(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-06-30
(45)【発行日】2026-07-08
(54)【発明の名称】レンズ装置および撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20210101AFI20260701BHJP
G03B 17/14 20210101ALI20260701BHJP
G02B 7/08 20210101ALI20260701BHJP
【FI】
G02B7/04 D
G03B17/14
G02B7/08 Z
G02B7/04 Z
(21)【出願番号】P 2022127812
(22)【出願日】2022-08-10
【審査請求日】2025-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100136799
【氏名又は名称】本田 亜希
(72)【発明者】
【氏名】保延 和博
【審査官】櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-128203(JP,A)
【文献】特開2018-147483(JP,A)
【文献】特開2014-202697(JP,A)
【文献】特開2013-103668(JP,A)
【文献】国際公開第2016/051839(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0153411(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106716213(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B7/00-7/34
G01D5/00-5/252、
5/39-5/62
G02B7/02-7/16
G03B17/04-17/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
光路に対して挿抜されることによりレンズ装置の焦点距離を変更するレンズ群と、
前記レンズ群を保持し、回転軸の周りに回転することにより前記レンズ群を光路に対して挿抜させる保持部材と、
前記保持部材および前記筐体のうち一方に固定されたマグネットと、
前記保持部材および前記筐体のうち他方に固定され、前記マグネットによる磁束を検出する検出部とを有するレンズ装置であって、
前記マグネットの磁化方向と前記検出部が最大の検出感度を有する前記検出部の検出方向とが、前記マグネットと前記検出部との間の距離が最小となる第1状態において互いに非平行となり、前記マグネットと前記検出部との間の距離が前記第1状態とは異なる第2状態において互いに平行となるように、前記マグネットおよび前記検出部が配置されていることを特徴とするレンズ装置。
【請求項2】
前記レンズ群の光軸に垂直な平面において、前記第1状態では、前記回転軸と前記光軸とを結ぶ方向に関して前記検出部は前記マグネットよりも前記回転軸の近くに配置されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項3】
前記回転軸から前記マグネットまでの距離は、前記回転軸から前記光軸までの距離よりも短いことを特徴とする請求項2に記載のレンズ装置。
【請求項4】
前記筐体は、前記検出部を収容する収容部を有し、
前記第1状態において、前記マグネットは、前記磁化方向に平行で前記マグネットの重心を通る直線が前記収容部の内部を通るように配置されていることを特徴とする請求項3に記載のレンズ装置。
【請求項5】
前記第1状態において、前記マグネットの前記磁化方向への投影が前記検出部の少なくとも一部と重なるように、前記マグネットおよび前記検出部が配置されていることを特徴とする請求項4に記載のレンズ装置。
【請求項6】
前記第1状態において、前記マグネットの前記磁化方向に平行で前記マグネットの重心を通る直線が前記検出部を通過するように、前記マグネットおよび前記検出部が配置されていることを特徴とする請求項5に記載のレンズ装置。
【請求項7】
前記保持部材は、前記レンズ群を保持する円筒部と、前記回転軸に係合している腕部とを有し、前記マグネットは前記円筒部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一項に記載のレンズ装置と、前記レンズ装置によって形成された像を撮る撮像素子とを含むことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ装置および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光路上に挿入して焦点距離を拡大するエクステンダーレンズ群を内蔵するレンズ装置が知られている。エクステンダーレンズ群が光軸上にあるか否かで焦点距離やF値が変化する。内蔵エクステンダー構造を有するレンズ装置は、エクステンダーレンズ群が光軸上にあるか否かを検出する。当該検出の結果に基づいて、カメラのビューファインダー等にレンズ装置の状態(焦点距離やF値等)が表示される。
【0003】
エクステンダーレンズ群が光路上に位置しているか否かを検出するためにホールIC等のセンサがレンズ装置の内部に設置されうる。特許文献1では、エクステンダーレンズ群が光路上にある場合に、エクステンダーレンズ群のレンズ枠に設置されたマグネットがホールICで検出される。特許文献2では、エクステンダーレンズ群が光路から退避した場合に、マグネットがホールICで検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開公報2016/051839号
【文献】特開2021-128203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、特許文献2の構成では、レンズ枠は回転して光路に対して挿抜され、レンズ枠が挿入位置または抜去位置の近傍まで回転すると、ホールICが検出する磁束密度が急激に大きくなる。特許文献1では、回転軸からマグネットまでの距離が大きいため、レンズ枠の回転角に対するマグネットの移動量が大きい。エクステンダーレンズ群が光路の近傍に位置するセクター回転角の小さい範囲のみでマグネットとホールICが対向するため、ホールICが検出する磁束密度は急激に増加する。磁束密度が閾値を超えるとONとOFFとが互いに切り替わるホールICを用いる場合、マグネットやホールICの配置誤差により、ONとOFFとが切り替わる回転角がばらつくことになる。
【0006】
本発明では、例えば、レンズ群の挿抜の検出に有利なレンズ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一側面に係るレンズ装置は、レンズ装置は、筐体と、光路に対して挿抜されることによりレンズ装置の焦点距離を変更するレンズ群と、前記レンズ群を保持し、回転軸の周りに回転することにより前記レンズ群を光路に対して挿抜させる保持部材と、前記保持部材および前記筐体のうち一方に固定されたマグネットと、前記保持部材および前記筐体のうち他方に固定され、前記マグネットによる磁束を検出する検出部とを有し、前記マグネットの磁化方向と前記検出部が最大の検出感度を有する前記検出部の検出方向とが、前記マグネットと前記検出部との間の距離が最小となる第1状態において互いに非平行となり、前記マグネットと前記検出部との間の距離が前記第1状態とは異なる第2状態において互いに平行となるように、前記マグネットおよび前記検出部が配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば、レンズ群の挿抜の検出に有利なレンズ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】実施例に係るレンズ装置の第1状態における断面図である。
【
図3】実施例に係るレンズ装置の第2状態における断面図である。
【
図4】実施例に係るレンズ装置の第3状態における断面図である。
【
図5】実施例に係るレンズ装置の第1状態における部分拡大断面図である。
【
図6】実施例に係るレンズ装置の第1状態における部分拡大断面図である。
【
図7】実施例に係るレンズ装置における磁束密度と回転支持部の回転角の関係図である。
【
図8】実施例に係るレンズ装置における磁束密度と回転支持部の回転角の関係図である。
【
図9】実施例に係るレンズ装置における磁束密度と回転支持部の回転角の関係図である。
【
図11】従来例のレンズ装置の第1状態における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、
図1~
図11に図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0011】
図1は本実施例におけるレンズ装置1の部分斜視図を示す。レンズ装置1は、光路に挿抜してレンズ装置1の倍率(焦点距離)を切り替える(シフトする)エクステンダー機構を筐体2の内部に有しており、レバー3を回転操作することにより倍率を切り替える。
図2は本実施例においてエクステンダーレンズ群4が光路から退避した状態(第1状態)の断面図である。
【0012】
エクステンダーレンズ群4は不図示の押さえ環などで鏡筒5に固定されている。鏡筒5は回転支持部(保持部材)6の円筒部6aに不図示のビスで固定されている。回転支持部6の腕部6bには回転軸7が設けられ、回転支持部6は回転軸7回りに回転可能(移動可能)な状態で係合して筐体2に設置されており、連結機構を介して接続されたレバー3を回転操作することで光路に挿抜される。回転支持部6の挿抜に関しては詳しく後述する。
【0013】
筐体2にある収容部2aにはホールIC8が実装された回路基板9が設置されている。筐体2の撮像面側には不図示のリレーレンズ群を保持したリレーユニット11が固定され、リレーユニット11にはマウント12が固定されている。ホールIC8は回転支持部6に設置されたマグネット10により発生する磁束を検出している。磁束密度が小さい場合、ホールIC8はOFF信号を出力し、磁束密度が閾値を超えた場合、ホールIC8はON信号を出力する。出力された信号は回路基板9に接続された不図示のケーブル、マウント12に設置された接点13を介して、レンズ装置1を装着した不図示のカメラ装置に送信され、ビューファインダーなどを通じてユーザーにレンズ状態を知らせる。
【0014】
図3は第1状態からレバー3を半分回転させた状態(第2状態)の断面図、
図4はエクステンダーレンズ群4が光路上にある時(第3態)の断面図である。
図2、3、4を参照してエクステンダー切り替え構造について説明する。
【0015】
回転支持部6にはギア14が固定されている。ギア14はレバー3に固定されたギア15とかみ合っている。第1状態からレバー3を撮像面側からみて反時計回りに回転操作すると回転支持部6は第2状態、第3状態へと移動する。第3状態からレバー3を撮像面側からみて時計回りに回転操作すると回転支持部6は第2状態、第1状態へと移動する。
【0016】
回転支持部6にはバネ16が設置されている。第1状態と第2状態の間で回転支持部6が移動している場合、バネ16は矢印17の方向に回転支持部6を付勢しており、レバー3を操作する力が付勢力よりも小さければ回転支持部6はバネ16の付勢力により第1状態を維持する。一方、第2状態と第3状態の間で回転支持部6が移動している場合、バネ16は方向18に回転支持部6を付勢しており、レバー3を操作する力が付勢力より小さければ回転支持部6はバネ16の付勢力により第3状態を維持する。
【0017】
次にホールIC8とマグネット10の位置について
図5を参照して説明する。
図5は第1状態における部分断面図である。回転軸7回りで回転した時にエクステンダーレンズ群4の光軸Oが描く軌跡L1と、光軸Oおよび回転軸7の回転中心O´を通る直線L2によって回転支持部6は4つの空間に分けられている。回転軸7が第1空間と第2空間の間に存在するように撮像面側から見て反時計周りに第1空間、第2空間、第3空間、第4空間とする。
【0018】
マグネット10は円筒部6a外周部の第1空間に設置されている。マグネット10とホールIC8は、第1状態において、互いに最も近接した状態(マグネット10とホールIC8との間の距離が最小となる状態)となる。第1状態において、マグネット10の着磁方向に平行でマグネット10の重心を通る方向(以後、磁化方向L3とも記載する)は、ホールIC8の検出方向L4に対して傾いた位置関係となるように設置されている。すなわち、第1状態において、マグネット10の磁化方向L3とホールIC8の検出方向L4とは、光軸に垂直な断面内で非平行の関係となる。第1状態において、レンズの光軸Oと回転軸7の回転中心O´を通る直線L2と、磁化方向L3、検出方向L4それぞれとの光軸に垂直な平面内における交点をP3、P4とするとき、交点P4は交点P3よりも回転軸側に位置する(
図5)。ここで、ホールIC8の検出方向L4とは、ホールIC8が最も大きな検出感度を有する方向である。なお、検出部が最大の検出感度を有する検出部の検出方向は、検出部の検出面に直交する方向でありうる。
【0019】
また、磁化方向L3と検出方向L4は、第3状態から第1状態(図中の矢印17の方向)への移行過程において、互いに角度を有している状態から互いに平行となる状態を経て、互いになす角度が増加しながら第1状態で所定の角度θとなる。所定の角度θは、10度以上45度以下であるとよいが、好ましくは20度以上35度以下、より好ましくは24度以上30度以下であるとよい。本実施例では、第1状態での所定の角度θは27度である。
【0020】
前記所定の角度θが小さすぎると、磁化方向L3と検出方向L4が平行に近くなるため、検出位置に近づいた時にホールICの検出値が急激に変化するようになり、ホールIC8の組立て誤差等による検出角度のばらつきが顕著になり、好ましくない。逆に、前記所定の角度θが大きすぎると、検出位置に近づいてもホールICによる検出値が上がりにくくなり、検出値の閾値との比較に基づくON・OFF判定の精度が低下してしまい、好ましくない。
【0021】
上述したように、第3状態から第1状態への移行の途中(第3状態および第1状態から離間した位置)で、磁化方向L3と、検出方向L4とが互いに平行となる回転支持部6の回転角が存在する。第3状態から第1状態への移行途中における磁化方向L3と検出方向L4とが互いに平行となる状態においては、検出方向L4の直線は磁化方向L3の直線よりも回転軸7に近い位置となる。
【0022】
また、実施例においては、マグネット10は、磁化方向L3が、エクステンダーレンズ群4の光軸Oを通過するように、回転支持部6の円筒部6aに固定されているが、本発明はこの構成に限定されることはない。
【0023】
第1状態において、磁化方向L3に垂直な平面へ投影したマグネット10の形状の磁化方向L3への投影が、ホールIC8の検出部8aの少なくとも一部と重複するようにホールIC8およびマグネット10が構成されている。より好ましくは、第1状態において、ホールIC8およびマグネット10は、磁化方向L3の直線が、ホールIC8の検出部8aを通過するように構成されるとよい。磁化方向L3に垂直な断面においては、磁化方向L3上にマグネット10による磁束密度が高いため、この構成により、第1状態において検出部8aで検出する磁束を増加させることができる。
【0024】
マグネット10は、回転軸7の回転中心O´を中心とする回転支持部6の回転による、エクステンダーレンズ群4の光軸Oが描く軌跡L1よりも回転中心O´側(回転軸7側)の円筒部6aに、配置される。すなわち、回転軸7からマグネット10までの距離は、回転軸7からエクステンダーレンズ群4の光軸Oまでの距離よりも短い。それにより、マグネット10の回転角あたりのホールIC8に対する移動量を抑制し、磁束密度の急激な変化を抑制することができる。
【0025】
また、
図6に示すように、ホールIC8は、光軸に垂直な平面内での第1状態におけるレンズの光軸Oと回転軸7の回転中心O´を通る方向において、マグネット10よりも回転軸7側(方向19)に設置されている。すなわち、
図6に示すように、第1状態におけるレンズの光軸Oと回転軸7の回転中心O´を結ぶ方向において、ホールIC8と回転中心O´との距離D1は、マグネット10と回転中心O´との距離D2よりも短い。すなわち、第1状態において、マグネット10は、磁化方向L3が収容部2aの側壁を通過することなく円筒部6aから収容部2aの内部を通るように配置されている。これにより、
図11に例示した従来の配置に対して、収容部2aの外壁2bに対して距離を取ってホールIC8を配置することができ、外部から近づくマグネットなどによる磁束の影響に起因する誤検出が発生しにくくなる。
【0026】
図11は従来例においてエクステンダーレンズ群4が光路から退避した状態(第1状態)の部分断面図である。第1状態においてホールIC8が検出する磁束密度が実施例と同一になる位置でホールIC8とマグネット10が対向し、マグネット10の磁化方向L3とホールICの検出方向L4は一致している。
【0027】
図7は本実施例(
図5)と従来例(
図11)において、第2状態から第1状態にかけてレバー3を操作した時の回転支持部6の回転角とホールIC8に入力されるマグネット10の磁束密度の関係を示したグラフである。第1状態においてホールIC8が検出する最大磁束密度の20%をホールIC8がONとOFFを切り替える閾値とした場合、本実施例では回転支持部6が第1状態まで7.8度のところで閾値を超え、ON信号がカメラへと送信される。一方、従来例は回転支持部6が第1状態まで6.6度で閾値を超え、ON信号がカメラへと送信される。
次に
図8、9を参照しながら、ホールICの組立て誤差による影響について説明する。
【0028】
図8は
図5に示す本発明、
図11に示す従来例においてホールIC8が方向19にずれた時の回転支持部6の回転角とホールIC8で検出される磁束密度との関係を示したグラフである。実線は本実施例における設計値、破線は実施例の設計値に対して方向19に0.5mmずれた場合を表している。また、一点鎖線は従来例において設計位置に設置された場合、二点鎖線は従来例において設計位置に対して方向19に0.5mmずれた場合を表している。検出閾値を20%と設定した場合、従来例の検出角度が6.6度から5.7度に変化している一方で、本実施例ではほぼ変化しないことが分かる。
【0029】
図9は
図5においてホールIC8が方向19にずれた時の回転支持部6の回転角と入力される磁束密度との関係を示したグラフである。実線は本実施例において設計位置に設置された場合、破線は実施例において設計位置に対して方向20に0.5mmずれた場合を表している。また、一点鎖線は従来例において設計位置に設置された場合、二点鎖線は従来例において設計位置に対して方向20に0.5mmずれた場合を表している。従来例の検出角度が6.6度から6度に変化している一方で、本実施例では7.8度から8.1度に変化していることが分かる。
【0030】
上述のようにホールICが設計位置からずれた位置に設置された場合、本実施例ではホールIC8で検出される磁束密度の変化を従来例よりも小さく抑えることができる。これによりホールIC8の組立て誤差(組立てばらつき)があっても回転支持部6の回転角が設計値により近い角度で検出することができる。
【0031】
上述のように本実施例のレンズ装置においては、エクステンダーレンズ群4が光路から退避した退避位置(第1状態)において、マグネット10の磁化方向L3とホールIC8の検出方向L4を回転方向(矢印17の方向)に傾くように設置する。これによりホールIC8が閾値以上の磁束密度を検出する回転支持部6の回転角が大きくなると共にホールIC8の組立ばらつきによる検出角度の変化を抑制し、安定した検出ができる。
【0032】
なお、実施例ではエクステンダーレンズ群4が光路から退避した位置を検出するとしたが、これに限定されない。例えばマグネット10を回転支持部6の第2空間に設置し、光路上にある時に検出するようにホールIC8を設置してもよい。
【0033】
また、実施例ではエクステンダーレンズ群4を保持する回転支持部6にマグネット10が設置され、筐体2の収容部2aにホールIC8が固定された構成として例示したが、本発明はこれに限定されることはない。回転支持部6と筐体2の一方にマグネットが固定され、回転支持部6が光路位置および退避位置の一方にある状態においてマグネットの近接を検出するホールICが回転支持部6と筐体2の他方に固定されるように構成されればよい。すなわち、エクステンダーレンズ群4を保持する回転支持部6にホールICが設置され、筐体2の収容部2aにマグネットが固定された構成であってもよい。その場合には、例示した実施例に対して、マグネットとホールICの設置位置が入れ替わり、磁化方向と検出方向が入れ替わった構成となり、同様の効果を奏することができる。
【0034】
図10に、本発明のレンズ装置1と、該レンズ装置1によって形成された像を撮る撮像素子201を有するカメラ装置200とを含む撮像装置300の概略図を示す。レンズ装置1は、上記の実施例で説明した光路位置(実線)と退避位置(破線)で記載されたエクステンダーレンズ群4と、その他の光学系G1とを含み、マウント12を介してカメラ装置200と接続されている。このような構成により本発明の効果を享受する撮像装置を実現することができる。
【0035】
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
筐体と、
光路に対して挿抜されることによりレンズ装置の焦点距離を変更するレンズ群と、
前記レンズ群を保持し、回転軸の周りに回転することにより前記レンズ群を光路に対して挿抜させる保持部材と、
前記保持部材および前記筐体のうち一方に固定されたマグネットと、
前記保持部材および前記筐体のうち他方に固定され、前記マグネットによる磁束を検出する検出部とを有するレンズ装置であって、
前記マグネットの磁化方向と前記検出部が最大の検出感度を有する前記検出部の検出方向とが、前記マグネットと前記検出部との間の距離が最小となる第1状態において互いに非平行となり、前記マグネットと前記検出部との間の距離が前記第1状態とは異なる第2状態において互いに平行となるように、前記マグネットおよび前記検出部が配置されていることを特徴とするレンズ装置。
(構成2)
前記レンズ群の光軸に垂直な平面において、前記第1状態では、前記回転軸と前記光軸とを結ぶ方向に関して前記検出部は前記マグネットよりも前記回転軸の近くに配置されていることを特徴とする構成1に記載のレンズ装置。
(構成3)
前記回転軸から前記マグネットまでの距離は、前記回転軸から前記光軸までの距離よりも短いことを特徴とする構成2に記載のレンズ装置。
(構成4)
前記筐体は、前記検出部を収容する収容部を有し、
前記第1状態において、前記マグネットは、前記磁化方向に平行で前記マグネットの重心を通る直線が前記収容部の内部を通るように配置されていることを特徴とする構成3に記載のレンズ装置。
(構成5)
前記第1状態において、前記マグネットの前記磁化方向への投影が前記検出部の少なくとも一部と重なるように、前記マグネットおよび前記検出部が配置されていることを特徴とする構成4に記載のレンズ装置。
(構成6)
前記第1状態において、前記マグネットの前記磁化方向に平行で前記マグネットの重心を通る直線が前記検出部を通過するように、前記マグネットおよび前記検出部が配置されていることを特徴とする構成5に記載のレンズ装置。
(構成7)
前記保持部材は、前記レンズ群を保持する円筒部と、前記回転軸に係合している腕部とを有し、前記マグネットは前記円筒部に固定されていることを特徴とする構成1から5までのいずれか一つに記載のレンズ装置。
(構成8)
構成1から7までのいずれか一つに記載のレンズ装置と、前記レンズ装置によって形成された像を撮る撮像素子とを含むことを特徴とする撮像装置。
【0036】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 :レンズ装置
4 :エクステンダーレンズ群
6 :回転支持部(レンズ枠)
7 :回転軸
8 :ホールIC(検出部)
10:マグネット