(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-08
(54)【発明の名称】自動運転車両の運転者情報の出力を制御し、運転者の注意を維持するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20220201BHJP
B60W 40/08 20120101ALI20220201BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20220201BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20220201BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/01 570
B60W40/08
B60W50/14
B60W60/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535561
(86)(22)【出願日】2019-10-01
(85)【翻訳文提出日】2021-08-17
(86)【国際出願番号】 EP2019076581
(87)【国際公開番号】W WO2020126143
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】102018222378.5
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ミラモ,ジハド
【テーマコード(参考)】
3D241
5E555
【Fターム(参考)】
3D241BA60
3D241BA70
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB01Z
3D241DD02Z
3D241DD07Z
5E555AA12
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5E555AA76
5E555BA23
5E555BB23
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5E555DB53
5E555DB57
5E555DD08
5E555EA22
5E555EA23
5E555FA00
(57)【要約】
運転者および/または車両の乗員を楽しませること、および/または運転者の運転者注意力を高めることを目的とした、車両の運転者への運転者情報の出力を制御するための装置および方法である。このために、名所または一般的興味対象物のデータベースが設けられ、地理情報のデータベースが設けられ、車両の所在地を確定する装置が設けられ、この情報が提供される評価装置が設けられている。この評価装置は、車両の現在の所在地および地理情報から、どの名所または一般的興味対象物が運転者の視野内にあるかを特定し、評価装置によって運転者の視野内にあると特定された名所または一般的興味対象物に対する運転者情報を、出力装置を介して出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(2)の運転者への運転者情報(20、21)の出力を制御するための装置、特に、エンターテイメントのため、および/または運転者の運転者注意力を高めるための装置であって、
- 名所または一般的興味対象物(3、4、5)を有するデータベース(13)と、
- 地理情報(6)のデータベース(14)と、
- 前記車両の所在地確定装置(15)と、が設けられており、
- 前記車両の現在の所在地および前記地理情報(6、14)から、どの名所または一般的興味対象物(3、4、5)が前記運転者の視野(7)内にあるかを確定する評価装置(10)が設けられており、
- 出力装置(21、22、23、24)が、前記評価装置(10)によって前記運転者の視野(7)内にあると特定された前記名所または前記一般的興味対象物(3、4、5)のうち1つに対する運転者情報を出力する、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
運転者監視装置(9)が追加して設けられ、前記転者監視装置(9)により、
- 前記運転者の現在の視線方向および/または、
- 前記運転者の表情および/または、
- 前記運転者のジェスチャーおよび/または、
- 前記運転者の指または手または腕の指し示す方向および/または、
- 音声認識装置および/または、
- 前記運転者による操作装置の操作、が検出され、前記運転者の現在の視野(7)が確定されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
- 環境センサ(16)が車両に設けられ、前記環境センサ(16)は特に進行方向に向けられた運転支援カメラであり、および/または
- 車両方向確定装置(15)が設けられ、前記車両方向確定装置(15)により前記運転者の現在の視野(7)が確定されることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記出力装置(21)は、画像(22)および/または映像(22)を出力するための表示装置であり、および/または音楽および/または音声情報が出力されるオーディオシステム(23)であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
車両(2)の運転者への運転者情報(20、21)の出力を制御するための方法、特に、エンターテイメントのため、および/または運転者の運転者注意力を高めるための方法であって、評価装置が設けられており、前記評価装置に入力信号(12)として、
- 名所または一般的興味対象物に関するデータ(13)と、
- 地理情報、特に車両周辺に関するデータ(14)と、
- 前記車両(2)の所在地に関するデータ(15)と、が供給され、
- 前記評価装置(10)は、前記車両(2)の現在の所在地(15)および前記地理情報(14)から、どの名所または一般的興味対象物(3、4、5)が前記運転者の視野(7)内にあるかを確定し、
- 出力装置(21、22、23、24)が、前記評価装置(10)によって前記運転者の視野(7)内にあると特定された前記名所または前記一般的興味対象物(3、4、5)に対する運転者情報を出力する、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記評価装置(10)には、運転者監視装置(9)のデータ(12)が追加して供給可能であり、特に、
- 前記運転者の視線方向検知のデータおよび/または、
- 前記運転者の表情検知のデータおよび/または、
- 前記運転者のジェスチャー検知のデータおよび/または、
- 前記運転者の指または手または腕の指し示し方向検知のデータおよび/または、
- 音声認識装置のデータおよび/または、
- 運転者操作型の操作装置のデータ、
- 運転者頭部位置検知装置のデータ、が前記評価装置(10)に供給され、前記評価装置(10)から前記運転者の現在の視野(7)が確定されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記評価装置(7)は、前記出力装置(21、22、23、24)を用いて、
- 前記運転者が指または手または腕で差し示した、
- 前記運転者が視線を向けた、
- 前記運転者が音声制御によって口頭で情報システムに情報を要求した、
名所または一般的興味対象物(3、4、5)に関する運転者情報を出力することを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記運転者監視装置によって検知された、前記運転者の視線方向または前記運転者の指差し方向を、車両座標系からワールド座標系に変換し、
特定された現在の車両位置を考慮し、かつ
特定された現在の車両方向を考慮して、前記運転者の現在の視野(7)を特定することを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記運転者監視装置が、前記運転者が、
- 疲労の兆候を有していること、
- 退屈の兆候を有していること、
- 運転現象にもはや注意を払わなくなったこと、または
- 単調の兆候を有していること、
を検知すると、最も近い名所または最も近い一般的興味対象物(3、4、5)の情報(20)の出力が自動的に開始されることを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記データベース(13)には、各名所または各公共の興味対象物(3、4、5)について、複数の情報が記憶されており、繰り返しを避ける(36)ために、どの情報が以前の時点で既に再生されているかが格納されることを特徴とする、請求項5から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記運転者によって、名所または一般的興味対象物(3、4、5)に対してどの情報が前記出力装置(21、22、23、24)によって再生されるか、または、名所または一般的興味対象物(3、4、5)に対する情報がどの順序で再生されるかの好み(35)を設定できることを特徴とする、請求項5から10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者および/または車両の乗員を楽しませること、および/または運転者の運転者注意力を高めることを目的とした、車両の運転者への運転者情報の出力を制御するための装置および方法に関する。このために、名所または一般的興味対象物のデータベースが設けられ、地理情報のデータベースが設けられ、車両の所在地を確定する装置が設けられ、この情報が提供される評価装置が設けられている。この評価装置は、車両の現在の所在地および地理情報から、どの名所または一般的興味対象物が運転者の視野内にあるかを特定し、評価装置によって運転者の視野内にあると特定された名所または一般的興味対象物に対する運転者情報を、出力装置を介して出力する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第102013212186号明細書より、車両外にある少なくとも1つの対象物の少なくとも1つの画像をカメラで撮影するための車両内装置であって、少なくとも1つの撮影対象物の位置情報と、カメラの中間位置の風景モデルと、対象物が位置する風景の風景モデルとを含む地形モデルを含んだメモリを有する、カメラの位置を確定するための位置確定装置と、カメラと撮影対象物との間の視線をカメラの位置、撮影対象物の位置情報および風景モデルから確定するための確定方向装置と、カメラと撮影対象物との間の視線の存在が確定方向装置によって確認された場合に、画像または一連の画像を撮影するようにカメラを制御するように構成された制御装置とを備える車両内装置ならびに画像撮影方法が公知であって、この車両内装置ならびに画像撮影方法によると、車両の走行する範囲においていわゆるPOIを通過した場合にそのPOIの画像を自動的に撮影することが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の本質は、運転者の視野内の名所または一般的興味対象物に関する情報を出力することにより、必要に応じて運転者を楽しませ、または必要に応じて運転者の運転者注意力を高める運転者情報の出力を制御するための装置および方法を設けることである。これは、要求信号の出力により行うことができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、これは、独立請求項の特徴によって解決される。有利な改善形態および実施形態は、従属請求項から明らかである。
【0005】
要求信号は、例えば、運転者の視線や運転者のジェスチャーが長時間持続するなどの運転者主導の行動を検出することで出力してもよいし、または要求信号は、例えば、運転者監視システムが運転者の疲労を検知して要求信号を出力するなど、特定の状況でトリガ条件が満たされたと検知する監視システムによって出力してもよい。
【0006】
有利には、運転者監視装置が追加してけられ、運転者監視装置により、運転者の現在の視線方向および/または運転者の顔の表情および/または運転者のジェスチャーおよび/または運転者の指または手または腕の指し示す方向および/または音声認識装置および/または運転者による操作装置の操作が検出され、運転者の現在の視野が確定されることができる。ここで、視野とは、運転者が現在観察している領域である。また、視野は、この場合興味領域として、すなわち、所定の空間範囲を有する興味点周囲の領域として定義できる。これに加え、運転者監視カメラ、例えば車内カメラを使用することが特に有利であり、このカメラは、現在の運転事象に関する運転者の注意を撮影することができ、ジェスチャーまたは表情、および運転者の視線方向を検知して評価装置に提供することができる。
【0007】
さらに、本発明にかかる方法の範囲において有利なのは、評価装置には、運転者監視装置のデータが追加して供給され、特に、運転者の視線方向検知のデータおよび/または運転者の表情検知のデータおよび/または運転者のジェスチャー検知のデータおよび/または運転者の指の指し示す方向検知のデータおよび/または音声認識装置のデータおよび/または運転者操作型の操作装置のデータが評価装置に供給され、評価装置から運転者の現在の視野が確定されることである。
【0008】
さらに有利なのは、環境センサが車両に設けられ、および/または車両方向確定装置が設けられ、車両方向確定装置によって運転者の現在の視野が確定されることである。この車両方向確定装置または車両前方の車両環境を検出するための環境センサによって、運転者の現在の大まかな視線方向が確定され、ここから、地理情報のデータベースと、名所または一般的興味対象物を有するデータベースとに関連付けて、運転者の視野内で現在どの名所または一般的興味対象物が視認されているかを確定できる。特に、車両上の環境センサは、進行方向に向けられた運転支援カメラであってもよく、通常は、車両のフロントガラスの領域に取り付けられ、車両の進行方向の車両環境を検出する。
【0009】
現在の運転者視線方向を知り、現在車両環境で視認されている名所または一般的興味対象物を知ることで、運転者が現在名所を見ているか、あるいは名所または公共の興味対象物を指しているかを判断し、ひいては、この対象物に関連付けられた情報を再生すべきかどうかを判断することができる。さらに、運転者が疲労していることや眠り始めていることを検知した場合に、現在視認可能な公共の興味対象物や現在視認可能な名所に関する情報を再生することができる。これにより、運転者の疲労を軽減し、交通安全性を向上することができる。
【0010】
さらに有利なのは、出力装置が、画像および/または映像を出力するための表示装置であり、および/または音楽および/または音声情報が出力されるオーディオシステムであることである。ここで、名所や公共の興味対象物に関連する情報は、歴史事実、建築物、都市計画、スポーツ、文化、自然や景観の名所についてのビデオやテキスト、画像であってよい。この場合、対象物ごとに異なる種類の複数の情報を記憶することができる。
【0011】
さらに有利なのは、評価装置が、出力装置を用いて、運転者が指で差し示した、運転者が視線を向けた、または運転者が音声制御によって口頭で情報システムに情報を要求した、名所または一般的興味対象物に関する運転者情報を出力することである。この場合、有利なのは、運転者が視線または指差しを極めて短い時間一般的興味対象物または名所に固定することで、これに関連する情報の再生が望まれていることを検知することを実施できることである。さらに、代替的にまたは組み合わせて、スイッチまたは画面入力装置(タッチスクリーン)のような運転者操作型の操作要素によって、情報の出力を手動で要求することが可能である。
【0012】
さらに有利なのは、運転者監視装置によって検知された、運転者の視線方向または運転者の指差し方向を車両座標系からワールド座標系に変換し、特定された現在の車両位置を考慮し、かつ特定された現在の車両方向を考慮して、運転者の現在の視野(7)を特定することである。車内センサシステムは車両に固定されており、車両に固定された座標に対してのみ運転者の視線方向または指差し方向を確定できるため、特定された現在の車両位置と、特定された現在の車両方向とを用いて、この視線方向または指差し方向が車両座標系からワールド座標系に変換される場合に特に有利である。運転者の視線または指差し方向がワールド座標系、すなわち、車両や他の移動体と共に移動しない静止座標系にあれば、指差し方向または視線が、名所または一般的興味対象物の地理座標系と同じ座標系にあるため、どの名所またはどの一般的興味対象物が運転者の視線内に位置しているのかを比較的容易に特定できる。
【0013】
さらに有利なのは、運転者監視装置が、運転者が疲労の兆候を有していること、退屈の兆候を示していること、運転現象にもはや注意を払わなくなったこと、または運転経路が単調であることを検知すると、最も近い名所または最も近い一般的興味対象物の情報の出力を自動的に開始することである。これにより、システム主導で情報、特に運転者が興味のある情報を再生することで、運転者の運転者注意力を高め、ひいては交通安全に寄与することができる。運転者の疲労や運転者の不注意を、例えば運転者および運転者の顔の規則性を撮影した車内カメラを用いて検出することができる。疲労が出現している、または注意が欠陥している運転者は特徴的な操縦動作や操縦パターンを有するため、代替的にまたは組み合わせて、操縦角を評価することもできる。退屈の兆候は、例えば、運転現象から逸脱した視線の頻度および持続時間に基づいて特定することができる。走行経路の単調さの兆候は、ガードレールのような反復パターンの規則性および持続時間を検知することによって、例えば映像に基づく、またはレーダに基づく環境センサを用いて検出することができる。
【0014】
さらに有利なのは、特に、歴史、文化、建築、スポーツ、経済、または景観や自然などの異なる情報分野に関して、各名所または各一般的興味対象物について、複数の情報がデータベースに記憶されていることであり、繰り返しを避け、運転者の好みに応じて情報を再生するために、どの情報が以前の時点で既に再生されているかが格納されることである。これにより、同一経路を複数回走行する場合には、同じ名所や同じ一般的興味対象物を通過するたびに毎回異なる情報を出力でき、したがって、同じ場所を通過するたびに同じ情報が繰り返されることがないため、運転者は同じ場所を複数回通過しても新たな情報、ひいては興味のある情報を得ることができる。さらに有利なのは、運転者によって、名所または一般的興味対象物に対してどの情報が出力装置によって再生されるか、または、名所または一般的興味対象物に対する情報がどの順序で再生されるかの好みを設定できることである。名所または一般的興味対象物に対して、分野ごとに異なる情報が記憶されており、例えば、歴史情報、建築情報、スポーツ情報、自然や風景に関する情報、国や人々に関する情報などの分野が格納されているため、運転者は、自分の好みの情報分野を指定したり、情報分野のリストを興味の順に並べ替えたりすることができるため、情報の再生中に、運転者の興味のある分野の情報のみが再生されたり、複数回通過する場合には、様々な情報が興味の順に再生されたりする。
【0015】
本発明にかかる方法は、例えば、ソフトウェアまたはハードウェアで、またはソフトウェアとハードウェアの混合形態で、例えば制御装置に実装することができる。
また、本明細書に提示されたアプローチは、対応する装置において、本明細書に提示された方法の変形例のステップを実行、制御、または実施するように構成された運転者情報および運転者注意システムを生成する。
【0016】
運転者情報の再生を制御するための制御システムまたは運転者注意力を高めるための制御システムは、信号またはデータを処理するための少なくとも1つの演算装置と、信号またはデータを記憶するための少なくとも1つの記憶ユニットと、通信プロトコルに埋め込まれたデータを読み取り、また出力するための少なくとも1つのインターフェースおよび/または通信インターフェースとを備える電気装置であってよい。演算装置は、例えば、センサ信号を処理し、センサ信号に依存してデータ信号を出力するための信号プロセッサ、いわゆるシステムASICやマイクロコントローラであってよい。記憶ユニットは、例えば、フラッシュメモリ、EPROM、または磁気記憶ユニットであってよい。インターフェースは、センサからのセンサ信号を読み取るためのセンサインターフェース、および/または、データ信号および/または制御信号をアクチュエータに出力するためのアクチュエータインターフェースとして構成することができる。通信インターフェースは、無線および/または有線でデータを読み込んだり、出力したりするように構成することができる。また、インターフェースは、他のソフトウェアモジュールに加えて、例えばマイクロコントローラ上に存在するソフトウェアモジュールであってもよい。
【0017】
半導体メモリ、ハードディスクメモリまたは光メモリなどの機械読み取り可能な媒体または記憶媒体に記憶されることができ、上述のいずれかの実施形態にかかる方法のステップを実行、実施および/または制御するために使用されるプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムが、特にプログラム製品またはプログラムがコンピュータ、プログラム可能な制御装置、または同様の装置で実施される場合に有利である。
【0018】
本発明のいくつかの考えられる特徴および利点は、運転者情報装置の制御方法として、様々な実施形態に関連して本明細書に説明されていることに留意されたい。当業者は、本発明のさらなる実施形態に到達するために、特徴を適宜組み合わせたり、適応させたり、または相互に交換したりできることを認識している。
【0019】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態を説明するための概略的な走行状況である。
【
図2】本発明にかかる装置の一実施形態の概略ブロック図である。
【
図3】本発明にかかる方法の一実施形態を説明するための概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、道路1が描かれた例示的な走行状況を示す。本発明にかかるシステムを有する車両2は、この道路1を走行する。また、道路1はカーブを有し、車両2の運転者は近い領域でのみ道路1を見ることができる。ここで、車両2は、自動運転モード、またはそれも自律運転モードさえ有する車両であるため、運転者は、手動での車両操作に加えて、車両を独立して運転させることができ、自動運転の場合には、監視タスクのみを行うか、または全く運転責任を負う必要がない。車両2には、例えば環境センサが設置されており、このセンサは例示的に、車両のフロントウィンドウの領域にカメラとして設置されている。あるいは、グローバル衛星ナビゲーションシステムのセンサ、例えばGPSセンサを使用してもよく、GPSセンサはジャイロセンサやデジタルマップと共に評価され、車両方向を確定することができる。
【0022】
車両2の運転者は、車両2が道路1を走行する間、一定の地形区間を概観することができる。このために、運転者の視野7の限界を
図1に記入する。なお、車両に設置された環境センサは、例えば車両のフロントガラスの領域にフロントカメラとして設置されていてもよく、この時ほぼ同じ視野7を有する。本発明によれば、運転者の視野7内にどの名所3、4、5があるかが特定される。例示的に、村として示されている名所3は、ここで運転者の視野7内に位置する。
図1に例示的に風景の名所または自然の名所として示されている公共の興味対象物4は、この場合運転者の視野4の外側に位置しており、運転者が首を回すか、または、この名所4が運転者の視野7に入るように、運転者が道路1のさらなるコースで車両2の車両方向を変更した場合にのみ、運転者に視認できるようになる。さらなる名所5は、例示的に城の形態で歴史的または建築的な名所として示されており、例示的に
図1において山として示されている隆起地形6の背後に位置している。名所5の形態であるこの一般的興味対象物も、村として示されている名所3と全く同様に、運転者の視野7内に位置しているであろうが、城5は隆起地形6の後方にあるため、名所5は運転者には視認できない。車両2が隆起地形を部分的に迂回した時に、道路1のさらなるコースにおいてのみ、描かれた城の形態の名所5が視認可能となる。
図1の例示的に示されているこの運転状況においては、車両2の運転者にとっては、村3の形態の一般的興味対象物のみが、瞬間的に運転者の視野7で視認されることが認識される。一般的興味を有する風景対象物の形態の名所4は、視野角が原因で視野7の外側にあるため視野内に位置しておらず、建築上の興味や歴史上の興味を有する、城5の形態の名所5は、隆起地形6によって隠されているため、運転者は視野7で視認できない。本発明によれば、一般的興味対象物のデータベースにおける名所3、4、5の位置を用いて、現在視野7内にある対象物の位置が確定される。同じデータベースから、またはさらなるデータベースから、周囲の地形の地理情報が提供され、これにより高さデータが特定され、これらのデータにより、どの一般的興味対象物3、4、5が車両2の運転者の視線方向に位置するかだけでなく、地形の地理により現在実際に運転者に視認可能かが確定される。村3は、車両2の運転者の視野7内にある唯一の一般的興味対象物であり、運転者にも現在視認可能であるため、この対象物に対する情報が保持される。ここで、対象物3、4、5のそれぞれについて、例えば歴史的背景に関する情報、景観の特性、スポーツ情報、文化情報、またはさらなる情報分野に関する情報など、複数の情報を保持できる。要求信号があって初めて、現在視野7内にある名所3に対するこの情報が出力され、情報出力の際には、どの情報分野を出力するべきか、またはどの分野を優先的に出力するべきかの好みを運転者によって予め設定できる。この要求は、例えば、運転者の視野7内に位置する名所3のうち1つに対し、運転者の視線を長時間持続させることであってもよく、例えば、車内カメラを用いて検知できる。代替的に、または組み合わせて、この要求は、運転者が、視認できる名所3、4のうち1つを長時間指差しているか、またはこれを音声入力を介して口頭で要求することによって検知することもできる。さらに、車両2のステアリングコラムの操縦角監視や車両2の運転者の顔認識などの運転者監視装置が、疲労閾値の超過を確認し、ついで運転者注意力を高めるために、運転者の視野7内の視界3についての情報を自動的に再生することで、要求信号を自動的に生成することが可能である。
【0023】
図2には、本発明にかかる装置の一実施形態の例示的なブロック図が示されており、この装置は例示的に車両2に設置できる。入力回路11を有し、この入力回路を介して入力信号12を評価装置10に提供できる評価装置10が見られる。入力信号12としては、名所または一般的興味対象物3、4、5に関する情報を含むデータベース13のデータが考えられる。ここで、名所に加えて、その地理的位置、特にその地理的経度と緯度、および所期の情報分野に関連する興味のある情報が記憶される。さらに、評価装置10の入力回路11には、地理情報を有するデータベース14の入力信号12が供給される。ここで、地理情報を有するデータベース14は、車両2の周辺領域の地形プロファイルに関するデータを含み、有利には、運転者の目に見える水平線までの広範囲の情報を含む。この地理情報に関するデータベース14は、周辺の建造物に関する情報をさらに含んでもよいため、例えば大都市内では、周辺の高層建造物が同様に地理情報として利用できる。さらなる入力信号12として、評価装置10の入力回路11には、車両2の現在の地理的位置を表す位置確定装置15の情報が供給される。この位置確定装置15の位置データには、例えば、風景中の車両2の向きも含まれていてもよい。代替的に、または組み合わせて、例えば車両2のフロントガラスの領域にあるフロントカメラなどの環境センサであり得る、さらなる車両方向確定装置16を用いて、その環境における車両2の方向情報からこれを特定することがさらに可能である。この環境カメラを用いて、車両2の視野7を確定し、データベースやデータクラウドに格納されている画像データと比較し、これにより、環境中の車両方向を検知することができる。この環境センサ16からのデータは、位置確定装置15の方向情報に代えて、あるいはそれに加えて、入力信号12として入力回路11に供給される。現在の車両位置、現在の車両方向、および一般的興味対象物3、4、5の位置を知ることで、現在の運転者視野7を特定できる。データベース14の地理情報を追加することにより、例えば
図1の名所5について説明したように、運転者の視野7内に位置しているが、地形の地理や建造物のために現在運転者が視認できない一般的興味対象物3、4、5を抽出できる。運転者監視装置9を用いて、運転者が長時間にわたって視線を名所3、4、5に固定しているか、または長時間にわたって指や手で名所3、4、5を差しているか、または注意力低下の兆候を有しているかを検知できる。さらに、回転式プッシュスイッチやタッチセンサ式の表示入力装置(タッチスクリーン入力装置)などの運転者操作型の制御要素を介して、運転者が手動で情報を要求することも可能である。また、運転者監視装置9の要求信号は、同様に入力回路11の入力信号12として評価装置10に供給される。入力信号11が、有利にはバスシステムとして実施できるデータ交換装置17を介して、例えばマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラとして実施できるコンピューティング装置18に供給された後、運転者の視野7内にあり、隆起地形により運転者にも実際に視認できる名所3、4、5がコンピューティング装置18において確定される。さらに、運転者監視装置9により要求信号が検知されると、車両2の運転者が現在視認可能である名所3に関する情報が出力される。ここで、運転者は、例えばスポーツ情報のみなど、どの情報を出力するかについて予め好みを挿入してもよく、または一般的興味対象物3である可視対象物に関して提供される情報分野が再生する順番を確定してもよい。演算装置18で要求信号が検知されると、データ交換装置17を介して評価装置10の出力回路19に出力情報が出力され、出力信号20が出力される。ここで、出力信号20は、少なくとも1つの出力装置20を介して出力される画像、映像、音楽またはテキストの形態の再生情報であってもよい。ここで、例えば光学再生情報を含む出力信号20は、例えば車両のセンターコンソール内の表示装置や前席のヘッドレスト内の表示装置などであり得る映像装置22を用いてテキストや映像として再生できる。出力信号20として出力される音響再生情報は、これらの情報をオーディオシステム23に供給することによって、出力装置21において例えばテキストや音楽として出力することができる。追加的に、または代替的に、出力信号20を、例えばWLANアダプタやブルートゥース(登録商標)アダプタなどのデータ通信用の無線インターフェースとして実施できる無線インターフェース24を有することができる再生装置21に供給して、車両2の乗員がスマートフォンやタブレット装置などの携帯端末でこの情報を見るおよび/または聞くことができるようにすることも可能である。
【0024】
図3に、本発明にかかる方法のフローチャートを例示的に示す。このフローチャートは、例えば車両のイグニッションをオンにしたり、車両に設置されたアシスタンスシステムやインフォテイメントシステムを起動したりすることによって、ステップ27で開始される。
【0025】
続くステップ28では、位置確定装置15を用いて自車両2の地理的位置が確定され、演算装置18に供給される。
【0026】
続くステップ29では、例えば、位置確定装置15が車両方向に関する情報を提供でき、または環境センサ16とそれによって確定された地形マークを介して車両2の方向を特定することにより、車両2の方向が確定される。
【0027】
続くステップ30では、演算装置18において、現在の車両位置および現在の車両方向から、運転者の走行方向および視野方向を確定することにより、運転者の視野7が確定される。そのために、車内センサシステムを用いて運転者を監視し、運転者の視線方向または運転者の指差し方向が特定される。ここで、車内センサシステムが車両に取り付けられているため、この運転者の視線方向または運転者の指差し方向は、車両に固定された座標系にある。車両座標系にあるこれらの座標は、特定された現在の車両位置と、特定された現在の車両方向とを用いて、車両と共に移動せずに静止しているワールド座標系に変換される。これにより、運転者の現在の視野(7)が特定され、これにより、運転者の視線方向に位置する名所3、4、5または一般的興味対象物3、4、5が確定される。
【0028】
続いて、ステップ31では、運転者の視線方向にあり、さらに運転者が視認できる名所または一般的興味対象物3、4、5が特定される。このために、地理情報14を含むデータベースの情報が追加的に演算装置18に供給され、演算装置18では、地形特性を加えることにより、どの名所または一般的興味対象物が、運転者の視線方向に位置するかだけでなく、運転者の視野7内で視認可能であるかが特定される。例えば、
図1では、運転者の視野7内には村3のみが視認でき、運転者の視線方向にあるが現在は見えていない城5は視認できない。これに対し自然名所4は、運転者の視野7にも運転者の視線方向にも入っていない。
【0029】
続くステップ32では、演算装置18は、例えば運転者の疲労を確認したり、運転者が長時間にわたって視線を1つの名所3、4、5で保持したり、例えば指や手や腕を使った指差しジェスチャーで長時間にわたって名所3、4、5を指差したりすることで、運転者監視装置9から要求信号が出力されたかどうかが検査される。運転者監視装置9からの要求がないと判断された場合には、ステップ32はNoに分岐し、自車両の位置を新たに確定してステップ28に進む。ステップ32において、要求があったために情報出力が必要であると判断された場合には、ステップ32はYesに分岐し、次のステップ33において、それに関する情報を再生すべき一般的興味対象物または選択された名所3が確定される。
【0030】
続くステップ34では、ステップ33で選択された名所または一般的興味対象物に関する視聴覚情報を再生することで、運転者情報が出力される。ここで、ステップ34の出力は、任意選択的に、運転者が予め設定できる好みリスト35の情報に供給されてもよい。この好みリストにより、どの順番で情報を再生するべきか、またはどの情報分野を排他的に再生するべきか、あるいは全く再生するべきでないかが設定される。この好みリスト35により、運転者は、例えば、経路1上に位置するサッカースタジアムに関連するスポーツ情報を出力しないことや、同一の名所3や一般的興味対象物3を複数回通過する際に、各種情報分野をどの順番で再生するべきかを設定できる。また、車両が経路を複数回走行して、名所3、4、5に関する運転者情報が複数回要求された場合には、通過順に分野情報を再生することができるため、同じ情報の再生の繰り返しを極力避けることができる。
【0031】
ステップ34で運転者情報の出力がトリガされた場合、続くステップ36では、同じ情報の再生が繰り返されないように、どの情報が既に再生されたかをデータベース13に格納する。続いて、ステップ36の後、自車両の位置を確定することにより再び方法をステップ28で継続し、方法を再び最初から行う。
【国際調査報告】