(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-10
(54)【発明の名称】ダイアフラムを備えたMEMSセンサおよびMEMSセンサの製造方法
(51)【国際特許分類】
G01L 9/00 20060101AFI20220203BHJP
B81B 3/00 20060101ALI20220203BHJP
B81C 1/00 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
G01L9/00 305A
B81B3/00
B81C1/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534968
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(85)【翻訳文提出日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2019085658
(87)【国際公開番号】W WO2020127271
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】102018222758.6
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100161908
【氏名又は名称】藤木 依子
(72)【発明者】
【氏名】フリードリヒ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】デッセル,ケリン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルメス,クリストフ
【テーマコード(参考)】
2F055
3C081
【Fターム(参考)】
2F055AA40
2F055BB20
2F055CC02
2F055DD05
2F055EE25
2F055FF43
2F055GG01
2F055GG11
3C081AA01
3C081AA17
3C081BA22
3C081BA45
3C081BA48
3C081BA53
3C081CA03
3C081CA14
3C081CA20
3C081DA03
3C081DA09
3C081EA03
(57)【要約】
本発明は、ダイアフラムを備えたMEMSセンサに関し、このダイアフラムのベース面は、周りを取り囲む壁構造によって画定されており、かつベース面は少なくとも2つの部分領域を有し、これらの部分領域のうち少なくとも1つが変位可能に配置されており、かつ少なくとも2つの部分領域が、少なくとも1つの分離構造によって互いから分離されているかまたは少なくとも1つの分離構造によって画定されており、かつ分離構造は、流体が通り抜けるための少なくとも1つの流体通路を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイアフラム(40)を備えたMEMSセンサ(1)であって、
前記ダイアフラム(40)のベース面(41)が、周りを取り囲む壁構造(23)によって画定されており、かつ
前記ベース面(41)が少なくとも2つの部分領域(A、B、C、D)を有し、前記部分領域(A、B、C、D)のうち少なくとも1つが変位可能に配置されており、かつ前記少なくとも2つの部分領域(A、B、C、D)が、少なくとも1つの分離構造(22)によって互いから分離されているかまたは前記少なくとも1つの分離構造(22)によって画定されており、かつ前記分離構造(22)が、流体が通り抜けるための少なくとも1つの流体通路(80)を有するMEMSセンサ。
【請求項2】
前記少なくとも2つの部分領域(A、B、C、D)が、前記ベース面(41)上で互いに対称的に配置されており、とりわけ同一に形成されている、請求項1に記載のMEMSセンサ。
【請求項3】
前記分離構造(22)が少なくとも1つの柱を含んでいる、請求項1または2に記載のMEMSセンサ。
【請求項4】
前記分離構造(22)が、規則的な間隔をあけて、とりわけ互いに対してそれぞれ同じ間隔をあけて配置された複数の柱を含んでいる、請求項3に記載のMEMSセンサ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの柱(22)が、断面では少なくとも部分的に丸くおよび/または角張って形成されており、好ましくは台形、三角形、正方形、および/またはオーバル形に形成されている、請求項3または4の記載のMEMSセンサ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの柱(22)が、異なって形成された少なくとも2つの区間を有している、請求項3から5のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
【請求項7】
前記柱(22)の少なくとも2つが異なる直径を有している、請求項4から6のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
【請求項8】
前記少なくとも2つの部分領域(A、B、C、D)が長方形に形成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
【請求項9】
前記壁構造(23)および/または前記分離構造(22)が2種の異なる材料から製造されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
【請求項10】
前記分離構造(22)および/または前記壁構造(23)が、ダイアフラム材料および/または絶縁材料および/または導電性材料から製造されている、請求項9に記載のMEMSセンサ。
【請求項11】
少なくとも1つの部分領域(A、B、C、D)内に、第1のキャパシタンス(50)を形成するための第1の電極構造(21a)および第2のキャパシタンス(60)を形成するための第2の電極構造(21b)が配置されており、前記両方の電極構造(21a、21b)が前記分離構造(22)によって互いから離隔されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のMEMSセンサ。
【請求項12】
前記少なくとも2つの部分領域(A、B、C、D)の少なくとも1つが基準キャパシタンスとして形成されている、請求項11に記載のMEMSセンサ。
【請求項13】
- ベース構造(2、3、4)の上にダイアフラム(40)を提供し(S1)、その際、前記ダイアフラム(40)が壁構造(23)を介して前記ベース構造(2、3、4)から離隔されるステップと、
- 少なくとも2つの部分領域(A、B、C、D)を有する前記ダイアフラム(40)のベース面(41)を提供し(S2)、その際、前記部分領域(A、B、C、D)の少なくとも1つが変位可能に配置されるステップと、
- 少なくとも1つの分離構造(22)によって前記少なくとも2つの部分領域を分離(S3a)および/または画定(S3b)するステップと、
- 前記分離構造(22)内に、流体が通り抜けるための少なくとも1つの流体通路(80)を提供するステップ(S4)と
を含む、MEMSセンサ(1)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイアフラムを備えたMEMSセンサに関する。
本発明はさらに、MEMSセンサの製造方法に関する。
本発明はダイアフラムを備えた任意のMEMSセンサに全般的に適用可能ではあるが、変位可能に配置されたダイアフラムを備えたMEMS圧力センサに関し、本発明を説明する。
【背景技術】
【0002】
MEMS圧力センサは、今日では多くの分野で用いられており、例えば、圧力を迅速かつ正確に捕捉しなければならない自動車技術の分野で、例えば横滑り防止装置の領域で、または車両内の吸気管理、またはそれに類することにおいて用いられている。
【0003】
DE102016107275A1から、異なる共振周波数をもつ複数のMEMSセンサを含むMEMS装置を使用した測定の実施方法が知られていた。この方法は、複数のMEMSセンサの各々が励振信号によって刺激されるような、MEMS装置の第1のポートへの励振信号の印加を含む。この方法はさらに、MEMS装置の第2のポートでの信号測定および信号測定に基づく測定された値の決定を含む。このMEMS装置は、いわゆる「ランド」から成る壁を備えた複数の圧力セルを含み、この壁上に、感圧性で長方形のダイアフラムが配置されている。
【0004】
EP2994733B1からはさらに、微小電気機械圧力センサ構造が知られており、この圧力センサ構造は、ハウジング構造およびダイアフラム板を含み、このハウジング構造は、平面的なベースおよび側壁を含み、第1の表面は、実質的に平面的なベースに沿って走っており、側壁は、平面的なベースから遠ざかるように、外周として延びており、ダイアフラム板は、側壁に接して第2の表面に沿って走っており、この平面的なベース、側壁、およびダイアフラム板は、第1の表面と、第2の表面と、および側壁の内面とが基準圧力で密閉された間隙を構成するように、互いに取り付けられており、この側壁の内面の上縁が、ダイアフラムの外周を構成し、このダイアフラムは、長さおよび第2の表面の方向での幅を有し、この長さは、ダイアフラムの長手広がり方向に走っており、かつ幅は、長さの方向に対して垂直な方向で、第2の表面の方向に走っており、この圧力センサ構造は、間隙を介してキャパシタンスの変化を捕捉するために、第1の表面での固定電極および第2の表面でのダイアフラム電極を含み、かつダイアフラムの長さは、少なくともダイアフラムの幅の3倍であり、かつこの圧力センサ構造は、第1の表面から平面的なベース内へと延びている1つまたは複数の凹部を含み、この凹部は、1つまたは複数の凹部領域内で第1の表面に接して設けられており、この凹部領域内の1つの位置は、第2の表面内の1つの位置に対し、これらの位置を結ぶ線が第1の表面の平面に垂直に立っている場合、対応しており、ダイアフラムは、動作中のダイアフラムの最大限可能な押し退けに相応する最大変位を有するように設計されており、かつ凹部領域は、対応位置でのダイアフラムの変位が最大変位の3分の2より小さい位置に設けられている。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、本発明は、ダイアフラムを備えたMEMSセンサを提供し、このダイアフラムのベース面は、周りを取り囲む壁構造によって画定されており、かつベース面は少なくとも2つの部分領域を有し、これらの部分領域のうち少なくとも1つが変位可能に配置されており、かつ少なくとも2つの部分領域が、少なくとも1つの分離構造によって互いから分離されているかまたは少なくとも1つの分離構造によって画定されており、かつ分離構造は、流体が通り抜けるための少なくとも1つの流体通路を有する。
【0006】
さらなる一実施形態では、本発明は、
- ベース構造の上にダイアフラムを提供し、その際、ダイアフラムが壁構造を介してベース構造から離隔されるステップと、
- 少なくとも2つの部分領域を有するダイアフラムのベース面を提供し、その際、部分領域の少なくとも1つが変位可能に配置されるステップと、
- 少なくとも1つの分離構造によって少なくとも2つの部分領域を分離および/または画定するステップと、
- 分離構造内に、流体が通り抜けるための少なくとも1つの流体通路を提供するステップと
を含む、MEMSセンサの製造方法を提供する。
【0007】
概念「流体」とは、とりわけ請求項では、好ましくは明細書では、液体および/またはガス混合物、とりわけガスのことである。
それによって達成される利点の1つは、これにより、様々なダイアフラム形状の製造に際し、柔軟性が著しく向上することである。さらなる1つの利点は、簡単に製造され得る大きくて規則的に成形されるダイアフラム面上での、様々なダイアフラム形状の簡単で安価な製造である。さらなる1つの利点は、少なくとも1つの流体通路により、基本的に、比較的大きな背後体積、つまり密閉封入された体積を利用できることであり、これは、その中に封入された圧力の、例えばガス放出に対する安定性に関し、温度変化またはそれに類することに対する安定性に関しても、著しく改善する。
【0008】
本発明のさらなる特徴、利点、およびさらなる実施形態を以下に説明し、またはこれによって開示する。
有利な一変形形態によれば、少なくとも2つの部分領域が、ベース面上で互いに対称的に配置され、とりわけ同一に形成される。これは、少なくとも2つの部分領域の簡単な製造および配置を可能にする。
【0009】
さらなる有利な一変形形態によれば、分離構造が少なくとも1つの柱を含む。この少なくとも1つの柱により、分離構造の簡単な製造が、同時に流体通路を提供しながら可能である。
【0010】
さらなる有利な一変形形態によれば、分離構造が、規則的な間隔をあけて、とりわけ互いに対してそれぞれ同じ間隔をあけて配置された複数の柱を含む。これにより、同様に簡単で安価な製造が、同時に少なくとも2つの部分領域を十分に分離しながら達成され得る。
【0011】
さらなる有利な一変形形態によれば、少なくとも1つの柱が、断面では少なくとも部分的に丸くおよび/または角張って形成されており、好ましくは台形、三角形、正方形、および/またはオーバル形に形成されている。これにより柱が、柔軟に、同時に簡単に製造され得る。
【0012】
さらなる有利な一変形形態によれば、少なくとも1つの柱が、異なって形成された少なくとも2つの区間を有する。これにより1つの柱が、例えばz方向/鉛直方向に、異なる太さおよび/または形状を有することもできる。柱は、とりわけ1つまたは複数の段もしくはその類似物を有することができ、またはz方向に先細りするようにもしくはそれに類するように形成され得る。
【0013】
さらなる有利な一変形形態によれば、柱の少なくとも2つが異なる直径を有する。これにより分離構造の柔軟性がさらに改善される。こうして例えば、壁または壁構造の近傍にある柱は、壁がこの領域で追加的な支持として働くので、より細く実施でき、これに対し中央の領域では、この柱はより強く、つまりより太く実施され得る。それだけでなく柱の変化により、挙動、とりわけ変位可能なダイアフラムの場合はその振動挙動にも、ある程度の影響が及ぼされ得る。
【0014】
さらなる有利な一変形形態によれば、少なくとも2つの部分領域が長方形に形成される。これにより、正方形のベース面から複数の部分ダイアフラムが簡単な方法で提供され得る。
【0015】
さらなる有利な一変形形態によれば、壁構造および/または分離構造が2種の異なる材料から製造される。これは、異なる基準、例えば安定性またはそれに類することへの柔軟な適合を可能にする。
【0016】
さらなる有利な一変形形態によれば、分離構造および/または壁構造が、ダイアフラム材料および/または絶縁材料および/または導電性材料から製造される。これにより、分離構造および壁構造を製造するために、簡単な方法でMEMS製造方法が利用され得る。
【0017】
さらなる有利な一変形形態によれば、少なくとも1つの部分領域内に、第1のキャパシタンスを形成するための第1の電極構造および第2のキャパシタンスを形成するための第2の電極構造が配置され、この両方の電極構造が分離構造によって互いから離隔される。これにより、例えば周りを取り囲むキャパシタンスおよび内部のキャパシタンスを提供でき、これらのキャパシタンスは異なる変位挙動を有し、なぜならとりわけ、壁構造または特にランドと結合しているダイアフラムの外側領域は、一般的にダイアフラムの中央の領域より少ししかたわまないからである。これにより基準キャパシタンスが簡単な方法で提供され得る。
【0018】
さらなる有利な一変形形態によれば、少なくとも2つの部分領域の少なくとも1つが基準キャパシタンスとして形成される。これにより1つの基準キャパシタンスが、2つの異なる部分領域によって簡単な方法で提供され得る。
【0019】
本発明のさらなる重要な特徴および利点は、従属請求項から、図面から、およびそれに帰属する図面に基づく図の説明から明らかである。
上で挙げたおよび下でさらに解説する特徴を、それぞれ提示した組合せだけでなく、別の組合せでまたは単独でも、本発明の枠を逸脱することなく使用可能であることは自明である。
【0020】
本発明の好ましい実施および実施形態を図面に示しており、かつ以下の説明においてより詳しく解説し、その際、同じ符号は、同じまたは類似のまたは機能的に同じ部品または要素に関する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態によるMEMSセンサの概略的な断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるMEMSセンサの概略的な平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるMEMSセンサの一部の概略的な平面図および断面図である。
【
図4】本発明の実施形態によるMEMSセンサの概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態による方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の一実施形態によるMEMSセンサの概略的な断面図を示している。
詳しくは
図1では、例えば以下のやり方で製造されたMEMSセンサ1を示している。すなわち最初に、シリコンウエハ2上に第1のステップで酸化物層3が施された。これに関しては任意選択で、電気シールド効果を改善するために基板2がドープされ得る。続いて層4、とりわけシリコンリッチ窒化物(SiRiN)から成るダイアフラム層が堆積され、続いて酸化物層3と一緒に構造化され、これにより基板コンタクトが可能にされた。続いて下側電極5が、多結晶シリコンの堆積、その後の構造化によって製造された。その際、基板コンタクトが導電性の多結晶シリコンで満たされる。その後、酸化物層6の形態での下側の第1の犠牲層が堆積され、続いて構造化され、かつとりわけこれに加えて化学的・機械的な研磨によって平坦化された。続いてストッパ構造を付けるために、第2の酸化物層7が堆積および構造化された。続いて上側電極8を製造するため、多結晶シリコン8が堆積され、続いて構造化された。その後、第3の酸化物層9が堆積および平坦化された。続いてポスト、つまり柱22の形態での支持要素のための、および壁23のための構造化が行われた。続いて、シリコンリッチ窒化物(SiRiN)の形態でのダイアフラム材料10が堆積された。その後、ポストまたは柱22および壁23内の酸化物充填を行うため、第4の酸化物層11が堆積され、かつ化学的・機械的な研磨によって平坦化された。続いて最後のダイアフラム材料12が堆積され、かつ犠牲層6、7、9への1つまたは複数のエッチング通路を得るために、上側電極層8と一緒に構造化された。その後、犠牲層6、7、9が、気相エッチングにより、またはスティクションフリー湿式リリース(Stiction-free Nassrelease)プロセスを使って除去され、かつダイアフラム10、12が自由にされた。この自由にするプロセスにより金属表面が影響を受けなくてよい場合が有利であり、したがって、金パッドが使用されない限り、またはそれに類することがない限り、意図しない効果、例えば気相エッチングの際の金属パッド上への沈着または湿式リリースプロセスでの金属パッドのエッチングが回避される。続いて、相応に設定されたプロセス圧力で、ストレスに適合されたSiN層13が堆積された。このSiN層13が続いてコンタクトパッドのために構造化された。続いて任意選択で、SiN層13の上面で、約100nmの薄膜厚でのさらなる薄いポリシリコン層が堆積および構造化され得る。このポリシリコン層が任意選択で、基板2のように電気遮蔽を提供し得る。続いて金属面が堆積され、続いてコンタクトパッド14の製造のために構造化された。これで、変位可能なダイアフラムを備えたMEMSセンサ1の製造が実質的に終了した。
【0023】
ここでは、符号20でストッパ構造を、符号21a、21b、21cでそれぞれ、それぞれの部分領域A、B、C内での下側電極および上側電極を備えた電極ペアを、符号22で相応の結合要素または柱を、ならびに符号23で、犠牲層の除去によって製造された中空空間30の壁を表している。壁23を通る電気コンタクトの貫通は、
図1では下側電極5に関してのみ右へ示されている。ダイアフラム10、12の右の領域24内で、コンタクトパッド14を介し、基板2の接触が可能にされる。
【0024】
総括すると、例えば350×350μmのベース面41の場合、ダイアフラム40に対し、ベース面41の部分領域および/または部分形状への以下の分割が提供され得る。ベース面41のその他の大きさも可能である。
【0025】
1.辺の長さが最大350×350μmの正方形の大きなダイアフラム40
2.辺の長さが最大約160×160μmの幾つかの正方形の部分ダイアフラム。
ここでは、追加的な接続での使用および部分ダイアフラム間の分離が、ダイアフラム40のための利用可能な面を減少させるので、ダイアフラム40のために利用可能な面は、正方形のベース面41に対して約30μm減少している。
【0026】
3.直径が最大350μmの丸いダイアフラム40
4.直径が最大約160μmの幾つかの丸い部分ダイアフラム
5.辺の長さが最大約320μmで、辺の長さの比が2:1より大きい幾つかの長方形の部分ダイアフラム。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態によるMEMSセンサの平面図を示している。
図2では、正方形のベース面41を有するダイアフラム40を備えたMEMSセンサ1を示している。さらに、ダイアフラム40の4つの部分領域A、B、C、Dを示しており、これらの部分領域はそれぞれ、長方形に、かつ変位可能に形成されている。長方形の領域A、B、C、Dは、正方形のベース面41の内部に配置されており、かつベース面41内で、点状の、ライン上に配置された柱22によって互いから分離されている。正方形のベース面41の画定は、広さがあり周りを取り囲んでいる壁23によって行われており、壁23は、とりわけ、点状の柱22と同様に、酸化物が充填されたダイアフラム材料から成り得る。この点状の柱22は、断面が丸い、角張っている、および/または正方形であることができ、かつそれぞれ10μm~50μmの間の間隔をあけて、長方形の領域A、B、C、Dの長辺に平行に配置され得る。柱22により、部分領域A、B、C、Dの間で開口部または流体通路80が可能であり、これにより、それぞれの部分領域A、B、C、Dの空間の間の流体連通が可能になる。部分領域A、B、C、Dの内部にはそれぞれ電極ペア21が配置されている。
【0028】
図3は、本発明の一実施形態によるMEMSセンサの一部の平面図および断面図を示している。
詳しくは、
図3では上の領域にダイアフラム40の部分領域Aの平面図を示しており、
図3の下の領域には断面図を示している。ダイアフラム40は、壁構造23を介してベース構造2’から離隔されている。この場合、ベース構造2’と、壁構造23と、ダイアフラム40とが、中空空間30を包囲している。ベース構造2’の上面およびダイアフラム40の下面には、第1のキャパシタンス50を形成するための電極ペア21aが配置されている。この電極ペア21aは、この場合、壁構造23の左部分と右部分の間で実質的に真ん中に配置されている。第1の電極ペア21aと壁構造23の左部分または右部分との間には、それぞれサイドに鉛直な支持構造22が配置されている。両方の支持構造22と、壁構造23のそれぞれの左部分または右部分との間では、ベース構造2’の上面およびダイアフラム40の下面にそれぞれ第2の電極ペア21bが配置されている。これにより、第2のキャパシタンス60、例えば基準キャパシタンスが形成される。この場合、部分領域Aの寸法71、72は、長さ72として約320マイクロメートルおよび幅71として約70~80マイクロメートルである。
【0029】
図4は、本発明の実施形態によるMEMSセンサを示している。
図4では、異なるMEMSセンサ1を
図4の中央に示しており、これらのMEMSセンサ1はそれぞれ、正方形のベース面41を有するダイアフラム40を備えており、各々のダイアフラム40がそれぞれ4つの部分ダイアフラム領域A、B、C、Dを有している。この場合、
図4の左側に断面図で示しているように、それぞれダイアフラム40の下面およびベース構造2’の上面に電極ペアが配置されている。4つの部分ダイアフラム領域A、B、C、Dはそれぞれ320μm×72μmの大きさを有しており、かつ部分領域A、B、C、Dの間の間隔は10μmである。4つの部分ダイアフラム領域A、B、C、Dを介し、
図4の右側に示した方式に従って、電極101、102が上側電極として、および下側電極として電極103、104が相互に接続されている。とりわけ、キャパシタンスおよび/または基準キャパシタンスを形成するために、異なる部分領域A、B、C、D内の下側電極103、104および/または異なる部分領域A、B、C、D内の上側電極101、102が相互に接続され得る。
図4の実施形態の1つでは、2つの基準キャパシタンスおよび2つの可変キャパシタンスが形成され、これに関し(それぞれ斜めに走る矢印によって示された)2つの可変キャパシタンスは、ダイアフラム40の中央の両方の領域BおよびCによって形成されている。
【0030】
上側電極領域101、102と下側電極領域103、104が部分的にだけ重なり合っていてもよい。このような一実施形態ではそれにより、これらの電極領域が幾何的に互いに非対称にも実施され得る。このような示した接続の利点の1つは、なかでも、感圧性の測定キャパシタンスおよび非感圧性の基準キャパシタンスの電気的対称化である。感圧性の測定キャパシタンスおよび非感圧性の基準キャパシタンスの電気的に非対称な設計の場合、これらのキャパシタンスは評価回路に適合され得る。これによりさらに、漏れ電界または電気的寄生に対する幾何的最適化も可能にされ得る。
【0031】
図5は、本発明の一実施形態による方法を示している。
図5では、
図1の符号を有するMEMSセンサの製造方法を示している。
これに関し第1のステップS1では、ベース構造2、3、4の上でのダイアフラム40の提供が行われ、その際、ダイアフラム40が壁構造23を介してベース構造2、3、4から離隔される。
【0032】
さらに第2のステップS2では、少なくとも2つの部分領域A、B、C、Dを有するダイアフラム40のベース面41の提供が行われ、その際、部分領域A、B、C、Dの少なくとも1つが変位可能に配置される。
【0033】
さらに第3のステップS3aおよび/またはS3bでは、少なくとも1つの分離構造22によって少なくとも2つの部分領域の分離およびまたは画定が行われる。
さらに第4のステップS4では、分離構造22内での、流体が通り抜けるための少なくとも1つの流体通路80の提供が行われる。
【0034】
総括すると、本発明の実施形態の少なくとも1つが、以下の特徴および/または以下の利点を可能にする。
・ 正方形のダイアフラム面内でのほぼ長方形の個々のダイアフラムの連結、その際、とりわけ、ベースキャパシタンスC0の低下の際の、キャパシタンス構成とベースキャパシタンスの比ΔC/C0の上昇が可能にされ、これが有利である。
・ 正方形のベース面内での多角形の個々のダイアフラムの連結。
・ 正方形のダイアフラム面内でのほぼ長方形の個々のダイアフラムの連結、例えば辺の長さと幅のアスペクト比が2:1以上の台形、多角形、オーバル形。
・ ダイアフラム材料から成っており、酸化物充填された壁による個々のダイアフラムの分離。
・ ダイアフラム材料から成っており、酸化物充填された点状の柱による個々のダイアフラムの分離、例えば丸い、角張った、三角形、多角形、またはそれに類する形。
・ ダイアフラムの内側の電気的にアクティブな領域内での柱による感圧性の基準キャパシタンスの機械的補強
・ 柱または壁による感圧性の測定キャパシタンスの可変の機械的補強。
・ 丸い、多角形、正方形、または三角形の幾何形状の柱によるダイアフラムの可変の機械的支持。
・ 2μm~20μmの可変の直径をもつ柱および壁によるダイアフラムの可変の機械的支持。
・ 内部にもう1つの使用キャパシタンスを有する、周りを取り囲むキャパシタンス、およびこれらキャパシタンスの支持構造による分離。
【0035】
本発明を好ましい例示的実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、この例示的実施形態に限定されるのではなく、多種多様なやり方で改変可能である。
【国際調査報告】