(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】
(45)【発行日】
(54)【発明の名称】半導体装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
【FI】
(21)【出願番号】
(22)【出願日】
【審査請求日】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】附田 正則
(72)【発明者】
【氏名】藤井 秀紀
(72)【発明者】
【氏名】曽根田 真也
(72)【発明者】
【氏名】小西 和也
(72)【発明者】
【氏名】小西 康雄
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/083434(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0286323(US,A1)
【文献】特開2016-015513(JP,A)
【文献】特開2017-188569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10D 8/50
H10D 12/00
H10D 30/01
H10D 30/66
H10D 62/10
H10P 30/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項】
第1の主面と、厚み方向において前記第1の主面に対向する第2の主面とを有する半導体基板に設けられた第1の導電型のドリフト層と、
前記半導体基板の前記第1の主面と前記ドリフト層との間に設けられ、前記ドリフト層よりも不純物濃度が高い第2の導電型のベース層と、
前記ドリフト層の中に設けられ、前記ドリフト層よりも不純物濃度が高い前記第1の導電型の第1のバッファ層と、
前記半導体基板の前記第2の主面と前記第1のバッファ層との間に設けられ、前記ドリフト層よりも不純物濃度が高い前記第1の導電型の第2のバッファ層と、
を備え、
前記厚み方向において、前記第1のバッファ層が不純物ピーク濃度を有する位置と前記第2のバッファ層が不純物ピーク濃度を有する位置との間に離間距離が設けられており、
前記厚み方向に垂直な平面レイアウトにおいて前記第1のバッファ層が選択的に形成されることによって、前記第1のバッファ層が前記厚み方向において前記不純物ピーク濃度を有する位置は、前記平面レイアウトにおいて分布部および非分布部を有する分布面をなしており、前記非分布部は前記離間距離よりも小さい実効幅を有しており、前記実効幅は前記平面レイアウトの前記非分布部における前記分布部からの最遠距離の倍である、半導体装置。
【請求項】
前記第1のバッファ層の前記不純物ピーク濃度は、1.0×10
16/cm
3以上である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項】
前記第1のバッファ層の前記不純物ピーク濃度は、1.0×10
17/cm
3以上である、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項】
前記第1のバッファ層の前記不純物ピーク濃度の前記分布面において前記分布部が占める面積は5%以上である、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項】
前記第1のバッファ層の前記不純物ピーク濃度の前記分布面において前記分布部が占める面積は90%以下である、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項】
前記第1のバッファ層と前記第2のバッファ層との間に、前記ドリフト層よりも不純物濃度が高い前記第1の導電型の第3のバッファ層をさらに備える、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項】
前記平面レイアウトにおいて前記第3のバッファ層が選択的に形成されることによって、前記第3のバッファ層が前記厚み方向において不純物ピーク濃度を有する位置は、前記平面レイアウトにおいて分布部および非分布部を有する分布面をなしており、
前記平面レイアウトにおいて、前記第3のバッファ層の前記分布部は前記第1のバッファ層の前記非分布部と重なりを有しており、かつ前記第3のバッファ層の前記非分布部は前記第1のバッファ層の前記分布部と重なりを有している、
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項】
前記平面レイアウトにおいて、前記第3のバッファ層の前記分布部の面積は、前記第1のバッファ層の前記分布部の面積よりも大きい、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項】
前記第1のバッファ層と前記第2の主面との間での前記ドリフト層の抵抗率は、前記第1のバッファ層と前記第1の主面との間の前記ドリフト層の抵抗率よりも高い、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項】
前記第1の導電型はn型であり、かつ前記第2の導電型はp型であり、前記第1のバッファ層は水素誘起ドナーを有している、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項】
前記半導体装置は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、金属-絶縁体-半導体電界効果トランジスタ、ダイオード、または逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタを含む、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項】
前記半導体基板をなす半導体材料は、Si、SiC、GaN、GaAs、GaO、またはダイヤモンドである、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項】
請求項1または2に記載の半導体装置を製造する、半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板の前記第2の主面から前記半導体基板内へ、注入マスクを用いることによって前記平面レイアウトにおいて選択的に不純物を注入する工程と、
加熱によって前記不純物を活性化することにより、前記第1のバッファ層を形成する工程と、
を備える、半導体装置の製造方法。
【請求項】
前記注入マスクはフォトレジストを用いて形成される、請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【】
本開示は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【】
特開2018-125537号公報(特許文献1)によれば、半導体装置は、半導体基板の内部に配置されたn型のドリフト領域と、前記半導体基板の裏面側においてプロトンをドナーとして形成され、前記ドリフト領域よりもドナー濃度の高いn型のフィールドストップ領域と、を含む。前記フィールドストップ領域における深さ方向の前記ドナーの濃度分布は複数のピークを有している。前記複数のピークは、第1のピークと、前記第1のピークよりも前記半導体基板の裏面側において前記第1のピークよりも濃度の低い第2のピークと、を含む。フィールドストップ領域が有する複数のピークの例として、第1から第4のピークが図に示されている。また上記公報によれば、半導体基板の表面から見て5/7から半導体基板の裏面までの領域は、テール電流を小さくするためにはキャリアライフタイムが短い方がよいものの、キャリアライフタイムを短くしすぎると逆回復時に発振現象を引き起こす場合があるので、当該領域のキャリアライフタイムは、3/7から5/7までの領域よりも短く、半導体基板の表面から3/7までの領域よりも長くてよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【】
上記公報に記載の技術によると、発振現象(言い換えればリンギング)を十分に抑制するためには、半導体基板の深さ方向(言い換えれば厚み方向)におけるドナーの濃度分布の調整を、上記のように細かく行わなければならない。よって、厚み方向における濃度分布の調整が複雑化してしまう。これは半導体装置の製造コストの大きな増大につながりやすい。典型的には、厚み方向において、各々が最適な濃度を有する多数の不純物ピークを、プロトン注入によって形成する必要がある。これは、不純物を導入する工程の労力を大きく増大させてしまう。
【】
本開示は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、リンギングを抑制しつつ容易に製造することができる半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【】
本開示に係る半導体装置は、第1の主面と厚み方向において前記第1の主面に対向する第2の主面とを有する半導体基板に設けられた第1の導電型のドリフト層と、前記半導体基板の前記第1の主面と前記ドリフト層との間に設けられ、前記ドリフト層よりも不純物濃度が高い第2の導電型のベース層と、前記ドリフト層の中に設けられ、前記ドリフト層よりも不純物濃度が高い前記第1の導電型の第1のバッファ層と、前記半導体基板の前記第2の主面と前記第1のバッファ層との間に設けられ、前記ドリフト層よりも不純物濃度が高い前記第1の導電型の第2のバッファ層と、を備える。前記厚み方向において、前記第1のバッファ層が不純物ピーク濃度を有する位置と前記第2のバッファ層が不純物ピーク濃度を有する位置との間に離間距離が設けられている。前記厚み方向に垂直な平面レイアウトにおいて前記第1のバッファ層が選択的に形成されることによって、前記第1のバッファ層が前記厚み方向において前記不純物ピーク濃度を有する位置は、前記平面レイアウトにおいて分布部および非分布部を有する分布面をなしており、前記非分布部は前記離間距離よりも小さい実効幅を有しており、前記実効幅は前記平面レイアウトの前記非分布部における前記分布部からの最遠距離の倍である。
【発明の効果】
【】
本開示によれば、リンギングを抑制しつつ、半導体装置を容易に製造することができる。
【】
本開示の目的、特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【】
【図】実施の形態1における半導体装置の構成を示す概略的な上面図である。
【図
】
図1の領域IIを半導体基板上の構成の図示を省略して示す概略的な部分上面図である。
【図
】
図2の線III-IIIに沿う概略的な部分断面図である。
【図
】
図3の線a1-a1、線a2-a2および線b-bのそれぞれに沿う概略的な濃度プロファイルを示すグラフ図である。
【図
】
図3の第1のバッファ層の平面レイアウトを示す概略的な図である。
【図
】
図5の第1のバッファ層の非分布部を通る空乏層の先端の延びを示す概略的な部分断面図である。
【図】第1のバッファ層の不純物ピーク濃度を1×1016/cm3とし、かつ第1のバッファ層の非分布部の実効幅を10μmとしつつ、厚み方向における第1のバッファ層と第2のバッファ層との間の離間距離を5μm(実線)、10μm(破線)、20μm(一点鎖線)の各々とした場合の、IGBTのターンオフにおけるコレクタ・エミッタ間電圧の時間変化についてのシミュレーション結果を示すグラフ図である。
【図】第1のバッファ層の非分布部の実効幅を10μmとし、かつ厚み方向における第1のバッファ層と第2のバッファ層との間の離間距離を20μmとしつつ、第1のバッファ層の不純物ピーク濃度を1×1015/cm3(実線)、1×1016/cm3(破線)および1×1017/cm3(一点鎖線)の各々とした場合の、IGBTのターンオフにおけるコレクタ・エミッタ間電圧の時間変化についてのシミュレーション結果を示すグラフ図である。
【図】実施の形態1における半導体装置の製造方法の一工程を示す概略的な部分断面図である。
【図】実施の形態2における第1のバッファ層の平面レイアウトを示す概略的な図である。
【図】実施の形態3における第1のバッファ層の平面レイアウトを示す概略的な図である。
【図】実施の形態4における第1のバッファ層の平面レイアウトを示す概略的な図である。
【図】実施の形態5における半導体装置の構成を示す概略的な部分断面図である。
【図】実施の形態6における半導体装置の構成を示す概略的な部分断面図である。
【図】実施の形態7における半導体装置の構成を示す概略的な部分断面図である。
【図】実施の形態7における半導体装置の製造方法の一工程を示す概略的な部分断面図である。
【図
】
図16の変形例を示す概略的な部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【】
以下、図面に基づいて実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。本明細書において、n型半導体の不純物濃度はドナー濃度であり、p型半導体の不純物濃度はアクセプタ濃度である。また、文言「不純物濃度」は、活性化された不純物の濃度を意味する。これに対応して、文言「不純物ピーク濃度」は、活性化された不純物のピーク濃度を意味する。
【】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1における半導体装置100の構成を示す概略的な上面図である。半導体装置100は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)である。半導体装置100は、セル部22と、セル部22に設けられたゲートパッド23と、これらの周りに配置された終端部24と、を有している。セル部22は、半導体装置100が導通状態にある場合に主電流が流れる部分である。ゲートパッド23は、主電流を制御するためのゲート信号が入力されることになる部分である。なお本明細書において、後述するすべての平面レイアウトは、セル部22(
図1)についてのものである。
【】
図2は、
図1の領域IIを半導体基板SB(
図3)上の構成の図示を省略して示す概略的な部分上面図である。
図3は、
図2の線III-IIIに沿う概略的な部分断面図である。
【】
半導体装置100は、上面SF1(第1の主面)と、厚み方向において上面SF1に対向する下面SF2(第2の主面)と、を有する半導体基板SBを有している。半導体基板SBをなす半導体材料は、例えば、Si、SiC、GaN、GaAs、GaO、またはダイヤモンドである。
【】
半導体装置100は、1対の主電極を有している。具体的には、上面SF1に主電極15(第1の主電極)が設けられており、かつ、下面SF2に主電極20(第2の主電極)が設けられている。よって半導体装置100は、半導体基板SBの厚み方向に主電流が流れるように構成されている。言い換えれば、半導体装置100は縦型半導体装置である。本実施の形態においては、主電極15はエミッタ電極であり、主電極20はコレクタ電極である。なおエミッタ電極およびコレクタ電極の各々は、半導体基板SBとのオーミック接合を得るために、半導体基板SBに接する部分にシリサイド層(図示せず)を有していてよい。
【】
半導体基板SBには、n型(第1の導電型)のドリフト層3と、p型(第1の導電型と異なる第2の導電型)のベース層4と、n型の第1のバッファ層5と、n型の第2のバッファ層6と、が設けられている。また半導体基板SBには、n+型ソース層17と、n型キャリア蓄積層18と、p型コレクタ層19と、p+型コンタクト層25と、が設けられている。
【】
ドリフト層3は半導体基板SBの上面SF1と下面SF2との間に設けられている。ベース層4は、半導体基板SBの上面SF1とドリフト層3との間に設けられている。第1のバッファ層5は、ドリフト層3の中に設けられている。第2のバッファ層6は、半導体基板SBの下面SF2と第1のバッファ層5との間に設けられている。ベース層4はドリフト層3よりも不純物濃度が高い。第1のバッファ層5はドリフト層3よりも不純物濃度が高い。第2のバッファ層6はドリフト層3よりも不純物濃度が高い。
【】
半導体基板SBの上面SF1には、トレンチに埋め込まれたトレンチゲート21が設けられている。トレンチは、ベース層4に面する部分を含む側壁を有している。トレンチゲート21は、トレンチ電極21aと、トレンチ絶縁膜21bとを有している。トレンチ絶縁膜21bは半導体基板SBの上面SF1上に設けられている。トレンチ電極21aはトレンチ絶縁膜21bを介してベース層4に面している。
【】
層間絶縁膜16は、トレンチ電極21aと主電極15とを互いに隔てている。一方で、層間絶縁膜16は、主電極15がn+型ソース層17とp+型コンタクト層25とに接するようにパターニングされている。
【】
図4は、
図3の線a1-a1、線a2-a2および線b-bのそれぞれに沿う不従物濃度Nの概略的なプロファイルを示すグラフ図である。厚み方向において、第1のバッファ層5が不純物ピーク濃度を有する位置と第2のバッファ層6が不純物ピーク濃度を有する位置との間に離間距離DSが設けられている。厚み方向において第1のバッファ層5が不純物ピーク濃度を有する位置の集合は、実質的に、厚み方向に垂直な平坦面をなしていてよい。厚み方向において第2のバッファ層6が不純物ピーク濃度を有する位置の集合は、実質的に、厚み方向に垂直な平坦面をなしていていよい。第1のバッファ層5の不純物ピーク濃度(
図4参照)は、好ましくは1.0×10
16/cm
3以上であり、より好ましくは1.0×10
17/cm
3以上である。
【】
図5は、
図3の第1のバッファ層5の平面レイアウトを示す概略的な図である。厚み方向に垂直な平面レイアウトにおいて第1のバッファ層5が選択的に形成されることによって、第1のバッファ層5が厚み方向において不純物ピーク濃度(
図4参照)を有する位置は、平面レイアウトにおいて分布部PDaおよび非分布部PDbを有する分布面PDをなしている。非分布部PDbは、平面レイアウトにおいて第2のバッファ層6の不純物ピーク濃度が観察されるものの、第1のバッファ層5の厚み方向における不純物ピーク濃度が観察されない部分である(
図4の右上に示された線a2-a2に沿う濃度プロファイルを参照)。第1のバッファ層5の不純物ピーク濃度の分布面PDにおいて分布部PDaが占める面積は5%以上90%以下であることが好ましい。
【】
非分布部PDbは離間距離DSよりも小さい実効幅WDを有している。すなわち、以下の不等式WD<DSが満たされている。実効幅WDは平面レイアウトの非分布部PDbにおける分布部PDaからの最遠距離の倍である。最遠距離は、非分布部PDbにおける分布部PDaからの最遠位置FRと、分布部PDaとの間の距離である。
【】
なお
図5の平面レイアウトにおいては、非分布部PDbは円形の形状を有しており、最遠位置FRはこの円形の中心に対応する。よってこの平面レイアウトにおいては、最遠距離はこの円形の半径に対応し、実効幅WDはこの円形の直径に対応する。なお変形例として、
図5に示された分布部PDaと非分布部PDbとを互いに入れ替えた平面レイアウトが適用されてもよい。この変形例の平面レイアウトは、最遠位置FRmと、実効幅WDmとを有する。
【】
図6は、第1のバッファ層5の非分布部PDb(
図5)を通る空乏層の先端EDの延びを示す概略的な部分断面図である。厚み方向における第2のバッファ層6の方への空乏層の先端EDの延びは、非分布部PDbにおいて、最も進行しやすい。この進行の程度は実効幅WDの大きさに依存する。具体的には、実効幅WDを小さくすることによって、空乏層の先端EDの進行を抑えることができる。
【】
第1のバッファ層5はリンギングを抑制する機能を得る目的で設けられている。この機能は、本発明者らの検討によれば、非分布部PDbが存在しても、必ずしも大きく損なわれるわけではない。一方で、本発明者らの検討によれば、空乏層の先端EDが第2のバッファ層6に到達してしまうと、リンギングの発生につながる。そこで、空乏層の先端EDを第2のバッファ層6に到達しにくくすることが必要である。前述の不等式WD<DSは、この必要性によるものである。
【】
図7は、第1のバッファ層5の不純物ピーク濃度を1×10
16/cm
3とし、かつ第1のバッファ層5の非分布部PDbの実効幅WDを10μmとしつつ、厚み方向における第1のバッファ層5と第2のバッファ層6との間の離間距離DSを5μm(実線)、10μm(破線)、20μm(一点鎖線)の各々とした場合の、半導体装置100のターンオフにおけるコレクタ・エミッタ間電圧V
CEの時間変化についてのシミュレーション結果を示すグラフ図である。この結果によれば、WD<DSに対応する一点鎖線の条件においてリンギングが防止されることがわかる。
【】
図8は、第1のバッファ層5の非分布部PDbの実効幅WDを10μmとし、かつ厚み方向における第1のバッファ層5と第2のバッファ層6との間の離間距離DSを20μmとしつつ、第1のバッファ層5の不純物ピーク濃度を1×10
15/cm
3(実線)、1×10
16/cm
3(破線)および1×10
17/cm
3(一点鎖線)の各々とした場合の、半導体装置100のターンオフにおけるコレクタ・エミッタ間電圧V
CEの時間変化についてのシミュレーション結果を示すグラフ図である。この結果によれば、リンギングを抑制する効果は、第1のバッファ層5の不純物ピーク濃度が1×10
16/cm
3(破線)の条件の方が、第1のバッファ層5の不純物ピーク濃度が1×10
15/cm
3(実線)の条件に比して、顕著となっている。よって、第1のバッファ層5の不純物ピーク濃度は、1×10
16/cm
3以上であることが好ましく、リンギング抑制の観点では理想的には1×10
17/cm
3以上であることがより好ましい。
【】
図9は、実施の形態1における半導体装置100の製造方法の一工程を示す概略的な部分断面図である。この工程において、半導体基板SBの下面SF2から半導体基板SB内へ、注入マスク12を用いることによって平面レイアウトにおいて選択的に不純物が注入される。言い換えれば、注入マスク12を用いてのイオン注入が行われる。これにより、第1のバッファ層5(
図3)となる領域に、不純物が注入された層5Pが形成される。注入マスク12はフォトレジストを用いて形成されてよい。不純物の注入方向(矢印13)は、おおよそ単一の方向のみであってよい。なお
図9において注入マスク12と下面SF2との間に空間が介在しているが、注入マスク12は下面SF2上に直接設けられてもよい。その後、層5Pを加熱することによって不純物を活性化することにより、第1のバッファ層5が形成される。
【】
比較的深い位置に不純物を添加する方法としては、プロトン注入を用いるのが好適である。注入されたプロトンを加熱することによって、水素誘起ドナーを形成することができ、この場合、第1のバッファ層5は水素誘起ドナーを有する。具体的には、第1のバッファ層5の分布部PDaは水素誘起ドナーを有する。一方で、第1のバッファ層5の非分布部PDbは水素誘起ドナーを有する必要はない。水素誘起ドナーの濃度は、例えば、広がり抵抗(Spreading Resistance:SR)法を用いて評価することができる。
【】
上記のように下面SF2からのイオン注入、具体的にはプロトン注入によって第1のバッファ層5が形成された場合、プロトンが通過した領域に欠陥が発生し、その結果、当該領域の抵抗が高くなる。この影響によって、第1のバッファ層5と下面SF2との間でのドリフト層3の抵抗率は、第1のバッファ層5と上面SF1との間のドリフト層3の抵抗率よりも高くなる。
【】
なお上記以外の工程については、IGBTの製造における通常の工程が適用されてよいので、その説明を省略する。
【】
本実施の形態によれば、第1に、第1のバッファ層5の実効的な不純物濃度を、第1のバッファ層5の実際の不純物濃度によってだけでなく、第1のバッファ層5が平面レイアウトにおいて選択的に設けられていることによっても調整することができる。これにより、厚み方向における不純物濃度プロファイルの調整を過度に複雑化することなく、リンギングを抑制しやすくなる。第2に、平面レイアウトにおいて、第1のバッファ層5の非分布部PDbの実効幅WDは、厚み方向における第1のバッファ層5と第2のバッファ層6との間の離間距離DSよりも小さい。これにより、第1のバッファ層5の非分布部PDbを通って延びる空乏層が、第2のバッファ層6まで到達しにくくなる。よって、第2のバッファ層6への当該空乏層の到達に起因してのリンギングの発生が防止される。これら理由により、リンギングを抑制しつつ、半導体装置を容易に製造することができる。
【】
第1のバッファ層5の不純物ピーク濃度は、1.0×1016/cm3以上であることが好ましい。これにより、空乏層の延びを、より確実に抑制することができる。第1のバッファ層5の不純物ピーク濃度は、1.0×1017/cm3以上であることが、より好ましい。これにより、空乏層の延びを、より十分に抑制することができる。なお、第1のバッファ層5が半導体基板SBの下面SF2からの不純物注入によって形成される場合、当該注入に起因して半導体基板SBの下面SF2と第1のバッファ層5との間に欠陥が形成される。本実施の形態においては、具体的には、プロトン注入工程においてプロトンが通過した領域に欠陥が形成される。当該欠陥は、空乏層に含まれることによって高電圧が印加されると、リーク電流の原因となる電子およびホールの発生源となる。これを防止する観点でも、第1のバッファ層5の不純物濃度を、上述のように、ある程度高くしておくことが好ましい。
【】
第1のバッファ層5の不純物ピーク濃度の分布面PDにおいて分布部PDaが占める面積は5%以上であることが好ましい。これにより、ベース層4から延びる空乏層の先端ED(
図6)を第1のバッファ層5が止める機能を、より十分に確保することができる。
【】
第1のバッファ層5の不純物ピーク濃度の分布面PDにおいて分布部PDaが占める面積は90%以下であってよい。これにより、電気特性の悪化(例えば、導通抵抗の増大)を十分に避けやすくなる。
【】
なお本実施の形態においては、IGBTである半導体装置100について説明したが、半導体装置はIGBTに加えて他の素子を含んでいてよい。例えば、IGBTとフリーホイールダイオードとを含むことによって、半導体装置は逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Reverse-Conductive Insulated Gate Bipolar Transistor:RC-IGBT)とされる。また半導体装置は、IGBTとは異なるトランジスタであってもよく、例えば、金属-絶縁体-半導体電界効果トランジスタ(Metal-Insulator-Semiconductor Field-Effect Transistor:MISFET)であってよい。なおMISFETは金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor:MOSFET)であってよい。
【】
<実施の形態2>
図10は、実施の形態2における第1のバッファ層5の平面レイアウトを示す概略的な図である。本実施の形態2においては、
図5(実施の形態1)の場合と異なり、非分布部PDbは正方形の形状を有しており、最遠位置FRはこの正方形の中心に対応する。よってこの平面レイアウトにおいては、最遠距離はこの正方形の辺の長さの半分に対応し、実効幅WDはこの正方形の辺の長さに対応する。正方形に代わって長方形が用いられてもよく、その場合、実効幅WDは短辺の長さに対応する。なお変形例として、
図10に示された分布部PDaと非分布部PDbとを互いに入れ替えた平面レイアウトが適用されてもよい。この変形例の平面レイアウトは、最遠位置FRmと、実効幅WDmとを有する。なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【】
<実施の形態3>
図11は、実施の形態3における第1のバッファ層5の平面レイアウトを示す概略的な図である。本実施の形態3においては、
図5(実施の形態1)の場合と異なり、分布部PDaと非分布部PDbとがストライプ形状を構成している。よって非分布部PDbは帯形状を有しており、最遠位置FRはこの帯形状の中央を帯形状に沿って延びる直線(図示せず)に対応する。よってこの平面レイアウトにおいては、最遠距離はこの帯形状の幅の半分に対応し、実効幅WDはこの帯形状の幅に対応する。なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【】
<実施の形態4>
図12は、実施の形態4における第1のバッファ層5の平面レイアウトを示す概略的な図である。本実施の形態4においては、
図5(実施の形態1)の場合と異なり、非分布部PDbは複雑な形状を有しており、前述の実施の形態1で述べた定義に基づいて、最遠距離DFおよび最遠位置FRが図示されている。なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【】
<実施の形態5>
図13は、実施の形態5における半導体装置300の構成を示す概略的な部分断面図である。この半導体装置300は、半導体装置100(
図3:実施の形態1)と異なり、ダイオードである。半導体装置300(
図13)は、ベース層4およびp型コレクタ層19(
図3)のそれぞれに代わって、p型アノード層26(本実施の形態におけるベース層)およびn
+カソード層27を有している。また半導体装置300(
図13)はトレンチゲート21および層間絶縁膜16(
図3)を必要としない。なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1~4のいずれかの構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。本実施の形態5によれば、実施の形態1~4とほぼ同様の効果が、ダイオードの場合において得られる。
【】
<実施の形態6>
図14は、実施の形態6における半導体装置101の構成を示す概略的な部分断面図である。半導体装置101は、半導体装置100(
図3)の構成に加えてさらに、n型の第3のバッファ層10を有している。第3のバッファ層10は、第1のバッファ層5と第2のバッファ層6との間に設けられている。第3のバッファ層10は、ドリフト層3よりも不純物濃度が高い。なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1~3の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。なお本実施の形態における第3のバッファ層10は、実施の形態4の半導体装置300にも適用されてよい。本実施の形態によれば、リンギングを抑制する効果をより高めることができる。
【】
<実施の形態7>
図15は、実施の形態7における半導体装置102の構成を示す概略的な部分断面図である。半導体装置102(
図15)においては、半導体装置101(
図14:実施の形態6)と異なり、平面レイアウトにおいて第3のバッファ層10が選択的に形成されている。これによって、第3のバッファ層10が厚み方向において不純物ピーク濃度を有する位置は、平面レイアウトにおいて分布部および非分布部を有する分布面をなしている。平面レイアウトにおいて、第3のバッファ層10の分布部は第1のバッファ層5の非分布部PDbと重なりを有しており、かつ第3のバッファ層10の非分布部は第1のバッファ層5の分布部PDaと重なりを有している。平面レイアウトにおいて、第3のバッファ層10の分布部の面積は、第1のバッファ層5の分布部PDaの面積よりも大きいことが好ましい。
【】
図15に示された例においては、平面レイアウトにおいて、第1のバッファ層5の分布部PDaと第3のバッファ層10の非分布部がおおよそ同じであり、かつ、第1のバッファ層5の非分布部PDbと第3のバッファ層10の分布部がおおよそ同じである。言い換えれば、第3のバッファ層10の分布面のパターンは、第1のバッファ層5の分布面PDのパターンをおおよそ反転したものに対応している。
【】
図16は、半導体装置102の製造方法の一工程を示す概略的な部分断面図である。この工程において、半導体基板SBの下面SF2から半導体基板SB内へ、十分に薄い注入マスク12Mまたは十分に高い加速電圧を用いることによって、注入マスク12Mの開口部を経由する不純物注入と、注入マスク12Mの非開口部内を通過することによって注入エネルギーが減衰された不純物注入と、が同時に行われる。具体的には、第1のバッファ層5および第3のバッファ層10(
図15)のそれぞれが形成されることになる領域に、不純物が注入された層5Pおよび層10Pが形成される。不純物の注入方向(矢印13)は、おおよそ単一の方向のみであってよい。注入マスク12Mはフォトレジストを用いて形成されてよい。なお
図16において注入マスク12Mと下面SF2との間に空間が介在しているが、注入マスク12Mは下面SF2上に直接設けられてもよい。その後、層5Pおよび層10Pを加熱することによって不純物を活性化することにより、第1のバッファ層5および第3のバッファ層10が形成される。
【】
比較的深い位置に不純物を添加する方法としては、プロトン注入を用いるのが好適である。注入されたプロトンを加熱することによって、水素誘起ドナーを形成することができ、この場合、第1のバッファ層5および第3のバッファ層10は水素誘起ドナーを有する。
【】
図17は、
図16の変形例を示す概略的な部分断面図である。本変形例においては、注入マスク12を用いつつ、不純物の注入方向(矢印13)を変えての注入が行われる。言い換えれば、同じ注入マスク12を用いつつ、注入角度を変えての不純物注入が行われる。
図17に示された例においては、下面SF2へのほぼ垂直な注入によって層5Pが形成され、また、下面SF2への斜め注入によって層10Pが形成される。
【】
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態6の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。なお本実施の形態における第3のバッファ層10は、実施の形態4の半導体装置300にも適用されてよい。
【】
本実施の形態によれば、第1のバッファ層5と、第3のバッファ層10と、の2つのバッファ層を、これらへ異なる分布を付与しつつ、1つの注入マスクで形成することができる。前述の実施の形態6と異なり本実施の形態7においては第3のバッファ層10も平面レイアウトにおいて選択的に形成されており、これによって第3のバッファ層10の実効的な濃度を調整することができる。
【】
平面レイアウトにおいて、第3のバッファ層10の分布部の面積は、第1のバッファ層5の分布部PDaの面積よりも大きいことが好ましい。これにより、第1のバッファ層5に比して第3のバッファ層10の実効的な濃度を高めることができる。よって、ベース層4から第2のバッファ層6の方へと空乏層が延びる方向に対応して、実効的な不純物濃度が高められた構成を得やすく、これにより空乏層の延びを緩やかに止めることができる。よって、リンギングを抑制する効果が、より高められる。なお、第3のバッファ層10が平面レイアウトにおいて部分的にのみ形成されていることも、空乏層の延びを緩やかに止めることに寄与する。
【】
上記の実施の形態1~7においては半導体装置がIGBTまたはダイオードの場合について詳述したが、半導体装置はこれらに限定されるものではない。また第1の導電型がn型でありかつ第2の導電型がp型である場合について詳述したが、これらの導電型が入れ替えられも動作する半導体装置については、第1の導電型がp型であってよくかつ第2の導電型がn型であってよい。
【】
なお、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【】
<付記>
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【】
(付記1)
第1の主面(SF1)と、厚み方向において前記第1の主面(SF1)に対向する第2の主面(SF2)とを有する半導体基板(SB)に設けられた第1の導電型のドリフト層(3)と、
前記半導体基板(SB)の前記第1の主面(SF1)と前記ドリフト層(3)との間に設けられ、前記ドリフト層(3)よりも不純物濃度が高い第2の導電型のベース層(4)と、
前記ドリフト層(3)の中に設けられ、前記ドリフト層(3)よりも不純物濃度が高い前記第1の導電型の第1のバッファ層(5)と、
前記半導体基板(SB)の前記第2の主面(SF2)と前記第1のバッファ層(5)との間に設けられ、前記ドリフト層(3)よりも不純物濃度が高い前記第1の導電型の第2のバッファ層(6)と、
を備え、
前記厚み方向において、前記第1のバッファ層(5)が不純物ピーク濃度を有する位置と前記第2のバッファ層(6)が不純物ピーク濃度を有する位置との間に離間距離(DS)が設けられており、
前記厚み方向に垂直な平面レイアウトにおいて前記第1のバッファ層(5)が選択的に形成されることによって、前記第1のバッファ層(5)が前記厚み方向において前記不純物ピーク濃度を有する位置は、前記平面レイアウトにおいて分布部(PDa)および非分布部(PDb)を有する分布面(PD)をなしており、前記非分布部(PDb)は前記離間距離(DS)よりも小さい実効幅(WD)を有しており、前記実効幅(WD)は前記平面レイアウトの前記非分布部(PDb)における前記分布部(PDa)からの最遠距離の倍である、半導体装置(100~102,300)。
【】
(付記2)
前記第1のバッファ層(5)の前記不純物ピーク濃度は、1.0×1016/cm3以上である、付記1に記載の半導体装置(100~102,300)。
【】
(付記3)
前記第1のバッファ層(5)の前記不純物ピーク濃度は、1.0×1017/cm3以上である、付記1または2に記載の半導体装置(100~102,300)。
【】
(付記4)
前記第1のバッファ層(5)の前記不純物ピーク濃度の前記分布面(PD)において前記分布部(PDa)が占める面積は5%以上である、付記1から3のいずれか1項に記載の半導体装置(100~102,300)。
【】
(付記5)
前記第1のバッファ層(5)の前記不純物ピーク濃度の前記分布面(PD)において前記分布部(PDa)が占める面積は90%以下である、付記1から4のいずれか1項に記載の半導体装置(100~102,300)。
【】
(付記6)
前記第1のバッファ層(5)と前記第2のバッファ層(6)との間に、前記ドリフト層(3)よりも不純物濃度が高い前記第1の導電型の第3のバッファ層(10)をさらに備える、付記1から5のいずれか1項に記載の半導体装置(101,102)。
【】
(付記7)
前記平面レイアウトにおいて前記第3のバッファ層(10)が選択的に形成されることによって、前記第3のバッファ層(10)が前記厚み方向において不純物ピーク濃度を有する位置は、前記平面レイアウトにおいて分布部および非分布部を有する分布面をなしており、
前記平面レイアウトにおいて、前記第3のバッファ層(10)の前記分布部は前記第1のバッファ層(5)の前記非分布部(PDb)と重なりを有しており、かつ前記第3のバッファ層(10)の前記非分布部は前記第1のバッファ層(5)の前記分布部(PDa)と重なりを有している、
付記6に記載の半導体装置(102)。
【】
(付記8)
前記平面レイアウトにおいて、前記第3のバッファ層(10)の前記分布部の面積は、前記第1のバッファ層(5)の前記分布部(PDa)の面積よりも大きい、付記7に記載の半導体装置(102)。
【】
(付記9)
前記第1のバッファ層(5)と前記第2の主面(SF2)との間での前記ドリフト層(3)の抵抗率は、前記第1のバッファ層(5)と前記第1の主面(SF1)との間の前記ドリフト層(3)の抵抗率よりも高い、付記1から8のいずれか1項に記載の半導体装置(100~102,300)。
【】
(付記10)
前記第1の導電型はn型であり、かつ前記第2の導電型はp型であり、前記第1のバッファ層(5)は水素誘起ドナーを有している、付記1から9のいずれか1項に記載の半導体装置(100~102,300)。
【】
(付記11)
前記半導体装置(100~102,300)は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、金属-絶縁体-半導体電界効果トランジスタ、ダイオード、または逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタを含む、付記1から10のいずれか1項に記載の半導体装置(100~102,300)。
【】
(付記12)
前記半導体基板(SB)をなす半導体材料は、Si、SiC、GaN、GaAs、GaO、またはダイヤモンドである、付記1から11のいずれか1項に記載の半導体装置(100~102,300)。
【】
(付記13)
付記1から12のいずれか1項に記載の半導体装置(100~102,300)を製造する、半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板(SB)の前記第2の主面(SF2)から前記半導体基板(SB)内へ、注入マスク(12,12M)を用いることによって前記平面レイアウトにおいて選択的に不純物を注入する工程と、
加熱によって前記不純物を活性化することにより、前記第1のバッファ層(5)を形成する工程と、
を備える、半導体装置(100~102,300)の製造方法。
【】
(付記14)
前記注入マスク(12,12M)はフォトレジストを用いて形成される、付記13に記載の半導体装置(100~102,300)の製造方法。
【符号の説明】
【】
3 ドリフト層、4 ベース層、5 第1のバッファ層、6 第2のバッファ層、10 第3のバッファ層、12,12M 注入マスク、15 第1の主電極、20 第2の主電極、26 p型アノード層(ベース層)、100~102,300 半導体装置、DS 離間距離、PD 分布面、PDa 分布部、PDb 非分布部、SB 半導体基板、SF1 上面(第1の主面)、SF2 下面(第2の主面)、WD 実効幅。
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