(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】尿道内磁性バルブおよび関連部品
(51)【国際特許分類】
A61F 2/02 20060101AFI20220125BHJP
【FI】
A61F2/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525174
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(85)【翻訳文提出日】2021-06-29
(86)【国際出願番号】 GB2019053075
(87)【国際公開番号】W WO2020089623
(87)【国際公開日】2020-05-07
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516189187
【氏名又は名称】インジェニオン メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド エル ブラッケン
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA30
4C097BB01
4C097BB08
4C097CC04
4C097CC18
(57)【要約】
入口ポートおよび出口ポートを有する尿道内磁性バルブであり、バルブは、バルブ本体と;バルブ本体内に少なくとも部分的に配置された強磁性リングと;弁座と;バルブ本体によって画定された内部容積内に配置され、強磁性リングに対して移動するように構成された磁性バルブ要素と、を含み、その移動は、流体が入口ポートから出口ポートを通って流れることを妨げる閉鎖構成と、流体が入口ポートから出口ポートを通って流れることを可能にする開放構成との間の、バルブ本体内における移動であり、磁性バルブ要素の移動は、外部磁石部材からの磁場に曝されており、弁座はエラストマー材料から形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口ポートおよび出口ポートを有する尿道内磁性バルブであって、前記バルブは、
バルブ本体と;
前記バルブ本体内に少なくとも部分的に配置された強磁性リングと;
弁座と;
前記バルブ本体によって画定された内部容積内に配置され、前記強磁性リングに対して移動するように構成された磁性バルブ要素と、
を含み、前記移動が、流体が入口ポートから出口ポートを通って流れることを妨げる閉鎖構成と、流体が入口ポートから出口ポートを通って流れることを可能にする開放構成との間の、前記バルブ本体内における移動であり、前記磁性バルブ要素の移動は、外部磁性部材からの磁場に曝されており、前記弁座がエラストマー材料から形成されている、バルブ。
【請求項2】
前記バルブ本体のエラストマー材料が、前記弁座を形成し、前記閉鎖構成にあるときに前記磁性バルブ要素が前記弁座と係合するように構成されている、請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記弁座を画定し、前記バルブ本体に取り付けられた弁座部材をさらに含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項4】
前記弁座部材が、前記バルブ本体によって少なくとも部分的に受け入れられている、請求項3に記載のバルブ。
【請求項5】
前記強磁性リングが、前記弁座部材の一部を少なくとも部分的に取り囲んでいる、請求項2または3に記載のバルブ。
【請求項6】
前記弁座部材が、1つまたは複数のエラストマー材料のみから形成されている、請求項3~5のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項7】
前記強磁性リングが、前記弁座を形成する前記エラストマー材料に埋め込まれている、請求項1~6のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項8】
前記磁性バルブ要素が、拡張可能部材のための通路がバルブを通して提供される開放貫通構成を採用するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項9】
前記内部バルブ容積が、開放貫通構成にあるときに前記磁性バルブ要素の少なくとも一部を受け入れるように構成された球根状部分を含む、請求項8に記載のバルブ。
【請求項10】
前記弁座が、前記バルブ本体により画定される内部容積の中心長手方向軸から前記出口がずらされているようなオフセット弁座である、請求項8に記載のバルブ。
【請求項11】
前記バルブ本体が、前記内部容積の幅を減らすために弾性変形可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項12】
尿道壁と係合するための1つまたは複数の外部リブをさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項13】
前記バルブと尿道壁との間の密閉を提供するのを支援するための、前記バルブ本体の少なくとも一部を取り囲むように構成された外部シール部材をさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項14】
前記外部シール部材が発泡材料を含む、請求項11に記載のバルブ。
【請求項15】
前記外部シール部材が、抗菌剤および/または抗真菌剤を含む、請求項13または14に記載のバルブ。
【請求項16】
前記磁性バルブ部材および強磁性リングのみが弾性変形可能でない、請求項1~15のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項17】
前記弁座が、少なくとも部分的に前記磁性バルブ要素を受け入れる、請求項1~16のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項18】
前記磁性バルブ要素の少なくとも10%が前記弁座に受け入れられる、請求項15に記載のバルブ。
【請求項19】
前記磁性バルブ要素の50%未満が前記弁座に受け入れられる、請求項16に記載のバルブ。
【請求項20】
前記バルブ本体が、前記出口ポートに向かって先細りになっている、請求項1~19のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載のバルブと、前記バルブの入口ポートに結合されたカテーテルと、前記カテーテルに結合された保持機構と、を含むバルブシステムであって、前記保持機構が膀胱内で展開するように構成されている、バルブシステム。
【請求項22】
前記バルブおよびカテーテルを通って延在し、前記保持機構の少なくとも一部に固定された、拡張可能要素と、
前記拡張可能要素と係合し、前記カテーテルを通るその移動を妨げるように構成された、保持クリップと、
を含む、請求項21に記載のバルブシステム。
【請求項23】
前記バルブシステムの前記膀胱への移動を妨げるように構成された外部保持機構をさらに含む、請求項21または22に記載のバルブシステム。
【請求項24】
前記外部保持機構が、調節可能な保持リングまたはフォームパッドを含む、請求項23に記載のバルブシステム。
【請求項25】
前記外部保持機構に隣接して配置された1つまたは複数の外部シール部材をさらに含む、請求項21~24のいずれか一項に記載のバルブシステム。
【請求項26】
第2のカテーテルが、前記外部保持機構を前記バルブに結合する、請求項21~25のいずれか一項に記載のバルブシステム。
【請求項27】
前記バルブシステムの摘出に使用するための1つまたは複数のテザーをさらに含む、請求項21~26のいずれか一項に記載のバルブシステム。
【請求項28】
挿入ツールが、前記バルブシステムの少なくとも一部を受け入れるように構成されたスリーブ部材を含む、前記バルブシステムの移植に使用するための挿入ツールと組み合わせた請求項21~27のいずれか一項に記載のバルブシステム。
【請求項29】
前記スリーブ部材が、前記バルブシステムよりも硬い、請求項28に記載のバルブシステムおよび挿入ツールの組み合わせ。
【請求項30】
膨張可能外部シール部材をさらに含む、請求項21~29のいずれか一項に記載のバルブシステム。
【請求項31】
移植後にカテーテルおよび/またはバルブと取り付けられるように構成された1つまたは複数の外部シール部材をさらに含み、前記外部シール部材のそれぞれが、前記カテーテルおよび/またはバルブの長さに沿ってスライドさせられるように構成された環状部材を含む、請求項21~30のいずれか一項に記載のバルブシステム。
【請求項32】
前記カテーテルの外面にリブ状突起が形成されるように、前記カテーテルの少なくとも一部によって受け入れられるように構成された少なくとも1つの内部シール部材をさらに含む、請求項21~31のいずれか一項に記載のバルブシステム。
【請求項33】
前記カテーテルおよび/またはバルブの長さの少なくとも一部に沿って延在するスリーブ部材をさらに含み、前記スリーブ部材が、そこを通る1つまたは複数の穴を画定し、および/または前記スリーブ部材の別の部分とは異なる材料で形成された1つまたは複数の領域を含み、および/または前記スリーブ部材の別の部分とは異なるテクスチャを有する、請求項21~32のいずれか一項に記載のバルブシステム。
【請求項34】
挿入および/または摘出ツールが、前記バルブシステムと係合する係合部材を含み、前記係合部材が、前記バルブシステムの少なくとも一部の周りに適合するように構成された、ねじ式係合部材、磁気係合部材、フック、ヒンジ付きフック、展開可能保持部材、およびループのうちの少なくとも1つを含む、前記バルブシステムの移植および/または摘出に使用するための挿入および/または摘出ツールを組み合わせた、請求項21~33のいずれか一項に記載のバルブシステム。
【請求項35】
前記バルブシステムが、ヒト男性患者またはヒト女性患者に使用するためのものである、請求項21~34のいずれか一項に記載のバルブシステム。
【請求項36】
前記バルブシステムが、前記保持機構が非展開構成にある状態で、無菌保管できるように構成されている、請求項21~25のいずれか一項に記載のバルブシステム。
【請求項37】
尿道内バルブシステムであって、
そこを通る流体の選択的な流れのための尿道内バルブと、
前記バルブシステムを所定の位置に固定するための保持機構と、
前記尿道内バルブと前記保持機構との間に結合されて、尿道内バルブへの流体の移動を可能にするカテーテルと、
前記保持機構に結合され、前記カテーテルの少なくとも一部を通過する、前記尿道内バルブシステムの挿入に使用するための拡張可能要素と、
前記拡張可能要素と係合し、前記カテーテルを通る移動を妨げるように構成された保持クリップと、
を含む、バルブシステム。
【請求項38】
前記保持クリップが、ヒンジにより結合され、開放構成および閉鎖構成の間でお互いに対して前記ヒンジの周りを移動するように構成された、第1および第2の細長い部材と、前記閉鎖構成において前記第1および第2の細長い部材の係合を保持するための係合機構と、を含む、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記保持クリップが、U字形構成で結合され、前記拡張可能部材を受け入れるためのスリットをそれらの間に画定する2つの細長い部材を含む、請求項37に記載のシステム。
【請求項40】
前記保持クリップの長さが、前記カテーテルの管腔の幅よりも大きい、請求項37~39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記バルブシステムが、ヒト男性患者またはヒト女性患者に使用するためのものである、請求項37~40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記バルブシステムが、保持機構が非展開構成にある状態で、無菌保管できるように構成される、請求項37~41のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の説明
実施形態は、尿道内バルブおよびバルブシステム、尿道内バルブシステムの配置および/または除去のためのシステムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、そこを通る流体の流れを選択的に制御することができる尿道内バルブを提供することが望まれている。このようなバルブは、例えば、尿閉不足を患う患者に関して必要とされ得る。
【0003】
男性患者におけるそのようなバルブの留置例は、
図1に見ることができ、これは米国特許第6066088号明細書(特許文献1)の
図3の抜粋である。本明細書において先行技術の図(
図1および
図2)のみを具体的に参照する参照番号は、括弧内に提示される(理解を助けるために、適切な場合、実施形態を参照するための同様の参照番号が(本明細書において括弧なしで)使用される)。
【0004】
見てわかるように、
図1は、人間の男性の腹部(30)の断面を示す。バルブ(1)は、概して膨隆部(bulge)(17)にあり、尿道を通る流体の通常の流れの観点から概して振子部尿道(27)の上流の、患者の球部尿道(26)内に配置することができる。バルブ(1)は、バルブ(1)の出口、および保持機構によって画定される入口として管腔(21)を画定するカテーテルにより、保持機構と結合される。保持機構は膀胱(29)に配置され、膀胱頸部(22)に対して所定の位置に保持機構を保持する保持ループ(28)を含む。
【0005】
したがって、開放構成と閉鎖構成との間のバルブ(1)の動作は、膀胱(29)から出口(25)を通って振子部尿道27へ至る流体の流れを制御することを目的とする。
【0006】
これに関する重要な進歩には、国際公開第00/02499号(特許文献2)の尿道内磁性バルブが含まれる。参照を容易にするために、この文書の
図1が本出願の
図2として繰り返されている。この文書は、失禁に苦しむ人の、ヒトの尿道に挿入するための尿道内磁性バルブ(1)を教える。尿道内磁性バルブ(1)は、非強磁性円筒形ハウジング(2)、ハウジングの一端に取り付けられた弁座アセンブリ(36)、ハウジング内で自在に動くように配置された球形磁性バルブ要素(14)、およびハウジングのもう一方の端に取り付けられた、バルブ要素を保持するためのリング(10)を含む。弁座アセンブリ(36)は、非強磁性弁座(4)および強磁性リング(5)を有する。バルブ要素(14)は、強磁性リング(5)への引力によって弁座(4)に対して閉じた遮断位置に維持され、バルブ(1)を通る流体の流れを制限する。外部磁石を使用し、バルブ要素(14)に磁気トルクと引力とを与えてそれを弁座(4)から移動させ、流体の流れのためにバルブを開く。外部磁石を取り除くと、バルブ要素(14)は弁座(4)の閉じた遮断位置に戻る。この文書はまた、尿道内磁性バルブ(1)が過剰な流体圧力を緩和するためのばねを有する機構を含む第2の実施形態を教えており、ここで、弁座アセンブリ(36)はハウジング(2)に取り付けられるのではなく、過剰な静水圧が存在するときにスプリングの力に対してハウジング内を軸方向にスライド可能であり、弁座アセンブリ(36)の周りの通路を通して流体を放出することができる。
【0007】
このような進歩した尿道内磁性バルブは、外部磁石の使用を通じて膀胱からの流体の選択的放出を可能にしようとしており、言い換えれば、患者の体の外部の磁石を、内部に取り付けられた尿道内磁性バルブに近づけて、それらを開放構成から閉鎖構成へ作動させることができる。
【0008】
しかし、これらの尿道内磁性バルブでさえ課題を有する。例えば、バルブは、バルブの外側部分と尿道壁との間で、バルブ周りの不十分な密閉を示す可能性がある。この領域に不十分な密閉があると、開放構成に作動させない限りバルブは正しく動作してバルブを通る流体の流れを妨げることができるが、特に流体の圧力が比較的高い場合に、バルブの周囲に流体が漏出する可能性がある。同様に、特にバルブの寿命全体にわたって、バルブ要素と弁座との間の良好な密閉を維持することに課題がある。
【0009】
バルブおよびその保持機構が配置される環境は、例えば、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)のミネラル化されたバイオフィルムまたは他の微生物物質の付着をもたらす可能性がある。これは、結果として、バルブの詰まりをもたらし、またはバルブと尿道壁との間の密閉に影響を与える可能性がある(上述のように、漏出につながる可能性がある)。
【0010】
尿道内バルブの留置も開発の対象となっている。特に、尿道内バルブを留置するためのシステムは、バルブおよび関連する保持機構を、尿道を通して所定の位置に押し出すことを可能にする必要がある。しかしながら、この方法でのバルブの留置の間、尿道を経由する正確な留置および誘導のために、バルブおよびその保持機構の引っ張りおよびひねりが必要とされることは珍しいことではない。典型的には、そのような留置システムは、開業医(例えば、外科医または他の医学的に資格のある人)によって操作される部分、したがって、患者の尿道に入らない部分を必要とする。留置システムのこの部分の全部または一部は、バルブの留置後にバルブおよびその保持機構から取り外すことができる必要がある。したがって、尿道内バルブの留置システムは、バルブおよびその保持機構を、尿道を通して所定の位置に誘導できる必要があり、かつその留置に続いて少なくとも部分的に取り外すことができる必要がある。
【0011】
そのような例の1つは、尿道にカテーテルを移植するためのシステムを教える国際公開第2008/067557号(特許文献3)である。このシステムは、カテーテルの一端に配置された磁性尿道内バルブを有するカテーテルを含む。このシステムはまた、カテーテルの第1の端部の開口部へと延在する先端部材を有するツールを含み、ツールをカテーテルに結合する。システムは、ツールから延在する要素も含む。カテーテルは、バルブを通って延在しカテーテルの第2の端部と係合する当該要素のための導管を提供する、内部経路を有する。ツールは、当該要素を使用して、カテーテルの長さに沿ってカテーテルに圧力を与え、カテーテルを補強するように適合されている。カテーテルの補強は、引張力、押力、およびねじり力を可能にすることによって、尿道へのカテーテルの移植を容易にする。
【0012】
尿道内バルブの留置の分野における進歩は、国際公開第2011/032150号(特許文献4)にも見ることができる。この文書は、哺乳動物の身体の通路への管状構造体の挿入を容易にするための挿入容易化デバイスを教える。デバイスは、(a)近位端部分および遠位端部分を含む細長い補強材であって、補強材の遠位端部分は少なくとも部分的に管状構造体の遠位端部分内にあり、補強材の近位端部分は少なくとも部分的に管状構造体の近位端部分内にある状態で、管状構造体の管腔内でその遠位端部分からその近位端部分まで延在するように、および補強材がない場合よりも補強材がある場合の方が大きい剛性を管状構造体に提供するように適合されており、管状構造体に対して管状構造体内を軸方向に動かされるように適合されている、細長い補強材と、(b)係合デバイスであって、その係合状態において、管状構造体の管腔内に延在する補強材で、補強材と管状構造体とを取り外し可能に係合し、それにより、管状構造体を身体の通路に挿入する間の、管状構造体に対する補強材の軸方向および半径方向の移動のいずれかまたは両方が実質的に排除され、その非係合状態において、補強材と管状構造体との係合を取り外し、それにより、補強材が管状構造体の内腔を少なくとも軸方向に移動可能になり、および管状構造体から引き抜くことができ、少なくとも補強材の近位端部分が、管状構造体の遠位端内にあるか、または隣接するように適合されている、係合デバイスと、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第6066088号明細書
【特許文献2】国際公開第00/02499号
【特許文献3】国際公開第2008/067557号
【特許文献4】国際公開第2011/032150号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
尿道内バルブを留置するためのこれらのシステムは、前述の文書から分かるように、比較的複雑であり、これらのシステムを単純にすることが一般的に望まれている。
【0015】
留置後にバルブおよびその保持機構を摘出するための機構を提供することも望まれている。これは、例えば、バルブの定期的な交換を可能にするため、および/または従来の尿道カテーテル(例えば、外科手術、薬物送達などのために入院する患者の場合)の取り付けを可能にするために必要とされ得る。
【0016】
尿道内バルブの進歩は、男性患者での使用に集中してきた。これは、1つには、尿道が長く、したがって、そのようなバルブの留置に利用できるスペースが大きいためである。しかしながら、女性患者に関しても、そのようなバルブに対する需要もまたある。
【0017】
理解されるように、患者(男性または女性)の尿道におけるバルブの配置は不快となる場合がある。バルブは、密閉を形成する必要のために、尿道の壁を押し付ける-例えば、
図1を参照されたい。さらに、外力が不快感を増大させ得る。例えば、患者が座り、歩き、走り、または階段を上がるとき、次いでバルブおよび/または保持機構に作用する追加のおよび/またはさまざまな力があり得る。これらの力の変化は、バルブおよび/または保持機構による尿道壁および周辺組織への圧力を変化させ得る。これは、患者が感じる不快感を増大させ得る(実際、患者は、例えば、特に座っているときなど、いくつかの活動を実行するときにのみ不快さを感じ得る)。
【0018】
したがって、使用時におけるそのようなバルブの全体的な快適さを改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
実施形態は、先行技術に関連する1つまたは複数の問題の軽減を図る。
【0020】
したがって、一態様は、入口ポートおよび出口ポートを有する尿道内磁性バルブを提供し、バルブは、バルブ本体と;バルブ本体内に少なくとも部分的に配置された強磁性リングと;弁座と;バルブ本体によって画定された内部容積内に配置され、強磁性リングに対して移動するように構成された磁性バルブ要素と、を含み、その移動は、流体が入口ポートから出口ポートを通って流れることを妨げる閉鎖構成と、流体が入口ポートから出口ポートを通って流れることを可能にする開放構成との間の、バルブ本体内における移動であり、磁性バルブ要素の移動は、外部磁性部材からの磁場に曝されており、弁座はエラストマー材料から形成されている。
【0021】
バルブ本体のエラストマー材料は、弁座を形成してもよく、閉鎖構成にあるときに磁性バルブ要素が弁座と係合するように構成されている。バルブは、弁座を画定し、かつバルブ本体に取り付けられた、弁座部材をさらに含んでもよい。弁座部材は、バルブ本体によって少なくとも部分的に受け入れられていてもよい。強磁性リングは、弁座部材の一部を少なくとも部分的に取り囲んでいてもよい。弁座部材は、1つまたは複数のエラストマー材料のみから形成されていてもよい。強磁性リングは、弁座を形成するエラストマー材料に埋め込まれていてもよい。磁性バルブ要素は、拡張可能部材のための経路がバルブを通して提供される開放貫通(open pass-through)構成を採用するように構成されてもよい。内部バルブ容積は、開放貫通構成にあるときに磁性バルブ要素の少なくとも一部を受け入れるように構成された球根状部分を含んでもよい。弁座は、バルブ本体により画定される内部容積の中心長手方向軸から出口がずらされているようなオフセット弁座でもよい。バルブ本体は、内部容積の幅を減らすために弾性変形可能であってもよい。バルブは、尿道壁と係合するための1つまたは複数の外部リブをさらに含んでもよい。バルブは、バルブと尿道壁との間の密閉を提供するのを支援するための、バルブ本体の少なくとも一部を取り囲むように構成された外部シール部材をさらに含んでもよい。外部シール部材は、発泡材料を含んでもよい。外部シール部材は、抗菌剤および/または抗真菌剤を含んでもよい。磁性バルブ部材および強磁性リングのみが弾性変形可能でなくてもよい。弁座は、少なくとも部分的に磁性バルブ要素を受け入れてもよい。磁性バルブ要素の少なくとも10%が弁座に受け入れられてもよい。磁性バルブ要素の50%未満が弁座に受け入れられてもよい。バルブ本体は、出口ポートに向かって先細りになっていてもよい。
【0022】
また別の態様は、上記のようなバルブと、バルブの入口ポートに結合されたカテーテルと、カテーテルに結合された保持機構と、を含むバルブシステムを提供し、保持機構は、膀胱内で展開するように構成されている。
【0023】
バルブシステムはさらに:バルブおよびカテーテルを通って延在し、保持機構の少なくとも一部に固定された拡張可能要素と;拡張可能要素と係合し、カテーテルを通るその移動を妨げるように構成された保持クリップと、を含んでもよい。バルブシステムは、バルブシステムの膀胱への移動を妨げるように構成された外部保持機構をさらに含んでもよい。外部保持機構は、調節可能な保持リングまたはフォームパッドを含んでもよい。バルブシステムは、外部保持機構に隣接して配置された1つまたは複数の外部シール部材をさらに含んでもよい。第2のカテーテルは、外部保持機構をバルブに結合してもよい。バルブシステムは、バルブシステムの摘出に使用するための1つまたは複数のテザーをさらに含んでもよい。
【0024】
また別の態様は、バルブシステムの移植に使用するための挿入ツールと組み合わせた、上記のようなバルブシステムを提供し、挿入ツールは、バルブシステムの少なくとも一部を受け入れるように構成されたスリーブ部材を含む。
【0025】
スリーブ部材は、バルブシステムより硬くてもよい。バルブシステムは、拡張可能外部シール部材をさらに含んでもよい。バルブシステムは、移植後にカテーテルおよび/またはバルブに取り付けるように構成された1つまたは複数の外部シール部材をさらに含んでもよく、そのような外部シール部材のそれぞれは、カテーテルおよび/またはバルブの長さに沿ってスライドさせられるように構成された環状部材を含む。バルブシステムは、カテーテルの外面にリブ状突起が形成されるように、カテーテルの少なくとも一部によって受け入れられるように構成された少なくとも1つの内部シール部材をさらに含んでもよい。バルブシステムは、カテーテルおよび/またはバルブの長さの少なくとも一部に沿って延在するスリーブ部材をさらに含んでもよく、スリーブ部材は、それを通る1つまたは複数の穴を画定し、および/またはスリーブ部材の別の部分とは異なる材料で形成された1つまたは複数の領域を含み、および/またはスリーブ部材の別の部分とは異なるテクスチャを有する。
【0026】
また別の態様は、バルブシステムの移植および/または摘出に使用するための挿入および/または摘出ツールと組み合わせたバルブシステムを提供し、挿入および/または摘出ツールは、バルブシステムと係合する係合部材を含み、係合部材は、バルブシステムの少なくとも一部の周りに適合するように構成された、ねじ式係合部材、磁気係合部材、フック、ヒンジ付きフック、展開可能保持部材、およびループのうちの少なくとも1つを含む。
【0027】
バルブシステムは、ヒト男性患者またはヒト女性患者に使用するためのものであってもよい。バルブシステムは、保持機構が非展開構成にある状態で、無菌保管できるように構成されていてもよい。
【0028】
また別の態様は、尿道内バルブシステムを提供し、尿道内バルブシステムは、そこを通る流体の選択的な流れのための尿道内バルブと;バルブシステムを所定の位置に固定するための保持機構と;尿道内バルブと保持機構との間に結合されて、尿道内バルブへの流体の移動を可能にするカテーテルと;保持機構に結合され、カテーテルの少なくとも一部を通過する、尿道内バルブシステムの挿入に使用するための拡張可能要素と;拡張可能要素と係合し、カテーテルを通る移動を妨げるように構成された保持クリップと、を含む。
【0029】
保持クリップは、ヒンジにより結合され、開放構成および閉鎖構成の間でお互いに対してヒンジの周りを移動するように構成された第1および第2の細長い部材と、閉鎖構成において第1および第2の細長い部材の係合を保持するための係合機構と、を含んでもよい。保持クリップは、U字形構成で結合され、拡張可能部材を受け入れるためスリットをそれらの間に画定する2つの細長い部材を含んでもよい。保持クリップの長さは、カテーテルの管腔の幅よりも長くてもよい。バルブシステムは、ヒト男性患者またはヒト女性患者に使用するためのものであってもよい。バルブシステムは、保持機構が非展開構成にある状態で、無菌保管できるように構成されてもよい。
【0030】
添付の図面を参照して、単なる例として実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、国際公開第00/02499号(特許文献2)から抜粋された図を示す。
【
図2】
図2は、米国特許第6066088号明細書(特許文献1)から抜粋された図を示す。
【
図3b】
図3bは、バルブのまた別の実施形態を示す。
【
図4a】
図4aは、閉鎖構成にあるバルブの実施形態を示す。
【
図4b】
図4bは、開放貫通構成にあるバルブの実施形態を示す。
【
図4c】
図4cは、開放構成の実施形態のバルブを示す。
【
図7a】
図7aは、さまざまな外部シール部材の位置および構成を示す。
【
図7b】
図7bは、さまざまな外部シール部材の位置および構成を示す。
【
図7c】
図7cは、さまざまな外部シール部材の位置および構成を示す。
【
図7d】
図7dは、さまざまな外部シール部材の位置および構成を示す。
【
図8】
図8は、バルブシステムの一部に結合された、いくつかの実施形態の保持クリップを示す。
【
図9a】
図9aは、開放構成にある保持クリップを示す。
【
図9b】
図9bは、部分的に閉鎖構成にある保持クリップを示す。
【
図9c】
図9cは、閉鎖構成にある保持クリップを示す。
【
図11】
図11は、いくつかの実施形態の挿入ツールと組み合わせたバルブシステム(バルブなし)を示す。
【
図12a】
図12aは、いくつかの実施形態の挿入ツールと組み合わせた(さまざまなバルブ位置を有する)バルブシステムを示す。
【
図12b】
図12bは、いくつかの実施形態の挿入ツールと組み合わせた(さまざまなバルブ位置を有する)バルブシステムを示す。
【
図12c】
図12cは、いくつかの実施形態の挿入ツールと組み合わせた(さまざまなバルブ位置を有する)バルブシステムを示す。
【
図14】
図14は、バルブシステムに沿った拡張可能部材を示す。
【
図17】
図17は、内部部材を使用して外部リブ状突起を作成する例を示す。
【
図18】
図18は、いくつかの実施形態のスリーブ部材を示す。
【
図19】
図19は、いくつかの実施形態による、先細りの端部を備えたバルブを示す。
【
図20a】
図20aは、いくつかの実施形態の例示的な摘出および/または挿入ツールを示す。
【
図20b】
図20bは、いくつかの実施形態の例示的な摘出および/または挿入ツールを示す。
【
図20c】
図20cは、いくつかの実施形態の例示的な摘出および/または挿入ツールを示す。
【
図20d】
図20dは、いくつかの実施形態の例示的な摘出および/または挿入ツールを示す。
【
図20e】
図20eは、いくつかの実施形態の例示的な摘出および/または挿入ツールを示す。
【
図20f】
図20fは、いくつかの実施形態の例示的な摘出および/または挿入ツールを示す。
【
図20g】
図20gは、いくつかの実施形態の例示的な摘出および/または挿入ツールを示す。
【
図20h】
図20hは、いくつかの実施形態の例示的な摘出および/または挿入ツールを示す。
【
図20i】
図20iは、いくつかの実施形態の例示的な摘出および/または挿入ツールを示す。
【
図20j】
図20jは、いくつかの実施形態の例示的な摘出および/または挿入ツールを示す。
【
図20k】
図20kは、いくつかの実施形態の例示的な摘出および/または挿入ツールを示す。
【
図20l】
図20lは、いくつかの実施形態の例示的な摘出および/または挿入ツールを示す。
【
図22a】
図22aは、いくつかの実施形態(
図21a~21dの実施形態など)のバルブシステムの異なる図を示す。
【
図22b】
図22bは、いくつかの実施形態(
図21a~21dの実施形態など)のバルブシステムの異なる図を示す。
【
図23a】
図23aは、バルブの開放構成および閉鎖構成を描写するために部分的に切り取られたバルブシステムを示す。
【
図23b】
図23bは、バルブの開放構成および閉鎖構成を描写するために部分的に切り取られたバルブシステムを示す。
【
図26】
図26は、いくつかの実施形態のバルブの部品の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施形態は、バルブ1を含み得る-
図3~6を参照されたい。バルブ1は、尿道内に配置するための磁気的に作動されるバルブ1でもよい。したがって、バルブ1は、尿道内磁性バルブ1でもよい。
【0033】
例として
図3aおよび3bを参照すると、バルブ1は、内部バルブ容積111を画定するバルブ本体11を含んでもよく、その中に球形の磁性バルブ要素14(以下、「バルブ要素14」)が配置される。内部バルブ容積111は、バルブ本体11の長手方向軸に沿った長さを有する。バルブ本体11の長手方向軸は、バルブ1の入口ポート112からバルブ1の出口ポート25に延在する。内部バルブ容積111は、バルブ本体11の長手方向軸に垂直な軸に沿った幅を有する。
【0034】
いくつかの実施形態において、内部バルブ容積111は、形状において概して円筒形でもよく、その幅は、例えば、直径でもよい。いくつかの実施形態において、内部バルブ容積111は、概して、出口ポート25に隣接するその端部から、入口ポート112に隣接するその端部に向かって狭くなってもよい。いくつかの実施形態において、内部容積111の球根状部分111aがあってもよく、これは、出口ポート25に向いていてもよい。球根状部分111aは、内部容積111の一部でもよく、内部容積111の残りの部分の少なくとも一部よりも幅が広くてもよい。
【0035】
入口ポート112および出口ポート25はどちらも、内部バルブ容積111の幅よりも小さい幅(例えば、直径)を有していてもよい。
【0036】
内部バルブ容積111は、例えば、
図3に示されるように、バルブ要素14を受け入れるように寸法設定される。内部バルブ容積111は、本明細書で説明されるように、閉鎖構成と開放構成との間でバルブ要素14の移動を可能にする寸法にすることができる。
【0037】
出口25に向かって強磁性リング5が存在する。強磁性リング5は、その中を流体が通過し得る通路を画定する。強磁性リング5は、
図3aおよび3bのバルブ1に示されるだけでなく、例えば、
図5および6に個別に示される。
【0038】
強磁性リング5は、
図5および6に示すように、強磁性材料の連続的なリングでもよい。
図5は、強磁性リング5の端面図を示し、
図6は、側面図を示す。したがって、強磁性リング5は、形状において概して管状でもよい。いくつかの実施形態において、強磁性リング5は、強磁性材料によって完全なリングが形成されていなくてもよく、複数の強磁性材料部分から形成されたリング状構造を形成してもよいという点で、リング状であってもよい。
【0039】
強磁性リング5は、バルブ1にある場合に、内部容積111に向いている第1の端部と、バルブ1にある場合に、(第1の端部と比較して)内部容積111から離れている第2の端部と、を有してもよい。強磁性リング5の第1および第2の端部は、強磁性リング5の長さ(強磁性リング5がバルブ1に配置されている場合、バルブ1の長手方向軸に平行であってもよい長さ)を隔てて互いに反対側に配置してもよい。
【0040】
いくつかの実施形態において、強磁性リング5の第1の端部は、概して平坦および/または滑らかな端面を有していてもよい(これは、理解されるように、環状面でもよい)。
【0041】
強磁性リング5は、第1の端部から第2の端部に向かって延在する中間部を有してもよく、これは概して一定の外半径を有し、追加的または代替的に、概して一定の内半径を有し得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、強磁性リング5の第2の端部は階段状部分を含んでもよく、それは第2の端部の端面に向かって外半径および/または内半径が減少する部分を含み得る。いくつかの実施形態において、この階段状部分は、中央部分から強磁性リング5の第2の端部の端面まで延在する。
【0043】
いくつかの実施形態において、強磁性リング5は、その全長に沿って、実質的に均一な内径および/または外径を有する。
【0044】
強磁性リング5は、バルブ本体11に結合されてもよく、これは、いくつかの異なる方法で達成されてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態において、バルブ本体11は、エラストマー材料から形成され、そしてエラストマー材料のみから形成されてもよい。このエラストマー材料は、その生体適合性、並びに/または材料に抗菌剤および/もしくは抗真菌剤を含浸させる能力で選択されてもよい。強磁性リング5は、鉄系金属または鉄系金属合金で形成されてもよい。したがって、バルブ本体11は、強磁性リング5と比較して、相対的に柔軟な材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、バルブ本体11への力の適用は、バルブ本体11を弾性的に変形させ、内部バルブ容積幅(力の方向)を減少させてもよい。言い換えれば、本体11は、それが曝され得る押しつぶしの力に対して弾力があってもよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、強磁性リング5は、バルブ本体11が少なくとも部分的に強磁性リング5の周りに形成された状態で、バルブ本体11の少なくとも一部に埋め込まれていてもよい。そのような実施形態において、バルブ本体11(または少なくとも強磁性リング5が埋め込まれている部分)の形成は、強磁性リング5周りの成形プロセスとすることができ、したがって、強磁性リング5は、バルブ本体11(またはその一部)用のエラストマー材料が金型に供給される(例えば、金型に注入される)前に、金型の内側に置かれてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態において、強磁性リング5は、締まり嵌めによってバルブ本体11内に固定されてもよい。そのような実施形態において、バルブ本体11は、強磁性リング5とは別に形成されてもよく、強磁性リング5の受け入れのためにバルブ本体11によって画定される窪みを有してもよい。次に、強磁性リング5を窪みに挿入し、例えば、バルブ本体11と強磁性リング5の1つまたは複数の表面との間の締まり嵌めによって所定の位置に保持してもよい。いくつかの実施形態において、材料(バルブ本体11に使用し得るものなどのエラストマー材料でもよい)のプラグを使用して、強磁性リング5を所定の位置に固定するか、または固定するのを助けてもよい。このプラグは、バルブ1の出口ポート25に向かって配置されてもよく、実際、出口ポート25を画定してもよい-プラグは、例えば、プラグによって画定される出口ポート25を備えた環状の形態でもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、強磁性リング5は、バルブ本体11のスピゴット部材に取り付けられてもよい。スピゴット部材は、それを通る通路を画定することができ、強磁性リング5は、スピゴット部材上を所定の位置までスライドすることができる。次に、材料のプラグは強磁性リング5上に取り付けることができる。材料のプラグは、概して環状の形態でもよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、接着剤を使用して、強磁性リング5をバルブ本体11に固定するか、または固定するのを助けてもよい。いくつかの実施形態において、スピゴット部材は、バルブ本体11の一部であってもよく、同様に、材料のプラグは、バルブ本体11の一部を形成し得ることが理解されるであろう。
【0050】
いくつかの実施形態において、バルブ本体11は、1つの開放端部を有し、かつ反対の端部に配置された強磁性リング5を有する管状形態でもよい(反対の端部は、概して開放端部より幅が小さい出口25を形成する)。開放端部は、バルブ本体11の別の部分および/またはカテーテル16の端部に取り付けられるように構成されてもよい-他の部分は、入口ポート112、またはバルブ1のための入口ポートを形成するカテーテル16の出口を画定する。したがって、バルブ要素14は、本体11の他の部分および/またはカテーテル16の端部と結合する前に(本体11の他の部分がカテーテル16に結合可能であってもよい)、その開放端部を通ってバルブ本体11内に配置されてもよい。カテーテル16は、バルブ1の少なくとも一部(本体11など)と一体的に形成されてもよく、またはそれに接着されてもよく、または粘着プロセス(インサート成形など)を使用して接続されてもよい。
【0051】
製造中にバルブ本体11が強磁性リング5の周りで成形されないいくつかの実施形態において、バルブ要素14は、強磁性リング5(および、例えばプラグ)の挿入の前に、出口ポート25(または出口ポート25が配置されるであろうバルブ本体11の端部)を通して挿入されてもよい。バルブ本体11のエラストマー材料は、例えば、この方法でのバルブ要素14の挿入を可能にするために弾性変形するように構成されてもよい。
【0052】
バルブ1は、弁座4を含み、それは例えば、非強磁性弁座4でもよい。弁座4は、実施形態に従ういくつかの異なる方法で形成することができる。例えば、弁座4は、いくつかの実施形態において、強磁性リング5が配置されるバルブ本体11を形成する材料によって形成されてもよい。
【0053】
バルブ要素14に接するように構成される弁座4の部分は、バルブ要素14の外半径と一致するか、または実質的に一致する半径を有してもよい。いくつかの実施形態において、バルブ要素14に隣接するように構成される弁座4の部分は、バルブ要素14と接触すると弾性的に変形するように構成されてもよい。そのような構成は、弁座4とバルブ要素14との間の密閉を改善するように構成されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、弁座4は、弁座材料のコーティングを含んでもよく、弁座材料を含浸させてもよく、そうでなければ弁座材料の形態の添加剤を含んでもよい。この弁座材料は、抗菌剤および/もしくは抗真菌剤、並びに/または強磁性材料(粉末形態であり得る)、並びに/または親水性もしくは疎水性材料を含んでもよい。弁座材料の使用は、このようにして、弁座4とバルブ要素14との間の密閉を改善し、および/または弁座4上の微生物物質の蓄積を低減することを狙うことができる。
【0055】
いくつかの実施形態において、別個の強磁性リング5を使用しなくてもよい。例えば、弁座4(および/または弁座部材41)は、微小の鋼または鉄の球体もしくは粉末などの充填材料を含むエラストマー(例えば、シリコーン)から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、強磁性リング5は、弁座4(および/または弁座部材41)とは別個の部品として提供されるが、それ自体は、微小の鋼または鉄の球体もしくは粉末などの充填材料を含むエラストマー(例えば、シリコーン)から形成される。
【0056】
したがって、いくつかの実施形態において、強磁性リング5の第1の端部の端面は、バルブ本体11を形成する材料で覆われていてもよい。この2つの例を
図3aおよび3bに示す。
【0057】
いくつかの実施形態において、例えば、
図3aを参照すると、バルブ本体11の材料が、強磁性リング5の第1の端部の端面を覆っている。しかしながら、この、および他のいくつかの実施形態において、バルブ1を通る通路の少なくとも一部は強磁性リング5により画定されてもよく、それにより、例えば、そこを通過する流体は、強磁性リング5(またはその少なくとも一部)に接触できるようにしてもよい。これらの実施形態における弁座4は、強磁性リング5の第1の端部の端面を覆う材料によって形成されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態において、例えば、
図3bを参照すると、バルブ本体11の材料は、強磁性リング5の第1の端部の端面を覆っている(
図3aの実施形態と同様)が、強磁性リングの残りはまた、バルブ本体11の材料によって実質的に覆われており、それにより、そこを通過する流体が、強磁性リング5に接触しない(または少なくともその実質的な部分に接触しない)ようにする。これらの実施形態における弁座4は、強磁性リング5の第1の端部の端面を覆う材料によって形成されてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、弁座4を形成するために、別個の弁座部材41が提供される。この別個の弁座部材41は、強磁性リング5の第1の端部の端面に隣接して配置されてもよく、および強磁性リング5に固定されてもよく、および/またはバルブ本体11の材料に少なくとも部分的に埋め込まれてもよい。弁座部材41は、例えば、バルブ本体11よりも剛性のあるエラストマー材料で形成されてもよく、そうでなければ、(バルブ本体11の材料を弁座4に使用することと比較して)バルブ要素14と弁座4との間の密閉を強化する1つまたは複数の特性を有してもよい。いくつかの実施形態において、弁座部材41は、(再度、バルブ本体11の材料を弁座4に使用することと比較して)弁座4の形成における一貫性を改善することができる。弁座部材14は、バルブ本体11(これもシリコーンで形成されてもよい)とは異なるデュロメータシリコーンから形成されてもよい。
【0060】
バルブ1は、開放構成と閉鎖構成の間で作動可能である。開放構成において、バルブ要素14は弁座4から離れており、それにより流体がバルブ要素14の周りおよび出口25を通って流れることができる。閉鎖構成において、バルブ要素14は、弁座4に固定されており、それにより出口ポート25が、入口ポート112との流体連絡から実質的に密閉されている。
【0061】
理解されるように、バルブ要素14は、強磁性リング5への磁気引力により、閉鎖構成に向かって偏っていてもよい。さらに、バルブ1が尿道内バルブとして尿道に配置され、そこを通る流体の通常の流れに対して配向されている場合、入口ポート112は、流体を有する出口ポート25の上流とすることができ、これにより、バルブ1を通る流体の流れもまた、バルブ部材14を閉鎖構成に向けて偏らせることを助けることができる。
【0062】
単に例として、一実施形態(
図3bの実施形態)が
図4aに閉鎖構成で、および
図4cに開放構成で示されている。
図4bは-例えば、国際公開第2008/067557号(特許文献3)の移植システムまたはその変形例を使用して-患者へのバルブ1の挿入に向けて拡張可能要素50が通り抜けられるようにするために、バルブ1を通る通路が提供される開放構成の変形例を示す。
【0063】
開放構成へのバルブ1の作動は、磁性部材15を使用することによって達成されてもよい(
図13を参照)。磁性部材15は、バルブ1が取り付けられている患者の外部に配置され、バルブ1に相対的に近接して移動されて(バルブ1を磁性部材15の磁場に曝すことにより)閉鎖構成から開放構成への作動が達成されてもよい。
【0064】
閉鎖構成への作動は、バルブ要素14と強磁性リング5との間の磁気引力によって達成されてもよく、例えば、重力およびバルブ1を通る流体の流れの一方または両方によって補助されてもよい。
【0065】
本明細書に記載のバルブ1は、尿道内磁性バルブ1として男性患者または女性患者に取り付けることができる。
図1を参照すると、本明細書で説明されるバルブ1は、
図1に示され、その図を抜粋した文書に記載されているバルブ(1)の代わりなることができる-文書の詳細については上記を参照されたい。
【0066】
理解されるように、バルブ1は、比較的柔軟な材料-例えばエラストマー材料-で実質的に形成される。いくつかの実施形態において、バルブ要素14および強磁性リング5のみがそのような材料から形成されない(そして、いくつかの実施形態において、弁座部材41は、異なる材料で形成されてもよい)。
【0067】
そのようなバルブ1の提供は、いくつかの他のバルブと比較して設計のかさばりが減少するため、および/またはバルブ1の大部分が比較的柔軟な材料(例えば、バルブ要素14および強磁性リング5と比較して相対的に柔軟である)から形成されるため、いくつかの状況における不快感を軽減し得る。バルブ5の低減されたかさばりおよび/または柔軟な本体はまた、尿道への挿入を助けることができる。
【0068】
バルブ本体11は、上述のように、比較的柔軟な材料(エラストマー材料など)で形成することができる。したがって、バルブ本体11の外面は、そのような材料で形成されてもよい。これは、例えば、バルブ1と尿道壁との間の密閉形成を助けることができる。これは、バルブ1の周りの流体の漏出を減らすのに役立ち得る。
【0069】
バルブ1の外部幅(直径であり得る)は、バルブ1の配置が意図されている尿道の部分の幅と実質的に同じであるか、またはわずかに大きくてもよい-バルブ1の位置については、以下を参照されたい。バルブ1の複数の異なる幅は、例えば、さまざまな尿道部分の幅に対して提供されてもよく、それにより、比較的ぴったりとした適合を達成することができる。バルブ1の外面の少なくとも一部、例えば、バルブ本体11の一部は、尿道への挿入時に弾性変形するように構成されてもよい。バルブ1の外面の少なくとも一部、例えば、バルブ本体11の一部は、バルブ1がその意図された位置にある状態で弾性変形するように構成されてもよい。この少なくとも一部は、変形の正確な形状は時間とともに変わり得るが、バルブ1がその意図された位置にある状態で弾性変形したままであるように意図されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、バルブ1は、バルブ1と尿道壁との間の係合を増加させるように構成された1つまたは複数の外部機構を含む。これらの1つまたは複数の外部機構は、バルブ本体11の外側部分に形成されてもよく、(例えば、上述したように)弾性変形するように構成された機構でもよい。
【0071】
1つまたは複数の外部機構は、1つまたは複数のリブまたは他の突起を含んでもよく、バルブ本体11から概して半径方向に外向きに伸びていてもよい。いくつかの実施形態において、その、またはそれぞれの外部機構は、バルブ本体11の円周の全部または実質的に一部の周りに延在し得る少なくとも1つの円周リブを含んでもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の外部特徴のうちの少なくとも1つは、内部バルブ容積111内に対応する内部機構を有する。例えば、球根状部分111aは、バルブ本体11によって少なくとも部分的に画定される対応する外部リブ111bを有してもよい。
【0073】
バルブ1のさらなる実施形態は、
図24a~24d、25a~25b、27a~27d、および28a~28bに示される。
【0074】
図24a~24dを参照すると、バルブ1は、入口端部および出口端部を含み得る(出口ポート25は一般に出口端部に配置され、入口ポート112は一般に入口端部に配置される)。
【0075】
バルブ本体11は管状体を含んでもよく、弁座4はその中に配置され、およびバルブシートと一体的に形成されてもよい。出口ポート25は、バルブ1の中心長手方向軸に対してずらされていてもよい-そのようなオフセット弁座4は、本明細書の他の場所で説明される。
【0076】
したがって、バルブ本体11の管状体は、その中を通る開口部(出口ポート25)を有するカップ状部材および反対側の開放端部を形成してもよい。
【0077】
管状本体11の開放端部(例えば、入口端部に向かう管状体)は、管状プラグ112aを受け入れるように構成されてもよい。管状プラグ112aは、内部バルブ容積111を画定するために、管状本体11によって少なくとも部分的に受け入れられるように構成されてもよい。製造において、球形磁性バルブ要素14は、管状本体11および管状プラグ112aと共に配置され、そしてそれらに固定されてもよい。管状本体11および管状プラグ112aを固定するのを補助するために接着剤が使用されてもよい。管状プラグ112aは、入口ポート112を画定してもよく、例えば、カテーテル16と一体的に形成され(またはそれに取り付けられ)てもよい。管状プラグ112aの端部は、複数の歯を含み得る。歯は、長手方向に延在していてもよく、円周方向に離間していてもよい。そのような歯の提供は、管状プラグ112aの端部の半径方向の柔軟性の増加をもたらすことができる。歯は、管状本体11によって受け入れられてもよい。
【0078】
管状プラグ112aの外壁は、管状本体11によって受け入れられる(または受け入れ可能な)部分から離れて先細りになる直径を有し得る。
【0079】
出口ポート25は、バルブ1の出口チューブ251と流体連絡していてもよい。出口チューブ251は、バルブ1の管状本体11よりも小さい外径を有してもよい。
【0080】
強磁性リング5は、出口チューブ251の少なくとも一部に適合するように構成されてもよい。強磁性リング5は、弁座4に関連して配置されるように、出口チューブ251および/または管状本体11の少なくとも一部の周りに配置されるように構成されてもよい。
【0081】
環状カバー部材51は、強磁性リング5を覆って配置されてもよい。この環状カバー部材51は、出口チューブ251の一部を通り過ぎるように構成されてもよく、さらにそこに、および/または強磁性リング5、および/または管状本体11に固定されてもよい。強磁性リング5および/または環状カバー部材51を所定の位置に固定するために、接着剤を使用してもよい。
【0082】
環状カバー部材51の外径は、管状本体11から離れるように先細りになってもよい。
【0083】
オフセット弁座4に関して、強磁性リング5および環状カバー部材51を含む球形磁性バルブ要素14の配置(閉鎖構成)が、例えば、
図26に示される。
【0084】
別の実施形態が、
図27a~27d、および
図28a~28bに示される。この実施形態において、入口端管状プラグ112aは、概して、前述の実施形態と同じ形態である。しかしながら、この実施形態、およびそのような実施形態において、出口ポート管状プラグ25aもまた存在する。
【0085】
したがって、管状本体11は、そのいずれかの端部で、入口および出口管状プラグ112a、25aの少なくとも一部を受け入れるように構成されてもよい。
【0086】
入口管状プラグは、内部バルブ容積111によって少なくとも部分的に受け入れられてもよい。いくつかの実施形態において、管状本体11は、出口管状プラグ25aの少なくとも一部を受け入れるように構成された出口容積1111を画定してもよい。出口容積1111は、さらに強磁性リング5を受け入れるように構成されてもよく、強磁性リング5は所定の位置に接着されてもよく、および/または出口管状プラグ25aによって所定の位置に保持されてもよい。出口容積1111によって受け入れられる出口管状プラグ25aの端部は、本明細書で説明される入口管状プラグ112aと同じ方法で歯を含んでもよい。出口管状プラグ25aの外径は、管状本体11から離れて先細りになってもよい。
【0087】
弁座4は、管状本体11と一体的に形成されてもよく、または管状本体11の内側に固定されてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、弁座4は、管状本体11に固定され得る弁座部材41の一部でもよい。
図31a~31fを参照して弁座4のいくつかの実施形態が説明される。弁座4は、例えば、管状本体11と一体的に形成された場合、概して同じ形状であり得る。
【0089】
弁座4は、オフセット弁座でもよい-例えば、その中心長手方向軸からずらされた出口ポート25を有する(中心長手方向軸は、弁座部材41を通る流体の流れの通常の方向に平行である)。
【0090】
弁座4(弁座部材41の一部であり得る)は、出口ポート25が設けられ得る基部を通るカップ状の構造を画定してもよい。したがって、弁座4は、球形磁性バルブ要素14の少なくとも一部を受け入れるように構成されてもよい。
【0091】
弁座4は、バルブ1が閉鎖構成にあるときに、バルブ要素14の一部が弁座4によって受け入れられるように形作られてもよい。いくつかの実施形態において、バルブ要素14の少なくとも10%がそのように受け入れられる。いくつかの実施形態において、バルブ要素14の少なくとも20%がそのように受け入れられる。これらおよび他の実施形態のいくつかにおいて、バルブ要素14の50%未満がこの方法で弁座4によって受け入れられる。
【0092】
いくつかの実施形態のカップ状弁座4は、同様に、ボウル状として説明され得る。
【0093】
上述したように、弁座4は弾性変形可能な材料(例えば、エラストマー)で形成されてもよく、これにより、閉鎖構成にあるときにバルブ要素14が弁座4の少なくとも一部を変形させることができる。これは、弁座4および/またはバルブ要素14の部位および形状に関してより広い公差を可能にし得る。
【0094】
同様に、弾性変形可能な弁座4および/またはカップ状弁座の形態は、バルブ1におけるあらゆる材料の蓄積(すなわち、付着物)にかかわらず、(閉鎖構成での)密閉を改善することができる。バルブ要素14はまた、抗菌性および/または抗真菌性材料でコーティングされてもよく、これらの特徴の一方または両方によって(例えば、より広い許容範囲があるため)より実用的になる。
【0095】
いくつかの実施形態における弁座4のオフセット形態のために、弁座4は、球形磁性バルブ要素14に接触するように構成された円周傾斜面を含んでもよく、弁座14の半径方向の深さは、一部において、反対側の部分と比較してより大きくてもよい。弁座14の傾斜角の例は、単に例として、
図31cに示される。いくつかの実施形態において、示された角度は、±10~20%とすることができる。
【0096】
弁座部材41は、弁座4の領域において第1の外径を有してもよく、これは、出口ポート25の領域における弁座部材41の第2の外径よりも大きい。これにより、例えば、弁座部材41を管状本体11および/または出口管状部材(これは、出口ポート25と流体連絡していてもよい)へ取り付けることが可能になり得る。縮小された直径(すなわち、第2の外径)は、強磁性リング5が通り抜けて弁座部材41に固定されることを可能にするように構成されてもよい。
【0097】
図32aおよび32bを参照すると、管状本体11は、1つまたは複数の内側の細長いリブ11aを画定してもよく、これらのリブのそれぞれは、内部バルブ容積111に延在してもよい。その、またはそれぞれの内側の細長いリブ11aは、概して、管状本体11の長手方向軸と平行に配列されてもよい。いくつかの実施形態において、管状本体11の内周に間隔を置いて配置された複数のそのような細長い11aリブが存在する。その、またはそれぞれの細長いリブ11aは、管状本体11の入口端部から出口端部に向かって延在してもよい。その、またはそれぞれの内側の細長いリブ11aは、バルブ要素14を誘導するのを助けることができ、および/またはバルブ要素14が本体11に接着するリスクを低減することができる。
【0098】
図29a~30dには、本明細書の他の場所で説明されているものと同様の方法で、前述の弁座部材41をバルブ1の一部として含む実施形態が、様々な図で示されている。
【0099】
バルブ1の例として
図29dを参照すると、弁座部材41は、管状本体11の出口端部を閉じるか、または実質的に閉じるように構成されてもよい(当然、弁座部材41が出口ポート25を画定することを考慮に入れながら)。したがって、弁座部材41は、出口端プラグを形成してもよい。強磁性リング5は、弁座部材41の少なくとも一部の周りに設けられてもよく、管状本体11内に受け入れられてもよい。弁座部材41および/または強磁性リング5を管状本体11に固定するために、接着剤が使用されてもよい。
【0100】
弁座部材41および強磁性リング5は、強磁性リング5が弁座部材41の少なくとも一部の周りに適合することを可能にするように、相応に寸法設定および形状設定されてもよい。いくつかの実施形態において、弁座部材41および強磁性リング5は、2つの部品間の回転位置が制御され得るように固定される(例えば、取り付けられたときに、互いに対して単一または別々の複数の相対的な回転位置を可能にする)。
【0101】
いくつかの実施形態において、バルブ1は、外部シール部材113を含んでもよい。外部シール部材113の例は、
図7a~7dに概略的に示される。
【0102】
特に、外部シール部材113は、バルブ本体11の外部に配置されてもよく、その外面の一部の周りに延在してもよい。図示されたものなど、いくつかの実施形態において、シール部材113は、バルブ本体11の実質的な全周の周りに延在する概して環状の部材である。外部シール部材113は、バルブ本体11とは異なる材料で形成されてもよく、例えば、より柔軟な材料でもよい。いくつかの実施形態において、外部シール部材113は、発泡エラストマー材料などの発泡材料でもよい。外部シール部材113(発泡材料でもよい)は、抗菌材料に浸され、もしくは抗菌材料でコーティングされてもよく、および/または抗菌材料から形成されてもよい。さらに、または代替的に、外部シール部材113(発泡材料でもよい)は、親水性材料に浸され、もしくは親水性材料でコーティングされてもよく、および/または親水性材料から形成されてもよい。したがって、カテーテル16の長さの少なくとも一部は、親水性コーティングを有してもよい(外部シール部材113によって提供されるかどうかにかかわらず)。
【0103】
外部シール部材113は、バルブと尿道との間に改善された密閉を提供して、バルブ1の周りの漏出の可能性を低減するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、シール部材113は、バルブ1が尿道内に配置された状態を維持するのを助けることができる。
【0104】
図7aの例において、外部シール部材113は、バルブ1の端部に入口ポート112に向かって配置されおり、実際には、バルブ1に結合されたカテーテル16の一部の周りに配置されてもよい。
【0105】
図7bの例において、バルブ本体11の一部の周りに、外部シール部材113は、入口ポート112を備えたバルブ1の端部に向かって配置されている(例えば、提供される場合、外部リブ111bと入口ポート112との間)。
【0106】
図7cの例において、外部シール部材113は、バルブ本体11の一部の周りに、出口ポート25を備えたバルブ1の端部に向かって配置されている(例えば、提供される場合、外部リブ111bと出口ポート25との間)。
【0107】
図7dの例において、外部シール部材113は、入口ポート112を備える端部から出口ポート25を備える端部まで、実質的にバルブ本体11のすべてを覆うコーティングの形態である。
【0108】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載され、
図7a~7dに示されるシール部材113の任意の組み合わせでもよい、多様なシール部材113が存在し得る。したがって、例えば、
図1の部材113および
図2の部材113、または
図2の部材113および
図3の部材113を含む、2つのシールの外部シール部材113があり得る。いくつかの実施形態において、例えば、
図1の部材113および
図2の部材113および
図3の部材113を含む、3つのシールの外部シール部材113があり得る。
図7bのシール部材113は、1つまたは複数のリブ部分を備えて、
図7a~7cの1つまたは複数に示されるシール部材113に対して対応するシール部材部分を提供してもよい。
【0109】
上述したように、バルブ1は、カテーテル16に結合されてもよい。カテーテル16は、バルブ1へ、および、特にバルブ1の入口ポート112への流体流路を提供および画定する。バルブ1は尿道内バルブ1でもよく、したがって、カテーテル16は、バルブ1およびカテーテル16を所望の位置に固定するか、または固定するのを助けるように構成された保持機構に結合されてもよい。
【0110】
保持機構は、さまざまな形態をとることができ、展開する前に所望の位置まで尿道を通り抜けるように構成される。展開すると、保持機構はカテーテル16および/またはバルブ1を所定の位置に保持するのに役立つ。場合により、展開とは、概して保持機構の少なくとも一部の膨張(expansion)または拡張(extension)を意味する。
【0111】
いくつかの実施形態において、保持機構は、
図1に示されるようなマレコットを含んでもよい。保持機構は、複数のアームまたはループまたはリング28を含んでもよく、展開したときに、保持機構に結合されたカテーテル16および/またはバルブ1の動きを制限するように働く。したがって、アームまたはループまたはリング28は、非展開または格納構成から展開または拡張構成に移行可能である。本明細書において、アームまたはループまたはリング28は、保持機構の展開可能部材28の例であり、この用語は、以下で使用される。
【0112】
したがって、いくつかの実施形態において、バルブ1、カテーテル16、および保持機構を含むバルブシステム100が提供される。
【0113】
バルブ1から保持機構までのカテーテル16の長さは、例えば、本明細書で説明されるように、バルブ1の所望の配置に基づいて選択されてもよい。
【0114】
保持機構は、上述したように、複数の展開可能部材28を含んでもよい。これらの展開可能部材28は、カテーテル16に対して半径方向外向きに延びることができ、展開したときに、カテーテル16よりも幅が広いシステム100の一部を画定できるようにする(しかし、例えば、非展開構成にあるときは格納されて、カテーテル16と実質的に同じ幅になることができる)。展開可能部材28はそれらの間の空間を画定することができる。これらの空間は、保持機構を取り囲む容積とカテーテル16によって画定される管腔21との間の流体連絡を提供することができる。尿道内システムの場合、この容積は膀胱29でもよい。
【0115】
したがって、
図1と同様に、保持機構は、カテーテル16が(通常の流体の流れの方向の観点から)尿道を下方向に延在している状態で、膀胱頸部22に位置してもよい。
【0116】
本明細書において上述したように、いくつかの実施形態のバルブ1は、例えば、国際公開第00/02499号(特許文献2)および/または国際公開第2011/032150号(特許文献4)に開示されたシステムを使用して挿入または移植されてもよく、詳細は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0117】
概して、国際公開第00/02499号(特許文献2)および/または国際公開第2011/032150号(特許文献4)などの文書の教示を要約して参照すると、バルブシステム100の挿入は、バルブシステム100を挿入ツール200に取り外し可能に接続することを含んでもよい。上述の拡張可能要素50は、例えば、以下開放開通構成と呼ばれる、
図4bに示される構成にあるバルブ1の状態で、ツール200からバルブ1の出口ポート25を通り、内部バルブ容積111を通り、カテーテル16を通って保持機構まで延在する。拡張可能要素50の端部(すなわち、近位端)は、保持機構に取り外し可能に固定される。
【0118】
拡張可能要素50はワイヤなどでもよく、挿入に向けてバルブシステム100を硬くするために、例えば挿入ツール200を使用して、保持機構に向けて押し出されるように構成される。この働きはまた、保持機構を非展開(または格納)構成にして、尿道を容易に通過できるようにする。
【0119】
保持機構が所望の位置(例えば膀胱内)に配置されると、次に、保持機構を展開させながら、バルブシステム100から拡張可能要素50を取り外して引き抜き、そして挿入ツールおよび拡張可能要素50を取り除くことができる。
【0120】
国際公開第00/02499号(特許文献2)および国際公開第2011/032150号(特許文献4)の両者から分かるように、拡張可能要素50を取り外し、摘出することが要求されるまで、拡張可能要素50が保持機構によって捕捉されたままでいることを可能にするために、拡張可能要素50の取り外しおよび引き抜きに、ロッキングワイヤまたは磁性要素の使用を必要としてもよい。
【0121】
一実施形態は、拡張可能要素50のための保持クリップ501を提供する-例えば、
図8を参照されたい。
【0122】
保持クリップ501は、拡張可能要素50の周囲に選択的に取り付けられるように構成された細長いクリップでもよく、保持クリップ501の一部が保持機構の領域を超えて、およびこの場合、展開可能部材28を超えて延在することも可能にする。保持クリップ501は、拡張可能要素50(ワイヤまたは細い管の形態でもよい)に固定されたとき、拡張可能要素50の長さに沿った動きに抵抗するように構成されてもよく、したがって、そのような動きが実質的に防止されてもよい。したがって、保持クリップ501は、クリップが、保持機構の少なくとも一部(例えば、展開可能部材28または展開可能部材28が取り付けられている部品の1つまたは複数)またはカテーテル16自体の端部と隣接することにより、拡張可能要素50がさらにカテーテル16内へ移動することを阻害することができる。
【0123】
保持クリップ501は、拡張可能要素50を保持機構(そうでなければバルブシステム100の近位端)に取り付けた状態で使用するために、バルブシステム100を保管することを可能にする。バルブシステム100はまた、挿入ツール200と使用するために保管されてもよい。保持クリップ501は、拡張可能要素50が、バルブシステム100の近位端(例えば、保持機構)との接続から偶然に、または誤って取り外されるリスクを低減することができる。バルブシステム100の使用(すなわち挿入)の前に、保持クリップ501は取り外されるであろう。
【0124】
保持クリップ501は、いくつかの異なる形態をとることができる。
【0125】
単なる例として
図8および
図9aを参照すると、保持クリップ501は、第1および第2のヒンジ付きの細長い部材501a、501bを含んでもよい。第1および第2の細長い部材501a、501bは、ヒンジ501cによって互いに一端で結合されてもよく、これにより、2つの細長い部材501a、501bがヒンジの周りで互いに対して移動可能になる(
図9bを参照)。
【0126】
第1および第2の細長い部材501a、501bは、プラスチック材料から形成されてもよく、ヒンジ501cは、同様にプラスチック材料から形成されてもよい(ただし、第1および第2の細長い部材501a、501bの材料よりも薄くてもよい)。
【0127】
ヒンジ501cから離れて、第1および第2の細長い部材501a、501bは係合するように構成されてもよく、この目的のために、保持クリップ501は、係合機構501dを含んでもよい。係合機構501dは、第1および第2の細長い部材501a、501bのうちの一方の一部を含んでもよく、それは第1および第2の部材501a、501bの他方の一部の周りを留めるように構成される。これらの部分の一方または両方は、保持クリップ501が開放構成から閉鎖構成に移動するときに弾性変形するように構成されてもよく、その結果、係合機構は、2つの細長い部材501a、501bを一緒に保持し、ヒンジ501cの周りの細長い部材501a、501bの一方の動きを、501a、501bの他方に対して実質的に妨げる(
図9cを参照)。
【0128】
係合機構は、選択的におよび手動で開放可能でもよく、係合から外れる係合部分の一方または両方の動きにより、およびヒンジ501c周辺で細長い部材501a、501bの一方が501,501bの他方に対して回転することにより、保持クリップ501が開放構成を取ることを可能にする。保持クリップ501が開放構成にある状態で、それを拡張可能部材50から取り外すことができる。
【0129】
保持クリップ501は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、保持クリップ501は、2つの突起(prong)の間にスリットを画定するU字形部材の形態でもよい。保持クリップ501の2つの突起の間に拡張可能部材50を挟むために拡張可能部材50の直径よりも狭い場合、拡張可能部材50はスリットによって受け入れられ得る。
【0130】
保持クリップ501のいくつかの実施形態において、スリットは、突起間の深さとともに狭くなり、それによりクリップ501が拡張可能部材50に押し付けられて、突起間に部材50を挟むことができるようにする。
【0131】
したがって、いくつかの実施形態において、細長い部材501a、501bは、ヒンジによって結合されず、前述の突起を形成してもよい。
【0132】
いくつかの実施形態において、係合機構は、保持クリップ501を拡張可能部材50から取り除くことを可能にするために切断しなければならないようなものでもよい。例えば、係合機構は、2つの細長い部材501a、501bの相互の溶接、例えば、プラスチック溶接を含んでもよい。これは、例えば、保持クリップ501の再利用を防ぐことができる。
【0133】
いくつかの実施形態において、拡張可能部材50および保持クリップ501と組み合わせたバルブシステム100が提供される。いくつかの実施形態において、この組み合わせは、挿入ツール200を含んでもよく、したがって、バルブキット(バルブシステム100が挿入または他の方法で移植され得る手段を含むキット)と呼ばれてもよい。いくつかの実施形態において、バルブキットは、さまざまな形態の(例えば、本明細書で以下に記載される形態の)挿入ツール300を含んでもよい。
【0134】
バルブシステム100は、患者からバルブシステム100を摘出する際に使用するための1つまたは複数のテザー101を含んでもよい。その、またはそれぞれのテザー101は糸またはワイヤを含んでもよく、それは尿道を通って(流体の流れの通常の方向に対して)下向きに延在し、患者の外へ延在してもよい。
【0135】
摘出のために、その、またはそれぞれのテザー101を(例えば、適切なクランプツールを使用して)掴んでもよく、尿道を介してバルブシステム100を(流体の流れの通常の方向に対して)下向きに引っ張るために使用してもよい。これにより保持メカニズムを潰し、尿道を通過できるようにすることができる。その、またはそれぞれのテザー101は、これを起こすことを可能にするほどに十分に強くてもよい。その、またはそれぞれのテザー101は、尿道を介して外部またはほぼ外部からアクセスできるような十分な長さでもよい。
【0136】
いくつかの実施形態において、その、またはそれぞれのテザー101はバルブ1に固定される。その、またはそれぞれのテザー101は、例えば、強磁性リング5および/または弁座部材41の少なくとも一部に、またはその周囲に固定されてもよい。これは、例えば、バルブシステム100の摘出中に、その、またはそれぞれのテザー101がバルブ本体11の材料を切断することを防ぐのに役立ち得る。いくつかの実施形態において、その、またはそれぞれのテザー101は、らせん状に巻かれ、バルブ本体11内に埋め込まれる少なくとも一部分を含んでもよい(これにより、その、またはそれぞれのテザー101の部分がバルブ本体11の周りに複数回延在することができるようになる)-繰り返すが、これは、バルブシステム100の摘出中に、テザー101がバルブ本体11の材料を切断することを防ぐのに役立ち得る。
【0137】
従来技術のバルブシステムは、一般に、球部尿道26内にバルブを配置する。実施形態のバルブシステム100は、バルブ1が球部尿道26内に配置されるように同様に形成されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、バルブ1は、振子部尿道27に配置されてもよく、バルブシステム100は、(例えば、カテーテル16の長さに関して)それに応じて構成されてもよい。
【0138】
振子部尿道27にバルブを配置することは、磁性部材15を用いたバルブの作動を容易にし、および/またはバルブ1が尿道内のより高い位置にあるときに患者が座ることによって引き起こされる圧痛を軽減するなど、1つまたは複数の利点を有し得る。
【0139】
振子部尿道27へのバルブ1の配置を容易にすることは、いくつかの実施形態によって求められるより低いかさ高さおよび/または増加した快適さのために支援され得る。
【0140】
いくつかの実施形態において、バルブ1が振子部尿道27に配置された状態で、カテーテル16に沿って配置されたさらなる外部シール部材113があってもよい。これらのさらなる外部シール部材113は、例えば、膀胱頸部22、尿道前立腺部23、外括約筋24、および球部尿道26のうちの1つまたは複数に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、その、またはそれぞれのさらなる外部シール部材113は、概して、外部シール部材113に関する上述の記載と同じ形態でもよく、および同様に構成されてもよい(例えば、上述と同じ材料により、および/または環状である)。いくつかの実施形態において、カテーテル16および/またはバルブ1の長さに沿って配置された、その、またはそれぞれの外部シール部材113は、1つまたは複数の異なるシール特性を有してもよい。
【0141】
いくつかの実施形態は、女性の尿道への移植用に構成されてもよく、女性患者用のバルブシステム100の例は、
図11に見出すことができる。女性患者用のそのようなバルブシステム100は、膀胱29に配置するための保持機構、尿道を通って延在するカテーテル16、およびバルブ1を含んでもよい。女性の尿道の長さはより短いため、カテーテル16は、男性患者用のバルブシステム100の場合よりも短くてもよい。
【0142】
いくつかの実施形態において、女性の尿道用のバルブシステム100は、(上記の実施形態の場合のように)カテーテル16の遠位端に配置されず、カテーテル16の長さに沿って配置されるバルブ1を有してもよい。実際には、これは、保持機構からバルブ1(および、特に、バルブ1の入口ポート112)まで延在する第1のカテーテル161と、バルブ1(および、特にバルブ1の出口ポート25)からバルブシステム100の遠位端まで延在する第2のカテーテル161と、を有することによって達成されてもよい。
【0143】
いくつかの実施形態において、バルブシステム100は第2の保持機構を含んでもよく、それは外部保持機構282と呼ばれ得る。バルブシステム100の近位端にある(第1の)保持機構は、(そこを通る通常の流体の流れに対して)バルブシステム100が配置から移動して尿道を下るリスクを低減するように構成されてもよい一方で、外部保持機構282は、バルブシステム100が膀胱29内に移動するリスクを低減するように構成されてもよい。
【0144】
したがって、(女性患者を対象とする実施形態であり得る)バルブシステム100のいくつかの実施形態において、バルブシステム100は、バルブシステム100の反対の端部のそれぞれに個別の保持機構を有してもよい。
【0145】
いくつかの実施形態において、第1の保持機構(膀胱29の内部に取り付ける用、内部保持機構と呼ばれ得る)は、上記の実施形態で説明したものと同様の形態でもよく、したがって、非展開(または格納)構成と展開(または拡張)構成との間で動くように構成された、複数の展開可能部材28を含んでもよい。展開可能部材28は、例えば、アームまたはループまたはリング28の形態でもよい。
図11の図示の例において、展開可能部材28はアームの形態である。第1の保持機構は、マレコットの形態とすることができる。
【0146】
外部保持機構282は、第1の保持機構とは異なる形態を有してもよい。いくつかの実施形態において、外部保持機構282は、調節可能な保持リングを含んでもよく、それは陰唇のひだの間の尿道出口に配置されるように構成されてもよい。したがって、保持リングは、陰唇のひだの間に適合するように調節することができるが、保持リングが尿道に入る可能性を減らすのに十分な大きさとすることができる。調節可能保持リングは、カテーテル16の遠位端で、カテーテル16のネックの周りの引きひもの形態でもよい。
【0147】
いくつかの実施形態において、カテーテル16の遠位端は、調節可能保持リングを通って延びていてもよく、同心円状でもよい。
【0148】
いくつかの実施形態において、カテーテル16および/または外部保持機構282は、バルブシステム100の長さを調節するために切断されるように構成されてもよい。
【0149】
外部保持機構282は、フォームパッド(本明細書に記載されるような発泡材料で形成されてもよく、抗菌剤を運ぶことができる)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、フォームパッドは、所望の寸法および/または形状に切断されるように構成されてもよい(そして、1つまたは複数の誘導線(例えば、この目的のためにそこに印刷される)を含んでもよい)。
【0150】
また別の実施形態が
図21a~21dに示される。この実施形態は、例えば、
図11および12a~12cを参照して説明された実施形態の変形例である。
【0151】
この実施形態において、様々な寸法が、単なる例として図に提供されている。寸法はmmで示される。
【0152】
図21a~21dの図示された実施形態を含むいくつかの実施形態において、複数の保持部材28(例えば、2つ、3つ、4つ(図示のとおり)、5つ、またはそれ以上)があってもよい。
【0153】
第2の保持機構282は、例えば、発泡部材(またはパッド)を含んでもよい。発泡部材は、カテーテル16の少なくとも一部の周りに配置された環状リテーナ2821を介して所定の位置に保持されていてもよい。リテーナ2821は、例えば、カテーテル16に接着させてもよい。環状リテーナ2821の外面は、第2の保持機構282の対応する凹部に適合するように調節されてもよい。第2の保持機構282は、例えば、環状リテーナ2821に接着させてもよい。第2の保持機構282は、カテーテル16に対してずらされていてもよい。第2の保持機構282は、例えば、概して楕円形でもよい。
【0154】
図21a~21dを参照して説明された実施形態における弁座4は、本明細書の他の場所で説明された弁座4でもよく、弁座部材41の一部でもよい。
【0155】
図21a~21dを参照して説明された実施形態における強磁性リング5は、本明細書の他の場所で説明された強磁性リング5でもよい。例えば、強磁性リング5は、例えば、環状カラーの形態でもよい。強磁性リング5は、例えば、弁座部材41の少なくとも一部の周りに延在してもよい。強磁性リング5は、バルブ本体11の少なくとも一部によって取り囲まれてもよく、バルブ本体11内に取り付けられてもよい。
【0156】
バルブ本体11は、弁座4がバルブ本体11内に適合するように、少なくとも部分的に管状でもよい。カテーテル16はまた、バルブ本体11によって少なくとも部分的に受け入れられてもよく、出口ポート16がカテーテル16と流体連絡するようにそれに接着されてもよい。
【0157】
強磁性リング5は、弁座4に接着させてもよく、および/またはカテーテル16(バルブ本体11に接着させていてもよい)によって所定の位置に保持されてもよい。
【0158】
図22aおよび22bは、
図21a~21dを参照して説明された実施形態の異なる図を示す。
【0159】
図23aは、バルブ1が開放構成にある、
図21a~21bの実施形態を示す。
図23bは、バルブ1が閉鎖構成にある、同じ実施形態を示す。
【0160】
いくつかの実施形態において、これらの実施形態のバルブシステム100の遠位端に、またはその遠位端に向かって、1つまたは複数の外部シール部材113があってもよい。その、またはそれぞれの外部シール部材113は、外部保持機構282に配置されたシール部材を含んでもよい。その、またはそれぞれの外部シール部材113は、概して、上述のものと同じ形態でもよく、バルブシステム100と尿道壁との間の漏出のリスクを低減するように構成されてもよい。その、またはそれぞれの外部シール部材113は、概して環状の外部シール部材113を含んでもよく、これは外部保持機構282と尿道に隣接する位置との間に配置される。これはある程度の密閉効果を提供することができるが、この場所における刺激もまた減らすことができる。1つまたは複数の別の外部シール部材113は、カテーテル16(いくつかの実施形態において、第1または第2のカテーテル161、162であり得る)の長さに沿って配置されてもよい。これらの別の外部シール部材113はそれぞれ、バルブシステム100と尿道壁との間の漏出の可能性を低減するのを助けるように構成されてもよい。
【0161】
カテーテル16の長さに沿ったバルブ1の配置、およびバルブ1のいずれかの側の第1および第2のカテーテル161,162の提供について言及されている。ただし、
図11はバルブ1を図示していない。したがって、バルブ1の配置の例を
図12a~
図12cに示す。
【0162】
図12aにおいて、バルブ1は、バルブシステム100の遠位端に隣接し、外部保持機構282に近接して配置されている(「近接」は、例えば、第1の保持機構よりも外部保持機構282に近いことを意味し得る)。
【0163】
図12bにおいて、バルブ1は、外部保持機構282と第1の保持機構との間のほぼ中間に配置されている。
【0164】
図12cにおいて、バルブ1は、バルブシステム100の近位端に隣接し、および第1の保持機構に近接して配置されている(「近接」は、例えば、外部保持機構282よりも第1の保持機構に近いことを意味し得る)。
【0165】
図11および12a~12cはすべて、いくつかの実施形態に関して使用することができる挿入ツール200を備えたバルブシステム100を示す。この挿入ツール200は、女性患者用のものなど、より短いバルブシステム100で使用するように構成されてもよい。したがって、挿入ツール200は、他のいくつかの実施形態に関して、上述の挿入ツール200とは異なってもよい。
【0166】
挿入ツール200は、いくつかの実施形態において、相対的に硬いスリーブ部材201を含んでもよい。このスリーブ部材201は、挿入ツール201を尿道内に、およびそこを通して押し込むことを可能にするために、バルブシステム100よりも硬くてもよい。スリーブ部材201は、管腔を画定する管状の形態でもよく、そしてこの管腔は、バルブシステム100(またはその一部)を受け入れるように構成されてもよい。挿入ツール200は、頸部202を有してもよく、それは概して、挿入ツール200の主部203の管腔幅または直径よりも大きい管腔幅または直径を有する。挿入ツール200の内径および/または外径は、その一端または両端に向かって先細りになっていてもよい。
【0167】
挿入ツール200は、その中に受け入れるバルブシステム100がない状態で尿道に挿入されてもよい。次に、第1の保持機構が膀胱29内で展開するまで、バルブシステム100を挿入ツール200に通してもよい。次に、挿入ツール200を取り除き、外部保持機構282に対して必要な調節を行ってもよい。代替的に、挿入ツール200は、その中に少なくとも部分的に提供されるバルブシステム100を備えていてもよい。次に、挿入ツール200とバルブシステム100との組み合わせを尿道に挿入し、同じプロセスが続いてもよい。この後者の選択肢は、より柔軟な挿入ツール200の使用を可能にし、これは、例えば、尿道壁を損傷するリスクを低減することができる。実施形態は、例えば、バルブシステム100と組み合わせた挿入ツール200を含んでもよい。
【0168】
いくつかの実施形態は、外部シール部材113を含むものとして説明されている。1つまたは複数のそのような外部シール部材113は、バルブ1に関してだけでなく、カテーテル16に関しても(または代替的に)提供されてもよい。これは、例えば、カテーテル16および/またはバルブ1の外面のかなりの部分を覆うコーティングを含んでもよい。いくつかの実施形態において、バルブシステム100部分の周りに円周方向のリブを形成する複数の外部シール部材113が存在する。いくつかの実施形態において、外部シール部材113を形成するコーティング材料は、バルブシステム100の長さに沿った、材料の1つまたは複数の円周方向リブを含んでもよい。
【0169】
いくつかの実施形態において、その、またはそれぞれの外部シール部材113は、バルブシステム100(またはその一部)と尿道壁との間の密閉を改善するように、液体(水など)にさらされたときに膨張するように構成されてもよい。その、またはそれぞれの外部シール部材113は、上述のような材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態において、その、またはそれぞれのシール部材は、ヒドロゲル材料または他のポリマーゲル材料から形成されてもよい。この材料はシリコーン材料でもよい。いくつかの実施形態において、その、またはそれぞれの外部シール部材113は、例えば、TAMPAX(登録商標)タンポンまたは圧縮Gelfoam(登録商標)で使用されるように、CRM(cotton rayon mixes、綿レーヨン混合物)から形成されてもよい。
【0170】
その、またはそれぞれの外部シール部材113に使用される材料は、例えば、材料に含浸され得る抗菌剤および/または抗真菌剤を含んでもよい。
【0171】
その、またはそれぞれの外部シール部材113に使用される材料は、例えば、材料に含浸され得る麻酔薬を含んでもよい。そのような麻酔薬は、不快感、特に移植直後の不快感を軽減するのに役立ち得る。
【0172】
また、本明細書で論じられるように、外部シール部材113の1つは、また別の外部シール部材113とは形態および/または材料が異なってもよい。
【0173】
いくつかの実施形態において、その、またはそれぞれの外部シール部材113は、1つまたは複数の微生物タイプおよび/またはそれらの分泌物への曝露時に色が変化する材料を含んでもよい。これは、例えば、バルブシステム100の摘出時にそのような微生物の影響の評価を可能にし得る。いくつかの実施形態において、これは、例えば、同じ患者のための新しいバルブシステム100に関して何の抗菌剤および/または抗真菌剤を使用すべきかを決定することができる。
【0174】
いくつかの実施形態において、その、またはそれぞれの外部シール部材113は、膨張可能部材1131を含んでもよい(
図14を参照)。膨張可能部材1131は、生理食塩水またはシリコーンまたはポリマーゲルまたは別の流体により膨張可能でもよい。その、またはそれぞれの膨張可能外部シール部材1131のための膨張流体は、バルブシステム100の少なくとも一部の外面に沿って延在し得る、またはバルブシステム100の少なくとも一部を通って(例えば、バルブ100および/またはカテーテル16を通って)延在し得るチューブを介して提供されてもよい。その、またはそれぞれの膨張可能外部シール部材1131は、膨張流体を保持するためのバルブシステムを含んでもよく、膨張流体を供給したチューブを取り除くことを可能にしてもよい。いくつかの実施形態において、その、またはそれぞれの膨張可能外部シール部材1131は、例えば、制限バンドによって、尿道に挿入するために圧縮され得るシール部材であり、所望の場所への挿入に続き、例えば、制限バンドの除去により、圧縮が取り除かれてもよい。圧縮を除去することにより、膨張可能外部シール部材1131が膨張できるようになってもよい。
【0175】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の外部シール部材113が提供されてもよく、それはバルブシステム100が移植された状態でバルブシステム100に固定されてもよい。いくつかの実施形態において、その、またはそれぞれのそのような外部シール部材113は、環状部材1132(例えば、
図15および16を参照)を含んでもよく、それはバルブシステム100の少なくとも一部の長さに沿ってスライドされてもよい。異なる外径を有し得るそのような外部環状シール部材1132が複数存在してもよく、特定の患者にとって最良の密閉を提供する外部シール部材113を使用できるようにする-2つのそのような部材1132を示す
図16を参照されたい。いくつかの実施形態において、それぞれのそのような外部シール部材1132の内径(または別の寸法-各部材1132によって画定される穴1132aの寸法を参照)は、バルブシステム100の一部と密接な適合を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、その、またはそれぞれのそのような外部シール部材1132は、液体に曝されたときに膨張するように構成されてもよく(上記の説明を参照)、これにより、膨張によって部材1132がバルブシステム100に対する密閉を形成する前に、外部シール部材1132をより容易に所定の位置にスライドさせることが可能になり得る。いくつかの実施形態において、一組の外部シール部材1132の内径(または別の寸法)は、第1の外部シール部材1132がバルブシステム100の一部に対して密閉を形成するように構成され、第2の外部シール部材1132が第1の外部シール部材1132に対して密閉を形成するように構成される、というようにしてもよい。したがって、一組の外部シール部材1132の内径(または別の寸法)は、次第に大きくなってもよく、外径も同様に次第に大きくなってもよい(いくつかの実施形態において、第2の外部シール部材1132の内径は第1の外部シール部材1132の外径に一致し(例えば、実質的に等しい)、このパターンは、セット全体にわたって繰り返され得る)。したがって、所望の密閉が達成されるまでセット内にそれぞれの外部シール部材113を追加するとともに、外部シール部材1132のセットを使用して、シールの外寸を次第に増加させることができる。そのような外部シール部材1132のそれぞれを所望の位置に押し込むために、スリーブのようなツールが提供されてもよい。
【0176】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の外部シール部材1132が提供されてもよく、それは上述のようにバルブシステム100が移植された状態でバルブシステム100に固定され得るが、バルブシステム100の近位端から固定され、その遠位端から道具(フックツールでもよい)を使用して所定の位置へ引っ張られまたは押し込まれてもよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のそのような外部シール部材113の代わりに、保持機構に隣接するその端部(すなわち、近位端)で、カテーテル16内に1つまたは複数の環状部材1133(例えば、
図17を参照)を(移植後に)挿入することによって、同様の効果が達成されてもよい。そのような環状部材1133は、それを通る流体の流れを可能にし得るが、カテーテル16の壁を外側に押して、その外面にリブ状の膨らみを提供してもよい。環状部材1133以外の部材がこの目的のために使用されてもよく、例えば、ケージ部材(例えば、メッシュ球)が使用されてもよい。
【0177】
いくつかの実施形態において、その、またはそれぞれの外部シール部材113は、スリーブ部材1134を含んでもよい。スリーブ部材1134は、バルブシステム100の少なくとも一部の周りに配置されるように構成されてもよく、それに固定されてもよい(例えば、締まり嵌めおよび/または接着剤を用いて)。スリーブ部材1134は、バルブシステム100の長さの少なくとも一部に沿って延在することができる。いくつかの実施形態において、スリーブ部材1134は、2つの他の形態の外部シール部材113(本明細書に記載されているものなど)の間に延在してもよい。複数のスリーブ部材1134を設けてもよい。その、またはそれぞれのスリーブ部材1134は、その外面上に、1つまたは複数の他の領域とは異なる材料および/またはテクスチャである1つまたは複数の領域1134aを含むことができる。いくつかの実施形態において、その、またはそれぞれのスリーブ部材1134は、その、またはそれぞれのスリーブ部材1134が有孔スリーブ部材1134となるように、そこを通る1つまたは複数の穴を含んでもよい。その、またはそれぞれのスリーブ部材1134は、尿道壁とバルブシステム100との間の接着のリスクを低減するように構成されてもよい。異なる材料/テクスチャ1134aのその、またはそれぞれの穴または領域は、パターンで設けられてもよい-これは、リブのような円周方向のバンドおよび/またはリブのような軸方向の長さおよび/またはパッチもしくはスポットを含み得る(例えば、
図18に示されるように)。
【0178】
バルブシステム100の1つまたは複数の部品は、1つまたは複数の他の部品よりも大きな外寸(例えば、直径)を有してもよい。より大きな外寸の1つまたは複数の部品は、バルブシステム100が移植される患者の1つまたは複数の部分に対応するように構成されてもよい。例えば、外括約筋24を通過するバルブシステム100の外寸は、(流体の流れの通常の方向に関して)外括約筋24の上部よりも大きくてもよい。より大きな外径は、本明細書で説明されるように、カテーテル16および/またはバルブ1および/または1つまたは複数の外部シール部材113にもたらされてもよい。
【0179】
いくつかの実施形態において、バルブ1の出口ポート25は、先細りの端部によって少なくとも部分的に画定されていてもよい(例えば、
図19を参照)-これは、バルブ本体11の端部または出口ポート25を画定するプラグでもよい。これは、出口ポート25の閉塞および/またはバルブ1への内部成長(ingrowth)のリスクを低減するのに役立ち得る。
【0180】
いくつかの実施形態において、先行技術に関して、または
図11および12を参照して説明された実施形態に関して、上述のものとは異なる形態の挿入ツール300が提供される。挿入ツール300の例は、
図20a~20lに示される。
【0181】
この挿入ツール300は、少なくともバルブシステム100と同じくらい硬い本体301を含んでもよい。本体301は、本体301がバルブシステム100を所望の移植位置に押し込むことを可能にするのに十分に硬くてもよい。本体301は概して細長くてもよい(人間の尿道を通り抜けられるように)。いくつかの実施形態において、本体302の硬さは、その長さに沿って変化して、他の部分よりも硬い1つまたは複数の部分を提供してもよい(これは、本体301の部分に沿った断面サイズおよび/または形状の変化によって達成され得る)。本体301の近位端には、バルブシステム取り付け部材302がある。バルブシステム取り付け部材302は、バルブシステム100の少なくとも一部と係合するように構成され、この部分は、バルブ1でもよい。いくつかの実施形態において、バルブシステム取り付け部材302は、出口ポート25でバルブ1と係合するように構成され、(係合すると)少なくとも部分的に出口ポート25内に、またはバルブ1の外面の一部の周りに延在してもよい。
【0182】
バルブシステム取り付け部材302の係合は、移植中にバルブシステム100が挿入ツール300によって押し込まれ得るように、およびバルブシステム100を反対方向にいくらか引っ張ることも可能であるようにされる。
【0183】
バルブシステム取り付け部材302は、いくつかの異なる形態をとることができる。
【0184】
いくつかの実施形態(例えば、
図20dまたは20cを参照)において、バルブシステム取り付け部材302は、バルブ本体11の材料および/または出口ポート25に向かって配置されたプラグと係合するように構成されたフック(とげのあるフックでもよい)を含んでもよい。
図20lは、フックの実施形態の変形例を示しているが、円錐形でもよい。バルブシステム取り付け部材302は、出口ポート25を通り抜けて内部バルブ容積111に入り、弁座またはその一部など、その内部部品と係合してもよい。
【0185】
いくつかの実施形態(例えば、
図20fを参照)において、バルブシステム取り付け部材302は、バルブ本体11の材料および/または出口ポート25に向かって配置されたプラグと係合するように構成されたらせんねじを含んでもよい(および取り付け部材302は先細りになっていてもよい)。
図20hは、例えば、
図20fの実施形態の変形例である。この実施形態において、バルブシステム取り付け部材302は、らせん状に巻かれたワイヤの形態でもよい。らせん状に巻かれたワイヤは、バルブ本体11の材料と係合するように構成されてもよく、および/またはその回転によって出口ポート25を通過してもよい。
【0186】
いくつかの実施形態(例えば、
図20dを参照)において、バルブシステム取り付け部材302は、ヒンジフック(とげのあるヒンジフックでもよい)を含んでもよく、それはバルブ本体11の材料および/または出口ポート25に向かって配置されたプラグと係合するように構成されるが、(尿道壁に損傷を与えずにツールを摘出することを助けるために)解除時に回転して挿入ツールの本体の長手方向軸に沿って横たわるようにも構成される。
【0187】
いくつかの実施形態(例えば、
図20eを参照)において、バルブシステム取り付け部材302は、磁気引力を介して、バルブ要素14および/または強磁性リング5と係合するように構成された磁気係合部材を含んでもよい(そのために、磁気係合部材は、例えば、出口ポート25を通ってバルブ1内に延在してもよい)。
図20gは、例えば、
図20eの実施形態の変形例を示す。この実施形態において、磁気係合部材は、少なくとも部分的に、出口ポート25を通過するように形作られてもよい。したがって、磁気係合部材は、出口ポート25によって少なくとも部分的に受け入れられるような形状および寸法の円筒形部分を含んでもよい。
【0188】
いくつかの実施形態(例えば、
図20bを参照)において、バルブシステム取り付け部材302は、内部バルブ容積111内で展開されるように構成された展開可能部材(1つまたは複数のアーム、ループ、またはリングを含み得る)を含んでもよく、展開可能部材が出口を通って除去されないようにする-バルブシステム取り付け部材302は出口25を通ってバルブ1へ延在する。展開可能部材は、選択的に非展開状態に作動可能でもよい-これを達成するために、展開可能部材は、挿入ツールの本体301を通ってその遠位端まで延在するワイヤに結合されてもよく、ワイヤを引っ張ると展開可能部材がバルブシステム取り付け部材302および/または挿入ツール300の本体302(これらの両方は、少なくとも部分的に管状の形態であり得る)内に少なくとも部分的に引っ込められる。展開可能部材302は、例えば、1つまたは複数の弾性のある部材を含んでもよい。
【0189】
図20iは、バルブシステム取り付け部材302が展開可能な1つまたは複数の部材を含む、また別の例示的な実施形態を示す。具体的に、バルブシステム取り付け部材302は、1つまたは複数の展開可能なウィングを含んでもよい(2つが図示されている)。その、またはそれぞれのウィングは、展開状態において(図示されているように)、挿入ツール300の長手方向軸から半径方向外向きに延在するように配置されてもよい。格納状態において、その、またはそれぞれの展開可能部材(例えば、ウィング)は、(例えば、本体301の長さに沿って静止する位置まで)格納可能でもよい。その、またはそれぞれの展開可能部材は、例えば、尿道を通して挿入するために格納状態で配置されてもよい。その、またはそれぞれの展開可能部材は、内部バルブ容積111内(すなわち、弁座を通過する)にその、またはそれぞれの展開可能部材がある状態で、展開状態で配置されてもよい。その、またはそれぞれの展開可能部材は、ヒンジ式部材でもよく、作動は、1つまたは複数のケーブル(本体310を通って延在してもよい)を介して制御されてもよい。その、またはそれぞれの展開可能部材は、例えば、
図20kに示すように、フックのような形態を有してもよい。
【0190】
いくつかの実施形態において、その、またはそれぞれの展開可能部材は、例えば、出口ポート25を通って外向きに動くと展開状態を取るように構成されてもよい。
【0191】
図20jは、
図20bの実施形態の変形例であり、この実施形態において、展開可能部材は、膨張流体(生理食塩水など)を使用して膨張可能であるバルーンなどの膨張可能部材を含んでもよく、膨張流体は本体301を通って膨張可能部材に送達されて(およびそこから引き出さて)もよい。膨張は、膨張可能部材が内部バルブ容積111内にある状態で起こってもよい。
【0192】
同様の方法で、いくつかの実施形態(例えば、
図20aを参照)において、バルブシステム取り付け部材302は、バルブ1の外面と係合するように構成された格納可能ループを含んでもよく、ループは、挿入ツール300の遠位端まで(例えば、挿入ツール300の一部を通って)延在するループ材料の一部を使用して拡張または格納することができる。
【0193】
理解されるように、バルブシステム取り付け部材302は、第1の直径を有する展開状態および第2の直径を有する格納状態に構成されてもよい-第1の直径は第2の直径よりも大きい。例えば、展開状態は、バルブ1と係合するために使用されてもよく、格納状態は、ツール300を尿道に挿入するために使用されてもよい。
【0194】
理解されるように、ツール300の遠位端は、手動で操作されて、バルブシステム100を挿入または摘出することができる。
【0195】
上述の挿入ツール300は、摘出ツール300として使用されてもよく、挿入および摘出兼用ツール300でもよい。
【0196】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のエラストマーはシリコーンでもよい。シリコーンを使用して、バルブ本体11、および/または弁座4および/または弁座部材41を形成することができる。
【0197】
いくつかの実施形態において、他のエラストマーポリマーを使用することができる。
【0198】
バルブ1および/またはバルブシステム100の他の部分は、抗菌性および/または抗真菌性および/または潤滑性材料でコーティングされてもよい。これは、本明細書で説明されるように、外部シール部材113または他の方法(例えば、外部シール部材113に加えて)によって達成することができる。理解されるように、カテーテル16は、抗菌性および/または抗真菌性および/または潤滑性材料でコーティングされてもよい。例えば、カテーテル16の外面-実質的に外面全体でもよい-は、そのようにコーティングされ得る。いくつかの実施形態において、カテーテル16の内面も(または代替的に)そのようにコーティングされる。したがって、いくつかの実施形態において、実質的にカテーテル16全体がこの方法でコーティングされてもよい。
【0199】
いくつかの実施形態において、バルブ本体11は、入口112aおよび/または出口25aの管状プラグと組み合わせて、バルブ本体構成を形成することができる。
【0200】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「含む(comprises, comprising)」という用語およびそれらの変形は、指定された特徴、工程または整数が含まれることを意味する。これらの用語は、他の特徴、工程、または構成要素の存在を除外するものと解釈されるべきではない。
【0201】
特定の形態で、または開示された機能を実行するための手段、または開示された結果を達成するための方法またはプロセスの観点から表現された、前述の説明、または以下の特許請求の範囲、または添付の図面に開示された特徴は、必要に応じて、別々に、またはそのような特徴の任意の組み合わせで、その多様な形態で本発明を実現するために利用される。
【国際調査報告】