(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-18
(45)【発行日】2025-12-26
(54)【発明の名称】渋滞判定システム、渋滞判定方法及び渋滞判定プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20251219BHJP
G08G 1/13 20060101ALN20251219BHJP
【FI】
G08G1/01 E
G08G1/13
(21)【出願番号】P 2021165023
(22)【出願日】2021-10-06
【審査請求日】2024-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】蔭山 智
(72)【発明者】
【氏名】小網代 悠
(72)【発明者】
【氏名】矢倉 健一郎
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-343814(JP,A)
【文献】特開2020-135151(JP,A)
【文献】特開2018-136781(JP,A)
【文献】特開2019-169028(JP,A)
【文献】国際公開第2015/145637(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体のそれぞれの速度を示す速度情報及び加速度を示す加速度情報を含む移動情報を示す学習用移動情報及び対応する移動体の渋滞状況を示す学習用渋滞状況情報を含む学習用情報に基づく機械学習によって構築された、移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する判定器と、
少なくとも1つの移動体のそれぞれの前記移動情報を示す入力移動情報を取得する入力移動情報取得部と、
前記入力移動情報を前記判定器に入力し、前記少なくとも1つの移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する移動体判定部と、
前記移動体判定部によって判定される前記少なくとも1つの移動体の渋滞判定結果を、前記少なくとも1つの移動体が存在するリンクを識別するリンク識別情報と対応させて集計し集計情報を生成する集計情報生成部と、
前記集計情報に基づいて、少なくとも1つの前記リンクのそれぞれの渋滞状況を判定するリンク判定部と、を備え、
前記リンク判定部は、前記集計情報における前記リンク識別情報に対応する各移動体の渋滞判定結果に基づいて、少なくとも1つの前記リンクのそれぞれの渋滞状況を判定し、
前記渋滞状況は、渋滞している車線と渋滞していない車線が混在している状態である部分渋滞という状況を含む、
渋滞判定システム。
【請求項2】
複数の移動体のそれぞれの速度を示す速度情報及びGPSシステムにより測定されるGPS座標を示すGPS座標情報を含む移動情報を示す学習用移動情報及び対応する移動体の渋滞状況を示す学習用渋滞状況情報を含む学習用情報、並びに、渋滞発生頻度とGPS座標とを対応付けた対応関係、に基づく機械学習によって構築された、移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する判定器と、
少なくとも1つの移動体のそれぞれの前記移動情報を示す入力移動情報を取得する入力移動情報取得部と、
前記入力移動情報を前記判定器に入力し、前記少なくとも1つの移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する移動体判定部と、
前記移動体判定部によって判定される前記少なくとも1つの移動体の渋滞判定結果を、前記少なくとも1つの移動体が存在するリンクを識別するリンク識別情報と対応させて集計し集計情報を生成する集計情報生成部と、
前記集計情報に基づいて、少なくとも1つの前記リンクのそれぞれの渋滞状況を判定するリンク判定部と、を備え、
前記リンク判定部は、前記集計情報における前記リンク識別情報に対応する各移動体の渋滞判定結果に基づいて、少なくとも1つの前記リンクのそれぞれの渋滞状況を判定し、
前記渋滞状況は、渋滞している車線と渋滞していない車線が混在している状態である部分渋滞という状況を含む、
渋滞判定システム。
【請求項3】
複数の移動体のそれぞれの速度を示す速度情報及びGPSシステムにより測定されるGPS座標を示すGPS座標情報を含む移動情報を示す学習用移動情報及び対応する移動体の渋滞状況を示す学習用渋滞状況情報を含む学習用情報、並びに、渋滞発生頻度とGPS座標とを対応付けた対応関係、に基づく機械学習によって構築された、移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する判定器と、
少なくとも1つの移動体のそれぞれの前記移動情報を示す入力移動情報を取得する入力移動情報取得部と、
前記入力移動情報を前記判定器に入力し、前記少なくとも1つの移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する移動体判定部と、を備え、
前記学習用移動情報は、前記複数の移動体のそれぞれの前記速度情報及び前記GPS座標情報を少なくとも含み、
前記判定器は、前記速度情報、前記GPS座標情報、及び渋滞発生頻度とGPS座標とを対応付けた対応関係に基づいて算出される情報を少なくとも特徴量とする機械学習によって構築され、
前記入力移動情報は、GPSシステムにより測定されるGPS座標を示すGPS座標情報をさらに含み、
前記判定器は、前記複数の移動体のそれぞれの前記GPS座標情報に基づいて算出される移動体のGPS座標上の移動距離を示すGPS移動距離情報と、前記複数の移動体のそれぞれの前記GPS座標情報を除く前記学習用移動情報に基づいて算出される移動体の移動距離を示す参照移動距離情報との乖離に基づいて算出される情報を少なくとも特徴量とする機械学習によって構築される、
渋滞判定システム。
【請求項4】
前記リンク判定部は、前記集計情報に基づいて、少なくとも1つの前記リンクのそれぞれに含まれる複数の特定の部分の渋滞状況のそれぞれを判定する、請求項
1又は2に記載の渋滞判定システム。
【請求項5】
前記学習用移動情報は、前記複数の移動体のそれぞれの前記速度情報及び前記加速度情報を少なくとも含み、
前記判定器は、前記速度情報及び前記加速度情報に基づいて算出される情報を特徴量とする機械学習によって構築され、
前記入力移動情報は、前記少なくとも1つの移動体のそれぞれの前記速度情報及び前記加速度情報を少なくとも含む、
請求項1に記載の渋滞判定システム。
【請求項6】
前記移動体判定部によって判定される前記少なくとも1つの移動体の前記渋滞状況を、交通状況を解析する際の参考情報として情報処理システムに提供する判定情報提供部をさらに備える請求項1又は2に記載の渋滞判定システム。
【請求項7】
前記移動体判定部によって判定される前記少なくとも1つの移動体の前記渋滞状況及び前記リンク判定部によって判定される前記少なくとも1つのリンクの前記渋滞状況の少なくともいずれか一方を、交通状況を解析する際の参考情報として情報処理システムに提供する判定情報提供部をさらに備える請求項
1又は2に記載の渋滞判定システム。
【請求項8】
複数の移動体のそれぞれの速度を示す速度情報及び加速度を示す加速度情報を含む移動情報を示す学習用移動情報及び対応する移動体の渋滞状況を示す学習用渋滞状況情報を含む学習用情報に基づく機械学習によって構築された、移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する判定器を備えるコンピュータが、
少なくとも1つの移動体のそれぞれの前記移動情報を示す入力移動情報を取得し、
前記入力移動情報を前記判定器に入力し、前記少なくとも1つの移動体のそれぞれの渋滞状況を判定
し、
前記判定される前記少なくとも1つの移動体の渋滞判定結果を、前記少なくとも1つの移動体が存在するリンクを識別するリンク識別情報と対応させて集計し集計情報を生成し、
前記集計情報に基づいて、少なくとも1つの前記リンクのそれぞれの渋滞状況を判定し、
前記集計情報における前記リンク識別情報に対応する各移動体の渋滞判定結果に基づいて、少なくとも1つの前記リンクのそれぞれの渋滞状況を判定し、
前記渋滞状況は、渋滞している車線と渋滞していない車線が混在している状態である部分渋滞という状況を含む、
渋滞判定方法。
【請求項9】
コンピュータに、
複数の移動体のそれぞれの速度を示す速度情報及び加速度を示す加速度情報を含む移動情報を示す学習用移動情報及び対応する移動体の渋滞状況を示す学習用渋滞状況情報を含む学習用情報に基づく機械学習によって構築された、移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する判定器と、
少なくとも1つの移動体のそれぞれの前記移動情報を示す入力移動情報を取得する入力移動情報取得部と、
前記入力移動情報を前記判定器に入力し、前記少なくとも1つの移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する移動体判定部と、
前記移動体判定部によって判定される前記少なくとも1つの移動体の渋滞判定結果を、前記少なくとも1つの移動体が存在するリンクを識別するリンク識別情報と対応させて集計し集計情報を生成する集計情報生成部と、
前記集計情報に基づいて、少なくとも1つの前記リンクのそれぞれの渋滞状況を判定するリンク判定部と、を実現させ、
前記リンク判定部は、前記集計情報における前記リンク識別情報に対応する各移動体の渋滞判定結果に基づいて、少なくとも1つの前記リンクのそれぞれの渋滞状況を判定し、
前記渋滞状況は、渋滞している車線と渋滞していない車線が混在している状態である部分渋滞という状況を含む、
渋滞判定プログラム。
【請求項10】
複数の移動体のそれぞれの速度を示す速度情報及びGPSシステムにより測定されるGPS座標を示すGPS座標情報を含む移動情報を示す学習用移動情報及び対応する移動体の渋滞状況を示す学習用渋滞状況情報を含む学習用情報、並びに、渋滞発生頻度とGPS座標とを対応付けた対応関係、に基づく機械学習によって構築された、移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する判定器を備えるコンピュータが、
少なくとも1つの移動体のそれぞれの前記移動情報を示す入力移動情報を取得し、
前記入力移動情報を前記判定器に入力し、前記少なくとも1つの移動体のそれぞれの渋滞状況を判定
し、
前記判定される前記少なくとも1つの移動体の渋滞判定結果を、前記少なくとも1つの移動体が存在するリンクを識別するリンク識別情報と対応させて集計し集計情報を生成し、
前記集計情報に基づいて、少なくとも1つの前記リンクのそれぞれの渋滞状況を判定し、
前記集計情報における前記リンク識別情報に対応する各移動体の渋滞判定結果に基づいて、少なくとも1つの前記リンクのそれぞれの渋滞状況を判定し、
前記渋滞状況は、渋滞している車線と渋滞していない車線が混在している状態である部分渋滞という状況を含む、
渋滞判定方法。
【請求項11】
コンピュータに、
複数の移動体のそれぞれの速度を示す速度情報及びGPSシステムにより測定されるGPS座標を示すGPS座標情報を含む移動情報を示す学習用移動情報及び対応する移動体の渋滞状況を示す学習用渋滞状況情報を含む学習用情報、並びに、渋滞発生頻度とGPS座標とを対応付けた対応関係、に基づく機械学習によって構築された、に基づく機械学習によって構築された、移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する判定器と、
少なくとも1つの移動体のそれぞれの前記移動情報を示す入力移動情報を取得する入力移動情報取得部と、
前記入力移動情報を前記判定器に入力し、前記少なくとも1つの移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する移動体判定部と、
前記移動体判定部によって判定される前記少なくとも1つの移動体の渋滞判定結果を、前記少なくとも1つの移動体が存在するリンクを識別するリンク識別情報と対応させて集計し集計情報を生成する集計情報生成部と、
前記集計情報に基づいて、少なくとも1つの前記リンクのそれぞれの渋滞状況を判定するリンク判定部と、を実現させ、
前記リンク判定部は、前記集計情報における前記リンク識別情報に対応する各移動体の渋滞判定結果に基づいて、少なくとも1つの前記リンクのそれぞれの渋滞状況を判定し、
前記渋滞状況は、渋滞している車線と渋滞していない車線が混在している状態である部分渋滞という状況を含む、
渋滞判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、渋滞状況を判定する渋滞判定システム、渋滞判定方法及び渋滞判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
以前より、ユーザは、自動車及び自動二輪車等の移動体を用いて道路を通行する際、車載用ナビゲーション装置及びスマートフォン等の各種情報端末に搭載されている走行支援システムを用いて、目的地までの最適な経路(例えば、渋滞の少ない経路等)を選択している。ユーザが渋滞の少ない経路を選択する場合、走行支援システムは、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)から渋滞状況等の交通状況情報を取得し、取得される交通状況情報に基づいて道路の渋滞状況を把握した上で、渋滞が少ない経路を探索し、探索された経路をユーザに提供する。ここで、VICSは、高速道路や主要一般道路に設置されている渋滞センサから移動体の通行情報等を取得し、取得される通行情報等に基づいて渋滞状況等の交通状況を解析し、解析される交通状況情報を走行支援システムに提供する。
【0003】
近年、高速道路や主要一般道路に設置されている渋滞センサから取得される通行情報等のみならず、道路上の移動体から位置情報及び車速情報等の情報(プローブ情報)を収集し大量のプローブ情報に基づいて交通状況を解析する、プローブ情報を活用した道路交通情報システムの普及が進められている。プローブ情報を活用した道路交通情報システムの下ではVICSが整備されていない道路の交通状況をも把握することが可能となることから、より広範囲の道路における渋滞状況の解析の実現が期待されている。
【0004】
こうした中、渋滞状況の解析手法の高度化に伴い、道路ごとの渋滞状況のみならず、車線ごとの渋滞状況の解析が可能となりつつある。走行支援システムは、車線ごとの渋滞状況を把握することで、不要な渋滞や不要な迂回を回避した経路を探索することが可能となり、より最適な経路をユーザに提供することができる。
【0005】
車線ごとの渋滞状況の把握が最適経路探索において功を奏する例として、例えば、進行方向に二又(道路A1及び道路A2)に分かれる分岐点を有する片側2車線の道路Aにおいて、当該分岐点手前から道路A1側の車線のみが渋滞している道路での解析が挙げられる。渋滞していないもう一方の道路A2方向にユーザが向かう場合、車線ごとの渋滞状況を把握する走行支援システムは、ユーザを分岐A2側の車線に早期に誘導することが可能となる。その結果、ユーザは当該分岐を最適な車線経路にて通過することが可能となる。
【0006】
上記のような車線ごとの渋滞状況の解析にあたり、移動体ごとの渋滞状況の解析が注目されている。移動体ごとの渋滞状況の解析は、プローブ情報を活用した道路交通情報システムとの親和性が高い。実際に、プローブ情報を活用した道路交通情報システムを利用し、道路を通行する移動体の速度情報に基づいて移動体ごとの渋滞状況を解析し、車線ごとの渋滞状況を把握する技術(例えば、特許文献1)がある。
【0007】
また、移動体ごとの渋滞状況の解析を行わずに車線ごとの渋滞状況の解析を行う手法として、VICSから取得される情報に基づく解析手法(例えば、特許文献2)及び車載カメラ映像に基づく解析手法(例えば、特許文献3)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2019―109708号公報
【文献】再表2018―151005号公報
【文献】特開2020―4235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1は、解析に移動体の車速情報を用いて、一定速度以下の移動体を渋滞している移動体と判定する。そのため、例えばタクシーによる客待ち運転等、必ずしも渋滞を原因としない低速移動体を誤って渋滞している移動体と判定するおそれがある。したがって、特許文献1では、渋滞を原因としない低速移動体の渋滞状況をユーザに正確に提供できない。
【0010】
また、特許文献2は、VICSにて収集される交通状況情報を用いて、車線ごとの渋滞状況を解析する。そのため、特許文献2では、VICSが設置されていない道路における車線ごとの渋滞状況を解析できない。したがって、特許文献2では、VICSが設置されている道路が高速道路と主要幹線道路に限られている現状において、VICSが設置されていない、より多くの道路の車線ごとの渋滞状況をユーザに提供することができない。
【0011】
また、特許文献3は、車載カメラから撮影される車載カメラ映像を用いて、映像に映る周囲の移動体の移動状況を分析し、車線ごとの渋滞状況を解析する。そのため、特許文献3では、解析対象の道路に車載カメラを搭載した移動体が一定台数存在することが必要となる。したがって、特許文献3では、車載カメラの普及率が低い道路の渋滞状況をユーザに正確に提供できない。
【0012】
そこで、本発明は、より多くの道路において移動体ごとの渋滞状況を高精度に判定可能な渋滞判定システム、渋滞判定方法及び渋滞判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様に係る渋滞判定システムは、複数の移動体のそれぞれの移動情報を示す学習用移動情報及び対応する移動体の渋滞状況を示す学習用渋滞状況情報を含む学習用情報に基づく機械学習によって構築される、移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する判定器と、少なくとも1つの移動体のそれぞれの移動情報を示す入力移動情報を取得する入力移動情報取得部と、入力移動情報を判定器に入力し、少なくとも1つの移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する移動体判定部と、を備える。
【0014】
また、本発明の一態様に係る渋滞判定方法は、複数の移動体のそれぞれの移動情報を示す学習用移動情報及び対応する移動体の渋滞状況を示す学習用渋滞状況情報を含む学習用情報に基づく機械学習によって構築された、移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する判定器を備えるコンピュータが、少なくとも1つの移動体のそれぞれの移動情報を示す入力移動情報を取得し、入力移動情報を判定器に入力し、少なくとも1つの移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する。
【0015】
また、本発明の一態様に係る渋滞判定プログラムは、コンピュータに、複数の移動体のそれぞれの移動情報を示す学習用移動情報及び対応する移動体の渋滞状況を示す学習用渋滞状況情報を含む学習用情報に基づく機械学習によって構築される、移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する判定器と、少なくとも1つの移動体のそれぞれの移動情報を示す入力移動情報を取得する入力移動情報取得部と、入力移動情報を判定器に入力し、少なくとも1つの移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する移動体判定部と、を実現させる。
【0016】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、より多くの道路にて移動体ごとの渋滞状況を高精度に判定可能な渋滞判定システム、渋滞判定方法及び渋滞判定プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態である渋滞判定システム100の構成を示す図である。
【
図2】学習用情報記憶部131に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図3】入力移動情報記憶部141に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図4】判定器133を用いた移動体判定部142による判定の一例を示す図である。
【
図5】移動体判定情報記憶部144に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図6】集計情報記憶部151に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図7】リンク判定情報記憶部154に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図8】渋滞判定システム100における機械学習の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】渋滞判定システム100における渋滞判定の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である渋滞判定システム100の構成を示す図である。
【0020】
渋滞判定システム100は、情報処理システム110とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されるシステムである。また、情報処理システム110は、さらに端末装置120とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されるシステムである。なお、渋滞判定システム100は、端末装置120とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続していてもよい。また、
図1では、端末装置120の例として、端末装置120a、120b、120cの3つを示しているが、端末装置120の数はこれに限られない。
【0021】
渋滞判定システム100は、情報処理システム110から複数の移動体のそれぞれの移動情報を示す学習用移動情報及び対応する移動体の渋滞状況を示す学習用渋滞状況情報を含む学習用情報を取得し、学習用情報に基づく機械学習によって、移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する判定器を生成する。そして、渋滞判定システム100は、情報処理システム110若しくは端末装置120から取得される少なくとも1つの移動体の移動情報を示す入力移動情報を判定器に入力し、当該移動体の渋滞状況を判定する。
【0022】
さらに、渋滞判定システム100は、少なくとも1つの移動体の渋滞判定結果に基づいて、少なくとも1つのリンクのそれぞれの渋滞状況を判定する。その上で、渋滞判定システム100は、少なくとも1つの移動体のそれぞれの渋滞判定結果及び少なくとも1つのリンクのそれぞれの渋滞判定結果を、情報処理システム110に提供する。ここで、移動体は、自動車や自動二輪車等の人若しくは物の移動の用に供する道路を通行する物体である。渋滞判定システム100の詳細については、後述する。
【0023】
情報処理システム110は、移動体のそれぞれの移動情報(時刻情報、速度情報、加速度情報、位置情報、走行距離情報等)、道路の渋滞状況を示す渋滞状況情報及び道路の事故や車線規制に関する情報等の交通状況情報を収集し解析するシステムである。情報処理システム110は、交通状況情報を管理するシステム及び移動体等と連携し、交通状況情報を収集する。情報処理システム110は、例えば、移動体の移動情報や渋滞状況情報に基づいて交通状況情報を解析し、解析される交通情報を端末装置や基地局等に提供するシステムであってもよいし、解析される交通情報に基づいて移動体の走行を支援する走行支援システムであってもよい。また、情報処理システム110は、公的機関によって管理されていてもよいし、移動体メーカによって独自に管理されていてもよい。
【0024】
端末装置120は、移動体に搭載される情報通信端末又は移動体を利用して移動するユーザが保有する情報通信端末である。端末装置120は、移動体のそれぞれの移動情報(時刻情報、速度情報、加速度情報、位置情報、走行距離情報等)を移動体各部から収集し、収集される移動情報を情報処理システム110に提供する。また、端末装置120は、移動体若しくは端末装置120に搭載されているGPS装置を利用したGPSシステムにより測定されるGPS座標情報に基づいて、移動体のそれぞれの移動情報を算出し、算出される移動情報を情報処理システム110に提供してもよい。なお、端末装置120は、移動情報を渋滞判定システム100に提供してもよい。
【0025】
次に、渋滞判定システム100の詳細について説明する。
図1に示すように、渋滞判定システム100は、学習用情報取得部130、学習用情報記憶部131、機械学習実行部132、判定器133、入力移動情報取得部140、入力移動情報記憶部141、移動体判定部142、移動体判定情報生成部143、移動体判定情報記憶部144、集計情報生成部150、集計情報記憶部151、リンク判定部152、リンク判定情報生成部153、リンク判定情報記憶部154、判定情報提供部160を備える。渋滞判定システム100を構成するコンピュータは、プロセッサ及び記憶領域を備える。
図1に示す各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0026】
学習用情報取得部130は、情報処理システム110にアクセスして、機械学習を行う際の教師データの基となる学習用情報を情報処理システム110から取得し、取得した学習用情報を学習用情報記憶部131に格納する。学習用情報は、例えば、情報処理システム110に過去一定期間の間に蓄積された、複数の移動体のそれぞれの移動情報を示す学習用移動情報及び対応する移動体の渋滞状況を示す学習用渋滞状況情報を含む。
【0027】
学習用移動情報は、複数の移動体のそれぞれの移動情報であり、例えば、データ取得時刻を示す時刻情報、移動体の速度を示す速度情報、移動体若しくは端末装置120に搭載されているGPS装置を利用したGPSシステムにより測定されるGPS座標を示すGPS座標情報を含む。
【0028】
学習用渋滞状況情報は、対応する移動体の渋滞状況を示す渋滞状況情報であり、例えば、「渋滞」、「やや渋滞」、「空き」等の指標により示される。また、渋滞状況情報は、「A」「B」「C」等の定性的な指標であってもよいし、パーセント等の定量的な指標であってもよい。学習用渋滞状況情報は、情報収集用の移動体を道路に通行させ、移動体利用者自身(運転手若しくは同乗者)に判断させて収集されてもよいし、渋滞判定システム100とは異なるシステム(例えば、道路映像に基づいて渋滞状況を解析するシステム等)において判断される渋滞判定結果に基づいて算出されてもよい。
【0029】
学習用情報取得部130が学習用情報を情報処理システム110から取得するタイミングは、任意に設定することができる。例えば、学習用情報取得部130が、後述する機械学習実行部132による機械学習の前に情報処理システム110から取得してもよいし、1日に1回等の周期的なタイミングで情報処理システム110から取得してもよい。また、情報処理システム110からの指示に応じて情報処理システム110から取得してもよい。
【0030】
図2は、学習用情報記憶部131に記憶される情報の一例を示す図である。学習用情報記憶部131に記憶される情報は、例えば、移動体ID、学習用移動情報及び学習用渋滞状況情報を含む。移動体IDは、情報処理システム110に情報を提供する移動体を識別する移動体識別情報である。
【0031】
なお、学習用情報記憶部131に記憶される学習用情報は、情報処理システム110から取得された学習用情報そのものでなくてもよい。また、学習用情報に含まれるデータは、一部が欠けていてもよいし、項目が異なっていてもよい。
【0032】
機械学習実行部132は、学習用情報記憶部131に記憶される学習用情報に基づいて機械学習を実行することにより、移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する判定器133を生成する。機械学習実行部132による機械学習は、例えば、システム管理者の指示に応じて実行される。なお、システムメンテナンス時間等の所定のタイミングで自動的に機械学習が実行されてもよい。機械学習のアルゴリズムは特に限定されないが、例えば、決定木学習、深層学習(Deep Learning)、ランダムフォレスト(Random Forest)、LightGBM(Light Gradient Boosting Machine)、SVM(Support Vector Machine)を用いることができる。
【0033】
機械学習実行部132による機械学習では、入力移動情報記憶部141に記憶される入力移動情報に含まれる速度情報に基づいて算出される情報を特徴量とすることができる。速度情報に基づいて算出される情報には、例えば、一定時間内における最高速度、最低速度、平均速度、加速度並びに度数分布の分散、標準偏差、歪度及び尖度が含まれる。
【0034】
機械学習実行部132による機械学習では、速度情報に基づいて算出される複数の情報を特徴量とすることで、精度の高い渋滞判定を行うことができる。
【0035】
例えば、最高速度情報と加速度情報を組み合わせた機械学習に基づいて判定器133を生成することで、単に最高速度が一定値以下の移動体を「渋滞」と判定する場合に比べ、より精度の高い渋滞判定システム100を構築できる。なぜなら、移動体の渋滞状況を特徴づける情報が、当該移動体の最高速度情報のみならず、加速度情報にも含まれているためである。以下にて、具体例を説明する。
【0036】
渋滞と無関係に徐行運転をし続けているだけの移動体も、渋滞により発停止を繰り返しながら徐行運転している移動体も、ともにそれぞれの速度は低速である。一方、加速度について見ると、渋滞と無関係に徐行運転をし続けているだけの移動体の加速度は小さく一定であるのに対し、渋滞により発停止を繰り返しながら徐行運転している移動体の加速度は変動している。そのため、単に最高速度が一定値以下の移動体を「渋滞」と判定する場合には、渋滞と無関係に徐行運転をし続けているだけの移動体及び渋滞により発停止を繰り返しながら徐行運転している移動体を区別できないが、最高速度情報と加速度情報を組み合わせた機械学習を活用する場合には、渋滞と無関係に徐行運転をし続けているだけの移動体及び渋滞により発停止を繰り返しながら徐行運転している移動体を区別することができる。
【0037】
このように、最高速度情報と加速度情報を組み合わせた機械学習において、例えば、最高速度が小さく加速度が大きい移動体を「渋滞」と判定しやすくする判定器133を生成することで、単に最高速度が一定値以下の移動体を「渋滞」と判定する場合に比べ、より精度の高い渋滞判定を行うことができる。
【0038】
また、機械学習実行部132による機械学習では、入力移動情報記憶部141に記憶される入力移動情報に含まれる速度情報に基づいて算出される情報に加えて、さらに移動体若しくは端末装置120に搭載されているGPS装置を利用したGPSシステムにより測定されるGPS座標を示すGPS座標情報を特徴量とすることができる。
【0039】
速度情報に基づいて算出される情報及びGPS座標情報を特徴量とする場合、例えば、GPS座標情報に基づき渋滞が頻発しているリンク内に位置すると判断される移動体を「渋滞」と判定しやすくし、一方で、渋滞があまり見られないリンク内に位置すると判断される移動体を、速度が低速であっても「非渋滞」と判定しやすくすることができる。また、GPS座標情報から算出される移動情報(移動距離及び平均速度等)に基づいて渋滞判定を行うこともできる。
【0040】
また、機械学習実行部132による機械学習では、入力移動情報及びGPS座標情報に基づいて、GPS座標上の移動距離を示すGPS移動距離情報、及びGPS座標情報を除く学習用移動情報に基づいて算出される移動体の移動距離を示す参照移動距離情報を特徴量とすることができる。機械学習実行部132による機械学習では、例えば、GPS移動距離情報と参照移動距離情報との乖離を特徴量とすることができる。
【0041】
ここで、GPS移動距離情報は、GPS座標情報に基づいて算出される移動体の移動距離を示す情報である。GPS移動距離情報は、GPSシステムによる処理上の誤差を含む。GPSシステムによる処理上の誤差の要因として、例えば、GPS座標情報を取得する頻度に基づく誤差がある。具体的には、GPS座標情報はあくまで、ある1点の情報である以上、GPS移動距離情報が示す移動距離は各点をつないだ軌跡の長さを示す。そして、その長さが各点をつないだ軌跡(折れ線)の長さである以上、その長さは、実際の移動体の軌跡(滑らかな曲線)の長さではなく、実際の移動体の軌跡の長さの近似値にすぎない。この場合、特に移動体が高速若しくは高加速度で移動しているほど、GPS座標情報に含まれる各点がつなぐ軌跡と、実際の移動体の軌跡とに差が生まれる。
【0042】
一方、参照移動距離情報は、例えば、入力移動情報に含まれる時刻情報及び速度情報から算出される移動距離又は入力移動情報に含まれる走行距離情報を示す情報である。走行距離情報は、例えば、移動体の車輪の回転数に基づいて算出される情報である。
【0043】
GPS移動距離情報と参照移動距離情報は、ともに一定時間における移動体の移動距離を示す情報であるが、GPSシステムによる処理上の誤差を要因として、GPS移動距離情報と参照移動距離情報とが一致しない場合もある。前述のとおり、例えば、移動体が高速若しくは高加速度で移動している場合には、GPS座標情報に含まれる各点がつなぐ軌跡と、実際の移動体の軌跡との乖離が生まれる結果、GPS移動距離情報と参照移動距離とに乖離が生まれる。そのため、GPS移動距離情報と参照移動距離情報との乖離が大きいほど、移動体が高速若しくは高加速度で移動していると評価することができ、さらに、GPS移動距離情報と参照移動距離情報との乖離が大きい移動体を、「非渋滞」と判定しやすくすることができる。このように、機械学習実行部132による機械学習では、GPS移動距離情報及び参照移動距離情報を渋滞判定の特徴量とすることができる。
【0044】
なお、機械学習実行部132による機械学習では、渋滞判定の対象となる移動体の移動情報に基づく情報のみを特徴量としてもよいし、例えば周囲に存在する移動体等、他の移動体の移動情報に基づく情報を特徴量としてもよい。
【0045】
入力移動情報取得部140は、情報処理システム110にアクセスして、情報処理システム110から少なくとも1つの移動体の移動情報を取得し、入力移動情報記憶部141に格納する。なお、入力移動情報取得部は、端末装置120にアクセスして、端末装置120から直接、当該移動体の移動情報を取得してもよい。
【0046】
入力移動情報取得部140が入力移動情報を情報処理システム110若しくは端末装置120から取得するタイミングは、任意に設定することができる。例えば、入力移動情報取得部140は、情報処理システム110若しくは端末装置120が移動情報を収集したタイミングで即座に、入力移動情報取得部140が端末装置120から取得してもよいし、1秒単位等の一定のタイミングで入力移動情報取得部140が情報処理システム110若しくは端末装置120から取得してもよい。また、情報処理システム110若しくは端末装置120からの指示に応じて情報処理システム110若しくは端末装置120から取得してもよい。
【0047】
また、入力移動情報は、移動体判定部142による判定の直前の移動情報であってもよいし、過去の移動情報であってもよいし、シミュレーションによって算出される仮想の移動情報であってもよい。また、入力移動情報は、移動体判定部142による判定の対象となる移動体の移動情報だけでなく、例えば当該移動体の周囲に存在する移動体等、他の移動体の移動情報を含んでもよい。
【0048】
図3は、入力移動情報記憶部141に記憶される情報の一例を示す図である。入力移動情報記憶部141に記憶される情報は、例えば、移動体ID、時刻情報、速度情報及びGPS座標情報を含む。
【0049】
移動体判定部142は、入力移動情報記憶部141に記憶される入力移動情報を判定器133に入力し、移動体のそれぞれの渋滞状況を判定し、移動体判定情報記憶部144に格納する。
【0050】
図4は、判定器133を用いた移動体判定部142による判定の一例を示す図である。判定器133は、例えば、分岐ごとに、入力移動情報記憶部141に記憶される入力移動情報に基づいて、当該移動体を分類し、最終的に、当該移動体の渋滞判定結果を生成する。渋滞判定結果は、例えば、「渋滞」、「やや渋滞」、「空き」等を含む。なお、渋滞状況情報は、「A」「B」「C」等の定性的な指標であってもよいし、パーセント等の定量的な指標であってもよい。また、当該移動体の渋滞判定結果と、学習用渋滞状況情報との指標は、同一の指標であってもよいし、異なる指標であってもよい。なお、
図4では、決定木学習方法を活用した判定方法を示しているが、機械学習のアルゴリズムはこれに限られない。
【0051】
移動体判定情報生成部143は、判定器133を用いた移動体判定部142による渋滞判定結果に基づいて、判定器133を用いた移動体判定部142による渋滞判定結果と当該移動体を識別する移動体識別情報とを対応付けた情報を示す移動体判定情報を生成し、移動体判定情報記憶部144に格納する。
【0052】
図5は、移動体判定情報記憶部144に記憶される情報の一例を示す図である。移動体判定情報記憶部144に記憶される情報は、例えば、移動体ID、リンクID、時刻情報及び判定器133による移動体のそれぞれの渋滞判定結果に関する渋滞判定結果情報を含む。リンクIDは、移動体が位置するリンクを識別するリンク識別情報である。リンクIDは、例えば、渋滞判定システム100上で生成されてもよいし、情報処理システム110上で生成されてもよいし、入力移動情報記憶部141に記憶される入力移動情報に含まれていてもよい。また、リンクIDは、GPS座標情報に基づいて判断される情報であってもよいし、道路上に設置されている機器から移動体若しくは端末装置120が取得する情報に基づく情報であってもよい。
【0053】
集計情報生成部150は、移動体判定情報記憶部144に記憶される移動体判定情報に基づいて、リンクごとに、判定器133による移動体ごとの渋滞判定結果を集計し、集計情報記憶部151に格納する。集計情報生成部150は、例えば、渋滞判定結果ごとに該当する移動体数を集計してもよいし、移動体数全体に占める各渋滞判定結果の移動体数の割合を集計してもよい。また、集計情報生成部150は、渋滞判定結果を複数のカテゴリに分類した上で集計してもよい。
【0054】
図6は、集計情報記憶部151に記憶される情報の一例を示す図である。集計情報記憶部151に記憶される情報は、例えば、リンクID、時刻情報及び判定結果集計情報を含む。
図6では、判定結果集計情報として、同一リンク内に存在する、各渋滞判定結果を与えられた移動体の数を示しているが、集計方法はこれに限られない。
【0055】
リンク判定部152は、集計情報記憶部151に記憶される集計情報に基づいて、リンクのそれぞれの渋滞状況を判定し、リンク判定情報記憶部154に格納する。リンク判定部152は、例えば、集計情報記憶部151に記憶されるリンクごとの判定結果集計情報に基づいて、リンクのそれぞれの渋滞状況を判定する。
【0056】
リンクのそれぞれの渋滞状況の判定条件は、例えば、(ア)「渋滞」移動体数若しくは「やや渋滞」移動体数が1以上であり、かつ、「空き」移動体数が0のときを「完全渋滞」、(イ)「渋滞」移動体数若しくは「やや渋滞」移動体数が1以上であり、かつ、「空き」移動体数も1以上のときを「部分渋滞」、(ウ)「渋滞」移動体数及び「やや渋滞」移動体数が0であり、かつ、「空き」移動体数が1以上のときを「空き」とすることができる。ここで、車線全てが渋滞している状態を「完全渋滞」、渋滞している車線と渋滞していない車線が混在している状態若しくはリンク内の特定区間のみが渋滞している状態等のリンクの一部分のみが渋滞している状態を「部分渋滞」、いずれの車線も区間も渋滞していない状態を「空き」とするが、リンクごとの渋滞判定結果の指標はこれに限られない。また、リンクごとの渋滞判定結果の指標は、「A」「B」「C」等の定性的な指標であってもよいし、パーセント及び移動体数等の定量的な指標であってもよい。
【0057】
なお、リンクのそれぞれの渋滞状況の判定条件は、移動体数が1以上でなく複数以上であってもよいし、複数の条件を組み合わせてもよい。また、リンクのそれぞれの渋滞状況の判定条件は、例えば当該リンクと隣接するリンク等、当該リンク以外のリンクに存在する移動体数等に基づく条件であってもよい。また、リンクのそれぞれの渋滞状況の判定条件は、移動体全体に占める各渋滞判定結果の移動体数の割合に基づく条件であってもよい。
【0058】
リンク判定情報生成部153は、リンク判定部152による渋滞判定結果に基づいて、リンク判定部152による渋滞判定結果と当該リンクを識別するリンク識別情報とを対応付けた情報を示すリンク判定情報を生成し、リンク判定情報記憶部154に格納する。
【0059】
図7は、リンク判定情報記憶部154に記憶される情報の一例を示す図である。リンク判定情報記憶部154に記憶される情報は、例えば、リンクID、時刻情報及びリンク判定部152による渋滞判定結果に関する渋滞判定結果情報を含む。
【0060】
判定情報提供部160は、移動体判定情報記憶部144に記憶される移動体判定情報及びリンク判定情報記憶部154に記憶されるリンク判定情報の少なくともいずれか一方を、交通状況を解析する際の参考情報として情報処理システム110に提供する。
【0061】
図8は、渋滞判定システム100における機械学習の処理の一例を示すフローチャートである。まず、学習用情報取得部130が、情報処理システム110から学習用情報を取得し、学習用情報記憶部131に格納する(S801)。そして、機械学習実行部132が、学習用情報記憶部131に記憶されている学習用情報に基づいて機械学習を実行し、判定器133を生成する(S802)。
【0062】
図9は、渋滞判定システム100における渋滞判定の処理の一例を示すフローチャートである。まず、入力移動情報取得部140が、情報処理システム110又は端末装置120から移動体の移動情報を取得し、入力移動情報記憶部141に格納する(S901)。次に、移動体判定部142は、入力移動情報記憶部141に記憶される入力移動情報を判定器133に入力し、移動体のそれぞれの渋滞状況を判定し、移動体判定情報記憶部144に格納する(S902)。
【0063】
集計情報生成部150は、移動体判定情報記憶部144に記憶される移動体判定情報をリンクごとに集計し、集計情報記憶部151に格納する(S903)。リンク判定部152は、集計情報記憶部151に記憶される集計情報に基づいて、リンクのそれぞれの渋滞状況を判定する(S904)。そして、移動体判定情報及びリンク判定情報の少なくともいずれか一方を、交通状況を解析する際の参考情報として情報処理システム110に提供する(S905)。
【0064】
以上、本発明の一実施形態について説明した。渋滞判定システム100は、学習用情報に基づく機械学習によって構築される、移動体のそれぞれの渋滞状況を判定する判定器と、少なくとも1つの移動体のそれぞれの移動情報を示す入力移動情報とに基づいて、少なくとも1つの移動体のそれぞれの渋滞状況を判定することができる。これにより、より多くの道路にて移動体のそれぞれの渋滞状況を高精度に判定できる。
【0065】
また、渋滞判定システム100は、移動体のそれぞれの渋滞状況に基づいて、リンクのそれぞれの渋滞状況及びリンクのそれぞれの一部分の渋滞状況を判定することができる。これにより、リンクの渋滞状況、リンク内で渋滞している車線と渋滞していない車線の混在の状況及びリンク内の特定区間のみが渋滞している状況を把握することができる。
【0066】
また、渋滞判定システム100は、移動体ごとの渋滞判定結果及びリンクごとの渋滞判定結果を情報処理システム110に提供することができる。これにより、情報処理システム110は、渋滞判定システム100による判定結果を交通状況の解析若しくは移動体の走行の支援に活用することができる。
【0067】
また、渋滞判定システム100による移動体のそれぞれの渋滞状況の判定結果は、リンクのそれぞれの渋滞状況の判定に活用されるだけにとどまらない。例えば、渋滞中の移動体向けの独自サービスの提供に際してのサービス提供対象移動体の特定や、渋滞車両の動きと道路の形状等の関係の解析を通じた道路における渋滞のしやすさの定量化にも活用できる。
【0068】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0069】
100 渋滞判定システム、110 情報処理システム、120 端末装置、130 学習用情報取得部、131 学習用情報記憶部、132 機械学習実行部、133 判定器、140 入力移動情報取得部、141 入力移動情報記憶部、142 移動体判定部、143 移動体判定情報生成部、144 移動体判定情報記憶部、150 集計情報生成部、151 集計情報記憶部、152 リンク判定部、153 リンク判定情報生成部、154 リンク判定情報記憶部、160 判定情報提供部