(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-28
(54)【発明の名称】ツブリシン及びタンパク質-ツブリシンコンジュゲート
(51)【国際特許分類】
C07K 5/078 20060101AFI20220218BHJP
C07K 16/30 20060101ALI20220218BHJP
A61K 38/05 20060101ALI20220218BHJP
A61K 47/65 20170101ALI20220218BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20220218BHJP
A61K 47/60 20170101ALI20220218BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20220218BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220218BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20220218BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
C07K5/078
C07K16/30
A61K38/05
A61K47/65
A61K47/54
A61K47/60
A61K47/68
A61P35/00
A61P9/00
C07K19/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535783
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(85)【翻訳文提出日】2021-08-13
(86)【国際出願番号】 US2019068185
(87)【国際公開番号】W WO2020132658
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515254806
【氏名又は名称】レゲネロン ファーマシューティカルス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】エイミー ハン
(72)【発明者】
【氏名】マーカス ケリー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム オルソン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076CC11
4C076CC27
4C076CC41
4C076CC42
4C076DD39
4C076DD51
4C076EE23
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF31
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA07
4C084BA01
4C084BA14
4C084BA23
4C084CA59
4C084MA05
4C084NA12
4C084NA13
4C084NA14
4C084ZA361
4C084ZA362
4C084ZB261
4C084ZB262
4H045AA10
4H045AA11
4H045BA11
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA28
4H045FA10
(57)【要約】
本明細書で提供されるのは、ツブリシン及びそのタンパク質(例えば、抗体)薬物コンジュゲートを含む、化合物、組成物、並びにがんに関連する疾患及び障害の治療のための方法である。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの構造を有する化合物又はその医薬として許容し得る塩:
【化1】
(式中、
R
1は、C
1-C
10アルキルであり;
R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキル、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキル、又は-(C
1-C
10アルキレン)-NR
3aR
3bであり、
ここで、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4及びR
5は、各場合に独立に、水素又はC
1-C
5アルキルであり;
R
6は、-OH又は-NHNH
2であり;
R
7は、各場合に独立に、水素、-OH、ハロゲン、又は-NR
7aR
7bであり、
ここで、R
7a及びR
7bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、及びアミノ酸残基であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
8は、各場合に独立に、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンであり、
ここで、R
9は、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルであり;かつ
mは、1又は2であり;
Qは、-CH
2-又は-O-であり、ここで、
Qが、-O-である場合には、R
2は、C
1-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、もしくはC
1-C
3ヒドロキシアルキルであり;又は
Qが、-CH
2-である場合には、R
2は、C
5-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、もしくはC
1-C
3ヒドロキシアルキルであり;かつ
Q
1は、-CH
2-又は-O-であり;
該ヘテロアリールは、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキル、カルボキシアルキル、ベンジル、もしくはフェニルで置換されており;
該アリールは、非置換であるか、又はニトロもしくはアミノで置換されており;かつ
nは、1~5の整数である)。
【請求項2】
R
1が、C
1-C
10アルキルであり;
R
3が、-C(O)C
1-C
5アルキル、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキル、又は-(C
1-C
10アルキレン)-NR
3aR
3bであり、
ここで、R
3a及びR
3bが、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルが、任意に置換されており;
R
4及びR
5が、各場合に独立に、水素又はC
1-C
5アルキルであり;
R
6が、-OH又は-NHNH
2であり;
R
7が、各場合に独立に、水素、-OH、ハロゲン、又は-NR
7aR
7bであり、
ここで、R
7a及びR
7bが、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルが、任意に置換されており;
R
8が、各場合に独立に、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンであり、
ここで、R
9が、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルであり;かつ
mが、1又は2であり;
Qが、-CH
2-又は-O-であり、ここで、
Qが、-O-である場合には、R
2が、C
1-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、もしくはC
1-C
3ヒドロキシアルキルであり;又は
Qが、-CH
2-である場合には、R
2が、C
5-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、もしくはC
1-C
3ヒドロキシアルキルであり;かつ
Q
1が、-CH
2-又は-O-であり;
該ヘテロアリールが、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキル、カルボキシアルキル、ベンジル、もしくはフェニルで置換されており;
該アリールが、非置換であるか、又はニトロもしくはアミノで置換されており;かつ
nが、1~5の整数である、
請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Qが、-CH
2-であり;
R
2が、C
5-C
10アルキルであり;
R
3が、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;
R
4が、水素であり;
R
5が、C
1-C
5アルキルであり;かつ
R
7が、ハロゲンである、
請求項1記載の化合物。
【請求項4】
式IIの構造による請求項3記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩:
【化2】
。
【請求項5】
以下
【化3】
からなる群から選択される、請求項4記載の化合物;又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項6】
Qが、-CH
2-であり;
R
2が、C
5-C
10アルキルであり;
R
3が、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;
R
4及びR
5が、メチルであり;
R
7が、-OH、ハロゲン、又は-NH
2であり;
R
8が、各出現において独立に、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンであり
ここで、R
9が、水素又は-C
1-C
5アルキルであり;かつ
mが、1又は2である、
請求項1記載の化合物。
【請求項7】
式IIIの構造による請求項6記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩:
【化4】
。
【請求項8】
以下
【化5】
からなる群から選択される、請求項7記載の化合物;又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項9】
Qが、-CH
2-であり;
R
2が、C
1-C
10アルキニルであり;かつ
R
6が、-OHである、
請求項1記載の化合物。
【請求項10】
式IVの構造による、請求項9記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩:
【化6】
。
【請求項11】
以下
【化7】
からなる群から選択される、請求項10記載の化合物;又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項12】
Qが、-CH
2-であり;
R
2が、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)であり、ここで、該ヘテロアリールが、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキル、カルボキシアルキル、ベンジル、もしくはフェニルで置換されており;
R
3が、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;
R
4及びR
5が、C
1-C
5アルキルであり;
R
6が、-OHであり;かつ
R
7が、-NH
2である、
請求項1記載の化合物。
【請求項13】
式Vの構造による請求項12記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩:
【化8】
。
【請求項14】
式VI又は式VIIの構造による請求項13記載の化合物;又はその医薬として許容し得る塩:
【化9】
(式中、
R
10は、水素、メチル、-CH
2CH
2NH
2、-CH
2CH
2OH、-CH
2COOH、-CH
2CH
2CH
2COOH、ベンジル、又はフェニルである)。
【請求項15】
以下
【化10】
からなる群から選択される、請求項14記載の化合物;又は
その位置異性体;又は
その医薬として許容し得る塩。
【請求項16】
Qが、-O-であり;
R
2が、C
1-C
10アルキルであり;かつ
R
7が、-OH又は-NH
2である、
請求項1記載の化合物。
【請求項17】
式VIIIの構造による請求項16記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩:
【化11】
。
【請求項18】
R
3が、-C(O)Meである、請求項17記載の化合物。
【請求項19】
以下
【化12】
からなる群から選択される、請求項18記載の化合物;又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項20】
R
3が、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキルであり;
R
4が、水素であり;
R
5が、C
1-C
5アルキルであり;かつ
R
6及びR
7が、-OHである、
請求項17記載の化合物。
【請求項21】
式IXの構造を有する、請求項20記載の化合物;又はその医薬として許容し得る塩:
【化13】
(式中、R
11は、C
1-C
10アルキルである)。
【請求項22】
以下
【化14】
からなる群から選択される、請求項21記載の化合物;又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項23】
R
3が、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキルである、請求項17記載の化合物。
【請求項24】
以下のもの
【化15】
である、請求項23記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項25】
Qが、-O-であり;
R
2が、C
1-C
10アルキニルであり;
R
3が、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;かつ
R
6が、-OHである、
請求項1記載の化合物。
【請求項26】
式Xの構造による請求項25記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩:
【化16】
。
【請求項27】
以下
【化17】
からなる群から選択される、請求項26記載の化合物;又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項28】
Qが、-O-であり;
R
2が、C
1-C
10アルキニルであり;
R
3が、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキルであり;かつ
R
6が、-OHである、
請求項1記載の化合物。
【請求項29】
式XIの構造による請求項28記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩:
【化18】
。
【請求項30】
以下のもの
【化19】
である、請求項29記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項31】
Qが、-O-であり;
R
2が、C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール;又はC
1-C
3ヒドロキシアルキルであり;
R
3が、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;
R
4が、水素であり;
R
5が、C
1-C
5アルキルであり;かつ
R
6及びR
7が、-OHである、
請求項1記載の化合物。
【請求項32】
式XIIの構造を有する、請求項31記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩:
【化20】
。
【請求項33】
R
2が、C
1-C
3アルキレン-O-(CH
2)
nアリールである、請求項32記載の化合物。
【請求項34】
以下
【化21】
からなる群から選択される請求項33記載の化合物;又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項35】
R
2が、C
1-C
3ヒドロキシアルキルである、請求項32記載の化合物。
【請求項36】
以下のもの
【化22】
である、請求項35記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項37】
式A、式B、式C、もしくは式Dの化合物、又はその医薬として許容し得る塩:
【化23】
(式中、
Lは、リンカーであり;
BAは、結合剤であり;
kは、1~30の整数であり;
R
1は、C
1-C
10アルキルであり;
R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキル、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキル、又は-(C
1-C
10アルキレン)-NR
3aR
3bであり、
ここで、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4及びR
5は、各場合に独立に、水素又はC
1-C
5アルキルであり;
R
6は、-OH、-O-、-NHNH
2、又は-NHNH-であり;
R
7は、各場合に独立に、水素、-OH、-O-、ハロゲン、又は-NR
7aR
7bであり、
ここで、R
7a及びR
7bは、各場合に独立に、結合、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、及びアミノ酸残基であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
8は、各場合に独立に、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンであり、
ここで、R
9は、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルであり;かつ
mは、1又は2であり;
Qは、-CH
2-又は-O-であり、ここで、
Qが、-O-である場合には、R
2は、C
1-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、位置異性体のC
1-C
10トリアゾリレン、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、もしくはC
1-C
10アルキルエーテルであり;又は
Qが、-CH
2-である場合には、R
2は、C
5-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、位置異性体のC
1-C
10トリアゾリレン、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、又はC
1-C
10アルキルエーテルであり;かつ
Q
1は、-CH
2-又は-O-であり;
該位置異性体のトリアゾリレンは、非置換であるか、又はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルで置換されており;
該ヘテロアリール又は位置異性体のヘテロアリーレンは、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、-アルキレン-NH-、ヒドロキシルアルキル、-アルキレン-O-、カルボキシアルキル、-アルキレン-COO-、ベンジル、もしくはフェニルで置換されており;
該アリールは、非置換であるか、又はニトロ、アミノ、もしくは-NH-で置換されており;かつ
nは、1~5の整数である)。
【請求項38】
Lが、リンカーであり;
BAが、結合剤であり;
kが、1~30の整数であり;
R
1が、C
1-C
10アルキルであり;
R
3が、-C(O)C
1-C
5アルキル、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキル、又は-(C
1-C
10アルキレン)-NR
3aR
3bであり、
ここで、R
3a及びR
3bが、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルが、任意に置換されており;
R
4及びR
5が、各場合に独立に、水素又はC
1-C
5アルキルであり;
R
6が、-OH、-O-、-NHNH
2、又は-NHNH-であり;
R
7が、各場合に独立に、水素、-OH、-O-、ハロゲン、又は-NR
7aR
7bであり、
ここで、R
7a及びR
7bが、各場合に独立に、結合、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルが、任意に置換されており;
R
8が、各場合に独立に、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンであり、
ここで、R
9が、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルであり;かつ
mが、1又は2であり;
Qが、-CH
2-又は-O-であり、ここで、
Qが、-O-である場合には、R
2が、C
1-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、位置異性体のC
1-C
10トリアゾリレン、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、もしくはC
1-C
10アルキルエーテルであり;又は
Qが、-CH
2-である場合には、R
2が、C
5-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、位置異性体のC
1-C
10トリアゾリレン、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、又はC
1-C
10アルキルエーテルであり;かつ
Q
1が、-CH
2-又は-O-であり;
該位置異性体のトリアゾリレンが、非置換であるか、又はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルで置換されており;
該ヘテロアリール又は位置異性体のヘテロアリーレンが、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、-アルキレン-NH-、ヒドロキシルアルキル、-アルキレン-O-、カルボキシアルキル、-アルキレン-COO-、ベンジル、もしくはフェニルで置換されており;
該アリールが、非置換であるか、又はニトロ、アミノ、もしくは-NH-で置換されており;かつ
nが、1~5の整数である、請求項37記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項39】
請求項1~38のいずれか1項記載の化合物、及び医薬として許容し得る賦形剤、担体、又は希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項40】
対象においてがんを治療するための方法であって、該対象に有効治療量の請求項1~39のいずれか1項記載の化合物又は医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項41】
対象においてがんを治療するための方法であって、該対象に有効治療量の請求項1~40のいずれか1項記載の化合物又は医薬組成物を投与することを含み、該がんが、腎細胞癌、膵癌、頭頸部がん、前立腺がん、去勢抵抗性前立腺がん、悪性神経膠腫、骨肉腫、結腸直腸がん、胃がん、中皮腫、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、卵巣がん、肺がん、小細胞肺がん、非小細胞性肺がん、滑膜肉腫、甲状腺がん、乳がん、PRLR陽性(PRLR+)乳がん、メラノーマ、急性骨髄性白血病、成人T細胞白血病、星細胞腫、膀胱がん、子宮頸がん、胆管細胞癌、子宮内膜がん、食道がん、膠芽腫、カポジ肉腫、腎臓がん、平滑筋肉腫、肝臓がん、リンパ腫、MFH/線維肉腫、鼻咽頭がん、横紋筋肉腫、結腸がん、胃がん、子宮がん、残存癌、及びウィルムス腫瘍からなる群から選択される、前記方法。
【請求項42】
PRLR及びSTEAP2からなる群から選択される抗原を発現する腫瘍を治療するための方法。
【請求項43】
式A′、式B′、式C′、又は式D′のものである、請求項38記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグ:
【化24】
(式中、
SP
1及びSP
2は、存在する場合には、スペーサー基であり;
各AAは、アミノ酸であり;かつ
pは、1~10の整数である)。
【請求項44】
前記SP
2スペーサーが、存在する場合には、
【化25】
であり;
前記(AA)
pが、
【化26】
であり;
前記SP
1が、
【化27】
である
(式中、
RG′は、反応性基RGの結合剤との反応の結果として生じる反応性基残基であり;
【化28】
は、該結合剤への直接又は間接の結合であり;かつ
bは、1~4の整数である)、
請求項43記載の化合物。
【請求項45】
前記結合剤が、式H
2N-LL-X(式中、LLは、以下
二価のポリエチレングリコール(PEG)基;
-(CH
2)
n-;
-(CH
2CH
2O)
n-(CH
2)
p-;
-(CH
2)
n-N(H)C(O)-(CH
2)
m-;
-(CH
2CH
2O)
n-N(H)C(O)-(CH
2CH
2O)
m-(CH
2)
p-;
-(CH
2)
n-C(O)N(H)-(CH
2)
m-;
-(CH
2CH
2O)
n-C(O)N(H)-(CH
2CH
2O)
m-(CH
2)
p-;
-(CH
2)
n-N(H)C(O)-(CH
2CH
2O)
m-(CH
2)
p-;
-(CH
2CH
2O)
n-N(H)C(O)-(CH
2)
m-;
-(CH
2)
n-C(O)N(H)-(CH
2CH
2O)
m-(CH
2)
p-;及び
-(CH
2CH
2O)
n-C(O)N(H)-(CH
2)
m-、
(式中、
nは、1~12から選択される整数であり;
mは、0~12から選択される整数であり;
pは、0~2から選択される整数である)からなる群から選択される二価のリンカーであり;かつ
Xは、-SH、-N
3、-C≡CH、-C(O)H、テトラゾール、
【化29】
からなる群から選択される)
による一級アミン化合物で修飾された抗体である、
請求項38~44のいずれか1項記載の化合物。
【請求項46】
前記結合剤が、以下の式:
【化30】
による一級アミンで修飾された抗体である、
請求項45記載の化合物。
【請求項47】
リンカーに結合した請求項1~36のいずれか1項記載の化合物を含むリンカー-ペイロードであって、該リンカーが、抗体又はその抗原結合断片と反応する部位を含む、前記リンカー-ペイロード。
【請求項48】
前記リンカーが、請求項1~36のいずれか1項記載の化合物のピペリジン窒素、R
2、R
6、又はR
7に結合している、請求項47記載のリンカー-ペイロード。
【請求項49】
式LPa、式LPb、式LPc、もしくは式LPdのリンカー-ペイロード、又はその医薬として許容し得る塩:
【化31】
(式中、
Lは、リンカーであり;
R
1は、C
1-C
10アルキルであり;
R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキル、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキル、又は-(C
1-C
10アルキレン)-NR
3aR
3bであり、
ここで、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4及びR
5は、各場合に独立に、水素又はC
1-C
5アルキルであり;
R
6は、-OH、-O-、-NHNH
2、又は-NHNH-であり;
R
7は、各場合に独立に、水素、-OH、-O-、ハロゲン、又は-NR
7aR
7bであり、
ここで、R
7a及びR
7bは、各場合に独立に、結合、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、及びアミノ酸残基であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
8は、各場合に独立に、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンであり、
ここで、R
9は、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルであり;かつ
mは、1又は2であり;
Qは、-CH
2-又は-O-であり、ここで、
Qが、-O-である場合には、R
2は、C
1-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、位置異性体のC
1-C
10トリアゾリレン、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、もしくはC
1-C
10アルキルエーテルであり;又は
Qが、-CH
2-である場合には、R
2は、C
5-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、位置異性体のC
1-C
10トリアゾリレン、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、又はC
1-C
10アルキルエーテルであり;かつ
Q
1は、-CH
2-又は-O-であり;
該位置異性体のトリアゾリレンは、非置換であるか、又はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルで置換されており;
該ヘテロアリール又は位置異性体のヘテロアリーレンは、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、-アルキレン-NH-、ヒドロキシルアルキル、-アルキレン-O-、カルボキシアルキル、-アルキレン-COO-、ベンジル、もしくはフェニルで置換されており;
該アリールは、非置換であるか、又はニトロ、アミノ、もしくは-NH-で置換されており;かつ
nは、1~5の整数である)。
【請求項50】
Lが、リンカーであり;
R
1が、C
1-C
10アルキルであり;
R
3が、-C(O)C
1-C
5アルキル、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキル、又は-(C
1-C
10アルキレン)-NR
3aR
3bであり、
ここで、R
3a及びR
3bが、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルが、任意に置換されており;
R
4及びR
5が、各場合に独立に、水素又はC
1-C
5アルキルであり;
R
6が、-OH、-O-、-NHNH
2、又は-NHNH-であり;
R
7が、各場合に独立に、水素、-OH、-O-、ハロゲン、又は-NR
7aR
7bであり、
ここで、R
7a及びR
7bが、各場合に独立に、結合、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルが、任意に置換されており;
R
8が、各場合に独立に、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンであり、
ここで、R
9が、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルであり;かつ
mが、1又は2であり;
Qが、-CH
2-又は-O-であり、ここで、
Qが、-O-である場合には、R
2が、C
1-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、位置異性体のC
1-C
10トリアゾリレン、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、もしくはC
1-C
10アルキルエーテルであり;又は
Qが、-CH
2-である場合には、R
2が、C
5-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、位置異性体のC
1-C
10トリアゾリレン、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、又はC
1-C
10アルキルエーテルであり;かつ
Q
1が、-CH
2-又は-O-であり;
該位置異性体のトリアゾリレンが、非置換であるか、又はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルで置換されており;
該ヘテロアリール又は位置異性体のヘテロアリーレンが、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、-アルキレン-NH-、ヒドロキシルアルキル、-アルキレン-O-、カルボキシアルキル、-アルキレン-COO-、ベンジル、もしくはフェニルで置換されており;
該アリールが、非置換であるか、又はニトロ、アミノ、もしくは-NH-で置換されており;かつ
nが、1~5の整数である)、
請求項49記載のリンカー-ペイロード、又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項51】
式LPa′、式LPb′、式LPc′、又は式LPd′を有する、請求項50記載のリンカーペイロード、又はその医薬として許容し得る塩:
【化32】
(式中、
SP
1及びSP
2は、存在する場合には、スペーサー基であり;
各AAは、アミノ酸であり;かつ
pは、1~10の整数である)。
【請求項52】
抗体又はその抗原結合断片を含む抗体-薬物コンジュゲートであって、該抗体又はその抗原結合断片が、請求項1~36記載の化合物にコンジュゲートされている、前記抗体-薬物コンジュゲート。
【請求項53】
アリールが、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、及びピレニルを含み;ヘテロアリールが、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、プテリジニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ジベンゾチオフェニル、インドリル、インドリニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、及びベンズトリアゾリルを含み;かつ
アシルが、-C(O)R
3c(式中、R
3cは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールを含む)を含む、
請求項1~52のいずれか1項記載の化合物又はリンカー-ペイロード。
【請求項54】
以下:
【化33】
からなる群から選択される、請求項51記載のリンカー-ペイロード。
【請求項55】
結合剤を請求項53記載のリンカー-ペイロードと接触させることを含む、抗体-薬物コンジュゲートを調製するための方法。
【請求項56】
以下からなる群から選択される化合物:
【化34】
(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。
【請求項57】
BAが、抗体又はその抗原結合断片である、請求項56記載の化合物。
【請求項58】
BAが、コンジュゲーションに使用される少なくとも1つのグルタミン残基を含むトランスグルタミナーゼ修飾抗体又はその抗原結合断片である、請求項56又は57記載の化合物。
【請求項59】
BAが、コンジュゲーションに使用される少なくとも2つのグルタミン残基を含むトランスグルタミナーゼ修飾抗体又はその抗原結合断片である、請求項56又は57記載の化合物。
【請求項60】
BAが、コンジュゲーションに使用される少なくとも4つのグルタミン残基を含むトランスグルタミナーゼ修飾抗体又はその抗原結合断片である、請求項56又は57記載の化合物。
【請求項61】
BAが、トランスグルタミナーゼ修飾抗体又はその抗原結合断片であり、コンジュゲーションが、2つのQ295残基でのものであり;かつkが、2である、請求項60記載の化合物。
【請求項62】
BAが、トランスグルタミナーゼ修飾抗体又はその抗原結合断片であり、コンジュゲーションが、2つのQ295残基及び2つのN297Q残基でのものであり;かつkが、4である、請求項60記載の化合物。
【請求項63】
以下:
【化35】
からなる群から選択される請求項1記載の化合物にコンジュゲートされた抗体又はその抗原結合断片を含む抗体-薬物コンジュゲート。
【請求項64】
BA又は前記抗体もしくはその抗原結合断片が、抗PRLR又は抗STEAP2である、請求項56~63のいずれか1項記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(分野)
本明細書で提供されるのは、新規のツブリシン及びそのタンパク質コンジュゲート、並びに該ツブリシン及びそのタンパク質コンジュゲートを投与することを含む種々の疾患、障害、及び病態を治療するための方法である。
【背景技術】
【0002】
(背景)
抗体-薬物コンジュゲート(ADC)が、がん治療レジメンにおいてますます応用されるようになっているが、新規に又は治療下で発現した耐性機構が、臨床的利益を損なう可能性がある。インビトロでの連続的なADC曝露下で生じる2つの耐性機構として、多剤耐性(MDR)を付与する輸送体の上方制御、及び同族抗原発現の喪失が挙げられる。これらの耐性機構を回避する新たな技術は、次世代ADCの有用性を拡張するのに役立つであろう。
【0003】
粘液細菌の培養液から初めて単離されたツブリシン類は、分裂細胞の細胞骨格を急速に崩壊させアポトーシスを誘導する極めて強力なチューブリン重合阻害剤の群である。ツブリシンは、N-メチル-D-ピペコリン酸(Mep)、L-イソロイシン(Ile)、及びツブバリン(tubuvaline)(Tuv)から構成され、これは、稀なN,O-アセタール及び二級アルコール又はアセトキシ基を含む。ツブリシンA、B、C、G、及びIは、C-末端ツブチロシン(tubutyrosine)(Tut)γ-アミノ酸を含み、ツブリシンD、E、F、及びHは、その代わりに、その位置にツブフェニルアラニン(tubuphenylalanine)(Tup)を有する(Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 43、4888-4892)。
【0004】
ツブリシンは、妥当性が確認された作用機序による薬物耐性細胞におけるその強力な活性のために有望な抗がんリード化合物として登場した。多剤耐性癌腫に対する活性を含む平均細胞増殖阻害活性は、周知のエポチロン、ビンブラスチン、及びタキソールのものを10倍~1000倍超上回っている(Biochem. J. 2006, 396, 235-242; Nat. Prod. Rep. 2015, 32, 654-662)。ツブリシンは、多剤耐性KB-V1子宮頸癌細胞を含むがん細胞に対して極めて強力な抗増殖活性を有する(Angew. Chem. Int. Ed. 2004, 43, 4888-4892;及びBiochemical Journal 2006, 396, 235-242)。
【発明の概要】
【0005】
(概要)
本明細書で提供されるのは、例えば、抗がん及び抗血管新生治療に有用な化合物である。
【0006】
一実施態様において、提供されるのは、式Iの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化1】
(式中、
R
1は、C
1-C
10アルキルであり;
R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキル、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキル、又は-(C
1-C
10アルキレン)-NR
3aR
3bであり、
ここで、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4及びR
5は、各場合に独立に、水素又はC
1-C
5アルキルであり;
R
6は、-OH又は-NHNH
2であり;
R
7は、各場合に独立に、水素、-OH、ハロゲン、又は-NR
7aR
7bであり、
ここで、R
7a及びR
7bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、及びアミノ酸残基であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
8は、各場合に独立に、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンであり、
ここで、R
9は、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルであり;かつ
mは、1又は2であり;
Qは、-CH
2-又は-O-であり、ここで、
Qが、-O-である場合には、R
2は、C
1-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、もしくはC
1-C
3ヒドロキシアルキルであり;又は
Qが、-CH
2-である場合には、R
2は、C
5-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、もしくはC
1-C
3ヒドロキシアルキルであり;かつ
Q
1は、-CH
2-又は-O-であり;
該ヘテロアリールは、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキル、カルボキシアルキル、ベンジル、もしくはフェニルで置換されており;
該アリールは、非置換であるか、又はニトロもしくはアミノで置換されており;かつ
nは、1~5の整数である)。
【0007】
一実施態様において、提供されるのは、式Iの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化2】
(式中、
R
1は、C
1-C
10アルキルであり;
R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキル、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキル、又は-(C
1-C
10アルキレン)-NR
3aR
3bであり、
ここで、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4及びR
5は、各場合に独立に、水素又はC
1-C
5アルキルであり;又はある実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、3~8員のシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、又は置換ヘテロシクロアルキルを形成し;
R
6は、-OH又は-NHNH
2であり;又は、ある実施態様において、R
6は、-NHSO
2R
60であり
ここで、R
60は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、又は置換ヘテロアリールであり;
R
7は、各場合に独立に、水素、-OH、ハロゲン、又は-NR
7aR
7bであり、
ここで、R
7a及びR
7bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
8は、各場合に独立に、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンであり、
ここで、R
9は、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルであり;かつ
mは、1又は2であり;
Qは、-CH
2-又は-O-であり、ここで、
Qが、-O-である場合には、R
2は、C
1-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、もしくはC
1-C
3ヒドロキシアルキルであり;又は
Qが、-CH
2-である場合には、R
2は、C
5-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、もしくはC
1-C
3ヒドロキシアルキルであり;かつ
Q
1は、-CH
2-又は-O-であり;
該ヘテロアリールは、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキル、カルボキシアルキル、ベンジル、もしくはフェニルで置換されており;
該アリールは、非置換であるか、又はニトロもしくはアミノで置換されており;かつ
nは、1~5の整数である)。
【0008】
別の実施態様において、提供されるのは、式A、式B、式C、もしくは式Dの化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化3】
(式中、
Lは、リンカーであり;
BAは、結合剤であり;
kは、1~30の整数であり;
R
1は、C
1-C
10アルキルであり;
R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキル、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキル、又は-(C
1-C
10アルキレン)-NR
3aR
3bであり、
ここで、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4及びR
5は、各場合に独立に、水素又はC
1-C
5アルキルであり;
R
6は、-OH、-O-、-NHNH
2、又は-NHNH-であり;
R
7は、各場合に独立に、水素、-OH、-O-、ハロゲン、又は-NR
7aR
7bであり、
ここで、R
7a及びR
7bは、各場合に独立に、結合、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、及びアミノ酸残基であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
8は、各場合に独立に、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンであり、
ここで、R
9は、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルであり;かつ
mは、1又は2であり;
Qは、-CH
2-又は-O-であり、ここで、
Qが、-O-である場合には、R
2は、C
1-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、位置異性体のC
1-C
10トリアゾリレン、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、もしくはC
1-C
10アルキルエーテルであり;又は
Qが、-CH
2-である場合には、R
2は、C
5-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、位置異性体のC
1-C
10トリアゾリレン、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、もしくはC
1-C
10アルキルエーテルであり;かつ
Q
1は、-CH
2-又は-O-であり;
該位置異性体のトリアゾリレンは、非置換であるか、又はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルで置換されており;
該ヘテロアリール又は位置異性体のヘテロアリーレンは、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、-アルキレン-NH-、ヒドロキシルアルキル、-アルキレン-O-、カルボキシアルキル、-アルキレン-COO-、ベンジル、もしくはフェニルで置換されており;
該アリールは、非置換であるか、又はニトロ、アミノ、もしくは-NH-で置換されており;かつ
nは、1~5の整数である)。
【0009】
別の実施態様において、提供されるのは、式A、式B、式C、又は式Dの化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化4】
(式中、
Lは、リンカーであり;
BAは、結合剤であり;
kは、1~30の整数であり;
R
1は、C
1-C
10アルキルであり;
R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキル、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキル、又は-(C
1-C
10アルキレン)-NR
3aR
3bであり、
ここで、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4及びR
5は、各場合に独立に、水素又はC
1-C
5アルキルであり;
R
6は、-OH、-O-、-NHNH
2、又は-NHNH-であり;又はある実施態様において、R
6は、-NHSO
2R
60であり、ここで、R
60は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、置換ヘテロアリールであるか、又は-L-に結合している場合には、二価の-アルキレン-、-アルケニレン-、-アルキニレン-、-シクロアルキレン-、-ヘテロシクロアルキレン-、-アリーレン-、-ヘテロアリーレン-、置換-アリーレン-、もしくは置換-ヘテロアリーレン-であり;
R
7は、各場合に独立に、水素、-OH、-O-、ハロゲン、又は-NR
7aR
7bであり、
ここで、R
7a及びR
7bは、各場合に独立に、結合、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており、又は-L-に結合している場合には、二価の-アルキレン-、-アルケニレン-、-アルキニレン-、-シクロアルキレン-、-アリーレン-、-ヘテロアリーレン-、又は-アシレン-であり、ここで、-アルキレン-、-アルケニレン-、-アルキニレン-、-シクロアルキレン-、-アリーレン-、-ヘテロアリーレン-、および-アシレン-は、任意に置換されており;
R
8は、各場合に独立に、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンであり、
ここで、R
9は、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルであり;かつ
mは、1又は2であり;
Qは、-CH
2-又は-O-であり、ここで、
Qが、-O-である場合には、R
2は、C
1-C
10アルキル、二価の-C
1-C
10アルキレン-、C
1-C
10アルキニル、二価の-C
1-C
10アルキニレン-、位置異性体のC
1-C
10アルキルトリアゾリル、位置異性体の二価の-C
1-C
10アルキルトリアゾリレン-、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の二価の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)-、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、二価の-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリーレン-、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、二価の-C
1-C
3ヒドロキシアルキレン-、C
1-C
10アルキルエーテル、もしくは二価の-C
1-C
10アルキルエーテル-であり;又は
Qが、-CH
2-である場合には、R
2は、C
5-C
10アルキル、二価の-C
5-C
10アルキレン-、C
1-C
10アルキニル、二価の-C
1-C
10アルキニレン-、位置異性体のC
1-C
10アルキルトリアゾリル、位置異性体の二価の-C
1-C
10アルキルトリアゾリレン-、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の二価の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)-、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、二価の-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリーレン-、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、二価の-C
1-C
3ヒドロキシアルキレン-、C
1-C
10アルキルエーテル、もしくは二価の-C
1-C
10アルキルエーテル-であり;かつ
Q
1は、-CH
2-又は-O-であり;
該位置異性体のトリアゾリレンは、非置換であるか、又はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルで置換されており;
該ヘテロアリール又は位置異性体のヘテロアリーレンは、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、-アルキレン-NH-、ヒドロキシルアルキル、-アルキレン-O-、カルボキシアルキル、-アルキレン-COO-、ベンジル、又はフェニルで置換されており;
該アリールは、非置換であるか、又はニトロ、アミノ、もしくは-NH-で置換されており;かつ
nは、1~5の整数である)。
【0010】
一実施態様において、提供されるのは、式LPa、式LPb、式LPc、もしくは式LPdのリンカー-ペイロード、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化5】
(式中、
Lは、リンカーであり;
R
1は、C
1-C
10アルキルであり;
R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキル、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキル、又は-(C
1-C
10アルキレン)-NR
3aR
3bであり、
ここで、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4及びR
5は、各場合に独立に、水素又はC
1-C
5アルキルであり;
R
6は、-OH、-O-、-NHNH
2、又は-NHNH-であり;
R
7は、各場合に独立に、水素、-OH、-O-、ハロゲン、又は-NR
7aR
7bであり、
ここで、R
7a及びR
7bは、各場合に独立に、結合、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、及びアミノ酸残基であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
8は、各場合に独立に、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンであり、
ここで、R
9は、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルであり;かつ
mは、1又は2であり;
Qは、-CH
2-又は-O-であり、ここで、
Qが、-O-である場合には、R
2は、C
1-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、位置異性体のC
1-C
10トリアゾリレン、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、もしくはC
1-C
10アルキルエーテルであり;又は
Qが、-CH
2-である場合には、R
2は、C
5-C
10アルキル、C
1-C
10アルキニル、位置異性体のC
1-C
10トリアゾリレン、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、又はC
1-C
10アルキルエーテルであり;かつ
Q
1は、-CH
2-又は-O-であり;
該位置異性体のトリアゾリレンは、非置換であるか、又はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルで置換されており;
該ヘテロアリール又は位置異性体のヘテロアリーレンは、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、-アルキレン-NH-、ヒドロキシルアルキル、-アルキレン-O-、カルボキシアルキル、-アルキレン-COO-、ベンジル、もしくはフェニルで置換されており;
該アリールは、非置換であるか、又はニトロ、アミノ、もしくは-NH-で置換されており;かつ
nは、1~5の整数である)。
【0011】
一実施態様において、提供されるのは、式LPa、式LPb、式LPc、もしくは式LPdのリンカー-ペイロード、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化6】
(式中、
Lは、リンカーであり;
R
1は、C
1-C
10アルキルであり;
R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキル、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキル、又は-(C
1-C
10アルキレン)-NR
3aR
3bであり、
ここで、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており;
R
4及びR
5は、各場合に独立に、水素又はC
1-C
5アルキルであり;
R
6は、-OH、-O-、-NHNH
2、又は-NHNH-であり;又はある実施態様において、R
6は、-NHSO
2R
60であり、ここで、R
60は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、置換ヘテロアリールであるか、又は-L-に結合している場合には、二価の-アルキレン-、-アルケニレン-、-アルキニレン-、-シクロアルキレン-、-ヘテロシクロアルキレン-、-アリーレン-、-ヘテロアリーレン-、置換-アリーレン-、もしくは置換-ヘテロアリーレン-であり;
R
7は、各場合に独立に、水素、-OH、-O-、ハロゲン、又は-NR
7aR
7bであり、
ここで、R
7a及びR
7bは、各場合に独立に、結合、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されており、又は-L-に結合している場合には、二価の-アルキレン-、-アルケニレン-、-アルキニレン-、-シクロアルキレン-、-アリーレン-、-ヘテロアリーレン-、もしくは-アシレン-であり、ここで、-アルキレン-、-アルケニレン-、-アルキニレン-、-シクロアルキレン-、-アリーレン-、-ヘテロアリーレン-、及び-アシレン-は、任意に置換されており;
R
8は、各場合に独立に、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンであり、
ここで、R
9は、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルであり;かつ
mは、1又は2であり;
Qは、-CH
2-又は-O-であり、ここで、
Qが、-O-である場合には、R
2は、C
1-C
10アルキル、二価の-C
1-C
10アルキレン-、C
1-C
10アルキニル、二価の-C
1-C
10アルキニレン-、位置異性体のC
1-C
10アルキルトリアゾリル、位置異性体の二価の-C
1-C
10アルキルトリアゾリレン-、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の二価の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)-、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、二価の-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリーレン-、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、二価の-C
1-C
3ヒドロキシアルキレン-、C
1-C
10アルキルエーテル、もしくは二価の-C
1-C
10アルキルエーテル-であり;又は
Qが、-CH
2-である場合には、R
2は、C
5-C
10アルキル、二価の-C
5-C
10アルキレン-、C
1-C
10アルキニル、二価の-C
1-C
10アルキニレン-、位置異性体のC
1-C
10アルキルトリアゾリル、位置異性体の二価の-C
1-C
10アルキルトリアゾリレン-、-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)、位置異性体の二価の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリーレン)-、-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリール、二価の-C
1-C
3アルキレン-Q
1-(CH
2)
nアリーレン-、C
1-C
3ヒドロキシアルキル、二価の-C
1-C
3ヒドロキシアルキレン-、C
1-C
10アルキルエーテル、もしくは二価の-C
1-C
10アルキルエーテル-であり;かつ
Q
1は、-CH
2-又は-O-であり;
該位置異性体のトリアゾリレンは、非置換であるか、又はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルで置換されており;
該ヘテロアリール又は位置異性体のヘテロアリーレンは、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、-アルキレン-NH-、ヒドロキシルアルキル、-アルキレン-O-、カルボキシアルキル、-アルキレン-COO-、ベンジル、もしくはフェニルで置換されており;
該アリールは、非置換であるか、又はニトロ、アミノ、もしくは-NH-で置換されており;かつ
nは、1~5の整数である)。
【0012】
別の実施態様において、本明細書で記載されるのは、抗体又はその抗原結合断片を含む抗体-薬物コンジュゲートであって、該抗体又はその抗原結合断片が、本明細書に記載されるような化合物にコンジュゲートされている、前記抗体-薬物コンジュゲートである。
【0013】
別の実施態様において、本明細書で記載されるのは、化合物、リンカー-ペイロード、又は抗体-薬物コンジュゲート、及び組成物を作るための方法である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
(図面の簡単な説明)
【
図1】
図1は、ツブリシン(tubulyisin)ペイロード、ツブリシンリンカー-ペイロード、及びそのタンパク質コンジュゲートの合成化学スキームを示す。
【
図2】
図2は、ツブリシン(tubulyisin)ペイロード、ツブリシンリンカー-ペイロード、及びそのタンパク質コンジュゲートの合成化学スキームを示す。
【
図3】
図3は、ツブリシン(tubulyisin)ペイロード、ツブリシンリンカー-ペイロード、及びそのタンパク質コンジュゲートの合成化学スキームを示す。
【
図4】
図4は、ツブリシン(tubulyisin)ペイロード、ツブリシンリンカー-ペイロード、及びそのタンパク質コンジュゲートの合成化学スキームを示す。
【
図5】
図5は、ツブリシン(tubulyisin)ペイロード、ツブリシンリンカー-ペイロード、及びそのタンパク質コンジュゲートの合成化学スキームを示す。
【
図6】
図6は、ツブリシン(tubulyisin)ペイロード、ツブリシンリンカー-ペイロード、及びそのタンパク質コンジュゲートの合成化学スキームを示す。
【
図7】
図7は、ツブリシン(tubulyisin)ペイロード、ツブリシンリンカー-ペイロード、及びそのタンパク質コンジュゲートの合成化学スキームを示す。
【
図8】
図8は、ツブリシン(tubulyisin)ペイロード、ツブリシンリンカー-ペイロード、及びそのタンパク質コンジュゲートの合成化学スキームを示す。
【
図9】
図9は、ツブリシン(tubulyisin)ペイロード、ツブリシンリンカー-ペイロード、及びそのタンパク質コンジュゲートの合成化学スキームを示す。
【
図10】
図10は、ツブリシン(tubulyisin)ペイロード、ツブリシンリンカー-ペイロード、及びそのタンパク質コンジュゲートの合成化学スキームを示す。
【
図11】
図11は、ツブリシン(tubulyisin)ペイロード、ツブリシンリンカー-ペイロード、及びそのタンパク質コンジュゲートの合成化学スキームを示す。
【
図12】
図12は、ツブリシン(tubulyisin)ペイロード、ツブリシンリンカー-ペイロード、及びそのタンパク質コンジュゲートの合成化学スキームを示す。
【
図13】
図13は、ツブリシン(tubulyisin)ペイロード、ツブリシンリンカー-ペイロード、及びそのタンパク質コンジュゲートの合成化学スキームを示す。
【
図14】
図14は、ツブリシン(tubulyisin)ペイロード、ツブリシンリンカー-ペイロード、及びそのタンパク質コンジュゲートの合成化学スキームを示す。
【0015】
【
図15】
図15は、抗STEAP2 Ab-LP3、抗STEAP2 Ab-LP4、対照Ab-LP3、及び対照Ab-LP4のサイズ排除クロマトグラフィーを示す。
【0016】
【
図16】
図16は、抗STEAP2ツブリシンADCが、CTG-2440前立腺がんPDXを有するNOGマウスに対して有意な抗腫瘍活性を示すことを示す。
【0017】
【
図17】
図17は、抗STEAP2ツブリシンADCが、CTG-2441前立腺がんPDXを有するNOGマウスに対して有意な抗腫瘍活性を示すことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(例示的な実施態様の説明)
本明細書で提供されるのは、化合物、組成物、及び対象において、例えば、がんを治療するのに有用な方法である。
【0019】
(定義)
本明細書で提供される化合物に言及する場合、以下の用語は、別途指示されない限り以下の意味を有する。別途定義されない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は全て、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に提供される用語について複数の定義がある場合には、別段の記載がない限り、これらの定義が優先される。
【0020】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、一価の飽和炭化水素ラジカル部位を指す。アルキルは、任意に置換されており、線状、分岐状、又は環状、すなわち、シクロアルキルであってもよい。アルキルとしては、1~20個の炭素原子を有するラジカル、すなわち、C1-20アルキル;1~12個の炭素原子を有するラジカル、すなわち、C1-12アルキル;1~8個の炭素原子を有するラジカル、すなわち、C1-8アルキル;1~6個の炭素原子を有するラジカル、すなわち、C1-6アルキル;及び1~3個の炭素原子を有するラジカル、すなわち、C1-3アルキルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル部位の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、i-ブチル、ペンチル部位、ヘキシル部位、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。ペンチル部位としては、n-ペンチル及びi-ペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘキシル部位としては、n-ヘキシルが挙げられるが、これに限定されない。
【0021】
本明細書で使用される場合、「アルキレン」は、二価アルキル基を指す。別途指定されない限り、アルキレンは、1~20個の炭素原子を含むが、これらに限定されない。アルキレン基は、アルキルについて本明細書に記載されているのと同様に任意に置換されている。いくつかの実施態様において、アルキレンは、置換されていない。
【0022】
その立体化学を特定しないアミノ酸又はアミノ酸残基の表記は、L型の該アミノ酸、D型の該アミノ酸、又はそのラセミ混合物を包含することが意図される。
【0023】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」は、上で定義されているようなアルキルであって、該アルキルが、ハロゲン、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、又はヨウ素(I)から選択される少なくとも1つの置換基を含む、前記アルキルを指す。ハロアルキルの例としては、-CF3、-CH2CF3、-CCl2F、及び-CCl3が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、少なくとも2つの炭素原子及び1つ以上の非芳香族炭素-炭素二重結合を含有する一価炭化水素ラジカル部位を指す。アルケニルは、任意に置換されており、線状、分岐状、又は環状とすることができる。アルケニルとしては、2~20個の炭素原子を有するラジカル、すなわち、C2-20アルケニル;2~12個の炭素原子を有するラジカル、すなわち、C2-12アルケニル;2~8個の炭素原子を有するラジカル、すなわち、C2-8アルケニル;2~6個の炭素原子を有するラジカル、すなわち、C2-6アルケニル;及び2~4個の炭素原子を有するラジカル、すなわち、C2-4アルケニルが挙げられるが、これらに限定されない。アルケニル部位の例としては、ビニル、プロペニル、ブテニル、及びシクロヘキセニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」は、少なくとも2つの炭素原子及び1つ以上の炭素-炭素三重結合を含有する一価炭化水素ラジカル部位を指す。アルキニルは、任意に置換されており、線状、分岐状、又は環状とすることができる。アルキニルとしては、2~20個の炭素原子を有するラジカル、すなわち、C2-20アルキニル;2~12個の炭素原子を有するラジカル、すなわち、C2-12アルキニル;2~8個の炭素原子を有するラジカル、すなわち、C2-8アルキニル;2~6個の炭素原子を有するラジカル、すなわち、C2-6アルキニル;及び2~4個の炭素原子を有するラジカル、すなわち、C2-4アルキニルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキニル部位の例としては、エチニル、プロピニル、及びブチニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」は、一価の飽和炭化水素ラジカル部位を指し、ここで、該炭化水素は酸素原子への単結合を含み、かつ該ラジカルは酸素原子上に位置し、例えば、エトキシの場合、CH3CH2-O・である。アルコキシ置換基は、それが置換する化合物に該アルコキシ置換基のこの酸素原子を介して結合する。アルコキシは、任意に置換されており、線状、分岐状、又は環状、すなわち、シクロアルコキシとすることができる。アルコキシとしては、1~20個の炭素原子を有するもの、すなわち、C1-20アルコキシ;1~12個の炭素原子を有するもの、すなわち、C1-12アルコキシ;1~8個の炭素原子を有するもの、すなわち、C1-8アルコキシ;1~6個の炭素原子を有するもの、すなわち、C1-6アルコキシ;及び1~3個の炭素原子を有するもの、すなわち、C1-3アルコキシが挙げられるが、これらに限定されない。アルコキシ部位の例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、i-ブトキシ、ペントキシ部位、ヘキソキシ部位、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、及びシクロヘキソキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ」は、上で定義されているようなアルコキシであって、該アルコキシが、ハロゲン、例えば、F、Cl、Br、又はIから選択される少なくとも1つの置換基を含む、前記アルコキシを指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、環原子が炭素原子である芳香族化合物のラジカルである一価の部位を指す。アリールは、任意に置換されており、単環式又は多環式、例えば、二環式もしくは三環式とすることができる。アリール部位の例としては、6~20個の環炭素原子を有するもの、すなわち、C6-20アリール;6~15個の環炭素原子を有するもの、すなわち、C6-15アリール、及び6~10個の環炭素原子を有するもの、すなわち、C6-10アリールが挙げられるが、これらに限定されない。アリール部位の例としては、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、及びピレニルが挙げられるが、これらに限定される。
【0029】
本明細書で使用される場合、「アリールアルキル」は、アルキル化合物のラジカルである一価の部位を指し、ここで、該アルキル化合物は芳香族置換基で置換されており、すなわち、該芳香族化合物は、アルキル基への単結合を含み、かつ該ラジカルは該アルキル基上に位置する。アリールアルキル基は、アルキル基を介して、例示される化学構造に結合する。アリールアルキルは、構造、例えば、
【化7】
(式中、Bは、芳香族部位、例えば、アリール又はフェニルである)によって表すことができる。アリールアルキルは任意に置換されており、すなわち、アリール基及び/又はアルキル基は、本明細書に開示されているように置換され得る。アリールアルキルの例としては、ベンジルが挙げられるが、これに限定されない。
【0030】
本明細書で使用される場合、「アルキルアリール」は、アリール化合物のラジカルである一価の部位を指し、ここで、該アリール化合物はアルキル置換基で置換されており、すなわち、該アリール化合物はアルキル基への単結合を含み、かつ該ラジカルは該アリール基上に位置する。アルキルアリール基は、アリール基を介して、例示される化学構造に結合する。アルキルアリールは、構造、例えば、
【化8】
(式中、Bは、芳香族部位、例えば、フェニルである)によって表すことができる。アルキルアリールは任意に置換されており、すなわち、アリール基及び/又はアルキル基は、本明細書に開示されているように置換され得る。アルキルアリールの例としては、トルイルが挙げられるが、これに限定されない。
【0031】
本明細書で使用される場合、「アリールオキシ」は、環原子が炭素原子であり、かつ該環が酸素ラジカルで置換されている芳香族化合物のラジカルである一価の部位を指す、すなわち、該芳香族化合物は酸素原子への単結合を含み、かつ該ラジカルは該酸素原子上に位置し、例えば、フェノキシの場合、
【化9】
である。アリールオキシ置換基は、それが置換する化合物に、この酸素原子を介して結合する。アリールオキシは、任意に置換されている。アリールオキシとしては、6~20個の環炭素原子を有するラジカル、すなわち、C
6-20アリールオキシ;6~15個の環炭素原子を有するもの、すなわち、C
6-15アリールオキシ、及び6~10個の環炭素原子を有するもの、すなわち、C
6-10アリールオキシが挙げられるが、これらに限定されない。アリールオキシ部位の例としては、フェノキシ、ナフトキシ、及びアントロキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書で使用される場合、「アリーレン」は、環原子が炭素原子のみである芳香族化合物の二価の部位を指す。アリーレンは、任意に置換されており、単環式又は多環式、例えば、二環式もしくは三環式とすることができる。アリーレン部位の例としては、6~20個の環炭素原子を有するもの、すなわち、C6-20アリーレン;6~15個の環炭素原子を有するもの、すなわち、C6-15アリーレン、及び6~10個の環炭素原子を有するもの、すなわち、C6-10アリーレンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル」は、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子によって置換されているアルキルを指す。本明細書で使用される場合、「ヘテロアルケニル」は、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子によって置換されているアルケニルを指す。本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキニル」は、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子によって置換されているアルキニルを指す。好適なヘテロ原子としては、窒素、酸素、及び硫黄原子が挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、及びヘテロアルキニルは、任意に置換されている。ヘテロアルキル部位の例としては、アミノアルキル、スルホニルアルキル、及びスルフィニルアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアルキル部位の例としては、メチルアミノ、メチルスルホニル、及びメチルスルフィニルも挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、環原子が炭素原子及び少なくとも1つの酸素、硫黄、窒素、又はリン原子を含有する芳香族化合物のラジカルである一価の部位を指す。ヘテロアリール部位の例としては、5~20個の環原子;5~15個の環原子;及び5~10個の環原子を有するものが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリールは、任意に置換されている。
【0035】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリーレン」は、芳香環の1つ以上の環原子が酸素、硫黄、窒素、又はリン原子と置換されている二価のヘテロアリールを指す。ヘテロアリーレンは、任意に置換されている。
【0036】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」は、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子によって置換されているシクロアルキルを指す。好適なヘテロ原子としては、窒素、酸素、及び硫黄原子が挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキルは、任意に置換されている。ヘテロシクロアルキル部位の例としては、モルホリニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、オキサニル、又はチアニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
本明細書で使用される場合、「Lewis酸」は、孤立電子対を受け入れる分子又はイオンを指す。本明細書に記載される方法で用いられるLewis酸は、プロトン以外のものである。Lewis酸としては、非金属酸、金属酸、硬いLewis酸、及び軟らかいLewis酸が挙げられるが、これらに限定されない。Lewis酸としては、アルミニウム、ホウ素、鉄、スズ、チタン、マグネシウム、銅、アンチモン、リン、銀、イッテルビウム、スカンジウム、ニッケル、及び亜鉛のLewis酸が挙げられるが、これらに限定されない。例示的なLewis酸としては、AlBr3、AlCl3、BCl3、三塩化ホウ素メチルスルフィド、BF3、三フッ化ホウ素メチルエーテラート、三フッ化ホウ素メチルスルフィド、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン、ジシクロヘキシルホウ素トリフルオロメタンスルホネート、臭化鉄(III)、塩化鉄(III)、塩化スズ(IV)、塩化チタン(IV)、チタン(IV)イソプロポキシド、Cu(OTf)2、CuCl2、CuBr2、塩化亜鉛、ハロゲン化アルキルアルミニウム(RnAlX3-n(式中、Rは、ヒドロカルビルである))、Zn(OTf)2、ZnCl2、Yb(OTf)3、Sc(OTf)3、MgBr2、NiCl2、Sn(OTf)2、Ni(OTf)2、及びMg(OTf)2が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書で使用される場合、「含Nヘテロシクロアルキル」は、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子によって置換されており、かつ少なくとも1つの置換ヘテロ原子が窒素原子であるシクロアルキルを指す。窒素の他に好適なヘテロ原子としては、酸素及び硫黄原子が挙げられるが、これらに限定されない。含Nヘテロシクロアルキルは、任意に置換されている。含Nヘテロシクロアルキル部位の例としては、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、又はチアゾリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
本明細書で使用される場合、ラジカル部位を説明するのに用いられる「任意に置換された」、例えば、任意に置換されたアルキルは、そのような部位が、1つ以上の置換基に任意に結合していることを意味する。そのような置換基の例としては、ハロ、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、任意に置換されたハロアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アジド、エポキシ、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、
【化10】
(式中、R
A、R
B、及びR
Cは、出現する毎に独立に、水素原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクロアルキルであるか、又はR
A及びR
Bは、それらが結合している原子と一緒に、飽和もしくは不飽和の炭素環を形成し、ここで、該環は、任意に置換されており、かつ1つ以上の環原子が、ヘテロ原子で任意に置換されている)が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、ラジカル部位が、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、又は任意に置換された飽和もしくは不飽和の炭素環で任意に置換されている場合、該任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、又は任意に置換された飽和もしくは不飽和の炭素環上の置換基は、それらが置換されている場合、さらなる置換基でさらに任意に置換されている置換基で置換されていることはない。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される基が任意に置換されている場合、該基に結合している置換基は、別途規定されない限り、非置換のものである。
【0040】
本明細書で使用される場合、「結合剤」は、所与の結合パートナー、例えば、抗原と特異性を伴って結合することができる任意の分子、例えば、タンパク質、抗体、又はその断片を指す。
【0041】
本明細書で使用される場合、「リンカー」は、結合剤を、本明細書に記載される1つ以上の化合物に、例えば、ペイロード化合物及び強化剤に共有結合によって連結させるか、又は(例えば、反応性基を介して)共有結合によって連結させることができる二価、三価、又は多価の部位を指す。
【0042】
本明細書で使用される場合、「アミド合成条件」は、例えば、カルボン酸、活性化カルボン酸、又はアシルハライドとアミンとの反応によって、アミドの形成を達成するために好適な反応条件を指す。いくつかの例において、アミド合成条件は、カルボン酸とアミンとの間のアミド結合の形成を達成するために好適な反応条件を指す。これらの例のいくつかにおいて、カルボン酸は、まず、活性化カルボン酸に変換され、その後、該活性化カルボン酸がアミンと反応して、アミドを形成する。アミドの形成を達成するための好適な条件としては、限定されないが、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、(7-アザベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyAOP)、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBrOP)、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム 3-オキシド ヘキサフルオロホスフェート(HATU)、N-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン(EEDQ)、N-エチル-N′-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリジニウム ヘキサフルオロホスフェート(CIP)、2-クロロ-4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン(CDMT)、及びカルボニルジイミダゾール(CDI)を含む、カルボン酸とアミンとの反応を達成するための試薬を利用するものが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの例において、カルボン酸を、まず、活性化カルボン酸エステルに変換し、その後、該活性化カルボン酸エステルをアミンで処理して、アミド結合を形成させる。ある実施態様において、カルボン酸は、試薬で処理される。試薬は、カルボン酸を脱プロトン化し、その後、脱プロトン化されたカルボン酸によるプロトン化された試薬への求核攻撃の結果として、該脱プロトン化されたカルボン酸との生成物複合体を形成させることにより、カルボン酸を活性化する。その後、特定のカルボン酸の活性化カルボン酸エステルは、カルボン酸が活性化される前よりも、アミンによる求核攻撃に対して感受性が高い。この結果として、アミド結合形成が生じる。したがって、カルボン酸は、活性化されたと記載される。例示的な試薬としては、DCC及びDICが挙げられる。
【0043】
本明細書で使用される場合、「位置異性体(単数)」、「位置異性体(複数)」、又は「位置異性体の混合物」は、適当なアルキンで処理された適当なアジド(例えば、-N
3、又はPEG-N
3誘導体化抗体)から誘導される1,3-環化付加又は歪み促進アルキン-アジド環化付加(SPAAC)-別名、クリック反応として知られる-の生成物を指す。ある実施態様において、例えば、位置異性体及び位置異性体の混合物は、下に示されるクリック反応生成物によって特徴付けられる:
【化11】
ある実施態様において、2種以上の適当なアジド及び2種以上の適当なアルキンを、アジド-アルキンの各ペアが、1つ以上の独立のクリック反応に関与して位置異性体のクリック反応生成物の混合物を生じさせることができる生成物への途中の合成スキーム内で利用することができる。例えば、当業者は、生成物への途中で第1の適当なアジドが独立に、第1の適当なアルキンと反応し得、かつ第2の適当なアジドが独立に、第2の適当なアルキンと反応し得、4種の可能なクリック反応位置異性体、又は該4種の可能なクリック反応位置異性体の混合物の生成をもたらすことを認識しているであろう。
【0044】
本明細書で使用される場合、「残基」という用語は、化学反応の後に残る化合物内の化学的部位を指す。例えば、「アミノ酸残基」又は「N-アルキルアミノ酸残基」という用語は、アミノ酸又はN-アルキルアミノ酸の適当なカップリングパートナーに対するアミドカップリング又はペプチドカップリングの生成物を指し;ここで、該アミノ酸又はN-アルキルアミノ酸アミドのペプチドカップリングの後に、例えば、水分子が排出されて、該アミノ酸残基又はN-アルキルアミノ酸残基がその中に組み込まれた生成物をもたらす。「アミノ酸」という用語は、天然及び合成のα、β、γ、又はδアミノ酸を指し、タンパク質中にみられるアミノ酸、すなわち、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、及びヒスチジンを含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、アミノ酸は、L-立体配置のものである。あるいは、アミノ酸は、アラニル、バリニル、ロイシニル、イソロイシニル、プロリニル、フェニルアラニニル、トリプトファニル、メチオニニル、グリシニル、セリニル、トレオニニル、システイニル、チロシニル、アスパラギニル、グルタミニル、アスパルトイル、グルタロイル、リシニル、アルギニニル、ヒスチジニル、β-アラニル、β-バリニル、β-ロイシニル、β-イソロイシニル、β-プロリニル、β-フェニルアラニニル、β-トリプトファニル、β-メチオニニル、β-グリシニル、β-セリニル、β-トレオニニル、β-システイニル、β-チロシニル、β-アスパラギニル、β-グルタミニル、β-アスパルトイル、β-グルタロイル、β-リシニル、β-アルギニニル、又はβ-ヒスチジニルの誘導体とすることもできる。「アミノ酸誘導体」という用語は、本明細書に記載され例示さるような天然又は非天然のアミノ酸から誘導できる基を指す。アミノ酸誘導体は、当業者にとって明らかであり、天然及び非天然アミノ酸のエステル、アミノアルコール、アミノアルデヒド、アミノラクトン、及びN-メチル誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、アミノ酸残基は、
【化12】
である
(式中、S
cは、天然もしくは非天然のアミノ酸の側鎖、又は結合(例えば、グリシンの場合の水素;セリンの場合の-CH
2OH;システインの場合の-CH
2SH;リジンの場合の-CH
2CH
2CH
2CH
2NH
2;グルタミン酸の場合の-CH
2CH
2COOH;グルタミンの場合の-CH
2CH
2C(O)NH
2;又はチロシンの場合の-CH
2C
6H
5OH;など)であり;かつ
【化13】
は、別の化学的存在物への結合を表す。ある実施態様において、S
cは、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、及びヘテロアリールアルキルからなる群から選択される。
【0045】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」は、疾患又は障害の治療又は管理において患者に治療的利益を提供するのに十分であるか、該疾患又は障害と関連する1種以上の症状を遅延させるもしくは最小化するのに十分である量(例えば、化合物のもの)を指す。
【0046】
本明細書で使用される場合、「構造異性体」は、同じ分子式を有するが、原子の配列のされ方に起因する異なる化学構造を有する化合物を指す。例示的な構造異性体としては、n-プロピル及びイソプロピル;n-ブチル、sec-ブチル、及びtert-ブチル;並びにn-ペンチル、イソペンチル、及びネオペンチルなどが挙げられる。
【0047】
特定の基、部位、置換基、及び原子を、結合(単数又は複数)と交差する波線を用いて描き、それを介して該基、部位、置換基、原子が結合する原子を示す。例えば:
【化14】
として描かれるプロピル基で置換されたフェニル基は、以下の構造を有する:
【化15】
。本明細書で使用される場合、環原子の間の結合を介して環状基(例えば、芳香族、ヘテロ芳香族、縮合環、及び飽和又は不飽和のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル)に結合した置換基を示す図は、別途指定されない限り、本明細書で記載される技術又は本開示が関連する分野で公知の技術に従い、該環状基が、該環状基内の又は該縮合環基内の任意の環の上の任意の環位置においてその置換基で置換され得ることを示すことを意味する。例えば、以下の基
【化16】
(式中、下付き文字qは、0~4の整数であり、置換基R
1の位置は、一般的に記載されており、すなわち、結合線構造のいずれかの頂点、すなわち、特定の環炭素原子に直接結合させていない)は、該置換基R
1が特定の環炭素原子に結合している以下の非限定的な基の例を含む:
【化17】
。
【0048】
本明細書で使用される場合、「反応性リンカー」という句又は「RL」という略語は、例えば、
【化18】
(式中、RGは、反応性基であり、かつSPは、スペーサー基である)
として図示される反応性基(「RG」)及びスペーサー基(「SP」)を含む一価の基を指す。本明細書に記載される反応性リンカーは、2つ以上の反応性基及び2つ以上のスペーサー基を含み得る。スペーサー基は、前記反応性基をペイロードなどの別の基へと架橋する任意の二価の部位である。反応性リンカー(RL)は、それが結合しているペイロードと共に、本明細書に記載される抗体コンジュゲートの調製のための合成前駆体として有用な中間体(「リンカー-ペイロード」又はLP)を提供する。反応性リンカーは、別の基、例えば、抗体、修飾抗体、もしくはその抗原結合断片、又は強化基の反応性部分と反応することができる官能基又は官能部位である反応性基を含む。抗体、修飾抗体、又はその抗原結合断片と反応性基の反応の結果生ずる部位は、連結基と共に、本明細書に記載されるコンジュゲートの「結合剤リンカー」(「BL」)部分を含む。ある実施態様において、「反応性基」は、抗体又はその抗原結合断片のシステイン又はリジン残基と反応する官能基又は官能部位(例えば、マレイミド又はN-ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)エステル)である。ある実施態様において、「反応性基」は、クリックケミストリー反応を受けることができる官能基又は官能部位である(例えば、クリックケミストリー(click chemistry)、Huisgenの文献Proc. Chem. Soc. 1961、Wangらの文献J. Am. Chem. Soc. 2003、及びAgardらの文献J. Am. Chem. Soc. 2004を参照されたい)。該クリックケミストリー反応のいくつかの実施態様において、反応性基は、アジドとの1,3-環化付加反応を受けることができるアルキンである。そのような適当な反応性基としては、歪アルキン、例えば、歪み促進アルキン-アジド環化付加(SPAAC)に適したもの、シクロアルキン、例えば、シクロオクチン、芳香環化アルキン(benzannulated alkyne)、及び銅触媒の非存在下でアルキンと1,3-環化付加反応することができるアルキンが挙げられるが、これに限定されない。適当なアルキンとしては、ジベンゾアザシクロオクチン又は
【化19】
ジベンゾシクロオクチン又は
【化20】
ビアリールアザシクロオクチノン又は
【化21】
二フッ素化シクロオクチン又は
【化22】
置換されたアルキン、例えば、フッ素化アルキン、アザ-シクロアルキン、ビサイクル[6.1.0]ノニン(bicycle[6.1.0]nonyne)又は
【化23】
(BCN(式中、Rは、アルキル、アルコキシ、又はアシルである)、及びそれらの誘導体も挙げられるが、これらに限定されない。特に有用なアルキンとしては、
【化24】
が挙げられる。このような反応性基を含むリンカー-ペイロードは、アジド基で官能化させた抗体を複合化させるのに有用である。そのような官能化抗体としては、アジド-ポリエチレングリコール基で官能化された抗体が挙げられる。ある実施態様において、そのような官能化抗体は、酵素トランスグルタミナーゼの存在下で少なくとも1つのグルタミン残基、例えば、重鎖Gln295を有する抗体を、アミノ基及びアジド基を有する化合物で処理することによって誘導される。
【0049】
いくつかの例において、反応性基は、アルキン、例えば、
【化25】
であり、これは、クリックケミストリーによってアジド、例えば、
【化26】
と反応して、クリックケミストリー生成物、例えば、
【化27】
を形成することができる。いくつかの例において、該基は、修飾抗体又はその抗原結合断片上のアジドと反応する。いくつかの例において、反応性基は、アルキン、例えば、
【化28】
であり、これは、クリックケミストリーによってアジド、例えば、
【化29】
と反応して、クリックケミストリー生成物、例えば、
【化30】
を形成することができる。いくつかの例において、反応性基は、アルキン、例えば、
【化31】
であり、これは、クリックケミストリーによってアジド、例えば、
【化32】
と反応して、クリックケミストリー生成物、例えば、
【化33】
を形成することができる。いくつかの例において、反応性基は、官能基、例えば、
【化34】
であり、これは、抗体又はその抗原結合断片上のシステイン残基と反応して、それへの炭素-硫黄結合、例えば、
【化35】
(式中、Abは、抗体又はその抗原結合断片を示し、Sは、それを介して官能基が、Abに結合するシステイン残基上のS原子を示す)
を形成する。いくつかの例において、反応性基は、官能基、例えば、
【化36】
であり、これは、抗体又はその抗原結合断片上のリジン残基と反応して、それへのアミド結合、例えば、
【化37】
(式中、Abは、抗体又はその抗原結合断片を示し、NHは、それを介して官能基がAbに結合するリジン側鎖残基上のNH原子を示す)
を形成する。
【0050】
本明細書で使用される場合、「生分解性部位」という句は、インビボで分解して、通常の生物学的プロセスによって体から取り除かれることができる無毒性の生体適合性成分となる部位を指す。いくつかの実施態様において、生分解性部位は、約90日以下、約60日以下、又は約30日以下の間にインビボで完全に又は実質的に分解し、ここで、分解の程度は、該生分解性部位のパーセント質量減少に基づくものであり、かつ完全な分解は、100%質量減少に対応する。例示的な生分解性部位としては、限定するものではないが、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸塩)(PHB)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、及びそのグリコール酸との共重合体(すなわち、ポリ(D,L-ラクチド-コグリコリド)(PLGA)などの脂肪族ポリエステルが挙げられる(Vert M, Schwach G, Engel R及びCoudane Jの文献、(1998) J Control Release 53(1-3):85-92; Jain R Aの文献、(2000) Biomaterials 21(23):2475-2490; Uhrich K E, Cannizzaro S M, Langer R S及びShakesheff K Mの文献、(1999) Chemical Reviews 99(11):3181-3198;及びPark T Gの文献、(1995) Biomaterials 16(15):1123-1130(それぞれの文献は、その全体が引用により本明細書に組み込まれている))。
【0051】
本明細書で使用される場合、「結合剤リンカー」という句又は「BL」は、結合剤(例えば、抗体又はその抗原結合断片)を本明細書で記載されるペイロード化合物(例えば、ツブリシン)及び、任意に、1種以上の側鎖化合物と連結、接続、又は結合させる任意の二価、三価、もしくは多価の基又は部位を指す。一般に、本明細書に記載される抗体コンジュゲートに好適な結合剤リンカーは、該抗体コンジュゲートの循環半減期を活用するのに十分に安定であり、同時に、該コンジュゲートの抗原を介する内部移行(antigen-mediated internalization)の後にそれのペイロードを放出することができるものである。リンカーは、切断可能なものあっても切断不可能なものであってもよい。切断可能なリンカーは、内部移行の後の細胞内代謝、例えば、加水分解、還元、又は酵素反応による切断によって切断されるリンカーである。切断不可能なリンカーは、内部移行の後に抗体のリソソーム分解によって、取り付けられたペイロードを放出するリンカーである。好適なリンカーとしては、酸に不安定なリンカー、加水分解的に不安定なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、還元に不安定なリンカー、自壊性リンカー、及び切断不可能なリンカーが挙げられるが、これらに限定されない。好適なリンカーとしては、ペプチド、グルクロニド、コハク酸イミド-チオエーテル、ポリエチレングリコール(PEG)単位、ヒドラゾン、マル-カプロイル単位(mal-caproyl unit)、ジペプチド単位、バリン-シトルリン単位、及びpara-アミノベンジルオキシカルボニル(PABC)、para-アミノベンジル(PAB)単位であるかそれらを含むものも挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、結合剤リンカー(BL)は、反応性リンカー(RL)の反応性基(RG)と結合剤、例えば、抗体、修飾抗体、又はその抗原結合断片の反応性部分との反応によって形成される部位を含む。
【0052】
いくつかの例において、BLは、以下の部位:
【化38】
(式中、
【化39】
は、結合剤への結合である)を含む。いくつかの例において、BLは、以下の部位:
【化40】
(式中、
【化41】
は、結合剤への結合である)を含む。いくつかの例において、BLは、以下の部位:
【化42】
(式中、
【化43】
は、結合剤への結合である)を含む。いくつかの例において、BLは、以下の部位:
【化44】
(式中、
【化45】
は、抗体又はその抗原結合断片のシステインへの結合である)を含む。いくつかの例において、BLは、以下の部位:
【化46】
(式中、
【化47】
は、抗体又はその抗原結合断片のリジンへの結合である)を含む。
【0053】
ポリペプチドに適用される場合、「実質的な類似性」又は「実質的に類似の」という句は、例えば、プログラムGAP又はBESTFITなどによってデフォルトのギャップウエイトを用いて最適にアラインメントされた場合に、少なくとも95%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも98%又は99%の配列同一性を共有する2つのペプチド配列を意味する。また、配列類似性は、Altschulらの文献 J. Mol. Biol. 215: 403-10(公表されているデフォルトの設定を用いる)に記載されている又はblast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgiで入手可能なBLASTアルゴリズムを用いて決定されてもよい。好ましくは、同一ではない残基位置は、保存的アミノ酸置換の分だけ異なる。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似の化学的性質(例えば、電荷又は疎水性)を有する側鎖(R基)を有する別のアミノ酸残基によって置換されるものである。一般に、保存的アミノ酸置換は、タンパク質の機能的性質を実質的に変化させない。2つ以上のアミノ酸配列が、保存的な置換によって互いに異なる場合は、パーセント配列同一性又は類似性の度合いを、該置換の保存的な性質について補正するために上方調整されてもよい。この調整を行うための方法は、当業者によく知られている。例えば、Pearsonの文献、(1994) Methods Mol. Biol. 24: 307-331を参照されたい。類似の化学的性質を持つ側鎖を有するアミノ酸の基の例としては、(1)脂肪族側鎖:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシン;(2)脂肪族-ヒドロキシル側鎖:セリン及びスレオニン;(3)含アミド側鎖:アスパラギン及びグルタミン;(4)芳香族側鎖:フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファン;(5)塩基性側鎖:リジン、アルギニン、及びヒスチジン;(6)酸性側鎖:アスパラギン酸及びグルタミン酸;並びに(7)含硫側鎖:システイン及びメチオニンが挙げられる。好ましい保存的アミノ酸置換基は:バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リジン-アルギニン、アラニン-バリン、グルタミン酸-アスパラギン酸、及びアスパラギン-グルタミンである。あるいは、保存的な置き換えは、Gonnetらの文献、(1992) Science 256: 1443-1445に開示されているPAM250ログ尤度マトリックス(PAM250 log-likelihood matrix)で正の値を有する任意の変化である。「中程度に保存的な」置き換えは、PAM250ログ尤度マトリックスにおいて負ではない値を有する任意の変化である。
【0054】
(化合物又はペイロード-Qが炭素)
本明細書で提供されるのは、化合物又はペイロードである。いかなる特定の作用理論にも縛られないが、化合物は、ツブリシン又はツブリシン誘導体を含む。ある実施態様において、化合物を、コンジュゲートの一部として細胞に送達することができる。ある実施態様において、化合物は、標的、例えば、標的細胞において又はその中でツブリシン又はツブリシン誘導体の任意の活性を発揮することができる。ある特定の化合物は、1つ以上の追加の活性を有することができる。ある実施態様において、化合物は、葉酸受容体、ソマトスタチン受容体、及び/又はボンベシン受容体の活性を調節することができる。
【0055】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式Iの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化48】
(式中、Qは、-CH
2-であり;R
2は、C
5-C
10アルキルであり;R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;R
4は、水素であり;R
5は、C
1-C
5アルキルであり;かつR
7は、ハロゲンである)。式Iにおいて、ある実施態様では、有用なR
1基としては、メチル及びエチルが挙げられる。ある実施態様において、有用なR
1基として、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、及びそれらの構造異性体が挙げられる。一実施態様において、R
1は、メチルである。一実施態様において、R
1は、エチルである。一実施態様において、R
1は、プロピル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ブチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ペンチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ヘキシル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ヘプチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、オクチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ノニル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、デシル及びその構造異性体である。式Iにおいて、上述のある実施態様においては、有用なR
2基として、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、及びn-デシルが挙げられる。一実施態様において、R
2は、n-ペンチル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-ヘキシル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-ヘプチル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-オクチル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-ノニル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-デシル、又はその構造異性体である。一実施態様において、Q-R
2は、n-ヘキシルである。上記式Iのある実施態様において、有用なR
3基としては、-C(O)Me、-C(O)Et、-C(O)プロピル、-C(O)ブチル、及び-C(O)ペンチルが挙げられる。一実施態様において、R
3は、-C(O)Meである。別の実施態様において、R
3は、-C(O)Etである。別の実施態様において、R
3は、-C(O)プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
3は、-C(O)ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
3は、-C(O)ペンチル及びその構造異性体である。上記式Iのある実施態様において、有用なR
5基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチルが挙げられる。一実施態様において、R
5は、メチルである。別の実施態様において、R
5は、エチルである。別の実施態様において、R
5は、プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
5は、ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
5は、ペンチル及びその構造異性体である。上記式Iのある実施態様において、R
6は、-OH又は-NHNH
2を含む。一実施態様において、R
6は、-OHである。別の実施態様において、R
6は、-NHNH
2である。式Iにおいて、上述のある実施態様においては、各R
7は、独立に、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。一実施態様において、R
7は、フッ素である。別の実施態様において、R
7は、塩素である。別の実施態様において、R
7は、臭素である。別の実施態様において、R
7は、ヨウ素である。式Iにおいて、上述のある実施態様においては、R
8は、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンを含む。上記式Iのある実施態様において、R
9は、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルである。上記式Iのある実施態様において、mは、1又は2である。一実施態様において、R
8は、水素である。一実施態様において、R
8は、重水素である。ある実施態様において、R
8は、独立に、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。一実施態様において、R
8は、フッ素である。別の実施態様において、R
8は、塩素である。別の実施態様において、R
8は、臭素である。別の実施態様において、R
8は、ヨウ素である。一実施態様において、-NHR
9は、-NH
2である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHMe、-NHEt、-NHCH
2CH
2CH
3、-NHCH
2CH
2CH
2CH
3、及び-NHCH
2CH
2CH
2CH
2CH
3を含む。一実施態様において、-NHR
9は、-NHMeである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHEtである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHCH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHCH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHCH
2CH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)Me、-NHC(O)Et、-NHC(O)CH
2CH
2CH
3、-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、及び-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3を含む。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)Meである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)Etである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、mは、1である。一実施態様において、mは、2である。
【0056】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式IIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化49】
。ある実施態様において、R
2、R
3、R
6、及びR
7は、前パラグラフに記載した通りである。
【0057】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、Qが、-CH2-であり;R2が、C5-C10アルキルであり;R3が、-C(O)C1-C5アルキルであり;R4及びR5が、メチルであり;R7が、-OH、ハロゲン、又は-NH2であり;R8が、各出現において独立に、水素、重水素、-NHR9(式中、R9は、水素又は-C1-C5アルキルである)、又はハロゲンであり;かつmが、1又は2である、式Iの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである。ある実施態様において、R1、R2、R3、及びQ-R2は、上記式Iに記載した通りである。上記式Iのある実施態様において、R7は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。一実施態様において、R7は、フッ素である。別の実施態様において、R7は、塩素である。別の実施態様において、R7は、臭素である。別の実施態様において、R7は、ヨウ素である。一実施態様において、R7は、-OHである。一実施態様において、R7は、-NH2である。一実施態様において、R8は、水素である。一実施態様において、R8は、重水素である。ある実施態様において、R8は、独立に、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。一実施態様において、R8は、フッ素である。別の実施態様において、R8は、塩素である。別の実施態様において、R8は、臭素である。別の実施態様において、R8は、ヨウ素である。一実施態様において、R8は、-NHR9である。一実施態様において、-NHR9は、-NH2である。一実施態様において、-NHR9は、-NHMe、-NHEt、-NHCH2CH2CH3、-NHCH2CH2CH2CH3、及び-NHCH2CH2CH2CH2CH3を含む。一実施態様において、-NHR9は、-NHMeである。一実施態様において、-NHR9は、-NHEtである。一実施態様において、-NHR9は、-NHCH2CH2CH3である。一実施態様において、-NHR9は、-NHCH2CH2CH2CH3である。一実施態様において、-NHR9は、-NHCH2CH2CH2CH2CH3である。一実施態様において、mは、1である。一実施態様において、mは、2である。
【0058】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式IIIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化50】
。ある実施態様において、Q、R
2、R
3、R
7、R
8、R
9、及びQ-R
2は、前パラグラフに記載した通りである。
【0059】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、Qが、-CH2-であり;R2が、C1-C10アルキニルであり;かつR6が、-OHである、式Iの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである。ある実施態様において、R1、R3、R4、R5、R7、及びR8は、上述の通りである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。
【0060】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式IVの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化51】
。ある実施態様において、R
2、R
3、R
4、R
5、R
7、及びR
8は、前パラグラフに記載した通りである。
【0061】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、Qが、-CH
2-であり;R
2が、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)(ここで、該ヘテロアリールは、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキル、カルボキシアルキル、ベンジル、もしくはフェニルで置換されている)であり;R
3が、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;R
4及びR
5が、C
1-C
5アルキルであり;R
6が、-OHであり;かつR
7が、-NH
2である、式Iの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである。ある実施態様において、R
1、R
8、及びR
9は、上述の通りである。上記式Iのある実施態様において、有用なR
2基としては、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(1,2,3-トリアゾール)であって、該位置異性体の1,2,3-トリアゾールが、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキル、カルボキシアルキル、ベンジル、もしくはフェニルで置換されているものが挙げられる。以下の実施態様において、1,2,3-トリアゾールは、本明細書の別の場所で説明されるように、位置異性体生成物を生じさせる末端アルキンとアジドとのクリックケミストリー反応由来である。一実施態様において、R
2は、
【化52】
である。一実施態様において、R
2は、
【化53】
である。一実施態様において、R
2は、
【化54】
である。一実施態様において、R
2は、
【化55】
である。一実施態様において、R
2は、
【化56】
である。一実施態様において、R
2は、
【化57】
である。一実施態様において、R
2は、
【化58】
である。一実施態様において、R
2は、
【化59】
である。一実施態様において、R
2は、
【化60】
である。一実施態様において、R
2は、
【化61】
である。本パラグラフにおける実施態様のうちの任意の1つ以上において、Yは、水素、アルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキル、カルボキシアルキル、ベンジル、又はフェニルである。一実施態様において、Yは、水素である。一実施態様において、Yは、アルキルである。一実施態様において、Yは、アミノアルキルである。一実施態様において、Yは、ヒドロキシルアルキルである。一実施態様において、Yは、カルボキシアルキルである。一実施態様において、Yは、フェニルである。上記式Iのある実施態様において、有用なR
3基としては、-C(O)Me、-C(O)Et、-C(O)プロピル、-C(O)ブチル、及び-C(O)ペンチルが挙げられる。一実施態様において、R
3は、-C(O)Meである。別の実施態様において、R
3は、-C(O)Etである。別の実施態様において、R
3は、-C(O)プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
3は、-C(O)ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
3は、-C(O)ペンチル及びその構造異性体である。上記式Iのある実施態様において、有用なR
4及びR
5基としては、独立に、メチル、エチル、プロピル、及びそれらの構造異性体、ブチル及びその構造異性体、並びにペンチル及びその構造異性体、並びにそれらの組合せが挙げられる。例えば、一実施態様において、R
4及びR
5は、Meである。別の例として、一実施態様において、R
4及びR
5は、エチルである。別の例として、R
4は、メチルであり、かつR
5は、エチルである。本パラグラフ内の実施態様としてのR
4及びR
5の他の例示的な組合せ又は揺れが、本明細書において想定される。
【0062】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式Vの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化62】
。ある実施態様において、R
2、R
3、R
4、及びR
5は、前パラグラフに記載した通りである。
【0063】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式VIもしくは式VIIの構造を有する化合物:
【化63】
(式中、R
10は、水素、メチル、-CH
2CH
2NH
2、-CH
2CH
2OH、-CH
2COOH、-CH
2CH
2CH
2COOH、ベンジル、又はフェニルである);又はその医薬として許容し得る塩である。一実施態様において、R
10は、水素である。一実施態様において、R
10は、メチルである。一実施態様において、R
10は、-CH
2CH
2NH
2である。一実施態様において、R
10は、-CH
2CH
2OHである。一実施態様において、R
10は、-CH
2COOHである。一実施態様において、R
10は、-CH
2CH
2CH
2COOHである。一実施態様において、R
10は、ベンジルである。一実施態様において、R
10は、フェニルである。
【0064】
ある実施態様において、本明細書で提供されるのは、以下:
【化64】
からなる群から選択される式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、又は式VIIのいずれかによる化合物;又はその位置異性体;又はその医薬として許容し得る塩である。
【0065】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式XIIIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化65】
(式中、Qは、-CH
2-であり;R
2は、C
5-C
10アルキルであり;R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;R
4は、水素又はC
1-C
5アルキルであり;R
5は、C
1-C
5アルキルであるか;又はR
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、3~8員のシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、又は置換ヘテロシクロアルキルを形成し;かつR
7は、ハロゲンである)。式XIIIにおいて、ある実施態様では、有用なR
1基としては、メチル及びエチルが挙げられる。ある実施態様において、有用なR
1基として、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、及びそれらの構造異性体が挙げられる。一実施態様において、R
1は、メチルである。一実施態様において、R
1は、エチルである。一実施態様において、R
1は、プロピル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ブチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ペンチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ヘキシル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ヘプチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、オクチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ノニル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、デシル及びその構造異性体である。式XIIIにおいて、上述の実施態様では、有用なR
2基としては、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、及びn-デシルが挙げられる。一実施態様において、R
2は、n-ペンチル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-ヘキシル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-ヘプチル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-オクチル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-ノニル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-デシル、又はその構造異性体である。一実施態様において、Q-R
2は、n-ヘキシルである。上記式XIIIのある実施態様において、有用なR
3基としては、-C(O)Me、-C(O)Et、-C(O)プロピル、-C(O)ブチル、及び-C(O)ペンチルが挙げられる。一実施態様において、R
3は、-C(O)Meである。別の実施態様において、R
3は、-C(O)Etである。別の実施態様において、R
3は、-C(O)プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
3は、-C(O)ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
3は、-C(O)ペンチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
4は、水素である。上記式XIIIのある実施態様において、有用なR
4基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチルが挙げられる。一実施態様において、R
4は、メチルである。別の実施態様において、R
4は、エチルである。別の実施態様において、R
4は、プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
4は、ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
4は、ペンチル及びその構造異性体である。上記式XIIIのある実施態様において、有用なR
5基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチルが挙げられる。一実施態様において、R
5は、メチルである。別の実施態様において、R
5は、エチルである。別の実施態様において、R
5は、プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
5は、ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
5は、ペンチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
4及びR
5は、メチルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロプロピル又は置換シクロプロピルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロブチル又は置換シクロブチルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロペンチル又は置換シクロペンチルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロヘキシル又は置換シクロヘキシルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロヘプチル又は置換シクロヘプチルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロオクチル又は置換シクロオクチルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロプロピルであって、該シクロプロピル中のメチレン炭素が1つ、Zと置き換えられており、Zが、酸素、窒素、又は硫黄である、前記シクロプロピルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロブチルであって、該シクロブチル中のメチレン炭素の1つが、Zと置き換えられており、Zが、酸素、窒素、又は硫黄である、前記シクロブチルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロペンチルであって、該シクロペンチル中の1つ以上のメチレン炭素が、Zと置き換えられており、Zが、酸素、窒素、又は硫黄である、前記シクロペンチルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロヘキシルであって、該シクロヘキシル中の1つ以上のメチレン炭素が、Zと置き換えられており、Zが、酸素、窒素、又は硫黄である、前記シクロヘキシルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロヘプチルであって、該シクロヘプチル中の1つ以上のメチレン炭素が、Zと置き換えられており、Zが、酸素、窒素、又は硫黄である、前記シクロヘプチルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロオクチルであって、該シクロオクチル中の1つ以上のメチレン炭素が、Zと置き換えられており、Zが、酸素、窒素、又は硫黄である、前記シクロオクチルである。上記式XIIIのある実施態様において、R
60は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、又は置換ヘテロアリールである。好適なR
60アルキル基としては、R
1について本パラグラフで説明したもの、例えば、メチル、エチルなどが挙げられる。好適なR
60アルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールは、本明細書の別の場所で説明される。好適なR
60シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルとしては、本パラグラフに記載されているような、それらが結合している炭素を伴うR
4及びR
5について説明されているものが挙げられる。式XIIIにおいて、上述の実施態様では、各R
7は、独立に、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。一実施態様において、R
7は、フッ素である。別の実施態様において、R
7は、塩素である。別の実施態様において、R
7は、臭素である。別の実施態様において、R
7は、ヨウ素である。式XIIIにおいて、上述の実施態様では、R
8は、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンを含む。上記式XIIIのある実施態様において、R
9は、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルである。上記式XIIIのある実施態様において、mは、1又は2である。一実施態様において、R
8は、水素である。一実施態様において、R
8は、重水素である。ある実施態様において、R
8は、独立に、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。一実施態様において、R
8は、フッ素である。別の実施態様において、R
8は、塩素である。別の実施態様において、R
8は、臭素である。別の実施態様において、R
8は、ヨウ素である。一実施態様において、-NHR
9は、-NH
2である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHMe、-NHEt、-NHCH
2CH
2CH
3、-NHCH
2CH
2CH
2CH
3、及び-NHCH
2CH
2CH
2CH
2CH
3を含む。一実施態様において、-NHR
9は、-NHMeである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHEtである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHCH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHCH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHCH
2CH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)Me、-NHC(O)Et、-NHC(O)CH
2CH
2CH
3、-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、及び-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3を含む。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)Meである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)Etである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、mは、1である。一実施態様において、mは、2である。
【0066】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式XIVの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化66】
。ある実施態様において、R
2、R
3、R
7、及びR
60は、前パラグラフに記載した通りである。
【0067】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、Qが、-CH2-であり;R2が、C5-C10アルキルであり;R3が、-C(O)C1-C5アルキルであり;R4及びR5が、メチルであり;R7が、-OH、ハロゲン、又は-NH2であり;R8が、各出現において独立に、水素、重水素、-NHR9、又はハロゲン(式中、R9は、水素又は-C1-C5アルキルである)であり;かつmが、1又は2である、式XIIIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである。ある実施態様において、R1、R2、R3、及びQ-R2は、上記式XIIIに記載されている通りである。上記式XIIIのある実施態様において、R7は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。一実施態様において、R7は、フッ素である。別の実施態様において、R7は、塩素である。別の実施態様において、R7は、臭素である。別の実施態様において、R7は、ヨウ素である。一実施態様において、R7は、-OHである。一実施態様において、R7は、-NH2である。一実施態様において、R8は、水素である。一実施態様において、R8は、重水素である。ある実施態様において、R8は、独立に、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。一実施態様において、R8は、フッ素である。別の実施態様において、R8は、塩素である。別の実施態様において、R8は、臭素である。別の実施態様において、R8は、ヨウ素である。一実施態様において、R8は、-NHR9である。一実施態様において、-NHR9は、-NH2である。一実施態様において、-NHR9は、-NHMe、-NHEt、-NHCH2CH2CH3、-NHCH2CH2CH2CH3、及び-NHCH2CH2CH2CH2CH3を含む。一実施態様において、-NHR9は、-NHMeである。一実施態様において、-NHR9は、-NHEtである。一実施態様において、-NHR9は、-NHCH2CH2CH3である。一実施態様において、-NHR9は、-NHCH2CH2CH2CH3である。一実施態様において、-NHR9は、-NHCH2CH2CH2CH2CH3である。上記式XIIIのある実施態様において、R60は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、又は置換ヘテロアリールである。好適なR60アルキル基としては、式XIIIの文脈でR1に対して記載されているもの、例えば、メチル、エチルなどが挙げられる。好適なR60アルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールは、本明細書の別の場所で説明される。好適なR60シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルとしては、式XIIIの文脈で記載されているような、それらが結合している炭素を伴うR4及びR5に対して記載されたものが挙げられる。一実施態様において、mは、1である。一実施態様において、mは、2である。
【0068】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式XVの構造を有する化合物又はその医薬として許容し得る塩である:
【化67】
。ある実施態様において、Q、R
2、R
3、R
7、R
8、R
9、Q-R
2、及びR
60は、前パラグラフに記載した通りである。
【0069】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、Qが、-CH2-であり;R2が、C1-C10アルキニルであり;かつR60が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、又は置換ヘテロアリールである、式XIIIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである。好適なR60アルキル基としては、式XIIIの文脈でR1に対して記載されているもの、例えば、メチル、エチルなどが挙げられる。好適なR60アルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールは、本明細書の別の場所で説明される。好適なR60シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルとしては、式XIIIの文脈で記載されているような、それらが結合している炭素を伴うR4及びR5に対して記載されたものが挙げられる。ある実施態様において、R1、R3、R4、R5、R7、及びR8は、上述の通りである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。
【0070】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式XVIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化68】
。ある実施態様において、R
2、R
3、R
4、R
5、R
7、R
8、及びR
60は、前パラグラフに記載した通りである。
【0071】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、Qが、-CH
2-であり;R
2が、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(5員のヘテロアリール)(ここで、該ヘテロアリールは、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキル、カルボキシアルキル、ベンジル、もしくはフェニルで置換されている)であり;R
3が、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;R
4及びR
5が、C
1-C
5アルキルであり;R
7が、-NH
2であり;かつR
60が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、又は置換ヘテロアリールである、式XIIIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである。好適なR
60アルキル基としては、式XIIIの文脈でR
1に対して記載されているもの、例えば、メチル、エチルなどが挙げられる。好適なR
60アルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールは、本明細書の別の場所で説明される。好適なR
60シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルとしては、式XIIIの文脈で記載されているような、それらが結合している炭素を伴うR
4及びR
5に対して記載されたものが挙げられる。ある実施態様において、R
1、R
8、及びR
9は、上述の通りである。上記式XIIIのある実施態様において、有用なR
2基としては、位置異性体の-C
1-C
10アルキレン-(1,2,3-トリアゾール)(ここで、該位置異性体の1,2,3-トリアゾールは、非置換であるか、又はアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキル、カルボキシアルキル、ベンジル、もしくはフェニルで置換されている)が挙げられる。以下の実施態様において、1,2,3-トリアゾールは、本明細書の別の場所で説明されるように、位置異性体生成物を生じさせる末端アルキンとアジドとのクリックケミストリー反応に由来する。一実施態様において、R
2は、
【化69】
である。一実施態様において、R
2は、
【化70】
である。一実施態様において、R
2は、
【化71】
である。一実施態様において、R
2は、
【化72】
である。一実施態様において、R
2は、
【化73】
である。一実施態様において、R
2は、
【化74】
である。一実施態様において、R
2は、
【化75】
である。一実施態様において、R
2は、
【化76】
である。一実施態様において、R
2は、
【化77】
である。一実施態様において、R
2は、
【化78】
である。本パラグラフにおける実施態様のうちの任意の1つ以上において、Yは、水素、アルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキル、カルボキシアルキル、ベンジル、又はフェニルである。一実施態様において、Yは、水素である。一実施態様において、Yは、アルキルである。一実施態様において、Yは、アミノアルキルである。一実施態様において、Yは、ヒドロキシルアルキルである。一実施態様において、Yは、カルボキシアルキルである。一実施態様において、Yは、フェニルである。上記式XIIIのある実施態様において、有用なR
3基としては、-C(O)Me、-C(O)Et、-C(O)プロピル、-C(O)ブチル、及び-C(O)ペンチルが挙げられる。一実施態様において、R
3は、-C(O)Meである。別の実施態様において、R
3は、-C(O)Etである。別の実施態様において、R
3は、-C(O)プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
3は、-C(O)ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
3は、-C(O)ペンチル及びその構造異性体である。上記式XIIIのある実施態様において、有用なR
4及びR
5基は、独立に、メチル、エチル、プロピル及びその構造異性体、ブチル及びその構造異性体、並びにペンチル及びその構造異性体、並びにそれらの組合せを含む。例えば、一実施態様において、R
4及びR
5は、メチルである。別の例として、一実施態様において、R
4及びR
5は、エチルである。別の例として、R
4は、メチルであり、かつR
5は、エチルである。本パラグラフ内の実施態様としてのR
4及びR
5の他の例示的な組合せ又は揺れが、本明細書において想定される。
【0072】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式XVIIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化79】
。ある実施態様において、R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
60は、上述のパラグラフに記載されている通りである。
【0073】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式XVIII又は式XIXの構造を有する化合物である:
【化80】
(式中、R
60は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、又は置換ヘテロアリールである)。好適なR
60アルキル基としては、式XIIIの文脈でR
1に対して記載されているもの、例えば、メチル、エチルなどが挙げられる。好適なR
60アルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールは、本明細書の別の場所で説明される。好適なR
60シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルとしては、式XIIIの文脈で記載されているような、それらが結合している炭素を伴うR
4及びR
5に対して記載されたものが挙げられる。ある実施態様において、R
10は、水素、メチル、-CH
2CH
2NH
2、-CH
2CH
2OH、-CH
2COOH、-CH
2CH
2CH
2COOH、ベンジル、もしくはフェニル;又はその医薬として許容し得る塩である。一実施態様において、R
10は、水素である。一実施態様において、R
10は、メチルである。一実施態様において、R
10は、-CH
2CH
2NH
2である。一実施態様において、R
10は、-CH
2CH
2OHである。一実施態様において、R
10は、-CH
2COOHである。一実施態様において、R
10は、-CH
2CH
2CH
2COOHである。一実施態様において、R
10は、ベンジルである。一実施態様において、R
10は、フェニルである。
【0074】
本セクションの前記実施態様のいずれかにおいて、R7は、-NR7aR7bであり、ここで、R7a及びR7bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、及びアミノ酸残基であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている。ある実施態様において、R7aは、水素であり、かつR7bは、アミノ酸残基である。
【0075】
(化合物又はペイロード-Qが酸素)
ある実施態様において、明細書に記載されるのは、式Iの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化81】
(式中、Qは、-O-であり;R
2は、C
1-C
10アルキルであり;かつR
7は、-OH又は-NH
2である)。式Iにおいて、ある実施態様では、有用なR
1基としては、メチル及びエチルが挙げられる。ある実施態様において、有用なR
1基としては、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、及びそれらの構造異性体が挙げられる。一実施態様において、R
1は、メチルである。一実施態様において、R
1は、エチルである。一実施態様において、R
1は、プロピル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ブチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ペンチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ヘキシル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ヘプチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、オクチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ノニル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、デシル及びその構造異性体である。式Iにおいて、上述のある実施態様においては、有用なR
2基として、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、及びn-デシルが挙げられる。一実施態様において、R
2は、メチルである。一実施態様において、R
2は、エチルである。一実施態様において、R
2は、n-プロピル、又はその構造異性体である。一実施態様において、R
2は、n-ブチル、又はその構造異性体である。一実施態様において、R
2は、n-ペンチル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-ヘキシル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-ヘプチル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-オクチル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-ノニル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-デシル、又はその構造異性体である。ある実施態様において、R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキル、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキル、又は-(C
1-C
10アルキレン)-NR
3aR
3b(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)である。上記式Iのある実施態様において、有用なR
3基としては、-C(O)Me、-C(O)Et、-C(O)プロピル、-C(O)ブチル、及び-C(O)ペンチル、並びにそれらの構造異性体が挙げられる。一実施態様において、R
3は、-C(O)Meである。別の実施態様において、R
3は、-C(O)Etである。別の実施態様において、R
3は、-C(O)プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
3は、-C(O)ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
3は、-C(O)ペンチル及びその構造異性体である。上記式Iのある実施態様において、有用なR
3基としては、-C(O)N(H)Me、-C(O)N(H)Et、-C(O)N(H)プロピル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ブチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ペンチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ヘキシル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ヘプチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)オクチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ノニル及びその構造異性体、-C(O)N(H)デシル及びその構造異性体が挙げられる。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)Meである。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)Etである。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)プロピル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)ブチル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)ペンチル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)ヘキシル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)ヘプチル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)オクチル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)ノニル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)デシル及びその構造異性体である。上記式Iのある実施態様において、有用なR
3基としては、-CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b、及び-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)が挙げられる。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式Iの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式Iのある実施態様において、有用なR
4基としては、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチル、並びにそれらの構造異性体が挙げられる。一実施態様において、R
4は、水素である。一実施態様に
おいて、R
4は、メチルである。別の実施態様において、R
4は、エチルである。別の実施態様において、R
4は、プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
4は、ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
4は、ペンチル及びその構造異性体である。上記式Iのある実施態様において、有用なR
5基としては、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチル、並びにそれらの構造異性体が挙げられる。一実施態様において、R
5は、水素である。一実施態様において、R
5は、メチルである。別の実施態様において、R
5は、エチルである。別の実施態様において、R
5は、プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
5は、ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
5は、ペンチル及びその構造異性体である。ある実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、3~8員のシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、又は置換ヘテロシクロアルキルを形成する。本パラグラフ内の実施態様としてのR
4及びR
5の他の例示的な組合せ又は揺れが、本明細書において想定される。上記式Iのある実施態様において、R
6は、-OH又は-NHNH
2を含む。一実施態様において、R
6は、-OHである。別の実施態様において、R
6は、-NHNH
2である。ある実施態様において、R
6は、-NHSO
2R
60である(式中、R
60は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、又は置換ヘテロアリールである)。上記式Iにおいて、一実施態様では、R
7は、-OHである。上記式Iにおいて、一実施態様では、R
7は、-NH
2である。式Iにおいて、上述のある実施態様においては、R
8は、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンを含む。上記式Iのある実施態様において、R
9は、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルである。上記式Iのある実施態様において、mは、1又は2である。一実施態様において、R
8は、水素である。一実施態様において、R
8は、重水素である。ある実施態様において、R
8は、独立に、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。一実施態様において、R
8は、フッ素である。別の実施態様において、R
8は、塩素である。別の実施態様において、R
8は、臭素である。別の実施態様において、R
8は、ヨウ素である。一実施態様において、-NHR
9は、-NH
2である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHMe、-NHEt、-NHCH
2CH
2CH
3、-NHCH
2CH
2CH
2CH
3、及び-NHCH
2CH
2CH
2CH
2CH
3を含む。一実施態様において、-NHR
9は、-NHMeである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHEtである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHCH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHCH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHCH
2CH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)Me、-NHC(O)Et、-NHC(O)CH
2CH
2CH
3、-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、及び-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3を含む。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)Meである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)Etである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、mは、1である。一実施態様において、mは、2である。
【0076】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式VIIIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化82】
。ある実施態様において、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、上述のパラグラフに記載される通りである。式VIIIの一実施態様において、R
3は、-C(O)Meであり、かつR
2、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、上述のパラグラフに記載される通りである。式VIIIの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキルであり、かつR
2、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、上述のパラグラフに記載される通りである。
【0077】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、R3が、-C(O)N(H)C1-C10アルキルであり;R4が、水素であり;R5が、C1-C5アルキルであり;かつR6及びR7が、-OHである、式Iの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである。ある実施態様において、R2は、上記式Iで記載されている通りである。上記式Iのある実施態様において、有用なR3基としては、-C(O)N(H)Me、-C(O)N(H)Et、-C(O)N(H)プロピル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ブチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ペンチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ヘキシル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ヘプチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)オクチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ノニル及びその構造異性体、-C(O)N(H)デシル及びその構造異性体が挙げられる。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)Meである。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)Etである。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)プロピル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ブチル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ペンチル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ヘキシル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ヘプチル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)オクチル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ノニル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)デシル及びその構造異性体である。一実施態様において、R5は、メチルである。別の実施態様において、R5は、エチルである。別の実施態様において、R5は、プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R5は、ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R5は、ペンチル及びその構造異性体である。
【0078】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式IXの構造を有する化合物:
【化83】
(式中、R
11は、C
1-C
10アルキルである);又はその医薬として許容し得る塩である。一実施態様において、R
11は、メチルである。一実施態様において、R
11は、エチルである。一実施態様において、R
11は、プロピル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
11は、ブチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
11は、ペンチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
11は、ヘキシル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
11は、ヘプチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
11は、オクチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
11は、ノニル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
11は、デシル及びその構造異性体である。
【0079】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、Qが、-O-であり;R2が、C1-C10アルキニルであり;R3が、-C(O)C1-C5アルキルであり;かつR6が、-OHである、式Iの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである。ある実施態様において、R1、R4、R5、R7、及びR8は、上記式Iに記載されている通りである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。一実施態様において、R3は、-C(O)Meである。別の実施態様において、R3は、-C(O)Etである。別の実施態様において、R3は、-C(O)プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R3は、-C(O)ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R3は、-C(O)ペンチル及びその構造異性体である。
【0080】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式Xの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化84】
。ある実施態様において、R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
7は、前パラグラフに記載した通りである。
【0081】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、Qが、-O-であり;R2が、C1-C10アルキニルであり;R3が、-C(O)N(H)C1-C10アルキルであり;かつR6が、-OHである、式Iの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである。ある実施態様において、R1、R4、R5、R7、及びR8は、上記式Iに記載されている通りである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式Iの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)Meである。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)Etである。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)プロピル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ブチル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ペンチル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ヘキシル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ヘプチル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)オクチル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ノニル及びその構造異性体である。上記式Iの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)デシル及びその構造異性体である。
【0082】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式XIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化85】
。ある実施態様において、R
2、R
4、R
5、及びR
8は、前パラグラフに記載した通りである。
【0083】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、Qが、-O-であり;R2が、C1-C3アルキレン-Q1-(CH2)nアリール;又はC1-C3ヒドロキシアルキルであり;R3が、-C(O)C1-C5アルキルであり;R4が、水素であり;R5が、C1-C5アルキルであり;かつR6及びR7が、-OHである、式Iの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである。ある実施態様において、R1及びR8は、上記式Iに記載されている通りである。ある実施態様において、R2は、C1-C3アルキレン-Q1-(CH2)nアリールであり、かつQ1は、-CH2-である。従って、一実施態様において、R2は、-CH2CH2(CH2)nアリールである(式中、アリールは、非置換であるか、又はニトロ又はアミノで置換されており、かつnは、1~5の整数である)。一実施態様において、R2は、-CH2CH2(CH2)nフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2(CH2)np-ニトロフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2(CH2)np-アミノフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2(CH2)nアリールである(式中、アリールは、非置換であるか、又はニトロ又はアミノで置換されており、かつnは、1~5の整数である)。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2(CH2)nフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2(CH2)np-ニトロフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2(CH2)np-アミノフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2(CH2)nアリールである(式中、アリールは、非置換であるか、又はニトロ又はアミノで置換されており、かつnは、1~5の整数である)。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2(CH2)nフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2(CH2)np-ニトロフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2(CH2)np-アミノフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。ある実施態様において、R2は、C1-C3アルキレン-Q1-(CH2)nアリールであり、かつQ1は、-O-である。従って、一実施態様において、R2は、-CH2O-(CH2)nアリールである(式中、アリールは、非置換であるか、又はニトロ又はアミノで置換されており、かつnは、1~5の整数である)。一実施態様において、R2は、-CH2O-(CH2)nフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2O-(CH2)np-ニトロフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2O-(CH2)np-アミノフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2O-(CH2)nアリールである(式中、アリールは、非置換であるか、又はニトロ又はアミノで置換されており、かつnは、1~5の整数である)。一実施態様において、R2は、-CH2CH2O-(CH2)nフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2O-(CH2)np-ニトロフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2O-(CH2)np-アミノフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2O-(CH2)nアリールである(式中、アリールは、非置換であるか、又はニトロ又はアミノで置換されており、かつnは、1~5の整数である)。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2O-(CH2)nフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2O-(CH2)np-ニトロフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2O-(CH2)np-アミノフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2OHである。一実施態様において、R2は、-CH2CH2OHである。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2OHである。上記式Iのある実施態様において、有用なR3基としては、-C(O)Me、-C(O)Et、-C(O)プロピル、-C(O)ブチル、及び-C(O)ペンチル、並びにそれらの構造異性体が挙げられる。一実施態様において、R3は、-C(O)Meである。別の実施態様において、R3は、-C(O)Etである。別の実施態様において、R3は、-C(O)プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R3は、-C(O)ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R3は、-C(O)ペンチル及びその構造異性体である。上記式Iのある実施態様において、有用なR5基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチル、並びにそれらの構造異性体が挙げられる。一実施態様において、R5は、メチルである。別の実施態様において、R5は、エチルである。別の実施態様において、R5は、プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R5は、ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R5は、ペンチル及びその構造異性体である。
【0084】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式XIIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化86】
。ある実施態様において、R
2及びR
3は、前パラグラフに記載した通りである。式XIIの一実施態様において、R
2は、上述のパラグラフに記載されているようなC
1-C
3アルキレン-O-(CH
2)
nアリールである。式XIIの一実施態様において、R
2は、上述のパラグラフに記載されているようなC
1-C
3ヒドロキシアルキルである。
【0085】
ある実施態様において、本明細書で提供されるのは、以下:
【化87】
からなる群から選択され得る式I、式VIII、式IX、式X、式XI、もしくは式XIIのいずれかによる化合物;又はその医薬として許容し得る塩である。
【0086】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式XIIIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化88】
(式中、Qは、-O-であり;R
2は、C
1-C
10アルキルであり;かつR
7は、-OH又は-NH
2である)。式XIIIにおいて、ある実施態様では、有用なR
1基としては、メチル及びエチルが挙げられる。ある実施態様において、有用なR
1基としては、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、及びそれらの構造異性体が挙げられる。一実施態様において、R
1は、メチルである。一実施態様において、R
1は、エチルである。一実施態様において、R
1は、プロピル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ブチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ペンチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ヘキシル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ヘプチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、オクチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、ノニル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
1は、デシル及びその構造異性体である。式XIIIにおいて、上述の実施態様では、有用なR
2基としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、及びn-デシルが挙げられる。一実施態様において、R
2は、メチルである。一実施態様において、R
2は、エチルである。一実施態様において、R
2は、n-プロピル、又はその構造異性体である。一実施態様において、R
2は、n-ブチル、又はその構造異性体である。一実施態様において、R
2は、n-ペンチル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-ヘキシル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-ヘプチル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-オクチル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-ノニル、又はその構造異性体である。別の実施態様において、R
2は、n-デシル、又はその構造異性体である。ある実施態様において、R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキル、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキル、又は-(C
1-C
10アルキレン)-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式XIIIのある実施態様において、有用なR
3基としては、-C(O)Me、-C(O)Et、-C(O)プロピル、-C(O)ブチル、及び-C(O)ペンチル、並びにそれらの構造異性体が挙げられる。一実施態様において、R
3は、-C(O)Meである。別の実施態様において、R
3は、-C(O)Etである。別の実施態様において、R
3は、-C(O)プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
3は、-C(O)ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
3は、-C(O)ペンチル及びその構造異性体である。上記式Iのある実施態様において、有用なR
3基としては、-C(O)N(H)Me、-C(O)N(H)Et、-C(O)N(H)プロピル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ブチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ペンチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ヘキシル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ヘプチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)オクチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ノニル及びその構造異性体、-C(O)N(H)デシル及びその構造異性体が挙げられる。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)Meである。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)Etである。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)プロピル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)ブチル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)ペンチル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)ヘキシル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)ヘプチル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)オクチル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)ノニル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)デシル及びその構造異性体である。上記式XIIIのある実施態様において、有用なR
3基としては、-CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b、及び-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3b(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)が挙げられる。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R3a及びR3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式XIIIの一実施態様において、R
3は、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-NR
3aR
3bである(式中、R
3a及びR
3bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。上記式XIIIのある実施態様において、有用なR
4基としては、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチル、並びにそれらの構造異性体が挙げられる。一実施態様におい
て、R
4は、水素である。一実施態様において、R
4は、メチルである。別の実施態様において、R
4は、エチルである。別の実施態様において、R
4は、プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
4は、ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
4は、ペンチル及びその構造異性体である。上記式XIIIのある実施態様において、有用なR
5基としては、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチル、並びにそれらの構造異性体が挙げられる。一実施態様において、R
5は、水素である。一実施態様において、R
5は、メチルである。別の実施態様において、R
5は、エチルである。別の実施態様において、R
5は、プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
5は、ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R
5は、ペンチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
4及びR
5は、メチルである。ある実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、3~8員のシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、又は置換ヘテロシクロアルキルを形成する。本パラグラフ内の実施態様としてのR
4及びR
5の他の例示的な組合せ又は揺れが、本明細書において想定される。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロプロピル又は置換シクロプロピルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロブチル又は置換シクロブチルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロペンチル又は置換シクロペンチルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロヘキシル又は置換シクロヘキシルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロヘプチル又は置換シクロヘプチルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロオクチル又は置換シクロオクチルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロプロピルであって、該シクロプロピル内のメチレン炭素1つが、Zと置き換えられており、Zが、酸素、窒素、又は硫黄である、前記シクロプロピルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロブチルであって、該シクロブチル内のメチレン炭素が1つ、Zと置き換えられており、Zが、酸素、窒素、又は硫黄である、前記シクロブチルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロペンチルであって、該シクロペンチル中の1つ以上のメチレン炭素が、Zと置き換えられており、Zが、酸素、窒素、又は硫黄である、前記シクロペンチルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロヘキシルであって、該シクロヘキシル中の1つ以上のメチレン炭素が、Zと置き換えられており、Zが、酸素、窒素、又は硫黄である、前記シクロヘキシルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロヘプチルであって、該シクロヘプチル中の1つ以上のメチレン炭素が、Zと置き換えられており、Zが、酸素、窒素、又は硫黄である)前記シクロヘプチルである。一実施態様において、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共に、シクロオクチルであって、該シクロオクチル中の1つ以上のメチレン炭素が、Zと置き換えられており、Zが、酸素、窒素、又は硫黄である、前記シクロオクチルである。上記式XIIIのある実施態様において、R
60は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、又は置換ヘテロアリールである。好適なR
60アルキル基としては、R
1に対して本パラグラフに記載されているもの、例えば、メチル、エチルなどが挙げられる。好適なR
60アルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールは、本明細書の別の場所で説明される。好適なR
60シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルとしては、本パラグラフに記載されているように、それらが結合している炭素を伴うR
4及びR
5に対して記載されたものが挙げられる。上記式XIIIにおいて、一実施態様では、R
7は、-OHである。上記式XIIIにおいて、一実施態様では、R
7は、-NH
2である。式XIIIにおいて、上述の実施態様では、R
8は、水素、重水素、-NHR
9、又はハロゲンを含む。上記式XIIIのある実施態様において、R
9は、水素、-C
1-C
5アルキル、又は-C(O)C
1-C
5アルキルである。上記式XIIIのある実施態様において、mは、1又は2である。一実施態様において、R
8は、水素である。一実施態様において、R
8は、重水素である。ある実施態様において、R
8は、独立に、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を含む。一実施態様において、R
8は、フッ素である。別の実施態様において、R
8は、塩素である。別の実施態様において、R
8は、臭素である。別の実施態様において、R
8は、ヨウ素である。一実施態様において、-NHR
9は、-NH
2である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHMe、-NHEt、-NHCH
2CH
2CH
3、-NHCH
2CH
2CH
2CH
3、及び-NHCH
2CH
2CH
2CH
2CH
3を含む。一実施態様において、-NHR
9は、-NHMeである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHEtである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHCH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHCH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHCH
2CH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)Me、-NHC(O)Et、-NHC(O)CH
2CH
2CH
3、-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、及び-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3を含む。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)Meである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)Etである。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、-NHR
9は、-NHC(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3である。一実施態様において、mは、1である。一実施態様において、mは、2である。
【0087】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式XXの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化89】
。ある実施態様において、R
2、R
3、R
4、R
5、R
7、及びR
60は、前パラグラフに記載した通りである。式VIIIの一実施態様において、R
3は、-C(O)Meであり、かつR
2、R
4、R
5、R
7、及びR
60は、前パラグラフに記載した通りである。式VIIIの一実施態様において、R
3は、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキルであり、かつR
2、R
4、R
5、R
7、及びR
60は、前パラグラフに記載した通りである。
【0088】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、R3が、-C(O)N(H)C1-C10アルキルであり;R4が、水素又はC1-C5アルキルであり;R5が、C1-C5アルキルであり;R7が、-OHであり;かつR60が、式XIIIの文脈で記載されている通りである、式XIIIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである。ある実施態様において、R2は、上記式XIIIで記載されている通りである。上記式XIIIのある実施態様において、有用なR3基としては、-C(O)N(H)Me、-C(O)N(H)Et、-C(O)N(H)プロピル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ブチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ペンチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ヘキシル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ヘプチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)オクチル及びその構造異性体、-C(O)N(H)ノニル及びその構造異性体、-C(O)N(H)デシル及びその構造異性体が挙げられる。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)Meである。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)Etである。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)プロピル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ブチル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ペンチル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ヘキシル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ヘプチル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)オクチル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ノニル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)デシル及びその構造異性体である。一実施態様において、R4は、水素である。一実施態様において、R4は、メチルである。別の実施態様において、R4は、エチルである。別の実施態様において、R4は、プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R4は、ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R4は、ペンチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R5は、メチルである。別の実施態様において、R5は、エチルである。別の実施態様において、R5は、プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R5は、ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R5は、ペンチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R4及びR5は、メチルである。
【0089】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式XXIの構造を有する化合物である:
【化90】
(式中、R
60は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、又は置換ヘテロアリールである)。好適なR
60アルキル基としては、式XIIIの文脈でR
1に対して記載されているもの、例えば、メチル、エチルなどが挙げられる。好適なR
60アルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールは、本明細書の別の場所で説明される。好適なR
60シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルとしては、式XIIIの文脈で記載されているような、それらが結合している炭素を伴うR
4及びR
5に対して記載されたものが挙げられる。ある実施態様において、R
11は、C
1-C
10アルキル;又はその医薬として許容し得る塩である。一実施態様において、R
11は、メチルである。一実施態様において、R
11は、エチルである。一実施態様において、R
11は、プロピル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
11は、ブチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
11は、ペンチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
11は、ヘキシル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
11は、ヘプチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
11は、オクチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
11は、ノニル及びその構造異性体である。一実施態様において、R
11は、デシル及びその構造異性体である。
【0090】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、Qが、-O-であり;R2が、C1-C10アルキニルであり;R3が、-C(O)C1-C5アルキルであり;かつR60が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、又は置換ヘテロアリールである、式XIIIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである。好適なR60アルキル基としては、式XIIIの文脈でR1に対して記載されているもの、例えば、メチル、エチルなどが挙げられる。好適なR60アルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールは、本明細書の別の場所で説明される。好適なR60シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルとしては、式XIIIの文脈で記載されているような、それらが結合している炭素を伴うR4及びR5に対して記載されたものが挙げられる。ある実施態様において、R1、R4、R5、R7、及びR8は、上記式XIIIに記載されている通りである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。一実施態様において、R3は、-C(O)Meである。別の実施態様において、R3は、-C(O)Etである。別の実施態様において、R3は、-C(O)プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R3は、-C(O)ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R3は、-C(O)ペンチル及びその構造異性体である。
【0091】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式XXIIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化91】
。ある実施態様において、R
2、R
3、R
4、R
5、R
7、及びR
60は、前パラグラフに記載した通りである。
【0092】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、Qが、-O-であり;R2が、C1-C10アルキニルであり;R3が、-C(O)N(H)C1-C10アルキルであり;かつR60が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、又は置換ヘテロアリールである、式XIIIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである。好適なR60アルキル基としては、式XIIIの文脈でR1に対して記載されているもの、例えば、メチル、エチルなどが挙げられる。好適なR60アルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールは、本明細書の別の場所で説明される。好適なR60シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルとしては、式XIIIの文脈で記載されているような、それらが結合している炭素を伴うR4及びR5に対して記載されたものが挙げられる。ある実施態様において、R1、R4、R5、R7、及びR8は、上記式XIIIに記載されている通りである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。式XIIIの一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CCHである。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)Meである。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)Etである。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)プロピル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ブチル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ペンチル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ヘキシル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ヘプチル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)オクチル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)ノニル及びその構造異性体である。上記式XIIIの一実施態様において、R3は、-C(O)N(H)デシル及びその構造異性体である。
【0093】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式XXIIIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化92】
。ある実施態様において、R
2、R
4、R
5、R
8、及びR
60は、前パラグラフに記載した通りである。
【0094】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、Qが、-O-であり;R2が、C1-C3アルキレン-Q1-(CH2)nアリール;又はC1-C3ヒドロキシアルキルであり;R3が、-C(O)C1-C5アルキルであり;R4が、水素又はC1-C5アルキルであり;R5が、C1-C5アルキルであり;R7が、-OHであり;かつR60が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、又は置換ヘテロアリールである、式XIIIの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくはプロドラッグである。好適なR60アルキル基としては、式XIIIの文脈でR1に対して記載されているもの、例えば、メチル、エチルなどが挙げられる。好適なR60アルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールは、本明細書の別の場所で説明される。好適なR60シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルとしては、式XIIIの文脈で記載されているような、それらが結合している炭素を伴うR4及びR5に対して記載されたものが挙げられる。ある実施態様において、R1及びR8は、上記式XIIIに記載されている通りである。ある実施態様において、R2は、C1-C3アルキレン-Q1-(CH2)nアリールであり、かつQ1は、-CH2-である。従って、一実施態様において、R2は、-CH2CH2(CH2)nアリールである(式中、アリールは、非置換であるか、又はニトロ又はアミノで置換されており、かつnは、1~5の整数である)。一実施態様において、R2は、-CH2CH2(CH2)nフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2(CH2)np-ニトロフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2(CH2)np-アミノフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2(CH2)nアリールである(式中、アリールは、非置換であるか、又はニトロ又はアミノで置換されており、かつnは、1~5の整数である)。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2(CH2)nフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2(CH2)np-ニトロフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2(CH2)np-アミノフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2(CH2)nアリールである(式中、アリールは、非置換であるか、又はニトロ又はアミノで置換されており、かつnは、1~5の整数である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2(CH2)nフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2(CH2)np-ニトロフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2CH2(CH2)np-アミノフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。ある実施態様において、R2は、C1-C3アルキレン-Q1-(CH2)nアリールであり、かつQ1は、-O-である。従って、一実施態様において、R2は、-CH2O-(CH2)nアリールである(式中、アリールは、非置換であるか、又はニトロ又はアミノで置換されており、かつnは、1~5の整数である)。一実施態様において、R2は、-CH2O-(CH2)nフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2O-(CH2)np-ニトロフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2O-(CH2)np-アミノフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2O-(CH2)nアリールである(式中、アリールは、非置換であるか、又はニトロ又はアミノで置換されており、かつnは、1~5の整数である)。一実施態様において、R2は、-CH2CH2O-(CH2)nフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2O-(CH2)np-ニトロフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2O-(CH2)np-アミノフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2O-(CH2)nアリールである(式中、アリールは、非置換であるか、又はニトロ又はアミノで置換されており、かつnは、1~5の整数である)。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2O-(CH2)nフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2O-(CH2)np-ニトロフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2O-(CH2)np-アミノフェニルであり、かつnは、1、2、3、4、又は5である。一実施態様において、R2は、-CH2OHである。一実施態様において、R2は、-CH2CH2OHである。一実施態様において、R2は、-CH2CH2CH2OHである。上記式XIIIのある実施態様において、有用なR3基としては、-C(O)Me、-C(O)Et、-C(O)プロピル、-C(O)ブチル、及び-C(O)ペンチル、並びにそれらの構造異性体が挙げられる。一実施態様において、R3は、-C(O)Meである。別の実施態様において、R3は、-C(O)Etである。別の実施態様において、R3は、-C(O)プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R3は、-C(O)ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R3は、-C(O)ペンチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R4は、水素である。上記式Iのある実施態様において、有用なR4基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチル、並びにそれらの構造異性体が挙げられる。一実施態様において、R4は、メチルである。別の実施態様において、R4は、エチルである。別の実施態様において、R4は、プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R4は、ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R4は、ペンチル及びその構造異性体である。上記式Iのある実施態様において、有用なR5基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチル、並びにそれらの構造異性体が挙げられる。一実施態様において、R5は、メチルである。別の実施態様において、R5は、エチルである。別の実施態様において、R5は、プロピル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R5は、ブチル及びその構造異性体である。別の実施態様において、R5は、ペンチル及びその構造異性体である。一実施態様において、R4及びR5は、メチルである。
【0095】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、式XXIVの構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:
【化93】
。ある実施態様において、R
2、R
3、及びR
60は、前パラグラフに記載した通りである。式XXIVの一実施態様において、R
2は、上述のパラグラフに記載されているように、C
1-C
3アルキレン-O-(CH
2)
nアリールである。式XXIVの一実施態様において、R
2は、上述のパラグラフに記載されているように、C
1-C
3ヒドロキシアルキルである。
【0096】
本セクションの前記実施態様のいずれかにおいて、R7は、-NR7aR7bである(式中、R7a及びR7bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、及びアミノ酸残基であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。ある実施態様において、R7aは、水素であり、かつR7bは、アミノ酸残基である。
【0097】
(結合剤)
本開示で提供されるコンジュゲートのいずれかに適した結合剤としては、抗体、リンホカイン(例えば、IL-2又はIL-3)、ホルモン(例えば、インスリン及びグルココルチコイド)、成長因子(例えば、EGF、トランスフェリン、及びIII型フィブロネクチン)、ウイルス受容体、インターロイキン、又は任意の他の細胞結合性もしくはペプチド結合性の分子もしくは物質が挙げられるが、これらに限定されない。結合剤としては、アンキリンリピートタンパク質及びインターフェロンも挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
いくつかの実施態様において、結合剤は、抗体又はその抗原結合断片である。抗体は、当業者に公知の任意の形態とすることができる。本明細書で使用される「抗体」という用語は、特定の抗原に特異的に結合するか又はそれと特異的に相互作用する少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含む任意の抗原結合分子又は分子複合体を意味する。「抗体」という用語は、ジスルフィド結合によって相互に接続された、2本の重(H)鎖と2本の軽(L)鎖の4本のポリペプチド鎖を含む免疫グロブリン分子、及びその多量体(例えば、IgM)を含む。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではHCVR又はVHと略す)及び重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2、及びCH3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではLCVR又はVLと略す)及び軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(CL1)を含む。VH及びVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより高度に保存された領域が散在する相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域にさらに細かく分けることができる。各VH及びVLは、3つのCDR及び4つのFRから構成され、アミノ末端からカルボキシ末端にかけて、以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配置されている。本明細書で開示される様々な実施態様において、本明細書の化合物に適した抗体(又はその抗原結合性部分)のFRは、ヒト生殖系列配列と同一であってもよく、又は自然にもしくは人為的に修飾されていてもよい。アミノ酸コンセンサス配列は、2つ以上のCDRの対比分析に基づいて定義することができる。明細書で使用される「抗体」という用語は、完全な抗体分子の抗原結合断片も含む。本明細書で使用される、抗体の「抗原結合部分」、抗体の「抗原結合断片」などの用語は、抗原に特異的に結合して複合体を形成する、任意の天然に存在する、酵素的に得られる、合成された、又は遺伝子改変されたポリペプチド又は糖タンパク質を含む。抗体の抗原結合断片は、任意の適当な標準的技法、例えば、タンパク分解的消化又は抗体可変ドメイン及び任意に定常ドメインをコードするDNAの操作及び発現を伴う組換え遺伝子工学技法を用いて完全な抗体分子から得ることができる。そのようなDNAは、公知であり、かつ/又は例えば、商業的供給源、DNAライブラリー(例えば、ファージ-抗体ライブラリーを含む)から容易に入手可能であるか、又は合成することができる。DNAをシークエンシングし、化学的に又は分子生物学的技法を用いることにより操作して、例えば、1以上の可変及び/もしくは定常ドメインを好適な配置に配置すること、又はコドンを導入し、システイン残基を生成させ、アミノ酸を修飾し、付加し、もしくは欠失させることなどができる。抗原結合断片の非限定的な例としては:(i)Fab断片;(ii)F(ab')2断片;(iii)Fd断片;(iv)Fv断片;(v)単鎖Fv(scFv)分子;(vi)dAb断片;及び(vii)抗体の超可変領域を模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位(例えば、CDR3ペプチドなどの単離されたCDR)、又は拘束性FR3-CDR3-FR4ペプチドが挙げられる。他の改変分子、例えば、ドメイン特異的抗体、単一ドメイン抗体、ドメイン欠失抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディ、ナノボディ(例えば、一価のナノボディ、二価のナノボディなど)、小モジュラー免疫医薬(SMIP)、及びサメ可変IgNARドメインも、本明細書で使用される「抗原結合断片」という表現に包含される。抗体の抗原結合断片は、通常、少なくとも1つの可変ドメインを含む。可変ドメインは、任意のサイズ又はアミノ酸組成のものであってもよく、通常、1つ以上のフレームワーク配列に隣接しているか、又はそれとインフレームになっている少なくとも1つのCDRを含む。VHドメインがVLドメインと会合している抗原結合断片において、VHドメインとVLドメインは、互いに対して任意の好適な配置にあってもよい。例えば、可変領域は二量体であり、かつVH-VH、VH-VL、又はVL-VL二量体を含有していてもよい。或いは、抗体の抗原結合断片は、単量体のVH又はVLドメインを含有していてもよい。ある実施態様において、抗体の抗原結合断片は、少なくとも1つの定常ドメインに共有結合で連結された少なくとも1つの可変ドメインを含有していてもよい。本発明の抗体の抗原結合断片内に見出し得る可変及び定常ドメインの非限定的で例示的な配置としては:(i)VH-CH1;(ii)VH-CH2;(iii)VH-CH3;(iv)VH-CH1-CH2;(v)VH-CH1-CH2-CH3;(vi)VH-CH2-CH3;(vii)VH-CL;(viii)VL-CH1;(ix)VL-CH2;(x)VL-CH3;(xi)VL-CH1-CH2;(xii)VL-CH1-CH2-CH3;(xiii)VL-CH2-CH3;及び(xiv)VL-CLが挙げられる。上記の例示的な配置のいずれかを含む可変ドメインと定常ドメインの任意の配置において、可変ドメインと定常ドメインは、互いに直接連結されていてもよく、又は完全なもしくは部分的なヒンジもしくはリンカー領域によって連結されていてもよい。ヒンジ領域は、単一ポリペプチド分子中の隣接する可変ドメイン及び/又は定常ドメイン間に柔軟な又は半ば柔軟な連結を生じさせる少なくとも2個(例えば、5個、10個、15個、20個、40個、60個、又はそれより多く)のアミノ酸からなっていてもよい。完全な抗体分子と同様に、抗原結合断片は、単一特異性又は多重特異性(例えば、二重特異性)であってもよい。抗体の多重特異性抗原結合断片は、通常、少なくとも2つの異なる可変ドメインを含み、ここで、各可変ドメインは、別々の抗原に又は同じ抗原上の異なるエピトープに特異的に結合することができる。本明細書に開示される例示的な二重特異性抗体フォーマットを含む、任意の多重特異性抗体フォーマットは、当技術分野で利用可能なルーチンの技法を用いて、本開示の抗体の抗原結合断片と関連した使用に適合させることができる。本明細書に記載されるある実施態様において、本明細書に記載される抗体は、ヒト抗体である。本明細書で使用される「ヒト抗体」という用語は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域及び定常領域を有する抗体を含むことが意図される。本発明のヒト抗体は、例えば、CDR中、特にCDR3中に、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされていないアミノ酸残基(例えば、インビトロでのランダムなもしくは部位特異的な変異誘発によるか、又はインビボでの体細胞変異によって導入される変異)を含み得る。しかしながら、本明細書で使用される「ヒト抗体」という用語が、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖系列に由来するCDR配列が、ヒトフレームワーク配列に移植されている抗体を含むことは意図されない。「ヒト抗体」という用語は、天然に存在する非修飾生物において修飾やヒトによる介入/操作を伴わずに通常存在する天然に存在する分子を含まない。本明細書で開示される抗体は、いくつかの実施態様において、組換えヒト抗体であってもよい。本明細書で使用される「組換えヒト抗体」という用語は、組換え手段によって調製され、発現され、作出され、又は単離される全てのヒト抗体、例えば、宿主細胞内にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを用いて発現される抗体(以下でさらに説明する)、組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離される抗体(以下でさらに説明する)、ヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離される抗体(例えば、Taylorらの文献、(1992) Nucl. Acids Res. 20:6287-6295を参照されたい)、又はヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを伴う任意の他の手段によって調製され、発現され、作出され、もしくは単離される抗体などを含むことが意図される。そのような組換えヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変及び定常領域を有する。しかしながら、ある実施態様において、そのような組換えヒト抗体は、インビトロでの変異誘発(又はヒトIg配列についてトランスジェニックな動物を使用する場合、インビボでの体細胞変異誘発)を受け、したがって、該組換え抗体のVH及びVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VH及びVL配列に由来し、かつそれに関連するが、インビボでヒト抗体生殖系列レパートリー内に天然に存在していなくてもよい配列である。ヒト抗体は、ヒンジの不均一性と関連する2つの形態で存在することができる。ある形態では、免疫グロブリン分子は、二量体が鎖間重鎖ジスルフィド結合によって結合している、約150~160kDaの安定な4鎖構築物を含む。第二の形態では、二量体が鎖間ジスルフィド結合によって連結されず、共有結合で連結された軽鎖及び重鎖(半分の抗体)から構成された、約75~80kDaの分子が形成される。これらの形態は、親和性精製後でさえも、分離するのが極めて難しい。様々なインタクトなIgGアイソタイプにおける第二の形態の出現頻度は、限定されないが、抗体のヒンジ領域アイソタイプと関連する構造上の違いによるものである。ヒトIgG4ヒンジのヒンジ領域における単一アミノ酸置換は、ヒトIgG1ヒンジを用いて通常観察されるレベルにまで第二の形態の出現を有意に低下させることができる(Angalらの文献、(1993) Molecular Immunology 30:105)。本開示は、ヒンジ領域、CH2領域、又はCH3領域に、例えば、製造に好適であり所望の抗体形態の収量を向上させ得る1つ以上の変異を有する抗体を包含する。本明細書に記載される抗体は、単離された抗体であってもよい。本明細書で使用される「単離された抗体」は、同定され、かつその天然環境の少なくとも1つの構成要素から分離及び/又は回収された抗体を意味する。例えば、生物の少なくとも1つの構成要素から、又は抗体が天然に存在しもしくは天然に産生される組織もしくは細胞から分離又は取り出された抗体は、本開示の目的のための「単離された抗体」である。単離された抗体は、組換え細胞内のインサイチュの抗体も含む。単離された抗体は、少なくとも1つの精製又は単離工程にかけられた抗体である。ある実施態様によれば、単離された抗体は、他の細胞物質及び/又は化学物質を実質的に含まないものであってもよい。本明細書で使用される抗体は、該抗体が由来した対応する生殖系列配列と比較して、重鎖及び軽鎖可変ドメインのフレームワーク及び/又はCDR領域中に1つ以上のアミノ酸置換、挿入、及び/又は欠失を含むことができる。そのような変異は、本明細書に開示されるアミノ酸配列を、例えば、公的な抗体配列データベースから入手可能な生殖系列配列と比較することにより、容易に確認することができる。本開示は、本明細書に開示されるアミノ酸配列のいずれかに由来する抗体及びその抗原結合断片を含み、ここで、1つ以上のフレームワーク及び/又はCDR領域内の1つ以上のアミノ酸が、該抗体が由来する生殖系列配列の対応する残基(複数可)に、又は別のヒト生殖系列配列の対応する残基(複数可)に、又は対応する生殖系列残基(複数可)の保存的アミノ酸置換に変異している(そのような配列の変化は、本明細書においては、「生殖系列変異」と総称される)。当業者は、本明細書に開示される重鎖及び軽鎖可変領域配列から始めて、1つ以上の個々の生殖系列変異又はそれらの組合せを含む多数の抗体及び抗原結合断片を容易に生じさせることができる。ある実施態様において、VH及び/又はVLドメイン内の全てのフレームワーク及び/又はCDR残基を変異させて、抗体が由来したもとの生殖系列配列中に見出される残基に戻す。別の実施態様において、特定の残基のみ、例えば、FR1の最初の8つのアミノ酸もしくはFR4の最後の8つ
のアミノ酸に見出される変異残基のみ、又はCDR1、CDR2、もしくはCDR3に見出される変異残基のみを変異させて、もとの生殖系列配列に戻す。別の実施態様において、該フレームワーク及び/又はCDR残基の1つ以上を、異なる生殖系列配列(すなわち、抗体がもともと由来した生殖系列配列と異なる生殖系列配列)の対応する残基に変異させる。さらに、本開示の抗体は、フレームワーク及び/又はCDR領域内に、例えば、特定の個々の残基が特定の生殖系列配列の対応する残基に変異させられている一方で、もとの生殖系列配列と異なる特定の他の残基が維持されているか又は異なる生殖系列配列の対応する残基に変異させられている2以上の生殖系列変異の任意の組合せを含有し得る。ひとたび取得してしまえば、1つ以上の生殖系列変異を含有する抗体及び抗原結合断片を、例えば、改善された結合特異性、増大した結合親和性、改善又は増強された拮抗的又は作動的生体特性(場合による)、低下した免疫原性などの1つ以上の所望の特性について容易に試験することができる。この一般的な方法で得られる抗体及び抗原結合断片は、本開示の範囲内に包含される。また、本明細書の化合物に有用な抗体としては、1つ以上の保存的な置換を有する本明細書に開示されるHCVR、LCVR、及び/又はCDRアミノ酸配列のうちのいずれかの変異体を含む抗体も挙げられる。「エピトープ」という用語は、パラトープとして知られる抗体分子の可変領域中の特異的抗原結合部位と相互作用する抗原性決定基を指す。単一の抗原は、2つ以上のエピトープを有し得る。したがって、異なる抗体が抗原上の異なる部分に結合し得、かつ異なる生物学的効果を有し得る。エピトープは、立体構造的又は線状のいずれかであり得る。立体構造エピトープは、線状ポリペプチド鎖の異なるセグメント由来の空間的に並置されたアミノ酸により生じる。線状エピトープは、ポリペプチド鎖中の隣接するアミノ酸残基により生じるものである。ある状況において、エピトープは、抗原上のサッカライド、ホスホリル基、又はスルホニル基の部位を含み得る。
【0099】
ある実施態様において、抗体は、軽鎖を含む。ある実施態様において、軽鎖は、カッパ軽鎖である。ある実施態様において、軽鎖は、ラムダ軽鎖である。ある実施態様において、抗体は、重鎖を含む。いくつかの実施態様において、重鎖は、IgAである。いくつかの実施態様において、重鎖は、IgDである。いくつかの実施態様において、重鎖は、IgEである。いくつかの実施態様において、重鎖は、IgGである。いくつかの実施態様において、重鎖は、IgMである。いくつかの実施態様において、重鎖は、IgG1である。いくつかの実施態様において、重鎖は、IgG2である。いくつかの実施態様において、重鎖は、IgG3である。いくつかの実施態様において、重鎖は、IgG4である。いくつかの実施態様において、重鎖は、IgA1である。いくつかの実施態様において、重鎖は、IgA2である。
【0100】
いくつかの実施態様において、抗体は、抗体断片である。いくつかの実施態様において、抗体断片は、Fv断片である。いくつかの実施態様において、抗体断片は、Fab断片である。いくつかの実施態様において、抗体断片は、F(ab′)2断片である。いくつかの実施態様において、抗体断片は、Fab′断片である。いくつかの実施態様において、抗体断片は、scFv(sFv)断片である。いくつかの実施態様において、抗体断片は、scFv-Fc断片である。
【0101】
いくつかの実施態様において、抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施態様において、抗体は、ポリクローナル抗体である。いくつかの実施態様において、抗体は、第1の抗原結合性ドメイン(本明細書では、「D1」とも称される)、及び第2の抗原結合性ドメイン(本明細書では、「D2」とも称される)を含む二重特異性抗体である。
【0102】
本明細書で使用される、「抗原結合性ドメイン」という表現は、対象となる特定の抗原(例えば、PRLR又はSTEAP2)に特異的に結合することができる任意のペプチド、ポリペプチド、核酸分子、スキャフォールド型分子、ペプチドディスプレー分子、又は含ポリペプチド構築体を意味する。本明細書で使用される「特異的に結合する」という用語などは、抗原結合性ドメインが、1μM以下の解離定数(KD)を特徴とする特定の抗原と複合体を形成し、かつ通常の試験条件下で他の無関係の抗原には結合しないことを意味する。「無関係の抗原」は、互いのアミノ酸同一性が95%未満であるタンパク質、ペプチド、又はポリペプチドである。
【0103】
本開示の文脈で使用することができる抗原結合性ドメインの例示的なカテゴリーとしては、特定の抗原(例えば、ペプチボディ)と特異的に相互作用する抗体、抗体の抗原結合部分、ペプチド、特定の抗原と特異的に相互作用する受容体分子、特定の抗原に特異的に結合する受容体のリガンド結合部分を含むタンパク質、抗原結合性スキャフォールド(例えば、DARPins、HEATリピートタンパク質、ARMリピートタンパク質、テトラトリコペプチド反復配列タンパク質、及び天然に存在するリピートタンパク質などに基づく他のスキャフォールド[例えば、Boersma及びPluckthunの文献、2011, Curr. Opin. Biotechnol. 22:849-857、及びそこで引用されている文献を参照されたい])、並びにアプタマー又はその部分が挙げられる。
【0104】
2つの分子が互いに特異的に結合するかどうかを決定するための方法は、当技術分野において周知であり、例えば、平衡透析、表面プラズモン共鳴などが挙げられる。例えば、本開示の文脈で用いられる抗原結合性ドメインは、特定の抗原(例えば、標的分子[T]もしくは内部移行エフェクタータンパク質[E])又はその部分に、表面プラズモン共鳴アッセイで測定して約1μM未満、約500nM未満、約250nM未満、約125nM未満、約60nM未満、約30nM未満、約10nM未満、約5nM未満、約2nM未満、約1nM未満、約500pM未満、約400pM未満、約300pM未満、約200pM未満、約100pM未満、約90pM未満、約80pM未満、約70pM未満、約60pM未満、約50pM未満、約40pM未満、約30pM未満、約20pM未満、約10pM未満、約5pM未満、約4pM未満、約2pM未満、約1pM未満、約0.5pM未満、約0.2pM未満、約0.1pM未満、又は約0.05pM未満のKDで結合するポリペプチドを含む。
【0105】
いくつかの実施態様において、抗体は、キメラ抗体である。いくつかの実施態様において、抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの実施態様において、抗体は、ヒト抗体である。
【0106】
いくつかの実施態様において、抗体は、抗PSMA、抗PRLR、抗MUC16、抗HER2、もしくは抗EGFRvIII、又は抗STEAP2抗体である。いくつかの実施態様において、抗体は、抗PRLR又は抗HER2抗体である。いくつかの実施態様において、抗体、又はその抗原結合断片は、抗STEAP2である。いくつかの実施態様において、抗体、又はその抗原結合断片は、抗PRLRである。
【0107】
抗体は、当業者にとって適したものであるとみなされる任意の抗原に対する結合特異性を有し得る。ある実施態様において、抗原は、膜貫通型分子(例えば、受容体)である。一実施態様において、抗原は、腫瘍上に発現されている。いくつかの実施態様において、結合剤は、特定の種類の腫瘍上で共通しているか、過剰発現されているか、又は修飾されている種類の腫瘍又は抗原に対して特異的な抗原を含む腫瘍抗原と相互作用するか又はそれに結合する。一実施態様において、抗原は、固形腫瘍上に発現されている。例示的な抗原としては、リポタンパク質;アルファ1-アンチトリプシン;CTLA-4などの細胞傷害性T-リンパ球関抗原(CTLA);血管内皮増殖因子(VEGF);ホルモン又は成長因子の受容体;タンパク質A又はD;線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)、EpCAM、GD3、FLT3、PSMA、PSCA、MUC1、MUC16、STEAP、STEAP2、CEA、TENB2、EphA受容体、EphB受容体、葉酸受容体、FOLRI、メソテリン、クリプト(cripto)、alphavbeta6、インテグリン、VEGF、VEGFR、EGFR、トランスフェリン受容体、IRTA1、IRTA2、IRTA3、IRTA4、IRTA5;CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD14、CD19、CD20、CD21、CD22、CD25、CD26、CD28、CD30、CD33、CD36、CD37、CD38、CD40、CD44、CD52、CD55、CD56、CD59、CD70、CD79、CD80、CD81、CD103、CD105、CD134、CD137、CD138、CD152などのCDタンパク質、又はそれぞれその全体が引用によりに組み込まれる米国公報第2008/0171040号又は米国公報第2008/0305044号に開示されている1種以上の腫瘍関連抗原又は細胞表面受容体に結合する抗体;エリスロポエチン;骨誘導性因子;免疫毒素;骨形成タンパク質(BMP);T細胞受容体;表面膜タンパク質;CD11a、CD11b、CD11c、CD18、ICAM、VLA-4、及びVCAMなどのインテグリン;AFP、ALK、B7H4、BAGEタンパク質、β-カテニン、brc-abl、BRCA1、BORIS、CA9(炭酸脱水酵素IX)、カスパーゼ-8、CD20、CD40、CD123、CDK4、CEA、CLEC12A、c-kit、cMET、CTLA4、cyclin-B1、CYP1B1、EGFR、EGFRvIII、エンドグリン、EpCAM、EphA2、ErbB2/Her2、ErbB3/Her3、ErbB4/Her4、ETV6-AML、Fra-1、FOLR1、GAGEタンパク質、GD2、GD3、GloboH、グリピカン-3、GM3、gp100、Her2、HLA/B-raf、HLA/EBNA1、HLA/k-ras、HLA/MAGE-A3、hTERT、IGF1R、LGR5、LMP2、MAGEタンパク質、MART-1、メソテリン、ML-IAP、Muc1、Muc16、CA-125、MUM1、NA17、NGEP、NY-BR1、NY-BR62、NY-BR85、NY-ESO1、OX40、p15、p53、PAP、PAX3、PAX5、PCTA-1、PDGFR-α、PDGFR-β、PDGF-A、PDGF-B、PDGF-C、PDGF-D、PLAC1、PRLR、PRAME、PSCA、PSGR、PSMA(FOLH1)、RAGEタンパク質、Ras、RGS5、Rho、SART-1、SART-3、Steap-1、Steap-2、STn、サバイビン、TAG-72、TGF-β、TMPRSS2、Tn、TNFRSF17、TRP-1、TRP-2、チロシナーゼ、及びウロプラキン-3などの腫瘍関連抗原、並びに上に列記したポリペプチドのいずれかの断片;細胞表面発現抗原;MUC16;c-MET;スカベンジャー受容体A(SR-A)を含むクラスAスカベンジャー受容体などの分子、並びにV-セット及びIgドメイン含有4(VSIG4)を含むB7ファミリー関連メンバー、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)、及びアミロイドベータ前駆体様タンパク質2(APLP-2)などの他の膜タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、抗原は、PRLR又はHER2である。いくつかの実施態様において、抗原は、STEAP2である。いくつかの実施態様において、抗原は、ヒトSTEAP2である。いくつかの例において、MAGEタンパク質は、MAGE-1、-2、-3、-4、-6、及び-12から選択される。いくつかの例において、GAGEタンパク質は、GAGE-1及びGAGE-2から選択される。
【0108】
例示的な抗原としては、BCMA、SLAMF7、GPNMB、及びUPK3Aも挙げられるが、これらに限定されない。例示的な抗原としては、MUC16、STEAP2、及びHER2も挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
いくつかの実施態様において、抗原は、MUC16を含む。いくつかの実施態様において、抗原は、STEAP2を含む。いくつかの実施態様において、抗原は、PSMAを含む。いくつかの実施態様において、抗原は、HER2を含む。いくつかの実施態様において、抗原は、プロラクチン受容体(PRLR)又は前立腺特異的膜抗原(PSMA)である。いくつかの実施態様において、抗原は、MUC16である。いくつかの実施態様において、抗原は、PSMAを含む。いくつかの実施態様において、抗原は、HER2である。いくつかの実施態様において、抗原は、STEAP2である。
【0110】
ある実施態様において、抗体は、EU付番系で295の番号がつけられる1つ以上の重鎖位置にグルタミン残基を含む。本開示において、該位置は、グルタミン295、又はGln295、又はQ295と称される。当業者は、これが、多くの抗体の野生型配列において保存されているグルタミン残基であることを認識しているであろう。別の有用な実施態様において、グルタミン残基を含むように抗体を操作することができる。ある実施態様において、抗体は、1つ以上のN297Q変異を含む。グルタミン残基を含むように抗体配列を修飾するための技術は、当業者の技術の範囲内である(例えば、 Ausubelらの文献、Current Protoc. Mol. Biol.を参照されたい)。
【0111】
いくつかの実施態様において、リンカー-ペイロード又はペイロードにコンジュゲートされた抗体、又はその抗原結合断片は、STEAP2を標的とする抗体とすることができる。好適な抗STEAP2抗体又はその抗原結合断片としては、例えば、国際公報第WO2018/058001A1号のもの(その第75頁の表1に開示されているアミノ酸配列を含むものを含む)が挙げられる。いくつかの実施態様において、抗STEAP2抗体は、WO2018/058001A1のH1H7814N(同公報のH1M7814NのCDRを含む)である。いくつかの実施態様において、抗STEAP2抗体は、配列番号:2を含む重鎖相補性決定領域(HCDR)-1;配列番号:3を含むHCDR2;配列番号:4を含むHCDR3;配列番号:6を含む軽鎖相補性決定領域(LCDR)-1;配列番号:7を含むLCDR2;及び配列番号:8を含むLCDR3を含む。いくつかの実施態様において、抗STEAP2抗体は、配列番号:1を含む重鎖可変領域(HCVR)及び配列番号:5を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。前述の実施態様のいずれかにおいて、抗STEAP2抗体は、グルタミン残基を抗体機能又は結合の無効化をもたらさない部位に挿入する部位特異的変異誘発によって調製することができる。例えば、前述の実施態様のうちのいずれかにおいて、抗STEAP2抗体は、Asn297Gln(N297Q)変異を含み得る。また、N297Q変異を有するそのような抗体は、その可変領域に、トランスグルタミナーゼにとって利用可能である可能性があり、従って、ペイロード又はリンカー-ペイロードにコンジュゲーションすることができる1つ以上の追加の天然のグルタミン残基を含有することができる(表A)。ある実施態様において、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号:1の重鎖可変領域(HCVR)アミノ酸配列内の3つの重鎖相補性決定領域(HCDR1、HCDR2、及びHCDR3)を含み;かつ配列番号:5の軽鎖可変領域(LCVR)アミノ酸配列内の3つの軽鎖相補性決定領域(LCDR1、LCDR2、及びLCDR3)を含む。ある実施態様において、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号:1のHCVRアミノ酸配列;及び配列番号:5のLCVRアミノ酸配列を含む。国際公報第WO2018/058001A1号は、これによって引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0112】
いくつかの実施態様において、リンカー-ペイロード又はペイロードにコンジュゲートされた抗体、又はその抗原結合断片は、ヒトプロラクチン受容体(PRLR)を標的とする抗体とすることができる。好適な抗PRLR抗体又はその抗原結合断片としては、例えば、国際公報第WO2015/026907A1号のもの(その中の第36頁の表1に開示されているアミノ酸配列を含むものを含む)が挙げられる。いくつかの実施態様において、抗PRLR抗体は、WO2015/026907A1のH1H6958N2(同公報のH2M6958N2のCDRを含む)である。いくつかの実施態様において、抗PRLR抗体は、配列番号:10を含む重鎖相補性決定領域(HCDR)-1;配列番号:11を含むHCDR2;配列番号:12を含むHCDR3;配列番号:14を含む軽鎖相補性決定領域(LCDR)-1;配列番号:15を含むLCDR2;及び配列番号:16を含むLCDR3を含む。いくつかの実施態様において、抗PRLR抗体は、配列番号:9を含む重鎖可変領域(HCVR)及び配列番号:13を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。前述の実施態様のいずれかにおいて、抗PRLR抗体は、グルタミン残基を部位抗体機能又は結合の無効化をもたらさない位置に挿入する部位特異的変異誘発によって調製することができる。例えば、前述の実施態様のうちのいずれかにおいて、抗PRLR抗体は、Asn297Gln(N297Q)変異を含み得る。また、N297Q変異を有するそのような抗体は、その可変領域に、トランスグルタミナーゼにとって利用可能である可能性があり、従って、ペイロード又はリンカー-ペイロードにコンジュゲーションすることができる1つ以上の追加の天然のグルタミン残基も含有することができる(表A)。ある実施態様において、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号:9の重鎖可変領域(HCVR)アミノ酸配列内の3つの重鎖相補性決定領域(HCDR1、HCDR2、及びHCDR3)を含み;かつ配列番号:13の軽鎖可変領域(LCVR)アミノ酸配列内の3つの軽鎖相補性決定領域(LCDR1、LCDR2、及びLCDR3)を含む。ある実施態様において、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号:9のHCVRアミノ酸配列;及び配列番号:13のLCVRアミノ酸配列を含む。国際公報第WO2015/026907A1号は、これによって引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
(表A. 例示的な抗体H1H7814N(抗STEAP2)及びH1H6958N2(抗PRLR)の配列)
【表1】
【0113】
本件開示は、表Aに列挙されているHCVRアミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する実質的に類似の配列を含むHCVRを含む、STEAP2に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0114】
また、本件開示は、表Aに列記されているLCVRアミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する実質的に類似の配列を含むLCVRを含む、STEAP2に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。
【0115】
また、本件開示は、表Aに列記されているLCVRアミノ酸配列のいずれかと一組をなす表Aに列挙されているHCVRアミノ酸配列のいずれかを含むHCVR及びLCVRアミノ酸配列ペア(HCVR/LCVR)を含む、STEAP2に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。ある実施態様によれば、本件開示は、表Aに列挙される例示的な抗STEAP2抗体のいずれかの内に含有されるHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む抗体、又はその抗原結合断片を提供する。ある実施態様において、HCVR/LCVRアミノ酸配列ペアは、その全内容が引用により本明細書に組み込まれる国際公報第WO2018/058001A1号に記載されている:250/258;からなる群から選択される。
【0116】
また、本件開示は、表Aに列挙されるHCDR1アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するそれに実質的に類似の配列を含む重鎖CDR1(HCDR1)を含む、STEAP2に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。
【0117】
また、本件開示は、表Aに列挙されるHCDR2アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するそれに実質的に類似の配列を含む重鎖CDR2(HCDR2)を含む、STEAP2に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。
【0118】
また、本件開示は、表Aに列挙されるHCDR3アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するそれに実質的に類似の配列を含む重鎖CDR3(HCDR3)を含む、STEAP2に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。
【0119】
また、本件開示は、表Aに列挙されるLCDR1アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するそれに実質的に類似の配列を含む軽鎖CDR1(LCDR1)を含む、STEAP2に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。
【0120】
また、本件開示は、表Aに列挙されるLCDR2アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するそれに実質的に類似の配列を含む軽鎖CDR2(LCDR2)を含む、STEAP2に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。
【0121】
また、本件開示は、表Aに列挙されるLCDR3アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するそれに実質的に類似の配列を含む軽鎖CDR3(LCDR3)を含む、STEAP2に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。
【0122】
また、本件開示は、表Aに列挙されるLCDR3アミノ酸配列のいずれかと一組をなす表Aに列挙されるHCDR3アミノ酸配列のいずれかを含むHCDR3及びLCDR3アミノ酸配列ペア(HCDR3/LCDR3)を含む、STEAP2に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。ある実施態様によれば、本件開示は、表Aに列挙される例示的な抗STEAP2抗体のいずれかの内に含有されるHCDR3/LCDR3アミノ酸配列ペアを含む抗体、又はその抗原結合断片を提供する。ある実施態様において、HCDR3/LCDR3アミノ酸配列ペアは、その全内容が引用により本明細書に組み込まれる国際公報第WO2018/058001A1号に記載される:256/254;からなる群から選択される。
【0123】
また、本件開示は、表Aに列挙される例示的な抗STEAP2抗体のいずれかの内に含有される6つのCDRのセット(すなわち、HCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3)を含む、STEAP2に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。ある実施態様において、HCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3アミノ酸配列セットは、その全内容が引用により本明細書に組み込まれる国際公報第WO2018/058001A1号に記載される:252-254-256-260-262-264;からなる群から選択される。
【0124】
関連する実施態様において、本件開示は、表Aに列挙される例示的な抗STEAP2抗体のいずれかによって定義されるようなHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアの内に含有される6つのCDRのセット(すなわち、HCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3)を含む、STEAP2に特異的に結合する抗体、又はその抗原結合断片を提供する。例えば、本件開示は、その全内容が引用により本明細書に組み込まれる国際公報第WO2018/058001A1号に記載される:250/258;からなる群から選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアの内に含有されるHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3アミノ酸配列セットを含む、STEAP2に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片を含む。HCVR及びLCVRアミノ酸配列内のCDRを特定するための方法及び技術は、当技術分野において周知であり、それを使用して、本明細書で開示される特定のHCVR及び/又はLCVRアミノ酸配列内のCDRを特定することができる。CDRの境界を特定するのに使用することができる例示的な慣用方法としては、例えば、Kabatの定義、Chothiaの定義、及びAbMの定義が挙げられる。一般的には、Kabatの定義は、配列可変性に基づき、Chothiaの定義は、構造的なループ領域の位置に基づき、AbMの定義は、KabatのアプローチとChothiaのアプローチとの折衷である。例えば、Kabatの文献、「免疫学的に興味深いタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest)」、National Institutes of Health、Bethesda, Md. (1991);Al-Lazikaniらの文献、J. Mol. Biol. 273:927-948 (1997);及びMartinらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:9268-9272 (1989)を参照されたい。公共データベースも、抗体内のCDR配列を識別するのに利用可能である。
【0125】
本件開示は、表Aに列挙されているHCVRアミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する実質的に類似の配列を含むHCVRを含む、PRLRに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0126】
また、本件開示は、表Aに列記されているLCVRアミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する実質的に類似の配列を含むLCVRを含む、PRLRに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。
【0127】
また、本件開示は、表Aに列記されているLCVRアミノ酸配列のいずれかと一組をなす表Aに列挙されているHCVRアミノ酸配列のいずれかを含むHCVR及びLCVRアミノ酸配列ペア(HCVR/LCVR)を含む、PRLRに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。ある実施態様によれば、本件開示は、表Aに列挙される例示的な抗PRLR抗体のいずれかの内に含有されるHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む抗体、又はその抗原結合断片を提供する。ある実施態様において、HCVR/LCVRアミノ酸配列ペアは、その全内容が、引用により本明細書に組み込まれる国際公報第WO2015/026907A1号に記載されている:18/26;66/74;274/282;290/298;及び370/378;からなる群から選択される。
【0128】
また、本件開示は、表Aに列挙されるHCDR1アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するそれに実質的に類似の配列を含む重鎖CDR1(HCDR1)を含む、PRLRに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。
【0129】
また、本件開示は、表Aに列挙されるHCDR2アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するそれに実質的に類似の配列を含む重鎖CDR2(HCDR2)を含む、PRLRに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。
【0130】
また、本件開示は、表Aに列挙されるHCDR3アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するそれに実質的に類似の配列を含む重鎖CDR3(HCDR3)を含む、PRLRに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。
【0131】
また、本件開示は、表Aに列挙されるLCDR1アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するそれに実質的に類似の配列を含む軽鎖CDR1(LCDR1)を含む、PRLRに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。
【0132】
また、本件開示は、表Aに列挙されるLCDR2アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するそれに実質的に類似の配列を含む軽鎖CDR2(LCDR2)を含む、PRLRに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。
【0133】
また、本件開示は、表Aに列挙されるLCDR3アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列、又は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するそれに実質的に類似の配列を含む軽鎖CDR3(LCDR3)を含む、PRLRに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。
【0134】
また、本件開示は、表Aに列挙されるLCDR3アミノ酸配列のいずれかと一組をなす表Aに列挙されるHCDR3アミノ酸配列のいずれかを含むHCDR3及びLCDR3アミノ酸配列ペア(HCDR3/LCDR3)を含む、PRLRに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。ある実施態様によれば、本件開示は、表Aに列挙される例示的な抗PRLR抗体のいずれかの内に含有されるHCDR3/LCDR3アミノ酸配列ペアを含む抗体、又はその抗原結合断片を提供する。ある実施態様において、HCDR3/LCDR3アミノ酸配列ペアは、その全内容が、引用により本明細書に組み込まれる国際公報第WO2015/026907A1号に記載されている:24/32;72/80;280/288;296/304;及び376/384;からなる群から選択される。
【0135】
また、本件開示は、表Aに列挙される例示的な抗PRLR抗体のいずれかの内に含有される6つのCDRのセット(すなわち、HCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3)を含む、PRLRに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片も提供する。ある実施態様において、HCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3アミノ酸配列セットは、その全内容が、引用により本明細書に組み込まれる国際公報第WO2015/026907A1号に記載されている:20-22-24-28-30-32;68-70-72-76-78-80;276-278-280-284-286-288;292-294-296-300-302-304;及び372-374-376-380-382-384;からなる群から選択される。
【0136】
関連する実施態様において、本件開示は、表Aに列挙される例示的な抗PRLR抗体のいずれかによって定義されるようなHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアの内に含有される6つのCDRのセット(すなわち、HCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3)を含む、PRLRに特異的に結合する抗体、又はその抗原結合断片を提供する。例えば、本件開示は、その全内容が、引用により本明細書に組み込まれる国際公報第WO2015/026907A1号に記載されている:18/26;66/74;274/282;290/298;及び370/378;からなる群から選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアの内に含有されるHCDR1-HCDR2-HCDR3-LCDR1-LCDR2-LCDR3アミノ酸配列セットを含む、PRLRに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片を含む。HCVR及びLCVRアミノ酸配列内のCDRを識別するための方法及び技術は、当技術分野において周知であり、本明細書で開示される特定のHCVR及び/又はLCVRアミノ酸配列内のCDRを特定するのに使用することができる。CDRの境界を特定するのに使用することができる例示的な慣用方法としては、例えば、Kabatの定義、Chothiaの定義、及びAbMの定義が挙げられる。一般的には、Kabatの定義は、配列可変性に基づき、Chothiaの定義は、構造的なループ領域の位置に基づき、AbMの定義は、KabatのアプローチとChothiaのアプローチとの折衷である。例えば、Kabatの文献、「免疫学的に興味深いタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest)」、National Institutes of Health、Bethesda, Md. (1991);Al-Lazikaniらの文献、J. Mol. Biol. 273:927-948 (1997);及びMartinらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:9268-9272 (1989)を参照されたい。公共データベースも、抗体内のCDR配列を識別するのに利用可能である。
【0137】
結合剤リンカーを、結合剤、例えば、抗体又は抗原結合性分子に、該抗体又は抗原結合性分子内の特定のアミノ酸での付着によって結合させることができる。本開示のこの実施態様との関連で使用することができる例示的なアミノ酸付着としては、例えば、リジン(例えば、US5,208,020; US2010/0129314;Hollanderらの文献、Bioconjugate Chem., 2008, 19:358-361;WO2005/089808;US5,714,586;US2013/0101546;及びUS2012/0585592を参照されたい)、システイン(例えば、US2007/0258987;WO2013/055993;WO2013/055990;WO2013/053873;WO2013/053872;WO2011/130598;US2013/0101546;及びUS7,750,116を参照されたい)、セレノシステイン(例えば、WO2008/122039;及びHoferらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 2008, 105:12451-12456を参照されたい)、ホルミルグリシン(例えば、Carricoらの文献、Nat. Chem. Biol., 2007, 3:321-322;Agarwalらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 2013, 110:46-51、及びRabukaらの文献、Nat. Protocols, 2012, 10:1052-1067を参照されたい)、非天然アミノ酸(例えば、WO2013/068874、及びWO2012/166559を参照されたい)、並びに酸性アミノ酸(例えば、WO2012/05982を参照されたい)が挙げられる。リンカーは、炭水化物への付着を介して抗原結合タンパク質にコンジュゲートさせることもできる(例えば、US2008/0305497、WO2014/065661、及びRyanらの文献、Food & Agriculture Immunol., 2001, 13:127-130を参照されたい)。
【0138】
いくつかの例において、結合剤は、抗体又は抗原結合性分子であり、かつ該抗体は、リジン残基を介してリンカーに結合している。いくつかの実施態様において、抗体又は抗原結合性分子は、システイン残基を介してリンカーに結合している。
【0139】
また、リンカーを、トランスグルタミナーゼベースの化学酵素的なコンジュゲーションを介して1つ以上のグルタミン残基にコンジュゲートさせることもできる(例えば、Dennlerらの文献, Bioconjugate Chem. 2014, 25, 569-578を参照されたい)。例えば、トランスグルタミナーゼの存在下において、抗体の1つ以上のグルタミン残基を、一級アミン化合物にカップリングさせることができる。一級アミン化合物には、例えば、トランスグルタミナーゼ媒介カップリングを介して抗体薬物コンジュゲートを直接的に提供する、ペイロード又はリンカー-ペイロードが含まれる。一級アミン化合物には、抗体薬物コンジュゲートの合成に向けて後にさらなる化合物と反応させることができる反応性基で官能化されているリンカー及びスペーサーも含まれる。グルタミン残基を含む抗体は、天然源から単離するか又は1つ以上のグルタミン残基を含むように改変することができる。抗体ポリペプチド鎖中にグルタミン残基(グルタミニル修飾抗体又は抗原結合分子)を人為作製する技法は、当業者の技術の範囲内である。ある実施態様において、該抗体は、アグリコシル化されたものである。
【0140】
ある実施態様において、前記抗体又はグルタミニル修飾抗体もしくは抗原結合性分子は、少なくとも1つのポリペプチド鎖配列に少なくとも1つのグルタミン残基を含む。ある実施態様において、抗体又はグルタミニル修飾抗体もしくは抗原結合性分子は、それぞれが1つのGln295又はQ295残基を有する2本の重鎖ポリペプチドを含む。さらなる実施態様において、抗体又はグルタミニル修飾抗体もしくは抗原結合性分子は、1つ以上のグルタミン残基を重鎖295以外の部位に含む。本明細書に記載されるN297Q変異(複数可)を有する本セクションの抗体は、本明細書に含まれる。
【0141】
(一級アミン化合物)
ある実施態様において、グルタミンを含む抗体(又は抗原結合化合物)のトランスグルタミナーゼ媒介カップリングに有用な一級アミン化合物は、当業者によって有用であるとみなされる任意の一級アミン化合物とすることができる。通常、一級アミン化合物は、式H2N-Rを有し、式中、Rは、抗体及び反応条件と適合する任意の基とすることができる。ある実施態様において、Rは、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、又は置換ヘテロアルキルである。
【0142】
いくつかの実施態様において、一級アミン化合物は、反応性基又は保護された反応性基を含む。有用な反応性基としては、アジド、アルキン、シクロアルキン、チオール、アルコール、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、エステル、アミド、ヒドラジド、アニリン、及びアミンが挙げられる。ある実施態様において、反応性基は、アジド、アルキン、スルフヒドリル、シクロアルキン、アルデヒド、及びカルボキシルからなる群から選択される。
【0143】
ある実施態様において、一級アミン化合物は、式H2N-LL-Xによるものであり、式中、LLは、二価のスペーサーであり、かつXは、反応性基又は保護された反応性基である。特定の実施態様において、LLは、二価のポリエチレングリコール(PEG)基である。ある実施態様において、Xは、-SH、-N3、アルキン、アルデヒド、及びテトラゾールからなる群から選択される。特定の実施態様において、Xは、-N3である。
【0144】
ある実施態様において、一級アミン化合物は、以下の式のうちの1つによるものである:
H
2N-(CH
2)
n-X; H
2N-(CH
2CH
2O)
n-(CH
2)
p-X; H
2N-(CH
2)
n-N(H)C(O)-(CH
2)
m-X;
H
2N-(CH
2CH
2O)
n-N(H)C(O)-(CH
2CH
2O)
m-(CH
2)
p-X; H
2N-(CH
2)
n-C(O)N(H)-(CH
2)
m-X;
H
2N-(CH
2CH
2O)
n-C(O)N(H)-(CH
2CH
2O)
m-(CH
2)
p-X; H
2N-(CH
2)
n-N(H)C(O)-(CH
2CH
2O)
m-(CH
2)
p-X;
H
2N-(CH
2CH
2O)
n-N(H)C(O)-(CH
2)
m-X; H
2N-(CH
2)
n-C(O)N(H)-(CH
2CH
2O)
m-(CH
2)
p-X;及び
H
2N-(CH
2CH
2O)
n-C(O)N(H)-(CH
2)
m-X;
(式中、
nは、1~12から選択される整数であり;
mは、0~12から選択される整数であり;
pは、0~2から選択される整数であり;かつ
Xは-SH、-N
3、-C≡CH、-C(O)H、テトラゾール、及び
【化94】
のいずれかからなる群から選択される)。
【0145】
上記のものにおいて、アルキル又はアルキレン(すなわち、-CH2-)基はいずれも、例えば、C1-8アルキル、メチルホルミル、又は-SO3Hで任意に置換することができる。ある実施態様において、アルキル基は、置換されていない。
【0146】
ある実施態様において、一級アミン化合物は:
【化95】
からなる群から選択される。
【0147】
特定の実施態様において、一級アミン化合物は、
【化96】
である。
上記の反応のための例示的な条件を、後述の実施例で提供する。
【0148】
(リンカー)
ある実施態様において、本明細書に記載されるコンジュゲートのリンカーL部分は、結合剤を本明細書に記載されるペイロード化合物へと共有結合によって連結する部位、例えば、二価の部位である。別の例において、リンカーLは、結合剤を本明細書に記載されるペイロード化合物へと共有結合によって連結する三価又は多価の部位である。好適なリンカーは、例えば、各々の内容が引用により本明細書中に完全に組み込まれる、抗体-薬物コンジュゲート及び免疫毒素(Antibody-Drug Conjugates and Immunotoxins); Phillips, G. L.編; Springer Verlag: New York, 2013;抗体-薬物コンジュゲート(Antibody-Drug Conjugates); Ducry, L.編; Humana Press, 2013;抗体-薬物コンジュゲート(Antibody-Drug Conjugates); Wang, J., Shen, W.-C.,及びZaro, J. L.編; Springer International Publishing, 2015に見出すことができる。ある実施態様において、本明細書に記載されるリンカー-ペイロードのリンカーL部分は、本明細書に記載されるペイロード化合物に共有結合によって連結された部位であり、結合剤を本明細書に記載されるペイロード化合物に二価でかつ共有結合によって連結することができるものである。別の例において、本明細書に記載されるリンカー-ペイロードのリンカーL部分は、本明細書に記載されるペイロード化合物に共有結合によって連結された部位であり、三価又は多価の部位として、結合剤を、本明細書に記載されるペイロード化合物に共有結合によって連結することができるものである。ペイロード化合物は、上記式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、及びXIIの化合物を含み、これらのリンカーLとの結合又は組み入れ後の残基が、リンカー-ペイロードである。リンカー-ペイロードを、さらに、抗体又はその抗原結合断片などの結合剤に結合させて、抗体-薬物コンジュゲートを形成させることができる。当業者は、ペイロード部位のある特定の官能基が、リンカー及び/又は結合剤に連結させるのに便利であることを認識しているであろう。例えば、ある実施態様において、リンカーは、存在せず、かつペイロードは、結合剤に直接結合している。一実施態様において、ペイロードは、末端アルキン及びアジドを含む結合剤を含み、ここで、各アルキン及びアジドは、位置異性体のクリックケミストリーに関与して、ペイロード残基を結合剤残基に直接結合させる。別の実施態様において、ペイロードは、カルボン酸及びリジンを含む結合剤を含み、ここで、各カルボン酸及びリジンは、アミド結合形成に関与して、ペイロード残基を結合剤残基に直接結合させる。ペイロード官能基としては、さらに、アミン(例えば、式C、式D、式LPc、及び式LPd)、四級アンモニウムイオン(例えば、式A及び式LPa)、ヒドロキシル(例えば、式C、式D、式LPc、及び式LPd)、ホスフェート、カルボン酸(例えば、式B、式D、式LPb、及び式LPdの場合のようにLへの連結時のエステルの形態)、ヒドラジド(例えば、式B及び式LPb)、アミド(例えば、式C及び式LPcのアニリンから誘導されるもの、又は式D及び式LPdのアミン)、並びに糖類が挙げられる。
【0149】
ある実施態様において、リンカーは、生理的条件で安定である。ある実施態様において、リンカーは切断可能であり、例えば、酵素の存在下で又は特定のpH範囲もしくは値で、少なくともペイロード部分を放出することができる。いくつかの実施態様において、リンカーは、酵素で切断可能な部位を含む。例示的な酵素で切断可能な部位としては、ペプチド結合、エステル連結、ヒドラゾン、β-グルクロニド連結、及びジスルフィド連結が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、リンカーは、カテプシンで切断可能なリンカーを含む。いくつかの実施態様において、リンカーは、β-グルクロニダーゼ(GUSB)で切断可能なリンカー(例えば、Creative Biolabs, creative-biolabs.com/adc/beta-glucuronide-linker.htm、又はACS Med. Chem. Lett. 2010, 1: 277-280のGUSBリンカーを参照されたい)を含む。
【0150】
いくつかの実施態様において、リンカーは、切断不可能な部位を含む。いくつかの実施態様において、切断不可能なリンカーは、
【化97】
又はその残基から誘導される。いくつかの実施態様において、切断不可能なリンカー-ペイロード残基は、
【化98】
又はその位置異性体である。いくつかの実施態様において、切断不可能なリンカーは、
【化99】
又はその残基から誘導される。いくつかの実施態様において、切断不可能なリンカー-ペイロード残基は、
【化100】
又はその位置異性体である。一実施態様において、リンカーは、マレイミドシクロヘキサンカルボキシレート又は4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサンカルボン酸(MCC)である。この構造において、
【化101】
は、結合剤への結合を示す。この構造において、いくつかの例では、
【化102】
は、例えば、アジド又はアルキン官能性を有する結合剤と、相補的なアルキン又はアジド官能性を有するリンカー-ペイロードとの反応の結果として生じるクリックケミストリー残基を示す。この構造において、別の例では、
【化103】
は、例えば、1つ以上の結合剤システインのマレイミド官能性を有する1つ以上のリンカー又はリンカー-ペイロードとのマイケル付加反応による反応の結果として生じる二価のスルフィドを示す。この構造において、別の例では、
【化104】
は、当業者によって認識されるであろうように、例えば、1つ以上の結合剤リジンの、活性化されている又は活性化されていないカルボキシル官能性を有する1つ以上のリンカー又はリンカー-ペイロードとの反応の結果として生じるアミド結合を示す。一実施態様において、
【化105】
は、当業者によって認識されるであろうように、例えば、1つ以上の結合剤リジンと、活性化されたカルボキシル官能性を有する1つ以上のリンカー又はリンカー-ペイロードとの反応の結果として生じるアミド結合を示す。
【0151】
いくつかの実施態様において、好適なリンカーとしては、単一の結合剤、例えば、抗体の2つのシステイン残基に化学的に結合しているものが挙げられるが、これらに限定されない。そのようなリンカーは、コンジュゲーションプロセスの結果として破壊される抗体のジスルフィド結合を模倣する働きをすることができる。
【0152】
いくつかの実施態様において、リンカーは、1つ以上のアミノ酸を含む。好適なアミノ酸としては、天然、非天然、標準的、非標準的、タンパク質構成性、非タンパク質構成性、及びL-又はD-α-アミノ酸が挙げられる。いくつかの実施態様において、リンカーは、アラニン、バリン、グリシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、もしくはシトルリン、その誘導体、又はその組合せ(例えば、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチドなど)を含む。ある実施態様において、アミノ酸の1つ以上の側鎖が、以下に記載する側鎖基に連結される。いくつかの実施態様において、リンカーは、アミノ酸バリン及びシトルリンを含むか又はこれからなるペプチドである(例えば、二価の-Val-Cit-又は二価の-VCit-)。いくつかの実施態様において、リンカーは、アミノ酸アラニン及びアラニン、又は二価の-AA-を含むか又はこれからなるペプチドである。いくつかの実施態様において、リンカーは、アミノ酸グルタミン酸及びアラニン又は-EA-を含むか又はこれからなるペプチドである。いくつかの実施態様において、リンカーは、アミノ酸グルタミン酸及びグリシン、又は-EG-を含むか又はこれからなるペプチドである。いくつかの実施態様において、リンカーは、アミノ酸グリシン及びグリシン、又は-GG-を含むか又はこれからなるペプチドである。いくつかの実施態様において、リンカーは、アミノ酸グルタミン、バリン、及びシトルリン、又は-Q-V-Cit-もしくは-QVCit-を含むか又はこれからなるペプチドである。いくつかの実施態様において、リンカーは、アミノ酸グルタミン酸、バリン、及びシトルリン、又は-E-V-Cit-もしくは-EVCit-を含むか又はこれからなるペプチドである。いくつかの実施態様において、リンカーは、アミノ酸-GGGGS-を含むか又はこれからなるペプチドである。いくつかの実施態様において、リンカーは、アミノ酸-GGGGG-を含むか又はこれからなるペプチドである。いくつかの実施態様において、リンカーは、アミノ酸-GGGGK-を含むか又はこれからなるペプチドである。いくつかの実施態様において、リンカーは、アミノ酸-GFGG-を含むか又はこれからなるペプチドである。いくつかの実施態様において、リンカーは、アミノ酸リジン、バリン、及びシトルリン、又は-KVCit-を含むか又はこれからなるペプチドである。いくつかの実施態様において、リンカーは、アミノ酸-KVA-を含むか又はこれからなるペプチドである。いくつかの実施態様において、リンカーは、アミノ酸-VA-を含むか又はこれからなるペプチドである。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、及び本件開示の全体にわたり、標準的な3文字又は1文字でのアミノ酸の名称が、当業者によって認識されるであろうように用いられる。例示的な1文字でのアミノ酸の名称としては、グリシンのG、リジンのK、セリンのS、バリンのV、アラニンのA、及びフェニルアラニンのFが挙げられる。
【0153】
いくつかの実施態様において、リンカーは、自壊基を含む。該自壊基は、当業者に公知の任意のそのような基とすることができる。特定の実施態様において、自壊基は、p-アミノベンジル(PAB)又はその誘導体である。有用な誘導体としては、p-アミノベンジルオキシカルボニル(PABC)が挙げられる。当業者は、自壊基がペイロードからリンカーの残りの原子を放出する化学反応を行うことができることを認識しているであろう。
【0154】
いくつかの実施態様において、リンカーは:
【化106】
である
(式中:
SP
1は、スペーサーであり;
SP
2は、スペーサーであり;
【化107】
は、結合剤への1つ以上の結合であり;
【化108】
は、ペイロードへの1つ以上の結合であり;
各AAは、アミノ酸残基であり;かつ
nは、1~10の整数である)。
【0155】
SP1スペーサーは、(AA)n部位又は残基を、結合剤(BA)へ又はBAに結合している反応性基残基へと接続する部位である。好適なSP1スペーサーとしては、アルキレンもしくはポリエーテル、又は双方を含むものが挙げられるが、これらに限定されない。該スペーサーの末端、例えば、該スペーサーのBA又はAAに結合した部分は、コンジュゲートの化学合成の間に抗体又はAAを該スペーサーにカップリングさせる目的で用いられる反応性部位由来の部位であり得る。ある実施態様において、nは、1、2、3、又は4である。特定の実施態様において、nは、2である。特定の実施態様において、nは、3である。特定の実施態様において、nは、4である。
【0156】
いくつかの実施態様において、SP1スペーサーは、アルキレンを含む。いくつかの実施態様において、SP1スペーサーは、C5-7アルキレンを含む。いくつかの実施態様において、SP1スペーサーは、ポリエーテルを含む。いくつかの実施態様において、SP1スペーサーは、ポリエチレングリコールなどのエチレンオキシドのポリマーを含む。
【0157】
いくつかの実施態様において、SP
1スペーサーは:
【化109】
である
(式中:
RG'は、反応性基RGの結合剤との反応の結果として生じる反応性基残基であり;
【化110】
は、該結合剤への結合であり;
【化111】
は、(AA)
nへの結合であり(式中、nは、1~10の整数である);かつ
bは、2~8の整数である)。
【0158】
反応性基RGは、結合剤に対して1つ以上の結合を形成することができることが当業者に公知である任意の反応性基とすることができる。反応性基RGは、その構造内に、結合剤と反応して(例えば、抗体とそのシステインもしくはリジン残基で、又はアジド部位で、例えば、PEG-N3官能化抗体と1つ以上のグルタミン残基で反応して)式A、式A′、式B、式B′、式C、式C′、式D、又は式D′の化合物を形成することができる部分を含む部位である。結合剤へのコンジュゲーション後に、反応性基は、反応性基残基(RG′)となる。例示的な反応性基としては、結合剤と反応することができるハロアセチル、イソチオシアネート、コハク酸イミド、N-ヒドロキシコハク酸イミド、又はマレイミド部分を含むものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0159】
ある実施態様において、反応性基としては、アルキンが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、アルキンは、歪アルキンなどの、銅触媒の非存在下でアジドとの1,3-環化付加反応を受けることができるアルキンである。歪アルキンは、歪み促進アルキン-アジド環化付加(SPAAC)に適しており、シクロアルキン、例えば、シクロオクチン及び芳香環化アルキンが挙げられる。好適なアルキンとしては、ジベンゾアザシクロオクチン又は
【化112】
ジベンゾシクロオクチン又は
【化113】
ビアリールアザシクロオクチノン又は
【化114】
二フッ素化シクロオクチン又は
【化115】
置換された、例えば、フッ素化されたアルキン、アザ-シクロアルキン、ビサイクル[6.1.0]ノニン(bicycle[6.1.0]nonyne)又は
【化116】
及びそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。特に有用なアルキンとしては、
【化117】
が挙げられる。
【0160】
ある実施態様において、結合剤は、RG′に直接結合している。ある実施態様において、結合剤は、スペーサー、例えば、
【化118】
とRG′との間に位置するSP
4を介してRG′に結合している。特定の実施態様において、結合剤は、SP
4、例えば、PEGスペーサーを介してRG′に間接的に結合している。以下で詳細に述べるように、ある実施態様において、結合剤は、1つ以上のアジド基で官能化することによって調製される。各アジド基は、RGと反応してRG′を形成することができる。特定の実施態様において、結合剤は、グルタミン残基に連結された-PEG-N
3を用いて誘導体化される。例示的な-N
3誘導体化結合剤、それらの調製のための方法、及びRGとの反応におけるそれらの使用のための方法が、本明細書で提供される。ある実施態様において、RGは、1,3-環化付加への参加に適したアルキンであり、RG′は、RGのアジド官能化結合剤との反応で形成される位置異性体の1,2,3-トリアゾリル部位である。さらなる例として、ある実施態様において、RG′は、
【化119】
に示されるような結合剤又は各位置異性体の混合物に連結される。各R及びR′は、本明細書に記載される又は例示される通りである。
【0161】
SP2スペーサーは、存在する場合には、(AA)n部位をペイロードに接続する部位である。好適なスペーサーとしては、SP1スペーサーとして上で述べたものが挙げられるが、これらに限定されない。さらに好適なSP2スペーサーとしては、アルキレンもしくはポリエーテル、又は双方を含むものが挙げられるが、これらに限定されない。SP2スペーサーの末端、例えば、該スペーサーのペイロード又はAAに直接結合した部分は、コンジュゲートの化学合成の間に該ペイロード又はAAを該SP2スペーサーにカップリングさせる目的で用いられる反応性部位由来の部位であり得る。いくつかの例において、SP2スペーサーの末端、例えば、該SP2スペーサーのペイロード又はAAに直接結合した部分は、コンジュゲートの化学合成の間に該ペイロード又はAAを該スペーサーにカップリングさせる目的で用いられる反応性部位の残基であり得る。
【0162】
いくつかの実施態様において、SP
2スペーサーは、存在する場合には、-NH-(p-C
6H
4)-CH
2-、-NH-(p-C
6H
4)-CH
2OC(O)-、アミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド、-O-、-N(H)-、
【化120】
及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。ある実施態様において、各
【化121】
は、ペイロードへの結合であり、かつ各
【化122】
は、(AA)
nへの結合である。
【0163】
上記の式において、各(AA)
nは、アミノ酸であるか、又は任意に、p-アミノベンジルオキシカルボニル残基(PABC)、
【化123】
である。PABCが、存在する場合、好ましくは、1つのみのPABCが、存在する。好ましくは、PABC残基は、存在するのであれば、ペイロードに近い方の(AA)
n基中の末端AAに結合している。
【化124】
が、存在する場合には、
【化125】
のみが、存在する。好ましくは、該
【化126】
残基は、存在する場合には、ベンジルオキシカルボニル部位を介してペイロードに結合しており、かつAAは、存在しない。各AAに適したアミノ酸としては、天然、非天然、標準的、非標準的、タンパク質構成性、非タンパク質構成性、及びL-又はD-α-アミノ酸が挙げられる。いくつかの実施態様において、AAは、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、もしくはシトルリン、その誘導体、又はそれらの任意の組合せ(例えば、ジペプチド、トリペプチド、及びオリゴペプチドなど)を含む。ある実施態様において、該アミノ酸の1つ以上の側鎖は、後述の側鎖基に連結される。いくつかの実施態様において、nは、2である。いくつかの実施態様において、(AA)
nは、バリン-シトルリンである。いくつかの実施態様において、(AA)
nは、シトルリン-バリンである。いくつかの実施態様において、(AA)
nは、バリン-アラニンである。いくつかの実施態様において、(AA)
nは、アラニン-バリンである。いくつかの実施態様において、(AA)
nは、バリン-グリシンである。いくつかの実施態様において、(AA)
nは、グリシン-バリンである。いくつかの実施態様において、nは、3である。いくつかの実施態様において、(AA)
nは、バリン-シトルリン-PABCである。いくつかの実施態様において、(AA)
nは、シトルリン-バリン-PABCである。いくつかの実施態様において、(AA)
nは、グルタミン酸-バリン-シトルリンである。いくつかの実施態様において、(AA)
nは、グルタミン-バリン-シトルリンである。いくつかの実施態様において、(AA)
nは、リジン-バリン-アラニンである。いくつかの実施態様において、(AA)
nは、リジン-バリン-シトルリンである。いくつかの実施態様において、nは、4である。いくつかの実施態様において、(AA)
nは、グルタミン酸-バリン-シトルリン-PABである。いくつかの実施態様において、(AA)
nは、グルタミン-バリン-シトルリン-PABCである。当業者は、PABCを、以下の構造:
【化127】
を有するp-アミノベンジルオキシカルボニルの残基として認識するであろう。PABC残基が、インビトロ及びインビボである特定のリンカーの切断を促進することが示されている。当業者は、PABをp-アミノベンジルの二価の残基すなわち-NH-(p-C
6H
4)-CH
2-として認識するであろう。
【0164】
いくつかの実施態様において、リンカーは:
【化128】
である
(式中、
各
【化129】
は、結合剤への結合であり;
各
【化130】
は、ペイロードへの結合であり;
各R
9は、-CH
3又は-(CH
2)
3N(H)C(O)NH
2であり;かつ
各Aは、-O-、-NH-、
【化131】
(式中、ZZは、水素、又は本明細書の別の場所で述べたアミノ酸の側鎖である)である。さらなる例として、一実施態様において、ZZは、C
1-6アルキルである。さらなる例として、一実施態様において、ZZは、C
1-6ヘテロアルキルである。本パラグラフの特定の実施態様において、Aは、一級アミン化合物又はその残基から誘導されてもよく、ここで、Xは、本明細書の別の場所で説明されるように-N
3である。これらの実施態様において、1,2,3-トリアゾール残基は、該アジドから、本明細書に記載される化合物又はペイロードのアルキン又は末端アセチレンとの、本明細書の別の場所で説明されるようなクリックケミストリー反応への関与の後に誘導される。従って、非限定的な一例において、Aは、
【化132】
又はそれらの混合物である。あるいは、別の実施態様において、Aは、
【化133】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化134】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化135】
又はそれらの混合物である。上述のように、結合剤への結合は、直接のものとすることも、スペーサーを介してのものとすることもできる。ある実施態様において、結合剤への結合は、PEGスペーサーを介しての該結合剤のグルタミン残基へのものである。
【0165】
いくつかの実施態様において、リンカーは:
【化136】
である
(式中:
各
【化137】
は、結合剤への結合であり;
各
【化138】
は、ペイロードへの結合であり;
各R
9は、-CH
3又は-(CH
2)
3N(H)C(O)NH
2であり;かつ
各Aは、-O-、-N(H)-、
【化139】
(式中、ZZは、水素、又は本明細書の別の場所で述べたアミノ酸の側鎖である)である。例えば、一実施態様において、ZZは、C
1-6アルキルである。さらなる例として、一実施態様において、ZZは、C
1-6ヘテロアルキルである。本パラグラフの特定の実施態様において、Aは、一級アミン化合物又はその残基から誘導されてもよく、ここで、Xは、本明細書の別の場所で説明されるように-N
3である。これらの実施態様において、1,2,3-トリアゾール残基は、該アジドから、本明細書に記載される化合物又はペイロードのアルキン又は末端アセチレンとの、本明細書の別の場所で説明されるようなクリックケミストリー反応への関与の後に誘導される。従って、非限定的な一例において、Aは、
【化140】
又はそれらの混合物である。あるいは、別の実施態様において、Aは、
【化141】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化142】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化143】
又はそれらの混合物である。上述のように、結合剤への結合は、直接のものとすることも、スペーサーを介してのものとすることもできる。ある実施態様において、結合剤への結合は、PEGスペーサーを介しての該結合剤のグルタミン残基へのものである。
【0166】
上記実施態様のいずれかにおいて、(AA)
n基を、1つ以上の強化基で修飾することができる。有利には、該強化基を、(AA)
n内の任意のアミノ酸の側鎖に連結することができる。強化基を連結させるのに有用なアミノ酸としては、リジン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、及びシトルリンが挙げられる。強化基への連結を、アミノ酸側鎖への直接の結合とすることができ、又は該連結を、スペーサー及び/又は反応性基を介する間接的なものとすることができる。有用なスペーサー及び反応性基としては、上述の任意のものが挙げられる。強化基は、当業者によって有用であるとみなされる任意の基とすることができる。例えば、強化基を、これらに限定されないが、生物学的作用、生化学的作用、合成作用、可溶化作用、イメージング作用、検出作用、及び反応性作用などを含む有益な作用を、化合物、ペイロード、リンカーペイロード、又は抗体コンジュゲートに付与する任意の基とすることができる。ある実施態様において、強化基は、親水性基である。ある実施態様において、強化基は、シクロデキストリンである。ある実施態様において、強化基は、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、ヘテロアルキレニルスルホン酸、ヘテロアルキレニルタウリン、ヘテロアルキレニルリン酸もしくはホスフェート、ヘテロアルキレニルアミン(例えば、四級アミン)、又はヘテロアルキレニル糖である。ある実施態様において、糖類としては、限定するものではないが、モノサッカライド、ジサッカライド、及びポリサッカライドが挙げられる。例示的なモノサッカライドとしては、グルコース、リボース、デオキシリボース、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、フルクトースなどが挙げられる。ある実施態様において、糖類としては、グルクロン酸などの糖酸が挙げられ、さらに、グルクロニドなどのコンジュゲートした形態(すなわち、グルクロン酸抱合によるもの)が挙げられる。例示的なジサッカライドとしては、マルトース、スクロース、ラクトース、ラクツロース、トレハロースなどが挙げられる。例示的なポリサッカライドとしては、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、イヌリン、セルロースなどが挙げられる。シクロデキストリンは、当業者に公知の任意のシクロデキストリンとすることができる。ある実施態様において、シクロデキストリンは、アルファシクロデキストリン、ベータシクロデキストリン、もしくはガンマシクロデキストリン、又はそれらの混合物である。ある実施態様において、シクロデキストリンは、アルファシクロデキストリンである。ある実施態様において、シクロデキストリンは、ベータシクロデキストリンである。ある実施態様において、シクロデキストリンは、ガンマシクロデキストリンである。ある実施態様において、強化基は、コンジュゲートの残りの溶解性(solublity)を向上させることができる。ある実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、置換型又は無置換型である。ある実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2)
n-NH-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2)
n-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2CH
2O)
m-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2)
n-N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2、-(CH
2)
n-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2、又は-(CH
2CH
2O)
m-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、nは、1、2、3、4、又は5であり、かつmは、1、2、3、4、又は5である)である。一実施態様において、アルキル又はアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
1-5SO
3Hである。別の実施態様において、ヘテロアルキル又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-NH-(CH
2)
1-5SO
3H(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2CH
2O)
m-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H(式中、mは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2CH
2O)
m-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、mは、1、2、3、4、又は5である)である。いくつかの実施態様において、リンカーは:
【化144】
である
(式中:
SP
1は、スペーサーであり;
SP
2は、スペーサーであり;
SP
3は、(AA)
nのうちの1つのAAに連結されたスペーサーであり;
【化145】
は、結合剤への1つ以上の結合であり;
【化146】
は、ペイロードへの1つ以上の結合であり;
【化147】
は、強化基EGへの1つ以上の結合であり;
各AAは、アミノ酸であり;かつ
nは、1~10の整数である)。上述のように、結合剤への結合は、直接のものとすることも、スペーサーを介してのものとすることもできる。ある実施態様において、結合剤への結合は、PEGスペーサーを介しての該結合剤のグルタミン残基へのものである。
【0167】
SP1スペーサー基は、上述の通りである。SP2スペーサー基は、上述の通りである。各(AA)n基は、上述の通りである。
【0168】
SP3スペーサーは、(AA)n部位を強化基(EG)に接続する部位である。好適なSP3スペーサーとしては、アルキレンもしくはポリエーテル、又は双方を含むものが挙げられるが、これらに限定されない。SP3スペーサーの末端、すなわち、該SP3スペーサーの強化基又はAAに直接結合した部分は、コンジュゲートの化学合成の間に該強化基又はAAを該SP3スペーサーにカップリングさせる目的で用いられる反応性部位由来の部位であり得る。いくつかの例において、SP3スペーサーの末端、すなわち、該スペーサーの強化基又はAAに直接結合した部分は、コンジュゲートの化学合成の間に該強化基又はAAを該スペーサーにカップリングさせる目的で用いられる反応性部位の残基であり得る。ある実施態様において、SP3は、(AA)nのうちの1つのみのAAに連結されたスペーサーである。ある実施態様において、SP3スペーサーは、(AA)nのリジン残基の側鎖に連結される。
【0169】
いくつかの実施態様において、SP
3スペーサーは:
【化148】
である
(式中:
RG′は、反応性基RGの強化剤EGとの反応の結果として生じる反応性基残基であり;
【化149】
は、強化剤への結合であり;
【化150】
は、(AA)
nへの結合であり;
aは、2~8の整数であり;かつ
nは、1~4の整数である)。
【0170】
反応性基RGは、強化剤に対して1つ以上の結合を形成することができることが当業者に公知である任意の反応性基とすることができる。反応性基RGは、強化基と反応して式LPa、式LPb、式LPc、式LPd、式LPa′、式LPb′、式LPc′、式LPd′、式A、式B、式C、式D、式A′、式B′、式C′、式D′、又は式A′′の化合物を形成することができる部分をその構造に含む部位である。強化基へのコンジュゲーション後に、反応性基は、反応性基残基(RG′)となる。反応性基RGは、上述の任意の反応性基とすることができる。例示的な反応性基としては、結合剤と反応することができるハロアセチル、イソチオシアネート、コハク酸イミド、N-ヒドロキシコハク酸イミド、又はマレイミド部分を含むものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0171】
ある実施態様において、反応性基としては、アルキンが挙げられるが、これに限定されない。ある実施態様において、該アルキンは、歪アルキンなどの、銅触媒の非存在下でアジドとの1,3-環化付加反応を受けることができるアルキンである。歪アルキンは、歪み促進アルキン-アジド環化付加(SPAAC)に適しており、シクロアルキン、例えば、シクロオクチン、及び芳香環化アルキンである。好適なアルキンとしては、ジベンゾアザシクロオクチン又は
【化151】
ジベンゾシクロオクチン又は
【化152】
ビアリールアザシクロオクチノン又は
【化153】
二フッ素化シクロオクチン又は
【化154】
置換された、例えば、フッ素化されたアルキン、アザ-シクロアルキン、ビサイクル[6.1.0]ノニン(bicycle[6.1.0]nonyne)又は
【化155】
及びそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。特に有用なアルキンとしては、
【化156】
が挙げられる。
【0172】
いくつかの実施態様において、リンカーは:
【化157】
である
(式中:
RG'は、反応性基RGの結合剤との反応の結果として生じる反応性基残基であり;
PEGは、-NH-PEG4-C(O)-であり;
SP
2は、スペーサーであり;
SP
3は、(AA)
nのうちの1つのAA残基に連結されたスペーサーであり;
【化158】
は、結合剤への1つ以上の結合であり;
【化159】
は、ペイロードへの1つ以上の結合であり;
【化160】
は、強化基EGへの1つ以上の結合であり;
各AAは、アミノ酸残基であり;かつ
nは、1~10の整数である)。
上述のように、結合剤への結合は、直接のものとすることも、スペーサーを介してのものとすることもできる。ある実施態様において、結合剤への結合は、PEGスペーサーを介しての該結合剤のグルタミン残基へのものである。
【0173】
ある実施態様において、リンカーは:
【化161】
であるか;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは立体異性形態、又はその位置異性体、もしくはその位置異性体の混合物である
(式中:
各
【化162】
は、結合剤への結合であり;
各
【化163】
は、ペイロードへの結合であり;
各
【化164】
は、強化剤への結合であり;
各R
9は、-CH
3又は-(CH
2)
3N(H)C(O)NH
2であり;かつ
各Aは、-O-、-N(H)-、
【化165】
(式中、ZZは、水素、又は本明細書の別の場所で述べたアミノ酸の側鎖である)である。例えば、一実施態様において、ZZは、C
1-6アルキルである。さらなる例として、一実施態様において、ZZは、C
1-6ヘテロアルキルである。本パラグラフの特定の実施態様において、Aは、一級アミン化合物又はその残基から誘導されてもよく、ここで、Xは、本明細書の別の場所で説明されるように-N
3である。これらの実施態様において、1,2,3-トリアゾール残基は、該アジドから、本明細書に記載される化合物又はペイロードのアルキン又は末端アセチレンとの、本明細書の別の場所で説明されるようなクリックケミストリー反応への関与の後に誘導される。従って、非限定的な一例において、Aは、
【化166】
又はそれらの混合物である。あるいは、別の実施態様において、Aは、
【化167】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化168】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化169】
又はそれらの混合物である。ある実施態様において、1,3-環化付加もしくはSPAACの位置異性体又は位置異性体の混合物は、適当なアルキンで処理されたPEG-N
3誘導体化抗体から誘導される。例えば、一実施態様において、リンカーは:
【化170】
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは立体異性形態、又はその位置異性体、もしくはその位置異性体の混合物である。さらなる例として、一実施態様において、リンカーは:
【化171】
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは立体異性形態、又はその位置異性体、もしくはその位置異性体の混合物である。さらなる例として、リンカーは:
【化172】
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは立体異性形態、又はその位置異性体、もしくはその位置異性体の混合物である。さらなる例として、一実施態様において、リンカーは:
【化173】
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは立体異性形態、又はその位置異性体、もしくはその位置異性体の混合物である。上述のように、結合剤への結合は、直接のものとすることも、スペーサーを介してのものとすることもできる。ある実施態様において、結合剤への結合は、PEGスペーサーを介しての該結合剤のグルタミン残基へのものである。ある実施態様において、強化剤は、親水性基である。ある実施態様において、強化剤は、シクロデキストリンである。ある実施態様において、強化基は、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、ヘテロアルキレニルスルホン酸、ヘテロアルキレニルタウリン、ヘテロアルキレニルリン酸もしくはホスフェート、ヘテロアルキレニルアミン(例えば、四級アミン)、又はヘテロアルキレニル糖である。ある実施態様において、糖類としては、限定するものではないが、モノサッカライド、ジサッカライド、及びポリサッカライドが挙げられる。例示的なモノサッカライドとしては、グルコース、リボース、デオキシリボース、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、フルクトースなどが挙げられる。ある実施態様において、糖類としては、グルクロン酸などの糖酸が挙げられ、さらに、グルクロニドなどのコンジュゲートした形態(すなわち、グルクロン酸抱合によるもの)が挙げられる。例示的なジサッカライドとしては、マルトース、スクロース、ラクトース、ラクツロース、トレハロースなどが挙げられる。例示的なポリサッカライドとしては、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、イヌリン、セルロースなどが挙げられる。シクロデキストリンは、当業者に公知の任意のシクロデキストリンとすることができる。ある実施態様において、シクロデキストリンは、アルファシクロデキストリン、ベータシクロデキストリン、もしくはガンマシクロデキストリン、又はそれらの混合物である。ある実施態様において、シクロデキストリンは、アルファシクロデキストリンである。ある実施態様において、シクロデキストリンは、ベータシクロデキストリンである。ある実施態様において、シクロデキストリンは、ガンマシクロデキストリンである。ある実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2)
n-NH-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2)
n-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2CH
2O)
m-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2)
n-N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2、-(CH
2)
n-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2、又は-(CH
2CH
2O)
m-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、nは、1、2、3、4、又は5であり、かつmは、1、2、3、4、又は5である)である。一実施態様において、アルキル又はアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
1-5SO
3Hである。別の実施態様において、ヘテロアルキル又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-NH-(CH
2)
1-5SO
3H(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2CH
2O)
m-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H(式中、mは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2CH
2O)
m-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、mは、1、2、3、4、又は5である)である。
【0174】
いくつかの実施態様において、リンカーは:
【化174】
であるか、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは立体異性形態、又はその位置異性体、又はその位置異性体の混合物である
(式中:
各
【化175】
は、結合剤への結合であり;
各
【化176】
は、強化剤への結合であり;
各
【化177】
は、ペイロードへの結合であり;
各R
9は、-CH
3又は-(CH
2)
3N(H)C(O)NH
2であり;かつ
各Aは、-O-、-N(H)-、
【化178】
(式中、ZZは、水素、又は本明細書の別の場所で述べたアミノ酸の側鎖である)である)。例えば、一実施態様において、ZZは、C
1-6アルキルである。さらなる例として、一実施態様において、ZZは、C
1-6ヘテロアルキルである。本パラグラフの特定の実施態様において、Aは、一級アミン化合物又はその残基から誘導されてもよく、ここで、Xは、本明細書の別の場所で説明されるように-N
3である。これらの実施態様において、1,2,3-トリアゾール残基は、該アジドから、本明細書に記載される化合物又はペイロードのアルキン又は末端アセチレンとの、本明細書の別の場所で説明されるようなクリックケミストリー反応への関与の後に誘導される。従って、非限定的な一例において、Aは、
【化179】
又はそれらの混合物である。あるいは、別の実施態様において、Aは、
【化180】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化181】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化182】
又はそれらの混合物である。上述のように、結合剤への結合は、直接のものとすることも、スペーサーを介してのものとすることもできる。ある実施態様において、結合剤への結合は、PEGスペーサーを介しての該結合剤のグルタミン残基へのものである。ある実施態様において、強化剤は、親水性基である。ある実施態様において、強化剤は、シクロデキストリンである。ある実施態様において、強化基は、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、ヘテロアルキレニルスルホン酸、ヘテロアルキレニルタウリン、ヘテロアルキレニルリン酸もしくはホスフェート、ヘテロアルキレニルアミン(例えば、四級アミン)、又はヘテロアルキレニル糖である。ある実施態様において、糖類としては、限定するものではないが、モノサッカライド、ジサッカライド、及びポリサッカライドが挙げられる。例示的なモノサッカライドとしては、グルコース、リボース、デオキシリボース、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、フルクトースなどが挙げられる。ある実施態様において、糖類としては、グルクロン酸などの糖酸が挙げられ、さらに、グルクロニドなどのコンジュゲートした形態(すなわち、グルクロン酸抱合によるもの)が挙げられる。例示的なジサッカライドとしては、マルトース、スクロース、ラクトース、ラクツロース、トレハロースなどが挙げられる。例示的なポリサッカライドとしては、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、イヌリン、セルロースなどが挙げられる。シクロデキストリンは、当業者に公知の任意のシクロデキストリンとすることができる。ある実施態様において、シクロデキストリンは、アルファシクロデキストリン、ベータシクロデキストリン、もしくはガンマシクロデキストリン、又はそれらの混合物である。ある実施態様において、シクロデキストリンは、アルファシクロデキストリンである。ある実施態様において、シクロデキストリンは、ベータシクロデキストリンである。ある実施態様において、シクロデキストリンは、ガンマシクロデキストリンである。ある実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2)
n-NH-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2)
n-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2CH
2O)
m-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2)
n-N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2、-(CH
2)
n-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2、又は-(CH
2CH
2O)
m-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、nは、1、2、3、4、又は5であり、かつmは、1、2、3、4、又は5である)である。一実施態様において、アルキル又はアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
1-5SO
3Hである。別の実施態様において、ヘテロアルキル又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-NH-(CH
2)
1-5SO
3H(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2CH
2O)
m-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H(式中、mは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2CH
2O)
m-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、mは、1、2、3、4、又は5である)である。
【0175】
いくつかの実施態様において、リンカーは:
【化183】
であるか、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは立体異性形態、又はその位置異性体、又はその位置異性体の混合物である
(式中:
各
【化184】
は、結合剤への結合であり;
各
【化185】
は、ペイロードへの結合であり;
R
9は、-CH
3又は-(CH
2)
3N(H)C(O)NH
2であり;かつ
Aは、-O-、-N(H)-、
【化186】
(式中、ZZは、水素、又は本明細書の別の場所で述べたアミノ酸の側鎖である)である)。例えば、一実施態様において、ZZは、C
1-6アルキルである。さらなる例として、一実施態様において、ZZは、C
1-6ヘテロアルキルである。本パラグラフの特定の実施態様において、Aは、一級アミン化合物又はその残基から誘導されてもよく、ここで、Xは、本明細書の別の場所で説明されるように-N
3である。これらの実施態様において、1,2,3-トリアゾール残基は、該アジドから、本明細書に記載される化合物又はペイロードのアルキン又は末端アセチレンとの、本明細書の別の場所で説明されるようなクリックケミストリー反応への関与の後に誘導される。従って、非限定的な一例において、Aは、
【化187】
又はそれらの混合物である。あるいは、別の実施態様において、Aは、
【化188】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化189】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化190】
又はそれらの混合物である。上述のように、結合剤への結合は、直接のものとすることも、スペーサーを介してのものとすることもできる。ある実施態様において、結合剤への結合は、PEGスペーサーを介しての該結合剤のグルタミン残基へのものである。
【0176】
いくつかの実施態様において、リンカーは:
【化191】
であるか、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは立体異性形態、又はその位置異性体、又はその位置異性体の混合物である
(式中:
各
【化192】
は、結合剤への結合であり;
各
【化193】
は、ペイロードへの結合であり;
R
9は、-CH
3又は-(CH
2)
3N(H)C(O)NH
2であり;かつ
Aは、-O-、-N(H)-、
【化194】
(式中、ZZは、水素、又は本明細書の別の場所で述べたアミノ酸の側鎖である)である)。例えば、一実施態様において、ZZは、C
1-6アルキルである。さらなる例として、一実施態様において、ZZは、C
1-6ヘテロアルキルである。本パラグラフの特定の実施態様において、Aは、一級アミン化合物又はその残基から誘導されてもよく、ここで、Xは、本明細書の別の場所で説明されるように-N
3である。これらの実施態様において、1,2,3-トリアゾール残基は、該アジドから、本明細書に記載される化合物又はペイロードのアルキン又は末端アセチレンとの、本明細書の別の場所で説明されるようなクリックケミストリー反応への関与の後に誘導される。従って、非限定的な一例において、Aは、
【化195】
又はそれらの混合物である。あるいは、別の実施態様において、Aは、
【化196】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化197】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化198】
又はそれらの混合物である。上述のように、結合剤への結合は、直接のものとすることも、スペーサーを介してのものとすることもできる。ある実施態様において、結合剤への結合は、PEGスペーサーを介しての該結合剤のグルタミン残基へのものである。
【0177】
いくつかの実施態様において、リンカーは:
【化199】
であるか、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは立体異性形態、又はその位置異性体、又はその位置異性体の混合物である
(式中:
各
【化200】
は、結合剤への結合であり;
各
【化201】
は、ペイロードへの結合であり;
各
【化202】
は、強化基への結合であり;
各R
9は、-CH
3又は-(CH
2)
3N(H)C(O)NH
2であり;かつ
各Aは、-O-、-N(H)-、
【化203】
(式中、ZZは、水素、又は本明細書の別の場所で述べたアミノ酸の側鎖である)である)。例えば、一実施態様において、ZZは、C
1-6アルキルである。さらなる例として、一実施態様において、ZZは、C
1-6ヘテロアルキルである。本パラグラフの特定の実施態様において、Aは、一級アミン化合物又はその残基から誘導されてもよく、ここで、Xは、本明細書の別の場所で説明されるように-N
3である。これらの実施態様において、1,2,3-トリアゾール残基は、該アジドから、本明細書に記載される化合物又はペイロードのアルキン又は末端アセチレンとの、本明細書の別の場所で説明されるようなクリックケミストリー反応への関与の後に誘導される。従って、非限定的な一例において、Aは、
【化204】
又はそれらの混合物である。あるいは、別の実施態様において、Aは、
【化205】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化206】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化207】
又はそれらの混合物である。上述のように、結合剤への結合は、直接のものとすることも、スペーサーを介してのものとすることもできる。ある実施態様において、結合剤への結合は、PEGスペーサーを介しての該結合剤のグルタミン残基へのものである。ある実施態様において、強化剤は、親水性基である。ある実施態様において、強化剤は、シクロデキストリンである。ある実施態様において、強化基は、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、ヘテロアルキレニルスルホン酸、ヘテロアルキレニルタウリン、ヘテロアルキレニルリン酸もしくはホスフェート、ヘテロアルキレニルアミン(例えば、四級アミン)、又はヘテロアルキレニル糖である。ある実施態様において、糖類としては、限定するものではないが、モノサッカライド、ジサッカライド、及びポリサッカライドが挙げられる。例示的なモノサッカライドとしては、グルコース、リボース、デオキシリボース、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、フルクトースなどが挙げられる。ある実施態様において、糖類としては、グルクロン酸などの糖酸が挙げられ、さらに、グルクロニドなどのコンジュゲートした形態(すなわち、グルクロン酸抱合によるもの)が挙げられる。例示的なジサッカライドとしては、マルトース、スクロース、ラクトース、ラクツロース、トレハロースなどが挙げられる。例示的なポリサッカライドとしては、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、イヌリン、セルロースなどが挙げられる。シクロデキストリンは、当業者に公知の任意のシクロデキストリンとすることができる。ある実施態様において、シクロデキストリンは、アルファシクロデキストリン、ベータシクロデキストリン、もしくはガンマシクロデキストリン、又はそれらの混合物である。ある実施態様において、シクロデキストリンは、アルファシクロデキストリンである。ある実施態様において、シクロデキストリンは、ベータシクロデキストリンである。ある実施態様において、シクロデキストリンは、ガンマシクロデキストリンである。ある実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2)
n-NH-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2)
n-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2CH
2O)
m-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2)
n-N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2、-(CH
2)
n-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2、又は-(CH
2CH
2O)
m-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、nは、1、2、3、4、又は5であり、かつmは、1、2、3、4、又は5である)である。一実施態様において、アルキル又はアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
1-5SO
3Hである。別の実施態様において、ヘテロアルキル又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-NH-(CH
2)
1-5SO
3H(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2CH
2O)
m-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H(式中、mは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2CH
2O)
m-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、mは、1、2、3、4、又は5である)である。
【0178】
いくつかの実施態様において、リンカーは:
【化208】
であるか、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは立体異性形態、又はその位置異性体、又はその位置異性体の混合物である
(式中:
各
【化209】
は、結合剤への結合であり;
各
【化210】
は、ペイロードへの結合であり;
各R
9は、-CH
3又は-(CH
2)
3N(H)C(O)NH
2であり;かつ
各Aは、-O-、-N(H)-、
【化211】
(式中、ZZは、水素、又は本明細書の別の場所で述べたアミノ酸の側鎖である)である)。例えば、一実施態様において、ZZは、C
1-6アルキルである。さらなる例として、一実施態様において、ZZは、C
1-6ヘテロアルキルである。本パラグラフの特定の実施態様において、Aは、一級アミン化合物又はその残基から誘導されてもよく、ここで、Xは、本明細書の別の場所で説明されるように-N
3である。これらの実施態様において、1,2,3-トリアゾール残基は、該アジドから、本明細書に記載される化合物又はペイロードのアルキン又は末端アセチレンとの、本明細書の別の場所で説明されるようなクリックケミストリー反応への関与の後に誘導される。従って、非限定的な一例において、Aは、
【化212】
又はそれらの混合物である。あるいは、別の実施態様において、Aは、
【化213】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化214】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化215】
又はそれらの混合物である。上述のように、結合剤への結合は、直接のものとすることも、スペーサーを介してのものとすることもできる。ある実施態様において、結合剤への結合は、PEGスペーサーを介しての該結合剤のグルタミン残基へのものである。ある実施態様において、強化剤は、親水性基である。ある実施態様において、強化剤は、シクロデキストリンである。ある実施態様において、強化基は、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、ヘテロアルキレニルスルホン酸、ヘテロアルキレニルタウリン、ヘテロアルキレニルリン酸もしくはホスフェート、ヘテロアルキレニルアミン(例えば、四級アミン)、又はヘテロアルキレニル糖である。ある実施態様において、糖類としては、限定するものではないが、モノサッカライド、ジサッカライド、及びポリサッカライドが挙げられる。例示的なモノサッカライドとしては、グルコース、リボース、デオキシリボース、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、フルクトースなどが挙げられる。ある実施態様において、糖類としては、グルクロン酸などの糖酸が挙げられ、さらに、グルクロニドなどのコンジュゲートした形態(すなわち、グルクロン酸抱合によるもの)が挙げられる。例示的なジサッカライドとしては、マルトース、スクロース、ラクトース、ラクツロース、トレハロースなどが挙げられる。例示的なポリサッカライドとしては、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、イヌリン、セルロースなどが挙げられる。シクロデキストリンは、当業者に公知の任意のシクロデキストリンとすることができる。ある実施態様において、シクロデキストリンは、アルファシクロデキストリン、ベータシクロデキストリン、もしくはガンマシクロデキストリン、又はそれらの混合物である。ある実施態様において、シクロデキストリンは、アルファシクロデキストリンである。ある実施態様において、シクロデキストリンは、ベータシクロデキストリンである。ある実施態様において、シクロデキストリンは、ガンマシクロデキストリンである。ある実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2)
n-NH-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2)
n-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2CH
2O)
m-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H、-(CH
2)
n-N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2、-(CH
2)
n-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2、又は-(CH
2CH
2O)
m-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、nは、1、2、3、4、又は5であり、かつmは、1、2、3、4、又は5である)である。一実施態様において、アルキル又はアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
1-5SO
3Hである。別の実施態様において、ヘテロアルキル又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-NH-(CH
2)
1-5SO
3H(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2CH
2O)
m-C(O)NH-(CH
2)
1-5SO
3H(式中、mは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2)
n-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、nは、1、2、3、4、又は5である)である。別の実施態様において、アルキル、ヘテロアルキル、アルキレニル、又はヘテロアルキレニルスルホン酸は、-(CH
2CH
2O)
m-C(O)N((CH
2)
1-5C(O)NH(CH
2)
1-5SO
3H)
2(式中、mは、1、2、3、4、又は5である)である。
【0179】
いくつかの実施態様において、リンカーは:
【化216】
であるか、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは立体異性形態、又はその位置異性体、又はその位置異性体の混合物である
(式中:
各
【化217】
は、結合剤への結合であり;
各
【化218】
は、ペイロードへの結合であり;
R
9は、-CH
3又は-(CH
2)
3N(H)C(O)NH
2であり;かつ
Aは、-O-、-N(H)-、
【化219】
(式中、ZZは、水素、又は本明細書の別の場所で述べたアミノ酸の側鎖である)である。例えば、一実施態様において、ZZは、C
1-6アルキルである。さらなる例として、一実施態様において、ZZは、C
1-6ヘテロアルキルである。本パラグラフの特定の実施態様において、Aは、一級アミン化合物又はその残基から誘導されてもよく、ここで、Xは、本明細書の別の場所で説明されるように-N
3である。これらの実施態様において、1,2,3-トリアゾール残基は、該アジドから、本明細書に記載される化合物又はペイロードのアルキン又は末端アセチレンとの、本明細書の別の場所で説明されるようなクリックケミストリー反応への関与の後に誘導される。従って、非限定的な一例において、Aは、
【化220】
又はそれらの混合物である。あるいは、別の実施態様において、Aは、
【化221】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化222】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化223】
又はそれらの混合物である。上述のように、結合剤への結合は、直接のものとすることも、スペーサーを介してのものとすることもできる。ある実施態様において、結合剤への結合は、PEGスペーサーを介しての該結合剤のグルタミン残基へのものである。
【0180】
いくつかの実施態様において、リンカーは:
【化224】
であるか、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは立体異性形態、又はその位置異性体、又はその位置異性体の混合物である
(式中:
各
【化225】
は、結合剤への結合であり;
各
【化226】
は、ペイロードへの結合であり;
R
9は、-CH
3又は-(CH
2)
3N(H)C(O)NH
2であり;かつ
Aは、-O-、-N(H)-、
【化227】
(式中、ZZは、水素、又は本明細書の別の場所で述べたアミノ酸の側鎖である)である。例えば、一実施態様において、ZZは、C
1-6アルキルである。さらなる例として、一実施態様において、ZZは、C
1-6ヘテロアルキルである。本パラグラフの特定の実施態様において、Aは、一級アミン化合物又はその残基から誘導されてもよく、ここで、Xは、本明細書の別の場所で説明されるように-N
3である。これらの実施態様において、1,2,3-トリアゾール残基は、該アジドから、本明細書に記載される化合物又はペイロードのアルキン又は末端アセチレンとの、本明細書の別の場所で説明されるようなクリックケミストリー反応への関与の後に誘導される。従って、非限定的な一例において、Aは、
【化228】
又はそれらの混合物である。あるいは、別の実施態様において、Aは、
【化229】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化230】
又はそれらの混合物である。別の実施態様において、Aは、
【化231】
又はそれらの混合物である。上述のように、結合剤への結合は、直接のものとすることも、スペーサーを介してのものとすることもできる。ある実施態様において、結合剤への結合は、PEGスペーサーを介しての該結合剤のグルタミン残基へのものである。
【0181】
特定の実施態様において、開示されるアルキン又は末端アセチレンを有する化合物又はペイロードは、グルタミン残基に連結された-PEG-N
3で誘導体化された結合剤に連結されてもよい。例示的な-N
3誘導体化結合剤、それらの調製のための方法、及びそれらの使用のための方法が、本明細書で提供される。ある実施態様において、-PEG-N
3で誘導体化された結合剤との1,3-環化付加への関与に適した本明細書に記載されるアルキンを有する化合物又はペイロードは、位置異性体の1,2,3-トリアゾリル連結部位を生じさせる。例えば、ある実施態様において、結合剤へ連結された化合物又はペイロードは、
【化232】
又はそれらの混合物とすることができる
(式中、
各
【化233】
は、結合剤への結合である)。
【0182】
(リンカー-ペイロード)
ある実施態様において、リンカー-ペイロードは、リンカーに結合した、上記式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、又は式XIIのうちのいずれか1つ以上によって包含される任意の特定の化合物を含み、ここで、本明細書に記載される該リンカーは、本明細書に記載される抗体又はその抗原結合断片と反応性である部位を含む。特定の実施態様において、該リンカーは、上記式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、又は式XIIのうちのいずれか1つ以上のピペルジン(piperdine)窒素、R
2、R
6、又はR
7に結合している。一実施態様において、リンカー-ペイロードは、式LPa′の構造を有する:
【化234】
(式中、SP
1、(AA)
p、SP
2、R
1、Q、Q
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、及びR
8は、本明細書で開示される実施態様のいずれかに記載される通りである)。一実施態様において、リンカー-ペイロードは、式LPb′の構造を有する:
【化235】
(式中、SP
1、(AA)
p、SP
2、R
1、Q、Q
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、及びR
8は、本明細書で開示される実施態様のいずれかに記載される通りである)。一実施態様において、リンカー-ペイロードは、式LPc′の構造を有する:
【化236】
(式中、SP
1、(AA)
p、SP
2、R
1、Q、Q
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、及びR
8は、本明細書で開示される実施態様のいずれかに記載される通りである)。一実施態様において、リンカー-ペイロードは、式LPd′の構造を有する:
【化237】
(式中、SP
1、(AA)
p、SP
2、R
1、Q、Q
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、及びR
8は、本明細書で開示される実施態様のいずれかに記載される通りである)。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、式LPa′、式LPb′、式LPc′、又は式LPd′は、その医薬として許容し得る塩としてもよい。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、pは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。
【0183】
前述の実施態様のいずれかにおいて、アリールとしては、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、及びピレニルが挙げられ;ヘテロアリールとしては、フラニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、プテリジニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ジベンゾチオフェニル、インドリル、インドリニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、及びベンズトリアゾリルが挙げられ;アシルとしては、R3cが、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールを含む-C(O)R3cが挙げられる。一実施態様において、アリールは、フェニルである。一実施態様において、アリールは、ナフチルである。一実施態様において、アリールは、フルオレニルである。一実施態様において、アリールは、アズレニルである。一実施態様において、アリールは、アントリルである。一実施態様において、アリールは、フェナントリルである。一実施態様において、アリールは、ピレニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、フラニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、チオフェニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、ピロリルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、オキサゾリルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、チアゾリルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、イミダゾリルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、ピラゾリルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、イソオキサゾリルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、イソチアゾリルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、ピリジルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、ピラジニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、ピリミジニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、ピリダジニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、キノリニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、イソキノリニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、シンノリニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、キナゾリニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、キノキサリニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、フタラジニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、プテリジニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、ベンゾフラニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、ジベンゾフラニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、ベンゾチオフェニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、ベンゾオキサゾリルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、ベンズチアゾリルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、ジベンゾチオフェニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、インドリルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、インドリニルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、ベンゾイミダゾリルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、インダゾリルである。一実施態様において、ヘテロアリールは、ベンズトリアゾリルである。一実施態様において、アシルは、-C(O)R3cであり、かつR3cは、アルキルである。一実施態様において、アシルは、-C(O)R3cであり、かつR3cは、アルケニルである。一実施態様において、アシルは、-C(O)R3cであり、かつR3cは、アルキニルである。一実施態様において、アシルは、-C(O)R3cであり、かつR3cは、シクロアルキルである。一実施態様において、アシルは、-C(O)R3cであり、かつR3cは、アリールである。一実施態様において、アシルは、-C(O)R3cであり、かつR3cは、ヘテロアリールである。
【0184】
本セクションの前記実施態様のいずれかにおいて、R7は、-NR7aR7bである(式中、R7a及びR7bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、及びアミノ酸残基であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。ある実施態様において、R7aは、水素であり、かつR7bは、アミノ酸残基である。
【0185】
(コンジュゲート/抗体薬物コンジュゲート(ADC))
本明細書で提供されるのは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、本明細書に記載される式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、及び/又は式XIIの1つ以上の化合物にコンジュゲートされている。
【0186】
本明細書で提供されるのは、式Aのコンジュゲート、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、位置異性形態、もしくは立体異性形態である:
【化238】
(式中、R
1、Q、Q
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びmは、式Iの文脈で上に記載した通りであり、BAは、結合剤であり、Lは、リンカーであり、かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。ある実施態様において、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。ある実施態様において、式Aにおける-L-BAにコンジュゲートした化合物は、上述の式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、及び/又は式XIIの1つ以上の化合物を含み、ここで、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。ある実施態様において、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式Iの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IIIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IVの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式Vの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式VIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式VIIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式VIIIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IXの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式Xの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式XIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式XIIの化合物にコンジュゲートされている。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、式Aにおける-L-BAにコンジュゲートした式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、及び/又は式XIIのいずれか1つ以上の化合物は、ピペリジン窒素を介してコンジュゲートしている。
【0187】
本明細書で提供されるのは、式Bのコンジュゲート、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、位置異性形態、もしくは立体異性形態である:
【化239】
(式中、R
1、Q、Q
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びmは、式Iの文脈で上に記載した通りであり、BAは、結合剤であり、Lは、リンカーであり、かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である)。ある実施態様において、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。ある実施態様において、式Bにおける-L-BAにコンジュゲートした化合物は、上述の式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、及び/又は式XIIの1つ以上の化合物を含み、ここで、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。ある実施態様において、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式Iの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IIIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IVの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式Vの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式VIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式VIIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式VIIIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IXの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式Xの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式XIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式XIIの化合物にコンジュゲートされている。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、式Bにおける-L-BAにコンジュゲートした式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、及び/又は式XIIのいずれか1つ以上の化合物は、二価のR
6を介してコンジュゲートしている。
【0188】
本明細書で提供されるのは、式Cのコンジュゲート、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、位置異性形態、もしくは立体異性形態である:
【化240】
(式中、R
1、Q、Q
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びmは、式Iの文脈で上に記載した通りであり、BAは、結合剤であり、Lは、リンカーであり、かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である)。ある実施態様において、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。ある実施態様において、式Cにおける-L-BAにコンジュゲートした化合物は、上述の式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、及び/又は式XIIの1つ以上の化合物を含み、ここで、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。ある実施態様において、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式Iの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IIIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IVの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式Vの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式VIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式VIIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式VIIIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IXの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式Xの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式XIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式XIIの化合物にコンジュゲートされている。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、式Cにおいて-L-BAにコンジュゲートした式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、及び/又は式XIIのいずれか1つ以上の化合物は、二価のR
7を介してコンジュゲートしている。
【0189】
本明細書で提供されるのは、式Dのコンジュゲート、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、位置異性形態、もしくは立体異性形態である:
【化241】
(式中、R
1、Q、Q
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びmは、式Iの文脈で上に記載した通りであり、BAは、結合剤であり、Lは、リンカーであり、かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である)。ある実施態様において、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。ある実施態様において、式Dにおいて-L-BAにコンジュゲートした化合物は、上述の式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、及び/又は式XIIの1つ以上の化合物を含み、ここで、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。ある実施態様において、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式Iの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IIIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IVの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式Vの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式VIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式VIIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式VIIIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式IXの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式Xの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式XIの化合物にコンジュゲートされている。本段落の任意の実施態様において、BAは、抗体、又はその抗原結合断片であり、ここで、該抗体は、上述のように、式XIIの化合物にコンジュゲートされている。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、式Dにおける-L-BAにコンジュゲートした式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、及び/又は式XIIのいずれか1つ以上の化合物は、二価のR
2を介してコンジュゲートしている。
【0190】
式Bの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-CH
2-であり;R
1は、C
1-C
10アルキルであり;R
2は、C
5-C
10アルキルであり;R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;R
4は、水素であり;R
5は、C
1-C
5アルキルであり;R
6は、-NHNH-であり;R
7は、ハロゲンであり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。式Bの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-CH
2-であり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4は、水素であり;R
5は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
6は、-NHNH-であり;R
7は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードであり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。一実施態様において、式Bのコンジュゲートは、式Biを含む:
【化242】
(式中、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
5は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
7は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードであり;かつkは、1、2、3、又は4である)。式Biの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチルであり;R
2は、ペンチル、及びその構造異性体であり;R
3は、-C(O)CH
3であり;R
5は、メチルであり;R
7は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードであり;かつkは、1、2、3、又は4である。一実施態様において、式Bのコンジュゲートは、以下のコンジュゲートを含む:
【化243】
(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、BAは、抗体又はその抗原結合断片である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、2である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、3である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、4である。
【0191】
式Bの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-O-であり;R
1は、C
1-C
10アルキルであり;R
2は、C
5-C
10アルキルであり;R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;R
4は、水素であり;R
5は、C
1-C
5アルキルであり;R
6は、-NHNH-であり;R
7は、-OHであり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。式Bの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-O-であり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4は、水素であり;R
5は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
6は、-NHNH-であり;R
7は、-OHであり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。一実施態様において、式Bのコンジュゲートは、式Biiを含む:
【化244】
(式中、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
5は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
7は、-OHであり;かつkは、1、2、3、又は4である)。式Biiの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチルであり;R
2は、ペンチル、及びその構造異性体であり;R
3は、-C(O)CH
3であり;R
5は、メチルであり;R
7は、-OHであり;かつkは、1、2、3、又は4である。一実施態様において、式Bのコンジュゲートは、以下:
【化245】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、BAは、抗体又はその抗原結合断片である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、2である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、3である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、4である。
【0192】
式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-CH
2-であり;R
1は、C
1-C
10アルキルであり;R
2は、C
5-C
10アルキニルであり;R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;R
4及びR
5は、独立に、C
1-C
5アルキルであり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-CH
2-であり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、又はデシニルであり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、式Ciを含む:
【化246】
(式中、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、又はデシニルであり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
7は、-NH-であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。式Ciの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチルであり;R
2は、ペンチニルであり;R
3は、-C(O)CH
3であり;R
4及びR
5は、メチルであり;R
7は、-NH-であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化247】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、BAは、抗体又はその抗原結合断片である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、2である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、3である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、4である。
【0193】
式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-O-であり;R
1は、C
1-C
10アルキルであり;R
2は、C
5-C
10アルキニルであり;R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;R
4及びR
5は、独立に、C
1-C
5アルキルであり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-O-であり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、又はデシニルであり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、式Ciiを含む:
【化248】
(式中、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、又はデシニルであり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
7は、-NH-であり;かつkは、1、2、3、又は4である。式Ciiの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチルであり;R
2は、ペンチニルであり;R
3は、-C(O)CH
3であり;R
4及びR
5は、メチルであり;R
7は、-NH-であり;かつkは、1、2、3、又は4である。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化249】
からなる群から選択される化合物を含む
(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化250】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化251】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化252】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化253】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化254】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化255】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化256】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化257】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化258】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化259】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化260】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、BAは、抗体又はその抗原結合断片である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、2である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、3である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、4である。
【0194】
式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-CH
2-であり;R
1は、C
1-C
10アルキルであり;R
2は、C
5-C
10アルキニルであり;R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;R
4及びR
5は、独立に、C
1-C
5アルキルであり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-CH
2-であり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、又はデシニルであり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、式Ciを含む:
【化261】
(式中、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、又はデシニルであり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
7は、-NH-であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。式Ciの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチルであり;R
2は、ペンチニルであり;R
3は、-C(O)CH
3であり;R
4及びR
5は、メチルであり;R
7は、-NH-であり;かつkは、1、2、3、又は4である。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化262】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、BAは、抗体又はその抗原結合断片である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、2である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、3である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、4である。
【0195】
式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-O-であり;R
1は、C
1-C
10アルキルであり;R
2は、C
5-C
10アルキルであり;R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;R
4及びR
5は、独立に、C
1-C
5アルキルであり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-O-であり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、式Ciiを含む:
【化263】
(式中、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
7は、-NH-であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。式Ciiの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチルであり;R
2は、ペンチルであり;R
3は、-C(O)CH
3であり;R
4及びR
5は、メチルであり;R
7は、-NH-であり;かつkは、1、2、3、又は4である。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化264】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化265】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化266】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、BAは、抗体又はその抗原結合断片である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、2である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、3である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、4である。
【0196】
式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-CH
2-であり;R
1は、C
1-C
10アルキルであり;R
2は、C
5-C
10アルキニルであり;R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;R
4及びR
5は、独立に、C
1-C
5アルキルであり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-CH
2-であり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、又はデシニルであり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、式Ciを含む:
【化267】
(式中、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、又はデシニルであり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
7は、-NH-であり;かつkは、1、2、3、又は4である。式Ciの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチルであり;R
2は、ペンチニルであり;R
3は、-C(O)CH
3であり;R
4及びR
5は、メチルであり;R
7は、-NH-であり;かつkは、1、2、3、又は4である。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化268】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、BAは、抗体又はその抗原結合断片である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、2である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、3である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、4である。
【0197】
式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-CH
2-であり;R
1は、C
1-C
10アルキルであり;R
2は、C
5-C
10アルキルであり;R
3は、-C(O)C
1-C
5アルキルであり;R
4及びR
5は、独立に、C
1-C
5アルキルであり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、ハロゲンであり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-CH
2-であり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシルであり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、ハロゲンであり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、式Ciiiを含む:
【化269】
(式中、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシルであり;R
3は、-C(O)CH
3、-C(O)CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
3、-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
7は、-NH-であり;R
8は、ハロゲンであり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、又は4である。式Ciiiの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチルであり;R
2は、ペンチルであり;R
3は、-C(O)CH
3であり;R
4及びR
5は、メチルであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、ハロゲンであり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、又は4である。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化270】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下を含む
【化271】
(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、BAは、抗体又はその抗原結合断片である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、2である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、3である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、4である。
【0198】
式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-O-であり;R
1は、C
1-C
10アルキルであり;R
2は、C
5-C
10アルキルであり;R
3は、-C(O)N(H)C
1-C
10アルキルであり;R
4及びR
5は、独立に、C
1-C
5アルキルであり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-O-であり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
3は、-C(O)N(H)CH
3、-C(O)N(H)CH
2CH
3、-C(O)N(H)CH
2CH
2CH
3、-C(O)N(H)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)N(H)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、水素であり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、式Ciiを含む:
【化272】
(式中、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
3は、-C(O)N(H)CH
3、-C(O)N(H)CH
2CH
3、-C(O)N(H)CH
2CH
2CH
3、-C(O)N(H)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)N(H)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
7は、-NH-であり;かつkは、1、2、3、又は4である。式Ciiの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチルであり;R
2は、ペンチルであり;R
3は、-C(O)N(H)CH
3であり;R
4及びR
5は、メチルであり;R
7は、-NH-であり;かつkは、1、2、3、又は4である。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化273】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化274】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、BAは、抗体又はその抗原結合断片である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、2である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、3である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、4である。
【0199】
式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-CH
2-であり;R
1は、C
1-C
10アルキルであり;R
2は、C
5-C
10アルキルであり;R
3は、-C(O)N(H)C
1-C
5アルキルであり;R
4及びR
5は、独立に、C
1-C
5アルキルであり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、ハロゲンであり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。式Cの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;Qは、-CH
2-であり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシルであり;R
3は、-C(O)N(H)CH
3、-C(O)N(H)CH
2CH
3、-C(O)N(H)CH
2CH
2CH
3、-C(O)N(H)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)N(H)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
6は、-OHであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、ハロゲンであり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、式Ciiiを含む:
【化275】
(式中、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシル、及びそれらの構造異性体であり;R
2は、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシルであり;R
3は、-C(O)N(H)CH
3、-C(O)N(H)CH
2CH
3、-C(O)N(H)CH
2CH
2CH
3、-C(O)N(H)CH
2CH
2CH
2CH
3、又は-C(O)N(H)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3であり;R
4及びR
5は、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチル、及びそれらの構造異性体であり;R
7は、-NH-であり;R
8は、ハロゲンであり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、又は4である。式Ciiiの一実施態様において、BAは、結合剤であり;Lは、リンカーであり;R
1は、メチルであり;R
2は、ペンチルであり;R
3は、-C(O)N(H)CH
3であり;R
4及びR
5は、メチルであり;R
7は、-NH-であり;R
8は、ハロゲンであり;mは、1であり;かつkは、1、2、3、又は4である。一実施態様において、式Cのコンジュゲートは、以下:
【化276】
からなる群から選択される化合物を含む(式中、BAは、結合剤であり;かつkは、1、2、3、又は4である)。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、BAは、抗体又はその抗原結合断片である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1~2、1~3、2~3、2~4、3~4、又は1~4の範囲である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、1である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、2である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、3である。本パラグラフにおける実施態様のいずれかにおいて、kは、4である。
【0200】
ある実施態様において、抗体又はその抗原結合断片を、本明細書に記載される式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、及び/又は式XIIのうちのいずれか1つ以上に直接コンジュゲートさせることができる。一実施態様において、抗体-薬物コンジュゲートは、以下
【化277】
からなる群から選択される、本明細書に記載される式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、及び/又は式XIIのうちのいずれか1つ以上にコンジュゲートされた抗体又はその抗原結合断片を含む。一実施態様において、抗体-薬物コンジュゲートは、
【化278】
にコンジュゲートされた抗体又はその抗原結合断片を含む。一実施態様において、抗体-薬物コンジュゲートは、
【化279】
にコンジュゲートされた抗体又はその抗原結合断片を含む。一実施態様において、抗体-薬物コンジュゲートは、
【化280】
にコンジュゲートされた抗体又はその抗原結合断片を含む。一実施態様において、抗体-薬物コンジュゲートは、
【化281】
にコンジュゲートされた抗体又はその抗原結合断片を含む。一実施態様において、抗体-薬物コンジュゲートは、
【化282】
にコンジュゲートされた抗体又はその抗原結合断片を含む。一実施態様において、抗体-薬物コンジュゲートは、
【化283】
にコンジュゲートされた抗体又はその抗原結合断片を含む。一実施態様において、抗体-薬物コンジュゲートは、
【化284】
にコンジュゲートされた抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0201】
提供される化合物又はコンジュゲートの実施態様のいずれかにおいて、BAは、PRLRに結合する抗体、又はその抗原結合断片である。提供される化合物又はコンジュゲートの実施態様のいずれかにおいて、BAは、STEAP2に結合する抗体、又はその抗原結合断片である。提供される化合物又はコンジュゲートの実施態様のいずれかにおいて、BAは、抗体又はその抗原結合断片であり、かつコンジュゲーションは、少なくとも1つのQ295残基を介するものである。提供される化合物又はコンジュゲートの実施態様のいずれかにおいて、BAは、抗体又はその抗原結合断片であり、かつコンジュゲーションは、2つのQ295残基を介するものである。提供される化合物又はコンジュゲートの実施態様のいずれかにおいて、BAは、N297Q抗体又はその抗原結合断片である。提供される化合物又はコンジュゲートの実施態様のいずれかにおいて、BAは、N297Q抗体又はその抗原結合断片であり、かつコンジュゲーションは、少なくとも1つのQ295及び少なくとも1つのQ297残基を介するものである。提供される化合物又はコンジュゲートの実施態様のいずれかにおいて、BAは、N297Q抗体又はその抗原結合断片であり、かつコンジュゲーションは、2つのQ295残基及び2つのQ297残基を介するものである。特定の実施態様において、付番は、EU付番体系によるものである。
【0202】
上記実施態様のいずれかにおいて、BAは、抗STEAP2抗体である。ある実施態様において、BAは、下記実施例において記載される抗STEAP2抗体H1H7814Nである。ある実施態様において、BAは、下記実施例において記載される抗STEAP2抗体H1H7814N N297Qである。ある実施態様において、BAは、配列番号:1によるHCVR及び配列番号:5によるLCVRを含む抗STEAP2抗体である。ある実施態様において、BAは、配列番号:1によるHCVR及び配列番号:5によるLCVRを含むN297Q抗体である。ある実施態様において、BAは、それぞれ、配列番号:2、3、4、6、7、及び8によるHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つを含む抗STEAP2抗体である。ある実施態様において、BAは、それぞれ、配列番号:2、3、4、6、7、及び8によるHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つを含むN297Q抗体である。N297Qは、1つ以上の残基297が、アスパラギン(N)からグルタミン(Q)に変異していることを示す。好ましくは、各残基297が、Qに変異している。好適な実施態様において、付番は、EU付番系によるものである。本パラグラフのある実施態様において、kは、1~4である。ある実施態様において、kは、1、2、3、又は4である。ある実施態様において、kは、4である。
【0203】
上記実施態様のいずれかにおいて、BAは、抗PRLR抗体である。ある実施態様において、BAは、下記実施例において記載される抗PRLR抗体H1H6958N2である。ある実施態様において、BAは、下記実施例において記載される抗PRLR抗体H1H6958N2 N297Qである。ある実施態様において、BAは、配列番号:9によるHCVR及び配列番号:13によるLCVRを含む抗PRLR抗体である。ある実施態様において、BAは、配列番号:9によるHCVR及び配列番号:13によるLCVRを含むN297Q抗体である。ある実施態様において、BAは、それぞれ、配列番号:10、11、12、14、15、及び16によるHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つを含む抗PRLR抗体である。ある実施態様において、BAは、それぞれ、配列番号:10、11、12、14、15、及び16によるHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つを含むN297Q抗体である。N297Qは、1つ以上の残基297が、アスパラギン(N)からグルタミン(Q)に変異していることを示す。好ましくは、各残基297が、Qに変異している。好適な実施態様において、付番は、EU付番系によるものである。本パラグラフのある実施態様において、kは、1~4である。ある実施態様において、kは、1、2、3、又は4である。ある実施態様において、kは、4である。
【0204】
本セクションの前記実施態様のいずれかにおいて、R7は、-NR7aR7bである(式中、R7a及びR7bは、各場合に独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、及びアミノ酸残基であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びアシルは、任意に置換されている)。ある実施態様において、R7aは、水素であり、かつR7bは、アミノ酸残基である。
【0205】
(化合物又はペイロード及びリンカー-ペイロード調製する方法)
本明細書で提供される化合物は、当業者にとって明白な任意の方法によって調製、単離、又は入手することができる。例示的な調製方法は、以下の実施例において詳細に記載される。ある実施態様において、本明細書で提供される化合物は、一般にスキームA~Dにより調製することができる:
(スキームA. 例示的な調製スキーム)
【化285】
(スキームB. 例示的な調製スキーム)
【化286】
(スキームC. 例示的な調製スキーム)
【化287】
(スキームD. 例示的な調製スキーム)
【化288】
【0206】
上記の例示的な調製スキームにおいて、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、式Iの文脈で説明されている通りである。スキームAにおいては、アミノ酸をホモログ化し、その後、α-炭素でgem-ジメチル化した。N-スルホニルカルボキサミドは、当業者によって認識されるであろうように、標準条件下でH2NSO2R60を用いて調製することができる。スキームBにおいては、システインが、チアゾール形成への途中で環化に関与し、それに続き、アルドール縮合及びBoc-保護N-アルコキシアミンのマイケル付加が行われた。その後、Boc-保護N-アルコキシアミンを還元して、Boc-保護アミン誘導体とした。スキームCにおいては、Boc-保護N-アルコキシアミンを脱保護し、アシル化した。アジドのシュタウディンガー還元を行い、それに続き、アミド化を行った。アルコールの脱保護、エステルのけん化、及びアルコールのアシル化を行うと、最後から2番目の中間体が得られた。カルボン酸の活性化及びそれに続くアミド化を行うと、式Iの化合物が得られた。スキームDにおける反応は、類似のものであり、ここでは、還元的アミノ化を、合成の初期に行い、それに続き、スキームCの類似の工程を行い、それによって、同じく式Iの化合物を得た。例示的な調製の方法が、後述の実施例で詳細に記載される。
【0207】
本明細書に記載されるリンカー-ペイロードは、一般に、スキームE~H、J、K、M、及びNに示されるような一連のカップリング工程によって合成することができる:
(スキームE. 例示的な調製スキーム)
【化289】
(スキームF. 例示的な調製スキーム)
【化290】
(スキームG. 例示的な調製スキーム)
【化291】
(スキームH. 例示的な調製スキーム)
【化292】
(スキームJ. 例示的な調製スキーム)
【化293】
(スキームK. 例示的な調製スキーム)
【化294】
(スキームM. 例示的な調製スキーム)
【化295】
(スキームN. 例示的な調製スキーム)
【化296】
【0208】
上記の例示的な調製スキームにおいて、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、式Iの文脈で説明された通りである。スキームEにおいては、ペイロードを、ハロゲン化ベンジルで処理して、四級アンモニウムリンカー-ペイロードを生成させる。スキームF、G、J、M、及びNにおいては、ペイロードを、炭酸塩で処理して、リンカー-ペイロードを生成させる。スキームHにおいては、ペイロードを、ベンジルアジドで処理して、トリアゾリルリンカー-ペイロードを生成させる。スキームKにおいては、ペイロードを、ベンジルアルコールでエステル化して、リンカー-ペイロードを生成させる。
【0209】
ある実施態様において、本明細書で提供されるのは、以下:
【化297】
からなる群から選択される化合物(例えば、リンカー-ペイロード)である。本パラグラフ内のある実施態様において、全てのジアステレオマーが想定される。例えば、一実施態様において、
【化298】
の内部の立体化学は、不定又はラセミである。さらなる例として、一実施態様において、
【化299】
の内部の立体化学は、(R)-である。さらなる例として、一実施態様において、
【化300】
の内部の立体化学は、(S)-である。さらなる例として、一実施態様において、
【化301】
の内部の立体化学は、(S)-に対して(R)-が過剰である。さらなる例として、一実施態様において、
【化302】
の内部の立体化学は、(R)-に対して(S)-が過剰である。
【0210】
本明細書に記載されるコンジュゲートは、本明細書に記載されるリンカー-ペイロードを、結合剤、例えば、抗体と、標準的なコンジュゲーション条件下でカップリングすることによって合成することができる(例えば、その全体が引用により本明細書に組み込まれているDoroninaらの文献、Nature Biotechnology 2003, 21, 778を参照されたい)。結合剤が、抗体である場合、該抗体を、該抗体の1つ以上のシステイン又はリジン残基を介してリンカー-ペイロードに連結してもよい。リンカー-ペイロードは、例えば、抗体を還元剤、例えば、ジチオトレリトール(dithiotheritol)に曝して該抗体のジスルフィド結合を切断し、還元された抗体を、例えば、ゲル濾過によって精製し、それに続き、該抗体を、適当な反応性部位、例えば、マレイミド基を含有するリンカー-ペイロードで処理することによってシステイン残基に連結することができる。適当な溶媒としては、水、DMA、DMF、及びDMSOが挙げられるが、これらに限定されない。反応性基、例えば、活性化エステル又は酸ハロゲン化物基を含有するリンカー-ペイロードを、抗体のリジン残基に連結させることができる。適当な溶媒としては、水、DMA、DMF、及びDMSOが挙げられるが、これらに限定されない。コンジュゲートは、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、透析、及び限外濾過/透析濾過を含む公知のタンパク質技術を用いて精製することができる。
【0211】
結合剤、例えば、抗体を、クリックケミストリー反応によってコンジュゲートすることもできる。該クリックケミストリー反応のいくつかの実施態様において、リンカー-ペイロードは、アジドとの位置異性体的1,3-環化付加反応を受けることができる反応性基、例えば、アルキンを含む。そのような適当な反応性基は、上で述べられている。抗体は、1つ以上のアジド基を含む。そのような抗体としては、例えば、アジド-ポリエチレングリコール基で官能化された抗体が挙げられる。ある実施態様において、そのような官能化抗体は、酵素トランスグルタミナーゼの存在下で、少なくとも1つのグルタミン残基、例えば、重鎖Gln295を有する抗体を、一級アミン化合物で処理することによって誘導される。ある実施態様において、そのような官能化抗体は、酵素トランスグルタミナーゼの存在下で、少なくとも1つのグルタミン残基、例えば、重鎖Gln297を有する抗体を、一級アミン化合物で処理することによって誘導される。そのような抗体としては、Asn297Gln(N297Q)変異体が挙げられる。ある実施態様において、そのような官能化抗体は、酵素トランスグルタミナーゼの存在下で、少なくとも2つのグルタミン残基、例えば、重鎖Gln295及び重鎖Gln297を有する抗体を、一級アミン化合物で処理することによって誘導される。そのような抗体としては、Asn297Gln(N297Q)変異体が挙げられる。ある実施態様において、抗体は、合計で2つ又は合計で4つのグルタミン残基に対して本段落に記載されているように2本の重鎖を有する。
【0212】
ある実施態様において、抗体は、各重鎖に1つである2つのグルタミン残基を含む。特定の実施態様において、抗体は、各重鎖にQ295残基を含む。さらなる実施態様において、抗体は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、又はそれを超えるグルタミン残基を含む。これらのグルタミン残基は、重鎖、軽鎖、又は重鎖及び軽鎖の双方に存在することができる。これらのグルタミン残基は、野生型の残基、又は改変された残基とすることができる。該抗体は、標準的な技術により調製することができる。
【0213】
当業者は、抗体が、多くの場合、重鎖配列における残基Q295の近くの残基N297でグリコシル化されていることを認識しているであろう。残基N297でのグリコシル化は、残基Q295でトランスグルタミナーゼと干渉することがある(Dennlerらの文献、上記)。従って、有利な実施態様において、抗体は、グリコシル化されていない。ある実施態様において、抗体は、脱グリコシル化型又はアグリコシル化型である。特定の実施態様において、抗体重鎖は、N297変異を有する。換言すれば、抗体は、もはや297位にアスパラギン残基を有しないように変異している。特定の実施態様において、抗体重鎖は、N297Q変異を有する。そのような抗体は、グリコシル化配列を除去又は無効化する部位特異的変異誘発によってか、グルタミン残基を干渉するグリコシル化部位又は任意の他の干渉する構造以外の部位に挿入する部位特異的変異誘発によって調製することができる。また、そのような抗体は、天然起源又は人工起源より単離することができる。
【0214】
その後、グリコシル化を妨害しない抗体を、一級アミン化合物と反応させるか又はそれで処理する。ある実施態様において、アグリコシル化された抗体を、一級アミン化合物と反応させるか又はそれで処理して、グルタミニル修飾抗体を生じさせる。ある実施態様において、脱グリコシル化された抗体を、一級アミン化合物と反応させるか又はそれで処理して、グルタミニル修飾抗体を生じさせる。
【0215】
前記一級アミンは、トランスグルタミナーゼの存在下でグルタミン残基と共有結合を形成することができる任意の一級アミンとすることができる。有用な一級アミンは、本明細書に記載されている。トランスグルタミナーゼは、当業者によって適当であるとみなされる任意のトランスグルタミナーゼとすることができる。ある実施態様において、トランスグルタミナーゼは、一級アミン化合物上の遊離のアミン基とグルタミン残基の側鎖上のアシル基との間のイソペプチド結合の形成を触媒する酵素である。トランスグルタミナーゼは、タンパク質-グルタミン-γ-グルタミルトランスフェラーゼとしても知られる。特定の実施態様において、トランスグルタミナーゼは、EC 2.3.2.13として分類される。トランスグルタミナーゼは、適当であるとみなされる任意の起源由来のものとすることができる。ある実施態様において、トランスグルタミナーゼは、微生物のものである。有用なトランスグルタミナーゼが、ストレプトマイセス・モバラエンス(Streptomyces mobaraense)、ストレプトマイセス・シナモネウム(Streptomyces cinnamoneum)、ストレプトマイセス・グリセオカルネウム(Streptomyces griseo-carneum)、ストレプトマイセス・ラベンデュラエ(Streptomyces lavendulae)、及びバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)から単離されている。哺乳動物のトランスグルタミナーゼを含む非微生物由来のトランスグルタミナーゼも、使用することができる。ある実施態様において、トランスグルタミナーゼを、熟練した専門家によって適当であるとみなされる任意の技術によって生産することができ、又は任意の起源から入手することができる。特定の実施態様において、トランスグルタミナーゼは、商業的な供給源から入手される。
【0216】
特定の実施態様において、前記一級アミン化合物は、トランスグルタミネーション後にさらなる反応をすることができる反応性基を含む。これらの実施態様において、グルタミニル修飾抗体を、反応性ペイロード化合物又は反応性リンカー-ペイロード化合物と反応させ又はそれで処理して、抗体-ペイロードコンジュゲート又は抗体-リンカー-ペイロードコンジュゲートを生成させることができる。ある実施態様において、一級アミン化合物は、アジドを含む。
【0217】
ある実施態様において、グルタミニル修飾抗体を、反応性リンカー-ペイロードと反応させ又はそれで処理して、抗体-リンカー-ペイロードコンジュゲートを生成させる。該反応は、当業者によって適当であるとみなされる条件下で進行し得る。ある実施態様において、グルタミニル修飾抗体とリンカー-ペイロード化合物との間に結合を形成させるのに適した条件下で、グルタミニル修飾抗体を、反応性リンカー-ペイロード化合物と接触させる。適当な反応条件は、当業者に周知である。例示的な反応は、後述の実施例において提供される。
【0218】
(医薬組成物及び治療の方法)
本明細書で提供されるのは、治療的又は予防的有効量の本明細書に開示される化合物のうちの1種以上、例えば、本明細書で提供される式の化合物のうちの1種以上を投与することを含む、疾患、病態、又は障害を治療及び予防する方法である。疾患、障害、及び/又は病態としては、本明細書に列記される抗原に関連するものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0219】
本明細書に記載される化合物は、単独で又は1種以上の追加の治療薬剤と一緒に投与することができる。1種以上の追加の治療薬剤は、本明細書に記載される化合物の投与の直前に、それと同時に、又はその直後に投与することができる。また、本開示は、本明細書に記載される化合物のいずれかを、1種以上の追加の治療薬剤と組み合わせて含む医薬組成物、及びそのような組合せを、それを必要としている対象に投与することを含む治療の方法を含む。
【0220】
適当な追加の治療薬剤としては:第2のツブリシン、自己免疫性治療薬剤、ホルモン、生物製剤、又はモノクローナル抗体が挙げられるが、これらに限定されない。また、適当な治療薬剤としては、本明細書で記載される化合物の任意の医薬として許容し得る塩、酸、又は誘導体も挙げられるが、これらに限定されない。
【0221】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施態様において、複数用量の本明細書に記載される化合物(又は本明細書に記載される化合物と本明細書において触れられた追加の治療薬剤のうちのいずれかとの組合せを含む医薬組成物)を、規定の時間経過にわたって対象に投与し得る。本開示のこの実施態様による方法は、対象に、複数用量の本明細書に記載される化合物を順次投与することを含む。本明細書で使用される場合、「順次投与すること」は、各用量の化合物が、異なる時点で、例えば、所定の間隔(例えば、数時間、数日、数週、又は数か月)で区切られた異なる日に、対象に投与されることを意味する。本開示は、患者に、本明細書に記載される化合物の単回の初期用量、それに続く、1回以上の該化合物の第2用量、及び任意に、それに続く1回以上の該化合物の第3用量を順次投与することを含む方法を含む。
【0222】
「初期用量」、「第2用量」、及び「第3用量」という用語は、本明細書に記載される化合物の投与の時系列を指す。従って、「初期用量」は、治療レジメンの開始時に投与される用量(別名、「ベースライン用量」)であり;「第2用量」は、初期用量の後に投与される用量であり;「第3用量」は、第2用量の後に投与される用量である。初期、第2、及び第3用量は全て、同じ量の本明細書に記載される化合物を含有してもよいが、通常、投与の頻度の観点から互いに異なり得る。ある実施態様において、初期、第2、及び/又は第3用量に含まれる化合物の量は、治療の過程で互いに異なる(例えば、必要に応じて上方又は下方調整される)。ある実施態様において、2回以上(例えば、2、3、4、又は5回)の用量が、治療レジメンの初めに「ローディング用量」として投与され、それに続き、より低い頻度で投与される後続用量(例えば、「維持用量」)が投与される。
【0223】
本開示のある例示的な実施態様において、各第2及び/又は第3用量は、直前の用量の1~26週間(例えば、1、11/2、2、21/2、3、31/2、4、41/2、5、51/2、6、61/2、7、71/2、8、81/2、9、91/2、10、101/2、11、111/2、12、121/2、13、131/2、14、141/2、15、151/2、16、161/2、17、171/2、18、181/2、19、191/2、20、201/2、21、211/2、22、221/2、23、231/2、24、241/2、25、251/2、26、261/2週間、又はそれより長い期間)後に投与される。本明細書で使用される「直前の用量」という語句は、複数回の投与の連続において、間に別の用量を挟むことなく該連続においてそのまさに次の用量の投与の前に患者に投与されている化合物の用量を意味する。
【0224】
本開示のこの実施態様による方法は、患者に、任意の数の第2及び/又は第3用量の化合物を投与することを含み得る。例えば、ある実施態様において、単一の第2用量のみが患者に投与される。別の実施態様において、2回以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8回、又はそれより多く)の第2用量が患者に投与される。同様に、ある実施態様において、単一の第3用量のみが患者に投与される。別の実施態様において、2回以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8回、又はそれより多く)の第3用量が患者に投与される。投与レジメンは、特定の対象の生涯にわたって無期限に、又はそのような治療がもはや治療的に必要でなくなるかもしくは有益でなくなるまで実施することができる。
【0225】
複数の第2用量を含む実施態様において、各第2用量は、他の第2用量と同じ頻度で投与されてもよい。例えば、各第2用量は、患者に、直前の用量から1~2週間後又は1~2カ月後に投与されてもよい。同様に、複数の第3用量を含む実施態様において、各々の第3用量は、他の第3用量と同じ頻度で投与されてもよい。例えば、各々の第3用量は、患者に、直前の用量から2~12週間後に投与されてもよい。本開示のある実施態様において、第2及び/又は第3用量が患者に投与される頻度は、治療レジメンの間で異なり得る。投与の頻度はまた、臨床検査後の個々の患者の必要性に応じて、医師により、治療の過程で調整されてもよい。
【0226】
本開示には、2~6回のローディング用量が、第1の頻度(例えば、週に1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、月に1回、2カ月毎に1回など)で患者に投与され、それに続き、2回以上の維持用量がより低い頻度で患者に投与される投与レジメンが含まれる。例えば、本開示のこの実施態様によれば、ローディング用量が月に1回の頻度で投与される場合、維持用量は、6週間毎に1回、2カ月毎に1回、3カ月毎に1回などで、患者に投与されてもよい。
【0227】
本開示は、本明細書に記載される化合物及び/又はコンジュゲート、例えば、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、及び式XIIの化合物の医薬組成物、例えば、本明細書に記載される化合物、その塩、立体異性体、位置異性体、多形、並びに医薬として許容し得る担体、希釈剤、及び/又は賦形剤を含む組成物を含む。適当な担体、希釈剤、及び賦形剤の例としては、適切な組成物pHの維持のためのバッファー(例えば、クエン酸バッファー、コハク酸バッファー、酢酸バッファー、リン酸バッファー、乳酸バッファー、シュウ酸バッファーなど)、キャリアタンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、生理食塩水、ポリオール(例えば、トレハロース、スクロース、キシリトール、ソルビトールなど)、界面活性剤(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポリオキソレートなど)、抗微生物剤、及び抗酸化剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0228】
いくつかの例において、本明細書に記載されるのは、がんを治療する方法であって、該がんを患う患者に、治療的有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、及びXIIの化合物、又はその医薬組成物を投与することを含む、前記方法である。いくつかの実施態様において、本明細書で提供されるのは、がんを治療する方法であって、該がんを患う患者に、治療的有効量の本明細書に記載される抗体-ツブリシンコンジュゲート又はその医薬組成物を投与することを含む、前記方法である。いくつかの実施態様において、コンジュゲート、例えば、本明細書に記載される抗体-薬物コンジュゲートの結合剤、例えば、抗体は、特定の種類の腫瘍上で共通しているか、過剰発現されているか、又は修飾されている種類の腫瘍又は抗原に対して特異的な抗原を含む腫瘍抗原と相互作用するか又はそれに結合する。例としては、肺がんのアルファ-アクチニン-4、メラノーマのARTC1、慢性骨髄性白血病のBCR-ABL融合タンパク質、メラノーマのB-RAF、CLPP、又はCdc27、扁平上皮細胞癌のCASP-8、及び腎細胞癌のhsp70-2、並びに以下の共通腫瘍特異的抗原、例えば、BAGE-1、GAGE、GnTV、KK-LC-1、MAGE-A2、NA88-A、TRP2-INT2が挙げられるが、これらに限定されない。腫瘍抗原のさらなる例としては、PSMA、PRLR、MUC16、HER2、EGFRvIII、及び抗STEAP2、及びMETが挙げられるが、これらに限定されない。
【0229】
本明細書で開示される化合物は、脳及び髄膜、中咽頭、気管支分岐系(bronchial tree)、胃腸管、男性及び女性の生殖器系、筋肉、骨、皮膚及び付属器、結合組織、脾臓、免疫系、造血細胞及び骨髄、肝臓及び尿路、並びに眼などの特別な感覚器官に生じる原発性及び/又は転移性腫瘍を治療するのに使用することができる。ある実施態様において、本明細書で提供される化合物は、以下のがん:腎細胞癌、膵癌、頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮癌[HNSCC])、前立腺がん、去勢抵抗性前立腺がん(prostrate cancer)、悪性神経膠腫、骨肉腫、結腸直腸がん、胃がん(例えば、MET増幅を伴う胃がん)、中皮腫、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、卵巣がん、肺がん、小細胞肺がん、非小細胞性肺がん、滑膜肉腫、甲状腺がん、乳がん、PRLR陽性(PRLR+)乳がん、メラノーマ、急性骨髄性白血病、成人T細胞白血病、星細胞腫、膀胱がん、子宮頸がん、胆管細胞癌、子宮内膜がん、食道がん、膠芽腫、カポジ肉腫、腎臓がん、平滑筋肉腫、肝臓がん、リンパ腫、MFH/線維肉腫、鼻咽頭がん、横紋筋肉腫、結腸がん、胃がん、子宮がん、残存癌(ここで、「残存癌」は、抗がん療法での治療後の対象における1つ以上のがん性細胞の存在又は存続を意味する)、並びにウィルムス腫瘍のうちの1つ以上を治療するのに用いられる。いくつかの実施態様において、がんは、乳がんである。いくつかの実施態様において、がんは、前立腺がんである。
【0230】
いくつかの例において、本明細書に記載されるのは、前立腺がんを予防する方法であって、該障害を有する患者に、予防的に有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、及びXIIの化合物、又はその医薬組成物を投与することを含む、前記方法である。
【実施例】
【0231】
(実施例)
本明細書で提供されるのは、新規ツブリシン、そのタンパク質コンジュゲート、並びに該ツブリシン及びコンジュゲートを投与することを含む疾患、障害、及び病態を治療するための方法である。
(表1. ツブリシンペイロード)
【表2】
(表2. ツブリシン リンカー-ペイロード)
【表3】
【表4】
【0232】
発明のある実施態様が、以下の非限定例によって例示される。本明細書で使用される場合、これらのプロセス、スキーム、及び実施例で使用される記号及び規約は、特定の略語が具体的に定義されているかどうかにかかわらず、現代の科学文献、例えば、the Journal of the American Chemical Society又はthe Journal of Biological Chemistryで使用されているものと一致する。限定するものではないが、具体的には、以下の略語を、実施例及び明細書の全体で用いることがある:
【表5】
【0233】
別途明示的に記載されない限り、試薬及び溶媒は、Sinopharm Chemical Reagent Co.(SCRC)、Sigma-Aldrich、Alfa、又は他の供給業者などの商業的供給源から得た。
1H NMR及び他のNMRスペクトルは、Bruker AVIII 400又はBruker AVIII 500で記録した。データを、Nutsソフトウェア又はMestReNovaソフトウェアで処理し、プロトンシフトを内部標準のテトラメチルシラン(TMS)から低磁場側の百万分率(ppm)で測定した。
【0234】
HPLC-MS測定は、Agilent 1200 HPLC/6100 SQシステムで以下の条件を用いて行った:HPLC-MS測定のための方法Aには、移動相として:A:水(0.01%トリフルオロ酢酸(TFA))、B:アセトニトリル(0.01% TFA);グラジエント相:15分以内で5%のBを95%のBまで増加;流速:1.0mL/分;カラム: SunFire C18、4.6×50mm、3.5μm;カラム温度:50℃を含めた。検出器:アナログ-デジタル変換器(ADC)蒸発光散乱検出器(ELSD)、ダイオードアレイ検出器(DAD)(214nm及び254nm)、エレクトロスプレーイオン化-大気イオン化(ES-API)。HPLC-MS測定のための方法Bには、移動相として:A:水(10mM NH4HCO3)、B:アセトニトリル;グラジエント相:15分以内で5%~95%のB;流速:1.0mL/分;カラム: XBridge C18、4.6×50mm、3.5μm;カラム温度:50℃を含めた。検出器:ADC ELSD、DAD(214nm及び254nm)、質量選択検出器(MSD)(ES-API)。
【0235】
LC-MS測定は、Agilent 1200 HPLC/6100 SQシステムで以下の条件を用いて行った:LC-MS測定のための方法Aには、装置として:WATERS 2767;カラム:Shimadzu Shim-Pack、PRC-ODS、20×250mm、15μm、2本を直列に接続;移動相:A:水(0.01% TFA)、B:アセトニトリル(0.01% TFA);グラジエント相:3分以内で5%のBを95%のBまで増加;流速:1.8~2.3mL/分;カラム:SunFire C18、4.6×50mm、3.5μm;カラム温度:50℃を含めた。検出器:ADC ELSD、DAD(214nm及び254nm)、ES-API。LC-MS測定のための方法Bには、装置として:Gilson GX-281;カラム:Xbridge Prep C18 10μm OBD、19×250mm;移動相:A:水(10mM NH4HCO3)、B:アセトニトリル;グラジエント相:3分以内で5%~95%のB;流速:1.8~2.3mL/分;カラム:XBridge C18、4.6×50mm、3.5μm;カラム温度:50℃を含めた。検出器:ADC ELSD、DAD(214nm及び254nm)、MSD(ES-API)。
【0236】
酸性又は塩基性の溶媒系での分取高圧液体クロマトグラフィー(分取HPLC)を、Gilson GX-281装置で利用した。酸性溶媒系には、Waters SunFire 10μm C18 カラム(100Å、250×19mm)を用い、分取HPLCのための溶媒Aは、水/0.05% TFAであり、溶媒Bは、アセトニトリルとした。溶出条件は、30mL/分の流速での20分にわたる溶媒Bの5%から100%までの直線的なグラジエント増加とした。塩基性の溶媒系には、Waters Xbridge 10μm C18 カラム(100Å、250×19mm)を含め、分取HPLCに使用される溶媒Aは、水/10mM重炭酸アンモニウム(NH4HCO3)とし、溶媒Bは、アセトニトリルとした。溶出条件は、30mL/分の流速での20分にわたる溶媒Bの5%から100%までの直線的なグラジエント増加とした。
【0237】
フラッシュクロマトグラフィーは、Agelaフラッシュカラムシリカ-CSカートリッジを用いてBiotageの装置で行った;逆相フラッシュクロマトグラフィーは、Boston ODS又はAgela C18カートリッジを用いてBiotageの装置で行った。
【0238】
分析用キラルHPLC法-SFC条件
a) 装置:SFC Method Station(Thar、Waters)
b) カラム:CHIRALPAK AD-H/AS-H/OJ-H/OD-H 4.6×100mm、5μm(Daicel)
c) カラム温度:40℃
d) 移動相:CO2/IPA(0.1% DEA)=55/45
e) 流速:4.0mL/分
f) 背圧:120バール(12MPa)
g) インジェクション体積:2μL
【0239】
分取キラルHPLC法-SFC条件
a) 装置:SFC-80(Thar、Waters)
b) カラム:CHIRALPAK AD-H/AS-H/OJ-H/OD-H 20×250mm、10μm(Daicel)
c) カラム温度:35℃
d) 移動相:CO2/IPA(0.2%メタノールアンモニア)=30/70
e) 流速:80g/分
f) 背圧:100バール(10MPa)
g) 検出波長:214nm
h) サイクル時間:6.0分
i) 試料溶液:1500mgを70mLのメタノールに溶解
j) インジェクション体積:2mL(ローディング:42.86mg/インジェクション)
【0240】
(調製方法)
表1のツブリシンペイロード(IV、V、VI)は、中間体I(
図1)、II、及びIII(
図4~6)から合成した。表2のツブリシン-リンカー-ペイロードは、市販されているか又は文献(例えば、US2014/227295;及びWO2014/191578A1を参照されたい)により合成された公知のリンカーL-1(
図8)、L-2、L-3(
図9)、及びL-4(
図10A)を用いて、ツブリシンペイロードから合成した。
【0241】
中間体Ia-c及びIg-lの合成を、
図1に示す。Boc-アミノ酸1を、2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン2と縮合させ、それに続き、NaBH
4を用いてケトン3を還元して、化合物4を得た。化合物4を、ワンステップでの開環及びそれに続く閉環のために、加熱条件下での4の脱炭酸によってラクタム5に変換した。5のα位でのメチル化、及びそれに続くラクタム5を酸7へと変換する塩基性加水分解、及び最後のBoc脱保護によって、中間体Ia-c及びIg-lを得た。
【0242】
中間体Id-fの合成は:WO2016/138288A1(Id(R4=F));Org. Lett. 2009、11(24)、5567-5569(Ie(R4=OH));及びUS9,382,289B2(If(R4=NH2))に記載された手順に従った。
【0243】
中間体17a-cの合成を、
図2に示す。チアゾール11は、システインエチルエステル8から2-オキソ-プロパナール9との環化、及びそれに続くMnO
2酸化によって得た。α,β-不飽和ケトン13は、11の2-メチルプロパナール12とのアルドール縮合から得た。ヒドロキシルアミン誘導体15のα,β-不飽和ケトン13へのマイケル付加、及びそれに続くCBSを触媒とする還元によって、cis-17及びtrans-17の混合物を得て、それらを、カラムクロマトグラフィーによって分離し、キラルHPLC又はSFCによってさらに精製して、所望のキラルな17a-cを得た。
【0244】
コーリー・バクシ・柴田還元(別名CBS還元)又は伊津野・コーリー還元は、確立された高度にエナンチオ選択的なケトン還元反応である。オキサザボロリジン試薬が、ケトン16Aの還元を媒介して、高いeeでアルコール17Aを生じさせること、ここで、17A及び立体異性体17Bが、完全に特性評価されていることが報告されている(Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 3526-3529;
図3を参照されたい)。本発明者らは、16a及び16bをCBS-BH
3・SMeを用いて還元して、cis-17a又はcis-17b(de>90%)及びtrans-17a又はtrans-17b(de約80%)を反応の粗生成物から別々に得た。これらの混合エナンチオマーを、キラルSFCによってさらに精製して、純粋なエナンチオマー(de>95%)を得た。また、本発明者らは、別の還元条件を試み、水素化ホウ素ナトリウムを用いて、16cを還元し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの後にcis-17c及びtrans-17cを得た。分離された異性体の各ペアを、それぞれ、キラルHPLCによってさらに単離して、17c-P1、17c-P2、17c-P3、及び17c-P4を得た(全てee>99%)。4つの異性体全についてキラル中心を決定するために、各化合物のN-O結合を、Mo(CO)
6を用いて切断して、それぞれ、17A又は17B、及びそれらのジアステレオ異性体17A′又は17B′を生じさせた。化合物17a-cのキラル中心を、17A及び17Bの双方の
1H NMRデータ及び旋光度データを、同化合物の公表データと比較することによって決定した。
【0245】
O-中間体及びC-中間体(II及びIII)の合成を、
図4に示す。化合物19a-cは、17a-cのO-TBS保護、及びそれに続く18a-cのBoc脱保護によって得た。化合物19d-eは、それぞれ、カプロアルデヒド又は5-ヘキシンアルデヒド20の公知化合物21との還元的アミノ化によって得た(Eur. Pat. Appl.、2409983、25 Jan 2012)。19cの三重結合を、パラジウム-炭素を用いて還元して、19fを生じさせることができる。化合物19a-eを、(2S,3S)-2-アジド-3-メチルペンタノイルクロリド22で処理して、アミド23a-eを得て、その後、それに対して、トリフェニルホスフィンの存在下でのシュタウディンガー還元、及びそれに続くN-メチル-2R-ピペリジンカルボン酸25とのアミド化を行って、アミド26a-eを得た。化合物26a-eを、フッ化セシウムを用いるTBS脱保護及びその後の塩基性の加水分解によって中間体IIa-eに変換した。IIcの三重結合を、パラジウム-炭素を用いて還元して、IIfを得ることができる。中間体IIIa-fは、中間体IIa-fのアセチル化によって得た。中間体IIIgは、TMS-CH
2N
3との[3+2]環化及びそれに続くフッ化セシウムを用いるTBS脱保護によってIIIeから得た。
【0246】
C-ツブリシン誘導体(IV)及びO-ツブリシン誘導体(V)を調製するための合成を、
図5に示す。C-ツブリシン誘導体(IV)は、J. Org. Chem. 2008, 73 (12), 4362-4369に報告されている手順により合成された。
図5に示されているが、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)の存在下でのペンタフルオロフェノール(PFP)を用いる中間体IIId-eのエステル化によって、ペンタフルオロフェニルエステル28a-eが得られ、これを、アミド化においてアミンIa-lで処理すると、追加のFmoc又はTMSの脱保護(TMS脱保護については、
図6Aを参照されたい)の後に、C-ツブリシンペイロードIVa-g及びIVq-xがそれぞれ得られた。O-ツブリシン誘導体(V)は、上述の方法を用いて、IIIa-c及びfから、DICの存在下でのPFPを用いるエステル化及びそれに続くIa-lを用いるアミド化によって合成された。O-ツブリシン誘導体Vb、Ve、及びVhは、追加のFmocの脱保護後に得た。パラジウム-炭素を用いるO-ツブリシン誘導体Viの水素添加によって、アニリン誘導体Vjを得て、それに、熱をかけてさらに水素添加して、Vkを得た。
【0247】
C-トリアゾールツブリシン類縁体(IVh及びj-p)を、
図6Aに示す2通りのアプローチで調製した。第1のアプローチでは、中間体IIIeを、[3+2]クリック反応においてTMS-メチルアジドで処理して、IIIg1を生じさせ、それに続き、フッ化セシウムを用いるTMS脱保護を行って、IIIg2を得た。IIIg2のペンタフルオロフェニルエステル31への変換、及びその後のアミドカップリングを行うと、Fmocの脱保護後にIVhが得られた。第2のアプローチでは、トリアゾールツブリシン類縁体IVj-pを、中間体Fmoc-IVd及び種々のアジド試薬(R
5-N
3)を用いる[3+2]クリック反応、及びそれに続くFmoc脱保護によって調製した。
【0248】
O-ツブリシン誘導体VIa-f,hを調製するための合成を、
図7A及び
図7Bに示す。化合物27aを、ビス(4-ニトロフェニル) カーボネート(NPC)で処理して、活性化カーボネート33を生成させ、その後、それを一級アミンで処理して、化合物34a-e,F,Hをそれぞれ得た。カルバメートVIa-f,hは、それぞれ、例えば、中間体Ieを用いる化合物34a-e,F,Hのアミド化によって得た。
【0249】
リンカー-ツブリシン-ペイロード(LP)を調製するための合成を、LP1については
図8に、LP2については
図9に、LP3及びLP4については
図10Aに、LP5については
図10Bに示す。該リンカー-ペイロードを調製するには2通りのアプローチがある。一方の方法は、LP1の合成(
図8)に例示されるリンカーをペイロードとコンジュゲートさせることであり;別の方法は、LP2の合成(
図9)に例示される、リンカーをペイロードの断片と連結すること、及びそれに続きアミドカップリングを行いリンカー-ペイロードを調製することである。
【0250】
図8に示されているが、LP1は、IVa′を与えるIVaの抱水ヒドラジンとの反応、及びそれに続くMC-VC-PAB-PNP(L-1)での処理によって合成される。
【0251】
図9に示されているが、LP2は、初めにVC-PABを中間体Ieのヒドラジドとカップリングさせることによって合成された。言い換えれば、中間体Ieを、抱水ヒドラジンで処理して、ヒドラジド35を生成させ、それを、N-Fmoc-VC-PAB-PNP(L-2)で処理して、TFAを用いるBoc脱保護後に化合物37を得た。37の中間体IIIaを用いるアミド化によって、Fmocの脱保護の後に化合物39を得た;39のDIBAC-suc-PEG4-COOH(L-3)を用いるアミド化によって、LP2が得られた。
【0252】
重要な中間体を、種々のカラム条件下、キラルなSFCで分析した。ここで、該中間体は全て、>99%のeeを示した。詳細な保持時間(R
t)を、表3において以下のようにまとめた。
(表3.中間体のeeを決定するためのキラルSFCのR
t)
【表6】
【0253】
図10Aに示されているが、リンカーL-2を、中間体7eで処理して、Boc脱保護後に化合物41を得た。化合物41の28e又は28cとのアミドカップリング反応によって、Fmoc脱保護後に、それぞれ、43a又は43bを得た。化合物43a又は43bを、DIBAC-suc-PEG4-NHS(L-4)とカップリングして、それぞれ、LP3又はLP4を得た。
【0254】
(実験手順)
(
図1における中間体Iの合成)
(化合物3のための一般手順)
DCM(20mL)中の化合物1(5g、1.0当量)の混合物に、化合物2(1.1当量)及びDMAP(1.5当量)を0℃で添加し、混合物を0℃で30分撹拌してから、EDCI(1.1当量)を、該反応混合物中に添加した。得られた混合物を、室温で1晩撹拌した。LCMSにより、反応が完結したことが示された。混合物を、硫酸水素カリウム水(5%、4×)及びブラインで洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下濃縮した。残渣を、メタノールからトリチュレートして、化合物3(収率50~60%)を白色の固体として得た。
【0255】
【化303】
(tert-ブチル N-[(2S)-1-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル] カルバメート(3a))
化合物3のための一般手順に従い、化合物3a(4.2g、収率57%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 805 (2M + Na)
+。
【化304】
【0256】
【化305】
(tert-ブチル N-[(2S)-1-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)-1-オキソプロパン-2-イル]カルバメート(3b))
化合物3のための一般手順に従い、化合物3b(4.2g、収率58%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 841 (2M + Na)
+。
【化306】
【0257】
【化307】
((S)-tert-ブチル 1-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)-3-(4-ニトロフェニル)-1-オキソプロパン-2-イルカルバメート(3d))
化合物3のための一般手順に従い、化合物3c(3.3g、収率47%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 459 (M + Na)
+。
【化308】
【0258】
【化309】
(tert-ブチル 1-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)-3-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-1-オキソプロパン-2-イルカルバメート(3f))
化合物3のための一般手順に従い、化合物3f(62g、粗生成物)を、黄色固体として得て、それを、さらに精製することなく次の工程で使用した。ESI m/z: 477 (M + Na)
+。(注:化合物1fは、文献:J. Am. Chem. Soc., 2010, 132(22), 7776-7783)によって合成された。
【0259】
【化310】
(tert-ブチル 1-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)-3-(3-フルオロ-4-ニトロフェニル)-1-オキソプロパン-2-イルカルバメート(3j))
ジオキサン(140mL)及び水(70mL)中の2-アミノ-3-(3-フルオロ-4-ニトロフェニル)プロパン酸(3.5g、15mmol;Medicinal Chemistry Letters 2016, 7(3), 250-255により合成)の溶液に、炭酸ナトリウム(4.8g、46mmol)及びBoc
2O(3.6g、17mmol)を0℃で添加した。混合物を、反応が完結するまで、室温で4時間撹拌した。これは、LCMSによってモニタリングされた。反応混合物を水で希釈し、濃HClでpH 2~3まで酸性化した。水性混合物を、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機溶液を、ブラインで洗浄した。揮発性物質を、真空下で除去し、残った粗生成物を、石油エーテル中25%の酢酸エチルから再結晶して、化合物1j(4.7g、収率87%)を、淡黄色固体として得た。ESI m/z: 351.1 (M + Na)
+。化合物1jを用いて化合物3のための一般手順に従い、化合物3j(4.0g、粗収率96%)を、褐色の固体として得て、それを、さらに精製することなく次の工程で使用した。ESI m/z: 477.1 (M + Na)
+。
【0260】
【化311】
(tert-ブチル (S)-(3-(4-(ベンジルオキシ)-3-ニトロフェニル)-1-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(3k))
化合物1k(J. Am. Chem. Soc. 1980, 102, 7156-7157により合成)を用いて化合物3のための一般手順に従い、化合物3k(4.8g、粗収率97%)を、淡緑色の固体として得て、それを、さらに精製することなく次の工程で用いた。ESI m/z: 565.1 (M + Na)
+。
【0261】
【化312】
(tert-ブチル (3-(3-(ベンジルオキシ)-4-ニトロフェニル)-1-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(3l))
化合物1l(J. Med. Chem. 1997, 40, 3182-3191によって合成された2-アミノ-3-(3-ヒドロキシ-4-ニトロフェニル)プロパン酸から出発したことを除き、1kにおけるものと類似の手順を用いて合成)を用いて、化合物3のための一般手順に従い、化合物3l(4.6g、粗収率95%)を、青白い固体として得て、それを、さらに精製することなく次の工程で用いた。ESI m/z: 565.1 (M + Na)
+。
【0262】
(化合物4のための一般手順)
DCM(20mL)中の化合物3(1.0当量)の溶液に、0℃で、連続的に、酢酸(11当量)をシリンジによって及び水素化ホウ素ナトリウム(2.5当量)を数回に分けて添加した。反応混合物を、化合物3が完全に消費されるまで、0℃で2時間撹拌した。これは、LCMSによってモニタリングされた。その後、混合物を0℃でブラインでクエンチし、DCMで抽出した(3回)。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/DCMによって溶出させた)によって精製して、化合物4を得た(収率83~96%)。
【0263】
【化313】
(tert-ブチル N-[(2R)-1-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)-3-フェニルプロパン-2-イル]カルバメート(4a))
化合物4のための一般手順に従い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/DCM v/v=1/10によって溶出させた)による精製後に、化合物4a(3.8g、収率95%)を無色のオイルとして得た。ESI m/z: 777 (2M + Na)
+。
【化314】
【0264】
【化315】
(tert-ブチル N-[(2R)-1-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)プロパン-2-イル] カルバメート(4b))
化合物4のための一般手順に従い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/DCM v/v=1/1によって溶出させた)による精製後に、化合物4b(3.8g、収率95%)を無色のオイルとして得た。ESI m/z: 813 (2M + Na)
+。
【化316】
【0265】
【化317】
(tert-ブチル N-[(2R)-1-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)-3-(4-ニトロフェニル)プロパン-2-イル] カルバメート(4d))
化合物4のための一般手順に従い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/DCM v/v=3/2によって溶出させた)による精製後に、化合物4d(11g、収率83%)を、無色のオイルとして得た。ESI m/z: 867 (2M + Na)
+。
【化318】
【0266】
【化319】
(tert-ブチル 1-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)-3-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)プロパン-2-イルカルバメート(4f))
化合物4のための一般手順に従い、化合物4f(35g、2工程で収率79%)を黄色固体として得た。ESI m/z: 463 (M + Na)
+。
【0267】
【化320】
(tert-ブチル 1-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)-3-(3-フルオロ-4-ニトロフェニル)プロパン-2-イルカルバメート(4j))
化合物4のための一般手順に従い、化合物3jを用いて、化合物4j(3.4g、2工程で収率77%)を黄色固体として得た。ESI m/z: 463.1 (M + Na)
+。
【0268】
【化321】
(tert-ブチル (S)-(1-(4-(ベンジルオキシ)-3-ニトロフェニル)-3-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(4k))
化合物4のための一般手順に従い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル v/v=1/1によって溶出させた)による精製後に、化合物4k(2.0g、収率46%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 552.1 (M + Na)
+。
【0269】
【化322】
(tert-ブチル (1-(3-(ベンジルオキシ)-4-ニトロフェニル)-3-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(4l))
化合物4のための一般手順に従い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル v/v=1/1によって溶出させた)による精製後に、化合物4l(2.0g、収率48%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 552.1 (M + Na)
+。
【0270】
(化合物5のための一般手順)
化合物4のトルエン(0.2~0.5g/mL)溶液を、90℃で3時間撹拌した。ここで、化合物4の化合物5への転化率は、LCMSによってモニタリングした。その後、揮発性物質を真空下除去した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテルによって溶出させた)によって精製して、化合物5(収率82~91%)をオイルとして得た。
【0271】
【化323】
(tert-ブチル (2R)-2-ベンジル-5-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(5a))
化合物5のための一般手順に従い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル v/v=1/9によって溶出させた)による精製後に、化合物5a(2.3g、収率82%)を無色のオイルとして得た。ESI m/z: 220 (M - 55)
+。
【化324】
【0272】
【化325】
(tert-ブチル (2R)-2-[(4-フルオロフェニル)メチル]-5-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(5b))
化合物5のための一般手順に従い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテルv/v=1/5によって溶出させた)による精製後に、化合物5b(5.1g、収率91%)を黄色のオイルとして得た。ESI m/z: 609 (2M + Na)
+。
【化326】
【0273】
【化327】
(tert-ブチル (2R)-2-[(4-ニトロフェニル)メチル]-5-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(5d))
化合物5のための一般手順に従い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテルv/v=1/9によって溶出させた)による精製後に、化合物5d(7.9g、収率90%)を黄色のオイルとして得た。ESI m/z: 663 (2M + Na)
+。
【化328】
【0274】
【化329】
(tert-ブチル 2-(4-フルオロ-3-ニトロベンジル)-5-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(5f))
化合物5のための一般手順に従い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCMによって溶出させた)による精製後に、化合物5f(15g、収率78%)を黄色のオイルとして得た。ESI m/z: 361 (M + Na)
+。
【0275】
【化330】
(tert-ブチル 2-(3-アミノ-4-フルオロベンジル)-5-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(5g))
酢酸エチル(100mL)中の化合物5f(15g、44mmol)の溶液に、含水10% Pd/C(1.5g)を添加した。混合物を脱気し、水素で3回置換し、得られた混合物を、LCMSに基づいて反応が完結するまで室温で水素風船下3時間撹拌した。得られた混合物を、セライトを通して濾過し、濾液を真空下濃縮すると、粗化合物5g(14g、粗生成物)が黄色固体として得られ、それを次の工程に直接用いた。ESI m/z: 209.1 (M - Boc + H)
+。
【0276】
【化331】
(tert-ブチル 2-(3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-4-フルオロベンジル)-5-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(5h1))
THF(10mL)中の化合物5g(0.74g、2.4mmol)の溶液に、重炭酸ナトリウム(0.30g、3.6mmol)及びCbzCl(0.38mL、2.64mmol)を0℃で添加した。混合物を、室温で4時間撹拌した。これは、LCMSによってモニタリングされた。得られた混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中0~35%の酢酸エチル)によって精製して、化合物5h1(0.85g、収率80%)を淡黄色のオイルとして得た。ESI m/z: 343.1 (M - Boc + H)
+。
【0277】
【化332】
(tert-ブチル 2-(3-(ジベンゾイルアミノ)-4-フルオロベンジル)-5-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(5i))
DMF(200mL)中の化合物5g(14g、44mmol)の溶液に、炭酸カリウム(18g、0.13mol)及び臭化ベンジル(13mL、0.11mol)を、室温で添加した。得られた混合物を、LCMSに基づいて5iがそれ以上生成されなくなるまで80℃で1晩撹拌した。室温まで冷却後、得られた混合物を、水(500mL)に注ぎ、DCM(200mL×2)で抽出した。合わせた有機溶液を、水(100mL×2)及びブライン(200mL×1)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下濃縮して、化合物5i(24g、粗生成物)を黄色のオイルとして得た。ESI m/z: 489.2 (M + H)
+。
【0278】
【化333】
(tert-ブチル 2-(3-フルオロ-4-ニトロベンジル)-5-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(5j1))
化合物5のための一般手順に従い、化合物4jを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCMによって溶出させた)による精製後に、化合物5j1(1.7g、収率63%)を黄色のオイルとして得た。ESI m/z: 361.1 (M + Na)
+。
【化334】
【0279】
【化335】
(tert-ブチル 2-(4-アミノ-3-フルオロベンジル)-5-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(5j2))
酢酸エチル(30mL)中の化合物5j1(1.5g、4.4mmol)の溶液に、含水10% Pd/C(0.30g)を添加した。混合物を脱気し、水素で3回置換し、得られた混合物を、室温で水素風船下LCMSに基づいて反応が完結するまで3時間撹拌した。得られた混合物を、セライトを通して濾過し、濾液を真空下濃縮すると、粗化合物5j2(1.4g、粗生成物)が黄色固体として得られ、それを次の工程に直接用いた。ESI m/z: 209.1 (M - Boc + H)
+。
【0280】
【化336】
(tert-ブチル 2-(4-(ジベンゾイルアミノ)-3-フルオロベンジル)-5-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(5j))
DMF(3mL)中の化合物5j2(0.22g、0.71mmol)の溶液に、炭酸カリウム(0.35g、2.5mmol)及び臭化ベンジル(0.25mL、2.1mmol)を室温で添加した。得られた混合物を、LCMSに基づいて5jがそれ以上存在しなくなるまで80℃で1晩撹拌した。室温まで冷却後、得られた混合物を、水(50mL)に注ぎ、DCM(25mL×2)で抽出した。合わせた有機溶液を、水(25mL×2)及びブライン(50mL×1)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下濃縮して、化合物5j(0.33g、粗収率95%)を黄色のオイルとして得た。ESI m/z: 489.3 (M + H)
+。
【0281】
【化337】
(tert-ブチル (R)-2-(4-(ベンジルオキシ)-3-ニトロベンジル)-5-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(5k))
化合物5のための一般手順に従い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテルv/v=1/1によって溶出させた)による精製後に、化合物5k(0.5g、収率62%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 327.1 (M - Boc + H)
+。
【0282】
【化338】
(tert-ブチル 2-(3-(ベンジルオキシ)-4-ニトロベンジル)-5-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(5l))
化合物5のための一般手順に従い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテルv/v=1/1によって溶出させた)による精製後に、化合物5l(0.6g、収率74%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 327.1 (M - Boc + H)
+。
【0283】
(化合物7(a,b,d,h-j)のための一般手順)
化合物5(1.0当量)のTHF(0.1g/mL)溶液に、ヘキサン中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(1M、2.5当量)を-78℃で添加し、混合物を、-78℃で30分撹拌してから、ヨードメタン(4当量)を-78℃で一度に添加した。LCMSによってモニタリングして化合物5が完全に消費されるまで、得られた混合物を-78℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで昇温させ、該混合物に、水酸化ナトリウム水溶液(2M、2~3当量)を添加した。得られた混合物を、室温で2時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。反応が完結した後に、反応を、0℃まで冷却し、水性塩酸塩(1M)によってpH 3まで酸性化した。混合物が2層に分離するまで、該混合物をブラインで希釈した。水層を、酢酸エチルで抽出(3回)し、合わせた有機溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下濃縮した。残渣を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(水中5~95%のアセトニトリル)によって精製して、化合物7(収率15~46%)を淡黄色固体として得た。
【0284】
【化339】
((4S)-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-2,2-ジメチル-5-フェニルペンタン酸(7a))
化合物7のための一般手順に従い、化合物7a(0.31g、収率46%)を、淡黄色のオイルとして得た。ESI m/z: 665 (2M + Na)
+。
【0285】
【化340】
((4S)-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-5-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(7b))
化合物7のための一般手順に従い、化合物7b(0.44g、収率15%)を、淡黄色のオイルとして得た。ESI m/z: 701 (2M + Na)
+。
【0286】
【化341】
((4S)-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-2,2-ジメチル-5-(4-ニトロフェニル)ペンタン酸(7d))
化合物7のための一般手順に従い、化合物7d(1.2g、収率26%)を、淡黄色のオイルとして得た。ESI m/z: 311 (M - 55)
+。
【化342】
【0287】
【化343】
((4S)-5-(4-アミノフェニル)-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-2,2-ジメチルペンタン酸(7e))
メタノール(10mL)及び酢酸エチル(3mL)中の化合物7d(0.50g、1.4mmol)の溶液に、Pd/C(10% Pd、0.10g)を窒素雰囲気下室温で添加した。混合物を、水素雰囲気下室温で2時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を、セライトを通して濾過し、セライトを、メタノールで洗浄した(3回)。合わせた濾液を、真空下濃縮して、化合物7e(0.46g、収率99%)を淡黄色固体として得て、それを、精製することなく次の工程で用いた。ESI m/z: 281 (M - tBu +H)
+。
【0288】
【化344】
((4S)-4-アミノ-5-(4-アミノ-3-クロロフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸、TFA塩 (A-2b)(
図5A))
DMF(10mL)中の中間体Boc-A-2d(又は7e)(0.55g、1.6mmol)の溶液に、N-クロロコハク酸イミド(NCS)(0.24g、1.8mmol)を添加した、混合物を、室温で1晩撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。得られた混合物を、酢酸エチル(150mL)で希釈し、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中50%の酢酸エチル)によって精製して、Boc-A-2b(0.48g、ESI m/z 315.0(M-tBu+H)
+)を淡黄色固体として得て、それを、TFA(2mL)に溶解させた。LCMSに基づいてBocが完全に除去されるまで、混合物を、室温で15分撹拌した。揮発性物質を、真空下で除去して、粗化合物A-2b(0.64g、TFA塩、Boc-A-2dからの収率80%)を淡黄色固体として得て、それを、さらに精製することなく直接用いた。ESI m/z 271.1 (M + H)
+。
【0289】
【化345】
((4S)-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-5-(4-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(7c))
DCM(10mL)中の化合物7e(0.46g、1.4mmol)の混合物に、ピリジン(0.22g、2.7mmol)を室温で添加し、混合物を、3分撹拌してから、9-フルオレニルクロロギ酸メチル(Fmoc-Cl、0.53g、2.1mmol)を添加した。その後、混合物を、室温で2時間撹拌し、LCMSによってモニタリングした。混合物を、分取HPLC(トリフルオロ酢酸系)によって精製して、化合物7c(0.20g、収率26%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 581 (M + Na)
+。
【化346】
【0290】
【化347】
【化348】
((S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル-3,5-d2)-2,2-ジメチルペンタン酸(7g))
D
2O(1mL)中の化合物7e(0.10g、0.30mmol)の混合物に、濃DCl(0.05mL)を添加すると、化合物7eは溶解した。溶液を密閉し、140℃でマイクロ波を2.5時間照射した。室温まで冷却後、該混合物に、濃DCl(2mL)をシリンジで添加した。その後、この密閉されたチューブを、油浴で120℃に加熱した。反応混合物をこの温度で1晩撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。室温まで冷却後、混合物を、飽和重炭酸ナトリウムでpH 8に中和した。水溶液を真空下濃縮し、残渣を、酢酸エチル及び水で分離した。水層を凍結乾燥し、残渣(無機塩を含み50mg)を、ジオキサン-水の混合物(3mL、v/v=2/1)に溶解させた。この溶液に、炭酸ナトリウム(66mg、0.63mmol)及びBoc
2O(50mg、0.23mmol)を室温で添加した。混合物を、室温で1晩撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。揮発性物質を、真空下で除去し、残渣を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(水(10mMの重炭酸アンモニウムを含有)中5~95%のアセトニトリル)によって精製して、化合物7g(15mg、収率11%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 461 (M + Na)
+。
【0291】
【化349】
(5-(3-((ベンジルオキシカルボニル)(メチル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2,2-ジメチルペンタン酸(7h))
化合物7のための一般手順に従い、化合物7h(0.23g、収率21%)を無色のオイルとして得た。ESI m/z: 403.2 (M - 55)
+。
【0292】
【化350】
(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-5-[3-(ジベンゾイルアミノ)-4-フルオロフェニル]-2,2-ジメチルペンタン酸(7i))
化合物7のための一般手順に従い、化合物5iを用いて、化合物7i(2.1g、収率24%)を黄色のオイルとして得た。ESI m/z: 535.2 (M + H)
+。
【0293】
【化351】
(4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-5-[4-(ジベンゾイルアミノ)-3-フルオロフェニル]-2,2-ジメチルペンタン酸(7j))
化合物7のための一般手順に従い、化合物5jを用いて、化合物7j(60mg、収率17%)を黄色のオイルとして得た。ESI m/z: 535.2 (M + H)
+。
【0294】
【化352】
((S)-5-(4-(ベンジルオキシ)-3-ニトロフェニル)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2,2-ジメチルペンタン酸(7k))
化合物7のための一般手順に従い、化合物7k(0.1g、収率24%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 373.1 (M - Boc + H)
+。
【0295】
【化353】
(5-(3-(ベンジルオキシ)-4-ニトロフェニル)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2,2-ジメチルペンタン酸(7l))
化合物7のための一般手順に従い、化合物7k(0.2g、収率36%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 373.1 (M - Boc + H)
+。
【0296】
(中間体Iのための一般手順)
化合物7のDCM(50mg/mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(VTFA/VDCM=1/3)をシリンジによって室温で添加した。LCMSに基づいてBocが完全に除去されるまで、混合物を室温で2時間撹拌した。揮発性物質を、真空下で除去し残渣を、分取HPLC(トリフルオロ酢酸系)によって精製して、中間体Ia-c(収率80~94%)を白色の固体として得た。
【0297】
【化354】
((S)-4-アミノ-2,2-ジメチル-5-フェニルペンタン酸(Ia))
中間体Iのための一般手順に従い、Ia(0.20g、収率94%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 222 (M + H)
+。
【化355】
【0298】
【化356】
((4S)-4-アミノ-5-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(Ib))
中間体Iのための一般手順に従い、Ib(85mg、収率80%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 240 (M + H)
+。
【化357】
【0299】
【化358】
((4S)-4-アミノ-5-(4-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(Ic))
中間体Iのための一般手順に従い、Ic(60mg、収率92%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 459 (M + H)
+。
【化359】
【0300】
【化360】
((S)-4-アミノ-5-(4-アミノフェニル-3,5-d2)-2,2-ジメチルペンタン酸(Ig))
中間体Iのための一般手順に従い、中間体Ig(10mg、収率80%)を褐色のオイルとして得た。ESI m/z: 239 (M + H)
+。
【0301】
【化361】
(4-アミノ-5-(3-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(Ih))
中間体Iのための一般手順に従い、中間体Ih(0.18g、収率97%)を褐色のオイルとして得た。ESI m/z: 403 (M + H)
+。
【0302】
【化362】
(4-アミノ-5-[3-(ジベンゾイルアミノ)-4-フルオロフェニル]-2,2-ジメチルペンタン酸(Ii))
中間体Iのための一般手順に従い、中間体Ii(50mg、収率99%)を褐色のオイルとして得た。ESI m/z: 435 (M + H)
+。
【0303】
【化363】
(4-アミノ-5-[4-(ジベンゾイルアミノ)-3-フルオロフェニル]-2,2-ジメチルペンタン酸(Ij))
中間体Iのための一般手順に従い、中間体Ij(40mg、収率99%)を褐色のオイルとして得た。ESI m/z: 435 (M + H)
+。
【0304】
【化364】
((S)-4-アミノ-5-(4-(ベンジルオキシ)-3-ニトロフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(Ik))
中間体Iのための一般手順に従い、中間体Ik(78mg、収率99%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 373.1 (M + H)
+。
【0305】
【化365】
(4-アミノ-5-(3-(ベンジルオキシ)-4-ニトロフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(Il))
中間体Iのための一般手順に従い、中間体Il(0.1g、収率99%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 373.1 (M + H)
+。
【0306】
(
図4における中間体II及びIIIの合成)
(中間体IIa-cの合成)
【化366】
(エチル 2-アセチルチアゾール-4-カルボキシレート(11)(
図2))
エタノール及び水(1.5L、v/v=1)の混合物中のシステイン塩酸塩エチルエステル8(15g、81mmol)の溶液に、重炭酸ナトリウム(6.8g、81mmol)及びピルビン酸アルデヒド9の水溶液(35%、18mL、0.11mol)を連続して添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、その後、<25℃の水浴を用いながら元の体積の半分まで濃縮した。残った水溶液に、飽和するまで固体の塩化ナトリウムを添加し、水溶液を、DCMで抽出した(2回)。合わせた有機溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下濃縮して、粗化合物10を得て、それをさらに精製することなく直接用いた。
【0307】
DCM(0.50L)中の化合物10(16g、81mmol)の溶液に、活性化された二酸化マンガン(0.14kg、1.6mol)を添加した。反応混合物を65℃で1晩撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。反応を、室温まで冷却した後に、懸濁液を、セライトパッドを通して濾過し、セライト/残渣を、酢酸エチル(2×200mL)で洗浄した。合わせた濾液を、真空下濃縮した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサンv/v=1:3によって溶出させた)によって精製して、化合物11(5.9g、2工程で収率37%)を黄色固体として得た。ESI m/z: 199.9 (M + H)
+。
【化367】
【0308】
【化368】
(エチル 2-(4-メチルペンタ-2-エノイル)チアゾール-4-カルボキシレート(13)(
図2))
乾燥THF(50mL)中の11(2.9g、15mmol)の溶液を、窒素雰囲気下0℃まで冷却した。この溶液に、トルエン中の四塩化チタンの溶液(1M、32mL、32mmol)をシリンジで添加した。得られた混合物を、0℃で30分撹拌し、その後、-78℃まで冷却した。-78℃で、TEA(4.5mL、32mmol)を混合物に添加した。該反応混合物を-78℃で10分撹拌し、その後、ニートのイソブチルアルデヒド(1.6mL、17mmol)を滴加した。LCMSに基づいて反応が完結するまで、反応を-78℃で1時間撹拌した。反応を室温まで温めた後に、反応を、飽和塩化アンモニウム水(50mL)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10%の酢酸エチルによって溶出させた)によって精製して、化合物13(1.5g、収率41%)を無色のオイルとして得た。ESI m/z: 253.9 (M + H)
+。
【化369】
【0309】
【化370】
(tert-ブチル N-(ヘキシルオキシ)カルバメート(15a)(
図2))
アセトニトリル(50mL)中のtert-ブチル ヒドロキシカルバメート(2.1g、16mmol)の溶液に、DCM又はMeCN中の1-ブロモヘキサン(2.7g、18mmol)及びDBU(2.5g、17mmol)を連続して添加した。反応を、室温で12時間撹拌し、TLC及びLCMSによってモニタリングした。反応混合物を、HCI水(0.1N)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中0~100%の酢酸エチルによって溶出させた)によって精製して、化合物15a(1.7g、収率50%)を無色のオイルとして得た。
【化371】
【0310】
【化372】
(tert-ブチル 3-(4-ニトロベンジルオキシ)プロポキシカルバメート(15b)(
図2))
1-(ブロモメチル)-4-ニトロベンゼン(0.10kg、0.46mol)、1,3-プロパンジオール(0.39L、5.1mol)、及び水酸化カリウム(27g、0.49mol)の混合物を、80℃で1晩撹拌した。反応を冷却した後に、混合物を、水(500mL)に注ぎ、濾過した。濾液を、DCM(2×400mL)で抽出した。合わせた有機層を、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下濃縮して、3-[(4-ニトロフェニル)メトキシ]プロパン-1-オール(95g、97%)を褐色のオイルとして得た。[ESI m/z: 212 (M + H)
+。
【化373】
ここで、純度を、LCMSによって確認し、該物質を、さらに精製することなく次の工程で用いた。粗体の3-[(4-ニトロフェニル)メトキシ]プロパン-1-オール(89g、0.42mol)を、DCM(0.90L)に溶解させ、該溶液に、TEA(85g、0.84mol)を添加した。溶液を、0℃まで冷却してから、メタンスルホニルクロリド(72g、0.63mol)を滴加した。反応混合物を0℃で30分撹拌し、LCMSでモニタリングして、その後、飽和塩化アンモニウム水で洗浄した(3回)。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。この濾液に、DCM又はMeCN中のtert-ブチル ヒドロキシカルバメート(90g、0.68mol)及びDBU(90g、0.59mol)を連続して添加した。得られた混合物を、室温で1晩撹拌し、その後、DCM又はMeCN中のtert-ブチル ヒドロキシカルバメート(30g、0.23mol)及びDBU(50g、0.33mol)を再度添加した。混合物を、室温でさらに2日撹拌した。LCMSにより、大部分の出発物質が消費されたことが示された。反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水で洗浄し(3回)、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中0~15%の酢酸エチルによって溶出させた)によって精製して、化合物15b(90g、収率65%)を黄色のオイルとして得た。ESI m/z: 349 (M + Na)
+。
【化374】
【0311】
【化375】
(tert-ブチル N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)カルバメート(15c)(
図2))
DMSO(0.50L)中のtert-ブチル ヒドロキシカルバメート(20g、15mmol)の溶液に、カリウムtert-ブトキシド(13g、12mmol)及び5-クロロ-1-ペンチン(10g、10mmol)を連続して添加した。反応混合物を、室温で窒素下16時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。その後、混合物を、飽和塩化アンモニウム水でクエンチした。水溶液を、酢酸エチルで抽出した(2回)。合わせた有機溶液を、水で洗浄し(3回)、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中5~20%の酢酸エチルによって溶出させた)によって精製して、化合物15c(7.2g、収率36%)を無色のオイルとして得た。
【化376】
【0312】
【化377】
(エチル 2-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル](ヘキシルオキシ)アミノ}-4-メチルペンタノイル)-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(16a)(
図2))
THF(45mL)中の化合物15a(2.6g、12mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%、0.60g、12mmol)を窒素下0℃で数回に分けて添加した。混合物を、室温で20分撹拌してから、THF(15mL)中の化合物13(1.5g、4.0mmol)の溶液を滴加した。TLC(ヘキサン中10%の酢酸エチル)に基づき13が消費されるまで、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチル及びブラインで希釈した。水層を、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10%の酢酸エチルによって溶出させた)によって精製して、化合物16a(0.25g、収率60%)を黄色のオイルとして得た。
【化378】
【0313】
【化379】
(エチル 2-{3-[10,10-ジメチル-1-(4-ニトロフェニル)-8-オキソ-2,6,9-トリオキサ-7-アザウンデカン-7-イル]-4-メチルペンタノイル}-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(16b)(
図2))
トルエン(50mL)中の化合物15b(5.2g、16mmol)及び化合物13(2.7g、11mmol)の混合物を、氷水浴で5℃まで冷却し、この溶液に、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.34g、1.1mmol)及び水酸化カリウム水溶液(50%、1.4g、13mmol)を連続して添加した。混合物を、室温で16時間撹拌した。混合物を、飽和塩化アンモニウム水(200mL)に注ぎ、懸濁液を、酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中0~30%の酢酸エチルによって溶出させた)によって精製して、粗体の16bを得て、それを、逆相フラッシュクロマトグラフィー(ODSカラム、水(10mMの重炭酸アンモニウムを含有)中50~100%のアセトニトリル)によって再度精製して、化合物16b(3.2g、収率52%)を黄色のオイルとして得た。ESI m/z: 602 (M + Na)
+。
【化380】
【0314】
【化381】
(エチル 2-(3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル](ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)アミノ}-4-メチルペンタノイル)-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(16c)(
図2))
16bを調製するための手順に従い、16c(38g、収率84%)をオイルとして得た。ESI m/z: 475 (M + Na)
+。
【化382】
【0315】
【化383】
(エチル 2- ((1R,3R)-3-(tert-ブトキシカルボニル(ヘキシルオキシ)アミノ)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル) チアゾール-4-カルボキシレート(17a);及びエチル 2-((1R,3S)-3-(tert-ブトキシカルボニル(ヘキシルオキシ)アミノ)-1-ヒドロキシ-4- メチルペンチル) チアゾール-4-カルボキシレート(17a2)(
図3))
トルエン(1M、64μL、64μmol)中の(S)-2-メチル-CBS-オキサザボロリジンの市販溶液を、乾燥THF(3mL)で希釈し、0℃まで冷却した。この溶液に、0℃でシリンジによってTHF中のBH
3・Me
2Sの溶液(2M、0.38mL、0.38mmol)を添加した。溶液を、0℃で10分撹拌してから、乾燥THF(2mL)中の16a(0.15g、0.32mmol)の溶液を滴加した。反応を、室温まで温め、1晩撹拌した。反応を、メタノール(1mL)でクエンチし、揮発性物質を、真空下除去した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20%の酢酸エチルによって溶出させた)によって精製して、17a(70mg、R
f=0.3、ヘキサン中20%の酢酸エチル)及びジアステレオ異性体17a2(61mg、R
f=0.25、ヘキサン中20%の酢酸エチル)を得た(総収率86%)。
【0316】
17a:[a]
D
23=+7.296(c=1.82、CHCl
3、キラル分離後)。ESI m/z: 473 (M + H)
+。
【化384】
【0317】
17a2:[a]
D
23=+28.81(c=1.24、CHCl
3)。ESI m/z: 473 (M + H)
+。
【化385】
【0318】
(
図3及び
図4におけるO-ツブリシンのキラル中心の決定)
【化386】
(エチル 2-((1R,3R)-3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(17A))
化合物17a(500mg、1.06mmol)、Mo(CO)
6(1g、3.79mmol)、CH
3CN(15mL)、及びH
2O(5mL)の混合物を、マイクロ波反応器内で120℃で8時間撹拌した。その後、混合物を冷却し、濾過し、濃縮した。粗混合物に、MeOH(10mL)及びBoc
2O(500mg、2.29mmol)を添加し、得られた混合物を、室温で3時間撹拌した。混合物を濃縮し、CH
2Cl
2(10mL)中に懸濁させ、濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE~PE/EA=60/40)によって精製し、その後、分取HPLC(NH
4HCO
3/H
2O/CH
3CN)によって精製して、17Aを白色の固体として得た(25mg、6.3%)。[a]
D
23=+13.571(c=0.56、CHCl
3)。ESI m/z: 373 (M+H)
+。
【化387】
【0319】
(エチル 2-((1R,3S)-3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(17B))
化合物17a2(600mg、1.27mmol)、Mo(CO)
6(1.2g、4.55mmol)、CH
3CN(12mL)、及びH
2O(4mL)の混合物を、マイクロ波反応器内で100℃で2時間及び120℃で6時間撹拌した。混合物を濾過し、濃縮した。混合物を、MeOH(10mL)に溶解させ、Boc
2O(600mg、2.75mmol)を添加した。混合物を、室温で1晩撹拌した。混合物を濃縮し、CH
2Cl
2中に懸濁させ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE~PE/EA=50/50)によって精製し、その後分取HPLC(NH
4HCO
3/H
2O/CH
3CN)によって精製した。得られたプールされた画分を、濃縮し、凍結乾燥して、17Bを白色の固体として得た(85mg、18%)。[a]
D
23=+82.957(c=1.6、CHCl
3)。ESI m/z: 373 (M+H)
+。
【化388】
【0320】
クロロホルム-d中の17a由来の17A及び17a2由来の17Bの
1H NMR化学シフトを、(1R,3R)-17A及び(1R,3S)-17Bについて公表されている
1H NMRデータ(Organic and Biomolecular Chemistry 2013, 11(14), 2273-2287)と共に表4にまとめた。全ての分析データを検討すると、17aが、(1R,3R)-17Aに変換することができる(1R,3R)-17aであり、17a2が、(1R,3S)-17Bに変換することができる(1R,3S)-17aであるという結論が得られた。
(表4.(1R,3R)-17A、(1R,3R)-17A、(1R,3S)-17B、及び(1R,3S)-17BのNMRデータ)
【表7】
【0321】
(エチル 2-((1R,3R)-3-(tert-ブトキシカルボニル(3-(4-ニトロベンジルオキシ)プロポキシ)アミノ)-1-ヒドロキシ-4 -メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(17b))
【化389】
(1R,3R)-17aを調製するために上で説明したものと類似の反応条件を用いて、粗体の(1R,3R)-17b(2.7g、80% ee、収率43%)及びジアステレオマー(1R,3S)-17b(2.5g、収率39%)を、別々に得た。化合物17b(粗体)を、キラルSFCによってさらに精製して、鏡像異性的に純粋な(1R,3R)-17b(1.7g、収率63%)を黄色のオイルとして得た。(1R,3R)-17bのキラリティは、17aに対して説明したものと同じ方法を用いて確認された。
【0322】
For
(1R,3R)-17b: ESI m/z: 604 (M + Na)
+。
【化390】
キラルSFCカラムOD-H、CO
2/MeOH(0.2%メタノールアンモニア)。保持時間:5.58分、面積%:>99%。
【0323】
(1S,3S)-17bについて: ESI m/z: 604 (M + Na)
+。
【化391】
キラルSFCカラムOD-H、CO
2/MeOH(0.2%メタノールアンモニア)。保持時間:4.37分、面積%:>99%。
【0324】
(エチル 2-((1R、3R)-3-(tert-ブトキシカルボニル (ペンタ-4-イニルオキシ) アミノ)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル) チアゾール-4-カルボキシレート(17c-P2);及びエチル 2-((1S、3S)-3-(tert-ブトキシカルボニル (ペンタ-4-イニルオキシ) アミノ)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(17c-P1);エチル 2-((1R,3S)-3-(tert-ブトキシカルボニル(ペンタ-4-イニルオキシ)アミノ)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(17c-P3);及びエチル 2-((1S,3R)-3-(tert-ブトキシカルボニル(ペンタ-4-イニルオキシ)アミノ)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(17c-P4))
エタノール(0.30L)中の化合物16c(93g、0.21mol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(7.8g、0.21mol)を0℃で分割して添加した。LCMSに基づいて反応が完結するまで、溶液を0℃で3時間撹拌した。反応を、0℃で水(1L)でクエンチし、水溶液を、DCM(1.5L)で抽出した。合わせた有機層を、真空下濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中5~20%の酢酸エチルで溶出させた)によって精製して、cis-17c(粗体)(29g、収率31%)及びtrans-17c(26g、収率27%)を得た。cis異性体を、キラルSFCによってさらに精製して、(1S,3S)-17c(ピーク1)(6g、収率21%)、及び純粋な(1R,3R)-17c(ピーク2)(8.2g、収率28%、99%ee)を得た。trans-17c(2g)を、SFCによって分離して、(1R、3S)-17c-P3(0.52g、収率26%)及び(1S、3R)-17c-P4(0.55g、収率27%)を得た。
【0325】
【化392】
(1S,3S)-17c(ピーク1)について: ESI m/z: 477 (M + Na)
+。
【化393】
【0326】
【化394】
(1R,3R)-17c(ピーク2): ESI m/z: 477 (M + Na)
+。
【化395】
キラルSFCカラムEnantioPak OZ-H、CO
2/EtOH(0.2%メタノールアンモニア)。保持時間:0.71、面積%:100%。
【0327】
(1R、3S)-17c-P3について: ESI m/z: 477 (M + Na)
+。
【化396】
【0328】
(1S、3R)-17c-P4について: ESI m/z: 477 (M + Na)
+。
【化397】
【0329】
17c異性体のキラリティは、17aのためのものと同じ方法を用いて確認された。2つの17c cis異性体については:17c-P2を、(1R,3R)-17Aに変換し、17c-P1を、(1S,3S)-17Aに変換した。2つの17c trans異性体については:17c-P3を、(1R,3S)-17Bに変換し、17c-P4を、(1S,3R)-17Bに変換した。クロロホルム-d中での17c(P1、P2、P3、P4)由来の17A及び17B異性体の
1H NMR 化学シフトを、以下の表5にまとめた。全ての分析データを検討すると、17c-P2が、(1R,3R)-17A(報告されている)に変換することができる(1R,3R)-17cであり、17c-P4が、(1S,3R)-17B(報告されている)に変換することができる(1S,3R)-17cであるという結論が得られた。
(表5. (1R,3R)-17A、(1R,3R)-17A、(1S,3S)-17A、(1R,3S)-17B、(1S,3R)-17B、及び(1R,3S)-17BのNMRデータ)
【表8】
【0330】
cis-17c及びtrans-17cのためのキラルSFC分離条件を、以下の表6にまとめた。
(表6)
【表9】
【0331】
【化398】
(エチル 2-[(1R,3R)-3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル](ヘキシルオキシ)アミノ}-1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(18a))
DCM(16mL)中の化合物17a(3.2mmol)の溶液に、2,6-ルチジン(1.8mL、38.4mmol)及びtert-ブチルジメチルシリルクロリド(TBSCl、1.7mL、19.2mmol)を4℃で連続して添加した。混合物を、4℃で30分撹拌した。得られた混合物を、室温まで昇温させ、LCMSに基づいて反応が完結するまで2時間撹拌した。その後、反応混合物をブラインに注いだ。水層を、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中25%の酢酸エチルによって溶出させた)によって精製して、化合物18a(1.8g、収率95%)を無色のオイルとして得た。
【化399】
【0332】
【化400】
(エチル 2-[(1R,3R)-1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-3-[10,10-ジメチル-1-(4-ニトロフェニル)-8-オキソ-2,6,9-トリオキサ-7-アザウンデカン-7-イル]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(18b))
DMF(50mL)中の化合物17b(1.7g、2.9mmol)の混合物に、イミダゾール(2.37g、34.8mmol)及びTBSCl(2.69g、17.4mmol)を添加し、混合物を、室温で3日間撹拌した。混合物を、水(140mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(2回)。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中0~15%の酢酸エチルによって溶出させた)によって精製して、化合物18b(1.8g、収率88%)を無色のオイルとして得た。ESI m/z: 696 (M+H)
+。
【化401】
【0333】
【化402】
(エチル 2-[(1R,3R)-3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル](ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)アミノ}-1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(18c))
18bを調製するためのものと同じ手順を用いて、化合物18c(4.4g、収率70%)をオイルとして得た。ESI m/z: 569 (M + H)
+。
【化403】
【0334】
【化404】
(エチル 2-[(5R,7R)-2,2,3,3-テトラメチル-7-(プロパン-2-イル)-4,9-ジオキサ-8-アザ-3-シラペンタデカン-5-イル]-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(19a))
DCM(10mL)中10% TFA中の18a(1.8g、3.1mmol)の混合物を、室温で24時間撹拌し、その後、真空下濃縮して、粗化合物19a(1.7g、収率80%)を得て、それを、さらに精製することなく次の工程で用いた。
【0335】
【化405】
(エチル 2-[(8R,10R)-12,12,13,13-テトラメチル-1-(4-ニトロフェニル)-8-(プロパン-2-イル)-2,6,11-トリオキサ-7-アザ-12-シラテトラデカン-10-イル]-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(19b))
DCM(50mL)中の化合物18b(1.4g、2.0mmol)の混合物に、TFA(5.0mL)を添加し、LCMSに基づいてBoc保護基が完全に除去されるまで、反応混合物を室温で4時間撹拌した。その後、混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水(100mL)に注ぎ、DCMで抽出した(3回)。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下濃縮して、化合物19b(1.2g、粗体、TFA塩として)を淡黄色のオイルとして得た。ESI m/z: 596 (M+H)
+。
【化406】
【0336】
【化407】
(エチル 2-[(5R,7R)-2,2,3,3-テトラメチル-7-(プロパン-2-イル)-4,9-ジオキサ-8-アザ-3-シラテトラデカ-13-イン-5-イル]-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(19c))
19bを調製するためのものと同じ手順を用いて、化合物19c(3.4g、粗収率94%、TFA塩として)を得た。ESI m/z: 469 (M + H)
+。
【化408】
【0337】
【0338】
(メチル 2-(ジメトキシメチル)チアゾール-4-カルボキシレート(T2)(
図11))
アセトニトリル(15L)中の化合物T1(0.57kg、2.7mol、R
f=0.5及び0.6、PE:EA=2:1、20% PMA)の溶液に、二酸化マンガン(2.5kg)を室温で添加し、混合物を、60℃まで温め、6時間撹拌した。その後、混合物を、セライトパッドを通して濾過し、濃縮した。化合物T2(0.65kg、R
f=0.55及び0.65、PE:EA=2:1、UV)を、黄色固体として得て、さらに精製することなく使用した。
【0339】
(メチル 2-ホルミルチアゾール-4-カルボキシレート(T3))
アセトン(15L)中の化合物T2(0.65kg、3.0mol、Rf=0.55及び0.65、PE:EA=2:1、UV)の溶液に、濃塩酸塩(2.0L、6N)を室温で添加し、混合物を、リフラックスまで温め、1時間撹拌した。その後、混合物を、室温まで冷却し、減圧下濃縮した。粗体を、酢酸エチルに溶解させ、有機相を、飽和重炭酸ナトリウム水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、石油エーテル中50%の酢酸エチルから再結晶して、化合物T3(66g、3工程にわたる総収率14%、Rf=0.7、PE:EA=2:1、UV)を黄色固体として得た。
【0340】
(メチル 2-((R)-3-((S)-tert-ブチルスルフィニルイミノ)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(T6))
(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドT4(7.3mL、68mmol)を、100mLのテトラヒドロフィラン(tetrahydroffiran)(THF)に溶解させ、それに、Ti(OEt)4(27mL、130mmol)及び3-メチル-2-ブタノン(8g、41mmol)を室温で添加した。反応混合物を1晩リフラックスさせ、その後、冷却し、ブライン溶液に添加した。得られた混合物を濾過し、ケーキを、EtOAcで洗浄した。有機相を濃縮して残渣を得て、それを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc、4:1)にかけて、スルフィンイミンT5(9.5g、37mmol、75%)をオイルとして得た。(参考US9226974、2016)
【0341】
エチルエーテル(0.63L)中のジイソプロピルアミンの0.5M溶液(27mL、0.27mol)を、0℃まで冷却し、この溶液に、n-ブチルリチウム(0.12L、0.29mol、ヘキサン中2.5Mの溶液)を添加した。溶液を、0℃で20分撹拌し、その後、-78℃まで冷却した。エチルエーテル(0.55L)中のスルフィンアミドT5(50g、0.27mol)の溶液を、ゆっくりと添加し、反応混合物を-78℃でさらに30分撹拌し、これに、エチルエーテル(150mL)中のクロロチタントリイソプロポキシド(0.14kg、0.53mol)の溶液を添加し、反応混合物を-78℃でさらに20分撹拌した。その後、この混合物に、アルデヒドT3(29g、0.17mol)を一度に添加し、混合溶液を、-78℃で12時間撹拌した。その後、溶液を、THF/AcOH(150mL、v/v=4:1)の溶液で-78℃で中和し、その後、室温まで昇温させた。水(250mL)で希釈した後に、得られた混合物を、セライトを通して濾過し、濾過ケーキを、酢酸エチルで徹底的に洗浄した。合わせた濾液を、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、化合物T6(50g、79%;Rf=0.6、PE:EA=1:1、UV)が黄色のオイルとして得られた。
【0342】
(メチル 2-((1R,3R)-3-((S)-1,1-ジメチルエチルスルフィンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(T7))
-78℃のTHF(0.52L)中のイミンT6(62g、0.17mol)の0.4M溶液に、チタンエトキシド(76mL、0.33mol)を添加し、それに続き、水素化ホウ素ナトリウム(26g、0.69mol)を添加し、溶液を、30分かけて-45℃までゆっくりと昇温させた。反応混合物を-45℃で12時間撹拌し、その後、反応の内温を-30℃未満に保ちつつ、ガスの発生が止むまで、メタノール(125mL)でゆっくり希釈した。溶液を、室温まで温め、さらに、水(1.4L)でクエンチした。得られた懸濁液を、セライトのパッドを通して濾過し、濾過ケーキを、酢酸エチルで徹底的に洗浄した。合わせた濾液を、ブラインで1回洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、T7(31g、収率50%、Rf=0.4、PE:EA=1:1、UV)を黄色のオイルとして得た。
【0343】
(メチル 2-((1R,3R)-3-アミノ-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート塩酸塩(T8))
メタノール(0.50L)中の化合物T7(31g、86mmol)の溶液に、ジオキサン中の塩酸塩(1.0L、4.0N)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、その後、揮発性物質を、真空下除去して、粗生成物T8を黄色固体として得て、それを、精製することなく次の工程で用いた(J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 16018-16019を参照されたい)。
【0344】
(メチル 2-((1R,3R)-3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(T9))
THF(1.5L)中のアミノアルコールT8(39g、86mmol)の溶液に、トリエチルアミン(21g、0.21mol)及び二炭酸ジ-tert-ブチル(21g、98mmol)を0℃で添加した。反応混合物を、室温まで昇温させ、1晩撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、化合物T9(34g、Rf=0.6、PE:EA=2:1、UV)を白色の固体として得て、それを、精製することなく次の工程で用いた。
【0345】
(メチル 2-((5R,7R)-7-イソプロピル-2,2,3,3,11,11-ヘキサメチル-9-オキソ-4,10-ジオキサ-8-アザ-3-シラドデカン-5-イル)チアゾール-4-カルボキシレート(T10))
DMF(450mL)中のT9(34g、86mmol、Rf=0.3、PE:EA=3:1、UV)の溶液を、0℃まで冷却し、それに、イミダゾール(15g、0.22mol)及びtert-ブチルジメチルシリルクロリド(32g、0.22mol)を添加した。その後、反応混合物を室温まで昇温させ、1晩撹拌した。得られた混合物を、ブライン(1.0L)でクエンチし、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機溶液を、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物T10(32g、3工程全体での収率78%、Rf=0.7、PE:EA=3:1、UV)を無色のオイルとして得た。
【0346】
(メチル 2-((1R,3R)-3-アミノ-1-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(T11))
0℃のDCM(800mL)中のT10(32g、68mmol)の溶液に、TFA(160mL)を滴加した。得られた混合物を、0℃で5時間撹拌し、その後、揮発性物質を、減圧下除去した。残渣を、DCMに溶解させ、重炭酸ナトリウムで洗浄した。有機溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣T11(26g、Rf=0.3、PE:EA=3:1、UV)を、精製することなく次の工程で用いた。
【0347】
【化409】
(メチル 2-((1R,3R)-1-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-(ヘキシルアミノ)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(19d))
下記19eのためのものと類似の手順に従い、化合物T11a(4.2g、9.9mmol)及びカプロアルデヒドを用いて、化合物19d(3.0g、収率66%)を黄色のオイルとして得た。
【0348】
(メチル 2-((1R,3R)-1-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-(ヘキサ-5-インイルアミノ)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(19e))
DCM(0.75L)中のヘキサ-5-イン-1-オール30(23g、0.23mol)の溶液に、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC、0.10kg、0.47mol)を分割添加し、反応混合物を室温で1晩撹拌した。その後、反応混合物を、ジエチルエーテルで希釈し、セライトを通して濾過した。濾液を濃縮し、蒸留して、所望のヘキサ-5-イナール31(12g、収率52%)を得た。DEM(0.30L)中の化合物T11(26g、67mmol、Rf=0.3-0.5、PE:EA=1:1、UV)の溶液に、0℃でヘキサ-5-イナール(6.5g、67mmol)及びナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(43g、0.20mol)を添加した。反応混合物を、室温で6時間撹拌し、その後、重炭酸ナトリウムでクエンチした。混合物を、DCMで抽出し、有機溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物19e(24g、3工程全体での収率78%、Rf=0.3-0.5、PE:EA=1:1、UV)を黄色のオイルとして得た。
【0349】
((2S,3S)-2-アジド-3-メチルペンタン酸(21)(
図12))
蒸留したH
2O(4.5mL)及びCH
2Cl
2(7.5mL)中のアジ化ナトリウム(1.78g、27.45mmol)の溶液を、氷浴中で冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.93mL、5.55mmol)を、撹拌しながら5分かけてゆっくりと添加し、得られた溶液を、2時間撹拌した。CH
2Cl
2相を分離し、水性の部分を、CH
2Cl
2(2×3.75mL)で抽出した。有機画分は、トリフリルアジド(triflyl azide)を含有しており、これらをプールし、飽和Na
2CO
3で1回洗浄し、さらに精製することなく次の工程で用いた。(2S,3S)-2-クロロ-3-メチル-N-吉草酸(20、366mg、2.79mmol)を、蒸留したH
2O(9mL)及びCH
3OH(18mL)中のK
2CO
3(577.5mg、4.19mmol)及びCuSO
4五水和物(6.98mg、27.9μmol)と混合した。この混合物に、CH
2Cl
2(15mL)中のトリフリックアジド(triflic azide)を添加し、得られた混合物を、周囲温度で1晩撹拌した。有機溶媒を、真空下除去し、水性スラリーをH
2O(50mL)で希釈し、それに続き、濃HClでpH 6まで酸性化し、その後、pH 6.2のリン酸バッファー(0.25M、50mL)で希釈し、EtOAcで抽出(4回)して、スルホンアミド副生成物を除去した。その後、水相を、濃HClでpH 2まで酸性化し、その後、EtOAcで抽出した(3回)。EtOAc抽出物を合わせ、MgSO
4で乾燥させ、その後、乾固するまでエバポレートして、粗化合物21を蒼白色のオイルとして得た(390mg、収率89%)。21は、さらに精製することなく使用した。21について:
【化410】
【0350】
((2S,3S)-2-アジド-3-メチルペンタノイルクロリド(22)(
図12))
塩化オキサリル(2.44mL、28.0mmol)及びDMF(0.464mL、5.97mmol)を、ヘキサン中のアジドイソロイシン21(0.938g、5.97mmol)の0.024M溶液に添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、濾過し、真空下濃縮した。酸塩化物22を単離し、さらに精製することなく直ちに用いた。
【0351】
【化411】
(エチル 2-[(1R,3R)-3-[(2S,3S)-2-アジド-N-(ヘキシルオキシ)-3-メチルペンタンアミド]-1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(23a))
CH
2Cl
2(37.3mL)中の19a(1.46g、3.0mmol、1.0当量)の0.10M溶液を、0℃まで冷却した。この溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(3.25mL、5.0当量)及び酸塩化物22(1.6当量)を添加した。反応混合物を、室温まで昇温させ、18時間撹拌した。その後、ブライン(50mL)をこの反応混合物に添加し、水層を、EtOAc(2×75mL)で抽出した。合わせた有機部分を乾燥させ、濾過し、真空下濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(1:1ヘキサン(異性体混合物)/EtOAc)によって精製して、23a(1.31g、70%)を無色のオイルとして得た。ESI m/z: 626 (M + H)
+。
【化412】
【0352】
【化413】
(エチル 2-((8R,10R)-7-((2S,3S)-2-アジド-3-メチルペンタノイル)-8-イソプロピル-12,12,13,13-テトラメチル-1-(4-ニトロフェニル)-2,6,11-トリオキサ-7-アザ-12-シラテトラデカン-10-イル)チアゾール-4-カルボキシレート(23b))
23aを調製するためのものと類似の反応条件を用いて、化合物23b(310mg、63%)を、400mgの化合物19bから得た。ESI m/z: 735 (M+H)
+。
【0353】
【化414】
(エチル 2-[(1R,3R)-3-[(2S,3S)-2-アジド-3-メチル-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]-1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(23c))
23bを調製するためのものと類似の反応条件を用いて、化合物23c(2.3g、60%)を、3gの19cから得た。
【化415】
【0354】
【化416】
(メチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-2-アジド-N-ヘキシル-3-メチルペンタンアミド)-1-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(23d))
化合物23aを調製するためのものと類似の反応条件を用いて、化合物23d(4.1g、収率92%)を、3.3gの化合物19dから無色のオイルとして得た。
【0355】
【化417】
(メチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-2-アジド-N-(ヘキサ-5-イニル)-3-メチルペンタンアミド)-1-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(23e))
化合物23aを調製するためのものと類似の反応条件を用いて、化合物23e(33g、収率92%、R
f=0.95、PE:EA=3:1、UV)を、27gの化合物19eから無色のオイルとして得た。
【0356】
【化418】
(エチル 2-((5R,7R)-7-イソプロピル-2,2,3,3-テトラメチル-8-((2R,3S)-3-メチル-2-((S)-1-メチルピペリジン-2-イル)ペンタノイル)-4,9-ジオキサ-8-アザ-3-シラペンタデカン-5-イル)チアゾール-4-カルボキシレート(24a))
EtOAc(50mL)中のアジド23a(2.50g、3.99mmol)の溶液に、10% Pd/C(1.38mg)を添加した。その後、反応混合物を、水素雰囲気下で27時間撹拌した。反応混合物を、セライトのプラグを通して濾過し、濾過パッドを、EtOAcで洗浄した。合わせた濾液を、精製することなく次の工程で直接用いた。ESI m/z 600.4 (M + H)
+。
【0357】
【化419】
(エチル 2-((8R,10R)-7-((2S,3S)-2-アジド-3-メチルペンタノイル)-8-イソプロピル-12,12,13,13-テトラメチル-1-(4-ニトロフェニル)-2,6,11-トリオキサ-7-アザ-12-シラテトラデカン-10-イル)チアゾール-4-カルボキシレート(24b))
THF(10mL)及び水(5mL)中の化合物23b(300mg、0.41mmol)及びPh
3P(300mg、1.15mmol)の混合物を、室温で1晩撹拌した。混合物を、DCM(100mL)で希釈し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過した。濾液を真空下濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(20gのシリカゲル、DCM対DCM/MeOH=95/5)によって精製して、化合物24bを無色のオイルとして得た(210mg、72%)。ESI m/z: 709 (M+H)
+。
【化420】
【0358】
【化421】
(エチル 2-[(1R,3R)-3-[(2S,3S)-2-アミノ-3-メチル-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]-1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(24c))
24bを調製するためのものと類似の反応条件を用いて、化合物24c(1.2g、57%)を、2.2gの化合物23cから得た。ESI m/z: 582 (M + H)
+。
【化422】
【0359】
【化423】
(メチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-2-アミノ-N-ヘキシル-3-メチルペンタンアミド)-1-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(24d))
化合物24aを調製するためのものと類似の反応条件を用いて、粗化合物24dを、1.6gの化合物23dから得た。粗生成物24dは、精製することなく次の工程で用いた。
【0360】
【化424】
(エチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-2-アミノ-N-(ヘキサ-5-イニル)-3-メチルペンタンアミド)-1-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(24e))
化合物24aを調製するためのものと類似の反応条件を用いて、粗化合物24eを、24gの化合物23eから得た。粗生成物24eは、精製することなく次の工程で用いた。
【0361】
【化425】
(エチル 2-[(1R,3R)-1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-3-[(2S,3S)-N-(ヘキシルオキシ)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(26a))
EtOAc(30mL、活性アルミナのプラグを通して濾過した)中の化合物25(1.72g、12mmol)の0.4M溶液に、ペンタフルオロフェノール(2.43g、13.2mmol、1.1当量)及びDCC(2.72g、13.2mmol、1.1当量)を添加した。反応混合物を、室温で21時間撹拌し、その後、濾過し、残渣を、EtOAc(10mL)で洗浄した。活性化エステルは、精製や濃縮を行わずに直ちに使用した。活性化エステルの溶液(0.3M、40mL)を、上で得られたEtOAc中の24aの溶液(50mL、4.0mmol)に添加した。得られた混合物を、室温で1晩撹拌した。揮発性物質を、真空下で除去し、残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc中0~10%のメタノール)によって精製して、化合物26a(2.0g、収率69%)を無色のオイルとして得た。ESI m/z: 725 (M + H)
+。
【0362】
【化426】
(エチル 2-((8R,10R)-8-イソプロピル-12,12,13,13-テトラメチル-7-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-1-(4-ニトロフェニル)-2,6,11-トリオキサ-7-アザ-12-シラテトラデカン-10-イル)チアゾール-4-カルボキシレート(26b))
乾燥塩化メチレン(25mL)中の化合物25(185mg、1.3mmol)及びペンタフルオロフェノール(357mg、1.9mmol)の溶液に、塩化メチレン(1.0mL)中のDIC(245mg、1.9mmol)の溶液を0℃でシリンジによって滴加した。得られた溶液を、さらに1時間撹拌した。その後、溶液を濾過し、濾液を濃縮して、粗体のペンタフルオロフェニルエステル(400mg)を得た。ESI m/z: 310.0 (M + H)
+。粗体のペンタフルオロフェニルエステルを、乾燥DCM(11mL)に溶解させた。この溶液に、24b(400mg、565μmol)及びDIPEA(275mg、889μmol)を添加した。得られた溶液を、室温で1晩撹拌した。反応溶液を、乾固するまで濃縮し、残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE=1/2その後2/1で溶出)によって精製して、26b(320mg、2工程で68%)を淡黄色固体として得た。ESI m/z: 834.4 (M + H)
+。
【化427】
【0363】
【化428】
(エチル 2-[(1R,3R)-1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(26c))
26bを調製するためのものと類似の反応条件を用いて、化合物26c(1.7g、78%)を、1.8gの化合物24cから得た。ESI m/z: 707 (M + H)
+。
【化429】
【0364】
【化430】
(エチル 2-((5R,7R)-7-イソプロピル-2,2,3,3-テトラメチル-8-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-4,9-ジオキサ-8-アザ-3-シラテトラデカン-5-イル)チアゾール-4-カルボキシレート(26f))
メタノール(5mL)中の化合物26c(20mg、28μmol)の溶液に、5%パラジウム炭素(5mg)を添加し、混合物を脱気し、水素を3回再充填した。LCMSによってモニタリングして三重結合が完全に還元されるまで、得られた混合物を水素雰囲気下室温で6時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、セライトをメタノールで洗浄した(3回)。合わせた濾液を、真空下濃縮して、化合物26f(18mg、粗収率90%)を白色の固体として得て、それを、精製することなく次の工程で用いた。ESI m/z: 712 (M + H)
+。
【0365】
【化431】
(メチル 2-((3S,6R,8R)-3-sec-ブチル-5-ヘキシル-6-イソプロピル-10,10,11,11-テトラメチル-1-((R)-1-メチルピペリジン-2-イル)-1,4-ジオキソ-9-オキサ-2,5-ジアザ-10-シラドデカン-8-イル)チアゾール-4-カルボキシレート(26d))
上で得られた粗体の24dを、DCM(27mL)に溶解させた。この溶液に、HOBt(0.40g、3.0mmol)及び化合物25(0.42g、2.34mmol)を添加した。反応混合物を0℃まで冷却した後に、EDCI(0.56g、2.92mmol)及びDIPEA(0.49mL、2.813mmol)を連続して添加した。得られた混合物を、室温で1晩撹拌した。揮発性物質を除去し、残渣を酢酸エチル及び重炭酸ナトリウム水で分離した。水溶液を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗体の26d(1.7g、23dからの収率89%)を得て、それを、精製することなく次の工程で用いた。
【0366】
【化432】
(メチル 2-((3S,6R,8R)-3-sec-ブチル-5-(ヘキサ-5-イニル)-6-イソプロピル-10,10,11,11-テトラメチル-1-((R)-1-メチルピペリジン-2-イル)-1,4-ジオキソ-9-オキサ-2,5-ジアザ-10-シラドデカン-8-イル)チアゾール-4-カルボキシレート(26e))
化合物26dを調製するためのものと類似の反応条件を用いて、化合物26e(39g、収率、R
f=0.6、DCM:メタノール=10:1、UV)を53gの化合物24eから得た。
【0367】
【化433】
(エチル 2-[(1R,3R)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキシルオキシ)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(27a))
THF(40mL)中の26a(2.0)の溶液に、TBAF(10mL、THF中1M)を添加し、得られた溶液を、室温で16時間撹拌し、その後、濃縮した。残渣を、HPFC精製(酢酸エチル中0~5%のメタノール)によって精製して、27a(1.5g、収率75%)を得た。ESI m/z: 611 (M + H)
+。
【化434】
【0368】
【化435】
(エチル 2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-4-メチル-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)-N-(3-(4-ニトロベンジルオキシ)プロポキシ)ペンタンアミド)ペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(27b))
DMSO(2.5mL)中の化合物26b(130mg、240μmol)及びフッ化セシウム(109mg、720mmol)の混合物を、室温で2時間撹拌した。その後、溶液を、RPカラムクロマトグラフィー(水中0~100%のアセトニトリル)によって精製して、化合物27b(140mg、収率81%)を淡黄色固体として得た。ESI m/z: 720.3 (M + H)
+。
【化436】
キラルSFC>99%(AD-H、AS-H、OJ-H、及びOD-H)、R
t:2.04分(AD-H)、4.39分(AS-H)、3.56分(OD-H)、及び3.72分(OJ-H)。
【0369】
【化437】
(エチル 2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-4-メチル-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)-N-(ペンタ-4-イニルオキシ)ペンタンアミド)ペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(27c))
27bを調製するためのものと類似の手順を用いて、化合物27c(43mg、収率86%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 593 (M + H)
+。
【0370】
【化438】
(エチル 2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-4-メチル-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド)ペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(27f))
27aを調製するためのものと類似の手順を用いて、化合物27f(13mg、収率86%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 597 (M + H)
+。
【0371】
【化439】
(メチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(27d))
27aを調製するためのものと類似の手順を用いて、粗体の27d(1.8g)を、粘稠な黄色のオイルとして得て、それを、精製することなく次の工程で用いた。
【0372】
【化440】
(メチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イニル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(27e))
27aを調製するためのものと類似の手順を用いて、粗化合物27e(44g、R
f=0.55及び0.5、DCM:メタノール=10:1、UV)を得て、さらに精製することなく使用した。
【0373】
(中間体IIのための一般手順)
27(1.0当量)のTHF(15~20mg/mL)溶液に、水酸化リチウム水(0.5M、VH2O/VTHF=1)を添加し、LCMSによってモニタリングして加水分解が完了するまで、混合物を室温で10時間撹拌した。その後、反応混合物を、酢酸でpH 3まで酸性化し、1/3の体積まで濃縮した。残った水溶液を、分取HPLC(重炭酸アンモニウム系)によって直的精製して、中間体IIa、b、c、e(収率66~90%)を白色の固体として得た。
【0374】
【化441】
(2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-N-(ヘキシルオキシ)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボン酸(IIa))
中間体IIのための一般手順に従い、IIa(0.25g、収率66%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 583 (M + H)
+。
【化442】
【0375】
【化443】
(2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-4-メチル-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)-N-(3-(4-ニトロベンジルオキシ)プロポキシ)ペンタンアミド)ペンチル)チアゾール-4-カルボン酸(IIb))
中間体IIのための一般手順に従い、IIb(0.10g、収率81%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 692 (M + H)
+。
【化444】
キラルSFC>95%(AD-H、AS-H、及びOJ-H)、R
t:2.05分(AD-H)、2.66分(AS-H)、及び1.77分(OJ-H)。
【0376】
【化445】
(2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-4-メチル-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)-N-(ペンタ-4-イニルオキシ)ペンタンアミド)ペンチル)チアゾール-4-カルボン酸(IIc))
中間体IIのための一般手順に従い、IIc(37mg、収率90%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 565 (M + H)
+。
【0377】
【化446】
(2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-4-メチル-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド)ペンチル)チアゾール-4-カルボン酸(IIf))
中間体IIのための一般手順に従い、IIf(20mg、収率88%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 569 (M + H)
+。
【0378】
【化447】
(2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボン酸(IId))
中間体IIのための一般手順に従い、粗化合物IIdを得て、精製することなく次の工程で用いた。
【0379】
【化448】
(2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イニル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボン酸(IIe))
中間体IIのための一般手順に従い、粗化合物IIe(R
f=0.05、DCM:メタノール=10:1、UV)を得て、精製することなく次の工程で用いた。
【0380】
(中間体IIIのための一般手順)
化合物II(1.0当量)のピリジン(15mg/mL)溶液に、シリンジによって0℃で無水酢酸(3.0当量)を添加した。反応混合物を室温で10時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。反応混合物をメタノール(20mL)で室温でクエンチし、その後、この温度で1晩撹拌した。揮発性物質を、真空下で除去し、残渣を、分取HPLCによって精製して、中間体III(収率88~99%)を白色の固体として得た。
【0381】
【化449】
(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(ヘキシルオキシ)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボン酸(IIIa))
中間体IIIのための一般手順に従い、粗体のIIIa(40mg、>収率99%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 625.3 (M + H)
+。
【化450】
【0382】
【化451】
(2-((8R,10R)-8-イソプロピル-7-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-1-(4-ニトロフェニル)-12-オキソ-2,6,11-トリオキサ-7-アザトリデカン-10-イル)チアゾール-4-カルボン酸(IIIb))
中間体IIIのための一般手順に従い、IIIb(94mg、収率88%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 734 (M + H)
+。
【化452】
キラルSFC>95%(AD-H、AS-H、OJ-H、及びOD-H)、R
t:1.92分(AD-H)、2.06分(AS-H)、2.33分(OD-H)、及び1.60分(OJ-H)。
【0383】
【化453】
(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-4-メチル-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)-N-(ペンタ-4-イニルオキシ)ペンタンアミド)ペンチル)チアゾール-4-カルボン酸(IIIc))
中間体IIIのための一般手順に従い、IIIc(18mg、収率93%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 607 (M + H)
+。
【0384】
【化454】
(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-4-メチル-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド)ペンチル)チアゾール-4-カルボン酸(IIIf))
中間体IIIのための一般手順に従い、IIIf(20mg、収率89%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 611 (M + H)
+。
【0385】
【化455】
(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボン酸(IIId))
中間体IIIのための一般手順に従い、IIId(0.81g、19dから5工程での収率49%)を得た。
【0386】
【化456】
(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボン酸(IIIe))
中間体IIIのための一般手順に従い、粗化合物IIIe(12g、5工程での収率50%、R
f=0.1、DCM:メタノール=10:1、UV)を得た。ESI m/z: 603 (M - H)
-。
【化457】
【0387】
(C-ツブリシンIVの合成(
図5))
(IVのための一般手順)
乾燥DCM(10-15mg/mL)中の中間体III(1.0当量)及びPFP(1.5当量)の混合物に、DCM(7mg/mL)中のN,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC、1.5当量)の溶液を0℃でシリンジによって滴加した。得られた混合物を、室温まで昇温させ、16時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。揮発性物質を、真空下で除去し、残渣を、酢酸エチル(III/酢酸エチル:1mg/mL)中に懸濁させた。懸濁液を、20分撹拌し、固体を濾過して取り除いた。濾液を真空下濃縮して、粗体のペンタフルオロフェニルエステル28を淡黄色のオイルとして得て、それを、乾燥DMF(20mg/mL)に溶解させた。この溶液に、DIPEA(2.5当量)及び中間体I(0.9~1.2当量)を室温で続けて添加した。反応混合物を室温で1晩撹拌し、LCMSに基づいて完了したとみなした。R
4=NHFmocについては、その後、反応混合物に、ピペリジン(0.5~1.0mL)をシリンジによって添加し、LCMSに基づいてFmocが除去されるまで、反応混合物を室温で2時間撹拌した。その後、混合物を、分取HPLC(重炭酸アンモニウム系)によって直接精製して、IV(収率10~60%)を白色の固体として得た。
【0388】
(IVa)
【化458】
((2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-フルオロフェニル)-2-メチルペンタン酸(IVa))
IVのための一般手順に従い、IVa(17mg、収率3%)を白色の固体として得た。ESI m/z 816.5 (M + H)
+。
【化459】
分析的HPLC:>99%、R
t:8.51分(方法A)。
【0389】
(IVb)
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-2,2-ジメチル-5-フェニルペンタン酸(IVb))
IVのための一般手順に従い、IVb(2.0mg、収率10%)を白色の固体として得た。ESI m/z 808.3 (M + H)
+。
【化460】
分析的HPLC:>99%、R
t:8.51分(方法A)。
【0390】
(IVc)
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVc))
IVのための一般手順に従い、IVc(3.1mg、収率16%)を白色の固体として得た。ESI m/z 826.2 (M + H)
+。
【化461】
分析的HPLC:>99%、R
t:8.44分(方法B)。
【0391】
【化462】
(IVd)
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-アミノフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVd))
IVのための一般手順に従い、IVd(5.8mg、収率14%)を白色の固体として得た。ESI m/z 412.3 (M/2 + H)
+、823.3 (M + H)
+ (10%)。
【化463】
分析的HPLC:>99%、R
t:6.92分(方法A)。
【0392】
(IVe)
(2S,4R)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-フルオロフェニル)-2-メチルペンタン酸(IVe)
IVのための一般手順に従い、IVe(9.0mg、収率45%)を白色の固体として得た。ESI m/z 812.4 (M + H)
+。
【化464】
分析的HPLC:>99%、R
t:8.14分(方法A)。キラルHPLC:>99%、R
t:1.05分(AD);>99%、1.42分(AS);>99%、0.92分(OD);>99%、2.92分(OJ)。
【0393】
(IVf)
((2S,4R)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルペンタン酸(IVf))
IVのための一般手順に従い、IVf(8.5mg、収率43%)を白色の固体として得た。ESI m/z 810.3 (M + H)
+。
【化465】
分析的HPLC:>99%、R
t:6.83分(方法B)。
【0394】
(IVg)
((2S,4R)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-アミノフェニル)-2-メチルペンタン酸(IVg))
IVのための一般手順に従い、IVg(6.0mg、収率30%)を白色の固体として得た。ESI m/z 809.2 (M + H)
+。
【化466】
分析的HPLC:>99%、R
t:6.87分(方法B)。キラルHPLC:>99%、R
t:0.8分(AD);>99%、1.24分(AS);>99%、3.1分(OD);>99%、1.47分(OJ)。
【0395】
(C-ツブリシンVII及びVIIIの合成(
図5A))
(VII及びVIIIのための一般手順)
DCM中の化合物A-1(1.0当量)の溶液(50mM)に、化合物A-2(1.5当量)及びDIPEA(4.0当量)を添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。得られた混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(TFA水(0.01%)中0~30%のアセトニトリル)によって直接精製して、VII又はVIII(収率7~57%)をオフホワイトの固体として得た。
【0396】
【化467】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-アミノ-3-クロロフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(VII))
VII及びVIIIのための一般手順に従い、化合物A-2bで処理された化合物A-1aから、ペイロードVII(5.0mg、収率14%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 861.3 (M + H)
+。
【化468】
【0397】
【化469】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(VIII))
VII及びVIIIのための一般手順に従い、化合物A-2cで処理された化合物A-1aから、ペイロードVIII(7.0mg、収率26%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 830.5 (M + H)
+。
【化470】
【0398】
(C-トリアゾールツブリシンペイロードIVの合成(
図6A))
(IVh)
【化471】
(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-4-メチル-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)-N-(4-(1-((トリメチルシリル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ブチル)ペンタンアミド)ペンチル)チアゾール-4-カルボン酸(IIIg1))
THF(3mL)及び水(1mL)中のIIIe(80mg、132μmol)、トリメチルシリルメチルアジド(34mg、264μmol)、及びアスコルビン酸ナトリウム(80mg、132μmol)の混合物に、1滴の硫酸銅(2.1mg、13μmol)水溶液を添加した。得られた混合物を、室温で1時間撹拌し、その後、濾過し、濃縮して、IIIg1(87mg、収率89.6%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 734.1 (M+H)
+。
【0399】
【化472】
(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-4-メチル-3-((2S,3S)-3-メチル-N-(4-(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ブチル)-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)ペンチル)チアゾール-4-カルボン酸(IIIg2))
DMF(1mL)中のIIIg1(87mg、118μmol)及びCsF(72mg、474μmol)の混合物を、60℃で1時間撹拌した。反応溶液を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 15:1)によって精製して、IIIg2(59mg、収率75%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 663.3 (M+H)
+。
【0400】
【化473】
(パーフルオロフェニル 2-((1R,3R)-1-アセトキシ-4-メチル-3-((2S,3S)-3-メチル-N-(4-(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ブチル)-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)ペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(31))
THF(2mL)中のIIIg2(59mg、89μmol)、PFP(33mg、178μmol)、及びDIC(23mg、178μmol)の混合物を、25℃で18時間撹拌した。反応溶液を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 15:1)によって精製して、31(59mg、収率75%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 828.3 (M+H)
+。
【0401】
【化474】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-N-[4-(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ブチル]-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(32))
DMF(3mL)中の化合物31(40mg、40μmol)、DIPEA(15mg、119μmol)、及び中間体Ic(22mg、119umol)の混合物を、25℃で16時間撹拌し、反応溶液を、RPクロマトグラフィー(CH
3CN/H
2O、0~100%のCH
3CN)によって精製して、32(23mg、収率53%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 1102.1 (M+H)
+。
【0402】
【化475】
((S)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-4-メチル-3-((2S,3S)-3-メチル-N-(4-(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ブチル)-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)ペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-アミノフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVh))
DMF(1mL)中の化合物32(23mg、21umol)及びピペリジン(5mg、63μmol)の混合物を、25℃で16時間撹拌し、反応溶液を、RPクロマトグラフィー(H
2O中0~100%のCH
3CN)によって直接精製して、IVh(5mg、収率27%)を白色の固体として得た。EIS m/z: 880.4 (M+H)
+。
【化476】
【0403】
(IVj-pのための一般手順)
THF(Fmoc-IVd 1mgあたり0.3mL)及び水(Fmoc-IVd 1mgあたり0.1mL)中のFmoc-IVd(1当量)、R5-アジド(2当量)、及びアスコルビン酸ナトリウム(2当量)の混合物に、硫酸銅水溶液(0.1当量、1M)を添加した。得られた混合物を、室温で16時間撹拌した。混合物を、RPクロマトグラフィーによって直接精製して、32(収率64%~76%)を白色の固体として得た。その後、32を、DMFに溶解させ、ピペリジン(0.1~1.0mL、過剰)をシリンジによって添加した。LCMSに基づいてFmocが除去されるまで、反応混合物を室温で2時間撹拌した。その後、混合物を、分取HPLC(方法B)によって直接精製して、IVj-pを白色の固体として得た。
【0404】
(IVj)
((S)-4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-N-(4-(1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-1-アセトキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-アミノフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVj))
IVj-pのための一般手順に従い、IVj(2mg、収率35%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 866.5 (M + H)
+。
【化477】
【0405】
(IVk)
((S)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(4-(1-(2-アミノエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-アミノフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVk))
IVj-pのための一般手順に従い、IVk(2mg、収率36%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 910.5 (M + H)
+。
【化478】
【0406】
(IVl)
((S)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(4-(1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-アミノフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVl))
IVj-pのための一般手順に従い、IVl(2mg、収率36%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 910.4 (M + H)
+。
【化479】
【0407】
(IVm)
((S)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(4-(1-(カルボキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ブチル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-アミノフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVm))
【化480】
IVj-pのための一般手順に従い、IVm(2mg、2工程で収率16%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 924.2 (M + H)
+。
【化481】
【0408】
(IVn)
((S)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(4-(1-(3-カルボキシプロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ブチル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-アミノフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVn))
【化482】
IVj-pのための一般手順に従い、IVn(1mg、2工程で収率11%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 952.1 (M + H)
+。
【化483】
【0409】
【化484】
(IVo)
((S)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(4-(1-ベンジル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ブチル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-アミノフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVo))
IVj-pのための一般手順に従い、IVo(2.5mg、収率50%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 956.5 (M + H)
+。
【化485】
【0410】
【化486】
(IVp)
((S)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-4-メチル-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)-N-(4-(1-フェニル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ブチル)ペンタンアミド)ペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-アミノフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVp))
IVj-pのための一般手順に従い、IVp(3.5mg、収率40%)を無色の固体として得た。ESI m/z: 942.5 (M + H)
+。
【化487】
【0411】
【化488】
(IVq)
((S)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-アミノフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVq))
IVのための一般手順に従い、IVg(4.0mg、収率72%)を白色の固体として得た。ESI m/z 828.3 (M + H)
+。
【化489】
【0412】
【化490】
(IVr)
((S)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-アミノフェニル-3,5-d2)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVr))
IVのための一般手順に従い、IVr(2.0mg、収率34%)を白色の固体として得た。ESI m/z 825.5 (M + H)
+。
【化491】
【0413】
【化492】
(IVs)
((S)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-アミノフェニル-3,5-d2)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVs))
IVのための一般手順に従い、IVs(0.80mg、収率6%)を白色の固体として得た。ESI m/z 829.5 (M + H)
+。
【化493】
【0414】
(IVt)
(2-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イニル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(3-((ベンジルオキシカルボニル)(メチル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVt1)(
図6B))
【化494】
IVのための一般手順に従い、IVt1(6.0mg、収率47%)を白色の固体として得た。ESI m/z 989.1 (M + H)
+。
【0415】
(4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-フルオロ-3-(メチルアミノ)フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVt)(
図6B))
【化495】
化合物IVt1(6mg、6.1μmol)の溶液に、含水Pd/C(10% Pd、2mg)を窒素下で添加した。懸濁液を脱気し、雰囲気を、水素で3回置換し、その後、水素風船下室温で30分撹拌し、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を、セライトを通して濾過し、濾液を真空下濃縮した。残渣を、分取HPLC(方法B)によって精製して、化合物IVt(2mg、収率38%)を白色の固体として得た。ESI m/z 859.1 (M + H)
+。
【化496】
【0416】
(IVuA/B)
(4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-[3-(ジベンゾイルアミノ)-4-フルオロフェニル]-2,2-ジメチルペンタン酸(IVu1))
【化497】
IVのための一般手順に従い、IVu1(10mg、収率40%)を白色の固体として得た。ESI m/z 511.3 (M/2 + H)
+。
【0417】
(4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(3-アミノ-4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVu))
【化498】
化合物IVu1(10mg、9.8μmol)の溶液に、含水Pd/C(10% Pd、3mg)を窒素下添加した。懸濁液を脱気し、雰囲気を水素で3回置換し、その後、水素風船下室温で24時間撹拌し、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を、セライトを通して濾過し、濾液を真空下濃縮した。粗体混合物を、分取HPLC(方法A)によって精製して、化合物IVuを白色の固体として得た。
【0418】
IVuA(2mg、収率23%): ESI m/z 845.5 (M + H)
+、LCMS保持時間:1.41分;
【化499】
【0419】
IVuB(2mg、収率23%): ESI m/z 845.5 (M + H)
+、LCMS保持時間:1.42分;
【化500】
【0420】
(IVvA/B)
(4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-アミノ-3-フルオロフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVv、2種のジアステレオマーA及びB))
【化501】
Iiの代わりにIjを用いたことを除きIi及びIIIeからIVuへのものと類似の手順に従い、ジアステレオマーとしての化合物IVvを得て、その後、分取HPLC(方法A)によって分離して、ジアステレオマーA及びジアステレオマーBを白色の固体として得た。
【0421】
IVvA(5mg、収率10%): ESI m/z 845 (M + H)+、LCMS保持時間:1.40分。
【0422】
IVvB(5mg、収率10%): ESI m/z 845 (M + H)
+、LCMS保持時間:1.41分。ジアステレオマーIVvBは、
図5Aに示される通りである。
【0423】
(IVw)
((S)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イニル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-(ベンジルオキシ)-3-ニトロフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVw1))
【化502】
化合物IVのための一般手順に従い、化合物IVw1(10mg、収率40%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 959.5 (M + H)
+。
【0424】
((S)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVw))
【化503】
エタノール(5mL)中の化合物IVw1(10mg、0.10mmol)の溶液に、濃HCl(0.1mL)及び含水Pd/C(10% Pd、3mg)を窒素下で添加した。懸濁液を脱気し、雰囲気を水素で3回置換し、その後、水素風船下室温で30分撹拌し、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を、セライトを通して濾過し、濾液を真空下濃縮した。粗生成物を分取HPLC(方法A)によって精製して、化合物IVw(1mg、収率12%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 843.5 (M + H)
+。
【0425】
(IVx)
(4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IVx))
【化504】
Ikの代わりにIlを用いたことを除きIVwのものと類似の手順に従い、化合物IVxを白色の固体として得た。ESI m/z: 843.5 (M + H)
+。
【0426】
(IVy)
((1R,3R)-1-(4-((S)-1-(4-アミノフェニル)-5-ヒドラジニル-4,4-ジメチル-5-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)チアゾール-2-イル)-3-((2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル アセテート(IVy))
【化505】
乾燥DMF(2mL)中のFmoc-IVq(60mg、60μmol、化合物IVqの手順を参照されたい)の溶液に、HATU(24mg、66μmol)及びDIPEA(24mg、0.18mmol)を添加した。混合物を、室温で10分撹拌し、それに続き、Boc-ヒドラジン(8.0mg、60μmol)を添加した。得られた溶液を、室温で1時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(水(0.03% TFAを含有)中5~95%のアセトニトリル)によって直接分離して、Boc-ヒドラジド中間体(70mg、ESI m/z: 1163.6 (M + H)
+)を白色の固体として得た。中間体(10mg、10μmol)を、DMF(2mL)に溶解させ、該溶液に、1滴のピペリジン(約0.02mL)を添加した。LCMSに基づいてFmocが除去されるまで、溶液を室温で1時間撹拌した。混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(水(0.03% TFAを含有)中5~95%のアセトニトリル)によって直接分離して、粗体の脱Fmoc中間体(5mg、ESI m/z: 421.3 ((M - Boc)/2 + H)
+)を白色の固体として得て、それを、DCM(2mL)に溶解させた。この溶液に、TFA(0.4mL)を添加し、LCMSに基づいてBocが除去されるまで、混合物を室温で2時間撹拌した。揮発性物質を真空下で除去し、残渣を、分取HPLC(方法B)によって精製して、化合物IVy(1mg、Fmoc-IVqからの収率11%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 841.5 (M + H)
+。
【化506】
【0427】
(O-ツブリシンエステルVの合成(
図5))
(Va)
【化507】
((2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(ヘキシルオキシ)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルペンタン酸(Va))
VIのための一般手順(下記)に従い、Va(8.5mg、収率28%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 830.1 (M + H)
+。
【化508】
【0428】
(Vb)
【化509】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-アミノフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(Vb))
VIのための一般手順に従い、Vb(6.0mg、収率30%)を白色の固体として得た。ESI m/z 829.4 (M + H)
+。
【化510】
分析的HPLC:95%、R
t:8.55分(方法B)。
【0429】
(Vc)
【化511】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-2,2-ジメチル-5-フェニルペンタン酸(Vc))
VIのための一般手順に従い、Vc(7.0mg、収率35%)を白色の固体として得た。ESI m/z 810.0 (M + H)
+。
【化512】
分析的HPLC:>99%、R
t:8.63分(方法B)。
【0430】
(Vd)
【化513】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-フルオロフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(Vd))
VIのための一般手順に従い、Vd(8.0mg、収率40%)を白色の固体として得た。ESI m/z 828.4 (M + H)
+。
【化514】
分析的HPLC:>99%、R
t:8.40分(方法B)。
【0431】
(Ve)
【化515】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-アミノフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(Ve))
VIのための一般手順に従い、Ve(5.3mg、収率27%)を白色の固体として得た。ESI m/z 413.3 (M/2 + H)
+、825.3 (M + H)
+ (30%)。
【化516】
分析的HPLC:95%、R
t:6.98分(方法B)。
【0432】
(Vf)
【化517】
((2S,4R)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-フルオロフェニル)-2-メチルペンタン酸(Vf))
VIのための一般手順に従い、Vf(4.0mg、収率20%)を白色の固体として得た。ESI m/z 814.3 (M + H)
+。
【化518】
分析的HPLC:98%、R
t:7.63分(方法B)。
【0433】
(Vg)
【化519】
((2S,4R)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルペンタン酸(Vg))
VIのための一般手順に従い、Vg(7.8mg、収率39%)を白色の固体として得た。ESI m/z 812.3 (M + H)
+。
【化520】
分析的HPLC:>99%、R
t:7.68分(方法A)。
【0434】
(Vh)
【化521】
((2S,4R)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-アミノフェニル)-2-メチルペンタン酸(Vh))
VIのための一般手順に従い、Vh(12mg、収率60%)を白色の固体として得た。ESI m/z 406.2 (M/2 + H)
+、811.2 (M + H)
+ (10%)。
【化522】
分析的HPLC:>99%、R
t:6.84分(方法A)。
【0435】
(Vi)
【化523】
((2S,4R)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(2-((8R,10R)-8-イソプロピル-7-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-1-(4-ニトロフェニル)-12-オキソ-2,6,11-トリオキサ-7-アザトリデカン-10-イル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチルペンタン酸(Vi))
VIのための一般手順に従い、Vi(30mg、収率47%)を白色の固体として得た。ESI m/z 939.5 (M + H)
+。
【化524】
【0436】
(Vj)
【化525】
((2S,4R)-4-(2-((8R,10R)-1-(4-アミノフェニル)-8-イソプロピル-7-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-12-オキソ-2,6,11-トリオキサ-7-アザトリデカン-10-イル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルペンタン酸(Vj))
エタノール(2.0mL)中の化合物Vi(4.0mg、4.2μmol)の溶液に、パラジウム炭素(5% Pd、0.6mg)を添加し、混合物を脱気し、水素を3回再充填した。LCMSによってモニタリングしてニトロ基が完全に還元されるまで、得られた混合物を水素雰囲気下室温で2時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、セライトを、エタノールで洗浄した(3×)。合わせた濾液を、真空下濃縮した。残渣を、分取HPLC(重炭酸アンモニウム系)によって精製して、化合物Vj(2.0mg、収率53%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 909 (M + H)
+。
【化526】
キラルSFC>99%(AD-H、AS-H、OJ-H、及びOD-H)、R
t:1.61分(AD-H)、2.71分(AS-H)、4.32分(OD-H)、及び1.97分(OJ-H)。
【0437】
(Vk)
【化527】
((2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルペンタン酸(Vk))
メタノール(4.0mL)中の化合物Vi(17mg、18μmol)の溶液に、パラジウム炭素(5% Pd、1.7mg)を添加し、混合物を脱気し、水素を3回再充填した。得られた混合物を、水素雰囲気下室温で1晩、その後、50℃でさらに6時間撹拌した。LCMSによって、ViもVjも残っていないことが示された。混合物を、セライトを通して濾過し、セライトをエタノールで洗浄した(3回)。合わせた濾液を、真空下濃縮した。残渣を、分取HPLC(重炭酸アンモニウム系)によって精製して、化合物Vk(6.0mg、収率41%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 804.2 (M + H)
+。
【化528】
【0438】
(O-ツブリシンの合成(
図5A))
(IX及びXのための一般手順)
DCM(50mM)中の化合物A-1(1.0当量)の溶液に、化合物A-2(1.5当量)及びDIPEA(4.0当量)を添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。得られた混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(TFA水(0.01%)中0~30%のアセトニトリル)によって直接精製して、IX又はX(収率7~57%)をオフホワイトの固体として得た。
【0439】
【化529】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(IX))
IX及びXのための一般手順に従い、化合物A-2eで処理した化合物A-1bから、ペイロードIX(15mg、収率12%)を白色の固体として得た。ESI m/z 826.5 (M + H)
+。
【化530】
【0440】
【化531】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(X))
IX及びXのための一般手順に従い、化合物A-2eで処理した化合物A-1cから、ペイロードX(20mg、収率57%)を、オフホワイトの固体として得た。ESI m/z 830.1 (M + H)
+。
【化532】
【0441】
(O-ツブリシン カーボネートの合成(VI))
(化合物33A、F、Hのための一般手順(
図7A))
乾燥DMF(27の1グラムあたり10mL)中の化合物27a、c、f(1.0当量)及びビス(4-ニトロフェニル) カーボネート(NPC)(5.0当量)の混合物に、DIPEA(3当量)を添加し、LCMSによってモニタリングして化合物27a、c、fが完全に消費されるまで、混合物を室温で16時間撹拌した。得られた混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水に注ぎ、水溶液を酢酸エチルで抽出した(4回)。合わせた有機溶液を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、乾固するまで濃縮して、粗化合物33A、F、Hを黄色のオイルとして得て、それを、精製することなく次の工程で用いた。
【0442】
【化533】
(エチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-N-(ヘキシルオキシ)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチル-1-((4-ニトロフェノキシ)カルボニルオキシ)ペンチル)チアゾール-4-カルボキシレート(33A))
乾燥DMF(1mL)中の化合物27a(0.10g、0.16mmol)及びビス(4-ニトロフェニル) カーボネート(NPC)(0.25g、0.82mmol)の混合物に、DIPEA(63mg、0.49mmol)を添加し、LCMSによってモニタリングして化合物27aが完全に消費されるまで、混合物を室温で16時間撹拌した。得られた混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水(10.0mL)に注ぎ、水溶液を酢酸エチルで抽出した(4回)。合わせた有機溶液を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、乾固するまで濃縮して、粗化合物33A(430mg)を黄色のオイルとして得て、それを、精製することなく次の工程で用いた。ESI m/z: 775.8 (M + H)
+。
【0443】
(化合物34a-e、F、Hのための一般手順(
図7A))
DCM(5.0mL)中の上で得られた粗体の33A、F、H(1.0当量、化合物27a、c、fから計算)の溶液を、シリンジを用いてR
2NH
2(THF中2M溶液、4.0当量)で処理した。得られた溶液を、室温で16時間撹拌した。その後、反応混合物を、DCM(5.0mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水(10mL)で洗浄した。水層を、DCMで抽出した(2回)。合わせた有機溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下濃縮して、粗体のカルバメートを得て、それを、水及びTHFに溶解させた。この溶液に、水酸化リチウム水和物(7~8当量)を添加した。得られた混合物を、室温で1晩撹拌した。揮発性物質を、真空下で除去し、残った水性混合物を、クエン酸水溶液(1M)でpH 6.0まで酸性化した。混合物をDCMで抽出した(3回)。合わせた有機層を濃縮し、残渣をRPクロマトグラフィー(水(0.01% TFAを含有又は不含)中0~80%のアセトニトリル)によって精製して、化合物34a-e、F、Hを白色の固体として得た。
【0444】
(ペイロードVIa-f、hのための一般手順(
図7A))
乾燥DCM(10~15mg/mL)中の化合物34(1.0当量)及びPFP(1.5当量)の混合物に、DCM(5~10mg/mL)中のDIC(1.1当量)の溶液をシリンジによって0℃で滴加した。得られた溶液を、室温まで昇温させ、16時間撹拌し、LCMSによってモニタリングした。揮発性物質を、真空下で除去し、残渣を、酢酸エチル中に懸濁させた。固体を濾過して取り除き、濾液を濃縮した。残渣を乾燥DMF(15~20mg/mL)に溶解させ、該溶液に、DIPEA(3.0当量)及び中間体Ie又はIc(1.0当量)を連続して添加した。反応混合物を室温で1晩撹拌し、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を、分取HPLC(重炭酸アンモニウム系)によって直接精製して、VIa-e又はFmoc-VIf、hを白色の固体として得た。化合物Fmoc-VIf、h(1当量)を、DMF(Fmoc-VIf、hの1mgあたり0.15mL)中に溶解させた。この溶液に、ピペリジン(V
pip/V
DMF=1/20、過剰)を添加し、LCMSによってモニタリングしてFmocが完全に除去されるまで、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、分取HPLC(方法B)によって直接精製して、VIf、hを白色の固体として得た。
【0445】
【化534】
(2-((5R,7R)-7-イソプロピル-8-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-3-オキソ-4,9-ジオキサ-2,8-ジアザペンタデカン-5-イル)チアゾール-4-カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(34a)
34a-e、F、Hのための一般手順に従い、化合物34a(43mg、27aからの収率40%)を、トリフルオロ酢酸塩として得た。ESI m/z: 640.0 (M + H)
+。
【化535】
【0446】
【化536】
(2-((6R,8R)-8-イソプロピル-9-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-4-オキソ-5,10-ジオキサ-3,9-ジアザヘキサデカン-6-イル)チアゾール-4-カルボン酸(34b))
34a-e、F、Hのための一般手順に従い、化合物34b(10mg、27aからの収率10%)を、トリフルオロ酢酸塩として得た。ESI m/z: 654.3 (M + H)
+。
【化537】
【0447】
【化538】
(2-((7R,9R)-9-イソプロピル-10-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-5-オキソ-6,11-ジオキサ-4,10-ジアザヘプタデカン-7-イル)チアゾール-4-カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(34c))
34a-e、F、Hのための一般手順に従い、化合物34c(45mg、27aからの収率36%)を、トリフルオロ酢酸塩として得た。ESI m/z: 667.9 (M + H)
+。
【化539】
【0448】
【化540】
(2-((8R,10R)-10-イソプロピル-11-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-6-オキソ-7,12-ジオキサ-5,11-ジアザオクタデカン-8-イル)チアゾール-4-カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(34d))
34a-e、F、Hのための一般手順に従い、化合物34d(50mg、27aからの収率44%)を、トリフルオロ酢酸塩として得た。ESI m/z: 682.0 (M + H)
+。
【化541】
【0449】
【化542】
(2-((9R,11R)-9-イソプロピル-8-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-13-オキソ-7,12-ジオキサ-8,14-ジアザイコサン-11-イル)チアゾール-4-カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(34e))
34a-e、F、Hのための一般手順に従い、化合物34e(40mg、27aからの収率46%)を、トリフルオロ酢酸塩として得た。ESI m/z: 709.9 (M + H)
+。
【0450】
(VIa)
((2S,4R)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(2-((5R,7R)-7-イソプロピル-8-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-3-オキソ-4,9-ジオキサ-2,8-ジアザペンタデカン-5-イル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチルペンタン酸(VIa))
VIa-f、hのための一般手順に従い、VIa(16mg、収率36%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 845.0 (M + H)
+。
【化543】
キラルSFC:>99%(AD-H及びAS-H)。
【0451】
(VIb)
((2S,4R)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(2-((6R,8R)-8-イソプロピル-9-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-4-オキソ-5,10-ジオキサ-3,9-ジアザヘキサデカン-6-イル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチルペンタン酸(VIb))
VIa-f、hのための一般手順に従い、VIb(2.0mg、収率15%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 859.5 (M + H)
+。
【化544】
【0452】
(VIc)
((2S,4R)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(2-((7R,9R)-9-イソプロピル-10-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-5-オキソ-6,11-ジオキサ-4,10-ジアザヘプタデカン-7-イル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチルペンタン酸(VIc))
VIa-f、hのための一般手順に従い、VIc(20mg、収率40%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 873.5 (M + H)
+。
【化545】
キラルSFC:>99%(AD-H及びAS-H)。
【0453】
(VId)
((2S,4R)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(2-((8R,10R)-10-イソプロピル-11-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-6-オキソ-7,12-ジオキサ-5,11-ジアザオクタデカン-8-イル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチルペンタン酸(VId))
VIa-f、hのための一般手順に従い、VId(33mg、収率50%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 887.3 (M + H)
+。
【化546】
キラルSFC:>96%(AD-H及びAS-H)。
【0454】
(VIe)
((2S,4R)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(2-((9R,11R)-9-イソプロピル-8-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-13-オキソ-7,12-ジオキサ-8,14-ジアザイコサン-11-イル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチルペンタン酸(VIe))
VIa-f、hのための一般手順に従い、VIe(21mg、収率40%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 915.5 (M + H)
+。
【化547】
【0455】
(VIf)
(エチル 2-[(1R,3R)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]-1-[(4-ニトロフェノキシカルボニル)オキシ]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(33F)(
図7B))
【化548】
27aの代わりに27cを用いたことを除き33Aのためのものと類似の手順に従い、化合物33F(120mg、粗生成物)を、黄色のオイルとして得て、それを、さらに精製することなく次の工程で使用した。ESI m/z: 758.3 (M + H)
+。
【0456】
(2-[(1R,3R)-1-[(エチルカルバモイル)オキシ]-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸(34F)(
図7B))
【化549】
33Aの代わりに33Fを用いたことを除き34bのためのものと類似の手順に従い、化合物34F(25mg、3工程での収率52%)を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(TFA水(0.01%)中45~55%のアセトニトリル)による精製の後に、無色のオイルとして得た。ESI m/z: 636.2 (M + H)
+。
【0457】
((4S)-5-(4-アミノフェニル)-4-({2-[(1R,3R)-1-[(エチルカルバモイル)オキシ]-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-2,2-ジメチルペンタン酸(VIf)(
図7B))
【化550】
34の代わりに34F及びIeの代わりにIcを用いたことを除きVIのための一般手順に従い、Fmoc-VIf(15mg)を、淡褐色の固体として得た。ESI m/z: 1076.3 (M + H)
+。この化合物Fmoc-VIf(15mg)を、DMF(2.0mL)中に溶解させた。この溶液に、ピペリジン(0.10mL)を添加し、LCMSによってモニタリングしてFmocが完全に除去されるまで、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、分取HPLC(方法B)によって直接精製して、VIf(8mg、3工程での収率27%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 854.5 (M + H)
+。
【化551】
分析的HPLC:>99%、保持時間:7.85分(方法B)。
【0458】
(VIg)
((4S)-5-(4-アセトアミドフェニル)-4-({2-[(1R,3R)-1-[(エチルカルバモイル)オキシ]-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-2,2-ジメチルペンタン酸(VIg)(
図7B))
【化552】
化合物VIf(1.0mg、1.2μmol)を、DCM(1.0mL)に溶解させ、溶液を、氷浴中で0℃まで冷却した。この溶液に、DCM(50μL)中のAc
2O(0.24mg、2.4μmol)の溶液及びDCM(50μL)中のDIPEA(0.30mg、2.4μmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。LCMSによって、出発材料の完全な消費が示され、所望の生成物が検出された。揮発性物質を、真空下で除去し、粗生成物を、分取HPLC(方法B)によって直接精製して、VIg(0.3mg、収率28%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 896.5 (M + H)
+。分析的HPLC:100%、保持時間:7.49分(方法B)。
【0459】
(VIh)
((S)-5-(4-アミノフェニル)-4-(2-((5R,7R)-7-イソプロピル-8-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタノイル)-3-オキソ-4,9-ジオキサ-2,8-ジアザテトラデカン-5-イル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2,2-ジメチルペンタン酸(VIh)(
図7B))
【化553】
27cの代わりに27fを用いたことを除き27cから化合物VIfへのものと類似の手順に従い、化合物VIh(2mg、27fから4.5%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 844.2 (M + H)
+。
【化554】
【0460】
(例示的な調製スキームE、H、J、K、M、及びN)
(スキームE(102及び102a))
DMF中のFmoc-vc-PAB-X(X=Br、Cl、又は-OTf)の溶液に、ピペリジンを添加し、LCMSによってFmoc-vc-PAB-Xの消費が完了するまで、溶液を室温で撹拌させる。触媒量のNaIの存在下で収率が向上する。標準的なワークアップ条件後に、粗体のvc-PAB-XをDMFに溶解させ、6-マレイミドヘキサン酸(過剰)、HATU、及びDIPEAを添加する。LCMSに基づいてvc-PAB-Xの消費が完了するするまで反応を室温で撹拌する。標準的なワークアップ条件後に、粗物質を、HPLCによって精製して、102を得る。6-マレイミドヘキサン酸(過剰)をL-3(過剰)で置き換えたことを除いて同じ手順に従い、102aを得る。あるいは、粗体のvc-PAB-XをDMFに溶解させ、L-4(過剰)及びDIPEAを添加する。LCMSに基づきvc-PAB-Xの消費が完了するまで反応を室温で撹拌する。標準的なワークアップ条件後に、粗物質をHPLCによって精製して、同じく102aを得る。
【0461】
(スキームE(104及び104a))
100のDMF溶液に、102又は102a(過剰)を添加する。LCMSに基づき100の消費が完了するまで、個々の反応を室温で撹拌する。標準的なワークアップ条件後に、個々の粗物質をHPLCによって精製して、それぞれ、104又は104aを得る。あるいは、公知の102aaを、THF(又は別の極性非プロトン性溶媒)に溶解させ、DIBALを用いて還元して、LCMSによってモニタリングして102aaの消費後に102bを得る。標準的なワークアップ及び単離条件後に、102bを、DMF(又は別の極性非プロトン性溶媒)に溶解させ、PyBoc及びDIPEAの存在下室温で102cとカップリングさせて、同じく標準的なワークアップ及び単離条件後に102ddを得る(注:公知102dは、以下の工程において同等に適格である)。Fmoc-vc-PAB-X(X=Br、Cl、又は-OTf)を、DMF(又は別の極性非プロトン性溶媒)に溶解させ、触媒NaI、DMAP、及びピリジンの存在下で102d又は102ddで処理して、粗体の102fを得る。その後のDMF(又は別の極性非プロトン性溶媒)中のピペリジンでの処理によって、標準的なワークアップ及び単離条件後に102fを得る。102fを、DMF(又は別の極性非プロトン性溶媒)に溶解させ、L-4及びDIPEAで処理して、標準的なワークアップ及び単離条件に従って102hを得る。102hを、104aへの途中で(参照.
図5、例えば、A=Q)、
図4及び
図5に記載されるのと同様にさらに操作することができる(参照.
図4、24a-eの25へのカップリング)。
【0462】
(スキームH(108及び108a))
DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)中のFmoc-vc-PAB-Brの溶液に、NaN3を添加し、LCMSに基づきFmoc-vc-PAB-Brの消費が完了するまで、溶液を室温で撹拌させる。その後、ピペリジンを添加し、LCMSに基づきFmocの脱保護が完了するまで撹拌させる。標準的なワークアップ条件後に、粗体のvc-PAB-N3を、DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)に溶解させ、6-マレイミドヘキサン酸(過剰)、HATU、及びDIPEAを添加する。LCMSに基づいてvc-PAB-Brの消費が完了するまで反応を室温で撹拌する。標準的なワークアップ条件後に、粗物質を、HPLCによって精製して、108を得る。6-マレイミドヘキサン酸(過剰)をL-3(過剰)に置き換えたことを除き同じ手順に従い、108aを得る。あるいは、粗体のvc-PAB-N3を、DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)に溶解させ、L-4(過剰)及びDIPEAを添加する。LCMSに基づいてvc-PAB-N3の消費が完了するまで反応を室温で撹拌する。標準的なワークアップ条件後に、粗物質をHPLCによって精製して、同じく108aを得る。
【0463】
(スキームH(110及び110a))
THF:水(3:1)中の108又は108a(過剰)及びアスコルビン酸ナトリウムの溶液に、106を添加する。その後、1滴の硫酸銅水溶液を添加する。LCMSで106が消費されるまで、個々の混合物を室温で撹拌させる。標準的なワークアップ及びHPLCによる精製によって、それぞれ、110及び110aを得る。
【0464】
(スキームJ(116、116a、116b、及び116c))
DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)中の112、L-1(過剰)及びHOBtの溶液に、DIPEAを添加し、LCMSによる112の消費まで反応を撹拌させる。標準的なワークアップ条件後に、粗物質を、HPLCによって精製して116を得る。あるいは、DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)中の112、L-2(過剰)、及びHOBtの溶液に、DIPEAを添加し、LCMSによる112の消費まで反応を撹拌させる。標準的なワークアップ条件後に、粗物質を、HPLCによって精製して、116aを得る。DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)中の116aの溶液に、ピペリジンを添加し、Fmocの脱保護が完了するまで、LCMSにより反応をモニタリングする。標準的なワークアップ条件後に、粗物質を、HPLCによって精製して、116bを得る。DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)中の116bの溶液に、L-3(過剰)、HATU、及びDIPEAを添加する。LCMSに基づいて116bの消費が完了するまで反応を室温で撹拌する。標準的なワークアップ条件後に、粗物質をHPLCによって精製して、116cを得る。或いは、DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)中の116bの溶液に、L-4(過剰)及びDIPEAを添加し、LCMSに基づき116bの消費が完了するまで反応を室温で撹拌する。標準的なワークアップ条件後に、粗物質をHPLCによって精製して、同じく116cを得る。
【0465】
(スキームK(120及び120a))
DCM(又は別の非プロトン化有機溶媒)中のFmoc-vc-PAB-OHの溶液に、TBSCl及びNEt3を添加する。LCMSによりFmoc-vc-PAB-OHが消費されるまで、反応を撹拌させた。標準的なワークアップ条件後に、粗体のFmoc-vc-PAB-OTBSを、DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)に溶解させ、ピペリジンを添加する。標準的なワークアップ後に、粗体のvc-PAB-OTBSを、DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)に溶解させ、6-マレイミドヘキサン酸(過剰)、HATU、及びDIPEAを添加する。LCMSに基づいてvc-PAB-OTBSの消費まで反応を室温で撹拌する。その後、THF中の過剰のTBAFを添加し、LCMSによる完全な脱保護後に、粗物質を、HPLCによって精製して、120を得る。6-マレイミドヘキサン酸(過剰)をL-3(過剰)で置き換えたことを除き同じ手順に従い、120aを得る。あるいは、粗体のvc-PAB-OTBSを、DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)に溶解させ、L-4(過剰)及びDIPEAを添加する。LCMSに基づいてvc-PAB-OTBSの消費が完了するまで反応を室温で撹拌する。その後、THF中の過剰のTBAFを添加し、LCMSによる完全な脱保護後に、粗物質をHPLCによって精製して、同じく120aを得る。
【0466】
(スキームK(122及び122a))
DCM(又は別の非プロトン化有機溶媒)中の118及びPFPの溶液に、シリンジによって0℃でDCM(又は別の非プロトン化有機溶媒)中のDICの溶液を滴加する。LCMSによる118の消費まで、得られた溶液を撹拌する。その後、揮発性物質を真空下除去し、残渣を、酢酸エチルに溶解させる。固体を濾過し、濾液を濃縮して、中間体ペンタフルオロフェニルエステルを得る。中間体エステルを、DMFに溶解させ、DIPEAを添加し、それに続き、120又は120aを添加する。個々の溶液を1晩撹拌し、HPLCによって精製して、エステル122又は122aを得る。
【0467】
(スキームM(128、128a、128b、及び128c))
DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)中の124、L-1(過剰)、及びHOBtの溶液に、DIPEAを添加し、LCMSによる124の消費まで、反応を撹拌させる。標準的なワークアップ条件後に、粗物質を、HPLCによって精製して、128を得る。あるいは、DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)中の124、L-2(過剰)、及びHOBtの溶液に、DIPEAを添加し、LCMSによる124の消費まで、反応を撹拌させる。標準的なワークアップ条件後に、粗物質を、HPLCによって精製して、128aを得る。DMF中の128aの溶液に、ピペリジンを添加し、Fmocの脱保護が完了するまでLCMSにより反応をモニタリングする。標準的なワークアップ条件後に、粗物質を、HPLCによって精製して、128bを得る。DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)中の128bの溶液に、L-3(過剰)、HATU、及びDIPEAを添加する。LCMSに基づいて128bの消費が完了するまで反応を室温で撹拌する。標準的なワークアップ条件後に、粗物質を、HPLCによって精製して、128cを得る。或いは、DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)中の128bの溶液に、L-4(過剰)及びDIPEAを添加し、LCMSに基づき128bの消費が完了するまで反応を室温で撹拌する。標準的なワークアップ条件後に、粗物質をHPLCによって精製して、同じく128cを得る。
【0468】
(スキームN(134、134a、134b、及び134c))
DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)中の130、L-1(過剰)、及びHOBtの溶液に、DIPEAを添加し、LCMSによる130の消費まで、反応を撹拌させる。標準的なワークアップ条件後に、粗物質を、HPLCによって精製して、134を得る。あるいは、DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)中の130、L-2(過剰)、及びHOBtの溶液に、DIPEAを添加し、LCMSによる130の消費まで、反応を撹拌させる。標準的なワークアップ条件後に、粗物質を、HPLCによって精製して、134aを得る。DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)中の134aの溶液に、ピペリジンを添加し、Fmocの脱保護が完了するまでLCMSにより反応をモニタリングする。標準的なワークアップ条件後に、粗物質を、HPLCによって精製して、134bを得る。DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)中の134bの溶液に、L-3(過剰)、HATU、及びDIPEAを添加する。LCMSに基づいて134bの消費が完了するまで反応を室温で撹拌する。標準的なワークアップ条件後に、粗物質を、HPLCによって精製して、134cを得る。或いは、DMF(又は別の非プロトン化有機溶媒)中の134bの溶液に、L-4(過剰)及びDIPEAを添加し、LCMSに基づき134bの消費が完了するまで反応を室温で撹拌する。標準的なワークアップ条件後に、粗物質をHPLCによって精製して、同じく134cを得る。
【0469】
(MC-リンカー-ペイロードの合成(
図8))
【化555】
((1R,3R)-1-(4-((2R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドラジニル-4-メチル-5-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)チアゾール-2-イル)-3-((2S,3R)-N-ヘキシル-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル アセテート(IVa′))
窒素下-15℃で乾燥酢酸エチル(1mL)中のIVa(9mg、0.011mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(14mg、0.11mmol)及びクロロぎ酸イソブチル(15mg、0.11mmol)の混合物を添加した。溶液を、-15℃でさらに2時間窒素下で撹拌した後に、DMF(0.5mL)中のNH
2NH
2・H
2O(8mg、0.17mmol)の溶液をそれに添加した。反応混合物を、-15℃で1晩撹拌し、その後、さらに45分20℃まで温めた。粗生成物を、塩基性の分取HPLCによって精製して、IVa′(4mg、収率44%)を白色の固体として得た。ESI-MS (EI
+、m/z): 830 [M+H]
+。
【0470】
((1R,3R)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキシルオキシ)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-1-(4-{[(2R,4S)-4-(ヒドラジンカルボニル)-1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルブタン-2-イル]カルバモイル}-1,3-チアゾール-2-イル)-4-メチルペンチル アセテート(Va′))
乾燥DMF(5.0mL)中の化合物Va(50mg、60.2μmol)、HATU(34mg、90.3μmol)、及びDIPEA(16mg、120.4μmol)の混合物を、室温で10分撹拌し、その後、この混合物に、抱水ヒドラジン(95%、9mg、180.7μmol)を添加した。得られた溶液を、さらに1時間撹拌し、LC-MSによって反応が完了したとみなされた。反応混合物を、分取HPLC(方法B)によって直接精製して、Va′(34mg、収率68%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 844.3 (M + H)
+。
【化556】
【0471】
【化557】
(4-((S)-2-((S)-2-(6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド)-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル-((2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3R)-N-ヘキシル-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-フルオロフェニル)-2-メチルペンタノイル)ヒドラジンカルボキシレート(LP1))
DMF(1mL)中のIVa′(3.0mg、0.036mmol)、mc-vc-PAB-PNP(L-1)(8.1mg、0.108mmol)、及びHOBt(9mg、0.07mmol)の溶液に、DIPEA(0.9mg、0.007mmol)を添加した。反応混合物を、N
2下室温で1晩撹拌した。粗生成物を、酸性分取HPLCによって精製して、LP1(3.4mg、66%)を白色の固体として得た。ESI-MS (EI
+、m/z): 1428.7 [M+H]
+、715.0 [M/2+H]
+。
【0472】
(DIBAC-リンカー-ペイロードの合成(
図9))
【化558】
(tert-ブチル (2R,4S)-5-ヒドラジニル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-5-オキソペンタン-2-イルカルバメート(35))
乾燥DMF(7.5mL)中の中間体Ie(500mg、1.5mmol)、HATU(706mg、1.9mmol)、及びDIPEA(399mg、3.1mmol)の溶液を、室温で30分撹拌し、その後、抱水ヒドラジン(95%、712mg、15.5mmol)を添加した。LCMSによってモニタリングして完了まで、得られた溶液を1晩撹拌した。反応混合物を、RPクロマトグラフィー(10mMのNH
4HCO
3を含有する水中0~100%のアセトニトリル)によって直接精製して、化合物35(450mg、72%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 338.0 (M + H)
+。
【化559】
【0473】
【化560】
(4-((S)-2-((S)-2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)-3-メチルブタンアミド)-7-アミノ-7-オキソヘプタンアミド)ベンジル 2-((2S,4R)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルペンタノイル)ヒドラジンカルボキシレート(36))
乾燥DMF(7.0mL)中の化合物35(430mg、1275.9μmol)、DIPEA(317mg、2551.8μmol)、及びHOBt(258mg、1913.9μmol)の溶液を、Fmoc-vc-PAB-PNP(L-2)(1075mg、1403.5μmol)で処理し、その後、LCMSによってモニタリングして完了まで、反応を室温で3時間撹拌した。完了した溶液を、RPクロマトグラフィー(0.1% TFAを含有する水中0~80%のアセトニトリル)によって精製して、化合物36(800mg、収率65%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 965.4 (M + H)
+。
【0474】
【化561】
(4-((S)-2-((S)-2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル 2-((2S,4R)-4-アミノ-5-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルペンタノイル)ヒドラジンカルボキシレート(37))
DCM(9.5mL)中の化合物36(500mg、518.7μmol)の溶液を、TFA(0.5mL)で処理し、完了まで室温で1時間撹拌した。その後、溶液を、0℃まで冷却し、N-メチルモルホリン(NMM)で中和して、pH 7.0とした。その後、溶液を濃縮し、残渣を、RPクロマトグラフィー(脱イオン水中0~100%のアセトニトリル)によって精製して、化合物37(167mg、収率37%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 865.4 (M + H)
+。
【化562】
キラルSFC:>99%(AD-H、AS-H、OJ-H、及びOD-H)、R
t:2.14分(AD-H)、3.89分(AS-H)、1.99分(OJ-H)、及び4.97分(OD-H)。
【0475】
【化563】
(4-((S)-2-((S)-2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル 2-((2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(ヘキシルオキシ)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルペンタノイル)ヒドラジンカルボキシレート(38))
乾燥塩化メチレン(4.0mL)中の化合物IIIa(125mg、200μmol)及びPFP(55mg、300μmol)の溶液に、塩化メチレン(1.0mL)中のDIC(38mg、300μmol)の溶液を0℃でシリンジによって滴加した。得られた溶液を、さらに1時間撹拌した。その後、揮発性物質を真空下除去し、残渣を、酢酸エチル(4.0mL)に溶解させた。固体を濾過して取り除き、濾液を濃縮して、ペンタフルオロフェニルエステル(200mg粗体)を淡黄色のオイルとして得て、それを、乾燥DMF(3.0mL)に溶解させた。その後、この溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、62mg、480μmol)を添加し、それに続き、化合物37(138mg、160μmol)を添加した。溶液を、1晩撹拌し、その後、RPクロマトグラフィー(脱イオン水中0~100%のアセトニトリル)によって精製して、化合物38(70mg、2工程を通して収率30%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 1471.4 (M + H)
+、736.3 (M/2 + H)
+。
【化564】
キラルSFC:>99%(AS-H、OJ-H、及びOD-H)、R
t:2.19分(AD-H)、3.99分(AS-H)、2.06分(OJ-H)、及び6.24分(OD-H)。
【0476】
【化565】
(4-((S)-2-((S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル2-((2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(ヘキシルオキシ)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルペンタノイル)ヒドラジンカルボキシレート(39))
乾燥DMF(2.0mL)中の化合物38(70.0mg、47.5μmol)の溶液を、ピペリジン(0.5mL)で処理し、室温で30分撹拌し、その後、溶液を乾固するまで濃縮し、石油エーテル(3×5mL)でトリチュレートし、さらに分取HPLC(重炭酸アンモニウム系)によって精製して、化合物39(35mg、59%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 1249.5 (M + H)
+。
【化566】
キラルSFC: R
t:2.37分(AD-H)、2.11分(OJ-H)、及び5.73分(OD-H)。
【0477】
【化567】
((1R,3R)-1-(4-{[(2R,4S)-4-{N'-[({4-[(2S)-2-[(2S)-2-[1-(4-{2-アザトリシクロ[10.4.0.0^{4,9}]ヘキサデカ-1(12),4(9),5,7,13,15-ヘキサエン-10-イン-2-イル}-4-オキソブタンアミド)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド]-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}メトキシ)カルボニル]ヒドラジンカルボニル}-1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルブタン-2-イル]カルバモイル}-1,3-チアゾール-2-イル)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキシルオキシ)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル アセテート(LP2))
乾燥DMF(1.0mL)中のDIBAC-suc-PEG4-COOH(L-3)(5.7mg、10.4μmol)、HATU(5.9mg、15.6μmol)、及びDIPEA(2.7mg、20.8μmol)の溶液を、室温で30分撹拌し、その後、化合物39 (13.0mg、10.4μmol)を添加した。LCMSによってモニタリングして完了まで、得られた溶液を1晩撹拌した。反応混合物を、分取HPLC(方法B)によって直接精製して、LP2(5mg、27%)をオフホワイトの固体として得た。ESI m/z: 892.5 (M/2 + H)
+。
【化568】
【0478】
(
図10AのDIBAC-リンカー-ペイロードの合成)
【化569】
((S)-5-(4-((4-((S)-2-((S)-2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)カルボニルアミノ)フェニル)-4-アミノ-2,2-ジメチルペンタン酸(40))
DMF(2mL)中の化合物7e(20mg、59μmol)及びL-2(50mg、65μmol)の混合物に、HOBt(8.0mg、59μmol)及びDIPEA(15mg、0.12mmol)を添加した。反応を、室温で16時間撹拌し、LCMSによってモニタリングした。その後、得られた混合物を逆相クロマトグラフィー(TFA水(0.01%)中0~100%のアセトニトリル)によって直接精製して、40(31mg、収率54%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 964.1 (M+H)
+。
【0479】
【化570】
((S)-5-(4-((4-((S)-2-((S)-2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)カルボニルアミノ)フェニル)-4-アミノ-2,2-ジメチルペンタン酸(41))
DCM(5mL)中の化合物40(40mg、41μmol)及びTFA(0.5mL)の混合物を、25℃で0.5時間撹拌し、その後、真空下濃縮して、41(36mg、収率100%)を褐色のオイルとして得た。ESI m/z: 432.6 (M+2H)/2
+。
【0480】
【化571】
((S)-5-(4-((4-((S)-2-((S)-2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)カルボニルアミノ)フェニル)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イニル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド) ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2,2-ジメチルペンタン酸(42a))
DMF(2mL)中の化合物41(36mg、41μmol)、DIPEA(21mg、167μmol)、及び化合物28e(32mg、41μmol)の混合物を、25℃で16時間撹拌し、その後、反応溶液を、RPクロマトグラフィーによって精製して、42a(28mg、収率48%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 725 (M+2H)/2
+。
【0481】
【化572】
((S)-5-(4-((4-((S)-2-((S)-2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)カルボニルアミノ)フェニル)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-4-メチル-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)-N-(ペンタ-4-イニルオキシ)ペンタンアミド)ペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2,2-ジメチルペンタン酸(42b))
DMF(3mL)中の化合物41(40mg、46μmol)、DIPEA(18mg、139μmol)、及び化合物28c(36mg、46μmol)の混合物を、25℃で16時間撹拌し、RPクロマトグラフィーによって精製して、42b(30mg、収率34%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 727 (M+2H)/2
+。
【0482】
【化573】
((S)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イニル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-((4-((S)-2-((S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)カルボニルアミノ)フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(43a))
DMF(1mL)中の化合物42a(40mg、41μmol)の溶液に、ピペリジン(10mg、0.12mmol)を添加した。LCMSに基づいてFmocが完全に除去されるまで、反応混合物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物に対して、逆相フラッシュクロマトグラフィー(TFA水(0.01%)中0~100%のアセトニトリル)を行って、43a(36mg)を褐色のオイルとして得た。ESI m/z: 432.6 (M+2H)/2
+。
【0483】
【化574】
((S)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イニル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-5-(4-((4-((S)-2-((S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)カルボニルアミノ)フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(43b))
DMF(1mL)中の化合物42b(30mg、20.68μmol)及びピペリジン(7.98mg、165.43μmol)の混合物を、25℃で16時間撹拌し、その後、反応溶液を、RPクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物43b(17mg、収率67%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 615.8 (M+2H)/2
+。
【0484】
(LP3の合成)
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-{[({4-[(2S)-2-[(2S)-2-[1-(4-{2-アザトリシクロ[10.4.0.04,9]ヘキサデカ-1(12),4(9),5,7,13,15-ヘキサエン-10-イン-2-イル}-4-オキソブタンアミド)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド]-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}メトキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(LP3))
DMF(2mL)中の化合物43a(30mg、24.42μmol)、DIBAC-suc-PEG4-NHS(L-4)(15.86mg、24.42μmol)、及びDIPEA(5.37mg、41.51μmol)の混合物を、25℃で16時間撹拌し、その後、反応溶液を、RPクロマトグラフィー(アセトニトリル/水)によって精製して、LP3(5mg、35%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 882.1 (M+2H)/2
+。
【化575】
【0485】
(LP4の合成)
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-{[({4-[(2S)-2-[(2S)-2-[1-(4-{2-アザトリシクロ[10.4.0.04,9]ヘキサデカ-1(12),4(9),5,7,13,15-ヘキサエン-10-イン-2-イル}-4-オキソブタンアミド)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド]-3-メチルブタンアミド]-2-[2-(カルバモイルアミノ)エトキシ]アセトアミド]フェニル}メトキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(LP4))
DMF(2mL)中の化合物43b(17mg、14μmol)、DIBAC-suc-PEG4-NHS(L-4)(9mg、14μmol)、及びDIPEA(5.4mg、42μmol)の混合物を、25℃で16時間撹拌し、その後、反応溶液を、RPクロマトグラフィー(アセトニトリル及び水)によって精製して、LP4(5mg、20%;繰り返し行った合成で67%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 883.1 (M+2H)/2
+。
【化576】
【0486】
(DIBAC-VA-リンカー-ペイロードの合成(
図10B))
(LP5の合成)
((4S)-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}-3-メチルブタンアミド]プロパンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(40b))
【化577】
DMF(3.0mL)中の化合物L-5(Fmoc-VA-OH、0.21g、0.50mmol)の溶液に、HATU(0.19g、0.50mmol)及びDIPEA(0.13g、1.0mmol)を添加した。反応混合物を室温で10分撹拌し、それに続き、化合物7e(0.17g、0.50mmol)を添加した。混合物を、室温で2時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。混合物を、分取HPLC(方法B)によって直接精製して、化合物40b(0.15g、収率40%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 746.3 (M + H
2O)
+。
【化578】
分析的HPLC:100%、保持時間:7.39分(方法B)。
【0487】
((4S)-4-アミノ-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}-3-メチルブタンアミド]プロパンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(41b))
【化579】
40の代わりに40bを用いたことを除き40から41へのものと類似の手順に従い、化合物41b(TFA塩として15mg、粗収率100%)を、褐色のオイルとして得て、それを、次工程に直接用いた。ESI m/z: 629.3 (M + H)
+。
【0488】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}-3-メチルブタンアミド]プロパンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(42c))
【化580】
41の代わりに41b(15mg、18μmol)を用いたことを除き41から42aへのものと類似の手順に従い、化合物42c(10mg、2工程で収率46%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 1215.6 (M + H)
+。
【0489】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド]プロパンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(43c))
【化581】
42aの代わりに42c(10mg、8.2μmol)を用いたことを除き42aから43aへのものと類似の手順に従い、化合物43c(5mg、収率61%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 497.4 (M/2 + H)
+。
【0490】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-[1-(4-{2-アザトリシクロ[10.4.0.0
4,9]ヘキサデカ-1(12),4(9),5,7,13,15-ヘキサエン-10-イン-2-イル}-4-オキソブタンアミド)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド]-3-メチルブタンアミド]プロパンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(LP5))
【化582】
DMF(1mL)中の化合物L-3(4.1mg、7.4μmol)の溶液に、HATU(2.9mg、7.5μmol)及びDMF(25μL)中のDIPEA(1.3mg、0.01mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温で10分撹拌し、それに続き、化合物43c(5.0mg、5.0μmol)を添加した。混合物を、室温で1時間撹拌し、LCMSによってモニタリングした。混合物を、分取HPLC(方法B)によって直接精製して、化合物LP5(3mg、収率39%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 764.5 (M/2 + H)
+。
【化583】
分析的HPLC:100%、保持時間:8.18分(方法B)。
【0491】
(LP6及びLP7の合成(
図10C))
((4S)-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-5-{4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(40c))
【化584】
DCM(20mL)中の化合物L-6(Fmoc-Val-Cit-OH、0.60g、1.2mmol)、化合物7e(0.20g、0.06mmol)、及びEEDQ(0.22g、0.90mmol)の混合物に、窒素雰囲気下10mLのメタノールを添加すると、混合物が透明になった。溶液を、暗所で室温で1晩撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。混合物を真空下濃縮し、残渣を分取HPLC(方法B)によって精製して、化合物40c(85mg、収率17%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 815.3 (M + H)
+。
【化585】
分析的HPLC:99%、保持時間:6.90分(方法B)。
【0492】
((4S)-4-アミノ-5-{4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(41c))
【化586】
40の代わりに40cを用いたことを除き40から41へのものと類似の手順に従い、化合物41c(TFA塩として25mg、粗収率100%)を、褐色のオイルとして得て、それを、次工程に直接用いた。ESI m/z: 715.3 (M + H)
+。
【0493】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(42d))
【化587】
41の代わりに41c(52mg、60μmol)を用いたこと及び28eの代わりに28d(61mg、78μmol)を用いたことを除き41から42aへのものと類似の手順に従い、化合物42d(52mg、2工程で収率66%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 654.3 (M/2 + H)
+。
【0494】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(43d))
【化588】
42aの代わりに42d(52mg、40μmol)を用いたことを除き42aから43aへのものと類似の手順に従い、化合物43d(37mg、収率85%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 543.5 (M/2 + H)
+。
【0495】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-[1-(4-{2-アザトリシクロ[10.4.0.0
4,9]ヘキサデカ-1(12),4(9),5,7,13,15-ヘキサエン-10-イン-2-イル}-4-オキソブタンアミド)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド]-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(LP6))
【化589】
43aの代わりに43d(24mg、22μmol)を用いたことを除き43aからLP3へのものと類似の手順に従い、化合物LP6(24mg、収率67%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 810.5 (M/2 + H)
+。
【化590】
分析的HPLC:100%、保持時間:8.52分(方法B)。
【0496】
(LP7の合成)
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(42e))
【化591】
41の代わりに41c(25mg、40μmol)を用いたことを除き41から42aへのものと類似の手順に従い、化合物42e(36mg、2工程で収率70%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 651.3 (M/2 + H)
+。
【化592】
分析的HPLC:99%, 保持時間:8.35分(方法B)。
【0497】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-(ヘキサ-5-イン-1-イル)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(43e))
【化593】
42aの代わりに42e(26mg、20μmol)を用いたことを除き42aから43aへのものと類似の手順に従い、化合物43e(21mg、収率97%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 540.3 (M/2 + H)
+。
【0498】
(LP9、LP11、及びLP12の合成(
図10D))
【化594】
((4S)-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-5-{4-[(2S)-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}プロパンアミド]-3-フルオロフェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(B-2))
ピリジン(10mL)中の化合物B-1(0.65g、1.8mmol)の溶液に、Fmoc-Ala-Cl(0.91g、1.5mmol)及びDMAP(10mg、82μmol)を添加し、反応混合物を室温で12時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。揮発性物質を、真空下で除去し、残渣を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(TFA水(0.03%)中0~100%のアセトニトリル)によって精製して、粗化合物B-2(0.66g、80%純度、収率57%)を白色の固体として得た。ESI m/z 548.3 (M - Boc + H)
+、670.3 (M + Na)
+。
【0499】
【化595】
((4S)-5-{4-[(2S)-2-アミノプロパンアミド]-3-フルオロフェニル}-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-2,2-ジメチルペンタン酸(B-3))
上で得られた粗化合物B-2(0.66g、1.0mmol)を、DMF(2mL)に溶解させ、ピペリジン(0.26g、3.1mmol)を添加し、混合物を、室温で12時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(TFA水(0.03%)中0~100%のアセトニトリル)によって直接精製して、化合物B-3(0.35g、収率80%)を白色の固体として得た。ESI m/z 370.2 (M - tBu + H)
+。
【0500】
【化596】
((4S)-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}-3-メチルブタンアミド]プロパンアミド]-3-フルオロフェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(B-4))
DMF(3mL)中の化合物B-3(42mg、0.10mmol)の溶液に、Fmoc-Val-OSu(45mg、0.11mmol)及びDIPEA(40mg、0.31mmol)を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。得られた混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(TFA水(0.03%)中0~100%のアセトニトリル)によって直接精製して、化合物B-4(37mg、収率50%)を白色の固体として得た。ESI m/z 647.3 (M - Boc + H)
+、770.3 (M + Na)
+。
【0501】
【化597】
((4S)-4-アミノ-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}-3-メチルブタンアミド]プロパンアミド]-3-フルオロフェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(B-5))
DCM(5mL)中の化合物B-4(75mg、0.10mmol)の溶液に、TFA(1mL)を添加し、LCMSによってモニタリングしてBocが完全に除去されるまで、反応混合物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を真空下濃縮して、粗化合物B-5(60mg、収率92%)を白色の固体として得て、これを、さらに精製することなく次の工程で直接用いた。ESI m/z 647.3 (M + H)
+。
【0502】
【化598】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}-3-メチルブタンアミド]プロパンアミド]-3-フルオロフェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(B-6a))
DMF(5mL)中の化合物B-5(65mg、0.10mmol)の溶液に、化合物A-1a(77mg、0.10mmol)及びDIPEA(40mg、0.31mmol)を添加し、反応混合物を室温で1晩撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。得られた混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(TFA水(0.03%)中0~100%のアセトニトリル)によって直接精製して、化合物B-6a(61mg、収率50%)を白色の固体として得た。ESI m/z 619.5 (M/2 + H)
+、1238.7 (M + H)
+。
【0503】
【化599】
((4S)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}-3-メチルブタンアミド]プロパンアミド]-3-フルオロフェニル}-4-({2-[(1R,3R)-3-[(2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチル-1-[(メチルカルバモイル)オキシ]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-2,2-ジメチルペンタン酸(B-6b))
A-1bの代わりにA-1dを用いたことを除きB-6aのものと類似の手順に従い、化合物B-6b(0.10g、収率64%)を白色の固体として得た。ESI m/z 626.9 (M/2 + H)
+。
【0504】
【化600】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド]プロパンアミド]-3-フルオロフェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(B-7a))
DMF(5mL)中の化合物B-6a(61mg、49μmol)の溶液に、ピペリジン(13mg、0.15mmol)を添加し、LCMSによってモニタリングしてFmocが完全に除去されるまで、混合物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(TFA水(0.03%)中0~100%のアセトニトリル)によって直接精製して、化合物B-7a(41mg、収率80%)を白色の固体として得た。ESI m/z 508.1 (M/2 + H)
+。
【0505】
【化601】
((4S)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド]プロパンアミド]-3-フルオロフェニル}-4-({2-[(1R,3R)-3-[(2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチル-1-[(メチルカルバモイル)オキシ]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-2,2-ジメチルペンタン酸(B-7b))
B-6aの代わりにB-6bを用いたことを除きB-7aのものと類似の手順に従い、化合物B-7b(60mg、収率70%)を白色の固体として得た。ESI m/z 516.0 (M/2 + H)
+。
【0506】
【化602】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-[1-(4-{2-アザトリシクロ[10.4.0.0
4,
9]ヘキサデカ-1(12),4(9),5,7,13,15-ヘキサエン-10-イン-2-イル}-4-オキソブタンアミド)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド]-3-メチルブタンアミド]プロパンアミド]-3-フルオロフェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(LP9))
DMF(2mL)中の化合物B-7a(20mg、20μmol)の溶液に、B-8a(16mg、25μmol)及びDIPEA(7.3mg、57μmol)を添加し、反応溶液を室温で2時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。得られた溶液を、分取HPLC(重炭酸アンモニウム水(10mM)中0~100%のアセトニトリル)によって直接精製して、リンカー-ペイロードLP9(20mg、収率65%)を白色の固体として得た。ESI m/z 775.2 (M/2 + H)
+。
【化603】
【0507】
【化604】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-3-[(2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチルペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-[1-({[(1R,8S,9R)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメトキシ]カルボニル}アミノ)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド]-3-メチルブタンアミド]プロパンアミド]-3-フルオロフェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(LP11))
B-8aの代わりにB-8bを用いたことを除きリンカー-ペイロードLP9のものと類似の手順に従い、リンカー-ペイロードLP11(12mg、収率48%)を白色の固体として得た。ESI m/z 719.7 (M/2 + H)
+。
【化605】
【0508】
【化606】
((4S)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-[1-(4-{2-アザトリシクロ[10.4.0.0
4,
9]ヘキサデカ-1(12),4(9),5,7,13,15-ヘキサエン-10-イン-2-イル}-4-オキソブタンアミド)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド]-3-メチルブタンアミド]プロパンアミド]-3-フルオロフェニル}-4-({2-[(1R,3R)-3-[(2S,3S)-N-ヘキシル-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}ペンタンアミド]-4-メチル-1-[(メチルカルバモイル)オキシ]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-2,2-ジメチルペンタン酸(LP12))
B-7aの代わりにB-7bを用いたことを除きリンカー-ペイロードLP9のものと類似の手順に従い、リンカー-ペイロードLP12(20mg、収率65%)を白色の固体として得た。ESI m/z 783.1 (M/2 + H)
+。
【化607】
【0509】
(LP10及びLP15の合成(
図10E))
【化608】
((4S)-4-アミノ-5-(4-{[({4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}メトキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(C-2a))
DMF(2mL)中の化合物D-1(20mg、59μmol)及びFmoc-vcPAB-PNP(C-1a)(50mg、65μmol)の混合物に、HOBt(8.0mg、59μmol)及びDIPEA(15mg、0.12mmol)を添加し、反応混合物を室温で1晩撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。その後、得られた混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(TFA水(0.01%)中0~100%のアセトニトリル)によって直接精製して、Boc-C-2a(31mg、ESI m/z 964.1 (M + H)
+)を白色の固体として得て、それを、DCM(4mL)に溶解させた。この溶液に、TFA(0.5mL)を添加し、LCMSによってモニタリングしてBocが完全に除去されるまで、反応混合物を室温で30分撹拌した。揮発性物質を、真空下で除去し、化合物C-2a(37mg、収率54%、TFA塩)を褐色のオイルとして得た。ESI m/z 432.6 (M/2 + H)
+。
【0510】
【化609】
((4S)-4-アミノ-5-{4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(C-2b))
DCM(20mL)及びメタノール(10mL)中のFmoc-Val-Cit-OH(C-1b)(0.60g、1.2mmol)の混合物に、化合物D-1(0.20g、0.59mmol)及びEEDQ(0.22g、0.90mmol)を窒素下で添加すると、混合物が透明となった。溶液を、暗所で室温で1晩撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。混合物を真空下濃縮し、残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィー(重炭酸アンモニウム水(10mM)中0~100%のアセトニトリル)によって精製して、化合物Boc-C-2b(85mg、ESI m/z: 815.3 (M + H)
+)を白色の固体として得て;その後、これをDCM(10mL)に溶解させた。この溶液に、TFA(1mL)を添加し、LCMSによってモニタリングしてBocが完全に除去されるまで、混合物を室温で1時間撹拌した。揮発性物質を、真空下で除去して、化合物C-2b(84mg、収率17%、TFA塩)を褐色のオイルとして得た。ESI m/z 715.3 (M + H)
+。
【0511】
(化合物C-3及びC-4のための一般手順)
DMF中の化合物C-2(1.0当量)の混合物(15mM)に、DIPEA(3.0当量)及びペンタフルオロフェニルエステル(A-1b、c、e)を添加し、反応混合物を室温で1晩撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。得られた混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(水中0~100%のアセトニトリル)によって直接精製して、化合物C-3(収率30~67%)を白色の固体として得て;その後、これを、DMF中に溶解させた(40mM)。この溶液に、ピペリジン(3.0当量)を添加し、LCMSによってモニタリングしてFmocが完全に除去されるまで、混合物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(TFA水(0.01%)中0~100%のアセトニトリル)によって直接精製して、化合物C-4(活性化エステルからの2工程で収率25~67%)を得た。
【0512】
【化610】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-{[({4-[(2S)-2-[(2S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}メトキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(C-4a))
化合物C-3及びC-4のための一般手順に従い、A-1bで処理したC-2aから、化合物C-4a(17mg、A-1bからの収率67%)を白色の固体として得た。ESI m/z 615.8 (M/2 + H)
+。
【0513】
【化611】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(C-4b))
化合物C-3及びC-4のための一般手順に従い、A-1cで処理したC-2bから、化合物C-4b(37mg、A-1cからの収率56%)を白色の固体として得た。ESI m/z 543.5 (M/2 + H)
+。
【0514】
【化612】
((4S)-5-(4-{[({4-[(2S)-2-[(2S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}メトキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)-2,2-ジメチル-4-({2-[(1R,3R)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド]-1-[(メチルカルバモイル)オキシ]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)ペンタン酸(C-4c))
化合物C-3及びC-4のための一般手順に従い、A-1eで処理したC-2aから、化合物C-4c(9mg、A-1eからの収率20%)を白色の固体として得た。ESI m/z 1250.1 (M + H)
+。
【0515】
【化613】
((4S)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}-2,2-ジメチル-4-({2-[(1R,3R)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド]-1-[(メチルカルバモイル)オキシ]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)ペンタン酸(C-4d))
化合物C-3及びC-4のための一般手順に従い、A-1eで処理したC-2bから、化合物C-4d(9mg、A-1eからの収率29%)を白色の固体として得た。ESI m/z 1101.1 (M + H)
+。
【0516】
【化614】
((4S)-5-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-[1-(4-{2-アザトリシクロ[10.4.0.0
4,
9]ヘキサデカ-1(12),4(9),5,7,13,15-ヘキサエン-10-イン-2-イル}-4-オキソブタンアミド)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド]-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}-2,2-ジメチル-4-({2-[(1R,3R)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド]-1-[(メチルカルバモイル)オキシ]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)ペンタン酸(LP10))
B-7aの代わりにC-4dを用いたことを除きLP9のためのものと類似の手順に従い、リンカー-ペイロードLP10(7mg、収率52%)を白色の固体として得た。ESI m/z 818.0 (M/2 + H)
+。
【化615】
【0517】
【化616】
((4S)-5-(4-{[({4-[(2S)-2-[(2S)-2-[1-(4-{2-アザトリシクロ[10.4.0.0
4,
9]ヘキサデカ-1(12),4(9),5,7,13,15-ヘキサエン-10-イン-2-イル}-4-オキソブタンアミド)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド]-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}メトキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)-2,2-ジメチル-4-({2-[(1R,3R)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド]-1-[(メチルカルバモイル)オキシ]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)ペンタン酸(LP15))
B-7aの代わりにC-4cを用いたことを除きリンカー-ペイロードLP9のものと類似の手順に従い、リンカー-ペイロードLP15(22mg、収率80%)を白色の固体として得た。ESI m/z 892.5 (M/2 + H)
+。
【化617】
【0518】
(LP13、LP14、LP16、LP17、LP18、LP19、LP20、LP21、LP22、LP23、及びLP24の合成(
図10F))
【化618】
((4S)-4-アミノ-5-[4-(2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}アセトアミド)フェニル]-2,2-ジメチルペンタン酸(D-4a))
DCM(10mL)中のD-1(Boc-A-2d)(0.34g、1.0mmol)の溶液に、2,6-ルチジン(0.21g、2.0mmol)及びFmoc-Gly-Cl(D-2a)(0.45g、1.5mmol)を添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。得られた混合物を、酢酸エチル(50mL)で希釈し、水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下濃縮した。残渣を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(TFA水(0.3%)中0~100%のアセトニトリル)によって精製して、化合物D-3a(0.31g、収率50%)を白色の固体として得た。ESI m/z 516.3 (M - Boc + H)
+。
【0519】
DCM(5mL)中のD-3a(0.31g、上で得られたもの)の溶液に、TFA(1.0mL)を添加し、LCMSによってモニタリングしてBocが真空下完全に除去されるまで、混合物を室温で2時間撹拌した。揮発性物質を、真空下で除去して、粗化合物D-4b(0.30g、D-1からの収率58%)を白色の固体として得た。ESI m/z 516.3 (M + H)+。
【0520】
【化619】
((4S)-4-アミノ-5-{4-[(2S)-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}プロパンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(D-4b))
D-2aの代わりにFmoc-Ala-Cl(D-2b)を用いたことを除き化合物D-4aのためのものと類似の手順に従い、化合物D-4b(0.31g、D-1からの収率58%)を白色の固体として得た。ESI m/z 530.3 (M + H)
+。
【0521】
【化620】
((4S)-4-アミノ-5-{4-[(2S)-4-カルボキシ-2-{[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ}ブタンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(D-4c))
DCM(10mL)中のFmoc-Glu(OtBu)-OH(0.64g、1.5mmol)の溶液に、塩化オキサリル(4.5mmol)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。得られた混合物を真空下濃縮して、化合物Fmoc-Glu(OtBu)-Cl(D-2c)を得て、それを、次工程に直接用いた。
【0522】
D-2aの代わりに化合物D-2c(上で得られたもの)を用いたことを除いて化合物D-4aのためのものと類似の手順に従い、化合物D-4c(0.25g、D-1からの収率43%)を白色の固体として得た。ESI m/z 588.3 (M + H)+。
【0523】
【化621】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-[4-(2-アミノアセトアミド)フェニル]-2,2-ジメチルペンタン酸(D-5a))
VII及びVIIIのための一般手順に従い、化合物A-1bで処理した化合物D-4aから、化合物Fmoc-D-5a(77mg、収率70%、ESI m/z 552.0 (M/2 + H)
+)を白色の固体として得て、それを、DMF(1mL)中に溶解させた。この溶液に、ピペリジン(26mg、0.31mmol)を添加し、LCMSによってモニタリングしてFmocが完全に除去されるまで、反応混合物を室温で2時間撹拌した。得られた溶液を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(重炭酸アンモニウム水(10mM)中5~75%のアセトニトリル)によって直接精製して、化合物D-5a(26mg、収率50%)を白色の固体として得た。ESI m/z 882.4 (M + H)
+。
【0524】
【化622】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-アミノプロパンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(D-5b))
D-4aの代わりに化合物D-4bを用いたことを除いて化合物D-5aのためのものと類似の手順に従い、化合物D-5b(25mg、収率55%)を白色の固体として得た。ESI m/z 896.5 (M + H)
+。
【0525】
【化623】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-アミノ-4-カルボキシブタンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(D-5c))
D-4aの代わりに化合物D-4cを用いたことを除いて化合物D-5aのためのものと類似の手順に従い、化合物D-5c(30mg、収率63%)を白色の固体として得た。ESI m/z 478.0 (M/2 + H)
+。
【0526】
【化624】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-[4-(2-アミノアセトアミド)フェニル]-2,2-ジメチルペンタン酸(D-5d))
A-1bの代わりに化合物A-1cを用いたことを除いて化合物D-5aのためのものと類似の手順に従い、化合物D-5d(15mg、収率69%)を白色の固体として得た。ESI m/z 886.2 (M + H)
+。
【0527】
(D-7化合物のための一般手順)
DMF中の化合物D-5(1.0当量)の溶液(6mM)に、DIPEA(2.0当量)及びペプチド活性エステルD-6(1.0当量)を添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。この反応混合物に、ピペリジン(5.0当量)を添加し、LCMSによってモニタリングしてFmocが完全に除去されるまで、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(重炭酸アンモニウム水(10mM)中25~75%のアセトニトリル)によって直接精製して、化合物D-7(収率35~48%)を白色の固体として得た。
【0528】
【化625】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-{2-[2-(2-アミノアセトアミド)アセトアミド]アセトアミド}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(D-7a))
D-7化合物のための一般手順に従い、D-6aで処理したD-5aから、化合物D-7a(28mg、収率35%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 498.7 (M/2 + H)
+。
【0529】
【化626】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-[(2R)-2-[(2S)-2-アミノプロパンアミド]プロパンアミド]プロパンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(D-7b))
D-7化合物のための一般手順に従い、D-6bで処理したD-5bから、化合物D-7b(30mg、収率35%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 519.8 (M/2 + H)
+。D-7化合物のための一般手順に従い、以下の化合物を調製する
【化627】
。
【0530】
【化628】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-[4-(2-{2-[2-(2-アミノアセトアミド)アセトアミド]アセトアミド}アセトアミド)フェニル]-2,2-ジメチルペンタン酸(D-7c))
DMF(3mL)中の化合物D-7a(20mg、20μmol)の溶液に、Fmoc-Gly-OSu(8mg、20μmol)及びDIPEA(13mg、0.10mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌してから、ピペリジン(6.0mg、70μmol)を添加した。その後、LCMSによってモニタリングしてFmocが完全に除去されるまで、混合物を室温でさらに2時間撹拌した。得られた混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(重炭酸アンモニウム水(10mM)中25~75%のアセトニトリル)によって直接精製して、化合物D-7c(10mg、収率47%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 527.3 (M/2 + H)
+。
【0531】
【化629】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-{2-[(2S)-2-[2-(2-アミノアセトアミド)アセトアミド]-3-フェニルプロパンアミド]アセトアミド}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(D-7d))
D-7化合物のための一般手順に従いD-6dで処理したD-5aから、化合物D-7d(11mg、収率43%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 572.3 (M/2 + H)
+。
【0532】
【化630】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-{2-[2-(2-アミノアセトアミド)アセトアミド]アセトアミド}-4-カルボキシブタンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(D-7e))
D-7化合物のための一般手順に従い、D-6cで処理したD-5cから、化合物D-7e(15mg、収率34%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 563.3 (M/2 + H)
+。
【0533】
【化631】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-[4-(2-{2-[2-(2-アミノアセトアミド)アセトアミド]アセトアミド}アセトアミド)フェニル]-2,2-ジメチルペンタン酸(D-7f))
D-7化合物のための一般手順に従い、D-6cで処理したD-5dから、化合物D-7e(10mg、収率47%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 529.3 (M/2 + H)
+。
【0534】
【化632】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-{2-[(2S)-2-[2-(2-アミノアセトアミド)アセトアミド]-3-フェニルプロパンアミド]アセトアミド}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(D-7g))
D-7化合物のための一般手順に従い、D-6dで処理したD-5dから、化合物D-7g(11mg、収率48%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 574.3 (M/2 + H)
+。
【0535】
【化633】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[2-(2-アミノアセトアミド)アセトアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(D-7h))
D-7化合物のための一般手順に従い、D-6eで処理したD-5aから、化合物D-7h(9mg、収率48%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 470.3 (M/2 + H)
+。
【0536】
【化634】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-{2-[2-(2-{2-[(2S)-2-アミノ-3-ヒドロキシプロパンアミド]アセトアミド}アセトアミド)アセトアミド]アセトアミド}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(D-7i))
D-7化合物のための一般手順に従い、D-6fで処理したD-5aから、化合物D-7i(8mg、収率35%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 570.8 (M/2 + H)
+。
【0537】
(リンカー-ペイロードLP13、LP14、LP16、LP17、LP18、LP19、LP20、LP21、LP22、LP23、及びLP24のための一般手順)
DMF中の化合物D-7(1.0当量)(又は化合物D-5)の溶液(10mM)に、活性化エステルD-8(1.0当量)及びDIPEA(5.0当量)を添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。得られた混合物を、分取HPLC(重炭酸アンモニウム水(10mM)中0~100%のアセトニトリル)によって直接精製して、リンカー-ペイロードLP8-17(33~87%)を白色の固体として得た。
【0538】
【化635】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-[4-(2-{2-[2-(4-{2-アザトリシクロ[10.4.0.0
4,
9]ヘキサデカ-1(12),4(9),5,7,13,15-ヘキサエン-10-イン-2-イル}-4-オキソブタンアミド)アセトアミド]アセトアミド}アセトアミド)フェニル]-2,2-ジメチルペンタン酸(LP13))
リンカー-ペイロードLP13、LP14、及びLP16~LP24のための一般手順に従い、D-8aで処理したD-7aから、リンカー-ペイロードLP13(10mg、収率33%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 642.5 (M/2 + H)
+。
【化636】
【0539】
【化637】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-2-[(2R)-2-[(2S)-2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]プロパンアミド]プロパンアミド]プロパンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(LP18))
リンカー-ペイロードLP13、LP14、及びLP16~LP24のための一般手順に従い、D-8bで処理したD-7bから、リンカー-ペイロードLP9(12mg、収率35%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 601.8 (M/2 + H)
+。リンカー-ペイロードLP13、LP14、及びLP16~LP24のための一般手順に従い、以下の化合物
【化638】
を調製することができる。
【0540】
【化639】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-{2-[2-(2-{2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]アセトアミド}アセトアミド)アセトアミド]アセトアミド}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(LP19))
リンカー-ペイロードLP13、LP14、及びLP16~LP24のための一般手順に従い、D-8bで処理したD-7cから、リンカー-ペイロードLP19(10mg、収率87%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 609.4 (M/2 + H)
+。
【化640】
【0541】
【化641】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-{2-[(2S)-2-{2-[2-(4-{2-アザトリシクロ[10.4.0.0
4,
9]ヘキサデカ-1(12),4(9),5,7,13,15-ヘキサエン-10-イン-2-イル}-4-オキソブタンアミド)アセトアミド]アセトアミド}-3-フェニルプロパンアミド]アセトアミド}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(LP20))
リンカー-ペイロードLP13、LP14、及びLP16~LP24のための一般手順に従い、D-8aで処理したD-7dから、リンカー-ペイロードLP20(11mg、収率80%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 716.0 (M/2 + H)
+。
【化642】
【0542】
【化643】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[(2S)-4-カルボキシ-2-[2-(2-{2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]アセトアミド}アセトアミド)アセトアミド]ブタンアミド]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(LP21))
リンカー-ペイロードLP13、LP14、及びLP16~LP24のための一般手順に従い、D-8bで処理したD-7eから、リンカー-ペイロードLP21(10mg、収率58%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 645.4 (M/2 + H)
+。
【0543】
【化644】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-{2-[2-(2-{2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]アセトアミド}アセトアミド)アセトアミド]アセトアミド}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(LP23))
リンカー-ペイロードLP13、LP14、及びLP16~LP24のための一般手順に従い、D-8bで処理したD-7fから、リンカー-ペイロードLP23(8mg、収率69%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 611.5 (M/2 + H)
+。
【化645】
【0544】
【化646】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンチルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-{2-[(2S)-2-{2-[2-(4-{2-アザトリシクロ[10.4.0.0
4,
9]ヘキサデカ-1(12),4(9),5,7,13,15-ヘキサエン-10-イン-2-イル}-4-オキソブタンアミド)アセトアミド]アセトアミド}-3-フェニルプロパンアミド]アセトアミド}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(LP24))
リンカー-ペイロードLP13、LP14、及びLP16~LP24のための一般手順に従い、D-8aで処理したD-7gから、リンカー-ペイロードLP24(11mg、収率80%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 718.0 (M/2 + H)
+。
【化647】
【0545】
【化648】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-[4-(2-{2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]アセトアミド}アセトアミド)フェニル]-2,2-ジメチルペンタン酸(LP17))
リンカー-ペイロードLP13、LP14、及びLP16~LP24のための一般手順に従い、D-8bで処理したD-7hから、リンカー-ペイロードLP17(5mg、収率47%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 552.3 (M/2 + H)
+。
【0546】
【化649】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-{2-[2-(2-{2-[(2S)-2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]-3-ヒドロキシプロパンアミド]アセトアミド}アセトアミド)アセトアミド]アセトアミド}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(LP22))
リンカー-ペイロードLP13、LP14、及びLP16~LP24のための一般手順に従い、D-8bで処理したD-7iから、リンカー-ペイロードLP22(4mg、収率44%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 653.0 (M/2 + H)
+。
【0547】
【化650】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-(4-{2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]アセトアミド}フェニル)-2,2-ジメチルペンタン酸(LP16))
リンカー-ペイロードLP13、LP14、及びLP16~LP24のための一般手順に従い、D-8bで処理したD-5aから、リンカー-ペイロードLP16(10mg、収率48%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 523.8 (M/2 + H)
+。
【0548】
(LP25及びLP26の合成(
図10G))
【化651】
(N-(2-アミノエチル)-2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド(E-1))
DMF(2.0mL)中のエチレンジアミン(0.71g、12mmol)の溶液に、DIPEA(0.30g、2.4mmol)を添加し、DMF(3.0mL)中の化合物D-8b(0.33g、1.2mmol)の溶液をゆっくりと添加し、混合物を室温で30分撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。得られた混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(重炭酸アンモニウム水(0.8mM)中0~100%のアセトニトリル)によって精製して、化合物E-1(0.18g、収率68%)を無色のオイルとして得た。ESI m/z: 225.2 (M + H)
+。
【化652】
【0549】
【化653】
(メチル (2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-({2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]エチル}カルバモイル)-4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ]オキサン-2-カルボキシレート(E-3a))
乾燥DMF(4mL)中の化合物E-2a(WO2018182341A1により合成)(0.11g、0.23mmol)及びHATU(96mg、0.25mmol)の混合物に、化合物E-1(51mg、0.23mmol)及びDIPEA(89mg、0.69mmol)を添加し、LCMSによってモニタリングしてE-2aが完全に消費されるまで、反応混合物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(TFA水(0.01%)中0~100%のアセトニトリル)によって直接精製して、化合物E-3a(0.14g、収率90%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 691.4 (M + H)
+。
【化654】
【0550】
【化655】
([(2R,3R,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-({2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]エチル}カルバモイル)-4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ]オキサン-2-イル]酢酸メチル(E-3b))
E-2aの代わりにE-2bを用いたことを除いてE-3aのものと類似の手順に従い、化合物E-3b(0.10g、収率80%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 705.3 (M + H)
+。
【0551】
【化656】
(メチル (2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-({2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]エチル}カルバモイル)-4-{[(4-ニトロフェノキシカルボニル)オキシ]メチル}フェノキシ]オキサン-2-カルボキシレート(E-4a))
DMF(2.0mL)中の化合物E-3a(0.14g、0.20mmol)の溶液に、ビス(4-ニトロフェニル) カーボネート(55mg、0.18mmol)及びDIPEA(26mg、0.20mmol)を窒素下で0℃で添加した。反応混合物を0℃で30分撹拌し、その後、室温で3時間撹拌した。反応混合物を、水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機溶液を、ブライン(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中40~60%の酢酸エチル)によって精製して、化合物E-4a(85mg、収率49%)を無色のオイルとして得た。ESI m/z: 856.0 (M + H)
+。
【0552】
【化657】
([(2R,3R,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-({2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]エチル}カルバモイル)-4-{[(4-ニトロフェノキシカルボニル)オキシ]メチル}フェノキシ]オキサン-2-イル]酢酸メチル(E-4b))
E-3aの代わりにE-3bを用いたことを除いてE-4aのものと類似の手順に従い、化合物E-4b(62mg、収率50%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 870.3 (M + H)
+。
【0553】
【化658】
((4S)-4-アミノ-5-{4-[({[3-({2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]エチル}カルバモイル)-4-{[(2S,3R,4S,5S,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-(メトキシカルボニル)オキサン-2-イル]オキシ}フェニル]メトキシ}カルボニル)アミノ]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(E-5a))
C-1aの代わりにE-4aを用いたことを除いてC-2aのものと類似の手順に従い、化合物E-5a (30mg、収率63%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 953.3 (M + H)
+。
【0554】
【化659】
((4S)-4-アミノ-5-{4-[({[3-({2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]エチル}カルバモイル)-4-{[(2S,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[(アセチルオキシ)メチル]オキサン-2-イル]オキシ}フェニル]メトキシ}カルボニル)アミノ]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(E-5b))
C-1aの代わりにE-4bを用いたことを除いてC-2aのものと類似の手順に従い、化合物E-5b (28mg、収率58%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 967.3 (M + H)
+。
【0555】
【化660】
((2S,3S,4S,5R,6S)-6-(4-{[({4-[(2S)-2-アミノ-4-カルボキシ-4,4-ジメチルブチル]フェニル}カルバモイル)オキシ]メチル}-2-({2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]エチル}カルバモイル)フェノキシ)-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸(E-6a))
メタノール(4mL)中の化合物E-5a(30mg、31μmol)の混合物に、水酸化リチウム水溶液(0.1 M、4mL)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌し、これを、LCMSによってモニタリングした。HCl水(1N)でpH 4としてクエンチした後に、得られた混合物を、逆相フラッシュクロマトグラフィー(TFA水(0.01%)中5~95%のアセトニトリル)によって精製して、リンカー-ペイロードE-6a(18mg、収率70%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 813.3 (M + H)
+。
【0556】
【化661】
((4S)-4-アミノ-5-{4-[({[3-({2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]エチル}カルバモイル)-4-{[(2S,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2-イル]オキシ}フェニル]メトキシ}カルボニル)アミノ]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(E-6b))
E-5aの代わりにE-5bを用いたことを除いてE-6aのものと類似の手順に従い、化合物E-6b (18mg、収率78%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 799.3 (M + H)
+。
【0557】
【化662】
((2S,3S,4S,5R,6S)-6-(4-{[({4-[(2S)-2-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-4-カルボキシ-4,4-ジメチルブチル]フェニル}カルバモイル)オキシ]メチル}-2-({2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]エチル}カルバモイル)フェノキシ)-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸(LP25))
A-2の代わりにE-6aを用いたことを除いてVII及びVIIIのための一般手順に従い、リンカー-ペイロードLP25(10mg、収率36%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 701.3 (M/2 + H)
+。
【0558】
【化663】
((4S)-4-({2-[(1R,3R)-1-(アセチルオキシ)-4-メチル-3-[(2S,3S)-3-メチル-2-{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]ホルムアミド}-N-(ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)ペンタンアミド]ペンチル]-1,3-チアゾール-4-イル}ホルムアミド)-5-{4-[({[3-({2-[2-(シクロオクタ-2-イン-1-イルオキシ)アセトアミド]エチル}カルバモイル)-4-{[(2S,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2-イル]オキシ}フェニル]メトキシ}カルボニル)アミノ]フェニル}-2,2-ジメチルペンタン酸(LP26))
A-2の代わりにE-6bを用いたことを除いてVII及びVIIIのための一般手順に従い、リンカー-ペイロードLP26(8mg、収率29%)を白色の固体として得た。ESI m/z: 694.3 (M/2 + H)
+。
【0559】
(ADCコンジュゲーション)
抗体へのマレイミド-スペーサー-ペイロードの非部位特異的コンジュゲーションが、
図13に概説されており、[3+2]クリック反応によるアジド官能化抗体へのDIBAC-スペーサー-ペイロードの部位特異的コンジュゲーションが、
図14に概説されている。
【0560】
(非部位特異的コンジュゲーションのための一般手順)
本例は、チオエーテル結合の形成による、抗体又は抗原結合断片の鎖間システインへの、マレイミド-スペーサー-ペイロードのコンジュゲーションのための方法を示す。本例では、
図13に示される化合物に言及する。
【0561】
抗体システインを介するコンジュゲーションは、Adcetris(登録商標)様ADCを調製するための方法(Mol. Pharm. 2015, 12(6), 1863-71を参照されたい)と類似の方法を用いて、2工程で行われた。pH 7~8のモノクローナル抗体(mAb)(50mM HEPES中10mg/mL、150mM NaCl)を、1mMのジチオスレイトール(抗体の6モル当量)又はTCEP(抗体に対して2.5モル当量)で37℃で30分還元した。ゲル濾過(G-25、pH 6.3、酢酸ナトリウム)後、DMSO中1~10mg/mLの化合物LP1を、還元した抗体に添加し、反応を室温で3~14時間撹拌させた。得られた混合物を、SECによって精製して、純粋なADCを生じさせた。
【0562】
(部位特異的コンジュゲーションのための一般手順)
本例は、抗体又はその抗原結合断片へのシクロオクチン-リンカー-ペイロードの部位特異的コンジュゲーションのための方法を示す。本例は、
図14に示される化合物に言及する。
【0563】
本例において、部位特異的コンジュゲートが、2工程で製造された。第1工程は、小分子、例えば、アジド-PEG
3-アミンなどの、N297Q変異を有する抗体への、微生物トランスグルタミナーゼ(MTG)ベースの酵素的取り付けである(以下、「MTGベースの」コンジュゲーション)。第2工程では、[2+3]環化付加、例えば、アジドとシクロオクチンとの間の1,3-双極性環化付加(別名:銅フリークリックケミストリー)によるシクロオクチン-スペーサー-ペイロードのアジド-官能化抗体への取り付けを採用した。Baskin, J. M.; Prescher, J. A.; Laughlin, S. T.; Agard, N. J.; Chang, P. V.; Miller, I. A.; Lo, A.; Codelli, J. A.; Bertozzi, C. R.の文献、PNAS 2007, 104 (43), 16793-7を参照されたい。
図14に、[2+3]環化付加によってアジド-官能化抗体とコンジュゲートしたDIBAC部位を有するリンカー-スペーサー-ペイロードの例が示される。このプロセスによって、部位特異的かつ化学量論的なコンジュゲートが、約50~80%の単離収率で得られた。
【0564】
(工程1:アジド官能化抗体の調製)
PBS(pH 6.5~8.0)中のアグリコシル化ヒト抗体IgG(IgG1、IgG4など)又はN297Q変異を有するヒトIgG1アイソタイプを、≧200モル当量のアジド-PEG3-アミン(MW=218.26g/mol) と混合した。得られた溶液を、MTG(EC 2.3.2.13(Zedira, Darmstadt, Germanyから入手、又はACTIVA TI(マルトデキストリンを含有、Ajinomoto、Japanから入手))(25U/mL;1mgの抗体あたり5U MTG)と混合して、0.5~5mg/mL抗体の終濃度を得て、その後、溶液を、穏やかに振盪させながら、37℃で4~24時間インキュベートした。反応を、ESI-MSによってモニタリングした。反応が完結したら、過剰のアミン及びMTGを、SEC又はタンパク質Aカラムクロマトグラフィーで除去して、アジド官能化抗体を生じさせた。この生成物を、SDS-PAGE及びで特性評価した。
【0565】
特定の実験において、7mLのカリウム不含PBSバッファー(pH 7.3)中のN297Q抗体(24mg)を、MTG(0.350mL、35U、mTGase、Zedira、Darmstadt、Germany)の存在下で、>200モル当量のアジド-PEG3-アミン(MW=218.26)とインキュベートした。反応を、穏やかに混合しながら、37℃で1晩インキュベートした。過剰のアジド-PEG3-アミン及びmTGaseを、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC、Superdex 200 PG、GE Healthcare)によって除去した。
【0566】
工程2: 表7のアジド官能化グルタミニル修飾抗体(IgG1、IgG4など)とシクロオクチンを含有するリンカー-ペイロード(LP)との間の[2+3]クリック反応による部位特異的コンジュゲートの調製。一般に、アジド官能化アグリコシル化された抗体-LPコンジュゲートは、1mLの水性培地(例えば、PBS、5%グリセロールを含有するPBS、HBS)中でアジド官能化グルタミニル修飾抗体(1mg)を、適当な有機溶媒(例えば、DMSO、DMF、又はDMA;反応混合物は、10~20%v/vの有機溶媒を含有)に溶解させた≧6モル当量のLPと共に24℃~32℃で3時間超インキュベートすることによって調製された。反応の進行は、ESI-MSによってモニタリングした。アジド官能化抗体(mAb-PEG3-N3)が存在しないことによって、コンジュゲーションの完結が示された。過剰のリンカー-ペイロード(LP)及び有機溶媒を、PBSで溶出させたSEC(Waters、Superdex 200 Increase、1.0×30cm、GE Healthcare、流速0.8mg/mL、PBS、pH 7.2)によってか、又は酸性バッファーでの溶出によるタンパク質Aカラムクロマトグラフィーによって除去し、それに続き、トリス(pH8.0)で中和した。精製したコンジュゲートを、SEC、SDS-PAGE、及びESI-MSによって分析した。
【0567】
特定の例において、0.800mLのPBSg(PBS、5% グリセロール、pH 7.4)中のアジド官能化抗体(1mg)を、6当量のDIBAC-Suc-PEG4-VC-PABC-ペイロード(濃度DMSO中10mg/mL)で室温で6時間処理し、過剰のリンカーペイロード(LP)をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC、Superdex 200 HR、GE Healthcare)によって除去した。最終生成物を、超遠心分離によって濃縮し、UV、SEC、SDS-PAGE、及び/又はESI-MSによって特性評価した。
【0568】
表7にまとめられているものは、LP、剥き出しの抗体(抗PRLR Ab、抗Fel D1 Ab、及び抗STEAP2 Ab)、PEG
3-N
3官能化抗体(抗PRLR N297Q Ab-PEG
3-N
3、抗FelD1 N297Q Ab-PEG
3-N
3、及び抗STEAP2 N297Q Ab-PEG
3-N
3)、並びにそれらの対応するADCである。表7において、Abは、抗体を指し、Ab-PEG
3-N
3は、PEG
3スペーサーを有するアジド官能化抗体を指す。抗PRLR抗体は、配列番号:9及び13によるHCVR及びLCVRを有していた(上記H1H6958N2)。抗STEAP2抗体は、配列番号:1及び 5によるHCVR及びLCVRを有していた(上記H1H7814N)。
(表7. 部位特異的コンジュゲートのリスト)
【表10】
【0569】
(抗体及びADCの特性評価のための一般手順)
精製したコンジュゲートを、SEC(
図15)、ESI-MS、及びSDS-PAGEによって分析した。
【0570】
(SECによるADCの特性評価)
分析用SEC実験を、Waters 1515装置を用いて、Superdex(商標) 200 Increase (1.0×30cm)カラムで、PBS pH 7.2を用いて0.80mL/分の流速で行い、Waters 2998 PDAを用いてλ=280nmでモニタリングした。分析用試料は、30~100μLの試験試料を含む200μLのPBS(pH 7.4)で構成した。分取SEC精製を、GE HealthcareのAKTA Avant装置を用いて、Superdex 200 PG (2.6×60cm)カラムで、流速2mL/分で、PBS pH 7.2で溶出させて行い、λ=280nmでモニタリングした。
図15のSECの結果は、単量体のmAb及びそのコンジュゲートの典型的な保持時間を、最小の凝集又は分解と共に示す。
【0571】
(LC-ESI-MSによるADCの特性評価)
ADC試料のLC-ESI-MSによるインタクト質量の測定を行って、薬物-ペイロード分布プロファイルを決定し、平均DARを算出した。各被験試料(20~50ng、5μL)を、Acquity UPLC Protein BEH C4カラム(10Kpsi(69MPa)、300Å、1.7μm、75μm×100mm;カタログ番号186003810)にローディングした。3分間の脱塩後、タンパク質を溶出させ、マススペクトルを、Waters Synapt G2-Si質量分析計で取得した。表7にまとめたように、大部分の部位特異的ADCは、ほぼ4DARを有していた。
【0572】
(SDS-PAGEによるADCの特性評価)
SDS-PAGEを用いて、ADCの完全性及び純度を分析した。1つの方法では、SDS-PAGE条件には、非還元及び還元試料(2~4μg)を、BenchMark Pre-Stained Protein Ladder(Invitrogen、カタログ番号10748-010;ロット番号1671922)と共に含め、(1.0mm×10ウェルの)Novex 4~20%トリス-グリシンゲル中に1レーンごとにローディングし、180V、300mAで、80分泳動させた。分析用試料を、Novex Tris-Glycine SDSバッファー(2×)(Invitrogen、カタログ番号LC2676)を用いて調製し、還元試料を、10%の2-メルカプトエタノールを含有するSDS試料バッファー(2×)を用いて調製した。
【0573】
(インビトロ血漿安定性)
ツブリシンペイロードを含む代表的なADCの血漿安定性を決定するために、ADCを、異なる種由来の血漿と共にインビトロでインキュベートし、DARを、生理的温度(37℃)で3日間のインキュベーション後に評価した。
【0574】
このアッセイでは、PBSバッファー中の各ADC試料(抗PRLR抗体-LP3又は抗PRLR抗体-LP4)を、別々に、新鮮なプールされた雄のマウス、カニクイザル、ラット、又はヒトの血漿に、50μg/mLの終濃度で96ウェルプレート内に添加し、それに続き、37℃で72時間インキュベートした。インキュベーション後、各試料(100μLの最終体積)を、分析まで-80℃で個別に凍結した。
【0575】
血漿試料からのADCの親和性捕捉を、KingFisher 96磁気粒子プロセッサ(Thermo Electron)で行った。先ず、myc-mycヘキサヒスチジンタグを有して発現されたヒトPRLRのビオチン化細胞外ドメイン(hPRLR ecto-MMH;配列番号:17;100μg/mL)を、ストレプトアビジン常磁性ビーズ(Invitrogen、カタログ番号60210)上に固定化した。ツブリシンADCを含有する各血漿試料(100μL)を、100μLの該ビーズ(市販のビーズは体積で売られている)と600rpmで室温で2時間96ウェルプレート内で混合した。その後、ビーズを、600μLのHBS-EP(GE Healthcare、カタログ番号BR100188)で3回、600μLのH2Oで1回、その後、600μLの水中10%のアセトニトリルで1回洗浄した。洗浄後、ツブリシンADCを、ビーズを70μLの30%アセトニトリル/70%水中1%ギ酸中で15分室温でインキュベートすることによって溶出させた。その後、各溶出液試料を、v底96ウェルプレート中に移し、その後、5mM TCEP(Thermo Fisher、カタログ番号77720)で室温で20分還元した。
【0576】
還元されたツブリシンADC試料(10μL/試料)を、Waters Synapt G2-Si質量分析計に連結された1.7μmのBEH300 C4カラム(Waters社、カタログ番号186005589)に注入した。流速は、0.1mL/分(移動相A:水中0.1%のギ酸;移動相B:アセトニトリル中0.1%のギ酸)であった。LCグラジエントは、20%Bで開始され、16分で35% Bまで増加させ、その後、1分で95%Bに到達させた。
【0577】
取得されたスペクトルに対して、MaxEnt1ソフトウェア(Waters社)を用いて、以下のパラメーター:質量範囲:軽鎖については20~30kDa、重鎖については40~60kDa;m/z範囲:700Da~3000Da;分解能:1.0Da/チャネル;半値幅:1.0Da;最小強度比:33%;反復max:25を用いて逆畳み込みを行った。
【0578】
ヒト、マウス、ラット、及びカニクイザル血漿との72時間のインキュベーション後に、リンカー-ペイロードの有意な減少は、試験されたADCから全く観察されなかった。しかしながら、ツブリシンペイロードのアセチル基が、毒性の有意な喪失を伴って、ヒドロキシル基に加水分解(-43Da)されることがあることが報告されている。従って、LC-MSで観察される加水分解された種は、薬物の喪失として考えられた。表8に示されるような薬物/抗体比(DAR)を、以下に示されるように重鎖の異なる種の相対的な存在量に基づいて計算した:
【数1】
(表8: 抗PRLR N297Q抗体-LP3及び抗PRLR N297Q抗体-LP4のインビトロ血漿安定性)
【表11】
【0579】
(細胞ベースの死滅アッセイにおけるツブリシンペイロードの試験)
開示されたツブリシンペイロードがヒト細胞株を死滅させる能力を試験するために、インビトロ細胞傷害性アッセイを行った。開示されたペイロード及び参照化合物のインビトロ細胞傷害性を、CellTiter-Glo Assay Kit(Promega、カタログ番号G7573)を用いて評価した。ここでは、存在するATPの量を用いて、培養液中の生細胞の数が決定される。本アッセイには、C4-2、HEK293、又はT47D細胞を、4000細胞/ウェルで、Nunclonの白色96ウェルプレート上の完全増殖培地(C42細胞については4:1のDME高グルコース:HamのF12、10% FBS、100ユニット/mlのペニシリン、100ug/mlのストレプトマイシン、53ug/mlのグルタトミン(glutatmine)、10ug/mlのインスリン、220ng/mlのビオチン、12.5pg/mlのT3、12.5ug/mlのアデニン、4ug/mlのトランスフェリン;HEK293についてはDME高グルコース、10% FBS、100ユニット/mlのペニシリン、100ug/mlのストレプトマイシン、53ug/mlのグルタトミン;T47D細胞についてはRPMI、10%FBS、100ユニット/mlのペニシリン、100ug/mlのストレプトマイシン、53ug/mlのグルタトミン、10ug/mlのインスリン、10mMのHEPEs、200nMのピルビン酸ナトリウム)中に播種し、5% CO2中で37℃で1晩増殖させた。細胞生存率曲線については、1:3で段階希釈したペイロードを、非処置対照群を含む100nM~15pMの範囲の終濃度で細胞に添加し、その後、5日間インキュベートした。5日間のインキュベーション後、細胞を、100μLのCellTiter-Glo試薬と共に室温で10分間インキュベートした。相対発光単位(RLU)を、Victorプレートリーダー(PerkinElmer)で決定した。IC50値を、10点の応答曲線の4パラメーターロジスティック方程式から決定した(GraphPad Prism)。IC50値は全て、モル(M)濃度で表される。試験した最高濃度での細胞死滅百分率(%kill)を、以下の式(100-%生細胞)から推定した。実験を繰り返し行った場合には、平均±標準偏差(SD)を含めた。
【0580】
表9に示されるように、本明細書のペイロードは、16.4pM~>100nMの間のIC
50値及び8.9%~96.7%の間の最高%細胞死滅でC4-2細胞の死滅を示した。試験された開示のペイロードのサブセットは、57.2pM~>100nMの間のIC
50値及び4.7%~88.5%の間の最高%細胞死滅でHEK293細胞に対する死滅を示した。試験された開示のペイロードのサブセットは、35pM~>100nMの間のIC
50値及び14.6%~84.5%の間の最高%細胞死滅でT47D細胞に対する死滅を示した。参照化合物であるMMAEは、283pMのIC
50値及び93.7%の最高の%細胞死滅でC4-2細胞の死滅を示した。
(表9. C4-2、HEK293、及びT47D細胞におけるツブリシンペイロード及び参照化合物による細胞傷害性)
【表12】
NT =試験せず
【0581】
(MDR細胞ベースの死滅アッセイにおけるツブリシンペイロードの試験)
開示されたツブリシンペイロードの能力をさらに試験するために、細胞傷害性アッセイを、薬物耐性を反転させることが示されている薬物であるベラパミル(Cancer Res. 1989 Sep 15;49(18):5002-6)を伴い又は伴わずに、多剤耐性(MDR)細胞株を用いて行った。開示されたペイロード及び参照化合物のインビトロ細胞傷害性を、結腸直腸癌細胞株である1000個のHCT15細胞を、増殖培地(RPMI、10% FBS、100ユニット/mlのペニシリン、100ug/mlのストレプトマイシン、53ug/mlのグルタトミン)中で、5ug/mLのベラパミルを伴い又は伴わずに用いたことを除き上述のものと同様に評価した。
【0582】
表10に示されるような、ベラパミルの非存在下では、開示のペイロードは、20pM~>100nMの間のIC
50値及び-3.8~99.7%の間の最高%細胞死滅でHCT15細胞の死滅を示した。ベラパミルの存在下では、開示のペイロードは、15pM~>100nMの間のIC
50値及び-0.4%及び99.1%の間の最高%細胞死滅でHCT15細胞の死滅を示した。各ペイロードについて、ベラパミルの非存在下でのHCT-15 IC
50を、ベラパミルの存在下でのHCT-15 IC
50で除した(HCT-15 IC
50/HCT-15+ベラパミルIC
50)。いくつかのペイロードは、<2.0の比を有しており、これらのペイロードが、多剤排出ポンプによる影響をわずかにしか受けないことを示唆した。参照化合物M4(MMAE)は、23.7の比を有していた。
(表10. ベラパミルを伴う又は伴わないHCT15細胞におけるツブリシンペイロード及び参照化合物による細胞傷害性)
【表13】
NT=試験せず
【0583】
(一連のMDR細胞株におけるツブリシンペイロードの試験)
開示されたツブリシンペイロードの能力をさらに試験するために、細胞傷害性アッセイを、一連の多剤耐性(MDR)細胞株を用いて行った。開示されたペイロード及び参照化合物のインビトロ細胞傷害性を、結腸直腸癌細胞株であるHCT-15細胞;小細胞肺がん癌腫細胞株NCI-H69のドキソルビシン耐性MDR派生株であるH69AR;子宮肉腫細胞株MES-SAのミトキサントロン耐性MDR派生株であるMES-SA/MX2;及び急性前骨髄球性白血病細胞株HL60のミトキサントロン耐性MDR派生株であるHL60/MX2を用いたことを除き上述のものと同様に評価した。これらのアッセイにおいて、細胞傷害性を、通常の増殖培地(HCT-15及びHL60/MX2についてはRPMI、10% FBS、100ユニット/mlのペニシリン、100ug/mlのストレプトマイシン、及び53ug/mlのグルタトミン;H69-ARについてはRPMI、20% FBS、100ユニット/mlのペニシリン、100ug/mlのストレプトマイシン、及び53ug/mlのグルタトミン;MES-SA/MX2についてはWaymouthsの培地:McCoyの培地(1:1)、10% FBS、100ユニット/mlのペニシリン、100ug/mlのストレプトマイシン、及び53ug/mlのグルタトミン)中で1ウェルあたり1000個の細胞を用いて、72時間及び144時間のペイロードとのインキュベーション後に評価した。表11及び12に示されるように、いくつかのペイロードは、MDR細胞株の全パネルをnM未満のIC
50でかつベースラインレベル近くまで死滅させ、これは、これらのペイロードが、試験された株におけるMDRを克服することを示唆した。
(表11: ツブリシンペイロード及び参照化合物によるHL60/MX2及びMES-SA/MX2細胞の細胞傷害性)
【表14】
(表12: ツブリシンペイロード及び参照化合物によるHCT-15及びH69AR細胞における細胞傷害性)
【表15】
【0584】
(細胞ベースの死滅アッセイにおけるツブリシンペイロードを含有するADCの試験)
バイオアッセイを開発して、開示されたツブリシンペイロード及び参照ペイロードとコンジュゲートした抗PRLR抗体の効力を評価した。これは、抗PRLR-ツブリシンADCの細胞中への内部移行後のツブリシンペイロードの活性、該ペイロードの放出、及びその後の細胞傷害性を評価するために開発された。本アッセイのために、HCT15株を、ヒト完全長PRLR(アクセッション番号NP_000940.1)を発現するよう操作した。得られた安定な細胞株を、本明細書においてはHCT15/PRLRと称する。開示されたペイロード、参照化合物、及び試験されたADCのインビトロ細胞傷害性を、HCT15/PRLR細胞を通常の培養培地中に希釈された5μg/mLのベラパミルを伴い又は伴わずに用いて本例に記載されているのと同様に評価した。化合物は、100nMから開始される3倍段階希釈の濃度で試験された。IC50値は全て、nM濃度で表され、試験された最高濃度での細胞死滅百分率(%死滅)が、以下の式(100-%生細胞)から推定された。これらのデータは、表13で報告される。
【0585】
表13に示されるように、ベラパミルの非存在下で、開示されたリンカー-ペイロード、抗PRLR-LP3、及び抗PRLR-LP4とコンジュゲートした抗PRLR ADCは、HCT15/PRLR細胞ベースのアッセイにおいてそれぞれ、0.525nMのIC50値で90%の最高死滅百分率;及び3.31nMのIC50値で65%の最高死滅百分率を有して細胞傷害性を示した。これらの条件下では、1つのアイソタイプ対照ADC、アイソタイプ対照-LP3が、51%の最高死滅百分率でいくらかの中程度のHCT15/PRLR細胞の死滅を示したが、IC50値は、>50nMであった。ベラパミルの非存在下では、別のアイソタイプ対照、アイソタイプ対照-LP4は、HCT15/PRLR細胞の有意な死滅を何ら示さなかった。これらの条件下では、本発明の遊離のペイロードIVd及びVeは、0.037nM及び0.203nMのIC50値及び99%及び99%の最高死滅百分率でHCT15/PRLR細胞の死滅を示した。
【0586】
ベラパミルの存在下で、本発明のリンカーペイロードとコンジュゲートした抗PRLR ADCである抗PRLR-LP3及び抗PRLR-LP4は、HCT15/PRLR細胞ベースのアッセイにおいて、それぞれ、0.309nMのIC
50値で91%の最高死滅百分率;及び0.196nMのIC
50値で91%の最高死滅百分率を有して細胞傷害性を示した。これらの条件下では、2つのアイソタイプ対照ADC、アイソタイプ対照-LP3及びアイソタイプ対照-LP4は、それぞれ、50nM超のIC
50値及び82%の最高死滅百分率;並びに50nM超のIC
50値及び76%の最高死滅百分率でHCT15/PRLR細胞の死滅を示した。これらの条件下では、開示された遊離のペイロードIVd及びVeは、それぞれ、0.015nM及び0.033nMのIC
50値並びに99%及び99%の最高死滅百分率でHCT15/PRLR細胞の死滅を示した。コンジュゲートしていない抗PRLR抗体は、ベラパミルの存在下又は非存在下においてHCT15/PRLR細胞の死滅を何ら示さなかった。
(表13. ツブリシンペイロード、参照化合物、及びADCによるベラパミルを伴う又は伴わないHCT15/PRLR細胞における細胞傷害性)
【表16】
NS=試験した濃度で有意でない死滅
【0587】
開示されたツブリシンペイロード、参照化合物、及びこれらのペイロードを用いる抗体薬物コンジュゲートの能力をさらに試験するために、細胞傷害性アッセイを、本例(上を参照されたい)に記載されているようなC4-2細胞を用いて行った。これらの試験には、抗STEAP2抗体を、選ばれたツブリシンペイロードにコンジュゲートさせ、該化合物を、100nMから開始される3倍段階の濃度で試験した。IC50値は全て、nM濃度で表され、試験された最高濃度での細胞死滅百分率が、以下の式(100-%生細胞)から推定された。これらのデータを、表14に報告した。
【0588】
表14に示されるように、開示されたリンカー-ペイロードとコンジュゲートした抗STEAP2 ADCである抗STEAP2-LP3、抗STEAP2-LP4、及び抗STEAP2-LP5は、C4-2細胞ベースのアッセイにおいて、それぞれ、0.097nMのIC
50値で99%の最高死滅百分率;0.15nMのIC
50値で99%の最高死滅百分率;及び0.28nMのIC
50で96%の最高死滅百分率を有して細胞傷害性を示した。参照ADCである抗STEAP2-MMAEは、C4-2細胞ベースのアッセイにおいて0.53nMのIC
50値を有し99%の最高死滅百分率を有して細胞傷害性を示した。3種のアイソタイプ対照、アイソタイプ対照-LP3、アイソタイプ対照-LP4、及びアイソタイプ対照-MMAEは全て、最高の試験濃度でのみ16%~48%の最高死滅百分率を有していくらかの中程度のC4-2細胞の死滅を示したが、IC
50値は、>100nMであった。これらの条件下では、IVd(LP3の遊離ペイロード)及びVe(LP4のペイロード)は、0.022nM及び0.063nMのIC
50値を有してC4-2細胞の死滅を示し、双方とも、99%の最高死滅百分率を示した。遊離の参照ペイロードMMAEは、0.22nMのIC
50値及び99%の最高死滅百分率を有してC4-2細胞の死滅を示した。コンジュゲートしていない抗STEAP2抗体は、C4-2細胞の死滅を何ら示さなかった。
(表14. C4-2細胞におけるツブリシンペイロード、参照化合物、及びADCによる細胞傷害性)
【表17】
【0589】
(抗STEAP2抗体)
ツブリシンにコンジュゲートされた抗STEAP2抗体のインビボでの効力を決定するために、STEAP2陽性C4-2前立腺がん異種移植片を有する免疫低下マウスにおいて試験を行った。
【0590】
本アッセイのために、STEAP2を内因的に発現する7.5×106個のC4-2細胞(ATCC、カタログ番号CRL-3314)を、Matrigel(BD Biosciences、カタログ番号354234)中に懸濁させ、雄のCB17 SCIDマウス(Taconic、Hudson NY)の左側腹内へ皮下移植した。腫瘍が220mm3の平均体積に到達したら(第15日前後)、マウスを、7つの群に無作為化し、2.5mg/kgの抗STEAP2コンジュゲート抗体(抗STEAP2-LP3、抗STEAP2-LP4、抗STEAP2-MMAE)、アイソタイプ対照コンジュゲート抗体、又はビヒクルのいずれかの単回投与を尾静脈注入によって与えた。ビヒクル群の平均サイズが1500mm3に到達するまで、腫瘍を、ノギスで1週間に2回測定した。腫瘍サイズは、式(長さ×幅2)/2を用いて計算し、その後、平均腫瘍サイズ+/-SEMを計算した。腫瘍の成長阻害を、以下の式:(1-((T最終-T当初)/(C最終-C当初)))*100(式中、処理群(T)及び対照群(C)は、ビヒクル群が1500mm3に到達した日の平均腫瘍量を表す)により計算した。
【0591】
本試験では、MMAEにコンジュゲートされた抗STEAP2抗体を、ツブリシンリンカー-ペイロードにコンジュゲートされた抗STEAP2抗体(抗STEAP2-LP3及び抗STEAP2-LP4)と、それらのC4-2腫瘍サイズを減少させる能力に関して比較した。表15にまとめられているように、抗STEAP2-MMAE参照ADCでの処置は、試験の完了時に平均で81%の腫瘍成長阻害をもたらした。比較すると、抗STEAP2-LP3及び抗STEAP2-LP4 ADCでの処置は、それぞれ、平均で108%及び97%の腫瘍増殖の減少を示した。アイソタイプ対照ADCでの処置は、平均で31~33%の腫瘍増殖の減少に繋がった。抗STEAP2抗体は、N297Q変異を含んでいた。
(表15: 抗STEAP2 ADCでの処置を受けたSCIDマウスにおける試験の終了時のC4-2腫瘍増殖の阻害)
【表18】
(CTG-2440及びCTG-2441 PDX前立腺がんモデルにおけるSTEAP2-ツブリシンADCの効力)
mAbクローンID:
【表19】
(実験手順:)
CTG-2440又はCTG-2441のいずれかの前立腺がん患者由来の異種移植片(PDX)腫瘍断片を、雄のNOGマウスの側腹内に皮下移植した。腫瘍体積が、約200mm
3に到達したら、マウスを8つの群に無作為化し、以下の表16に示すスケジュールに従い処置を行った。腫瘍増殖を、移植後60日間モニタリングした。
(表16)
【表20】
(結果及び結論:)
STEAP2陽性PDXモデルにおけるSTEAP2ツブリシンADCの抗腫瘍活性を、対照ADCと比較して評価した。対照ADCでの処置を受けたCTG-2440腫瘍は、28日以内にプロトコールサイズ限度まで成長した。3.72mg/kg(80ug/kgペイロードの週1回用量を3回)でSTEAP2ツブリシンADCでの処置を受けた腫瘍の成長は、体重の変化に対する有害な作用を伴わずに60日間阻害された。抗腫瘍活性は、用量依存的であった。完全な腫瘍阻害が、240ug/kgの総ペイロード用量で観察され、一方で、腫瘍退縮が、120ug/kg及び40ug/kgの総ペイロード用量で誘導された。CTG-2440の腫瘍体積データを、
図16に示す。
(CTG-2440のデータのまとめの表:)
【表21】
対照ADCでの処置を受けたCTG-2441腫瘍は、30日以内にプロトコールのサイズ限度まで成長した。3.64mg/kg(80ug/kgペイロードの週1回用量を3回)でのSTEAP2ツブリシンADCでの処置を受けた腫瘍の成長は、60日間阻害され、中程度の体重減少のみが認められた。抗腫瘍活性は、用量依存的であった。完全な腫瘍阻害が、120又は240ug/kgのいずれの総ペイロード用量でも観察された。40ug/kgの総ペイロード用量の単回投与後に、腫瘍退縮が誘導された。CTG-2441の腫瘍体積データを、
図17に示す。
(CTG-2441のデータのまとめの表:)
【表22】
(PDXモデル及びSTEAP2発現情報:)
前立腺がんモデルを、転移性の去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)の患者の骨転移から誘導した。STEAP2発現を、RNAシークエンシングデータ及びRNAインサイチュハイブリダイゼーションによって確認した。
【誤訳訂正書】
【提出日】2021-08-30
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0583
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0583】
(一連のMDR細胞株におけるツブリシンペイロードの試験)
開示されたツブリシンペイロードの能力をさらに試験するために、細胞傷害性アッセイを、一連の多剤耐性(MDR)細胞株を用いて行った。開示されたペイロード及び参照化合物のインビトロ細胞傷害性を、結腸直腸癌細胞株であるHCT-15細胞;小細胞肺がん癌腫細胞株NCI-H69のドキソルビシン耐性MDR派生株であるH69AR;子宮肉腫細胞株MES-SAのミトキサントロン耐性MDR派生株であるMES-SA/MX2;及び急性前骨髄球性白血病細胞株HL60のミトキサントロン耐性MDR派生株であるHL60/MX2を用いたことを除き上述のものと同様に評価した。これらのアッセイにおいて、細胞傷害性を、通常の増殖培地(HCT-15及びHL60/MX2についてはRPMI、10% FBS、100ユニット/mlのペニシリン、100ug/mlのストレプトマイシン、及び53ug/mlのグルタトミン;H69-ARについてはRPMI、20% FBS、100ユニット/mlのペニシリン、100ug/mlのストレプトマイシン、及び53ug/mlのグルタトミン;MES-SA/MX2についてはWaymouthsの培地:McCoyの培地(1:1)、10% FBS、100ユニット/mlのペニシリン、100ug/mlのストレプトマイシン、及び53ug/mlのグルタトミン)中で1ウェルあたり1000個の細胞を用いて、72時間及び144時間のペイロードとのインキュベーション後に評価した。表11及び12に示されるように、いくつかのペイロードは、MDR細胞株の全パネルをnM未満のIC
50でかつベースラインレベル近くまで死滅させ、これは、これらのペイロードが、試験された株におけるMDRを克服することを示唆した。
(表11: ツブリシンペイロード及び参照化合物によるHL60/MX2及びMES-SA/MX2細胞の細胞傷害性)
【表14】
(表12: ツブリシンペイロード及び参照化合物によるHCT-15及びH69AR細胞における細胞傷害性)
【表15】
【手続補正書】
【提出日】2021-12-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
【国際調査報告】