(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(54)【発明の名称】幅と高さ調節が可能なパレット用組立式棚構造物
(51)【国際特許分類】
B65D 19/38 20060101AFI20220216BHJP
【FI】
B65D19/38 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538452
(86)(22)【出願日】2020-01-02
(85)【翻訳文提出日】2021-08-27
(86)【国際出願番号】 KR2020000056
(87)【国際公開番号】W WO2020141905
(87)【国際公開日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】10-2019-0000379
(32)【優先日】2019-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521285850
【氏名又は名称】ジャン,シ-ヒョク
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シ-ヒョク
【テーマコード(参考)】
3E063
【Fターム(参考)】
3E063AA02
3E063AA33
3E063EE03
3E063FF03
3E063FF11
(57)【要約】
【課題】本発明は、パレットの規格が異なっても同様に設置し、パレットの幅よりも広幅であり、または高さが高い物品を収納するように、必要に応じて、幅と高さを調節することのできるパレット用組立式棚構造物に関する。
【解決手段】上記課題を解決するための本発明は、複数個の装着部にそれぞれ摺動挿入される固定具と、一端が前記固定具に挿入して固定され、他端が垂直に所定の長さを有して設置される複数個の第一組立棒と、一端が前記第一組立棒の上端に挿入され、高さ調節が可能なように設置され、他端が水平に所定の長さを有して形成される複数個の第二組立棒と、を備え、前記複数個の第二組立棒は、水平の長さを有する他端が、「X」字状に互いに交差し、互いに引込み・引出し可能に挿入連結されて幅調節が可能なように構成されることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレット(1)の角部分に位置される複数個の装着部(1A)に挿入され、所定の幅と高さを有するように組み立てられる組立式棚構造物において、
前記棚構造物は、
前記複数個の装着部(1A)にそれぞれ摺動挿入される固定具(10)と、
一端が前記固定具(10)に挿入して固定され、他端が垂直に所定の長さを有して設置される複数個の第一組立棒(30)と、
一端が前記第一組立棒(30)の上端に挿入され、高さ調節が可能なように設置され、他端が水平に所定の長さを有して形成される複数個の第二組立棒(40)と、を備え、
前記複数個の第二組立棒(40)は、
水平の長さを有する他端が、「X」字状に互いに交差し、互いに引込み・引出し可能に挿入連結されて幅調節が可能なように構成されることを特徴とする幅と高さ調節が可能なパレット用組立式棚構造物。
【請求項2】
前記装着部(1A)の大きさに応じて、前記固定具(10)に選択的に組立設置され、前記固定具(10)を前記装着部(1A)に密着固定させる間隔調節具(20)がさらに設けられることを特徴とする請求項1に記載の幅と高さ調節が可能なパレット用組立式棚構造物。
【請求項3】
水平に所定の長さを有し、中間部分が「X」字状に互いに交差して設置される1対の水平連結棒(50)がさらに設けられ、
前記第二組立棒(40)は、
他端が互いに引込み・引出し可能に挿入連結される代わりに、前記1対の水平連結棒(50)の両端にそれぞれ引込み・引出し可能に挿入されることを特徴とする請求項1に記載の幅と高さ調節が可能なパレット用組立式棚構造物。
【請求項4】
前記固定具(10)は、
所定の大きさを有し、前記パレット(1)の底面に密着する下板(11)と、
一端が前記下板(11)に連結され、他端が前記装着部(1A)の一側面に密着する所定の大きさの第一側板(12)と、
一端が前記下板(11)に連結され、他端が前記装着部(1A)のまた他の一側面に密着する所定の大きさの第二側板(13)と、
一端が前記第二側板(13)に連結され、他端が前記第一側板(12)に平行に所定の長さで形成される固定板(14)と、
前記第一、二側板(12,13)が互いに当接する角部分の外側に位置され、前記第一組立棒(30)が相違した位置に挿入されるように、所定の間隔を置いて複数個が設置される円筒状の挿入管(15)と、を有することを特徴とする請求項1に記載の幅と高さ調節が可能なパレット用組立式棚構造物。
【請求項5】
前記固定板(14)には、複数個の挟持溝(14A)が形成されることを特徴とする請求項4に記載の幅と高さ調節が可能なパレット用組立式棚構造物。
【請求項6】
前記間隔調節具(20)は、
所定の幅と長さを有し、一側面に所定の大きさの挟持部(21A)が突設される第一係止板(21)と、
前記挟持部(21A)により、前記第一係止板(21)と所定の間隔だけ離隔して設置される所定の幅と長さの第二係止板(22)と、
前記第二係止板(22)に一端が連結され、前記第二係止板(22)の長さ方向に対して垂直となる方向に所定の長さを有して形成される延長板(23)と、
前記延長板(23)に連結され、前記装着部(1A)に密着する所定の大きさの密着板(24)と、を有し、
前記間隔調節具(20)は、
前記装着部(1A)の大きさ別に前記延長板(23)の長さを変えて複数個で構成され、前記装着部(1A)の大きさに合わせて複数個のうち一つが選ばれ、前記固定具(10)に設置されることを特徴とする請求項2に記載の幅と高さ調節が可能なパレット用組立式棚構造物。
【請求項7】
前記間隔調節具(20)は、
所定の幅と長さを有し、一側面に所定の大きさの挟持部(21A)が突設される第一係止板(21)と、
前記挟持部(21A)により、前記第一係止板(21)と所定の間隔だけ離隔して設置される所定の幅と長さの第二係止板(22)と、
一端が前記第二係止板(22)の一端に連結され、他端が弾性力により加圧変形するように、所定の角度で折り曲げられる弾性密着板(24’)と、を有し、
前記第二係止板(22)と前記弾性密着板(24’)は、
平面の形状が全体的に「V」字状または「U」字状になることを特徴とする請求項2に記載の幅と高さ調節が可能なパレット用組立式棚構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幅と高さ調節が可能なパレット用組立式棚構造物に関してであり、さらに詳しくは、パレットに組立設置され、物品を安定的に収納し、このように物品が収納された状態で、パレットを、必要に応じて、上下に積層して保管することのできる、幅と高さ調節が可能なパレット用組立式棚構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、フォークリフト車を用いて物品を運搬するためには、正方形状のパレットが用いられるが、このようなパレットには、側面を貫通して所定の大きさの孔が形成され、前記孔にフォークリフト車のフォークリフトが挿入され、パレットがフォークリフトに沿って乗降されることにより、パレットに定着された物品が運搬される。
【0003】
しかしながら、パレットに定着された物品は、運搬する過程で振動などによりパレットから落下し易く、しかも、物品がパレットに定着された状態で、パレットを上下に積層させ難く、物品を保管するための別途の棚が必要であるという問題があった。
【0004】
上記した問題を解決するために、特許文献1のパレット用組立式棚構造物が開示されている。
【0005】
上記特許文献1に開示されたパレット用組立式棚構造物は、上板と下板との間が多数個の角連結棒と側面連結棒により一体で連結されたパレットと、前記パレットの各角部分に位置された角連結棒にそれぞれ嵌合されて固定設置され、垂直に立てられた装着管が設けられたベース部材と、前記パレットの一側前方と他側後方に嵌合されたベース部材の装着管にそれぞれ下部が挿入され、垂直に立てられる1対の第一垂直棒が設けられ、1対の第一垂直棒の上部端間には、第一水平棒が取り付けられており、第一水平棒の中間部分の上部には、第一結合溝が形成された第一柱部材と、前記パレットの他側前方と一側後方に嵌合されたベース部材の装着管にそれぞれ下部が挿入され、垂直に立てられる1対の第二垂直棒が設けられ、1対の第二垂直棒の上部端間には、第二水平棒が取り付けられており、第二水平棒の中間部分の下部には、第二結合溝が形成されており、第一水平棒の第一結合溝と第二結合溝が上下に当接して結合しながら、第一水平棒と第二水平棒が同一の水平面上において交差して設置される第二柱部材と、で構成され、前記ベース部材は、水平に位置され、パレットの下板の各角部分の下部に当接した状態で位置されるベース板が設けられ、ベース板の上面部の一側には、垂直に立てられた装着管が溶接で取り付けられており、ベース板の上面部の他側には、上部からみて、L字状に折り曲げられた板状に、パレットの各角部分の外側面に当接して支持される角支持板が溶接で取り付けられているが、前記角支持板の他側端には、前後水平方向に挟持片が突設されており、角支持板と挟持片が角連結棒をコ字状に取り囲んだ状態で嵌合され、前記挟持片は、下板の厚さだけベース板と上下一定の間隔だけ離隔して設置されており、ベース板と挟持片との間に下板が介在されるように構成される。
【0006】
上記した特許文献1のパレット用組立式棚構造物は、パレットの角部分に沿って組立設置され、パレットの幅に合わせて棚構造部が組み立てられ、また、柱部材の長さに応じて、棚構造物の高さが決まるので、パレットの棚構造物に定着される物品の大きさに制限があるという問題があった。
【0007】
したがって、棚構造物の幅と高さより少し大きかったり広かったりするような物品の場合は、やむを得ず、相対的に規格の大きなパレットに棚構造物を再設置しなければならず、この場合、バレットの規格により角連結棒の大きさが異なるので、これに合わせて棚構造物の規格を変えて作製されなければならないという問題があった。
【0008】
このため、パレットの規格が異なっても、同一の棚構造物を用いて組み立てられ、必要に応じて、棚構造物の幅と高さを適切に調節して使うことのできる、構造が改善されたバレット用組立式棚構造物の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1808276号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10-0694203号公報
【特許文献3】韓国登録実用新案第20-0157554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、多様な規格のパレットに同一に設置し、貨物の大きさに応じて、棚構造物の幅と高さを適切に調節することのできる、幅と高さ調節が可能なパレット用組立式棚構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明は、複数個の装着部にそれぞれ摺動挿入される固定具と、一端が前記固定具に挿入して固定され、他端が垂直に所定の長さを有して設置される複数個の第一組立棒と、一端が前記第一組立棒の上端に挿入され、高さ調節が可能なように設置され、他端が水平に所定の長さを有して形成される複数個の第二組立棒と、を備え、前記複数個の第二組立棒は、水平の長さを有する他端が、「X」字状に互いに交差し、互いに引込み・引出し可能に挿入連結されて幅調節が可能なように構成されることを特徴とする。
【0012】
また、前記装着部の大きさに応じて、前記固定具に選択的に組立設置され、前記固定具を前記装着部に密着固定させる間隔調節具がさらに設けられることを他の特徴とする。
【0013】
また、水平に所定の長さを有し、中間部分が「X」字状に互いに交差して設置される1対の水平連結棒がさらに設けられ、前記第二組立棒は、他端が互いに引込み・引出し可能に挿入連結される代わりに、前記1対の水平連結棒の両端にそれぞれ引込み・引出し可能に挿入されることをまた他の特徴とする。
【0014】
これに加えて、前記固定具が、所定の大きさを有し、前記パレットの底面に密着する下板と、一端が前記下板に連結され、他端が前記装着部の一側面に密着する所定の大きさの第一側板と、一端が前記下板に連結され、他端が前記装着部のまた他の一側面に密着する所定の大きさの第二側板と、一端が前記第二側板に連結され、他端が前記第一側板に平行に所定の長さで形成される固定板と、前記第一、二側板が互いに当接する角部分の外側に位置され、前記第一組立棒が相違した位置に挿入されるように、所定の間隔を置いて複数個が設置される円筒状の挿入管と、を有することをまた他の特徴とする。
【0015】
また、前記固定板に複数個の挟持溝が形成されることをまた他の特徴とする。
【0016】
また、前記間隔調節具が、所定の幅と長さを有し、一側面に所定の大きさの挟持部が突設される第一係止板と、前記挟持部により、前記第一係止板と所定の間隔だけ離隔して設置される所定の幅と長さの第二係止板と、前記第二係止板に一端が連結され、前記第二係止板の長さ方向に対して垂直となる方向に所定の長さを有して形成される延長板と、前記延長板に連結され、前記装着部に密着する所定の大きさの密着板と、を有し、前記間隔調節具は、前記装着部の大きさ別に前記延長板の長さを変えて複数個で構成され、前記装着部の大きさに合わせて複数個のうち一つが選ばれ、前記固定具に設置されることをまた他の特徴とする。
【0017】
これに加えて、前記間隔調節具が、所定の幅と長さを有し、一側面に所定の大きさの挟持部が突設される第一係止板と、前記挟持部により、前記第一係止板と所定の間隔だけ離隔して設置される所定の幅と長さの第二係止板と、一端が前記第二係止板の一端に連結され、他端が弾性力により加圧変形するように、所定の角度で折り曲げられる弾性密着板と、を有し、前記第二係止板と前記弾性密着板は、平面の形状が全体的に「V」字状または「U」字状になることをまた他の特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、固定具に適切な大きさの間隔調節具を装着するだけで、多様な規格のパレットに設置することができ、パレットの幅よりも貨物の幅が広い場合、挿入管に挿入される第一組立棒の設置位置を変更するだけで、幅を適切に調節して使うことができる。
【0019】
また、第一組立棒に挿入固定される第二組立棒の高さを適切に調節することにより、棚構造物の高さを容易に調節して使うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る幅と高さ調節が可能なパレット用組立式棚構造物の例を示す斜視図である。
【
図5】本発明に係る固定具の例を示す斜視図である。
【
図6】本発明に係る固定具の例を示す平面図である。
【
図7】(a)は本発明に係る間隔調節具の例を示す斜視図である。また、(b)は(a)による間隔調節具が固定具に装着された例を示す斜視図である。
【
図8】(a)は本発明に係る間隔調節具の他の実施例を示す斜視図である。また、(b)は(a)による間隔調節具が固定具に装着された例を示す斜視図である。
【
図9】(a)は本発明に係る固定具に間隔調節具が装着され、パレットの装着部に設置される例を示す図である。また、(b)は本発明に係る固定具に間隔調節具が装着され、パレットの装着部に設置される例を示す図である。
【
図10】本発明に係る固定具に間隔調節具が装着され、パレットの装着部に設置される例を示す図である。
【
図11】本発明に係る第一組立棒の例を示す斜視図である。
【
図12】本発明に係る幅と高さ調節が可能なパレット用組立式棚構造物の高さが調節される例を示す図である。
【
図13】本発明に係る第二組立棒の例を示す斜視図である。
【
図14】本発明に係る水平連結棒の例を示す図である。
【
図15】本発明に係る幅と高さ調節が可能なパレット用組立式棚構造物の幅が調節される例を示す図である。
【
図16】本発明に係る固定具の挿入管の位置が調節可能に構成される例を示す図である。
【
図17】本発明に係る第二組立棒の他端が互いに引込み・引出し可能に連結される例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付された図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳述する。
【0022】
本発明は、パレットの規格が異なっても同様に設置し、パレットの幅よりも広幅の物品を収納するように、必要に応じて、幅と高さを調節することのできる、パレット用組立式棚構造物を提供しようとするものであって、このような本発明は、
図1乃至
図4に示すように、固定具10、間隔調節具20、第一組立棒30、第二組立棒40、及び水平連結棒50を備える。
【0023】
固定具10は、パレット1の角部分に位置する正方形状断面の装着部1Aに固定され、後述する第一組立棒30が垂直に設置されるようにする構成である。
【0024】
このような固定具10は、
図5に示すように、長方形状を有する所定の大きさの板材からなり、パレット1の底面に密着する下板11と、一端が前記下板11に連結され、他端が装着部1Aの一側面に密着するように垂直に設置される所定の大きさの第一側板12と、一端が前記下板11に連結され、他端が装着部1Aのまた他の一側面に密着するように垂直に設置される所定の大きさの第二側板13と、一端が前記第二側板13に連結され、他端が第一側板12に平行して所定の長さを有する固定板14と、を有する。
【0025】
このとき、固定板14には、所定の間隔を置いて、複数個の挟持溝14Aが形成され、これらの挟持溝14Aに後述する間隔調節具20が選択的に装着され、これにより、多様な規格を有するパレット1の装着部1Aに固定具10が固定されるようになる。
【0026】
また、下板11には、一側に所定の長さだけ延長突出する延長板11Aが形成され、このような延長板11Aには、後述する第一組立棒30の下端が所定の深さだけ挿入して固定される複数個の挿入管15が設けられる。
【0027】
このような複数個の挿入管15は、
図6に示すように、第一、二側板12、13が互いに90°で当接する角部分を基準として、第一、二側板12、13に両側面が密着するように設置される装着部1Aの対角線方向の角を連結した仮想の対角線DLと、挿入管15のそれぞれの中心点CPとが、同一の線上に位置するように配置され、これにより、複数個の挿入管15に挿入される第一組立棒30の位置を変えて棚構造物の幅を調節し、または正方形状を有する装着部1Aの大きさW1~W2が異なっても、第一、二側板12、13を基準として装着部1Aが仮想の対角線DL上にそのまま位置するので、後述する第一、二組立棒30、40と水平連結棒50とが「X」字状に連結された状態がそのまま維持され、その結果、棚構造物の幅を調節しても、全体的な形が崩れず、安定的に維持されるようになる。
【0028】
また、延長板11Aには、一端が延長板11Aに固定され、他端が複数個の挿入管15の外側面に沿って垂直に突出し、挿入管15の両側面を支持する1対の支持板16が設置され、前記1対の支持板16と延長板11Aを対角線方向に連結する複数個の補強板17が設置され、このような支持板16と補強板17により、挿入管15が補強され、第一組立棒30が挿入された状態で、第一組立棒30に横方向の大きな外力が作用しても、挿入管15が変形され難い。
【0029】
このような固定具10の構成により、後述する多様な大きさの間隔調節具20を固定板14に選択的に装着することで、多様な規格のパレットに同様に設置することができ、挿入管15に挿入される第一組立棒の位置を変更することで、棚構造物の幅が適切に変更されるようになる。
【0030】
間隔調節具20は、固定具10の固定板14に装着され、パレット1の装着部1Aに固定具10を密着挿入させて固定されるようにする構成である。
【0031】
このような間隔調節具20は、
図7の(a)に示すように、固定板14の一側面に密着されるように所定の幅と長さを有し、挟持溝14Aに挿入される所定の大きさの挟持部21Aが突設される第一係止板21と、前記挟持部21Aにより、第一係止板21と所定の間隔だけ離隔して設置され、固定板14の他側面に密着されるように所定の幅と長さを有する第二係止板22と、前記第二係止板22に一端が連結され、第二係止板22の長さ方向に垂直となる方向へ所定の長さを有して形成される延長板23と、前記延長板23に連結され、装着部1Aに密着する所定の大きさの密着板24と、を有する。
【0032】
このとき、間隔調節具20の延長板23は、パレット1の規格に応じて異なる長さで作製され、これにより、第二係止板22と密着板24との間の距離を変えて複数個がセットとして作製される。
【0033】
このような間隔調節具20は、固定具10が装着される装着部1Aの規格に応じて複数個の間隔調節具20のうち、適切な長さの延長板23を有する間隔調節具20が選ばれ、
図7の(b)に示すように、固定板14の挟持溝14Aに挟持部21Aが挿入され、これにより、固定板14の両側面に間隔調節具20の第一、二係止板21、22が密着するとともに、密着板24が固定具10の第一側板12と向かい合うように設置される。
【0034】
また、
図9の(a)、(b)に示すように、パレット1の角部分にそれぞれ設けられる装着部1Aの外側面が、固定具10の第一、二側板12、13と間隔調節具20の密着板24により形成される「コ」字状の内側面に挿入設置され、これにより、
図10に示すように、装着部1Aの外側面の大きさが第一、二側板12、13と固定板14がなす「コ」字状の内側面の大きさよりも小さな場合も、固定具10が装着部1Aに堅固に固定されるようになる。
【0035】
したがって、使用者が、適切な大きさの間隔調節具20を固定具10の固定板14に設置するだけで、多様な規格の装着部1Aに固定具10を設置し易くなる。
【0036】
一方、上記では、間隔調節具20の延長板23の長さを変えて、複数個の間隔調節具20が作製されるものと説明したが、これとは異なり、間隔調節具20に延長板23が形成される代わりに、
図8の(a)、(b)に示すように、一端が第二係止板22の一端に連結され、他端が弾性力により加圧変形されるように、所定の角度で折り曲げられた弾性密着板24’が設けられた間隔調節具20に変更して構成されてもよい。
【0037】
このとき、第二係止板22と弾性密着板24’がなす平面形状が、全体的に「V」字状または「U」字状をなすように形成され、これにより、装着部1Aに固定具10が挿入されるとき、装着部1Aの外側面により弾性密着板24’の自由端が自然に押圧され、多様な大きさの装着部1Aに固定具10が設置され易くなる。
【0038】
したがって、装着部1Aの大きさに応じて、複数個の間隔調節具20を別々に作製することなく、弾性密着板24’が設けられた一つの間隔調節具20を固定具10の固定板14に取り付けたり取り外したりすることにより、多様な大きさの装着部1Aに装着し易くなる。
【0039】
第一組立棒30は、固定具10の挿入管15に一端(下端)が所定の深さだけ挿入され、垂直に起立設置される構成である。
【0040】
このような第一組立棒30は、
図11に示すように、上下に所定の長さを有する板体(パイプ)からなり、上部の外側面には、上下の長さに沿って所定の間隔を置いて複数個の高さ調節孔31が形成される。
【0041】
このとき、複数個の高さ調節孔31のうち選ばれたいずれか一つの高さ調節孔31には、固定ピンPが貫通挿入され、これにより、
図12に示すように、後述する第二組立棒40が第一組立棒30の上部に挿入固定される高さが適切に調節されるようになる。
【0042】
第二組立棒40は、一端が第一組立棒30の上端に挿入固定され、他端が後述する水平連結棒50に挿入され、複数個の棚構造物が上下に積層されるように、棚構造物の上部を形成する構成である。
【0043】
このような第二組立棒40は、
図13に示すように、一端が第一組立棒30の上端に挿入され、他端が垂直に所定の長さを有して形成される垂直部41と、一端が前記垂直部41の上端に挿入され、他端が水平に所定の長さを有して形成される水平部42と、を有し、全体的に「フ」字または逆「フ」字状に形成される。
【0044】
また、垂直部41と水平部42には、所定の大きさの貫通孔41A、42Aが形成され、このような貫通孔41A、42Aから、高さ調節孔31と後述する距離調節孔51Aに挿入される固定ピンPが第二組立棒40を貫通し、位置が堅固に固定されるようになる。
【0045】
水平連結棒50は、第二組立棒40の水平部42を連結する構成である。
【0046】
このような水平連結棒50は、
図14に示すように、水平に所定の長さを有し、両端から第二組立棒40の水平部42が挿入されるように、円形の管体からなる連結棒本体51と、前記連結棒本体51の中間部分に位置し、所定の大きさの溝が形成され、また他の水平連結棒50と「X」字状に同一の高さ線上において交差して重畳させる交差部52と、を有する。
【0047】
また、交差部52を中心として、両側には、所定の間隔を置いて複数個の距離調節孔51Aが連結棒本体51を貫通して形成され、このような距離調節孔51Aには、高さ調節孔31と同様に、所定の位置に固定ピンPが挿入され、これにより、
図15に示すように、第二組立棒40の水平部42が挿入して固定される位置が調節され、棚構造物の幅が調節されるようになる。
【0048】
以下、本発明に係る幅と高さ調節が可能なパレット用組立式棚構造物の使用例について説明する。
【0049】
パレット1に棚構造物を組み立てるときは、パレット1の装着部1Aの大きさ(規格)に応じて、固定具10の固定板14に適切な長さの延長板23が形成された間隔調節具20を選んで組み立て、このように間隔調節具20が取り付けられた固定具10をパレット1の角部分に位置する4つの装着部1Aにそれぞれ設置する。
【0050】
また、設置された固定具10の挿入管15に4つの第一組立棒30をそれぞれ挿入設置し、第一組立棒30の上端にそれぞれ第二組立棒40の垂直部41を所定の深さだけ挿入して固定設置する。
【0051】
その後、4つの第二組立棒40の水平部42が「X」字状となるように、1対の水平連結棒50を位置させ、設置を完了する。
【0052】
一方、パレット1に棚構造物が組み立てられた状態で、棚構造物の高さを調節しようとする場合、第一組立棒30の高さ調節孔31に挿入された固定ピンPを取り外した状態で、調節しようとする高さに合わせて第二組立棒40を適切に乗降させ、この状態で、固定ピンPが高さ調節孔31と貫通孔41Aを順次貫通するように挿入することにより、第二組立棒40の設置高さが調節されるようになる。
【0053】
また、棚構造物の幅を調節しようとする場合、第一組立棒30が挿入された挿入管15の位置が先ず調節されなければならないが、これにより、一側の挿入管15に挿入された第一組立棒30を順次分離してから、他の位置の挿入管15に第一組立棒30を設置する。このとき、水平連結棒50に組み立てられた固定ピンPを取り外し、幅調節を可能にする作業が先行されてもよい。
【0054】
その後、第二組立棒40の水平部42が水平連結棒50に挿入される距離を適切に調節し、距離調節孔51Aと貫通孔42Aを順次貫通するように固定ピンPを挿入することにより、棚構造物の幅が調節するようになる。
【0055】
一方、上記では、複数個の挿入管15が所定の間隔を置いて設置されるものと説明したが、これとは異なり、
図16に示すように、支持板16に水平に長さを有する水平長孔H1が形成され、このような水平長孔H1に沿って1つの挿入管15が適切に位置調節されるように構成されてもよい。
【0056】
このとき、水平長孔H1に沿って複数個の係止溝H2が形成され、これにより、水平に位置調節される挿入管15の位置が同一に調節され易くなる。
【0057】
また、挿入管15の外側面には、係止溝H2に選択的に挿入されて位置固定させる係止ピン15Aが形成され、このような係止ピン15Aの外側面には、ねじ山(図示せず)が形成され、これにより、挿入管15が水平長孔H1と係止溝H2により適切に位置調節された状態で、係止ピン15Aにナットが螺合され、挿入管15の位置が堅固に固定されるように構成される。
【0058】
このような構成により、使用者が棚構造物の幅を調節するために、第一組立棒30を挿入管15からそれぞれ分離させて位置を調節しなくても、第一組立棒30が挿入管15に挿入された状態で、挿入管15の設置位置を水平長孔H1と係止溝H2を用いて容易に変更することができ、これにより、棚構造物の幅をさらに容易に調節するようになる。
【0059】
上記では、第二組立棒40の他端が「X」字状に互いに交差して設置される水平連結棒50の両端にそれぞれ挿入され、これにより、幅調節が可能なように構成されたものと説明したが、これとは異なり、複数個の水平部42が「X」字状に互いに交差して、一側の水平部42の先端の内側に、他側の水平部42の先端が所定の長さだけ挿入されて水平に連結されるもので構成されてもよい。
【0060】
このとき、一側の水平部42の先端には、所定の長さ部分が、他側の水平部42の先端の直径に比べて相対的に大きいか小さい連結部42Bが形成され、これにより、連結部42Bに他側の水平部42の先端が所定の長さだけ挿入され、または連結部42Bが他側の水平部42の先端に所定の長さだけ挿入されることにより、棚構造物の幅が適切に調節されるようになる。
【0061】
また、連結部42Bと他側の水平部42の先端には、所定の間隔を置いて、貫通孔41A、42Aが形成され、これにより調節された幅は、水平連結棒50と同様に、固定ピンPにより固定される。
【0062】
上述のように、本発明は、固定具に適切な大きさの間隔調節具を装着するだけで、多様な規格のパレットに設置することができ、パレットの幅よりも貨物の幅が広い場合、挿入管に挿入される第一組立棒の位置を変更するだけで、幅を適切に調節して使うことができ、また、固定ピンを用いて第一組立棒に挿入される第二組立棒の高さを容易に調節することができる。
【0063】
以上、説明の便宜のために、好適な実施例について、図面と、図面に示された構成に図面符号と名称を与えて説明しているが、これらは、本発明による一実施例であって、図面上に示された形状と与えられた名称に限られてその権利範囲が解釈されてはならず、発明の説明から予測可能な様々な形状への変更と、同一の作用を有する構成への単純な置換は、通常の技術者が容易に実施するために変更可能な範囲内にあるものであることは、極めて自明なことであろう。
【符号の説明】
【0064】
1 パレット
1A 装着部
1B フォークリフト挿入孔
10 固定具
11 下板
11A 延長板
12 第一側板
13 第二側板
14 固定板
14A 挟持溝
15 挿入管
15A 係止ピン
16 支持板
17 補強板
20 間隔調節具
21 第一係止板
21A 挟持部
22 第二係止板
23 延長板
24 密着板
24’ 弾性密着板
30 第一組立棒
31 高さ調節孔
40 第二組立棒
41 垂直部
41A 貫通孔
42 水平部
42A 貫通孔
42B 連結部
50 水平連結棒
51 連結棒本体
51A 距離調節孔
52 交差部
CP 挿入孔の中心点
DL 仮想の対角線
P 固定ピン
H1 水平長孔
H2 係止溝
【国際調査報告】