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特表2022-511823エアロゾル発生装置で使用するカートリッジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置で使用するカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20220125BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20220125BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021531560
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(85)【翻訳文提出日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 IB2019060917
(87)【国際公開番号】W WO2020128828
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】18213185.4
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】フォルマー ジャン-イヴ
(72)【発明者】
【氏名】カペリ セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ダユオウル オヌル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC13
4B162AC22
4B162AC41
(57)【要約】
エアロゾル発生装置(200)で使用するカートリッジ(100)は、ハウジング(110)と、ハウジング(110)の中に配置されたエアロゾル形成基体(500)とを含む。エアロゾル形成基体(500)は、たばこ粉末を含む第一の部分(510)と、ゲルを含む第二の部分(520)とを有する。第一の部分は第二の部分に隣接している。ゲルはエアロゾル形成体を含む。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置で使用するカートリッジであって、
ハウジングと、
前記ハウジングの中に配置されたエアロゾル形成基体であって、前記エアロゾル形成基体が、植物材料、特にたばこ粉末を含む第一の部分であって、前記たばこ粉末が前記第一の部分の大部分を含む、第一の部分と、ゲルを含む第二の部分であって、前記ゲルがエアロゾル形成体を含む、第二の部分とを備え、前記第一の部分が前記第二の部分に隣接している、エアロゾル形成基体と、を備える、カートリッジ。
【請求項2】
前記ハウジングが、開放端、閉鎖端、および前記閉鎖端と前記開放端の間の開口を画定し、前記エアロゾル形成基体が前記閉鎖端に近接して配置されていて、かつ
前記ハウジングの中に配置された流れ制御器具であって、近位端、遠位端、および前記遠位端と前記近位端の間の内部気流通路を備え、前記近位端が前記遠位端よりも前記ハウジングの前記開放端に近い、流れ制御器具をさらに備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記ハウジングが、開放端、閉鎖端、および前記閉鎖端と前記開放端の間の開口を画定し、前記エアロゾル形成基体が前記閉鎖端に近接して配置されていて、かつ
前記流れ制御器具の外部と前記ハウジングの内部との間のシールであって、前記ハウジングの前記開放端と前記ハウジングの前記開口との間にあるシールをさらに備える、請求項1~2のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記ハウジングが、開放端、閉鎖端、および前記閉鎖端と前記開放端の間の開口を画定し、前記エアロゾル形成基体が前記閉鎖端に近接して配置されていて、かつ
前記流れ制御器具の前記外部の一部分と前記ハウジングの前記内部との間のチャネルであって、前記開口と連通し、かつ前記エアロゾル形成基体に向かって空気を方向付けるチャネルをさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記ハウジングが、熱を受けて、これによって前記第二の部分中の前記ゲルが溶融し、かつ前記隣接する第一の部分中の前記植物材料、特にたばこ粉末とともに混合物を形成するように適合されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記カートリッジが、約10mg~約50mgの植物材料、特にたばこ粉末を含み、好ましくは前記カートリッジが、約20mg~約40mgの植物材料、特にたばこ粉末を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記エアロゾル形成体が、グリセロールを含み、好ましくは前記ゲルが、約50重量パーセント~約95重量パーセントのグリセロールを含み、好ましくは前記ゲルが、約65重量パーセント~約70重量パーセントのグリセロールを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記ゲルが、約1パーセント~約5パーセントの結合剤、好ましくは寒天を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記エアロゾル形成基体が二つの第二の部分を備え、かつ前記第一の部分が前記二つの第二の部分の間に配置されていて、これによって前記二つの第二の部分の各々が前記第一の部分と接触する、請求項1~8のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記第一の部分および第二の部分が、前記ハウジングの長軸方向軸に垂直に積み重ねられている、請求項1~9のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記第一の部分および第二の部分が、前記ハウジングの長軸方向軸に平行に積み重ねられている、請求項1~9のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記第二の部分が内部開口部を備え、かつ前記第一の部分が前記第二の開口部の中に配置される、請求項1~9のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記気流通路が、前記流れ制御器具の前記遠位端から前記近位端に向かって流れるにつれて空気を加速するように構成されている、請求項13に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記植物材料が、前記植物材料の重量の5%未満である、たばこ材料の加工からの副産物として生成されるたばこダストを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項15】
システムであって、
請求項1~14のいずれか一項に記載のカートリッジと、
前記ハウジングの少なくとも前記閉鎖端を受容するように構成された受容部、および前記受容部に動作可能に連結された、かつ前記受容部の中に受容された時に前記カートリッジに構成されたヒーターを備える、エアロゾル発生装置と、を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生物品とともに使用する消耗品に関する。消耗品は、たばこを包含する部分と、グリセロールなどのエアロゾル形成体を含むゲル部分とを備えるエアロゾル形成基体を含む。消耗品は使用時に、エアロゾル発生物品によって加熱されてゲルを溶融してもよく、これはたばこと混合物を形成してエアロゾルを発生してもよい。消耗品はまた、エアロゾルを効率的に送達することを許容する流れ制御器具も含んでもよい。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生物品とともに使用するたばこを含む消耗品は周知である。こうした装置は典型的に、たばこを燃焼することなくエアロゾルの放出を引き起こすのに十分な温度にたばこを加熱する、加熱非燃焼タイプの装置である。たばこは燃焼されないので、グリセロールなどのエアロゾル形成化合物は、より低い温度にてエアロゾル生成を強化する場合がある。
【0003】
相当な量のたばこがしばしば、加熱非燃焼式エアロゾル発生物品において使用される。これは部分的に、たばこが完全に消費されないことがよくあるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
消耗品が含有するたばこの量が低減されたエアロゾル発生装置で使用する消耗品を提供し、その一方で、より高いたばこ含有量を有する消耗品の味覚および体験をもたらすことが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の様々な態様において、エアロゾル発生装置で使用するカートリッジが提供されている。カートリッジは、ハウジングと、ハウジングの中に配置されたエアロゾル形成基体とを備える。エアロゾル形成基体は、植物材料、特にたばこを含む第一の部分と、第一の部分に隣接した第二の部分とを備える。第二の部分はゲルを含む。ゲルはエアロゾル形成体を含む。植物材料は、植物材料粉末、特にたばこ粉末を含むことが好ましい。
【0006】
たばこ粉末は、第一の部分の大部分を含んでもよい。たばこ粉末の割合が高いことは、例えばゲル中の少ない割合とは対照的に、製造の容易性および柔軟性を提供する。加えて、または別の方法として、ゲル中の混合物は、適合性の問題を呈する場合があり、また貯蔵寿命に影響を与える場合がある。
【0007】
ハウジングは、例えばカートリッジが使用されてもよいエアロゾル発生装置の発熱体から熱を受容するように適合されてもよい。加熱に伴い、第二の部分中のゲルは溶融し、隣接する第一の部分中の植物材料、特にたばこ粉末との混合物を形成する。十分に加熱されると、混合物は、揮発性植物材料、特にたばこ成分を含むエアロゾルを形成してもよい。ハウジングは、エアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体の構成要素を燃焼することなく、エアロゾル形成を引き起こすのに十分な程度まで加熱されることが好ましい。
【0008】
一部の実施形態において、ハウジングは開放端および閉鎖端を備え、かつ閉鎖端と開放端の間に開口を画定する。エアロゾル形成基体は、閉鎖端に近接してハウジングの中に配置されてもよい。カートリッジは、ハウジングの中に配置された流れ制御器具をさらに備えてもよい。流れ制御器具は、近位端、遠位端、および遠位端と近位端の間の内部気流通路を備える。近位端は、遠位端よりもハウジングの開放端に近い。流れ制御器具は、流れ制御器具の外部とハウジングの内部との間のシールをさらに備える。シールは、ハウジングの開放端とハウジングの開口との間にある。加えて、流れ制御器具は、流れ制御器具の外部の一部分とハウジングの内部との間にチャネルを備える。チャネルは開口と連通し、空気をエアロゾル形成基体に向ける。流れ制御器具は、エアロゾルがユーザーに送達される効率を高める場合がある。
【0009】
本明細書に記載のエアロゾル発生装置で使用するカートリッジの様々な態様または実施形態は、現在で入手可能な、または前述のエアロゾル発生装置用カートリッジに対し、一つ以上の利点を提供する場合がある。例えば、ゲルとたばこ粉末を混合物中で組み合わせることは適合性の問題を呈する場合があるため、別個の部分にあるたばこ粉末およびゲルの使用は、製造の容易性および柔軟性を提供し、貯蔵寿命およびこれに類するものに影響を与える場合がある。加えて、たばこ粉末の使用は、単純な製造を可能にする。例えば、たばこ粉末を、例えばキャストリーフプロセスを用いてシート形態またはロッド形態様へと変形する必要性は、回避される場合がある。さらに、たばこ粉末とエアロゾル形成体ゲルの別個の部分を形成するエアロゾル形成基体は、基体のより効率的な消費または枯渇を可能にする場合があり、結果として、たばこの含有量がより高い製品と同様の効果を提供するために使用されるたばこの量の減少をもたらす。加えて、ゲル中のエアロゾル形成体に起因して、エアロゾル生成は、加熱に伴い素早く生じる(最初の吸煙までの時間が短い)場合がある。ゲルの使用はまた、液体組成物が採用された場合に生じる場合がある漏れを防止する役目を果たす場合がある。別の実施例として、流れ制御器具は、採用される場合、エアロゾルの効率的な移動を提供する場合がある。これらの利点およびその他の利点は、本明細書に提示された開示を読むのに伴い当業者に容易に明らかとなるであろう。
【0010】
本発明のカートリッジは、たばこを含む第一の部分と、エアロゾル形成体を含むゲルを含む隣接する第二の部分とを含む、任意の適切なエアロゾル形成基体を含んでもよい。
【0011】
第一の部分は、たばこと、一つ以上の随意の追加的な成分とを含んでもよい。たばこは、たばこ粉末を含むことが好ましい。本明細書で使用される「たばこ粉末」は、たばこ植物の材料から生成される粒子状の材料である。たばこ粉末を形成する粒子状の材料は、約0.01ミリメートル~約2ミリメートルの平均サイズを有することが好ましい。たばこ粉末を形成する特定の材料は、約0.015ミリメートル~約0.12ミリメートルの平均サイズを有することがより好ましい。一部の実施形態において、たばこ粉末は、約0.02ミリメートル~約0.08ミリメートルの平均サイズを有する粒子の凝集を含み、ここで凝集粒子は、凝集粒子に含まれる個々の粒子よりも大きい平均サイズを有する。
【0012】
植物材料、特にたばこ粉末は、葉、茎、葉身、中肋、および葉柄などの、たばこ植物の任意の適切な部分からの材料を含んでもよい。植物、または植物の適切な部分(特にたばこ植物)は、たばこ粉末を生成するために、すりつぶされて、押しつぶされて、粉砕されて、挽かれて、分解されて、または別の方法で加工されて、粒子状の材料にされてもよい。
【0013】
たばこ粉末は、本発明のカートリッジ中のエアロゾル形成基体の一部分で、またはエアロゾル形成基体全体で使用される、唯一のたばこであってもよく、またはたばこの大部分を含んでもよい。
【0014】
たばこ粉末は、一つ以上のタイプのたばこのブレンドを含んでもよい。本明細書で使用される「たばこのタイプ」または「たばこタイプ」は、様々なたばこを意味する。異なるたばこの変種は、ブライトたばこ、ダークたばこ、およびアロマティックたばこの三つの主な群で区別されてもよい。これらの三つの群の間の区別は、たばこがたばこ製品においてさらに加工される前に経るキュアリングプロセスに基づいてもよい。
【0015】
ブライトたばこは、一般的に大きく明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して「ブライトたばこ」という用語は、フルーキュアリングされたたばこに対して使用される。ブライトたばこの例としては、中国産のフルキュアたばこ、フルキュアブラジルたばこ、米国産のフルキュアたばこ(バージニアたばこなど)、インド産のフルキュアたばこ、タンザニア産のフルキュアたばこ、または他のアフリカ産のフルキュアたばこが挙げられる。ブライトたばこは、糖対窒素の比が高いことによって特徴付けられる。感覚的な見方からは、ブライトたばこはキュアリング後に、スパイスが効いていて活気のある感覚を伴うたばこタイプである。ブライトたばこは典型的に、葉の乾燥重量基準で約2.5パーセント~約20パーセントの還元糖の含有量と、葉の乾燥重量基準で約0.12パーセント未満の総アンモニア含有量とを有する。還元糖は、例えばグルコースまたはフルクトースを含む。総アンモニアは、例えばアンモニアおよびアンモニア塩を含む。
【0016】
ダークたばこは、一般的に大きく暗い色の葉を有するたばこである。本明細書を通して「ダークたばこ」という用語は、エアキュアリングしたたばこに対して使用される。加えて、ダークたばこは発酵していてもよい。主として噛みたばこ、嗅ぎたばこ、葉巻たばこ、およびパイプブレンド用に使用されるたばこも、この範疇に含まれる。感覚的な見方からは、ダークたばこは、キュアリング後、スモーキーでダークシガータイプの感覚を伴うたばこタイプである。ダークたばこは糖対窒素の比が低いことによって特徴付けられる。ダークたばこの例は、バーレーマラウイまたは他のアフリカンバーレー、ダークキュアブラジルガルパオ、サンキュアまたはエアキュアインドネシアカストリ(Kasturi)である。本発明によると、ダークたばこは、還元糖の含有量が葉の乾燥重量基準で約5パーセント未満、かつ総アンモニア含有量が葉の乾燥重量基準で約0.5パーセント以下であるたばこである。
【0017】
アロマティックたばこは、しばしば小さい明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して「アロマティックたばこ」という用語は、芳香成分含有量、例えば精油の含有量が高いその他のたばこに対して使用される。感覚的な見方からは、アロマティックたばこは、キュアリング後、スパイスが効いていて芳しい感覚を伴うたばこタイプである。アロマティックたばこの例には、グリークオリエント、オリエンタルトルコ、セミオリエントたばこであるがファイアキュアード、ペリクなどのUSバーレー、ルスティカ、USバーレーまたはメリーランドがある。
【0018】
一部の好ましい実施形態において、たばこ粉末は、ブレンド中のたばこ総量の乾燥重量基準で少なくとも約30パーセントのブライトたばこと、ブレンド中のたばこ総量の乾燥重量基準で約0パーセント~約40パーセントのダークたばこと、ブレンド中のたばこ総量の乾燥重量基準で約0パーセント~約40パーセントのアロマティックたばことを含む。
【0019】
たばこ粉末はまた、フィラーたばこも含んでもよい。フィラーたばこはたばこの特定のタイプではないが、ブレンドで使用されるその他のたばこタイプを補完するために主に使用される、かつ典型的に最終生成物に特定の特徴的な芳香の方向性をもたらさないたばこタイプを含む。フィラーたばこの例は、他のたばこタイプの茎、中肋、または葉柄である。具体的な例は、フルーキュアリングされたブラジル産の葉柄下部のフルーキュアリングされた茎であってもよい。
【0020】
たばこ葉は、たばこの各タイプ内で、例えば原産地、たばこ植物における位置、色、表面のテクスチャ、サイズ、および形状に関してさらに等級分けされてもよい。たばこ葉のこれらの特徴および他の特徴は、たばこブレンドを形成するために使用されてもよい。たばこのブレンドは、同一のタイプまたは異なるタイプに属するたばこの混合物であり、これによってたばこブレンドは凝集した特定の特徴を有する。この特徴は、例えば加熱または燃焼された時、独特の味わいまたは特定のエアロゾルの組成である可能性がある。ブレンドは、一方と他方の所与の比率の特定のたばこタイプおよび等級を含む。
【0021】
同一のたばこタイプ内での異なる等級は、各ブレンド構成成分のばらつきを低減するためにクロスブレンドされてもよい。特異的な所定の特徴を有する望ましいブレンドを実現するために異なるたばこ等級が選択されてもよい。例えば、ブレンドは、均質化したたばこ材料の乾燥重量基準あたりの還元糖、総アンモニア、および総アルカロイドの標的値を有してもよい。総アルカロイドは、例えばニコチンおよび少量アルカロイド(ノルニコチン、アナタビン、アナバシン、ミオスミンを含む)である。
【0022】
たばこ粉末は、任意の適切な様態で生成されてもよい。一部の実施形態において、たばこ粉末は、たばこの粗い粉砕および粗く粉砕したたばこの微細粉砕を含むプロセスによって生成される。たばこは、例えば公開PCT特許出願第WO2016/050469A1号に記載の通りに粉砕されてもよい。
【0023】
二つ以上のタイプのたばこを使用する場合、たばこのタイプは、プロセスの任意の適切な時点で混合されてもよい。例えば、たばこのタイプは、粗い粉砕の前、または粗い粉砕の後であるが微細粉砕の前に混合されてもよい。別の方法として、または追加的に、たばこのタイプは微細粉砕後に混合されてもよい。
【0024】
一部の実施形態において、たばこ粉末の成分の少なくとも95パーセントは既知である。これは、調製のために使用されるたばこダストの正確な組成が完全に知られていない再構成たばこシートに使用される従来のたばこ粉末に優る相当な利点である。従って、たばこ粉末の製造のためにたばこをブレンドすることは、結果として得られる異なるタイプのたばこのブレンドのある一定の特徴(例えば、風味特性など)に対して所定の標的値を設定し、満たすことを可能にする。たばこ粉末の製造のための出発材料は、主にたばこ葉であることが好ましく、これはそれ故に、たばこ葉であるカットフィラーをブレンドするためのたばこと同一のサイズおよび物理的特性を有する。
【0025】
たばこ粉末は、他のたばこ製造プロセスの残留物を少量のみ(例えば、乾燥重量基準でブレンド中のたばこの総量の約5パーセント未満)を含有することが好ましい。有利なことに、たばこブレンドは、紙巻たばこのブレンドプロセスと類似の様態で得られる、異なるたばこタイプおよび等級のブレンドである。特に、これは、ある特定の特異的な所定の特徴を有する望ましい特定のブレンドを得るために、異なるタイプのたばこが選択されることを意味する。例えば、選択される特徴は、たばこブレンド中の還元糖、総アンモニア、および総アルカロイドのうちの一つ以上とすることができる。
【0026】
たばこ粉末はまた、たばこ製品の製造におけるたばこ葉の取り扱いおよび加工など、たばこ材料の加工から副生成物として生成されるダストをある程度含んでもよい。植物材料は、植物材料の重量の5%未満である、たばこ材料の加工からの副産物として生成されるたばこダストを含むことが好ましい。
【0027】
たばこ粉末を含むエアロゾル形成基体の第一の部分は、たばこの粒子の凝集を補助するために、一つ以上の内因性結合剤、一つ以上の外因性結合剤、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、たばこ粉末を含むエアロゾル形成基体の第一の部分は、乾燥重量基準で約1パーセント~約5パーセントのたばこを含んでもよい。任意の結合剤を採用してもよいが、好ましい結合剤は、天然ペクチン(果実ペクチン、柑橘類ペクチン、またはたばこペクチンなど)、グアーガム(ヒドロキシエチルグアー、ヒドロキシプロピルグアーなど)、ローカストビーンガム(ヒドロキシエチルローカストビーンガム、ヒドロキシプロピルローカストビーンガムなど)、アルギネート、デンプン(変性デンプンまたは誘導体化デンプンなど)、セルロース(メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど)、タマリンドガム、デキストラン、プルラン、コンニャク粉、キサンタンガム、およびこれに類するものである。
【0028】
第一の部分は、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、フィラー、水性および非水性の溶媒、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されないその他の添加剤を含んでもよい。
【0029】
第一の部分は随意にエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、存在する場合、乾燥重量基準で約5重量パーセント~約30重量パーセント、好ましくは約8重量パーセント~約25重量パーセント、好ましくは約10重量パーセント~約22重量パーセントなど、任意の適切な量で存在してもよい。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これにはメントールのような一価アルコール、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、第一の部分は、エアロゾル形成体としてグリセロールを含む。エアロゾル形成体と植物材料粉末の混合物は、製造において粘着性になるか、またはそうでなければ取り扱いが困難となる場合があるので、エアロゾル形成体を植物材料粉末から分離することは、有利である場合がある。
【0030】
本発明のカートリッジの中に含まれるエアロゾル形成基体は、たばこを含む第一の部分に隣接する第二の部分を備える。第二の部分は、エアロゾル形成体を含むゲルを含む。
【0031】
ゲルは任意の適切なエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易する任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物であって、かつカートリッジを加熱するように構成されたエアロゾル発生装置でカートリッジが使用される時に、ゲルの動作温度にて熱分解に対して実質的に耐性がある任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物であってもよい。適切なエアロゾル形成体としては、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセロールなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられる。特に好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはこれらの混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、最も好ましくはグリセロールなど)である。特に好ましい実施形態において、ゲルは、エアロゾル形成体としてグリセロールのみを含む。
【0032】
ゲルは、任意の適切な量のエアロゾル形成体を含んでもよい。ゲルは、約50重量パーセント~約95重量パーセントのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。例えば、ゲルは、約50重量パーセント~約95重量パーセント(約65重量パーセント~約70重量パーセントなど)の量でグリセロールを含んでもよい。
【0033】
ゲルは、任意の適切な量の水を含んでもよい。ゲルは、ゲルの約40重量パーセント未満(ゲルの約30重量パーセント未満など)の量の水を含むことが好ましい。一部の実施形態において、ゲルは、0重量パーセント~約5重量パーセントの水を含む。一部の実施形態において、ゲルは、約20パーセント~約40パーセントの水を含む。
【0034】
好ましくは、ゲル中の水とエアロゾル形成体の組み合わせられた重量は、約90重量パーセント~約98重量パーセントの範囲内である。
【0035】
ゲルはゲル化剤を含んでもよい。ゲル化剤は、エアロゾル形成体が中に分散されてもよい固体媒体を形成してもよい。
【0036】
ゲルは任意の適切なゲル化剤を含んでもよい。例えば、ゲル化剤は、二つまたは三つのバイオポリマーなどの一つ以上のバイオポリマーを含んでもよい。ゲルが二つ以上のバイオポリマーを含む場合、バイオポリマーは実質的に等しい重量で存在することが好ましい。バイオポリマーは多糖類で形成されてもよい。ゲル化剤として適切なバイオポリマーとしては、例えばジェランガム(天然、低アシルジェランガム、高アシルジェランガム、中でも低アシルジェランガムが好ましい)、キサンタンガム、アルギネート(アルギン酸)、寒天、グアーガム、およびこれに類するものが挙げられる。ゲルは、寒天を含むことが好ましい。
【0037】
ゲルは、任意の適切な量のゲル化剤を含んでもよい。例えば、ゲルは、ゲルの約0.5重量パーセント~約7重量パーセントの範囲のゲル化剤を含む。ゲルは、約1重量パーセント~約5重量パーセント(約1.5重量パーセント~約2.5重量パーセントなど)の範囲のゲル化剤を含むことが好ましい。
【0038】
一部の好ましい実施形態において、ゲルは、約0.5重量パーセント~約7重量パーセントの範囲の寒天、または約1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲の寒天、または約2重量パーセントの寒天を含む。
【0039】
一部の好ましい実施形態において、ゲルは、約2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲のキサンタンガム、または約2重量パーセント~約4重量パーセントの範囲のキサンタンガム、または約3重量パーセントのキサンタンガムを含む。
【0040】
一部の好ましい実施形態において、ゲルは、キサンタンガム、ジェランガム、および寒天を含む。ゲルは、キサンタンガム、低アシルジェランガム、および寒天を含んでもよい。ゲルは、キサンタンガム、ジェランガム、および寒天を実質的に等しい重量で含んでもよい。ゲルは、キサンタンガム、低アシルジェランガム、および寒天を実質的に等しい重量で含んでもよい。ゲルは、(ゲル中のキサンタンガム、低アシルジェランガム、および寒天の総重量に対して)約1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲のキサンタンガム、低アシルジェランガム、および寒天、または約1重量パーセント~約4重量パーセントの範囲のキサンタンガム、低アシルジェランガム、および寒天、または約2重量パーセントのキサンタンガム、低アシルジェランガム、および寒天を含んでもよい。ゲルは、約1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲のキサンタンガム、低アシルジェランガム、および寒天、または約2重量パーセントのキサンタンガム、低アシルジェランガム、および寒天を含んでもよく、この場合、キサンタンガム、ジェランガム、および寒天は、実質的に等しい重量である。
【0041】
ゲルは二価のカチオンを含んでもよい。二価のカチオンは、溶液中の乳酸カルシウムなどのカルシウムイオンを含むことが好ましい。二価のカチオン(カルシウムイオンなど)は、ジェランガム(天然ジェランガム、低アシルジェランガム、高アシルジェランガム)、キサンタンガム、アルギネート(アルギン酸)、寒天、グアーガム、およびこれに類するものなどのバイオポリマー(多糖類)を含む組成物のゲル形成を支援する場合がある。イオン効果は、ゲル形成を支援する場合がある。二価のカチオンはゲル組成物中に、約0.1~約1重量パーセントの範囲、または約0.5重量パーセントで存在してもよい。一部の実施形態において、ゲルは二価のカチオンを含まない。
【0042】
ゲルはカルボン酸を含んでもよい。カルボン酸はケトン基を含んでもよい。カルボン酸は、10個未満の炭素原子を有するケトン基を含むことが好ましい。このカルボン酸は、5個の炭素原子(レブリン酸など)を有することが好ましい。レブリン酸は、ゲルのpHを中和するために添加されてもよい。これはまた、ジェランガム(低アシルジェランガム、高アシルジェランガム)、キサンタンガム、特にアルギネート(アルギン酸)、寒天、グアーガム、およびこれに類するものなどのバイオポリマー(多糖類)を含むゲル形成を支援する場合がある。レブリンはまた、ゲル製剤の感覚プロファイルも強化する場合がある。一部の実施形態において、ゲルはカルボン酸を含まない。
【0043】
ゲルは、ニコチン、たばこ抽出物(例えば、液体たばこ抽出物)、風味剤、およびこれらの組み合わせを随意に含んでもよい。
【0044】
ゲルは、任意の適切な量のニコチンを含んでもよい。「ニコチン」という用語は、ニコチンおよびニコチン誘導体(遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、およびこれに類するものなど)を指す。例えば、ゲルは、約1重量パーセント~約5重量パーセント(約1.5重量パーセント~約2.5重量パーセントなど)のニコチンを含んでもよい。第一の部分中のたばこはニコチンを含む場合があるので、一部の実施形態において、ゲルはニコチンを含まなくてもよい。
【0045】
ゲルは、一つ以上の感覚促進剤を含んでもよい。任意の適切な感覚促進剤がゲル中に含まれてもよい。適切な感覚促進剤としては風味剤および感覚剤が挙げられる。適切な風味剤としては、風味組成物または香料組成物の処方に慣習的に使用されている芳香族分子または香料分子が挙げられる。風味剤は、芳香族、テルペン系、またはセスキテルペン系の炭化水素であることが好ましい。風味剤は、精油、アルコール、アルデヒド、フェノール系分子、様々な形態のカルボン酸、芳香族アセタールおよびエーテル、窒素複素環、ケトン、スルフィド、ジスルフィド、ならびにメルカプタン(芳香族または非芳香族のどちらでもよい)であってもよい。風味剤の例としては、天然もしくは合成の芳香剤または香料が挙げられる。適切な感覚剤としては、例えば清涼剤、冷却剤、または高温効果剤が挙げられ、それらはそれぞれ清涼効果、冷却効果、または高温効果を提供する。適切な清涼剤は、コハク酸メンチルおよびその誘導体であってもよいが、これに限定されない。適切な高温効果剤は、バニリルエチルエーテルであってもよいが、これに限定されない。
【0046】
ゲル中に含まれてもよい適切な感覚促進剤の他の例としては、2-3ジメチルピラジン、酪酸エチル、エチルマルトール、プロピオン酸エチル、フラネオール、イソブチルアルデヒド、イソ吉草酸、マルトール、ベンズアルデヒド、硫化ジメチル、2メチル酪酸、イソバレルアルデヒド、フェネチルアルコール、フェニル酢酸、ヘリオトロピン、吉草酸、バレルアルデヒド、ブチルアルコール、酪酸、ベンジルアルコール、酢酸エチル、イソブチルアルコール、イソ酪酸、シクロテン、コーヒージオン、アセトイン、ソルビトール、乳酸エチル、クエン酸、アルファイオノン、乳酸、およびピルビン酸が挙げられる。
【0047】
一部の実施形態において、感覚促進剤としては、たばこ風味、メントール、ウインターグリーン、ペパーミント、ハーブ風味、果実風味、ナッツ風味、酒風味、およびこれらの組み合わせのうちの一つ以上が挙げられる。
【0048】
ゲルは、感覚促進剤として一つ以上のたばこ抽出物を含んでもよい。たばこ抽出物は、エアロゾル形成基体のたばこ風味を強化することが好ましい。エアロゾル形成基体の第一の部分中のたばこは燃焼されないことが好ましいので、本発明のエアロゾル形成基体によって生成される風味プロファイルは、使用中に燃焼されるたばこを含む喫煙物品(紙巻たばこなど)と異なってもよい。それ故に、一つ以上のたばこ抽出物をゲルに添加することは有利なことに、本発明のカートリッジ中のエアロゾル形成基体の感覚プロファイルを変化させる場合がある。
【0049】
ゲルは、任意の適切な量の一つ以上の感覚促進剤を含んでもよい。例えば、ゲルは、約0.01重量パーセント~約15重量パーセント(約1重量パーセント~約12重量パーセント、約2重量パーセント~約10重量パーセント、または約5重量パーセント~約8重量パーセントなど)の量で、一つ以上の感覚促進剤を含んでもよい。一部の実施形態において、ゲルは感覚促進剤を含まない。
【0050】
ゲルは、本発明のカートリッジ中のエアロゾル形成基体の第二の部分において、唯一の材料であってもよく、または材料の大部分を含んでもよい。
【0051】
たばこを含む第一の部分、およびゲルを含む隣接する第二の部分は、任意の適切な配設でカートリッジのハウジングの中に配設されてもよい。第一の部分および第二の部分の材料は、互いに接触することが好ましい。第一の部分のたばこは、第二の部分のゲルに接触することが好ましい。一部の好ましい実施形態において、第一の部分は、たばこ粉末から成り、もしくはたばこ粉末から本質的に成り、またはたばこ粉末は第一の部分の大部分を含み、また第二の部分は、ゲルから成り、もしくはゲルから本質的に成り、ゲルはたばこ粉末と接触する。
【0052】
一部の実施形態において、第一の部分および第二の部分は、ハウジングの長軸方向軸に実質的に平行に配設されてもよく、またはハウジングの長軸方向軸に実質的に垂直に配設されてもよい。
【0053】
ハウジングが開放端および閉鎖端を備える場合、好ましくはエアロゾル発生基体は、ハウジングの閉鎖端に近接して配置されてもよい。第一の部分は、第二の部分よりも閉鎖端の近くに配置されてもよく、または第二の部分は、第一の部分よりも閉鎖端の近くに配置されてもよい。一部の実施形態において、第一の部分および第二の部分は各々、閉鎖端から開放端に向かって延びる。
【0054】
一部の実施形態において、第一の部分は、第二の部分の少なくとも一部分を包囲するか、または第二の部分は、第一の部分の少なくとも一部分を包囲する。例えば、第一の部分は、第二の部分が中に配置される内部開口部を備えてもよく、または第二の部分は、第一の部分が中に配置される内部開口部を備えてもよい。
【0055】
一部の実施形態において、エアロゾル形成基体は、複数の第一の部分、または複数の第二の部分、または複数の第一の部分と第二の部分を備える。第一の部分と第二の部分は、交互であってもよい。交互の第一の部分および第二の部分は、互いに積み重ねられてもよい。例えば、第一の交互部分および第二の交互部分は、これらの部分が中に配置されているカートリッジのハウジングの長軸方向軸に対して垂直に積み重ねられてもよい。第一の交互部分および第二の交互部分は、これらの部分が中に配置されているカートリッジのハウジングの長軸方向軸に対して平行に積み重ねられてもよい。第一の部分および第二の部分は、それらが互いに隣接し、かつハウジングの外部からハウジングの中央内部に向かう方向で交互になるように配設されてもよい。例えば、交互の第一の部分および第二の部分は、同心円状に積み重ねられてもよい。
【0056】
一部の好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は、二つの第二の部分の間に配置された第一の部分を備える。
【0057】
カートリッジのハウジングの中に配置されたエアロゾル形成基体は、任意の適切な量のゲルおよび植物材料、特にたばこを含んでもよい。一部の実施形態において、エアロゾル形成基体中の植物材料、特にたばこの総重量は、約10ミリグラム~約100ミリグラムである。エアロゾル形成基体中の植物材料、特にたばこの総重量は、約10ミリグラム~約50ミリグラムであることが好ましい。エアロゾル形成基体中の植物材料、特にたばこの総重量は、約20ミリグラム~約40ミリグラム(約30ミリグラムなど)であることがより好ましい。
【0058】
植物材料、特にたばこのこうした量は、現在入手可能な加熱非燃焼式消耗品で使用されるたばこの量よりも実質的に小さい。
【0059】
一部の好ましい実施形態において、本発明のカートリッジは、適切なエアロゾル発生装置で使用された時、Philip Morris InternationalのiQOS(商標)エアロゾル発生装置システムで使用するPhilip Morris InternationalのHEETS(登録商標)物品またはHeatstick(登録商標)物品を用いて発生される吸煙回数と類似の吸煙回数をもたらす。一例として、本発明のカートリッジは、たばこが消費される前に、8~12回の吸煙をもたらすことが好ましい。
【0060】
カートリッジのハウジングの中に配置されたエアロゾル形成基体は、任意の適切な量のゲルを含んでもよい。一部の実施形態において、エアロゾル形成基体中のゲルの総重量は、約50ミリグラム~約500ミリグラムである。エアロゾル形成基体中のたばこの総重量は、約100ミリグラム~約400ミリグラムであることが好ましい。エアロゾル形成基体中のたばこの総重量は、約150ミリグラム~約250ミリグラム(約200ミリグラムなど)であることがより好ましい。
【0061】
エアロゾル形成基体の第一の部分および第二の部分がハウジングの中に配置されている実際の様態と、エアロゾル形成基体中のゲルおよびたばこの総量とにかかわらず、第一の部分および第二の部分は、ハウジングの加熱が一つ以上の第二の部分中のゲルを溶融させて、第一の部分中のたばことの混合物を形成させるように、位置付けられていることが好ましい。ゲルの溶融に伴い、エアロゾル形成体は、たばこと混合し、揮発性たばこ成分を含む高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にする場合がある。
【0062】
カートリッジは、エアロゾル発生装置によって受容されてもよい。エアロゾル発生装置は、ハウジングを加熱してゲルを溶融させ、エアロゾルを形成するように構成された発熱体を含んでもよい。
【0063】
カートリッジは、口側端、およびカートリッジの遠位端を加熱するように構成された発熱体を有するエアロゾル発生装置によって受容されてもよい遠位端を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、カートリッジの遠位端に近接して配置されてもよい。エアロゾル発生装置は、カートリッジ中のエアロゾル形成基体を加熱して、揮発性たばこ成分を含むエアロゾルを発生してもよい。
【0064】
エアロゾル形成基体を包含するカートリッジまたはカートリッジの部分は、単回使用カートリッジであってもよく、または複数回使用カートリッジであってもよい。一部の実施形態において、カートリッジの部分は再使用可能であり、また部分は単回使用後に捨てることができる。例えば、カートリッジは、再使用可能であってもよいマウスピースと、エアロゾル形成基体を包含する単回使用部分とを含んでもよい。再使用可能部分と単回使用部分の両方を含む実施形態において、再使用可能部分は、単回使用部分から取り外し可能であってもよい。
【0065】
カートリッジはハウジングを含む。ハウジングは単一の部品または複数の部品を備えてもよい。ハウジングは開放端および閉鎖端を画定してもよい。エアロゾル形成基体は閉鎖端に近接して配置されてもよい。一部の実施形態において、ハウジングの開放端は、マウスピースとして機能してもよい。ハウジングは、開放端と閉鎖端の間に少なくとも一つの開口を画定してもよい。少なくとも一つの開口は、ハウジングの開放端に陰圧が印加された時に、空気が開口を通してハウジングに入るように、少なくとも一つの空気吸込み口を画定する。
【0066】
カートリッジは、ハウジングの中に配置された流れ制御器具を含んでもよい。流れ制御器具は、近位端、遠位端、および遠位端と近位端の間の内部気流通路を備えてもよい。近位端は、遠位端よりもハウジングの開放端に近くてもよい。シールが、流れ制御器具の外部とハウジングの内部との間に形成されてもよい。シールは、ハウジングの開放端とハウジングの開口との間にあることが好ましい。チャネルは、流れ制御器具の外部の一部分とハウジングの内部との間に形成されてもよい。チャネルは、開口と連通してもよく、また空気をエアロゾル形成基体に向かって方向付けてもよい。すなわち、ハウジングの口側端に陰圧が印加される時、空気が開口を通してハウジングの中に引き出され、遠位端にてエアロゾル形成基体に向かってチャネルに沿って、次いで流れ制御器具の内部気流通路を通って遠位端から近位端に流れてもよく、また開放端にてカートリッジから出てユーザーに流れてもよい。
【0067】
流れ制御器具の内部気流通路は、空気とエアロゾル形成基体から発生したエアロゾルとに、開放端を通してハウジングの外に引き出されるための経路を提供してもよい。流れ制御器具の気流通路によって提供された経路は、通路の長さに沿って一定であるか、または変化する気流断面を有してもよい。これは、ハウジングの閉鎖端からハウジングの開放端に流れる、エアロゾル形成基体から発生したエアロゾルの流れを改善する場合がある。すなわち、経路の長軸方向軸に対して垂直な断面積は、経路の長さに沿って変化してもよい。
【0068】
一部の実施形態において、気流通路の気流断面は、遠位端から近位端まで実質的に一定であってもよい。気流通路は、任意の適切な内径を有してもよい。例えば、気流通路の内径は、約1mm~約5mm(約2mmなど)であってもよい。気流通路は典型的に、流れ制御器具の遠位端の周りのハウジング内の気流断面よりも小さい気流断面を有する。そのため、流れ制御器具は、遠位端にて気流通路に入る空気を加速するための収縮された気流断面を提示する。
【0069】
一部の実施形態において、気流通路の気流断面は、遠位端から近位端まで様々に異なってもよい。例えば、気流通路の遠位端での気流断面は、気流通路の近位端での気流断面よりも大きくてもよい。気流通路の気流断面が、近位端にてよりも遠位端にて大きい場合、近位端での気流通路の直径は、約0.5mm~約3mm(約1mmなど)であってもよく、また遠位端での気流通路の直径は、約1mm~約5mm(約2mmなど)であってもよい。
【0070】
流れ制御器具は、任意の適切な長さを有してもよい。例えば、流れ制御器具は、約3mm~約50mm(約4mm~約30mmなど)の長さ(約25mmなど)を有してもよい。
【0071】
流れ制御器具の内部気流通路は、遠位端から近位端への気流通路を通る空気の流れを制御するように適合されている、遠位端と近位端の間に配設された一つ以上の部分を有してもよい。
【0072】
流れ制御器具の気流通路は、遠位端から流れ制御器具の近位端に向かって流れるにつれて空気を加速するように構成されている、近位端と遠位端の間の第一の部分を備えてもよい。気流通路の第一の部分は、空気が気流通路を通って、気流通路の遠位端から近位端に向かって流れるにつれて空気を加速するために、任意の適切な様態で構成されてもよい。例えば、気流通路の第一の部分は、収縮された気流断面を画定するガイドを含んでもよく、このガイドは空気を強制して、遠位端から近位端に向かって実質的に軸方向に加速させる。
【0073】
一部の実施形態において、気流通路の第一の部分の気流断面は、流れ制御器具の遠位端により近い場所から、流れ制御器具の近位端により近い場所に収縮して、空気が遠位端から近位端に向かって流れるにつれて、空気を加速してもよい。言い換えれば、第一の部分の気流断面は、第一の部分の遠位端から第一の部分の近位端に収縮してもよい。気流通路の第一の部分の遠位端(流れ制御器具の遠位端により近い場所)は、第一の部分の近位端(流れ制御器具の近位端により近い場所)よりも大きい内径を有することが好ましい。
【0074】
一部の実施形態において、気流通路の第一の部分の気流断面は、第一の部分の遠位端から第一の部分の近位端まで実質的に一定であってもよい。こうした実施形態において、気流通路の第一の部分の実質的に一定の気流断面は、気流通路の遠位端での気流断面よりも小さくてもよい。
【0075】
本開示の目的のために、「直径」または「幅」は、カートリッジまたはカートリッジの一部分もしくは一部の最大横断寸法である。一例として、「直径」は、円形断面を有する物体の直径、または長方形の横断断面を有する物体の対角線の長さである。
【0076】
本開示の目的のために、第一の場所から第二の場所に「収縮」されている気流断面は、気流断面の直径が第一の場所から第二の場所まで減少することを意味する。
【0077】
気流通路の第一の部分の気流断面が遠位端から近位端に収縮されている場合、気流断面の収縮は典型的に、第一の部分の遠位端から第一の部分の近位端への気流通路の直径の減少を含む。遠位端から近位端までの気流断面の収縮は、連続的であってもよい。例えば、気流通路の直径の減少は、第一の部分の遠位端から近位端までで直線状であってもよい。収縮は、均一であってもよく、または不均一であってもよい。例えば、気流断面の収縮率は、第一の部分の遠位端から近位端までで増加してもよい。気流断面の収縮は段付きであってもよい。言い換えれば、気流断面は、遠位端から近位端までで、個別の増分または段差で収縮してもよい。一部の実施形態において、収縮は、第一の部分の遠位端から近位端までの気流通路の周囲の周りで直線的かつ均一である。
【0078】
気流通路の第一の部分(空気加速部分)は、任意の適切な形状を有してもよい。気流通路の第一の部分(空気加速部分)を画定する流れ制御器具の内表面は、円錐台形状を有してもよい。
【0079】
気流通路の第一の部分の近位端は、任意の適切な内径を有してもよい。例えば、気流通路の第一の部分の近位端の内径は、約0.5mm~約3mm(約1mmなど)であってもよい。
【0080】
気流通路の第一の部分の遠位端は、任意の適切な内径を有してもよい。例えば、気流通路の第一の部分の遠位端の内径は、約1mm~約5mm(約2mmなど)であってもよい。
【0081】
気流通路の第一の部分の近位端の直径と気流通路の第一の部分の遠位端の直径との比は、任意の適切な比とすることができる。例えば、比は、約1:4~約3:4、または約2:5~約3:5であってもよく、または約1:2であってもよい。
【0082】
気流通路の第一の部分は、任意の適切な長さを有してもよい。言い換えれば、気流通路の第一の部分の近位端と遠位端の間の距離は、任意の適切な距離であってもよい。例えば、気流通路の第一の部分の長さは、約3mm~約15mm(約4mm~約7mmなど)、または約5.5mmであってもよい。
【0083】
流れ制御器具の内部気流通路は、第一の部分よりも流れ制御器具の近位端に近い第二の部分を随意に備えてもよい。言い換えれば、第二の部分は第一の部分の下流に配設されてもよい。気流通路の第二の部分は、流れ制御器具の遠位端から近位端に向かって流れる空気を減速するように構成されてもよい。気流通路の第二の部分の気流断面は、流れ制御器具の遠位端により近い場所から、流れ制御器具の近位端により近い場所に拡張して、空気が遠位端から近位端に向かって流れるにつれて空気を減速させてもよい。言い換えれば、気流通路の第二の部分は、遠位端および近位端を備えてもよく、また第二の部分の気流断面は、遠位端から近位端に拡張してもよい。それ故に、近位端により近い場所は、遠位端により近い直径よりも大きい内径を有してもよい。
【0084】
本開示の目的のために、第一の場所から第二の場所に「拡張」されている気流断面は、気流断面の直径が第一の場所から第二の場所まで増大することを意味する。
【0085】
気流通路の第二の部分の遠位端から気流通路の近位端までの気流断面の拡張は、連続的であってもよい。拡張は、均一であってもよく、または不均一であってもよい。例えば、拡張は段付であってもよい。例えば、拡張は直線状であってもよい。例えば、気流断面の拡張率は、第一の部分の遠位端から近位端までで増加してもよい。一部の実施形態において、拡張は、遠位端により近い場所から近位端により近い場所までで連続的かつ均一である。
【0086】
気流通路の第二の部分(空気減速部分)は、任意の適切な形状を有してもよい。気流通路の第二の部分(空気減速部分)を画定する流れ制御器具の内表面は、円錐台形状を有してもよい。
【0087】
気流通路の第二の部分の近位端は、任意の適切な内径を有してもよい。例えば、近位端の内径は、約2mm~約6mm(約3mm~約5.5mmなど、約5mmなど)であってもよい。
【0088】
気流通路の第二の部分の遠位端は、任意の適切な内径を有してもよい。一部の実施形態において、第二の部分の遠位端は、第一の部分の遠位端と同一の直径を有してもよい。例えば、第二の部分の遠位端の内径は、約0.5mm~約3mm(約1mmなど)であってもよい。一部の実施形態において、第二の部分の遠位端は、第一の部分の近位端と異なる直径を有してもよい。例えば、遠位端の内径は、約1mm~約6mm(約2mm~約5mmなど、約4.2mmなど)であってもよい。
【0089】
存在する場合、気流通路の第二の部分は、任意の適切な長さを有してもよい。例えば、気流通路の第二の部分は、約0.2mm~約20mm(約1mm~約10mmなど、約3mm~約7mmなど、約4.5mmなど)の長さを有してもよい。
【0090】
一部の実施形態において、流れ制御器具の内部気流通路は、第一の部分よりも流れ制御器具の遠位端に近い第三の部分を随意に備えてもよい。言い換えれば、第三の部分は、第一の部分の上流に配設されてもよい。
【0091】
第三の部分は、第一の部分および随意に第二の部分に対してその長さに沿って実質的に一定の内径を有するチャンバーを備えてもよい。第三の部分は、空気、蒸気、およびエアロゾルが空気加速部分に到達する前に、空気、蒸気、およびエアロゾルの冷却を可能にするチャンバーを提供してもよい。第三の部分はまた、流れ制御器具の引き出し抵抗(RTD)の追加的な制御も提供してもよい。
【0092】
第三の部分は、約2mm~約6mm(約5mm、または特に約4.8mmもしくは約5.1mmなど)の実質的に一定の内径を有してもよい。第三の部分は、流れ制御器具の遠位端により近い遠位端と、流れ制御器具の近位端により近い近位端とを有してもよい。一部の実施形態において、第三の部分は、遠位端から近位端までわずかにテーパー付きにされてもよい。例えば、第三の部分の遠位端での内径は約5.1mmであってもよく、また第三の部分の近位端にある遠位部分は約4.8mmであってもよい。遠位端から近位端までの内径のわずかなテーパーは、流れ制御器具の製造を容易にする場合がある。
【0093】
気流通路の第三の部分は、任意の適切な長さを有してもよい。例えば、気流通路の第三の部分は、約1mm~約50mmの長さ(約5mm~約30mmまたは約15mmなど)を有してもよい。
【0094】
一部の実施形態において、流れ制御器具の気流通路は第一の部分のみによって画定されている。一部の実施形態において、流れ制御器具の気流通路は、第一の部分と、第一の部分よりも流れ制御器具の近位端に近い(すなわち、第一の部分の下流にある)第二の部分とを備える。一部の実施形態において、流れ制御器具の気流通路は、第一の部分と、第一の部分よりも流れ制御器具の近位端に近い(すなわち、第一の部分の下流にある)第二の部分と、第一の部分よりも流れ制御器具の遠位端に近い(すなわち、第一の部分の上流にある)第三の部分とを備える。
【0095】
カートリッジは、流れ制御器具の外部とハウジングの内部との間にシールを備えてもよい。ハウジングおよび流れ制御器具、またはハウジングの部分が同一の部品から形成されている場合、シールは単一の部品への構成要素の組み込みによって形成されてもよい。ハウジングおよび流れ制御器具が別個の部品から形成されている場合、シールは、例えばハウジング中の流れ制御器具の締まり嵌めによって形成されてもよい。特に、シールは、流れ制御器具の外部の近位部分とハウジングの内部との間の締まり嵌めによって形成されてもよい。ハウジングと流れ制御器具の間のガスケット(Oリングなど)は、シールを形成するために、またはシールを形成するのを支援するために採用されてもよい。シールは、ハウジングの開放端と少なくとも一つの開口との間に位置する。
【0096】
一部の実施形態において、流れ制御器具は、ハウジングに取り外し可能に固定されている。例えば、流れ制御器具は、流れ制御器具が、ハウジングまたは流れ制御器具を損傷することなく、確実にハウジングに挿入され、またハウジングから取り外されてもよいように、締まり嵌め、ねじ係合、またはこれに類するものによってハウジングの中に受容されてもよい。ハウジングの中の流れ制御器具を確実な挿入は、流れ制御器具とハウジングの間のシールを生成する場合がある。
【0097】
カートリッジは、ハウジングの開口と連通する少なくとも一つのチャネルを備える。チャネルは、少なくとも部分的にハウジングによって形成されている。チャネルは、空気を開口からエアロゾル形成基体に向かって方向付ける。一部の実施形態において、チャネルは、流れ制御器具の外部表面とハウジングの内部表面との間に形成されている。
【0098】
カートリッジは、二つ以上のチャネルを備えてもよい。一部の実施形態において、カートリッジは、流れ制御器具の外表面とハウジングの内表面との間に約2~約20個のチャネルを備える。例えば、カートリッジは、約5~約15個のチャネル(約10~12個のチャネルなど)を備えてもよい。
【0099】
各チャネルは、ハウジングを通る少なくとも一つの開口と連通することが好ましい。しかしながら、カートリッジは、開口と直接的に連通しない一つ以上のチャネルを備えてもよい。
【0100】
開口部は、ハウジングの任意の適切な場所に位置付けられてもよい。一部の実施形態において、ハウジングは、二つ以上の開口を備えてもよい。例えば、ハウジングは約2~約20個の開口を備えてもよい。開口の数は、チャネルの数と等しくてもよい。開口の数がチャネルの数と等しい場合、各開口は別個のチャネルに対応してもよい。ハウジングが二つ以上の開口を備える場合、開口は任意の適切な様態で配設されてもよい。開口は、ハウジングの周りに円周方向に配置されていることが好ましい。開口はハウジングの周りに円周方向に配置されてもよく、またハウジングの閉鎖端から同一の距離だけ離隔されてもよい。
【0101】
チャネルは側壁を備えてもよい。側壁はチャネルの長さを延ばすことが好ましい。
【0102】
一部の実施形態において、側壁は、流れ制御器具の外部とハウジングの内部との間に延びる。側壁は、流れ制御器具の外部、またはハウジングの内部、または流れ制御器具の外部とハウジングの内部から延びてもよい。側壁は、流れ制御器具の外部またはハウジングの内部と同一の部品から形成されてもよい。
【0103】
チャネルは、任意の適切な幅を有してもよい。例えば、チャネルはハウジングの内部の周りに完全に延びてもよい。チャネルは、ハウジングの完全な周囲よりも少なく(ハウジングの周囲の約90パーセント未満、ハウジングの周囲の約70パーセント未満、またはハウジングの周囲の約50パーセント未満など)延びてもよい。一部の実施形態において、チャネルはハウジングの周囲の少なくとも約2パーセント(ハウジングの内表面の周囲の少なくとも約5パーセントなど)延びる。
【0104】
チャネルは、ハウジングの閉鎖端から離隔した遠位端を有してもよい。チャネルの遠位端は、流れ制御器具の遠位端にあってもよい。チャネルの遠位端は、ハウジングの閉鎖端から任意の適切な距離にあってもよい。例えば、チャネルの遠位端は、ハウジングの閉鎖端から約2mm~約20mm(ハウジングの閉鎖端から約7mm~約17mm、またはハウジングの閉鎖端から約15mmなど)にあってもよい。
【0105】
チャネルが側壁を有する場合、チャネルは側壁間の距離によって画定された幅を有してもよい。チャネルは、任意の適切な幅を有してもよい。例えば、チャネルの幅は、約0.5~約2mm(約0.75mm~約1.5mmなど、約1.5mmなど)変化してもよい。
【0106】
チャネルは、ハウジングの内表面から流れ制御器具の外表面までで画定された深さを有してもよい。チャネルは、任意の適切な深さを有してもよい。チャネルの深さは、チャネルの長さに沿って一定であってもよい。チャネルの深さは、チャネルの長さに沿って変化してもよい。一部の実施形態において、チャネルの深さは、開口に近接する場所から、ハウジングの閉鎖端に最も近いチャネルの端であるチャネルの遠位端まで増大する。例えば、チャネルを画定する流れ制御器具の外表面は、開口に近接する場所からチャネルの遠位端に内向きにテーパー付きにされてもよい。これは、流れ制御器具およびハウジングのうちの少なくとも一つの製造を容易にする場合がある。
【0107】
チャネルの深さが一貫しているかまたはチャネルの長さに沿って変化するかにかかわらず、チャネルは、約0.3mm~約1.5mm(約0.5mm~約1mm、または約0.75mmなど)の深さを有してもよい。
【0108】
流れ制御器具の遠位端は、ハウジングの閉鎖端から適切な距離に位置付けられてもよく、これによって、ユーザーがカートリッジ吸う時、エアロゾル形成基体から発生したエアロゾルは、開口に入る空気中に同伴されてもよく、チャネルを通って、かつ流れ制御器具の内部通路を通って吸入のためにユーザーに流れる。カートリッジを通って流れる空気の少なくとも5パーセントは、エアロゾル形成基体と接触することが好ましい。カートリッジを通って流れる空気の少なくとも25パーセントは、エアロゾル形成基体と接触することがより好ましい。
【0109】
一部の実施形態において、流れ制御器具の遠位端は、ハウジングの閉鎖端から約2mm~約20mm(約7mm~約17mm、または約15mmなど)の距離で位置付けられている。
【0110】
カートリッジは、任意の適切な全体的な寸法および形状を有してもよい。カートリッジは、Philip Morris InternationalのiQOS(商標)エアロゾル発生装置システムで使用する、Philip Morris InternationalのHEETS(登録商標)、またはHeatstick(登録商標)物品と類似したサイズおよび形状を有してもよい。カートリッジは概して円筒状であることが好ましい。カートリッジは、例えば約5mm~約15mm(約5mm~約10mm、または約7mm~約8mmなど)の外径を有してもよい。カートリッジは、例えば約10mm~約60mm(約50mm~約15mmなど、約20mmまたは約45mmなど)の長さを有してもよい。
【0111】
カートリッジは、任意の適切な引き出し抵抗(RTD)を有してもよく、またチャネルの長さおよび寸法、開口部のサイズ、内部通路の最も収縮された断面の寸法、およびこれに類するものに応じて変化してもよい。数多くの実施形態において、カートリッジのRTDは、約50~約140mmH2O、約60~約120mmH2O、または約90mmH2Oである。カートリッジのRTDは、体積流れが口側端で17.5ミリリットル/秒である安定した条件下の気流が横断した時の、一つ以上の開口とカートリッジの口側端との間の静圧の差を指す。標本のRTDは、ISO規格6565:2002に規定の方法から適切に適合された方法を使用して測定することができる。
【0112】
カートリッジは、任意の適切な一つ以上の材料から形成されてもよい。例えば、流れ制御器具は、プラスチック材料、金属材料、セルロース系材料(セルロースアセテート、紙、厚紙またはこれらの組み合わせなど)から形成されてもよい。例えば、ハウジング、またはハウジングの一部分は、金属材料、プラスチック材料、厚紙、またはこれらの組み合わせから形成されてもよい。ハウジングが厚紙によって形成されている時、開口はレーザーカットによって厚紙に形成されてもよい。ハウジングの閉鎖端が厚紙によって形成されている時、閉鎖端は、厚紙を折り畳むこと、端キャップを厚紙の管に定置すること、厚紙を挟み込み、かつ折り畳むこと、またはこれに類するものによって閉鎖されてもよい。
【0113】
一部の実施形態において、カートリッジはマウスピースを備える。マウスピースは、流れ制御器具、またはその一部分を含んでもよく、またカートリッジのハウジングの少なくとも近位部分を形成してもよい。マウスピースは、締まり嵌め、ねじ係合、またはこれに類するものを通してなど、任意の適切な様態で、ハウジングまたはハウジングの遠位部分と接続してもよい。
【0114】
エアロゾル発生基体は、カートリッジの最終的な組立前に閉鎖端に近接してハウジングの中に定置されてもよい。流れ制御器具、または流れ制御器具を包含してもよいハウジングの近位部分を成す部品は、ハウジングまたは閉鎖端を備えるハウジングの部分に接続されてもよい。
【0115】
完全に組み立てられると、カートリッジは、ユーザーがカートリッジの口側端を吸う時に気流が流れる気流経路を画定する。ユーザーがカートリッジの口側端を吸う時、空気はハウジング中の開口を通してカートリッジに入り、この空気はその後、エアロゾル形成基体の加熱によって発生したエアロゾルを空気が同伴してもよいハウジングの閉鎖端に向かってチャネルを通って流れてもよい。同伴されたエアロゾルを伴う空気はその後、流れ制御器具の内部通路を通って、かつハウジングの開放している口側端を通って流れてもよい。
【0116】
カートリッジは、エアロゾル発生装置によって受容されるように構成されてもよく、これによって装置の発熱体は、カートリッジのハウジング(カートリッジのハウジングの閉鎖端など)を加熱してもよく、またそれ故にハウジングの中に配置されているエアロゾル形成基体を加熱してもよい。
【0117】
カートリッジは、カートリッジを受容するための受容部と、カートリッジがエアロゾル発生装置によって受容されている時、カートリッジの少なくとも一部分(カートリッジの遠位端など)を加熱するように構成され、かつ位置付けられた発熱体とを備える任意の適切なエアロゾル発生装置で使用するための形状にされ、かつサイズにされてもよい。
【0118】
エアロゾル発生装置は、発熱体に動作可能に連結された制御電子機器を備えることが好ましい。制御電子機器は発熱体の加熱を制御するように構成されてもよい。制御電子機器は、装置のハウジングに対して内部であってもよい。
【0119】
制御電子機器は任意の適切な形態で提供されてもよく、また例えばコントローラ、またはメモリーおよびコントローラを含んでもよい。コントローラは、「特定用途向け集積回路(ASIC)」状態機械、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの一つ以上を含んでもよい。制御電子機器は、回路の一つ以上の構成要素に制御電子機器の機能または態様を実行させる命令を包含するメモリーを含んでもよい。本開示における制御電子機器に帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアのうちの一つ以上として具現化されてもよい。
【0120】
電子回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能なマイクロプロセッサであってもよい。電子回路は発熱体への電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力は、電流パルスの形態で発熱体に供給されてもよい。制御電子機器は、発熱体の電気抵抗をモニターするように、かつ発熱体の電気抵抗に応じて発熱体への電力の供給を制御するように構成されてもよい。この様態において、制御電子機器は抵抗素子の温度を調節してもよい。
【0121】
エアロゾル発生装置は、発熱体の温度を制御するために、制御電子機器に動作可能に連結された温度センサー(熱電対など)を備えてもよい。温度センサーは任意の適切な場所に位置付けられてもよい。例えば、温度センサーは、発熱体と接触してもよく、または近接してもよい。センサーは、感知された温度に関する信号を制御電子機器に送信してもよく、制御電子機器はセンサーにて適切な温度を達成するために発熱体の加熱を調整してもよい。
【0122】
エアロゾル発生装置が温度センサーを含むかどうかにかかわらず、装置は、カートリッジの中に配置されているエアロゾル形成基体を、エアロゾルを発生するのに十分な程度まで加熱するように構成されてもよい。
【0123】
制御電子機器は、ハウジングの内部であってもよい電源に動作可能に連結されてもよい。エアロゾル発生装置は任意の適切な電源を備えてもよい。例えば、エアロゾル発生装置の電源は、電池または電池の組であってもよい。電池または電源ユニットは、再充電可能とすることができるだけでなく、取り外し可能かつ交換可能とすることができる。任意の適切な電池が使用されてもよい。
【0124】
エアロゾル発生装置は任意の適切な発熱体を備えてもよい。発熱体は一つ以上の抵抗性ワイヤーまたはその他の抵抗素子などの、抵抗加熱構成要素を備えることが好ましい。抵抗性ワイヤーは熱伝導性材料と接触して、生成された熱をより広い面積にわたって配分してもよい。適切な導電性材料の例としては、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびこれらの組み合わせが挙げられる。本開示の目的のために、抵抗性ワイヤーが熱伝導性材料と接触する場合、抵抗性ワイヤーと熱伝導性材料の両方は発熱体の一部である。
【0125】
発熱体は任意の適切な様態で形成されてもよい。発熱体は、カートリッジの閉鎖端を受容するように、かつ包囲するように構成された空洞を備えてもよい。発熱体は、カートリッジの閉鎖端が装置によって受容されている時に、カートリッジのハウジングの側面に沿って延びるように構成された細長い素子を備えてもよい。一部の実施形態において、装置の発熱体は細長い発熱体であり、またアダプターは、発熱体からカートリッジに熱を伝達するために使用されてもよい。例えば、アダプターは、カートリッジを受容するように、かつ包囲するように構成された空洞を備えてもよい。アダプターは、熱伝導性材料から形成されてもよい。例えば、アダプターは、アルミニウム、シート金属、またはこれに類するものから形成されてもよい。
【0126】
一部の実施形態において、カートリッジは、二つ以上の内部サブカートリッジを備えてもよく、また各サブカートリッジは、流れ制御器具および概して上述の通りのハウジングを備えてもよい。サブカートリッジは、外部ハウジングの中に保持されてもよい。カートリッジは、複数のサブカートリッジの流れ制御装置を外部ハウジングの単一の開放端に接続するためのマニホールドを備えてもよい。
【0127】
一部の実施形態において、すべてのサブカートリッジは、同一のエアロゾル形成基体を含んでもよい。一部の実施形態において、一つのサブカートリッジはエアロゾル形成基体を含み、別のサブカートリッジは風味剤を含む組成物を含む。
【0128】
一部の実施形態において、エアロゾル発生装置は、本明細書に記載の二つ以上のカートリッジを受容するように構成されてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、細長い発熱体が中に延びる受容部を備えてもよい。一つのカートリッジは、発熱体の一方の側の受容部の中に受容されてもよく、また別のカートリッジは、発熱体のもう一方の側の受容部の中に受容されてもよい。
【0129】
ここで本開示に記載の一つ以上の態様を描写する図面を参照する。しかし当然のことながら、図面に描写されていない他の態様も、本開示の範囲および趣旨に収まる。図中で使用されている類似の番号は、類似の構成要素、工程、およびこれに類するものを指す。しかし当然のことながら、所与の図における一つの構成要素を指すための一つの番号の使用は、別の図における同一の番号が付けられた構成要素を制限することを意図しない。加えて、異なる図における構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号付きの構成要素を他の番号付きの構成要素と同一または同様のものとすることはできないと示すことを意図しない。図は例示の目的で提示されていて、制限の目的で提示されていない。図中に提示された概略図は、必ずしも実寸に比例していない。
【図面の簡単な説明】
【0130】
図1A図1Aは、エアロゾル発生装置の概略断面図および、エアロゾル発生装置の中に挿入されてもよいカートリッジの概略側面図である。
図1B図1Bは、図1Aに描写したエアロゾル発生装置の概略断面図、およびエアロゾル発生装置の中に挿入された、図1Aに描写したカートリッジの概略側面図である。
図2A図2Aは、アダプターおよびアダプターが中に挿入されてもよいエアロゾル発生装置の概略断面図である。
図2B図2Bは、図2Bに描写したエアロゾル発生装置の中に挿入された、図2Aに描写したアダプターの概略断面図である。
図2C図2Cは、図2Bに描写したアダプターおよびエアロゾル発生装置の概略断面図、およびアダプターの中に挿入されたカートリッジの概略側面図である。
図3図3は、カートリッジの実施形態の概略断面図である。
図4図4は、カートリッジの実施形態の概略断面図である。
図5図5は、カートリッジの実施形態の概略断面図である。
図6図6は、カートリッジの実施形態の概略断面図である。
図7図7は、発熱体によって加熱されたカートリッジの概略断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0131】
図1A図1Bは、カートリッジ100およびエアロゾル発生装置200の実施例を図示する。カートリッジ100は、口側端101および閉鎖遠位端103を有する。図1Bにおいて、カートリッジ100の遠位端103は、装置200の受容部220の中に受容されている。装置200は、容器100を受容するように構成されている受容部220を画定するハウジング210を含む。装置200はまた、好ましくは締まり嵌めによってカートリッジ100を受容するように構成された空洞235を形成する発熱体230を含む。発熱体230は、電気抵抗加熱構成要素を備えてもよい。加えて、装置200は、電源240と、発熱体230の加熱を制御するために協働する制御電子機器250とを含む。
【0132】
発熱体230は、エアロゾル形成基体を包含するカートリッジ100の遠位端103を加熱してもよい。カートリッジ100の加熱は、エアロゾル形成基体にエアロゾルを形成させ、このエアロゾルはカートリッジ100の口側端101を通して引き出されてもよい。
【0133】
図2A図2Cは、エアロゾル発生装置200、カートリッジ100、およびアダプター300の実施例を図示する。エアロゾル発生装置200は、エアロゾル発生物品を受容するための受容部220を形成するハウジング210を含む。装置200は、容器230の中に延びる細長い発熱体230を含む。発熱体230は、制御電子機器250および電源240に動作可能に連結されていて、これらは協働して発熱体230を加熱する。装置200は、例えばPhilip Morris InternationalのiQOS(登録商標)エアロゾル発生装置、または本開示に記載のカートリッジ以外のエアロゾル発生物品を受容するように構成されてもよいその他の市販のエアロゾル発生装置であってもよい。
【0134】
アダプター300は、装置200を本開示に記載のカートリッジ100とともに使用するのを可能にするために使用されてもよい。描写した実施形態において、アダプター300は、発熱体230からカートリッジ100に熱を伝達するために、熱伝導性材料を含むハウジング310を備える。アダプター300のハウジング310は、カートリッジ100を受容するための空洞320、および装置200の発熱体230を受容するためのスロット330を画定する。アダプター300は、図2Bに描写する通り、発熱体230がスロット330の中に受容されるように、装置200の受容部220の中に挿入されてもよい。発熱体230は、良好な熱的接触をもたらすためにスロット330を画定するハウジング310に接触することが好ましい。
【0135】
カートリッジ100の遠位端は、図2Cに描写する通り、アダプター300の空洞320の中に挿入されてもよい。カートリッジ100が、アダプター300の空洞320の中に受容されていて、かつ装置200の発熱体230が、アダプター300のスロット330の中に受容されている時、装置200の発熱体230は、アダプター300を通してカートリッジ100を加熱してもよい。
【0136】
適切なアダプターを使用して(図2A図2Cに描写されているアダプターの使用の一実施例)、任意の適切なエアロゾル発生装置は、本開示のカートリッジを加熱するために採用されてもよい。
【0137】
図3は、ハウジング110と、流れ制御器具400とを含むカートリッジ100の実施形態を描写する。ハウジング110、および流れ制御器具400は、単一の部品から形成されてもよく、または複数の部品から形成されてもよい。流れ制御器具400は、近位端401と、遠位端403と、遠位端403から近位端401への内部通路430とを有する。流れ制御器具400は、第一の部分410と、第二の部分420とを有する。第一の部分410は、第一の部分410の遠位端413から第一の部分410の近位端411に延びる、通路430の第一の部分を画定する。第二の部分420は、第二の部分420の遠位端423から第二の部分420の近位端421に延びる、通路430の第二の部分を画定する。通路430の第一の部分は、陰圧がカートリッジ100の口側端101に印加された時、通路430のこの部分を通して空気を加速させるように、第一の部分410の遠位端413から近位端411に移動する収縮した断面を有する。言い換えれば、通路の第一の部分の断面は、遠位端413から近位端411までで狭くなる。通路430の第二の部分は、流れ制御器具400の第二の部分420の遠位端423から近位端421までで拡張する断面を有する。通路430の第二の部分において、気流は減速してもよい。
【0138】
ハウジング110は、カートリッジ100の開放した口側端101と、閉鎖した遠位端103とを画定する。エアロゾル形成基体500は、たばこ粉末を含む第一の部分510と、エアロゾル形成体を含む第二の部分520とを含む。第二の部分520は、加熱に伴い溶融して、エアロゾル形成体が第一の部分510中のたばこ粉末と混合することを可能にするゲルを含む。エアロゾル形成基体500は、ハウジング110の閉鎖した遠位端103に近接して配置されている。加熱された時にエアロゾル形成基体500から発生したエアロゾルは、エアロゾル形成基体500の上方でハウジング110の中の上部空間140に入り、通路430を通して搬送されてもよい。
【0139】
開口150は、ハウジング110を通って延びる。少なくとも一つの開口150は、流れ制御器具400の外表面とハウジング110の内表面との間に形成されたチャネル440と連通している。開口150と口側端101の間の場所にて、流れ制御器具400とハウジング110の間にシールが形成されている。
【0140】
ユーザーがカートリッジ100の口側端101を吸う時に、空気が開口150に入り、チャネル440を通って、エアロゾル形成基体500の上方のヘッドスペース140の中に流れ、ここで空気は、エアロゾル形成基体500が加熱される時、エアロゾルを同伴する。空気はその後、気流通路430を通って、かつ口側端を通って流れてもよい。空気が通路430の第一の部分を通って流れる際に、気流は加速する。空気が通路430の第二の部分を通って流れる際、気流は減速する。気流通路430の第二の部分は随意である。描写した実施形態において、ハウジングは、流れ制御器具400の近位端401と、カートリッジ100の口側端101との間に空洞130を画定し、これは口側端101を出る前に気流を減速するように機能する可能性がある。
【0141】
図3において、エアロゾル形成基体500は、たばこ粉末を含む第一の部分510と、エアロゾル形成体を含む第二の部分520との二つの部分を含む。第二の部分520はゲルを含み、第一の部分510と接触している。第一の部分510は、ハウジング110の閉鎖した遠位端103により近い。第一の部分510および第二の部分520は、ハウジング110の長軸方向軸に垂直に積み重ねられている。
【0142】
図4図6は、カートリッジのハウジングの中のエアロゾル形成基体500の追加的な向きを図示する。エアロゾル形成基体500以外のカートリッジの構成要素は、図3図4図6との間で同一であるので、その他の構成要素は、簡潔性の目的で図4図6において標識されていない。
【0143】
図4において、エアロゾル形成基体500は、たばこ粉末を含む第一の部分510と、エアロゾル形成体を含む第二の部分520との二つの部分を含む。第二の部分520はゲルを含み、第一の部分510と接触している。第二の部分510は、ハウジング110の閉鎖した遠位端103により近い。第一の部分510および第二の部分520は、ハウジング110の長軸方向軸に垂直に積み重ねられている。
【0144】
図5において、エアロゾル形成基体500は、たばこ粉末を含む第一の部分510と、エアロゾル形成体を含む第二の部分520との二つの部分を含む。第二の部分520はゲルを含み、第一の部分510と接触している。第二の部分520は、内部開口部525を画定する。言い換えれば、第二の部分520は環状形状であってもよい。第一の部分510は、第二の部分520の内部開口部525の中に配置されている。第一の部分510および第二の部分520は、ハウジング110の長軸方向軸と実質的に平行な向きにされている。
【0145】
図6において、エアロゾル形成基体500は、たばこ粉末を含む第一の部分510と、エアロゾル形成体を含む二つの第二の部分520との三つの部分を含む。第二の部分520はゲルを含み、第一の部分510と接触している。第一の部分510は、二つの第二の部分520の間に配置されている。第一の部分510および第二の部分520は、ハウジング110の長軸方向軸に垂直に積み重ねられている。
【0146】
図7において、カートリッジ100の遠位部分は、ハウジングの閉鎖端103に熱を加えるように構成された発熱体230と接触している。発熱体230からの熱を加えた後、第二の部分のゲルは溶融して、たばこ粉末とともに混合物600を形成する。十分に加熱された時、ゲルからのエアロゾル形成体およびたばこ粉末の成分は、エアロゾル610を生成する。カートリッジ100の口側端101に陰圧が印加された時、空気は開口150に入り、流れ制御器具400の外部とハウジング110の内部との間のチャネル440を通って流れ、ヘッドスペース140の中に流れ、エアロゾル610を同伴し、次いで、ユーザーによる吸入のために流れ制御器具400の中央開口部430を通って流れる。混合物600は、図3図6のいずれか一つに描写される通り、エアロゾル形成基体を加熱することによって生成される混合物であってもよい。
【0147】
本明細書で使用されるすべての科学的用語および技術的用語は、別途指定のない限り、当技術分野で一般的に使用されている意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0148】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0149】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「または」という用語は概して、「および/または」を含む意味で用いられるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0150】
本明細書で使用される「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは、その制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「備える(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0151】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図しない。
【0152】
「上」、「下」、「左」、「右」、「上方」、「下方」および他の方向または向きなど、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭化および簡潔性のために本明細書に記載され、実際の装置またはシステムを限定すること意図しない。本明細書に記載の装置およびシステムは、数多くの方向および向きで使用されてもよい。
【0153】
上記に例示された実施形態は限定するものではない。上述の実施形態と一貫性のある他の実施形態が、当業者に明らかであろう。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】