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  • -タンク固定構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-06-01
(45)【発行日】2026-06-09
(54)【発明の名称】タンク固定構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/073 20060101AFI20260602BHJP
   F17C 13/08 20060101ALI20260602BHJP
【FI】
B60K15/073 100
F17C13/08 301A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023172847
(22)【出願日】2023-10-04
(65)【公開番号】P2025063542
(43)【公開日】2025-04-16
【審査請求日】2025-08-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 文人
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2023/0032196(US,A1)
【文献】特開2005-112112(JP,A)
【文献】特開2017-144926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/073
F17C 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフレームにブラケットを介してタンクを固定するタンク固定構造であって、
前記ブラケットは、前記フレームの側面に固定される取付部材と、前記タンクが搭載される可動部材と、前記可動部材を前記取付部材の下部に揺動可能に連結するヒンジと、前記取付部材と前記可動部材とに架設されることにより前記可動部材を不動にする姿勢保持部材と、を備えており、
前記姿勢保持部材において前記取付部材に対する取り付け部または前記可動部材に対する取り付け部が、所定以上の荷重を受けたときに分断されるように構成されていることを特徴とするタンク固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、「LPGエンジン搭載車において、LPG燃料タンクがL字型ブラケットの所定位置に位置決めされて支持されており、前記L字型ブラケットの縦壁がフレームの側面に重ね合わされるようにして取り付けられている。」ということが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3695128号(特開平11-278069号)公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、衝突時にLPG燃料タンクが他部材により押されることによって車両のフレームに当たると、前記LPG燃料タンクに荷重が入力される。
【0005】
このような事情に鑑み、本発明は、荷重入力時のタンクの保護性能を向上するタンク固定構造の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両のフレームにブラケットを介してタンクを固定するタンク固定構造であって、前記ブラケットは、前記フレームの側面に固定される取付部材と、前記タンクが搭載される可動部材と、前記可動部材を前記取付部材の下部に揺動可能に連結するヒンジと、前記取付部材と前記可動部材とに架設されることにより前記可動部材を不動にする姿勢保持部材と、を備えており、前記姿勢保持部材において前記取付部材に対する取り付け部または前記可動部材に対する取り付け部が、所定以上の荷重を受けたときに分断されるように構成されていることを特徴としている。
【0007】
この構成によれば、車両の衝突時に前記タンクおよび前記可動部材を経て前記姿勢保持部材において前記取付部材に対する取り付け部または前記可動部材に対する取り付け部に所定以上の荷重が入力されると、前記取り付け部が分断されることになるために、前記可動部材の自由端側が前記ヒンジを中心として下向きに旋回されることになる。これにより、前記可動部材に搭載されている前記タンクが前記フレームとの間に挟まれて圧壊することが防止されるとともに、前記タンクが受ける荷重が緩和されることになる。
【0008】
ところで、前記取付部材は、その上部が前記タンクへ向けて接近するように側面視で車両上下方向に対して傾斜されており、前記取付部材の上部に前記姿勢保持部材の上部が取り付けられる一方で、前記可動部材の中間部に前記姿勢保持部材の下部が取り付けられることにより、前記姿勢保持部材が車両上下方向に沿う姿勢にされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、衝突時のタンクの保護性能を向上するタンク固定構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るタンク固定構造の一実施形態を示す側面図である。
図2】荷重入力時の第1段階を示す側面図である。
図3】荷重入力時の第2段階を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1から図3に本発明の一実施形態を示している。車両には、燃料タンク1が搭載されるが、この燃料タンク1は、車両のフレーム2にブラケット3を介して固定されるようになっている。
【0013】
なお、燃料タンク1は、タンクの一例であって、例えば水素自動車の場合には水素タンクとなり、LPGエンジン搭載車の場合にはLPG燃料タンクとなり、ガソリンエンジン搭載車の場合にはガソリン燃料タンクとなり、ディーゼルエンジン搭載車の場合にはディーゼル燃料タンクとなる。
【0014】
具体的に、燃料タンク1は、円筒形で両端が閉塞されたような形状とされており、その両端面にはバルブ11が設けられている。バルブ11は、詳細に図示していないが、その中心に設けられる小径パイプ11aの自由端側に大径円盤部を設けた構成とされている。
【0015】
フレーム2は、例えば車両のラダーフレームにおいて前後方向に沿う左右一対のサイドメンバのうちの左サイドメンバとされており、例えば角筒形状に形成されている。このフレーム2としての左サイドメンバの左側に燃料タンク1が設置されるようになっている。
【0016】
ブラケット3は、燃料タンク1が搭載されるものであって、この実施形態では燃料タンク1の長手方向一端側と他端側とにそれぞれ1つずつ設けられている。
【0017】
このブラケット3は、取付部材31、可動部材32、ヒンジ33、姿勢保持部材34などを備えた構成になっている。
【0018】
取付部材31は、例えば直線形状の丸パイプとされており、フレーム2の側面にスペーサ4を介して取り付けられている。
【0019】
なお、スペーサ4は、取付部材31をフレーム2の左側面に対して所定角度傾斜させるために用いられている。
【0020】
具体的に、スペーサ4は、直角三角形に形成されており、その底辺が上になるようにかつ斜辺が燃料タンク1に向くような形態で逆さに配置されている。これにより、このスペーサ4の斜辺に取り付けられる取付部材31は、その上部が燃料タンク1へ向けて接近するように側面視で車両上下方向に対して所定角度(図1のα参照)傾斜するような姿勢にされている。
【0021】
このように取付部材31を傾斜させる理由は、車両衝突試験などにおいて車両の燃料タンク1に図1の衝突試験用の物体10を衝突させたときに、燃料タンク1を斜め下向きに変位させるように誘導することにより、燃料タンク1がフレーム2に挟まれて圧壊することを防止するためである。
【0022】
可動部材32は、例えば側面視でV字形に屈曲された丸パイプとされており、水平部32aと傾斜部32bとを有している。この可動部材32において水平部32aと傾斜部32bとでなす内角は、鈍角に設定されている。
【0023】
この可動部材32において水平部32aの上に燃料タンク1が板状の支柱32cを介して搭載されるようになっている。なお、可動部材32の傾斜部32bと取付部材31とでなす角度(図1のβ参照)は、燃料タンク1の直径寸法に応じて適宜設定される。
【0024】
支柱32cは、水平部32aの上に設けられており、この支柱32cには、上向きに開放するU字形の溝32dが設けられている。この溝32d内に、燃料タンク1の両端のバルブ11の小径パイプ11aが嵌め入れられるようになっている。
【0025】
ヒンジ33は、可動部材32を取付部材31に揺動可能に連結するものであって、その一端部は可動部材32の傾斜部32bの自由端(上部)に、また、他端部は取付部材31の下部にそれぞれ取り付けられている。
【0026】
姿勢保持部材34は、取付部材31と可動部材32とに架設されることにより可動部材32の姿勢を不動にするものであって、例えば帯状板とされている。
【0027】
この姿勢保持部材34を上下方向に沿う姿勢にしたうえで、上部が取付部材31の上部に、また、下部が可動部材32の中間部つまり水平部32aと傾斜部32bとの連接部分に、それぞれ例えばネジまたはボルトなどの締結部材5,6により取り付けられている。
【0028】
なお、姿勢保持部材34の上部および下部の取り付け形態は、締結部材5,6の代わりに、例えば溶接などで結合する形態に変更することが可能である。
【0029】
そして、姿勢保持部材34において取付部材31に対する取り付け部(締結部材5)または可動部材32に対する取り付け部(締結部材6)は、所定以上の荷重が付加されたときにせん断などにより分断されるように構成されている。つまり、締結部材5,6のせん断強度が、前記荷重以下となるように設定されている。
【0030】
次に、上述したタンク固定構造による荷重入力時の動作を説明する。
【0031】
仮に、図1に示すように、例えば車両の左側部に他車両(または衝突試験用の物体10)が衝突したときに、図2に示すように、燃料タンク1に入力される荷重F1がブラケット3の取付部材31の傾斜によってブラケット3の可動部材32を下向きに押し下げる荷重F2に変換されることになる。
【0032】
前記荷重F2が所定以上である場合、姿勢保持部材34において可動部材32に対する取り付け部(締結部材6)がせん断などにより分断されることになるために、ブラケット3の可動部材32がヒンジ33を中心として図2の反時計回りに旋回させられることになる。
【0033】
これにより、燃料タンク1が圧壊などのように破損することが防止されるとともに、燃料タンク1が受ける荷重が緩和されることになる。
【0034】
以上説明したように、本発明を適用した実施形態によれば、燃料タンク1の保護性能が向上する。
【0035】
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲内で適宜に変更することが可能である。
【0036】
(1)上記実施形態では、ブラケット3をパイプなどで形成する例を挙げているが、本発明はこれのみに限定されるものではない。例えば図示していないが、ブラケット3の取付部材31および可動部材32を平板とすることが可能である。
【0037】
(2)上記実施形態では、フレーム2をラダーフレームの左サイドメンバとする例を挙げているが、本発明はこれのみに限定されるものではない。
【0038】
例えば図示していないが、例えばフレーム2を前記ラダーフレームの右サイドメンバとし、この右サイドメンバの右側に燃料タンク1を設置する形態にする形態や、フレーム2を車両のラダーフレームのリヤクロスメンバとし、このリヤクロスメンバの後側に燃料タンク1を設置する形態にすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、例えば車両に搭載される燃料タンクなどのタンクを固定する構造に好適に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 燃料タンク
2 フレーム
3 ブラケット
31 取付部材
32 可動部材
32a 水平部
32b 傾斜部
32c 支柱
32d 溝
33 ヒンジ
34 姿勢保持部材
4 スペーサ
5 上側の締結部材(取り付け部)
6 下側の締結部材(取り付け部)
10 衝突試験用の物体
図1
図2
図3