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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】車両の内部構成要素
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20220112BHJP
   H04R 7/14 20060101ALI20220112BHJP
   H04R 17/00 20060101ALI20220112BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
H04R1/02 102B
H04R7/14 Z
H04R17/00
B60R11/02 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541317
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(85)【翻訳文提出日】2021-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2019075915
(87)【国際公開番号】W WO2020064863
(87)【国際公開日】2020-04-02
(31)【優先権主張番号】102018123616.6
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510191919
【氏名又は名称】エージーシー グラス ユーロップ
【氏名又は名称原語表記】AGC GLASS EUROPE
【住所又は居所原語表記】Avenue Jean Monnet 4, 1348 Louvain-la-Neuve, Belgique
(71)【出願人】
【識別番号】521125198
【氏名又は名称】インターナショナル オートモーティブ コンポーネンツ グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ノヴォトニー, マレク
(72)【発明者】
【氏名】キャンノン, カーター, スコット
(72)【発明者】
【氏名】キム, ソン-ウク
【テーマコード(参考)】
3D020
5D004
5D016
5D017
【Fターム(参考)】
3D020BA10
3D020BB01
3D020BC01
3D020BD03
3D020BD05
5D004CD08
5D004DD01
5D016BA01
5D017AE14
(57)【要約】
車両の内部構成要素は、車両の乗員室に向かって方向付けられた前面、及びこの前面に対して反対側の背面を有するキャリアと、少なくとも一部が透明の振動板及び振動板に結合された変換器を含むスピーカであって、変換器が動くことにより、振動板を振動させて、振動板の振動によって音を発生し、振動板は、乗員室に向かって方向付けられた前面、及びこの前面に対して反対側の背面を有する、スピーカとを含み、振動板は、振動板の周囲の少なくとも一部でキャリアに取り付けられており、これによりキャリアは、振動板の周囲の一部に沿って振動板のための支持を与え、一方、振動板の前面及び背面は、振動板の表面の一部にわたってキャリアから離れており、これにより振動板は、内部構成要素のキャリア内で宙ぶらりんとなっている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内部構成要素であって、前記車両の乗員室に向かって方向付けられた前面、及びこの前面に対して反対側の背面を有するキャリアと、
少なくとも一部が透明の振動板及び前記振動板に結合された変換器を含むスピーカであって、前記変換器が動くことにより、前記振動板を振動させて、前記振動板の振動によって音を発生し、前記振動板は、前記乗員室に向かって方向付けられた前面、及びこの前面に対して反対側の背面を有する、スピーカとを含み、
前記振動板は、前記振動板の周囲の少なくとも一部で前記キャリアに取り付けられており、これにより前記キャリアは、前記振動板の周囲の一部に沿って前記振動板のための支持を与え、一方、前記振動板の前記前面及び前記背面は、前記振動板の表面の一部にわたって前記キャリアから離れており、これにより前記振動板は、前記内部構成要素の前記キャリア内で宙ぶらりんとなっている、内部構成要素。
【請求項2】
前記振動板は、前記振動板の前記前面及び前記背面で前記キャリア内に開口空間を与えることにより、前記内部構成要素内で宙ぶらりんとなっている、請求項1に記載の内部構成要素。
【請求項3】
前記キャリアは、前記振動板の全周に沿って支持を与える、請求項1又は2に記載の内部構成要素。
【請求項4】
前記変換器は、前記キャリアが前記振動板の前記前面を覆う、前記振動板の表面部で前記振動板に結合されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の内部構成要素。
【請求項5】
前記内部構成要素は、前記キャリアに、前記キャリアの背後に、前記振動板に、又は前記振動板の背後に与えられた光源であって、前記振動板の前記前面に光を伝送するように構成された光源を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の内部構成要素。
【請求項6】
前記内部構成要素は、前記振動板の前記背面に対向する表面を更に含み、前記振動板の前記背面と前記背面に対向する前記内部構成要素の前記表面との間に隙間が形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の内部構成要素。
【請求項7】
前記隙間は、少なくとも50mm、好ましくは約125mmの幅を有する、請求項6に記載の内部構成要素。
【請求項8】
前記振動板の前記表面、及び前記振動板の前記背面に対向する前記内部構成要素の前記表面のうちの少なくとも1つは、前記振動板から表面に向かって放った音波を操作するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の内部構成要素。
【請求項9】
前記少なくとも1つの表面は、音波を選択的に共振し、反射し、方向変換し、散乱させ、方向付け、及び/又は焦点を合わせるように構成されている、請求項8に記載の内部構成要素。
【請求項10】
前記少なくとも1つの表面は、サウンドボードとして構成されている、請求項8に記載の内部構成要素。
【請求項11】
前記少なくとも1つの表面は、凸状又は凹状ドーム形状の少なくとも1つを含むように構成されている、請求項8に記載の内部構成要素。
【請求項12】
前記少なくとも1つの表面は、特定のパターンに配置された複数の凸状及び/又は凹状ドーム形状を含むように構成されている、請求項8に記載の内部構成要素。
【請求項13】
前記少なくとも1つの表面は、前記振動板の主平面に対して異なる傾斜角度を有する複数の表面部分を含むように構成されている、請求項8に記載の内部構成要素。
【請求項14】
前記振動板は、乗員のヘッドレストの前に且つそれと隣接して位置する、車室内の特定の領域に向けられた伝播の中心を有する音波を発生するように配置され及び/又は造形されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の内部構成要素。
【請求項15】
前記振動板は、2.5D形状又は3D形状である、請求項1~14のいずれか一項に記載の内部構成要素。
【請求項16】
前記振動板は、1mm~2mm、特に約1.5mmの全厚を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の内部構成要素。
【請求項17】
前記キャリアは、ドア内張りのポケットのキャリアであり、前記キャリアは、前記振動板を支持するための枠を形成する切断部を含み、前記振動板の前記前面及び前記背面は、前記内部構成要素を装着した時に前記車両の乗員が接近できる、請求項1~16のいずれか一項に記載の内部構成要素。
【請求項18】
前記キャリアは、ドア内張り又はセンターコンソール又はフロアコンソールのキャリアであり、前記キャリアは、前記キャリアの前記前面に開口を有する音響箱を画定し、前記音響箱を通って前記キャリアの前記前部に音を放つために、前記音響箱の裏側に変換器が配置されている、請求項1~16のいずれか一項に記載の内部構成要素。
【請求項19】
前記開口は、前記内部構成要素を装着した時に車室内の乗員座席の座位以下の領域に置かれている、請求項18に記載の内部構成要素。
【請求項20】
前記振動板は、デジタルサイドミラー若しくはデジタルバックミラーの一部であるか、又はデジタルサイドミラー若しくはデジタルバックミラーを覆う、請求項1~16のいずれか一項に記載の内部構成要素。
【請求項21】
前記振動板は、タッチスクリーンの一部であるか、又はタッチスクリーンを覆う、請求項1~16のいずれか一項に記載の内部構成要素。
【請求項22】
前記振動板は、装飾アップリケの一部であるか、又は装飾アップリケを覆う、請求項1~21のいずれか一項に記載の内部構成要素。
【請求項23】
前記振動板は、2枚の透明外側層の間に位置付けられた透明減衰層を含む、多層振動板である、請求項1~22のいずれか一項に記載の内部構成要素。
【請求項24】
前記変換器は、前記振動板の平坦な表面部分に配置された圧電変換器である、請求項1~23のいずれか一項に記載の内部構成要素。
【請求項25】
前記振動板の前記前面に、印刷、オーバーモールド又はエッチングによって生成されたパターンなどのパターンを更に含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の内部構成要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部ドア内張り、計器パネル、ヘッドライナ、センターコンソール又はフロアコンソールなどの車両の内部構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置、制御装置及びスピーカは、車両の運転者及び乗員が車両の操作を制御し、運転者及び乗員に向けたフィードバック、情報、及び娯楽も受けることができるように、車両の内部に別個の物体として与えられる。システムの一体化は進んでおり、例えば米国特許第7,050,593号明細書及び米国特許第7,038,356号明細書に記載されているように、スピーカはヘッドライナに一体化され、又は指定された動画表示画面上に与えられている。
【0003】
部品を減らし、重量及び空間要件を低減し、使用者の経験を向上させるために、更に進化したシステムの一体化が望まれている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、請求項1に記載の車両の内部構成要素を提供する。異なる態様は従属請求項に規定されている。
【0005】
内部構成要素は、ドア内張り、計器パネル、ヘッドライナ、センターコンソール若しくはフロアコンソール、ピラー内張り、側壁装備品、手荷物棚、又は同種のものなどの車両の内装部品であってもよい。内部構成要素は、乗用車、トラック、列車及び航空機を含む、様々な車両の型の部品であることが可能である。内部構成要素は、車両の乗員室に向かって方向付けられた前面、及びこの前面に対して反対側の背面を有するキャリアを含み、キャリアは、内部構成要素に構造的支持を与えることができる。内部構成要素は、少なくとも一部が透明の振動板及び振動板に結合した変換器を含むスピーカを更に含み、変換器が動くことにより、振動板を振動させて、振動板の振動によって音を発生する。振動板は、乗員室に向かって方向付けられた前面、及びこの前面に対して反対側の背面を有する。振動板は、音響ガラスと呼ばれることもあり、スピーカは、以下に更に詳述されるようにスクリーンスピーカ、ガラススピーカ、又は圧電スピーカと呼ばれることがある。本発明によれば、振動板は、振動板の周囲の少なくとも一部でキャリアに取り付けられており、これによりキャリアは、振動板の周囲の一部に沿って振動板のための支持を与え、一方、振動板の前面及び背面は、振動板の表面の一部にわたってキャリアから離れており、これにより振動板は、内部構成要素のキャリア内で宙ぶらりんとなっている。これは、スピーカの音を発生する振動板が宙ぶらりんとなっており(suspended)、又は内部構成要素内に浮遊(floating)して見える効果を与える。振動板が自由に振動して音を発生するように、キャリアと振動板の表面の音を発生する部分との間に接触はない。
【0006】
従って、振動板の表面及び振動板に対向するキャリア又は車両の表面は、振動板で発生した音を捕捉し、形状し、反射するように設計することができる。結果として、内部構成要素は、自動車用途に使用する従来のスピーカ又はガラススピーカのために、まだ公知でない方法でスピーカによって発生された音を調整し及び方向付けることができる。さらに、内部構成要素は、最小の可視強化体又は支持体を備え、振動板の背後に開放空間を備えた設計によって「浮遊」することができる。この空間は、開放されたままでもよく、又は例えば保管領域を含んでもよい。振動板の背後の開放空間は、振動板が内部構成要素内の窓として見えることがあるように、透明振動板の背後に見えることがある。加えて、環境光若しくは機能的配灯又は表示装置は、以下に更に説明するように、スピーカの透明振動板の背後に与えることができる。
【0007】
一実施形態では、振動板は、キャリアに開口を与えて、その中に振動板を挿入することにより、内部構成要素内に宙ぶらりんにされる。従って振動板の前面も背面もキャリアに覆われない。一例では、キャリアは、振動板の全周に沿って振動板に支持を与える。別の実施形態では、振動板の背面は、振動板の背面とキャリアのそれぞれの部分との間に隙間があるように、キャリアにより少し離れて覆われることがある。これは、振動板が自由に振動し、その前面及び背面の両方に音を放つ効果を有し、振動板の背面に対向する表面は、音を捕捉し、形状し、反射するように設計することができる。さらに、これは内部構成要素内のスピーカの浮遊効果を更に高める。
【0008】
一例では、振動板の周囲領域は、それに接合する周囲縁部に沿ってキャリア又はその開口のあらゆる接合して隣接する表面及び形状に対して平行であり、振動板と振動板の背面に対向するあらゆる表面との間に隙間を備える。キャリアの周囲縁部の寸法は、振動板が自由に浮遊して動き、振動し及び/又は共振することができるように、振動板を安全に宙ぶらりんにするように設計される。振動板の寸法及び形状は、スピーカの性能及び音に影響を及ぼすことができ、設計によって調節することができる。好ましくは、振動板は、車両の耐用期間にわたってその寸法を維持するように設計されるべきである。
【0009】
キャリアは、例えば任意の閉鎖(close out)を含む、単一又は複数の部品及び単一又は複数層の構成要素であってもよい。閉鎖構成要素は、キャリアの部品又は個別の部品であってもよく、内部構成要素の裏から出る光に対して遮蔽を与えるために、キャリア又は振動板の裏側に取り付けてもよい。振動板は、設計された隙間及び寸法を維持するために、例えばクリップ、フック、ネジ又は類似物を使用してキャリアに取り付けられる。振動板は、ガスケット又は他のシールを介してキャリアに取り付けられてもよい。例えば両面シール発泡粘着テープなどのシール発泡テープ及び/又は接着テープは、キャリア又は振動板に予め組み立てられてもよく、シールテープは、振動板を受けるために開口の周囲を中心にキャリアの裏側に与えられてもよい。振動板はキャリアに直接取り付けられるのではなく、例えばシールガスケットを介して取り付けられるという事実は、振動させて自由に動かす振動板の機能を高める。
【0010】
1つ又は複数の実施形態では、1つ又は複数の変換器は、車両の乗員に気付かれないように変換器を隠すために、キャリアが振動板の前面を覆う、振動板の表面部で振動板に結合される。具体的には、変換器は、振動板の中心から、例えば振動板の領域の下部又は上部又は側部に3分の1ずれてキャリアの背後に隠されてもよい。従って変換器は、振動板の表面の中心から振動板の縁部に向かってずれている振動板の表面部に配置されてもよく、及び/又は変換器の中心は、振動板の表面の中心より振動板の表面の縁部により近い振動板の表面位置に配置されてもよい。このことは依然として際立って良好な音響性能に達成することを実験が示している。振動板の可視部の外側に変換器を置くことにより、振動板の透明表面は、変換器及び関連した配線が存在せずに、追加の設計特徴を照らし、装飾し、又は追加するために使用することができる。振動板は、デジタルサイドミラー又はバックミラーなどの表示装置の前面にも与えられてもよい。
【0011】
変換器は、発泡シールガスケットにより振動板、例えば振動板を露出するためにキャリア内に与えられた開口の周囲の外側にある振動板の一部にも取り付けられてもよい。
【0012】
変換器は、ワイヤハーネスを含み、内部構成要素内の配線に接続されるか、又は接続されるようになっている圧電エキサイタであってもよい。好ましい実施形態では、組み合わせた変換器及び振動板は、音を発生するために圧電効果を使用するラウドスピーカである、圧電スピーカの一部である。最初の機械的動きは、圧電材料に電圧を加えることによって生じ、この動きは、振動板及び任意に共振器を使用して可聴音に変換される。他のスピーカの設計に比べて、圧電スピーカは、比較的容易に駆動されることができる。例えば、圧電スピーカはTTL出力に直接接続することができる(もちろん、より複雑なドライバはより高い音響強度を与えることができる)。スピーカは、ある周波数の範囲、例えば500Hz~20kHzで作動するように設計することができる。
【0013】
異なる周波数範囲のために設計された異なるスピーカが、車両の内部構成要素内で異なる位置に置かれてもよい。例えば車両の上部領域に、2kHz~20kHzなどのより高い周波数範囲内の音を発生するように設計されたラウドスピーカの型である、ツイータ又はトレブルスピーカを実装することができる。車両の下部領域には、振動板上だけでなく共振室にも500Hz~1kHzなどの低い周波数範囲の音を発生するように設計された、追加の音響室を有するラウドスピーカの型である、バススピーカ又はウーファ設計を実装することができる。車両の中間領域には、1kHz~2kHzなどの中間周波数範囲内の音を発生するように設計することができる、オールラウンドスピーカの設計を実装することができる。
【0014】
変換器は、変換器の動きの振動板への確実に信頼できる完全な伝達を実現するために、振動板の平坦な表面部に配置されてもよい。変換器は、例えば発泡ガスケットシールによって振動板に取り付けることができる。変換器は、取付シール及び振動板の関連部と共に、その間に隙間のない一貫した表面取付を有するように、どちらもできるだけ平坦であるべきである。
【0015】
振動板が動いている間に、振動板は、振動板の前側及び後側に気圧波を生成する。前進運動は、前面にわずかに高い圧力及び背面にわずかに低い圧力を生成し、逆も同様である。従って、気圧の解消及びその結果として音響出力の深刻な減少を回避するために、前側及び裏側が互いに音響的に隔離されることは1つの選択肢である。
【0016】
1つ又は複数の実施形態では、内部構成要素は、キャリアに、キャリアの背後に、振動板に、又は振動板の背後に与えられた光源であって、振動板の前面を通って光を伝送するように構成された光源を更に含む。これは、逆光又は縁部照明効果を達成することができる。それ故にスピーカ振動板は、例えば装飾、指向性、又は環境光を放ってもよい。光源は、SMD LEDなどの1つ又は複数のLEDを含んでもよい。別の例では、振動板は、振動板を介して情報及び/又は娯楽を与えるために、マイクロ、ナノ、若しくはピコプロジェクタなどの表示装置又はプロジェクタを覆ってもよい。
【0017】
内部構成要素が車両内に装着されると、車両の内部構成要素の表面又は別の表面は、振動板の背面に対向する側に置かれ、1つ又は複数の実施形態では、振動板の背面と、背面に対向する内部構成要素の表面との間に隙間が形成される。隙間は、少なくとも50mmの幅、及び約125mmの最大幅又は距離を有してもよい。別の例では、幅は約125mm+/-10%又は+/-20%である。隙間は一定の隙間であってもよく、又は以下に説明するように設計に応じて異なってもよい。
【0018】
1つ又は複数の実施形態では、振動板の表面及び振動板の背面に対向する内部構成要素の表面のうちの少なくとも1つは、音波を振動板から表面に向かって放ち、内部車室に反射させる操作をするように構成される。例えば少なくとも1つの表面は、音波を選択的に共振し、反射し、方向変換し、散乱させ、方向付け、及び/又は焦点を合わせるように構成される。更に少なくとも1つの表面は、サウンドボードとして構成されてもよい。
【0019】
概して振動板は、車室に向かって且つ振動板の背面の背後に置かれた車両トリムアセンブリにも向かって音を共振する。車両トリムは、キャリア及び表面などの設計並びに材料に依存して、音の一部を吸収して調整することにより、及び/又は音を反射して増幅させることにより、音に影響を及ぼす。スピーカの音に影響を及ぼして向上させるために、車両トリムアセンブリの形状及び表面材料を立案することが可能である。例えば振動板のすぐ背後で包囲する表面は、音を向上する目的で特に変えてもよく、例えば表面は、音が表面から車室の中に反射する際に、音を反射して焦点を合わせるように傾斜されてもよい。
【0020】
設計の選択肢は、オーケストラ音楽ホールの観客席又は室内の音響工学、モデル化、及び設計に馴染む材料及び要素を含んでもよい。使用した工学科学も、この用途及び関連した内部構成要素のために実施されてもよい。
【0021】
一部の例では、振動板の背面に対向する側の表面は、特定の帯域、領域又は場所に音を反射させて方向付ける多数の平面を含んでもよい。内部構成要素の表面又は振動板の背面に対向する側の別の表面は、剛性であるべきであり、例えばPP若しくはABSを射出成形することによって形成されるべきであり、又はTPO若しくはPVCなどに由来するバック射出箔、又は軟性裏材の有無に関わらず積層箔であることも可能である。軟性裏材を備える場合、軟性材料は、所望により音の一部を吸収することができることが見られるべきである。
【0022】
他の表面被覆は、マイクロファイバ織物(例えばアルカンターラ若しくはウルトラスウェード)、若しくは織物、不織布、又は3Dスペーサ織物を含んでもよい。これらは全て、音を反射して方向付けるより、むしろ音を吸収し又は小さくするはずである。吸収する表面も、具体的に反射表面を調整し又は均衡を取り、更に振動板から音を向上させように設計されてもよい。
【0023】
自動車の一般的な内部構成要素では、全てのそのような内部構成要素は、音を反射し又は向上さえさせて増幅するより、むしろ音を吸収するように通常設計されることに留意されたい。例えばフローリング及びヘッドライナは、通常特に内部音響を管理し、エンジン、道路、風、及び振動の騒音を弱めるように設計され、企画し、作成される。本発明のスピーカは、サブシステムとして設計され、次いで車両全体に対する音響要件を確実に満たすように全車両システム内に一体化されてもよい。本発明のスピーカは、音響設計を弱めるのではなく、むしろ音を高めて方向付けることを意図する。
【0024】
例では、少なくとも1つの表面は、凸状又は凹状ドーム形状の少なくとも1つを含むように構成されてもよい。例えば少なくとも1つの表面は、1パターンに配置された複数の凸状及び/又は凹状ドーム形状を含むように構成される。他の例では、少なくとも1つの表面は、振動板の主平面に対して異なる傾斜角度を有する複数の表面部分を含むように構成される。
【0025】
例えば放物形状の湾曲表面は、音波を1点に焦点を合わせる習性を有する。放物表面に反射する音波は、全てのそれらのエネルギーを空間の1点に集中し、その点で音が増幅される。放物形状は、音を捕捉し、形状し、反射することができるために、振動板の表面形状、並びに振動板の背後の表面の両方に使用することができる。例えば音に影響を及ぼすように設計された表面形状は、座席、床敷、及びヘッドライナなどの車室内の様々な構成要素に関連したパターンで配置することができる、放物ドームを含むことができる。
【0026】
異なる設計を使用して、振動板は、乗員のヘッドレストの前に且つそれと隣接して位置する、車室内の特定の領域に向けられた伝播の中心を有する音波を発生するように配置され及び/又は造形されてもよい。具体的には、振動板の表面は、運転者又は乗員の頭及び耳のありがちな位置などの特定の方向に音を出し、放出し、及び/若しくは焦点を合わせるように位置付け又は設計されてもよい。
【0027】
設計はCAE/CADソフトウェアで生成してもよい。具体的には、音を修正し、範囲を増加し、音を方向付けて焦点を合わせる、すなわち特定の個人乗員帯域内に、例えば運転者若しくは乗員の頭/耳に高い/ツイータレンジを獲得し若しくは証明し、又は他のスピーカと組み合わせて画定帯域内に個々の音響を供給するために、最適化した表面及び形状を発生する。振動板は、例えば有限要素音響解析設計/工学ソフトウェアプログラムを使用して設計されてもよい。例えば振動板及び/又は反対面の設計は、音が個人用試聴経験を供給する車両の乗員に聞こえないはずであり、又はあまり聞こえないはずであるような方法で生成することができる。
【0028】
異なる例では、振動板は平坦な2.5D形状又は3D形状である。2.5D形状は、表面が単一方向に湾曲又は三次元に形状されるが、円筒又は円筒断面に類似した他の方向/平面に平坦である形状に関連してもよい。湾曲形状の最小曲げ半径は、約150mmであってもよい。2.5Dの振動板の一例は、その表面の大半の上で平坦であるが縁部で湾曲し、又は一部が円形の断面若しくは放物断面の円筒形状を有する、ガラス構造であってもよい。
【0029】
平坦な2Dの振動板は、車室内にその音の一般分散を有するはずである。例えば、振動板の表面の中心は、運転者又は乗員に方向付け又は傾斜して、面してもよい。これは、例えばドアトリム部などの内部トリム部に中間及び高周波数の両方の範囲のスピーカの場所のためであることが可能である。2.5D形状の振動板は、内部車室の所望の場所に更に音の焦点を合わせる及び/又は操作するように傾斜されてもよい。完全な3D形状の振動板は、内部で音を向上させて立案するために尚多くの選択肢を提供する。モデル化した3Dの振動板は、性能及び音響効果を向上し得る振動板の形状を備えた更なる設計特徴を供給してもよい。
【0030】
振動板の製造工程に依存して、異なる曲げ半径が与えられてもよい。一例では、振動板は、そのあらゆる領域で少なくとも150mmの曲げ半径を有する冷間成形ガラス板によって形成される。外側ガラス板又は多層振動板全体のどちらも、冷間成形によって形状されてもよい。
【0031】
別の例では、振動板は、そのあらゆる領域で少なくとも15mmの曲げ半径を有する熱間成形ガラス板によって形成される。曲げ半径は、破損、粉砕又は亀裂を避けるために観察される。尚別の例では、振動板は、あらゆる所望の曲げ半径を有する成形によって形成され、透明層は高分子材料から形成される。
【0032】
1つ又は複数の実施形態では、振動板は、1mm~2mm、具体的には2mm未満又は約1.5mmの全厚を有してもよい。更に振動板は、2枚の透明外側ガラス層の間に位置付けられた透明減衰層を含む、多層構造であってもよい。高分子材料から成形によって形成された全振動板は、例えば最高4mmのより大きい厚さを有してもよい。
【0033】
一具体例では、振動板は、PVB、EVA又は2枚のガラス板の間に挟まれた内層を備えた別の高分子内層に積層した、2枚の約0.5mmの厚さの強化ガラスから構成されるサンドイッチ構造を含む。内層は、例えば接着し、強度を付与し、音響減衰特性を与えてもよい。内層の材料は、耐熱性及び/又はゴム状であってもよく、とりわけガスケット、封止剤又は接着剤として一般的に使う材料を含んでもよい。ガラスを強化することにより、頑健性を向上し、擦傷、酸性、湿気、紫外線放射、及び同種のものに対してガラスを保護する。ガラスを強化することは、事故又は打撃の衝撃の場合に亀裂又は破損に対する保護も与える。
【0034】
ポリビニルブチラール(すなわちPVB)は、例えば強い接合、光学的透明性、多くの表面への接着、靭性及び可撓性を必要とする用途に使用する樹脂である。PVBは、ブチルアルデヒドとの反応によりポリビニルアルコールから調製される。概して本発明に使用されたような合わせガラスは、2枚のガラスパネルの間に接合されたポリビニルブチラールなどの保護内層を含んでもよい。接合工程は、加熱及び圧力を受けて行ってもよい。これらの条件下で積層される時、PVB内層は光学的に透明になり、2枚のガラス板を一緒に接合する。一旦一緒に密封されると、ガラスの「サンドイッチ」又は積層は単一ユニットとして挙動し、一般ガラスのように見える。PVBの高分子内層は頑丈で柔軟であるので、脆性亀裂が積層の片側から他方に走ることはない。
【0035】
焼鈍しガラス、熱強化ガラス又は強化ガラスは、合わせガラスを生成するために使用することができる。合わせガラスは十分な力で叩いた場合に亀裂する一方で、得られるガラス破片は、自然に落下して傷害を起こす可能性があるより、むしろ内層に接着する傾向がある。
【0036】
実際に内層は、合わせガラス板にいくつかの有益な特性を与え、例えば内層は、ガラス板のより大きい面積にわたって衝撃力を分配する機能をし、従ってガラスの衝撃耐性を増加する。更に内層は、ガラスが最終的に破損する場合に、得られる破片を繋げる機能をする。その上、粘弾内層は、衝撃の間及び衝撃後に静荷重を受けて塑性変形を受け、エネルギーを吸収し、打撃物による貫通を低減し、同様に打撃物、例えば自動車事故における乗員に伝送される衝撃のエネルギーを低減する。このように合わせガラスの利点は、安全及び安心を含む。更に合わせガラス構造は、スピーカの振動板として非常に適するということを実験が示している。
【0037】
PVBの代替例として、エチレン酢酸ビニル(EVA)は、複数層のガラスの間に使用することができる。内層は、破損した時であってもガラスの層を接合したまま保ち、その高い強度はガラスが大きい鋭利な片に割れるのを防ぐ。これは、ガラスを完全に貫通するほど衝撃が大きくない時に、独特の「蜘蛛の巣」の亀裂パターンを生成する。EVAの場合、熱硬化性EVAは、材料がガラス、ポリカーボネート、PET、又は他の型の製品であっても、その材料との完全な結合(架橋)を供給する。
【0038】
ガラスの代わりに、襞を付けたシート若しくは真空形成された高分子シート又は射出成形の透明に形状した構成要素などの高分子シートも与えることができる。例えば高分子振動板は、ツール内で射出成形されて形状され、又は平板から形成されて加熱され、ツール内で真空形成され、又は加熱されて所望の形状を生み出すために型の上で襞を付けられてもよい。この場合、高分子内層は省かれてもよい。
【0039】
いかなる場合も、振動板の表面は、UV安定PC(ポリカーボネート)、PMMA若しくは他の光学的透明材料から作成され、又は被覆されてもよい。表面が擦傷、酸性、湿気、紫外線放射、及び同種のものに抵抗するように、表面は設計するべきである。
【0040】
内層及び外側ガラス層の厚さは、例えば約1.8~2.2mmの範囲の振動板の全厚に達成するように変化してもよい。
【0041】
上述のように、振動板は、透明材料から作成され、複数層構造では、各層は透明である。この適用の概念では、透明は、可視範囲の光を完全に通す材料、又は50~100%の可視範囲に光の透過性を有する材料を指定してもよい。この意味で、透過性は透明性の上位概念と考えられる。例えば振動板は、透明であるガラス層から形成されてもよく、様々な透明色相で又は装飾面を生成するための追加の二次工程で処理されてもよい。100%透明の表面は、光学的透明であるはずである。設計により、透明性は、印刷、レーザ、又は化学エッチングなどの様々な装飾工程で変えることができる。振動板は、好ましくは逆光効果が可能な、又は音響ガラス表面の背後の空間及び深さを視覚的に示唆して明らかにするために半透明になる。
【0042】
異なる例では、キャリアは、ドア内張りのポケットのキャリアであり、キャリアは、振動板を支持するための枠を形成する切断部を含み、振動板の前面及び背面は、内部構成要素を装着した時に車両の乗員が接近できる。
【0043】
他の例では、キャリアは、ドア内張り、センターコンソール又はフロアコンソールのキャリアであり、キャリアは、キャリアの前面に開口を有する音響箱を画定し、音響箱を通ってキャリアの前に音を放つために、振動板は音響箱の裏側に配置される。この例では、内部構成要素が車両に装着された時に、開口は車室内の乗員座席の座位以下の領域に置かれてもよい。
【0044】
更なる例では、振動板は、デジタルサイドミラー若しくはデジタルバックミラーの一部であるか、又はデジタルサイドミラー若しくはデジタルバックミラーを覆ってもよく、或いはタッチスクリーンの一部であるか、又はタッチスクリーンを覆ってもよい。これらの例では、スピーカは、例えばドアトリム上部領域、計器パネル、床、センターコンソール及び/若しくはオーバーヘッドコンソール又はヘッドライナに置かれてもよい。更なる例では、振動板は、装飾アップリケの一部であるか、又は装飾アップリケを覆う。
【0045】
1つ又は複数の実施形態では、印刷若しくはエッチングによって生成されたパターンなどのパターンが、振動板の前面及び/又は背面に与えられてもよい。印刷は、例えば3D印刷、スクリーン印刷、又はインクジェット印刷であってもよい。エッチングは、レーザエッチング、化学エッチング又は水噴射エッチングによって実行されてもよい。別法として又は追加として、振動板は、カプセル化材料内に少なくとも一部が覆われ、又は埋め込まれてもよい。振動板の表面のパターン化は、装飾効果、機能効果及び/又は音響効果のために与えられてもよい。例えばアイコン及び記号は、ユーザに表示を与えるために振動板の外面に印刷することができる。一例では、変換器は装飾構成要素の一部であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本発明は、図面に照らして異なる例を参照して記載されている。
図1図1は、一例による、内部構成要素を概略的に示す。
図2図2は、別の例による、内部構成要素を概略的に示す。
図3図3は、一例による、図1の内部構成要素の一部を分解図で概略的に示す。
図4図4は、図1の内部構成要素と組み合わせて使用することができる、スピーカの一例を概略的に示す。
図5図5は、図1の内部構成要素と組み合わせて使用することができる、スピーカの別の例を概略的に示す。
図6図6は、図1の内部構成要素と組み合わせて使用することができる、スピーカの別の例を概略的に示す。
図7A-7B】図7A-7Bは、異なる例による、図6に示されたようにスピーカを使用する内部構成要素の異なる変形を概略的に示す。
図8図8は、一例による、図1の内部構成要素の別の部分を通る断面を概略的に示す。
図9図9は、別の例による、内部構成要素の一部を通る断面を概略的に示す。
図10A-10C】図10A-10Cは、異なる例による、図9の内部構成要素と組み合わせて使用することができる、異なるスピーカ構成を概略的に示す。
図11A-11B】図11A-11Bは、異なる例による、図10Aのスピーカの異なる変形を概略的に示す。
図12A-12E】図12A-12Eは、異なる例による、異なるスピーカ構成を概略的に示す。
図13図13は、振動板の可能な構成を示すために、組み立てた状態の図3の内部構成要素を概略的に示す。
図14A-14B】図14Aは、一例による図3の内部構成要素の変形をその斜視図で概略的に示し、図14Bは、一例による図3の内部構成要素の変形をその上断面図で概略的に示す。
図15A-15B】図15Aは、別の例による図3の内部構成要素の変形をその斜視図で概略的に示し、図15Bは、別の例による図3の内部構成要素の変形をその上断面図で概略的に示す。
図16A-16B】図16Aは、別の例による図3の内部構成要素の変形をその斜視図で概略的に示し、図16Bは、別の例による図3の内部構成要素の変形をその上断面図で概略的に示す。
図17A-17B】図17Aは、別の例による図3の内部構成要素の変形をその斜視図で概略的に示し、図17Bは、別の例による図3の内部構成要素の変形をその上断面図で概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、一例による、内部構成要素の平面図を概略的に示す。この例では、内部構成要素は、乗用車の前ドアのドア内張り10である。ドア内張り10は、上部領域10H、中間領域10M及び下部領域10Lなどの3つの領域に分割して考えることができる。アームレスト12及びマップポケット14は、中間領域10Mに配置される。装飾アップリケ16及びデジタルサイドミラー18は、上部領域10Hに配置される。音響構造20は、下部領域10Lに配置される。この例では、マップポケット14、装飾アップリケ16、デジタルサイドミラー18、及び音響構造20のそれぞれは、本発明による内部構成要素のスピーカを含む。他の例では、若干異なるスピーカ装置を与えることができる。更に本例では、上部領域10Hにおける装飾アップリケ16及びデジタルサイドミラー18に一体化されたスピーカは、ツイータなどの高周波数範囲の音のためのスピーカを与えるように実装されてもよく、中間領域10Mにおけるマップポケット14に一体化されたスピーカは、中間周波数範囲の音のためのスピーカを与えるように実装されてもよく、下部領域10Lにおける音響構造20に一体化されたスピーカは、バススピーカ又はウーファなどの低周波数範囲の音のためのスピーカを与えるように実装されてもよい。他の例では、スピーカの異なる分布が与えられてもよい。
【0048】
以下により詳細に示されるように、各スピーカは、少なくとも一部が透明の振動板及びそれぞれの振動板に結合された少なくとも1つの変換器22を含む。変換器が動くことにより、振動板の振動が音を発生する。変換器22の一例は圧電アクチュエータである。
【0049】
図2は、計器パネル24、センターコンソール26、フロアコンソール28、及びオーバーヘッドコンソール30などの異なる内部構成要素を含み、計器パネル24とオーバーヘッドコンソール30との間にフロントガラス32を備える、車両の内部車室の別の部分を概略的に示す。この例でも、内部車室は、上部領域10H、中間領域10M、及び下部領域10Lなどの3つの領域に分割することができる。計器パネル24及びセンターコンソール26は、中間領域10Mに配置される。オーバーヘッドコンソール30は上部領域10Hに配置される。そしてフロアコンソール28は下部領域10Lに配置される。
【0050】
この例では、2つのデジタルサイドミラー34、36は、ハンドル40の左右の計器パネル24に配置される。更に装飾アップリケ42も計器パネル24に配置される。表示画面44を含む情報通信センターは、センターコンソール26に配置される。デジタルバックミラー46は、オーバーヘッドコンソール30に配置される。音響構造48は、フロアコンソール28に配置される。
【0051】
内部構成要素34~48のそれぞれは、本発明による内部構成要素のスピーカを含む。他の例では、スピーカを有する若干異なる内部構成要素を与えることができる。更に本例では、上部領域10Hにおける内部構成要素34、36、42、46と一体化されたスピーカは、ツイータなどの高周波数範囲の音を発生するために実装されてもよく、中間領域10Mにおける情報通信センターなどの内部構成要素44に一体化されたスピーカは、中間周波数範囲の音を発生するために実装されてもよく、下部領域10Lにおける内部構成要素48に一体化されたスピーカは、バススピーカなどの低周波数範囲の音を発生するために実装されてもよい。他の例では、スピーカの異なる分布が与えられてもよい。
【0052】
以下により詳細に示されるように、各スピーカは、少なくとも一部が透明の振動板及びそれぞれの振動板に結合された少なくとも1つの変換器22を含む。変換器が動くことにより、振動板の振動が音を発生する。(わかりやすくするために、図1及び2では、各変換器は参照番号22で同定されていない。)変換器22の一例は圧電アクチュエータである。
【0053】
図3は、一例による、図1の内部構成要素の一部を分解図で概略的に示す。この例では、内部構成要素10は、内部ドア内張り、より詳細にはそのマップポケット部である。内部構成要素10は、この例ではマップポケットを形成するように形状されたキャリア50、内部構成要素10に一体化されたスピーカの一部を形成する振動板52及び変換器56、並びに内部構成要素10を支持して車両に取り付ける枠58を含む。振動板52は、振動板52の前面とキャリア50の背面との間に与えられたシール60でキャリア50の背面に取り付けられてもよい。振動板52の背面は、振動板52と枠58の前面との間に与えられた別のシール62で枠58に取り付けられてもよい。
【0054】
マップポケットを形成するキャリア50は、合成繊維及び/又は天然繊維を含む繊維強化基板から形成されてもよく、自動車用途で内部構成要素に一般的に公知であるように、装飾カバー層を更に備えてもよい。シール発泡接着テープ60は、開口周囲50’の周りにキャリア50の背面に予め組み立てられてもよく、スピーカ振動板52は開口周囲50’の中に挿入されるべきである。振動板52は開口50’に置かれ、シールテープ16を圧入することによりキャリア50に取り付けることができる。
【0055】
振動板52は平坦であってもよく、又は上に説明したように2.5D若しくは3D形状を有するように形成されてもよい。振動板52はガラスから作成されてもよく、具体例では、例えばPVP又はEVAに積層した2枚の約0.5mmの厚さの強化ガラス板からなるサンドイッチ構造を含んでもよい。中間層は、接着して強度が付与され、音響特性に影響を及ぼすことがあり、2枚のガラス板の間に挟まれる。中間層の寸法は約0.6mmの厚さの前後で変化してもよく、振動板全体の全厚は約1.8~2.2mmの範囲であってもよい。振動板の外周は、スピーカが置かれるべき内部構成要素に応じて形状が異なってもよい。
【0056】
振動板52の表面は、スクリーン印刷、デジタルインクジェット印刷、ロール印刷、並びにレーザ及び/又は化学エッチングなどの印刷によって振動板52の前面及び背面の片側又は両側に形成された図形要素を個々に又は組み合わせて含む装飾要素を含んでもよい。射出成形工程において高分子をオーバーモールドすること、処理したガラス表面上に直接高分子設計を3D印刷すること、処理したガラス表面の上にガラス設計を3D印刷することを含む、付加表面装飾及び処理が与えられてもよく、このような付加表面装飾は、更に振動板のスピーカ機能を干渉しないように、例えば2.0mmの短い距離で振動板から分離して与えられてもよい。
【0057】
圧電変換器又はエキサイタなどの変換器56は、振動板が完全に平坦であり、好ましくは(例えば変換器がキャリア50に隠されているので)車両の乗員が変換器の存在に気付くことができない、振動板52上の特定の位置に置かれる。変換器56は、接着発泡ガスケットシールを介して振動板52の平坦な表面領域に取り付けてもよく、変換器56はそれに取り付けるために平坦な領域に圧入される。変換器56は、振動板52の中心に置くことができる(そして、この位置への配置は、最適な音響結果に達するために必要であるに違いないと推測される)のに反して、実験では、振動板の縁部により近づけて変換器56を取り付けることにより、際立って良好な音響性能に達することが示された。示された例では、変換器56は、振動板の下3分の1の領域に取り付けられている。他の例では、変換器は、キャリアによって容易に隠し得る領域に変換器を置くために、振動板の中心と縁部との間のどこか、例えば振動板の外側3分の1又は外側4分の1に置くように、振動板の中心からあらゆる縁部に向かってずれてもよい。これは振動板の透明で見透せる表面を与え、これはスピーカ機能を与えることに加えて、変換器及び関連した配線の存在が気付かれることなく、照明し、表示装置として使用し、装飾し又は追加の設計特徴を備えることができる。
【0058】
図3に示された例では、スピーカの振動板52は、キャリア50内で浮遊しているように見え、振動板52は完全に透明であり、振動板の前面及び背面のどちらにも乗員がアクセスすることができる。この例では、スピーカの振動板はマップポケットの一部を形成する。
【0059】
内部構成要素10の裏側では、枠58は、内部構成要素をドアパネル又は別の車両部品に取り付けるために閉鎖及び/又は取付構成要素を与えてもよい。振動板52は、シール発泡接着テープ62により枠58に取り付けられてもよい。クリップ又はファスナーなどの追加又は別法の固定手段は、キャリア50、振動板52、枠58及び関連シール60、62を含む構造全体を接合するために与えられてもよい。変換器52は、ドアワイヤハーネス(図示せず)に接続されるワイヤハーネス(これも図示せず)を介して車両ECUなどの制御装置(図示せず)に接続されてもよい。
【0060】
上に説明されたように、且つ以下に更に示されるように、振動板52及び/又は枠/閉鎖部分58又は振動板の背面に対向する側の別の表面は、スピーカによって生成された音を調整するために造形されてもよい。図4、5、及び6は、図3の例における振動板52のように使用され得る、振動板の異なる例を概略的に示す。
【0061】
図4の例では、円形音響パターン64は、例えば振動板によって発生された音を方向付けるために印刷、エッチング、又はオーバーモールドにより、振動板表面に形成される。変換器56は、キャリア50の開口50’を通して露出される振動板の部分の中心に向かって、変換器56によって発生された振動を制御して方向付けるためにパターン64内に一体化される。例えば円形パターン64は、中心から音波を均一に放出するために、振動板の露出した表面部の中心と少なくともほぼ一致する中心を有し、変換器56は、変換器56を閉囲するそれぞれの延長部66により円形パターンに一体化される。表面形状は、音波に「形状」を与えるような形状である。
【0062】
図5の例では、ハニカム音響パターン68は、オーバーモールド、3D印刷、及び射出成形などの付加工程により、振動板の表面上に形成される。更にハニカムパターンは、振動板の露出部から音波を均一に放出する効果も有することができる。変換器56は、振動板の下部3分の1で完全に平坦な領域に置かれる。
【0063】
図6の例では、図形パターン70は、印刷又はレーザエッチングなどにより振動板の表面上に与える。このパターンは音響効果を持たないが、装飾を与え、又は乗員に情報を与え得る。
【0064】
図7A及び7Bは、異なる例により図3に示されたような構成で図6に示された振動板を使用した、内部構成要素の異なる照明シナリオを示す。前の図面と同じ構成要素は、同じ参照番号によって指定されている。図7A及び7Bでは、スピーカの振動板52を含むキャリア50によって画定される、マップポケット14をよく認識することができる。振動板52は透き通っており又は透明であり、例えば少なくとも70%の可視光に対する光透過性を有する。振動板は、更に光導体として機能してもよい。
【0065】
図7Aの例では、光源(図示せず)は、照らした装飾表面及び/又は表示表面を与えるために、後から前に振動板52を通して伝送される光を発生するために、振動板から離間した場所、例えばマップポケットキャリアの後壁で振動板52の背後に与えられてもよい。図7Bの例では、光源(図示せず)は、振動板の縁部を通してそこから放出される振動板表面に光を送り込むために、振動板52の縁部の周囲のキャリア50内又はキャリア50に与えられてもよい。光源はLED光源又はプロジェクタであってもよく、図7Bの場合は、具体的には例えばSMD LED光源であってもよい。1つ又は複数のLEDが、異なる場所に与えられてもよい。
【0066】
図8は、図1に示された内部ドア内張りの別の部分を通る、すなわち下部領域10Lにおける音響構造20を通る断面を概略的に示す。図8の左側の小さい略図は、この音響構造20が置かれてもよい場所を示す。この例の音響構造20は、キャリア50内の開口72として車両の乗員に気付かれるであろう。音響構造20は、キャリア50と音響箱の効果を発生する筐体74との間に画定された空洞を含み、変換器56は、筐体74の平坦な背面部に取り付けられて音響的に結合される。筐体は、その中に一体化された振動板を有してもよい。音響構造20は、音響ガラススピーカを補足する別の物体であってもよい。音響箱は、楽器の音を修正し、周囲空気にその音を移す助けをする、楽器の本体内の開口チャンバとして公知である。キャリア50と筐体74との間に形成された空洞は、それ故に楽器の本体と比べられることがある。本体の共振の周波数及び強度は、音響構造20が生成する音質に影響を与える。空洞の内側の空気はその独自の共振を有する。音響箱は典型的に低周波数で共振を追加するので、音響構造20は、具体的には低周波数範囲の音を発生するように適合される。
【0067】
図9は、図1に示された内部構成要素の修正であってもよい、一例による内部構成要素の別の一部を通る断面を概略的に示し、追加の音響構造80は、図7A及び7Bを参照して記載されているマップポケット14に一体化されたスピーカの下に置かれている。図9の左側の小さい略図は、この追加の音響構造80が置かれてもよい場所を示す。前の図面と同じ参照番号は、同じ構成要素を指すために使用される。具体的には、図9はマップポケットを画定するキャリア50を示し、振動板52はキャリア開口50’に一体化され、変換器56はキャリア50によって視界から隠された振動板表面の下部に置かれている。図9は、キャリアの後壁50’’も示し、マップポケットは、後壁50’’と振動板52との間に一部が画定されている。更に図9は、振動板52がどのようにキャリア50と連結してキャリア50によって支持され得るかを示す。
【0068】
図9の修正形態でも、音響構造80は、キャリア50内の開口82として車両の乗員に気付かれるであろう。音響構造20は、キャリア50と音響箱の効果を生み出す筐体84との間に画定された空洞を含む。この例では、振動板52は、第2の変換器86が振動板52の背面に取り付けられる筐体84の背面に接触するように延在する。それに応じて、キャリア内の開口50’を通して露出した振動板52の一部で中間周波数範囲内の音を発生するスピーカが与えられ、この音は主に第1の変換器56によって発生され、これは空洞の筐体84の背面に延在して接触する振動板の一部において低周波数範囲で音を更に発生し、低周波数音は主に第2の変換器86によって発生される。筐体84は、上記と同様に音響箱効果を発生するために、音を空洞の中に入れることができるように、振動板52と変換器86が接触する領域に開口及び/又は穿孔を有する。
【0069】
振動板のそれぞれにおいて、1つ又は複数の変換器は、図1及び2に示された音響構造20、48及びバックミラー46に対して示したものと異なる位置に置くことができる。振動板の厳密な形状及び構成並びに変換器の数及び場所は、例に過ぎないことを理解されたい。例として、マップポケット内部構成要素の振動板52に対する異なる変換器の場所は、図10A、10B及び10Cに示されている。前の図面と同じ参照番号は同じ構成要素を指すために使用されており、上の記載を参照とする。示されたように、1つ又は複数の変換器は、例えば振動板52の下3分の1の領域に置かれてもよく、更に変換器50は、振動板の中心に置かれてもよく、開口50’を通して露出してもよい。さらに、一部の実施形態では、変換器は機能的設計要素であることも可能である。例えば変換器は、振動板上に与えられた図形又はパターンと一体化することができる。
【0070】
図10Aの例を参照すると、図11A及び11Bは、振動板並びに振動板の背面(図11A)又は振動板の前面(図11B)に取り付けられてもよい変換器を有する、スピーカの音響伝播の例を概略的に示す。示されたように図11Aの例では、音は振動板52の前面から直接放たれ、音のごく一部のみが振動板52の背面から枠58若しくは内部構成要素の後壁又は振動板の背面に対向する側のあらゆる他の表面に向かって放たれ、そこから反射する。図11Bの例では、音の大半は振動板52の背面からあらゆる対向する表面に向かって放たれ、音のごく一部のみが振動板52の前面に放たれる。振動板52の背面から放たれた音は、振動板の背面に対向する側のあらゆる他の表面から反射する。
【0071】
示されたように、振動板の表面及び/又は振動板52の背面に対向する側の表面は、あらゆる所望の位置、例えば運転者若しくは乗員の頭部位置付近の位置に音を方向付け、焦点を合わせ、又は集中させ、或いは所望のように乗員室内に音を散乱させ又は分配するためなど、音を調節するように構築されてもよい。
【0072】
図12A~12Eは、様々な例による異なる形状を有する振動板の断面図を概略的に示す。各振動板52は、振動板の平坦な領域部、例えば振動板52の背面に配置される変換器56に関連する。
【0073】
図12Aの例では、振動板52は完全に平坦な表面を有し、上に説明したように、平坦な多層ガラス板又は単一の高分子板からなる。振動板52は、あらゆる恣意的で適切な周囲輪郭を有してもよい。
【0074】
図12Bの例では、振動板52は、1断面方向にあらゆる幾何形状の2.5D形状であってもよい湾曲表面を有し、それに垂直な方向に平坦である。振動板は、上に説明されたように、多層ガラス板又は単一の高分子板からなってもよい。振動板の形状は、所望の曲げ半径並びに振動板の構造及び製造技術に依存して、冷間成形若しくは熱間成形又は射出成形によって形成されてもよい。振動板52は、あらゆる恣意的で適切な周囲輪郭を有してもよい。
【0075】
図12Bの例と同様に、図12Cの例では、振動板52は、1断面方向に2.5D形状であってもよい小波又は波面を有し、それに垂直な方向に平坦である。中心の平坦領域には、変換器56を取り付けられる。振動板は、上に説明されたように、多層ガラス板又は単一の高分子板からなってもよい。振動板の形状は、所望の曲げ半径並びに振動板の構造及び製造技術に依存して、冷間成形若しくは熱間成形又は射出成形によって形成されてもよい。振動板52は、あらゆる恣意的で適切な周囲輪郭を有してもよい。
【0076】
図12D及び12Eの例では、振動板52は、それぞれが凸状湾曲表面及び凹状湾曲表面を有し、それらは2.5D形状又は3D形状であってもよく、変換器56を取り付けるために平坦な表面部を備える。振動板は、上に説明されたように、多層ガラス板又は単一の高分子板からなってもよい。振動板の形状は、所望の曲げ半径並びに振動板の構造及び製造技術に依存して、冷間成形若しくは熱間成形又は射出成形によって形成されてもよい。振動板52は、あらゆる恣意的で適切な周囲輪郭を有してもよい。
【0077】
振動板の形状は、内部構成要素の特定の適用及び意図した音響効果に適合されてもよい。内部構成要素内の振動板の形状及び配向は、振動板から表面に向かって放たれた音波を操作するため、具体的には音波を選択的に共振し、反射し、方向変換し、散乱させ、方向付け、及び/又は焦点を合わせるために調節することができる。
【0078】
図13は、図3の内部構成要素の概略斜視図を示し、振動板から車室の内部に放たれた音波を操作するために構築された表面を有する振動板52を示す。この例では、振動板の表面は、振動板52の基本平面に対して多数の異なる傾斜表面部を備える。傾斜を調節することにより、音は車室の内部で異なる領域に方向付けることができる。前の例と同じ構成要素は、同じ参照番号によって示されている。上の記載を参照とする。
【0079】
図14A及び14Bは、図3の内部構成要素の変形の概略斜視図及び上からの断面図を示し、振動板52から後壁に放ち、車室の内部に反射した音波を操作するために、内部構成要素の構成された後壁74と組み合わせた平坦な表面を有する振動板を示す。この例では、構成された後壁74は段付き構成を有し、振動板52の基本平面に対して傾斜する複数の表面部を備える。傾斜を調節することにより、音は、車室の内部の異なる領域に方向付けることができる。可能な音響効果は図14Bに概略的に示されている。構成された後壁74は、マップポケットの後壁などの内部構成要素50の一体化部分であってもよく、又は振動板52の背面に対向する側のあらゆる表面に取り付けたサウンドボードなどの個別の音を操作する構成要素であってもよい。前の例と同じ構成要素は、同じ参照番号によって示されている。上の記載を参照とする。
【0080】
図14Bは、音がどのように振動板52によって発生されるかを概略的に示す。変換器56によって刺激されると、音は振動板52の表面から車室内の内部に直接放たれ、更に振動板52の背面から構成された後壁74に向かって放たれ、そこから反射する。図14Bに示されたように、音は概して変換器56の周りに円形に伝播し、構成された後壁74によって再度方向付けられることが可能である。更に構成された後壁74は、サウンドボードとして機能して共振し、特定の周波数範囲で反射した音を増幅させてもよい。
【0081】
図15A及び15Bは、図3の内部構成要素の別の変形の概略斜視図及び上からの断面図を示し、振動板52から後壁に向かって放ち、車室の内部に反射した音波を操作するために、内部構成要素の構成された後壁74と組み合わせた平坦な表面を有する振動板を示す。この例では、構成された後壁74は、音波を反射し、焦点を合わせ、及び/又は方向転換するために、凸状及び/又は凹状であってもよい複数の放物形状又はマイクロ放物形状を含む、表面構成を有する。構成された後壁74は、マップポケットの後壁などの内部構成要素50の一体化部分であってもよく、又は振動板52の背面に対向する側のあらゆる表面に取り付けた個別の音を操作する構成要素であってもよい。放物形状の音の大きさ、深さ又は高さ、湾曲、数、パターン及び密度を調節することにより、異なる方法で操作し、車室の内部の異なる領域に反射し、焦点を合わせ、散乱させ、又は別法により車室の内部に放つことができる。前の例と同じ構成要素は、同じ参照番号によって示されている。上の記載を参照とする。
【0082】
可能な音響効果は図15Bに概略的に示されており、図14Bに示された音響効果の記載を参照とする。更に音響効果の変形は、異なる大きさの放物構造を組み合わせること、凸形状と凹形状を組み合わせること、異なる形状の三次元構造を組み合わせること、及び/又はこれらの構造が配置されるパターンを調節することによって達成されてもよい。
【0083】
更なる変形では、音を反射して方向付けるために、単一の凸状若しくは凹状放物形状又はドーム形状を含む、構成された後壁74を与えることも可能である。ドームは、例えば連続し、又は段付きであることが可能である。単一の段付き放物形状の後壁及び関連した音響効果のそれぞれの例は、図16A及び16Bに示されている。前の例と同じ構成要素は、同じ参照番号によって示されている。上の記載を参照とする。
【0084】
図17A及び17Bは、図3の内部構成要素の別の変形の概略斜視図及び上からの断面図を示し、振動板52から後壁に向かって放ち、車室の内部に反射した音波を操作するために、内部構成要素の構成された後壁76と組み合わせた平坦な表面を有する振動板を示す。この例では、構成された後壁76は、車室内部に放たれた音の均衡を保って調整するために、音を反射する材料及び音を吸収する材料などの異なる表面材料の領域を含む、実質的に平坦な表面を有する。例えば比較的平滑で硬い材料は、より柔らかく及び/又は粗い表面材料と組み合わせることができる。プラスチック、木材、ガラス、紙、繊維材料、異なる織物、カーペット材料、発泡材、多層材料、その他などの異なる材料を組み合わせることができる。更に異なる表面材料は、例えば上記の材料などの異なる三次元構造と組み合わせることができる。
【0085】
構成された後壁76は、マップポケットの後壁などの内部構成要素50の一体化部分であってもよく、又は振動板52の背面に対向する側のあらゆる表面に取り付けたサウンドボードなどの個別の音を操作する構成要素であってもよい。異なる材料パッチの形状、大きさ、数、パターン及び密度を調節することにより、音は異なる方法で操作し、車室内の異なる領域に反射し、焦点を合わせ、散乱させ、又は別法により均衡を保って調整することができる。前の例と同じ構成要素は、同じ参照番号によって示されている。上の記載を参照とする。
【0086】
可能な音響効果は図17Bに概略的に示されており、図14Bに示された音響効果の記載を参照とする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A-7B】
図8
図9
図10A-10C】
図11A-11B】
図12A-12E】
図13
図14A-14B】
図15A-15B】
図16A-16B】
図17A-17B】
【国際調査報告】