(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】風力発電装置
(51)【国際特許分類】
F03D 7/04 20060101AFI20220202BHJP
H02K 49/02 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
F03D7/04 A
H02K49/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533255
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(85)【翻訳文提出日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 IB2019061262
(87)【国際公開番号】W WO2020136544
(87)【国際公開日】2020-07-02
(32)【優先日】2018-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519076381
【氏名又は名称】華▲豊▼科技企業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HERO POWER TECHNOLOGY CORPORATION
【住所又は居所原語表記】2F., No.8, Wugong 5th Rd., Xinzhuang Dist., New Taipei City 24890, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】陳泰維
(72)【発明者】
【氏名】葉友順
(72)【発明者】
【氏名】大森 成家
【テーマコード(参考)】
3H178
5H649
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB08
3H178BB35
3H178CC02
3H178DD06X
3H178DD54X
3H178EE05
3H178EE08
3H178EE12
5H649BB02
5H649GG15
5H649HH16
(57)【要約】
風力発電装置は、回転シャフトと、回転シャフトに組み付けられた風力発電機と、加速度抑制機構とを含む。風力発電機は、回転シャフトに固定されたドラッグブレードと、ドラッグブレードの外縁に接続されたインナーハウジングと、インナーハウジングの周りに外装されたアウターハウジングとを含む。加速度抑制機構は、インナーハウジングに回動可能に接続された複数のスイングアームと、アウターハウジングに固定されたメタルリングとを含む。各スイングアームの磁気部は、初期位置から加速度抑制位置までインナーハウジングに相対的に移動可能である。各スイングアームの磁気部が加速度抑制位置にあるとき、磁気部は少なくとも部分的にメタルリングを覆い、よってメタルリングはドラッグブレードの回転加速度を制限する渦電流を生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に平行な軸方向を画定する回転シャフトと;
回転シャフトに組み付けられると共に、
螺旋形状をしており、回転シャフトに固定されたドラッグブレードと、
リング形状をしており、ドラッグブレードの外縁に接続されたインナーハウジングと、
インナーハウジングの外面に組み付けられ、互いに離間した第1の磁気吸引モジュールおよび第2の磁気吸引モジュールであり、第1の磁気吸引モジュールおよび第2の磁気吸引モジュールは互いに向き合い、その間に磁力を有するところの第1の磁気吸引モジュールおよび第2の磁気吸引モジュールと、
を有するロータアセンブリと、
インナーハウジングの周りに外装されたアウターハウジングと、
アウターハウジングの内面に固定された誘導モジュールであり、ドラッグブレードが風力によって駆動されたとき、ロータアセンブリは、回転シャフトを回転軸としてステータアセンブリに対して回転され、第1の磁気吸引モジュールと第2の磁気吸引モジュールとの間の領域は、誘導モジュールを通すので、誘導モジュールに誘導電流を発生させるところの誘導モジュールと、
を有するステータアセンブリと、
を備える風力発電機と;
インナーハウジングとアウターハウジングとの間に配置されると共に、
各々が少なくとも1つのスイングアームを有するN個のスイング構造であり、Nは1以上の正の整数で、スイング構造の各々の少なくとも1つのスイングアームは回動軸部と磁気部とを備え、スイング構造の各々の少なくとも1つのスイングアームにおいて、回動軸部はインナーハウジングに回動可能に接続され、磁気部は、回転するロータアセンブリによって生成される遠心力によって初期位置から加速度抑制位置までインナーハウジングに対して移動可能であるところのスイング構造と、
アウターハウジングに固定されたメタルリングであり、スイング構造の各々の少なくとも1つのスイングアームの磁気部が加速度抑制位置にあるとき、磁気部は軸方向に沿って少なくとも部分的にメタルリングを覆い、よってメタルリングはロータアセンブリの回転加速度を制限する渦電流を生成するところのメタルリングと、
を備える加速度抑制機構と;
を備えてなる風力発電装置。
【請求項2】
隣り合う2つのスイング構造にそれぞれ属する2つの回動軸部は、回転シャフトを基準として角度を有し、該角度は360/N度である、請求項1の風力発電装置。
【請求項3】
スイング構造の各々の少なくとも1つのスイングアームは、磁気部および回動軸部の2つの対向する外側にそれぞれ配された第1の端部と第2の端部とを有し、加速度抑制機構は複数の弾性部材を有し、2つのスイング構造にそれぞれ属し、隣接する第1の端部および第2の端部は、弾性部材のひとつに接続される、請求項1の風力発電装置。
【請求項4】
加速度抑制機構は複数の弾性部材を有し、弾性部材の各々の一端はインナーハウジングに接続され、弾性部材の各々の他端は磁気部に隣接して設けられたスイング構造の1つの部分に接続される、請求項1の風力発電装置。
【請求項5】
加速度抑制機構はスイング構造にそれぞれ組み付けられた複数のトーションスプリングを有し、トーションスプリングの各々は、弾性部と、第1の位置決め部と、第2の位置決め部とを有し、第1の位置決め部と第2の位置決め部はそれぞれ、弾性部の両端から延在し、スイング構造の各々と対応するトーションスプリングにおいては、弾性部は回動軸部に設けられ、第1の位置決め部は少なくとも1つのスイングアームに固定され、第2の位置決め部はインナーハウジングに組み付けられる、請求項1の風力発電装置。
【請求項6】
スイング構造の各々の少なくとも1つのスイングアームの数は2であり、スイング構造の各々は、その2つのスイングアームに接続された接続ロッドを有し、よってスイング構造の各々の2つのスイングアームは、接続ロッドを介してインナーハウジングに対して同時に移動可能である、請求項1の風力発電装置。
【請求項7】
加速度抑制機構は、インナーハウジングに固定された複数のインナーマグネットを有し、スイング構造の各々は、インナーマグネットの少なくとも1つと位置が対応しており、スイング構造の各々の磁気部が初期位置にあるとき、2つのスイングアームは、接続ロッドに関して鏡面対称であり、少なくとも1つの対応するインナーマグネットは間に位置し、2つのスイングアームの磁気部と磁力で引き付けられる、請求項6の風力発電装置。
【請求項8】
加速度抑制機構は、インナーハウジングに固定された複数のアウターマグネットを有し、スイング構造の各々は、アウターマグネットの少なくとも2つと位置が対応しており、スイング構造の各々の磁気部が初期位置にあるとき、2つのスイングアームは、接続ロッドに関して鏡面対称であり、少なくとも2つの対応するアウターマグネットは2つのスイングアームの磁気部の2つの対向する外側に位置して、2つのスイングアームの磁気部に磁力で引き付けられる、請求項6の風力発電装置。
【請求項9】
アウターハウジングは、互いに組み付けられた2つのサブケースを有し、メタルリングは2つのサブケースにそれぞれ固定された2つのサブリングを有し、2つのサブリングの一方の両端は2つのサブリングの他方の両端にそれぞれ接続している、請求項1の風力発電装置。
【請求項10】
長手方向に平行な軸方向を画定する回転シャフトと;
回転シャフトに組み付けられると共に、
螺旋形状をしており、回転シャフトに固定されたドラッグブレードと、
リング形状をしており、ドラッグブレードの外縁に接続されたインナーハウジングと、
インナーハウジングの外面に組み付けられ、互いに離間した第1の磁気吸引モジュールおよび第2の磁気吸引モジュールであり、第1の磁気吸引モジュールおよび第2の磁気吸引モジュールは互いに向き合い、その間に磁力を有するところの第1の磁気吸引モジュールおよび第2の磁気吸引モジュールと、
を有するロータアセンブリと、
インナーハウジングの周りに外装されたアウターハウジングと、
アウターハウジングの内面に固定された誘導モジュールであり、ドラッグブレードが風力によって駆動されたとき、ロータアセンブリは、回転シャフトを回転軸としてステータアセンブリに対して回転され、第1の磁気吸引モジュールと第2の磁気吸引モジュールとの間の領域は、誘導モジュールを通すので、誘導モジュールに誘導電流を発生させるところの誘導モジュールと、
を有するステータアセンブリと、
を備える風力発電機と;
インナーハウジングとアウターハウジングとの間に配置されると共に、
各々が少なくとも1つのスイングアームを有するN個のスイング構造であり、Nは1以上の正の整数で、スイング構造の各々の少なくとも1つのスイングアームは回動軸部と金属部とを備え、スイング構造の各々の少なくとも1つのスイングアームにおいて、回動軸部はインナーハウジングに回動可能に接続され、金属部は、回転するロータアセンブリによって生成される遠心力によって初期位置から加速度抑制位置までインナーハウジングに対して移動可能であるところのスイング構造と、
アウターハウジングに固定された磁気リングであり、スイング構造の各々の少なくとも1つのスイングアームの金属部が加速度抑制位置にあるとき、金属部は軸方向に沿って少なくとも部分的に磁気リングを覆い、よって金属部はロータアセンブリの回転加速度を制限する渦電流を生成するところの磁気リングと、
を備える加速度抑制機構と;
を備えてなる風力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年12月24日出願の台湾特許出願第107146804号による優先権の利益を主張する。その出願の全内容が参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
特許、特許出願および様々な刊行物を含むいくつかの参考文献が、この開示の説明文に引用され論じられるであろう。そのような参考文献の引用および/または議論は、本開示の説明を明確にするために用いられるにすぎず、そのような参考文献が本書で説明された開示の「従来技術」であることを承認するものではない。本明細書で引用され論じられる全ての参考文献は、全体として参照により、また各参考文献が参照により個々に組み込まれるのと同程度に、本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、発電装置に関し、特に風力発電装置に関する。
【背景技術】
【0004】
従来の風力発電装置(例えば、水平軸風力タービン)は、風力によって駆動される複数の揚力型ブレードを用いており、風力は発電のための動力源として用いられる。従来の風力発電装置が高速の風で作動される場合、高速の風は、ブレードの回転速度を急上昇させる高回転加速を生じるように従来の風力発電装置を駆動し、その結果その内部部品にダメージを与えてしまう。したがって、従来の風力発電装置は、回転速度を抑える電子制動機構を用いる。しかしながら、電子制動機構は、単に突然の高速の風で作動するように従来の風力発電装置に適用されるが、連続する高速の風で作動するようには従来の風力発電装置に適用できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した技術的不備に対応して、本開示は、従来の風力発電装置に関連する問題を効果的に改善する風力発電装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一形態において、本開示は、回転シャフトと、風力発電機と、加速度抑制機構とを含む風力発電装置を提供する。回転シャフトは、長手方向に平行な軸方向を画定する。風力発電機は、回転シャフトに組み付けられ、ロータアセンブリおよびステータアセンブリを含む。ロータアセンブリは、ドラッグブレードと、インナーハウジングと、第1の磁気吸引モジュールおよび第2の磁気吸引モジュールとを含む。ドラッグブレードは、螺旋形状をしており、回転シャフトに固定される。インナーハウジングは、リング形状をしており、ドラッグブレードの外縁に接続される。第1の磁気吸引モジュールおよび第2の磁気吸引モジュールは、インナーハウジングの外面に組み付けられ、互いに離間される。第1の磁気吸引モジュールおよび第2の磁気吸引モジュールは、互いに向き合い、その間に磁力を有する。ステータアセンブリは、アウターハウジングおよび誘導モジュールを含む。アウターハウジングは、インナーハウジングの周りに外装される。誘導モジュールは、アウターハウジングの内面に固定される。ドラッグブレードが風力によって駆動されたとき、ロータアセンブリは、回転シャフトを回転軸としてステータアセンブリに対して回転され、第1の磁気吸引モジュールと第2の磁気吸引モジュールとの間の領域は、誘導モジュールを貫通するので、誘導モジュールに誘導電流を発生させる。加速度抑制機構は、インナーハウジングとアウターハウジングとの間に配置され、N個のスイング構造およびメタルリングを含む。スイング構造の各々は、少なくとも1つのスイングアームを有し、Nは1以上の正の整数である。スイング構造の各々の少なくとも1つのスイングアームは、回動軸部と磁気部とを含む。スイング構造の各々の少なくとも1つのスイングアームにおいて、回動軸部はインナーハウジングに回動可能に接続され、磁気部は、回転するロータアセンブリによって生成される遠心力によって初期位置から加速度抑制位置までインナーハウジングに対して移動可能である。メタルリングは、アウターハウジングに固定される。スイング構造の各々の少なくとも1つのスイングアームの磁気部が加速度抑制位置にあるとき、磁気部は軸方向に沿って少なくとも部分的にメタルリングを覆い、よってメタルリングはロータアセンブリの回転加速度を制限する渦電流を生成する。
【0007】
一態様において、本開示は、回転シャフトと、風力発電機と、加速度抑制機構とを含む風力発電装置を提供する。回転シャフトは、長手方向に平行な軸方向を画定する。風力発電機は、回転シャフトに組み付けられ、ロータアセンブリおよびステータアセンブリを含む。ロータアセンブリは、ドラッグブレードと、インナーハウジングと、第1の磁気吸引モジュールおよび第2の磁気吸引モジュールとを含む。ドラッグブレードは、螺旋形状をしており、回転シャフトに固定される。インナーハウジングは、リング形状をしており、ドラッグブレードの外縁に接続される。第1の磁気吸引モジュールおよび第2の磁気吸引モジュールは、インナーハウジングの外面に組み付けられ、互いに離間される。第1の磁気吸引モジュールおよび第2の磁気吸引モジュールは、互いに向き合い、その間に磁力を有する。ステータアセンブリは、アウターハウジングおよび誘導モジュールを含む。アウターハウジングは、インナーハウジングの周りに外装される。誘導モジュールは、アウターハウジングの内面に固定される。ドラッグブレードが風力によって駆動されたとき、ロータアセンブリは、回転シャフトを回転軸としてステータアセンブリに対して回転され、第1の磁気吸引モジュールと第2の磁気吸引モジュールとの間の領域は、誘導モジュールを貫通するので、誘導モジュールに誘導電流を発生させる。加速度抑制機構は、インナーハウジングとアウターハウジングとの間に配置され、N個のスイング構造およびメタルリングを含む。スイング構造の各々は、少なくとも1つのスイングアームを有し、Nは1以上の正の整数である。スイング構造の各々の少なくとも1つのスイングアームは回動軸部と金属部とを含む。スイング構造の各々の少なくとも1つのスイングアームにおいて、回動軸部はインナーハウジングに回動可能に接続され、金属部は、回転するロータアセンブリによって生成される遠心力によって初期位置から加速度抑制位置までインナーハウジングに対して移動可能である。磁気リングは、アウターハウジングに固定される。スイング構造の各々の少なくとも1つのスイングアームの金属部が加速度抑制位置にあるとき、金属部は軸方向に沿って少なくとも部分的に磁気リングを覆い、よって金属部はロータアセンブリの回転加速度を制限する渦電流を生成する。
【0008】
したがって、本開示の風力発電装置は、それに組み付けられた加速度抑制機構を用いて、ロータアセンブリの回転加速度を減少させるための渦電流をメタルリングに生成し、よって風力発電装置は、連続する高速の風で作動されることが可能である。
【0009】
本開示のこれらのおよび他の特徴は、以下の図面およびその見出しと併せて説明された実施形態の以下の詳細な説明により明らかになるであろうが、本開示の新規の概念の趣旨および範囲から逸脱することなく変更や改良がおこない得る。
【0010】
本開示は、以下の詳細な説明およびそれに付随する図面からさらに十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の第1実施形態による風力発電装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の第1実施形態による風力発電装置の別角度からの斜視図である。
【
図5】
図5は、揚力型ブレードを除いた状態の
図1の平面図である。
【
図6】
図6は、本開示の第1実施形態による風力発電機および加速度抑制機構の分解図である。
【
図7】
図7は、本開示の第1実施形態による風力発電機および加速度抑制機構の別角度からの分解図である。
【
図8】
図8は、本開示の第1実施形態による風力発電装置の部分断面図である。
【
図13】
図13は、本開示の第1実施形態による、ロータアセンブリが回転している状態の風力発電装置を示す断面図である。
【
図14】
図14は、本開示の第2実施形態による、揚力型ブレードを除いた状態の風力発電装置の部分断面図である。
【
図15】
図15は、本開示の第3実施形態による風力発電装置の拡大図である。
【
図16】
図16は、本開示の第4実施形態による風力発電装置の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
当業者であれば多くの改良及び変更が明らかであろうことから、単に例示としてのものである以下の実施例において本開示がより詳細に記述されている。図面における同様の参照符号は図面全体にわたって同様の構成要素を示す。本明細書及び特許請求の範囲全体にわたって使用されているように、特に文脈において明確に指示されない限り、「a」、「an」及び「the」の意味には複数の指示対象も含まれており、「in」の意味には「in」や「on」も含まれている。題名や副題は、読者の利便性のために用いられたものであり、本開示の範囲に影響をもたらすものではない。
【0013】
本書で使用される用語は一般に、当該技術分野における通常の意味を有する。対立がある場合は、ここで述べられたあらゆる定義を含め、本文書が優先することになる。同じことが2つ以上の方法で表現されることがある。本書で論じられる用語(複数含む)に、代替的な用語及び同義語を使用してもよく、また、用語が本明細書において詳細に説明されたり、論じられるか否かは特に重要視されない。1つ又は複数の同義語の詳説は、他の同義語の使用を排除するものではない。あらゆる用語の用例を含む本明細書全体における用例の使用は一例にすぎず、本開示又は例を挙げた全ての用語の範囲及び意味を限定するものではない。同様に、本開示は本書で述べられた様々な実施形態に限定されるものでもない。「第1」、「第2」又は「第3」などの順位を示す用語は、様々な構成要素、信号などを説明する際に使用可能だが、1つの構成要素/信号と他のものとを区別するために使用することができ、構成要素、信号などにいかなる実質的な制限を与える意図はなく、そのように解釈されるものでもない。
【0014】
[第1実施形態]
図1ないし
図13を参照すると、本開示の第1実施形態は、風力発電装置1000を提供する。風力発電装置1000は、水平軸タイプの風力発電装置設備になり得るが、本開示はそれに限定されない。さらに、本実施形態における風力発電装置1000の構造設計は、水力発電装置のそれとは異なるので、水力発電装置が本実施形態の構造設計にモチベーションを与え得ることはない。
【0015】
図1ないし
図4に示されたように、風力発電装置1000は、回転シャフト200と、回転シャフト200に固定された揚力ブレードセット300と、回転シャフト200に組み付けられた風力発電機100と、風力発電機100に接続された支持スタンド400と、風力発電機100と連携する加速度抑制機構500とを含む。風力発電装置1000の各構成要素(揚力ブレードセット300や支持スタンド400など)は、設計要件によっては少しの変更や省略が可能である。以下の説明では、風力発電装置1000の構成や各構成要素の接続関係を記述する。
【0016】
図1ないし
図4に示されたように、回転シャフト200は、円筒形をしており、揚力ブレードセット300および風力発電機100に複数のベアリング(符号なし)および固定部材(ネジなど)によって固定され(または組み付けられ)、よって揚力ブレードセット300および風力発電機100は回転シャフト200によって同時に運転される。回転シャフト200は、以下の記述における説明を容易にするため、長手方向に平行に軸方向Cを画定する。
【0017】
本実施形態の揚力ブレードセット300は、複数の揚力ブレード(符号なし)を含む。各揚力ブレードの端部は回転シャフト200にほぼ垂直に接続され、揚力ブレードは好ましくは同じ角度で(すなわち、隣接する2つの揚力ブレードが同じ角度を有するように)配置されるが、本開示はこれに限定されない。
【0018】
図5ないし
図7に示されたように、風力発電機100は、ロータアセンブリ1と、ロータアセンブリ1に連携するステータアセンブリ2とを含む。ステータアセンブリ2の外形は実質的にリング形状であり、ロータアセンブリ1はステータアセンブリ2の内側に配されている。本実施形態のロータアセンブリ1は、ドラッグブレード11と、インナーハウジング12と、第1の磁気吸引モジュール14と、第2の磁気吸引モジュール15とを含む。
【0019】
図3に示されたように、本実施形態のドラッグブレード11は、螺旋形状をしており、少なくとも2つのベアリング(符号なし)を介して回転シャフト200に固定され、よってドラッグブレード11と揚力ブレードセット300とは回転シャフト200によって同時に運転され、揚力ブレードセット300の回転によりスイープエリアA300を形成する。本実施形態においてドラッグブレード11の外縁と回転シャフト200との最大距離D11は、スイープエリアA300の半径A301の70.7%以下である。たとえば、最大距離D11は半径A301の12.5~70.7%が可能であり、半径A301の25~57.7%が好ましい。
【0020】
したがって、風力発電装置1000のドラッグブレード11と揚力ブレードセット300は上記の位置関係に従って配置され、両方とも回転シャフト200に固定され、よって風力発電装置1000が弱い風(たとえば、7m/s未満の風速)の環境にある場合、ドラッグブレード11は、風力発電装置1000の発電効果を上げるために、ブレードセット300から生成されるトルクに追加するトルクを提供するよう使用される。
【0021】
より詳しくは、
図1および
図2に示されたように、本実施形態における揚力ブレードセット300の対向する2つの側(たとえば、
図1に示された揚力ブレードセット300の左側と右側)は、それぞれ風上側W1と風下側W2として画定される。風力発電機100は好ましくは風上側W1に設けられ、よってドラッグブレード11は揚力ブレードセット300のよりも先に風力をうける(風力によって駆動される)が、本開示はこれに限定されない。
【0022】
図6および
図7に示されたように、インナーハウジング12は、リング形状をしており、ドラッグブレード11の外縁に接続されている。本実施形態では、ドラッグブレード11はインナーハウジング12内に配され、インナーハウジング12に一体に接続されているが、本開示はこれに限定されない。たとえば、本開示の他の実施形態では、ドラッグブレード11はインナーハウジング12にはんだ付けや超音波溶接や他の方法を用いて固定することができたり、ドラッグブレード11はインナーハウジング12からわずかに突出することも可能である。
【0023】
さらに、インナーハウジング12は実質的に円錐台形状をしており、インナーハウジング12の重心軸は回転シャフト200を貫通している。揚力ブレードセット300に隣接するインナーハウジング12の端部(たとえば、
図7に示されたインナーハウジング12の右側円形端部)によって囲まれた第1の部分は、インナーハウジング12の他方の端部(たとえば、
図6に示されたインナーハウジング12の左側円形端部)によって囲まれた第2の部分よりも大きい。インナーハウジング12の内面は、弧状をしており(
図8に図示)、ドラッグブレード11に接続される。インナーハウジング12は、その外面に形成された、第1の保持スロット121と第2の保持スロット122とを有する。第1の保持スロット121と第2の保持スロット122の各々は、リング形状をしており、回転シャフト200から離れる方向にスロット開口面を有する。
【0024】
図6ないし
図9に示されるように、第1の磁気吸引モジュール14および第2の磁気吸引モジュール15は、インナーハウジング12の外面(たとえば、第1の保持スロット121)に組み付けられ、互いに離間しており、また第1の磁気吸引モジュール14および第2の磁気吸引モジュール15は互いに向き合い、その間に磁力を有する。ロータアセンブリ1は、第1の磁気吸引モジュール14と第2の磁気吸引モジュール15との間に環状溝16(
図9に図示)を画定し、環状溝16は第1の保持スロット121によって周囲を画定された空隙に位置する。
【0025】
より詳しくは、第1の磁気吸引モジュール14は、第1の保持スロット121の内側の側壁上に配され、互いに離間した複数の第1の磁石141を含む。第2の磁気吸引モジュール15は、第1の保持スロット121の別の内側の側壁上に配され、互いに離間した複数の第2の磁石151を含む。さらに、第2の磁石151と第1の磁石141とは、それぞれが互いに向き合い、互いから離間している。
【0026】
本実施形態における第1の磁気吸引モジュール14および第2の磁気吸引モジュール15はそれぞれ磁石141および151を含むように設けられているが、本開示はこれに限定されないことを注記しておく。たとえば、本開示の他の実施形態では、第1の磁気吸引モジュール14および第2の磁気吸引モジュール15の一方が複数の磁石を含み、第1の磁気吸引モジュール14および第2の磁気吸引モジュール15の他方が複数の磁気伝導体(たとえば、メタルコア)を含んでもよい。
【0027】
図5ないし
図7に示されたように、ステータアセンブリ2は、アウターハウジング21と誘導モジュール23とを含む。アウターハウジング21は、リング形状をしており、インナーハウジング12の周りに外装される。本実施形態における支持スタンド400は、アウターハウジング21に固定される(
図2に図示)が、本開示はこれに限定されない。
【0028】
より詳しくは、アウターハウジング21は実質的に円錐台形状をしており、アウターハウジング21の重心軸は回転シャフト200を貫通している。アウターハウジング21は、アウターハウジング21の2つの対向する側にそれぞれが配された大径開口211および小径開口212を有する。最大外径D211を有するアウターハウジング21の一部は、大径開口211の位置に相当し、最小外径D212を有するアウターハウジング21の別の一部は、小径開口212の位置に相当する。さらに、大径開口211は、揚力ブレードセット300に隣接するアウターハウジング21の一方の側(たとえば、
図2に示されるアウターハウジング21の右側)に配され、小径開口212は、揚力ブレードセット300から離れたアウターハウジング21の反対側(たとえば、
図1に示されるアウターハウジング21の左側)に配される。
【0029】
本実施形態におけるアウターハウジング21、インナーハウジング12およびドラッグブレード11は、弱い風の環境下において風力発電機100に効果的に付与するために次の構成をさらに備えることが可能であることを注記する。
【0030】
アウターハウジング21の外面は、円弧状である。回転シャフト200に平行な風力発電機100の断面においては(
図8に図示)、インナーハウジング12の内面の一部の半径R12は、アウターハウジング21の外面の一部の半径R21よりも小さい。さらに、アウターハウジング21の大径開口211と小径開口212との間には、風力発電機100の厚みと等しい距離H100がある。最大外径D211と最小外径D212との差は(
図5に図示)、0よりも大きく、距離H100にタンジェントαを乗じた大きさ以下である。詳しくは、αの値は、0度≦α≦45度の条件を満たすものであり、好ましくは、αの値は、8度≦α≦25度の条件を満たす。
【0031】
加えて、ドラッグブレード11がアウターハウジング21の小径開口212によって囲まれた領域に直角に突出させられ(
図7に図示)突出部領域を形成する場合は、ドラッグブレード11によって画定された突出部領域の面積は小径開口212によって囲まれた領域の面積の10~70%(たとえば、25~66.7%が好ましい)である。本実施形態において、風力発電機100のドラッグブレード11の数は1つであるが、風力発電機100が上記の条件を満たす場合、設計要件に従って調整することができる。
【0032】
図6、
図7および
図9に示されたように、アウターハウジング21は、その内側に配され、第1の保持スロット121に位置する環状溝16と向かい合うキャリア213を含む。本実施形態では、アウターハウジング21はキャリア213を組み付けることで形成され、キャリア213はリング形状をしており、環状溝16内に少なくとも部分的に配されるが、本開示はこれに限定されない。
【0033】
さらには、誘導モジュール23は、キャリア213に固定され、環状溝16内に配される。本実施形態では、誘導モジュール23は、複数の誘導コイル231を含み、誘導コイル231は、互いに離間し、環状溝16に配されたキャリア213の一部に固定される。
【0034】
したがって、本実施形態におけるドラッグブレード11および揚力ブレードセット300が風力によって駆動されたとき、ロータアセンブリ1は、回転シャフト200を回転軸としてステータアセンブリ2に対して回転され、第1の磁気吸引モジュール14と第2の磁気吸引モジュール15との間の領域は、誘導モジュール23を通るので、誘導モジュール23に誘導電流を発生させる。
【0035】
図6、
図7および
図9に示されたように、加速度抑制機構500は、風力発電機100のインナーハウジング12とアウターハウジング21との間に配置される。加速度抑制機構500は、インナーハウジング12に回動可能に接続されたN個のスイング構造510と、アウターハウジング21に固定されたメタルリング520と、スイング構造510に接続された複数の弾性部材530と、インナーハウジング12に固定された複数のアウターマグネット540とを含む。本実施形態においては、Nは5であるが、本開示はこれに限定されない。たとえば、本開示の他の実施形態では、Nは1以上の正の整数が可能である。
【0036】
本実施形態における加速度抑制機構500は、風力発電機100に組み込まれるものに限定される。したがって、風力発電機100に組み込まれない加速度抑制機構(たとえば、風力発電機100の外側に配された回転シャフト200の一部に組み付けられた加速度抑制機構)は、本実施形態における加速度抑制機構500とは異なる。
【0037】
スイング構造510は同じ構造なので、以下の記述では、説明を簡単にするために、スイング構造510の1つのみの構造を開示する。スイング構造510は、2つのスイングアーム511と、2つのスイングアーム511に接続した接続ロッド512とを含む。すなわち、スイング構造510の2つのスイングアーム511は、接続ロッド512を介して同時に動作可能(もしくは揺動可能)である。さらに、スイング構造510の2つのスイングアーム511は、好ましくは、接続ロッド512に関して鏡面対称であるが、本開示はこれに限定されない。たとえば、本開示の他の実施形態では、スイング構造510は、少なくとも1つのスイングアーム511を含めばよく、接続ロッド512を含まなくてもよい。
【0038】
より詳しくは、
図10および
図11に示されるように、2つのスイングアーム511は、各々、その対向する2つの側にそれぞれ配された回動軸部5111と磁気部5112とを含む。接続ロッド512は、2つのスイングアーム511の回動軸部5111に接続される。さらに、本実施形態における2つのスイングアーム511は、各々、磁気部5111および回動軸部5112の対向する外側にそれぞれ配された第1の端部5113と第2の端部5114とを含む。言い換えれば、
図11に示されるように、第1の端部5113および回動軸部5111はスイングアーム511の右側部分に配され、磁気部5112および第2の端部5114はスイングアーム511の左側部分に配される。さらに、本実施形態の第1の端部5113を除いたスイング構造510の部分は、ほぼU字型をしている。
【0039】
2つのスイングアーム511の各々の回動軸部5111は、インナーハウジング12に回動可能に接続され(たとえば、スイング構造510の2つの回動軸部5111は第2の保持スロット122の2つの内側面の壁にそれぞれ回動可能に接続され)、よって2つのスイングアーム511の各々の磁気部5112が、回転するロータアセンブリ1によって生成される遠心力によって、初期位置(
図12に図示)から加速度抑制位置(
図13に図示)までインナーハウジング12に対して移動可能になる。隣り合う2つのスイング構造510にそれぞれ属する2つの回動軸部5111は、回転シャフト200を基準として角度σを有し、角度σは360/N度であることを注記しておく。
【0040】
図9ないし
図12に示されるように、スイングアーム511の各々の磁気部5112が初期位置にある場合、スイング構造510は実質的にインナーハウジング12の第2の保持スロット122内に配される。さらに、
図13に示されるように、スイングアーム511の各々の磁気部5112が加速度抑制位置にある時、スイングアーム511の各々の磁気部5112は軸方向Cに沿って少なくとも部分的にメタルリング520を覆い、よってメタルリング520はロータアセンブリ1の回転加速度を制限する渦電流を生成する。
【0041】
したがって、メタルリング520によって生成された渦電流は、ロータアセンブリ1の回転加速度を減少させるために使用でき、よって風力発電装置1000は連続する高速の風において稼働させられるのに適している。さらに、渦電流の大きさは、ロータアセンブリ1の回転加速度の減少度合いに影響を与えるものであり、軸方向Cに沿って磁気部5112の各々に作用するメタルリング520の領域を変更することによって調整可能であり、よって本実施形態における加速度抑制機構500は、渦電流の特定値を達成するために次の部品をさらに含んでもよいが、本開示はこれに限定されない。
【0042】
加速度抑制機構500のスイング構造510は、弾性部材530(たとえば、テンションスプリング)を介して一体として操作され、よってスイング構造510が遠心力によって揺動させられた場合、スイング構造510の各々は、ほぼ同じ大きさで揺動される。本実施形態では、2つのスイング構造510にそれぞれ属し、隣接する第1の端部5113および第2の端部5114は、弾性部材530のひとつによって互いに接続されるが、本開示はこれに限定されない。
【0043】
さらに、アウターマグネット540は、インナーハウジング12(たとえば、第2の保持スロット122の2つの内側面の壁)に固定され、スイング構造510の各々は、アウターマグネット540の2つと位置が対応している。しかしながら、本開示の他の実施形態では、スイング構造510の各々はアウターマグネット540の少なくとも2つと位置が対応すればよい。
【0044】
より詳しくは、スイング構造510の各々の磁気部5112が初期位置にあるとき、2つの対応するアウターマグネット540は、2つのスイングアーム511の磁気部5112の2つの対向する外側に位置し、2つのスイングアーム511の磁気部5112と磁力で引き付けられる。言い換えれば、スイング構造510の各々の磁気部5112が2つの対応するアウターマグネット540に磁力で引き付けられるので、スイング構造510の各々は、風が特定の速度の場合は外方向に揺動するように制御される。したがって、風力発電装置1000は、さまざまな要求に適合できる。
【0045】
加えて、
図6および
図7に示されるように、本実施形態の風力発電装置1000をより簡単に製造するには、アウターハウジング21は、互いに組み付けられた2つのサブケース21aを含み、メタルリング520は、2つのサブケース21aにそれぞれ固定された2つのサブリング520aを含み、よって2つのサブケース21aのいずれか一方と対応するサブリング520aは直接製造され、2つのサブケース21aおよび2つのサブリング520aは互いに組み付けられてアウターハウジング21とメタルリング520を形成するが、本開示はこれに限定されない。たとえば、本開示の他の実施形態では、アウターハウジング21とメタルリング520の各々は、一体構造として形成されてもよい。
【0046】
本実施形態では、2つのサブリング520aの一方の両端はそれぞれ、2つのサブリング520aの他方の両端に接続されている。言い換えれば、本実施形態のメタルリング520は2つの個々のサブリング520aから形成されるが、2つのサブリング520aは互いに接続されて、リング型構造を形成する。
【0047】
本実施形態のメタルリング520は、スイングアーム511の各々の磁気部5112と相互に作用し、渦電流を生成するが、本開示はこれに限定されない。たとえば、スイングアーム511の各々の磁気部5112は、インナーハウジング12に対して初期位置から加速度抑制位置に移動可能な金属部5112で置換可能であり、メタルリング520は磁気リング520で置換可能である。したがって、スイングアーム511の各々の金属部5112が加速度抑制位置にあるとき、金属部5112は軸方向Cに沿って少なくとも部分的に磁気リング520を覆い、よってメタル部5112はロータアセンブリ1の回転加速度を制限する渦電流を生成する。
【0048】
[第2実施形態]
図14を参照すると、本開示の第2実施形態は本開示の第1実施形態と同様であり、本開示の第1と第2実施形態において同じ構成要素の説明は、簡潔にするために省略し、以下の説明は第1と第2実施形態とで異なる特徴(たとえば、本実施形態の弾性部材530と対応構成要素との接続は、第1実施形態のそれとは異なる)についてのみ開示する。
【0049】
詳しくは、本実施形態では、弾性部材530の各々の一端は、インナーハウジング12に接続され、弾性部材530の各々の他端は、磁気部5112に隣接して設けられたスイング構造510のひとつの部分(たとえば、第2の端部5114)に接続される。
【0050】
[第3実施形態]
図15を参照すると、本開示の第3実施形態は本開示の第1実施形態と同様であり、本開示の第1と第3実施形態において同じ構成要素の説明は、簡潔にするために省略し、以下の説明は第1と第3実施形態とで異なる特徴(たとえば、本実施形態の加速度抑制機構500は、スイング構造510にそれぞれ組み付けられ、第1実施形態の弾性部材530と取って代われる複数のトーションスプリング550を含む)についてのみ開示する。
【0051】
詳しくは、本実施形態では、スイングアーム511の各々は、トーションスプリング550の1つに組み付けられる。トーションスプリング550の各々は、弾性部551と、第1の位置決め部552と、第2の位置決め部553とを含み、第1の位置決め部552と第2の位置決め部553はそれぞれ、弾性部551の両端から延在する。さらに、スイングアーム511の各々とそれに対応するトーションスプリング550においては、弾性部551は回動軸部5111に設けられ、第1の位置決め部552はスイングアーム511に固定され、第2の位置決め部553はインナーハウジング12に組み付けられる。
【0052】
[第4実施形態]
図16を参照すると、本開示の第4実施形態は本開示の第1実施形態と同様であり、本開示の第1と第4実施形態において同じ構成要素の説明は、簡潔にするために省略し、以下の説明は第1と第4実施形態とで異なる特徴(たとえば、本実施形態の加速度抑制機構500は、インナーハウジング12に固定され、第1の実施例のアウターマグネット540と取って代われる複数のインナーマグネット560を含む)についてのみ開示する。
【0053】
詳しくは、本実施形態のスイング構造510の各々は、インナーマグネット560のひとつと位置が対応する。しかしながら、本開示の他の実施形態では、スイング構造510の各々はインナーマグネット560の少なくともひとつに位置が対応すればよい。
【0054】
さらに、スイング構造510の各々の磁気部5112が初期位置にあるとき、対応するインナーマグネット560は間に位置し、2つのスイングアーム511の磁気部5112と磁力で引き付けられる。言い換えれば、スイング構造510の各々の磁気部5112とそれと対応するインナーマグネット560とが互いに磁力で引き付けられるので、スイング構造510の各々は風が特定の速度の場合は外側に揺動するように制御される。したがって、風力発電装置1000は、さまざまな要求に適合できる。
【0055】
本開示の例示的実施形態の上記記載は、例示および説明の目的のために示されたものであり、網羅されるものとしたり、この開示を正に開示した形態に限定する意図はない。上記の教示を踏まえて多くの変更や変形が可能である。
【0056】
実施形態は本開示の趣旨および実際の適用例を説明するために選択され記載されたものであり、当業者であれば、本開示および種々の実施形態を使用することが可能となり、様々な変更をもって、考えうる特別な使用に適用される。この趣旨及び範囲から逸脱することなく本開示が適用される他の実施形態が当業者に明らかとなるであろう。
【国際調査報告】