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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】
(45)【発行日】
(54)【発明の名称】電子機器及び電子機器セット
(51)【国際特許分類】
   
【FI】
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】
(86)(22)【出願日】
(86)【国際出願番号】
(87)【国際公開番号】
(87)【国際公開日】
【審査請求日】
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】安部 武宏
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-015129(JP,A)
【文献】特開2012-118850(JP,A)
【文献】特開2015-035052(JP,A)
【文献】特開2018-160025(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0101359(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/03-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項】
操作部が操作されることによって電位が変化する電極を備える入力装置を装着可能な電子機器であって、
画像を表示する表示部と該表示部と重畳する位置に配置された静電容量方式のタッチパネルとを備えるタッチスクリーンと、
前記操作部における操作を検出する検出部と、を有し、
前記タッチパネルは、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態で、前記電極に対応する該タッチパネルの領域と前記電極との間に形成され且つ前記電極の電位が変化することに応じて変化する静電容量に関するパラメータの値を検出し、
前記検出部は、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態で前記操作部が操作されていないときに前記タッチパネルによって検出された前記パラメータの値によって表される第1パラメータ値と、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態で前記第1パラメータ値が検出された後の任意のタイミングにおいて前記タッチパネルによって検出された前記パラメータの値によって表される第2パラメータ値とに基づいて、前記任意のタイミングにおける前記操作部における操作を検出する、電子機器。
【請求項】
前記入力装置は複数の前記操作部と、該操作部に対応する複数の前記電極とを備え、
前記複数の電極は、それぞれ、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態において前記タッチパネルの異なる位置上に配置され、
前記検出部は、前記第1パラメータ値のうち各電極に対応する静電容量に対応する前記パラメータの値と、前記第2パラメータ値のうち該電極に対応する静電容量に対応する前記パラメータの値と、に基づいて、該電極に対応する前記操作部における操作を検出する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項】
前記検出部は、前記第1パラメータ値に基づいて前記第1パラメータ値の分布に関する数理分布モデルを生成するモデル生成部と、
前記モデル生成部によって生成された数理分布モデルと、前記第2パラメータ値とに基づいて、前記操作部における操作を検出するモデル利用検出部と、を有する、請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項】
前記数理分布モデルは、正規分布モデルである、請求項3に記載の電子機器。
【請求項】
前記正規分布モデルは、混合正規分布モデルである、請求項4に記載の電子機器。
【請求項】
前記入力装置は複数の前記操作部が操作されることによって電位が変化する複数の前記電極を備え、
前記複数の電極は、それぞれ、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態において前記タッチパネルの異なる位置上に配置され、
前記モデル生成部は、前記第1パラメータ値に基づいて、各電極に対応する部分数理分布モデルの集合として前記数理分布モデルを生成する、請求項3に記載の電子機器。
【請求項】
前記部分数理分布モデルは混合正規分布モデルである、請求項6に記載の電子機器。
【請求項】
前記モデル利用検出部は、前記第2パラメータ値を、前記操作部が操作されていないときの各電極に対応する部分数理分布モデルで表される静電容量に対応する前記パラメータの値の分布と、該パラメータの値の分布に対する前記第2パラメータ値のうち該電極に対応する静電容量に対応する前記パラメータの値の強度比とに分解し、且つ前記強度比に基づいて該電極に対応する前記操作部における操作を検出する、請求項6に記載の電子機器。
【請求項】
前記モデル利用検出部は、非負値行列因子分解を用いて、前記第2パラメータ値を分解する、請求項8に記載の電子機器。
【請求項】
前記モデル利用検出部は、前記モデル生成部によって生成された数理分布モデルに基づいて前記第2パラメータ値から各電極に対応する静電容量に対応する前記パラメータの値を抽出するフィルタを生成し、前記タッチパネルによって検出された前記第2パラメータ値に前記フィルタを適用することにより各電極に対応する静電容量に対応する前記パラメータの値を算出し、且つ前記第2パラメータ値から算出された各電極に対応する静電容量に対応する前記パラメータの値と該電極に対応する部分数理分布モデルとに基づいて該電極に対応する前記操作部における操作を検出する、請求項6に記載の電子機器。
【請求項】
前記電子機器は、前記表示部の表示を制御する情報処理部を更に備え、
前記情報処理部は、前記第1パラメータ値を検出する検出条件が成立したときには、ユーザが前記操作部を操作しないように前記表示部に案内を表示させ、
前記検出部は、前記案内の表示中に前記タッチパネルによって検出された前記パラメータの値を第1パラメータ値として検出する、請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項】
前記電子機器は、前記表示部の表示を制御する情報処理部を更に備え、
前記情報処理部は、前記第1パラメータ値を検出する検出条件が成立したときには、ユーザが前記タッチパネルに触れないように前記表示部に案内を表示させ、
前記検出部は、前記案内の表示中に前記タッチパネルによって検出された前記パラメータの値を前記第1パラメータ値として検出する、請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項】
前記情報処理部は、前記操作部の操作情報を利用するアプリケーションプログラムに従った処理を行い、
前記検出条件は、前記アプリケーションプログラムが起動されたときに成立する、請求項11に記載の電子機器。
【請求項】
入力装置と該入力装置を装着可能な電子機器とを有する電子機器セットであって、
前記入力装置は、ユーザによって操作される操作部と、該操作部が操作されることによって電位が変化する電極とを有し、
前記電子機器は、画像を表示する表示部と該表示部と重畳する位置に配置された静電容量方式のタッチパネルとを備えるタッチスクリーンと、前記操作部における操作を検出する検出部と、を有し、
前記タッチパネルは、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態で、前記電極に対応する該タッチパネルの領域と前記電極との間に形成され且つ前記電極の電位が変化することに応じて変化する静電容量に関するパラメータの値を検出し、
前記検出部は、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態で前記操作部が操作されていないときに前記タッチパネルによって検出された前記パラメータの値によって表される第1パラメータ値と、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態で前記第1パラメータ値が検出された後の任意のタイミングにおいて前記タッチパネルによって検出された前記パラメータの値によって表される第2パラメータ値とに基づいて、前記任意のタイミングにおける前記操作部における操作を検出する、電子機器セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【】
本開示は、電子機器及び電子機器セットに関する。
【背景技術】
【】
従来から、静電容量方式のタッチパネルへの入力を、タッチパネルの外に設けられたボタンなどによって行うことが知られている(例えば、特許文献1)。特に、特許文献1に記載された装置では、十字ボタン又は押しボタンに物理的な入力が行われると、十字ボタン又は押しボタンに接続されたパッドとタッチパネルとの間の静電容量が変化し、これによりタッチパネルへの入力が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【】
【文献】国際公開第2012/139203号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【】
静電容量方式のタッチパネルは人がタッチパネルに触れることを想定して作られたものである。したがって、上述したようなボタンに接続されたパッドなどを利用した入力装置を用いてタッチパネルへの入力を行う場合、入力装置からタッチパネルへの入力を必ずしも高い精度で検出することができない可能性がある。
【】
上記課題に鑑みて、本開示の目的は、入力装置からタッチパネルへの入力の検出精度を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【】
本開示の要旨は以下のとおりである。
【】
(1)操作部が操作されることによって電位が変化する電極を備える入力装置を装着可能な電子機器であって、
画像を表示する表示部と該表示部と重畳する位置に配置された静電容量方式のタッチパネルとを備えるタッチスクリーンと、
前記操作部における操作を検出する検出部と、を有し、
前記タッチパネルは、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態で、前記電極に対応する該タッチパネルの領域と前記電極との間に形成され且つ前記電極の電位が変化することに応じて変化する静電容量に関するパラメータの値を検出し、
前記検出部は、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態で前記操作部が操作されていないときに前記タッチパネルによって検出された前記パラメータの値によって表される第1パラメータ値と、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態で前記第1パラメータ値が検出された後の任意のタイミングにおいて前記タッチパネルによって検出された前記パラメータの値によって表される第2パラメータ値とに基づいて、前記任意のタイミングにおける前記操作部における操作を検出する、電子機器。
(2)前記入力装置は複数の前記操作部と、該操作部に対応する複数の前記電極とを備え、 前記複数の電極は、それぞれ、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態において前記タッチパネルの異なる位置上に配置され、
前記検出部は、前記第1パラメータ値のうち各電極に対応する静電容量に対応する前記パラメータの値と、前記第2パラメータ値のうち該電極に対応する静電容量に対応する前記パラメータの値と、に基づいて、該電極に対応する前記操作部における操作を検出する、上記(1)に記載の電子機器。
(3)前記検出部は、前記第1パラメータ値に基づいて前記第1パラメータ値の分布に関する数理分布モデルを生成するモデル生成部と、
前記モデル生成部によって生成された数理分布モデルと、前記第2パラメータ値とに基づいて、前記操作部における操作を検出するモデル利用検出部と、を有する、上記(1)又は(2)に記載の電子機器。
(4)前記数理分布モデルは、正規分布モデルである、上記(3)に記載の電子機器。
(5)前記正規分布モデルは、混合正規分布モデルである、上記(4)に記載の電子機器。
(6)前記入力装置は複数の前記操作部が操作されることによって電位が変化する複数の前記電極を備え、
前記複数の電極は、それぞれ、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態において前記タッチパネルの異なる位置上に配置され、
前記モデル生成部は、前記第1パラメータ値に基づいて、各電極に対応する部分数理分布モデルの集合として前記数理分布モデルを生成する、上記(3)~(5)のいずれか1つに記載の電子機器。
(7)前記部分数理分布モデルは混合正規分布モデルである、上記(6)に記載の電子機器。
(8)前記モデル利用検出部は、前記第2パラメータ値を、前記操作部が操作されていないときの各電極に対応する部分数理分布モデルで表される静電容量に対応する前記パラメータの値の分布と、該パラメータの値の分布に対する前記第2パラメータ値のうち該電極に対応する静電容量に対応する前記パラメータの値の強度比とに分解し、且つ前記強度比に基づいて該電極に対応する前記操作部における操作を検出する、上記(6)又は(7)に記載の電子機器。
(9)前記モデル利用検出部は、非負値行列因子分解を用いて、前記第2パラメータ値を分解する、上記(8)に記載の電子機器。
(10)前記モデル利用検出部は、前記モデル生成部によって生成された数理分布モデルに基づいて前記第2パラメータ値から各電極に対応する静電容量に対応する前記パラメータの値を抽出するフィルタを生成し、前記タッチパネルによって検出された前記第2パラメータ値に前記フィルタを適用することにより各電極に対応する静電容量に対応する前記パラメータの値を算出し、且つ前記第2パラメータ値から算出された各電極に対応する静電容量に対応する前記パラメータの値と該電極に対応する部分数理分布モデルとに基づいて該電極に対応する前記操作部における操作を検出する、上記(6)又は(7)に記載の電子機器。
(11)前記電子機器は、前記表示部の表示を制御する情報処理部を更に備え、
前記情報処理部は、前記第1パラメータ値を検出する検出条件が成立したときには、ユーザが前記操作部を操作しないように前記表示部に案内を表示させ、
前記検出部は、前記案内の表示中に前記タッチパネルによって検出された前記パラメータの値を第1パラメータ値として検出する、上記(1)~(10)のいずれか1つに記載の電子機器。
(12)前記電子機器は、前記表示部の表示を制御する情報処理部を更に備え、
前記情報処理部は、前記第1パラメータ値を検出する検出条件が成立したときには、ユーザが前記タッチパネルに触れないように前記表示部に案内を表示させ、
前記検出部は、前記案内の表示中に前記タッチパネルによって検出された前記パラメータの値を前記第1パラメータ値として検出する、上記(1)~(11)のいずれか1つに記載の電子機器。
(13)前記情報処理部は、前記操作部の操作情報を利用するアプリケーションプログラムに従った処理を行い、
前記検出条件は、前記アプリケーションプログラムが起動されたときに成立する、上記(11)又は(12)に記載の電子機器。
(14)入力装置と該入力装置を装着可能な電子機器とを有する電子機器セットであって、
前記入力装置は、ユーザによって操作される操作部と、該操作部が操作されることによって電位が変化する電極とを有し、
前記電子機器は、画像を表示する表示部と該表示部と重畳する位置に配置された静電容量方式のタッチパネルとを備えるタッチスクリーンと、前記操作部における操作を検出する検出部と、を有し、
前記タッチパネルは、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態で、前記電極に対応する該タッチパネルの領域と前記電極との間に形成され且つ前記電極の電位が変化することに応じて変化する静電容量に関するパラメータの値を検出し、
前記検出部は、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態で前記操作部が操作されていないときに前記タッチパネルによって検出された前記パラメータの値によって表される第1パラメータ値と、前記入力装置が当該電子機器に装着された状態で前記第1パラメータ値が検出された後の任意のタイミングにおいて前記タッチパネルによって検出された前記パラメータの値によって表される第2パラメータ値とに基づいて、前記任意のタイミングにおける前記操作部における操作を検出する、電子機器セット。
【発明の効果】
【】
本開示によれば、入力装置からタッチパネルへの入力の検出精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【】
【図】図1は、電子機器セットを概略的に示す平面図である。
【図】図2は、電子機器セットの概略的な分解斜視図である。
【図】図3は、電子機器の構成を示すブロック図である。
【図】図4は、タッチパネルの表面上のマトリックス状に区切られた区画の一例を示している。
【図】図5は、プロセッサ18の機能ブロック図である。
【図】図6は、入力装置のボードを示す平面図である。
【図】図7は、ソケットが電子機器に装着された状態におけるソケット及び電子機器の斜視図である。
【図】図8Aは、人の指がタッチパネルに触れたときの、タッチパネルによって検出される静電容量の分布を表す図である。
【図】図8Bは、図8Aの分布に合わせて平均値及び分散を適切に調整した二次元の正規分布を、図8Aと同様な分布で表した図である。
【図】図9は、M、Nがそれぞれの値であるときの混合正規分布モデルを概略的に示す図である。
【図】図10は、全ての操作部が操作されていないときにタッチパネルによって検出された静電容量の分布を表す図である。
【図】図11Aは、静電容量の分布を、静電容量成分とノイズ成分とを含む数理分布モデルで表現したときの、静電容量成分の分布を表す図である。
【図】図11Bは、静電容量の分布を、静電容量成分とノイズ成分とを含む数理分布モデルで表現したときの、ノイズ成分の分布を表す図である。
【図】図12は、数理分布モデルの生成処理の流れを示すフローチャートである。
【図】図13は、操作部における操作の検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図】図14は、表示部への案内表示に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【】
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
【】
<電子機器セット>
図1及び図2を参照して、一つの実施形態に係る電子機器セット1について説明する。図1は、電子機器セット1を概略的に示す平面図である。図2は、電子機器セット1の概略的な分解斜視図である。
【】
図1及び図2からわかるように、電子機器セット1は、タッチスクリーン12を有する電子機器10と、電子機器10に装着可能な入力装置20とを有する。入力装置20は、電子機器10のタッチスクリーン12を介して、電子機器10への入力を行うのに用いられる。
【】
<電子機器>
次に、図1~図4を参照して、電子機器10について説明する。電子機器10は、タッチスクリーン12を備えた略直方体状の機器であり、例えば、ポータブルゲーム機、タブレット、モバイルモニタなどである。特に、本実施形態では、電子機器10は、床面や卓上面などの載置面に載置された状態で、又はユーザが手に持った状態で用いられ得る持ち運び可能な機器である。
【】
図1及び図2に示したように、電子機器10は、略直方体状のハウジング11と、ハウジング11の一つの側面に設けられて略長方形状の表示面を有するタッチスクリーン12と、を有する。特に、タッチスクリーン12は、ハウジング11の一つの側面のほぼ全面に亘って表示面が位置するように設けられる。なお、ハウジング11は、一つの側面にタッチスクリーン12の表示面が設けられていれば、略直方体以外の形状を有してもよい。したがって、ハウジング11は、その断面が楕円形状等であってもよく、また、角部が面取りされた形状であってもよい。同様に、タッチスクリーン12も、ハウジング11の一つの側面に設けられていれば、その表示面が略長方形状以外の形状を有してもよい。したがって、タッチスクリーン12の表示面は、正方形、楕円形等であってもよく、また、角部が面取りされた形状であってもよい。
【】
図3は、電子機器10の構成を示すブロック図である。図3に示したように、電子機器10は、電子部品として、表示部13、タッチパネル14、移動検出センサ15、通信インターフェース(通信I/F)16、記憶部17、及びプロセッサ18を有する。表示部13、移動検出センサ15、通信インターフェース16、及び記憶部17は、信号線を介してプロセッサ18と通信可能に接続される。また、表示部13とタッチパネル14とは、タッチスクリーン12を構成する。したがって、タッチスクリーン12は、表示部13とタッチパネル14とを有する。
【】
表示部13は、画像を表示する機器であり、例えば、液晶ディスプレイ、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイである。表示部13は、平坦な表面を有し、プロセッサ18から出力される信号に従って、静止画又は動画を表示する。
【】
タッチパネル14は、表示部13と重畳する位置に配置され、特に本実施形態では表示部13の表面上に全面に亘って配置される。タッチパネル14の表示部13側とは反対側の表面は、タッチスクリーン12の表示面を形成する。タッチパネル14は、タッチパネル14の表面上の物体(人の指等)とタッチパネルとの間の静電容量の変化に基づいて、物体がタッチパネルに接触又は近接したことを検出する、静電容量方式のタッチパネルである。特に、本実施形態では、タッチパネル14は、マルチタッチの検出が可能な相互容量方式のタッチパネルである。
【】
タッチパネル14は、タッチパネル14の表面上のマトリックス状に区切られた各区画毎に、その区画上への物体の接近に伴う静電容量の変化を検出する。図4は、タッチパネル14の表面上のマトリックス状に区切られた区画の一例を示している。図4に示した例では、長方形状のタッチパネル14の短辺方向にR1~R22の22行の区画が並び、長辺方向にC1~C38の38行の区画が並ぶ。例えば、ユーザが図4に示したタッチパネル14の左上の領域に触れると、R1行及びC1列に位置する区画及びその周りの区画において検出される静電容量が変化し、ユーザがR1行及びC1列に位置する区画に触れたことが検出される。
【】
より詳細には、タッチパネル14は、マトリックス状に配置された透明な複数のセンサ電極を有する。センサ電極は、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)等の透明な導電性材料によって形成される。特に、本実施形態では、タッチパネル14は、行方向に延びる駆動側のセンサ電極と列方向に延びる受信側のセンサ電極とを有し、これら駆動側のセンサ電極と受信側のセンサ電極とは格子状に配置される。そして、駆動側のセンサ電極と受信側のセンサ電極との間には微弱な電界が発生するようにパルス電圧が印加される。これらセンサ電極に人の指等の物体が近づいてセンサ電極と物体との間に静電容量が形成されると、センサ電極間に発生する電界が減少し、これに伴って受信側のセンサ電極における電荷が減少する。
【】
したがって、本実施形態のタッチパネル14は、各区画について、受信側のセンサ電極における電荷に応じて変化する電流を検出し、検出された電流に基づいて静電容量の大きさを算出する。
【】
タッチパネル14のマトリックス状の区画の長辺方向の順番をx(x=1~X、図4に示した例ではx=1~32)、短辺方向の順番をy(y=1~Y、図4に示した例では、y=1~18)としたときには、長辺方向にx番目且つ短辺方向にy番目の区画(以下、区画(x、y)と称する)について形成される静電容量を集合的に表す分布C(x、y)は下記式(1)に基づいて算出される。
【数】
上記式(1)において、R(x、y)は、区画(x、y)に対応する受信側のセンサ電極によって検出された電流値の分布を表す。また、X(left)は、タッチパネル14の長辺方向において一方の側(例えば図4において左側。以下、「左側」と称する)に位置する区画の集合(例えば、x=1~5、y=1~Yを満たす区画の集合)を表す。一方、X(right)は、タッチパネル14の長辺方向において他方の側(例えば図4において右側。以下、「右側」と称する)に位置する区画の集合(例えば、x=28~32、y=1~Yを満たす区画の集合)を表す。加えて、R(left)は静電容量X(left)に含まれる左側の区画における静電容量の基準値、R(right)は静電容量X(right)に含まれる右側の区画における静電容量の基準値をそれぞれ表しており、それぞれ下記式(2)で表される。なお、下記式(2)においてαは予め定められた定数である。
【数】
【】
なお、基準値R(left)、R(right)は、電子機器10に入力装置20が装着される前後で変化する。したがって、電子機器10に入力装置20が装着された状態で、特に後述するソケット40が取り付けられた状態で電子機器10が使用されるときには、電子機器10に入力装置20が装着された後に算出された基準値R(left)、R(right)を用いて静電容量の分布C(x、y)が算出される。
【】
タッチパネル14は、上述したような数値演算を行う解析回路を有し、この解析回路によって算出された静電容量の分布C(x、y)(x=1~X、y=1~Y)をプロセッサ18に出力する。
【】
なお、本実施形態では、タッチパネル14として、相互容量方式のタッチパネルが用いられている。しかしながら、タッチパネル14としては、静電容量方式のタッチパネルであれば、自己容量方式等、任意の方式のタッチパネルを用いることができる。また、本実施形態では、タッチパネル14の区画は、図4に示したように配列されている。しかしながら、タッチパネル14における区画の配列は、マトリックス状に形成されていれば、任意の配列とすることが可能である。また、本実施形態では、タッチパネル14のセンサ電極は、格子状に配置されている。しかしながら、センサ電極は、ダイヤモンドパターンやフラワーパターンを有する配置や、各区画毎に櫛状の駆動側電極及び受信側電極を有する配置など、公知の任意の電極の配置を採用することが可能である。また、本実施形態では、タッチパネル14は、静電容量の分布C(x、y)を出力するが、静電容量に関する他のパラメータの値を出力してもよい。例えば、タッチパネル14は、センサ電極において検出された電流値の分布R(x、y)の分布を出力してもよい。この場合、プロセッサ18において、電流値の分布R(x、y)から静電容量の分布C(x、y)が算出される。
【】
移動検出センサ15は、電子機器10の移動を検出するセンサである。移動検出センサ15は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、モーションセンサなどである。
【】
通信インターフェース16は、電子機器10の外部の機器との通信を行うためのインターフェースである。本実施形態では、電子機器10が電子機器10とは別体の操作装置等と無線で通信することができるように、通信インターフェース16は、例えば、IEEE、ISO、IEC等によって策定された任意の通信規格(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標))に準拠した通信を行うための無線通信モジュールを有する。
【】
記憶部17は、例えば、揮発性の半導体メモリ(例えば、RAM)、不揮発性の半導体メモリ(例えば、ROM)等を有する。さらに、記憶部17は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)又は光記録媒体を有してもよい。また、記憶部17の一部は、取り外し可能なリムーバブルメディアであってもよい。記憶部17は、プロセッサ18において各種処理を実行するためのコンピュータプログラムや、プロセッサ18によって各種処理が実行されるときに使用される各種データ等を記憶する。コンピュータプログラムは、OSプログラムやアプリケーションプログラム(例えば、ゲームプログラム)などを含む。
【】
プロセッサ18は、一つ又は複数のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ18は、論理演算ユニット又は数値演算ユニットのような演算回路を更に有していてもよい。プロセッサ18は、記憶部17に記憶されたコンピュータプログラムに基づいて、各種処理を実行する。
【】
図5は、プロセッサ18の機能ブロック図である。図5に示したように、プロセッサ18は検出部181、情報処理部182及び画像出力部183を有する。検出部181は、タッチパネル14によって検出された静電容量に基づいて後述する操作部31のユーザによる任意のタイミングにおける操作を検出する。情報処理部182は、コンピュータプログラム(OSプログラム又はアプリケーションプログラム)が実行されたときに、タッチパネル14における操作情報等に基づいて処理を行う。画像出力部183は、表示部13に表示させる画像の画像データを出力する。
【】
検出部181は、タッチパネル14によって検出された静電容量の分布C(x、y)を、タッチパネル14から受信し、受信した静電容量の分布C(x、y)に基づいて操作部31のユーザによる操作を検出する。検出部181による操作部31の操作の検出手法については後述する。
【】
情報処理部182は、検出部181から操作部31における操作情報を受信する。また、情報処理部182は、記憶部17から、必要なデータを取り出す。情報処理部182は、タッチパネル14及び記憶部17に記憶されていたデータ等に基づいて、実行されているコンピュータプログラムに従った処理を行う。この結果、情報処理部182は、表示部13に表示させるべき画像データ、記憶部17に記憶させるべきデータを生成する。したがって、情報処理部182は、表示部13の表示を制御する。なお、情報処理部182は、電子機器10が、スピーカ、振動生成装置等の伝達機器を有している場合には、音声データや振動データ等を生成してもよい。
【】
画像出力部183は、情報処理部182によって生成された画像データを、表示部13に出力する。なお、画像出力部183は、例えば電子機器10が別体のモニタ(図示せず)に接続されているような場合には、別体のモニタに画像データを出力してもよい。
【】
<入力装置>
次に、図1、図2、図6及び図7を参照して、入力装置20について説明する。入力装置20は、入力装置20の操作部がユーザによって操作されると、その操作に従って電子機器10のタッチスクリーン12を介して電子機器10への入力を行う。入力装置20は、複数の操作部31を有するボード30と、複数の電極43を有するソケット40と、を有する。
【】
ここで、図1は、入力装置20が電子機器10に装着されている状態を示しているのに対して、図2は、入力装置20が電子機器10に装着されていない状態を示している。これら図1及び図2からわかるように、本実施形態では、ソケット40は、長方形のタッチスクリーン12の表示面の両短辺側において電子機器10に取り付けられる。
【】
また、図1及び図2からわかるように、ソケット40は、ボード30に対して取り外し可能に形成される。入力装置20が電子機器10に装着されているときには、ソケット40はボード30に取り付けられる。一方、入力装置20に電子機器10を装着するとき、又は入力装置20から電子機器10を外すときには、ソケット40はボード30から取り外される。特に、本実施形態では、ボード30は、図1において上下及び左右に線対称に形成されており、また、2つのソケット40は同一の構成を有する。したがって、2つのソケット40は、それぞれ、図1における電子機器10の左右どちらにも装着されることができ、また、電子機器10はボード30に対して図1において上下方向逆向きに装着されることができる。
【】
ソケット40はボード30に対して所定の位置に任意の方法で固定可能に形成される。具体的には、例えば、ソケット40に磁石が埋め込まれ、ボード30に金属が埋め込まれることによって、ソケット40が磁力によってボード30に固定される。または、ソケット40にラッチ機構が設けられ、このラッチ機構がボード30のツメ等にかみ合うことによってソケット40がボード30に固定されてもよい。このように、ソケット40がボード30に取り外し可能に形成されることにより、入力装置20を電子機器10に容易に取り付けたり取り外したりすることができるようになる。
【】
≪ボード≫
図1、図2及び図6を参照して、ボード30について説明する。図6は、入力装置20のボード30を示す平面図である。特に、図6は、ソケット40が取り外された状態におけるボード30の平面図を示すと共に、ボード30の一部の領域についてボード30内に埋め込まれている導電性部材32の構成を示している。
【】
図1及び図6に示したように、ボード30は、長方形に形成され、第1面(表面)と、第1面とは反対側に形成された第2面(裏面)とを有する。ボード30は、その第1面の中央上に、電子機器10が載置されるように構成される。特に、本実施形態では、電子機器10は、電子機器10の長方形のタッチスクリーン12の表示面の長辺が、長方形のボード30の長辺と平行となるように載置される。ボード30は、ユーザによって操作可能な複数の操作部31と、ボード30内に埋め込まれた導電性部材32と、端子用開口33と、を有する。
【】
操作部31は、ユーザによって操作され、例えば、ボタン、スイッチなどを含む。図1及び図6に示した例では、操作部31は、円形の押しボタンとして形成されている。しかしながら、操作部31は、矩形、楕円径、十字形など、他の形状のボタン、又はスイッチであってもよい。
【】
図1及び図6に示したように、本実施形態では、複数の操作部31は、電子機器10が載置される第1面上に設けられる。したがって、一つのボード30の周りで複数のユーザが電子機器10のタッチスクリーン12の表示面を見ながら操作部31を操作することができるようになる。
【】
また、本実施形態では、ボード30には、第1操作部31-1~第16操作部31-16までの16個の操作部31が設けられる。本実施形態では、これら複数の操作部31は、電子機器10に入力装置20が装着された状態(図1の状態)においてタッチスクリーン12の表示面に垂直な方向に見たとき(以下、単に「入力装置20の装着時に表示面に垂直方向に見たとき」と称する)に、電子機器10の四方(全周)を囲むように配置される。
【】
特に、本実施形態では、タッチスクリーン12の表示面の二つの長辺のうち一方の辺(第1辺)に沿って、第1操作部31-1~第3操作部31-3及び第14操作部31-14~第16操作部31-16が配置される。また、タッチスクリーン12の表示面の第1辺に対向する長辺(第2辺)に沿って、第6操作部31-6~第11操作部31-11が配置される。加えて、タッチスクリーン12の表示面の二つの短辺のうち一方の辺(第3辺)に沿って、第3操作部31-3~第6操作部31-6が配置される。また、タッチスクリーン12の表示面の第3辺に対向する短辺(第4辺)に沿って、第11操作部31-11~第14操作部31-14が配置される。
【】
したがって、本実施形態では、操作部31は、入力装置20の装着時に表示面に垂直方向に見たときに、タッチスクリーン12の表示面の第1辺及び第2辺を間に挟むように配置された第1の組の操作部(第1操作部31-1、第2操作部31-2、第15操作部31-15、第16操作部31-16、及び第7操作部31-7~第10操作部31-10)を有する。加えて、操作部31は、入力装置20の装着時に表示面に垂直方向に見たときに、タッチスクリーン12の表示面の第3辺及び第4辺を間に挟むように配置された第2の組の操作部(第4操作部31-4及び第5操作部31-5、並びに第12操作部31-12及び第13操作部31-13)を有する。このように、操作部31が、電子機器10の四方を囲むように配置されることにより、複数のユーザが電子機器10を四方で囲んでそれぞれ操作部31を操作することができ、新たなユーザ体験を提供することができる。
【】
また、本実施形態では、操作部31は、入力装置20の装着時に表示面に垂直方向に見たときに、各ソケット40の三方を囲むように配置される。図1に示した例では、右側のソケット40は、第1操作部31-1~第8操作部31-8によって三方を囲まれ、左側のソケット40は、第9操作部31-9~第16操作部31-16によって三方を囲まれている。このように操作部31がソケット40を囲うように配置されるため、ユーザと操作部31との間にソケット40が位置することはなく、ユーザはソケット40に邪魔されずに操作部31の操作を行うことができるようになる。
【】
加えて、本実施形態では、タッチスクリーン12の表示面を基準としたときにこの表示面の第1辺の外側には、第1操作部31-1、第2操作部31-2、第15操作部31-15、第16操作部31-16の四つの操作部31が配置される(これら四つの操作部31は図1の紙面を上下方向に見たときに少なくとも部分的にでも第1辺と重なるように配置される)。同様に、表示面の第2辺の外側には、第7操作部31-7~第10操作部31-10の四つの操作部31が配置される(これら四つの操作部31は図1の紙面を上下方向に見たときに少なくとも部分的にでも第2辺と重なるように配置される)。したがって、タッチスクリーン12の表示面を基準としたときにこの表示面の各々の長辺の外側には、同じ数の操作部31が配置される。加えて、本実施形態では、タッチスクリーン12の表示面を基準としたときにこの表示面の第3辺の外側には、第4操作部31-4、第5操作部31-5の二つの操作部31が配置される(これら二つの操作部31は図1の紙面を左右方向に見たときに少なくとも部分的にでも第3辺と重なるように配置される)。同様に、表示面の第4辺の外側には、第12操作部31-12、第13操作部31-13の二つの操作部31が配置される(これら二つの操作部31は図1の紙面を左右方向に見たときに少なくとも部分的にでも第4辺と重なるように配置される)。したがって、タッチスクリーン12の表示面を基準としたときにこの表示面の各々の短辺の外側には、同じ数の操作部31が配置される。この結果、タッチスクリーン12の各々の長辺側に位置するユーザ同士は同一数の操作部31を操作することができ、タッチスクリーン12の各々の短辺側に位置するユーザ同士は同一数の操作部31を操作することができる。したがって、少なくとも対向するように位置するユーザ同士は同様な操作入力を行うことができ、よって新たなユーザ体験を提供することができる。
【】
導電性部材32は、ボード30内に埋め込まれ、よって基本的にボード30の第1面と第2面との間に配置される。図6に示したように、導電性部材32は、複数のボード側端子35と、各ボード側端子35に接続される端子側配線36と、金属板37と、金属板37に接続されるグランド側配線38とを有する。
【】
本実施形態では、導電性部材32は、操作部31の数と同数のボード側端子35及び端子側配線36を有する。したがって、本実施形態では、導電性部材32は、第1ボード側端子35-1から第16ボード側端子35-16(図示せず)までの16個のボード側端子35と、第1端子側配線36-1から第16端子側配線36-16(図示せず)までの16個の端子側配線36とを有する。そして、複数のボード側端子35のそれぞれは、端子側配線36を介して、対応する操作部31に接続される。例えば、第1ボード側端子35-1は第1端子側配線36-1を介して第1操作部31-1に接続される。特に、本実施形態では、ボード30の右側に第1ボード側端子35-1から第8ボード側端子35-8(図示せず)が並んで配置され、ボード30の左側に第9ボード側端子35-9から第16ボード側端子35-16が並んで配置される。ボード30の右側のボード側端子35は、タッチスクリーン12の表示面の長辺(第1辺及び第2辺)に沿って配置される操作部31のうち右側に配置された操作部31と、タッチスクリーン12の表示面の右側の短辺(第3辺及び第4辺のうちの一方)に沿って配置された操作部31へ端子側配線36を介して接続される。一方、ボード30の左側のボード側端子35は、タッチスクリーン12の表示面の長辺(第1辺及び第2辺)に沿って配置される操作部31のうち左側に配置された操作部31と、タッチスクリーン12の表示面の左側の短辺(第3辺及び第4辺のうちの他方)に沿って配置された操作部31へ端子側配線36を介して接続される。
【】
特に、本実施形態では、ボード30の右側(又は左側)に並んで配置されたボード側端子35のうち中央のボード側端子35がタッチスクリーン12の表示面の右側(又は左側)の短辺(第3辺及び第4辺のうちの一方)に沿って配置された操作部31に接続される。一方、ボード30の右側(又は左側)に並んで配置されたボード側端子35のうち両端側(図5において上側及び下側)のボード側端子35がそれぞれタッチスクリーン12の表示面の長辺(第1辺及び第2辺)に沿って配置される操作部31のうち右側(又は左側)に配置された操作部31に接続される。この結果、ボード側端子35と操作部31との間の端子側配線36同士が交差することがなくなり、導電性部材32を簡単な構造とすることができる。
【】
一方、金属板37は、電子機器10が載置される領域に全面的に延びるように配置される。したがって、金属板37は、入力装置20の装着時に表示面に垂直方向に見たときに、電子機器10全体と重なる位置に設けられる。なお、金属板37は、入力装置20の装着時に表示面に垂直方向に見たときに、電子機器10と少なくとも部分的に重なれば、電子機器10全体と重ならなくてもよい。より具体的には、電子機器10の内部に配置されたグランド電極と少なくとも部分的に重なれば、電子機器10全体と重ならなくてもよい。この結果、電子機器10に入力装置20が装着されているときに、金属板37と電子機器10のグランド電極との間で大きな静電容量が形成され、よって金属板37の電位を電子機器10のグランド電極とほぼ同一の電位にすることができる。金属板37は、グランド側配線38を介して全ての操作部31に接続される。なお、金属板37の代わりに又は金属板37に加えて、グランド側配線38が電子機器10のグランド電極と接続可能に構成されても良い。グランド側配線38の電位を電子機器10のグランド電極の電位と同一の電位にすることができる。
【】
したがって、各操作部31は、端子側配線36を介して対応するボード側端子35に接続されると共に、グランド側配線38を介して金属板37に接続される。本実施形態では、各操作部31は、ユーザによってその操作部31が押されていないときには、その操作部31に接続された端子側配線36とグランド側配線38とを電気的に切り離した状態にする。一方、各操作部31は、ユーザによってその操作部31が押されているときには、その操作部31に接続された端子側配線36とグランド側配線38とを電気的に接続された状態にする。この結果、ユーザが各操作部31を操作することによって、その操作部31に対応するボード側端子35の電位が変化する。
【】
端子用開口33は、ボード30の第1面側に設けられた開口であり、端子用開口33内に複数のボード側端子35が配置される。端子用開口33により、ボード側端子35がボード30の外部へ露出する。本実施形態では、ボード30には二つの端子用開口33が設けられ、各端子用開口33内にはそれぞれ八つのボード側端子35が配置される。
【】
なお、本実施形態では、金属板37は埋め込まれているが、金属板37はボード30の第1面上に露出するように配置されてもよい。
【】
また、本実施形態では、ボード30は折り曲げ可能に形成される。例えば、ボード30は、図1に示したように、折り畳み線Xにて二つに折り畳むことができるように形成される。特に、本実施形態では、折り畳み線Xがボード30の中央を通って延びていることから、操作部31が折り畳み線Xに対して線対称に配置される。また、ボード30を所定の折り畳み線Xで二つに折り畳むことができるように形成する場合には、導電性部材32を折り畳み線の両側で二つに分けて形成してもよい。この場合、折り畳み線の両側の領域にそれぞれ金属板37が設けられ、対応する領域内に配置された操作部31やボード側端子35に接続される。このようにボード30を折り曲げることができることにより、ボード30を持ち運び易くなる。
【】
なお、本実施形態では、一つの操作部31に一つのボード側端子35が接続されている。しかしながら、一つの操作部31に対して複数のボード側端子35が接続されてもよい。例えば、操作部31が十字ボタンの場合には、一つの操作部31に四つのボード側端子35が接続されてもよい。
【】
また、上記実施形態では、ボード30には、16個の操作部31と、これに対応する16個のボード側端子35及び端子側配線36設けられる。しかしながら、ボード30には、他の数の操作部31等が設けられてもよい。この場合、ソケット40の形状はそのままで、操作部31、ボード側端子35の配置及び端子側配線36の形状が変更される。
【】
加えて、上記実施形態では、ボード30は、板状の部材として形成されている。しかしながら、ボード30は、例えば、可撓性のあるシート状の部材として形成されてもよい。
【】
≪ソケット≫
次に、図1、図2及び図7を参照して、ソケット40について説明する。図7は、ソケット40が電子機器10に装着された状態におけるソケット40及び電子機器10の斜視図である。特に、図7では、ソケット40の本体が透明な状態として破線で示されている。
【】
ソケット40は、入力装置20を電子機器10に取り外し可能に固定する固定部の一例である。ソケット40は非透明且つ非導電性の材料によって形成される。ソケット40は、凹部42と、複数の電極43と、複数のソケット側端子44と、電極43とソケット側端子44とに接続されるソケット配線45と、を有する。したがって、ソケット40は、入力装置20を電子機器10に対して固定しつつ電極43を保持する二つの機能を果たし、入力装置20の部品点数が少なくされる。
【】
凹部42は、電子機器10の側部と相補的な形状を有する。特に、本実施形態では、凹部42は、タッチスクリーン12の短辺側における電子機器10の側部と相補的な形状を有する。したがって、凹部42は、電子機器10の側部を凹部42に嵌め込むことができるように形成される。特に、凹部42は、図1及び図7に示したように、電子機器10の側部が嵌め込まれたときに、ソケット40がタッチスクリーン12の短辺側の一部の領域を覆うように形成される。本実施形態では、入力装置20は二つのソケット40を有し、各ソケット40には電子機器10の対向する二つの側部のうちの一方が嵌め込まれる。
【】
また、上述したようにソケット40はボード30に対して取り外し可能に固定される。したがって、ソケット40に電子機器10が嵌め込まれた状態でソケット40がボード30に固定されることによって、入力装置20が電子機器10に固定される。したがって、ソケット40は、入力装置20を電子機器10に取り外し可能に固定する。
【】
複数の電極43は、ソケット40に電子機器10の側部が嵌め込まれて電子機器10にソケット40が装着されたときに、タッチスクリーン12上に、特にタッチスクリーン12のタッチパネル14上に位置するように配置される。特に、本実施形態では、各電極43は、タッチパネル14に接触するようにソケット40内に配置される。しかしながら、各電極43は、タッチパネル14と接触しないように配置されてもよい。ただし、その場合であっても、各電極43に対応する操作部31が操作されてその電極43の電位が変化することによって生じる電極43とタッチパネル14の対応する領域との間の静電容量が変化したときに、その静電容量の変化をタッチパネル14によって十分に検出することができるように配置される。また、各電極43は、ソケット40の表面上に配置されてもよい。
【】
また、複数の電極43は、電子機器10にソケット40が装着されたときに、これら複数の電極43が配置されるタッチスクリーン12の表面上を非透明なソケット40によって覆われる。換言すると、ソケット40は、複数の電極43が配置されるタッチスクリーン12の表面上を覆う非透明な被覆部として機能する。このように電極43がソケット40に覆われることによってユーザが電極43に触れることを防止することができる。また、電極43が配置されたタッチスクリーン12の表面がソケット40によって覆われることにより、ユーザがソケット40に覆われていないタッチスクリーン12に表示された画面により集中することができるようになる。また、ソケット40は非導電性の材料によって形成されているため、電極43がソケット40によって覆われることにより、ユーザの手などの外部の要因によって電極43とタッチパネル14との間の静電容量が変化することが抑制される。
【】
複数の電極43は、タッチパネル14の異なる位置上にそれぞれ配置される。本実施形態では、図7に示したように、複数の電極43は、タッチパネル14上において、タッチスクリーン12の表示面の短辺に沿って並んで配置される。特に、本実施形態では、複数の電極43は、タッチスクリーン12の表示面の短辺に沿って、特に短辺に隣接して、一列に並んで配置される。しかしながら、複数の電極43は、表示面の短辺に沿って複数列に並んで配置されてもよい。また、複数の電極43は、電子機器10の側部が嵌め込まれたときに、ソケット40がタッチスクリーン12を覆っている領域においてタッチパネル14上に位置するようにソケット40に配置される。特に、本実施形態では、電極43は、ソケット40の内側の端(タッチパネル14の中心側)が、各電極43の内側の端よりも内側に位置するように配置される。これにより、電極43が外部に曝されなくなり、電極43に外部から何らかの部材が接触して電極43の電位が変化してしまうことが抑制される。
【】
ところで、複数の電極43がタッチスクリーン12の表示面の長辺に沿って配置され、ソケット40がタッチスクリーン12の長辺側の一部の領域を覆うように形成されると、ユーザが視認することができるタッチスクリーン12の領域が細長い形状となり、ユーザによる視認性が低下する。これに対して、本実施形態では、複数の電極43がタッチスクリーン12の表示面の短辺に沿って配置され、ソケット40がタッチスクリーン12の短辺側の一部の領域を覆うように形成される。したがって、ユーザの視認性が低下することが抑制される。
【】
本実施形態では、一つのソケット40には、第1電極43-1から第8電極43-8まで、八つの電極43が設けられる。電極43の数は一つの端子用開口33内に配置されるボード側端子35の端子数と等しい。
【】
複数の電極43は、ソケット配線45を介してそれぞれソケット側端子44に接続される。本実施形態では、一つのソケット40には、第1ソケット側端子44-1から第8ソケット側端子44-8まで、八つのソケット側端子44が設けられる。各ソケット側端子44は、ソケット40がボード30に固定されたときに、ボード30の対応するボード側端子35に電気的に接続される。例えば、第1ソケット側端子44-1は第1ボード側端子35-1に接続され、その結果、第1電極43-1が、第1操作部31-1に接続され、よって第1操作部31-1を介して金属板37と接続可能になる。換言すると、金属板37は、操作部31の操作に応じて複数の電極43と接続可能に形成される。
【】
本実施形態では、ボード30の右側に固定されるソケット40のソケット側端子44は、ボード30の右側のボード側端子35に接続される。したがって、タッチスクリーン12の表示面の右側の短辺に沿って並んで配置された複数の電極43は、タッチスクリーン12の表示面の長辺(第1辺及び第2辺)に沿って配置される操作部31のうち右側に配置された操作部31と、タッチスクリーン12の表示面の右側の短辺(第3辺及び第4辺のうちの一方)に沿って配置された操作部31へ接続される。一方、ボード30の左側に固定されるソケット40のソケット側端子44は、ボード30の左側のボード側端子35に接続される。したがって、タッチスクリーン12の表示面の左側の短辺に沿って並んで配置された複数の電極43は、タッチスクリーン12の表示面の長辺(第1辺及び第2辺)に沿って配置される操作部31のうち左側に配置された操作部31と、タッチスクリーン12の表示面の左側の短辺(第3辺及び第4辺のうちの他方)に沿って配置された操作部31へ接続される。
【】
このように構成された入力装置20では、操作部31がユーザによって操作されると、その操作部31に対応する電極43の電位が変化する。換言すると、入力装置20では、各電極43は、それぞれ、その電位がその電極43に対応する操作部31の操作状態に応じて変化するように操作部31に接続されている。特に、本実施形態では、操作部31がユーザによって押されると、その操作部31に対応する電極43の電位が電子機器10のグランド電極とほぼ同一の電位となる。このように電極43の電位が変化すると、その電極43と、この電極43に対応するタッチパネル14上の領域との間の静電容量が変化し、その静電容量の変化がタッチパネル14のセンサ電極によって検出される。したがって、タッチパネル14は、電極43に対応するタッチパネル14と電極43との間に形成され且つ電極43の電位が変化することに応じて変化する静電容量に関するパラメータの値(上述した受信側のセンサ電極によって検出された電流値などを含む)を検出する。
【】
具体的には、例えば、ユーザが第1操作部31-1を押すと、第1端子側配線36-1、第1ボード側端子35-1、第1ソケット側端子44-1及びソケット配線45を介して第1操作部31-1に接続された第1電極43-1の電位が変化する。第1電極43-1の電位が変化すると、第1電極43-1に対応するタッチパネル14の領域、具体的には例えばR21行、R22行及びC37列、C38列の交点に位置する四つの区画において第1電極43-1とこれら区画との間の静電容量が変化し、この静電容量の変化がこれら区画に対応するセンサ電極によって検出される。したがって、本実施形態では、ユーザによる各操作部31の操作を、タッチパネル14によって検出することができる。
【】
なお、本実施形態では、一つの電極43が一つの操作部31と接続されている。しかしながら、一つの電極43が複数の操作部31と接続されてもよいし、一つの操作部31が複数の電極43と接続されてもよい。
【】
また、本実施形態では、各ソケット40に八つの電極43が設けられ、その結果、タッチパネル14上には、タッチパネル14の短辺に沿って合計16の電極43が配置される。しかしながら、タッチパネル14上には、1以上の任意の数の電極43をタッチパネル14上に任意の位置に配置することが可能である。
【】
<タッチパネルを用いた操作部における操作の検出手法の概要>
次に、各操作部31の操作を、タッチパネル14によって検出する手法について概略的に説明する。
【】
タッチパネル14によって検出された静電容量に基づく各操作部31における操作の検出は、プロセッサ18の検出部181によって行われる。本実施形態では、検出部181は、入力装置20が電子機器10に装着された状態で操作部31がユーザによって操作されていないときに、タッチパネル14によって検出された静電容量(又は、静電容量に関する他のパラメータの値)によって表される第1静電容量を取得する。加えて、検出部181は、入力装置20が電子機器10に装着された状態で、第1静電容量が検出された後の任意のタイミングにおいてタッチパネル14によって検出された静電容量(又は、静電容量に関する他のパラメータの値)によって表される第2静電容量を取得する。そして、このように取得した第1静電容量の値と第2静電容量の値とに基づいて、第2静電容量が検出されたタイミングにおける操作部31におけるユーザによる操作を検出する。
【】
特に、本実施形態では、入力装置20が電子機器10に装着されると、複数の電極43がタッチパネル14の異なる位置上に配置される。一つの電極43がタッチパネル14上に配置されると、それに伴ってタッチパネル14におけるこの電極43に対応する領域(対応の区画)において検出される静電容量が変化する。このときにタッチパネル14全面において検出される静電容量である第1静電容量は、各電極43がタッチパネル14上に配置されたことに伴ってタッチパネル14の対応する領域に生じた静電容量が合成されたものとなる。
【】
また、一つの電極43に対応する操作部31が操作されてその電極43における電位が変わると、それに伴ってタッチパネル14におけるこの電極43に対応する領域(対応の区画)において検出される静電容量が変化する。このときにタッチパネル14全面において検出される静電容量である第2静電容量は、タッチパネル14上に配置された各電極43の電位に伴ってタッチパネル14の対応する領域に生じた静電容量が合成されたものとなる。
【】
そこで、本実施形態では、検出部181は、第1静電容量のうち各電極43に対応する静電容量(各電極43がタッチパネル14上に配置されたことに伴ってタッチパネル14の対応する領域に生じた静電容量)と、第2静電容量のうちその電極43に対応する静電容量(タッチパネル14上に配置された各電極43の電位に伴ってタッチパネル14の対応する領域に生じた静電容量)とに基づいて、操作部31におけるユーザによる操作を検出する。
【】
ところで、タッチパネル14によって検出される静電容量は、入力装置20を電子機器10へ装着すると変化する。特に、操作部31がユーザによって操作されておらず、よって操作部31に対応する電極43が電子機器10のグランド電極とほぼ同電位の金属板37と接続されていなくても、電極43と対向するタッチパネル14の区画において検出される静電容量が大きくなる。そして、操作部31がユーザによって操作されると、検出される静電容量がこの状態からさらに変化する。本実施形態によれば、任意のタイミングにおいてタッチパネル14において検出された静電容量(第2静電容量に相当)のみならず、操作部31が操作されていないときの第1静電容量にも基づいて操作部31におけるユーザによる操作が検出されるため、入力装置20を電子機器10へ装着することによってタッチパネル14にて検出される静電容量が変化しても、精度よく操作部31におけるユーザによる操作を検出することができる。したがって、本実施形態によれば、入力装置20からタッチパネル14への入力の検出精度を高めることができる。
【】
また、本実施形態では、複数の電極43のそれぞれについて、第1静電容量のうち対応する静電容量と、第2静電容量のうち対応する静電容量とに基づいて、その電極43に対応する操作部31における操作が検出される。したがって、各電極に対応する操作部31における操作を精度よく検出することができる。
【】
一つの実施形態に係る検出部181における操作部31における操作の検出手法について、以下に、詳細に説明する。
【】
<分布モデル>
本実施形態では、検出部181は、第1静電容量に基づいて第1静電容量の分布に関する数理分布モデルを生成し、生成された数理分布モデルと第2静電容量とに基づいて操作部31におけるユーザによる操作を検出する。図5に示したように、検出部181は、第1静電容量に基づいて第1静電容量の分布に関する数理分布モデルを生成するモデル生成部181aと、生成された数理分布モデルと第2静電容量とに基づいて、操作部31におけるユーザによる操作を検出するモデル利用検出部181bとを有する。以下では、まず、図8A~図9を参照して、第1静電容量の分布を表す数理分布モデルについて説明する。
【】
図8Aは、人の指がタッチパネル14に触れたときの、タッチパネル14によって検出される静電容量の分布を表す図である。図8Aにおける横軸はタッチパネル14の短辺を、奥行き方向の延びる軸はタッチパネル14の長辺を、縦軸はタッチパネル14の各区画において検出された静電容量をそれぞれ表している。一方、図8Bは、図8Aの分布に合わせて平均値及び分散を適切に調整した二次元の正規分布を、図8Aと同様な分布で表した図である。図8A及び図8Bから、タッチパネル14に物体が触れたとき或いは物体が近づいたときにタッチパネル14によって検出される静電容量の分布は、二次元の正規分布によって近似することができることがわかる。したがって、タッチパネル14上に電極43が配置されたことによって検出される静電容量の分布は、二次元の正規分布によって近似することができる。
【】
また、例えば、タッチパネル14と対向する電極43の表面積が大きいような場合には、タッチパネル14によって検出される静電容量の分布は、必ずしも一つの二次元の正規分布で近似することができるとは限らない。しかしながら、このような場合であっても、タッチパネル14によって検出される静電容量の分布は、複数の二次元の正規分布の合成によって近似することができる。したがって、タッチパネル14上の一つの電極43の影響によりタッチパネル14によって検出される静電容量の分布(以下、「電極に対応する静電容量の分布」とも称する)は、下記式(3)のように混合正規分布モデル(GMM)によって近似することができる。
【数】
式(3)において、G(S)(x、y)は、タッチパネル14の座標(x、y)における静電容量を表している。ここで、タッチパネル14のx方向は例えばタッチパネル14の長辺方向、y方向は例えばタッチパネル14の短辺方向を表している。また、式(3)における、mは、一つの電極43に対応する静電容量の分布を混合正規分布モデルで表したときのx方向における正規分布のインデックスを表している。インデックスmは、1≦m≦Mを満たし、Mは電極43の大きさ等に応じて変わる定数である。例えば、一つの電極43に対応する静電容量の分布をx方向において3つの正規分布の合成によって近似している場合には、M=3であり、よってm=1、2、3である。同様に、nは、一つの電極43に対応する静電容量の分布を混合正規分布モデルで表したときのy方向における正規分布のインデックスを表している。インデックスnは、1≦n≦Nを満たし、Nは、Mと同様に、電極43の大きさ等に応じて変わる定数である。
【】
図9は、M、Nがそれぞれの値であるときの混合正規分布モデルを概略的に示す図である。M、Nはいずれも1であってもよく(M=1、N=1)、この場合には、図9からわかるように一つの電極43に対応する静電容量の分布は一つの正規分布のみによって表される。一方、M=3、N=3である場合には、一つの電極43に対応する静電容量の分布は、x方向に3つ及びy方向に3つの、合計9つの正規分布の合成として表される。
【】
また、式(3)において、ω(s)は静電容量の強度を表しており、一つの電極43に対応する静電容量の分布が全体的に大きいときには大きな値となる。umは、x方向のM個の正規分布のうちm番目の正規分布の相対強度を表しており、Σmum=1を満たす。したがって、M=1の場合には、u1は1である。また、vmは、y方向のN個の正規分布のうちn番目の正規分布の相対強度を表しており、Σnvn=1を満たす。したがって、N=1の場合には、v1は1である。
【】
さらに、式(3)において、σ(x)は、混合正規分布モデルに含まれる各正規分布のx方向における分散を表している。本実施形態では、混合正規分布モデルに含まれる全ての正規分布のx方向の分散を同一の値として近似を行っているが、各正規分布毎に異なる値を有するものとして近似を行ってもよい。また、σ(y)は、混合正規分布モデルに含まれる各正規分布のy方向における分散を表している。本実施形態では、混合正規分布モデルに含まれる全ての正規分布のy方向の分散を同一の値として近似を行っているが、各正規分布毎に異なる値を有するものとして近似を行ってもよい。
【】
また、式(3)において、τ(x)は、x方向におけるM個の正規分布のうち1番目の正規分布のx座標における位置を表している。なお、本実施形態では、x方向におけるM個の正規分布はそれぞれx方向の分散σ(x)だけ離れているものとして近似を行っている。したがって、x方向におけるm番目の正規分布のx座標における位置は、τ(x)+(m-1)σ(x)で表される。同様に、τ(y)は、y方向におけるN個の正規分布のうち1番目の正規分布のy座標における位置を表している。なお、本実施形態では、y方向におけるN個の正規分布はそれぞれy方向の分散σ(y)だけ離れているものとして近似を行っている。
【】
そして、本実施形態では、電子機器10に入力装置20が装着されると、K個の電極43がタッチパネル14上に配置される(本実施形態では、K=16)。したがって、タッチパネル14上に配置された全ての電極43に対応する静電容量の分布は、上記式(3)で表される一つの電極43に対応する静電容量の分布を、電極43の数だけ合成した以下の式(4)、(5)で表される混合正規分布モデルによって近似することができる。
【数】
なお、式(4)、(5)において、kは、タッチパネル14上に複数の電極43が配置されたときの電極43のインデックスを表している。インデックスkは、1≦k≦Kを満たす。本実施形態では、K=16であるため、kは1~16の整数である。
【】
したがって、式(4)、(5)で表されるタッチパネル14全体の静電容量の分布を近似する混合正規分布モデルは、式(3)で表される各電極43についての部分正規分布モデルの集合として表されているということができる。
【】
<数理分布モデルの生成>
本実施形態では、入力装置20が電子機器10に装着された状態で全ての操作部31が操作されていないときにタッチパネル14によって検出された静電容量の分布(第1静電容量)に基づいて、全ての電極43に対応する静電容量の分布を表す数理分布モデルの各種パラメータの値のキャリブレーションを行うことによって、静電容量の分布を表す数理分布モデルが生成される。具体的には、本実施形態では、ωk (s)、τk (x)、τk (y)、σ(x)、σ(y)、uk,m、vk,nの値及び後述するノイズ成分G(n)(x、y)のキャリブレーションを行うことによって数理分布モデルが生成される。以下では、図10~図12を参照して、プロセッサ18のモデル生成部181aによって行われる数理分布モデルの生成について説明する。
【】
図10は、入力装置20が電子機器10に装着された状態で全ての操作部31が操作されていないときにタッチパネル14によって検出された静電容量の分布C(x、y)を表す図である。図10からわかるように、タッチパネル14によって検出された静電容量の分布には、電極43がタッチパネル14上に位置することによって、タッチパネル14の長辺方向両側に位置する区画において静電容量が大きくなっているものの、それ以外の領域においても領域毎に静電容量が変化している。これは、タッチパネル14上に位置する電極43とは無関係に生じるノイズに基づくものである。
【】
そこで、本実施形態では、タッチパネル14によって検出された静電容量の分布を、下記式(6)で表したように、タッチパネル14上の静電容量の分布を表す静電容量成分G(s)(x、y)とノイズ成分G(n)(x、y)とを含む数理分布モデルで表現している。式(6)におけるノイズ成分(n)(x、y)は、例えば、X行Y列の行列(したがって、タッチパネル14のx方向の区画数の行及びy方向の区画数の列を有する行列)である。
【数】
【】
図11Aは、図10に示したようなタッチパネル14によって検出された静電容量の分布C(x、y)を、静電容量成分G(s)(x、y)とノイズ成分G(n)(x、y)とを含む数理分布モデルで表現したときの、静電容量成分G(s)(x、y)の分布を表す図である。一方、図11Bは、このときのノイズ成分の分布を表す図である。したがって、図10に示したようなタッチパネル14によって検出された静電容量の分布C(x、y)は、図11Aに示した静電容量成分G(s)(x、y)と図11Bに示したノイズ成分G(n)(x、y)との合成として表されることになる。
【】
そして、本実施形態では、式(6)で表される数理分布モデルG(x、y)によって表される静電容量の分布と、タッチパネル14によって検出された静電容量の分布C(x、y)とが近づくように数理分布モデルG(x、y)に含まれる各種パラメータの値が算出される。具体的には、本実施形態では、数理分布モデルG(x、y)とタッチパネル14によって検出された静電容量の分布C(x、y)とのずれを表すコスト関数が小さくなるように、数理分布モデルG(x、y)に含まれる各種パラメータの値が算出される。コスト関数としては、二乗誤差や一般化KLダイバージェンスなど、任意のコスト関数を用いることができる。特に、本実施形態では、コスト関数J(C、G)は、式(7)に示したように、一般化KLダイバージェンスで表される。
【数】
【】
特に、本実施形態では、数理分布モデルの生成時には、各電極に対応する静電容量の分布の強度が類似することを考慮して、これらが類似しないときに大きくなる正則化項がコスト関数に加えられる。さらにコスト関数に制約項が加えられると、本実施形態におけるコスト関数J(C、G)は最終的に式(8)のように表される。
【数】
なお、式(8)において、ωavg (s)は、ωk (s)(k=1~K)の平均値である(上記式(9)参照)。また、β(ω)は、正則化重みを表しており、この値が大きいほど全ての電極43に対応する静電容量の分布を表す混合正規分布モデルに含まれる各部分正規分布モデルの強度が近似させられる。また、λ(uk)、λ(vk)は、ラグランジュ乗数を表している。
【】
そして、本実施形態では、補助関数法、ラグランジュの未定乗数法、最急降下法等の公知の最適化手法を用いて、斯かるコスト関数J(C、G)が最小化されるように、数理分布モデルの各種パラメータの値が算出される。特に、本実施形態では、補助関数法を用いてコスト関数J(C、G)が最小化されるように数理分布モデルの各種パラメータの値が算出される。
【】
具体的には、コスト関数を数理分布モデルG(x、y)に含まれる各パラメータで偏微分したものがゼロになるように各パラメータの値が繰り返し更新される。例えば、ωk (s)を更新するにあたっては、∂J(C、G)/∂ωk (s)=0となるようなωk (s)が繰り返し更新される。
【】
本実施形態では、タッチパネル14によって検出された静電容量の分布C(x、y)のうち静電容量成分C(s)(x、y)及びノイズ成分C(n)(x、y)が下記式(10)~(12)によって更新される。また、数理分布モデルにおけるノイズ成分G(n)(x、y)は、式(13)に示すように、C(n)(x、y)を用いて更新される。
【数】
【】
また、パラメータωk (s)、τk (x)、τk (y)、σ(x)、σ(y)、uk,m、vk,nは、コスト関数J(C、G)をこれらパラメータで偏微分したものをそれぞれゼロとすることで導出された下記式(14)~式(26)によって更新される。
【数】
【】
次に、図12を参照して、数理分布モデルの生成処理について説明する。図12は、数理分布モデルの生成処理の流れを示すフローチャートである。図12に示した生成処理は、プロセッサ18のモデル生成部181aにおいて行われる。
【】
まず、モデル生成部181aは、G(x、y)を構成する各パラメータ(例えば、ωk (s)、τk (x)、τk (y)、σ(x)、σ(y)、uk,m、vk,n、G(n)(x、y)の初期値を取得する(ステップS11)。特に、本実施形態では、パラメータの初期値は、電極43の配置位置などに基づいて予め設定され、記憶部17に記憶されている。或いは、パラメータの初期値は、例えば、入力装置20が前回装着されたときに算出されたこれらパラメータの値であってもよい。モデル生成部181aは、これらパラメータの初期値を記憶部17から取得する。
【】
次いで、モデル生成部181aは、ステップS11において取得したパラメータの値又は後述するステップS14において更新されたパラメータの値に基づいて、式(4)~式(6)を用いて、Gkmn (s)(x、y)及びG(x、y)を更新する(ステップS12)。次いで、モデル生成部181aは、ステップS12において更新されたGkmn (s)(x、y)及びG(x、y)に基づいて、式(10)から式(13)を用いて、C(s)(x、y)、C(n)(x、y)及びG(n)(x、y)を更新する(ステップS13)。次いで、モデル生成部181aは、ステップS12及びS13で更新されたGkmn (s)(x、y)、C(s)(x、y)、C(n)(x、y)及びG(n)(x、y)に基づいて、式(14)~式(26)を用いて、G(x、y)を構成する各パラメータ(ωk (s)、τk (x)、τk (y)、σ(x)、σ(y)、uk,m、vk,n)の値を更新する(ステップS14)。
【】
次いで、モデル生成部181aは、各パラメータの値を所定の基準回数以上更新したか否かを判定する(ステップS15)。すなわち、本実施形態では、モデル生成部181aは、更新回数に基づいて、各パラメータの値が収束しているか否かを判定している。ステップS15において更新回数が基準回数未満であると判定されている間は、ステップS12~S14が繰り返される。一方、ステップS15において更新回数が基準回数以上であると判定されたときには、数理分布モデルの生成処理が終了される。なお、モデル生成部181aは、更新回数に基づいて各パラメータの値が収束しているか否かを判定しているが、他の手法を用いて各パラメータの値が収束しているか否かを判定してもよい。
【】
<数理分布モデルを利用した操作の検出>
本実施形態では、数理分布モデルが生成されると、生成された数理分布モデルと、任意のタイミングにおいてタッチパネル14によって検出された静電容量(第2静電容量)とに基づいて、そのタイミングにおける操作部31における操作を検出する。以下では、図13を参照して、プロセッサ18のモデル利用検出部181bによって行われる数理分布モデルを利用した操作部31における操作の検出について説明する。
【】
上述したように各操作部31が操作されると、その操作部31に対応する電極43と、この電極43に対応するタッチパネル14の領域との間の静電容量が変化する。このとき、電極43に対応するタッチパネル14の区画によって検出される静電容量の分布形状は大きく変わらずに、静電容量の強度が変化する。また、或る操作部31が操作されると、その操作部31に対応する電極43に対応するタッチパネル14の区画では検出される静電容量が変化するものの、その電極43に対応しないタッチパネル14の区画では検出される静電容量は変化しない。したがって、操作部31が操作されると、その操作部31に対応する電極43に対応するタッチパネル14の区画において検出される静電容量の分布が、その操作部31が操作されていないときのその電極43に対応するタッチパネル14の区画において検出される静電容量の分布に対して全体的に変化する(本実施形態では、操作部31が押された場合には全体的に大きくなる)。一方で、操作部31が操作されても、その操作部31に対応する電極43に対応しないタッチパネル14の区画において検出される静電容量の分布は、その操作部31が操作されていないときにそのタッチパネル14の区画において検出される静電容量の分布から変化しない。
【】
したがって、任意のタイミングにおいてタッチパネル14によって検出された静電容量の分布C(x、y)は、モデル生成部181aによって生成された各電極43に対応する部分数理分布モデルによって表される静電容量の分布に任意の強度比を乗算したものの集合として表すことができる。したがって、任意のタイミングにおいてタッチパネル14によって検出された静電容量の分布C(x、y)は、モデル生成部181aで得られた数理分布モデルは固定しつつ、非負値行列因子分解(NMF)を用いて、下記式(27)、式(28)のように表すことができる。
【数】
【】
式(28)で表されるGk (t)(x、y)は、モデル生成部181aによって生成された最終的な数理分布モデルに含まれるk番目の電極43に対応する静電容量の分布を表す部分数理分布モデルを表している。したがって、式(28)中に含まれる各種パラメータ(すなわち、ωk (s)、τk (x)、τk (y)、σ(x)、σ(y)、uk,m、vk,n)の値は、モデル生成部181aによって最終的に求められた値に固定される。したがって、Gk (t)(x、y)は、式中に含まれるパラメータが固定された構造化部分数理分布モデルであり、モデル利用検出部181bによって操作部31における操作の検出が行われる際にはこれらパラメータの値は更新されない。したがって、Gk (t)(x、y)は、操作部31によって操作が行われていないときの、k番目の電極43に対応する静電容量の分布を表すテンプレートと考えることができる。
【】
式(27)のωk (t)は、任意のタイミングにおけるk番目の電極43に対応する静電容量の分布の、操作部31によって操作が行われていないときにおけるk番目の電極43に対応する静電容量の分布に対する強度比を表している。したがって、任意のタイミングにおいてk番目の電極43に対応する操作部31が操作されていないときには、ωk (t)はほぼ1となる。一方、任意のタイミングにおいてk番目の電極43に対応する操作部31が操作されていてk番目の電極43に対応する静電容量の分布が変化すると、ωk (t)は1とは異なる値となる。
【】
したがって、本実施形態では、任意のタイミングにおいてタッチパネル14によって検出された静電容量の分布C(x、y)が、非負値行列因子分解を用いて、操作部31が操作されていないときの各電極43に対応する静電容量の分布に関する部分数理分布モデルで表される静電容量の分布と、この静電容量の分布に対する第2静電容量のうちのこの電極43に対応する静電容量の分布の強度比とに分解されるといえる。そして、このように分解することによって求められた強度比に基づいてこの電極43に対応する操作部31における操作が検出される。
【】
具体的には、本実施形態では、上記式(27)の右辺によって表される静電容量の分布が、任意のタイミングにおいてタッチパネル14によって検出された静電容量の分布C(x、y)に近づくように、ωk (t)の値が算出される。特に、本実施形態では、式(27)の右辺によって表される静電容量の分布と、式(27)の左辺によって表される任意のタイミングにおいてタッチパネル14によって検出された静電容量の分布C(x、y)とのずれを表すコスト関数が小さくなるように、ωk (t)の値が算出される。コスト関数としては、二乗誤差や一般化KLダイバージェンスなど、任意のコスト関数を用いることができる。本実施形態では、コスト関数J(t)(C、G)は、式(29)に示したように、二乗誤差(ユークリッド距離)で表される。
【数】
【】
そして、本実施形態では、コスト関数J(t)(C、G)が最小化されるように、ωk (t)の値が算出される。特に、本実施形態では、補助関数法を用いてコスト関数J(t)(C、G)が最小化されるようにωk (t)の値が算出される。
【】
具体的には、コスト関数J(t)(C、G)をωk (t)で微分したものがゼロになるように(dJ(t)(C、G)/dωk (t)=0)、ωk (t)の値が繰り返し更新される。したがって、ωk (t)は、コスト関数J(t)(C、G)をωk (t)で微分したものをゼロとすることで導出された下記式(30)を用いて更新される。なお、式(30)中のdk(x、y)は、下記式(31)で表される。
【数】
【】
そして、本実施形態では、このようにして更新された強度比ωk (t)の値が、予め定められた1よりも大きい所定値ωref(例えば、1.4)以上である場合には、k番目の電極43における静電容量の分布が大きく変化しており、よってk番目の電極43に対応する操作部31が操作されている(例えば、押されている)と判定される。
【】
本実施形態によれば、モデル生成部181aによって生成された最終的な数理分布モデルをテンプレートとして用いて、非負値行列因子分解を用いて、強度比ωk (t)が算出される。このため、プロセッサ18における計算負荷を低く抑えつつ、比較的正確に操作部31における操作を検出することができる。なお、強度比ωk (t)を算出することができれば、ガウス・ザイデル法など、非負値行列因子分解以外の任意の手法を用いることができる。
【】
次に、図13を参照して、操作部31における操作の検出処理について説明する。図13は、操作部31における操作の検出処理の流れを示すフローチャートである。図13に示した検出処理は、所定の時間間隔毎に、プロセッサ18のモデル利用検出部181bにおいて行われる。所定の時間間隔は、例えば、表示部13におけるフレームレートの逆数に等しく、例えば、数十msである。
【】
まず、モデル利用検出部181bは、前回の検出処理において算出されたωk (t)の値を取得する(ステップS21)。次いで、モデル利用検出部181bは、ステップS21で取得したωk (t)の値又は後述するステップS23において更新されたωk (t)の値に基づいて、式(27)の右辺の式を更新する(ステップS22)。次いで、モデル利用検出部181bは、ステップS22で更新された式(27)の右辺の式に基づいて、式(30)及び式(31)を用いて、ωk (t)の値を更新する。
【】
次いで、モデル利用検出部181bは、各パラメータの値を所定の基準回数以上更新したか否かを判定する(ステップS24)。なお、基準回数は1回のみであってもよく、この場合にはステップS24はスキップされる。ステップS24において更新回数が基準回数未満であると判定されている間は、ステップS22~S23が繰り返される。なお、モデル利用検出部181bは、更新回数が基準回数以上であるか否かに基づいて、ωk (t)の値が収束しているか否かを判定しているが、他の手法を用いてωk (t)の値が収束したか否かを判定してもよい。
【】
一方、ステップS24において更新回数が基準回数以上であると判定されたときには、モデル利用検出部181bは、所定値ωref以上となっているωk (t)に対応する電極43(k番目の電極43)に対応する操作部31が操作されていると判定する(ステップS26)。
【】
ところで、式(31)で表されるdk(x、y)は、タッチパネル14全体における静電容量の分布に対するk番目の電極43に対応する静電容量の分布の割合を表す分配関数である。したがって、dk(x、y)は、タッチパネル14全体の静電容量の分布にdk(x、y)を乗算することによって、タッチパネル14全体における静電容量の分布に含まれるk番目の電極43に対応する静電容量の分布を抽出することができる。したがって、式(31)で表されるdk(x、y)は、タッチパネル14全体における静電容量の分布からk番目の電極43に対応する静電容量の分布を抽出するフィルタとして機能する。
【】
また、強度比を表すωk (t)の値を算出するにあたっては、式(30)に示したように、C(x、y)dk(x、y)が算出される。上述したようにdk(x、y)がフィルタとして機能することから、C(x、y)dk(x、y)は、タッチパネル14全体によって検出された静電容量の分布C(x、y)にフィルタを適用することで、静電容量の分布C(x、y)からk番目の電極43に対応する静電容量の分布を抽出しているといえる。そして、式(30)におけるGk (t)(x、y)は、上述したようにモデル生成部181aによって生成された最終的な数理分布モデルに含まれるk番目の電極43に対応する静電容量の分布を表す部分数理分布モデルである。したがって、本実施形態では、フィルタを提供して算出されたk番目の電極43に対応する静電容量の分布と、k番目の電極43に対応する静電容量の分布を表す部分数理分布モデルとに基づいて、k番目の電極43に対応する操作部31における操作が検出されているといえる。特に、本実施形態では、フィルタを提供して算出されたk番目の電極43に対応する静電容量の分布をk番目の電極43に対応する静電容量の分布を表す部分数理分布モデルで表される静電容量の分布で除算することで上述した強度比ωk (t)を算出し、算出された強度比ωk (t)に基づいてk番目の電極43に対応する操作部31における操作が検出されている。本実施形態では、このようなフィルタを用いて強度比ωk (t)を算出することによって操作部31における操作を精度よく検出することができる。なお、このようなフィルタは他の手法により生成されてもよい。
【】
<効果及び変形例>
本実施形態では、タッチパネル14上に配置された電極43における電位の変化を、タッチパネル14で検出し、その電極43に対応する操作部31の操作を検出する。このような電極43における電位の変化の検出は、人が直接タッチパネル14に触れたことを検出する場合に比べてS/N比が低い。これに対して、本実施形態では、数理分布モデルを用いて、解析的に電極43における電位の変化を検出している。したがって、電極43における電位の変化を比較的高い精度で検出することができ、ひいては操作部31における操作を比較的高い精度で検出することができる。
【】
また、本実施形態では、数理分布モデルとして正規分布モデルを用いている。上述したように人や物がタッチパネル14に近づいたときや触れたときの静電容量の分布は正規分布に近似した分布になるため、タッチパネル14によって検出される静電容量の分布を比較的高い精度で数理分布モデルによって近似することができる。また、本実施形態では、一つの電極43に対応する静電容量の分布を混合正規分布モデルで近似している。したがって、電極43が大きい場合や特殊な形状をしている場合であっても、タッチパネル14によって検出される静電容量の分布を比較的高い精度で数理分布モデルによって近似することができる。
【】
加えて、本実施形態では、複数の電極43によって生成される静電容量の分布を、混合正規分布モデルで近似している。したがって、タッチパネル14上に複数の電極43が設けられている場合であっても、タッチパネル14によって検出される静電容量の分布を比較的高い精度で数理分布モデルによって近似することができる。
【】
なお、上記実施形態では、電極43によって生じる静電容量の分布を二次元の正規分布によって近似して数理分布モデルが生成されている。しかしながら、電極43によって生じる静電容量の分布を公知の他の分布、例えば二項分布によって近似して数理分布モデルが生成されてもよい。
【】
また、本実施形態では、静電容量成分とノイズ成分を含む数理分布モデルが用いられる。局所的に大きなノイズが発生したような場合であっても、タッチパネル14によって検出される静電容量の分布を適切に表す数理分布モデルを生成することができる。しかしながら、ノイズ成分G(n)(x、y)を含まない数理分布モデルが用いられてもよい。
【】
さらに、上記実施形態では、第1静電容量及び第2静電容量に基づいて、数理分布モデルを用いて操作部31における操作を検出している。しかしながら、第1静電容量及び第2静電容量とに基づいて、数理分布モデルを用いずに、操作部31における操作を検出してもよい。例えば、各電極43に対応するタッチパネル14の区画における第1静電容量と第2静電容量との差に基づいて、その電極43に対応する操作部31における操作を検出してもよい。
【】
加えて、上記実施形態では、第1静電容量及び第2静電容量に基づいて、操作部31における操作を検出している。しかしながら、静電容量の代わりに、静電容量に応じて変化するパラメータを含む静電容量に関するパラメータの値に基づいて操作部31における操作を検出してもよい。具体的には、例えば、静電容量に関するパラメータとして、タッチパネル14によって検出される電流が用いられてもよい。
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<モデル生成に伴う電子機器の制御>
ところで、モデル生成部181aによって第1静電容量の分布に関する数理分布モデルを生成するとき、換言すると、第1静電容量の分布を検出するときには、入力装置20が電子機器10に装着された状態で操作部31が操作されていないことが必要である。加えて、モデル生成部181aによって数理分布モデルを生成するときには、タッチパネル14にユーザが触れていないことが好ましい。そこで、本実施形態では、モデル生成部181aによって数理分布モデルを生成するとき(キャリブレーションを行うとき)には、ユーザが操作部31を操作したりタッチパネル14に触れたりすることないように表示部13に案内が表示される。
【】
図14は、表示部13への案内表示に関する処理の流れを示すフローチャートである。図14に示した処理は、主に、プロセッサ18の情報処理部182において実行される。
【】
情報処理部182は、まず、モデル生成部181aにおける第1静電容量の分布に関するモデル生成処理の実行条件(すなわち、第1静電容量の分布の検出条件)が成立したか否かを判定する(ステップS31)。モデル生成処理の実行条件は、数理分布モデルの生成が必要なタイミングで成立する。
【】
具体的には、モデル生成処理の実行条件は、例えば、入力装置20の操作部31の操作情報を利用するアプリケーションプログラムが起動されたときに成立する。斯かるアプリケーションプログラムでは、アプリケーションプログラムを実行するために入力装置20の操作部31の操作情報が必要であるところ、アプリケーションプログラムを実行に伴って数理分布モデルの生成(すなわち、数理分布モデルのキャリブレーション)をすることができる。
【】
また、モデル生成処理の実行条件は、例えば、移動検出センサ15によって電子機器10の移動が検出されたときに成立する。ここで、電子機器10が移動してそれまでとは異なる場所に設置されると、設置場所の周りの環境の変化により、操作部31が操作されていないときにタッチパネル14によって検出される静電容量の分布が変化する可能性がある。電子機器10の移動が検出されたときにモデル生成処理を実行することで、設置場所の変更に伴って静電容量の分布が変化しても、変化後の静電容量の分布に合わせて数理分布モデルを生成することができる。
【】
また、モデル生成処理の実行条件は、例えば、電子機器10に、USBケーブル等の外部のケーブルが挿抜されたときに成立する。電子機器10に外部のケーブルが挿抜されると、各電極43の電位が変化する可能性があるところ、ケーブルの挿抜後の静電容量の分布に合わせて数理分布モデルを生成することができる。
【】
加えて、モデル生成処理の実行条件は、ユーザによってタッチパネル14、入力装置20、電子機器10等に触れていないことが確認された場合に成立してもよい。具体的には、情報処理部182は、上述した実行条件が成立する操作が生じたときなどに、ユーザに操作部31、タッチパネル14、入力装置20、電子機器10等に触れていないことを確認するメッセージを表示部13に表示させる。そして、このような確認を行った旨の操作入力が、タッチパネル14又は別体の操作装置を介してユーザによって行われたときに情報処理部182は、モデル生成処理の実行条件が成立したと判定する。
【】
ステップS31において、モデル生成処理の実行条件が成立していないと判定された場合には、処理が終了される。一方、ステップS31においてモデル生成処理の実行条件が成立していると判定された場合には、情報処理部182は、操作部31をユーザが操作しないように且つタッチパネル14にユーザが触れないように表示部13に案内を表示させる(ステップS32)。操作部31をユーザが操作しないように促す案内は、入力装置20にユーザが触れないように促す案内であってもよい。また、タッチパネル14にユーザが触れないように促す案内は、電子機器10にユーザが触れないように促す案内であってもよい。このような案内が表示されることによってモデル生成処理の実行中にユーザが操作部31を操作したりタッチパネル14に触れたりすることが抑制され、よって適切な摺り分布モデルを生成することができるようになる。なお、タッチパネル14にユーザが触れないよう促す案内は、表示部13に表示されなくてもよい。
【】
次いで、検出部181は、図12に示したモデルの生成処理を実行する(ステップS33)。したがって、検出部181は、表示部13に案内が表示されている間に、タッチパネル14によって検出された静電容量を第1静電容量として検出する。その後、情報処理部182は、検出部181によるモデルの生成処理が完了すると、ステップS32において表示されていた表示部13の表示を消去する(ステップS34)。このとき、情報処理部182は、操作部31やタッチパネル14にユーザが触れてもよい旨の案内を表示部13に表示させてもよい。
【】
以上、本開示に係る好適な実施形態を説明したが、本開示はこれら実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。
【符号の説明】
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1 電子機器セット
10 電子機器
12 タッチスクリーン
20 入力装置
30 ボード
31 操作部
40 ソケット
43 電極
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