(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-10
(54)【発明の名称】飲料缶のための閉鎖システム
(51)【国際特許分類】
B65D 43/20 20060101AFI20220203BHJP
B65D 43/18 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
B65D43/20 100
B65D43/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534718
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(85)【翻訳文提出日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 EP2019085378
(87)【国際公開番号】W WO2020127071
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521261290
【氏名又は名称】エアエー-エルイーデー エンジニアリング アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ビューラー, アロイス
(72)【発明者】
【氏名】シャンドル, クリスティアン
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA23
3E084AA24
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB02
3E084CB04
3E084CC02
3E084CC03
3E084FA06
3E084FD08
3E084GB23
3E084HA03
3E084HB04
3E084HC03
3E084HD04
3E084KA20
3E084LA13
3E084LB02
(57)【要約】
本発明は、飲料コンテナ、特に、飲料缶のための閉鎖システムであって、上側と、下側とを伴う、蓋(1)であって、飲口(4)を有する、蓋と、飲口を閉鎖するための閉鎖要素(20)と、ユーザによって飲口を手動で閉鎖するための動作要素(8)とを備え、閉鎖要素は、蓋の下側およびに位置付けられ、蓋の上側上で動作要素と固定して接続され、飲口を再閉鎖するための閉鎖要素は、閉鎖位置において飲口を覆うように構成され、動作要素および閉鎖要素は、蓋の上側と略平行に延在する、第1の軸に沿って、移動可能に配列され、第1の軸に沿った第1の方向における動作要素の移動は、閉鎖位置からの閉鎖要素の移動および飲口の開放を引き起こし、第1の軸に沿った第1の方向と反対の第2の方向における動作要素の移動は、閉鎖位置への閉鎖要素の移動および飲口の再閉鎖を引き起こす、閉鎖システムに関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体および/またはバルク材料のためのコンテナ、特に、飲料缶(2)または段ボール箱のための閉鎖システム(1)であって、
蓋(10)であって、前記蓋(10)は、上側(11)と、下側(12)と、飲口(14)とを備え、前記飲口は、ガイドスロットを備える、蓋(10)と、
前記飲口(14)を閉鎖するための閉鎖部材(20)と、
ユーザによって前記飲口(14)を手動で開放するための動作部材(30)と
を備え、
前記閉鎖部材(20)は、前記蓋(10)の下側(12)に位置付けられ、前記蓋(10)の上側(11)において前記動作部材(30)と接続され、
前記飲口(14)を閉鎖するための閉鎖部材(20)は、閉鎖位置では、前記飲口(14)の表面全体を被覆するように構成され、
前記動作部材(30)および前記閉鎖部材(20)は、前記蓋(10)の上側(11)と略平行に延在する第1の軸(A)に沿って移動可能に配置され、
第1の方向(8)への前記第1の軸(A)に沿った前記動作部材(30)の移動は、前記閉鎖位置からの前記閉鎖部材(20)の移動および前記飲口(14)の開放を引き起こし、
前記第1の方向(8)と反対の第2の方向(9)への前記第1の軸(A)に沿った前記動作部材(30)の移動は、前記閉鎖位置への前記閉鎖部材(20)の移動および前記飲口(14)の再閉鎖を引き起こす、
閉鎖システム。
【請求項2】
前記閉鎖部材(20)および前記動作部材(30)の固定接続は、溶接された継合部、接着剤継合部、またはリベット継合部によって達成されることを特徴とする、請求項1に記載の閉鎖システム(1)。
【請求項3】
前記閉鎖システムは、少なくとも1つの固着および/または制御部材(34、40、45)を備え、その下側には、前記固着および/または制御部材は、前記動作部材(30)が前記第1の方向(8)に移動される場合、前記蓋(10)と衝突するように配列される隆起部(39)を備えることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の閉鎖システム。
【請求項4】
前記隆起部は、前記ガイドスロットの端部と前記第1の方向に衝突することを特徴とする、前記請求項に記載の閉鎖システム。
【請求項5】
前記固着および/または制御部材(34)は、ヒンジ(70)を介して、特に、一体型ヒンジを介して、前記動作部材(30)と接続され、前記一体型ヒンジは、好ましくは、前記第1の軸に直交する傾斜軸を画定することを特徴とする、前記2つの請求項のいずれか1項に記載の閉鎖システム。
【請求項6】
前記閉鎖部材(20)は、陥凹(26)を備え、前記隆起部(39)は、前記陥凹(26)の中に延在することを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の閉鎖システム。
【請求項7】
前記閉鎖システムは、少なくとも1つの固着および/または制御部材(34、40、45)を備え、
前記制御部材は、
前記動作部材(30)が移動されず、および/または前記閉鎖部材(20)が前記閉鎖位置から移動されない限り、第1の状態を備え、
前記動作部材(30)が前記第1の方向(8)に移動される場合、および/または前記閉鎖部材(20)が前記閉鎖位置から移動される場合、前記第1の状態から少なくとも光学的に区別可能である、第2の状態を不可逆的にとる
ように構成され、特に、
前記固着および/または制御部材(34、40、45)は、前記動作部材(30)が前記第2の方向(9)に戻るように移動される場合、および/または前記閉鎖部材(20)が前記閉鎖位置に戻るように移動される場合でも、前記第2の状態を留保する
ことを特徴とする、前記2つの請求項のいずれか1項に記載の閉鎖システム。
【請求項8】
前記動作部材(30)は、前記制御部材(34)と一体的に構成されることを特徴とする、請求項3-7のいずれか1項に記載の閉鎖システム。
【請求項9】
前記動作部材(30)および前記固着および/または制御部材(34)は、アルミニウムから作製されることを特徴とする、請求項8に記載の閉鎖システム。
【請求項10】
前記動作部材(30)および前記固着および/または制御部材(34)は、プラスチック材料から作製されることを特徴とする、請求項8に記載の閉鎖システム。
【請求項11】
前記固着および/または制御部材(34、40)は、外側から可視であるように取り付けられる少なくとも1つの制御棒(36、42)を備え、前記制御棒(36、42)は、前記動作部材(30)が前記第1の方向(8)に移動され、および/または前記閉鎖部材(20)が前記閉鎖位置から移動される場合、破損するように配置および構成され、特に、前記少なくとも1つの制御棒(36、42)は、所定の破損点を備えることを特徴とする、請求項3-10のいずれか1項に記載の閉鎖システム。
【請求項12】
前記固着および/または制御部材(34)は、前記第1の方向(8)における前記動作部材の移動(30)が前記制御部材(34)の迂回移動(5、6)を引き起こし、したがって、前記少なくとも1つの制御棒(36)の破損を引き起こすように配置および構成され、特に、
前記制御部材(34)は、前記第1の軸(A)に直交する傾斜軸(C)を中心とした前記制御部材(34)の移動性を保証する2つの横棒(35)を用いて前記動作部材(30)に取り付けられ、
前記少なくとも1つの制御棒(36)は、前記第1の軸(A)に沿って延在し、特に、前記少なくとも1つの制御棒(36)は、前記制御部材(34)および前記動作部材(30)に取り付けられ、
前記制御部材(34)は、前記動作部材(30)が前記第1の方向(8)に移動される場合、前記蓋(10)と衝突するように配列され、前記迂回移動(5、6)は、少なくとも部分的に、前記衝突によって引き起こされ、
前記迂回移動は、前記傾斜軸(C)を中心とした前記制御部材(34)の傾斜(6)を伴い、
特に、その下側において、前記制御部材(34)は、前記動作部材(30)が前記第1の方向(8)に移動される場合、前記蓋(10)と衝突するように配置される隆起部(39)を備え、特に、
前記迂回移動(5、6)は、少なくとも部分的に、前記衝突によって引き起こされ、
前記隆起部(39)は、前記飲口(14)の縁または前記飲口(14)のガイドスロット(17)の端部において、前記蓋(10)に当接し、および/または
前記閉鎖部材(20)は、陥凹(26)を備え、前記陥凹(39)は、前記陥凹(26)の中に延在する
ことを特徴とする、請求項11に記載の閉鎖システム。
【請求項13】
前記制御部材(45)は、前記閉鎖部材(20)に提供され、前記第1の状態では、前記蓋(10)の開口部(48)に係合し、前記動作部材(30)の視認開口部(46)を通して可視であり、特に、前記制御部材(45)は、前記動作部材(30)が前記第1の方向(8)に移動され、および/または前記閉鎖部材(20)が前記閉鎖位置から移動される場合、前記制御部材(45)が破損するように、前記蓋(10)の前記開口部(48)に対して構成され、位置付けられることを特徴とする、請求項7に記載の閉鎖システム。
【請求項14】
前記ガイドスロット(17)は、前記第1の軸(A)に沿って延在し、
前記動作部材(30)および/または前記閉鎖部材(20)は、前記動作部材(8)が前記第1の軸(A)に沿ってのみ移動可能であるように、前記ガイドスロットに係合するガイド部材を備え、
特に、前記閉鎖部材(20)は、前記蓋(10)の上側(11)において、前記動作部材(30)と固定して接続される
ことを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の閉鎖システム。
【請求項15】
前記閉鎖部材(20)は、少なくとも1つのくぼみ(23)を備え、前記少なくとも1つのくぼみ(23)は、前記閉鎖位置からの前記閉鎖部材(20)の移動の間、前記飲口(14)の開放が、最初に、前記くぼみ(23)によって生じるように配列され、特に、前記くぼみ(23)は、前記閉鎖部材(20)が前記閉鎖位置にあるとき、前記第1の軸(A)上に位置付けられるように配列され、および/または
前記蓋(10)は、くぼみ(15)またはオリフィス(16)を備え、前記閉鎖部材は、前記閉鎖位置では、前記くぼみ(15)またはオリフィス(16)を被覆するように構成され、前記くぼみ(15)またはオリフィス(16)は、前記くぼみ(15)またはオリフィス(16)が、前記閉鎖位置からの前記閉鎖部材(20)の移動の間、前記飲口(14)に先立って開放されるように、前記飲口(14)においてまたはそれに隣接して配置され、前記くぼみ(15)またはオリフィス(16)は、好ましくは、前記第1の軸(A)上に配列される
ことを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の閉鎖システム。
【請求項16】
前記蓋(10)は、前記閉鎖部材(20)が、前記閉鎖位置から、特に、前記第1の方向(8)に移動されると、前記少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)が、少なくとも部分的に、前記閉鎖部材(20)によって重複されるように、前記閉鎖部材(20)の閉鎖位置に対して配置される少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)を備え、前記少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)は、少なくとも部分的に、前記閉鎖部材(20)によって重複され、特に、前記陥凹は、前記蓋(10)の上側(11)または下側(12)の中にエンボス加工または押抜され、
前記少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)は、
前記飲口(14)を開放することに先立って、前記閉鎖部材(20)が、前記閉鎖位置から移動されると、前記少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)は、少なくとも部分的に、前記閉鎖部材(20)によって重複され、
特に、前記飲料コンテナ内の圧力超過および/または圧力不足を補償するためのガス交換(7a、7b)は、前記少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)が、部分的に、前記閉鎖部材(20)によって重複される場合、特に、前記閉鎖システムが開放されるか、または前記飲口(14)が完全または部分的に、同時に、前記閉鎖部材(20)によって重複される場合、可能にされる
ように配置され、前記閉鎖部材(20)は、そのように定寸される
ことを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の閉鎖システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)は、前記蓋(10)の下側(12)に提供され、前記ガス交換(7a、7b)は、前記少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)を通して通過することによって生じる、または
前記少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)は、前記陥凹に対応する隆起部が前記蓋(10)の下側(12)に存在するように、前記蓋(10)の上側(12)に提供され、前記閉鎖部材(20)は、前記少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)が重複され、前記ガス交換(7a、7b)が前記少なくとも1つの隆起部をバイパスして生じるとき、前記隆起部によって、前記蓋(10)の下側(12)から離隔される
ことを特徴とする、請求項16に記載の閉鎖システム。
【請求項18】
前記動作部材(30)および前記閉鎖部材(20)は、アルミニウムから作製され、特に、前記閉鎖部材(20)および前記動作部材(30)の固定接続は、溶接された継合部、リベット継合部、および/またはスナップ嵌合接続によって達成されることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の閉鎖システム。
【請求項19】
前記動作部材(30)および/または前記閉鎖部材(20)は、プラスチック材料から作製され、特に、前記動作部材(30)および前記閉鎖部材(20)は、同一プラスチック材料から作製され、および/または前記閉鎖部材(20)および前記動作部材(30)の固定接続は、溶接された継合部、接着剤継合部、および/またはスナップ嵌合接続、特に、超音波または摩擦溶接継合部によって達成されることを特徴とする、請求項1-18のいずれか1項に記載の閉鎖システム。
【請求項20】
前記閉鎖部材(20)は、固定ボルト(28)を備え、前記動作部材(30)は、空洞(38)を備え、前記固定ボルトは、前記閉鎖部材(20)および前記動作部材(30)を固定して接続するために、前記空洞の中に挿入され、前記固定ボルト(28)は、前記閉鎖部材(20)および前記動作部材(30)を固定して接続するために、前記空洞の中に挿入され、前記固定ボルト(28)は、前記飲口(14)のガイドスロット(17)に係合し、前記ガイドスロット(17)は、前記第1の軸(A)に沿って延在することを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の閉鎖システム。
【請求項21】
前記動作部材(30)は、前記缶の蓋に当接する取っ手(33)を備え、
前記取っ手(33)は、少なくとも45°、特に、少なくとも60°、前記第1の軸(A)に直交するスイベル軸を中心としたスイベル移動(7)を用いて上昇され得る
ことを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の閉鎖システム。
【請求項22】
前記スイベル移動(7)が、前記第2の方向(9)の方向に生じることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の閉鎖システム。
【請求項23】
前記動作部材(30)は、前記取っ手(33)と一体的に構成されることを特徴とする、前記請求項に記載の閉鎖システム。
【請求項24】
ヒンジとして作用する切り欠き(37)が、前記スイベル軸に沿って延在することを特徴とする、前記請求項に記載の閉鎖システム。
【請求項25】
液体、特に、炭酸液体を受容するための円筒形本体を備える飲料缶(2)であって、
前記請求項のいずれか1項に記載の閉鎖システム(1)によって特徴付けられる、飲料缶(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料コンテナ、特に、飲料缶のための閉鎖システムに関する。本文脈では、本発明による、閉鎖システムは、飲料コンテナの開放および再閉鎖を可能にする。
【背景技術】
【0002】
飲料缶は、とりわけ、飲料のために最も重要な商業用パッケージングである。それらは、主に、炭酸飲料、特に、ビール、ソーダ、およびエネルギードリンクのために使用され、通常、少なくとも6.2バールの内圧に対して抵抗を有する。最近使用されている飲料缶は、通常、アルミニウムまたはブリキから作製される、1つの部品から成る略円筒形のコンテナと、アルミニウムから作製される、通常折畳される蓋とから成る。開放を促進するために、蓋は、通常、卵形のミシン目線と、持ち上げられると、てこの原理によって、ミシン目が入れられた卵形を缶の内部の中に押動させ、したがって、飲口を生成する、リベット留めされる、金属タブとを備える。本内蔵缶オープナーはまた、「ステイオンタブ」として知られる。
【0003】
消費者にとって、飲料缶の利点は、主に、その低風袋重量、その非脆弱性、および開放後、直接、それらを飲用容器として使用される可能性である。飲料生産者にとって、高障壁効果は、風味のための材料の中性としての付加的要因であって、同時の光保護効果は、敏感な製品にとっても良好な保護をもたらし、高耐久性を可能にする。
【0004】
「ステイオンタブ」を伴う、飲料缶の主要不利点は、それらを再閉鎖する可能性がまだ欠けていることである。したがって、それらを再閉鎖する可能性と組み合わせられ得る、周知の飲料缶の利点を用いて、閉鎖システムを提供することが有利であろう。
【0005】
文書第DE10 2012 213 093A1号は、再閉鎖可能閉鎖システムを開示する。特に、従来の「ステイオンタブ」閉鎖と比較して、構築労力は、一方では、著しくより高くなる。他方では、そのような閉鎖システムを具備する、蓋は、著しく少なく、したがって、蓋の積重性が、もはや保証されず、蓋と缶の円筒形部分を接続するための特殊機械が、要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第102012213093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、液体またはバルク材料のためのコンテナ、特に、飲料缶または段ボール箱のための改良された閉鎖システムを提供し、特に、コンテナまたは缶は、それぞれ、単純様式で再閉鎖可能である。
【0008】
さらなる目的は、密封補償を伴う、そのような閉鎖システムを提供することであって、これは、単純様式で、特に、光学的に、未開封コンテナを再閉鎖されたコンテナと区別可能にする。
【0009】
さらなる目的は、特に、コンパクトであって、特に、コンテナの外側寸法を拡大せず、コンテナの積重性を損なわない、そのような閉鎖システムを提供することである。
【0010】
さらなる目的は、殆ど構築労力を伴わずに生産され得る、そのような閉鎖システムを提供することである。
【0011】
さらなる目的は、少なくとも6.2バールの圧力のために構成される、そのような閉鎖システムを提供することである。
【0012】
さらなる目的は、そのような閉鎖システムを伴う、飲料缶のための缶蓋と、そのような閉鎖システムを伴う、飲料缶とを提供することである。
【0013】
さらなる目的は、そのような閉鎖システムを伴う、そのような缶蓋を提供することであって、缶蓋および残りの缶本体は、既存の機械およびプロセスによって、飲料缶を形成するために接続され得る。
【0014】
さらなる目的は、積重可能である、そのような缶蓋およびそのような飲料缶を提供することであって、特に、閉鎖システムは、缶蓋または飲料缶の外側寸法が、それぞれ、拡大されない、またはその積重性が、損なわれない程度まで平坦である。
【0015】
これらの目的のうちの少なくとも1つが、独立請求項の顕著な特徴を実現することによって達成される。代替または好ましい様式における本発明を開発する、特徴は、従属請求項から得られ得る。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の側面は、飲料コンテナ、例えば、飲料缶のための閉鎖システムに関する。閉鎖システムは、飲料コンテナの蓋の飲口を閉鎖するための閉鎖部材と、ユーザによって飲口を手動で開放するための動作部材とを備える。本文脈では、閉鎖部材は、蓋の下側に位置付けられ、蓋の上側上で動作部材に固定して接続され得る。飲口を閉鎖するために、閉鎖システムは、閉鎖位置では、飲口を完全に被覆するように構成される。動作部材および閉鎖部材は、蓋の上側と略平行に延在する、第1の軸に沿って、移動可能に配置可能である。本文脈では、閉鎖位置からの閉鎖部材の移動および飲口の開放は、動作部材を第1の方向に第1の軸に沿って移動させることによって引き起こされ得、閉鎖位置への閉鎖部材の移動および飲口の再閉鎖は、動作部材を第1の方向と反対の第2の方向に第1の軸に沿って移動させることによって引き起こされ得る。
【0017】
ともに継合されると、蓋はまた、閉鎖部材の一部となる。本実施形態では、閉鎖部材は、上側と、下側と、飲口とを有する、該蓋と、飲口を閉鎖するための閉鎖部材と、ユーザによって飲口を手動で開放するための制御部材とを備える。本発明によると、閉鎖部材は、次いで、蓋の下側に位置付けられ、蓋の上側において、動作部材に固定して接続される。飲口を閉鎖するために、閉鎖部材は、閉鎖位置では、飲口の表面全体を被覆するように構成され、動作部材および閉鎖部材は、蓋の上側と略平行である、第1の軸に沿って、移動可能であるように配列される。本文脈では、第1の方向における第1の軸に沿った動作部材の移動は、閉鎖位置から外への閉鎖部材の移動および飲口の開放を引き起こし、第1の方向と反対の第2の方向における第1の軸に沿った動作部材の移動は、閉鎖位置への閉鎖部材の(後方)移動、したがって、飲口の再閉鎖を引き起こす。
【0018】
実施形態によると、閉鎖システムは、少なくとも1つの固着および/または制御部材を備え、該制御部材は、
- 動作部材が、移動されず、および/または閉鎖部材が、閉鎖位置から移動されない限り、第1の状態を備え、
-動作部材が、第1の方向に移動される場合、および/または閉鎖部材が、閉鎖位置から移動される場合、第1の状態から少なくとも光学的に区別可能である、第2の状態をとる、
ように構成される。
【0019】
必ずしも、制御機能を提供する必要はない、そのような固着部材は、動作部材を、好ましくは、変位に対して固着させる。
【0020】
制御部材としての構成の場合、第2の状態は、不可逆的にとられ得る。制御部材は、特に、動作部材が、第2の方向に戻るように移動される場合、および/または閉鎖システムが、閉鎖位置に戻るように移動される場合でも、第2の状態を留保する。
【0021】
そのような制御部材は、ユーザが、飲料コンテナが、依然として、未開封であるかどうか、または閉鎖システムが、すでにコンテナを開放および再閉鎖するために使用されているかどうかを識別することを可能にする。
【0022】
実施形態によると、制御部材は、少なくとも1つの制御棒を備え、これは、外側から(すなわち、ユーザのために)可視である様式で取り付けられ、制御棒は、動作部材が、第1の方向に移動される場合、および/または閉鎖部材が、閉鎖位置から移動される場合、破損するように配置および構成される。本文脈では、制御棒は、所定の破損点を備え得る。
【0023】
別の実施形態では、制御部材は、第1の方向における動作部材の移動が、制御部材の迂回移動を引き起こし、したがって、少なくとも1つの制御棒の破損を引き起こすように配置および構成される。
【0024】
別の実施形態では、制御部材は、1つまたは複数の横棒を用いて(例えば、少なくとも2つの横棒によって)動作部材に取り付けられる。該横棒は、好ましくは、第1の軸に直交する、傾斜軸を中心とした制御部材の移動性を確実にする。本文脈では、少なくとも1つの制御棒は、好ましくは、第1の軸に沿って延在し、制御部材および動作部材の両方に取り付けられてもよい。さらに、制御部材は、動作部材が、第1の方向に移動される場合、蓋と衝突するように、動作部材に配列され、迂回移動は、完全または部分的に、衝突によって引き起こされ、迂回移動は、傾斜軸の周囲の制御部材の傾斜を伴う。
【0025】
本具体的実施形態では、制御棒は、故に、制御棒の配向に直交する、軸を中心とした傾斜移動に起因して、破損する。
【0026】
1つまたは複数の横棒の代わりに、固着および/または制御部材はまた、ヒンジによって、動作部材に接続されてもよい。ヒンジは、動作部材内の切り欠きによって提供されてもよい。ヒンジは、好ましくは、第1の軸に直交する、傾斜軸を画定する。
【0027】
固着または制御部材は、1つまたは複数の制御棒を備えてもよく、これは、動作部材の固着または制御部材を取っ手に接続し、これは、取っ手が、持ち上げられる場合、破損し、したがって、取っ手の持ち上げを不可逆的に可視にするように構成される。
【0028】
別の実施形態によると、制御部材は、隆起部をその下側に備え、該隆起部は、動作部材が、第1の方向に移動されると、蓋と衝突するように配列される。隆起部は、フックとして構成されてもよい。
【0029】
そうすることによって、迂回移動が、特に、少なくとも部分的に、該衝突によって引き起こされる。例えば、隆起部は、飲口の縁または蓋における飲口のガイドスロットの端部に当接し得る。さらに、閉鎖部材は、陥凹を備えてもよく、隆起部は、該陥凹の中に延在する。
【0030】
別の実施形態では、動作部材は、制御部材と一体的に構成される。特に、これは、制御部材が、動作部材の一体型構成要素として構成され、同一材料から作製されることを意味する。例えば、動作部材および制御部材は、アルミニウムから作製されてもよい。
【0031】
別の実施形態では、制御部材は、閉鎖部材上に提供される。第1の状態では、蓋のオリフィスに係合し、次いで、動作部材の視認開口部を用いて外側から可視となる。特に、制御部材は、動作部材が、第1の方向に移動されると、および/または閉鎖部材が、閉鎖位置から移動される場合、破損するように構成され、蓋のオリフィスに対してそのように位置付けられる。
【0032】
閉鎖システムの別の実施形態によると、飲口は、ガイドスロットを備え、これは、第1の軸に沿って延設され、動作部材および/または閉鎖部材は、動作部材が、第1の軸に沿って、排他的に移動し得るように、ガイドスロットに係合する、ガイド部材を備える。本ガイド部材はまた、例えば、動作部材および閉鎖部材を相互にしっかりと接続する役割を果たし得る。ガイドスロットおよび飲口は、融合し、および/または持続共通開口部として構成されてもよい。ガイドスロットは、随意である。
【0033】
ガイドスロット以外に、飲口は、好ましくは、丸みを帯びた、卵形、または三日月形状である。
【0034】
閉鎖システムの別の実施形態によると、閉鎖部材は、少なくとも1つのくぼみを備え、これは、閉鎖位置からの閉鎖部材の移動の間、飲口の開放が、最初に、くぼみによって生じるように配列される。本目的のために、くぼみは、例えば、飲口の縁部分、特に、最初に、閉鎖位置から開放位置への閉鎖部材の移動の間、被覆されない、飲口の縁部分に隣接して配置されてもよい。くぼみは、閉鎖部材が、閉鎖位置にある場合、第1の軸上に位置付けられるように、閉鎖部材に配置されてもよい。
【0035】
閉鎖システムの別の実施形態によると、蓋は、くぼみまたは開口部を第1の軸上に備え、閉鎖システムは、閉鎖位置では、飲口だけではなく、また、くぼみおよび/またはオリフィスも被覆するように構成される。本文脈では、飲口および/または飲口に隣接するオリフィスにおけるくぼみは、くぼみおよび/またはオリフィスが、閉鎖位置からの閉鎖部材の移動の間、飲口に先立って開放されるように配置される。本目的のために、くぼみまたは開口部は、例えば、飲口の縁部分、特に、閉鎖位置から開放位置への閉鎖部材の移動の間、最初に、被覆されない、飲口の縁部分に隣接して配列されてもよい。
【0036】
実施形態によると、蓋は、少なくとも1つの陥凹を備え、これは、閉鎖位置からの閉鎖部材の移動、すなわち、特に、第1の方向への移動が、少なくとも1つの陥凹に、完全または部分的に、閉鎖部材によって被覆させるように、閉鎖部材の閉鎖位置に対して配列される。本文脈では、少なくとも1つの陥凹は、蓋の上側または下側のいずれかの中にエンボス加工または押抜されてもよい。
【0037】
ある実施形態では、該少なくとも1つの陥凹は、少なくとも1つの陥凹が、部分的に、閉鎖部材によって被覆されるとき、特に、飲口(存在する場合、ガイドスロットを含む)が、同時に、少なくとも部分的に、閉鎖部材によって重複される場合、飲口の開放に先立って、少なくとも1つの陥凹が、閉鎖部材が、閉鎖位置から移動されると、少なくとも部分的に、閉鎖部材によって重複され、したがって、ガス交換を、すなわち、蓋の上側と下側、すなわち、缶の内部と環境との間で可能にするように配列され、閉鎖部材は、そのように定寸される。ガス交換は、特に、飲料コンテナ内の圧力超過および/または圧力不足を等化させる役割を果たす。
【0038】
ある実施形態では、少なくとも1つの陥凹は、蓋の下側に配列され、ガス交換は、少なくとも1つの陥凹を通して通過することによって生じる。陥凹は、特に、各陥凹が、蓋の上側上の隆起部に対応するように、生産(例えば、エンボス加工または押抜)され得る。
【0039】
別の実施形態では、少なくとも1つの陥凹は、陥凹に対応する隆起部が、蓋の下側上に存在するように、蓋の上側に配置され、閉鎖部材は、少なくとも1つの陥凹が、重複され、ガス交換が、少なくとも1つの隆起部をバイパスするように、例えば、2つの隆起部間の隙間内で生じると、隆起部によって、蓋の下側から離隔される。
【0040】
別の実施形態によると、閉鎖部材および動作部材の固定接続は、溶接された継合部、接着剤継合部、リベット継合部、またはスナップ嵌合接続のいずれかによって達成される。好ましくは、1つのみの単一溶接(特に、1つの単一超音波または摩擦溶接)が、閉鎖部材と動作部材との間に提供される、または1つのみの単一リベットが、提供される。特に、好ましくは、1つのみの単一溶接(特に、1つの単一超音波溶接)が、閉鎖部材の固定ボルトと動作部材の空洞との間の継合部の領域内に提供される。
【0041】
そのような固定された接続は、好ましくは、不変および/またはトルク耐性長である。換言すると、動作部材と閉鎖部材との間の距離は、好ましくは、継合部の領域において、固定され、および/または不変であって、および/または2つの部材は、相互に向かって回転され得ない。
【0042】
閉鎖システムのある実施形態では、閉鎖部材は、固定ボルトを備え、動作部材は、空洞を備え、固定ボルトは、閉鎖部材および動作部材を固定して接続するために、空洞の中に挿入される。特に、固定ボルトは、動作部材にスナップ嵌合し、および/または第1の軸に沿って延在する、飲口のガイドスロット内に係合するための返しを備えてもよい。
【0043】
閉鎖システムの別の実施形態によると、動作部材は、缶の蓋に当接する、取っ手を備え、取っ手は、好ましくは、その下側が面取りされた様式で構成され、第1の軸に直交する、スイベル軸を中心としたスイベル移動を用いて、少なくとも45°、特に、少なくとも90°上昇され得る。特に、
-スイベル移動は、第2の方向、すなわち、開放方向と反対の方向に生じ得る、
-動作部材は、取っ手と一体的に構成され得、上側上には、動作部材は、ヒンジとして作用し、スイベル軸に沿って延在する、切り欠きを備える、または
-取っ手は、半環状に構成され得、取っ手は、例えば、制御部材の周囲に配置され得る。
【0044】
閉鎖システムの別の実施形態によると、蓋および動作部材は両方とも、アルミニウムから作製される。さらに、閉鎖部材はまた、アルミニウムから作製されてもよい。
【0045】
閉鎖システムの別の実施形態によると、閉鎖部材は、その外側形状に関して蓋の形状に調節される。特に、閉鎖部材は、卵形または楕円形であって、第1の軸に直交する、第2の軸に沿って、第1の軸に沿ったものを上回る長さを備え得る。
【0046】
本発明の第2の側面は、本発明の第1の側面に記載の閉鎖システムを伴う、飲料コンテナに関する。特に、飲料コンテナは、飲料缶であって、これは、液体、特に、炭酸液体を受容するための略円筒形本体を備える。本文脈では、缶は、特に、ブリキまたはアルミニウムから作製され得る。閉鎖システムの蓋は、折畳された継合部を用いて缶に添着されてもよい。
【0047】
先行技術から公知の飲料缶の場合、閉鎖システムは、特に、ステイオンタブを伴う蓋に取って代わり得る。
【0048】
本発明による閉鎖システムおよび飲料缶は、単に、実施例として、図面に図式的に図示される具体的例示的実施形態に基づいて、下記にさらに詳細に説明され、本発明のさらなる利点もまた、詳述されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】
図1は、本発明による、閉鎖システムの例示的実施形態を伴う、飲料缶を示す。
【
図2】
図2は、本発明による、閉鎖システムの第1の実施形態を示す。
【
図3】
図3は、分解図において、閉鎖システムの第1の実施形態の主要構成要素を示す。
【
図4】
図4a-dは、閉鎖システムの第1の実施形態の一部として、閉鎖システムの第1の例示的実施形態を示す。
【
図5】
図5a-cは、閉鎖システムの第1の実施形態の一部として、動作部材の第1の例示的実施形態を示す。
【
図6a】
図6a-dは、上面図および3つの断面図において、閉鎖システムの第1の実施形態を示す。
【
図6b】
図6a-dは、上面図および3つの断面図において、閉鎖システムの第1の実施形態を示す。
【
図6c】
図6a-dは、上面図および3つの断面図において、閉鎖システムの第1の実施形態を示す。
【
図6d】
図6a-dは、上面図および3つの断面図において、閉鎖システムの第1の実施形態を示す。
【
図7】
図7a-bは、本発明による、閉鎖システムの一部として、缶蓋の第1の例示的実施形態を示す。
【
図8】
図8a-bは、缶蓋の第2および第3の例示的実施形態を示す。
【
図9】
図9a-bはさらに、本発明によるものではない、缶蓋を示す。
【
図10】
図10a-bは、飲口を開放後の閉鎖部材および蓋を示す。
【
図11】
図11a-bは、閉鎖位置における、閉鎖部材および蓋を示す。
【
図12】
図12a-bは、本発明による、閉鎖システムの一部として、動作部材の第2の例示的実施形態を示す。
【
図13a】
図13a-dは、本発明による、閉鎖システムのさらなる実施形態を示す。
【
図13b】
図13a-dは、本発明による、閉鎖システムのさらなる実施形態を示す。
【
図13c】
図13a-dは、本発明による、閉鎖システムのさらなる実施形態を示す。
【
図13d】
図13a-dは、本発明による、閉鎖システムのさらなる実施形態を示す。
【
図14a】
図14a-cは、閉鎖システムの第2の例示的実施形態を示す。
【
図14b】
図14a-cは、閉鎖システムの第2の例示的実施形態を示す。
【
図14c】
図14a-cは、閉鎖システムの第2の例示的実施形態を示す。
【
図15a】
図15a-cは、換気ダクトとして作用する、陥凹を缶蓋内に伴う、閉鎖システムのさらなる例示的実施形態を示す。
【
図15b】
図15a-cは、換気ダクトとして作用する、陥凹を缶蓋内に伴う、閉鎖システムのさらなる例示的実施形態を示す。
【
図15c】
図15a-cは、換気ダクトとして作用する、陥凹を缶蓋内に伴う、閉鎖システムのさらなる例示的実施形態を示す。
【
図16】
図16a-cは、陥凹の種々の例示的実施形態を示す。
【
図17】
図17a-cは、換気ダクトとしてのその機能を図示するために、陥凹を伴う、閉鎖システムの断面図を示す。
【
図18】
図18は、動作部材のさらなる例示的実施形態を示す。
【
図20】
図20は、閉鎖システムと併用するための蓋のさらなる実施形態を示す。
【
図21】
図21は、
図20の蓋と併用するための閉鎖部材の可能性として考えられる実施形態を示す。
【
図22】
図22は、閉鎖システムと併用するための蓋のさらなる実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、本発明による、閉鎖システム1を伴う、飲料コンテナの例示的実施形態として、飲料缶2を図示する。
【0051】
例示的型式で示される飲料缶2は、全ての種類の飲料、特に、ビール、ソーダ、およびエネルギードリンク等の炭酸飲料のために使用されてもよい。これは、少なくとも6.2バールの内圧に対する抵抗を有する。これは、アルミニウムまたはブリキから作製される、1つの部品から成る略円筒形コンテナと、閉鎖システム1の一部としての、例えば、アルミニウムから作製される、折畳される蓋とを備える。折畳目的のために、例えば、缶の捲縮された縁が、1回、折畳されてもよく、蓋のものは、2回折畳されてもよく、したがって、そこから結果として生じる折畳された継合部は、合計5つの形態嵌合金属層から成る。飲料缶以外に、本発明による、閉鎖システム1は同様に、他のパッケージングタイプ、例えば、飲料カートンまたは瓶のために使用されてもよい。閉鎖システムの付加的構成要素は、蓋に固定される。
【0052】
図2は、それを
図1の飲料缶2に取り付けることに先立った、閉鎖システム1の第1の例示的実施形態を示す。一方では、該閉鎖システム1は、蓋10自体を備え、その上側12が、ここでは可視である。他方では、動作部材30が、示され、これは、蓋の上側12上に提供され、ユーザによって缶を手動で開放することを可能にする。
【0053】
図3は、分解図において、閉鎖システム1の第1の実施形態の主要構成要素を示す。該主要構成要素は、飲口14を伴う蓋10と、動作部材30と、飲口14を蓋の下側から被覆するための閉鎖部材20とである。
【0054】
一方では、説明される閉鎖システム1は、該蓋が、次いで、円筒形本体とともに継合され、缶を形成する前に、好適な蓋10の周囲に相互に取り付けられる、閉鎖部材20と、動作部材30(かつ必要に応じて、シールリング50)とを備えてもよい。他方では、説明される閉鎖システム1はまた、蓋10自体を備えてもよい。
【0055】
例えば、シリコーンまたはゴムから作製され、閉鎖部材20に取り付けられ得る、随意のシールリング50が、加えて、図示される。閉鎖部材が、本場合に図示されるように、くぼみ23を備える場合、シールリングは、好ましくは、くぼみ23の形状に対応する、切り欠き53を備えるように形成され得る。シールリング50は、飲料と接触し得るため、好ましくは、食品安全様式および可塑剤を含まない様式で構成される。随意に、これは、疎水性表面を備えてもよい。
【0056】
蓋10、閉鎖部材20、および動作部材30は、同一材料、例えば、アルミニウムから作製されてもよい。製造は、周知のプロセス、例えば、鋳造または押抜を使用して生じ得る。しかしながら、特に、閉鎖部材20および動作部材30はまた、プラスチック等の非金属材料から作製されてもよい。ポリカーボネートが、特に、材料として使用されてもよい。そうすることによって、構成要素は、例えば、射出成型を用いて生産されてもよい。随意に、閉鎖部材20および動作部材30は、透明であってもよい。
【0057】
閉鎖部材20および動作部材30は、例えば、溶接、接合、返し、または他の機械的プロセスを用いて、ともに継合された後、飲口14を用いて、固定して接続され得るように構成される。
【0058】
図4a-4dは、閉鎖部材20の第1の実施形態を示す。
図4aは、閉鎖部材20の斜視図であって、
図4bは、該同一閉鎖部材20の上面図を示す。陥凹26および固定ボルト28が、動作部材30(ここでは図示せず)との接続のために、上側21上に提供される。外部シール24および内部シール25が、同心状に配置され、蓋の下側(ここでは図示せず)に対して密封する役割を果たす。本文脈では、蓋の下側上へのシール24および25の一定押圧は、密閉シールを可能にする。随意の中心隆起部27は、特に、動作部材が、皿状様式で構成される場合、一方の蓋と他方の閉鎖部材20の上側および動作部材の下側との間の等距離を可能にする。示される実施形態では、閉鎖部材20は、くぼみ23と、対応して同様にくぼまされている、シール24および25とを備える。くぼみ23、固定ボルト28、および陥凹26は、第1の軸Aに沿って配列される。第2の軸Bは、それに対して垂直に延在する。
図4cは、軸Bに沿った閉鎖部材20の断面図を示し、
図4cは、軸Aに沿った断面図を示す。缶の内部に面した閉鎖部材20の下側22もまた、図示される。随意に、シリコーンまたはゴムシールリング(
図3参照)は、シール24および25におよび/またはその間に提供されてもよい。
【0059】
閉鎖部材20は、図示されるように、丸みを帯びていてもよいが、また、他の形状(例えば、半円形または多角形)を有してもよい。例えば、形状は、少なくとも部分的に、被覆されるべき飲口の形状に調節されてもよい。特に、閉鎖部材20は、卵形または楕円形であってもよい。第1の軸Aの方向における閉鎖部材の完全な開放移動20を確実にするために、卵形または楕円形閉鎖部材は、好ましくは、第2の軸Bに沿って、第1の軸Aに沿ったものより広い。
【0060】
図5a-5bは、動作部材30の第1の実施形態を示す。
図5aは、動作部材30の上側31の斜視図である。閉鎖部材の固定ボルト28(ここでは図示せず)とともに、空洞38は、これらの2つの要素の接続の役割を果たす。空洞38は、随意に、固定ボルト28がスナップが嵌合し得る、返しを備えてもよい。代替として、または加えて、空洞38の中に挿入される、固定ボルト28は、溶接または接着剤接合によって取り付けられてもよい。
【0061】
動作部材30は、固着または制御部材34を備える。制御部材34としての構成では、これは、ある種のシールの品質として、閉鎖システムが、開放されていない限り、缶の内容物の完全性のレベルを示し得る。開放されると、そのような制御要素34は、不可逆的かつ視覚的に変化される。特に、これは、ユーザが、単純様式で、缶が、依然として、その元の条件にあるかどうか、またはすでに開放され、再び、再閉鎖されているかどうか識別することを可能にする。示される実施形態では、丸みを帯びた制御部材34は、2つの横棒35を介して、制御部材30の主要部分に接続される。これは、横棒35に直交して配列され、閉鎖システムが、開放されると、破損するように構成される、2つの制御棒36を備える。
【0062】
示される実施形態では、丸みを帯びた様式で構成され得る、固着または制御部材34は、2つの横棒35を介して、動作部材30の主要部分に接続される。これは、横棒35に直交して配置され、閉鎖システムの開放の間、破損するように構成される、2つの制御棒36を備える。
【0063】
本点において、横棒35は、随意である。代替として、固着または制御部材34は、同様に、ヒンジ(図示せず)を用いて、残りの動作部材30に接続されてもよい。
【0064】
部材34はまた、固着のみとして機能し得るため、制御棒36も同様に、随意である。
【0065】
また、示されるものは、取っ手33であって、これは、ヒンジとして作用する切り欠き37を介して、つまみとして、動作部材30の残りに接続される。
【0066】
図5bおよび5cは、動作部材30を通した断面を示し、閉鎖システムを開放するための取っ手の使用を図示する。取っ手33は、好ましくは、ユーザが、缶蓋に当接する取っ手を握持し、上に引動させることをより容易にするために、面取りされる。取っ手33のスイベル移動7は、好ましくは、最大135°、ヒンジ37の周囲で生じ得る。このように持ち上げられる、取っ手33の助けを用いることで、動作部材30は、缶を開放するために、軸Aに沿って取っ手開を引動8させることによって、その元の閉鎖位置から外に移動され得る。
【0067】
図6aは、上面図において、閉鎖システム1の第1の実施形態を示す。3つの軸A、B、およびCが、示され、第1の軸Aは、動作部材の移動の方向に沿って延在し、軸BおよびCは、それに直交して延在する。そうすることによって、軸Bは、閉鎖部材の固定ボルト28および動作部材の空洞38のレベルにおいて、軸Aと、制御部材34のレベルにおいて、軸Cと交差する(
図4aおよび5a参照)。
図6b、6c、および6dはそれぞれ、これらの軸のうちの1つに沿った断面図を示す。本文脈では、
図6bは、第1の軸Aに沿って、閉鎖システム1を通した断面を示し、
図6cは、軸Bに沿った断面を示し、
図6dは、軸Cに沿った断面を示す。
【0068】
図6b-dから分かり得るように、動作部材30は、蓋10の上方に位置し、閉鎖部材20は、蓋10の下方に位置する。固定ボルト28は、蓋の飲口を通して、動作部材および閉鎖部材の固定されたねじれ剛性接続の中に係合し、それを提供する(例えば、捕捉、溶接、または接着剤接合によって)。代替として、動作および閉鎖部材はまた、リベット留めされてもよい。動作部材30は、皿状様式で構成されてもよい。
【0069】
動作部材30は、好ましくは、皿ばねとして作用し、これは、蓋10における外側領域内に支持され、したがって、作動要素の中心領域を蓋10から離れるように押圧する。このように、閉鎖部材20、特に、そのシール24および/またはそのシール25は、好ましくは、蓋10の下側12に対して押圧される。中心領域は、外側領域に対して、特に、上向きに、陥凹または凹面上に湾曲されてもよい。作動要素は、外側領域を介して、蓋10の上側上に支持されてもよい。
【0070】
制御部材34は、閉鎖部材の陥凹26の上方に位置し、横棒35において、動作部材に接続される。制御棒36は、第1の軸Aに沿って、制御部材34を動作部材に接続する。その下側には、制御部材34は、円錐形隆起部39を備え、これは、飲口の縁または飲口のガイドスロット(
図7a参照)の端部において、缶蓋10に当接する。
【0071】
本文脈では、制御部材34およびその隆起部39は、缶を開放するために必要である、第1の軸Aに沿った動作部材の移動(開放移動8)が、制御部材34、すなわち、隆起部39と、缶蓋10の上側の衝突につながり、制御部材34の迂回移動が、生じるように位置付けられ、構成される。上向き移動5、軸Cの周囲の回転移動6、または移動5、6の両方の組み合わせが、例えば、随意の横棒35を用いた制御部材34の取付の結果として、制御部材34の迂回移動として生じ得る。缶が開放されると、閉鎖システムによって不可避的にトリガされる、そのような迂回移動は、制御棒36の破損を引き起こす。本発明による、閉鎖システムの本実施形態によると、したがって、制御棒を破壊せずに、缶を開放することは、不可能である。
【0072】
制御棒36は、ある力が、それらを破損し、したがって、缶を開放することが可能であるために印加されなければならないように、特に、生産関連公差を有する。制御部材は、次いで、開放移動8が、該公差を超える、迂回移動5、6を引き起こすように位置付けられ、構成される。好ましくは、制御棒36は、所定の破損点を備え得る。本目的のために、例えば、制御棒36のいずれかは、略三角形形状を備えてもよく、三角形の角は、制御部材34との接続を表し、同時に、(制御棒36の最薄点としての)所定の破損点としての役割を果たす。
【0073】
随意に、蓋10は、外向きに(または上向きに)皿状(「かまぼこ状」)であってもよい。この場合、動作部材30および/または閉鎖部材20は、対応する膨隆を備え、これは、好ましくは、閉鎖部材20によるシールを増加させる。
【0074】
図6a-cから分かるように、閉鎖システムは、閉鎖システムを具備する、複数の缶蓋の積重性が、損なわれないように定寸される。そのような缶蓋を具備する、複数の飲料缶の積重性は、わずかのみ損なわれる。特に、動作部材30および閉鎖部材20は両方とも、蓋が蓋上に固定される、既存の機械および方法において、缶蓋の処理(閉鎖システムの含有)を確実にするために、十分に平坦な様式で構成される。
【0075】
図7a-b、8a-b、および9a-bは、それぞれ、蓋10および飲口14の種々の例示的実施形態を示す。
【0076】
本文脈では、
図7aおよび7bは、第1の実施形態を示す。
図7aは、上方からの缶蓋10を示す。これは、飲口14を伴う、蓋の上側11を図示する。蓋10と缶2(
図1参照)を接続するための折畳された輪縁13は、上側の円周方向にある。折畳された縁13は、蓋の上側11(コア深度)に対して隆起される。
図7bは、同一蓋の下側12を示す。蓋10の第1の実施形態は、軸Aに沿って延在し、缶を開放および再閉鎖するための移動方向を判定する、ガイドスロット17を伴う、飲口14を備える。特に、閉鎖部材の固定ボルトは、缶が、開放されると、ガイドスロット17の中に係合し、それに沿って誘導され得る。
【0077】
蓋10の第2および第3の例示的実施形態として、
図8aおよび8bはそれぞれ、
図7aおよび7bの第1の実施形態の2つの修正を示す。
図8aでは、飲口14は、切り欠き15をガイドスロット17と反対に備える。
図8bでは、小開口部16が、ガイドスロット17と反対の飲口14に隣接して提供される。本文脈では、切り欠き15および小開口部16はそれぞれ、缶が、閉鎖される限り、それらが、閉鎖部材20(ここでは図示せず)によって被覆されるように位置付けられる。それらは、閉鎖部材の切り欠き23の代替として、またはそれに加え、提供されてもよく、特に、炭酸飲料では、開放されているとき、缶内の圧力超過の緩やかな等化を可能にする。本目的のために、それらは、閉鎖部材による被覆が、該軸に沿った閉鎖部材の開放移動に応じて、最初に、そこから除去されるため、好ましくは、第1の軸A上に配列される。
【0078】
本発明の一部を形成しない、ある実施形態では、
図9aおよび9bは、それぞれ、切り欠き15または開口部16を伴う、
図8aおよび8bに示される実施形態の2つの修正による、蓋10を示す。これらの修正では、飲口14は、実質的に、円形状に、ガイドスロットを伴わずに構成される。しかしながら、先行技術から公知の種々の他の形状もまた、基本的に、飲口のために使用されてもよい。
【0079】
図10aおよび10bは、閉鎖部材20を使用して缶を開放するステップを図示する。本文脈では、
図10aは、閉鎖部材20がその下方に位置する、蓋10を上方から示し、
図10bは、同一構成を下方から示す。明確性のために、動作部材30は、ここでは図示されない。第1の軸Aに沿った飲口の下方のその閉鎖位置からの閉鎖部材20の開放移動8後、閉鎖部材20は、飲口14が暴露され、ユーザが、缶の内容物を飲む、またはそこから傾注することを可能にする、飲用位置に来る。
【0080】
図10bは、缶蓋10の下側12の正面における、下方からの閉鎖部材20の下側22を示す。開放移動8後、飲口14は、暴露される。閉鎖部材20の下側22は、缶の内容物と接触した状態になり、対応して、好ましくは、非感受性に、かつ食品安全様式で構成される。これは、特に、平滑かつ平坦に構成されてもよい。本例示的実施形態では、下側22(上側21と対照的に)は、隆起部または陥凹によって特徴付けられる、特徴を有していない。
【0081】
図10aは、折畳された縁13と、飲口14とを伴う、缶蓋10の上側11を示す。真下には、閉鎖部材20(缶蓋によって実際に被覆されるように、破線で図示される)があり、これは、その上側21を伴う缶蓋に当接し、外部シール25、内部シール25、および中心隆起部27を用いて、それぞれ、閉鎖部材20によって被覆される、蓋の下側の一部を事実上シールする。固定ボルト28は、第1の軸Aに沿って、飲口のガイドスロット内で誘導されることが分かる。
【0082】
図11aおよび11bは、蓋を再閉鎖するステップを図示する(
図10aおよび10bに類似する)。本文脈では、
図11aは、閉鎖部材20がその下方に位置する、蓋10を上方から示し、
図11bは、同一構成を下方から示す。また、この場合、動作部材30は、明確性のみのためだけに、図示されない。閉鎖部材20は、その閉鎖位置では、飲口14の下方にあり、したがって、缶の内容物が漏出しないように防止する。閉鎖部材20は、元々、およびこれを用いて、缶が、すでに開放された状態になった後、再び、再閉鎖され得る、閉鎖移動9後に、本位置をとる。閉鎖移動9は、軸Aに沿って、開放移動8(
図10a参照)と反対に生じる。
図11aから分かり得るように、固定ボルト28は、閉鎖部材20の閉鎖位置における、ガイドスロットの起点に位置付けられる。
【0083】
図12aおよび12bは、制御部材40の代替実施形態を伴う、動作部材30の第2の実施形態を示す。本文脈では、
図12aは、動作部材30を上方から示し、
図12bは、下方から示す。
【0084】
制御部材40は、遮断部材41を備え、これは、閉鎖システムの組立の間、蓋の縁にスナップ嵌合するために提供される。本目的のために、遮断部材41は、該スナップ嵌合を可能にする、ヒンジ43を用いて、動作部材に取り付けられる。制御部材40は、2つの制御棒42を遮断部材41に備える。動作部材30が、缶蓋の縁から離れるように移動されると、該制御棒42は、再閉鎖された後も、缶の開口部が可視のままであることに起因して、破損する。
図12aおよび12bは、単に、例示として、2つの異なるように構成される制御部材34および40を伴う、制御部材30を図示する。代替として、動作部材30はまた、当然ながら、2つの制御部材の1つのみ、またはさらに、異なるように構成される制御部材を具備してもよく、これは、同一目的を果たす、すなわち、ユーザに、閉鎖システムがすでに開放されているかどうかを示す。
【0085】
図13a-13dは、本発明による、閉鎖システムの別の例示的実施形態を図示し、閉鎖システムは、代替制御部材を備える。
【0086】
図13aは、閉鎖システムの該実施形態の蓋10を示し、これは、下側12が、飲口14およびガイドスロット17とともに可視であるように、下方から図示される。付加的伸長開口部48が、ガイドスロット17の延在部内に提供される。
【0087】
図13bは、閉鎖システムの本実施形態の閉鎖部材20を示す。上側21には、陥凹26および固定ボルト28が、動作部材30(ここでは図示せず)との接続のために提供される。外部シール24および内部シール25は、蓋の下側(ここでは図示せず)に対して密封する役割を果たす。
図4aに図示される実施形態と異なり、ここで示される閉鎖部材20は、加えて、ロッドの形態における、制御部材45を備える。該制御ロッド45は、陥凹26の縁に取り付けられる。ロッド45および陥凹26は、ロッドが陥凹の中に嵌合するように定寸される。制御ロッド45は、この場合、円筒形状に図示されるが、同様に、異なるように成形されてもよい。例えば、これは、特に、円錐形状に、半円柱の形態において、または直方体として、構成されてもよい。ロッド45は、閉鎖部材20が、閉鎖位置、すなわち、閉鎖部材20が飲口14を被覆する、位置にあるとき、蓋10の伸長開口部48(
図3a参照)に係合するように、閉鎖部材20上に位置付けられる。
【0088】
図13cおよび13dは、閉鎖システムの該実施形態の動作部材30を上方および下方から示す。
図13cは、動作部材30の上側31を示す。
図5aに示される実施形態と異なり、ここに示される動作部材30は、制御部材を備えない。代わりに、視認開口部46が、提供され、これは、動作部材30および閉鎖部材20が、相互に接続される、例えば、固定ボルト28および空洞38を用いて固定して接続されると、閉鎖部材20の制御ロッド45の上方に位置付けられる。
【0089】
さらに、動作部材30は、制御棒44を備え、これは、動作部材の主要部分を取っ手33に接続し、取っ手33が、持ち上げられると(
図5a-c参照)、破損するように提供され、したがって、取っ手33を持ち上げるステップがすでに行われたことを不可逆的に可視にする。取っ手33の本実施形態はまた、これまで示された動作部材30の実施形態と組み合わせられてもよいことは、言うまでもない。
【0090】
図13dは、動作部材30の下側32を示す。これは、視認開口部46における面取りされた陥凹47を示し、これは、動作部材30および閉鎖部材20が、相互に接続される場合、閉鎖部材20の陥凹26の上方に位置付けられる。
【0091】
図13-dに示される閉鎖システムの実施形態は、元々閉鎖されている缶と再閉鎖されたものを明確に区別可能にするために、代替制御システムを備える。本文脈では、制御ロッド45は、制御部材として作用する。元々の閉鎖状態では、制御ロッド45は、缶開口部48を通して、動作部材30内の視認開口部46の中に係合し、消費者にそこから可視である。好ましくは、制御ロッド45の上側は、可視性を向上させるために、着色されてもよい。開放移動の間、制御ロッド45は、缶蓋10に衝打し、破損する。制御ロッド45は、好ましくは、制御不能に破損せず、万が一それが生じる場合、開放プロセスを阻止するために、所定の破損点を備え得る。破損された制御ロッド45は、動作部材30の下側32内の面取りされた陥凹47によって、および開放移動によって、傾斜され、閉鎖部材20の上側22上の陥凹26内に静置された状態になる。制御ロッドは、したがって、視認開口部内では不可視である。代替として、制御ロッド45の側は、開口部が、視認開口部46内の色によって認識され得るように、上側と異なる色を有してもよい。
【0092】
特に、本実施形態では、閉鎖部材20は、図示される丸みを帯びた基本形状に加え、卵形または楕円形基本形状を有してもよい。
【0093】
図14a-cは、閉鎖部材20の第2の例示的実施形態を示す。
図14aでは、閉鎖部材20は、その上に配列される(かつ
図4a-dおよび/または
図13bに関してすでに示される)特徴を伴う、上側21が、可視であるように、上方から図示される。これらの特徴は、くぼみ23、陥凹26、中心隆起部27、および固定ボルト28とともに、外部シール24および内部シール25を備える。加えて、制御ロッド45は、閉鎖部材20の一部である。本実施形態では、閉鎖部材20はさらに、輪郭領域29を備え、これは、全体的卵形形状を閉鎖部材に付与する。輪郭領域29は、形態およびサイズに関して缶蓋に調節される。閉鎖部材は、軸Bに沿って、それに直交する開放方向に沿ったものを上回って著しく長いため、閉鎖システムの開口部全体が、確保されたままとなる。これは、
図14bおよび14cに図示される。しかしながら、シール24および25は、円形状に配置され、蓋内の飲口を完全に被覆するために十分に大きい領域を包囲する。随意に、シールリング(
図3参照)が、シール24と25にまたはその間に提供されてもよい。
【0094】
図14bおよび14cは、
図14aからの閉鎖部材を伴う、閉鎖システム1の上面図を示す。各場合において可視であるものは、缶蓋の下側12と、閉鎖部材の下側22とである。
図14bでは、閉鎖部材は、閉鎖位置にあって、飲口は、完全に被覆される。
図14cでは、缶は、開放される。閉鎖部材は、飲口14が暴露されるように、第1の軸Aに沿って、閉鎖位置から外に移動されている。いずれの場合も、くぼみ23も、同様に図示され、これは、第1の軸Aに配置され、閉鎖部材が、第1の軸Aに沿って変位されるときの飲口14の下方の最初の開放を図示し、したがって、特に、炭酸飲料では、特に、缶の内部内に存在する圧力超過の緩やかな等化を可能にする。缶蓋に調節される缶蓋の形状は、一方では、閉鎖システム1の安定性を改良し、他方では、閉鎖システムの過剰な開放および/または再閉鎖移動を防止する。
【0095】
図15a-cは、閉鎖システム1のさらなる例示的実施形態を示す。いずれの場合も、閉鎖システムは、缶蓋の下側12および閉鎖部材の下側22が、可視であるように、下方から図示される。この場合、閉鎖部材は、単なる実施例として、
図14a-cに示されるものである。本実施形態によると、缶蓋は、1つまたは複数の陥凹18を備え、これは、例えば、伸長様式で構成されてもよい。該陥凹18は、押抜またはエンボス加工によって、蓋の上側または下側内に提供されてもよい。溝または轍としても構成され得る、これらの変形は、一方では、蓋の増加された安定性および強度をもたらす。他方では、それらは、本実施形態が、くぼみを閉鎖部材または飲口に備えないように、ガス交換のために、換気ダクトとしての役割を果たし得る。コンテナが、最初に、開放されると、空気は、制御された様式で逃散し得、外部空気が、飲んでいる間、缶の中に流動し得る。しかしながら、陥凹はまた、くぼみと組み合わせられてもよい。
【0096】
図15aでは、閉鎖部材は、閉鎖位置にあって、飲口は、完全に被覆されている。すなわち、伸長陥凹18は、いかなるガス交換も、可能ではなく、液体も、逃散し得ないように、閉鎖部材によって影響されない。
【0097】
図15bは、第1の軸Aに沿った、開放移動8の間の閉鎖部材を示す。飲口は、依然として、完全に被覆されているが、閉鎖部材は、すでに陥凹18下にある。閉鎖部材が、部分的に、そのシール面積を用いて、陥凹18のうちの少なくとも1つに重複するとすぐに、ガス交換7aが、本少なくとも1つの陥凹18のまだ被覆されていない部分および依然として重複されている飲口を用いて、缶の内部と環境との間に生じ得、陥凹は、換気ダクトとしての役割を果たす。このように、特に、炭酸飲料では、存在する圧力超過が、好ましくは、特に、緩やかに、かつ依然として、飲口14が開放される前に、等化され得る。
【0098】
図15cでは、缶は、完全に開放される。閉鎖部材は、飲口14が暴露されるように、第1の軸Aに沿って、閉鎖位置から外に移動されている。本文脈では、陥凹18は、環境と缶の内部との間のガス交換7aが、飲口を用いてはなく、また、換気ダクトとしての役割を果たす、陥凹18によっても生じ得るように、部分的に、閉鎖部材によって被覆される。このように、飲んでいる、または傾注する間、缶内に生成された圧力超過は、好ましくは、等化され得る。好ましくは、これは、傾注性質を改良する。飲口を通して、缶の内容物を飲む、または傾注することは、より均一かつより高速の両方で生じ得る。缶から出る液体が、陥凹18を介して、環境からの空気によって均一に置換され得るため、飲口14の少なくとも主要な部分、特に、飲口14全体が、液体流動のために利用可能である。
【0099】
その寸法、表面、形状、数、および位置に関して、陥凹18は、好ましくは、缶の内部と環境との間の制御された最適ガス交換7a、7bを確実にするために構成される。陥凹の構成の最適化は、好ましくは、特に、炭酸飲料の場合、可能な限り緩やかであるように、制御されたガス流出7a、および/または缶の内容物が、飲口14を通して、飲まれている、または傾瀉されている間、可能な限り強力であるように、缶の中への空気流入7bを考慮すべきである。
【0100】
本目的のために、流出7aのために最適化された陥凹18が、流入7bのために最適化された陥凹18と組み合わせられてもよい(しかしながら、また、流入または流出のための1つのタイプの陥凹が、十分である場合もある)。流出7aのために最適化された陥凹は、特に、それらが、閉鎖部材によって到達され、開放プロセスが開始した直後に、換気ダクトとして作用するが、完全に開放されると、閉鎖部材によって完全に被覆されるように、位置付けられ得る。しかしながら、流入7bのために最適化された陥凹は、それらが、到達され、閉鎖部材によって完全に開放されたときのみ、換気ダクトとして作用するように位置付けられ得る。
【0101】
図16a-cは、陥凹18’、18’’、18’’’の種々の形態および配列を図示する。この場合、缶蓋の下側12は、同様に、閉鎖部材の下側22とともに図示される。滴形形状陥凹18’、菱形形状陥凹18’’、およびアーチ状陥凹18’’’は、ここでは、単に、例示として図示される。開放方向と平行に配置される陥凹以外に、半径方向配列も同様に、可能性として考えられる。
【0102】
幾何学的形状は別として、より複雑なパターン、特に、缶の内容物に関する、またはそれについての情報を提供する、図、ロゴ、または文字を伴う陥凹が、使用されてもよい。例えば、パターンは、製造業者の商標名または充填容量もしく有効期限についての情報を含有してもよい。そのようなパターンとガス交換7a、7bのために最適化された陥凹形状の組み合わせも同様に、可能性として考えられる。しかしながら、基本的に、陥凹または複数の陥凹の形状および配列はまた、それらが、閉鎖部材のシールをバイパスする、換気ダクトを提供する限り、変動してもよい。
【0103】
蓋の下側12が、上側11が、対応する隆起部を備えるように、1つまたは複数の陥凹18、18’、18’’、18’’’を備え得るか、または1つまたは複数の陥凹18、18’、18’’、18’’’が、蓋の上側11内に存在し、対応して、1つまたは複数の隆起された特徴が、下側12に存在するかのいずれかである。後者の場合、閉鎖部材は、いずれの場合も、ガス交換7a、7bが、隆起部の隙間またはシールと蓋の下側12との間を通して生じるように、開放移動の間、1つまたは複数の隆起部によって、蓋の下側から若干(例えば、最大1mm)持ち上げられるように構成され得る。
【0104】
図17a-cは、陥凹を缶蓋内に伴う、閉鎖システムの例示的実施形態の断面図を示す。これらの図はそれぞれ、飲口14と、2つの陥凹18aおよび18bとを伴う、蓋10を示す。陥凹は、蓋の下側内に提供され、したがって、隆起部を上側上に表す。閉鎖部材20は、蓋の下方に図示され、該閉鎖部材20は、そのシールリング50を伴う蓋の下側に接触する。閉鎖部材は、明確性のために、ここでは図示されない。
【0105】
図17aでは、閉鎖部材20は、飲口14の下方のその閉鎖位置にあって、それを被覆する。本位置では、陥凹18aおよび18bは、閉鎖部材20によって影響されない。
【0106】
図17bは、開放プロセスが開始されている、状況を示す。閉鎖部材20は、開放方向8に移動され、第1の陥凹18aに到達し、換気ダクトをもたらし、それを通して、ガス交換7aが、閉鎖部材20が飲口14を被覆解除する前に、缶内の圧力超過が緩和または低減され得るように、缶の内部から環境の中に生じ得る。
【0107】
図17cは、その開放状態における、閉鎖システムを示す。飲口14は、主として、暴露され、閉鎖部材20は、開口部14の小部分のみに重複し、本部分はまた、例えば、飲口のガイドスロットでもあり得る(例えば、
図7a、b参照)。閉鎖部材は、第2の陥凹18bを被覆し、したがって、換気ダクトを生成する。液体缶内容物が、特に、缶を傾斜させることによって、飲まれる、または空にされる場合、それらは、重力に従って、飲口14を通して缶から外に流動する(矢印4によって図示される)。このように、圧力不足が、缶内に形成され得、これは、不利なこととして、流動速度を低減させ得る。しかしながら、缶の中へのガス流入7bが、生じ得、これは、圧力不足の有利な等化の役割を果たし得る。
【0108】
好ましくは、第1の陥凹18aは、その寸法、形状、位置、配向、および表面構造に関して、最適ガス流出7aのために構成される。加えて、陥凹18bは、好ましくは、その寸法、形状、位置、配向、および表面構造に関して、最適ガス流入7bのために構成される。代替として、ガス流出7aおよびガス流入7bの両方を可能にする、特徴を備える、陥凹も同様に、所望に応じて、当然ながら、使用されてもよい。
【0109】
閉鎖部材20は、好ましくは、蓋内の陥凹に対応する、陥凹を備え得、陥凹は、ガス交換7a、bを可能な限り最適に誘導するために、閉鎖部材20の位置に応じて、異なるように構成される換気ダクトを形成する。さらに、動作部材は、好ましくは、ガス交換7a、bが妨害されないように構成される、またはガス交換7a、bが、促され、可能な限り制御されるように生じるように構成される。このように、動作部材はまた、換気ダクトを備え、および/または閉鎖部材20とともに換気ダクトを形成してもよい。例えば、環境の中へのガス流出7aは、したがって、標的配向され、特に、ユーザから離れるように、例えば、開放方向に直交して指向され得る。閉鎖部材20および動作部材はまた、圧力超過を缶の内部から吸収し、制御された様式でそれを環境に放つように構成されてもよい。
【0110】
随意に、開放プロセスは、閉鎖部材が、ガス流出7aを最適に配列するために判定された位置に位置する場合、1つまたは複数の機械的抵抗(ここでは図示せず)によって、遅延されてもよい。例えば、これらの抵抗は、動作部材または閉鎖部材が開放プロセスの間に叩打する、蓋内の隆起部として構成されてもよい。抵抗はまた、特に、それを用いて、閉鎖部の最初の開放が、ユーザによって識別され得る、制御部材(
図5a、12a、13b参照)によって生成されてもよい。
【0111】
抵抗は、あるガスの量が、飲口14が開放される前に逃散し得るように選択され得る、判定された位置での、開放プロセスにおける若干の遅延につながり得る。しかしながら、抵抗はまた、ユーザが閉鎖部を開放するための有意な抵抗を生成してもよい。この場合、ユーザは、開放プロセスを継続するまで、缶の換気、特に、圧力超過の完全な逃がしを待機し得る。
【0112】
随意に、閉鎖部材または動作部材内の換気ダクトは、ガス流出7aが、例えば、警笛または号笛の形態における、音響信号を引き起こすように構成されてもよい。例えば、ユーザは、音強度に基づいて、圧力超過が、依然として、缶内に存在するかどうかを識別し、それに応じて、開放プロセスを継続してもよい。
【0113】
図18は、これまで説明された閉鎖部材20と組み合わせられ得る、動作部材30のさらなる例示的実施形態を示す。
【0114】
この場合、固着および/または制御部材34は、ヒンジ70を用いて、残りの動作部材30に、特に、閉鎖部材との接続が提供される、動作部材30の部分に接続される(この場合、空洞38が固定ボルト28を受容するために提供される領域であるが、しかしながら、空洞38の代わりに、異なるタイプの接続もまた、上記に説明されるように、選択されてもよい)。随意に、固着および/または制御部材34は、取っ手33に接続される、例えば、固定して(例えば、剛性部分71によって)、または取っ手33が、持ち上げられる場合、破損する、1つまたは複数の横棒44によって、接続される。
【0115】
固着および/または制御要素34の下側には、隆起部39が、好ましくは、提供され(隠されているため、破線によって示される)、これは、特に、フックとして構成され得る。
【0116】
図19は、閉鎖システムと併用するための、蓋12の別の随意の特徴を示す。ここに示されるように、ガイドスロット17は、飲口14から見て外方に向くように、少なくとも1つまたは複数の逃がし切り欠き72をその端部に備えてもよい。逸らされた端部は、ガイドスロット17の後方端部であってもよい。逃がし切り欠き72は、ガイドスロット17のそうでなければ長方形の断面の角に半径を形成してもよい。例えば、逃がし切り欠き72は、ガイドスロットの本端部17が、直角を有していないように押抜されてもよい。これは、高内圧における蓋12の亀裂および/または蓋12の破裂を防止することができる。
【0117】
1つまたは複数の逃がし切り欠き72は、好ましくは、ガイドスロット17の縦方向と略垂直に延在する。個別の逃がし切り欠き72は、好ましくは、湾曲され、曲率の円形の中心は、好ましくは、逃がし切り欠き72より蓋12の中心に近い。個別の逃がし切り欠き72、例えば、弧状であってもよい。逃がし切り欠き72の長さ、特に、弧状長は、その縦軸と垂直なガイドスロット17の幅を上回ってもよい。当業者に容易に明白となるであろうように、そのような逃がし切り欠き72は、上記に説明される蓋12のいずれかと併用されてもよい。
【0118】
図20および22は、逃がし切り欠きと組み合わせて、または独立して、使用され得る、蓋12のさらなる随意の特徴および実施形態を示す。この点において、蓋は、上記に説明されるように、閉鎖部材20の開放の間、および/またはその開放位置にある間、第1の空気ダクトを形成し得る、少なくとも1つの第1の陥凹18Aまたは複数の陥凹18Aを備える。
【0119】
少なくとも1つの第1の陥凹18Aは、好ましくは、閉鎖部材20の閉鎖位置では、シール(
図20および22に示されないため、
図17a-17cにおけるシールリング50参照)内に位置するように配列される。
【0120】
少なくとも1つの第1の陥凹18Aは、好ましくは、閉鎖位置では、好ましくは、完全に、閉鎖部材20(
図20および22に示されない)および/または動作部材30によって被覆されるように配列される。
【0121】
閉鎖部材20が、開放位置に移動されるとき、シール50および/または閉鎖部材20が、部分的に、少なくとも1つの第1の陥凹18Aに重複する、位置、特に、中間位置が、好ましくは、達成される。このように、圧力補償、特に、閉鎖システムを開放するときの初期圧力補償が、達成され得る。少なくとも1つの第1の陥凹18Aは、開放位置では、閉鎖部材20によって完全に重複され、および/またはシール50内に完全に配列されるように配列されてもよい。
【0122】
少なくとも1つの第1の陥凹18Aと組み合わせて、または独立して、蓋12は、少なくとも1つの第2の陥凹18Bを備えてもよく、これは、好ましくは、閉鎖位置では、閉鎖部材20によって被覆されず、および/または閉鎖位置では、部分的にでも、シール50内に配列されないように配列される。好ましくは、少なくとも1つの第2の陥凹18Bは、閉鎖位置では、動作部材30によって被覆されない。開放位置では、少なくとも1つの第2の陥凹は、好ましくは、部分的に(特に、部分的にのみ)閉鎖部材20および/またはシール50および/または動作部材30によって重複される。
【0123】
第2の陥凹は、例えば、動作部材30の変位の方向に動作部材30の背後に(
図20参照)、および/または動作部材30に隣接して(
図22参照)配列される、1つまたは複数の陥凹18Bとして構成されてもよい。
【0124】
上記に説明されるように、少なくとも1つの第1の陥凹18Aおよび/または少なくとも1つの第2の陥凹18Bは、上向きまたは下向きに突出してもよい。少なくとも1つの第1の陥凹18Aおよび/または少なくとも1つの第2の陥凹18Bは、特に、エンボス加工として構成されてもよい。
【0125】
少なくとも1つの第1の陥凹18Aおよび/または少なくとも1つの第2の陥凹18Bと組み合わせて、または独立して、蓋12はさらに、1つまたは複数の(特に、2つ)第3の陥凹19を備えてもよく、これは、閉鎖部材20の上側表面上の1つまたはそれを上回る対応する突出部73(
図21参照)と協働し、閉鎖部材20のための縦方向ガイドおよび/または歪曲係止を提供し得る。本点において、陥凹19は、好ましくは、上向きに突出する。これは、蓋12内のエンボス加工として構成されてもよい。
【0126】
示される図は、可能性として考えられる例示的実施形態の略図にすぎないことは、言うまでもない。種々のアプローチは同様に、相互におよび飲料コンテナ等の先行技術デバイスと組み合わせられてもよい。
【0127】
特に、缶および缶蓋が、上記に説明されるが、開示される閉鎖システムはまた、液体またはバルク材料のための他のコンテナに取り付けられてもよい。そのような液体コンテナは、例えば、段ボール、プラスチック、および/または金属から作製されてもよい。これは、特に、少なくとも、傾注オリフィスの領域内では、十分な剛性を有する、材料から作製される、コンテナに適用される。液体コンテナの場合、本明細書に述べられた蓋は、例えば、コンテナの壁によって置換される、および/またはそのような壁によって形成されてもよい。
【0128】
本発明は、とりわけ、以下の側面に関する。
1.液体(特に、飲料)および/またはバルク材料のためのコンテナ、特に、飲料缶(2)および/または段ボール箱のための閉鎖システム(1)であって、
-飲料コンテナの蓋(10)の飲口(14)を閉鎖するための閉鎖部材(20)と、
-ユーザによって飲口(14)を手動で開放するための動作部材(30)と、
を備え、
-閉鎖部材(20)は、蓋(10)の下側(12)に位置付けられ、蓋(10)の上側(11)において、動作部材(30)と固定して接続され得、
-動作部材(30)および閉鎖部材(20)は、蓋(10)の上側(11)と略平行に延在する、第1の軸(A)に沿って移動可能に配置可能であって、
・第1の方向(8)への第1の軸(A)に沿った動作部材(30)の移動は、閉鎖位置からの閉鎖部材(20)の移動および飲口(14)の開放を引き起こすことができ、
・第1の方向(8)と反対の第2の方向(9)への第1の軸(A)に沿った動作部材(30)の移動は、閉鎖位置への閉鎖部材(20)の移動および飲口の(14)再閉鎖を引き起こすことができる、
ことを特徴とする、閉鎖システム(1)。
2.蓋(10)を備え、蓋は、上側(11)と、下側(12)と、飲口(14)とを備え、
-閉鎖部材(20)は、蓋(10)の下側(12)に位置付けられ、蓋(10)の上側(11)において、動作部材(30)と固定して接続され、
-動作部材(30)および閉鎖部材(20)は、第1の軸(A)に沿って移動可能に配置され、
・第1の方向(8)への第1の軸(A)に沿った動作部材(30)の移動は、閉鎖位置からの閉鎖部材(20)の移動および飲口(14)の開放を引き起こすことができ、
・第1の方向(8)と反対の第2の方向(9)への第1の軸(A)に沿った動作部材(30)の移動は、閉鎖位置への閉鎖部材(20)の移動および飲口(14)の再閉鎖を引き起こすことができる、
ことを特徴とする、側面1に記載の閉鎖システム(1)。
3.閉鎖システムは、少なくとも1つの制御部材(34、40、45)を備え、制御部材は、
-動作部材(30)が、移動されず、および/または閉鎖部材(20)が、閉鎖位置から移動されない限り、第1の状態を備え、
-動作部材(30)が、第1の方向(8)に移動される場合、および/または閉鎖部材(20)が、閉鎖位置から移動される場合、第1の状態から少なくとも光学的に区別可能である、第2の状態を不可逆的にとる、
ように構成され、特に、
-制御部材(34、40、45)は、動作部材(30)が、第2の方向(9)に戻るように移動され、および/または閉鎖部材(20)が、閉鎖位置に戻るように移動される場合でも、第2の状態を留保し、および/または
-動作部材(30)は、制御部材(34)と一体的に構成され、特に、動作部材(30)および制御部材(34)は、アルミニウムから作製される、
ことを特徴とする、側面1または側面2に記載の閉鎖システム。
4.制御部材(34、40)は、外側から可視であるように取り付けられる、少なくとも1つの制御棒(36、42)を備え、該制御棒(36、42)は、動作部材(30)が、第1の方向(8)に移動され、および/または閉鎖部材(20)が、閉鎖位置から移動されると、破損するように配置および構成され、特に、少なくとも1つの制御棒(36、42)は、所定の破損点を備えることを特徴とする、側面3に記載の閉鎖システム。
5.制御部材(34)は、第1の方向(8)における動作部材(30)の移動が、制御部材(34)の迂回移動(5、6)を引き起こし、したがって、少なくとも1つの制御棒(36)の破損を引き起こすように配置および構成され、特に、
-制御部材(34)は、第1の軸(A)に直交する、傾斜軸(C)を中心とした制御部材(34)の移動性を保証する、2つの横棒(35)を用いて、動作部材(30)に取り付けられ、
-少なくとも1つの制御棒(36)は、第1の軸(A)に沿って延在し、特に、少なくとも1つの制御棒(36)は、制御部材(34)および動作部材(30)に取り付けられ、
-制御部材(34)は、動作部材(30)が、第1の方向(8)に移動されると、蓋(10)と衝突するように配列され、迂回移動(5、6)が、少なくとも部分的に、衝突によって引き起こされ、
-迂回移動は、傾斜軸(C)を中心とした制御部材(34)の傾斜(6)を伴い、
特に、その下側では、制御部材(34)は、動作部材(30)が、第1の方向(8)に移動される場合、蓋(10)と衝突するように配置される、隆起部(39)を備え、特に、
-迂回移動(5、6)は、少なくとも部分的に、衝突によって引き起こされ、
-隆起部(39)は、飲口(14)の縁または飲口(14)のガイドスロット(17)の端部において、蓋(10)に当接し、および/または
-閉鎖部材(20)は、陥凹(26)を備え、隆起部(39)は、陥凹(26)の中に延在する、
ことを特徴とする、側面4に記載の閉鎖システム。
6.制御部材(45)は、閉鎖部材(20)に提供され、第1の状態では、蓋(10)の開口部(48)に係合し、動作部材(30)の視認開口部(46)を通して可視であって、特に、制御部材(45)は、動作部材(30)が、第1の方向(8)に移動され、および/または閉鎖部材(20)が、閉鎖位置から移動される場合、制御部材(45)が、破損するように、蓋(10)の開口部(48)に対して構成され、位置付けられることを特徴とする、側面3に記載の閉鎖システム。
7.-飲口(14)は、第1の軸(A)に沿って延在する、ガイドスロット(17)を備え、
-動作部材(30)および/または閉鎖部材(20)は、動作部材(8)が、第1の軸(A)に沿ってのみ移動可能であるように、ガイドスロットに係合する、ガイド部材を備え、
特に、ガイド部材は、動作部材(30)および閉鎖部材(20)を固定して接続する、
ことを特徴とする、先行側面のいずれかに記載の閉鎖システム。
8.-閉鎖部材(20)は、少なくとも1つの切り欠き(23)を備え、少なくとも1つの切り欠き(23)は、閉鎖部材(20)が、閉鎖位置から移動される場合、飲口(14)の開放が、最初に、切り欠き(23)によって引き起こされるように配置され、特に、切り欠き(23)は、閉鎖部材(20)が、閉鎖位置にある場合、第1の軸(A)上に位置付けられるように配置され、および/または
-第1の軸(A)上では、蓋(10)は、切り欠き(15)または開口部(16)を備え、閉鎖部材は、閉鎖位置では、切り欠き(15)または開口部(16)を被覆するように構成され、切り欠き(15)または開口部(16)は、閉鎖位置からの閉鎖部材(20)の移動が、飲口(14)に先立って、切り欠き(15)または開口部(16)の開放を引き起こすように、飲口(14)にまたはそれに隣接して配列される、
ことを特徴とする、先行側面のいずれかに記載の閉鎖システム。
9.蓋(10)は、閉鎖部材(20)が、特に、第1の方向(8)に、閉鎖位置から移動されると、少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)が、少なくとも部分的に、閉鎖部材(20)によって重複されるように、閉鎖部材(20)の閉鎖位置に対して配置される、少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)を備え、特に、陥凹は、蓋(10)の上側(11)または下側(12)の中にエンボス加工または押抜され、
少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)は、
-飲口(14)の開放に先立って、少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)は、閉鎖部材(20)が、閉鎖位置から移動されると、少なくとも部分的に、閉鎖部材(20)によって重複され、
-特に、飲料コンテナ内の圧力超過および/または圧力不足を補償するためのガス交換(7a、7b)が、少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)が、部分的に、閉鎖部材(20)によって重複される場合、特に、飲口(14)が、同時に、完全または部分的に、閉鎖部材(20)によって被覆される場合、可能にされる、
ように、配置され、閉鎖部材(20)は、そのように定寸される、
ことを特徴とする、先行側面のいずれかに記載の閉鎖システム。
10.少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)は、陥凹に対応する隆起部が、蓋(10)の下側(12)に存在するように、蓋(10)の上側(12)に提供され、閉鎖部材(20)は、少なくとも1つの陥凹(18、18’、18’’、18’’’)が、重複されると、隆起部によって蓋(10)の下側(12)から離隔され、ガス交換(7a、7b)は、少なくとも1つの隆起部をバイパスするように生じることを特徴とする、側面9に記載の閉鎖システム。
11.-動作部材(30)および閉鎖部材(20)は、アルミニウムから作製され、特に、閉鎖部材(20)および動作部材(30)の固定接続は、溶接された継合部および/またはスナップ嵌合接続によって達成される、または
-動作部材(30)および/または閉鎖部材(20)は、プラスチック材料から作製され、特に、動作部材(30)および閉鎖部材(20)は、同一プラスチック材料から作製され、および/または閉鎖部材(20)および動作部材(30)の固定接続は、接着剤継合部および/またはスナップ嵌合接続によって達成される、
ことを特徴とする、先行側面のいずれかに記載の閉鎖システム。
12.閉鎖部材(20)は、固定ボルト(28)を備え、動作部材(30)は、空洞(38)を備え、固定ボルトは、閉鎖部材(20)および動作部材(30)を固定して接続するために、空洞の中に挿入され、特に、固定ボルト(28)は、
-動作部材(30)にスナップ嵌合するための返しを備え、および/または
-固定ボルト(28)は、飲口(14)のガイドスロット(17)に係合し、該ガイドスロット(17)は、第1の軸(A)に沿って延在する、
ことを特徴とする、先行側面のいずれかに記載の閉鎖システム。
13.動作部材(30)は、缶の蓋に当接する、取っ手(33)を備え、取っ手(33)は、
-下側が面取りされた様式で構成され、
-第1の軸(A)に直交する、スイベル軸を中心として、スイベル移動(7)を用いて、少なくとも45°、特に、少なくとも90°上昇され得、
特に、
-スイベル移動(7)は、第2の方向(9)の方向に生じ、
-動作部材(30)は、取っ手(33)と一体的に構成され、ヒンジとして作用する、切り欠き(37)は、スイベル軸に沿って延在し、および/または
-取っ手(33)は、半環状に構成される、
ことを特徴とする、先行側面のいずれかに記載の閉鎖システム。
14.閉鎖部材(20)は、蓋(10)の形状をその外側形状に対して調節され、
特に、閉鎖部材(20)は、卵形または楕円形であって、第1の軸(A)に直交する、第2の軸(B)に沿って、第1の軸(A)に沿ったものを上回る長さを備える、
ことを特徴とする、先行側面のいずれかに記載の閉鎖システム。
15.液体、特に、炭酸液体を受容するための円筒形本体を備える、飲料缶(2)であって、
先行側面のうちの任意の1つに記載の閉鎖システム(1)によって特徴付けられる、飲料缶(2)。
【国際調査報告】