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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(54)【発明の名称】顔識別装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20220330BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
G06K7/10 252
H01Q1/24 Z
G06K7/10 224
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020573230
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(85)【翻訳文提出日】2020-12-25
(86)【国際出願番号】 CN2020096872
(87)【国際公開番号】W WO2021147233
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】202020142261.8
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520229127
【氏名又は名称】深▲セン▼市商湯科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SENSETIME TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】王 旭
(72)【発明者】
【氏名】王 根在
(72)【発明者】
【氏名】李 万枝
【テーマコード(参考)】
5J047
【Fターム(参考)】
5J047AA07
5J047FD01
(57)【要約】
本開示は、顔識別装置を開示する。前記顔識別装置は、スクリーンアセンブリ、中間枠及び無線周波数アンテナを備え、クリーンアセンブリが中間枠に取り付けられ、無線周波数アンテナが中間枠とスクリーンアセンブリの間に設けられ、且つスクリーンアセンブリにクリアランス領域が設けられ、これにより、無線周波数アンテナがスクリーンアセンブリのクリアランス領域を通して電磁波を外部に放射することができる。無線周波数アンテナが中間枠とスクリーンアセンブリの間に設けられ、且つスクリーンアセンブリにクリアランス領域が設けられるため、無線周波数アンテナがスクリーンアセンブリのクリアランス領域を通して電磁波を外部に放射することができ、それによって電子タグと通信を確立することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔識別装置であって、スクリーンアセンブリ、中間枠及び無線周波数アンテナを備え、前記スクリーンアセンブリが前記中間枠上に取り付けられ、前記無線周波数アンテナが前記中間枠と前記スクリーンアセンブリの間に設けられ、且つ前記スクリーンアセンブリには、前記無線周波数アンテナが電磁波を外部に放射するためのクリアランス領域が設けられている、前記顔識別装置。
【請求項2】
前記スクリーンアセンブリは、積み重ねられた金属プレート、スクリーン及びカバープレートを含み、前記金属プレートが前記中間枠に接続され、前記金属プレートには前記クリアランス領域を形成するための貫通穴が開設され、前記無線周波数アンテナは、前記中間枠に設けられ、少なくとも部分的に前記貫通穴に収容されていることを特徴とする
請求項1に記載の顔識別装置。
【請求項3】
前記貫通穴の周辺側壁と前記無線周波数アンテナに対応する周辺側壁の間には間隔距離があることを特徴とする
請求項2に記載の顔識別装置。
【請求項4】
前記中間枠は、複数のフレームと、前記複数のフレームを接続する中央プレートとを含み、前記複数のフレームが前記スクリーンを取り囲み、前記無線周波数アンテナは、前記中央プレートに設けられ、且つ前記無線周波数アンテナと前記中央プレートの間に電磁波吸収材が設けられていることを特徴とする
請求項2又は3に記載の顔識別装置。
【請求項5】
前記電磁波吸収材は、フェライトであることを特徴とする
請求項4に記載の顔識別装置。
【請求項6】
中央プレートには溝が設けられ、前記無線周波数アンテナが前記溝に部分的に収容され、前記金属プレートの一面は、前記中央プレートの一面に接続されることを特徴とする
請求項4に記載の顔識別装置。
【請求項7】
前記金属プレートの他方の面は、前記スクリーンの一面に接続され、前記無線周波数アンテナの一面は、前記貫通穴を介して前記スクリーンの一面に接続され、前記無線周波数アンテナの一面は、前記中央プレートの反対側に位置し、前記金属プレートの一面は、前記金属プレートの他方の面の反対側に位置することを特徴とする
請求項6に記載の顔識別装置。
【請求項8】
前記無線周波数アンテナは、順次接続している本体部、延長部及び接続端を含み、前記中央プレートには貫通する接続穴が設けられ、前記本体部が前記中央プレートの一面に設けられ、前記延長部が曲げ構造を有し、前記曲げ構造が前記接続穴を通って前記中央プレートの他方の面まで延長し、前記接続端が無線周波数識別チップとの接続に用いられ、前記中央プレートの一面は、前記金属プレートに対向し、且つ前記中央プレートの他方の面の反対側に位置することを特徴とする
請求項4に記載の顔識別装置。
【請求項9】
前記無線周波数アンテナはフレキシブル回路基板であることを特徴とする
請求項1~3のいずれか一項に記載の顔識別装置。
【請求項10】
前記顔識別装置はさらにカメラ、プロセッサ及びメモリを備え、前記スクリーンアセンブリにはカメラ穴が更に設けられ、前記カメラが前記カメラ穴を介してユーザーの顔画像を収集し、前記プロセッサが前記ユーザーの顔画像を識別し、識別結果を前記メモリに記憶されているユーザー情報とマッピングし、ユーザーの身元を識別することを特徴とする
請求項1~3のいずれか一項に記載の顔識別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本開示は、出願番号が202020142261.8で、出願日が2020年1月22日である中国特許出願に基づいて提案され、この中国特許出願の優先権を主張し、この中国特許出願の全ての内容が参照により本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、顔識別技術分野に関し、特に顔識別装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、従来の顔識別装置は、多くの場合で金属材質であり、金属材質がアンテナシールド効果を有するため、顔識別装置は、通常、顔画像を取得することで顔識別を行い、顔識別機能のみを有する。
【0004】
一般的には、顔識別装置でカードスワイプ機能を実現するために、通常、独立した領域を個別に設計し、当該独立した領域にRFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)アンテナを設け、RFIDアンテナを介して顔識別装置のカードスワイプ機能を実現する。しかしながら、上記カードスワイプ機能を実現するプロセスでは、独立した領域を追加する必要があるが、追加された、独立した領域により、顔識別装置全体の体積が大きくなり、カードスワイプ機能を実現する顔識別装置全体の体積が大きい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例は、顔識別装置を提供する。
【0006】
本開示の実施例による顔識別装置は、スクリーンアセンブリ、中間枠及び無線周波数アンテナを備え、前記スクリーンアセンブリが前記中間枠上に取り付けられ、前記無線周波数アンテナが前記中間枠と前記スクリーンアセンブリの間に設けられ、且つ前記スクリーンアセンブリには、前記無線周波数アンテナが電磁波を外部に放射するためのクリアランス領域が設けられている。
【0007】
本開示の実施例により、無線周波数アンテナが中間枠とスクリーンアセンブリの間に設けられ、且つスクリーンアセンブリにクリアランス領域が設けられるため、無線周波数アンテナは、スクリーンアセンブリ上のクリアランス領域を通して電磁波を外部に放射することができ、それによって電子タグと通信を確立することができ、したがって、本開示の実施例の顔識別装置は、顔識別装置の体積を増やすことなく、スワイプ機能を実現することができる。
【0008】
本開示のいくつかの実施例では、前記スクリーンアセンブリは、積み重ねられた金属プレート、スクリーン及びカバープレートを含み、前記金属プレートが前記中間枠に接続され、前記金属プレートには前記クリアランス領域を形成するための貫通する貫通穴が開設され、前記無線周波数アンテナは、前記中間枠に設けられ、少なくとも部分的に前記貫通穴に収容されている。
【0009】
金属プレートにはクリアランス領域を形成するための貫通穴が開設され、無線周波数アンテナは、少なくとも部分的に貫通穴に収容され、無線周波数アンテナは、クリアランス領域に位置し、電磁波を外部に放射することができ、一方、スクリーンに垂直な方向の顔識別装置の厚さサイズはほとんど増加しなく、それによって顔識別装置の体積はほとんど増加しない。
【0010】
本開示のいくつかの実施例では、前記貫通穴の周辺側壁と前記無線周波数アンテナに対応する周辺側壁の間には間隔距離があり、即ち、中央プレートの長手方向及び幅方向において、貫通穴のサイズはいずれも無線周波数アンテナのサイズよりも大きく、且つ無線周波数アンテナは、金属プレートと接触していなく、これにより、貫通穴は、電磁波信号に対するシールドを回避し、無線周波数アンテナと電子タグの通信ニーズを満たすための十分なクリアランス領域を形成することができる。
【0011】
本開示のいくつかの実施例では、前記中間枠は、複数のフレームと、前記複数のフレームを接続する中央プレートとを含み、前記複数のフレームが前記スクリーンを取り囲み、前記無線周波数アンテナが前記中央プレートに設けられ、且つ前記無線周波数アンテナと前記中央プレートの間には電磁波吸収材が設けられている。中央プレートが金属材質であり、高周波アンテナと中央プレートの間に電磁波吸収材が設けられるため、高周波アンテナの放射性を改善し、放射された電磁波の信号強度を高めることができる。
【0012】
本開示のいくつかの実施例では、前記電磁波吸収材は、フェライトであり、フェライトは、抵抗率が大きく、渦電流損失が小さいなどの利点があり、広く用いられている。
【0013】
本開示のいくつかの実施例では、前記中央プレートには溝が設けられ、前記無線周波数アンテナが前記溝に部分的に収容され、前記金属プレートの一面が中央プレートの一面に接続されるため、溝は、無線周波数アンテナを係止し、固定役割を果たすことができる。また、無線周波数アンテナは、一部が溝に収容され、一部が貫通穴に収容され、金属プレートは、中央プレートの表面に接触し、そのため、無線周波数アンテナが設けされていない顔識別装置に比べて、本実施例では、無線周波数アンテナが追加された後でも、顔識別装置全体の厚さは増加しない。
【0014】
本開示のいくつかの実施例では、前記金属プレートの他方の面は前記スクリーンの一面に接続され、前記無線周波数アンテナの一面は前記貫通穴を介して前記スクリーンの一面に接続され、前記無線周波数アンテナの一面は、前記中央プレートの反対側に位置し、前記金属プレートの一面は、金属プレートの他方の面の反対側に位置する。これにより、スクリーンの表示面に垂直な方向において、無線周波数アンテナの厚さは、溝(溝がない実施例では、溝の深さが0である)と貫通穴の深さの合計に等しくなり、それによって顔識別装置全体の厚さが増すことはなく、顔識別装置の薄い外形が維持され、また、無線周波数アンテナとスクリーンが面接触方式であるため、無線周波数アンテナは、ユーザーにより近くなり(無線周波数アンテナはカバープレートのスクリーンとは反対側の面により近くなり)、ユーザー側の電磁波強度が強くなり、電子タグとより敏感に通信することができる。
【0015】
本開示のいくつかの実施例では、前記無線周波数アンテナは、順次接続している本体部、延長部及び接続端を含み、前記中央プレートには貫通する接続穴が設けられ、前記本体部が前記中央プレートの一面に設けられ、前記延長部が曲げ構造を有し、前記曲げ構造が前記接続穴を通って前記中央プレートの他方の面まで延長し、前記接続端が無線周波数識別チップとの接続に用いられ、前記中央プレートの一面は、前記金属プレートに対向し、且つ前記中央プレートの他方の面の反対側に位置する。延長部が中央プレートの他方の面まで延長して電子デバイスと接続するように設けられることにより、中央プレートの金属プレートに対向する面には本体部だけがあり、余分なコンポーネントがないため、取り付け構造、及びスクリーンアセンブリとの接続構造が容易に設けられる。
【0016】
本開示のいくつかの実施例では、前記無線周波数アンテナは、フレキシブル回路基板であり、フレキシブル回路基板は、構造が超薄型であり、製造しやすいなどの特徴を有している。無線周波数アンテナをフレキシブル回路基板に作ることにより、顔識別装置の厚みを薄くすることができる。
【0017】
本開示のいくつかの実施例では、前記顔識別装置はさらにカメラ、プロセッサ及びメモリを備え、前記スクリーンアセンブリにはカメラ穴が更に設けられ、前記カメラが前記カメラ穴を介してユーザーの顔画像を収集し、前記プロセッサがユーザーの顔画像を識別し、識別結果を前記メモリに記憶されているユーザー情報とマッピングし、ユーザーの身元を識別する。顔識別装置は、顔識別機能の実現に基づき、カードスワイプを行い、それによって二重身元認証を実現し、安全性を向上することができる。
【0018】
本開示のいくつかの実施例では、前記顔識別装置は、顔識別機、顔識別ゲート機、顔識別及び身元認証機一体型マシン、ビルインターホン、アクセス制御機のいずれか1つを含み、顔識別とカードスワイプの二重身元認証を実現でき、安全性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本開示の実施例の顔識別装置の立体構造図である。
図2】本開示の実施例の顔識別装置の分解構造図である。
図3】本開示の実施例の顔識別装置の分解構造図である。
図4】本開示の実施例のRFIDアンテナが中間枠上に取り付けられている構造である。
図5】本開示の実施例のRFIDアンテナと中間枠の分解構造図である。
図6】本開示の実施例のRFIDアンテナとスクリーンアセンブリの構造図である。
図7】本開示の実施例のRFIDアンテナの正面構造図である。
図8】本開示の実施例のRFIDアンテナの背面構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の実施形態の技術的解決策を明確に説明するために、以下に実施形態に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明される図面は本開示の実施例のいくつかの実施形態だけであり、当業者にとって、創造的な労働をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0021】
以下に本開示の実施形態における図面を組み合わせて本開示の実施形態における技術的解決策を明確且つ完全に説明し、明らかに、説明される実施形態は、本開示の一部の実施形態だけであるが、全ての実施形態ではない。本開示における実施形態に基づき、当業者が創造的な労働をせずに取得した全ての他の実施形態は、本開示の保護範囲に属する。
【0022】
図1を参照すると、本開示の顔識別装置100は、中間枠10とスクリーンアセンブリ30とを備え、スクリーンアセンブリ30が中間枠10に取り付けられる。中間枠10は金属材質であり、中間枠10は顔識別装置100全体の支持骨格である。スクリーンアセンブリ30は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)モジュール又はOLED(Organic Light-Emitting Diode:有機発光ダイオード)モジュールであってもよい。スクリーンアセンブリ30は、スクリーン32とカバープレート33を含み、カバープレート33がスクリーン32を保護するためにスクリーン32上に設けられる。カバープレート33は透明材質であり、ガラス又は樹脂材料で作られてもよい。カバープレート33の面積はスクリーン32の面積よりも大きく、カバープレート33のスクリーン32の外周に位置する領域には、顔識別装置100内のコンポーネントを遮蔽するためのシェーディングインクがコーティングされてもよく、それによって顔識別装置100は、完全な外形を有している。スクリーン32は、液晶ディスプレイ又はOLEDディスプレイであってもよい。スクリーン32は、さらにタッチ機能を有することができ、対応するタッチソリューションは、任意のタッチスクリーンソリューションであってもよい。スクリーンアセンブリ30には、機能穴302も設けられてもよく、機能穴302の数が限定されなく、機能穴302のタイプがカメラ、マイクロフォン、光センサーなどを収容するためのカメラ穴、マイク穴、光センサー穴などであってもよい。
【0023】
図2図3を参照すると、中間枠10は、中央プレート11と複数のフレーム12を含み、中央フレーム11と複数のフレーム12が一体型構造であり、複数のフレーム12が中央プレート11を取り囲む。フレーム12の数は例えば4つである。中央プレート11が複数のフレーム12の中央に接続されるため、複数のフレーム12と中央プレート11は、2つの収容スペース、即ち中央プレート11の正面111(中央プレートの一面)に位置する収容スペースと中央プレート11の背面112(中央プレートの他方の表面)に位置する受容スペースに取り囲まれてもよい。中央プレート11の正面111の収容スペースは、スクリーンアセンブリ30を収容するために使用され、ここで、スクリーンアセンブリ30におけるスクリーン32は、中央プレート11の正面111に位置する収容スペースに収容され、複数のフレーム12は、スクリーン32を取り囲む。カバープレート33はフレーム12に取り付けられ、カバープレート33はフレーム12と同一の平面に位置してもよく、カバープレート33はフレーム12から部分的に突出することもできる。中央プレート11の背面112に位置する収容スペースは、マザーボード、電池などを収容するために使用されてもよく、中央プレートの背面112に位置する収容スペースは、背面カバーを設けることにより閉じられてもよく、これにより、顔識別装置は、完全な全体を形成する。
【0024】
顔識別装置100は、さらに近距離通信(NFC:Near Field Communication)アンテナ、RFIDアンテナと送受信用の共通アンテナなどの無線周波数を含み、ここで、RFIDアンテナ20を例として本開示の実施例における顔識別装置100を説明する。RFIDアンテナ20は、中間枠10とスクリーンアセンブリ30の間に設けられ、RFIDアンテナ20は、中央プレート11とスクリーンアセンブリ30の間に設けられる。スクリーンアセンブリ30にはクリアランス領域が設けられ、RFIDアンテナ20の位置は当該クリアランス領域に対応し、これにより、RFIDアンテナ20は、スクリーンアセンブリ30のクリアランス領域を通して電磁波を外部に放射する。
【0025】
RFIDアンテナ20は、電子タグのリーダライタであり、電磁波を送受信することができ、電磁波の周波数が例えば13.56MHzである。電子タグがRFIDアンテナの有効な作業領域に入ると、誘導電流が生成され、それによってエネルギーが得られて活性化されるため、電子タグは、内蔵アンテナを介して自体の符号化情報を送信し、リーダーの受信アンテナは、電子タグから送信された符号化情報を受信し、符号化情報を変調信号としてアンテナの変調器を介してリーダーの信号処理モジュールに伝送し、復調及び符号化した後に符号化情報に対応する有効な情報をバックグラウンドホストシステムに伝送して関連する処理を行い、ホストシステムは、論理演算に従って当該電子タグの身元を識別し、異なる設定に対応する処理及び制御を行い、最終的に信号を送信し、異なる読み取り及び書き込み操作を完了するようにリーダライタを制御する。電子タグは、例えば、内部に回路及びコイルが設けられている従業員カード、IDカード、バスカード、プリペイドカードなどであってもよい。電子タグとRFIDアンテナ20の間の接触は非接触式であり、即ち、電子タグとRFIDアンテナ20は無線で通信する。
【0026】
RFIDアンテナ20は、中間枠10とスクリーンアセンブリ30の間に設けられ、且つスクリーンアセンブリ30にクリアランス領域が設けられるため、RFIDアンテナ20は、スクリーンアセンブリ30上のクリアランス領域を通して電磁波を外部に放射することができ、それによって電子タグと通信を確立することができ、このようにして、本開示の実施例による顔識別装置100は、RFIDカードスワイプ機能を実現するとともに、独立した領域を追加せずに顔識別装置の体積を不変に維持することができ、外形が調和及び統一される。
【0027】
一般的には、RFIDカードスワイプ機能を有している顔識別装置は、RFIDアンテナを取り付けるための独立したコンポーネントを設ける必要があるため、顔識別装置の体積が大きくなり、重量も増加する。しかしながら、本開示の実施例による顔識別装置100は、装置の体積を増加させる必要がなく、独立したコンポーネントを設ける必要もなく、重量で10%~20%軽減することができる。
【0028】
RFIDアンテナ20がスクリーンアセンブリ30を介して電子タグと通信する場合、電子タグは、スクリーンアセンブリ30に近づくとRFIDアンテナ20に識別されてもよく、それによって電子タグの情報が読み取られる。本開示のいくつかの実施例において、顔識別装置100はさらに情報を電子タグに書き込むことができる。
【0029】
本開示のいくつかの実施例では、図3と6を参照すると、スクリーンアセンブリ30は、金属プレート31を含み、金属プレート31がスクリーンアセンブリ30の構造強度を高め、スクリーン32を保護するために使用される。金属プレート31、スクリーン32とカバープレート33は、積み重ねて設けられ、金属プレート31は、中間枠10に接続され、金属プレート31には、クリアランス領域を形成するための貫通する貫通穴311が設けられ、RFIDアンテナ20は、中間枠10に設けられ、少なくとも部分的に貫通穴311に収容されている。
【0030】
説明すべきこととして、金属材料は、電磁波シールド効果があり、非金属材料は、電磁波シールド効果がない。ここで、金属プレート31は、鋼、アルミニウムなどの電磁波シールド効果がある金属材質である。
【0031】
スクリーン32例えば液晶ディスプレイは、アレイ基板、カラーフィルタ基板と液晶層を含み、アレイ基板とカラーフィルタ基板には、金属材質の電極層が設けられ、液晶層は、非金属であり、電極層は、おおよそ中空のメッシュ構造であり、電極層は、電磁波に対して一定のシールド効果があるが、電磁波は中空の位置から放射されてもよい。スクリーン32がOLEDである場合、液晶ディスプレイと同様に、OLEDは、おおよそメッシュ構造の金属材質の電極層であり、これにより、電磁波も中空の位置を通して放射されてもよい。カバープレート33は、非金属材質であり、電磁波をシールドしない。
【0032】
本開示の実施例では、金属プレート31にクリアランス領域を形成するための貫通穴311を開設し、RFIDアンテナ20を少なくとも部分的に貫通穴に収容することにより、RFIDアンテナ20は、クリアランス領域に位置するため、電磁波を外部に放射することができ、一方、RFIDアンテナ20は、クリアランス領域に位置するため、スクリーン32に垂直な方向の顔識別装置100の厚さサイズをほとんど増加させなく、それによって顔識別装置100の体積を増大させない。
【0033】
貫通穴311のサイズは、例えば、50mm×50mmから80mm×80mmであってもよいが、これは、本開示の実施例に限定されない。本開示の実施例では、RFIDアンテナ20と貫通穴311を形成する金属プレート31の内壁との間の間隔の値は、電磁波放射ニーズを満たすことができる十分なクリアランス領域があれば、制限されない。
【0034】
本開示のいくつかの実施例において、金属プレート31は、他の非金属プレートで置き換えられてもよく、これにより、スクリーンアセンブリ30の構造強度を高めることに基づき、非金属プレートの非金属材質は、電磁波シールド効果がないため、非金属プレートに貫通穴を開設せずにクリアランスエリアを形成することができる。
【0035】
本開示のいくつかの実施例では、図3図6を参照すると、貫通穴311を取り囲む金属プレート31の周辺側壁と、RFIDアンテナ20の対応する周辺側壁の間に間隔がある。即ち、中央プレート11の長手方向及び幅方向において、貫通穴311のサイズは、いずれもRFIDアンテナ20のサイズよりも大きく、且つRFIアンテナ20と金属プレート31は接触していない。図3に示すように、中央プレート11の幅方向において、貫通穴311の幅がBであり、RFIDアンテナ20の幅がAであり、A<Bを満たしている。これにより、貫通穴311は、電磁波信号に対するシールドを効果的に回避し、RFIDアンテナ20及び電子タグの通信ニーズを満たすための十分なクリアランス領域を形成することができる。
【0036】
本開示のいくつかの実施例では、RFIDアンテナ20と中央プレート11との間には電磁波吸収材が設けられる。電磁波吸収材とは、当該電磁波吸収材の表面に投射された電磁波エネルギーを吸収又は大幅に低減することにより、電磁波の干渉を減らす材料の一種を指す。中央プレート11が金属材質であり、RFIDアンテナ20と中央プレート11の間に電磁波吸収材が設けられることにより、RFIDアンテナ20の放射性を改善し、放射された電磁波の信号強度を高めることができる。まず電磁波吸収材をRFIDアンテナ20に設け、次に電磁波吸収材が設けられたRFIDアンテナ20を中央プレート11に設けることができ、まず中央プレート11に電磁波吸収材を設け、次にRFIDアンテナ20を中央プレート11に設けられた電磁波吸収材に取り付けることもできる。
【0037】
例示的に、波吸収性材料は、フェライトである。ここで、フェライトは磁性セラミックとも呼ばれ、鉄イオン、酸素イオン及び他の金属イオンで構成される複合酸化物磁性材料を指し、鉄を含まない磁性酸化物が少数存在する。フェライトは、用途に応じて、軟磁性、硬磁性、ジャイロ磁性、モーメント磁性、圧電磁性などに分けられてもよい。フェライトは、抵抗率が大きく、渦電流損失が小さいなどの利点があり、広く応用される。
【0038】
本開示のいくつかの実施例では、図3から図5を参照すると、中央プレート11に溝113が設けられ、RFIDアンテナ20は溝113に部分的に収容され、金属プレート31と中央プレート11は、面接触方式であり、即ち金属プレート31の一面は、中央プレート11の一面111に接続されている。溝113の形状及びサイズは、RFIDアンテナ20と同じであってもよい。図3に示すように、中央プレート11の幅方向において、溝113の幅がCであり、RFIDアンテナ20の幅がAであり、A=Cを満たしている。RFINTアンテナ20は、溝113内に収容され、RFIDアンテナ20の周辺側壁は、中央プレート11の溝113の側壁に接続され、RFIDアンテナ20のスクリーン32とは反対側の面202(即ち下面、RFIFTアンテナ20の他方の面)が溝113の底壁に接続されているため、溝113は、RFIFアンテナ20と係合し、固定役割を果たすことができる。また、RFIDアンテナ20は、一部が溝113に収容され、一部が貫通穴311に収容され、金属プレート31と中央プレート11は面接触方式であり、したがって、RFIDアンテナ20が設けられない顔識別装置に比べて、本実施例では、RFIDアンテナ20が追加された後でも、顔識別装置100全体の厚さが増加しない。
【0039】
本開示のいくつかの実施例では、図3を参照すると、金属プレート31とスクリーン32は面接触方式であり、即ち金属プレート31の他方の面はスクリーン32の他方の面に接続され、RFIDアンテナ20の中央プレート11とは反対側の面201(即ち上面)とスクリーン32は面接触方式であり、即ちRFIDアンテナ20の一面201は貫通穴311を介してスクリーン32の一面に接続され、ここで、RFIDアンテナ20の一面201は、中央プレート11の反対側に位置し、金属プレート31の一面は、金属プレート31の他方の面の反対側に位置し、RFICアンテナ20の他方の面202は、RFIDアンテナ20の一面201の反対側に位置する。これにより、スクリーン32の表示面に垂直な方向において、RFIDアンテナ20の厚さが溝113(溝113がない実施例では、溝113の深さが0である)と貫通穴311の深さの合計に等しくなり、それによって顔識別装置100全体の厚さを増加せずに顔識別装置の薄い外形を維持することができる。また、RFIDアンテナ20とスクリーン32が面接触方式であるため、RFIDアンテナ20はユーザーにより近くなり(RFIDアンテナ20はカバープレート33のスクリーン32とは反対側の面により近くなり)、さらに、検出されたユーザー側の電磁波強度が強くなり、顔識別装置100は電子タグとより敏感に通信することができる。
【0040】
本開示のいくつかの実施例では、RFIDアンテナ2は、面接触ではなく、スクリーン32から一定の間隔を有することもできる。
【0041】
本開示のいくつかの実施例では、図5図7図8を参照すると、RFIDアンテナ20は、順次接続している本体部21、延長部22と接続端23を含み、中央プレート11には貫通する接続穴114が設けられ、本体部21が中央プレートの金属プレート31に対向する面に設けられ、即ち本体部21が中央プレート11の一面に設けられ、延長部22が曲げ構造を有し、当該曲げ構造が接続穴114を通って中央プレート11の金属プレート31とは反対側の面(即ち中央プレートの他方の面)まで延長し、接続端23は、無線周波数識別チップ(以下にRFIDチップと略称され、図示せず)の接続に用いられる。RFIDチップは、マザーボード上に設けられ、無線周波数信号を提供したり、受信された電磁波信号を処理したりするために使用され、RFIDチップは、接続端23に直接接続されてもよく、金属破片などの構造を介して接続端23に接続されてもよい。
【0042】
本開示の実施例による顔識別装置100は、延長部22が中央プレート11の他方の面まで延長してRFIDチップと接続するように設けられるため、中央プレート11の金属プレート31に対向する面の間には本体部21だけがあり、余分なコンポーネントがないことが理解でき、これにより、取り付け構造、及びスクリーンアセンブリ30との接続構造が容易に設けられてもよい。
【0043】
例示的に、RFIDアンテナ20は、フレキシブル回路基板である。ここで、フレキシブル回路基板は、構造が超薄型であり、製造しやすいなどの特徴を有している。RFIDアンテナ20をフレキシブル回路基板に作ることにより、顔識別装置100の厚みを薄くすることができる。
【0044】
本開示の実施例では、顔識別装置100は顔識別機能を実現することができ、ここで、顔識別装置100はさらにカメラ、プロセッサ及びメモリを備え、スクリーンアセンブリ30上にもカメラ穴(図1に示す機能穴301を参照できる)が設けられ、カメラは、カメラ穴を介してユーザーの顔画像を収集し、プロセッサはユーザーの顔画像を識別し、識別結果をメモリに記憶されているユーザー情報とマッピングし、ユーザーの身元を識別し、顔識別機能を実現する。これにより、顔識別装置100は、顔識別機能の実現に基づき、RFIDカードスワイプを行うことができ、それによって二重身元認証を実現し、安全性を向上させることができる。
【0045】
本開示の実施例による顔識別装置100は、顔識別機、顔識別ゲート機、顔識別及び身元認証一体型マシン、ビルインターホン、アクセス制御機などのいずれか1つを含み、顔識別とRFIDカードスワイプの二重身元認証を実現することができ、安全性が高い。
【0046】
以上に開示されたものは、本開示のいくつかの実施形態だけであるが、当然、これによって本開示の特許請求の範囲を制限することができなく、当業者は、上記実施形態の全て又は一部のプロセスを実現し、本開示の請求項に従って行われる同等変更が依然として本開示の範囲内に属することを理解することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本開示の実施例では、無線周波数アンテナが中間枠とスクリーンアセンブリの間に設けられ、且つスクリーンアセンブリにクリアランス領域が設けられるため、無線周波数アンテナは、スクリーンアセンブリ上のクリアランス領域を通して電磁波を外部に放射することができ、それによって電子タグと通信を確立することができる。したがって、本開示の顔識別装置は、顔識別装置の体積を増やせずにスワイプ機能を実現することができる。
【符号の説明】
【0048】
10 中間枠
11 中央プレート
12 フレーム
20 RFIDアンテナ
21 本体部
22 延長部
23 接続端
30 スクリーンアセンブリ
31 金属プレート
32 スクリーン
33 カバープレート
100 顔識別装置
113 溝
114 接続穴
301 機能穴
311 貫通穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】