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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】非ニュートン流体の音響液滴吐出
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6806 20180101AFI20220113BHJP
   B01L 3/02 20060101ALI20220113BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20220113BHJP
   B05B 1/02 20060101ALI20220113BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
C12Q1/6806 Z
B01L3/02
C12M1/00 A
B05B1/02 102
B05C5/00 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548537
(86)(22)【出願日】2019-10-29
(85)【翻訳文提出日】2021-05-10
(86)【国際出願番号】 US2019058620
(87)【国際公開番号】W WO2020092407
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】62/752,261
(32)【優先日】2018-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507301040
【氏名又は名称】ラブサイト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ダットワーニ, サミー エス.
(72)【発明者】
【氏名】リシェ, カーソン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ブラウカンプ, マーシャ エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ブロニガン, ジャスティン
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
4F033
4F041
4G057
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029AA09
4B029AA27
4B029BB20
4B029CC01
4B029FA15
4B029GB05
4B029HA09
4B029HA10
4B063QA01
4B063QA13
4B063QQ42
4B063QR08
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS12
4B063QS25
4B063QS39
4B063QX02
4F033BA03
4F033CA07
4F033LA13
4F041AB01
4F041BA01
4F041BA10
4F041BA12
4F041BA34
4G057AB11
(57)【要約】
音響液滴イジェクタによって非ニュートン流体を含有する液滴を吐出する方法は、トーンバーストパターンに従って液滴吐出をもたらすのに十分な振幅で、非ニュートン流体を含有する流体リザーバに集束音響エネルギーのトーンバーストを適用することを含み得る。トーンバーストパターンは、第1のトーンバーストセグメントが、第2および第3のセグメントよりも長い持続時間を有しており、かつ第3のセグメントが、第2のセグメントよりも長い持続時間を有している、3つの離散トーンバーストセグメントを含み得る。トーンバーストセグメントの正確な持続時間および振幅は、吐出特性に影響を与えるように調整され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響液滴イジェクタによって、非ニュートン流体を含有するリザーバから液滴を吐出する方法であって、前記方法が、
前記非ニュートン流体の流体表面に、第1のトーンバーストセグメントを含む第1のパターンで、集束音響エネルギーを適用して、フィラメントを先導突出部または前記流体表面から分離することなく、前記流体表面から前記先導突出部および前記フィラメントを生成することと、
第2のトーンバーストセグメントおよび第3のトーンバーストセグメントを含む第2のパターンで、集束音響エネルギーを前記先導突出部に適用して、前記フィラメントから前記先導突出部を分離することによって、液滴を吐出して、前記液滴を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のトーンバーストセグメントが、前記流体表面から前記先導突出部およびフィラメントを出すのに十分な振幅および持続時間を有し、
前記第2のパターンが、前記フィラメントから前記液滴を分離するように構成された第2のトーンバーストセグメントおよび第3のトーンバーストセグメントを含む、少なくとも2つの別のトーンバーストセグメントを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のトーンバーストセグメントが、前記第2および第3のトーンバーストセグメントの各々1つよりも長い持続時間を有し、第3のトーンバーストセグメントが、前記第2のトーンバーストセグメントよりも長い持続時間を有している、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フィラメントが、少なくとも1つの流体のビーズを含み、前記集束音響エネルギーの第2のパターンが、前記少なくとも1つの流体のビーズが1つ以上の追加の液滴に分解することを防止する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記液滴が、前記フィラメントの長さの70%未満、30%未満、または10%未満である直径を有し、または前記液滴が、前記フィラメントの残りの部分の総ボリュームの80%未満、10%未満、または5%未満である液滴ボリュームを有している、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記集束音響エネルギーの前記第2のパターンが、サテライト液滴を生成することなく、液滴吐出をもたらすように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記集束音響エネルギーの振幅が、ニュートン流体から代替液滴を吐出することに関連付けられた代替振幅を超えている、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記集束音響エネルギーの振幅が、前記第1のトーンバーストセグメントと第2のトーンバーストセグメントとの間、または第2のトーンバーストセグメントと第3のトーンバーストセグメントとの間で変化する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記集束音響エネルギーによって前記リザーバから生成された前記非ニュートン流体の前記フィラメントが、前記非ニュートン流体の0個、1個、2個、または>2個のビーズを含む鎖を含み、
前記集束音響エネルギーの前記第2のパターンが、前記鎖からの液滴離脱を誘導する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記鎖上の前記ビーズが、液滴離脱の前または後に、前記リザーバ内で、互いに、または前記非ニュートン流体と合体する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記フィラメントを光学的または電子的に監視して、前記液滴離脱が成功であるか、または失敗であるかどうかを評価することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記リザーバ内に形成された流体マウンドからの光信号または電気信号に基づいて、液滴離脱を予測することをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記非ニュートン流体が、遺伝物質を含有する溶液を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記流体表面から流体の量を出すように構成された一連のキャリブレーショントーンバーストを、前記流体表面に適用することと、
前記流体表面から出された前記流体の量におけるフィラメントの形成を検出するか、または前記流体表面からのキャリブレーション液滴の吐出を検出することと、
前記フィラメントの前記検出または前記キャリブレーション液滴の前記吐出に基づいて、前記集束音響エネルギーの前記第1のパターン、または前記集束音響エネルギーの前記第2のパターンの1つ以上のトーンバーストの電力、波長、または持続時間のうちの1つを設定することと、をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
リザーバ内の非ニュートン流体から液滴を吐出するように構成された液滴吐出システムであって、前記システムが、
音響イジェクタであって、
前記非ニュートン流体の流体表面に第1のパターンで、集束音響エネルギーを適用して、フィラメントを先導突出部または前記流体表面から分離することなく、前記流体表面から前記先導突出部および前記フィラメントを生成すること、および
前記フィラメントが前記流体表面に引き込まれるように、サテライト液滴を吐出することなく、前記先導突出部に第2のパターンで集束音響エネルギーを適用して、前記先導突出部を前記フィラメントから分離させること、を行うように構成されている、音響イジェクタと、
プロセッサによって実行されたときに、前記音響イジェクタに、前記非ニュートン流体の流体表面に前記第1のパターンで前記集束音響エネルギーを適用させ、かつ前記前駆葉に前記第2のパターンで集束音響エネルギーを適用させる、実行可能な命令を記憶する前記プロセッサおよびメモリデバイスと、を含む、液滴吐出システム。
【請求項16】
非ニュートン流体からの液滴吐出のためのトーンバーストパターンのパラメータを設定する方法であって、前記方法が、
前記流体表面から流体の量を出すように構成された一連のキャリブレーショントーンバーストを、前記流体表面に適用することと、
前記一連のキャリブレーショントーンバーストに対応する一連のエコー信号を収集することと、
前記収集された一連のエコー信号に基づいて、前記非ニュートン流体を含有するリザーバから液滴を吐出するように構成されている、集束音響エネルギーのトーンバーストパターンの1つ以上のトーンバーストセグメントの電力、波長、または持続時間のうちの1つを設定することであって、前記トーンバーストパターンが、少なくとも、
第1の別のトーンバーストセグメント、
第2の別のトーンバーストセグメント、および
第3の別のトーンバーストセグメントを含み、前記第1のトーンバーストセグメントが、前記第2および第3のトーンバーストセグメントよりも長い持続時間を有し、第3のトーンバーストセグメントが、前記第2のトーンバーストセグメントよりも長い持続時間を有している、設定することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記収集された一連のエコー信号に基づいて、液滴吐出に対応する最小トーンバースト電力を決定することと、
前記最小トーンバースト電力に少なくとも部分的に基づいて、前記電力、波長、または持続時間のうちの前記1つを設定することと、をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記トーンバーストパターンに従って、集束音響エネルギーを前記リザーバに適用することによって、前記リザーバから液滴を吐出することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
光学センサを介して、前記液滴の吐出を検知することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
液滴吐出が検出されるまで、前記第1、第2、または第3のトーンバーストセグメントのうちの1つ以上の前記電力、波長、または持続時間のうちの1つを繰り返し変化させることと、
液滴吐出の前記検出に基づいて、前記電力、波長、または持続時間を設定することと、をさらに含む、請求項18または請求項19に記載の方法。
【請求項21】
既知の特性を有するそれぞれの複数の非ニュートン流体に対応する複数の反射音響信号を含む比較データセットに基づいて訓練された畳み込みニューラルネットワークによって、前記一連のエコー信号を処理することによって、前記吐出された液滴に関連付けられた液滴ボリュームを予測することをさらに含む、請求項18または請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記吐出された液滴に関連付けられた実際の液滴ボリュームを決定することと、
前記実際の液滴ボリュームを、前記予測された液滴ボリュームと比較することと、
前記比較に基づいて、前記畳み込みニューラルネットワークを修正することと、をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記吐出された液滴に関連付けられた液滴ボリュームを決定することと、
前記液滴ボリュームを、予測された液滴ボリュームと比較することと、
前記比較に基づいて、前記電力、波長、または持続時間を調整することと、をさらに含む、請求項18または請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記収集された一連のエコー信号に基づいて、前記非ニュートン流体の特性を決定することをさらに含む、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記一連のエコー信号と、非ニュートン流体の既知の収集と相関した以前に受信したエコーの収集を含む記憶されたエコーデータと、を比較することと、
前記比較に少なくとも部分的に基づいて、前記電力、波長、または持続時間のうちの前記1つを設定することと、をさらに含む、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
既知の特性を有するそれぞれの複数の非ニュートン流体に対応する複数の反射音響信号を含む比較データセットに基づいて訓練された畳み込みニューラルネットワークによって、前記1つ以上のエコー信号を処理することによって、前記非ニュートン流体の特性を決定することをさらに含む、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
流体リザーバから非ニュートン流体を含有する液滴を吐出する方法であって、前記方法が、
集束音響エネルギーのトーンバーストパターンを、非ニュートン流体を含有する流体リザーバに適用することであって、前記トーンバーストパターンの前記流体リザーバへの前記適用が、前記流体リザーバから前記非ニュートン流体の液滴を吐出し、前記トーンバーストパターンが、
第1の別のトーンバーストセグメント、
前記第1の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第2の別のトーンバーストセグメント、および
前記第2の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第3の別のトーンバーストセグメントを含む、適用することを含む、方法。
【請求項28】
前記第1のトーンバーストセグメントが、前記第2および第3のセグメントよりも長い持続時間を有し、前記第3のセグメントが、前記第2のセグメントよりも長い持続時間を有している、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の別のトーンバーストによって、前記非ニュートン流体の流体表面から先導突出部およびフィラメントを出すことと、
前記第2および第3の別のトーンバーストによって、前記フィラメントから前記先導突出部を分離することによって液滴吐出をもたらすことと、をさらに含む、請求項27または請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記フィラメントが、少なくとも1つの流体のビーズを含み、前記トーンバーストパターンが、前記少なくとも1つの流体のビーズが1つ以上の追加の液滴に分解することを防止する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記非ニュートン流体の前記フィラメントが、前記非ニュートン流体の1つ以上のビーズを含む鎖を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記トーンバーストパターンが、前記鎖からの液滴離脱を誘導する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記フィラメントが、前記非ニュートン流体の1個、2個、または>2個のビーズを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記フィラメントが、前記非ニュートン流体の5個、10個、または>10個のビーズを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記非ニュートン流体のビーズが、前記フィラメントの直径の10%、20%、50%、または<50%だけ前記フィラメントの前記直径を超える厚さを有している、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記非ニュートン流体のビーズが、結果として生じる液滴直径の50%、75%、または90%以下の厚さを有している、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記鎖上の前記ビーズが、液滴離脱の前または後に、前記リザーバ内で、互いに、またはの前記非ニュートン流体と合体する、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記吐出された液滴の液滴ボリュームが、液滴吐出中の前記フィラメントの残りのボリュームの80%未満、10%未満、または5%未満である、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
前記フィラメントが、少なくとも5個の液滴直径、少なくとも10個の液滴直径、少なくとも20個の液滴直径、少なくとも50個の液滴直径、または少なくとも100個の液滴直径の長さを有するときに、前記液滴の吐出が発生する、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記液滴が、前記フィラメントの長さの70%未満、30%未満、または10%未満の直径を有している、請求項27または請求項28に記載の方法。
【請求項41】
前記液滴が、液滴吐出中に、前記フィラメントの残りのボリュームの80%未満、好ましくは10%未満、好ましくは5%未満の液滴ボリュームを有している、請求項27または請求項28に記載の方法。
【請求項42】
前記トーンバーストの振幅が、ニュートン流体から代替液滴を吐出することに関連付けられる代替振幅を超えている、請求項27または請求項28に記載の方法。
【請求項43】
前記トーンバーストの振幅が、前記第1のトーンバーストセグメントと第2のトーンバーストセグメントとの間、または第2のトーンバーストセグメントと第3のトーンバーストセグメントとの間で変化する、請求項27または請求項28に記載の方法。
【請求項44】
前記フィラメントを光学的または電子的に監視して、前記液滴離脱が成功であるか、または失敗であるかどうかを評価することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項45】
前記リザーバ内に形成された流体マウンドからの光信号または電気信号に基づいて、液滴離脱を予測することをさらに含む、請求項27または請求項28に記載の方法。
【請求項46】
前記非ニュートン流体が、遺伝物質を含有する溶液を含む、請求項27または請求項28に記載の方法。
【請求項47】
一連のキャリブレーショントーンバーストを、前記流体表面から流体の量を出すように構成された前記流体表面に適用することと、
前記流体表面から出された前記流体の量におけるフィラメントの形成を検出することと、
前記フィラメントの前記検出に基づいて、前記トーンバーストパターンの1つ以上のトーンバーストセグメントの電力、波長、または持続時間のうちの1つを設定することと、をさらに含む、請求項27または請求項28に記載の方法。
【請求項48】
リザーバ内の非ニュートン流体から液滴を吐出するように構成された液滴吐出システムであって、前記システムが、
集束音響エネルギーが前記リザーバから前記非ニュートン流体の液滴を吐出するように、前記集束音響エネルギーのトーンバーストパターンを、前記リザーバに適用するように構成されている、音響イジェクタと、
プロセッサによって実行されたときに、前記音響イジェクタに、パターンで前記集束音響エネルギーを適用させる、実行可能な命令を記憶する前記プロセッサおよびメモリデバイスと、を含み、前記パターンが、
第1の別のトーンバーストセグメント、
前記第1の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第2の別のトーンバーストセグメント、および
前記第2の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第3の別のトーンバーストセグメントを含む、液滴吐出システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの生物学的溶液、ポリマー溶液、およびポリマー溶解物は、ケチャップ、デンプン懸濁液、塗料、ハチミツ、血液、カスタード、およびシャンプーなどの多くの一般的に見出される物質と同様に、本質的に非ニュートン流体である。ニュートン流体については、せん断応力と歪み速度との間の関係は、線形であり、比例定数は、粘度係数である。粘度のニュートンの法則(1-D運動量移送)の例を、方程式[1]で下に示している。
【数1】
【0002】
非ニュートン流体の場合、せん断応力と歪み速度との間の関係は、非線形であり、時間依存性である場合がある。したがって、粘度の定数係数を定義することはできない。したがって、非ニュートン流体は、せん断応力プロファイル(または流体移送の方向に対する速度における導関数)において非線形応答を有する流体として定義される。非ニュートン流体はまた、流体が流体流の方向にせん断されたときに達成されるせん断応力プロファイルに関して、粘性成分および弾性成分の両方を有するため、粘弾性流体と称される。これらの流体は、見かけの粘度が非ニュートン流体に対して一定ではない、以下の方程式[2]で特徴付けられる。
【数2】
【0003】
非ニュートン流体には様々なタイプがあり、例えば、べき乗則流体は、せん断速度が増加するにつれて、η(見かけの粘度)が減少する擬塑性(せん断速度の薄化)、またはせん断速度が増加するにつれて、η(見かけの粘度)が増加するダイラタント(せん断速度の増粘)のいずれかであり得る。非ニュートン流体は、多くの異なる流れ条件(例えば、異なるデバイスまたはレオメータを使用して測定される振動せん断流または伸張流)下で、応力および歪み速度テンソルに関連するいくつかの他のレオロジー特性(粘度を測定することに加えて)を通して最も良く研究される。この特性は、連続体力学の分野で共通するテンソル値構成方程式を使用して、より良好に研究される。
【0004】
ニュートン流体の急速な移送は、例えば、R.G.SteamsおよびS.A.Qureshi,“Method for Acoustically Ejecting a Droplet of Fluid from a Reservoir by an Acoustic Fluid Ejection Apparatus”(米国特許第9,908,133号、2018年3月6日)に記載される、音響液滴吐出(ADE)による急速な移送を含む、様々な技術を使用して達成され得る。しかしながら、ADEを利用したポリマー溶液などの非ニュートン流体の移送を試みる際に問題が生じる。例えば、問題は、伸長流においてポリマー溶液の硬化効果を生じさせるポリマー鎖の明白な整列を含む。
【0005】
問題は、溶液中のポリマーの濃度ならびにポリマー自体のサイズ(鎖長)に基づいて、粘弾性パラメータによって定義される「緩和時間」を調査することができる支配レジームに細分化され得る。ポリマー溶液の理論では、これらのレジームは、異なる物理学において発生し、かつ顕在化し得る、異なる優勢な化学相互作用を有し(例えば、高速カメラで見ることができる)、これらのレジームは、希釈ポリマー溶液から濃縮ポリマー溶液、ポリマー溶融物までの範囲によって特徴付けられる。また、溶媒系は、ポリマー鎖と溶媒タイプ(良好、不良、シータ)などとの間の相互作用および溶液化学を支配することになるときに、大きな駆動力を有する。
【0006】
特定の用途では、DNA溶液は、非ニュートン流体とみなすことができる。例えば、DNAを研究する1つの実験室アプローチは、緩衝系(典型的には、TE、PBS、水など)にゲノムDNA(gDNA)を提供することであり、ポリマーを「縮合させる」ことを試みず、これは、非ニュートン性であるポリマー溶媒系を形成する。追加の複雑さを加えると、溶液の濃度に応じて流体の特性が変化する場合がある。溶媒系中の希釈ポリマー溶液(一例として、天然gDNA)については、天然gDNA鎖間の相互作用がほとんどなく、結果として、緩和時間、最大伸長、およびゼロせん断粘度によってモデル化および特徴付けされ得る簡略化されたシステムをもたらす。より高い天然のgDNA濃度では、このようなポリマー-溶媒系のモデル化は、より複雑になる。緩和時間は、今では、鎖の長さだけでなく濃度にも依存し、指数関数的に成長する。最大伸長はまた、gDNA濃度と関連しているが、成長は限定的である。
要約すると、DNA解析のための追加の処理方法が必要であるが、非ニュートンDNA含有溶液の流体特性を特徴付ける問題は、これまで複雑すぎて、ADEにおける公知の技術による一般的なDNA含有流体移送を可能にすることができなかった。したがって、天然gDNAおよび他の粘弾性のある非ニュートン流体を、再現可能、正確、かつ精密に移送することができる新規のADEプロセスに対するニーズがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第9,908,133号明細書
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示による様々な実施形態を、図面を参照して説明する。
【0009】
図1】電力不足状態および電力が高い状態で吐出を実施する液滴吐出器具の高速画像のセットを示している。
図2】ニュートンおよび非ニュートントーンバーストの音響波形を示す振幅プロットである。
図3-1】第1の音響トーンバーストを利用した水を使用した吐出プロセスを示している。
図3-2】第2のトーンバーストでのヒト天然gDNAを含有する溶液の吐出プロセスを示している。
図4-1】増加するgDNA濃度における、水とヒト天然gDNAの混合物からの音響信号波形パターンのセットを示している。
図4-2】増加するgDNA濃度における、水とヒト天然gDNAの混合物からの音響信号波形パターンのセットを示している。
図4-3】増加するgDNA濃度における、水とヒト天然gDNAの混合物からの音響信号波形パターンのセットを示している。
図4-4】増加するgDNA濃度における、水とヒト天然gDNAの混合物からの音響信号波形パターンのセットを示している。
図5】ニュートン吐出電力レジメンおよび増加した電力レジメンにおける、ヒト天然gDNAのサンプル移送有効性を示す画像である。
図6】ニュートン吐出電力レジメンおよび増加した電力レジメンにおける、ヒト天然gDNAのサンプル移送有効性を示す画像である。
図7】吐出電力に基づく様々なヒト天然DNA溶液の移送成功率を示すチャートである。
図8-1】ニュートン吐出電力レジメンを使用したADE移送されたgDNA溶液から得られたヒト天然gDNA断片サイズおよびgDNA濃度を示している。
図8-2】非ニュートン吐出電力レジメンを使用したADE移送されたgDNA溶液から得られたヒト天然gDNA断片サイズおよびgDNA濃度を示している。
図9】手動ピペット操作と比較したADE(Echo)による移送の相対的成功を示す一連のDNA濃度の交点(Cp)を示す図解である。
図10-1】BIOLINE(登録商標)gDNAサンプルの分析トレースである。
図10-2】PROMEGA(登録商標)gDNAサンプルの分析トレースである。
図11】天然gDNAの生物学的および技術的複製のCp対log[DNA]を示すプロットである。
図12図11に示されたCp曲線のパーセントCVを示すプロットである。
図13】大きな断片サイズを示すヒトgDNAサンプルの分析トレースを示している。
図14】一連の生物学的gDNA複製についてのCp対log[DNA]を示すプロットである。
図15図14に記載された一連の複製についてのCp対log[DNA]データのパーセントCVを示すプロットである。
図16-1】BIOLINE(登録商標)DNAサンプルの分析トレースを示している。
図16-2】PROMEGA(登録商標)DNAサンプルの分析トレースを示している。
図16-3】第1、第2、第3、および第4のヒト天然gDNAサンプルについての一連の分析トレースを示している。
図16-4】第1、第2、第3、および第4のヒト天然gDNAサンプルについての一連の分析トレースを示している。
図16-5】第1、第2、第3、および第4のヒト天然gDNAサンプルについての一連の分析トレースを示している。
図16-6】第1、第2、第3、および第4のヒト天然gDNAサンプルについての一連の分析トレースを示している。
図17】qPCR反応の成功を評価するための増幅曲線およびメルト研究を示す、一連の蛍光および蛍光誘導体プロットである。
図18】ヒトgDNA溶液の液滴形成の時間進化を示している。
図19】ヒトgDNA溶液の異なるサンプルおよび異なるサイズスケールの異なるサンプルに対する、液滴形成の時間進化を示している。
図20】様々な音響電力レベルでの2つの異なるトーンバースト比で移送された液滴を示している。
図21】2つの異なるトーンバースト比についての吐出電力を増加させるための吐出量と吐出電力を比較するチャートである。
図22】様々な吐出電力における大滴および小滴の両方において移送された測定された体積の散布図である。
図23】非ニュートン流体のせん断薄化についての液滴移送成功を示している。ニュートンパラメータを使用して移送を試行しても、ADE移送は発生しないことに留意されたい。
図24】非ニュートン流体のせん断増粘についての液滴移送成功を示している。ニュートンパラメータを使用して移送を試行しても、ADE移送は発生しないことに留意されたい。
図25】ADEによるDNA移送の頑健性を定量的に評価するために使用される試験プレートのレイアウトマップを示す概略である。
図26】小さな液滴を使用して、図25の試験プレートから移送されたヒトgDNAに対するCt対log[DNA]を示すプロットである。
図27】大きな液滴を使用して、図25の試験プレートから移送されたヒトgDNAに対するCt対log[DNA]を示すプロットである。
図28】所与の開始濃度および液滴カウントの各々について、期待勾配で線形性を首尾よく達成した出力レベルを示すチャートである。
図29】液滴吐出パラメータを設定し、非ニュートン流体の液滴を吐出するための第1の例示的なプロセスを示している。
図30】液滴吐出パラメータを設定し、非ニュートン流体の液滴を吐出するための第2の例示的なプロセスを示している。
図31】液滴吐出パラメータを設定し、非ニュートン流体の液滴を吐出するための第3の例示的なプロセスを示している。
図32】液滴吐出パラメータを設定し、非ニュートン流体の液滴を吐出するための第4の例示的なプロセスを示している。
図33】非ニュートン流体を特徴付け、流体の同一性を固定するために、動的マウンド分析(DMA)を使用するための例示的なプロセスを示している。
図34】音響液滴吐出を達成し、トーンバーストパラメータを固定するために、動的離脱分析(DBA)を使用するための例示的なプロセスを示している。
図35】音響液滴吐出によって生成される液滴のボリュームを特徴付け、液滴ボリュームを固定するために、動的ボリューム分析を使用するための例示的なプロセスを示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明では、様々な実施形態について説明する。説明の目的で、実施形態の完全な理解を提供するために、特定の構成および詳細を明記する。しかしながら、実施形態が他の構成で、または特定の詳細なしに実践され得ることも当業者には明らかであろう。さらに、記載される実施形態を不明瞭にしないために、周知の特徴は省略または簡略化され得る。
【0011】
本明細書に記載される技術は、音響液滴吐出(ADE)技術を利用して、非ニュートン流体(溶液中の無傷の天然ゲノムDNAまたは粘弾性ポリマーなど)のサンプルを、高度に再現性があり、高度に正確かつ高度に精密な様式で移送する能力を可能にする。
【0012】
より具体的には、本明細書に記載の技術は、未処置、未断片化、無傷の天然ゲノムDNA(全体で天然gDNAと称される)を、音響的に適格であるマイクロプレートまたは管内のウェルから、音響液滴吐出(ADE)技術を使用して移送することを可能にする。現在、多くの生物学的アッセイワークフローは、チップベースのシステムを使用するなど、未処置、未断片化、無傷のgDNAを移送するより従来的な方法を利用する。この方法論は、研究用途のみまたは臨床診断用途のための将来の実験室設定について、真に混じりけのない、非接触、タッチレスの液体移送プロセスを提供する。
【0013】
本明細書に記載されるADE技術に対する特定の改善は、大きな断片(>20Kb)および/または高濃度(>100ng/μL)の両方を有する天然gDNAサンプルの移送を可能にする。以前のADE能力には限界があり、移送プロセスが意図される用途に対して十分正確で精密なものにならない前に、流体がニュートンの挙動から幾らか逸脱する可能性がある。例えば、ナノリットルスケールの液滴を形成する場合、gDNAサイズが20Kb長を超え、濃度が100ng/μLを超えると、音響液滴形成のプロセスは、流体の非ニュートン性の性質によって妨げられることになる。希釈(例えば、緩衝液(Tris-EDTA)、水、他の希釈剤)、添加剤(例えば、塩、界面活性剤)、加熱、せん断、断片化(酵素、キット)、縮合試薬(例えば、イオン液体、スペルミジン、スペルミン)、または他の形態などの断片サイズまたは物理的サイズまたは濃度を減少させる操作なしに、天然gDNAを移送する能力は、したがって、純粋でリポジトリに保存されている天然gDNAサンプルを移送するために非常に望ましい。この能力により、研究者および臨床医は、ライフサイエンスおよび臨床診断用途のために、限定された(かつしばしば貴重な)天然のgDNAサンプル、または他の問題のある生物学的もしくは高分子材料を、サンプルの取り扱い(ナノリットルスケールを含む)を真に小型化することが可能となる。さらに、この新しい能力により、自動プラットフォームワークフローにおけるステップ数が少なくなり、さらに上流ステップを実施するための複数の異なる自動液体取り扱いプラットフォームまたは装置の利用の必要性も低減される。
【0014】
本明細書に記載される技術によって、ユーザは、抽出された天然gDNAの「純粋な」非添加形態から作業し、小容量(数または数十ナノリットル)を音響的に移送することが可能になり、所望の下流生物学的アッセイが可能になる。大量のボリュームはまた、新規な音響液滴移送プロセスが、再現性が高く、精度が高く、精密性の高いものであるすべての複数の多数の小ボリュームサンプル移送に起因して達成されるので、移送されるボリュームの範囲にわたって、再現性が高く、正確で、精密であるという事実を利用して、移送させることができる。この文書では、高速カメラ(VISION RESEARCH INC.,PHANTOM)、吸水性紙(SYNGENTA)、ならびに定量的PCR(qPCR)(ROCHEおよびTHERMOFISHER)実験結果から得られた実験結果は、本明細書に記載される技術に従って移送される天然gDNAの能力、品質および量を示している。移送されるすべてのサンプルの再現性、正確さ、および精密性は高く、ハウスキーピング遺伝子を利用した記載されるqPCRアッセイのCpまたはCtの低変動係数(CV)によって定量的に実証される。CpまたはCtは、それによってDNAが増幅される交点閾値を表し、また「膝」が増幅曲線の取り込みにある値を表す。これは、アッセイ中に存在するDNAの量を定量的に調査する分子生物学者にとって関心対象の価値ある指標である。
【0015】
さらに、非ニュートン音響移送プロセスのせん断速度が低いため、gDNAは、gDNAがNGSなどの下流プロセスにおいてさらに利用されるウェルまたは管などの標的容器に移送された後も無傷のままである。
【0016】
特定の実施形態を、図を参照して以下に詳細に説明する。
【0017】
本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、非自明な吐出電力範囲(図2を参照)と協調して動作する新規の吐出トーンバーストが開示されている(表1および図1を参照)。典型的には、ニュートン流体の場合と同様に、(標準的な水性緩衝液ニュートントーンバーストと組み合わせた)正しい吐出電力の決定は、生成され、かつ例えば、参照によりすべての目的のために本明細書に組み込まれる米国特許第9,908,133号に記載される生成されたマウンド画像信号処理(ヌル空間を決定する)と相関する、シグネチャ(特徴的な音響反射)によって決定される。マウンド画像印刷(MIP)は、ニュートン流体について、移送についての吐出閾値に対して定義された、1~3dBの吐出エネルギーでの音響液滴吐出用の極めて再現性が高く、正確で、かつ高精密なサンプル移送の生成をもたらす。このプロセスは、ニュートン流体のウェルまたは管などの流体リザーバから液滴を吐出するための電力要件を決定するために使用される。非ニュートン流体の場合、流体が(ADEプロセスのように)伸張流に供されるときに、著しく異なる物理化学的特性がある。さらに、信号処理に関連する摂動が低せん断値で起こるため、MIP結果はこれらの差異を識別することができない。したがって、ニュートン流体に不十分な差異を呈するため、エネルギーを移送するための正しい吐出を示すための信号処理のこのステップ中のMIPへの依存は、場合によっては、高音響電力によるせん断速度の増加で生じるニュートン挙動からのより強い偏差を補償するために、液滴形成に有効ではない音響液滴吐出に対する1dBの吐出電力を示唆している。非ニュートン流体に対するADEベースの移送は、新しい吐出エネルギーレジーム(典型的には、吐出閾値を約6~11dB上回る)と併せて、新しいトーンバーストを使用して達成され得る。3つのタイプの無傷のgDNAサンプルについて、新しいトーンバーストと協調して、1dB(ニュートンADEの場合)から6~11dB(正誤または非ニュートンADEの場合)までの結果を以下に示している。
【0018】
図1は、ADEの成功をもたらす、電力不足状態(左-102、104、106)および電力が高い状態(右-108、110、112)における液滴吐出器具の高速画像100のセットを示している。この図は、非ニュートン流体を、ADEの目的のためにニュートン流体として処理することの不足を示している。本発明の実施形態によれば、ADEによって移送される流体が非ニュートン流体であることの検出に応答して、ADEシステムは、試験リザーバ内の溶液の非ニュートン性の性質を補償するために、増加した電力条件を採用する。図1の場合、非ニュートンのgDNA溶液を使用した。画像は、毎秒20,000フレーム、49μsの露出時間で捕捉された。3つの異なる天然gDNAのサンプルを音響管から吐出した。上から下へ、サンプルをBIOLINE(登録商標)(102、108)およびPROMEGA(登録商標)(104、110)から商業的に取得したのに対し、ヒトサンプルをRoche MagNA Pure(登録商標)(106、112)を使用して抽出した。すべてのサンプルは、>20Kbおよび/または高濃度>100ng/μLであった。
【表1】
【0019】
表1は、成功したADEに使用されるニュートン流体キャリブレーションと非ニュートン流体キャリブレーションのトーンバーストセグメント長の比較を示している。本明細書に記載されるような非ニュートンサンプル上の成功したADEは、Labcyte(登録商標)Echo音響液滴イジェクタを修正することによって実施された。このニュートントーンバーストは、Labcyte Echo 525リキッドハンドラー上で、25nLのニュートン流体(典型的には、緩衝液または水溶液について)を強力に移送する。Labcyte Echo 550/555上で、濃度>100ng/μLで、ロング20Kb天然gDNAを移送するために、非ニュートントーンバーストを使用した。図2は、ニュートン201および非ニュートン202トーンバーストの音響波形を示す音響振幅プロット200を示している。
【0020】
無傷の天然gDNAまたは粘弾性ポリマー溶液および溶融物を含む生物学的流体は、ひずみ速度の関数としてせん断応力プロファイルに対する非線形応答を一般的に示し、ADEでの動作に望ましい非ニュートン流体の周知の例である。これらの流体サンプルは、複雑な高分子溶液であり、その特性は、MIPを用いたプライオリの特徴付けがしばしば困難である。事実、音響的に適格であるマイクロプレートまたは音響的に適格である管などのリザーバ内のニュートン流体および非ニュートン流体の両方は、標準的な音響エコーから情報を得る場合、ADEプロセスに必要な信号処理および知覚エネルギーにはほとんどまたは全く差異が見られない。粘弾性特性は、吐出エネルギーで現れ、これにより、液滴(好適なエネルギーを有するマウンドから生成される)はピンチオフしない。結果として、液滴はマウンドに戻り、ウェルまたは管内のサンプルのリザーバへと「スナップバック」する。天然のgDNAの場合、溶液は、場合により、液滴の離脱なしに最大1cm(またはそれ以上)の長さまで「伸長」することができる。印加されるエネルギーが高いほど、ポリマーgDNA鎖のより緊密な整列が生じ、液滴の離脱がさらに困難になる。類推は、ゴムバンドを延ばす際のゴムバンドの伸張であり、ポリマー鎖は、さらに整列し、さらに延ばすことが困難になる。さらに、非ニュートン流体の粘弾性の増加は、液滴離脱中の力のバランスに悪影響を及ぼし、本明細書に記載される新しい方法論は、非ニュートン流体に対して、高度に再現性があり、高度に正確で、かつ高度に精密な音響液滴吐出を可能にすることが示されている。
【0021】
図3Aは、650mVの音響トーンバースト電圧を利用し、トーンバースト後の1400μsの時点での光学的にストローブする、水を使用した吐出プロセスを示している。図3Bは、トーンバーストセグメント1の長さ=275μs、セグメント2の長さ=130μs、セグメント3の長さ=100μs、セグメント1のCF=5.85MHz、セグメント3のCF=5.15MHzというトーンバースト特性を有する天然gDNAの吐出プロセスのストロボスコピック画像である。音響トーンバースト電圧は、同じニュートントーンバーストセグメント長で1100mVである。トーンバーストを適用した後、画像を約5000μsの時点で捕捉した。吐出トーンバーストは、リザーバから離れて延在し、フィラメント303によって流体の残りの部分と接続される、先導突出部301(図3A図3B)を生成する。天然gDNAの場合、DNAポリマー鎖は、伸長の流れがDNAを「延伸」した構成に配置し、より多くの力が印加されると伸長し続けるように整列することに留意することが有用である(図3Bを参照)。さらに、より多くのエネルギーが印加されると、より長い天然gDNAスレッドが作成され(数mm)、液滴は分離されない。1400mVの音響電力(水の吐出よりも約6dB高い)では、液滴分離は依然として存在しない。また、これらの粘弾性流体では、通常のMIP測定は、天然のgDNA中に粘弾性が存在せず、鎖が、液滴離脱に近くなるまで有意に整列しない場合に、適切な予測される吐出電力をもたらすことに留意されたい。したがって、MIPベースの結果は、粘弾性現象の完全な影響を捕捉することに失敗する。
【0022】
流体充填されたウェルまたは管の通常の音響検査では、音響変換器は、関心対象のウェルの下に位置付けられる。水、または別のカップリング流体は、変換器と、マイクロプレートウェルの下側または管底部などのリザーバの底部との間のギャップを架橋する。音響信号は、変換器から、カップリング流体を通って、ウェルまたは管のプラスチック底部膜を通って、流体内に、そして最後に上方の空気中に伝搬する。音響信号は、これらのインターフェースの各々で反射され、オリジナルの信号を放射したのと同じ変換器によって収集される。初期波形は、反射信号と重複しない。マウンド画像印刷(MIP)と呼ばれるプロセスでは、流体特性についての情報が、反射信号から抽出される。gDNA濃度の増加の場合(図4A図4Dに示すような)、MIP結果は、100ng/μLの天然のgDNA濃度まで、純粋な緩衝液条件(1xPBS)間に差異を示さない。具体的には、図4Aは、天然gDNAを含まない水からの音響信号波形パターンを示すチャート400aを含み、図4B図4C、および図4Dはそれぞれ、50ng/μL(400b)、120ng/μL(400c)、および160ng/μL(400d)で、天然gDNAを含有する水からの音響信号波形パターンを示すチャートを含む。天然gDNA濃度100ng/μLを超えると、表面摂動共鳴で現れる毛細管波の存在があり、これは、液滴の離脱により低いエネルギーが必要であることを実際に示唆するであろう。
【0023】
本開示によると、代替的な吐出トーンバーストまたは音響波形は、ウェルまたは管などのリザーバ内に含まれる天然gDNAなどの非ニュートン流体に適用される(図2を参照)。音響変換器は、リザーバの下に位置付けられ、ウェルまたは管内に含まれる流体の表面で集束される。流体の表面に到達し、表面を乱し、液滴を離脱するために必要なトーンバーストの振幅は、ニュートン流体(例えば、水または1xPBS)とは有意に異なるものと決定される。1~3Vの範囲の振幅を有する吐出トーンバーストが、水または1xPBSで充填されたウェルに適用されると、流体のブレークアップが表面で発生し、液滴が吐出される。これは、ニュートンクラスの流体で作動中のADEプロセスに期待される通常の挙動である。
【0024】
音響放出の有効性は、図5および図6に示すように、様々な電力でサンプル液滴試験を実施することによって、Echo 550/555液体ハンドラーを使用して実験的に実証され得る。図5は、100ng/μLで150Kbの天然gDNAの移送について、増加電力、+0dB(左)、および公称電力+2.0dB(右)を使用して移送するための、視覚的/定性的な単一の2.5nLサンプル液滴試験を示している。図6は、40Kbの天然gDNAのヒトサンプルのADE移送に対する視覚的試験を示している。水感応性紙の左半分の電力は、+0.0dBであり、水感応性紙の右半分の電力は、+8.0dBであった。384箇所の各々で、2.5nLの1回の移送を試みた。ドットの存在または不在は、水性流体が紙と接触したときに、水感応性紙が黄色から青色に変色するにつれて、それぞれ、成功したまたは失敗した液滴離脱イベントを示している。
【0025】
高粘弾性の天然gDNA溶液(図5のヒトサンプルおよび図6の市販の天然gDNAサンプル)を、2つのモードで試みた。まず、ニュートントーンバーストおよびエネルギー移送プロファイル(502、602-図の左側)を使用し、次に非ニュートントーンバーストおよびエネルギープロファイル(504、604-図の右側)を使用した。明らかにニュートンプロファイルを使用した場合、天然gDNAの液滴は移送せず、非ニュートンプロファイルの場合、成功した移送は、青色のドットを呈する水感応性紙によって示される。これは定性尺度であり、移送失敗は、青色のドットが予想される空白領域を有する。図5は、天然gDNAのヒトサンプルを示し、図6は、市販のBIOLINE(登録商標)サンプルを示している。
【0026】
次に、電力が増加するにつれて、成功した移送の数も増加し(図7を参照)、「正常な」パラメータ空間が成功または再現可能な成功を(qPCR結果とともに後で実証される)組み込まないことを示している。標準的な吐出閾値を上回る約6~11dBでの移送の成功率の増加は、新規な非ニュートントーンバーストと協調して非ニュートン粘弾性流体に適した新しい運用体制を強調している。図7で強調表示されているように、ニュートン流体に使用される通常のパラメータは適切ではない。これは、非ニュートン流体の液滴吐出の成功に必要な最小エネルギーを表す設定である。移送成功率は、BIOLINE(登録商標)サンプル(702)、ヒトgDNAサンプル(704)、およびPROMEGA(登録商標)サンプル(706)の移送の割合として示されている。
【0027】
図7は、吐出電力に基づいて様々なDNA溶液の移送成功率を決定するための経験的アプローチを示している。成功した移送は、液滴が音響的に吐出されて、目的のプレート(または図5および図6のように目的のプレートに取り付けられた水感応性紙)に到達したときと定義される。成功した移送は、MIP溶液に追加された電力の関数としてプロットされる。MIP特徴はオンであり、この実施形態では、サンプル充填高さの変化を説明するために使用される。すべての移送は、固定シグネチャまたは1.48MRaylのインピーダンス値を使用して実施される。
【0028】
理想的には、生物学的アッセイおよびワークフローにおいて、天然gDNAが、開始入力材料として使用される。典型的には、天然gDNAはその後、下流用途のために操作または調製される。例えば、天然gDNAは、次世代配列決定(NGS)用途のために短いセグメントに断片化され得る。最新鋭のADE技術は、ニュートンの挙動からの偏差が、予測されたより高い電力が印加されたときにリザーバからの堅牢な液滴離脱をもたらすであろうマウンドを単に形成することから、吐出電力の正確な予測を可能にするのに十分低いため、最大100ng/μLの濃度で20キロベース(Kb)以下の天然gDNA断片を再現性よく、正確かつ精密に移送することができる。(天然gDNA断片の平均長さとして測定されるような)サイズおよび天然gDNAの濃度の両方が、再現可能なADEに影響を与える能力を有する既知のパラメータであり、どちらも、個別におよび組み合わせてニュートンの挙動からの偏差に寄与する。様々な天然gDNAサンプルに関する研究の結果は、図8に表示されている。図8Aは、20Kb未満の天然gDNAを、音響的に再現可能、正確かつ精密に移送することができる(トーンバーストおよび吐出エネルギーに対するニュートンパラメータを利用する)ことを示している。さらに、ニュートンパラメータを用いて、最大100ng/μLまでの低濃度を正常に移送した。図8Bは、非ニュートンパラメータを用いて、より大きなサイズ(最大150Kb)の天然gDNA、およびより高い濃度(最大200ng/μL)の天然gDNAの両方を、再現可能、正確、かつ精密に移送することができ、天然gDNAサイズおよびgDNA濃度の二次元空間のエンベロープを本質的に広げ、ADEを介して音響的にアクセスすることができることを示している。
【0029】
図8Aおよび図8Bは、gDNA濃度対断片長を示す散布図である。失敗(802)、部分的(804)、および成功した(806)移送を、電力不足状態およびニュートントーンバースト電力で取得した。成功した移送(808)を、高電力状態で、非ニュートントーンバーストを使用して均一に取得した。音響移送を、qPCRによって測定する(さらなる分析が後に続く)。この図は、断片サイズおよび天然gDNA濃度の二次元空間におけるより大きなエンベロープを示すのに役立つ。
【0030】
本明細書に記載される方法は、20Kb超の断片サイズおよび100ng/μL超のバルク濃度を有する天然gDNAの、音響的に適格な管からの高度に再現可能、高度に正確、かつ高度に精密な移送を可能にする(しかしまた、マイクロプレート、リザーバ、または類似のもので音響的に適格なウェルから実施され得る)。このような小さな体積(2.5nL)で、1つの容器から別の容器への物理的接触なしに、高度に濃縮された天然gDNAの長い断片を移送することにより、プロセスを最小化するための臨床用途(診断)のための画期的な能力を可能にし、ユーザは、交差汚染または移送装置への結合または試薬の恐れなく、より少ない量でより多くのことをすることができる。これらの方法は、新しいアッセイの開発および小型化のためのワークフローを容易にし、研究および臨床実験室への機会を開くことができる。音響管および他のリザーバを利用して、gDNAを移送することにより、作業範囲を実質的に150Kb以上に、さらに750ng/μL以上に増加させることができる。
【0031】
gDNAの移送を定量的に評価するために、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を利用して、その後、ハウスキーピング遺伝子ベータアクチンβアクチンの発現を確認および検出した。qPCRアッセイは、以下を使用して実施された。β-アクチンフォワードプライマー:AGC CAT GTA CGT TGC TAT CC;β-アクチンリバースプライマー:CGT AGC ACA GCT TCT CCT TAA T,(IDT)。アッセイは、Roche LightCycler(登録商標)システム、またはTHERMOFISHER QuantStudio 6 Flex Real-Time PCRシステムのいずれかを使用して実施した。Roche LightCycler(登録商標)システムは、LightCycler(登録商標)480 SYBR Green I Master(Roche)、LightCycler(登録商標)480 Multiwell Plate 384(Roche)、LightCycler(登録商標)480II Instrument(Roche)を利用した。qPCRプログラムを、以下のように使用した:ステップ1、95℃で60秒、ステップ2、95℃で15秒、60℃で30秒、72℃で60秒、単回収集(45サイクル)、ステップ3、95℃で10秒、60℃で60秒、および97℃で連続的。THERMOFISHER QuantStudio 6 Flex Real-Time PCRシステムは、PowerUp(商標) SYBR(登録商標)Master Mix、THERMOFISHER 384-Well Clear Optical Plateを利用した。qPCRプログラムを以下のように使用した:ステップ1、50℃で2分間、95℃で2分間、ステップ2、95℃で15秒間、60℃で1分間、収集(40サイクル)、ステップ3、95℃で15秒間、60℃で1分間、および95℃で15秒間。
【0032】
断片化gDNAのADEに対するニュートンキャリブレーションを使用してデータを制御し、ハンドピペット式断片化gDNAと比較する。
PROMEGA(登録商標)から商業的に取得したヒト天然gDNA(56Kb)を、超音波発生装置(コーヴァリス超音波発生装置技術)を使用して(8Kbに)せん断することによって断片し、手動で音響的に適格な管にピペッティングした。最も高い濃度として100ng/μLで始まる8Kb断片を使用して、8点の2倍標準曲線を作成した。各標準曲線点について、32個の技術的複製を移送し、以下に記載されるようにqPCRによりアッセイした:
【表2】
【0033】
各標準曲線点について、32個の複製すべてを移送した。実験結果を表にし、表2に示された値を構成する。DNAの各濃度について、平均交点(Cp)値、Cpの標準偏差、Cpの%CV、最小および最大Cp、ならびに複製数を決定した。これらの結果は、ニュートンパラメータを有する音響移送プロセスの(小さなサイズの断片化されたgDNAの)期待変動と、ハンドピペッティングされた対照実験能力との比較を示す、対照実験のセットとしての役割を果たす。
【0034】
図9は、標準的なADE技術を利用する移送に対する≧0.99のR値および、同じ断片化されたgDNAサンプルの手動ピペット移送に対する約0.98のR値により強調される、高度の線形性を示す、移送を使用して生成された標準曲線のプロットである。具体的には、図9は、せん断された8KbのPROMEGA(登録商標)サンプル(N=32)のすべての技術的複製物に対するCp対log[DNA]を示している。パーセントCVとして示されるADE移送精度は、2%未満であった。この実験セットは、「期待される」結果品質のベースラインとしての役割を果たす。ハンドピペッティング制御の結果は、ADE結果よりも低い線形性を有するが、それでも許容されることに留意されたい。
【0035】
市販のソースからの未処理であり、未断片化であり、無傷の天然gDNAを使用し、非ニュートンキャリブレーションを利用する実験データ。
次のステップは、それぞれ40Kbおよび56Kbの断片サイズである、2つの市販のソースであるBIOLINE(登録商標)およびPROMEGA(登録商標)からの天然gDNAを利用して、非ニュートン粘弾性流体について新たに決定されたパラメータ空間(トーンバーストおよび吐出エネルギーレジーム)を試験することであった。これらのサンプルを、本明細書に記載の技術に従って、移送のための調製のために音響的に適格な管に手動でピペッティングした。これらのサンプルを分析して、AATI断片アナライザー(AATI、Ames、IA)を使用して断片サイズを決定および確認した。実験結果は、図10に示されており、サンプルが実際に41Kbおよび56Kbの長さであることを強調している。次に、非ニュートントーンバーストおよびより高いエネルギーキャリブレーションを、天然gDNA(非添加)上のEcho550液体ハンドラーを用いてADE移送に適用した。ソース管中の各天然gDNAサンプルの濃度は、200ng/μLであった(NanoDrop機器(THERMOFISHER)でも確認し、結果は示さず)。移送量は、qPCRアッセイのためのソースプレートとしても役立つ目的地プレートに、2.5nL~320nL(1液滴最大128液滴まで)の範囲であった。各生物学的サンプルの再現可能性、正確性、および精密度に対処するために、(統計的有意性を示すために)各実験条件で32個の技術的複製を移送した。さらに、結果の有効性を確認するために、これらの実験を複数日に繰り返した。表3、図11、および図12は、Cp値を示し、非ニュートン流体に対するこの新しいキャリブレーションを使用した、高い再現可能性、高い正確性、および高い精密度の移送能力の有効性を強調している。すべての移送について、移送された複製数は、移送量は5nLであるPROMEGAの1日目および2日目および移送量は2.5nLであるPROMEGAの2日目を除いて32であった。他のすべてのサンプルについては、32個の複製すべてを移送した。移送すべてを使用して生成された標準曲線の線形性は、≧0.99のR値を有する。すべての移送に対するパーセントCVは、5%未満であった(およびほとんどの場合<3%)。
【0036】
図10Aおよび図10Bは、BIOLINE(登録商標)(40Kb)サンプル(図10A、チャート1002)、およびPROMEGA(登録商標)(56Kb)gDNAサンプル(図10B、チャート1004)のAATI断片アナライザートレースが、サンプルが実際に商業ベンダーによって示されるサイズであったことを強調していることを示す。これらのサンプルのqPCR Cpデータを、以下の表3に示している。
【表3-1】
【表3-2】
【0037】
図11は、天然gDNAの生物学的および技術的複製について、Cp対log[DNA]によって測定されたものとしてのqPCRデータを示しており(N=26~32)、図12は、表3に記載されるすべての生物学的および技術的複製について、Cp対log[DNA]のパーセントCVを示している。高線形性は、図11のR値>0.99によって示される。さらに、高い精密度および再現可能性は、図12の実験ランの各濃度における複製の低CV値によって示される。
【0038】
非ニュートンキャリブレーションを使用した、未処理であり、未断片化であり、無傷のヒトサンプル由来の天然gDNAを使用した実験データ
すべて15kKb超の断片サイズを有し、約150Kbの最大断片集団を有する、全血から抽出された6つのヒトサンプル由来の天然gDNAを、次に音響的に適格である管から移送した(図13)。ソース管中の各天然gDNAサンプルの濃度を、100ng/μL~175ng/μLであると決定した(NanoDropで確認した結果は表示せず)。移送ボリュームは、反応を装填するためのqPCRソースウェルへの1液滴(2.5nL)~128液滴(320nL)の範囲であった。精密度に対処するために、各生物学的サンプルについて、10個の技術的複製を各条件ごとに移送した。gDNAサンプルの量が制限されていることを考えると、実験は1回のみ実施されたが、違いはないと予想される。表4、図14、および図15は、Cp値を示しており、ヒト天然gDNAサンプルの移送の高精密度、高正確性、および高い再現可能性を再び強調している。すべてのサンプルについて、10個の複製すべてを、脱落なく、100%の成功率で移送した(脱落率0%)。移送すべてを使用して生成された標準曲線の線形性は、0.999のR値を有する。すべての移送に対するCpのパーセントCVは、<2.5%であった。
【表4-1】
【表4-2】
【0039】
図13は、大きな断片サイズを示すヒトgDNAサンプルのAATI断片アナライザートレース1300を示している。gDNAサイズを図13で評価し、サンプルについて大きな断片サイズであることを確認した。図14は、表4に記載されるようなすべての生物学的および技術的複製について、Cp対Log[DNA]データ1400によって測定されたものとしてのqPCRデータを示している。移送結果は、ヒトgDNAの6つの異なるサンプルについて、R値>0.99で、高度に再現可能性のある移送および高度に線形の移送を示している。図15は、表4に記載されるように、すべてのヒトサンプルに対する生物学的および技術的複製についてのCp対log[DNA]データ1500のパーセントCVを示している。生物学的および技術的複製のすべての移送に対するCp’sのCVは、3.2%以下であった。
【0040】
移送前後の分析
ゲノムDNAサンプルの完全性は、多くの生物学的用途、ワークフロー、特にgDNAストアやリポジトリにとって重要な懸念事項である。セクションで強調されたデータは、ADEによって新しいトーンバーストおよび音響エネルギー範囲とともに移送された天然gDNA、ならびに移送されたgDNAが、その後、qPCRアッセイで成功裏に増幅され、品質が評価され得ることを確認するものである。移送された天然gDNAの特性をさらに評価するために、移送後のサンプルを分析して、AATI断片アナライザー(AATI)を使用して断片サイズを決定および確認し、天然gDNAは、(最小限のせん断で)その完全性を保持していた。図16A図16F、および表5はすべて、BIOLINE(登録商標)およびPROMEGA(登録商標)ならびにヒトサンプルから商業的に取得されたヒト天然gDNAサンプルのAATI断片アナライザートレースを示している。
【0041】
これらのサンプルの各々に対するAATIトレースは、gDNAサイズの小規模な増強(当該手法の実験誤差内)か、または移送後の状態に対する小規模な下方シフトのうちのいずれかを示し、わずかな量のせん断の可能性を示唆している。しかしながら、すべての場合において、これらのサンプルのうちのいずれかにおける移送後のgDNAは、20Kb超であり、これは、ニュートントーンバーストおよび音響エネルギー移送能力の限界であった。AATI機器はまた、±25%のDNA定量正確度および20%CVのDNA定量精密度を有する。ここで提示するデータはすべて、これらの仕様によく合致している。ここで生成されたデータは、大きな断片gDNAを表しており、以下の表5に示されており、これは、新規の音響非ニュートンパラメータを利用した移送前および移送後と同じサンプルと比較して、いずれかの手動でピペッティングされた(対照)市販およびヒト天然gDNAサンプルの断片サイズ(Kb)を示している。
【表5-1】
【表5-2】
【0042】
断片特性は、選択された各タイプのgDNAサンプルに対して手動でピペッティングされた(底部-1603a~1603f)トレース、移送前(中央-1602a~1602f)トレース、および移送後(上部-1601a~1601f)トレースについて、AATI断片アナライザートレース(図16A図16F)で示されている。図16Aは、BIOLINE gDNAサンプルのトレースを示している。図16Bは、PROMEGA gDNAサンプルのトレースを示しており、図16C図16Fは、ヒト天然gDNAサンプルのサンプル1(図16C)、サンプル2(図16D)、サンプル3(図16E)、およびサンプル4(図16F)の各々のトレースを示している。
【0043】
メルト曲線分析
qPCR反応の成功は、DNA増幅だけでなく、メルト曲線分析にも基づいている。qPCR反応中、アンプリコンが生成されると、蛍光SYBR緑色染料が、二本鎖DNA(dsDNA)に結合し、これらの複合体は、蛍光を発し、蛍光信号および特性増幅曲線を生成する。増幅曲線は、開始フェーズ、指数フェーズ、およびプラトーフェーズの3つのフェーズから構成される。開始フェーズは、ほぼ常に蛍光検出レベルを下回っている。指数フェーズでは、新たに合成されたdsDNAのコピーが作製され、したがって、SYBR染料がdsDNAに結合するにつれて、蛍光の増加によって表される。最後に、プラトーフェーズは、反応の終了を示し、安定化フェーズとも呼ばれる。
【0044】
各特定のアンプリコンは、特徴的な増幅曲線を有する。増幅が発生すると、qPCRサイクルの数が記録され、その結果、指数段階において、サイクル閾値(Ct)または交点閾値(Cp)と呼ばれる閾値が利用されて、増幅が発生するレベルが評価される(図17、プロット1702を参照)。増幅曲線は、サイクル閾値(Ct)またはサイクル数としても知られる、交点(Cp)の関数としてプロットされる。サイクル数(CtまたはCp)が小さいほど、DNAの初期量が高くなる。サイクル数(CtまたはCp)が多いほど、初期DNAの量が少なくなるため、1サイクル当たりのDNAの濃度が増加するにつれて、より多くのサイクルが必要となる。qPCR反応の特異性を確実にするために、メルト曲線分析も行い、アンプリコンがdsDNAから一本鎖DNA(ssDNA)に解離する温度を測定した。増幅後、二本鎖のSYBR緑色結合アンプリコンを、温度の漸増的上昇に曝露した(プロット1704)。温度がプライマーの融解温度を超えると、アンプリコンが、解離し、SYBR緑色蛍光信号が減少する。次に、この曲線の傾きを温度の関数としてプロットし、当分野のほとんどの研究者が使用した分析であるメルト曲線を生成する(図17、プロット1706)。
【0045】
ここで説明するすべての研究において、β-アクチンアンプリコンは、266塩基対(bp)であり、88±1℃で融解ピーク温度を有する。100~0.78ng/μLの範囲のポジティブコントロール8ポイント2倍希釈標準曲線は、それぞれ20~32の範囲のアンプリコンCp/Ctを示した。
【0046】
本明細書に記載される技術は、様々なサンプルタイプおよびサンプル移送プロトコルに適用され得る。例えば、多くの研究および臨床ラボでは、ゲノムデオキシリボ核酸(gDNA)は、細菌、ウイルス、植物、全血(WB)および構成要素(血漿、血清)、組織、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織、細胞、唾液(-バッカル)、尿、ならびに脳脊髄液(CSF)を含むがこれらに限定されない、新鮮なサンプルおよびアーカイブサンプルの両方から抽出される。
【0047】
本明細書に記載される技術は、無傷の天然gDNAが下流用途のための液体ハンドラーによって処理されることが望ましい、高いサンプルの完全性(例えば、バイオストアまたはリポジトリからのサンプル)を必要とする任意のDNA技術用途で有用である。DNAは生命の基礎をなす構成要素であるため、用途は、広範囲に及び、臨床/診断用途、医学研究、医療療法、医薬品/バイオテクノロジー研究用途、農業用途、および法医学において使用され得る。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態は、粘弾性ポリマー溶融物およびADEが以前にはアクセスできなかったポリマー溶液の、再現可能性が高く、高正確性かつ高精密度の音響液滴吐出を可能にする。過去に、ポリマー溶融物またはポリマー溶液サンプルを溶媒で加熱および希釈するなどの粘度を低減し、弾性を低減する方法論は、わずかなレベルの成功を示し、天然サンプルを変化させ、サンプルを(熱不活性化または溶媒駆動分解を介して)潜在的に損なうことを伴っていた。本発明のいくつかの実施形態は、フォトレジストの堆積またはポリマーサンプルおよびポリマー溶融物の調査を小型化する能力などの半導体用途に対処する能力を有する。さらに、薬物送達アプリケーションはまた、高用量の「時間放出型」薬物をポリマー溶液にドープし、それをレシーバーに移送して、最も効率的に薬剤を送達するために、表面積対体積比が最も高い一分散球の形態の超分散型「装填型」薬物送達剤を作成することができるため有効である。
【0049】
図18は、せん断薄化挙動を示す非ニュートン液体の液滴形成の時間進化を示している。流体は、PROMEGA(登録商標)由来のgDNAを含む。同様の粘度を有するニュートン流体と比較して、液滴の放出前に必要とされる長いフィラメント形成および長い時間スケールに留意されたい。本開示は、フィラメントの頭部が、これらの液滴のボリュームが一定であることを意味する頑強な様式で液滴に分解することを可能にし、フィラメントは、さらに分解することなく(鎖上のビーズが再現可能に収縮する状態で)、リザーバに戻る。これは、2.5nLの低下(より高い周波数、より短い波長)を生成する、我々のEcho550およびEch 555機器での変換器を使用して実施された。ここでの液滴サイズは、およそ2.5nLと推定される。これらの方法は、任意の好適な非ニュートン流体、特に、水またはTEなどであるがこれに限定されない、標準的な核酸溶出緩衝液に適用され得る。
【0050】
図18に示すように、流体表面1802に音響エネルギーを適用すると、先導突出部1806およびフィラメント1808へとさらに発達するマウンド1804を生成することによって液滴吐出が誘導される。ADEの既存の方法では、音響エネルギーは、流体表面から流体を強制的に外すスラグの運動量を提供するが、非ニュートン流体については、これらの方法は、流体表面1802から容易に分離するか、または再吸収される一過性の突出部を生成する傾向がある。非ニュートン流体の液滴を吐出するための本明細書に記載の実施形態によると、初期トーンバーストは、流体表面1802から隆起した流体の大部分を含有する細長いフィラメント1808を生成する。一部の非ニュートン流体はまた、細長いフィラメント1808に引き込まれたときに、1個、2個、5個、10個、またはそれ以上のビーズからなり得る、フィラメントに沿った流体の一連の蓄積またはビーズ1810を生成し、ここで、ビーズのサイズは、伸張フェーズの間に、得られた液滴の50%、75%、または90%未満のフィラメント直径よりも10、20%、または50%厚くなり得る。従来のADE方法が、ニュートン流体に対して低い、または標準的な吐出振幅で非ニュートン流体に適用される場合、フィラメント1808の有効弾性は、液滴吐出を防止する傾向にある。逆に、従来のADE法が非常に高い振幅で適用される場合、フィラメント1808は、ビーズ1810の間で破壊する傾向があり、複数のより小さな液滴の予測不可能な吐出を引き起こす。この効果は、液滴吐出ボリュームの制御の喪失のために望ましくないだけでなく、細長いフィラメント1808の突然の分離が、DNAまたは流体の他の内容物をせん断し得るため、望ましくない。対照的に、本明細書に記載の方法は、細長いフィラメント1810の液滴1812と残りの部分1814との間のきれいな分離を提供する。いくつかの実施形態では、液滴1812の分離は、フィラメント1810が液滴直径と比較して非常に長いときに発生し得る。分離は、いくつかの実施形態では、吐出された液滴の直径の2倍以上のフィラメント長、5倍以上のフィラメント長、または10倍以上のフィラメント長、または20倍以上のフィラメント長、または50倍以上のフィラメント長、100倍以上のフィラメント長について生じ得る。いくつかの実施形態では、フィラメントの収縮中、ビーズは互いに結合するか、または合体して、退縮する残りの1814に入る場合があるため、ビーズの数は減少し、半月板に向かって退縮するにつれて、併合されたビーズのサイズが増大する。いくつかの実施形態では、液滴1812のボリュームは、分離時にフィラメント1810内に含まれるボリュームよりも著しく小さくてもよく、例えば、流体フィラメント1810の長さの10%未満の直径を有する。いくつかの実施形態では、吐出された液滴1812に含まれるボリュームは、残りの部分1814のボリュームの50%未満、10%未満、または5%未満であってもよい。
【0051】
図19は、異なるDNA溶液および異なるサイズスケールの液滴形成の時間進化を示す概略図1900である。ここで、流体は、BIOLINE(登録商標)からのものであり、移送は、公称液滴サイズを25nLにするEcho525機器(Echo550またはEcho555機器よりも低い周波数およびより大きな波長)で実施された。図19に示すように、流体表面1902に音響エネルギーを適用すると、先導突出部1906およびフィラメント1908へとさらに発達するマウンド1904を作成することによって液滴吐出が実行される。初期トーンバーストは、流体表面1902から隆起した流体の大部分を含む細長いフィラメント1908を生成する。追加のトーンバーストに応答して、細長いフィラメント1910の液滴1912および残りの部分1914は、小さな液滴を放射することなく互いに分離する。いくつかの実施形態では、液滴1912は、フィラメント1910よりも著しく小さくてもよく、例えば、流体フィラメント1910の長さの10%未満の直径を有する。いくつかの実施形態では、吐出された液滴1912に含まれるボリュームは、残りの部分1914のボリュームの50%未満、10%未満、または5%未満であってもよい。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載されるようなトーンバーストは、3つのセグメントを含む。1つの実施形態では、非ニュートン流体の2.5nLの液滴を作製するために、セグメント1は、最長かつ高強度であり、その後に、音響エネルギーが生成されない短いセグメント2、次いで中間持続時間(ここでは、18マイクロ秒)の最終セグメント(3)が続く。様々なセグメントの電力強度および長さの調整を通して、液滴吐出を達成することができることに留意されたい。トーンバーストAおよびトーンバーストBの両方の電力レベルは、図20および図21に示すように、フィラメントをリザーバに戻す(小型サテライトの生成を回避する)堅牢なボリューム移送および再現可能な収縮を達成するために、ニュートン流体の電力レベルよりもはるかに高い電力レベルを必要とする。トーンバースト特性を、以下の表6に列挙する。
【表6】
【0053】
図20は、トーンバーストA(2002)およびトーンバーストB(2004)について、(左から右に増加するdBで示す)様々な音響電力レベルでこれらのトーンバーストで移送された同じ非ニュートン流体の液滴を示している。低レベルの液滴は、フィラメントから放出しない。高レベルでは、液滴のみが移送し、良好な配置(それぞれ8dBおよび10dB)を有する。より高いレベルでは、移送品質は、低下し、フィラメントは、単一の所望の液滴よりも分解する。任意の補助液滴またはサテライトは、望ましくない。トーンバーストおよび電力の好ましい実装形態は、図18および図19のアウトラインに示されるように、所望のボリュームの単一の液滴を形成し、フィラメントがリザーバ内に収縮するものの1つである。
【0054】
図21はまた、吐出ボリュームを吐出出力と比較する、チャート2100の音響電力の増加とともに移送ボリュームがどのように変化するかを示している。いくつかの実施形態では、ボリューム対電力曲線のより低い勾配が望ましく(例えば、トーンバーストA 2102対トーンバーストB 2104のボリューム対電力曲線を参照)、これは、移送液滴ボリュームでの電力に対する感度を減少させる。各セグメントのトーンバーストの相対振幅、持続時間、周波数含量の調整は、液滴ボリューム特性の感度特性を改善するために修正され得る。図22は、様々な吐出電力および電力感度に相関したそれらの関連するボリュームで、大きな(2202)液滴および小さな液滴(2204)の両方について、BIOLINE(登録商標)流体について移送された測定されたボリュームの散布図2200を示している。
【0055】
図23図24は、非ニュートンの挙動がアニオン性ではなく、DNAなどのヌクレオチドポリマーによるものではない流体に適用される、本発明の他の特定の実施形態を示している。1つの例は、せん断薄化流体(図23、画像2300)と呼ばれる別の非ニュートン流体クラス用であり、他方は、せん断増粘流体用である(図24、画像2400)。画像2300(図23)は、アミノ酸リジン溶液、水中で25%のポリ-l-リジン溶液(%ボリューム)からなるカチオン性ホモポリマーに対する成功した液滴を示しており、これはせん断薄化である。画像2400(図24)は、せん断増粘性またはコロイド懸濁液からなるダイラタント流体である、水中で5%のトウモロコシデンプン溶液(%ボリューム)に対する液滴移送の成功を示している。各流体タイプに対して機能する電力ウィンドウの存在は、2302および2402によって明確に示される。しかしながら、多くの他のタイプの流体、溶質のクラスおよび非ニュートン分類は、本明細書に記載される方法に従ってADEによって処理され得る。例えば、本開示の方法を使用して移送され得る好適な非ニュートン流体としては、限定されるものではないが、カチオン性、アニオン性、ヌクレオシド、およびペプチジン溶液、懸濁液、コロイド、ダイラタント、および他の流体が含まれる。
【0056】
図25図28は、いくつかの異なるウェルから移送され、qPCRによって測定されるDNAを定量することによって、方法の頑健性を示す、さらに別のDNA含有流体のデータを示している。試験プレートのレイアウトマップを図25に示し、それは、高音響周波数および低音響周波数の両方を使用して、DNA溶液の濃度の範囲および各ウェルで収集される液滴の様々な数に対して、それぞれ小液滴および大液滴を作製する。図26および図27は、応答が一部の電力レベルに対して非常に反復可能であり、線形であることを示しており、図26は、小さな液滴に対するCtデータ2600を示しており、図27は、大きな液滴に対するCtデータ2700を示している。吐出トーンバースト振幅は、0.5dB刻みで約6dB(2601、2701)~約11dB(2602、2702)の範囲であった。Y軸は、Ctであり、それは、DNAを特定の閾値レベルに増幅するために必要なqPCR機器のサイクル数である。したがって、より低いCtは、より初期段階での開始DNA濃度に相当する。開始濃度および液滴カウントに対する期待勾配で線形性を達成するための電力レベルは、図28の表で強調表示されている。小さな液滴サイズ2802および大きな液滴サイズ2804の両方については、反復可能であり、線形的であり、結果は、大きなgDNA(68Kb)および高いgDNA濃度(105ng/L)であっても、広範囲の電力レベルにわたって達成可能である。
【0057】
図29図31は、液滴吐出パラメータを設定し、非ニュートン流体の液滴を吐出するための例示的なプロセスを示している。プロセス2900、3000、3100、および3200、ならびに本明細書に記載される任意の他のプロセスは、本明細書に記載されるような任意の好適な音響液滴吐出システムによって実施され得る。
【0058】
図29は、動的マウンド分析(DMA)技術に従って、液滴吐出パラメータを設定し、非ニュートン流体の液滴を吐出するための第1の例示的なプロセス2900を示しており、それによって、少なくともいくつかの実施形態による、トーンバースト電力が徐々に増加する。最初に、未知の非ニュートン流体を含有するリザーバを、音響放出デバイスに挿入することができる(2902)。トーンバースト電力が、増加されて(2904)、その後、リザーバ内の流体に適用される(2906)。少なくとも1つ、多くの場合、多くのエコー信号が収集され、各トーンバースト電力で分析される(アクト2908)。これらのプロセスは、可能な最大電力に達するまで、doループで繰り返される(2910)。最大電力に達すると、システムは、各トーンバースト設定(例えば、トーンバーストパターンおよび各トーンバーストの長さ、トーンバースト振幅、トーンバースト周波数、および周波数パターンなど)についてエコー信号(2912)の信号特徴を抽出する。最適な信号シグネチャは、事前訓練された人工知能または機械学習モデルを使用して選択される(2914)。このモデルは、収集されたエコー信号に基づいて抽出された信号特徴を、既知のトーンバースト電力設定に相関させる。モデルは、時間とともに変化するエコー信号または光信号のトレンドを探す。信号特徴は、連続する時間遅延の間、増加、減少、または一定に保たれ得る。モデルを訓練するためには、少なくとも1つのエコー信号が必要である。次いで、システムは、上述の方法に従って光学信号シグネチャを選択し(2916)、その後、後続する液滴を吐出するための信号特徴および信号シグネチャを選択することができる。
【0059】
図30は、またDMAに従って、液滴吐出パラメータを設定し、非ニュートン流体の液滴を吐出するための第2の例示的なプロセス3000を示しており、それによって、トーンバースト電力が徐々に増加する。上述のように、未知の非ニュートン流体を含有するリザーバを、音響放出装置に挿入することができる(3002)。トーンバースト電力が、増加されて(3004)、その後、リザーバ内の流体に適用される(3006)。エコー信号が収集され、連続的な電力ステップで分析されて(3008)、良好な信号が受信されたときを決定し(3010)、ここで、信号品質は、例えば、十分な電力、戻り信号の明瞭さ、または他のパラメータなどの1つ以上の信号パラメータに基づいている。この比較には、信号品質の特徴を所定の閾値と比較することが含まれ得る。良好なエコー信号が受信されると、システムは、上述のように信号特徴を抽出し(3012)、次いで、標的/溶媒濃度に対処するために、信号特徴をモデルに供給することができる(3014)。モデルは、取得された信号特徴に基づいて、標的/溶媒濃度が低いか、または高いかどうかの決定を出力する(3016)。低濃度の場合、システムは、溶液に対して最適な信号シグネチャを選択し(3024)、次いで、上述のように、後続の液滴を吐出する(3022)ための信号特徴およびシグネチャを選択することができる。高濃度の場合、システムは、最適なセグメント長さ(すなわち、トーンバーストパターンのトーンバースト長さ)を調べ(3018)、その後、信号特徴および後続の液滴吐出のための調整されたシグネチャを選択する前に、トーンバースト属性を調整する(3020)、追加の介在ステップを取ることができる。
【0060】
図31は、動的離脱分析(DBA)に従って、液滴吐出パラメータを設定し、非ニュートン流体の液滴を吐出するための第3の例示的なプロセス3100を示している。上述のように、未知の非ニュートン流体を含有するリザーバを、音響放出装置に挿入することができる(3102)。トーンバーストは、ADEシステムによって流体中に放射され(3104)、これはエコーをリッスンし(3106)、周波数フィルタがエコー信号に適用されて(3108)、液滴が脱離されたかどうかを検出する(3110)。再生は、各トーンバーストの反復の間に少なくとも1回、多くの場合複数回行われる。液滴が脱離されていない場合、システムは、吐出電力を増加させ(3112)、調整された吐出電力で別のトーンバーストを放射することによってプロセスを繰り返す。失敗または成功した液滴離脱は、トーンバーストの各変調の間に光学的に観察することができる。液滴脱離が検出されると、システムは、最後に成功した液滴吐出電力および所望のパラメータの「ロックイン」に基づいて、後続の液滴の吐出パラメータを設定することができる(3114)。
【0061】
図32は、またDBAによる、液滴吐出パラメータを設定し、非ニュートン流体の液滴を吐出するための第4の例示的なプロセス3200を示している。上述のように、未知の非ニュートン流体を含有するリザーバを、音響放出デバイスに挿入することができる(3202)。トーンバーストは、ADEシステムによって流体中に放射され(3204)、これはエコーをリッスンし(3206)、周波数フィルタがエコー信号に適用されて(3208)、液滴が脱離したかどうかを検出する(3210)。再生は、各トーンバーストの反復の間に少なくとも1回、多くの場合複数回行われる。液滴が脱離されていない場合、システムは、例えば、トーンバーストセグメント長のうちの1つ以上を変更することによって、トーンバーストを変調し(3212)、変調されたトーンバーストを使用して、別のトーンバーストを放射することによってプロセスを繰り返す。失敗または成功した液滴離脱は、トーンバーストの各変調の間に光学的に観察することができる。液滴剥離が検出されると、システムは、最後に成功した液滴吐出トーンバースト特性および所望のパラメータの「ロックイン」に基づいて、後続の液滴の吐出パラメータを設定することができる(3214)。
【0062】
プロセス2900、3000、3100、3200のうちのいずれかまたはすべては、互いに、または上記で詳細に説明された技術のうちのいずれかと共同して使用され得る。例えば、システムは、DMAおよびDBA技術の両方を使用して、最適化された液滴吐出特性(例えば、トーンバーストセグメント長さ、トーンバースト吐出電力)を決定および記憶し得るか、またはこれらの技術の任意の好適な組み合わせを使用して、液滴吐出パラメータをさらに最適化し得る。
【0063】
本明細書に記載のシステムおよび方法の実施形態はまた、機械学習アルゴリズム(MLA)を利用して、正しい動的流体パラメータ情報コンテンツを分類、特徴付け、およびその後に決定して、非ニュートン流体の音響液滴吐出(ADE)を可能にするために使用されてもよい。これにより、ADEを使用して非ニュートン流体のサンプルを、高度に再現可能であり、高度に正確で、高度に精密な様式(溶液中の無傷の天然ゲノムDNAまたは粘弾性ポリマーなど)で移送し、qPCR、蛍光ベースのアッセイ、または変動したサンプル入力のためのNGSなどの標準的な実験室技術を使用して定量化する能力が可能になる。上述の動的マウンド解析(DMA)により、音響液滴吐出(ADE)技術を利用して、非ニュートン流体(無傷の天然ゲノムDNA、または溶液中の粘弾性ポリマーなど)のサンプル濃度、断片サイズ、および調製を特徴付けおよび分類する能力が可能になる。また上述の動的離脱分析(DBA)は、ADE技術を利用して、非ニュートン流体(無傷の天然ゲノムDNA(gDNA)、または溶液中の粘弾性ポリマーなど)の液滴離脱のために、トーンバーストの出力量、振幅、周波数、またはその他の属性を特徴付ける能力を可能にする。追加の方法によって、qPCR、蛍光、NGSおよび他のゲノム用途などの下流用途のためのADEを使用した、非ニュートン流体のための動的ボリューム分析(DVA)を使用した、液滴ボリュームの再現可能な、正確な、かつ精密な予測が可能となる。
【0064】
上述の3つの分析モード(DMA、DBA、DVA)の各々は、訓練データセットに基づく機械学習と協働して、複数の音響反射を使用して、非ニュートン流体の1)前および2)後の音響液滴吐出の流体パラメータ情報を取得するよう設定する。
【0065】
非ニュートン流体(粘弾性特性を示す)のクラスについては、インピーダンスベースのシグネチャ(および関連する電力閾値)の使用は、音響液滴吐出のための特徴付けまたは分類の成功を可能にしない。サンプル濃度、断片サイズ、または調製方法などのよく理解されたパラメータがあっても、インピーダンス変化は、検出するには広すぎる。溶質(例えば、gDNA)をニュートン緩衝溶液に添加しても、流体のインピーダンスは著しく変化せず、それゆえ、シグネチャの読取りに大きく影響しないが、この添加は、ADEを可能にするために、有意に異なる電力および代替のトーンバーストパラメータを必要とする非ニュートン流体挙動と呼ばれる粘弾性現象を生じさせる。
【0066】
非ニュートン特性は、流体表面を摂動させる1つ以上のサブ吐出エネルギーバーストを使用して評価され、結果として生じるマウンドから反射された1つ以上の音響信号を収集することができる。例えば、動的マウンド解析(DMA)により、音響液滴吐出(ADE)技術を利用して、非ニュートン流体(無傷の天然ゲノムDNA、または溶液中の粘弾性ポリマーなど)のサンプル濃度、断片サイズ、および調製を特徴付けおよび分類する能力が可能になる。
【0067】
様々な実施形態によれば、トーンバーストによって摂動された後、流体表面からの音響反射を分析するモデルを生成し、ADEイベントを成功または失敗として分類するバイナリスキームを使用することができる。結果は、成功した液滴離脱イベントが発生するまで、トーンバーストを繰り返し調節するように解釈され得る。この方法論は、動的離脱分析(DBA)と呼ばれ、これは、非自明信号処理アルゴリズムが、容器、ウェルプレート、またはリザーバにおいて非ニュートン流体を調査する際にヌル空間分析に対して好ましいため、マウンド画像プリント(MIP)とは異なる。重要な点として、MIP結果は、正しく決定されたDBA結果よりも6~11dB低い電力の液滴離脱イベントの成功を予測する。
【0068】
成功したADEイベントから生じる液滴ボリュームを分析する代替モデルを生成することができる。モデルは、液滴吐出イベントの前、その最中、およびその後に、流体表面からの音響反射について訓練され、処理される。この動的ボリューム解析(DVA)は、任意のトーンバーストを使用して作成された、非ニュートン流体(例えば、異なる濃度、断片サイズ、および調製を有するDNA)の任意の液滴の正確な液滴ボリューム予測を実現する。
【0069】
ヒトゲノムDNA(gDNA)サンプルは、非ニュートン流体の代用として利用される。gDNAサンプルは、濃度、断片サイズ、ならびに調製において異なり得、これらの因子は、パラメータ化が困難である。そのため、機械学習アルゴリズム(MLA)に組み込まれた訓練セットを利用して、高度に再現可能性があり、高度に正確であり、かつ高度に精密であるADEを可能にすることができる。
【0070】
図33図35は、非ニュートン流体を特徴付けし、音響液滴吐出に好適なトーンバーストパラメータを決定し、非ニュートン流体の吐出液滴の液滴ボリュームを特徴付けするための、データ収集および処理のための例示的なプロセスを示している。プロセス3300、3400、3500、および本明細書に記載される任意の他のプロセスは、本明細書に記載されるような任意の好適な音響液滴吐出システムによって実施され得る。
【0071】
動的マウンド分析
図33は、非ニュートン流体を特徴付け、流体の同一性を固定するために、動的マウンド分析を使用するための例示的なプロセス3300を示している。様々な実施形態によれば、未知の特性を有する流体は、流体リザーバ内に含まれている(3302)。この流体の識別または特徴付けは、動的マウンド解析(DMA)を使用して実施される。最初に、一連の音響信号が生成され、流体の表面で集束される(アクト3304)。これらの信号は、表面を摂動させるが、バルクからの流体の任意の液滴を離脱することを回避するのに十分なエネルギーを低く保つ。各摂動の後、一連の問い合わせピングまたは問い合わせトーンバーストが放射され、流体の表面に集束され(アクト3306)、その後、最大待機時間に達する(3310)まで、流体表面から音響反射(またはエコー信号)が収集される(3308)。これらの反射の収集が処理されて(3312)、流体の非ニュートン挙動が決定される。
【0072】
複数の未知の流体の分析は、相対的であり得、非ニュートン流体パラメータの度合いのランキングである結果を提供することができる。この定性的ランキングは、単純であり、信号収集の検査によって達成される。次に、既知の濃度、断片サイズ、および調製方法のサンプルを使用して訓練および検証される畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用して、これらの流体の定量的分類が達成される(3314)。これは、ADEを再現可能性、正確さおよび精密度で実施するために利用される流体分類モデルを生成するための、自明ではない分類に対する一般技術の適用である。データセットは、様々なサブ吐出電力レベルで生成された流体マウンドから収集された反射音響信号からなる。反射された時間ドメイン信号の収集は、フィルタされずに使用して、モデルを訓練することができる。代替的に、モデルを訓練する前に、高速フーリエ変換(FFT)を使用して反射の収集を処理してもよい。
【0073】
15個の固有のサンプルからのFFT信号に基づいて訓練された1つのCNNモデルによると、99%のサンプルが正しく特徴付けされ、ADEによるgDNA移送の成功が可能になる。サンプルは、gDNA濃度、断片サイズ、および調製方法の組み合わせに基づいて一意である。これらの固有の特性を以下の表1に要約する。
【表7】
【0074】
動的離脱分析(DBA)
図34は、音響液滴吐出を達成し、トーンバーストパラメータをロックインする、すなわち、非ニュートン流体(gDNAなどであるが、これに限定されない)に対するADEに対して正しいエネルギーレベルを選択するために動的離脱分析(DBA)を使用する、例示的なプロセス3400を示している。様々な実施形態によると、特徴付けされた非ニュートン流体は、流体リザーバ内に含まれている(3402)。高エネルギー音響信号、またはトーンバーストは、リザーバ内に含有される流体に集束され、かつ標的とされる(3404)。一連の問い合わせトーンバーストを、リザーバ内の流体に適用し(3406)、その後、音響反射またはエコー信号が、最大待機時間に達する(3410)まで収集される(3408)。吐出トーンバーストの成功または失敗は、例えば、液滴の通過のためにリザーバ上の領域を走査するなどの光学的方法、例えば、収集されたエコー信号の分析に基づく音響方法、または他の好適な方法によって確認され得る(3410)。
【0075】
各液滴吐出の試みの結果は、成功、失敗、または一貫性がないものとして分類され得る。流体表面の摂動、および液滴離脱または脱離がないことは、失敗した試みとして定義される。一貫性の分類は、断続的に発生する、または一貫性のない液滴ボリュームを生成する液滴離脱イベントを記述しており、これは再現可能性が高くないか、正確度が高いか、精密度が高いものではない。最後に、成功したイベントは、非ニュートン流体の液滴を、再現可能性が高く、正確度が高く、かつ精密度が高いソースリザーバから移送する、液滴離脱イベントとして定義される。トーンバーストエネルギーの反復増加(3412)およびDBA解析は、成功したADEイベントが発生するまで実施され得る(3414)。この時点で、パラメータ(すなわち、トーンバーストパターンおよびエネルギー)は、後続の吐出を実施するために「ロックイン」され得る(3416)。トーンバーストイベント後の音響反射が失敗したイベントとして登録される場合、エネルギーレベルを増加させ、後続の音響反射を分析することができる。最適な性能のために、吐出エネルギーは、成功したイベントが「ロックイン」されるまで段階的に増加され得る。
【0076】
動的ボリューム解析(DVA)
図35は、音響液滴吐出によって生成される液滴のボリュームを特徴付け、液滴ボリュームを固定するために、動的ボリューム分析を使用するための例示的なプロセスを示している。様々な実施形態によると、非ニュートン流体は、流体リザーバ内に含まれている(3502)。音響液滴吐出は、リザーバ内の流体表面で集束された音響トーンバーストに照準を合わせることによってトリガーされる(3504)。動的流体表面は、その後、最大待機時間に達する(3510)まで、一連の問い合わせピングを使用してその情報が得られる(3506)。次に、音響反射またはエコー信号を分析して、液滴ボリュームを予測し(3512)、測定された液滴ボリュームデータと比較して、形成された液滴のボリュームを特徴付けることができる(3512)。プロセスは、モデルのパラメータを変化させることによって、液滴ボリュームをロックインする(3516)ために反復的に実施され得る。
【0077】
液滴ボリュームを決定する1つの方法は、各音響液滴吐出に対して一連の音響反射を取得することである。未処理の時間ドメイン信号は、Hilbert Transformを介して処理され得、特徴抽出および減衰ノイズを単純化するために、臨界グレースケール値を下回るピクセルの閾値設定およびブランキングによる、必要に応じた、さらなる処理が行われ得る。音響反射画像から抽出され得る主要な特徴としては、例えば、質量の中心(信号振幅の密度および振幅から導出される)、各フィルタリングされた反射の最先端、およびピーク特徴が含まれる。これらの抽出された特徴は、液滴の作成に使用されるトーンバーストの属性と組み合わされ、特徴のセットは、液滴ボリュームを予測するためのモデルを訓練するために使用される。ニューラルネットワークモデルを訓練および検証すると、図9に示すように、高正確度、高精密度、および高再現可能性で液滴ボリュームの特徴付けが生じる。各点には、その特徴的なDVA信号特徴に関連付けられた既知のまたは予想される液滴ボリュームがある。
【0078】
サンプルの完全性および非バイアス移送を評価するためのゲノム確認
gDNAの移送を定量的に評価するための、gDNAのADEに対する非DMAキャリブレーションおよびDMAを使用した対照実験、ハウスキーピング遺伝子ベータアクチン(~アクチン)の発現を確認および検出するために定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を利用した。qPCRアッセイは、以下を使用して実施した。~-アクチンフォワードプライマー:AGC CAT GT A CGT TGC TAT CC;~-アクチンリバースプライマー:CGT AGC ACA GCT TCT CCT TAA T,(IDT)。すべてのプライマーは、1μMの最終濃度であった。qPCR反応アッセイは、PowerUp(商標) SYBR(登録商標)Master MixおよびTHERMOFISHER 384-Well Clear Optical Plateを使用したTHERMOFISHER QuantStudio 6 Flex Real-Time PCRシステムで行った。
【0079】
qPCRプログラムを以下のように使用した:ステップ1、50℃で2分間、95℃で2分間、ステップ2、95℃で15秒間、60℃で1分間、収集(40サイクル)、ステップ3、95℃で15秒間、60℃で1分間、および95℃で15秒間。ヒト天然gDNAを、BIOLINE(45Kb)、NOVAGEN(68Kb)、およびPROMEGA(55Kb)から取得した。各ベンダーが、異なる調製方法を表し、すべてのサンプルを受け取ったままの状態で使用するか、またはTris-EDTA(TE)緩衝液pH8.0で最終所望の濃度まで希釈して使用した。1、2、4、8、16、および32の液滴のgDNA溶液を音響的に移送することによって、6点の2倍の標準曲線を作成した。gDNAの各濃度について、8回(n=8)の技術的複製を実施した。
【0080】
比較のために、非DMAキャリブレーションを使用したgDNA溶液の移送に関するqPCR結果の対照セットを取得した。非DMAキャリブレーションのCVは、高い分散を示し、多くの点は、5%CV超を有する。追加的に、150ng/μLおよび200ng/μLでのBIOLINE、80および105ng/μLのNOVAGEN、ならびに100、150および200ng/μLのPROMEGAについては、R’2値は、<0.51である。これは再現可能性がなく、正確ではなく、精密ではない。追加的に、非DMAキャリブレーションにより、多くの移送失敗または標的ウェルにおける増幅の不存在が生じた。
【0081】
対照的に、DMAキャリブレーションを使用して得られた移送は、gDNA溶液を堅牢かつ再現可能に移送した。各調製方法について、CVは、概して<4%であり、R/\2値は、BIOLINEおよびNOVAGENについて>0.9である。100、150、および200ng/uLのPROMEGAの場合、R/\2値は、非DMAキャリブレーションを使用した<0.51と比較して、>0.8とはるかに高い。
【0082】
蛍光およびqPCRアッセイを使用した、DV Aのボリューム検証
DVAモデルをまた、ボリュームの正確さおよび精密度の確認のために、蛍光ベースのアッセイを使用して収集された液滴ボリュームデータを使用して訓練した。様々な濃度のgDNAを有する溶液を、0.0375mMのフルオレセインナトリウムで調製した。溶液を、非ニュートンADEを使用してアッセイプレートに移送した。アッセイプレート(1536LDV、LABCYTE)を、クエンチ溶液として10mM NaOHの溶液で予め充填した。0.0375mMの溶液のバルク希釈を使用して、アッセイプレートに5μLをピペッティングして、6点の2倍標準曲線を作製した。これらのプレートを遠心分離(3,000rpm)し、室温で5分間インキュベートし、蛍光読み取り機(BMG PHERASTAR)上で読み取った。
【0083】
DVAによって予測され、蛍光ベースのアッセイを使用して予測された液滴ボリューム間に相関が生成された。完全な相関は、R/\2=1.0を有する。これらの事例では、様々なトーンバースト周波数を使用して、回帰勾配は、R^2値が0.98を超えて高い相関性を示した。DVA性能がまたqPCRアッセイを使用して首尾よく検証され、R/\2値は、0.95を超えていた。
【0084】
実験データは、未処置であり、未断片化であり、無傷の天然のgDNAを市販の供給源から使用して取得され、非ニュートンのキャリブレーションを、NGS用の機械学習アルゴリズムを用いて利用した。上述の音響パラメータを使用してgDNAの移送を定量的に評価するために、次に、サンプルの完全性を維持するDNA配列に対して、優先的な移送(例えば、サイズまたは一本鎖DNA対二本鎖DNAなど)または損傷(例えば、非意図的なgDNAせん断)が発生していないことを確認するために、次世代ライブラリー調製(NGP)および次世代配列決定(NGS)を利用した。
【0085】
NGPにはNEXTERA(商標)DNA Flex Kit(Illumina)を使用し、MiSeq Instrument(Illumina)を使用して、NGSを実施した。IlluminaのBaseSpace FastQCおよびBW A Aligner Sequencing Toolsを使用して、データ解析を実施した。BIOLINEおよびMILLIPORE SIGMA(旧NOVAGEN)から商業的に取得された、高度に濃縮された(>l00ng/μL)、大きな断片(>20Kb)gDNAを、音響的にまたはピペットで、ライブラリー調製のために384-目的地プレートに移送した(対照)。合計で140ngの各gDNAサンプルを、三重の技術的複製で移送した。すべてのライブラリー調製プロトコルを3倍に微細化して、終点PCR機器として使用されるように適合されたTHERMOFISHER QuantStudio(商標)6 Flex Real-Time PCRシステム上で実施された、タグ付け、タグ付け後クリーンアップおよび増幅などのすべてのプロセスを有する384ウェルプレートへの音響移送を可能にした。gDNAサンプル情報は、以下の表8に示されている。
【表8】
【0086】
MI SEQ(登録商標)試薬キットv3(150サイクル)上でライブラリーを配列決定した。均等な強度が各ヌクレオチドの分析全体にわたって検出され、4つの塩基すべての検出が均一であることを示している。加えて、得られたQScoreのヒートマップは、ベース呼び出し正確度が91.5%を超えることを示し、不正確なベース呼び出しの確率が1,000分の1であったことを示した。音響移送およびピペット移送のための塩基当たりの配列データ品質は一致し、高品質であり、音響移送およびピペット移送のための塩基当たりの配列含有量が、配列実行の4つの異なる塩基間で差異がないことを示している。
【0087】
以下の表9A~表9Dは、複数の技術的複製にわたる両方のgDNAサンプルの配列決定パラメータを示している。適切に対になった読み取り値は、すべてのサンプルに対して>98%であり、読み取り値のメイトの両方が適切な配向にあり、ゲノムとの整列で特定の挿入サイズを有することを示している。すべてのサンプルについて、>99%の挿入配列が参照ゲノムと整列され、これは、音響的に移送された、またはピペットの移送から生成されたライブラリーが同等であり、バイアスADEまたはgDNAへの損傷が発生していないことを示している。
【表9A】

【表9B-1】

【表9B-2】

【表9C】

【表9D】
【0088】
上で考察される様々な計算方法は、ハードウェア、ソフトウェア、および/もしくはファームウェアを有するコンピュータまたは他のプロセッサと併せて、またはそれらを使用して実施され得る。様々な方法ステップは、モジュールによって実施されてもよく、モジュールは、本明細書に記載される方法ステップを実施するように配置された多種多様なデジタルならびに/またはアナログデータ処理ハードウェアおよび/もしくはソフトウェアのいずれかを含み得る。モジュールは、必要に応じて、関連付けられた適切な機械プログラミングコードを有することによって、これらのステップのうちの1つ以上を実施するように適合されたデータ処理ハードウェアを備え、2つ以上のステップ(または2つ以上のステップの一部)のためのモジュールは、単一のプロセッサボードに統合されるか、または多種多様な統合および/もしくは分散処理アーキテクチャのいずれかにおいて異なるプロセッサボードに分離される。これらの方法およびシステムは、多くの場合、上に記載される方法ステップを実施するための命令を有する機械可読コードを具現化する有形媒体を採用する。好適な有形媒体としては、メモリ(揮発性メモリおよび/もしくは不揮発性メモリを含む)、記憶媒体(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、テープなどへの磁気記録、CD、CD-R/W、CD-ROM、DVDなどの光学メモリ、または任意の他のデジタルもしくはアナログ記憶媒体など)などを挙げることができる。
【0089】
本明細書に示される特色は、例としてであり、本開示の好ましい実施形態の例示的な考察の目的のためだけであり、本発明の様々な実施形態の原理および概念的態様の最も有用かつ容易に理解されると考えられる説明を提供する場合に提示されている。この点に関して、本発明の基本的な理解に必要とされるよりも詳細に、本発明の構造の詳細を示すための試みは行われておらず、説明は、本発明のいくつかの形態が実際にどのように具現化され得るかを当業者に明らかにする図面および/または実施例を用いて行われる。
【0090】
以下の定義および説明は、以下の実施例において明確かつ明白に修正されない限り、または意味の適用により、任意の構成が無意味もしくは本質的に無意味となる場合を除き、任意の将来の構成で制御されることを意味および意図する。用語の構成がそれを無意味または本質的に無意味にする場合、その定義は、Webster’s Dictionary,3rd Edition、またはOxford Dictionary of Biochemistry and Molecular Biology(Ed.Anthony Smith,Oxford University Press,Oxford,2004)などの当業者に既知の辞書により行われる必要がある。
【0091】
別様に文脈が明確に要求しない限り、説明および特許請求の範囲全体を通して、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などの語句は、排他的または網羅的な意味とは反対の包括的な意味、つまり、「含むが、それに限定されない」という意味で解釈されるべきである。単数形または複数形の数を使用する語句はまた、それぞれ複数形および単数形の数を含む。さらに、本出願において使用される場合、「本明細書(herein)」、「上記」、および「以下」という語句、ならびに同様の趣旨の語句は、本出願の任意の特定部分ではなく、本出願全体を指すものとする。
【0092】
本開示の実施形態の説明は、網羅的であること、または開示される正確な形態に本開示を限定することを意図するものではない。本開示の特定の実施形態および実施例が例示目的で本明細書に記載されているが、様々な同等の修正例が、関連技術の当業者が認識するように、本開示の範囲内において可能である。
【0093】
特許申請書(特許、特許出願、および特許刊行物を含む)、科学雑誌、書籍、論文、技術文献、ならびに本出願で考察される他の刊行物および資料を含むすべての参考文献は、すべての目的に対してそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
本開示のなおもさらなる実施形態を提供するために、必要に応じて、本開示の態様を修正して、上記の参考文献および出願のシステム、機能、および概念を採用することができる。これらおよび他の変更を、詳細な説明を考慮して、本開示に行うことができる。
【0095】
任意の前述の実施形態の特定の要素は、他の実施形態の要素と組み合わされても、置換されてもよい。さらに、本開示のある特定の実施形態に関連付けられた利点を、これらの実施形態の文脈において説明してきたが、他の実施形態がかかる利点を示す場合もあり、すべての実施形態が必ずしも本開示の範囲内に入るように、かかる利点を示す必要はない。
【0096】
上記は本発明の例示的な実施形態の完全かつ徹底的な開示を提供するが、様々な修正例、代替構成、および同等物を必要に応じて採用することができる。その結果、実施形態を例として、および理解を明確にするために、一部詳細に説明してきたが、様々な修正例、変更例、および適合例が当業者には明らかであろう。したがって、上記の説明および図解は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではなく、添付の特許請求の範囲によって定義され得る。
【0097】
他の変形例が本開示の趣旨の範囲内である。したがって、開示される技術は、様々な修正例および代替的な構成の影響を受けやすいが、開示される技術のある特定の図解される実施形態は、図面に示されており、詳細に上で説明されている。しかしながら、本開示を開示される特定の形態(複数可)に限定する意図はないが、反対に、意図は、添付の特許請求の範囲に定義されるように、本開示の趣旨および範囲内に入るすべての修正例、代替的な構成、および同等物を網羅することであることを理解されたい。
【0098】
開示される実施形態を説明する文脈(とりわけ、以下の特許請求の範囲の文脈)における用語「a」および「an」および「the」、ならびに同様の参照対象の使用は、別様に本明細書に示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含有する(containing)」という用語は、別様に記述されない限り、制限のない用語(open-ended term)(すなわち、「含むが、これに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。「接続された」という用語は、介在する何かが存在する場合でも、部分的または全体的に中に含まれるか、取り付けられるか、または一緒に接合されるものとして解釈されるべきである。本明細書の値の範囲の列挙は、別様に本明細書に示されない限り、単に、範囲内に入る各別個の値を個別に参照する略式方法として役立つことを意図するものであり、各別個の値は、本明細書に個別に列挙されたものとして本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるすべての方法は、別様に本明細書に示されない限り、または別様に文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施され得る。本明細書に提供される任意のおよびすべての実施例、または例示的な言い回し(例えば、「などの」)の使用は、単に本開示の実施形態をよりよく明らかにすることを意図するものであり、別様に請求されない限り、本開示の範囲に限定を課さない。本明細書のいかなる言い回しも、本開示の実施に不可欠なものとして任意の特許請求されない要素を示すように解釈されるべきではない。
【0099】
「X、Y、またはZのうちの少なくとも1つ」という表現などの離接的な言い回しは、別様に具体的に明記されない限り、項目、用語などが、X、Y、もしくはZのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、X、Y、および/またはZ)であり得ることを提示するように概して使用される文脈内で理解されることを意図する。したがって、かかる離接的な言い回しは、ある特定の実施形態が、各々が存在するために、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、またはZの少なくとも1つを必要とすることを概して意図するものではなく、それを暗示するべきではない。
【0100】
本発明者らが本開示を行うための最良のモードを含む、本開示の好ましい実施形態が本明細書に記載されている。これらの好ましい実施形態の変形例は、前述の説明を読むことで当業者には明らかになり得る。発明者らは、当業者がかかる変形例を適切に採用することを期待し、かつ発明者らは、本明細書に具体的に記載される以外の方法で本開示を実践することを意図している。したがって、本開示は、適用法によって許可された場合に、本明細書に添付される特許請求の範囲に列挙される主題のすべての修正例および同等物を含む。さらに、それらのすべての可能な変形例における、上に記載される要素の任意の組み合わせは、別様に本明細書に示されない限り、または別様に文脈によって明らかに矛盾しない限り、本開示によって包含される。
【0101】
本明細書に引用される刊行物、特許出願、および特許を含むすべての参照文献は、各参照文献が参照により組み込まれることが個別かつ具体的に示され、その全体が本明細書に記載される場合と同じ程度まで参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
以下において、本発明の理解を容易にするために、さらなる例を説明する。
【0103】
例1.音響液滴イジェクタによって、非ニュートン流体を含有するリザーバから液滴を吐出する方法であって、方法は、
非ニュートン流体の流体表面に第1のトーンバーストセグメントを含む第1のパターンで、集束音響エネルギーを適用して、フィラメントを先導突出部または流体表面から分離することなく、流体表面から先導突出部およびフィラメントを生成することと、
第2のトーンバーストセグメントおよび第3のトーンバーストセグメントを含む第2のパターンで、集束音響エネルギーを先導突出部に適用して、フィラメントから先導突出部を分離することによって、液滴を吐出して、液滴を形成することと、を含む、方法。
【0104】
例2.
第1のトーンバーストセグメントは、流体表面からの先導突出部およびフィラメントを増加させるのに十分な振幅および持続時間を有し、
第2のパターンは、フィラメントから液滴を分離するように構成された第2のトーンバーストセグメントおよび第3のトーンバーストセグメントを含む、少なくとも2つの別のトーンバーストセグメントを含む、例1に記載の方法。
【0105】
例3.第1のトーンバーストセグメントは、第2および第3のトーンバーストセグメントの各々1つよりも長い持続時間を有し、第3のセグメントは、第2のセグメントよりも長い持続時間を有している、例2に記載の方法。
【0106】
例4.フィラメントは、少なくとも1つの流体のビーズを含み、集束音響エネルギーの第2のパターンは、少なくとも1つの流体のビーズが1つ以上の追加の液滴に分解することを防止する、例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0107】
例5.液滴は、流体フィラメントの長さの70%未満、30%未満、または10%未満である直径を有している、例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0108】
例6.液滴は、流体フィラメントの残りの部分の総ボリュームの80%未満、好ましくは10%未満、好ましくは5%未満である液滴ボリュームを有している、例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
例7.集束音響エネルギーの振幅は、ニュートン流体から代替液滴を吐出することに関連付けられた代替振幅を超えている、例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0110】
例8.トーンバーストの振幅は、第1のトーンバーストセグメントと第2のトーンバーストセグメントとの間、または第2のトーンバーストセグメントと第3のトーンバーストセグメントとの間で変化する、例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
例9.
集束音響エネルギーによってリザーバから生成された非ニュートン流体のフィラメントは、非ニュートン流体の0個、1個、2個、または>2個のビーズを含む鎖を含み、
集束音響エネルギーの第2のパターンは、鎖からの液滴離脱を誘導する、例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
例10.フィラメントは、非ニュートン流体の5個、10個、または<10個のビーズを含む、例9に記載の方法。
【0113】
例11.非ニュートン流体のビーズは、フィラメントの直径の10%、20%、50%、または<50%だけフィラメントの直径を超える、厚さを有している、例9に記載の方法。
【0114】
例12.非ニュートン流体のビーズは、結果として生じる液滴直径の50%、75%、または90%以下の厚さを有している、例9に記載の方法。
【0115】
例13.集束音響エネルギーの第2のパターンは、サテライト液滴を生成することなく、液滴吐出をもたらすように構成されている、例9に記載の方法。
【0116】
例14.鎖上のビーズは、液滴離脱の前または後に、リザーバ内の流体と互いに合体する、例9に記載の方法。
【0117】
例15.フィラメントを光学的または電子的に監視して、液滴離脱が成功であるか、または失敗であるかどうかを評価することをさらに含む、例9に記載の方法。
【0118】
例16.リザーバ内に形成された流体マウンドからの光信号または電気信号に基づいて、液滴離脱を予測することをさらに含む、例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0119】
例17.非ニュートン流体は、遺伝物質を含有する溶液を含む、例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0120】
例18.
一連のキャリブレーショントーンバーストを、流体表面からの流体の量を出すように構成された流体表面に適用することと、
流体表面から出された流体の量におけるフィラメントの形成を検出するか、または流体表面からのキャリブレーション液滴の吐出を検出することと、
フィラメントの検出またはキャリブレーション液滴の吐出に基づいて、集束音響エネルギーの第1のパターン、または集束音響エネルギーの第2のパターンの1つ以上のトーンバーストの電力、波長、または持続時間のうちの1つを設定することと、をさらに含む、例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0121】
例19.集束音響エネルギーの第2のパターンは、サテライト液滴を生成することなく、液滴吐出をもたらすように構成されている、例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0122】
例20.集束音響エネルギーの第2のパターンは、サテライト液滴の形成を抑制するように構成されている、例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0123】
例21.リザーバ内の非ニュートン流体から液滴を吐出するように構成された液滴吐出システムであって、システムは、
音響イジェクタであって、
非ニュートン流体の流体表面に第1のパターンで、集束音響エネルギーを適用して、フィラメントを先導突出部または流体表面から分離することなく、流体表面から先導突出部およびフィラメントを生成すること、および
フィラメントが流体表面に引き込まれるように、サテライト液滴を吐出することなく、先導突出部に第2のパターンで集束音響エネルギーを適用して、先導突出部をフィラメントから分離させること、を行うように構成されている、音響イジェクタと、
プロセッサによって実行されたときに、音響イジェクタに、非ニュートン流体の流体表面に第1のパターンで集束音響エネルギーを適用させ、かつ前駆葉に第2のパターンで集束音響エネルギーを適用させる、実行可能な命令を記憶するプロセッサおよびメモリデバイスと、を含む、液滴吐出システム。
【0124】
例22.非ニュートン流体からの液滴吐出のためのトーンバーストパターンのパラメータを設定する方法であって、方法は、
一連のキャリブレーショントーンバーストを、流体表面から流体の量を出すように構成された流体表面に適用することと、
一連のキャリブレーショントーンバーストに対応する一連のエコー信号を収集することと、
収集された一連のエコー信号に基づいて、非ニュートン流体を含有するリザーバから液滴を吐出するように構成されている、集束音響エネルギーのトーンバーストパターンの1つ以上のトーンバーストセグメントの電力、波長、または持続時間のうちの1つを設定することであって、トーンバーストパターンは、少なくとも、
第1の別のトーンバーストセグメント、
第2の別のトーンバーストセグメント、および
第3の別のトーンバーストセグメントを含み、第1のトーンバーストセグメントは、第2および第3のセグメントよりも長い持続時間を有し、第3のセグメントは、第2のセグメントよりも長い持続時間を有している、設定することと、を含む、方法。
【0125】
例23.
収集された一連のエコー信号に基づいて、液滴吐出に対応する最小トーンバースト電力を決定することと、
最小トーンバースト電力に少なくとも部分的に基づいて、電力、波長、または持続時間のうちの1つを設定することと、をさらに含む、例22に記載の方法。
【0126】
例24.
トーンバーストパターンに従って、集束音響エネルギーをリザーバに適用することによって、リザーバから液滴を吐出することをさらに含む、例22に記載の方法。
【0127】
例25.
光学センサを介して液滴の吐出を検知することをさらに含む、例24に記載の方法。
【0128】
例26.
液滴吐出が検出されるまで、1つ以上のトーンバーストセグメントの電力、波長、または持続時間のうちの1つを繰り返し変化させることと、
検出された液滴吐出に対応する1つ以上の値に、電力、波長、または持続時間を設定することと、をさらに含む、例24または例25に記載の方法。
【0129】
例27.
既知の特性を有するそれぞれの複数の非ニュートン流体に対応する複数の反射音響信号を含む比較データセットに基づいて訓練された畳み込みニューラルネットワークによって、一連のエコー信号を処理することによって、吐出された液滴に関連付けられた液滴ボリュームを予測することをさらに含む、例24または例25に記載の方法。
【0130】
例28.
吐出された液滴に関連付けられた実際の液滴ボリュームを決定することと、
実際の液滴ボリュームを、予測された液滴ボリュームと比較することと、
比較に基づいて、畳み込みニューラルネットワークを修正することと、をさらに含む、例27に記載の方法。
【0131】
例29.
吐出された液滴に関連付けられた液滴ボリュームを決定することと、
液滴ボリュームを、予測された液滴ボリュームと比較することと、
比較に基づいて、電力、波長、または持続時間を調整することと、をさらに含む、例24または例25に記載の方法。
【0132】
例30.
収集された一連のエコー信号に基づいて、非ニュートン流体の特性を決定することをさらに含む、例22~25のいずれか1つに記載の方法。
【0133】
例31.
一連のエコー信号と、非ニュートン流体の既知の収集と相関した以前に受信したエコーの収集を含む記憶されたエコーデータと、を比較することと、
比較に少なくとも部分的に基づいて、電力、波長、または持続時間のうちの1つを設定することと、をさらに含む、例22~25のいずれか1つに記載の方法。
【0134】
例32.
既知の特性を有するそれぞれの複数の非ニュートン流体に対応する複数の反射音響信号を含む比較データセットに基づいて訓練された畳み込みニューラルネットワークによって、1つ以上のエコー信号を処理することによって、非ニュートン流体の特性を決定することをさらに含む、例22~25のいずれか1つに記載の方法。
【0135】
例33.流体リザーバから非ニュートン流体を含有する液滴を吐出する方法であって、方法は、
集束音響エネルギーのトーンバーストパターンを、非ニュートン流体を含む流体リザーバに適用することであって、トーンバーストパターンの流体リザーバへの適用は、流体リザーバから非ニュートン流体の液滴を吐出し、トーンバーストパターンは、
第1の別のトーンバーストセグメント、
第1の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第2の別のトーンバーストセグメント、および
第2の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第3の別のトーンバーストセグメントを含む、適用することを含む、方法。
【0136】
例34.第1のトーンバーストセグメントは、第2および第3のセグメントよりも長い持続時間を有し、第3のセグメントは、第2のセグメントよりも長い持続時間を有している、例33に記載の方法。
【0137】
例35.
第1の別のトーンバーストによって、非ニュートン流体の流体表面からの先導突出部およびフィラメントを増加させること、および
第2および第3の別のトーンバーストによって、フィラメントから先導突出部を分離することによって液滴吐出をもたらすこと、例33または例34に記載の方法。
【0138】
例36.フィラメントは、少なくとも1つの流体のビーズを含み、トーンバーストパターンは、少なくとも1つの流体のビーズが1つ以上の追加の液滴に分解することを防止する、例35に記載の方法。
【0139】
例37.
集束音響エネルギーによってリザーバから生成された非ニュートン流体のフィラメントは、非ニュートン流体の1つ以上のビーズを含む鎖を含む、例35に記載の方法。
【0140】
例38.トーンバーストパターンは、鎖からの液滴離脱を誘導する、例37に記載の方法。
【0141】
例39.フィラメントは、非ニュートン流体の1個、2個、または>2個のビーズを含む、例37に記載の方法。
【0142】
例40.フィラメントは、非ニュートン流体の5個、10個、または>10個のビーズを含む、例37に記載の方法。
【0143】
例41.非ニュートン流体のビーズは、フィラメントの直径の10%、20%、50%、または<50%だけフィラメントの直径を超える、厚さを有している、例37に記載の方法。
【0144】
例42.非ニュートン流体のビーズは、結果として生じる液滴直径の50%、75%、または90%以下の厚さを有している、例37に記載の方法。
【0145】
例43.鎖上のビーズは、液滴離脱の前または後に、リザーバ内の流体と互いに合体する、例37に記載の方法。
【0146】
例44.吐出された液滴の液滴ボリュームは、液滴吐出中のフィラメントの残りのボリュームの80%未満、10%未満、または5%未満である、例37に記載の方法。
【0147】
例45.フィラメントが、少なくとも5個の液滴直径、少なくとも10個の液滴直径、少なくとも20個の液滴直径、少なくとも50個の液滴直径、または少なくとも100個の液滴直径の長さを有するときに、液滴の吐出が発生する、例37に記載の方法。
【0148】
例46.フィラメントを光学的または電子的に監視して、液滴離脱が成功であるか、または失敗であるかどうかを評価することをさらに含む、例37に記載の方法。
【0149】
例47.液滴は、フィラメントの長さの70%未満、30%未満、または10%未満である直径を有している、例33または例34に記載の方法。
【0150】
例48.液滴は、流体フィラメントの残りの部分の総ボリュームの50%未満、好ましくは10%未満、好ましくは5%未満である液滴ボリュームを有している、例33または例34に記載の方法。
【0151】
例49.トーンバーストの振幅は、ニュートン流体から代替液滴を吐出することに関連付けられる代替振幅を超えている、例33または例34に記載の方法。
【0152】
例50.トーンバーストの振幅は、第1のトーンバーストセグメントと第2のトーンバーストセグメントとの間、または第2のトーンバーストセグメントと第3のトーンバーストセグメントとの間で変化する、例33または34に記載の方法。
【0153】
例51.リザーバ内に形成された流体マウンドからの光信号または電気信号に基づいて、液滴離脱を予測することをさらに含む、例33または例34に記載の方法。
【0154】
例52.非ニュートン流体は、遺伝物質を含有する溶液を含む、例33または例34に記載の方法。
【0155】
例53.
一連のキャリブレーショントーンバーストを、流体表面から流体の量を出すように構成された流体表面に適用することと、
流体表面から出された流体の量におけるフィラメントの形成を検出することと、
フィラメントの検出に基づいて、トーンバーストパターンの1つ以上のトーンバーストセグメントの電力、波長、または持続時間のうちの1つを設定することと、をさらに含む、例33または例34に記載の方法。
【0156】
例54.リザーバ内の非ニュートン流体から液滴を吐出するように構成された液滴吐出システムであって、システムは、
集束音響エネルギーがリザーバから非ニュートン流体の液滴を吐出するように、集束音響エネルギーのトーンバーストパターンを、リザーバに適用するように構成されている、音響イジェクタと、
プロセッサによって実行されたときに、音響イジェクタに、パターンで集束音響エネルギーを適用させる、実行可能な命令を記憶するプロセッサおよびメモリデバイスと、を含み、パターンは、
第1の別のトーンバーストセグメント、
第1の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第2の別のトーンバーストセグメント、および
第2の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第3の別のトーンバーストセグメントを含む、液滴吐出システム。
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図4-4】
図5
図6
図7
図8-1】
図8-2】
図9
図10-1】
図10-2】
図11
図12
図13
図14
図15
図16-1】
図16-2】
図16-3】
図16-4】
図16-5】
図16-6】
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
【手続補正書】
【提出日】2021-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響液滴イジェクタによって、非ニュートン流体を含有するリザーバから液滴を吐出する方法であって、前記方法が、
前記非ニュートン流体の流体表面に、第1のトーンバーストセグメントを含む第1のパターンで、集束音響エネルギーを適用して、フィラメントを先導突出部または前記流体表面から分離することなく、前記流体表面から前記先導突出部および前記フィラメントを生成することと、
第2のトーンバーストセグメントおよび第3のトーンバーストセグメントを含む第2のパターンで、集束音響エネルギーを前記先導突出部に適用して、前記フィラメントから前記先導突出部を分離することによって、液滴を吐出して、前記液滴を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のトーンバーストセグメントが、前記流体表面から前記先導突出部およびフィラメントを出すのに十分な振幅および持続時間を有し、
前記第2のパターンが、前記フィラメントから前記液滴を分離するように構成された第2のトーンバーストセグメントおよび第3のトーンバーストセグメントを含む、少なくとも2つの別のトーンバーストセグメントを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のトーンバーストセグメントが、前記第2および第3のトーンバーストセグメントの各々1つよりも長い持続時間を有し、第3のトーンバーストセグメントが、前記第2のトーンバーストセグメントよりも長い持続時間を有している、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フィラメントが、少なくとも1つの流体のビーズを含み、前記集束音響エネルギーの第2のパターンが、前記少なくとも1つの流体のビーズが1つ以上の追加の液滴に分解することを防止する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記液滴が、前記フィラメントの長さの70%未満、30%未満、または10%未満である直径を有し、または前記液滴が、前記フィラメントの残りの部分の総ボリュームの80%未満、10%未満、または5%未満である液滴ボリュームを有している、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記集束音響エネルギーの前記第2のパターンが、サテライト液滴を生成することなく、液滴吐出をもたらすように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記集束音響エネルギーの振幅が、ニュートン流体から代替液滴を吐出することに関連付けられた代替振幅を超えている、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記集束音響エネルギーの振幅が、前記第1のトーンバーストセグメントと第2のトーンバーストセグメントとの間、または第2のトーンバーストセグメントと第3のトーンバーストセグメントとの間で変化する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記集束音響エネルギーによって前記リザーバから生成された前記非ニュートン流体の前記フィラメントが、前記非ニュートン流体の0個、1個、2個、または>2個のビーズを含む鎖を含み、
前記集束音響エネルギーの前記第2のパターンが、前記鎖からの液滴離脱を誘導する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記鎖上の前記ビーズが、液滴離脱の前または後に、前記リザーバ内で、互いに、または前記非ニュートン流体と合体する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記フィラメントを光学的または電子的に監視して、前記液滴離脱が成功であるか、または失敗であるかどうかを評価することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記リザーバ内に形成された流体マウンドからの光信号または電気信号に基づいて、液滴離脱を予測することをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記流体表面から流体の量を出すように構成された一連のキャリブレーショントーンバーストを、前記流体表面に適用することと、
前記流体表面から出された前記流体の量におけるフィラメントの形成を検出するか、または前記流体表面からのキャリブレーション液滴の吐出を検出することと、
前記フィラメントの前記検出または前記キャリブレーション液滴の前記吐出に基づいて、前記集束音響エネルギーの前記第1のパターン、または前記集束音響エネルギーの前記第2のパターンの1つ以上のトーンバーストの電力、波長、または持続時間のうちの1つを設定することと、をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
リザーバ内の非ニュートン流体から液滴を吐出するように構成された液滴吐出システムであって、前記システムが、
音響イジェクタであって、
前記非ニュートン流体の流体表面に第1のパターンで、集束音響エネルギーを適用して、フィラメントを先導突出部または前記流体表面から分離することなく、前記流体表面から前記先導突出部および前記フィラメントを生成すること、および
前記フィラメントが前記流体表面に引き込まれるように、サテライト液滴を吐出することなく、前記先導突出部に第2のパターンで集束音響エネルギーを適用して、前記先導突出部を前記フィラメントから分離させること、を行うように構成されている、音響イジェクタと、
プロセッサによって実行されたときに、前記音響イジェクタに、前記非ニュートン流体の流体表面に前記第1のパターンで前記集束音響エネルギーを適用させ、かつ前記前駆葉に前記第2のパターンで集束音響エネルギーを適用させる、実行可能な命令を記憶する前記プロセッサおよびメモリデバイスと、を含む、液滴吐出システム。
【請求項15】
非ニュートン流体からの液滴吐出のためのトーンバーストパターンのパラメータを設定する方法であって、前記方法が、
前記流体表面から流体の量を出すように構成された一連のキャリブレーショントーンバーストを、前記流体表面に適用することと、
前記一連のキャリブレーショントーンバーストに対応する一連のエコー信号を収集することと、
前記収集された一連のエコー信号に基づいて、前記非ニュートン流体を含有するリザーバから液滴を吐出するように構成されている、集束音響エネルギーのトーンバーストパターンの1つ以上のトーンバーストセグメントの電力、波長、または持続時間のうちの1つを設定することであって、前記トーンバーストパターンが、少なくとも、
第1の別のトーンバーストセグメント、
第2の別のトーンバーストセグメント、および
第3の別のトーンバーストセグメントを含み、前記第1のトーンバーストセグメントが、前記第2および第3のトーンバーストセグメントよりも長い持続時間を有し、第3のトーンバーストセグメントが、前記第2のトーンバーストセグメントよりも長い持続時間を有している、設定することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記収集された一連のエコー信号に基づいて、液滴吐出に対応する最小トーンバースト電力を決定することと、
前記最小トーンバースト電力に少なくとも部分的に基づいて、前記電力、波長、または持続時間のうちの前記1つを設定することと、をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記トーンバーストパターンに従って、集束音響エネルギーを前記リザーバに適用することによって、前記リザーバから液滴を吐出することおよび
光学センサを介して、前記液滴の吐出を検知することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
液滴吐出が検出されるまで、前記第1、第2、または第3のトーンバーストセグメントのうちの1つ以上の前記電力、波長、または持続時間のうちの1つを繰り返し変化させることと、
液滴吐出の前記検出に基づいて、前記電力、波長、または持続時間を設定することと、をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
既知の特性を有するそれぞれの複数の非ニュートン流体に対応する複数の反射音響信号を含む比較データセットに基づいて訓練された畳み込みニューラルネットワークによって、前記一連のエコー信号を処理することによって、前記吐出された液滴に関連付けられた液滴ボリュームを予測することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記吐出された液滴に関連付けられた実際の液滴ボリュームを決定することと、
前記実際の液滴ボリュームを、前記予測された液滴ボリュームと比較することと、
前記比較に基づいて、前記畳み込みニューラルネットワークを修正することと、をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記吐出された液滴に関連付けられた液滴ボリュームを決定することと、
前記液滴ボリュームを、予測された液滴ボリュームと比較することと、
前記比較に基づいて、前記電力、波長、または持続時間を調整することと、をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記一連のエコー信号と、非ニュートン流体の既知の収集と相関した以前に受信したエコーの収集を含む記憶されたエコーデータと、を比較することと、
前記比較に少なくとも部分的に基づいて、前記電力、波長、または持続時間のうちの前記1つを設定することと、をさらに含む、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
既知の特性を有するそれぞれの複数の非ニュートン流体に対応する複数の反射音響信号を含む比較データセットに基づいて訓練された畳み込みニューラルネットワークによって、前記1つ以上のエコー信号を処理することによって、前記非ニュートン流体の特性を決定することをさらに含む、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
流体リザーバから非ニュートン流体を含有する液滴を吐出する方法であって、前記方法が、
集束音響エネルギーのトーンバーストパターンを、非ニュートン流体を含有する流体リザーバに適用することであって、前記トーンバーストパターンの前記流体リザーバへの前記適用が、前記流体リザーバから前記非ニュートン流体の液滴を吐出し、前記トーンバーストパターンが、
第1の別のトーンバーストセグメント、
前記第1の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第2の別のトーンバーストセグメント、および
前記第2の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第3の別のトーンバーストセグメントを含む、適用することを含む、方法。
【請求項25】
前記第1のトーンバーストセグメントが、前記第2および第3のセグメントよりも長い持続時間を有し、前記第3のセグメントが、前記第2のセグメントよりも長い持続時間を有している、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の別のトーンバーストによって、前記非ニュートン流体の流体表面から先導突出部およびフィラメントを出すことと、
前記第2および第3の別のトーンバーストによって、前記フィラメントから前記先導突出部を分離することによって液滴吐出をもたらすことと、をさらに含む、請求項24または請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記フィラメントが、少なくとも1つの流体のビーズを含み、前記トーンバーストパターンが、前記少なくとも1つの流体のビーズが1つ以上の追加の液滴に分解することを防止する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記吐出された液滴の液滴ボリュームが、液滴吐出中の前記フィラメントの残りのボリュームの80%未満、10%未満、または5%未満である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記フィラメントが、少なくとも5個の液滴直径、少なくとも10個の液滴直径、少なくとも20個の液滴直径、少なくとも50個の液滴直径、または少なくとも100個の液滴直径の長さを有するときに、前記液滴の吐出が発生する、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記液滴が、前記フィラメントの長さの70%未満、30%未満、または10%未満の直径を有している、請求項24または請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記液滴が、液滴吐出中に、前記フィラメントの残りのボリュームの80%未満、好ましくは10%未満、好ましくは5%未満の液滴ボリュームを有している、請求項24または請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記フィラメントを光学的または電子的に監視して、前記液滴離脱が成功であるか、または失敗であるかどうかを評価することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記リザーバ内に形成された流体マウンドからの光信号または電気信号に基づいて、液滴離脱を予測することをさらに含む、請求項24または請求項25に記載の方法。
【請求項34】
一連のキャリブレーショントーンバーストを、前記流体表面から流体の量を出すように構成された前記流体表面に適用することと、
前記流体表面から出された前記流体の量におけるフィラメントの形成を検出することと、
前記フィラメントの前記検出に基づいて、前記トーンバーストパターンの1つ以上のトーンバーストセグメントの電力、波長、または持続時間のうちの1つを設定することと、をさらに含む、請求項24または請求項25に記載の方法。
【請求項35】
リザーバ内の非ニュートン流体から液滴を吐出するように構成された液滴吐出システムであって、前記システムが、
集束音響エネルギーが前記リザーバから前記非ニュートン流体の液滴を吐出するように、前記集束音響エネルギーのトーンバーストパターンを、前記リザーバに適用するように構成されている、音響イジェクタと、
プロセッサによって実行されたときに、前記音響イジェクタに、パターンで前記集束音響エネルギーを適用させる、実行可能な命令を記憶する前記プロセッサおよびメモリデバイスと、を含み、前記パターンが、
第1の別のトーンバーストセグメント、
前記第1の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第2の別のトーンバーストセグメント、および
前記第2の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第3の別のトーンバーストセグメントを含む、液滴吐出システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0156
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0156】
例54.リザーバ内の非ニュートン流体から液滴を吐出するように構成された液滴吐出システムであって、システムは、
集束音響エネルギーがリザーバから非ニュートン流体の液滴を吐出するように、集束音響エネルギーのトーンバーストパターンを、リザーバに適用するように構成されている、音響イジェクタと、
プロセッサによって実行されたときに、音響イジェクタに、パターンで集束音響エネルギーを適用させる、実行可能な命令を記憶するプロセッサおよびメモリデバイスと、を含み、パターンは、
第1の別のトーンバーストセグメント、
第1の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第2の別のトーンバーストセグメント、および
第2の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第3の別のトーンバーストセグメントを含む、液滴吐出システム。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
音響液滴イジェクタによって、非ニュートン流体を含有するリザーバから液滴を吐出する方法であって、前記方法が、
前記非ニュートン流体の流体表面に、第1のトーンバーストセグメントを含む第1のパターンで、集束音響エネルギーを適用して、フィラメントを先導突出部または前記流体表面から分離することなく、前記流体表面から前記先導突出部および前記フィラメントを生成することと、
第2のトーンバーストセグメントおよび第3のトーンバーストセグメントを含む第2のパターンで、集束音響エネルギーを前記先導突出部に適用して、前記フィラメントから前記先導突出部を分離することによって、液滴を吐出して、前記液滴を形成することと、を含む、方法。
(項目2)
前記第1のトーンバーストセグメントが、前記流体表面から前記先導突出部およびフィラメントを出すのに十分な振幅および持続時間を有し、
前記第2のパターンが、前記フィラメントから前記液滴を分離するように構成された第2のトーンバーストセグメントおよび第3のトーンバーストセグメントを含む、少なくとも2つの別のトーンバーストセグメントを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第1のトーンバーストセグメントが、前記第2および第3のトーンバーストセグメントの各々1つよりも長い持続時間を有し、第3のトーンバーストセグメントが、前記第2のトーンバーストセグメントよりも長い持続時間を有している、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記フィラメントが、少なくとも1つの流体のビーズを含み、前記集束音響エネルギーの第2のパターンが、前記少なくとも1つの流体のビーズが1つ以上の追加の液滴に分解することを防止する、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記液滴が、前記フィラメントの長さの70%未満、30%未満、または10%未満である直径を有し、または前記液滴が、前記フィラメントの残りの部分の総ボリュームの80%未満、10%未満、または5%未満である液滴ボリュームを有している、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記集束音響エネルギーの前記第2のパターンが、サテライト液滴を生成することなく、液滴吐出をもたらすように構成されている、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記集束音響エネルギーの振幅が、ニュートン流体から代替液滴を吐出することに関連付けられた代替振幅を超えている、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記集束音響エネルギーの振幅が、前記第1のトーンバーストセグメントと第2のトーンバーストセグメントとの間、または第2のトーンバーストセグメントと第3のトーンバーストセグメントとの間で変化する、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記集束音響エネルギーによって前記リザーバから生成された前記非ニュートン流体の前記フィラメントが、前記非ニュートン流体の0個、1個、2個、または>2個のビーズを含む鎖を含み、
前記集束音響エネルギーの前記第2のパターンが、前記鎖からの液滴離脱を誘導する、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記鎖上の前記ビーズが、液滴離脱の前または後に、前記リザーバ内で、互いに、または前記非ニュートン流体と合体する、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記フィラメントを光学的または電子的に監視して、前記液滴離脱が成功であるか、または失敗であるかどうかを評価することをさらに含む、項目9に記載の方法。
(項目12)
前記リザーバ内に形成された流体マウンドからの光信号または電気信号に基づいて、液滴離脱を予測することをさらに含む、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記非ニュートン流体が、遺伝物質を含有する溶液を含む、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記流体表面から流体の量を出すように構成された一連のキャリブレーショントーンバーストを、前記流体表面に適用することと、
前記流体表面から出された前記流体の量におけるフィラメントの形成を検出するか、または前記流体表面からのキャリブレーション液滴の吐出を検出することと、
前記フィラメントの前記検出または前記キャリブレーション液滴の前記吐出に基づいて、前記集束音響エネルギーの前記第1のパターン、または前記集束音響エネルギーの前記第2のパターンの1つ以上のトーンバーストの電力、波長、または持続時間のうちの1つを設定することと、をさらに含む、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
リザーバ内の非ニュートン流体から液滴を吐出するように構成された液滴吐出システムであって、前記システムが、
音響イジェクタであって、
前記非ニュートン流体の流体表面に第1のパターンで、集束音響エネルギーを適用して、フィラメントを先導突出部または前記流体表面から分離することなく、前記流体表面から前記先導突出部および前記フィラメントを生成すること、および
前記フィラメントが前記流体表面に引き込まれるように、サテライト液滴を吐出することなく、前記先導突出部に第2のパターンで集束音響エネルギーを適用して、前記先導突出部を前記フィラメントから分離させること、を行うように構成されている、音響イジェクタと、
プロセッサによって実行されたときに、前記音響イジェクタに、前記非ニュートン流体の流体表面に前記第1のパターンで前記集束音響エネルギーを適用させ、かつ前記前駆葉に前記第2のパターンで集束音響エネルギーを適用させる、実行可能な命令を記憶する前記プロセッサおよびメモリデバイスと、を含む、液滴吐出システム。
(項目16)
非ニュートン流体からの液滴吐出のためのトーンバーストパターンのパラメータを設定する方法であって、前記方法が、
前記流体表面から流体の量を出すように構成された一連のキャリブレーショントーンバーストを、前記流体表面に適用することと、
前記一連のキャリブレーショントーンバーストに対応する一連のエコー信号を収集することと、
前記収集された一連のエコー信号に基づいて、前記非ニュートン流体を含有するリザーバから液滴を吐出するように構成されている、集束音響エネルギーのトーンバーストパターンの1つ以上のトーンバーストセグメントの電力、波長、または持続時間のうちの1つを設定することであって、前記トーンバーストパターンが、少なくとも、
第1の別のトーンバーストセグメント、
第2の別のトーンバーストセグメント、および
第3の別のトーンバーストセグメントを含み、前記第1のトーンバーストセグメントが、前記第2および第3のトーンバーストセグメントよりも長い持続時間を有し、第3のトーンバーストセグメントが、前記第2のトーンバーストセグメントよりも長い持続時間を有している、設定することと、を含む、方法。
(項目17)
前記収集された一連のエコー信号に基づいて、液滴吐出に対応する最小トーンバースト電力を決定することと、
前記最小トーンバースト電力に少なくとも部分的に基づいて、前記電力、波長、または持続時間のうちの前記1つを設定することと、をさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記トーンバーストパターンに従って、集束音響エネルギーを前記リザーバに適用することによって、前記リザーバから液滴を吐出することをさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目19)
光学センサを介して、前記液滴の吐出を検知することをさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
液滴吐出が検出されるまで、前記第1、第2、または第3のトーンバーストセグメントのうちの1つ以上の前記電力、波長、または持続時間のうちの1つを繰り返し変化させることと、
液滴吐出の前記検出に基づいて、前記電力、波長、または持続時間を設定することと、をさらに含む、項目18または項目19に記載の方法。
(項目21)
既知の特性を有するそれぞれの複数の非ニュートン流体に対応する複数の反射音響信号を含む比較データセットに基づいて訓練された畳み込みニューラルネットワークによって、前記一連のエコー信号を処理することによって、前記吐出された液滴に関連付けられた液滴ボリュームを予測することをさらに含む、項目18または項目19に記載の方法。
(項目22)
前記吐出された液滴に関連付けられた実際の液滴ボリュームを決定することと、
前記実際の液滴ボリュームを、前記予測された液滴ボリュームと比較することと、
前記比較に基づいて、前記畳み込みニューラルネットワークを修正することと、をさらに含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記吐出された液滴に関連付けられた液滴ボリュームを決定することと、
前記液滴ボリュームを、予測された液滴ボリュームと比較することと、
前記比較に基づいて、前記電力、波長、または持続時間を調整することと、をさらに含む、項目18または項目19に記載の方法。
(項目24)
前記収集された一連のエコー信号に基づいて、前記非ニュートン流体の特性を決定することをさらに含む、項目16~19のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記一連のエコー信号と、非ニュートン流体の既知の収集と相関した以前に受信したエコーの収集を含む記憶されたエコーデータと、を比較することと、
前記比較に少なくとも部分的に基づいて、前記電力、波長、または持続時間のうちの前記1つを設定することと、をさらに含む、項目16~19のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
既知の特性を有するそれぞれの複数の非ニュートン流体に対応する複数の反射音響信号を含む比較データセットに基づいて訓練された畳み込みニューラルネットワークによって、前記1つ以上のエコー信号を処理することによって、前記非ニュートン流体の特性を決定することをさらに含む、項目16~19のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
流体リザーバから非ニュートン流体を含有する液滴を吐出する方法であって、前記方法が、
集束音響エネルギーのトーンバーストパターンを、非ニュートン流体を含有する流体リザーバに適用することであって、前記トーンバーストパターンの前記流体リザーバへの前記適用が、前記流体リザーバから前記非ニュートン流体の液滴を吐出し、前記トーンバーストパターンが、
第1の別のトーンバーストセグメント、
前記第1の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第2の別のトーンバーストセグメント、および
前記第2の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第3の別のトーンバーストセグメントを含む、適用することを含む、方法。
(項目28)
前記第1のトーンバーストセグメントが、前記第2および第3のセグメントよりも長い持続時間を有し、前記第3のセグメントが、前記第2のセグメントよりも長い持続時間を有している、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記第1の別のトーンバーストによって、前記非ニュートン流体の流体表面から先導突出部およびフィラメントを出すことと、
前記第2および第3の別のトーンバーストによって、前記フィラメントから前記先導突出部を分離することによって液滴吐出をもたらすことと、をさらに含む、項目27または項目28に記載の方法。
(項目30)
前記フィラメントが、少なくとも1つの流体のビーズを含み、前記トーンバーストパターンが、前記少なくとも1つの流体のビーズが1つ以上の追加の液滴に分解することを防止する、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記非ニュートン流体の前記フィラメントが、前記非ニュートン流体の1つ以上のビーズを含む鎖を含む、項目29に記載の方法。
(項目32)
前記トーンバーストパターンが、前記鎖からの液滴離脱を誘導する、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記フィラメントが、前記非ニュートン流体の1個、2個、または>2個のビーズを含む、項目31に記載の方法。
(項目34)
前記フィラメントが、前記非ニュートン流体の5個、10個、または>10個のビーズを含む、項目31に記載の方法。
(項目35)
前記非ニュートン流体のビーズが、前記フィラメントの直径の10%、20%、50%、または<50%だけ前記フィラメントの前記直径を超える厚さを有している、項目31に記載の方法。
(項目36)
前記非ニュートン流体のビーズが、結果として生じる液滴直径の50%、75%、または90%以下の厚さを有している、項目31に記載の方法。
(項目37)
前記鎖上の前記ビーズが、液滴離脱の前または後に、前記リザーバ内で、互いに、またはの前記非ニュートン流体と合体する、項目31に記載の方法。
(項目38)
前記吐出された液滴の液滴ボリュームが、液滴吐出中の前記フィラメントの残りのボリュームの80%未満、10%未満、または5%未満である、項目31に記載の方法。
(項目39)
前記フィラメントが、少なくとも5個の液滴直径、少なくとも10個の液滴直径、少なくとも20個の液滴直径、少なくとも50個の液滴直径、または少なくとも100個の液滴直径の長さを有するときに、前記液滴の吐出が発生する、項目31に記載の方法。
(項目40)
前記液滴が、前記フィラメントの長さの70%未満、30%未満、または10%未満の直径を有している、項目27または項目28に記載の方法。
(項目41)
前記液滴が、液滴吐出中に、前記フィラメントの残りのボリュームの80%未満、好ましくは10%未満、好ましくは5%未満の液滴ボリュームを有している、項目27または項目28に記載の方法。
(項目42)
前記トーンバーストの振幅が、ニュートン流体から代替液滴を吐出することに関連付けられる代替振幅を超えている、項目27または項目28に記載の方法。
(項目43)
前記トーンバーストの振幅が、前記第1のトーンバーストセグメントと第2のトーンバーストセグメントとの間、または第2のトーンバーストセグメントと第3のトーンバーストセグメントとの間で変化する、項目27または項目28に記載の方法。
(項目44)
前記フィラメントを光学的または電子的に監視して、前記液滴離脱が成功であるか、または失敗であるかどうかを評価することをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目45)
前記リザーバ内に形成された流体マウンドからの光信号または電気信号に基づいて、液滴離脱を予測することをさらに含む、項目27または項目28に記載の方法。
(項目46)
前記非ニュートン流体が、遺伝物質を含有する溶液を含む、項目27または項目28に記載の方法。
(項目47)
一連のキャリブレーショントーンバーストを、前記流体表面から流体の量を出すように構成された前記流体表面に適用することと、
前記流体表面から出された前記流体の量におけるフィラメントの形成を検出することと、
前記フィラメントの前記検出に基づいて、前記トーンバーストパターンの1つ以上のトーンバーストセグメントの電力、波長、または持続時間のうちの1つを設定することと、をさらに含む、項目27または項目28に記載の方法。
(項目48)
リザーバ内の非ニュートン流体から液滴を吐出するように構成された液滴吐出システムであって、前記システムが、
集束音響エネルギーが前記リザーバから前記非ニュートン流体の液滴を吐出するように、前記集束音響エネルギーのトーンバーストパターンを、前記リザーバに適用するように構成されている、音響イジェクタと、
プロセッサによって実行されたときに、前記音響イジェクタに、パターンで前記集束音響エネルギーを適用させる、実行可能な命令を記憶する前記プロセッサおよびメモリデバイスと、を含み、前記パターンが、
第1の別のトーンバーストセグメント、
前記第1の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第2の別のトーンバーストセグメント、および
前記第2の別のトーンバーストセグメントに続いて適用される、第3の別のトーンバーストセグメントを含む、液滴吐出システム。
【国際調査報告】