(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン(TFMCB)の共沸性又は共沸様組成物及びそれらの用途
(51)【国際特許分類】
C09K 5/04 20060101AFI20220202BHJP
【FI】
C09K5/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535118
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(85)【翻訳文提出日】2021-07-16
(86)【国際出願番号】 US2019067587
(87)【国際公開番号】W WO2020132307
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】スチュワート、ロバート ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】フルス、リャン ジェイ.
(57)【要約】
本開示は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン(「TFMCB」)と、エタノール、n-ペンタン、シクロペンタン、trans-1,2-ジクロロエチレン、及びペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)の各々との、極小沸点の均質な共沸性及び共沸様組成物を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとから本質的になる、共沸性又は共沸様組成物を含む組成物であって、前記共沸性又は共沸様組成物が、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約46.48℃±0.01℃の沸点を有する、組成物。
【請求項2】
前記共沸性又は共沸様組成物が、約1重量%~約70重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約30重量%~約99重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレンとから本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとから本質的になる、共沸性又は共沸様組成物を含む組成物であって、前記共沸性又は共沸様組成物が、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約35.39℃±0.01℃の沸点を有する、組成物。
【請求項4】
前記共沸性又は共沸様組成物が、約3重量%~約50重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約50重量%~約97重量%のn-ペンタンとから本質的になる、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記共沸性又は共沸様組成物が、約8重量%~約40重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約60重量%~約92重量%のn-ペンタンとから本質的になる、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとから本質的になる、共沸性又は共沸様組成物を含む組成物であって、前記共沸性又は共沸様組成物が、約14.7±0.2psiaの圧力で約45.59℃±0.01℃の沸点を有する、組成物。
【請求項7】
前記共沸性又は共沸様組成物が、約20重量%~約60重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約40重量%~約80重量%のシクロペンタンとから本質的になる、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記共沸性又は共沸様組成物が、約30重量%~約50重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約50重量%~約70重量%のシクロペンタンとから本質的になる、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる、共沸性又は共沸様組成物を含む組成物であって、前記共沸性又は共沸様組成物が、約14.7±0.2psiaの圧力で約48.70℃±0.01℃の沸点を有する、組成物。
【請求項10】
前記共沸性又は共沸様組成物が、約1重量%~約20重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約80重量%~約99重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる、請求項9に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、共沸性又は共沸様組成物、具体的には、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを含む共沸性又は共沸様組成物、及びこれらの組成物の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
フルオロカーボン流体は、熱伝達媒体、浸漬冷却剤、液体又はガス状誘電体、工業用冷媒、及び他の用途として使用するのに望ましい特性を有する。これらの用途では、単一成分流体又は共沸様混合物、すなわち、沸騰及び蒸発に実質的に分留されないものの使用が特に望ましい。残念ながら、工業用途におけるある特定のハイドロフルオロカーボン「hydrofluorocarbon、HFC」の使用は、地球温暖化に寄与すると現在考えられており、したがって、それらの現在の使用が制限されている。しかしながら、共沸物の形成が容易には予測可能ではないという事実に起因して、新しく、環境に安全である、HFCを含む非分留性の混合物の同定は複雑である。したがって、業界は、許容可能かつ環境的により安全な代替物である新しいHFC系混合物を絶えず追求している。
【0003】
TFMCBとしても知られている化合物1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンは、熱伝達媒体及び液体誘電体用途の候補である。更に、TFMCBを含むある特定の混合物は、熱伝達流体、熱管理流体、冷媒、及び熱伝達組成物などの特定の用途に好適であり得る。
【発明の概要】
【0004】
1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン(1,2,2-trifluoro-1-trifluoromethylcyclobutane、「TFMCB」)を第2の成分と混合すると、ある特定の共沸性及び共沸様組成物が形成されることが見出されており、具体的には、本開示は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと、エタノール、n-ペンタン、シクロペンタン、trans-1,2-ジクロロエチレン、又はペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)の各々とから本質的になる、極小沸点の均質な共沸性又は共沸様組成物を提供する。
【0005】
化合物1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン(「TFMCB」)は、以下の化学構造を有する:
【化1】
【0006】
1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン(「TFMCB」)はまた、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、1-トリフルオロメチル-1,2,2-トリフルオロシクロブタン、1,1,2-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-シクロブタン、又はヘキサフルオロプロピレン/エチレン環状二量体を含む代替名によっても称され得る。
【0007】
TFMCBは、任意の適切な方法によって製造することができる。好適な方法としては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、US-A-9856193及びUS-A-10005705に記載のものが挙げられる。
【0008】
その一形態では、本開示は、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を含む組成物を提供する。共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約46.48℃±0.01℃の沸点を有し得る。
【0009】
共沸性又は共沸様組成物は、約1重量%~約70重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約30重量%~約99重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレン、約10重量%~約50重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約50重量%~約90重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレン、又は約15重量%~約40重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約60重量%~約85重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレンから本質的になり得る。
【0010】
その別の形態では、本開示は、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を含む組成物を提供する。共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約35.39℃±0.01℃の沸点を有し得る。
【0011】
共沸性又は共沸様組成物は、約3重量%~約50重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約50重量%~約97重量%のn-ペンタン、約8重量%~約40重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約60重量%~約92重量%のn-ペンタン、又は約13重量%~約30重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約70重量%~約87重量%のn-ペンタンから本質的になり得る。
【0012】
その別の形態では、本開示は、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとエタノールとから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を含む組成物を提供する。共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約66.61℃±0.01℃の沸点を有し得る。
【0013】
共沸性又は共沸様組成物は、約30重量%~約98重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約2重量%~約70重量%のエタノール、約70重量%~約96重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約4重量%~約30重量%のエタノール、又は約80重量%~約90重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約10重量%~約20重量%のエタノールから本質的になり得る。
【0014】
その別の形態では、本開示は、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を含む組成物を提供する。共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約45.59℃±0.01℃の沸点を有し得る。
【0015】
共沸性又は共沸様組成物は、約20重量%~約60重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約40重量%~約80重量%のシクロペンタン、約30重量%~約50重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約50重量%~約70重量%のシクロペンタン、又は約35重量%~約40重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約60重量%~約65重量%のシクロペンタンから本質的になり得る。
【0016】
その別の形態では、本開示は、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を含む組成物を提供する。共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約48.70℃±0.01℃の沸点を有する。
【0017】
共沸性又は共沸様組成物は、約1重量%~約20重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約80重量%~約99重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)、約5重量%~約15重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約85重量%~約95重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)、又は約8重量%~約12重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約88重量%~約92重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)から本質的になり得る。
【0018】
具体的には、これらの組成物は、比較的低い、好ましくは約1000未満、より好ましくは約500未満、更により好ましくは約150未満の地球温暖化係数(global warming potential、「GWP」)を呈する傾向があると認識されている。
【0019】
組成物は、本明細書に記載の共沸性混合物を少なくとも約15重量%含み得る。
【0020】
更なる態様では、ある特定の極小沸点の均質な共沸性組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを、エタノール、n-ペンタン、シクロペンタン、trans-1,2-ジクロロエチレン、又はペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)の各々と混合すると形成されることが見出されている。
【0021】
本開示の共沸性及び共沸様混合物は、例えば、電子部品冷却における熱管理流体として、又は有機ランキンサイクルにおける作動流体として使用することができる熱伝達流体を含む、多数の用途に特に望ましい特徴を呈する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施例1に従った、周囲気圧でのtrans-1,2-ジクロロエチレンと1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとの混合物の沸点温度の変化を示す。
【0023】
【
図2】実施例2に従った、周囲気圧でのn-ペンタンと1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとの混合物の沸点温度の変化を示す。
【0024】
【
図3】実施例3に従った、周囲気圧でのエタノールと1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとの混合物の沸点温度の変化を示す。
【0025】
【
図4】実施例4に従った、周囲気圧でのシクロペンタンと1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとの混合物の沸点温度の変化を示す。
【0026】
【
図5】実施例5に従った、周囲気圧でのペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)と1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとの混合物の沸点温度の変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
I.共沸性又は共沸様組成物の説明
【0028】
「共沸性」組成物とは、2つ以上の成分の特有の組み合わせである。共沸性組成物は、様々な技術で特徴付けることができる。例えば、所与の圧力では、共沸性組成物は、沸点が高い方の成分よりも高い一定の特性温度で沸騰する(極大沸点の共沸物)か、又は沸点が低い方の成分よりも低い一定の特性温度で沸騰する(極小沸点の共沸物)。この特性温度では、同じ組成が気相及び液相の両方に存在することになる。共沸性組成物は、沸騰又は蒸発時に分留しない。したがって、共沸性組成物の成分を相変化において分離することはできない。
【0029】
共沸性組成物はまた、特性共沸温度で、液相の気泡点圧力(bubble point pressure)が気相の露点圧力と同一であることも特徴とする。
【0030】
共沸性組成物の挙動は、沸騰又は蒸発中に液体組成物がかなりの程度で変化する非共沸性組成物の挙動とは対照的である。
【0031】
本開示の目的の場合、共沸性組成物は、2つ以上の成分の沸点よりも低い一定の特性温度で沸騰し(極小沸点の共沸物)、それによって気相及び液相の両方において同じ組成を有する組成物として特徴付けられている。
【0032】
しかしながら、当業者であれば、異なる圧力では、共沸性組成物の組成及び沸点の両方がある程度変化すると理解するであろう。したがって、温度及び/又は圧力に応じて、共沸性組成物は、変化し得る組成を有し得る。したがって、当業者であれば、固定された組成ではなく組成範囲を使用して共沸性組成物を定義することができると理解するであろう。更に、共沸物は、特定の圧力での固定された沸点によって特徴付けられる組成物の各成分の正確な重量パーセントの観点から定義することもできる。
【0033】
「共沸様」組成物とは、実質的に共沸性組成物として挙動する2つ以上の成分の組成物である。したがって、本開示の目的の場合、共沸様組成物は、所与の圧力下で液体形態にあるとき実質的に一定の温度で沸騰し、かつ沸騰中の液体組成物と実質的に同一の気体組成を提供する、2つ以上の異なる成分の組み合わせである。
【0034】
共沸性又は共沸様組成物は、多数の異なる方法を使用して同定することができる。
【0035】
本開示の目的の場合、共沸性又は共沸様組成物は、エブリオメータを使用して実験的に同定される(Walas,Phase Equilibria in Chemical Engineering,Butterworth-Heinemann,1985,533-544)。エブリオメータは、気液平衡温度を測定することによって液体の沸点の極めて正確な測定値を提供するように設計されている。
【0036】
成分のそれぞれの単独の沸点は、一定の圧力で測定される。当業者によって理解されるように、二成分の共沸性又は共沸様組成物については、組成物の成分のうちの1つの沸点が最初に測定される。次いで、組成物の第2の成分が様々な量で添加され、当該の一定の圧力でエブリオメータを使用して、得られた組成物のそれぞれの沸点が測定される。
【0037】
測定された沸点は、試験された組成物の組成に対して、例えば二成分共沸物の場合、組成物に添加された第2の成分の量に対してプロットされる(重量%又はモル%のいずれか一方で表される)。共沸性組成物の存在は、単独のいずれかの成分の沸点よりも高い又は低い極大沸騰温度又は極小沸騰温度を観察することによって特定することができる。
【0038】
当業者によって理解されるように、共沸性又は共沸様組成物の同定は、第2の成分を第1の成分に添加した際の組成物の沸点の変化を第1の成分の沸点と比較することによって行われる。したがって、沸点の変化を測定するために、特定の成分の報告された沸点に系を較正する必要はない。
【0039】
本明細書で使用される場合、共沸性若しくは共沸様組成物又は混合物の成分に関して、「から本質的になる」という用語は、組成物が、示された成分を共沸比又は共沸様比で含有し、更なる成分が新たな共沸性又は共沸様の系を形成しないという条件で、更なる成分を含有し得ることを意味する。例えば、2つの化合物から本質的になる共沸性混合物は、二成分共沸物を形成するものであり、更なる成分が混合物を非共沸性にせず、かつ化合物のいずれか一方又は両方と共沸物を形成しない(例えば、三成分以上の共沸物を形成しない)という条件で、任意選択的に1つ以上の更なる成分を含み得る。
【0040】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでない旨を明確に指示しない限り、複数形を含む。更に、量、濃度、又は他の値若しくはパラメータが、範囲、好ましい範囲、又は上方の好ましい値と下方の好ましい値との列挙のいずれかとして与えられるとき、これは、範囲が別々に開示されているかどうかにかかわらず、任意の上限範囲又は上方の好ましい値と任意の下限範囲又は下方の好ましい値との任意の対から形成される全ての範囲を具体的に開示しているものとして理解されるべきである。数値の範囲が本明細書に列挙されている場合、特に明記しない限り、範囲は、その端点、並びに範囲内の全ての整数及び端数を含むことが意図される。本開示の範囲は、範囲を定義するときに列挙される特定の値に限定されることを意図するものではない。
【0041】
前述のように、極大沸点又は極小沸点では、気相の組成は、液相の組成と同一となる。したがって、共沸様組成物は、実質的に一定の極小沸点又は極大沸点を提供する成分の組成物であり、その実質的に一定の沸点では、気相の組成は、液相の組成と実質的に同一となる。
II.1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン(TFMCB)及びtrans-1,2-ジクロロエチレンの共沸性又は共沸様組成物
【0042】
1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン(TFMCB)は、trans-1,2-ジクロロエチレンとの均質な極小沸点の共沸性及び共沸様組成物又は混合物を形成することが見出されており、本開示は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとを含む均質な共沸性又は共沸様組成物を提供する。共沸性若しくは共沸様組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとから本質的になり得るか、又は共沸性若しくは共沸様組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとからなり得る。
【0043】
本発明者らは、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとが共沸性又は共沸様組成物を形成することを実験から見出した。
【0044】
1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとの共沸性又は共沸様組成物は、前述の2つの成分のみを含む二元共沸物であり、例えば、メタノール及び/又はエタノールを含むアルコールなどの他の成分を含まない。
【0045】
本開示は、共沸性又は共沸様組成物を形成する、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとを含む共沸性又は共沸様組成物を提供する。本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、他の成分と組み合わされると、共沸性又は共沸様混合物の形成をもたらす各成分の量である。
【0046】
本共沸性又は共沸様組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとの組み合わせから本質的になり得るか、又は1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとの組み合わせからなり得る。
【0047】
本開示はまた、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとを混合、組み合わせ、又はブレンドすることによって共沸性又は共沸様組成物を形成する方法を提供する。2つ以上の成分を組み合わせて、組成物を形成するための、当該技術分野において既知の幅広い種類の方法のうちのいずれかを、本方法において使用することができる。例えば、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとを、バッチ式若しくは連続式の反応及び/若しくはプロセスの一部として、又は2つ以上のかかる工程の組み合わせを介して、手によって及び/又は機械によって、混合、ブレンド、又は組み合わせることができる。1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン及びtrans-1,2-ジクロロエチレンの両方が市販されており、いくつかの異なる販売者から生成されている場合がある。これらの成分は、必要量で、例えば、秤量してからこれらの量を組み合わせることによって提供され得る。
【0048】
好ましくは、共沸性又は共沸様組成物は、約1重量%~約70重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、約10重量%~約50重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、約15重量%~約40重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、又は約26重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと、約30重量%~約99重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレン、約90重量%~約50重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレン、約60重量%~約85重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレン、又は約74重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレンとを含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる。好ましくは、本開示の共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約46.48℃±0.01℃の沸点を有する。
【0049】
換言すれば、共沸性又は共沸様組成物は、約1重量%~約70重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約30重量%~約99重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレン、又は約10重量%~約50重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約50重量%~約90重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレン、又は約15重量%~約40重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約60重量%~約85重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレン、又は約26重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約74重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレンを含み得る。共沸性又は共沸様組成物は、上の量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとから本質的になり得るか、又は上の量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとからなり得る。
【0050】
好ましくは、共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約46.48℃±0.01℃の沸点を有する。
【0051】
別の言い方をすると、共沸性又は共沸様組成物は、約1重量%、約10重量%、若しくは約15重量%ほどの少なさの、又は約40重量%、約50重量%、若しくは約70重量%ほどの多さの、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを含むか、これから本質的になるか、又はこれからなり、共沸性又は共沸様組成物は、約30重量%、約50重量%、若しくは約60重量%ほどの少なさの、又は約85重量%、約90重量%、若しくは約99重量%ほどの多さの、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内のtrans-1,2-ジクロロエチレンを含むか、これから本質的になるか、又はこれからなる。一実施形態では、共沸性又は共沸様組成物は、約26重量%及び1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約74重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレンとを含むか、これらから本質的になるか、又はこれらからなる。好ましくは、本開示の共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約46.48℃±0.01℃の沸点を有する。
【0052】
本開示はまた、共沸性又は共沸様組成物を含む組成物も提供する。例えば、少なくとも約5重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約15重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約50重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約70重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約90重量%の共沸性若しくは共沸様組成物を含む組成物が提供される。
【0053】
以下の非限定的な実施例は、本開示を例示するのに役立つ。
実施例1-エブリオメータでの調査
【0054】
個々の冷却された還流凝縮器が取り付けられた2つの隣接するフラスコを含む比較用のエブリオメータを使用して、沸点温度を測定した。各エブリオメータの上部又は還流凝縮器を、循環している冷却流体(50/50の水/プロピレングリコール)で冷却して、14.7psiaの圧力での1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンの67.8℃の通常の沸点及びtrans-1,2-ジクロロエチレンの48.5℃の通常の沸点よりも顕著に低い約15℃の温度を達成した。この様式で、液相及び気相が平衡状態になるように、各フラスコ内の全ての蒸気が凝縮し、各それぞれの沸騰フラスコに流れ戻ることを確実にした。各フラスコに±0.01℃の精度で較正されたサーミスタを装備した。1つのフラスコ(「対照」フラスコ)は、純粋な流体(この場合、trans-1,2-ジクロロエチレン又は1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンのいずれか)を含有し、対照として使用した。他のフラスコ(「測定」フラスコ)は、混合流体(この場合、trans-1,2-ジクロロエチレンと1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとの混合物)を含有した。
【0055】
比較用のエブリオメータを使用して、周囲圧力での純粋な流体及び混合流体の沸点温度を測定した。およそ2~3グラムの第1の流体を対照フラスコ及び測定フラスコの両方に充填し、撹拌しながら加熱して還流させた。凝縮流体の温度が一定値に到達したときに、第2の流体を測定された増分で測定フラスコに添加した。第2の流体を添加している間十分な時間を取って、2つの流体の適切な混合及び熱力学的平衡を達成した。第2の流体は、対照フラスコに添加しなかった。むしろ、対照フラスコは、純粋な第1の流体の不変の沸点を測定することによって実験の継続中一定の圧力を確認するために使用した。
【0056】
まず、±0.01gの精度を有するはかりを使用して添加前後に容器を計量することによって約2gの、ガスクロマトグラフィー(gas chromatography、GC)によって測定して>99面積%の純度を有するtrans-1,2-ジクロロエチレンをエブリオメータに導入することによって、測定を実行した。液体を沸騰させ、記録された気圧でtrans-1,2-ジクロロエチレンの平衡温度を記録した。次いで、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定して>99.9面積%の純度を有する少量の測定された増分の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを、自動シリンジポンプを介して測定フラスコ内に導入した。所定量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを測定フラスコに添加した後、系をおよそ5分間平衡に到達させ、その後凝縮蒸気液体混合物の平衡温度を記録した。
【0057】
1~70重量パーセントの組成範囲の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンでの組成に対する沸点データを得、以下の表1に提示しており、これは共沸物が形成されたことを示す最低温度を示しており、このデータはまた、
図1にグラフの形態で提示されている。混合物の気泡点温度(bubble point temperature)は一定のままであり、このことは、混合物が大きな組成範囲にわたって共沸様であることを示した。
【0058】
極小沸点の共沸物を示す、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンの温度に対する重量パーセント曲線(
図1)において、26.0重量%±0.3重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンで極小沸点温度を観察した。温度を選択し、組成データを以下の表1に示す。
【表1】
III.1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン(TFMCB)及びn-ペンタンの共沸性又は共沸様組成物
【0059】
1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン(TFMCB)は、n-ペンタンとの均質な極小沸点の共沸性及び共沸様組成物又は混合物を形成することが見出されており、本開示は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとを含む均質な共沸性又は共沸様組成物を提供する。共沸性若しくは共沸様組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとから本質的になり得るか、又は共沸性若しくは共沸様組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとからなり得る。
【0060】
本発明者らは、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとが共沸性又は共沸様組成物を形成することを実験から見出した。
【0061】
本開示は、共沸性又は共沸様組成物を形成する、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとを含む共沸性又は共沸様組成物を提供する。本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、他の成分と組み合わされると、共沸性又は共沸様混合物の形成をもたらす各成分の量である。
【0062】
本共沸性又は共沸様組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとの組み合わせから本質的になり得るか、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとの組み合わせからなり得る。
【0063】
本開示はまた、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとを混合、組み合わせ、又はブレンドすることによって共沸性又は共沸様組成物を形成する方法を提供する。2つ以上の成分を組み合わせて、組成物を形成するための、当該技術分野において既知の幅広い種類の方法のうちのいずれかを、本方法において使用することができる。例えば、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとを、バッチ式若しくは連続式の反応及び/若しくはプロセスの一部として、又は2つ以上のかかる工程の組み合わせを介して、手によって及び/又は機械によって、混合、ブレンド、又は組み合わせることができる。1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン及びn-ペンタンの両方が市販されており、いくつかの異なる販売者から生成されている場合がある。これらの成分は、必要量で、例えば、秤量してからこれらの量を組み合わせることによって提供され得る。
【0064】
好ましくは、共沸性又は共沸様組成物は、約3重量%~約50重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、約8重量%~約40重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、約13重量%~約30重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、又は約21重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと、約50重量%~約97重量%のn-ペンタン、約60重量%~約92重量%のn-ペンタン、約70重量%~約87重量%のn-ペンタン、又は約79重量%のn-ペンタンとを含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる。好ましくは、本開示の共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約35.39℃±0.01℃の沸点を有する。
【0065】
換言すれば、共沸性又は共沸様組成物は、約3重量%~約50重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約50重量%~約97重量%のn-ペンタン、又は約8重量%~約40重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約60重量%~約92重量%のn-ペンタン、又は約13重量%~約30重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約70重量%~約87重量%のn-ペンタン、又は約21重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約79重量%のn-ペンタンを含み得る。共沸性又は共沸様組成物は、上の量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとから本質的になり得るか、又は上の量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとからなり得る。
【0066】
好ましくは、共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で、約35.39℃±0.01℃の沸点を有する。
【0067】
別の言い方をすると、共沸性又は共沸様組成物は、約3重量%、約8重量%、若しくは約13重量%ほどの少なさの、又は約30重量%、約40重量%、若しくは約50重量%ほどの多さの、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを含むか、これから本質的になるか、又はこれからなり、共沸性又は共沸様組成物は、約50重量%、約60重量%、若しくは約70重量%ほどの少なさの、又は約87重量%、約92重量%、若しくは約97重量%ほどの多さの、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内のn-ペンタンを含むか、これから本質的になるか、又はこれからなる。一実施形態では、共沸性又は共沸様組成物は、約21重量%及び1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約79重量%のn-ペンタンとを含むか、これらから本質的になるか、又はこれらからなる。好ましくは、本開示の共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約35.39℃±0.01℃の沸点を有する。
【0068】
本開示はまた、共沸性又は共沸様組成物を含む組成物も提供する。例えば、少なくとも約5重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約15重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約50重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約70重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約90重量%の共沸性若しくは共沸様組成物を含む組成物が提供される。
【0069】
以下の非限定的な実施例は、本開示を例示するのに役立つ。
実施例2-エブリオメータでの調査
【0070】
実施例1に記載の比較用のエブリオメータを使用して、周囲圧力での純粋な流体及び混合流体の沸点温度を測定した。およそ2~3グラムの第1の流体を対照フラスコ及び測定フラスコの両方に充填し、撹拌しながら加熱して還流させた。凝縮流体の温度が一定値に到達したときに、第2の流体を測定された増分で測定フラスコに添加した。第2の流体を添加している間十分な時間を取って、2つの流体の適切な混合及び熱力学的平衡を達成した。第2の流体は、対照フラスコに添加しなかった。むしろ、対照フラスコは、純粋な第1の流体の不変の沸点を測定することによって実験の継続中一定の圧力を確認するために使用した。
【0071】
まず、±0.01gの精度を有するはかりを使用して添加前後に容器を計量することによって約2gの、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定して>99面積%の純度を有するn-ペンタンをエブリオメータに導入することによって、測定を実行した。液体を沸騰させ、記録された気圧でn-ペンタンの平衡温度を記録した。次いで、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定して>99.9面積%の純度を有する少量の測定された増分の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを、自動シリンジポンプを介して測定フラスコ内に導入した。所定量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを測定フラスコに添加した後、系をおよそ5分間平衡に到達させ、その後凝縮蒸気液体混合物の平衡温度を記録した。
【0072】
0~70重量パーセントの組成範囲の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンでの組成に対する沸点データを得、以下の表2に提示しており、これは共沸物が形成されたことを示す最低温度を示しており、このデータはまた、
図2にグラフの形態で提示されている。混合物の気泡点温度(bubble point temperature)は一定のままであり、このことは、混合物が大きな組成範囲にわたって共沸様であることを示した。
【0073】
極小沸点の共沸物を示す、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンの温度に対する重量パーセント曲線(
図2)において、21.0重量%±0.3%重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンで極小沸点温度を観察した。温度を選択し、組成データを以下の表2に示す。
【表2】
IV.1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン(TFMCB)及びエタノールの共沸性又は共沸様組成物
【0074】
1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン(TFMCB)は、エタノールとの均質な極小沸点の共沸性及び共沸様組成物又は混合物を形成することが見出されており、本開示は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとエタノールとを含む均質な共沸性又は共沸様組成物を提供する。共沸性若しくは共沸様組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとエタノールとから本質的になり得るか、又は共沸性若しくは共沸様組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとエタノールとからなり得る。
【0075】
本発明者らは、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとエタノールとが共沸性又は共沸様組成物を形成することを実験から見出した。
【0076】
本開示は、共沸性又は共沸様組成物を形成する、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとエタノールとを含む共沸性又は共沸様組成物を提供する。本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、他の成分と組み合わされると、共沸性又は共沸様混合物の形成をもたらす各成分の量である。
【0077】
本共沸性又は共沸様組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとエタノールとの組み合わせから本質的になり得るか、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとエタノールとの組み合わせからなり得る。
【0078】
本開示はまた、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとエタノールとを混合、組み合わせ、又はブレンドすることによって共沸性又は共沸様組成物を形成する方法を提供する。2つ以上の成分を組み合わせて、組成物を形成するための、当該技術分野において既知の幅広い種類の方法のうちのいずれかを、本方法において使用することができる。例えば、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとエタノールとを、バッチ式若しくは連続式の反応及び/若しくはプロセスの一部として、又は2つ以上のかかる工程の組み合わせを介して、手によって及び/又は機械によって、混合、ブレンド、又は組み合わせることができる。1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン及びエタノールの両方が市販されており、いくつかの異なる販売者から生成されている場合がある。これらの成分は、必要量で、例えば、秤量してからこれらの量を組み合わせることによって提供され得る。
【0079】
好ましくは、共沸性又は共沸様組成物は、約30重量%~約98重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、約70重量%~約96重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、約80重量%~約90重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、又は約88重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと、約2重量%~約70重量%のエタノール、約4重量%~約30重量%のエタノール、約10重量%~約20重量%のエタノール、又は約12重量%のエタノールとを含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる。好ましくは、本開示の共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約66.61℃±0.01℃の沸点を有する。
【0080】
換言すれば、共沸性又は共沸様組成物は、約30重量%~約98重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約70重量%~約96重量%のエタノール、又は約80重量%~約90重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約2重量%~約70重量%のエタノール、又は約4重量%~約30重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約10重量%~約20重量%のエタノール、又は約88重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約12重量%のエタノールを含み得る。共沸性又は共沸様組成物は、上の量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとエタノールとから本質的になり得るか、又は上の量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとエタノールとからなり得る。
【0081】
好ましくは、共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約66.61℃±0.01℃の沸点を有する。
【0082】
別の言い方をすると、共沸性又は共沸様組成物は、約30重量%、約70重量%、若しくは約80重量%ほどの少なさの、又は約90重量%、約96重量%、若しくは約98重量%ほどの多さの、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを含むか、これから本質的になるか、又はこれからなり、共沸性又は共沸様組成物は、約2重量%、約4重量%、若しくは約10重量%ほどの少なさの、又は約20重量%、約30重量%、若しくは約70重量%ほどの多さの、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内のエタノールを含むか、これから本質的になるか、又はこれからなる。一実施形態では、共沸性又は共沸様組成物は、約88重量%及び1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約12重量%のエタノールとを含むか、これらから本質的になるか、又はこれらからなる。好ましくは、本開示の共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約66.61℃±0.01℃の沸点を有する。
【0083】
本開示はまた、共沸性又は共沸様組成物を含む組成物も提供する。例えば、少なくとも約5重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約15重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約50重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約70重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約90重量%の共沸性若しくは共沸様組成物を含む組成物が提供される。
【0084】
以下の非限定的な実施例は、本開示を例示するのに役立つ。
実施例3-エブリオメータでの調査
【0085】
実施例1に記載の比較用のエブリオメータを使用して、周囲圧力での純粋な流体及び混合流体の沸点温度を測定した。およそ2~3グラムの第1の流体を対照フラスコ及び測定フラスコの両方に充填し、撹拌しながら加熱して還流させた。凝縮流体の温度が一定値に到達したときに、第2の流体を測定された増分で測定フラスコに添加した。第2の流体を添加している間十分な時間を取って、2つの流体の適切な混合及び熱力学的平衡を達成した。第2の流体は、対照フラスコに添加しなかった。むしろ、対照フラスコは、純粋な第1の流体の不変の沸点を測定することによって実験の継続中一定の圧力を確認するために使用した。
【0086】
まず、±0.01gの精度を有するはかりを使用して添加前後に容器を計量することによって約2gの、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定して>99面積%の純度を有するエタノールをエブリオメータに導入することによって、測定を実行した。液体を沸騰させ、記録された気圧でn-ペンタンの平衡温度を記録した。次いで、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定して>99.9面積%の純度を有する少量の測定された増分の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを、自動シリンジポンプを介して測定フラスコ内に導入した。所定量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを測定フラスコに添加した後、系をおよそ5分間平衡に到達させ、その後凝縮蒸気液体混合物の平衡温度を記録した。
【0087】
2~98重量パーセントの組成範囲の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンでの組成に対する沸点データを得、以下の表3に提示しており、これは共沸物が形成されたことを示す最低温度を示しており、このデータはまた、
図3にグラフの形態で提示されている。混合物の気泡点温度(bubble point temperature)は一定のままであり、このことは、混合物が大きな組成範囲にわたって共沸様であることを示した。
【0088】
極小沸点の共沸物を示す、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンの温度に対する重量パーセント曲線(
図3)において、88.0重量%±0.3%重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンで極小沸点温度を観察した。温度を選択し、組成データを以下の表3に示す。
【表3】
V.1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン(TFMCB)及びシクロペンタンの共沸性又は共沸様組成物
【0089】
1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン(TFMCB)は、シクロペンタンとの均質な極小沸点の共沸性及び共沸様組成物又は混合物を形成することが見出されており、本開示は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとを含む均質な共沸性又は共沸様組成物を提供する。共沸性若しくは共沸様組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとから本質的になり得るか、又は共沸性若しくは共沸様組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとからなり得る。
【0090】
本発明者らは、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとが共沸性又は共沸様組成物を形成することを実験から見出した。
【0091】
本開示は、共沸性又は共沸様組成物を形成する、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとを含む共沸性又は共沸様組成物を提供する。本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、他の成分と組み合わされると、共沸性又は共沸様混合物の形成をもたらす各成分の量である。
【0092】
本共沸性又は共沸様組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとの組み合わせから本質的になり得るか、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとの組み合わせからなり得る。
【0093】
本開示はまた、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとを混合、組み合わせ、又はブレンドすることによって共沸性又は共沸様組成物を形成する方法を提供する。2つ以上の成分を組み合わせて、組成物を形成するための、当該技術分野において既知の幅広い種類の方法のうちのいずれかを、本方法において使用することができる。例えば、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとを、バッチ式若しくは連続式の反応及び/若しくはプロセスの一部として、又は2つ以上のかかる工程の組み合わせを介して、手によって及び/又は機械によって、混合、ブレンド、又は組み合わせることができる。1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン及びシクロペンタンの両方が市販されており、いくつかの異なる販売者から生成されている場合がある。これらの成分は、必要量で、例えば、秤量してからこれらの量を組み合わせることによって提供され得る。
【0094】
好ましくは、共沸性又は共沸様組成物は、約20重量%~約60重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、約30重量%~約50重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、約35重量%~約40重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、又は約39重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと、約40重量%~約80重量%のシクロペンタン、約50重量%~約70重量%のシクロペンタン、約60重量%~約65重量%のシクロペンタン、又は約61重量%のシクロペンタンとを含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる。好ましくは、本開示の共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約45.59℃±0.01℃の沸点を有する。
【0095】
換言すれば、共沸性又は共沸様組成物は、約20重量%~約60重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約40重量%~約80重量%のシクロペンタン、又は約30重量%~約50重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約50重量%~約70重量%のシクロペンタン、又は約35重量%~約40重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約60重量%~約65重量%のシクロペンタン、又は約39重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約61重量%のシクロペンタンを含み得る。共沸性又は共沸様組成物は、上の量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとから本質的になり得るか、又は上の量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとからなり得る。
【0096】
好ましくは、共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約45.59℃±0.01℃の沸点を有する。
【0097】
別の言い方をすると、共沸性又は共沸様組成物は、約20重量%、約30重量%、若しくは約35重量%ほどの少なさの、又は約40重量%、約50重量%、若しくは約60重量%ほどの多さの、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを含むか、これから本質的になるか、又はこれからなり、共沸性又は共沸様組成物は、約40重量%、約50重量%、若しくは約60重量%ほどの少なさの、又は約65重量%、約70重量%、若しくは約80重量%ほどの多さの、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内のシクロペンタンを含むか、これから本質的になるか、又はこれからなる。一実施形態では、共沸性又は共沸様組成物は、約39重量%及び1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約61重量%のシクロペンタンとを含むか、これらから本質的になるか、又はこれらからなる。好ましくは、本開示の共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約45.59℃±0.01℃の沸点を有する。
【0098】
本開示はまた、共沸性又は共沸様組成物を含む組成物も提供する。例えば、少なくとも約5重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約15重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約50重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約70重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約90重量%の共沸性若しくは共沸様組成物を含む組成物が提供される。
【0099】
以下の非限定的な実施例は、本開示を例示するのに役立つ。
実施例4-エブリオメータでの調査
【0100】
実施例1に記載の比較用のエブリオメータを使用して、周囲圧力での純粋な流体及び混合流体の沸点温度を測定した。およそ2~3グラムの第1の流体を対照フラスコ及び測定フラスコの両方に充填し、撹拌しながら加熱して還流させた。凝縮流体の温度が一定値に到達したときに、第2の流体を測定された増分で測定フラスコに添加した。第2の流体を添加している間十分な時間を取って、2つの流体の適切な混合及び熱力学的平衡を達成した。第2の流体は、対照フラスコに添加しなかった。むしろ、対照フラスコは、純粋な第1の流体の不変の沸点を測定することによって実験の継続中一定の圧力を確認するために使用した。
【0101】
まず、±0.01gの精度を有するはかりを使用して添加前後に容器を計量することによって約2gの、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定して>99面積%の純度を有するシクロペンタンをエブリオメータに導入することによって、測定を実行した。液体を沸騰させ、記録された気圧でn-ペンタンの平衡温度を記録した。次いで、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定して>99.9面積%の純度を有する少量の測定された増分の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを、自動シリンジポンプを介して測定フラスコ内に導入した。所定量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを測定フラスコに添加した後、系をおよそ5分間平衡に到達させ、その後凝縮蒸気液体混合物の平衡温度を記録した。
【0102】
1~70重量パーセントの組成範囲の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンでの組成に対する沸点データを得、以下の表4に提示しており、これは共沸物が形成されたことを示す最低温度を示しており、このデータはまた、
図4にグラフの形態で提示されている。混合物の気泡点温度(bubble point temperature)は一定のままであり、このことは、混合物が大きな組成範囲にわたって共沸様であることを示した。
【0103】
極小沸点の共沸物を示す、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンの温度に対する重量パーセント曲線(
図4)において、39.0重量%±0.3%重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンで極小沸点温度を観察した。温度を選択し、組成データを以下の表4に示す。
【表4】
VI.1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン(TFMCB)及びペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)の共沸性又は共沸様組成物
【0104】
1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン(TFMCB)は、ペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)との均質な極小沸点の共沸性及び共沸様組成物又は混合物を形成することが見出されており、本開示は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とを含む均質な共沸性又は共沸様組成物を提供する。共沸性若しくは共沸様組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になり得るか、又は共沸性若しくは共沸様組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とからなり得る。
【0105】
本発明者らは、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とが共沸性又は共沸様組成物を形成することを実験から見出した。
【0106】
本開示は、共沸性又は共沸様組成物を形成する、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とを含む共沸性又は共沸様組成物を提供する。本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、他の成分と組み合わされると、共沸性又は共沸様混合物の形成をもたらす各成分の量である。
【0107】
本共沸性又は共沸様組成物は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)との組み合わせから本質的になり得るか、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)との組み合わせからなり得る。
【0108】
本開示はまた、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とを混合、組み合わせ、又はブレンドすることによって共沸性又は共沸様組成物を形成する方法を提供する。2つ以上の成分を組み合わせて、組成物を形成するための、当該技術分野において既知の幅広い種類の方法のうちのいずれかを、本方法において使用することができる。例えば、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とを、バッチ式若しくは連続式の反応及び/若しくはプロセスの一部として、又は2つ以上のかかる工程の組み合わせを介して、手によって及び/又は機械によって、混合、ブレンド、又は組み合わせることができる。1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン及びペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)の両方が市販されており、いくつかの異なる販売者から生成されている場合がある。これらの成分は、必要量で、例えば、秤量してからこれらの量を組み合わせることによって提供され得る。
【0109】
好ましくは、共沸性又は共沸様組成物は、約1重量%~約20重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、約5重量%~約15重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、約8重量%~約12重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタン、又は約10重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと、約80重量%~約99重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)、約85重量%~約95重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)、約88重量%~約92重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)、又は約90重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とを含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる。好ましくは、本開示の共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約48.70℃±0.01℃の沸点を有する。
【0110】
換言すれば、共沸性又は共沸様組成物は、約1重量%~約20重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約80重量%~約99重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)、又は約5重量%~約15重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約85重量%~約95重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)、又は約8重量%~約12重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約88重量%~約92重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)、又は約10重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約90重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)を含み得る。共沸性又は共沸様組成物は、上の量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になり得るか、又は上の量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とからなり得る。
【0111】
好ましくは、共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約48.70℃±0.01℃の沸点を有する。
【0112】
別の言い方をすると、共沸性又は共沸様組成物は、約1重量%、約5重量%、若しくは約8重量%ほどの少なさの、又は約12重量%、約15重量%、若しくは約20重量%ほどの多さの、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを含むか、これから本質的になるか、又はこれからなり、共沸性又は共沸様組成物は、約80重量%、約85重量%、若しくは約88重量%ほどの少なさの、又は約92重量%、約95重量%、若しくは約99重量%ほどの多さの、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)を含むか、これから本質的になるか、又はこれからなる。一実施形態では、共沸性又は共沸様組成物は、約10重量%及び1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約90重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とを含むか、これらから本質的になるか、又はこれらからなる。本開示の共沸性又は共沸様組成物は、約14.7psia±0.2psiaの圧力で約48.70℃±0.01℃の沸点を有する。
【0113】
本開示はまた、共沸性又は共沸様組成物を含む組成物も提供する。例えば、少なくとも約5重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約15重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約50重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約70重量%の共沸性若しくは共沸様組成物、又は少なくとも約90重量%の共沸性若しくは共沸様組成物を含む組成物が提供される。
【0114】
以下の非限定的な実施例は、本開示を例示するのに役立つ。
実施例5-エブリオメータでの調査
【0115】
実施例1に記載の比較用のエブリオメータを使用して、周囲圧力での純粋な流体及び混合流体の沸点温度を測定した。およそ2~3グラムの第1の流体を対照フラスコ及び測定フラスコの両方に充填し、撹拌しながら加熱して還流させた。凝縮流体の温度が一定値に到達したときに、第2の流体を測定された増分で測定フラスコに添加した。第2の流体を添加している間十分な時間を取って、2つの流体の適切な混合及び熱力学的平衡を達成した。第2の流体は、対照フラスコに添加しなかった。むしろ、対照フラスコは、純粋な第1の流体の不変の沸点を測定することによって実験の継続中一定の圧力を確認するために使用した。
【0116】
まず、±0.01gの精度を有するはかりを使用して添加前後に容器を計量することによって約2gの、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定して>99面積%の純度を有するペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)をエブリオメータに導入することによって、測定を実行した。液体を沸騰させ、記録された気圧でn-ペンタンの平衡温度を記録した。次いで、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定して>99.9面積%の純度を有する少量の測定された増分の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを、自動シリンジポンプを介して測定フラスコ内に導入した。所定量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンを測定フラスコに添加した後、系をおよそ5分間平衡に到達させ、その後凝縮蒸気液体混合物の平衡温度を記録した。
【0117】
1~50重量パーセントの組成範囲の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンでの組成に対する沸点データを得、以下の表5に提示しており、これは共沸物が形成されたことを示す最低温度を示しており、このデータはまた、
図5にグラフの形態で提示されている。混合物の気泡点温度(bubble point temperature)は一定のままであり、このことは、混合物が大きな組成範囲にわたって共沸様であることを示した。
【0118】
極小沸点の共沸物を示す、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンの温度に対する重量パーセント曲線(
図5)において、10.0重量%±0.3%重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンで極小沸点温度を観察した。温度を選択し、組成データを以下の表5に示す。
【表5】
VII.熱伝達流体
1.概論
【0119】
本発明は、本明細書に記載の共沸性又は共沸様組成物を含む熱伝達流体を提供する。
【0120】
熱伝達流体は、具体的には、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とを含む共沸性又は共沸様組成物を含み得る。
【0121】
熱伝達流体が熱管理(例えば、電子部品冷却)に使用される場合、熱管理流体と称される。熱伝達流体が熱伝達システム(例えば、蒸気圧縮熱伝達システム)で使用される場合、冷媒と称される。
【0122】
熱伝達流体は、少なくとも約5重量%、若しくは少なくとも約15重量%、若しくは少なくとも約50重量%、若しくは少なくとも約70%重量、若しくは少なくとも約90重量%、若しくは少なくとも95重量%、若しくは少なくとも99重量%の量で共沸性若しくは共沸様組成物を含み得るか、又は熱伝達流体は、共沸性若しくは共沸様組成物から本質的になり得るか、若しくはそれからなり得る。
【0123】
好ましくは、熱伝達流体(したがって、熱管理流体又は冷媒もまた)は、低GWPを有する。例えば、熱伝達流体は、約1000以下、又は約700以下、又は約500以下、又は約300以下、又は約150以下のGWPを有し得る。
【0124】
本発明はまた、本発明の冷媒を含む熱伝達組成物を提供する。
【0125】
熱伝達組成物は、少なくとも約5重量%、又は少なくとも約15重量%、又は少なくとも約50重量%、又は少なくとも約70重量%、又は少なくとも約90%の冷媒を含み得る。
【0126】
熱伝達組成物は、ある特定の機能性を向上させるか、又はある特定の機能性を組成物に提供する目的で他の成分を含み得る。
【0127】
好ましくは、熱伝達組成物は、潤滑剤を含む。潤滑剤は、冷媒を使用して冷媒圧縮機を潤滑する。潤滑剤は、熱伝達組成物の約5重量%~約30%の量で熱伝達組成物中に存在し得る。ポリオールエステル(Polyol Ester、POE)、ポリアルキレングリコール(Poly Alkylene Glycol、PAG)、PAG油、ポリビニルエーテル(polyvinyl ether、PVE)、及びポリ(アルファ-オレフィン)(poly(alpha-olefin)、PAO)、及びそれらの組み合わせなどの潤滑剤を、本発明の熱伝達組成物中で使用することができる。
【0128】
好ましい潤滑剤としては、POE及びPVE、より好ましくはPOEが挙げられる。当然ながら、異なる種類の潤滑剤の異なる混合物が使用されてもよい。例えば、冷媒が移動式空調用途で使用される場合、潤滑剤は、PAGであってもよい。
【0129】
本発明の熱伝達組成物は、上述の冷媒及び潤滑剤から本質的になり得るか、又はこれらからなり得る。
【0130】
市販の鉱油としては、WitcoからのWitco LP 250(登録商標)、Shrieve ChemicalからのZerol 300(登録商標)、WitcoからのSunisco 3GS、及びCalumetからのCalumet R015が挙げられる。市販のアルキルベンゼン潤滑剤としては、Zerol 150(登録商標)が挙げられる。市販のエステルとしては、Emery 2917(登録商標)及びHatcol 2370(登録商標)として入手可能なジペラルゴン酸ネオペンチルグリコールが挙げられる。他の有用なエステルとしては、リン酸エステル、二塩基酸エステル、及びフルオロエステルが挙げられる。
【0131】
熱伝達組成物は、潤滑剤の相溶性及び/又は可溶性を補助する目的で相溶化剤を含み得る。好適な相溶化剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、及び/又はヘキサンを挙げることができる。存在する場合、相溶化剤は、好ましくは、熱伝達組成物の約0.5%~約5重量%の量で存在する。米国特許第6,516,837号(この開示は参照により組み込まれる)によって開示されているように、油溶性を補助するために、界面活性剤と可溶化剤との組み合わせもまた、本組成物に添加されてもよい。
2.使用及びシステム
【0132】
本発明の熱伝達流体、熱管理流体、冷媒、及び熱伝達組成物は、加熱及び/又は冷却に使用することができる。
【0133】
したがって、本発明は、本発明の本発明の熱伝達流体、熱管理流体、冷媒、又は熱伝達組成物を使用して流体又は本体を加熱又は冷却する方法を提供する。
【0134】
熱管理
【0135】
熱伝達流体は、熱管理流体として使用することができる。
【0136】
電子部品のほとんど全ての現代的用途では、熱の分散は重要な考慮事項である。例えば、携帯型及び手持ち式デバイスでは、機能性を追加しながら小型化するという要望は、熱電力密度を増加させ、デバイス内で電子部品を冷却する課題を増加させる。デスクトップコンピュータ、データセンタ、及び電気通信センタ内での演算電力が増加すると、熱出力が増加する。プラグイン式電気車両又はハイブリッド車両、風力タービン、電車のエンジン、発電機、及び様々な産業プロセスにおけるトラクションインバータなどの電力電子デバイスは、更により高い電流及び熱フラックスで動作するトランジスタを利用する。
【0137】
したがって、本発明は、熱管理流体を含む電子デバイスに関する。
【0138】
熱管理流体は、電子デバイス内の発熱構成要素から、電子デバイス内の熱交換器(例えば凝縮器)に熱を伝達するように設計されている。熱管理流体は、例えば、ポンプなどの機械的装置を使用することによって受動的又は能動的に再循環され得る。受動的再循環システムは、典型的には熱管理流体が気化するまで、発熱構成要素から熱管理流体に熱を伝達し、加熱された蒸気を凝縮器に進めさせ、凝縮器で凝縮器表面に蒸気の熱を伝達し、凝縮させて液体に戻すことができ、次いで、凝縮された液体を、発熱構成要素と接触している熱管理流体にリフローさせることによって機能する。受動的熱管理システムとしては、例えば、単一相又は二相浸漬冷却を挙げることができる。熱管理流体は、ポンプ式二相システム内で再循環され得ることが理解されるであろう。
【0139】
熱管理流体は、典型的には、少なくとも2つの熱交換器を含み得る、電子デバイス内のクローズドシステムで使用される。熱管理流体を使用して発熱構成要素を冷却する場合、熱は、通常、構成要素の少なくとも一部と接触している熱交換器を通じて、構成要素から流体に伝達され得るか、又は熱は、熱管理流体と熱接触している熱交換器に熱を伝導することができる循環空気に伝達され得る。あるいは、流体は、発熱構成要素に直接接触し得る。次いで、流体は、温められた流体として、又は蒸気として、熱交換器に循環され得、熱循環器が、流体から熱を取りその熱を外部環境に伝達する。この熱伝達後、冷却された熱管理流体(冷却又は凝縮された)は再利用される。
【0140】
電子デバイスは、発熱構成要素を含む。発熱構成要素は、熱を生じる電子的素子を含む任意の構成要素であり得る。例示的な発熱構成要素としては、半導体集積回路(integrated circuit、IC)、電気化学セル、パワートランジスタ、抵抗器、及びエレクトロルミネッセンス素子が挙げられる。発熱構成要素としては、限定されないが、マイクロプロセッサ、半導体デバイスを製造するために使用されるウェハ、電力制御半導体、配電スイッチギア、電力変圧器、回路基板、マルチチップモジュール、パッケージ化された又はパッケージ化されていない半導体デバイス、半導体集積回路、燃料電池、レーザー(従来の又はレーザーダイオード)、発光ダイオード(light emitting diode、LED)、及び例えばハイブリッド車両又は電気車両などの高電力用途に使用される例えば電気化学セルを挙げることができる。
【0141】
好適な電子デバイスとしては、パーソナルコンピュータ、マイクロプロセッサ、サーバ、携帯電話、タブレット、デジタル家庭電化製品(例えば、テレビ、メディアプレーヤ、ゲームコンソールなど)、及びパーソナルデジタルアシスタントが挙げられる。一般に、冗長電力又はバックアップ電力、冗長データ通信接続、環境制御(例えば、エアーコンディショニング及び火災抑制を含む)、及びセキュリティデバイスを含む、電気通信及び記憶システムなどのコンピュータシステム及び関連する構成要素の集合であるデータセンタはまた、本発明の電子デバイスの範囲内である。電子デバイスは、ハイブリッド車両又は電気車両であり得る。電気デバイスは、風力タービン、電車のエンジン、又は発電機であり得ることも理解されるであろう。
【0142】
冷媒及び熱伝達組成物の使用
【0143】
本発明はまた、本発明の冷媒又は熱伝達組成物を含む熱伝達システムを提供する。本明細書に記載の熱伝達システムは、流体連通している蒸発器、凝縮器、及び圧縮機を有する蒸気圧縮システムであり得ることが理解されるであろう。
【0144】
本発明の冷媒又は熱伝達組成物は、二次流体として使用することができる。
【0145】
本発明の冷媒又は熱伝達組成物は、幅広い異なる熱伝達用途において使用することができることが理解されるであろう。
【0146】
有機ランキンサイクル
【0147】
本発明の冷媒又は熱伝達組成物は、有機ランキンサイクル(Organic Rankine Cycle、ORC)で使用することができる。ORCの文脈において、これらのシステムで使用される冷媒はまた、「作動流体」として分類されてもよい。
【0148】
ランキンサイクルシステムは、熱エネルギーを機械的軸動力に変換するための単純かつ信頼性の高い手段であることが知られている。
【0149】
工業環境では、特に工業環境が既に現場で作業中又は保管中の大量の可燃物を有する場合に、トルエン及びペンタンなどの可燃性作動流体を使用することが可能であり得る。しかしながら、人口の多い地域又は建物付近での発電など、可燃性かつ/又は有毒な作動流体の使用に関連するリスクが許容されない場合、作動流体として不燃性かつ/又は非毒性冷媒を使用する必要がある。また、GWPの観点から業界内にはこれらの材料を環境的に許容可能なものにする動きもある。
【0150】
有機ランキンサイクルで廃熱を回収するためのプロセスは、プロセスストリームなどの外部(廃)熱源が、作動流体を加熱し、作動流体の飽和蒸気又は過熱蒸気への蒸発を生じるボイラーを通じて液相作動流体を送ることを含む。この蒸気は、タービンを通って膨張し、廃熱エネルギーが機械エネルギーに変換される。続いて、気相作動流体を液体に凝縮し、熱抽出サイクルを繰り返すためにボイラーにポンプバックする。
【0151】
したがって、本発明は、有機ランキンサイクルにおける本発明の冷媒又は熱伝達組成物の使用に関する。
【0152】
本発明はまた、ランキンサイクルにおいて熱エネルギーを機械エネルギーに変換するためのプロセスであって、方法が、i)作動流体を熱源で気化させ、得られた蒸気を膨張させる工程と、次いで、ii)ヒートシンクで作動流体を冷却して蒸気を凝縮させる工程と、を含み、作動流体が、本発明の冷媒又は熱伝達組成物である、プロセスを提供する。
【0153】
機械仕事は、発電機などの電気装置に送信されて電力を生成することができる。
【0154】
熱源は、産業廃熱、太陽エネルギー、地熱温水、低圧蒸気、燃料電池を利用する分散発電装置、原動機、又は内燃機関エンジンから選択される熱エネルギー源によって提供され得る。低圧蒸気は、低圧の地熱蒸気であるか、又は化石燃料動力発電プラントによって提供される。
【0155】
ある特定の燃焼ガス及び一部の燃料電池の熱源温度は、例えば、約90℃~>800℃など広く変動し得、地理、時期などを含む無数の要因に依存し得ることが理解されるであろう。例えばプラスチック製造プラント、及び/又は化学若しくは他の工業プラント、石油製油所などからの廃水若しくは低圧蒸気などの供給源、並びに地熱源に基づくシステムは、約100℃以下、場合によっては約90℃ほどの低さの、又は更には約80℃ほどの低さの供給源温度を有し得る。微粒子及び/又は腐食種を除去するための後続の処理が低温で生じる燃焼プロセス又は任意の熱源からの排気ガスなどのガス状熱源はまた、約130℃以下、約120℃以下、約100℃以下、約100℃以下、場合によっては約90℃ほどの低さ、又は更には約80℃ほどの低さの供給源温度を有し得る。
【0156】
しかしながら、熱源は、少なくとも約200℃、例えば約200℃~約400℃の温度を有することが好ましい。
【0157】
ヒートポンプ
【0158】
本発明の冷媒及び熱伝達組成物は、ヒートポンプシステムで使用することができる。
【0159】
本発明は、ヒートポンプを使用して流体又は本体を加熱する方法であって、当該方法が、(a)本体の流体の近傍で、又は加熱された流体の近傍で、本発明の冷媒組成物を凝縮させる工程と、(b)当該冷媒を蒸発させる工程と、を含む、方法を提供する。
【0160】
ヒートポンプの例としては、ヒートポンプ回転式乾燥機、可逆式ヒートポンプ、及び空気対空気ヒートポンプが挙げられる。ヒートポンプはまた、ヒートポンプ給湯器であってもよい。ヒートポンプは、高温ヒートポンプであってもよいことが理解されるであろう。「高温ヒートポンプ」とは、少なくとも約80℃、好ましくは少なくとも約90℃、より好ましくは少なくとも約100℃の温度を生成することが可能であるヒートポンプを意味する。
【0161】
ヒートポンプは、吸引ライン/液体ライン熱交換器(suction line/liquid line heat exchanger、SL-LL HX)を備え得ることが理解されるであろう。
【0162】
二次ループシステム
【0163】
本発明の冷媒又は熱伝達組成物は、二次ループシステムでの二次流体として使用することができる。
【0164】
二次ループシステムは、一次冷媒を使用する一次蒸気圧縮システムループを含有し、その蒸発器が二次ループ流体を冷却する。次いで、二次流体は、用途のために必要な冷却を提供する。かかるループ内の流体は、冷却空間近傍でヒトが曝露する可能性があるので、二次流体は不燃性であり、低毒性を有する必要がある。換言すれば、本発明の冷媒又は熱伝達組成物は、二次ループシステムにおいて「二次流体」として使用することができる。
【0165】
一次ループ(蒸気圧縮サイクル、ループの外部/屋外部分)で使用される一次流体は、限定されないが、HFO-1234ze(E)、HFO-1234yf、プロパン、R455A、R32、R466A、R44B、R290、R717、R452B、R448A、及びR449A、好ましくはHFO-1234ze(E)、HFO-1234yf、又はプロパンから選択され得る。
【0166】
二次ループシステムは、冷蔵又は空調用途で使用することができる。
【0167】
換言すれば、二次ループシステムは、二次ループ冷蔵システム又は二次ループ空調システムであってもよい。
【0168】
二次ループ冷蔵システムが使用され得る例としては、低温冷蔵システム、中温冷蔵システム、商業用冷蔵庫、市販の冷凍庫、工業用冷凍庫、工業用冷蔵庫、及び冷却装置が挙げられる。
【0169】
二次ループ空調システムが使用され得る例としては、移動式空調システムが挙げられる。自動車、トラック、及びバスなどの道路車両の空調、並びにボート及び列車の空調を含む、移動式空調システム。例えば、車両は、電池又は電源を含有する。あるいは、二次ループ空調システムは、固定空調システムであってもよい。固定空調システムの例としては、冷却機、特に容積式冷却機、より具体的にはモジュール式又は単独パッケージ化されている従来のもののいずれかである空冷又は水冷直接膨張冷却機、住宅用空調システム、具体的にはダクトプリット又はダクトレススプリット空調システム、住宅用ヒートポンプ、住宅用空気対水ヒートポンプ/ハイドロニクスシステム、産業用空調システム、商業用空調システム、具体的にはパッケージ化されたルーフトップユニット、及び可変冷媒流(variable refrigerant flow、VRF)システム、商用の空気熱源、水熱源、又は土壌熱源ヒートポンプシステム、のうちのいずれか1つにおいて使用され得る。
【0170】
二次ループ空調又は冷蔵システムは、吸引ライン/液体ライン熱交換器(SL-LL HX)を備え得ることが理解されるであろう。
【0171】
方法
【0172】
本発明の熱伝達流体、熱管理流体、冷媒、又は熱伝達組成物は、既存の流体として使用することができる。
【0173】
例えば、本発明の熱管理流体は、HFC-4310mee、HFE-7100、及びHFE-7200などの既存の流体の代替品として使用することができる。代替品は、既存のシステム、又は新しいシステムであってもよい。
【0174】
例えば、本発明の冷媒は、HFC-245fa、HFC-134a、HFC-404A、及びHFC-410Aなどの既存の冷媒の代替品として使用することができる。冷媒は、既存の冷媒が以前使用されていた用途で使用することができる。あるいは、冷媒は、既存のシステムにおいて既存の冷媒を改造するために使用することができる。
【0175】
本発明は、熱伝達システムの既存の冷媒を置き換える方法であって、当該方法が、(a)当該システムから当該既存の冷媒のうちの少なくとも一部分を除去する工程と、続いて(b)本発明の冷媒を当該システムに導入する工程と、を含む、方法を提供する。既存の冷媒は、HFC-245fa、HFC-134a、HFC-404A、及びHFC-410Aから選択され得る。
【0176】
工程(a)は、工程(b)の前に、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約99重量%、又は少なくとも約99.5重量%の当該既存の冷媒を当該システムから除去することを含み得る。
【0177】
方法は、工程(a)を行った後、かつ工程(b)を行う前に、当該システムを溶剤でフラッシングする工程を任意選択的に含み得る。
実施例6-電子構成要素用の熱伝達流体
【0178】
上の実施例1~5に従って、それぞれ有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと、エタノール、n-ペンタン、シクロペンタン、trans-1,2-ジクロロエチレン、及びペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)trans-1,2-ジクロロエチレンの各々とをそれぞれ含む、5つの異なる共沸性組成物を調製する。
【0179】
組成物は、発熱構成要素が、半導体集積回路(IC)、電気化学セル、パワートランジスタ、抵抗器、及びマイクロプロセッサなどのエレクトロルミネッセンス素子、半導体デバイスを製造するために使用されるウェハ、電力制御半導体、配電スイッチギア、電力変圧器、回路基板、マルチチップモジュール、パッケージ化された又はパッケージ化されていない半導体デバイス、半導体集積回路、燃料電池、レーザー(従来の又はレーザーダイオード)、発光ダイオード(LED)、及び例えばハイブリッド車両又は電気車両などの高電力用途に使用される例えば電気化学セルであるシステムにおいて、冷媒又は作動流体の形態の熱伝達流体として使用される。組成物は、有効な熱伝達特性を実証する。
【0180】
1つの特定の使用では、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を調製し、これらの用途での有効な熱伝達特性を実証する。
実施例7-電子構成要素用の熱伝達流体
【0181】
上の実施例1~5に従って、それぞれ有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと、エタノール、n-ペンタン、シクロペンタン、trans-1,2-ジクロロエチレン、及びペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)trans-1,2-ジクロロエチレンの各々とを含む、5つの異なる共沸性組成物を調製する。
【0182】
組成物は、パーソナルコンピュータ、マイクロプロセッサ、サーバ、携帯電話、タブレット、デジタル家庭電化製品(例えば、テレビ、メディアプレーヤ、ゲームコンソールなど)、パーソナルデジタルアシスタント、データセンタ、ハイブリッド車両又は電気車両、風力タービン、電車のエンジン、又は発電機(好ましくは、電子デバイスがハイブリッド車両又は電気車両である)を含む電子デバイスにおいて、冷媒又は作動流体の形態の熱伝達流体として使用される。組成物は、有効な熱伝達特性を実証する。
【0183】
1つの特定の使用では、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を調製し、これらの用途での有効な熱伝達特性を実証する。
実施例8-ORC用の熱伝達流体
【0184】
上の実施例1~5に従って、それぞれ有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと、エタノール、n-ペンタン、シクロペンタン、trans-1,2-ジクロロエチレン、及びペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)trans-1,2-ジクロロエチレンの各々とを含む、5つの異なる共沸性組成物を調製する。
【0185】
組成物は、有機ランキンサイクル(ORC)において熱エネルギーを機械エネルギーに変換するためのプロセスにおいて冷媒又は作動流体の形態の熱伝達流体として使用され、方法は、i)作動流体を熱源で気化させ、得られた蒸気を膨張させる工程と、次いで、ii)作動流体をヒートシンクで冷却して蒸気を凝縮させる工程と、を含む。組成物は、有効な熱伝達特性を実証する。
【0186】
1つの特定の使用では、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を調製し、この用途での有効な熱伝達特性を実証する。
実施例9-ヒートポンプ用の熱伝達流体
【0187】
上の実施例1~5に従って、それぞれ有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと、エタノール、n-ペンタン、シクロペンタン、trans-1,2-ジクロロエチレン、及びペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)trans-1,2-ジクロロエチレンの各々とを含む、5つの異なる共沸性組成物を調製する。
【0188】
組成物は、(a)本体の流体の近傍で、又は加熱された流体の近傍で冷媒を凝縮させる工程と、(b)当該冷媒を蒸発させる工程と、を含む、ヒートポンプを使用して流体又は本体を加熱する方法において、冷媒又は作動流体の形態の熱伝達流体として使用される。組成物は、有効な熱伝達特性を実証する。
【0189】
1つの特定の使用では、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を調製し、この用途での有効な熱伝達特性を実証する。
実施例10-二次ループシステム用の熱伝達流体
【0190】
上の実施例1~5に従って、それぞれ有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと、エタノール、n-ペンタン、シクロペンタン、trans-1,2-ジクロロエチレン、及びペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)trans-1,2-ジクロロエチレンの各々とを含む、5つの異なる共沸性組成物を調製する。
【0191】
組成物は、一次冷媒を使用する一次蒸気圧縮システムループにおいて、冷媒又は作動流体の形態の熱伝達流体として使用され、一次蒸気圧縮システムループの蒸発器は、低温冷蔵システム、中温冷蔵システム、市販の冷蔵庫、商業用冷凍庫、工業用冷凍庫、工業用冷蔵庫、及び冷却装置から選択される二次冷蔵ループシステムを用いて二次ループ流体を冷却する。組成物は、有効な熱伝達特性を実証する。
【0192】
1つの特定の使用では、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を調製し、この用途での有効な熱伝達特性を実証する。
VIII.発泡剤
【0193】
本共沸性又は共沸様組成物は、ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体、及びフェノール発泡体を含む熱硬化性発泡体用の発泡剤として使用することができ、また、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体、及びポリエチレンテレフタレート発泡体から選択される熱可塑性発泡体用の発泡剤としても使用することができる。
【0194】
具体的には、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとを含む共沸性又は共沸様組成物は、ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体、及びフェノール発泡体から選択される熱硬化性発泡体用の発泡剤として使用することができ、また、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体、及びポリエチレンテレフタレート発泡体から選択される熱可塑性発泡体用の発泡剤としても使用することができる。
実施例11-1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとの共沸物の発泡剤としての使用
【0195】
上の実施例4に従って、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとを含む、共沸性組成物を調製する。組成物は、ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体、及びフェノール発泡体から選択される熱硬化性発泡体用の発泡剤として使用される。組成物はまた、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体、及びポリエチレンテレフタレート発泡体から選択される熱可塑性発泡体用の発泡剤としても使用される。組成物は、有効な断熱性を有する発泡体の製造における発泡剤としての使用を実証する。
IX.溶剤
【0196】
本明細書に開示の相対重量範囲で成分を有する、本共沸性又は共沸様組成物を溶剤組成物として使用することができる。溶剤組成物は、噴霧可能なエアゾール組成物の形態であり得、塗料及び接着剤などのコーティングの脱脂又は除去を含む用途に使用することができる。
【0197】
溶剤組成物は、エアゾール及び/又は噴霧可能組成物であり得、約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有し得る。
【0198】
溶剤組成物は、汚染された物品を溶剤組成物と接触させることを含む、物品から汚染物質を除去する方法で使用することができる。物品は、金属、ガラス、シリカ、及びアルミナからなる群から選択され得る。
【0199】
溶剤組成物は、汚染された物品を溶剤組成物と接触させることを含む、物品からコーティングを除去する方法で使用することができる。コーティングは、塗料及び接着剤からなる群から選択され得る。
実施例12
【0200】
本共沸性又は共沸様組成物を含む溶剤組成物を、エアゾール缶に充填する。エアゾールバルブを各缶上の定位置に圧着し、バルブを通じてHFC-134aを添加して、約20PSIGの缶内の圧力を達成する。次いで、組成物を表面上に噴霧して、組成物がエアゾールとして有用であることを実証する。
【0201】
加えて、エアゾール組成物を、油、グリース、汚れ、又ははんだフラックスを含む表面上に噴霧し、かかる材料を溶剤和及び除去するのに有効である。
実施例13
【0202】
本共沸性又は共沸様組成物を含む溶剤組成物を、エアゾール缶に充填する。エアゾールバルブを定位置に圧着し、バルブを通じてHFC-134aを添加して、約20PSIGの缶内の圧力を達成する。次いで、組成物を、はんだフラックスで汚れた金属クーポン上に噴霧する。フラックスを除去し、クーポンは視覚的にきれいである。
実施例14
【0203】
洗浄剤として組成物を適用する方法が、噴霧の代わりに蒸気脱脂又は拭き取りであることを除いて、上の実施例13を繰り返す。任意選択的に、洗浄剤は、未希釈で適用する。任意選択的に、洗浄される材料を、はんだフラックスから鉱油、シリコン油、又は他の潤滑剤に変更する。各場合において、同様の結果が実証されている。
実施例15
【0204】
本共沸性又は共沸様組成物を含有する混合物を調製する。いくつかのステンレス鋼クーポンを鉱油で汚す。次いで、これらのクーポンを混合物に浸漬する。混合物は、短時間で油を除去する。クーポンを視覚的に観察したところ、きれいに見える。
実施例16
【0205】
本共沸性又は共沸様組成物を含有するエアゾール溶剤を調製する。Kester 1544 Rosin Soldering Fluxをステンレス鋼クーポン上に置き、およそ300~400°Fに加熱し、これを、プリント回路基板の製造において電子構成要素をはんだ付けするために通常使用されるウェーブソルジャー(wave soldier)との接触を模倣する。次いで、クーポンに溶剤を噴霧し、すすぎ洗いすることなく15秒後に除去する。結果は、目視検査によって、クーポンがきれいに見えたことを示す。
実施例17
【0206】
本共沸性又は共沸様組成物は、塗料、コーティング、及び接着剤を表面から除去するための溶媒和剤として使用される。溶媒和剤は、塗料、コーティング、及び接着剤を溶媒和するのに有効であり、表面からのそれらの除去を可能にする。
【0207】
本明細書で使用するとき、「前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内」という句は、それらの値が列挙のより低い部分にあるか又は列挙のより高い部分にあるかにかかわらず、任意の範囲がかかる句の前に列挙された値のうちのいずれかの2つから選択され得ることを意味する。例えば、1対の値は、2つのより低い値、2つのより高い値、又はより低い値及びより高い値から選択されてもよい。
【0208】
前述の説明は、本開示の単なる例示に過ぎないことが理解されるべきである。本開示から逸脱することなく、当業者によって様々な代替形態及び修正形態を考案することができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲内に含まれる全てのかかる代替形態、修正形態、及び変動を包含することを意図する。
態様
【0209】
本発明は、以下の番号付けした態様を参照することによって更に例示される。番号付けした態様の主題は、本明細書又は特許請求の範囲のうちの1つ以上の主題と更に組み合わせることができる。
【0210】
態様1は、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとから本質的になる、共沸性又は共沸様組成物である。
【0211】
態様2は、約1重量%~約70重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約30重量%~約99重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレンとから本質的になる、態様1に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0212】
態様3は、約10重量%~約50重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約50重量%~約90重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレンとから本質的になる、態様2に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0213】
態様4は、約15重量%~約40重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約60重量%~約85重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレンとから本質的になる、態様3に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0214】
態様5は、約26重量%%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約74重量%のtrans-1,2-ジクロロエチレンとから本質的になる、態様4に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0215】
態様6は、組成物が、約14.7±0.2psiaの圧力で約46.48℃±0.01℃の沸点を有する、態様1~5のいずれかに記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0216】
態様7は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとからなる、態様1~6のいずれかに記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0217】
態様8は、共沸性又は共沸様組成物が、メタノールを含まない、態様1~7のいずれかに記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0218】
態様9は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとを組み合わせて、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとtrans-1,2-ジクロロエチレンとから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を形成する工程を含む、態様1~8のいずれかに記載の共沸性又は共沸様組成物を形成する方法である。
【0219】
態様10は、共沸性又は共沸様組成物が、メタノールを含まない、態様9に記載の方法である。
【0220】
態様11は、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとから本質的になる、共沸性又は共沸様組成物である。
【0221】
態様12は、約3重量%~約50重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約50重量%~約97重量%のn-ペンタンとから本質的になる、態様11に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0222】
態様13は、約8重量%~約40重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約60重量%~約92重量%のn-ペンタンとから本質的になる、態様12に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0223】
態様14は、約13重量%~約30重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約70重量%~約87重量%のn-ペンタンとから本質的になる、態様13に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0224】
態様15は、約21重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約79重量%のn-ペンタンとから本質的になる、態様14に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0225】
態様16は、組成物が、約14.6±0.2psiaの圧力で約35.39℃±0.01℃の沸点を有する、態様11~15のいずれかに記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0226】
態様17は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとからなる、態様11~16のいずれかに記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0227】
態様18は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとを組み合わせて、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとn-ペンタンとから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を形成する工程を含む、態様11~17のいずれかに記載の共沸性又は共沸様組成物を形成する方法である。
【0228】
態様19は、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとから本質的になる、共沸性又は共沸様組成物である。
【0229】
態様20は、約20重量%~約60重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約40重量%~約80重量%のシクロペンタンとから本質的になる、態様19に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0230】
態様21は、約30重量%~約50重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約50重量%~約70重量%のシクロペンタンとから本質的になる、態様20に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0231】
態様22は、約35重量%~約40重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約60重量%~約65重量%のシクロペンタンとから本質的になる、態様21に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0232】
態様23は、約39重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約61重量%のシクロペンタンとから本質的になる、態様22に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0233】
態様24は、組成物が、約14.7±0.2psiaの圧力で約45.59℃±0.01℃の沸点を有する、態様19~23のいずれかに記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0234】
態様25は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとからなる、態様19~24のいずれかに記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0235】
態様26は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとを組み合わせて、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとシクロペンタンとから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を形成する工程を含む、態様19~25のいずれかに記載の共沸性又は共沸様組成物を形成する方法である。
【0236】
態様27は、態様19~26のいずれかに記載の共沸性又は共沸様組成物を含む発泡剤である。
【0237】
態様28は、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる、共沸性又は共沸様組成物である。
【0238】
態様29は、約1重量%~約20重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約80重量%~約99重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる、態様28に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0239】
態様30は、約5重量%~約15重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約85重量%~約95重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる、態様29に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0240】
態様31は、約8重量%~約12重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約88重量%~約92重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる、態様30に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0241】
態様32は、約10重量%の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンと約90重量%のペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる、態様31に記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0242】
態様33は、組成物が、約14.7±0.2psiaの圧力で約48.70℃±0.01℃の沸点を有する、態様28~32のいずれかに記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0243】
態様34は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とからなる、態様28~32のいずれかに記載の共沸性又は共沸様組成物である。
【0244】
態様34は、1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とを組み合わせて、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を形成する工程を含む、態様28~33のいずれかに記載の共沸性又は共沸様組成物を形成する方法である。
【0245】
態様35は、電子デバイス内の発熱構成要素を冷却するための方法であって、電子デバイスが、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)から本質的になる共沸性又は共沸様組成物を含む熱管理流体を含み、方法が、発熱構成要素から熱管理流体に熱を伝達することと、当該熱管理流体を当該システム内で循環させることと、を含む、方法である。
【0246】
態様36は、熱管理流体が、発熱構成要素と直接接触している、態様35に記載の方法である。
【0247】
態様37は、熱管理流体が、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる共沸性又は共沸様組成物から本質的になる、態様35又は態様36に記載の方法である。
【0248】
態様38は、発熱構成要素が、半導体集積回路(IC)、電気化学セル、パワートランジスタ、抵抗器、及びマイクロプロセッサなどのエレクトロルミネッセンス素子、半導体デバイスを製造するために使用されるウェハ、電力制御半導体、配電スイッチギア、電力変圧器、回路基板、マルチチップモジュール、パッケージ化された又はパッケージ化されていない半導体デバイス、半導体集積回路、燃料電池、レーザー(従来の又はレーザーダイオード)、発光ダイオード(LED)、及び例えばハイブリッド車両又は電気車両などの高電力用途に使用される例えば電気化学セルから選択される、態様35~37のいずれかに記載の方法である。
【0249】
態様39は、当該電子デバイスが、パーソナルコンピュータ、マイクロプロセッサ、サーバ、携帯電話、タブレット、デジタル家庭電化製品(例えば、テレビ、メディアプレーヤ、ゲームコンソールなど)、パーソナルデジタルアシスタント、データセンタ、ハイブリッド車両又は電気車両、風力タービン、電車のエンジン、又は発電機から選択される、態様35~38のいずれかに記載の方法である。
【0250】
態様40は、電子デバイスが、ハイブリッド車両又は電気車両である、態様39に記載の方法である。
【0251】
態様41は、ランキンサイクルにおいて熱エネルギーを機械エネルギーに変換するためのプロセスであって、方法が、i)作動流体を熱源で気化させ、得られた蒸気を膨張させる工程と、次いで、ii)ヒートシンクで作動流体を冷却して蒸気を凝縮させる工程と、を含み、作動流体が、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる、少なくとも約50重量%の共沸性又は共沸様組成物を含む、プロセスである。
【0252】
態様42は、熱伝達流体を含む高温ヒートポンプであって、熱伝達流体が、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を含む、高温ヒートポンプである。
【0253】
態様43は、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を含む冷媒を含む、二次ループシステムである。
【0254】
態様44は、熱伝達流体及び潤滑剤を含む熱伝達組成物であって、熱伝達流体が、有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を含む、熱伝達組成物である。
【0255】
態様45は、潤滑剤が、少なくとも1つのポリオールエステル(POE)を含む、態様44に記載の熱伝達流体である。
【0256】
態様46は、熱伝達システムの既存の冷媒を置き換える方法であって、方法が、(a)当該システムから当該既存の冷媒のうちの少なくとも一部分を除去する工程と、続いて(b)有効量の1,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルシクロブタンとペルフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)とから本質的になる共沸性又は共沸様組成物を含む冷媒を当該システムに導入する工程と、を含む、方法である。
【0257】
態様47は、態様1~8、11~17、19~25、及び28~34のいずれかに記載の共沸性又は共沸様組成物を含む、溶剤組成物である。
【0258】
態様48は、態様47に記載の溶剤組成物を含む、エアゾール及び/又は噴霧可能組成物である。
【0259】
態様49は、汚染された物品を態様47又は態様48に記載の溶剤組成物と接触させることを含む、物品から汚染物質を除去する方法である。
【0260】
態様50は、物品が、金属、ガラス、シリカ、及びアルミナからなる群から選択される、請求項態様49に記載の方法である。
【0261】
態様51は、汚染された物品を態様47又は態様48に記載の溶剤組成物と接触させることを含む、物品からコーティングを除去する方法である。
【0262】
態様52は、コーティングが、塗料及び接着剤からなる群から選択される、態様51に記載の方法である。
【0263】
態様53は、溶剤組成物が、約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、態様47に記載の溶剤組成物である。
【0264】
本明細書で使用するとき、「前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内」という句は、それらの値が列挙のより低い部分にあるか又は列挙のより高い部分にあるかにかかわらず、任意の範囲がかかる句の前に列挙された値のうちのいずれかの2つから選択され得ることを意味する。例えば、1対の値は、2つのより低い値、2つのより高い値、又はより低い値及びより高い値から選択されてもよい。
【0265】
前述の説明は、本開示の単なる例示に過ぎないことが理解されるべきである。本開示から逸脱することなく、当業者によって様々な代替形態及び修正形態を考案することができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲内に含まれる全てのかかる代替形態、修正形態、及び変動を包含することを意図する。
【国際調査報告】