(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-11-25
(45)【発行日】2025-12-03
(54)【発明の名称】災害関連情報提供システム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/00 20060101AFI20251126BHJP
G08B 21/10 20060101ALI20251126BHJP
G08B 27/00 20060101ALI20251126BHJP
G08B 17/00 20060101ALI20251126BHJP
【FI】
G08B25/00 510H
G08B21/10
G08B27/00 A
G08B17/00 F
G08B17/00 L
(21)【出願番号】P 2021176340
(22)【出願日】2021-10-28
【審査請求日】2024-07-30
(73)【特許権者】
【識別番号】508218383
【氏名又は名称】アールシーソリューション株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】栗山 章
(72)【発明者】
【氏名】小池 瞳
(72)【発明者】
【氏名】大本 凜
(72)【発明者】
【氏名】増田 誠良
(72)【発明者】
【氏名】今井 大貴
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-114992(JP,A)
【文献】特開2016-206848(JP,A)
【文献】特開2016-081308(JP,A)
【文献】特開2017-146851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 19/00-31/00
G08B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の地域の自然災害の発生に関
して外部より取得される自然災害イベント情報を
用いて、当該地域に属する施設ごとの個別自然災害イベント情報であって、上記施設を特定する情報が含まれる個別自然災害イベント情報を生成する自然警報災害警報システムより、通信ネットワークを介して
上記個別自然災害イベント情報を取得する
個別自然災害イベント情報取得部と、
上記施設の火災を監視する火災報知設備から、当該監視の結果に応じた火災イベント情報
であって、上記施設を特定する情報が含まれる火災イベント情報を取得する火災イベント情報取得部と、
複数の上記施設のうち何れかの施設に関して上記
個別自然災害イベント情報取得部および上記火災イベント情報取得部の少なくとも一方により上記
個別自然災害イベント情報および上記火災イベント情報の少なくとも一方が取得された場合、上記自然災害に関して
上記何れかの施設に報知すべき内容の自然災害関連情報および上記火災に関して
上記何れかの施設に報知すべき内容の火災関連情報の少なくとも一方を生成することにより、
上記何れかの施設について上記自然災害関連情報および上記火災関連情報の少なくとも一方が含まれる災害関連情報を生成する災害関連情報生成部と、
上記
災害関連情報生成部により
上記何れかの施設について生成された上記災害関連情報を
、上記何れかの施設に関連付けられた端末に送信する災害関連情報送信部とを備え、
上記災害関連情報生成部は、
同一の施設において、上記個別自然災害イベント情報に関するイベント発生時点からの所定時間と、上記火災イベント情報に関するイベント発生時点からの所定時間とが重複している期間中は、上記
個別自然災害イベント情報に関する上記自然災害による影響と上記火災イベント情報に関する上記火災による影響とが同時に生じていると推認
し、上記自然災害による影響と上記火災による影響とが同時に生じていると推認した場合に、上記自然災害関連情報および上記火災関連情報の両方が上記端末において同時に表示されるように構成した上記災害関連情報を生成する
ことを特徴とする災害関連情報提供システム。
【請求項2】
上記災害関連情報生成部は、上記自然災害関連情報および上記火災関連情報の両方が上記端末において同時に表示されるように構成した上記災害関連情報を生成する場合、上記自然災害関連情報と上記火災関連情報とを互いに識別可能に構成した上記災害関連情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の災害関連情報提供システム。
【請求項3】
上記自然災害関連情報および上記火災関連情報はそれぞれ避難誘導方向に関する情報を含み、
上記災害関連情報生成部は、上記自然災害関連情報の避難誘導方向と上記火災関連情報の避難誘導方向とが競合する場合に、競合があることを示す情報を含んだ上記災害関連情報を生成する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の災害関連情報提供システム。
【請求項4】
上記災害関連情報生成部は、上記自然災害関連情報の避難誘導方向と上記火災関連情報の避難誘導方向とが競合する場合に、競合があることを示す情報を含む一方で上記避難誘導方向の情報を含まない第1の災害関連情報と、上記自然災害関連情報の避難誘導方向と上記火災関連情報の避難誘導方向とを含む第2の災害関連情報とを生成し、
上記災害関連情報送信部は、上記第1の災害関連情報を送信した後、上記第1の災害関連情報が送信された上記端末のユーザから表示要求を受けたときに、上記第2の災害関連情報を送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の災害関連情報提供システム。
【請求項5】
上記自然災害関連情報および上記火災関連情報はそれぞれ避難誘導方向に関する情報を含み、
上記災害関連情報生成部は、上記自然災害関連情報の避難誘導方向と上記火災関連情報の避難誘導方向とが競合する場合に、競合する部分の情報を他の情報と識別可能に構成した上記災害関連情報を生成する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の災害関連情報提供システム。
【請求項6】
上記災害関連情報生成部は、上記災害関連情報に含まれる情報のうち何れかに対して優先表示の設定を行い、優先表示が設定された情報が他の情報に比べて優先的に表示されるように構成した上記災害関連情報を生成することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の災害関連情報提供システム。
【請求項7】
上記災害関連情報生成部は、上記自然災害イベント情報および上記火災イベント情報の少なくとも一方の内容に基づいて、
所定の関数により優先度スコアを算出し、当該優先度スコアが閾値を超える場合に、所定の災害関連情報を優先表示の対象として設定することを特徴とする請求項6に記載の災害関連情報提供システム。
【請求項8】
上記災害関連情報生成部は、
上記所定の災害関連情報を上記優先表示の対象として設定した後、上記自然災害による影響および上記火災による影響の少なくとも一方が生じていると推認され
た影響継続時間から更に所定時間が経過したときに、上記優先表示の設定
を解除することを特徴とする請求項
7に記載の災害関連情報提供システム。
【請求項9】
上記
個別自然災害イベント情報取得部により上記
個別自然災害イベント情報が取得される一方、上記火災イベント情報取得部により上記火災イベント情報が取得されていない場合に、上記火災報知設備による上記監視の結果の報告要求を上記火災報知設備に向けて発行し、当該報告要求に対する応答として、上記監視の結果を示す監視情報を取得する監視情報取得部を更に備え、
上記災害関連情報生成部は、上記監視情報取得部により上記監視情報が取得された場合、当該監視情報に基づいて上記火災関連情報を生成するとともに、上記
個別自然災害イベント情報取得部により取得された上記
個別自然災害イベント情報に基づいて上記自然災害関連情報を生成し、上記自然災害関連情報および上記火災関連情報の両方が含まれる上記災害関連情報を生成する
ことを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の災害関連情報提供システム。
【請求項10】
上記災害関連情報生成部は、上記端末のユーザの属性に応じて異なる内容の属性別の災害関連情報を生成し、
上記災害関連情報送信部は、上記災害関連情報生成部により生成された上記属性別の災害関連情報を、上記ユーザの属性が合致する端末に送信する
ことを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の災害関連情報提供システム。
【請求項11】
上記災害関連情報送信部は、上記端末に加えて、施設に設置されたデジタルサイネージに上記災害関連情報を送信することを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の災害関連情報提供システム。
【請求項12】
上記災害関連情報生成部は、上記端末と上記デジタルサイネージとで異なる内容の災害関連情報を生成し、
上記災害関連情報送信部は、上記災害関連情報生成部により生成された上記異なる内容の災害関連情報を、上記端末および上記デジタルサイネージに送信する
ことを特徴とする請求項11に記載の災害関連情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害関連情報提供システムに関し、特に、自然災害に関して報知すべき内容の自然災害関連情報および火災に関して報知すべき内容の火災関連情報の少なくとも一方を提供するシステムに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地震や洪水、台風などの自然災害が発生したときに、気象庁または気象庁と連携した気象業務支援センタから、各放送局や通信業者(携帯電話運営者など)に警報情報を送信し、当該警報情報に基づいてテレビやラジオ、携帯電話、スマートフォン等の端末に対して警報を通知することが行われている。ここで、警報の対象が所定範囲の地域のみに限定されている場合、対象地域内にある端末に対してのみ警報が通知される。このため、対象地域内にある建物の管理者が対象地域外の遠隔地にいる場合、管理者の端末には警報が通知されないという課題があり、対象地域に対する警報を、遠隔地にいる管理者の端末にも通知することが求められている。
【0003】
一方、建物に設置された火災報知設備により火災の発生を検知したときに、警報音を鳴らしたり、建物内にある防災センタに警報情報を通知したりするシステムも存在する。しかしながら、この種のシステムにおいても、建物の外にいる管理者の端末には警報が通知されないという課題があり、建物の火災報知設備により発せられた警報を、建物外にいる管理者の端末にも通知することが求められている。
【0004】
なお、地震発生に基づく緊急情報と、火災発生に基づく緊急情報とを通信ネットワークを介して端末に送信し、これらの緊急情報を端末に表示するようにしたシステムが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0005】
特許文献1に記載の緊急情報ネットワーク表示システムでは、緊急地震速報、火災報知器の警報などの緊急情報に係る外部信号をサーバで受け、ネットワーク上のクライアント端末に音声と画像(地震発生や火災発生を報知する画像、火災発生場所を報知する画像、防災行動を促す画像など)の表示命令信号を送信することにより、クライアント端末に緊急情報を表示して伝える。
【0006】
特許文献2に記載のネットワーク型緊急避難誘導システムでは、Jアラート受信設備または地震検知器と、ホテル等の宿泊施設内に設置された火災報知設備とから発せされた地震発生・火災発生等の緊急情報をサーバにてHTTPプロトコルに変換し、HTTPプロトコルに変換された緊急情報を施設利用者のタブレットにプッシュ通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2010-113472号公報
【文献】特開2021-15542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1,2には、地震発生が検知されている場合には地震発生に基づく緊急情報が表示される一方、火災発生が検知されている場合には火災発生に基づく緊急情報が表示されることが記載されている。しかしながら、地震と火災の両方が発生している場合は、緊急情報を具体的にどのように表示するかについての詳細は記載されていない。例えば、火災発生中に地震が発生することは十分に考えられるとともに、地震により火災が発生することも十分に考えられる。このような場合には、地震に関する情報と火災に関する情報とを適切に提供することが求められる。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、地震等の自然災害と火災との両方が発生している場合に、自然災害関連情報と火災関連情報とを適切に提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決するために、本発明では、通信ネットワークを介して外部より取得される自然災害イベント情報と、所定の監視領域の火災を監視する火災報知設備から取得される火災イベント情報との少なくとも一方に基づいて、自然災害に関して報知すべき内容の自然災害関連情報および火災に関して報知すべき内容の火災関連情報の少なくとも一方が含まれる災害関連情報を生成し、端末に送信する。ここで、自然災害イベント情報に関する自然災害による影響と火災イベント情報に関する火災による影響とが同時に生じていると推認される場合に、自然災害関連情報および火災関連情報の両方が端末において同時に表示されるように構成した災害関連情報を生成するようにしている。
【発明の効果】
【0011】
上記のように構成した本発明によれば、例えば、火災発生中に地震が発生した場合や、地震の発生が原因で火災が発生した場合などのように、火災による影響と自然災害による影響とが同時に生じていると推認される場合に、火災に関して報知すべき内容の火災関連情報と、自然災害に関して報知すべき内容の自然災害関連情報の両方が端末において同時に表示されるようになる。これにより、端末のユーザは、表示された災害関連情報をもとに、火災と自然災害との両方に対して適切な行動を迅速に行うことが可能となる。このように、本発明によれば、火災と地震等の自然災害との両方が発生している場合に、端末のユーザが適切な行動を起こすことが可能となるような火災関連情報と自然災害関連情報とを適切に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態による災害関連情報提供システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態による自然災害警報システムの機能構成例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態による災害情報統合システムの機能構成例を示す図である。
【
図4】地震関連情報のみを含む災害関連情報の一例を示す図である。
【
図5】火災関連情報のみを含む災害関連情報の一例を示す図である。
【
図6】地震関連情報および火災関連情報の両方を含んだ災害関連情報の一例を示す図である。
【
図7】避難誘導方向の情報を含まない第1の災害関連情報の一例を示す図である。
【
図8】第1の実施形態の変形例5による災害情報統合システムの機能構成例を示す図である。
【
図9】第2の実施形態による災害関連情報提供システムの全体構成例を示す図である。
【
図10】第2の実施形態による災害情報統合システムの機能構成例を示すブロック図である。
【
図11】第3の実施形態による災害関連情報提供システムの全体構成例を示す図である。
【
図12】第3の実施形態による災害情報統合システムの機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第1の実施形態による災害関連情報提供システムの全体構成例を示す図である。
図1に示すように、第1の実施形態による災害関連情報提供システム1は、自然災害警報システム10、火災報知設備20および災害情報統合システム30を備えて構成される。
【0014】
自然災害警報システム10は、地震や津波、洪水、台風などの自然災害が発生したときに、気象庁と連携した気象業務支援センタやJアラートシステムなどから、自然災害の発生に関する自然災害イベント情報を取得し、所定の領域単位のイベント情報を生成して災害情報統合システム30に提供する。所定の領域単位は、例えば施設単位である。施設は、1つの建物であってもよいし、複数の建物を含む総合施設であってもよい。
【0015】
すなわち、自然災害警報システム10は、特定の地域の自然災害の発生に関する自然災害イベント情報を取得したとき、その地域に属する施設ごとに自然災害イベント情報を生成し、各施設をユニークに識別可能な施設IDと共に災害情報統合システム30に提供する。この自然災害警報システム10の具体的な構成および自然災害イベント情報の詳細については後述する。
【0016】
火災報知設備20は、通信機21および火災受信機22を備えるとともに、所定の監視領域に複数の感知器23-1,23-2,・・・および複数の発信機24-1,24-2,・・・等の火災端末とを備え、伝送線等を介して火災端末と接続される火災受信機22が所定の監視領域の火災を監視する。所定の監視領域は、例えば施設単位の領域である。複数の火災端末は、1つの施設内の異なる場所に設置されている。例えば、複数の火災端末は、施設内の各部屋、廊下などに設置されている。個々の火災端末には担当の監視領域があり、複数の火災端末によって施設単位の監視領域をカバーしている。
【0017】
複数の感知器23-1,23-2,・・・は、煙濃度等の火災に関する所定の物理量を検出し、火災受信機22に定期的に送信する。また、複数の発信機24-1,24-2,・・・は、火災発生時に操作されて、発信機24-1,24-2,・・・が操作されたことを示す信号を、火災受信機22に定期的に送信する。火災受信機22は、複数の感知器23-1,23-2,・・・の中の何れか1つまたは複数から受信した所定の物理量が火災の発生(火災の予兆の発生を含んでもよい)の条件を満たした場合、所定の領域単位の発災情報である火災イベント情報を生成し、通信機21を介して施設IDと共に災害情報統合システム30に提供する。また、火災受信機22は、複数の発信機24-1,24-2,・・・の中の何れか1つまたは複数から発信機24-1,24-2,・・・の操作信号を受信した場合、所定の領域単位の発災情報である火災イベント情報を生成し、通信機21を介して施設IDと共に災害情報統合システム30に提供する。この火災イベント情報は、例えば、火災が発生したことまたは火災発生の予兆があることを示すフラグ情報、火災の発生場所などの情報を含む。また、火災報知設備20は、火災復旧が完了したとき(火災が解消または非火災であることを確認できるとき)に、復旧完了の火災イベント情報を発行し、災害情報統合システム30に提供する。
【0018】
火災イベント情報に関する所定の領域単位も自然災害イベント情報の場合と同様、例えば施設単位である。施設は、1つの建物であってもよいし、複数の建物を含む総合施設であってもよい。火災報知設備20が使用する施設IDは、自然災害警報システム10が使用する施設IDと共用されており、同じ施設には同じ施設IDが割り振られている。
【0019】
災害情報統合システム30は、複数の施設への対応を行う災害情報統合サーバ30Aと、施設ごとに設けられる端末情報提供サーバ30Bとによって構成される。災害情報統合サーバ30Aと端末情報提供サーバ30Bとの間は、例えばインターネットなどの通信ネットワークにより接続されている。
【0020】
災害情報統合サーバ30Aは、自然災害警報システム10から施設単位の自然災害イベント情報を取得するとともに、火災報知設備20から施設単位の火災イベント情報を取得する。端末情報提供サーバ30Bは、災害情報統合サーバ30Aが自然災害イベント情報および火災イベント情報の少なくとも一方を取得した場合、自然災害に関して報知すべき内容の自然災害関連情報および火災に関して報知すべき内容の火災関連情報の少なくとも一方を生成し、自然災害関連情報および火災関連情報の少なくとも一方が含まれる災害関連情報をユーザ端末41,42,43に送信する。災害情報統合システム30の具体的な構成については後述する。
【0021】
ユーザ端末41,42,43は、災害情報統合システム30から災害関連情報を受信してディスプレイに表示する端末であり、例えばスマートフォン、タブレットまたはパーソナルコンピュータにより構成される。ユーザ端末41,42,43を使用するユーザは、施設の管理者、施設の巡回警備員などである。以下では説明の便宜上、第1のユーザ端末41を管理者が使用し、第2のユーザ端末42を建物の1階を管轄する巡回警備員が使用し、第3のユーザ端末43を建物の2階を管轄する巡回警備員が使用するものとして説明する。なお、ユーザ端末41,42,43を使用するユーザは、施設専用のアプリケーションをインストールした施設利用者であってもよい。
【0022】
図2は、第1の実施形態による自然災害警報システム10の機能構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、自然災害警報システム10は、機能構成として、自然災害イベント情報取得部11、施設単位イベント情報生成部12および施設単位イベント情報送信部13を備えている。また、自然災害警報システム10は、記憶媒体として、施設情報記憶部100を備えている。
【0023】
上記機能ブロック11~13は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記機能ブロック11~13は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記憶媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0024】
自然災害イベント情報取得部11は、火災以外の自然災害の発生に関する自然災害イベント情報を、通信ネットワークを介して外部より取得する。外部とは、気象業務支援センタやJアラートシステムである。自然災害は、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象により生ずる被害のことであり、本実施形態ではこれらの何れも適用し得る。なお、以下では自然災害の一例として、地震および地震に伴って発生する津波をとりあげて説明する。
【0025】
自然災害イベント情報取得部11が外部から取得する自然災害イベント情報(以下、地震イベント情報として説明する)は、気象庁が発表する地震情報(緊急地震速報、地震速報その他の情報を含む)であり、地震の発生場所(震源地)、地震の規模(マグニチュード)、所定地域ごとの予想震度および地震予想到達時刻、津波の発生の可能性の有無、津波の高さおよび津波予想到達時刻などの情報を含む。予想震度および地震予想到達時刻、津波の発生の可能性の有無、津波の高さおよび津波予想到達時刻は地域単位の情報である。以下では、自然災害イベント情報取得部11が外部より取得する地震イベント情報を地域単位の地震イベント情報という。
【0026】
施設単位イベント情報生成部12は、自然災害イベント情報取得部11により取得された地域単位の地震イベント情報に基づいて、施設単位の地震イベント情報を生成する。施設単位イベント情報生成部12は、施設単位の地震イベント情報を生成する際に、施設情報記憶部100に記憶されている施設情報を参照する。施設情報は、例えば、各施設の施設IDと、各施設の名称情報と、各施設が存在する場所を示す位置情報と含んだデータベース情報である。施設単位イベント情報生成部12は、地域単位の地震イベント情報において示される地域ごとに、各地域内に存在する施設を施設情報記憶部100のデータベース情報から抽出し、抽出した各施設について施設単位の地震イベント情報を生成する。
【0027】
施設単位の地震イベント情報は、例えば、地震の発生場所、地震の規模、施設ごとの予想震度および地震予想到達時刻の情報を含み、沿岸地域に属する施設の場合は更に津波の発生の可能性の有無、津波の高さおよび津波予想到達時刻などの情報を含むものとすることが可能である。
【0028】
例えば、地域単位の地震イベント情報に地域Aの情報が含まれている場合、施設単位イベント情報生成部12は、地域Aに存在する施設を施設情報記憶部100のデータベース情報から抽出し、抽出した各施設について、地域Aに関する予想震度および地震予想到達時刻(地域Aが沿岸地域の場合は更に津波の発生の可能性の有無、津波の高さおよび津波予想到達時刻)を含む施設単位の地震イベント情報を生成する。地域単位の地震イベント情報に地域Aの他に地域Bの情報が含まれている場合、地域Bに存在する施設についても同様に施設単位の地震イベント情報を生成する。
【0029】
この例では、地域Aに存在する複数の施設については、施設単位の地震イベント情報は全て同じ内容となる。この場合、複数の施設ごとに同じ内容の地震イベント情報を生成するようにしてもよいし、1つの地震イベント情報に対して複数の施設のリスト情報を付加するようにしてもよい。リスト情報は、例えば施設IDまたは施設の名称情報により構成することが可能である。地域Bに存在する複数の施設に関する施設単位の地震イベント情報についても同様である。
【0030】
なお、施設単位イベント情報生成部12は、地域単位の地震イベント情報に含まれる地震の発生場所および地震の規模と、施設情報記憶部100に記憶されている施設の位置情報とに基づいて、施設ごとの予想震度および地震予想到達時刻を計算するようにしてもよい。同様に、施設単位イベント情報生成部12は、地域単位の地震イベント情報に含まれる津波の高さおよび津波予想到達時刻と、施設情報記憶部100に記憶されている施設の位置情報とに基づいて、施設ごとの予想津波高さおよび津波予想到達時刻を計算するようにしてもよい。このようにした場合、地域Aに存在する複数の施設に関して生成される施設単位の地震イベント情報は、施設ごとに内容が異なり得るものとなる。地域Bに存在する複数の施設に関して生成される施設単位の地震イベント情報についても同様である。
【0031】
施設単位イベント情報送信部13は、施設単位イベント情報生成部12により生成された施設単位の地震イベント情報を、例えば施設IDと共に災害情報統合システム30の災害情報統合サーバ30Aに送信する。自然災害警報システム10と災害情報統合サーバ30Aとの間は、例えばインターネットまたはLAN(Local Area Network)などの通信ネットワークにより接続されている。
【0032】
図3は、第1の実施形態による災害情報統合システム30の機能構成例を示す図である。
図3に示すように、災害情報統合システム30は、機能構成として、個別自然災害イベント情報取得部31、火災イベント情報取得部32、災害関連情報生成部33および災害関連情報送信部34を備えている。また、災害情報統合システム30は、記憶媒体として、施設情報記憶部301および通知先情報記憶部302を備えている。災害情報統合サーバ30Aは、個別自然災害イベント情報取得部31および火災イベント情報取得部32を備え、端末情報提供サーバ30Bは、災害関連情報生成部33、災害関連情報送信部34、施設情報記憶部301および通知先情報記憶部302を備えている。
【0033】
上記機能ブロック31~34は、ハードウェア、DSP、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記機能ブロック31~34は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0034】
個別自然災害イベント情報取得部31は、自然災害警報システム10から施設単位の地震イベント情報を取得する。火災イベント情報取得部32は、火災報知設備20から施設単位の火災イベント情報(火災報知設備20による監視の結果に応じた火災イベント情報)を取得する。
【0035】
災害関連情報生成部33は、個別自然災害イベント情報取得部31および火災イベント情報取得部32の少なくとも一方により地震イベント情報および火災イベント情報の少なくとも一方が取得された場合、地震に関して報知すべき内容の地震関連情報(特許請求の範囲の自然災害関連情報の一態様に相当)および火災に関して報知すべき内容の火災関連情報の少なくとも一方を生成することにより、地震関連情報および火災関連情報の少なくとも一方が含まれる災害関連情報を生成する。ここで、個別自然災害イベント情報取得部31により地震イベント情報が取得されるのは、自然災害警報システム10の自然災害イベント情報取得部11により地震イベント情報が取得された場合である。
【0036】
災害関連情報生成部33は、個別自然災害イベント情報取得部31により地震イベント情報が取得されているだけの場合は、地震関連情報のみを生成し、これを災害関連情報として災害関連情報送信部34に出力する。一方、災害関連情報生成部33は、火災イベント情報取得部32により火災イベント情報が取得されているだけの場合は、火災関連情報のみを生成し、これを災害関連情報として災害関連情報送信部34に出力する。
【0037】
ここで、地震関連情報は、施設単位の地震イベント情報に含まれる地震の発生場所、地震の規模、予想震度および地震予想到達時刻、津波の発生の可能性の有無、津波の高さおよび津波予想到達時刻の一部または全部の情報を含む。地震関連情報は、以上の情報に加えて、地震発生時に行うべき対策情報を含んでもよい。対策情報は、例えば、地震発生時に施設訪問者に身の安全を確保させるためにとるべき行動、2次災害の発生を防ぐためにとるべき行動、避難誘導の仕方などに関する情報である。この対策情報は、文字のみによる情報であってもよいし、イラストや、イラストと文字との組み合わせによる情報であってもよい。
【0038】
避難誘導の仕方に関する情報は、施設内の避難誘導方向に関する情報を含んでもよい。施設内の避難誘導方向に関する情報は、施設のレイアウトを示す施設レイアウト画像の上に、避難誘導方向を示す矢印画像を重ねて描画したものとしてもよい。災害関連情報生成部33は、このような避難誘導方向に関する情報を生成する際に、施設情報記憶部301に記憶されている施設情報を参照する。この施設情報は、例えば、各施設の施設ID、施設の種類、規模、施設レイアウト画像、施設の構造などの情報を含んだデータベース情報である。施設の構造に関する情報は、施設内の各場所から出口または非常口までの経路を特定可能に構成された情報であり、各部屋や各廊下、各階段、出口、非常口などが存在する位置を示すレイアウト情報を含む。
【0039】
災害関連情報生成部33は、個別自然災害イベント情報取得部31から取得した施設IDをもとにデータベース情報から施設レイアウト画像を取得し、これに避難誘導方向の矢印画像を重ねることにより、避難誘導方向に関する情報を生成する。ここで用いる矢印画像は、施設内の所定の位置から出口または非常口へ向かう方向の矢印画像とすることが可能である。施設が複数階の構造を有する場合、階ごとの施設レイアウト画像の所定位置にそれぞれ矢印画像を重ねることにより、避難誘導方向に関する情報を生成するようにしてもよい。
【0040】
図4は、地震関連情報のみを含む災害関連情報の一例を示す図である。
図4は、スマートフォンの画面に表示される状態の災害関連情報を示しており、ユーザによるスクロールを通じて災害関連情報の全体が表示される。
図4に示す例では、地震が発生したことを知らせるメッセージに続けて、震源地、マグニチュード、予想震度、地震予想到達時刻、津波発生の可能性がテキストで最上部に表示されている。そして、このテキストの下に、地震発生時に施設訪問者に身の安全を確保させるためにとるべき行動および2次災害の発生を防ぐためにとるべき行動がテキストで表示されるとともに、更にその下に避難誘導方向に関する画像が表示される。
図4の例では、施設が複数階を有する建物であり、各階の施設レイアウト画像の上に避難誘導方向を示す矢印画像が重ねて表示されている。
【0041】
火災関連情報は、施設単位の火災イベント情報に含まれるフラグ情報に基づき生成される火災発生または火災発生の予兆を知らせる報知情報、火災の発生場所情報を含む。この火災関連情報は、以上の情報に加えて、火災発生時に行うべき対策情報を含んでもよい。対策情報は、例えば、火災発生時に施設訪問者に身の安全を確保させるためにとるべき行動、2次災害の発生を防ぐためにとるべき行動、避難誘導の仕方などに関する情報である。この対策情報は、文字のみによる情報であってもよいし、イラストや、イラストと文字との組み合わせによる情報であってもよい。
【0042】
避難誘導の仕方に関する情報は、施設内の避難誘導方向に関する情報を含んでもよい。施設内の避難誘導方向に関する情報は、施設のレイアウトを示す施設レイアウト画像の上に、避難誘導方向の矢印画像を重ねて描画したものとしてもよい。上述した地震関連情報の場合、避難誘導方向を示す矢印画像は、施設レイアウト画像の所定の位置から出口または非常口へ向かう方向を示す画像であると説明した。これに対し、火災関連情報の場合は、施設内の火災発生場所(火災イベント情報に含まれる)から出口または非常口までの経路を案内するような避難誘導方向が示されるように矢印画像を施設レイアウト画像に重ねることにより、避難誘導方向に関する情報を生成する。
【0043】
図5は、火災関連情報のみを含む災害関連情報の一例を示す図である。
図5に示す例では、火災が発生したことを知らせるメッセージと火災発生場所とがテキストで最上部に表示される。そして、このテキストの下に、火災発生時に施設訪問者に身の安全を確保させるためにとるべき行動および2次災害の発生を防ぐためにとるべき行動がテキストで表示されるとともに、更にその下に避難誘導方向に関する画像が表示される。
図4と同様、各階の施設レイアウト画像の上に避難誘導方向を示す矢印画像が重ねて表示される。
【0044】
また、災害関連情報生成部33は、個別自然災害イベント情報取得部31により地震イベント情報が取得されるとともに、火災イベント情報取得部32により火災イベント情報が取得され、地震イベント情報に関する地震による影響(津波による影響を含む)と火災イベント情報に関する火災による影響とが同時に生じていると推認される場合に、地震関連情報および火災関連情報の両方がユーザ端末41,42,43において同時に表示されるように構成した災害関連情報を生成する。
【0045】
地震または火災による影響とは、例えば、地震または火災が施設に及ぼす影響を意味する。地震が施設に及ぼす影響は、施設に揺れが生じ、それによって破損や倒壊などの被害が生じる恐れがあることである。また、火災が施設に及ぼす影響は、施設が燃えていることである。また、地震または火災による影響として、地震または火災の発生に伴ってユーザ端末41,42,43のユーザが何らかの行動を行うべき状況を含めてもよい。ユーザが行うべき行動とは、施設訪問者に身の安全を確保させるためにとるべき行動、2次災害の発生を防ぐためにとるべき行動、安全な場所への避難誘導などである。したがって、地震による影響と火災による影響とが同時に生じている状況は、地震発生時および火災発生時からある程度の時間長さをもって継続する。
【0046】
例えば、災害関連情報生成部33は、地震による影響が生じている状況が地震発生時から所定時間であると推定するとともに、火災による影響が生じている状況が火災発生時から所定時間であると推定し、それらの推定した各時間が重複している期間中は、地震による影響と火災による影響とが同時に生じていると推認する。
【0047】
なお、地震または火災が施設に影響を及ぼしている時間は、地震の状況や火災の状況、施設の位置や規模、構造などによって異なり得る。また、施設訪問者に身の安全を確保させるためにとるべき行動、2次災害の発生を防ぐためにとるべき行動、安全な場所への避難誘導に必要となる所要時間も、地震の状況や火災の状況、施設の種類や規模などによって異なり得る。そこで、災害関連情報生成部33は、地震イベント情報または火災イベント情報で示される地震の状況や火災の状況、施設情報記憶部301に記憶されている施設の種類や規模などに応じて、地震または火災による影響が生じていると推定する所定時間の長さを所定の関数に基づいて計算するようにしてもよい。
【0048】
図6は、地震関連情報および火災関連情報の両方を含んだ災害関連情報の一例を示す図である。
図6の例では、地震が発生したことおよび火災が発生したことを知らせるメッセージに続けて、地震に関する情報(震源地、マグニチュード、予想震度、地震予想到達時刻、津波発生の可能性)と、火災に関する情報(火災発生場所)とがテキストで最上部に表示される。そして、このテキストの下に、地震発生時や火災発生時に施設訪問者に身の安全を確保させるためにとるべき行動および2次災害の発生を防ぐためにとるべき行動がテキストで表示されるとともに、更にその下に避難誘導方向に関する画像が表示される。
【0049】
本実施形態において、災害関連情報生成部33は、
図6のように地震関連情報および火災関連情報の両方がユーザ端末41,42,43において同時に表示されるように構成した災害関連情報を生成する場合、地震関連情報と火災関連情報とを互いに識別可能に構成した災害関連情報を生成するようにしてもよい。このようにすれば、同時に表示される地震関連情報と災害関連情報について、どれが地震関連情報で、どれが災害関連情報であるかをユーザが容易に認識することが可能となる。
【0050】
例えば、
図6のように地震関連情報と火災関連情報とを同じエリアに表示しつつ、両者を文字色または背景色の違いで識別可能とする。地震関連情報に関して、地震に関する情報と津波に関する情報とを更に識別可能にしてもよい。また、
図6に例示するように、施設レイアウト画像上に重ねて表示させる避難誘導方向の矢印画像について、地震関連情報に関する矢印画像61A~61Dと、火災関連情報に関する矢印画像62A~62Dとで表示態様(色、模様、形状など)を異ならせるようにしてもよい。
【0051】
別の例として、地震関連情報を表示するエリアと火災関連情報を表示するエリアとをそれぞれ独立して設け、各エリアを同時に確認可能とするようにしてもよい。例えば、表示エリアを左右または上下に2分割して地震関連情報と火災関連情報とを同時に表示する。
【0052】
災害関連情報生成部33は、以上のように生成した災害関連情報を災害関連情報送信部34に供給し、ユーザ端末41,42,43への送信を指示する。このとき災害関連情報生成部33は、通知先情報記憶部302に記憶されている通知先情報を参照し、災害関連情報を送信すべきユーザ端末41,42,43のアドレス情報を特定する。通知先情報は、例えば、各施設の施設IDと、施設IDごとに関連付けられたユーザ端末41,42,43のアドレス情報と、ユーザ端末41,42,43を使用するユーザの属性(施設の管理者および巡回警備員の何れか)と含んだデータベース情報である。災害関連情報生成部33は、個別自然災害イベント情報取得部31または火災イベント情報取得部32から取得した施設IDをもとに通知先情報記憶部302を参照することにより、災害関連情報を送信すべきユーザ端末41,42,43のアドレス情報を特定し、このアドレス情報と共に災害関連情報を災害関連情報送信部34に供給する。
【0053】
災害関連情報送信部34は、災害関連情報生成部33により生成された災害関連情報を、災害関連情報生成部33により特定されたアドレス情報のユーザ端末41,42,43に対し、通信ネットワークを介して送信する。災害情報統合システム30とユーザ端末41,42,43との間は、例えばインターネットまたは携帯電話網などの通信ネットワークにより接続されている。災害情報統合システム30から災害関連情報を受信したユーザ端末41,42,43では、当該災害関連情報をディスプレイに表示する。
【0054】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態によれば、火災発生中に地震が発生した場合や、地震の発生が原因で火災が発生した場合などのように、自然災害による影響と火災による影響とが同時に生じていると推認される場合に、自然災害に関して報知すべき内容の自然災害関連情報と、火災に関して報知すべき内容の火災関連情報との両方がユーザ端末41,42,43において同時に表示されるようになる。これにより、ユーザ端末41,42,43のユーザは、表示された災害関連情報をもとに、地震と火災との両方に対して適切な行動を迅速に行うことが可能となる。地震以外の自然災害についても同様である。このように、本実施形態によれば、地震等の自然災害と火災との両方が発生している場合に、ユーザ端末41,42,43のユーザが適切な行動を起こすことが可能となるような自然災害関連情報と火災関連情報とを適切に提供することができる。
【0055】
<第1の実施形態の変形例1>
なお、上記第1の実施形態において、災害関連情報として表示する種々の情報のうち何れかに対して優先表示の設定を行い、その設定に従って表示を制御するようにしてもよい。この場合、災害関連情報生成部33は、優先対象の情報に対して優先表示の設定を付与した災害関連情報を生成し、災害関連情報送信部34がこの設定付きの災害関連情報をユーザ端末41,42,43に送信する。ここで、優先表示の対象とする情報は、例えば災害関連情報生成部33にあらかじめ設定されている。あるいは、管理者が使用するユーザ端末41から災害情報統合システム30にアクセスすることによって、優先表示の設定を行うことができるようにしてもよい。
【0056】
例えば、最優表示の対象に設定された情報(例えば、地震予想到達時刻、津波予想到達時刻、火災発生場所など)については、スクロールアウトせずに画面上に表示され続けるようにしてもよい。優先表示の対象に設定された情報が複数存在する場合、それらを何れも同時に優先表示するようにしてもよいし、あらかじめ設定しておいた優先順位に従って1つずつ表示するようにしてもよい。1つずつ表示するとは、優先順位が上位のものから順に1つのみを表示し、ユーザが次の情報の表示を指示する操作を行ったときに、次の優先順位の情報を表示するということである。
【0057】
優先順位を設定する場合、優先度の高い地震情報(地震予想到達時刻、津波予想到達時刻など)を優先表示情報の中でも優先度の高い最優先表示情報に設定するのが好ましい。すなわち、予想の報知から実際に地震や津波が発生するまでの猶予時間が短時間であること、速やかな身を守る対応により、大きく被害を減らすことが可能であることなどから、地震予想到達時刻、津波予想到達時刻などを最優先表示情報に設定するのが好ましい。
【0058】
また、ユーザが優先表示の設定をすることに代えて、地震イベント情報および火災イベント情報の内容に基づいて、優先表示の設定を動的に行うようにしてもよい。例えば、災害関連情報生成部33は、地震イベント情報に含まれるマグニチュードおよび震源地と、施設情報記憶部301に記憶されている施設の位置情報(震源地から施設までの距離が計算される)に基づいて、所定の関数により優先度スコアを算出し、当該優先度スコアが閾値を超える場合に、何れかの地震情報を優先表示の対象として設定するようにする。火災イベント情報についても同様に優先度スコアを算出し、当該優先度スコアが閾値を超える場合に、何れかの情報を優先表示の対象として設定するようにする。
【0059】
ここで、火災関連情報に関しては、火災復旧するまで(火災が解消または非火災であることを確認できるまで)は、最も古い優先表示情報を優先的に表示するようにしてもよい。これは、火災の第一報目を把握することで、火点の把握を容易にするためである。この場合、災害関連情報生成部33は、火災関連情報のうち何れかの情報に対して優先表示の設定を付与した災害関連情報を生成した後、火災イベント情報取得部32が火災報知設備20から火災復旧の火災イベント情報を受信するまでは、火災イベント情報取得部32が火災報知設備20から取得する何れの火災イベント情報についても、優先表示の設定を付与した災害関連情報は生成しない。
【0060】
これに対し、地震関連情報に関しては、最新の地震イベント情報に基づいて常に優先表示の設定を動的に変えるようにするのが好ましい。状況の変化に合わせて最新の情報を優先表示することが望ましいからである。この場合、災害関連情報生成部33は、個別自然災害イベント情報取得部31が地震イベント情報を取得する都度、優先度スコアを算出し、優先度スコアが閾値を超える場合は常に優先表示の設定を付与して災害関連情報を生成する。災害関連情報送信部34は、災害関連情報生成部33により優先表示の設定付きで都度生成される災害関連情報をユーザ端末41,42,43に送信する。ユーザ端末41,42,43では、優先表示の設定付きの災害関連情報が送られてきた場合、それまで優先表示していた災害関連情報に代えて、優先表示の設定がされた直近の災害関連情報を表示する。
【0061】
また、上述した優先表示の設定と解除を、地震による影響または火災による影響が生じていると推認される状況に応じて動的に行うようにしてもよい。例えば、地震イベント情報に基づいて、地震が施設に及ぼす影響が所定時間以内と推認される場合(例えば、地震情報により津波予測到達時刻が所定時間以内であることが示されている場合など)、当該津波予測到達時刻を優先表示の対象に設定する。一方、地震が施設に影響を及ぼすと推認された所定時間から更に第2の所定時間が経過したときに、優先表示の設定を解除する。ここでは優先表示の設定の解除を自動的に行うこととしているが、ユーザが手動で行うようにしてもよい。
【0062】
このようにすれば、未来に発生し得る災害に関する被害について、どのような被害になるか確認するまでは、優先表示の対象に設定された情報を優先的に表示することで、被害の発生を回避することができる。また、実際に災害が発生した後の第2の所定時間の間に被害状況を確認できれば、優先表示の対象に設定された情報をもはや優先的に表示しなくてもよい状況になると考えられるため、優先表示の設定を解除する。なお、ある災害関連情報について優先表示の設定を解除する前に次の災害関連情報が優先表示の設定付きで生成された場合のように、優先表示の対象に設定された情報が複数存在することとなった場合の表示方法は、上述した通りとしてもよい。
【0063】
<第1の実施形態の変形例2>
また、上記第1の実施形態において、災害関連情報生成部33は、地震関連情報の避難誘導方向と火災関連情報の避難誘導方向とが競合する場合に、競合があることを示す情報を含んだ災害関連情報を生成するようにしてもよい。競合があることを示す情報を含んだ災害関連情報を生成してユーザ端末41,42,43に表示させることにより、ユーザに対して何れの方向に避難誘導をすればよいかの判断が必要な状況であることを知らせることができる。
【0064】
例えば、
図6に示した災害関連情報の例では、矢印画像61Dで示される地震関連情報の避難誘導方向と、矢印画像62Dで示される火災関連情報の避難誘導方向とが競合している。すなわち、地震イベント情報だけでは火災の有無は分からないので、地震イベント情報に基づき生成される避難誘導方向の矢印画像61A~61Dには、火災発生場所に近づいていくようなものが含まれることもある。一方、火災イベント情報に基づき生成される避難誘導方向の矢印画像62A~62Dは、何れも火災発生場所から離れることを促すものとなる。このため、地震関連情報の避難誘導方向と火災関連情報の避難誘導方向とで競合が生じ得る。
【0065】
また、大規模な地震が発生したとき、同時あるいは連続的に火災および津波が発生する恐れがある。この場合、災害関連情報生成部33は、火災イベント情報取得部32が火災報知設備20から取得する火災イベント情報に基づいて、火災発生場所から退避する方向への矢印画像を生成する一方で、個別自然災害イベント情報取得部31が取得する地震イベント情報に基づいて、津波から逃れるために施設内のより高い場所へ避難する方向への矢印画像を生成することがある。この場合も、地震関連情報の避難誘導方向と火災関連情報の避難誘導方向とで競合が生じる可能性がある。
【0066】
このように競合が生じている場合に、地震関連情報に関する矢印画像と、火災関連情報に関する矢印画像とが異なる表示態様で表示され、かつ、それぞれの矢印画像に関して競合が生じていることがメッセージやイラストなどで表示されることにより、ユーザに対する注意喚起を分かりやすく提供することができる。ここで、災害関連情報生成部33は、火災関連情報の避難誘導方向と自然災害関連情報の避難誘導方向とで競合する部分の情報を他の情報と識別可能に構成した災害関連情報を生成するようにしてもよい。
【0067】
図6に示した災害関連情報の例でいうと、地震関連情報の避難誘導方向を示す矢印画像61Dと、火災関連情報の避難誘導方向を示す矢印画像62Dとが競合している部分に相当する。この場合に災害関連情報生成部33は、2つの矢印画像61D,62Dを他の情報と識別可能に構成した災害関連情報を生成する。例えば、競合している矢印画像61D,62Dを、競合していない矢印画像61A~61C,62A~62Cに比べて大きくしたり、背景色を付加したりすることにより、より目立つようにする。矢印画像61D,62Dを大きく表示することに代えてまたは加えて、点滅表示させるようにしてもよい。
【0068】
なお、津波への対応時のように施設のより上の階へ避難することが望ましい場合、施設から退出する他の避難誘導方向と競合することとなる。この場合、火災関連情報の避難誘導方向を示す矢印画像は階段付近に下向きの矢印で表示されるとともに、自然災害関連情報の避難誘導方向を示す矢印画像は階段付近に上向きの矢印で表示されることとなる。この場合も前述と同様に避難誘導方向が競合した場合の表示を行う。
【0069】
図6の例では、避難誘導方向の競合が生じていない部分についても、地震関連情報の避難誘導方向を示す矢印画像61A~61Cと、火災関連情報の避難誘導方向を示す矢印画像62A~62Cとを両方とも表示している。これに対し、避難誘導方向の競合が生じていない部分については矢印画像を1つのみ表示するようにしてもよい。このようにすることにより、火災関連情報の避難誘導方向と自然災害関連情報の避難誘導方向とで競合する部分の情報(2つの矢印画像61D,62D)を他の情報と識別可能に構成することが可能である。
【0070】
なお、
図6のように、避難誘導方向の競合が生じていない部分についてもそれぞれ2つの矢印画像61A~61C,62A~62Cを並べて表示することにより、競合が生じていないことを強調して見せることが可能である。これによりユーザは、矢印画像で示される方向に向かって安心して避難を行うことが可能である。
【0071】
また、地震関連情報の避難誘導方向と火災関連情報の避難誘導方向とが競合する場合に、以下のように処理するようにしてもよい。すなわち、災害関連情報生成部33は、競合があることを示す情報を含む一方で避難誘導方向の情報を含まない第1の災害関連情報と、地震関連情報の避難誘導方向と火災関連情報の避難誘導方向とを含む第2の災害関連情報とを生成する。災害関連情報送信部34は、第1の災害関連情報をユーザ端末41,42,43に送信した後、当該第1の災害関連情報が送信されたユーザ端末41,42,43のユーザから表示要求を受けたときに、第2の災害関連情報を送信する。
【0072】
図7は、第1の災害関連情報の一例を示す図である。
図7に示すように、第1の災害関連情報は、施設レイアウト画像上に矢印画像を重ねて成る避難誘導方向の情報を含んでいない。避難誘導方向の情報に代えて、競合があることを示すメッセージ71と、競合を含む情報の表示を要求するための表示ボタン72とが表示されている。ユーザがこの表示ボタン72を操作すると、災害関連情報送信部34は、災害関連情報生成部33により生成された
図6のような災害関連情報をユーザ端末41,42,43に送信する。この
図6に示す災害関連情報が第2の災害関連情報に相当する。このように、第2の災害関連情報を表示する前に第1の災害関連情報を表示することにより、競合が生じていることをユーザに強く印象付けることができる。
【0073】
<第1の実施形態の変形例3>
また、上記第1の実施形態において、ユーザ端末41,42,43を使用する複数のユーザのうち、上位の権限を持つユーザ(例えば、施設の管理者)による処理に基づいて、所定の避難誘導表示についてのみ有効とする設定、または所定の避難誘導表示について無効とする設定を行うことを可能としてもよい。例えば、火災による避難誘導表示については、火災発生場所の近傍における避難誘導経路のみ表示を有効とする設定を行うことが可能である。あるいは、複数の避難誘導方向のうち、何れかの方向のみを有効とするような設定も可能である。
【0074】
<第1の実施形態の変形例4>
また、上記第1の実施形態において、災害関連情報を表示中のユーザ端末41,42,43から災害情報統合システム30の端末情報提供サーバ30Bに対して終了イベント情報を送信することにより、災害関連情報の表示を終了させることができるようにしてもよい。なお、ユーザ端末41,42,43から終了イベント情報を取得していない場合においても、所定の条件を満たしたときに災害関連情報の表示を自動的に終了させるようにしてもよい。例えば火災の場合、火災報知設備20が火災発生の火災イベント情報を発行してから、復旧完了の火災イベント情報を発行するまでには長い時間がかかることがある。この場合、実際には火災が終了しているにもかかわらず、火災関連情報の表示が継続されることもあり、好ましくない。そこで、火災発生の火災イベント情報を発行してから所定時間が経過した場合に、火災関連情報の表示を自動的に終了させるようにしてもよい。
【0075】
<第1の実施形態の変形例5>
また、上記第1の実施形態において、災害関連情報生成部33が、ユーザ端末41,42,43のユーザの属性に応じて異なる内容の属性別の災害関連情報を生成し、災害関連情報送信部34が、災害関連情報生成部33により生成された属性別の災害関連情報を、ユーザの属性が合致するユーザ端末41,42,43にそれぞれ送信するようにしてもよい。
【0076】
例えば、災害関連情報生成部33は、施設の管理者、施設の1階を管轄する巡回警備員、施設の2階を管轄する巡回警備員に応じて異なる内容の災害関連情報を生成するようにしてもよい。この場合、災害関連情報送信部34は、施設の管理者のために生成された災害関連情報を第1のユーザ端末41に送信し、施設の巡回警備員のために生成された災害関連情報を第2のユーザ端末42に送信し、施設の利用者のために生成された災害関連情報を第3のユーザ端末43に送信する。例えば、施設の管理者、施設の1階を管轄する巡回警備員、施設の2階を管轄する巡回警備員に応じて、地震発生時または火災発生時に行うべき対策情報の内容を異ならせることが可能である。
【0077】
一例として、避難誘導方向に関する情報は管理者が使用する第1のユーザ端末41に対してのみ表示させるようにしてもよい。避難誘導方向については、管理者のみが確認できるものとしたほうが、円滑な避難が行われる場合もあるためである。別の例として、例えば2Fで火災が発生した場合に、2Fでの対応を行う作業者向けのユーザ端末(例えば、2階を管轄する巡回警備員が使用するユーザ端末43)に対しては火災への対応に関する指示(例えば、「火元に向かい、火災の有無を確認してください。」などのメッセージ)を表示し、2F以外の対応を行う作業者向けのユーザ端末(例えば、1階を管轄する巡回警備員が使用するユーザ端末42)に対しては火災への応援に関する指示(例えば、「2Fの火災対応の応援を行ってください。避難路の確保を行ってください。」などのメッセージ)を表示するようにしてもよい。
【0078】
この場合、
図8に示すように、災害情報統合システム30は、管理者のための災害関連情報を生成して第1のユーザ端末41に送信する第1の処理部35Aと、1階を管轄する巡回警備員のための災害関連情報を生成して第2のユーザ端末42に送信する第2の処理部35Bと、2階を管轄する巡回警備員のための災害関連情報を生成して第3のユーザ端末43に送信する第3の処理部35Cとを個別に備える構成としてもよい。第1~第3の処理部35A~35Cは、何れも災害関連情報生成部33および災害関連情報送信部34を備える。このようにすれば、負荷分散により処理の効率化を図ることができる。
【0079】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。
図9は、第2の実施形態による災害関連情報提供システム1’の全体構成例を示す図である。なお、この
図9において、
図1に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付している。
図9に示すように、第2の実施形態による災害関連情報提供システム1’は、災害情報統合システム30に代えて災害情報統合システム30’を備えている。
【0080】
図9に示すように、災害情報統合システム30’の端末情報提供サーバ30B’には、通信ネットワークを介してユーザ端末41,42,43の他にデジタルサイネージ44が接続されている。端末情報提供サーバ30B’は、ユーザ端末41,42,43に加えて、施設に設置されたデジタルサイネージ44にも災害関連情報を送信する。
【0081】
図10は、第2の実施形態による災害情報統合システム30’の機能構成例を示すブロック図である。この
図10において、
図8に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0082】
図10に示すように、災害情報統合システム30’は、管理者のための災害関連情報を生成して第1のユーザ端末41に送信する第1の処理部35Aと、1階を管轄する巡回警備員のための災害関連情報を生成して第2のユーザ端末42に送信する第2の処理部35Bと、2階を管轄する巡回警備員のための災害関連情報を生成して第3のユーザ端末43に送信する第3の処理部35Cと、デジタルサイネージ44のための災害関連情報を生成してデジタルサイネージ44に送信する第4の処理部35Dとを個別に備える。第1~第4の処理部35A~35Dは、何れも災害関連情報生成部33および災害関連情報送信部34を備える。
【0083】
第4の処理部35Dが備える災害関連情報生成部33は、デジタルサイネージ44のための災害関連情報を生成する。また、第4の処理部35Dが備える災害関連情報送信部34は、災害関連情報生成部33により生成された災害関連情報を、施設に設置されたデジタルサイネージ44に送信する。なお、上述した第1の実施形態の変形例1から変形例4は、このデジタルサイネージ44に表示される災害関連情報にも適用可能である。
【0084】
第4の処理部35Dにおいて生成する災害関連情報は、特定の個人が見る情報ではなく、デジタルサイネージ44の設置場所の周辺にいる不特定の複数人が見る情報となる。そのため、第4の処理部35Dにおいて生成する災害関連情報は、不特定の複数人にとって有用な情報で構成するのが好ましい。例えば、対策情報として、デジタルサイネージ44の設置場所から最寄りの避難所までの経路を表した地図画像を表示することが可能である。
【0085】
また、デジタルサイネージ44に表示する災害関連情報は、避難を促す避難メッセージを含むものとすることが可能である。避難メッセージは、災害関連情報に地震関連情報のみが含まれる場合に表示する第1のメッセージと、災害関連情報に火災関連情報のみが含まれる場合に表示する第2のメッセージと、災害関連情報に地震関連情報および火災関連情報の両方が含まれる場合であって、地震関連情報に基づく避難誘導方向と火災関連情報に基づく避難誘導方向とが一致する場合に表示する第3のメッセージとの何れかとすることが可能である。
【0086】
ここで、第3のメッセージは、第1のメッセージおよび第2のメッセージよりも、より避難を強く促す表現としてもよい。例えば、第1のメッセージは、「落ち着いて避難してください。火災は発生していません。」といった内容とする。第2のメッセージは、「火災が発生しています。避難指示に従い避難してください。」といった内容とする。「建物被害がないため、安心して避難してください。」といった内容を加えてもよい。第3のメッセージは、「地震および火災が発生しています。速やかに避難してください。」といった内容とする。
【0087】
<第2の実施形態の変形例1>
上記第2の実施形態において、1つの施設内に複数のデジタルサイネージ44を備え、それぞれのデジタルサイネージ44に対して異なる内容の災害関連情報を表示するようにしてもよい。例えば、施設が複数階から成る建物である場合に、階ごとにデジタルサイネージ44を設置し、それぞれのデジタルサイネージ44に対してその階の情報を表示するようにしてもよい。また、複数の建物を含む総合施設の場合に、建物ごとにデジタルサイネージ44を備え、それぞれのデジタルサイネージ44に対して異なる内容の災害関連情報を表示するようにしてもよい。
【0088】
また、総合施設に含まれる複数の建物の各階にデジタルサイネージ44を設置し、各階のデジタルサイネージ44に対してその階の情報を表示するようにしてもよい。この場合、複数の建物に設置されるデジタルサイネージ44について、同じ階に設置されるデジタルサイネージ44には同じ内容の災害関連情報を表示するようにしてもよい。
【0089】
<第2の実施形態の変形例2>
上記第2の実施形態において、第4の処理部35Dは、生成した災害関連情報をデジタルサイネージ44の他に第1のユーザ端末41にも送信し、デジタルサイネージ44が設置されている施設の管理者がデジタルサイネージ44の表示内容を確認できるようにしてもよい。さらに、第1のユーザ端末41から災害情報統合システム30’にアクセスし、デジタルサイネージ44に表示される災害関連情報の内容を編集可能とするようにしてもよい。
【0090】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図面に基づいて説明する。
図11は、第3の実施形態による災害関連情報提供システム1”の全体構成例を示す図である。なお、この
図11において、
図1に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付している。
図11に示すように、第3の実施形態による災害関連情報提供システム1”は、災害情報統合システム30に代えて災害情報統合システム30”を備えている。災害情報統合システム30”は、災害情報統合サーバ30Aに代えて災害情報統合サーバ30A”を備えている。また、通信機21に代えて通信機21”を備えている。
【0091】
図12は、第3の実施形態による災害情報統合システム30”の機能構成例を示すブロック図である。この
図12において、
図3に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
図12に示すように、災害情報統合システム30”は、災害関連情報生成部33に代えて災害関連情報生成部33”を備えるとともに、監視情報取得部36を更に備えている。監視情報取得部36は、災害情報統合サーバ30A”が備える機能構成である。
【0092】
監視情報取得部36は、個別自然災害イベント情報取得部31により地震イベント情報が取得される一方、火災イベント情報取得部32により火災イベント情報が取得されていない場合(例えば、個別自然災害イベント情報取得部31が地震イベント情報を取得してから所定時間以内に火災イベント情報取得部32が火災イベント情報を取得していない場合)に、災害関連情報生成部33”からの指示を受けて、火災報知設備20による監視の結果の報告要求を火災報知設備20に向けて発行する。そして、当該報告要求に対する応答として、監視の結果を示す監視情報を火災報知設備20から取得する。
【0093】
火災報知設備20の通信機21”は、監視情報取得部36から監視の結果の報告要求を受信すると、火災受信機22を通じて全ての感知器22-1,22-2,・・・の状況を確認する。そして、その状況の確認の結果を監視情報として監視情報取得部36に返信する。ここで、感知器22-1,22-2,・・・が火災の予兆を検知する機能も有している場合は、火災報知設備20の通信機21”が監視情報取得部36からの報告要求に応じて返信する監視情報は、次のうち何れかである。
【0094】
(1)火災が発生していないことを示す情報。これは、何れのいずれの感知器22-1,22-2,・・・においても火災発生を検知しておらず、かつ、火災の予兆も検知していない場合に返信する情報である。
(2)火災の予兆が生じていることを示す情報。これは、感知器22-1,22-2,・・・の何れかにおいて火災の予兆を検出した場合に返信する情報である。
(3)火災が発生していることを示す情報。これは、感知器22-1,22-2,・・・の何れかにおいて火災の発生を検出した場合に返信する情報である。
【0095】
災害関連情報生成部33”は、監視情報取得部36により監視情報が取得された場合、当該監視情報に基づいて火災関連情報を生成するとともに、個別自然災害イベント情報取得部31により取得された地震イベント情報に基づいて地震関連情報を生成し、地震関連情報および火災関連情報の両方が含まれる災害関連情報を生成する。この場合の火災関連情報は、上記(1)~(3)の何れの状況であるかを示す情報が含まれる。
【0096】
地震の発生時には建物に被害が生じることもあるため、火災イベント情報取得部32が火災報知設備20から火災イベント情報を取得していないからといって、火災が発生していないとは断定できない。これに対し、第3の実施形態では、以上のような処理を行うことにより、火災が発生しているか否か、火災の予兆が生じているか否かを確認し、その確認結果を踏まえて火災関連情報を生成する。これにより、火災またはその予兆の有無に関する状況を正確に把握し、実際の状況を正確に反映させた火災関連情報をユーザに提供することができる。このように提供される火災関連情報によって、火災が発生していないことをユーザ端末41,42,43のユーザが確認できれば、ユーザは火災以外の対応に専念することができるようになる。
【0097】
<第3の実施形態の変形例1>
地震により建物の被害が発生した直後、その時点では火災とみなすには小規模であるが、火災に発展し得る事象が生じ、これが発展して火災になるおそれも考えられる。この「火災に発展し得る事象」を通常時の火災報知設備20で検出して火災イベント情報を発行しようとする場合、火災の予兆判定の基準を厳しくする必要がある。この場合、非火災報(火災でないのに火災発生と報知してしまうこと)が増えてしまい、好ましくない。これに対し、上述した第3の実施形態の処理を行うに当たり、通常時(監視情報取得部36が監視の結果の報告要求を火災報知設備20に送信する前)は火災報知設備20による火災の予兆判定の基準を厳しく設定せず、通信機21”が報告要求を受信したときに、火災の予兆判定や火災の判定を行う閾値を検出しやすくる方向に変更したり、閾値を超えてから火災の予兆判定や火災の判定をするまでの蓄積時間を短くしたりするなどの、予兆判定や火災の判定の基準を厳しく設定するようにしてもよい。
【0098】
このようにすれば、非火災報の増加を抑制することができるとともに、ある程度火災の予兆が大きくなった段階または実際に火災が発生した段階にならないと火災関連情報が表示されないという状態を回避し、地震の対応中に突然火災の対応が必要になるといった状況を抑制することができる。
【0099】
<第3の実施形態の変形例2>
上記第3の実施形態は、第2の実施形態と組み合わせて適用するようにしてもよい。ここで、火災報知設備20の監視情報に基づき生成される災害関連情報を、ユーザ端末41,42,43とデジタルサイネージ44との両方に表示させるようにしてもよい。あるいは、重要度の高い情報のみをデジタルサイネージ44に表示させるという観点から、火災報知設備20の監視情報に基づき生成される災害関連情報は管理者のユーザ端末41にのみ表示させるようにしてもよい。
【0100】
<その他の変形例>
上記第1~第3の実施形態では、自然災害イベント情報および火災イベント情報を提供する所定の領域単位を施設単位とする例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、施設内を複数の領域に分割し、個々の分割領域単位で自然災害イベント情報および火災イベント情報を提供するようにしてもよい。例えば、建物内の各階単位または各部屋単位とするようにしてもよい。また、火災イベント情報の場合は、個々の火災端末が担当する監視領域単位としてもよい。このように分割領域単位とする場合、施設情報記憶部100が記憶する施設情報は、建物の構造に関する情報を更に含む。また、分割領域単位の地震に関する情報は、例えば特許第6661174号に記載の方法によって求めるようにしてもよい。
【0101】
また、上記第1~第3の実施形態では、地震関連情報および火災関連情報の少なくとも一方を含む災害関連情報を災害情報統合システム30,30’,30”にて生成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、地震関連情報については自然災害警報システム10が地震イベント情報に基づいて生成し、自然災害警報システム10から災害情報統合システム30,30’,30”に地震関連情報を送信するようにしてもよい。
【0102】
また、上記第1~第3の実施形態では、災害情報統合システム30,30’,30”が災害情報統合サーバ30A,30A”および端末情報提供サーバ30B,30B’を備える構成を示しているが、このような構成に限定されない。例えば、災害情報統合システム30,30’,30”を1つのサーバで構成するようにしてもよい。
【0103】
その他、上記第1~第3の実施形態および各変形例は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0104】
1,1’,1” 災害関連情報提供システム
10 自然災害警報システム
11 自然災害イベント情報取得部
12 施設単位イベント情報生成部
13 施設単位イベント情報送信部
20 火災報知設備
21,21” 通信機
22 火災受信機
23-1,23-2 感知器
24-1,24-2 発信機
30,30’,30” 災害情報統合システム
30A,30A” 災害情報統合サーバ
30B,30B’ 端末情報提供サーバ
31 個別自然災害イベント情報取得部
32 火災イベント情報取得部
33,33’,33” 災害関連情報生成部
34 災害関連情報送信部
35A~35D 第1~第4の処理部
36 監視情報取得部
41~43 ユーザ端末(端末)
44 デジタルサイネージ