(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-17
(54)【発明の名称】CCD光検出器および付随する作動方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/372 20110101AFI20220209BHJP
H04N 5/369 20110101ALI20220209BHJP
【FI】
H04N5/372
H04N5/369 200
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534951
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(85)【翻訳文提出日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2019081924
(87)【国際公開番号】W WO2020126269
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】102018222118.9
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100161908
【氏名又は名称】藤木 依子
(72)【発明者】
【氏名】ボガトシャー,ジークバルト
(72)【発明者】
【氏名】グライナー,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】シュニッツァー,ライナー
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024CX03
5C024CY17
5C024EX01
5C024EX13
5C024GY01
5C024HX23
5C024HX40
(57)【要約】
本発明は、CCD光検出器および付随する作動方法に関する。特に、第1のレジスタセル(10)と最後のレジスタセル(20)とを含む、互いに連続して配置された多数のレジスタセルを有するシフトレジスタ(100)と、シフトレジスタ(100)を充電するための充電線と、シフトレジスタ(100)を放電するための読み出しアンプ(SF)と、を含み、充電線および読み出しアンプ(SF)が、それぞれ第1のレジスタセル(10)に接続されているLiDARシステム用のCCD光検出器が説明される。さらに、対応するCCD光検出器の作動方法が開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレジスタセル(10)と最後のレジスタセル(20)とを含む、互いに連続して配置された多数のレジスタセルを有するシフトレジスタ(100)と、前記シフトレジスタ(100)を充電するための充電線と、前記シフトレジスタ(100)を放電するための読み出しアンプ(SF)と、を含み、前記充電線および前記読み出しアンプ(SF)は、それぞれ前記第1のレジスタセル(10)に接続されているCCD光検出器。
【請求項2】
隣接して配置された読み出しアンプ(SF)は、互いに並設されたシフトレジスタ(100)からなるそれぞれ対応付けられたシフトレジスタ(100)の異なる端部に交互に接続されている、請求項1に記載のCCD光検出器。
【請求項3】
読み出しアンプ(SF)は、互いに並設された少なくとも2つのシフトレジスタ(100)に接続されている、請求項1または2に記載のCCD光検出器。
【請求項4】
読み出しアンプ(SF)に対応付けられたシフトレジスタ(100)が、第1のレジスタセル(10)と最後のレジスタセル(20)とを含む、互いに連続して配置された多数のレジスタセルを有し、照明段階(A)中に、前記第1のレジスタセル(10)を介して充電線から前記シフトレジスタ(100)を充電するステップと、読み出し段階(B)中に、前記第1のレジスタセル(10)を介して前記読み出しアンプ(SF)に前記シフトレジスタ(100)を放電するステップと、を含む、CCD光検出器の作動方法。
【請求項5】
隣接して配置された読み出しアンプ(SF)が、互いに並設されたシフトレジスタ(100)からなるそれぞれ対応付けられたシフトレジスタ(100)の異なる端部に交互に接続されている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
読み出しアンプ(SF)は、互いに並設された少なくとも2つのシフトレジスタ(100)に接続されており、前記読み出し段階(B)中に、前記シフトレジスタ(100)は、レジスタセルごとに交替するか、または複数のレジスタセル(aa、a’a’、bb、b’b’、...)からなるグループで、交互にそれぞれ前記読み出しアンプ(SF)に放電される、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記読み出しアンプ(SF)に接続されたA/D変換器(A/D)が、前記読み出し段階(B)中に、前記レジスタセルに含まれる電荷パケットの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとに交互にデジタル化する、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記読み出しアンプ(SF)の低信号レベルにおいて、前記A/D変換器(A/D)のビット深度の低減を行う、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項4から8のいずれか1項に記載の方法を実行するように設定された、CCD光検出器を含むLiDARシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCD光検出器および付随する作動方法に関する。特に、本発明は、特にLiDARシステムに適した、熱雑音が低減されたCCD光検出器、およびそれに向けられたCCD光検出器の作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高度な自動運転機能の実現において、数年以内に、光による検知と測距のシステム、すなわちLiDARシステムが定着するであろう。ここでは光はシステムの周辺に放射され、その反射光から周辺の正確な像が生成される。反射光を検出するために、電荷結合素子型光検出器、すなわちCCD光検出器(略称CCD)が使用される。LiDARシステムで使用されるCCDは、ここでの要件から、LiDAR放射に対する高感度に加え、高いフレームレートも可能にし、かつ可能な限り低雑音である必要がある。
【0003】
CCDとは、照明段階で発生した光電荷を電荷パケットとして画素ごとにシフトさせ、一時メモリ(キャッシュ)としてシフトレジスタに転送する(いわゆるバケットブリゲード回路)、多数の感光部(画素)を有する撮像素子と理解される。シフトレジスタの充填後、個々の電荷パケットは、後続の読み出し段階でシフトレジスタに直接接続された集積型読み出しアンプ(トランスインピーダンスアンプまたはソースフォロワ、SF)によって、蓄積された光電荷のそれぞれの数に比例した電圧信号に変換される。ここで、アンプという用語は広く解釈されるべきであり、特に、増幅係数が1以下の場合でも引き続き読み出しアンプとする。
【0004】
読み出しアンプには、さらなる電子回路素子、例えば、雑音抑制のための回路(相関二重サンプリング、CDS)およびアナログ/デジタル変換回路(A/D変換器、A/D)を後置接続することができる。シフトレジスタ後方のこのような回路素子の組合せは、一般的に読み出し回路と呼ばれる。LiDARのような特に要求の厳しい使用では、通常、複数の読み出しアンプがCCDのチップ上で結合され、各読み出しアンプには少なくとも1つの付随するシフトレジスタを排他的に前置接続することができる。そして、各シフトレジスタには、CCDの全画素のうちのごく一部のみが適宜対応付けられる。これにより、シフトレジスタの最大滞留時間を削減できるため、同じ読み出しレートにおけるフレームレートを増加させることもできる。特に、CCDの各個々のアクティブな画素には、一時メモリとして、固有のシフトレジスタを対応付けることもできる。そして、シフトレジスタの内容は、典型的には、照明段階中の個々の画素の電荷状態の時間経過に対応する。しかし、例えば、共通のシフトレジスタにおける複数の画素の電荷状態の時間経過を、対応するインデックスを用いてマッピングすることもできる。これに対し、従来のCCDセンサでは、通常、多数の画素に対してそれぞれ正確に1つの電荷状態のみがシフトレジスタに格納されている。
【0005】
低照度条件下でのCCDの欠点は、感光部とシフトレジスタの両方で発生し得る熱雑音である。感光性画素内で生成された電荷の短い滞留時間(典型的には約4ns~10ns)のため、それらの中の熱雑音は通常無視できる程度である。しかし、シフトレジスタでは、滞留時間が数10μsになることがあるため、読み出しアンプに最後に放電されるレジスタ素子の読み出し段階中は、設計によって、数百またはそれどころか数千個の熱電子が信号に干渉する可能性がある。これまでのところ、LiDARシステムの使用では、最後に変換されたレジスタ素子は、典型的に最も高い範囲を有する信号であり、それと等価的に最小の信号を有するため、これは特に厄介であり、信号品質に悪影響を与える。しかし、個々の光電荷がシフトレジスタ内で異なる長さの滞留時間を有するという根本的な問題は、使用に関係なく、一般的にCCDの個々の画素に対して異なる強さの雑音成分をもたらす。
【発明の概要】
【0006】
本発明によれば、請求項1に記載のCCD光検出器、請求項4に記載の付随する作動方法、および請求項9に記載の対応するLiDARシステムが提供される。
本発明にかかるCCD光検出器、特にそのようなCCD光検出器の読み出しユニットは、第1のレジスタセルと最後のレジスタセルとを含む、互いに連続して配置された多数のレジスタセルを有するシフトレジスタと、シフトレジスタを充電するための充電線と、シフトレジスタを放電するための読み出しアンプと、を含み、充電線および読み出しアンプは、それぞれ第1のレジスタセルに接続されている。ここで、レジスタセルの順序を正確に決定することは重要ではなく、むしろ第1のレジスタセルおよび最後のレジスタセルはそれぞれシフトレジスタの端部を指定するのみである。本発明では、負荷線および読み出しアンプがシフトレジスタの同一端部に接続されていることが重要である。ここでの「接続」とは、回路技術的に(概念的に)も、導電性を有して(物理的に)も、互いに接続されていることを意味する。
【0007】
好ましくは、充電線、シフトレジスタ、および読み出しアンプは、共通の回路平面を構成する。しかし、CCDチップの3次元構造の場合には、充電線がシフトレジスタおよび読み出しアンプの共通平面から外部に引き出されてもよい。したがって、シフトレジスタの第1のレジスタセルの充電は、特に、この平面内で横方向にも、この平面上方または下方の方向からも行われてもよい。読み出しアンプは、好ましくは、シフトレジスタの長手方向軸(すなわち、個々のレジスタセルの列に沿って)に接続する。
【0008】
CCD光検出器とは、特に、感光部(画素)と読み出しアンプ(または読み出し回路)の両方がチップ上の電子部品として配置されている、(マイクロ)チップ上に完全に統合された検出器装置と理解される。照明段階中に個々の画素に蓄積された光電荷は、電荷結合手段(バケットブリゲード)により、充電線を介してシフトレジスタに段階的(直列)に移送または充電(充放電)される。ここでこれは、CCD全体に対する個々のシフトレジスタ(1本の充電線を有する)であってもよく、または個々の画素もしくは画素のグループにそれぞれ固有のシフトレジスタ(1つのシフトレジスタにつき1本の充電線を有する)が対応付けられている。次に、読み出し段階において、シフトレジスタから個々の電荷が連続して(直列で)、付随する読み出しアンプに放電される。
【0009】
読み出しアンプのタスクは、レジスタセルからの個々の電荷パケットを、比例電圧信号に変換することである。したがって、読み出しアンプを介してシフトレジスタを放電すると、一連の電圧パルスが発生し、各個々の電圧パルスは、回路によっては、例えば、照明段階中に個々の画素で測定された強度の時間経過に対応することができる。シフトレジスタは、互いに連続して配置されたレジスタセルのブリゲードで構成されており、レジスタセルに蓄積された電荷をそれぞれ隣接するセル間でシフト(充放電)することができる。シフトレジスタは、好ましくは直線的に構成されているが、湾曲した形状を取ることもできる。CCDが複数のシフトレジスタを含む場合、それらは、好ましくは、互いに並設された列(「グリッドカラム形態」)として隣接して配置される。
【0010】
本発明によれば、充電線と読み出しアンプの両方が、それぞれシフトレジスタの第1のレジスタセルに接続されている。これにより、シフトレジスタの充電方向と読み出し方向、すなわちそれぞれの「バケットブリゲード」の走行方向が互いに異なる(逆読み出し方向)。方法については、これは、照明段階中に、第1のレジスタセルを介した充電線からのシフトレジスタの充電も、読み出し段階中の、第1のレジスタセルを介した読み出しアンプへのシフトレジスタの放電も行われることをもたらす。換言すると、本発明によれば、充電線からのシフトレジスタの充電と、読み出しアンプへのシフトレジスタの放電とが、シフトレジスタの同一端部を介して行われる。
【0011】
したがって、照明または登録段階中は、シフトレジスタはまず一方向に充填され、その後、読み出し段階では、シフトレジスタは照明段階中のシフト方向とは反対方向に作動する。したがって、LiDARにおける使用では、高い範囲と、これによる低い信号レベルとを有する信号が最初に読み出される。
【0012】
これらの信号では、シフトレジスタ内の滞留時間が大幅に低減され、これにより、熱雑音電子の蓄積が少なくなる。
【発明の効果】
【0013】
特にLiDARにおける使用のために、本発明にかかるCCDは、従来のCCDに比べていくつかの利点を有する。
本発明にかかるCCDでは、温度に依存した雑音成分を著しく低減することができる。したがって、CCDは、範囲、分解能および/またはフレームレートを損なうことなく、著しくより大きな温度範囲で作動することができる。これにより、放射されたLiDAR信号に対して大きい時間遅延で発生する遠方の物体からの微弱な反射信号であっても検出することができるため、最大範囲が拡大する。あるいは、現在のLiDARシステムと比べて、放射に必要なレーザ出力を低減できる。検出器の追加冷却は不要である。
【0014】
好ましくは、複数の読み出しアンプ(およびそれぞれ1つまたは複数の対応付けられたシフトレジスタ)を有する本発明にかかるCCD光検出器において、隣接して配置された読み出しアンプは、互いに並設されたシフトレジスタからなるそれぞれ対応付けられたシフトレジスタの異なる端部に交互に接続されている。したがって、複数の対応付けられたシフトレジスタの場合には、それぞれ同じレジスタセルを介して、すなわち、シフトレジスタの同じ端部を介して接続が行われる。
【0015】
したがって、信号レベルが最も低い場合の雑音を最小限にするために、逆方向の読み出し方向は、シフトレジスタまたは読み出しアンプをそれぞれ左右交互に案内するCCD設計と組み合わされる。これにより、面当たりの読み出しアンプの数をより多く実装することができ、これにより、シフトレジスタ内の信号の滞留時間をさらに削減し、ひいては信号の熱雑音をさらに低減することができる。
【0016】
好ましくは、読み出しアンプは、互いに並設された少なくとも2つのシフトレジスタに接続されている。これには、より短いシフトレジスタを使用できるという利点がある。これにより、放電に必要なシフト操作の回数が低減し、それによって発生する充放電エラーの確率を低減できる。
【0017】
さらに、本発明は、請求項4から8のいずれか1項に記載の方法を実行するように設定されたCCD光検出器を含むLiDARシステムに関する。そのようなCCD光検出器は、熱雑音が低減されているため、LiDARにおける使用に特に適している。
【0018】
本発明の別の態様は、CCD光検出器の作動方法に関する。本発明にかかる方法は、互いに連続して配置された多数のレジスタセルを有し、第1のレジスタセルおよび最後のレジスタセルを有する、少なくとも1つの対応付けられたシフトレジスタを備えた読み出しアンプを提供するステップと、照明段階中に、第1のレジスタセルを介して充電線からシフトレジスタを充電するステップと、読み出し段階中に、第1のレジスタセルを介して読み出しアンプにシフトレジスタを放電するステップと、を含む。
【0019】
CCD光検出器は、特に、請求項1~3のいずれか1項に記載の本発明にかかるCCD光検出器であってよい。
好ましくは、本発明にかかる方法において、隣接して配置された読み出しアンプは、互いに並設されたシフトレジスタからなるそれぞれ対応付けられたシフトレジスタの異なる端部に交互に接続されている。同様に好ましくは、読み出しアンプは、互いに並設された少なくとも2つのシフトレジスタに接続されている。
【0020】
これらの特徴は、上でさらに説明した本発明にかかるCCD光検出器の実施形態に対応する。これについてなされた実施は、それぞれの方法にも直接通用する。
好ましくは、読み出しアンプが互いに並設された少なくとも2つのシフトレジスタに接続されている一実施形態では、シフトレジスタは、読み出し段階中に、レジスタセルごとに交互に、または複数のレジスタセルからなるグループごとに交互に、読み出しアンプに放電される。これはつまり、読み出しアンプに付随する少なくとも2つのシフトレジスタが互いに連続して放電されるのではなく、むしろシリアルな交互の放電が行われることを意味する。シフトレジスタの逆読み出し方向と組み合わせて、シフトレジスタの読み出しアンプへのそのような交互放電によって、LiDARにおける使用時の高範囲ターゲットに対する熱雑音電子の作用をさらに低減することができる。このアプローチは、直接交替することができるか、またはグループで実装することができるかのいずれかである。両方の場合において、中間信号記憶のために追加のメモリレジスタが使用されてもよいし、または必要とされてもよい。
【0021】
特にLiDARにおける使用時に、可能な限り効率的に、少ない雑音で信号を検出できるようにするために、CCDに、デジタル化のための可能な限り多くの読み出しアンプ、または後置接続されたA/D変換器が使用されると有利である。これにより、シフトレジスタに必要な記憶時間が大幅に短縮され、熱雑音の低減につながる。しかし、このようなシステムでは、この場合、実際に必要とされる時間(必要とされるフレームレートによって決定される)よりも多くのA/D変換器が実装され得る。しかし、これではピーク電力が高くなる。したがって、好ましくは、読み出し段階中に、読み出しアンプに接続されたA/D変換器が、レジスタセルに含まれる電荷パケット、すなわち読み出しアンプ後にそこから生じる比例電圧パルスを、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとに交互にデジタル化する。さらに、読み出しアンプの低信号レベルにおいてA/D変換器のビット深度の低減を行うことで、ピーク電力を低減することもできる。したがって、低信号では、ビット深度によって電力調整を行うことができる。
【0022】
本発明の有利な改善構成は、従属請求項に記載され、本明細書に説明されている。
本発明の実施例を、図面および以下の説明を参照して詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】従来技術にかかるCCDの作動方法の概略図である。
【
図2】本発明にかかるCCDの作動方法の第1の実施形態の概略図である。
【
図3】本発明にかかるCCDの作動方法の第2の実施形態の概略図である。
【
図4】本発明にかかるCCDの作動方法の第3の実施形態の概略図である。
【
図5】本発明にかかるCCDの作動方法の第4の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、従来技術にかかるCCDの作動方法の概略図を示す。シフトレジスタ100は、第1のレジスタセル10と最後のレジスタセル20とを含む、互いに連続して配置された多数のレジスタセルを有する。従来技術では、照明段階A中に、シフトレジスタ100は最後のレジスタセル20を介して充電線から充電される。これに対し、読み出し段階B中に、シフトレジスタ100は第1のレジスタセル10を介して読み出しアンプSFに放電される。これにより、充電方向および読み出し方向が異なることはなく、すなわち、両段階において、それぞれの「バケットブリゲード」の走行方向は同じままである。したがって、個々のチャージパケットは、シフトレジスタを一方向に「貫通する」。読み出しアンプSFに続いて、雑音抑制CDS、アナログ/デジタル変換器A/Dもさらに一緒に記載されている。これらが共同で読み出し回路200を構成する。
【0025】
図2は、本発明にかかるCCDの作動方法の第1の実施形態の概略図を示す。
図1の図面とは異なり、シフトレジスタ100は、照明段階A中に、第1のレジスタセル10を介して充電線から充電される。読み出し段階B中の読み出しアンプSFへのシフトレジスタ100の放電も、第1のレジスタセル10を介して行われる。読み出しアンプSFに続いて、読み出し回路200の構成要素として、雑音抑制CDSとアナログ/デジタル変換器ADもさらに一緒に描き込まれている。
【0026】
図3は、本発明にかかるCCDの作動方法の第2の実施形態の概略図を示す。ここでも、充電線からのシフトレジスタ100の充電および読み出しアンプSFへのシフトレジスタ100の放電は、シフトレジスタ100の同じ端部を介して行われる。隣接して配置された読み出しアンプSFは、互いに並設されたシフトレジスタ100からなるそれぞれ対応付けられたシフトレジスタ100の異なる端部に交互に接続されている。したがって、対応するCCDは、対応付けられたシフトレジスタ100を有する複数の読み出しアンプSFを有し、図面では、正確に1つのシフトレジスタ100が1つの各読み出しアンプSFに対応付けられている。このような読み出しアンプSFのずれた配置は、より高い集積密度を可能にし、これにより、より小さく、雑音の影響を受けにくいシフトレジスタ100を可能にする。
【0027】
図4は、本発明にかかるCCDの作動方法の第3の実施形態の概略図を示す。充電線からのシフトレジスタ100の充電および読み出しアンプSFへのシフトレジスタ100の放電は、再びシフトレジスタの同一端部を介して行われる。この実施形態では、読み出しアンプSFは、互いに並設された少なくとも2つのシフトレジスタ100に接続されている。読み出し段階B中に、シフトレジスタ100は、複数のレジスタセル(aa、a’a’、bb、b’b’、...)からなるグループで、交互にそれぞれ読み出しアンプSFに放電される。図面では、例示的に、最初のステップでは、まず上側シフトレジスタ100の最初の2つのレジスタセル(a)を読み出しアンプSFに放電させ、続いて、下側シフトレジスタ100の最初の2つのレジスタセル(a’)を読み出しアンプSFに放電させる。その後、放電は、上側シフトレジスタ100内のレジスタセル(b)の次のグループで適宜継続される。あるいは、シフトレジスタ100は、レジスタセルごとに交互に読み出しアンプSFに放電されてもよい。
【0028】
図5は、本発明にかかるCCDの作動方法の第5の実施形態の概略図を示す。これは、先に説明した2つの実施形態の組合せである。図面では、隣接して配置された2つの読み出しアンプSFが、それぞれ2つの対応付けられたシフトレジスタ100に接続されており、読み出しアンプSFは、それぞれ対応付けられた4つのうち2つのシフトレジスタ100の異なる端部に交互に接続されている。読み出し段階B中に、読み出しアンプSFに付随するシフトレジスタ100は、複数のレジスタセル(a、b、c;a’、b’、c’)のグループで、交互にそれぞれ付随する読み出しアンプSFに放電される。ここで、あるいはシフトレジスタ100は、レジスタセルごとに交互に読み出しアンプSFに放電されてもよい。
【国際調査報告】