(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-01
(54)【発明の名称】発光ベンゾチアゾールを含む発光材料、セキュリティ機能部を含む物品、及び発光ベンゾチアゾールを含む発光粒子を形成する方法
(51)【国際特許分類】
C09K 11/06 20060101AFI20220325BHJP
B42D 25/21 20140101ALI20220325BHJP
B41M 3/14 20060101ALN20220325BHJP
【FI】
C09K11/06
B42D25/21
B41M3/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557283
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(85)【翻訳文提出日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 US2019063627
(87)【国際公開番号】W WO2020113016
(87)【国際公開日】2020-06-04
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】ポタラワ、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ケッスラー、マイケル
【テーマコード(参考)】
2C005
2H113
【Fターム(参考)】
2C005HA02
2C005HB02
2C005HB03
2C005HB06
2C005HB09
2C005HB10
2H113AA03
2H113BA05
2H113BB02
2H113BB07
2H113BB22
2H113CA32
2H113CA39
2H113CA42
(57)【要約】
【解決手段】 発光蛍光体化合物を含む発光材料、セキュリティ機能部を含む物品、及び発光蛍光体化合物を製造するための方法が、本明細書に提供される。一実施形態では、発光材料は、媒質及び発光粒子を含む。発光粒子は、ウレイド結合を有する発光ベンゾチアゾールを含む。発光ベンゾチアゾールは、約366nmの波長での電磁放射線による励起に応答して、約555~約630nmの波長内にピーク強度を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光材料であって、
媒質と、
ウレイド結合を有する発光ベンゾチアゾールを含む発光粒子と、を含み、
前記発光ベンゾチアゾールが、約366nmの波長での電磁放射線による励起に応答して、約555~約630nmの波長内にピーク強度を有する、発光材料。
【請求項2】
前記ウレイド結合が、ベンゾチアゾリル含有基、及び前記発光ベンゾチアゾール中の任意選択的にハロゲン化されたフェニル基を連結する、請求項1に記載の発光材料。
【請求項3】
前記ベンゾチアゾリル含有基が、フェニルベンゾチアゾリル基であり、前記ウレイド結合が、前記フェニルベンゾチアゾリル基を、前記発光ベンゾチアゾール中の前記任意選択的にハロゲン化されたフェニル基に連結する、請求項2に記載の発光材料。
【請求項4】
前記フェニルベンゾチアゾリル基が、ペンダントヒドロキシル基を含まない、請求項3に記載の発光材料。
【請求項5】
前記発光ベンゾチアゾールが、以下の構造を有し、
【化1】
式中、R
1が、H、ハロゲンラジカル、アルキル基、エステル基、エーテル基、芳香族基、又はアルコキシ基であり、R
2が、H、ハロゲンラジカル、アルキル基、エステル基、エーテル基、芳香族基、又はアルコキシ基であり、R
1及びR
2が、多環式芳香族基を形成するように、芳香族基のフェニル基への結合を表し得、R
3が、H、ハロゲンラジカル、又はアルキル基である、請求項4に記載の発光材料。
【請求項6】
R
1が、H、ハロゲンラジカル、アルキル基、エステル基、エーテル基、芳香族基、又はアルコキシ基であり、R
2が、Hであり、R
3が、Hである、請求項5に記載の発光材料。
【請求項7】
前記発光ベンゾチアゾールが、約366nmの波長での電磁放射線による励起に応答して、約558~約589nmの波長内にピーク強度を有する、請求項1に記載の発光材料。
【請求項8】
前記発光粒子が、前記発光粒子の総重量に基づいて、少なくとも99重量%の量で前記発光ベンゾチアゾールを含む、請求項1に記載の発光材料。
【請求項9】
物品であって、
基材と、
前記基材の中及び/又は上の認証機能部と、を備え、前記認証機能部が、発光粒子を含み、前記発光粒子が、ウレイド結合を有する発光ベンゾチアゾールを含み、前記発光ベンゾチアゾールが、約366nmの波長での電磁放射線による励起に応答して、約555~約630nmの波長内にピーク強度を有する、物品。
【請求項10】
発光粒子を形成する方法であって、前記方法が、
アミノ官能性ベンゾチアゾール反応物及び有機溶媒を含む混合物を、約60℃を上回る温度に加熱することと、
約60℃を上回る前記温度に加熱した後に、イソシアネート含有化合物を前記混合物に添加して、反応混合物を形成することと、
反応期間の間、前記反応混合物を、約60℃を上回る前記温度で維持して、ウレイド結合を有する発光ベンゾチアゾールを含む発光粒子を形成することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発光蛍光体化合物を含む技術的発光材料、セキュリティ機能部を含む物品、及び発光蛍光体化合物を製造するための方法。より具体的には、本技術分野は、発光ベンゾチアゾールを含む発光粒子を組み込む発光材料及びセキュリティ物品、並びに係る発光粒子の製造のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光蛍光体化合物とは、電磁放射線などの外部エネルギー源によって化合物を励起する際に、赤外、可視、及び/又は紫外スペクトルにおいて検出可能な量の放射線を放射することができる化合物である。発光蛍光体化合物は、照明デバイス、陰極線管、暗闇で光る物品、及びセキュリティ標識を含むが、これらに限定されない様々な分野での広範囲にわたる用途を見出している。発光蛍光体化合物は、一般に、無機又は有機発光蛍光体化合物として特徴付けることができる。無機発光蛍光体化合物には、通常、ホスト材料(例えば、結晶格子)、放射イオン(例えば、希土類金属の)、及び場合によっては、「増感」イオン(例えば、遷移金属の、又は放射する希土類金属イオンにエネルギーを吸収及び移動させることができる異種希土類金属の)が含まれる。様々な有機発光蛍光体化合物が知られており、それらのうちの多くが、芳香族化学に基づいている。例えば、様々な有機発光蛍光体化合物は、オキシナート、テレフタル酸の誘導体、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサジノン、若しくはキナゾリノンなどのアントラニル酸の誘導体、チオキサンテン、サリチル酸誘導体、又は希土類金属の有機錯体であってもよい。
【0003】
発光蛍光体化合物の選択された化学的性質により、化合物に特定の放射特性を持たせることができ、放射特性には、所与のスペクトルを有する放射、更には様々な時間的特性が含まれる。いくつかの蛍光体化合物の固有のスペクトル特性により、特定の値又は重要度を有する物品(例えば、紙幣、パスポート、生体サンプルなど)を認証又は特定する際に、それらの化合物を十分適切に使用する。したがって、既知のスペクトル署名を有する発光蛍光体化合物は、様々なタイプの物品に組み込まれて、そのような物品の偽造若しくは模造複製品を検出するか、又は物品を特定及び追跡するための能力を強化してきた。例えば、発光蛍光体化合物は、物品を認証又は追跡する過程で分析することができる添加剤、コーティング材、及び印刷又は別様に貼付された機能部の形態で、様々なタイプの物品に組み込まれている。
【0004】
発光蛍光体化合物を含む物品は、既知の認証技術を介して、特別に設計された認証装置を使用して、認証することができる。そのような認証技術は、比較的単純な偽造及び模造活動を検出及び阻止する際には非常に有効であるが、それらの認証技術は、欠点を示す。例えば、適切なリソース及び装置を有する個人は、分光測定技術を用いて、いくつかの蛍光体化合物の成分を判定することができる場合がある。次いで、その蛍光体化合物が再現され、不正物品とともに使用される可能性があり、ひいては、そうでなければ特定の蛍光体化合物によって提供され得る認証便益を損なう。
【0005】
ある特定の用途の場合、可視スペクトル内での放射が望ましく、特定の可視色のスペクトル放射が望ましい。様々な放射波長での検出可能な放射を生成する様々な無機及び有機発光蛍光体が、特定されている。しかしながら、電磁スペクトルのある特定の開発途上の部分内で、発光蛍光体の化学的性質を更に開発することが望ましい。特に、約555~約630nmなどの電磁スペクトルの可視黄色~橙色部分で放射する、有機発光蛍光体化合物の既知の化学的性質は、いくらか限定的である。
【0006】
ウレイド結合を含有するベンゾチアゾール含有化合物を含む様々な尿素/チオ尿素誘導体が、様々な使用のために開発されている。例えば、ベンゾチアゾール含有化合物は、抗菌用途のために提案されている。しかしながら、そのような材料を製造するための先行努力は、比較的低い収率を示し、抗菌剤の分野以外でそのような材料を使用する提案は、行われていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、可視電磁スペクトルの様々な部分内で電磁放射線を放射する多数の発光蛍光体化合物が開発されているが、追加の化合物を開発することが望ましく、それらの化合物は、偽造及び模造活動をより困難にし得、特定の関心のある物品を特定及び追跡するために有益であることを実証し得、かつ/又は電磁スペクトルの可視部分内での放射が望ましい他の用途において有用であることを実証し得る。更に、本発明の他の望ましい特徴及び特性は、添付図面、及び本発明のこの背景技術と併せて考慮される、後続する本発明の詳細な説明、及び添付の特許請求の範囲から、明らかになるであろう。
【0008】
発光蛍光体化合物を含む発光材料、セキュリティ機能部を含む物品、及び発光蛍光体化合物を製造するための方法が、本明細書に提案される。一実施形態では、発光材料が、媒質及び発光粒子を含む。発光粒子は、ウレイド結合を有する発光ベンゾチアゾールを含む。発光ベンゾチアゾールは、約366nmの波長の電磁放射線による励起に応答して、約555~約630nmの波長内にピーク強度を有する。
【0009】
別の実施形態では、基材、並びに基材の中及び/又は上の認証機能部を含む物品が提供される。認証機能部は、発光粒子を含む。発光粒子は、ウレイド結合を有する発光ベンゾチアゾールを含む。発光ベンゾチアゾールは、約366nmの波長の電磁放射線による励起に応答して、約555~約630nmの波長内にピーク強度を有する。
【0010】
別の実施形態では、発光粒子を形成する方法が提供される。方法は、アミノ官能性ベンゾチアゾール反応物及び有機溶媒を含む混合物を、約60℃を上回る温度に加熱することを含む。約60℃を上回る温度に加熱した後、イソシアネート含有化合物を混合物に添加して、反応混合物を形成する。反応混合物をある反応期間の間、約60℃を上回る温度に維持して、ウレイド結合を有する発光ベンゾチアゾールを含む発光粒子を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明は、以降、以下に描かれた図と併せて説明され得、同様の数字は、同様の要素を指す。
【0012】
【
図1】
図1は、ある実施形態による、発光粒子の例示的なサンプルの励起及び放射スペクトルを示すグラフである。
【0013】
【
図2】
図2は、ある実施形態による、発光粒子の別の例示的なサンプルの励起及び放射スペクトルを示すグラフである。
【0014】
【
図3】
図3は、ある実施形態による、媒質及び発光粒子を含む発光材料の概略図である。
【0015】
【
図4】
図4は、ある実施形態による、認証機能部を含む物品の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細な説明は、本質的に単に例示的なものであり、本明細書に記載されているように、発光材料、セキュリティ機能部を含む物品、及び発光蛍光体化合物を製造するための方法に限定することを意図するものではない。更に、前述の「背景技術」又は以下の詳細な説明で提示される、いずれの理論によっても拘束されることを意図するものではない。
【0017】
以下に詳細に説明される実施形態は、発光ベンゾチアゾールを含む発光粒子、並びに発光材料、物品、及び発光ベンゾチアゾールを含む発光粒子を形成する方法に関する。以下に記載される発光粒子の実施形態は、認証又は特定のために使用され得る利用可能な材料の多様性を増加させ、発光粒子は、約366nmの波長での電磁放射線による励起に応答して、約555~約630nmなどの、電磁スペクトルの黄色~橙色部分の放射スペクトルを提供する。本明細書で説明される発光粒子からの放射のスペクトル署名は、認証の目的のための測定可能な品質として使用することができ、可視スペクトルの黄色~橙色部分での発光放射が望まれる他の使用を見出すことができる。更に、発光粒子を形成する方法が、本明細書に提供され、その方法により、比較的高い収率の発光ベンゾチアゾールの実現が可能になり、その結果、未着色の粒子が最小限に抑えられ、優れた放射性能を有する発光粒子が得られる。
【0018】
本明細書で言及されるとき、「約」という用語は、列挙された値の10%以内の数値、又は代替的に列挙された値の5%以内の数値などの、実質上列挙された値と同じ値であるか、又は結果として列挙された値と同様の特性をもたらすことが予想され得る数値を包含することが意図される。例えば、「約555nm」という値はまた、実質上550nmの値、又は代替的に553nmの値も包含し得、ただし、効果の差が基本的な物理的特性(例えば、人間の目に見える色)における材料差を表さないことを前提とする。また本明細書で使用されるとき、「平均D99粒子サイズ」という用語は、Montgomeryville、PAのMicrotrac Inc.によって製造されたデバイスなどのレーザ光回折型測定デバイスによって測定されたとき、質量体積99パーセントポイント(D99)粒子サイズ平均直径として定義される。
【0019】
ここで、発光粒子の実施形態を説明し、発光粒子は、以下に更に詳細に説明されるような発光材料又は物品内に含まれるのに好適である。発光粒子は、発光ベンゾチアゾールを含み、発光粒子の形成後に残留する極微量の他の化学種を任意選択的に含み得る。実施形態では、発光粒子は、発光粒子の総重量に基づいて、少なくとも99.5重量%などの少なくとも99重量%の量で発光ベンゾチアゾールを含む。実施形態では、前述の発光ベンゾチアゾールの濃度は、乾燥沈殿物として得られるような発光粒子を更に精製することなく、発光粒子の形成後に達成される。実施形態では、発光粒子は、約5μm以下の平均D99粒子サイズで提供され、このような平均粒子サイズの発光粒子は、オフセット印刷用途での使用に好適である。このような平均粒子サイズは、形成後に乾燥沈殿物として得られるような発光粒子を更に処理することなく、発光粒子の形成後に達成することができる。代替的に、沈殿物を更に処理して、目標の平均粒子サイズ値を達成することができる。
【0020】
発光粒子中の発光ベンゾチアゾールは、ウレイド結合を有し、ウレイド結合はまた、二価尿素結合又はカルバミド結合として理解することもできる。より具体的には、ウレイド結合は、発光ベンゾチアゾールのベンゾチアゾール含有部分を、化合物の追加部分に連結する。実施形態では、ウレイド結合は、ベンゾチアゾリル含有基、及び発光ベンゾチアゾール中の任意選択的にハロゲン化されたフェニル基を連結する。実施形態では、ベンゾチアゾリル含有基は、フェニルベンゾチアゾリル基であり、ウレイド結合は、フェニルベンゾチアゾリル基を、発光ベンゾチアゾール中の任意選択的にハロゲン化されたフェニル基に連結する。より具体的には、実施形態では、ウレイド結合は、フェニルベンゾチアゾリル基のフェニルに直接結合し、また任意選択的にハロゲン化されたフェニル基のフェニルにも直接結合する。実施形態では、ウレイド結合は、フェニルの炭素2において結合する。実施形態では、フェニルベンゾチアゾリル基は、ペンダントヒドロキシル基を含まず、フェニルは、そこから突き出ている水素原子のみを含有し、そのような機能部は、対象となる発光粒子の観測される放射スペクトルに寄与すると考えられる。
【0021】
特定の実施形態では、発光ベンゾチアゾールは、以下の構造を有する。
【化1】
式中、R
1は、H、ハロゲンラジカル、アルキル基、エステル基、エーテル基、芳香族基、又はアルコキシ基であり、R
2は、H、ハロゲンラジカル、アルキル基、エステル基、エーテル基、芳香族基、又はアルコキシ基であり、R
1及びR
2は、芳香族基のフェニル基への結合を表して、多環式芳香族基を形成し得、R
3は、H、ハロゲンラジカル、又はアルキル基である。ある実施形態では、R
1、R
2、及びR
3は、すべてHである。ある実施形態では、R
2及びR
3は、両方ともHであり、R
1は、H以外の上記のような基である。例えば、R
1は、ハロゲンラジカルであり、1つの具体的な実施形態としては、塩素である。別の例として、R
1は、メチルなどのアルキル基である。別の例として、R
1は、-COOCH
3などのエステル基である。別の例として、R
1は、-COCH
3などのエーテル基である。別の実施形態では、R
1及びR
2は、H以外の上記のような基である。ある例として、R
1及びR
2は、芳香族基のフェニル基への結合を表して、ナフチル基などの多環式芳香族基を形成する。別の例として、R
1及びR
2は、両方とも塩素などのハロゲンラジカルである。別の実施形態では、R
3は、ハロゲンラジカル又はアルキル基である。ある例として、R
3は、塩素などのハロゲンラジカルであり、R
1は、Hであり、R
2は、Hである。別の例として、R
1及びR
3は、塩素などのハロゲンラジカルであり、R
2は、Hである。
【0022】
実施形態では、
図1及び
図2を参照すると、本明細書に記載されているような発光ベンゾチアゾールは、約366nmの波長での電磁放射線による励起に応答して、約555~約600など、又は約558~約589nmなどの、約555~約630nmの波長内にピーク強度を有する。励起は、
図1及び
図2のプロット10によって示されているように、約366の波長での放射が生成されるという条件で、波長の範囲にわたって電磁放射線を生成する光源を使用して実現することができることを理解されたい。
図1及び
図2を参照すると、式(I)及び式(II)の発光ベンゾチアゾールを含む発光粒子の励起及び放射スペクトルが、それぞれ示されている。特に、
図1を参照すると、プロット12は、式(I)の発光ベンゾチアゾールの放射スペクトルを示し、ピーク放射は、約572nm±2nmである。
図2のプロット14は、ハロゲンラジカルが存在し、塩素である式(II)の発光ベンゾチアゾールの放射スペクトルを示し、ピーク放射は、約573nm±2nmである。
【0023】
ここで、発光粒子を形成する方法のある実施形態について、説明される。アミノ官能性ベンゾチアゾール反応物及び有機溶媒を適切な反応容器中に詰めて混合物を形成して加熱し得、続いて、加熱した後、混合物にイソシアネート含有化合物を添加することができる。実施形態では、アミノ官能性ベンゾチアゾール反応物は、アミノフェニルベンゾチアゾールであり、特に、2-アミノフェニルベンゾチアゾールである。好適な有機溶媒としては、メチルエチルケトンなどの非プロトン性溶媒が挙げられるが、これに限定されない。実施形態では、アミノ官能性ベンゾチアゾール反応物と有機溶媒との混合物は、周囲温度よりも非常に高い高温に加熱される。例えば、実施形態では、混合物は、約60℃を上回る混合温度に加熱される。実施形態では、混合物は、適切な圧力下で十分高い混合温度に加熱されて、安定な環流条件を達成し、そこでは、混合物からの蒸気が凝縮され、イソシアネート含有化合物を添加する前に、混合物に戻される。適切な環流条件が、混合物の特定の成分に基づいて、当業者によって容易に特定することができることを理解されたい。混合物を混合温度に加熱した後、イソシアネート含有化合物を添加して、反応混合物を形成する。実施形態では、イソシアネート含有化合物は、任意選択的にハロゲン化されたフェニルイソシアネートである。反応混合物は、反応期間の間、約60℃を上回る温度に維持されて、発光ベンゾチアゾールを含む発光粒子を形成する。実施形態では、発光粒子は、反応期間の後、反応混合物の液体部分から沈殿物として分離され、沈殿物は、任意選択的に洗浄及び乾燥されて、残留する有機溶媒、及び未反応の反応物を除去する。実施形態では、発光粒子は、発光粒子の総重量に基づいて、少なくとも99.5重量%などの少なくとも99重量%の量で発光ベンゾチアゾールを含む。実施形態では、前述の発光ベンゾチアゾールの濃度は、乾燥沈殿物として得られるような発光粒子を更に精製することなく、発光粒子の形成後に達成される。前述の方法論は、発光粒子の収率を最大化し、発光粒子は、反応からの発光粒子の理論的収率に基づいて、少なくとも約78重量%の収率、又は少なくとも約90重量%の収率などの、少なくとも約75重量%の収率で形成されると考えられる。
【0024】
図3を参照すると、本明細書に記載されているように、発光ベンゾチアゾールを含む発光粒子100は、発光粒子100に加えて、媒質302を含む発光材料300内に採用することができる。媒質302は、インク、インク添加物、にかわ、液体、ゲル、ポリマー、スラリー、プラスチック、プラスチックベース樹脂、ガラス、セラミック、金属、布地、木材、繊維、紙パルプ、及び紙の群から選択することができる。媒質302内に発光粒子100を含むことから、発光粒子100は、認証機能部のためのベース材料又は基材材料それ自体かのいずれかとして、そのような媒質302を通常使用するセキュリティ用途に採用することができる。例えば、媒質302は、物品の基材を形成するために採用される材料に対応し得るか、又は媒質は、認証機能部として物品基材の表面に適用(例えば、表面上に印刷、コーティング、噴霧コーティング、又は別様に接着若しくは結合)され得る材料に対応し得るか、又は媒質は、基材中に埋め込まれる機能部(例えば、埋め込まれた認証機能部、セキュリティスレッドなど)を形成するために採用される材料に対応し得るが、それらに限定されない。前者の場合、発光粒子100は、例えば、発光粒子100を媒質302と組み合わせ、次いで媒質302を用いて基材を形成することによって、かつ/又は媒質302を発光粒子100のコロイド分散を用いて含浸させることによって、基材材料中に組み込むことができる。含浸は、例えば、印刷、滴下、コーティング、又は噴霧プロセスによって実行され得る。
【0025】
ここで、
図4を参照して、発光粒子を含む物品のある実施形態について説明される。
図4は、例示的な実施形態による、発光粒子100を含む物品400の断面図を示す。物品400は、基材402、及び基材402の表面408上にある、又は基材402内に統合された認証機能部404、406を含み、認証機能部404、406は、発光粒子100を含む。例えば、これは、発光材料を組み込むことによって達成することができ、発光材料には、物品400の内部又は上部に媒質及び発光粒子100が含まれる。代替的に、発光材料は、基材402のためのベース材料として実際に使用されてもよい。逆に、発光材料が基材402の表面408に適用可能である実施形態では、発光材料は、所定の位置において基材402の1つ以上の表面408に印刷されてもよい。逆に、発光材料が、埋め込まれた認証機能部406に対応するとき、埋め込まれた認証機能部406は、基材材料が展性のある形態であるとき(例えば、材料がスラリー形態、溶融形態、又は未硬化形態のとき)基材材料と一体化されている。上述の方法のうちの任意の1つにおいて、本明細書に記載されている発光材料又は発光蛍光体化合物は、物品400中に組み込むことができる。
【0026】
上述したように、発光粒子は、物品400の内部又は上部に組み込むことができる。特に、この実施形態では、物品400は、発光粒子100を含む表面に適用した、かつ/若しくは埋め込まれた認証機能部404、406を含むことができ、並びに/又は物品400は、物品400自体の1つ以上の構成要素内に(例えば、基材402内、及び/又は物品400の1つ以上の層若しくは他の構成要素)均一に若しくは不均一に分散された発光粒子100を含むことができる。認証機能部404、406及び発光粒子100の様々な相対的な寸法は、
図4の縮尺通りでなくてもよい。物品400は、表面に適用した、かつ/又は埋め込まれた認証機能部404、406、並びに発光粒子100の両方を含むように例示されているが、別の物品は、埋め込まれた認証機能部406、表面に適用した認証機能部404、及び分散発光粒子100のうちの1つ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。最後に、1つの表面に適用した認証機能部404及び1つの埋め込まれた認証機能部406のみが
図4に示されているが、物品は、認証機能部404、406のいずれかのタイプのうちの2つ以上を含んでもよい。
【0027】
様々な実施形態では、物品400としては、身分証明書、運転免許証、パスポート、身元証明書、紙幣、小切手、文書、紙、株券、包装材料成分、クレジットカード、バンクカード、ラベル、シール、記念品、カジノチップ、郵便切手、動物、及び生体サンプルが挙げられるがこれらに限定されない群から選択される任意のタイプの物品であってもよい。
【0028】
剛性又は可撓性であり得る基材402は、様々な実施形態において1つ以上の層又は構成要素から形成されてもよい。様々な実施形態の発光粒子100が膨大な異なるタイプの物品の配列と併せて使用することができるので、基材402の様々な構成は、非常に多くあり、記載することができない。したがって、単純な単体基材402が
図4に例示されているが、基材402が様々な異なる構成のうちのいずれかを有する可能性があることを理解されたい。例えば、基材402は、同じ又は異なる材料の複数の層又は区域を含む「複合」基材であってもよい。例えば、基材402としては、ラミネート加工されて、又は別様に一緒に結合されて複合基材(例えば、紙層/プラスチック層/紙層又はプラスチック層/紙層/プラスチック層の複合基材)を形成する1つ以上の紙の層又は区域及び1つ以上のプラスチックの層又は区域が挙げられ得るが、それらに限定されない。加えて、無生物の固体物品が本明細書で説明されているが、「物品」はまたヒト、動物、生物試料、液体サンプル、及びその中若しくは上に実施形態の発光材料が含まれ得る実質的に他の任意の物体又は材料を含むことが理解されよう。
【0029】
表面に適用した認証機能部404は、例えば、印刷認証機能部、又は本明細書に記載されているような発光粒子100が内部若しくは上部に含まれる1つ以上の剛性若しくは可撓性材料を含む認証機能部であってもよいが、これらに限定されない。例えば、表面に適用した認証機能部404は、発光粒子100を含むインク、顔料、コーティング材、又は塗料を含んでもよいが、これらに限定されない。代替的に、表面に適用した認証機能部404は、発光粒子100が内部又は上部に含まれる1つ以上の剛性又は可撓性材料を含んでもよく、この場合、次いで表面に適用した認証機能部404は、基材402の表面408に粘着されるか、又は別様に取り付けられる。様々な実施形態によれば、表面に適用した認証機能部404は、約1マイクロメートル以上の厚さ412を有してもよく、また表面に適用した認証機能部404は、基材402の幅及び長さ以下である幅及び長さを有してもよい。
【0030】
埋め込まれた認証機能部406は、本明細書に記載されているような発光粒子100が内部又は上部に含まれる1つ以上の剛性又は可撓性材料を含んでもよい。例えば、埋め込まれた認証機能部406は、別々の、剛性若しくは可撓性基材、セキュリティスレッド、又は別のタイプの構造の形態で構成されてもよいが、それらに限定されない。様々な実施形態によれば、埋め込まれた認証機能部406は、最大で基材402の厚さ416までの約1マイクロメートルの範囲の厚さ422を有してもよく、埋め込まれた認証機能部406は、基材402の幅及び長さ以下である幅及び長さを有してもよい。
【0031】
上記のように、発光粒子100は、
図4に示すように、基材402内、又は他の実施形態では、物品400の1つ以上の他の構成要素内(例えば、物品400の1つ以上の層若しくは他の構成要素内)に均一若しくは不均一に分散されてもよい。発光粒子100は、例えば、発光粒子100を、基材402又は他の構成要素を形成するために採用される材料中に混合することによって、かつ/又は、以前説明したように、基材402又は他の構成要素を発光粒子100のコロイド分散で含浸させることによって、基材402又は別の構成要素内に分散することができるが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書に記載されているような発光ベンゾチアゾールの実施形態の吸収特性及び放射特性は、セキュリティ及び認証機能部と併せてそれらを使用することと矛盾しない。例えば、比較的伝統的な認証装置を使用すると、発光材料の実施形態は、容易に励起され得、放射は、従来の技術を介して検出することができる。
【0033】
以下の実施例は、上述したような発光粒子、及びその同じものを製造する方法の説明を補足することを意図するものであり、これらに限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0034】
N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-フェニル-尿素(式I)
【0035】
本明細書に記載されている方法に従って生成された発光粒子の第1の実施例として、N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-フェニル-尿素が、以下の反応スキームに従って調製された。
【化2】
発光粒子を調製するために、1Lの3つ口フラスコ(温度計、スターラ、及び滴下漏斗を備える)に、200gの2-ブタノン(すなわち、メチルエチルケトン)及び40gの2-アミノフェニルベンゾチアゾール(0.176モル)を室温で入れて、混合物を形成した。混合物を加熱して、環流を円滑にした(混合物は、淡褐色がかった不透明な溶液に変わった)。還流及び撹拌下で、23.1gのフェニルイソシアネート(0.194モル)を75分以内に添加して、反応混合物を形成した。フェニルイソシアネートの約1/3を添加した後、明るいベージュ色の物質が、溶液から沈殿した。より良好に攪拌するために、反応混合物を150gの2-ブタノンで希釈した。反応混合物を円滑な還流下で、更に2.5時間撹拌した。この後、反応混合物を25℃に冷却し、沈殿物をナッチュ吸引により単離し、室温で300mLのアセトンで洗浄した。沈殿物は、乾燥オーブン内で60℃で乾燥させた。乾燥後、沈殿物を47.9gで秤量して、理論的収率に基づいて約78%の収率を得た。沈殿物の融点は、約212~約214℃であると判定され、DTAピーク(吸熱)は、約228℃であると判定され、純度(すなわち、発光ベンゾチアゾール含有量)は、HPLCを介して判定されたときに、99.8%であると判定された。沈殿物は、波長366nmの励起下で、明るい黄色がかった橙色の蛍光を示し、約572nmのピーク放射を有した。CIE色座標は、Horiba Jobin Yvon GmbHからの分光蛍光光度計FluoroMax-4を使用して測定したとき、X=0.508、Y=0.486であると判定された。
図1は、この実施例による発光粒子の励起及び放射スペクトルを示すグラフである。
【0036】
N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(4-クロロフェニル)-尿素(式II)
【0037】
本明細書に記載の方法に従って生成された発光粒子の別の実施例として、N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(4-クロロフェニル)-尿素が、以下の反応スキームに従って調製された。
【化3】
発光粒子を調製するために、1Lの3つ口フラスコ(温度計、スターラ、及び滴下漏斗を備える)に、200gの2-ブタノン(すなわち、メチルエチルケトン)及び40gの2-アミノフェニルベンゾチアゾール(0.176モル)を室温で入れて、混合物を形成した。この混合物を加熱して、環流を円滑にした(混合物は、淡褐色がかった不透明な溶液に変わった)。還流及び撹拌下で、29.8gの4-クロロ-フェニルイソシアネート(0.194モル)を75分以内に添加して、反応混合物を形成した。4-クロロ-フェニルイソシアネートの約1/3を添加した後、明るいベージュ色の物質が、溶液から沈殿した。より良好に攪拌するために、反応混合物を150gの2-ブタノンで希釈した。反応混合物を円滑な還流下で、更に2.5時間撹拌した。この後、反応混合物を25℃に冷却し、沈殿物をナッチュ吸引により単離し、室温で300mLのアセトンで洗浄した。沈殿物は、乾燥オーブン内で60℃で乾燥させた。乾燥後、沈殿物を60.4gで秤量して、理論的収率に基づいて約90%の収率を得た。沈殿物の融点は、約220~約224℃であると判定され、DTAピーク(吸熱)は、約235℃であると判定され、純度(すなわち、発光ベンゾチアゾール含有量)は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を介して判定されたとき、99.5%であると判定された。沈殿物は、波長366nmの励起下で、明るい黄色がかった橙色の蛍光を示し、約573nmにピーク放射を有した。CIE色座標は、Horiba Jobin Yvon GmbHからの分光蛍光光度計FluoroMax-4を使用して測定したとき、X=0.505、Y=0.489であると判定された。
図2は、この実施例による発光粒子の励起及び放射スペクトルを示すグラフである。
【0038】
N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(4-メチルフェニル)-尿素(式III)
【0039】
本明細書に記載されている方法に従って生成された発光粒子の別の実施例として、N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(4-メチルフェニル)-尿素が、以下の反応スキームに従って調製された。
【化4】
【0040】
発光粒子を調製するために、500mLの3つ口フラスコ(温度計、攪拌機、及び滴下漏斗を備える)に、150gのブタノン、及び36.9gの2-アミノフェニルベンゾチアゾール(0.163モル)を室温で入れて、混合物を形成した。混合物を加熱して、環流を円滑にした(混合物は、淡褐色がかった不透明な溶液に変わった)。還流及び撹拌下で、24gの4-メチル-フェニルイソシアネート(0.194モル)を100分以内に添加して、反応混合物を形成した。4-メチル-フェニルイソシアネートの約1/3を添加した後、明るいベージュ色の物質が、溶液から沈殿した。反応混合物を円滑な還流下で更に7時間撹拌した。この後、反応混合物を45℃に冷却し、沈殿物をナッチュ吸引により単離し、150mLのアセトンで室温で洗浄した。生成物を150mLのアセトン中で30分間還流撹拌して、不純物を除去した。沈殿物は、乾燥オーブン内で60℃で乾燥させた。乾燥後の沈殿物を49.7gで秤量して、理論的収率に基づいて約85%の収率を得た。沈殿物の融点は、約200~約203℃であると判定され、DTAピーク(吸熱)は、約216℃であると判定され、純度(すなわち、発光ベンゾチアゾール含有量)は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を介して判定されたとき、99.9%であると判定された。沈殿物は、波長366nmの励起下で、明るい黄色の蛍光を示し、約569nmにピーク放射を有した。CIE色座標は、Horiba Jobin Yvon GmbHからの分光蛍光光度計FluoroMax-4を使用して測定されたとき、X=0.502、Y=0.493であると判定された。
【0041】
N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(1-ナフチル)-尿素(式IV)
【0042】
本明細書に記載されている方法に従って生成された発光粒子の別の実施例として、N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(1-ナフチル)-尿素が、以下の反応スキームに従って調製された。
【化5】
【0043】
発光粒子を調製するために、500mLの3つ口フラスコ(温度計、攪拌機、及び滴下漏斗を備える)に150gのブタノン、及び29.1gの2-アミノフェニルベンゾチアゾール(0.129モル)を室温で入れて、混合物を形成した。混合物を加熱して、環流を円滑にした(混合物は、淡褐色がかった不透明な溶液に変わった)。還流及び撹拌下で、24gの1-ナフチルイソシアネート(0.142モル)を80分以内に添加して、反応混合物を形成した。1-ナフチルイソシアネートの約2/3を添加した後、明るいベージュ色の物質が、溶液から沈殿した。の反応混合物を、円滑な還流下で、更に8.5時間撹拌した。この後、反応混合物を25℃に冷却し、沈殿物をナッチュ吸引により単離し、200mLのアセトンで室温で洗浄した。生成物を200mLのアセトン中で30分間還流撹拌して、不純物を除去した。沈殿物は、乾燥オーブン内で60℃で乾燥させた。乾燥後、沈殿物を46.4gで秤量して、理論的収率に基づいて約91%の収率を得た。沈殿物の融点は、約206~約250℃であると判定され、DTAピーク(吸熱)は、約216℃であると判定され、純度(すなわち、発光ベンゾチアゾール含有量)は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を介して判定されたとき、95.3%であると判定された。沈殿物は、波長366nmの励起下で、明るい黄色の蛍光を示し、約566nmにピーク放射を有した。CIE色座標は、Horiba Jobin Yvon GmbHからの分光蛍光光度計FluoroMax-4を使用して測定されたとき、X=0.487、Y=0.504であると判定された。
【0044】
メチル-4-(3-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)フェニル)ウレイド)ベンゾエート(式V)
【0045】
本明細書に記載されている方法に従って生成された発光粒子の別の実施例として、メチル-4-(3-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)フェニル)ウレイド)ベンゾエートが、以下の反応スキームに従って調製された。
【化6】
【0046】
発光粒子を調製するために、500mLの3つ口フラスコ(温度計、攪拌機、及び滴下漏斗を備える)に、150gのブタノン、及び27.8gの2-アミノフェニルベンゾチアゾール(0.123モル)を室温で入れて、混合物を形成した。混合物を加熱して、環流を円滑にした(混合物は、淡褐色がかった不透明な溶液に変わった)。還流及び撹拌下で、25gのブタノンに溶解した24gのメチル-4-イソシアナトベンゾエート(0.135モル)を75分以内に添加して、反応混合物を形成した。メチル-4-イソシアナトベンゾエートの約1/3を添加した後、明るいベージュ色の物質が、溶液から沈殿した。反応混合物を、円滑な還流下で、更に4時間撹拌した。この後、反応混合物を40℃に冷却し、沈殿物をナッチュ吸引により単離し、150mLのアセトンで室温で洗浄した。生成物を150mLのアセトン中で30分間還流撹拌して、不純物を除去した。沈殿物は、乾燥オーブン内で60℃で乾燥させた。乾燥後の沈殿物を37.8gで秤量して、理論的収率に基づいて約76%の収率を得た。沈殿物の融点は、約197~約199℃であると判定され、DTAピーク(吸熱)は、約214℃であると判定され、純度(すなわち、発光ベンゾチアゾール含有量)は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を介して判定されたとき、99.6%であると判定された。沈殿物は、波長366nmの励起下で、明るい黄色の蛍光を示し、約566nmにピーク放射を有した。CIE色座標は、Horiba Jobin Yvon GmbHからの分光蛍光光度計FluoroMax-4を使用して測定されたとき、X=0.484、Y=0.507であると判定された。
【0047】
N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(4-メトキシフェニル)-尿素(式VI)
【0048】
本明細書に記載されている方法に従って生成された発光粒子の別の実施例として、N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(4-メトキシフェニル)-尿素が、以下の反応スキームに従って調製された。
【化7】
【0049】
発光粒子を調製するために、500mLの3つ口フラスコ(温度計、攪拌機、及び滴下漏斗を備える)に、150gのブタノン、及び33.2gの2-アミノフェニルベンゾチアゾール(0.146モル)を室温で入れて、混合物を形成した。混合物を加熱して、環流を円滑にした(混合物は、淡褐色がかった不透明な溶液に変わった)。還流及び撹拌下で、24gの4-メトキシ-フェニルイソシアネート(0.161モル)を90分以内に添加して、反応混合物を形成した。4-メトキシ-フェニルイソシアネートの約1/3を添加した後、明るいベージュ色の物質が、溶液から沈殿した。より良好に攪拌するために、反応混合物を50gのブタノンで希釈した。反応混合物を円滑な還流下で、更に5.5時間撹拌した。この後、反応混合物を50℃に冷却し、沈殿物をナッチュ吸引により単離し、150mLのアセトンで室温で洗浄した。生成物を200mLのアセトン中で30分間還流撹拌して、不純物を除去した。沈殿物は、乾燥オーブン内で60℃で乾燥させた。乾燥後の沈殿物を48.9gで秤量して、理論的収率に基づいて約89%の収率を得た。沈殿物の融点は、約211~約216℃であると判定され、DTAピーク(吸熱)は、約229℃であると判定され、純度(すなわち、発光ベンゾチアゾール含有量)は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を介して判定されたとき、97.4%であると判定された。沈殿物は、波長366nmの励起下で、明るい黄色の蛍光を示し、約565nmにピーク放射を有した。CIE色座標は、Horiba Jobin Yvon GmbHからの分光蛍光光度計FluoroMax-4を使用して測定されたとき、X=0.487、Y=0.506であると判定された。
【0050】
N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(4-クロロフェニル)-尿素(式VII)
【0051】
本明細書に記載されている方法に従って生成された発光粒子の別の実施例として、N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(4-クロロフェニル)-尿素が、以下の反応スキームに従って調製された。
【化8】
【0052】
発光粒子を調製するために、500mLの3つ口フラスコ(温度計、攪拌機、及び滴下漏斗を備える)に、200gのブタノン、及び40gの2-アミノフェニルベンゾチアゾール(0.176モル)を室温で入れて、混合物を形成した。混合物を加熱して、環流を円滑にした(混合物は、淡褐色がかった不透明な溶液に変わった)。還流及び撹拌下で、29gの2-メトキシ-フェニルイソシアネート(0.194モル)を85分以内に添加して、反応混合物を形成した。反応混合物を、円滑な還流下で、更に8.5時間撹拌した。この後、反応混合物を40℃に冷却し、沈殿物をナッチュ吸引により単離し、200mLのアセトンで室温で洗浄した。生成物を200mLのアセトン中で30分間還流撹拌して、不純物を除去した。沈殿物は、乾燥オーブン内で60℃で乾燥させた。乾燥後の沈殿物を35.7gで秤量して、理論的収率に基づいて約54%の収率を得た。沈殿物の融点は、約174~約176℃であると判定され、DTAピーク(吸熱)は、約184℃であると判定され、純度(すなわち、発光ベンゾチアゾール含有量)は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を介して判定されたとき、99.5%であると判定された。沈殿物は、波長366nmの励起下で、明るい黄色がかった橙色の蛍光を示し、約589nmにピーク放射を有した。CIE色座標は、Horiba Jobin Yvon GmbHからの分光蛍光光度計FluoroMax-4を使用して測定されたとき、X=0.544、Y=0.450であると判定された。
【0053】
N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(3-クロロフェニル)-尿素(式VIII)
【0054】
本明細書に記載されている方法に従って生成された発光粒子の別の実施例として、N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(3-クロロフェニル)-尿素が、以下の反応スキームに従って調製された。
【化9】
【0055】
発光粒子を調製するために、500mLの3つ口フラスコ(温度計、攪拌機、及び滴下漏斗を備える)に、135gのブタノン、及び32gの2-アミノフェニルベンゾチアゾール(0.142モル)を室温で入れて、混合物を形成した。混合物を加熱して、環流を円滑にした(混合物は、淡褐色がかった不透明な溶液に変わった)。還流及び撹拌下で、22.3gの3-クロロ-フェニルイソシアネート(0.145モル)を110分以内に添加して、反応混合物を形成した。反応混合物を、80mLのブタノンを添加することにより希釈し、円滑な還流下で更に4.5時間撹拌した。この後、反応混合物を45℃に冷却し、沈殿物をナッチュ吸引により単離し、300mLのアセトンで室温で洗浄した。生成物を200mLのアセトン中で30分間還流撹拌して、不純物を除去した。沈殿物は、乾燥オーブン内で65℃で乾燥させた。乾燥後の沈殿物を39.8gで秤量して、理論的収率に基づいて約74%の収率を得た。沈殿物の融点は、約190℃であると判定され、DTAピーク(吸熱)は、約204℃であると判定され、純度(すなわち、発光ベンゾチアゾール含有量)は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を介して判定されたとき、99.9%であると判定された。沈殿物は、波長366nmの励起下で、明るい黄色がかった橙色の蛍光を示し、約583nmにピーク放射を有した。CIE色座標は、Horiba Jobin Yvon GmbHからの分光蛍光光度計FluoroMax-4を使用して測定されたとき、X=0.535、Y=0.460であると判定された。
【0056】
N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(4-クロロフェニル)-尿素(式IX)
【0057】
本明細書に記載されている方法に従って生成された発光粒子の別の実施例として、N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(2-クロロフェニル)-尿素が、以下の反応スキームに従って調製された。
【化10】
【0058】
発光粒子を調製するために、500mLの3つ口フラスコ(温度計、攪拌機、及び滴下漏斗を備える)に、150gのブタノン、及び32.1gの2-アミノフェニルベンゾチアゾール(0.142モル)を室温で入れて、混合物を形成した。混合物を加熱して、環流を円滑にした(混合物は、淡褐色がかった不透明な溶液に変わった)。還流及び撹拌下で、22.3gの2-クロロ-フェニルイソシアネート(0.145モル)を70分以内に添加して、反応混合物を形成した。2-クロロ-フェニルイソシアネートを約1/2添加した後、明るいベージュ色の物質が沈殿した。反応混合物を、円滑な還流下で、更に6.5時間撹拌した。この後、反応混合物を50℃に冷却し、沈殿物をナッチュ吸引により単離し、220mLのアセトンで室温で洗浄した。沈殿物は、乾燥オーブン中で60℃で乾燥させた。乾燥後の沈殿物を46gで秤量して、理論的収率に基づいて約85%の収率を得た。沈殿物の融点は、約190~約193℃であると判定され、DTAピーク(吸熱)は、約202℃であると判定され、純度(すなわち、発光ベンゾチアゾール含有量)は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を介して判定されたとき、98.4%であると判定された。沈殿物は、波長366nmの励起下で、明るい黄色がかった橙色の蛍光を示し、約578nmにピーク放射を有した。CIE色座標は、Horiba Jobin Yvon GmbHからの分光蛍光光度計FluoroMax-4を使用して測定されたとき、X=0.518、Y=0.472であると判定された。
【0059】
N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(3,5-ジクロロフェニル)-尿素(式X)
【0060】
本明細書に記載されている方法に従って生成された発光粒子の別の実施例として、N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(3,5-ジクロロフェニル)-尿素が、以下の反応スキームに従って調製された。
【化11】
【0061】
発光粒子を調製するために、250mLの3つ口フラスコ(温度計、攪拌機、及び滴下漏斗を備える)に、50gのブタノン、及び11.4gの2-アミノフェニルベンゾチアゾール(0.051モル)を室温で入れて、混合物を形成した。混合物を加熱して、環流を円滑にした(混合物は、淡褐色がかった不透明な溶液に変わった)。還流下で、75~80℃の混合温度で撹拌しながら、10gの3,5-ジクロロ-フェニルイソシアネート(0.053モル)を90分以内に添加して、反応混合物を形成した。反応混合物を追加の30mLのブタノンで希釈し、円滑な還流下で更に3.5時間撹拌した。過剰なイソシアネートを分解するために、15gのエタノールを添加し、15分間還流下で撹拌した。この後、反応混合物を25℃に冷却し、沈殿物をナッチュ吸引により単離し、100mLのアセトンで室温で洗浄した。沈殿物は、乾燥オーブン内で65℃で乾燥させた。乾燥後の沈殿物を19.1gで秤量して、理論的収率に基づいて約91%の収率を得た。沈殿物の融点は、約219~約221℃であると判定され、DTAピーク(吸熱)は、約223℃であると判定され、純度(すなわち、発光ベンゾチアゾール含有量)は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を介して判定されたとき、97.1%であると判定された。沈殿物は、波長366nmの励起下で、明るい緑がかった黄色の蛍光を示し、約558nmにピーク放射を有した。CIE色座標は、Horiba Jobin Yvon GmbHからの分光蛍光光度計FluoroMax-4を使用して測定されたとき、X=0.453、Y=0.537であると判定された。
【0062】
N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(3,4-ジクロロフェニル)-尿素(式XI)
【0063】
本明細書に記載されている方法に従って生成される発光粒子の別の実施例として、N-[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェニル]-N’-(3,4-ジクロロフェニル)-尿素が、以下の反応スキームに従って調製された。
【化12】
【0064】
発光粒子を調製するために、250mLの3つ口フラスコ(温度計、攪拌機、及び滴下漏斗を備える)に、50gのブタノン、及び11.4gの2-アミノフェニルベンゾチアゾール(0.051モル)を室温で入れて、混合物を形成した。混合物を加熱して、環流を円滑にした(混合物は、淡褐色がかった不透明な溶液に変わった)。75~80℃の混合温度で還流及び撹拌しながら、25gのブタノンに溶解した10gの3,4-ジクロロ-フェニルイソシアネートを110分以内に添加して、反応混合物を形成した。反応混合物を追加の30mLのブタノンで希釈し、円滑な還流下で更に4時間撹拌した。過剰なイソシアネートを分解するために、15gのエタノールを添加し、15分間還流下で撹拌した。この後、反応混合物を25℃に冷却し、沈殿物をナッチュ吸引により単離し、150mLのアセトンで室温で洗浄した。沈殿物は、乾燥オーブン内で65℃で乾燥させた。乾燥後の沈殿物を17gで秤量して、理論的収率に基づいて約81%の収率を得た。沈殿物の融点は、約202~約205℃であると判定され、DTAピーク(吸熱)は、約213℃であると判定され、純度(すなわち、発光ベンゾチアゾール含有量)は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を介して判定されたとき、99.4%であると判定された。沈殿物は、波長366nmの励起下で、明るい黄色の蛍光を示し、約564nmにピーク放射を有した。CIE色座標は、Horiba Jobin Yvon GmbHからの分光蛍光光度計FluoroMax-4を使用して測定されたとき、X=0.485、Y=0.509であると判定された。
【0065】
1-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-クロロフェニル)-3-(3-クロロフェニル)尿素(式XII)
【0066】
本明細書に記載されている方法に従って生成された発光粒子の別の実施例として、1-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-クロロフェニル)-3-(3-クロロフェニル)尿素が、次の反応スキームに従って調製された。
【化13】
【0067】
発光粒子を調製するために、250mLの3つ口フラスコ(温度計、攪拌機、及び滴下漏斗を備える)に、50gのブタノン、及び13gの2-アミノ-5-クロロフェニルベンゾチアゾール(0.05モル)を室温で入れて、混合物を形成した。混合物を加熱して、環流を円滑にした(混合物は、淡褐色がかった不透明な溶液に変わった)。75~80℃の混合温度で還流及び撹拌しながら、20gのブタノンに溶解した8.4gの3-クロロ-フェニルイソシアネートを65分以内に添加して、反応混合物を形成した。反応混合物を追加の20mLのブタノンで希釈し、円滑な還流下で更に3.5時間撹拌した。過剰なイソシアネートを分解するために、15gのエタノールを添加し、15分間還流下で撹拌した。この後、反応混合物を30℃に冷却し、沈殿物をナッチュ吸引により単離し、100mLのアセトンで室温で洗浄した。沈殿物は、乾燥オーブン内で65℃で乾燥させた。乾燥後の沈殿物を19.4gで秤量して、理論的収率に基づいて約93%の収率を得た。沈殿物の融点は、約250℃であると判定され、DTAピーク(吸熱)は、約253℃であると判定され、純度(すなわち、発光ベンゾチアゾール含有量)は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を介して判定されたとき、99.2%であると判定された。沈殿物は、波長366nmの励起下で、明るい黄色の蛍光を示し、約573nmにピーク放射を有した。CIE色座標は、Horiba Jobin Yvon GmbHからの分光蛍光光度計FluoroMax-4を使用して測定されたとき、X=0.517、Y=0.478であると判定された。
【0068】
1-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-クロロフェニル)-3-フェニルウレア(式XIII)
【0069】
本明細書に記載されている方法に従って生成された発光粒子の別の実施例として、1-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-クロロフェニル)-3-フェニルウレアが、以下の反応スキームに従って調製された。
【化14】
【0070】
発光粒子を調製するために、250mLの3つ口フラスコ(温度計、攪拌機、及び滴下漏斗を備える)に、50gのブタノン、及び13gの2-アミノ-5-クロロフェニルベンゾチアゾール(0.05モル)を室温で入れて、混合物を形成した。混合物を加熱して、環流を円滑にした(混合物は、淡褐色がかった不透明な溶液に変わった)。75~80℃の混合温度で還流及び撹拌しながら、20gのブタノンに溶解した6.5gのフェニルイソシアネートを70分以内に添加して、反応混合物を形成した。反応を完了させるために、追加の2mLのフェニルイソシアネートを添加し、還流下で更に4.5時間撹拌した。過剰なイソシアネートの分解のために、10gのエタノールを添加し、還流下で15分間撹拌した。この後、反応混合物を35℃に冷却し、沈殿物をナッチュ吸引により単離し、100mLのアセトンで室温で洗浄した。沈殿物は、乾燥オーブン内で65℃で乾燥させた。乾燥後の沈殿物を16.2gで秤量して、理論的収率に基づいて約85%の収率を得た。沈殿物の融点は、約257℃であると判定され、DTAピーク(吸熱)は、約257℃であると判定され、純度(すなわち、発光ベンゾチアゾール含有量)は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を介して判定されたとき、98.8%であると判定された。沈殿物は、波長366nmの励起下で、明るい黄色の蛍光を示し、約589nmにピーク放射を有した。CIE色座標は、Horiba Jobin Yvon GmbHからの分光蛍光光度計FluoroMax-4を使用して測定されたとき、X=0.558、Y=0.435であると判定された。
【0071】
発光粒子で染色された繊維を含む発光材料
【0072】
染色手順において、900gの水中における50gのポリアミドマイクロファイバ(22dtex/3mm)を、60~85℃で4時間、式Iの0.2gの発光粒子で処理した。
【0073】
次いで、繊維を単離して乾燥させ、結果として得られた繊維は、無色であった。繊維は、582nmで最大蛍光を有する深色シフトを示す。CIE色座標(X=0.503、Y=0.445)
【0074】
前述の詳細な説明で、少なくとも1つの例示の実施形態が提示されたが、膨大な数の変更例が存在することを理解されたい。例示の実施形態又は複数の例示の実施形態は、あくまで例示であり、いかなるようにも範囲、適用性、又は構成を制限する意図がないこともまた理解されたい。むしろ、前述の詳細な説明は、当業者らに例示の実施形態を実装するのに簡便なロードマップを提供するだろう。添付の特許請求の範囲に記載される範囲から逸脱することなく、例示の実施形態に説明された要素の機能及び構成に様々な変更を加えることができるものと理解される。
【手続補正書】
【提出日】2021-09-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光材料であって、
媒質と、
ウレイド結合を有する発光ベンゾチアゾールを含む発光粒子と、を含み、
前記ウレイド結合が、ベンゾチアゾリル含有基、及び前記発光ベンゾチアゾール中の任意選択的にハロゲン化されたフェニル基を連結し、
前記ベンゾチアゾリル含有基が、フェニルベンゾチアゾリル基であり、前記ウレイド結合が、前記フェニルベンゾチアゾリル基を、前記発光ベンゾチアゾール中の前記任意選択的にハロゲン化されたフェニル基に連結し、
前記フェニルベンゾチアゾリル基が、ペンダントヒドロキシル基を含まず、
前記発光ベンゾチアゾールが、約366nmの波長での電磁放射線による励起に応答して、約555~約630nmの波長内にピーク強度を有する、発光材料。
【請求項2】
前記発光ベンゾチアゾールが、以下の構造を有し、
【化1】
式中、R
1が、H、ハロゲンラジカル、アルキル基、エステル基、エーテル基、芳香族基、又はアルコキシ基であり、R
2が、H、ハロゲンラジカル、アルキル基、エステル基、エーテル基、芳香族基、又はアルコキシ基であり、R
1及びR
2が、多環式芳香族基を形成するように、芳香族基のフェニル基への結合を表し得、R
3が、H、ハロゲンラジカル、又はアルキル基である、請求項1に記載の発光材料。
【請求項3】
物品であって、
基材と、
前記基材の中及び/又は上の認証機能部と、を備え、前記認証機能部が、発光粒子を含み、前記発光粒子が、ウレイド結合を有する発光ベンゾチアゾールを含み、前記発光ベンゾチアゾールが、約366nmの波長での電磁放射線による励起に応答して、約555~約630nmの波長内にピーク強度を有する、物品。
【請求項4】
発光粒子を形成する方法であって、前記方法が、
アミノ官能性ベンゾチアゾール反応物及び有機溶媒を含む混合物を、約60℃を上回る温度に加熱することと、
約60℃を上回る前記温度に加熱した後に、イソシアネート含有化合物を前記混合物に添加して、反応混合物を形成することと、
反応期間の間、前記反応混合物を、約60℃を上回る前記温度で維持して、ウレイド結合を有する発光ベンゾチアゾールを含む発光粒子を形成することと、を含む、方法。
【国際調査報告】