(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】
(45)【発行日】
(54)【発明の名称】制御装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
【FI】
(21)【出願番号】
(22)【出願日】
【審査請求日】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 杏子
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-030795(JP,A)
【文献】特開2010-136095(JP,A)
【文献】特開2015-034895(JP,A)
【文献】特開2020-072356(JP,A)
【文献】特開2004-128648(JP,A)
【文献】特開2008-103890(JP,A)
【文献】特開2011-030040(JP,A)
【文献】特開2020-039165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60-23/695
(57)【特許請求の範囲】
【請求項】
撮像装置による追尾撮影を制御する制御装置であって、
前記撮像装置により得られた映像から追尾対象を検出する検出手段と、
前記検出手段による追尾対象の検出位置に基づいて前記撮像装置の撮影方向を制御し追尾対象を追尾する追尾手段と、
前記追尾手段による追尾対象の追尾中に前記検出手段による追尾対象のロストが発生した場合、ロスト処理を実行する処理手段と、
を有し、
前記処理手段は、
前記ロストの発生直前における追尾対象の移動方向を第1の確度以上で導出可能であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記第1の確度以上で前記移動方向を導出可能であると判定された場合、該移動方向に基づいて、前記撮像装置の前記ロストの発生後の撮影方向である待機撮影方向を決定する決定手段と、
を有
し、
前記判定手段は、前記追尾手段における撮影方向の制御履歴に基づいて、前記ロストの発生直前における追尾対象の移動方向および該移動方向の確度を導出し、
前記確度は、前記ロストの発生直前における連続した複数フレームに対応する前記制御履歴において、前記複数フレームにおける前記追尾対象の移動方向が同一であり、かつ、前記複数フレームにおける前記追尾対象の隣接フレーム間の位置差分が閾値以上である場合に高くなるように導出される
ことを特徴とする制御装置。
【請求項】
前記決定手段は、前記判定手段により前記第1の確度以上で前記移動方向を導出可能ではないと判定された場合、前記撮像装置の現在の撮影方向または所定の初期方向を前記待機撮影方向として決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項】
前記制御装置は、前記撮像装置の追尾撮影をパン・チルト(PT)制御により行うよう構成されており、
前記決定手段は、前記判定手段により前記第1の確度以上で前記移動方向を導出可能であると判定された場合、前記ロストの発生直前における追尾対象の位置が見切れない範囲で前記撮像装置の現在の撮影方向を前記移動方向へPT制御し前記待機撮影方向として決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項】
前記追尾手段は、前記待機撮影方向に前記撮像装置の撮影方向を制御した後、前記検出手段による追尾対象のロストが所定時間継続した場合、前記撮像装置の撮影方向を所定の初期方向に制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項】
前記決定手段は、前記移動方向に基づいて決定される待機撮影方向が前記撮像装置の撮影方向の制御範囲外である場合、前記撮像装置の現在の撮影方向または所定の初期方向を前記待機撮影方向として決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項】
前記制御装置は、前記撮像装置の追尾撮影をパン・チルト・ズーム(PTZ)制御により行うよう構成されており、
前記追尾手段は、前記検出手段による前記追尾対象の検出サイズに基づいて前記撮像装置の撮影画角をさらに制御し、
前記判定手段は、前記ロストの発生直前における追尾対象の前記映像における奥行き方向に関する第2の移動方向を第2の確度以上で導出可能であるか否かをさらに判定し、
前記決定手段は、前記判定手段により前記第2の確度以上で前記第2の移動方向を導出可能であると判定された場合、該第2の移動方向に基づいて、前記撮像装置の前記ロストの発生後の撮影画角である待機撮影画角をさらに決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項】
前記決定手段は、前記ロストの発生直前における前記追尾手段によるPT方向制御量に第1の係数をかけて得られる制御量を、前記待機撮影方向に制御するための制御量として算出し、前記ロストの発生直前における前記追尾手段によるズーム方向制御量に第2の係数をかけて得られる制御量を、前記待機撮影画角に制御するための制御量として算出する
ことを特徴とする請求項
6に記載の制御装置。
【請求項】
撮像装置による追尾撮影を制御する制御装置であって、
前記撮像装置により得られた映像から追尾対象を検出する検出手段と、
前記検出手段による追尾対象の検出サイズに基づいて前記撮像装置の撮影画角を制御し追尾対象を追尾する追尾手段と、
前記追尾手段による追尾対象の追尾中に前記検出手段による追尾対象のロストが発生した場合、ロスト処理を実行する処理手段と、
を有し、
前記処理手段は、
前記ロストの発生直前における追尾対象の前記映像における奥行き方向の移動方向を所定の確度以上で導出可能であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記所定の確度以上で前記移動方向を導出可能であると判定された場合、該移動方向に基づいて、前記撮像装置の前記ロストの発生後の撮影画角である待機撮影画角を決定する決定手段と、
を有
し、
前記判定手段は、前記追尾手段における撮影方向の制御履歴に基づいて、前記ロストの発生直前における追尾対象の移動方向および該移動方向の確度を導出し、
前記確度は、前記ロストの発生直前における連続した複数フレームに対応する前記制御履歴において、前記複数フレームにおける前記追尾対象の移動方向が同一であり、かつ、前記複数フレームにおける前記追尾対象の隣接フレーム間の位置差分が閾値以上である場合に高くなるように導出される
ことを特徴とする制御装置。
【請求項】
撮像装置による追尾撮影を制御する制御装置の制御方法であって、
前記撮像装置により得られた映像から追尾対象を検出し、該追尾対象の検出位置に基づいて前記撮像装置の撮影方向を制御し追尾対象を追尾する追尾工程と、
前記追尾工程による追尾対象の追尾中に追尾対象のロストが発生した場合、ロスト処理を実行する処理工程と、
を含み、
前記処理工程は、
前記ロストの発生直前における追尾対象の移動方向を所定の確度以上で導出可能であるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記所定の確度以上で前記移動方向を導出可能であると判定された場合、該移動方向に基づいて、前記撮像装置の前記ロストの発生後の撮影方向である待機撮影方向を決定する決定工程と、
を含
み、
前記判定工程では、前記追尾工程における撮影方向の制御履歴に基づいて、前記ロストの発生直前における追尾対象の移動方向および該移動方向の確度を導出し、
前記確度は、前記ロストの発生直前における連続した複数フレームに対応する前記制御履歴において、前記複数フレームにおける前記追尾対象の移動方向が同一であり、かつ、前記複数フレームにおける前記追尾対象の隣接フレーム間の位置差分が閾値以上である場合に高くなるように導出される
ことを特徴とする制御方法。
【請求項】
撮像装置による追尾撮影を制御する制御装置の制御方法であって、
前記撮像装置により得られた映像から追尾対象を検出し、該追尾対象の検出サイズに基づいて前記撮像装置の撮影画角を制御し追尾対象を追尾する追尾工程と、
前記追尾工程による追尾対象の追尾中に追尾対象のロストが発生した場合、ロスト処理を実行する処理工程と、
を含み、
前記処理工程は、
前記ロストの発生直前における追尾対象の前記映像における奥行き方向の移動方向を所定の確度以上で導出可能であるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記所定の確度以上で前記移動方向を導出可能であると判定された場合、該移動方向に基づいて、前記撮像装置の前記ロストの発生後の撮影画角である待機撮影画角を決定する決定工程と、
を含
み、
前記判定工程では、前記追尾工程における撮影方向の制御履歴に基づいて、前記ロストの発生直前における追尾対象の移動方向および該移動方向の確度を導出し、
前記確度は、前記ロストの発生直前における連続した複数フレームに対応する前記制御履歴において、前記複数フレームにおける前記追尾対象の移動方向が同一であり、かつ、前記複数フレームにおける前記追尾対象の隣接フレーム間の位置差分が閾値以上である場合に高くなるように導出される
ことを特徴とする制御方法。
【請求項】
撮像装置による追尾撮影を制御するコンピュータを、請求項1乃至
8の何れか1項に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【】
本発明は、撮像装置による撮影対象の追尾制御に関するものである。
【背景技術】
【】
講義やスポーツ等において、映像配信や収録が多く行われている。また、人件費等のコスト削減を目的とした自動追尾撮影が実用化され始めている。自動追尾撮影においては、追尾対象の動きに追従して撮像装置の撮像範囲を制御する過程で、追尾対象を見失ってしまう(以降では「ロスト」と呼ぶ)ことがある。
【】
追尾撮影中にロストが発生した場合には、ホームポジションの位置姿勢に戻すあるいはロストが発生した時点での画角に留まるといった制御がなされる。また、特許文献1では、追尾対象消失位置を中心に撮像範囲を広げて追尾撮影を継続する構成や、消失位置が画面端であればホームポジションへ撮像範囲を向ける構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【】
しかしながら、ロストが発生した後に追尾対象を再検出して追尾を再開することを想定した場合、上述した従来のロスト発生時の動作を行うと、かえって再検出が困難となる場合がある。例えば、追尾対象の撮像画像内におけるサイズが小さい状態でロストが発生した場合、撮像範囲を広げると追尾対象の撮像画像内におけるサイズがさらに小さくなり再検出が難しくなる。また、ロストが発生した場合にホームポジションに戻す制御をした場合、追尾対象の再検出のために追加の位置姿勢制御が必要になる。
【】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、より高度な撮影対象の追尾制御を可能とする技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【】
上述の問題点を解決するため、本発明に係る制御装置は以下の構成を備える。すなわち、撮像装置による追尾撮影を制御する制御装置は、
前記撮像装置により得られた映像から追尾対象を検出する検出手段と、
前記検出手段による追尾対象の検出位置に基づいて前記撮像装置の撮影方向を制御し追尾対象を追尾する追尾手段と、
前記追尾手段による追尾対象の追尾中に前記検出手段による追尾対象のロストが発生した場合、ロスト処理を実行する処理手段と、
を有し、
前記処理手段は、
前記ロストの発生直前における追尾対象の移動方向を第1の確度以上で導出可能であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記第1の確度以上で前記移動方向を導出可能であると判定された場合、該移動方向に基づいて、前記撮像装置の前記ロストの発生後の撮影方向である待機撮影方向を決定する決定手段と、
を有し、
前記判定手段は、前記追尾手段における撮影方向の制御履歴に基づいて、前記ロストの発生直前における追尾対象の移動方向および該移動方向の確度を導出し、
前記確度は、前記ロストの発生直前における連続した複数フレームに対応する前記制御履歴において、前記複数フレームにおける前記追尾対象の移動方向が同一であり、かつ、前記複数フレームにおける前記追尾対象の隣接フレーム間の位置差分が閾値以上である場合に高くなるように導出される。
【発明の効果】
【】
本発明によれば、より高度な撮影対象の追尾制御を可能とする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【】
【図】第1実施形態に係る自動撮影システムの全体構成を示す図である。
【図】第1実施形態に係る追尾装置の機能構成を示すブロック図である。
【図】第1実施形態における追尾処理のフローチャートである。
【図】第1実施形態におけるロスト処理の詳細フローチャートである。
【図】ロスト方向の判定方法を説明する図である。
【図】待機画角の導出方法を説明する図である。
【図】第2実施形態に係る追尾装置の機能構成を示すブロック図である。
【図】第2実施形態におけるロスト処理の詳細フローチャートである。
【図】ロスト方向の判定方法を説明する図である。
【図】目標画角における検出サイズを説明する図である。
【図】第3実施形態に係る追尾装置の機能構成を示すブロック図である。
【図】第3実施形態におけるロスト処理の詳細フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【】
(第1実施形態)
本発明に係る追尾装置の第1実施形態として、自動撮影システムにおける追尾装置を例に挙げて以下に説明する。特に、追尾対象を見失った(ロストした)場合の、撮影範囲のパン・チルト(PT)制御について説明する。
【】
<システム構成および装置構成>
図1は、第1実施形態に係る追尾装置A1100を含んだ自動撮影システムA1000の全体構成を示す図である。追尾装置A1100は、撮影装置である映像入力装置A1101から入力される映像に基づいて、映像入力装置A1101のPT方向の駆動を行うPT駆動装置A1102を制御することにより、映像入力装置A1101の撮影範囲を制御する。また、自動撮影システムA1000は、追尾装置A1100を遠隔制御するためのユーザ端末であるクライアント装置A1200を含む。追尾装置A1100とクライアント装置A1200は、例えばネットワークA1500を介して接続されている。
【】
追尾装置A1100は、クライアント装置A1200から入力された設定情報を基に映像入力装置A1101およびPT駆動装置A1102を制御し撮影を行い、撮影された映像をクライアント装置A1200へ出力する。クライアント装置A1200は、ネットワーク経由で入力された映像をモニタ等の映像表示装置を介してユーザに提供する。また、クライアント装置A1200は、キーボードやマウスなどの入力装置を介して設定情報をユーザから受け付け、受け付けた設定情報をネットワークA1500経由で追尾装置A1100へ出力する。
【】
図2は、第1実施形態に係る追尾装置A1100の機能構成を示すブロック図である。追尾装置A1100は、映像入力装置A1101から取得した映像と、クライアント装置A1200から取得した設定情報を基に、撮像範囲を制御し追尾対象を撮影する。
【】
追尾装置A1100は、設定情報入力部A1103、追尾対象検出部A1104、追尾処理部A1105、ロスト方向判定部A1106、待機画角判定部A1107、撮像範囲制御部A1108、通信部A1109を有する。
【】
設定情報入力部A1103は、クライアント装置A1109から受信した設定情報を追尾対象検出部A1104および追尾処理部A1105へ出力する。ここでは、設定情報として、目標位置、目標サイズの情報を含む。目標位置とはフレーム画像内における位置座標であり、追尾装置は追尾対象が目標位置の場所に位置するようにPT制御を行う(
図5を参照して後述する)。なお、設定情報に、追尾対象のロスト判定基準などの他の情報を含めてもよい。
【】
追尾対象検出部A1104は、入力された設定情報を基に、映像入力装置A1101から入力された映像(フレーム画像)を解析する。そして、フレーム画像内の追尾対象を検出し、検出情報を追尾処理部A1105へ出力する。ここでは、検出情報として、追尾対象位置(追尾対象のフレーム画像内の位置座標)を出力することを想定するが、追尾対象の位置が分かる情報であれば、空間座標等、他の位置情報でも良い。また、検出サイズや検出精度など、追加の情報を検出結果として含めても良い。
【】
追尾処理部A1105は、入力された検出情報と、設定情報入力部A1103から入力された目標位置を基に、追尾目標の追尾処理を行う。具体的には、追尾処理として、追尾対象のフレーム画像内における位置を追尾履歴として保持する。また、追尾履歴を基に、追尾対象をロストしたかどうかを判定する。ここでは、入力された映像に関してxフレーム連続で追尾対象の検出に失敗した場合にロストが発生したと判定する。以下では説明を簡単にするためにx=1とする。
【】
そして、追尾処理部A1105は、ロストが発生していないと判定した場合、追尾対象位置と目標位置を撮像範囲制御部A1108へ出力する。一方、ロストが発生したと判定した場合、追尾履歴をロスト方向判定部A1106へ出力する。
【】
ロスト方向判定部A1106は、入力された追尾履歴を基に、追尾対象のロスト方向を導出する。ロスト方向とは、ロストが発生した直前における追尾対象の動きの方向(ベクトルの向き)である。また、第1実施形態では、ロスト方向が明確である(=所定の確度以上で導出された)か否かを併せて判定している。具体的には、目標位置に対する追尾対象位置が、ロスト直前にyフレーム以上連続して同一方向に離れており、かつその位置差分が閾値以上であった場合に、ロスト方向が明確であると判定する。ロスト方向判定部A1106は、導出されたロスト方向が明確であると判定した場合は判定結果としてロスト方向を出力し、導出されたロスト方向が明確でないと判定した場合は判定結果として不明確である旨を示す情報を出力する。ロスト方向判定部A1106は、算出したロスト方向と、ロスト前検出位置(ロストが発生する直前の追尾対象位置)を待機画角判定部A1107へ出力する。
【】
待機画角判定部A1107は、入力されたロスト方向判定とロスト前検出位置を基に、再検出できる可能性が高い撮像範囲となる待機画角(待機位置姿勢)を算出する。具体的には、判定結果としてロスト方向が入力された場合、追尾対象がいる可能性の高い位置姿勢があると判定し、ロスト前検出位置が見切れない範囲でロスト方向へPT制御した画角を待機画角とする。一方、判定結果として不明確である旨を示す情報が入力された場合、追尾対象がいる可能性が高い画角は無いと判定し、現在の画角を待機画角とする。待機画角判定部A1107は、待機画角を撮像範囲制御部A1108へ出力する。
【】
撮像範囲制御部A1108は、ロストが発生していない場合、追尾処理部A1105から入力された追尾対象位置と目標位置を基に、追尾制御を継続する。すなわち、追尾対象位置と目標位置とが一致するようにPT制御を行い撮像範囲を制御する。一方、ロストが発生した場合、ロスト処理として、待機画角判定部A1107から入力された待機画角を基に、PT制御を行う。具体的には、撮像範囲制御部A1108は、PT制御命令をPT駆動装置A1102へ、映像を通信部A1109へ出力する。
【】
PT駆動装置A1102は、入力されたPT制御命令を基にPT駆動を行い撮像範囲を移動させる。通信部A1109は、撮像範囲制御部A1108から入力された映像をクライアント装置A1200へ出力する。また、クライアント装置A1200から入力された設定情報を設定情報入力部A1103へ出力する。
【】
<装置の動作>
図3は、第1実施形態における追尾処理のフローチャートである。自動撮影システムA1000は、例えば、クライアント装置A1200に対するユーザ操作に基づき、追尾撮影および映像配信を開始する。
【】
S001では、追尾装置A1100は、映像入力装置A1101が出力する映像の受信(入力)を開始する。S002では、追尾対象検出部A1104は、入力された映像から追尾対象を検出し、検出結果を出力する。
【】
S003では、追尾処理部A1105は、追尾対象のロストが発生したかどうかを判定する。真(S003でYES)の場合は、追尾履歴を出力し、S004へ進む。偽(S003でNO)の場合は、追尾対象位置を出力し、S005へ進む。
【】
S004では、追尾装置A1100は、追尾履歴(ロスト前の追尾対象位置)を基にロスト処理を行う。ロスト処理の詳細については
図4を参照して後述する。一方、S005では、追尾処理部A1105は、追尾対象位置に基づいて追尾履歴を更新する。また、追尾対象位置と目標位置を出力する。
【】
S006では、撮像範囲制御部A1108は、ロストが発生していない(S005から進んできた)場合、入力された追尾対象位置と目標位置とが一致するようにPT制御を行い撮像範囲を制御する。ここでは、追尾対象がフレーム画像の中心位置に来るように制御する。一方、ロストが発生した(S004から進んできた)場合、入力された待機画角へ撮像範囲を制御する。この際、ロスト時またはロスト直前のPT速度と待機画角に基づいて、待機画角へ滑らかに遷移するようなPT速度制御を算出し制御してもよい。
【】
S007では、追尾装置A1100は、クライアント装置A1200に対するユーザ操作に基づき、追尾撮影の停止操作が行われたかどうかを判定する。偽(S007でNO)の場合はS001へ進み追尾撮影を継続する。一方、真(S007でYES)の場合は追尾撮影を終了する。
【】
図4は、第1実施形態におけるロスト処理(S004)の詳細フローチャートである。上述したように、追尾装置A1100は、追尾履歴に基づいてロスト処理を行うことになる。
【】
S101では、ロスト方向判定部A1106は、入力された追尾履歴を基に、追尾対象のロスト方向を算出する。第1実施形態においてロスト方向とは、撮像画像の画像面内の方向(上下左右など)に対応し、パン・チルト(PT)座標値に対応付けられる方向である。
【】
S102では、ロスト方向判定部A1106は、S101で算出されたロスト方向が明確である(=所定の確度以上で導出された)かを判定する。真(S102でYES)の場合は算出したロスト方向とロスト前検出位置を出力してS103へ進み、偽(S102でNO)の場合はS104へ進む。
【】
図5は、ロスト方向の判定方法(S101,S102)を説明する図である。
図5の下段には、ロスト直前(すなわち最後に追尾対象を検出したフレーム)のフレーム画像が示されている。また上段には、さらにyフレーム前(過去)のフレーム画像が示されている。
【】
ロスト直前のフレーム画像において、点P001は、フレーム画像内の目標位置(ここではフレーム画像の中心)を示している。点P002は、フレーム画像内の追尾対象位置を示している。yフレーム前のフレーム画像において、点P003は、点P002の位置を示している。また、点P004は、ロスト直前に検出された追尾対象位置を示している。
【】
上述したように、第1実施形態では、目標位置に対する追尾対象位置が、ロスト直前にyフレーム以上連続して同一方向に離れており、かつその位置差分が閾値k以上であった場合に、ロスト方向が明確であると判定する。ここでは、y=2とする。なお、ロスト方向の判定は、他の方法にて行っても良い。
【】
図5の下段に示すフレーム画像では、ロスト直前に2フレーム連続で目標位置から離れる方向へ変化しており、かつその差分(k+α)が閾値kより大きい。そのため、このフレーム画像の例では、ロスト方向が明確かつロスト方向は「左」と判定される。
【】
S103では、待機画角判定部A1107は、入力されたロスト方向と、ロスト前検出位置を基に、待機画角を算出する。具体的には、追尾対象が再出現する可能性が高い画角を待機画角として算出する。上述したように、第1実施形態ではロスト前検出位置が見切れない範囲でロスト方向(ここでは「左」)へPT制御した画角を待機画角とする。
【】
図6は、待機画角の導出方法を説明する図である。
図6の上段はロスト判定前に最後に検出した時の画角(撮影範囲)P014を例示的に示しており、
図6の下段は算出される待機画角P016を例示的に示している。
【】
位置P011は撮影装置である映像入力装置A1101の地理的位置、位置P012は追尾対象のロスト直前の地理的位置、矢印P013は地理的なロスト方向、をそれぞれ示している。
【】
状況P010において、位置P012にて追尾対象を検出した直後にロストが発生した場合、位置P012が撮像範囲内の追尾対象ロスト方向と逆側の端(ここでは右端)になる画角P016を待機画角とする。ここでは、位置P012が見切れない範囲でロスト方向へPT制御した画角を待機画角としているが、位置P012が見切れた画角を待機画角としてもよい。
【】
また、ロスト判定直後またはユーザの指示を受けた後または所定時間ロスト状態が続いた後のいずれかのタイミングで所定の初期方向(初期位置姿勢)であるホームポジションを待機画角として設定してもよい。算出した待機画角が、PT駆動装置A1102の駆動可能範囲の外または追尾可能撮像領域の外となる場合、ホームポジションを待機画角として設定してもよい。
【】
さらに、ロスト方向がフレーム画像の上下方向(鉛直方向に対応)である場合、算出した待機画角の上下端がそれまでに取得した(またはユーザが設定した)追尾対象の位置に応じて待機画角を補正してもよい。例えば、人物の頭部位置より上または足元よりも下にならない様に補正してもよい。
【】
S104では、待機画角判定部A1107は、現在の画角の情報を待機画角として設定する。すなわち、追尾対象がいる可能性が高い画角を決定できないと判定し、PT制御による画角変更を行わないと決定する。
【】
上述のS103またはS104において待機画角判定部A1107により待機画角が決定されると、ロスト処理を終了しS006に進む。
【】
以上説明したとおり第1実施形態によれば、追尾制御中に追尾対象のロストが発生した場合、追尾対象のロスト方向が明確であるか否かに依存して実行する動作を変える。具体的には、ロスト方向が明確である場合に、ロスト発生前の追尾履歴に基づき追尾対象がいる可能性が高い画角にPT制御を行う。このような制御を行うことにより、ロストが発生した後に追尾対象を再検出し再び追尾制御を行うことがより容易となる。
【】
(第2実施形態)
第2実施形態では、追尾対象が撮影画像の奥行き方向に移動する場合の制御について説明する。すなわち、第1実施形態では、追尾対象をロストした場合の撮影範囲のPT制御について説明したが、第2実施形態では、追尾対象をロストした場合の撮影範囲のズーム(Z)制御について説明する。
【】
<システム構成および装置構成>
システム構成については、
図1において、追尾装置A1100、PT駆動装置A1102が、それぞれ、追尾装置A2100、PTZ駆動装置A2102になっているのみである。PTZ駆動装置A2102は、追尾装置A2100による制御に基づいて、映像入力装置A1101のPT方向の駆動に加えズーム(Z)の制御を行うことにより、映像入力装置A1101の撮影範囲を制御する。その他の装置は第1実施形態(
図1)と同様であるため詳細な説明は省略する。なお、説明を簡単にするために、以下では、PTZ駆動装置A2102は、ズーム(Z)駆動のみ行うとして説明する。
【】
図7は、第2実施形態に係る追尾装置A2100の機能構成を示すブロック図である。なお、第1実施形態(
図2)と同一の参照符号の機能部は同様の機能を有するものであるため説明を省略する。
【】
追尾装置A2100は、設定情報入力部A1103、追尾対象検出部A2104、追尾処理部A2105、ロスト方向判定部A2106、待機画角判定部A2107、撮像範囲制御部A1108、通信部A1109を有する。
【】
PTZ駆動装置A2102は、入力されたPTZ制御命令を基にPTZ駆動を行い撮像範囲を移動させる。
【】
追尾対象検出部A2104は、入力された設定情報を基に、映像入力装置A1101から入力された映像(フレーム画像)を解析する。そして、フレーム画像内の追尾対象を検出し、検出情報を追尾処理部A2105へ出力する。ここでは、検出情報として、追尾対象位置(追尾対象のフレーム画像内の位置座標)および追尾対象サイズ(追尾対象のフレーム画像内の大きさ)を出力することを想定する。ただし、追尾対象の位置、サイズが分かる情報であれば、他の位置情報、サイズ情報でも良い。また、検出サイズや検出精度など、追加の情報を検出結果として含めても良い。
【】
追尾処理部A2105は、入力された検出情報と、設定情報入力部A1103から入力された目標位置を基に、追尾目標の追尾処理を行う。具体的には、追尾処理として、追尾対象位置および追尾対象サイズを追尾履歴として保持する。また、追尾履歴を基に、追尾対象をロストしたかどうかを判定する。ここでは、入力された映像に関してxフレーム連続で追尾対象の検出に失敗した場合にロストが発生したと判定する。以下では説明を簡単にするためにx=1とする。
【】
そして、追尾処理部A2105は、ロストが発生していないと判定した場合、追尾対象位置、追尾対象サイズおよび目標位置を撮像範囲制御部A1108へ出力する。一方、ロストが発生したと判定した場合、追尾履歴をロスト方向判定部A2106へ出力する。
【】
ロスト方向判定部A2106は、入力された追尾履歴を基に、追尾対象のロスト方向を導出する。上述したように、第2実施形態では、ロスト方向とは、ロストが発生した直前における撮影画像の奥行き方向に沿った追尾対象の動きの方向である。また、第2実施形態においても、ロスト方向が明確である(=所定の確度以上で導出された)か否かを併せて判定している。具体的には、目標位置における追尾対象サイズが、ロスト直前にyフレーム以上連続して大きく(近づく)または小さく(遠ざかる)変化した場合に、ロスト方向が明確であると判定する。ロスト方向判定部A2106は、導出されたロスト方向が明確であると判定した場合は判定結果としてロスト方向を出力し、導出されたロスト方向が明確でないと判定した場合は判定結果として不明確である旨を示す情報を出力する。ロスト方向判定部A2106は、算出したロスト方向と、ロスト前検出サイズ(ロストが発生する直前の追尾対象サイズ)を待機画角判定部A2107へ出力する。
【】
待機画角判定部A2107は、入力されたロスト方向判定とロスト前検出サイズを基に、再検出できる可能性が高い撮像範囲となる待機画角(ズーム(Z)値)を算出する。具体的には、判定結果としてロスト方向が入力された場合、追尾対象がいる可能性の高いズーム値があると判定し、待機画角を算出する。例えば、ロスト直前での追尾対象サイズが、検出可能サイズ(最小検出サイズ以上かつ最大検出サイズ以下)になるズーム値を待機画角とする。このとき、ロスト方向が「遠ざかる」方向であった場合は最大検出サイズ、「近づく」であった場合は最小サイズにするとよい。待機画角の詳細な算出方法については
図8~
図10を参照して後述する。
【】
一方、判定結果として不明確である旨を示す情報が入力された場合、追尾対象がいる可能性が高いズーム値は無いと判定し、現在のズーム値を待機画角とする。待機画角判定部A2107は、待機画角を撮像範囲制御部A1108へ出力する。
【】
<装置の動作>
全体の追尾処理については第1実施形態(
図3)と同様であるため詳細な説明は省略する。以下では、第2実施形態におけるロスト処理(S004)の詳細について
図8を参照して説明する。
【】
図8は、第2実施形態におけるロスト処理(S004)の詳細フローチャートである。上述したように、追尾装置A2100は、追尾履歴に基づいてロスト処理を行うことになる。
【】
S201では、ロスト方向判定部A2106は、入力された追尾履歴を基に、追尾対象のロスト方向を算出する。ただし、第1実施形態とは異なり、ここでは、ロスト方向として、追尾装置から見た奥行き方向に対応するズーム値を算出する。
【】
S202では、ロスト方向判定部A2106は、S201で算出されたロスト方向が明確である(=所定の確度以上で導出された)かを判定する。真(S202でYES)の場合は算出したロスト方向とロスト前検出サイズを出力してS203へ進み、偽(S202でNO)の場合はS206へ進む。判定方法について
図9,10を参照して詳細に説明する。
【】
図9は、ロスト方向の判定方法を説明する図である。フレーム画像P201~P203は、追尾対象が「遠ざかる」方向に移動している場合にロストが発生する状況を例示的に示す時系列に沿った3枚のフレームを表している。
【】
図9の上段には、ロストが発生するyフレーム前(過去)のフレーム画像P201が示されている。中段には、ロスト発生直前(すなわち最後に追尾対象を検出したフレーム)のフレーム画像P202が示されている。そして、下段には、ロスト発生直後(すなわち追尾対象を見失った最初のフレーム)のフレーム画像P203が示されている。P205は追尾対象を示し、P206/P207は追尾対象の検出枠(追尾対象に外接する矩形)を示している。
【】
図10は、目標画角(撮影範囲)における検出サイズを説明する図である。
図10において、P212は、目標画角(撮影範囲)のフレーム画像P211における検出枠の目標サイズを示す。また、P213は検出枠の最大サイズ(最大検出サイズ)を、P214は検出枠の最小サイズ(最小検出サイズ)を、それぞれ表す。最大検出サイズより大きい検出枠となる追尾対象および最小検出サイズより小さい検出枠となる追尾対象はロストの発生につながる。
【】
上述したように、第2実施形態では、目標位置における追尾対象サイズが、ロスト直前にyフレーム以上連続して大きく(近づく)または小さく(遠ざかる)変化した場合に、ロスト方向が明確であると判定する。ここでは、y=1とし、閾値m%以上変化した場合に明確であると判定する。つまり、
図9の状況においては、P207がP206に対して(100-m)%以下のサイズである場合に明確であると判定する。なお、ロスト方向の判定は、追尾対との間の距離やズーム値の履歴を用いて判定する等、他の方法にて行っても良い。
【】
図9に示す状況においては、フレーム画像P201において検出枠が目標画角に対して小さいためズームイン(拡大)命令を出しているにも関わらず、フレーム画像P202においては検出枠が目標画角に対してさらに小さくなっている。そのため、さらにズームイン命令を出しているが、フレーム画像P203においては追尾対象を検出できずロストしている。そのため、ロスト方向は、「遠ざかる」方向であると判定する。ここでは、検出枠の大きさの差分が閾値m%より大きいことから、ロスト方向が明確であると判定される。
【】
S203では、ロスト方向判定部A2106は、S202で算出されたロスト方向が「遠ざかる」方向かどうか判定する。「遠ざかる」方向である場合はS204へ、そうでない場合はS205へ進む。S204では、待機画角判定部A2107は、目標サイズを最大検出サイズとする。一方、S205では、待機画角判定部A2107は、目標サイズを最小検出サイズとする。
【】
S206では、待機画角判定部A2107は、現在のズーム値の情報を待機画角として設定し、ロスト処理を終了しS006に進む。すなわち、追尾対象が検出される可能性が高い特定のズーム値を決定できないと判定し、ズーム制御による画角変更を行わないと決定する。
【】
S207では、待機画角判定部A2107は、ロスト直前のズーム値と目標サイズを基に、ズーム値を算出して待機画角とし、ロスト処理を終了しS006に進む。例えば、ロスト直前の検出サイズが、最大検出サイズになるようなズーム値を算出する。
【】
以上説明したとおり第2実施形態によれば、追尾制御中に追尾対象のロストが発生した場合、第1実施形態と同様に追尾対象のロスト方向が明確であるか否かに依存して実行する動作を変える。具体的には、ロスト方向が明確である場合に、ロスト発生前の追尾履歴に基づき追尾対象が検出される可能性が高いズーム値にズーム制御を行う。このような制御を行うことにより、ロストが発生した後に追尾対象を再検出し再び追尾制御を行うことがより容易となる。
【】
(第3実施形態)
第3実施形態では、追尾対象が撮影画像の面内に沿った方向および奥行き方向の両方で移動する場合に対処可能な制御について説明する。すなわち、第3実施形態では、追尾対象をロストした場合の撮影範囲の制御をパン・チルト・ズーム(PTZ)を組み合わせて行う形態について説明する。
【】
<システム構成および装置構成>
システム構成については、
図1において、追尾装置A1100、PT駆動装置A1102が、それぞれ、追尾装置A3100、PTZ駆動装置A2102になっているのみであるため詳細な説明は省略する。
【】
図11は、第3実施形態に係る追尾装置A3100の機能構成を示すブロック図である。なお、第2実施形態(
図7)と同一の参照符号の機能部は同様の機能を有するものであるため説明を省略する。
【】
追尾装置A3100は、設定情報入力部A1103、追尾対象検出部A2104、追尾処理部A3105、ロスト方向判定部A3106、待機画角判定部A3107、撮像範囲制御部A3108、通信部A1109を有する。
【】
追尾処理部A3105は、入力された検出情報と、設定情報入力部A1103から入力された目標位置を基に、追尾目標の追尾処理を行う。具体的には、追尾処理として、追尾対象位置および追尾対象サイズを追尾履歴として保持する。また、追尾履歴を基に、追尾対象をロストしたかどうかを判定する。ここでは、入力された映像に関してxフレーム連続で追尾対象の検出に失敗した場合にロストが発生したと判定する。以下では説明を簡単にするためにx=1とする。
【】
そして、追尾処理部A3105は、ロストが発生していないと判定した場合、追尾対象位置、追尾対象サイズおよび目標位置を撮像範囲制御部A3108へ出力する。一方、ロストが発生したと判定した場合、追尾履歴をロスト方向判定部A3106へ出力する。
【】
ロスト方向判定部A3106は、入力された追尾履歴を基に、追尾対象のロスト方向を導出する。第3実施形態では、PT方向、ズーム方向のそれぞれについて判定する。また、第3実施形態においても、ロスト方向が明確であるか否かをPT方向、ズーム方向のそれぞれについて判定している。
【】
具体的には、ロスト方向判定部A3106は、PT方向に関して、目標位置に対する追尾対象位置が、ロスト直前にyフレーム以上連続して同一方向に離れており、かつその位置差分が閾値以上であった場合に、ロスト方向(PT方向)が明確であると判定する。また、ズーム方向に関して、目標位置における追尾対象サイズが、ロスト直前にyフレーム以上連続して大きく(近づく)または小さく(遠ざかる)変化した場合に、ロスト方向(ズーム方向)が明確であると判定する。
【】
ロスト方向判定部A3106は、PT方向、ズーム方向のそれぞれについて、導出されたロスト方向が明確であると判定した場合は判定結果としてロスト方向を出力する。導出されたロスト方向が明確でないと判定した場合は判定結果として不明確である旨を示す情報を出力する。ロスト方向判定部A3106は、PT方向、ズーム方向のそれぞれについて算出したロスト方向と、ロスト前検出情報を待機画角判定部A3107へ出力する。ロスト前検出情報は、ロストが発生する直前の追尾対象位置および追尾対象サイズを含む。
【】
待機画角判定部A3107は、撮像範囲制御部A3108が保持していたロスト前PTZ制御命令情報(ロスト前に行ったPTZ制御の1以上の命令)を取得する。待機画角判定部A3107は、取得したロスト前PTZ制御命令情報と、入力されたロスト方向判定とロスト前検出情報を基に、再検出できる可能性が高い撮像範囲となる待機画角(PT値およびズーム値)を算出する。具体的には、判定結果としてロスト方向が入力された場合、追尾対象がいる可能性の高いPT値およびズーム値があると判定し、待機画角を算出する。待機画角の詳細な算出方法については
図12を参照して後述する。
【】
一方、判定結果として不明確である旨を示す情報が入力された場合、追尾対象がいる可能性が高いPT値およびズーム値は無いと判定し、現在のPT値およびズーム値を待機画角とする。待機画角判定部A3107は、待機画角を撮像範囲制御部A3108へ出力する。
【】
撮像範囲制御部A3108は、ロストが発生していない場合、追尾処理部A3105から入力された追尾対象位置と目標位置を基に、追尾制御を継続する。さらに、PTZ制御命令情報を履歴情報として直近のnフレーム分保持する。ここでは説明を簡単にするためにn=1とし、直前のPTZ制御命令のみを保持する。一方、ロストが発生した場合、ロスト処理として、待機画角判定部A3107へPTZ制御命令の履歴を出力する。さらに、待機画角判定部A3107から入力された待機画角を基に、PTZ制御を行う。具体的には、撮像範囲制御部A3108は、PTZ制御命令をPTZ駆動装置A2102へ、映像を通信部A1109へ出力する。
【】
<装置の動作>
全体の追尾処理については第1実施形態(
図3)とほぼ同様であるが、S007において、撮像範囲制御部A3108は、PTZ制御命令を、履歴情報として保持する。以下では、第3実施形態におけるロスト処理(S004)の詳細について
図12を参照して説明する。
【】
図12は、第3実施形態におけるロスト処理(S004)の詳細フローチャートである。上述したように、追尾装置A3100は、追尾履歴に基づいてロスト処理を行うことになる。
【】
S301では、ロスト方向判定部A3106は、入力された追尾履歴を基に、追尾対象のロスト方向を算出する。上述したように、ロスト方向として、PT方向およびズーム方向のそれぞれを算出する。
【】
S303では、待機画角判定部A3107は、撮像範囲制御部A3108にて保持していたロスト前PTZ制御命令情報内のPT方向制御量を取得する。S304では、待機画角判定部A3107は、取得したPT方向制御量と所定係数αを用いて、再検出できる可能性が高い画角(PT方向)を算出する。具体的には、PT方向制御量に所定係数αをかけて得られる制御量のPT制御命令を算出する。
【】
ここでは、所定係数として固定値αを想定するが、テーブルを定義するなど、ロスト直前の追尾対象のPT方向移動量によって係数を変更しても良い。また、ロスト前のPT方向制御量として、ロスト前のnフレームのPT方向制御量の平均あるいは最大値を用いても良い。
【】
S307では、待機画角判定部A3107は、撮像範囲制御部A3108にて保持していたロスト前PTZ制御命令情報内のズーム方向制御量を取得する。S308では、待機画角判定部A3107は、取得したズーム方向制御量と所定係数βを用いて、再検出できる可能性が高い画角(ズーム方向)を算出する。具体的には、ズーム方向制御量に所定係数βをかけて得られる制御量のズーム制御命令を算出する。
【】
ここでは、所定係数として固定値βを想定するが、テーブルを定義するなど、ロスト直前の追尾対象のズーム方向移動量(あるいは追尾対象サイズの変化量)によって係数を変更しても良い。また、ロスト前のズーム方向制御量として、ロスト前のnフレームのズーム方向制御量の平均あるいは最大値を用いても良い。
【】
以上説明したとおり第3実施形態によれば、追尾制御中に追尾対象のロストが発生した場合、第1および第2実施形態と同様に追尾対象のロスト方向が明確であるか否かに依存して実行する動作を変える。特に、PT方向とズーム方向それぞれに関して、再検出できる可能性が高い画角にするための制御命令を算出する。このような制御を行うことにより、ロストが発生した後に追尾対象を再検出し再び追尾制御を行うことがより容易となる。
【】
本明細書の開示は、以下の制御装置、制御方法、およびプログラムを含む。
(項目1)
撮像装置による追尾撮影を制御する制御装置であって、
前記撮像装置により得られた映像から追尾対象を検出する検出手段と、
前記検出手段による追尾対象の検出位置に基づいて前記撮像装置の撮影方向を制御し追尾対象を追尾する追尾手段と、
前記追尾手段による追尾対象の追尾中に前記検出手段による追尾対象のロストが発生した場合、ロスト処理を実行する処理手段と、
を有し、
前記処理手段は、
前記ロストの発生直前における追尾対象の移動方向を第1の確度以上で導出可能であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記第1の確度以上で前記移動方向を導出可能であると判定された場合、該移動方向に基づいて、前記撮像装置の前記ロストの発生後の撮影方向である待機撮影方向を決定する決定手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
(項目2)
前記判定手段は、前記追尾手段における撮影方向の制御履歴に基づいて、前記ロストの発生直前における追尾対象の移動方向および該移動方向の確度を導出する
ことを特徴とする項目1に記載の制御装置。
(項目3)
前記決定手段は、前記判定手段により前記第1の確度以上で前記移動方向を導出可能ではないと判定された場合、前記撮像装置の現在の撮影方向または所定の初期方向を前記待機撮影方向として決定する
ことを特徴とする項目1または2に記載の制御装置。
(項目4)
前記制御装置は、前記撮像装置の追尾撮影をパン・チルト(PT)制御により行うよう構成されており、
前記決定手段は、前記判定手段により前記第1の確度以上で前記移動方向を導出可能であると判定された場合、前記ロストの発生直前における追尾対象の位置が見切れない範囲で前記撮像装置の現在の撮影方向を前記移動方向へPT制御し前記待機撮影方向として決定する
ことを特徴とする項目1乃至3の何れか1項目に記載の制御装置。
(項目5)
前記追尾手段は、前記待機撮影方向に前記撮像装置の撮影方向を制御した後、前記検出手段による追尾対象のロストが所定時間継続した場合、前記撮像装置の撮影方向を所定の初期方向に制御する
ことを特徴とする項目1乃至4の何れか1項目に記載の制御装置。
(項目6)
前記決定手段は、前記移動方向に基づいて決定される待機撮影方向が前記撮像装置の撮影方向の制御範囲外である場合、前記撮像装置の現在の撮影方向または所定の初期方向を前記待機撮影方向として決定する
ことを特徴とする項目1乃至5の何れか1項目に記載の制御装置。
(項目7)
前記制御装置は、前記撮像装置の追尾撮影をパン・チルト・ズーム(PTZ)制御により行うよう構成されており、
前記追尾手段は、前記検出手段による前記追尾対象の検出サイズに基づいて前記撮像装置の撮影画角をさらに制御し、
前記判定手段は、前記ロストの発生直前における追尾対象の前記映像における奥行き方向に関する第2の移動方向を第2の確度以上で導出可能であるか否かをさらに判定し、
前記決定手段は、前記判定手段により前記第2の確度以上で前記第2の移動方向を導出可能であると判定された場合、該第2の移動方向に基づいて、前記撮像装置の前記ロストの発生後の撮影画角である待機撮影画角をさらに決定する
ことを特徴とする項目1乃至6の何れか1項目に記載の制御装置。
(項目8)
前記決定手段は、前記ロストの発生直前における前記追尾手段によるPT方向制御量に第1の係数をかけて得られる制御量を、前記待機撮影方向に制御するための制御量として算出し、前記ロストの発生直前における前記追尾手段によるズーム方向制御量に第2の係数をかけて得られる制御量を、前記待機撮影画角に制御するための制御量として算出する
ことを特徴とする項目7に記載の制御装置。
(項目9)
撮像装置による追尾撮影を制御する制御装置であって、
前記撮像装置により得られた映像から追尾対象を検出する検出手段と、
前記検出手段による追尾対象の検出サイズに基づいて前記撮像装置の撮影画角を制御し追尾対象を追尾する追尾手段と、
前記追尾手段による追尾対象の追尾中に前記検出手段による追尾対象のロストが発生した場合、ロスト処理を実行する処理手段と、
を有し、
前記処理手段は、
前記ロストの発生直前における追尾対象の前記映像における奥行き方向の移動方向を所定の確度以上で導出可能であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記所定の確度以上で前記移動方向を導出可能であると判定された場合、該移動方向に基づいて、前記撮像装置の前記ロストの発生後の撮影画角である待機撮影画角を決定する決定手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
(項目10)
撮像装置による追尾撮影を制御する制御装置の制御方法であって、
前記撮像装置により得られた映像から追尾対象を検出し、該追尾対象の検出位置に基づいて前記撮像装置の撮影方向を制御し追尾対象を追尾する追尾工程と、
前記追尾工程による追尾対象の追尾中に追尾対象のロストが発生した場合、ロスト処理を実行する処理工程と、
を含み、
前記処理工程は、
前記ロストの発生直前における追尾対象の移動方向を所定の確度以上で導出可能であるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記所定の確度以上で前記移動方向を導出可能であると判定された場合、該移動方向に基づいて、前記撮像装置の前記ロストの発生後の撮影方向である待機撮影方向を決定する決定工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
(項目11)
撮像装置による追尾撮影を制御する制御装置の制御方法であって、
前記撮像装置により得られた映像から追尾対象を検出し、該追尾対象の検出サイズに基づいて前記撮像装置の撮影画角を制御し追尾対象を追尾する追尾工程と、
前記追尾工程による追尾対象の追尾中に追尾対象のロストが発生した場合、ロスト処理を実行する処理工程と、
を含み、
前記処理工程は、
前記ロストの発生直前における追尾対象の前記映像における奥行き方向の移動方向を所定の確度以上で導出可能であるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記所定の確度以上で前記移動方向を導出可能であると判定された場合、該移動方向に基づいて、前記撮像装置の前記ロストの発生後の撮影画角である待機撮影画角を決定する決定工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
(項目12)
撮像装置による追尾撮影を制御するコンピュータを、項目1乃至9の何れか1項目に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【】
A1100 追尾装置; A1200 クライアント装置; A1101 映像入力装置; A1102 PT駆動装置; A1103 設定情報入力部; A1104 追尾対象検出部; A1105 追尾処理部; A1106 ロスト方向判定部; A1107 待機画角判定部; A1108 撮像範囲制御部; A1109 通信部
【図】
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【図】
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