(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(54)【発明の名称】単軌道動力車両の自動車間距離制御のために目標対象物を選定する方法および装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20220204BHJP
B60W 30/16 20200101ALI20220204BHJP
【FI】
G08G1/00 X
B60W30/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534610
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(85)【翻訳文提出日】2021-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2019080473
(87)【国際公開番号】W WO2020143942
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】102019200209.9
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ションヘル,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】グレロード,マチュー
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA04
3D241CA12
3D241CC01
3D241CC08
3D241DC06Z
3D241DC14Z
5H181AA05
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】
【要約】
単軌道動力車両の自動車間距離制御のために目標対象物を選定する方法は、周辺センサ装置を用いて、同じ走行車線上ですぐ前方を走行している第2の単軌道動力車両と、この第2の単軌道動力車両のすぐ前方を走行している第3の単軌道動力車両とが存在することを検出し、その際に前記単軌道動力車両に対する前記第2の単軌道動力車両および前記第3の単軌道動力車両の横ずれを検出し、複数の前記横ずれのうちの少なくとも1つに依存して、前記車間距離制御を行うための前記方法のために前記目標対象物を選定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単軌道動力車両(100)の自動車間距離制御のために目標対象物を選定する方法において、
-周辺センサ装置を用いて、同じ走行車線上ですぐ前方を走行している第2の単軌道動力車両(101)と、この第2の単軌道動力車両のすぐ前方を走行している第3の単軌道動力車両(102)とが存在することを検出し、
-その際に前記単軌道動力車両に対する前記第2の単軌道動力車両および前記第3の単軌道動力車両の横ずれ(a)を検出し、
-複数の前記横ずれ(x)のうちの少なくとも1つに依存して、前記車間距離制御を行うための前記方法のために前記目標対象物を選定する、
方法。
【請求項2】
前記第2の単軌道動力車両(101)の前記横ずれ(x)が所定の第1の閾値を下回っている事例に対しては、前記第2の単軌道動力車両(101)を目標対象物として選定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の単軌道動力車両(101)の前記横ずれ(x)が所定の第2の閾値を上回り、且つ前記第3の単軌道動力車両(102)の前記横ずれ(x)が所定の第3の閾値を下回っている事例に対しては、前記第3の単軌道動力車両(102)を目標対象物として選定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の閾値と前記第2の閾値とが等しいことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の閾値と前記第2の閾値と前記第3の閾値とが等しいことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記目標対象物とは、前方を走行している単軌道動力車両(101,102)であって、この前方を走行している単軌道動力車両に対し前記単軌道動力車両の車間距離が制御されるような前記前方を走行している単軌道動力車両(101,102)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記車間距離制御を、ドライバーに依存しないブレーキ介入またはモータトルク介入により行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
本発明による前記方法を実施するために構成された手段を含んでいる装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
特許文献1は、すぐ前方を走行している同様に単軌道の前方動力車両に追従する単軌道動力車両のために車間距離制御を行うための方法において、
-前記単軌道動力車両から前記前方動力車両までの縦方向距離を検出し、
-前記単軌道動力車両と前記前方動力車両との間の横ずれを検出し、
-横ずれに依存して、前記単軌道動力車両と前記前方動力車両との間の目標距離を検出し、
-ドライバーに依存しない、前記単軌道動力車両のブレーキトルクまたは駆動トルクのバリエーションにより、前記縦方向距離を前記目標距離に接近させる、
方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】独国特許出願公開第102017205506A1号明細書
【発明の概要】
【0003】
本発明は、単軌道動力車両の自動車間距離制御のために目標対象物を選定する方法において、
-周辺センサ装置を用いて、同じ走行車線上ですぐ前方を走行している第2の単軌道動力車両と、この第2の単軌道動力車両のすぐ前方を走行している第3の単軌道動力車両とが存在することを検出し、
-その際に前記単軌道動力車両に対する前記第2の単軌道動力車両および前記第3の単軌道動力車両の横ずれを検出し、
-複数の前記横ずれのうちの少なくとも1つに依存して、前記車間距離制御を行うための前記方法のために前記目標対象物を選定する、
方法に関する。
【0004】
これにより、単軌道動力車両のためにより快適な自動車間距離制御が特にグループ走行時において可能になる。前方を走行している2台の車両を検知することにより、適切な状況において、かなりずれて前方を走行している動力車両に対するパラレル走行をほぼ可能にさせることができるとともに、パラレルな両車両の前方を走行している他の車両に対して車間距離制御を遂行することができる。車間距離制御の際には、前方を走行し、目標対象物と呼ばれる車両に対する車間距離を、所定値に調整する。なお、この所定値はたとえば現時点での速度のような量に依存していてもよい。
【0005】
本発明の有利な構成は、第2の単軌道動力車両の横ずれが所定の第1の閾値を下回っている事例に対しては、第2の単軌道動力車両を目標対象物として選定することを特徴としている。この事例では、乗用車の分野に対応して、前方を走行している車両に対して車間距離制御が適用される。
【0006】
本発明の有利な構成は、第2の単軌道動力車両の横ずれが所定の第2の閾値を上回り、且つ第3の単軌道動力車両の横ずれが所定の第3の閾値を下回っている事例に対しては、第3の単軌道動力車両を目標対象物として選定することを特徴としている。前方を走行している車両の横ずれにより、
【0007】
本発明の有利な構成は、第1の閾値と第2の閾値とが等しいことを特徴としている。
【0008】
本発明の有利な構成は、第1の閾値と第2の閾値と第3の閾値とが等しいことを特徴としている。
【0009】
本発明の有利な構成は、目標対象物が、前方を走行している単軌道動力車両であって、この前方を走行している単軌道動力車両に対し単軌道動力車両の車間距離が制御されるような前方を走行している単軌道動力車両であることを特徴としている。
【0010】
本発明の有利な構成は、車間距離制御を、ドライバーに依存しないブレーキ介入またはモータトルク介入により行うことを特徴としている。
【0011】
本発明は、さらに、本発明による前記方法を実施するために構成された手段を含んでいる装置を包含している。この装置とは、特に、本発明による方法を実施するためのプログラムコードがファイルされている制御器である。
【0012】
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】左から右へ移動している3台のオートバイのグループをそれぞれ平面図で見た3つの図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、自動二輪車のための車間距離制御に関わり、この自動二輪車は特に他の自動二輪車のグループ内で移動している。以下の説明では、本発明をオートバイの特殊な事例に対し説明するが、本発明はもちろん他の自動二輪車にも適用可能である。
【0015】
この場合、たとえばグループ走行において起こりがちな、複数のオートバイのグループから離れて走行する1台のオートバイが考察される。その際このオートバイは走行しているグループ内部で先頭または2番目の位置にあるのではなく、3番目の位置を占めており、または、さらに後方を走行している。
【0016】
乗用車のドライバーとは異なり、オートバイのドライバーはまさにグループ走行においてしばしば互いに横または側方にずれて走行する。前方車両が横にかなりずれて走行していれば、横にずれていることにより追突事故の危険がないので、オートバイにとってこの車両を自動車間距離制御において考慮する必要はない。それ故、ドライバーにとってより快適な車間距離制御は、前方を走行している最近傍の2台の車両の位置を検知することに依拠することができ、それに依存して、両車両のうち縦方向車間距離を自動的に調整すべき車両を選定する。
【0017】
図1には、上から下へ3つの走行状況が平面図で図示されており、オートバイ100は前方を走行している両オートバイ101と102の後に続いている。3台の車両はすべて、平面図で図示した道路の右側走行車線上を右から左へ走行している。その際、オートバイ100は自動車間距離制御を用いて走行しており、101はすぐ前方を走行しているオートバイであり、102は3台のオートバイから成るグループの先頭の車両である。
【0018】
図1の上の図では、オートバイ100は右側走行車線の右縁に沿って走行し、その周辺センサ装置は前方を走行している両オートバイ101と102を検知している。オートバイ101はオートバイ100に対し大きな横ずれxを有し、その結果追突の危険はない。それ故、車間距離制御システムによってグループの1番目のオートバイ102を目標対象物として選定し、車間距離aを調整する。目標対象物は、下の2つの図でも同様であるが、強調するために一点鎖線の楕円で囲まれている。
【0019】
中央の図では、オートバイ100は右側走行車線の左縁に沿って移動している。ここでも前方を走行しているオートバイ101に対し大きな横ずれxがあるので、目標対象物として同様にグループの1番目のオートバイ102を選定し、車間距離aを調整する。
【0020】
下の図では、3台のオートバイ100,101,102のすべてがほぼ直列に移動している。オートバイ100に対するオートバイ101の横ずれxが非常に小さく、その結果101を目標対象物として選定し、それに対して車間距離aを調整する。
【符号の説明】
【0021】
100 オートバイ(単軌道動力車両)
101 オートバイ(第2の単軌道動力車両)
102 オートバイ(第3の単軌道動力車両)
a 車間距離
x 横ずれ
【国際調査報告】