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特表2022-517385ハロゲン含有化合物及び使用、並びに、触媒組成物及びエチレンオリゴマー化方法、エチレン三量化方法、及びエチレン四量化方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-08
(54)【発明の名称】ハロゲン含有化合物及び使用、並びに、触媒組成物及びエチレンオリゴマー化方法、エチレン三量化方法、及びエチレン四量化方法
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/52 20060101AFI20220301BHJP
   C07C 2/24 20060101ALI20220301BHJP
   B01J 31/24 20060101ALI20220301BHJP
   B01J 31/14 20060101ALI20220301BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20220301BHJP
【FI】
C07F9/52 CSP
C07C2/24
B01J31/24 Z
B01J31/14 Z
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541122
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(85)【翻訳文提出日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 CN2019114395
(87)【国際公開番号】W WO2020147373
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】201910037040.6
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910036065.4
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910036068.8
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】510016575
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司北京化工研究院
【氏名又は名称原語表記】BEIJING RESEARCH INSTITUTE OF CHEMICAL INDUSTRY,CHINA PETROLEUM & CHEMICAL CORPORATION
【住所又は居所原語表記】NO.14,BEISANHUAN EAST ROAD,CHAOYANG DISTRICT,BEIJING 100013,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】呉紅飛
(72)【発明者】
【氏名】鄭明芳
(72)【発明者】
【氏名】胡嵩霜
(72)【発明者】
【氏名】栗同林
(72)【発明者】
【氏名】劉▲クン▼
(72)【発明者】
【氏名】徐珂
(72)【発明者】
【氏名】王霄青
(72)【発明者】
【氏名】潘峰
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
4H050
【Fターム(参考)】
4G169AA06
4G169BA21A
4G169BA21B
4G169BA27A
4G169BA27B
4G169BB08B
4G169BC16A
4G169BC16B
4G169BC29A
4G169BC50A
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4G169BC58B
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4G169BC68A
4G169BD12A
4G169BD12B
4G169BD15A
4G169BD15B
4G169BE01A
4G169BE01B
4G169BE02A
4G169BE02B
4G169BE06A
4G169BE06B
4G169BE07B
4G169BE08A
4G169BE11B
4G169BE27A
4G169BE27B
4G169BE33A
4G169BE34A
4G169BE34B
4G169BE36A
4G169BE38B
4G169CB47
4H006AA02
4H006AA03
4H006AB40
4H006AB82
4H006AC21
4H006BA14
4H006BA48
4H006BB11
4H006BC10
4H006BC11
4H006BC13
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4H039CA99
4H039CL19
4H039CL20
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB40
4H050AB82
(57)【要約】
本発明は、式Iで示されるハロゲン含有化合物及びエチレンオリゴマー化触媒組成物のリガンドとしての使用を開示し、本発明は、また、前記ハロゲン含有化合物を含有するエチレンオリゴマー化触媒組成物、並びに、前記触媒組成物を用いたエチレンオリゴマー化方法、エチレン三量化方法及びエチレン四量化方法を開示する。本発明に係る含フッ素重合体は、エチレンオリゴマー化用触媒のリガンドとして好適であり、触媒系の触媒化性能を効果的に向上させ、特にエチレンオリゴマー化反応において顕著に向上した活性及び選択性を示す。本発明に係る触媒組成物は工業的な将来性及び経済的価値が期待できる。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで示される化合物であるハロゲン含有化合物。
【化1】

(式I中、R、R、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、ハロゲン元素であり、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、水素、C-C12鎖状アルキル基、C-C12シクロアルキル基又はC-C20アリール基である。)
【請求項2】
式I中、R及びRはすべて水素である、請求項1に記載のハロゲン含有化合物。
【請求項3】
式I中、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、C-C12鎖状アルキル基、C-C12シクロアルキル基又はC-C20アリール基であり、
好ましくは、式I中、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、C-C鎖状アルキル基、C-Cシクロアルキル基又はC-C16アリール基であり、
より好ましくは、式I中、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、C-C鎖状アルキル基、C-Cシクロアルキル基又はC-C12アリール基であり、
さらに好ましくは、式I中、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基又はナフチル基であり、
一層好ましくは、式I中、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、t-ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、イソプロピル基又はメチル基であり、
特に好ましくは、式I中、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、t-ブチル基、シクロヘキシル基又はメチル基である、請求項1に記載のハロゲン含有化合物。
【請求項4】
式I中、Rは水素であり、RはC-C12鎖状アルキル基、C-C12シクロアルキル基又はC-C20アリール基であり、
好ましくは、式I中、Rは水素であり、RはC-C鎖状アルキル基、C-Cシクロアルキル基又はC-C16アリール基であり、
より好ましくは、式I中、Rは水素であり、RはC-C鎖状アルキル基、C-Cシクロアルキル基又はC-C12アリール基であり、
さらに好ましくは、式I中、Rは水素であり、Rはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基又はナフチル基であり、
一層好ましくは、式I中、Rは水素であり、Rはt-ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、イソプロピル基又はエチル基であり、
特に好ましくは、式I中、Rは水素であり、Rはt-ブチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基である、請求項1に記載のハロゲン含有化合物。
【請求項5】
、R、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、塩素又はフッ素であり、
好ましくは、R、R、R及びRはフッ素である、請求項1~4のいずれか1項に記載のハロゲン含有化合物。
【請求項6】
、R、R及びRのうちの少なくとも1つはオルト位置換基であり、
好ましくは、R、R、R及びRはすべてオルト位置換基である、請求項1~5のいずれか1項に記載のハロゲン含有化合物。
【請求項7】
式II及び式IIIで示される化合物から選ばれる、請求項1に記載のハロゲン含有化合物。
【化2】

(式II中、RはC-C12鎖状アルキル基、C-C12シクロアルキル基又はC-C20アリール基であり、
【化3】

(式III中、R及びRは同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、C-C12鎖状アルキル基、C-C12シクロアルキル基又はC-C20アリール基である。)
【請求項8】
式II及び式III中、R、R及びRは、それぞれ独立して、C-C鎖状アルキル基、C-Cシクロアルキル基又はC-C16アリール基であり、
好ましくは、式II及び式III中、R、R及びRは、それぞれ独立して、C-C鎖状アルキル基、C-Cシクロアルキル基又はC-C12アリール基であり、
より好ましくは、式II及び式III中、R、R及びRは、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基又はナフチル基であり、
さらに好ましくは、式II及び式III中、R、R及びRは、それぞれ独立して、t-ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、イソプロピル基又はエチル基であり、
より好ましくは、式II中、Rはt-ブチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基であり、
より好ましくは、式III中、R及びRは、それぞれ独立して、t-ブチル基、シクロヘキシル基又はメチル基である、請求項7に記載のハロゲン含有化合物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のハロゲン含有化合物の、エチレンオリゴマー化触媒組成物のリガンドとしての使用。
【請求項10】
前記触媒組成物は、前記ハロゲン含有化合物、遷移金属化合物、及び助触媒を含有する、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記ハロゲン含有化合物と前記遷移金属化合物とのモル比は1:0.1~10、好ましくは1:0.25~2、より好ましくは1:0.5~2である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記ハロゲン含有化合物と前記助触媒とのモル比は1:1~1000、好ましくは1:10~700、より好ましくは1:100~500である、請求項10又は11に記載の使用。
【請求項13】
前記遷移金属化合物は、クロムの化合物、モリブデンの化合物、鉄の化合物、チタンの化合物、ジルコニウムの化合物及びニッケルの化合物から選ばれる少なくとも1種、好ましくはクロム(III)アセチルアセトナート、イソオクタン酸クロム、トリス(テトラヒドロフラン)三塩化クロム及びジ(テトラヒドロフラン)二塩化クロムのうちの少なくとも1種である、請求項10~12のいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
前記助触媒はアルミニウム含有助触媒であり、
好ましくは、前記助触媒は有機アルミニウム化合物であり、
より好ましくは、前記助触媒は、アルキルアルミニウム、アルコキシアルミニウム及びハロアルキルアルミニウムから選ばれる少なくとも1種であり、
さらに好ましくは、前記助触媒は、メチルアルミノキサン、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn-ヘキシルアルミニウム、トリn-オクチルアルミニウム、モノクロロジエチルアルミニウム、ジクロロエチルアルミニウム、エチルアルミノキサン、及び変性メチルアルミノキサンから選ばれる少なくとも1種であり、
一層好ましくは、前記助触媒は、変性メチルアルミノキサン、メチルアルミノキサン、及びトリエチルアルミニウムのうちの少なくとも1種である、請求項10~13のいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
請求項1~8のいずれか1項に記載のハロゲン含有化合物から選ばれる少なくとも1種、少なくとも1種の遷移金属化合物、及び少なくとも1種の助触媒を含有する、エチレンオリゴマー化触媒組成物。
【請求項16】
前記ハロゲン含有化合物と前記遷移金属化合物とのモル比は1:0.1~10、好ましくは1:0.25~2、より好ましくは1:0.5~2である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記ハロゲン含有化合物と前記助触媒とのモル比は1:1~1000、好ましくは1:10~700、より好ましくは1:100~500である、請求項15又は16に記載の組成物。
【請求項18】
前記遷移金属化合物は、クロムの化合物、モリブデンの化合物、鉄の化合物、チタンの化合物、ジルコニウムの化合物及びニッケルの化合物から選ばれる少なくとも1種、好ましくはクロム(III)アセチルアセトナート、イソオクタン酸クロム、トリス(テトラヒドロフラン)三塩化クロム及びジ(テトラヒドロフラン)二塩化クロムから選ばれる少なくとも1種である、請求項15~17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記助触媒はアルミニウム含有助触媒であり、
好ましくは、前記助触媒は有機アルミニウム化合物であり、
より好ましくは、前記助触媒は、アルキルアルミニウム、アルコキシアルミニウム及びハロアルキルアルミニウムから選ばれる少なくとも1種であり、
さらに好ましくは、前記助触媒は、メチルアルミノキサン、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn-ヘキシルアルミニウム、トリn-オクチルアルミニウム、モノクロロジエチルアルミニウム、ジクロロエチルアルミニウム、エチルアルミノキサン、及び変性メチルアルミノキサンから選ばれる少なくとも1種であり、
一層好ましくは、前記助触媒は、変性メチルアルミノキサン、メチルアルミノキサン、及びトリエチルアルミニウムから選ばれる少なくとも1種である、請求項15~18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
エチレンを請求項15~19のいずれか1項に記載の触媒組成物と接触させることを含む、エチレンオリゴマー化方法。
【請求項21】
前記接触は少なくとも1種の有機溶媒で行われる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記有機溶媒は、C-C12のアルカン、C-C12のシクロアルカン、及びC-C12の芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種であり、
好ましくは、前記有機溶媒は、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、及びキシレンから選ばれる少なくとも1種である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記有機溶媒の用量は触媒組成物の濃度を1~20μmol/Lとし、前記触媒組成物は遷移金属化合物中の遷移金属元素で換算する、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記接触は、0~200℃の温度、好ましくは0~100℃の温度、より好ましくは30~90℃の温度で行われる、請求項20~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記エチレンの圧力は0.1~20MPa、好ましくは0.5~10MPa、より好ましくは2~8MPaである、請求項20~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
エチレンを請求項15~19のいずれか1項に記載の触媒組成物と60℃以上の温度で接触させることを含む、エチレン三量化方法。
【請求項27】
前記接触は少なくとも1種の有機溶媒で行われる、請求項26に記載の三量化方法。
【請求項28】
前記有機溶媒は、C-C12のアルカン、C-C12のシクロアルカン、及びC-C12の芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種であり、
好ましくは、前記有機溶媒は、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、及びキシレンから選ばれる少なくとも1種である、請求項27前記に記載の三量化方法。
【請求項29】
前記有機溶媒の用量は溶媒中の触媒組成物の濃度を1~20μmol/Lとし、前記触媒組成物は遷移金属化合物中の遷移金属元素で換算する、請求項27又は28に記載の三量化方法。
【請求項30】
前記エチレンの圧力は0.1~20MPa、好ましくは0.5~5MPa、より好ましくは1~4MPa、さらに好ましくは2~3MPaである、請求項26~29のいずれか1項に記載の三量化方法。
【請求項31】
前記接触は60~90℃の温度で行われる、請求項26~30のいずれか1項に記載の三量化方法。
【請求項32】
エチレンを請求項15~19のいずれか1項に記載の触媒組成物と60℃未満の温度で接触させることを含む、エチレン四量化方法。
【請求項33】
前記接触は少なくとも1種の有機溶媒で行われる、請求項32に記載の四量化方法。
【請求項34】
前記有機溶媒は、C-C12のアルカン、C-C12のシクロアルカン、及びC-C12の芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種であり、
好ましくは、前記有機溶媒は、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、及びキシレンから選ばれる少なくとも1種である、請求項33に記載の四量化方法。
【請求項35】
前記有機溶媒の用量は、溶媒中の触媒組成物の濃度を1~20μmol/Lとし、前記触媒組成物は遷移金属化合物中の遷移金属元素で換算する、請求項33又は34に記載の四量化方法。
【請求項36】
前記エチレンの圧力は0.1~20MPa、好ましくは0.5~8MPa、より好ましくは3~6MPa、さらに好ましくは4~5MPaである、請求項32~35のいずれか1項に記載の四量化方法。
【請求項37】
前記接触は30~50℃の温度で行われる、請求項32~36のいずれか1項に記載の四量化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハロゲン含有化合物に関し、本発明は、また、前記ハロゲン含有化合物の、エチレンオリゴマー化触媒組成物のリガンドとしての用途に関し、本発明は、エチレンオリゴマー化触媒組成物、並びに、前記触媒組成物を用いたエチレンオリゴマー化方法、エチレン三量化方法、及びエチレン四量化方法にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
エチレンオリゴマー化はオレフィン重合工業において最も重要な反応の1つであり、オリゴマー化反応によって、低価な小分子オレフィンが高付加価値のある製品、例えば1-オクテンや1-ヘキセンに転化可能である。1-オクテン及び1-ヘキセンは重要な有機原料及び化学中間体として、主に高品質のポリエチレン(PE)の生産分野に利用されている。1-ヘキセン又は1-オクテンとエチレンの共重合により生産される直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)はPEの諸性能を顕著に改善し、特にポリエチレンの機械的性能、光学性能及び引き裂き強度や衝撃強度を顕著に向上させることができ、その製品は、包装膜、温室や棚室などの農業用マルチフィルムなどの分野に非常に適している。
【0003】
近年、ポリオレフィン工業の持続的な発展に伴い、世界中、α-オレフィンへの需要量が急速に増加しており、これらのうち、ほとんどのα-オレフィンはエチレンオリゴマー化により製造される。
【0004】
1970年代から、遷移金属錯体によるオレフィン重合及びオリゴマー化の触媒化についての研究が科学家により注目されてきて、研究者は新規触媒の研究に取り込みながら、既存の触媒を改良し、触媒の活性及び触媒化生成物の選択性を向上させる。
【0005】
大量の探索の中でも、ニッケル系カチオン型触媒系が最も早く研究され、最も迅速な発展を遂げており、また重点として研究され、例えばUS3686351とUS3676523、及びこの特許技術に基づくロイヤル・ダッチ・シェル社のSHOPプロセスがある。ロイヤル・ダッチ・シェル社のSHOPプロセスでは、O-P架橋リガンドが使用されているが、この触媒は毒性のある有機リン基を含み、そして合成ステップが複雑であり、安定性が悪い。
【0006】
それ以降、研究者は、さらに、例えばJP11060627、WO9923096、WO991550、CN1401666やCN1769270などO-O、P-N、P-P及びN-N型配位ニッケル触媒を開発している。しかし、上記の出願により得られた触媒のほとんどには調製方法が複雑であるという欠点がある。
【0007】
Sasol社の出願WO04056478においてPNP骨格型触媒が開示されており、エチレン四量化反応では、C8成分の選択性は約66wt%であり、C6成分の選択性は約21wt%であり、ここで、C6成分中の1-ヘキセンの含有量が82%しかなく、1-ヘキセンと1-オクテンとの総選択性は約84%である。
【0008】
US20100137669においてPCCP対称骨格型触媒が開示されており、エチレン四量化反応では、この触媒は、PNP系よりも安定的であるものの、1-ヘキセンと1-オクテンとの総選択性は85%以下である。
【0009】
上記のような反応系では、C6生成物中に存在するシクロオレフィンや環化物などの副産物が分離精製などの手段により除去できるが、プロセス全体の経済性に不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は従来技術の欠点を克服し、ハロゲン含有化合物及び該ハロゲン含有化合物を含有する触媒組成物を提供することであり、該触媒組成物は、エチレンオリゴマー化、特にエチレン三量化及び四量化反応において明らかに向上した活性及び明らかに向上した選択性を示し、シクロオレフィンや環化物などの副産物の発生を明らかに減らす。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、本発明は、式Iで示される化合物であるハロゲン含有化合物を提供する。
【0012】
【化1】
【0013】
(式I中、R、R、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、ハロゲン元素であり、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、水素、C-C12鎖状アルキル基、C-C12シクロアルキル基又はC-C20アリール基である。)
本発明の第2の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様に記載のハロゲン含有化合物の、エチレンオリゴマー化触媒組成物のリガンドとしての使用を提供する。
【0014】
本発明の第3の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様に記載のハロゲン含有化合物から選ばれる少なくとも1種、少なくとも1種の遷移金属化合物、及び少なくとも1種の助触媒を含有するエチレンオリゴマー化触媒組成物を提供する。
【0015】
本発明の第4の態様によれば、本発明は、エチレンを本発明の第3の態様に記載の触媒組成物と接触させることを含むエチレンオリゴマー化方法を提供する。
【0016】
本発明の第5の態様によれば、本発明は、エチレンを本発明の第3の態様に記載の触媒組成物と60℃以上の温度で接触させることを含むエチレン三量化方法を提供する。
【0017】
本発明の第6の態様によれば、本発明は、エチレンを本発明の第3の態様に記載の触媒組成物と60℃未満の温度で接触させることを含むエチレン四量化方法を提供する。
【0018】
本発明に係る含フッ素重合体は、エチレンオリゴマー化用触媒のリガンドとして、触媒系の触媒化性能を効果的に向上させ、特にエチレンオリゴマー化反応では明らかに向上した触媒化性能を示し、触媒活性が最高で4×10g・mol(Cr)-1・h-1を上回り、1-ヘキセンと1-オクテンとの総選択性が92wt%を超え、且つC6生成物中、1-ヘキセンの含有量が95%以上に達し、C8生成物中、1-オクテンの含有量が98%以上に達する。
【0019】
さらに、本発明の触媒組成物を用いてエチレンのオリゴマー化反応を行うと、開始速度が早く、短時間(5分間内)でエチレンの吸収量が最大値に達し、且つ長時間(0.5時間以上)維持することができる。本発明に係る触媒組成物は、迅速に開始でき、且つ重合反応において高安定性を有することを示す。
【0020】
したがて、本発明に係る触媒組成物は、高触媒化活性、高選択性の特徴を有し、工業的な将来性及び経済的価値が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で掲示された範囲の端点及び任意の値はこの正確な範囲又は値に制限されず、これらの範囲又は値はこれらの範囲又は値に近い値を含むとして理解すべきである。数値の範囲の場合、各範囲の端点値の間、各範囲の端点値と単独の点値、及び単独の点値は互いに組み合わせて、1つ又は複数の新しい数値範囲を得ることができ、これらの数値の範囲は本明細書において具体的に開示されるものとして取り扱うべきである。
【0022】
本発明では、用語「C-C12鎖状アルキル基」はC-C12の直鎖状アルキル基とC-C12の分岐状アルキル基を含み、その具体例には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、2,2-ジメチルペンチル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、3,4-ジメチルペンチル基、4,4-ジメチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、n-オクチル基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基、4-メチルヘプチル基、5-メチルヘプチル基、6-メチルヘプチル基、2,2-ジメチルヘキシル基、2,3-ジメチルヘキシル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、3,3-ジメチルヘキシル基、3,4-ジメチルヘキシル基、3,5-ジメチルヘキシル基、4,4-ジメチルヘキシル基、4,5-ジメチルヘキシル基、5,5-ジメチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、2-n-プロピルペンチル基、2-イソプロピルペンチル基、オクチル基(オクチル基の様々な異性体を含む)、デシル基(デシル基の様々な異性体を含む)、ウンデシル基(ウンデシル基の様々な異性体を含む)、及びドデシル基(ドデシル基の様々な異性体を含む)を含むが、これらに限定されない。
【0023】
本発明では、用語「C-C12シクロアルキル基」は置換又は未置換のシクロアルキル基を含む。置換のシクロアルキル基とは、環上の炭素原子に結合される少なくとも1つの水素原子が置換基で置換されたものを指し、前記置換基はC-C鎖状アルキル基であってもよく、その具体例には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、ネオペンチル基、及びヘキシル基(ヘキシル基の様々な異性体を含む)を含むが、これらに限定されない。前記C-C12シクロアルキル基の具体例には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、及びブチルシクロヘキシル基を含むが、これらに限定されない、。
【0024】
本発明では、用語「C-C20アリール基」は置換又は未置換のアリール基を含む。置換のアリール基とは、芳香環上の少なくとも1つの水素原子が置換基で置換されたものを指し、前記置換基はC-C鎖状アルキル基及び/又はハロゲン基であってもよく、その具体例には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基(ヘキシル基の様々な異性体を含む)、塩素、臭素、及びヨウ素を含むが、これらに限定されない。前記C-C20アリール基の具体例には、フェニル基、ナフチル基、トリル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基又はナフチル基を含むが、これらに限定されない。
【0025】
本発明の第1の態様によれば、本発明は、以下の式Iで示されるハロゲン含有化合物を提供する。
【0026】
【化2】
【0027】
式I中、Pはリンを示す。
【0028】
式I中、R、R、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、ハロゲン元素、例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。好ましくは、R、R、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、塩素又はフッ素である。より好ましくは、R、R、R及びRはすべてフッ素である。
【0029】
式I中、R、R、R及びRのうちの少なくとも1つはオルト位置換基である。好ましくは、R、R、R及びRはすべてオルト位置換基である。
【0030】
式I中、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、水素、C-C12鎖状アルキル基、C-C12シクロアルキル基又はC-C20アリール基である。
【0031】
好ましい一実施形態では、式I中、R及びRはすべて水素である。この好ましい実施形態によれば、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、好ましくは塩素又はフッ素、より好ましくはすべてフッ素である。
【0032】
好ましい一実施形態では、式I中、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、C-C12鎖状アルキル基、C-C12シクロアルキル基又はC-C20アリール基であり、好ましくは、式I中、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、C-C鎖状アルキル基、C-Cシクロアルキル基又はC-C16アリール基であり、より好ましくは、式I中、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、C-C鎖状アルキル基、C-Cシクロアルキル基又はC-C12アリール基であり、さらに好ましくは、式I中、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基又はナフチル基であり、一層好ましくは、式II中、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、t-ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、イソプロピル基又はメチル基であり、特に好ましくは、式II中、R及びRは、同一であるか、又は異なり、それぞれ独立して、t-ブチル基、シクロヘキシル基又はメチル基である。この好ましい実施形態によれば、R、R、R及びRは、好ましくは、それぞれ独立して塩素又はフッ素であり、より好ましくはすべてフッ素である。
【0033】
好ましい一実施形態では、式I中、Rは水素であり、RはC-C12鎖状アルキル基、C-C12シクロアルキル基又はC-C20アリール基であり、好ましくは、式I中、Rは水素であり、RはC-C鎖状アルキル基、C-Cシクロアルキル基又はC-C16アリール基であり、より好ましくは、式I中、Rは水素であり、RはC-C鎖状アルキル基、C-Cシクロアルキル基又はC-C12アリール基であり、さらに好ましくは、式II中、Rは水素であり、Rはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基又はナフチル基であり、一層好ましくは、式I中、Rは水素であり、Rはt-ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、イソプロピル基又はエチル基であり、特に好ましくは、式I中、Rは水素であり、Rはt-ブチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基である。この好ましい実施形態によれば、R、R、R及びRは、好ましくはそれぞれ独立して塩素又はフッ素であり、より好ましくはすべてフッ素である。
【0034】
本発明に係るハロゲン含有化合物は、文献方法ACS Catalysis, 2013, 3, 2311-2317を参照して調製することができる。
【0035】
一実施形態では、前記ハロゲン含有化合物は、以下のステップを含む方法によって調製することができる。式IVで示されるアルキン化合物と第1の部分のジフルオロフェニルホスフィンクロリドとを有機リチウム化合物と第1の温度で第1の接触を行い、その後、ヨウ化銅、アルカリ金属炭酸塩及び第2の部分ジフルオロフェニルホスフィンクロリドを加えて第2の温度で第2の接触を行い、第2の接触により得られた反応混合物から式Iで示されるハロゲン含有化合物を分離する。
【0036】
【化3】
【0037】
式IV中、R及びRの定義は式I中のR及びRの定義と同じであり、ここでは詳しく説明しない。
【0038】
前記有機リチウム化合物は式Vで示される化合物であってもよく、
10Li (式V)
式V中、R10はC-Cのアルキル基、C-C12のシクロアルキル基、C-C14のアラルキル基又はC-C12のアリール基である。R11の具体例には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、4-エチルシクロヘキシル基、4-n-プロピルシクロヘキシル基、4-n-ブチルシクロヘキシル基、フェニル基メチル基、フェニル基エチル基、フェニル基n-プロピル基、フェニル基n-ブチル基、フェニル基t-ブチル基、フェニル基イソプロピル基、フェニル基n-ペンチル基、フェニル基n-ブチル基、フェニル基、ナフチル基、4-メチルフェニル基、及び4-エチルフェニル基を含むが、これらに限定されない。
【0039】
前記有機リチウム化合物の具体例には、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、フェニルリチウム、2-ナフチルリチウム、4-ブチルフェニルリチウム、4-トリルリチウム、シクロヘキシルリチウム、及び4-ブチルシクロヘキシルリチウムのうちの1種又は複数種を含むが、これらに限定されない。
【0040】
好ましくは、前記有機リチウム化合物はn-ブチルリチウム及び/又はs-ブチルリチウムである。より好ましくは、前記有機リチウム化合物はn-ブチルリチウムである。
【0041】
前記有機リチウム化合物と式IVで示されるアルキン化合物とのモル比は0.8~1.2:1であってもよい。
【0042】
まず、式IVで示されるアルキン化合物と有機リチウム化合物とを混合し、得た混合物にジフルオロフェニルホスフィンクロリドを添加することができる。アルキン化合物と有機リチウム化合物とを混合する際に、好ましくは有機リチウム化合物をアルキン化合物に滴下する。
【0043】
前記第1の接触は-10℃~10℃の温度、好ましくは-5℃~5℃の温度で行われる。前記第1の接触の持続時間は10~60分間、好ましくは20~40分間であってもよい。前記第1の接触は溶媒としての含酸素複素環式化合物で行われてもよく、好ましくはテトラヒドロフランで行われる。
【0044】
好ましくは、前記アルカリ金属炭酸塩は炭酸セシウムである。前記ヨウ化銅とアルカリ金属炭酸塩は触媒とする場合、その用量が触媒化機能を実現できることを基準とし、触媒化量としてもよい。
【0045】
前記第1の部分のジフルオロフェニルホスフィンクロリドと第2の部分のジフルオロフェニルホスフィンクロリドとのモル比は1:0.9~1.1、好ましくは1:1であってもよい。
【0046】
まず、第1の接触により得られた反応混合物をヨウ化銅及びアルカリ金属炭酸塩と混合し、その後、第2の部分のジフルオロフェニルホスフィンクロリドと混合することができる。
【0047】
前記第2の接触は第1の接触の温度よりも高い温度で行われる。具体的には、前記第2の接触は60~120℃の温度、好ましくは80-100℃の温度で行われ得る。
【0048】
第2の接触により得られた反応混合物から式Iで示されるハロゲン含有化合物を一般的な方法により分離することができる。例えば、第2の接触により得られた反応混合物を固液分離し、固液分離により得られた液相中の溶媒を除去し、残留物をカラムにより分離し、式Iで示されるハロゲン含有化合物を得る。
【0049】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記ハロゲン化合物は式II及び式IIIで示される化合物から選ばれる。
【0050】
【化4】
【0051】
式II中、RはC-C12鎖状アルキル基、C-C12シクロアルキル基又はC-C20アリール基であり、
【0052】
【化5】
【0053】
式III中、R及びRは同一である、又は異なり、それぞれ独立して、C-C12鎖状アルキル基、C-C12シクロアルキル基又はC-C20アリール基である。
【0054】
式II及び式III中、R、R及びRは、それぞれ独立して、C-C鎖状アルキル基、C-Cシクロアルキル基又はC-C16アリール基である。
【0055】
好ましくは、式II及び式III中、R、R及びRは、それぞれ独立して、C-C鎖状アルキル基、C-Cシクロアルキル基又はC-C12アリール基である。
【0056】
より好ましくは、式II及び式III中、R、R及びRは、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基又はナフチル基である。
【0057】
さらに好ましくは、式II及び式III中、R、R及びRは、それぞれ独立して、t-ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、イソプロピル基又はエチル基である。
【0058】
一層好ましくは、式II中、Rはt-ブチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基である。
【0059】
一層好ましくは、式III中、R及びRは、それぞれ独立して、t-ブチル基、シクロヘキシル基又はメチル基である。
【0060】
本発明に係るハロゲン含有化合物は特にエチレンオリゴマー化反応用触媒のリガンドとして好適であり、前記触媒のリガンドが前記ハロゲン含有化合物を含有する場合、触媒の触媒化性能は明らかに向上する。
【0061】
本発明の第2の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様に記載のハロゲン含有化合物の、エチレンオリゴマー化触媒組成物のリガンドとしての使用を提供する。
【0062】
本発明に係るハロゲン含有化合物は、エチレンオリゴマー化によく使用される遷移金属化合物及び助触媒と組み合わせて使用し得る。
【0063】
好ましい一実施形態では、前記触媒組成物は遷移金属化合物、助触媒、及び前記ハロゲン含有化合物を含有する。
【0064】
前記遷移金属化合物中の遷移金属元素はクロム、モリブデン、鉄、チタン、ジルコニウム又はニッケルであってもよい。そのような場合、前記遷移金属化合物は、クロムの化合物、モリブデンの化合物、鉄の化合物、チタンの化合物、ジルコニウムの化合物及びニッケルの化合物から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
【0065】
前記遷移金属化合物は、アセチルアセトンの遷移金属塩、カルボン酸の遷移金属塩、及びテトラヒドロフラン遷移金属錯体から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
【0066】
前記遷移金属化合物は、好ましくは、クロム(III)アセチルアセトナート、イソオクタン酸クロム、トリス(テトラヒドロフラン)三塩化クロム及びジ(テトラヒドロフラン)二塩化クロムから選ばれる少なくとも1種である。
【0067】
前記ハロゲン含有化合物と前記遷移金属化合物とのモル比は1:0.1~10、例えば、1:0.1、1:0.2、1:0.3、1:0.4、1:0.5、1:0.6、1:0.7、1:0.8、1:0.9、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.1、1:2.2、1:2.3、1:2.4、1:2.5、1:2.6、1:2.7、1:2.8、1:2.9、1:3、1:3.1、1:3.2、1:3.3、1:3.4、1:3.5、1:3.6、1:3.7、1:3.8、1:3.9、1:4、1:4.1、1:4.2、1:4.3、1:4.4、1:4.5、1:4.6、1:4.7、1:4.8、1:4.9、1:5、1:5.1、1:5.2、1:5.3、1:5.4、1:5.5、1:5.6、1:5.7、1:5.8、1:5.9、1:6、1:6.1、1:6.2、1:6.3、1:6.4、1:6.5、1:6.6、1:6.7、1:6.8、1:6.9、1:7、1:7.1、1:7.2、1:7.3、1:7.4、1:7.5、1:7.6、1:7.7、1:7.8、1:7.9、1:8、1:8.1、1:8.2、1:8.3、1:8.4、1:8.5、1:8.6、1:8.7、1:8.8、1:8.9、1:9、1:9.1、1:9.2、1:9.3、1:9.4、1:9.5、1:9.6、1:9.7、1:9.8、1:9.9又は1:10であってもよい。
【0068】
好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記遷移金属化合物とのモル比は1:0.25~2である。より好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記遷移金属化合物とのモル比は1:0.5~2である。さらに好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記遷移金属化合物とのモル比は1:0.5~1である。一層好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記遷移金属化合物とのモル比は1:0.5~0.8である。
【0069】
前記助触媒はアルミニウム含有助触媒であってもよい。好ましくは、前記助触媒は有機アルミニウム化合物である。より好ましくは、前記助触媒は、アルキルアルミニウム、アルコキシアルミニウム及びハロアルキルアルミニウムから選ばれる少なくとも1種である。さらに好ましくは、前記助触媒は、メチルアルミノキサン、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn-ヘキシルアルミニウム、トリn-オクチルアルミニウム、モノクロロジエチルアルミニウム、ジクロロエチルアルミニウム、エチルアルミノキサン、及び変性メチルアルミノキサンから選ばれる少なくとも1種である。一層好ましくは、前記助触媒は、変性メチルアルミノキサン、メチルアルミノキサン、及びトリエチルアルミニウムから選ばれる少なくとも1種である。特に好ましくは、前記助触媒は変性メチルアルミノキサンである。本発明では、「変性メチルアルミノキサン」とは、アルキル基で変性されたメチルアルミノキサン、例えばブチル基で変性されたメチルアルミノキサンである。前記変性メチルアルミノキサンはアクゾノーベル社から購入された変性メチルアルミノキサンであってもよい。
【0070】
前記ハロゲン含有化合物と前記助触媒とのモル比は1:1~1000であってもよい。好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記助触媒とのモル比は1:10~700である。より好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記助触媒とのモル比は1:100~500、例えば、1:100、1:105、1:110、1:115、1:120、1:125、1:130、1:135、1:140、1:145、1:150、1:155、1:160、1:165、1:170、1:175、1:180、1:185、1:190、1:195、1:200、1:205、1:210、1:215、1:220、1:225、1:230、1:235、1:240、1:245、1:250、1:255、1:260、1:265、1:270、1:275、1:280、1:285、1:290、1:295、1:300、1:305、1:310、1:315、1:320、1:325、1:330、1:335、1:340、1:345、1:350、1:355、1:360、1:365、1:370、1:375、1:380、1:385、1:390、1:395、1:400、1:405、1:410、1:415、1:420、1:425、1:430、1:435、1:440、1:445、1:450、1:455、1:460、1:465、1:470、1:475、1:480、1:485、1:490、1:495又は1:500である。
【0071】
さらに好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記助触媒とのモル比は1:150~300である。一層好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記助触媒とのモル比は1:200~280である。
【0072】
本発明の第3の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様に記載のハロゲン含有化合物から選ばれる少なくとも1種、少なくとも1種の遷移金属化合物、及び少なくとも1種助触媒を含有するエチレンオリゴマー化触媒組成物を提供する。前記ハロゲン含有化合物及びその調製方法は以上で説明したため、ここでは詳しく説明しない。
【0073】
前記ハロゲン含有化合物と前記遷移金属化合物とのモル比は1:0.1~10、例えば、1:0.1、1:0.2、1:0.3、1:0.4、1:0.5、1:0.6、1:0.7、1:0.8、1:0.9、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.1、1:2.2、1:2.3、1:2.4、1:2.5、1:2.6、1:2.7、1:2.8、1:2.9、1:3、1:3.1、1:3.2、1:3.3、1:3.4、1:3.5、1:3.6、1:3.7、1:3.8、1:3.9、1:4、1:4.1、1:4.2、1:4.3、1:4.4、1:4.5、1:4.6、1:4.7、1:4.8、1:4.9、1:5、1:5.1、1:5.2、1:5.3、1:5.4、1:5.5、1:5.6、1:5.7、1:5.8、1:5.9、1:6、1:6.1、1:6.2、1:6.3、1:6.4、1:6.5、1:6.6、1:6.7、1:6.8、1:6.9、1:7、1:7.1、1:7.2、1:7.3、1:7.4、1:7.5、1:7.6、1:7.7、1:7.8、1:7.9、1:8、1:8.1、1:8.2、1:8.3、1:8.4、1:8.5、1:8.6、1:8.7、1:8.8、1:8.9、1:9、1:9.1、1:9.2、1:9.3、1:9.4、1:9.5、1:9.6、1:9.7、1:9.8、1:9.9又は1:10であってもよい。
【0074】
好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記遷移金属化合物とのモル比は1:0.25~2である。より好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記遷移金属化合物とのモル比は1:0.5~2である。さらに好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記遷移金属化合物とのモル比は1:0.5~1である。一層好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記遷移金属化合物とのモル比は1:0.5~0.8である。
【0075】
前記助触媒可はアルミニウム含有助触媒であってもよい。好ましくは、前記助触媒は有機アルミニウム化合物である。より好ましくは、前記助触媒は、アルキルアルミニウム、アルコキシアルミニウム及びハロアルキルアルミニウムから選ばれる少なくとも1種である。さらに好ましくは、前記助触媒は、メチルアルミノキサン、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn-ヘキシルアルミニウム、トリn-オクチルアルミニウム、モノクロロジエチルアルミニウム、ジクロロエチルアルミニウム、エチルアルミノキサン、及び変性メチルアルミノキサンから選ばれる少なくとも1種である。一層好ましくは、前記助触媒は、変性メチルアルミノキサン、メチルアルミノキサン、及びトリエチルアルミニウムから選ばれる少なくとも1種である。特に好ましくは、前記助触媒は変性メチルアルミノキサンである。
【0076】
前記ハロゲン含有化合物と前記助触媒とのモル比は1:1~1000であってもよい。好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記助触媒とのモル比は1:10~700である。より好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記助触媒とのモル比は1:100~500、例えば、1:100、1:105、1:110、1:115、1:120、1:125、1:130、1:135、1:140、1:145、1:150、1:155、1:160、1:165、1:170、1:175、1:180、1:185、1:190、1:195、1:200、1:205、1:210、1:215、1:220、1:225、1:230、1:235、1:240、1:245、1:250、1:255、1:260、1:265、1:270、1:275、1:280、1:285、1:290、1:295、1:300、1:305、1:310、1:315、1:320、1:325、1:330、1:335、1:340、1:345、1:350、1:355、1:360、1:365、1:370、1:375、1:380、1:385、1:390、1:395、1:400、1:405、1:410、1:415、1:420、1:425、1:430、1:435、1:440、1:445、1:450、1:455、1:460、1:465、1:470、1:475、1:480、1:485、1:490、1:495又は1:500である。
【0077】
さらに好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記助触媒とのモル比は1:150~300である。一層好ましくは、前記ハロゲン含有化合物と前記助触媒とのモル比は1:200~280である。
【0078】
本発明の第4の態様によれば、本発明は、エチレンを本発明の第3の態様に記載の触媒組成物と接触させることを含むエチレンオリゴマー化方法を提供する。
【0079】
本発明に係るエチレンオリゴマー化方法では、前記接触は、好ましくは少なくとも1種の有機溶媒で行われる。前記有機溶媒はオリゴマー化生成物を溶解可能な溶媒であり、アルカン、シクロアルカン、及び芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種であってもよく、好ましくは、C-C12のアルカン、C-C12のシクロアルカン、及びC-C12の芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種である。前記有機溶媒の具体例には、ヘキサン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2,3-ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、ヘプタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、メチルシクロヘキサン、2-エチルペンタン、3-エチルペンタン、2,3-ジメチルペンタン、2,4-ジメチルペンタン、オクタン、2-メチルヘプタン、3-メチルヘプタン、4-メチルヘプタン、2,3-ジメチルヘキサン、2,4-ジメチルヘキサン、2,5-ジメチルヘキサン、3-エチルヘキサン、2,2,3-トリメチルペンタン、2,3,3-トリメチルペンタン、2,4,4-トリメチルペンタン、2-メチル-3-エチルペンタン、ノナン、2-メチルオクタン、3-メチルオクタン、4-メチルオクタン、2,3-ジメチルヘプタン、2,4-ジメチルヘプタン、3-エチルヘプタン、4-エチルヘプタン、2,3,4-トリメチルヘキサン、2,3,5-トリメチルヘキサン、2,4,5-トリメチルヘキサン、2,2,3-トリメチルヘキサン、2,2,4-トリメチルヘキサン、2,2,5-トリメチルヘキサン、2,3,3-トリメチルヘキサン、2,4,4-トリメチルヘキサン、2-メチル-3-エチルヘキサン、2-メチル-4-エチルヘキサン、3-メチル-3-エチルヘキサン、3-メチル-4-エチルヘキサン、3,3-ジエチルペンタン、1-メチル-2-エチルシクロヘキサン、1-メチル-3-エチルシクロヘキサン、1-メチル-4-エチルシクロヘキサン、n-プロピルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン(トリメチルシクロヘキサンの様々な異性体、例えば1,2,3-トリメチルシクロヘキサン、1,2,4-トリメチルシクロヘキサン、1,2,5-トリメチルシクロヘキサン、1,3,5-トリメチルシクロヘキサンを含む)、デカン、2-メチルノナン、3-メチルノナン、4-メチルノナン、5-メチルノナン、2,3-ジメチルオクタン、2,4-ジメチルオクタン、3-エチルオクタン、4-エチルオクタン、2,3,4-トリメチルヘプタン、2,3,5-トリメチルヘプタン、2,3,6-トリメチルヘプタン、2,4,5-トリメチルヘプタン、2,4,6-トリメチルヘプタン、2,2,3-トリメチルヘプタン、2,2,4-トリメチルヘプタン、2,2,5-トリメチルヘプタン、2,2,6-トリメチルヘプタン、2,3,3-トリメチルヘプタン、2,4,4-トリメチルヘプタン、2-メチル-3-エチルヘプタン、2-メチル-4-エチルヘプタン、2-メチル-5-エチルヘプタン、3-メチル-3-エチルヘプタン、4-メチル-3-エチルヘプタン、5-メチル-3-エチルヘプタン、4-メチル-4-エチルヘプタン、4-プロピルヘプタン、3,3-ジエチルヘキサン、3,4-ジエチルヘキサン、2-メチル-3,3-ジエチルペンタン、1,2-ジエチルシクロヘキサン、1,3-ジエチルシクロヘキサン、1,4-ジエチルシクロヘキサン、n-ブチルシクロヘキサン、イソブチルシクロヘキサン、t-ブチルシクロヘキサン、テトラメチルシクロヘキサン(テトラメチルシクロヘキサンの様々な異性体、例えば1,2,3,4-テトラメチルシクロヘキサン、1,2,4,5-テトラメチルシクロヘキサン、1,2,3,5-テトラメチルシクロヘキサンを含む)、トルエン、エチルベンゼン、及びキシレン(オルトキシレン、メタキシレン、及びパラキシレンを含む)を含むが、これらに限定されない。前記有機溶媒は、より好ましくは、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、及びキシレンから選ばれる少なくとも1種である。
【0080】
本発明では、有機溶媒の用量について特に限定がなく、一般的な選択であってもよい。一般には、前記有機溶媒の用量は触媒組成物の濃度を1~20μmol/Lとし、前記触媒組成物は遷移金属化合物中の遷移金属元素で換算する。具体的には、前記有機溶媒の用量は触媒組成物の濃度を1μmol/L、2μmol/L、3μmol/L、4μmol/L、5μmol/L、6μmol/L、7μmol/L、8μmol/L、9μmol/L、10μmol/L、11μmol/L、12μmol/L、13μmol/L、14μmol/L、15μmol/L、16μmol/L、17μmol/L、18μmol/L、19μmol/L又は20μmol/Lとし、前記触媒組成物は遷移金属化合物中の遷移金属元素で換算する。好ましくは、前記有機溶媒の用量は触媒組成物の濃度を5-10μmol/Lとし、前記触媒組成物は遷移金属化合物中の遷移金属元素で換算する。
【0081】
本発明に係るエチレンオリゴマー化方法では、前記接触は0~200℃、例えば、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、80℃、81℃、82℃、83℃、84℃、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃、90℃、91℃、92℃、93℃、94℃、95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、100℃、101℃、102℃、103℃、104℃、105℃、106℃、107℃、108℃、109℃、110℃、111℃、112℃、113℃、114℃、115℃、116℃、117℃、118℃、119℃、120℃、121℃、122℃、123℃、124℃、125℃、126℃、127℃、128℃、129℃、130℃、131℃、132℃、133℃、134℃、135℃、136℃、137℃、138℃、139℃、140℃、141℃、142℃、143℃、144℃、145℃、146℃、147℃、148℃、149℃、150℃、151℃、152℃、153℃、154℃、155℃、156℃、157℃、158℃、159℃、160℃、161℃、162℃、163℃、164℃、165℃、166℃、167℃、168℃、169℃、170℃、171℃、172℃、173℃、174℃、175℃、176℃、177℃、178℃、179℃、180℃、181℃、182℃、183℃、184℃、185℃、186℃、187℃、188℃、189℃、190℃、191℃、192℃、193℃、194℃、195℃、196℃、197℃、198℃、199℃又は200℃の温度で行われる。
【0082】
好ましくは、前記接触は0~100℃の温度で行われる。より好ましくは、前記接触は30~90℃の温度で行われる。
【0083】
本発明に係るエチレンオリゴマー化方法では、前記エチレンの圧力は0.1~20MPa、例えば、0.1MPa、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、0.5MPa、0.6MPa、0.7MPa、0.8MPa、0.9MPa、1MPa、1.1MPa、1.2MPa、1.3MPa、1.4MPa、1.5MPa、1.6MPa、1.7MPa、1.8MPa、1.9MPa、2MPa、2.1MPa、2.2MPa、2.3MPa、2.4MPa、2.5MPa、2.6MPa、2.7MPa、2.8MPa、2.9MPa、3MPa、3.1MPa、3.2MPa、3.3MPa、3.4MPa、3.5MPa、3.6MPa、3.7MPa、3.8MPa、3.9MPa、4MPa、4.1MPa、4.2MPa、4.3MPa、4.4MPa、4.5MPa、4.6MPa、4.7MPa、4.8MPa、4.9MPa、5MPa、5.1MPa、5.2MPa、5.3MPa、5.4MPa、5.5MPa、5.6MPa、5.7MPa、5.8MPa、5.9MPa、6MPa、6.1MPa、6.2MPa、6.3MPa、6.4MPa、6.5MPa、6.6MPa、6.7MPa、6.8MPa、6.9MPa、7MPa、7.1MPa、7.2MPa、7.3MPa、7.4MPa、7.5MPa、7.6MPa、7.7MPa、7.8MPa、7.9MPa、8MPa、8.1MPa、8.2MPa、8.3MPa、8.4MPa、8.5MPa、8.6MPa、8.7MPa、8.8MPa、8.9MPa、9MPa、9.1MPa、9.2MPa、9.3MPa、9.4MPa、9.5MPa、9.6MPa、9.7MPa、9.8MPa、9.9MPa、10MPa、10.1MPa、10.2MPa、10.3MPa、10.4MPa、10.5MPa、10.6MPa、10.7MPa、10.8MPa、10.9MPa、11MPa、11.1MPa、11.2MPa、11.3MPa、11.4MPa、11.5MPa、11.6MPa、11.7MPa、11.8MPa、11.9MPa、12MPa、12.1MPa、12.2MPa、12.3MPa、12.4MPa、12.5MPa、12.6MPa、12.7MPa、12.8MPa、12.9MPa、13MPa、13.1MPa、13.2MPa、13.3MPa、13.4MPa、13.5MPa、13.6MPa、13.7MPa、13.8MPa、13.9MPa、14MPa、14.1MPa、14.2MPa、14.3MPa、14.4MPa、14.5MPa、14.6MPa、14.7MPa、14.8MPa、14.9MPa、15MPa、15.1MPa、15.2MPa、15.3MPa、15.4MPa、15.5MPa、15.6MPa、15.7MPa、15.8MPa、15.9MPa、16MPa、16.1MPa、16.2MPa、16.3MPa、16.4MPa、16.5MPa、16.6MPa、16.7MPa、16.8MPa、16.9MPa、17MPa、17.1MPa、17.2MPa、17.3MPa、17.4MPa、17.5MPa、17.6MPa、17.7MPa、17.8MPa、17.9MPa、18MPa、18.1MPa、18.2MPa、18.3MPa、18.4MPa、18.5MPa、18.6MPa、18.7MPa、18.8MPa、18.9MPa、19MPa、19.1MPa、19.2MPa、19.3MPa、19.4MPa、19.5MPa、19.6MPa、19.7MPa、19.8MPa、19.9MPa又は20MPaであってもよい。
【0084】
好ましくは、前記エチレンの圧力は0.5~10MPaである。より好ましくは、前記エチレンの圧力は2~8MPaである。
【0085】
本発明に係るエチレンオリゴマー化方法は、一般的な方法により行われ得る。一実施形態では、ハロゲン含有化合物、遷移金属化合物及び助触媒を混合した後、反応器に投入し、任意の有機溶媒の存在下、エチレンと接触させ、オリゴマー化反応を行う。別の実施形態では、ハロゲン含有化合物、遷移金属化合物及び助触媒をそれぞれ反応器に投入し、任意の有機溶媒の存在下、エチレンと接触させ、オリゴマー化反応を行う。
【0086】
本発明の第5の態様によれば、本発明は、エチレンを本発明の第3の態様に記載の触媒組成物と60℃以上の温度で接触させることを含むエチレン三量化方法を提供する。本発明では、「エチレン三量化」とは、エチレン三量化反応により形成される生成物がC6オレフィン(即ち、ヘキセン)を主とすることを意味し、C6オレフィンの含有量が50重量%以上であってもよく、好ましくは60重量%以上である。
【0087】
本発明に係るエチレン三量化方法では、前記接触の温度は、好ましくは60~90℃、例えば60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、80℃、81℃、82℃、83℃、84℃、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃又は90℃であってもよい。
【0088】
本発明に係るエチレン三量化方法では、前記接触は、好ましくは、少なくとも1種の有機溶媒で行われる。前記有機溶媒はオリゴマー化生成物を溶解可能な溶媒であり、アルカン、シクロアルカン、及び芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種であってもよく、好ましくは、C-C12のアルカン、C-C12のシクロアルカン、及びC-C12の芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種である。前記有機溶媒の具体例には、ヘキサン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2,3-ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、ヘプタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、メチルシクロヘキサン、2-エチルペンタン、3-エチルペンタン、2,3-ジメチルペンタン、2,4-ジメチルペンタン、オクタン、2-メチルヘプタン、3-メチルヘプタン、4-メチルヘプタン、2,3-ジメチルヘキサン、2,4-ジメチルヘキサン、2,5-ジメチルヘキサン、3-エチルヘキサン、2,2,3-トリメチルペンタン、2,3,3-トリメチルペンタン、2,4,4-トリメチルペンタン、2-メチル-3-エチルペンタン、ノナン、2-メチルオクタン、3-メチルオクタン、4-メチルオクタン、2,3-ジメチルヘプタン、2,4-ジメチルヘプタン、3-エチルヘプタン、4-エチルヘプタン、2,3,4-トリメチルヘキサン、2,3,5-トリメチルヘキサン、2,4,5-トリメチルヘキサン、2,2,3-トリメチルヘキサン、2,2,4-トリメチルヘキサン、2,2,5-トリメチルヘキサン、2,3,3-トリメチルヘキサン、2,4,4-トリメチルヘキサン、2-メチル-3-エチルヘキサン、2-メチル-4-エチルヘキサン、3-メチル-3-エチルヘキサン、3-メチル-4-エチルヘキサン、3,3-ジエチルペンタン、1-メチル-2-エチルシクロヘキサン、1-メチル-3-エチルシクロヘキサン、1-メチル-4-エチルシクロヘキサン、n-プロピルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン(トリメチルシクロヘキサンの様々な異性体、例えば1,2,3-トリメチルシクロヘキサン、1,2,4-トリメチルシクロヘキサン、1,2,5-トリメチルシクロヘキサン、1,3,5-トリメチルシクロヘキサンを含む)、デカン、2-メチルノナン、3-メチルノナン、4-メチルノナン、5-メチルノナン、2,3-ジメチルオクタン、2,4-ジメチルオクタン、3-エチルオクタン、4-エチルオクタン、2,3,4-トリメチルヘプタン、2,3,5-トリメチルヘプタン、2,3,6-トリメチルヘプタン、2,4,5-トリメチルヘプタン、2,4,6-トリメチルヘプタン、2,2,3-トリメチルヘプタン、2,2,4-トリメチルヘプタン、2,2,5-トリメチルヘプタン、2,2,6-トリメチルヘプタン、2,3,3-トリメチルヘプタン、2,4,4-トリメチルヘプタン、2-メチル-3-エチルヘプタン、2-メチル-4-エチルヘプタン、2-メチル-5-エチルヘプタン、3-メチル-3-エチルヘプタン、4-メチル-3-エチルヘプタン、5-メチル-3-エチルヘプタン、4-メチル-4-エチルヘプタン、4-プロピルヘプタン、3,3-ジエチルヘキサン、3,4-ジエチルヘキサン、2-メチル-3,3-ジエチルペンタン、1,2-ジエチルシクロヘキサン、1,3-ジエチルシクロヘキサン、1,4-ジエチルシクロヘキサン、n-ブチルシクロヘキサン、イソブチルシクロヘキサン、t-ブチルシクロヘキサン、テトラメチルシクロヘキサン(テトラメチルシクロヘキサンの様々な異性体、例えば1,2,3,4-テトラメチルシクロヘキサン、1,2,4,5-テトラメチルシクロヘキサン、1,2,3,5-テトラメチルシクロヘキサンを含む)、トルエン、エチルベンゼン、及びキシレン(オルトキシレン、メタキシレン及びパラキシレンを含む)を含むが、これらに限定されない。前記有機溶媒は、より好ましくは、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、及びキシレンから選ばれる少なくとも1種である。
【0089】
本発明では、有機溶媒の用量について特に限定がなく、一般的な選択であってもよい。一般には、前記有機溶媒の用量は触媒組成物の濃度を1~20μmol/Lとし、前記触媒組成物は遷移金属化合物中の遷移金属元素で換算する。具体的には、前記有機溶媒の用量は触媒組成物の濃度を1μmol/L、2μmol/L、3μmol/L、4μmol/L、5μmol/L、6μmol/L、7μmol/L、8μmol/L、9μmol/L、10μmol/L、11μmol/L、12μmol/L、13μmol/L、14μmol/L、15μmol/L、16μmol/L、17μmol/L、18μmol/L、19μmol/L又は20μmol/Lとし、前記触媒組成物は遷移金属化合物中の遷移金属元素で換算する。好ましくは、前記有機溶媒の用量は触媒組成物の濃度を5-10μmol/Lとし、前記触媒組成物は遷移金属化合物中の遷移金属元素で換算する。
【0090】
本発明に係るエチレン三量化方法では、前記エチレンの圧力は0.1~20MPa、例えば、0.1MPa、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、0.5MPa、0.6MPa、0.7MPa、0.8MPa、0.9MPa、1MPa、1.1MPa、1.2MPa、1.3MPa、1.4MPa、1.5MPa、1.6MPa、1.7MPa、1.8MPa、1.9MPa、2MPa、2.1MPa、2.2MPa、2.3MPa、2.4MPa、2.5MPa、2.6MPa、2.7MPa、2.8MPa、2.9MPa、3MPa、3.1MPa、3.2MPa、3.3MPa、3.4MPa、3.5MPa、3.6MPa、3.7MPa、3.8MPa、3.9MPa、4MPa、4.1MPa、4.2MPa、4.3MPa、4.4MPa、4.5MPa、4.6MPa、4.7MPa、4.8MPa、4.9MPa、5MPa、5.1MPa、5.2MPa、5.3MPa、5.4MPa、5.5MPa、5.6MPa、5.7MPa、5.8MPa、5.9MPa、6MPa、6.1MPa、6.2MPa、6.3MPa、6.4MPa、6.5MPa、6.6MPa、6.7MPa、6.8MPa、6.9MPa、7MPa、7.1MPa、7.2MPa、7.3MPa、7.4MPa、7.5MPa、7.6MPa、7.7MPa、7.8MPa、7.9MPa、8MPa、8.1MPa、8.2MPa、8.3MPa、8.4MPa、8.5MPa、8.6MPa、8.7MPa、8.8MPa、8.9MPa、9MPa、9.1MPa、9.2MPa、9.3MPa、9.4MPa、9.5MPa、9.6MPa、9.7MPa、9.8MPa、9.9MPa、10MPa、10.1MPa、10.2MPa、10.3MPa、10.4MPa、10.5MPa、10.6MPa、10.7MPa、10.8MPa、10.9MPa、11MPa、11.1MPa、11.2MPa、11.3MPa、11.4MPa、11.5MPa、11.6MPa、11.7MPa、11.8MPa、11.9MPa、12MPa、12.1MPa、12.2MPa、12.3MPa、12.4MPa、12.5MPa、12.6MPa、12.7MPa、12.8MPa、12.9MPa、13MPa、13.1MPa、13.2MPa、13.3MPa、13.4MPa、13.5MPa、13.6MPa、13.7MPa、13.8MPa、13.9MPa、14MPa、14.1MPa、14.2MPa、14.3MPa、14.4MPa、14.5MPa、14.6MPa、14.7MPa、14.8MPa、14.9MPa、15MPa、15.1MPa、15.2MPa、15.3MPa、15.4MPa、15.5MPa、15.6MPa、15.7MPa、15.8MPa、15.9MPa、16MPa、16.1MPa、16.2MPa、16.3MPa、16.4MPa、16.5MPa、16.6MPa、16.7MPa、16.8MPa、16.9MPa、17MPa、17.1MPa、17.2MPa、17.3MPa、17.4MPa、17.5MPa、17.6MPa、17.7MPa、17.8MPa、17.9MPa、18MPa、18.1MPa、18.2MPa、18.3MPa、18.4MPa、18.5MPa、18.6MPa、18.7MPa、18.8MPa、18.9MPa、19MPa、19.1MPa、19.2MPa、19.3MPa、19.4MPa、19.5MPa、19.6MPa、19.7MPa、19.8MPa、19.9MPa又は20MPaであってもよい。
【0091】
好ましくは、前記エチレンの圧力は0.5~5MPaである。より好ましくは、前記エチレンの圧力は1~4MPaである。さらに好ましくは、前記エチレンの圧力は2~3MPaである。
【0092】
本発明に係るエチレン三量化方法は、一般的な方法により行われ得る。一実施形態では、ハロゲン含有化合物、遷移金属化合物及び助触媒を混合した後、反応器に投入し、任意の有機溶媒の存在下、エチレンと接触させ、オリゴマー化反応を行う。別の実施形態では、ハロゲン含有化合物、遷移金属化合物及び助触媒をそれぞれ反応器に投入し、任意の有機溶媒の存在下、エチレンと接触させ、オリゴマー化反応を行う。
【0093】
本発明の第4の態様によれば、本発明は、エチレンを本発明の第3の態様に記載の触媒組成物と60℃未満の温度で接触させることを含むエチレン四量化方法を提供する。本発明では、「エチレン四量化」とは、エチレン四量化反応形成の生成物がC8オレフィン(即ち、オクテン)を主とすることを意味し、C8オレフィンの含有量が50重量%以上であってもよく、好ましくは55重量%以上である。
【0094】
本発明に係るエチレン四量化方法では、前記接触の温度は、好ましくは30~50℃であり、例えば30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃又は50℃であってもよい。
【0095】
本発明に係るエチレン四量化方法では、前記接触は、好ましくは少なくとも1種の有機溶媒で行われる。前記有機溶媒は四量化生成物を溶解可能な溶媒であり、アルカン、シクロアルカン、及び芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種であってもよく、好ましくは、C-C12のアルカン、C-C12のシクロアルカン、及びC-C12の芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種である。前記有機溶媒の具体例には、ヘキサン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2,3-ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、ヘプタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、メチルシクロヘキサン、2-エチルペンタン、3-エチルペンタン、2,3-ジメチルペンタン、2,4-ジメチルペンタン、オクタン、2-メチルヘプタン、3-メチルヘプタン、4-メチルヘプタン、2,3-ジメチルヘキサン、2,4-ジメチルヘキサン、2,5-ジメチルヘキサン、3-エチルヘキサン、2,2,3-トリメチルペンタン、2,3,3-トリメチルペンタン、2,4,4-トリメチルペンタン、2-メチル-3-エチルペンタン、ノナン、2-メチルオクタン、3-メチルオクタン、4-メチルオクタン、2,3-ジメチルヘプタン、2,4-ジメチルヘプタン、3-エチルヘプタン、4-エチルヘプタン、2,3,4-トリメチルヘキサン、2,3,5-トリメチルヘキサン、2,4,5-トリメチルヘキサン、2,2,3-トリメチルヘキサン、2,2,4-トリメチルヘキサン、2,2,5-トリメチルヘキサン、2,3,3-トリメチルヘキサン、2,4,4-トリメチルヘキサン、2-メチル-3-エチルヘキサン、2-メチル-4-エチルヘキサン、3-メチル-3-エチルヘキサン、3-メチル-4-エチルヘキサン、3,3-ジエチルペンタン、1-メチル-2-エチルシクロヘキサン、1-メチル-3-エチルシクロヘキサン、1-メチル-4-エチルシクロヘキサン、n-プロピルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン(トリメチルシクロヘキサンの様々な異性体、例えば1,2,3-トリメチルシクロヘキサン、1,2,4-トリメチルシクロヘキサン、1,2,5-トリメチルシクロヘキサン、1,3,5-トリメチルシクロヘキサンを含む)、デカン、2-メチルノナン、3-メチルノナン、4-メチルノナン、5-メチルノナン、2,3-ジメチルオクタン、2,4-ジメチルオクタン、3-エチルオクタン、4-エチルオクタン、2,3,4-トリメチルヘプタン、2,3,5-トリメチルヘプタン、2,3,6-トリメチルヘプタン、2,4,5-トリメチルヘプタン、2,4,6-トリメチルヘプタン、2,2,3-トリメチルヘプタン、2,2,4-トリメチルヘプタン、2,2,5-トリメチルヘプタン、2,2,6-トリメチルヘプタン、2,3,3-トリメチルヘプタン、2,4,4-トリメチルヘプタン、2-メチル-3-エチルヘプタン、2-メチル-4-エチルヘプタン、2-メチル-5-エチルヘプタン、3-メチル-3-エチルヘプタン、4-メチル-3-エチルヘプタン、5-メチル-3-エチルヘプタン、4-メチル-4-エチルヘプタン、4-プロピルヘプタン、3,3-ジエチルヘキサン、3,4-ジエチルヘキサン、2-メチル-3,3-ジエチルペンタン、1,2-ジエチルシクロヘキサン、1,3-ジエチルシクロヘキサン、1,4-ジエチルシクロヘキサン、n-ブチルシクロヘキサン、イソブチルシクロヘキサン、t-ブチルシクロヘキサン、テトラメチルシクロヘキサン(テトラメチルシクロヘキサンの様々な異性体、例えば1,2,3,4-テトラメチルシクロヘキサン、1,2,4,5-テトラメチルシクロヘキサン、1,2,3,5-テトラメチルシクロヘキサンを含む)、トルエン、エチルベンゼン、及びキシレン(オルトキシレン、メタキシレン及びパラキシレンを含む)を含むが、これらに限定されない。前記有機溶媒は、より好ましくは、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、及びキシレンから選ばれる少なくとも1種である。
【0096】
本発明では、有機溶媒の用量について特に限定がなく、一般的な選択であってもよい。一般には、前記有機溶媒の用量は触媒組成物の濃度を1~20μmol/Lとし、前記触媒組成物は遷移金属化合物中の遷移金属元素で換算する。具体的には、前記有機溶媒の用量は触媒組成物の濃度を1μmol/L、2μmol/L、3μmol/L、4μmol/L、5μmol/L、6μmol/L、7μmol/L、8μmol/L、9μmol/L、10μmol/L、11μmol/L、12μmol/L、13μmol/L、14μmol/L、15μmol/L、16μmol/L、17μmol/L、18μmol/L、19μmol/L又は20μmol/Lとし、前記触媒組成物は遷移金属化合物中の遷移金属元素で換算する。好ましくは、前記有機溶媒の用量は触媒組成物の濃度を5-10μmol/Lとし、前記触媒組成物は遷移金属化合物中の遷移金属元素で換算する。
【0097】
本発明に係るエチレン四量化方法では、前記エチレンの圧力は、0.1~20MPa、例えば、0.1MPa、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、0.5MPa、0.6MPa、0.7MPa、0.8MPa、0.9MPa、1MPa、1.1MPa、1.2MPa、1.3MPa、1.4MPa、1.5MPa、1.6MPa、1.7MPa、1.8MPa、1.9MPa、2MPa、2.1MPa、2.2MPa、2.3MPa、2.4MPa、2.5MPa、2.6MPa、2.7MPa、2.8MPa、2.9MPa、3MPa、3.1MPa、3.2MPa、3.3MPa、3.4MPa、3.5MPa、3.6MPa、3.7MPa、3.8MPa、3.9MPa、4MPa、4.1MPa、4.2MPa、4.3MPa、4.4MPa、4.5MPa、4.6MPa、4.7MPa、4.8MPa、4.9MPa、5MPa、5.1MPa、5.2MPa、5.3MPa、5.4MPa、5.5MPa、5.6MPa、5.7MPa、5.8MPa、5.9MPa、6MPa、6.1MPa、6.2MPa、6.3MPa、6.4MPa、6.5MPa、6.6MPa、6.7MPa、6.8MPa、6.9MPa、7MPa、7.1MPa、7.2MPa、7.3MPa、7.4MPa、7.5MPa、7.6MPa、7.7MPa、7.8MPa、7.9MPa、8MPa、8.1MPa、8.2MPa、8.3MPa、8.4MPa、8.5MPa、8.6MPa、8.7MPa、8.8MPa、8.9MPa、9MPa、9.1MPa、9.2MPa、9.3MPa、9.4MPa、9.5MPa、9.6MPa、9.7MPa、9.8MPa、9.9MPa、10MPa、10.1MPa、10.2MPa、10.3MPa、10.4MPa、10.5MPa、10.6MPa、10.7MPa、10.8MPa、10.9MPa、11MPa、11.1MPa、11.2MPa、11.3MPa、11.4MPa、11.5MPa、11.6MPa、11.7MPa、11.8MPa、11.9MPa、12MPa、12.1MPa、12.2MPa、12.3MPa、12.4MPa、12.5MPa、12.6MPa、12.7MPa、12.8MPa、12.9MPa、13MPa、13.1MPa、13.2MPa、13.3MPa、13.4MPa、13.5MPa、13.6MPa、13.7MPa、13.8MPa、13.9MPa、14MPa、14.1MPa、14.2MPa、14.3MPa、14.4MPa、14.5MPa、14.6MPa、14.7MPa、14.8MPa、14.9MPa、15MPa、15.1MPa、15.2MPa、15.3MPa、15.4MPa、15.5MPa、15.6MPa、15.7MPa、15.8MPa、15.9MPa、16MPa、16.1MPa、16.2MPa、16.3MPa、16.4MPa、16.5MPa、16.6MPa、16.7MPa、16.8MPa、16.9MPa、17MPa、17.1MPa、17.2MPa、17.3MPa、17.4MPa、17.5MPa、17.6MPa、17.7MPa、17.8MPa、17.9MPa、18MPa、18.1MPa、18.2MPa、18.3MPa、18.4MPa、18.5MPa、18.6MPa、18.7MPa、18.8MPa、18.9MPa、19MPa、19.1MPa、19.2MPa、19.3MPa、19.4MPa、19.5MPa、19.6MPa、19.7MPa、19.8MPa、19.9MPa又は20MPaであってもよい。
【0098】
好ましくは、前記エチレンの圧力は0.5~8MPaである。より好ましくは、前記エチレンの圧力は3~6MPaである。さらに好ましくは、前記エチレンの圧力は4~5MPaである。
【0099】
本発明に係るエチレン四量化方法は、一般的な方法により行われ得る。一実施形態では、ハロゲン含有化合物、遷移金属化合物及び助触媒を混合した後、反応器に投入し、任意の有機溶媒の存在下、エチレンと接触させ、オリゴマー化反応を行う。別の実施形態では、ハロゲン含有化合物、遷移金属化合物及び助触媒をそれぞれ反応器に投入し、任意の有機溶媒の存在下、エチレンと接触させ、オリゴマー化反応を行う。
【0100】
以下、実施例を参照して本発明を詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらにより制限されない。
【0101】
以下の実施例及び比較例では、核磁気共鳴分光分析にはBruker AV400型核磁気共鳴装置が使用され、核磁気共鳴の検出条件として、重水素化クロロホルムを溶媒、室温でテストする。
【0102】
以下の実施例及び比較例では、ガスクロマトグラフィー分析にはHP5890クロマトグラフを用いて検出を行い、ガスクロマトグラフィーの検出条件として、カラムにSE-54カラムが使用され、高純度窒素としてキャリアガスが使用され、FID検出器が使用される;カラム温度について2段プログラム温度が使用され、昇温プログラムは、具体的には、開始温度40℃で5分間保持し、次に30℃/minで300℃に昇温し、15分間保持することである。
【0103】
以下の実施例及び比較例では、触媒活性は、単位質量の触媒が単位重合時間内で生成する重合製品の質量であり、ここで、触媒は遷移金属化合物中の金属元素で換算し(モル換算)、重合時間は時間で計算し、重合製品はグラムで計算する。
【0104】
以下の実施例及び比較例では、選択性=(重合反応生成物中の目標生成物の質量/重合反応生成物の総質量)×100%。
【0105】
以下の実施例及び比較例に記載の略語の定義は以下のとおりである。
【0106】
Bu:t-ブチル基;
Pr:イソプロピル基;
Cy:シクロヘキシル基;
Ph:フェニル基;
Et:エチル基;
THF:テトラヒドロフラン;
acac:アセチルアセトン;
Me:メチル基。
【0107】
調製例1~12 本発明に係るハロゲン含有化合物を調製した。
【0108】
調製例1
調製例1 ハロゲン含有化合物Iを調製した。
【0109】
【化6】
【0110】
ハロゲン含有化合物Iの調製方法は上記の反応式を参照し、具体的なステップは以下のとおりである。
【0111】
窒素ガス保護下、反応フラスコ中の乾燥したテトラヒドロフラン15mLに、n-ブチルリチウム(11mmol)(6.6mLn-ブチルリチウムのヘキサン溶液、n-ブチルリチウムの濃度1.6M)を加え、0℃に降温し、撹拌しながら、ジフルオロフェニルホスフィンクロリド2.2g(10mmol)を加え、その後、アセチレン(11mmol)を加えて、0.5h撹拌し続けた後、温度を室温(25℃、下同)に上げ、2h撹拌し続けた。触媒化量の CuIと炭酸セシウムを加え、その後、ジフルオロフェニルホスフィンクロリド2.2g(10mmol)を加え、温度を90℃に昇温して90℃で4h撹拌した。反応終了後、室温に冷却して、反応混合物をろ過し、減圧してろ液を吸引乾燥し、残留物をシリカゲルカラム(石油エーテル(PE)/酢酸エチル(EA)=20:1)に通して、ハロゲン含有化合物Iを得た。
【0112】
調製した化合物について核磁気共鳴分析を行い、調製の化合物が式I(R、R、R及びRはすべてフッ素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、R及びRはすべて水素である。)で示されるハロゲン含有化合物であることを確認した
H1 NMR(400 MHz, CDCl3): δ = 7.30-7.00 (m, 16H), 5.06 (s, 2H)。
【0113】
調製例2
調製例2 ハロゲン含有化合物Iを調製した。
【0114】
本調製例では、ジフルオロフェニルホスフィンクロリドをジクロロフェニルホスフィンクロリドに変更した以外、調製例1と同じ方法によってハロゲン含有化合物を調製した。調製した化合物について核磁気共鳴分析を行い、調製した化合物が式I(R、R、R及びRはすべて塩素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、R及びRはすべて水素である。)で示される化合物であることを確認した。
【0115】
H1 NMR(400 MHz, CDCl3): δ = 7.30-7.00 (m, 16H), 5.18 (s, 2H)。
【0116】
調製例3
調製例3 ハロゲン含有化合物Iを調製した。
【0117】
【化7】
【0118】
ハロゲン含有化合物Iの調製方法は上記の反応式を参照し、具体的なステップは以下のとおりである。
【0119】
窒素ガス保護下、50mLの反応フラスコにt-ブチルアセチレン(11mmol)及び乾燥テトラヒドロフラン15mLを加え、次に、0℃でn-ブチルリチウム(11mmol)(6.6mLn-ブチルリチウムのヘキサン溶液、n-ブチルリチウム濃度1.6M)を滴下した。滴下完了後、0℃で30min撹拌し続け、その後、ジフルオロフェニルホスフィンクロリド2.2g(10mmol)を滴下し、滴下完了後、温度を室温(25℃、下同)に昇温し、2h撹拌し続けた。触媒化量のCuIと炭酸セシウムとを加え、その後、ジフルオロフェニルホスフィンクロリド2.2g(10mmol)を加え、温度を90℃に昇温し、90℃で4h撹拌し続けた。反応終了後、室温に冷却し、反応混合物をろ過して、減圧してろ液を吸引乾燥し、残留物をシリカゲルカラム(石油エーテル(PE)/酢酸エチル(EA)=20:1)に通して、ハロゲン含有化合物Iを得た。調製した化合物について核磁気共鳴分析を行い、調製した化合物が式I(R、R、R及びRはすべてフッ素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、RBuであり、Rは水素である。)で示されるハロゲン含有化合物であることを確認した。
【0120】
H1 NMR(400 MHz, CDCl3): δ = 7.27-7.00 (m, 16H), 4.95 (s, 1H), 1.16 (s, 9H)。
【0121】
調製例4
調製例4 ハロゲン含有化合物Iを調製した。
【0122】
本調製例では、t-ブチルアセチレンをイソプロピルアセチレンに変更した以外、調製例3と同じ方法によってハロゲン含有化合物を調製した。調製した化合物について核磁気共鳴分析を行い、調製した化合物が式I(R、R、R及びRはすべてフッ素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、RPrであり、Rは水素である。)で示されるハロゲン含有化合物であることを確認した。
【0123】
H1 NMR(400 MHz, CDCl3): δ = 7.29-7.00 (m, 16H), 4.96 (s, 1H), 2.50 (m, 1H), 1.12 (d, 6H)。
【0124】
調製例5
調製例5 ハロゲン含有化合物Iを調製した。
【0125】
本調製例では、t-ブチルアセチレンをシクロヘキシルアセチレンに変更した以外、調製例3と同じ方法によってハロゲン含有化合物を調製した。調製した化合物について核磁気共鳴分析を行い、調製した化合物が式I(R、R、R及びRはすべてフッ素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、RはCyであり、Rは水素である。)で示されるハロゲン含有化合物であることを確認した。
【0126】
H1 NMR(400 MHz, CDCl3): δ = 7.29-6.98 (m, 16H), 4.89 (s, 1H), 2.10 (m, 1H), 1.30-1.60 (m, 10H)。
【0127】
調製例6
調製例6 ハロゲン含有化合物Iを調製した。
【0128】
本調製例では、t-ブチルアセチレンをフェニルアセチレンに変更した以外、調製例3と同じ方法によってハロゲン含有化合物を調製した。調製した化合物について核磁気共鳴分析を行い、調製した化合物が式I(R、R、R及びRはすべてフッ素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、RはPhであり、Rは水素である。)で示される化合物であることを確認した。
【0129】
H1 NMR(400 MHz, CDCl3): δ = 7.35-7.00 (m, 21H), 5.55 (s, 1H).
調製例7
調製例7 ハロゲン含有化合物Iを調製した。
【0130】
本調製例では、t-ブチルアセチレンをプロピンに変更した以外、調製例3と同じ方法によってハロゲン含有化合物を調製した。調製した化合物について核磁気共鳴分析を行い、調製した化合物が式I(R、R、R及びRはすべてフッ素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、RはMeであり、Rは水素である。)で示される化合物であることを確認した。
【0131】
H1 NMR(400 MHz, CDCl3,): δ = 7.29-6.99 (m, 16H), 4.97 (s, 1H), 1.68 (s, 3H)。
【0132】
調製例8
調製例8 ハロゲン含有化合物Iを調製した。
【0133】
【化8】
【0134】
ハロゲン含有化合物Iの調製方法は上記の反応式を参照し、具体的なステップは以下のとおりである。
【0135】
窒素ガス保護下、50mLの反応フラスコに2-ブチン(11mmol)及び乾燥テトラヒドロフラン15mLを加え、次に、0℃でn-ブチルリチウム(11mmol)(6.6mLn-ブチルリチウムのヘキサン溶液、n-ブチルリチウム濃度1.6M)を滴下した。滴下完了後、0℃で30min撹拌し続け、その後、ジフルオロフェニルホスフィンクロリド2.2g(10mmol)を滴下し、滴下完了後、温度を室温(25℃、下同)に昇温し、2h撹拌し続けた。触媒化量のCuIと炭酸セシウムを加え、その後、ジフルオロフェニルホスフィンクロリド2.2g(10mmol)を加え、温度を90℃に昇温し、90℃で4h撹拌し続けた。反応終了後、室温に冷却し、反応混合物をろ過して、減圧してろ液を吸引乾燥し、残留物をシリカゲルカラム(石油エーテル(PE)/酢酸エチル(EA)=20:1)に通して、ハロゲン含有化合物Iを得た。
調製した化合物について核磁気共鳴分析を行い、調製した化合物が式I(R、R、R及びRはすべてフッ素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、R及びRはすべてMeである。)で示されるハロゲン含有化合物であることを確認した。
【0136】
H1 NMR(400 MHz, CDCl3): δ = 7.30-7.00 (m, 16H), 1.68 (s, 6H)。
【0137】
調製例9
調製例9 ハロゲン含有化合物Iを調製した。
【0138】
本調製例では、2-ブチンを2,5-ジメチル-3-ヘキシンに変更した以外、調製例8と同じ方法によってハロゲン含有化合物を調製した。調製した化合物について核磁気共鳴分析を行い、調製した化合物が式I(R、R、R及びRはすべてフッ素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、R及びRはすべてPrである。)で示されるハロゲン含有化合物であることを確認した。
【0139】
H1 NMR(400 MHz, CDCl3): δ = 7.35-7.00 (m, 16H), 2.70 (m, 2H), 1.15-1.10 (m, 12H)。
【0140】
調製例10
調製例10 ハロゲン含有化合物I10を調製した。
【0141】
本調製例では、2-ブチンをジシクロヘキシルアセチレンに変更した以外、調製例8と同じ方法によってハロゲン含有化合物を調製した。調製した化合物について核磁気共鳴分析を行い、調製した化合物が式I(R、R、R及びRはすべてフッ素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、R及びRはすべてCyである。)で示されるハロゲン含有化合物であることを確認した。
【0142】
H1 NMR(400 MHz, CDCl3): δ = 7.35-6.99 (m, 16H), 2.15 (m, 2H), 1.30-1.60 (m, 20H)。
【0143】
調製例11
調製例11 ハロゲン含有化合物I11を調製した。
【0144】
本調製例では、2-ブチンをジフェニルアセチレンに変更した以外、調製例8と同じ方法によってハロゲン含有化合物を調製した。調製した化合物について核磁気共鳴分析を行い、調製した化合物が式I(R、R、R及びRはすべてフッ素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、R及びRはすべてPhである。)で示されるハロゲン含有化合物であることを確認した。
【0145】
H1 NMR(400 MHz, CDCl3): δ = 7.45-7.00 (m, 26H)。
【0146】
調製例12
調製例12 ハロゲン含有化合物I12を調製した。
【0147】
本調製例では、2-ブチンを2,2,5,5-テトラメチル-3-ヘキシンに変更した以外、調製例8と同じ方法によってハロゲン含有化合物を調製した。調製した化合物について核磁気共鳴分析を行い、調製した化合物が式I(R、R、R及びRはすべてフッ素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、R及びRはすべてBuである。)で示されるハロゲン含有化合物であることを確認した。
【0148】
H1 NMR(400 MHz, CDCl3): δ = 7.25-6.97 (m, 16H), 1.20 (s, 18H)。
【0149】
実施例1~44 本発明を説明するものである。
【0150】
実施例1
300mLステンレス鋼重合オートクレーブを80℃に加熱し、真空吸引後、窒素ガスで置換を行い、次に、エチレンを導入して置換した後、オートクレーブ内の温度を40℃に降温した。オートクレーブにメチルシクロヘキサン(北京百霊威化学試薬公司から購入)、0.5μmolクロム(III)アセチルアセトナート(北京百霊威化学試薬公司から購入)、リガンドとしてのハロゲン含有化合物I(R、R、R及びRはすべてフッ素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、R及びRはすべて水素である。)、及び助触媒としての変性メチルアルミノキサン(MMAO、アクゾノーベル社から購入)を加え、均一に混合し、ここで、混合液の全体積は100mL、クロム(III)アセチルアセトナート:ハロゲン含有化合物:助触媒のモル比は1:2:400、即ち、ハロゲン含有化合物Iの添加量は1μmol、MMAOの添加量は200μmolであった。エチレンを導入して、エチレン圧力を3MPaに制御しながら、40℃の温度でエチレンオリゴマー化反応を行った。30分間後、エタノール1mLを停止剤として加えて、反応を停止した。オートクレーブ内の温度を室温(25℃)に下げ、気相製品をガス計測タンクに収集して、液相製品を三角フラスコに収集し、気液相製品をそれぞれ計測した後ガスクロマトグラフィー分析を行い、触媒活性及び製品の組成を計算し、結果を表1に示す。
【0151】
実施例2
リガンドとしてのハロゲン含有化合物をハロゲン含有化合物I(R、R、R及びRはすべて塩素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、R及びRはすべて水素である。)に変更した以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0152】
実施例3
助触媒としての変性メチルアルミノキサンをトリエチルアルミニウム(北京百霊威化学試薬公司から購入)に変更した以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0153】
実施例4
クロム(III)アセチルアセトナートをトリス(テトラヒドロフラン)三塩化クロム(北京百霊威化学試薬公司から購入)に変更した以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0154】
実施例5
50℃の温度でエチレンオリゴマー化反応を行った以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0155】
実施例6
60℃の温度でエチレンオリゴマー化反応を行った以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0156】
実施例7
70℃の温度でエチレンオリゴマー化反応を行った以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0157】
実施例8
90℃の温度でエチレンオリゴマー化反応を行った以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0158】
実施例9
30℃の温度でエチレンオリゴマー化反応を行った以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0159】
実施例10
エチレン圧力を5MPaに制御した以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0160】
比較例1
ハロゲン含有化合物を(S,S)-(フェニル)PCH(Me)CH(Me)P(フェニル)(D1と記する)に変更した以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0161】
比較例2
ハロゲン含有化合物を(S,S)-(オルト-フルオロ-フェニル)PCH(Me)CH(Me)P(オルト-フルオロ-フェニル)(D2と記する)に変更した以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0162】
比較例3
ハロゲン含有化合物を
【0163】
【化9】
【0164】
(D3と記する)に変更した以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0165】
比較例4
ハロゲン含有化合物を
【0166】
【化10】
【0167】
(R、R、R及びRは水素であり、Rはフッ素(オルト位置換基)であり、Rはt-ブチル基である。)(D4と記する)に変更した以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0168】
比較例5
ハロゲン含有化合物を
【0169】
【化11】
【0170】
(R、R、R及びRは水素であり、Rはフッ素(オルト位置換基)であり、Rはメチル基である。)(D5と記する)に変更した以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0171】
比較例6
ハロゲン含有化合物を
【0172】
【化12】
【0173】
(D6と記sるう)、(R、R、R及びRは水素であり、Rはフッ素(オルト位置換基)であり、Rはシクロヘキシル基である。)に変更した以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0174】
実施例11
300mLステンレス鋼重合オートクレーブを80℃に加熱し、真空吸引後、窒素ガスで置換を行い、次に、エチレンを導入して置換した後、オートクレーブ内の温度を50℃に降温した。オートクレーブにヘプタン(北京百霊威化学試薬公司から購入)、0.5μmolクロム(III)アセチルアセトナート(北京百霊威化学試薬公司から購入)、リガンドとしてのハロゲン含有化合物I(R、R、R及びRはすべてフッ素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、R及びRはすべて水素である。)、及び助触媒としての変性メチルアルミノキサン(MMAO、アクゾノーベル社から購入)を加え、均一に混合し、ここで、混合液の全体積は100mL、クロム(III)アセチルアセトナート:ハロゲン含有化合物:助触媒のモル比は1:2:500、即ち、ハロゲン含有化合物Iの添加量は1μmol、MMAOの添加量は250μmolであった。エチレンを導入して、エチレン圧力を4MPaに制御しながら、50℃の温度でエチレンオリゴマー化反応を行った。60分間後、エタノール1mLを停止剤として加えて、反応を停止した。オートクレーブ内の温度を室温(25℃)に下げ、気相製品をガス計測タンクに収集して、液相製品を三角フラスコに収集し、気液相製品をそれぞれ計測した後ガスクロマトグラフィー分析を行い、触媒活性及び製品の組成を計算し、結果を表1に示す。
【0175】
実施例12
300mLステンレス鋼重合オートクレーブを80℃に加熱し、真空吸引後、窒素ガスで置換を行い、次に、エチレンを導入して置換した後、オートクレーブにトルエン(北京百霊威化学試薬公司から購入)、1.0μmolクロム(III)アセチルアセトナート(北京百霊威化学試薬公司から購入)、リガンドとしてのハロゲン含有化合物I(其中、R、R、R及びRはすべてフッ素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、R及びRはすべて水素である。)、及び助触媒としてのメチルアルミノキサン(MAO、アクゾノーベル社から購入)を加え、均一に混合し、ここで、混合液の全体積は100mL、クロム(III)アセチルアセトナート:ハロゲン含有化合物:助触媒のモル比は1:1.5:300、即ち、ハロゲン含有化合物Iの添加量は1.5μmol、MAOの添加量は300μmolであった。エチレンを導入して、エチレン圧力を2MPaに制御しながら、80℃の温度でエチレンオリゴマー化反応を行った。30分間後、エタノール1mLを停止剤として加えて、反応を停止した。オートクレーブ内の温度を室温(25℃)に下げ、気相製品をガス計測タンクに収集して、液相製品を三角フラスコに収集し、気液相製品をそれぞれ計測した後ガスクロマトグラフィー分析を行い、触媒活性及び製品の組成を計算し、結果を表1に示す。
【0176】
比較例7
ハロゲン含有化合物を(S,S)-(オルト-フルオロ-フェニル)PCH(Me)CH(Me)P(オルト-フルオロ-フェニル)(D2と記する)に変更した以外、実施例12と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0177】
実施例13
300mLステンレス鋼重合オートクレーブを80℃に加熱し、真空吸引後、窒素ガスで置換を行い、次に、エチレンを導入して置換した後、オートクレーブにメチルシクロヘキサン(北京百霊威化学試薬公司から購入)、0.2μmolトリス(テトラヒドロフラン)三塩化クロム(北京百霊威化学試薬公司から購入)、リガンドとしてのハロゲン含有化合物I(R、R、R及びRはすべてフッ素であり、且つはすべてオルト位置換基であり、R及びRはすべて水素である。)、及び助触媒としての変性メチルアルミノキサン(MMAO、アクゾノーベル社から購入)を加え、均一に混合し、ここで、混合液の全体積は100mL、クロム(III)アセチルアセトナート:ハロゲン含有化合物:助触媒のモル比は1:1:500、即ち、ハロゲン含有化合物Iの添加量は0.2μmol、MMAOの添加量は100μmolであった。エチレンを導入して、エチレン圧力を3MPaに制御しながら、60℃の温度でエチレンオリゴマー化反応を行った。60分間後、2-エチルヘキサノール2.0mLを加えて停止剤とし、反応を停止した。オートクレーブ内の温度を室温(25℃)に下げ、気相製品をガス計測タンクに収集して、液相製品を三角フラスコに収集し、気液相製品をそれぞれ計測した後ガスクロマトグラフィー分析を行い、触媒活性及び製品の組成を計算し、結果を表1に示す。
【0178】
実施例14
100℃の温度でエチレンオリゴマー化反応を行った以外、実施例13と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行った。
【0179】
比較例8
ハロゲン含有化合物を
【0180】
【化13】
【0181】
(R、R、R及びRは水素であり、Rはオルトフッ素基であり、Rはメチル基である。)(D7と記する)に変更した以外、実施例13と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0182】
比較例9
ハロゲン含有化合物を
【0183】
【化14】
【0184】
(R、R及びRは水素であり、R及びRはそれぞれオルトフッ素基であり、Rはシクロヘキシル基である。)(D8と記する)に変更した以外、実施例14と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、実験結果を表1に示す。
【0185】
【表1】
【0186】
実施例15~19
ハロゲン含有化合物をそれぞれ調製例3~7で調製されたハロゲン含有化合物に変更した以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行った。実験結果を表2に示す。
【0187】
実施例20~25
実施例15と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、ここで、ハロゲン含有化合物は調製例3で調製したハロゲン含有化合物であり、実施例20~25と実施例15との区別は、オリゴマー化反応の温度又は圧力が異なる点にあり、実施例20の重合温度は50℃であり、実施例21の重合温度は60℃であり、実施例22の重合温度は70℃であり、実施例23の重合温度は90℃であり、実施例24の重合温度は30℃であり、実施例25では、エチレン圧力は5MPaに制御された。実験結果を表2に示す。
【0188】
実施例26
ハロゲン含有化合物が調製例5で調製したハロゲン含有化合物であった以外、実施例11と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行った。実験結果を表2に示す。
【0189】
実施例27
ハロゲン含有化合物が調製例6で調製したハロゲン含有化合物であった以外、実施例12と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行った。実験結果を表2に示す。
【0190】
実施例28
ハロゲン含有化合物をそれぞれ調製例5で調製したハロゲン含有化合物に変更した以外、実施例13と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行った。実験結果を表2に示す。
【0191】
実施例29
ハロゲン含有化合物をそれぞれ調製例5で調製したハロゲン含有化合物に変更した以外、実施例14と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行った。実験結果を表2に示す。
【0192】
【表2】
【0193】
実施例30~34
ハロゲン含有化合物をそれぞれ調製例8~12で調製したハロゲン含有化合物に変更した以外、実施例1と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行った。実験結果を表3に示す。
【0194】
実施例35~40
実施例30と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行い、ここで、ハロゲン含有化合物は調製例8で調製したハロゲン含有化合物であり、実施例35~40と実施例30との区別は、オリゴマー化反応の温度又は圧力が異なる点にあり、実施例35の重合温度は50℃であり、実施例36の重合温度は60℃であり、実施例37の重合温度は70℃であり、実施例38の重合温度は90℃であり、実施例39の重合温度は30℃であり、実施例40では、エチレン圧力は5MPaに制御された。実験結果を表3に示す。
【0195】
実施例41
ハロゲン含有化合物が調製例12で調製したハロゲン含有化合物であった以外、実施例11と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行った。実験結果を表3に示す。
【0196】
実施例42
ハロゲン含有化合物が調製例11で調製したハロゲン含有化合物であった以外、実施例12と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行った。実験結果を表3に示す。
【0197】
調製例43
ハロゲン含有化合物をそれぞれ調製例10で調製したハロゲン含有化合物に変更した以外、実施例13と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行った。実験結果を表3に示す。
【0198】
実施例44
ハロゲン含有化合物をそれぞれ調製例10で調製したハロゲン含有化合物に変更した以外、実施例14と同じ方法によってエチレンオリゴマー化反応を行った。実験結果を表3に示す。
【0199】
【表3】
【0200】
表1の結果から分かるように、触媒リガンド構造の変化は、触媒化性能に対して明らかな作用を有する。比較例の触媒に比べて、本発明に係る触媒組成物は、触媒化活性が明らかに向上し、触媒化活性と生成物の選択性とのバランスをとることができ、シクロオレフィンや環化物などの副産物の発生を減らし、これは、本発明に係るフッ素含有架橋ビスホスフィン触媒の性能がより優れることを示す。
【0201】
さらに、重合反応の場合、本発明に係る触媒組成物触媒系は、迅速に開始でき、安定的に作動でき、エチレン三量化及び四量化反応をより効果的に触媒化することができ、本発明に係る触媒組成物は、数分間(5分間内)だけで、エチレンの吸収量が最大値に達し、且つ0.5時間以上維持できる。これは、本発明に係る触媒組成物の実用性が高く、工業化が期待できることを示す。
【0202】
以上、本発明の好ましい実施形態を詳しく説明したが、本発明はこれらに制限されない。本発明の技術的構想の範囲内で、本発明の技術案に対して様々な簡単な変形を行うことができ、このような変形には、各技術的特徴を他の任意の適切な方式で組み合わせることを含み、このような簡単な変形及び組み合わせも本発明で開示された内容とみなすべきであり、すべて本発明の特許範囲に属する。
【国際調査報告】