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特表2022-520117鋼基材を被覆する方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-28
(54)【発明の名称】鋼基材を被覆する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   C23C 18/08 20060101AFI20220318BHJP
【FI】
C23C18/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547558
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(85)【翻訳文提出日】2021-10-04
(86)【国際出願番号】 US2020018243
(87)【国際公開番号】W WO2020168163
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】62/805,729
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/873,640
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.アンドロイド
(71)【出願人】
【識別番号】521358051
【氏名又は名称】パブリック ジョイント ストック カンパニー “セヴェルスターリ”
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デトウェイラー,サカリー エム.
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,アダム ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ショー,トラビス ダブリュー.
【テーマコード(参考)】
4K022
【Fターム(参考)】
4K022AA02
4K022BA07
4K022BA09
4K022BA20
4K022BA22
4K022BA23
4K022BA27
4K022DA06
4K022DB01
(57)【要約】
本開示は、基材上にまたは基材に隣接して金属層を析出させるシステムおよび方法を提供する。基材を提供することができる。基材は、金属酸化物と、金属還元剤と、金属輸送活性化剤とを含むスラリーに接触することで、基材に隣接して金属含有層を提供することができる。基材および少なくとも1つの金属含有層を焼きなましし、金属酸化物と金属輸送活性化剤が金属熱還元反応を起こして少なくとも1つの金属層および水を生成することができる。水は金属還元剤により還元することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に隣接して少なくとも1つの金属層を形成する方法であって、
(a)前記基材を、金属酸化物と、金属還元剤と、金属輸送活性化剤とを含むスラリーに接触させることで、前記基材に隣接して金属含有層を提供するステップと、
(b)前記基材および前記少なくとも1つの金属含有層を焼きなましすることで、前記金属酸化物と前記金属輸送活性化剤が金属熱還元反応を起こして前記少なくとも1つの金属層および水を生成し、前記水が前記金属還元剤により還元されるステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの金属層が約ASTM000から約ASTM30までの粒度を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基材に、(i)約0.1重量%以下の炭素、(ii)約0.1重量%~約3重量%のマンガン、(iii)約1重量%以下のケイ素、(iv)約0.1重量%以下のバナジウム、および(v)約0.5重量%以下のチタン、のうち少なくとも何れか1つが含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基材に、(i)約0.1重量%以下の炭素、(ii)約0.1重量%~約3重量%のマンガン、(iii)約1重量%以下のケイ素、(iv)約0.1重量%以下のバナジウム、および(v)約0.5重量%以下のチタン、のうち少なくとも何れか2つが含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基材に、(i)約0.1重量%以下の炭素、(ii)約0.1重量%~約3重量%のマンガン、(iii)約1重量%以下のケイ素、(iv)約0.1重量%以下のバナジウム、および(v)約0.5重量%以下のチタン、のうち少なくとも何れか3つが含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基材に、(i)約0.1重量%以下の炭素、(ii)約0.1重量%~約3重量%のマンガン、(iii)約1重量%以下のケイ素、(iv)約0.1重量%以下のバナジウム、および(v)約0.5重量%以下のチタンのうち少なくとも何れか4つが含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記基材に、(i)約0.1重量%以下の炭素、(ii)約0.1重量%~3重量%のマンガン、(iii)約1重量%以下のケイ素、(iv)約0.1重量%以下のバナジウム、および(v)約0.5重量%以下のチタンが含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記金属層が約0℃~1000℃の焼なまし温度で形成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記金属層が、約10トール未満の蒸気レベルを有する焼なまし雰囲気で形成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記焼きなましに、単位秒あたり少なくとも約0.1℃の割合で前記基材を加熱することが含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記焼きなましが、約500℃を超える温度で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記焼きなましの後に前記基材を冷却するステップがさらに含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記焼きなましの際に、前記基材がフェライトからオーステナイトに変態することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記焼きなましの温度が、フェライトがオーステナイトに変態する変態温度によって決められることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つのオーステナイト安定化剤を添加することにより、前記変態温度が下がることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記金属輸送活性化剤に、ハロゲン化物種、金属ハロゲン化物種、金属硫化物種、またはガス状種が含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記金属輸送活性化剤に水素が含まれることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記金属輸送活性化剤に、塩化マグネシウム(MgCl)、塩化鉄(II) (FeCl)、塩化カルシウム(CaCl)、塩化ジルコニウム(IV)(ZrCl)、塩化チタン(IV)(TiCl)、塩化ニオブ(V)(NbCl)、塩化チタン(III)(TiCl)、四塩化ケイ素(SiCl)、塩化バナジウム(III)(VCl)、塩化クロム(III)(CrCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、塩化マンガン(II)(MnCl)、塩化クロム(II)(CrCl)、塩化コバルト(II)(CoCl)、塩化銅(II)(CuCl)、塩化ニッケル(II)(NiCl)、塩化バナジウム(II)(VCl)、塩化アンモニウム(NHCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、硫化モリブデン(MoS)、硫化マンガン(MnS)、二硫化鉄(FeS)、硫化クロム(CrS)、硫化鉄(FeS)、硫化銅(CuS)、硫化ニッケル(NiS)およびこれらの組み合わせからなる群から選択される種が含まれることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記焼きなましに続いて前記基材を乾燥させることがさらに含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
i)約0.2重量%を超えるチタンと、ii)約0.8重量%を超えるマンガンと、からなる群から選択される構成金属を含み、1.8を超える測定塑性ひずみ比を有することを特徴とする鋼組成物。
【請求項21】
前記鋼組成物が2.0を超える測定塑性ひずみ比を有することを特徴とする請求項20に記載の鋼組成物。
【請求項22】
前記鋼組成物は、約750℃~約1100℃の間の温度で焼きなましが行われることを特徴とする請求項20に記載の鋼組成物。
【請求項23】
前記焼きなましの際に前記鋼組成物がフェライトからオーステナイトに変態することを特徴とする請求項22に記載の鋼組成物。
【請求項24】
前記鋼組成物が約ASTM000からASTM30までの間の粒度を有することを特徴とする請求項22に記載の鋼組成物。
【請求項25】
前記鋼組成物に、
約0.2重量%を超えるチタンと、
i)約0.01重量%を超える炭素、ii)約0.02重量%を超えるアルミニウム、iii)約0.004重量%以下の硫黄、およびiv)約0.02重量%未満のニオブから選択される2以上の構成元素と、
が含まれることを特徴とする請求項20に記載の鋼組成物。
【請求項26】
前記鋼組成物に、
約0.8重量%を超えるマンガンと、
i)約0.01重量%未満の炭素、
ii)約0.02重量%未満のアルミニウム、
iii)約0.004重量%を超える硫黄、および
iv)約0.02重量%を超えるニオブ、
から選択される2以上の構成元素と、
が含まれることを特徴とする請求項20に記載の鋼組成物。
【請求項27】
金属酸化物と、金属還元剤と、金属輸送活性化剤とを含むスラリーを含み、基材に隣接して少なくとも1つの金属層を形成するための組成物であって、
前記スラリーが前記基材に隣接して金属含有層を提供するように構成され、前記金属酸化物と前記金属輸送活性化剤が金属熱還元反応を起こすように構成されていることにより前記少なくとも1つの金属層と水が生成されることを特徴とする組成物。
【請求項28】
前記水が前記金属還元剤により還元されることを特徴とする請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記金属酸化物がCr、TiO、FeCr、SiO、Ta、およびMgCrからなる群から選択されることを特徴とする請求項27に記載の組成物。
【請求項30】
前記金属還元剤が、鉄、クロム、ニッケル、ケイ素、バナジウム、チタン、ホウ素、タングステン、アルミニウム、モリブデン、コバルト、マンガン、ジルコニウム、およびニオブからなる群から選択される元素を含むことを特徴とする請求項27に記載の組成物。
【請求項31】
前記金属輸送活性化剤が、ハロゲン化物種、金属ハロゲン化物種、金属硫化物種、またはガス種を含むことを特徴とする請求項27に記載の組成物。
【請求項32】
前記金属輸送活性化剤に水素が含まれることを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
前記金属輸送活性化剤に、塩化マグネシウム(MgCl)、塩化鉄(II)(FeCl)、塩化カルシウム(CaCl)、塩化ジルコニウム(IV)(ZrCl)、塩化チタン(IV)(TiCl)、塩化ニオブ(V)(NbCl)、塩化チタン(III)(TiCl)、四塩化ケイ素(SiCl)、塩化バナジウム(III)(VCl)、塩化クロム(III)(CrCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、塩化マンガン(II)(MnCl)、塩化クロム(II)(CrCl)、塩化コバルト(II)(CoCl)、塩化銅(II)(CuCl)、塩化ニッケル(II)(NiCl)、塩化バナジウム(II)(VCl)、塩化アンモニウム(NHCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、硫化モリブデン(MoS)、硫化マンガン(MnS)、二硫化鉄(FeS)、硫化クロム(CrS)、硫化鉄(FeS)、硫化銅(CuS)、硫化ニッケル(NiS)およびこれらの組み合わせ、からなる群から選択される種が含まれることを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項34】
溶媒をさらに含むことを特徴とする請求項27に記載の組成物。
【請求項35】
前記溶媒に水が含まれることを特徴とする請求項33に記載の組成物。
【請求項36】
前記溶媒に有機種が含まれることを特徴とする請求項33に記載の組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2019年2月14日に出願された米国仮出願第62/805、729号および2019年7月12日に出願された米国仮出願第62/873,640号の利益を主張し、これらの出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
鋼鉄とは鉄および炭素など他の元素からなる合金である場合がある。炭素が主な合金化元素である場合、鋼鉄中の含有量は約0.002重量%~2.1重量%とすることができる。限定されることなく、鋼鉄に以下の元素が存在可能である:炭素、マンガン、リン、硫黄、ケイ素、酸素、窒素、およびアルミニウム。鋼鉄の特性を変化させるために添加される合金化元素としては、限定されることなく、マンガン、ニッケル、クロム、モリブデン、ホウ素、チタン、バナジウム、ニオブを含むことができる。
【0003】
ステンレス鋼は水で簡単に腐食せず、さび付かず(酸化せず)、または汚れない材料とすることができる。所定の環境に適したステンレス鋼の様々なグレードおよび表面仕上げが存在する可能性がある。鋼鉄の特性と耐腐食性が有益であるステンレス鋼を使用することができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は基材に隣接して金属層を被覆するシステムおよび方法を提供する。基材は鋼基材とすることができる。このような金属層の例としては、ステンレス鋼、ケイ素鋼、および騒音・振動・ハーシュネス製振鋼板が挙げられるが、これらに限定されない。このような基材の例としては、一以上の鉄、クロム、ニッケル、ケイ素、バナジウム、チタン、ホウ素、タングステン、アルミニウム、モリブデン、コバルト、マンガン、ジルコニウム、およびニオブ、これらの酸化物、これらの窒化物、これらの硫化物,またはこれらのあらゆる組み合わせが含まれる場合がある。システムおよび基材は結果として生じた所望とされる微細構造を生成することができる。
【0005】
一態様において、本明細書において、基材に隣接して少なくとも1つの金属層を形成する方法が提供され、前記方法には前記基材を、金属酸化物と、金属還元剤と、金属輸送活性化剤とを含むスラリーに接触させることで、前記基材に隣接して金属含有層を提供し、また前記基材および前記少なくとも1つの金属含有層を焼きなましすることで、前記金属酸化物と前記金属輸送活性化剤が金属熱還元反応を起こして前記少なくとも1つの金属層および水を生成し、前記水が前記金属還元剤により還元される。
【0006】
実施形態によっては、前記少なくとも1つの金属層は、約ASTM000から約ASTM30までの粒度を有する。
【0007】
実施形態によっては、本基材には、(i)約0.1重量%以下の炭素,(ii)約0.1重量%~3重量%のマンガン、(iii)約1重量%以下のケイ素,(iv)約0.1重量%以下のバナジウム、および(v)約0.5重量%以下のチタン、のうち少なくとも何れか1つが含まれる。実施形態によっては、本基材には、(i)約0.1重量%以下の炭素、(ii)約0.1重量%~3重量%のマンガン、(iii)約1重量%以下のケイ素、(iv)約0.1重量%以下のバナジウム、および(v)約0.5重量%以下のチタン、のうち少なくとも何れか2つが含まれる。実施形態によっては、本基材には、(i)約0.1重量%以下の炭素、(ii)約0.1重量%~3重量%のマンガン、(iii)約1重量%以下のケイ素、(iv)約0.1重量%以下のバナジウム、および(v)約0.5重量%以下のチタン、のうち少なくとも何れか3つが含まれる。実施形態によっては、本基材には、(i)約0.1重量%以下の炭素,(ii)約0.1重量%~3重量%のマンガン、(iii)約1重量%以下のケイ素、(iv)約0.1重量%以下のバナジウム,および(v)約0.5重量%以下のチタン、のうち少なくとも何れか4つが含まれる。実施形態によっては、本基材には、(i)約0.1重量%以下の炭素,(ii)約0.1重量%~3重量%のマンガン、(iii)約1重量%以下のケイ素、(iv)約0.1重量%以下のバナジウム、および(v)約0.5重量%以下のチタンが含まれる。
【0008】
実施形態によっては、約0℃から1000℃までの焼なまし温度で金属層が形成される。実施形態によっては、約10トール未満の蒸気レベルの焼なまし雰囲気で金属層が形成される。実施形態によっては、焼きなましには、毎秒当たり少なくとも約0.1℃の割合で前記基材を加熱することが含まれる。実施形態によっては、約500℃を超える温度で焼きなましが行われる。実施形態によっては、本方法には焼きなましの後に前記基材を冷却するステップがさらに含まれる。
【0009】
実施形態によっては、前記基材は、焼きなましの際に、フェライトからオーステナイトに変態する。実施形態によっては、焼きなましの温度はフェライトがオーステナイトに変態する変態温度によって決められる。実施形態によっては、少なくとも1つのオーステナイト安定化剤を添加することにより前記変態温度が下がる。
【0010】
実施形態によっては、金属輸送活性化剤には、ハロゲン化物種、金属ハロゲン化物種、金属硫化物種、またはガス状種が含まれる。実施形態によっては、金属輸送活性化剤には、塩化マグネシウム(MgCl)、塩化鉄(II)(FeCl)、塩化カルシウム(CaCl)、塩化ジルコニウム(IV)(ZrCl)、塩化チタン(IV)(TiCl)、塩化ニオブ(V)(NbCl)、塩化チタン(III)(TiCl)、四塩化ケイ素(SiCl)、塩化バナジウム(III)(VCl)、塩化クロム(III)(CrCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、塩化マンガン(II)(MnCl)、塩化クロム(II)(CrCl)、塩化コバルト(II)(CoCl)、塩化銅(II)(CuCl)、塩化ニッケル(II)(NiCl)、塩化バナジウム(II)(VCl)、塩化アンモニウム(NH4Cl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、硫化モリブデン(MoS)、硫化マンガン(MnS)、二硫化鉄(FeS)、硫化クロム(CrS)、硫化鉄(FeS)、硫化銅(CuS)、硫化ニッケル(NiS)およびこれらの組み合わせ、からなる群から選択される種が含まれる。
【0011】
実施形態によっては、本方法には、焼きなましの後に前記基材を乾燥させることがさらに含まれる。
【0012】
一態様において、本明細書には、i)約0.2重量%を超えるチタンと、ii)約0.8重量%を超えるマンガンと、からなる群から選択される構成金属を有し、1.8を超える測定塑性ひずみ比を有する鋼組成物が提供される。実施形態によっては、鋼組成物は2を超える測定塑性ひずみ比を有する。
【0013】
実施形態によっては、鋼組成物は約750℃から約1100℃までの間の温度で焼きなましが行われる。実施形態によっては、焼きなましの際に、前記鋼組成物がフェライトからオーステナイトに変態する。実施形態によっては、前記鋼組成物は、約ASTM000からASTM30までの間の粒度を有する。実施形態によっては、前記鋼組成物には、約0.2重量%を超えるチタンと、i)約0.01重量%を超える炭素、ii)約0.02重量%を超えるアルミニウム、およびiii)約0.004重量%以下の硫黄、およびiv)約0.02重量%未満のニオブ、から選択される2以上の構成元素と、が含まれる。実施形態によっては、前記鋼組成物には、約0.8重量%を超えるマンガンと、i)約0.01重量%未満の炭素、ii)約0.02重量%未満のアルミニウム、およびiii)約0.004重量%を超える硫黄、およびiv)約0.02重量%を超えるニオブ、から選択される2以上の構成元素と、が含まれる。
【0014】
別の態様において、本明細書において、基材に隣接して少なくとも1つの金属層を形成するための組成物であって、金属酸化物と、金属還元剤と、金属輸送活性化剤とを含むスラリーを有し、前記スラリーが、前記基材に隣接して金属含有層を提供するように構成され、前記金属酸化物と前記金属輸送活性化剤が金属熱還元反応を起こすように構成されていることにより、前記少なくとも1つの金属層と水が生成されることを特徴とする組成物が提供される。
【0015】
実施形態によっては、前記金属酸化物はCr、TiO、FeCr、SiO、Ta、およびMgCrからなる群から選択される。
【0016】
実施形態によっては、前記金属還元剤は、鉄、クロム、ニッケル、ケイ素、バナジウム、チタン、ホウ素、タングステン、アルミニウム、モリブデン、コバルト、マンガン、ジルコニウム、およびニオブからなる群から選択される元素を含む。
【0017】
実施形態によっては、前記金属輸送活性化剤には、ハロゲン化物種、金属ハロゲン化物種、金属硫化物種、またはガス種が含まれる。実施形態によっては、前記金属輸送活性化剤に水素が含まれる。実施形態によっては、前記金属輸送活性化剤には、塩化マグネシウム(MgCl)、塩化鉄(II)(FeCl)、塩化カルシウム(CaCl)、塩化ジルコニウム(IV)(ZrCl)、塩化チタン(IV)(TiCl)、塩化ニオブ(V)(NbCl)、塩化チタン(III)(TiCl)、四塩化ケイ素(SiCl)、塩化バナジウム(III)(VCl)、塩化クロム(III)(CrCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、塩化マンガン(II)(MnCl)、塩化クロム(II)(CrCl)、塩化コバルト(II)(CoCl)、塩化銅(II)(CuCl)、塩化ニッケル(II)(NiCl)、塩化バナジウム(II)(VCl)、塩化アンモニウム(NHCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、硫化モリブデン(MoS)、硫化マンガン(MnS)、二硫化鉄(FeS)、硫化クロム(CrS)、硫化鉄(FeS)、硫化銅(CuS)、硫化ニッケル(NiS)およびこれらの組み合わせ、からなる群から選択される種が含まれる。
【0018】
実施形態によっては、前記組成物にはさらに溶媒が含まれる。実施形態によっては、前記溶媒に水が含まれる。実施形態によっては、前記溶媒に有機種が含まれる。
【0019】
本開示の別の態様は、一以上のコンピュータープロセッサによって実行されると、上記または本明細書のどこかに記載されている方法の何れかを実行する、機械で実行可能なコードを含む非一時的な記録媒体を提供する。
【0020】
本開示の別の態様は、一以上のコンピュータープロセッサおよびこれに接続しているコンピューターメモリを備えたシステムを提供する。コンピューターメモリは、一以上のコンピュータープロセッサによって実行されると、上記または本明細書のどこかに記載されている方法の何れかを実行する機械で実行可能なコードを含む。
【0021】
本開示の追加の態様および利点は、以下の詳細な説明から当技術分野の当業者に容易に明らかになり、本開示の例示的な実施形態のみが示され、説明される。理解されるように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、すべて本開示から逸脱することなく、様々な明白な点で修正することができる。したがって、図面および説明は、本質的に例示的なものと見なされるべきであり、限定的なものとして見なされるべきではない。
(参照による援用)
【0022】
本明細書に記載されているすべての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されている。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、および添付の図面(本明細書において「図面」および「図」)を参照することにより得られる。
【0024】
図1図1は基材に隣接して金属層を形成する方法を概略的に表している。
【0025】
図2図2は金属層で被覆された後の鋼基材を表す。
【0026】
図3図3は金属層で被覆された後の鋼基材を表す。
【0027】
図4図4は本明細書で提供される方法を実行するようにプログラムされているか或いは構成されているコンピュータ制御システムを概略的に表す。
【発明の詳細な説明】
【0028】
本発明の様々な実施形態が本明細書に示され、記載されてきたが、そのような実施形態が例としてのみ提供されることは当業者に明らかであろう。数多くの変形、変更、および置換が、本発明から逸脱することなく当技術分野の当業者に起こり得る。本明細書に記載の本発明の実施形態について、種々の代替案を採用することができることを理解されたい。
【0029】
本明細書においてスラリーとの用語は、一般的に液相と固相を有する溶液を指す。固相は液相中に存在していても構わない。スラリーに一以上の液相と一以上の固相が存在しても構わない。
【0030】
本明細書において「隣接」または「に隣接して」との用語は、一般的に「に隣り合って」、「と接触して」、および「に近接して」との意味を指すものとする。場合によっては、隣接するとは「~より上」または「~より下」を指す場合がある。第2の層に隣接している第1の層は、第2の層に直接接触しているか、または第1の層と第2の層の間に一以上の介在層が存在する場合も考えられる。
【0031】
「少なくとも」、「を超える」、または「以上」との用語が、2以上連なる数字の最初/最後の数字の前/後に表れる場合は、「少なくとも」、「を超える」、または「以上」との用語は、連なる数字の値の各々について適応される。例えば、1、2、または3以上とは、1以上、2以上、または3以上に等しい。
【0032】
「以下」、「未満」、または「を超えない」との用語が、2以上連なる数字の最初/最後の数字の前/後に表れる場合は、「以下」、「未満」、または「を超えない」との用語は連なる数字の値の各々について適応される。例えば、1、2、または3以下とは、1以下、2以下、または3以下に等しい。
【0033】
本開示は一以上の金属層で被覆された部品、物品、または物体(シート、チューブ、ワイヤ、等)を提供する。部品とは物体の少なくとも一部である場合があり、また物体の全部を指す場合もある。金属層は一以上の金属からなる。場合によっては、基材を金属層で被覆することができる。被覆には少なくとも1つの金属元素を含む合金化剤が含まれる場合がある。少なくとも1つの金属元素を有する合金化剤を含むスラリーで基材が被覆されると、スラリー被覆された基材を形成することができる。合金化剤で被覆された基材を焼きなまし条件に付することにより、基材に隣接して金属層を生じさせることができる。金属層は、金属層と基材との間に拡散層を用いて、基材に結合させることができる。
【0034】
基材は、基材中に細かい微粒子(>7ASTM粒度)を保ったまま、>50ミクロンの合金層を生成することができる。上に記載し提示した規格は標準規格であるとは限らない規格である。この規格はメタライジングプロセスとは関係ない高温での焼きなましまたは高温での用途に有用である場合がある。
(基材およびスラリー)
【0035】
本開示は基材に隣接して金属層を析出させることを使用した方法および基材を提供する。この種の基材は、例えば、炭素、マンガン、ケイ素、バナジウム、チタン、ニッケル、クロム、モリブデン、ホウ素、およびニオブのうち一以上を含むことができる。
基材の例としてはステンレス鋼、ケイ素鋼、および騒音・振動・ハーシュネス製振鋼板が挙げられるが、これらには限られない。
【0036】
基材は、コイル、コイルメッシュ、ワイヤ、パイプ、チューブ、スラブ、メッシュ、浸漬成形部品、ホイル、板、ワイヤロープ、ロッド、または螺子パターンがロッドの任意の長さもしくは厚さまで施されたねじ棒、シート、または平面部として、提供することができる。例えばシートの厚さは0.001インチから1インチまでのあらゆる厚みを有することができる。
【0037】
基材には遷移金属、非金属元素、金属酸化物、還元金属元素、金属ハロゲン化物、活性化剤、メタロイド、またはこれらの組み合わせ(複数の元素金属、等)が含まれる場合がある。基材に遷移金属が含まれる場合がある。基材に非金属元素が含まれる場合がある。基材にメタロイドが含まれる場合がある。基材には例えば、クロム、ニッケル、アルミニウム、ケイ素、バナジウム、チタン、ホウ素、タングステン、モリブデン、コバルト、マンガン、ジルコニウム、ニオブ、炭素、窒素、硫黄、酸素、リン、銅、スズ、カルシウム、ヒ素、鉛、アンチモン、タンタル、亜鉛、またはこれらのあらゆる組み合わせから選択される元素種が含まれる場合がある。基材には金属還元剤として機能する元素種が含まれる場合がある。金属還元剤にはアルミニウム、チタン、ジルコニウム、ケイ素、またはマグネシウムが含まれる場合がある。基材には水、イソプロパノール、またはメチルエチルケトンなどのキャリア溶媒が含まれる場合がある。
【0038】
基材には鉄、銅、アルミニウム、またはこれらのあらゆる組み合わせ、などの金属が含まれる場合がある。基材には金属および/または非金属からなる合金が含まれる場合がある。合金に不純物が含まれていてもよい。基材に鋼鉄が含まれる場合がある。基材は鋼基材とすることができる。基材にセラミックが含まれる場合がある。基材に遊離炭素が含まれない場合がある。基材は融液相から作製することができる。基材は、冷間圧延状態、フルハード状態(例えば、冷間圧延の後に焼きなましステップに付されていない)、または熱延酸洗状態である場合がある。
【0039】
基材に金属酸化物が含まれる場合がある。金属酸化物に、Al、MgO、CaO、Cr、TiO、FeCr、SiO、Ta、またはMgCr、またはこれらの組み合わせが含まれる場合があるが、これらに限られない。金属酸化物は基材の中に直接取り込むことができる。金属酸化物は、元素金属と熱力学的に不安定な金属酸化物との間の金属熱還元反応によって、基材の中に形成することができる。元素金属と熱力学的に不安定な金属酸化物の適切なペアは、当該金属酸化物による元素金属の酸化によって生成ギブスエネルギーが低減するようなペアから選択することができる。金属熱還元反応は自発的に起こりえる。金属熱還元反応は、ハロゲン化物、金属ハロゲン化物、金属硫化物、または水素などの金属輸送活性化剤の存在下で起こすことができる。金属酸化物に粉末が含まれていてもよい。
【0040】
粉末(例えば、金属、金属酸化物、金属ハロゲン化物、またはその他の基材成分を含有)は、0.01ミクロン(μm)から1mmまでの粒度(例えば、平均粒度)を有する個々の粒子を含むことができる。粉末は、少なくとも約0.01μmの平均粒度、少なくとも約0.1μmの平均粒度、少なくとも約1μmの平均粒度、少なくとも約20μmの平均粒度、少なくとも約30μmの平均粒度、少なくとも約50μmの平均粒度、少なくとも約100μmの平均粒度、少なくとも約250μmの平均粒度、少なくとも約500μmの平均粒度、または少なくとも約1mmの平均粒度を有することができる。粉末は約1mm以下の平均粒度、約500μm以下の平均粒度、約250μm以下の平均粒度、約100μm以下の平均粒度、約50μm以下の平均粒度、約30μm以下の平均粒度、約20μm以下の平均粒度、約10μm以下の平均粒度、約1μm以下の平均粒度、約0.1μm以下の平均粒度、また約約0.01μm以下の平均粒度を有することができる。粉末は、約0.01μmから0.1μmまでの平均粒度、約0.01μmから1μmまでの平均粒度、約0.01μmから20μmまでの平均粒度、0.01μmから30μmまでの平均粒度、約0.01μmから50μmまでの平均粒度、約0.01μmから100μmまでの平均粒度、約0.01μmから250μmまでの平均粒度、約0.01μmから500μmまでの平均粒度、約0.01μmから1mmまでの平均粒度、約0.1μmから1μmまでの平均粒度、約0.1μmから20μmまでの平均粒度、約0.1μmから30μmまでの平均粒度、約0.1μmから50μm,0.1μmから100μmまでの平均粒度、約0.1μmから250μmまでの平均粒度、約0.1μmから500μmまでの平均粒度、約0.1μmから1mmまでの平均粒度、約1μmから20μmまでの平均粒度、約1μmから30μmまでの平均粒度、約1μmから50μmまでの平均粒度、約1μmから100μmまでの平均粒度、約1μmから250μmまでの平均粒度、約1μmから500μmまでの平均粒度、約1μmから1mmまでの平均粒度、約10μmから100μmまでの平均粒度、約10μmから250μmまでの平均粒度、約10μmから500μmまでの平均粒度、約10μmから1mmまでの平均粒度、約100μmから250μmまでの平均粒度、約100μmから500μmまでの平均粒度、約100μmから1mmまでの平均粒度、約250μmから500μmまでの平均粒度、約250μmから1mmまでの平均粒度、または約500μmから1mmまでの平均粒度を有することができる。粉末には、少なくとも約0.01μmの平均粒度、少なくとも約0.1μmの平均粒度、少なくとも約1μmの平均粒度、少なくとも約20μmの平均粒度、少なくとも約30μmの平均粒度、少なくとも約50μmの平均粒度、少なくとも約100μmの平均粒度、少なくとも約250μmの平均粒度、少なくとも約500μmの平均粒度、または少なくとも約1mmの平均粒度、を有する個々の粒子が含まれる場合がある。粉末には、最大で約1ミリメートル(mm)、最大で500μm、最大で250μm、最大で100μm、最大で50μm、最大で30μm、最大で20μm、最大で1μm、最大で0.1μm、または最大で0.01μmの平均粒度を有する個々の粒子が含まれる場合がある。粉末には、少なくとも約325以下のメッシュサイズを有するふるいを通過することのできる粒子が含まれる場合がある。金属、金属酸化物、金属ハロゲン化物、またはその他の基材成分を含有する粉末に、少なくとも約l8、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約80、少なくとも約100、少なくとも約115、少なくとも約150、少なくとも約170、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約270、または少なくとも約400、のメッシュサイズを有するふるいを通過可能な粒子が含まれる場合がある。
【0041】
スラリー混合物は、スラリーの全重量に対して、約30重量パーセント(重量%)、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、または約95重量%に相当する金属酸化物を含むことができる。スラリー混合物は、スラリーの全重量に対して、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、40重量%、少なくとも約45重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約55重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、または少なくとも約95重量%に相当する金属酸化物を含むことができる。スラリー混合物は、スラリーの全重量に対して、約95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、または約30重量%以下に相当する金属酸化物を含むことができる。スラリー混合物は金属酸化物を、スラリーの全重量に対して、約30重量%から約95重量%までの範囲で含むことができる。金属酸化物は、スラリーの全重量に対して、約1~約95重量%、約1~約85重量%、約1~約75重量%、約1~約60重量%、約1~約50重量%、約1~約40重量%、約1~約30重量%、約1~約20重量%、約1~約10重量%、約5~約95重量%、約5~約85重量%、約5~約75重量%、約5~約60重量%、約5~約50重量%、約5~約40重量%、約5~約30重量%、約5~約20重量%、約5~約10重量%、約10~95重量%、約10~約85重量%、約10~約75重量%、約10~約60重量%、約10~約50重量%、約10~約40重量%、約10~約30重量%、約10~約20重量%、約20~約95重量%、約20~約85重量%、約20~約75重量%、約20~約60重量%、約20~約50重量%、約20~約40重量%、約20~約30重量%、約30~約85重量%、約30~約75重量%、約30~約60重量%、約30~約50重量%、約30~約40重量%、約1~約95重量%、約40~約85重量%、約40~約75重量%、約40~約60重量%、約40~約50重量%、約50~約95重量%、約50~約85重量%、約50~約75重量%、または約50~約60重量%含むことができる。金属酸化物または還元金属はその純度に対して選択される。金属酸化物または還元金属は、重量ベースで、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、または少なくとも約99.99%の純度を有することができる。金属酸化物または還元金属は、重量ベースで約99.99%以下、約99%以下、約95%以下、約90%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、または約25%以下の純度を有することができる。
【0042】
還元金属は、酸素源に対して約0.6~2.0の原子比率を有することができる。還元金属は酸素源に対して、約0.01~約10.0の原子比率、約0.01~約1.0の原子比率、約0.01~約1.5の原子比率、約0.01~約3.0の原子比率、約0.01~約4.0の原子比率、約0.01~約5.0の原子比率、約0.1~約1.0の原子比率、約0.1~約1.5の原子比率、約0.1~約3.0の原子比率、約0.1~約4.0の原子比率、約0.1~約5.0の原子比率、約0.1~約10.0の原子比率、約0.5~約1.0の原子比率、約0.5~約1.5の原子比率、約0.5~約3.0の原子比率、約0.5~約4.0の原子比率、約0.5~約5.0の原子比率、約0.5~約10.0の原子比率、約1.0~約1.5の原子比率、約1.0~約3.0の原子比率、約1.0~約4.0の原子比率、約1.0~約5.0の原子比率、約1.0~約10.0の原子比率、約2.0~約3.0の原子比率、約2.0~約4.0の原子比率、約2.0~約5.0の原子比率、約2.0~約10.0の原子比率、約3.0~約4.0の原子比率、約4.0~約5.0の原子比率、約4.0~約10.0の原子比率、または約5.0~約10.0の原子比率、を有することができる。
【0043】
金属基材は、金属輸送活性化剤成分を含むことができる。金属輸送活性化剤は全基材に対して、約0.001重量%、約0.01重量%、約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約30重量%、または約50重量%だけ含むことができる。金属輸送活性化剤は全基材に対して、少なくとも約0.001重量%、少なくとも約0.01重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約4重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、または少なくとも約50重量%だけ含むことができる。金属輸送活性化剤は、全基材に対して、約50重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、0.1重量%以下、0.01重量%以下、または約0.001重量%以下だけ含むことができる。金属輸送活性化剤は全基材に対して、約0.001~約1重量%、約0.001~約2重量%、約0.001~約3重量%、約0.001~約4重量%、約0.001~約5重量%、約0.001~約10重量%、約0.001~約15重量%、約0.001~約20重量%、約0.001~約30重量%、約0.001~約50重量%、約0.01~約1重量%、約0.01~約2重量%、約0.01~約3重量%、約0.01~約4重量%、約0.01~約10重量%、約0.01~約15重量%、約0.01~約20重量%、約0.01~約30重量%、約0.01~約50重量%、約0.1~約1重量%、約0.1~約2重量%、約0.1~約3重量%、約0.1~約4重量%、約0.1~約5重量%、約0.1~約10重量%、約0.1~約15重量%、約0.1~約20重量%、約0.1~約30重量%、約0.1to50重量%、約1.0~約2重量%、約1.0~約3重量%、約1.0~約4重量%、約1.0~約10重量%、約1.0~約15重量%、約1.0~約20重量%、約1.0~約30重量%、約1.0~約50重量%、または約10~約50重量%だけ含むことができる。
【0044】
本開示は一以上の金属層で被覆された基材を提供する。場合によっては、基材を少なくとも1つの金属層で被覆することができる。基材を約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の金属層で被覆することができる。基材を少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の金属層で被覆することができる。基材を約10以下、約9以下、約8以下、約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、約2以下、または1の金属層で被覆することができる。被覆は少なくとも1つの金属元素を有する合金化剤を含むことができる。金属層は、基材と金属層の間にある拡散層を利用して基材に接合することができる。
【0045】
金属層は、少なくとも約1ナノメートル、少なくとも約10ナノメートル、少なくとも約100ナノメートル、少なくとも約500ナノメートル、少なくとも約1ミクロン、少なくとも約5ミクロン、少なくとも約10ミクロン、少なくとも約25ミクロン、少なくとも約50ミクロン、少なくとも約60ミクロン、少なくとも約70ミクロン、少なくとも約80ミクロン、少なくとも約90ミクロン、または少なくとも約100ミクロン、の厚みを有することができる。金属層は、約100ミクロン以下、90ミクロン以下、80ミクロン以下、70ミクロン以下、60ミクロン以下、50ミクロン以下、25ミクロン以下、10ミクロン以下、5ミクロン以下、1ミクロン以下、500ナノメートル以下、100ナノメートル以下、10ナノメートル以下、または約1ナノメートル以下の厚みを有することができる。金属層の厚みは単原子層よりも厚くすることができる。この厚みは多分子層相当とすることができる。
【0046】
基材は約2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、または約20以上の元素種を含有することができる。基材は、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、または少なくとも約20の元素種を含有することができる。基材は約20以下、約19以下、約18以下、約17以下、約16以下、約15以下、約14以下、約13以下、約12以下、約11以下、約10以下、約9以下、約8以下、約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、または約2以下の元素種を含有することができる。基材は炭素、マンガン、ケイ素、バナジウム、およびチタンのうち少なくとも2つの元素を含むことができる。基材は炭素、マンガン、ケイ素、バナジウム、およびチタンのうち少なくとも3つの元素を含むことができる。基材は炭素、マンガン、ケイ素、バナジウム、およびチタンのうち少なくとも4つの元素を含むことができる。
【0047】
基材は複数の元素を含むことができる。基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える、7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超える炭素(C)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.005重量%、0.004重量%、0.002重量%、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下の炭素を含むことができる。
【0048】
基材は、(Mn)0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるマンガン(Mn)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のマンガンを含むことができる。
【0049】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるニオブ(Nb)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のニオブを含むことができる。基材にニオブを添加し、基材中に少なくとも約0.0001重量%、少なくとも約0.0005重量%、0.001重量%、少なくとも約0.002重量%、少なくとも約0.003重量%、少なくとも約0.004重量%、0.005重量%、少なくとも約0.006重量%、少なくとも約0.007重量%、少なくとも約0.008重量%、0.009重量%、少なくとも約0.01重量%、少なくとも約0.02重量%、少なくとも約0.03重量%、少なくとも約0.04重量%、少なくとも約0.05重量%、少なくとも約0.06重量%、少なくとも約0.07重量%、0.08重量%、少なくとも約0.09重量%、または0.1重量%以上のニオブを含有させることができる。理論に制限されることなく、基材中のニオブは、基材中のクロム欠乏を防ぐことができる。
【0050】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超えるまたは約40重量%を超えるバナジウム(V)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%,1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のバナジウムを含むことができる。
【0051】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるチタン(Ti)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下,1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のチタンを含むことができる。場合によっては、基材は少なくとも約0.015重量%のチタンを含むことができる。
【0052】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超える窒素(N)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下の窒素を含むことができる。
【0053】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるリン(P)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のリンを含むことができる。
【0054】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超える硫黄(S)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下の硫黄を含むことができる。
【0055】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるアルミニウム(Al)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のアルミニウムを含むことができる。
【0056】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超える銅(Cu)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下の銅を含むことができる。
【0057】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるニッケル(Ni)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のニッケルを含むことができる。
【0058】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるクロム(Cr)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のクロムを含むことができる。
【0059】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える,0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるモリブデン(Mo)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のモリブデンを含むことができる。
【0060】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるスズ(Sn)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のスズを含むことができる。
【0061】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるホウ素(B)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のホウ素を含むことができる。
【0062】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるカルシウム(Ca)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のカルシウムを含むことができる。
【0063】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える,0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるヒ素(As)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のヒ素を含むことができる。
【0064】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるコバルト(Co)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のコバルトを含むことができる。
【0065】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超える鉛(Pb)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%,5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下の鉛を含むことができる。
【0066】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるアンチモン(Sb)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のアンチモンを含むことができる。
【0067】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるタンタル(Ta)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のタンタルを含むことができる。
【0068】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるタングステン(W)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.9重量%以下、1.8重量%以下、1.7重量%以下、1.6重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.004重量%以下、0.002重量%以下、0.001重量%以下、0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のタングステンを含むことができる。
【0069】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超える、亜鉛(Zn)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、約30重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、約7重量%以下、約5重量%以下、約3重量%以下、約2.5重量%以下、約2重量%以下、約1.9重量%以下、約1.8重量%以下、約1.7重量%以下、約1.6重量%以下、約1.5重量%以下、約1.4重量%以下、約1.3重量%以下、約1.2重量%以下、約1.1重量%以下、約1重量%以下、約0.9重量%以下、約0.8重量%以下、約0.7重量%以下、約0.6重量%以下、約0.5重量%以下、約0.4重量%以下、約0.3重量%以下、約0.2重量%以下、約0.1重量%以下、約0.05重量%以下、約0.01重量%以下、約0.005重量%以下、約0.004重量%以下、約0.002重量%以下、約0.001重量%以下、約0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下の亜鉛を含むことができる。
【0070】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるジルコニウム(Zr)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、約30重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、約7重量%以下、約5重量%以下、約3重量%以下、約2.5重量%以下、約2重量%以下、約1.9重量%以下、約1.8重量%以下、約1.7重量%以下、約1.6重量%以下、約1.5重量%以下、約1.4重量%以下、約1.3重量%以下、約1.2重量%以下、約1.1重量%以下、約1重量%以下、約0.9重量%以下、約0.8重量%以下、約0.7重量%以下、約0.6重量%以下、約0.5重量%以下、約0.4重量%以下、約0.3重量%以下、約0.2重量%以下、約0.1重量%以下、約0.05重量%以下、約0.01重量%以下、約0.005重量%以下、約0.004重量%以下、約0.002重量%以下、約0.001重量%以下、約0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のジルコニウムを含むことができる。
【0071】
基材は、0.0001重量%を超える、0.0005重量%を超える、0.001重量%を超える、0.002重量%を超える、0.004重量%を超える、0.005重量%を超える、0.01重量%を超える、0.05重量%を超える、0.1重量%を超える、0.2重量%を超える、0.3重量%を超える、0.4重量%を超える、0.5重量%を超える、0.6重量%を超える、0.7重量%を超える、0.8重量%を超える、0.9重量%を超える、1重量%を超える、1.1重量%を超える、1.2重量%を超える、1.3重量%を超える、1.4重量%を超える、1.5重量%を超える、1.6重量%を超える、1.7重量%を超える、1.8重量%を超える、1.9重量%を超える、2重量%を超える、2.5重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える7重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、または約40重量%を超えるケイ素(Si)を含むことができる。基材は、約40重量%以下、約30重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、約7重量%以下、約5重量%以下、約3重量%以下、約2.5重量%以下、約2重量%以下、約1.9重量%以下、約1.8重量%以下、約1.7重量%以下、約1.6重量%以下、約1.5重量%以下、約1.4重量%以下、約1.3重量%以下、約1.2重量%以下、約1.1重量%以下、約1重量%以下、約0.9重量%以下、約0.8重量%以下、約0.7重量%以下、約0.6重量%以下、約0.5重量%以下、約0.4重量%以下、約0.3重量%以下、約0.2重量%以下、約0.1重量%以下、約0.05重量%以下、約0.01重量%以下、約0.005重量%以下、約0.004重量%以下、約0.002重量%以下、約0.001重量%以下、約0.0005重量%以下、または約0.0001重量%以下のケイ素を含むことができる。
【0072】
基材の形成の際に、窒素、炭素、および硫黄などの自由格子(free interstitials)が存在していてもよい。基材中のニオブは基材中、これらの自由格子(窒素、炭素、および硫黄など)に結合することができる。ニオブの添加によりクロム粒界析出物などの粒界析出物を防止することができる。粒界析出物を減少させることによって、基材として望ましい性質である耐食性能の向上につながる場合がある。図3は金属層で被覆した後の鋼基材を表しており、粒界クロム析出物は確認されない。
【0073】
基材表面のクロムの重量%は測定することができる。クロムの重量%は被覆済みもしくは未被覆の基材の重量%である場合がある。場合によっては、基材のクロム重量%は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、少なくとも約19%、少なくとも約20%、少なくとも約21%、少なくとも約22%、少なくとも約23%、少なくとも約24%、少なくとも約25%、または少なくとも26%とすることができる。基材のクロム重量%は、約26%以下、25%以下、24%以下、23%以下、22%以下、21%以下、20%以下、19%以下、18%以下、17%以下、16%以下、15%以下、10%以下、または約5%以下とすることができる。基材のクロム重量%は、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、または約23%とすることができる。被覆済の基材のクロム重量%は、未被覆のクロム重量%より大きいか、同じくらいか、または小さくすることができる。
【0074】
基材は、供給業者から購入することができる。基材は、基材が調製された日と同じ日に金属含有層で被覆することができる。基材は、金属含有層で被覆する約2日前、約3日前、約1週間前、約1月前、または約1年前またはそれ以上を超える前に調整することができる。基材は、金属含有層で被覆される1年前、1月前、1週間前、3日前、または2日前またはそれを超えない前に調整することができる。還元金属は、金属層を基材に添加して少なくとも約30秒の時間内、少なくとも約1分の時間内、少なくとも約5分の時間内、少なくとも約10分の時間内、少なくとも約30分の時間内、少なくとも約1時間の時間内、少なくとも約2時間の時間内、少なくとも約3時間の時間内、少なくとも約4時間の時間内、少なくとも約5時間の時間内、少なくとも約6時間の時間内、少なくとも約7時間の時間内、少なくとも約8時間の時間内、少なくとも約9時間の時間内、少なくとも約10時間の時間内、少なくとも約11時間の時間内,少なくとも約12時間またはそれ以上の時間内に、基材に添加することができる。還元金属は、金属層を基材に添加する、約12時間以下の時間内、11時間以下の時間内、10時間以下の時間内、9時間以下の時間内、8時間以下の時間内、7時間以下の時間内、6時間以下の時間内、または約5時間以下の時間内、4時間以下の時間内、3時間以下の時間内、2時間以下の時間内、1時間以下の時間内、30分以下の時間内、10分以下の時間内、5分以下の時間内、1分以下の時間内、30秒以下の時間内に、基材に添加することができる。場合によっては、還元金属は、金属層を基材に添加する、約10秒の時間内、20秒の時間内、30秒の時間内、1分の時間内、5分の時間内、10分の時間内、20分の時間内、30分の時間内、45分の時間内、60分の時間内、1時間の時間内、2時間の時間内、3時間の時間内、4時間の時間内、6時間の時間内、8時間の時間内、10時間の時間内、12時間の時間内、18時間の時間内、24時間の時間内または約2日の時間内に、基材に添加することができる。
【0075】
本開示は基材に隣接して金属層を形成する方法を提供する。金属層は基材に隣接してスラリーを塗布することにより形成することができる。基材に隣接してスラリーを被覆することにより、基材に隣接して金属含有層を形成することができる。場合によっては、スラリーに合金化剤、金属輸送活性化剤および溶媒が含まれ、合金化剤に金属が含まれる。
【0076】
場合によっては、金属含有層に炭素が含まれる。場合によっては、金属含有層は、鉄、クロム、ニッケル、ケイ素、バナジウム、チタン、ホウ素、タングステン、アルミニウム、モリブデン、コバルト、マンガン、ジルコニウム、ニオブおよびこれらの組み合わせのうち一以上が含まれる。合金化剤は、ケイ素鉄(FeSi)、クロム鉄(FeCr)、クロムおよびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0077】
スラリーに金属酸化物を含むことができる。金属酸化物はAl、MgO、CaO、Cr、TiO、FeCr、SiO、Ta、またはMgCrまたはこられの組み合わせを含むことができるが、これらには限定されない。金属酸化物はスラリーの中に直接取り込むことができる。金属酸化物は、元素金属と熱的に比較的不安定な金属酸化物との間の金属熱還元反応によってスラリー内に形成することができる。元素金属と熱力学的に比較的不安定な金属酸化物の適切なペアは、当該金属酸化物による元素金属の酸化によって、生成ギブス自由エネルギーが低減するようなペアから選択することができる。金属熱還元反応は自発的に起こりえる。金属熱還元反応は、ハロゲン化物、金属ハロゲン化物、金属硫化物、またはガス種などの金属輸送活性化剤の存在下で起こすことができる。金属酸化物に粉末が含まれていてもよい。
【0078】
スラリーは、金属種をスラリーから基材表面に輸送するように構成された金属輸送活性化剤を含むことができる。金属輸送活性化剤は、ハロゲン化物種、金属ハロゲン化物種、硫化物種、また水素を含むことができる。金属輸送活性化剤は、一以上の粉末を添加するなどしてスラリー調整の際に導入することができる。金属輸送活性化剤は、基材への塗布後のスラリー層への水素ガスの拡散などにより、スラリー形成の後に外部源から導入させることができる。場合によっては、金属輸送活性化剤には、一価金属、二価金属または三価金属が含まれる。場合によっては、金属輸送活性化剤は、塩化マグネシウム(MgCl)、塩化鉄(II)(FeCl)、塩化カルシウム(CaCl)、塩化ジルコニウム(IV)(ZrCl)、塩化チタン(IV)(TiCl)、塩化ニオブ(V)(NbCl)、塩化チタン(III)(TiCl)、四塩化ケイ素(SiCl)、塩化バナジウム(III)(VCl)、塩化クロム(III)(CrCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、塩化マンガン(II)(MnCl)、塩化クロム(II)(CrCl)、塩化コバルト(II)(CoCl)、塩化銅(II)(CuCl)、塩化ニッケル(II)(NiCl)、塩化バナジウム(II)(VCl)、塩化アンモニウム(NH4Cl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、硫化モリブデン(MoS)、硫化マンガン(MnS)、二硫化鉄(FeS2)、硫化クロム(CrS)、硫化鉄(FeS)、硫化銅(CuS)、硫化ニッケル(NiS)およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。実施形態によっては、ハロゲン化物活性剤は水和している。実施形態によっては、ハロゲン化物活性剤は、塩化鉄四水和物(FeCl・4HO)、塩化鉄六水和物(FeCl・6HO)および塩化マグネシウム六水和物(MgCl・6HO)からなる群から選択される。実施形態によっては、ハロゲン化物活性剤は水和している。実施形態によっては、ハロゲン化物活性剤は塩化鉄四水和物(FeCl・4HO)、塩化鉄六水和物(FeCl・6HO)および塩化マグネシウム六水和物(MgCl・6HO)からなる群から選択される。
【0079】
場合によっては、金属含有層が基材に焼きなましされた後に、基材に隣接して金属層が形成される。場合によっては、金属層に炭素が含まれる。場合によっては、金属層には鉄、クロム、ニッケル、ケイ素、バナジウム、チタン、ホウ素、タングステン、アルミニウム、モリブデン、コバルト、マンガン、ジルコニウム、ニオブおよびこれらの組み合わせのうち一以上が含まれる。実施形態によっては、合金化剤はケイ素鉄(FeSi)、クロム鉄(FeCr)、クロムおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0080】
スラリーは溶媒を含むことができる。溶媒は水性または有機性であり得る。溶媒は水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、またはメチルエチルケトンを含むことができる。溶媒の沸点(沸点温度)は、約200℃以下、190℃以下、180℃以下、170℃以下、160℃以下、150℃以下、140℃以下、130℃、120℃以下、110℃以下、または100℃以下とすることができる。溶媒の沸点は約100℃以上、110℃以上、120℃以上、130℃以上、140℃以上、150℃以上、160℃以上、170℃以上、180℃以上、190℃、または約200℃以上とすることができる。
【0081】
場合によっては、スラリーには不活性種が含まれている。スラリーは、種々の成分を混合室(または容器)で混合することにより形成することができる。種々の成分を同時にまたは逐次的に混合することができる。例えば、混合室に溶媒を提供した後に元素種を混合室に添加することができる。凝集を防止するため、乾燥成分を制御された量だけ溶媒に添加することができる。いくつかの元素金属は乾燥パウダー状とすることができる。
【0082】
金属含有層成分を混合するために使用されるブレードは、泡立て器状、フォーク状、またはパドル状とすることができる。一以上のブレードを使用してスラリー成分を混合することができる。各ブレードは異なる形状または同じ形状を有することができる、凝集を防止するため、溶媒に乾燥成分を制御された量だけ添加することができる。粘性の制御を補助するために高いせん断率を採用することができる。スラリー中、クロム粒子のサイズを他の粒子よりも大きくし、高分子を添加することなく懸濁させることができる。
【0083】
スラリーの性質は、スラリーを形成し、スラリーを保持し、またはスラリーを被覆するために使用される一以上のパラメターからなる関数とすることができる。このような性質には粘性、剪断流動化指数、および降伏応力が含まれる場合がある。このような性質には、レイノルズ数、粘性、pH、およびスラリー成分濃度が含まれる場合がある。スラリーの性質に影響を与え得るパラメターとしては、水分量、元素種の種類および内容量、温度、剪断率および混合時間が含まれ得る。
【0084】
図1は基材に隣接して金属層を形成する方法を表している。操作110で金属組成物が提供される。次の操作120で、金属層を形成するために混合容器から基材にスラリーが塗布される。操作130では、約90℃~約175℃で約10~60秒間熱を与えるかまたは真空乾燥させた後、スラリー中の溶媒が除去される。操作140では、ウェブまたは基材の材料が圧延されるか、または熱処理のために調製される。操作150では、金属層が基材に隣接して焼なましされる。
【0085】
図2は金属層で被覆された後の鋼基材の画像を表す。粒度および変動係数は米国試験材料協会(ASTM)規格に従って計算することができる。
【0086】
スラリーは、剪断ひずみに晒されると粘性が下がるような揺変性を呈する場合がある。スラリーの剪断流動化指数は約1~約8とすることができる。目標粘性を達成するため、高いせん断率で混合を行うことができる。せん断率は約1s-1~約10,000s-1(Hz)とすることができる。せん断率は約1s-1、約10s-1、約100s-1、約1,000s-1、約5,000s-1、または約10,000s-1とすることができる。せん断率は、少なくとも約1s-1、少なくとも約10s-1、少なくとも約100s-1、少なくとも約1,000s-1、少なくとも約5,000s-1、または少なくとも約10,000s-1とすることができる。せん断率は、約10,000s-1未満、5,000s-1未満、1,000s-1未満、100s-1未満、10s-1未満、または約1s-1未満、とすることができる。
【0087】
スラリーのせん断率は種々の機器で測定することができる。せん断率は例えばTAインスツルメントのDHR-2レオメーターで測定することができる。スラリーのせん断率は測定を行うために使用される機器に応じて異なる場合がある。
【0088】
目標または所定の粘性を達成するために、約1分~約2時間までの時間だけ混合を行うことができる。混合する時間は約30分未満とすることができる。スラリーの粘性はスラリーが混合される時間が長いほど下げることができる。混合の時間はスラリーを均一化させるために使用される時間の長さに応じたものとすることができる。
【0089】
適度に混合された状態としては、スラリーが表面に水を有さない状態とすることができる。適度に混合された状態としては、容器の底に固体がない状態とすることができる。スラリーは色彩と質感が均質に見えるようにすることができる。
【0090】
金属含有層の望ましい粘性はロールコーティングに適した粘性とすることができる。スラリーの粘性は約1センチポイズ(cp)、約5cP、約10cP、約50cP,約100cP、約200cP、約500cP、約1,000cP、約10,000cP、約100,000cP、約1,000,000cP、または約5,000,000cPとすることができる。スラリーの粘性は、少なくとも約1cP、少なくとも約5cP、少なくとも約10cP、少なくとも約50cP、少なくとも約100cP、少なくとも約200cP、少なくとも約500cP、少なくとも約1,000cP、少なくとも約10,000cP、少なくとも約100,000cP、少なくとも約1,000,000cP、または少なくとも約5,000,000cPとすることができる。スラリーの粘性は、約5,000,000cP以下、約1,000,000cP以下、約100,000cP以下、約10,000cP以下、約5,000cP以下、約1,000cP以下、約500cP以下、約200cP以下、約100cP以下、約50cP以下、約10cP以下、約5cP以下、または約1cP以下とすることができる。スラリーの粘性は、約lcP~約5,000,000cPとすることができる。スラリーの粘性は、約1cP、約5cP、約10cP、約50cP、約100cP、約200cP、約500cP、約1,000cP、約10,000cP、約100,000cP、約1,000,000cP、または約5,000,000cPとすることができる。スラリーの粘性は、約1cP~約1,000,000cP、または100センチポイズcP~100,000cPとすることができる。スラリーの粘性はせん断率に応じたものとなる場合がある。スラリーの粘性は、約200cP~約10,000cP、または約600cP~約800cPとすることができる。スラリーは、約1000s-1~約1000000s-1のせん断率を有する塗布せん断枠において、約100cP~約200cPとすることができる。スラリーのキャピラリー数は約0.01、約0.05、約0.1、約0.5、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10とすることができる。スラリーのキャピラリー数は、少なくとも約0.01、少なくとも約0.05、少なくとも約0.1、少なくとも約0.5、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4,少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約または少なくとも約10とすることができる。スラリーのキャピラリー数は、約10以下、約9以下、約8以下、約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、約2以下、約1以下、約0.5以下、約0.1以下、約0.05、または約0.01以下とすることができる。スラリーの降伏応力は約0.0001パスカル(Pa)、約0.001Pa、約0.01Pa、約0.1Pa、約0.2Pa、約0.3Pa、約0.4Pa、約0.5Pa、約0.6Pa、約0.7Pa、約0.8Pa、約0.9Pa、または約1Paとすることができる。スラリーの降伏応力は少なくとも約0.0001Pascal(Pa)、少なくとも約0.001Pa、少なくとも約0.01Pa、少なくとも約0.1Pa、少なくとも約0.2Pa、少なくとも約0.3Pa、少なくとも約0.4Pa、少なくとも約0.5Pa、少なくとも約0.6Pa、少なくとも約0.7Pa、少なくとも約0.8Pa、少なくとも約0.9Pa、または少なくとも約1Paとすることができる。スラリーの降伏応力は1Pa以下、0.9Pa以下、0.8Pa以下、0.7Pa以下、0.6Pa以下、0.5Pa以下、0.4Pa以下、0.3Pa以下、0.2Pa以下、0.1Pa以下、0.01Pa以下、0.001Pa以下、または約0.001Pa以下とすることができる。
【0091】
スラリーの固化速度は、約1分を超える間、約15分を超える間、約1時間を超える間、約1日を超える間、約1月を超える間、または約1年を超える間、分離または沈殿に対して安定性を有するものとすることができる。スラリーの固化速度とは、固化が起こるまで、またはロール塗布に不適合な値まで粘性が高まるまで、混合せずにスラリーが耐えることのできる時間のことをいう。同様にして、スラリーの寿命とは、ロール塗布に不適合な値までスラリーが増粘するまで、混合せずにスラリーが耐えることのできる時間のことをいう。スラリーが固化または増粘したとしても、スラリーを再混合して最初の粘性に戻すことができる。スラリーの揺変指数は、スラリーがロール塗布組立体のパンにおけるデッドスポットで不適当な水準まで増粘しないような、安定的なものとすることができる。
【0092】
スラリーの粘性は混合中にスラリーに酸を添加することにより水素結合の度合いを制御することによって制御することができる。さらに、スラリーのpHレベルを調節するために、混合中に酸または塩基をスラリーに添加することができる。スラリーのpHは、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、または約12とすることができる。スラリーのpHレベルは、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、または少なくとも約12とすることができる。スラリーのpHレベルは、約12以下、約11以下、約10以下、約9以下、約8以下、約7以下、約6以下、約5以下、約4以下または約3以下とすることができる。スラリーのpHレベルは、約3~約12とすることができる。スラリーのpHレベルは、約5~約8とすることができる。スラリーのpHレベルは、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、または約12とすることができる。スラリーが固化するにしたがいスラリーのpHレベルが変化する場合がある。スラリーが固化した後にスラリーを再混合することで、スラリーのpHレベルを最初のpHレベルまで戻すことができる。金属酢酸塩など様々なレベルのバインダーをスラリーに添加することで、スラリー中の生強度を高めることができる。スラリーにバインダーが含まれずとも構わない。スラリーはバインダーとして機能するように構成された金属輸送活性化剤を含むことができる。
【0093】
スラリーの流動性は傾斜試験で測定することができる。傾斜試験は降伏応力および粘性を示すものとすることができる。場合によっては、スラリーの流動性を測定するためにレオメータを使用することができる。
【0094】
スラリーの乾燥時間は、ロール塗布工程の際にスラリーが湿潤したままとなり、スラリーのコーティングが基材に塗布されるまで乾燥しないくらいの、十分に長いものとすることができる。スラリーは常温で乾かなくとも構わない。スラリーはロール塗布ラインの乾燥ゾーンに晒して約10秒間加熱した後に触感が乾燥したものとすることができる。加えられる熱の温度は約120℃とすることができる。
【0095】
スラリーの比重は約1g/cm、約2g/cm、約3g/cm、約4g/cm、約5g/cm、約6g/cm、約7g/cm、約8g/cm、約9g/cm、または約10g/cmとすることができる。スラリーの比重は、少なくとも約1g/cm、少なくとも約2g/cm、少なくとも約3g/cm、少なくとも約4g/cm、少なくとも約5g/cm、少なくとも約6g/cm、少なくとも約7g/cm、少なくとも約8g/cm、少なくとも約9g/cm、または少なくとも約10g/cmとすることができる。スラリーの比重は、約10g/cm以下、約9g/cm以下、約8g/cm以下、約7g/cm以下、約6g/cm以下、約5g/cm以下、約4g/cm以下、約3g/cm以下、約2g/cm以下、または約1g/cm以下とすることができる。スラリーの生強度は、スラリーで被覆された基材が損傷することなく、スラリーがロール塗布に耐えられるようなものとすることができる。例えば、塗装ブースに隣接した乾燥オーブンでロール塗布した後のスラリーの乾燥フィルムは、当該フィルムを、約20インチの径を有する円弧状に、正の方向と負の方向に交互に20回湾曲させるだけの力に耐えられるくらいの生強度を有するものとすることができる。スラリーの乾燥フィルムの生強度は、さらにフィルムが少量の剥離(パウダリング)でテープ試験に合格するようなものとすることができる。テープ試験には1切れのテープを、被覆された材料の表面に接触させることが含まれる。テープは、被覆された材料の表面から一旦取り外されると、テープに付着したあらゆる粉を見通すことができるくらいに十分透明なものとすることができる。
【0096】
基材に金属層を形成する前にスラリーを基材に塗布することができる。スラリーは基材の全体に均一な厚みで塗布させることができる。スラリーは基材の全体で様々な厚みで塗布させることができる。塗布されたスラリー被覆の平均的な厚みは、約0.0001”、約0.0005”、約0.001”、約0.002”、約0.003”、約0.004”、約0.005”、約0.006”、約0.007”、約0.008”、約0.009”、約0.01”、約0.02”、約0.03”、約0.04”、約0.05”、約0.06”、約0.07”、約0.08”、約0.09”、約0.1”、約0.125、約0.25、約0.5”とすることができる。塗布されたスラリー被覆の平均的な厚みは、少なくとも約0.0001”、少なくとも約0.0005”、少なくとも約0.001”、少なくとも約0.002”、少なくとも約0.003”、少なくとも約0.004”、少なくとも約0.005”、少なくとも約0.006”、少なくとも約0.007”、少なくとも約0.008”、少なくとも約0.009”、少なくとも約0.01”、少なくとも約0.02”、少なくとも約0.03”、少なくとも約0.04”、少なくとも約0.05”、少なくとも約0.06”、少なくとも約0.07”、少なくとも約0.08”、少なくとも約0.09”、少なくとも約0.1”、少なくとも約0.125、少なくとも約0.25、少なくとも約0.5とすることができる。塗布されたスラリー被覆の平均的な厚みは、約0.5”以下、約0.25”以下、約0.125”以下、約0.1”以下、約0.09”以下、約0.08”以下、約0.07”以下、約0.06”以下、約0.05”以下、約0.04”以下、約0.03”以下、約0.02”以下、約0.01”以下、約0.009”以下、約0.008”以下、約0.007”以下、約0.006”以下、約0.005”以下、約0.004”以下、約0.003”以下、約0.002”,0.001”以下、約0.0005”以下、約0.0001”以下とすることができる。
【0097】
スラリーは基材の一以上の面に隣接して特定の厚みを有して塗布することができる。塗布されたスラリー被覆の厚みは、面全体に対して比較的均一なものとすることができ、あるいは変化させることもできる。塗布されたスラリー被覆の厚みは、基材の一面と他面で異なるものとすることができる。基材に隣接して塗布されたスラリー被覆の厚みは、いつでも測定することができ、例えば塗布の直後、乾燥の際中、または全溶媒が除去された後などである。塗布されたスラリー被覆は、基材面の少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%が、塗布されたスラリー被覆の平均的な厚みから約1%を超えて、約2%を超えて、約3%を超えて、約4%を超えて、約5%を超えて、約6%を超えて、約7%を超えて、約8%を超えて、約9%を超えて、約10%を超えて、約11%を超えて、約12%を超えて、約13%を超えて、約14%、約15%を超えて、約16%を超えて、約17%を超えて、約18%を超えて、約19%を超えて、または約20%を超えて、逸脱しないスラリー被覆を有する場合に、十分に均一と考えることができる。
【0098】
基材の一以上の面に隣接して塗布されたスラリー被覆は、乾燥の前後で約5μm、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、約1mm、約2mm、約5mm、または約1cmの平均塗布厚みを有することができる。基材の一以上の面に隣接して塗布されたスラリー被覆は、乾燥の前後で、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約15μm、少なくとも約20μm、少なくとも約25μm、少なくとも約30μm、少なくとも約40μm、少なくとも約50μm、少なくとも約60μm、少なくとも約70μm、少なくとも約80μm、少なくとも約90μm、少なくとも約100μm、少なくとも約150μm、少なくとも約200μm、少なくとも約250μm、少なくとも約300μm、少なくとも約400μm、少なくとも約500μm、少なくとも約600μm、少なくとも約700μm、少なくとも約800μm、少なくとも約900μm、少なくとも約1mm、少なくとも約2mm、少なくとも約5mm、または少なくとも約1cmの平均塗布厚みを有することができる。基材の一以上の面に隣接して塗布されたスラリー被覆は、乾燥の前後で、約1cm以下、約5mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約900μm以下、約800μm以下、約700μm以下、約600μm以下、約500μm以下、約400μm以下、約300μm以下、約250μm以下、約200μm以下、約150μm以下、約100μm以下、約90μm以下、約80μm以下、約70μm以下、約60μm以下、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、約25μm以下、約20μm以下、約15μm以下、約10μm以下、または5μm以下の塗布厚みを有することができる。
【0099】
スラリー中の元素種は濃度勾配にしたがって、基材に向かってまたは基材の中に拡散する。例えば、金属含有層中の元素種の濃度は基材の表面で最も高くなり、基材の深度が深まるにつれて徐々に減少する場合がある。濃度の減少具合は線形的、放物線的、ガウス状、またはこれらのあらゆる組み合わせとすることができる。金属含有層における元素種の濃度は、基材に形成される合金層の所望とされる厚みに基づいて選択することができる。
【0100】
スラリー中の元素種は基材に対する金属含有層の接合に影響を与える場合がある。加えて、元素種が金属含有層の組成物の粘性に影響を与える場合がある。さらに、元素種が金属含有層で被覆された基材の生強度に影響を与える可能性がある。生強度とは一般に金属含有層で被覆された基材が、金属含有層が完全に硬化する前に機械加工または処理に耐えられる能力のことを指す。したがって元素種は、基材に対する金属含有層の望ましい接合度、金属含有層の望ましい粘性、および元素種が金属含有層で被覆された基材の生強度を高める能力、に基づいて選択することができる。さらに、いくつかの金属含有ハロゲン化物は、金属含有層を基材に塗るロール塗布組立体の部品に対して腐食性を有する場合がある。このような腐食は望ましくない場合がある。元素種は、金属含有層と基材の境界界面において、カーケンドール・ボイドの形成を防ぐことができる。加熱の際、元素種が酸素に分解する場合がある。さらに焼きなましの後、元素種が不活性になる場合がある。種々の元素種の濃度が変化する場合がある。
【0101】
スラリーが基材に塗布される前に基材を前処理することができる。基材は、基材表面を改良して、基材表面に対する金属含有層の接合性を改善するために、化学物質を用いて前処理することができる。この種の化学物質の例としては、クロム酸塩およびリン酸塩が含まれる。
【0102】
基材の表面に処理酸化物をなくすことができる。これは通常の酸洗により達成することができる。基材の表面は適度に有機材料をなくすことができる。基材の表面は、市販の洗浄剤で処理した後において適度に有機材料のない状態にすることができる。
【0103】
基材の粒度を制御するため、基材を調製する際に、粒度ピン止め粒子を基材に添加、除去、または控えることができる。例えば、粒度ピン止め剤を基材に添加することで粒度を小さく保ちピン止め点を形成することができる。また別の例として、粒度ピン止め剤を基材から控えることで粒度を大きく成長させてモーター積層を可能にすることができる。粒度ピン止め剤は焼なまし温度で不溶性のものとすることができる。
【0104】
粒度ピン止め粒子の例としては、金属間化合物、窒化物、カーバイド、チタンの炭窒化物、アルミニウム、ニオブ、バナジウムおよびこれらのあらゆる組み合わせが含まれる。粒度ピン止め粒子の限定されることのない例としては、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、および窒化アルミニウム(AIN)が挙げられる。
基材に隣接した金属層の形成
【0105】
基材に隣接してスラリーを塗布または積層させ、また基材に隣接して金属含有層を形成することができる。金属含有層を焼きなましすることで基材に隣接して金属層を形成することができる。スラリーは、ロール塗布、スプリットコーティング、スピンコーティング、スロットコーティング、カーテン塗装、スライドコーティング、押し出しコーティング、塗装、吹き付け塗装、静電気メカニズム、プリンティング(例:2-Dプリンティング、3-Dプリンティング、スクリーンプリンティング、パターンプリンティング)、蒸着(例:化学蒸着)、電気化学析出、スラリー析出、浸し塗り、吹き付け、これらのあらゆる組み合わせ、またはその他あらゆる好適な方法を用いて塗布することができる。
【0106】
スラリーはロール塗布により塗布することができる。ロール塗布工程は鋼基材等の基材を提供することにより開始することができる。続いて、コイル状の基材を解くことができる。解かれた鋼基材をロールコーターに提供し、金属含有層でこれを被覆することができる。続いて、ロールコーターを起動して、ロールコーターに基材を金属含有層で被覆させるようにすることができる。基材は、金属含有層が基材に複数回塗布されるように、ロールコーターに複数サイクル提供することができる。金属含有層の特性に応じて、基材に複数のコーティングを塗布することが望ましい場合がある。金属含有層の複数のコーティングは、スラリーが所望となる厚さを達成するようにして基材に塗布することができる。複数のコーティングの各々に、様々な組成または金属含有層を使用することができる。金属含有層は、基材にパターンが形成されるようにして塗布することができる。このパターンは例えば、格子状、ストライプ状、ドット状、溶接痕状、またはこれらのあらゆる組み合わせとすることができる。同じ基材における複数のコーティングによって基材にスプリットコートが形成される。
【0107】
スラリーは基材に隣接して塗布、析出、または焼きなましさせることができる。スラリーは、約0℃、約25℃、約50℃、約75℃、約100℃、約200℃、約300℃、約400℃、約500℃、約600℃、約700℃、約800℃、約900℃、または約1000℃の温度で析出させることができる。スラリーは、少なくとも約0℃、少なくとも約25℃、少なくとも約50℃、少なくとも約75℃、少なくとも約100℃、少なくとも約200℃、少なくとも約300℃、少なくとも約400℃、少なくとも約500℃、少なくとも約600℃、少なくとも約700℃、少なくとも約800℃、少なくとも約900℃、少なくとも約1000℃の温度で析出させることができる。スラリーは、約1000℃以下、約900℃以下、約800℃以下、約700℃以下、約600℃以下、約500℃以下、約400℃以下、約300℃以下、約200℃以下、約100℃以下、約75℃以下、約50℃以下、約25℃以下、または約0℃以下の温度で析出させることができる。スラリーは約0℃から約1000℃までの温度で析出させることができる。スラリーは約10℃から約100℃までの温度で析出させることができる。スラリーは約100℃から約500℃までの温度で析出させることができる。スラリーは約500℃から約1000℃までの温度で析出させることができる。
【0108】
基材におけるスラリーの析出は相対湿度が約0%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、または約99%の雰囲気で起こすことができる。基材におけるスラリーの析出は、相対湿度が少なくとも約0%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%の雰囲気で起こすことができる。基材におけるスラリーの析出は、相対湿度が約99%以下、約95%以下、約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下、約30%以下,20%、約10%以下、または約5%以下の雰囲気で起こすことができる。基材におけるスラリーの析出は、絶対湿度のレベルが、少なくとも約0.5トール、少なくとも約1トール、少なくとも約2トール、少なくとも約5トール、少なくとも約10トール、少なくとも約20トール、少なくとも約50トール、少なくとも約100トール、少なくとも約250トール、または少なくとも約500トールの雰囲気で起こすことができる。基材におけるスラリーの析出は、絶対湿度のレベルが、約760トール以下、約500トール以下、約250トール以下、約100トール以下、約50トール以下、約20トール以下、約10トール以下、約5トール以下、約2トール以下、約1トール以下、または約0.5トール以下の雰囲気で起こすことができる。実施形態によっては、金属含有層が析出する際の相対湿度は約50%である。
【0109】
基材へのスラリーの析出は雰囲気中の酸素レベルが、約0.001トール以上、約0.01トール以上、約0.05トール以上、約0.1トール以上、約0.5トール以上、約1トール以上、約2トール以上、約5トール以上、約10トール以上、または約20トール以上で引き起こすことができる。基材へのスラリーの析出は雰囲気中の酸素レベルが、約20トール以下、約10トール以下、約5トール以下、2トール以下、約1トール以下、約0.5トール以下、約0.1トール以下、約0.05トール以下、約0.01トール以下、約0.005トール以下、または約0.001トール以下で引き起こすことができる。基材上におけるスラリーの乾燥は外気条件で行うことができる。
【0110】
基材上におけるスラリーの焼きなましは低レベルの酸素雰囲気中で行うことができ、例えば、約0.5トール以下、約0.1トール以下、約0.05トール以下、約0.01トール以下、約0.005トール以下、または約0.001トール以下で行うことができる。基材上におけるスラリーの焼きなましは、約0.001トールを超える酸素レベル、約0.005トールを超える酸素レベル、約0.01トールを超える酸素レベル、約0.05トールを超える酸素レベル、約0.1トールを超える酸素レベル、または約0.5トールを超える酸素レベルの雰囲気で行うことができる。
【0111】
金属含有層の乾燥は、約0.001トールを超える水素レベル、0.005トールを超える水素レベル、0.01トールを超える水素レベル、0.05トールを超える水素レベル、または約0.1トールを超える水素レベルの雰囲気で行うことができる。金属含有層の乾燥は、約0.1トール以下の水素レベル、0.05トール以下の水素レベル、0.01トール以下の水素レベル、0.005トール以下の水素レベル、または0.001トール以下の水素レベルの雰囲気で行うことができる。基材上での金属含有層の焼きなましは、純粋な水素、純粋なアルゴン、または水素とアルゴンの混合物からなる雰囲気で行うことができる。
【0112】
スラリーが基材に塗布された後、金属含有層中の溶媒を、加熱、蒸発、真空化またはこれらのあらゆる組み合わせにより取り除くことができる。溶媒が除去された後、基材をリコイル(recoil)することができる。スラリーで被覆された基材は、析出後で焼きなましの前に、真空条件または大気条件で潜伏または保存することができる。これは焼きなましの前に行われ、溶媒やバインダー残物などの被覆工程の残留汚染物質を被覆から取り除く上で有用である場合がある。潜伏期は、約10秒、約20秒、約30秒、約40秒、約50秒、約1分、約2分、約3分、約4分、または5分とすることができる。潜伏期は、少なくとも約10秒、少なくとも約20秒、少なくとも約30秒、少なくとも約40秒、少なくとも約50秒、少なくとも約1分、少なくとも約2分、少なくとも約3分、少なくとも約4分、または少なくとも5分とすることができる。潜伏期は、約5分以下、約4分以下、約3分以下、約2分以下、約1分以下、約50秒以下、約40秒以下、約30秒以下、約20秒以下、または約10秒以下とすることができる。潜伏期は被覆と焼きなましの間の時間とすることができ、また被覆された物品を熱処理施設または熱処理機器に運搬するのに使用される時間の長さとすることができる。例えば、潜伏期は、約10秒間、約30秒間、約1分間、約2分間、約3分間、約4分間、または約5分間続く可能性がある。伏期温度は、約50℃、約75℃、約100℃、約125℃、約150℃、約175℃、約200℃、約225℃、約250℃、約275℃、または約300℃とすることができる。伏期温度は、少なくとも約50℃、少なくとも約75℃、少なくとも約100℃、少なくとも約125℃、少なくとも約150℃、少なくとも約175℃、少なくとも約200℃、少なくとも約225℃、約250℃、少なくとも約275℃、または少なくとも約300℃とすることができる。伏期温度は、約300℃以下、約275℃以下、約250℃以下、約225℃、約200℃以下、約175℃以下、約150℃以下、約125℃以下、約100℃以下、約75℃以下、または約50℃以下とすることができる。伏期温度は約50℃から約300℃までの範囲とすることができる。例えば、伏期温度は、約50℃を超え、約75℃を超え、約100℃を超え、約125℃を超え、約150℃を超え、約175℃を超え、約200℃を超え、約225℃を超え、約250℃を超え、約275℃を超え、または約300℃を超えることができる。潜伏期の後で焼きなましの前に、基材上にあるスラリーの乾燥フィルムを真空条件で維持することができる。被覆は、ローラ塗装プロセスの後の乾燥ステップの直後に、触って乾燥したものとすることができる。ローラ塗装と焼きなましの間における任意の時間で、吸着水または他の汚染物質が被覆に存在する場合がある。
【0113】
空間的に隔離された合金は、金属熱還元(還元化)反応を用いて金属酸化物からその場で生成された合金金属を用いて、金属基材の表面に析出させることができる。金属熱還元反応は、熱力学的に不安定な金属酸化物が、熱力学的により安定な金属酸化物を形成する還元金属剤の存在下に置かれた場合に起こりえるものである。金属還元剤は、鉄、クロム、ニッケル、ケイ素、バナジウム、チタン、ホウ素、タングステン、アルミニウム、モリブデン、コバルト、マンガン、ジルコニウム、ニオブおよびこれらの組み合わせを含むあらゆる元素種を有することができる。
【0114】
実施形態によっては、金属熱還元反応は金属輸送活性化剤を用いて開始または高めることができる。還元金属化合物は、対応する金属酸化物の生成ギブス自由エネルギーが比較的大きくなるように、例えば酸化アルミニウムに対するアルミのように、選択することができる。このような還元金属は効果的な酸素および水の捕捉剤として機能することで、活性化化合物との金属酸化物の正反応を阻害する酸化種を除去することができる。全体的な金属熱還元反応の例としては、酸化クロムのアルミニウム金属との反応、例えば:
【化1】

を挙げることができ、上記の反応は基材表面の金属層におけるクロム析出のソースとすることができる。析出の原材料として金属酸化物を利用することにより、金属層の足場として機能し、また焼結プロセス中の合金化金属粉末のセパレーターとしても機能する追加の不活性粉末を反応に使用せずに済ませることができる。得られた金属層の欠陥率は、例えば補助元素粉末の含有、または還元化元素を、還元化元素の融点を析出に使用される温度よりも高くするような種と合金化させることによって、低減させることができる。金属還元剤の反応から得られる金属酸化物は、後熱処理洗浄工程で容易に除去することができる。空間的に隔離された合金は、金属チューブ、ワイヤまたは他の形状の内径部分などの最終製品形状部分に金属層を含むことができる。
【0115】
基材表面の金属層に、基材表面に塗布されるスラリーが含まれる場合がある。スラリーは、金属酸化物粉末体、金属還元剤、金属ハロゲン化物前駆体、または溶媒を含むことができる。金属酸化物粉末体を含むスラリーは、その化学的およびレオロジー的な性質について最適化することができる。レオロジー的な性質の制御が高まることにより、より均一な被覆を提供することができ、例えばリビング、カスケーディング、または他の欠陥など不所望とされるレオロジー効果を低減させ、基材の表面における表面被覆率を高めることができ、これはまた金属の利用が高まることにつながる。スラリー組成物は、各成分の相対的濃度、各成分の粒度、pH、イオン強度、小さい堆積、スラリー降伏力、スラリー粘度、または基材表面に金属層を析出させる析出源としてのスラリーの機能に影響を与える可能性のある他のあらゆる性質、に少なくとも基づいて調節することができる。
【0116】
金属酸化物と金属還元剤のペアは、金属酸化物と金属還元剤の金属熱還元反応に対する大きな生成ギブス自由エネルギーに基づいて選択することができる。場合によっては、金属酸化物と金属還元剤に自発的な金属熱還元反応を起こすことができる。金属熱還元反応は、少なくとも約-50kJ、少なくとも約-100kJ、少なくとも約-150kJ、少なくとも約-200kJ、少なくとも約-250kJ、少なくとも約-300kJ、少なくとも約-350kJ、少なくとも約-400kJ、少なくとも約-450kJ、少なくとも約-500kJ、少なくとも約-550kJ、少なくとも約-600kJ、少なくとも約-650kJ、少なくとも約-700kJ、少なくとも約-750kJ、少なくとも約-800kJ、少なくとも約-850kJ、少なくとも約-900kJ、少なくとも約-950kJ、少なくとも約-1000kJ、または少なくとも約-1000kJの生成ギブス自由エネルギーを有することができる。金属熱還元反応は、約-1000kJ以下、-950kJ以下、-900kJ以下、-850kJ以下、-800kJ以下、-750kJ以下、-700kJ以下、-650kJ以下、-600kJ以下、-550kJ以下、-500kJ以下、-450kJ以下、-400kJ以下、-350kJ以下、-300kJ以下、-250kJ以下、-200kJ以下、-150kJ以下、-100kJ以下、-50kJ以下または約-50kJ以下の生成ギブス自由エネルギーを有することができる。
【0117】
スラリーは焼きなましの前にリコイル(recoil)させることができる。スラリーで被覆された基材はレトルトに設置され、熱処理の際に制御された雰囲気下に晒すことができる。水を除去することができる。真空を引いて被覆の間の水素に影響を及ぼすことができる。焼きなまし工程は狭いあるいは広いコイルによる、焼きなましによるものとすることができる。スラリー層で被覆された基材の焼きなましにより、スラリー中の元素種を基材の内部または中に拡散させることができる。焼きなましの際に、約100重量%未満、90重量%未満、80重量%未満、70重量%未満、60重量%未満、50重量%未満、40重量%未満、30重量%未満、20重量%未満、10重量%未満、または5重量%未満の元素種を基材の内部または中に拡散させることができる。焼きなましの際に、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、または少なくとも約90重量%の元素種を基材の内部または中に拡散させることができる。あるプロセス条件により約1~5%の元素種を被覆から基材に拡散させることができる基材への元素種の拡散は、スラリー層中の成分で補助することができる。焼きなまし工程は連続的な焼きなまし工程とすることができる。焼きなまし工程は非連続的な焼きなまし工程とすることができる。スラリーで被覆された基材が1を超える焼きなまし工程を経ることで元素種の利用を高め、または基材に隣接する金属層における元素種の濃度勾配を変化させることができる。
【0118】
基材は、毎秒当たり約0.01℃を超える割合、毎秒当たり約0.1℃を超える割合、毎秒当たり約1℃を超える割合、毎秒当たり約5℃を超える割合、毎秒当たり約10℃を超える割合、毎秒当たり約15℃を超える割合、毎秒当たり約20℃を超える割合、毎秒当たり約25℃を超える割合、または毎秒当たり約30℃を超える割合で加熱することができる。基材は、毎分当たり約0.01℃を超える割合、毎分当たり約0.1℃を超える割合、毎分当たり約1℃を超える割合、毎分当たり約5℃を超える割合、毎分当たり約10℃を超える割合、毎分当たり約15℃を超える割合、毎分当たり約20℃を超える割合、毎分当たり約25℃を超える割合、または毎分当たり約30℃を超える割合で加熱することができる。基材は、毎分当たり約30℃未満の割合、毎分当たり約25℃未満の割合、毎分当たり約20℃未満の割合、毎分当たり約15℃未満の割合、毎分当たり約10℃未満の割合、毎分当たり約5℃未満の割合、毎分当たり約1℃未満の割合、毎分当たり約0.1℃未満の割合、または毎分当たり約0.01℃未満の割合で加熱することができる。基材は、毎分当たり約30℃未満の割合、毎分当たり約25℃未満の割合、毎分当たり約20℃未満の割合、毎分当たり約15℃未満の割合、毎分当たり約10℃未満の割合、毎分当たり約5℃未満の割合、毎分当たり約1℃未満の割合、毎分当たり約0.1℃未満の割合、または毎分当たり約0.01℃未満の割合で加熱することができる。基材は、毎秒当たり約30℃未満の割合、毎秒当たり約25℃未満の割合、毎秒当たり約20℃未満の割合、毎秒当たり約15℃未満の割合、毎秒当たり約10℃未満の割合、毎秒当たり約5℃未満の割合、毎秒当たり約1℃未満の割合、毎秒当たり約0.1℃未満の割合、または毎秒当たり約0.01℃未満の割合で加熱することができる。スラリーで被覆された基材は、少なくとも約0℃、少なくとも約25℃、少なくとも約50℃、少なくとも約75℃、少なくとも約100℃、少なくとも約200℃、少なくとも約300℃、少なくとも約400℃、少なくとも約500℃、少なくとも約600℃、少なくとも約700℃、少なくとも約800℃、少なくとも約900℃、少なくとも約1000℃、少なくとも約1100℃、少なくとも約1200℃、または少なくとも約1300℃の温度で焼きなましすることができる。焼なまし温度は、約1300℃以下、約1200℃以下、約1100℃以下、約1000℃以下、約900℃以下、約800℃以下、約700℃以下、約600℃以下、約500℃以下、約400℃以下、約300℃以下、約200℃以下、約100℃以下、約75℃以下、約50℃以下、約25℃以下、または約0℃以下とすることができる。焼なまし温度は、約800℃、約900℃、約1000℃、約1100℃、約1200℃、または約1300℃とすることができる。焼きなましの際の加熱温度は、約800℃から約1300℃まで、例えば約900℃から約1000℃までとすることができる。焼なまし温度は約900℃、約925℃、約950℃または約1000℃とすることができる。
【0119】
加熱の際、基材又は金属含有層中の鉄をフェライトからオーステナイトに変態させることができる。変態が起こる温度を、フェライト/オーステナイト変態温度と呼ぶ場合がある。基材または金属含有層のフェライト/オーステナイト変態温度は、約1600℃以下、1500℃以下、1400℃以下、1300℃以下、1200℃以下、1100℃以下、1000℃以下、900℃以下、800℃以下、700℃以下、600℃以下、または約500℃以下とすることができる。基材または金属含有層のフェライト/オーステナイト変態温度は、約500℃、約600℃、約700℃、約800℃、約900℃、約1000℃、約1100℃、約1200℃、約1300℃、約1400℃、15約00℃、または約1600℃、を超える場合がある。基材のフェライト/オーステナイト変態温度は、約900℃、約1000℃、約1100℃、約1200℃、または約1300℃とすることができる。基材のフェライト/オーステナイト変態温度は、約900℃から約1300℃まで、約1000℃から約1200℃まで、または約1100℃から約1200℃までとすることができる。
【0120】
総焼きなまし時間は、約5時間、10時間、20時間、40時間、60時間、80時間、100時間、120時間、140時間、160時間、180時間、または約200時間とすることができる。総焼きなまし時間は、少なくとも約5時間、少なくとも約10時間、少なくとも約20時間、少なくとも約40時間、少なくとも約60時間、少なくとも約80時間、少なくとも約100時間、少なくとも約120時間、少なくとも約140時間、少なくとも約160時間、少なくとも約180時間、または少なくとも約約200時間とすることができる。総焼きなまし時間は、約200時間未満、180時間未満、160時間未満、140時間未満、120時間未満、100時間未満、80時間未満、60時間未満、40時間未満、20時間未満、10時間未満、または約5時間未満とすることができる。加熱を含む総焼きなまし時間は約5時間から約200時間に及ぶ場合がある。例えば、総焼きなまし時間は、約5時間超え、約20時間超え、約40時間超え、約60時間超え、約80時間超え、約100時間超え、約120時間超え、約140時間超え、約160時間超え、約180時間超え、または約200時間超えとすることができる。焼きなまし工程における最大温度は、約1時間から100時間までの間に到達することができる。例えば、焼きなまし工程における最大温度は、約1時間、約10時間、約20時間、約30時間、約40時間、約50時間、約60時間、約70時間、約80時間、約90時間、または約100時間の間に到達することができる。焼きなまし工程における最大温度は、少なくとも約1時間、少なくとも約10時間、少なくとも約20時間、少なくとも約30時間、少なくとも約40時間、少なくとも約50時間、少なくとも約60時間、少なくとも約70時間、少なくとも約80時間、少なくとも約90時間、または少なくとも約100時間の間に到達することができる。焼きなまし工程における最大温度は、約100時間以下、90時間以下、80時間以下、70時間以下、60時間以下、50時間以下、40時間以下、30時間以下、20時間以下、10時間以下、または約1時間以下の間に到達することができる。場合によっては、基材は約950℃で少なくとも約5時間焼きなましすることができる。場合によっては、基材は約950℃で少なくとも約20時間.焼きなましすることができる。場合によっては、基材は約950℃で少なくとも約40時間焼きなましすることができる。場合によっては、基材は約900℃で少なくとも約20時間焼きなましすることができる。場合によっては、基材は約900℃で少なくとも約40時間焼きなましすることができる。場合によっては、基材は約900℃で少なくとも約60時間焼きなましすることができる。場合によっては、基材は約900℃で少なくとも約80時間焼きなましすることができる。
【0121】
焼なまし雰囲気には、例えば、水素、ヘリウム、メタン、エチレン、窒素、またはアルゴンなどの不活性または反応性のガスなどのガス種が含まれる場合がある。焼なまし雰囲気は混合ガスを含むことができる。焼なまし雰囲気は真空とすることができる。焼きなましの際に元素種が欠陥しないように、焼きなましガスに塩酸を添加することができる。高温のリアクターにおける金属含有層中の成分の分圧を抑えることで、低い析出速度を維持することができ、これはカーケンドール孔の形成を抑制または停止させるために不可欠である。金属含有層に酸性成分を添加しすぎると、被覆する機器または基材に腐食が起こる可能性がある。
【0122】
焼きなましの後、金属層で被覆された基材を乾燥させることができる。金属層で被覆された基材の乾燥は真空またはほぼ真空の雰囲気で行うことができる。金属層で被覆された基材の乾燥は不活性ガスの雰囲気で行うことができる。不活性ガスの例としては、水素、ヘリウム、アルゴン、窒素またはこれらのあらゆる組み合わせが含まれる。
【0123】
基材は焼きなましの後、一定時間冷却させることができる。冷却時間は約1時間から約100時間までに及ぶ場合がある。例えば冷却時間は、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約15時間、少なくとも約20時間、少なくとも約25時間、少なくとも約30時間、少なくとも約35時間、少なくとも約40時間、少なくとも約50時間、少なくとも約60時間、少なくとも約70時間、少なくとも約80時間、少なくとも約90時間、または少なくとも約100時間とすることができる。冷却時間は、約100時間未満、90時間未満、80時間未満、70時間未満、60時間未満、50時間未満、40時間未満、35時間未満、25時間未満、20時間未満、15時間未満、10時間未満、9時間未満、8時間未満、7時間未満、6時間未満、5時間未満、4時間未満、3時間未満、2時間未満、または約1時間未満とすることができる。例えば、冷却時間は、約1時間から約100時間まで、約5時間から約50時間まで、または約10時間から約20時間までとすることができる。
【0124】
大きな物品は熱処理の際にホットスポットとコールドスポットが生じる場合があり、ここにおいて物品を均一に被覆しても加熱が不均一となる場合がある。ホットスポットあるいはコールドスポットは、物品への合金化元素の拡散をできるだけ均一に制御するために示される場合がある。
【0125】
焼きなましの後、基材表面に金属層を形成することができる。金属層は、炭素、マンガン、ケイ素、バナジウム、チタン、ニオブ、リン、硫黄、アルミニウム、銅、ニッケル、クロム、モリブデン、スズ、ホウ素、カルシウム、ヒ素、コバルト、鉛、アンチモン、タンタル、タングステン、亜鉛、ケイ素、およびジルコニウムから選択される少なくとも1つの元素種を有することができ、この元素種は外層において、約20重量%未満、約15重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、または約0.5重量%未満だけ変化する濃度を有する。金属層は、炭素、マンガン、ケイ素、バナジウム、チタン、ニオブ、リン、硫黄、アルミニウム、銅、ニッケル、クロム、モリブデン、スズ、ホウ素、カルシウム、ヒ素、コバルト、鉛、アンチモン、タンタル、タングステン、亜鉛、ケイ素、およびジルコニウム、から選択される少なくとも1つの元素種を有することができ、この元素種は外層において、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約4重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、または少なくとも約20重量%だけ変化する濃度を有する。基材は金属層に隣接して結合層を有することができる。元素種の濃度は結合層において約1.0重量%未満、減少する可能性がある。金属層または合金層は、外観が均一なものとすることができる。金属層または合金層は、当該層の少なくとも一部の表面において、外観、重量、および厚みが、平坦、不変、平滑、均質、および均一なものとすることができる。金属層または合金層は、可視できる粒界析出物を含むことができる。場合によっては、本明細書に記載の方法または組成物で形成された金属層または合金層に、約l0×、約50×、約l00×、約250×、約500×、約l000×、またはそれ以上で可視できる粒界析出物が、少しまたは少量含まれていてもよい。
【0126】
金属含有層に金属酸化物が含まれる場合がある。金属酸化物にAl、MgO、CaO、Cr、TiO、FeCr、SiO、Ta、またはMgCr、またはこれらの組み合わせが含まれる場合がある。元素金属と熱力学的に不安定な金属酸化物との金属熱還元反応により、金属含有層のなかに金属酸化物を形成することができる。元素金属と熱力学的に不安定な金属酸化物の適切なペアは、これらの生成ギブス自由エネルギーが、金属酸化物による元素金属の酸化により低くなるようなペアから選択することができる。
【0127】
焼きなまし工程の後に基材上に残渣が残る場合がある。金属層内にあるいくつかの成分は消費又は除去(例えば、レトルトの壁に析出させることができる)することができ、またはその濃度は、基材へまたは基材中への拡散により低減させることができる。しかし、粉末などの形状を有する他の残渣については、焼きなまし後、基材上に残る場合がある。残渣は金属含有層からの不活性材料を含む場合がある。残渣はさらなる処理(調質圧延、等)の前に除去することができる。反応を停止させるため、HClガスを用いて反応をパージさせることができる。HClガスを用いたパージにより平坦な外形を形成することが可能となる。
【0128】
基材に隣接して金属層が形成されると、基材は測定可能な粒度を有することができる。粒度は米国試験材料協会(ASTM)規格に従って測定および記録することができる。基材はASTMが約000の粒度、約00の粒度、約0の粒度、約1の粒度、約2の粒度、約3の粒度、約4の粒度、約5の粒度、約6の粒度、約7の粒度、約8の粒度、約9の粒度、約10の粒度、約11の粒度、約12の粒度、約13の粒度、約14の粒度、約15の粒度、約16の粒度、約17の粒度、約18の粒度、約19の粒度、約20の粒度、約21の粒度、約22の粒度、約23の粒度、約24の粒度、約25の粒度、約26の粒度、約27の粒度、約28の粒度、約39の粒度、または約30の粒度を有することができる。基材はASTMが、約000を超える粒度、00を超える粒度、約0を超える粒度、約1を超える粒度、約2を超える粒度、約3を超える粒度、約4を超える粒度、約5を超える粒度、約6を超える粒度、約7を超える粒度、約8を超える粒度、約9を超える粒度、約10を超える粒度、約11を超える粒度、約12を超える粒度、約13を超える粒度、約14を超える粒度、約15を超える粒度、約16を超える粒度、約17を超える粒度、約18を超える粒度、約19を超える粒度、約20を超える粒度、約21を超える粒度、約22を超える粒度、約23を超える粒度、約24を超える粒度、約25を超える粒度、約26を超える粒度、約27を超える粒度、約28を超える粒度、約39を超える粒度、または約30を超える粒度、を有することができる。基材は、約30以下の粒度、29以下の粒度、28以下の粒度、27以下の粒度、26以下の粒度、25以下の粒度、24以下の粒度、23以下の粒度、22以下の粒度、21以下の粒度、20以下の粒度、19以下の粒度、18以下の粒度、17以下の粒度、16以下の粒度、15以下の粒度、14以下の粒度、13以下の粒度、12以下の粒度、11以下の粒度、10以下の粒度、9以下の粒度、8以下の粒度、7以下の粒度、6以下の粒度、5以下の粒度、4以下の粒度、3以下の粒度、2以下の粒度、1以下の粒度、0以下の粒度、00以下の粒度、または約000以下の粒度、を有することができる。場合によっては、金属層は、約ASTM000から約ASTM30まで、約ASTM5から約ASTM16まで、約ASTM6から約ASTM14まで、または約ASTM8から約ASTM12までの粒度を有することができる。基材は、約ASTM7からASTM9までの粒度を有することができる。基材は、約ASTM7の粒度を有することができる。
【0129】
スラリー中の元素種により、オーステナイトからフェライトへの変態温度を下げることができる。基材中の元素種により、オーステナイトからフェライトへの変態温度を下げることができる。元素種はオーステナイトからフェライトへの変態温度を実質的に変化させずとも構わない。場合によっては、元素種がオーステナイトからフェライトへの変態温度を上げる場合がある。オーステナイトからフェライトへの変態温度を下げる可能性のある元素種としては、マンガン、窒素、銅または金である可能性がある。
【0130】
オーステナイトの粒度とフェライトの粒度は測定することができる。フェライト粒度に対するオーステナイト粒度の割合は、約0.1を超え、約0.5を超え、約1を超え、約2を超え、約5を超え、または約10を超えることができる。フェライト粒度に対するオーステナイト粒度の割合は、約10未満、約5未満、約2未満、約1未満、約0.5未満、または約0.1未満とすることができる。フェライト粒度に対するオーステナイト粒度の割合は、約0.1、約0.5、約1、約2、約5、または約10とすることができる。フェライト粒度に対するオーステナイト粒度の割合は、約1とすることができる。フェライト粒度に対するオーステナイト粒度の割合は下記の数式に基づいて計算することができ:
【数1】

ここにおいてDγはオーステナイトのμmでの粒度、Dαはフェライトのμmでの粒度、αは℃/sでの冷却速度を表す。
【0131】
チタン当量安定度の量は次式に基づいて計算することができる。
【数2】
【0132】
理論に制限されることなく、金属層におけるチタン当量安定度は、粒界析出に対してより耐性のある層を生じるようなものとすることができる。金属層は、少なくとも約0.001のTi当量、少なくとも約0.005のTi当量、少なくとも約0.01のTi当量、少なくとも約0.015のTi当量、少なくとも約0.017のTi当量、少なくとも約0.02のTi当量、少なくとも約0.03のTi当量、少なくとも約0.04のTi当量、少なくとも約0.05のTi当量、少なくとも約0.06のTi当量、少なくとも約0.07のTi当量、少なくとも約0.08のTi当量、または少なくとも約0.09のTi当量を含有することができる。金属層は、約0.09未満のTi当量、約0.08未満のTi当量、約0.07未満のTi当量、約0.06未満のTi当量、約0.05未満のTi当量、約0.04未満のTi当量、約0.03未満のTi当量、約0.02未満のTi当量、約0.017未満のTi当量、約0.015未満のTi当量、約0.01未満のTi当量、約0.005未満のTi当量、または約0.001未満のTi当量を含有することができる。
【0133】
基材の金属層における元素金属の量は深度と共に変化させることができる。金属層における元素金属の量は、一定の割合で深度と共に変化させることができ、これは例えば少なくとも単位マイクロメートルあたり約0.0001%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-0.001%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-0.01%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-0.05%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-0.1%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-0.5%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-1.0%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-3.0%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-5.0%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-7.0%、または少なくとも単位マイクロメートルあたり約-9.0%とすることができる。金属層における金属の量は、一定の割合で深度と共に変化させることができ、これは例えば単位マイクロメートルあたり約-9.0%、単位マイクロメートルあたり約-7.0%、単位マイクロメートルあたり約-5.0%、単位マイクロメートルあたり約-3.0%、-1.0%単位マイクロメートルあたり、単位マイクロメートルあたり約-0.5%、単位マイクロメートルあたり約-0.1%、単位マイクロメートルあたり約-0.05%、単位マイクロメートルあたり約-0.01%、単位マイクロメートルあたり約-0.001%、または単位マイクロメートルあたり約-0.001%、とすることができる。金属層における元素金属の量は、一定の割合で深度と共に変化させることができ、これは例えば、単位マイクロメートルあたり約-0.01%から単位マイクロメートルあたり約-5.0%まで、または単位マイクロメートルあたり約-0.01%から単位マイクロメートルあたり約-3.0%までとすることができる。
【0134】
金属層における元素金属の量は、一定の割合で深度と共に変化させることができ、これは例えば少なくとも単位マイクロメートルあたり約-0.0001%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-0.001%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-0.01%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-0.05%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-0.1%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-0.5%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-1.0%、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-3.0%、-5.0%⇔単位マイクロメートルあたり、少なくとも単位マイクロメートルあたり約-7.0%、または少なくとも単位マイクロメートルあたり約-9.0%とすることができる。金属層における元素金属の量は、一定の割合で深度と共に変化させることができ、これは例えば、単位マイクロメートルあたり約-9.0%以下、単位マイクロメートルあたり約-7.0%以下、単位マイクロメートルあたり約-5.0%以下、単位マイクロメートルあたり約-3.0%以下、単位マイクロメートルあたり約-1.0%以下、単位マイクロメートルあたり約-0.5%以下、単位マイクロメートルあたり約-0.1%以下、単位マイクロメートルあたり約-0.05%以下、単位マイクロメートルあたり約-0.01%以下、単位マイクロメートルあたり約-0.001%以下、または単位マイクロメートルあたり約-0.0001%以下とすることができる。
【0135】
元素金属は、基材の表面から、100マイクロメートル以下の深度で少なくとも約5重量%の濃度、50マイクロメートル以下の深度で少なくとも約5重量%の濃度、50マイクロメートル以下の深度で少なくとも約10重量%の濃度、40マイクロメートル以下の深度で少なくとも約10重量%の濃度、30マイクロメートル以下の深度で少なくとも約10重量%の濃度、50マイクロメートル以下の深度で少なくとも約15重量%の濃度、40マイクロメートル以下の深度で少なくとも約15重量%の濃度、30マイクロメートル以下の深度で少なくとも約15重量%の濃度、または10マイクロメートル以下の深度で少なくとも約15重量%の濃度を有することができる。深度に伴うこのような量、濃度、または重量%の変化を測定するために、X線光電子分光法を使用することができる。
【0136】
基材に隣接して被覆される金属層は、約1ミリメートル未満の厚み、約900マイクロメートル未満の厚み、約800マイクロメートル未満の厚み、約700マイクロメートル未満の厚み、約600マイクロメートル未満の厚み、約500マイクロメートル未満の厚み、400マイクロメートル未満の厚み、約300マイクロメートル未満の厚み、約200マイクロメートル未満の厚み、または約100マイクロメートル未満の厚みを有することができる。
【0137】
基材に隣接して被覆される金属層は、少なくとも約1マイクロメートル、少なくとも約5マイクロメートル、少なくとも約10マイクロメートル、少なくとも約20マイクロメートル、少なくとも約30マイクロメートル、少なくとも約40マイクロメートル、少なくとも約50マイクロメートル、少なくとも約60マイクロメートル、少なくとも約70マイクロメートル、少なくとも約80マイクロメートル、少なくとも約90マイクロメートル、少なくとも約100マイクロメートル、少なくとも約200マイクロメートル、少なくとも約300マイクロメートル、少なくとも約400マイクロメートル、少なくとも約500マイクロメートル、少なくとも約600マイクロメートル、少なくとも約700マイクロメートル、少なくとも約800マイクロメートル、少なくとも約900マイクロメートル、の厚みを有することができる。
【0138】
金属層で被覆する前あるいは金属層で被覆した後の基材の性質は、様々な手法および機器を用いて定めることができる。このような手法および機器としては、例えば、粒度の算出、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査型電子顕微/エネルギー分散分光法(SEM/EDS)、微小分析、およびポテンショスタット測定が挙げられる。
【0139】
金属層で被覆した後の基材の性質は測定することができる。基材の性質としては、例えば、化学組成、降伏力、最大抗張力、および伸び率が含まれる。
【0140】
基材は焼きなまし後に実質的にカーケンドール・ボイドのないものとすることができる。層はこれまで基材に含まれていなかった性質を基材に付与することができる。例えば、この層により基材がより硬くなり、より耐久性を有し、より美的に好ましくなり、より電気的な耐性を有し、電気的な抵抗がより低くなり、より熱伝導性が良くなり、また熱伝導性が低くなり、またはこれらのあらゆる組み合わせを生じさせることができる。さらに、この層により基材中の音速をより早くまたは遅くすることができる。
【0141】
基材の降伏力は、約100psiを超え、約1ksi(キロポンド/平方インチ)、2ksiを超え、約5ksiを超え、約10ksiを超え、約15ksiを超え、約20ksiを超え、約21ksiを超え、約22ksiを超え、約23ksiを超え、約24ksiを超え、約25ksiを超え、約26ksiを超え、約27ksiを超え、約28ksiを超え、約29ksiを超え、約30ksiを超え、約31ksiを超え、約32ksiを超え、約33ksiを超え、約34ksiを超え、約35ksiを超え、約36ksiを超え、約37ksiを超え、約38ksiを超え、約39ksiを超え、または約40ksiを超えるものとすることができる。基材の降伏力は、約40ksi以下、約39ksi以下、約38kis、37ksi以下、約36ksi以下、約35ksi以下、約34ksi以下、約33ksi以下、約32ksi以下、約31ksi以下、約30ksi以下、約29ksi以下、約28kis、27ksi以下、約26ksi以下、約25ksi以下、約24ksi以下、約23ksi以下、約22ksi以下、約21ksi以下、約20ksi以下、約15ksi以下、約10kis、5ksi以下、約2ksi以下、約1ksi以下、または約100psi以下とすることができる。基材の降伏力は、約20ksi、約21ksi、約22ksi、約23ksi、約24ksi、約25ksi、約26ksi、約27ksi、約28ksi、約29ksi、約30ksi、約31ksi、約32ksi、約33ksi、約34ksi、約35ksi、約36ksi、約37ksi、約38ksi、約39ksi、約40ksi、約45ksi、または約50ksiとすることができる。
【0142】
基材の最大抗張力は、約30ksi以上、約35ksi以上、約40ksi以上、約45ksi以上、約46ksi以上、約47ksi以上、約48ksi以上、約49ksi以上、約50ksi以上、約51ksi以上、約52ksi以上、約53ksi以上、約54ksi以上、約55ksi以上、約56ksi以上、約57ksi以上、約58ksi以上、約59ksi以上、約60ksi以上、約61ksi以上、約62ksi以上、約63ksi以上、約64ksi以上、約65ksi以上、約66ksi以上、約67ksi以上、約68ksi以上、約69ksi以上、約70ksi以上、約80ksi以上、約90ksi以上、約100ksi以上とすることができる。基材の最大抗張力は、約100ksi以下、約90ksi以下、約80ksi以下、約70ksi以下、約60ksi以下、約59ksi以下、約58ksi以下、約57ksi以下、約56ksi以下、約55ksi以下、約54ksi以下、約53ksi以下、約52ksi以下、約51ksi以下、約50ksi以下、約49ksi以下、約48ksi以下、約47ksi以下、約46ksi以下、約45ksi以下、約44ksi以下、約43ksi以下、約42ksi以下、約41ksi以下、約40ksi以下、約35ksi以下、または約30ksi以下とすることができる。基材の最大抗張力は、約30ksi、約35ksi、約40ksi、約45ksi、約46ksi、約47ksi、約48ksi、約49ksi、約50ksi、約51ksi、約52ksi、約53ksi、約54ksi、約55ksi、約56ksi、約57ksi、約58ksi、約59ksi、約60ksi、約61ksi、約62ksi、約63ksi、約64ksi、約65ksi、約66ksi、約67ksi、約68ksi、約69ksi、約70ksi、約80ksi、約90ksi、約100ksi、またはそれ以上とすることができる。
【0143】
基材は、伸び率、またはゲージの最大伸長をもとのゲージ長で割ったもの、または鋼基材で被覆する前と後において、破壊される前の長さの差を表す場合がある。伸び率は、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%とすることができる。場合によっては、伸び率は、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、または約40%とすることができる。場合によっては、伸び率は、約5%を超え、10%を超え、約20%を超え、約21%を超え、約22%を超え、約23%を超え、約24%を超え、約25%を超え、約26%を超え、約27%を超え、約28%を超え、約29%を超え、約30%を超え、約31%を超え、約32%を超え、約33%を超え、約34%を超え、約35%を超え、約36%を超え、約37%を超え、約38%を超え、約39%を超え、約40%を超え、約50%を超え、約60%を超え、約70%を超え、約80%を超え、約90%を超え、または約100%を超えるものとすることができる。場合によっては、伸び率は、約100%未満、約90%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約39%未満、約38%未満、約37%未満、約36%未満、約35%未満、約34%未満、約33%未満、約32%未満、約31%未満、約30%未満、約29%未満、約28%未満、約27%未満、約26%未満、約25%未満、約24%未満、約23%未満、約22%未満、約21%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満とすることができる。
【0144】
基材がTi/Nb安定度(Ti/Nb stability)を示す場合がある。場合によっては、Ti/Nb安定度は、約0.001以上、約0.002以上、約0.003以上、約0.004以上、約0.005以上、約0.006以上、約0.007以上、約0.008以上、約0.009,0.010以上、約0.011以上、約0.012以上、約0.013以上、約0.014以上、約0.015以上、約0.016以上、約0.017以上、約0.018以上、約0.019以上、約0.020以上、約0.021以上、約0.022以上、約0.023以上、約0.024以上、約0.025以上、約0.026以上、約0.027以上、約0.028以上、約0.029以上、約0.030以上、または約0.040以上とすることができる。場合によっては、Ti/Nb安定度は、約0.040以下、約0.030以下、約0.029以下、約0.028以下、約0.027以下、約0.026以下、約0.025以下、約0.024以下、約0.023以下、約0.022以下、約0.021以下、約0.020以下、約0.019以下、約0.018以下、約0.017以下、約0.016以下、約0.015以下、約0.014以下、約0.013以下、約0.012以下、約0.011以下、約0.010以下、約0.009以下、約0.008以下、約0.007以下、約0.006以下、約0.005以下、約0.004以下、約0.003以下、約0.002以下、約0.001以下とすることができる。場合によっては、Ti/Nb安定度は、約0.001、約0.002、約0.003、約0.004、約0.005、約0.006、約0.007、約0.008、約0.009、約0.010、約0.011、約0.012、約0.013、約0.014、約0.015、約0.016、約0.017、約0.018、約0.019、約0.020、約0.021、約0.022、約0.023、約0.024、約0.025、約0.026、約0.027、約0.028、約0.029、約0.030、約0.040、またはそれ以上、とすることができる。
【0145】
基材、スラリー、スラリー成分、または金属層の組成を測定するためにあらゆる好適な分析手法を利用することができる。測定には、量、濃度、もしくは重量の割合、厚みその他の寸法、深度に伴う組成および/もしくは構造の変化、ならびに粒度を含むことができる。例示的な分析手法としては、限定されることなく、グロー放電質量分析、微小分析、ポテンショスタット測定、走査電子顕微鏡法、透過電子顕微鏡法、X線光電子分光法、エネルギー分散型X線分光法、および電子エネルギー損失分光法が含まれ、深度に伴う量、濃度または重量の%の変化を測定するために使用することができる。
【0146】
金属層で被覆された基材の他の性質については、例えば、米国特許出願公開第2013/0171471号明細書;米国特許出願公開第2013/0309410号明細書;米国特許出願公開第2013/0252022号明細書;米国特許出願公開第2015/0167131号明細書;米国特許出願公開第2015/0345041号明細書、米国特許出願公開第2015/0345041号明細書、米国特許出願公開第2016/0230284号明細書に記載された通りのものとすることができ、これらの何れもその全体が本明細書に取り込まれる。
【0147】
鋼鉄化学を変化させることにより、引張、延伸、あるいはその両方がなされた場合の材料の加工特性および機能を高めることができる。鋼鉄の加工性は、ランクフォード係数、rバー、rと呼ばれる場合が多く、本明細書においてはr値と呼ばれる塑性ひずみ比によって、測定することができる。r値は、シートのゲージまたは厚みの塑性変形に対する、シート平面の塑性変形の割合によって定めることができる。r値は下記の通り計算することができ:
【数3】

ただしR、R45およびR90はシート方向に対する塑性変形の割合を表す。
【0148】
鋼鉄のr値は、高度に加工しやすい鋼組成物を創出するために、鋼鉄化学および組成を操作することで変化させることができる。一般的なIF鋼は約1.4~約1.8の間のr値を有することができる。改変された鋼鉄は約2を超えるr値を有することができる。実施形態によっては、鋼鉄は、約2.2、約2.4、約2.6、約2.8、約3.0、約3.2、約3.4、約3.6、約3.8または約4.0を超えるr値を有することができる。改変された鋼鉄は、約4.0以下、約3.8以下、約3.6以下、約3.4以下、約3.2以下、約3.0以下、約2.8以下、約2.6以下、約2.4以下、または約2.2以下のr値を有することができる。
【0149】
いくつかの化学物質を採用することで、高度に加工可能な鋼組成物のr値を高めることができる。鋼鉄の化学物質は、鋼鉄が焼きなましされる前に粒度ピン止め粒子の全体的な取り込みが高まるように選択することができる。実施形態によっては、粒度ピン止め粒子の存在により、焼きなまし工程における大きな粒度の形成が抑制される。化学量論的過剰量のチタン(Ti)を使用することができる。このような過剰量のTiにより高い温度でTiOを形成することができる。TiOにより高温で粒度をピン止めすることができる。IF鋼は少量のTiN、AIN、NbC、NbN、その他の成分でより多くのマンガンを利用することができ、これらは高温で、粒度ピンおよび格子間元素の両方として機能する場合がある。IF鋼は実施例7で列挙したものと同様の組成を有することができる。
【0150】
高度に加工可能な鋼組成物を創出する方法には、いくつかの中間工程が含まれる場合がある。上述の化学に従って鋼を構成することができる。小さな旧粒度を得るために、IF鋼は微粒子処理を経ることができる。冷間圧延を利用することで滑らかな仕上がりと制御された粒度を得ることができる。冷間圧延の後に続く加工ステップとして、高温焼きなまし法を含むことができる。高温焼きなまし法に、約900℃を超える温度での焼きなましを含むことができる。焼なまし温度は、約950℃を超え、約1000℃を超え、約1050℃を超え、約1100℃を超え、約1150℃を超え、約1200℃を超え、約1250℃を超え、約1300℃を超え、約1350℃を超え、約1400℃を超え、約1500℃を超えるものとすることができる。焼なまし温度は、約1500℃以下、約1450℃以下、約1400℃以下、約1350℃以下、約1300℃以下、約1250℃以下、約1200℃以下、約1150℃以下、約1100℃以下、約1050℃以下、約1000℃以下、または約950℃以下とすることができる。この焼なまし温度により、フェライト相からオーステナイト相に鋼鉄を変態させることができる。IF鋼の選択された組成により粒度の成長を抑制することができる。安定化したグレードによってひずみ時効が抑制され、さらなる加工のために鋼鉄の加工性を改良することができる。
【0151】
高度に加工可能な鋼組成物は測定可能な粒度を有することができる。粒度は米国試験材料協会(ASTM)規格に従って測定および記録することができる。基材はASTMが、約000を超える粒度、00を超える粒度、約0を超える粒度、約1を超える粒度、約2を超える粒度、約3を超える粒度、約4を超える粒度、約5を超える粒度、約6を超える粒度、約7を超える粒度、約8を超える粒度、約9を超える粒度、約10を超える粒度、約11を超える粒度、約12を超える粒度、約13を超える粒度、約14を超える粒度、約15を超える粒度、約16を超える粒度、約17を超える粒度、約18を超える粒度、約19を超える粒度、約20を超える粒度、約21を超える粒度、約22を超える粒度、約23を超える粒度、約24を超える粒度、約25を超える粒度、約26を超える粒度、約27を超える粒度、約28を超える粒度、約39を超える粒度、または約30を超える粒度、を有することができる。高度に加工可能な鋼組成物は、ASTMが約000を超える粒度、ASTMが約00を超える粒度、ASTMが約0を超える粒度、ASTMが約1を超える粒度、ASTMが約2を超える粒度、ASTMが約3を超える粒度、ASTMが約4を超える粒度、ASTMが約5を超える粒度、ASTMが約6を超える粒度、ASTMが約7を超える粒度、ASTMが約8を超える粒度、ASTMが約9を超える粒度、ASTMが約10を超える粒度、ASTMが約11を超える粒度、ASTMが約12を超える粒度、ASTMが約13を超える粒度、ASTMが約14を超える粒度、ASTMが約15を超える粒度、ASTMが約16を超える粒度、ASTMが約17を超える粒度、ASTMが約18を超える粒度、ASTMが約19を超える粒度、ASTMが約20を超える粒度、ASTMが約21を超える粒度、ASTMが約22を超える粒度、ASTMが約23を超える粒度、ASTMが約24を超える粒度、ASTMが約25を超える粒度、ASTMが約26を超える粒度、ASTMが約27を超える粒度、ASTMが約28を超える粒度、ASTMが約39を超える粒度、またはASTMが約30を超える粒度を有することができる。高度に加工可能な鋼組成物は、約30以下の粒度、29以下の粒度、28以下の粒度、27以下の粒度、26以下の粒度、25以下の粒度、24以下の粒度、23以下の粒度、22以下の粒度、21以下の粒度、20以下の粒度、19以下の粒度、18以下の粒度、17以下の粒度、16以下の粒度、15以下の粒度、14以下の粒度、13以下の粒度、12以下の粒度、11以下の粒度、10以下の粒度、9以下の粒度、8以下の粒度、7以下の粒度、6以下の粒度、5以下の粒度、4以下の粒度、3以下の粒度、2以下の粒度、1以下の粒度、0以下の粒度、00以下の粒度、または約000以下の粒度を有することができる。実施形態によっては、金属層は、約ASTM000~約ASTM10までの粒度、約ASTM000~約ASTM15までの粒度、約ASTM000~約ASTM20までの粒度、約ASTM000~約ASTM25までの粒度、約ASTM000~約ASTM30までの粒度、約ASTM5~約ASTM16までの粒度、約ASTM5~約ASTM18までの粒度、約ASTM5~約ASTM20までの粒度、約ASTM5~約ASTM22までの粒度、約ASTM5~約ASTM24までの粒度、約ASTM5~約ASTM26までの粒度、約ASTM5~約ASTM28までの粒度、約ASTM5~約ASTM30までの粒度、約ASTM6~約ASTM16までの粒度、約ASTM6~約ASTM18までの粒度、約ASTM6~約ASTM20までの粒度、約ASTM6から約ASTM22までの粒度、約ASTM6から約ASTM24までの粒度、約ASTM6から約ASTM26までの粒度、約ASTM6から約ASTM28までの粒度、約ASTM6から約ASTM30までの粒度、約ASTM7から約ASTM16までの粒度、約ASTM7から約ASTM18までの粒度、約ASTM7から約ASTM20までの粒度、約ASTM7から約ASTM22までの粒度、ASTM7から約ASTM24までの粒度、約ASTM7から約ASTM26までの粒度、約ASTM7から約ASTM28までの粒度、約ASTM7から約ASTM30までの粒度、約ASTM8から約ASTM16までの粒度、約ASTM8から約ASTM18までの粒度、約ASTM8から約ASTM20までの粒度、約ASTM8から約ASTM22までの粒度、約ASTM8から約ASTM24までの粒度、約ASTM8から約ASTM26までの粒度、約ASTM8から約ASTM28までの粒度、約ASTM8から約ASTM30までの粒度、約ASTM9から約ASTM16までの粒度、約ASTM9から約ASTM18までの粒度、約ASTM9から約ASTM20までの粒度、約ASTM9から約ASTM22までの粒度、約ASTM9から約ASTM24までの粒度、約ASTM9から約ASTM26までの粒度、約ASTM9から約ASTM28までの粒度、約ASTM9から約ASTM30までの粒度、約ASTM10から約ASTM16までの粒度、約ASTM10から約ASTM18までの粒度、約ASTM10から約ASTM20までの粒度、約ASTM10から約ASTM22までの粒度、約ASTM10から約ASTM24までの粒度、約ASTM10から約ASTM26までの粒度、約ASTM10から約ASTM28までの粒度、約ASTM10から約ASTM30までの粒度、約ASTM15から約ASTM20までの粒度、約ASTM15から約ASTM25までの粒度、約ASTM15から約ASTM30までの粒度、またはASTM20から約ASTM30までの粒度を有することができる。高度に加工可能な鋼組成物は、約ASTM7からASTM9までの粒度、約ASTM6から約ASTM14までの粒度、または約ASTM8から約ASTM12までの粒度を有することができる。高度に加工可能な鋼組成物は、約ASTM7の粒度、約ASTM8の粒度、約ASTM9の粒度、約ASTM10の粒度、約ASTM11の粒度、約ASTM12の粒度、約ASTM13の粒度、約ASTM14の粒度、約ASTM15の粒度、約ASTM16の粒度、約ASTM17の粒度、約ASTM18の粒度、約ASTM19の粒度、約ASTM20の粒度、約ASTM21の粒度、約ASTM22の粒度、約ASTM23の粒度、約ASTM24の粒度、約ASTM25の粒度、約ASTM26の粒度、約ASTM27の粒度、約ASTM28の粒度、約ASTM29の粒度、または約ASTM30の粒度を有することができる。
【0152】
本明細書に記載の基材、金属層、および金属層を含有する組成物は、あらゆる加工方法および一連の加工方法で使用することができる。基材、金属層、および組成物は、金属含有層の析出の前、際中、および/または後、における追加の加工方法で使用することができる。基材、金属層、および組成物は、金属層の焼きなましの前、際中、および/または後、における追加の加工方法で使用することができる。金属層を含有する組成物は続く加工ステップで改良された性質(成形性、加工性、改善された熱伝導性、等)を提供することができる。金属層の形成後に改良された性質を有する組成物は種々の用途において利点を有し、用途としては例えば、電子合金、電気合金、高温合金、高強度合金、耐腐食性合金、構造合金、建築用合金、民生用商品用合金、電気機器グレード合金、工業用合金、生物医学グレード合金、軍事グレード合金、海洋グレード合金、航空グレード合金、輸送グレード合金、審美用合金砂 自動車グレード合金が挙げられる。
【0153】
基材、金属層、または金属層を含有する組成物は、金属層を析出させる前、際中および/または後で、あらゆる加工方法を経ることができる。説明される工程には、限定されることなく、形成、ソフトツーリングもしくはハードツーリング、固定、継ぎ目もしくは切り口の保護を含むことができる。説明される形成、ソフトツーリングまたはハードツーリングには、引張もしくは圧伸成形、たたき直し、クラッシュフォーミング、回転成形、ロールフォーミング、液圧成形、CNC成形、フランジ成形、クリンピング、縁曲げ、箔押し加工、押出成形、および鍛造を含むことができる。説明される固定工程には、トグル式締め、トックスロック(toxlocking)、スポット溶接、はんだ付け、手棒溶接、電弧溶接、MIG溶接、TIG溶接、アセチレンガス溶接、電気抵抗溶接、超音波溶接、摩擦溶接、レーザー溶接、プラズマ溶接、抱え継ぎ、リベット打ち、熱間鍛造、および化学的接着(グルーもしくはエポキシ接合)を含むことができる。説明される継ぎ目もしくは切り口保護のプロセスには、溶融亜鉛めっき、電気亜鉛めっき、アルミニウムもしくはアルミメッキ、アルミノ/シリコナイジング、コールドスプレー(Al、全グレードにおけるステンレス鋼、亜鉛、亜鉛メッキ、ニッケル、銅、ブロンズ)、クラッディング、および液体塗布コーティング(塗布、UV硬化、ポリマー塗布、等)が含まれる場合がある。
【0154】
金属層を含む基材または組成物は、一以上の部材、部分、または部品に形成することができる。金属層を含む部材、部分、または部品はあらゆる好適な用途に使用することができ、これらに限定されるわけではないが、例えば、自動車用途、航空機用途、輸送用途、海洋用途、機器用途、建設用途、工業用途、電気用途、生物医学用途、軍事用途、消費者用途、審美的用途、電子用途、および構造的な用途があげられる。自動車用途には、自動車燃料タンク、露出した車体パネル(ドア、ボンネット、およびフェンダー、等)、排気用部品(マフラー、触媒コンバーター筐体、排出管、熱遮蔽、等)、および露出していない車体パネル(ダッシュパネル、ドア内側部、車輪収容内側部、等)を含むことができる。機器用途としては露出パネル(ドア外側、排気フード、泥よけ、等)および非露出パネル(食洗機内側パネル、温水器タンク、等)を含むことができる。建設および構造的な用途としては、建築用パネル、流管、導管、梁、ヒンジ、プレート、および締結部品が挙げられる。電気的な用途としては、電気モーターラミネーション、発電機ラミネーション、および変圧器コアラミネーションが挙げられる。
(コンピュータシステム)
【0155】
本開示は、本開示に係る方法を実行するようにプログラムされたコンピュータシステムを提供する。図4は、スラリーを生成し、および/またはスラリーからなるコーティングを基材に塗布するようにプログラムされるか、またはそのように構成されたコンピュータ制御システム401を表す。コンピュータ制御システム401は、本開示に係る方法、例えばスラリーを生成する方法およびスラリーからなるコーティングを基材に塗布する方法などの方法に関する種々の態様を制御することができる。コンピュータ制御システム401は、ユーザーの電子デバイスまたは、電子デバイスについてリモートに位置するコンピュータシステムに実装することができる。この電子デバイスは携帯型の電子デバイスとすることができる。
【0156】
コンピュータシステム401には、中央演算処理装置(CPU、本明細書において「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」とも呼ばれる)405が含まれ、これはシングルコアまたはマルチコアのプロセッサ、または並列処理のための複数のプロセッサとすることができる。コンピュータ制御システム401にはまた、メモリもしくはメモリ部410(ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ、等)、電子記憶ユニット415(ハードディスク、等)、他の一以上のシステムと通信するための通信インターフェース420(ネットワークアダプタ、等)、ならびにキャッシュメモリ、その他のメモリ、データ記憶装置および/または電子表示アダプタなどの周辺機器425が含まれる。メモリ410、記憶ユニット415、インターフェース420および周辺機器420は、マザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU405と通信している。記憶ユニット415はデータを記憶するためのデータ記憶ユニット(またはデータ保存部)とすることができる。コンピュータ制御システム401は、通信インターフェース420を活用してコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)430に操作可能に接続することができる。ネットワーク430は、インターネット、インターネットおよび/もしくはエクストラネット、またはインターネットに通信するイントラネットおよび/もしくはエクストラネットとすることができる。ネットワーク430は、場合によっては、遠隔通信および/またはデータネットワークとすることができる。ネットワーク430には、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にする一以上のコンピュータサーバーを含めることができる。ネットワーク430は、場合に応じてコンピュータシステム410を活用して、ピアツーピアのネットワークを実装することができ、これによりコンピュータシステム410に接続された装置が、クライアントまたはサーバーとして振舞うことができる。
【0157】
CPU405は、プログラムまたはソフトウェアに実装することのできる機械可読な一連の命令を実行することができる。命令はメモリ410等のメモリ部に保存することができる。命令はCPU405に送信することができ、CPU405が本開示に係る方法を実施するように、これをその後プログラムさせまたは構成させることができる。CPU405により実行される操作の例としては、フェッチ、デコード、実行およびライトバックを含めることができる。
【0158】
CPU405は集積回路等の回路の一部とすることができる。システム401に関する一以上の他の部品を回路に含めることができる。場合によっては、当該回路は特定用途向け集積回路(ASIC)とすることができる。
【0159】
記憶ユニット415は、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラムなどのファイルを格納することができる。記憶ユニット415は、例えば、ユーザーの好みやユーザープログラムなどのユーザーデータを格納することができる。コンピュータシステム401は場合によっては、コンピュータシステム401の外部に一以上の追加データ記憶ユニットを含むことができ、これは例えばイントラネットまたはインターネットを介してコンピュータシステム401と通信するリモートサーバー上に位置している。
【0160】
コンピュータシステム401は、ネットワーク430を介して一以上のリモートコンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム401は、ユーザー(スラリー被覆された基材の製造を制御するユーザー、等)のリモートコンピュータシステムと通信することができる。リモートコンピューターシステムの例としては、パーソナルコンピュータ(携帯型PC、等)、スレートPCもしくはタブレット型PC(例えば、アップル社のiPad(登録商標)、サムスン社のギャラクシー(登録商標)タブレット)、電話、スマートフォン(例えば、アップル社のiPhone(登録商標)、アンドロイドで動くデバイス、ブラックベリー(登録商標)、等)またはパーソナルデジタルアシスタントが含まれる。ユーザーはネットワーク430を介してコンピュータシステム401にアクセスすることができる。
【0161】
本明細書に記載の方法は、機械(コンピュータプロセッサ、等)で実行可能であって、メモリ410または電子記憶ユニット415などのコンピュータシステム401の電子記憶部に保存されているコードを用いて実行することができる。機械で実行可能または読み取り可能なコードはソフトウェアの形態で提供可能である。使用中、コードはプロセッサ405により実行することができる。場合によっては、コードは記憶ユニット415から読み出し、プロセッサ405による素早いアクセスのためにメモリ410に保存することができる。場合によっては、電子記憶ユニット415はなくし、機械で実行可能な命令をメモリ410に保存することができる。
【0162】
コードは、コードを実行するように構成されたプロセッサを有する機械を用いてプリコンパイルし、設定することができ、またはコードはランタイムにコンパイルすることができる。コードは、プリコンパイルまたはコンパイル済の方法でコードを実行可能に選択することのできるプログラム言語で供給することができる。
【0163】
本明細書に提供されるシステムおよび方法、例えばコンピュータシステム401などの態様は、プログラミングで実施することができる。当該技術に係る種々の態様は、通常、機械(またはプロセッサ)で実行可能なコードおよび/または機械可読媒体のタイプで実行または具体化される関連データの形式における、「物」または「製造物」と考えることができる。機械で実行可能なコードは、メモリ(例えば、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクなどの電子記憶ユニットに記憶することができる。「記憶」型の媒体としては、コンピュータ、プロセッサ、等のあらゆるもしくは全ての有形メモリ、または例えば、種々の半導体メモリ、テープ装置、ディスクドライブ、等の、ソフトウェアプログラミングのためにいつでも非一時的な記憶領域を提供することのできる関連モジュールを含むことができる。ソフトウェアの一部または全部は、場合によって、インターネットその他の電気通信ネットワークを介して通信することができる。このような電気通信によって、例えば、ソフトウェアをあるコンピュータもしくはプロセッサから別のコンピュータもしくはプロセッサにロードすることが可能となり、例えば、ある管理サーバーもしくはホストコンピュータから、アプリケーションサーバーのコンピュータプラットフォームにロードすることができる。したがって、ソフトウェアエレメントを有することのできる他のタイプの媒体としては、光学的、電気的、または電磁的な波が含まれ、例えばローカルデバイス間において有線および光通信ネットワークならびに他の様々なエアリンクを介した、物理インターフェースに跨って使用される。この種の波、例えば有線もしくは無線リンク、光学的リンク、等を担う物理要素は、ソフトウェアを有する媒体として考えることもできる。本明細書において、非一時的で有形の「記憶」媒体に限定されない限り、コンピュータまたは機械で「読み取り可能な媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与するあらゆる媒体を指す。
【0164】
したがって、コンピュータで実行可能なコードなどの機械読み取り可能な媒体は、数多くの形態をとることができ、このようなものとしては、限定されないが、有形記憶媒体、搬送波媒体、または物理的な伝送媒体が挙げられる。不揮発性記憶媒体としては、例えば光学もしくは磁気ディスクが含まれ、例えば、図示のデータベースを実行するために使用可能な、あらゆるコンピュータ等における記憶装置が含まれる。揮発性記憶媒体としては、このようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリが含まれる。有形の伝送媒体としては、同軸ケーブル、銅線および光ファイバーが含まれ、コンピュータシステム内にバスを含むワイヤが挙げられる。搬送波伝送媒体は電気もしくは電磁気信号または音波もしくは光波の形態をとることができ、このようなものとしては例えば、ラジオ周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信などである。コンピュータ可読な媒体の一般的な形態としては例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、CD-ROM、DVDまたはDVD-ROM、その他の光学媒体、パンチカード 穿孔テープ、穴のパターンを持つその他の物理記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、その他のメモリチップまたはカートリッジ、データもしくは命令を転送するキャリア波、そのようなキャリア波を転送するケーブルもしくはリンク、またはコンピュータがプログラミングコードおよび/またはデータを読み取ることができる他のあらゆる媒体、が挙げられる。コンピュータ可読な媒体のこれら形態の多くに、実行用のプロセッサへの一以上の命令に係る一以上のシークエンスを運搬することが含まれる場合がある。
【0165】
コンピュータシステム401は、例えばスラリーを生成し、および/または、スラリーを基材に塗布するためのパラメターを提供するユーザーインターフェース(UI)440を備えた電子ディスプレイ435を有するかまたは通信可能になっている。UTの例としては、限定されることなく、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)およびウェブベースのインターフェースが含まれることがある。
【0166】
本開示に係る方法およびシステムは、一以上のアルゴリズムを用いて実行することができる。アルゴリズムはソフトウェアを用いて中央処理ユニット405による実行と共に実施することができる。当該アルゴリズムは、例えば、スラリーの混合せん断率、スラリー混合物に添加された各成分量、および各成分がスラリー混合物に添加される順番を制御することができる。また別の実施形態において、当該アルゴリズムは、スラリーが基材に塗布される速度および基材に塗布されたスラリーのコーティング数を制御することができる。
(各実施例)
【実施例
【0167】
実施例において、得られた溶液を混合しながら混合室に添加することでスラリーが形成される。スラリーに添加される水の量を変化させることで、数多くのスラリーが形成され、またスラリーの性質に基づいて得られた結果を記録した。続いて、ロール塗布工程により基材にスラリーが塗布される。スラリーはその後、約200℃で約2時間、焼きなましされる。スラリーはその後、約2時間から約100時間まで、またはそれ以上、完全に乾燥される。クロム化された物品表面の近傍の雰囲気は約-20°F、露点より低くすることができる。
【実施例
【0168】
また別の実施例において、基材は約10℃/分の割合で約500℃まで加熱される。約2時間温度が一定に保たれ、このとき基材に隣接して金属含有層が析出する。基材はその後、約10℃/分の割合で約950℃まで加熱される。焼きなまし工程において温度は一定に保たれる。約30時間の後、基材は約5℃/分の割合で常温まで冷却される。アルゴンのフローは全工程で一定である。
【実施例
【0169】
また別の実施例において、基材は熱サイクルプロトコルを経る。基材は約10℃/分の割合で約500℃まで加熱される。約2時間温度が一定に保たれ、このとき基材に隣接して金属含有層が析出する。基材はその後、約10℃/分の割合で約925℃まで加熱され、約30分間温度が一定に保たれる。基材は約5℃/分の割合で約500℃まで冷却され、約30分間、温度が一定に保たれる。基材は再び約5℃/分の割合で約925℃まで加熱され、約30分間温度が一定に保たれ、その後、約5℃/分の割合で約500℃まで冷却され、約30分間、温度が一定に保たれる。別のサイクルで基材はもう一度、加熱および冷却がされる。基材は約925℃まで加熱され、その後基材は約5℃/分の割合で常温まで冷却される。アルゴンのフローは全工程で一定である。
【実施例
【0170】
別の実施例において、炭素、ケイ素、マンガン、チタン、バナジウム、アルミニウム、および窒素を含む基材が提供された。実施例において、基材には以下の重量%の成分が含まれている。
【表1】
【実施例
【0171】
別の実施例において、炭素、ケイ素、マンガン、チタン、バナジウム、アルミニウム、および窒素を含む基材が提供される。実施例において、基材には以下の重量%の成分が含まれている。
【表2】

基材MC-25には、約0.089重量%のニオブが含まれていた。得られた合金層には図3で表される通り、粒界析出がほとんど認められなかった。この合金層により、より少ない細孔形成が確認された。このステンレス鋼合金層は、改良された耐食性を有するが、これは基材にとってより望ましい効果である。
【実施例
【0172】
また別の実施例において、基材が形成され以下の性質が示された。
【表3】
【実施例
【0173】
また別の実施例において、基材が形成され以下の性質が示された。
【表4】
【0174】
合金のニオブ重量パーセントは下記の通り算出した。
【数4】
【0175】
基材化学は0.017以上の算出安定度を有するように選択することができ、ここにおいて安定度を下記の通り算出した。
【数5】
【実施例
【0176】
別の実施形態において、基材は重量%で測定される構成金属および他の元素からなる以下の組成で形成され示された。
【表5】
【実施例
【0177】
また別の実施例では、実施例8で列挙した各基材を熱機械的に試験してこれらのr値を確認した。試験結果は下記の通りである。
【表6】
【実施例
【0178】
また別の実施形態では、MgCr粉末とMgCl粉末を水中で混合することによりスラリー懸濁液が形成される。MgCr粉末とMgCl粉末は何れも、約0.1と10μmの間の粒子サイズを有するようにふるいにかけられる。MgCr粉末とMgCl粉末の乾燥重量パーセントは、それぞれ約95%と約5%である。MgCr粉末とMgCl粉末を混合してから4時間、懸濁液にアルミニウム粉末が添加される。325メッシュスクリーンを通過するようにして、アルミニウム粉末をふるいにかけた。アルミニウムは、酸化物粉末に対して約1.0の原子比率を有するようにスラリー粉末に混合される。アルミニウム粉末を含有するスラリー混合物は、金属シートの表面に対して直ちにロール塗布される。基材はその後、約10℃/分の割合で約950℃まで加熱される。焼きなまし工程の間温度が一定に保たれる。約30時間後、基材は約5℃/分の割合で常温まで冷却される。アルゴンのフローは全工程で一定である。焼きなましの後、金属基材は基材表面からAlを除去する洗浄工程を経る。
【実施例
【0179】
また別の実施形態では、80%程度の高い降伏力を示し、また50%程度の高い引張強度を示すように基材が構成された。場合によっては、基材は重量%で測定される構成金属および他の元素からなる以下の組成で形成され示された。
【表7】
【実施例
【0180】
また別の実施例において、実施例11で列挙した各基材を熱機械的に試験して、これらのTi/Nb安定度、降伏力、最大抗張力、および伸びを確認した。試験結果は以下の通りである。
【表8】
【0181】
材料組成物(材料層、等)を含む本明細書における材料、装置、システムおよび方法は、材料組成物を含む他の材料、装置、システムおよび方法と組み合わされるか、またはこれらにより改変させることができ、このような他の材料、装置、システムおよび方法としては、例えば、米国特許出願公開第2013/0171471号明細書、米国特許出願公開第2013/0309410号明細書、米国特許出願公開第2013/0252022号明細書、米国特許出願公開第2015/016713号明細書、米国特許出願公開第2015/0345041号明細書、および国際出願第PCT/US2016/017155号明細書に記載されているようなものが挙げられ、これらは何れも本明細書にその全てが取り込まれる。
【0182】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され説明されてきたが、そのような実施形態が例としてのみ提供されることは当業者には明らかであろう。本発明が、本明細書内で提供される特定の実施例によって限定されることを意図するものではない。本発明は前述の明細書を参照して説明されてきたが、本明細書の実施形態の説明および図解は、限定的な意味で解釈されることを意図するものではない。数多くの変形、変更、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者に起こるであろう。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条件および変数に依存する、本明細書に記載の特定の説明、構成、または相対的な比率に限定されないことを理解されたい。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替案が、本発明を実施する際に使用され得ることが理解されるべきである。したがって、本発明は、そのような代替案、修正、変形または均等物も網羅するものとすることが考えられる。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物がそれによって網羅されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】