(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】
(45)【発行日】
(54)【発明の名称】電気自動車用空調システム
(51)【国際特許分類】
【FI】
(21)【出願番号】
(22)【出願日】
【審査請求日】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉松 潤一
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 尚裕
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-040088(JP,A)
【文献】特開2018-122783(JP,A)
【文献】特開平06-024238(JP,A)
【文献】特開2008-222041(JP,A)
【文献】特開2015-003617(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0298586(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 11/06
B60H 1/22
B60H 1/32
B60H 1/00
H01M 10/625
H01M 10/613
H01M 10/615
H01M 10/6563
H01M 10/6568
(57)【特許請求の範囲】
【請求項】
空調装置の外殻を構成するケースの内側と車両の外側とを連通する外気導入部と、
前記ケースの内側に配置されると共に駆動されることで当該ケースに設けられた送風口部から車室内側に送風可能な送風部と、
前記ケースに設けられ、前記送風部から送風された風の一部の風向きをパワーユニットルーム内に配置された発熱機器に向けることが可能な風向変更部と、
を有
し、
前記風向変更部は、前記ケースに設けられると共に当該ケース内と前記パワーユニットルーム内とを連通可能な開口部を開閉可能とされ、当該開口部の開放時において前記風向きを当該開口部側に変更可能な開閉ドアを備え、
前記ケースの内側に前記風の冷却及び加熱が可能な熱交換器が配置されると共に、前記送風部と当該熱交換器との間に前記開閉ドアが位置している、
電気自動車用空調システム。
【請求項】
前記送風部は、車両前後方向を軸方向として配置されたターボファンとされている、
請求項
1に記載の電気自動車用空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【】
本発明は、電気自動車用空調システムに関する。
【背景技術】
【】
下記特許文献1には、車両用空調装置に関する発明が開示されている。この車両用空調装置では、車室内の空調装置によって外気導入モードで送風が行われている場合に内気導入率を低くすることができる。このため、下記先行技術では、パワーユニットルーム内の熱により温められた温風が殆ど冷却されることなく車室内に吹き出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【】
ところで、車室内に温風を供給する場合、パワーユニットルーム内において発熱する発熱機器の熱は、上述したように、車室内側に放熱することが可能であるが、車室内に温風を供給しない場合には、パワーユニットルーム内の発熱機器の熱を逃がすことが困難となることが考えられる。
【】
この点、パワーユニットルーム内の発熱機器を冷却するための専用機器をパワーユニットルーム内に配置することも考えられるが、その場合には、パワーユニットルーム内のスペースが、この専用機器によって侵食されるといったことが考えられる。
【】
本発明は、上記事実を考慮し、パワーユニットルーム内に別途冷却用の専用機器を配置することなく、パワーユニットルーム内の発熱機器を冷却することができる電気自動車用空調システムを得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【】
請求項1に記載の本発明に係る電気自動車用空調システムは、空調装置の外殻を構成するケースの内側と車両の外側とを連通する外気導入部と、前記ケースの内側に配置されると共に駆動されることで当該ケースに設けられた送風口部から車室内側に送風可能な送風部と、前記ケースに設けられ、前記送風部から送風された風の一部の風向きをパワーユニットルーム内に配置された発熱機器に向けることが可能な風向変更部と、を有し、前記風向変更部は、前記ケースに設けられると共に当該ケース内と前記パワーユニットルーム内とを連通可能な開口部を開閉可能とされ、当該開口部の開放時において前記風向きを当該開口部側に変更可能な開閉ドアを備え、前記ケースの内側に前記風の冷却及び加熱が可能な熱交換器が配置されると共に、前記送風部と当該熱交換器との間に前記開閉ドアが位置している。
【】
請求項1に記載の本発明によれば、空調装置の外殻を構成するケースの内側と車両の外側とが外気導入部で連通されている。また、ケースの内側には送風部が配置されており、この送風部が駆動されることで、ケースに設けられた送風口部から車室内側に送風される。
【】
ところで、パワーユニットルーム内の発熱機器の熱を逃がすにあたって、発熱機器を冷却するための専用機器をパワーユニットルーム内に配置することも考えられるが、その場合には、パワーユニットルーム内のスペースが、この専用機器によって侵食されるといったことが考えられる。
【】
ここで、本発明では、空調装置のケースに風向変更部が設けられており、この風向変更部によって、送風部から吹く風の一部の風向きをパワーユニットルーム内に配置された発熱機器に向けることができる。
【】
このため、本発明では、送風部から吹く風の一部によって、パワーユニットルーム内に配置された発熱機器の熱を奪うことができる。
【】
また、本発明によれば、風向変更部が開閉ドアを備えており、この開閉ドアは、空調装置のケースに設けられた開口部を開閉可能とされている。そして、開口部の開放時において、ケース内とパワーユニットルーム内とが連通され、送風部から吹く風の一部の風向きが開口部側に変更される。
【】
請求項2に記載の本発明に係る電気自動車用空調システムは、請求項1に記載の発明において、前記送風部は、車両前後方向を軸方向として配置されたターボファンとされている。
【】
請求項2に記載の本発明によれば、外気導入部から導入された外気を、車両前後方向を軸方向として配置されたターボファンで熱交換器側に圧送することができる。このため、送風部としてシロッコファンを採用するような構成と比べて空調装置を車両前後方向において小型化することが可能となる。
【発明の効果】
【】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る電気自動車用空調システムは、パワーユニットルーム内に別途冷却用の専用機器を配置することなく、パワーユニットルーム内の発熱機器を冷却することができるという優れた効果を有する。
【】
また、本発明に係る電気自動車用空調システムは、送風部から吹く風の一部がパワーユニットルーム内に吹き込む確度を高めることができるという優れた効果を有する。
【】
請求項2に記載の本発明に係る電気自動車用空調システムは、空調装置の設置に必要なスペースの縮小を図ることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【】
【図】第1実施形態に係る電気自動車用空調システムが搭載された車両における車両前部の構成を示す車両幅方向から見た断面図である。
【図】第1実施形態に係る電気自動車用空調システムのハードウェア並びにその周辺機器との関連を示すブロック図である。
【図】第1実施形態に係る電気自動車用空調システムの一部を構成する空調制御装置の機能構成を示すブロック図である
【図】第2実施形態に係る電気自動車用空調システムが搭載された車両における車両前部の構成を示す車両幅方向から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【】
<第1実施形態>
以下、
図1~
図3を用いて、本発明に係る電気自動車用空調システムの第1実施形態について説明することとする。なお、各図に適宜示される矢印FRは、本実施形態に係る「電気自動車用空調システム10」が搭載された電気自動車である「車両12」の車両前方側を示しており、矢印UPは車両12の車両上方側を示しており、矢印OUTは車両12の車両幅方向外側を示している。
【】
まず、車両12の車体14の概略構成について説明する。この車体14の車両前方側の部分を構成する前部16には、「パワーユニットルーム18」が設けられている。そして、前部16の車両後方側の部分を構成するダッシュパネル20によって、パワーユニットルーム18と「車室22」とが仕切られている。
【】
また、パワーユニットルーム18内には、電気自動車用空調システム10の一部を構成する空調装置としての「HVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)ユニット24」の一部、「冷凍サイクルユニット26」並びに発熱機器としての「パワーユニット28」が配置されている。
【】
より詳しくは、HVACユニット24は、その外殻が「ケース30」で構成されると共に、車両前方側の部分が送風部としての「シロッコファン32」が収められたブロワユニット24Aとされている。一方、車両後方側の部分は、熱交換器としての「エバポレータ34」及び熱交換器としての「ヒータコア36」が収められたエアコンユニット24Bとされている。
【】
なお、HVACユニット24は、図示しない取付部材を介してダッシュパネル20に取り付けられると共に、ブロワユニット24A側の部分がパワーユニットルーム18内に配置されており、エアコンユニット24B側の部分が車室22内に配置されている。
【】
ブロワユニット24Aでは、シロッコファン32がケース30における車両前方側の部分に軸方向を車両上下方向とされて配置されている。このシロッコファン32は、図示しないモータ等の駆動部で駆動されることで、ケース30に設けられた外気導入部としての「外気導入ダクト38」から導入された外気をエアコンユニット24B側に送風することが可能となっている。
【】
なお、外気導入ダクト38は、筒状とされると共に、ケース30の車両前方側の部分から車両後方上側に延出されている。そして、外気導入ダクト38の上端部に設けられた開口部38Aは、車両12のウインドシールドガラス40の下端部に沿って配置されたカウルルーバ42に設けられた外気導入部としての「外気導入口部42A」に向かって開口している。
【】
一方、エアコンユニット24Bでは、エバポレータ34がエアコンユニット24Bにおけるブロワユニット24A側に配置されており、冷凍サイクルユニット26の一部を構成する発熱機器としての図示しないコンデンサに図示しない配管を介して接続されている。そして、HVACユニット24の冷房モードにおいて、エバポレータ34とコンデンサとの間を、配管を介して冷媒(エアコンガス)が循環するようになっている。
【】
詳しくは、エバポレータ34から吐出された冷媒は、図示しないコンプレッサで圧縮されて、高温、高圧のガス状となった状態でコンデンサへ流入する。そして、コンデンサに向かって前部16の車両前方側の部分に設けられた図示しない開口部等から風が吹きつけることで、冷媒は冷却されて液化する。
【】
一方、エバポレータ34には、コンデンサで液化された冷媒が図示しないエキスパンションバルブによって気化されることで、低温、低圧の霧状となった状態で流入し、エバポレータ34周辺の気体の熱が奪われるようになっている。
【】
そして、ブロワユニット24Aから吹く風がエバポレータ34で冷却されると共に、ケース30の車両後方側の部分に設けられた「送風口部30A」に接続された送風ダクト43からから吹き出すことで、車室22内に冷風が供給されるようになっている。
【】
一方、ヒータコア36は、エバポレータ34に対して車室22側に配置されており、PTC(Positive Temperature Coefficient)発熱体等で容器内の水を加熱可能な図示しない温水ヒータに図示しない配管を介して接続されている。そして、HVACユニット24の暖房モードにおいて、ヒータコア36とヒータコア36との間を、配管を介して熱媒体である水が循環するようになっている。
【】
詳しくは、ヒータコア36から吐出された水は、温水ヒータへ流入し、この温水ヒータで加熱されて、ヒータコア36に流入する。そして、ブロワユニット24Aから吹く風がヒータコア36で加熱されると共に、送風ダクト43から吹き出すことで、車室22内に温風が供給されるようになっている。
【】
パワーユニット28は、図示しないモータと、このモータを制御する図示しないモータECU(Electronic Control Unit)とを備えており、車両12の走行時において駆動輪45に駆動力を付与している。
【】
ここで、本実施形態では、電気自動車用空調システム10が「風向変更部44」を備えており、この風向変更部44によって、シロッコファン32から送風された風の一部の風向きを変更可能とされている点に特徴がある。以下、風向変更部44の構成について詳細に説明することとする。
【】
風向変更部44は、
図2にも示されるように、開閉ドアとしての「フラップドア48」、送風ダクト50及びドアアクチュエータ52を備えている。フラップドア48は、板状とされると共に、ケース30の車両下方側の部分を構成する下壁部30Bに設けられた「開口部54」を開閉可能とされている。
【】
詳しくは、開口部54は、車両前後方向においてシロッコファン32とエバポレータ34との間に配置されており、フラップドア48は、開口部54の車両後方側において下壁部30Bに車両幅方向回りに回動可能に支持されている。また、フラップドア48は、ドアアクチュエータ52で駆動されることで回動するようになっている。なお、フラップドア48の全開状態では、車両上下方向から見てフラップドア48が開口部54の一部を覆うと共に、車両前後方向から見てフラップドア48がシロッコファン32の一部と重なった状態となっている。そして、開口部54には、送風ダクト50が接続されている。
【】
送風ダクト50は、メインダクト50Aと、分岐ダクト50Bとを含んで構成されている。メインダクト50Aは、車両上下方向に延在する筒状とされており、その上端部に設けられた開口部50A1側の部分が開口部54側に接続されており、その下端部に設けられた開口部50A2は、パワーユニット28に向かって開口している。
【】
一方、分岐ダクト50Bは、メインダクト50Aから分岐して車両前方側に延出されており、その端部に設けられた開口部50B1は、冷凍サイクルユニット26のコンデンサに向かって開口している。
【】
ドアアクチュエータ52は、出力軸がフラップドア48に対して連結された図示しないモータ及びモータを制御する図示しないモータドライバを備えている。そして、このモータドライバは、車両12に搭載されると共に電気自動車用空調システム10の一部を構成するエアコンECU54から送信された制御信号に基づき、モータの駆動を制御するようになっている。
【】
エアコンECU54は、
図2に示されるように、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)54A、ROM(Read Only Memory)54B、RAM(Random Access Memory)54C、ストレージ54D、通信I/F(Inter Face)54E及び入出力I/F54Fを含んで構成されている。そして、CPU54A、ROM54B、RAM54C、ストレージ54D、通信I/F54E及び入出力I/F54Fは、バス54Gを介して相互に通信可能に接続されている。
【】
CPU54Aは、中央演算処理ユニットとされており、各種プログラムの実行が可能とされている。具体的には、CPU54Aは、ROM54Bからプログラムを読み出し、RAM54Cを作業領域としてプログラムを実行可能とされている。そして、ROM54Bに記憶された実行プログラムが、CPU54Aで読み出されて実行されることで、エアコンECU54は、後述するように、種々の機能を発揮することが可能となっている。
【】
より詳しくは、ROM54Bには、各種プログラム及び各種データが記憶されている。一方、RAM54Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶することが可能となっている。
【】
ストレージ54Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)を含んで構成され、オペレーティングシステム等を含む各種プログラム及び各種データが記憶されている。
【】
通信I/F54Eは、車両12に搭載された図示しないメインECU等の各種制御装置と通信するためのインターフェースであり、例えば、CAN(Controller Area Network)プロトコルに基づく通信規格が用いられている。
【】
入出力I/F54Fは、エアコンECU54が車両12に搭載された各装置と通信するためのインターフェースとされている。そして、エアコンECU54は、入出力I/F54Fを介して後述する各種機器に相互に通信可能に接続されている。なお、これらの装置は、バス54Gに対して直接接続されていてもよい。
【】
エアコンECU54に接続される機器には、上述したドアアクチュエータ52、空調設定部58及び車室内温度センサ60が挙げられる。なお、これらの機器は、電気自動車用空調システム10の一部として機能している。
【】
空調設定部58は、車両12の乗員による操作に基づく操作信号をエアコンECU54に送信することで、HVACユニット24の冷房モード、暖房モード及び送風モードの切り替え並びに空調温度の設定が可能とされている。なお、空調設定部58には、ダイヤルスイッチやタッチパネル等を採用することが可能である。
【】
車室内温度センサ60は、車室22内の温度を測定可能とされると共に、この温度に基づく温度信号をエアコンECU54に送信するようになっている。なお、車室22内の温度情報は、ストレージ54Dに一時的に記憶されるようになっている。
【】
次に、
図3を用いてエアコンECU54の機能構成について説明する。エアコンECU54は、CPU54AがROM54Bに記憶された実行プログラムを読み出し、これを実行することによって、温度情報取得部62、空調設定取得部64及びアクチュエータ制御部66の集合体として機能する。
【】
温度情報取得部62は、車室内温度センサ60から入力された温度信号に基づいて車室22内の温度情報を取得するようになっている。
【】
空調設定取得部64は、空調設定部58から入力された操作信号に基づき、HVACユニット24が作動しているか否かを判定すると共に、HVACユニット24の作動状態において、HVACユニット24が冷房モード、暖房モード及び送風モードの何れのモードであるかを判定して、空調モード情報として記憶するようになっている。
【】
アクチュエータ制御部66は、温度情報取得部62で取得された車室22内の温度情報及び空調設定取得部64で取得された空調モード情報に基づいてドアアクチュエータ52を制御するようになっている。
【】
具体的には、
図1にも示されるように、アクチュエータ制御部66は、HVACユニット24が送風モードであるときには、開口部54が開放された開状態が維持されるようにドアアクチュエータ52を制御する。
【】
また、HVACユニット24が冷房モードであるときには、アクチュエータ制御部66は、車室22内の温度が所定の温度(例えば28℃)になるまでフラップドア48で開口部54が閉じられた閉状態が維持されるようにドアアクチュエータ52を制御する。そして、車室22内の温度が所定の温度より下がると、アクチュエータ制御部66は、ドアアクチュエータ52でフラップドア48を駆動させて開状態とすると共に、この状態を維持するようになっている。
【】
また、HVACユニット24が暖房モードであるときには、アクチュエータ制御部66は、車室22内の温度が所定の温度(例えば18℃)になるまで閉状態が維持されるようにドアアクチュエータ52を制御する。そして、車室22内の温度が所定の温度より上がると、アクチュエータ制御部66は、ドアアクチュエータ52でフラップドア48を駆動させて開状態とすると共に、この状態を維持するようになっている。
【】
なお、アクチュエータ制御部66は、HVACユニット24が作動していない状態において、閉状態を維持するようになっている。
【】
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果を説明する。
【】
本実施形態では、
図1に示されるように、HVACユニット24の外殻を構成するケース30の内側と車両12の外側とが外気導入口部42A及び外気導入ダクト38で連通されている。また、ケース30の内側にはシロッコファン32が配置されており、このシロッコファン32が駆動されることで、ケース30に設けられた送風口部30Aから車室22内側に送風される。
【】
ところで、パワーユニットルーム18内の発熱機器の熱を逃がすにあたって、発熱機器を冷却するための専用機器をパワーユニットルーム18内に配置することも考えられるが、その場合には、パワーユニットルーム18内のスペースが、この専用機器によって侵食されるといったことが考えられる。
【】
ここで、本実施形態では、ケース30に風向変更部44が設けられており、この風向変更部44によって、シロッコファン32から吹く風の一部の風向きをパワーユニットルーム18内に配置された冷凍サイクルユニット26のコンデンサやパワーユニット28に向けることができる。
【】
このため、本実施形態では、シロッコファン32から吹く風の一部によって、パワーユニットルーム18内に配置された冷凍サイクルユニット26のコンデンサやパワーユニット28の熱を奪うことができる。したがって、本実施形態では、パワーユニットルーム18内に別途冷却用の専用機器を配置することなく、パワーユニットルーム18内の冷凍サイクルユニット26のコンデンサやパワーユニット28を冷却することができる
【】
また、本実施形態では、風向変更部44がフラップドア48を備えており、このフラップドア48は、ケース30に設けられた開口部54を開閉可能とされている。そして、開口部54の開放時において、ケース30内とパワーユニットルーム18内とが連通されると共に、シロッコファン32から吹く風がフラップドア48に当たることで、シロッコファン32から吹く風の一部の風向きが開口部54側に変更される。
【】
このため、本実施形態では、シロッコファン32から吹く風の一部がパワーユニットルーム18内に吹き込む確度を高めることができる。
【】
<第2実施形態>
次に、
図4を主に用いて、本発明の第2実施形態に係る「電気自動車用空調システム100」について説明する。なお、上記第1実施形態と共通の構成要素には同じ符号を付して説明を適宜省略することとする。
【】
本実施形態では、空調装置としての「HVACユニット102」が、シロッコファン32の代わりに送風部としての「ターボファン104」を備えている点に第1の特徴がある。また、空調風を車両12に搭載されたバッテリーとしての「バッテリパック106」の加熱に用いることが可能な点に第2の特徴がある。
【】
具体的には、ターボファン104は、ケース30の車両前方側の部分に軸方向を車両前後方向とされて配置されている。このターボファン104は、図示しないモータ等の駆動部で駆動されることで、外気導入ダクト38から導入された外気を車両後方側に送風することが可能となっている。
【】
また、本実施形態では、ターボファン104の車両後方側にエバポレータ34及びヒータコア36が、この順に配置されており、ヒータコア36の車両後方側には、フラップドア48及び開口部54が配置されている。
【】
一方、バッテリパック106は、その外殻を構成するアルミ製の図示しないバッテリケースと、バッテリケースの内側に配置されたバッテリモジュールとを含んで構成されている。そして、バッテリパック106は、「温水ユニット108」で加熱することが可能となっている。
【】
温水ユニット108は、バッテリケースに沿うようにして配策された温水配管110と、パワーユニットルーム18内に配置されると共に温水配管110に温水を供給可能な温水タンク112とを備えている。この温水ユニット108は、温水タンク112に設けられた図示しないヒータで加熱された水を、図示しないポンプによって温水配管110を循環させることでバッテリパック106を加熱することが可能となっている。
【】
そして、本実施形態では、「風向変更部114」が、上述したフラップドア48、開口部54に接続された送風ダクト115及び送風ダクト115に設けられたフラップドア116を備えている。そして、風向変更部114によって、HVACユニット102からの温風及び冷風を、パワーユニットルーム18内に供給することが可能となっている。
【】
詳しくは、送風ダクト115は、温風ダクト118と、冷風ダクト120とを含んで構成されている。温風ダクト118は、開口部54から車両後方下側に延出された筒状とされており、その上端部に設けられた開口部118A側の部分が開口部54側に接続されており、その下端部に設けられた開口部118Bは、温水タンク112に向かって開口している。
【】
一方、冷風ダクト120は、メインダクト120Aと、分岐ダクト120Bとを含んで構成されている。メインダクト120Aは、温風ダクト118から車両前方側に延出された筒状とされており、その車両前方側の端部に設けられた開口部120A1は、冷凍サイクルユニット26のコンデンサに向かって開口している。
【】
分岐ダクト120Bは、メインダクト120Aから分岐して車両下方側に延出されており、その端部に設けられた開口部120B1は、パワーユニット28に向かって開口している。
【】
フラップドア116は、基本的にフラップドア48と同様の構成とされており、温風ダクト118と冷風ダクト120との境界部に車両幅方向回りに回動可能に支持されている。このフラップドア116は、ドアアクチュエータ52と同様の構成とされた図示しないドアアクチュエータで駆動されることで回動するようになっている。そして、フラップドア116が回動することで、送風ダクト115は、開口部54と開口部118Bとが連通されると共に温風ダクト118と冷風ダクト120とが分断された第1連通状態と、開口部54、開口部120A1及び開口部120B1が連通されると共に温風ダクト118が開口部118A側と開口部118B側とで分断された第2連通状態とをとることが可能となっている。
【】
上記のように構成された本実施形態において、アクチュエータ制御部66は、HVACユニット102が送風モードであるときには、開状態が維持されるようにドアアクチュエータ52を制御すると共に、第2連通状態が維持されるようにフラップドア116のドアアクチュエータを制御するようになっている。
【】
また、HVACユニット102が冷房モードであるときには、アクチュエータ制御部66は、車室22内の温度が所定の温度になるまでフラップドア48で開口部54が閉じられた閉状態が維持されるようにドアアクチュエータ52を制御する。そして、車室22内の温度が所定の温度より下がると、アクチュエータ制御部66は、ドアアクチュエータ52でフラップドア48を駆動させて開状態とすると共に、フラップドア116を対応するドアアクチュエータで駆動させて第2連通状態とし、この状態を維持するようになっている。
【】
また、HVACユニット102が暖房モードであるときには、アクチュエータ制御部66は、車室22内の温度が所定の温度になるまで閉状態が維持されるようにドアアクチュエータ52を制御する。そして、車室22内の温度が所定の温度より上がると、アクチュエータ制御部66は、ドアアクチュエータ52でフラップドア48を駆動させて開状態とすると共に、フラップドア116を対応するドアアクチュエータで駆動させて第1連通状態とし、この状態を維持するようになっている。
【】
上記構成の本実施形態では、ターボファン104とフラップドア48との間にエバポレータ34及びヒータコア36が配置されており、ターボファン104から送風される風がエバポレータ34によって冷却又はヒータコア36によって加熱される。このため、本実施形態では、パワーユニットルーム18内に向けて冷風又は温風を供給することができる。その結果、本実施形態では、空調風によってパワーユニットルーム18内の機器の冷却及び加熱を行うことができる。
【】
また、本実施形態では、外気導入口部42A及び外気導入ダクト38から導入された外気を、車両前後方向を軸方向として配置されたターボファン104でエバポレータ34及びヒータコア36側に圧送することができる。このため、送風部としてシロッコファンを採用するような構成と比べてHVACユニット102を車両前後方向において小型化することが可能となる。したがって、本実施形態では、HVACユニット102の設置に必要なスペースの縮小を図ることができる。
【】
加えて、本実施形態では、車両12に温水ユニット108が搭載されており、この温水ユニット108は、車両に搭載されたバッテリパック106を加熱することができる。このため、本実施形態では、外気温が低い場合等に温水ユニット108でバッテリパック106を加熱し、バッテリパック106の機能の低下を抑制することができる。
【】
ところで、温水ユニット108の始動時等において温水ユニット108内の水は温まっていないため、バッテリパック106の機能の低下を抑制するには温水ユニット108内の水を早急に温められることが好ましい。
【】
ここで、本実施形態では、ターボファン104から送風される風がヒータコア36で加熱されている状態において、この風の一部を温水ユニット106に導くことができるため、温水ユニット108内の水を早急に温めることができる。したがって、本実施形態では、外気温が低い場合等に車両12に搭載されたバッテリパック106の温度を早急に高めることができる。
【】
なお、上述した実施形態では、フラップドア48で送風部から吹く風の風向きを開口部54側に変えていたが、開口部54の周辺に設けられた固定式のルーバーで送風部から吹く風の風向きを開口部54側に変えるような構成にしてもよい。
【】
また、上述した実施形態では、各フラップドアの駆動がエアコンECU54で制御されていたが、各フラップドアの駆動を車両12の乗員が操作装置等によって制御するような構成も採り得る。
【符号の説明】
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10 電気自動車用空調システム
12 車両
18 パワーユニットルーム
22 車室
24 HVACユニット(空調装置)
26 冷凍サイクルユニット(発熱機器)
28 パワーユニット(発熱機器)
30 ケース
30A 送風口部
32 シロッコファン(送風部)
34 エバポレータ(熱交換器)
36 ヒータコア(熱交換器)
38 外気導入ダクト(外気導入部)
42A 外気導入口部(外気導入部)
44 風向変更部
48 フラップドア(開閉ドア)
54 開口部
100 電気自動車用空調システム
102 HVACユニット(空調装置)
104 ターボファン(送風部)
106 バッテリパック(バッテリー)
108 温水ユニット
114 風向変更部
【図】
【図】
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