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特表2022-521815材料ボードを形成する方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-12
(54)【発明の名称】材料ボードを形成する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B27M 1/00 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
B27M1/00 F
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021556640
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(85)【翻訳文提出日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2020055976
(87)【国際公開番号】W WO2020187601
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】102019106856.8
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515352870
【氏名又は名称】フェック ライニッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】ベルトホルト テーレン
【テーマコード(参考)】
2B250
【Fターム(参考)】
2B250AA05
2B250AA06
2B250BA03
2B250CA11
2B250DA03
2B250FA03
2B250FA11
2B250FA18
2B250FA33
2B250GA03
(57)【要約】
本発明は、構造化された色付けされた表面(52)を有する材料ボード(51)を形成する方法とシステムに関する。有色の現物の表面(1)の色付きのデジタル画像(21)に対応づけられた、画像データ(30)が準備される。画像データ(30)から、それぞれ色付きのデジタル画像(21)の様々なカラーチャネルに対応づけられた、第1の画像データセット(31)と少なくとも1つの第2の画像データセット(32a、32b)が形成される。少なくとも1つの第2の画像データセット(32a、32b)を使用するが、第1の画像データセット(31)を使用せずに、ベース支持体(61、71)上に色付けされた表面(62、72)が形成される。べース支持体(61、71)の色付けされた表面(62、72)が、プレス工具(41)の構造化されたプレス表面(42)を用いてプレスされて、それによって構造化された色付けされた表面(52)を有する材料ボード(51)が得られる。構造化されたプレス表面(42)は、第1の画像データセット(31)に対応づけられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造化された色付けされた表面(52)を有する、材料ボード(51)を形成する方法であって、以下の方法ステップを有する:
-有色の現物の表面(1)の色付きのデジタル画像(21)に対応づけられた、画像データ(30)を準備するステップと、
-画像データ(30)から、それぞれ色付きのデジタル画像(21)の異なるカラーチャネルに対応づけられた、第1の画像データセット(31)と少なくとも1つの第2の画像データセット(32a、32b)を形成するステップと、
-第1の画像データセット(31)を使用しないで、少なくとも1つの第2の画像データセット(32a、32b)を使用してベース支持体(61、71)上に色付けされた表面(62、72)を形成するステップと、かつ
-構造化された色付けされた表面(52)を有する材料ボード(51)を得るために、プレス工具(41)の構造化されたプレス表面(42)を用いて、色付けされた表面(62、72)ベース支持体(61、71)をプレスするステップと、を有し、
構造化されたプレス表面(42)が、第1の画像データセット(31)に対応づけられている、
材料ボードを形成する方法。
【請求項2】
有色の現物の表面(1)が、構造化された有色の現物の表面である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
現物の表面(1)が、木材の模様又は自然石に、特に構造化された木材の模様又は構造化された自然石に対応づけられている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
プレス表面(42)の構造化の度合を適合させ、特に単純化させるために、第1の画像データセット(31)が、構造化されたプレス表面(42)の形成のために使用される前にさらに加工される、請求項1から3のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
プレス表面(42)が、第1の画像データセット(31)を使用して形成された、様々な光沢度合を有している、請求項1から4のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
以下の方法ステップを有する:
-少なくとも1つの第2の画像データセットから、少なくとも1つの第2の画像データセットの軸対象のミラーリングによって、少なくとも1つの第3の画像データセットを形成するステップと、
-第1の画像データセットを使用せずに、少なくとも1つの第3の画像データセットを使用して、ベース支持体上に他の色付けされた表面を形成するステップであって、色付けされた表面と他の色付けされた表面が等しく重なり合い、かつ対向して配置されているステップと、
-構造化された色付けされた表面に対して等しく重なり、かつ対向して配置されている、他の構造化された色付けされた表面を有する材料ボードを得るために、他のプレス工具の構造化されたプレス表面を用いて、ベース支持体の他のカラー表面をプレスするステップと、を有し、
構造化されたプレス表面が第1の画像データセットに対応づけられているが、構造化された色付けされた表面と他の構造化された色付けされた表面が等しく重なるように、プレス工具のプレス表面に関して軸対称である、
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
構造化された色付けされた表面(52)を有する、材料ボード(51)を形成するシステムであって、
-第1の画像データセット(31)を使用して形成された、構造化されたプレス表面(42)を有するプレス工具(41)と、
-第1の画像データセット(31)を使用せずにベース支持体(61、71)上に色付けされた表面(62、72)を形成するために用意される少なくとも1つの第2の画像データセット(32a、32b)と、を有し、
第1の画像データセット(31)と少なくとも1つの第2の画像データセット(32a、32b)がそれぞれ、有色の現物の表面(1)の色付きのデジタル画像(21)の異なるカラーチャネルに対応づけられており、プレス工具(41)が、構造化された色付けされた表面(52)を有する材料ボード(51)を得るために、その構造化されたプレス表面(42)を用いてベース支持体(61、71)の色付けされた表面(62、72)をプレスするように、構成されている、
材料ボードを形成するシステム。
【請求項8】
有色の現物の表面(1)が、構造化された有色の現物の表面であって、かつ/又は
前記現物の表面(1)が、木材の模様又は自然石、特に構造化された木材の模様又は構造化された自然石に対応づけられている、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
第1の画像データセット(31)が、構造化されたプレス表面(42)の形成のために使用される前に、プレス表面(42)の構造化の度合を適合させ、特に単純化させるために、さらに加工される、請求項7又は8に記載のシステム。
【請求項10】
プレス表面(42)が、第1の画像データセット(31)を使用して形成された、様々な光沢度合を有している、請求項7から9のうちいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造化された色付けされた表面を有する、材料ボードを形成する方法とシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、構造化されたプレス表面を備えたプレスシート(Pressblech)を開示している。構造化されたプレス表面は、山と谷を有する山脈のような表面を備えた構造を有している。プレス表面を用いて、構造化された表面を有する材料ボードを形成することができる。材料ボードの構造化された表面が色付けされている場合には、表面の構造が表面の色付けされた模様とできる限り一致していることが望ましく、したがってプレスプロセスの間できる限り正確な同調が必要である。これは、構造化された表面が、たとえば木材の模様又は自然石の模様に対応づけられている場合に、特に重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2060658号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、構造化された色付けされた表面を有する材料ボード(Werkstoffplatte)を形成するためのより簡単な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題は、構造化された表面を有する材料ボードを形成する方法によって解決され、方法は以下の方法ステップを有する:
-有色の現物の表面の色付きのデジタル画像に対応づけられた、画像データを準備し、
-画像データから、色付きのデジタル画像の様々なカラーチャネルにそれぞれ対応づけられた、第1の画像データセットと少なくとも1つの第2の画像データセットを形成し、
-第1の画像データセットを使用せずに、少なくとも1つの第2の画像データセットを使用して、ベース支持体上に色付けされた表面を形成し、かつ
-構造化された色付けされた表面を有する材料ボードを得るために、プレス工具の構造化されたプレス表面を用いてベース支持体の色付けされた表面をプレスし、構造化されたプレス表面が第1の画像データセットに対応づけられている。
【0006】
本発明の他の視点は、構造化された色付けされた表面を有する材料ボードを形成するシステムに関するものであって、前記システムは、
-第1の画像データセットを使用して形成された、構造化されたプレス表面を有するプレス工具と、
-第1の画像データセットを使用せずに、ベース支持体上に色付けされた表面を形成するために設けられた、少なくとも1つの第2の画像データセットと、を有し、
第1の画像データセットと少なくとも1つの第2の画像データセットは、それぞれ、有色の現物の表面の色付きのデジタル画像の様々なカラーチャネルに対応づけられており、かつプレス工具は、構造化された色付けされた表面を有する材料ボードを得るために、その構造化されたプレス表面を用いてベース支持体の色付けされた表面をプレスするように、構成されている。
【0007】
したがって本発明によれば、プレス工具と複数の画像データセットが用意される。
【0008】
プレス工具は、たとえば刻印ローラ又はエンドレス・ベルトとすることができる。プレス工具は、好ましくはプレスシートである。
【0009】
構造化されたプレス表面は、第1の画像データセットに対応づけられており、もしくは第1の画像データセットを使用して形成されている。構造化されたプレス表面は、特に少なくとも1つの第2の画像データセットには対応づけられておらず、もしくは特に少なくとも1つの第2の画像データセットを使用せずに形成されている。
【0010】
第1及び少なくとも1つの第2の画像データセットは、色付きのデジタル画像の様々なカラーチャネルに対応づけられている。
【0011】
カラーチャネルは、色付きのデジタル画像内に含まれるカラー成分に関する情報を含んでいる。特に色付きのデジタル画像におけるカラーチャネルの数は、使用されるモード、カラースペースもしくはカラーモデルに依存している。
【0012】
個々のカラーチャネルは、特に色付きのデジタル画像内の各画素のカラー成分を有している。各画素に、複数のカラーチャネルを対応づけることができる。
【0013】
本発明によれば、少なくとも1つの第2の画像データセットが用意される。したがって正確に1つの第2の画像データセットあるいは複数の第2の画像データセットを用意できる。
【0014】
画像データセットは、すでに説明したように、色付きのデジタル画像の選択されたカラーチャネルに対応づけられている。色付きのデジタル画像は、有色の現物の表面のイメージである。有色の現物の表面は、たとえば平坦な有色の現物の表面であり、あるいは好ましくは構造化された有色の現物の表面である。プレス表面の構造は、好ましくは構造化されたプレス表面の構造に対応づけられている。
【0015】
現物の表面は、たとえば木材の模様又は自然石、特に構造化された木材の模様又は構造化された自然石に対応づけられている。
【0016】
第1の画像データセットは、プレス工具の構造化されたプレス表面を形成するために使用される。構造化されたプレス表面は、次に、ベース支持体にプレスして、それによってベース支持体が構造化された表面を有するようにするために、設けられている。
【0017】
ベース支持体は、たとえばベース材料ボード(Grundwerkstoffplatte)を有し、もしくは色付けされた表面を有するベース材料ボードとして形成されている。この表面には、プレス工具によってプレスする前に、樹脂あるいはプラスチック層を設けることができる。この表面は、白、あるいは下地の色を有することができる。
【0018】
ベース材料ボードは、たとえば天然の材料、特に木材を有している。ベース材料ボードは、たとえばチップボード又はMDFボードである。これは、直接プリントする前にさらに処理することができる。プリント後に、さらに樹脂を塗布することができ、あるいは重ねて被覆された樹脂コートと共にプレスされる。ベース材料ボードは、プラスチックを有することもできる。
【0019】
ベース支持体は、たとえば用紙であって、その用紙に色付けされた表面が設けられており、かつ特にプレス前に樹脂が含浸され、かつ場合によってはプレス工具によって支持体と共にプレスされる。支持体は、たとえば木材材料を有している。支持体は、たとえばMDFボードあるいはチップボードである。
【0020】
ベース支持体は、たとえば、色付けされた表面を有するベース材料フィルムである。ベース材料フィルムは、たとえばプラスチックからなり、かつ特に複数の層を有している。その場合にそれに関連する材料ボードは、たとえばいわゆるラグジュアリービニルタイル(LVT)である。
【0021】
構造化された現物の表面の場合において、第1の画像データセットは、特にこの現物の表面の構造化に関する情報を有しており、したがってその情報がプレス表面とそれに伴って材料ボードへ、もしくはベース支持体へ転送される。特にプレス工具もしくはそのプレス表面は、第2の画像データセットを使用せずに、形成される。
【0022】
プレス表面の構造は、材料の除去によって、たとえば特許文献1から知られているように、たとえばエッチング又は多重のエッチングを用いて、形成することができる。プレス表面の構造は、材料の塗布方法によっても形成することができる。プレス表面の構造は、特に山と谷、もしくは隆起した領域と低い領域とを有している。
【0023】
構造化されたプレス表面は、単一の光沢度合、あるいは複数の異なる光沢度合を有することができる。異なる光沢度合は、第1の画像データセットに基づいて生成させることができる。光沢度合に基づいて、材料ボードに自然の外観を与えることが、可能である。これは特に、木材のあるいは石の現物の表面において効果的である。
【0024】
少なくとも1つの第2の画像データセットは、材料ボードの構造化された表面を彩色するために用意されており、したがって本発明によれば、第1の画像データセットは、それが現物の表面の彩色についての情報を含むことができる場合でも、材料ボードの表面に色彩を与えるためには使用されない。それによって材料ボードの構造化された色付けされた表面のカラー成分は、その構造化に関して情報を含まず、あるいは比較的わずかな情報しか有しておらず、それによってプレス工具によるベース支持体のプレスは、比較的大きい許容誤差をもって行うことができる。それによって材料ボードは、より高速に形成することができる。それにもかかわらず材料ボードの構造化された表面は、少なくとも充分に良好な外見を有しており、その外見は現物の表面に少なくとも充分良好に一致する。
【0025】
それに対して構造化された色付けされた表面の彩色が、従来の方法で材料ボードを形成する場合にそうであるように、構造化に関する重大な情報も有している場合には、プレス工具を用いたベース材料支持体のプレスは、構造化と彩色ができる限り一致して進行し、それによってプレス完成された材料ボードの受け入れ可能な全体印象が生じるように、より高い精度をもって行われなければならない。
【0026】
特にプレス表面の構造化の度合を適合させ、特に単純化させるために、第1の画像データセットは、構造化されたプレス表面を形成するために使用される前に、さらに処理し、特にその情報含有量を削減することができる。
【0027】
ベース支持体の表面は、たとえば少なくとも1つの第2の画像データセットを使用し、かつ第1の画像データセットを使用せずに、たとえばデジタルカラープリンタで印刷することができる。この場合において、デジタルカラープリンタは、少なくとも1つの第2の画像データセットを用いて制御される。場合によっては、たとえば少なくとも1つの第2の画像データセットは、表面のプリント前に、少なくとも1つの第2の画像データセットがデジタルカラープリンタに適したカラーチャネルに変換されることにより、さらに処理することができる。
【0028】
ベース支持体の表面は、たとえばカラープリントローラを用いて色付けすることができる。カラープリントローラは、少なくとも第2の画像データセットを使用して、かつ第1の画像データセットを使用せずに、適切に色付け、かつ転写することができる。
【0029】
材料ボードは、たとえば木材材料を有している。材料ボードは、たとえばMDFボードあるいはチップボードである。
【0030】
材料ボードもしくはベース支持体は、たとえばプラスチック材料を有することができる。この材料は、直接プリントする前に、さらに処理することができる。プリント後に、さらに樹脂を塗布することができ、あるは樹脂加工された上塗りと共にプレスすることができる。
【0031】
材料ボードは、構造化された色付けされた表面の他に、他の構造化された色付けされた表面を有することができる。これら2つの構造化された色付けされた表面は、対向して配置されており、かつ等しく重なり合う。他の構造化された色付けされた表面を得るために、以下の処理のステップを実施することができる:
-少なくとも1つの第2の画像データセットから、少なくとも1つの第2の画像データセットを軸対象にミラーリングすることによって、少なくとも1つの第3の画像データセットを生成すること、
-第1の画像データセットを使用せずに、少なくとも1つの第3の画像データセットを使用して、ベース支持体上に他の色付けされた表面を形成することであって、色付けされた表面と他の色付けされた表面が等しく重なり合い、かつ対向して配置されており、かつ、
-構造化された色付けされた表面に対して等しく重なり合い、かつ対向した配置されている、他の構造化された色付けされた表面を有する材料ボードを得るために、他のプレス工具の構造化されたプレス表面を用いてベース支持体の他の色付けされた表面をプレスすることであって、構造化されたプレス表面が、第1の画像データセットに対応づけられているが、プレス工具のプレス表面に関して軸対称であって、構造化された色付けされた表面と他の構造化された色付けされた表面が等しく重なり合っている。
【0032】
本発明の実施例の具体例が添付の図式的な図において示されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】構造化された有色の現物の表面を示す上面図である。
図2】構造化された有色の現物の表面の色付きのデジタル画像を示す上面図である。
図3】色付きのデジタル画像に対応づけられた画像データを示している。
図4】構造化されたプレス表面を有するプレスシートを示している。
図5】材料ボードを示している。
図6】ベース材料ボードを示している。
図7】用紙及び支持体を示している。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、構造化された有色の現物の表面1を上面図で示しており、その現物の表面は、この実施例においては天然の木材の模様に対応づけられている。有色の現物の表面1は、平坦であることができる。
【0035】
構造化された有色の現物の表面1は、特に有色の模様2と構造3を有しており、その構造は、現物の表面1内の低い領域と隆起した領域とから形成されている。
【0036】
図2は、構造化された有色の現物の表面1の色付きのデジタル画像21を示している。
【0037】
色付きのデジタル画像21には、図3に示される画像データ30が対応づけられている。
【0038】
画像データ30から、第1の画像データセット31と少なくとも1つの、この実施例の場合においては、複数の、第2の画像データセット32a、32bが生成される。
【0039】
第1の画像データセット31と第2の画像データセット32a、32bは、それぞれ色付きのデジタル画像21の異なるカラーチャネルに対応づけられている。
【0040】
第1の画像データセット31は、構造化されたプレス表面を有するプレス工具を形成するために用意される。プレス工具は、たとえば図4に示すプレスシート41であって、そのプレスシートが構造化されたプレス表面42を有している。プレス工具は、構造化されたプレス表面を有するエンボスローラであっても、あるいは構造化されたプレス表面を有するエンドレス・ベルトであってもよい。
【0041】
構造化されたプレス表面42は、この実施例の場合においては、第1の画像データセット31に対応づけられており、もしくは第1の画像データセット31を使用し、かつ第2の画像データセット32a、32を使用せずに形成されている。第1の画像データセット31は、プレスシート41もしくはその構造化されたプレス表面42を形成する前に、さらに加工し、特に、たとえばさらに加工された第1の画像データセット33が生じるように、単純化することができる。この実施例の場合においては、さらに加工された第1の画像データセット33は、プレスシート41もしくはそのプレス表面42を形成するために使用される。
【0042】
構造化されたプレス表面42は、唯一の光沢度合又は複数の光沢度合を有することができる。様々な光沢度合は、第1の画像データセット31もしくはさらに加工された第1の画像データセット33に基づいて発生させることができる。
【0043】
構造化されたプレス表面42は、図5に示す材料ボード51を形成するために用意され、この材料ボード51は、構造化された色付けされた表面52を有している。
【0044】
材料ボード51は、たとえばプラスチックから形成されており、あるいは木材材料ボードを有している。
【0045】
構造化された色付けされた表面52を得るために、たとえばまず、図6に示す、ベース支持体の例としての、ベース材料ボード61の重要な表面が、第1の画像データセット31を使用することなく第2の画像データセット32を使用して、ベース材料ボード61が色付けされた表面62を得るように加工される。場合によっては2つの第2の画像データセット32a、32bが、前もってさらに加工され、特に手動でさらに加工されるので、さらに加工された第2の画像データセット34a、34bが生成され、それらがベース材料ボード61上への加工もしくはプリントに使用される。
【0046】
色付けされた表面62を得るために、たとえばデジタルカラープリンタが使用され、あるいはそれに応じて色付けされたカラープリントローラが使用される。場合によっては第2の画像データセット32a、32もしくはさらに加工された第2の画像データセット34a、34bから自動で、デジタルカラープリンタの駆動に適した、画像データセットを形成することができる。
【0047】
次に、この実施例の場合において、ベース材料ボード61の色付けされた表面62に樹脂もしくはプラスチックフィルムが設けられ、構造化された色付けされた表面52を有する材料ボード51が生じるように、プレスシート41もしくはその構造化されたプレス表面42と共にプレスされる。
【0048】
図7は、ベース支持体の他の例として、色付けされた表面72を有する用紙71を示している。色付けされた表面72を得るために、用紙の重要な表面が、第1の画像データセット31を使用せずに、第2の画像データセット32を使用して加工される。場合によっては、2つの第2の画像データセット32a、32bが前もってさらに加工され、特に手動でさらに加工されるので、さらに加工された第2の画像データセット34a、34bが生じ、それらが用紙71上への加工もしくはプリントのために使用される。
【0049】
色付けされた表面72を得るために、たとえばデジタルカラープリンタが使用され、あるいはそれに応じて色付けされたカラープリントローラが使用される。場合によっては、第2の画像データセット32a、32bもしくはさらに加工された第2の画像データセット34a、34bから自動で、デジタルカラープリンタを駆動するのに適した、画像データセットを形成することができる。
【0050】
材料ボード51を得るために、特に用紙71に樹脂が含浸され、次に支持体73と、かつプレスシート41もしくはその構造化されたプレス表面42を使用して、構造化された色付けされた表面52を有する材料ボード51が生じるようにプレスされる。
【0051】
支持体73は、プラスチック材料から形成されており、あるいは木材材料ボードを有している。
【0052】
材料ボード51は、構造化された色付けされた表面52に加えて、他の構造化された色付けされた表面を有することができる。これら2つの構造化された色付けされた表面は、対向して配置され、かつ互いに等しく重なり合う。他の構造化された色付けされた表面を得るために、たとえば、2つの第2の画像データセット(32a、32)を軸対象にミラーリングすることにより、2つの第2の画像データセット(32a、32)から2つの第3の画像データセットを形成することができる。その後、2つの第3の画像データセットを使用して、ベース支持体上に他の色付けされた表面を形成することができ、色付けされた表面と他の色付けされた表面は等しく重なり合い、かつ互いに対向して配置されている。
【0053】
その後、ベース支持体の他の色付けされた表面が、他のプレス工具の構造化されたプレス表面によってプレスされ、それによって他の構造化された色付けされた表面を有する材料ボードが得られる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-03-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、構造化された色付けされた表面を有する、材料ボードを形成する方法関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の例としての適用は、構造化された色付けされた表面を有する材料ボードを形成するシステムに関するものであって、前記システムは、
-第1の画像データセットを使用して形成された、構造化されたプレス表面を有するプレス工具と、
-第1の画像データセットを使用せずに、ベース支持体上に色付けされた表面を形成するために設けられた、少なくとも1つの第2の画像データセットと、を有し、
第1の画像データセットと少なくとも1つの第2の画像データセットは、それぞれ、有色の現物の表面の色付きのデジタル画像の様々なカラーチャネルに対応づけられており、かつプレス工具は、構造化された色付けされた表面を有する材料ボードを得るために、その構造化されたプレス表面を用いてベース支持体の色付けされた表面をプレスするように、構成されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造化された色付けされた表面(52)を有する、材料ボード(51)を形成する方法であって、以下の方法ステップを有する:
-有色の現物の表面(1)の色付きのデジタル画像(21)に対応づけられた、画像データ(30)を準備するステップと、
-画像データ(30)から、それぞれ色付きのデジタル画像(21)の異なるカラーチャネルに対応づけられた、第1の画像データセット(31)と少なくとも1つの第2の画像データセット(32a、32b)を形成するステップと、
-第1の画像データセット(31)を使用しないで、少なくとも1つの第2の画像データセット(32a、32b)を使用してベース支持体(61、71)上に色付けされた表面(62、72)を形成するステップと、かつ
-構造化された色付けされた表面(52)を有する材料ボード(51)を得るために、プレス工具(41)の構造化されたプレス表面(42)を用いて、ベース支持体(61、71)の色付けされた表面(62、72)をプレスするステップと、を有し、
構造化されたプレス表面(42)が、第1の画像データセット(31)を使用して形成されており、したがって第1の画像データセット(31)に対応づけられている、
材料ボードを形成する方法。
【請求項2】
ベース支持体(61、71)上の色付けされた表面(62、72)の形成が、好ましくはデジタルカラープリンタにより、あるいはカラープリントローラを用いた印刷によって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
有色の現物の表面(1)が、構造化された有色の現物の表面である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
現物の表面(1)が、木材の模様又は自然石に、特に構造化された木材の模様又は構造化された自然石に対応づけられている、請求項1から3のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
プレス表面(42)の構造化の度合を適合させ、特に単純化させるために、第1の画像データセット(31)が、構造化されたプレス表面(42)の形成のために使用される前にさらに加工される、請求項1からのうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
プレス表面(42)が、第1の画像データセット(31)を使用して形成された、様々な光沢度合を有している、請求項1からのうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
以下の方法ステップを有する:
-少なくとも1つの第2の画像データセットから、少なくとも1つの第2の画像データセットの軸対象のミラーリングによって、少なくとも1つの第3の画像データセットを形成するステップと、
-第1の画像データセットを使用せずに、少なくとも1つの第3の画像データセットを使用して、ベース支持体上に他の色付けされた表面を形成するステップであって、色付けされた表面と他のカラーの表面が等しく重なり合い、かつ対向して配置されているステップと、
-構造化された色付けされた表面に対して等しく重なり、かつ対向して配置されている、他の構造化された色付けされた表面を有する材料ボードを得るために、他のプレス工具の構造化されたプレス表面を用いて、ベース支持体の他のカラー表面をプレスするステップと、を有し、
構造化されたプレス表面が第1の画像データセットに対応づけられているが、構造化された色付けされた表面と他の構造化された色付けされた表面が等しく重なるように、プレス工具のプレス表面に関して軸対称である、
請求項1からのうちいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】