(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-10
(54)【発明の名称】シーリング材のディスペンシングのための方法および装置ならびに電気機械用ハウジング
(51)【国際特許分類】
F16J 15/14 20060101AFI20220203BHJP
G01B 11/22 20060101ALI20220203BHJP
G01B 11/02 20060101ALI20220203BHJP
H01H 9/02 20060101ALI20220203BHJP
H02K 5/10 20060101ALI20220203BHJP
H02K 15/14 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
F16J15/14 D
G01B11/22 G
G01B11/02 H
H01H9/02 C
H02K5/10 Z
H02K15/14 Z
F16J15/14 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535583
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(85)【翻訳文提出日】2021-08-18
(86)【国際出願番号】 EP2019084061
(87)【国際公開番号】W WO2020126565
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】102018222494.3
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【氏名又は名称】鳥居 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】ライスケ,ハインツ
(72)【発明者】
【氏名】メーラー,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ローア,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】バーダー,サッシャ
(72)【発明者】
【氏名】ヨブスト,ゼーバスティアン
【テーマコード(参考)】
2F065
5G052
5H605
5H615
【Fターム(参考)】
2F065AA22
2F065FF04
2F065FF51
2F065HH04
2F065JJ19
2F065JJ26
5G052AA05
5H605AA02
5H605AA08
5H605BB05
5H605BB17
5H605CC01
5H605CC02
5H605CC10
5H605DD32
5H605GG04
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB05
5H615BB14
5H615PP28
5H615SS10
5H615SS57
5H615TT33
(57)【要約】
本発明は、電気機械用のハウジングカバーをハウジングカップに接続する方法およびこの方法によって製造されたハウジングカップに関する。ハウジングカップは、開口部と、開口部を包囲している開口縁部とを有している。ハウジングカバーはカップ状に形成され、カップ壁には開口縁部の領域に、全周に亘って連続的に形成された鍔部が付加成形されており、この鍔部は放射状に外側に向いている。第1のプロセスステップでは、ハウジングカバーがハウジング開口部内に少なくとも部分的に挿入されることにより、ハウジングカバー壁とハウジングカップ壁との互いに対向する領域で溝が形成されている。この溝はさらなるステップで、少なくとも部分的にまたは完全に、特に弾性に形成されたシーリング材または接着剤で充填される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械用のハウジングカバー(11)をハウジングカップ(10)に接続する方法であって、
前記ハウジングカップ(10)が、開口部と、前記開口部を包囲している開口縁部(16)とを有し、
前記ハウジングカバー(11)がカップ状に形成され、カップ壁(38)には、前記開口縁部の領域に全周に亘って連続的に鍔部(12)が付加成形され、前記鍔部(12)が放射状に外側に向いており、
1つのプロセスステップでは、前記ハウジングカバー(11)が前記ハウジング開口部内に少なくとも部分的に挿入されることにより、前記ハウジングカバー壁(41)とハウジングカップ壁との互いに対向する領域で溝(13)が形成されており、
前記溝(13)が少なくとも部分的に、特に弾性に形成されたシーリング材(28)で充填される、方法。
【請求項2】
前記シーリング材(28)を前記溝(13)に充填するために、前記シーリング材(28)を前記溝(28)に流し込むディスペンス装置(27)が前記溝(13)に挿入されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ディスペンス装置(27)がディスペンス管であり、前記ディスペンス管が、前記溝(13)内で、前記ハウジングカバー(11)の周りを周回するように案内され、かつ案内されながら前記シーリング材(28)を前記溝(13)内に充填することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
溝幅(15)と、前記鍔部(12)までの前記溝(13)の深さの延在量(14)とが検出され、
前記ハウジングカップ縁部(16)までの前記シーリング材(28)の充填高さが溝周回部(38)に沿って一定であるように、投入される前記シーリング材(28)の体積が、前記溝周回部(38)に沿って位置に応じて変えられる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記溝深さ(14)が、電磁放射ビーム(30、30’)を使って、干渉法によって検出されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記溝幅(15)が、画像検出装置(3、4)によって確定され、このために前記溝(13)を上面視で表す画像データセット(9)が生成されることを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記シーリング材(28)が、前記ハウジングカップ(10)の前記縁部(16)まで充填され、前記縁部(16)と同一面で終わることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記シーリング材(28)が揺変性に形成され、前記ディスペンシング後には、前記溝(13)内への充填中よりも大きな粘度を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
特に請求項1から8のいずれか一項に記載の方法によって製造された電気機械用ハウジング(2)であって、
前記ハウジング(2)が、開口部をもつハウジングカップ(10)と、前記ハウジングカップ(10)の前記開口部を閉じるよう形成されたハウジングカバー(11)とを有し、
前記ハウジングカバー(11)がカップ状に形成され、カップ壁には、開口縁部の領域に全周に亘って連続的に鍔部(12)が付加成形され、前記鍔部(12)が放射状に外側に向いており、したがって、特に閉じたハウジングでは、前記鍔部(12)が、前記ハウジングカバー(11)の前記カップ壁と前記ハウジングカップ(10)との互いに対向する領域で形成された溝(13)の溝底部となり、前記溝が、特に弾性に形成されたシーリング材(28)で充填されている、ハウジング。
【請求項10】
ハウジングカバーの周りを周回する溝(13)内にシーリング材(28)をディスペンシングするための装置(2)であって、
前記装置(2)が、溝深さ(14)と、放射状の溝周回部(38)に沿った溝幅(15)とを検出するよう構成された少なくとも1つの検出装置(3、7)を備えており、
前記装置(2)が、前記溝深さ(14)を表す深さデータセットおよび前記溝幅(14)を表す幅データセットを生成するよう構成されており、
前記装置が、前記溝(13)内にシーリング材(28)を充填するためのディスペンス装置(26、27)を備えており、
前記深さデータセットおよび前記幅データセットに応じて、ディスペンス装置によって前記溝内にディスペンシングされるべき、前記溝周回部(38)に沿ったシーリング材体積を表すシーリング材体積データセット(37)を生成し、かつ前記シーリング材体積データセット(37)に応じて、前記シーリング材(28)が前記ハウジングカップ縁部(16)を越えないように、シーリング材(28)を前記溝(13)に充填するよう構成されている、装置(2)。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、電気機械用のハウジングカバーをハウジングカップに接続する方法に関する。ハウジングカップは、開口部と、開口部を包囲している開口縁部とを有している。ハウジングカバーはカップ状に形成され、カップ壁には、開口縁部の領域に、特に全周に亘って連続的に鍔部が付加成形されており、この鍔部は放射状に外側に向いている。
【0002】
第1のプロセスステップでは、ハウジングカバーがハウジング開口部内に少なくとも部分的に挿入され、これにより、ハウジングカバー壁とハウジングカップ壁との互いに対向する領域で溝が形成されている。この溝はさらなるステップで、少なくとも部分的にまたは完全に、特に弾性に形成されたシーリング材または接着剤で充填される。こうしてハウジングカップとハウジングカバーが、1つのプロセスステップで、詳しくはシーリング材で溝を充填することで、接着され、かつ互いに隙間なくされ得ることが有利な点である。
【0003】
好ましい一実施形態では、シーリング材を溝に充填するために、シーリング材を溝に流し込むディスペンス装置が溝内に挿入される。こうして溝がきちんと充填され得ることが有利な点である。
【0004】
好ましい一実施形態では、ディスペンス装置はディスペンス管であり、このディスペンス管は、溝内で、ハウジングカバーの周りを周回するように案内され、かつ案内されながらシーリング材を溝内に充填する。その際、シーリング材は管端の開口部から流出し得る。こうしてシーリング材が機械によって自動的に溝内に充填され得ることが有利な点である。
【0005】
好ましい一実施形態では、溝幅と、鍔部までの溝の深さの延在量とが検出され、ハウジングカップ縁部までのシーリング材の充填高さが周回部に沿って一定であるように、投入されるシーリング材の体積が、溝周回部に沿って位置に応じて変えられる。こうして、ハウジングカバーがハウジングカップの中心には載置されず、これにより溝の隙間幅が、周回していくと径方向に増加または減少していく場合に、溝からシーリング材が溢れたり、そうしてハウジングカップが汚れたりする可能性がないことが有利な点である。こうして溝が、ハウジングカップ縁部まで同一面で充填され得ることが有利である。
【0006】
好ましい一実施形態では、溝深さが、電磁放射ビームを使って、特に干渉法によって検出される。こうして溝深さが信頼性の高いプロセスで検出され得ることが有利な点である。
【0007】
好ましい一実施形態では、溝幅が、画像検出装置によって確定され、このために溝を上面視で表す画像データセットが生成される。こうして溝幅が信頼性の高いプロセスで、かつ自動的に検出され得ることが有利な点である。
【0008】
好ましい一実施形態では、シーリング材は、ハウジングカップの縁部まで充填され、かつ縁部と同一面で終端となる。こうして、ハウジングカップの長手方向に沿った、ハウジングカップのハウジング壁とハウジングカバーの壁とが互いに重なり合う重畳領域が全体的に、ハウジングカバーとハウジングカップとの相互接着のために利用され得ることが有利な点である。
【0009】
好ましい一実施形態では、シーリング材が揺変性に形成されており、このシーリング材は、ディスペンシング後には、特に溝内への充填後には、溝内への充填中よりも大きな粘度を有する。こうしてシーリング材が、鍔部とハウジングカップ壁との間に形成された隙間を通じてハウジング内部に流入しないことが有利な点である。充填工程中、ディスペンス管の領域内のシーリング材はまだ、特に所定の流動区間内を流れることができ、こうして溝内を充填することができ、その後、シーリング材の粘度上昇により、シーリング材の流動工程が停止される。
【0010】
シーリング材は、紫外線によって活性化し、重付加の下で硬化するよう形成されることが好ましい。このために1つのプロセスステップでは、シーリング材が、溝内に充填された後、紫外線用の照射器からシーリング材へ照射される紫外線によって硬化され得る。シーリング材は、エラストマー、特に紫外線で重付加により架橋するシリコーンエラストマーであることが好ましい。こうしてハウジングが、水または油のような媒体に対して耐媒体性に封止され得ることが有利である。
【0011】
本発明は、特に前述の種類の方法によって製造された電気機械用ハウジングにも関する。このハウジングは、開口部をもつハウジングカップと、ハウジングカップの開口部を閉じるように構成されたハウジングカバーとを有する。
【0012】
ハウジングカバーはカップ状に形成されることが好ましい。このハウジングカップはカップ壁を有し、カップ壁には、開口縁部の領域に全周に亘って連続的に鍔部が付加成形されている。鍔部は、放射状に外側に向いており、したがって、特に閉じたハウジングカップでは、鍔部が溝の溝底になっている。溝は、ハウジングカバーのカップ壁とハウジングカップとの互いに対向する領域で形成されている。溝は、特に弾性に形成されたシーリング材または接着剤で充填される。こうしてハウジングが簡単に提供でき、かつ容易に密封し得ることが有利な点である。さらに、こうしてハウジングカバーがシーリング材によってハウジングカップと強固に接着されることが有利な点である。
【0013】
本発明は、ハウジングカバーの周りを周回する溝内にシーリング材または接着剤をディスペンシングするための装置にも関する。この装置は検出装置を備えており、この検出装置は、溝深さと、放射状の溝周回部に沿った溝幅とを検出するように構成され、かつ溝深さを表す深さデータセットおよび溝幅を表す幅データセットを生成するように構成されている。
【0014】
装置は、溝内にシーリング材を充填するためのディスペンス装置を備えており、かつ深さデータセットおよび幅データセットに応じて、ディスペンス装置によって溝内にディスペンシングされるべき、放射状周回部に沿ったシーリング材体積を表すシーリング材体積データセットを生成し、シーリング材体積データセットに応じて、シーリング材がハウジングカップ縁部を越えないように、シーリング材を溝に充填するように構成されていることが好ましい。こうしてシーリング材が溝周回部に沿った溝の幅狭の位置で溢れる可能性がないことが有利な点である。
【0015】
以下では、図面およびさらなる例示的実施形態に基づいて本発明を説明する。さらなる有利な変形形態は、従属請求項および図面において説明されている特徴の組合せから明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】ハウジングカバーとハウジングカップとを結合するためのシステムに関する1つの例示的実施形態を示す図であり、このハウジングカバーとハウジングカップの間に形成された溝が、画像検出手段および干渉計によって測定され、この測定から求められた溝の体積に応じて適切にシーリング材で充填される。
【
図2】
図1に示したハウジングカバーおよび溝の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、ハウジングカバー11とハウジングカップ10とを結合するためのシステム1に関する1つの例示的実施形態を示しており、このハウジングカップ10およびハウジングカバー11は、電気機械用ハウジングの構成要素である。
【0018】
ハウジングカップ10は、電気機械の部品が収容された中空空間17を包囲している。ハウジングカバー11は、この例示的実施形態ではカップ状に形成されており、かつ中空空間18を包囲している。ハウジングカバーのハウジングカバー壁41に隣接し全周に亘って形成された鍔部12が、ハウジングカバー縁部を形成している。
【0019】
システム1は、ハウジングカバー11とハウジングカップ10の間に形成された溝13にシーリング材28を充填するように構成された装置2を含んでいる。この場合、閉じたハウジングカップ10では、ハウジングカバーの壁41に付加成形された鍔部12が、溝13の底になっている。
【0020】
装置2は、このために画像検出装置3を備えており、この画像検出装置3は、電磁的な画像光ビーム29を検出するための検出器4を備えている。検出器4は、受信した画像光ビーム29に応じた画像データセットを生成するよう構成されており、画像データセットは、対象物、特にハウジングカップ10およびハウジングカバー11を上面視で表すものである。検出器4はこのために多数のマトリクス要素を有しており、これらマトリクス要素のうち例示的に1つのマトリクス要素5に符号が付けられている。マトリクス要素はそれぞれ、受光された画像光ビーム29の輝度値および/または色差値を表すマトリクス要素信号を生成するよう構成されている。
【0021】
検出装置3は、マトリクス要素信号に応じた画像データセットを生成し、かつ出力側で出力するよう構成されている。装置2は、処理ユニット6、特にマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラも備えている。処理ユニット6は、入力側で受信した画像データセット9に応じて、ハウジングカバー11の周りの溝周回部に沿った溝3の幅寸法15を確定し、特に位置に応じて溝周回部に沿った溝の溝幅を表す幅データセットを生成するように構成されている。
【0022】
処理ユニット6は、双方向接続部34を介してメモリ8と接続され、溝周回部に沿った確定された溝幅を表す幅データセット35を生成し、この幅データセット35を接続部34を介してメモリ8に保存するように構成されている。
【0023】
装置2は、位置決め装置25および位置決め装置25と接続された充填装置26も備えており、充填装置26は、既に説明したシーリング材28を、溝周回部に沿って溝内に充填するように構成されている。このために位置決め装置25は、位置信号に応じて充填装置を少なくとも2つの並進自由度で、特に平面内の位置に移動させるように構成されている。位置決め装置25はこのために接続線33を介して処理ユニット6と接続されており、こうして処理ユニット6によって生成された位置信号を受信し得る。
【0024】
位置決め装置25はさらに、この例示的実施形態では、充填装置26、特に充填装置26と接続されたディスペンス管を、特に位置信号に応じて、並進自由度に対して横方向に移動させるように構成されている。こうして位置決め装置はディスペンス管を溝13内に移動させて、そこでシーリング材28をディスペンス装置26によって充填することができる。
【0025】
装置2は、この例示的実施形態では、溝13の溝深さ14を検出するための深さ検出装置7も備えている。深さ検出装置7は、この例示的実施形態では、電磁レーザビーム30を溝13の方向に送出するように構成されたレーザ干渉計によって構成されており、電磁レーザビーム30は、溝の底で、この例示的実施形態ではハウジングカバー11の全周に亘って形成された鍔部12で反射し、反射されたレーザビーム30’として深さ検出装置7へと後方反射する。深さ検出装置7は、受光したレーザビーム30’に応じて、溝の底、特に鍔部12と深さ検出装置7との距離を表す深さ信号を生成し、この深さ信号を接続線31を介して処理ユニット6に送信するように構成されている。
【0026】
処理ユニット6は、深さ検出装置7から受信した深さ信号に応じて、溝13の溝深さ14を、例えば予め保存されたオフセットに応じて確定し、放射状の周回部に沿った溝13の溝深さ14を表す深さデータセット36を生成するように構成されている。処理ユニット6は、深さデータセット36をメモリ8に保存し得る。
【0027】
処理ユニット6は、この例示的実施形態では、幅データセットおよび深さデータセットに応じて、ディスペンス装置26によって溝13内にディスペンシングされるべき、放射状周回部に沿ったシーリング材の体積を確定し、これに対応するシーリング材体積データセットを生成するように構成されている。処理ユニット6はさらに、シーリング材体積データセット37をメモリ8に格納するように構成されている。
【0028】
こうしてハウジングカップ10およびハウジングカバー11を含む電気機械用ハウジングは以下のように結合され得る。
【0029】
ハウジングカバー11は、径方向にたわむ鍔部12がハウジングカップ縁部16から溝深さ14だけ離れるまでハウジングカップ10のハウジングカップ開口部に嵌め込まれ得る。
【0030】
ハウジングカップ10は、この例示的実施形態では冷却板19を含んでおり、少なくとも1つの電気部品、特に制御ユニット20が冷却板19と熱伝導結合している。よってハウジングカバー11、特に全周に亘って形成された鍔部12は、ハウジングカバー11をハウジングカップ10に嵌め込むことにより、冷却板19上に載置される。このとき、ハウジングカバー11の直径がハウジングカップ10の開口部より小さい分だけ、ハウジングカバー11の壁41とハウジングカップ10の壁との間に溝幅15をもつ溝が形成される。
【0031】
その後、装置2が、前述のように、画像データセット9を生成し、画像データセット9に応じて、さらに溝底部、特に鍔部12で反射されたレーザビーム30’に応じて、シーリング材体積データセット37を生成してメモリ8に保存することができる。
【0032】
その後、さらなるプロセスステップで、溝13がシーリング材28で充填され得る。このために処理ユニット6は、メモリ8から読み出したシーリング材体積データセット37に応じて、シーリング材の、放射状周回部に沿った溝の各位置に対してディスペンシングすべき量、特に体積および/または質量を確定し、かつディスペンス装置26を溝13の相応の位置へ動かすために位置信号を接続線33を介して位置決め装置25に送信することができる。
【0033】
こうして処理ユニット6は、ディスペンス装置26がディスペンス管27を、溝13内で、閉曲線経路に沿った溝内の放射状周回部に沿って移動させるように位置決め装置25を制御でき、かつその際、放射状周回部に沿った溝内の各溝位置に対し、材料周回部に沿った溝の各位置のためのシーリング材の、シーリング材体積データセット37に応じて確定された量を、決定し得る。その後、ディスペンス装置26が、溝内での案内に沿って、放射状周回部に沿った各溝位置に対し、特にシーリング材の流量の調整により、相応の量のシーリング材を溝内に充填し得る。
【0034】
ディスペンス装置26は、ディスペンシングすべきシーリング材の体積を、時間間隔ごとに変化させるように構成されている。こうしてディスペンス装置26により、溝周回部に沿って連続的に溝を充填でき、その際、放射状周回部に沿って変化し得る溝幅に応じて、ディスペンス装置により溝周回部に沿ってシーリング材の放出量を変化させることで、溝内のシーリング材の充填高さが放射状周回部に沿って一定に生成され得る。溝13は、1回、または複数回の溝周回により、シーリング材で充填され得る。
【0035】
さらなるステップでは、シーリング材28、特に紫外線での照射で架橋するシリコーンエラストマーが、
図1には示されていない紫外線用の照射器によって、シーリング材に照射された紫外線によって硬化し得る。
【0036】
ハウジングカップ10およびハウジングカバー11は、電気機械の構成要素であり得る。
図1はこれについて、ハウジングカップ10に収容されている電気機械の電気部品を示している。
【0037】
これについて電気機械は、既に上記した冷却板19と、制御ユニット20と、軸受台21と、軸受台21内で回転可能に支持されている回転子23と、軸受台21と熱伝導結合する電力出力段22とを含んでいる。この機械は、固定子コイル24を含む固定子も含んでいる。
【0038】
図2は、
図1で既に示したような、検出装置3によって生成され得る画像データセット9に関する1つの例示的実施形態を示している。
【0039】
画像データセット9は、ハウジングカバー11およびハウジングカップ10、特にハウジングカップ縁部16を上面視で表している。ハウジングカバー11は、この例示的実施形態では、ハウジングカップ10の開口部内に、中心にではなく、放射状の溝周回部38に沿って溝13の溝幅15に変化があるように偏心的に挿入されている。こうして溝13の溝幅15は、例えば、1つの溝位置39では、それに対向する溝位置40よりも幅狭に形成されている。いまや、
図1に示した装置2が、溝13を、溝周回部38に沿ってシーリング材28で均一に、溝周回部38に沿って一定の充填高さで充填し得る。
【国際調査報告】