(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-17
(54)【発明の名称】半導体モジュールと中間回路コンデンサとを接続するための低インダクタンス接続デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20220209BHJP
【FI】
H01L25/04 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534938
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(85)【翻訳文提出日】2021-08-16
(86)【国際出願番号】 EP2019082337
(87)【国際公開番号】W WO2020126316
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】102018222017.4
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019202777.6
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】アレンツ,クリスティーネ
(72)【発明者】
【氏名】フラム,ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】メルカー,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】シュッツ,ライナー
(57)【要約】
半導体モジュール(20)を中間回路コンデンサ(30)に接続するための低インダクタンス接続デバイス(10)であって、半導体モジュール(20)に接触するように設計された、少なくとも1つの第1の接触領域(11a)、および第1の接触領域(11a)とは逆極性の少なくとも1つの第2の接触領域(12)と、中間回路コンデンサ(30)に接触するように設計された、第1の接触領域(11a)と同じ極性の少なくとも1つの第3の接触領域(13a)、および第3の接触領域(13a)とは逆極性の少なくとも1つの第4の接触領域(14)と、第1の接触領域(11a)と第3の接触領域(13a)とを互いに接続するように設計された少なくとも1つの第1の接続領域(15a)と、第2の接触領域(12)と第4の接触領域(14)とを互いに接続するように設計された少なくとも1つの第2の接続領域(16a)と、を含み、第1の接続領域(15a)と第2の接続領域(16a)とが、それぞれ別個の平面状バスバーとして構成される、接続デバイス(10)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体モジュール(20)を中間回路コンデンサ(30)に接続するための低インダクタンス接続デバイス(10)であって、
前記半導体モジュール(20)に接触するように設計された、少なくとも1つの第1の接触領域(11a)、および前記第1の接触領域(11a)とは逆極性の少なくとも1つの第2の接触領域(12)と、
前記中間回路コンデンサ(30)に接触するように設計された、前記第1の接触領域(11a)と同じ極性の少なくとも1つの第3の接触領域(13a)、および前記第3の接触領域(13a)とは逆極性の少なくとも1つの第4の接触領域(14)と、
前記第1の接触領域(11a)と前記第3の接触領域(13a)とを互いに接続するように設計された少なくとも1つの第1の接続領域(15a)と、
前記第2の接触領域(12)と前記第4の接触領域(14)とを互いに接続するように設計された少なくとも1つの第2の接続領域(16a)と、を含み、
前記第1の接続領域(15a)と前記第2の接続領域(16a)とが、それぞれ別個の平面状バスバーとして構成される、
接続デバイス(10)。
【請求項2】
前記第1の接続領域(15a)と前記第2の接続領域(16a)とが、互いに平面平行に配置される
請求項1に記載の接続デバイス。
【請求項3】
前記第1の接触領域(11a)、前記第2の接触領域(12)、前記第3の接触領域(13a)、および前記第4の接触領域(14)が、互いに平面平行に配置され、
前記第1の接続領域(15a)および前記第2の接続領域(16a)が、前記接触領域(11a、12、13a、14)に対して垂直に配置される
請求項1または2に記載の接続デバイス。
【請求項4】
前記第1の接続領域(15a)と前記第2の接続領域(16a)とが、絶縁層のみによって互いに離隔される
請求項1から3のいずれか一項に記載の接続デバイス。
【請求項5】
前記第1の接続領域(15a)と前記第2の接続領域(16a)とが、それぞれ別個の積層平面バスバーとして構成される
請求項1から4のいずれか一項に記載の接続デバイス。
【請求項6】
前記第1の接続領域(15a)と前記第2の接続領域(16a)との距離が一定である
請求項1から5のいずれか一項に記載の接続デバイス。
【請求項7】
前記第2の接続領域(16a)が、少なくとも一部、前記第1の接続領域(15a)と合同に構成され、好ましくは、前記第2の接触領域(12)および/または前記第4の接触領域(14)が、それぞれ前記第1の接触領域(11a)および前記第3の接触領域(13a)と合同に構成される
請求項1から6のいずれか一項に記載の接続デバイス。
【請求項8】
前記中間回路コンデンサ(30)が、中間回路バスバーを備えて構成される
請求項1から7のいずれか一項に記載の接続デバイス。
【請求項9】
前記中間回路コンデンサ(30)が、第1の段差部(233)および第2の段差部(234)を有する段差付き中間回路バスバー(230)を備えて構成され、
前記第2の段差部(234)が、前記第1の段差部(233)と平行にずらして配置され、
前記第1の段差部(233)に接触する接触領域(214)が、前記第2の段差部(234)から絶縁して、平面状に、前記第2の段差部(234)を越えて案内されるように延長される
請求項1から8のいずれか一項に記載の接続デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に半導体モジュールと中間回路コンデンサとの間の低インダクタンス接続デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体モジュールと中間回路コンデンサとの接続は、一般に、回路への悪影響が特に少なくなるように構成される。多くの場合、回路の総インダクタンスが主要な役割を果たす。ここで、これは、実効の総インダクタンス、または中間回路インダクタンス、半導体モジュール、中間回路コンデンサ、および2つの素子間の接続のインダクタンスの和である。
【0003】
特にインバータやコンバータなどの高速スイッチング素子の場合、転流セルのインダクタンスを最小限に抑えることが最も重要である。素子のスイッチングにより、時間およびインダクタンスに依存する電流ピークが生じ、ここで、素子のスイッチングが速いほど、および総インダクタンスが高いほど、電流ピークが高くなる。高すぎる電圧ピークによる素子の損傷を回避するために、設計上、素子の最大スイッチング速度は回路の総インダクタンスによって制限される。
【0004】
通常、そのような素子の接続は、例えばワイヤボンディング、特に太線ワイヤボンディングによって実現される。特に、最新の高速スイッチングSiC素子を使用するとき、そのような接続の接続インダクタンスは高すぎる。そのため、例えば、半導体モジュールと中間回路コンデンサとが、できるだけ低いインダクタンスで互いに接続される。
【0005】
したがって、従来の接続コンセプトでは、接続インダクタンスをさらに低減するために、リボンボンディングによって素子の接続が実現されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の理由により、接続インダクタンスのさらなる低減が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
提案される、半導体モジュールを中間回路コンデンサに接続するための低インダクタンス接続デバイスは、半導体モジュールに接触するように設計された、少なくとも1つの第1の接触領域、および第1の接触領域とは逆極性の少なくとも1つの第2の接触領域と、中間回路コンデンサに接触するように設計された、第1の接触領域と同じ極性の少なくとも1つの第3の接触領域、および第3の接触領域とは逆極性の少なくとも1つの第4の接触領域と、第1の接触領域と第3の接触領域とを互いに接続するように設計された少なくとも1つの第1の接続領域と、第2の接触領域と第4の接触領域とを互いに接続するように設計された少なくとも1つの第2の接続領域と、を含む。第1の接続領域と第2の接続領域とはそれぞれ、別個の平面バスバーとして構成される。
【0008】
このようにして、接続デバイスの負の経路を通る電流は、少なくとも一部が、接続デバイスの正の経路を通る電流とは逆に流れる。したがって、少なくとも部分的に、接続デバイスのそれぞれ逆極性の経路を通る電流によって引き起こされる磁場が補償される。これにより、接続インダクタンス、したがって中間回路インダクタンスがさらに低減される。
【0009】
このようにして、逆極性の経路のそれぞれの接続長が同じ長さである半導体モジュールと中間回路コンデンサとの接続を確立することが可能である。これにより、接続デバイスの逆極性の経路の異なるサイズのループを回避することができる。これにより、接続インダクタンス、したがって中間回路インダクタンスをさらに低減することができる。
【0010】
好ましくは、第1の接続領域および第2の接続領域は、板金ストリップとして構成される。
【0011】
好ましくは、第1の接続領域および第2の接続領域は、深絞りによって、または打抜き曲げ部品として構成されるが、当業者によって適切と考えられる他の任意の方法で製造することができる。
【0012】
好ましい形態では、好ましくは、第1の接続領域および第2の接続領域は、互いに平面平行に配置される。
【0013】
したがって、上述した電流誘導磁場の消滅を特に簡単に達成することができる。これにより、接続インダクタンス、したがって中間回路インダクタンスがさらに低減される。
【0014】
好ましい形態では、好ましくは、第1の接触領域、第2の接触領域、第3の接触領域、および第4の接触領域は、互いに平面平行に配置される。第1の接続領域および第2の接続領域は、好ましくは、接触領域に対して垂直に配置される。
【0015】
このようにして、第1の接続領域と第1の接触領域および第3の接触領域との間の遷移は、第2の接続領域と第2の接触領域および第4の接触領域との間の遷移とは別に提供することができる。したがって、上述した電流誘導磁場の消滅を特に簡単に達成することができる。これにより、接続インダクタンス、したがって中間回路インダクタンスがさらに低減される。
【0016】
好ましくは、第1の接続領域および第2の接続領域は、互いに平行に配置される。
好ましくは、第1の接続領域は、第1の接続領域が第1の接触領域に接続される第1の接触セクションと、第1の接続領域が第3の接触領域に接続される第2の接触セクションとを備え、第1の接触セクションと第2の接触セクションとは、互いに平行または平面平行に配置される。
【0017】
好ましくは、第2の接続領域は、第2の接続領域が第2の接触領域に接続される第3の接触セクションと、第2の接続領域が第4の接触領域に接続される第4の接触セクションとを備え、第3の接触セクションと第4の接触セクションとは、互いに平行または平面平行に配置される。
【0018】
さらに、好ましくは、第1の接続領域および第2の接続領域は、それぞれ角度付きセクションを備え、第1の接続領域の角度付きセクションは、第2の接続領域の角度付きセクションに平行に配置される。
【0019】
したがって、第1の接続領域と第1の接触領域および第3の接触領域との接続位置、および第2の接続領域と第2の接触領域および第4の接触領域との接続位置は、接続インダクタンスに悪影響を与えることなく接続領域に対して垂直にずらして配置することができる。
【0020】
好ましい形態では、第1の接続領域と第2の接続領域とは、絶縁層のみによって互いに離隔される。
【0021】
好ましくは、絶縁層は、特に100マイクロメートル未満の厚さの絶縁箔または紙層によって構成される。
【0022】
したがって、第1の接続領域と第2の接続領域との距離を最小限にすることができる。したがって、接続領域のそれぞれ逆極性の経路を通る電流によって引き起こされる磁場が補償される。これにより、接続インダクタンス、したがって中間回路インダクタンスがさらに低減される。
【0023】
好ましい形態では、第1の接続領域と第2の接続領域とはそれぞれ、別個の積層平面バスバーとして構成される。
【0024】
バスバーの平面構造により、接続領域は、ボンディングリボンを用いる実施形態に比べて小さなループを形成する。
【0025】
これにより、接続インダクタンス、したがって中間回路インダクタンスをさらに低減することができる。
【0026】
好ましい形態では、第1の接続領域と第2の接続領域との距離は一定である。
したがって、接続領域のそれぞれ逆極性の経路を通る電流によって引き起こされる磁場が補償される。これにより、接続インダクタンス、したがって中間回路インダクタンスがさらに低減される。
【0027】
好ましい形態では、第2の接続領域は、少なくとも一部、第1の接続領域と合同に構成される。好ましくは、第2の接触領域および/または第4の接触領域が、それぞれ第1の接触領域および第3の接触領域と合同に構成される。
【0028】
第1の接続領域と第2の接続領域との合同性が高いほど、接続領域のそれぞれ逆極性の経路を流れる電流によって引き起こされる磁場がより良く補償される。これにより、接続インダクタンス、したがって中間回路インダクタンスがさらに低減される。
【0029】
好ましい形態では、中間回路コンデンサは、中間回路バスバーを備えて構成される。
これにより、接続インダクタンス、したがって中間回路インダクタンスをさらに低減することができる。
【0030】
好ましい形態では、中間回路コンデンサが、第1の段差部および第2の段差部を有する段差付き中間回路バスバーを備えて構成され、第2の段差部が、第1の段差部と平行にずらして配置され、第1の段差部に接触する接触領域が、第2の段差部から絶縁されて、平面状に、第2の段差部を越えて案内されるように延長される。
【0031】
このようにして、逆極性の経路のそれぞれの接続長が同じ長さである半導体モジュールと中間回路コンデンサとの接続を確立することが可能である。これにより、接続デバイスの逆極性の経路の異なるサイズのループを回避することができる。これにより、接続インダクタンス、したがって中間回路インダクタンスをさらに低減することができる。
【0032】
以下、本発明を改良するさらなる手段を、図面に基づく本発明の好ましい例示的実施形態の説明と共に、より詳細に示す。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】第1の実施形態による接続デバイスを示す図である。
【
図2】第2の実施形態による接続デバイスを示す図である。
【
図3】第3の実施形態による接続デバイスを示す図である。
【
図4】第3の実施形態による接続デバイスを通る電流の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、半導体モジュール20を中間回路コンデンサ30に接続するための第1の実施形態による接続デバイス10を示す。接続デバイス10は、正の第1の接触領域11a、負の第2の接触領域12、正の第3の接触領域13a、および負の第4の接触領域14を含む。
【0035】
半導体モジュール20は、正の第1の半導体接触領域21aおよび負の第2の半導体接触領域22を含む。さらに、半導体モジュール20は、第1の半導体接触領域21aに電気的に接続された正の第3の半導体接触領域21bを備える。第1の半導体接触領域21aと第3の半導体接触領域21bとが、第2の半導体接触領域22を取り囲む。
【0036】
中間回路コンデンサ30は、正の第1の中間回路接触領域31aおよび負の第2の中間回路接触領域32を含む。さらに、中間回路コンデンサ30は、第1の中間回路接触領域31aに電気的に接続された正の第3の中間回路接触領域31bを備える。第1の中間回路接触領域31aと第3の中間回路接触領域31bとは、第2の中間回路接触領域32を取り囲む。
【0037】
半導体モジュール20のさらなる正の接触領域、すなわち第3の半導体接触領域21bと、第3の中間回路接触領域31bとが提供されるこの特別な実施形態は、接続インダクタンスを低減するのに役立つ。同様に、追加の負の接触領域を提供することもできる。
【0038】
したがって、接続デバイス10は、正の第5の接触領域11bおよび正の第6の接触領域13bをさらに備える。
【0039】
第1の接触領域11aは、第1の半導体接触領域21aに接触する。第2の接触領域12は、第2の半導体接触領域22に接触する。第3の接触領域13aは、第3の中間回路接触領域31に接触する。第4の接触領域14は、第4の中間回路接触領域32に接触する。第5の接触領域11bは、第3の半導体接触領域21bに接触する。第6の接触領域13bは、第3の中間回路接触領域31bに接触する。
【0040】
接続デバイス10は、第1の接触領域11aと第3の接触領域13aとを互いに接続する正の第1の接続領域15aを備える。さらに、接続デバイス10は、第2の接触領域12と第4の接触領域14とを互いに接続する負の第2の接続領域16aを備える。さらに、接続デバイス10は、第2の接触領域12と第4の接触領域14とを互いに接続する負の第4の接続領域16bを備える。さらに、接続デバイス10は、第5の接触領域11bと第6の接触領域13bとを互いに接続する正の第3の接続領域15bを備える。
【0041】
第1の接続領域15aは、比較的薄い絶縁箔のみによって第2の接続領域16aから離隔されている。第3の接続領域15bは、比較的薄い絶縁箔のみによって第4の接続領域16bから離隔されている。
【0042】
第1の接触領域11a、第2の接触領域12、第3の接触領域13a、第4の接触領域14、第5の接触領域11b、および第6の接触領域13bは平面状に構成され、半導体モジュール20または中間回路コンデンサ30に平面平行に配置される。第1の接続領域15a、第2の接続領域16a、第3の接続領域16b、および第4の接続領域16bは、半導体モジュール20または中間回路コンデンサ30に対して垂直に配置される。
【0043】
中間回路コンデンサ30は、中間回路バスバーを備えて構成される。第1の中間回路接触領域31aおよび第3の中間回路接触領域31bは、上側接触プレート34によって形成される。第2の中間回路接触領域32は、上側接触プレート34の下に配置された下側接触プレート33によって構成される。上側接触プレート34には、下側接触プレート33への自由なアクセスを可能にする窓35が形成される。
【0044】
第4の接触領域14は下側接触プレート33に電気的に接続されるが、下側接触プレート33は上側接触プレート34の下に配置されるので、第4の接触領域14は2つの屈曲部を有し、それにより、第4の接触領域14は、第3の接触領域13および第6の接触領域13bの高さで第2の接続領域16aおよび第3の接続領域16bに接触する。
【0045】
第1の接続領域15aは、第2の接続領域16aと合同に構成される。第3の接続領域16bは、第4の接続領域15bと合同に構成される。
【0046】
上述した設計により、半導体モジュール20と中間回路コンデンサ30との間の個々の接続領域15a、15b、16a、16bを通る正および負の電流経路は、ほぼ同じ長さである。
【0047】
それにより、接続デバイス10の逆極性の電流誘導磁場は、特に良好に補償し合うことができる。
【0048】
中間回路インダクタンスをさらに低減するために、並列に接続された複数の半導体モジュール20または中間回路コンデンサ30が複数の接続デバイス10によって接続され、複数の接続デバイス10は、それぞれ、隣接する接触領域、この場合には第5の接触領域11bおよび第6の接触領域13bを共有する。
【0049】
例えば、このようにして、1.24nHのインダクタンスを達成することができ、これは、2.72nHの従来のリボンボンディング解決策に比べて低い。
【0050】
図2は、第2の実施形態による接続デバイス110を示す。基本的に、構造は、第1の実施形態による接続デバイス10と同一である。接続デバイス10とは異なり、各接続領域115a、115b、116a、116bが窓135のそれぞれの縁部135aにできるだけ近くなるように、接続領域115a、115b、116a、116bが中間回路コンデンサ130に配置され、窓135が構成される。
【0051】
例えば、このようにしてインダクタンスを1.16nHに低減することができる。
図3は、第3の実施形態による接続デバイス210を示す。基本的に、構造は、第1の実施形態による接続デバイス10と同一である。接続デバイス10とは対照的に、中間回路コンデンサ230は、階段状の中間回路バスバーを備えて構成されている。上側接触プレート234は、上側段差部234として構成され、下側接触プレート233は、下側段差部233として構成される。
【0052】
上側接触プレート234は正の電位を有する。したがって、第3の接触領域213aおよび第6の接触領域213bも段差部として構成され、これらは、下側段差部233から絶縁されて、平面状に、下側段差部233を越えて上側段差部234へ案内される。したがって、上側段差部234への正の電流経路は、下側段差部233への負の電流経路よりも長い。これは、接続インダクタンスに悪影響を及ぼす。
【0053】
したがって、第4の接触領域214は、絶縁されて上側段差部234を越えて案内されるように延長される。ここで、第4の接触領域214は、第3の接触領域213aおよび第6の接触領域213bの下に合同に延在する。このようにすると、電流は、この場合には延長された第2の負の接触領域214を通って進む最低のインダクタンスを有する経路を選択するので、正の電流経路と負の電流経路は等しい長さである。
【0054】
図4は、第3の実施形態による接続デバイス210における負の電流経路Nおよび正の電流経路Pを示す。
【0055】
第1の接触領域211aを通って、第1の正の電流領域IP1および第2の正の電流領域IP2が流れる。第2の接触領域212を通って、第1の負の電流領域IN1および第2の負の電流領域IN2が流れる。第1の接続領域215aを通って、第3の正の電流領域IP3が流れ、第2の接続領域216aを通って、第3の負の電流領域IN3が流れる。第3の接触領域213aを通って、第4の正の電流領域IP4および第5の正の電流領域IP5が流れる。第4の接触領域210を通って、第4の負の電流領域IN4、第5の負の電流領域IN5、および第6の負の電流領域IN6が流れる。
【0056】
第1の負の電流領域IN1と第2の負の電流領域IN2との磁場はお互いに補償し合う(電力線上の円で表される)。第1の正の電流領域IP1と第2の正の電流領域IP2との磁場はお互いに補償し合う。第3の負の電流範囲IN3の磁場と第3の正の電流範囲IP3の磁場とはお互いに補償し合う。第4の負の電流領域IN4、第5の負の電流領域IN5、および第4の正の電流領域IP4の磁場はお互いに補償し合う。第6の負の電流領域IN6と第5の正の電流領域IP5との磁場はお互いに補償し合う。
【0057】
電流は最も低いインダクタンスの経路をたどるので、負の経路は第4の負の電流範囲IN4の後で終了せず、第5の電流領域IN5と第6の負の電流領域IN6とに沿って流れる。
【0058】
このようにして、リボンボンディング解決策と比較して接続インダクタンスを20%低減することができる。
【国際調査報告】