(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】可撓性カップリングを備えた塞栓フィルタ
(51)【国際特許分類】
A61F 2/01 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
A61F2/01
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521090
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(85)【翻訳文提出日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 US2019056737
(87)【国際公開番号】W WO2020081814
(87)【国際公開日】2020-04-23
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ディー.モンゴメリー
(72)【発明者】
【氏名】エドワード イー.ショー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM37
(57)【要約】
記載された実施形態は、塞栓フィルタシステムを対象とする。塞栓フィルタシステムは、一般に、フィルタと、互いに対して関節運動することができる長尺要素とを含む。 幾つかの例において、フィルタは、フィルタの近位端と遠位端との間の関節運動を容易にする関節要素を含む。幾つかの例において、関節要素は、フィルタと長尺要素との間に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の端部及び第二の端部を有する長尺要素、ならびに、
取り付けセクション、前記取り付けセクションに対して遠位にある捕捉セクション及び前記取り付けセクションと前記捕捉セクションとの間の中間セクションを有するフレームを含む、塞栓フィルタアセンブリ、
を含み、前記塞栓フィルタアセンブリの取り付けセクションは、前記第一の端部及び前記第二の端部のうちの1つで前記長尺要素に結合されており、前記中間セクションは、前記フレームの捕捉セクションと前記フレームの取り付けセクションとの間で相対的な関節運動を可能にするように適合されており、前記取り付けセクション、前記捕捉セクション及び前記中間セクションは同じ材料から形成されている、メディカルデバイス。
【請求項2】
前記捕捉セクションは、前記塞栓フィルタアセンブリが現場で圧縮状態と拡張状態との間で移行するように構成されるように、前記取り付けセクションに対して半径方向に拡張可能である、先行の請求項のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項3】
前記捕捉セクションは前記中間セクションに対して半径方向に拡張可能である、先行の請求項のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項4】
前記フレームは、前記捕捉セクションが自己拡張可能であるように構成されている、先行の請求項のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項5】
前記フレームは金属合金を含む、先行の請求項のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項6】
前記金属合金はニチノールを含む、請求項5記載のメディカルデバイス。
【請求項7】
前記フレームは、前記取り付けセクション、前記捕捉セクション及び前記中間セクションが単一のモノリシック構成要素を画定するような単一体である、先行の請求項のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項8】
前記中間セクションはらせん状に成形されている、先行の請求項のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項9】
前記フレームは、本体及びそれを通って延在している管腔を有する切断管から形成されている、先行の請求項のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項10】
前記切断管はレーザ切断管である、請求項9記載のメディカルデバイス。
【請求項11】
前記中間セクションは、管の内腔を露出する管の本体を通るらせん状の切断によって画定される、請求項9~10のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項12】
前記取り付けセクション、前記捕捉セクション及び前記中間セクションは互いに取り付けられている、請求項1~8のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項13】
前記捕捉セクション及び前記中間セクションのうちの1つ以上はワイヤフレームを含む、請求項12記載のメディカルデバイス。
【請求項14】
前記中間セクションはらせん状巻線を含む、請求項13記載のメディカルデバイス。
【請求項15】
前記中間セクションは曲がるように適合されている、先行の請求項のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月17日に出願された米国仮出願第62/747,026号の利益を主張し、あらゆる目的のためにその全体を参照により本明細書に取り込む。
【背景技術】
【0002】
背景
血管内処置は、外科的アプローチよりも低侵襲性又は比較的低侵襲性の手段による血管内アクセス、診断及び/又は修復を含む、広範囲の医療ニーズに対処する。幾つかの血管内処置中に、塞栓性破片が血管系内で外れ又は循環されることがある。塞栓性破片の循環は、軽度から極度の心血管合併症を引き起こし、脳卒中、さらには死に至ることがある。
【0003】
塞栓保護デバイスは、様々な血管内処置に関連するリスクを軽減するのを助けるために、そのような血管内処置に関連して開発され、使用されてきた。幾つかの塞栓保護デバイスは、塞栓性破片を捕捉し、それを血液からろ過するように動作する。捕捉された塞栓性破片は、塞栓保護デバイスを除去する前に(例えば、能動的又は受動的に)吸引されうる。追加的又は代替的に、塞栓保護デバイスは、塞栓保護デバイスが血管系から除去されるときに塞栓保護デバイスによって塞栓性破片が保持されるように、塞栓保護デバイス内に塞栓性破片をトラップするように構成されうる。しかしながら、これらの処置の一般的なリスクは、捕捉された塞栓性破片の一部又はすべてが、除去プロセス中に血管系に意図せずに放出されることである。
【0004】
血管系内の塞栓保護デバイスの適切な配向は、塞栓性破片の捕捉及び除去を容易にする重要な要因である。しかしながら、従来のデバイスは蛇行血管系内に配置できるが、展開後にデバイスを血管系内で配向又は再配置する手段を欠くものがある。塞栓保護デバイスの配向が悪いと、例えば、塞栓保護デバイスと血管壁との間の1つ以上のギャップによって、及び/又は塞栓保護デバイスによって完全に捕捉されない塞栓性破片によって、塞栓保護デバイスをバイパスする塞栓性破片が生じる可能性があり、その結果、血管系から塞栓保護デバイスを除去するときに、塞栓性破片が意図せずに血液中に放出される。蛇行性解剖学的構造では、適切な配向は特に困難である。
【発明の概要】
【0005】
要旨
第一の例(「例1」)によれば、メディカルデバイスは、第一の端部及び第二の端部を有する長尺要素、ならびに、取り付けセクション、前記取り付けセクションに対して遠位にある捕捉セクション及び前記取り付けセクションと前記捕捉セクションとの間の中間セクションを有するフレームを含む塞栓フィルタアセンブリを含み、前記塞栓フィルタアセンブリの取り付けセクションは、前記第一の端部及び前記第二の端部のうちの1つで前記長尺要素に結合されており、前記中間セクションは、前記フレームの捕捉セクションと前記フレームの取り付けセクションとの間で相対的な関節運動を可能にするように適合されており、前記取り付けセクション、前記捕捉セクション及び前記中間セクションは同じ材料から形成されている。
【0006】
例1に加えて、別の例(「例2」)によれば、前記捕捉セクションは、塞栓フィルタアセンブリが現場で圧縮状態と拡張状態との間で移行するように構成されるように、前記取り付けセクションに対して半径方向に拡張可能である。
【0007】
例のいずれかに加えて、別の例(「例3」)によれば、前記捕捉セクションは前記中間セクションに対して半径方向に拡張可能である。
【0008】
例のいずれかに加えて、別の例(「例4」)によれば、前記フレームは、前記捕捉セクションが自己拡張可能であるように構成されている。
【0009】
例のいずれかに加えて、別の例(「例5」)によれば、前記フレームは金属合金を含む。
【0010】
例5に加えて、別の例(「例6」)によれば、前記金属合金はニチノールを含む。
【0011】
例のいずれかに加えて、別の例(「例7」)によれば、前記フレームは、前記取り付けセクション、前記捕捉セクション及び前記中間セクションが単一のモノリシック構成要素を画定するような単一体である。
【0012】
例のいずれかに加えて、別の例(「例8」)によれば、前記中間セクションはらせん状に成形されている。
【0013】
例のいずれかに加えて、別の例(「例9」)によれば、前記フレームは、本体及びそれを通って延在している管腔を有する切断管から形成されている。
【0014】
例9に加えて、別の例(「例10」)によれば、前記切断管はレーザ切断管である。
【0015】
例9~10のいずれかに加えて、別の例(「例11」)によれば、前記中間セクションは、管の内腔を露出する管の本体を通るらせん状の切断によって画定される。
【0016】
例1~8のいずれかに加えて、別の例(「例12」)によれば、前記取り付けセクション、前記捕捉セクション及び前記中間セクションは互いに取り付けられている。
【0017】
例12に加えて、別の例(「例13」)によれば、前記捕捉セクション及び前記中間セクションのうちの1つ以上はワイヤフレームを含む。
【0018】
例13に加えて、別の例(「例14」)によれば、前記中間セクションはらせん状巻線を含む。
【0019】
例のいずれかに加えて、別の例(「例15」)によれば、前記中間セクションは曲がるように適合されている。
【0020】
例のいずれかに加えて、別の例(「例16」)によれば、前記フレームの前記取り付けセクションは第一の長手方向軸を画定し、前記捕捉セクションは第二の長手方向軸を画定し、前記中間セクションは、前記第一の長手方向軸が前記第二の長手方向軸に対して最大270度偏向できるように曲がるように適合されている。
【0021】
例1~15のいずれかに加えて、別の例(「例17」)によれば、前記フレームの前記取り付けセクションは第一の長手方向軸を画定し、前記捕捉セクションは第二の長手方向軸を画定し、前記中間体セクションは、前記第一の長手方向軸が前記第二の長手方向軸に対して最大180度偏向できるように曲がるように適合されている。
【0022】
例1~15のいずれかに加えて、別の例(「例18」)によれば、前記フレームの前記取り付けセクションは第一の長手方向軸を画定し、前記捕捉セクションは第二の長手方向軸を画定し、前記中間体セクションは前記第一の長手方向軸が前記第二の長手方向軸に対して最大90度偏向できるように曲がるように適合されている。
【0023】
例のいずれかに加えて、別の例(「例19」)によれば、前記フレームは、第一の端部及び第二の端部と、前記第一の端部から前記第二の端部まで前記フレームを通って延在する管腔とを有する。
【0024】
例のいずれかに加えて、別の例(「例20」)によれば、前記塞栓フィルタアセンブリは、前記フレームに沿って配置されたフィルタ材料をさらに含む。
【0025】
例20に加えて、別の例(「例21」)によれば、前記フィルタ材料は、前記フレームの前記中間セクションに沿って配置されている。
【0026】
例20~21のいずれかに加えて、別の例(「例22」)によれば、前記フィルタ材料は約140μmを超える塞栓性破片に対して不透過性である。
【0027】
例20~22のいずれかに加えて、別の例(「例23」)によれば、前記フィルタ材料は、前記中間セクションの伸長を前記中間セクションの降伏点未満に制限するように構成されている。
【0028】
例20~23のいずれかに加えて、別の例(「例24」)によれば、前記フィルタ材料は、前記フレームの中間部分の1つ以上の曲げ及び伸長に対応するように延伸するように構成されており、前記フィルタ材料の降伏強度は前記中間部分の降伏強度を超えている。
【0029】
例20~24のいずれかに加えて、別の例(「例25」)によれば、前記フィルタ材料はポリマー材料を含む。
【0030】
例25に加えて、別の例(「例26」)によれば、前記ポリマー材料はePTFEを含む。
【0031】
例のいずれかに加えて、別の例(「例27」)によれば、前記捕捉セクション、前記取り付けセクション及び前記長尺要素のうちの1つ以上は前記中間セクションで関節運動するように動作可能である。
【0032】
別の例(「例28」)によれば、システムは、長尺要素、拡張可能部分を含むメディカルデバイス、及び、前記メディカルデバイスの拡張可能部分と前記長尺要素との間に位置するユニオンとを含み、前記ユニオンは、前記長尺要素と前記メディカルデバイスとの間のカップリングを画定し、前記メディカルデバイスの拡張可能部分は前記長尺要素の遠位端に対して遠位に延在しており、前記カップリングは、前記メディカルデバイスと前記長尺要素との間の相対的な関節運動を可能にするように適合され、前記メディカルデバイス及び前記ユニオンは同じ材料を含む。
【0033】
例28に加えて、別の例(「例29」)によれば、前記メディカルデバイスは塞栓フィルタである。
【0034】
例28~29のいずれかに加えて、別の例(「例30」)によれば、前記ユニオンは、曲がるように適合されたらせん形状部分を含む。
【0035】
例28~30のいずれかに加えて、別の例(「例31」)によれば、前記ユニオンは、塞栓性破片が前記メディカルデバイスから前記長尺要素に通過することを可能にするように適合された管腔を含み、前記ユニオンはフィルタ材料で覆われている。
【0036】
例31に加えて、別の例(「例32」)によれば、前記フィルタ材料は約140μmを超える塞栓性破片に対して不透過性である。
【0037】
例31~32のいずれかに加えて、別の例(「例33」)によれば、前記フィルタ材料は前記中間セクションの伸長を前記中間セクションの降伏点未満に制限するように構成されている。
【0038】
例31~33のいずれかに加えて、別の例(「例34」)によれば、前記フィルタ材料は、前記フレームの中間部分の1つ以上の曲げ及び伸長に対応するように延伸するように構成されており、前記フィルタ材料の降伏強度は前記中間部分の降伏強度を超えている。
【0039】
例31~34のいずれかに加えて、別の例(「例35」)によれば、前記フィルタ材料はポリマー材料を含む。
【0040】
例35に加えて、別の例(「例36」)によれば、前記ポリマー材料はePTFEを含む。
【0041】
例28~36のいずれかに加えて、別の例(「例37」)によれば、前記ユニオンは、前記長尺要素が前記メディカルデバイスに対して最大45度まで関節運動できるように構成されている。
【0042】
例28~36のいずれかに加えて、別の例(「例38」)によれば、前記ユニオンは、前記長尺要素が前記メディカルデバイスに対して最大60度まで関節運動できるように構成されている。
【0043】
例28~36のいずれかに加えて、別の例(「例39」)によれば、前記ユニオンは、前記長尺要素が前記メディカルデバイスに対して最大90度まで関節運動できるように構成されている。
【0044】
例28~36のいずれかに加えて、別の例(「例40」)によれば、前記ユニオンは、前記長尺要素が前記メディカルデバイスに対して最大180度まで関節運動できるように構成されている。
【0045】
例28~36のいずれかに加えて、別の例(「例41」)によれば、前記ユニオンは、前記長尺要素が前記メディカルデバイスに対して最大270度まで関節運動できるように構成されている。
【0046】
例のいずれかに加えて、別の例(「例42」)によれば、前記塞栓フィルタアセンブリによって捕捉された塞栓性破片は、前記長尺要素の管腔を通して吸引されうる。
【0047】
例のいずれかに加えて、別の例(「例43」)によれば、前記長尺要素は、使用前に所望の長さに切断されるように構成されている。
【0048】
別の例(「例44」)によれば、メディカルシステムは、第一の端部、第二の端部及び第一の長さを有する第一の長尺要素、ここで、前記長尺要素は、前記第一の長さを、第二のより短い長さに短縮できるように構成されている、前記第一の長尺要素の第一の端部に結合された塞栓フィルタ、ここで、前記塞栓フィルタは、半径方向に折りたたまれた構成と半径方向に拡張された構成との間で現場で移行可能であるように構成されており、前記塞栓フィルタは自己拡張可能である、を含み、前記第一の長尺要素は、第二の長尺要素内に受け入れ可能であり、その結果、前記第一の長尺要素は、前記第二の長尺要素内で前進及び後退可能であり、前記第二の長尺要素は、患者内で前進するように構成されている。
【0049】
別の例(「例45」)によれば、メディカルデバイスを組み立てる方法は、第一の長尺要素の遠位端に結合されたフィルタ構成要素を含む塞栓フィルタアセンブリを提供すること、第二の長尺要素であって、それを通して管腔が延在している第二の長尺要素を提供すること、前記第一の長尺要素の近位端を前記第二の長尺要素の管腔内に挿入すること、及び、前記第一の長尺要素の近位端が前記第二の長尺要素の近位端から引き抜かれるまで、そして前記フィルタ構成要素が第二の長尺要素の管腔内に受け入れられるまで、前記第一の長尺要素の近位端を前記第二の長尺要素の管腔を通して近位方向に前進させることを含み、その結果、前記第一の長尺要素は前記第二の長尺要素内で前進可能及び後退可能であり、前記第二の長尺要素は患者内で前進するように構成されている。
【0050】
別の例(「例46」)によれば、メディカルデバイスを組み立てる方法は、第一の長尺要素の遠位端に結合されたフィルタ構成要素を含む塞栓フィルタアセンブリを提供すること、第一の端部、第二の端部及び拘束シースを通って延在している管腔を有する拘束シースを提供すること、第二の長尺要素であって、それを通して延在している管腔を有する第二の長尺要素を提供すること、前記拘束シースの第一の端部で前記拘束シースの管腔内に前記第一の長尺要素の近位端を挿入すること、前記第一の長尺要素の近位端が前記拘束シースの第二の端部から引き抜かれるまで、そして前記フィルタ構成要素が前記拘束シースの管腔内に受け入れられるまで、前記第一の長尺要素の近位端を前記拘束シースの管腔を通して前進させること、前記第二の長尺要素の近位端で前記第二の長尺要素の管腔内に前記拘束シースの第一の端部を挿入すること、及び、前記フィルタ構成要素が前記第二の長尺要素の管腔内に受け入れられるまで、前記拘束シース及び前記第二の長尺要素に対して遠位方向に前記第一の長尺要素及び前記フィルタ構成要素を前進させることを含む。
【0051】
例46に加えて、別の例(「例47」)によれば、前記拘束シースは分割するように構成されており、この方法は、前記拘束シースを分割し、前記拘束シースを第一の長尺要素及び第二の長尺要素から除去することをさらに含む。
【0052】
例46~47のいずれかに加えて、別の例(「例48」)によれば、前記第二の長尺要素は患者内に挿入されるように構成されている。
【0053】
例48に加えて、別の例(「例49」)によれば、前記フィルタ構成要素は、前記第二の長尺要素が患者に挿入されるときに、前記第二の長尺要素の遠位端から展開可能である。
【0054】
別の例(「例50」)によれば、処置方法は、第一の長尺要素の遠位端に結合されたフィルタ構成要素を含む塞栓フィルタアセンブリを提供すること、第一の端部、第二の端部及び拘束シースを通って延在している管腔を有する拘束シースを提供すること、第二の長尺要素を通って延在している管腔を有する第二の長尺要素を提供すること、前記第一の長尺要素の近位端を、前記拘束シースの第一の端部で前記拘束シースの管腔内に挿入すること、前記第一の長尺要素の近位端が前記拘束シースの第二の端部から引き抜かれるまで、そして前記フィルタ構成要素が前記拘束シースの管腔内に受け入れられるまで、前記第一の長尺要素の近位端を前記拘束シースの管腔を通して前進させること、前記拘束シースの第一の端部を、前記第二の長尺要素の近位端で前記第二の長尺要素の管腔内に挿入すること、及び、前記フィルタ構成要素が前記第二の長尺要素の管腔内に受け入れられるまで、前記拘束シース及び第二の長尺要素に対して遠位方向に、前記第一の長尺要素及び前記フィルタ構成要素を前進させること、前記第二の長尺要素を患者内の処置領域に前進させること、及び、前記第二の長尺要素の遠位端から前記フィルタ構成要素を展開することを含む。
【0055】
例50に加えて、別の例(「例51」)によれば、前記拘束シースの第一の端部を、前記第二の長尺要素の近位端で前記第二の長尺要素の管腔内に挿入する前に、前記第二の長尺要素は患者内の処置領域に前進される。
【0056】
例50~51のいずれかに加えて、別の例(「例52」)によれば、前記拘束シースは分割するように構成されており、この方法は、前記拘束シースを分割すること及び前記拘束シースを前記第一の長尺要素及び前記第二の長尺要素から除去することをさらに含む。
【0057】
例45~52のいずれかに加えて、別の例(「例53」)によれば、前記第一の長尺要素は第一の長さを有し、前記第一の長尺要素は、前記第一の長尺要素が前記第二の長尺要素の管腔内に受け入れられた後に、前記第一の長さが第二のより短い長さに変更されうるように構成されている。
【0058】
例53に加えて、別の例(「例54」)によれば、前記第一の長尺要素は、前記長尺要素を切断して前記第一の長さを前記第二のより短い長さに変更することができるように構成されている。
【0059】
例53~54のいずれかに加えて、別の例(「例55」)によれば、前記第一の長尺要素は、前記長尺要素が前記第一の長さから前記第二のより短い長さに変更できるように、複数の所定の除去可能なセクションを含む。
【0060】
例45~55のいずれかに加えて、別の例(「例56」)によれば、前記塞栓フィルタアセンブリは、それを通って前記フィルタ構成要素から前記第一の長尺要素の近位端まで延在している管腔を含み、この方法は、前記塞栓フィルタアセンブリの管腔を流体密封するために、前記第一の長尺要素の近位端へハブを結合することを含む。
【0061】
例45~56のいずれかに加えて、別の例(「例57」)によれば、前記第二の長尺要素は、市販カテーテルである。
【0062】
例45~57のいずれかに加えて、別の例(「例58」)によれば、前記第一の長尺要素は、第一の長尺要素の直径を示すように色分けされ、第一の色は第一の直径を示し、そして第二の色は第二の異なる直径を示す。
【0063】
例45~58のいずれかに加えて、別の例(「例59」)によれば、前記フィルタ構成要素は、前記フィルタ構成要素及び前記第一の長尺要素が互いに対して角度を付けるように動作可能であるように、可撓性カップリングを介して前記第一の長尺要素に結合されている。
【0064】
例45~59のいずれかに加えて、別の例(「例59」)によれば、前記処置領域は、患者の血管系内にある。
【0065】
複数の例が開示されているが、さらに他の例は、例示的な実施例を示して記載する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、限定的なものではないと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図面の簡単な説明
添付の図面は、開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に取り込まれ、その一部を構成し、例を示し、記載とともに、開示の原理を説明するのに役立つ。
【0067】
【
図1】
図1は、幾つかの実施形態による、塞栓フィルタシステムの図である。
【0068】
【
図2】
図2は、幾つかの実施形態による、塞栓フィルタシステムのフィルタの図である。
【0069】
【
図3】
図3は、幾つかの実施形態による、塞栓フィルタシステムの図である。
【0070】
【
図4】
図4は、幾つかの実施形態による、塞栓フィルタシステムを組み立てる方法のフローチャートである。
【0071】
【
図5A-D】
図5A~5Dは、幾つかの実施形態による、塞栓フィルタシステムを組み立てる方法の図である。
【0072】
【
図5E-F】
図5E~5Fは、幾つかの実施形態による、塞栓フィルタシステムを展開する方法の図である。
【0073】
【
図6】
図6は、幾つかの実施形態による、塞栓フィルタシステムを組み立てる方法のフローチャートである。
【0074】
【
図7】
図7A~7Lは、幾つかの実施形態による、塞栓フィルタシステムを組み立てる方法の図である。
【0075】
【
図8】
図8は、幾つかの実施形態による、塞栓フィルタシステムをインプラントする方法のフローチャートである。
【0076】
【
図9】
図9は、幾つかの実施形態による、塞栓フィルタシステムで使用するための関節要素の図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
詳細な説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を例示するために誇張されている場合があり、その点で、図面は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。様々な例を記載する際に、遠位という用語は、患者の体内の処置領域に近接するかあるいは最も近い、例示的なデバイスに沿った位置を示すために使用される。近位という用語は、デバイスのユーザ又はオペレータに近接するかあるいは最も近い、例示的なデバイスに沿った位置を示すために使用される。
【0078】
本開示の様々な態様は、塞栓フィルタデバイス、システム及び方法を対象とする。例示的な塞栓フィルタシステム1000は
図1に示されている。塞栓フィルタシステム1000は、一般に、フィルタ1100及び長尺要素1200を含む。様々な例において、塞栓フィルタシステム1000は、フィルタ1100及び長尺要素1200が互いに対して自由に関節運動できるように構成されている。以下でより詳細に議論されるように、幾つかの例において、フィルタ1100は、フィルタ1100と長尺要素1200との間のそのような相対的な関節運動を容易にする1つ以上の特徴部を含み、他の例において、塞栓フィルタシステム1000は、フィルタ1100と長尺要素1200との間のそのような相対的な関節運動を容易にする1つ以上のユニオンなどの1つ以上の追加の構成要素を含む。互いに対して関節運動するように動作可能なフィルタ1100及び長尺要素1200を有する塞栓フィルタシステム1000を提供することは、塞栓フィルタシステム1000が、それ自体を受動的に配向して、フィルタ1100が部分的又は完全に展開されている血管系に対してフィルタ1100の適切な位置合わせを達成することができる。あるいは、塞栓フィルタシステム1000はまた、そのような位置合わせを達成するために、オペレータによって現場で操作されうる。
【0079】
図1に示されるように、塞栓フィルタシステム1000は、遠位端1002及び近位端1004を含む。幾つかの例において、フィルタ1100は、フィルタ1100の遠位端1102が少なくとも部分的に塞栓フィルタシステム1000の遠位端1002を画定するように、長尺要素1200から遠位方向に延在している。同様に、幾つかの例において、長尺要素1200は、長尺要素1200の近位端1202が、少なくとも部分的に、塞栓フィルタシステム1000の近位端1004を画定するように、フィルタ1100から近位方向に延在している。様々な例において、フィルタ1100の近位端1104は、長尺要素1200と結合されている。幾つかの例において、フィルタ1100の近位端1104は、長尺要素1200の遠位端1204と結合されている。幾つかの例において、フィルタ1100の近位端1104を長尺要素1200の遠位端1204と結合することは、フィルタ1100の近位端1104を長尺要素1200の遠位端1204と結合することを含み、その結果、長尺要素1200の遠位端1204はフィルタ1100の近位端1104に対して遠位に位置する(その結果、例えば、フィルタ1100及び長尺要素1200は互いに部分的にオーバーラップする)。
【0080】
様々な例において、塞栓フィルタシステム1000は、1つ以上の補助システムと組み合わせて使用することができる。例えば、
図1に示されるように、1つ以上の補助構成要素を含む1つ以上の補助システム2000は、塞栓フィルタシステム1000と組み合わせて利用されうる。幾つかの例において、補助システム2000及び/又はその構成要素は、市販(COTS)システム及び/又は構成要素であることができる。1つの非限定的な補助システム2000はCOTSカテーテルを含む。他の非限定的な補助システム2000は、引き剥がしシースを含む拘束シース、バルブ及びコネクタ、例えば、塞栓フィルタシステム1000及び補助システム2000(例えば、Tuohy-Borstコネクタ)のうちの1つ以上を通る流体逆流を制御するのに使用されるもの、及び、制御ハンドルを含む。補助システム2000は、塞栓フィルタシステム1000のデリバリー、展開、操作及び/又は除去のうちの1つ以上に関連して使用することができる。様々な例において、塞栓フィルタシステム1000は、それ自体がそのような引き剥がしシース、コネクタ及び/又は止血バルブなどのバルブのうちの1つ以上を含むことができることを理解されたい。
【0081】
塞栓フィルタシステム1000は、一般に、塞栓フィルタシステム1000の1つ以上の構成要素(例えば、フィルタ1100)が順行性であり、すなわち、処置領域と1つ以上の解剖学的領域との間にある血管系の処置領域の「下流」であるような患者の血管系内の標的部位に前進するように構成され、ここで、塞栓性破片の存在は合併症及び解剖学的構造への損傷につながる可能性がある。当業者は、システムを処置領域の下流に配置することにより、処置手順中に処置領域から外された塞栓及び他の破片が、血流とともに塞栓フィルタシステム1000に向かって移行し、そこで塞栓性破片を血液からろ過することができることを理解するであろう。
【0082】
血管又は血管系の領域内で塞栓フィルタシステム1000のフィルタ1100を適切に配向することは、血管内処置に関連して、適切な展開及び血液からの塞栓性破片の首尾よいろ過を容易にする重要な要因である。しかしながら、血管系の特定の部分において、及び/又は、特定の条件下において、血液から塞栓性破片を首尾よくろ過するように動作可能であるように塞栓フィルタを展開することは困難である。本明細書に開示される塞栓フィルタシステム1000は、血管壁などの血管系の表面に沿って受動的に位置合わせし、フィルタ1100と長尺要素1200との間に相対的な関節運動を引き起こし、したがって、血管系内でフィルタ1100の適切な位置合わせを達成する。血管系内の位置合わせは、一般に、塞栓性破片が塞栓フィルタシステム1000をバイパスすることができる経路として機能することができるフィルタ1100と血管壁との間のギャップの最小化をもたらす。ただし、幾つかの実施形態において、塞栓フィルタシステム1000はまた、オペレータが塞栓フィルタシステム1000を展開し、次に塞栓フィルタシステム1000を操作して、フィルタ1100を血管系に適切に位置合わせする能力を付与する。
【0083】
様々な例において、関節運動は、フィルタ1100が完全に展開された状態での長尺要素1200の1つ以上の前進及び後退によって達成される。例えば、フィルタ1100が血管系内に展開されている間の長尺要素1200の前進及び/又は後退は、フィルタ1100及び長尺要素1200のうちの1つ以上に圧縮又は引張荷重を与えるように動作しうる。上記のように、様々な例において、フィルタ1100は、フィルタ1100と長尺要素1200との間の相対的な関節運動を容易にする1つ以上の特徴部を含むことができるが、他の例において、塞栓フィルタシステム1000は、フィルタ1100と長尺要素1200との間の相対的な関節運動を容易にする1つ以上のユニオンなどの1つ以上の追加の構成要素を含む。様々な例において、圧縮及び/又は引張荷重を加えると、塞栓フィルタシステム1000は、1つ以上のフィルタ1100の特徴部及び/又は1つ以上の追加の構成要素を曲げさせ、偏向させ、又は、さもなければその変形を引き起こし、フィルタ1100と長尺要素1200との間の相対的な関節運動を達成する。
【0084】
一旦展開されると、塞栓フィルタシステム1000は、塞栓フィルタシステム1000が展開される血管系の領域を通って流れる血液と相互作用する。幾つかの例において、塞栓フィルタシステム1000は、血液及び/又は塞栓性破片が塞栓フィルタシステム1000を通して流れるときに、又は、さもなければ塞栓フィルタシステム1000と相互作用するときに、血液及び/又は塞栓性破片をろ過するように適合又はさもなければ構成されうる。幾つかの例において、塞栓フィルタシステム1000は、追加的に又は代替的に、周囲の血管系を通る血液及び/又は塞栓性破片の正常な又は妨げられない流れであるはずのものからの血流及び/又は塞栓性破片を再指向させる。したがって、様々な例において、塞栓フィルタシステム1000は、血液及び/又は塞栓性破片が患者の血管系のある領域を通って流れるときにろ過及び/又は再指向させるように、患者の血管系のその領域内に展開することができる。
【0085】
ここで、
図1及び
図2を参照すると、塞栓フィルタシステム1000のフィルタ1100は、遠位端及び近位端1002及び1004を有する本体1106を含む。フィルタ1100は、一般に、構造要素1108、取り付けセクション1114及び関節セクション1118を含む。幾つかの例において、関節セクション1118は、遠位端及び近位端1102及び1104の中間にあり、したがって、中間セクションと呼ばれることがある。
図2は、フィルタ1100の全周を示すフィルタ1100の2次元平面図であり、構造要素1108、取り付けセクション1114及び関節セクション1118の間の関係を示すために、解放されそして平置きにされている。
【0086】
様々な例において、フィルタ1100は、塞栓フィルタシステム1000が展開されている領域内の患者の血管系を通って流れる血液及び/又は塞栓性破片と相互作用するように構成された構造である。以下でより詳細に論じられるように、フィルタ1100又はその1つ以上の部分は、切断管、ワイヤフレーム、成形品もしくは押出品又はそれらの組み合わせから形成することができる。幾つかの例において、フィルタ1100の1つ以上の部分は、ニチノールなどの形状記憶材料から形成されることができ、その結果、その1つ以上の部分は、当業者によって理解されるような自己拡張特性を有するか又は示す。しかしながら、他の例において、フィルタ1100の1つ以上の構成要素は、拡張助材(バルーンなど)を使用することによって拡張可能とすることができる他の弾性金属から形成されうる。例えば、1つ以上の支持要素は、ポリマー又はステンレス鋼などの生体適合性金属合金から形成されうる。幾つかの例において、フィルタ1100又はその1つ以上の部分は、ポリウレタン又は高密度ナイロンなどの耐久性エラストマー材料から構成されうる。
【0087】
図1及び2に示されるように、フィルタ1100は構造要素1108を含む。構造要素1108(本明細書では捕捉セクションとも呼ばれる)は、血液及び塞栓性破片をフィルタ1100の内部領域、及び、幾つかの例では長尺要素1200に向けるか又は集中させるように構成されている。したがって、構造要素1108は、血液の流れに対する障害物として機能し、これにより、血液は、塞栓フィルタシステム1000の下流に流れる前に、塞栓フィルタシステム1000と相互作用する。様々な例において、構造要素1108は、デリバリー構成から展開構成に移行する塞栓フィルタシステム1000と組み合わせて、収縮構成(例えば、
図2)と拡張構成(例えば、
図1)との間で移行するように構成されており、その結果、塞栓フィルタシステム1000は、血流を遮断して、そこから塞栓性破片をろ過するのに役立つ、より大きな展開プロファイルにその場で展開される能力を有しながら、血管内に(例えば、小さなデリバリープロファイルで)デリバリーされることができる。
【0088】
展開構成において、フィルタ1100は、フィルタ1100の横断面積が、フィルタ1100の遠位端及び近位端1102及び1104の間のフィルタ1100に沿った2つの異なる長手方向位置で異なるという点で、一般に、トランペット、円錐又は円錐台形状を採用する。幾つかの例において、遠位端1102の横断面積は、近位端1104の横断面積よりも大きい。幾つかの例において、フィルタ1100は、一般に、例えば、
図1及び
図3に示されるように、遠位端1102から近位端1104まで先細になっている。そのような構成により、フィルタ1100が、本明細書に開示されるように、血液をフィルタ1100及び/又は長尺要素1200に注ぎ込むように動作することになる。
【0089】
様々な例において、構造要素1108は、1つ以上のブレード、メッシュ、格子、ワイヤ、リング、ストラット又は任意の他の適切な支持要素などの1つ以上の支持要素を含む。例えば、
図1及び
図2に示されるように、構造要素1108は、構造要素1108を少なくとも部分的に集合的に画定する1つ以上の閉鎖セル1112を画定するように集合的に配置される複数のストラット要素1110を含む。示されるように、これらの閉鎖セル1112は1つ以上の列(例えば、1、2、3、4又は4を超える列)で配置される。しかしながら、フィルタ1100の構造要素1108が収縮構成と拡張構成の間で移行するように動作するかぎり、ストラット要素1110の代わりに又はストラット要素1110と組み合わせて、ブレード、メッシュ、格子、ワイヤ、リング及び他の適切な支持要素を利用できることを理解されたい。
【0090】
幾つかの例において、閉鎖セル1112は、拡張構成と収縮構成との間の構造要素1108の移行に対応するか、又はそれを容易にするために形状を変化させるように構成されている。構造要素1108が拡張構成にあるとき、例えば、閉鎖セルは、
図1に示されるようにひし形であることができる。しかしながら、本明細書に示されている閉鎖セルの形状は限定的であると解釈されるべきではなく、様々な代替の形状(例えば、多角形)及び/又はサイズが考えられることが理解される。
【0091】
閉鎖セルの列の数及び/又は1列あたりの閉鎖セルの数は、所望の拡張プロファイル(例えば、展開直径)及び所望の収縮プロファイル(例えば、デリバリー直径)を達成するために増加又は減少されうることもまた理解されるべきであり、したがって、本明細書に示される例は、限定的であると解釈されるべきではない。一般に、所与の閉鎖セルのサイズ及び形状について、閉鎖セル1112の数を増やすと、拡張及び収縮プロファイル直径が増加し、閉鎖セル1112の数を減らすと、拡張及び収縮プロファイル直径が減少する。同様に、所与の閉鎖セルのサイズ及び形状、ならびに1列あたりの閉鎖セル1112の数について、閉鎖セル1112の列数を増やすと、フィルタ1100の長さが増加し、閉鎖セル1112の列数を減らすと、フィルタ1100の長さが減少する。
【0092】
様々な例において、構造要素1108に加えて、フィルタ1100は、フィルタ1100の長尺要素1200への結合を容易にするように構成された1つ以上の部分を含む。例えば、
図1及び2に示されるように、フィルタ1100は、フィルタ1100と長尺要素1200との間の結合を容易にするために長尺要素1200とインターフェースするように構成された取り付けセクション1114を含む。取り付けセクション1114は、長尺要素1200を取り付けセクション1114に固定するのを助けるように構成された1つ以上の特徴部を含むことができる。例えば、
図2に示されるように、取り付けセクション1114は複数のアパチャ1116を含む。アパチャ1116は、長尺要素1200の材料が中に存在して、フィルタ1100と長尺要素1200との間の機械的干渉を容易にすることができるレリーフを提供する。例えば、長尺要素1200は、メルトボンディング又は他の既知の方法を介してフィルタ1100と結合されうる。例えば、長尺要素1200は、紫外線(UV)硬化性接着剤(例えば、UV硬化性アクリレート)、エポキシ、フルオロエラストマー(例えば、FEP)、フルオロポリマー接着テープなどの接着剤、又は、所望に応じて他の手段を使用して、フィルタ1100と結合されうる。
【0093】
フィルタ1100の取り付けセクション1114はアパチャ1116を含んで示されているが、取り付けセクション1114は、長尺要素1200をフィルタ1100と結合するのを助けるように構成された1つ以上の他の特徴部を追加的又は代替的に含むことができ、前記特徴部は、例えば、フィルタ1100の取り付けセクション1114の周方向に又は内部もしくは外部周囲に延在している、及び/又は、取り付けセクション1114の内部又は外部に沿って長手方向に延在している1つ以上の突起(例えば、1つ以上のボス特徴部)であることを理解されたい。幾つかのそのような例において、そのような特徴部は、既知の方法に従って、フィルタに溶接されるか又は他の方法で取り付けられることができる。
【0094】
様々な実施形態において、構造要素1108と取り付けセクション1114との間に位置するのは、フィルタ1100の構造要素1108(例えば、捕捉セクション)及び取り付けセクション1114が互い位対して関節運動することができるように適合された関節セクション1118である。そのような相対的な関節運動により、構造要素1108が長尺要素1200に対して(及びその逆に)関節運動するように動作可能であることになる。
図1及び
図2に示される塞栓フィルタシステム1000は、関節セクション1118が中に統合された(例えば、フィルタ1100の遠位端及び近位端1102及び1104の間に位置する)フィルタ1100を含むが、以下により詳細に論じられるように、関節セクションは、追加的又は代替的に、フィルタと長尺要素の間に配置されうることが理解されるべきである。すなわち、関節セクションは、フィルタ及び長尺要素のそれぞれと結合された独立の構成要素として塞栓フィルタシステムに含まれることができる。
【0095】
様々な例において、関節セクション1118は、遠位セクション1120及び近位セクション1122を含み、ある長さを有する。幾つかの例において、遠位セクション1120は、関節セクション1118が構造要素1108に移行するフィルタ1100に沿った位置を画定する。同様に、幾つかの例において、近位セクション1122は、関節セクション1118が取り付けセクション1114に移行するフィルタ1100に沿った位置を画定する。
【0096】
様々な実施形態において、関節セクション1118は、一般に、フィルタ1100のコイル(例えば、らせん構造)又はスロットセグメントを含む。切断管を含む例において、コイル/らせん又はスロットセグメントを形成する管における切断部は、管の内腔が露出するように、管の厚さ全体に(例えば、管の外面から管の内面まで)延在していることを理解されたい。このような例において、管の全厚を通して切断すると、以下でさらに論じられるように、1つ以上の圧縮可能/拡張可能なギャップは形成される。管は、限定するわけではないが、金属合金(例えば、ニチノール)、ポリマー及びエラストマー材料又はそれらの組み合わせを含む弾性材料から形成することができる。例えば、関節セクション1118は、補強材のコイルで補強されたナイロンを含むことができる。
【0097】
様々な例において、関節セクション1118の特定の態様又は特徴部(例えば、らせんのピッチ又はスロットのサイズ及びそれらの間の距離)は選択されて、構造要素1108、及び、取り付けセクション1114及び長尺要素1200のうちの1つ以上が、指定された量だけ、互いに対して関節運動することができることを提供する。例えば、関節セクション1118の特定の態様又は特徴部(ピッチ「p」など)は、構造要素1108、及び、取り付け部1114及び長尺要素1200のうちの1つ以上が次のように関節運動できるように構成されることができ、その結果、その長手方向軸の間に規定される相対角度(すなわち、関節角度)は、最大30度、最大45度、最大60度、最大90度、最大180度、最大270度又は270度を超える角度であり、例えば、最大360度である。これらの相対角度は、限定することを意図したものではなく、例示を意図したものである。例えば、関節セクション1118は、最大90度~180度の間、又は最大180度~270度の間の関節角度を採用するように構成されうる。追加的に又は代替的に、幾つかの例において、関節セクション1118の長さを変更して、関節運動を容易にする特定の態様又は特徴部の数、形状及び構成(例えば、コイルの数、らせんピッチ、スロット幅)を増加、減少又はその他の方法で変更し、それによって受動関節運動の程度を変更することができる。例えば、第一のピッチで配置された第一の量のらせんコイルを有する関節セクションは、第一の程度の関節運動を提供することができ、一方、第一のピッチで配置された第二の量のらせんコイルを有する関節セクションは、第二のより大きな程度の関節運動を容易にする。様々な実施形態において、ピッチ値は、例えば、0度~90度の範囲であることができるが、様々な角度は考えられる。
【0098】
様々な例において、コイル/らせん又はスロットパターンは、関節セクション1118を形成するために管に切断されうる。あるいは、コイル/らせん又はスロットパターンは、本明細書で論じられるように、加工又は成形されうる。関節セクション1118を曲げ、偏向させ又は他の方法で変形するように適合させることにより、関節セクション1118は、ほぼ線形状態とほぼ湾曲状態との間で移行可能である。様々な例において、ほぼ線形状態は、関節セクション1118の定常状態構成であり、関節セクション1118は、システムに作用する何らかの外力の結果として湾曲するように影響されていない。
【0099】
1つ以上のコイル/らせん又はスロットカットパターンを用いて関節セクション1118を構成することにより、隣接らせん巻線又は隣接スロットの間に1つ以上のギャップ又はスペースが存在することになる。例えば、
図2に示されるように、第一のらせん巻線1126と第二のらせん巻線1128(例えば、隣接らせん巻線)との間のギャップ1124により、関節セクション1118が曲率をとることができ、それにより、らせん巻線の第一の領域におけるギャップ1124(例えば、第一の角度位置で)は、らせん巻線の第二の領域におけるギャップ1124(例えば、第一の角度位置から180度オフセットされた第二の角度位置で)と併せて減少され、維持され又は増加される。当業者はまた、ギャップ空間の減少及び/又は増加が、少なくとも部分的に、1つ以上のらせん状巻線(例えば、1126及び1128)の変形(例えば、曲げ)に起因することを理解すべきである。幾つかの例において、コイル/らせん又はスロット状パターンを含む関節セクション1118は、フルオロポリマー材料(例えば、延伸ポリテトラフルオロエチレン(「ePTFE」)、延伸変性PTFE又はPTFEの延伸コポリマー)、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、上述のいずれかの組み合わせなどの可撓性ポリマー、又はその他の材料の少なくとも1つの層の下で覆われることができる。
【0100】
様々な例において、関節セクション1118は、通常の動作条件下で弾性的に変形するように構成されうる(例えば、関節セクション1118は、所与の血管内処置中に予想される最大の関節運動に対応するように弾性変形するように構成される)。予想される動作条件下(例えば、予想される角度付けの程度)の下で弾性変形するように関節セクション1118を構成することにより、塞栓フィルタシステムは、関節セクション1118が、関節運動を引き起こすのに必要な力を取り除くと、弾力的に線形状態に戻るように弾性的に長尺要素1200に対して関節運動できることになる。そのような構成により、塞栓フィルタシステム1000は、血管内処置後の折り畳み及び除去のために線形整列していることになる。
【0101】
他の例において、関節セクション1118は、通常の動作条件下で少なくとも部分的に塑性変形するように構成されうる(例えば、関節セクション1118は、所与の血管内処置中に予想される関節運動に対応するように少なくとも部分的に変形するように構成される)。関節セクション1118を、予想される動作条件下(例えば、予想される角度付けの程度)で塑性変形するように構成することにより、塞栓フィルタシステムは、フィルタ1100が、長尺要素1200に対して非弾力的に関節運動できるようにし、その結果、必要な角度付けの程度を確立することができ、それにより、オペレータは、所望の相対的な関節運動を維持するために、長尺要素1200に力をかけ続ける必要がない。したがって、力を長尺要素1200に加えて、フィルタ1100と長尺要素1200との間に所望の程度の相対的な角度付けを生じさせることができ、それにより、相対的角度付けは、少なくとも、フィルタ1100の関節セクション1118の塑性変形の結果として維持される。幾つかのそのような例において、血管内処置後の拘束カテーテルへの塞栓フィルタシステム1000の引き込みは、関節セクション1118を真っ直ぐにし、それにより、カテーテルなどを通して、除去のために構造要素1108を長尺要素1200と再整列させる。
【0102】
上記のように、フィルタ1100は、1つ以上の形状記憶合金を含むことができ、したがって、拡張可能な1つ以上のセクションを含むことができる。したがって、様々な実施形態において、フィルタ1100は、デリバリー構成と展開構成との間で移行するように構成されており、ここで、フィルタ1100の1つの部分は、フィルタ1100の別の部分に対して拡張される。例えば、デリバリー構成において、フィルタ1100の様々なセクション(例えば、構造要素1108、関節セクション1118及び取り付けセクション1114)の各々は、以下でさらに記載されるように、デリバリーカテーテルを通す又はデリバリーカテーテル内などで、患者の血管系を通してデリバリーするように適合されたプロファイル(例えば、直径)を示す。逆に、展開構成において、フィルタ1100の様々なセクションのうちの1つ以上は、フィルタ1100の他の様々なセクションのうちの1つ以上に対して拡張される。
図1に示されるように、塞栓フィルタシステム1000は、展開構成で示されており、ここで、構造要素1108は、関節セクション1118、取り付け部1114及び長尺要素1200のそれぞれに対して拡張されている。幾つかの例において、フィルタ1100は、構造要素1108が自己拡張可能であるように構成されている。しかしながら、他の例において、フィルタ1100は、構造要素1108が拡張助材(例えば、バルーン)を使用することによって拡張可能であるように構成されている。
【0103】
様々な例において、長尺要素1200は、近位端1202及び遠位端1204を有する長手方向に延在している構造である。幾つかの例において、長尺要素1200は、フィルタ1100による塞栓フィルタシステム1000へと指向されている、血液及び/又は塞栓性破片を受けるように構成されている。したがって、幾つかの例において、長尺要素1200は管腔を含む。様々な例において、長尺要素1200は、血管系を通って前進可能であるように構成されている。したがって、長尺要素1200は、一般に、可撓性であるが、長手方向に安定であり、1つ以上のデリバリーカテーテルを通した前進を含む、血管系を通した前進に一貫する荷重条件下でのねじれ又は座屈のリスクなく圧縮可能である。幾つかの例において、長尺部材1200は、長尺部材1200の構造に安定性を追加するためのフレームワークとして、長尺部材1200の本体部分に取り付けられた、編組、巻き付け又は切断された補強部材を含むことができる。補強部材は、適切な材料で作られた複数のワイヤストランドを織ることによって編組されうる。とにかく、補強部材(例えば、補強部材を形成するワイヤ又はフィラメント)は、金属及び金属合金(例えば、ニチノール)、ポリマー材料、エラストマー材料、天然材料又は上記の任意の組み合わせから作られることができる。補強部材は、対称的に編組され(例えば、典型的な編組を形成するためのオーバー/アンダー構成での対向バイアスを用いて)、又は非対称のバイアスを有し、編組ワイヤの各ストランドは、編組ワイヤの長手方向軸に対して0°~10°、10°~20°、20°~30°、30°~40°、40°~50°、50°~60°、60°~70°、70°~80°、80°~90°又はそれらの任意の組み合わせの範囲のピッチ角度で配向される。
【0104】
したがって、長尺要素1200は、限定するわけではないが、熱可塑性ポリマー、有機ケイ素ポリマー及びポリアミドを含むメディカルグレードのポリマー材料を含む様々な材料を含むことができる。ポリエーテルブロックアミド(例えば、PEBAX(登録商標))、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びステンレス鋼は適切な非限定的な例である。長尺要素1200は、押出などの既知の方法に従って形成することができる。幾つかの例において、長尺要素1200は、長尺要素1200の材料に沿って又はその内部に延在している1つ以上の繊維又はブレードなどの1つ以上の補強要素を含むことができる。例えば、幾つかの例において、長尺要素1200はコイルで補強されたナイロン又はPEBAXを含むことができる。
【0105】
幾つかの例において、長尺要素1200は、高デュロメータ材料を使用して形成することができ、ここで、長尺要素1200の硬度は、50~60のショア硬度単位、60~70のショア硬度単位、70~80のショア硬度単位、80~90ショア硬度単位又はそれらの任意の組み合わせであることができる。このような材料としては、熱可塑性プラスチック、例えば、限定するわけではないが、ポリメチルメタクリレート(PMMA又はアクリル)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、変性ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、セルロースアセテートブチレート(CAB);ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE又はLLDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)を含む半結晶性汎用プラスチック、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、変性ポリフェニレンオキシド(Mod PPO)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル(Mod PPE)、熱可塑性ポリウレタン(TPU);ナイロン-11及びナイロン-12などのポリアミド、ポリオキシメチレン(POM又はアセタール)、ポリエチレンテレフタレート(PET、熱可塑性ポリエステル)、ポリブチレンテレフタレート(PBT、熱可塑性ポリエステル)、ポリイミド(PI、イミド化プラスチック)、ポリアミドイミド(PAI、イミド化プラスチック)、ポリベンズイミダゾール(PBI、イミド化プラスチック);ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアリールスルホン(PAS);ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、エチレン、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ペルルオロアルコキシ(PFA)を含むフルオロポリマー又はそれらの組み合わせ、コポリマー又は誘導体を挙げることができる。他の一般的に知られているメディカルグレードの材料としては、エラストマー有機ケイ素ポリマー及びポリエーテルブロックアミドが挙げられる。特に、ポリアミドとしては、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン9、ナイロン6/9及びナイロン6/6を挙げることができる。特定の実施形態において、PET、ナイロン及びPEは、高圧用途で使用される医療用バルーンのために選択されうる。幾つかの実施形態において、長尺要素1200は、破裂圧力抵抗を改善するためのブレード補強構造を含むことができる。幾つかの実施形態において、長尺要素1200は、その表面上の摩擦力を低減するために、親水性コーティング又は他のタイプの低摩擦コーティング及び/又はライナーの1つ以上の層を含むことができる。材料の具体的な選択は、バルーンの所望の特性又は意図した用途による。
【0106】
上述の補強部材は、長尺要素1200の本体部分が補強され、一方、長尺要素1200の端部がフィルタ1100の近位端1104に挿入されるように、高デュロメータ材料と組み合わせて長尺要素1200を形成することができる。幾つかの例において、高デュロメータ材料は、長尺要素1200の端部の近位端1104への結合を容易にするのに役立つ(例えば、加熱中のより大きな流れ及び機械的係合を促進することによって、及び/又は、摩擦/スティクション係合を増加させることによって)。幾つかの例において、結合は、前に説明したように、UV硬化接着剤などの接着剤を使用して支援することができる。
【0107】
幾つかの例において、長尺要素1200に入る血液及び/又は塞栓性破片は、長尺要素1200の遠位端1204から長尺要素1200の近位端1202までなど、長尺要素1200の管腔を通って流れる。幾つかの例において、1つ以上の補助システム2000は、長尺要素1200の近位端1202などで、長尺要素1200の管腔と流体結合されうる。幾つかのそのような例において、そのような補助システム2000は、長尺要素1200の管腔の内容物(例えば、塞栓性破片及び/又は血液)を吸引するように動作可能であることができる。
【0108】
幾つかの例において、長尺要素1200の管腔は、1つ以上のメディカルデバイス(例えば、ガイドワイヤ、内部人工器官)を塞栓フィルタシステム1000に近接する処置領域に通すことができる作業管腔を形成する。したがって、様々な例において、長尺要素1200の管腔は、メディカルデバイスデリバリーのための作業管腔として、かつ、流れ塞栓性破片及び/又は血液を再指向させるための構造としての両方として機能する。幾つかの例において、長尺要素1200の作業管腔は、4Fr~26Fr又はそれ以上の範囲であることができる。
【0109】
長尺要素1200の管腔を通過することができるメディカルデバイスの例としては、限定するわけではないが、カテーテル、血栓摘出デバイス、アテローム切除デバイス、塞栓摘出デバイス及びそれに関連するツール、造影剤、薬物デリバリー剤、血管内プロテーゼが挙げられ、血管内プロテーゼとしては、例えば、ステント、ステントグラフト、バルブなどが挙げられる。
【0110】
様々な実施形態において、塞栓フィルタシステム1000は、フィルタ1100の1つ以上の部分に沿って、そして場合により長尺要素1200の1つ以上の部分に沿って配置された膜を含む。例えば、
図3に示されるように、膜1300は、フィルタ1100の構造要素1108及び関節セクション1118の外部の周りに配置される。これらの例において、膜1300を関節セクション1118及び構造要素1108に沿って配置することによって、膜1300は、さもなければ構造要素1108(例えば、閉鎖セル1112)及び関節セクション1118(例えば、ギャップ1124)におけるボイドを通って自由に逃げていたであろう塞栓性破片を塞栓フィルタシステム1000内でろ過して保持するように動作する。したがって、内部管腔が露出している関節セクション(例えば、関節セクション1118)と組み合わせた膜1300を備えた構成は、フィルタ1100に対して長尺要素1200(及びその逆)を自由に関節運動する能力を維持しながら、血液から塞栓性破片をろ過するように動作可能な構成である。幾つかの例において、関節セクション1118に沿って延在している膜1300の部分は血液不透過性である。
【0111】
特定の条件下で、塞栓フィルタシステム1000を血管系から引き抜くのに必要な力は、非常に高くなる可能性がある(例えば、関節セクション1118を曲げてフィルタ1100と長尺要素1200との間の関節運動を容易にするのに必要な力よりも高い)。例えば、塞栓フィルタシステム1000の除去は、デリバリーカテーテル内で塞栓フィルタシステム1000を引き抜くことを含むことができ、これは、展開されたフィルタ1100を再折り畳みすることを含み、それにより、デリバリーカテーテルの遠位端は、塞栓フィルタシステム1000がデリバリーカテーテルの管腔内に引き込まれるときにフィルタ1100を半径方向に折り畳ませる支持面として機能する。このようにして、関節セクション1118の周りに膜1300を配置することは、関節セクション1118の引張強度を増加させるように動作する。すなわち、組み合わされた膜1300及びフィルタ1100のらせん形状/スロット材料の引張強度は、フィルタ1100のらせん形状/スロット材料の引張強度を超えている。そして、関節セクション1118の引張強度を増加させることが、関節セクション1118の可撓性(例えば、関節セクション1118が曲がる又は関節運動することができる程度)を変更する補助的効果を伴うが、フィルタ1100と長尺要素1200との間の所望の程度の関節運動を容易にするために、関節運動セクション1118において十分な程度の可撓性を維持しながら、そのようなことを行うことができる。
【0112】
膜1300は、構造要素1108の内部及び関節セクション1118の周りに追加的又は代替的に配置されうることが理解されるべきである。幾つかの例において、膜1300は、場合により、フィルタ1100の長尺要素1200及び取り付けセクション1114のオーバーラッピングセクションの部分を覆うように延在しうる。
【0113】
幾つかの例において、膜1300は、塞栓フィルタシステム1000に流入する血液及び塞栓性破片をろ過するか又はさもなければ調整するように動作する。幾つかの例において、膜1300は、特定の血液媒体に対して透過性(例えば、血液透過性)であり、特定の他の血液媒体及び/又は塞栓性破片に対して不透過性である。具体的には、幾つかの例において、膜1300は、塞栓フィルタシステム1000に流入する特定の血液媒体(例えば、赤血球、白血球、血漿、血小板など)がフィルタ1100の膜1300を透過しそして血管系に再び入ることができ、一方、膜1300は特定の他の血液媒体及び塞栓性破片に対して不透過性であるように構成されている。幾つかの例において、膜1300は、指定されたサイズ以上の塞栓性破片に対して不透過性である。すなわち、幾つかの例において、膜1300は、指定されたサイズ以上の塞栓性破片がフィルタ1100の膜1300を透過して血管系に再び入るのを阻止するように動作する。
【0114】
幾つかの例において、血管系に透過して戻ることのない塞栓フィルタシステム1000に流入する血液媒体及び塞栓性破片は、フィルタ1100内に捕捉されて保持されるか、又はさらに長尺要素1200に指向される。幾つかの例において、以下でより詳細に説明されるように、フィルタ1100は折りたたみ可能であり、その結果、フィルタ1100内に捕捉された血液媒体及び塞栓性破片は、続いて、血管系から塞栓フィルタシステム1000を除去することで除去することができる。
【0115】
幾つかの例において、長尺要素1200に指向された血液及び/又は塞栓性破片は、血管系から塞栓フィルタシステム1000を除去する前に、そこから吸引されうる。フィルタ1100内に捕捉された塞栓性破片を排出することは、塞栓フィルタシステム1000を患者の血管系から除去する際に、捕捉された塞栓性破片が意図せずに患者の血管系に放出されるリスクを最小限に抑えるのに役立つ。例えば、塞栓性破片ろ過手順中の既知のリスクは、除去中にフィルタ1100の膜1300を引き剥がすリスクである。塞栓性破片で満たされた塞栓性フィルタは、一般に、塞栓性破片のない塞栓性フィルタよりも大きな断面積を占める。この増加した断面積は、塞栓フィルタをデリバリーカテーテル内に完全に引っ込めることができる構成に塞栓フィルタを十分に折り畳む際の困難に関連しうる。フィルタがデリバリーカテーテル内に引き込まれていない場合でも、塞栓性破片で満たされた結果として、より大きな直径を有するフィルタを、蛇行血管系を通して引き抜くことは困難になる場合がある。
【0116】
膜1300は、様々な材料を含むことができ、前記材料としては、限定するわけではないが、延伸ポリテトラフルオロエチレン(「ePTFE」)、延伸変性PTFE、PTFEの延伸コポリマー、FEP、PFAなどのフルオロポリマー、ナイロン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン及びシリコーンエラストマー(例えば、SYLGARD(商標)184)、ウレタン、熱可塑性ポリウレタン、ポリプロピレンなどのポリマーが挙げられる。
【0117】
様々な例において、そのような材料の1つ以上の領域は、材料の透過性を制御するためにその中に1つ以上の穿孔を形成することによって、さらに又は代替的に変更されうる。例えば、延伸フルオロポリマー(又は別の適切なポリマー)などの材料は、指定された多孔性を達成するために材料の1つ以上の領域を穿孔することによってさらに変更されうる。例としては、材料へのレーザ切断又はレーザドリル穴又穿孔が挙げられる。織られた、編まれた又は格子構成を有する他の材料もまた、それらの透過性/多孔性に基づいて適切な材料として役立つことができる。さらに、所望の透過性は、当業者が理解するように、膜材料の層を増加又は減少させることによって達成されうる。追加的又は代替的に、膜1300の透過性は、膜材料の微細構造を操作することによって最適化されうる。幾つかのそのような例において、延伸フルオロポリマーのノード及びフィブリル構成を変更/最適化して、所望の透過性を達成することができる。例えば、延伸フルオロポリマーは、延伸フルオロポリマーのノード及びフィブリル構成が、以下の議論と一貫する指定されたサイズの塞栓性破片(及び他の血液媒体)に対して一般に不透過性であるように加工されうる。
【0118】
幾つかの例において、膜材料は、1つ以上の部分又は領域が指定されたサイズ以下の媒体に対して透過性であり、一方、1つ以上の他の部分又は領域が指定されたサイズ以上の媒体に対して不透過性であるように構成されうる。幾つかの例において、膜材料に存在する細孔又は穿孔(又はノード及びフィブリル微細構造におけるボイド)のサイズは、例えば、近位端から遠位端まで、及び/又は、1つ以上の別個の位置で変化することができる。
【0119】
様々な例において、膜1300は、膜1300が約140μm以上の塞栓性破片に対して不透過性であるように構成されうる。幾つかのそのような例において、平均細孔サイズ(又は膜1300の穿孔サイズ又はノード及びフィブリル微細構造におけるボイドサイズ)は140μm未満であることができる。他の例において、膜1300は、膜が40μm~99μmの範囲の塞栓性破片などの140μmよりも小さい塞栓性破片に対して不透過性であるように構成されうる。このような例は限定することを意図したものではない。例えば、所望に応じて、膜1300は、100μm、120μm、140μm、160μm、180μm、200μm(又はそれ以上)及びそれらの間の任意の値の塞栓性破片に対して透過性であるように構成されることができ、その場合、平均孔径(又は膜1300の穿孔サイズ又はノード及びフィブリル微細構造におけるボイドサイズ)が150μmを超える場合がある。
【0120】
様々な実施形態において、塞栓フィルタシステム1000は、デリバリー構成において血管系内の処置領域に進められ、その後、塞栓フィルタシステム1000は、展開されるか又はさもなければ展開構成に移行されるように動作可能である。デリバリー構成において、塞栓フィルタシステム1000は、ほぼ収縮構成にある。幾つかの例において、デリバリー構成において、構造要素1108は、構造要素1108が、以下でさらに論じられるように、デリバリーカテーテルを通すなど、(例えば、小さなデリバリープロファイルで)血管内にデリバリーされるように動作可能であるように、半径方向に収縮される。幾つかの例において、1つ以上の関節セクション1118、取り付けセクション1114及び長尺要素1200の1つ以上の領域は、必須ではないが、さらに半径方向に収縮されうる。展開構成において、構造要素1108は、血流を遮断して塞栓性破片をそこからろ過させるように動作可能な半径方向に拡張された構成(例えば、
図1)に移行されている。幾つかの例において、1つ以上の関節セクション1118、取り付けセクション1114及び長尺要素1200の1つ以上の領域は、必須ではないが、デリバリー構成において半径方向にさらに拡張されうる。
【0121】
血管内処置の完了後に、塞栓フィルタシステム1000は、血管系から除去されるように動作可能である。幾つかの例において、塞栓フィルタシステム1000によって捕捉された塞栓性破片は、本明細書に記載されるように、血管系から塞栓フィルタシステム1000を除去する前に、塞栓フィルタシステム1000から吸引又は他の方法で除去されうる。幾つかの例において、塞栓フィルタシステム1000を除去するために、塞栓フィルタシステム1000は、展開構成からデリバリー構成に移行される。幾つかの例において、展開構成からデリバリー構成へのそのような移行は、塞栓フィルタシステム1000の1つ以上の部分(例えば、フィルタ1100及び長尺要素1200の1つ以上の部分)の収縮を含む。例えば、様々な例において、塞栓フィルタシステム1000の除去は、フィルタ1100の構造要素1108を血管内除去に役立つプロファイル(例えば、直径)に半径方向に収縮又は圧縮することを含む。構造要素1108の直径は、塞栓フィルタシステム1000がデリバリー構成にあるときに、塞栓フィルタシステム1000が展開構成にあるときよりも小さいことが理解されるべきである。
【0122】
塞栓フィルタシステム1000は、様々な異なるデリバリー方法に関連して、血管系内の処置領域にデリバリーされるように動作可能である。したがって、塞栓フィルタシステム1000はまた、様々な異なる方法で組み立てられるように動作可能である。以下の議論は、塞栓フィルタシステム1000に関連する様々な組み立て及びデリバリー方法を詳述する。
【0123】
ここで
図4に目を向けると、塞栓フィルタシステム1000を含むメディカルデバイスアセンブリの1つの例の方法を概説するフローチャートが示されている。示されるように、工程4000は塞栓フィルタシステム1000を提供することを含む。上記のように、塞栓フィルタアセンブリは、一般に、長尺要素1200と結合されたフィルタ1100を含み、ここで、膜1300は、フィルタ1100の1つ以上の部分に沿って、場合により、長尺要素1200の1つ以上の部分に沿って延在している。工程4002は、デリバリーカテーテルを提供することを含む。様々な例において、デリバリーカテーテルは、上記の議論と一貫して、COTSデリバリーカテーテルであることができる。したがって、様々な例において、デリバリーカテーテルは、遠位端及び近位端を有する長尺要素と、前記近位端から前記遠位端までそれを通って延在している管腔とを含む。COTSデリバリーカテーテル5000は塞栓フィルタシステム1000とともに
図5Aに示されており、前記システムは、フィルタ1100、長尺要素1200及び膜1300を含む。COTSデリバリーカテーテル5000は、場合により、止血弁又は他の要素を含むことができるコネクタ5100などの1つ以上のコネクタを含むことができる。塞栓フィルタシステム1000は、パッケージ構成でコイル状に巻かれて
図5に示されていることを理解されたい。したがって、塞栓フィルタシステム1000は、使用前に解かれることが理解される。
【0124】
ここで
図4に戻ると、工程4004において、塞栓フィルタシステム1000の近位端は、デリバリーカテーテルの管腔内に挿入され、塞栓フィルタシステム1000の近位端がデリバリーカテーテルの近位端に対して近位に延在するまで、デリバリーカテーテルの管腔を通って近位方向に前進される。例えば、
図5Bに示されるように、塞栓フィルタシステム1000の近位端1004は、デリバリーカテーテル5000の遠位端5002でデリバリーカテーテル5000の管腔内に挿入され、塞栓フィルタシステム1000の近位端1004がデリバリーカテーテル5000の近位端5004に対して近位に延在するまで、デリバリーカテーテル5000の管腔を通って近位方向に前進される。
【0125】
ここで
図4に戻ると、工程4006で、塞栓フィルタシステム1000は、フィルタ1100がデリバリーカテーテル5000の管腔内に受け入れられるまで近位方向に引き込まれる。
図5C及び5Dは、デリバリーカテーテル5000に対する塞栓フィルタシステム1000の近位方向への引き込みを示し、ここで、塞栓フィルタシステム1000は、フィルタ1100が
図5Cにおいてデリバリーカテーテル5000の管腔内に部分的に受け入れられるように引き込まれ、塞栓フィルタシステム1000は、フィルタ1100が
図5Dにおけるデリバリーカテーテル5000の管腔内に完全に受け入れられるように引き込まれる。
【0126】
図5Dに示されるように、フィルタ1100がデリバリーカテーテル5000の管腔内に完全に受け入れられた状態で、デリバリーカテーテル5000は、患者の血管系に挿入され、その中の処置部位に前進され、その後、塞栓フィルタシステム1000は、デリバリーカテーテル5000に対して前進されることができ(例えば、デリバリーカテーテル5000に対して塞栓フィルタシステム1000を遠位方向に進めること及び塞栓フィルタシステム1000に対してデリバリーカテーテル5000を近位方向に引き込むことのうちの1つ以上によって)、その結果、フィルタ1100はデリバリーカテーテル5000の遠位端5002から遠位方向に延在している。幾つかの例において、上記のように、構造要素1108などのフィルタ1100の1つ以上の部分は、半径方向に拡張して血流を遮断し、そこから塞栓性破片をろ過するように構成されている。例えば、
図5E及び
図5Fに示されているのは、フィルタ1100がデリバリーカテーテル5000の遠位端5002から延在するように、デリバリーカテーテル5000に対して遠位方向に前進されている塞栓フィルタシステム1000である。
図5Eは、デリバリーカテーテル5000の遠位端5002から延在し、部分的に展開された(例えば、半径方向に拡張された)フィルタ1100の一部を示し、
図5Fは、完全に展開された(半径方向に拡張された)、デリバリーカテーテル5000の遠位端5002から延在しているフィルタ1100を示している。
図5E及び5Fは、明確にするために、体外で、塞栓フィルタシステム1000及びデリバリーカテーテル5000を用いて示されていることが理解される。
【0127】
ここで
図6に目を向けると、塞栓フィルタシステム1000を含むメディカルデバイスアセンブリのための別の例示的な方法を概説するフローチャートが示されている。示されるように、工程6000は、
図4の工程4000に関して上で同様に論じられたように、塞栓フィルタシステム1000を提供することを含む。工程6002は、
図4の工程4002に関して上で同様に論じられたように、デリバリーカテーテルを提供することを含む。工程6004は、COTS拘束シース、又は、塞栓フィルタシステム1000と組み合わせて使用するために特別に設計された拘束シースなどの拘束シースを提供することを含む。拘束シースは、場合により、分割可能であるか、又は、さもなければ、塞栓フィルタシステム1000及びデリバリーシステムから引き剥がされるように構成された拘束シースであることができる。
図7Aは、塞栓フィルタシステム1000及び拘束シース7000とともに、コネクタ5100を備えたデリバリーカテーテル5000の図を提供する。
【0128】
ここで
図6に戻ると、工程4006において、塞栓フィルタシステム1000の近位端は、拘束シースの管腔内に挿入され、塞栓フィルタシステム1000の近位端が拘束シースの近位端に対して近位に延在するまで、拘束シース7000の管腔を通って近位方向に前進される。例えば、
図7Bに示されるように、塞栓フィルタシステム1000の近位端1004は、拘束シース7000の遠位端7002で拘束シース7000の管腔内に挿入され、塞栓フィルタシステム1000の近位端1004が拘束シース7000の近位端7004に対して近位に延在するまで、拘束シース7000の管腔を通って近位方向に前進される。
【0129】
ここで
図6に戻ると、工程6008において、塞栓フィルタシステム1000は、フィルタ1100が拘束シース7000の管腔内に受け入れられるまで近位方向に引き込まれる。
図7C~7Fは、拘束シース7000に対する塞栓フィルタシステム1000の近位方向の引き込みを示し、ここで、塞栓フィルタシステム1000は、フィルタ1100が、
図7C~7Eで拘束シース7000の管腔内に部分的に受け入れられるように引き込まれ、塞栓フィルタシステム1000は、フィルタ1100が
図7Fで拘束シースの管腔内に完全に受け入れられるように引き込まれる。様々な例において、以下でさらに記載されるように、拘束シース7000に対する塞栓フィルタシステム1000の引き込みは、場合により、血管系内に挿入されたデリバリーカテーテル5000を用いて行われることができる。幾つかの例において、拘束シース7000に対する塞栓フィルタシステム1000の引き込みはまた、場合により、
図7C~7Fに示されるように、デリバリーカテーテル5000、塞栓フィルタシステム1000及び拘束シース7000のうちの1つ以上を通って延在しているガイドワイヤを用いて行われることができる。
【0130】
さらに、幾つかの例において、長尺要素1200は、近位端(例えば、
図7Dにおいてオペレータによって取り扱われている長尺要素1200の端部)上に1つ以上の可視マーカー及び遠位端(例えば、フィルタ1100に近接する)上に1つ以上の可視マーカーを有することができ、その結果、オペレータは、各マーカーの位置を観察することによって、長尺要素1200の遠位端に結合されたフィルタ1100が現在患者の体内でどれだけ遠くに配置されているかを知ることができる。幾つかの例において、近位マーカーは肉眼で見ることができ、一方、遠位マーカーは蛍光透視(例えば、放射線不透過性)の下で見ることができる。幾つかの例において、近位端及び遠位端の一方又は両方は、1つの可視マーカーのみを含む。幾つかの例において、可視マーカーは、長尺要素1200の長さの一部に沿って、規則的又は可変の増分(例えば、1mm、0.5cm、1cm、2cmの増分、又はオペレータによって有用と考えられる他の任意の適切な増分)で配置される。同様に、可視マーカーはまた、長尺要素1200の反対側の端部に、又はフィルタ1100及び/又は関節セクション1118の長さに沿って配置されうる。上述のように、幾つかの例において、遠位端に配置される可視マーカーは放射線不透過性であるマーカーであり、前記マーカーは、蛍光透視画像で見える視認性の高いタンタル又はその他の金属又は合金などの材料から作られる。近位端及び遠位端のいずれか又は両方に配置されたマーカーを使用することにより、オペレータは、患者の体内におけるフィルタ1100の相対位置をよりよく理解することができる。
【0131】
ここで
図6に戻ると、工程6010において、拘束シースの遠位端は、デリバリーカテーテルの近位端でデリバリーカテーテルの管腔内に挿入される。例えば、ここで
図7G及び
図7Hに目を向けると、塞栓フィルタシステム1000のフィルタ1100が拘束シース7000の管腔内に拘束された状態で、拘束シース7000の遠位端7002は、デリバリーカテーテル5000の近位端5004でデリバリーカテーテル5000の管腔内に挿入される。幾つかの例において、これは、拘束シース7000の遠位端7002を、コネクタ5100などのデリバリーカテーテル5000のコネクタ内に挿入することを含むことができる。
図7Gは、塞栓フィルタシステム1000のフィルタ1100が中に拘束されている拘束シース7000が、デリバリーカテーテル5000の近位端5004に向かって前進している拘束シース7000を示し、
図7Hは、デリバリーカテーテル5000の近位端5004でデリバリーカテーテル5000の管腔内に挿入された拘束シース7000の遠位端7002を示している。
【0132】
ここで
図6に戻ると、工程6012において、拘束シースの遠位端がデリバリーカテーテルの近位端でデリバリーカテーテルの管腔内に挿入された状態で、塞栓フィルタシステム1000は、フィルタ1100が、デリバリーカテーテルの管腔内に受け入れられるまで、拘束シース及びデリバリーカテーテルに対して遠位方向に前進される。例えば、
図7Iに示されるように、拘束シース7000の遠位端7002が、デリバリーカテーテルの近位端5004でデリバリーカテーテル5000の管腔内に挿入された状態で、塞栓フィルタシステム1000は、フィルタ1100がデリバリーカテーテル5000の管腔内に受け入れられるまで、拘束シース7000及びデリバリーカテーテル5000に対して矢印「A」の方向に遠位方向に前進される。
図7Jは、部分的に、フィルタ1100がデリバリー構成においてデリバリーカテーテル5000内に受け入れられ、それによって拘束されるように(例えば、半径方向に拘束される)、デリバリーカテーテル5000の管腔内に挿入された塞栓フィルタシステム1000を示す。
【0133】
ここで
図6に戻ると、塞栓フィルタシステム1000のフィルタ1100がデリバリーカテーテルの管腔内に受け入れられた後に、拘束シースは、工程6014に従って除去される。様々な例において、拘束シース7000は、除去の間にデリバリーカテーテル5000の管腔から除去される。幾つかの例において、拘束シース7000は、拘束シースの遠位端7002が塞栓フィルタシステムの近位端1004に対して遠位の位置を通過するか、又はそこに平行移動するまで、塞栓フィルタシステム1000の長尺要素1200に沿ってそしてそれに対して近位方向に前進した。しかしながら、幾つかの例において、上記のように、拘束シース7000は分割可能であるか、又は、そうでなければ塞栓フィルタシステム1000及びデリバリーカテーテル5000から引き剥がされるように構成されている。このような分割可能な拘束シースは、1つ以上のコネクタ(例えば、Tuohy-Borstコネクタ)が拘束シース7000の近位にある塞栓フィルタシステム1000の長尺要素1200に結合されている場合に除去の容易さを提供しうる。幾つかのそのような例において、分割可能な拘束シースは、拘束シース7000の近位の塞栓フィルタシステム1000の長尺要素1200に結合されたコネクタの除去を必要とせずに、塞栓フィルタシステム1000及びデリバリーカテーテル5000から除去可能である。
【0134】
そのような分割可能な拘束シース7000の除去例は
図7J及び7Kに示されており、ここで、拘束シース7000は、塞栓フィルタシステム1000及びデリバリーカテーテル5000から除去するために2つのセクションに分割されることが示されている。
図7Lは、デリバリーカテーテル5000の管腔内に完全に受け入れられたフィルタ1100を備えた塞栓フィルタシステム1000を示している。
【0135】
図7Lに示されるように、フィルタ1100がデリバリーカテーテル5000の管腔内に完全に受け入れられた状態で、デリバリーカテーテル5000は患者の血管系に挿入され、その中で処置部位に進められることができ、その後、塞栓フィルタシステム1000は、デリバリーカテーテル5000に対して前進されることができ(例えば、塞栓フィルタシステム1000をデリバリーカテーテル5000に対して遠位方向に前進させること及びデリバリーカテーテル5000を塞栓フィルタシステム1000に対して近位方向に引き込むことの1つ以上によって)、その結果、フィルタ1100はデリバリーカテーテル5000の遠位端5002から遠位方向に延在している。上記のように、構造要素1108などの1つ以上のフィルタ1100の部分は、半径方向に拡張して血流を遮断し、そこから塞栓性破片をろ過するように構成されている。
【0136】
ここで
図8に目を向けると、塞栓フィルタシステム1000を含むメディカルデバイスを患者の血管系内の領域にデリバリーするための例示的な方法を概説するフローチャートが示されている。示されるように、工程8000~8008は、
図6に関して上記で記載された工程6000~6008と一貫している。工程8010で、デリバリーカテーテルは、患者の血管系に挿入され、デリバリーカテーテルの遠位端が血管系の処置領域に配置されるまで前進される。したがって、上記の議論は、塞栓フィルタシステム1000がデリバリーカテーテル5000内に受け入れられた後に、デリバリーカテーテルを患者の血管系内の処置領域に前進させることを含むが、幾つかの例において、塞栓フィルタシステム1000をデリバリーカテーテル5000に挿入する前に、デリバリーカテーテル5000は、代わりに、患者の血管系に挿入され、デリバリーカテーテルの遠位端が血管系の処置領域に配置されるまで前進されうる。
【0137】
工程8012において、拘束シースの遠位端は、デリバリーカテーテルの近位端でデリバリーカテーテルの管腔内に挿入される。この工程は、
図6の工程6010とほぼ一貫しており、ただし、工程8012は、現場で(すなわち、デリバリーカテーテルが患者の血管系内に挿入されている間に)、デリバリーカテーテルを用いて行われている。したがって、
図7G及び7Hを参照し、ここで、拘束シース7000の遠位端7002は、デリバリーカテーテル5000の近位端5004でデリバリーカテーテル5000の管腔内に挿入されていることを示している。したがって、当業者は、本開示の発明の概念が、現場で、あるいは、血管系内の処置領域へのデリバリーカテーテルの前進の前に、デリバリーカテーテルの近位端でデリバリーカテーテルの管腔内に拘束シースを挿入する工程を行う能力を提供することを理解すべきである。
【0138】
このような用途の広いシステムにより、塞栓フィルタシステム1000が、従来のシステムではアクセスできない可能性がある血管系の遠隔領域にデリバリーされうることになる。そのようなシステムにより、塞栓フィルタシステム1000が、血管系への外傷を最小限に抑えながら、血管系の遠隔領域にデリバリーされうることにもなる。例えば、当業者は、追加の構成要素がデリバリーカテーテルの管腔内に受け入れられるときに、デリバリーカテーテルの剛性が増加することを理解するであろう。比較的に剛性のデリバリーカテーテルは、蛇行性解剖学的構造を通り抜け、血管系の特定の領域に到達するように動作できないことがあり、及び/又は、非可撓性の結果として血管系を傷つけることがある。本明細書に記載の塞栓フィルタシステム1000により、比較的に可撓性のあるデリバリーカテーテルが、デリバリーカテーテルの剛性を高めるように動作していたであろう1つ以上の追加の構成要素が血管系に配置されることなしに、血管系内の処置領域(例えば、比較的に蛇行性の領域内で又はその領域を通して)に最初に前進させることができることになる。さらに、そのような構成により、塞栓フィルタシステム1000が処置領域に進められるときに、デリバリーカテーテルが、塞栓フィルタシステム1000を周囲の血管系から分離する保護境界及び支持面として機能することができることになる。
【0139】
工程8014及び8016は、
図6に関して上記した工程6012及び6014と一貫している。同様に、上に例示及び記載したように、塞栓フィルタシステム1000のフィルタ1100がデリバリーカテーテルの管腔を通って処置部位に進められた後に、塞栓フィルタシステム1000は、デリバリーカテーテルの遠位端から展開されるように動作可能であり(例えば、デリバリーカテーテルに対して塞栓フィルタシステム1000を遠位方向に前進させること、及び、塞栓フィルタシステム1000に対してデリバリーカテーテルを近位方向に引き込むことのうちの1つ以上によって)、その結果、フィルタ1100はデリバリーカテーテルの遠位端から遠位方向に延在し、拡張して血流を遮断し、そこから塞栓性破片をろ過することが理解されるべきである。
【0140】
本明細書に例示及び記載されている塞栓フィルタシステム1000の多様性により、血管系からの塞栓フィルタシステム1000の除去及び現場でのそれの再配置も容易になる。例えば、血管系内での塞栓フィルタシステム1000の展開中又は展開後に、オペレータは、塞栓フィルタシステム1000のフィルタ1100と長尺要素1200との間の角度関係を操作して、それが展開されている血管とフィルタ1100のより良い位置合わせを達成することができる。例えば、上記のように、塞栓フィルタシステム1000は、長尺要素1200の前進及び後退に応答して屈曲又は湾曲する関節セクション1118を介して、フィルタ1100と長尺要素1200との間に相対的な関節運動が発生するように動作可能である。フィルタ1100が血管内に展開されると、フィルタの1つ以上の部分は血管壁に係合し、それにより、フィルタ1100と血管との間に係合が生じる。
【0141】
フィルタ1100が血管と係合した状態で、長尺要素1200は前進又は後退するように動作可能である。特定の条件下で、フィルタ1100が少なくとも部分的に血管壁と係合した状態で長尺要素1200を前進させると、塞栓フィルタシステム1000は圧縮荷重状態になる。フィルタ1100がそれが展開される血管と不適切に位置合わせされている場合などの特定の例において、そのような圧縮荷重状態は、塞栓フィルタシステム1000の関節セクション1118を曲げさせ、それによって、上記のように、フィルタ1100(又は少なくともその遠位端)と長尺要素1200との間の相対的な関節運動を引き起こす。逆に、特定の条件下で、フィルタ1100が少なくとも部分的に血管壁と係合した状態で長尺要素1200を後退させると、塞栓フィルタシステム1000は引張荷重状態になる。フィルタ1100が長尺要素1200と位置ずれしている場合などの特定の例において、そのような引張荷重状態は、塞栓フィルタシステム1000の関節セクション1118を真っ直ぐにし、それにより、フィルタ1100(又は少なくともその遠位端)と長尺要素1200との間の相対的な関節運動が生じ、その結果、フィルタ1100及び長尺要素1200は互いに位置合わせされるように移動する。したがって、長尺要素1200は、前進及び後退されて、フィルタ1100(又は少なくともその遠位端)と長尺要素1200との間に関節運動を引き起こすことができ、これを利用して、血管内でのフィルタ1100の適切な位置合わせを達成することができる。血管内でのフィルタ1100の適切な位置合わせは、フィルタ1100と長尺要素1200との間の位置合わせを必要とせず、また、フィルタ1100と長尺要素1200との間の位置ずれを必要とすることがあることを理解されたい。
【0142】
上記の様々な例及び図の塞栓フィルタシステム1000は、関節セクション1118が組み込まれたフィルタ1100を含むが、幾つかの代替例において、塞栓フィルタシステム1000は、追加的又は代替的に、1つ以上の独立した関節要素を含むことができ、前記関節要素はフィルタ1100に対して近位に配置され、フィルタ1100と長尺要素1200の1つ以上の部分との間の関節運動を提供する。すなわち、幾つかの例において、塞栓フィルタシステム1000は、フィルタ1100から独立した(例えば、フィルタ1100の一部ではない)関節要素を含む。例えば、フィルタ1100は、関節セクション1118をも含まない構造要素1108を含むことができる。
【0143】
このような例における関節要素は、関節要素がフィルタ1100の一体部分ではなく、代わりに独立した構成要素であり、前記構成要素がフィルタ1100及び長尺要素1200のうちの1つ以上に(直接的又は間接的に)結合されているという例外を除いて、上記のフィルタ1100の関節セクション1118と機能的に一貫した形態であることができる。したがって、幾つかの例において、関節要素は、らせん状に切断又はスロットされた管状構造を含む。上記のように、切断管を含む例において、コイル/らせん又はスロットセグメントを形成するための管の切断は、管の厚さを通して(例えば、管の外面から管の内面まで)延在し、その結果、管の内腔は露出される。管のそのような全厚の切断は、管の1つ以上の関連部分の曲げ(例えば、1つ以上のらせん状巻線の曲げ)に対応することができるギャップを提供する。
【0144】
図9は、例示的な関節要素9000を示す。示されるように、関節要素は、第一の端部9002及び第二の端部9004を有する。第一の端部及び第二の端部9002及び9004は、フィルタ1100及び長尺要素1200のうちの1つ以上とインターフェースするように構成されうる。例えば、幾つかの例において、関節要素9000の第一の端部9002をフィルタ1100の近位端1104に結合することによって、及び、関節要素9000の第二の端部9004を長尺要素1200の遠位端1204(又は遠位部分)に結合することによって、関節要素9000を塞栓フィルタシステム1000に組み込むことができる。このような例において、関節要素9000は、フィルタ1100と長尺要素1200との間に配置され、その結果、フィルタ1100及び長尺要素1200は互いに対して自由に関節運動することができる。
【0145】
さらに、示されるように、関節要素9000は、らせん状巻線9006及び9008などの複数のらせん状巻線を含む。幾つかの例において、上記のように、らせん状巻線は、管の厚さを通して切断することに関連してらせん状パターンで形成され、1つ以上のらせん状巻線を形成する。様々な例において、隣接するらせん状巻線は、らせん状ギャップ9010によって互いに分離されている。示されるように、らせん状ギャップ9010は、関節要素9000の管腔9012を露出させる。
【0146】
様々な例において、そして上記の議論と一貫して、関節セクション1118に加えて、又はその代わりに、関節要素9000を有する塞栓フィルタシステム1000などの塞栓フィルタシステムは、膜1300が、関節要素9000の外部及び関節要素9000の内腔壁のうちの1つ以上に沿って延在しているように構成されうる。したがって、膜1300は、ギャップ9010を通って逃げる血液から塞栓性破片をろ過するように動作可能である。すなわち、膜1300は、塞栓性破片が関節要素9000におけるギャップ9010を通って塞栓フィルタシステムから逃げるのを防ぐように動作可能である。幾つかの例において、膜1300は関節要素9000の領域において血液不透過性であることができる。
【0147】
幾つかの実施形態において、長尺要素1200は、その長さが血管内処置に関連して容易に変更されうるように構成されている。例えば、幾つかの例において、長尺要素1200は、長尺要素の長さを第一の長さから第二のより短い長さに変更することができるように切断されるように動作可能である。幾つかの例において、長尺要素1200は、塞栓フィルタシステム1000がデリバリーカテーテル5000の管腔内に受け入れられている間に長尺要素1200の長さを変更できるように構成されている。幾つかの例において、取り付け可能/取り外し可能なハブは長尺要素1200の近位端に結合され、デリバリーカテーテル5000の管腔を流体的に密封する。例えば、ハブは、適宜、長尺要素1200の近位端に漏れのない接続を形成するために使用されるものとして、ルアーテーパー接続、ホースバーブ接続又はそれらの組み合わせ(例えば、ルアー/バーブフィッティング接続)を有することができる。幾つかの例において、ハブは、長尺要素1200の近位端に恒久的に取り付けられるか又は結合されることができ、他の例において、ハブは、それに取り外し可能に取り付けられることができる。
【0148】
幾つかの例において、長尺要素1200は、除去されるように構成された複数の所定のセクションを含む。例えば、幾つかの例において、長尺要素1200は、第一の除去可能セクション及び第二の除去可能セクションのいずれか又は両方を取り外して、第一の長さから第二のより短い長さに長尺要素の長さを変更することができるように、第一の除去可能セクション及び第二の除去可能セクションを含む。幾つかの例において、除去可能セクションは、切断によって除去されるように構成されうる。他の幾つかの例において、除去可能セクションは、長尺要素1200の残りの部分に対して除去可能セクションをねじる、曲げる又は引っ張ることによって追加的又は代替的に除去されるように構成されうる。
【0149】
幾つかの例において、長尺要素1200などの塞栓フィルタシステム1000の1つ以上の部分又は構成要素は、長尺要素1200の直径を示すように色分けすることができ、ここで、第一の色は第一の直径(例えば、6Fr)を示し、そして、第二の色は第二の異なる直径を示す。このような色分けは、血管内処置に関連してCOTSデリバリーカテーテルとともに使用するための適切な直径をユーザが特定するのに役立つことができる。
【0150】
本明細書で論じられる構成は、異なる用途のためにスケールアップ又はスケールダウンすることができるという点でスケーラブルであることを理解されたい。すなわち、本明細書で論じられる特定の構成は、例えば、大動脈弓内の配置に関連して図示及び記載されているが、システムの多様性は、患者の血管系の他の実質的に任意の領域での実装を提供する。例えば、本明細書で論じられる様々な構成は、腕頭動脈及び/又は頸動脈及び/又は鎖骨下動脈などの様々な末梢血管及び管腔内での適用のためにスケーリングされうる。同様に、大動脈弓に関連するときに、本開示は、大腿骨、経心尖部及び開胸アプローチに関連して使用することができる。さらに、本開示は、心臓に近接する血管への用途を限定するものとして解釈されるべきではない。例えば、本明細書に記載のデバイス及びシステムは、心臓の上下の血管系を含む体の血管系全体に実装されて、他の様々な血管再建術中の塞栓性破片の移動を防止することができる。さらに、実施形態は、ヒトだけでなく、哺乳動物の解剖学的構造を有する様々な生物にも関連して使用することができる。したがって、本明細書に記載の実施形態は、本開示の範囲内の変更及び変形を網羅することが意図されている。したがって、塞栓フィルタシステム1000は、様々な異なるサイズで形成することができ、これは、塞栓フィルタシステム1000を様々なサイズのCOTSデリバリーカテーテルに関連して使用できる様々なサイズで製造することができるように、場合によりCOTSデリバリーカテーテルサイズに基づくことができる。上記のように、塞栓フィルタシステム1000の1つ以上の構成要素は、そのようなサイジングに基づいて色分けされうる。
【0151】
本出願の発明の範囲は、一般的に及び特定の例に関して両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、例において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。同様に、本明細書で論じられた実施例で論じられる様々な構成要素は組み合わせ可能である。したがって、実施例は、本発明の範囲の変更及び変形を網羅することが意図されている。
【国際調査報告】