(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-27
(54)【発明の名称】射出成形されたカニューレ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/158 20060101AFI20220120BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
A61M5/158 500B
A61M5/142 522
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532051
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(85)【翻訳文提出日】2021-06-04
(86)【国際出願番号】 US2019064881
(87)【国際公開番号】W WO2020118156
(87)【国際公開日】2020-06-11
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ リード
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー アレグレッティ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ピエール カラム
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC01
4C066FF01
4C066FF04
4C066PP01
(57)【要約】
中空カニューレを成形して、金型のパーティングラインでカニューレにフラッシュを作り出す工程と、カニューレにフラッシュを保持する工程と、医療装置にフラッシュ付きのカニューレを取り付ける工程とを含む方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空カニューレを成形して、金型のパーティングラインでカニューレにフラッシュを作り出す工程と、
前記カニューレに前記フラッシュを保持する工程と、
前記フラッシュが医療装置の外面に配置された状態で、前記医療装置に前記フラッシュ付きのカニューレを取り付ける工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記フラッシュ付きのカニューレを有する医療装置を包装する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フラッシュが患者の皮膚に接触するように、前記フラッシュ付きのカニューレを患者に挿入する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記意図したフラッシュが鋸歯状である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記意図したフラッシュが滑らかである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
中空カニューレを成形して、金型のパーティングラインでカニューレにフラッシュを作り出す工程と、
前記カニューレに前記フラッシュを保持する工程と、
医療装置に前記フラッシュ付きのカニューレを取り付ける工程と、
前記金型の一部を変えて、前記変えた部分で成形材料を意図的に漏出させる工程と、
を含む、方法。
【請求項7】
カニューレの成形の間、意図したフラッシュが金型のパーティングラインに形成されるように医療装置用のカニューレを成形するための金型を設計する工程と、
前記金型を使用して前記カニューレを成形する工程と、
前記成形後、前記成形されたカニューレにフラッシュを維持する工程と、
前記フラッシュが医療装置の外面に配置される状態で、前記医療装置に前記フラッシュ付きのカニューレを取り付ける工程と、
を含む、方法。
【請求項8】
カニューレの成形の間、意図したフラッシュが金型のパーティングラインに形成されるように医療装置用のカニューレを成形するための金型を設計する工程と、
前記金型を使用してカニューレを成形する工程と、
前記成形後の成形されたカニューレにフラッシュを維持する工程と、
前記フラッシュ付きの前記成形されたカニューレを医療装置に取り付ける工程と、
を含み、
前記金型を設計する工程は、意図したフラッシュがブレード状になるように金型を設計することを含む、方法。
【請求項9】
前記意図したフラッシュが鋸歯状である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1の方法により製造された中空カニューレ。
【請求項11】
請求項7に記載の方法により製造された医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、35USC§119(e)に基づき、2018年12月7日に出願された米国仮特許出願第62/776,562号に基づく優先権を主張するものであり、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、医療装置に関し、より詳細には、成形された中空カニューレを有する医療装置に関し、また、そのような医療装置およびカニューレを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
インスリン注入療法の1つのモードには、カテーテル、針、または他のタイプのカニューレを介した注入ポンプ療法が含まれる。注入ポンプは、インスリンの持続注入、正確な投与、およびプログラム可能な送達スケジュールの利点を提供する。同時に、これらの利点により、より正確な血糖コントロールが得られる。インスリン注入治療のこのモードでは、注入ポンプは使用者に取り付けられたままであり、必要な量のインスリンがポンプを介して使用者に送達される。
【0004】
カニューレの1つのタイプはカテーテルであり、これは一般に、流体の投与を可能にするために体内に挿入することができるチューブである。輸液ポンプ療法では,カテーテルの種類および大きさは様々であるが,一般にカテーテルは細く柔軟性のあるチューブである。しかしながら、いくつかの用途では、それはより大きく、および/または、剛性であり得る。柔軟なプラスチック製カテーテルの代わりに、硬い中空の金属製針を使用することもできる。
【0005】
従来の輸液セットの1つのタイプが、メドトロニックによりQuick-Set(登録商標)輸液セットとして販売されている。このような装置では、輸液ポンプは、チューブセットを介してポンプに接続されたカテーテルアセンブリを含み、別個の挿入装置が、輸液セットの一部として提供される導入針を介して、使用者の中に/使用者に、カテーテルアセンブリを挿入および/または取り付ける。輸液セットと挿入装置はまた、輸液セットと挿入装置を一体化した「オールインワン」デザインである、メドトロニックが販売するMio(登録商標)輸液セットのように、組み合わせることも可能である。
【0006】
「パッチポンプ」として知られる別のタイプのインスリン注入装置が最近利用可能になった。従来の注入ポンプとは異なり、パッチポンプは、注入部位に接着的に取り付けられる単一のハウジング内で流体成分の大部分または全てを組み合わせる一体型装置であり、別個の注入(チューブ)セットの使用を必要としない。パッチポンプは、皮膚に密着し、インスリン(または他の薬剤)を含み、経皮的に、または一体型皮下ミニカテーテルを介して、一定期間にわたって薬物を送達する。パッチポンプには、ワイヤレスで別のコントローラデバイスと通信するもの(OmniPod(登録商標)というブランド名で販売されているものなど)と、完全に内蔵されているものとがある。
【0007】
従来の注入装置は、流体コネクタを含むことができ、これは、使用者の皮膚に固定され得るベースに着脱可能に取り付けられ得る。輸液ポンプは、流体コネクタ/ベース係合を介してカテーテルに流体を供給する。
【0008】
前述のように、薬剤を送達するか、または長期間にわたって患者の状態を監視することを意図した医療装置は、患者が着用するように設計され、薬剤を送達するために患者の皮膚を通して挿入されるカニューレを有する。このような装置を製造する1つの方法は、ダイおよびピンを介してカニューレを押し出し、金属またはプラスチックウェッジを用いてカニューレを装置内に固定することである。しかし、このような押出工程は、遅く、予測不可能であり、生産のボトルネックとなり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO2013/086463
【特許文献2】米国特許第5,736,085号明細書
【発明の概要】
【0010】
発明の実施形態の概要
従って、本発明の一態様は、カニューレを成形する方法を提供することである。
【0011】
本発明の上記および/または他の態様は、中空カニューレを成形して、金型のパーティングラインでカニューレにフラッシュを作り出す工程と、カニューレにフラッシュを保持する工程と、医療装置にフラッシュ付きのカニューレを取り付ける工程を含む方法を提供することによって達成される。
【0012】
本発明の上記および/または他の態様は、カニューレの成形中に、金型のパーティングラインに意図したフラッシュ(intentional flash)が形成されるように、医療装置用のカニューレを成形するための金型を設計する工程と、この金型を用いてカニューレを成形する工程と、成形後、成形されたカニューレにフラッシュを維持する工程と、フラッシュ付きの成形されたカニューレを医療装置に取り付ける工程を含む方法を提供することによっても達成される。
【0013】
本発明の追加のおよび/または他の態様および利点は、以下の説明に記載されるか、説明から明らかになるか、または本発明の実施によって知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の実施形態の上記および/または他の態様および利点は、添付図面と併せた以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【
図1】関連技術の流体コネクタおよび関連するベース(associated base)の様々な図である。
【
図2】関連技術の流体コネクタおよび関連するベースの様々な図である。
【
図3】関連技術の流体コネクタおよび関連するベースの様々な図である。
【
図4】関連技術の金型およびカニューレの断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるカニューレアセンブリの断面図である。
【
図6】本発明の別の実施形態による金型及びカニューレの断面図である。
【
図7】
図5のカニューレアセンブリを組み込んだ本発明の実施形態による医療装置の斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態による方法のフローチャートである。
【
図10】本発明の実施形態による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態の詳細な説明
以下、添付の図面に示されている本発明の実施形態を詳細に参照し、同様の参照番号は、全体を通して、同様の要素を指す。本明細書に記載される実施形態は、図面を参照することによって、本発明を例示するが、限定するものではない。
【0016】
本実施形態は、互いにそれだけに限られることを意図しておらず、1つの実施形態の特徴は、それらが互いに矛盾しない限り、他の実施形態と組み合わせることができる。
【0017】
本開示は、その適用において、以下の説明に記載されるかまたは図面に示される構成要素の構造および配置の詳細に限定されないことが当業者には理解されるであろう。本明細書の実施形態は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実施することが可能である。本明細書中で使用される表現(phraseology)及び専門用語(terminology)は、説明の目的のためであり、限定するものとみなされるべきではない。本明細書における「含む(including)」、「含む(comprising)」、もしくは「有する(having)」、ならびに、それらの変形の使用は、それ以降に列挙されたアイテムおよびその同等物ならびに追加のアイテムを包含することを意味する。他に限定されない限り、本明細書では、用語「接続された(connected)」、「連結された(coupled)」、および「据え付けられた(mounted)」、ならびに、それらの変形は、広く使用され、直接的および間接的な、接続、連結、および据え付けを包含する。加えて、用語「接続された」および「連結された」ならびに、それらの変形は、物理的または機械的な接続または連結に限定されない。さらに、「上方へ(up)」、「下方へ(down)」、「下部(bottom)」、「上部(top)」、「前(front)」、「後(rear)」、「さらに上の(upper)」、「さらに下の(lower)」、「上方に(upwardly)」、「下方に(downwardly)」、および他の方向記述語(orientational descriptor)などの用語は、本発明の例示的な実施形態の説明を容易にすることを意図しており、本発明の例示的な実施形態の構造をなんら特定の位置または方向に制限することを意図していない。「実質的に(substantially)」または「およそ(approximately)」などの程度の用語は、当業者であれば、所与の値の周辺およびそれを含む合理的な範囲、ならびに所与の値の外側の範囲、例えば、実施形態の製造、組立および使用に関連する一般的な許容範囲を指すものとして理解される。構造または特性に言及する場合の用語「実質的に」は、大部分または全体がその特性を含む。
【0018】
図1は、PCT公開公報、特許文献1(WO2013/086463)に見出されるものなどの、関連技術のツーピース流体コネクタ10および関連するベース80の斜視図であり、その開示は、この目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
図2は、流体コネクタ10の底面図であり、
図3は、ベース80に接続された流体コネクタ10の断面図である。流体コネクタ10は、流体通路部12と、ラッチ部(latching portion)14との2つの構成要素を含む。同時に、流体通路部12およびラッチ部14は、ハウジング15を形成する。ラッチ部14は、作動レバー16、流体コネクタラッチ18、および剛性ストップ20を含む。
【0019】
流体通路部12は、流体コネクタ10をチューブに接続するためのチューブコネクタ部分22を含む。流体通路部12は、スナップ嵌合係合によってラッチ部14に固定することができる。
【0020】
図1、2および3に示すとおり、流体通路部12は、ハウジング15の近位内面から遠位に延在する鈍端カニューレ(blunt cannula)22を有する。鈍端カニューレ22は、使用者の皮膚に挿入された患者用カニューレ84を備えた対応するベース80に接続されると、ベース80のマッシュルーム形状のヘッド82内の隔壁86を貫通して、ベース80の遠位側でポンプを患者用カニューレ84に流体接続する。患者用カニューレ84は可撓性であり、金属ウェッジによってベース80内に保持される。典型的には、患者用カニューレ84は、公知の挿入装置を用いて患者の皮膚に挿入される。
【0021】
射出成形は、時間の経過とともに磨耗する金型を使用する公知のプロセスである。摩耗すると、注入された材料(例えばプラスチック)は、ジョイントラインまたはパーティングラインにおいて金型キャビティから漏出し、成形された部品のエッジにおいて「フラッシュ」として知られるものを形成する。現在では、このようなフラッシュは望ましくなく、例えば、1998年4月7日にBrownらに発行された特許文献2(米国特許第5,736,085号明細書)に記載されているように、金型から成形体を取り出した後に除去される。Brownは、プラスチックなどの材料から成形されたカテーテル1を含む、
図1に一般的に示されるフラッシュ付きカテーテルを開示している。フラッシュ4は、金型のパーティングラインでカテーテル1の両側に生じる。フラッシュ4は、ダイを用いてカテーテル1からトリミングされ、カテーテル1からフラッシュ4をカットする。フラッシュは、切削ツールまたはレーザーを用いてトリミングすることもできる。
【0022】
本発明の実施形態では、金型は、射出成形されたカテーテルに意図されたフラッシュ刃の外形を作り出すように特に設計される。たとえば、これは、金型の公差(例えば、2つの金型半体(mold half)間の界面の密着性)を制御してフラッシュ刃の形成を促進することで実行できる。より具体的には、典型的な金型では、嵌合した金型半体間に約0.0004インチ(約0.0102mm)の間隙がある。この小さな空間は、例えば、プラスチックまたは他の材料が金型に射出されるときに、空気が金型から逃げることを可能にするが、プラスチックが金型から逃げるには小さすぎる。成形業者は、例えばエンドミルまたは電極を用いて、カニューレの長手方向部分を形成する金型のサブセクションに沿って、この間隙を、例えば広げることができる。各金型半体の対応する部分に沿った間隙を、カニューレの長手方向部分のサブセクションに沿って約0.0007インチ(約0.0178mm)まで広げると、嵌合した金型に生じる間隙は約0.0014インチ(0.0356mm)となり、これは、プラスチックの一部を逃がしてフラッシュを形成するのに十分であろう。
【0023】
図5に示されるように、フラッシュ付きカニューレアセンブリは、一般に120で示され、プラスチックのような材料を用いて成形される中空カニューレ122を含む。フラッシュ124は、金型のパーティングラインにおいて、カニューレ122の対向する側に生成される。本発明の実施形態では、フラッシュ124は、最終生成物としてカニューレ122に残り、フラッシュ124は、患者内へのカニューレの改良された挿入のための刃先(cutting edge)として作用する。成形品は、例えば、射出成形品であり得る。一実施形態によれば、フラッシュ全体がカニューレに維持される。別の実施形態によれば、フラッシュ124は、金型から除去された後に形を変えることができる。
【0024】
前述の製造プロセスの結果として、フラッシュ124は、それがカニューレ122から半径方向に延びるときに下方にテーパし、したがって、フラッシュ124の刃の外形は、ブレード状(bladelike)に設計され、カニューレを挿入するために必要とされる力の量を減少し得る。一実施形態によれば、
図5に示すように、フラッシュ刃は鋸歯状である。
【0025】
別の実施形態によれば、フラッシュ124の刃は滑らかであるか、または鋸歯状でない。これは、金型半体を横方向に型ずれさせることによって達成することができる。つまり、2つの金型半体は平面に沿って接している。金型半体を嵌合する前に、金型半体のうちの1つを平面に沿って少量(例えば、カニューレの直径の約1/32~1/2)横方向に摺動させるか、または金型半体のうちの1つを、少しだけ横方向にオフセットさせることによって、成形品(カニューレ)の形状に従った滑らかなフラッシュを作ることができる。カニューレの一方の側の滑らかなフラッシュは、金型半体の一方によって作られ、カニューレの反対側の滑らかなフラッシュは、金型半体の他方によって作られる。
【0026】
図6に示されるように、カニューレ122は、1つ以上のサイドポート128を伴って成形され得る。
【0027】
このような実施形態では、材料の選択により、カニューレ122は、カニューレ122をベース180などの医療装置内に保持する金属ウェッジを必要としないように、十分に堅くすることができる。このような実施形態では、金属ウェッジではなく、隔壁186を、一体射出(one-piece injection)成形されたカニューレ22内に直接取り付けて、流体経路をシールすることができる。このような実施形態は、装置に必要な部品の数を減らし、生産を高速化する。
【0028】
図7は、本発明の実施形態による医療装置180の斜視図であり、
図8は、装置の断面図である。より具体的には、医療装置180は、前述のベース80と類似の注入装置のベースである。しかしながら、ベース180は、中空カニューレ部材120を組み込んでいる。
図7および8に示すように、カニューレ部材120は、ベース180の遠位側から遠位に延びている。さらに、一体のカニューレ部材120の場合、カニューレ部材120をベース180内に保持するために金属ウェッジを必要としない。
図5、7、および8のフラッシュ124のサイズは、わかりやすく説明するために少し誇張されている。一実施形態によれば、フラッシュ124の平均半径方向寸法は、ベース180から延びるカニューレ122の部分の直径の約1/32~1/2である。
【0029】
カニューレ部材120のフラッシュ124は、挿入装置を必要としないように、患者の皮膚への挿入に必要な力を十分に減少させることができる。あるいは、ベース180は、公知の挿入器および導入針を用いて挿入されてもよいが、フラッシュ124は、挿入を容易にし、患者の痛みを軽減し得る。
【0030】
図9は、本発明の実施形態による方法200を示すフローチャートである。工程202は、カニューレを成形して、金型のパーティングラインでフラッシュを作り出す工程である。工程204は、フラッシュをカニューレに保持する工程であり、工程206は、ベース180などの医療装置にフラッシュ付きのカニューレを取り付ける工程である。一実施形態によれば、カニューレは、フラッシュを変えることなく医療装置に取り付けられる。方法200は、フラッシュ付きカニューレを有する医療装置を包装するなどの他の工程を含むことができる。一実施形態によれば、医療装置は、フラッシュを変えることなく包装される。この方法はまた、医療装置をパッケージから取り出し、フラッシュ付きのカニューレを患者に挿入することを含むこともできる。
【0031】
図10は、本発明の別の実施形態による方法300を示すフローチャートである。工程302は、カニューレを成形して、金型のパーティングラインでカニューレに意図したフラッシュを形成するための金型を設計する工程である。工程304は、金型を用いてフラッシュ付きのカニューレを成形する工程である。工程306は、カニューレにフラッシュを維持する工程であり、工程308は、ベース180などの医療装置にフラッシュ付きのカニューレを取り付ける工程である。一実施形態によれば、フラッシュを変えることなく、フラッシュは、カニューレに維持される。一実施形態によれば、カニューレは、フラッシュを変えることなく医療装置内に取り付けられる。一実施形態によれば、金型を設計する工程は、意図したフラッシュがブレード状になるように金型を設計することを含む。一実施形態によれば、フラッシュは鋸歯状であり、別の実施形態によれば、意図したフラッシュは滑らかである。
【0032】
本発明のほんのわずかの実施形態のみを示し、説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されない。代わりに、本発明の原理および精神から逸脱することなく、これらの実施形態に変更を加えることができることが当業者には理解されよう。本明細書に開示された実施形態および/または要素のいずれも、互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせて、具体的に開示されていない様々な追加の実施形態を形成することができる。特に、当業者は、上述した様々な例示的実施形態の様々な要素の様々な技術的態様を、多くの他の方法で容易に組み合わせることができ、それらの全ては、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物によって定義される本発明の範囲内にあると考えられることに留意されたい。
【国際調査報告】