(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】
(45)【発行日】
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像形成装置、制御方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
【FI】
(21)【出願番号】
(22)【出願日】
【審査請求日】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古田 泰友
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-242351(JP,A)
【文献】特開2006-256150(JP,A)
【文献】特開2023-141874(JP,A)
【文献】特開2006-181765(JP,A)
【文献】特開2020-001243(JP,A)
【文献】特開2001-071557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/447
B41J 2/45
G03G 15/00
G03G 15/043
H04N 1/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項】
複数の発光素子を有する複数の発光素子アレイチップを有する露光ヘッドを有する画像形成装置の光量を補正する補正データを生成する情報処理装置であって、
隣接する発光素子アレイチップ間の境界の光量差を補正する第1補正データを生成する第1補正手段と、
前記第1補正データによって補正された前記露光ヘッドの光量分布を補正する第2補正データを生成する第2補正手段と、
を備え
、
前記第1補正手段は、補正用の第1画像をスキャンして取得した光量のデータに基づいて、前記光量差を算出して前記第1補正データを生成する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項】
前記第1補正手段は、前記複数の発光素子アレイチップのうち、隣接する発光素子アレイチップの境界の光量差が小さくなるように前記第1補正データを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項】
前記第1補正手段は、
前記複数の発光素子アレイチップが配列された方向に沿った複数の行、および、前記行と交差する複数の列に沿って、前記発光素子アレイチップの画像領域を二次元に分割した複数のサンプルエリアの光量を算出し、
前記サンプルエリアの列のそれぞれの最大値及び最小値を少なくとも除いた光量の平均値を前記複数のサンプルエリアの列の光量として算出し、
当該光量に基づいて前記第1補正データを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項】
前記第1補正手段は、前記発光素子アレイチップの境界に面した端部の前記複数のサンプルエリアを含む列の光量を、当該端部から2列目以降の前記複数のサンプルエリアを含む列の光量に基づいて算出する
ことを特徴とする請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項】
前記第1補正手段は、前記端部から2列目以降の前記サンプルエリアの列のうち、光量が予め定められた許容量範囲内の前記サンプルエリアの列の光量に基づいて、前記端部の前記サンプルエリアの列の光量を算出する
ことを特徴とする請求項
4に記載の情報処理装置。
【請求項】
前記第1補正手段は、前記複数の発光素子アレイチップの配列された方向において、中央の発光素子アレイチップから順に端部の発光素子アレイチップへと光量を補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項】
前記第2補正手段は、前記露光ヘッドにおける位置に応じた全体の光量分布を平坦に近づけるように前記第2補正データを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項】
前記第2補正手段は、前記光量分布を平坦に近づける2次関数を前記第2補正データとして生成する
ことを特徴とする請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項】
前記第2補正手段は、前記第1画像と同じ画像データを前記第1補正データに基づいて印刷した第2画像をスキャンして取得した光量に基づいて、前記第2補正データを生成する
ことを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項】
請求項1に記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置によって制御される前記露光ヘッドと、
前記露光ヘッドによって静電潜像が形成される感光体ドラムと、
を有する画像形成装置。
【請求項】
複数の発光素子を有する複数の発光素子アレイチップを有する露光ヘッドを有する画像形成装置の光量を補正する補正データを生成する制御方法であって、
隣接する発光素子アレイチップ間の境界の光量差を補正する第1補正データを生成する第1補正工程と、
前記第1補正データによって補正された前記露光ヘッドの光量分布を補正する第2補正データを生成する第2補正工程と、
を備え
、
前記第1補正工程は、補正用の第1画像をスキャンして取得した光量のデータに基づいて、前記光量差を算出して前記第1補正データを生成する
ことを特徴とする制御方法。
【請求項】
コンピュータを、請求項1ないし
9の何れか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【】
本発明は、情報処理装置、画像形成装置、制御方法、および、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【】
露光ヘッドおよび感光体ロッドを有し、画像を印刷する画像形成装置が知られている。露光ヘッドは、複数の発光素子を有する複数の発光素子アレイチップを有する。このような画像形成装置では、露光ヘッドの発光素子が感光体ロッドへ光を照射することによって、紙などの記録媒体へ画像が印刷される。
【】
このような画像形成装置では、発光素子間で光量に差があるので、光量を補正する技術が知られている。
【】
例えば、特許文献1には、印刷されたチャートをスキャナなどによって読み取った濃度のバラツキに基づいて、発光素子アレイチップのそれぞれの光量の平均値の差を求めて補正した後、発光素子アレイチップの端部同士の光量を補正する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【】
しかしながら、特許文献1の技術では、発光素子アレイチップ間の境界で急峻な光量差がある状態で、光量を補正しているので、光量の補正の精度が充分でなかった。
【】
そこで、本発明は、画像形成装置の光量の補正の精度を向上させることが可能な画像形成装置を制御する情報処理装置、画像形成装置、制御方法、および、プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【】
この課題を解決するため、例えば本発明の情報処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
複数の発光素子を有する複数の発光素子アレイチップを有する露光ヘッドを有する画像形成装置の光量を補正する補正データを生成する情報処理装置であって、
隣接する発光素子アレイチップ間の境界の光量差を補正する第1補正データを生成する第1補正手段と、
前記第1補正データによって補正された前記露光ヘッドの光量分布を補正する第2補正データを生成する第2補正手段と、
を備え、
前記第1補正手段は、補正用の第1画像をスキャンして取得した光量のデータに基づいて、前記光量差を算出して前記第1補正データを生成する。
【発明の効果】
【】
本発明によれば、画像形成装置の光量の補正の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【】
【図】実施形態の画像形成装置の全体構成を示す図。
【図】実施形態の露光ヘッドと感光体ドラムを説明する図。
【図】実施形態の発光素子群、コネクタが配列されたプリント基板の平面図。
【図】実施形態の発光素子アレイチップの構成の概略を示す平面図。
【図】実施形態の発光部の一部の断面図。
【図】実施形態の発光素子のオーバーラップを説明する平面図。
【図】実施形態の画像形成装置の制御系を説明するブロック図。
【図】実施形態の発光素子アレイチップの内部回路のブロック図。
【図】実施形態の光量補正部の構成を説明するブロック図。
【図】実施形態の画像を補正する過程を説明する図。
【図】光量バラツキを取得するために印刷する光量補正チャートの図。
【図】光量を補正する補正データを生成する補正処理のフローチャートの図。
【図】発光素子アレイチップの長手方向の補正前の露光ヘッドの光量分布の図。
【図】発光素子アレイチップの長手方向の補正後の露光ヘッドの光量分布の図。
【図】発光素子アレイチップ内の補正前の光量分布の図。
【図】実施形態の発光素子アレイチップ毎のサンプリングエリアとドットの影響を説明する図。
【図】1つの発光素子アレイチップに対応した18のサンプルエリア列の光量分布を示す図。
【図】画像に縦スジが発生したケースにおける光量分布を示す図。
【図】発光素子アレイチップが配列された状態を示す平面図。
【図】実施形態の画像形成装置の制御系のハードウェア構成を説明するブロック図。
【発明を実施するための形態】
【】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【】
<実施形態>
(画像形成装置の全体構成)
本実施形態における電子写真方式の画像形成装置10について簡単に説明する。
図1は、画像形成装置10の全体構成を示す図である。画像形成装置10は、スキャナ部100、作像部103、定着部104、給紙/搬送部105、光学センサ113及び、これらを制御するプリンタ制御部(不図示)を備える。以下の説明において、用語“画像”は、“画像データ”を含む場合がある。
【】
スキャナ部100は、原稿台に置かれた原稿に対して、光を照射して原稿の画像を光学的に読み取る。スキャナ部100は、読み取った原稿の画像の光を電気信号に変換して画像データを作成して出力する。
【】
作像部103は、4組の画像形成部101a、101b、101c、101dを有する。画像形成部101a、101b、101c、101dを区別する必要がない場合、画像形成部101と記載する。画像形成部101の組数は、4組に限定されるものではなく、適宜変更してよい。本実施形態は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色に対応した4組の画像形成部101a、101b、101c、101dを有する。4組の画像形成部101は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の順に配列されている。画像形成部101は、搬送される紙などの記録媒体に、一連の電子写真プロセス(帯電、露光、現像、転写)を行う。4連の画像形成部101は、シアンステーションの作像開始から所定時間経過後に、マゼンタ、イエロー、ブラックの作像動作を順次実行していく。これにより、4連の画像形成部101は、順次対応する色の画像を印刷して、フルカラーの画像を紙に形成する。
【】
画像形成部101のそれぞれは、感光体ドラム102、露光ヘッド106、帯電器107、現像器108を有する。感光体ドラム102は、回転駆動する。帯電器107は、回転駆動する感光体ドラム102を帯電させる。露光ヘッド106は、画像データにしたがって、感光体ドラム102に光を照射して静電潜像を形成する。現像器108は、感光体ドラム102に形成された静電潜像に対してトナーを現像することによりトナー像を生成する。トナー像は、転写ベルト111上に搬送されている紙に転写される。
【】
給紙/搬送部105は、本体内給紙ユニット109a、本体内給紙ユニット109b、外部給紙ユニット109c、手差し給紙ユニット109d、レジローラ110、転写ベルト111を有する。給紙/搬送部105では、本体内給紙ユニット109a、本体内給紙ユニット109b、外部給紙ユニット109c、手差し給紙ユニット109dのうち、予め指示された給紙ユニットが紙を給紙する。給紙された紙はレジローラ110まで搬送される。レジローラ110は、前述した作像部103において形成されたトナー像が紙上に転写されるタイミングで、転写ベルト111上に紙を搬送する。転写ベルト111の対向位置には、光学センサ113が配置されている。光学センサ113は、各ステーション間の色ズレ量を導出するため、転写ベルト111上に印刷されたテストチャートの位置検出を行う。ここで導出された色ズレ量は、後述の画像コントローラ部に通知され、各色の画像位置が補正される。この制御によって、紙上に色ずれのないフルカラートナー像が転写される。
【】
定着部104は、対向する複数のローラ、ハロゲンヒータ等の熱源を有する。定着部104では、トナー像が転写されて転写ベルト111から搬送された紙上のトナーを、熱源の熱とローラの圧力によって溶解させて、紙に定着させる。定着部104は、排紙ローラ112にて画像形成装置10の外部にトナー像が定着された紙を排紙する。
【】
プリンタ制御部(不図示)は、画像形成装置10の全体を制御する全体制御部(不図示)と通信して、その指示に応じて画像形成などの制御を実行すると共に、前述のスキャナ、作像、定着、給紙/搬送の各部の状態を管理しながら、全体が調和を保って円滑に動作できるよう制御する。
【】
(露光ヘッドの構成)
感光体ドラム102に露光を行う露光ヘッド106について説明する。
図2は、露光ヘッドと感光体ドラムを説明する図である。
図2(a)は、感光体ドラム102に対する露光ヘッド106の配置を示す図である。
図2(b)は、発光素子群201から出射した光が、ロッドレンズアレイ203により感光体ドラム102に集光する図を示す。
【】
露光ヘッド106、および、感光体ドラム102は、不図示の取り付け部材によって、各々、画像形成装置10に取り付けられている。露光ヘッド106は、発光素子群201、プリント基板202、ロッドレンズアレイ203、ハウジング204を有する。発光素子群201は、配列された複数の発光素子を有する。発光素子は、例えば、半導体発光素子および有機EL(Electro Luminescence)素子などのLED(Light Emitting Diode)である。発光素子群201は、プリント基板202に実装される。ロッドレンズアレイ203は、発光素子群201から照射された光の光路上に配置されている。ロッドレンズアレイ203は、配列された複数のロッドレンズを有する。ハウジング204は、発光素子群201、プリント基板202、ロッドレンズアレイ203を保持する。
【】
画像の印刷において、露光ヘッド106は、画像データに応じて、発光素子群201のチップ面の発光素子を発光させる。ロッドレンズアレイ203は、発光素子群201が発光した光を感光体ドラム102に集光する。これにより、静電潜像が、感光体ドラム102上に形成される。
【】
工場では露光ヘッド106の調整作業が単体で行われる。調整作業では、露光ヘッド106の集光位置でのスポットを所定サイズに調整するピント調整および光量調整が行われる。ここで、感光体ドラム102とロッドレンズアレイ203との間の距離、および、ロッドレンズアレイ203と発光素子群201との間の距離は、所定の間隔となるように配置されるので、発光素子群201からの出射光が感光体ドラム102上に結像する。このため、ピント調整時においては、ロッドレンズアレイ203と発光素子群201との距離が所望の値となるように、ロッドレンズアレイ203の取り付け位置の調整が行われる。また、光量調整時においては、各発光素子を個別に順次発光させていき、ロッドレンズアレイ203を介して集光させた光が、所定の光量になるように各発光素子の駆動電流が調整される。
【】
(基板の構成)
図3は、発光素子群201、および、コネクタ305が配列されたプリント基板202の平面図である。
図3(a)は、発光素子群201が実装されている面とは反対の面(以降、発光素子非実装面と呼称)の平面図である。
図3(b)は、発光素子群201が実装されている面(以降、発光素子実装面と呼称)の平面図である。
【】
発光素子群201は、17個の発光素子アレイチップ400-1~発光素子アレイチップ400-17をプリント基板202上に千鳥状に配列した構成から成る。なお、発光素子アレイチップ400-1~発光素子アレイチップ400-17を区別する必要がない場合、発光素子アレイチップ400と記載する。発光素子アレイチップ400が、配列される方向は配列方向の一例である。発光素子群201は、プリント基板202に面上に配置された複数の発光素子アレイチップ400を有するので、面発光デバイスといえる。各発光素子アレイチップ400には、748個の発光点として機能する発光素子がチップの解像度に応じた所定のピッチで長手方向に沿って配列されている。本実施形態では、チップ長手方向に隣接する発光素子のピッチは、1200dpiの解像度のピッチ(略21.16μm)となっており、発光素子アレイチップ400内における748個の発光素子の端から端までの間隔は、約15.8mmである。17個の発光素子アレイチップ400が発光素子群201に配列されている。これにより、発光素子群201が露光可能な発光素子数は12716個となり、約267mmの画像幅に対応した画像形成が可能となる。発光素子アレイチップ400-1~発光素子アレイチップ400-17は千鳥状に2列に配置されている。発光素子アレイチップ400の各列はプリント基板202の長手方向に沿って配置される。
【】
図3(c)は、発光素子アレイチップ間の境界部の拡大平面図である。前述したように、発光素子アレイチップ400では、発光素子602が1200dpiの間隔で配列されている。短手方向には4列の発光素子602が配列されている。発光素子602の各列は長手方向に約5μm(4800dpi相当)ずつ位置をずらして配置される。千鳥状の2列の発光素子アレイチップ400の露光ヘッド106の短手方向の発光点(発光素子602)の間隔Lyが約105μm(1200dpiで5画素分、2400dpiで10画素分)となるように、発光素子602が配置される。また、露光ヘッド106の長手方向において、発光素子602は、発光素子アレイチップ400間でオーバーラップするように配置される。本実施形態では、端部の4つの発光素子602がオーバーラップする。オーバーラップ量については、4つの発光素子602に限定されない。例えば、実装装置(ダイボンダー)の実装バラツキの最大量より、隣接する発光素子アレイチップ400の発光素子602間にすき間ができないようにオーバーラップ量を決めればよい。
【】
プリント基板202の発光素子非実装面には、コネクタ305が配置されている。コネクタ305は、画像コントローラ部から出力された発光素子アレイチップ400を制御する制御信号を受信し、電源ラインと発光素子アレイチップ400とを接続する。各発光素子アレイチップ400はコネクタ305を介して駆動される。
【】
(発光素子アレイチップの構成)
図4は、発光素子アレイチップ400の構成の概略を示す平面図である。発光素子アレイチップ400は、発光基板402、発光部404、回路部406、複数のWBパッド408を有する。
【】
発光基板402は、シリコン基板であってよい。シリコン基板の集積回路形成用のプロセス技術も発達しており、既に様々な集積回路の基板として用いられているため、高速かつ高機能な回路を高密度に形成できる、また、シリコン基板は、大口径のウェハが出回っており、安価に入手する事が出来るなどのメリットがある。
【】
発光部404は、発光基板402の上に設けられた複数の発光素子602を含む。
【】
回路部406は、発光基板402に内蔵されている。回路部406は、発光部404を制御する。回路部406は、アナログ駆動回路、デジタル制御回路、又はその両方を含んだ構成のいずれかであってよい。本実施形態では、回路部406が、発光素子を駆動する駆動部、発光信号を生成するためのデータ転送部、および、発光信号生成部を有する。回路部406がSi基板上に形成されることで、高速対応可能な回路となる。
【】
WBパッド408は、ワイヤボンディング用パッドの略であり、発光基板402上に設けられている。回路部406への電源供給および発光素子アレイチップ400の外部からの信号などの入出力は、WBパッド408を介して行われる。
【】
(発光部構成)
図5は、
図4中のA-A線に沿った発光部404の一部の断面図である。発光部404の構成について
図5を用いて説明する。
【】
発光部404は、複数の下部電極504、発光層506、上部電極508を有する。複数の下部電極504、発光層506、上部電極508は、発光基板402上に積層されている。下部電極504は、発光素子(画素)ごとに設けられた独立電極である。発光層506は、複数の発光素子に対して共通に設けられ、例えば電流が流れることで光を照射する層である。上部電極508は、複数の発光素子に対して共通に設けられた共通電極である。複数の下部電極504は、図中のX方向に幅Wを有し、またX方向に隣接する下部電極504との間に所定の間隔dxを空けて形成される。下部電極504と上部電極508との間に電圧が印加されると、電流が下部電極504から上部電極508に流れる。これにより、下部電極504と上部電極508との間の発光層506が発光する。下部電極504と上部電極508との間の間隔dzに対して、電極間隔dxを広くすることで、隣接する下部電極504間のリーク電流をなくし、隣接画素の誤発光を防止することができる。
【】
発光部404の製造工程において、発光層506は、下部電極504を形成した後に、下部電極504の上に形成される。図では、発光層506は、連続して全面に形成されているが、これに限定されない。例えば、発光層506は、下部電極504とほぼ同等の大きさに分断されていても良い。発光層506は、例えば有機EL膜などであって良い。有機EL膜を発光層506として用いる場合、発光層506は電子輸送層、正孔輸送層、電子注入層、正孔注入層、電子ブロック層、正孔ブロック層などの機能層を必要に応じて含む積層構造体であって良い。また、発光層506は、有機EL層以外でも無機EL層などでも良い。
【】
上部電極508は、下部電極504の上に発光層506を形成した後、発光層506の上に形成される。上部電極508は、発光層506の発光波長に対して透明である。したがって、上部電極508は、例えば、酸化インジウム錫(ITO)などの透明電極である。本実施形態では、上部電極508の全体が透明電極(ITO)で形成される構成を例に説明する。なお、上部電極508の透明電極は光を出射する開口部に形成されていればよく、必ずしも発光素子アレイチップ400の全体を覆う必要はない。例えば、開口部だけ部分的に透明電極を形成し、開口部以外は透明電極以外の電極(メタル配線など)で配線してもよい。
【】
(発光部配列(高解像度オーバーラップ配置))
図6は、発光素子のオーバーラップを説明する平面図である。発光部404は、複数の発光素子602-11~発光素子602-mnを有する。mおよびnは正の整数である。複数の発光素子602-11~発光素子602-mnを区別する必要がない場合、発光素子602と表記する。
【】
図6(a)は、発光部404の複数の発光素子602の配置を説明する平面図である。複数の発光素子602が、図中のX方向に所定の間隔、例えば1200dpiの場合、21.16μmのピッチでX方向に沿って列状に配列されている。X方向に沿った発光素子602の列を発光素子列604-1~発光素子列604-2とする。発光素子列604-1~発光素子列604-2を区別する必要がない場合、発光素子列604と表記する。複数の発光素子602は、所定のピッチでY方向にも配列されている。発光素子602は、列方向(図中X方向)にn個、列方向と異なる方向(図中Y方向)にm個、マトリクス状に配置される。本実施形態においては、Y方向に4列の発光素子602が配列されているが、発光素子602は2列以上の複数列に配列されていればよい。
【】
図中の幅W1は、X方向の発光素子602の幅である。発光素子602のY方向の幅W2は、幅W1と同じあって良いが、同じ幅に限定されるものではない。間隔d1はX方向における隣接する発光素子602の間隔である。間隔d2はY方向における隣接する発光素子602の間隔である。ここで、間隔d1、間隔d2は、前述した電極間の距離dxを、2次元座標で表したものである。間隔d1、間隔d2は、上部電極508と下部電極504との間隔dzより広くなるように決定されている。発光素子列604-1~発光素子列604-4は、X方向に位置がずれて配置されている。発光素子列604の位置のずれ量d3は、本実施形態では5μm(4800dpi相当)とする。
【】
このように各発光素子列604は、Y方向に配列されている。各発光素子列604が異なる発光タイミングで発光することで、感光体ドラム102上では同一ライン上に画像を形成することができる。
図6(b)に、各発光素子列604の発光タイミングをシフトさせて感光体ドラム102上の同一列に露光した場合の発光素子列604の光スポット606を示す。実際の光スポット606の幅は、レンズのピントズレ等の影響で発光素子602の幅W1よりも大きくなるが、本例では説明を簡略化するため、光スポット606の幅が幅W1と略等しくなるとして説明する。各発光素子602の光スポット606によって、感光体ドラム102上に形成される潜像電位は、隣接する発光素子602が互いにオーバーラップすることで、発光素子602間での急激な電位変動がなくなり滑らかな潜像が形成される。発光素子602の幅W1が小さいと、光スポット606のオーバーラップ量が少なくなり、光スポット606と光スポット606との間の間にすき間が生まれ、画像スジなどの画像不良の原因となる。本実施形態の幅W1は、発光素子列604の位置のずれ量d3の2倍以上となっている。これにより、発光素子602の光スポット606は、隣接する発光素子602の光スポット606だけでなく、2つ隣の発光素子602の光スポット606ともオーバーラップする。この結果、本実施形態は、画像スジへの耐性を増すことが可能となる。
【】
(制御ブロック)
図7は、画像形成装置10の制御系を説明するブロック図である。画像形成装置10は、プリント基板202と電気的に接続された画像コントローラ部800を更に有する。本実施形態においては、説明を簡易化するために単色の処理について説明するが、同様の処理を4色同時に並列処理してもよい。
【】
画像コントローラ部800は、プリント基板202を制御するための信号を送信する。画像コントローラ部800が送信する信号は、画像データの有効範囲を表すチップセレクト信号、クロック信号、画像データ、画像データの1ライン毎の区切りを表すライン同期信号、処理装置820のCPU811との通信信号を含む。各々の信号は、チップセレクト信号線805、クロック信号線806、画像データ信号線807、ライン同期信号線808、通信信号線809のいずれかを介してプリント基板202内の発光素子アレイチップ400に送信される。
【】
画像コントローラ部800は、画像データに対する処理と、印刷タイミングに対する処理とを行う。画像コントローラ部800は、画像データ生成部801、光量補正部802、チップデータ変換部803、同期信号生成部804、CPU811を含む処理装置820を有する。処理装置820は、情報処理装置の一例である。画像データ生成部801、光量補正部802、チップデータ変換部803、同期信号生成部804の各機能の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及び、FPGA(Field Programmable Gate Array)を含むPLD(Programmable Logic Device)などの1または複数の回路で実現されてもよい。
【】
画像データ生成部801は、スキャナ部100、あるいは、画像形成装置10の外部から取得した画像データに対して、CPU811により指示された解像度でディザリング処理を行う。これにより、画像データ生成部801は、印刷のための画像データを生成する。本実施形態では、画像データ生成部801は、副走査方向では1200dpi、主走査方向では4800dpiの解像度でディザリング処理を行う。
【】
光量補正部802は、CPU811から取得した光量補正値に基づいて、ディザリング処理された画像データに対して光量補正を行う。光量補正部802は、チップ内の主走査位置毎に画像データの挿抜を行い、チップ内の光量バラツキを補正する。
【】
同期信号生成部804は、画像データのラインの区切りを判定し、ライン同期信号を生成し、ライン同期信号線808へ供給する。
【】
チップデータ変換部803は、同期信号生成部804で生成したライン同期信号に同期して1ライン分の画像データを発光素子アレイチップ400毎に分割し、クロック信号と、画像データのどの部分をどの発光素子アレイチップ400が受け取るかを示すチップセレクト信号とともにプリント基板202へ送る。
【】
CPU811は、Central Processing Unitの略であり、種々の演算処理を実行する。CPU811は、第1補正手段および第2補正手段の一例である。CPU811は、スキャナ部100から入力された画像読み取り値から光量の補正データを生成し、光量補正部802、および、発光素子アレイチップ400に光量の補正データを生成して出力する。例えば、CPU811は、隣接する発光素子アレイチップ400間の境界の光量差を補正する補正データ(第1補正データ)を生成する。CPU811は、当該補正データによって境界の光量差が補正された露光ヘッドの光量分布を補正する補正データ(第2補正データ)を生成する。発光素子アレイチップ400は、内蔵する基準電流源の設定電流をCPU811からの指示に従って設定し、発光素子アレイチップ400の全体の光量を制御する。
【】
CPU811は、事前に定められた感光体ドラム102の回転速度に対して、感光体ドラム102の表面が回転方向に1200dpiの画素サイズ(約21.2μm)移動する周期を1ライン周期として、同期信号生成部804に信号周期の時間間隔を指示する。例えば紙搬送方向に200mm/sの速度で印刷する場合、CPU811は、1ライン周期を105.8μs(小数点2桁以下省略)とする時間間隔を同期信号生成部804に指示する。CPU811は、感光体ドラム102の速度制御部(不図示)に設定する印刷速度の設定値(固定値)を用いて、紙搬送方向の速度を算出する。
【】
次にプリント基板202の構成について説明する。プリント基板202は、更にヘッド情報格納部810を有する。
【】
ヘッド情報格納部810は、各発光素子アレイチップ400の発光量および実装されている位置情報といったヘッド情報を格納する記憶装置である。ヘッド情報格納部810は、通信信号線809を介してCPU811と接続されている。
【】
クロック信号線806、画像データ信号線807、ライン同期信号線808、通信信号線809は、全ての発光素子アレイチップ400に接続されている。チップセレクト信号線805は、17本のバス信号であり、発光素子アレイチップ400-1~発光素子アレイチップ400-17のそれぞれに1対1で対応して、信号を送信する。チップデータ変換部は、ライン同期信号に基づいて、1ラインずつ画像データを発光素子アレイチップ400へ転送する。17個の発光素子アレイチップ400は、チップデータ変換部803から送信されるチップセレクト信号が、LowからHiに遷移することにより、データの書き込みが可能となる。チップデータ変換部803は、各発光素子アレイチップ400に対して、順次チップセレクト信号をHiにして、各発光素子アレイチップ400に対応する画像データを転送することで、1ラインずつ画像データの転送が行われる。発光素子アレイチップ400は、画像データを受信した後、次のライン同期信号の入力タイミングにおいて、画像データに応じた発光動作を行う。
【】
図8は、発光素子アレイチップ400の内部回路のブロック図である。発光素子アレイチップ400の内部回路は、D/A901、基準電流源902-1~基準電流源902-5を有する。基準電流源902-1~基準電流源902-5を区別する必要がない場合、基準電流源902と表記する。D/A901は、DAコンバーターであり、CPU811に指示されたデータに基づいて、アナログ電圧を発生させる。発光素子アレイチップ400は、長手方向に複数のブロックに分けられており、D/A901が発生させたアナログ電圧は、各ブロックの基準電流源902-1~基準電流源902-5に配られる。各々のブロックの基準電流源902は、アナログ電圧によって基準電流を生成し、発光素子アレイチップ400の発光素子903へ供給する。すなわち、各発光素子903の電流は、各ブロックの基準電流源902に決定される。本実施形態では、5つのブロックに分割して基準電流源902を用いる例を挙げたが、チップの長手方向の配線距離や、基準電流源902の駆動能力に応じて、ブロックの数を変えてもよい。
【】
(光量補正部802)
図9は、光量補正部802の構成を説明するブロック図である。光量補正部802は、光量補正値AmA、光量補正値AmB、スポット補正値AmCにより発生する濃度バラツキを補正するための画像データを生成する。光量補正値AmAは、発光素子アレイチップ400の回路のブロック毎のバラツキにより発生する電流バラツキに対応する。光量補正値AmBは、長手方向におけるレンズの発光効率のバラツキにより発生する光量バラツキに対応する。スポット補正値AmCは、スポットの長手方向のバラツキに起因する濃度バラツキに対応する。光量補正値AmA、光量補正値AmB、スポット補正値AmCは、例えば、CPU811によって設定されて出力される。
【】
光量補正部802は、階調データ部1105、階調毎補正部1106、減算データ部1107、加算データ部1108、画像補正部1109を有する。
【】
階調データ部1105は、画像データ生成部801でディザリング処理された画像データを取得する。階調データ部1105は、取得した画像データから階調値を読み取り、階調毎補正部1106に階調データを出力する。
【】
階調毎補正部1106は、階調データ部1105が出力した階調データ、スポット補正値AmCおよび階調毎光量補正テーブルTbを取得する。スポット補正値AmCは、主走査方向に部分的にスポットが肥大し、階調毎に濃度の変動量が異なるケースに対応した処理を行うための値である。階調毎光量補正テーブルTbでは、スポット補正値AmCおよび画像データの階調データに、あらかじめ設定された光量補正値AmDが紐づけられている。階調毎補正部1106は、階調毎光量補正テーブルTbを参照して、取得したスポット補正値AmCおよび階調データに紐づけられている光量補正値AmDを抽出する。階調毎補正部1106は、光量をアップする場合、抽出した光量補正値AmDを、加算データ部1108へ出力する。階調毎補正部1106は、光量をダウンする場合、抽出した光量補正値AmDを、減算データ部1107へ出力する。
【】
減算データ部1107では、光量補正値AmA、光量補正値AmB、光量補正値AmDから、光量をダウンさせる減算データを算出し画像補正部1109へ出力する。減算データ部1107は、例えば、光量補正値AmA、光量補正値AmB、光量補正値AmDから減算分の合計値を減算データとして算出してもよい。
【】
加算データ部1108は、取得した加算データを画像補正部1109へ出力する。
【】
画像補正部1109は、減算データ部1107が算出した減算データ、加算データ部1108が出力した加算データ、画像データ生成部801でディザリング処理された画像データを取得する。画像補正部1109は、減算データ、加算データ、および、画像データによって画像を補正することにより、補正後の画像(以下、補正後画像ともいう)を生成する。
【】
図10は、画像を補正する過程を説明する図である。
図10(a)は、補正前の画像(以下、補正前画像1001)の一例を示す。
図10(a)に示す補正前画像1001は、補正対象の画像の一部であってもよい。
図10(b)は、補正用の画像(以下、補正用画像1002)である。
図10(c)は、補正後画像1003である。
【】
画像補正部1109は、所定の画像サイズの補正前画像1001を取得する。画像補正部1109は、減算データ、加算データによって正負符号付きの補正用画像1002を生成する。更に、画像補正部1109は、所定の画像サイズに対して補正用画像1002を処理する。例えば、画像補正部1109は、取得した減算データおよび加算データのいずれかに応じて、単位面積当たりの光量補正比率を計算し、所定の画像サイズに対して、加算、減算する画素を選択する。具体的には、画像補正部1109は、光量を4%減算する場合、図のように10×10画素(合計100画素)のうち、4画素を減算データとして選択する。画像補正部1109は、選択した4画素に基づいて、補正前画像1001の発光画素に対して減算処理を行い、補正後画像1003を生成する。
【】
図10(b)に示した補正用画像の生成方法の一例として、画像補正部1109は、閾値マトリクステーブルを用いて、補正量に対する補正画素の数及び位置を決定してよい。一般に知られているブルーノイズマスク法では、高周波な空間周波数特性を持つ閾値マトリクステーブルを用いて、画像データを生成する。本実施形態では、画像補正部1109は、ブルーノイズマスク法を用いて、空間的に高周波な補正用画像1002を生成し、補正前画像1001と加減算するものとする。画像補正部1109は、閾値マトリクステーブルによって、補正量に応じた補正位置を決定することで、補正する画素を選択する。閾値マトリクステーブルは、本実施形態では、10×10画素サイズで、補正量に対するON、OFFの閾値データを格納している。各画素位置における補正量が、閾値マトリクステーブルの対応する画素の閾値を超えた場合、画像補正部1109は、当該画素を補正ONと決定する。画像補正部1109は、前述した10×10画素単位の処理を、長手方向に繰返し処理することで、長手方向全域の光量を補正する。なお、使用する閾値マトリクステーブルは、同じ設定を繰り返し使うものとし、画像補正部1109は、補正量を、長手方向の位置に応じて異なる量を設定する。画像補正部1109は、上記動作により、所定の長手方向の位置に対して、任意の補正量で光量を補正する。
【】
画像補正部1109は、補正前画像1001のドットサイズに対して、補正分解能を十分細かくすることで、高精度な光量補正を実現できる。本実施形態では、画像補正部1109は、主走査方向では4800dpi、副走査方向では2400dpiで画像に対して加減算を行う。処理する画像の単位は、10×10画素の例について説明したが、画像補正部1109は、より大きなサイズの画像に対して、挿抜箇所を指定してもよい。ブルーノイズマスク法を用いる場合は、128×128画素、256×256画素のサイズで処理することが望ましい。処理画像サイズを大きくすることで、挿抜箇所の空間周波数をランダムに散らすことが可能になり、元画像と挿抜画素周期との干渉モアレの発生を防ぐことができる。また、光量補正部802の処理は、チップデータ変換部803より前に行われる。チップデータ変換部803は、発光素子アレイチップ400毎に主走査方向で画像データを分割するので、光量補正部802は、主走査方向で連続的に処理をかけるためには、チップデータ変換部803より上流で補正処理するほうがよい。
【】
(光計測による光量補正データ生成方法)
本実施形態は、長手方向の光量バラツキに対して、チップ毎の電流調整による光量補正を実行するとともに、チップ単位より細かい光量変化に対しては、画像データによる光量調整を実行する。補正のためのデータは、露光ヘッド106の組立調整工程で計測してデータを取得する方法と、画像形成装置10内でデータを取得する方法とがある。組立調整工程で計測された光量データは、プリント基板202内のヘッド情報格納部810に格納される。CPU811は、ヘッド情報格納部810から当該光量データを読み出す。
【】
CPU811は、読み出した光量データに基づいて算出した発光素子アレイチップ毎の補正値をD/A901に設定する。CPU811は、発光素子アレイチップの幅より細かい光量バラツキについての光量補正値AmAは、光量補正部802に設定する。なお、CPU811は、電流バラツキについての光量補正値AmBおよびスポット補正値AmCを、光量補正部802に設定してもよい。これにより、光量補正部802の画像補正部1109は、画像を補正する。
【】
CPU811が光量補正部802に設定する補正値のうち、スポット補正値AmCについては、結像スポットが局所的に変化する成分である。したがって、全発光素子を点灯した条件においては、スポット補正値AmCは、光量バラツキの成分として計測されない。したがって、CPU811は、D/A901の設定値を算出する工程において、結像スポットの局所的に変化する成分を用いないものとする。CPU811は、全ての発光素子602を点灯した条件において、各発光素子アレイチップの光量値を計測し、発光素子アレイチップ400内で最も光量が低い発光素子602が、所定の目標光量となるようにD/A901の値を調整する。光量補正部802の減算データ部1107は、減算する光量値を減算データとして決定する。画像データの値の補正量が大きいと、ドット形状が崩れる画像弊害が発生するため、CPU811は、減算データの大きさが小さくなるように、例えば最小値となるように決定する。CPU811は、発光素子アレイチップ400内で最も光量が低い発光素子602が、所定の目標光量となるようにD/A901の値を調整する。これにより、D/A901が光量を粗く調整して、光量補正部802は発光素子アレイチップ400の面内の光量バラツキの成分のみを補正する。
【】
また、結像スポットが局所的に変化する成分については、発光素子602を離散的に発光させることで、変動量を読み取ることができる。例えば、1つの発光点を発光させ、露光ヘッドの結像位置での結像スポットを、CCD(Charge Coupled Device)カメラで読み取ることで結像スポットは計測される。本実施形態では、組立工程で結像スポットを計測し、局所的な結像スポットの変化量と発生位置とがヘッド情報格納部810に記憶されている。
【】
前述したように組立調整工程での光測定を行うことで光量を均一にすることが可能となるが、画像形成装置10内においても、印刷された光量補正チャートを、スキャナ部100で読み取らせることで、光量調整を行うことが可能となる。以降、スキャナ部100を用いた光量調整方法について述べる。スキャナ部100を用いた光量調整方法は、画像をスキャナ部100で読み取った結果、および、発光素子アレイチップ400間の濃度差分の検出結果により、D/A901の設定値を調整する。また、発光素子アレイチップ400間の濃度差分の調整を終えた後に、画像の長手方向全域の濃度バラツキを計測し、CPU811が、濃度バラツキを光量補正値AmBとして設定することで、画像の濃度を長手方向で均一化する。
【】
(光量補正チャートによる光量の補正データの生成方法)
<1.補正チャートと光量変換方法、ピント飛びの確認方法>
次に、画像形成装置10内で補正データを取得する方法について述べる。
【】
図11は、光量バラツキを取得するために印刷する光量補正チャートの図である。光量補正チャートは、ユーザーインターフェースによって光量バラツキを調整する補正処理が指示されると、印刷される。ユーザーは、印刷された光量補正チャートを、スキャナ部100で読み取らせることで、画像形成装置10の内部で光量補正データが生成される。
【】
光量補正チャートは、長手方向に帯状となる4つの色Y(イエロー)、色M(マゼンダ)、色C(シアン)、色K(ブラック)に対応する帯状の画像2101~画像2104と、基準マーク2121~基準マーク2124とを含む。基準マーク2121~基準マーク2124は、各画像2101~2104に対応して配置されている。基準マーク2121~基準マーク2124は、発光素子アレイチップ400の位置を特定するためのマークである。各基準マーク2121~基準マーク2124は、発光素子アレイチップ400の端部画素が発光することにより印刷される。本実施形態では、17個の発光素子アレイチップ400が配列されているので、各発光素子アレイチップ400の境界部の16カ所に対応して、基準マーク2121~基準マーク2124が印刷される。CPU811は、スキャナ部100で読み取った基準マーク2121~基準マーク2124の重心位置を算出することで、各発光素子アレイチップ400の境界位置を算出することができ、紙に対する光量補正チャートの位置ずれが発生したとしても、画像に対する発光素子アレイチップ400の位置を正確に算出できる。
【】
CPU811は、スキャナ部100で読み取ったセンサ信号(CCDセンサの輝度信号)を、所定の変換係数で濃度情報に変換し、当該濃度情報から光量情報に変換する。この変換処理は、濃度光量変換処理ともいう。濃度情報から光量情報に変換する際は、CPU811は、予め実験的にもとめられた変換係数を用いてよい。画像形成装置10の周辺の温度条件および湿度条件によって、濃度と光量の関係は変化することがある。したがって、本実施形態の画像形成装置10は、温度条件および湿度条件に応じて異なる変換係数を予め記憶している。これにより、画像形成装置10は、温度と湿度の条件に対応した変換係数を用いることで、光量情報を高精度に求めることが可能となる。その場合は、画像形成装置10は、さらに温度センサ、湿度センサを有し、光量補正チャートの出力時に温度情報と湿度情報とを検出して、補正に用いる。
【】
露光ヘッド106と感光体ドラム102との距離が所定の距離からずれると、露光ヘッド106が集光する光のピントがずれるので、濃度異常が発生することがある。特に、露光ヘッド106の両端部で感光体ドラム102との距離が異なると、露光ヘッド106の両端部で大きな濃度差が発生する。ピントのズレに起因する濃度変動は、画像の階調および印刷するドットのサイズなどによって変動量が異なるため、光量補正では補正しきれないことがある。本実施形態では、ピントのズレを検出するためのピント検出マーク2111~ピント検出マーク2118を印刷する。光量補正チャートは、色Y、色M、色C、色Kに対応するピント検出マーク2111~ピント検出マーク2114を、左端に有する。光量補正チャートは、色Y、色M、色C、色Kに対応するピント検出マーク2115~ピント検出マーク2118を、右端に有する。ピント検出マーク2111~ピント検出マーク2118は、斜め方向に沿って伸びる2つのラインが交差する画像となっている。斜め方向のラインは、主走査方向、副走査方向の光スポットサイズの変動に対して敏感に反応し、光スポットが大きくなるとラインが消失する。また、ラインが交差する交点の部分は、交点以外の部分よりも濃く印刷される。これにより、ピント検出マーク2115~ピント検出マーク2118の端部の画像濃度と、交点の画像濃度とを比較することで、光スポットが肥大した程度を検出することができる。本実施形態では、CPU811は、スキャナ部100でピント検出マーク2115~ピント検出マーク2118を読み取った結果から、光スポットの肥大量が許容範囲かどうかを判別し、許容範囲外の場合は一連の光量調整動作を終了し、異常状態であることを画像または音声によってユーザーに通知してもよい。
【】
<2.補正処理の説明、チップ間の光量差を補正後、長周期バラツキを補正>
図12は、光量を補正する補正データを生成する補正処理のフローチャートの図である。ユーザーがタッチパネルなどのユーザーインターフェースを介して、濃度バラツキの補正処理の開始を指示すると、CPU811は、補正処理を開始する。
【】
S2201では、CPU811は、
図11に示す光量補正チャートを印刷して出力し、S2202へ進む。
【】
S2202では、CPU811は、スキャン開始の指示を受信し、スキャン開始か否かを判断する。例えば、ユーザーが、出力された光量補正チャートをスキャナ部100にセットし、ユーザーインターフェースを介してスキャン開始を指示する。CPU811は、ユーザーによるスキャン開始の指示を受信すると、スキャン開始と判断して、S2203へ進む。なお、CPU811は、スキャン開始と判断するまで、待機となる。
【】
S2203では、CPU811は、光量補正チャートに対してスキャンを実行して、光量補正チャートの読み取り結果より光量情報を取得して、光量を算出する。S2204へ進む。光量情報は、光量または光量を算出するための濃度の情報であってよい。光量の具体的な算出については、後述する。
【】
S2204では、CPU811は、発光素子アレイチップ400間の境界の光量差を算出し、光量差を補正するための補正データ(第1補正データの一例)を算出して、各発光素子アレイチップ400の駆動電流を供給するD/A901の設定を行うことで、発光素子アレイチップ400間の光量差を補正する。
【】
図13は、発光素子アレイチップ400の長手方向の補正前の露光ヘッド106の光量分布の図である。
図14は、発光素子アレイチップ400の長手方向の補正後の露光ヘッド106の光量分布の図である。
図13および
図14の縦軸は、発光素子アレイチップ400の光量を示す。
図13および
図14の横軸は、発光素子アレイチップ400の長手方向の位置を示す。したがって、
図13および
図14は、発光素子アレイチップ400の各位置の光量分布を示す。
図13および
図14の破線は、隣接する発光素子アレイチップ400の境界を示す。したがって、破線と破線の間が、1個の発光素子アレイチップ400を示す。なお、
図13および
図14でいう補正は、発光素子アレイチップ400の境界の光量差の補正である。
【】
本実施形態では、露光ヘッド106における発光素子アレイチップ400の個数は17個のため、17チップ分の光量分布が取得されるが、図を簡略化するため、
図13では中央部の7チップ分の光量分布を示す。
図13に示す補正前の光量分布では、破線で示す発光素子アレイチップ400の境界で急峻な光量差が発生している。S2204において、CPU811は、発光素子アレイチップ400間の光量差を低減する補正データを生成して、光量の補正を行う。これにより、
図14に示す補正後の光量分布では、破線で示す発光素子アレイチップ400の境界の急峻な光量差が補正されて、境界の段差が低減し、境界が滑らかになっている。
【】
続くS2205~S2207では、S2201~S2203と同様の処理なので、簡略化して説明する。
【】
S2205では、CPU811は、
図11に示す光量補正チャートを印刷して、S2206へ進む。ここでは、CPU811は、S2204で算出した補正データによって、発光素子アレイチップ400の光量を補正し、境界の光量差が低減された状態で光量補正チャートを印刷する。
【】
S2206では、CPU811は、ユーザーからのスキャン開始の指示を受け付けるまで待機する。CPU811は、ユーザーからスキャン開始の指示を受け付けると、スキャンを開始すると判断して、S2207へ進む。
【】
S2207では、CPU811は、光量補正チャートに対してスキャンを実行して、光量補正チャートの読み取り結果より光量情報を取得して、S2208へ進む。ここでは、CPU811は、S2204で生成された補正データに基づいて、発光素子アレイチップ400の光量が補正されて印刷された光量補正チャートをスキャンして光量情報を取得している。したがって、CPU811が取得する光量情報は、
図14に示すように発光素子アレイチップ400の境界の段差のない、緩やかな光量分布となる。
【】
S2208では、CPU811は、光量情報に基づいて、発光素子アレイチップ400内に予め定められた複数のサンプルエリアの光量分布を補正するための補正データ(第2補正データの一例)を算出して、設定する。補正対象の光量分布は、複数の発光素子アレイチップ400にまたがった光量分布である。ここでの補正対象の光量分布は、全ての発光素子アレイチップ400にまたがった光量分布、換言すれば、露光ヘッド106の全体の光量分布とする。CPU811は、当該光量分布の補正データを、光量バラツキの補正を行う光量補正値AmBの補正データとして設定する。
【】
上述したように本実施形態は、発光素子アレイチップ400間の境界の光量差を補正した後に、当該補正に基づいて印刷された光量補正チャートに基づいて、露光ヘッド106の全体の光量分布を補正する。CPU811は、露光ヘッド106の全体の光量分布の補正によって、緩やかな変動を補正して、光量分布を平坦に近づける。例えば、CPU811は、露光ヘッド106の全体の光量分布を2次関数等で近似した補正データを生成する。ここでいう2次関数は、例えば、露光ヘッド106の長手方向の位置と、当該位置の光量との関係を示す関数である。本実施形態は、最初に、発光素子アレイチップ400間の境界の急峻な光量差を補正することで、光量分布を近似する際の近似精度を上げることができる。
【】
<S2203でのチップ内光量情報を得るための副走査方向の平均化方法>
図15は、S2203で取得される発光素子アレイチップ400内の補正前の光量分布の図である。本実施形態では、スキャナ部100が、2次元の帯状の画像である光量補正チャートをスキャンして、CPU811は、2次元の光量補正チャートから露光ヘッド106内の長手方向の位置に応じた1次元の光量情報を算出する。
【】
図16は、発光素子アレイチップ400毎のサンプルエリアとドットの影響を説明する図である。
図16(a)は、スキャナ部100が、取得した1つの発光素子アレイチップ400に対応した2次元の画像情報の図である。本実施形態では、1つの発光素子アレイチップ400に対応した画像領域を、露光ヘッド106の長手方向および露光ヘッド106の長手方向と交差(ここでは直行)する方向(以下直交方向)の二方向に分割する。これにより、画像領域が二次元に配列されたサンプルエリアに分割される。具体的には、画像領域を露光ヘッド106の長手方向に18のサンプルエリアに分割するとともに、直交方向に12のサンプルエリアに分割する。直交方向は交差方向の一例である。各サンプルエリアの平均濃度が検出されると、CPU811は、上述の濃度光量変換処理により、当該平均濃度からサンプルエリアごとの光量を換算する。
【】
以下の処理により、CPU811は、露光ヘッド106の長手方向に配列された18のサンプルエリアの列の光量を算出する。サンプルエリア列は、直交方向に延びる列である。CPU811は、直行方向に配列された12のサンプルエリアの中で、少なくとも最大値および最小値(ここでは光量または濃度の値)のサンプルエリアを削除する。本実施形態では、CPU811は、直行方向に配列された12のサンプルエリアのうち、光量または濃度が1番目と2番目に大きい値、および、1番目と2番目に小さい値のサンプルエリアを削除する。CPU811は、露光ヘッド106の直交方向に配列された12のサンプルエリアのうち、除外しなかった直交方向の残り8のサンプルエリアに基づいて、長手方向の18のサンプルエリアのそれぞれの光量の平均値を、長手方向のサンプルエリアの光量として算出する。例えば、CPU811は、12のサンプルエリアp1-1~サンプルエリアp1-12の光量のデータのうち、大きさが上位の2つおよび下位の2つを除いた、8つのサンプルエリアのデータの平均処理を行って、サンプルエリア列p1のサンプルエリアの光量として平気値を算出する。なお、CPU811は、光量に代えて濃度の平均を算出してから光量を算出してもよい。
【】
図16(b)は、光量補正チャートに、汚れ等の要因で意図せずドットDtが印刷された状態を示す。チャートに余分なドットDtが印刷されるケース、および、画像が白く抜けるようなケースでは、光量の算出結果に誤差が生じる。そのため、前述したように、CPU811は、12のサンプルエリアを含む直交方向のサンプルエリア列において、光量(または濃度)の大きさの上位の2点と下位の2点を除外することで、意図せぬドットDtが印刷されてしまっても、光量の検出誤差の発生を抑えることができる。
【】
<S2204 第1のチップ間光量差算出方法 濃度バラツキおよびスジ対策>
図17は、1つの発光素子アレイチップ400に対応した18のサンプルエリア列の光量分布を示す図である。ここでのサンプルエリア列は、直交方向に延びるサンプルエリアの列である。例えば、サンプルエリア列p1は、サンプルエリアp1-1~サンプルエリアp1-12を含むサンプルエリアの列である。
【】
CPU811は、S2203で算出された発光素子アレイチップ400内の18のサンプルエリア列p1~サンプルエリア列p18に対して、各発光素子アレイチップ400の左右の端部の光量を算出する。最端部のサンプルエリア列p1とサンプルエリア列p18は、隣接する発光素子アレイチップ400が印刷する画像の濃度を検出してしまう可能性があるため、CPU811は、サンプルエリア列p1、p18をサンプルエリア列p1、p18の光量の計算から除外する。換言すれば、CPU811は、2列目以降のサンプルエリア列p2、p3・・・、または、サンプルエリア列p17、p16・・・を用いて、各々左右の端部のサンプルエリア列p1、p18の光量を算出する。ここでは、CPU811は、左右の最端部のサンプルエリア列p1、p18を除いた、左右の端部の3つのサンプルエリア列を用いて、各々左右の端部のサンプルエリア列p1、p18の光量を算出する。具体的には、CPU811は、発光素子アレイチップ400のサンプルエリア列p1を除いた左端の3つのサンプルエリア列p2~サンプルエリア列p4を用いて、左端のサンプルエリア列p1の光量を算出する。CPU811は、発光素子アレイチップ400のサンプルエリア列p18を除いた右端のサンプルエリア列p17~サンプルエリア列p15のデータを用いて、右端のサンプルエリア列p18の光量を算出する。CPU811は、算出する方法として、3つのサンプルエリア列から最小二乗法等の手法で近似計算を行って、発光素子アレイチップ400の左右の両端部のサンプルエリア列の光量を算出してよい。CPU811は、近似式として1次関数、あるいは、2次関数を用いて近似することにより、長周期の濃度バラツキによって発光素子アレイチップ400内で濃度差があった場合でも、左右の端部の光量を高精度に求めることができる。
【】
ここで、画像形成装置10が印刷した画像が、装置内の様々な要因で縦スジを含む場合がある。
図18は、画像に縦スジが発生したケースにおける光量分布を示す図である。この例においては、サンプルエリア列p15およびサンプルエリア列p16が、周辺のサンプルエリア列より高い光量を得られている。CPU811が、サンプルエリア列p15、サンプルエリア列p16を用いて、発光素子アレイチップ400の右端部の光量を算出すると、光量の誤差が大きくなる。したがって、このようなケースにおいては、CPU811は、端部から2列目以降のサンプルエリア列のうち、サンプルエリア列p15およびサンプルエリア列p16を除外したサンプルエリア列p17、サンプルエリア列p14、サンプルエリア列p13から近似式を導出する。CPU811は、除外する方法として、サンプルエリア列p2~サンプルエリア列p17の光量に対して最小二乗法で近似式を算出し、予め定められた許容量範囲±δAの範囲(図中のlimit1,limit2の範囲)を超えた光量のサンプルエリア列を除外する。また、CPU811は、除外したサンプルエリア列と同数のサンプルエリア列を、除外したサンプルエリア列より発光素子アレイチップ400の中央方向に新たに設定する(
図18のサンプルエリア列p13、p14)。したがって、CPU811は、端部(ここでは右端部)から2列以降のサンプルエリア列のうち、許容量範囲±δAの内側の光量のサンプルエリア列を、端部に近い順に抽出して、端部のサンプルエリア列p18の光量を算出する。
【】
<S2204 第2のチップ間光量差算出方法 露光ヘッドの中心を一定にして、左右を合わせる>
本実施形態では、CPU811が、前述した処理によって算出した各発光素子アレイチップ400の両端部の光量を用いて、各発光素子アレイチップ400間の光量差が小さくなるように、各発光素子アレイチップ400の駆動電流値を決定する。各発光素子アレイチップ400間の駆動電流の調整量が大きくなりすぎると、画像全体の濃度が変動する(濃くなりすぎる、あるいは、薄くなりすぎる)可能性がある。そこで、CPU811は、駆動電流の調整量を最小にするため、露光ヘッド106の中央のチップを基準に、左右の発光チップの光量差を補正するように、各発光素子アレイチップ400の光量補正値を決定していく。
【】
図19は、発光素子アレイチップ400が配列された状態を示す平面図である。
図19を参照して、隣接する発光素子アレイチップ400の境界の光量の補正について説明する。
図19(a)では、中央部の7チップ分の発光素子アレイチップ400の光量を算出するエリアを示している。まず、CPU811は、中央の発光素子アレイチップ400の左右の端部の光量を、エリアD9_L、および、エリアD9_Rの光量(または濃度)により導出する。CPU811は、光量の計算方法は、前述した発光素子アレイチップ400の18のサンプルエリア列の計算によって求めてよい。
【】
CPU811は、発光素子アレイチップ400-9の左端部のエリアD9_Lの光量と発光素子アレイチップ400-8の右端部のエリアD8_Rの光量との差分に基づいて、発光素子アレイチップ400-8の設定光量を補正する。例えば、CPU811は、当該差分を発光素子アレイチップ400-8の設定光量に上乗せまたは差し引いた値を補正後の設定光量としてよい。ここで、光量と駆動電流の関係は、所定の換算係数で換算されるものとする。前述したように、CPU811は、光量を制御するために、発光チップ8のD/A901の設定値を算出された駆動電流で上書きする。
【】
CPU811は、同様に、発光素子アレイチップ400-9の右端部のエリアD9_Rの光量と発光素子アレイチップ400-10の左端部のエリアD10_Lの光量との差分を、補正前の発光素子アレイチップ400-10の設定光量に上乗せまたは差し引くことで、発光素子アレイチップ400-10の光量を算出する。
【】
図19(b)は、中央の発光素子アレイチップ400-9の両側以外の発光素子アレイチップ400の光量を説明する図である。エリアD7_R、D8_L、D10_R、D11_Lは、発光素子アレイチップ400-7および発光素子アレイチップ400-11の光量を補正するための光量の差分算出するためのエリアである。
【】
CPU811は、発光素子アレイチップ400-8と発光素子アレイチップ400-10と同様に端部のエリアの光量の差分より順次求めていくものとする。CPU811は、エリアD7_RおよびエリアD8_Lとの光量の差分に基づいて、発光素子アレイチップ400-7の光量を補正する。CPU811は、エリアD10_RおよびエリアD11_Lとの光量の差分に基づいて、発光素子アレイチップ400-11の光量を補正する。CPU811は、同様の処理を行い、露光ヘッド106の中央の発光素子アレイチップ400-9により、左右方向に沿って発光素子アレイチップ400の光量を順次算出し、発光素子アレイチップ400-1~発光素子アレイチップ400-17の光量を補正する。
【】
図20は、処理装置820のハードウェア構成を示すブロック図である。処理装置820は、例えば、コンピュータである。処理装置820は、プロセッサ2001、メモリ2002、ストレージ2003、通信IF2004、入力IF2005、出力IF2006、および、バス2007を有する。プロセッサ2001、メモリ2002、ストレージ2003、通信IF2004、入力IF2005、出力IF2006は、バス2007を介して、互いにデータを入出力可能に接続されている。
【】
プロセッサ2001は、CPU811を含む。処理装置820は、CPU811に代えて、または、CPU811に加えて、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、及び、QPU(Quantum Processing Unit)などの他のプロセッサを有してもよい。プロセッサ2001は、プログラムを実行することで、第1補正手段および第2補正手段として機能してよい。
【】
画像データ生成部801、光量補正部802、チップデータ変換部803、同期信号生成部804の各機能の一部または全部は、CPU811を含む1または複数のプロセッサ2001がストレージ2003に記憶されたプログラムを読み出して、メモリ2002に展開して実行することで実現してもよい。
【】
メモリ2002は、高速で読み出しおよび書き込み可能な記憶装置である。メモリ2002は、例えば、RAM(Random Access Memory)であってよい。メモリ2002は、プロセッサ2001がプログラムを実行する際に、ワークエリアとして機能する。
【】
ストレージ2003は、不揮発性の大容量の記憶装置である。ストレージ2003は、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などであってよい。ストレージ2003は、プロセッサ2001が実行する補正処理などのプログラム、プログラムの実行に必要なパラメータ、プログラムの処理対象の画像データなどを記憶する。
【】
通信IF2004は、外部のネットワークと接続するためのインターフェースである。通信IF2004は、無線通信用のインターフェース、有線通信用のインターフェースであってよく、特に限定されるものではない。
【】
入力IF2005は、入力装置と接続されるインターフェースである。入力IF2005は、例えば、ユーザーインターフェース、マウス、キーボード、タッチパッド、スキャナ部100などの入力装置と接続される。入力IF2005は、入力装置から入力されたユーザーの指示などをプロセッサ2001へ出力する。
【】
出力IF2006は、出力装置と接続されるインターフェースである。出力IF2006は、例えば、ディスプレイなどの画像表示装置などの出力装置と接続される。出力IF2006は、プロセッサ2001のCPU811などから取得した画像データなどのデータを出力装置へ出力する。
【】
上述したように、実施形態の画像形成装置10は、隣接する発光素子アレイチップ400の境界の急峻な光量差を補正するための補正データを生成し、当該補正データによって境界の光量差(光量の段差)が補正された露光ヘッド106の光量分布を補正している。これにより、本実施形態は、境界の急峻な光量差を残したまま露光ヘッド106の光量分布を補正する場合に比べて、補正の精度を向上させて、補正後の画質を向上させることができる。
【】
本実施形態は、サンプルエリア列の光量の算出において、当該サンプルエリア列の光量の最大値および最小値を少なくとも除いた光量の平均値を当該サンプルエリア列の光量として算出している。これにより、本実施形態は、ノイズなどによる光量の外れ値を除去できるので、サンプルエリア列の光量の算出の精度を向上させることができる。
【】
本実施形態は、発光素子アレイチップ400の端部のサンプルエリア列の光量を、端部から2列目以降のサンプルエリア列の光量に基づいて、算出している。これにより、本実施形態は、隣接する発光素子アレイチップ400の影響を受けやすい端部のサンプルエリア列の光量の算出の精度を向上させることができる。
【】
本実施形態は、発光素子アレイチップ400の端部の2列目以降のサンプルエリア列のうち、光量が予め定められた許容量範囲内のサンプルエリア列の光量に基づいて、端部の光量を算出している。これにより、本実施形態は、ノイズなどによる光量の外れ値を除去できるので、端部のサンプルエリア列の光量の算出の精度を向上させることができる。
【】
本実施形態は、複数の発光素子アレイチップ400が配列された方向において、中央の発光素子アレイチップ400から順に端部の発光素子アレイチップ400へと光量を補正する。これにより、本実施形態は、端部の発光素子アレイチップ400から補正する場合に比べて、補正前後での光量の差を小さくすることができ、補正前後での画像の差を小さくできる。
【】
本実施形態は、露光ヘッド106の位置に応じた全体の光量分布を平坦に近づける2次関数を補正データとして生成するので、補正データの容量を低減することができる。
【】
本実施形態は、境界の補正および露光ヘッド106の光量分布の全体の補正の両方で、同じ画像データによって印刷された光量補正チャートをスキャンして補正データを生成している。これにより、本実施形態は、画像データの容量を低減できる。
【】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【】
本明細書の開示は、以下の情報処理装置、画像形成装置、制御方法、および、プログラムを含む。
(項目1)
複数の発光素子を有する複数の発光素子アレイチップを有する露光ヘッドを有する画像形成装置の光量を補正する補正データを生成する情報処理装置であって、
隣接する発光素子アレイチップ間の境界の光量差を補正する第1補正データを生成する第1補正手段と、
前記第1補正データによって補正された前記露光ヘッドの光量分布を補正する第2補正データを生成する第2補正手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
(項目2)
前記第1補正手段は、前記複数の発光素子アレイチップのうち、隣接する発光素子アレイチップの境界の光量差が小さくなるように前記第1補正データを生成する
ことを特徴とする項目1に記載の情報処理装置。
(項目3)
前記第1補正手段は、補正用の第1画像をスキャンして取得した光量のデータに基づいて、前記光量差を算出して前記第1補正データを生成する
項目1または項目2に記載の情報処理装置。
(項目4)
前記第1補正手段は、
前記複数の発光素子アレイチップが配列された方向に沿った複数の行、および、前記行と交差する複数の列に沿って前記発光素子アレイチップの画像領域を二次元に分割した複数のサンプルエリアの光量を算出し、
前記サンプルエリアの列のそれぞれの最大値及び最小値を少なくとも除いた光量の平均値を前記複数のサンプルエリアの列の光量として算出し、
当該光量に基づいて前記第1補正データを算出する
ことを特徴とする項目1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(項目5)
前記第1補正手段は、前記発光素子アレイチップの境界に面した端部の前記複数のサンプルエリアを含む列の光量を、当該端部から2列目以降の前記複数のサンプルエリアを含む列の光量に基づいて算出する
ことを特徴とする項目4に記載の情報処理装置。
(項目6)
前記第1補正手段は、前記端部から2列目以降の前記サンプルエリアの列のうち、光量が予め定められた許容量範囲内の前記サンプルエリアの列の光量に基づいて、前記端部の前記サンプルエリアの列の光量を算出する
ことを特徴とする項目5に記載の情報処理装置。
(項目7)
前記第1補正手段は、前記複数の発光素子アレイチップの配列された方向において、中央の発光素子アレイチップから順に端部の発光素子アレイチップへと光量を補正する
ことを特徴とする項目1ないし6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(項目8)
前記第2補正手段は、前記露光ヘッドにおける位置に応じた全体の光量分布を平坦に近づけるように前記第2補正データを生成する
ことを特徴とする項目1ないし7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(項目9)
前記第2補正手段は、前記光量分布を平坦に近づける2次関数を前記第2補正データとして生成する
ことを特徴とする項目8に記載の情報処理装置。
(項目10)
前記第2補正手段は、前記第1画像と同じ画像データを前記第1補正データに基づいて印刷した第2画像をスキャンして取得した光量に基づいて、前記第2補正データを生成する
ことを特徴とする項目3に記載の情報処理装置。
(項目11)
項目1に記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置によって制御される前記露光ヘッドと、
前記露光ヘッドによって静電潜像が形成される感光体ドラムと、
を有する画像形成装置。
(項目12)
複数の発光素子を有する複数の発光素子アレイチップを有する露光ヘッドを有する画像形成装置の光量を補正する補正データを生成する制御方法であって、
隣接する発光素子アレイチップ間の境界の光量差を補正する第1補正データを生成する第1補正工程と、
前記第1補正データによって補正された前記露光ヘッドの光量分布を補正する第2補正データを生成する第2補正工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。
(項目13)
コンピュータを、項目1ないし10のいずれか1項目に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【】
10・・・画像形成装置、 102・・・感光体ドラム、 106・・・露光ヘッド、 400・・・発光素子アレイチップ、 602、903・・・発光素子、 604・・・発光素子列、 606・・・光スポット、 800・・・画像コントローラ部、 820・・・処理装置、 811・・・CPU、 1・・・プロセッサ、 2101、2104・・・画像、 p1-p18・・・サンプルエリア列。
【図】
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