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  • 特表-流体を計量するための弁 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】流体を計量するための弁
(51)【国際特許分類】
   F02M 51/06 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
F02M51/06 A
F02M51/06 H
F02M51/06 S
F02M51/06 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526515
(86)(22)【出願日】2019-10-24
(85)【翻訳文提出日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2019079054
(87)【国際公開番号】W WO2020099093
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】102018219527.7
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】イットリンガー,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン,ニコ
(72)【発明者】
【氏名】ラウシェンベルガー,フィリップ
【テーマコード(参考)】
3G066
【Fターム(参考)】
3G066AB02
3G066BA31
3G066BA41
3G066CC15
3G066CD17
3G066CD23
3G066CE23
3G066CE24
3G066CE25
(57)【要約】
特に内燃機関の燃焼室に燃料を直接に噴射するための燃料噴射弁として用いられる流体を計量するための弁(1)であって、弁ニードル(15)と電磁式のアクチュエータ(2)とを備え、該アクチュエータ(2)が、磁気コイル(3)と、弁ニードル(15)に配置されたアーマチュア(4)とを含み、磁気コイル(3)がコイルキャリア(63)に巻かれている。コイルキャリア(63)が少なくとも実質的に少なくとも1つの金属材料から形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を計量するための弁(1)、特に内燃機関の燃焼室に燃料を直接に噴射するための燃料噴射弁であって、
弁ニードル(15)と電磁式のアクチュエータ(2)とを備え、
該アクチュエータ(2)が、磁気コイル(3)と、弁ニードル(15)に配置されたアーマチュア(4)とを含み、
前記磁気コイル(3)がコイルキャリア(63)に巻かれており、前記コイルキャリア(63)が少なくとも実質的に少なくとも1つの金属材料から形成されている、
ことを特徴とする弁(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の弁であって、
少なくとも1つのケーシング部分(12,13)が設けられており、該ケーシング部分に前記コイルキャリア(63)が少なくとも部分的に配置されており、運転時に前記流体を案内する流入通路(42)が設けられており、前記コイルキャリア(63)が前記ケーシング部分(12,13)に配置されており、運転時に前記流入通路(42)を案内される前記流体によって前記ケーシング部分(12,13)を介した前記コイルキャリア(63)の冷却が可能となる、ことを特徴とする弁。
【請求項3】
請求項2に記載の弁であって、
少なくとも1つのケーシング部分(13)が前記アクチュエータ(2)の内部極(5)として形成されており、および/または、前記コイルキャリア(63)がケーシング部分(13)を周方向に取り囲んでおり、および/または、前記流入通路(42)が少なくとも部分的にケーシング部分(13)に形成されている、ことを特徴とする弁。
【請求項4】
請求項2または3に記載の弁であって、
前記コイルキャリア(63)の接触面(66)が前記ケーシング部分(13)に直接に隣接している、ことを特徴とする弁。
【請求項5】
請求項4に記載の弁であって、
前記接触面(66)は、長手方向軸(8)に沿って、かつ前記長手方向軸(8)を中心として周方向に延在しており、および/または、前記接触面(66)は少なくとも部分的に円筒周面状に構成されている、ことを特徴とする弁。
【請求項6】
請求項2から5までのいずれか1項に記載の弁であって、
前記コイルキャリア(63)が前記ケーシング部分(12,13)に押し付けられているか、または溶接されている、ことを特徴とする弁。
【請求項7】
請求項2から6のまでのいずれか1項に記載の弁であって、
別のケーシング部分(12)が設けられており、該別のケーシング部分にコイルキャリア(63)が少なくとも部分的に配置されており、前記別のケーシング部分(12)が前記ケーシング部分(13)を部分的に周方向に取り囲んでおり、運転時に前記流入通路(42)を案内される前記流体によって前記ケーシング部分(13)および前記別のケーシング部分(12)を介した前記コイルキャリア(63)の冷却が可能となる、ことを特徴とする弁。
【請求項8】
請求項2から7までのいずれか1項に記載の弁であって、
少なくとも1つの前記ケーシング部分(12)が少なくとも部分的に分離リング(60)として形成されている、ことを特徴とする弁。
【請求項9】
請求項8に記載の弁であって、
少なくとも部分的に分離リング(60)として形成された前記ハウジング部分(12)に、アーマチュア空間(43)を制限する内壁(46)が形成されており、運転時に前記流体がアーマチュア空間(43)を案内される、ことを特徴とする弁。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれかに記載の弁であって、
前記コイルキャリア(63)は、少なくとも実質的に、好ましくは熱伝導率の高い非強磁性材料から形成されており、並びに/または、前記コイルキャリア(63)は、少なくとも部分的に銅ベースの金属材料から形成され、および/もしくは少なくとも部分的にアルミニウムベースの金属材料から形成されており、並びに/または、前記磁気コイル(3)は、前記コイルキャリア(63)に結合されたプラスチック押出成形部(68)によって部分的に取り囲まれている、ことを特徴とする弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を計量するための弁、特に内燃機関のための燃料噴射弁に関する。特に、本発明は、好ましくは内燃機関の燃焼室に燃料が直接に噴射される、自動車の燃料噴射システムのためのインジェクタの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ特許出願公開第10360330号明細書により内燃機関の燃料噴射システムのための燃料噴射弁が公知である。この公知の燃料噴射弁は、弁座面と協働してシール座を形成する弁ニードルと、弁ニードルに結合されたアーマチュアとを有しており、このアーマチュアは、戻しばねによって封止方向に付勢されており、磁気コイルと協働するものである。磁気コイルはコイルケーシングに封入されており、内部極に接するコイルキャリアに巻かれている。磁気コイルには電気プラグ接点が設けられており、この電気プラグ接点は、内部極に成形されたプラスチック被覆成形部によって取り囲まれている。
【発明の概要】
【0003】
請求項1の特徴を有する本発明による弁は、改善された構成および動作性能が可能になるという利点を有する。特に、噴射挙動を改善することができる。
【0004】
従属請求項に記載された手段によって、請求項1に記載された弁の有利な構成が可能である。
【0005】
弁の好ましい実施形態では、電磁アクチュエータには、弁ニードルに結合されたアーマチュアが設けられており、アーマチュアは、弁ニードルに固定的に結合されておらず、むしろ、弁ニードルに設けられた2つのストッパの間で移動するように支持されている。この場合、アーマチュアと2つのストッパとの間には、アーマチュア自由経路と呼ばれる軸方向の遊びが設けられている。アーマチュア自由経路のばねによりアーマチュアを燃焼室側のストッパで停止状態に保持することができるので、その後アクチュエータが制御されてアーマチュアが動作する場合には、好ましくは完全なアーマチュア自由経路が加速経路として利用可能である。
【0006】
アーマチュア自由経路を有するこの構成はいくつかの利点を有する。開放時にアーマチュアによって発生するインパルスによって、燃料圧力がより高くなっても同じ磁力で弁ニードルを安全に開放することができ、これは機械的なブーストを意味する。さらに、移動する質量体を分割することができ、これにより当接力が2つのインパルスに分割され、座部の摩耗が少なくなる。さらに、質量体を分割することによって、高度に動的な弁において跳ね返り傾向を小さくすることができる。
【0007】
弁は、好ましくは、液状流体、特に液体燃料を計量するために用いられる。燃料としては、ガソリンまたはガソリンを含む混合物が特に適している。この場合、燃料という用語は、一般的に理解されるべきであり、特に、燃料は、所定の水成分を含むこともできる。燃料に基づいて記載された構成および利点は、流体の場合にも同様に得られる。燃料は、好ましくは、内燃機関の燃焼室に直接に噴射される。燃料は、流入接続管を介して供給することができ、燃料は、まず流入通路を案内され、次いでアーマチュア空間に到達する。燃料は、アーマチュア空間を案内された後、弁ニードルによって動作可能な弁封止体と弁座面との間に形成されたシール座に到達する。
【0008】
請求項2に記載の有利なさらなる構成では、例えば、流入接続管に結合することができるケーシング部分が設けられている。次いで、流入通路は、部分的に流入接続管を通って延在し、部分的にケーシング部分を通って延在することができる。この場合、流入通路を案内される液体燃料はヒートシンクとなる。良好に熱を伝導するコイルキャリアを介して、運転時に磁気コイルに生じる熱がこのヒートシンクに放出される。
【0009】
このようにして、磁気コイルにおいて著しいエネルギー損失が熱として生じる場合であっても、機能が阻害されることを防止することができる。特に、磁気コイルのワイヤの絶縁ラッカーの溶融を防止することができる。さらに、磁気コイルは、一般に、部分的にプラスチック、特にプラスチック被覆成形部によって取り囲まれている。コイルキャリアを介して熱を放出することができるので、例えば早すぎる劣化に起因してこのようなプラスチックが損傷することを防止することをできる。したがって耐用期間にわたって磁気コイルの密閉性を保証することができ、特に、水分が磁気コイルに浸透することはない。これにより、起こり得る腐食および/または凍結被害に対する有利な保護がもたらされる。
【0010】
したがって、一方でアクチュエータの機能性は耐用期間にわたって保持される。他方では、コイルキャリアを介した熱放出は、それぞれの用途において磁気コイルにより大きい負荷をかけることも可能にする。例えば、より高い磁力を達成するために、より高い電流によって磁気コイルを励起することができる。このようにして、磁力、ひいては弁ニードルに作用する開放力のさらなる増大を達成することができる。このことは、特に、より高いシステム圧力、特に、より高い燃料圧力を可能にする。
【0011】
請求項3によれば、ケーシング部分の有利な構成が可能である。この場合、内部極を流入接続管に接続することができる。流入通路は、流入接続管および内部極を通って延在し、アーマチュア空間に通じていてもよい。さらに弁ニードルを内部極内でガイドしてもよい。請求項4および/または請求項5に記載のさらなる構成によれば、コイルキャリアとケーシング部分との間の熱接触部を有利に実現することが可能である。しかしながら、変更された実施形態では、例えば熱伝導媒体を介して、コイルキャリアをケーシング部分に間接的に隣接させることも可能である。請求項6に記載の有利なさらなる構成によれば、コイルキャリアの確実な固定および有利な熱移動の両方を実現することができる。
【0012】
請求項7に記載の有利なさらなる構成によれば、2つ以上のケーシング部分を介して熱をコイルキャリアから流体に放出することもできる。この場合、熱は、必要に応じて、まず1つのケーシング部分から別のケーシング部分へ放出し、次に流体、特に燃料に放出することもできる。
【0013】
請求項8によれば、ケーシング部分、特に別のケーシング部分の有利な実施形態が可能である。請求項9に記載の構成によれば、燃料がアーマチュア空間を案内される場合に、燃料に熱を放出することもできる。コイルキャリアの有利な実現が請求項10に記載されている。これにより、磁気コイルからの熱損失量をより冷たい燃料に効果的に放出することができる。さらに、磁気コイルは、プラスチック被覆成形部によって部分的に取り囲まれていてもよい。このようなプラスチック被覆成形部は、一般に高い熱伝導抵抗を有する。しかしながら、提案されたコイルキャリアによってエネルギー損失量を放出することができ、これにより、プラスチック被覆成形部の損傷を防止することができる。この場合、コイルワイヤは金属のコイルキャリアに適切に巻かれる。続いて、例えば、金属のコイルキャリアに成形できるプラスチックによる被覆成形を実現することができる。金属のコイルキャリアを介した燃料への熱ブリッジが残り、これにより、コイルが効果的に冷却される。それぞれの接触部分、特に内部極および/または分離リングに関してコイルキャリアを適合させることができる。
【0014】
以下に、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の好ましい実施形態による弁を示す概略的な部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、好ましい実施形態にしたがって流体を計量するための弁1を概略的な部分断面図で示す。弁1は、特に燃料噴射弁1として構成することができる。好ましい用途は、このような燃料噴射弁1が高圧噴射弁1として形成されており、内燃機関の割り当てられた燃焼室に燃料を直接に噴射するために用いられる燃料噴射システムである。弁1の構成は、液状流体、特にガソリンまたはディーゼルなどの液体燃料に特に適しており、少なくとも1つの燃料と必要に応じた水成分との液体混合物を使用することも可能である。
【0017】
弁1は、電磁コイル3、アーマチュア4および内部極5を有する電磁アクチュエータ2を備える。電磁コイル3が通電されると内部極5を介して磁気回路6が閉じられ、これにより、アーマチュア4は、ケーシング(弁ケーシング)9の垂直方向軸8に沿って開放方向7に動作する。この場合、ケーシング9は、弁座体10とケーシング部分11~14とを有している。ケーシング部分13は、この実施例では内部極5を形成している。
【0018】
アーマチュア4は弁ニードル15に配置されており、この実施形態ではアーマチュア4が弁ニードル15に沿って移動する支承が実現されている。このために、弁ニードル15にはストッパ16,17が設けられており、これらのストッパは弁ニードル15に固定して配置されている。ストッパ16,17は、弁ニードル15に結合された構成要素16,17として、および/または弁ニードル15と一体的に構成することができる。ストッパ16,17には、アーマチュア4の方に向いたストッパ面18,19が形成されており、これらのストッパ面は、対応する弁ニードル15に対して固定して配置されている。
【0019】
アーマチュア4のためにアーマチュア自由経路20が設けられている。アーマチュア4が動作すると、アーマチュア4は、まず、アーマチュア4がストッパ面19に当接するまで、アーマチュア自由経路20を通過する。続いて、アーマチュア4は弁ニードル15を開放方向7に連動させる。これにより、弁1を開放するために、より大きい開放インパルスが利用可能となる。弁1が開放されると、弁ニードル15に結合された弁封止体21が弁座体10に形成された弁座面22から持ち上げられ、弁封止体21と弁座面22との間に形成されたシール座23が開放される。次いで、弁座体10に形成されたノズル孔25,26を介して、弁ケーシング9のケーシング部11の内部空間24から内燃機関などの燃焼室に燃料を噴射することができる。
【0020】
弁1が開放されると、次いで、アーマチュア4は、この実施形態ではケーシング部分13、すなわち内部極5に形成されたストッパ面27に当接する。ストッパ面27は、弁ケーシング9に対するアーマチュア4の移動を制限する。弁1を閉じるために、磁気コイル3は非通電状態に切り換えられ、弁ニードル15は封止ばね(戻しばね)30によって図1に示された開始位置に再び移動する。この場合、アーマチュア4は、弁ニードル15によってストッパ17から開放方向7に対して連動する。閉じられた状態では、アーマチュア4がストッパ面18に当接する図1に示したアーマチュア4の始動位置が、アーマチュア自由経路ばね31を介して確保される。
【0021】
したがって、弁ニードル15は、弁1を開放するために、戻しばね30の力に抗してアクチュエータ2によって動作可能である。この場合に弁ニードル15がガイドされる。弁ニードルガイド32が弁座体10に設けられている。例えばストッパ17によってさらなるガイドを行うことができ、ストッパ17は、ケーシング部分13、すなわち内部極5の孔33内をガイドされる。弁ニードルガイド32には複数の流路開口部34が設けられており、図1に例としての流路開口部34が示されている。同様に弁ニードルガイドとして用いられるストッパ17には、複数の流路開口部35が設けられており、図1には例として流路開口部35が示されている。
【0022】
弁1は、ケーシング9に結合された流入接続管40を有する。流入接続管40は軸方向の孔41を有する。弁1は、部分的には孔41によって、部分的には孔33によって形成された流入通路42を有する。流入接続管40を介して供給される燃料は、流入通路42を通ってアーマチュア空間43に流れ込み、燃料は、流路開口部35でストッパ17を通過する。燃料は、アーマチュア4内に形成されたいくつかのアーマチュア孔44とリングギャップ45とを介してアーマチュア空間43を通過することができ、リングギャップ45はアーマチュア4とケーシング9の内部(内壁)46との間に形成されている。アーマチュア空間43の後、燃料は内部空間24に到達する。したがって、シール座23が開いている場合に、流れ矢印50~53によって示されるように燃料を案内することができる。流れ矢印50~53は、例として示されている。特に、燃料は、ケーシング部分13の孔33およびケーシング9の内部46に沿って案内される。
【0023】
ケーシング部分11に結合されたケーシング部分12は分離リング60として形成されている。この場合、アーマチュア空間43を制限する内側46は、部分的に分離リング60に形成されている。分離リング60と内部極5との間には、例えば、好ましくは円筒被覆状に形成された接触面62を介して実現することができる熱接触部61が生じる。磁気コイル3は、コイルキャリア63に巻かれている。コイルキャリア63は、少なくとも実質的に、高い熱伝導率を有する1つ以上の金属材料から形成されている。コイルキャリア63、分離リング60および内部極5は、コイルキャリア63と内部極5との間もしくはコイルキャリア63と分離リング60との間に熱接触部64,65が形成されるように構成されており、互いに対してそのように配置されている。熱接触部64,65は、例えば、それぞれ好ましくはシリンダジャケット状に形成された接触面66,67を介して実現することができる。長手方向軸8に関して、接触面62,66,67は、軸方向にも、好ましくは完全に周方向にも延在している。この実施例では、コイルキャリア63は、部分的に内部極5に配置されており、部分的に分離リング60に配置されている。この場合、コイルキャリア63を内部極5および/または分離リング60に押し付けることができる。このことは、コイルキャリア63と内部極5もしくは分離リング60との間の直接接触を確立できることを意味する。しかしながら、変更された実施形態では、高い熱伝導率を有する接触手段を使用することもできる。
【0024】
電磁コイル3が通電された場合に生じる熱損失は、少なくとも実質的にコイルキャリア63によって吸収され、内部極5および分離リング60を介して、ヒートシンクとしての役割を果たす流体に放出される。この場合、流体への熱伝導は、流入通路42の領域およびアーマチュアスペース43の領域で行われる。
【0025】
コイルキャリア63は内部極5と分離リング60とを周方向に包囲しているので、最適な放熱を可能にする大きい接触面66,67が得られる。コイルキャリア63を内部極5および/または分離リング60に押し付けることによって、さらなる接触面を回避することができ、これにより、コイルキャリア63と流体との間の有効な熱抵抗が低減される。流体は、弁1の動作に応じてケーシング9を通って流れるので、弁ニードル15の動作に応じて、冷却媒体として働く燃料の有利な案内がもたらされる。コイルキャリア63には、磁気コイル3のためのプラスチック被覆成形部68が成形されている。
【0026】
本発明は、上述の実施形態に限定されない。
図1
【国際調査報告】