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特表2022-505588シェーグレン症候群の予防または治療用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】シェーグレン症候群の予防または治療用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4704 20060101AFI20220106BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20220106BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20220106BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220106BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20220106BHJP
   A61P 27/04 20060101ALI20220106BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
A61K31/4704
A61K31/5377
A61K31/496
A61P29/00
A61P37/02
A61P27/04
A61P1/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521979
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(85)【翻訳文提出日】2021-06-16
(86)【国際出願番号】 KR2019013885
(87)【国際公開番号】W WO2020085760
(87)【国際公開日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】10-2018-0126875
(32)【優先日】2018-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】515286380
【氏名又は名称】サムジン ファーマシューティカル カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キ,ミン-ヒョ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒュン-テ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジョン-ハン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,イェン-ナム
(72)【発明者】
【氏名】シン,ヘ-ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジュン-ロック
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC28
4C086BC50
4C086BC73
4C086GA07
4C086GA12
4C086GA13
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA17
4C086MA22
4C086MA23
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086MA66
4C086NA15
4C086ZA33
4C086ZA66
4C086ZB07
4C086ZB11
(57)【要約】
本発明は、シェーグレン症候群の予防または治療用組成物に関し、本発明の一実施形態によるシェーグレン症候群の予防または治療用組成物は、特定の化学式で表される化合物、またはその薬剤学的に許容可能な塩を含み、シェーグレン症候群の予防及び治療の効果がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される化合物またはその薬剤学的に許容可能な塩を含むシェーグレン症候群の予防または治療用組成物。
[化学式1]

(前記式において、
Xは、酸素、窒素または硫黄のうちのいずれか一つであり;
Yは、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、(C-Cアルキルオキシ)C-Cアルキル、(C-Cアルケニルオキシ)C-Cアルキル、(C-Cアルキルカルボニルオキシ)C-Cアルキル、(C-Cアルキルスルファニル)C-Cアルキル、(アリールスルファニル)C-Cアルキル、(アリールスルホニル)C-Cアルキル、(C-Cアルキルアミノ)C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)(アリール)アミノ]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)(アリール)C-Cアルキル]アミノC-Cアルキル、[(C-Cアルキル)(ヘテロアリール)アミノ]C-Cアルキル、(アリールカルボニルアミノ)C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cオキソアルキル、C-Cシクロアルキル、(C-Cシクロアルキル)C-Cアルキル、(C-Cシクロアルケニル)C-Cアルキル、(C-Cヘテロシクロアルキル)C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロシクロアルキル]C-Cアルキル、[(アリール)C-Cアルキル]C-CヘテロシクロアルキルC-Cアルキル、[(C-Cアルキルオキシカルボニル)C-Cヘテロシクロアルキル]C-Cアルキル、[(C-Cアルキルオキシカルボニル)C-Cヘテロシクロアルキル]C-Cアルキル、(C-Cヘテロシクロアルキル)C-Cアルケニル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロシクロアルケニル]C-Cアルキル、(アリール)C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)アリール]C-Cアルキル、[(C-Cアルキルオキシ)アリール]C-Cアルキル、[(アリールオキシ)アリール]C-Cアルキル、[(C-Cアルキルスルファニル)アリール]C-Cアルキル、[(C-Cアルキルオキシカルボニル)アリール]C-Cアルキル、[(アリールオキシカルボニル)アリール]C-Cアルキル、(アリール)C-Cアルケニル、(ヘテロアリール)C-Cアルキル、[(アルキルオキシカルボニル)ヘテロアリール]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロアリール]C-Cアルキル、[(C-Cシクロアルキル)ヘテロアリール]C-Cアルキル、[(アリール)ヘテロアリール]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)ヘテロアリール]C-Cアルキル、[(アリール)C-Cアルキル]ヘテロアリールC-Cアルキル、(C-Cアルキルオキシカルボニル)C-Cアルキル、[(C-Cヘテロシクロアルキル)C-Cアルキルオキシカルボニル]C-Cアルキル、(C-Cヘテロシクロアルキルカルボニル)C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロシクロアルキルカルボニル]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロシクロアルキルカルボニル]C-Cアルキル、[(C-Cシクロアルキル)オキシカルボニルオキシ]C-Cアルキル、[(C-Cヘテロシクロアルキル)オキシカルボニルオキシ]C-Cアルキル、(ウレイド)C-Cアルキル、(アリールウレイド)C-Cアルキル、[(アリール)(C-Cアルキルウレイド]C-Cアルキル、(C-Cアルキルアミノカルボニル)C-Cアルキル、[(C-Cヘテロシクロアルキル)アミノカルボニル]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロシクロアルキル]アミノカルボニルC-Cアルキル、[(C-Cアルキル)(C-Cアルキルオキシ)アミノカルボニル]C-Cアルキル、または(オキソC-Cヘテロシクロアルキル)C-Cアルキルであり、
このとき、前記C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cオキソアルキル、C-Cシクロアルキル、C-Cシクロアルケニル、C-Cヘテロシクロアルケニル、アリール、またはヘテロアリールは、C-Cアルキル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ基、オキソ、ニトロ基、及びシアノ基からなる群から選ばれた一つ以上の置換基で置換されることができる。)
【請求項2】
前記化学式1で表される化合物は、下記化学式1-1~1-6のうちのいずれか一つで表される請求項1に記載のシェーグレン症候群の予防または治療用組成物。
[化学式1-1]

[化学式1-2]

[化学式1-3]

[化学式1-4]

[化学式1-5]

[化学式1-6]
【請求項3】
前記塩は、薬剤学的に許容可能な遊離酸(free acid)により形成された酸付加塩である請求項1に記載のシェーグレン症候群の予防または治療用組成物。
【請求項4】
前記遊離酸は、有機酸または無機酸である請求項3に記載のシェーグレン症候群の予防または治療用組成物。
【請求項5】
前記有機酸は、クエン酸、酢酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、ギ酸、プロピオン酸、シュウ酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、グルコン酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カルボン酸、桂皮酸、シクラミン酸、ドデシルスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルタル酸、2-オキソグルタル酸、グリセロリン酸、馬尿酸、オレイン酸、オロト酸、パルミチン酸、パモ酸、ピログルタミン酸、セバシン酸、ステアリン酸、チオシアン酸、ウンデシレン酸、イソ酪酸、ラウリン酸、マンデル酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフトエ酸、ニコチン酸、グリコール酸、コハク酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、マロン酸、リンゴ酸、及びベンゾスルホン酸からなる群から選ばれ、前記無機酸は、塩酸、臭素酸、硫酸、硝酸、及びリン酸からなる群から選ばれる請求項4に記載のシェーグレン症候群の予防または治療用組成物。
【請求項6】
前記化学式1の化合物の薬剤学的に許容可能な塩は、下記の中から選ばれる請求項1に記載のシェーグレン症候群の予防または治療用組成物。
1)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートグリコレート;
2)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートラクテート;
3)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートサリチレート;
4)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートオキサレート;
5)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートマロネート;
6)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートマレート;
7)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートタルタレート;
8)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートマレエート;
9)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートフマレート;
10)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートシトレート;
11)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートベンゼンスルホネート;
12)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートトシレート;
13)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートヒドロクロレート;
14)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートスルフェート;
15)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートホスホレート;
16)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートアセテート;
17)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートジクロロアセテート;
18)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートアジペート;
19)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートアスコルベート;
20)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートベンゾエート;
21)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート4-アセトアミドベンゾエート;
22)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートカプレート;
23)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートカプロネート;
24)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートカプリレート;
25)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートカーボネート;
26)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートシンナメート;
27)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートシクラメート;
28)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートドデシルスルホネート;
29)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートエタン-1,2-ジスルホネート;
30)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートエタンスルホネート;
31)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート2-ヒドロキシエタンスルホネート;
32)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートホルメート;
33)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートガラクタレート;
34)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートゲンチセート;
35)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートグルタメート;
36)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートグルタレート;
37)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート2-オキソグルタレート;
38)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートグリセロホスホレート;
39)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートヒップレート;
40)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートオレエート;
41)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートオロテート;
42)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートパルミテート;
43)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートパモエート;
44)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートプロピオネート;
45)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートピログルタメート;
46)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート4-アミノサリチレート;
47)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートセバセート;
48)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートステアレート;
49)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートチオシアネート;
50)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートウンデシレネート;
51)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートヒドロブロメート;
52)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートイソブチレート;
53)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートラウレート;
54)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートDL-マンデレート;
55)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートメタンスルホネート;
56)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートナフタレン-1,5-ジスルホネート;
57)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートナフタレン-2-スルホネート;
58)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート2-ナフトエート;
59)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートニコチネート;
60)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートニトレート;
61)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートサクシネート
62)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートスルファレート;及び
63)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートL-アスパルテート。
【請求項7】
前記組成物は、担体、賦形剤、希釈剤、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、または防腐剤をさらに含む請求項1に記載のシェーグレン症候群の予防または治療用組成物。
【請求項8】
前記組成物は、粉末、顆粒、錠剤、エマルジョン、シロップ、エアロゾル、軟質または硬質ゼラチンカプセル、滅菌注射溶液、または滅菌粉末の形態で剤形化された請求項1に記載のシェーグレン症候群の予防または治療用組成物。
【請求項9】
前記組成物は、涙分泌量及び唾液分泌量を増加させる請求項1に記載のシェーグレン症候群の予防または治療用組成物。
【請求項10】
前記組成物は、涙腺及び唾液腺の組織内の免疫細胞由来の炎症性サイトカイン及び走化性サイトカインのmRNA発現量を減少させる請求項1に記載のシェーグレン症候群の予防または治療用組成物。
【請求項11】
前記組成物は、唾液腺及び涙腺の組織を構成する細胞の生存及び生長を活性化する請求項1に記載のシェーグレン症候群の予防または治療用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シェーグレン症候群の予防または治療用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シェーグレン症候群(Sjogren’s syndrome)は、外分泌腺の慢性炎症性疾患であって、特に、唾液腺及び涙腺の正常組織が破壊され、涙と唾の生成が減ることを特徴とする。この疾患は、1888年、ヨハン・ミクリッツ(Johann MikuliCz)により、最初に報告され、1933年、スウェーデンの眼科医ヘンリック・ シェーグレン(Henrik Sjogren)が、関節リウマチを患う患者において本疾患を記述して、このように命名された。
【0003】
この疾患は、主に涙と唾が乾くことが主症状であるが、唾液腺及び涙腺への侵入のほか、皮膚及び気管支、女性の膣の粘膜と肺と腎臓をも侵入し、多くの症状を引き起こし得る。
【0004】
関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症や皮膚筋炎のような他のリウマチ疾患に伴われて現れることがあるが、これを、二次性シェーグレン症候群と言う。これに対して、特定のリウマチ疾患を伴わず、シェーグレン症候群の様々な症状が現れる場合を、一次性シェーグレン症候群と言う。二次性シェーグレン症候群を伴うごく一般的な疾患は、関節リウマチであり、約15%においてシェーグレン症候群が伴われる。
【0005】
シェーグレン症候群は、男性よりも女性において、約9倍高く発生し、中年女性において多く発生し、発生率は、女性人口1万人あたり約8人と推定される。
【0006】
この疾患の原因は、未だ完全に明らかになっていないが、様々な要因が影響すると思われて、家族歴のような遺伝的要因と、ウイルス、サイトカイン、自己免疫抗体がその原因であると報告されている。
【0007】
現在、この疾患を完治する方法はなく、治療の主な目的は、症状の緩和と合併症の防止にある。具体的な治療方法は、一次性または二次性等の症状の中等度に応じて異なる。
【0008】
特許文献1は、BTK抑制活性を有するピリミジン及びピリジン化合物の組成物及び製造方法に関するものであって、これらの治療用用途として、癌、全身性エリテマトーデス、アレルギー疾患、ショグレン疾患(Sjogren’s disease)、及び関節リウマチを含む過剰増殖性疾患を開示する。
【0009】
特許文献2は、極めて高い皮膚及び膜浸透率を有する非ステロイド性消炎剤(NSAIA)の薬物前駆体、及びこれらの新たな医薬的用途を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】大韓民国公開特許第10-2018-0084153号
【特許文献2】大韓民国公開特許第10-2018-0049144号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、シェーグレン症候群の予防または治療用組成物を提供することである。しかしながら、本発明が解決しようとする課題は、上述した課題に制限されず、記述されていない他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態は、下記化学式1で表される化合物またはその薬剤学的に許容可能な塩を含むシェーグレン症候群の予防または治療用組成物を提供する。
【0013】
[化学式1]
【0014】
前記式において、
Xは、酸素、窒素または硫黄のうちのいずれか一つであり;
Yは、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、(C-Cアルキルオキシ)C-Cアルキル、(C-Cアルケニルオキシ)C-Cアルキル、(C-Cアルキルカルボニルオキシ)C-Cアルキル、(C-Cアルキルスルファニル)C-Cアルキル、(アリールスルファニル)C-Cアルキル、(アリールスルホニル)C-Cアルキル、(C-Cアルキルアミノ)C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)(アリール)アミノ]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)(アリール)C-Cアルキル]アミノC-Cアルキル、[(C-Cアルキル)(ヘテロアリール)アミノ]C-Cアルキル、(アリールカルボニルアミノ)C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cオキソアルキル、C-Cシクロアルキル、(C-Cシクロアルキル)C-Cアルキル、(C-Cシクロアルケニル)C-Cアルキル、(C-Cヘテロシクロアルキル)C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロシクロアルキル]C-Cアルキル、[(アリール)C-Cアルキル]C-CヘテロシクロアルキルC-Cアルキル、[(C-Cアルキルオキシカルボニル)C-Cヘテロシクロアルキル]C-Cアルキル、[(C-Cアルキルオキシカルボニル)C-Cヘテロシクロアルキル]C-Cアルキル、(C-Cヘテロシクロアルキル)C-Cアルケニル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロシクロアルケニル]C-Cアルキル、(アリール)C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)アリール]C-Cアルキル、[(C-Cアルキルオキシ)アリール]C-Cアルキル、[(アリールオキシ)アリール]C-Cアルキル、[(C-Cアルキルスルファニル)アリール]C-Cアルキル、[(C-Cアルキルオキシカルボニル)アリール]C-Cアルキル、[(アリールオキシカルボニル)アリール]C-Cアルキル、(アリール)C-Cアルケニル、(ヘテロアリール)C-Cアルキル、[(アルキルオキシカルボニル)ヘテロアリール]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロアリール]C-Cアルキル、[(C-Cシクロアルキル)ヘテロアリール]C-Cアルキル、[(アリール)ヘテロアリール]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)ヘテロアリール]C-Cアルキル、[(アリール)C-Cアルキル]ヘテロアリールC-Cアルキル、(C-Cアルキルオキシカルボニル)C-Cアルキル、[(C-Cヘテロシクロアルキル)C-Cアルキルオキシカルボニル]C-Cアルキル、(C-Cヘテロシクロアルキルカルボニル)C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロシクロアルキルカルボニル]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロシクロアルキルカルボニル]C-Cアルキル、[(C-Cシクロアルキル)オキシカルボニルオキシ]C-Cアルキル、[(C-Cヘテロシクロアルキル)オキシカルボニルオキシ]C-Cアルキル、(ウレイド)C-Cアルキル、(アリールウレイド)C-Cアルキル、[(アリール)(C-Cアルキルウレイド]C-Cアルキル、(C-Cアルキルアミノカルボニル)C-Cアルキル、[(C-Cヘテロシクロアルキル)アミノカルボニル]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロシクロアルキル]アミノカルボニルC-Cアルキル、[(C-Cアルキル)(C-Cアルキルオキシ)アミノカルボニル]C-Cアルキル、または(オキソC-Cヘテロシクロアルキル)C-Cアルキルであり、
このとき、前記C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cオキソアルキル、C-Cシクロアルキル、C-Cシクロアルケニル、C-Cヘテロシクロアルケニル、アリール、またはヘテロアリールは、C-Cアルキル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ基、オキソ、ニトロ基、及びシアノ基からなる群から選ばれた一つ以上の置換基で置換されることができる。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、前記塩は、薬剤学的に許容可能な遊離酸(free acid)により形成された酸付加塩であることができる。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、前記遊離酸は、有機酸または無機酸であることができる。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記有機酸は、クエン酸、酢酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、ギ酸、プロピオン酸、シュウ酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、グルコン酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カルボン酸、桂皮酸、シクラミン酸、ドデシルスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルタル酸、2-オキソグルタル酸、グリセロリン酸、馬尿酸、オレイン酸、オロト酸、パルミチン酸、パモ酸、ピログルタミン酸、セバシン酸、ステアリン酸、チオシアン酸、ウンデシレン酸、イソ酪酸、ラウリン酸、マンデル酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフトエ酸、ニコチン酸、グリコール酸、コハク酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、マロン酸、リンゴ酸、及びベンゾスルホン酸からなる群から選ばれ、前記無機酸は、塩酸、臭素酸、硫酸、硝酸、及びリン酸からなる群から選ばれることができる。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式1の化合物の薬剤学的に許容可能な塩は、下記の中から選ばれることができる。
【0019】
1)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートグリコレート;
2)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートラクテート;
3)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートサリチレート;
4)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートオキサレート;
5)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートマロネート;
6)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートマレート;
7)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートタルタレート;
8)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートマレエート;
9)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートフマレート;
10)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートシトレート;
11)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートベンゼンスルホネート;
12)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートトシレート;
13)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートヒドロクロレート;
14)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートスルフェート;
15)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートホスホレート;
16)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートアセテート;
17)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートジクロロアセテート;
18)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートアジペート;
19)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートアスコルベート;
20)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートベンゾエート;
21)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート4-アセトアミドベンゾエート;
22)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートカプレート;
23)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートカプロネート;
24)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートカプリレート;
25)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートカーボネート;
26)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートシンナメート;
27)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートシクラメート;
28)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートドデシルスルホネート;
29)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートエタン-1,2-ジスルホネート;
30)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートエタンスルホネート;
31)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート2-ヒドロキシエタンスルホネート;
32)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートホルメート;
33)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートガラクタレート;
34)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートゲンチセート;
35)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートグルタメート;
36)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートグルタレート;
37)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート2-オキソグルタレート;
38)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートグリセロホスホレート;
39)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートヒップレート;
40)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートオレエート;
41)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートオロテート;
42)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートパルミテート;
43)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートパモエート;
44)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートプロピオネート;
45)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートピログルタメート;
46)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート4-アミノサリチレート;
47)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートセバセート;
48)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートステアレート;
49)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートチオシアネート;
50)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートウンデシレネート;
51)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートヒドロブロメート;
52)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートイソブチレート;
53)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートラウレート;
54)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートDL-マンデレート;
55)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートメタンスルホネート;
56)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートナフタレン-1,5-ジスルホネート;
57)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートナフタレン-2-スルホネート;
58)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート2-ナフトエート;
59)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートニコチネート;
60)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートニトレート;
61)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートサクシネートの製造
62)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートスルファレート;及び
63)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートL-アスパルテート。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、前記組成物は、担体、賦形剤、希釈剤、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、または防腐剤をさらに含むことができる。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、前記組成物は、粉末、顆粒、錠剤、エマルジョン、シロップ、エアロゾル、軟質または硬質ゼラチンカプセル、滅菌注射溶液、または滅菌粉末の形態で剤形化されることができる。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、前記組成物は、涙分泌量及び唾液分泌量を増加させることができる。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、前記組成物は、涙腺及び唾液腺の組織内の免疫細胞由来の炎症性サイトカイン及び走化性サイトカインのmRNA発現量を減少させることができる。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、前記組成物は、唾液腺及び涙腺の組織を構成する細胞の生存及び生長を活性化することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施形態によるシェーグレン症候群の予防または治療用組成物は、涙分泌量と唾液(saliva)分泌量を増加させることができ、涙腺及び唾液腺の組織内の免疫細胞由来の炎症性サイトカイン及び走化性サイトカインのmRNA発現量を減少させることができる。
【0026】
また、本発明の一実施形態によるシェーグレン症候群の予防または治療用組成物は、唾液腺及び涙腺の組織内のサイトカインタンパク質の発現量を減少させて、炎症を緩和し、細胞の生長増加等の組織再生能力があり、シェーグレン症候群の発病を遅らせることができ、シェーグレン症候群の予防または治療の目的として用いられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】シェーグレン症候群疾患モデルの涙分泌量を示すグラフである。
図2】シェーグレン症候群疾患モデルの唾液分泌量を示すグラフである。
図3】IL-17A及びp-AKTのタンパク質発現、及びそれを定量した結果である。
図4図4a及び図4bは、炎症性及び走化性サイトカイン(pro-inflammatory cytokines and chemotactic cytokines)のmRNAを定量した結果である。
図5】血漿(プラズマ)内のIL-17A及び自己抗体(抗-SSA/Ro、抗-SSB/La)のタンパク質発現を示す結果である。
図6】疾患動物モデルの炎症度表現型の変化を示す写真である。
図7】表現型の変化を点数化して、疾患スコア(disease score)で評価した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明について詳述する。
【0029】
本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、ここで説明する具現例及び実施例により限定されるものではない。
【0030】
本発明の明細書の全般に亘って、ある部分がある構成要素を「含む」とは、特に断りのない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含んでいることができるということを意味する。本願の明細書の全般において使われる程度を示す用語の「約」、「実質的に」等は、言及された意味に固有の製造及び物質許容誤差が提示されるとき、その数値でまたはその数値に近接した意味として使われ、本願の理解を助けるために正確または絶対的な数値が言及された開示内容を非良心的な侵害者が不当に利用することを防止するために使われる。本願の明細書の全般において使われる程度を示す用語の「~(する)段階」または「~の段階」は、「~のための段階」を意味しない。
【0031】
本発明の明細書の全般において、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組合せ」との用語は、マーカッシュ形式の表現に記載された構成要素からなる群から選ばれる一つ以上の混合または組合せを意味するものであって、記載された構成要素からなる群から選ばれる一つ以上を含むことを意味する。
【0032】
本発明の明細書の全般において、「A及び/またはB」との記載は、「AまたはB、若しくはA及びB」を意味する。
【0033】
本発明において使われた用語の「ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロシクロアルケニル」は、飽和炭素の代わりに窒素、酸素、または硫黄のうちのいずれか一つで置換され、または同じ原子若しくは異なる原子が単一、二つまたは三つが隣り合い、または飛ばして置換されることを意味する。前記ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニルの例としては、アジリジン、オキシラン、アゼチジン、オキセタン、ピロリジン、ピロリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、イミダゾリジン、イミダゾリン、トリアゾリジン、オキサゾリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、チアゾリジン、ジオキソラン、ジオキソール、オキサチオラン、モルホリン、チオモルホリン、ジチアン、ピペリジン、ピペラジン、ピラン、ジオキサン、またはアゼパンが挙げられるが、これに制限されない。
【0034】
また、本願において使われた用語の「アリール」の具体的な例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、またはフェナントレンが挙げられるが、これに制限されない。さらに、本願において使われた用語の「ヘテロアリール」は、窒素、酸素、または硫黄のうちのいずれか一つが置換され、または同じ原子若しくは異なる原子が単一、二つまたは三つが隣り合い、または飛ばして置換されたアリールを意味する。前記ヘテロアリールの具体的な例としては、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、アゼピン、インドール、ベンズイミダゾール、インダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ナフチリジン、フタラジン、ベンゾピラン、ベンゾキサジン、ベンゾトリアジン、クロマン、クロメン、ベンゾジオキサン、アトリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、またはカルバゾールが挙げられるが、これに制限されない。
【0035】
本発明は、シェーグレン症候群の予防または治療用組成物に関するものであって、本発明に係るシェーグレン症候群の予防または治療用組成物は、下記化学式1で表される化合物またはその薬剤学的に許容可能な塩を含むことができる。
【0036】
シェーグレン症候群は、涙腺と唾液腺等に炎症細胞が浸潤され、原因不明の慢性炎症が発生する自己免疫疾患である。この疾患は、ヒトの体の身体防御システムである免疫系の調節が失われて発生すると知られている。これにより、体の湿度を維持する分泌腺である涙腺、唾液腺等に炎症細胞が浸潤して、正常細胞が破壊されながら、これ以上その機能を維持することができなくなる。本発明の一実施形態による組成物は、経口投与が可能であり、これにより、涙分泌量と唾液分泌量を増加させることができ、涙腺及び唾液腺の組織内の免疫細胞由来の炎症性サイトカイン及び走化性サイトカインのmRNA発現量を減少させることができる。また、唾液腺及び涙腺の組織内のサイトカインタンパク質の発現量を減少させて、炎症を緩和し、細胞の生長増加等の組織再生能力があり、シェーグレン症候群の発病を遅らせることができ、シェーグレン症候群の治療剤として用いられることができる。
【0037】
以下、本発明の一実施形態によるシェーグレン症候群の予防または治療用組成物の成分及び特徴について、さらに具体的に説明する。
【0038】
本発明の一実施形態によるシェーグレン症候群の予防または治療用組成物は、下記化学式1で表される化合物またはその薬剤学的に許容可能な塩を含むことができる。
【0039】
[化学式1]
【0040】
前記式において、
Xは、酸素、窒素または硫黄のうちのいずれか一つであり;
Yは、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、(C-Cアルキルオキシ)C-Cアルキル、(C-Cアルケニルオキシ)C-Cアルキル、(C-Cアルキルカルボニルオキシ)C-Cアルキル、(C-Cアルキルスルファニル)C-Cアルキル、(アリールスルファニル)C-Cアルキル、(アリールスルホニル)C-Cアルキル、(C-Cアルキルアミノ)C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)(アリール)アミノ]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)(アリール)C-Cアルキル]アミノC-Cアルキル、[(C-Cアルキル)(ヘテロアリール)アミノ]C-Cアルキル、(アリールカルボニルアミノ)C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cオキソアルキル、C-Cシクロアルキル、(C-Cシクロアルキル)C-Cアルキル、(C-Cシクロアルケニル)C-Cアルキル、(C-Cヘテロシクロアルキル)C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロシクロアルキル]C-Cアルキル、[(アリール)C-Cアルキル]C-CヘテロシクロアルキルC-Cアルキル、[(C-Cアルキルオキシカルボニル)C-Cヘテロシクロアルキル]C-Cアルキル、[(C-Cアルキルオキシカルボニル)C-Cヘテロシクロアルキル]C-Cアルキル、(C-Cヘテロシクロアルキル)C-Cアルケニル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロシクロアルケニル]C-Cアルキル、(アリール)C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)アリール]C-Cアルキル、[(C-Cアルキルオキシ)アリール]C-Cアルキル、[(アリールオキシ)アリール]C-Cアルキル、[(C-Cアルキルスルファニル)アリール]C-Cアルキル、[(C-Cアルキルオキシカルボニル)アリール]C-Cアルキル、[(アリールオキシカルボニル)アリール]C-Cアルキル、(アリール)C-Cアルケニル、(ヘテロアリール)C-Cアルキル、[(アルキルオキシカルボニル)ヘテロアリール]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロアリール]C-Cアルキル、[(C-Cシクロアルキル)ヘテロアリール]C-Cアルキル、[(アリール)ヘテロアリール]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)ヘテロアリール]C-Cアルキル、[(アリール)C-Cアルキル]ヘテロアリールC-Cアルキル、(C-Cアルキルオキシカルボニル)C-Cアルキル、[(C-Cヘテロシクロアルキル)C-Cアルキルオキシカルボニル]C-Cアルキル、(C-Cヘテロシクロアルキルカルボニル)C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロシクロアルキルカルボニル]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロシクロアルキルカルボニル]C-Cアルキル、[(C-Cシクロアルキル)オキシカルボニルオキシ]C-Cアルキル、[(C-Cヘテロシクロアルキル)オキシカルボニルオキシ]C-Cアルキル、(ウレイド)C-Cアルキル、(アリールウレイド)C-Cアルキル、[(アリール)(C-Cアルキルウレイド]C-Cアルキル、(C-Cアルキルアミノカルボニル)C-Cアルキル、[(C-Cヘテロシクロアルキル)アミノカルボニル]C-Cアルキル、[(C-Cアルキル)C-Cヘテロシクロアルキル]アミノカルボニルC-Cアルキル、[(C-Cアルキル)(C-Cアルキルオキシ)アミノカルボニル]C-Cアルキル、または(オキソC-Cヘテロシクロアルキル)C-Cアルキルであることができる。
【0041】
前記C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cオキソアルキル、C-Cシクロアルキル、C-Cシクロアルケニル、C-Cヘテロシクロアルケニル、アリール、またはヘテロアリールは、C-Cアルキル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ基、オキソ、ニトロ基、及びシアノ基からなる群から選ばれた一つ以上の置換基で置換されることができる。
【0042】
本願において、X-Yは、アミノ酸またはアミノ酸(C-Cアルキル)エステルを示す。アミノ酸は、これに制限されるものではないが、グリシン、ロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、リジン、ヒスチジン、またはチロシンが挙げられる。
【0043】
本発明に係るシェーグレン症候群の予防または治療用組成物は、前記化学式1で表される化合物、またはその薬剤学的に許容可能な塩を含むことにより、シェーグレン症候群の予防または治療に効果があることが実験的と確認された。
【0044】
前記化学式1で表される化合物は、レバミピド前駆体(rebamipide prodrug)であって、レバミピドに比べて体内吸収率に優れた構造である。
【0045】
本発明の一実施形態による前記化学式1で表される化合物の薬剤学的に許容可能な塩は、薬剤学的に許容可能な遊離酸により形成された酸付加塩であることができる。前記遊離酸としては、有機酸と無機酸を用いることができる。前記有機酸は、これに制限されるものではないが、クエン酸、酢酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、ギ酸、プロピオン酸、シュウ酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、グルコン酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カルボン酸、桂皮酸、シクラミン酸、ドデシルスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルタル酸、2-オキソグルタル酸、グリセロリン酸、馬尿酸、オレイン酸、オロト酸、パルミチン酸、パモ酸、ピログルタミン酸、セバシン酸、ステアリン酸、チオシアン酸、ウンデシレン酸、イソ酪酸、ラウリン酸、マンデル酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフトエ酸、ニコチン酸、グリコール酸、コハク酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、マロン酸、リンゴ酸、及びベンゾスルホン酸を含む。また、前記無機酸は、これに制限されるものではないが、塩酸、臭素酸、硫酸、硝酸、ヨウ素酸、及びリン酸を含む。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、前記レバミピド前駆体の塩化合物としては、下記のものが挙げられ、これに制限されない。
【0047】
1)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートグリコレート;
2)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートラクテート;
3)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートサリチレート;
4)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートオキサレート;
5)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートマロネート;
6)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートマレート;
7)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートタルタレート;
8)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートマレエート;
9)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートフマレート;
10)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートシトレート;
11)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートベンゼンスルホネート;
12)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートトシレート;
13)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートヒドロクロレート;
14)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートスルフェート;
15)2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートホスホレート;
16)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートアセテート;
17)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートジクロロアセテート;
18)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートアジペート;
19)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートアスコルベート;
20)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートベンゾエート;
21)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート4-アセトアミドベンゾエート;
22)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートカプレート;
23)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートカプロネート;
24)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートカプリレート;
25)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートカーボネート;
26)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートシンナメート;
27)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートシクラメート;
28)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートドデシルスルホネート;
29)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートエタン-1,2-ジスルホネート;
30)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートエタンスルホネート;
31)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート2-ヒドロキシエタンスルホネート;
32)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートホルメート;
33)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートガラクタレート;
34)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートゲンチセート;
35)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートグルタメート;
36)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートグルタレート;
37)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート2-オキソグルタレート;
38)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートグリセロホスホレート;
39)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートヒップレート;
40)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートオレエート;
41)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートオロテート;
42)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートパルミテート;
43)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートパモエート;
44)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートプロピオネート;
45)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートピログルタメート;
46)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート4-アミノサリチレート;
47)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートセバセート;
48)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートステアレート;
49)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートチオシアネート;
50)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートウンデシレネート;
51)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートヒドロブロメート;
52)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートイソブチレート;
53)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートラウレート;
54)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートDL-マンデレート;
55)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートメタンスルホネート;
56)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートナフタレン-1,5-ジスルホネート;
57)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートナフタレン-2-スルホネート;
58)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート2-ナフトエート;
59)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートニコチネート;
60)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートニトレート;
61)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートサクシネートの製造
62)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートスルファレート;及び
63)2-モルホリン-4-イル-エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートL-アスパルテート。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式1で表される化合物は、下記化学式1-1~1-6のうちのいずれか一つで表示されることができる。
【0049】
[化学式1-1]
【0050】
[化学式1-2]
【0051】
[化学式1-3]
【0052】
[化学式1-4]
【0053】
[化学式1-5]
【0054】
[化学式1-6]
【0055】
一方、本発明に係る化学式1の化合物の薬剤学的に許容可能な塩は、下記化学式2の化合物を下記化学式3の化合物と反応させて製造された化学式1の化合物から製造されることができる。
【0056】
[化学式2]
【0057】
[化学式3]
Y-Z
【0058】
前記式において、X及びYは、上述の通りであり、Zは、ヒドロキシ、アミノ、アミン、ハロゲン、または離脱基(Leaving group)である。
【0059】
本発明の一実施形態において、Zは、ヒドロキシ、-NH、Cl、Br、アルキルスルホニルまたはアリールスルホニルである。
【0060】
具体的に、本発明に係る化学式1の化合物の薬剤学的に許容可能な塩は、下記[反応式1]に示した方法で製造された化学式1の化合物から製造されることができるが、これに制限されるのではない。
【0061】
[反応式1]
【0062】
(前記式において、Xは、酸素、窒素、または硫黄のうちのいずれか一つである)
【0063】
前記[反応式1]において、出発物質として用いられた[化学式2]の化合物は、米国特許第4,578,381号に記述された方法により製造されることができる。前記[反応式1]に記載の無機塩は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、または炭酸セシウムのような無機塩基であることができ、溶媒は、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、またはアセトニトリルであることができ、反応は、10~100℃で1~24時間の間行うことができる。前記反応式において、DCCは、ジシクロヘキシルカルボジイミド、DMAPは、4-ジメチルアミノピリジン、HOBTは、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、及びEDCIは、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸を意味し、Y-OMsまたはY-OTsは、スルホニル基であって、メタンスルホニル基のようなアルキルスルホニル基、またはパラトルエンスルホニル、ベンゼンスルホニル、または4-ニトロベンゼンスルホニル基のようなアリールスルホニル基を含む。
【0064】
前記[反応式1]において、Xが硫黄である[化学式2]の化合物は、下記の[反応式2]の過程により製造されることができる。
【0065】
[反応式2]
【0066】
前記[反応式2]において、硫化水素ナトリウムは、1~10当量、好ましくは4~6当量の量で用いられることができ、硫化ナトリウムは、1~5当量、好ましくは2~3当量の量で用いられることができる。前記[反応式2]において、溶媒としてジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、またはアセトニトリルが用いられることができ、反応は、10~100℃で1~24時間の間行うことができる。前記反応式において、NCSは、N-クロロスクシンイミドを称する。
【0067】
本発明に係る化学式1で表される化合物、またはその塩の薬学的に有効な量は、患者の体重1kg当たり0.5~100mg/day、具体的に1~30mg/dayであることができる。しかし、薬学的に有効な量は、疾患症状の程度、患者の年齢、体重、健康状態、性別、投与経路、及び治療期間等により適宜変化されることができる。
【0068】
また、本発明に係る組成物は、薬剤学的に許容可能な添加剤をさらに含むことができる。上記における「薬剤学的に許容可能な」というのは、生理学的に許容され、ヒトに投与されるとき、通常、胃腸障害、めまいのようなアレルギー反応、またはそれに類似した反応を引き起こさないことを意味する。前記添加剤の例としては、担体、賦形剤、及び希釈剤等が挙げられる。前記担体、賦形剤、及び希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアガム、アルギン酸、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、水、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱物油が挙げられる。また、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、及び防腐剤等をさらに含むことができる。
【0069】
また、本発明の薬剤学的組成物は、哺乳動物に投与された後、活性成分の迅速、持続または遅延した放出を提供できるように、当業界に公知された方法を用いて剤形化されることができる。剤形は、粉末、顆粒、錠剤、エマルジョン、シロップ、エアロゾル、軟質または硬質ゼラチンカプセル、滅菌注射溶液、滅菌粉末の形態であることができる。
【0070】
本発明に係る薬剤学的組成物は、経口、経皮、皮下、静脈または筋肉を含む様々な経路を介して投与されることができ、活性成分の投与量は、投与経路、患者の年齢、性別、体重、及び患者の重症度等の多くの因子に応じて適宜選ばれることができ、治療しようとする疾患の種類に応じて、前記疾患に対して予防または治療の用途があると公知されている化合物と併用して投与されることができる。
【実施例
【0071】
以下、シェーグレン症候群の疾患モデル(Nfkbiz-/- or IkB-ξ-欠損マウス、C57BL/6)を用いて、本発明の一実施形態による組成物の経口投与による抗炎症効能及び組織再生等の効能確認実験について具体的に説明する。
【0072】
1.実験準備
1.1実験動物及び条件
7-12週齢のシェーグレン症候群の自己免疫疾患モデル(Nfkbiz-/- or IkB-ξ-欠損雄性マウス、C57BL/6)をソウル峨山病院(韓国)から譲渡されて行った。動物実験室の環境は、温度25±5℃、湿度55-70%、照明12時間明期/12時間暗期とした。滅菌された敷きわら、実験動物用ペレット状の固形飼料Teklad 2018S(Envigo社、除菌可能)、及び滅菌精製水を自由摂取させた。譲渡後直ちに体重を測定し、週齢及びシェーグレン症候群の表現型を考慮して群を分離選別した。この研究における全ての動物実験は、サムジン製薬株式会社(韓国)の自体動物実験倫理委員会の承認(承認番号;SJ-2016-001)下で、標準操作手順により行われた。
【0073】
1.2実験道具及び試薬
-実験道具:滅菌済ケージ、滅菌水、加湿器、除湿器、恒温恒湿器、1cc注射器、マーカー、天秤、20mlバイアル瓶、ゾンデ(フィーディングニードル)、手術道具、e-チューブ、解剖顕微鏡、クリーンベンチ、マイクロピペット
【0074】
-試薬及び材料:フェノールレッド綿糸(Zone-Quick;オアシス社、グレンドラ、カリフォルニア州)、iQ SYBR Green Supermix(バイオラッド社)、cDNA変換キット(BR170-8891、バイオラッド社)、アルファキサン(麻酔剤)、ホスホ-Akt(S473)抗体(細胞シグナル伝達、#4060)、IL-17A抗体(サンタクルーズ社、♯sc-374218)、β-アクチン抗体(シグマアルドリッチ社、♯A5316)、塩酸ピロカルピン(シグマ社、P6503)、ヘパリン(緑十字社(韓国))
【0075】
-RIPA溶解バッファ(50mM Tris-Cl pH7.4、150mM NaCl、1mM EDTA、1% トリトンX-100、0.1% SDS、1% デオキシコール酸ナトリウム、0.5mM フッ化フェニルメチルスルホニル、2ug/ml ロイペプチン、2ug/ml アプロチニン、10mM NaF、及び1mM オルトバナジン酸ナトリウム)
【0076】
-ELISAキット:IL-17A(Signosis社、♯EA-2516)、抗-SSA(Signosis社、#EA-5202)、抗-SSB(Signosis社、♯EA-5204)
【0077】
1.3.実験群及び賦形剤の造成
【0078】
【表1】
【0079】
前記SA001は、2-(モルホリン-4-イル)エチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネートマロネートであり、下記の方法で製造した。
【0080】
【0081】
2-モルホリン-4-イルエチル2-(4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-イル)プロピオネート1g(2.07mmol)及びマロン酸0.22g(2.07mmol)を反応させて、白色固体の表題化合物(1.1g)を得た。
【0082】
1H NMR(400MHz, DMSO-d6):11.71(s, 1H), 9.06(d, 1H), 7.83(t, 3H), 7.59(s, 1H), 7.56(s, 1H), 7.52(t, 1H), 7.32(d, 1H), 7.24(t, 1H), 6.46(s, 1H), 4.77(m, 1H), 4.24(m, 2H), 3.51-3.46(m, 5H), 3.29(q, 1H), 3.19(s, 2H), 2.70-2.61(m, 2H), 2.51(t、2H), 2.47(br-s, 4H)
【0083】
2.実験方法
2.1投与方法及び投与期間
:経口投与(oral administration、P.О)、1日2回(10h、16h)、5週間(35日)投与
【0084】
2.2麻酔(I.V)
:アルファキサン(13mg/kg;PBSで希釈する)
【0085】
2.3涙分泌量の測定(シルマーテスト)
涙分泌量は、動物麻酔1分後、フェノールレッド綿糸(Zone-Quick;オアシス社、グレンドラ、カリフォルニア州)を用いた。一端を動物の目の外眼角の下眼瞼に当て、60秒間放置し、毛細管現象により涙液で濡らした後、変色した糸の長さ(mm)を測定した。涙分比量が減少する場合、シェーグレン症候群症状による眼球乾燥が促進されるので、分泌量が多いほど試験物質の効果が大きいものと判定した。
【0086】
2.4唾液分泌量の測定(唾液流量(Saliva Flow Rate))
塩酸ピロカルピン(シグマ社、P6503、PBSで1mg/mlの濃度に希釈した後、4℃で保管)を100ul/匹で腹腔内投与してから2分後に麻酔させ、3分間、マイクロピペットで唾液を採取して唾液分泌量を測定した。
唾液流量(μL/分)=唾液(μL)/3
【0087】
2.5涙腺及び唾液腺の組織分離とタンパク質の発現定量(イムノブロット分析)
試験動物の涙腺と唾液腺の組織を分離し、PBSを入れてホモジナイズした(氷上)。粉砕された組織を、RIPA溶解バッファ(50mM Tris-Cl pH7.4、150mM NaCl、1mM EDTA、1% トリトンX-100、0.1% SDS、1% デオキシコール酸ナトリウム、0.5mM フッ化フェニルメチルスルホニル、2ug/ml ロイペプチン、2ug/ml アプロチニン、10mM NaF、及び1mM オルトバナジン酸ナトリウム)にそれぞれ1mlずつ入れて5分間反応させた(氷上)。遠心分離(13000rpm、20分)して上澄み液のみを取った後、タンパク質補正を行った。サンプルを、抗Akt(1:400)及び抗インターロイキン17A(1:200)抗体を入れて、免疫沈降(IP)(一晩)後にサンプリングした。各サンプルをSDS―ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)を実施してフッ化ポリビニリデン(PVDF)膜に移動させた後、Akt-IP-サンプルは、ホスホ-Akt(S473)、IL-17A-IP-サンプルは、IL-17A一次抗体を、ブロッキングバッファー(TBS+Tween20)+0.1%のスキムミルクに1:100,000の割合で、4℃で一晩反応させ、HRP-コンジュゲート二次抗体を反応処理後、最終的に暗室においてECL溶液で発光させて、X線フィルムに露出して定量した。
【0088】
2.6涙腺及び唾液腺の組織内の全mRNAの分離と定量(定量RT-PCR)
PBSで粉砕した組織の半分を、TRIzolを用いた製造業者のプロトコルに従って全RNAを分離して、逆転写反応(reverse transcription system)を用いたcDNAへの変換(iScript cDNA synthesis BR170-8891、バイオラッド社、米国)を行う。これを、リアルタイムPCRを用いて、mRNAを定量する。PCRに用いたプライマーは、専門製造会社である(株)バイオニクス(ソウル市、韓国)に注文して合成した。注文したプライマーは、マウスサイトカイン;IL-2(順方向5’-TTG AGT GCC AAT TCG ATG AT-3’及び逆方向5’-TTG AGG GCT TGT TGA GAT GA-3’)、IL-17A(順方向5’-TGT CTC TGA TGC TGT TGC TG-3’及び逆方向5’-AGT CCT TGG CCT CAG TGT TT-3’)、IFN-g(順方向5’-AGC TCT TCC TCA TGG CTG TT-3’及び逆方向5’-TTT GCC AGT TCC TCC AGA TA-3’)、BAFF(順方向5’-GGT GAC CCT GTT CCG ATG TA-3’及び逆方向5’-CTC CGT TGC GTG AAA TCT GT-3’)、FLT3L(順方向5’-TGG CAG GGT CTA AGA TGC AA-3’及び逆転写5’-AGG TGG GAG ATG TTG GTC TG-3’)、IL-1(順方向5’-AGC TTC AAA TCT CGC AGC AG-3’及び逆転写5’-TCT CCA CAG CCA CAA TGA GT-3’)、IL-6(順方向5’-GAC TGA TGC TGG TGA CAA CC-3’及び逆転写5’-AGA CAG GTC TGT TGG GAG TG-3’)、IL-12A(順方向5’-CCT GCA CTG CTG AAG ACA TC-3’及び逆転写5’-CCA GGC AAC TCT CGT TCT TG-3’)、IL-18(順方向5’-GCT GCC ATG TCA GAA GAC TC-3’及び逆転写5’-ACT GCG GTT GTA CAG TGA AG-3’)、IL-21(順方向5’-AGT GGC CCA TAA ATC AAG CC-3’及び逆転写5’-AAA GCT GCA TGC TCA CAG T-3’)、IL-22(順方向5’-AAT CAG CTC AGC TCC TGT CA-3’及び逆転写5’-TCG CCT TGA TCT CTC CAC TC-3’)、TNF-(順方向5’-TCT CTT CAA GGG ACA AGG CT-3’及び逆転写5’-GGC AGA GAG GAG GTT GAC TT-3’)、IFN-(順方向5’-GCT CTG TGC TTT CCT GAT GG-3’及び逆転写5’-GTA CCA GGA GTG TCA AGG CT-3’)、ケモカイン;CXCL13(順方向5’-ATG AGG CTC AGC ACA GCA A-3’及び逆転写5’-GAA TAC CGT GGC CTG GAG AG-3’)、CXCR5(順方向5’-CTC AAC CGA GAC CTT CCT GT-3’及び逆転写5’-GTG CAG AGC GAT CAC AGT TT-3’)、及びGAPDH(順方向5’-TGG AGA AAC CTG TAT GTA TGG G-3’及び逆転写5’-GGC CTG ATA AGA ACA AAC CC-3’)。PCR(CFX Connect、バイオラッド社、米国)装備を用いてSsoAdvanCed Universal SYBR(登録商標) Green Supermix(バイオラッド社)、プライマー(0.5pmole)、及びテンプレートcDNAを反応させ、次のような条件で行った。95℃で3分間初期変性、熱変性(denaturation)95℃で10秒間、アニーリング(annealing)55℃で30秒間を39サイクル、及び伸長(extension)65℃で5秒間。
【0089】
2.7プラズマ内の自己抗体及びサイトカイン(IL-17A)の定量(ELISA)
シェーグレン症候群のマーカーとして、RNP粒子系列の自己抗体である抗-SSA/Ro(Signosis社、♯EA-5202、米国)、抗-SSB/La(Signosis社、#EA-5204、米国)、及び自己免疫疾患の発病に関与するインターロイキン-17Aサイトカイン(Signosis社、#EA-2516、米国)の血清内の分泌及び生成を確認するために、酵素結合免疫吸着検定法(Enzyme-linked ImmunoSorbent Assay:ELISA)を用いて定量した。
【0090】
2.8動物の炎症度表現型の分析(疾患スコア)
動物モデルの炎症程度を点数化して分析した。
1:眼窩周囲腫脹(periorbital swelling)
2:目が開けられない程度(eyes with discharge that were difficult to open)
3:眼周囲の皮膚びらん(periocular skin erosion)
4:皮膚周囲の炎症(inflammation reaching perioral skin)
5:顔全体のびらん及び酷い脱毛(erosion and loss of hair in whole face)。
【0091】
2.9統計
実験結果は、平均値±標準誤差(SE)で示し、IBM SPSS Statics 21(IBM社、ポキプシー、ニューヨーク州、米国)を用いて一元配置分散分析(one-way analysis of variance:one-way ANOVA)後、ダネット検定法(Dunnett's t-test)を通じて分析した。p値(probability-value)<0.05の場合、統計学的に「有意である」と定義した。
【0092】
3.実験結果
3.1涙分泌の効果
図1は、シェーグレン症候群疾患モデルの涙分泌量を示すグラフである。図1を参照すれば、シェーグレン症候群疾患モデルの涙分泌量は、本発明に係る組成物の投与時、有意に増加することが確認される(mean±SE.、N=11)。*p<0.05vs.対照群。
【0093】
3.2唾液分泌の効果
図2は、シェーグレン症候群疾患モデルの唾液分泌量を示すグラフである。図2を参照すれば、本発明に係る組成物を投与した場合、唾液分泌量(1.00.2)は、対照群(0.750.05)に比べて有意に増加することが確認される(mean±SE.、N=11)。*p<0.05vs.対照群。
【0094】
3.3唾液腺及び涙腺におけるサイトカイン(IL-17A)及びホスホ-Aktタンパク質発現の効果
図3は、IL-17A及びp-AKTのタンパク質発現、及びそれを定量した結果である。
【0095】
自己免疫疾患(autoimmune diseases)は、主にヘルパー17T細胞(Th17)の分化及び活性化により発病し、このT細胞により生成する炎症性サイトカインであるインターロイキン-17A(IL-17A)の発現増加を定量することにより自己免疫疾患の程度を確認することができる。
【0096】
本発明に係る組成物を100mg/kgで投与した群の涙腺と唾液腺の組織内のIL-17Aのタンパク質発現を定量した結果、対照群に比べて有意に減少することが確認された。
【0097】
また、細胞生長及び成長に関与するAktの活性化形態であるp-AKTを定量した結果、本発明に係る組成物の投与群において有意に増加された(mean±SE.、N=3)。*p<0.05vs.対照群。したがって、本発明に係る組成物は、炎症緩和作用及び組織の再生に効果があることが確認された。
【0098】
3.4唾液腺及び涙腺における様々な炎症性及び走化性サイトカインのmRNA発現の効果
図4a及び図4bは、炎症性及び走化性サイトカインのmRNAを定量した結果である。
【0099】
涙腺と唾液腺の組織内の自己免疫疾患と関連した免疫細胞(T細胞及びBリンパ球)由来の炎症性及び走化性サイトカインのmRNAを定量した結果を対照群と比較すると、次の通りである。
【0100】
IL-2(唾液腺;1.3フォールド、涙腺;4.5フォールド)、インターフェロン-g(唾液腺;1.3フォールド、涙腺;1.3フォールド)、IL-17A(唾液腺;3.3フォールド、涙腺;2.8フォールド)、BAFF(唾液腺;有意性なし、涙腺;1.6フォールド)、CXCL13(唾液腺;5フォールド、涙腺;2.5フォールド)、CXCR5(唾液腺;2.5フォールド、涙腺;有意性なし)、FLT3L(唾液腺;13フォールド、涙腺;2.5フォールド)、IL-1β(唾液腺;10フォールド、涙腺;2フォールド)、IL-6(唾液腺;2.5フォールド、涙腺;2フォールド)、IL-12(唾液腺;有意性なし、涙腺;10フォールド)、IL-18(唾液腺;1.6フォールド、涙腺;有意性なし)、IL-21(唾液腺;20フォールド、涙腺;1.6フォールド)、IL-22(唾液腺;1.6フォールド、涙腺;1.7フォールド)、TNF-α(唾液腺;2.2フォールド、涙腺;1.6フォールド)、IFN-α(唾液腺;40フォールド、涙腺;1.6フォールド)であって、殆ど有意に減少することが分かった(mean±SE.、N=6)。*p<0.05、♯p<0.01vs.対照群。
【0101】
3.5疾患動物モデルのプラズマ内における自己抗体(抗-SSA/Ro、抗-SSB/La)及びサイトカイン(IL-17A)の分泌量変化の効果
図5は、血漿(プラズマ)内のIL-17A及び自己抗体(抗-SSA/Ro、抗-SSB/La)のタンパク質発現を示す結果である。
【0102】
*シェーグレン症候群が発病することにより、体内の自己抗原であるSSA/Ro、SSB/Laが増加する。これにより、免疫系のB細胞は、自己抗体を生産する。この自己抗体(抗-SSA/Ro、抗-SSB/La)の存在有無を測定することにより、シェーグレン症候群の発病程度を確認することができる。
【0103】
下記の表2及び図5を参照すれば、本発明に係る組成物(SA001)の投与群において、プラズマ内の抗-SSA(40%)と抗-SSB(30%)がいずれも対照群に比べて有意に減少し、IL-17Aも減少することが分かる(mean±SE.、N=3)。*p<0.05vs.対照群。
【0104】
【表2】
【0105】
3.6疾患動物モデルの炎症度表現型の変化(疾患スコア)
図6は、疾患動物モデルの炎症度表現型の変化を示す写真であり、図7は、表現型の変化を点数化して疾患スコアで評価した結果である。
【0106】
シェーグレン症候群が発病することにより、外観的に角質が増加し、眼球に酷い乾燥と口乾き症状が発生して炎症が生じる。したがって、図6に示すように、表現型を通じて5段階に点数化して疾患スコアで評価した。スコアが高いほど、炎症度は増加することである。図7を参照すれば、投与2週間後から対照群に比べて、SA001投与群は、有意に発病を遅らせる現象が観察された(mean±SE.、N=11)。*p<0.05vs.対照群。
【0107】
上述のように、この実験では、涙分泌量と唾液分泌量、様々な組織(涙腺、唾液腺)内の炎症性サイトカイン、及び血漿(プラズマ)内の自己抗体(抗-SSA/Ro、抗-SSB/La)とIL-17Aの差を比べた。
【0108】
涙分泌量と唾液分泌量の場合、本発明の組成物投与群において有意に増加する様子を示した。涙腺及び唾液腺の組織内の免疫細胞由来の炎症性サイトカイン及び走化性サイトカインのmRNA発現量は、薬物投与群において有意に減少した。唾液腺及び涙腺の組織内におけるIL-17Aのサイトカインタンパク質の発現量の減少及び組織を構成する細胞の生存及び生長を確認する活性化したAkt(ホスホ-Akt)の増加を通じて、炎症の緩和及び組織再生の可能性も確認された。シェーグレン症候群の発病により増加する血漿内のシェーグレン症候群マーカーである自己抗体(抗-SSA、抗-SSB)の場合、本発明の組成物投与群において有意に減少し、IL-17Aサイトカインの分泌が減少することが観察された。外観の表現型の観察を通じて、炎症度を比べた結果、本発明の組成物の投与により発病を遅らせる効果が確認された。すなわち、本発明の組成物の投与により疾患モデルの発病を遅らせることが確認され、直接関連した涙腺及び唾液腺の組織内における炎症緩和及び構成細胞の生長増加の可能性が確認された。したがって、本発明の組成物は、シェーグレン症候群の予防及び治療効果があるものと判断される。
【0109】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本願の技術的思想や必須特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変形可能であることが理解できるであろう。よって、以上で記述した実施例は、全ての面で例示的なものであり、限定的ではないことを理解しなければならない。例えば、単一型に説明されている各構成要素は分散して実施されてもよく、同様に、分散して説明されている構成要素も結合された形態で実施されてもよい。
【0110】
本発明の権利範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
【国際調査報告】