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特表2022-519491複数材料積層体を作製するためのプロセス
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  • 特表-複数材料積層体を作製するためのプロセス 図1
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  • 特表-複数材料積層体を作製するためのプロセス 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】複数材料積層体を作製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   B32B 37/18 20060101AFI20220316BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20220316BHJP
   H05B 3/00 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
B32B37/18
H05K3/46 G
H05B3/00 310D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543544
(86)(22)【出願日】2020-02-05
(85)【翻訳文提出日】2021-07-27
(86)【国際出願番号】 IB2020050921
(87)【国際公開番号】W WO2020161641
(87)【国際公開日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】102019000001739
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521331331
【氏名又は名称】セダテック エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コロンボ、マウロ
(72)【発明者】
【氏名】ルンチーナ、マウリツィオ
【テーマコード(参考)】
3K058
4F100
5E316
【Fターム(参考)】
3K058AA86
3K058BA19
3K058CA23
3K058CA61
3K058CB13
3K058CE13
3K058CE19
4F100AB01A
4F100AB01C
4F100AB01E
4F100AB10A
4F100AB10C
4F100AB10E
4F100AB12A
4F100AB12C
4F100AB12E
4F100AB17A
4F100AB17C
4F100AB17E
4F100AK01B
4F100AK01D
4F100BA05
4F100BA06
4F100BA10A
4F100BA10E
4F100EJ05B
4F100EJ05D
4F100EJ17
4F100EJ42
4F100JG04A
4F100JG04C
4F100JG04E
4F100JG05B
4F100JG05D
4F100JG10
5E316AA02
5E316AA32
5E316CC04
5E316CC08
5E316CC10
5E316CC14
5E316CC18
5E316CC32
5E316CC34
5E316DD02
5E316DD12
5E316EE01
5E316GG28
5E316HH33
(57)【要約】
本発明は、電気絶縁材料のプレートによって分離された、以下に「パッケージ」として示されるプラスチック積層体のスタックの形成、およびスタック全体に沿って温度の均一性を得ることを可能にする少なくとも2つの温度検出器の存在下でのスタックの加熱を想定する、プリント回路基板用の複数材料積層体を作製するためのプロセス、および前記積層体を製造するためのシステムに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板の製造に適した、少なくとも2つの金属薄層を含むプラスチック積層体を作製するためのプロセスであって、
2つ以上のプラスチック積層体(以下、パッケージ(1))の少なくとも1つのスタックを形成するステップであって、各パッケージ(1)は少なくとも1つの支持シートを含み、各シートは、存在する場合、他とは独立して、少なくとも1つのポリマー材料(MP)を含浸させた誘電材料(S)と、前記パッケージの両側に1つずつある金属導電性材料(M)の2つの薄層とを含み、前記薄層は、連続ストリップ(2)から開始して得られ、前記連続ストリップの一方の端部は、前記スタックの底部にある第1の支持シートか支持シート群(11)の下側に配置され、前記ストリップは、180°折り曲げられた後に、前記ストリップが前記シートまたはシート群(11)の上側に配置されるように折り曲げられ、プレート(3)を第1のパッケージ(11)とその上のパッケージ(12)の間に配置した後、前記ストリップは第1の折り曲げと反対の方向に180℃折り曲げられて、前記シートまたはシート群(12)の前記下側と接触するように配置され、次に、前記ストリップは、前の折り曲げと反対の方向に180°再び折り曲げられて、パッケージ(12)の第2のシートまたはシート群の前記上側に配置され、上記のような前記ストリップの前記折り曲げは、前記ストリップのもう一方の端部が前記スタックの最上部にある前記パッケージ(13)の前記シートまたはシート群の前記上側に配置されるまで繰り返され、前記ストリップの2つの端部は主発電機(4)に接続されている、ステップと、
前記ストリップ(2)を循環する電流の効果として、前記発電機(4)の電気回路が閉じられると、ポリマー材料(MP)を架橋するような温度Tで前記ストリップを加熱するステップであって、それにより、前記プレート(3)によって分離された前記パッケージ(1)の相互接着を引き起こすのに適した圧力を前記スタック上に加えた後に、前記層を互いに、および前記層に近接して配置された金属ストリップの部分と結合させて、積層体の形態のパッケージ(1)を得ることができ、前記プレート(3)は、金属製または別の材料製のプレートであり、上記のように前記スタックの加熱中に得られる最高温度で反りなく前記熱を伝導し、2つの加熱プレート(51)および(52)は、前記スタックの下層の下および上層の上にそれぞれ配置され、それぞれ(61)および(62)である2つの二次発電機への接続によって前記スタックの前記端部に熱を提供する、ステップと、を含み、
前記スタック内の前記温度は、前記パッケージ(1)だけ前記加熱プレート(51)および(52)から離れるように配置された2つ以上のプローブ(7)を介して検出され、
前記2つ以上のプローブ(7)は、前記ポリマー材料(MP)の架橋を得るために、好ましくは前記主発電機(4)および/または前記二次発電機(61)および(62)をオンおよびオフにすることによって制御して、それにより前記積層体の前記形成がもたらされることを特徴とする、プロセス。
【請求項2】
前記圧力は、プレス(8)を介して、任意に真空下で、または前記スタックをオートクレーブもしくはエアバッグに配置することを介して前記スタックに加えられる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記架橋は80~150℃で行われ、および/または前記積層体は1~3MPaの圧力で形成される、請求項1または請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記ストリップ(2)の金属材料は、銅とアルミニウムとの間で選択され、および/または前記プレート(3)の材料は、アルミニウム、チタン、および鋼のうちの1つであり、任意に絶縁材料の層でコーティングされる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記プロセスによって得られた単一の積層パッケージの厚さは1mm~10mmである、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記プローブ(7)は、3~6個、好ましくは4個である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記温度は、制御ユニット(9)、すなわちプログラマブルロジックコントローラ(PLC)を介して制御され、これによりすべての前記スタック全体にわたって実質的に均一な温度が得られ、任意に、プリセットモードで徐々に前記スタックを加熱する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
プリント回路基板の製造に適した、少なくとも2つの金属薄層を含むプラスチック積層体を作製するためのシステムであって、2つ以上のプラスチック積層体(以下、パッケージ(1))の少なくとも1つのスタックを含み、各パッケージ(1)は少なくとも1つの支持シートを含み、各シートは、存在する場合、他とは独立して、少なくとも1つのポリマー材料(MP)を含浸させた誘電材料(S)と、前記パッケージの両側に1つずつある金属導電性材料(M)の2つの薄層とを含み、前記金属薄層は、連続ストリップ(2)から開始して得られ、前記連続ストリップ(2)の一方の端部は、前記スタックの底部にある第1の支持シートか支持シート群(11)の下側に配置され、前記ストリップは、180°折り曲げられた後に、前記ストリップが前記シートまたはシート群(11)の上側に配置されるように折り曲げられ、プレート(3)を第1のパッケージ(11)とその上のパッケージ(12)の間に配置した後、前記ストリップは第1の折り曲げと反対の方向に180℃折り曲げられて、前記シートまたはシート群(12)の前記下側と接触するように配置され、次に、前記ストリップは、前の折り曲げと反対の方向に180°再び折り曲げられて、前記パッケージ(12)の第2の前記シートまたはシート群の前記上側に配置され、上記のような前記ストリップの前記折り曲げは、前記ストリップのもう一方の端部が前記スタックの最上部にある前記パッケージ(13)の前記シートまたはシート群の前記上側に配置されるまで繰り返され、前記2つのストリップは主発電機(4)に接続されており、主発電機(4)は、前記発電機(4)の電気回路が閉じられると、ポリマー材料(MP)を架橋するような温度Tで前記ストリップを加熱するのに適した電力を供給することができ、それにより、前記プレート(3)によって分離された前記パッケージ(1)の相互接着を引き起こすのに適した圧力を前記スタック上に加えた後に、層を互いに、および前記層に近接して配置された金属ストリップの部分と結合させて、積層体の形態のパッケージ(1)を得ることができ、前記プレート(3)は、金属製または別の材料製のプレートであり、上記のように前記スタックの加熱中に得られる最高温度で反りなく熱を伝導し、2つの加熱プレート(51)および(52)は、前記スタックの下層の下および上層の上にそれぞれ配置され、それぞれ(61)および(62)である2つの二次発電機への接続によって前記スタックの端部に熱を提供し、
前記スタック内には、2つ以上の内部温度プローブ(7)があり、パッケージ(1)以上だけ前記加熱プレート(51)および(52)から離れるように配置されており、
前記2つ以上のプローブ(7)に接続され、好ましくは前記主発電機(4)および/または前記二次発電機(61)および(62)をオン/オフすることによって制御して、前記ポリマー材料(MP)の架橋を得て、前記積層体の形成をもたらすのに適した制御ユニット(9)が存在し、
任意で真空下であってもよい2層プレス、およびエアバッグのいずれか1つである、2つ以上のパッケージの前記スタックに圧力を加える手段(8)を特徴とする、システム。
【請求項9】
プリント回路基板用の多層プラスチック積層体を製造するための装置であって、
導電性材料および絶縁材料の層からそれぞれ構成されるパッケージのスタックが間に配置されたときに、前記スタックに圧力を加えるように協働するように構成された第1および第2の手段と、
前記第1および第2の手段にそれぞれ関連付けられた第1の電気加熱プレートおよび第2の電気加熱プレートと、
前記スタック内に展開する導電性ストリップに接続されるように構成された主発電機と、
前記電気加熱プレートに接続された2つの二次発電機と、
前記スタックの内側および前記電気加熱プレートの外側に挿入されるように、および少なくとも1つのパッケージだけ前記電気加熱プレートから離れるように配置され、前記スタックの内部温度を検出するように適合された2つ以上の温度プローブと、
スタック全体にわたって実質的に均一な温度が得られるように、前記2つ以上の温度プローブから受信した入力に基づいて、前記主発電機および前記二次発電機を駆動するように構成された制御ユニットと、を含む、装置。
【請求項10】
3つ、または4つ、または5つの温度プローブ、好ましくは4つの温度プローブを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記制御ユニットは、前記スタックを徐々に均一に加熱するように、前記2つ以上のプローブから受信した信号の関数として前記主発電機および前記二次発電機を駆動するように適合されている、請求項9または請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記制御ユニットは、前記スタックの内部の領域で検出された温度のうちの1または複数の、またはすべての関数として少なくとも1つの駆動法則を実施する、請求項9または請求項10または請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記制御ユニットは、各々が前記スタックの内部の領域で検出された温度のうちの1または複数の、またはすべての関数として2つまたは3つの駆動法則を実施する、請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気絶縁材料のプレートによって分離された、以下に「パッケージ」として示されるプラスチック積層体のスタックの形成、およびスタック全体に沿って温度の均一性を得ることを可能にする少なくとも2つの温度検出器の存在下でのスタックの加熱を含む、プリント回路基板用の複数材料積層体を作製するためのプロセス、および前記積層体を実現するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品用のプリント回路基板は、一般に、少なくとも1つの金属薄層を含むプラスチック積層体から出発して製造される。
【0003】
本発明の文脈内では、個々のパッケージは、様々に金属化された誘電材料のシート(「内層」)と、予備含浸および部分的に重合されたプラスチック材料のシート(プリプレグ)との交互のシートから構成される。すべてのパッケージの最初と最後の層は、電気を伝導することができる銅または類似の金属材料のストリップの部分から構成される。
【0004】
イタリア特許第0001255128号明細書は、支持面および圧力面が加熱されない下降型のカラム油圧プレスによって行われる、特にプリント回路基板用の金属プレートを有するプラスチック積層体の製造方法に関する。上述の特許に記載されている方法は、パックのスタックの形成からなり、パックの各々は、部分的に重合したプラスチック材料を含浸させ、片面または両面に金属プレートを含む支持シート群(「プリプレグ」)を含み、金属プレートは、底部から開始して、第1のシート群の下面に配置され、次いで180°折り曲げられた後、そのような群の上面に配置され、クラフト紙のシートの挟み込みによって適切に絶縁された金属プレートの挟み込み後、第1の方向と逆方向に2回目に180°折り曲げられた後、第2のシート群の下面に配置され、第2の折り曲げ方向と逆方向に3回目に180°折り曲げられた後、第2のシート群の上面に配置され、その後同様にして最後のシート群の上面に到達する連続ストリップから得られることを特徴とする。パックのスタックの形成を完了した後、ストリップの2つの端部は、パックのスタックに適切な圧力を発生させることによって発電機の電気回路が閉じ、面と嵌合するストリップの様々な部分が電気抵抗器のように挙動し、支持シートを含浸するプラスチック材料の溶融をもたらすために必要な熱を発生して、様々な要素間の密接な接続(すなわち、ほぼ不可逆的な溶接)およびプラスチック積層体の形成を得るように、適切な電力で電流発生器に接続される。
【0005】
非限定的な例として、ストリップは銅製であってもよく、様々なパックの間に介在する金属プレートはステンレス鋼製であってもよく、各パックは、エポキシ樹脂を含浸させたガラス繊維織物製のシートで構成されてもよい。セパレータプレートの周りにコイルとして折り曲げられた銅ストリップを含むパックのスタックは、2つの格納プレートの間に配置され、下面および上面にそれぞれ接触して配置され、例えば2つの垂直シリンダロッドによって整列して維持される。
【0006】
上記のように加熱電流が循環するコイルとして巻かれた銅ストリップの使用は、材料のスタック内で直接熱を発生させ、スタックの2つの端部のパックのみが加熱面と接触する多面プレスによって許容される熱分布よりも均一な熱分布を可能にする。
【0007】
パックを加熱するために銅ストリップを使用するプロセスには欠点があり、スタックの端にあるパックは、スタックの中央に配置されているパックより低温であり、この差は、スタック自体の全高に応じて大きくなり、その結果、スタックの端にあるパックを廃棄する必要がある。周辺加熱が低いのは、端にあるパックが、スタックの中央に配置されたパックの周囲に発生する熱質量からあまり恩恵を受けないという事実に起因する。
【0008】
さらなる欠点は、セパレータシートを絶縁するためにクラフト紙のシートを使用することであり、これにより、パックのスタックを作製する時間が増加する。クラフト紙のシートを体系的に使用すると、スタックの温度上昇も遅くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、上述の方法の欠点が実質的になく、特に、プリント回路基板を均一に実現するように適合された積層体を製造することができ、廃棄される積層体の数を最小限に抑えることができる、プリント回路基板用の多層プラスチック積層体を作製する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の主題は、プリント回路基板の実現に適した少なくとも2つの金属薄層を含むプラスチック積層体を作製するためのプロセスであり、前記プロセスは、
2つ以上のパッケージ(1)の少なくとも1つのスタックを形成するステップであって、各パッケージ(1)は1または複数の支持シートを含み、各シートは、存在する場合、他のものとは独立して、少なくとも1つのポリマー材料(MP)を含浸させた誘電材料(S)と、パッケージの両側に1つずつある金属導電性材料(M)の2つの薄層とを含み、金属薄層は、連続ストリップ(2)から開始して得られ、連続ストリップ(2)の一方の端部は、スタックの底部にある第1の支持シートか支持シート群(11)の下側に配置され、ストリップは、180°折り曲げられた後に、ストリップが前記シートまたはシート群(11)の上側に配置されるように折り曲げられ、プレート(3)を第1のパッケージ(11)とその上のパッケージ(12)の間に配置した後、ストリップは第1の折り曲げと反対の方向に180℃折り曲げられて、シートまたはシート群(12)の下側と接触するように配置され、次に、ストリップは、前の折り曲げと反対の方向に180°再び折り曲げられて、パッケージ(12)の第2のシートまたはシート群の上側に配置され、上記のようなストリップの折り曲げは、ストリップのもう一方の端部がスタックの最上部にあるパッケージ(13)のシートまたはシート群の上側に配置されるまで繰り返され、ストリップの2つの端部は主発電機(4)に接続されている、ステップと、
ストリップ内を循環する電流の効果として、発電機(4)の電気回路が閉じられると、ポリマー材料(MP)を架橋するような温度Tでストリップ(2)を加熱して、プレート(3)によって分離されたパッケージ(1)の相互接着を引き起こすのに適した圧力をスタック上に加えた後に、層を互いに、および層に近接して配置された金属ストリップの部分と結合させて、積層体の形態のパッケージ(1)を得るステップであって、プレート(3)は、金属製または別の材料製のプレートであり、上記のようにスタックの加熱中に得られる最高温度で反りなく熱を伝導し、2つの加熱プレート(51)および(52)は、スタックの下層の下および上層の上にそれぞれ配置され、それぞれ(61)および(62)である2つの二次発電機への接続によってスタックの端部に熱を提供するステップと、を含み、
スタック内の温度は、パッケージ(1)以上だけ加熱プレート(61)および(62)から離れるように配置された2つ以上のプローブ(7)を介して検出され、
前記2つ以上のプローブ(7)は、ポリマー材料(MP)の架橋を得るように主発電機(4)および/または二次発電機(61)および(62)を決定し、その結果、スタックのすべての層において均一な方法で前記積層体が形成される、ことを特徴とする。
【0011】
本発明の主題はまた、プリント回路基板の製造に適した、少なくとも2つの金属薄層を含むプラスチック積層体を作製するためのシステムであり、プラスチック積層体は2つ以上のパッケージ(1)の少なくとも1つのスタックを含み、各パッケージ(1)は1または複数の支持シートを含み、存在する場合、他とは独立して、少なくとも1つのポリマー材料(MP)を含浸させた誘電材料(S)と、パッケージの両側に1つずつある金属導電性材料(M)の2つの薄層とを含み、金属薄層は、連続ストリップ(2)から開始して得られ、連続ストリップ(2)の一方の端部は、スタックの底部にある第1の支持シートか支持シート群(11)の下側に配置され、ストリップは、180°折り曲げられた後に、ストリップが前記シートまたはシート群の上側に配置されるように折り曲げられ、プレート(3)を第1のパッケージ(11)とその上のパッケージ(12)の間に配置した後、ストリップは第1の折り曲げと反対の方向に180℃折り曲げられて、シートまたはシート群(12)の下側と接触するように配置され、次に、ストリップは、前の折り曲げと反対の方向に180°再び折り曲げられて、第2のシートまたはシート群の上側に配置され、上記のようなストリップの折り曲げは、ストリップのもう一方の端部がスタックの最上部にあるパッケージ(13)のシートまたはシート群の上側に配置されるまで繰り返され、2つのストリップは主発電機(4)に接続されており、主発電機(4)は、発電機(4)の電気回路が閉じられると、ポリマー材料(MP)を架橋するような温度Tでストリップを加熱するのに適した電力を供給することができ、それにより、プレート(3)によって分離されたパッケージ(1)の相互接着を引き起こすのに適した圧力をスタック上に加えた後に、層を互いに、および層に近接して配置された金属ストリップの部分と結合させて、積層体の形態のパッケージ(1)を得ることができ、プレート(3)は、金属製または別の材料製のプレートであり、上記のようにスタックの加熱中に得られる最高温度で反りなく熱を伝導し、2つの加熱プレート(51)および(52)は、スタックの下層の下および上層の上にそれぞれ配置され、それぞれ(61)および(62)である2つの二次発電機への接続によってスタックの端部に熱を提供し、
スタックの内部には、2つ以上の内部温度プローブ(7)が存在し、これらは、パッケージ(1)以上だけ加熱プレート(61)および(62)から離れるように配置され、
プローブ(7)に接続され、好ましくはオンおよびオフによって、主発電機(4)および/または二次発電機(61)および(62)を制御するのに適した制御ユニット(9)であって、ポリマー材料(MP)の架橋を得て、スタックのすべての層において均一な方法でパッケージ(1)の形成をもたらす、制御ユニット(9)と、
任意で真空下であってもよい2層プレス、およびエアバッグから選択される2つ以上のパッケージ(1)の前記スタックに圧力を加える手段(8)と、を特徴とする。
【0012】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して、そのいくつかの好ましい実施形態の以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ポリマー材料(MP)が含浸された誘電材料(S)の層と、パッケージの両側に1つずつある金属導電性材料(M)の2つの薄層とを含む「パッケージ」を示す。
図2】本発明による温度プローブを含む、プリント回路基板の製造に適合された、少なくとも2つの金属薄層を含む多層プラスチック積層体を作製するためのシステムを示し、以下に番号を付す。
図3】周辺加熱がなく、スタックの端部に配置された2つのヒータおよび2つのプローブのみが存在する場合の、本発明による(上記のように配置された4つのプローブを用いた)スタックに沿って検出された温度のグラフを示す。矢印は、存在するプローブの位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の文脈における「エアバッグ」という用語は、クロロスルホン化ポリエチレン(ハイパロン(登録商標))または別のポリマー材料に基づく合成ゴム、およびシリコーンで作られたエアクッションに圧力が加えられる装置を意味する。ダイヤフラムは圧力ピストンに圧力を加え、圧力ピストンは次に、押圧される積層体のパッケージに力を伝達する。空気を供給するためのタンクは、電子制御サーボ弁を介してプレスに接続される。コンピュータは、加圧サイクルでプログラムされた圧力に達するために適用される空気の量を計算する。
【0015】
別段の指示がない限り、本発明の文脈内で、混合物中の成分の割合および量は、混合物の総重量に対するそのような成分の重量に関する。
【0016】
別段の指定がない限り、本発明の文脈内で、組成物が1つ以上の成分または物質を「含む」という指示は、具体的に示された1または複数の成分または物質に加えて他の成分または物質が存在し得ることを意味する。
【0017】
別段の指定がない限り、本発明の文脈内で、大きさについて示される値の範囲、例えば成分の重量による含有量は、範囲の下限および上限を含む。例えば、成分Aの重量または体積による含有量が「XからY」と示される場合、XおよびYは数値であり、AはXまたはYまたは中間値のいずれか1つであり得る。
【0018】
本発明者らは、驚くべきことに、加熱プレート(61)および(62)から少なくとも1つのパケット(1)以上だけ離されるような位置でスタック内に配置された少なくとも2つ以上のプローブ(7)を介して得られたスタック内の温度制御のおかげで、基本的に均一なパッケージを得ることが可能であり、このようにして、廃棄される多層プラスチック積層体の数を最小限に抑えられることを見出した。
【0019】
本発明による方法では、最初の熱伝達の後、主発電機および2つの補助ヒータの複合作用により、プローブを介してスタック内で測定された温度がプリプレグ内の樹脂の重合の開始時から基本的に均一であることを確実にし、それにより重合が得られ、その後スタックのすべてのパッケージ内の均一な樹脂の架橋が可能になる。
【0020】
本発明による方法では、上部および下部加熱プレート(51)および(52)は、補助ヒータが到達する有効温度に関係なく、パッケージのスタック内に配置されたプローブの中で最も均一な温度を得るために、主発電機と相乗的に作動される。上部加熱プレート(52)および下部加熱プレート(51)の温度は制御されない。
【0021】
この方法は、個々の積層体、すなわち両面に金属化された誘電材料の1つの層のみを含む積層体の製造、および誘電材料の1または複数の層を含む積層体の製造にも適用可能である。
【0022】
好ましい実施形態では、ポリマー材料(MP)は、エポキシ樹脂または少なくとも1つのエポキシ樹脂を含む混合物である。
【0023】
好ましい実施形態では、誘電材料(S)は、ガラス繊維、FR4、PFTE(テフロン(登録商標))、ポリイミド(カプトン(登録商標))、ガラスまたはそれらの混合物の1または複数の層を含むか、またはそれらから構成される。より好ましくは、誘電材料(S)は、ガラス繊維の1つ以上の層を含むか、またはガラス繊維の1または複数の層から構成される。任意に、非限定的な例として、ゴム、ガラスまたはセラミック材料など、ガラス繊維とは異なる誘電材料の他の層が存在してもよい。
【0024】
本発明による方法で得られた金属化多層プラスチック積層体は、直接または適切な処理後に、その後の回路レイアウトの穿孔、マスキングおよび写真製版処理、過剰な銅の除去、ならびにスルーホールの金属化に使用することができる。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、本方法は、圧力下での加熱ステップが完了し、ポリマー材料の架橋が得られると、初期圧力および温度条件に戻るステップと、金属ストリップを、それが出るスタックの反対側と同一平面で切断するステップと、スタック自体を、このように金属化された単一のパッケージに解体するステップとをさらに含む。
【0026】
本発明の好ましい実施形態では、プローブ(7)は3~6個、好ましくは4個であり、全高に沿って分布し、そのうちの少なくとも2個は、少なくとも1つのパッケージ(1)以上だけ加熱プレート(61)および(62)によって離されるような位置でスタック内に配置され、その温度検出は、制御ユニット(9)を介して、主発電機(4)ならびに2つの補助ヒータ(51)および(52)の動作を決定する。
【0027】
本発明の好ましい実施形態では、圧力は、プレスを介して、任意に真空下で、またはスタックをオートクレーブもしくはエアバッグに配置することを介してスタックに加えられる。
【0028】
典型的には、限定するものではないが、圧力は、空気室(「エアバッグ」としても知られる)によって上部ヒータまたは下部ヒータに加えられ、そこからスタックに伝達される。作業サイクル中の圧力は、所定の温度値に達するまで離散的なステップによって変化する。
【0029】
本発明の好ましい実施形態では、架橋は80~150℃で行われ、および/または積層体は1~3MPaの圧力で形成される。非限定的な例として、積層体の形成のためのサイクルは、80℃~150℃の間隔を想定することができ、温度は、10~30kg/cmの圧力で2~6°/分の速度まで上昇し、同じ圧力および180℃の第2の間隔を想定することができる。
【0030】
本発明の好ましい実施形態では、ストリップ(2)の金属材料は、銅とアルミニウムとの間で選択され、および/またはプレート(3)の材料は、アルミニウム、チタン、および鋼のうちの1つであり、任意に電気絶縁材料の層でコーティングされる。
【0031】
好ましくは、セパレータプレート(3)はアルミニウムであり、電気絶縁性黒色酸化物の表面層を得るために適切に陽極酸化される。
【0032】
非限定的な例として提供される実施形態では、主発電機によって供給される電流は、各補助ヒータの金属ケーシングを横切る。
【0033】
非限定的な例として提供される実施形態では、スタックの基部でコイルとして巻かれたストリップの一部は、抽出可能な金属トレイ上に載置され、これは、主発電機によって供給される電流と交差し、載置されている補助電気ヒータによって加熱される。
【0034】
非限定的な例として、スタックの端部に形成された銅ストリップのループは、銅ストリップから順に、償却バッファ層およびセパレータプレートを含むことができる。
【0035】
本発明の好ましい実施形態では、温度は、制御ユニット(9)、すなわちコンピュータを介したプログラマブルロジックコントローラ(PLC)を介して制御され、これによりすべてのスタック全体にわたって実質的に均一な温度が得られ、任意に、適切な制御法則によってプリセットモードに従って徐々にスタックを加熱する。
【0036】
本発明の好ましい実施形態では、このプロセスにおいて、一次発電機(4)によって管理される電流は250~4000Aの強度を有し、二次発電機(61)および(62)によって生成される電圧は110~220Vである。
【0037】
好ましくは、本発明のプロセスは、形成されたパッケージ(1)が余分な金属部品の切断に供され、次いで、任意に、後続のトリミングステップに送られる個々のパッケージの手動切断および分離に供されるさらなるステップを想定する。
【0038】
本発明のさらなる態様は、プリント回路基板の製造に適した、少なくとも2つの金属薄層を含むプラスチック積層体を作製するためのシステムであり、プラスチック積層体は2つ以上のパッケージ(1)の少なくとも1つのスタックを含み、各パッケージ(1)は1または複数の支持シートを含み、存在する場合、他とは独立して、少なくとも1つのポリマー材料(MP)を含浸させた誘電材料(S)と、パッケージの両側に1つずつある金属導電性材料(M)の2つの薄層とを含み、金属薄層は、連続ストリップ(2)から開始して得られ、連続ストリップ(2)の一方の端部は、スタックの底部にある第1の支持シートか支持シート群(11)の下側に配置され、ストリップは、180°折り曲げられた後に、ストリップが前記シートまたはシート群の上側に配置されるように折り曲げられ、プレート(3)を第1のパッケージ(11)とその上のパッケージ(12)の間に配置した後、ストリップは第1の折り曲げと反対の方向に180℃折り曲げられて、シートまたはシート群(12)の下側と接触するように配置され、次に、ストリップは、前の折り曲げと反対の方向に180°再び折り曲げられて、第2のシートまたはシート群の上側に配置され、上記のようなストリップの折り曲げは、ストリップのもう一方の端部がスタックの最上部にあるパッケージ(13)のシートまたはシート群の上側に配置されるまで繰り返され、2つのストリップは主発電機(4)に接続されており、主発電機(4)は、発電機(4)の電気回路が閉じられると、ポリマー材料(MP)を架橋するような温度Tでストリップを加熱するのに適した電力を供給することができ、それにより、プレート(3)によって分離されたパッケージ(1)の相互接着を引き起こすのに適した圧力をスタック上に加えた後に、層を互いに、および層に近接して配置された金属ストリップの部分と結合させて、積層体の形態のパッケージ(1)を得ることができ、プレート(3)は、金属製または別の材料製のプレートであり、上記のようにスタックの加熱中に得られる最高温度で反りなく熱を伝導し、2つの加熱プレート(51)および(52)は、スタックの下層の下および上層の上にそれぞれ配置され、それぞれ(61)および(62)である2つの二次発電機への接続によってスタックの端部に熱を提供し、
スタックの内部には、2つ以上の内部温度プローブ(7)が存在し、これらは、パッケージ(1)以上だけ加熱プレート(61)および(62)から離れるように配置され、
プローブ(7)に接続され、好ましくはオンおよびオフによって、主発電機(4)および/または二次発電機(61)および(62)を制御するのに適した制御ユニット(9)が存在し、ポリマー材料(MP)の架橋を得て、スタックのすべての層において均一な方法でパッケージ(1)の形成をもたらし、
好ましくは任意で真空下であってもよい2層プレス、およびエアバッグから選択される2つ以上のパッケージ(1)の前記スタックに圧力を加える手段(8)が存在することを特徴とする。
【0039】
一態様において、本発明は、プリント回路基板用の多層プラスチック積層体を製造するための装置に関し、装置は、
導電性材料および絶縁材料の層からそれぞれ構成されるパッケージのスタックが間に配置されたときに、前記スタックに圧力を加えるように協働するように構成された第1および第2の手段と、
前記第1および第2の手段にそれぞれ関連付けられた第1の電気加熱プレートおよび第2の電気加熱プレートと、
前記スタック内に展開する導電性ストリップに接続されるように構成された主発電機と、
前記加熱プレートに接続された2つの二次発電機と、
前記スタックの内側および前記電気加熱プレートの外側に挿入されるように、および少なくとも1つのパッケージだけ電気加熱プレートから離れるように配置され、スタックの内部温度を検出するように適合された2つ以上の温度プローブと、
スタック全体にわたって実質的に均一な温度(すなわち、スタックのすべての領域において、それらの位置にかかわらず実質的に同じ温度)を得るために、前記2つ以上のプローブから受信した信号の関数として前記主発電機および前記二次発電機を駆動するように構成された制御ユニットと、を含む。「実質的に均一」とは、典型的かつ合理的には、平均温度に対する温度差が±5℃の間隔で点によって異なることを意味する。
【0040】
好ましくは、制御ユニットは、スタックを徐々に均一に加熱するように、2つ以上のプローブから受信した信号の関数として前記主発電機および二次発電機を駆動するように適合される。すなわち、スタック内の温度は、スタックの「調理」または「硬化」中だけでなく、スタックの加熱中に刻々と、場合によってはスタックの冷却中に刻々と均一であることが好ましい。
【0041】
典型的には、制御ユニットは、スタックの内部の領域で検出されたすべての温度のうちの1または複数の関数として少なくとも1つの駆動法則を実施し(例えば、それがプログラムされた制御ユニットである場合、独自の内部プリセットまたは独自の内部ソフトウェアもしくはファームウェアを介して)、これは、導電性ストリップの駆動に適用することができる。特に、制御ユニットは、2つまたは3つの駆動法則を実施することができ、各々は、スタックの内部の領域で検出された温度の1または複数の、またはすべての関数として実施され、これは、導電性ストリップおよび2つの電気加熱プレートの駆動に適用することができる。
【0042】
好ましくは、前記装置は、3つ、または4つ、または5つの温度プローブ、より好ましくは4つの温度プローブを含む。
【0043】
本発明の一実施形態を説明するために提供される以下の例では、その目的を限定することなく、スタックの延長部に均一に分布する温度を検出するために4個のプローブが配置され、そのうちの少なくとも2個は、少なくとも1つのパッケージ(1)以上だけ加熱プレート(61)および(62)によって離されるような位置でスタック内に配置され、その温度検出は、制御ユニット(9)を介して、主発電機(4)ならびに2つの補助ヒータ(51)および(52)の動作を決定する。
【0044】
生成された熱およびプレスの低温表面へのそれらの断熱のおかげで、2つの追加のヒータは、スタック内で生成された熱の分散に対する障壁を形成する。スタックの2つの端部に最も近いパッケージは、主に追加の熱の恩恵を受け、これは、それらの位置のためにそれらが有するであろうより低い加熱を補償する。これに加えて、パッケージのスタック内のプローブの位置決めは、したがって補助ヒータの温度を直接検出することなく、熱状態のより良好でより正確な管理を決定する。
【0045】
本発明に従って配置されたプローブがない場合、中央プローブによって管理される同じ熱プロファイルを実現するように制御される2つの補助ヒータの存在は、スタック全体に沿った温度均一性を保証せず、この態様は、スタック自体の全高が増加するにつれてより明確になる。
【0046】
スタック内でのプローブの位置決めおよび中央領域での第2のプローブの追加は、より正確な温度制御を決定する。中央領域および周辺領域において、温度がプローブによって設定および制御されるものよりわずかに高い場合であっても、スタックに沿った全体的な温度変動は中程度であり、最終的な結果として、架橋後に実質的に均一なパッケージが得られる。
【0047】
図3は、周辺加熱がなく、スタックの端部に配置された2つのヒータおよび2つのプローブのみが存在する場合の、本発明による(上記のように配置された4つのプローブを用いた)スタックに沿って検出された温度の比較を示す。矢印は、存在するプローブの位置を示す。
【0048】
破線は、加熱プレートがない場合に得られた温度プロファイルを示す。
【0049】
一点鎖線で示す温度プロファイルは、プレートに配置された2つのプローブと中央プローブとを有するスタックの上端および下端に配置された2つの加熱プレートの存在下で得られる。
【0050】
実線は、本発明に従って配置された4つのプローブを有するスタックで得られた温度プロファイルを示す。
【0051】
本発明による構成(実線)において、スタックの延長部全体にわたって温度傾向が実質的に均一である様子を見ることができる。反対に、中間プローブのない別の2つの構成では、温度はスタックに沿って大幅に変化し、スタックの異なる点で得られる多層プラスチック積層体の均一性が失われる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】