(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】アライメント窓を有する粒子選別モジュール、システム、およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
G01N 15/14 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
G01N15/14 K
G01N15/14 A
G01N15/14 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521483
(86)(22)【出願日】2019-07-30
(85)【翻訳文提出日】2021-04-20
(86)【国際出願番号】 US2019044215
(87)【国際公開番号】W WO2020091866
(87)【国際公開日】2020-05-07
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】デムスキー,カイル
(72)【発明者】
【氏名】ランキラ,ヘンリー
(57)【要約】
本開示の態様は、偏向されたフローストリームの液滴を視覚化するように構成された開口部を有する粒子選別モジュールを含む。特定の実施形態による粒子選別モジュールは、近位端と、遠位端と、それらの間の壁であって、フローストリームを遠位端の1つ以上の試料容器と整列させるように構成されている、この壁内に位置付けられた開口部を有する、壁とを有するハウジングを備える。フローストリームを1つ以上の試料容器と整列させ、試料(例えば、生体試料)の粒子を選別するためのシステムおよび方法も、提供される。粒子選別システムと結合するために、また主題の方法を実施するために好適な粒子選別モジュールのうちの1つ以上を有するキットも、記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏向されたフローストリームの液滴を視覚化するように構成されている開口部を備える粒子選別モジュール。
【請求項2】
前記粒子選別モジュールは、
近位端と、遠位端と、それらの間の壁とを備えており、前記開口部が前記壁内に位置付けられているハウジングと、
液滴デフレクタと
を備える、請求項1に記載の粒子選別モジュール。
【請求項3】
前記開口部が、前記液滴デフレクタから下流に位置付けられている、請求項2に記載の粒子選別モジュール。
【請求項4】
ハウジングの遠位端で1つ以上のポートが、1つ以上の試料収集容器に結合するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の粒子選別モジュール。
【請求項5】
前記開口部が、前記フローストリームを前記1つ以上のポートと整列させるように構成されている、請求項4に記載の粒子選別モジュール。
【請求項6】
前記開口部が、液滴デフレクタと、前記ハウジングの前記遠位端との間に位置付けられている、請求項4に記載の粒子選別モジュール。
【請求項7】
前記開口部は、光学調整部品を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の粒子選別モジュール。
【請求項8】
前記光学調整部品は、偏向されたフローストリームからの液滴上に光照射を集束させるように構成された集束レンズを備える、請求項7に記載の粒子選別モジュール。
【請求項9】
前記ハウジングの前記遠位端に結合された廃液収集容器と2つの試料収集容器とをさらに備える、請求項4~8のいずれか一項に記載の粒子選別モジュール。
【請求項10】
ハウジングの近位端に位置付けられており、オリフィスを備えるフローセルノズルと、
前記フローセルノズルのオリフィスと流体連通する試料検査領域と
をさらに備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の粒子選別モジュール。
【請求項11】
前記試料検査領域内に位置付けられたキュベットをさらに備える、請求項10に記載の粒子選別モジュール。
【請求項12】
ハウジングの近位端の試料入口と、前記ハウジングの前記近位端のシース流体入口とをさらに備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の粒子選別モジュール。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の粒子選別モジュールを備えるシステム。
【請求項14】
フローストリームを粒子選別モジュールの遠位端の1つ以上のポートと整列させる方法であって、
請求項1~12のいずれか一項に記載の粒子選別モジュール内の開口部を通して画像をキャプチャすることと、
水平軸に沿って、前記遠位端で前記ポートの各々について境界の撮像された開口部内でのピクセル位置を計算することと、
前記撮像された開口部内での各ポートについて境界の計算されたピクセル位置に基づいて、前記フローストリームを前記ポートと整列させることと
を含む、方法。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか一項に記載の粒子選別モジュールを備えるキット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
選別フローサイトメータなどのフロー式粒子選別システムは、粒子の少なくとも1つの測定された特性に基づいて、流体試料中の粒子を選別するために使用される。
【0002】
フロー式粒子選別システムにおいて、流体懸濁液中の分子、分析物結合ビーズ、または個々の細胞などの粒子は、センサーがストリーム中に含有する、選別されるタイプの粒子を検出する検出領域によって、ストリーム中を通過する。センサーは、選別されるタイプの粒子を検出すると、関心の粒子を選択的に単離する選別機構をトリガする。
【0003】
粒子検知は、通常、1つ以上のレーザーからの照射光に粒子がさらされ、粒子の光散乱特性および蛍光特性が測定される検出領域に流体ストリームを通過させることによって実行される。粒子またはその成分は、検出を容易にするために、蛍光色素で標識され得、スペクトル的に異なる蛍光色素を使用して、異なる粒子または成分を標識することによって、多数の異なる粒子または成分が、同時に検出され得る。検出は、各異なる蛍光色素の蛍光の独立した測定を容易にするために、1つ以上の光センサーを使用して実行される。
【0004】
試料中の粒子を選別するために、液滴帯電機構が、フローストリームのブレークオフポイントで、選別されるタイプの粒子を含むフローストリームの液滴に電荷を帯電する。液滴は、静電場を通過させられ、液滴の極性および電荷の大きさに基づいて、1つ以上の収集容器内に偏向される。帯電していない液滴は、静電場によって偏向されない。
【発明の概要】
【0005】
本開示の態様は、偏向されたフローストリームの液滴を視覚化するように構成される開口部を有する粒子選別モジュールを含む。特定の実施形態による粒子選別モジュールは、近位端と、遠位端と、それらの間の壁であって、フローストリームを遠位端の1つ以上の試料容器と整列させるように構成される、この壁内に位置付けられた開口部を有する、壁と、を有するハウジングを備える。いくつかの実施形態では、開口部は、フローストリームの液滴を1つ以上の試料容器内に偏向する液滴デフレクタから下流の壁内に位置付けられる。いくつかの例では、開口部は、液滴デフレクタから0.5cm~5cmに位置付けられる。他の例では、開口部は、粒子選別モジュールの遠位端で試料容器から0.5cm~5cmに位置付けられる。いくつかの実施形態では、開口部は、照射源からの光を偏向されたフローストリーム上に伝播するための集束レンズなどの光学調整部品を含む。他の実施形態では、光学調整部品は、透明な光学窓である。特定の例では、透明な光学窓は、ハウジングの遠位端で1つ以上の試料容器の境界と関連付けられた1つ以上のマーキングなどの1つ以上の基準識別子を含み得る。いくつかの例では、基準識別子は、ハウジングの遠位端の中心を示すマーキングを含む。特定の例では、粒子選別モジュールは、遠位端に結合された廃液容器と、2つの試料容器とを備える。いくつかの実施形態では、透明な光学窓は、廃液容器および2つの試料容器の境界と関連付けられたマーキングを含む。特定の実施形態では、関心の粒子選別モジュールは、ハウジングの近位端に位置付けられたフローセルノズルと、このフローセルノズルと流体連通する試料検査領域とを備える。いくつかの例では、試料検査領域は、キュベット(例えば、ガラスまたはプラスチックキュベット)を有する。いくつかの粒子選別モジュールでは、キュベットは共成形されている。他の粒子選別モジュールでは、キュベットは、接着剤で固定されている。さらに他の粒子選別モジュールでは、キュベットは、粒子選別モジュールと一体である。粒子選別モジュールはまた、近位端に、試料入口およびシース流体入口のうちの1つ以上を備え得る。
【0006】
本開示の態様は、フローストリームを1つ以上の試料容器と整列させ、試料(例えば、生体試料)の粒子を選別するためのシステムも含む。特定の実施形態によるシステムは、例えば、上述のように、偏向されたフローストリームの液滴を視覚化するための開口部を有する粒子選別モジュールと、開口部を通して、偏向されたフローストリームの1つ以上の画像をキャプチャするように構成された撮像センサーとを備える。いくつかの実施形態では、システムは、開口部を通してフローストリームを照射するためのレーザーを備える。開口部は、集束レンズまたは透明な光学窓などの1つ以上の光学調整部品を含み得る。特定の実施形態では、システムは、プロセッサであって、このプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有する、プロセッサを備え、このメモリは、記憶された命令を含み、これらの命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、粒子選別モジュールの開口部の画像をキャプチャして、撮像された開口部を取得することと、水平軸に沿って、ハウジングの遠位端でポートの各々について境界の撮像された開口部内でのピクセル位置を計算することとを行わせる。これらの実施形態では、ピクセル位置を計算することは、水平軸に沿って、撮像された開口部全体の総ピクセル数を計算することと、総ピクセル数に所定の比率を乗算することとを含み得る。所定の比率は、特定の例では、撮像された開口部内での各ポートの境界のピクセル数を、水平軸に沿った、撮像された開口部全体の総ピクセル数で除算することによって計算される。いくつかの実施形態では、システムは、記憶された命令を有するメモリを備え、これらの命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、フローストリームをハウジングの遠位端でポートのうちの1つと整列させる。他の実施形態では、システムは、記憶された命令を有するメモリを備え、これらの命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、フローストリームをハウジングの遠位端でポートのうちの1つの中心と整列させる。さらに他の実施形態では、システムは、記憶された命令を有するメモリを備え、これらの命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、フローストリームをハウジングの遠位端の中心と整列させる。関心のシステムは、フローストリーム内の試料(例えば、生体試料)の粒子を選別するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、試料流体送達サブシステムと、粒子選別モジュールの近位端で入口と流体連通するシース流体送達サブシステムとをさらに備える。特定の例では、廃液タンクは、粒子選別モジュールからの出口に結合される。
【0007】
本開示の態様は、フローストリームを粒子選別モジュールの遠位端の1つ以上のポートと整列させるための方法も含む。特定の実施形態による方法は、フローストリームの液滴を視覚化するように構成される粒子選別モジュール内の開口部を通して画像をキャプチャすることと、水平軸に沿って、遠位端でポートの各々について境界の撮像された開口部内でのピクセル位置を計算することと、撮像された開口部内での各ポートの境界の計算されたピクセル位置に基づいて、フローストリームをポートと整列させることとを含む。いくつかの実施形態では、ピクセル位置を計算することは、水平軸に沿った、撮像された開口部全体の総ピクセル数を計算することと、総ピクセル数に所定の比率を乗算することとを含む。特定の例では、方法は、撮像された開口部内での各ポートの境界のピクセル数を、水平軸に沿った、撮像された開口部全体の総ピクセル数で割ることによって、所定の比率を計算することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、開口部を通して、フローストリームをレーザーなどの光源で照射することを含む。特定の例による方法は、フローストリーム内の粒子を選別することも含む。いくつかの実施形態では、方法は、粒子選別モジュールの検査領域内のフローストリーム内の粒子を有する試料を光源で照射することと、試料からの光を検出することと、粒子選別モジュールの遠位端で1つ以上の試料容器内に粒子を分離するために十分な偏向力をフローストリーム内の粒子に印加することとを含む。特定の実施形態では、試料は、生体試料であり、方法は、2つ以上の異なるタイプの細胞を選別し、収集することを含む。
【0008】
主題の粒子選別モジュールのうちの1つ以上を有するキットも、提供される。特定の実施形態によるキットは、偏向されたフローストリームの液滴を視覚化するように構成された開口部と、粒子選別モジュールに結合するための1つ以上の試料収集容器とを有する粒子選別モジュールを備える。関心のキットは、液滴デフレクタも備え得る。いくつかの実施形態では、粒子選別モジュールは、試料入口およびシース流体入口のうちの1つ以上を有し、キットは、粒子選別モジュールを試料流体送達システムと、シース流体送達システムとに結合するための1つ以上のコネクタを備え得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、添付の図面と併せて読まれたときに、以下の詳細な説明から最もよく理解され得る。図面には、以下の図が含まれる。
【0010】
【
図1】特定の実施形態による、粒子選別モジュールの遠位端で試料収集ポートの境界を決定するための例示的な計算を示す。
【
図2】特定の実施形態による、偏向されたフローストリームの液滴を視覚化するように構成された開口部を有する粒子選別モジュールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の態様は、偏向されたフローストリームの液滴を視覚化するように構成される開口部を有する粒子選別モジュールを含む。特定の実施形態による粒子選別モジュールは、近位端と、遠位端と、それらの間の壁であって、フローストリームを遠位端の1つ以上の試料容器と整列させるように構成される、この壁内に位置付けられた開口部を有する、壁とを有するハウジングを備える。フローストリームを1つ以上の試料容器と整列させ、試料(例えば、生体試料)の粒子を選別するためのシステムおよび方法も、提供される。粒子選別システムと結合するために、および主題の方法を実施するために好適な粒子選別モジュールのうちの1つ以上を備えるキットも、記載される。
【0012】
本発明が詳細に説明される前に、本発明は、記載された特定の実施形態に限定されるのではなく、そのため、当然ながら変更可能であることが理解されるべきである。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0013】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしない限り、その範囲の上限と下限との間の、下限の単位の10分の1までの各中間値、およびこの記載の範囲内の任意の他の記載される値または中間値が本発明に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立してより小さい範囲に含まれてもよく、記載の範囲において任意の具体的に除外された限界に従って、同様に本発明に包含される。記載された範囲が限界の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除外する範囲も、同様に本発明に含まれる。
【0014】
本明細書では、数値の前に「約」という用語が付されて、特定の範囲が提示される。用語「約」は、本明細書では、その用語が先行する正確な数、ならびにその用語が先行する数に近いか、または近似する数に対する文字上のサポートを提供するために使用される。ある数が具体的に記載された数に近いか、または近似するか否かを判定するとき、その近いまたは近似する記載されない数は、それが提示されている文脈において、具体的に記載されている数の実質的な等価物を提供する数であり得る。
【0015】
別段の定義がされない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料も、本発明の実施または試験に使用され得るが、代表的な例示的な方法および材料が、以下に記載される。
【0016】
本明細書で引用されるすべての刊行物および特許は、あたかも各個々の刊行物または特許が、参照することによって組み込まれるように具体的かつ個々に示されているかのように、参照することによって本明細書に組み込まれ、方法および/または材料を開示および記載するために、参照によって本明細書に組み込まれ、それらの方法および/または材料に関連して刊行物が引用される。任意の刊行物の引用は、出願日以前のその開示に関するものであり、本発明が、先行発明を理由に、そのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供された公開日は、実際の公開日と異なる場合があり、実際の公開日は、独立して確認される必要がある場合がある。
【0017】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈において明確に別段の指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、あらゆる選択肢的要素を除外するように起草され得ることにさらに留意されたい。したがって、この記述は、特許請求要素の列挙に関連した「もっぱら(solely)」および「のみ(only)」などの排他的用語の使用のための、または「消極的な」限定の使用のための先行詞として機能することが意図される。
【0018】
本開示を読むことにより当業者には明らかになるように、本明細書に記載および図示される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲または趣旨を逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、またはそれらと組み合わされ得る個別の構成要素および特徴を有する。あらゆる記載された方法は、記載された事象の順序、または論理的に可能な任意の他の順序で実施され得る。
【0019】
装置および方法は、文法的な流動性のために機能的説明と共に記述されてきた、または記述されるが、米国特許法第112条に基づいて明確に記載されていない限り、特許請求の範囲は、必ずしも「手段」または「ステップ」の限定の解釈によって限定されると解釈すべきではなく、法的均等論の下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味および等価物の完全な範囲を付与されるべきであり、特許請求の範囲が米国特許法第112条に基づいて明確に記載されている場合には、米国特許法第112条に基づく完全な法的等価物を付与されるべきであることを明確に理解されたい。
【0020】
上記で要約したように、本開示は、生体試料内の細胞などの、試料の粒子成分を選別するための粒子選別モジュールを提供する。本開示の実施形態のさらなる説明において、偏向されたフローストリームの液滴を視覚化するように(例えば、偏向されたフローストリームを1つ以上の試料収集容器と整列させるように)構成された開口部を有する粒子選別モジュールが、最初に、より詳細に説明される。次に、試料内の粒子を分離するための粒子選別システムおよび方法が、説明される。粒子選別システムと結合するために、および主題の方法を実施するために好適な1つ以上の粒子選別モジュールを備えるキットも、提供される。
【0021】
フローストリームを視覚化するための開口部を有する粒子選別モジュール
上記で要約したように、本開示の態様は、偏向されたフローストリームの液滴を視覚化するように構成される開口部を有する粒子選別モジュールを含む。実施形態では、主題の粒子選別モジュールは、生体試料内の細胞などの、試料の成分を選別するように構成される。「選別する」という用語は、本明細書では、試料の成分(例えば、細胞、生体高分子などの非細胞粒子)を分離すること、および、いくつかの例では、以下に記載されるように、分離された成分を、試料収集容器に結合された1つ以上のポートに送達することを指すために、一般的な意味で使用される。例えば、主題の粒子選別モジュールは、例えば、3個以上の成分、例えば、4個以上の成分、例えば、5個以上の成分、例えば、10個以上の成分、例えば、15個以上の成分、および25個以上の成分を有する試料を選別することを含む、2個以上の成分を有する試料を選別するように構成され得る。試料成分のうちの1つ以上が、試料から分離されて、試料収集容器に送達され、例えば、2個以上の試料成分、例えば、3個以上の試料成分、例えば、4個以上の試料成分、例えば、5個以上の試料成分、例えば、10個以上の試料成分、および15個以上の試料成分などが、試料から分離されて、受容位置の試料収集容器に送達され得る。
【0022】
実施形態では、粒子選別モジュールは、1つ以上の液滴デフレクタから印加された偏向力によってそらされた液滴を視覚化するための(例えば、以下でより詳細に記載されるような)開口部を含む。いくつかの実施形態では、粒子選別モジュールは、分析された液滴のストリームを生成し、各分析された液滴を、分析された液滴のストリームから偏向液滴受容位置に偏向させるように構成される。本明細書で使用される場合、「偏向液滴受容位置」という用語は、関心の粒子(例えば、細胞)を含む選別された液滴が、液滴デフレクタプレートによって偏向された後に収集され得る、液滴デフレクタから下流の位置を指す。実施形態では、フローストリーム内の液滴は、フローストリームの長手方向軸に沿った通常の軌道からそらされる。いくつかの例では、フローストリーム内の液滴は、フローストリームのブレークオフポイントで、通常の軌道からそらされる。「ブレークオフポイント」は、連続したフローストリームが別個の液滴を形成し始める、フローストリーム内の点を意味する。他の例では、フローストリーム内の液滴は、例えば、ブレークオフポイントから0.001mm以上、例えば、0.005mm以上、例えば、0.01mm以上、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、例えば、1mm以上、例えば、2mm以上、例えば、5mm以上、例えば、10mm以上、例えば、15mm以上、例えば、20mm以上、例えば、25mm以上、例えば、30mm以上、例えば、35mm以上、および液滴が、液滴デフレクタによって通常の軌道からそらされる、フローストリームのブレークオフポイントから50mm以上下流の位置を含む、ブレークオフポイントから下流の位置で、通常の軌道からそらされる。
【0023】
実施形態では、液滴は、例えば、0.005mm以上、例えば、0.01mm以上、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、例えば、1mm以上、例えば、2mm以上、例えば、5mm以上、例えば、10mm以上、例えば、15mm以上、例えば、20mm以上、例えば、25mm以上、例えば、30mm以上、例えば、35mm以上、および50mm以上を含む、フローストリームの長手方向軸と直交する平面を横切って半径方向に測定されたときに、0.001mm以上の距離だけ、液滴デフレクタによって、通常の軌道からそらされる。例えば、フローストリーム内の液滴は、例えば、0.005mm~95mm、例えば、0.001mm~90mm、例えば、0.05mm~85mm、例えば、0.01mm~80mm、例えば、0.05mm~75mm、例えば、0.1mm~70mm、例えば、0.5mm~65mm、例えば、1mm~60mm、例えば、5mm~55mm、および10mm~50mmを含む、0.001mm~100mmの距離だけそらされ得る。したがって、フローストリーム内の液滴は、例えば、0.05°~85°、例えば、0.1°~80°、例えば、0.5°~75°、例えば、10°~70°、例えば、15°~65°、例えば、20°~60°、例えば、25°~55°、および30°~50°を含む、0.01°~90°の角度だけ、フローストリームの長手方向軸に沿った軌道からそらされる。
【0024】
関心の粒子選別モジュールは、液滴受容位置に(例えば、粒子選別モジュールの遠位端に)1つ以上の試料収集ポートを含み得る。各試料収集ポートは、フローストリームから液滴を受容するための開口部(すなわち、液滴が通過する空きスペース)を含む。実施形態では、本明細書に記載の粒子選別モジュールの遠位端における試料収集ポートの各々の開口部は、独立して、フローストリームの長手方向軸から、例えば、0.005mm以上、例えば、0.01mm以上、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、例えば、1mm以上、例えば、2mm以上、例えば、5mm以上、例えば、10mm以上、例えば、15mm以上、例えば、20mm以上、例えば、25mm以上、例えば、30mm以上、例えば、35mm以上、および50mm以上を含む、フローストリームの長手方向軸から0.001mm以上であり得る。例えば、粒子選別モジュールの遠位端の試料収集ポートの各々の開口部は、例えば0.01mm~90mm、例えば、0.1mm~80mm、例えば、0.5mm~70mm、例えば、1mm~60mm、および5mm~50mmを含む、0.001mm~100mの範囲であり得る。粒子選別モジュールの遠位端の試料収集ポートの各々の開口部は、それぞれ独立して、例えば、0.01°~90°、例えば、0.05°~85°、例えば、0.1°~80°、例えば、0.5°~75°、例えば、10°~70°、例えば、15°~65°、例えば、20°~60°、例えば、25°~55°、および30°~50°を含む、フローストリームの長手方向軸に対して異なる角度であり得る。粒子選別モジュールの遠位端が2つ以上の試料収集ポートを含む実施形態では、各試料収集ポートの開口部間の間隔は、独立して、例えば、0.005mm以上、例えば、0.01mm以上、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、例えば、1mm以上、例えば、2mm以上、例えば、5mm以上、例えば、10mm以上、例えば、15mm以上、例えば、20mm以上、例えば、25mm以上、例えば、30mm以上、例えば、35mm以上、および50mm以上を含む、フローストリームの長手方向軸から0.001mm以上であり得る。例えば、各試料収集ポートの開口部間の間隔は、独立して、例えば、0.01mm~90mm、例えば、0.1mm~80mm、例えば、0.5mm~70mm、例えば、1mm~60mm、および5mm~50mmを含む、0.001mm~100mm変わり得る。
【0025】
各試料収集ポートの開口部は、特定の例では、必要に応じて可逆的に閉じることができるバルブなどのカバーを含み得る。例えば、試料収集ポートの開口部は、フローストリームが検出されるまで閉じたままであるように構成されるバルブを含み得る。他の例では、試料収集ポートの開口部は、試料収集容器が試料収集ポートに結合されるまで閉じたままであるように構成されるバルブを含む。さらに他の例では、試料収集ポートの開口部は、所定の期間後に(例えば、試料の特定の部分からの液滴のみを収集するように)閉じるように構成されるバルブを含む。さらに他の例では、試料収集ポートの開口部は、所定の体積が、試料収集ポートに結合された試料収集容器によって収集されたことを検出した後に閉じるように構成されるバルブを含む。特定の例では、試料収集ポートの開口部は、ユーザー入力コマンドに応答して閉じるように構成される。
【0026】
関心の粒子選別モジュールの遠位端における試料収集ポートの開口部は、任意の好適な形状であってよく、関心の試料収集ポート開口部の形状は、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線形状、円、楕円などの曲線形状、ならびに、例えば、平面状の上部に結合された放物線状の底部などの不規則形状を含む。特定の実施形態では、試料収集ポートの開口部は、円形形状を有する。他の実施形態では、試料収集ポートの開口部は、楕円形状を有する。さらに他の実施形態では、試料収集ポートの開口部は、正方形または長方形の形状を有する。
【0027】
各試料収集ポートの開口部のサイズは、各々独立して、例えば、0.25cm~4.5cm、例えば、0.5cm~4cm、例えば、0.75cm~3.5cm、および1cm~3cmを含む、0.1cm~5cmの範囲で変わり得る。試料収集ポートの開口部が円形である場合、開口部は、例えば、0.25cm~4.5cm、例えば、0.5cm~4cm、例えば、0.75cm~3.5cm、および1cm~3cmを含む、0.1cm~5cmの範囲の直径を有し得る。
【0028】
関心の粒子選別モジュールは、例えば、2個以上、例えば、3個以上、例えば、4個以上、例えば、5個以上、例えば、6個以上、例えば、7個以上、例えば、8個以上、例えば、9個以上、および10個以上の試料収集ポートなど、ハウジングの遠位端に1つ以上の試料収集ポートを含み得る。試料収集ポートが試料収集容器(例えば、廃液収集容器)に結合される場合、粒子選別モジュールは、例えば2個以上、例えば3個以上、例えば4個以上、例えば5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、および10個以上の試料収集容器など、粒子選別モジュールハウジングに結合された1つ以上の試料収集容器を含み得る。
【0029】
試料収集容器は、任意の好都合な取り付けプロトコルによって、粒子選別モジュールの遠位端で試料収集ポートに結合され得る。いくつかの実施形態では、試料収集容器は、ルアーロック接続、滅菌管溶接によって、または試料収集ポートにねじ留めされることによってなどで、試料収集ポートに機械的に結合される。他の実施形態では、試料収集容器は、永続性または非永続性の接着剤によって、試料収集ポートに固定される。さらに他の実施形態では、試料収集容器は、試料収集ポートと共成形される。さらに他の実施形態では、試料収集容器は、試料収集容器と、粒子選別モジュールハウジングとが単一のユニットを形成するように、粒子選別モジュールハウジングと一体化される。さらに他の例では、試料収集容器は、例えば、選別された液滴を搬送するように構成された管類を介して試料収集ポートに流体的に結合され得、そのような実施形態は、例えば、管類などの流体搬送構造を挟んで切断することによって、選別された液滴の滅菌取り出しを提供し得る。フローストリームから液滴を収集するための好適な試料収集容器としては、以下に限定されないが、他のタイプの容器の中でも、試験管、円錐管、マイクロタイタープレートなどのマルチコンパートメント容器(例えば、96ウェルプレート)、遠心分離管、培養管、微細管、キャップ、キュベット、ボトル、直線状ポリマー容器、およびバッグが挙げられ得る。
【0030】
関心の液滴を試料収集容器へ(例えば、試料収集ポートを通して)そらせることは、静電場の適用による、液滴の静電帯電およびフローストリームからの帯電した液滴の偏向を介して、液滴デフレクタによって達成され得る。主題の粒子選別モジュールの液滴デフレクタの金属プレートに印加される電圧は、例えば、25mV以上、例えば、50mV以上、例えば、75mV以上、例えば、100mV以上、例えば、250mV以上、例えば、500mV以上、例えば、750mV以上、例えば、1V以上、例えば、2.5V以上、例えば、5V以上、例えば、10V以上、例えば、25V以上、例えば、50V以上、および100V以上を含み、例えば、500V以上、例えば、1000V以上、例えば、5000V以上、例えば、10000V以上、例えば、15000V以上、例えば、25000V以上、例えば、50000V以上、ならびに100000V以上を含む、10mV以上であり得る。特定の実施形態では、平行な金属プレートの各セットに印加される電圧は、例えば、1kV~15kV、例えば、1.5kV~12.5kV、および2kV~10kVを含む、0.5kV~15kVである。
【0031】
フローストリーム内の粒子は、以下に限定されないが、米国特許第9,952,076号、同第9,933,341号、同第9,726,527号、同第9,453,789号、同第9,200,334号、同第9,097,640号、同第9,095,494号、同第9,092,034号、同第8,975,595号、同第8,753,573号、同第8,233,146号、同第8,140,300号、同第7,544,326号、同第7,201,875号、同第7,129,505号、同第6,821,740号、同第6,813,017号、同第6,809,804号、同第6,372,506号、同第5,700,692号、同第5,643,796号、同第5,627,040号、同第5,620,842号、同第5,602,039号に記載される細胞選別デフレクタプレートを含む任意の好都合なデフレクタプレートプロトコルによって偏向され得、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、デフレクタプレートは、BD Biosciences FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSCelesta(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVerse(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortess(商標)X-20フローサイトメータ、およびBD Biosciences FACSCalibur(商標)細胞選別機、BD Biosciences FACSCount(商標)細胞選別機、BD Biosciences FACSLyric(商標)細胞選別機、およびBD Biosciences Via(商標)細胞選別機、BD Biosciences Influx(商標)細胞選別機、BD Biosciences Jazz(商標)細胞選別機、BD Biosciences Aria(商標)細胞選別機、およびBD Biosciences FACSMelody(商標)細胞選別機などのフローサイトメトリシステム内で使用されるような、フローストリーム内の細胞を選別するための帯電プレートを含む。
【0032】
本明細書に記載される粒子選別モジュール内の開口部は、偏向された液滴を視覚化するように構成され、特定の例では、試料収集容器が液滴受容位置に設けられる。上記で要約したように、いくつかの実施形態では、粒子選別モジュールは、近位端と、遠位端と、それらの間の壁であって、その壁内に位置付けられた、偏向された液滴を視覚化するための開口部を有する、壁とを有するハウジングを備える。開口部は、任意の好適な形状であってもよく、関心の視覚化開口部の形状としては、以下に限定されないが、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線形状、円形、楕円形などの曲線形状、ならびに、例えば、平面状の上部に結合された放物線状の底部などの不規則形状が挙げられる。特定の実施形態では、粒子選別モジュールハウジングの壁内の開口部は、円形形状を有する。他の実施形態では、粒子選別モジュールハウジングの壁内の開口部は、楕円形状を有する。さらに他の実施形態では、粒子選別モジュールハウジングの壁内の開口部は、正方形または長方形の形状を有する。
【0033】
粒子選別モジュールハウジングの壁内の開口部のサイズは、変わり得、いくつかの実施形態では、例えば、1cm~9.5cm、例えば、1.5cm~9cm、例えば、2cm~8.5cm、例えば、2.5cm~8cm、例えば、3cm~7.5cm、例えば、3.5cm~7cm、例えば、4cm~6.5cm、および4cm~6cmを含む、例えば、5cmなどの0.5cm~10cmの範囲の幅と、例えば、1.5cm~19.5cm、例えば、2cm~19cm、例えば、2.5cm~18.5cm、例えば、3cm~18cm、例えば、3.5cm~17.5cm、例えば、4cm~17cm、例えば、4.5cm~16.5cm、および5cm~15cmを含む、例えば、10cmなどの1cm~20cmの範囲の長さとを有する。特定の実施形態では、粒子選別モジュールハウジングの壁内の開口部は、円形であり、開口部の直径は、例えば1cm~9.5cm、例えば、1.5cm~9cm、例えば、2cm~8.5cm、例えば、2.5cm~8cm、例えば、3cm~7.5cm、例えば、3.5cm~7cm、例えば、4cm~6.5cm、および4cm~6cmを含む、例えば、5cmなどの0.5cm~10cmの範囲である。以下でより詳細に説明されるように、特定の例では、粒子選別モジュール内の開口部を通して画像がキャプチャされ、開口部の水平軸全体のピクセル数が計算される。開口部のサイズおよび各ピクセルサイズに応じて、粒子選別モジュールハウジングの壁内の開口部は、変わり得、いくつかの例では、例えば、5×101ピクセル~5×105ピクセル、例えば、1×102ピクセル~1×105ピクセル、例えば、5×102ピクセル~5×104ピクセル、および1×103ピクセル~1×104ピクセルを含む、1×101ピクセル~1×106ピクセルの範囲の画像を提供するように構成される。
【0034】
粒子選別モジュールハウジングの壁内の開口部は、液滴デフレクタと、ハウジングの遠位端との間に位置付けられる。粒子選別モジュールの長さに応じて、いくつかの実施形態では、開口部の上方境界は、例えば、1cm~24.5cm、例えば、1.5cm~24cm、例えば、2cm~23.5cm、例えば、2.5cm~23cm、例えば、3cm~22.5cm、例えば、3.5cm~22cm、例えば、4cm~21.5cm、例えば、4.5cm~21cm、および粒子選別モジュールハウジングの壁内の開口部の上方境界が、液滴デフレクタの底部から5cm~20cmに位置付けられる場合を含む、液滴デフレクタの底部から0.5cm~25cmに位置付けられる。いくつかの実施形態では、粒子選別モジュールハウジングの壁内の開口部の下方境界(すなわち、底部)は、例えば、1cm~9.5cm、例えば、1.5cm~9cm、例えば、2cm~8.5cm、例えば、2.5cm~8cm、例えば、3cm~7.5cm、例えば、3.5cm~7cm、例えば、4cm~6.5cm、および粒子選別モジュールハウジングの壁内の開口部の下方境界(すなわち、底部)が4cm~6cm、例えば、5cmに位置付けられる場合を含む、ハウジングの遠位端から0.5cm~10cmに位置付けられる。
【0035】
いくつかの実施形態では、粒子選別モジュールハウジングの壁内の開口部は、1つ以上の光学調整部品を含む。「光学調整」は、開口部を通って伝播された光、または開口部を通って照射されたフローストリームから収集された光が、必要に応じて変更されることを意味する。光学調整部品は、光の所望の変化を提供する任意の好都合なデバイスまたは構造であり得、以下に限定されないが、光学窓(例えば、透明な窓)レンズ、ミラー、ピンホール、スリット、格子、光屈折器、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。粒子選別モジュールハウジングの壁内の開口部は、例えば、2つ以上、例えば、3つ以上、例えば、4つ以上、および5つ以上の光学調整部品を含む、1つ以上の光学調整部品を、必要に応じて、試料検査領域に含み得る。
【0036】
いくつかの例では、粒子選別モジュールハウジングの壁内の開口部は、透明な光学窓を含む。「光学的に透明」は、光学窓が、通過する光の少なくとも1つ以上の波長の伝播を制限しないことを意味する。いくつかの実施形態では、光学窓は、紫外線、可視光、および近赤外線のうちの1つ以上に対して光学的に透明である。一実施例では、光学窓は、紫外線に対して透明である。別の実施例では、光学窓は、可視光に対して透明である。さらに別の実施例では、光学窓は、近赤外線に対して透明である。さらに別の実施例では、光学窓は、紫外線および可視光に対して透明である。さらに別の実施例では、光学窓は、可視光および近赤外線に対して透明である。さらに別の実施例では、光学窓は、紫外線、可視光、および近赤外線に対して透明である。所望の光伝播特性に応じて、透明な光学窓は、石英、ガラス、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、窒化ケイ素、カーボンブラック、酸化アルミニウム、または他の光学的に透明なポリマーの中でも、以下に限定されないが、アクリル、アクリル/スチレン、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエステル、およびポリスチレンなどの光学的に透明なポリマーを含むポリマーなどの任意の好適な材料から形成され得る。光学的に透明な領域は、例えば、10%以上にわたって、例えば、25%以上にわたって、例えば、50%以上にわたって、例えば、75%以上にわたって、例えば、90%以上にわたって、例えば、95%以上にわたって、および光学窓の99%以上にわたってを含み、光学窓の5%以上にわたって延在し得る。特定の実施形態では、光学窓全体(すなわち、100%)が、光学的に透明である。例えば、光学的に透明な領域は、例えば、10%~90%、例えば、20%~80%、例えば、30%~70%、および40%~60%を含む、光学窓の5%~100%にわたって延在し得る。
【0037】
特定の実施形態では、光学窓は、1つ以上の基準識別子を含む。いくつかの例では、基準識別子は、偏向されたフローストリームの境界と関連付けられたマーキングを含み得る。例えば、マーキングは、フローストリームの偏向経路を画成する。これらのマーキングは、例えば、液滴偏向板の電荷、または液滴偏向板の印加電圧と関連付けられ得る。他の例では、マーキングは、ハウジングの遠位端で1つ以上のポートの境界と関連付けられる。例えば、光学窓は、試料収集容器に結合される1つ以上のポートの境界を画成する基準識別子を含み得る。いくつかの例では、光学窓は、フローストリームをポートのうちの1つ以上と整列させるための基準識別子を含む。例えば、光学窓は、粒子選別モジュールハウジングの遠位端で廃液収集ポートの位置を示す基準識別子を含み得る。特定の実施形態では、光学窓は、ハウジングの遠位端の中心を示す基準識別子を含む。例えば、光学窓は、フローストリームを粒子選別モジュールハウジングの遠位端の中心と整列させるための基準識別子を含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、粒子選別モジュールハウジング内の開口部は、偏向されたフローストリーム上に光源(例えば、レーザー)によって照射される光を調整するための光学調整部品を含む。例えば、光学調整は、光の寸法、光の焦点距離を増加すること、または光をコリメートすることであり得る。いくつかの例では、光学調整は、例えば、10%以上、例えば、25%以上、例えば、50%以上、および75%以上寸法を増加させることを含む、5%以上寸法を増加させることなど、光(例えば、ビームスポット)の寸法を増加させるための拡大プロトコルである。他の実施形態では、光学調整は、例えば、5%以上、例えば、10%以上、例えば、25%以上、例えば、50%以上、および75%以上ビームスポットの寸法を低減することを含む、光の寸法を低減するように、収集された光を集束させることを含む。特定の実施形態では、光学調整は、光をコリメートすることを含む。「コリメート」という用語は、光伝播のコリニアリティを光学的に調整すること、または、光による共通の伝播軸からの発散を低減することを指すために、一般的な意味で使用される。いくつかの例では、コリメートすることは、光ビームの空間断面を狭める(例えば、レーザーのビームプロファイルを低減する)ことを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、粒子選別モジュールハウジング内の開口部は、例えば、0.2~0.9の倍率、例えば、0.3~0.85の倍率、例えば、0.35~0.8の倍率、例えば、0.5~0.75の倍率、および、0.55~0.7の倍率、例えば、0.6の倍率を含む、0.1~0.95の倍率を有する集束レンズを含む。例えば、集束レンズは、特定の例では、約0.6の倍率を有する二重色消し縮小レンズである。集束レンズの焦点距離は、例えば、6mm~19mm、例えば、7mm~18mm、例えば、8mm~17mm、例えば、9mm~16、および10mm~15mmの範囲の焦点距離を含む、5mm~20mmの範囲で変わり得る。特定の実施形態では、集束レンズは、約13mmの焦点距離を有する。
【0040】
他の実施形態では、光学調整部品は、コリメータである。コリメータは、1つ以上のミラーもしくは湾曲レンズ、またはそれらの組み合わせなど、任意の好都合なコリメーティングプロトコルであり得る。例えば、コリメータは、特定の例では、単一のコリメーティングレンズである。他の例では、コリメータは、コリメーティングミラーである。さらに他の例では、コリメータは、2つのレンズを含む。さらに他の例では、コリメータは、ミラーと、レンズとを含む。コリメータが1つ以上のレンズを含む場合、コリメーティングレンズの焦点距離は、例えば、6mm~37.5mm、例えば、7mm~35mm、例えば、8mm~32.5mm、例えば、9mm~30mm、例えば、10mm~27.5mm、例えば、12.5mm~25mm、および15mm~20mmの範囲の焦点距離を含む、5mm~40mmの範囲で変わり得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、粒子選別モジュールはまた、フローセルノズルであって、このフローセルノズルを通ってフローストリームを流すように構成されたノズルオリフィスを有する、フローセルノズルと、上述の主題の液滴デフレクタであって、その間を流れるフローストリームに偏向力を印加するように構成される、液滴デフレクタのうちの1つ以上とを含む。主題の粒子選別モジュールは、流体試料を試料検査領域に伝播させるオリフィスを有するフローセルノズルを含み、いくつかの実施形態では、フローセルノズルは、長手方向軸を画定する近位円筒形部分と、長手方向軸に対して横方向である、ノズルオリフィスを有する平坦な表面で終端する遠位円錐台形部分とを含む。近位円筒形部分の長さ(長手方向軸に沿って測定される)は、例えば、1.5mm~12.5mm、例えば、2mm~10mm、例えば、3mm~9mm、および4mm~8mmを含む、1mm~15mmの範囲で変わり得る。遠位円錐台形部分の長さ(長手方向軸に沿って測定される)も同様に、例えば、2mm~9mm、例えば、3mm~8mm、および4mm~7mmを含む、1mm~10mmの範囲で変わり得る。フローセルノズルチャンバの直径は、いくつかの実施形態では、例えば、2mm~9mm、例えば、3mm~8mm、および4mm~7mmを含む、1mm~10mmの範囲で変わり得る。
【0042】
特定の例では、ノズルチャンバは、円筒形部分を含まず、フローセルノズルチャンバ全体が円錐台形に形成される。これらの実施形態では、円錐台形ノズルチャンバの長さ(ノズルオリフィスに対して横方向の長手方向軸に沿って測定される)は、例えば、1.5mm~12.5mm、例えば、2mm~10mm、例えば、3mm~9mm、および4mm~8mmを含む、1mm~15mmの範囲であり得る。円錐台形ノズルチャンバの近位部分の直径は、例えば、2mm~9mm、例えば、3mm~8mm、および4mm~7mmを含む、1mm~10mmの範囲であり得る。
【0043】
実施形態では、試料フローストリームは、フローセルノズルの遠位端でオリフィスから発生する。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルノズルオリフィスは、任意の好適な形状であり得、関心の断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、ならびに、例えば、平面状の上部に結合された放物線状の底部などの不規則形状が挙げられる。特定の実施形態では、関心のフローセルノズルは、円形オリフィスを有する。ノズルオリフィスのサイズは、いくつかの実施形態では、例えば、2μm~17500μm、例えば、5μm~15000μm、例えば、10μm~12500μm、例えば、15μm~10000μm、例えば、25μm~7500μm、例えば、50μm~5000μm、例えば、75μm~1000μm、例えば、100μm~750μm、および150μm~500μmを含む、1μm~20000μmの範囲で変わり得る。特定の実施形態では、ノズルオリフィスは、100μmである。
【0044】
いくつかの実施形態では、フローセルノズルは、試料をフローセルノズルに提供するように構成された試料注入ポートを含む。実施形態では、試料注入システムは、フローセルノズルチャンバに試料の好適な流れを提供するように構成される。フローストリームの所望の特性に応じて、試料注入ポートによってフローセルノズルチャンバに搬送される試料の速度は、例えば、2μL/秒以上、例えば、3μL/秒以上、例えば、5μL/秒以上、例えば、10μL/秒以上、例えば、15μL/秒以上、例えば、25μL/秒以上、例えば、50μL/秒以上、例えば、100μL/秒以上、例えば、150μL/秒以上、例えば、200μL/秒以上、例えば、250μL/秒以上、例えば、300μL/秒以上、例えば、350μL/秒以上、例えば、400μL/秒以上、例えば、450μL/秒以上、および500μL/秒以上を含む、1μL/秒以上であり得る。例えば、試料の流量は、例えば、2μL/秒~約450μL/秒、例えば、3μL/秒~約400μL/秒、例えば、4μL/秒~約350μL/秒、例えば、5μL/秒~約300μL/秒、例えば、6μL/秒~約250μL/秒、例えば、7μL/秒~約200μL/秒、例えば、8μL/秒~約150μL/秒、例えば、9μL/秒~約125μL/秒、および10μL~約100μL/秒を含む、1μL/秒~約500μL/秒の範囲であり得る。
【0045】
試料注入ポートは、ノズルチャンバの壁内に位置付けられたオリフィスであり得るか、またはノズルチャンバの近位端に位置付けられた導管であり得る。試料注入ポートがノズルチャンバの壁内に位置付けられたオリフィスである場合、試料注入ポートオリフィスは、任意の好適な形状であり得、関心の断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、ならびに、例えば、平面状の上部に結合された放物線状の底部などの不規則形状が挙げられる。特定の実施形態では、試料注入ポートは、円形オリフィスを有する。試料注入ポートオリフィスのサイズは、形状に応じて変わり得、特定の例では、例えば、0.2mm~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、例えば、0.75mm~2.25mm、例えば、1mm~2mm、および1.25mm~1.75mm、例えば、1.5mmを含む、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。
【0046】
特定の例では、試料注入ポートは、フローセルノズルチャンバの近位端に位置付けられた導管である。例えば、試料注入ポートは、フローセルノズルオリフィスと一列に並んだ試料注入ポートのオリフィスを有するように位置付けられた導管であり得る。試料注入ポートが、フローセルノズルオリフィスと一列に並んで位置付けられた導管である場合、試料注入管の断面形状は、任意の好適な形状であり得、関心の断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、ならびに、例えば、平面状の上部に結合された放物線状の底部などの不規則形状が挙げられる。導管のオリフィスは、形状に応じて変わり得、特定の例では、例えば、0.2mm~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、例えば、0.75mm~2.25mm、例えば、1mm~2mm、および1.25mm~1.75mm、例えば、1.5mmを含む、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。試料注入ポートの先端部の形状は、試料注入管の断面形状と同じであるか、または異なってもよい。例えば、試料注入ポートのオリフィスは、例えば、2°~9°、例えば、3°~8°、例えば、4°~7°、および5°のベベル角を含む、1°~10°の範囲のベベル角を有する傾斜した先端部を含み得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、フローセルノズルは、フローセルノズルにシース流体を提供するように構成されたシース流体注入ポートも含む。実施形態では、シース流体注入システムは、例えば、試料と併せて、シース流体の流れをフローセルノズルチャンバに提供して、試料フローストリームを取り囲むシース流体の積層フローストリームを生じるように構成される。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルノズルチャンバに搬送されるシース流体の速度は、例えば、50μL/秒以上、例えば、75μL/秒以上、例えば、100μL/秒以上、例えば、250μL/秒以上、例えば、500μL/秒以上、例えば、750μL/秒以上、例えば、1000μL/秒以上、および2500μL/秒以上を含む、25μL/秒以上であり得る。例えば、シース流体の流量は、例えば、2μL/秒~約450μL/秒、例えば、3μL/秒~約400μL/秒、例えば、4μL/秒~約350μL/秒、例えば、5μL/秒~約300μL/秒、例えば、6μL/秒~約250μL/秒、例えば、7μL/秒~約200μL/秒、例えば、8μL/秒~約150μL/秒、例えば、9μL/秒~約125μL/秒、および10μL/秒~約100μL/秒を含む、1μL/秒~約500μL/秒の範囲であり得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、シース流体注入ポートは、ノズルチャンバの壁内に位置付けられたオリフィスである。シース流体注入ポートのオリフィスは、任意の好適な形状であり得、関心の断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、ならびに、例えば、平面状の上部に結合された放物線状の底部などの不規則形状が挙げられる。試料注入ポートオリフィスのサイズは、形状に応じて変わり得、特定の例では、例えば、0.2~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、例えば、0.75mm~2.25mm、例えば、1mm~2mm、および1.25mm~1.75mm、例えば、1.5mmを含む、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。
【0049】
粒子選別モジュールはまた、フローセルノズルオリフィスと流体連通する試料検査領域を含む。以下でより詳細に記載されるように、試料フローストリームは、フローセルノズルの遠位端でオリフィスから発生し、フローストリーム内の粒子は、粒子選別モジュールの試料検査領域において、光源で照射され得る。粒子選別モジュールの検査領域のサイズは、ノズルオリフィスのサイズおよび試料注入ポートサイズなど、フローノズルの特性に応じて変わり得る。実施形態では、検査領域は、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、例えば、1mm以上、例えば、2mm以上、例えば、3mm以上、例えば、5mm以上、および10mm以上を含む、0.01mm以上である幅を有し得る。検査領域の長さも同様に変わり得、いくつかの例では、粒子選別モジュールの、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、例えば、1mm以上、例えば、1.5mm以上、例えば、2mm以上、例えば、3mm以上、例えば、5mm以上、例えば、10以上、例えば、15mm以上、例えば、20mm以上、例えば、25mm以上、および50mm以上を含む、0.01mm以上に沿った範囲で変わり得る。
【0050】
粒子選別モジュール上の検査領域は、発生するフローストリームの平面断面の照射を容易にするように構成され得るか、または所定の長さの拡散場(例えば、拡散レーザーまたはランプによる)の照射を容易にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、粒子選別モジュール上の検査領域は、例えば、1mm以上、例えば、2mm以上、例えば、3mm以上、例えば、4mm以上、例えば、5mm以上、および10mm以上などの、発生するフローストリームの所定の長さの照射を容易にする透明窓を含む。(後述するように)発生するフローストリームを照射するために使用される光源に応じて、粒子選別モジュールの検査領域は、例えば、150nm~1400nm、例えば、200nm~1300nm、例えば、250nm~1200nm、例えば、300nm~1100nm、例えば、350nm~1000nm、例えば、400nm~900nm、および500nm~800nmを含む、100nm~1500nmの範囲の光を通過させるように構成され得る。したがって、検査領域の粒子選別モジュールは、所望の範囲の波長を通過させる任意の透明な材料から形成され得、そのような材料として、以下に限定されないが、光学ガラス、ホウケイ酸ガラス、パイレックスガラス、紫外線クォーツ、赤外線クォーツ、サファイア、ならびに、例えば、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、または他の高分子プラスチック材料の中でも、ポリエステルを含む、PETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)などのこれらの熱可塑性プラスチックのコポリマーが挙げられ、関心のポリエステルとしては、以下に限定されないが、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ボトルグレードPET(モノエチレングリコール、テレフタル酸、およびイソフタル酸、シクロヘキサンジメタノールなどの他のコモノマーに基づいて作られたコポリマー)、ポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)、およびポリ(ヘキサメチレンテレフタレート)などのポリ(アルキレンテレフタレート)、ポリ(エチレンアジピン酸塩)、ポリ(1,4-ブチレンアジピン酸塩)、およびポリ(ヘキサメチレンアジピン酸塩)などのポリ(アルキレンアジピン酸塩)、ポリ(エチレンスベレート)などのポリ(アルキレンスベレート)、ポリ(エチレンセバケート)などのポリ(アルキレンセバケート)、ポリ(ε-カプロラクトン)およびポリ(β-プロピオラクトン)、ポリ(エチレンイソフタレート)などのポリ(アルキレンイソフタレート)、ポリ(エチレン2,6-ナフタレン-ジカルボキシレート)などのポリ(アルキレン2,6-ナフタレン-ジカルボキシレート)、ポリ(エチレンスルホニル-4,4’-ジベンゾエート)などのポリ(アルキレンスルホニル-4,4’-ジベンゾエート)、ポリ(p-フェニレンエチレンジカルボキシレート)などのポリ(p-フェニレンアルキレンジカルボキシレート)、ポリ(トランス-1,4-シクロヘキサンジイルエチレンジカルボキシレート)などのポリ(トランス-1,4-シクロヘキサンジイルアルキレンジカルボキシレート)、ポリ(1,4-シクロヘキサン-ジメチレンエチレンジカルボキシレート)などのポリ(1,4-シクロヘキサン-ジメチレンアルキレンジカルボキシレート)、ポリ([2.2.2]-ビシクロオクタン-1,4-ジメチレンエチレンジカルボキシレート)などのポリ([2.2.2]-ビシクロオクタン-1,4-ジメチレンアルキレンジカルボキシレート)、(S)-ポリラクチド、(R,S)-ポリラクチド、ポリ(テトラメチルグリコリド)、およびポリ(ラクチド-コ-グリコリド)などの乳酸ポリマーおよびコポリマー、およびビスフェノールA、3,3’-ジメチルビスフェノールA、3,3’,5,5’-テトラクロロビスフェノールA、3,3’,5,5’-テトラメチルビスフェノールAのポリカーボネート、ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)などのポリアミド、例えば、ポリエチレンテレフタレート、例えば、Mylar(商標)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、関心の粒子選別モジュールは、試料検査領域内に位置付けられたキュベットを含む。実施形態では、キュベットは、例えば、150nm~1400nm、例えば、200nm~1300nm、例えば、250nm~1200nm、例えば、300nm~1100nm、例えば、350nm~1000nm、例えば、400nm~900nm、および500nm~800nmを含む、100nm~1500nmの範囲の光を通過させ得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、粒子選別モジュールは、密閉ハウジングを有する。「密閉」という用語は、粒子選別モジュールの各構成要素が、ハウジング内に完全に含まれ、構成要素が、周囲環境から密封または隔離されていることを意味する。言い換えれば、密閉ハウジング内の構成要素は、外部環境にさらされないか、または外部環境と接触しない。いくつかの実施形態では、ハウジング内に含まれる構成要素は、周囲環境の気体環境から隔離される(すなわち、ハウジングの外側の気体にさらされない)。他の実施形態では、ハウジング内に含まれる構成要素は、周囲環境の流体環境から隔離される(すなわち、ハウジングの外側に存在するあらゆる流体にさらされない)。さらに他の実施形態では、ハウジング内に含まれる構成要素は、殺菌されており、周囲環境に存在する生きた細菌または他の微生物から隔離される(すなわち、無菌である)。
【0052】
粒子選別モジュールハウジングのサイズは、例えば、15cm~95cm、例えば、20cm~90cm、例えば、25cm~85cm、例えば、30cm~80cm、例えば、35cm~75cm、および40cm~60cmを含む、10cm~100cmの範囲の長さを有して変わり得る。粒子選別モジュールハウジングの幅は、例えば、2cm~20cm、例えば、3cm~15cm、および5cm~10cmを含む、1cm~25cmの範囲であり得る。
【0053】
ハウジングは、金属、ガラス(例えば、パイレックスガラス、ホウケイ酸ガラス)、セラミック、またはプラスチックなど、流体試料(例えば、生体試料)と適合する任意の好適な材料から形成され得る。特定の実施形態では、粒子選別モジュールハウジングは、硬質プラスチック、ポリマー、または熱可塑性材料などのプラスチックから形成される。例えば、好適なプラスチックとしては、以下に限定されないが、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、または他の高分子プラスチック材料の中でも、PETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)などのこれらの熱可塑性プラスチックのコポリマーが挙げられ得る。特定の実施形態では、粒子選別モジュールハウジングは、ポリエステルから形成され、関心のポリエステルとしては、以下に限定されないが、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ボトルグレードPET(モノエチレングリコール、テレフタル酸、およびイソフタル酸、シクロヘキサンジメタノールなどの他のコモノマーに基づいて作られたコポリマー)、ポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)、およびポリ(ヘキサメチレンテレフタレート)などのポリ(アルキレンテレフタレート)、ポリ(エチレンアジピン酸塩)、ポリ(1,4-ブチレンアジピン酸塩)、およびポリ(ヘキサメチレンアジピン酸塩)などのポリ(アルキレンアジピン酸塩)、ポリ(エチレンスベレート)などのポリ(アルキレンスベレート)、ポリ(エチレンセバケート)などのポリ(アルキレンセバケート)、ポリ(ε-カプロラクトン)およびポリ(β-プロピオラクトン)、ポリ(エチレンイソフタレート)などのポリ(アルキレンイソフタレート)、ポリ(エチレン2,6-ナフタレン-ジカルボキシレート)などのポリ(アルキレン2,6-ナフタレン-ジカルボキシレート)、ポリ(エチレンスルホニル-4,4’-ジベンゾエート)などのポリ(アルキレンスルホニル-4,4’-ジベンゾエート)、ポリ(p-フェニレンエチレンジカルボキシレート)などのポリ(p-フェニレンアルキレンジカルボキシレート)、ポリ(トランス-1,4-シクロヘキサンジイルエチレンジカルボキシレート)などのポリ(トランス-1,4-シクロヘキサンジイルアルキレンジカルボキシレート)、ポリ(1,4-シクロヘキサン-ジメチレンエチレンジカルボキシレート)などのポリ(1,4-シクロヘキサン-ジメチレンアルキレンジカルボキシレート)、ポリ([2.2.2]-ビシクロオクタン-1,4-ジメチレンエチレンジカルボキシレート)などのポリ([2.2.2]-ビシクロオクタン-1,4-ジメチレンアルキレンジカルボキシレート)、(S)-ポリラクチド、(R,S)-ポリラクチド、ポリ(テトラメチルグリコリド)、およびポリ(ラクチド-コ-グリコリド)などの乳酸ポリマーおよびコポリマー、ならびにビスフェノールA、3,3’-ジメチルビスフェノールA、3,3’,5,5’-テトラクロロビスフェノールA、3,3’,5,5’-テトラメチルビスフェノールAのポリカーボネート、ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)などのポリアミド、例えば、ポリエチレンテレフタレート、例えば、Mylar(商標)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルなどが挙げられ得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、粒子選別モジュールハウジングの外壁のうちの1つ以上は、(以下でより詳細に説明されるように)ハウジングを粒子選別システムに結合するためのアライナを有する。例えば、ハウジングは、例えば、3個以上の壁、およびアライナを有する4個以上の壁を含む、ハウジングを粒子選別システムに結合するためのアライナを有する2個以上の壁を有し得る。特定の実施形態では、ハウジングは、ハウジングを粒子選別システムに結合するためのアライナを有する1個の壁を有する。アライナを有する各壁は、例えば、2個以上のアライナ、例えば、3個以上のアライナ、例えば、4個以上のアライナ、例えば、5個以上のアライナ、例えば、7個以上のアライナ、および10個以上のアライナを含む、1個以上のアライナを含み得る。特定の実施形態では、粒子選別デバイスは、3個のアライナを有する外壁を含む。
【0055】
整列用突起、整列用レール、整列用ノッチ、整列用溝、整列用スロット、整列用カウンターシンク、整列用カウンタボア、整列用凹部、整列用穴、またはそれらの組み合わせなど、任意の好適なタイプのアライナが採用され得る。例えば、いくつかの例では、ハウジングの外壁は、ピン、だぼ、またはバンプなど、1つ以上の突起を含む。特定の実施形態では、アライナは、ボール先端ピンなどのピンである。他の例では、ハウジングの外壁は、穴またはノッチなど、1つ以上の凹部を含む。特定の例では、ハウジングの外壁は、1つ以上の整列用突起と、1つ以上の整列用凹部とを含む。
【0056】
アライナの形状は変わり得、関心の断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、ならびに、例えば、平面状の上部に結合された放物線状の底部などの不規則形状が挙げられる。いくつかの実施形態では、アライナは、円筒形状である。他の実施形態では、アライナは、球状である。さらに他の実施形態では、アライナは、正方形または長方形などの多角形形状である。特定の実施形態では、アライナは、球状先端部を有する円筒ピン(例えば、ボール先端ピン)である。各アライナは、粒子選別システムの結合レジスタに応じて、(以下でより詳細に記載されるように)同じか、または異なる形状を有し得る。いくつかの実施形態では、各アライナは、同じ形状を有する。他の実施形態では、各アライナは、異なる形状を有する。さらに他の実施形態では、2つ以上のアライナが、同じ形状を有し、1つ以上のアライナが、異なる形状を有する。
【0057】
いくつかの実施形態では、ハウジングの外壁は、(以下により詳細に説明されるように)粒子選別モジュールを粒子選別システムと接触した状態に維持するための1つ以上の留め具を含む。好適な留め具としては、以下に限定されないが、磁石、面ファスナ、ベルクロ(登録商標)、非永続性接着剤、またはそれらの組み合わせが挙げられ得る。特定の実施形態では、ハウジングの外壁は、粒子選別システムのレジスタ上の1つ以上の磁石に結合するための1つ以上の磁石を含む。これらの実施形態では、粒子選別モジュールと、レジスタとの間の整列は、レジスタ上の磁石を粒子選別モジュールハウジングの外壁上の磁石と結合することによって達成され得る。いくつかの実施形態では、粒子選別モジュールは、アライナと、磁石との両方を含む。他の実施形態では、アライナは、先端に磁石を有する突起(例えば、ボール先端ピン突起)などの1つ以上の磁石を含む。特定の実施形態では、アライナは、磁気突起、ピン突起の先端の磁気ボール、または穴もしくは凹部内に位置付けられた磁石などの磁石である。「磁石」という用語は、本明細書では、磁石からの磁場が経時的に実質的に減少しないように、永久磁場を有する磁性材料を指すために、一般的な意味で使用される。例えば、磁石は、アルミニウム、ニッケル、およびコバルトを有する鉄合金材料(すなわち、アルニコ磁石)、セラミックもしくはフェライト磁石、サマリウムコバルト磁石(例えば、SmCo5)、ネオジミウム合金(NdFeB)磁石(例えば、Nd2Fe14B)などの希土類磁石、またはそれらの組み合わせであり得る。磁石のサイズに応じて、コネクタの近位端に位置付けられた関心の磁石によって生成される磁場は、0.01T~10T、または0.01T~5T、または0.01T~2T、または0.1T~2T、または0.1T~1.5T、0.1T~1Tなどの範囲である。
【0058】
特定の実施形態では、粒子選別モジュールは、2017年3月28日に出願され、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2017/0299493号に記載されるものなどの、密閉型粒子選別モジュールである。
【0059】
特定の実施形態では、関心の粒子選別モジュールは、統合された液滴デフレクタの1つ以上のセットを含む。主題の液滴デフレクタは、例えば、3セット以上、例えば、4セット以上、例えば、5セット以上、例えば、6セット以上、例えば、7セット以上、例えば、8個セット以上、例えば、9セット以上、および10セット以上の平行な金属プレートを含む、平行な金属プレートの2つ以上のセットを含み得る。主題の液滴デフレクタの平行な金属プレートは、電界を生成することができる任意の好適な金属から形成され得、以下に限定されないが、アルミニウム、真鍮、クロム、コバルト、銅、金、インジウム、鉄、鉛、ニッケル、白金、パラジウム、スズ、鋼(例えば、ステンレス鋼)、銀、亜鉛、およびそれらの組み合わせ、ならびに合金、例えば、アルミニウム合金、アルミニウム-リチウム合金、アルミニウム-ニッケル-銅合金、アルミニウム-銅合金、アルミニウム-マグネシウム合金、アルミニウム-酸化マグネシウム合金、アルミニウム-シリコン合金、アルミニウム-マグネシウム-マンガン-白金合金、コバルト合金、コバルト-クロム合金、コバルト-タングステン合金、コバルト-モリブデン-炭素合金、コバルト-クロム-ニッケル-モリブデン-鉄-タングステン合金、銅合金、銅-ヒ素合金、銅-ベリリウム合金、銅-銀合金、銅-亜鉛合金(例えば真鍮)、銅-スズ合金(例えば青銅)、銅-ニッケル合金、銅-タングステン合金、銅-金-銀合金、銅-ニッケル-鉄合金、銅-マンガン-スズ合金、銅-アルミニウム-亜鉛-スズ合金、銅-金合金、金合金、金-銀合金、インジウム合金、インジウム-スズ合金、インジウム-酸化スズ合金、鉄合金、鉄-クロム合金(例えば、鋼)、鉄-クロム-ニッケル合金(例えばステンレス鋼)、鉄-シリコン合金、鉄-クロム-モリブデン合金、鉄-炭素合金、鉄-ホウ素合金、鉄-マグネシウム合金、鉄-マンガン合金、鉄-モリブデン合金、鉄-ニッケル合金、鉄-リン合金、鉄-チタン合金、鉄-バナジウム合金、鉛合金、鉛-アンチモン合金、鉛-銅合金、鉛-スズ合金、鉛-スズ-アンチモン合金、ニッケル合金、ニッケル-マンガン-アルミニウム-シリコン合金、ニッケル-クロム合金、ニッケル-銅合金、ニッケル-モリブデン-クロム-タングステン合金、ニッケル-銅-鉄-マンガン合金、ニッケル-炭素合金、ニッケル-クロム-鉄合金、ニッケル-シリコン合金、ニッケル-チタン合金、銀合金、銀-銅合金(例えば、スターリング銀)、銀-銅-ゲルマニウム合金(例えば、アルゲンティウムスターリングシルバー)、銀-金合金、銀-銅-金合金、銀-白金合金、スズ合金、スズ-銅-アンチモン合金、スズ-鉛-銅合金、スズ-鉛-アンチモン合金、チタン合金、チタン-バナジウム-クロム合金、チタン-アルミニウム合金、チタン-アルミニウム-バナジウム合金、亜鉛合金、亜鉛-銅合金、亜鉛ーアルミニウム-マグネシウム-銅合金、ジルコニウム合金、ジルコニウム-スズ合金、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0060】
主題の液滴デフレクタの平行金属プレートは、円形、楕円形、半円形、三日月形、星形、正方形、三角形、菱形、五角形、六角形、七角形、八角形、長方形、または他の好適な多角形など、任意の好適な形状であり得る。特定の実施形態では、平行な金属プレートは、長方形である。以下により詳細に記載されるように、特定の例では、平行な金属プレートは、例えば、10°以上、例えば、15°以上、例えば、20°以上、例えば、25°以上、例えば、30°以上、例えば、35°以上、例えば、40°以上、例えば、45°以上、例えば、50°以上、例えば、55°以上、および60°以上のねじれ角を含む、5°以上のねじれ角を有するねじれ長方形など、ねじれている。
【0061】
金属プレートの形状に応じて、寸法が変わり得る。いくつかの実施形態では、各金属プレートは、例えば、1mm~9.5mm、例えば、1.5mm~9mm、例えば、2mm~8.5mm、例えば、2.5mm~8mm、例えば、3mm~7.5mm、例えば、3.5mm~7mm、例えば、4mm~6.5mm、および4.5mm~6mmの範囲の幅を含む、0.5mm~10mmの範囲の幅を有する。長さも同様に、例えば、15mm~450mm、例えば、20mm~400mm、例えば、25mm~350mm、例えば、30mm~300mm、例えば、35mm~250mm、例えば、40mm~200mm、例えば、45mm~150mm、および50mm~100mmを含む、10mm~500mmの範囲で変わる。特定の実施形態では、金属プレートは、第1の端部が、第2の端部の幅よりも小さい幅を有する、非対称な多角形である。各端部における幅は、例えば、0.05mm~9.5mm、例えば、0.1mm~9mm、例えば、0.5mm~8.5mm、例えば、1mm~8mm、例えば、2mm~8mm、例えば、2.5mm~7.5mm、および3mm~6mmを含む、0.01mm~10mmの範囲であり得る。特定の実施形態では、カバーバーは、1~10mmの幅を有する第1の端部と、2~5mmの幅を有する第2の端部とを有する非対称な多角形である。例えば、カバーバーは、5mm幅を有する第1の端部と、10mm幅を有する第2の端部とを有する非対称な多角形であり得る。実施形態では、各金属プレートの表面積は、所望に応じて変わり得、例えば、0.5~14cm2、例えば、0.75~13cm2、例えば、1~12cm2、例えば、1.5~11cm2、および2~10cm2を含む、0.25~15cm2の範囲であり得る。
【0062】
特定の実施形態では、粒子選別モジュールは、2017年6月14日に出願され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2018/0095022号に記載されるものなどの、1つ以上の液滴デフレクタを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、ハウジングの外壁は、粒子選別モジュールと、粒子選別システムとの間の電気接続性のために構成された1つ以上の電気接続部を含む。例えば、外側ハウジングは、例えば、3個以上の電気接続部、例えば、4個以上の電気接続部、例えば、5個以上の電気接続部、および10個以上の電気接続部を含む、2個以上の電気接続部を含み得る。電気接続部は、いくつかの実施形態では、液滴デフレクタプレートに電力を提供する。ハウジングの外壁から突出する、または外壁内に凹設される導電性のピン、パッド、ワイヤ、またはコイルなど、任意の好都合な電気接続部が採用され得る。特定の実施形態では、関心の粒子選別モジュールは、5個以上の電気ピンを含む。
【0064】
粒子選別システム
本開示の態様は、生体試料内の細胞など、試料の粒子成分を選別するためのシステムも含む。特定の実施形態によるシステムは、上述のように、偏向されたフローストリームの液滴を視覚化するように構成された開口部と、開口部を通して1つ以上の画像(例えば、粒子選別モジュールの遠位端で試料収集ポートの境界)をキャプチャするように構成された撮像センサーとを有する粒子選別モジュールを含む。
【0065】
実施形態では、撮像センサーは、以下に限定されないが、電荷結合素子、半導体電荷結合素子(CCD)、アクティブピクセルセンサー(APS)、相補的金属酸化物半導体(CMOS)イメージセンサー、またはN型金属酸化物半導体(NMOS)イメージセンサーなどの、光学画像をキャプチャし、電子データ信号に変換することができる任意の好適なデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、撮像センサーは、CCDカメラである。例えば、カメラは、電子増倍CCD(EMCCD)カメラまたは強化CCD(ICCD)カメラであり得る。他の実施形態では、撮像センサーは、CMOS型カメラである。
【0066】
主題のシステム内の撮像センサーの数は、必要に応じて、変わり得る。例えば、主題のシステムは、例えば、2個以上の撮像センサー、例えば、3個以上の撮像センサー、例えば、4個以上の撮像センサー、例えば、5個以上の撮像センサー、および10個以上の撮像センサーを含む、1個以上の撮像センサーを含み得る。特定の実施形態では、システムは、1個の撮像センサーを含む。他の実施形態では、システムは、2個の撮像センサーを含む。システムが2個以上の撮像センサーを含む場合、各撮像センサーは、例えば、15°~85°、例えば、20°~80°、例えば、25°~75°、および30°~60°を含む、10°~90°の範囲の角度で(X-Y平面で参照されたときに)他方に対して配向され得る。特定の実施形態では、各撮像センサーは、(X-Y平面で参照されたときに)互いに直交して配向される。例えば、主題のシステムが2個の撮像センサーを含む場合、第1の撮像センサーは、(X-Y平面で参照されたときに)第2の撮像センサーと直交して配向される。
【0067】
主題のシステムが2つ以上の撮像センサーを含む場合、各撮像センサーは、同じであっても、センサーの組み合わせであってもよい。例えば、主題のシステムが2つの撮像センサーを含む場合、いくつかの実施形態では、第1の撮像センサーが、CCD型デバイスであり、第2の撮像センサーが、CMOS型デバイスである。他の実施形態では、第1の撮像センサーおよび第2の撮像センサーの両方が、CCD型デバイスである。さらに他の実施形態では、第1の撮像センサーおよび第2の撮像センサーの両方が、CMOS型デバイスである。
【0068】
いくつかの実施形態では、撮像センサーは、固定されており、粒子選別モジュールハウジング内の開口部に関して単一位置を維持する。他の実施形態では、撮像センサーは、例えば、偏向されたフローストリームの経路に沿って、移動するように構成され得る。例えば、撮像センサーは、偏向されたフローストリームに沿って上流および下流を移動し、粒子選別モジュールのハウジング内の開口部を通して複数の検出フィールド内の画像をキャプチャするように構成され得る。撮像センサーが移動するように構成される場合、撮像センサーは、連続的に移動され得る。他の実施形態では、撮像センサーは、例えば、1mm以上のインクリメント、例えば、2mm以上のインクリメント、および5mm以上のインクリメントを含む、離散間隔で移動され得る。
【0069】
撮像センサーは、連続的に、または離散間隔で、画像をキャプチャするように構成され得る。いくつかの例では、関心の撮像センサーは、画像を連続的にキャプチャするように構成される。他の例では、撮像センサーは、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、および1000ミリ秒毎を含む、または何らかの他の間隔でフローストリームの画像をキャプチャするなど、離散間隔で測定するように構成される。
【0070】
以下でより詳細に記載されるように、撮像センサーは、偏向されたフローストリームの1つ以上の画像をキャプチャするように構成される。例えば、撮像センサーは、例えば、3個以上の画像、例えば、4個以上の画像、例えば、5個以上の画像、例えば、10個以上の画像、例えば、15個以上の画像、および25個以上の画像を含む、偏向されたフローストリームの2個以上の画像をキャプチャするように構成され得る。複数の画像がキャプチャされる場合、プロセッサは、所望であれば、複数の画像を組み合わせるためのデジタル撮像処理アルゴリズムを含んでもよい。
【0071】
所望の画像解像度に応じて、撮像センサーは、フルセンサー読み出し時に、例えば、75ms以下、例えば、50ms以下、例えば、25ms以下、例えば、10ms以下、例えば、5ms以下、例えば、1ms以下、例えば、0.1ms以下、例えば、0.01ms以下、例えば、0.001ms以下、例えば、0.0001ms以下、例えば、0.00001ms以下、および0.000001ms以下の露光時間を含む、100ms以下の露光時間を有し得る。例えば、撮像センサーの露光時間は、例えば、0.001ms~5ms、例えば、0.01ms~2ms、および0.1ms~1msを含む、0.0001ms~10msの範囲であり得る。
【0072】
特定の実施形態では、主題のシステム内の撮像センサーは、例えば、1.5M以上、例えば、2M以上、2.5M以上、または3M以上など、1M以上のアクティブピクセルを有し得る。特定の態様では、ピクセルは、約0.3μmの実際の物理寸法に対応する。検出フィールドに応じて、いくつかの例では、撮像センサーは、約150mm2~約175mm2、約175mm2~約200mm2、約200mm2~約225mm2、約225mm2~約250mm2、約250mm2~約300mm2、約300mm2~約400mm2、約400mm2~約500mm2、約500mm2~約750mm2、約750mm2~約1000mm2、または約1000mm2以上など、150mm2以上のセンサー面積を有する。
【0073】
撮像センサーは、センサーが、開口部を通して、偏向されたフローストリームの画像をキャプチャすることができる限り、粒子選別モジュールハウジング内の開口部から任意の好適な距離に位置付けられ得る。例えば、撮像センサーは、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、例えば、1mm以上、例えば、2.5mm以上、例えば、5mm以上、例えば、10mm以上、例えば、15mm以上、例えば、25mm以上、および粒子選別モジュールハウジング内の開口部から50mm以上を含む、粒子選別モジュールハウジング内の開口部から0.01mm以上に位置付けられ得る。
【0074】
いくつかの例では、撮像センサーは、光学調整部品も含む。光学調整部品は、キャプチャされる寸法を増加もしくは減少させるように、または画像の光学解像度を高めるように、必要に応じて、キャプチャされる画像を変更するように構成され得る。いくつかの例では、光学調整は、例えば、5%以上、例えば、10%以上、例えば、25%以上、例えば、50%以上、および撮像センサーの検出フィールドを75%以上増加させることを含む、撮像センサーによってキャプチャされる検出フィールドのサイズを増加させるように構成された拡大プロトコルである。他の例では、光学調整は、例えば、5%以上、例えば、10%以上、例えば、25%以上、例えば、50%以上、および撮像センサーによってキャプチャされる検出フィールドのサイズを75%以上減少させることを含む、撮像センサーによってキャプチャされる検出フィールドのサイズを減少させるように構成された縮小プロトコルである。特定の実施形態では、光学調整は、例えば、5%以上、例えば、10%以上、例えば、25%以上、例えば、50%以上、および、キャプチャされる画像の解像度を75%以上高めることを含む、キャプチャされる画像の解像度を向上するように構成された解像度向上プロトコルである。撮像センサーによる画像のキャプチャは、以下に限定されないが、レンズ、ミラー、フィルタ、およびそれらの組み合わせなどの、任意の好都合な光学調整プロトコルを用いて調整され得る。特定の実施形態では、撮像センサーは、集束レンズを含む。集束レンズは、例えば、縮小レンズであり得る。他の実施形態では、集束レンズは、拡大レンズである。
【0075】
本開示の撮像センサーは、1つ以上の波長分離器も含み得る。「波長分離器」という用語は、本明細書では、検出のために、多色光をその成分波長に分離するための光学プロトコルを指すために、一般的な意味で使用される。特定の実施形態による波長分離は、多色光の特定の波長または波長範囲を選択的に通過または遮断することを含み得る。光の波長を分離するために、透過光は、他の波長分離プロトコルの中でも、着色ガラス、バンドパスフィルタ、干渉フィルタ、ダイクロイックミラー、回折格子、モノクロメータ、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好都合な波長分離プロトコルを通過され得る。システムは、例えば、2個以上、例えば、3個以上、例えば、4個以上、例えば、5個以上、および10個以上の波長分離器を含む、1個以上の波長分離器を含み得る。一実施例では、撮像センサーは、1個のバンドパスフィルタを含む。別の実施例では、撮像センサーは、2個以上のバンドパスフィルタを含む。別の実施例では、撮像センサーは、2個以上のバンドパスフィルタと、回折格子とを含む。さらに別の実施例では、撮像センサーは、複数のバンドパスフィルタと、モノクロメータと、を含む。特定の実施形態では、撮像センサーは、フィルタホイールセットアップに構成された複数のバンドパスフィルタおよび回折格子を含む。撮像センサーが2個以上の波長分離器を含む場合、波長分離器は、多色光を成分波長に分離するために、個別にまたは直列に利用され得る。いくつかの実施形態では、波長分離器は、直列に配置される。他の実施形態では、波長分離器は、1つ以上の測定が波長分離器の各々を使用して行われるように、個々に配置される。
【0076】
いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上のバンドパスフィルタなどの、1つ以上の光学フィルタを含む。例えば、いくつかの例では、関心の光学フィルタは、例えば、3nm~95nm、例えば、5nm~95nm、例えば、10nm~90nm、例えば、12nm~85nm、例えば15nm~80nm、および20nm~50nmの範囲の最小帯域幅を有するバンドパスフィルタを含む、2nm~100nmの範囲の最小帯域幅を有するバンドパスフィルタである。他の例では、光学フィルタは、例えば、1550nm以下、例えば、1500nm以下、例えば、1450nm以下、例えば、1400nm以下、例えば、1350nm以下、例えば、1300nm以下、例えば、1000nm以下、例えば、950nm以下、例えば、900nm以下、例えば、850nm以下、例えば、800nm以下、例えば、750nm以下、例えば、700nm以下、例えば、650nm以下、例えば、600nm以下、例えば、550nm以下、例えば、500nm以下、および450nm以下の光の波長を減衰させるロングパスフィルタを含む、例えば、1600nm以下の光の波長を減衰させるロングパスフィルタなどの、ロングパスフィルタである。さらに他の例では、光学フィルタは、例えば、250nm以上、例えば、300nm以上、例えば、350nm以上、例えば、400nm以上、例えば、450nm以上、例えば、500nm以上、例えば、550nm以上、および600nm以上の光の波長を減衰させるショートパスフィルタを含む、例えば、200nm以上の光の波長を減衰させるショートパスフィルタなどの、ショートパスフィルタである。
【0077】
他の実施形態では、波長分離器は、回折格子である。回折格子としては、以下に限定されないが、透過型回折格子、分散型回折格子、または反射型回折格子が挙げられ得る。回折格子の好適な間隔は、光源、検出フィールド、および撮像センサー、ならびに存在する他の光学調整プロトコル(例えば、集束レンズ)の構成に応じて、例えば、0.025μm~7.5μm、例えば、0.5μm~5μm、例えば、0.75μm~4μm、例えば、1μm~3.5μm、および1.5μm~3.5μmを含む、0.01μm~10μmの範囲で変わり得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、各撮像センサーは、粒子選別モジュールハウジング内の開口部を通してフローストリームを照射するための1つ以上の光源に動作可能に結合される。いくつかの実施形態では、光源は、連続波レーザーなどのレーザーである。例えば、レーザーは、紫外線ダイオードレーザー、可視ダイオードレーザー、および近赤外線ダイオードレーザーなどのダイオードレーザーであってもよい。いくつかの例では、ダイオードレーザーは、例えば、405nm~875nm、例えば、450nm~800nm、例えば、500nm~650nm、および525nm~625nmを含む、375nm~1000nmの範囲の波長で光を出力する。特定の実施形態では、関心のレーザーは、405nmダイオードレーザーを含む。他の実施形態では、レーザーは、ヘリウムネオン(HeNe)レーザーであり得る。いくつかの例では、レーザーは、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、キセノンレーザー、窒素レーザー、CO2レーザー、COレーザー、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザー、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザー、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザー、またはキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザー、もしくはそれらの組み合わせなどのガスレーザーである。他の例では、主題のシステムは、スチルベンレーザー、クマリンレーザー、またはローダミンレーザーなどの色素レーザーを含む。さらに他の例では、関心のレーザーは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザー、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザー、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザー、ヘリウム-銀(HeAg)レーザー、ストロンチウムレーザー、ネオン-銅(NeCu)レーザー、銅レーザー、または金レーザー、およびそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザーを含む。さらに他の例では、主題のシステムは、ルビーレーザー、Nd:YAGレーザー、NdCrYAGレーザー、Er:YAGレーザー、Nd:YLFレーザー、Nd:YVO4レーザー、Nd:YCa4O(BO3)3レーザー、Nd:YCOBレーザー、チタンサファイアレーザー、スリムYAGレーザー、イッテルビウムYAGレーザー、Yb2O3レーザー、またはセリウムドープレーザー、およびそれらの組み合わせなどの固体レーザーを含む。特定の実施形態では、光源は、低電力レーザー(例えば、5mWを出力する650nmレーザー)である。
【0079】
他の実施形態では、光源は、例えば、100nm以上、例えば、150nm以上、例えば、200nm以上、例えば、250nm以上、例えば、300nm以上、例えば、350nm以上、例えば、400nm以上、および500nm以上に及ぶなど、例えば、50nm以上に及ぶ広い範囲の波長を有する光を放出する広帯域光源などの非レーザー光源である。例えば、ある好適な広帯域光源は、200nm~1500nmの波長を有する光を放出する。好適な広帯域光源の別の実施例は、400nm~1000nmの波長を有する光を放出する光源を含む。他の広帯域光源の中でも、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化ファイバー結合広帯域光源、連続スペクトルを有する広帯域LED、超高輝度発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED統合白色光源、またはそれらの任意の組み合わせなど、任意の好都合な広帯域光源プロトコルが採用され得る。特定の実施形態では、画像キャプチャ中に粒子選別モジュール内の開口部を通してフローストリームを照射するための光源は、赤外線LEDのアレイを含む。
【0080】
他の実施形態では、光源は、特定の波長または狭い範囲の波長を放射する狭帯域光源である。いくつかの例では、狭帯域光源は、例えば、50nm以下、例えば、40nm以下、例えば、30nm以下、例えば、25nm以下、例えば、20nm以下、例えば、15nm以下、例えば、10nm以下、例えば、5nm以下、例えば、2nm以下などの狭い範囲の波長を有する光を放出し、特定の波長の光(すなわち、単色光)を放出する光源を含む。狭波長LED、レーザーダイオード、または1つ以上の光学バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータ、またはこれらの任意の組み合わせに結合された広帯域光源などの、任意の好都合な狭帯域光源プロトコルが採用され得る。
【0081】
実施形態では、撮像センサーは、粒子選別モジュールハウジングの開口部を通して、検出フィールド内の画像をキャプチャするように構成される。「検出フィールド」は、撮像センサーによってキャプチャされる、粒子選別モジュールハウジング内の開口部を通した視野を意味する。撮像される検出フィールドは変わり得る。いくつかの実施形態では、検出フィールドは、偏向されたフローストリームの所定の長さである。他の実施形態では、検出フィールドは、粒子選別モジュールハウジング内の開口部の所定の部分である。いくつかの実施形態では、撮像センサーは、検出フィールド内の液滴デフレクタから発生する偏向されたフローストリームの画像をキャプチャするように構成される。実施形態では、画像検出フィールドは、偏向されたフローストリームの、例えば、0.005cm以上、例えば、0.01cm以上、例えば、0.05cm以上、例えば、0.1cm以上、例えば、0.5cm以上、例えば、1cm以上、例えば、2cm以上、例えば、5cm以上、および10cm以上を含む、偏向されたフローストリームの0.001cm以上に及び得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、検出フィールドは、粒子選別モジュールハウジングの遠位端で試料収集ポートの位置を含む。特定の例では、試料収集ポートは、試料収集容器に結合され、撮像センサーは、ハウジングの遠位端で試料収集容器の位置をキャプチャするように構成される。特定の実施形態では、撮像センサーは、粒子選別モジュールハウジングの開口部を通して画像をキャプチャして、撮像された開口部を取得するように構成されており、撮像センサーに動作可能に結合されたプロセッサは、水平軸に沿って、ハウジングの遠位端で試料収集ポートの各々について境界の撮像された開口部内の位置を計算するように構成される。いくつかの例では、境界の位置を計算することは、試料収集ポートの各々の境界間の距離を決定することを含む。例えば、プロセッサは、第1の試料収集ポートの境界が、例えば、0.5mm~95mm、例えば、1mm~90mm、例えば、1.5mm~85mm、例えば、2mm~80mm、例えば、2.5mm~75mm、および3mm~70mmを含む、水平軸に沿って、画像の最左端から0.1mm~100mmにある、撮像された開口部に基づいて計算するように構成され得る。他の例では、プロセッサは、第2の試料収集ポートの境界が、例えば、0.5mm~95mm、例えば、1mm~90mm、例えば、1.5mm~85mm、例えば、2mm~80mm、例えば、2.5mm~75mm、および3mm~70mmを含む、水平軸に沿って、画像の最左端から0.1mm~100mmにある、撮像された開口部に基づいて計算するように構成され得る。さらに他の例では、プロセッサは、第3の試料収集ポートの境界が、例えば、0.5mm~95mm、例えば、1mm~90mm、例えば、1.5mm~85mm、例えば、2mm~80mm、例えば、2.5mm~75mm、および3mm~70mmを含む、水平軸に沿って、画像の最左端から0.1mm~100mmにある、撮像された開口部に基づいて計算するように構成され得る。
【0083】
他の実施形態では、プロセッサは、試料収集ポートが各々、例えば、0.5mm~9.5mm、例えば、1mm~9mm、例えば、1.5mm~8.5mm、例えば、2mm~8mm、例えば、2.5mm~7.5mm、および3mm~7mmを含む、水平軸に沿って0.1mm~10mm互いに離間されている、撮像された開口部に基づいて計算するように構成され得る。
【0084】
さらに他の実施形態では、プロセッサは、第1の試料収集ポートの境界が、例えば、0.5mm~95mm、例えば、1mm~90mm、例えば、1.5mm~85mm、例えば、2mm~80mm、例えば、2.5mm~75mm、および3mm~70mmを含む、水平軸に沿って、画像の最右端から0.1mm~100mmにある、撮像された開口部に基づいて計算するように構成され得る。他の例では、プロセッサは、第2の試料収集ポートの境界が、例えば、0.5mm~95mm、例えば、1mm~90mm、例えば、1.5mm~85mm、例えば、2mm~80mm、例えば、2.5mm~75mm、および3mm~70mmを含む、水平軸に沿って、画像の最右端から0.1mm~100mmにある、撮像された開口部に基づいて計算するように構成され得る。さらに他の例では、プロセッサは、第3の試料収集ポートの境界が、例えば、0.5mm~95mm、例えば、1mm~90mm、例えば、1.5mm~85mm、例えば、2mm~80mm、例えば、2.5mm~75mm、および3mm~70mmを含む、水平軸に沿って、画像の最右端から0.1mm~100mmにある、撮像された開口部に基づいて計算するように構成され得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、システムは、粒子選別モジュールの開口部の画像をキャプチャして、撮像された開口部を取得し、開口部の画像をピクセル化された画像に変換するように構成される。「ピクセル化された」という用語は、本明細書では、キャプチャされた画像が、多数の規則的に離間された(例えば、グリッド状の)ピクセルで構成され、各ピクセルが、キャプチャされた画像の一部を形成することを意味するために、一般的な意味で使用される。これらの実施形態では、撮像センサーに動作可能に結合されたプロセッサは、水平軸に沿って、ハウジングの遠位端でポートの各々について境界の撮像された開口部内でのピクセル位置を計算するように構成され得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、撮像された開口部に基づいて、各試料収集ポートの境界の、画像の最左端からのピクセル位置を、水平軸に沿って計算するように構成され得る。例えば、各試料収集ポートの境界の位置は、水平軸に沿って、画像の最左端からのピクセル数として出力され得る。いくつかの例では、各試料収集ポートの境界の位置は、例えば、5ピクセル~750ピクセル、例えば、10ピクセル~500ピクセル、および25ピクセル~250ピクセルを含む、水平軸に沿って、粒子選別モジュールハウジング内の開口部の画像の最左端から1ピクセル~1000ピクセルの範囲であり得る。他の例では、各試料収集ポートの境界の位置は、水平軸に沿ったピクセル数と、撮像された開口部全体の総ピクセル数との比率として出力される。例えば、撮像された開口部全体の総ピクセル数は100ピクセルであり得、試料収集ポートの各境界の位置は、例えば、5/100~95/100、例えば、10/100~90/100、例えば、15/100~85/100、例えば、20/100~80/100、および25/100~75/100の範囲の比を含む、1/100~99/100の範囲の比であり得る。
【0087】
特定の実施形態では、関心のシステムは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを含み、メモリは、その上に記憶された命令を含んでおり、これらの命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、撮像された開口部全体の総ピクセル数を水平軸に沿って計算させ、この総ピクセル数に所定の比率を乗算させる。これらの実施形態では、各試料収集ポートの境界(例えば、水平軸に沿った左右の境界)は、撮像された開口部に基づいて決定され、ピクセル数が割り当てられ、このピクセル数に所定の比率が乗算される。所定の比率は、特定の例では、各試料収集ポートの境界の撮像された開口部内でのピクセル数を、水平軸に沿った、撮像された開口部全体のピクセル数で除算することによって計算される。
【0088】
図1は、特定の実施形態による、粒子選別モジュールの遠位端で試料収集ポートの境界を決定するための例示的な計算を示す。
図1は、軌道101a、101b、および101cに従ってフローストリームをそらせる液滴デフレクタ101を有する粒子選別モジュール100を示す。粒子選別モジュール100は、軌道101a、101b、および101cを有するフローストリームを視覚化するための開口部102を含む。フローストリームは、レーザー103で照射される。粒子選別モジュール100の遠位端には、試料収集ポート100L、100C、および100Rがある。
【0089】
第1の試料収集ポート(例えば、第1の偏向ポート)100Lの境界は、L1およびLrによって画定され、第2の試料収集ポート(例えば、廃液ポート)100Cは、C1およびCrによって画定され、第3の試料収集ポート(例えば、第2の偏向ポート)100Rは、R1およびRrによって画定される。この実施例では、開口部全体の総ピクセル数(P)は、100である。試料収集ポートの境界(L1およびLr、C1およびCr、ならびにR1およびRr)は、P*(ピクセル位置/総ピクセル数)として計算される。
【0090】
システムが、撮像された開口部に基づいて、試料収集ポートの位置付けを決定するように構成される場合、プロセッサは、フローストリームを1つ以上の試料収集ポートと整列させるための命令を有するメモリをさらに含み得る。例えば、メモリは、決定された境界に基づいて、フローストリームを試料収集ポートのうちの1つの中心と整列させるための命令を含み得る。一例では、システムは、フローストリームを試料収集ポートと整列させるように構成され得る。別の例では、システムは、フローストリームを廃液収集ポートと整列させるように構成される。さらに別の例では、システムは、水平軸に沿って、フローストリームをハウジングの遠位端の中心と整列させるように構成される。
【0091】
図2は、特定の実施形態による、偏向されたフローストリームの液滴を視覚化するように構成された開口部を有する粒子選別モジュールを示す。
図2に示されるように、試料収集ポートの境界のピクセル位置、ならびにフローストリームの偏向された液滴の軌道が、開口部を通してキャプチャされた画像から決定される。
【0092】
特定の実施形態による粒子選別システムは、粒子選別モジュールの近位端で入口に流体結合された試料入力サブシステムも含む。実施形態では、試料入力サブシステムは、粒子選別モジュール内のフローセルノズルチャンバに試料の好適な流れを提供するように構成される。フローノズルから発生するフローストリームの所望の特性に応じて、試料入力サブシステムによって粒子選別モジュールに搬送される試料の速度は、例えば、2μL/分以上、例えば、3μL/分以上、例えば、5μL/分以上、例えば、10μL/分以上、例えば、15μL/分以上、例えば、25μL/分以上、例えば、50μL/分以上、および100μL/分以上を含む、1μL/分以上であり得、いくつかの例では、流量は、例えば、2μL/分以上、例えば、3μL/分以上、例えば、5μL/分以上、例えば、10μL/分以上、例えば、15μL/分以上、例えば、25μL/分以上、例えば、50μL/分以上、および100μL/分以上を含む、1μL/分以上である。
【0093】
いくつかの実施形態では、試料流体サブシステムは、容器と、キャップと、容器の内部空洞内への1つ以上のポートとを含む。容器は、遠位端と、近位端とを有し、遠位端と近位端との間に壁を有し、これらが一緒に、容器内に内部空洞を形成する。いくつかの実施形態では、容器の外壁および内部空洞は、同じ断面形状を有し、関心の断面形状は、以下に限定されないが、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、ならびに、例えば、平面状の上部に結合された放物線状の底部などの不規則形状が挙げられる。容器は、以下に限定されないが、例えば、上述のように、ガラス、金属、または可撓性または剛性プラスチック、ポリマーもしくは熱可塑性材料などのプラスチックなどの、任意の好適な材料から形成され得る。
【0094】
容器の内部空洞のサイズは、試料のサイズおよび粒子選別モジュールのサイズに応じて変わり得、いくつかの例では、容器の内部空洞の長さは、例えば、2.5cm~22.5cm、例えば、5cm~20cm、例えば、7.5cm~17.5cm、および10cm~15cmを含む、1cm~25cmの範囲であり得、容器の内部空洞の幅は、例えば、2cm~17.5cm、例えば、3cm~15cm、例えば、4cm~12.5cm、および5cm~10cmを含む、1cm~20cmの範囲であり得る。容器の内部空洞が円筒形の断面を有する場合、直径は、いくつかの実施形態では、例えば、2cm~9cm、例えば、3cm~8cm、および4cm~7cmを含む、1cm~10cmの範囲で変わり得る。したがって、容器の容積は、例えば、5~250cm3、例えば、10~200cm3、例えば、15~150cm3、例えば、20~125cm3、および25~100cm3を含む、1~500cm3の範囲で変わり得る。いくつかの実施形態では、試料入力モジュールの容器は、例えば、2mL~400mL、例えば、3mL~300mL、例えば、4mL~200mL、例えば、5mL~150mL、および10mL~100mLを含む、1mL~500mLの範囲の容積を有する管である。
【0095】
実施形態では、試料入力モジュールの容器は、容器の近位端を閉鎖するように構成されたキャップも含む。例えば、キャップは、ねじキャップ、スナップ式キャップ、または永続性、半永続性、または非永続性の接着剤によって容器に接続するキャップであり得る。特定の例では、キャップは、容器の壁と流体シールを形成する。キャップは、キャップが容器への永続性接着剤を使用して成形される、はんだ付けされる、溶接される、または固定される場合を含め、一体化された容器の一部であってもよい。他の実施形態では、キャップは、容器に解放可能に取り付けられる。「解放可能に」は、キャップが、自由に、容器の近位端から取り外され、容器の近位端に再取り付けされ得ることを意味する。キャップが容器に解放可能に取り付けられる場合、キャップは、以下に限定されないが、面ファスナ、ラッチ、ノッチ、溝、ピン、テザー、ヒンジ、ベルクロ、非永続性接着剤、ねじ、またはそれらの組み合わせを含む、任意の好都合な取り付けプロトコルによって、容器に非永続的に固定され得る。特定の例では、容器は、ねじ付き外壁を含み、キャップの内壁にねじ留めされる。
【0096】
キャップは、例えば、2つ以上のポート、例えば、3つ以上のポート、例えば、4つ以上のポート、および5つ以上のポートを含む、容器の内部空洞内への1つ以上のポートを含み得る。特定の実施形態では、キャップは、2つのポートを含む。ポートは、容器の内部空洞と流体連通または気体連通するように構成された任意の好都合なポートであり得る。いくつかの実施形態では、キャップは、ガスを容器内に搬送して、容器内に正圧を生じさせ、第2のポートを通して容器内から粒子選別モジュールに試料流体を搬送するように構成されたポートを含む。いくつかの例では、容器は、空気が抜け出ることを可能にするために、キャップ内の第3の開口部を含む。
【0097】
ポートの所望の機能に応じて、任意の好適なポート構成が採用され得、ポートの例としては、他のタイプのポートの中でも、チャネル、オリフィス、逆止弁を有するチャネル、ルアーテーパーフィッティング、ブレーカブルシールを有するポート(例えば、シングルユースポート)が挙げられる。特定の実施形態では、ポートは、ルアーロックまたはルアースリップなどのルアーテーパーフィッティングで構成される。試料入力モジュールのキャップ内のポートは、任意の好適な形状であり得、関心のポートの断面形状は、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、ならびに、例えば、平面状の上部に結合された放物線状の底部などの不規則形状が挙げられる。ポートの寸法は、いくつかの実施形態では、例えば、2mm~95mm、例えば、3mm~90mm、例えば、4mm~80mm、例えば、5mm~70mm、例えば、6mm~60mm、および10mm~50mmを含む、1mm~100mmの範囲で変わり得る。いくつかの実施形態では、ポートは円形オリフィスであり、ポートの直径は、例えば、2mm~90mm、例えば、4mm~80mm、例えば、5mm~70mm、例えば、6mm~60mm、および10mm~50mmを含む、1mm~100mmの範囲である。したがって、ポートの形状に応じて、キャップ内のポートは、例えば、0.05mm2~200mm2、例えば、0.1mm2~150mm2、例えば、0.5mm2~100mm2、例えば、1mm2~75mm2、例えば、2mm2~50mm2、および5mm2~25mm2を含む、0.01mm2~250mm2の範囲の開口部を有し得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、試料入力サブシステムは、キャップ内の1つ以上のポートを介して容器の内部空洞と流体連通する1つ以上の導管を含む。例えば、試料入力モジュールは、例えば、3個以上の導管、および5個以上の導管を含む、2個以上の導管を含み得る。各導管は、容器の内部空洞と接触する近位端と、ガスまたは流体を入力または出力するための開口部を有する遠位端とを含む。いくつかの例では、試料入力サブシステムは、ガスを容器内に搬送するための入口導管と、試料流体を容器から粒子選別モジュールに搬送するための出口導管とを含む。他の例では、試料入力サブシステムは、ガスを容器内に搬送するための2つの入口導管と、試料流体を容器から粒子選別モジュールに搬送するための1つの出口導管とを含む。
【0099】
各導管は、独立的に変わる長さを有し得、各導管は、例えば、7cm以上、例えば、10cm以上、例えば、25cm以上、例えば、30cm以上、例えば、50cm以上、例えば、75cm以上、例えば、100cm以上、例えば、250cm以上、および500cm以上を含む、5cm以上であり得る。各導管の内径もまた変わり得、例えば、0.75mm以上、例えば、1mm以上、例えば、1.5mm以上、例えば、2mm以上、例えば、5mm以上、例えば、10mm以上、例えば、25mm以上、および50mm以上を含む、0.5mm以上であり得る。例えば、容器から粒子選別モジュールへ流体を搬送する所望の流量に応じて、内径は、例えば、1mm~25mm、および5mm~15mmを含む、0.5mm~50cmの範囲であり得る。
【0100】
各導管は、必要に応じて開閉され得る1つ以上のバルブを用いて構成され得る。例えば、各導管は、例えば、3つ以上のバルブ、例えば、4つ以上のバルブ、および5つ以上のバルブを含む、2つ以上のバルブで構成され得る。以下に限定されないが、ピンチバルブ、ボールバルブ、バタフライバルブ、ディスクバルブ、クラッパーバルブ、逆止弁、ボール逆止弁、ダイアフラムバルブ、リフト逆止弁、傾斜ディスク逆止弁、ニードルバルブ、ピストンバルブ、プラグバルブ、ポペットバルブ、およびスプールバルブなどの、任意の好都合なバルブプロトコルが採用され得る。特定の実施形態では、ガスを容器内に搬送するための入口導管は、2つのピンチバルブを用いて構成され得る。試料の無菌性を維持するために、ガス源から容器への入口導管は、高効率微粒子捕集(HEPA)フィルタ、または、例えば、25μm以下、例えば、15μm以下、例えば、10μm以下、例えば、5μm以下、例えば、1μm以下、例えば、0.5μm以下、例えば、0.1μm以下、例えば、0.05μm以下、例えば、0.01μm以下、および0.001μm以下を含む、50μm以下の細孔を有するフィルタなどのフィルタを含み得る。
【0101】
特定の実施形態では、システムは、試料入力サブシステム容器の入口導管と気体連通する1つ以上のガス源をさらに含む。いくつかの例では、ガス源は、以下に限定されないが、加圧ガスシリンダ、コンプレッサなどの加圧ガスである。特定の例では、加圧ガスは、2psi以上、例えば、10psi以上を含む5psi以上、例えば、20psi以上を含む15psi以上の圧力を有し、いくつかの例では、圧力は、25psi以上、例えば、50psi以上、または100psi以上を含む75psi以上、もしくは125psi以上、例えば、150psi以上である。加圧ガスは、試料入力サブシステムの容器内に正圧を生じさせるために好適な、任意の好都合なタイプのガスであり得る。例えば、加圧ガスとしては、空気、窒素、アルゴンなどが挙げられ得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、試料入力サブシステムは、試料撹拌器を含む。以下に限定されないが、他の撹拌プロトコルの中でも、ソニケータ、機械式もしくは電気式シェーカーなど、任意の好都合な撹拌プロトコルが採用され得る。特定の実施形態では、試料撹拌器は、オフセンタドライブと共に、ステッピングモータおよびベアリング(動きを排除するため)を有する偏心運動機器である。試料撹拌器は、例えば、1分以上、例えば、2分以上、例えば、5分以上、例えば、10分以上、例えば、15分以上、例えば、30分以上、例えば、60分以上、例えば、120分以上、例えば、240分以上、および480分以上を含む、任意の所望の継続時間の間、試料入力モジュールを撹拌するように構成され得る。
【0103】
試料入力サブシステムは、温度コントローラも含み得、主題の試料入力サブシステム内の試料の温度は、必要に応じて、維持または変更(例えば、上昇または低下)され得る。例えば、温度コントローラは、例えば、-75℃~75℃、例えば、-50℃~50℃、例えば、-25℃~25℃、例えば、-10℃~10℃、および0℃~25℃を含む、-80℃~100℃に試料入力サブシステムの温度を維持するように構成され得る。特定の態様では、主題のシステムは、試料入力サブシステム容器内の温度を測定するための温度センサーと、試料入力モジュールが閉ループ様式で動作することを可能にするように構成されたフィードバックモニタとを含む。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、試料入力サブシステム内の温度を評価し得、フィードバックモニタは、温度を調整し得る(例えば、必要に応じて、実質的にリアルタイムで試料入力サブシステム容器内の温度を上昇または低下させて、より有効な結果を自動的に取得する)。
【0104】
特定の実施形態による粒子選別システムは、粒子選別モジュールのフローセルノズルにシース流体を搬送するためのシース流体送達サブシステムも含む。「シース流体」という用語は、本明細書では、シース流体ストリームの中心に、粒子含有試料流体の流体力学的集束流れを生じさせる、試料含有流体と同軸の環状流れを形成するために使用される導管(例えば、フローサイトメータ内)を通って搬送される流体を指すために、一般的な意味で使用される。関心のシース流体は、例えば、フローサイトメータ内で使用するための、任意の好都合な緩衝化組成物であり得、以下に限定されないが、リン酸カリウム、塩化カリウム、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、防腐剤、ならびにエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)などのキレート剤などの、1つ以上の塩を含み得る。実施形態では、シース流体分配システムは、シース流体が入った流体リザーバと、シース流体リザーバと流体連通する近位端、および粒子選別モジュールに入力されるシース流体と流体連通する遠位端を有する導管とを含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、シース流体送達サブシステムは、ハウジング内に位置付けられた、シース流体用リザーバを有する柔軟な容器を有する加圧ハウジングを含む。他の実施形態では、シース流体送達サブシステムは、ハウジングと、ハウジング内に位置付けられた、第1の柔軟な容器と、第2の柔軟な容器とを含む。第1の柔軟な容器は、流体リザーバと、近位端と遠位端とを有する導管とを含み、近位端は、流体リザーバに流体的に結合されており、遠位端は、導管を粒子選別モジュールに結合するように構成されており、第2の柔軟な容器は、ガスリザーバと、ガスリザーバと気体連通するポートとを含む。これらの実施形態では、第2の柔軟な容器は、第1の柔軟な容器と共にハウジング内に位置付けられ、シース流体を導管の遠位端から粒子選別モジュール内に搬送するために、第1の柔軟な容器の流体リザーバに圧力を印加するように構成される。
【0106】
特定の実施形態では、関心の粒子選別システムは、2016年10月24日に出願され、WO2017/040151として公開された同時係属中のPCT特許出願第PCT/US2016/048433号、2017年3月28日に出願され、現在は米国特許第9,551,643号および米国特許公開第2017/0299493号として発行されている米国特許出願第14/365,602号に記載されるものなどの、シース流体を粒子選別モジュールに搬送するためのシース流体送達サブシステムを含み、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0107】
上記で要約したように、主題のシステムは、生体試料などの試料の粒子成分を選別するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、粒子選別モジュールの試料検査領域内(例えば、キュベット内)などの、フローストリーム内の試料の粒子成分を照射し、識別するように構成された光検出システムをさらに含む。これらの実施形態では、システムは、フローストリームの試料検査領域内の試料を照射するための1つ以上の光源を含む。光源は、他の広帯域光源の中でも、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化ファイバー結合広帯域光源、連続スペクトルを有する広帯域LED、超高輝度発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED統合白色光源、またはそれらの任意の組み合わせなどの広帯域光源であり得る。
【0108】
他の実施形態では、光源は、狭波長LED、レーザーダイオード、または1つ以上の光学バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータ、またはこれらの任意の組み合わせに結合された広帯域光源など、特定の波長または狭い範囲の波長を放射する狭帯域光源である。
【0109】
特定の実施形態では、光源は、レーザーである。いくつかの例では、主題のシステムは、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、キセノンレーザー、窒素レーザー、CO2レーザー、COレーザー、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザー、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザー、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザー、またはキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザー、もしくはそれらの組み合わせなどのガスレーザーを含む。他の例では、主題のシステムは、スチルベンレーザー、クマリンレーザー、またはローダミンレーザーなどの色素レーザーを含む。さらに他の例では、関心のレーザーは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザー、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザー、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザー、ヘリウム-銀(HeAg)レーザー、ストロンチウムレーザー、ネオン-銅(NeCu)レーザー、銅レーザー、または金レーザー、およびそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザーを含む。さらに他の例では、主題のシステムは、ルビーレーザー、Nd:YAGレーザー、NdCrYAGレーザー、Er:YAGレーザー、Nd:YLFレーザー、Nd:YVO4レーザー、Nd:YCa4O(BO3)3レーザー、Nd:YCOBレーザー、チタンサファイアレーザー、スリムYAGレーザー、イッテルビウムYAGレーザー、Yb2O3レーザー、またはセリウムドープレーザー、およびそれらの組み合わせなどの固体レーザーを含む。
【0110】
光源は、例えば、15°~85°、例えば、20°~80°、例えば、25°~75°、および30°~60°を含む、10°~90°の範囲の、フローストリームに対してある角度で位置付けられ得る。特定の実施形態では、光源は、試料に対して90°の角度で位置付けられる。
【0111】
これらの実施形態では、関心のシステムは、フローストリームからの光を検出し、測定するための1つ以上の検出器も含む。関心の検出器は、以下に限定されないが、他の光検出器の中でも、アクティブピクセルセンサー(APS)、アバランシェフォトダイオード、画像センサー、電荷結合素子(CCD)、強化電荷結合素子(ICCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、太陽電池、フォトダイオード、光電子増倍管、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体、またはフォトダイオード、ならびにこれらの組み合わせなどの光学センサーまたは光検出器が挙げられ得る。特定の実施形態では、透過光は、電荷結合素子(CCD)、半導体電荷結合素子(CCD)、アクティブピクセルセンサー(APS)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサー、またはN型金属酸化物半導体(NMOS)画像センサーで測定される。いくつかの実施形態では、撮像センサーは、CCDカメラである。例えば、カメラは、電子増倍CCD(EMCCD)カメラまたは強化CCD(ICCD)カメラであり得る。他の実施形態では、撮像センサーは、CMOS型カメラである。蛍光または散乱光がCCDで測定される場合、CCDの活性検出表面積は、例えば、0.05cm2~9cm2、例えば、0.1cm2~8cm2、例えば、0.5cm2~7cm2、および1cm2~5cm2を含む、例えば、0.01cm2~10cm2など、変わり得る。主題のシステム内の光検出器の数は、例えば、2個以上、例えば、3個以上、例えば、5個以上、および10個以上の光検出器を含む、例えば、1個以上など、必要に応じて、変わり得る。主題のシステムが2つ以上の光検出器を含む場合、各光検出器は、同じであってもよいか、または2つ以上の光検出器の集合体が、異なる光検出器の組み合わせであってもよい。
【0112】
検出器は、照射光源のタイプおよび試料の特性(例えば、試料中の粒径)に応じて、フローストリームからある距離に位置付けられ得る。例えば、検知器は、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、例えば、1mm以上、例えば、2.5mm以上、例えば、5mm以上、例えば、10mm以上、例えば、15mm以上、例えば、25mm以上、および試料から50mm以上を含む、試料から0.01mm以上離れて位置付けられ得る。検出器はまた、試料に対して変わる角度で位置付けられ得る。例えば、検出器は、例えば、15°~85°、例えば、20°~80°、例えば、25°~75°、および30°~60°を含む、10°~90°の範囲の、フローストリームに対してある角度で位置付けられ得る。特定の実施形態では、検出器は、フローストリームに対して90°の角度で位置付けられる。いくつかの実施形態では、システムは、フローストリームからの前方散乱光を検出するように位置付けられた検出器を含む。他の実施形態では、システムは、フローストリームからの側方散乱光を検出するように位置付けられた検出器を含む。さらに他の実施形態では、システムは、フローストリームからの蛍光を検出するように位置付けられた検出器を含む。
【0113】
いくつかの実施形態による粒子選別システムは、ディスプレイと、オペレータ入力デバイスとを含み得る。オペレータ入力デバイスは、例えば、キーボード、マウスなどであってもよい。処理モジュールは、主題の方法のステップを実行するために記憶された命令を有するメモリにアクセスするプロセッサを含む。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)コントローラ、システムメモリ、メモリ記憶デバイス、および入出力コントローラ、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、ならびに多くの他のデバイスを含み得る。プロセッサは、市販のプロセッサであり得るか、または利用可能であるか、もしくは利用可能になる他のプロセッサのうちの1つであり得る。プロセッサは、オペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、周知の様式でファームウェアおよびハードウェアとインターフェースし、当技術分野で既知のように、Java、Perl、C++、他の高レベルまたは低レベル言語、ならびにそれらの組み合わせなどの様々なプログラミング言語で書かれ得る様々なコンピュータプログラムの機能をプロセッサが調整し、かつ実行することを容易にする。オペレーティングシステムは、通常、プロセッサと協調して、コンピュータの他の構成要素の機能を調整し、実行する。オペレーティングシステムはまた、すべて既知の技術に従って、スケジューリング、入出力制御、ファイルおよびデータ管理、メモリ管理、ならびに通信制御および関連サービスを提供する。プロセッサは、任意の好適なアナログまたはデジタルシステムであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば、負帰還制御などのフィードバック制御を提供するアナログ電子機器を含む。
【0114】
システムメモリは、様々な既知または将来のメモリ記憶デバイスのいずれかであり得る。例としては、任意の一般的に入手可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、常駐ハードディスクもしくはテープなどの磁気媒体、リードライトコンパクトディスクなどの光学媒体、フラッシュメモリデバイス、または他のメモリ記憶デバイスが挙げられる。メモリ記憶デバイスは、コンパクトディスクドライブ、テープドライブ、リムーバブルハードディスクドライブ、またはディスクドライブを含む、様々な既知または将来のデバイスのいずれかであり得る。そのようなタイプのメモリ記憶デバイスは、通常、それぞれ、コンパクトディスク、磁気テープ、リムーバブルハードディスク、または磁気ディスクなどのプログラム記憶媒体(図示せず)から読み出し、および/またはプログラム記憶媒体に書き込む。これらのプログラム記憶媒体のいずれか、または現在使用されている、もしくは後に開発され得る他のものは、コンピュータプログラム製品とみなされ得る。理解されるように、これらのプログラム記憶媒体は、通常、コンピュータソフトウェアプログラムおよび/またはデータを記憶する。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータソフトウェアプログラムは、通常、システムメモリ、および/またはメモリ記憶デバイスと併せて使用されるプログラム記憶デバイスに記憶される。
【0115】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム製品は、その中に記憶された制御ロジック(プログラムコードを含むコンピュータソフトウェアプログラム)を有するコンピュータ使用可能媒体を備えて記載される。制御ロジックは、コンピュータのプロセッサによって実行されると、プロセッサに、本明細書に記載された機能を実行させる。他の実施形態では、いくつかの機能は、例えば、ハードウェアステートマシンを使用して、主にハードウェア内に実装される。本明細書に記載される機能を実行するためのハードウェアステートマシンの実装は、関連技術分野の当業者には明らかである。
【0116】
メモリは、磁気、光学、またはソリッドステート記憶デバイス(磁気もしくは光学ディスク、またはテープ、またはRAM、または固定型もしくは携帯型のいずれかの任意の他の好適なデバイスを含む)などの、プロセッサがデータを記憶し、取り出すことができる任意の好適なデバイスであり得る。プロセッサは、必要なプログラムコードを担持するコンピュータ可読媒体から好適にプログラムされた汎用デジタルマイクロプロセッサを含み得る。プログラミングは、通信チャネルを介してプロセッサにリモートで提供され得るか、またはメモリまたは何らかの他の携帯型もしくは固定型のコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータプログラム製品に、メモリと一緒にそれらのデバイスのいずれかを使用して、あらかじめ保存され得る。例えば、磁気ディスクまたは光学ディスクは、プログラミングを担持し得、ディスクライタ/リーダによって読み取ることができる。本発明のシステムは、例えば、コンピュータプログラム製品の形態のプログラミング、上記の方法を実施する際に使用するためのアルゴリズムも含む。本発明によるプログラミングは、コンピュータ可読媒体、例えば、コンピュータによって直接読み取りおよびアクセスすることができる任意の媒体に記録され得る。そのような媒体としては、以下に限定されないが、磁気ディスク、ハードディスク記憶媒体、および磁気テープなどの磁気記憶媒体、CD-ROMなどの光学記憶媒体、RAMおよびROMなどの電気記憶媒体、ポータブルフラッシュドライブ、ならびに磁気/光学記憶媒体などのこれらのカテゴリのハイブリッドが挙げられる。
【0117】
プロセッサはまた、リモート位置でユーザーと通信するための通信チャネルへのアクセスを有し得る。リモート位置とは、ユーザーがシステムと直接接触せず、広域ネットワーク(「WAN」)、電話ネットワーク、衛星ネットワーク、または携帯電話(すなわち、スマートフォン)を含む任意の他の好適な通信チャネルに接続されたコンピュータなど、外部デバイスから入力マネージャに入力情報を中継することを意味する。
【0118】
いくつかの実施形態では、本開示によるシステムは、通信インターフェースを含むように構成され得る。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、ネットワークおよび/または別のデバイスと通信するための受信機および/または送信機を含む。通信インターフェースは、以下に限定されないが、無線周波数(RF)通信(例えば、無線周波数識別(RFID))、Zigbee通信プロトコル、WiFi、赤外線、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)、超広帯域(UWB)、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル、および符号分割多元接続(CDMA)またはモバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)などのセルラー通信を含む、有線または無線通信のために構成され得る。
【0119】
一実施形態では、通信インターフェースは、主題のシステムと、同様の補完的データ通信のために構成される(例えば、診療所または病院環境における)コンピュータ端末などの他の外部デバイスとの間のデータ通信を可能にするために、例えば、USBポート、RS-232ポート、または任意の他の好適な電気接続ポートなどの物理ポートまたはインターフェースなど、1つ以上の通信ポートを含むように構成される。
【0120】
一実施形態では、通信インターフェースは、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、または任意の他の好適な無線通信プロトコルのために構成され、主題のシステムが、コンピュータ端末および/またはネットワーク、通信可能な携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、またはユーザーが併せて使用し得る任意の他の通信デバイスなど、他のデバイスと通信することを可能にする。
【0121】
一実施形態では、通信インターフェースは、携帯電話ネットワーク、ショートメッセージサービス(SMS)、インターネットに接続されたローカルエリアネットワーク(LAN)上のパーソナルコンピュータ(PC)への無線接続、またはWiFiホットスポットでのインターネットへのWiFi接続を介して、インターネットプロトコル(IP)を利用するデータ転送のための接続を提供するように構成される。
【0122】
一実施形態では、主題のシステムは、例えば、802.11もしくはBluetooth(登録商標)RFプロトコル、またはIrDA赤外線プロトコルなどの共通標準を使用して、通信インターフェースを介してサーバデバイスと無線で通信するように構成される。サーバデバイスは、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)もしくはノートブックコンピュータなどの別のポータブルデバイス、またはデスクトップコンピュータ、アプライアンスなどのより大きなデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、サーバデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ、ならびにボタン、キーボード、マウス、またはタッチスクリーンなどの入力デバイスを有する。
【0123】
いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、上述の通信プロトコルおよび/または機構のうちの1つ以上を使用して、ネットワークまたはサーバデバイスと、主題のシステム内、例えば、任意のデータ記憶ユニット内に記憶されたデータを自動的にまたは半自動で通信するように構成される。
【0124】
出力コントローラは、人間であろうと機械であろうと、ローカルであろうとリモートであろうと、ユーザーに情報を提示するための様々な既知の表示デバイスのいずれかのためのコントローラを含み得る。表示デバイスのうちの1つが視覚情報を提供する場合、この情報は、通常、ピクセルのアレイとして論理的および/または物理的に編成され得る。グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)コントローラは、システムとユーザーとの間にグラフィカル入力および出力インターフェースを提供するための、およびユーザー入力を処理するための、様々な既知または将来のソフトウェアプログラムのいずれかを含み得る。コンピュータの機能要素は、システムバスを介して互いに通信し得る。これらの通信のいくつかは、ネットワークまたは他のタイプのリモート通信を使用する代替の実施形態で達成され得る。出力マネージャはまた、既知の技術に従って、例えば、インターネット、電話、または衛星ネットワークを介して、リモート位置でユーザーに、処理モジュールによって生成された情報を提供し得る。出力マネージャによるデータの提示は、様々な既知の技術に従って実施され得る。いくつかの例として、データは、SQL、HTML、もしくはXMLドキュメント、電子メールもしくは他のファイル、または他の形態のデータを含み得る。データは、ユーザーが追加のSQL、HTML、XML、または他のドキュメントもしくはデータをリモートソースから取り出すことができるように、インターネットURLアドレスを含み得る。主題のシステム内に存在する1つ以上のプラットフォームは、通常、一般的にサーバと呼ばれるコンピュータのクラスのものであるが、任意のタイプの既知のコンピュータプラットフォームまたは将来開発されるタイプであってもよい。また一方、それらは、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、または他のコンピュータタイプであってもよい。それらは、任意の既知または将来のタイプのケーブル配線、またはネットワーク化されているか、またはされていないかのいずれかの無線システムを含む、他の通信システムを介して接続され得る。それらは、同一場所に配置され得るか、または物理的に分離され得る。場合により、選択されたコンピュータプラットフォームのタイプおよび/または構成に応じて、様々なオペレーティングシステムが、コンピュータプラットフォームのいずれかで採用され得る。適切なオペレーティングシステムとしては、Windows 10、Windows NT(登録商標)、Windows XP、Windows 7、Windows 8、iOS、Sun Solaris、Linux(登録商標)、OS/400、Compaq Tru64 Unix、SGI IRIX、Siemens Reliant Unix、Ubuntu、Zorin OSなどが挙げられる。
【0125】
本開示の態様は、上述のように、偏向されたフローストリームを視覚化するための開口部を有する粒子選別モジュールのうちの1つ以上を有するフローサイトメトリシステムをさらに含む。好適なフローサイトメトリシステムおよび試料内の粒子を選別するための方法としては、以下に限定されないが、Ormerod(ed.)、Flow Cytometry:A Practical Approach,Oxford Univ. Press(1997)、Jaroszeski et al.(eds.),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press(1997)、Practical Flow Cytometry,3rd ed.,Wiley-Liss(1995)、Virgo,et al.(2012)Ann Clin Biochem.Jan;49(pt 1):17-28、Linden,et.al.,Semin Throm Hemost. 2004 Oct;30(5):502-11、Alison,et al.J Pathol,2010 Dec;222(4):335-344、およびHerbig,et al.(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst. 24(3):203-255に記載されているものが挙げられ、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。特定の例では、関心のフローサイトメトリシステムとしては、BD Biosciences FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSCelesta(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVerse(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortess(商標)X-20フローサイトメータ、およびBD Biosciences FACSCalibur(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSCount(商標)細胞選別機、BD Biosciences FACSLyric(商標)細胞選別機、およびBD Biosciences Via(商標)細胞選別機、BD Biosciences Influx(商標)細胞選別機、BD Biosciences Jazz(商標)細胞選別機、BD Biosciences Aria(商標)細胞選別機、およびBD Biosciences FACSMelody(商標)細胞選別機などが挙げられる。
【0126】
いくつかの実施形態では、主題の粒子選別システムは、米国特許第9,952,076号、同第9,933,341号、同第9,726,527号、同第9,453,789号、同第9,200,334号、同第9,097,640号、同第9,095,494号、同第9,092,034号、同第8,975,595号、同第8,753,573号、同第8,233,146号、同第8,140,300号、同第7,544,326号、同第7,201,875号、同第7,129,505号、同第6,821,740号、同第6,813,017号、同第6,809,804号、同第6,372,506号、同第5,700,692号、同第5,643,796号、同第5,627,040号、同第5,620,842号、同第5,602,039号に記載されるものなどのフローサイトメトリシステムであり、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0127】
いくつかの実施形態では、関心の粒子選別システムは、2017年3月28日に出願され、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2017/0299493号に記載されるものなどの、密閉型粒子選別モジュールを用いて粒子を選別するように構成される。例えば、関心の粒子選別システムは、粒子選別モジュールのハウジング上のアライナと結合するように構成されたレジスタを含み得る。レジスタは、粒子選別モジュールのハウジング上のアライナに対して相補的な1つ以上のアライナを含み得る。さらに、粒子選別システムは、粒子選別モジュールハウジング上の1つ以上の磁石を粒子選別システム上の1つ以上の磁石と結合することによって、粒子選別モジュールと、粒子選別システムとの間の物理的接触を維持するための1つ以上の留め具を含み得る。
【0128】
特定の実施形態では、主題の粒子選別システムは、無線周波数多重励起を使用して、複数の周波数シフトされた光のビームを生成する励起モジュールを有するフローサイトメトリシステムである。これらの実施形態では、レーザー光発生器は、複数のレーザーと、複数の周波数シフトされたコムビームを生成するための1つ以上の音響光学構成要素(例えば、音響光学偏光器、音響光学周波数シフタ)とを含み得る。特定の例では、主題のシステムは、米国特許第9,423,353号、同第9,784,661号、および米国特許公開第2017/0133857号、ならびに同第2017/0350803号に記載されるようなレーザー励起モジュールを有するフローサイトメトリシステムであり、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0129】
偏向されたフローストリームを試料収集ポートと整列させるための方法
本開示の態様は、(上述のように)フローストリームを粒子選別モジュールの遠位端で1つ以上の試料収集ポートと整列させるための方法も含む。特定の実施形態による方法は、フローストリームの液滴を視覚化するように構成される粒子選別モジュール内の開口部を通して画像をキャプチャすることと、水平軸に沿って、遠位端でポートの各々について境界の撮像された開口部内でのピクセル位置を計算することと、撮像された開口部内での各ポートについて境界の計算されたピクセル位置に基づいて、フローストリームをポートと整列させることとを含む。実施形態では、主題の方法は、例えば、試料収集ポートの境界の位置のユーザー入力または手動決定、ならびに偏向されたフローストリームを試料収集ポートと整列させることの必要性を低減するか、または完全になくすように、完全に自動化され得る。言い換えれば、各試料収集ポートの境界の位置を決定すること、ならびに偏向されたフローストリームを試料収集ポートと整列させることは、人間の介入もしくはユーザーによる手動入力をほとんど、または全く不要にし得る。
【0130】
特定の実施形態による方法を実施する際に、1つ以上の画像が、粒子選別モジュールハウジング内の開口部を通して検出フィールド内でキャプチャされる。「検出フィールド」は、撮像センサーによってキャプチャされる、粒子選別モジュールハウジング内の開口部を通した視野を意味する。撮像される検出フィールドは変わり得る。いくつかの実施形態では、検出フィールドは、偏向されたフローストリームの所定の長さである。他の実施形態では、検出フィールドは、粒子選別モジュールハウジング内の開口部の所定の部分である。いくつかの実施形態では、撮像センサーは、検出フィールド内の液滴デフレクタから発生する偏向されたフローストリームの画像をキャプチャするように構成される。実施形態では、画像検出フィールドは、偏向されたフローストリームの、例えば、0.005cm以上、例えば、0.01cm以上、例えば、0.05cm以上、例えば、0.1cm以上、例えば、0.5cm以上、例えば、1cm以上、例えば、2cm以上、例えば、5cm以上、および10cm以上を含む、偏向されたフローストリームの0.001cm以上に及び得る。
【0131】
粒子選別モジュールハウジング内の開口部を通して1つ以上の画像をキャプチャする際に、検出フィールドが、光源で照射される。いくつかの実施形態では、検出フィールドは、広帯域光源で、または狭帯域光源で照射される。好適な広帯域光源プロトコルとしては、以下に限定されないが、他の広帯域光源の中でも、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化ファイバー結合広帯域光源、連続スペクトルを有する広帯域LED、超高輝度発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED統合白色光源、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。好適な狭帯域光源としては、以下に限定されないが、レーザー、狭波長LED、レーザーダイオード、または1つ以上の光学バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータ、またはこれらの任意の組み合わせに結合された狭帯域光源が挙げられる。
【0132】
粒子選別モジュールハウジング内の開口部を通して1つ以上の画像をキャプチャすることは、例えば、2つ以上の光源で、例えば、3つ以上の光源、例えば、4つ以上の光源、および5つ以上の光源を含む、光源の組み合わせで照射することを含み得る。2つの光源で照射することによって画像がキャプチャされる場合、主題の方法は、両方の光源で同時に照射することを含み得る。他の実施形態では、画像をキャプチャすることは、2つの光源で順次照射することを含み得る。2つの光源が順次照射される場合、各光源が照射する時間は、独立して、例えば、0.01秒以上、例えば、0.1秒以上、例えば、1秒以上、例えば、5秒以上、例えば、10秒以上、例えば、30秒以上、および60秒以上を含む、0.001秒以上であり得る。2つ以上の光源で順次照射することによって画像がキャプチャされる実施形態では、各光源による照射の継続時間は、同じであっても、異なってもよい。
【0133】
粒子選別モジュールハウジングの開口部を通した画像は、連続的に、または離散間隔でキャプチャされ得る。いくつかの例では、方法は、画像を連続的にキャプチャすることを含む。他の例では、方法は、0.001ミリ秒毎に、0.01ミリ秒毎に、0.1ミリ秒毎に、1ミリ秒毎に、10ミリ秒毎に、100ミリ秒毎に、および1000ミリ秒毎になど、もしくは何らかの他の間隔でフローストリームの画像をキャプチャするなど、離散間隔で画像をキャプチャすることを含む。例えば、2個以上の画像、例えば、3個以上の画像、例えば、4個以上の画像、例えば、5個以上の画像、例えば、10個以上の画像、例えば、15個以上の画像、および25個以上の画像を含む、1個以上の画像が、検出フィールド内でキャプチャされ得る。
【0134】
粒子選別モジュールの開口部を通した画像は、使用可能な画像がキャプチャされる限り、(例えば、偏向されたフローストリームから)任意の好適な距離でキャプチャされ得る。例えば、画像は、粒子選別モジュールハウジング内の開口部を通して、偏向されたフローストリームから、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、例えば、1mm以上、例えば、2.5mm以上、例えば、5mm以上、例えば、10mm以上、例えば、15mm以上、例えば、25mm以上、および50mm以上を含む、偏向されたフローストリームから0.01mm以上でキャプチャされ得る。画像は、開口部を通して任意の角度でキャプチャされ得る。例えば、画像は、例えば、15°~85°、例えば、20°~80°、例えば、25°~75°、および30°~60°を含む、10°~90°の範囲の、偏向されたフローストリームの軸に対してある角度でキャプチャされ得る。特定の実施形態では、画像は、偏向されたフローストリームの軸に対して90°の角度でキャプチャされる。
【0135】
いくつかの実施形態では、方法は、画像に基づいて、水平軸に沿って、ハウジングの遠位端で試料収集ポートの各々について境界の位置を計算することを含む。いくつかの例では、境界の位置を計算することは、試料収集ポートの各々の境界間の距離を決定することを含む。例えば、方法は、第1の試料収集ポートの境界が、例えば、0.5mm~95mm、例えば、1mm~90mm、例えば、1.5mm~85mm、例えば、2mm~80mm、例えば、2.5mm~75mm、および3mm~70mmを含む、水平軸に沿って、画像の最左端から0.1mm~100mmにある、撮像された開口部に基づいて計算することを含み得る。他の例では、方法は、第2の試料収集ポートの境界が、例えば、0.5mm~95mm、例えば、1mm~90mm、例えば、1.5mm~85mm、例えば、2mm~80mm、例えば、2.5mm~75mm、および3mm~70mmを含む、水平軸に沿って、画像の最左端から0.1mm~100mmにある、撮像された開口部に基づいて計算することを含み得る。さらに他の例では、方法は、第3の試料収集ポートの境界が、例えば、0.5mm~95mm、例えば、1mm~90mm、例えば、1.5mm~85mm、例えば、2mm~80mm、例えば、2.5mm~75mm、および3mm~70mmを含む、水平軸に沿って、画像の最左端から0.1mm~100mmにある、撮像された開口部に基づいて計算することを含み得る。
【0136】
他の実施形態では、方法は、試料収集ポートの各々の間の間隔(すなわち、各試料収集ポートの境界間の距離)を計算することを含む。例えば、方法は、試料収集ポートが各々、例えば、0.5mm~9.5mm、例えば、1mm~9mm、例えば、1.5mm~8.5mm、例えば、2mm~8mm、例えば、2.5mm~7.5mm、および3mm~7mmを含む、水平軸に沿って0.1mm~10mm互いに離間されている、撮像された開口部に基づいて計算することを含み得る。
【0137】
いくつかの例では、方法は、第1の試料収集ポートの境界が、例えば、0.5mm~95mm、例えば、1mm~90mm、例えば、1.5mm~85mm、例えば、2mm~80mm、例えば、2.5mm~75mm、および3mm~70mmを含む、水平軸に沿って、画像の最右端から0.1mm~100mmにある、撮像された開口部に基づいて計算することを含む。他の例では、方法は、第2の試料収集ポートの境界が、例えば、0.5mm~95mm、例えば、1mm~90mm、例えば、1.5mm~85mm、例えば、2mm~80mm、例えば、2.5mm~75mm、および3mm~70mmを含む、水平軸に沿って、画像の最右端から0.1mm~100mmにある、撮像された開口部に基づいて計算することを含む。さらに他の例では、方法は、第3の試料収集ポートの境界が、例えば、0.5mm~95mm、例えば、1mm~90mm、例えば、1.5mm~85mm、例えば、2mm~80mm、例えば、2.5mm~75mm、および3mm~70mmを含む、水平軸に沿って、画像の最右端から0.1mm~100mmにある、撮像された開口部に基づいて計算することを含む。
【0138】
特定の実施形態では、方法は、ピクセル化された画像を生成することを含む。ピクセル化された画像が、特定の例では、(例えば、編集可能な)デジタルフォーマットで出力され得る、任意の好適な画像生成プロトコルが採用され得る。これらの実施形態では、方法は、水平軸に沿って、遠位端でポートの各々について境界の撮像された開口部内でのピクセル位置を計算することを含み得る。いくつかの例では、方法は、撮像された開口部に基づいて、水平軸に沿って画像の最左端から、各試料収集ポートについて境界のピクセル位置を計算することを含む。他の例では、方法は、撮像された開口部に基づいて、水平軸に沿って画像の最右端から、各試料収集ポートについて境界のピクセル位置を計算することを含む。特定の例では、方法は、水平軸に沿って、画像の最左端または最右端の一方または両方からのピクセル数を出力することを含む。例えば、各試料収集ポートの境界の位置は、例えば、5ピクセル~750ピクセル、例えば、10ピクセル~500ピクセル、および25ピクセル~250ピクセルを含む、水平軸に沿って、粒子選別モジュールハウジング内の開口部の画像の最左端または最右端から1ピクセル~1000ピクセルの範囲であり得る。他の例では、各試料収集ポートの境界の位置は、水平軸に沿ったピクセル数と、撮像された開口部全体の総ピクセル数との比率として出力される。例えば、撮像された開口部全体の総ピクセル数は100ピクセルであり得、試料収集ポートについて各境界の位置は、例えば、5/100~95/100、例えば、10/100~90/100、例えば、15/100~85/100、例えば、20/100~80/100、および25/100~75/100の範囲の比を含む、1/100~99/100の範囲の比であり得る。
【0139】
いくつかの実施形態では、試料収集ポートの各境界のピクセル位置を計算することは、水平軸に沿った、撮像された開口部全体の総ピクセル数を計算することと、総ピクセル数に所定の比率を乗算することとを含む。これらの実施形態では、各試料収集ポートの境界(例えば、水平軸に沿った左右の境界)は、撮像された開口部に基づいて決定され、ピクセル数が割り当てられ、このピクセル数に所定の比率が乗算される。
【0140】
特定の実施形態では、方法は、粒子選別モジュールハウジングの遠位端で試料収集ポートの各々について境界の計算されたピクセル位置に基づいて、フローストリームを試料収集ポートと整列させることを含む。いくつかの例では、1つ以上の偏向されたフローストリームが、試料収集ポートと整列される。他の例では、偏向されていないフローストリーム(すなわち、フローストリームの長手方向軸)が、粒子選別モジュールの遠位端の中心と整列される。一例では、偏向されていないフローストリームが、粒子選別モジュールの遠位端で廃液収集ポートと整列され得る。
【0141】
上述のように、フローストリームは、液滴デフレクタでフローストリームに偏向力を供することによって偏向され得る。偏向されたフローストリームを、上記で決定された位置を有する試料収集ポートと整列させるために、液滴デフレクタの金属プレートに印加される電圧が、必要に応じて、調整され得る。帯電粒子をそらすためにデフレクタプレートに印加される電圧は、例えば、25mV以上、例えば、50mV以上、例えば、100mV以上、例えば、250mV以上、例えば、500mV以上、例えば、750mV以上、例えば、1000mV以上、例えば、2500mV以上、例えば、5000mV以上、例えば、10000V以上、例えば、15000V以上、例えば、25000V以上、例えば、50000V以上、および100000V以上を含む、10mV以上であり得る。特定の実施形態では、デフレクタプレートに印加される電圧は、例えば、1kV~15kV、例えば、1.5kV~12.5kV、および2kV~10kVを含む、0.5kV~15kVである。したがって、デフレクタプレート間の電界強度は、例えば、0.5V/m~5×106V/m、例えば、1V/m~1×106V/m、例えば、5V/m~5×105V/m、例えば、10V/m~1×105V/m、および50V/m~5×104V/mを含み、例えば、1×105V/m~2×106V/mなど、0.1V/m~1×107V/mの範囲である。
【0142】
いくつかの実施形態では、方法は、主題の粒子選別モジュールを用いて、試料の成分を選別することを含む。特定の例では、試料は、生体試料であり、方法は、2つ以上の異なるタイプの細胞を選別し、収集することを含む。いくつかの実施形態では、試料は、生体試料である。「生体試料」という用語は、全生物、植物、菌類、または、特定の例では、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄、羊水、羊膜臍帯血、尿、膣液、および精液中に見られ得る動物の組織、細胞、または構成成分のサブセットを指すために、その従来の意味で使用される。したがって、「生体試料」は、天然生物またはその組織のサブセットの両方、ならびに、例えば、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚の切片、呼吸管、胃腸管、心血管、および泌尿器管、涙液、唾液、乳、血液細胞、腫瘍、臓器を含むが、これらに限定されない、生物またはその組織のサブセットから調製されたホモジネート、溶解物、または抽出物を指す。生体試料は、健康組織および疾患組織(例えば、がん性、悪性、壊死性など)の両方を含む、任意のタイプの生体組織であり得る。特定の実施形態では、生体試料は、血液またはその誘導体、例えば、血漿、涙液、尿、精液などの液体試料であり、いくつかの例では、試料は、静脈穿刺またはフィンガースティックから取得された血液など、全血を含む血液試料である(血液は、アッセイの前に、防腐剤、抗凝固剤などの任意の試薬と組み合わされてもよく、組み合わされなくてもよい)。
【0143】
特定の実施形態では、試料のソースは、「哺乳動物(mammal)」または「哺乳動物(mammalian)」であり、これらの用語は、肉食動物目(例えば、イヌおよびネコ)、げっ歯目(例えば、マウス、モルモット、およびラット)、ならびに霊長目(例えば、ヒト、チンパンジー、およびサル)を含む、哺乳綱内の生物を示すために広く使用される。いくつかの例では、被験者はヒトである。方法は、両方の性別のヒト被験体から、発達の任意の段階(すなわち、新生児、乳幼児、年少者、青年、成人)で取得された試料に適用され得、特定の実施形態では、ヒト被験体は、年少者、青年、または成人である。本発明は、ヒト被験体からの試料に適用され得るが、以下に限定されるものではないが、鳥、マウス、ラット、イヌ、ネコ、家畜、およびウマなどの他の動物被験体からの(すなわち、「非ヒト被験体」の)試料に対しても実施され得ることを理解されたい。
【0144】
関心の細胞は、特定の蛍光標識を関心の細胞に付着させることを介して識別される表現型特性など、様々なパラメータに従って、フローストリームからの分離のための標的にされ得る。いくつかの実施形態では、システムは、標的細胞を含むと判定される分析された液滴を偏向させるように構成される。様々な細胞が、主題の方法を使用して選別するための標的とされ得る。関心の標的細胞としては、以下に限定されないが、幹細胞、T細胞、樹状細胞、B細胞、顆粒球、白血病細胞、リンパ腫細胞、ウイルス細胞(例えば、HIV細胞)NK細胞、マクロファージ、単球、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、および赤血球細胞が挙げられる。関心の標的細胞としては、好都合な親和性剤またはその複合体によって捕捉または標識され得る好都合な細胞表面マーカまたは細胞表面抗原を有する細胞が挙げられる。例えば、標的細胞は、CD11b、CD123、CD14、CD15、CD16、CD19、CD193、CD2、CD25、CD27、CD3、CD335、CD36、CD4、CD43、CD45RO、CD56、CD61、CD7、CD8、CD34、CD1c、CD23、CD304、CD235a、T細胞受容体α/β、T細胞受容体γ/Δ、CD253、CD95、CD20、CD105、CD117、CD120b、Notch4、Lgr5(N末端)、SSEA-3,TRA-1-60抗原、ジシアロガングリオシドGD2、およびCD71などの細胞表面抗原を含み得る。いくつかの実施形態では、標的細胞は、全血、骨髄または臍帯血からのHIV含有細胞、Treg細胞、抗原特異的T細胞集団、腫瘍細胞、または造血前駆細胞(CD34+)から選択される。
【0145】
いくつかの実施形態による、試料の成分を選別するための方法は、標的粒子を有する流体試料を粒子選別モジュールのフローノズル内に導入することを含む。フローノズルから出ると、粒子は、試料検査領域を通って実質的に1つずつ通過し、この試料検査で、粒子の各々が光源によって照射され、必要に応じて、光散乱パラメータおよび蛍光放射の測定値(例えば、2つ以上の光散乱パラメータおよび1つ以上の蛍光放射の測定値)が粒子ごとに別々に記録される。粒子は、各粒子が光源によって照射される粒子選別モジュール内の試料検査領域を通って、流路内で実質的に1つずつ、フローストリーム内を通過する。検査されるフローストリームの特性に応じて、フローストリームの0.001mm以上が光を照射され得、例えば、0.005mm以上、例えば、0.01mm以上、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、およびフローストリームの1mm以上などが、光を照射され得る。特定の実施形態では、方法は、試料検査領域内で、フローストリームの平面断面を、例えば(上述のように)レーザーで照射することを含む。他の実施形態では、方法は、試料検査領域内で、例えば、拡散レーザービームまたはランプの照射プロファイルに対応する、所定の長さのフローストリームを照射することを含む。
【0146】
感知領域と直列に、光電子増倍管(または「PMT」)などの検出器を使用して、粒子が感知領域を通過し、エネルギー源によって照射されるときに、各粒子を通過する光(場合によっては、前方光散乱と呼ばれる)、感知領域を通過する粒子の流れの方向に直交して反射される光(場合によっては、直交または側方光散乱と呼ばれる)、および蛍光マーカ(複数可)で標識される場合、粒子から放射される蛍光を記録する。前方光散乱(またはFSC)、直交光散乱(SSC)、および蛍光放射(FL1、FL2など)の各々は、粒子(または各「イベント」)ごとに別々のパラメータを含む。したがって、例えば、2つの異なる蛍光マーカで標識された粒子から、2つ、3つ、または4つのパラメータが収集(および記録)され得る。
【0147】
前述のように、好適な光検出プロトコルは、以下に限定されないが、他の光検出器の中でも、アクティブピクセルセンサー(APS)、アバランシェフォトダイオード、画像センサー、電荷結合素子(CCD)、強化電荷結合素子(ICCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、太陽電池、フォトダイオード、光電子増倍管、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体、またはフォトダイオード、ならびにこれらの組み合わせなどの光学センサーまたは光検出器を含む。特定の実施形態では、粒子選別モジュールの試料検査領域で照射されたフローストリームからの光が、電荷結合素子(CCD)、半導体電荷結合素子(CCD)、アクティブピクセルセンサー(APS)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサー、またはN型金属酸化物半導体(NMOS)画像センサーで測定される。特定の実施形態では、光は、電荷結合素子(CCD)で測定される。粒子選別モジュールの試料検査領域で照射されたフローストリームからの光がCCDで測定される場合、CCDの活性検出表面積は、例えば、0.05cm2~9cm2、例えば、0.1cm2~8cm2、例えば、0.5cm2~7cm2、および1cm2~5cm2を含む、例えば、0.01cm2~10cm2など、変わり得る。
【0148】
特定の実施形態における方法はまた、コンピュータを用いてなどでのデータの取得、分析、および記録を含み、各粒子が粒子選別モジュールの試料検査領域を通過するときに、各粒子によって放射される光散乱および蛍光のための各検出器からのデータを、複数のデータチャネルが記録する。これらの実施形態では、分析は、各粒子が、デジタル化されたパラメータ値のセットとして存在するように、粒子を分類し、計数することを含む。主題のシステムは、関心の粒子を背景およびノイズから区別するために、選択されたパラメータでトリガするように設定され得る。「トリガ」は、パラメータを検出するための事前設定された閾値を指し、光源を通る粒子の通過を検出するための手段として使用され得る。選択されたパラメータの閾値を超えるイベントの検出によって、粒子の光散乱データおよび蛍光データの取得がトリガされる。閾値未満の応答を引き起こす、分析されている媒体内の粒子または他の成分については、データは取得されない。トリガパラメータは、粒子が光ビームを通過することによって引き起こされる前方散乱光の検出であり得る。次いで、フローサイトメータが、粒子の光散乱および蛍光データを検出し、収集する。
【0149】
次いで、関心の特定の部分集団が、集団全体について収集されたデータに基づいて、「ゲーティング」によってさらに分析される。適切なゲートを選択するために、部分集団のできるかぎり最良の分離を得るように、データがプロットされる。この手順は、前方光散乱(FSC)対側方(すなわち、直交)光散乱(SSC)を二次元ドットプロット上にプロットすることによって実行され得る。次いで、粒子の部分集団(すなわち、ゲート内のそれらの細胞)が選択され、ゲート内にない粒子が除外される。必要に応じて、コンピュータ画面上のカーソルを使用して、所望の部分集団の周りにラインを描くことによって、ゲートが選択され得る。次いで、ゲート内のそれらの粒子のみが、例えば、蛍光など、これらの粒子の他のパラメータをプロットすることによって、さらに分析される。必要に応じて、上記の分析は、試料内の関心の粒子の計数をもたらすように構成され得る。
【0150】
特定の例では、粒子選別モジュールは、前述のように、粒子選別システムに結合するための1つ以上のアライナを有する密閉型粒子選別モジュールである。これらの実施形態では、粒子選別モジュールを粒子選別システムに結合するために、粒子選別モジュールハウジングの外壁上のアライナが、粒子選別システムのレジスタ上のアライナと接触するように配置される。存在する場合、粒子選別モジュールハウジングの外壁上のアライナが、粒子選別モジュールを粒子選別システムに固定するために、粒子選別システムレジスタのアライナと接触したときに、1つ以上の留め具を係合させることができる。粒子選別モジュールを粒子選別システムに結合した後、上述の分析および細胞選別のために、ある量の流体試料が粒子選別モジュール内に注入される。
【0151】
特定の実施形態では、試料の成分を選別するための方法は、2017年3月28日に出願され、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2017/0299493号に記載されるものなどの、密閉型粒子選別モジュールを用いて粒子(例えば、生体試料内の細胞)を選別することを含む。
【0152】
キット
本発明の態様は、キットをさらに含み、キットは、本明細書に記載される粒子選別モジュールのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、キットは、偏向されたフローストリームの液滴を視覚化するように構成された開口部と、粒子選別モジュールに結合するための1つ以上の試料収集容器とを有する粒子選別モジュールを含む。いくつかの実施形態では、キットは、液滴デフレクタ、例えば、平行な金属プレートのセットを、液滴デフレクタを粒子選別モジュール内にインストールするための説明書と共に、含む。いくつかの例では、キットは、粒子選別モジュールを試料流体送達システムと、シース流体送達システムとに結合するための1つ以上のコネクタを含む。
【0153】
キットの様々な構成要素は、別々の容器内に存在してもよく、またはそれらの一部もしくは全部が、事前に組み合わされてもよい。例えば、いくつかの例では、キットの1つ以上の構成要素、例えば、各粒子選別モジュール、試料収集容器、液滴デフレクタは、例えば、滅菌ホイルパウチまたはエンベロープなどの密封されたパウチ内に存在する。
【0154】
上記の構成要素に加えて、主題のキットは、(特定の実施形態では)主題の方法を実施するための説明書をさらに含み得る。これらの説明書は、様々な形態で主題のキット内に存在し得、そのうちの1つ以上が、キット内に存在し得る。これらの説明書が存在し得る1つの形態は、例えば、情報が印刷される1枚または複数枚の紙などの好適な媒体または基板上、キットのパッケージ中、添付文書などの中の印刷情報としてである。これらの説明書のさらに別の形態は、情報が記録されたコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブなどである。存在し得る、これらの説明書のさらに別の形態は、隔たったサイトで情報にアクセスするために、インターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
【0155】
ユーティリティ
主題である、粒子選別モジュール、粒子選別システム、方法、およびコンピュータシステムは、生体試料などの流体媒質中の試料内の粒子成分を分析および選別することが望ましい様々な用途で使用される。本開示の実施形態は、改善された細胞選別精度、向上した粒子収集、粒子帯電効率、より正確な粒子帯電、および細胞選別中の向上した粒子偏向を有するフローサイトメータを提供することが望ましい場合に使用される。
【0156】
本開示の実施形態はまた、生体試料から調製された細胞が、研究、実験室試験、または治療での使用に望ましくあり得る用途で使用される。いくつかの実施形態では、主題の方法およびデバイスは、標的の流体または組織生体試料から調製された個々の細胞を取得することを容易にし得る。例えば、主題の方法およびシステムは、がんなどの疾患の研究または診断用標本として使用される、流体または組織試料から細胞を取得することを容易にする。同様に、主題の方法およびシステムは、治療で使用される流体または組織試料から細胞を取得することを容易にし得る。本開示の方法およびデバイスは、従来のフローサイトメトリシステムと比較して、向上した効率および低コストの生体試料(例えば、臓器、組織、組織断片、体液)から細胞を分離し、収集することを可能にする。特定の実施形態では、主題の粒子選別モジュールは密閉されており、これにより、向上した無菌性を粒子選別システムに提供し、研究および高スループットの実験室試験などで、より高純度の試料の収集を強化すると共に、分析された試料間の二次汚染の発生率を低減する。
【0157】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示はまた、以下の付記によって明確化される。
【0158】
1.偏向されたフローストリームの液滴を視覚化するように構成されている開口部を備える粒子選別モジュール。
2.粒子選別モジュールは、
近位端と、遠位端と、それらの間の壁とを備えており、開口部がこの壁内に位置付けられているハウジングと、
液滴デフレクタと
を備える、付記1に記載の粒子選別モジュール。
3.開口部が、液滴デフレクタから下流に位置付けられている、付記2に記載の粒子選別モジュール。
4.ハウジングの遠位端で1つ以上のポートが、1つ以上の試料収集容器に結合するように構成されている、付記1~3のいずれか一つに記載の粒子選別モジュール。
5.開口部が、フローストリームを1つ以上のポートと整列させるように構成されている、付記4に記載の粒子選別モジュール。
【0159】
6.開口部が、液滴デフレクタと、ハウジングの遠位端との間に位置付けられている、付記4に記載の粒子選別モジュール。
7.開口部が、ハウジングの遠位端から0.5cm~5cmに位置付けられている、付記6に記載の粒子選別モジュール。
8.開口部が、液滴デフレクタから0.5cm~5cmに位置付けられている、付記6に記載の粒子選別モジュール。
9.開口部は、光学調整部品を備える、付記1~8のいずれか一つに記載の粒子選別モジュール。
10.光学調整部品は、偏向されたフローストリームからの液滴上に光照射を集束させるように構成された集束レンズを備える、付記9に記載の粒子選別モジュール。
【0160】
11.光学調整部品は、透明な光学窓を備える、付記1~10のいずれか一つに記載の粒子選別モジュール。
12.光学窓は、1つ以上の基準識別子を備える、付記11に記載の粒子選別モジュール。
13.基準識別子は、マーキングを備え、各マーキングが、ハウジングの遠位端で1つ以上のポートの境界と関連付けられている、付記12に記載の粒子選別モジュール。
14.ハウジングの遠位端に結合された廃液収集容器と2つの試料収集容器とをさらに備える、付記4~13のいずれか一つに記載の粒子選別モジュール。
15.開口部は、廃液収集容器および2つの試料収集容器の各々の境界に関連付けられた基準識別子を有する光学窓を備える、付記14に記載の粒子選別モジュール。
【0161】
16.基準識別子は、ハウジングの遠位端の中心を示すマーキングを備える、付記13~15のいずれか一つに記載の粒子選別モジュール。
17. ハウジングの近位端に位置付けられており、オリフィスを備えるフローセルノズルと、
フローセルノズルのオリフィスと流体連通する試料検査領域と
をさらに備える、付記1~16のいずれか一つに記載の粒子選別モジュール。
18.試料検査領域内に位置付けられたキュベットをさらに備える、付記17に記載の粒子選別モジュール。
19.キュベットが、ハウジングと共成形されている、付記18に記載の粒子選別モジュール。
20.キュベットは、ガラスからなる、付記18または19に記載の粒子選別モジュール。
【0162】
21.キュベットは、プラスチックからなる、付記18または19に記載の粒子選別モジュール。
22.ハウジングの近位端に試料入口をさらに備える、付記1~21のいずれか一つに記載の粒子選別モジュール。
23.ハウジングの近位端にシース流体入口をさらに備える、付記1~22のいずれか一つに記載の粒子選別モジュール。
【0163】
24.システムであって、
偏向されたフローストリームの液滴を視覚化するように構成された開口部を備える粒子選別モジュールと、
開口部を通して1つ以上の画像をキャプチャするように構成された撮像センサーと
を備える、システム。
25.開口部を通してフローストリームを照射するためのレーザーをさらに備える、付記24に記載のシステム。
26.粒子選別モジュールは、
近位端と、遠位端と、それらの間の壁とを備えており、開口部がハウジングのこの壁内に位置付けられているハウジングと、
液滴デフレクタと
を備える、付記24または25に記載のシステム。
27.1つ以上の試料収集容器に結合するように構成されたハウジングの遠位端に1つ以上のポートをさらに備える、付記26に記載のシステム。
【0164】
28.プロセッサであって、このプロセッサに動作可能に結合されたメモリを備える、プロセッサをさらに備え、
このメモリが、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、
粒子選別モジュールの開口部の画像をキャプチャし、撮像された開口部を取得することと、
水平軸に沿って、ハウジングの遠位端でポートの各々について境界の撮像された開口部内でのピクセル位置を計算することと
を行わせる、メモリに記憶された命令を含む、付記27に記載のシステム。
29.ピクセル位置を計算することは、
撮像された開口部全体の総ピクセル数を、水平軸に沿って計算することと、
総ピクセル数に所定の比率を乗算することと
を含む、付記28に記載のシステム。
30.所定の比率が、各ポートの境界の、撮像された開口部内でのピクセル数を、水平軸に沿った、撮像された開口部全体の総ピクセル数で割ることによって計算される、付記29に記載のシステム。
【0165】
31.メモリが、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、フローストリームをハウジングの遠位端でポートのうちの1つと整列させる、メモリに記憶された命令を含む、付記27~30のいずれか一つに記載のシステム。
32.メモリが、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、フローストリームをハウジングの遠位端でポートのうちの1つの中心と整列させる、メモリに記憶された命令を含む、付記31に記載のシステム。
33.メモリが、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、フローストリームをハウジングの遠位端の中心と整列させる、メモリに記憶された命令を含む、付記30~32のいずれか一つに記載のシステム。
34.開口部が、液滴デフレクタと、ハウジングの遠位端との間に位置付けられている、付記27~33のいずれか一つに記載のシステム。
35.開口部が、ハウジングの遠位端から0.5cm~5cmに位置付けられている、付記34に記載のシステム。
【0166】
36.開口部が、液滴デフレクタから0.5cm~5cmに位置付けられている、付記34に記載のシステム。
37.開口部は、光学調整部品を備える、付記24~36のいずれか一つに記載のシステム。
38.光学調整部品は、偏向されたフローストリームからの液滴上に光照射を集束させるように構成された集束レンズを備える、付記37に記載のシステム。
39.光学調整部品は、透明な光学窓を備える、付記24~38のいずれか一つに記載のシステム。
40.光学窓は、1つ以上の基準識別子を備える、付記39に記載のシステム。
【0167】
41.基準識別子は、マーキングを備え、各マーキングが、液滴による偏向の境界に関連付けられている、付記40に記載のシステム。
42.粒子選別モジュールは、ハウジングの遠位端に結合された廃液収集容器と2つの試料収集容器とをさらに備える、付記24~41のいずれか一つに記載のシステム。
43.開口部は、廃液収集容器および2つの試料収集容器の各々の偏向の境界に関連付けられた基準識別子を有する光学窓を備える、付記42に記載のシステム。
44.基準識別子は、ハウジングの遠位端の中心を示すマーキングを備える、付記40~43のいずれか一つに記載のシステム。
45.粒子選別モジュールは、
ハウジングの近位端に位置付けられており、オリフィスを備える、フローセルノズルと、
このフローセルノズルオリフィスと流体連通する試料検査領域と
をさらに備える、付記24~44のいずれか一つに記載のシステム。
【0168】
46.粒子選別モジュールは、試料検査領域内に位置付けられたキュベットをさらに備える、付記45に記載のシステム。
47.キュベットが、ハウジングと共成形されている、付記46に記載のシステム。
48.キュベットは、ガラスからなる、付記46または47に記載のシステム。
49.キュベットは、プラスチックからなる、付記46または47に記載のシステム。
50.粒子選別モジュールのハウジングの近位端で入口と流体連通する試料送達サブシステムをさらに備える、付記24~49のいずれか一つに記載のシステム。
【0169】
51.粒子選別モジュールのハウジングの近位端で入口と流体連通するシース流体送達サブシステムをさらに備える、付記24~50のいずれか一つに記載のシステム。
52.粒子選別モジュールからの出口に流体結合された廃液タンクをさらに備える、付記24~51のいずれか一つに記載のシステム。
【0170】
53.フローストリームを粒子選別モジュールの遠位端の1つ以上のポートと整列させる方法であって、
フローストリームの液滴を視覚化するように構成されている粒子選別モジュール内の開口部を通して画像をキャプチャすることと、
水平軸に沿って、遠位端でポートの各々について境界の撮像された開口部内でのピクセル位置を計算することと、
撮像された開口部内での各ポートの境界の計算されたピクセル位置に基づいて、フローストリームをポートと整列させることと
を含む、方法。
54.ピクセル位置を計算することは、
撮像された開口部全体の総ピクセル数を、水平軸に沿って計算することと、
総ピクセル数に所定の比率を乗算することと
を含む、付記53に記載の方法。
55.各ポートの境界の、撮像された開口部内でのピクセル数を、水平軸に沿った、撮像された開口部全体の総ピクセル数で割ることによって、所定の比率を計算することをさらに含む、付記54に記載の方法。
【0171】
56.粒子選別モジュールは、廃液収集容器と、2つの試料収集容器とを備える、付記53~55のいずれか一つに記載の方法。
57.開口部を通して、レーザーでフローストリームを照射することをさらに含む、付記53~56のいずれか一つに記載の方法。
58.粒子選別モジュールは、
近位端と、遠位端と、それらの間の壁とを備えており、開口部がハウジングのこの壁内に位置付けられている密閉ハウジングと、
液滴デフレクタと
を備える、付記53~57のいずれか一つに記載の方法。
59.開口部が、液滴デフレクタと、ハウジングの遠位端との間に位置付けられている、付記58に記載の方法。
60.開口部が、ハウジングの遠位端から0.5cm~5cmに位置付けられている、付記59に記載の方法。
【0172】
61.開口部が、液滴デフレクタから0.5cm~5cmに位置付けられている、付記59に記載の方法。
62.開口部は、光学調整部品を備える、付記53~61のいずれか一つに記載の方法。
63.光学調整部品は、集束レンズを備える、付記62に記載の方法。
64.光学調整部品は、透明な光学窓を備える、付記62に記載の方法。
【0173】
65.キットであって、
偏向されたフローストリームの液滴を視覚化するように構成された開口部を備える粒子選別モジュールと、
粒子選別モジュールに結合するための1つ以上の試料収集容器と
を備える、キット。
66.液滴デフレクタをさらに備える、付記65に記載のキット。
67.粒子選別モジュールは、試料入口と、シース流体入口とを備える、付記65または66に記載のキット。
68.粒子選別モジュールを、試料流体送達システムと、シース流体送達システムとに結合するための1つ以上のコネクタをさらに備える、付記67に記載のキット。
【0174】
69.粒子選別モジュール、試料収集容器、およびコネクタのうちの1つ以上が、容器内に存在する、付記65~68のいずれか一つに記載のキット。
70.粒子選別モジュール、試料収集容器、およびコネクタのうちの1つ以上が、パウチ内に存在する、付記69に記載のキット。
71.キット構成要素が滅菌されている、付記65~70のいずれか一つに記載のキット。
【0175】
前述の実施形態のうちの少なくともいくつかでは、ある実施形態で使用される1つ以上の要素は、別の実施形態で互換的に使用することができ、それは、そのような置き換えが技術的に実現不可能でない場合に限られる。特許請求された主題の範囲から逸脱することなく、上記の方法および構造に対して様々な他の省略、追加および修正がなされ得ることが、当業者によって理解される。かかるすべての修正および変更は、添付の特許請求の範囲によって規定される主題の範囲内であることが意図される。
【0176】
一般に、本明細書で、および、特に、添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して、「オープン」用語として意図されること(例えば、「含んでいる(including)」という用語は、「含んでいるが、それに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は、「含むが、それに限定されない」と解釈されるべきである、など)が当業者によって理解される。特定の数の導入された特許請求記載が意図される場合、そのような意図は特許請求項に明示的に記載されるし、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者によってさらに理解される。例えば、理解の補助として、以下の添付の特許請求の範囲は、特許請求記載を導入するために、導入句「少なくとも1つ」および「1つ以上」の使用を含むことがある。しかしながら、同じ特許請求項が「1つ以上」または「少なくとも1つ」という導入句、および「a(1つの)」または「an(1つの)」のような不定冠詞を含む場合であっても、そのような句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による特許請求記載の導入が、そのような導入された特許請求記載を含む任意の特定の特許請求項を、そのような記載を1つだけ含む実施形態に限定することを意味するように解釈されるべきではなく(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)、クレーム記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても同じことが当てはまる。また、特定の数の導入された特許請求記載が明示的に記載されていても、当業者であれば、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきことを認識する(例えば、他の修飾語を含まない、単なる「2つの記載事項」という記載は、少なくとも2つの記載事項、または2つ以上の記載事項を意味する)。さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する慣例が使用される場合、概して、そのような構文は、当業者なら慣例を理解するという意味で意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、以下に限定されないが、A単独、B単独、C単独、AおよびB共に、AおよびC共に、BおよびC共に、ならびに/またはA、B、およびC共になどを有するシステムを含む)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する慣例が使用される場合、概して、そのような構文は、当業者なら慣例を理解するという意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、以下に限定されないが、A単独、B単独、C単独、AおよびB共に、AおよびC共に、BおよびC共に、ならびに/またはA、B、およびC共になどを有するシステムを含む)。明細書、特許請求の範囲、または図面のいずれであろうと、2つ以上の代替用語を提示する実質的に任意の離接語および/または離接句は、用語のうちの1つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を意図すると理解されるべきことが、当業者にはさらに理解される。例えば、「AまたはB」という語句は、「A」もしくは「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解される。
【0177】
さらに、本開示の特徴または態様がマークッシュグループの観点から記載される場合、当業者であれば、本開示が、それによって、マークッシュグループの任意の個々のメンバー、またはマークッシュグループのメンバーの任意のサブグループの観点からも記載されることを認識する。
【0178】
当業者には理解されるように、書面による説明を提供することなど、ありとあらゆる目的のために、本明細書に開示されるすべての範囲はまた、ありとあらゆる可能なサブ範囲、ならびにそのサブ範囲の組み合わせも包含する。任意のリストされた範囲は、同じ範囲が、少なくとも等しい2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解されることを十分に示し、分解されることを可能にするものとして容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、容易に、下側の3分の1、真ん中の3分の1、および上側の3分の1などに分解され得る。当業者に同様に理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「より少ない」などのすべての用語は、記載される数を含み、上述のようにサブ範囲に後に分解され得る範囲を指す。最後に、当業者に理解されるように、範囲は各個々のメンバーを含む。したがって、例えば、1~3個の物品を有する群は、1個、2個、または3個の物品を有する群を指す。同様に、1~5個の物品を有する群は、1個、2個、3個、4個、または5個の物品を有する群を指す、等々。
【0179】
上記の発明は、明確な理解のために例示および例により多少詳しく説明されてきたが、当業者であれば、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の趣旨または範囲から逸脱することなく、特定の変更および修正が行われ得ることが、容易に明らかである。
【0180】
したがって、上述内容は単に本発明の原理を説明したものである。当業者であれば、本明細書には明示的に記載も示されてもいないが、本発明の原理を具現化し、本発明の趣旨および範囲内に含まれる様々な変更を考案し得ることが、理解される。さらに、本明細書に記載されるすべての例および条件付き用語は、主に、読者が、本発明の原理、および当該技術をさらに進めるために発明者によって提供された概念を理解することを助ける点を意図しており、そのような具体的に記載される例および条件に限定されるのものでないと解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態を記載する、本明細書のすべての記述、ならびにその具体例は、その構造的および機能的等価物の両方を包含することが意図される。さらに、そのような等価物は、構造に関係なく、現在知られている等価物と、将来開発される等価物との両方、すなわち、同じ機能を実行するように開発された任意の要素を含むことが意図される。さらに、本明細書に開示されるいかなるものも、そのような開示が特許請求の範囲において明示的に記載されているか否かにかかわらず、公に献呈するように意図されない。
【0181】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、記載される例示的な実施形態に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明の範囲および趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。特許請求の範囲においては、米国特許法第112条(f)または米国特許法第112条(6)は、「のための手段(means for)」と完全に一致する語句、または「のためのステップ(step for)」と完全に一致する語句が、特許請求項における限定の始まりに記載されるときにのみ、特許請求項におけるそのような限定のために適用されるものと明確に定義されており、そのような完全に一致する語句が、特許請求項における限定に使用されていない場合、米国特許法第112条(f)も米国特許法第112条(6)も適用されない。
【0182】
関連出願の相互参照
米国特許法第119条(e)に従って、本出願は、2018年10月30日に出願された米国仮特許出願第62/752,793号の出願日に対する優先権を主張し、その出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】