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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(54)【発明の名称】ライダーシステムおよび自動車
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20220121BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20220121BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S17/931
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531904
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(85)【翻訳文提出日】2021-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2019081148
(87)【国際公開番号】W WO2020114740
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】102018221083.7
(32)【優先日】2018-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】カミル,ムスタファ
(72)【発明者】
【氏名】ホレチェク,アンネマリエ
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AB01
5J084AB07
5J084AB16
5J084AC02
5J084BA40
5J084BB20
5J084EA06
(57)【要約】
周辺領域に関する情報を検出するために、光ビームで周辺領域を走査するように設けられたライダーシステム(1)が記載されている。さらにライダーシステム(1)は、周辺領域の近距離域における高反射物体と周辺領域の遠距離域における低反射物体の両方を検出するように設けられており、ライダーシステム(1)は、異なる飽和率を有するように設けられた複数の光検出器(4)を有することを特徴とする。さらに、このような、自動車に動作可能に接続されたライダーシステム(1)を備えた自動車も記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺領域に関する情報を検出するために光ビームで前記周辺領域を走査するように設けられたライダーシステム(1)であって、
該ライダーシステム(1)が、前記周辺領域の近距離域における高反射物体および前記周辺領域の遠距離域における低反射物体の両方を検出するように設けられており、
該ライダーシステム(1)が、異なる飽和率を有するように設けられた複数の光検出器(4)を有する、ことを特徴とするライダーシステム(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のライダーシステム(1)であって、前記ライダーシステム(1)が、複数の前記光検出器(4)の受信信号から、前記遠距離域における前記低反射物体から前記近距離域における前記高反射物体を識別するように設けられている、ライダーシステム(1)。
【請求項3】
請求項1または2に記載のライダーシステム(1)であって、少なくともいずれか1つの前記光検出器(4)の上流側に減光フィルタ(7a~7d)が、該減光フィルタ(7a~7d)の下流側に配置された光検出器(4)の飽和率を低減させるために配置されている、請求項1または2に記載のライダーシステム(1)。
【請求項4】
請求項3に記載のライダーシステム(1)であって、共通のフィルタマトリクス(6)に配置され、共通のフィルタ要素(3)を構成する複数の前記減光フィルタ(7a~7d)が設けられており、それぞれの減光フィルタ(7a~7d)がいずれか1つの前記光検出器(4)の上流側に配置されている、ライダーシステム(1)。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載のライダーシステム(1)であって、該ライダーシステム(1)が第1の光検出器アレイおよび第2の光検出器アレイを有し、前記第1の光検出器アレイが第1の飽和率を有するように設けられており、前記第2の光検出器アレイが第2の飽和率を有するように設けられており、前記第1の飽和率が前記第2の飽和率と異なる、ライダーシステム(1)。
【請求項6】
請求項5に記載のライダーシステム(1)であって、前記ライダーシステム(1)が第3の光検出器アレイを有し、前記第3の光検出器アレイが第3の飽和率を有するように設けられており、前記第3の飽和率が前記第1の飽和率および前記第2の飽和率と異なる、ライダーシステム(1)。
【請求項7】
請求項5または6に記載のライダーシステム(1)であって、2つ以上の前記光検出器アレイが共通の検出器マトリクス(8)に配置されており、共通の検出器要素(2)を構成している、ライダーシステム(1)。
【請求項8】
請求項4および7に記載のライダーシステム(1)であって、前記検出器要素(2)と前記フィルタ要素(3)とが共通の構成素子を構成している、ライダーシステム(1)。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項に記載のライダーシステム(1)であって、1つ以上の前記光検出器(4)が単一光子アバランシェフォトダイオードである、ライダーシステム(1)。
【請求項10】
請求項1から9のまでのいずれか1項に記載のライダーシステム(1)を備えた自動車であって、前記ライダーシステム(1)が前記自動車に動作可能に接続されている、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周辺領域に関する情報を検出するために光ビームで周辺領域を走査するように設けられたライダー(LiDAR)システムに関し、ライダーシステムは、周辺領域の近距離域における高反射物体および周辺領域の遠距離域における低反射物体の両方を検出するように設けられている。
【0002】
さらに本発明は、そのようなライダーシステムを有する自動車に関し、ライダーシステムは、自動車に動作可能に接続されている。
【背景技術】
【0003】
このようなライダーシステムおよび自動車は、基本的に知られている。例えば、これらは、光検出器としてアバランシェフォトダイオード、例えば、単一光子アバランシェフォトダイオード(SPAD:Single-Photon Avalanche Photodiode)、またはその代わりに、光検出器としてのシリコン光電子増倍管(SiPM:Silicon Photomultiplier)を有する。ライダーシステムは、光ビームを送信するためのレーザ源を有していることもある。光検出器は、周辺領域から反射された光ビームを受信するために配置されている。解析用電子機器は、光検出器の受信信号から、情報、例えば深さ情報を得ることができる。
【0004】
光検出器は、例えば、近い空間の高反射物体からの発生光量が多い場合には急速に飽和され、あるいは、例えば、遠い空間の低反射物体からの少ない発生光量が、多い発生光量に対して消失することがある。
【0005】
ドイツ特許出願公開第102014207599号明細書は、例えば、個別に作動可能なアバランシェフォトダイオードを有する、特にライダーシステムのための光検出器に関する。アバランシェフォトダイオードは互いにずらしてして作動され、これにより、大きなダイナミックレンジをカバーし、飽和を防止することによって測定能力を保持する。
【0006】
ドイツ特許第102016122712号明細書は、光電子センサを開示している。遠くの暗い物体と、近くの光反射物体または輝く物体とを両方とも観察することが望ましい場合に飽和の問題が生じる。可能な解決策として、遮光、受信機の増幅、または送信機の状況調整が挙げられる。本発明によれば、センサ上の光スポットの位置、大きさおよび/または幾何学形状の変更が提案される。
【0007】
ドイツ特許出願公開第102006003785号明細書は、光受信ユニットの前方に可変型の絞り装置を有するセンサを開示している。ダイナミックレンジが上限しきい値によって制限されており、この上限しきい値を超えると受信機が飽和するという問題が言及されている。したがって、絞り装置はエレクトロクロミック媒体またはフォトクロミック媒体を有し、これにより、受信機で検出された放射光に依存して絞り装置の透過性を調整する。
【0008】
例えば、米国特許出願公開第2017176579号明細書によって、レーザ源、ビーム偏向器、光検出器、光学系、および対応する電子機器からなるライダーシステム(「電気光学装置」)が知られている。この特許出願明細書は、センサの信号雑音比を高めるために検出器ピクセルを連続的に動作させるシステムを開示している。当業者は、この教示から、これがライダーシステムのμミラーベースの実装であることを理解することができる。しかしながら、ライダーシステムはスキャン型ではなく、均一な照射パターン(「フラッシュ型」)を提供するので、検出器ユニットは一時的に並列に動作する。
【0009】
米国特許出願公開第2018003821号明細書には、複数の光源、1つの光検出器、複数の光学系、および対応する電子機器からなるライダーシステム(「物体検出器」)が開示されている。光源は、個別に順次制御可能なレーザダイオードである。米国特許出願公開第2018003821号明細書は、それぞれの光源に正確に1つの受光素子が割り当てられていることを開示している。ピクセルは、個別に、および同時に/並列して読み出される。検出器のタイプは、SPADとして実装されることができ、これは、明細書では可能な実施形態として挙げられているが、当業者であれば、図面においてアバランシェフォトダイオード(APD)を有するライダーシステムであることがわかる。
【0010】
さらに、赤色、緑色および青色(RGB)のカラーチャネルを有し、別個の光検出器を有するSPADセンサが基本的に知られている。
【0011】
ドイツ実用新案第9410659号は、電磁信号用の受信装置を開示している。この装置は、飽和効果を防止するために、信号のダイナミックレンジを制限するための時間可変の減衰器を提供する。
【0012】
欧州特許第3171201号明細書から光電子式の測距器が知られている。検出可能な下限値よりも大きく、受信機ユニットの上限飽和率よりも小さい強度範囲が受信機ユニットによって解析可能であり、この強度範囲内の受信信号を得るために発光器の光出力が適切に変更される。
【0013】
最後に、欧州特許第2300852号明細書には、速度をドップラーライダー方式で測定する方法が記載されており、この方法では、測定毎に検出器で積分されるべき多数のレーザパルスが、媒体で発生する放射光の強度の関数として得られる。これにより、ダイナミックレンジを大きくすることができる。
【発明の概要】
【0014】
本発明によれば、異なる飽和率を有するように設けられた複数の光検出器を有する、冒頭で述べた形式のライダー(LiDAR)システムが提供される。
【0015】
発明の利点
本発明によるライダーシステムは、レーザ送信出力の調整または検出器側の可変の動的な調整を必要とすることなしに、近距離域における高反射物体および遠距離域における低反射物体の両方を検出することができるという利点を有する。したがって、光発生量が多い場合に、全てのピクセルのあまりに急速な飽和を容易に補正することが可能である。周辺領域内および/または周辺領域外の物体を、近距離域、好ましくは、例えば、前方を走行する車両の後部における再帰反射器などを距離とは無関係に検出することができる。光検出器の検出能力は、常に、より高い確率で保持できる。本発明は、高いダイナミックレンジを有するライダーシステムの提供を容易にする。
【0016】
本発明によれば、周辺領域の近距離域は、システムの光検出器から測定して、0mから50mまで、好ましくは40mまで、特に好ましくは30mまでの距離にある。本発明によれば、周辺領域の遠距離域は、システムの光検出器から測定して、30mを超える、好ましくは40mを超える、特に好ましくは50mを超える距離にある。
【0017】
本発明によれば、物体は、例えば、人、車両または動物などの可動の物体、および/または、例えば、ガードレール、壁、橋脚などの不動の物体であってもよい。
【0018】
好ましくは、ライダーシステムは、複数の光検出器の受信信号から、近距離域における高反射物体を遠距離域における低反射物体から識別するように設けられている。これは、ライダーシステム自体がこの識別を行うことができ、下流側に配置された外部の解析装置がこれを行う必要がないという利点を有する。このために、ライダーシステムは、好ましくは、暗画像情報と明画像情報とを同期して解析し、特に好ましくは、同期して出力するように設けられた解析用電子機器を有することができる。好ましくは、解析用電子機器は、光検出器のヒストグラムを統計的に解析するように設けられており、これにより、周辺領域内の物体の反射特性の大部分を決定し、好ましくは、これらの物体の、特に光検出器までの距離に同期的に関連付ける。
【0019】
いくつかの実施形態では、少なくともいずれか1つの光検出器の上流側には減光フィルタが、減光フィルタの下流側に配置された光検出器の飽和率を低減させるために配置されている。減光フィルタは、好ましくは、光検出器に入射する光量を低減させる。したがって、減光フィルタは光検出器の飽和率を低減させ、したがって、光検出器は原則として工場出荷時に任意の飽和率を有することができ、減光フィルタは飽和率を調整させ、特に低減させる。好ましくは、全ての光検出器を同一の構成とすることができ、これにより、製造時の手間を減少させ、コストを低下させることができる。
【0020】
好ましいフィルタは、調光(ND)フィルタである。「グレーフィルタ」とも呼ばれるNDフィルタは、光検出器に入射する光量を効果的に低減させるので、飽和率を低くするための減光フィルタとして特に良好に使用することができる。このようにして、NDフィルタの下流側に配置された光検出器の飽和率が低下する。好ましくは、減光フィルタは静的な光学フィルタである。これは、減光能力が時間的に一定であり、手動または自動で調整することができないことを意味する。このことは、フィルタが可動スクリーン、作動する構成要素などを有している必要がないので、構造を簡略化し、信頼性を高める。これにより、複雑さが低減され、構成要素の高い可用性が保証される。しかしながら、減光フィルタの代わりに、既に工場出荷時で異なる飽和率を有する、すなわち上流側の減光フィルタを必要としない、いくつかの光検出器が提供されていてもよい。好ましくは、このために、互いに異なるが、好ましくは静的な検出感度を有する光検出器を製造することができる。この場合、これらの光検出器のための減光フィルタ、ひいては設置スペースを節約することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、共通のフィルタマトリクスに配置されており、共通のフィルタ要素を構成する複数の減光フィルタが設けられている。これにより、減光フィルタの小型の構成および簡単な操作性を達成することができる。好ましくは、それぞれの減光フィルタは、いずれか1つの光検出器の上流側に配置されている。これにより、それぞれの減光フィルタに1つの光検出器が一意に割り当てられており、解析用電子機器によってこの減光フィルタを一意に識別することができる。フィルタマトリクスは、好ましくは、光受信経路においてSiPM構成(SPADアレイ)内のSPADベースの検出器の前方に配置されている。特に好ましくは、全ての減光フィルタが共通のフィルタマトリクス内に配置されており、共通のフィルタ要素を構成している。好ましくは、フィルタマトリクスは、行および列を有し、好ましくは、行の数は列の数に等しい。好ましくは、3つ以上の行および/または3つ以上の列、特に好ましくは4つ以上の行および/または4つ以上の列、とりわけ好ましくは5つ以上の行および/または5つ以上の列が設けられている。これに対応して、好ましいフィルタマトリクスは、改良型ベイヤーフィルタであり、この場合、好ましくは、互いに異なる強度の減光度を有する減光フィルタが隣接して交互に配置されている。
【0022】
好ましくは、ライダーシステムは、第1の光検出器アレイおよび第2の光検出器アレイを有し、第1の光検出器アレイは第1の飽和率を有するように設けられており、第2の光検出器アレイは第2の飽和率を有するように設けられており、第1の飽和率は第2の飽和率と異なっている。これにより、いずれか1つの異なる光検出器配置によって高反射物体および低反射物体をそれぞれ認識することができる。それぞれの光検出器アレイは、1つ以上の光検出器を含む。好ましくは、それぞれの光検出器アレイは2つ以上の光検出器を含む。好ましくは、全ての光検出器は同一である。第1の飽和率は、第1の減光度を引き起こす上流側に配置された第1の減光フィルタによって定めることができ、第2の飽和率は、第1の減光度とは異なる第2の減光度を引き起こす、上流側に配置された第2の減光フィルタによって定めることができる。したがって、好ましくは、上流側に配置された減光フィルタによる減光の程度が、光検出器とそれぞれの光検出器アレイとの対応関係を定める。しかしながら、いくつかの実施形態では、第2の飽和率は、第2の光検出器アレイ自体の光検出器の感光度によって定めることもでき、すなわち、第2の光検出器アレイの上流側には第2の減光フィルタは配置されていない。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の減光度は、第2の減光度と比較して33%~66%であってもよい。すなわち、好ましくは、第1の減光フィルタは、第2の減光フィルタのように光量の33%~66%のみを通過させるか、または第1の減光フィルタは、上流側に第2の減光フィルタが配置されていない場合には、第2の光検出器アレイの最大検出率の33%~66%のみを通過させる。減光フィルタが、好ましくは静的フィルタである場合、減光度は経時的に一定である。例えば、入射する光量に関して減光度が50%よりも大きい強い減光フィルタを有する光検出器における検出は、特に解析用電子機器によって、好ましくは、特に明るい物体特性に割り当てることができ、例えば、減光度が50%よりも小さい弱い減光フィルタを有しているか、または減光フィルタを有していない光検出器における検出は、好ましくは、特に、暗い物体特性に割り当てることができる。
【0024】
好ましくは、ライダーシステムは第3の光検出器アレイを有し、第3の光検出器アレイは第3の飽和率を有するように設けられており、第3の飽和率は、第1の飽和率および第2の飽和率と異なっている。これにより、ライダーシステムの感度をより良好に格付けし、ダイナミックレンジを高めることを達成することができる。好ましくは、第3の光検出器アレイのすべての光検出器は、第1および第2の光検出器アレイの光検出器と同一であり、第1の減光度および第2の減光度とは異なる第3の減光度を有する第3の減光フィルタまたは第1および第2の光検出器アレイの光感度とは異なる特定の光感度のみが、光検出器と第3の光検出器アレイとの対応関係を定める。いくつかの実施形態では、第3の減光度は、第1の減光度と第2の減光度との間、好ましくはこれらの間の中央にある。特に好ましくは、ライダーシステムは、少なくとも1つのさらなる光検出器アレイを有し、それぞれのさらなる光検出器アレイは、他の全ての光検出器アレイとは異なる他の飽和率を有する。これにより、ライダーシステムの感度を極めて微細に格付けすることおよび極めて高いダイナミックレンジを達成することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、2つ以上の光検出器アレイが共通の検出器マトリクスに配置されている。好ましくは、2つ以上の光検出器アレイが共通の検出器要素を構成している。このことは、個々の光検出器アレイをもはや始動前に互いに依存して構成する必要がなく、2つ以上の光検出器アレイをあらかじめ構成された共通の構成要素として提供することができるので、調整および構成の手間を低減することができるという利点を有する。特に好ましくは、全ての光検出器アレイが共通の検出器マトリクス内に配置されており、共通の検出器要素を構成している。
【0026】
好ましくは、検出器マトリクスは行および列を有し、好ましくは、行の数は列の数に等しい。好ましくは、3つ以上の行および/または3つ以上の列、特に好ましくは4つ以上の行および/または4つ以上の列、とりわけ好ましくは5つ以上の行および/または5つ以上の列が設けられている。好ましくは、フィルタマトリクスの行および列の数は、検出器マトリクスの行および列の数に対応している。これにより、複数の異なる光検出器アレイを定めるために、フォトダイオードをそれぞれの減光フィルタで特に簡単かつ正確に被覆することができる。
【0027】
好ましくは、検出器要素とフィルタ要素とが共通の構成素子を構成している。フィルタ要素および検出器要素は、例えば高度に統合され、関連するクリーンルームプロセスにおいて製造され、共通の構成素子として組み立てることができる。これにより、後の調整作業を省略することができる。好ましくは、検出器要素およびフィルタ要素は、共通の構成素子を構成するために、素材接合により互いに結合され、特に接着されている。これは、共通の構成素子を製造する簡単で、安価で、効率的にできることである。いくつかの実施形態では、光検出器は、フィルタ要素と検出器要素との間に形成された内部空間にそれぞれ個別に封入される。これにより、検出器素子上のそれぞれの光検出器を別々に良好に保護することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、複数の光検出器が共通の内部空間に封入されている。
【0028】
いくつかの実施形態では、1つ以上の光検出器は単一光子アバランシェフォトダイオードである。このような単一光子アバランシェフォトダイオードは、単一光子をカウントするように設けられている。光路内に光子が多すぎる場合、SiPM内に接続されたSPADも同時に全体的に飽和し、これにより、もはや感度がなくなる可能性が高くなる。しかしながら、フィルタマトリクスの個々の減光フィルタは、減衰レベルが許容する数の光子しか透過させないので、減光フィルタの後方に位置するSPADは、低反射物体の場合のフィルタリングされていないか、または弱くフィルタリングされたピクセルとちょうど同じだけ多くの光子を高反射物体から受け取ることができる。したがって、「アーム確率」とも呼ばれる検出能力は均質のままである。均質性は、より多くのSPADピクセル、すなわち個々の光検出器が、SiPM、すなわち検出器マトリクスを有しており、より多くのフィルタ強度、すなわち複数の異なる減光フィルタ、および光検出器グループが使用されるほど良好になる。全ての光検出器が単一光子アバランシェフォトダイオードであることは特に好ましい。このようにして、多数の同一の光検出器を使用することができ、これにより、コストを低減し、製造を簡略化することができる。SPADの使用は、照明条件が劣悪な場合に一般的な撮像装置が必要とする露光時間を、好ましくはミリ秒のオーダーからナノ秒のオーダーまで著しく短縮することを可能にする。
【0029】
いくつかの実施形態では、1つ以上の光検出器アレイが正確に1つの光検出器を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の光検出器アレイが2つ以上の光検出器を含む。好ましくは、光検出器の数は、2つ以上または全ての光検出器アレイについて同じである。これらの実施形態では、光検出器と光検出器アレイとの対応関連性は、上流側に配置された減光フィルタによって定義されるので、好ましくは、2つ以上の減光フィルタは減光に関して同一であり、したがって、これらの減光フィルタは、対応する数の光検出器を有する光検出器アレイを定義する。フィルタマトリクスは、好ましくは、2つ以上の異なる減光度を提供し、これにより、対応する数の光検出器アレイが定義される。さらに、フィルタマトリクス内の同一の減光フィルタの数は、好ましくは、異なる減光度のそれぞれについて同じである。例えば、3×3フィルタマトリクスでは、入射する光量に関して、好ましくは、33%の減光度を有する3つの減光フィルタがあり、50%の減光度を有する3つのさらなる減光フィルタがあり、66%の減光度を有する3つのさらなる減光フィルタがあり、これにより、9つの同一の光検出器を含む下流側に配置された3×3検出器マトリクスでは、3つの光検出器アレイを定義することができる。しかしながら、フィルタマトリクスに、他の光検出器アレイと比較してより小さい割合またはより大きい割合でより強い、またはより弱いフィルタが設けられている実施形態もある。例えば、4つの光検出器を有するさらなる第4の光検出器アレイを検出器マトリクスに設けることができ、この第4の光検出器アレイは、90%の減光度を有する4つのさらなる減光フィルタによってフィルタマトリクス内で定義されている。この場合、検出器マトリクスは、好ましくは13個の同一の光検出器を有している。
【0030】
本発明によれば、冒頭で述べた形式の自動車も提供され、上述の一実施形態のライダーシステムは、自動車に動作可能に接続されている。
【0031】
本発明による自動車は、ライダーシステムによって、検出器側においてレーザ送信出力の調整または可変の動的な調整を必要とすることなしに、近距離域における高反射物体および遠距離域における低反射物体の両方を検出することができるという利点を有する。より高い確率で常に光検出器の検出能力を保持することができる。本発明は、高いダイナミックレンジを備えたライダーシステムを有する自動車の提供を簡略化する。
【0032】
好ましい自動車は、乗用車、トラック、二輪車、特にオートバイ、およびバスである。ライダーシステムは、自動車内で適切なインターフェースを介して、少なくとも部分的に自動化された運転機能のための、特にモノビデオの部分的に自動化された運転のための制御ユニットに動作可能に接続することができる。自動車は、さらに3Dカメラを有することもできる。
【0033】
本発明の有利なさらなる構成を従属請求項に記載し、以下に説明する。
【0034】
図面および以下の説明を参照して、本発明の例示的な実施形態を詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】共通の検出器マトリクスと、検出器マトリクスの上流側に配置された共通のフィルタマトリクスとを有する、本発明の第1の実施形態によるライダーシステムを示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態によるライダーシステムの共通の検出器要素を示す概略的な平面図である。
図3図1による検出器マトリクスおよびフィルタマトリクスの一部を示す横断面図である。
図4】本発明の第2の実施形態による代替的なフィルタマトリクスを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、本発明による第1の実施形態におけるライダー(LiDAR)システム1を示す。このライダーシステム1は自動車(図示せず)内に配置されており、自動車に動作可能に接続されている。当業者に知られているライダーシステム1の様々な詳細、例えば、周辺領域を走査するために光ビームを送信するために使用されるレーザ源などは簡略化のために省略されている。
【0037】
図1に示したライダーシステム1は、周辺領域に関する情報を検出するために光ビームで周辺領域を走査するように設けられており、ライダーシステムは、以下に詳細に説明するように、周辺領域の近距離域における高反射物体および周辺領域の遠距離域における低反射の物体の両方を検出するように設けられている。
【0038】
ライダーシステム1は、検出器要素2とフィルタ要素3とを備える。検出器要素2は、複数の光検出器4、ここでは例えば9個の同一の光検出器4を含み、これらの光検出器は、以下でより詳細に説明するように、異なる飽和率を有するように設けられている。
【0039】
ライダーシステム1は、複数の光検出器4の受信信号から、近距離域における高反射物体を遠距離域における低反射物体から識別するように設けられている。この場合、近距離域は、光検出器から測定して約0m~40mの距離に位置し、遠距離域は40mを超える距離に位置する。
【0040】
図示の第1の例示的な実施形態では、個々の光検出器4は3つの光検出器アレイにグループ分けされており、これらの光検出器アレイは、光検出器3の検出方向において検出器要素2の上流側に配置されたフィルタ要素3によって定められる。フィルタ要素3は、フィルタフレーム5とフィルタマトリクス6とを含み、フィルタマトリクス6はここでも9つの減光フィルタ7a~7cを有し、これらのうちそれぞれ3つは同一であり、すなわち、それぞれ3つは同じ光量を通過させる。フィルタマトリクス6は、チェス盤状の改良型ベイヤーフィルタとして構成されている。それぞれ異なる減光度を提供する減光フィルタ7a~7cは、互いに隣接して配置されている。
【0041】
光検出器4は、単一光子アバランシェフォトダイオードであり、全て同一に構成されており、したがって、単一光子のみをカウントすることができる。光検出器4の上流側に配置された減光フィルタ7a~7cは、減光フィルタ7a~7cの下流側に配置された光検出器4の飽和率を減少させる。したがって光検出器4とそれぞれの光検出器装置との対応関係は、それぞれの光検出器4の上流側に配置されたフィルタマトリクス6の減光フィルタ7a~7cが、どのくらいの相対的な光量に対して透過性であるかにのみ基づいている。
【0042】
したがって、図示の例示的な実施形態では、検出器要素2は、9つの同一の個々の光検出器4を有する共通の3×3検出器マトリクス8を備える。フィルタ要素3は、3つの減光フィルタ7a、さらなる3つの減光フィルタ7b、およびさらなる3つの減光フィルタ7cを有する3×3フィルタマトリクス6を備え、3つの減光フィルタ7aはそれぞれ第1の減光度を提供し、これにより入射する光量の75%が通過させ、さらなる3つの減光フィルタ7bは、それぞれ第2の減光度を提供し、これにより入射する光量の25%を通過させ、さらなる3つの減光フィルタ7cは、それぞれ第3の減光を提供し、これにより入射する光量の50%を通過させる。減光フィルタ7a~7cの後方の下流側に配置された同一の光検出器4の、第1の減光度によって定義された第1の飽和率、第2の減光度によって定義された第2の飽和率、および第3の減光度によって定義された第3の飽和率は互いに異なっている。
【0043】
第1の減光度を有する3つの減光フィルタ7aの後方に配置された光検出器4は、ここでは3つの同一の単一光子アバランシェフォトダイオードからなる第1の光検出器アレイを構成している。第2の減光度を有する3つの減光フィルタ7bの後方に配置された光検出器4は、この場合には、さらなる3つの同一の単一光子アバランシェフォトダイオードからなる第2の光検出器アレイを構成している。第3の減光度を有する3つの減光フィルタ7cの後方に配置された光検出器4は、この場合には、さらなる3つの同一の単一光子アバランシェフォトダイオードからなる第3の光検出器アレイを構成している。強度が異なる3つの減光度により、光検出器4は、上流側に配置された減光フィルタ7a~7cのそれぞれに入射する光量が同じ場合に、他の光検出器4と比較して異なる飽和率を有するように設けられている。
【0044】
したがって、9個のそれぞれの光検出器4は、明らかに、光検出器アレイのいずれか1つに正確に割り当てられており、それぞれの光検出器アレイで受光されることが望ましい光量に対して透過性である減光フィルタ7a~7cが、それぞれの光検出器4の上流側に配置されている。このことは、フィルタマトリクス6の構成が検出器マトリクス8の構成に対応しており、それぞれいずれか1つの減光フィルタ7a~7cがいずれか1つの光検出器4の上流側に配置されていることを意味する。
【0045】
言い換えれば、図1は、検出器マトリクス8について、相互接続された複数のSPAD検出器からなるSiPM構成を光検出器4として、この場合には、例えば3×3の「マクロピクセル」として設けている本発明による第1の構成を示す。この検出器マトリクス8の前方には、減衰度が異なる静的なフィルタアレイ、フィルタマトリクス8が光受信経路の個々のピクセルに配置されており、これにより光検出器4のそれぞれのSPADは、選択されたダイナミックレンジの光子のみをカウントすることができる。ここに示された9つのチャネルに加えて、用途に応じて、他の実施形態では、より小さい、またはより大きい割合で、より強い、またはより弱い減光フィルタ7a~7cを設けることができる。
【0046】
図2は、検出器要素2の平面図を示す。検出器要素2は、9つの同一の光検出器からなる3×3検出器マトリクス8と、検出器マトリクス8を担持するキャリアプレート9とを備える。したがって、フィルタマトリクス6の知識なしには、9個の同一の光検出器4のうちのどの光検出器4がどの光検出器アレイに割り当てられているかを識別することはできない。言い換えれば、これは、フィルタマトリクス6を置き換えることによって、光検出器4の割り当てを変更することもできることを意味する。
【0047】
それぞれの光検出器4は、電子導体路配置10を介して、例えば集積化された解析制御回路によって構成された解析用電子機器11に接続されている。解析用電子機器11は、複数の光検出器4の光検出器4の受信信号から、近距離域における高反射物体を遠距離域における低反射物体から識別するように設けられている。解析用電子機器11は、記憶された割当てテーブルから、この場合には3つの異なる光検出器アレイに対する検出器マトリクス8の個々の光検出器4の割当てを知っており、したがって、例えば、第1の減光度を有する減光フィルタ7aが上流側に配置されている光検出器4の計数信号を、第1の光検出器アレイからの受信信号として解析することができる。第1の例示的な実施形態では、解析用電子機器11は、全ての光検出器4の受信信号を合成し、共通の明暗画像情報として同期して出力するように設けられている。同時に、解析用電子機器11は、光検出器4の受信信号から、周辺領域に関する深さ情報を受け取るように設けられている。したがって、それぞれの光検出器4は二重の機能を有する。さらに、解析用電子機器11は、光検出器4のヒストグラムを記録し、統計的に解析するように設けられており、例えば、物体の反射率特性を決定し、時間同期方式でこれらの物体の距離に関連付ける。
【0048】
言い換えれば、図2は、SPADマトリクス、すなわち、相互接続および(裏面照明SPAD/SiPMが使用されない場合には)非作動の、解析用電子機器11を有する平面を含む単一のマクロピクセル用のSiPM構成の検出器要素2を示す。明画像情報と暗画像情報とを組み合わせて検出するために、同時に、SiPM特性を検出するために(急速に飽和可能であり、したがって非作動のSPADの冗長性を目的とした並列動作)、マクロピクセルマトリクス内に、ここに示すよりも多くの数のSPAD、すなわち光検出器4が、検出器マトリクス8に設けられている必要があることが重要である(例えば、4×4、5×5など)。
【0049】
図3は、検出器要素2およびフィルタ要素3の一部の横断面図を示す。フィルタマトリクス6を有するフィルタ要素3は、検出器マトリクス8を有する検出器要素2に、素材接合により結合されている。この目的のために、フィルタ要素3は、エッジ領域において接続部12で検出器要素2に接着されている。検出器要素2とフィルタ要素3とは互いに永続的に結合されている。したがって、検出器要素2とフィルタ要素3とは共通の構成素子を構成している。光検出器4は、検出器要素2とフィルタ要素3との間に形成された内部空間13に封入されている。したがって、個々の光検出器4は、例えば湿気などの外部環境の影響から保護されている。図示の例示的な実施形態では、それぞれ1つの光検出器4が内部空間13に個別に封入されている。しかしながら、他の例示的な実施形態では、2つ以上の光検出器4が、内部空間13に一緒に封入されている。言い換えれば、図3は、個々のSPAD、すなわち光検出器4の標準的な図を示しており、クリーンルームプロセスにおける、例えば素材接合による接着結合を用いた、半導体ダイオード、光検出器4へのフィルタマトリクス6のシームレス接続を示している。このようにして、検出器要素2およびフィルタ要素3からなる封入された共通の構成素子が得られる。
【0050】
図4は、本発明の第2の実施形態による代替的なフィルタマトリクス6の平面図を示す。フィルタマトリクス6は、ここでもベイヤーフィルタとして構成されている。第1の実施形態とは異なり、ここでもフィルタフレーム5内に配置されたフィルタマトリクス6は、4行5列の4×5フィルタマトリクス6、すなわち20個の減光フィルタ7a~7dである。したがって、ライダーシステム1の第2の実施形態における検出器マトリクス8は、対応して20個の同一の検出器4を4×5検出器マトリクス8内に有し、フィルタマトリクス6の構成はここでも検出器マトリクス8の構成に対応しており、フィルタマトリクス6のそれぞれ1つの減光フィルタ7a~7dが、受信方向に検出器マトリクス8の光検出器4の上流側に配置されていることは示されていない。この場合、3つだけでなく、4つの異なる減光フィルタ7a~7dが提供されており、これらの減光フィルタは、低減されたそれぞれ異なる光量を通過させる。
【0051】
したがって、図4の代替的なフィルタマトリクス6を有するライダーシステム1は、第4の飽和率を有するように設けられた付加的な第4の光検出器アレイを備える。すなわち、第4の減光フィルタ7dは、10%の光量のみを通過させる減光度を提供する。したがって、第4の飽和率は、第1、第2、および第3の飽和率と異なっている。第4の減光度を有する3つのさらなる減光フィルタ7dの後方に配置された光検出器4は、3つの同一の単一光子アバランシェフォトダイオードからなる第4の光検出器アレイを構成している。第4の光検出器アレイにおける光検出器4の数は、図4から分かるように、第2の例示的な実施形態における他の3つの光検出器アレイそれぞれにおける光検出器4の数よりも少ない。図4では、第1の減光度を有する減光フィルタ7a、第2の減光度を有する減光フィルタ7b、第3の減光度を有する減光フィルタ7c、および第4の減光度を有する減光フィルタ7dが、それぞれ参照符号によって示されている。それぞれのハッチングは、さらに、同じ光量に対してそれぞれ透過性を有する減光フィルタ7a~7dを示しているが、見やすくするために参照符号を有していない。
【0052】
このようにして、ライダーシステム1と、ライダーシステム1に動作可能に接続された自動車とが提供され、ライダーシステム1は、周辺領域に関する情報を検出するために光ビームで周辺領域を走査するように設けられている。この場合、ライダーシステム1は、周辺領域の近距離域内における高反射物体と周辺領域の遠距離域における低反射物体の両方を検出するように設けられており、ライダーシステムは、このために、異なる飽和率を有するように設けられた複数の光検出器4を有する。図示の解決策では、光検出器4の上流側にはそれぞれ1つの減光フィルタ7a~7dが配置されており、これにより、光検出器4は、光子をカウントするだけでなく、光検出器4の受信信号により、高反射物体を低反射物体から識別することができるように設けられている。図示の2つの実施形態では、全ての減光フィルタ7a~7dは、「NDフィルタ」とも呼ばれる調光フィルタである。次いで、解析用電子機器11は、光検出器4からの情報を解析し、例えば、同期した明画像情報と暗画像情報とを出力することができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】