(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(54)【発明の名称】ハードウェアの移植なしで頸椎の安定化を確立するためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/70 20060101AFI20220124BHJP
【FI】
A61B17/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531516
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(85)【翻訳文提出日】2021-07-14
(86)【国際出願番号】 US2019063751
(87)【国際公開番号】W WO2020113102
(87)【国際公開日】2020-06-04
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521237077
【氏名又は名称】フランク・エイチ・ベーム,ジュニア
(71)【出願人】
【識別番号】521237088
【氏名又は名称】トッド・エム・クレーマー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】フランク・エイチ・ベーム,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】トッド・エム・クレーマー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL24
4C160LL62
4C160LL70
(57)【要約】
標的椎骨の皮質骨を一切侵害することなく頸椎の1つまたは複数の標的モーションセグメントを安定させるためのデバイスのシステムおよび使用方法。デバイスがこれらの椎骨の戦略的な側に押し当てられ、それにより開示される本発明により各椎骨を確実に制御することが達成される。ここでは、接続要素が構成体を安定させる。移植方法、および開示される本発明の移植で使用される補助デバイスと共に、本発明の好適な実施形態および代替の実施形態が開示される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頸椎を安定させるための非侵襲的な骨クランプであって、前記非侵襲的な骨クランプが、
第1の先端部および第2の終端部を備える椎弓板下顎部であって、前記椎弓板下の第1の先端部が比較的薄いプレート部分を有する、椎弓板下顎部と、
背側顎部と、
前記椎弓板下顎部および前記背側顎部を枢動可能に連結するための手段と、
前記椎弓板下顎部および前記背側顎部を接続する固定ねじのための手段と
を備える非侵襲的な骨クランプ。
【請求項2】
前記椎弓板下顎部の構成が実質的に半卵形である、請求項1に記載の非侵襲的な骨クランプ。
【請求項3】
前記背側顎部の構成が実質的に半卵形である、請求項2に記載の非侵襲的な骨クランプ。
【請求項4】
前記椎弓板下顎部が内部表面および外部表面を有し、前記内部表面が、その上に配置される複数の歯を有し、前記内部表面が第1の標的頸部椎弓板の表面を補完するように構成される、請求項3に記載の非侵襲的な骨クランプ。
【請求項5】
前記背側顎部が内部表面および外部表面を有し、前記内部表面が、その上に配置される複数の歯を有し、前記内部表面が第1の標的頸部椎弓板の表面を補完するように構成される、請求項3に記載の非侵襲的な骨クランプ。
【請求項6】
頸椎を安定させるための非侵襲的なシステムであって、前記非侵襲的なシステムが、
第1の先端部および第2の終端部を備える椎弓板下顎部であって、前記椎弓板下の第1の先端部が比較的薄いプレート部分を有する、椎弓板下顎部と、背側顎部と、前記椎弓板下顎部および前記背側顎部を枢動可能に連結するための手段と、前記椎弓板下顎部および前記背側顎部を接続する固定ねじのための手段と、を備える第1の非侵襲的な骨クランプ、
第2の非侵襲的な骨クランプ、ならびに、
前記第1の骨クランプを前記第2の骨クランプに接続する接続要素、を備える、
頸椎を安定させるための非侵襲的なシステム。
【請求項7】
前記第1および第2の骨クランプの前記椎弓板下顎部の構成が実質的に半卵形である、請求項6に記載の頸椎を安定させるための非侵襲的なシステム。
【請求項8】
前記第1および第2の骨クランプの前記背側顎部の構成が実質的に半卵形である、請求項7に記載の頸椎を安定させるための非侵襲的なシステム。
【請求項9】
前記椎弓板下顎部が内部表面および外部表面を有し、前記内部表面が、その上に配置される複数の歯を有し、前記内部表面が第1の標的頸部椎弓板の表面を補完するように構成される、請求項3に記載の非侵襲的な骨クランプ。
【請求項10】
前記背側顎部が内部表面および外部表面を有し、前記内部表面が、その上に配置される複数の歯を有し、前記内部表面が第1の標的頸部椎弓板の表面を補完するように構成される、請求項9に記載の頸椎を安定させるための非侵襲的なシステム。
【請求項11】
頸椎を安定させるための非侵襲的なシステムであって、前記非侵襲的なシステムが、少なくとも2つの骨クランプおよび少なくとも1つの接続手段を備える、非侵襲的なシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本特許出願の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2017年7月11日に出願した米国特許出願第15/646,615号の開示に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]頸椎を重要な人体病理学の部位として昔の医者が初めて認識した歴史の時点ははるか昔である。スミスパピルスが、エジプトの中期王朝の医者が頸部の病理学を意識していたことを証明しており、この文献がより以前の文明からの医者の研究から写した可能性があることを示唆する証拠も存在する。
【0003】
[0003]現在、頸椎の痛みおよび関連の症状は、患者が医療ケア業者を訪ねることになる最も一般的な理由の1つであり、また、脊柱に対しての待機手術における最も一般的な部位の1つである。さらに、頸椎の痛みおよび関連の症状は自動車事故の後および他の家庭においての/非軍事においての損傷の後の一般的な病状であることが非常に多く、高い可能性でこのような事故における訴訟の主要な理由となる。頸椎の痛みは労災補償の怪我に関連する一般的な病状であり、数十億ドルの医療費を発生させ、障害給付も発生することになり、生産性も低下する。このような怪我が軍人また特には超音速機を操縦するパイロットも悩ませていることも見落としてはならない。その理由は、このような事例におけるこれらのパイロットにおいては、CS-6の変性を患うことが「単に時間の問題である」と言われることが多いからである。これが、新しい千年紀に入った現在において、米国さらには技術的に最も進んだ国々の非常に大きな問題であることは明らかである。
【0004】
[0004]この主張は、米国のみで毎年50,000件以上の頸椎前方固定術が実施されているという事実によっても裏付けられる。主要な後方手技もさらに最大25,000件の事例を追加することができる。さらに、数百万人の患者が慢性的な頸部の痛みを患っている。また、このような膨大な患者数により、この膨大な患者集団に対応するための膨大な数の代替療法が生み出されてもいる。
【0005】
[0005]慢性的な頸部/脊椎の痛みの発生に関して多くの理論が存在するが、より良好に確立された仮説のうちの1つの仮説は、このような「軸上」の痛みが、2つ以上の椎骨の間での異常なモーションの一要素、つまりいわゆる「微視的不安定性」の徴候を表しているということである。さらに、「微視的不安定性」のこの問題が理論的に脊椎固定術のための主要な目安として機能することから、このような兆候が過度なモーションの結果であると考えられる場合、このセグメントを成功裏に固定することおよびそれによりすべてのムーブメントを排除することがこの問題を解決することになることが明らかである。残念ながら、これはまだ完全には解明されていないことから、常に完全に解決するというわけではない。
【0006】
[0006]脊椎の生物動力学と軸上の痛みとの間の関係をより良好に理解することを目的として、脊椎を研究する科学者および医者が「モーションセグメント」と称されるパラダイムを開発した。これは、任意の2つの隣接する椎骨、加えて、それらの関連の椎間板、面関節、関連の靭帯、腱、筋肉、さらには神経要素から構成されるユニットを意味している。
【0007】
[0007]このようなパラダイムを設定して、最初の2つの頸椎の特別な解剖学的構造を認識することで、頸椎の病的状態を把握するのにこのパラダイムが利用され得ることが理解され得る。さらに、診断上の展望および治療学的展望の両方から、本明細書で開示されるデバイスが如何にして有益なものとなり得るかが認識され得る。この認識は、頸椎の中で利用されてきた脊椎固定装置を再考察することによりさらに強化され得る。
【0008】
[0008]頸椎固定手術を改善するための固定装置は過去30年で劇的に進化してきた。非常に興味深いことにより、1891年にHadraにより頸椎の治療のための固定装置が導入されたわけであるが、このときはHadraはC6からC7の棘突起をワイヤで結合した。しかし、Hadraはこの治療を固定グラフトで補完したわけではないが、この手技が非常に成功したものであったことが報告されている。後に、Hadraがポット病の治療で使用するためにこのテクニックを修正した。
【0009】
[0009]適した脊椎固定術(ポット病の治療のためのものでもある)は、1911年、Hibbsにより導入された。さらに、それから一世紀が経過する間において、この手技は米国においてさらには全世界において最も一般に実施された待機手術のうちの1つとして確立された。Hibbsの手技は当初は腰椎の治療のために導入されたものであったが、最終的に頸椎のための固定術も導入された。
【0010】
[0010]1942年には、固定術に後方脊椎固定装置を組み合わせることが考え出された。この年、Rogersが標的棘突起の中に穿孔した孔を通す形でワイヤを通過させてこれを腸骨稜からの骨グラフトで補完するテクニックを導入した。このテクニックはWhitehillおよびBenzelらによってさらに修正された。
【0011】
[0011]Bohlmanが、棘突起をワイヤで結合することに加えて腸骨稜からの細長い骨グラフトを外側塊に対してワイヤで結合することによるテクニックを導入した。1977年にCallahanにより椎間関節の固定(Facet fixation)が初めて導入された。これは、関節面を通す形で孔を穿孔してこの孔を通す形でワイヤを通過させて最終的に構成体を安定させることを提案するものであった。これは主に腰椎で利用されるが、頸部の椎間関節固定(cervical facet fusion)も一部事例として報告されている。
【0012】
[0012]1983年、CahillがCallahanの教示の変形形態を導入した。これは実際には依然のテクニックに椎間関節のワイヤリング(facet wiring)を組み合わせたものである。Cahillは標的モーションセグメントの尾椎の棘突起の周りにワイヤを通過させた。これはHadraによって説明された伝統的なテクニックに準ずるものである。Callahanによって説明されるように、外側塊を通す形で穿孔された孔を通す形でこれらのワイヤのもう一方の端部が通過させられる。
【0013】
[0013]Harringtonが、1950年代に開始された画期的な仕事において、椎弓板の縁部の下を通過させられて長い棒に接続されるフックのシステムを提案した。このシステムは、主として、脊柱側弯湾曲症を矯正するために導入されたものであるが、頸椎を含めた脊椎のすべてのセグメントで使用される多様なシステムの中で現在一般に使用される椎弓板下フックを導入することにも関与するものであった。本明細書で開示される発明性のあるプロセスは、Harringtonによって教示されるフック手法と同様に椎弓板下の構成要素を利用する。
【0014】
[0014]1980年半ば、ハリファックス大学の外科医により後方安定化のための別の方法が導入された。これは、標的モーションセグメントの頭蓋椎部の椎弓板の上側縁部の周りに一対の湾曲した金属プレートを通過させることができることを教示するものであり、ここでは、一対の「鏡像」の湾曲プレートが尾椎の椎弓板の下側縁部の周りに配置される。これらのプレートの終端部がねじによって互いに固定されるように構成され、それにより骨に対してプレートを十分に押し付けることも実現する。このテクニックは実施に移されて短期間ではあるが支持を得たが、これらのテクニックは現在ではほぼ使用されることはなく、本質的に歴史的な興味の対象でしかない。
【0015】
[0015]1980年代初頭、Roy-Camilleにより外側塊スクリューが導入された。この外側塊スクリューは、名目上、何かしらの形態で、2015年において最適な頸部の後方安定化の方法(posterior cervical stabilization method)となるものである。後頭-頸部安定化システム、頸胸安定化システム、およびさらには後頭-頸部-胸部システムを可能にする種々のシステムが導入されてきた。この手術は広範囲の露出を必要とし、最小侵襲的なテクニックを使用しては実施され得ない。このようなMIS(minimally invasive(最小侵襲的))テクニックは多くの理由から現在の医療ケア環境において需要が増しており、この理由とは特には、合併症が低減されること、入院期間が短いこと、および術後疼痛管理の必要性が低減されることである。さらに、ねじの精度および効果を上げるためにさらには神経根または椎骨動脈の重大な損傷の可能性を最小にするために、ねじを非常に正確に配置することが必要となる。神経根または椎骨動脈の重大な損傷は稀ではあるが非常に深刻な合併症であり、結果として椎骨動脈解離、卒中、およびさらには脊髄の脊髄梗塞につながることが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
[0016]したがって、上記のすべての理由から、皮質骨に侵入することなくまたは骨膜の大きな損傷を引き起こすことなく、最小侵襲的な手技を利用して頸椎を安定させることができるデバイスの実質的な必要性が存在する。これは非常に重要なことである。その理由は、近年の多くの研究により、骨または線維輪の損傷が退行変性過程を加速する可能性があることが実証されているからである。このようなデバイスは、推論的にはおよび含蓄的には、移植に関してだけでなく、解剖学的構造に対しておよび標的モーションセグメントの機能に対して実質的に影響しないという点でも、完全に可逆的であることを必要とする。このデバイスは、本明細書で提示されるように、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
[0017]本発明は脊椎手術の一般的な分野に関し、具体的には、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有する安定化クランプを、少なくとも2つの隣接する頸椎の後部骨表面に対して両側において固定するための、ならびに配置後の接続要素を頭側クランプおよび尾側クランプに対して両側において固定するための、さらにそれにより標的モーションセグメントのいかなるモーションも排除するための、デバイスおよび使用方法に関する。
【0018】
[0018]本発明のこの簡単な説明は、単に、1つまたは複数の例示の実施形態による本明細書で開示される主題の概観を提供することを意図される。これらの例示の実施形態が、本出願に準じて最終的に提出されることになる非仮特許出願を共に開示されることになる特許請求の範囲に最終的に従うものであることが見込まれる。この簡単な説明は、詳細な説明において後でさらに説明される単純化された形態の概念の例示の選択肢を紹介するために提供されるものである。この簡単な説明は、主題の重要な特徴または本質的な特徴を明らかにすることを意図されず、また、主題の範囲を決定するのを補助するのに使用されることも意図されない。本主題は、背景技術において言及される任意のまたはすべての欠点を解決する実装形態に限定されない。
【0019】
[0019]本発明の特徴を理解するのを可能にするために特定の実施形態を参照して本発明の詳細な説明を読むことができる。特定の実施形態のうちのいくつかの実施形態が添付図面に示される。しかし、これらの図面が本発明の特定の実施形態のみを示しており、したがって本発明の範囲を限定するものとしてみなされないことに留意された。というのは、本発明の範囲が他の等しく効果的である実施形態も包含するからである。図面は必ずしも正確な縮尺ではなく、本発明の特定の実施形態の特徴を示す場合に概して強調が行われる。図面では、種々の図を通して同様の部品を示すために同様の符号が使用される。したがって、本発明をさらに理解できるようにするために、図面と併せて読まれる以下の詳細な説明を参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】[0020]骨からなる頸椎(osseous cervical spine)を示す前面図である。
【
図2】[0021]骨からなる頸椎を示す右側面図である。
【
図3】[0022]骨からなる頸椎を示す後面図である。
【
図4】[0023]一般的な頸椎を示す軸断(transaxial)図(上面図)である。
【
図5】[0024]切り離された椎弓板アンカーを示す側面図である。
【
図6】[0025]左C5椎弓板上に配置される椎弓板アンカーを備える脊椎を示す切欠図/半側切断図(hemisected view)である。
【
図7】[0026]1つの椎弓板アンカーを別の椎弓板アンカーに連結する接続要素を示す立面図である。
【
図8】[0027]棒状の接続要素が頭側椎弓板アンカーを尾側アンカーに連結する、CMISの好適な実施形態を示す側面図である。
【
図9A】[0028]切開の部位を決定するのに外科医を補助する好適なテンプレートおよび代替のテンプレートを示す図である。
【
図9B】切開の部位を決定するのに外科医を補助する好適なテンプレートおよび代替のテンプレートを示す図である。
【
図10】[0029]切開部位を選択するための好適な方法を示す後面図である。
【
図11】[0030]椎弓板後面(posterior lamina)に接しているローカライジングニードル(localizing needle)を示す図である。
【
図12A】[0031]皮膚切開を行うのに使用される器具を示す正面図、側面図、および立面図である。
【
図12B】皮膚切開を行うのに使用される器具を示す正面図、側面図、および立面図である。
【
図12C】皮膚切開を行うのに使用される器具を示す正面図、側面図、および立面図である。
【
図13A】[0032]後部の頸部筋肉組織を解剖する器具を示す種々の図である。
【
図13B】後部の頸部筋肉組織を解剖する器具を示す種々の図である。
【
図13C】後部の頸部筋肉組織を解剖する器具を示す種々の図である。
【
図13D】後部の頸部筋肉組織を解剖する器具を示す種々の図である。
【
図13E】後部の頸部筋肉組織を解剖する器具を示す種々の図である。
【
図14A】[0033]標的モーションセグメントを有する椎骨を互いから切り離す(distract)ためのデバイスを示す立面図および分解図である。
【
図14B】標的モーションセグメントを有する椎骨を互いから切り離すためのデバイスを示す立面図および分解図である。
【
図15】[0034]
図14AおよびBの切り離しデバイスを定位置に挿入する器具を示す立面図である。
【
図16A】[0035]病変状態、および所望の効果を得るために配置されて膨張させられたディストラクタデバイスを示す図である。
【
図16B】病変状態、および所望の効果を得るために配置されて膨張させられたディストラクタデバイスを示す図である。
【
図16C】病変状態、および所望の効果を得るために配置されて膨張させられたディストラクタデバイスを示す図である。
【
図16D】病変状態、および所望の効果を得るために配置されて膨張させられたディストラクタデバイスを示す図である。
【
図16E】病変状態、および所望の効果を得るために配置されて膨張させられたディストラクタデバイスを示す図である。
【
図17A】[0036]CMISの移植を容易にするための開創器システムの使用を示す図である。
【
図17B】CMISの移植を容易にするための開創器システムの使用を示す図である。
【
図17C】CMISの移植を容易にするための開創器システムの使用を示す図である。
【
図17D】CMISの移植を容易にするための開創器システムの使用を示す図である。
【
図17E】CMISの移植を容易にするための開創器システムの使用を示す図である。
【
図17F】CMISの移植を容易にするための開創器システムの使用を示す図である。
【
図17G】CMISの移植を容易にするための開創器システムの使用を示す図である。
【
図17H】CMISの移植を容易にするための開創器システムの使用を示す図である。
【
図18A】[0037]アンカーを受けるために椎弓板に対して準備を行うための器具を示す側面図である。
【
図18B】解剖されて切り取られた黄色靭帯を示す切欠側面図である。
【
図19】[0038]移植器具を示す立面図である。
【
図20】[0039]移植器具を示す分解図である。
【
図21】[0040]移植されている頭側椎弓板アンカーを示す図である。
【
図22A】[0041]移植されている尾側椎弓板アンカー、および頭側アンカーに固定されている接続要素を示す図である。
【
図22B】移植されている尾側椎弓板アンカー、および頭側アンカーに固定されている接続要素を示す図である。
【
図23】[0042]2つの隣接する椎弓板アンカーをリンクして標的モーションセグメントを安定させるCMISの好適な実施形態を示す後面図である。
【
図24】[0043]3つの椎骨に跨る2つのレベルの構成体を示す後面図である。
【
図25】[0044]各々のアンカーを連結してシステムを安定させる接続要素の代替の実施形態を示す図である。
【
図26】[0045]接続要素を椎弓板アンカーに連結する別の代替の実施形態を示す図である。
【
図27】[0046]1つの椎弓板アンカーを別の椎弓板アンカーに連結する接続要素を収容するクレードルを装備する椎弓板アンカーの代替の実施形態を示す斜視図である。
【
図28】[0047]クレードルの実施形態を装備する椎弓板アンカーの接続要素を示す図である。
【
図29】[0048]
図27~28の代替の実施形態において椎弓板アンカーが互いに連結される構成体を示す図である。
【
図30A】[0049]クレードルがアンカーに対して提供されて棒によって連結される実施形態を示す図である。
【
図30B】クレードルがアンカーに対して提供されて棒によって連結される実施形態を示す図である。
【
図30C】クレードルがアンカーに対して提供されて棒によって連結される実施形態を示す図である。
【
図31】[0050]接続要素の代替の実施形態と、接続要素をアンカーに連結する方法とを示す図である。
【
図32A】[0051]
図31に見られる代替のシステムを示す種々の分解斜視図である。
【
図32B】
図31に見られる代替のシステムを示す種々の分解斜視図である。
【
図32C】
図31に見られる代替のシステムを示す種々の分解斜視図である。
【
図32D】
図31に見られる代替のシステムを示す種々の分解斜視図である。
【
図33】[0052]
図31の代替の実施形態における2つの椎弓板アンカーの連結を示す図である。
【
図34】[0053]
図31の代替の実施形態のマルチレベルの構成体を示す図である。
【
図35】[0054]棒の接続要素を利用する
図31の代替の実施形態のマルチレベルの構成体を示す図である。
【
図36A】[0055]接続要素の基部がカップの中に固定されて定位置まで回転させられて隣接するアンカーに連結された実施形態を示す立面図である。
【
図36B】
図36Aに提供される代替の構成のマルチレベルの実施形態を示す図である。
【
図37】[0056]
図36A、Bで考察される実施形態の変形形態を示す側面図である。
【
図38】[0057]アンカーから延びて独自の連結要素によって連結された延長部分を描いている代替の実施形態を示す側面図である。
【
図39A】[0058]
図38に示されるマルチレベルの実施形態の変形形態において利用されるアンカーを示す側面図である。
【
図39B】組み立てられたマルチレベルの構成体の同じ変形形態を示す図である。
【
図40】[0059]アンカーから延びるねじ切りされた延長部分と、これらの延長部分に連結されるように構成される接続要素とを装備する別の代替の実施形態を示す側面図である。
【
図41】[0060]複数の椎弓板アンカーを連結する
図40の代替の実施形態を示す側面図である。
【
図42】[0061]
図40で考察される実施形態の別の変形形態を示す側面図である。
【
図43】[0062]構成体を連結するためにねじ切りされた延長部分を利用する実施形態の別の変形形態を示す側面図である。
【
図44A】[0063]非常に低プロフィールの代替の実施形態を示す側面図である。
【
図44B】非常に低プロフィールの代替の実施形態を示す側面図である。
【
図45】[0064]顎部アンカーが互いの方を向くように方向付けられた代替の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0065]本記述は最良の形態を含めて本開示を開示するためにならびにさらには任意のデバイスまたはシステムを作って使用することおよび任意の組み込まれる方法を作って使用することを含めて任意の当業者により本発明を実施するのを可能にするために、実施例を使用する。本発明の特許可能な範囲は、目下、本発明の記述によって定義され、さらに特許請求の範囲によって定義されることになる。
【0022】
[0066]本発明の主要な目的は、デバイスにより標的の頸椎モーションセグメントの後面側を安定させてこのセグメントを動かないようにするための、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有するデバイスおよび使用方法を提供することである。このデバイスは、これ以降、頸部最小侵襲システム(CMIS:Cervical Minimally Invasive System)として周知のものとする。その理由は、このデバイスが、最小侵襲的外科的テクニックを利用して移植されるように設計されているからである。
【0023】
[0067]好適な実施形態で、CMISが外科グレードのチタニウムから製作される。別法として、このCMISが、外科グレードのステンレス鋼、もしくは、限定しないが、コバルト、ニッケル、クロム、モリブデンを含めた、任意の金属の合金、または、ニチノール、炭素繊維、ポリエステルもしくはポリアミド、セラミック、PEEK、骨などの有機材料、を含めた他の材料、あるいは、当技術分野で許容されることが知られているかまたは証明されている任意の他の材料から製作されてもよい。
【0024】
[0068]好適な実施形態が、1つまたは複数の頸部の標的モーションセグメントの椎弓板外側面に後で固定されるアンカーと、これらのアンカーを互いに連結して構成体を安定させていかなる小さい動きも排除する接続要素とから構成される。好適な実施形態およびすべての代替の実施形態で、これらの構成体が通常は両側で固定される。加えて、すべての実施形態で、標的モーションセグメントの頭尾方向寸法が、接続要素に沿って切り離しまたは押し付けを適用することによって調整され得る。
【0025】
[0069]好適な実施形態で、これらの椎弓板アンカーが椎弓板外側面の下側または尾側に固定される。以下の「図面の詳細な説明」のセクションで概説されるように、これらの椎弓板アンカーが椎弓板下顎部および背側顎部から構成される。椎弓板下顎部が、黄色靭帯の背側において標的椎弓板の下方に入れ込まれるように設計される先端部のような薄いプレートを装備し、それにより、最小の空間を占有し、それにより脊髄または他の管内神経構造を脅かさない。背側顎部が標的椎弓板の後面側に押し当てられる。これらの顎部が、アンカーの長軸に対して垂直に、アンカーの終端部のところに配置される心棒に不可逆的に連結され、この心棒に対しての連結の間接的な結果として、顎部が互いに効果的に連結される。この心棒が、顎部を互いの方に引いてそれにより椎弓板に固定するアクチュエータの一部分である。同様に、取り外すことが所望される場合、顎部が解除され得、アンカーが骨から取り外される。
【0026】
[0070]これらの顎部が横から見ると構成が実質的に半卵形(hemi-ovoid)であり、さらに各顎部の終端部が有限のアレイの小型の咬合しない歯を装備することができ、これらの歯が、皮質骨を貫通しないが標的骨表面との摩擦を単に増大させるように構成される。顎部が定位置にくると、アンカーの終端部のところの連接機構の中に収容される固定ねじが締め付けられる。これが、2つの顎部を互いの方に強制的に移動させるアクチュエータとして機能する。この場合、アンカーが接続要素を用いて互いに連結される。好適な実施形態で、顎部を一体に引く固定ねじが、前側顎部を通過する先端部と、両方の顎部を橋絡するシャフトと、外科医によって作動させられる終端部とを装備する。最も終端側の端部が垂直方向の延長部分を装備し、垂直方向の延長部分が水平方向のバーと連続する。
【0027】
[0071]好適な実施形態で、接続要素が棒状の実施形態であり、ここでは先端部が平坦エリアを装備し、さらに平坦エリアが細長い中央開口部を有する。先端部がシャフト状の中央部分と連続しており、このシャフト状の中央部分がさらに終端部と連続しており、終端部がサドルを装備し、サドルが背側顎部に固定される。好適な実施形態および他の実施形態で、接続要素の先端部が、頭側アンカーのねじの終端部において水平方向のバーの上に配置される。接続要素の先端部のところにある主として細長い構成である中央開口部である、接続要素のこの構成により、標的モーションセグメントの切り離しまたは押し付けの両方が可能となる。
【0028】
本発明の移植
[0072]本発明は、最小侵襲的な後方アプローチを介して、この外科的アプローチを案内するために術中の蛍光透視法または何らかの他の術中のイメージングテクニック/コンピュータナビゲーションを利用して、移植され得る。正確な標的レベルが特定されておりかつ安定していることを確認するためには、これらのイメージに細心の注意を払うことが必要とされる。
【0029】
[0073]十分な感覚消失(全身/局所/局部)を達成した後、標的の椎弓板外側面上で限定的な切開が行われ得る。切開部位がランダムに選択され得る。別法として、切開部位が、
図9A/Bおよび
図10で説明される独自のテンプレートシステムによって指示され得る。切開自体が標準的な外科用メスを使用して達成され得る。別法として、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有する皮膚切開デバイスが以下の「本発明を説明する図の詳細な説明」のセクション/具体的には段落119~123で完全に開示され、
図11および12A~Cに示される。
【0030】
[0074]生来の面を使用してこの生来の面に沿わせて筋肉を分割するのに独自の両刃解剖デバイスが利用される。標的の椎弓板の尾側を特定するとき、椎弓板アンカーの後側顎部を固定するところである椎弓板上の部位に沿う追加の骨膜下解剖が完了する。これが
図13A~Eおよび段落124~129に示される。
【0031】
[0075]変性疾患を患う患者では一般に椎間高さの損失が見られる。本発明のこのような観点に関連することとして、このような高さの損失により、通常、椎弓板の「重なり合い」が増大し、それにより椎弓板の尾側縁部へのアクセス性が低減するようになる。
【0032】
[0076]これは、標的モーションセグメントを切り離すことによって改善され得る。これは、後方アプローチであることから、2つの棘突起を互いから切り離すことによって最良に対処される。これが標準的な椎弓板スプレッダを使用して達成され得る。
【0033】
[0077]別法として、頸椎モーションセグメントディストラクタが、本発明を移植するためのデバイスのシステムと一部として提供される。このデバイスが棘突起の間に挿置され、膨張させられ、より最適な手術野を作る。これが、
図14A/B、さらには
図15および
図16A~D、ならびに段落131~137に明示される。
【0034】
[0078]MISアプローチが利用されるが、最適な露出が依然として望まれる。この目的のため、頸部のMIS手技のために特に設計されるMIS開創器が提供される。また、この開創器の構成および使用方法の具体的な詳細に関して、
図17A~H/段落141~150を参照する。
【0035】
[0079]この場合、フットプレート式の解剖用器具が黄色靭帯と椎弓板の下側との間に面を作る。移植器具が導入され、移植器具の先端部が椎弓板アンカーに可逆的に連結される。最初、この器具が頭側椎弓板アンカーを標的椎弓板上まで案内し、固定ねじを締め付け、それによりアンカーを椎弓板に固定する。尾側レベルでこの手技が繰り返され、接続要素の先端部が頭側アンカーのねじの終端部のところの水平方向のバーの上を通過させられる。ねじが約4分の1回転させられ、接続要素を定位置で拘止する。実質的にすべての例において、頸椎は両側で安定させられることになる。本発明は1つまたは複数の標的頸部モーションセグメントを安定させるように設計され、ここでは、追加のレベルを連結するのに同じテクニックが使用され、それによりレベルが追加される。
【0036】
代替の実施形態
[0080]本発明の複数の代替の実施形態が想定され得る:これらの代替の実施形態のうちの最も明らかな実施形態が本明細書で開示される。当業者であれば他の実施形態を想定して提供することができる。このような実施形態も、参照により、本発明の精神および範囲に含まれる。
【0037】
[0081]好適な実施形態で、接続要素が、製造時に提案される尾側アンカーの背側に固定される。第1のセットの代替の実施形態で、接続要素を椎弓板アンカーに連結するための手法の変形形態が存在する。このシステムで解消しなければならない1つの課題は、レベルごとの椎骨のわずかな違いによって生じる、連結ポイントの角度および高さのわずかな変化に対応しながら、レベルごとにアンカーをシームレスに連結することである。
【0038】
[0082]このような1つの代替の実施形態で、接続要素の終端部が先端部に実質的に等しく、その結果、終端部にも同様に細長い開口部が提供される。終端部が頭側アンカーと同様の手法で尾側椎弓板アンカーの水平方向のバーの上に配置され得る。この場合、両方の水平方向のバーが接続要素の先端部および終端部を拘止して動かないようにする。任意のこのような実施形態において切り離しまたは押し付けが、接続要素の端部のところにある細長い開口部によって達成され得る。このような実施形態では、棒が移植時にアンカーのうちの1つのアンカーの上に「予め組み込まれ」得る。任意選択で、接続要素が、構成体に追加される完全に独立した別個の要素であってよもよい。
【0039】
[0083]また、この実施形態の別の変形形態が、水平方向のバーを用いず、両端部に開口部を備える接続要素を利用する。
【0040】
[0084]したがって、この実施形態では、接続要素の端部が、両方のアンカーの固定ねじのヘッドの下に配置される。ねじが標的椎弓板に接触した状態で作動させられると、同時に接続要素が定位置で固定される。
【0041】
[0085](好適には)尾側アンカーの背側表面から延長部分が延びているような実施形態が考えられ得る。これが球形部分または半球形部分と連続しており、球形部分または半球形部分がクレードルの先端部に不可逆的に連結される。この連結のジオメトリはクレードルの多軸の移動を可能にし、これが、レベルごとの椎弓板アンカーのアライメントのわずかな変化に対してこのクレードルが対応するための能力に不可欠なものとして影響する。
【0042】
[0086]先端部と、延伸シャフトと、終端部とを装備する棒がクレードルの中に配置される。先端部が好適な実施形態の先端部と実質的に同じであり、中央開口部を有する平坦エリアを有する。これは中実中央シャフトと連続しており、中実中央シャフトが終端部に接続され、終端部がクレードルを通過して前進することがないようにわずかに拡大する。主要位置/非配備配置において、接続要素が、クレードルを通過する形で棒の大部分を配置しないように配置される。棒をその初期位置で維持するためにさらには配備後に棒を最終位置で拘止するために、固定ねじがクレードル内に配置される。
【0043】
[0087]両方のアンカーがそれぞれの椎弓板に固定されると、アンカー移植器具が棒の終端部に係合され、相補的な移植器具により先端部を捕捉するまで棒を押し、(頭側)アンカーを安定させる。この場合、水平方向のバーの上に開口部を配置することにより、棒の先端部の中の開口部がねじの終端部に固定され、それにより構成体を定位置で拘止する。この実施形態の変形形態が、単純に、クレードル、および構成体を安定させる棒の両方を提供する。
【0044】
[0088]他のより複雑な実施形態を想定することもできる。以下に示されるこのような1つの実施形態では、アンカーの背側顎部の背側に不可逆的に連結されてそれと連続するC形クランプの実施形態を有する椎弓板アンカーの修正形態が存在する。このクランプがねじボルトまたは同様の機構によって締め付けられ、その中で棒を固定する。この棒の先端部が、ねじ切りされた背側延長部分の上に配置される円形開口部を装備し、ねじ切りされた背側延長部分がさらに(頭側と推測される)隣接するレベルにおいて固定ねじの終端部から延びている。この実施形態は、本明細書で説明されるセグメント化された連結機構を繰り返すことにより複数のレベルにわたって延伸させられ得る。
【0045】
[0089]この実施形態の代替形態が、各レベルで椎弓板アンカーに連結されるのに単一の棒の実施形態を利用し、上の段落で説明されるクランプと同様のクランプが各レベルで使用されることが見込まれる。
【0046】
[0090]別の代替の実施形態で、棒が球形の終端部を装備し、この球形の終端部がカラー付きソケットの中に入れられ、それにより棒に限定のモーション範囲を提供し、それにより棒が2つの隣接する椎骨の間の位置のずれに対応することが可能となり、2つの隣接する椎骨が安定する。棒が、理想的には、尾側アンカーの頭側端部のところに配置され、頭側アンカーの尾側端部に受け用クレードルが提供される。主要な非配備位置では、棒が後方を向いており、両方のアンカーが椎弓板に固定されると、棒がクレードルの中まで回転させられて拘止ボルト/ナットにより定位置で固定される。
【0047】
[0091]別の代替の実施形態が、各椎弓板アンカーの背側に沿ったポイントから延びているねじ切りされたポストを開示する。この場合、頭尾方向において調整され得る接続棒またはプレート状の要素を使用してアンカーが互いに連結される。この調整により、定位置に拘止する前に棒またはプレートの長さをわずかに調整することが可能となる。
【0048】
[0092]延長部分が各アンカーから延びて尾側または頭側のいずれかを向くがモーションセグメントの一部に跨るのに十分な長さを有するような、接続要素のさらに別の実施形態が見込まれ得る。この実施形態では、これらの不完全なブリッジコネクタが2つのアンカーの間の中央部で連結される。このようなスキームでは、マルチレベルの構成体において中間アンカーとして機能するアンカーが、頭側および尾側の両方の方向を向く連結アームを装備する。
【0049】
[0093]上記の変形形態で、各々のアンカーが、棒状の延長部分、さらには別のレベルからの棒状の延長部分に連結するための受け用構成要素、の両方を装備する。この実施形態では、上記の棒状の延長部分が頭側を向き、受け用構成要素がアンカーの尾側に配置されることが見込まれる。しかし、受け用ポートの位置を適切に変えて延長部分を尾側に向けるような構成も本出願の精神および範囲内にある。明らかなこととして、所望の安定性を達成するために同様の実施形態を一様に適用することが必要となる。このような実施形態は定位置で固定することがより困難となる可能性がある。その理由は、このような実施形態はレベルごとの変化を考慮しないからである。
【0050】
[0094]同じ目標および目的を達成する他の実施形態も考えられ、このような実施形態も本発明の精神および範囲内にある。このような1つの実施形態で、接続要素の先頭側および終端側の要素の各々が、開端部構成として終端するシャフトを装備する。この場合、これらのシャフトが中央部において連結要素に接合され、連結要素が椎骨の間の位置の違いに対応する。この開端部構成がアンカーを定位置で拘止する前にねじのシャフトの周りを通過させられ、アンカーの拘止後、接続要素の端部がアンカーの背側表面とねじのヘッドとの間で固定される。
【0051】
[0095]別の変形形態で、椎弓板の頭側さらには尾側に固定されるように構成されるアンカーが提供される。このような実施形態では、これらのアンカーの構成および配置順序が最終的な頭尾方向寸法に関しての外科的目的に関連する。したがって、手術目標が標的モーションセグメントの切り離しである場合、1つのアンカーが頭側椎弓板の尾側に固定され、対して他のアンカーが尾側椎弓板の頭側に固定される。このような構成は切り離しに有利に働く。
【0052】
[0096]逆に、外科医が押し付けを要求する場合、頭側椎弓板の頭側に1つのアンカーを配置し対して尾側椎弓板の尾側に他のアンカーを固定することが有利な構成となる。これらの構成の両方で、これらのアンカーを連結することが、上記の開示で明らかにされる任意の数の接続要素によって達成される。
【0053】
[0097]上で開示される実施形態の組み合わせも考えられる。例えば、1つの構成が、一方の端部のところにある開口部と、もう一方の端部のところにある開端部の実施形態とを装備する接続要素である。このような実施形態は開口部を通す形で1つのアンカーの固定ねじを配置し、固定ねじが拘止され、対して開端部構成が隣接するアンカーのねじの終端部の下に配置され、その後、ねじの締め付けが完了する。
【0054】
[0098]もちろん、本明細書で提示される種々の実施形態の組み合わせも考えられ、当業者であればこのような組み合わせを想定すること/見込むことの可能性がある、ことを理解されたい。このような実施形態および変形形態、ならびにそれらからの派生形態は、すべて、本発明の精神および範囲に包含される。
【0055】
図面の詳細な説明
[0099]適切な骨の解剖学的構造、および脊椎の重要な軟組織構造に対しての骨の解剖学的構造の種々の目印の関係を基本的に理解している場合、本発明が最良に理解される。これらの図は骨である頸椎を表すものである。その理由は、本発明の目的が標的椎骨に対しての固定されることであるからである。しかし、これは、重要な神経構造および軟組織構造がこれらの図面に含まれないこと、ならびにこのように排除はされるがこれらの構造が本発明の移植プロセス内において考慮されなければならないことを認めるものである。これらの軟組織構造(椎間板を除く)は本明細書では説明されないが、これらの図は、それでもなお、骨の解剖学的構造に対しての脊髄および脊椎神経などの重要な軟組織の関係を十分に明示するものである。これらの構成は、関連性を有する場合、これらの初期状態の図の名称によって言及される。
【0056】
[00100]これらの図で明示される目印はCMISを移植することにおいて重要なものである。頸椎が脊柱内の解剖学的奇形における最も一般的な部位であることを認識することは重要である。CMISを使用する手術が計画されるとき、このような奇形を特定しなければならず、また考慮しなければならない。特定の例において、このような奇形が、特定後、CMISの使用の相対的禁忌/絶対的禁忌を示すことができることは必然的に認識されよう。また、これらの図は筋腱構造、血管構造、または神経構造を含まない。これらはすべて、本デバイスの使用の表示および禁忌に関して重要となり得る。
【0057】
[00101]したがって、
図1の骨からなる頸椎99の前面図を参照すると、慣例によりC1~C7として指定される/番号付けされる7つの骨つまり椎骨を見ることができる。本出願の説明のために、これらの骨が、C1(100)~C7(106)に対応する符号100~106を有することになる。C1~C2(100~101)の複合体の特有の解剖学的構造をこの図においてある程度認識することができ、他の図と併せてより完全に理解することができる。C1が、他の頸椎とは異なり、大きい(expanded)前方椎体を有さないことに留意されたい。さらに、C2の椎骨からの延長部分(歯状突起107(Densとしても知られる))がC1(100)の前弓166の頂部の上方を延在していることを見ることができる。この異常のある解剖学的な構成によって作られる機構は
図2および3の側面図および後面図で最良に理解され、より完全に解明される。さらに、C1の頚椎横突起孔170を有するC1の両側の横突起167に気づくであろう。椎骨動脈が頚椎横突起孔170を通って送られる。この重要な血管構造の進路は、やはり
図3で最も良好に見ることができる。横突起167がさらに後の後面図/
図3でより良好に見ることができる上面168と連続しており、上面が後頭骨の顆状突起に連接され、それにより頭頸接合部(明示されない)を作る。この図は頸椎の他の特徴を明示しており、これには、C1からC7の両側の外側塊114から120、およびC2、C3、C4、C5、C6、およびC7の両側の横突起141、142、143、144、145、および146が含まれる。これらの横突起が
図4の軸断図で最も良好に見ることができる溝を有し、これらの溝が、中央神経系から出て上肢の方に向かう神経根を送るように構成される。この斜視図で最も良好に見ることができる別の目立つ特徴が椎間板接合部の前面側であり、ここではC2~3(C1~2の椎間板接合部は存在しない)が149として数えられ、C6~C7のスペースが153として数えられる。椎間板接合部は明らかに軟組織構造であるが、椎間板接合部により視覚的連続性が得られることを理由として、さらにはこれらの構造が変性疾患の主要部位であることから非常に重要であることを理由として、これらの図に含まれる。
【0058】
[00102]
図2が、解剖学的構造の追加の特徴を明示する骨のみの頸椎の右側面図である。この図が、両側で存在するものである例における構造の右側構造のみを明示していることに留意されたい。具体的には、この図では理想的な曲線として示される頸椎前弯と称される脊椎の湾曲に気づくであろう。ここでは、C1からC7の頸椎が前側において弓形を形成し、最大偏心位置がC4~C5のところにある。脊椎が後側に曲がることによるこの正常な湾曲の損失またはさらに悪いことであるこの湾曲の反転(「脊柱後弯症」として知られる状態)が、一般に脊椎に影響する病変状態の構成要因であり、多くの場合、外科医がこの湾曲を修復しようとし、ここでは頸椎の「バランス」を修復する。さらに、この図では、第1の頸椎C1(100)以外のすべての頸椎内に存在する大きい前方椎体を良好に見ることができる。この椎骨はより詩文体的にはアトラスとして知られている。これは世界を支えるギリシャ神話の主人公からきている。というのは、同様に、C1が頭部の「球体」を保持しているからである。胚形成期に、C1の椎体がその輪状の骨(bony ring)の残りの部分から分離して尾側に移動してC2(101)の頂部に接合され、歯状突起107となる。C2(101)がアクシス(実際にはこれがより一般的である)としても知られており、これはつまり、アトラスおよびその「乗客」である頭部がこのアクシスを中心として枢動する。ここでは、歯状突起107が主としてこの骨の枢動点を構成する。これが、健常者に対して、頸部の上での頭部の回転能力を提供する。椎体108~113さらには棘突起128~134を見ることができる。さらに、各レベルの面関節135~140が椎骨の互いに対しての後側の連接を表していることに留意されたい。したがって、C1の上面(168)が後頭顆に連接され、それにより後頭-頸部接合部(一般に頭頸接合部とも称される)(図示せず)に寄与することが認識されよう。さらに、C7(106)の下側が頸胸接合部(やはり図示せず)に寄与することが理解されよう。加えて、横突起141~146がC2~C7のところで前外側に突出しているのを見ることができる。上記の
図1の考察において、これらの横突起が、椎骨の解剖学的な構成によって作られる中央管の中に見られる脊髄からの頸部神経根を送ることを言及した。
【0059】
[00103]骨からなる頸椎99の後面図である
図3でさらなる細部を見ることができる。この図に注目することは重要である。その理由は、CMISの移植のための適切な解剖学的構造をこの図で見ることができるからである。第1の頸椎C1(100)および第2の頸椎C2(101)は上で示したようにその解剖学的な構成が独特である。このことは前面図さらには側面図において既に概説して考察したが、その独特な配置の解剖学的構造を本斜視図からさらに認識することができる。しかし、この図では、C1(100)の前弓166の後面側に対しての歯状突起107の関係をより完全に認識することができる。さらに、C1(100)の両側の上側面関節168の構成およびC1の横突起167の中での頚椎横突起孔170の位置をより良好に認識することができる。脳幹および小脳を活性化(irrigate)する循環に不可欠である椎骨動脈がこれらの孔を通過する。このとき、椎骨動脈が後側を向いてC1の椎弓板121の上側縁部に沿う両側の溝171を通過し、その後、硬膜を通って頭蓋内の機能の上まで通過する。C2の大きい棘突起129および椎弓板122が、頸部手術中に切開位置などの決定すべき事項(issue)を決定することにおける重要な目印である。残りの頸椎C3~C7(102~106)はこの図では形態学的に概して類似し、これには、棘突起130~134、椎弓板123~127、外側塊114~120、および両側の面関節135~140が含まれる。椎弓板123~127が棘突起130~134の基部から連続しており、このポイントにおいて椎弓板123~127がA-P方向においてかなりの急勾配を有するが、横方向に延びて外側塊114~120に移行する直前のところにおいては、横方向に進むにつれてより水平になる、ことを認識されたい。移行ポイントでは、外側塊114~120が互いに覆いかぶさっており(「重なり合い」と称される(
図14~16を参照されたい))、これにより、椎弓板アンカーを挿入することが困難となるということに留意されたい。したがって、CMISを移植するとき、C4およびC5の両側の椎弓板124および125の外側面などの椎弓板123~127のこの移行ポイントがCMIS1を取り付けるのに理想的である。
【0060】
[00104]上方から見た「典型的な」頸椎(これはC3からC6において非常に類似する)の軸断図である
図4が、関連の骨形態学さらには重要な軟組織構造に対してのその関係をさらに認識するのを可能にする。C5の椎骨104が
図4に示されるが、説明される目印は、C3~C6の椎骨のうちの任意の椎骨さらには(ほぼ修正することなく)C7の椎骨の解剖学的構造を反映するものとして理解される。また、方向付けのため、患者の正面側が頁の上側であり、背面側が頁の下側である。患者の右側が見ている人の右側にくることになる。大きい椎体111が概念的に前側安定要素として認識され得る。椎体111の外側に鉤状突起158を見ることができ、鉤状突起158がこの椎骨の上側に位置する椎骨との連接を強化するように機能する。さらに外側に横突起154を見ることができ、横突起154がこの図では、他の図に基づいて認識される可能性よりもより複雑であることに気づくであろう。両側に白色の矢印によって示される神経孔が、頸部神経根を送る管である。これらの管が「すべての重要な」脊髄から延びて中央管156から横突起154内の溝に沿って前外側に進んで脊椎に隣接する軟組織の方に出て、最終的に腕神経叢に寄与する。また、椎骨動脈を送る横突孔159に気づくであろう。椎骨動脈および神経根の位置は、特には、外側塊スクリューを配置することにおける重大なリスクを患者に与えることになる。実際にはこの横突起の複合体の一要素である椎弓根157が前側構造を後側アーチに接続するように機能し、それにより中央管156を作る。後側アーチが、検査する椎骨のための上側関節面および下側関節面を作る外側塊118から構成される。加えて、椎弓板125および正中線の棘突起132が後側アーチを完成させる。中央管156が、脳までのおよび脳からのすべての情報を伝達する役割を有する脊髄175(この図では示されない)を収容し、脊髄の完全性が運動機能および多くの不可欠な機能のために必須である。脊髄175は、脊椎のこのエリアの中に任意の外科器具類を移植する際に考察しなければならない最も重要な構造である。加えて、椎骨動脈または神経根の負傷も回避しなければならない。というのは、椎骨動脈または神経根の負傷は非常に深刻な結果をもたらすからである。この図は、椎弓板125が棘突起132の基部から延びており、外側に進むときA-P平面において最初にかなり急な角度を有する、ことを示すのに特に有用である。椎弓板125はさらに外側に進むにつれてより水平になり、外側塊118となる。椎弓板アンカーの移植のための理想的な配置はこの移行ポイントにおいてである。その理由は、この移行ポイントが脊髄175の外側にあるからである。このような位置決めは外側塊のわずかに内側である。外側塊のところでは重なり合いにより移植の可能性が排除される。この理想的な位置は、この後面図で見て、正中線と脊椎の最も外側の縁部との間の中間にわずかに届かない位置である。
【0061】
[00105]この図は単に学問的訓練というわけではない。むしろ、この図は、本発明の主要な目的および他の目的をより完全に理解するのをならびに本発明およびその目的を適切な視点から検討するのを可能にするものである。考察が完了すると、本明細書で定義される解剖学的用語が本開示の比較検討(balance)のために利用されることになる。
【0062】
本発明を明示する図面の詳細な説明
[00106]添付図面の文脈と併せて以下の詳細な説明を研究することにより本発明が最良に理解される。添付図面では一般的な慣例に従って同様の参照符号が同様の構造を示す。やはり一般的な慣例に従って、示される構造が必ずしも正確な縮尺ではなく、これらの図面に関連して考えられた縮尺に干渉することもできない。提示される実施形態および本明細書の説明は本発明を概略的に表すものであり、限定的であると解釈され得ない。
【0063】
[00107]したがって、最小の2つの主要構成要素である前面側のまたは椎弓板下の顎部構成要素4および後面側のまたは背側の顎部構成要素5から構成される椎弓板アンカー2の好適な実施形態の側面図を明示する
図5に注目する。各顎部が、好適な実施形態においてアンカー2の上側端部/頭側端部のところに配置される自由端10、12を装備し、加えて、これらの2つの顎部がアンカー2の下側/尾側に位置する連接端部11、13に連結される。この連結が部分的には、連接端部11、13を互いに対合させるのを可能にする連接端部の相補的なジオメトリによって達成される。さらに、連接心棒18が2つの顎部4、5のこの不可逆的な連結を固定する。さらに、各顎部が椎弓板の表面に押し当てられることになる側部、つまり椎弓板下顎部4および背側椎弓板顎部5の椎弓板側の側部14、15を特徴とする。さらに、椎弓板下顎部4の自由端が実際の脊柱管の方を向いており、したがって管側側部16と認識され、対して背側椎弓板顎部5が筋肉側側部17を装備する。椎弓板側の側部14、15に対してその自由端10、12に沿う小さい歯21、22が設けられる。これらの歯は、骨の表面を貫通しないように特には設計され、単に表面積を増大させて摩擦を生み出して保持力を増大させるように設計される非鋭利な円形の先端部を有する。締め付けねじ6が顎部4、5を標的椎弓板に対して固定するためのアクチュエータとして機能する。好適な実施形態で、ねじ6が後側顎部5の連接端部13の筋肉側側部17から配置され、顎部4、5の連接端部11、13の中の路7および2つの顎部4、5の連結部を通る形で前側顎部4の連接端部11の中まで送られる。ねじの最も先端側の端部19を椎弓板下顎部4の管側側部に沿うところで見ることができる。このねじ6のヘッド8が路7の背側にあるねじ切りされた溝9の中に配置され、もちろん路7の全体にわたってねじ部20が存在する。ヘッドのところで気づくことができる別の特徴つまりねじ6の終端部8が、ねじの最も後側のからのモノリシックの背側延長部分30である。この場合、この背側延長部分30がロッキングバー31として知られるバーのところで終端し、バーが背側延長部分30と連続しておりこの背側延長部分30とモノリシックである。この構造が接続要素3を定位置で拘止するように機能する。
【0064】
[00108]アンカー2が半側切断の非正中の矢状断面図である
図6に示されるように標的椎弓板に固定される。前側顎部4(斑点模様)および後側顎部5(縞模様)がC5の椎骨の例示の標的椎弓板125に固定される。前側顎部4のこの薄い寸法が、椎弓板125の向きを基準としたそのある程度の角度をつけられた位置との組み合わせで、椎弓板下顎部4による脊柱管156の中へのいかなる侵入の可能性も大きく低減させるということを認識することが重要である。これが利用される本テクニックによってさらに低減される。いかなる形でも脊髄175(考察下のこのエリア内で最も重要な構造)が侵入または阻害されるべきではないことが分かるであろう。椎弓板に接触させるようにアンカーを配置するとき、ねじ6が締め付けられ、それにより顎部4、5が互いの方に強制的に移動させられ、アンカー2が椎弓板125上で固定される。これによりシステムに必要な取り付け強度が提供される。また、顎部4、5上の歯21、22が骨の表面に単に押し当てられ、皮質骨自体を貫通しないことに留意されたい。また、C5(104)の椎骨の椎体111が前側にあることに気づくであろう。本明細書で説明される好適な実施形態に加えて、特に当業者には他の同様の実施形態も明らかとなることが認識されよう。このような実施形態には、任意の椎弓板の下側ではなく上側にアンカー2が固定されるような実施形態が含まれ、それにより顎部構成要素4、5の構成が変化することになる。もちろん、このようなすべての実施形態も本出願の精神および範囲内にある。
【0065】
[00109]アンカーを連結する接続要素3の斜視図を
図7で見ることができる。ここでは、この好適な実施形態においてこの要素3がモノリシックであり、頭側端部74と、シャフト状の中央部分76と、終端部77とから構成されることが分かる。要素3が、終端部77の中の拘止機構を介して尾側アンカーの後側顎部に連結される。これが、接続要素3の最も終端側の端部に連続しておりかつモノリシックであるハウジング機構78を提供することによって達成される。この機構78およびさらには接続要素自体が背側顎部の筋肉側に押し当てられ得る。さらに、この機構78が、背側顎部の側部の近くに配置されるように構成される内部表面82を有する、前側に延在するクランプアーム81を形成し、このクランプアーム81とモノリシックである。移動可能な構成要素79が、具体的には実質的に長方形の開口部84を通過することにより、ハウジング機構78に摺動可能に連結される水平方向の構成要素85を装備する。実質的に長方形の開口部84が、ハウジング機構78の最も尾側のところに提供されるチャンバ87と連続している。さらに、この水平方向の構成要素85がクランプアーム83と連続しておりかつモノリシックであり、やはり、固定されたクランプ81から背側顎部の反対側に沿って前側に延在するアンカーに押し当てられるように構成される内部表面86を備える。これらの2つのクランプアーム81、83が互いの方に変位させられ、背側顎部がこれらの2つのクランプアーム81、83の間で固定され、それにより接続要素3をアンカーに連結する。ハウジング機構78の最も尾側に、固定ねじ88を受け入れる路89が存在し、固定ねじ88がアンカー2の顎部5上の所望の位置で接続要素3を拘止することになる。これが、頭側アンカーと尾側アンカーとの間の距離および頭側アンカーに対しての接続要素3の連結によって決定される。これが、開口部75を装備する、好適な実施形態では実質的に長方形であるが任意の構成であってよい平坦な独自のエリアを呈する先端部74の構成によって達成される。この連結が、ロッキングバー31の上に開口部75を配置してねじを回転させることによって達成される。したがって、顎部4、5が椎弓板に固定されるとき、接続要素3の先端部74も同時に固定される。
【0066】
[00110]任意選択の変形形態で、この接続要素がその長さ全体にわたって2つの半体に分割され得、それにより、この接続要素の先端部のところの開口部の寸法を拡大または縮小させることができるアクチュエータとして機能するように構成される。別法として、実施形態のうちの任意の実施形態で、接続要素が、別個の要素によって連結される頭側セグメントおよび尾側セグメントから構成されてもよく、それにより接続要素の頭尾方向の長さを調節してこの寸法の変化に対応することができる。これらは後で説明する。
【0067】
[00111]
図8が、CMIS1の完全に組み立てられた好適な実施形態の側面図である。見ている人の左側に頭側椎弓板アンカー2が存在し、この頭側椎弓板アンカー2が接続要素3により尾側椎弓板アンカー2aに連結される。これらのアンカー2、2aの各々が、標的椎弓板の尾側端部の下方に入れ込まれる前側顎部4、4aを特徴とする。前側顎部4、4aおよび後側顎部S、Saが心棒18、18aによって連結され、ねじ6、6aを締め付けることにより、各々の対の顎部(4、S/4a、Sa)が互いの方に強制的に移動させられ、それにより顎部の間で椎弓板が固定される。この場合、接続要素3の先端部74の中にある開口部7S(暗示されるが図示されない)がねじ6の終端部の水平方向のバー31の上に配置される。顎部4、4a、S、Saが既に骨に対して固定されているが、接続要素3の先端部74を定位置で固定するように水平方向のバー31を位置決めするためにはねじ6をさらに4分の1だけ1回回転させることが必要である(端部では実線の円形で見ることができ、主要な位置を点線のアウトラインで見ることができる)。これが、水平方向のバー31の上方に見ることができる湾曲矢印によって示される。接続要素3の尾側端部77が、クランプアーム81、83により、尾側アンカー2aの後側顎部Saに連結される。これが
図7に記載されるハウジング機構78によって達成され、ハウジング機構78が、尾側アンカー2aの後側顎部Saに対してクランプアーム81、83を堅固に固定するまでクランプアーム83をクランプアーム81の方に変位させるのを促進する。次いで、ハウジング機構78の固定ねじ88が配備されて構成体を定位置で拘止する。尾側アンカー2に対して接続要素をクランプすることがクランプ構成を使用して達成されるような代替の実施形態も想定され得る。別の代替の実施形態で、接続要素3が尾側アンカーの構成要素である。このような構成では、バーを作動させて接続要素3を定位置で拘止する前に、先端部74が水平方向のバー31の上に配置されることにより定位置に合わせられなければならない。本明細書で開示される好適な実施形態および代替の実施形態において、これらの最後の実施形態は等しくはなくても実質的に非常に類似するものと思われるが、これらの種々の実施形態の組み立ては異なっている。しかし、これらはすべて、椎弓板アンカー2、2a、2bを標的椎弓板に固定して接続要素3によりこれらのアンカーを接続することにより、標的モーションセグメントを安定させる。後で代替の実施形態を明示および例示するが、これらの代替の実施形態が排他的ではないこと、および明示される実施形態の範囲外にある明らかな変形形態も想定され得ることを理由として当業者であればこれらの目標および目的を達成する他の実施形態も想定することができることが認識されよう。このようなすべての実施形態がこの発明性のある方法およびデバイスの精神および範囲内にあり、ならびに本出願の精神および範囲内にある。
【0068】
[00112]CMISが最小侵襲的外科的(MIS:Minimally Invasive Surgical)アプローチを利用して移植され、最小侵襲的外科的アプローチが、表面の目印を表面下の構造に関連付けることを目的とした術中の撮影および解剖学的理解の組み合わせによって達成される。これにより、アンカーを固定することになる椎弓板上のポイントに対しての直接の正確な外科的切開が行われるようになり、このポイントとは、上記の
図3および4で説明されるように椎弓板がより急勾配部分からより水平な部分へと移行するところのポイントである。このポイントは正中線と標的椎骨の最も外側の縁部との間の距離の約40~45%のところにある。アンカーの前側顎部をその理想のロケーションに入れ込むためには、脊椎の最も外側により移植が妨害されることがないようにするために、露出部を過度に外側にしてはならない。むしろ、この顎部を外側椎弓間隙を通して導入しなければならない。切開位置は、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有するガイドテンプレート80を使用することにより予見され得る。ガイドテンプレート80の好適な実施形態が
図9Aに明示される。このテンプレート80は、理想的には、このエリアの消毒処理およびドレーピングの完了後に手術野(腹臥位の患者の頸部の背側)の上に配置される3つの無色透明のプラスチックの使い捨て無菌シート90、200のグループである。これらの各々のシートには、X線不透過物質で作られる可視暗線が付されている。これらの構成要素の最初の構成要素は正中線テンプレート90であり、これが長い薄型シートであり、ここでは、X線不透過性の線が正中線を示すのに使用される単純な直線/破線201である。外科医が蛍光透視法を使用して正中線を特定し、テンプレート90の蛍光透視像を棘突起に位置合わせする。外科医がこれを完了すると、肉眼および蛍光透視の両方で正中線マーカーが可視であることから、正中線を示す皮膚基準点を容易に見ることができるようになる。次いで、テンプレート80の第2の構成要素200が手術野に送られる。この一対のシートが脊椎の外側縁部のアウトライン92、93を装備し、さらには、内側縁部に沿う対応するセットの開口部94を装備し、それにより、ローカライジングニードルを配置するのに理想的な部位を予見的に特定する。
【0069】
[00113]テンプレートの代替の実施形態を明示する
図9Bでは、単一のシートがテンプレート202として機能する。やはり、P-A方向の蛍光透視撮影で見ることができる頸椎の重要な解剖学的目印のアウトラインを作るのに可視暗色のX線不透過物質が使用される。具体的には、このテンプレートが、重要な正中線の目印となる棘突起91に対応するイメージさらには脊柱92(左側)および93(右側)の最も外側の縁部を示す一連の線を有する。異なる患者に見られる多様なサイズの頸部の外側のための調整のために一連の線が提供される。加えて、左側から右側への線92、93の多様な位置に対応する一連の開口部94、95、96が存在し、これが、ガイドニードルの位置および経路ならびにひいては切開部位を指示するように機能する。各側において3つの線/3セットの開口部を使用する図は単に例示であり、任意の数のこのような特徴が使用されてよい。簡略化のために、線の数を開口部の数と等しくしたが、この実施形態は見込まれる排他的なフォーマットというわけではない。もちろん、任意のすべてのこのような実施形態が本発明の精神および範囲内にある。
【0070】
[00114]
図10が、定位置にあるテンプレート80の好適な実施形態が頸椎の骨の解剖学的構造の上に重ね合わされている状態の、腹臥位の患者の頭部および頸部の図である。これはP-A方向撮影の蛍光透視像を表しており、棘突起の中央部に対して正中線テンプレート90を位置合わせすることによって正中線を確立する。加えて、白色の矢印によって明示されるようにテンプレート200を外側または内側に移動させることにより、外側テンプレート200上の特定線92、93が脊椎の外側縁部に正確に位置合わせされる。このようなシステムは、最適な最小切開を通して外科医が理想的な移植を達成するのを可能にする。脊椎のサイズが個人によって変化することから、正中線を基準とした脊椎の外側縁部の位置も変化する。この関係が上で開示したように切開部位を決定することにおける基準となる。代替の実施形態で、脊椎の外側縁部が単一の線ではなくサイズの変化を考慮する一連のX線不透過性の線によって境界を画定され、それにより外科医に、脊椎外側縁部の複数の考えられる位置および正中線とのその関係が提供される。外科医が、正中線および外側縁部の実際のX線像をテンプレート上の最も近い像に理想的に適合させることになり、外側縁部のアライメントに関連する開口部を利用することになり、したがって、中間線が脊椎外側縁部に最も接近するものとして関連付けられる線である場合、中間開口部95がローカライジングニードル97を受け入れるのに最も適切である開口部となる。異常のある身体形態を有する患者は開口部によって予見される部位に一致しない可能性があることから、外科医は必ずイメージを精査して正中線と外側縁部との間の中間にわずかに届かない位置に切開部を配置しなければならず、それにより常に良好に位置決めすることができるようになる。理想的な切開はランゲル線(Langer’s lines)に一致する水平面または内外側方向平面において行われる。これにより最も許容性の高い美容整形的効果が得られ、さらには最良の機能的成果が得られる。しかし、垂直方向の切開も確実に受け入られ得、この発明性のある方法の精神および範囲に従う。
【0071】
[00115]適切な開口部が特定されると、ガイドニードル97がこの開口部を通過させられ、この側面図に明示されるように別の蛍光透視像が配置を確定する。この図では、ニードル97が説明のためにC5の椎弓板125の左側に配置されている。ニードル97が非鋭利の先端部98を装備する。非鋭利な先端部98の利点は、ニードルが不完全に配置されて椎弓間隙ILの中に導入される場合に、非鋭利な先端部が、脊髄を覆う膜である硬膜の背側に位置する黄色靭帯を容易に貫通しにくくなることである。明らかなこととして、この非鋭利なニードルは、皮膚、皮下組織SC、または背側筋膜DFを貫通することができない。したがって、わずかに大きい内径を有する鋭利な先端部を有するニードル99が最初に導入されて背側筋膜DFの深いところまで通過する。このニードルはより短く、したがって(やはり)椎弓間隙を貫通しない。理想的には、より鋭利なイントロデューサニードル99が非鋭利なローカライジングニードル97の外側に緊密に嵌め込まれるように配置され、ここでは外側の鋭利なニードル99の先端部202が筋膜DFのすぐ下を延在し、内側の非鋭利なニードル97が骨まで延在し、椎弓間隙ILの外側縁部のところで先端部98がC5の椎弓板125の下側または尾側に押し当てられている。一実施形態で、ローカライジングニードル97が先端部98を除いて(X線透過性の)硬質プラスチックから製作され、先端部98がステンレス鋼などの(X線不透過性の)金属から構成される。先端のみをX線不透過性にすることにより、先端部が大幅により容易に術中画像により視覚化されるようになる。これらのニードル97、99の両方が
図11に明示される。加えて、非鋭利なニードル97の終端部207さらには鋭利なニードル99の終端部208も明示される。非鋭利なニードル97の終端部207がニードル97に可逆的に連結され、その結果、終端部207が取り外され得るようになる。したがって、これにより外側の鋭利なニードルを手術野から取り外すことが可能となり、さらにそれにより皮膚貫通デバイス203を非鋭利なニードル97の上に配置することが可能となる。
【0072】
[00116]非鋭利なローカライジングニードル97を配置した後、ニードルを中心として限定的な水平方向または垂直方向の切開が作られる。この切開は標準的な外科用ブレードを使用して達成され得る。別法として、この目的を達成するための専用の、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有するデバイスの使用も提案され、これが
図12Aの正面図に描かれている。この皮膚侵入デバイス203が、先端部204と、複雑な中央エリアと、終端部とを装備し、非鋭利なニードルと共に利用される。先端部204が、非鋭利なニードルに対応するように寸法決定されるチャネル205と連続する開口部209を装備する中央突出部であり、非鋭利なニードルの上にこの中央チャネル205が配置され、それにより切開部を理想的な位置に配置する。チャネル205への入口を形成するこの円形の最も先端側の端部209は非常に鋭利である。その理由は、この表面が最初の切開を行うからである。この場合、鋭利な縁部210が、両側において、先端部204を形成する突出部の側部に沿って延在し、これらの鋭利な縁部が、導入ニードル99によって作られる穿孔から両側に切開部を延伸させる。さらに、この切開部が、中央チャネル205から両側に延在する内側翼部および外側翼部206の鋭利な側部211によってさらに拡大される。これにより理想的なサイズの切開部が作られ、ここでは、ニードル路の両側にも同様の傷口が作られる。この正面図ではサムレスト212およびハンドル213を見ることができる。
【0073】
[00117]側面図である
図12Bが、ハンドル213の細部、およびこの構成によるデバイス213の作動方法を含めた、デバイス203の特定の態様を明示する。鋭利な前縁部209を備える先端部204、先端部204の鋭利な側部210、さらには同側翼部206の鋭利な縁部211を見ることができる。さらに、サムレスト212およびハンドル213が認識されよう。ハンドル213の終端部のところに人差し指用カーブ214を見ることができ、人差し指用カーブ214が挿入中にデバイス203をさらに安定させる。
【0074】
[00118]皮膚侵入デバイスの作動が
図12Cの立面図で認識することができ、
図12Cがローカライジングニードル97の上に配置されたデバイスを示す。先端部204が定位置に配置され、その結果、円形リム209がニードル路の中心に切開部を作り、切開部が先端部204の鋭利な側部210によって延伸させられ、さらにデバイス203の翼部206の鋭利な側部211によって延伸させられる。デバイス203を挿入するため、外科医の親指がサムレスト212の上に置かれ、ここでは安定させるための指がカーブの内側に置かれる。次いで、外科医が親指を押し下げ、デバイスが背側筋膜のレベルまでニードル路を下方に進んでおよび背側筋膜のレベルのみを通過し、背側の頸部筋肉組織を露出させ、次のステップのために手術野に対して準備を行う。一実施形態で、デバイス全体が完全に使い捨て可能であること、また、別の実施形態で、付随の鋭利なブレード状縁部を備える外側翼部206が使い捨て可能であり、対して中央部分が永久的に再使用可能である実施形態であること、が想定され得る。
【0075】
[00119]次いで、外科医が後部の頸部筋肉組織を開いて後部の頸部筋肉組織を標的椎弓板から離されなければならず、それにより標的の骨エリアが露出される。これは多様な手法で達成され得、本明細書で開示されるのは、専用の筋肉分割/解剖デバイスである、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有するデバイスを使用することである。上記デバイス215が
図13A~Eに示されており、立面
図13Aでは非配備位置の初期状態で明示されている。デバイス215が、実質的に細長い2つの主要な構成要素と、頭側を向く構成要素216と、尾側を向く構成要素217とから構成される。これらの各々がさらに、先端部218、222、シャフト219、223、および終端部220、224を装備し、ここでは2つの構成要素が心棒221との交差位置において不可逆的に連結される。心棒221が2つの構成要素216、217の長手方向軸に対して垂直に配置される。この交差によりはさみのような枢動点機構が作られ、この枢動点機構を中心として2つの構成要素216、217が回転することができる。一実施形態で、この連結が、デバイスを非配備位置で維持するためにばね式である。
【0076】
[00120]配備位置にあるデバイス215の立面図である
図13Bでより良好に見ることができるように、先端部218、222がシャフト219、223からの屈曲部のところで延びているフットプレートである。この屈曲部が頭側の構成要素216のシャフト219/終端部220から離れるように角度をつけられる。手術野内の機能的位置にあるとき、この屈曲部が前側に角度をつけられていることになる(外科医から離れる方向)。フットプレート型の先端部218の最も先端側の縁部226が鋭利な縁部に向かって細くなっており、これが、筋肉層を分割して骨から離すように筋肉付着部を解剖するのに有用となる。シャフトが先端部218を終端部220に接続する。心棒221が交差させる形で頭側要素216を尾側要素217に連結し、それにより構成要素216、217の作動時にレバー/モーメントアームを作る。終端部220、224が、外科医が器具215を作動させるのを補助するための指グリップ228/親指グリップ229を装備する。
【0077】
[00121]尾側の構成要素217を
図13Bでより良好に見ることができ、尾側の構成要素217が、先端部222、シャフト223、および終端部224から構成される。頭側の構成要素216と同様に、尾側の構成要素217の先端部222がシャフト223の接合部からの屈曲部のところで延びているフットプレートであるが、この例では、この屈曲部がフットプレートを後側に角度づけるように構成される(外科医の方向)。デバイス215の2つの構成要素216、217が実質的に等しい長さを有することから、デバイス215が非配備位置にあるとき、2つの先端部218、222が互いに実質的に位置合わせされる。これらの2つのフットプレートの屈曲部はシャフト219、223を基準として正反対であるが、これらのフットプレートの角度は実質的に相補的であり、その結果、
図13Aで示唆されるように非配備位置における側面斜視図で見るとこれらのフットプレート218、22が互いに部分的に重なり合うことができる。この構成が筋肉繊維の中への最初の挿入を容易にする。このフットプレート222の最も先端側の縁部227がやはり鋭利な縁部227を装備する。さらに、終端部がグリップ229を装備する。また、2つのシャフト219、223が心棒221を越えたあるポイントのところでわずかに分岐しており、その結果、この側面斜視図で見ることができるように非配備位置において終端部220、224が分岐している、ことに留意されたい。
【0078】
[00122]
図13Bで、(推測されるものとして)指グリップ228/親指グリップ229に対しての指の圧力により終端部220、224を互いの方に操作することによりデバイスが作動させられることを見ることができる。これにより構成要素216、217の両方が軸を中心として枢動し、実線の矢印によって示されるように先端部218、219を互いから離すように強制的に移動させる。心棒を中心とするモーメントアームを作る先端部および終端部の他の実施形態も想定され得、もちろん本発明の精神および範囲内にある。
【0079】
[00123]手術野の後面図である
図13Cでは、頭尾方向に方向付けられた後頸筋肉繊維を見ることができる。この図はデバイス215の作動を明示する。したがって、非配備のデバイス215の先端部218、222が、これらの筋肉繊維(「筋肉」)の間に入れ込まれた実線として見ることができる。終端部220、224に対しての手動の圧力によりこれを配備することにより(破線によって作られる「想像」イメージによって示される)、シャフト219、223および先端部218、222が分岐して解剖学的平面に沿って繊維を解剖する。これにより組織が切断されるのではなく広げられ、それにより、上側の椎弓板および下側の椎弓板の標的骨表面を露出させながら、組織の出血および損傷を最小にする。棘突起SPが正中線を画定する。最も外側の椎弓板の「重なり合い」がShで描かれる。
【0080】
[00124]配備されたデバイス215を示す後面図である
図13Dが、先端部218、222の横方向の大きな移動動作(白色の矢印によって示される)により筋肉/骨膜が如何にして椎弓板の背側面(この図では名称を付されている)に付着しないように解剖されるかを認識するのに最も見やすいポイントである。このステップは重要である。その理由は、有意な軟組織が留まる場合に椎弓板アンカーが椎弓板に容易に固定され得ないからである。しかし、
図13Eによって提供される側面図でシャフト219、223を基準とした先端部218、222の角度の利点を最も良好に見ることができ、ここでは、これらの角度が椎弓板の角度に実質的に匹敵し、その理由が、これらの構造がその頭尾方向の軸に沿って後側に角度をつけられるからである、ことを見ることができる。したがって、先端部218、222がアンカーを受けるために隣接する椎弓板に対して準備を行うことができる。
【0081】
[00125]この時点で、別の椎弓板の上に位置する椎弓板の「重なり合い」により椎弓間隙が大幅に縮小され得ることが評価により示され得る。これにより非外傷的な手法でCMISを移植するための能力が有意に阻害される可能性があり、したがって、外科医が標的モーションセグメントを切り離すことを選択することができ、それにより重なり合いの影響を低減し、椎骨の(標的の)尾側の縁部をより明瞭に見えるようにする。
【0082】
[00126]これは、もちろん、標準的な椎弓板ディストラクタを含めた多数の別の機構によっても達成され得る。しかし、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有する椎骨ディストラクタも本出願で開示される。このデバイス290が、
図14Aの立面図で明示されるようにまたさらには
図14Bの分解図で示されるように、頭側セグメント291および尾側セグメント292から構成される。各セグメントが先端部および終端部を装備し、頭側セグメント291の先端部293が頭側棘突起の尾側の基部に押し当てられるように設計される膨張構成である。頭側セグメント291の終端部294が、尾側セグメント292の先端部296の中のチャネル298の中に配置されるように設計される実質的にピストンのようなものであり、したがって、この終端部294がチャネル298内の波形部分297に押し当てられるように設計される波形部分295を装備する。これが、この連結を示す点線によって示唆される。これら(波形部分)がラチェット機構を作り、このラチェット機構が椎骨間での位置決め中に切り離しデバイス290の位置を維持するように設計される。尾側セグメント292の終端部が、尾側棘突起の基部に押し当てられるように構成される2つの突出部299、300を装備する。終端部の突出部299、300が、最終的な位置において尾椎の標的エリアに良好に係合されるようにわずかに後側に湾曲している/わずかに後方に向けられている。
図14Bの分解図が、波形部分によって作られるラチェット機構をより良好に明示する。
【0083】
[00127]
図15が、ディストラクタデバイス290を位置決めする器具301の立面図である。これは、MIS手技中に外側アプローチによりディストラクタ290を配置するのを可能にするように設計される。
【0084】
[00128]
図15の斜視図で見て、器具301が実質的なS字形状を有し、先端部302、中央シャフト部分303、および終端部304を有する。器具301のアクチュエータが、可変アーム312および固定アーム311から構成される終端部304である。可変アーム312が中央シャフト303の回転可能な外側部分310と連続しており、ひいては先端部302の可変アーム306と連続している。同様に、終端部304の固定アーム311が固定の中央シャフト309と連続しており、固定の中央シャフト309が固定アーム305と連続している。可変アーム306が、頭側セグメントに可逆的に連結される複数の延長部分308を装備し、さらに固定アーム304が終端部を安定させる複数の延長部分307を装備する。
【0085】
[00129]固定アーム311に対して終端部304の可変アーム312を押し付けることによりこの作動が中央シャフト303の螺旋状の回転可能な構成要素310に伝達され、この回転可能な構成要素310が固定シャフト309と張力を介する関係にある。これにより先端部302の可変アーム306が固定アーム305(直線の矢印)から切り離される。ディストラクタ290がこれらのアーム306、305の上に装着され、配備されて位置決めされる。任意選択で、ばね式の機構が利用されもよい。ディストラクタ290が配備されると、モーションセグメントが切り離され、棘突起間の空間(interspinous space)が拡大する。
【0086】
[00130]
図16A/Bが、例示のモーションセグメントを示している、正常な後側要素(16A)および病的状態の後側要素(16B)の立面図を示す。最も重要な特徴は
図16Aで見ることができる(正常な)椎弓間隙ILであり、椎弓間隙が頭側椎弓板の下側縁部の外側面への外科的アクセス経路を明瞭に提供する。同じ図(
図16B)を使用して、罹患したセグメントの外観が明示され、ここでは「重なり合い」の影響SHにより椎弓間隙ILが大幅に縮小しており、これにより下側の椎弓板縁部へのアクセス経路が大幅に低減されてCMISの配置が阻害される。このデバイスの目的は、モーションセグメントの椎骨を切り離して、ILを修復し/ILを再び開き、理想的な配置を実現可能にする、ことである。
【0087】
[00131]
図16Cが、「重なり合い」SHおよび縮小した椎弓間隙ILの影響を受ける例示のモーションセグメントに対してのディストラクタ290の適用を示す。ディストラクタ290の頭側セグメント291が器具301の可動アーム306によって安定し、対して固定アーム305が尾側セグメント292を安定させる。尾側棘突起の頭側に対してその腹側表面を最初に押し当てることにより、器具301の先端部302/ディストラクタ290の複合体が位置決めされる。外側アプローチにより器具301が通過させられて回転させられ、それにより、尾側セグメント291の拡大している先端部293を上側の棘突起に押し当てるまで(白色の矢印の点線のアウトライン)および尾側セグメント292を下側の棘突起に押し当てるまで、頭側において器具301/ディストラクタ209の複合体を曲線経路(実線の矢印)に沿うように配置する。器具301を配備することにより、拡大している先端部293が頭側棘突起に対して強制的に強く押し付けられ、対して突出部299、300が下側の棘突起に押し当てられる。
【0088】
[00132]デバイス290の挿入および膨張が、
図16Dで見ることができるように、モーションセグメントを切り離す。先端部293が頭側棘突起の後側の中間位置に接触するように配置されていることをはっきりと見ることができる(点線)。尾側セグメント292の突起299、300が尾側棘突起の側部に接触するように配置されていることを見ることができる。この時点で、椎弓間隙ILが数ミリメートルの幅を有し、椎弓板縁部LEが露出されることによりCMISの移植が容易になる。CMISが両側において最終位置に置かれた後、ディストラクタ290が取り外される。
図16Eがデバイス290aの代替の実施形態を示しており、ここでは、頭側セグメント291が分岐端部を装備し、頭側棘突起の周りで固定される突出部293x/293yを明示している。尾側セグメント292は標準的な実施形態で見ることができる尾側セグメントと実質的に等しい。
【0089】
[00133]この手技は「最小侵襲的外科的」(MIS)テクニックを利用するが、アンカーを固定することになる椎弓板の限定の領域を露出することが望ましい。この露出は、MIS脊椎手技のために設計されるカニューレシステムを含めた標準的な開創器システムを用いて達成され得る。これらには、米国特許第8,602,982号を含めた複数の特許においてMilesによって教示される技術分野、さらにはDiPoto、Smith、およびFoleyらによって教示される技術分野が含まれる。
【0090】
[00134]このような開創の要求および目標を達成しようとする際、従来技術の多くにおいて問題が発生する。米国特許第5,954,635号などにおいてFoleyおよびSmithよって教示されるカニューレシステムの主要な問題は、現在利用可能であるすべての外科用アクセスカニューレの構成が実質的に円形であることである。しかし、本外科手技の主軸は頭尾方向であることから、このようなカニューレが、特には内外側方向において、必要とされるよりも大きい手術野に係合されるようになる。米国特許第7,766,930号においてDiPotoらによって教示されるシステムなどのMISのカニューレアクセスシステムは膨張可能であり、手術野の軸に理論的に一致することができ、一般的には、CMISと共に利用されるには大きすぎる。同じことが、米国特許第6,206,826号においてMatthewsらによって教示される技術分野にも当てはまる。
【0091】
[00135]開創/外科的露出の実現における別の問題は、棘突起の基部と連続しているところにおける椎弓板の内側の角度(急角度)である。これは非常に鋭利な角度である可能性があり、その結果、この角度のせいで一部の開創器システムが回転してしまう可能性がある。
【0092】
[00136]この事例のための理想的な開創器は、椎弓板の内側の角度に対応し、頭尾方向の露出を選択的に実現し、初期状態において折り畳み形態をとり、標的エリアを露出させるときのみ十分に膨張するような開創器である。加えて、この理想的な開創器は、実質的にX線透過性である硬質プラスチックまたは他の物質から製造され、それによりイメージングに人為的な影響を与えなくなる。もちろん、使いやすさも必須条件である。
【0093】
[00137]この目的のため、本明細書では、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有する開創器システム230が開示される。これが
図17Aの側面図で明示されており、ここでは、これが内側ブレード231および外側ブレード232から構成されていることが示されており、内側ブレード231および外側ブレード232が頭側連接複合体233および尾側連接複合体234に接続される。これらの頭側連接複合体233および尾側連接複合体234がさらに、中央軸方向ピン237に可逆的に連結される(頭側の)内側枢動ブレード238および外側枢動ブレード239、さらには中央軸方向ピン255に可逆的にやはり連結される(尾側の)内側枢動ブレード248および外側枢動ブレード249から構成される。非常に重要なこととして、内側ブレード231が、主要ブレード235および主要ブレード235の中に後退することができる小さいブレード236から構成される複合構造である。この特徴の利点は後の
図17Hにおいて解明される。波形部分262が、定位置に送られた後で開創器およびブレードを拘止する、
図17F、
図17Gにおいて後で説明される機構に寄与する。任意選択で、内側ブレードおよび外側ブレードの基部のところで、筋肉に面して開創器の位置を維持する一連の小さいフットプレート260、283が提供され得る。
【0094】
[00138]この開創器の配備は、主要な位置(
図17B)および配備位置(
図17C)におけるデバイスの上面図によって最も良好に認識される。外科医であれば分かるであろうが、開創器230が初期状態において主要な位置/折り畳み位置/非配備位置に配置され、その結果、頭側233および尾側234の連接複合体が完全に折り畳まれており、キャリッジ246、254、267、および271が、互いに接近したところにある内側開創器ブレード231および外側開創器ブレード232の中間の近くに配置される。この構成が、段落124~129および
図13A~Eのように分割された筋肉繊維MFの間に開創器230を入れ込むのを可能にする。次いで、連接複合体233、234を作動させることにより開創器230が配備され/開けられ、
図17Cのように露出を最大にし、それにより頭側枢動ブレード238、239および尾側枢動ブレード248、249が位置を変えられる(実線の矢印によって示される)。さらに、これにより内側ブレード231および外側ブレード232が強制的に分岐し、必要な露出を実現する。手術野の中にある椎弓間隙ILおよび椎弓板縁部LEに気づくことができる。ここでは、2つの尾側椎弓板縁部が露出されることを理由として、単一レベルのCMISの配置に対応することになる。
【0095】
[00139]
図17Dが、連接複合体233、234のブレードの例示である、頭側内側ブレード238の立面図であり、さらにそれらの機能も示す。ここでは、このモノリシック構造が、先端部、拡大しているブレード状の中央セグメント、および終端部を装備することに気づく。先端部が延長部分242を装備し、延長部分242が円形カラム243と連続しており、円形カラム243が内側ブレードからの延長部分と可逆的に連結され、この連結により、内外側方向の平面内で開創器の位置を変えるのを可能にする機構が作られる。ブレードが開創された軟組織の位置を維持する。終端部が、頭側連接複合体233を組み立てるためにピンを受け入れる中央開口部241を有する円形延長部分240を装備する。
【0096】
[00140]
図17Eに示される頭側連接複合体233が、ブレード238、239の終端部のところで延長部分240、269の中の開口部を通す形でピン237を通過させることにより内側枢動ブレード238および外側枢動ブレード239に可逆的に回転可能に連結される中央軸方向ピン237から構成される。これらのブレードの先端部からの延長部分242、250が円形カラム243、251のところで終端し、円形カラム243、251が内側ブレード231および外側ブレード232の構成要素に可逆的に連結され、この連結が開創器の可動性に不可欠なものである。
【0097】
[00141]尾側連接複合体234が頭側複合体の鏡像であり、これが
図17Fの分解図に明示される。内側枢動ブレード248および外側枢動ブレード249が複数の延長部分256および261をそれぞれ有し、これらの複数の延長部分256および261が開口部257および262を装備し、開口部257および262を通過する形で中央軸方向ピン255が配置されてこれらのブレードに連結され(黒色の矢印によって示される)、それによりこのピンを中心としてブレードが回転することが可能となる。さらに、必要ではなくなった場合にこのピンを取り外してブレードを解放して構成要素を迅速に取り外すのを可能にすることにより開創器が分解され得る。ブレード248、249の先端部上の延長部分258、263が、内側ブレードおよび外側ブレードに連結される円形カラム259、264と連続している。
【0098】
[00142]開創器の配備には摺動可能なラチェット機構が重要である。主要ブレード235の頭側の半体の内部表面の側面図である
図17Gでこの機構の実施例を見ることができる。一連の波形部分284を有する水平に方向付けられた路247に気づくであろう。この路247がこの実施例では直線であり、このジオメトリがブレード表面からのモノリシックの延長部分288によって達成される。この摺動可能な要素は、上側縁部285および下側縁部286により路247に不可逆的に連結される(頭側)キャリッジ246である。この特徴が、大きい白色の矢印によって示されるように、路247の方向に沿う頭尾方向におけるキャリッジ246の移動を促進する。より重要なこととして、初期状態においてこれらの路の中間にこのキャリッジを配置することが挿入のための開創を最大源に小さくするのを促進し、配備時に路/ブレードの端部の方にキャリッジが平行移動する。さらに、キャリッジ246が、路247の波形部分284に面する波形部分(図示せず)を装備し(その下側において)、それにより、開創器を配置するときにキャリッジ246を定位置で拘止するラチェット機構が作られる。延長部分245がキャリッジ246から延びてシリンダ244のところで終端し、シリンダ244がチャンバ287(破線によって境界を画定される形で目立つように示される)を有するように構成される。このチャンバ287が頭側内側枢動ブレード(やはり示されない)の先端部上のカラムを受け入れ、それによりこのブレードに可逆的に連結される。この連結がこのチャンバ287内でのカラムの回転運動を可能にし、この回転自由度がシリンダ244の下方の円形実線矢印によって示される。この回転が、開創器を配備するときの内側枢動ブレードの変化する角度を受け入れる。この機構全体が、開創器を再構成して開創器を定位置で拘止する能力を含めた本発明の目的を達成する。
【0099】
[00143]この開創器230の別の重要な特徴が、スロット状のチャンバを装備する主要ブレード235から構成される内側ブレード231の独自の構成であり、例示の頸部脊椎症の椎骨に対しての適用を示す
図17Hの正面図/軸断図で見ることができるように、スロット状のチャンバがその中で小さいブレード236の位置を摺動可能に変えるのを可能にする。さらに、このブレード236が1つまたは複数の湾曲フットプレート260を装備することができる。複数の他の実施形態も想定され得、これらのすべてが本発明の精神および範囲内にあるとみなされる。
【0100】
[00144]この調整可能な寸法により開創器を術中に配置することが容易になる。小さいブレード236の垂直方向の調整性により内側要素231が容易に位置決めされる。個人の解剖学的構造、外科医の好み、および他のファクタなどの、ファクタに従って開創器230の正確な位置がしばしば変化し得る。モノリシックブレードはそのサイズが不正確である可能性があり、それにより使用される開創器システムが不安定にある可能性がある。逆に、ここで明示されるように、内側ブレード231が位置決めされるとき、内側ブレード231が、棘突起の方に向かって上昇するとき、椎弓板の角度に従って適切に調整され得る。
図17Hでやはり見ることができるように、外側要素232がこのレベルの調整性を必要とせず、単一のブレードから構成される。内側要素231および外側要素232が内側枢動ブレード238および外側枢動ブレード239にそれぞれ連結され、それにより中央軸方向ピン237によって拘止される交差する延長部分240、242が作られる。
【0101】
[00145]次のステップとして、椎弓板アンカーの前側顎部を受けるために、黄色靭帯が椎弓板の下側から解剖されなければならない。これを達成するために、
図18Aに示される、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有する靭帯解放器具320が提供される。この器具が、管の中に「入り込ん」で神経要素を刺激することの懸念なしで、椎弓板の下に安全に入れ込まれ得る湾曲した先端部321を装備する。先端部が、椎弓板の背面側に押し当てられる突き出た張り出し部分によってさらに保護され、それにより最も先端側の端部がさらに確実に「入り込まない」ようになる。器具320は先端部321からシャフト322を通って終端部323まで連続しており、終端部323が器具320を操作するために外科医によって使用されるハンドルである。
図18Bが、黄色靭帯LFの付着を解放する先端部321を示している見本の椎弓板Lamの半側切断図である。無理な力を加えずにハンドル323を拘止することにより、往復運動が先端部321に伝達され、それにより先端部を椎弓板に押し当てることが可能となり、さらに椎弓板の前側面に沿わせて運ぶことが可能となり、椎弓板と黄色靭帯LFとの間に面を形成する。
【0102】
[00146]本明細書で開示される好適な実施形態およびほとんどの代替の実施形態で、頸椎を安定させるための、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有するこのシステムが、両側の椎弓板アンカーを移植してこれらの椎弓板アンカーを接続要素に連結することにより、標的モーションセグメントに固定される。これらの目的を達成するために、本明細書において後で移植器具44として認識されるデバイスが、椎弓板に接触する理想の位置までアンカーを誘導すること、固定ねじを締め付けること、および接続要素をアンカーに連結することを含めた、複数の機能を請け負う。この器具が、器具44の後側の立面図である
図19および分解斜視図である
図20に開示される。
図19は、この器具44が、先端部45の全体、中央シャフト46、および終端部47を装備することを明らかにしているが、さらに精査すると、この器具44が、中央トロカール48、内部カニューレ49、および外部カニューレ50を装備する複雑な器具44であることが明示される。この外部カニューレ50がさらに、先端部52、中央シャフト53、および終端部54を有し、先端部52が本発明の目標を達成するために重要である2つの追加の特徴を装備し、これらの2つの追加の構造部の1つ目が、移植されるアンカーに連結するために接続要素を配置するときにそこを通して行うところの切欠部51であり、2つ目が、器具44の主要タスクつまり移植中に椎弓板アンカーを安定させることを達成するために提供される内側握持アーム55および外側握持アーム56である。この目的のため、椎弓板アンカーがこれらの間に「圧入」され得、移植中に定位置で保持され得る。
図19では、内側握持アーム55の内部表面が椎弓板アンカーの後側顎部に対応する輪郭を有することに留意されたい。アンカーのねじが締め付けられると、アンカーの顎部が互いの方に移動させられ、アンカーの全体のプロフィールが縮小し、それにより圧入が緩められる。アンカーが標的椎弓板に堅固に取り付けられると、器具44が取り外されてアンカーがその所望の位置に残される。好適な実施形態で、握持アーム55、56が、椎弓板の角度に一致する屈曲部(
図19/20で明示される)のところでアンカーを保持するように構成され、それにより移植の効率性を向上させる。当業者であれば、アンカーを定位置で保持するための機械的により複雑である他の実施形態を考え出したり見込んだりすることができ、このようなすべての実施形態が本発明の精神および範囲内にある。
【0103】
[00147]固定ねじを締め付けてそれにより顎部を互いの方に強制的に移動させてそれらの間で椎弓板を握持することにより、アンカーが椎弓板に取り付けられる。好適な実施形態で、これが、ねじの最も終端側の端部のところで水平方向のバーを締め付けることによって達成され、さらにこの締め付けが、ねじの終端部の周囲に、レンチによって回転させられ得る上から見て六角形プロフィールなどの構成を提供することによって達成され得る。明らかに、これらのテクニックを組み合わせることも想定され得る。移植器具44のこの機能は、移植器具44の分解図である
図20に描かれる中央トロカール48によって達成され、
図20が、中央トロカール48が、水平方向のバーに係合されるように構成される先端部66、シャフト67、および終端部/ハンドル68を装備することを示す。先端部66が小さい黒色の矢印によって示されるように内部カニューレ49の中央チャネル43を通過するように配置され、それにより先端部66を水平方向のバーに係合させるように配置する。アンカーが椎弓板に接触するように配置されると、トロカール48の終端部68が作動させられ、先端部66を回転させてねじを締め付ける。これにより顎部が互いに方に移動させられ、標的椎弓板を堅固に握持する。器具内の一連の境界部分(threshold)により第1および第2の音が発生し、第1の可聴音では水平方向のバーが概して頭尾方向に方向付けられており、理想的には接続要素の先端部に係合されるように配置されている。先端部に係合された状態で、水平方向のバーがさらに約90°回転させられ、システムの拘止を保証する第2の音インジケータが聞こえる。水平方向のバーの位置を示すことが、カニューレ上の外部マーカーによって達成されてもよい。実際には、当業者であれば、この目標を達成するための他の異なるシステムを見込むことができ、これらのすべての実施形態が本発明の精神および範囲に組み込まれる。
【0104】
[00148]さらに、移植器具44が接続要素の先端部を捕捉し、接続要素の先端部を固定ねじの終端部に固定する。これが、
図20でやはり見ることができるように、先端部69、シャフト構成要素70、および終端部71をやはり装備する内部カニューレ49によって達成される。このカニューレ49が、大きい白色の矢印によって示されるように、組み立てられた器具44内の外側カニューレ50の中に配置され、ここでは先端部69が外部カニューレ50の切欠部51の背側にある。この先端部69が接続要素の平坦な先端部を捕捉してこの平坦な先端部の位置を変えるように構成され、その結果、
図22で明示されるように、水平方向のバーが先端部内の開口部を通るように配置され、この水平方向のバーが回転させられて接続要素を締めて定位置に置く。
【0105】
[00149]
図21が、後側頸部モーションセグメントの左側の側面図であり、頭側椎弓板アンカー2を位置決めする移植器具44を明示している。アンカー2がわずかに前方に出る屈曲部により終端部45の握持アーム55、56に可逆的に連結され、それによりアンカーが標的椎弓板の歪み部分(bias)に有利に位置合わせされ、その尾側に沿って導入される。椎弓板下顎部4が椎弓板の下方に入れ込まれ、段落152において上述した方式で顎部4、5を定位置で固定するための準備が整う。中央トロカール48の終端部68が、アンカー2を定位置で拘止するためのねじの固定を作動させるのに使用される。
【0106】
[00150]次いで、尾側アンカー2aが同じ方式で尾側椎弓板CDL LAMに固定される。接続要素3(破線のアウトラインとして示される)が2つのアンカー2、2aを連結し、
図22Aの後面図で示されるように右側のCMIS1の構成体を形成する。尾側アンカー2aを定位置まで通過させてから、固定ねじ6aが締め付けられて移植器具が取り外されている。この時点で、尾側アンカー2aの背側顎部Saに摺動可能に接続される接続要素3のハウジング機構78が頭尾方向に平行移動させられ得、それにより、頭側アンカー2を移植した移植器具44の外部カニューレ50の切欠部51を通る形での接続要素3の先端部74の通過を受け入れる。先端部74が理想の位置に置かれると、外科医が押し付けまたは切り離しにより頭尾方向寸法を調整することができ、次いで接続要素3のハウジング機構78の固定ねじ88が拘止され、接続要素3を定位置で固定する。
【0107】
[00151]次の最後の必要なステップが接続要素3を定位置で固定することである。これが、
図22Aに示されるCMIS1の拡大図である
図22Bに示され、この拡大図により、接続要素3の先端部74を捕捉して頭側アンカー2に対して固定するための機構をより良好に示すことが可能となる。好適な実施形態で、接続要素3が尾側アンカー2aの後側顎部Saに摺動可能に連結される。これが、好適な実施形態では、ハウジング機構78を提供することによって達成され、ハウジング機構78が、このハウジング機構の可動要素79によって作動させられるクランプ機構であり、可動要素79が、背側顎部Saの周りを通過する2つのクランプアームを一体に形成する。接続要素の先端部74が所望の位置まで摺動させられると、固定ねじ88が締め付けられ、接続要素3の位置を維持する。開口部75(破線のアウトラインおよび実線の円で示される)を装備する接続要素の先端部74が移植器具44の切欠部51を通過させられており、この時点では、アンカーの中の固定ねじ6の終端部8の上に開口部75を配置するのを可能にするように、位置決めされている。次いで、器具44内の内側カニューレ49が、その終端部71を手動で押すことにより作動させられ得、それによりその分岐する先端部69が先端部74を前側に押し、ねじ6の終端部8のところにある水平方向のバー31の上に開口部75を配置し、この時点で、中央トロカールの終端部68が作動させられ/手動で回転させられ、それによりトロカール48の先端部66が水平方向のバー31に係合され、最終的に、水平方向のバー31が、接続要素3の先端部74を定位置で拘止するようになるまで回転させられる。接続要素3が、頭側アンカーの拘止機構に寄与する他の構造を解明するために破線のアウトラインとして示されることに留意されたい。さらに、頭側アンカーの背側顎部5の先端部が二重破線として示され、他の構造から顎部5を区別している。この時点で、移植が完了したとみなされる。この図および複数の上記の図面で説明される移植テクニックが、特定の実施形態を条件とする修正により、以下の図面で開示および説明される後の実施形態のすべてで利用されるようなテクニックを本質的に表していることを認識されたい。
【0108】
[00152]
図23が、2つの隣接する椎弓板アンカーをリンクして標的モーションセグメントを安定させる右側CMIS1の好適な実施形態を示す後面図である。患者が腹臥位にある。段落142~149に示される開創器230が露出状態を維持し、ここでは、頁の上側が手術野の上側を表し、患者の右側が頁の右側にある。頭側アンカー2の背側顎部5がCMIS1の頂部にあり、ここでは頭側椎弓板CR LAMの頭側リムを顎部5の上側縁部の上方に見ることができる。この好適な実施形態では、頭側アンカー2が付随の接続要素を必要としない。ねじの終端部のところにある水平方向のバー31が横方向位置で見ることができ、ここでは、バーの縁部が接続要素3の先端部74を捕捉しており、接続要素3が尾側に延在して接続要素3の終端部77のところで尾側アンカー2aに連結される。また、このアンカー2aの背側顎部Saを見ることができ、さらに固定ねじ6の終端部のところにある水平方向のバー3を見ることができ、アンカー2aを尾側椎弓板CDL LAMの尾側縁部に拘止している。椎弓板下顎部4、4aがそれぞれの椎弓板のところまで前側に通過している。
【0109】
[00153]マルチレベルの構成体も見込まれる。
図24が、やはり後面図で示す形で、別のレベルの椎弓板アンカー2bが元の構成体の尾椎の上に移植されたことを明らかにする。尾側端部を追加することにより、構成体1が非常に容易に延伸させられる。これを行うとき、追加のアンカー2bの接続要素3aが既存の構成体内の最も尾側のアンカー2aに連結される。さらに、各レベルにおいて、接続要素3、3aの先端部74、74aの中の開口部75、75aが各レベルの固定ねじの終端部のところにある水平方向のバー31、31aの上に配置され(6bはこの画像で見ることができる唯一のねじである)、具体的には、開口部75、75aの構成は、ねじを回転させるときにその開口部の長手方向軸を通過させるように水平方向のバー31、31aを配置するのを可能にするような、構成であり、その結果、水平方向のバー31、31aが開口部75、75aの長手方向軸に対して垂直となるように方向付けられ、水平方向のバー31、31aの端部が接続要素3、3aの先端部74、74aの側部に覆いかぶさることになることに留意されたい。
【0110】
[00154]
図25が、接続要素23の、具体的にはその終端部の、代替の実施形態を示す。この好適な実施形態では、この終端部が、構成体の尾側アンカーの背側顎部に連結されるクランプ状の構成であり、この好適な実施形態の先端部が中央開口部を有する平坦なセグメントである、ことに留意されたい。この代替の実施形態では、接続要素23が「鏡像」の終端セグメント41,42を装備し、終端セグメント41、42の各々が、この好適な実施形態の先端部と同様に、開口部(この図では見ることができない)を装備する平坦なセグメントとなるように構成される。アンカー2、2aが固定されると、接続要素23が、開口部を通す形で水平方向のバー31、31aを配置して水平方向のバー31、31aを回転させることにより背側顎部5、Saに対して構成体を拘止するように、位置決めされる。本明細書の図のように接続要素に脊柱前弯が与えられる場合、見かけのねじ(seeming screw)6aの終端部Saが、要素23の終端部42に対応するために示されるように修正され得る。
【0111】
[00155]
図25に開示される代替の接続要素23が、
図26の側面図で明示されるように、固定ねじ6、6aの終端部の代替の実施形態と共に利用され得る。したがって、これらのねじ6、6aが、好適な実施形態で見ることができる垂直方向の延長部分または水平方向のバーを有さず、むしろ「ねじヘッド」の実施形態24の形で終端している。この実施形態では、ねじが移植前に接続要素23の終端部41、42の中の両方の開口部を通過しており(しばしば、「プレロード」と称される)、それによりアンカー2、2aがユニットとして移植されなければならなくなる。さらに、ねじの終端部の上に接続要素の終端部を配置するのを可能にするようにねじのヘッドを修正するような別の修正形態、または他の実施形態、およびねじの終端部と接続要素との間の他の関係も当業者であれば見込むことができることが容易に分かるであろう。本明細書においてこのようなすべての修正形態を見込むことができ、これらの修正形態は本発明の精神および範囲に従うものであり、もちろん本出願に含まれる。
【0112】
[00156]
図27が、椎弓板アンカー(
図28の2z)の代替の実施形態を示す立面図であり、ここでは、球形部分32が背側顎部5zの頭側12zの背側表面17zから延びて、この球形部分32がクレードル18に不可逆的に回転可能に連結され、クレードル18がさらに、このアンカー2zを別の尾側アンカーに連結する接続要素(
図28で見ることができる)を収容する。このような実施形態では半球も見込まれ得る。このクレードル18が、球形部分32を包み込む先端部35と一体のモノリシック構造であり、連接により、白色の矢印によって示されるようにクレードル18の多軸の移動が可能となる。このような移動は、隣接する椎弓板に取り付けられた後における、わずかな解剖学的変化により生じるアンカーのアライメントの小さな変化に折り合いをつけるのを可能にする。
【0113】
[00157]クレードル18が、基部26、外側壁27、および内側壁28を有する中央チャネル37を装備する。このチャネル37が接続要素25の代替の実施形態を収容し、接続要素25が、移植時にクレードル18の中に配備されることになるように、配置されている。クレードル18の最も背側がねじキャップ29に連結されることに留意されたい。チャネル37の最も背側の内部表面33、34がねじ部を装備し(目立つように部分的に示される)、ねじキャップ29の先端部36がやはりねじ切りされており、接続要素25が適切に配置されると、ねじキャップ29が配備されて接続要素25を定位置で固定する。
【0114】
[00158]やはり、本発明の精神および範囲を維持するようなこれらの実施形態の変形形態も想定され得ることが認識されよう。このような実施形態が、クレードルの内部表面ではなくクレードルの外側表面または外部表面の上方に開示されるねじ部を配置することを含むことができ、この外側表面または外部表面はナットを使用することによって配備される。別の実施形態で、クレードルの壁がクレードルの最も背側において互いに連続しており、それにより、クレードルのモノリシックの特性により、配置されることになる中央拘止ねじの安定性が向上する。
【0115】
[00159]
図28の側面図で見ることができるように、移植時に接続要素25がクレードル18の中に収容される。この要素25が直線であってよいかまたは(好適には)明示されるようにわずかな脊柱前弯を有してもよい。この図は側面図を明示するが、接続要素25はその独自の構成を明示するために回転させられる。本実施形態も同様に理想的には長方形であるがもちろん任意の幾何学的構成であってよい平坦な構成を特徴とすることを理由として、接続要素25の構成要素には、上記の
図7、8で開示される好適な実施形態の先端部と実質的に等しい先端部39が含まれることに気づくであろう。先端部39がさらに中央開口部40を装備し、中央開口部40がやはり理想的には先端部39自体と同じ形状を再現するものであるが、任意の構成であってよい。開口部40は、好適な実施形態においてまさに説明したように、椎弓板アンカーを互いに固定する拘止機構の重要な構成要素である。理想的な実施形態では、接続要素25の断面が円形であることが見込まれるが、その結果、接続要素が容易にクレードル18を通過する形で配置され得る。しかし、任意の他の幾何学的構成も本発明の精神および範囲内にある。尾側椎弓板アンカー2zをその標的椎弓板に固定するとき、接続要素25が、上のレベルのアンカー2に対してその先端部39が固定されるまで、その元の位置から前進させられる。接続要素25の終端部37が、接続要素25を誤ってクレードル18から外すように前進させないようにするための停止部として機能するためにわずかに大きくなっている。さらに、この図では、前側顎部4z、連結心棒72z、固定ねじ6z、ならびに前側顎部4zおよび後側顎部5zの歯21z、22z、および接続要素25の中央部分38を見ることができる。
【0116】
[00160]
図29が、
図27~28に開示される代替の実施形態をさらに示す。この側面図では、先端部39が定位置にくるまで接続要素25が頭側に前進させられており、その結果、その開口部40が固定ねじの終端部の水平方向のバー31の上に配置され、次いでこの水平方向のバー31が90°回転させられ、ねじの終端部に接触させた状態で接続要素25の先端部39を拘止することに気づくであろう。次いで、固定キャップ29をクレードル18の中へ締め付けることにより接続要素25が尾側に固定され、それにより接続要素25の終端部37を定位置で固定する。クレードル18が、尾側椎弓板に接触した状態で固定された尾側アンカー2zの背側顎部5zの構成要素としてみなされ得る。したがって、
図27~29に開示される実施形態が、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有する方式で標的モーションセグメントを安定させることに気づくであろう。
【0117】
[00161]別の代替の実施形態を
図30A、Bで見ることができる。
図30Aでは、側面図により、好適な実施形態で開示されるアンカーと同様のアンカー330、330aが示されていることに気づくことができる。その理由は、これらのアンカー330、330aが、固定ねじ333、333aを作動させることにより椎弓板に接触した状態で固定される椎弓板下顎部331、331aおよび背側顎部332、332aを装備するからである。しかし、これらのアンカーで異なるのは、この構成体を安定させる接続棒340を受け入れるように設計される、背側顎部332、332aから延びるチューリップ334、334aである。
図30Aでは、拘止ねじ343、343aによりチューリップ334、334aの中で拘止される接続棒340のイメージに明らかに気づくであろう。チューリップ334の特定の態様が
図30Bでより明瞭に明示されており、
図30Bが、台座341/球形部分339の複合体を有する背側顎部332を示す。チューリップ334の先端部338が球形部分339に不可逆的に連結され、湾曲矢印によって明示されるようにチューリップ334の多軸の移動を可能にする。これによりこの実施形態が頸椎の多様なジオメトリに対応することが可能となる。
図30Bがさらに、内側壁335(335a)および外側壁336(336a)がさらに、接続棒340を受け入れるように設計されるチャネル337(337a)を作ることを明示する。アンカー330、330aを椎弓板に対して固定した後、棒340がチャネル337(337a)の中に挿入される。これらのチャネル337(337a)の内部が、拘止ねじ343(343a)の先端部344(344a)上のねじ部に対して相補的となるように構成されるねじ部347(347a)を装備し、これらの先端部344(344a)がチューリップ334(334a)の終端部345(345a)を通るように配置され、ドライバーにより棒を定位置で固定することにより、定位置で固定され、それにより構成体を安定させる。これが、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有する方式で標的モーションセグメントを安定させる。
【0118】
[00162]この実施形態のマルチレベルの反復形態が確実に見込まれ得、追加のアンカー330bを使用することにより達成される。これが
図30Cに示される。追加のアンカー330bに関連して、もちろん、より長い棒340が利用されて、チューリップ334bのチャネル337bの中を通過させられることになり、定位置で固定されることになり、それにより構成体を安定させる。本明細書では、同じ原理および反復形態を使用する、2つのレベルの構成体が示されるが、C2と胸椎との間での任意のレベル数の構成体が考えられ得る。もちろん、当業者により、これらの実施形態の変形形態も想定され得、見込まれ得る。もちろん、このようなすべての変形形態が本発明の精神および範囲内にある。
【0119】
[00163]独自性、有用性、新規性、および非自明性を有する手法で標的モーションセグメントを安定させるCMISの別の代替の実施形態が
図31の側面図に描かれている。この変形形態では、アンカー350がやはり、椎弓板下顎部351さらには背側顎部352を装備し、椎弓板下顎部351および背側顎部352が枢動心棒353によって不可逆的に連結され、固定ねじ354により互いの方に強制的に移動させられ、それにより椎弓板を捕捉する。加えて、固定ねじ354の終端部355がねじ切りされており、それにより、より尾側のレベルに固定されるアンカーとの連結を受け入れることが可能となる、ことに留意されたい。加えて、ハウジング機構356が拘止ねじ357により背側顎部352に固定されることを見ることができ、拘止ねじ357が、拘止ナット358と併せて、ハウジング機構356の連結装置構成要素を(この図では見ることができない)を制御する。この装置が接続要素361の終端部362に摺動可能に連結され、それによりこの要素が複数の平面で位置決め可能となり、それによりさらに、解剖学的な変化に対応するCMISが受け入られるようになる。
【0120】
[00164]
図31に開示される実施形態の複雑さを
図32A~Dで認識することができる、
図32A~32Dが、アンカー350の構成要素(32A/B/C)さらには実施形態全体の分解図を描いている。
図32Aでは、椎弓板下顎部351および固定ねじ354が描かれており、ここでは椎弓板下顎部351が、
図32BおよびDに示されるように、背側顎部に連接されるように構成される背側延長部分366を装備する。背側延長部分366内の開口部377が、やはり
図32BおよびDで見ることができる背側顎部352に連結されるための連接心棒を受ける。この連結により、顎部351、352に前後方向の移動軸が与えられ、これが固定ねじ354によって作動させられ、固定ねじ354の先端部379が、初期状態において、背側顎部を通るように、さらには椎弓板下顎部351内の開口部368を通るように、配置されている。ねじ354の他の特徴には、本明細書で示される主題の尾側において、アンカーから延びている接続要素の先端部に連結されるように構成されるシャフトの終端部355および六角形部分381が含まれる。この図ではさらに、椎弓板下顎部351上の小さい歯389を見ることができる。
【0121】
[00165]
図32Bが、背側顎部352をハウジング機構(
図32C)に連結する拘止ねじ357に連結される背側顎部352を示す。背側顎部352の先端部385がチャネル371を装備し、チャネル371を通す形で拘止ねじ357が配置され、保持ピン373が先端部385のところで開口部372を通過させられており、チャネル371を横断する形で通過させられており、さらに尾側の開口部386を通過させられており、このピン373が拘止ねじ357を定位置で維持する。背側顎部352の尾側端部376が、ノッチ378を装備し、
図32Dで見ることができるように、固定ねじがノッチ378を通る形で配置される。椎弓板下顎部351を背側顎部352に連結する心棒353が、背側顎部352の尾側端部376内の開口部360を通る形で配置され、さらに椎弓板下顎部(
図32D)の背側延長部分を通過させられた後で、この心棒353が開口部380の中で固定され、それにより顎部351、352の連結を維持する。
【0122】
[00166]ハウジング機構356および接続要素361が
図32Cに描かれている。ハウジング機構356の特徴には中央チャネル370が含まれ、中央チャネル370を通す形で拘止ねじが配置され(
図32Dを参照されたい)、ここでは、拘止ナット358のねじ切りされた先端部369がナット358をチャネル370の背側に固定し、ここでは、ナット358内のチャネル382が拘止ねじを受けることになる。保持ピン367がハウジング機構356内の尾側開口部387および頭側開口部388を通過することになり、それにより組み立て中に拘止ねじを固定する。接続要素361がハウジング機構356に連結され、ハウジング機構356が、要素361を最適に位置決めするために作動させられる連結装置375を装備する。これが、拘止ねじの先端部に対して固定ナット358を締め付けることによって達成され、それにより連結装置375が、接続要素361の終端部362およびシャフト363の少なくとも一部分を中に配置しているところのチャネル383を狭くしていく。これらはチャネル383を狭くする前の段階では位置を変えられ得る。狭くした後、接続要素361が定位置で拘止され、ここでは要素361の先端部364がこの構成体のより頭側のアンカーに連結され、頭側アンカーのねじの終端部が固定ナット365のチャネル384内の雌ねじを通過するように配置されてこの雌ねじに接している。成功裏に位置決めした後、固定ナット365が締め付けられ、それにより標的モーションセグメントを安定させる。
【0123】
[00167]
図32A~Cに示される構成要素をアンカー350の完全な実施形態へと組み立てることが
図32Dに明示される。顎部351、352の連結が、弓形の破線によって示されるように背側顎部352のノッチ378の中に椎弓板下顎部351の背側延長部分366を挿入することによって達成される。さらに、背側顎部352の中の開口部360と、定位置に置かれた背側延長部366内のチャネル77(推測される)とを通過させられる心棒353が示されており、最終的に、心棒353の先端部がやはり背側顎部内の開口部380の中で固定され、それにより連結が完了する。少なくとも一実施形態で、心棒353が「圧入」により開口部380の中で固定される。固定ねじ354が、下向きの矢印によって目立つように示される破線によって示されるように、背側顎部352内のノッチ378、および最終的に椎弓板下顎部351内の開口部368の中を通す形で、配置される。この構成により、ねじ354の作動時に顎部351、352を互いの方に強制的に移動させてそれにより上で開示したように椎弓板に対してアンカーを固定するように、ねじ354を位置決めする。拘止ねじ357が、上向きの矢印によって目立つように示される破線によって示されるように、背側顎部352のチャネル371を通過してハウジング機構356のチャネル370の中まで通過する。背側顎部352内の開口部372を通過した保持ピン373がねじ357を定位置で維持する。このねじ357の先端部359が、ハウジング機構375のチャネル370を通って拘止ナット358のチャネル382の中まで通過する形で配置され、それによりハウジング機構375に対して背側顎部352を拘止する。保持ピン367が張力下でねじ357を維持するのに使用される。上で開示したように、ナット358を締め付けることにより、接続要素361が固定される。接続要素361を定位置で固定する前、この構成体の押し付けまたは切り離しにより頭尾方向寸法が調整され得、これが完了すると、適切な位置において、ハウジング機構356の拘止ナット358が固定され、それにより接続要素を所望の位置で捕捉する。
【0124】
[00168]
図31、32A~Dで開示される実施形態の完成した構成体が、
図33では、頸椎に固定された状態で描かれており、
図33が、C3からC7の脊椎セグメントの右側後面斜視図である。これが、C5およびC6の椎弓板に対して右側アンカー350、350aが固定されており、接続要素361aがこのモーションセグメントを安定させている状態の、構成体390を明示する。実行に移される場合、より頭側のアンカー350に関連付けられる接続要素361が最終的な構成体には組み込まれない。その理由は、接続要素361が、この実施例ではC4の右側椎弓体である、構成体の上方での椎弓板の移動に干渉する可能性があるからである。さらに、最後の反復形態が、構成体の尾側の椎弓板に干渉するような尾側に覆いかぶさる部分を有さないように尾側アンカー350aを構成することになる。この図は単に例示であり、臨床業務において、可能性として構成体が両側に移植されることが見込まれる。
【0125】
[00169]
図31の代替の実施形態のマルチレベルの構成体が見込まれ得、分離状態のこのような構成体の側面図が
図34に示される。各々の連続するアンカー350、350a、350b、350c、350dが、接続要素361、a~dにより、単一セグメントの実施形態で見ることができる手法と同様の手法で、より頭側のアンカーに連結される。
【0126】
[00170]
図35が、
図31に提示されるアンカー350の代替の実施形態の分離状態のマルチレベルの構成体の側面図を描いている。しかし、この構成は、アンカー350、350a~dに接続される単一の棒状接続要素391を利用して構成体を安定させる。もちろん、当業者により、これらの実施形態の変形形態も想定され得、見込まれ得、もちろん、このようなすべての変形形態が本発明の精神および範囲内にある。
【0127】
[00171]別の実施形態400で、アンカー401、401aが、やはり、椎弓板下顎部402、402aと、背側顎部403、403aとから構成され、これらの対のアンカーが心棒411、411aによって連結され、対の顎部402、403および402a、403aの尾側を通るように配置される固定ねじ404、404aによって作動させられ、それにより顎部を互いの方に強制的に移動させ、それにより、本明細書で開示される上の実施形態と実質的に等価の手法でアンカー401、401aを椎弓板に固定する。また、いくつかの上の実施形態と同様に、アンカーの中でのねじ404、404aの関係が、ねじ404、404aを種々の位置へ送るときに一連の可聴クリック音を認識することができるような関係である。この実施形態の立面図である
図36Aに示されるように、この実施形態の際立つ特徴は接続要素405であり、接続要素405が、この代替の実施形態では、先端部406、中央部分407、および終端部408から構成され、この接続要素405が配備されることにより、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有する方式で標的モーションセグメントを安定させるデバイス400が提供される。接続要素405の先端部406が実質的に平坦であり、拡大した部分であり、その構成が楕円形または長方形である。先端部406が中央開口部409を装備し、
図7、8、22A、22B,23で開示される接続要素の好適な実施形態、さらには
図25、29で開示される代替の実施形態で見ることができる先端部と実質的に同様の構成である。この実施形態では、固定ねじ404を作動させることにより標的椎弓板に対して頭側アンカー401を固定した後、第1の可聴クリック音がアンカーがほぼ完全に固定されたことを示し、ここではねじ404の終端部412に提供される水平方向のバー413が理想的な位置あり(頭尾方向の軸に沿うように方向付けられる)、それにより、より尾側のアンカー401aに関連付けられていることを見込まれる接続要素405の先端部406上の開口部409を受け入れる。この実施形態の1つの主要な特徴が接続要素405の終端部408であり、終端部408が、背側顎部403aの筋肉側表面416aから延びているカップ状のソケット415aの中で不可逆的に固着される球形構成である。この構成は接続要素405の多軸の移動を可能にする。カップ状のソケット415の周囲内の欠損部分417aが一定の角度範囲にわたっての連結を支援し、それにより解剖学的構造によるおよび配置によるわずかな変化に対応するようになる。次いで、開口部409を通過する弓形の破線によって境界を画定される方向に従う形で接続要素が固定ねじ404の水平方向のバー413の上に配備される。最終的な頭尾方向寸法が、この寸法より大きい開口部409の構成の関数として得られ得る。これにより外科医が押し付け/切り離しを適用することが可能となり、それにより最適な頭尾方向の位置を得ることができ、このポイントで水平方向のバー413が最終的な位置まで回転させられる。この時点で、ソケット415の周囲内の1つまたは複数の見かけのねじ418が作動させられて回転を防止し、それにより構成体の最終的な拘止および安定化が達成される。さらに、頭側アンカー401の背側顎部403がソケットを装備しないように修正されていることに留意されたい。その理由は、1つの(より)頭側の接続要素が(明らかに)必要ないからである。本明細書で示されないこの実施形態の変形形態では、接続要素を有さないソケットが提供される。さらに、これらのカップ状のソケットが、接続要素の先端部をカップの中に挿入するのを可能にするように設計されており、ここではカップが、頭側への延長部分を将来必要とする場合に先端部を定位置に「スナップ嵌合」するのを可能にするような構成を有する。
【0128】
[00172]この方式で接続要素を定位置まで回転させる分離状態のマルチレベルの実施形態が
図36Bに描かれている。やはり、最も頭側のアンカー401が接続要素機構を装備しない。さらに、継続して尾側方向において、アンカー401a、401b、および401cがより頭側のアンカーに連結され、これが、水平方向のバー413、413a、および413bによって拘止される接続要素405、405a、および405bを配備することの結果として行われる。やはり、各々のソケット415a、415b、415cの周囲内に1つまたは複数のねじ418が存在し、1つまたは複数のねじ418が作動時に球形の回転を防止する。もちろん、当業者により、これらの実施形態の変形形態が想定され得、見込まれ得、もちろん、このようなすべての変形形態が発明の精神および範囲内にある。
【0129】
[00173]この実施形態の変形形態520が
図37の側面図で考察される。明示されるように、標的椎弓板に接触した状態で固定されるようにねじ522、522aによって作動させられる頭側アンカーおよび尾側アンカー521、521aがやはり存在する。しかし、上で開示した実施形態とは異なり、この実施形態はその特徴が独特である。その理由は、構成体を安定させるためにこれらのアンカー521、521aを連結する明確な接続要素が存在しないからである。逆に、各アンカーが、細長い先端部527、527aおよび球形の終端部526、526aから構成される細長いモノリシックの半コネクタ525、525aを装備し、球形の終端部526、526aがカフ付きのソケット523、523aの中に着座する。この構成が半コネクタ525の多軸の移動を可能にする。アンカー521、521aを位置決めした後、半コネクタが位置を変えられ、その結果、最も先端側の端部528、528aが互いに接近し、それにより「モジュラー型」の接続要素を作る。さらに、要素529さらには最も先端側の端部528、528aに設けられるねじ部を使用する形で、あるいは「冷間圧接」、「圧入」、または当技術分野で既知であって受け入れられている任意の他の方法を用いる形で、連結要素529によって構成体が完成する。最後のステップとして、ねじ524、524aが球形部分525、525aに対して締め付けられ、それにより回転を防止する。
【0130】
[00174]多重接合の実施形態が想定され得、このような実施形態420の側面図が
図38に明示される。この場合、アンカー421、421aは、心棒424、424aによって連結されて固定ねじ425、425aによって作動させられて本出願で開示されるすべての上のアンカーと同じ手法で椎弓板に接触した状態で固定される椎弓板下顎部422、422a、背側顎部423、423aをやはり装備することに留意されたい。この実施形態において、標的モーションセグメントを安定させるための、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有する方法を可能にする明確な特徴は、頭側アンカー421から延びている接続複合体430を、尾側アンカー421aから延びている接続複合体430aに対して連結するための手法である。ここでは、これらの各々が互いの「鏡像」であり、互いの方を向いており、中央安定化ジョイント427によって連結され、それにより構成体420を安定させる。
【0131】
[00175]各接続複合体430、430aが、垂直方向セグメント431、431aおよび水平方向セグメント432、432aから構成される。突出部433、433a(重ね合わせの破線)が背側顎部423、423aの背側表面426、426aから延びており、垂直方向セグメント431、431a内のチャンバ434、434aの中に嵌め込まれる。これらの接合が、突出部433、433aおよび垂直方向セグメント431、431aの外部表面上のねじ部に面するねじ切りされた位置決めコネクタ435、435aによって調節される。これらの連結により、構成体の垂直方向高さを調整する能力および内外側方向の回転の能力を外科医に提供し、それにより解剖学的変化に対応する。さらに、水平方向セグメント432、432aが中央安定化ジョイント427に連結される。この図では、頭側水平方向セグメントの先端部436がテーパ状であり、尾側水平方向延長部分432aの先端部436aの中のチャンバの中まで通過させられており、中央安定化ジョイント427が実質的に円筒形であり、水平方向セグメント432、432a上のねじ部に絡むようにやはり構成されるねじ切りされた中央チャネル428(斜めの方向の一連の黒い円によって示す)を装備する。中央安定化ジョイント427が独立して導入され得るかまたは水平方向セグメントのうちの1つの水平方向セグメントに摺動可能に連結されて位置を変えられ得る。別の実施形態で、中央安定化ジョイント427が、両方の水平方向セグメントの先端部に連結されるのに十分な長さを有する。この実施形態にかかわらず、中央安定化ジョイント427が頭尾方向寸法における外科医の要求(つまり、切り離し/押し付け)を満たすことができ、これにより構成体420が完成する。冷間圧接、圧入、および固定ねじの使用、などを含めた、任意の他の連結手段がすべて、本発明の精神および範囲内にある。垂直方向セグメントおよび水平方向セグメントの直交関係は絶対的ではなく、任意の角度関係、または単一の弓形の構成を含めた任意の他の構成も本出願の精神および範囲内にある。
【0132】
[00176]
図39A/Bが、
図38に表示される実施形態のマルチレベルの実施形態を考察する。この実施形態が、頭側延長部分441および尾側延長部分442の存在を示す
図39Aで示されるように中間アンカー440を提供することに留意されたい。これらの各々が垂直方向セグメント443、444および水平方向セグメント445、446を装備する。垂直方向延長部分が、背側顎部458から延びている背側突出部449、450を受け入れるチャンバ447、448を装備し、これらの接合が位置決めコネクタ451、452によって調節される。水平方向セグメント445、446が隣接するアンカーとの連結ポイントであり、これを達成するための独自の構成要素を装備する。やはり、この構成も変化していてよく、この図では、頭側水平方向セグメント445がチャンバ454を装備し、ここでは、尾側水平方向セグメント446が、このようなチャンバの中に配置されるように設計される延長部分445を装備することに留意されたい。しかし、これは逆でもよいか、あるいは両方のセグメントが延長部分を装備してもよい。さらに、この図では摺動可能にかつ不可逆的に頭側水平方向セグメント445に連結される中央安定化ジョイント427に気づくことができる。水平方向セグメント445の最も先端側の端部にフランジ453が設けられ、それにおりジョイント427が端部から滑り落ちることが防止される。相補的なセグメントに対してのこのセグメントを対合させることが想定され得、ここでは構成体を拘止する前にジョイント427の位置が摺動可能に変えられる。
図39Bに示されるように、上で開示される手法と同じ手法で、頭側延長部分430、441および尾側延長部分430a、442さらには中央安定化ジョイント427、427a、427bを使用して、これらのアンカー440、440aが互いに連結され、さらには頭側アンカー421および尾側アンカー421aに連結される。任意の数のモーションセグメントにわたって延在する構成体も見込まれ得る。
【0133】
[00177]
図40では、一部の特徴において、
図38、39で開示される特徴に類似する実施形態460を見ることができる。この側方画像が、頭側要素464および尾側要素465から構成される中央ポジショナ463に連結される等しい頭側アンカー461および尾側アンカー461aを示す。これらが、垂直方向セグメント468、469および水平方向セグメント466、467から構成され、水平方向セグメント466、467が一方のセグメント(この事例では466)の先端部によって摺動可能に連結されて、この一方のセグメントの先端部がもう一方のわずかに大きい先端部のチャンバの中に位置決め可能に挿入される。頭尾方向において正確に位置決めした状態で、拘止ナット470が構成体460を定位置で固定し、やはりモジュール型の接続要素463を作る。垂直方向セグメント468、469が、垂直方向カプラ474、475の中に配置される先端部472、473を有し(垂直方向セグメントのこれらの構成要素が点線によって示される)、カプラが、アンカー461、461a上の背側突出部462、462a上のねじ部に絡むように構成されるねじ切りされた回転可能なシリンダ471、471aである。垂直方向セグメントおよび背側突出部のこの構成が垂直方向の寸法を制御し(解剖学的な前後寸法)、加えて、垂直方向セグメントが内外側方向の軸に沿って回転させられ得、これらのすべてにより解剖学的構造の変化に対応することができる。外科医によって最終的な位置が達成されると、水平方向拘止ねじ470および垂直方向拘止ねじ476、477を固定することにより中央ポジショナ463が拘止され、それにより、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有する方式で構成体460を安定させる。
【0134】
[00178]
図41が、
図40に描かれる構成体のマルチレベルの構成体460aの側方画像を示す。やはり、一連の等しいアンカー461、461(a~z)が提供され、さらに、実施形態460aが拡張した中央ポジショナ480を有し、ここでは、このポジショナ480の頭側要素485および尾側要素486が実質的に「T形」の中間要素481に連結され、中間要素481が水平方向のセグメント482を装備し、水平方向のセグメント482が、頭側要素485および尾側要素486の水平方向セグメント487、488の先端部を受け入れる中央チャネル483を備え、これらが固定ねじ489、490により定位置で拘止される。中間要素481の垂直方向構成要素484が中実でモノリシックであり、中間アンカー461aの垂直方向カプラ476の中まで誘導される(カプラの中の垂直方向セグメントが点線によって示される)。これが拘止ねじ494aによって固定されると、水平方向セグメント487、488が摺動可能に位置決めされた後で固定され、その結果、垂直方向セグメント492、493が頭側アンカー461および尾側アンカー461bの垂直方向カプラ474、475(カプラの中が斑点模様である)の中に配置され得、拘止ねじ494、494a、494bを用いて拘止され、それにより構成体460aを完成させる。水平方向セグメント487、488が、マルチレベルの構成体において高い可能性で必要となる脊柱前弯を有することに留意されたい。より大きい構成体では、アクセサリ接続棒が2つの中間要素481、481a~zの間に配置されることになることが見込まれる。推測すると、この構成体は、添え字によって示される必要とされる数だけの中間アンカーおよび要素を有することができる。
【0135】
[00179]ねじ切りされた背側突出部がアンカーから延びているような実施形態の別の変形形態500が
図42に描かれており、ここでは、側面図が実質的に標準的であるアンカー501、501aを示しており、ここでは、ねじ切りされた突出部503、503aが固定ねじ502、502aの最も背側から延在する。モジュール型の接続要素504の、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有するこの構成が、頭側構成要素510および尾側構成要素511から構成される棒状の要素を開示しており、これらの構成要素が摺動可能に連結され、その結果、一方の構成要素(この実施例では、頭側構成要素510)の自由縁部512が、もう一方の構成要素511に設けられる拡張した中央チャンバ513の中に配置され、頭尾方向の寸法を摺動可能に調整する。次いで、これらの構成要素が固定ねじ514によって拘止される。接続要素504の各構成要素510、511がクレードル515、516を装備し、クレードル515、516の中で球形カプラ505、506が不可逆的に保持され、それによりカプラに実質的なモーション範囲が与えられる。これらのカプラ505、506がねじ切りされたチャンバ507、508(破線によって概略的に示される)を装備し、チャンバ507、508が矢印によって示されるように自由端509、509aの上に配置され、ここでは、構成体が定位置にくるまで、球形部分505、506が特別な器具(図示せず)によって回転させられる。次いで、固定ねじ517、517aが構成体500の全体を定位置で拘止する。これらのねじに加えてまたはこれらのねじの代わりに固定ナットを使用することも想定することができる。もちろん、マルチレベルの実施形態も見込まれ得、このようなマルチレベルの実施形態も本発明の精神および範囲内にある。
【0136】
[00180]本概念のより極端な変形形態も考えられ、これが構成体530の側面図である
図43に示されており、ここでは、修正されたアンカー531、531aが固定ねじを有さない。代わりに、アンカー531、531aが専用の修正された移植器具(図示せず)により椎弓板に接触した状態で安定し、この間、独自性、有用性、新規性、および非自明性を有する設計のモジュール型のコネクタ要素534が構成体530を安定させる。接続要素534が頭側延長部分535および尾側延長部分536を装備し、これらの各々が連結端部543、544を装備し、連結端部543、544がさらにクレードル537、538を装備し、クレードル537、538が連接球形部分539、540を収容する。固定ねじ541、542が上記球形部分539、540と連続しておりこの上記球形部分539、540とモノリシックであり、この構成が球形部分539、540およびひいてはねじ541、542に有意なモーション範囲を与える。ねじ541、542がアンカー531、531a内の路532、532aを通る形で配置され、このアクションが同時にアンカー531、531aを拘止して構造体530を安定させる。さらに、構成体530が頭尾方向の軸に沿って調整され得る。この調整性が延長部分535、536の自由端547、548の連結から得られ、ここでは、一方の延長部分(この事例では、尾側延長部分)の自由端が拡大した自由端を装備し、この拡大した自由端の中にチャンバ549が存在し、チャンバ549が頭側延長部分535の自由端547のところにある拡大部分550を受け入れ、この拡大部分が延長部分を拘止するのを補助する。端部547、548が互いを基準としておよびひいては頭尾方向の調整性を基準として摺動可能にその位置を変えられ得る。所望の位置が達成されると、拘止ねじ551が接続要素534を定位置で固定する。
【0137】
[00181]
図44Aが、本明細書で開示される実施形態のうちの任意の実施形態の前後方向において最も低いプロフィールを特徴とする代替の実施形態560の独自の特徴を認識するのに最良の視点である側面図を描いている。これが、アンカー561、561aの最も頭側571および最も尾側572に独自の形で連結されるための複雑な接続要素562を開示することによって達成され、
図44Bの拡大図を精査することにより上記要素562が最も良好に理解される。これが、接続要素562が終端部563および先端部567を装備することを明示している。終端部563がモノリシックであるが2つの性質を有し、球形の基部565が接続延長部分564と連続している。接続延長部分564自体が自由端566の中に受け用チャンバを装備し、受け用チャンバが接続要素562の先端部567の調整棒568を受け入れてこの調整棒568に摺動可能に連結され、それにより頭尾方向寸法を調整、中間固定ねじ574によって拘止される。球形の基部565が、
図44A、Bの両方で見ることができるように、尾側アンカー561aの最も頭側571の構成要素であるソケット570の中で不可逆的に保持される。この構成が接続要素562に多軸の移動範囲を与え、それにより解剖学的構造の変化に対応する。接続要素562の所望の向きが達成されると、尾側固定ねじ575が配備される。接続要素の先端部567の最も先端側569が拡大している部分を明示しており、この拡大している部分がハウジングチャンバ576の中に配置され、頭側固定ねじ573を用いて拘止される。この描写では球形の端部565が尾側アンカー561aに連結されるが、この構成の逆を表すような実施形態も確実に見込まれ得、本発明の精神および範囲内にある。
【0138】
[00182]さらに続けて他の実施形態を想定することができる。
図45では、代替の実施形態580が、標的モーションセグメントの頭側椎骨の椎弓板の頭側に固定される1つの椎弓板アンカー581を示しており、これは本出願で開示される典型的な方式とは完全に対照的なものである。この場合、このアンカー581が棒状の接続要素583により椎弓板アンカー582に連結され、椎弓板アンカー582が、上記のすべての実施形態で開示される標準的な方式で尾椎の椎弓板に固定される。これらのアンカー581、582の各々が、
図30A~Cおよび段落166、167で開示されるクレードルと同様のクレードル584、585を装備する。これらの実施形態のクレードルと同様に、本明細書でのクレードル584、585は線によって明示されるように中央チャネル586、587を装備する。これらのチャネル586、587の基部が接続要素583を受け入れるように構成され、さらに、これらのチャネル586、587の壁が、固定ボルト588、589の外部表面に設けられるねじに面するためのねじ部を装備する。これらのボルト588、589がクレードル584、585内で破線で概略的に示されており、それらの終端部がクレードル584、585の頂部のところにある。この構成体を完成させるために、接続要素583がチャネルの中で位置決めされ、固定ナット588、589によって拘止され、それにより構成体580を安定させる。
【0139】
[00183]上記で提示される実施形態の組み合わせが想定され得、見込まれ得ること、ならびに提示される実施形態の任意の組み合わせが本出願の精神および範囲内にあるとみなされることを認識することが重要である。
【0140】
[00184]反復形態および実施形態がそれらの一般的なフォーマットで提示されるが、本明細書で提示される本発明を読んでそれに関しての知識を得た人、また具体的には当業者が、これらの開示を元にして考察を行う場合に明らかとなるような他の実施形態を案出して実証する可能性があることを認識されたい。明らかなこととして、すべての類似の実施形態および反復形態が本発明の精神および範囲内にある。
【0141】
[00185]上記の記述は本発明の原理を単に説明するものとみなされる。さらに、当業者であれば多数の修正形態および変更形態を容易に思い付くであろうことから、本発明を、示されて説明される厳密な構成および動作のみに限定することは望ましいことであるとみなされない。好適な実施形態を説明してきたが、本発明から逸脱することなく細部が変更され得、これは後願の非仮特許出願の提出時に特許請求の範囲によって説明されることになる。
【国際調査報告】