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2022-512133丸味を付けられた碍子脚部区分を備えた点火プラグ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(54)【発明の名称】丸味を付けられた碍子脚部区分を備えた点火プラグ
(51)【国際特許分類】
   H01T 13/20 20060101AFI20220126BHJP
【FI】
H01T13/20 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532210
(86)(22)【出願日】2019-12-10
(85)【翻訳文提出日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 EP2019084395
(87)【国際公開番号】W WO2020126663
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】102018222460.9
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】カスケ,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ゾブコフ,ゼルゲイ
(72)【発明者】
【氏名】ブランクメイスター,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】トラウブ,フェリックス
【テーマコード(参考)】
5G059
【Fターム(参考)】
5G059AA01
5G059FF06
5G059FF08
(57)【要約】
点火プラグは、ハウジング(2)と、碍子(3)と、中心電極(4)と、前記ハウジングの燃焼室側の端部に配置された接地電極(7)とを有している。碍子は、碍子フランジ(32)と、碍子脚部(34)と、前記ハウジングの段部(22)上に載る移行領域(33)とを有している。通気室(50)が、前記点火プラグの燃焼室側の端部に形成されていて、前記ハウジングの内側の区分(24)と碍子脚部の区分(348)とによって画成されている。碍子脚部の区分は、第1の脚部長さ(L1)およびこの第1の脚部長さに対して曲げられた第2の脚部長さ(L2<L1)を有する(丸味部345)を有しており、この場合、第1の脚部長さは、2つの脚部長さの互いの交点と前記丸味部の第1の終端点(346)との間に延在していて、第2の脚部長さが、前記交点と前記丸味部の第2の終端点(347)との間に延在している。前記丸味部は、予燃室-点火プラグにおいても使用され得る。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点火プラグ(1)であって、
・ハウジング(2)を有しており、前記ハウジング(2)は、前記ハウジング(2)の燃焼室側の端部から燃焼室とは反対側の端部まで延在する縦軸線(8)を有していて、前記ハウジング(2)は前記縦軸線(8)に沿って孔を有しており、それにより前記ハウジング(2)は内側を有していて、この場合、前記ハウジング(2)はその内側に段部(22)を有しており、
・前記ハウジングの前記孔内に部分的に配置された碍子(3)を有しており、前記碍子(3)は、前記碍子(3)の、燃焼室側の端部から燃焼室とは反対側の端部まで延在する縦軸線(8)を有しており、前記碍子(3)は、前記ハウジング(2)によって半径方向で付与された碍子フランジ(32)と、前記碍子(3)の燃焼室側の端部であって前記碍子フランジ(32)よりも小さい直径を有する碍子脚部(34)と、前記碍子フランジ(32)と前記碍子脚部(34)とを互いに接続しかつ前記ハウジング(2)の前記段部(22)上に載る移行領域(33)と、を有しており、
・前記碍子(3)内に配置された中心電極(4)を有しており、
・前記ハウジング(2)の燃焼室側の端部に配置された接地電極(7)を有しており、前記接地電極(7)と前記中心電極(4)とは共同で火花ギャップを形成するように配置されており、
・前記点火プラグの燃焼室側の端部に形成された通気室(50)を有しており、該通気室(50)が、前記ハウジング(2)の区分(24)と前記碍子脚部(34)の区分(348)とによって画成されていて、燃焼室に向かって開放する開口を有している、
形式のものにおいて、
前記通気室(50)を画成する、前記碍子脚部(34)の区分(348)が丸味部(345)を有しており、前記丸味部(345)が横断面で見て、第1の脚部長さL1と、該第1の脚部長さL1に対して曲げられた第2の脚部長さL2とを有しており、前記第1の脚部長さL1が前記第2の脚部長さL2よりも大きく、前記第1の脚部長さL1が、前記第1および第2の脚部長さの互いの交点と前記丸味部(345)の第1の終端点(346)との間に延在していて、前記第2の脚部長さL2が、前記第1および第2の脚部長さの互いの交点と前記丸味部(345)の第2の終端点(347)との間に延在していることを特徴とする、点火プラグ(1)。
【請求項2】
前記第1の脚部長さL1が、前記第2の脚部長さL2の少なくとも1.5倍、好適には少なくとも2倍、特に好適には5倍であることを特徴とする、請求項1記載の点火プラグ(1)。
【請求項3】
前記第1の脚部長さL1が、前記第2の脚部長さL2の最大で10倍、好適には7倍であることを特徴とする、請求項1または2記載の点火プラグ(1)。
【請求項4】
前記第1の脚部長さL1が、前記碍子(3)の前記縦軸線(8)に対して平行に延在していて、前記第2の脚部長さL2が前記碍子(3)の前記縦軸線(8)に対して直角に延在していることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の点火プラグ(1)。
【請求項5】
前記丸味部(345)が、前記2つの脚部長さL1,L2および2つの角度αおよびαによって描かれており、この場合、前記角度αは、前記丸味部の前記第2の終端点(347)における前記丸味部の接線と、前記丸味部の前記第2の終端点(347)を通る、前記碍子の縦軸線に対する第1の平行線との間の角度であって、前記角度αは、前記丸味部の第1の終端点(346)における前記丸味部の接線と、前記丸味部の前記第2の終端点(346)を通る、前記碍子の前記縦軸線(8)に対する第2の平行線との間の角度であって、この場合、前記角度αが、0°より大きいかもしくは0°と同じ値および逆正接(L2/L1)より小さいかもしくはこれと同じ値を有していて、並びに/または前記角度α2が、逆正接(L2/L1)より大きいかもしくはこれと同じ値および90°より小さいかもしくは90°と同じ値を有しており、前記丸味部の前記第2の終端点(347)は、前記丸味部の前記第1の終端点(346)よりも、前記点火プラグ(1)の燃焼室側の端部の近くに配置されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の点火プラグ(1)。
【請求項6】
前記丸味部(345)が、前記碍子脚部(34)における凹状の丸味部であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の点火プラグ(1)。
【請求項7】
前記丸味部(345)が、前記碍子脚部の、前記通気室を画成する区分(342)全体に亘って延在していることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の点火プラグ(1)。
【請求項8】
前記通気室(50)を画成する、前記碍子脚部(34)の前記区分(348)上に、前記燃焼室内の不規則な燃焼時に前記点火プラグ(1)で着火を生ぜしめるために設計された層が少なくとも部分的に施されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の点火プラグ(1)。
【請求項9】
予燃室-点火プラグであって、
・ハウジングを有しており、前記ハウジングは、前記ハウジングの燃焼室側の端部から燃焼室とは反対側の端部まで延在する縦軸線を有していて、前記ハウジングは前記縦軸線に沿って孔を有しており、それによって前記ハウジングは内側を有していて、この場合、前記ハウジングはその内側に段部を有しており、
・前記ハウジングの前記孔内に部分的に配置された碍子を有しており、前記碍子は、前記碍子の、燃焼室側の端部から燃焼室とは反対側の端部まで延在する縦軸線を有しており、前記碍子は、前記ハウジングによって半径方向で付与された碍子フランジと、前記碍子の燃焼室側の端部であって前記碍子フランジよりも小さい直径を有する碍子脚部と、前記碍子フランジと前記碍子脚部とを互いに接続しかつ前記ハウジングの前記段部上に載る移行領域と、を有しており、
・前記碍子内に配置された中心電極を有しており、
・前記ハウジングの燃焼室側の端部に配置された、予燃室を形成するキャップを有しており、
・前記ハウジングまたは前記キャップに配置された接地電極を有しており、前記接地電極と前記中心電極とは共同で火花ギャップを形成するように配置されており、
・前記点火プラグの燃焼室側の端部に形成された通気室を有しており、該通気室が、前記ハウジングの区分と前記碍子脚部の区分とによって画成されていて、前記キャップによって包囲された燃焼室容積に向かって開放する開口を有している、
形式のものにおいて、
前記通気室を画成する、前記碍子脚部の区分が丸味部を有しており、前記丸味部が横断面で見て、第1の脚部長さと、該第1の脚部長さに対して曲げられた第2の脚部長さとを有しており、前記第1の脚部長さが前記第2の脚部長さよりも大きく、前記第1の脚部長さが、前記第1および第2の脚部長さの互いの交点と前記丸味部の第1の終端点との間に延在していて、前記第2の脚部長さが、前記第1および第2の脚部長さの互いの交点と前記丸味部の第2の終端点との間に延在していることを特徴とする、予燃室-点火プラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載した点火プラグおよび請求項10に記載した予燃室-点火プラグに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の自動車業界の内燃機関においては、圧力がますます高くなり、ひいてはシリンダのそれぞれの燃焼室内の温度がますます高くなる傾向にある。このような高負荷された内燃機関によって、より高い出力が得られる。燃焼室内のより高い圧力およびより高い温度によって、例えば点火プラグ等の個別の構成部品に課せられる要求も高くなる。従って、点火プラグは、内燃機関の通常運転時における圧力条件、温度条件および化学的な条件だけではなく、内燃機関の不規則な事象における極端な条件にも支配される。このような不規則な事象の1つは早期着火である。
【0003】
内燃機関の正常な運転中の規則的な着火時に、内燃機関の所定の運転行程において点火プラグによって混合気の着火が開始される。着火によって、例えば自動車のホイールの運転のために、または発電用の発電機の運転のために使用される所望の圧力および温度上昇が生じる。高負荷された内燃機関の燃焼室温度は、低負荷された内燃機関におけるよりも著しく高い。従って、より高い熱負荷が点火プラグに生じ、また例えばグロー点火等のそれほど不規則でない燃焼事象が点火プラグに発生するように、点火プラグを設計する課題が生じる。
【0004】
早期着火の、別の不規則な燃焼事象において、シリンダの任意の運転行程で本来の点火時点前に、混合気が、燃焼室内の、点火プラグとは別の、高すぎる温度を有するいずれかの箇所で点火する。混合気のこのような早期着火の結果、燃焼室内で伝播する火炎表面が発生する。火炎表面は、圧力上昇および相応の温度上昇に伴って発生する。このような温度上昇および圧力上昇は、エンジン内でいわゆるメガノッキングまたは巨大ノックを引き起こす。メガノッキング事象内で、圧力ピークの圧力は規則的な燃焼時における最大圧力の数倍に上昇し、点火プラグおよび燃焼室内のその他の構成部品を負荷する。メガノッキング事象におけるこのような圧力ピークによって、点火プラグの碍子は破砕され、損傷した点火プラグが組み込まれたシリンダの故障を引き起こす。
【0005】
従来技術では、例えば点火プラグ自体を頑丈に構成し、それによってこの点火プラグがメガノッキング時の圧力ピークに耐え得るような、様々な試みがなされている。
【0006】
特許文献1には点火プラグのための1例が開示されており、この場合、点火プラグはハウジングの燃焼室側の端部に環状段部を有しており、それによって通気室の入り口が縮小され、メガノッキング事象による圧力ピークが点火プラグの通気室内に侵入することがなく、それによって碍子が保護されるようになっている。
【0007】
特許文献2に開示された点火プラグでは、碍子座部の幾何学形状が、碍子をハウジング内に気密に組付けるために小さいプリロードで十分であり、従って全体として組付け時により小さい引張負荷が碍子に作用し、碍子がメガノッキング事象の際に改善された曲げ強さを有するように、改良されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許公開第102012012210号明細書
【特許文献2】欧州特許第289064号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、不都合な早期着火の傾向が最小にされるかまたは取り除かれ、追加的に早期着火事象により生ぜしめられるメガノッキングから保護されるような、点火プラグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、本発明による点火プラグによって解決される。点火プラグは、ハウジングと、このハウジング内に部分的に配置された碍子と、中心電極と、接地電極とを有している。ハウジングは、ハウジングの燃焼室側の端部から燃焼室とは反対側の端部まで延在する縦軸線を有していて、ハウジングは縦軸線に沿って孔を有しており、それによってハウジングは内側を有している。ハウジングはその内側に段部を有している。ハウジングの孔内に部分的に配置された碍子は、碍子の、燃焼室側の端部から燃焼室とは反対側の端部まで延在する縦軸線を有している。碍子は、ハウジングによって半径方向で包囲された碍子フランジと、前記碍子の燃焼室側の端部であって碍子フランジよりも小さい直径を有する碍子脚部と、碍子フランジと碍子脚部とを互いに接続しかつハウジングの段部上に載る移行領域とを有している。中心電極は碍子内に配置されている。ハウジングの燃焼室側の端部に接地電極が配置されており、この場合、接地電極と中心電極とは共同で火花ギャップを形成するように配置されている。さらに、点火プラグは、点火プラグの燃焼室側の端部に形成された通気室を有しており、この通気室は、ハウジングの区分と碍子脚部の区分とによって画成されていて、燃焼室に向かって開放する開口を有している。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、通気室を画成する、碍子脚部の区分が丸味部を有しており、この場合、この丸味部は、横断面で見て、第1の脚部長さと、この第1の脚部長さに対して曲げられた第2の脚部長さとを有しており、第1の脚部長さが第2の脚部長さよりも大きく、第1の脚部長さが、第1および第2の脚部長さの互いの交点と丸味部の第1の終端点との間に延在していて、第2の脚部長さが、第1および第2の脚部長さの互いの交点と丸味部の第2の終端点との間に延在している、ようになっている。丸味部から得られる碍子脚部の輪郭によって、ハウジングと碍子脚部との間の通気室が通常の運転条件において良好に掃気されるので、碍子脚部内で良好な熱分布および熱導出が生じる、という利点が得られる。これによって、点火プラグにおける不都合な早期着火は阻止される。
【0012】
出願人の研究によれば、本発明による点火プラグに第2の効果があることが分かった。早期着火並びにそれに起因する危険な圧力および温度条件、概ね110バール(bar)、概ね850ケルビン(K)が存在すると、通気室内で混合気が、碍子脚部の範囲内で別の(第2の)着火が発生する程度に強く加熱される。従って、点火プラグは燃焼された混合気によって取り囲まれていて、この混合気で点火プラグの通気室が満たされている。このような燃焼した混合気は、点火プラグのために、メガノッキング事象の圧力ピークに抗する保護クッションように作用する。圧力ピークは、混合気の燃焼中に、燃焼していない混合気におけるよりも大きい分散および減衰に晒されるので、点火プラグの保護クッション内の圧力ピークはより強く減衰され、圧力ピークは、著しく弱められた形で点火プラグに達するかまたはそれどころか完全に減衰される。従って、点火プラグ、特に碍子は、メガノッキング事象の圧力ピークによって弱い強さで負荷されるだけである。第2の効果が優勢となる圧力条件および温度条件は、点火プラグとエンジンとから成る個別の組み合わせに基づいている。
【0013】
本発明の好適な実施態様は、従属請求項の対象である。
【0014】
本発明の好適な実施態様によれば、第1の脚部長さが、第2の脚部長さの少なくとも1.5倍、好適には少なくとも2倍、特に好適には5倍である。これによって、碍子脚部の区分における丸味部は十分に大きく、ひいては上記技術的な効果が生じ得ることが保証される。
【0015】
1実施態様によれば、追加的にまたは選択的に、第1の脚部長さが、第2の脚部長さの最大で10倍、好適には7倍であるようになっている。
【0016】
好適な形式で、第1の脚部長さが、碍子の縦軸線に対して平行に延在していて、第2の脚部長さが碍子の縦軸線に対して直角に延在している。これによって、特に最大の第1の脚部長さのための上限との組み合わせでも、通気室が、その長さ(縦軸線に対して平行に測定した)に対して十分に大きい幅(燃焼室に向かって開放する、通気室の開口における縦軸線に対して直角な、碍子脚部とハウジング内側との間の間隔)を有しているので、通気室は、一方では正常な運転条件において十分良好に掃気されひいては碍子脚部が熱くなり過ぎることはなく、他方では点火プラグを保護しながら第2の点火を行うこともできる。
【0017】
好適な形式で、丸味部は、2つの脚部長さL1,L2および2つの角度αおよびαによって描かれており、この場合、角度αは、丸味部の第2の終端点における丸味部の接線と、丸味部の第2の終端点を通る、碍子の縦軸線に対する第1の平行線との間の角度であって、角度αは、丸味部の第1の終端点における丸味部の接線と、丸味部の第1の終端点を通る、碍子の縦軸線に対する第2の平行線との間の角度であってよく、この場合、角度αは、0°より大きいかもしくは0°と同じ値および逆正接(L2/L1)より小さいかもしくはこれと同じ値を有していて、並びに/または角度αは、逆正接(L2/L1)より大きいかもしくはこれと同じ値および90°より小さいかもしくは90°と同じ値を有しており、丸味部の第2の終端点は、丸味部の第1の終端点よりも、点火プラグの燃焼室側の端部の近くに配置されている。
【0018】
特に、丸味部は、碍子脚部における凹状の丸味部である。つまり、丸味部は碍子の縦軸線に向かって湾曲している、ということである。これによって、流れは特に良好に乱流を起こすことなしに通気室内で偏位される。このような効果によって、熱いガス(残留ガス)が効果的に通気室から掃気され、それによって碍子脚部内で良好な熱分布および熱導出が生じる。
【0019】
本発明による点火プラグの1実施態様によれば、丸味部が、碍子脚部の、通気室を画成する区分全体に亘って延在しているようになっている。これは特に、小さい熱価およびひいては短い碍子脚部を有する点火プラグ、並びに予燃室-点火プラグにおいて有利である。
【0020】
選択的な実施形態では、碍子脚部は複数の区分を有していてもよく、この場合、1つの区分が複数のセグメントを有していてもよい。碍子脚部は、通気室を画成する区分を有しており、この区分は、本発明による丸味部を有する少なくとも1つのセグメントを有している。通気室を画成する、碍子脚部の区分は、丸味部を有するセグメントの隣に、円柱形および/もしくは円錐形の形状または丸味部を有する単数または複数のセグメントを有していてもよい。様々な形状を有するセグメントは、連続的に互いに入り込んで移行している。碍子脚部の別の区分は、円柱形および/もしくは円錐形の形状または丸味部を有していてもよい。様々な形状を有する区分は、連続的に互いに入り込んで移行している。
【0021】
本発明による丸味部に追加してまたは選択的に、通気室を画成する、碍子脚部の区分上に、および/または通気室を画成するハウジング内側に、燃焼室内の不規則な燃焼時に点火プラグで第2の点火を生ぜしめるために設計された層が、少なくとも部分的に施されている。この層は、例えば触媒層であって、この触媒層は、所定の圧力および/または所定の温度から発熱性の化学反応を実行し、それによって混合気の第2の点火がトリガーされ、それによってやはり点火プラグを包囲する保護クッションが形成される。
【0022】
選択的にまたは追加的に、所定の圧力から電気パルスを放出するように、点火プラグに圧電素子が配置されていてよく、これによってやはり第2の点火がトリガーされ、点火プラグを包囲する保護クッションが形成される。
【0023】
丸味を付けられた区分を有する碍子脚部に対するこれら2つの代替案は、何らかの理由から通気室を画成する碍子脚部の区分が2つの異なる脚部長さを有する丸味部を有していない点火プラグにおいても使用することでき、従って、このような点火プラグにおいても好適な形式で第2の技術的な効果が実現され得る。
【0024】
さらに、燃焼室内の不規則的な燃焼時に保護クッションを生ぜしめる第2の技術的な効果は、碍子脚部の別の幾何学的な形態によっても得ることができる。
【0025】
さらに本発明は、予燃室-点火プラグにも関する。予燃室-点火プラグは、ハウジングを有しており、該ハウジングは、このハウジングの燃焼室側の端部から燃焼室とは反対側の端部まで延在する縦軸線を有している。ハウジングは縦軸線に沿って孔を有しており、それによってハウジングは内側を有している。ハウジングはその内側に段部を有している。ハウジングの孔内に碍子が部分的に配置されており、この場合、碍子は、この碍子の、燃焼室側の端部から燃焼室とは反対側の端部まで延在する縦軸線を有しており、碍子は、ハウジングによって半径方向で付与された碍子フランジと、碍子の燃焼室側の端部であって碍子フランジよりも小さい直径を有する碍子脚部と、碍子フランジと碍子脚部とを互いに接続しかつハウジングの段部上に載る移行領域とを有している。さらに、点火プラグは、碍子内に配置された中心電極と、ハウジングの燃焼室側の端部に配置された、予燃室を形成するキャップと、ハウジングまたはキャップに配置された接地電極とを有しており、この場合、接地電極と中心電極とは共同で火花ギャップを形成するように配置されており、さらに点火プラグは、この点火プラグの燃焼室側の端部に形成された通気室を有しており、この場合、通気室は、ハウジングの内側の区分と碍子脚部の区分とによって画成されていて、キャップによって包囲された燃焼室容積に向かって開放する開口を有している。本発明によれば、通気室を画成する、碍子脚部の区分が丸味部を有しており、この場合、丸味部が横断面で見て、第1の脚部長さと、この第1の脚部長さに対して曲げられた第2の脚部長さとを有しており、第1の脚部長さが第2の脚部長さよりも大きく、第1の脚部長さが、第1および第2の脚部長さの互いの交点と丸味部の第1の終端点との間に延在していて、第2の脚部長さが、第1および第2の脚部長さの互いの交点と丸味部の第2の終端点との間に延在している。
【0026】
これによって、ハウジングと碍子脚部との間の通気室は正常な運転条件において良好に掃気されるので、碍子脚部内で良好な熱分布および熱導出が得られ、それによって点火プラグにおける不都合な早期着火が発生することはなくなる。
【0027】
本発明による予燃室-点火プラグは、本発明による点火プラグの上記実施態様の特徴によってさらに改良することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】公知の点火プラグを示す図である。
図2】本発明による丸味部を碍子脚部に備えた碍子の区分を示す図である。
図3a】1実施例による通気室の概略図である。
図3b】別の実施例による通気室の概略図である。
図4a】碍子脚部における本発明による丸味部の1実施例を示す図である。
図4b】碍子脚部における本発明による丸味部の別の実施例を示す図である。
図4c】碍子脚部における本発明による丸味部の別の実施例を示す図である。
図4d】碍子脚部における本発明による丸味部の別の実施例を示す図である。
図4e】碍子脚部における本発明による丸味部の別の実施例を示す図である。
図4f】碍子脚部における本発明による丸味部の別の実施例を示す図である。
図4g】碍子脚部における本発明による丸味部の別の実施例を示す図である。
図4h】碍子脚部における本発明による丸味部の別の実施例を示す図である。
図4i】碍子脚部における本発明による丸味部の別の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に本発明の実施例を添付の図面を用いて詳しく説明する。
【0030】
図1は、一般的に公知の点火プラグ1の半分断面した区分を示す。この概略図は、点火プラグの様々な構成部品および区分を紹介し、かつ互いに画定するために役立つ。図2乃至図4に示した、本発明による丸味部を備えた碍子脚部のための実施例は、図1に示した点火プラグに用いられる。
【0031】
点火プラグ1はハウジング2を有している。ハウジング2内に碍子3が挿入されている。ハウジング2および碍子3は、それぞれ1つの孔および縦軸線を有しており、この縦軸線は、点火プラグの中心軸線8と一致している。碍子3内に中心電極4が挿入されている。さらに、碍子3内にターミナル5が差し込まれている。中心電極4とターミナル5との間で碍子3内に抵抗素子6が配置されている。抵抗素子6は、中心電極4をターミナル5に導電接続する。ハウジング2の、燃料室に向いた側に、接地電極7が導電接続されている。接地電極7と中心電極4との間で相応の点火火花が生ぜしめられる。点火プラグ1は中心軸線8を中心にして延在している。
【0032】
ハウジング2は軸部9を有している。この軸部9に、多角形10、収縮溝11およびねじ12が形成されている。ねじ12は、点火プラグ1を内燃機関内にねじ込むために用いられる。
【0033】
ターミナル5は、中心軸線8に沿って延在しているターミナル軸部14とフランジ13とを有している。フランジ13で以ってターミナル5は碍子3上に載っている。
【0034】
碍子3は、碍子ヘッド31と、碍子フランジ32と碍子脚部34とを有している。碍子ヘッド31は、碍子3の、燃焼室とは反対側の端部であって、点火プラグ1の燃焼室とは反対側でハウジング2から突き出している。碍子脚部34は、碍子3の、燃焼室に向いた側の端部である。碍子ヘッド31と碍子脚部34との間に碍子フランジ32が配置されている。碍子フランジ32は、半径方向でハウジング2によって包囲されている。碍子フランジ32と碍子脚部34との間に移行領域33が存在しており、この移行領域33で以って碍子3はハウジング2の段部22上に載っている。図1には、碍子フランジ32から移行領域33への移行部33a、および移行領域33から碍子脚部34への移行部33bが示されている。
【0035】
碍子脚部34は、移行領域33から碍子脚部34への移行部であって標準的な形式で丸味部として形成されている脚部谷部33bから、碍子脚部34の、燃焼室側の端部である碍子脚部先端まで延在している。図1に示した点火プラグ1の碍子脚部34は、円錐形の形状を有していて、2つの区分341,348に分けられる。脚部谷部33bに直接的に隣接して碍子脚部34の第1の区分341が配置されている。碍子脚部34の第1の区分341は、ハウジング2の内側に配置された突起部23によって半径方向で取り囲まれている。突起部23は、燃焼室とは反対側で段部22によって仕切られていて、この段部22上に碍子3が載っており、燃焼室に向いた側で区分22bによって仕切られていて、この区分22bでハウジング内径は再び拡大する。突起部23それ自体は、概ね一定の内径を有している。この突起部23と共同で、第1の区分341は狭いギャップ51、いわゆるフランジネックを形成する。この狭いギャップ51は、通気室50よりも著しく小さい幅、ひいては著しく小さい体積を有していて、この出願の枠内で通気室50に属するものではない。通気室50は、ギャップ51の、燃焼室側の端部から、ハウジング2の燃焼室側の端面側まで延在している。さらに、通気室50は、ハウジングの区分24と碍子脚部34の第2の区分348とによって画成されている。
【0036】
選択的に、ハウジング2は、碍子2が載っている段部22だけを有していて、燃焼室に向かう方向で一定のまたは円錐形に拡大する内径を有していてもよい。この場合、狭いギャップ51は存在せず、通気室50は、脚部谷部33bの、燃焼室に向いた側の端部から直接延びている。
【0037】
図1には図示されていない内側シールが、例えばハウジング2の段部22と碍子3の移行領域33との間に配置されていて、それによってハウジング2と碍子3との間の中間室をシールしていてよい。
【0038】
図2は、碍子脚部34の概略図を示す。この図は、碍子脚部34の様々な区分を明確に示すために、並びに脚部長さL1,L2および角度α,αを示すために役立つ。碍子脚部34は、この実施例では2つの区分341,348に分けられてよい。第1の区分341は円柱形の形状を有していて、例えば脚部谷部33bの下側の狭いギャップ51を画成している。第2の区分348は2つのセグメント342,343を有している。第1のセグメント342は本発明による丸味部345を有している。第2のセグメント343は円錐形の形状を有していて、第1の区分341よりも小さい外径を有している。
【0039】
丸味部345は、碍子脚部34の第1の区分341への移行点に第1の終端点346を有している。この図では、移行点は角縁として表されている。丸味部345は、第2のセグメント343への移行点に第2の終端点347を有している。この移行点は、第2の終端点347を通る、碍子3の縦軸線8の平行線に対する角度α1が最小に維持されるか、または最小であるか、または符号が変わることによって得られる。ここに示された例では、α1=0であって0にとどまっている。何故ならば第2のセグメント343は円柱形の形状を有しているからである。脚部長さL1,L2は、碍子3の縦軸線8に対して平行にまたは直角に延在している。この場合、脚部長さは常に、脚部の互いの交点と丸味部345の第1または第2の終端点346,347との間で測定される。
【0040】
例えば、第1の脚部長さL1は、3mmより大きいかまたは3mmと同じであって、20mmより小さいかまたは20mmと同じであってよい。次いで、第2の脚部長さL2は、例えば0.6mmと同じかまたは0.6mmよりも大きく、3mmより小さいかまたは3mmと同じ値を有している。
【0041】
図3には、通気室50を画成するハウジング2の区分24、通気室50を画成する碍子脚部34の区分348、およびひいてはその結果として得られた通気室50も図示されている2つの例が示されている。ハウジング2の内側の突起部23、およびこの突起部23と共同で狭いギャップ51を形成する、碍子脚部34の第1の区分341が略示されている。燃焼室に向かう方向で狭いギャップ51に隣接して通気室50が配置されており、この通気室50は、碍子脚部34の第2の区分348とハウジング区分24とによって画成されている。例として図示されているように、ハウジング2および碍子3における縁部および角縁は、角形、円錐形または丸味を付けて形成されている。
【0042】
図3aおよび図3bでは、碍子脚部34の第2の区分はやはり第2のセグメント343を有しており、この第2のセグメント343は凸状の丸味部を有している。本発明による丸味部345は凹状の形状を有している。本発明による丸味部345の第2の終端点347は、角度α1が最小になるポイントで得られる。図3aでは、α1=0°であり、L1は4.2mm、L2は1.2mmである。図3aの実施例において、L1/L2の比は3.5である。
【0043】
図3bでは、α1は最小であり、この場合、0°に等しくない。例えばL1=2mm、L2=1mmであってよく、従って、L2に対するL1の比は2である。第2のセグメント343において、第2のセグメント343の表面に沿った接線の角度α1は再び増大する。言い換えれば、第1のセグメント342の丸味部345の曲率半径は、第2のセグメント343の丸味部の曲率半径とは異なる符号を有している。曲率半径の符号が切替わるポイントが、本発明による丸味部345の第2の終端点347である。本発明による丸味部345は直線で終わる必要はない。
【0044】
図4は、碍子脚部34の様々な形態のグループを示し、この場合、その他の可能性も除外されない。すべての形態において、碍子脚部34は、脚部谷部33bと本発明による丸味部345を備えた碍子脚部34の区分348との間に構成された第1の区分341を有している。この第1の区分341は、ハウジング2に形成された突起部23と共同で狭いギャップ51を形成するか、または縦軸線に対して平行に測定して、この区分がほとんど無視できる程度に短くてよい。さらに、すべての実施例は、本発明による丸味部345を備えた第1のセグメント342、および部分的に本発明による丸味部なしの第2のセグメント343を有する、碍子脚部34の第2の区分348を示す。すべての実施例において、脚部長さL1,L2、並びに本発明による丸味部345の第1および第2の終端点346,347のおおよその位置が記載されている。
【0045】
図4aでは、第1の区分341が円柱形の形状を有している。本発明による丸味部345はその第1の終端点346でα2=90°、第2の終端点347でα1=0°を有しており、第2の終端点347で丸味部345は直線に移行していて、この直線は第2のセグメント343の円柱形の形状に移行している。
【0046】
図4bは、本発明による丸味部345の第1の終端点346が半径方向でさらに内方にあって、碍子脚部34の第1の区分341への移行部および縁部に直接位置していない点で、図4aとは異なっている。この例では、丸味部345はその第1の終端点346で直線に移行もしている。
【0047】
図4cは、第1の終端点346における接線が90°より小さく45°よりも大きい角度α2を有している点で、図4aとは異なっている。
【0048】
図4dは、第1の区分341が円錐形の形状を有している点で、図4aとは異なっている。
【0049】
図4eは、碍子脚部34の第2の区分348が本発明による丸味部345を備えた第1のセグメント342だけを有している点で、図4aとは異なっている。
【0050】
図4fは、第2の終端点347で角度α1が0°より大きく、45°より小さい点で、図4aとは異なっている。
【0051】
図4gは、第2のセグメント343が円錐形の形状を有している点で、図4aとは異なっている。
【0052】
図4hは、本発明による丸味部345の第1の終端点346で角度α2が90°より小さく45°より大きい点で、図4dとは異なっている。
【0053】
図4iは、第2のセグメント343が円錐形の形状を有している点で、図4fとは異なっている。
【0054】
すべての図示された縁部は、傾斜しているかまたは小さい凸状の丸味部を有していてもよい。
【0055】
本発明による丸味部を備えた碍子脚部のための、ここに図示された実施例は、予燃室-点火プラグにおいて使用されてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 点火プラグ
2 ハウジング
3 碍子
4 中心電極
5 ターミナル
6 抵抗素子
7 接地電極
8 中心軸線、縦軸線
9 軸部
10 多角形
11 収縮溝
12 ねじ
13 フランジ
14 ターミナル軸部
22 段部
22b 区分
23 突起部
24 区分、ハウジング区分
31 碍子ヘッド
32 碍子フランジ
33 移行領域
33a 移行部
33b 移行部、脚部谷部
34 碍子脚部
50 通気室
51 狭いギャップ、フランジネック
341 第1の区分
342 第1のセグメント
343 第2のセグメント
345 丸味部
346 第1の終端点
347 第2の終端点
348 第2の区分
α1、α2 角度
L1,L2 脚部長さ
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図4h
図4i
【手続補正書】
【提出日】2021-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点火プラグ(1)であって、
・ハウジング(2)を有しており、前記ハウジング(2)は、前記ハウジング(2)の燃焼室側の端部から燃焼室とは反対側の端部まで延在する縦軸線(8)を有していて、前記ハウジング(2)は前記縦軸線(8)に沿って孔を有しており、それにより前記ハウジング(2)は内側を有していて、この場合、前記ハウジング(2)はその内側に段部(22)を有しており、
・前記ハウジングの前記孔内に部分的に配置された碍子(3)を有しており、前記碍子(3)は、前記碍子(3)の、燃焼室側の端部から燃焼室とは反対側の端部まで延在する縦軸線(8)を有しており、前記碍子(3)は、前記ハウジング(2)によって半径方向で付与された碍子フランジ(32)と、前記碍子(3)の燃焼室側の端部であって前記碍子フランジ(32)よりも小さい直径を有する碍子脚部(34)と、前記碍子フランジ(32)と前記碍子脚部(34)とを互いに接続しかつ前記ハウジング(2)の前記段部(22)上に載る移行領域(33)と、を有しており、
・前記碍子(3)内に配置された中心電極(4)を有しており、
・前記ハウジング(2)の燃焼室側の端部に配置された接地電極(7)を有しており、前記接地電極(7)と前記中心電極(4)とは共同で火花ギャップを形成するように配置されており、
・前記点火プラグの燃焼室側の端部に形成された通気室(50)を有しており、該通気室(50)が、前記ハウジング(2)の区分(24)と前記碍子脚部(34)の区分(348)とによって画成されていて、燃焼室に向かって開放する開口を有している、
形式のものにおいて、
前記通気室(50)を画成する、前記碍子脚部(34)の区分(348)が丸味部(345)を有しており、前記丸味部(345)が横断面で見て、第1の脚部長さL1と、該第1の脚部長さL1に対して曲げられた第2の脚部長さL2とを有しており、前記第1の脚部長さL1が前記第2の脚部長さL2よりも大きく、前記第1の脚部長さL1が、前記第1および第2の脚部長さの互いの交点と前記丸味部(345)の第1の終端点(346)との間に延在していて、前記第2の脚部長さL2が、前記第1および第2の脚部長さの互いの交点と前記丸味部(345)の第2の終端点(347)との間に延在していることを特徴とする、点火プラグ(1)。
【請求項2】
前記第1の脚部長さL1が、前記第2の脚部長さL2の少なくとも1.5倍であることを特徴とする、請求項1記載の点火プラグ(1)。
【請求項3】
前記第1の脚部長さL1が、前記第2の脚部長さL2の少なくとも2倍であることを特徴とする、請求項1または2記載の点火プラグ(1)。
【請求項4】
前記第1の脚部長さL1が、前記第2の脚部長さL2の少なくとも5倍であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の点火プラグ(1)。
【請求項5】
前記第1の脚部長さL1が、前記第2の脚部長さL2の最大で10倍であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の点火プラグ(1)。
【請求項6】
前記第1の脚部長さL1が、前記第2の脚部長さL2の最大で7倍であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の点火プラグ(1)。
【請求項7】
前記第1の脚部長さL1が、前記碍子(3)の前記縦軸線(8)に対して平行に延在していて、前記第2の脚部長さL2が前記碍子(3)の前記縦軸線(8)に対して直角に延在していることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の点火プラグ(1)。
【請求項8】
前記丸味部(345)が、前記2つの脚部長さL1,L2および2つの角度αおよびαによって描かれており、この場合、前記角度αは、前記丸味部の前記第2の終端点(347)における前記丸味部の接線と、前記丸味部の前記第2の終端点(347)を通る、前記碍子の縦軸線に対する第1の平行線との間の角度であって、前記角度αは、前記丸味部の第1の終端点(346)における前記丸味部の接線と、前記丸味部の前記第2の終端点(346)を通る、前記碍子の前記縦軸線(8)に対する第2の平行線との間の角度であって、この場合、前記角度αが、0°より大きいかもしくは0°と同じ値および逆正接(L2/L1)より小さいかもしくはこれと同じ値を有していて、並びに/または前記角度α2が、逆正接(L2/L1)より大きいかもしくはこれと同じ値および90°より小さいかもしくは90°と同じ値を有しており、前記丸味部の前記第2の終端点(347)は、前記丸味部の前記第1の終端点(346)よりも、前記点火プラグ(1)の燃焼室側の端部の近くに配置されていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の点火プラグ(1)。
【請求項9】
前記丸味部(345)が、前記碍子脚部(34)における凹状の丸味部であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の点火プラグ(1)。
【請求項10】
前記丸味部(345)が、前記碍子脚部の、前記通気室を画成する区分(342)全体に亘って延在していることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の点火プラグ(1)。
【請求項11】
前記通気室(50)を画成する、前記碍子脚部(34)の前記区分(348)上に、前記燃焼室内の不規則な燃焼時に前記点火プラグ(1)で着火を生ぜしめるために設計された層が少なくとも部分的に施されていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の点火プラグ(1)。
【請求項12】
予燃室-点火プラグであって、
・ハウジングを有しており、前記ハウジングは、前記ハウジングの燃焼室側の端部から燃焼室とは反対側の端部まで延在する縦軸線を有していて、前記ハウジングは前記縦軸線に沿って孔を有しており、それによって前記ハウジングは内側を有していて、この場合、前記ハウジングはその内側に段部を有しており、
・前記ハウジングの前記孔内に部分的に配置された碍子を有しており、前記碍子は、前記碍子の、燃焼室側の端部から燃焼室とは反対側の端部まで延在する縦軸線を有しており、前記碍子は、前記ハウジングによって半径方向で付与された碍子フランジと、前記碍子の燃焼室側の端部であって前記碍子フランジよりも小さい直径を有する碍子脚部と、前記碍子フランジと前記碍子脚部とを互いに接続しかつ前記ハウジングの前記段部上に載る移行領域と、を有しており、
・前記碍子内に配置された中心電極を有しており、
・前記ハウジングの燃焼室側の端部に配置された、予燃室を形成するキャップを有しており、
・前記ハウジングまたは前記キャップに配置された接地電極を有しており、前記接地電極と前記中心電極とは共同で火花ギャップを形成するように配置されており、
・前記点火プラグの燃焼室側の端部に形成された通気室を有しており、該通気室が、前記ハウジングの区分と前記碍子脚部の区分とによって画成されていて、前記キャップによって包囲された燃焼室容積に向かって開放する開口を有している、
形式のものにおいて、
前記通気室を画成する、前記碍子脚部の区分が丸味部を有しており、前記丸味部が横断面で見て、第1の脚部長さと、該第1の脚部長さに対して曲げられた第2の脚部長さとを有しており、前記第1の脚部長さが前記第2の脚部長さよりも大きく、前記第1の脚部長さが、前記第1および第2の脚部長さの互いの交点と前記丸味部の第1の終端点との間に延在していて、前記第2の脚部長さが、前記第1および第2の脚部長さの互いの交点と前記丸味部の第2の終端点との間に延在していることを特徴とする、予燃室-点火プラグ。

【国際調査報告】