着される。
【0015】
昇降ウインドウガラス106が、窓開口部104の前側開口に配置され、ガラスラン50に上下方向に摺動可能に嵌め込まれている。昇降ウインドウガラス106は、リアサイドドア102に配置された昇降機構108により、上下方向に昇降される。
【0016】
ガラスラン50は、後述するように昇降ウインドウガラス106の車外側面および車内側面に当接するリップを備えている。ガラスラン50は、雨水及び騒音が車内に侵入することを抑制するシール材として機能する。
【0017】
図2は、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20の分解図である。ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20は、固定ウインドウガラス22と、固定ウインドウガラス22の外周に取り付けられる樹脂枠体24と、樹脂枠体24に取り付けられるディビジョンバー26と、を備える。
【0018】
固定ウインドウガラス22としては、無機ガラスであっても有機ガラスであってもよい。無機ガラスとしては、例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が特に制限なく用いられる。これらのうちでも、製造コスト、成形性の点からソーダライムガラスが特に好ましい。
【0019】
固定ウインドウガラス22が無機ガラスである場合、固定ウインドウガラス22は、未強化ガラス、強化ガラスの何れでもよい。強化ガラスとしては、風冷強化ガラス、化学強化ガラスのいずれでもよい。未強化ガラスは、溶融ガラスを板状に成形し、徐冷したものである。強化ガラスは、未強化ガラスの表面に圧縮応力層を形成したものである。強化ガラスは、物理強化ガラス(例えば風冷強化ガラス)、化学強化ガラスの何れでもよい。物理強化ガラスである場合は、曲げ成形において均一に加熱したガラス板を軟化点付近の温度から急冷させるなど、徐冷以外の操作により、ガラス表面とガラス内部との温度差によってガラス表面に圧縮応力層を生じさせることで、ガラス表面を強化してもよい。化学強化ガラスである場合は、曲げ成形の後、イオン交換法等によってガラス表面に圧縮応力を生じさせることでガラス表面を強化してもよい。又、紫外線又は赤外線を吸収するガラスを用いてもよい。更に、透明であることが好ましいが、透明性を損なわない程度に着色されたガラス板であってもよい。
【0020】
固定ウインドウガラス22が有機ガラスである場合、有機ガラスの材料としては、ポリカーボネート、アクリル樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等の透明樹脂が挙げられる。
【0021】
固定ウインドウガラス22は、2枚以上のガラス板を、中間膜を介して接着された合わせガラスであってもよい。合わせガラスの中間膜は、一例としてPVB(poly vinyl butyral:ポリビニルブチラール)製又はEVA(ethylene vinyl acetate:エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)製などの公知の膜を用いることができる。合わせガラスの中間膜は、透明であってもよいし、着色された中間膜であってもよい。また、中間膜は2層以上であってもよい。
【0022】
固定ウインドウガラス22は平面視において、略三角形の形状を有している。ただし、平面視における固定ウインドウガラス22の形状は、特に限定されない。
【0023】
固定ウインドウガラス22が車両に取り付けられた場合に、固定ウインドウガラス22は車外側に凸となるように湾曲した形状であってもよい。固定ウインドウガラス22は1方向にのみ湾曲した単曲曲げ形状であってもよいし、直交する2つの方向に湾曲した複曲曲げ形状であってもよい。
【0024】
固定ウインドウガラス22の曲げ成形には、重力成形、プレス成形、ローラー成形等が用いられる。固定ウインドウガラス22の成形法についても特に限定されないが、例えば、無機ガラスの場合はフロート法等により成形されたガラス板が好ましい。
【0025】
固定ウインドウガラス22の板厚は特に限定されないが、0.5mm以上5.0mm以下であることが好ましい。
【0026】
樹脂枠体24を構成する材料は、例えば、PP(polypropylene:ポリプロリレン樹脂)又はPVC(polyvinyl chloride:ポリ塩化ビニル)を主成分とする熱可塑性エラストマを適用してもよい。
【0027】
ディビジョンバー26を構成する材料は、樹脂枠体24と同様に、PP(polypropylene:ポリプロリレン樹脂)又はPVC(polyvinyl chloride:ポリ塩化ビニル)を主成分とする熱可塑性エラストマを適用してもよい。また、この熱可塑性エラストマにガラス繊維又は炭素繊維等の繊維を含有した熱可塑性エラストマも適用してもよい。ディビジョンバー26を構成する材料は、金属であってもよい。
【0028】
ディビジョンバー26は、固定部材27及び28を、ディビジョンバー26の上端と下端に備えていてもよい。固定部材27及び28を介して、ディビジョンバー26をリアサイドドア102(図2には不図示)に固定できる。
【0029】
ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20は、固定ウインドウガラス22と、樹脂枠体24と、ディビジョンバー26とを含む。ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20は、固定ウインドウガラス22と、樹脂枠体24とが射出成形により一体成形された一体成形品であり、固定ウインドウガラス22と樹脂枠体24との一体成形品に別途ディビジョンバー26を組み付ける構造であってもよいし、固定ウインドウガラス22と、樹脂枠体24、ディビジョンバー26とが、インサート成形法又は二色成形法により、一体化された一体成形品であってもよい。
【0030】
図3は、第1実施形態の車両窓用部品10の分解図である。ガラスラン50は、第1ガラスラン縦辺52と、第2ガラスラン縦辺54と、第1ガラスラン縦辺52及び第2ガラスラン縦辺54を連結するガラスラン上辺56と、を備える。図3に示すガラスラン50は、さらに、第1ガラスラン縦辺52の上端とガラスラン上辺56の前側端とを連結する前側連結部58と、第2ガラスラン縦辺54の上端とガラスラン上辺56の後端とを連結する後側連結部60と、を備える。第1ガラスラン縦辺52と第2ガラスラン縦辺54とは、上下方向に延びる長尺の形状を有する。ガラスラン上辺56は、前後方向に延びる長尺の形状を有する。
【0031】
ガラスラン50は、シール材として機能させるため、弾性部材で構成される。弾性部材は、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等の熱可塑性エラストマなどの樹脂材料であることが好ましい。ただし、これらの樹脂材料に限定されない。
【0032】
上述したように、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20は、固定ウインドウガラス22と、樹脂枠体24と、ディビジョンバー26とを含む一体成形品で構成され、一つの製品として取り扱われる。また、ガラスラン50も、一つの製品として取り扱われる。
【0033】
第1実施形態において、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20とガラスラン50とが、個別に保管又は搬送されるので、それぞれに適したパッケージを適用でき、物流効率を改善できる。
【0034】
図3に示すように、組み立てを容易、また確実にするため、ガラスラン50は、第1接続部として、クリップ62を備える。クリップ62は、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20に向けて延びる。
【0035】
図4は、第1実施形態の車両窓用部品10の正面視の図である。図5図4のV-V線に沿う断面図である。図6図4のVI-VI線に沿う断面図である。図7図4のVII-VII線に沿う断面図である。
【0036】
ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20とガラスラン50とは、個別に工場等に搬送され、図4に示すように、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20とガラスラン50とが車両窓用部品10として組み立てられる。
【0037】
図5に示すように、樹脂枠体24が、固定ウインドウガラス22の外周に取り付けられる。樹脂枠体24は、車外側に位置する第1壁部24Aと、第1壁部24Aと所定の間隔をおいて車内側に位置する第2壁部24Bと、第1壁部24Aの後端と第2壁部24Bの後端とを連結する連結部24Cとを備える。
【0038】
樹脂枠体24は、固定ウインドウガラス22の周縁部を、固定ウインドウガラス22の外面と内面の側から挟持する固定部24Dを備える。固定部24Dは、固定ウインドウガラス22の外面と内面と端面とに対向する3つの壁面を有する溝により構成される。
【0039】
樹脂枠体24は、第1壁部24Aと第2壁部24Bと連結部24Cとによって、図5に示す断面図において、前側に開放するC字状の形状を有する。第1壁部24Aと第2壁部24Bとは、断面視において、前側の先端が互いの距離が近づく形状を有している。
【0040】
ディビジョンバー26が、樹脂枠体24の固定ウインドウガラス22と反対の側の空間に取り付けられる。樹脂枠体24とディビジョンバー26とは、上述するように、一体成形されている。ディビジョンバー26は、車外側に位置する第1壁部26Aと、第1壁部26Aと所定の間隔をおいて車内側に位置する第2壁部26Bと、第1壁部26Aの後端と第2壁部26Bの後端とを連結する連結部26Cとを備える。
【0041】
ディビジョンバー26は、第1壁部26Aと第2壁部26Bと連結部26Cとによって、図5に示す断面図において、前側に開放するC字状の形状を有するガイド部を構成する。第1壁部26Aと第2壁部26Bとは、ガイド部の断面視において、ガイド部の両端(先端26D及び先端26E)が互いの距離が近づく形状を有している。
【0042】
図5において、樹脂枠体24は、ディビジョンバー26をほぼ覆うように形成される。ただし、樹脂枠体24及びディビジョンバー26はこの形状に限定されない。
【0043】
ガラスラン50の第2ガラスラン縦辺54は、車外側に位置する第1壁部54Aと、第1壁部54Aと所定の間隔をおいて車内側に位置する第2壁部54Bと、第1壁部54Aの後端と第2壁部54Bの後端とを連結する連結部54Cとを備える。第1壁部54Aと第2壁部54Bと連結部54Cとによって、ガラスラン50の第2ガラスラン縦辺54は、断面が前側に開放されたU字型形状を有する。
【0044】
第1壁部54Aは、その前側端に、第2壁部54Bに向かって後側に斜めに延びる第1リップ54Dを備える。第1リップ54Dは、昇降ウインドウガラス106の外面と接する。第2壁部54Bは、前側端に、第1壁部54Aに向かって後側に斜めに延びる第2リップ54Eを備える。第2リップ54Eは、昇降ウインドウガラス106の内面と接する。
【0045】
第1壁部54Aは、その後側端及び後側端と前側端との間の複数位置に、第1壁部24Aに向かって前側に斜めに延びる2個のリップ54Fを備える。第2壁部54Bは、その後側端と前側端との間の位置に、U字型形状の開放に向かって斜めに延びるリップ54Gを備える。第2壁部54Bは、その後側端と前側端との間の位置に、第2壁部26Bに向かって前側に斜めに延びるリップ54Hを備える。なお、ガラスラン50の形状は図5に限定されず、適宜変更可能である。
【0046】
ディビジョンバー26の先端26D及び先端26Eが、ガイド部の断面視で互いの距離が近づく形状を有している。したがって、先端26D及び先端26Eは、それぞれ第2ガラスラン縦辺54の第1壁部54Aと第2壁部54Bとに向かって延びている。さらに、ディビジョンバー26の先端26D及び先端26Eの距離が、第2ガラスラン縦辺54の幅よりも短くなっている。したがって、第1実施形態において、ディビジョンバー26の先端26D及び先端26Eは、ガラスラン50がディビジョンバー26から前側方向に脱落するのを防止する抜け防止の機能を発揮できる。
【0047】
第2ガラスラン縦辺54の2個のリップ54F及びリップ54Hは、ディビジョンバー26の先端26D及び先端26Eに接触できるので、リップ54F及びリップ54Hにより、ガラスラン50のディビジョンバー26から前側方向に脱落するのを、より効果的に防止してもよい。
【0048】
図6に示すように、第1接続部を構成するクリップ62は、挿入部62Aと、軸部62Bと、頭部62Cとを備える。挿入部62Aは、先端に向かうにしたがって先細りとなる傾斜面を有する略円錐形状を有している。軸部62Bは円柱形状を有している。挿入部62Aは、軸部62Bと連結する部分において、軸部62Bの直径より大きく、挿入部62Aと軸部62Bとにより矢尻形状を構成する。頭部62Cは円盤状の形状を有している。頭部62Cは、軸部62Bの直径より大きい。クリップ62は、2つの部材を機械的に締結するために適用される部品である。
【0049】
第2ガラスラン縦辺54の連結部54Cには貫通孔54Jが形成されている。貫通孔54Jは、クリップ62の挿入部62A及び軸部62Bの通過を許容する。一方で、貫通孔54Jと頭部62Cとの大きさの関係は、頭部62Cが貫通孔54Jを貫通しないように設定される。頭部62Cが連結部54Cの前側の面に当接する。
【0050】
ディビジョンバー26の連結部26Cには、貫通孔54Jに対向する位置に貫通孔26Fが形成されている。貫通孔26Fは、クリップ62の挿入部62A及び軸部62Bの通過を許容する。また、樹脂枠体24の連結部24Cには、貫通孔54J及び貫通孔26Fに対向する位置に貫通孔24Eが形成されている。貫通孔24Eは、クリップ62の挿入部62A及び軸部62Bの通過を許容する。樹脂枠体24の貫通孔24E及びディビジョンバー26の貫通孔26Fが、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20の第2接続部を構成するクリップ孔となる。
【0051】
図6に示すように、クリップ62を貫通孔26F及び貫通孔24Eに挿入させることにより、挿入部62Aと軸部62Bとが、貫通孔26F及び貫通孔24Eを貫通する。第1接続部であるクリップ62と、第2接続部である貫通孔26F及び貫通孔24Eとが接続され、ガラスラン50とディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20との相対位置が決定される。なお、挿入部62Aが、弾性部材、又は変形可能な構造で構成されることが好ましい。この場合、挿入部62Aを貫通孔26F及び貫通孔24Eに容易に挿入できる。
【0052】
第1実施形態では、さらにワッシャ66及び接着剤68を、クリップ62の挿入部62Aとディビジョンバー26との間に配置させてもよい。ワッシャ66及び接着剤68を配置することにより、第1接続部であるクリップ62と、第2接続部である貫通孔26F及び貫通孔24Eとの接続をより強固にできる。接着剤68に代えて、パッキンを配置してもよい。
【0053】
クリップ62として、挿入部62Aと、軸部62Bと、頭部62Cとを備える構造を示したが、この構造に限定されず、公知のクリップを適用できる。
【0054】
図7に示すように、樹脂枠体24が、固定ウインドウガラス22の外周に取り付けられる。樹脂枠体24は、リアサイドドア102のフレーム102Aと接触する。フレーム102Aにはドア用シール部材110が取り付けられる。ボディ112にはフレーム102Aと接するボディ用シール部材114が取り付けられる。リアサイドドア102が閉じられると、樹脂枠体24とドア用シール部材110とがボディ112と接触し、フレーム102Aとボディ用シール部材114とが接触する。これにより水等が車内側に侵入することが防止される。
【0055】
上述したように、第1実施形態では、クリップ62と、クリップ孔である貫通孔26F及び貫通孔24Eとが接続され、ガラスラン50とディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20との相対位置が決定される。さらに、ディビジョンバー26の先端26D及び26Eが、ガラスラン50の脱落を防止する。したがって、ガラスラン50と、別体であるディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20とが精度よく組み立てられ、水密性等の機能を発揮できる。
【0056】
第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態の車両窓用部品11について説明する。第1実施形態と同様の構成要素には同様の符号を付して、これらの構成要素の説明を省略する場合がある。
【0057】
図8A及びBは、第2実施形態の車両窓用部品11の構造を説明するための図であり、図8Aは、第2実施形態の車両窓用部品の分解図であり、図8Bは、第2実施形態の車両窓用部品の正面視の図である。
【0058】
図8Aに示すように、第2実施形態の車両窓用部品11のガラスラン70は、第1ガラスラン縦辺72と、第2ガラスラン縦辺74と、第1ガラスラン縦辺72及び第2ガラスラン縦辺74を連結するガラスラン上辺76と、を備える。ガラスラン上辺76は、正面視で樹脂枠体34と少なくとも一部が重複する位置まで延設された延長部76Aを備える。
【0059】
第2実施形態のディビジョンバー付き固定ウインドウガラス30は、固定ウインドウガラス32と、固定ウインドウガラス32の外周に取り付けられる樹脂枠体34と、ディビジョンバー36とを含む一体成形品である。第2実施形態のディビジョンバー付き固定ウインドウガラス30は、第1実施形態のディビジョンバー付き固定ウインドウガラス20と同様の構造を有している。固定ウインドウガラス32は、固定ウインドウガラス22と同様の構成である。樹脂枠体34は、延長部76Aと重なる部分を除き、第1実施形態の樹脂枠体24と基本的には同様の構成である。ディビジョンバー36は、第1実施形態のディビジョンバー26と同様に、断面がC字状のガイド部を有し、ガイド部の断面視において、ガイド部の両端は、互いの距離が近づく形状を有している。
【0060】
ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス30とガラスラン70とは、個別に工場等に搬送され、図8Bに示すように、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス30とガラスラン70とが車両窓用部品11として組み立てられる。
【0061】
第2ガラスラン縦辺74とディビジョンバー36とは、第1実施形態と同様(図5参照)の態様で取り付けられる。ガラスラン70は、第1実施形態のガラスラン50とは異なり、ガラスラン上辺76が延長部76Aを備えている。
【0062】
図9に示すように、樹脂枠体34が、固定ウインドウガラス32の外周に取り付けられる。ガラスラン上辺76の延長部76Aと樹脂枠体34とが重なっている。延長部76Aは、第1接続部を構成するクリップ80を備える。樹脂枠体34には第2接続部であるクリップ孔を構成する貫通孔34Aが形成されている。クリップ80は、樹脂枠体34に当接する頭部80Cと、貫通孔34Aを通過する軸部80Bと、貫通孔34Aを通過した位置において貫通孔34Aの径より大きな外径のカシメ部80Aと、を備える。なお、延長部76Aの車外側の面に加飾モール76Bを配置してもよい。
【0063】
カシメ部80Aは、例えば、次の手順で作製される。頭部80Cと円柱形状の軸部80Bを有するクリップ80を準備する。軸部80Bを貫通孔34Aに挿入し、軸部80Bを樹脂枠体34に対して車内側に突出させる。頭部80Cは樹脂枠体34に当接する。突出した軸部80Bに加熱チップ(不図示)を押しけることにより、軸部80Bの突出先端を加熱溶融してカシメ部80Aを形成する。これによって、ガラスラン上辺76の延長部76Aが、クリップ80を介して樹脂枠体34に密着するので、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス30とガラスラン70とが強固に組み付けられる。
【0064】
上述したように、第2実施形態では、クリップ80と、クリップ孔である貫通孔34Aとが接続され、ガラスラン70とディビジョンバー付き固定ウインドウガラス30との相対位置が決定される。さらに、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、断面視で、ディビジョンバー36のガイド部の両端が近づく形状により、ガラスラン70の脱落を防止する。したがって、ガラスラン70と、別体であるディビジョンバー付き固定ウインドウガラス30とが精度よく組み立てられ、水密性等の機能を発揮できる。
【0065】
第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態の車両窓用部品12について説明する。第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成要素には同様の符号を付して、これらの構成要素の説明を省略する場合がある。
【0066】
図10A及びBは、第3実施形態の車両窓用部品12の構造を説明するための図であり、図10Aは、第3実施形態の車両窓用部品の分解図であり、図10Bは、第3実施形態の車両窓用部品の正面視の図である。
【0067】
図10Aに示すように、第3実施形態の車両窓用部品12のガラスラン90は、第1ガラスラン縦辺92と、第2ガラスラン縦辺94と、第1ガラスラン縦辺92及び第2ガラスラン縦辺94を連結するガラスラン上辺96と、を備える。ガラスラン上辺96は、正面視で樹脂枠体44と少なくとも一部が重複する位置まで延設された延長部96Aを備える。第3実施形態のガラスラン90は、第2実施形態のガラスラン70と同様の構造である。
【0068】
一方、第3実施形態において、ガラスラン90には、樹脂枠体44に対向する側に両面テープ84がガラスラン上辺96に沿って配置される。樹脂枠体44には、両面テープ84に対向する側に接着台座85が配置される。第3実施形態では、両面テープ84が第3接続部を構成し、接着台座85が第4接続部を構成する。第3接続部を接着台座85とし、第4接続部を両面テープ84としてもよい。接着台座85は、両面テープ84との接着力を確保するため平坦な板状部材で構成される。
【0069】
第3実施形態のディビジョンバー付き固定ウインドウガラス40は、固定ウインドウガラス42と、固定ウインドウガラス42の外周に取り付けられる樹脂枠体44と、ディビジョンバー46とを含む一体成形品である。第3実施形態のディビジョンバー付き固定ウインドウガラス40は、第2実施形態のディビジョンバー付き固定ウインドウガラス30と基本的には同様の構造を有している。固定ウインドウガラス42は、固定ウインドウガラス32と同様の構成である。樹脂枠体44は、延長部96Aと重なる部分を除き、第2実施形態の樹脂枠体34と基本的には同様の構成である。ディビジョンバー46は、第2実施形態のディビジョンバー36と同様に、断面がC字状のガイド部を有し、ガイド部の断面視において、ガイド部の両端は、互いの距離が近づく形状を有している。
【0070】
ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス40とガラスラン90とは、個別に工場等に搬送され、図10Bに示すように、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス40とガラスラン90とが車両窓用部品12として組み立てられる。
【0071】
第2ガラスラン縦辺94とディビジョンバー46とは、第1実施形態と同様(図5参照)の態様で取り付けられる。ガラスラン90は、第2実施形態のガラスラン70と同様に、ガラスラン上辺96が延長部96Aを備えている。
【0072】
図11Aに示すように、樹脂枠体44が、固定ウインドウガラス42の外周に取り付けられる。ガラスラン上辺96の延長部96Aと樹脂枠体44とが重なっている。延長部96Aは、第1接続部を構成するクリップ82を備える。樹脂枠体44には第2接続部であるクリップ孔を構成する貫通孔44Aが形成されている。クリップ82は、樹脂枠体44に当接する頭部82Cと、貫通孔44Aを通過する軸部82Bと、貫通孔44Aの径より大きな外径の挿入部82Aと、を備える。クリップ82は、図6に示す第1実施形態のクリップ62と同様の構成を適用できる。第1接続部を構成するクリップ82と、第2接続部であるクリップ孔を構成する貫通孔44Aとにより、ガラスラン90とディビジョンバー付き固定ウインドウガラス40との相対位置を決定できる。なお、延長部96Aの車外側の面に加飾モール96Bを配置してもよい。
【0073】
図11Bに示すように、ガラスラン上辺96の延長部96Aと樹脂枠体44との間に、第3接続部である両面テープ84と、第4接続部である接着台座85とが配置され、両者が接着されている。これにより、第3接続部と第4接続部とが接続される。第1接続部であるクリップ82と第2接続である貫通孔44Aとの接続に加えて、さらに第3接続部の両面テープ84と第4接続部の接着台座85とが接続するので、ガラスラン90とディビジョンバー付き固定ウインドウガラス40とを、より強固に相対位置を決定できる。
【0074】
また、第3実施形態では、第1実施形態と同様に、断面視で、ディビジョンバー46のガイド部の両端が近づく形状により、ガラスラン90の脱落を防止する。したがって、ガラスラン90と、別体であるディビジョンバー付き固定ウインドウガラス40とが精度よく組み立てられ、水密性等の機能を発揮できる。
【0075】
第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態の車両窓用部品13について説明する。第1実施形態から第3実施形態と同様の構成要素には同様の符号を付して、これらの構成要素の説明を省略する場合がある。
【0076】
図12A及びBは、第4実施形態の車両窓用部品13の構造を説明するための図であり、図12Aは、第4実施形態の車両窓用部品の分解図であり、図12Bは、第4実施形態の車両窓用部品の正面視の図である。
【0077】
図12Aに示すように、第4実施形態の車両窓用部品13のガラスラン120は、第1ガラスラン縦辺122と、第2ガラスラン縦辺124と、第1ガラスラン縦辺122及び第2ガラスラン縦辺124を連結するガラスラン上辺126と、を備える。ガラスラン上辺126は、正面視で、第4実施形態の車両窓用部品13の樹脂枠体134と少なくとも一部が重複する位置まで延設された延長部126Aを備える。第4実施形態のガラスラン120は、第3実施形態のガラスラン90と同様の構造である。
【0078】
一方、第4実施形態において、ガラスラン120には、樹脂枠体134に対向する側に一対の面ファスナの一方を構成する第1シート86が、ガラスラン上辺126の延長部126Aに沿って配置される。樹脂枠体134には、第1シート86に対向する側に一対の面ファスナの他方を構成する第2シート87が配置される。
【0079】
第4実施形態のディビジョンバー付き固定ウインドウガラス130は、固定ウインドウガラス132と、固定ウインドウガラス132の外周に取り付けられる樹脂枠体134と、ディビジョンバー136とを含む一体成形品である。
【0080】
第4実施形態のディビジョンバー付き固定ウインドウガラス130は、第3実施形態のディビジョンバー付き固定ウインドウガラス40と同様の構造を有している。固定ウインドウガラス132は、第2実施形態の固定ウインドウガラス32と同様の構成である。樹脂枠体134は、延長部126Aと重なる部分を除き、第3実施形態の樹脂枠体44と基本的には同様の構成である。ディビジョンバー136は、第3実施形態のディビジョンバー46と同様に、断面がC字状のガイド部を有し、ガイド部の断面視において、ガイド部の両端は、互いの距離が近づく形状を有している。
【0081】
ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス130とガラスラン120とは、個別に工場等に搬送され、図12Bに示すように、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス130とガラスラン120とが車両窓用部品13として組み立てられる。なお、延長部126Aの車外側の面に加飾モール(不図示)を配置してもよい。
【0082】
第2ガラスラン縦辺124とディビジョンバー136とは、第1実施形態と同様(図5参照)の態様で取り付けられる。ガラスラン120は、第3実施形態のガラスラン90と同様に、ガラスラン上辺126が延長部126Aを備えている。
【0083】
第4実施形態では、第1シート86及び第2シート87が一対の面ファスナを構成し、一対の面ファスナにより第3接続部及び第4接続部が構成される。
【0084】
第4実施形態は、第3実施形態の図11Bに示す断面構造と同様の断面構造を有している。第4実施形態では、第3実施形態の図11Bにおける両面テープ84と接着台座85に代えて、一対の面ファスナを構成する第1シート86及び第2シート87が配置される。一対の面ファスナ(第1シート86及び第2シート87)は、フックとループとで構成される面ファスナ、デュアルロック面ファスナなど、公知の面ファスナを適用できる。
【0085】
図12Bに示すように、ガラスラン上辺126の延長部126Aと樹脂枠体134との間に、一対の面ファスナにより第3接続部と第4接続部とが構成され、第3接続部と第4接続部とが接続される。
【0086】
第4実施形態では、第3実施形態と同様に、第1接続部であるクリップ(不図示)と第2接続部である樹脂枠体134の貫通孔(不図示)とが接続される。さらに、一対の面ファスナにより第3接続部と第4接続部とが接続され、ガラスラン120とディビジョンバー付き固定ウインドウガラス130とを、より強固に相対位置を決定できる。
【0087】
また、第4実施形態では、第1実施形態と同様に、断面視で、ディビジョンバー136のガイド部の両端が近づく形状により、ガラスラン120の脱落を防止する。したがって、ガラスラン120と、別体であるディビジョンバー付き固定ウインドウガラス130とが精度よく組み立てられ、水密性等の機能を発揮できる。
【0088】
第5実施形態
次に、第5実施形態の車両窓用部品について説明する。第1実施形態から第4実施形態と同様の構成要素には同様の符号を付し、これらの構成要素の説明を省略する場合がある。
【0089】
図13A及びBは、第5実施形態の車両窓用部品14の構造を説明するための図であり、図13Aは、第5実施形態の車両窓用部品の分解図であり、図13Bは、第5実施形態の車両窓用部品の正面視の図である。
【0090】
図13Aに示すように、第5実施形態の車両窓用部品14のガラスラン140は、第1ガラスラン縦辺142と、第2ガラスラン縦辺144と、第1ガラスラン縦辺142及び第2ガラスラン縦辺144を連結するガラスラン上辺146と、を備える。ガラスラン上辺146は、正面視で、第5実施形態の車両窓用部品14の樹脂枠体154と少なくとも一部が重複する位置まで延設された延長部146Aを備える。第5実施形態のガラスラン140は、第4実施形態のガラスラン120と同様の構造である。
【0091】
一方、第5実施形態において、ガラスラン140には、樹脂枠体154に対向する側に接着剤88がガラスラン上辺146の延長部146Aに沿って配置される。樹脂枠体154には、接着剤88に対向する側に接着台座89が配置される。第5実施形態では、接着剤88が、第3接続部を構成し、接着台座89が第4接続部を構成する。接着剤88としては、エポキシ樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、変成シリコン系接着剤、変性シリコン系接着剤、ホットメルト系接着剤を適用してもよい。第3接続部を接着台座89とし、第4接続部を接着剤88としてもよい。接着台座89は、接着剤88との接着力を確保するため平坦な板状部材で構成される。第5実施形態は、第3実施形態の図11A及びBに示す断面構造と、基本的には同様の構造を有している。第5実施形態では、第3実施形態の図11Bにおける両面テープ84と接着台座85に代えて、接着剤88と接着台座89とが配置される。
【0092】
第5実施形態のディビジョンバー付き固定ウインドウガラス150は、固定ウインドウガラス152と、固定ウインドウガラス152の外周に取り付けられる樹脂枠体154と、ディビジョンバー156とを含む一体成形品である。
【0093】
第5実施形態のディビジョンバー付き固定ウインドウガラス150は、第4実施形態のディビジョンバー付き固定ウインドウガラス130と同様の構造を有している。固定ウインドウガラス152は、固定ウインドウガラス132と同様の構成である。樹脂枠体154は、延長部146Aと重なる部分を除き、樹脂枠体134と基本的には同様の構成である。ディビジョンバー156は、ディビジョンバー136と同様に、断面がC字状のガイド部を有し、ガイド部の断面視において、ガイド部の両端は、互いの距離が近づく形状を有している。
【0094】
ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス150とガラスラン140とは、個別に工場等に搬送され、図13Bに示すように、ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス150とガラスラン140とが車両窓用部品14に組み立てられる。なお、延長部146Aの車外側の面に加飾モール(不図示)を配置してもよい。
【0095】
第2ガラスラン縦辺144とディビジョンバー156とは、第1実施形態と同様(図5参照)の態様で取り付けられる。ガラスラン140は、第4実施形態のガラスラン120と同様に、ガラスラン上辺146が延長部146Aを備えている。
【0096】
ガラスラン上辺146の延長部146Aと樹脂枠体154との間に、第3接続部である接着剤88と、第4接続部である接着台座89とが配置され、両者が接着されている。これにより、第3接続部と第4接続部とが接続される。
【0097】
第5実施形態では、第3実施形態と同様に、第1接続部であるクリップ(不図示)と第2接続である樹脂枠体154の貫通孔(不図示)とにより接続される。さらに、第3接続部である接着剤88と第4接続部である接着台座89とが接続され、ガラスラン140とディビジョンバー付き固定ウインドウガラス150とを、より強固に相対位置を決定できる。
【0098】
また、第5実施形態では、第1実施形態と同様に、断面視で、ディビジョンバー156のガイド部の両端が近づく形状により、ガラスラン140の脱落を防止する。したがって、ガラスラン140と、別体であるディビジョンバー付き固定ウインドウガラス150とが精度よく組み立てられ、水密性等の機能を発揮できる。
【0099】
第1実施形態から第5実施形態ではリアサイドドア102について説明したが、本発明に係るディビジョンバー付き固定ウインドウガラスは、フロントサイドドアについても適用できる。第1ガラスラン縦辺がディビジョンバー付き固定ウインドウガラスに装着されてもよい。
なお、2020年11月24日に出願された日本国特願2020-194015号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
【符号の説明】
【0100】
10、11、12、13、14 車両窓用部品、20 ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス、22 固定ウインドウガラス、24 樹脂枠体、24A 第1壁部、24B 第2壁部、24C 連結部、24D 固定部、24E 貫通孔、26 ディビジョンバー、26A 第1壁部、26B 第2壁部、26C 連結部、26D 先端、26E 先端、26F 貫通孔、27 固定部材、28 固定部材、30 ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス、32 固定ウインドウガラス、34 樹脂枠体、34A 貫通孔、36 ディビジョンバー、40 ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス、42 固定ウインドウガラス、44 樹脂枠体、44A 貫通孔、46 ディビジョンバー、50 ガラスラン、52 第1ガラスラン縦辺、54 第2ガラスラン縦辺、54A 第1壁部、54B 第2壁部、54C 連結部、54D 第1リップ、54E 第2リップ、54F リップ、54G リップ、54H リップ、54J 貫通孔、56 ガラスラン上辺、58 前側連結部、60 後側連結部、62 クリップ、62A 挿入部、62B 軸部、62C 頭部、66 ワッシャ、68 接着剤、70 ガラスラン、72 第1ガラスラン縦辺、74 第2ガラスラン縦辺、76 ガラスラン上辺、76A 延長部、76B 加飾モール、80 クリップ、80A カシメ部、80B 軸部、80C 頭部、82 クリップ、82A 挿入部、82B 軸部、82C 頭部、84 両面テープ、85 接着台座、86 第1シート、87 第2シート、88 接着剤、89 接着台座、90 ガラスラン、92 第1ガラスラン縦辺、94 第2ガラスラン縦辺、96 ガラスラン上辺、96A 延長部、96B 加飾モール、100 車両、102 リアサイドドア、102A フレーム、104 窓開口部、106 昇降ウインドウガラス、108 昇降機構、110 ドア用シール部材、112 ボディ、114 ボディ用シール部材、120 ガラスラン、122 第1ガラスラン縦辺、124 第2ガラスラン縦辺、126 ガラスラン上辺、126A 延長部、130 ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス、132 固定ウインドウガラス、134 樹脂枠体、136 ディビジョンバー、140 ガラスラン、142 第1ガラスラン縦辺、144 第2ガラスラン縦辺、146 ガラスラン上辺、146A 延長部、150 ディビジョンバー付き固定ウインドウガラス、152 固定ウインドウガラス、154 樹脂枠体、156 ディビジョンバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13